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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

武田薬品工業

Takeda Pharmaceutical Company Limited4502 · Prime · 医薬品

グローバル研究開発型バイオ医薬品企業。消化器・炎症、ニューロサイエンス、オンコロジーの3重点領域に注力。

概要

武田薬品工業は、日本最大手のグローバル製薬企業。消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、オンコロジーの重点領域に特化し、血漿分画製剤やワクチンも手がける。研究開発から製造販売まで一貫体制を持ち、買収により拡大したパイプラインを統合して世界80以上の国と地域で事業を展開する。特許切れや競合激化への対応が課題だが、パイプラインの充実と費用効率化により持続的成長を目指す。

単一セグメントで運営されるグローバル組織

当社グループは連結財務諸表提出会社と154の連結子会社、10の持分法適用関連会社等で構成される。事業は「医薬品事業」の単一セグメントであり、研究開発、製造、販売を一貫して行う。日本では当社が全機能を担い、海外では米国、欧州、中国などに子会社を配置。米国主要子会社に武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.やバクスアルタUS Inc.があり、欧州では武田ファーマシューティカルズ・インターナショナルAGが活動する。約80の国と地域で医薬品を販売し、世界各地に製造拠点を持つ。

重点疾患領域と製品ポートフォリオの広がり

重点領域は消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、オンコロジーの三つである。消化器系ではクローン病や潰瘍性大腸炎向けのENTYVIO、ニューロサイエンスでは注意欠如・多動症治療薬VYVANSE/ELVANSE、オンコロジーでは複数のがん治療薬を有する。加えて血漿分画製剤(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG)やワクチンも提供し、疾患領域を幅広くカバーする。これらの製品群は特許保護と後発品競争の影響を大きく受ける。

売上収益4.5兆円に成長した財務の軌跡

売上収益は2013年3月期の1.5兆円から2026年3月期には4.5兆円へと拡大した。特に2020年3月期には前年から1.2兆円増の3.2兆円となり、大型買収の効果が表れた。その後も成長を続けたが、2026年3月期の営業利益は62億円と前年から98%減少し、当期損失は1,521億円に達した。特許切れによる主要製品の売上減少や研究開発費(6,759億円)の負担が影響している。

研究開発とデジタル技術の活用推進

当社は研究開発型バイオ医薬品企業として、2026年3月期に6,759億円の研究開発費を投じた。重点領域のパイプラインを強化し、oveporexton、rusfertide、ザソシチニブの3つの後期開発品が臨床第3相試験で良好な結果を得ている。また、バリューチェーン全体への人工知能(AI)や先進技術の統合を進め、業務の有効性と効率性を高めることで、イノベーション促進とステークホルダーへの価値向上を目指す。

地域別に見る事業展開の特徴

販売面でのプレゼンスは米国、日本、欧州で特に高く、中国でも成長事業を展開する。2026年3月期の売上収益は海外が4兆726億円(全体の約90%)、国内が4,331億円。主要な販売先としてマッケソン・コーポレーション(12.0%)とセンコラInc.(10.4%)が挙げられる。研究拠点は日本と米国に集中しており、グローバルな臨床試験と規制対応を支えている。

業界の中での役割はバイオ医薬品の研究開発・製造・販売を行うグローバル製薬企業。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
4.5兆円
営業利益
62億円
営業利益率
0.1%
純利益
-1,524億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01医薬品事業(全領域)主力

グローバルに医薬品の研究開発、製造、販売を行う。重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、オンコロジー)に加え、血漿分画製剤やワクチンも提供。単一セグメント。

主な製品・サービス5
消化器系・炎症性疾患治療薬
クローン病や潰瘍性大腸炎などの消化器系炎症性疾患向け医薬品。
ニューロサイエンス治療薬
神経・精神疾患領域の医薬品。
オンコロジー治療薬
がん治療向け医薬品。
血漿分画製剤
血漿から分画・精製した医薬品。免疫不全や血友病などに使用。
ワクチン
感染症予防のためのワクチン。

製品と技術

消化器系・炎症性疾患治療薬ENTYVIO

ENTYVIO(一般名:ベドリズマブ)は、クローン病や潰瘍性大腸炎といった消化器系の炎症性疾患に用いられるヒト化モノクローナル抗体である。α4β7インテグリンを標的とし、腸管へ選択的に作用する点が特徴。当社の消化器系領域における主力製品であり、バイオシミラーとの競争に直面しているが、依然として重要な収益源となっている。

ニューロサイエンス治療薬VYVANSE

VYVANSE/ELVANSE(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)は、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬である。長時間作用型のプロドラッグであり、服用後の乱用リスクが低い設計。米国では2023年8月に物質特許が満了し、後発品の浸透により売上が前年度3,506億円から当年度2,032億円に減少した。ADHD領域での競争激化が続いている。

血漿分画製剤GAMMAGARD LIQUID

GAMMAGARD LIQUID/KIOVIGは、血漿から分画・精製した免疫グロブリン製剤である。原発性免疫不全症候群や多発性硬化症などの治療に使用され、当社の血漿分画事業の柱である。血液由来製品のため安定供給が重要であり、製造には高度な技術と品質管理が求められる。競合製品との差別化として、液剤での利便性を強みとする。

高血圧治療薬アジルバ(日本向け)

アジルバ(一般名:アジルサルタン)はアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)で、日本国内で高血圧治療に広く処方されている。2023年2月に日本で後発品が承認され、売上は前年度118億円から当年度71億円に減少した。特許切れ後の後発品競争に直面しており、市場シェア維持が課題となっている。

開発後期のパイプラインと将来の製品候補

2025年にはoveporexton(ナルコレプシー治療薬)、rusfertide(ヘモクロマトーシス治療薬)、ザソシチニブ(炎症性疾患治療薬)の3製品が臨床第3相試験で良好な結果を得た。いずれも数十億米ドル規模の売上収益が見込まれる。これらの承認取得と上市が、特許切れにより減少した収益を補う鍵となる。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

国内製薬で売上高首位、特許切れ課題

売上高は約4.5兆円と国内医薬品業界で最大手。同業他社にはChordia Therapeuticsやジーエヌアイグループなどがあるが、規模では大きく勝る。武田薬品はグローバル展開に強みを持ち、特にがんや消化器系の領域に注力している。買収により規模を拡大してきたが、のれん償却や研究開発費の増加で営業利益率は低迷し、2026年3月期には0.14%まで低下した。大型新薬の特許切れも迫っており、収益構造の転換が必要とされる。

強み

  • 売上高約4.5兆円で国内製薬業界のトップ。
  • 買収により海外売上比率が高く、世界市場で事業を展開。
  • がん領域などでパイプラインが充実している。
  • 世界50カ国以上に販売拠点を持つ。

課題

  • のれん償却や開発費負担で営業利益率が大きく低下した。
  • 主力製品の特許切れで売上減少のリスクがある。
  • 大型買収のシナジー創出が進まず、株主還元が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品・バイオの時価総額近傍。太字が武田薬品工業

時価総額で並べると、掲載6社のなかで1番目にあたる。

#企業時価総額PER
14502武田薬品工業9.3兆円
24578大塚ホールディングス6.6兆円15.9倍
34568第一三共5.5兆円20.6倍
42802味の素5.1兆円37.8倍
54901富士フイルムホールディングス4.2兆円14.6倍
62503キリンホールディングス2.7兆円12.2倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(医薬品・バイオ)に従っています。

会社の歴史

沿革 0件

245年にわたる歴史の始まり

当社は有価証券報告書において「245年にわたり当社の礎となってきた」と記述しており、18世紀後半に創業したと推定される。具体的な創業年は開示されていないが、誠実、公正、正直、不屈の価値観が世代を超えて受け継がれている。長い歴史の中で、日本の道修町に本店を置きながら、世界へと事業を拡大してきた。

2013年から2016年:安定期から損失への転落

2013年3月期の売上収益は1.5兆円、当期利益は1,486億円だった。その後売上は拡大したが、2015年3月期には当期損失1,458億円を計上。特許切れや研究開発費の増加が原因とみられる。2016年3月期には当期利益802億円と回復したが、収益の不安定さが浮き彫りになった。

2017年から2019年:成長基盤の再構築

2017年3月期の売上収益は1.7兆円、当期利益1,149億円。2018年3月期には当期利益1,869億円に改善し、2019年3月期も1,352億円の黒字を維持した。この期間は既存製品の安定販売とコスト管理により、収益性を高める取り組みが進められた。研究開発への投資も継続され、後のパイプライン強化につながる。

2020年3月期:大型買収による規模の拡大

2020年3月期、売上収益は前年から1.2兆円増の3.2兆円に急拡大した。これは大型買収の結果であり、当期利益は442億円にとどまったが、事業規模は飛躍的に拡大した。買収により獲得したパイプラインと販売網が、後の成長の基盤となる。ただし、負債も増加し、統合コストが利益を圧迫した。

2021年から2023年:統合効果と特許切れへの対応

2021年3月期は当期利益3,760億円と過去最高を記録。買収効果が本格化し、VYVANSEなどの製品が貢献した。しかし2022年3月期は利益2,301億円、2023年3月期は3,170億円と変動が続いた。2023年8月にはVYVANSEの米国特許が満了し、後発品の参入により売上減少が始まった。この期間、重点領域への集中と費用効率化が進められた。

2024年から2026年:パイプラインへの期待と収益悪化

2024年3月期の売上収益は4.2兆円、当期利益1,441億円。2025年3月期は売上4.5兆円、当期利益1,079億円。2026年3月期には売上4.5兆円に対し営業利益62億円、当期損失1,521億円と急激に悪化した。特許切れ製品の影響と研究開発費の重荷が表面化した。一方でoveporextonなど3つの後期開発品が有望な結果を示し、新たな成長への期待が高まっている。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 費用節減額(年換算)2028年度まで2,000億円以上
  • ROE5%以上
  • Core営業利益率30%台前半から半ば
  • 調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率2倍

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    Horizon1:成長に向けた変革と新薬上市

    今後12カ月にoveporexton、rusfertide、ザソシチニブなど複数の新薬を上市し、後期開発パイプラインを推進。同時にコスト規律を徹底し、2028年度までに年換算2,000億円以上の費用節減を図り、その成果を新薬上市や技術投資に充当。成熟製品の競争力維持も図る。

  2. 02

    Horizon2:中長期成長の加速

    新主力製品群の収益貢献と事業運営の効率化により、既存ポートフォリオの成熟化を乗り越える持続的成長を実現。30%台前半から半ばのCore営業利益率、調整後純有利子負債/EBITDA倍率2倍を目標に、持続的な成長と株主価値向上を目指す。

  3. 03

    テクノロジー活用による変革推進

    人工知能、デジタルプラットフォーム、データ分析をバリューチェーン全体に組み込み、意思決定と業務のスピード・質を向上。部門間の壁を取り払い、迅速な学習と機動性を重視する文化を醸成する。

  4. 04

    パートナーシップによる価値創出

    バイオ医薬品業界、科学コミュニティ、規制当局、患者コミュニティとの連携を強化。オープンサイエンスや共有プラットフォームを活用し、医療アクセス拡大や公平な治療成果の実現を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で47,029人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,145万円で、9期前と比べて+4.6%平均年齢は44.0歳、平均勤続年数は14.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月29,900
2018年3月27,230
2019年3月1,09441.515.149,578
2020年3月1,09142.215.047,495
2021年3月1,07742.014.547,099
2022年3月1,10542.414.247,347
2023年3月1,09742.814.049,095
2024年3月1,08143.314.649,281
2025年3月1,10443.414.447,455722
2026年3月1,14544.014.847,02913

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率22.5%
縦線は目安の30%
男性育休取得率89.7%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)79.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社41(国内 13 / 海外 28) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
バクスアルタUS Inc. 《米国 ジョージア州 コビントン》4,930億円
医薬品 事業
武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc. 《米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ》2,355億円
医薬品 事業
バイオライフ・プラズマ・サービシズ LP 《米国 イリノイ州 バンノックバーン》1,954億円
医薬品 事業
シャイアー・ヒューマン・ジェネティック・セラピーズ Inc. 《米国 マサチューセッツ州 レキシントン》1,705億円
医薬品 事業
武田マニュファクチャリング・オーストリア AG 《オーストリア ウィーン》1,300億円
医薬品 事業
バクスアルタ・ベルギー・マニュファクチャリング S.A. 《ベルギー レシーヌ》1,094億円
医薬品 事業
バクスアルタ・マニュファクチャリング S.à r.l. 《スイス ヌーシャテル》914億円
医薬品 事業
武田マニュファクチャリング・イタリア S.p.A. 《イタリア ローマ》646億円
医薬品 事業
グローバル本社 《東京都中央区ほか》555億円
光工場 《山口県光市》529億円
ほか12件の開示あり
主な関係会社
  • 海外
    武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.(※)
    米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ
  • 海外
    武田ファーマシューティカルズアメリカ Inc. (※)
    米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ
  • 海外
    武田ワクチン Inc.
    米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ
  • 海外
    米州武田開発センター Inc.
    米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ
  • 海外
    バクスアルタ Incorporated
    米国 イリノイ州 バンノックバーン
  • 海外
    ダイアックス Corp.(※)
    米国 マサチューセッツ州 レキシントン
  • 海外
    武田ベンチャー投資 Inc.
    米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ
  • 海外
    バクスアルタUS Inc.(※)
    米国 イリノイ州 バンノックバーン
  • 海外
    シャイアー・ヒューマン・ジェネティック・セラピーズ Inc.(※)
    米国 マサチューセッツ州 レキシントン
  • 海外
    バイオライフ・プラズマ・サービシズ LP
    米国 イリノイ州 バンノックバーン
  • 海外
    武田マニュファクチャリングU.S.A., Inc.
    米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ
  • 海外
    武田 U.S. ファイナンシング Inc.
    米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ
残りのグループ会社29社を開く
  • 武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル AG (※)スイス オプフィコン100%
  • バクスアルタ・マニュファクチャリング S.à r.l.スイス ヌーシャテル31%
  • 武田 Pharma AGスイス オプフィコン
  • 武田 GmbHドイツ コンスタンツ
  • 武田イタリア S.p.A.イタリア ローマ
  • 武田オーストリア GmbHオーストリア リンツ
  • 武田マニュファクチャリング・オーストリア AGオーストリア ウィーン
  • バクスアルタ・イノベーションズ GmbHオーストリア ウィーン
  • 武田フランス S.A.S.フランス パリ
  • 英国武田 Limited英国 ロンドン
  • 武田アイルランド Limitedアイルランド キルダリー100%
  • シャイアー・アクイジションズ・インベストメンツ・アイルランドDesignated Activity Companyアイルランド ダブリン100%
  • シャイアー・アイルランド・ファイナンス・トレーディング Limited(※)アイルランド ダブリン100%
  • 武田カナダ Inc.カナダ トロント
  • 武田Farmaceutica Espana S.A.スペイン マドリード
  • 武田 Pharma ABスウェーデン ストックホルム
  • 武田オランダ B.V.オランダ ホーフトドルプ
  • バクスアルタ・ベルギー・マニュファクチャリング S.A.ベルギー レシーヌ
  • 武田ファーマシューティ カルズ Limited Liability Companyロシア モスクワ
  • 武田 Distribuidora Ltda.ブラジル サンパウロ
  • 武田 Pharma Ltda.ブラジル ジャグァリウーナ
  • 武田メキシコ S.A.de C.V.メキシコ ナウカルパン
  • 武田アルゼンチン S.A.アルゼンチン ブエノスアイレス
  • 武田(中国)投資有限公司中国 上海
  • 武田(中国)国際貿易有限公司中国 上海
  • 天津武田薬品有限公司中国 天津
  • 武田APACバイオファーマシューティカル リサーチアンドディベロップメント Co., Ltd.中国 上海
  • 武田ファーマシューティカルズ韓国 Co., Ltd.韓国 ソウル
  • 武田マニュファクチャリング・シンガポール Pte. Ltd.シンガポール
国際子会社 (GLEIF登録 8社)
  • HUBioLife Plazma Hungary Korlátolt Felelősségű Társaság
  • CZTakeda Pharmaceuticals Czech Republic s.r.o
  • USTAKEDA U.S. FINANCING, INC.
  • BETAKEDA BELGIUM
  • ATTakeda Manufacturing Austria AG
  • ATBaxalta Innovations GmbH
  • CHTakeda Pharmaceuticals International AG
  • USTAKEDA PHARMACEUTICALS U.S.A., INC.

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は4.5兆円営業利益62億円前期と比べると減収減益で、売上が-1.7%、利益が-98.2%。

売上高
-1.7%
4.5兆円
営業利益
-98.2%
62億円
純利益
-241.2%
-1,524億円
営業利益率
0.1%
前期比 -7.3%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高4.6兆円4.5兆円
営業利益4,200億円62億円
純利益1,660億円-1,524億円
1株あたり配当¥204¥204

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は1.2兆円、営業利益は2,014億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+15.2%、営業利益は+19.5%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q0.96311
2024年1Q1.061,68615.9894
2024年2Q1.04−494−4.7−480
2024年3Q1.111,0499.41,057
2024年4Q1.05−30
2025年2Q2.383,50614.71,873
2025年4Q2.20−80−0.4−794
2026年2Q2.222,53611.41,124
2026年4Q2.29−2,474−10.8−2,648
2027年1Q1.222,01416.51,132

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.6兆円から4.5兆円へ2.9倍に増えた。直近期の営業利益率は0.1%。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1.561,3311,486
2014年3月1.691,5891,067
2015年3月1.78−1,454−1,458
2016年3月1.811,205802
2017年3月1.731,4331,149
2018年3月1.772,1721,869
2019年3月2.101,2761,352
2020年3月3.29−608442
2021年3月3.203,6623,760
2022年3月3.573,0262,301
2023年3月4.033,7513,170
2024年3月4.265281,441
2025年3月4.583,4261,7517.51,079
2026年3月4.5162−1,4240.1−1,524

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高4.5兆円のうち、営業利益として残るのは62億円0.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-1,524億円、売上の-3.4%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価など作る・仕入れるのにかかったお金75.8%3.4兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金24.1%1.1兆円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益0.1%62億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比2.8pt
0.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比6.1pt
-3.4%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比8.0pt
-2.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-1.0%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
0.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1.0兆円、投資CFが−3,691億円で、差し引きのフリーCFは6,723億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は5,951億円で、売上の1.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF兆円投資CF兆円財務CF兆円フリーCF兆円現金残高億円
2013年3月0.33−0.13−0.160.205,456
2014年3月0.15−0.150.10−0.016,660
2015年3月0.180.09−0.300.276,552
2016年3月0.03−0.07−0.12−0.054,514
2017年3月0.26−0.660.29−0.393,195
2018年3月0.38−0.09−0.330.282,945
2019年3月0.33−2.842.95−2.517,021
2020年3月0.670.29−1.010.966,376
2021年3月1.010.39−1.091.409,662
2022年3月1.12−0.20−1.070.938,497
2023年3月0.98−0.61−0.710.375,335
2024年3月0.72−0.46−0.350.254,578
2025年3月1.06−0.37−0.750.693,851
2026年3月1.04−0.37−0.500.675,951

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は15.5兆円。このうち返さなくてよい自己資本がで、自己資本比率は47.9%(業種中央値69.9%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月4.052.341.7156.1
2014年3月4.572.542.0354.1
2015年3月4.3049.7
2016年3月3.8251.0
2017年3月4.3543.6
2018年3月4.1148.6
2019年3月13.7937.6
2020年3月12.8236.8
2021年3月12.9140.1
2022年3月13.1843.1
2023年3月13.9645.5
2024年3月15.1148.1
2025年3月14.257.3148.7
2026年3月15.518.0847.9

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
5,951億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
7,124億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
8.1兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
62
/ 100
安定性自己資本比率32 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り79社中21位あたり、逆に低いのはROE79社中68位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-2.1%/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
0.1%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
47.9%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-1.7%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.5%/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥5,824で、1年前と比べて+34.3%過去52週の値幅のなかでは89%の位置にある。

¥5,824-0.4%1ヶ月+10.2%1年+34.3%時価総額9.3兆円
過去52週の値幅
安値¥4,102高値¥6,033

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (会社予想)55.9倍
PBR1.22倍
配当利回り3.50%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1ヶ月で株価は+4.7%上昇し、8月21日時点で25日移動平均線(5579円)を約3.3%上回って推移。52週高値6033円までは約4%の距離で、52週安値4102円からは約40%高い位置にある。8月21日は前日比-1.05%と反落したが、7月以来の上昇トレンドは継続中。出来高は7月16日に536万株、8月19日に677万株と増加傾向にあり、買い意欲の高まりを示唆している。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 20/100)

PERが実績値で開示されず、予想PER 55.3倍は業界平均35.25倍を大幅に上回り割高。PBR 1.21倍は平均4.11倍を下回るが、ROE -2.1%と赤字で収益性が低く、PBRの低さは正当化されにくい。配当利回り3.54%は平均1.43%を大きく上回るが、配当性向159.6%と配当が利益を超過し、持続性に懸念。業績も悪化傾向で、割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (予想)55.9倍
PBR1.22倍3.53倍
ROE-2.1%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、成長牽引薬の特許切れに伴う売上減少を、新薬パイプラインの成功でどこまで補えるかにある。強気派は、豊富なパイプラインと費用削減効果により中長期的な成長が可能と見る一方、弱気派は、主要薬の特許切れと研究開発の不確実性から収益低下リスクを懸念する。決算では新薬承認や販売動向、コスト改善の進捗が争点となる。

プラスに働く材料7
  • パイプラインの充実

    買収で獲得した複数の開発後期段階の候補があり、今後の上市が期待される。

  • コスト効率化の進展

    2025年3月期の営業利益率は7.48%と改善傾向にあり、収益性向上が見込まれる。

  • グローバル展開の強み

    海外売上比率が高く、為替変動が追い風となる局面がある。

  • 売上高45,057億円と4.5兆円規模を維持通年影響

    売上高は前期比1.7%減の45,057億円、事業規模は大きい

  • PBR1.16倍と株価純資産倍率が低位継続影響

    PBR1.16倍、1倍台前半でバリュエーション下支え

  • 配当利回り3.68%と高水準継続影響

    予想配当利回り3.68%でインカム需要を集める

  • 外国人保有比率42.03%と安定株主構成継続影響

    外国人保有42.03%で需給の核がある

マイナスに働く材料7
  • 特許切れの影響

    主要製品の特許切れにより売上減少が始まり、2026年3月期は純損失見通し。

  • 研究開発の不確実性

    新薬開発は成功率が低く、費用対効果に疑問がある。

  • 競合激化

    バイオシミラーや後発薬の台頭で価格競争が激化している。

  • 2026年3月期は営業利益62億円へ98%減通年影響

    営業利益3,426億円→62億円、営業利益率0.14%

  • 純損益1,524億円の赤字通年影響

    純利益1,079億円→1,524億円の赤字に転落

  • 予想PER53.1倍と割高通年影響

    予想PER53.1倍、実績PERは算出不能でバリュエーション懸念

  • 株価1年で32.7%上昇後の利益確定売り不定影響

    変化率32.7%と大きく、目先の過熱感

次の決算で確かめる点
新薬の承認・上市状況
パイプラインの進捗が今後の成長の鍵を握るため
営業利益率
コスト効率化の効果と収益性の改善度合いを測る指標
海外売上高比率
グローバル展開の度合いと為替影響を評価するため
主要製品の売上推移
特許切れの影響を直接確認できるため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり204で、前期から+2.0%いまの株価に対する利回りは3.50%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥204
1株あたり
配当利回り
3.50%
いまの株価に対して
配当性向
159.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月180129.8
2018年3月1800.075.2
2019年3月1800.0196.2
2020年3月1800.0214.6
2021年3月1800.0113.6
2022年3月1800.086.7
2023年3月1800.084.5
2024年3月1884.486.8
2025年3月1964.3202.5
2026年3月2002.0159.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥204

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ623,236人。区分でいちばん多いのは外国法人42.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が29.6%を占め、残る70.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人40.934.438.137.836.042.0
金融機関29.927.928.127.729.026.6
個人・その他21.128.324.825.324.522.0
証券会社5.46.06.05.97.36.3
事業法人2.73.33.13.23.13.0
自己株式0.01.41.40.50.70.4
外国人個人0.10.10.10.10.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)16.77
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.35
03THE BANK OF NEW YORK MELLON AS DEPOSITARY BANK FOR DEPOSITARY RECEIPT HOLDERS(常任代理人 株式会社三井住友銀行)4.50
04STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)2.93
05THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDON SECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)2.43
06JP MORGAN CHASE BANK 385642(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.52
07JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.47
08SMBC日興証券株式会社1.39
09JPモルガン証券株式会社1.26
10バークレイズ証券株式会社1.16

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−151%、1株純資産は14期で+63%。直近期のROEは-2.1%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1882,8816.826.791.5
2014年3月1353,1304.536.269.2
2015年3月−1852,719−6.3233.2
2016年3月1022,4873.950.253.7
2017年3月1472,4266.035.5129.8
2018年3月2392,5579.621.775.2
2019年3月1413,3333.832.2196.2
2020年3月283,0320.9116.4214.6
2021年3月2413,3097.616.6113.6
2022年3月1473,6664.223.886.7
2023年3月2044,0875.321.384.5
2024年3月924,6362.145.486.8
2025年3月684,4071.564.6202.5
2026年3月−974,703−2.1159.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

19名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は19名。2026/3期の役員報酬は総額2,542百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約59倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
氏名役職名3
クリストフ・ウェバー代表取締役社長 チーフ エグゼクティブ オフィサー59839,300,646,004
古田未来乃取締役 チーフフィナンシャル オフィサー4830,600,121,061
アンドリュー・プランプ取締役 リサーチ&デベロップメント プレジデント60
飯島彰己取締役 取締役会議長75640,013,224
イアン・クラーク取締役6615,580
スティーブン・ギリス取締役7315,580
東恵美子取締役67500,019,756
ジョン・マラガノア取締役6313,224
ミシェル・オーシンガー取締役6819,756
津坂美樹取締役6313,224
初川浩司取締役 監査等委員長741,720,017,742
残りの役員7名を開く
氏名役職年齢保有株数
ジャン=リュックブテル取締役 監査等委員6919,756
藤森義明取締役 監査等委員751,940,017,742
キンバリー・リード取締役 監査等委員5513,224
ジュリー・キム代表取締役社長 チーフ エグゼクティブ オフィサー56
ポール・ストフェルス取締役64
ブルース・ブルサード取締役 監査等委員64
木村浩一郎取締役 監査等委員63

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)34112588382,009670
社外取締役112302129253348

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容915字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは連結財務諸表提出会社(「当社」)と連結子会社(パートナーシップを含む)154社、持分法適用関連会社等10社を合わせた165社により構成されています(2026年3月31日現在)。当社グループは、幅広い医薬品のポートフォリオを有し、研究、開発、製造およびグローバルでの販売を行っています。 当社グループは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業として、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの重点疾患領域において、革新的な医薬品を創出し続けることを追求するとともに、血漿分画製剤およびワクチンをお届けすることにも注力しています。当社グループはパートナーとともに、強固なパイプラインを通じて、患者さんの治療体験の向上を図り、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても治療パラダイムの変革に取り組んでいます。また、バリューチェーン全体にわたり先進技術や人工知能(AI)の統合を進めることで、事業運営の有効性と効率性を高め、イノベーションを促進し、ステークホルダーへの提供価値の向上につなげています。 当年度末における、当社グループを構成している主要な会社の当該事業に係る位置付けの概要は次のとおりです。なお、当社グループは、「医薬品事業」の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。 日本においては、当社が研究開発、製造および販売を行っています。 日本を除くその他の地域においては、各国に展開している子会社・関連会社等が研究開発、製造および販売機能を担っています。これらのうち米国における主要な子会社は武田ファーマシューティカルズ U.S.A., Inc.、バクスアルタUS Inc.、米州武田開発センター Inc.等であり、欧州およびカナダにおいては、武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル AG、武田 GmbH等です。またその他の地域における主要な子会社は武田(中国)国際貿易有限公司等であります。 (注)関連会社等には、ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)を含んでおります。 以上で述べた事項の概要図は次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題11,950字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 タケダの企業理念 当社の企業理念は、当社が誰であるか、何を行うか、どのように行うか、なぜそれが重要なのかというタケダのストーリーを伝えています。私たちは、次の時代に踏み出すにあたり、より健康な世界の実現という世代を超えて受け継がれる約束を果たすべく、引き続き取り組んでまいります。 私たちの存在意義は、世界中の人々の健康と輝かしい未来に貢献することにあります。このため私たちは、革新的な医薬品を創出し続けるというビジョンを追求しています。当社の従業員はこの存在意義のもとに結束し、245年にわたり当社の礎となってきた誠実、公正、正直、不屈の価値観に基づいて行動しています。そして、患者さん、株主、社会に対する長期的な価値を創造し、従業員、関わる地域コミュニティ、私たちが暮らす地球に対して良い影響を提供し続けることができるよう努めています。 事業環境 グローバルなバイオ医薬品企業を取り巻く外部環境は引き続き複雑であり、地政学的分断の進行や国際的な政策の不確実性が続いています。また、継続する緊張関係や同盟関係の変化、貿易政策の変容により、国境を越えた事業運営や長期的な投資計画に対する不透明さが長引いています。こうした動向は、規制の枠組みやサプライチェーンの強靭性、さらにはグローバルな医療市場全体の安定性に対する影響を強めています。 主要地域においては、薬価への圧力が引き続き大きな課題となっています。また、各国政府は予算配分を防衛分野にシフトさせており、景気減速やインフレーション、広範な財政圧力を背景に、公的医療費への制約が強まり、薬価への圧力がさらに高まっています。各国政府は患者さんの治療アクセスの拡大を目指しているものの、医療予算の制約は続いています。その結果、薬価や保険適用の条件がより厳格化され、市場導入に要する期間も世界的に長期化しています。米国では、薬価政策の変更が継続的に実施されていることにより、革新的な治療法に係る見通しの不透明性が高まり、今後の投資判断に影響を及ぼす可能性があります。欧州および日本においては、財政的な制約が構造的に存在しており、複数の治療領域における成長が抑えられています。 一方で、科学および技術の進展のペースは一段と加速しています。プラットフォームサイエンス、データ分析、オートメーション化、人工知能といった分野の進歩は、新薬の創製・開発・提供の在り方を大きく変えつつあります。このような状況において、当社は、重点疾患領域に経営資源を集中し、製造・供給・品質に係る規律を一層高め、人を軸としながらも積極的にテクノロジーを活用する変革を推進し、科学的妥当性の確保と患者さんからの信頼維持に努めていきます。 当社は、研究開発において着実な進展を遂げており、将来に向けて良好な基盤を築いています。重点疾患領域に注力した取り組みとデジタル技術の活用の拡大により、革新的な医薬品をより迅速かつ効率的に患者さんにお届けする体制を強化しています。外部環境の厳しさが増す中にあっても、患者さんを最優先に考え、責任をもって科学を前進させることは、今後も事業運営の根幹であり続けます。 私たちが描く将来ビジョン 科学の急速な進展と医療を取り巻く国際的な事業環境の複雑化が進む中、当社の戦略は、革新的な新薬を連続的に上市していく取り組みを通じて、短期的に確かな成果を積み重ね、成長の加速に向けた基盤を整えるものです。2025年には、後期開発段階にあるoveporexton、rusfertideおよびザソシチニブの3つの主力パイプラインにおいて、臨床第3相試験で良好な結果を得ることができました。いずれも数十億米ドル規模の売上収益をもたらす可能性を有しています。これらの成果は、当社パイプラインの層の厚さと研究開発の質の高さを示すとともに、厳格な規制要件や製品の市場展開において求められる重要なマイルストンを達成する当社の実行力を示しています。 当社は、事業成長を段階的に実現する考え方として、短期に変革を進めるHorizon1と、中長期の成長と患者さんへのさらなる貢献を加速するHorizon2という二つの時間軸を設定し、事業を展開していきます。Horizon1では、投資と全社的な変革により、競争力と成長の基盤を短期的に強化します。Horizon2では、複数の新薬の市場浸透と規模の拡大を通じて、中長期的な成長を加速し、より多くの患者さんにさらに貢献し、株主の皆様に長期的な価値を創出します。当社は、私たちの存在意義と価値観に基づき、二つのHorizonを通じて、革新的な医薬品を一日でも早く患者さんにお届けしていきます。 Horizon1:成長に向けた変革 Horizon1では、新薬の上市、後期開発段階にある強固なパイプラインの推進、およびオペレーションの変革に取り組みます。 本年1月以降、CEO交代計画の最終段階として、当社は組織体制および業務運営の見直しを進めてきました。次期CEOのジュリー・キムは、新たな経営体制を構築し、患者さんや顧客により近いところでの事業意思決定を可能にする組織の再設計を行いました。この新しい組織体制のもと、業務の標準化・簡素化を進めながら先進技術の導入を加速し、当社の価値観をゆるぎない軸として維持しながらも、スピードと成果に対するこだわりを追求していきます。 主要な研究開発活動の内容および進捗の詳細については、「6 研究開発活動」をご参照ください。 Horizon 1では、今後12カ月の間に予定している複数の新薬の上市を確実に遂行するため、必要な経営資源の確保を進めます。また、この期間では、5つの後期開発品をはじめとする、重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、オンコロジー)におけるパイプラインの開発を進めながら、一方で、厳しい市場環境下においても、ENTYVIOやGAMMAGARD LIQUID/KIOVIGなどの製品が競争力を維持できるよう取り組んでいきます。 Horizon 1の中核を成すのは、コスト規律の徹底と戦略的な投資の両立です。その一環として、当社は2028年度までに年換算で2,000億円以上の費用を節減し、その成果を新薬の上市、パイプラインの強化およびテクノロジーへの投資に充当していきます。こうした取り組みを通じて、財務の健全性を維持しながら、さらなる成長に向けた基盤を強化していきます。この間、調整後フリー・キャッシュ・フロー(注)を潤沢に創出し続けることが、成長に向けた投資と株主還元を両立させるための礎となります。 (注)定義については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。 Horizon2:成長の加速 Horizon1で規律ある投資を進めながら新薬上市を成功させることで、Horizon 2でタケダの次なる成長期を切り拓く牽引役が、成熟化が進む既存ポートフォリオから新たな主力製品群へ移行していきます。この新たな製品群には、oveporexton、rusfertide、ザソシチニブに加え、現在の後期開発パイプラインからさらなる新薬が順次加わることを見込んでいます。これら新主力製品群の収益貢献に加え、事業運営のさらなる効率化を継続的に推進することで、既存ポートフォリオの成熟化を乗り越える持続的な成長を実現していきます。 当社は、次世代の科学とテクノロジーを駆使しながら、医薬品とそれによって実現される治療の成果において、可能性そのものを再定義することに挑んでいきます。この挑戦こそが、患者さんの生活と社会にもたらす価値を最大化することにつながると信じているからです。 変革の原動力となるテクノロジー この新たな時代において、テクノロジーはそれ自体が目的ではなく、当社の変革を実現するための中核を成すものです。テクノロジーは、私たちが価値を創出・開発し、提供していく取り組みと不可分に結びつき、探求心や創造力、チームが持つ集合知を一層引き出す力となっています。 人工知能、デジタルプラットフォームおよび高度なデータ分析は、現在、バリューチェーンのあらゆる段階に組み込まれています。これらのテクノロジーは、意思決定や業務遂行のスピードを高め、その質を向上させるとともに、部門間の壁を取り払い、迅速な学習、部門横断的な機動性の向上および業務運営の最適化を重視する文化を育んでいます。 当社において、テクノロジーは単なるツールにとどまらず、協働しながら可能性を広げる存在となっています。高度なプラットフォームとデータに基づく知見を従業員が活用することで、患者さんの差し迫ったニーズへの対応、意義ある価値の創出、成長の推進、そしてあらゆるステークホルダーとの持続的な信頼関係の構築といった、最も重要な課題に注力できる環境を整えています。 コラボレーションと成果が切り拓く未来 医療における意義ある前進は、パートナーシップによってもたらされるものと考えています。私たちの目指す未来は、社内にとどまらず、バイオ医薬品業界全体、さらには科学コミュニティ、規制当局、患者さんコミュニティとの幅広い連携に根ざしています。官民のパートナーシップ、グローバルな連携、地域社会との対話を通じて、日々多様な声を積極的に取り入れ、解決策を共に創り上げています。 こうしたパートナーシップへのコミットメントは、次のイノベーションの創出の在り方にも表れます。オープンサイエンスや共有プラットフォームの活用、また、様々な関係者との連携は、今後ますます複雑化する医療課題に向き合う上で重要な役割を果たします。分野や地域を越えて協働することで、医療へのアクセスを拡大し、公平な治療成果の実現を後押しし、私たちの取り組みがもたらす価値を将来にわたり一層広げていきます。 財務展望 強固な財務基盤と明確な戦略フレームワークのもと、当社は持続的な成長と長期的な価値創造を財務面から支える取り組みを進めています。 短中期的(Horizon 1)には、成熟化が進む既存ポートフォリオの安定性と競争力を基盤としつつ、oveporexton、rusfertide、ザソシチニブなどの有望な新製品について、薬事承認および上市にむけた重要なマイルストンの達成に注力するとともに、後期開発段階にあるパイプライン全体の開発を着実に推進していきます。 収益性を維持するため、組織体制の最適化を進めるとともに、データおよびテクノロジーを活用し、意思決定と業務運営双方の効率性を改善していきます。こうした取り組みに加え、事業構造再編費用を含むその他の営業費用の削減と、有利子負債の返済を通じた金融費用の削減により、まずは、配当の持続性を確保する、ROE5%を上回る水準の財務上当期利益を達成することを目標とします。 当社の事業は強い現金創出力を持ちますが、資本配分の規律を維持し、資本効率を持続的に向上させていきます。成長に向けた継続的な投資を行いながらも潤沢な調整後フリー・キャッシュ・フロー(注)を確保し、さらなる有利子負債の削減を進めるとともに、累進配当を維持していきます。 長期的(Horizon 2)には、成熟化が進む既存ポートフォリオに代わり、新製品の収益貢献が当社の成長加速の牽引役になるものと考えています。費用管理の規律を維持しながら売上高を伸ばすことが、30%台前半から半ばのCore営業利益率(注)に向けた、収益性改善のドライバーとなっていきます。また、調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率(注)は2倍を目標水準とし、持続的な成長に向けたさらなる投資を可能にする強固な財務基盤を構築していきます。 当社は、これらの取り組みを通じて業績を持続的に改善し、その取り組みの積み重ねにより、企業価値の向上および競争力ある株主総利回りを実現していきます。 (注)定義については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。 [主要製品一覧] 消化器系疾患領域における主要製品は以下のとおりです。 ・ENTYVIO(ベドリズマブ):ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎・クローン病に対する治療剤です。ENTYVIOは、2014年に米国および欧州において発売以来、売上が伸長しており、2026年3月期の当社グループの売上トップ製品でした。現在、ENTYVIOは世界70カ国以上で承認され、エンタイビオ皮下注射製剤は米国、欧州および日本において承認されています。エンタイビオ皮下注射製剤は、その利便性および患者アクセスの向上により、当該製品の使用拡大を牽引しています。また、当社は、さらなる国・地域での承認取得および適応症の拡大を通じて、本剤の可能性の最大化に取り組んでいます。2026年3月期におけるENTYVIOの売上収益は9,580億円となりました。 ・GATTEX/レベスティブ(テデュグルチド[DNA組換え型]):非経口(静脈栄養)サポートを必要とする短腸症候群(SBS)の治療薬です。成人用および小児用の効能を有するGATTEX/レベスティブが米国、欧州、日本において発売されました。2026年3月期におけるGATTEX/レベスティブの売上収益は1,457億円となりました。 ・タケキャブ/VOCINTI(ボノプラザンフマル酸塩):酸関連疾患の治療剤タケキャブは、2015年に日本で発売され、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制などの効能により飛躍的な成長を遂げました。タケキャブ(中国の製品名:VOCINTI)は、2019年に胃食道逆流症の治療剤として中国で承認されました。2026年3月期におけるタケキャブ/VOCINTIの売上収益は1,437億円となりました。 ・EOHILIA(ブデソニド経口懸濁液):EOHILIAは好酸球性食道炎(EoE)の治療薬で、コルチコステロイド薬です。FDAによる承認を受けた初めてかつ唯一の11歳以上のEoE患者さんへの12週間の投与を適応とする経口治療薬です。2024年2月に米国FDAによる承認取得後発売されました。2026年3月期におけるEOHILIAの売上収益は88億円となりました。 希少疾患領域における主要製品は以下のとおりです。 ・タクザイロ(ラナデルマブ):タクザイロは、遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作予防に用いられます。タクザイロは、HAEの患者さんにおいて慢性的に制御不能な酵素である血漿カリクレインに選択的に結合し、減少させる完全ヒト型モノクローナル抗体です。タクザイロは(12歳以上の患者さんへの適応として)2018年に米国と欧州にて、2020年に中国にて、2022年に日本にて承認され、さらなる地理的拡大を目指しています。2023年に、2歳以上の小児患者さんに対する治療薬として、FDAおよび欧州委員会の承認を取得しました。また、2025年2月に、12歳以上の遺伝性血管性浮腫患者さんへの皮下投与用のタクザイロの追加の選択肢である2mLのプレフィルドペンが欧州医薬品庁(EMA)および厚生労働省から承認されました。2026年3月期におけるタクザイロの売上収益は2,239億円となりました。 ・アドベイト(抗血友病因子(遺伝子組換え型)):アドベイトは、血友病A(血液凝固第Ⅷ因子欠乏)の治療薬であり、出血の制御と予防、周術期管理および出血の頻度を予防または軽減するために行う定期補充療法に使用されます。2026年3月期におけるアドベイトの売上収益は1,055億円となりました。 ・エラプレース(イデュルスルファーゼ):エラプレースは、ハンター症候群(ムコ多糖症II型またはMPS II)に対する酵素補充治療薬です。2026年3月期におけるエラプレースの売上収益は1,005億円となりました。 ・リプレガル(アガルシダーゼ アルファ):リプレガルは、ファブリー病に対して米国以外の市場で販売され、2020年に中国でも承認された酵素補充療法治療薬です。当社は、2022年2月に大日本住友製薬株式会社から「リプレガル」の日本における製造販売承認を承継し、同剤の販売の移管を受けました。ファブリー病は、脂肪の分解に関与するリソソーム酵素α-ガラクトシダーゼAの活性の欠如に起因する遺伝子性の希少疾患です。2026年3月期におけるリプレガルの売上収益は804億円となりました。 ・ビプリブ(ベラグルセラーゼアルファ点滴静注用):ビプリブはI型ゴーシェ病に対する長期酵素補充療法治療剤です。2026年3月期におけるビプリブの売上収益は572億円となりました。 ・アディノベイト/ADYNOVI(抗血友病因子(遺伝子組換え型) [PEG化]):アディノベイト/ADYNOVIは、血友病A治療薬であり、遺伝子組換え型半減期延長第Ⅷ因子製剤です。アディノベイト/ADYNOVIは遺伝子組換え型半減期延長第Ⅷ因子製剤アドベイトと同じ製造工程で作られ、当社がネクター社より独占的にライセンス取得しているPEG化(体内での循環時間を延長し、投与頻度を減らすための化学修飾処理)技術を追加したものです。2026年3月期におけるアディノベイト/ADYNOVIの売上収益は567億円となりました。 ・リブテンシティ (maribavir):リブテンシティは、成人患者さんと小児患者さん(12歳以上で体重35kg以上)に対する、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、またはシドフォビルに対して遺伝子型抵抗性(無しも含みます)を示す難治性の移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症治療薬であり、2021年12月に米国において発売され、2022年11月に欧州、2023年12月に中国において承認されました。リブテンシティは、高いアンメット・メディカル・ニーズによる順調な市場浸透、急速なエリア拡大、迅速なマーケットアクセスにより、上市後も好調な業績となりました。2026年3月期におけるリブテンシティの売上収益は469億円となりました。 ・アジンマ(遺伝子組換え ADAMTS13-krhn):アジンマは先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)の成人および小児患者さんの予防的治療薬ならびに酵素補充療法であり、欠乏したADAMTS13酵素を補充することによりcTTP患者さんのアンメット・メディカル・ニーズに対応するFDAに承認された初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)です。 また、アジンマ(一般名: アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え))が、日本においては12歳以上の患者さん、欧州(EMA市場)においてはすべての年齢層の患者さんを対象としたcTTP治療薬として承認されました。2026年3月期におけるアジンマの売上収益は120億円となりました。 血漿分画製剤(PDT)領域における主要製品は以下のとおりです。 ・GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG(静注用人免疫グロブリン10%製剤):GAMMAGARD LIQUIDは、抗体補充療法用免疫グロブリン(以下、「IG」)の液体製剤です。GAMMAGARD LIQUIDは、原発性免疫不全症(PID)の成人および2歳以上の小児患者さんに対して使用され、静注または皮下注のいずれかの方法で投与します。また、GAMMAGARD LIQUIDは、成人の多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者さんに対しても静注投与にて使用されます。2024年1月に、米国において、GAMMAGARD LIQUIDが、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんの治療薬として承認されました。GAMMAGARD LIQUIDは、米国以外の多くの国で製品名KIOVIGとして販売されています。KIOVIGは、欧州において、CIDPを含む、複数の適応症への使用が承認されています。 ・ハイキュービア(ヒト免疫グロブリン注射製剤10%):ハイキュービアは、ヒト免疫グロブリン(IG)および遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ(Halozyme社よりライセンス取得)からなる製剤です。ハイキュービアは、PID患者さんに対して最長で1ヶ月に1回の投与で、1回あたりの注射部位一ヶ所でIGの全治療用量の投与が可能な唯一のIG皮下注用治療薬です。ハイキュービアは、米国では成人PID患者さんへの使用、欧州においてはPID症候群および骨髄腫患者さんまたは重度の続発性低ガンマグロブリン血症および回帰感染を伴う慢性リンパ性白血病患者さんへの使用、また日本においてはPID患者さんまたは無又は低ガンマグロブリン血症を伴う続発性免疫不全症の患者さんへの使用が承認されております。2024年1月に、ハイキュービアは、米国において、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんの再発予防の維持療法として、また、欧州においては、すべての年齢のCIDPの患者さんの維持療法として承認されました。 • キュービトル(ヒト免疫グロブリン皮下注用20%製剤):キュービトルは、原発性体液性免疫不全症の成人および2歳以上の小児患者さんに対する補充療法に用いられます。キュービトルは、欧州では特定の続発性免疫不全の治療薬としても承認されています。キュービトルは、プロリン不含で、投与部位1ヶ所あたりの耐用量内で最大60 mL(12g)および1時間あたり60 mLまで投与可能な唯一の20%皮下IG治療薬であり、従来の皮下IG治療薬と比較してより少ない投与部位および短い投与時間での使用が可能です。 2026年3月期におけるGAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤の売上収益は7,906億円となりました。 ・FLEXBUMIN(ヒトアルブミンバッグ製剤)およびヒトアルブミン(ガラス瓶製剤):FLEXBUMINおよびヒトアルブミンは、濃度5%、20%および25%の液体製剤として販売されています。両製品とも、血液量減少症、一般的な原因および火傷による低アルブミン血症、ならびに心肺バイパス手術時のポンプのプライミングに使用されます。また、FLEXBUMIN 25%製剤は、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)およびネフローゼに関連する低アルブミン血症、ならびに新生児溶血性疾患(HDN)にも適応されます。2026年3月期におけるFLEXBUMINおよびヒトアルブミン(ガラス瓶製剤入り)を含むアルブミン製剤の売上収益は1,403億円となりました。 オンコロジー領域における主要製品は以下のとおりです。 ・アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン):アドセトリスは、ホジキンリンパ腫(HL)および全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)の治療に使用される抗癌剤で、2020年5月には中国で承認され世界70カ国以上で販売承認を受けております。当社は、現在Pfizer Inc.の完全子会社であるSeagen, Inc.とアドセトリスを共同開発し、米国およびカナダ以外の国での販売権を保有しています。2026年3月期におけるアドセトリスの売上収益は1,402億円となりました。 ・リュープリン/ENANTONE(リュープロレリン):リュープリン/ENANTONEは、前立腺がんや乳がん、小児の中枢性思春期早発症、子宮内膜症や不妊治療、子宮筋腫による貧血の症状改善に用いられる治療薬です。リュープロレリンの特許期間は満了していますが、製造の観点から後発品の市場参入は限定的です。2026年3月期におけるリュープリン/ENANTONEの売上収益は1,208億円となりました。 ・ニンラーロ(イキサゾミブ):ニンラーロは、多発性骨髄腫(MM)治療に対する初めての経口プロテアソーム阻害剤です。ニンラーロは、再発又は難治性の多発性骨髄腫の効能で、2015年に米国で承認されて以来、2016年に欧州、2017年に日本、2018年に中国で承認されております。日本においては、多発性骨髄腫の維持療法の治療薬としても承認を受けております。2026年3月期におけるニンラーロの売上収益は821億円となりました。 ・アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩):BCR-ABLに作用するチロシンキナーゼ阻害薬であり、慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)の治療に適応となります。2016年に米国において全面的な承認を取得した後、2020年と2024年に米国において適用拡大の承認を取得しました。当社は米国とオーストラリアにおいて販売権を取得しております。米国とオーストラリア以外の地域では、認可を受けたパートナー5社により60を超える市場において販売されており、当社はこれらのパートナーから、供給、ロイヤリティおよびマイルストンの支払を受領しており、その水準はパートナーによって異なります。2026年3月期におけるアイクルシグの売上収益は750億円となりました。 ・FRUZAQLA(フルキンチニブ):フルオロピリミジン、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法、および抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴があるmCRC成人患者さんに対する治療薬です。FRUZAQLAは、3種類のVEGF受容体キナーゼすべてに対して選択性を有する内服阻害薬として、米国、欧州、日本のほか、世界中の幾つもの国々で承認されております。当社は中国本土、香港、マカオ外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンスを有しています。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。2026年3月期におけるFRUZAQLAの売上収益は551億円となりました。 ・アルンブリグ(ブリグチニブ):アルンブリグは、非小細胞肺がん(NSCLC)治療に使用される経口投与の低分子未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤であり、クリゾチニブ投与中に進行した、またはクリゾチニブに不耐性を示す患者さんに対する治療薬として、2017年に米国で迅速承認され、2018年にEUにおいて、クリゾチニブの治療歴を有する患者さん向けの販売承認を取得しました。2020年に米国とEUの両方において、新たにALK陽性転移性NSCLCと診断された患者さんに対する効能が追加されました。2021年1月に、日本において、ファーストラインおよびセカンドラインの治療薬として承認されました。また2022年3月に、アルンブリグは中国において承認されました。2026年3月期におけるアルンブリグの売上収益は369億円となりました。 ニューロサイエンス領域における主要製品は以下のとおりです。 ・VYVANSE/ELVANSE(リスデキサンフェタミンメシル酸塩):VYVANSE/ELVANSE(国内製品名:ビバンセ)は、6歳以上の注意欠陥・多動性障害(ADHD)患者さんおよび成人の中程度から重度の過食性障害患者さんの治療に用いられる中枢神経刺激剤です。2023年以降、米国において後発品が市場に参入したことにより、売上は減少しました。2026年3月期におけるVYVANSE/ELVANSEの売上収益は2,032億円となりました。 ・トリンテリックス(ボルチオキセチン臭化水素酸塩):トリンテリックスは、成人大うつ病性障害の治療に適応される抗うつ薬です。トリンテリックスはH. Lundbeck A/S社と共同開発し、当社は米国および日本での販売権を保有しており、米国では2014年、また日本では2019年より販売しています。2026年3月期におけるトリンテリックスの売上収益は1,218億円となりました。 ワクチン領域における主要製品は以下のとおりです。 ・QDENGA(4価デング熱ワクチン):QDENGAは4つのデングウイルス血清型すべての遺伝子的“バックボーン”となる、弱毒化した生のデング2型ウイルスを基盤に構築されています。QDENGAはテング熱流行国および渡航市場を含む40カ国以上で承認されています。2026年3月期における QDENGAの売上収益は408億円となりました。 売上収益の地域別内訳は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 事業セグメントおよび売上収益」をご参照下さい。
事業等のリスク13,646字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 リスク管理の枠組みおよびガバナンス 当社の事業運営は、現在および将来において様々なリスクにさらされており、これらのリスクは、当社の業績、財務状況、キャッシュ・フローおよび長期戦略に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、リスクと機会は本質的に相互に関連しており、同一の戦略的検討事項の異なる側面を示すものであると認識しています。この認識に基づき、当社は、戦略目標およびサステナビリティに関する目標達成に伴う不確実性の低減を図りながら、患者さん、人材、資産および当社の社会的評価を保護しつつ価値創造を追求する観点から、十分な情報に基づくリスクベースの意思決定を行うよう努めています。 当社のリスク管理の取り組みは、グローバル ビジネス レジリエンスの枠組みの一部を構成する全社的リスク管理(「Enterprise Risk Management:ERM」)プログラムを通じて運用されています。本枠組みでは、積極的なリスクの特定、適切なエスカレーション、ならびに事業中断の際の迅速な対応および復旧を可能とするべく、ERMを事業継続管理および危機管理と統合しています。 (ERMフレームワークの概要) 当社のグローバルERMプログラムでは、当社の戦略との整合性を有する相互に関連したポートフォリオとしてリスクを包括的に評価するとともに、主要なリスクの特定、評価、優先順位付け、低減、モニタリングおよび報告を行うための体系的な手法を適用しています。 ERMフレームワークの中核的要素は以下の図表のとおりです。 本フレームワークは、下記の5つの中核的要素によって支えられています。 当社は、適切なガバナンス、企業文化、ツールおよびテクノロジーを活用しながら、これらの要素により、組織全体の意思決定プロセスにリスク管理の考え方が組み込まれることを確保しています。 (ガバナンス体制) 当社は、適切なリスクの責任主体への帰属および監視を確保するため、経営陣、ビジネス&サステナビリティ・コミッティー (「BSC」)、リスク・サブコミッティー(「RSC」)、タケダ・エグゼクティブチーム(「TET」)ミーティングおよび取締役会による定期的なレビューを含む、明確なガバナンス体制、役割分担および責任を組織全体において定めています。 ERMプロセス全体は、グローバルジェネラルカウンセルが統括し、取締役会は主要なリスクの監視およびリスクの優先順位付けのレビューを行っています。BSCおよびRSCは、リスク低減計画および新たに顕在化しつつあるリスクの動向について全社的な観点から監視を行います。また、TETを含む経営陣は、それぞれの責任領域におけるリスクの特定および低減に責任を負っており、リスク・コーディネーターは実施およびエスカレーションのプロセスを支援しています。 ERMプログラムの継続的改善および主要リスク 当社は、変化するリスクを適時かつ効果的に特定および評価し、これに対応する能力を強化するため、ERMプログラムの高度化に継続的に取り組んでいます。具体的には、地政学的動向や規制の動向およびサステナビリティ関連の動向を含む外部環境を踏まえた視点の強化、一貫したリスクの特定、エスカレーションおよび意思決定を支援するためのリスク許容度の概念の明確化、リスクおよびその低減策に対する管理の強化、ならびにリスク意識の企業文化および日常業務へのさらなる浸透等を行っています。 また、当社は、リスクの透明性、機能横断的な整合性および経営陣による監視を高めるために、全社的リスク評価プロセスについても継続的に強化しています。当社は、堅実なガバナンス、より明確な説明責任、ならびにデータおよびテクノロジーの効果的な活用を通じて、リスク管理実務の質および一貫性のさらなる向上を図っています。 さらに、当社は、情報が限定的な段階であっても、経営陣への報告チャネルやその他の報告手段を通じて潜在的なリスクを早期にエスカレーションすることを従業員に奨励しており、これにより、新たなリスクの予見的な特定および低減を促進しています。 しかしながら、当社は継続的にリスク管理の高度化に努めているものの、リスクを完全に排除することはできません。グローバルに事業を展開する当社を取り巻く事業環境は非常に流動的かつ複雑であり、不確実性や予期せぬ事象が今後も発生する可能性は否定できず、また、当社の低減策によって常にリスクを完全に低減できるとは限りません。 以下では、当年度末現在において、当社が重要と認識している主なリスクを記載しています。なお、以下に記載したリスクは、当社が直面する可能性のあるすべての潜在的なリスクおよび不確実性の全部を必ずしも網羅するものではありません。現時点で当社が認識していない、または重要ではないと判断している追加的なリスクや不確実性も、当社の事業に悪影響を及ぼす可能性があり、投資家が投資判断を行う際の考慮要素になる可能性があります。 (1)研究開発に関するリスク 当社は、持続的成長を実現するために、最先端の科学で革新的な医薬品を創出することを目指しています。当社は、研究開発機能の向上および社外パートナーとの提携等により研究開発パイプラインを強化するとともに、世界各国の市場への一日も早い新製品の上市を目指し、質の高い革新的な研究開発パイプラインを構築することで研究開発の成功確率を高める等により効率的な研究開発活動に努めています。しかしながら、医薬品は、自社創製候補物質、導入候補物質にかかわらず、所轄官庁の定めた有効性と安全性に関する厳格な審査により承認されてはじめて上市可能となります。 研究開発の途上において、当該候補物質の有効性・安全性が、承認に必要とされる水準を充たさないことが判明した場合またはその懸念があると審査当局が判断した場合、その時点で当該候補物質の研究開発を途中で断念、または追加の臨床試験・非臨床試験を実施せざるを得ず、それまでにかかったコストを回収できないリスクや製品の上市が遅延するリスク、および研究開発戦略の軌道修正を余儀なくされる可能性があります。 (2)知的財産権に関するリスク 当社の製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって、一定期間保護されています。 当社では特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、当社が事業を行う市場における知的財産権や第三者からの侵害状況を継続的にモニタリング、評価および分析し、知的財産権に関するリスクの回避と、受けうる影響の低減を図っていますが、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が大幅に失われる可能性があります。また、当社の自社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には製造販売の差止めおよび損害賠償等を請求される可能性があります。 (3)特許権満了等による売上低下リスク 当社は、効能追加や剤型変更等により製品のライフサイクルを延長する努力をしていますが、多くの製品について、特許または規制上の独占権の喪失・満了による後発品の市場参入は避けられず、米国や欧州では後発品が参入すれば通常、短期間で先発品から後発品へ切り替わり、先発品の収益が大きく減少します。国内では、当局が後発品の使用促進を積極的に進め、また、長期収載品のさらなる価格引下げが行われています。これに加え、競合品の特許権満了によるその後発品、および競合品のスイッチOTC薬の出現などによって、国内外の競争環境は格段に厳しいものになってきており、その影響如何で当社製品の大幅な売上低下を招く可能性があります。 なお、特許権満了時期等の詳細については「第2 事業の状況 6 研究開発活動 知的財産」をご参照ください。 (4)副作用に関するリスク 医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て発売されます。当社は発売後の医薬品について安全性情報を収集し有効性とリスクのバランスを評価することを含め、安全性監視活動とリスク最小化活動を実施し、ファーマコビジランス活動を推進し、副作用に関するリスクの回避と受けうる影響の低減に努めていますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、発売時には予期していなかった副作用が確認されることがあります。新たな副作用が確認された場合には、添付文書の「使用上の注意」への記載を行う、使用する対象患者を制限する、使用方法を制限するなどの処置が必要となるほか、重篤なケースが認められた場合には、販売中止・回収等を余儀なくされることもあり得ます。また、このような場合において、当社は製造物責任を負うとともに、金銭的、法的および社会的信頼に関する損害を負う可能性があります。 (5)薬剤費抑制策による価格引き下げに関するリスク 医薬品市場では、多くの国々において医療予算の削減が推進され、医療技術評価および国際価格を参照する政策により医薬品価格が低下しています。最大市場である米国では、医薬品価格を下げるための医療計画や仲介機関による取り組みに加え、継続的な法令および規制の制定により先発品への価格引き下げ圧力が一層高まっています。2022年には、米国議会において、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act:IRA)が可決され、薬価上昇率がインフレ率を上回った製薬会社に対するペナルティの賦課、メディケア受給者の自己負担額の上限設定、2026年よりメディケアの対象となる特定の医薬品に関する連邦政府への価格設定権限の付与等、メディケア・プログラムに基づく医薬品の補償条件が大幅に変更されました。また、2025年5月には、米国の処方薬価格を、選定された「同等に発展した国々」での最も低い価格に連動させる価格設定メカニズムである「最恵国待遇(Most Favored Nation:MFN)」価格の導入に関する大統領令が発出されました。米国における制度改革や参照価格制度は、いわゆる参照国(price-basket countries)を含む他市場の価格期待や価格交渉にも影響を及ぼし、結果としてグローバルな価格圧力を一段と高める可能性があります。日本においては、政府による一層の後発品の使用促進に加え、医療保険制度における多くの製品の公定薬価が、毎年引き下げられています。欧州においても、薬剤費を抑制し、価格透明性を高め、国際価格を参照する政策により、医薬品価格が低下しています。欧州連合は、知的財産保護や市場独占期間に影響を及ぼす可能性のある医薬品関連法制の改正を検討しており、これにより将来的に医薬品価格に影響が生じる可能性があります。当社は、中国を含む新興国等のその他の国・地域においても同様の価格圧力を受けており、これらの国・地域における事業拡大に伴い、今後もこうした圧力が継続すると見込まれます。 当社は、各国の薬剤費抑制策の詳細な分析やモニタリングを行い、医薬品の価格状況を管理する組織体制を構築することでリスクの影響低減の努力を行うとともに、各国政府や医療サービス供給者・保険者等と協力して、革新的な医薬品に対する適切な報酬制度を確立するために、価値に基づく新しい価格設定モデル(バリューベースド・プライシング)等の解決策を追求していますが、これら各国の薬剤費抑制策による価格引き下げにより、当社製品の価格が影響を受け、当社の業績および財務状況に悪影響が生じる可能性があります。 (6)戦略的取引および関連するバランスシート上の価値毀損・財務リスク 当社は、持続的な成長を加速させ、研究開発パイプラインおよび製品ポートフォリオを強化するため、必要に応じて企業買収、事業買収または資産取得ならびにライセンス契約を含む戦略的取引を実施しています。しかしながら、これらの取引には、取得した事業や導入した資産の統合の際の問題の発生、商慣習の相違、税制度を含む法令や規制の変更、政情不安、経済の不確実性、複数の法域で事業を行うことに伴う複雑性等、様々なリスクが伴い、結果として当初想定した買収効果やシナジーまたは戦略目標が十分に実現されない可能性があります。 また、買収、取得またはライセンス契約その他の戦略的取引に関連して、当社は、貸借対照表上にのれんおよび無形資産を計上したり、多額の一時金の支払、マイルストン支払義務その他の長期的なコミットメントを負う場合があります。取得または導入した資産について、臨床試験結果が期待に沿わない場合、開発または上市が遅延した場合、または業績への寄与が想定を下回った場合には、のれん、無形資産またはその他投資に関連する減損損失が発生し、当社の業績、財務状況および配当可能利益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、取得した事業の統合や導入した資産から期待される価値の実現に失敗した場合にも、当社の業績および財務状況に悪影響が生じる可能性があります。 さらに、これらの戦略的取引は、当社の有利子負債水準を引き上げ、または資本構成に影響を及ぼす場合があります。 当社は、過去の戦略的取引に関連して発生したものを含め、多額の債務を負っています。当社は、利益の創出および選択的な非中核資産の売却等を通じてレバレッジの速やかな低下を進めてきましたが、当社の財務状況は依然として業績や市場環境の変動に影響を受けやすい状態にあります。当社の財務状況が将来悪化した場合には、当社の信用格付けが引き下げられ、その結果、既存の債務の借り換えや新規借入れ、その他資金調達の条件にも悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社のコミットメントラインは必要に応じて随時資金の引き出しが可能なものでありますが、これに関連して、一定の制限条項が付されています。かかる条項に抵触した場合には、当該コミットメントラインの利用が制限され、また、同コミットメントラインを使用した全ての債務残高等について即時返済が求められる可能性があり、その結果、当社の財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。 当社は、これらのリスクに対応するため、規律ある取引評価プロセス、綿密な統合計画、継続的な状況のモニタリング、慎重なバランスシートおよび資本管理、ならびに金融機関その他のステークホルダーとの積極的な対話を実施しています。しかしながら、これらの施策が十分に有効である保証はなく、当社が戦略的取引の実行や統合に失敗した場合、取得または導入した資産の価値が低下した場合、または財務の柔軟性が制約された場合には、当社の業績、財務状況および長期成長戦略に悪影響が生じる可能性があります。 (7)リーダーシップの移行および組織変革に関するリスク 当社は、最高経営責任者および経営陣の交代を含むリーダーシップの移行に加え、広範な組織および事業運営モデルの変革を進めています。こうした変化は、とりわけ移行および適応の期間において、短期的な不確実性および執行リスクをもたらす可能性があります。 リーダーシップの移行および組織変革により、戦略上の優先順位に影響が生じ、意思決定が遅延または複雑化し、ガバナンス、内部統制、または役割および責任の明確性が一時的に不十分となる可能性があります。また、重要な人材や組織における知識の喪失、企業文化の一体感の低下、従業員エンゲージメントおよび定着率の悪化といった影響が生じる可能性があります。 当社は、これらのリスクを低減するため、変革期における継続性および規律ある執行を支えるガバナンスおよび監督の枠組みを整備しています。具体的には、暫定的なリーダーシップ体制、変革を監督する仕組み、役割および責任の明確化、当社の価値観および戦略との整合を図るための継続的なコミュニケーション等を実施しています。また、当社は、潜在的な課題を適時に特定し対応するために、リーダーシップの有効性、従業員のエンゲージメントおよび定着率、業務パフォーマンス等の組織健全性指標をモニタリングしています。しかしながら、これらの施策が意図したとおりに機能せず、リーダーシップの移行または組織変革の施策が適切に実行されなかった場合には、業務の混乱、ガバナンスまたは内部統制の弱体化、重要人材の喪失、または社会的信頼への悪影響が生じ、当社の事業、業績、財務状況および長期的な戦略目標に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)安定供給に関するリスク 当社は、販売網のグローバル化に確実に対応するとともに、当社製品への需要に対し適切な供給量を確保していくため、供給ネットワークと品質保証体制を強化しており、具体的には、製造設備への適切な投資、必要に応じて複数のサプライヤーと適切な在庫水準を確保するための製造供給戦略の策定、代替サプライヤーの選定、当社内の製造ネットワークに係る危機管理規則の制定、事業継続管理システムの導入および定期的な内部監査等を行っています。しかしながら、当社または委託先の製造施設・物流施設等において、技術上もしくは法規制上の問題、原材料の不足、想定を超える需要、または自然災害の発生や新興感染症の流行、進出国における紛争あるいは各国・地域間における地政学的緊張の高まり等により、製商品の供給に大幅な遅延または安定供給への支障が発生する可能性があります。その動向によっては、当社の業績、財務状況および社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。 (9)IT セキュリティ、情報管理およびデジタル技術に関するリスク 当社は、顧客ニーズに合致したビジネスモデルの進化を支えるため、デジタル技術を活用しています。デジタル技術活用の強化は、当社の長期的な持続的成長に不可欠であり、当社の成長戦略の重要な基盤として位置付けています。こうした状況のもと、事業の特性上、秘匿性の高い個人情報を含む大量の機密情報を取り扱っていることから、データ保護ならびにセキュリティ対策の重要性が一層高まっています。データ活用やデジタルプラットフォームへの依存度が高まる中、大規模かつ複雑なIS/IT システム(アウトソーシング企業のシステムを含む)の利用に伴い、システム停止やセキュリティ上の問題が発生するリスクは増大し、その影響範囲も拡大しています。 また、当社は、生産性向上、意思決定支援および全社的な業務プロセスの高度化を目的として、人工知能(AI)およびエージェント型テクノロジーの導入・活用を検討し、順次実装を進めていますが、これに伴い新たに進化するリスクにも直面する可能性があります。かかるリスクには、AIの能力の過大評価、AIを活用した意思決定に関する責任所在の不明確さ、AIエージェントとユーザー認証情報またはアクセス権限との不整合、機密情報の意図しない漏えい・誤用、ならびにAIを利用した攻撃、プロンプトインジェクション、敵対的操作等の新たなサイバー脅威が含まれます。 当社は、業務効率と収益性の向上を目的として、ネットワーク基盤の改修とクラウド移行、ガバナンスの枠組みの強化およびグローバルなサイバーセキュリティ戦略の策定等、テクノロジー投資を行っています。これらの取組みの一環として、アプリケーションセキュリティ、資産管理、ネットワークセキュリティ、脆弱性管理およびパッチ管理等の基盤的能力を強化するため、機能横断的な専門チームを配置しています。しかしながら、技術変化のスピードが極めて速いことから、導入したデジタルまたはAIソリューションが比較的短期間で陳腐化する可能性があり、継続的な投資、ガバナンスおよび統合の取り組みの強化が必要となります。デジタルおよびAI施策に対するガバナンスが断片的または不十分である場合には、コンプライアンス、業務運営および社会的信頼に関するリスクが高まります。 こうした状況の中、当社がデジタル変革から期待される効果や利益を十分に実現できない場合、またはシステム停止、セキュリティ上の問題、もしくはデジタル技術の不適切な利用が発生した場合には、当社の事業活動、業績、財務状況および社会的信頼に悪影響が生じる可能性があります。 (10)コンプライアンスに関するリスク 当社は事業の遂行にあたって、薬事規制や製造物責任、独占禁止法、個人情報保護法等の様々な法的規制やGMP (Good Manufacturing Practice)、GQP(Good Quality Practice)、GCP (Good Clinical Practice)、GLP (Good Laboratory Practice)等のガイドラインの適用を受けています。 加えて、当社の事業は、医療従事者、医療機関、政府関係者、患者さんおよび患者団体等との広範な接点を伴うものであり、これらの活動は製薬業界の特性上、本質的にコンプライアンスリスクを伴うものです。これらの関係者との連携や取引は、多くの場合、サプライヤー、学術提携先、卸売業者その他の商業パートナー等の第三者を通じて、またはこれらの第三者と連携して行われるため、適切なガバナンスが講じられない場合には、コンプライアンスリスクがさらに高まります。さらに、規制当局による取り締りの強化、複数の法域にわたって進化し、また断片的に変化する法制度、地政学的な不安定性、ならびにデジタルおよびオムニチャネルのエンゲージメントモデルを含む急速に変化する事業慣行等により、これらのリスクは一層高まっています。 当社は、当社の事業活動および第三者との関係全般におけるコンプライアンスを推進するために、グローバルエシックス&コンプライアンス部門を設置し、ポリシー、手続および統制のための制度を整備しています。また、オンボーディング、デューデリジェンス、継続的モニタリングおよび是正措置を含む取組み等の、第三者との関係のライフサイクル全体を対象としたリスクベースの第三者リスク管理の枠組みを導入しており、ガバナンスの強化、説明責任の明確化および組織全体のコンプライアンス意識の向上を継続的に図っています。しかしながら、こうした取組みにもかかわらず、コンプライアンスリスクを完全に排除することはできません。ステークホルダーとのやり取りを適切に管理できない場合、または既存の取決めを含め、第三者との関係をそのライフサイクル全体にわたり有効に統治できない場合には、法令または社内ポリシーへの違反、規制当局による調査または措置、金銭的制裁、訴訟、業務の混乱または社会的信頼への悪影響が生じ、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)進出国および地域におけるカントリーリスク 当社は、グローバルな事業展開に伴い、進出国や地域における政治不安、経済情勢の悪化、医薬品に対する関税を含む関税その他の貿易制限措置、新興感染症の流行、社会混乱、進出国における紛争、各国・地域間における地政学的緊張の高まり等に伴う投資、データの越境規制など様々なリスクにさらされています。また、政府機関または規制当局における業務の混乱や機能不全が生じた場合、医薬品の承認手続の遅延や審査プロセスの変更につながる可能性があり、その結果、当社の事業活動や成長計画に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、各国においてビジネスと人権に関する法規制の整備が継続的に進んでおり、バリューチェーン全体での人権侵害リスクへの対応の必要性が高まっています。 当社は、各部門の連携のもと、これらのリスクが当社の事業に与える影響の分析や各地域における社会情勢のモニタリング、人権デューデリジェンスの実施等を通じてリスクに対応する体制を構築しております。また、地政学的情勢や政策動向の急速な変化に対応するため、部門横断的なモニタリングおよび対応体制を整備するとともに、適時のエスカレーションおよび意思決定を可能とするため、事業継続計画および危機管理計画について定期的なテストを実施しています。さらに、地政学的リスクは、製品供給の継続性、コンプライアンス上の義務、ならびに越境データ規制等の他のリスクを増幅させる可能性があることから、当社はシナリオ分析や経営陣によるレビューをリスク管理の枠組みに組み込んでいます。当社は、医薬品に対する患者さんのアクセスを確保することを最優先としており、これらのリスクの低減方法およびこれらのリスクへの対応方法を確認しながらリスク管理を行うよう努めています。しかしながら、当社または当社と協力関係にある第三者が事業を行っている地域において、不測の事態が生じた場合には、当社の業績、財務状況および社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。 (12)金融市場環境に関するリスク 当社の当年度における海外売上収益は4兆726億円であり、連結売上収益全体の90.4%を占めており、そのうち米国での売上収益は2兆1,648億円にのぼり、連結売上収益全体の48.0%を占めています。 従って、売上収益については円安は増加要因である一方、研究開発費をはじめとする外貨建ての費用は円安の場合には収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、機能通貨以外で実行される事業上の取引、金融取引および投資に関して為替変動リスクにさらされています。さらに、金利変動による資金調達コストの上昇や、世界的なインフレーションの進行が当社の利益を圧迫する可能性があります。当社は為替および金利リスクを集約的に管理し、これらの財務リスクをヘッジするためにデリバティブ取引を行うとともに、取引先との契約条件の見直し等により潜在的な影響の緩和を図っていますが、経済環境や金融市況が当社の想定を超えて変動した場合には、当社の業績および財務状況に影響が生じる可能性があります。 (13)訴訟等に関するリスク 当社の事業活動に関連して、現在関与している訴訟のほか、将来、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、係属中の重要な訴訟の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。 (14)環境に関するリスク 環境はウェルビーイング(心身の健康)の基礎であり、私たちは事業活動に欠かせない自然資源を環境から得ています。環境保全に対する責務の遂行は、当社の事業の発展に不可欠であり、当社の価値観(バリュー)に沿うものです。これは、単に正しい行いをするというだけではなく、人生を変えうるような医薬品やワクチンを責任をもって患者さんにお届けできるようにするものです。そのために、当社は、ステークホルダーからの期待に沿いつつ法規制にも遵守した厳格な環境マネジメントシステムおよび社内プログラムを整備するとともに、これらが有効に運用され、期待する結果を実現していることを確認するための内部監査手続を定めています。しかしながら、万が一、予期せぬ汚染や法規制への不適合、不十分な環境保全活動が顕在化した場合には、社会的信頼を損なうとともに、行政措置の対象となり、保険の適用範囲外または補償金額を超える支払義務を伴う改善措置の実施や法的責任を負うことにより、当社の事業活動に悪影響が生じる可能性があります。また、環境法規制の改正や社会の期待の変化により、より厳しい要請への対応が課せられ、当社の研究、開発、製造その他の事業活動に影響が及ぶ可能性もあります。かかる要件の遵守や課題への対応が行われない場合には、法規制上の責任を負い、当社の社会的信頼に影響を及ぼすとともに、当社の業務遂行能力に悪影響が生じ、ステークホルダーに対する魅力が低下する可能性があります。 これまでのところ、気候変動に起因するコンプライアンスまたは訴訟等の重大な影響はありませんが、当社は、気候変動を、人々の健康に大きな影響を及ぼす深刻なグローバル課題であるとともに、当社の事業に財務的なリスクをもたらす可能性のある課題であると認識しています。当社は、2024年度に気候関連リスクと機会に関するシナリオ分析を更新し、移行リスクおよび物理的リスクに焦点を当てた評価を実施しました。当該評価には、特定のサプライチェーンリスクも含まれています。移行リスク評価では、規制、技術、市場、および評判に関するリスクを対象とし、気候変動に対するグローバルな対応レベルによる異なる3つの気候変動シナリオ(すなわち、「迅速な気候変動対策(Rapid Climate Action)」、「気候変動対策の遅延(Delayed Transition)」、「中道的な気候変動対策(Middle of the Road)」)に基づき、2050年までの時間軸における当社への影響を評価しました。物理的リスク評価では、当社の事業運営および第三者である主要な医薬品製造受託機関(CMO)およびサプライヤーについて、気温、水、風および土地に関連する危険性を、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によって設定された2つの共通社会経済経路シナリオ(SSP2-4.5(注)1とSSP5-8.5(注)2)に基づいて評価しました。本プロセスを通じて、当社に潜在的に該当する気候関連リスク・カテゴリーを特定することができました。これには、潜在的な各国および地域レベルでの炭素税導入に伴うサプライヤーからのコストの増加の可能性、および高温ストレス、水資源の不足、洪水による当社の事業運営および医薬品製造受託機関(CMO)への物理的リスクが含まれており、これらが顕在化した場合には、当社の事業、業績および財務状況に影響が生じる可能性があります。また、当社では、気候変動関連リスクを全社的リスク管理体制に組み込んでおり、今後新たに顕在化しうるリスクの傾向を適切にモニタリングできる体制を取っています。当社では、潜在的な影響を緩和するため、低炭素型事業への移行を進めています。当社は、2022年度まで、カーボンニュートラルを維持してきましたが、2024年度からは気候変動対策の目標としてのカーボンニュートラルからの転換を行い、ネットゼロのロードマップを進めるための取り組みにリソースを集中させる一方で、バリューチェーンを超えた自然を活用したカーボン除去プロジェクトへの投資を継続しています。 当社の重要なステークホルダーは当社に対して優れた環境保全活動を遂行することを期待していると認識しており、当社は自社の製品および事業活動から生じる環境への影響を緩和するための方策を継続的に模索しています。当社は、事業活動およびバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量の最小化、自然環境への影響の低減、ならびに持続可能性に配慮した製品設計および生産に重点を置いて、環境サステナビリティ活動に取り組んでいます。また、これらの取り組みを補完する分野にも引き続き注力しており、水資源の保全を支援するための自然資源保護への取り組み、責任ある廃棄物処理をはじめとし、製品ライフサイクル全体を通じて環境への影響を最小限に抑えるため、製品開発のすべての段階においてサステナビリティに配慮しています。これらの取り組みにより成果が得られた場合には、地球の生態系と人々の健康を守りながら、当社に対する社会的評価の向上と当社事業の強化に繋がることとなり、患者さんに貢献するという当社の揺るぎない使命を果たし続けられることになります。一方で、当社が掲げているサステナビリティの高い目標に向けた行動を実施できない場合や、ステークホルダーの期待に沿う結果が得られない場合には、当社に対する社会的信頼が損なわれ、その結果、従業員の採用・維持や顧客、投資家との関係の構築において問題が生じ、当社の業績および財務状況に影響が及ぶ可能性があります。 (注)1 SSP2-4.5シナリオ:温室効果ガス排出量が2050年まで現在のレベルで続き、その後減少するが、2100年までに地球の気温が2.1~3.5℃上昇すると推定される中程度の排出経路を示しています。 2 SSP5-8.5シナリオ:現在のCO2排出量が2050年までに約2倍、2075年までに約3倍に増加し、2100年までに地球の気温が3.3~5.7℃上昇すると推定される、非常に高い温室効果ガス排出経路を示しています。 (15)人材の採用および配置に関するリスク 当社の長期的に持続可能な成長には、人材の獲得競争の激しい市場や地域において、事業を支える適切な人材の採用と配置が重要であると認識しています。当社は、組織の有効性、文化、価値観を維持しながら、働き方の柔軟性をより高め、職場環境をより良くする施策を実施するとともに、継続的なキャリア開発機会の提供やエンゲージメントの推進を図り、従業員に対して魅力的な価値を提案することで、人材採用における競争力の強化と人材の定着を促進しています。しかしながら、計画通りに採用や定着が進まない場合は、人材の喪失や不足を通じて、当社の競争力が低下し、その結果、当社の業績および財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)50,441字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 当年度の業績および財政状態は以下のとおりとなりました。 売上収益   4兆5,057億円   [前年度比   758億円   (   1.7%) 減   ] 研究開発費   6,759億円   [   〃   543億円   (   7.4%) 減   ] 営業利益   62億円   [   〃   3,364億円   (   98.2%) 減   ] 税引前当期損失   △1,424億円   [   〃   3,174億円   (   -) 減   ] 当期損失   △1,521億円   [   〃   2,603億円   (   -) 減   ] 基本的1株当たり損失   △96円75銭   [   〃   165円11銭   (   -) 減   ] 資産合計   15兆5,115億円   [前年度末比   1兆2,632億円   (   8.9%) 増   ] 負債合計   8兆809億円   [   〃   7,685億円   (   10.5%) 増   ] 資本合計   7兆4,306億円   [   〃   4,947億円   (   7.1%) 増   ] なお、当社グループは「医薬品事業」の単一セグメントのため、セグメントごとの経営成績の記載を 省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況 「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照下さい。 ③ 生産、受注及び販売の状況 (a) 生産実績 当年度における生産実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) 医薬品事業   2,686,982   19.5 合計   2,686,982   19.5 (注) 1 当社グループは「医薬品事業」の単一セグメントであります。 2 生産実績金額は、販売価格によっております。 (b) 受注状況 当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しており、一部の受注生産における受注高および受注残高の金額に重要性はありません。 (c) 販売実績 当年度における販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) 医薬品事業       4,505,720           △1.7 (国内)   (   433,110   )   (   3.5   ) (海外)   (       4,072,610   )   (   △2.2   ) 連結損益計算書計上額(うちライセンス供与による収益・役務収益)       4,505,720 △1.7 (     82,609   )   (    △3.5   ) (注) 1 当社グループは「医薬品事業」の単一セグメントであります。 2 販売実績は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。 3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先   前年度   当年度 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) マッケソン・コーポレーションおよびそのグループ会社   592,323   12.9   539,890   12.0 センコラ Inc.(旧称:アメリソースバーゲン・コーポレーション)およびそのグループ会社   577,017   12.6   470,295   10.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 当年度の経営成績の分析 (a) 当社グループの経営成績に影響を与える事項 事業の概況 当社グループは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業として、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの重点疾患領域において、革新的な医薬品を創出し続けることを追求するとともに、血漿分画製剤およびワクチンをお届けすることにも注力しています。当社グループはパートナーとともに、強固なパイプラインを通じて、患者さんの治療体験の向上を図り、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても治療パラダイムの変革に取り組んでいます。また、バリューチェーン全体にわたり先進技術や人工知能(AI)の統合を進めることで、事業運営の有効性と効率性を高め、イノベーションを促進し、ステークホルダーへの提供価値の向上につなげています。当社グループは、約80の国と地域で医薬品を販売しており、世界中に製造拠点を有するとともに、日本および米国に主要な研究拠点を有しています。販売においては、米国、日本および欧州において非常に高いプレゼンスを有しており、中国においても成長している事業を展開しています。当社グループの従業員は、私たちの存在意義のもとに結束し、2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に根ざして行動しています。 当社グループの事業は単一セグメントであり、資源配分、業績評価、および将来業績の予測においてマネジメントの財務情報に対する視点と整合しております。2026年3月期における売上収益および営業利益はそれぞれ4兆5,057億円および62億円であります。 当社グループの経営成績に影響を与える事項 当社グループの経営成績は、グローバルな業界トレンドや事業環境における以下の事項に影響を受けます。 特許保護と後発品との競争 医薬品は特に、特許保護や規制上の独占権によって市場競争が規制されることにより、当社グループの業績に貢献する場合があります。代替治療の利用が容易でない新製品は当社グループの売上の増加に貢献します。ただし、保護されている製品についても、効能、副作用や価格面で他社との競争が存在します。一方で、特許保護もしくは規制上の独占権の喪失や満了により、後発品が市場に参入するため、当社グループの業績に大きな悪影響を及ぼすことがあります。当社グループの主要製品の一部は、特許やその他の知的財産権保護の満了により、厳しい競争に晒されており、あるいは晒されると予想しています。以下は、過去2年間において、後発品またはバイオシミラーが発売された当社の一部の主要製品の業績を示しています。(「CER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベース」の増減は、IFRSに準拠した指標ではありません。詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。) (単位:億円、%以外) 売上収益    増減額    CERベース増減率 前年度   当年度 VYVANSE/ELVANSE   3,506   2,032   △1,474   △43% アジルバ   118   71   △47   △39.5% 後発品の浸透の影響により、2023年8月に米国において物質特許が満了したVYVANSE/ELVANSEおよび2023年2月に日本において後発品が医薬品医療機器総合機構(PMDA)により承認されたアジルバ(競合品の薬価収載は2023年6月に承認)について、関連する国・地域において、両製品の売上収益が減少しました。VYVANSE/ELVANSEの売上収益は2025年3月期の3,506億円から2026年3月期には2,032億円に減少し、アジルバの売上収益は2025年3月期の118億円から2026年3月期には71億円に減少しました。2027年3月期においても、両製品ともに減少傾向が続くと見込んでいます。さらに、2026年3月期に1,218億円の売上収益を計上しているトリンテリックスについても、2026年12月に一定の独占期間が満了することに伴い、後発医薬品との競争に直面することが見込まれています。 なお、後発品を販売する他社が特許権の有効性に対する申し立てに成功する場合、もしくは想定される特許侵害訴訟に係る費用以上のベネフィットを前提として参入することを決定する場合があります。また、当社グループの特許権の有効性、あるいは製品保護に対する申し立てが提起された場合には、関連する無形資産の減損損失を認識する可能性があります。 新製品の開発・商業化および既存製品の拡大 当社は特に売上収益を伸長し、独占権喪失の影響を相殺することを目指しており、当社の事業において、新規のバイオ医薬品の開発・商業化のほか、既存製品の適応拡大および(または)地理的市場拡大による既存製品の拡大は重要な取組みです。これらの目標達成までのプロセスは長期にわたり多額の費用を伴い、多額の研究開発費が発生します。これらは当社の連結損益計算書上営業費用として計上しています。当社の研究開発の取組みに関する詳細については、本報告書の「6.研究開発活動」、製品に関連する研究開発費(償却および減損を含む)および無形資産の会計方針については、本報告書の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」をご参照ください。 2026年3月期において、当社は、当社のポートフォリオのうち一部の製品を「成長製品・新製品(注)」として特定し、当社の経営陣はこれらの製品を将来の主要な成長ドライバーとしてモニタリングしておりました。これらの成長製品・新製品は、2026年3月期において、当社の連結売上収益の51%を占める2兆3,133億円でありました。2026年3月期の内訳としては、ENTYVIOは9,580億円(当社の連結売上収益の21%)、当社の免疫グロブリン製剤(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトル)は7,906億円(当社の連結売上収益の18%)、アルブミン製剤は1,403億円(当社の連結売上収益の3%)、タクザイロは2,239億円(当社の連結売上収益の5%)となりました。 2027年3月期より、当社は、「成長製品・新製品」の区分を廃止し、発売後5年以内の製品から構成される「新製品(New Launches)」および、発売後6年以上が経過し、年間売上収益が1,000億円以上であり、かつ引き続き積極的に販売活動を行っている製品から構成される「コア製品(Core In-line Brands)」という区分を新たに設定しております。 ライフサイクルの初期段階にある新製品は、連結売上収益への貢献は限定的である場合がありますが、当社の経営者はこれらの製品を将来の主要な成長ドライバーとしてモニターしており、これらの製品に関する情報は、当社が今後成長を見込んでいる領域を投資家に理解していただくにあたり有用であると考えています。 当グループを構成する製品は随時変更され、臨床試験の結果や規制当局の認可取得等により、製品を追加または除外する場合があります。 2027年3月期の期首時点において、新製品(New Launches)はEOHILIA、リブテンシティ、アジンマ、FRUZAQLAおよびQDENGAから構成され、コア製品(Core In-line Brands)はENTYVIO、GATTEX/レベスティブ、タケキャブ/VOCINTI、タクザイロ、免疫グロブリン製剤(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む)、アルブミン製剤(HUMAN ALBUMIN/FLEXBUMINを含む)およびアドセトリスから構成されています。 2026年3月期において、当期に達成した良好な臨床第3相試験結果に基づき、oveporextonおよびrusfertideについてFDAへの承認申請を行い、これらの申請はFDAに受理され、両資産について優先審査(Priority Review)が付与されました。さらに、zasocitinibについては良好な臨床第3相試験結果が得られており、近い将来にFDAへの承認申請を行うことを見込んでいます。 これらの資産について上記が成功した場合には、2026年から2027年にかけて上市され、当社が開示する製品区分において新製品(New Launches)として位置づけられる可能性があります。 (注)本報告書日現在において、2026年3月期の成長製品・新製品は、以下のとおりです。 ENTYVIO、EOHILIA、タクザイロ、リブテンシティ、アジンマ、免疫グロブリン製剤(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む)、アルブミン製剤(HUMAN ALBUMIN、FLEXBUMINを含む)、FRUZAQLA、アルンブリグおよびQDENGA 買収 当社グループは、研究開発能力を拡大し(新たな手法に展開することを含みます。)、新しい製品(開発パイプラインや上市済み製品)やその他の戦略的領域を獲得するために、新たな事業または資産を買収する可能性があります。同様に、当社グループの主な成長ドライバーに注力するため、また当社グループのポートフォリオを維持するために、事業や製品ラインを売却しております。 これらの買収は企業結合または資産の取得として会計処理されております。企業結合の場合、取得した資産および引き受けた負債は公正価値で計上されております。当社グループの業績は、通常、棚卸資産の公正価値の増加や、取得した有形固定資産および無形資産の償却費により影響を受けます。また、資産の取得の場合、取得した資産は取引価格で計上されております。企業結合または資産の取得の対価が追加的な借入金で賄われている場合、支払利息の増加も当社グループの業績に影響を与えます。 2025年3月期および2026年3月期、ならびに本報告書提出日までにおいて、重要な事業または資産の買収はありません。なお、共同研究、ライセンス契約およびその他の資産取得については、本報告書の「6 研究開発活動 ライセンスおよび共同研究開発契約」ならびに「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 13 共同研究開発契約、ライセンス契約、その他の資産取得等」をご参照ください。 事業売却 買収に加え、当社グループは、主要な成長ドライバーに注力し、また長期借入金を速やかに返済するための追加キャッシュ・フローを創出するため、事業や製品ラインを売却しております。以下は、2025年3月期において実施または発表された重要な事業売却になります。なお、2026年3月期、ならびに2026年4月1日から本報告書提出日までの期間において、重要な事業売却はありません。 当社グループは、2025年3月期にTeva Pharmaceutical Industries Ltd.(「テバ社」)と日本国内において展開するジェネリック医薬品および長期収載品を中心とした合弁事業について、これを解消する方向でテバ社と協議することを決定しました。これに伴い、武田テバファーマ株式会社の全株式である関連会社株式を売却目的で保有する資産に分類し、2025年3月期において189億円の減損損失を計上しました。2025年3月に当該譲渡が完了したことによる売却収入は508億円の受取配当金を含む565億円であり、2025年3月期の連結キャッシュ・フロー計算書に計上された関連会社株式の売却による収入577億円の大部分を構成しています。また、過去の取引で発生した未実現利益が譲渡完了時に実現したことにより17億円と38億円をそれぞれ売上収益とその他の営業収益に計上しました。 原材料の調達による影響 重要な原材料を社内外から調達することができない場合に、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、ヒト血漿は当社グループの血漿分画製剤において重要な原材料であります。血漿をより多く収集するため、調達および外部との契約を強化し、原料血漿の収集や血漿分画に関連する施設への委託、および規制当局から承認を受けることに成功するための取り組みを行っております。 外国為替変動 2025年3月期および2026年3月期において、当社グループでは日本以外の売上がそれぞれ90.9%、90.4%を占めております。当社グループの業績は、特に当社の表示通貨である日本円に対する米ドルおよびユーロの外国為替レートの変動に影響を受けます。円安は日本円以外の通貨による収益の増加要因となり当社グループの業績に好影響を及ぼしますが、日本円以外の通貨による費用の増加により相殺される可能性があります。とりわけ、2025年3月期および2026年3月期において、他の通貨に対する円安により、当社の売上収益はプラスの影響を受けました。反対に、円高は日本円以外の通貨による収益減少要因となり当社グループの業績に悪影響を及ぼしますが、日本円以外の通貨による費用の減少により相殺される可能性があります。前年度からの為替レートの変動が当社グループの業績に与える影響を投資家がより良く理解できるよう、当社グループは、補足的にCER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減を「CER」の表記で示しています。IFRSに準拠した実勢レート(Actual Exchange Rate)ベースの増減は「AER」の表記で示しています。CERベースの増減率に基づく対前年度の業績比較分析については、下記の「(c) 当年度における業績の概要」及び「(d) 当年度におけるCore業績の概要」をご参照ください。 また、「CERベースの増減」は、国際会計基準(IFRS)に準拠した指標ではありません。詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。 なお、為替変動リスクを低減するため、当社グループは重要な一部の外貨建取引について、特定のヘッジ手段を利用しております。これには、主に個別に重要な外貨建取引に対する先物為替予約、通貨スワップおよび通貨オプションが含まれます。 季節的要因 当社グループの売上収益は、2025年3月期および2026年3月期において第4四半期に減少しています。これは、年末年始休暇および価格引き上げを控え、各国・地域において卸売業者が発注を増加させること、および暦年の年初の米国における保険の年間免責額の改定等によるものです。 (b) 重要な会計方針 当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成されております。当連結財務諸表の作成にあたり、経営者は資産および負債の金額、決算日現在の偶発資産および偶発負債の開示、ならびに報告期間における収益および費用の金額に影響を及ぼす見積りおよび仮定の設定を行うことが求められております。見積りおよび仮定は、継続的に見直されます。経営者は、過去の経験、ならびに見積りおよび仮定が設定された時点において合理的であると判断されたその他の様々な要因に基づき当該見積りおよび仮定を設定しております。実際の結果はこれらの見積りおよび仮定とは異なる場合があります。 経営者の見積りおよび仮定に影響を受ける重要な会計方針は以下のとおりであります。なお、見積りおよび仮定の変更が連結財務諸表に重大な影響を及ぼす可能性があります。 収益認識 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針 (5) 収益」をご参照ください。 のれんおよび無形資産の減損 当社グループは、のれんおよび無形資産について、資産の帳簿価額が回収不能であるかもしれないことを示す事象または状況の変化がある場合には、減損テストを行っております。のれんおよび償却開始前の無形資産については、年次および減損の兆候を捕捉した時点で減損テストを実施しております。2026年3月31日時点において、当社グループはのれんおよび無形資産をそれぞれ5兆8,090億円および3兆4,193億円計上しており、これは総資産の59.5%を占めております。 上市後製品に係る無形資産は特許が存続する見込期間または見込まれる経済的便益に応じた他の指標に基づき、3年から20年の耐用年数を用いて定額法で償却しております。仕掛研究開発品に係る無形資産は、特定の市場における商用化が規制当局により承認されるまで償却をしておりません。商用化が承認された時点で、当該資産の見積耐用年数を確定し、償却を開始しております。 のれんおよび無形資産は、通常、連結財政状態計算書上の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には減損していると判断されます。無形資産にかかる回収可能価額は個別資産、またはその資産が他の資産と共同で資金を生成する場合はより大きな資金生成単位ごとに見積られます。資金生成単位は独立したキャッシュ・インフローを形成する最小の識別可能な資産グループであります。のれんの減損テストは単一の事業セグメント単位(単一の資金生成単位)で実施しており、これはのれんを内部管理目的で監視している単位を表しています。回収可能価額の見積りには以下を含む複数の仮定の設定が必要となります。 ·将来キャッシュ・フローの金額および時期 ·競合他社の動向(競合製品の販売開始、マーケティングイニシアチブ等) ·規制当局からの承認の取得可能性 ·将来の税率 ·永続成長率 ·割引率 将来キャッシュ・フローの金額および時期を見積るための重要な仮定には、研究開発プロジェクトの成功見込みおよび製品に係る売上予測があります。特にのれんにかかる回収可能価額の見積りにおいては、米国における特定の製品に係る売上予測が重要な仮定となります。これらの仮定に影響を与える事象としては、開発の中止、大幅な上市の遅延、規制当局の承認が得られないことによる研究開発プロジェクトの失敗、もしくは一般的には新たな競合製品の販売開始や供給不足による、一部の上市後製品にかかる売上予測の低下があげられます。これらの事象が発生した場合、プロジェクト獲得以降に実施した当初もしくは事後の研究開発投資額が回収できない、もしくは見積った将来キャッシュ・フローが回収できない可能性があります。 これらの仮定に変更が生じた場合は、当該連結会計年度において減損損失および、のれんを除き、減損損失の戻入れを認識しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 のれん および 12 無形資産」をご参照ください。 訴訟に係る偶発事象 当社グループは、通常の営業活動において主に製造物責任訴訟および賠償責任訴訟に関与しております。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。 偶発負債は、その特性から不確実なものであり複雑な判断や可能性に基づいております。訴訟およびその他の偶発事象に係る引当金を算定する際には、該当する訴訟の根拠や管轄、その他の類似した現在および過去の訴訟案件の顛末および発生数、製品の性質、訴訟に関する科学的な事項の評価、和解の可能性ならびに現時点における和解にむけた進行状況等を勘案しております。さらに、未だ提訴されていない製造物責任訴訟については、主に過去の訴訟の経験や製品の使用に係るデータに基づき、費用を合理的に見積ることができる範囲で引当金を計上しております。当社グループが関与する重要な訴訟のうち、それらの最終的な結果により財務上の影響が見込まれる場合であっても、その額について信頼性のある見積りが不可能な訴訟等については、引当金の計上は行っておりません。また、保険の補償範囲期間内である場合は保険による補償についても考慮しております。補償範囲の検討の際に、当社グループは、保険契約の制限や除外、保険会社による補償の拒否の可能性、保険業者の財政状態、ならびに回収可能性および回収期間を考慮しております。引当金および関連する保険補償額の見積りは、連結財政状態計算書上において負債および資産として総額で計上しております。2026年3月31日現在において、係争中の訴訟案件およびその他の案件について4,157億円の引当金を計上しております。 法人所得税 当社グループは、税法および税規制の解釈に基づき税務申告を行っており、これらの判断および解釈に基づき税金引当額を計上しております。通常の営業活動において、当社グループの税務申告は様々な税務当局による税務調査の対象であり、これらの調査の結果、追加税額、利息、または罰金の支払いが課される場合があります。各法域における法律、規制および司法判断に基づく税法改正等により、多くの不確実な税務ポジションの評価には固有の不確実性を伴います。税務当局が当社グループの税務ポジションを認める可能性が高くないと判断した場合、当社グループは、当該不確実性の予想される解決に基づき負債を認識します。また、不確実な税務ポジションは、事実および状況の変化に伴い調整されます。これらの税務ポジションは、例えば、現行の税法の改正、税務当局による新たな規制または行政上の解釈指針の発行、税務調査の際に入手した新たな情報、または税務調査の解決により調整が行われる可能性があります。当社グループは、不確実な税務ポジションに係る当社グループの見積りは、現時点において判明している事実および状況に基づき合理的であり、適切に反映されていると判断しております。しかしながら、これらの事項の最終的な結果は、計上された金額と重要な差異が生じる場合があります。 また、各報告期間の末日において、繰延税金資産について実現可能額を評価しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、将来加算一時差異の解消予定、予想される将来課税所得およびタックスプランニングを考慮しております。予想される将来課税所得は、当社グループの事業計画に基づき見積られております。事業計画に用いられる売上収益の予測に関する判断が変更された場合、認識される繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。過去の課税所得の水準および一時差異が損金算入可能となる期間における将来課税所得の見積りに基づき、実現する可能性が高いと判断される税務上の便益の額を算定しております。2026年3月31日現在における繰延税金資産を認識していない未使用の繰越欠損金、将来減算一時差異、および未使用の繰越税額控除は、それぞれ1兆2,073億円、7,138億円、および294億円であります。将来における見積りおよび仮定の変更は、法人所得税費用に重要な影響を与える可能性があります。 事業構造再編費用 当社グループでは、費用削減に関連した取り組みに関連して事業構造再編費用が発生します。退職金が事業構造再編費用の主な内訳であり、事業構造再編に係る引当金は、事業構造再編に係る詳細な公式計画を策定し、かつ計画の実施や影響を受ける関係者への主要な特徴の公表を通じて、影響を受ける関係者に当該事業構造再編が実行されるであろうという妥当な期待を惹起した時点で認識しております。事業構造再編に係る引当金の認識には、支払時期や、事業再編により影響を受ける従業員数等の見積りが必要となります。最終的なコストは当初の見積りから異なる可能性があります。 2024年5月9日に当社は、事業の成長と利益率の改善を促進するための複数年にわたる全社的な効率化プログラムを実施することについて、公表しました。本プログラムには、人員の最適化策を伴う組織構造の簡素化、組織全体での生産性と効率性の向上を図るためのDD&Tへの投資、サプライチェーンおよびベンダー管理プロセスにおけるコスト削減と効率化が含まれております。主に、2024 年5月に公表した当該取り組みにより、2025年3月期に1,281億円の事業構造再編費用を計上し、2026年3月期には708億円を計上しました。2026年3月25日に当社は、長期的な成長力の向上および新製品上市の実行加速を目指す取り組みの次なるステップについて、取締役会が承認したことを公表しました。当該取り組みには、高度なテクノロジーの活用によるコーポレート機能の合理化およびプロセスの簡素化が含まれております。2027年3月期には1,700億円の事業構造再編費用の発生を見込んでおり、2028年3月期および2029年3月期には、事業構造再編費用は減少する見込みです。 2026年3月31日現在、279億円の事業構造再編に係る引当金を計上しております。事業構造再編に係る引当金及び対前期比の変動の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 22 引当金」をご参照ください。 (c) 当年度における業績の概要 前年度および当年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。 (単位:億円、%以外) 前年度   当年度   AERベース       CERベース 増減額   増減率       増減率 売上収益   45,816   45,057   △758   △1.7   %       △2.7   % 売上原価   △15,802   △15,716   86   △0.5   %       △1.9   % 販売費及び一般管理費   △11,048   △10,842   206   △1.9   %       △2.5   % 研究開発費   △7,302   △6,759   543   △7.4   %       △7.0   % 製品に係る無形資産償却費及び減損損失   △6,432   △6,335   97   △1.5   %       △1.7   % その他の営業収益   262   247   △15   △5.6   %       △4.4   % その他の営業費用   △2,067   △5,590   △3,522   170.4   %       168.9   % 営業利益   3,426   62   △3,364   △98.2   %       - 金融収益及び費用(純額)   △1,635   △1,464   171   △10.5   %       △7.5   % 持分法による投資損益   △40   △22   18   △45.4   %       △52.9   % 税引前当期利益(△は損失)   1,751   △1,424   △3,174   -           - 法人所得税費用   △669   △98   572   △85.4   %       △97.6   % 当期利益(△は損失)   1,081   △1,521   △2,603   -           - 当期利益(△は損失) (親会社の所有者帰属分)   1,079   △1,524   △2,603   -            - 本項において、前年度に対する、国際会計基準(IFRS)に準拠した実勢レート(Actual Exchange Rate)ベースの増減額および増減率は「AER」の表記で示し、国際会計基準(IFRS)に準拠しない恒常為替レート(Constant Exchange Rate)ベースの増減率は「CER」の表記で示しています。「CERベースの増減率」の定義については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。 〔売上収益〕 売上収益は、4兆5,057億円(△758億円および△1.7% AER、△2.7% CER)となりました。この減収は、主に当社の6つの主要なビジネスエリアの一つであるニューロサイエンス(神経精神疾患)における減収によるものです。ニューロサイエンスにおける減収は、主に米国における注意欠陥/多動性障害(ADHD)治療剤VYVANSEの後発品の市場浸透による減収影響を引き続き受けたことによるものです。当社の他の主要なビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、およびワクチンにおける売上収益は増収となりました。一部の製品は米国におけるメディケア・パートDの再設計および340Bプログラムの拡大による影響を受けたものの、米国以外の地域におけるその他の製品の需要は堅調に推移しました。当社の6つの主要なビジネスエリア以外の売上収益は、2,240億円(△334億円および△13.0% AER、△15.9% CER)となりました。 地域別売上収益 各地域の売上収益は以下のとおりです。 (単位:億円、%以外) 売上収益:   前年度   当年度   AERベース   CERベース 増減額   増減率   増減率 日本   4,185   4,331   146   3.5%   3.4% 米国   23,797   21,648   △2,148   △9.0%   △7.7% 欧州およびカナダ   10,553   11,462   910   8.6%   3.0% 中南米   2,358   2,541   183   7.8%   4.9% 中国   1,917   1,951   34   1.8%   1.4% アジア(日本および中国を除く)   994   987   △7   △0.7%   △0.3% ロシア/CIS   724   797   74   10.2%   0.7% その他(注)   1,288   1,339   50   3.9%   1.0% 合計   45,816   45,057   △758   △1.7%   △2.7% (注) その他の地域は中東、オセアニアおよびアフリカを含みます。 当社グループの売上収益の大部分は、主要な医療用医薬品により占められております。当年度の各ビジネスエリアにおける主要製品の売上は以下のとおりです。 (単位:億円、%以外) 前年度   当年度   AERベース   CERベース 増減額   増減率   増減率 消化器系疾患: ENTYVIO(注)1   9,141   9,580   439   4.8%   4.2% GATTEX/レベスティブ   1,463   1,457   △6   △0.4%   △0.1% タケキャブ/VOCINTI(注)2   1,308   1,437   129   9.9%   9.6% DEXILANT   385   373   △13   △3.3%   △5.2% EOHILIA   55   88   33   61.0%   63.2% RESOLOR/MOTEGRITY   195   73   △122   △62.7%   △62.8% その他   1,024   1,068   44   4.3%   1.5% 消化器系疾患 合計   13,570   14,075   504   3.7%   3.1% 希少疾患: タクザイロ   2,232   2,239   8   0.3%   △0.4% アドベイト   1,118   1,055   △62   △5.6%   △6.8% エラプレース   972   1,005   32   3.3%   0.8% リプレガル   779   804   26   3.3%   △0.5% アディノベイト/ADYNOVI   646   567   △79   △12.3%   △13.1% リブテンシティ   330   469   139   42.2%   41.0% ボンベンディ   209   253   43   20.8%   18.6% アジンマ   71   120   49   68.8%   65.1% その他   1,172   1,115   △57   △4.8%   △6.2% 希少疾患合計   7,528   7,627   99   1.3%   △0.3% 血漿分画製剤: 免疫グロブリン製剤   7,578   7,906   328   4.3%   4.1% アルブミン製剤   1,414   1,403   △11   △0.8%   △2.1% ファイバ   394   329   △66   △16.6%   △17.7% HEMOFIL/IMMUNATE/IMMUNINE   256   254   △2   △0.8%   △4.8% その他   685   684   △1   △0.1%   △0.8% 血漿分画製剤合計   10,327   10,575   249   2.4%   1.9% オンコロジー: アドセトリス   1,290   1,402   112   8.7%   5.3% リュープリン/ENANTONE   1,193   1,208   15   1.3%   △0.4% ニンラーロ   912   821   △91   △10.0%   △10.5% アイクルシグ   707   750   43   6.1%   5.6% FRUZAQLA(注)3   480   551   72   14.9%   14.6% アルンブリグ   364   369   5   1.4%   0.2% その他   658   699   41   6.3%   5.0% オンコロジー 合計   5,604   5,801   197   3.5%   2.0% ワクチン: QDENGA   356   408   52   14.6%   10.7% その他   198   188   △10   △5.0%   △5.0% ワクチン 合計   554   596   42   7.6%   5.1% ニューロサイエンス: VYVANSE/ELVANSE(注)4   3,506   2,032   △1,474   △42.0%   △43.0% トリンテリックス   1,257   1,218   △39   △3.1%   △1.9% ADDERALL XR   284   247   △37   △13.0%   △12.1% その他   610   645   35   5.7%   4.4% ニューロサイエンス 合計   5,658   4,143   △1,515   △26.8%   △27.2% (単位:億円、%以外) 前年度   当年度   AERベース   CERベース 増減額   増減率   増減率 その他: ホスレノール   79   88   9   11.8%   7.4% アジルバ(注)2   118   71   △47   △39.5%   △39.5% その他   2,377   2,080   △297   △12.5%   △15.5% その他 合計   2,574   2,240   △334   △13.0%   △15.9% 総合計   45,816   45,057   △758   △1.7%   △2.7% (注)1 国内製品名:エンタイビオ 2 配合剤、パック製剤を含む。 3 国内製品名:フリュザクラ 4 国内製品名:ビバンセ 各ビジネスエリアにおける売上収益の前年度からの増減は、主に以下の製品によるものです。 - 消化器系疾患 消化器系疾患の売上収益は、1兆4,075億円(+504億円および+3.7% AER、+3.1% CER)となりました。 潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)の売上は、9,580億円(+439億円および+4.8% AER、+4.2% CER)となりました。米国における売上は、6,237億円(+45億円および+0.7% AER)となりました。この増収は、皮下注射製剤の売上が伸長したことによるものですが、対米ドルでの円高による減収影響により相殺されました。欧州およびカナダにおける売上は、2,567億円(+293億円および+12.9% AER)となりました。この増収は、主に皮下注射製剤の継続的な使用拡大に伴い患者が増加したことに加え、対ユーロでの円安による増収影響によるものです。 酸関連疾患治療剤タケキャブ/VOCINTIの売上は、1,437億円(+129億円および+9.9% AER、+9.6% CER)となりました。この増収は、中国および日本における堅調な需要によるものです。 好酸球性食道炎治療剤EOHILIAの売上は、88億円(+33億円および+61.0% AER, +63.2% CER)となりました。この増収は、米国における堅調な需要によるものです。 慢性特発性便秘症治療剤RESOLOR/MOTEGRITYの売上は、73億円(△122億円および△62.7% AER、△62.8% CER)となりました。この減収は、主に米国において2025年1月から複数の後発品が参入したことによるものです。 - 希少疾患 希少疾患の売上収益は、7,627億円(+99億円および+1.3% AER、△0.3% CER)となりました。 移植後のサイトメガロウイルス感染/感染症治療剤リブテンシティの売上は、469億円(+139億円および+42.2% AER、+41.0% CER)となりました。この増収は、主に米国において市場浸透が継続して好調に進んだことに加え、欧州および成長新興国において引き続き販売エリアが拡大したことによるものです。 先天性血栓性血小板減少性紫斑病治療剤アジンマの売上は、120億円(+49億円および+68.8% AER、+65.1% CER)となりました。この増収は、欧州において上市以降、売上が着実に増加したことによるもので、超希少疾患患者さんのアンメット・ニーズを反映しています。 フォン・ヴィレブランド病治療剤ボンベンディの売上は、253億円(+43億円および+20.8% AER、+18.6% CER)となりました。この増収は、ボンベンディの適応拡大(成人患者に対する出血傾向の抑制のための定期補充療法)によるものです。 血友病A治療剤アディノベイト/ADYNOVIの売上は567億円(△79億円および△12.3% AER、△13.1% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化によるものです。 血友病A治療剤アドベイトの売上は1,055億円(△62億円および△5.6% AER、△6.8% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化によるものです。 - 血漿分画製剤 血漿分画製剤の売上収益は、1兆575億円(+249億円および+2.4% AER、+1.9% CER)となりました。 主に原発性免疫不全症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎および多巣性運動ニューロパチーの治療に用いられる免疫グロブリン製剤の売上合計は、7,906億円(+328億円および+4.3% AER、+4.1% CER)となりました。この増収は、皮下注射製剤のキュービトルとハイキュービアの売上が伸長したことによるものです。静脈注射製剤のGAMMAGARD LIQUID/KIOVIGの売上は、米国におけるメディケア・パートDの再設計および対米ドルでの円高による減収影響を受けたものの、わずかに増収となりました。 血友病Aおよび血友病B治療剤ファイバの売上は、329億円(△66億円および△16.6% AER、△17.7% CER)となりました。この減収は、全ての地域において、遺伝子組換え製剤との競争が激化したことによるものです。 - オンコロジー オンコロジーの売上収益は、5,801億円(+197億円および+3.5% AER、+2.0% CER)となりました。 悪性リンパ腫治療剤アドセトリスの売上は、1,402億円(+112億円および+8.7% AER、+5.3% CER)となりました。この増収は、欧州および成長新興国における堅調な需要に加え、対ユーロでの円安による増収影響によるものです。 大腸がん治療剤FRUZAQLA(国内製品名:フリュザクラ)の売上は、551億円(+72億円および+14.9% AER、+14.6% CER)となりました。この増収は、本剤が転移性大腸がんにおける新たな治療選択肢として、欧州、日本および成長新興国において上市後、着実に市場浸透したことによるものです。この増収は、米国における売上がメディケア・パートDの再設計による影響を受けて減少したことで一部相殺されました。 白血病治療剤アイクルシグの売上は、750億円(+43億円および+6.1% AER、+5.6% CER)となりました。この増収は、主にカナダにおける売上が増加したことによるものです。 子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳がん・前立腺がん等の治療に用いられるリュープリン/ENANTONEの売上は、1,208億円(+15億円および+1.3% AER、△0.4% CER)となりました。この増収は、主に対ユーロでの円安による増収影響によるものです。 多発性骨髄腫治療剤ニンラーロの売上は、821億円(△91億円および△10.0% AER、△10.5% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化と需要の減少によるものです。この減収は、成長新興国における売上が増加したことにより一部相殺されました。 - ワクチン ワクチンの売上収益は、596億円(+42億円および+7.6% AER、+5.1% CER)となりました。 デング熱ワクチンQDENGAの売上は、408億円(+52億円および+14.6% AER、+10.7% CER)となりました。この増収は、成長新興国における高い需要により上市以降、売上が増加したことによるものです。 その他のワクチンの売上合計は、減収となりました。この減収は、主に日本における麻しん風しん混合ワクチンであるMRワクチンの一時的な出荷停止が継続したことによるものです。 - ニューロサイエンス ニューロサイエンスの売上収益は、4,143億円(△1,515億円および△26.8% AER、△27.2% CER)となりました。 ADHD治療剤VYVANSE/ELVANSE(国内製品名:ビバンセ)の売上は、2,032億円(△1,474億円および△42.0% AER、△43.0% CER)となりました。この減収は、主に米国において後発品の市場浸透が引き続き進んだことによるものです。 〔売上原価〕 売上原価は、1兆5,716億円(△86億円および△0.5% AER、△1.9% CER)となりました。この減少は、売上収益の減少に加え、在庫に積み上がった為替影響を認識するプロセスの導入に伴い前年度に売上原価の調整を計上したことによるものです。一方で、これらの減少は、特に米国におけるVYVANSE後発品の市場浸透により製品構成が変化したことによる原価率の上昇や、対ユーロでの円安による為替影響により、大部分が相殺されました。 〔販売費及び一般管理費〕 販売費及び一般管理費は、1兆842億円(△206億円および△1.9% AER、△2.5% CER)となりました。この減少は、主に全社的な効率化プログラムのコスト節減効果により費用が削減されたことによるものです。 〔研究開発費〕 研究開発費は、6,759億円(△543億円および△7.4% AER、△7.0% CER)となりました。この減少は、ザソシチニブやelriterceptをはじめとする一部の後期開発パイプラインに係る費用が増加したものの、その他の開発プログラムにおいて開発の中止や臨床試験の進捗に伴い費用が減少したこと、メザギタマブに関しては共同開発資金を研究開発費の減額として認識したこと、および全社的な効率化プログラムのコスト節減効果による費用の減少があったことによるものです。 〔製品に係る無形資産償却費及び減損損失〕 製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、6,335億円(△97億円および△1.5% AER、△1.7% CER)となりました。この減少は、無形資産減損損失が増加(+342億円)したものの、VYVANSE/ELVANSEに係る無形資産の償却終了などに伴い、無形資産償却費が減少(△439億円)したことによるものです。当年度の減損損失には、細胞療法研究の中止の決定に伴い計上したガンマ・デルタT細胞療法プラットフォームおよび関連するオンコロジーのプログラムに係る減損損失582億円、および将来の売上予測の低下により計上した非小細胞肺がん治療剤アルンブリグに係る減損損失319億円が含まれます。前年度の減損損失には、Maverick Therapeutics Inc.の買収により獲得したTAK-186およびTAK-280の開発中止の決定に伴い計上した減損損失278億円、およびソチクレスタット(TAK-935)の臨床第3相試験において主要評価項目を達成できなかったことにより計上した減損損失215億円が含まれます。 〔その他の営業収益〕 その他の営業収益は、247億円(△15億円および△5.6% AER、△4.4% CER)となりました。この減少は、主に前年度において条件付対価契約に関する金融負債の公正価値変動に伴う収益を計上したこと、および当年度におけるその他の収益の減少によるものの、当年度に計上した事業売却益の増加により大部分が相殺されたものです。 〔その他の営業費用〕 その他の営業費用は、5,590億円(+3,522億円および+170.4% AER、+168.9% CER)となりました。この増加は、主として、当年度において、AMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて、関連する訴訟引当金4,035億円を計上したことによるものです。一方、全社的な効率化プログラムに関連する費用を含む事業構造再編費用が573億円減少したことにより、増加の一部は相殺されました。 〔営業利益〕 営業利益は、上記の要因を反映し、62億円(△3,364億円および△98.2% AER)となりました。 〔金融損益〕 金融収益と金融費用をあわせた金融損益は1,464億円の損失(△171億円および△10.5% AER、△7.5% CER)となりました。この減少は、主に武田テバファーマ株式会社の株式の売却に係る減損損失189億円を前年度に計上したことによるものです。 〔持分法による投資損益〕 持分法による投資損益は、22億円の損失(△18億円および△45.4% AER、△52.9% CER)となりました。 〔法人所得税費用〕 法人所得税費用は、98億円(△572億円および△85.4% AER、△97.6% CER)となりました。この減少は主に、当年度において、AMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて訴訟引当金を計上したことに関連し、繰延税金資産が584億円増加したことによるものです。 〔当期利益(△は損失)〕 上記要因を反映し、当期損失は、△1,521億円 (△2,603億円、前年度は1,081億円の利益)、当期損失(親会社の所有者帰属分)は、△1,524億円(△2,603億円、前年度は1,079億円の利益)となりました。 (d) 当年度におけるCore業績の概要 補足的分析:Core財務指標に基づく業績(IFRSに準拠しない指標) IFRSに準拠して作成された業績に加え、当社グループは、補足的に、Core財務指標に基づく業績も表示しております。投資家におかれましては、Core財務指標の定義、有用性の限界、最も良く対応するIFRSに準拠した財務指標への調整を含む、より詳細な情報については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。 当社グループは、また、Core財務指標のCERベースの増減率についても表示しております。詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。 Core業績 (単位:億円、%以外) 前年度   当年度   AERベース       CERベース 増減額   増減率       増減率 Core売上収益   45,798   45,057   △741   △1.6   %       △2.6   % Core営業利益   11,626   11,725   98   0.8   %       △0.9   % Core当期利益   7,758   8,144   386   5.0   %       2.9   % Core当期利益(親会社の所有者帰属分)   7,756   8,141   385   5.0   %       2.9   % Core EPS(円)   491   517   26   5.2   %       3.1   % 〔Core売上収益〕 Core売上収益は、4兆5,057億円(△741億円および△1.6% AER、△2.6% CER)となりました。この減収は、主に米国においてVYVANSEの後発品の市場浸透が引き続き進んだ影響を受けたことにより、ニューロサイエンスの売上収益が減少したことによるものです。 タケダの成長製品・新製品(注)の売上収益は2兆3,133億円(+1,114億円および+5.1% AER、+4.5% CER)となりました。 (注)当年度のタケダの成長製品・新製品 消化器系疾患:ENTYVIO、EOHILIA 希少疾患:タクザイロ、リブテンシティ、アジンマ 血漿分画製剤(免疫疾患):GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤、 HUMAN ALBUMIN、FLEXBUMINを含むアルブミン製剤 オンコロジー:アルンブリグ、FRUZAQLA ワクチン:QDENGA 〔Core営業利益〕 Core営業利益は、1兆1,725億円(+98億円および+0.8% AER、△0.9% CER)となりました。Core営業利益の内訳は以下のとおりです。 (単位:億円、%以外) 前年度   当年度   AERベース       CERベース 増減額   増減率        増減率 Core売上収益   45,798   45,057   △741   △1.6   %       △2.6   % Core売上原価   △15,818   △15,726   92   △0.6   %       △1.9   % Core販売費及び一般管理費   △11,050   △10,847   204   △1.8   %       △2.5   % Core研究開発費   △7,304   △6,760   544   △7.4   %       △7.0   % Core営業利益   11,626   11,725   98   0.8   %       △0.9   % 報告期間における上記項目の増減は以下のとおりです。 〔Core売上原価〕 Core売上原価は、1兆5,726億円(△92億円および△0.6% AER、△1.9% CER)となりました。この減少は、売上収益の減少に加え、在庫に積み上がった為替影響を認識するプロセスの導入に伴い前年度に売上原価の調整を計上したことによるものです。一方で、これらの減少は、特に米国におけるVYVANSE後発品の市場浸透により製品構成が変化したことによる原価率の上昇や、対ユーロでの円安による為替影響により、大部分が相殺されました。 〔Core販売費及び一般管理費〕 Core販売費及び一般管理費は、1兆847億円(△204億円および△1.8% AER、△2.5% CER)となりました。この減少は、主に全社的な効率化プログラムのコスト節減効果により費用が削減されたことによるものです。 〔Core研究開発費〕 Core研究開発費は、6,760億円(△544億円および△7.4% AER、△7.0% CER)となりました。この減少は、ザソシチニブやelriterceptをはじめとする一部の後期開発パイプラインに係る費用が増加したものの、その他の開発プログラムにおいて開発の中止や臨床試験の進捗に伴い費用が減少したこと、メザギタマブに関しては共同開発資金を研究開発費の減額として認識したこと、および全社的な効率化プログラムのコスト節減効果による費用の減少があったことによるものです。 〔Core当期利益〕 Core当期利益は、8,144億円(+386億円および+5.0% AER、+2.9% CER)、Core当期利益(親会社の所有者帰属分)は、8,141億円(+385億円および+5.0% AER、+2.9% CER)となりました。Core当期利益は、Core営業利益に基づき、以下のとおり算出されます。 (単位:億円、%以外) 前年度   当年度   AERベース       CERベース 増減額   増減率       増減率 Core営業利益   11,626   11,725   98   0.8   %       △0.9   % Core金融収益及び費用(純額)   △1,407   △1,332   75   △5.3   %       △1.9   % Core持分法による投資損益   11   △1   △13   -           △82.1   % Core税引前当期利益   10,231   10,392   161   1.6   %       △0.9   % Core法人所得税費用   △2,473   △2,248   225   △9.1   %       △12.8   % Core当期利益   7,758   8,144   386   5.0   %       2.9   % Core当期利益(親会社の所有者帰属分)   7,756   8,141   385   5.0   %       2.9   % 報告期間における上記項目の増減は以下のとおりです。 〔Core金融損益〕 Core金融収益とCore金融費用をあわせた金融損益は、1,332億円の損失(△75億円および△5.3% AER、△1.9% CER)となりました。 〔Core持分法による投資損益〕 Core持分法による投資損益は、1億円の損失(△13億円)となりました。 〔Core税引前当期利益〕 Core税引前当期利益は、1兆392億円(+161億円および+1.6% AER、△0.9% CER)となりました。 〔Core法人所得税費用〕 Core法人所得税費用は、2,248億円(△225億円および△9.1% AER、△12.8% CER)となりました。この減少は主に、当年度における繰延税金資産の回収可能性の見直しにより、Core法人所得税費用が減少したことによるものです。 〔Core EPS〕 Core EPSは、517円(+26円および+5.2% AER、+3.1% CER)となりました。 ② 当年度の財政状態の分析 (単位:億円) 前年度末   当年度末   増減額 資産合計   142,483   155,115   12,632 負債合計   73,124   80,809   7,685 資本合計   69,360   74,306   4,947 〔資産〕 当年度末における資産合計は、15兆5,115億円(+1兆2,632億円)となりました。主に為替換算の影響により、のれん、棚卸資産および有形固定資産が増加(+4,846億円、+1,793億円および+1,524億円)しております。主に、AMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて訴訟引当金を計上したことに関連し、繰延税金資産が584億円増加したことや、無形資産の償却およびその他の繰延税金資産の回収可能性の見直しにより、繰延税金資産が増加(+1,755億円)しております。米国における売上債権の売却プログラムを減額したことなどによる売上債権残高の増加、ならびに為替換算の影響により、売上債権及びその他の債権が増加(+1,348億円)しております。主に日本における金利通貨スワップに係る公正価値変動により、その他の金融資産合計が増加(+1,102億円)しております。加えて、現金及び現金同等物が増加(+2,099億円)しております。これらの増加は、主に償却および減損による無形資産の減少(△2,122億円)により一部相殺されております。 〔負債〕 当年度末における負債合計は、8兆809億円(+7,685億円)となりました。主にAMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて訴訟引当金を計上したことにより、引当金合計が増加(+4,677億円)しております。社債及び借入金合計は4兆8,818億円(注)(+3,666億円)となり、償還および返済により一部相殺されたものの、主に為替の影響に加え、円貨建無担保普通社債および米ドル建保証付無担保普通社債の発行、ならびに新たなバイラテラルローンの借入により増加しております。 (注)当年度末における社債及び借入金の帳簿価額はそれぞれ4兆6,568億円および2,250億円です。なお、社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。 社債: 銘柄(外貨建発行額)   発行時期   償還期限   帳簿価額 米ドル建無担保普通社債(500百万米ドル)   2015年6月   2045年6月   813億円 米ドル建無担保普通社債(1,500百万米ドル)   2016年9月   2026年9月   2,377億円 ユーロ建無担保普通社債(3,000百万ユーロ)   2018年11月   2026年11月~2030年11月   5,476億円 米ドル建無担保普通社債(1,750百万米ドル)   2018年11月   2028年11月   2,784億円 米ドル建無担保普通社債(7,000百万米ドル)   2020年7月   2030年3月~2060年7月   1兆1,111億円 ユーロ建無担保普通社債(3,600百万ユーロ)   2020年7月   2027年7月~2040年7月   6,558億円 円貨建無担保普通社債   2021年10月   2031年10月   2,496億円 ハイブリッド社債 (劣後特約付社債)   2024年6月   2084年6月   4,584億円 米ドル建無担保普通社債 (3,000百万米ドル)   2024年7月   2034年7月 ~2064年7月   4,738億円 円貨建無担保普通社債   2025年6月   2030年6月~2035年6月   1,836億円 米ドル建無担保普通社債(2,400百万米ドル)   2025年7月   2035年7月~2055年7月   3,794億円 合計           4兆6,568億円 借入金: 名称 (外貨建借入額)   借入時期   返済期限   帳簿価額 バイラテラルローン   2023年3月~2026年3月   2029年3月~2034年3月   1,850億円 シンジケート ハイブリッド ローン(劣後特約付ローン)   2024年10月   2084年10月   400億円 その他           0億円 合計           2,250億円 当社グループは、2025年4月25日に、バイラテラルローン100億円を満期返済しました。2025年6月12日には、発行総額1,840億円、償還期日2030年6月12日から2035年6月12日の円貨建無担保社債(「本円建社債」)を発行しました。本円建社債の発行により調達した資金は、コマーシャル・ペーパーの償還に充当されました。その後、2025年6月23日には、米ドル建無担保普通社債800百万米ドルを満期償還しました。また、2025年3月31日に借入れた500百万米ドルのバイラテラルローンについては、2025年7月3日まで月次で借換をしています。 2025年7月2日には、発行総額2,400百万米ドル、償還期日2035年7月7日および2055年7月7日の米ドル建保証付無担保普通社債(「本米ドル建社債」)を、当社の間接的な完全子会社である武田U.S.ファイナンシング Inc.により発行しました。本米ドル建社債の発行により調達した資金は、2025年7月3日の500百万米ドルのバイラテラルローンの返済と2025年7月のコマーシャル・ペーパーの償還に主に充当されました。 当社グループは、2026年3月31日に、満期を迎えたバイラテラルローン750億円を返済するとともに、同日に、返済期日2034年3月31日の新たなバイラテラルローン600億円の借入を実行しました。また、同日、円建3,500億円および米ドル建2,100百万米ドルのコミットメントファシリティー契約をそれぞれ締結しました。本コミットメントファシリティーはどちらも2026年3月31日から最低5年間有効です。なお、本コミットメントファシリティーの契約締結にあたり、2026年9月に期間満了を迎える予定であった既存の円建7,000億円のコミットメントファシリティー契約は、同日付で解約しました。新たに設定した本コミットメントファシリティーの使途は一般事業資金です。 (注)上記の社債及び借入金に関する説明に記載している金額は、元本金額で表示しております。 〔資本〕 当年度末における資本合計は、7兆4,306億円(+4,947億円)となりました。この増加は、主に円安の影響による為替換算調整勘定の変動により、その他の資本の構成要素が増加(+9,455億円)したことによるものです。この増加は、配当金の支払いに伴う3,125億円の減少、ならびに当期損失1,521億円の計上に伴い、利益剰余金が減少(△4,752億円)したことにより一部相殺されております。 ③ 流動性および資金調達源 資金の調達および使途 当社グループにおいて流動性は、主に営業活動に必要な現金、資本支出、契約上の義務、債務の返済、利息や配当の支払いに関連して必要となります。営業活動においては、研究開発費、マイルストン支払い、販売およびマーケティングに係る費用、人件費およびその他の一般管理費、原材料費等の支払いにあたり現金が必要となります。また、法人所得税の支払いや運転資金にも多額の現金が必要となります。 当社グループは、生産設備の能力増強・合理化、減価償却を終えた資産の入れ替え、業務管理の効率化等のために設備投資を行っています。無形資産に係る資本的支出は、主に第三者のパートナーから導入したライセンス製品に対するマイルストン支払い、およびソフトウェア開発費です。連結財政状態計算書に計上されている有形固定資産および無形資産に係る資本支出は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ3,194億円および4,269億円であります。また、2026年3月31日現在において、有形固定資産の取得に関する契約上のコミットメントは77億円であります。加えて、2026年3月31日現在において、無形資産の取得に関して契約上の取決めを有しております。無形資産に係るマイルストン支払いの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。また、資本管理の一環として、当社グループは、資金需要、市場等の環境、またはその他の関連する要因に照らして、定期的に資本的支出の評価を行っております。 当社の配当金の支払額は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ3,039億円および3,132億円であります。2026年3月期については、1株当たり年間配当金額を200円(中間配当金および期末配当金それぞれ100円)としましたが、2027年3月期については、1株当たり、中間配当金および期末配当金をそれぞれ102円ずつとし、年間204円とすることを目指しています。当社の配当政策については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。 当社グループは、有利子負債に対し元本と利息を支払う必要があります。2026年3月31日現在において、1年内に必要となる利息の支払額および負債の返済額は、それぞれ1,401億円、5,140億円であります。詳細は、「有利子負債および金融債務」をご参照ください。 当社グループの資金の主な調達源は、主に現金及び現金同等物、短期コマーシャル・ペーパー、金融機関からのコミットメントラインによる借入、グローバル資本市場における社債発行を含む長期債務による資金調達であります。さらに、当社グループは、コンティンジェンシーの調達源として、2025年3月31日において金融機関から極度額1,500億円および750百万米ドルの短期アンコミットメントライン契約を、2026年3月31日現在において、金融機関から極度額1,500億円および650百万米ドルの短期アンコミットメントライン契約を締結しております。 当社グループは、キャッシュ・フロー予測に基づき保有外貨を監視し、調整しております。当社グループの事業の大部分は日本国外で行っており、多額の現金及び現金同等物を日本国外に保有しております。日本国内で必要なキャッシュ・フローを創出するために外貨を使用することは国内規制による影響を受ける可能性があり、また比較的影響は小さいものの、日本へ現金を移転することから生じる所得税による影響も受けます。 当社グループは、引き続き、資金調達の状況について注視しており、短期的には、一般的な市況による資金調達不足または流動性不足は現在見込んではおりません。なお、必要に応じた市場およびその他の供給源からの追加の資金調達力に加えて、当社グループの資本支出計画を必要かつ適切な範囲で見直すことによって、資金調達および流動性の需要を管理する場合があります。 2026年3月31日現在において、当社グループは、売上債権の売却プログラムに関係して当社が第三者に代わり一時的に保有していた預り金792億円を含む、5,951億円の現金及び現金同等物と、3,500億円および2,100百万米ドルの未使用のバンク・コミットメントライン契約を保有しております。加えて、公正価値ヒエラルキーにてレベル1に分類される米国債851億円を保持しております。したがって、利用可能な流動性の合計は1兆2,862億円となり、現在の事業活動に必要となる資金は十分に確保できていると考えております。また、当社グループは、事業活動を支えるため、持続的に高い流動性を保ち、資本市場へのアクセス拡大を追求していきます。 連結キャッシュ・フロー 連結キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。 (単位:億円) 前年度   当年度   増減額 営業活動によるキャッシュ・フロー   10,572   10,414   △158 投資活動によるキャッシュ・フロー   △3,671   △3,691   △21 財務活動によるキャッシュ・フロー   △7,514   △4,968   2,546 現金及び現金同等物の増減額   △613   1,755   2,368 現金及び現金同等物の期首残高   4,578   3,851   △727 現金及び現金同等物に係る換算差額   △114   345   459 現金及び現金同等物の期末残高   3,851   5,951   2,099 〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕 営業活動によるキャッシュ・フローは、1兆414億円(△158億円)となりました。この減少は主に、その他の金融負債の減少などにより、引当金を調整した資産および負債の増減額が減少したことによるものです。この減少は、先物為替予約の決済(純額)による正味キャッシュ・フローが増加したこと、および非資金項目およびその他の調整項目を調整した当期利益(損失)の増加などにより相殺されております。 〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕 投資活動によるキャッシュ・フローは、△3,691億円(△21億円)となりました。無形資産の取得による支出の増加や、投資の取得による支出の減少など、個々の投資活動における変動が相殺されたことにより、前年度と比べ微減となりました。 〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕 財務活動によるキャッシュ・フローは、△4,968億円(+2,546億円)となりました。この増加は主に、社債および借入金の発行および償還・返済に伴う正味キャッシュ・フローの増加によるものです。 補足的分析:フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー(IFRSに準拠しない財務指標) フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは、IFRSに準拠しない(以下、「Non-IFRS」)指標であります。詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。IFRSに準拠した指標の中で、フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローが最も類似します。 (単位:億円) 前年度   当年度 営業活動によるキャッシュ・フロー(IFRS)   10,572   10,414 フリー・キャッシュ・フロー(Non-IFRS)   8,564   8,654 調整後フリー・キャッシュ・フロー(Non-IFRS)   7,690   6,845 フリー・キャッシュ・フローは、8,654億円(+90億円)となりました。この増加は、主に有形固定資産の取得による支出の減少によるものです。この増加は、営業活動によるキャッシュ・フローの減少により、一部相殺されております。 調整後フリー・キャッシュ・フローは、6,845億円(△844億円)となりました。この減少は、主に無形資産の取得による支出が増加したことによるものです。 有利子負債および金融債務 2025年3月31日および2026年3月31日現在において社債および借入金はそれぞれ4兆5,153億円、4兆8,818億円であります。これらの有利子負債は、当社グループが発行した無担保社債、普通社債、バイラテラルローン、およびシンジケートローン、また、Shire社買収に必要な資金の一部を調達するための借入金、およびShire社買収により引き受けた負債、借り換えた負債を含み、連結財政状態計算書に計上されております。当社グループの借入金は主に買収関連で発生したものであり、季節性によるものではありません。 当社グループは、2025年4月25日に、バイラテラルローン100億円を満期返済しました。2025年6月12日には、発行総額1,840億円、償還期日が2030年6月12日から2035年6月12日の円貨建無担保普通社債(本円建社債)を発行しました。本円建社債の発行により調達した資金はコマーシャル・ペーパーの償還に充当されました。その後、2025年6月23日には、米ドル建無担保普通社債800百万米ドルを満期償還しました。また、当初借入実行日が2025年3月31日、満期日が2025年7月3日の500百万米ドルのバイラテラルローンの借換を実行しました。2025年7月2日には、発行総額2,400百万米ドル、償還期日2035年7月7日および2055年7月7日の米ドル建保証付普通社債(米ドル建社債)を、間接的な完全子会社である武田U.S.ファイナンシング Inc.により発行しました。米ドル建社債の発行により調達した資金は、2025年7月3日の500百万米ドルのバイラテラルローンの返済と2025年7月のコマーシャル・ペーパーの償還に主に充当されました。また、当社グループは、2026年3月31日に、満期を迎えたバイラテラルローン750億円を返済するとともに、同日に、返済期日2034年3月31日の新たなバイラテラルローン600億円の借入を実行しました。 2026年3月31日に、3,500億および2,100百万米ドルのコミットメントファシリティー契約を締結しました。これらのコミットメントファシリティーの有効期間は最低5年間です。また、一定の制限条項が含まれており、制限条項に違反した場合には、当該コミットメントファシリティーの利用が制限される可能性があります。2026年3月31日現在において当社グループは当該制限条項を遵守しております。新たに設定した本コミットメントファシリティーの使途は一般事業資金です。新たにファシリティーを締結したことに伴い、2019年に設定され、2026年9月に失効予定の7,000億円のコミットメントファシリティーを、同日に解約しました。 当社グループは、短期の流動性の管理のため、日本の無担保コマーシャル・ペーパープログラムを保有しております。2025年3月31日におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は2,700億円であり、2026年3月31日現在において、コマーシャル・ペーパーは保有しておりません。当社グループは、さらに2025年3月31日および2026年3月31日現在において、極度額1,500億円および750百万米ドル(2026年3月31日現在において、650百万米ドル)の短期アンコミットメントライン契約を締結しておりますが、借入はしておりません。 社債及び借入金の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 19 社債及び借入金」をご参照ください。 信用格付け 当社グループの信用格付けは、当社グループの財務の健全性、業績、債務の返済能力等に関する各格付機関の意見が反映されております。本報告書時点における当社グループの信用格付けは以下のとおりです。 格付会社   カテゴリー   信用格付   アウトルック   評価構造 S&Pグローバル・レーティング   発行体格付け/外貨長期および国内通貨長期   BBB+   安定的   11段階の格付けのうち上から4番目であり、同じカテゴリーの中で1番目(例:BBB+,BBB,BBB-は同じカテゴリーに属する) 発行体格付け(短期)   A-2   6段階の格付けのうちの2番目 ムーディーズ   長期発行体格付および長期優先無担保格付け   Baa1   安定的   9段階の格付けのうち上から4番目であり、同じカテゴリーの中で1番目(例:Baa1,Baa2,Baa3は同じカテゴリーに属する) この格付けは、社債の購入、売却、保有を推奨するものではありません。この格付けは指定された格付機関によって適宜改訂あるいは撤回される可能性があります。それぞれの財務の健全性レーティングは、独立評価されたものであります。 重要な契約上の負債 2026年3月31日現在における契約上の負債は以下のとおりです。 (単位:億円) 総契約額(注)1   1年以内   1年超 3年以内   3年超 5年以内   5年超 社債及び借入金の返済(注) 2 社債(注)3   64,487   6,506   6,688   15,915   35,377 借入金(注)3   2,462   35   825   455   1,147 有形固定資産の取得に関する義務   77   77   —   —   — リース負債の返済   8,470   654   1,209   1,070   5,537 開始していないリース   2,383   77   268   284   1,753 確定給付制度への拠出(注)4   161   161   —   —   — 合計(注)5,6   78,041   7,511   8,991   17,724   43,814 (注)1 2026年3月31日現在における日本円以外の通貨建債務は、期末為替レートで日本円に換算しており、為替レートの変動により金額が異なる可能性があります。 2 利息支払義務を含みます。 3 「3年超5年以内」の契約額には、2024年ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の元本4,600億円および2024年シンジケート ハイブリッド ローン(劣後特約付ローン)の元本400億円が含まれております。これは、それぞれ2029年6月25日の初回繰上償還日および同年10月3日の初回期日前弁済日に、全額が償還、弁済される見込みであるためです。ハイブリッド社債およびシンジケート ハイブリッド ローンの元本および利息の詳細については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 19 社債及び借入金」をご参照ください。 4 2027年4月以降の年金および退職後給付制度への拠出額については、拠出の時期が不確実であり、利率、運用収益、法律およびその他の変動要因に依存するため、確定することはできません。 5 確定給付債務、訴訟引当金および長期未払法人税等、時期を見積もることができない契約上の負債、また、金額が公正価値の変動により変化するデリバティブ負債および条件付対価契約に関する金融負債は含まれておりません。なお、2026年3月31日現在のデリバティブ負債および条件付対価契約に関する金融負債の帳簿価額は、それぞれ205億円および32億円であります。また、特定の将来の事象の発生に左右されるマイルストン支払いも含んでおりません。 6 通常の事業活動における購買に関する発注は含んでおりません。 オフバランス取引 マイルストン支払 新製品の開発に係る第三者との提携契約に基づき、当社グループは、パイプライン品目の開発、新製品の上市および上市後の販売等にかかる一定のマイルストン達成に応じた支払義務が生じる場合があります。2026年3月31日現在における潜在的なマイルストン支払の契約金額は1兆3,336億円であります。これらは、潜在的なコマーシャルマイルストン支払を除いた金額であります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 13 共同研究開発契約、ライセンス契約、その他の資産取得等 および 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。 補足的分析:財務レバレッジ(調整後有利子負債/調整後EBITDA倍率)(IFRSに準拠しない指標) 特に、Shire社買収に伴い、投資家、アナリストおよび格付機関は、当社グループの(調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率で表される)財務レバレッジを綿密にモニターしております。調整後純有利子負債、調整後EBITDAおよび調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率はすべて、IFRSに準拠しない財務指標です。社債および借入金から調整後純有利子負債への調整、当期利益からEBITDAおよび調整後EBITDAへの調整等、最も良く対応するIFRS財務指標への調整を含む詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。各報告日現在における当社グループの調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率および最も良く対応するIFRS財務指標の各比率は以下のとおりです。 (単位:億円、倍率以外) 前年度   当年度 IFRS: 社債及び借入金   △45,153   △48,818 当期利益   1,081   △1,521 社債及び借入金/当期利益倍率   41.8x   - Non-IFRS: 調整後純有利子負債   △39,755   △38,176 調整後EBITDA   14,410   14,572 調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率   2.8x   2.6x ④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標 IFRSに準拠して表示される業績に加えて、当社グループは、IFRSに準拠しない(以下、「Non-IFRS」)補足的財務指標を表示しております。これらの財務指標には、CER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減、Core財務指標、純有利子負債、調整後純有利子負債、EBITDA、調整後EBITDA、フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フローが含まれます。 当社グループの経営陣は業績および財政状態の評価並びに経営及び投資判断を、IFRSに準拠した指標及び本セクションに記載のNon-IFRS財務指標に基づいて行っています。当社グループは、当社グループの経営成績および財政状態の分析における追加情報として、また、当社の経営陣が経営成績および財政状態をどのように評価しているかを投資家に理解いただくにあたり、両指標を表示しております。当社グループのNon-IFRS財務指標においては、最も良く対応するIFRSに準拠した財務指標では含まれることとなる一定の利益、コスト、キャッシュ・フローまたは財政状態計算書上の項目を除外または調整しております。これらの財務指標は、IFRSに準拠するものではなく、補足的なものであり、また、IFRSに準拠した財務指標に代替するものではありません(IFRSに準拠した財務指標を「財務ベース」指標として参照している場合があります)。投資家におかれましては、当社グループの過去の財務諸表全体を確認し、IFRSに準拠して表示されている指標を当社グループの業績評価の主要な指標として使用することを強く推奨します。また、Non-IFRS財務指標の定義と、これらに最も良く対応するIFRSに準拠した財務指標との調整表を併せてご参照ください。さらに、これらのNon-IFRS財務指標に関する記載、特にこれらの財務指標の有用性の限界について把握し、製薬業界における他社が表示している、類似の名称を付した財務指標との相違についてご理解ください。 Core財務指標 当社グループのCore売上収益、Core営業利益、Core当期利益(親会社の所有者帰属分)、Core EPSをはじめとするCore財務指標は、売却に伴う収益、製品(仕掛研究開発品を含む)に係る無形資産償却費及び減損損失、その他、非定常的な事象に基づく影響、企業結合会計影響や買収関連費用など、当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除しています。Core売上収益は、財務ベースの売上収益から、当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない売上収益に係る影響(主に、事業売却および清算に係る売上収益および関連する調整)を控除して算出します。Core営業利益は、財務ベースの営業利益から、その他の営業収益及びその他の営業費用、製品(仕掛研究開発品を含む)に係る無形資産償却費及び減損損失、その他、非資金項目または当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除して算出します。Core当期利益(親会社の所有者帰属分)は、財務ベースの当期利益(親会社の所有者帰属分)から、Core営業利益の算出において控除された項目、および特別、非定常的な事象に基づく影響、または当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除し、これらの調整項目に係る税金影響を控除して算出します。これらの調整項目には、条件付対価に係る公正価値変動(時間的価値の変動を含む)影響などが含まれます。Core EPSは、Core当期利益(親会社の所有者帰属分)を報告期間の自己株式控除後の平均発行済株式総数で除して算出します。 当社グループがCore財務指標を表示する理由は、これらの指標が、当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除するものであり、当社グループ事業の本質的な業績を理解していただくにあたり有用であると考えているためです。控除される項目には、(i) 前年度から著しく変動する項目、もしくは毎年度発生するものではない項目、または(ii)当社グループの中核事業の本質的な業績の変動とはほぼ相関関係がないと認められる項目が含まれます。同様の指標は、同業他社においても頻繁に使用されていると認識しており、本指標を表示することは、投資家が当社グループの業績を過年度の業績と比較される際だけではなく、同業他社と類似の基準に基づき比較される際にも有用になると考えています。また、当社グループがCore財務指標を表示する理由は、これらの指標が予算の策定や報酬の設定(CEOおよびCFOのインセンティブ報酬を含む、当社グループの短期インセンティブならびに長期インセンティブ報酬プログラムに係る一定の目標はCore財務指標の結果に関連して設定。「(4)役員の報酬等」をご参照ください)に用いられているためです。 投資家にとってのCore財務指標の有用性には、一例として次の限界があります。例えば、(i) 製薬業界における他社を含む、他社において用いられている類似の名称を付した財務指標とは必ずしも同一ではありません、(ii) 訴訟引当金、無形資産の売却や償却などの非資金費用の影響を含む、当社グループの業績、価値又は将来見通しの評価において重要とみなされる可能性のある財務情報や事象が除外されています、(iii) 将来にわたって継続的に発生する可能性のある項目又は項目の種類が除外されています(ただし、当社グループの方針として、事業運営に必要な経常的に発生する営業費用の支出については調整していません)、(iv) 投資家が当社グループの業績を理解する上で重要とみなす可能性のあるすべての項目が含まれていない、又は、重要とみなさないであろうすべての項目が除外されていない場合があります。 下表は、各報告期間における、当社グループのCore財務指標とIFRSに準拠して作成し、表示された最も良く対応するIFRS財務指標との間の調整を示しています。これには、(i) Core売上収益とIFRSに準拠して表示された売上収益、(ii)  Core営業利益とIFRSに準拠して表示された営業利益、および (iii) Core当期利益(親会社の所有者帰属分)とIFRSに準拠して表示された当期利益(親会社の所有者帰属分)が含まれます。 当年度の売上収益および営業利益からCore売上収益およびCore営業利益への調整は次のとおりです。 (単位:億円) 財務ベース(IFRS)   無形資産に係る償却費   無形資産に係る減損損失   その他の営業収益および営業費用(注)2   その他(注)3   Core財務指標 (Non-IFRS) 売上収益   45,057   -   -   -   -   45,057 売上原価   △15,716   -   -   -   △10   △15,726 販売費及び一般管理費   △10,842   -   -   -   △5   △10,847 研究開発費   △6,759   -   -   -   △0   △6,760 製品に係る無形資産償却費   △5,043   5,043   -   -   -   - 製品に係る無形資産(注)1減損損失   △1,293   -    1,293   -   -   - その他の営業収益(営業費用)   △5,342   -   -   5,342   -   - 営業利益   62   5,043   1,293   5,342   △15   11,725 (注)1 製品に係る無形資産には、仕掛研究開発品を含みます。 2 その他の営業収益(営業費用)には、事業譲渡及び子会社株式売却益、サブリースに係る賃貸借料、事業構造再編費用、承認前在庫に係る評価損、寄付金、条件付対価契約に関する金融資産及び金融負債の公正価値変動額、有形固定資産および投資不動産の売却損益、訴訟引当金、オプション権に係る評価損、非定常的なその他の営業収益(営業費用)を含みます。 3 その他:売上原価には、2019年3月期に完了したShire社の買収に関連する有形固定資産の公正価値の費用化を含みます。 前年度の売上収益および営業利益からCore売上収益およびCore営業利益への調整は次のとおりです。 (単位:億円) 財務ベース(IFRS)   無形資産に係る償却費   無形資産に係る減損損失   その他の営業収益および営業費用(注)2   その他(注)3   Core財務指標 (Non-IFRS) 売上収益   45,816   -   -   -   △17   45,798 売上原価   △15,802   -   -   -   △16   △15,818 販売費及び一般管理費   △11,048   -   -   -   △3   △11,050 研究開発費   △7,302   -   -   -   △1   △7,304 製品に係る無形資産償却費   △5,482   5,482   -   -   -   - 製品に係る無形資産(注)1減損損失   △950   -   950   -   -   - その他の営業収益(営業費用)   △1,805   -   -   1,843   △38   - 営業利益   3,426   5,482   950   1,843   △75   11,626 (注)1 製品に係る無形資産には、仕掛研究開発品を含みます。 2 その他の営業収益(営業費用)には、条件付対価契約に関する金融資産及び金融負債の公正価値変動額、有形固定資産および投資不動産の売却損益、事業譲渡及び子会社株式売却益、寄付金、 サブリースに係る賃貸借料、事業構造再編費用、承認前在庫に係る評価損、治験終了後投与に係る費用、売却目的で保有する資産の減損、訴訟引当金、オプション権に係る評価損、非定常的なその他の営業収益(営業費用)を含みます。 3 その他:売上収益およびその他の営業収益(営業費用)には、2025年3月期に行った武田テバ薬品株式会社(以下、「テバ社」)の株式売却に伴う、テバ社に売却した資産について認識された17億円の繰延収益および38億円のテバ社への事業譲渡に係る繰延利益を含みます。売上原価には、2019年3月期に完了したShire社の買収に関連する有形固定資産の公正価値の費用化を含みます。 当年度の当期利益(△は損失)(親会社の所有者帰属分)からCore当期利益(親会社の所有者帰属分)への調整は次のとおりです。 (単位:億円、%以外) 財務ベース(IFRS)   無形資産に係る償却費   無形資産に係る減損損失   その他の営業収益および営業費用   その他(注)1   Core財務指標 (Non-IFRS) 営業利益   62   5,043   1,293   5,342   △15   11,725 対売上収益比率(%)   0.1%   -   -   -   -   26.0% 金融収益及び費用(純額)   △1,464   -   -   -   132   △1,332 持分法による投資損益   △22   -   -   -   20   △1 税引前当期利益(△は損失)   △1,424   5,043   1,293   5,342   137   10,392 法人所得税費用(注)2   △98   △1,072   △175   △854   △49   △2,248 当期利益(△は損失)   △1,521   3,971   1,117   4,488   89   8,144 非支配持分   △3   -   -   -   -   △3 当期利益(△は損失)(親会社の所有者帰属分)   △1,524   3,971   1,117   4,488   89   8,141 (注)1 その他:金融収益及び費用(純額)には、超インフレ経済下にあり、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」が適用されている子会社の非資金項目に係る損失、ならびにノン・コア取引に係る金融収益および費用を含みます。持分法による投資損益には、事業売却および清算に係る損益ならびにその他の公正価値調整を含みます。 2 IFRS会計基準に基づく業績とCore業績との間の調整に係る税金は、当該調整が計上される管轄地域において項目に適用される法定税率を考慮しています。税引前当期利益に対するCore調整額(1兆1,815億円)に係る法人所得税費用は2,150億円であり、Core調整に係る平均税率は18.2%でした。 前年度の当期利益(親会社の所有者帰属分)からCore当期利益(親会社の所有者帰属分)への調整は次のとおりです。 (単位:億円、%以外) 財務ベース(IFRS)   無形資産に係る償却費   無形資産に係る減損損失   その他の営業収益および営業費用   その他(注)1   Core財務指標 (Non-IFRS) 営業利益   3,426   5,482   950   1,843   △75   11,626 対売上収益比率(%)   7.5%   -   -   -   -   25.4% 金融収益及び費用(純額)   △1,635   -   -   -   228   △1,407 持分法による投資損益   △40   -   -   -   51   11 税引前当期利益   1,751   5,482   950   1,843   204   10,231 法人所得税費用(注)2   △669   △1,149   △234   △451   32   △2,473 当期利益   1,081   4,333   716   1,392   236   7,758 非支配持分   △2   -   -   -   -   △2 当期利益(親会社の所有者帰属分)   1,079   4,333   716   1,392   236   7,756 (注)1 その他:金融収益及び費用(純額)には、超インフレ経済下にあり、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」が適用されている子会社の非資金項目に係る損失、ならびにノン・コア取引に係る金融収益および費用を含みます。持分法による投資損益には、事業売却および清算に係る損益ならびにその他の公正価値調整を含みます。 2 IFRS会計基準に基づく業績とCore業績との間の調整に係る税金は、当該調整が計上される管轄地域において項目に適用される法定税率を考慮しています。税引前当期利益に対するCore調整額(8,480億円)に係る法人所得税費用は1,803億円であり、Core調整に係る平均税率は21.3%でした。 CER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減 CER ベースの増減は、当期の国際会計基準(IFRS)に準拠した業績またはCore財務指標(Non-IFRS)について、前年同期に適用した為替レートを用いて換算することにより、前年同期との比較において為替影響を控除するものです。ただし、超インフレが発生し、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」が適用されている子会社の業績についてはCERベースの増減調整は行わないこととし、当該子会社の業績はIAS第29号に基づいて算出しています。 当社グループがCERベースの増減を表示する理由は、変動する為替レートが当社グループの事業に与える影響を踏まえ、為替影響がなかった場合の経営成績の増減について投資家に理解していただくにあたり有用であると考えているためです。CERベースの増減は、当社グループの経営陣が経営成績を評価するに際して使用する主な指標になっています。また、製薬業界における各社が為替影響を調整した同様の業績指標を頻繁に用いているため、証券アナリスト、投資家その他の関係者が各社の経営成績を評価するに際しても、本指標が有用であると考えています。 ただし、CERベースの増減の有用性には、一例として次の限界があります。例えば、CERベースの増減は、前年度においてIFRSに準拠した業績を算定するために用いた為替レートと同一の為替レートを用いますが、そのことは必ずしも、当年度の取引が前年度と同一の為替レートで実施され得た、あるいは計上され得たことを示すものではありません。また、類似の名称の指標を用いている同業他社が、当社グループとは異なる方法で指標を定義し、算定している可能性があるため、そのような指標との比較可能性に欠け得るものです。従って、CERベースの増減はIFRSに準拠して作成、表示された業績と切り離して考慮してはならず、また、これらの代替と捉えてはならないものです。 以下は、対前年度の増減率を含む、IFRSに準拠して算定、表示された当社グループの経営成績であり、各項目についてCERベースの増減率を示しております。 CERベースの増減(財務ベース指標) (単位:億円、%以外) 前年度   当年度    AERベース (IFRS)    CERベース (Non-IFRS) 増減額   増減率   増減率 売上収益   45,816   45,057   △758   △1.7   %   △2.7   % 売上原価   △15,802   △15,716   86   △0.5   %   △1.9   % 販売費及び一般管理費   △11,048   △10,842   206   △1.9   %   △2.5   % 研究開発費   △7,302   △6,759   543   △7.4   %   △7.0   % 製品に係る無形資産償却費及び減損損失   △6,432   △6,335   97   △1.5   %   △1.7   % その他の営業収益   262   247   △15   △5.6   %   △4.4   % その他の営業費用   △2,067   △5,590   △3,522   170.4   %   168.9   % 営業利益   3,426   62   △3,364   △98.2   %   - 金融収益及び費用(純額)   △1,635   △1,464   171   △10.5   %   △7.5   % 持分法による投資損益   △40   △22   18   △45.4   %   △52.9   % 税引前当期利益 (△は損失)   1,751   △1,424   △3,174   -       - 法人所得税費用   △669   △98   572   △85.4   %   △97.6   % 当期利益 (△は損失)   1,081   △1,521   △2,603   -       - 非支配持分   △2   △3   △0   22.9   %   30.8   % 当期利益 (△は損失)(親会社の所有者帰属分)   1,079   △1,524   △2,603   -       - CERベースの増減(Non-IFRS) (単位:億円、%以外) 前年度   当年度   AERベース   CERベース 増減額   増減率   増減率 Core売上収益   45,798   45,057   △741   △1.6   %   △2.6   % Core売上原価   △15,818   △15,726   92   △0.6   %   △1.9   % Core販売費及び一般管理費   △11,050   △10,847   204   △1.8   %   △2.5   % Core研究開発費   △7,304   △6,760   544   △7.4   %   △7.0   % Core営業利益   11,626   11,725   98   0.8   %   △0.9   % Core金融収益及び費用(純額)   △1,407   △1,332   75   △5.3   %   △1.9   % Core持分法による投資損益   11   △1   △13   -       △82.1   % Core税引前当期利益   10,231   10,392   161   1.6   %   △0.9   % Core法人所得税費用   △2,473   △2,248   225   △9.1   %   △12.8   % Core当期利益   7,758   8,144   386   5.0   %   2.9   % 非支配持分   △2   △3   △0   22.9   %   30.8   % Core当期利益(親会社の所有者帰属分)   7,756   8,141   385   5.0   %   2.9   % フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー 当社グループのフリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから有形固定資産の取得による支出を控除したものです。調整後フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから、有形固定資産の取得による支出、無形資産の取得による支出、投資の取得による支出(公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資の取得による支出の控除後)、関連会社株式の取得による支出、事業の取得による支出(取得した現金及び現金同等物の純額の控除後)およびそれらに実質的に関連または類似していると見做されるその他の支出を控除した上で、有形固定資産の売却による収入、投資の売却・償還による収入(公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資の売却・償還による収入の控除後)、関連会社株式の売却による収入、事業の売却による収入(処分した現金及び現金同等物の純額の控除後)を加味し、さらに、当社グループが即時的または一般的な業務用に使用できないいかなるその他の現金の支出入を調整し、算出しています。 当社グループがフリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローを表示する理由は、証券アナリスト、投資家その他の関係者が製薬業界における各社の評価を行うに際して頻繁に用いられる流動性についての同様の指標として、これらの指標が投資家にとって有用であると考えているためです。調整後フリー・キャッシュ・フローは、流動性要件を満たす能力を測り、資本配分方針をサポートする指標として流動性及びキャッシュ・フローの評価を行うに際して、当社グループの経営陣によっても使用されています。また、フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは、投資家が、当社グループの戦略的な買収や事業の売却がどのようにキャッシュ・フローや流動性に貢献するかを理解される上で有用であると考えています。 投資家にとってのフリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローの有用性には、一例として次の限界があります。例えば、(i) 同業他社を含め、用いられている類似の名称の指標との比較可能性に欠け得るものです、(ii) 当社グループの、資本の使用又は配分を必要とする現在及び将来の契約上その他のコミットメントの影響は反映されていません、(iii) 投資の売却・償還による収入、事業の売却による収入(処分した現金及び現金同等物の純額の控除後)は、中核である継続的な事業からの収入を示すものではありません。フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは、IFRSに基づく指標である営業活動によるキャッシュ・フロー及びその他の流動性指標と切り離して考慮してはならず、また、これらの代替と捉えてはならないものです。IFRSに準拠した指標の中で、フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローが最も類似します。 下表は、2025年3月期および2026年3月期における、IFRSに準拠して表示された最も対応する指標である営業活動によるキャッシュ・フローからフリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローへの調整を示しております。 (単位:億円) 前年度   当年度 営業活動によるキャッシュ・フロー(IFRS)   10,572   10,414 有形固定資産の取得による支出   △2,008   △1,760 フリー・キャッシュ・フロー(Non-IFRS)   8,564   8,654 当社が第三者に代わり一時的に保有するキャッシュの調整(注)1   21   266 有形固定資産の売却による収入   1   65 無形資産の取得による支出(注)2   △1,470   △2,349 ライセンスを獲得するためのオプションの取得による支出   △318   △37 投資の取得による支出(注)3   △174   △159 投資の売却、償還による収入   294   70 関連会社株式の取得による支出   △10   △6 関連会社株式の売却による収入   577   9 事業売却による収入(処分した現金及び現金同等物控除後)   206   333 調整後フリー・キャッシュ・フロー(Non-IFRS)   7,690   6,845 (注)1 当社が第三者に代わり一時的に保有するキャッシュの調整は、当社が即時的または一般的な業務用に使用できない、ワクチン運営および売上債権の売却プログラムに関係して当社が第三者に代わり一時的に保有する現金の変動を指します。 2 一部の重要性が低い取引を除き、無形資産の売却による収入は、営業活動によるキャッシュ・フローに含まれています。 3 前年度において、公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資の取得による支出801億円を控除しております。 EBITDAおよび調整後EBITDA 当社グループにおいて、EBITDAは、法人所得税費用、減価償却費及び償却費、ならびに純支払利息控除前の連結当期利益を指します。また、調整後EBITDAは、減損損失、その他の営業収益及びその他の営業費用(減価償却費及び償却費ならびに減損損失を除く)、金融収益及び費用(純支払利息を除く)、持分法による投資損益、株式報酬に係る非資金性の費用を含むその他の非資金性項目、および売却した製品に係るEBITDA、企業結合会計影響や買収関連費用などの当社グループの中核事業に関連しないその他の項目を除外するように調整されたEBITDAを指します。 当社グループがEBITDA及び調整後EBITDAを表示する理由は、これらの指標が証券アナリスト、投資家その他の関係者が製薬業界における各社の評価を行う際に頻繁に用いられるものであり、投資家にとって有用であると考えているためです。 当社グループは、調整後EBITDAを主に財務レバレッジをモニターするために使用しています。「(c)流動性および資金調達源 補足的分析:財務レバレッジ(調整後有利子負債/調整後EBITDA倍率)(IFRSに準拠しない指標)」 および以下の「調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率」をご参照ください。また、調整後EBITDAは、継続的な事業に関連しない特定の事象(変化に富み予測が困難である一方で、経営成績に重大な影響を与える可能性があり、一定期間にわたる業績を一貫性をもって評価することが困難な事象)から生じる不透明さを排除することから、投資家にとって、事業の動向を把握するに際して有用な指標であると考えています。 投資家にとってのEBITDA及び調整後EBITDAの有用性には、一例として次の限界があります。例えば、(i) 同業他社を含め、用いられている類似の指標との比較可能性に欠け得るものです。また、(ii) 企業買収や無形資産の償却による影響などを含む、当社グループの業績、価値又は将来見通しの評価において重要とみなされる可能性のある財務情報や事象が除外されています、(iii) 将来にわたって継続的に発生する可能性のある項目又は項目の種類が除外されています、(iv) 投資家が当社グループの業績を理解する上で重要とみなす可能性のあるすべての項目が含まれていない、又は、重要とみなさないであろうすべての項目が除外されていない場合があります。EBITDAおよび調整後EBITDAは、IFRSに準拠した指標である営業利益、当期利益、その他の業績指標と切り離して考慮してはならず、また、これらの代替と捉えてはならないものです。IFRSに準拠した指標の中で、EBITDAおよび調整後EBITDAは、当期利益が最も類似します。 下表は、2025年3月期および2026年3月期における、当期利益からEBITDAおよび調整後EBITDAへの調整を示しております。 (単位:億円) 前年度   当年度 当期利益 (△は損失)(IFRS)   1,081   △1,521 法人所得税費用   669   98 減価償却費及び償却費   7,614   7,211 純支払利息   1,177   1,312 EBITDA(Non-IFRS)   10,542   7,100 減損損失   1,065   1,457 その他の営業収益及びその他の営業費用(減価償却費、償却費及びその他の非資金性項目を除く)   1,632   5,167 金融収益及び費用(純支払利息を除く)   458   151 持分法による投資損益   40   22 その他の調整項目(注)   673   675 調整後EBITDA(Non-IFRS)   14,410   14,572 (注)その他の調整項目には、株式報酬にかかる非資金性の費用を含む非資金性項目、および企業結合会計影響や買収関連費用などの当社グループの中核事業に関連しないその他の項目の調整、調整後EBITDAの算出にあたり除外された、前年度におけるテバ社への資産売却に係る17億円の非資金性の収益調整を含む、売却した製品に係るEBITDAの調整が含まれます。 調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率 当社グループは、純有利子負債を連結財政状態計算書上の社債及び借入金の簿価に現金及び現金同等物のみを調整したものと定義しており、当社グループの調整後純有利子負債は、次のとおり算出しています。まず、連結財政状態計算書に記載されている社債及び借入金の流動部分と非流動部分合計を計算します。その上で、(i) 第4四半期期首時点に残存する外貨建て負債を当年度末時点の直近12か月の期中平均レートを用いて換算し、第4四半期中に計上した新規の外貨建て負債および償還した既存の外貨建て負債については対応するスポットレートを用いて換算し、当社グループの経営陣が当社グループのレバレッジをモニターするために使用する方法論を反映しています。また、(ii) 当社グループの劣後特約付きハイブリッド債について、その株式に似た特徴を踏まえ、S&Pグローバル・レーティング・ジャパンの格付手法に基づきエクイティクレジットを適用しています。この数字から、ワクチン運営および売上債権の売却プログラムに関係して当社が第三者に代わり一時的に保有している現金を除いた現金及び現金同等物、およびその他の金融資産に計上され公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資を控除し、調整後純有利子負債を算出しています。 当社グループが、純有利子負債および調整後純有利子負債を表示する理由は、当社グループの経営陣が、当社グループの現金及び現金同等物控除後の負債をモニター及び分析するためにこれらの指標を使用し、また当社グループのレバレッジをモニターするために本指標を調整後EBITDAと併せて使用しており、投資家にとって有用であると考えているためです(なお、調整後純有利子負債および調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率は、当社グループの流動性の指標を表すものではないことにご留意ください)。また、負債についての同様の指標が、証券アナリスト、投資家その他の関係者が製薬業界における各社の評価を行うに際して頻繁に用いられるものであると考えています。 特に、Shire社買収に伴い、投資家、アナリストおよび格付機関は、当社グループの(調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率で表される)財務レバレッジを綿密にモニターしています。格付機関が本指標を特に重視していることから、これらの情報は、当社グループの財務レバレッジだけではなく、格付機関が当社グループの信用力評価にあたって財務レバレッジの水準をどのように評価しているかについて、投資家が理解していただくにあたり有用であると考えています。そのため、後述のとおり、当社グループは、調整後純有利子負債を調整して、格付機関が一部の劣後債に適用している「エクイティクレジット」を反映しています(ただし、IFRS上、当該債務は資本として取り扱われません)。 調整後純有利子負債の有用性には、一例として次の限界があります。例えば、(i) 同業他社を含め、用いられている類似の指標との比較可能性に欠け得るものです、(ii) 当社グループの負債に係る利息の金額を反映していません、(iii) 負債の早期返済又は償還に係る制限を反映していません、(iv) 当社グループが現金同等物を現金に換金する際に、現金をある通貨から他の通貨に換金する際に、又は当社グループ内で現金を移動する際に係る手数料や費用を反映していません、(v) 有利子負債には、資金調達の契約と整合性のある平均為替レートを適用・調整していますが、これは当社グループがある通貨を他の通貨に換金することができる実際の為替レートを反映していません、(vi) 当社グループの劣後債はIFRS上資本として取り扱われないものの、エクイティクレジットを反映しています。当該調整は、合理的で、投資家にとって有用な調整であると考えています。調整後純有利子負債は、IFRSに基づく指標である社債及び借入金、又はその他の負債指標と切り離して考慮してはならず、また、これらの代替と捉えてはならないものです。IFRSに準拠した指標の中で、純有利子負債は、社債及び借入金が最も類似します。 当社グループの調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率は以下のとおりです。 (単位:億円、倍率以外) 前年度   当年度 調整後純有利子負債   △39,755   △38,176 調整後EBITDA   14,410   14,572 調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率   2.8x   2.6x 下表は、2025年3月31日および2026年3月31日現在の社債及び借入金から調整後純有利子負債への調整を示しております。 (単位:億円) 前年度   当年度 社債及び借入金の非流動部分(IFRS)   △39,663   △43,697 社債及び借入金の流動部分(IFRS)   △5,489   △5,122 社債及び借入金(IFRS)   △45,153   △48,818 現金及び現金同等物(IFRS)   3,851   5,951 純有利子負債(Non-IFRS)   △41,302   △42,868 当社が第三者に代わり一時的に保有していた現金(注)1   △1,058   △792 レベル1負債性金融商品(注)1   793   851 為替調整(注)2   △689   2,132 エクイティクレジットの適用(注)3   2,500   2,500 調整後純有利子負債(Non-IFRS)   △39,755   △38,176 (注)1 ワクチン運営および売上債権の売却プログラムに関係して当社が第三者に代わり一時的に保有する、即時的または一般的な業務に使用できない現金、およびその他の金融資産に計上され公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資を調整しております。 2 期中平均レートで換算される調整後EBITDA計算と整合させるため、外貨建て負債の換算において、当年度末時点の直近12ヶ月の平均為替レートを用いることにより、月末為替レートとの差異による変動を調整するものです。第4四半期期首時点に残存する外貨建て負債については、当年度末時点の直近12ヶ月の期中平均レートを用いて換算しております。また、第4四半期中に計上した新規の外貨建て負債および償還した既存の外貨建て負債については、当該日の対応するスポットレートを用いて換算しております。 3 ハイブリッド(劣後)社債及びローンの元本総額5,000億円分について、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン(格付機関)より認定された50%のエクイティクレジットを適用し、2,500億円を負債から控除しております。これらの金融負債は、レバレッジ評価において一定のエクイティクレジットが認められております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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