半導体に一服の冷や水、SOX2%安
15日のNY市場で半導体株が売られSOX指数は2%下落。連日のAI人気に一息つく格好です。一方、米銀の好決算やインフレ鈍化でダウは3日続伸。東京市場はきょう、半導体と銀行の綱引きになりそうです。
前日1000円超の上昇で6万8700円台に乗せた日経平均。半導体需要への期待が相場を押し上げました。ところがその夜、米国で半導体の主要指数SOXが2%下落。一転、冷や水を浴びせられました。
きっかけは半導体製造装置大手ASMLの値上げ報道です。これが取引先のTSMCなどに響き、「半導体は高すぎる」との見方が広がりました。でも、ASMLが値上げできるのはそれだけ必要とされている証拠。長期の流れが崩れたわけではなさそうです。
一方で米銀行の決算は絶好調。未曽有の利益を上げる金融株に資金が向かい、S&P500は最高値まであと0.5%。きょうの東京は、半導体の下げをどう消化するか。SOX2%安を「一服」と見るか「転機」と見るか、市場の地合いが問われそうです。
投資の神様バフェット、市場を「カジノ」と警告
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、現在の株式市場を「誰もがギャンブルを好むカジノと化した」と警告しました。短期的な売買が過熱し、本来の企業価値からかけ離れた株価変動が問題だと指摘。長期的な視点の重要性を改めて説く形です。
世界的な株高の陰で、実体経済と株価の乖離を懸念する声が増えています。バフェット氏の言葉は、目先の値動きに一喜一憂するのは危険という警鐘です。
ニチレイのサイバー攻撃、外食チェーンに欠品の波
冷凍食品大手ニチレイがサイバー攻撃を受け、システム障害が発生。ケンタッキーフライドチキンなど外食チェーンで食材の納入遅れや品切れが起きています。復旧のめどは立っておらず、他社にも影響が拡大する構えです。
食品物流の要が狙われた形です。サイバー攻撃の影響は工場の操業停止だけでなく、消費者の食卓に直結する時代。企業も生活者も「まさか」に備える必要がありそうです。
年金積立金の見直し論、運用に変化の予感
公的年金を運用するGPIFの在り方について、政府内で見直しの議論が始まりました。運用の多様化や、よりリスクを取るべきとの意見が出ています。いまは日本株や債券が中心ですが、将来の年金額に影響するだけに注目されています。
年金運用が変われば、巨額マネーの流れが変わります。ただ、「増やそう」の裏には「減るかもしれない」リスクも。私たちの老後は、市場の波にさらされる度合いを強めるかもしれません。
日銀、マイナス金利導入は「薄氷の5対4」
日銀が10年前の会合議事録を公開し、2016年のマイナス金利導入が賛成5・反対4の僅差だったことが明らかになりました。黒田総裁が反対を押し切る形で、政策の副作用を心配する声も多かった様子がうかがえます。
異次元緩和の出発点は、実は組織内でも大論争でした。いまの金融政策を考えるうえで、当時の「痛み」を知ることは無駄ではなさそうです。
エヌビディアCEO、苦境を救ったセガの500万ドルに感謝
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが来日。イベントで「経営危機のときセガが出資してくれた500万ドルがなければ今のエヌビディアはなかった」と語りました。当時はゲーム機向け半導体で失敗。そのピンチを救ったのが日本のゲーム会社セガでした。
いまや時価総額世界トップクラスのAI巨人にも、土壇場で助けた日本の縁がありました。大企業の陰に、ささやかだけど熱いドラマがあります。
AI用メモリーの会社に4.3兆円が集まった
韓国SKハイニックスが米ナスダック市場に上場し、約4.3兆円を調達しました。AI向けの高性能メモリー半導体で世界をリードする会社です。この資金で生産能力を大幅に増強します。
世界のマネーが「AIに必要な物理的な部品」に殺到しています。4.3兆円という数字は、AIブームが一過性でないと見る投資家の本気度の表れです。
スペースX株、IPO価格を割り込む
昨年末に上場した宇宙開発企業スペースXの株価が、一時的に公開価格を下回りました。ピーク時の時価総額から200兆円が消えた計算です。背景には通信事業の収益化遅れや、イーロン・マスク氏の政治発言への懸念があるとみられます。
夢のある宇宙ビジネスも、結局は「収益」という重力に引かれます。上場で夢が現実と向き合う瞬間ですが、宇宙開発への期待そのものがしぼんだわけではありません。
米銀、空前の利益 その陰にスペースXの乱高下
米大手銀行が軒並み4割増益の好決算。この利益を支えたのが、スペースX株の乱高下に伴う「特需」です。投資家の売買が急増し、手数料収入が跳ね上がりました。銀行株は最高値を更新しています。
金融の世界は「誰かが困ると誰かが儲かる」仕組み。株の乱高下は投資家には痛手ですが、銀行には恵みの雨になります。この構造を知っておくと、決算の読み方が深まります。
カジノと化す市場、バフェットの警鐘
「誰もがギャンブルを好むカジノと化した」。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が現在の株式市場をこう断じた。短期的な売買が過熱し、企業価値から株価が遊離しているというのだ。
今月あたまの紙面は「復活の半導体、日経は6万8557円」と報じた。先週は「米銀、空前の利益」を伝え、スペースX株の乱高下が銀行の手数料収入を押し上げたと書いた。株の上げ下げで儲かる構図は、もはや当たり前になっている。
一方、今朝の紙面は「半導体に一服の冷や水、SOX2%安」。連日のAI人気に息継ぎが入った格好だ。しかし、この一服もまた、短期的な売り買いの材料に過ぎない。バフェット氏の警告は、こうした値動きに一喜一憂する風潮への異議だろう。
市場がカジノ化する背景には、マネーの余剰がある。先週は「投資信託への流入が過去最高12.5兆円」とも報じた。新NISAで個人の資金が雪崩れ込み、値動きに敏感な層が厚くなった。AIや宇宙といった夢のある銘柄に、根拠の薄い期待だけで金が集まれば、実体との乖離は拡がる。
バフェット氏の警鐘が正しいなら、潮目が変わる時も遠くない。目先の材料に踊るほど危うさは増す。生活者にとっては、年金の運用や投資信託の値動きが他人事でなくなってきた。値幅を追うより、地味でも実体のある企業を見極める目を磨くしかないと筆者はみる。