半導体の火、週明け東京へ。NYは小休止
金曜の東京では半導体関連に資金が集中し、日経平均は6万8713円に。週末のNYは一服しましたが、円は159円台で底堅い。今週は日銀の利上げ観測と米国の利下げ期待が綱引きです。
金曜の東京市場は、半導体が主役でした。オリジンが28%近く上昇。東京ボード工業やネクソンなど、関連株に買いが広がりました。日経平均は6万8713円で、5日前より3000円以上高い水準です。
一方、週末のNYは少し休憩。ダウは前日比0.2%安、S&P500は7785。米国の長期金利が高止まりしていて、株式の魅力を削っています。それでも円は159円32銭。日本銀行が追加利上げに動くとの観測が支えです。
今週は日米で金融政策の手掛かりが続きます。米国では議事要旨と20年債入札、日本ではGDPと物価指標。半導体の勢いと金利の綱引きで、東京市場は値動きが荒くなりそうです。
日経平均、5日で3000円超の上昇。その内訳は半導体
先週の日経平均は週間で3030円上がり、6万8713円で取引を終えました。半導体関連の急伸が目立ち、オリジンが28%、東京ボード工業が26%上昇。値上がり銘柄の顔ぶれはハイテク一色でした。
短期的な過熱感は出ていますが、週間の高値圏で終えたことで先高期待は根強い。今週は利益確定の売りが出やすい水準でもあります。
三菱マテリアル、今期の純利益予想を大幅に引き上げ
非鉄金属大手の三菱マテリアルが2027年3月期の純利益予想を上方修正しました。第1四半期は黒字に転換。資源価格の高止まりが追い風になっています。
「鉱山を持つ会社」は資源高で収益が膨らみやすい構造。今期の業績回復は銅や金の値動きに敏感です。
個人向け国債の発行が急増、預金からシフト
個人向け国債の発行額が急増しています。日銀の利上げで金利が上昇し、銀行預金より有利になったためです。家計の資金が「寝かせておくだけ」から動き始めました。
「金利のある世界」では、普通預金に置いておくだけで目減りする。安全資産でも利回りを意識する時代の始まりです。
楽天Gの株価が軟調。回線投資の重さが意識される
楽天グループの株価が下落しました。携帯電話の基地局などを自前で整備する投資の重さが、改めて意識された形です。借り入れを減らしつつ、投資を続ける難しさがあります。
成長には投資が必要ですが、そのための借金が利益を圧迫する。通信事業の「自前戦略」の持続性が問われています。
米国の「静かなデフォルト」論が浮上。国債市場の緊張
米国で国債の利払い負担が膨らみ、事実上の債務不履行に近づくという議論が出ています。来週は20年債の入札があり、投資家の需要が焦点です。長期金利は高止まりしています。
米国債は世界の安全資産の基準。その信頼が揺らぐと、世界中の金利や為替に波及します。
レディットがS&P500に採用。ネット掲示板の企業が名門指数へ
米国の交流サイト大手レディットがS&P500指数に採用されます。個人投資家に人気の銘柄で、株価は今年大きく上昇しました。
S&P500に入ると、インデックス型ファンドが自動的に買います。成長企業の「登竜門」通過です。
イランのホルムズ海峡封鎖発言で原油価格は高止まり
イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡を封鎖する可能性に言及し、原油価格が高止まりしています。米国のガソリン価格も上昇しており、家計への負担が増しています。
中東の地政学リスクは、ガソリン価格を通じて世界の物価を押し上げる。エネルギー高は利下げの遠因にもなります。
欧州のガス貯蔵が不足気味。暖房需要シーズンを前に警戒
欧州で天然ガスの貯蔵量が不足しています。暖房需要が増える冬に向けて、買い付けが間に合っていません。ロシア産ガスへの依存度は低下しましたが、代替調達は割高です。
エネルギー価格の高止まりは欧州の景気を冷やし、ユーロ安要因にも。日本の輸入物価にも影響します。
半導体の熱と「静かなデフォルト」の遠雷
先週の東京市場は、日経平均が週間で3030円も上がった。終値は6万8713円。上がり方の内訳を見ると、半導体関連が目立つ。オリジンが28%、東京ボード工業が26%。値上がり銘柄の顔ぶれは、ハイテク一色だった。
しかし、この熱狂の裏で、米国債市場に不穏な議論が浮上している。「静かなデフォルト」という言葉だ。米国の利払い負担が膨らみ、事実上の債務不履行に近づくという見方で、来週の20年債入札が焦点になる。米国債は世界の安全資産の基準。その信頼が揺らげば、金利や為替の水準が変わり、今の半導体高も根底から揺さぶられる。
ここ2週間の紙面を振り返ると、8月6日には日経が66300円まで急伸し、8月14日には米国でインフレ指標の鈍化が確認された。市場は「金利高の心配が後退した」と受け止め、半導体を中心にリスク資産へ資金が向かった。同時に、個人向け国債の発行が急増し、預金からシフトする動きも出ている。金利がある世界で、家計の資金も動き始めた。
つまり、今の相場を支えているのは、米国の金利上昇が一服するという期待と、日銀の利上げが進むという現実の、まだら模様だ。そこに、米国債の信認問題という新しい変数が入ってきた。半導体の火は、米国の長期金利という薪に燃え移りかねない構造にある。
この線が続くなら、20年債入札の結果が良ければ半導体高はもう一段続き、悪ければ世界中の株価が調整する。いずれにせよ、東京の個人投資家は、円安と金利の綱引きに翻弄されることになる。筆者は、半導体の熱狂がしばらく続きながらも、米国債の利回りが予想外に上がれば、熱が急速に冷める番だとみている。朝のニュースで半導体銘柄の上昇を見たら、その日の米国債利回りを確かめる癖をつけると、相場の裏側が見えてくるのではないか。