マクロ海外2026年7月29日 (水)
原油急騰、中東緊張再燃で3%超上昇 日本への波及リスク
中東での新たな攻撃と米国在庫減少で原油が急騰。日本ではガソリン高・インフレ懸念が再燃し、日銀政策にも影響を与える可能性がある。
原油価格が再び急騰しています。中東でイランと米国の軍事衝突が再燃し、さらに米国の原油在庫が減少したことが背景です。29日にはブレント原油が1バレル87ドル台まで上昇し、前日比3%超の上げ幅を記録しました。この動きは、物価や企業業績を通じて日本経済にも大きな影響を与えるとみられます。
何が起きた
中東時間28日から29日にかけて、米軍がイラン関連とみられる拠点への攻撃を再開しました。イラク国内の親イラン武装組織への空爆やミサイル発射が報じられ、地政学リスクが急激に高まっています。
これを受けてブレント原油は一時87.5ドルまで上昇。WTIも84ドル台を回復しました。米国石油協会(API)が発表した週間在庫統計でも、原油在庫が市場予想を上回る減少を示し、需給引き締め懸念も加わりました。
今回の急騰は、7月27日まで続いていた下落トレンドを完全に反転させる動きです。停戦期待で一時は80ドルを割り込んでいましたが、一転して緊張が再燃しました。
そもそも
- •中東地域は世界の石油供給の約3割を占める。ホルムズ海峡の封鎖リスクが高まると価格が跳ね上がる
- •米国は中東に軍を増派しており、イランとの偶発的な衝突が繰り返されている
- •日本は原油のほぼ全量を輸入に依存。ガソリン・灯油などの燃料価格に直結する
- •日銀は物価目標2%達成を目指すが、原油高はコストプッシュ型のインフレを招く
数字で見る
- •3.2% — 29日午前のブレント原油の上昇率。一時87.5ドルをつけた
- •200万バレル — APIが発表した週間原油在庫の減少幅。市場予想の100万バレルを上回る
- •1ドル=155円 — 29日午後のドル円相場。原油高で円安圧力も強まっている
なぜ重要か
- •中東の地政学リスクが「買い材料」から「現実の供給途絶リスク」に変わった
- •停戦期待で売られていたショートポジションの買い戻しが急騰を加速させた
- •日本は輸入国なので、原油高は交易条件悪化とインフレのダブルパンチになる
今回の原油急騰は、日米の金融政策を巡る不確実性に新たな要素を加えました。日銀は物価見通しを上方修正する可能性が高まり、利上げ時期が前倒しされるシナリオも浮上しています。投資家はエネルギー関連株の動向とともに、今夜のFOMCやビッグテック決算にも注目する必要があります。
この先
- •27日朝のFOMC結果とパウエル議長の発言で、金融政策と原油高への対応が見えるか
- •中東情勢のさらなる悪化:イランがホルムズ海峡封鎖に踏み切れば、原油は90ドル超も
- •日本のガソリン価格の動向:平均180円を超えると、個人消費に影響が出始める
3行まとめ
- •中東再燃で原油が3%超急騰、地政学リスクが再浮上
- •日本は輸入依存度が高く、燃料高・インフレ懸念が強まる
- •今夜のFOMCとビッグテック決算が次の焦点に
出典 (一次情報)
- 海外報道Oil Prices Surge on Fresh Middle East Strikes and API Crude Draw - Crude Oil Prices Today | OilPrice.com
- 海外報道Crude prices climb over 4% as renewed Middle East tensions, inventory draw fuel supply fears - The Times of India
- 海外報道Gold rises as Fed holds rates steady, but gains capped by surge in oil prices - Investing.com
2026年7月29日 (水) のほかのニュース
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