日経4%急落から一夜、NYでもイラン緊迫
先週末の東京市場で日経平均が4%超の急落。半導体を中心に売りが広がった。一夜明けた20日のNY市場も、中東の地政学リスクで原油高と株安が交錯し、ダウは307ドル安で続落した。
連休明けの東京市場は、前週末の急落の傷を引きずりそうです。20日のニューヨーク市場では、米国とイランの対立激化が原油高を呼び、株式には重しとなりました。ダウ平均は307ドル安と続落。ただし半導体株には買い戻しも入り、SOX指数は0.6%上昇しました。
この中東リスク、日本にとっては「遠くの戦争」で済みません。原油高はガソリン価格や電気代を通じて家計を直撃し、企業のコストも押し上げます。先週末の東京市場で半導体株が大きく売られたのは、AI需要への過度な期待の修正に加え、このエネルギ ーコスト上昇への警戒もあったとみられます。
きょうの東京市場では、イラン情勢の続報と、今週から本格化する米ハイテク企業の決算発表が焦点です。17日の日経平均急落で PER(株価収益率)は約14倍と、過去5年で最も割安な水準に沈みました。買い安心感は出ていますが、地政学リスクがそれを覆い隠すかどうか。
トヨタ新社長、「稼ぐ力」強化へ部品削減
トヨタ自動車の近健太社長が報道インタビューで、開発や生産の効率化を通じて「稼ぐ力」を一段と強化する考えを示しました。電気自動車など新興メーカーとの競争が激しくなるなか、部品の種類を減らすなどの具体策を進める方針です。
トヨタが部品削減に動くのは、単なるコストカットではなく、変化に速く対応できる「筋肉質」な企業体質への転換です。車の値段が上がりにくい環境でも利益を出せるか、注目です。
ホンダ、中国合弁を延長しEV販売拡大へ
ホンダは20日、中国の広汽集団との合弁会社「広汽Honda」の合弁期間を延長する契約を結びました。期間は明示されていませんが、中国市場で電気自動車(EV)の販売を拡大する狙いです。
中国では現地EVメーカーが急成長しており、日系メーカーは苦戦が続いています。ホンダは合弁を延長し、中国でのEV開発・販売体制を維持する道を選んだわけです。
日経平均の割安感、UBSが「買い場」と指摘
20日、スイス金融大手UBSがリポートで「日経平均の下落は買い場」との見方を示しました。17日の急落で日本株のバリュエーション(割安度)が魅力的な水準になったと分析しています。
プロが「買い」と言い始めるのは、相場の底入れ期待のサインのひとつ。ただし地政学リスクや為替の動きには注意が必要で、個人は「プロもそろそろ買い頃と見るくらい」と冷静に受け止めれば十分です。
株探、配当3%超の「連続増配」銘柄を選出
投資情報サイト「株探」が20日、配当利回り3%以上で連続増配を続ける38銘柄のリストを公開しました。長期保有に適した「インカムゲイン」が期待できる株として紹介しています。
株価が大きく下がった時こそ、配当という「待つ間の報酬」に目が向きます。ただ、増配が続くかは業績次第。リストはあくまでスクリーニングの出発点です。
NY原油が1か月ぶり高値、ホルムズ懸念で
19日のニューヨーク原油市場でWTI先物が一時1バレル85ドル台に上昇し、約1か月ぶりの高値となりました。米国とイランの対立激化で、石油輸送の要衝ホルムズ海峡の航行に支障が出るとの懸念が広がったためです。
ガソリン価格の先行情報である原油高は、私たちの生活費に直結します。イラン情勢が長引けば、夏のドライブシーズンにも影を落とすかもしれません。
米国で始まる株式のブロックチェーン化
日本経済新聞が21日付で、米国で株式のブロックチェーン(分散台帳)化が始まりつつあると報じました。取引の効率化やコスト削減が期待される一方、日本は既存制度が壁になり出遅れていると指摘しています。
株の「所有」や「移転」の仕組みが変わる話です。証券取引所を介さずに24時間取引できる世界が近づけば、日本の市場構造にも影響が及びます。
韓国株、最高値から1か月で28%下落
ロイター通信は20日、韓国の株式市場が最高値から約1か月で28%超下落したと報じました。AI(人工知能)関連の取引を手じまう動きが主因と分析しています。
韓国市場は半導体メモリー比率が高く、AIブームの「体温計」のような存在です。その急落は、世界のAI投資熱がいかに急激に冷やされたかを示しています。
ゴールドマンCOO「日本のリスクは円安」
ゴールドマン・サックスのジョン・ウォルドロン最高執行責任者(COO)が日本経済新聞の取材で、日本経済の最大のリスクは「円安」だと述べました。日銀の対応を注視しているとしています。
海外の大物投資家が「円安リスク」を口にするのは、輸入物価上昇を通じた景気下振れを警戒しているからです。今週の日銀発言にも、より一層の注目が集まりそうです。
株安の地平に見える金融政策の変調
火曜の朝を迎えた東京市場。17日に日経平均が4%超の急落を見せ、一夜明けた20日のNYダウも307ドル安で続落した。
株安の直接のきっかけは中東情勢の緊迫化だが、火元は別にある。
今月12日には日経平均が6万8557円の高値をつけていた。
ところが、14日にはFRB高官が「近いうちの利上げ」に言及し、16日には米国の物価指標が予想を上回る強さを示した。
金融引き締めへの警戒が、半導体を中心としたハイテク株の売りを誘ったのである。
その流れの先で、18日にはAI投資への疑念から米ハイテク株が続落し、19日にはIBMがAI関連決算で25%の急落を演じた。
韓国市場では、AIブームの「体温計」とされる半導体株が最高値から28%も下げている。
金融引き締めとAI期待の剥落が、車輪の両輪のように相場を押し下げている構図だ。
ここにイラン情勢が重なり、原油高が家計や企業のコストを押し上げる懸念が加わった。
ゴールドマンCOOが「日本のリスクは円安」と指摘するのも、輸入物価の上昇が日銀の政策対応をさらに難しくするとの見立てからだろう。
日銀の政策修正観測がくすぶるなか、株式市場はしばらく「金利ある世界」への適応を迫られる。
生活者にとっては、この株安が将来の企業業績や賃上げにどう跳ね返るかが焦点だ。
春先に値上がりした冷凍食品やビスケットに続いて、8月以降のガソリン価格が上がれば、景気の実感は一段と冷え込む——市場はその瀬戸際を映し出している。