NYダウ517ドル反発も、3指数とも1週間で下落
昨夜のNY市場は反発したものの、1週間では三大指数すべてが下落。米国の金利上昇とイラン情勢が重しでした。東京も先週末から下落し、今週は世界的に調整色の強い5日間でした。
今週の世界市場をひと言でいうなら「金利の夏風邪」。米国の長期金利が上がり、株には重しでした。昨夜はNYダウが517ドル高と元気を取り戻しましたが、週間ではダウ、S&P 500、NASDAQの三つとも下落。金利上昇への警戒が、反発してもなお残っています。
その背景は、アメリカの借金の重さとイラン情勢の二つ。米財務省は借金の利払いを抑えようと長期国債の買い戻しを増やしましたが、それでも金利は下がらず、市場は「火遊び」と皮肉っています。原油も94ドル台に乗せ、ガソリン価格の上昇が家計に迫る構図です。
来週は、この風邪が治るかどうかの見極めどころ。26日にはエヌビディアの決算と、アメリカの重要なインフレ指標の発表が控えています。金利が一段と上がるのか、それとも株が持ちこたえるのか。日曜の夜に備えて、米国債の利回りをちらりと見ておくと、月曜の朝が少し楽しみになるかもしれません。
昭和ホールディングス、株価が前日比66%安の急落
8月21日の東京市場で、昭和ホールディングスの株価が前日比66.67%安で取引を終えました。前日まで急騰していた反動で、一気に売りが膨らんだ形です。東証プライム市場で値下がり率トップとなり、投資家の間に動揺が広がりました。
短期間に大きく上がった株ほど、反動も大きくなる好例です。話題の株に「乗り遅れたくない」と思うほど、足元が熱くなるのがマーケット。値動きの激しい銘柄からは、目で追いかける以上の距離感が無難です。
中小型株が急騰、ANAPが44%高の個人熱狂
同じ日、東証グロース市場ではANAPホールディングスが44.25%高、Def consultingが34.62%高、WIZEが22.73%高と、小型株の一角が急騰しました。個人投資家の資金が集中し、短期売買が過熱した格好です。
市場全体が上値の重い時は、大きな材料を待つより小さな値動きが面白いと映るのは自然な心理です。ただ、急騰は材料が何かを知らない人も参加しがち。熱気の理由を説明できないうちは、観客席で十分という見方もあります。
今週の日経平均、3週ぶり反落。金利上昇が重荷に
今週の日経平均は3週ぶりに反落しました。世界的な金利上昇への警戒感が続き、買い手が慎重になっています。直近5営業日の高値は69220円、安値は65326円で、今週は振れ幅の大きい展開でした。
世界的に金利が上がると、企業の借金コストが増える懸念から株が買われにくくなります。日経平均が上値を伸ばせなかったのは、日本だけの問題ではなく、世界共通の警戒感が伝わったとみるのが自然です。
リクルート、AI活用で企業評価に変化の兆し
リクルートがAIを活用したサービス展開を進める中、株式市場の評価が高まりをみせています。同社の業績と将来性を分析する日本経済新聞の企業収益シリーズでは、AI活用が評価アップにつながっていると指摘しました。
AIという言葉が目新しくなくなった今、投資家は「どこでどう儲けるか」まで見ています。人材紹介とAIの相性の良さは、決算説明会の数字だけでなく、求人広告や手数料の変化に表れてくるポイントです。
NY市場は反発も、今週は3指数ともマイナス
8月21日のニューヨーク株式市場は、主要3指数がそろって反発しました。NYダウは517ドル高、S&P 500は0.43%高、NASDAQは0.43%高。経済指標が好感されたためです。ただ、週間では3指数すべてが下落し、3週間ぶりのマイナス。米国の金利上昇が重荷となっています。
1日の反発はあっても、週足では下落というのが今週の米国株。長い目で見れば金利が株価を決める場面もある、ということです。金利の上がる日には株が売られ、下がれば買われる関係が当面続きそうです。
イラン制裁強化で原油94ドル台、ガソリン高へ
アメリカがイランへの新たな経済制裁を準備する中、原油価格が94ドル台に上昇しました。市場では、原油価格の上昇がガソリン価格を押し上げ、実質的な増税のような効果をもたらすと警戒されています。
原油が上がると、家計の車や暖房のコストが増えます。企業の仕入れ値も上がるため、広く物価を押し上げる要因に。地政学リスクは、遠い国のニュースで終わらず、近所のガソリンスタンドまで響いてきます。
米国債買い戻し増額も、金利上昇は止まらず
アメリカ財務省が長期国債の買い戻しを増やしましたが、市場金利は上昇を続けています。市場では、金融緩和にも似た政策がドル安を招く「火遊び」になりかねないとの声も出ています。
国債を買い戻すと金利が下がるはずですが、市場は別の要因で売りを進めました。中央銀行でなく財務省が金利を抑える試みは、そもそも利上げ局面では逆効果の面も。為替と金利の綱引きはますます難しくなっています。
ビットコイン8万ドル接近、株高と歩調
ニューヨーク市場で株式が上昇する一方、ビットコインが8万ドル近くまで上昇しました。仮想通貨市場にもリスクを取る動きが戻ってきていることになります。
ビットコインと株式が同じ方向に動く日は、投資家の「リスク資産」に集まるお金が増えた日。金利上昇の逆風でも、目先のリスクを取る強気派がまだ一定数いることの証拠です。
値上がり株の午後
八月二十一日の東京市場で、昭和ホールディングスという銘柄が前日比六六・六七パーセント安で取引を終えた。前日までの急騰の反動である。同じ日、東証グロース市場ではANAPホールディングスが四四・二五パーセント高、Def consultingが三四・六二パーセント高、WIZEが二二・七三パーセント高と、小型株の一角が急騰した。市場全体の上値が重いなかで、短期売買の熱が一点に集まった格好だ。
今週の紙面を振り返ると、こうした値動きの荒い銘柄は繰り返し登場している。八月十一日にはWaqooという銘柄が二五パーセント高、十八日には日本精蝋が三二パーセント超の急伸。いずれも「材料は何か」と見出しが問うている。材料の説明が追いつかないまま、株価だけが先に動く。
この二週間、市場を支配してきたのは米国の長期金利の上昇である。十八日には日本の長期金利も二・九三パーセントと二十九年十カ月ぶりの高水準をつけ、金利の上昇が株価の重荷になっている。だが、指数全体が膠着するときほど、小さな値動きに資金が集まりやすい。個人投資家の資金が、流動性の高い小型株や話題性のある銘柄へと向かう。
筆者は、この熱気を単なる思惑と断じる気にはなれない。むしろ「乗り遅れたくない」という心理が、売買を加速させている。急騰した翌日に六六パーセント安という現実は、参加者に短い時間軸を強いている。この奔流がいつまで続くかは、米国の金利が決める。
金利の上昇が一服すれば、指数全体が動き出し、資金は小型株から離れるかもしれない。逆に金利がさらに上がれば、個別株の熱は細る。どちらにせよ、値動きの激しい銘柄からは距離を置くのが、生活者としての正しい姿勢だ。