グーグル決算は好調、それでも市場が渋い顔をした理由
Google親会社のアルファベットが4〜6月期で約6.6兆円の営業利益をたたき出した。だがNY市場は反落。巨大ITへの期待値があまりに高く、少しの翳りも許されない構図が浮かぶ。
前日の東京市場で日経平均は小幅安ながら、半導体関連の中小型株に買い戻しが目立った。フィーチャが34%高と急伸し、前日の下げから一転して値動きの軽い銘柄に資金が向かったかたちだ。一方で、イラン情勢をにらんだ有事のドル買い・円売りは続き、円は1ドル=163円台。円安は輸出企業の業績を押し上げる半面、輸入牛肉や豚肉の小売価格を過去最高に押し上げている。
海外では、NYダウがほぼ横ばい、S&P500とナスダックは反落。原油高と長期金利の上昇が重荷となった。アルファベットが発表した決算は売上高19.5兆円、営業利益6.6兆円と市場予想を上回ったが、「AIインフラへの巨額投資の負担が利益を圧迫するのでは」との懸念が上値を抑えた。決算が良くても株価が反応しにくい、いわゆる「完璧でなければ許されない相場」になっている。
きょうの東京市場は、手がかり材料に乏しいなか、日銀の金融政策への思惑や月末に迫るFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に、大きくは動きにくい。注目は、27日から始まる日銀跡地の先行活用イベントで、都心の一等地活用に市場の関心が向かうかどうかだ。
輸入肉の値段が過去最高、家計に迫る円安の影
農林水産省の7月調査で、輸入牛肉と豚肉の小売価格が比較可能な1991年以降で最高となった。円安で仕入れ値が上がっていることが主因で、外食産業にも価格転嫁の波が及んでいる。
スーパーの精肉コーナーで手に取る輸入肉の値段が、じわり家計を圧迫しています。外食や加工食品にも響くため、円安の影響をより身近に感じる値札です。
ソフトバンク、記事データ販売で「AIの著作権料」をビジネスに
ソフトバンクが通信社や新聞社と手を組み、記事データをAI開発企業に有料提供するサービスを始める。生成AIが無断で記事を学習する問題への対策として、出版社側にも収入の道が開ける。
AIが知識を吸収する「教科書」としての記事に値段がつく時代に入ります。コンテンツの作り手が適切に報われる仕組みづくりは、日本のAI産業全体の底上げにもつながります。
JRへの新幹線「貸付料」、物価が上がれば値上げも
国土交通省の有識者会議が、整備新幹線の貸付料を開業30年経過後もさらに30年程度支払い続け、物価上昇時には増額できる仕組みを盛り込んだ案を示した。JR各社の負担が長引く可能性がある。
新幹線の利用者が支払う運賃にも、このルール変更はいつか反映されるでしょう。インフレ時代に公的インフラの料金体系をどう見直すか、一つの試金石です。
三井松島HDが業績と配当を上方修正、石炭価格の追い風続く
三井松島ホールディングスが2027年3月期の業績予想と配当を上方修正した。世界的なエネルギー価格の高止まりで石炭事業が好調を維持している。
世界的な脱炭素の流れのなかでも、足元の資源価格高騰が石炭関連企業の収益を押し上げる構図です。配当の増額は、投資家にとっては円安・インフレ下での数少ない実質的なリターンになります。
AIの巨人アルファベット、6.6兆円の利益でも市場は「もっと」
Google親会社アルファベットの4〜6月期決算は、売上高が前年比24%増の約19.5兆円、営業利益が30%増の約6.6兆円。クラウドと広告が好調だった。
市場はこの好決算にもかかわらず、AIデータセンターへの巨額投資が将来の利益を食うリスクを織り込み始めています。好業績を出しても株価が上がりにくい「期待値の牢獄」に、ハイテク大手が入りつつあります。
原油高が止まらない、ホルムズ海峡の緊張で供給不安
イラン情勢の緊迫化を受け、原油価格が上昇を続けている。前日に続き3%近く上昇し、約1か月ぶりの高値圏。ホルムズ海峡での石油輸送に支障が出るとの観測が広がる。
ガソリン価格や光熱費の上昇という身近な形で、遠く中東の地政学リスクが私たちの生活に波及しています。原油高は企業のコストも押し上げ、景気の重荷になりかねません。
折りたたみスマホ戦争、サムスンが薄さ4mmの新製品
サムスン電子が折りたたみ式スマートフォンの最新モデルを発表した。厚さ4mm余りの薄型が特徴で、アップルも将来的な参入が報じられており、競争激化が見込まれる。
折りたたみスマホは、もはや物珍しさから実用性を競う段階に入りました。薄さと価格のバランスで、普及のテンポが決まります。日本の電子部品メーカーにとっても商機の広がる分野です。
米30年債利回りが5%台に、12日連続の高止まり
米国の30年物国債利回りが5%を超えて高止まりしている。原油高によるインフレ再燃懸念と、FRBの利上げ長期化観測が背景だ。
住宅ローン金利や企業の借入コストに直結する長期金利の上昇は、米国経済のブレーキです。株価が割高に見え始めると、投資マネーが「安全な国債」に流れる動きが強まります。
「好決算でも株安」が意味するもの
グーグル親会社のアルファベットが、4〜6月期で約6.6兆円の営業利益をたたき出した。売上高も24%増の約19.5兆円。クラウドも広告も好調だった。だのにNY市場で株価は下落した。
先週、IBMが24%も急落した。AI向け投資の収益化に時間がかかると見透かされた。今週に入り、TSMCは過去最高益を発表して「AI需要はまだ序章」と強気だが、株価はさえない。半導体全体に吹く逆風に巻き込まれている。
巨大IT各社はここ数年、売上も利益も伸ばし続けてきた。その結果、市場の期待値はとてつもなく高くなっている。先月のエヌビディアも「株高なのに割安」と評される始末だ。数字が良いだけでは満足されない。少しの翳りも許されない構図が浮かぶ。
裏で共通しているのは、AIデータセンターへの巨額投資が将来の利益を食うという懸念だ。先行投資の重さに、市場は敏感になっている。これまでは業績拡大ですぐに回収できると思われていた。いまは投資の回収に時間がかかると計算され始めた。
筆者は、これが一過性の反応だとは思わない。むしろ、巨大ITが「期待値の牢獄」に入ったとみる。どれだけ稼いでも、市場は「もっと」と迫る。設備投資がかさめば、利益率は下がる。この構図が続くなら、好業績を出しても株価が上がりにくい時代に入る。
いまや生活も仕事も、巨大ITのサービスに依存している。この牢獄が長期化すれば、AIの進化やサービスの値段にしわ寄せが来るかもしれない。遠い市場の話ではない。