ホルムズの影と金利の足音、162円台
中東の緊張が原油高を招き、半導体株を冷やした月曜日。米国では物価指標を前に「7月利上げ」の声も浮上し、市場は不透明感に包まれています。きょうの東京も綱渡りの値動きになりそうです。
ホルムズ海峡を巡る米大統領の発言で原油価格が急騰。ガソリン高への懸念とインフレ再燃の警戒が広がり、NY市場はハイテク株を中心に売られました。特にAI・半導体関連の下げが目立ち、SOX指数は5%近い下落です。
この流れは東京でも同じ。前日の日経平均は1315円安と今年最大の下げ幅。その半面、金利上昇を追い風に三菱UFJが時価総額でトヨタを抜き首位に立つなど、景色が静かに塗り替わっています。原油高と金利高——世界は「熱さ」と「冷たさ」を同時にどう織り込むか、試されています。
あすの米消費者物価指数(CPI)が市場の体温計。結果次第で円相場が162円台を大きく動く可能性があり、日銀の政策運営にも影響します。きょうの東京は、様子見ムードのなかでこう着感の強い展開となりそうです。
三菱UFJがトヨタ超え、時価総額で日本一に
13日の東京市場で、三菱UFJフィナンシャル・グループの株価が上昇し、時価総額が約42兆円に達しました。これにより、長く首位だったトヨタ自動車を抜き、国内の時価総額ランキングで1位となりました。
日銀の利上げ観測を背景に銀行株が買われた結果です。金利のある世界では銀行が稼ぎやすくなる、という教科書通りの動きが、企業序列の地図まで変えました。
マネーフォワード、通期の利益予想を下方修正
クラウド会計大手のマネーフォワードが13日、2026年11月期の通期業績予想を引き下げました。人件費や広告費の増加が利益を圧迫するといいます。時価総額は2800億円超です。
成長期待の高いSaaS企業でも、投資を回収する難しさが表面化しつつあります。「攻め」のコストがいつ「重荷」に変わるか、見極めが必要な局面です。
円安は「悪い影響」61%、NHK世論調査
NHKの世論調査で、歴史的な円安が日本経済に「悪い影響がある」と答えた人が61%に上りました。輸入品の値上がりや海外旅行の割高感が暮らしに影を落としていることがうかがえます。
1ドル162円台でも輸出企業の好調ばかりが伝えられますが、生活実感は厳しいまま。このギャップが消費の足を引っ張り続けている構図です。
ビスケットや炭酸も値上げ、包装資材高が波及
包装資材や原材料の高騰を受け、食品メーカー各社は菓子や炭酸飲料などの値上げを相次いで発表しました。7月から9月にかけて、家庭の定番商品にじわじわと広がる見込みです。
値上げの波がとうとう「おやつ」にまで押し寄せています。原油高が包装資材や物流費を押し上げる構造で、当面は家計の「ちょっとした楽しみ」が目減りしそうです。
FRB高官「近いうちの利上げを検討も」
FRBのウォラー理事が13日の講演で、今週発表の消費者物価指数などが予想を上回るようであれば「短期的な利上げを検討する必要がある」と述べました。市場では7月会合での利上げ確率が5割近くに上昇しています。
インフレ鎮火はまだ終わっていない、という高官の本音です。原油高が重なれば、利上げ観測は一気に現実味を帯びます。円相場や日本の金利にも影響必至です。
TSMCの売上高が過去最高、米工場が稼働加速
半導体受託生産の世界最大手、台湾TSMCが13日に発表した6月の売上高は前年同月比68%増と過去最高を記録しました。AI向け需要が引き続き旺盛で、米アリゾナ工場の生産も本格化しています。
半導体株全体が売られるなか、TSMCの好調はAI需要が本物である証拠です。株価と実態がちぐはぐなときほど、本当に強い会社が見えてくる好機でもあります。
米国のガソリン価格、再び1ガロン4ドルへ
イラン情勢の悪化で原油先物が急騰し、米国内のガソリン平均価格が再び1ガロン4ドルに近づく見通しです。フロリダやラスベガスなどで早くも値上がりが報告されています。
米国人の生活実感を左右するガソリン価格。4ドル台に乗せれば、消費マインドが冷え込み、中間選挙を控えた政権への逆風になりかねません。経済と政治が直結する値札です。
AIブームの試金石、データセンター企業がIPOへ
AI向けデータセンターを開発する米企業が新規株式公開(IPO)を計画しています。市場では、巨額の資金調達が実現するかどうかが、AI投資ブームの持続性を占う試金石とみられています。
カネ余りのなかでどれだけ強気の値付けができるかが焦点です。このIPOの成否は、AIを「お祭り」で終わらせない覚悟を、市場が持っているかのリトマス試験紙になります。