イラン緊迫と半導体売り、162円台で交錯する朝
16日の東京市場は日経平均が1900円超の下落。夜間の米国市場でもハイテク株が売られ、SOX指数は4%超の下げ。イラン情勢の緊迫化が原油高とインフレ再燃の懸念を呼び、投資家の心理を冷やしている。
きのうの東京市場は、半導体株への利益確定売りが広がり、日経平均は一時2200円超の下落。引け際にはやや戻したものの、それでも1900円あまりの下落で6万6835円。前日の半導体ラリーの反動が、予想以上に大きいかたちになりました。
夜間の米国市場もこの流れを引き継ぎ、SOX指数が4%超の下落。TSMCの決算が過去最高益であっても、設備投資の先行きへの懸念や、イラン情勢の緊迫化が原油高を通じてインフレを再燃させるとの見方が、ハイテク株の重荷に。為替は162円台前半で、大きくは動いていませんでしたが、原油高が円の支えになるかは微妙なところです。
きょうの東京市場は、この「イランと半導体」の二つのテーマを引き継ぎます。朝方にはTSMCの米国追加投資1000億ドルという明るい話題も出てきましたが、目先は「イラン発の原油高がどこまで続くか」が、東京の半導体株に再び火がつくかどうかの試金石になりそうです。
夫婦共働きの家計にも影、生活者の9割が「1年後物価高」と回答
日銀が16日に発表した6月の生活意識調査で、1年後の物価が「上がる」と答えた人の割合が90.4%に達し、2006年の調査開始以来の過去最高を更新した。イラン情勢の緊迫による原油高や円安基調が、生活者の実感にまで浸透している様子が見て取れる。
「物価が上がる」という肌感覚が、賃上げの実感を上回ってしまうと、消費マインドの冷え込みにつながりかねません。夏のボーナス後の財布のひもを占う重要なサインです。
冷凍食品の倉庫が止まった、ニチレイのサイバー攻撃、なお物流に影
冷凍食品大手ニチレイが16日に受けたサイバー攻撃の影響で、一部の倉庫や工場が操業を停止。17日には安全が確認された拠点から業務を再開する予定だが、他社製品の保管・配送も手がける物流の中核企業だけに、コンビニや外食チェーンへの影響が懸念されている。
食品物流の「動脈」が詰まると、消費者に届く商品の品薄や値上がりとして跳ね返ります。食卓の「いつも」が変わり始めたら、このニュースを思い出してください。
「2040年の体」をAIが作る? 国産AIノエトラ、エヌビディアの最新脳を導入
国産AIの開発を目指す新会社「ノエトラ」が、米国エヌビディアの最新半導体を搭載した次世代システムを導入すると発表した。ロボットが自分で考えて動く「フィジカルAI」の基盤開発を加速させ、2040年を見据えた技術競争に参入する構えだ。
AIが「考える」から「動く」に進むと、工場や物流、介護の現場が激変します。日本がその土台づくりでどこまで存在感を示せるか、最初の一歩です。
軽トラ29万台リコール、ダイハツ「エンジンがかからない」
ダイハツ工業が「ハイゼットトラック」など軽トラ3車種、計29万台のリコールを届け出た。バッテリー部品の不具合で、最悪の場合エンジンが始動しなくなる恐れがあるという。対象は2019年から2025年に生産されたモデル。
農業や建設の「足」である軽トラのリコールは、意外と経済の隅々に響きます。夏場の繁忙期だけに、点検の混雑や仕事の遅れにも注意が必要です。
TSMC、アリゾナに追加1000億ドル それでも株は売られた
半導体受託生産世界最大手のTSMCが、米国アリゾナ州に1000億ドル(約16兆円)を追加投資する方針を明らかにした。最先端のAI半導体の需要増に対応する。しかし、16日の米国市場では、設備投資の負担増やイラン情勢によるインフレ懸念が重荷となり、TSMC株を含む半導体株は軒並み下落した。
巨額投資という吉報よりも、戦争リスクと金利上昇の悪材料が勝った形です。「実需は強いのに株は売られる」という、相場のねじれが際立ちました。
米国の物価、また強風か イラン緊迫で石油市場に緊張
米国のイランへの軍事行動が激化し、国際原油価格が再び上昇基調を強めている。ガソリン価格も全米平均で1ガロン4.55ドルと高止まり。FRB高官からはインフレが「懸念すべき水準」との警戒感が相次ぎ、7月の利上げ観測もくすぶり始めた。
原油高は「生活必需品の税金」のようなもの。これが続くと、利上げが終わっても家計の負担が増え、消費の腰を折るという二段構えの波が来ます。
半導体株、弱気相場の入り口か SOX指数が4%超の急落
16日の米国市場で、半導体株指数(SOX)が前日比4.28%安の11867ポイントと急落。年初来で見ると調整局面入りの瀬戸際にあるとの指摘も出始めた。生成AIブームで沸いた半導体だが、「買われすぎ」への警戒感が一気に表面化した格好だ。
「AIの心臓」とも呼ばれる半導体が弱ると、指数全体が風邪をひきます。ナスダックの下げがきつかったのは、このせいです。しばらくは値動きの荒い日が続きそうです。
米国株、ついに「23時間取引」へ 12月から大リーグ化
米証券取引委員会(SEC)が、株式の23時間取引を認める新ルールを承認し、早ければ12月6日から開始される見通しとなった。これにより、投資家はほぼいつでも売買できるようになり、世界中のマネーがニューヨークに集中する「大リーグ化」が加速しそうだ。
東京で朝起きたら、夜中の米国市場の動きで資産が大きく変わっている。そんな世界がすぐそこまで来ています。「寝ている間に」のリスクと機会が、一段と大きくなります。
物価9割時代の円安と原油高
1年後の物価が「上がる」と答えた人の割合が、初めて9割を超えた。日銀の生活意識調査で90.4%という数字が出た。2006年の調査開始以来、最も高い。
この数字は、先週半ばに報じられた世論調査と響き合う。NHKが14日に発表した調査で、円安を「悪い影響」と見る人は61%に達していた。今月12日にはホルムズ海峡での船舶攻撃で原油が5%高に跳ね上がり、14日には米国のガソリン価格が再び1ガロン4ドル台に乗せた。
今朝の紙面はイラン情勢の緊迫をトップに据え、原油高とインフレ再燃の懸念を伝えている。生活者が物価高を肌で感じる裏側で、為替と原油という二つの価格が家計を圧迫し続けている。この構図は、単なる一過性のニュースではない。昨年来続く円安基調と、中東リスクという火種が同時に燃え上がった結果だ。
中央銀行は難しい局面に立つ。物価高への不満は強いが、その主因が海外発のコストプッシュならば、利上げで抑え込むにも限界がある。先週に出たFRB高官の「近いうちの利上げを検討も」という発言や、今朝報じられた7月の利上げ観測は、このジレンマの表れとみる。
生活者の実感と政策の間で、為替と原油が暴れている。この線が続くなら、次の焦点は賃上げの持続力だ。足元の賃上げが物価高に追いつけないと判断されれば、消費マインドはさらに冷え込む。ボーナス後の家計の動きが、秋以降の景気を占う試金石になる。