ドル円163円、NY株まちまち。週末は中東と日銀にらむ
今週はイラン情勢の緊迫化で原油が急騰し、東京市場は一時2200円超の下げ。週末のNYは原油高が一服しダウは小幅高も、ハイテクにはAI過剰投資への懸念がくすぶった。来週は日米の金融政策会合が控える。
24日の日経平均は前日比1811円安の64,611円。中東リスクで原油先物が跳ね上がり、AI投資の重荷も意識された。ただ、週間では470円高と底堅さも見せた。下げた日に押し目買いを入れる個人の姿が、売買代金の増加からうかがえる。
その夜のNYはまちまち。ダウは235ドル高と3日ぶり反発したが、ナスダックは0.64%安。AI半導体 SOX 指数は4.25%の大幅安で、週初からの調整ムードを引きずった。原油高が一服したのは、イランとの対話を探る思惑が広がったためだ。とはいえ、ホルムズ海峡に目を凝らす船乗りにはまだ見えない平和の白旗。
来週は日銀が28〜29日に金融政策決定会合を開く。円相場は163円台後半と歴史的な円安水準にあり、声明の文言ひとつで為替が揺れる展開は避けられない。米国でもFOMCが開かれる週で、金利の先高感が原油高と絡み合えば、夏相場はさらに荒れ模様になりうる。
コメの在庫が過去最大、それでも値段はまだ高め
農林水産省の調査で、6月末の民間コメ在庫が243万トンと過去最大になった。適正とされる量の1.7倍だ。店頭では4週連続で値下がりし、5キロ3373円まで下がったが、それでも2年前より1000円ほど高い水準だ。
在庫がだぶついても価格が下がりきらないのは、肥料や燃料など生産コストの上昇が底上げしているからです。コメは「余れば安くなる」だけの単純な方程式から抜け出しつつあります。
決済代行「全東信」破綻、飲食店を直撃し官庁が調査
クレジットカード決済の仲介をする「全東信」が経営破綻し、利用していた飲食店に資金が払われない影響が広がっている。経済産業省と金融庁は、この会社の実態や融資した銀行の審査に問題がなかったか調査を始めた。
決済代行は飲食店にとっては売上を現金化するライフライン。目立たないインフラだからこそ、穴が空いたときの傷は深い。消費者の支払いは成立しているのに店に渡らない構造が、システムの死角を浮き彫りにした。
愛媛で地銀2行が統合へ、人口減と金利競争に挑む
いよぎんホールディングスと愛媛銀行が経営統合に向けて基本合意した。人口減少が進む地方では預金や融資先の奪い合いが激しくなっており、金利のある世界で体力を温存するために規模を追求する動きが加速している。
地方銀行の再編はこれまで「弱いところを強いところが助ける」形が多かったが、今回は両行とも健全なまま手を組む。単なる防衛ではなく、地元経済を支える攻めの統合といえます。
PayPayとセブン&アイ、IDを統合し「1億人経済圏」へ
スマホ決済のPayPayとセブン&アイ・ホールディングスが、利用者のIDを一本化する方向で調整に入った。合わせると会員数は延べ1億人を超え、ポイントや購買データを共有すれば巨大な経済圏が生まれる。
これまでは「PayPayで払うとセブンのポイントがつかない」といった分断がありました。統合されれば、消費者は意識せずに二つのサービスを行き来できる。小売と決済の融合は次の段階に入ります。
原油価格、週末に一服。和平思惑が広がる
米国とイランの対話を探る動きがメディアで伝わり、週末の原油先物は値下がりした。1バレル100ドルを超えて推移していたが、供給不安が和らぐとの見方が出た。もっとも、実際の交渉は始まっておらず、楽観は早い。
原油価格は中東のニュースに一喜一憂する展開が続く。夏のドライブシーズンに100ドルを超えるガソリン代が定着するかどうかは、来週以降の地政学の風向きにかかっています。
AIに群がる半導体投資家が急に怖がり始めた
ナスダックが2日続落し、SOX指数は週末に4.25%安と急落。エヌビディアのCEOが個人的な美術館建設に7500万ドルを投じた話題が出る一方で、AI投資の収益化に時間がかかるとの警戒感が広がった。
半導体ブームは「まだ始まったばかり」なのか「もうお腹いっぱい」なのか、市場の見方は割れています。来週はTSMCやAMDの決算発表が控え、こんなに投資して大丈夫なのか、数字で答えが出る場面になりそうです。
エヌビディアとMS、米政府に「AI規制は広げすぎるな」
エヌビディアとマイクロソフトが、オープンなAIモデルに広範な輸出規制をかけるべきではないと米政府に要請した。自社製品の販路が狭まるのを避けたい本音に加え、中国などへの過度な技術流出を防ぐバランスも求めた。
AIは国の安全保障とビジネスの板挟みになりやすい領域。このロビー活動は、ハイテク企業が単なる政府の規制対象ではなく、ルールメイキングのプレイヤーに変わってきた証拠でもあります。
フォルクスワーゲン、上半期利益35%減。中国逆風
ドイツのフォルクスワーゲンが発表した上半期決算は、最終利益が前年同期比で35%超の減益。中国市場で地場EVメーカーにシェアを奪われたことが主因で、世界販売台数も減少した。
VWの減速は「欧州の内燃機関メーカーが中国EV戦争で苦しんでいる」構図を象徴しています。ブランド力だけで売れた時代の終わりは、日本の完成車メーカーにとっても対岸の火事では済みません。
コメ在庫が過去最大でも価格が下がらない構造
6月末の民間コメ在庫が243万トンと過去最大になった。
適正とされる量の1.7倍だ。
それでも店頭の価格は5キロ3373円と、2年前より1000円ほど高い。
先週の紙面ではコメ価格は3週連続で下落と報じた。
今週は4週連続に伸びたが、下がり方は鈍い。
在庫がだぶつけば値崩れするという経験則は、どうやら通用しなくなっている。
肥料や燃料など生産コストの上昇が、価格の底を押し上げているからだ。
先月の輸入肉の値段が過去最高を記録したのも同じ構造である。
円安が輸入飼料や資材を高くし、それが小売価格に転嫁される流れだ。
つまり、いま食料品で起きているのは単なる需給の緩みではない。
生産から流通までの全段階で、コストが構造的に上がっている。
余っても安くできない商品が、じわりと増えているのである。
生活者は在庫過多という言葉に騙されてはいけない。
安くなるはずのものが安くならないなら、家計のやりくりは一段と厳しくなる。
日銀の政策や為替を見るだけでは、スーパーのレジは読み解けなくなってきたと筆者はみる。