日経平均65683円、週末の米雇用統計を前に小休止
東京市場は半導体株に利食いが広がり日経平均が617円安。前日まで5日続伸したNYダウも、原油高と中東情勢への警戒から反落。週末の米雇用統計を前に、投資家は次の材料を待つ姿勢です。
上がり続けるのも疲れるもので、日経平均はちょっと一服。前日に今年最高値をつけた反動で、半導体関連に利益確定の売りが出ました。トヨタやホンダなど、これまで相場を引っ張ってきた銘柄も小休止です。
NY市場も似たような雰囲気。ダウは5日ぶりに下げ、S&P500もほぼ横ばい。原油価格がじわり上昇し、ホルムズ海峡の通行再開交渉に不透明感が出たのが重荷でした。ただ、SOX指数だけはプラス。半導体熱はまだ冷めていません。
この流れを変えるのは、やはり8月7日発表の米雇用統計。就業者数が市場予想を上回れば「景気は強いが利上げも続く」と受け止められ、株には逆風に。逆なら「利上げ打ち止め」期待で買い戻される、そんな構図です。
ソフトバンクG、4〜6月は17%減益。AI人材への投資が重く
ソフトバンクグループの4〜6月期決算は、最終利益が前年比17%減。傘下の英半導体開発会社アームで人員を増やした費用が利益を圧迫しました。AI半導体の設計で攻勢をかける積極投資の裏返しです。
目先の利益より将来のAI覇権をとる戦略。この赤字は「種まき」と考える投資家がいる一方、回収までの道のりが見えにくく、株価は評価が分かれそうです。
20代の半数が「現場職」に関心。AIに奪われない仕事を選択
就職情報会社の調査で、20代転職希望者の約半数が物流や建設など現場職への転職に興味を持っていることがわかりました。AIに代替されにくい仕事を求める意識の表れで、人手不足の業界には追い風です。
かつて「きつい・汚い・危険」と言われた現場が、テクノロジーで変わりつつあります。若者の価値観シフトは、日本の人手不足を解く鍵になるかもしれません。
味の素や大和ハウス、業績予想を上方修正。内需に強さ
味の素が通期の利益見通しを引き上げたほか、大和ハウス工業も業績と配当予想を上方修正しました。住宅や食品など内需関連に好調な企業が目立ちます。
円安で輸入コストが上がっても、価格転嫁や需要の堅調さでカバーできる企業が増えています。国内消費に底堅さがある証拠で、景気の裾野の広さを感じさせます。
コメ価格の先行き指数が過去最低。在庫だぶつきが影
コメの先物価格の参考になる指数が3か月連続で下がり、過去最低を記録。昨年の豊作で民間在庫が積み上がっていることが主因です。スーパーの店頭価格も今後、じわじわ下がる可能性が出てきました。
食卓への影響は歓迎ですが、農家の経営を圧迫する面も。政府は備蓄米の買い入れなどで価格を下支えするのか、夏以降の政策が注目されます。
NYダウ464ドル安、原油高と中東情勢で5日ぶり反落
6日のNYダウは464ドル安。イランとオマーンによるホルムズ海峡の通航再開合意に不透明感が出て原油先物が上昇し、投資家心理を冷やしました。S&P500も小幅安。ただ、半導体指標のSOX指数は0.33%高でした。
原油高は企業のコスト増と個人消費の冷え込みを連想させ、株の重荷に。ホルムズ海峡問題は一進一退で、この先も相場を揺さぶる材料になりそうです。
米雇用統計を前に緊張。良い数字が「悪い材料」になる?
7月の米雇用統計が日本時間7日夜に発表されます。市場予想は非農業部門就業者数が前月比20万人増。結果が強いと、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを続ける根拠になり、株には逆風です。
景気が良いほど「お金を借りるコスト」が上がるという逆説。予想を大きく上回る強い数字が出れば、今朝の小休止が「本格的な調整」に変わる可能性も。
世界の年金基金、株と債券の配分を柔軟に。新時代の運用
世界各国の年金基金が、株式と債券の伝統的な配分比率を見直し始めています。金利上昇で債券の魅力が増す一方、AIブームで株式のリターンも捨てがたく、両方に機動的に投資する戦略が広がっています。
かつて「安全資産」だった国債の価格が乱高下する時代。老後の資金を預かるプロたちの試行錯誤は、私たちの年金にもじわり影響を与えそうです。
「ビットコインを買う企業」がS&P500に。ブロックが85BTC追加
決済大手ブロックが85ビットコインを追加購入し、保有総額は9117BTCに。同社は先にS&P500指数に採用されたばかりで、伝統的な大型株が暗号資産を持つ時代になりました。
S&P500の一社がビットコインを財務に組み入れる意味は小さくありません。値動きの荒い資産を、安定企業が持つことで「お墨付き」効果が生まれるか、興味深いところです。
雇用統計が株価に与える逆説
日経平均は617円安。前日まで5日続伸したNYダウも反落し、東京市場は半導体株への利食いが広がった。週末の米雇用統計を前に、投資家は次の材料を待つ姿勢である。市場の静けさは、嵐の前の凪に似ている。
先週のFRBは5会合連続で政策金利を据え置いた。しかし、7月30日の会合では3人の委員が利上げを主張し、異例の反対票を投じている。同日、原油価格が8%急伸し、株も債券も大きく動いた。市場はFRBの「タカ派」姿勢に敏感に反応したのだ。今月1日には植田日銀総裁も次回以降の利上げ議論を強調し、日本の住宅ローン金利は8月から上昇に転じている。
中央銀行が注視するのは、景気の過熱と物価の動きである。そして、米国では今晩、7月の雇用統計が発表される。市場予想は非農業部門就業者数が前月比20万人増。強い数字は、FRBに利上げ継続の根拠を与え、株には逆風だ。景気が良いほど「お金を借りるコスト」が上がるという逆説が、ここ数年、市場を支配している。
筆者には、この逆説がやや行き過ぎているように思える。先週の米長期金利は19年ぶりの高水準をつけたが、雇用が強いからといってFRBが性急に引き締めを急ぐとは限らない。むしろ、ソフトランディングへの期待が株価を支える展開もありうる。しかし、市場は目先の材料に飛びつきがちだ。
良いニュースを悪く受け取る癖がついた市場は、雇用統計の数字如何で再び大きく揺れるだろう。だが、数字が強ければ、いずれは消費の底堅さとして企業業績を支える。我々の暮らしに直結する金利と雇用の綱引きは、夏の終わりまで続くとみる。焦らず、数字の裏にある生活者の実感を見極めたい。