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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

デジタルグリッド

350A · Growth · 電気・ガス業

電力の直接取引を可能にするプラットフォームを提供。発電家と需要家をAI需給管理でつなぎ、市場変動リスクをヘッジする。

概要

デジタルグリッドは、電力取引プラットフォーム「DGP(デジタルグリッドプラットフォーム)」を運営する企業である。発電家と需要家を直接結びつけ、AIによる需給管理や定型化された契約手続きを提供する。2025年7月期の売上高は62億円、従業員数は79名。東京証券取引所グロース市場に2025年4月に上場した。電気・ガス業に分類される。

三つの事業セグメントで構成される収益構造

当社グループは、報告セグメントとして「電力PF事業」「再エネPF事業」「その他」の三つを設けている。電力PF事業は、DGP上で取引される再エネ以外の電源(化石燃料等)由来の取引から手数料を得る。再エネPF事業は、DGP上の再エネ電源の取引手数料に加え、オフサイトPPA仲介や非化石証書代理調達サービス「エコのはし」、バーチャルPPA「GPA」などを含む。その他事業は、蓄電池のアグリゲーションサービス、脱炭素教育サービス「GX navi」、Jクレジット販売などで構成される。2025年7月期の売上高は電力PF事業が54.2億円、再エネPF事業が4.5億円、その他が2.8億円であり、電力PF事業が全体の約88%を占める。

市場変動リスクを取らない手数料モデル

当社グループはDGP上での取引量に応じた手数料を需要家から受領する。発電家への電源費用やJEPX(日本卸電力取引所)での調達費用、送配電事業者への託送料金、再エネ賦課金はすべて需要家が負担し、当社グループはこれらを経由して支払う。このため、当社グループは市場価格変動リスクを負わない。また、コスト構造を需要家に完全開示しており、一般的な小売電気事業者の基本料金には含まれる電源待機費用等がDGPでは発生しないため、需要家は相対的に安価な調達が可能となる。手数料は発電家からは受け取らず、需要家のみから得る仕組みである。

専門知識不要で電力取引を可能にするプラットフォーム

DGPの最大の特徴は、発電家と需要家が小売電気事業者ライセンスや専門知識なしに直接電力取引を行える点にある。通常必要な顧客管理、需給管理、料金計算、精算業務のシステムをDGPが提供し、JEPXへの参加も不要とする。需給管理は東京大学と共同開発したAIモデルで全自動化され、利用者は発電計画の提出やインバランス精算の負担から解放される。システムは原則内製で、DevOpsパフォーマンス評価ではデプロイ頻度・変更リードタイム・変更失敗率の3指標で最高ランク「エリートレベル」を達成している。このプラットフォームにより、取引参加者は自由な価格交渉と契約が可能となり、価格発見機能とリスクヘッジ機能を得る。

成長を支える法人顧客基盤とパートナー連携

需要家は主に企業であり、自社のリスク許容度や脱炭素目標に応じて電源を組み合わせる。JEPXスポット市場からの調達、発電家との固定価格契約、再エネPPAなどをDGP上で選択できる。2022年の電力市場混乱時には、倒産した新電力から切り替えた「電力難民」の需要を取り込み、取扱電力量が急拡大した。その後も市場連動型調達の浸透により顧客は増加し、大手企業を含むパートナーからの紹介経由で顧客獲得コストを抑えている。2025年7月期の営業利益は27.4億円と高い利益率を示す。

業界の中での役割は電力小売・卸売の仲介者として、需給管理や契約・精算などの送電業務を代行するプラットフォーム事業者。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
62億円
営業利益
27億円
営業利益率
43.5%
純利益
19億円
2025/7 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01電力小売(非再エネ)主力

DGPを通じて、需要家がJEPXや化石燃料発電家から電力を直接調達できる仕組みを提供。市場連動型や固定価格型など柔軟な調達ポートフォリオを組むことができ、当社は手数料を得る。

主な製品・サービス1
DGP(Digital Grid Platform)
発電家と需要家が直接取引できる電力取引プラットフォーム。需給管理、契約・精算などの送電業務を代行し、AIによる発電量予測で再エネの変動にも対応。

02再エネ発電・需要家主力

再エネ電源の取引に特化したPF事業。コーポレートPPAのマッチングやFIT非化石証書の代理調達、バーチャルPPAなど多様な手法を提供し、需給管理を担うことで再エネ普及に貢献。

主な製品・サービス3
RE Bridge
コーポレートPPAに特化したマッチングプラットフォーム。オークション形式で発電家と需要家を結び、契約後の需給管理も一括サポートする。
エコのはし
FIT非化石証書の代理調達サービス。JEPXオークションへの入札や精算を代行し、再エネ価値の取引を簡素化する。
GPA(Green Purchase Agreement)
FIP制度を活用した独自のバーチャルPPA。価格変動リスクを抑え、決済を簡素化した再エネ調達手法。

03系統用蓄電池市場副次

系統用蓄電池の制御・運用事業。卸電力市場や需給調整市場などで収益機会を創出し、蓄電池所有者向けにアグリゲーションサービスを提供。子会社を通じた開発・保有も推進。

主な製品・サービス1
アグリゲーションサービス
系統用蓄電池の運用を受託し、複数の市場での収益機会を最適化するサービス。

04脱炭素教育その他

オンライン学習コンテンツ「GX navi」を提供し、企業のカーボンニュートラル実現に向けた人材育成を支援。事業縮小中で、サービス終了予定。

主な製品・サービス1
GX navi
脱炭素・GXに関するオンライン学習プラットフォーム。企業の実務担当者向けに知識習得を支援。

05環境価値取引その他

顧客企業の要請に応じて、J-クレジットや海外の環境価値証書などのスポット取引を仲介。

製品と技術

中核プラットフォーム「DGP」の仕組みと優位性

DGP(デジタルグリッドプラットフォーム)は、発電家と需要家が直接電力取引を行えるクラウド型システムである。取引参加者は小売電気事業者登録不要で、DGPが提供する電子契約と需給管理機能を利用できる。核となる需給管理は、東京大学と共同開発したAIモデルにより全自動化され、30分単位の計画策定とJEPXとの差分調整を担う。このAIモデルは変動性の高い太陽光発電の出力予測にも対応し、発電家の業務負担を軽減する。システムの開発効率は高く、DORA指標でエリートレベルを達成している。DGPは特許第6782479号で保護され、約定価格の形成機能とリスクヘッジ機能を提供する。

再エネ調達を支援する三つのサービス

当社グループは再エネPF事業において、DGPに加えて三つの専門サービスを運営する。第一に「RE Bridge」は、バーチャルPPAに特化したマッチングプラットフォームで、発電家と需要家のマッチングから契約締結までを支援する。2025年7月期には登録発電家100社、設備容量2GWを超えた。第二に「GPA(Green Purchase Agreement)」は、FIP制度を活用したバーチャルPPAサービスであり、特許第7266259号で保護された環境価値取引対価算出技術を用いる。第三に「エコのはし」は、FIT非化石証書の代理調達サービスで、累計取扱量は20億kWhを突破した。これらにより需要家は多様な再エネ調達手段を得る。

蓄電池アグリゲーションと脱炭素教育

その他事業では、2024年12月に開始した蓄電池アグリゲーションサービスが主力となる。これは系統用蓄電池を遠隔制御し、調整力として電力市場に提供するものだ。子会社デジタルグリッドアセットマネジメントが蓄電所を開発・保有し、運用収益を得る。また、企業向け脱炭素教育サービス「GX navi」は、カーボンニュートラルに関する研修や資料を提供し、顧客の理解促進と契約獲得につなげる。これらの事業は2025年7月期時点ではセグメント損失(2.5億円)だが、成長投資の段階にある。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気・ガス業のなかでの位置

急拡大する電力トレーディング、高利益率

同社は電力取引(主に再生可能エネルギー)を手掛け、東京電力や中部電力などの大手とは異なる独立系。売上は2024/7期35億円→2025/7期62億円(+77%)、営業利益率43.55%と驚異的。同業のグリムスやアストマックスなどと比べても非常に高い収益性。再生エネ普及や卸電力市場活性化が追い風。

強み

  • 営業利益率43.55%と、同業他社を大きく凌駕。
  • 売上高が前期比77%増と高成長を継続。
  • 脱炭素トレンドやFIT制度で電力取引市場が拡大。
  • 大手電力に属さず、柔軟な取引戦略が可能。

課題

  • 電力市場の制度変更や規制強化が収益に直撃する可能性。
  • 高い成長率と利益率が持続可能か不透明。
  • 高収益分野ゆえ新規参入が相次ぎ競争激化リスク。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

電気・ガス業の時価総額近傍。太字がデジタルグリッド

時価総額で並べると、掲載7社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
1603Aアイ・グリッド・ソリューションズ348億円
29535広島ガス292億円13.9倍
39537北陸瓦斯206億円6.3倍
47692アースインフィニティ88億円11.5倍
59514エフオン74億円6.1倍
6350Aデジタルグリッド50億円16.3倍
77162アストマックス41億円2.0倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 19件

デジタルグリッドプラットフォームの設立と社名変更

2017年10月、東京都千代田区に資本金300万円でデジタルグリッドプラットフォーム株式会社を設立した。同年12月にはデジタルグリッド株式会社へ社名変更している。創業当初から電力取引のデジタル化を目指し、翌2018年には環境省の実証事業に採択され、P2P電力取引の実証とブロックチェーン技術を活用した再エネCO2排出削減価値創出モデル事業を実施した。この実績が後の商用化の基盤となった。

小売電気事業者登録とDGPの商用リリース

2019年12月、経済産業省資源エネルギー庁より小売電気事業者登録を取得し、DGPを通じた電力取引運営が可能となった。翌2020年2月には、需要家主導で電力取引ができるDGPを商用リリースした。同年6月には「電力取引システム、電力取引方法および電力取引プログラム」の特許(第6782479号)を取得し、プラットフォームの法的保護を固めた。商用化当初から需要家が発電家を直接選択できる仕組みを提供し、電力調達の民主化を推進した。

サービス多角化が進んだ2020〜2021年

2020年12月、DGPを通じたオフサイトPPAサービスの提供を開始した。これにより需要家は特定の発電所からの再エネ電力を長期契約で調達できるようになった。2021年4月には自己託送サービスを開始し、企業が自社の発電設備から遠隔地の需要施設へ電力を供給する経路を提供した。同年11月には、FIT非化石証書の代理調達サービス「エコのはし」をリリースし、再エネ価値の取引にも領域を広げた。この時期、売上高は2021年7月期の2億円から2022年7月期には12億円へと拡大した。

アグリゲーター参入とバーチャルPPA特許

2022年4月の特定卸供給事業者(アグリゲーター)制度開始を受け、同年7月にアグリゲーターライセンスを取得した。これにより分散型電源の統合管理が可能となった。同年8月には「環境価値取引対価算出装置」の特許(第7266259号)を取得し、バーチャルPPA「GPA」の基盤技術を確立した。9月にはFIP制度を利用したバーチャルPPAサービス「GPA」をリリースし、再エネPF事業を強化した。2022年7月期の純利益は初めて黒字(0.3億円)となった。

脱炭素教育とマッチングプラットフォームの投入

2023年4月、企業向け脱炭素教育サービス「GX navi」をリリースした。これはカーボンニュートラルに関する知識や実践方法を提供するもので、その他事業の一角をなす。同年7月にはバーチャルPPA特化型マッチングプラットフォーム「RE Bridge」をリリースした。RE Bridgeは発電家と需要家をマッチングし、コーポレートPPAの組成を支援する。登録発電家数は100社、設備容量は2GWを超え、再エネPF事業の成長を牽引した。

蓄電池事業への本格進出と上場

2024年8月、蓄電所の開発・保有・運営および出資を目的とする連結子会社「デジタルグリッドアセットマネジメント株式会社」を設立した。同年12月には蓄電池のアグリゲーションサービスを開始し、調整力事業の収益基盤を構築した。一連の事業拡大を経て、2025年4月に東京証券取引所グロース市場に株式を上場した。上場時点の売上高は62億円、従業員79名。

年表19件を開く

2010年代

  • 2017年10月デジタルグリッドプラットフォーム㈱(現当社、資本金3百万円)を東京都千代田区に設立
  • 2017年12月商号変更デジタルグリッド㈱に社名変更
  • 2018年4月環境省実証事業にてP2P電力取引実証事業を実施
  • 2018年5月環境省実証事業にて「ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2排出削減価値創出モデル事業」を実施
  • 2019年12月DGPを通じて電力取引運営のために必要な許認可(小売電気事業者登録)を経済産業省資源エネルギー庁より取得

2020年代

  • 2020年2月需要家主体で電力取引ができるDGPを商用リリース
  • 2020年6月DGPの特許取得(「電力取引システム、電力取引方法および電力取引プログラム」第6782479号)
  • 2020年12月DGPを通じたオフサイトPPAサービスの提供開始
  • 2021年4月DGPを通じた自己託送サービスの提供開始
  • 2021年11月非化石証書 ※4 代理調達サービス「エコのはし」をリリース
  • 2022年3月東京都千代田区から東京都港区へ本社を移転
  • 2022年7月2022年4月の特定卸供給事業者(アグリゲーター)制度開始に伴い、アグリゲーターライセンス ※5 を取得
  • 2022年8月「Green Purchase Agreement(GPA)」の特許取得(「環境価値 ※6 取引対価算出装置、環境価値取引対価算出方法および環境価値取引対価算出プログラム」第7266259号)
  • 2022年9月FIP制度 ※7 を利用したバーチャルPPAサービス「GPA」をリリース
  • 2023年4月企業向けの脱炭素教育サービス「GX navi」をリリース
  • 2023年7月バーチャルPPA特化型マッチングプラットフォーム「RE Bridge」をリリース
  • 2024年8月蓄電所の開発・保有・運営と、これらに関する出資(共同投資を含む)行うため、デジタルグリッドアセットマネジメント㈱(連結子会社)を設立
  • 2024年12月蓄電池のアグリゲーションサービス開始
  • 2025年4月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/7期の経営方針より

会社は2つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    電力取引プラットフォームの運営

    アナログで閉鎖的な従来の電力取引をデジタルで刷新し、DGPを通じて需要家が市場価格連動で電力を調達できる仕組みを提供。価格変動リスクを需要家自身で選択できるようにし、電力取引の簡素化と価格抑制を実現する。

  2. 02

    再生可能エネルギー取引サービスの拡充

    非FIT電源の普及に伴い、非化石証券代理調達サービス「エコのはし」、再エネPPAマッチングプラットフォーム「RE Bridge」、需給管理サービス「DGP」を提供。長期契約を中心に再エネ取扱量を拡大し、RE100需要に対応する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社1(国内 1 / 海外 0、うち連結子会社 1) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
その他75百万円
本社 — 東京都港区36百万円
主な関係会社
  • 国内
    デジタルグリッドアセットマネジメント㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    平成30年度二酸化炭素排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業費
    環境省 · 2019-02-07
    2,884万円
  • 補助金
    平成30年度二酸化炭素排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業費
    環境省 · 2019-03-02
    -361万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年7月期の売上高は62億円営業利益27億円前期と比べると増収増益で、売上が+77.1%、利益が+107.7%。

売上高
+77.1%
62億円
営業利益
+107.7%
27億円
純利益
+90.0%
19億円
営業利益率
43.5%
前期比 +6.4%pt

会社が出している今期の予想2026年7月期

項目会社予想前期実績
売上高66億円62億円
営業利益28億円27億円
純利益19億円19億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

2期分

直近は2026年3Qで、売上は18億円、営業利益は9億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2026年2Q331545.512
2026年3Q18950.07

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 6期分

2021年3月期からの6期で、売上は2億円から62億円へ31.0倍に増えた。直近期の営業利益率は43.5%。売上は4期、純利益は5期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2021年3月2−4−4
2021年7月20−1
2022年7月1200
2023年7月1747
蓄電所の開発・保有・運営と、これらに関する出資(共同投資を含む)行うため、デジタルグリッドアセットマネジメント㈱(連結子会社)を設立
2024年7月351310
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2025年7月62272643.519

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年7月期

売上高62億円のうち、営業利益として残るのは27億円43.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は19億円、売上の30.6%にあたる。営業利益率は業種中央値7.0%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金25.8%16億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金29.0%18億円
  • その他の費用持分法損益などの調整1.6%1億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益43.5%27億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
74.2%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+36.5pt
43.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+25.5pt
30.6%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+13.9pt
22.6%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
10.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
14.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 3期分

2025年7月期は営業CFが3億円、投資CFが−2億円で、差し引きのフリーCFは1億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は46億円で、売上の8.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2023年7月106131
2024年7月−13022−1340
2025年7月3−25146

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 6期分

2025年7月期の総資産は178億円。このうち返さなくてよい自己資本が83億円で、自己資本比率は46.5%(業種中央値39.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2021年3月1510565.0
2021年7月168850.9
2022年7月3426875.4
2023年7月60332754.6
2024年7月115427336.8
2025年7月178839546.5

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年7月期の内訳
現金及び預金
46億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
35億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
95億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
81
/ 100
安定性自己資本比率31 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気・ガス業 29社との比較

同じ電気・ガス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率29社中1位あたり、逆に低いのは自己資本比率29社中10位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
22.6%/中央値 8.7%
P25 6.3%P75 12.8%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
43.5%/中央値 7.0%
P25 5.3%P75 10.0%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
46.5%/中央値 39.4%
P25 24.6%P75 51.6%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
77.1%/中央値 -1.0%
P25 -5.9%P75 5.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.6%
P25 2.3%P75 2.9%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥770で、1年前と比べて-58.9%過去52週の値幅のなかでは8%の位置にある。

¥770-3.4%1ヶ月-1.7%1年-58.9%時価総額50億円
過去52週の値幅
安値¥666高値¥1,933.333

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)16.3倍
PER (会社予想)16.0倍
PBR3.06倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月6日に741円と前日比6.08%下落し、25日移動平均線(764.4円)を下回って推移しています。1年間では62.32%の大幅下落で、52週高値2063.33円からは約64%下落した水準です。75日線(803.16円)や200日線(801.96円)も下回っており、長期トレンドは弱気です。RSIは41.09で、売られすぎの領域にはありませんが、8月5日には789円まで反発するなど、値動きは荒いです。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 20/100)

PERは15.7倍と業界平均10.2倍を上回り、PBRは2.95倍と平均1.04倍の約3倍。ROEは22.6%と高いが、無配当であり、配当利回りは0%。成長は著しいが、現在の株価は期待を織り込みすぎており、割高と判断。業界平均と比較してもバリュエーション水準は高い。

指標この会社業種平均
PER (実績)16.3倍10.3倍
PER (予想)16.0倍
PBR3.06倍1.08倍
ROE22.6%10.7%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

電力システム改革と再エネ需要の高まりを背景に、同社のプラットフォームは急成長している。強気派は高収益性と成長性を評価する。弱気派は株価下落が続いており、規制や競争の激化を懸念する。同社のビジネスが持続的に拡大するかが投資論点である。

プラスに働く材料7
  • 急成長

    売上高が前年比77%増と大幅拡大。

  • 高収益

    営業利益率43.6%と非常に高い収益性。

  • 追い風の政策

    再エネ促進政策で需要拡大が見込める。

  • 売上高62億円・前期比77%増2026年7月期影響

    売上高35→62億円。成長率77%と高水準。

  • 営業利益率43.6%と超収益通年影響

    売上高62億円に対し営業利益27億円。利益率43.6%。

  • ROE22.6%と高い資本効率継続影響

    PBR2.95倍でもROE22.6%が評価。

  • 予想PER15.5倍と妥当決算発表後影響

    現在PER15.7倍→予想15.5倍。成長に比し割高感ない。

マイナスに働く材料7
  • 株価の低迷

    1年間で株価が58%下落し、市場の信頼が薄い。

  • 規制リスク

    電力市場の規制変更でビジネスモデルが影響を受ける。

  • 競争の激化

    大手電力や他社参入でシェアが脅かされる可能性。

  • 無配当で株主還元なし継続影響

    配当利回り0%。インカム需要が得られない。

  • PBR2.95倍と割高水準継続影響

    純資産の約3倍。成長鈍化で評価修正。

  • 1年で58%下落の下降トレンド継続影響

    株価742円。高値から58%下落、戻り売り圧力。

  • 外国人保有9.64%と高く売り影響不定影響

    海外勢の保有が9.64%。リスクオフで売られやすい。

次の決算で確かめる点
取引電力量
プラットフォームの利用拡大を示す主要指標。
登録ユーザー数
顧客基盤の成長を測る。
営業利益率
高収益性が維持できるか確認する。

株主

有価証券報告書より

2025年7月期末の株主数は延べ2,555人。区分でいちばん多いのは事業法人47.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が48.2%を占め、残る51.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。比較できる過去の期がまだ揃っていないため、直近期の構成のみを載せています。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2025年7月%
事業法人47.6
個人・その他35.5
外国法人9.6
証券会社6.6
金融機関0.6
外国人個人0.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社東芝12.91
02豊田祐介5.22
03株式会社FD5.16
04WIL FUND Ⅱ,L.P. (常任代理人 大和証券株式会社)5.16
05合同会社OTS3.87
06東急不動産株式会社3.87
07フーバー・インベストメント株式会社3.61
08近清拓馬3.48
09濱田英之3.39
10MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)2.95

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-07-22
    豊田 祐介
    新規の大量保有報告
    8.04%
    -0.84pt
  • 2026-07-22
    近清 拓馬
    新規の大量保有報告
    4.59%
    -0.41pt
  • 2026-04-07
    株式会社東芝
    新規の大量保有報告
    12.37%
    -0.53pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 6期分

1株利益は6期で+140%。直近期のROEは22.6%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSROE%
2021年3月−772
2021年7月−248
2022年7月471.5
2023年7月11122.4
2024年7月16426.0
2025年7月30922.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2025/7期の役員報酬は総額96百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
豊田祐介代表取締役社長 CEO39337,000
嶋田剛久取締役CFO55163,000
近清拓馬取締役COO38225,000
黒川達也取締役CTO3650,000
井上龍子取締役69
大槻陸夫取締役61
井野好男常勤監査役63
木村幸夫監査役50
左合秀行監査役61

役員報酬の内訳2025/7

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4717118
監査役1101010
社外監査役3883
社外取締役2774

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/7期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容9,378字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社1社により構成されており、「エネルギー制約のない世界を次世代につなぐ」ことをビジョンとして掲げ、DGPの提供による「電力プラットフォーム事業(以降、「電力PF事業」)」、「再エネプラットフォーム事業(以降、「再エネPF事業」)」、及び調整力事業や脱炭素教育事業の「その他」3セグメントに分類して事業を行っております。 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)DGPについて (a) DGPの概要 DGP(登録商標第6568939号)は、発電家と需要家が直接取引可能な電力取引プラットフォームです。DGP上で行われる電力取引は、当社グループが提供する共通の電子契約に基づき締結され、電力取引契約の履行に必要な需給管理(送電業務)はDGPによって提供されます。発電家と需要家は電力取引に必要な専門知識や機能を具備することなく、DGPを介して自由な電力取引が可能となります。このように、自由な電力取引の場を構築することにより、取引参加者に価格発見機能とリスクヘッジ機能を提供しています。 価格発見機能とは、電力の売り手の「販売してもよい価格」と買い手の「購入してもよい価格」をすり合わせ、取引可能な価格を見つけることができることを指し、公正な価格形成の機能ともいえます。需要家の電力調達にかかるコストは当社グループの手数料を除き、原価で需要家が負担する仕組みとなっています。当社グループはその電力調達コストの原価構造を全て詳らかに開示しており、需要家は電力調達部分に選択肢があることが理解できる仕組みとなっております。当社グループはこの調達部分について、需要家に調達オプションがあることを提示し、需要家は自らのリスク許容度に応じた電力調達オプションを検討することが可能です。 当社グループは、電力の売り手と買い手がそれぞれの方針によって取引先を決め、電力の取引をすることは、売電量または買電量をすべて市場連動にする場合と比べてリスクが低いと想定しております。売り手は、発電所の建設費用等を売電収入によって長い期間をかけて回収していきますが、売電価格がその時々の市場価格によって変動すると費用回収の見通しが立てにくくなり、金融機関からの融資を受けることが難しくなることが想定されます。一方、買い手は、調達したい電力の全量を市場価格連動で購入した場合、市場高騰時に多額の電気代を支払わなくてはならない可能性があります。売り手と買い手が事前に価格と量、期間を固定した上で、電気の売買契約を締結することで、市場変動リスクを低減することができ、こうした機能をリスクヘッジ機能と呼んでいます。 DGPを利用することで、取引参加者である発電家は、自らが投資・建設・保有する発電所の最適な販路を確保し、需要家は自らのリスク許容度に応じた最適な電源を組み合わせて調達することが可能になります。電源の種類に関わらず、取引参加者同士が販売希望価格と購入希望価格をすり合わせていくことにより形成される約定価格は、発電家と需要家にとって取引の際の参考材料となります。約定価格を参考にすることで、不当に高すぎる、または、安すぎる取引価格となることを防ぐことができます。このほか、より条件に合う取引相手を探すための探索コストや取引相手との価格交渉にかかる交渉コストを抑えることができます。 また、両者の取引に際しては、定型化された契約書や複雑な制度に対応したシステムを当社グループが提供しており、利用者の使いやすさを追求したユーザーエクスペリエンスによって取引コストの最小化が図られています。 電力は一般的に大量かつ長期に貯蔵することが困難であり、需要と供給を常時一致させることが求められるといった特殊性や社会インフラを支える重要なエネルギー源であるという公共性から、電力の取扱事業者には専門性が要請されます。従来、こうした役割は主に旧一般電気事業者※に代表されるような大手電力会社が担っていましたが、東日本大震災を契機とする固定価格買取制度(FIT)の導入や電力小売の全面自由化を含む電力システム改革により、独立系発電事業者の増加や自社電源を持たない新電力の登場など多様なプレイヤーが電力の取扱いを開始するようになりました。需要家向けにも多様な料金メニューが提示されるようになりましたが、依然として「専門家」である旧一般電気事業者や新電力※といった小売電気事業者を通してしか電力調達をすることが出来ないことに変わりありませんでした。 ※旧一般電気事業者:電気事業法(昭和39年法律第170号)による参入規制によって自社の供給区域における電気の小売供給の独占が認められていた電力会社10社(北海道電力株式会社、東北電力株式会社、東京電力ホールディングス株式会社、中部電力株式会社、北陸電力株式会社、関西電力株式会社、中国電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社、沖縄電力株式会社)を指します。なお、新電力とは、旧一般電気事業者以外で、電力販売に参入した小売電気事業者を指します。 DGP上の電力取引では、利用者の高い専門性は必須要件ではありません。再エネ発電家には、天気によって変動する再エネの発電量を予測し、30分毎にその計画値を都度報告する義務が課せられますが、なかにはそうした機能を有さない事業者も存在します。また、需要家の中には、調達している電力のコスト構造を意識せず、「専門家」である小売電気事業者に示された料金メニューの内容を正確に把握しないまま契約する事業者も存在しています。DGPが具備しているAI予測機能は、変動性の高い太陽光のような再エネの発電量予測を容易にすることで発電家の業務負担を軽減させます。また、DGP上で実現される多様な発電家との直接取引により、需要家は自らが調達する多様な電源コストを正確に把握することが可能になります。同時に、電源のポートフォリオを組み合わせることにより、燃料価格等で変動する電力価格の高騰リスクを回避することが可能になります。DGPを通じて、必ずしも「専門家」ではない取引参加者同士の取引を拡大させることは、日本全体の電力市場の質向上や複雑な電力取引の民主化に貢献するものと考えています。 (b) DGPの特長 DGPの主な特長は、電力取引に必要な機能を備え、自由な電力調達を可能にするシステムを提供している点にあります。利用者は、初期費用、専門知識、小売電気事業者のライセンスを必要とせずに、発電家や需要家と直接電力取引を開始・継続することが可能になります。通常、電力取引には、顧客管理・需給管理・料金計算・精算業務等を行うためのシステムや日本卸電力取引所(JEPX※)に参加するための小売電気事業者ライセンスが必要になります。なかでも、需給管理は電力取引の枢要となる機能です。 ※JEPX(Japan Electric Power Exchange):日本で唯一電気の売買ができる取引所で、2003年に設立されました。 電力の需給管理とは、電力の需要と供給が「同時同量」となるよう管理をすることです。一般的に電力は貯蔵できないことから、発電量(供給)と消費量(需要)を、常に同じ量(同時同量)にコントロールする必要があり、需給バランスが大きく崩れると、大規模な停電が発生するおそれがあります。このため、365日を30分単位で発電事業者は発電計画を、小売電気事業者は需要計画を作成し、電力広域的運営推進機関(以降、「OCCTO」)へ提出することが求められています。電力の過不足が生じた場合は、計画との差分を送配電事業者と精算する必要があり、中小規模の発電事業者・小売電気事業者にとって負担になっています。また、太陽光や風力など再生可能エネルギーの供給量は、天候などさまざまな条件によって変動するため、それによって需要に対して供給が不足、または過多となることがないように調整する必要もあります。こうした課題に対し、DGPでは、人工知能技術の研究開発を手掛ける東京大学と共同開発したAIモデルを活用したアルゴリズム、複雑な需給管理の全自動化とそれをサポートするマーケットの知見により市場競争力のある価格でサービスを提供している点が特長です。 このほかの特長として、需要家は、DGPを利用することで電力を調達する先の発電家を自ら選択する(特定する)ことができるようになっております。また当社グループでは契約管理や請求をはじめとした電力取引に必要となる一連の送電業務その他の手続きを代行しており、利用者の負荷軽減を実現しております(特許取得済:第6782479号)。 DGPのシステムは、原則として当社で内製しており、顧客ニーズや規制変更にも柔軟に対応することが可能です。システムエンジニアのパフォーマンスを測るDevOps Research and Assessment(DORA)※に設定された4つの主要指標のうち、デプロイ頻度・変更のリードタイム・変更の失敗率の3つで最高ランクである「エリートレベル」を達成し、速度・安定性の開発力についてトップクラスの評価を得ております(評価期間:2022年8月~2024年7月)。 DGPの運営にあたり、当社グループは市場変動リスクを負わず、発電家と需要家の取引量に応じた手数料が当社グループの売上として計上されます。発電家やJEPXへの電源費用、送配電事業者への託送料金※、OCCTOへの再エネ賦課金は、当社グループを経由してすべて需要家が負担する仕組みとなっております。また当社グループはDGPを活用し、JEPX等への支払いを需要家に代わって行っています。 ※DORAは、Google Cloud が支援する研究組織であり、開発担当者と運用担当者が連携して協力する開発手法である「DevOps」(「開発(Development)」と「運用(Operations)」を組み合わせた造語)のパフォーマンスを評価し、改善するための研究とベンチマークを提供しています。DORAは、DevOpsのベストプラクティスとパフォーマンスを調査するための大規模な研究を行っており、年間レポート「State of DevOps Report」として発表され、業界全体のトレンドやベンチマークを提供しています。このレポートは、DevOpsの導入と改善を目指す多くの企業にとって重要な参考資料となっています。 ※託送料金は、電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の利用料金として一般送配電事業者が設定するものです。 なお、セグメント上、DGPの利用によって生じる電力売買のうち、再エネ以外の電源の取引にかかるプラットフォーム手数料は「電力PF事業」へ、再エネ電源の取引にかかるプラットフォーム手数料は「再エネPF事業」へ、それぞれ属すると定義づけており、電力PF事業と再エネPF事業の事業領域は下図のとおりであります。各事業セグメントの事業内容については、「(2) 電力PF事業」及び「(3) 再エネPF事業」にて記載しております。 (2)電力PF事業 DGPで取引される電力のうち、当事業の対象は再エネ以外の電源となります。需要家は、自社の電力使用量、予算、リスク許容度などに応じて、最適な調達方法を組み合わせることが可能です。例えばJEPXの一日前市場(スポット市場)は、主要な電源調達手段の一つとして位置づけられます。JEPXのスポット市場では、1日を30分単位で区切った48コマの商品として電力が取引され、コマごとに価格が変動します。一般的な傾向として、夏季・冬季の需要期には価格が上昇しやすく、春季・秋季の端境期には価格が低下しやすい特徴があります。また、1日の価格変動においては、日中に太陽光発電の出力が増加すると価格が低下し、太陽光発電の出力が減少し始める夕刻には電力需要が増加することから、価格が上昇しやすい傾向にあります。さらに、自社の化石燃料発電設備の余剰電力を有効活用したい発電事業者や、化石燃料発電由来の電力を仕入れ・販売するエネルギー企業及び商社も、電源調達の選択肢の一つとなります。化石燃料による発電は出力を人為的に調整できる特性を有するため、一般的に取引単位としては、1日を通じて一定量を固定価格で供給する「ベースロード」、及び日中時間帯に固定価格で供給する「ミドル」の2種類に大別されます。需要家は、「電力コストの抑制」や「電気料金の固定化」といった目的に応じて、これらの調達手段を組み合わせることで、最適な電源ポートフォリオを構築することが可能です。 当事業における当社グループの競争優位性は、割安な手数料、契約形態の柔軟性、及びコスト構造の開示(透明性の高い説明品質)にあると考えております。 割安な手数料について、従来の小売電気事業者は多くの人員を必要とする高コスト体質であった一方で、当社グループは、自社開発のAIモデルを中心とした電力取引に必要なシステムを開発、運用しており、人件費や管理費を抑えながら、多様な利用者による大量の取引に対応できる体制を整えています。当社グループシステムとあわせ、新規引合から契約締結までの流れは定型化されていることや、大手企業を含むパートナーとのアライアンスを通じた顧客紹介等により、顧客獲得コストも抑えることができております。当事業の特性上、需要家の電力調達にかかるコストは当社グループの手数料を除き、原価で需要家が負担する仕組みとなっています。とくに、小売電気事業者の設定する一般的な基本料金には託送料金に加え、電源待機費用※等の費用が加えられていますが、DGPでは、小売電気事業者の基本料金に相当する部分が送配電事業者へ支払う託送料金のみとなっているため、需要家は相対的に安価に調達することが可能になります。なお、DGP利用に伴う手数料は需要家からのみ受領しております。 契約形態の柔軟性について、旧一般電気事業者や新電力と呼ばれる小売電気事業者は、仕入れの制約があったために販売メニューが硬直的であった一方で、当社グループは仕入れの制約がなく、需要家が化石電源の発電家と契約するタイミング、期間、量を需要家自身で決定することが可能となります。例えば、全量を市場から変動価格で調達していた需要家が、市場価格の上昇を避けるために、期中に化石電源の発電家から一定量を固定単価で調達をすることで、価格変動を抑制したり、予算計画の達成を優先する場合に、最初から化石電源の発電家と一定量を固定単価で契約締結することで、見通しを立てやすくなったりというように、各需要家の立場に応じて需要家自身が仕入先を選択する柔軟な料金ポートフォリオの設計が可能です。このような自由な割合で調達ポートフォリオをDGPで組成することが可能で、個社ごとに特有のメニューを提供しております。取引形態別の実績として契約容量の79%はJEPXからのみ電力調達する顧客となります。(2025年7月実績) コスト構造の開示(透明性の高い説明品質)について、DGPでは、需要家は手数料を除く電力調達コストを原価で負担しておりますが、その電力調達コストの内訳として電力使用量、複雑な制度に係る各種請求が詳らかに開示されます。 このような競争優位性を有するDGPの開発に関して、当社のエンジニアは、エンジニア自身が電力制度、電力市場に知見を蓄積しております。また、新規プロダクトの開発段階から参加している当社の株主や取引先の存在により、ステークホルダーを巻き込んだアジャイルな開発体制が実現されております。こうした開発体制により、頻繁で複雑な電力制度の変更にも対応可能となっております。 ※電源待機費用は電力の安定供給を確保するために、発電所が電力需要のピーク時に対応できるよう待機することに対して支払われる費用のことです。 (3)再エネPF事業 再エネPF事業の対象は、DGPで取引される電力のうち、再エネ電源となります。再エネを取引する手法として、証書のみを取引する方法(環境価値取引)、需要家の敷地内に設置された再エネ設備を対象に電力購入契約を締結する手法(オンサイトPPA)、需要家の敷地外に設置された再エネ設備を対象に電力購入契約を締結する手法(フィジカルPPA、バーチャルPPA)、需要家の需要拠点と離れた自社拠点に設置された再エネ設備から自家消費する手法(自己託送)、小売電気事業者に再エネを届ける手法(再エネ卸)、市場に再エネを売電する手法(需給管理)があります。当社はオンサイトPPAを除く全ての再エネ取引手法に対応しており、取引の組成支援、及びDGPの需給管理機能を発電家に提供することで再エネ電力購入契約の履行を実行しています。 再エネPF事業の主な特長は、業種や規模を問わない広範な取引参加者とのネットワークと、新たな取引事例をつくる先進性です。これまで、FIT非化石証書の取引システムである「エコのはし」、再エネコーポレートPPAのマッチングプラットフォーム「RE Bridge」など、業界に先駆けてサービスをリリースして参りました。また、2022年4月にバーチャルPPAが解禁されるや否や、同年9月にはFIP制度を活用し、バーチャルPPAの価格変動性を抑え、決済方法を簡素化する手法を組み込んだ当社独自のバーチャルPPAである「GPA(Green Purchase Agreement、登録商標6664824号)」をリリースし、同月には初号案件の成約に至っております。また、旧一般電気事業者とはその供給エリア外において協力体制を構築しております。具体的には、エリア外で開発される太陽光発電設備の需給管理を受託しており、当該旧一般電気事業者に再エネ卸を行っております。このように当社グループは、制度変更にいち早く対応しビジネス化することで、国内の再エネ普及に貢献してきたと認識しております。 (a) RE Bridge(登録商標第6787953号) RE BridgeはコーポレートPPAのマッチングに特化したプラットフォームです。コーポレートPPAにより売電先を確保したい発電家と、追加性のある再生可能エネルギーを長期で安定的に調達したい需要家をオークション形式でマッチングを行い、契約締結後に発電家に求められる需給管理業務等を当社グループが提供することで、案件の組成・発掘から実際のオペレーションまでワンストップでサポートすることができます。RE Bridgeには、発電家と需要家合わせて約150社(2025年7月末時点)の登録があり、2025年5~6月に実施したオークションでは計2,126MWの発電所の参加がありました。RE Bridgeでは登録料や利用料は受領しておらず、マッチング後のコーポレートPPAにおける需給管理を当社グループが受諾することで収益を確保するビジネスモデルとなります。 (b) エコのはし(登録商標6722913号) 当社グループはFIT非化石証書の代理調達サービスを提供しております。FIT非化石証書とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電する際に、電気そのものに加えて発生する環境価値だけを切り離し、証書化したものであり、JEPXで年4回行われるオークションで入札し購入することが可能です。 FIT非化石証書を購入することで、自社が使用した化石燃料由来の電力を再エネ由来の電力として置き換えることができるため、自社の電気契約の変更が不要で、着手しやすい再エネ導入手段である点がメリットです。FIT非化石証書の購入にあたっては、JEPXの会員登録のための書類作成や入札業務、精算といった手続きが発生しますが、エコのはしでは、利用者はオンラインで会員登録を行い、購入希望内容を入力することで手続きが完了し、再エネ価値取引市場への入札業務は当社グループが代行いたします。こうした一連の手続きに対し、当社グループは調達量に応じた手数料を受領しています。 (4)その他 ① 調整力事業 電力ネットワークと直接連系する系統用蓄電池を想定対象として、独立型の定置用蓄電池を制御・運用する事業です。第1号案件は2024年12月より運用を開始しております。系統用蓄電池の収益機会は、主に卸電力市場、需給調整市場、容量市場の3つがあり、それぞれの市場における収益機会は次のとおりです。 当社グループは、これまで各種の実証事業等やDGPの商用化を通じて培ったノウハウを活用したシステム、さらに金融トレーディング・リスクマネジメント等の専門知識を有する人材の登用により、系統用蓄電池の保有者の運用を受託するアグリゲーションサービスを2024年12月から開始しており、系統用蓄電池の収益機会を通じて得られた収益の一部を当社の報酬として受領する予定です。 また、連結子会社であるデジタルグリッドアセットマネジメント株式会社を通じて系統用蓄電池の開発・保有・運用を実施する方針であり、今回の上場における資金使途の主たる目的となります。当事業の将来的な展望としては、需要家と発電家それぞれのDGP利用者に対する市場変動リスクの低減等へ繋げていきたいと考えています。 当社グループにおいて系統用蓄電池を保有する場合、主な資産として蓄電池・系統連系費用・土地等が資産計上される見込みです。また、主な売上高として上記の各電力各市場における売電収入が見込まれ、売上原価として託送費用・再エネ賦課金・容量拠出金等、販売費及び一般管理費として保守費用・保険料・償却費・水道光熱費・関連する人件費等が想定されます。 ② 脱炭素教育事業 当社グループは、日本政府が掲げる2050年のカーボン・ニュートラル実現に向けた各企業の取組みに対して、実務担当者の知識習得を支援するオンライン学習コンテンツGX navi(登録商標第6741588号、第6697124号)を提供しております。GX naviはこれまで幅広い法人のお客様にご利用いただいておりますが、将来的な市場成長や事業拡大の余地には一定の制約があると判断し、現在では事業規模を縮小させております。これに伴いGX naviは2026年7月にサービスの終了を予定しております。 ③ その他 当社グループは、顧客企業の要請に応じて、J-クレジットや海外の環境価値証書等の取引を行うことがあります。これらはスポット取引であるため、当セグメントに位置付けております。 [事業系統図] 事業の内容を事業系統図により示すと次のとおりであります。 ※1 連結子会社 ※2 パートナー企業との共同出資により設立した、蓄電池の所有・運用を目的とする会社
経営方針・対処すべき課題15,901字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「エネルギーの民主化を実現する」というミッションのもと、「エネルギー制約のない世界を次世代につなぐ」というビジョンを掲げています。従来の電力取引に存在するアナログかつ閉鎖的な取引構造をデジタルの力で刷新することにより、「電力取引の簡素化」と「電力価格の抑制」を実現し、多くの会社が自社のリスク許容度と脱炭素ポリシーに合った電力取引の選択肢を検討できる社会を創造することを目指しております。これらの取り組みを通じ、企業価値の最大化を図ることを経営方針としています。 (2)経営環境 ① 電力PF事業 現在の国内電力市場は、再生可能エネルギーの普及や化石燃料調達環境の変化によりJEPXの価格のボラティリティが高まっています。再生可能エネルギーは変動性電源であるため、需給を安定させるための調整力が必須であり、主に液化天然ガス(LNG)火力発電がその役割を担っております。これまで、燃料であるLNGの多くは中長期相対契約で調達されてきました。 2012年に導入されたFIT制度により太陽光発電をはじめとした変動電源が爆発的に増加した結果、出力が不安定な再生可能エネルギーの調整を行うためにも化石電源は重宝され、中長期的相対契約を締結している状況でした。しかし、化石電源の中でも特に調整力の高いLNGは、長期間の貯蔵ができないため取扱い難易度が高い特性があります。こうした状況の中、大手発電事業者は新型コロナウイルスの流行による一時的な電力需要の急減によりLNG関連損失を計上することとなり(※1)、これを契機にLNG中長期相対期契約量を縮小しました。 LNG中長期契約量の減少に伴いLNGのスポット調達割合が増加し、火力発電コストはLNGスポット価格に大きな影響を受けるようになりました。JEPXにおける約定価格は売り主体である大手発電事業者の入札価格に大きな影響を受けますが、このようなLNG調達環境の変化を受け、大手発電事業者がJEPXへの入札価格を、LNGスポット価格を考慮した価格にて入札できるよう制度が見直されました(※2)。この見直しにより、JEPXにおける約定価格はLNGスポット価格の影響を強く受けるようになりボラティリティが増大しました。 LNGスポット価格(JKM)と長期契約価格(JLC)の比較(※3) 東京のJEPXエリアプライス推移(2014/4/1~2024/9/30)(※4) 2022年、ウクライナ紛争が勃発した影響等を受けLNGスポット価格が高騰し、JEPXにおける約定価格も高騰しました。JEPXにおける約定価格の高騰は、発電事業者との長期相対契約を持たない小売電気事業者の仕入価格に直結します。やがて、固定単価の販売価格を仕入価格が上回り、逆ザヤ状態が慢性化していくと同時に、資本力のない新電力を始めとする中小の小売電気事業者は倒産や撤退を余儀なくされていきました。倒産や撤退をした小売電気事業者と契約していた需要家の多くは、大手電力会社である旧一般電気事業者との契約を試みましたが、同様の状況であった旧一般電気事業者も既に通常の供給契約の新規受付を停止していたため、セーフティネットである最終保障供給(※5)契約を一般送配電事業者と締結せざるをえない需要家(電力難民)が続出しました。最終保障供給契約も当時固定単価であったため、一般送配電事業者は契約が増えれば増えるほど損失を被る逆ザヤ状態であったため、2022年9月より最終保障供給契約の料金が市場価格連動に変更され、最終保障供給契約の契約件数は、2022年10月には45,871件に達しましたが、これは前年同月比(445件)の約103倍の水準となりました。その後、LNGスポット価格の下落とともにJEPXにおける約定価格も落ち着きを見せ始め、新電力や旧一般電気事業者が市場連動プランなども一部導入しながら新規契約の受付を開始したこともあり、最終保障供給契約件数も低下しております。 最終保障供給契約件数の推移(2021年8月28日~2024年8月1日)(※6) 以上のように、国内電力市場は国際的なLNG価格に対するエクスポージャーが増大し、電力小売会社が価格変動リスクを取るという電力調達・供給モデルの維持が困難になっており、価格変動リスクは電気を使う需要家に転嫁されつつあります。このような市場環境の変化を受け、今後は需要家が自らのリスク許容度に合った電気を選ぶ時代に突入し、当社グループの電力PF事業を推進する上で好影響を与えました。当事業の特性上、需要家が調達する電気は多かれ少なかれJEPXからの調達を含みます。事前に化石電源の発電家から一定量を固定単価で調達することで価格変動を抑えることは可能ですが、事前に発電家と取り決めた量と実際に使用した量との間に乖離が発生します。こうした乖離については、当社グループのシステムが自動でJEPXから電気を調達または売却することで調整をしています。また、市況やリスク許容度によっては、あえて全量をJEPXからの調達とする需要家も見られます。小売電気事業者から固定単価で購入することが一般的であった時代には、市場からの直接調達やそれに伴う価格変動に対する需要家の理解が進みにくい状況にありました。しかし、環境変化に伴い電気代は市場に連動するという認識が進んだことで、需要家の理解を得やすくなったことは当事業を大きく推進させる要因となりました。当社グループのDGP取扱電力量は、JEPX高騰時に多くの電力難民への電力供給により大きく拡大しましたが、電力難民減少後も、電気代が市場に連動する調達方式が浸透していたため、コスト優位性により順調に拡大しております。以上のように、JEPXが高騰した状況においても、低位安定した状況においてもDGP取扱量は拡大(※7)しており、プラットフォームとして最適な電力取引の「場」を提供しているDGPは、市場価格の高騰時・高騰後を問わず顧客数を拡大しております。なお、DGP取扱電力量の月次平均解約率(※8)は約2.9%となっております。 GMV(取扱電力量)及び契約容量の四半期推移(2023年8月~2025年7月)(※7) 外部環境変化を背景に、電気代が市場に連動する調達方式を受容する顧客セグメントは今後も法人需要(高圧・特別高圧)の中で拡大する見通しです。国内の電力総需要は人口減少や省エネ機器の普及・性能向上などにより減少する要因があるものの、製造業における生産プロセスの電化、データセンターの普及などにより、2040年に電力総需要は9,000~11,000億kWhに達することが見込まれています。2025年7月期の当社における年間取扱電力量は約24億kWhであり、ダイナミックプライシング市場(※12)の17%程度と推定しております。 電力PF事業の市場規模(※9、10、11、12) (※1) 例えば、株式会社JERA 2020年度第2四半期連結決算にてLNG売却関連損を計上 (※2) 東北電力株式会社と株式会社JERAが2021年度11月下旬以降にJEPXへの供出価格をスポット調達等を考慮した価格に変更すると発表 (※3) Bloombergデータより当社グループ作成。JLC:日本着LNG価格。長期契約価格に近い水準。JKM:LNGの北東アジア向けスポット価格指標 (※4) JEPX取引市場データより取得した東京エリアプライス(円/kWh)(2014年4月1日~2024年10月4日) (※5) 小売電気事業者のいずれとも電気の需給契約についての交渉が成立しない高圧以上の需要家に対して、電気最終保障供給約款に基づき旧一般電気事業者が電気を供給する契約 (※6) 電力・ガス取引監視等委員会公表資料 最終保障供給契約件数(2021年8月28日~2024年8月1日) (※7) 当社グループ実績データに基づき作成(2023年8月~2025年7月) (※8) 契約容量の解約率=当月の解約契約容量÷(前月の契約容量+当月新規契約容量)、2024年8月~2025年7月までを対象期間とした月次解約率の平均値 (※9) TAM、SAM及びSOMは、「2040年度におけるエネルギー需給の見通し、電力調査統計 電力需要実績 2023年度(資源エネルギー庁)」をもとに、※10、※11及び※12に記載の方法により当社が算出した推計値。統計情報や第三者により作成されたデータの精度には限界があるほか、当社による一定の仮定、前提、試算に基づいて算出された推計値であるため、実際の市場規模とは異なる可能性がある (※10) SAM(2040年予想):2040年の電力総需要のうち、特別高圧・高圧需要を法人需要として表記。2024年時点の電力総供給量のうち特別高圧・高圧電力が占める割合が64.5%であったことを踏まえ、2040年における電力総需要予測値に64.5%を乗じて算出 (※11) SOM(2040年予想):2024年時点の特別高圧・高圧電力供給量のうち新電力が占める割合が17.4%であったことを踏まえ、2040年の特別高圧・高圧電力需要予測値に17.4%を乗じて算出 (※12) SOM:特別高圧・高圧需要のうち、新電力が市場連動メニューを提供する市場をダイナミックプライシング市場と表記。ダイナミックプライシング市場は電力の需要と供給に応じて価格が変動する市場のことで、電力を使う側は電気料金の節約、電力を供給する側は電力設備や事業の効率的運用が可能になり電力需給バランスの最適化の有効策として期待されている。ダイナミックプライシング市場規模は、「電気とガスのかんたん比較 エネチェンジ(ENECHANGE株式会社)」に掲載されている市場連動メニューを提供している新電力の2023年度電力需給実績の特別高圧+高圧の数値を合計したもの ② 再エネPF事業 2015年12月に開催された国連気候変動枠組み条約国会議(COP21)において採択された「パリ協定」を契機に、世界的に化石燃料依存からの脱却が加速し、再生可能エネルギーへの移行が推進されています。各国政府や企業においても、持続可能なエネルギー利用への意識が高まり、自社消費電力の再生可能エネルギー100%化(RE100)を目指す動きが急速に広がっています。日本国内においても、政府は第7次エネルギー基本計画において、2040年までに再生可能エネルギーの導入比率を40~50%に引き上げるという方針を掲げており(※1)、この目標達成に向けた各種政策が展開されています。これにより、脱炭素化は一時的なトレンドではなく、長期的かつ不可逆的なメガトレンドとして確立されつつあります。 2023年までの再生可能エネルギー拡大実績と2040年までの目標(※1) 2010年には10%程度だった再生可能エネルギーの電源構成比率は、2012年に始まった固定価格買取制度(FIT制度)(※2)の導入により、2022年までに23%まで拡大しました。FIT制度は再生可能エネルギーの普及に大きく寄与し、特に太陽光発電の導入拡大を後押ししました。しかし、FIT制度による新規認定は2022年以降、順次終了することが決定されており、今後の再生可能エネルギー比率拡大には新たな枠組みの構築が不可欠となっております。政府は、2040年までに再生可能エネルギー比率をさらに17%~27%拡大するという目標を掲げていますが、その達成にはFIT制度に依存しない非FIT(※3)電源の普及が鍵を握ります。これにより、事業者が市場競争の中で再生可能エネルギーを活用し、経済合理性を持った形で普及を進めることが求められています。 非FIT電源とは、固定価格買取制度に頼らず、事業者が自由市場において取引する再生可能エネルギー電源を指します。近年、企業の自主的な脱炭素化の動きが進む中、非FIT電源を活用したPPA(電力購入契約)の導入や、トラッキング付き非化石証書を活用したグリーン電力の調達など、多様な調達手法が拡充されています。 これまで、太陽光発電の普及を大きく促進してきたFIT制度は、国民負担の増大を背景に順次終了し、FIP制度(※4)への移行が進んでいます。FIT制度下では、再生可能エネルギーの発電家は国が保証する固定価格で電力を売電する仕組みが整備されていましたが、FIP制度では市場価格にプレミアムを加算する形で売電が行われるため、再生可能エネルギーの発電家は自ら販路を開拓し、電力市場の変動を考慮した取引戦略を構築する必要に迫られています(※5)。 FITとFIPの違い(※5) このように、再生可能エネルギーは政府の補助に依存せず、市場において自立的に運用することが求められています。この市場環境の変化は、当社グループが展開する再エネPF事業にとって追い風となっております。当社グループは非化石証書の代理調達サービス「エコのはし」、再エネコーポレートPPAのマッチングプラットフォーム「RE Bridge」、及び契約締結後の再エネ発電設備の需給管理を提供する「DGP」を通じ、多様な再生可能エネルギーの取引サービスを展開しています。市場環境の変化に伴い、再生可能エネルギーの発電家による長期的かつ安定的な販路の確保、非FIT市場への移行に伴う再生可能エネルギーの需給管理、RE100対応が迫られている需要家の再生可能エネルギー調達、と言ったニーズを的確に捉えたサービスにより、当社グループの再生可能エネルギー取扱量は順調に増加(※6)しており、2025年7月時点で約281MWに到達しています。契約期間は20年間程度の長期契約が中心であり、今後もストックとして積み上がっていく見通しです。 再生可能エネルギー取扱容量推移(MW)(※6) 最後に、非FIT電源の契約形態として、再エネPPA市場が出現し、脱炭素の潮流を背景に2040年にかけて急拡大する見通しです。2025年7月期の再生可能エネルギーも取扱電力量は約2.5億kWhであり、市場の約16.7%を占有していると推定しております。 再エネPF事業市場規模(※7、8、9、10、11) (※1) 資源エネルギー庁 第7次エネルギー基本計画(2024年12月17日) (※2) 再生可能エネルギーを政府が定めた一定の価格(調達価格)で、一定の期間にわたって固定買取価格で買い取ることを義務付けた制度。2012年7月に開始 (※3) FIT認定を受けていない電源、FIT認定期間が終了した電源、FIP認定電源を総称して非FIT電源としている (※4) Feed-in Premiumの略称で、FIT制度のように固定価格で買い取るのではなく、再生可能エネルギーの発電家がJEPXなどで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再生可能エネルギー導入を促進する制度。2022年4月に開始 (※5) 日本総研「FIP導入1年半が経過して~FIP転換の現状と展望~①」、資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー」(2024年1月4日)を参考に当社グループ作成 (※6) 当社グループ実績データに基づき作成 (※7) TAM、SAM及びSOMは、※8、※9、※10及び※11に記載の方法により当社が算出した推計値。統計情報や第三者により作成されたデータの精度には限界があるほか、当社による一定の仮定、前提、試算に基づいて算出された推計値であるため、実際の市場規模とは異なる可能性がある (※8) TAM(2040年予想):2040年度の発電電力量1.1~1.2兆kWhのうち、再生可能エネルギーの電源構成比率4~5割程度を乗じた発電電力量をTAMと想定(資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画」) (※9) SAM(2040年予想):2024年時点の電力総供給量のうち、特別高圧・高圧電力が占める割合が64.5%であったことを踏まえ、2040年における再生可能エネルギーの総供給予測値に64.5%を乗じて算出(電力調査統計 電力需要実績 2023年度) (※10) S0M(2040年予想):2021年のRE100加盟企業の自然エネルギー電力調達方法の内、コーポレートPPAが占める割合である35%であったことを踏まえ、2040年における法人需要家への再生可能エネルギーの供給量予想値に35%を乗じて算出(自然エネルギー財団「コーポレートPPA実践ガイドブック 2023年版」) (※11) SOM:国内のオフサイトPPA事例の総計1,145MWを設備利用率15%でkWh換算(自然エネルギー財団「コーポレートPPA: 日本の最新動向 2024年版、2025年版」 ) ③ その他 ・調整力事業 調整力とは、電力系統の安定性を保つために電力需要と電力供給のバランスを調整することを指します。再生可能エネルギーの導入が今後も増加することが見込まれておりますが、その課題として、再生可能エネルギーは天候等によって発電量が左右されるため、人為的に発電量をコントロールすることが難しい点が挙げられます。その結果、意図的に発電停止指示をする「出力制御」が2018年に九州で発生し始め、2023年には東京エリアを除く全国に拡大しました。そのため、再生可能エネルギー移行に伴う調整電源のニーズは拡大しております。 過去10年の推移においても太陽光の発電する日中価格はJEPXにおける約定価格が下落(図1)しており、再生可能エネルギー導入拡大を背景として、需給調整力の一つである蓄電池へのニーズが増加していく見込み(図2)です。 (左:図1) JEPXにおける約定価格に関する単位時間(24時間を30分ごとに区切った48コマ)ごとの年間算術平均の比較より当社グループ作成 (右:図2) 経済産業省「GX実現に向けた投資促進策を具体化する分野別投資戦略 参考資料(蓄電池)」2023年12月22日より当社グループ作成 ・脱炭素教育事業 内閣府が2022年6月に実施した調査(※1)によると、脱炭素化に向けた取組みの課題として、約4割の企業が「必要なノウハウや人員が不足している」、約3割が「投資・運営コスト増への対応が困難である」と回答しています。当社グループはこうした課題を踏まえ、学習コンテンツ「GX navi」の作成に着手いたしました。試作段階において取引先企業へのヒアリングやアンケートを実施した結果、既存の学習媒体に対し「情報の網羅性、一覧性、鮮度」のいずれかに不満を感じている企業が多いことが明らかになりました。そこで、GX naviでは、理論から実践的な知識までを一元化し、実務担当者が必要とする情報を網羅的かつ最新の状態で学習できる仕組みを提供しております。なお脱炭素教育事業の事業規模を縮小させており、GX naviは2026年7月にサービスの終了を予定しております。 (※1) 内閣府「我が国企業の脱炭素化に向けた取組状況」(2022年6月) (3)経営戦略 当社グループは上述の経営環境を踏まえ、電力需要家が自ら電源調達ポートフォリオを選択することを可能にする「電力PF事業」、企業の再生可能エネルギー調達を支援し、非FIT制度下で発電者に求められる需給管理を提供する「再エネPF事業」、変動性電源増加に伴い求められる調整力を提供する調整力事業を含む「その他」の3つのセグメントで事業を展開しております。各セグメントにおける主要な戦略は以下の通りです。 ① 電力PF事業 電力PF事業として展開するDGPでは、需要家が主体的に電源調達ポートフォリオを選択できる環境を提供し、自由な電力取引ネットワークを形成しています。従来、需要家は限られた選択肢しかありませんでしたが、当プラットフォームは高いカスタマイズ性を実現しており、これが当事業の独自性と強みとなっています。また、新規顧客の獲得において、当社グループ人員による営業に加えて、代理店を活用した販路拡大も積極的に進めており、効率的に営業を展開しております。 当社グループは、需要家に対して調達オプションを提示し営業活動を行っております。調達オプションには、JEPXから100%の電力を調達する手法、JEPXと価格固定電源からの調達を組み合わせる手法、JEPXと再生可能エネルギー電源からの調達を組み合わせる手法、及び市場、価格固定電源、再生可能エネルギー電源からの調達を組み合わせる手法があります。なお、それぞれの電源からの調達割合は自由に選択することが可能です。安価な市場価格を享受したい需要家は市場調達100%を選択し、市場価格高騰に備えたい需要家は価格固定電源からの調達を組み合わせることで調達価格を一部固定することを選択し、また、再生可能エネルギー導入が必要な需要家は再生可能エネルギー電源からの調達を組み合わせることを選択します。このように、個々の需要家によって最適な調達手法は異なるため、当社グループによるサービスを通じて、需要家に対して最適な電源調達オプションを提示し、DGPのシステムが様々な取引形態を可能としています。 ポートフォリオ実績:取引形態別の契約容量(MW) ※取引形態別の契約容量は、請求月ベースの合算値 DGPは、従来、電力会社が手作業で行っていた業務をAIを活用したシステムにより自動化し、オペレーションの効率化による価格競争力と、個々の需要家に合わせた電力取引が可能な柔軟性を実現しております。この基盤を活かし、当事業の成長戦略として、顧客基盤の拡大と市場調達+αの柔軟性のある取引形態を訴求し、売上の拡大に加え、顧客満足度のさらなる向上を目指してまいります。 顧客基盤の拡大においては、当社グループとの直接契約に加え、代理店との連携については、商談機会の拡大及び契約件数の増加を図ってまいります。具体的には、代理店と共通の営業ツールの活用、オンボーディングの標準化及び教育・支援体制の強化による早期戦力化及び代理店のスコアリング制度導入による新陳代謝の促進等の打ち手により、代理店との連携を、積極的かつ効率的な運用とする方針です。 市場調達+αについて、現状、当社グループの契約容量の7割以上を占める取引形態は、市場からの100%調達となります。しかし、電力市場のボラティリティが高まりつつある状況において、潜在的な価格ヘッジニーズは大きいと見ております。そのような中、当社グループは、プロダクトの深化を継続し、顧客満足度を向上させ継続率を高めてまいります。具体的には、マーケットレポートを活用したコスト削減効果の可視化による経済的メリットの訴求や、卸取引の自動約定等の実装によるユーザーエクスペリエンスの向上、卸の調達先多様化による選択肢の拡充により、DGP上におけるヘッジ取引を拡大させていく方針です。また、直販営業を強化し、需要家の電力調達と伴走者となることを目指します。直販営業体制は非再エネ、再エネといったプロダクト単位ではなく、顧客ごとに営業担当を配置する顧客専任性へ移行し、電力・再エネ調達方針策定から取引実行、アフターサービスまで、一気通貫したサービスを提供し、大口需要家の獲得、及び継続率の向上による顧客生涯価値の拡大を行ってまいります。 ② 再エネPF事業 再エネPF事業では、今後需要が高まると予測される分野への積極的な取り組みを推進して参ります。その一環として、再エネ証書の代理調達サービス「エコのはし」と「DGP」を利用した再生可能エネルギー取引の間をシームレスに接続する「RE Bridge」を新たにサービス開始しました。当社の各プロダクトの役割と位置付けとして、「エコのはし」はPPAに関心を持つ需要家のリード獲得を目的とし、まずは非化石証書を活用した環境価値取引を提供します。「RE Bridge」はPPA契約のマッチングを推進し、営業プロセスの効率化を図ります。また、「DGP」はPPA契約締結後の需給管理を提供し、多様な再生可能エネルギー取引の実行を図ります。これらのプロダクトを通じて、「エコのはし」→「RE Bridge」→「DGP」へと、需要家を段階的に誘導する仕組み(※1)を構築し、再生可能エネルギー取引をよりスムーズかつ効率的に進めることを目指しています。今後も、このようなカスタマージャーニーの支援、及びDGPの再生可能エネルギーのプロダクトの開発・改善を継続し、需要家が再生可能エネルギー導入をより容易に進められる環境を整備してまいります。 (※1)再エネ顧客のカスタマージャーニー また、非FIT/FIP電源の増加を見据え、旧一般電気事業者向けの再生可能エネルギー電力卸取引を拡大するため、競争力のある優良な発電事業者や発電設備の案件獲得を進め、顧客ニーズが高まると見込まれる環境価値の固定化や短期PPAに対応するため、これらの需要に応えられる発電家の発掘も進めてまいります。 当社グループは、引き続き市場環境の変化に柔軟に対応し、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた再生可能エネルギー取引の拡大を推進してまいります。 ③ その他 ・調整力事業 調整力事業では、市況に合わせて当社グループの競争優位の源泉であるアルゴリズムを改良し続けます。また、蓄電池運用に関する投資及びアグリゲーターとしての実績を積み上げるため、蓄電池メーカーとの取引を拡大し、各市場の効率的な運用を目指してまいります。さらに、供給力や調整力にかかわらず全ての電力を同時に約定させる仕組みの市場(同時市場)の創設が検討されている中で、こうした制度変更を迅速にサービス開発に反映させるよう努めます。 ・脱炭素教育事業 前述の通り事業規模を縮小させており、GX naviは2026年7月にサービスの終了を予定しております。 以上のように、電力PF事業の拡大を維持しつつ、再エネPF事業の強化に伴うメニューの多様化、更にはプラットフォームの独自性を高める調整力事業などの新規事業の開始等により、追随を許さないメガプラットフォーマーを目指します。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な事業拡大及び利益成長の観点から、財務関連指標としては成長率や利益率、取扱電力量などを重視しておりますが、重要な経営指標の目標達成状況を計るためのKPI(Key Performance Indicators)として以下を設定しております。 ①売上高及び売上高成長率 ②営業利益及び営業利益率 ①について、売上高は、会社がどれだけ商品やサービスを売り上げたかを示す指標であり、売上高成長率(※1)は、その売上がどれだけ増加したかを示す重要な指標です。電力PF事業を中心とする売上高の拡大によって、更に会社が成長し、より多くのお客様への価値提供が可能と考えています。売上高は毎期成長を遂げており、前年比売上高成長率は2023年7月期は39%、2024年7月期は107%であります。 ②について、営業利益の拡大が当社グループ事業の持続可能性をモニタリングする上で適していると考えています。また営業利益の絶対額だけでなく売上に対して不用意なコスト増とならないかを判断するため、営業利益率(※2)も注視しています。2022年7月期の黒字化後、2023年7月期に営業利益率は25%、2024年7月期には44%を達成しております。 今後も引き続き電力PF事業を中心としたDGP関連の事業に取り組み、自由な電力取引ネットワークを拡大させていくことで、売上高、営業利益などの上昇を目指してまいります。 指標   2022年7月期   2023年7月期   2024年7月期   2025年7月期 売上高(百万円)   1,210   1,691   3,515   6,153 売上高成長率(%)(※1、3)   -   39   107   75 営業利益(百万円)   24   438   1,547   2,742 営業利益率(%)(※2)   2   25   44   44 (※1)「(当期売上高÷前期売上高-1)×100」により算定しております。 (※2)「営業利益÷売上高×100」により算出しております。 (※3)2022年7月期の売上高成長率は、2021年7月期の事業年度が決算期変更により2021年4月1日から2021年 7月31日までの4ヶ月間となっているため、記載しておりません。 (※4)2025年7月期より連結決算に移行しておりますが、参考として、2024年7月期以前は単体業績を記載しております。また、2025年7月期の売上高成長率は、2024年7月期の単体売上高をもとに算出しております。 なお、DGPの手数料売上高及び主要なKPIの四半期推移は下表の通りです。DGPによるシステム対応のため、契約容量・拠点数の急激な伸びにも対応が可能な体制を構築しております。今後も卸調達、中規模需要家(高圧500kW以上)の獲得、新規パートナーの開拓を継続する方針です。 ・2023年7月期 (単位:百万円)   第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期 売上高   355   440   505   390 DGP手数料売上高(※1)   58   216   249   333 DGP手数料売上高除く売上高 (※2)   296   223   255   56 営業利益   114   165   163   △4(※3) ・2024年7月期 (単位:百万円)   第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期 売上高   646   765   852   1,251 DGP手数料売上高(※1)   474   591   700   1,052 DGP手数料売上高除く売上高 (※2)   172   173   152   198 営業利益   303   388   393   461 ・2025年7月期 (単位:百万円)   第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期 売上高   1,687   1,620   1,482   1,362 DGP手数料売上高(※1)   1,224   1,199   1,165   1,203 DGP手数料売上高除く売上高 (※2)   463   421   317   159 営業利益   973   736   663   368 (※1)売上高からDGP手数料売上高のみを抽出した数値 (※2)一般送配電事業者との精算額、Jクレジット販売、FIT非化石証書仲介手数料などが含まれる数値 (※3)営業損失は決算賞与支給による一過性のものや研究開発費、排出係数調整費が主な要因 (※4)2024年7月期以前は単体業績、2025年7月期は連結業績を記載 ・2023年7月期 指標   第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期 GMV(取扱電力量:GWh)   51   127   153   204 需要家   50   123   148   200 再エネ発電家   1   4   5   4 契約容量(MW)(※1)   68   188   331   298 需要家   67   176   318   279 再エネ発電家   1   11   13   18 契約拠点数(数)(※2)   256   974   956   1,592 需要拠点数   247   946   923   1,515 再エネ発電拠点数   9   28   33   77 ・2024年7月期 指標   第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期 GMV(取扱電力量:GWh)   271   319   364   542 需要家   264   309   338   502 再エネ発電家   7   10   27   40 契約容量(MW)(※1)   384   504   621   799 需要家   354   437   510   656 再エネ発電家   30   67   110   142 契約拠点数(数)(※2)   2,116   2,832   3,778   4,262 需要拠点数   1,946   2,508   3,222   3,578 再エネ発電拠点数   170   324   556   684 ・2025年7月期 指標   第1四半期   第2四半期   第3四半期   第4四半期 GMV(取扱電力量:GWh)   640   628   656   753 需要家   600   585   584   655 再エネ発電家   40   43   72   98 契約容量(MW)(※1)   824   939   1,018   1,034 需要家   663   724   769   754 再エネ発電家   161   215   249   281 契約拠点数(数)(※2)   4,399   4,675   4,764   4,901 需要拠点数   3,515   3,570   3,430   3,456 再エネ発電拠点数   884   1,105   1,334   1,445 (※1)契約容量は託送月による合算値 (※2)当社グループと契約関係のない低圧の需要拠点を除く (※3)2024年7月期以前は単体業績、2025年7月期は連結業績を記載 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 「(3)経営戦略」を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりです。 ① 長期安定的な顧客基盤の構築 DGPの機能や価格の優位性を活かし、引き続き新規顧客獲得に邁進してまいります。現在、当社の売上高は特定の業界・企業に依存することなく分散しており、急激な売上変動が緩和される構成となっていると認識しております。 月次売上高に占める手数料収入帯別の構成(社数、n=1,174) 一方で電力PF事業における電力契約は単年契約が基本となっており、多くの契約企業が1年に一度の頻度で契約を見直しています。これは当社グループにとっての解約リスクであり、継続率を向上させることが事業の重要な課題となっています。この課題に対して、当社グループは化石電源との相対契約による固定価格調達や、再エネPF事業において推進しているコーポレートPPAなどの長期契約を増やし、プラットフォーム上での取引選択肢を豊かにすることで継続率の向上を図ります。これにより、ストック型のビジネスモデルへと移行し、安定した収益基盤を構築していく必要があると考えております。 ② 発電・需要予測精度の向上 DGPには、発電家と需要家の双方が存在し、電力系統を介して電力の供給及び調達が行われています。この取引の過程において、当社グループは電力系統の運用者に対して系統の想定使用容量である計画値を提出する必要があります。しかし、計画値と実際の使用量である実績値の差分であるインバランスは、当社グループと系統運用者との間でペナルティ性のある単価で精算されるため、インバランスリスクが主要な事業上のリスクとなっています。当社グループは、AIが実装されたシステムを活用し、発電拠点及び需要拠点ごとに発電量と需要量の予測を行っており、この予測に基づき計画値を提出しておりますが、インバランスリスクを低減するためには、需要予測及び発電予測の精度向上が課題です。当社グループはこれまでに年間通算でのインバランスの損失を回避し、顧客負担を軽減しておりますが、今後も予測技術の進化や新技術の積極的な活用、データ解析の精度向上を追求するとともに、極めて流動的な法制度・顧客ニーズに迅速に対応することで、さらなるリスク低減と業務効率化に努めてまいります。 ③ 優秀な人材の確保・教育と社内管理体制の強化 当社グループは、事業の特性上、優秀な人材の業務遂行能力が収益に大きく影響することを認識しております。電力業界特有の要件や規制に精通した人材、複雑なドメイン知識を持つインハウスエンジニア、金融のトップファーム出身者などの人材が在籍しており、一般送配電事業との電力精算額等の業務でAIを生かした需給予測や予測結果に対する金融スキルを生かした調整を実現できております。その他にも様々な業界に精通した専門家がバランスよく採用・定着できていることも強みであると当社グループは認識しております。 そのため、競合他社との人材獲得競争の激化、コアメンバーの予期しない退職、採用と教育の遅れなどが、安定した業績の確保に障害となる可能性があると考えています。これに対応するため、当社グループはパフォーマンス評価に基づく賞与及びストックオプション等のインセンティブ制度を導入し、独自の教育研修体制を整備することにより、従業員の早期戦力化とスキルアップに努めております。また、人材の拡充と同時に企業規模に応じた社内管理体制の強化を行っていく方針です。業務マニュアル等の整備やコーポレート・ガバナンスの向上、予実管理の精緻化についても取り組みを加速していく必要があると考えております。 ④ 財務健全性の最適化 当社グループの電力PF事業の取引において、電力の一部をJEPXから調達しており、調達した電力の支払いは取引日の2営業日までに発生します。一方で需要家への債権の回収サイトは1か月以上であるため資金繰りに大きな影響を及ぼします。そのため、当社グループの財務上の重要な課題として、財務健全性の最適化が挙げられます。財務健全性とは流動資産科目(現金及び預金+売掛金+立替金+未収入金)―流動負債科目(買掛金+(短長)借入金+未払金)で算出しており、運転資本の効率性を評価する重要な指標です。 財務健全性の最適化のため、当社グループが需給管理を行う再生可能エネルギーの発電所数を増やす取り組みやヘッジ取引の拡大など、JEPXにおける調達量を相対的に減らす施策を行ってまいります。
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会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載します。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示します。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)事業環境に関するリスクについて ① 電力市況について(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし) 電力の市場価格は、LNGをはじめとする燃料価格の高騰の影響を大きく受け、価格変化が激しい状況が続いています。加えて、電力の需要期である夏季及び冬季においては、市場価格が高騰するリスクは高くなります。 当社グループの電力PF事業では、一部の顧客に対して完全市場連動型プランを提供しておりますが、完全市場連動型プランの場合、需要家は電力の調達に際し市場価格の影響を直接受けます。このため燃料価格の高騰や、予想し得ない事象等が発生することにより電力価格が高騰した場合は、解約リスクが高まり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、解約リスクを低減させる取り組みとして、固定価格(再生可能エネルギーを含む)と変動価格を組み合わせた様々なハイブリッドメニューの提供を行っております。 ② 制度変更リスクについて(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループが事業展開する電力事業においては、東日本大震災を契機として、FIT制度の創設、電力小売の全面自由化や送配電事業の法的分離の実施、内外無差別性の確保等、大規模な改革が政府主導で行われてきました。そうした電力制度改革を更に推進すべく、2020年に電気事業法及び再エネ特措法の改正案が第201回通常国会で可決され、電力データの活用促進や分散型電源の推進に向けたアグリゲーター事業者の法的位置付けの整理、計量法規制の合理化、市場価格連動型の再生可能エネルギーの買取制度(FIP制度)の導入等が制定されており、2024年度には容量市場開設に伴う容量拠出金制度が開始しました。 当社の事業は、上記のとおり制度変更が著しい環境に属しており、想定外の制度変更等がある場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争激化について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし) 他社との競合について当社グループは、DGPなどの電力プラットフォームサービスをはじめとする特色あるサービスの提供や機能の強化、再生可能エネルギーのサービスラインナップの充実、その他の新規事業等に継続的に取り組み、競争力の向上を図っております。また、当社グループはアジャイル手法による開発体制を維持継続して顧客ニーズに迅速に対応することに努めております。しかしながら、当社グループと同様にAIテクノロジー等を提供している企業や新規参入企業との競争激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 業績の季節変動について(影響度:小、発生可能性:高、発生可能性のある時期:短期) 当社グループの事業は、需要家の使用電力量の季節変動による影響を受けることから、夏季及び冬季の電力需要が高まる時期に売り上げが偏重する傾向があります。他方、冷夏暖冬といった異常気象により電力の需要が著しく低下した場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 法的規制について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループの事業は、規制業種として、「電気事業法」特有の法的規制を受けており、また、事業運営においては、「個人情報保護法」、「景表法」及び「不正競争防止法」等の規制を受けております。当社グループは、法令等の改廃状況のチェック体制を構築し、関係する法令等の動向を注視する等、法的規制の遵守に努めております。 しかしながら、これら関係法令について、当社の想定外の改正や新たな制定等が生じた場合、当社グループの事業に制約が生じる又は対応のために多額の費用や時間を要する等の可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、将来において、当社グループがこれらの法令等に違反する行為を行った場合には、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導等を受ける可能性があり、万が一、当社グループが取得している許認可等が取り消された場合は、当社グループの事業展開や社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、本書提出日(2025年10月30日)現在において、当該許可の取り消しとなる事由に該当する事実はありません。 ⑥ 知的財産について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループは自社開発AIモデルやシステム・プログラムが事業上重要なものとなっています。当社グループが権利を保有することが重要であると判断するものについては、積極的に特許出願を行っていますが、情報漏洩の観点からこれを防ぐため、特許出願を行う必要がないと判断した項目については特許出願を行っていません。 現在、当社グループでは、定期的に弁理士とミーティングを行い、弁理士に調査を依頼するなど、製品開発において特許権の侵害等がないかチェックを行っております。しかしながら、見解の相違も含め、他社の特許権を侵害する可能性も含まれております。同様に、当社グループが保有する特許権について侵害される可能性もあります。 当社グループとしましては、第三者と知的財産権に関する問題が発生した場合、第三者の弁護士及び弁理士と対応を協議していく方針ですが、案件によっては解決に時間と費用を要し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 なお、本書提出日(2025年10月30日)現在において、知的財産権に関する問題は発生しておりません。 ⑦ 一般送配電事業者との電力精算に係る損益について(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループが事業展開をしている電力PF事業及び再エネPF事業は、一般送配電事業者の送電ネットワークを介して電力を供給する際に一般送配電事業者の定める託送供給約款等に基づき、需要・発電想定量と実際の需要・発電量をそれぞれ30分毎に一致させる義務(計画値同時同量制度)を負っております。事前に計画した需要・発電量と実際の需要・発電量の差分は、インバランス(料金)として一般送配電事業者との間で精算されます。 当社グループでは、自社システム及び需給バランスモニタリングチームによって、30分毎の需給バランスの最適化を図っておりますが、同時同量を達成できない場合において、余剰インバランス・不足インバランスが多額に生じる場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 なお、会計処理方法及び影響額については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (6)その他連結財務諸表作成のための重要な事項」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 (2)事業内容及び提供サービスに関するリスクについて ① サービスのライフサイクルについて(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループの電力PF事業において、電力需給契約の契約期間は基本的に1年間となっていますが、契約締結後はユーザーの意思に従って契約の更新又は解約がなされます。当社グループとしてはユーザーにとって最適な電力調達の選択肢を提供すべく契約締結後もカスタマーサポートの提供や営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握等を通じて、契約維持に努めております。 しかしながら、ユーザーが他の電力会社に切り替えた場合は手数料収入が減少するため、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② システムリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループが提供するDGPの運営は、主に自社開発した社内システムを利用しています。情報システムの要件漏れやプログラムバグの混入等により法令対応が適切に行われず、情報システムの不具合や停止が発生し、お客さま情報の不適切な取り扱いや電力市場への誤入札等の社会的信用の低下につながる事案の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、不測の事態によってこれらのシステムのインシデントや情報漏洩が発生した場合、日常の業務運営に支障をきたす可能性があります。 対応策として、第三者による定期脆弱性診断や、更新時の脆弱性診断等の対応策を実施予定ではありますが、インシデントや情報漏洩の可能性を完全に回避することは困難であり、また想定した防御レベルを上回る技術によるサイバー攻撃等などにより、当該情報の破壊・改ざん・流出・社内システム停止等が引き起こされる可能性もあります。これらの事態が起きた場合には、事業継続リスク、レピュテーションリスク、顧客対応リスク等様々な事象に影響を与える可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定セグメントへの依存について(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループの収益は電力PF事業において顧客から収受する手数料が収益全体の約9割を占めております。今後も需要家のニーズをとらえて電力PF事業のセールス活動の拡大、認知度向上等を通じて当該サービスに係る収益は拡大していくものと考えておりますが、再エネPF事業における再エネ発電家の獲得の他、調整力事業への参入や脱炭素教育事業の開始など、エネルギーに関連する新たな新規事業の検討・サービス開始を継続する方針です。しかしながら、予期せぬ要因により、電力PF事業の収益構造に重大な変化が生じた場合には、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)コンプライアンス・法的規制等に関するリスクについて ① 法的規制について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループが事業展開する電力業界においては、電力事業及びその関連事業を行う者に対し電気事業法が適用されます。当社グループは資源エネルギー庁に登録した小売電気事業者として一般ユーザーとの間で小売供給契約を締結しており、電気事業法及び同法施行規則で定められた義務や規制、並びに経済産業省が公表するガイドラインである「電力の小売営業に関する指針」を遵守して事業を行っています。 これら電力関連の法規制のみならず、RE100等の定める基準、その他のガイドラインの対応については、外部弁護士等の専門家の見解を踏まえて四半期毎のリスク・コンプライアンス委員会等において慎重に判断を行っていますが、新たな法令等の制定や、当社グループが想定しない形での既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② 仲介契約について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループの電力PF事業の一部新規取引は、仲介契約(媒介契約及び紹介契約)を通じて行われていることから、当社グループは仲介事業者との良好な業務関係の構築・維持に努めてまいりました。その結果、仲介事業者の新規参画と、仲介事業者の営業体制強化が進んでおります。 他方、仲介事業者が著しく増加することで当社グループから仲介事業者への管理機能が低下し、仲介事業者を通じた新規取引先と紛争が発生するリスク、このほか、仲介事業者を通じた損害により発生する当社グループへのレピュテーションリスクなどによって、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4)事業運営体制に関するリスクについて ① 人材の確保・育成について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループでは、事業の持続的な成長を支える優秀な人材を確保することが事業運営上重要であると考えています。そのため、事業部ごとに必要人材要件をマッピングし、積極的な優秀な人材の採用や、教育研修体制を整備することにより、従業員の早期戦力化とスキルアップに努めております。 しかし、競合他社との人材獲得競争の激化、コアメンバーの予期しない退職、雇用情勢の変化等により、計画のとおりに人材が確保できない場合には、事業運営や開発計画に支障をきたし、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② 小規模組織であることについて(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループは小規模組織であり、ガバナンス体制や内部管理体制は当社グループの組織規模に応じたものとなっています。これらの体制については組織規模に関わらず高い水準を構築・維持することが重要であるとの考えのもと、当社グループは、コーポレートガバナンス・コードを念頭に置いた内部管理体制の構築を図っています。 具体的には、各専門分野における豊富な経験を有した人材を採用するとともに、各種のコンプライアンス研修等社内教育による人材育成を進めることで、事業規模の拡大や多様化に合わせ、内部管理体制を充実・強化していく方針であります。しかし、社内管理体制の構築が想定通り進まない場合や人的資源の流出が生じた場合には、内部管理体制やコーポレート・ガバナンス体制に支障が生じ、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定人物への依存について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社の代表取締役社長CEOである豊田祐介は、エネルギー業界に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)その他のリスクについて ① 大規模な自然災害等について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 資金繰りに関するリスクについて(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 電力PF事業の特徴として、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが長くなる傾向にあります。電力を日本卸電力取引所(JEPX)から調達した場合、電力代金の支払いが取引日の2営業日までに立替金の形で発生します。当該立替金は請求日に需要家へ請求しますが、請求の事実をもって立替金から未収入金へ振替を行います。日々の調達電力代金は調達電力量にJEPX市場単価を乗じた金額になるため、需要家の増加に伴う取扱電力量の増加や、市況の変化に伴う電力単価の増加等に伴って、立替金相当額や未収入金額は増加する傾向にあります。なお、JEPXへ電力代金を支払い、需要家から回収するまでの期間は最大2ヵ月程度にわたります。 また、需要家が電力を使用することによって発生する需要家が負担する費用(送配電事業者への託送料金、OCCTOへの再エネ賦課金等)は、当社が各社への支払いを需要家に代わって行います。そのため、需要家が負担する費用相当額は当社の債務として、未払金計上されるとともに、需要家に対する未収入金も同額が計上されます。以上の理由により、当社の事業上貸借対照表上の立替金・未収入金・未払金相当額が多額に計上される傾向にあります。 そのため、不測の事態により卸電力市場の電力価格が高騰等した場合、または借入による資金調達が適時に行われない場合等、資金繰りが適切に管理・運用されない場合、当社グループのキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 対応策として、経営企画部財務担当及びその管掌役員による定期的な資金残高のモニタリングや、複数の金融機関とコミットラインを締結することにより必要資金を迅速に調達できる体制を構築しております。 ③ レピュテーションリスクについて(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループは、当社グループのブランドイメージや社会的信用を維持・向上させることが、既存のクライアントとの関係強化や新しいクライアントを誘引することにおいて重要であると考えています。他方、マスコミ報道やソーシャルメディアの書き込み等において、当社グループに対する否定的な風評が発生し流布した場合等には、当社グループのブランドイメージや社会的信用が低下し、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、コーポレート部に広報担当者を配置しており、マスコミ等の外部メディアなどへの情報提供に関しては必ずコーポレート部による確認を実施した上で公表しております。 ④ 訴訟リスクについて(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループは、コンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。しかしながら、当社グループの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。訴訟手続は、一般的に時間や費用がかかるものであり、勝敗如何によらず、経営上の混乱を招く可能性があります。さらに、訴訟の結果として当社グループにとって不利な判決が出された場合、当社グループは多額の損害賠償義務を負う可能性があります。また、相手方と和解に至った場合でも、和解の条件次第では、同様に当社グループにとって不利な条件を受忍せざるを得ない場合も考えられます。このように、第三者との係争は、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、本書提出日現在、重大な訴訟を提起されている事実はありません。 ⑤ 新株予約権の行使による株式の希薄化について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループは、取締役、監査役及び執行役員、従業員並びに社外協力者に対するインセンティブ付与を目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、1,456,690株であり、発行済株式総数6,457,300株の22.6%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、この株式価値の希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 当社グループは株主への利益還元の重要性を認識しておりますが、現時点では成長過程にあると考え、競争力の確保と更なる成長の継続を経営上の最重要課題としております。また、内部留保の充実を図り、それを原資として中長期的な事業拡大のための投資に充当していくことが、将来的な株主への利益還元に繋がると考えております。以上の理由から、当社は創業以来配当を実施しておりません。将来的には、財政状態、経営成績、事業計画等を勘案し、株主への利益還元策を決定していく所存でありますが、配当実施の可能性及びその時期等については現時点で未定であります。 ⑦ 資金調達の使途について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 上場時の公募増資等により調達した資金は、蓄電池設備の取得資金に充当する予定です。しかしながら、想定通りに蓄電池設備を取得できない場合や、期待通りの投資効果が得られないことが判明した場合、現時点の資金使途以外の事項に資金を充当する可能性があります。そのような場合、目標とする企業価値の向上が想定通り達成できない可能性があります。また、適切に投資実行できた場合においても、蓄電所等の有形固定資産等を所有することになった場合や、SPCへ出資を実行することになった場合は、減損リスクが存在いたします。いずれの場合も、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクを踏まえ、当社グループを取り巻く外部環境や経営環境の変化については適時その動向を注視するとともに、公募増資による資金調達の使途に変更が生じた場合には、適時適切に開示を行います。 ⑧ 新規事業に関するリスク(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし) 現在その他セグメントが赤字となっております。今後も当社グループは事業領域の拡張と持続的な成長を目指し、新規事業への取組みを実施する方針ですが、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が発生する可能性があります。また、新規事業開始から安定的な収益を得るまでには一定の期間が必要であり、その期間は当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、開始した新規事業が市場環境や予期せぬ技術革新等によって計画通りに推移しなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、当社グループは、2025年7月期より連結決算に移行したため、前年同期及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は16,532,406千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金が4,648,319千円、未収入金が9,766,052千円であります。また、固定資産は1,285,161千円となりました。その主な内訳は、投資その他の資産の預託金903,416千円であります。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は8,540,928千円となりました。その主な内訳は、短期借入金が260,000千円、未払金が5,400,338千円、買掛金が575,059千円、未払法人税等が810,029千円、1年内返済予定の長期借入金が353,560千円であります。また、固定負債は999,400千円となりました。その内訳は、長期借入金であります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は8,277,240千円となりました。その内訳は、資本金が1,139,500千円、資本剰余金が3,683,191千円、利益剰余金が3,454,548千円であります。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に個人消費や設備投資が増加し、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、円安の進行や原材料価格の高止まりにより企業収益や家計への影響が続き、先行きについては依然として不透明感が残りました。また、欧米諸国における高い金利水準の継続をはじめ、中国経済の先行き懸念、インフレ傾向の継続、中東情勢の不安定化など、依然として景気を下押しする不透明要因が残っております。 当社グループが属するエネルギー業界においては、ロシア・ウクライナ情勢の長期化などに伴う資源価格高騰の影響を受け、電力会社の財務状況は依然として厳しい状況にあります。他方、電気料金の改定や卸電力市場価格の落ち着きにより、一部では需要家獲得に前向きな動きも見られ、業界全体としては緩やかな改善の兆しも現れつつあります。また、政府のグリーントランスフォーメーション(GX)政策を背景に再生可能エネルギーの導入が引き続き進展し、企業における脱炭素経営や再エネ調達ニーズが一層高まりました。 このような経営環境の下、当社グループは、Mission「エネルギーの民主化を実現する」、Vision「エネルギー制約のない世界を次世代につなぐ」を掲げ、持続可能な社会の実現に向けて各事業を推進してまいりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,153,606千円、営業利益は2,742,720千円、経常利益は2,614,109千円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,870,044千円となりました。 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。 (I)電力PF事業 電力PF事業におきましては、デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)における再エネ以外の電源の取引を対象としています。当連結会計年度において当社グループは、事業拡大を見据え、パートナー連携の拡大、カスタマーサクセス施策の強化による顧客生涯価値の向上、ビジネスメディアへの積極的な露出など、成長に向けた施策を着実に実行してまいりました。以上の結果、電力PF事業の売上高は5,420,486千円、セグメント利益は3,529,801千円となりました。 (II)再エネPF事業 再エネPF事業におきましては、DGPにおける再エネ電源の取引を対象としています。当連結会計年度においては、契約済案件の運転開始に向けたフォローに加え、RE Bridge(コーポレートPPAマッチングプラットフォーム)を活用したバーチャルPPAを始めとするオフサイトPPAの営業活動の強化や、エコのはし(FIT非化石証書代理調達サービス)を通じた仲介取扱量の拡大に取り組みました。RE Bridgeは登録発電家数が100社を突破し、発電所の登録設備容量も2GWを超えるに至りました。また、エコのはしにおいても仲介取扱量が累計20億kWhを突破するなど、両サービスともに着実な成長を実現しております。以上の結果、再エネPF事業の売上高は448,973千円、セグメント利益は120,431千円となりました。 (III)その他事業 その他事業におきましては、当連結会計年度において調整力事業に関するアグリゲーションサービスの運用を開始したことに加え、系統用蓄電池の自社保有向けのパイプラインも着実に増加に至りました。またJクレジット販売等の取り組みも継続的に推進しました。この結果、その他事業の売上高は284,146千円、セグメント損失は245,731千円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は4,648,319千円であります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は321,238千円であります。これは主に税金等調整前当期純利益2,570,434千円、未払金の増加額2,067,562千円等の増加要因があった一方、未収入金の増加額4,753,873千円、売上債権の増加額563,234千円、預託金の増加額300,000千円、法人税等の支払額150,177千円等の減少要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は181,313千円であります。これは主に有形固定資産の取得による支出93,782千円、投資有価証券の取得による支出50,600千円等の減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により獲得した資金は528,693千円であります。これは主に株式の発行による収入2,179,001千円、長期借入れによる収入1,100,000千円等の増加要因があった一方、短期借入金の減少額2,668,541千円による減少要因があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2024年8月1日  至 2025年7月31日) 金額(千円)   前年同期比(%) 電力PF事業   5,420,486   - 再エネPF事業   448,973   - その他   284,146   - 合計   6,153,606   - (注)1.セグメント間の取引については該当ありません。 2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先の販売実績等の記載は省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、当社グループは、2025年7月期より連結決算に移行したため、前年同期及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。経営者は、これらの見積を行うにあたり、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態の分析 (立替金・未収入金・未払金) 電力PF事業の特徴として、電力をJEPXから調達した場合、電力代金の支払いが取引日の2営業日までに立替金の形で発生します。当該立替金は請求日に需要家へ請求しますが、請求の事実をもって立替金から未収入金へ振替を行います。日々の調達電力代金は調達電力量にJEPX市場単価を乗じた金額になるため、需要家の増加に伴う取扱電力量の増加や、市況の変化に伴う電力単価の増加等に伴って、立替金相当額や未収入金額は増加する傾向にあります。なお、JEPXへ電力代金を支払い、需要家から回収するまでの期間は最大2ヵ月程度にわたります。 また、需要家が電力を使用することによって発生する需要家が負担する費用(送配電事業者への託送料金、OCCTOへの再エネ賦課金等)は、当社グループが各社への支払いを需要家に代わって行います。そのため、需要家が負担する費用相当額は当社の債務として、未払金計上されるとともに、需要家に対する未収入金も同額が計上されます。なお、支払期日や回収期日の違いによって、貸借対照表日時点で必ずしも債権債務が同額にはなりません。 以上の理由により、当社グループの事業上貸借対照表上の立替金・未収入金・未払金相当額が多額に計上される傾向にあります。なお、当社グループは流動資産科目(現金及び預金+売掛金+立替金+未収入金)―流動負債科目(買掛金+(短長)借入金+未払金)を財務健全性の指標として管理しております。 b.経営成績の分析 (売上高) 売上高は6,153,606千円となりました。これは主に、DGP手数料売上によるものであります。 (売上原価、売上総利益) 売上原価は1,573,223千円となりました。これは主に、代理店報酬費用によるものです。この結果、売上総利益は4,580,383千円となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 販売費及び一般管理費は1,837,663千円となりました。これは主に、給与や賞与といった人件費計上などが挙げられます。この結果、営業利益は2,742,720千円となりました。 (営業外損益、経常利益) 営業外収益は11,913千円となりました。これは主に解約違約金によるものであります。また営業外費用は、140,524千円となりました。これは主に、借入金に係る支払利息、上場関連費用などが挙げられます。この結果、経常利益は2,614,109千円となりました。 (特別損益、当期純利益) 特別利益は160千円となりました。特別損失は43,834千円となりました。これは投資有価証券の評価損によるものであります。税金等調整前当期純利益は2,570,434千円となりました。また、法人税等700,390千円により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,870,044千円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、電力の調達資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。電力の調達資金については、JEPXへの支払いが取引日の2営業日までに発生し、当該資金を需要家から回収するまでに最大2ヵ月程度の期間を要するため、キャッシュ・フローに直接的な影響を及ぼします。運転資金に必要な資金は自己資金、金融機関からの借入等で資金調達していくことを基本方針としております。また、電力の市場価格の高騰等、不足の事態に備え複数の金融機関とコミットメントラインを締結しております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。 なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について (一般送配電事業者との電力精算が発生した場合の損益について) 一般送配電事業者との電力精算が発生し当該損益が多額に発生する場合、当社グループの経営成績に重要な影響を与えることがあります。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (6)その他連結財務諸表作成のための重要な事項」に記載しております。 自社システム及び需給バランスモニタリングチームによって、時間毎の需給バランスの最適化を図っておりますが、同時同量が達成し得ない場合、当社グループの経営成績に大きな影響を与えることがあります。 その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して 当社グループは、「エネルギーの民主化を実現する」をミッションに掲げ、事業を拡大してまいりました。当社グループがこの理念の下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していくことが必要であると認識しております。 ⑥ 経営戦略の現状と見通し 経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、主な経営指標として①売上高及び売上高成長率②営業利益及び営業利益率を重視しております。 売上高については、会社がどれだけ商品やサービスを売り上げたかを示す指標であり、売上高成長率(※1)は、その売上がどれだけ増加したかを示す重要な指標です。電力PF事業を中心とする売上高の拡大によって、更に会社が成長し、より多くのお客様への価値提供が可能と考えています。 営業利益については、営業利益の拡大が当社グループ事業の持続可能性をモニタリングする上で適していると考えています。また営業利益の絶対額だけでなく売上に対して不用意なコスト増とならないかを判断するため、営業利益率(※2)も注視しています。2023年7月期に営業利益率は25%、2024年7月期には44%、2025年7月期には44%を達成しております。 直近3事業年度末時点の推移は以下のとおりであります。 指標   2023年7月期   2024年7月期   2025年7月期 売上高(百万円)   1,691   3,515   6,153 売上高成長率(%)(※1)   39   107   75 営業利益(百万円)   438   1,547   2,742 営業利益率(%)(※2)   25   44   44 (※1)「(当期売上高÷前期売上高-1)×100」により算出しております。 (※2)「営業利益÷売上高×100」により算出しております。 (※3)2025年7月期より連結決算に移行しておりますが、参考として、2024年7月期以前は単体業績を記載しております。また、2025年7月期の売上高成長率は、2024年7月期の単体売上高をもとに算出しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

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