日経平均6万7524円、半導体の勢いと159円台
東京市場は半導体関連の買い戻しで日経平均が2%高。夜のNYでもAI銘柄が反発し、SOX指数は2.5%上昇。ドル円は159円台前半。円安と半導体の好調が今朝の流れを作っています。
昨日の東京市場は、半導体関連の買い戻しで日経平均がおよそ2%高の6万6970円。今朝の先物は6万8000円台に乗せてきました。半導体の好調は海を渡り、昨夜のNYではAI関連企業の決算が好感され、SOX指数は2.49%高。値下がりしたNYダウとは対照的に、技術株が相場を引っ張る構図です。
ドル円は159.39円と、この5日間の高値圏。日銀の追加利上げ観測がくすぶる中でも、円の弱さは続いています。米国のインフレ鈍化で利上げ観測が後退し、金利差が意識された形です。市場は「半導体に強気、円には弱気」というねじれを抱えたまま、きょうの東京市場を迎えます。
きょうは、米国のインフレ指標が落ち着いた流れを引き継げるかが焦点。東京では、昨日の高値を更新できる日経平均が、円安の追い風を受けてどこまで上値を追うか。6万8000円の節目を超えてくれば、次の1万円刻みが見えてきます。
日銀の追加利上げ、市場は「遅い」から「速い」へ
日銀の姿勢に対する市場の見方が、大きく変わってきました。これまで「後手に回っている」との批判が多かった植田総裁ですが、最近の発言を受けて、9月の追加利上げを織り込む動きが急速に進んでいます。金利先物から計算される利上げの確率は、夏前から大きく上昇しました。
これまで慎重すぎると思われていた日銀が、一気に前のめりに見える瞬間です。家庭の借金や住宅ローンの金利に跳ねる可能性を、頭の片隅に置いておくのは悪くありません。
光通信の子会社、上場廃止でも開示は続ける事情
光通信は、上場廃止になった子会社エフティグループの決算を公表しました。上場しなくなれば情報公開の義務は薄れますが、親会社として投資家への透明性を保つ狙いとみられます。エフティグループは光通信の連結対象で、業績への影響は軽視できません。
上場廃止は、株主からすれば情報が閉ざされる不安を伴います。親会社が自主的に開示を続けるのは、グループ全体への信頼を守るための企業努力です。
ソリトンとコンバム、中小企業の増配が続く
8月12日、ソリトンシステムズとコンバムが業績予想と配当予想の上方修正を発表しました。ソリトンは期末配当の増配、コンバムも増配をあわせて公表しています。両社とも小型株ですが、株主還元を強化する姿勢を示しました。
大手だけでなく、中小企業も配当を増やす流れが続いています。株主との距離が近い会社ほど、増配は経営の自信の表れと読めます。
23時間取引が当たり前に、日本の昼も米国株
ネット証券5社が、米国株の取引時間を広げる対応を進めています。これまで夜間中心だった米国株の売買が、日本の昼間もできるようになります。特にテック株への関心が高く、投資家の層が広がりそうです。
国境と時差が、投資の壁ではなくなってきました。株をやらない人も、昼休みに米国株の値動きが話題になる時代が近づいています。
AI企業コアウィーブ、市場を救う決算
AI向けデータセンターを運営するコアウィーブが、市場予想を上回る決算を発表しました。これを受けて、前日まで売られていたAI関連株が一斉に反発。S&P500とナスダックが上昇し、SOX指数は2.49%高と大きく値を戻しました。
AIブームの持続力に疑問符が付き始めた矢先の好決算。投資家は「AIはまだ成長する」と再び信じ始めました。
ホルムズ海峡の主導権争い、ガソリン価格が最高値に
トランプ米大統領が、ホルムズ海峡の管理権を主張しました。原油の大動脈である海峡をめぐる緊張が高まり、米国のガソリン価格は過去最高を記録。エネルギー価格の上昇が家計に重くのしかかっています。
中東の地政学リスクは、スーパーのレジ袋より早く生活費を直撃します。今週後半の原油価格の動きは、年末の物価を占う試金石です。
米インフレ鈍化、利上げ観測後退で株高
米国の消費者物価指数の伸びが市場予想を下回りました。これを受けて、追加利上げの可能性が後退し、株式市場では買いが優勢になりました。特に金利に敏感なハイテク株が上昇し、ナスダックが0.54%高となりました。
インフレが落ち着けば、中央銀行は金利を上げる理由を失います。お金が借りやすくなる期待が、株価を押し上げる古典的な構図です。
原油高がもたらす「意外な勝者」、銀鉱山
パン・アメリカン・シルバーが2026年第2四半期の決算を発表しました。原油価格の高止まりを受けて、インフレヘッジとしての銀需要が高まり、業績は堅調です。銀は工業用需要も多く、エネルギー価格と連動しやすい側面があります。
原油高は困りものですが、資源国や鉱山会社には追い風です。相場はいつも、誰かの損が誰かの得になるゼロサムの世界です。
日銀が「速い」に振れた日の市場地図
日経平均が6万7524円まで戻り、半導体関連の買い戻しが目立った。夜のニューヨークでは、AI向けデータセンターを運営するコアウィーブの決算が市場予想を上回り、売られていたAI銘柄が一斉に反発した。SOX指数は2.5%上がった。円は159円台前半。円安と半導体の好調が、今朝の数字を支えている。
この一週間、半導体は揺れていた。先週の8月10日にはSOX指数が2.5%上がり、翌11日には2.9%下がった。中東の地政学リスクとAI投資への不信が、買い戻しと売りを交互に呼んでいた。それが、たった一つの好決算で、再び「AIはまだ成長する」という語りに戻った。コアウィーブという単一企業の数字が、市場全体の地図を塗り替えた格好である。
この塗り替えと同時進行で、日銀の見え方も変わっている。今朝の一面に「日銀の追加利上げ、市場は『遅い』から『速い』へ」とある。先週あたりまでは慎重派と見られていた植田総裁だが、今は9月の追加利上げを織り込む動きが急速だ。円安が続く中で、輸入物価を通じた家計への負担を無視できなくなったと読むのが自然だろう。ホルムズ海峡の緊張で原油も上がっており、中央銀行が傍観を決め込める余裕はない。
つまり、半導体の戻りと円安は、同じ方向を向いている。東京市場にとっては、円安が輸出企業の追い風になり、半導体の世界的な需要回復がそこに重なる。日銀が利上げに動けば円は買い戻されるはずだが、今のところ市場は、利上げの織り込みと半導体の買いを両立させている。
この二つは、長くは同居できない。利上げが進めば、円高が進み、輸出企業の採算は悪くなる。だが、日銀が動かない限り、円安と株高の組み合わせは、しばらく維持されるかもしれない。どちらにせよ、日本の家計は、輸入品の高さと金利上昇の板挟みになる。市場が「速い」と言い始めた中央銀行の足音を、我々は生活の物価で確かめることになる。