SOX4%安も原油は急反落、週明けは日銀とFRBの「二正面」
先週末、半導体株が売られる一方で原油相場は米国とイランの緊張緩和から急落しました。きょうから日米の中央銀行が会合を開き、歴史的な円安とインフレ再燃リスクが交錯します。
先週末の東京市場は、半導体SOX指数の4%超の下げを嫌気してほぼ全面安。日経平均は1800円超も下げて、6万5000円を割り込みました。ところが週明けにかけて雲行きが変わります。米国がイランへの攻撃を一時停止したと伝わり、週末に1バレル100ドルを超えていた原油が5%以上も急反落。中東リスクが少し遠のいた形です。
株価は「原油高でインフレ再来→金利上昇→ハイテク株安」という流れで売られてきましたから、原油安はとりあえずのガス抜きです。NYダウは小幅高、S&P500もほぼ横ばいで引けました。ただし半導体の弱さは尾を引いており、NASDAQは続落。特にAI向けメモリーで沸いていた韓国市場の動揺が東京にも波及しそうです。
きょうから日銀、あすからはFRBの会合です。円相場が1ドル163円台と歴史的な安値圏にあるなか、日銀がどこまで追加利上げに踏み込むのか。一方FRBは、原油高で再燃したインフレとどう向き合うか。両会合の結果が週半ばに出そろうまでは、大きくは動きにくい相場になりそうです。
日銀、きょうから会合。利上げの「間」をどう読むか
日銀はきょうから2日間、金融政策決定会合を開きます。先月に続いて政策金利は据え置き、追加の利上げは見送るとみられています。焦点は、歴史的な円安と物価高への認識です。
1ドル163円でも動かないのか、それとも動けないのか。政策の継続性を強調しつつ、円安への不快感をどう示すかが、午後の会見の注目点です。
米グーグルへの制裁金、EUから1600億円
EUが米グーグルに対し、日本円で1600億円余りの制裁金を科しました。検索エンジン市場での自社サービス優遇が独占禁止法に違反したと判断したためです。トランプ米大統領は報復関税を示唆しています。
IT大手への規制は欧州だけでなく、日本でも監視が強まっています。自由だった「検索の広場」が、ルールで区切られる局面に入ってきました。
東京のオフィスに「共用ラウンジ」設置で賃料7%上昇
都心のオフィスビルで、入居者全員が使える共用ラウンジを設ける動きが広がっています。これにより賃料が平均7%以上も上がった事例が出てきました。
出社とリモートの中間を埋める「サードプレイス」の需要が、オフィスの価値を押し上げ始めています。ビルの選ばれ方も変わりそうです。
米国産ジャガイモ、輸入解禁へ一歩。産地は警戒
農林水産省が、米国産の生のジャガイモの輸入解禁に向けたリスク評価を進めています。ポテトチップスなどの加工用に需要が見込まれますが、国内産地からは病害虫の持ち込みへの懸念が根強いです。
食の安全と貿易自由化のバランスが問われる話。スーパーで買えるジャガイモの産地表記が、数年後には少し変わるかもしれません。
FRB、利上げか据え置きか。原油高の扱いで意見割れる
FRBは28日から2日間の会合です。イラン情勢を受けた原油高でインフレ再燃が警戒される一方、米経済の減速サインも出始めており、金融政策の判断が難しくなっています。市場では据え置き予想が有力ですが、一部に「3年ぶり利上げ」の観測もあります。
物価の番人であるFRBが、戦争リスクという外的要因にどう反応するか。結果次第でドルの強さが変わり、日本の円安圧力にも波及します。
イランとの攻撃停止で原油が5%超の急落
米国がイランへの軍事攻撃を一時停止したとの報道で、原油先物価格が1バレルあたり数ドル下落。週末に100ドルに迫った水準から急反落し、航空燃料などへの波及懸念が和らぎました。
中東地政学リスクの微妙な緩和が、世界のインフレ懸念を一瞬で後退させました。原油高の「痛み止め」が効くかは、なお予断を許しません。
TSMCの2nm量産、月2万枚で好発進。3nm超えも
台湾TSMCの次世代2ナノメートル半導体の製造が本格化しました。一工場で既に月2万枚の生産能力に達し、需要の強さから3nm世代を超える可能性も指摘されています。
「微細化の終わり」と言われて久しい半導体の世界ですが、まだ前へ進んでいます。AI需要に支えられた技術競争は、投資の続くサインでもあります。
米国で高配当ETFがS&P500を上回る。守りの年か
2026年に入り、高配当株で構成されるETF「SCHD」のパフォーマンスがS&P500を上回っています。金利上昇と景気減速をにらみ、投資家が安定収益を求め始めた兆候とみられます。
成長株全盛の相場から、配当という「確かな手応え」へ資金が動き始めた可能性があります。守りの銘柄への目配りが効く局面かもしれません。
二つの中央銀行と原油の潮目
週明けの市場は、半導体株の急落と原油相場の急反落という、二つの異なるベクトルを抱えて始まる。先週末、SOX指数は4%超の下げを記録し、AIバブルへの警戒がいよいよ本格化した。一方で、イラン情勢の緊張緩和を受けた原油の5%超の下落は、世界のインフレ懸念に一瞬の猶予を与えた。きょうから開かれる日銀とFRBの会合が、これらの動きにどう向き合うかが焦点となる。
このところの原油相場は、中東の地政学リスクに振り回されてきた。7月に入り、ホルムズ海峡の緊張が高まるたびに原油価格は跳ね上がり、一時は100ドル台に迫った。米国のガソリン価格も再び1ガロン4ドル台に上昇し、生活者の実感を直撃していた。先週末の急落は、米国とイランの攻撃停止というニュースがきっかけだ。一時的な停戦に過ぎないとしても、原油高の「痛み止め」が効くかどうかは、中央銀行の姿勢を左右する。
FRBは、原油高によるインフレ再燃と景気減速シグナルの板挟みにある。7月半ばには「近いうちの利上げを検討」との高官発言が飛び出し、市場は身構えた。だが、直後に発表された米国の物価指標には一服感も見られ、先週のナスダックは2%超の下落を演じた。つまり、FRBは「利上げして物価を抑える」という伝統的な役割だけでなく、「利上げすれば景気を冷やしすぎる」ジレンマに直面している。ここに原油の潮目が加わる。もし地政学リスクが後退すれば、FRBは利上げを急がないかもしれない。その計算が、きょうからの会合でにじみ出る。
日銀もまた、異なるベクトルに悩む。1ドル163円台という歴史的な円安は、輸入物価を通じて家計を圧迫している。NHKの世論調査では「円安は悪い影響」との回答が61%に達し、生活者の不満は頂点に近い。日銀は先月に続き、今回も政策金利を据え置くとみられるが、円安への不快感をどう示すかが午後の会見の注目点だ。しかし、利上げは国内の景気を腰折れさせる恐れがあり、簡単には踏み出せない。「動けないのか、動かないのか」という問いが、再び市場を試す。
この二つの会合を貫く線は、中央銀行がかつてないほど「外部要因」に左右されていることだ。F…