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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

富士フイルムホールディングス

FUJIFILM Holdings Corporation4901 · Prime · 化学

写真フィルムの技術をヘルスケア・エレクトロニクスへ展開。多角化を遂げたグローバルテクノロジー企業。

概要

富士フイルムホールディングスは、1934年に写真フィルム製造の国産化を目的に設立された富士写真フイルムを源流とする持株会社である。写真フィルムで培った化学・光学技術を基盤に、ヘルスケア、エレクトロニクス、ビジネスイノベーション、イメージングの4事業を展開する。2026年3月期の連結売上高は3兆3570億円、従業員数は約7万3500人。本社は東京都港区に置く。

写真フィルム技術を応用した4事業の構成

富士フイルムホールディングスは、ヘルスケア、エレクトロニクス、ビジネスイノベーション、イメージングの4セグメントで構成される。ヘルスケア部門は医療用画像診断システム、バイオ医薬品製造開発受託(CDMO)、医薬品、化粧品などを扱い、2025年度の売上高は1兆989億円で全体の約33%を占める。エレクトロニクス部門は半導体材料(フォトレジスト、CMPスラリーなど)やディスプレイ材料を供給し、売上高は4561億円(14%)。ビジネスイノベーション部門はデジタル複合機やグラフィックコミュニケーションシステムを提供し、売上高は1兆1748億円(35%)。イメージング部門はインスタントカメラ「instax」やデジタルカメラ、カラーフィルムなどで売上高6270億円(19%)。各部門は写真フィルム技術(微細加工、分散、塗工、光学)を共通基盤として発展してきた。

258の子会社と27の関連会社で構成されるグローバルグループ

2026年3月31日時点で、富士フイルムホールディングスは258社の子会社と27社の関連会社を有する。中核となる事業会社は富士フイルム株式会社で、ヘルスケア・エレクトロニクス・イメージングの各事業を統括する。ビジネスイノベーション部門は富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)が担い、国内販売会社の統合を経て2021年に現社名へ変更した。海外展開は米国、欧州、アジアに広がり、北米にはFUJIFILM North America Corporation、欧州にはFUJIFILM Europe GmbH、中国には富士フイルム(中国)投資有限公司などを配置。バイオCDMO事業は英国、デンマーク、米国に製造拠点を持ち、半導体材料事業は台湾や欧州でも生産を行う。

バイオCDMOと半導体材料への積極投資で成長を加速

富士フイルムホールディングスは、2010年代以降、成長分野への大型買収と設備投資を積極的に行っている。バイオCDMO事業では、2011年にMSD(メルク)の英国・米国拠点を買収したのを皮切りに、2019年にBiogenのデンマーク工場、2022年にAtara Biotherapeuticsの細胞治療製造拠点を取得し、グローバルな生産ネットワークを構築した。半導体材料事業では、2004年にArch Chemicalsのマイクロエレクトロニクス部門、2023年にCMC Materials KMG Corporationを買収し、CMPスラリーやフォトレジストのラインアップを拡充。これらの投資により、2025年度のエレクトロニクス部門営業利益は1008億円(前年比34.4%増)と急成長し、バイオCDMOも売上高を伸ばしている。

イメージング事業がinstaxとデジタルカメラで過去最高益を更新

イメージング部門は、2025年度に売上高6270億円(前年比15.7%増)、営業利益1600億円(同14.9%増)と過去最高を更新した。牽引役はインスタントカメラ「instax(チェキ)」で、若年層を中心に世界的な人気を維持。デジタルカメラ「FUJIFILM Xシリーズ」も独自の色再現技術とコンパクトボディで支持を集める。また、カラーフィルムは根強い需要があり、写真プリントサービスも継続。光学デバイスではスマートフォン向けレンズや産業用カメラモジュールを供給する。同事業は、写真フィルムの衰退後に見出した新たな収益の柱であり、グループ全体の利益の約46%を稼ぎ出す最も収益性の高いセグメントとなっている。

円安と原材料高が収益を圧迫するヘルスケア部門

ヘルスケア部門は売上高1兆989億円とグループ最大だが、営業利益は636億円(前年比20.3%減)と減益となった。要因として、円安による為替影響と銀価格高騰などの原材料コスト増が挙げられる。メディカルシステム事業では、AI搭載CTや超音波診断装置の販売が堅調だったものの、コスト増を吸収しきれなかった。バイオCDMO事業は抗体医薬品の受託製造で成長しているが、設備投資負担が利益率を抑えている。同部門では、AI技術を活用した診断支援ソリューションや新興国向け健診センター「NURA」の展開を進め、収益性の改善を図っている。将来は売上高1兆円超を維持しながら利益率の向上を目指す。

業界の中での役割は多角化複合企業。高機能材料・ヘルスケア・オフィス機器を柱に、写真技術の応用で幅広い産業に製品を供給。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
3.4兆円
税引前利益
3,666億円
利益率
10.9%
純利益
2,767億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01ヘルスケア主力

医療用画像診断システム(MRI・CT・超音波)、バイオ医薬品の製造開発受託(CDMO)、細胞培養・試薬などの創薬支援材料、医薬品、化粧品・サプリメントなどを提供。写真フィルム技術を応用した医療機器からバイオ分野まで幅広くカバー。

主な製品・サービス5
メディカルシステム機材
デジタルX線診断装置、MRI装置、超音波診断装置など、画像診断に用いる医療機器。高画質化・低被曝を実現。
バイオ医薬品製造開発受託(CDMO)
バイオ医薬品の細胞培養から精製・製剤化まで一貫受託。グローバルな生産ネットワークを持つ。
創薬支援材料(細胞・培地・試薬)
医薬品研究開発に必要な細胞培養基材、培地、研究用試薬。高品質で再現性の高い製品群。
医薬品
主に富士フイルム富山化学が扱う、抗ウイル薬・抗菌薬・中枢神経系薬等の医療用医薬品。
化粧品・サプリメント
肌の健康を支える化粧品や健康食品。ナノテクやコラーゲン技術を応用。

02エレクトロニクス主力

半導体材料(フォトレジスト・CMPスラリー・配線材料)、ディスプレイ材料(光学フィルム)、産業機材(インクジェットヘッド・精密塗工装置)、ファインケミカルなどを供給。写真技術で培った微細加工・分散技術を核に電子材料分野で存在感を示す。

主な製品・サービス4
半導体材料(フォトレジスト、CMPスラリー等)
半導体リソグラフィ工程で使用される感光性材料(フォトレジスト)や、研磨用スラリー。最先端ノード向け高精細品を揃える。
ディスプレイ材料(光学フィルム)
液晶ディスプレイの偏光板保護フィルム、位相差フィルムなど。高透過・高コントラストを実現。
産業機材(インクジェットヘッド、精密塗工装置)
産業用インクジェットプリントヘッドや、精密な塗布が可能なスリットコーターなど。製造現場の生産性向上に寄与。
ファインケミカル
電子材料向け高純度化学薬品、機能性色素など。富士フイルム和光純薬が供給。

03ビジネスイノベーション主力

オフィス向けデジタル複合機・プリンター、グラフィックコミュニケーションシステム(商業印刷機・インクジェット機材)、およびそれらに関連するソリューション・サービス(ドキュメント管理・業務効率化)を提供。富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)が中核。

主な製品・サービス4
デジタル複合機
印刷・コピー・スキャン・FAX機能を一体化したオフィス機器。ネットワーク対応でセキュリティ機能も充実。
グラフィックコミュニケーションシステム機材
商業印刷向けデジタル印刷機、オフセット印刷機、大判インクジェットプリンター。高精細・高速印刷を実現。
インクジェット機材
産業用・商業用インクジェットプリンターおよびヘッド。多様なメディアに印刷可能。
ソリューション・サービス
ドキュメントワークフロー最適化、ITインフラ構築、クラウドサービスなど。オフィス業務の効率化・デジタル化を支援。

04イメージング準主力

インスタントカメラ「チェキ」、カラーフィルム、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、デジタルカメラ、光学デバイス(レンズ・カメラモジュール)などを提供。写真文化を支えるコンシューマー向け事業。

主な製品・サービス5
インスタントフォトシステム
インスタントカメラ「instax(チェキ)」と専用フィルム。撮影後すぐにプリントが楽しめる。
カラーフィルム
写真用カラーネガフィルム・リバーサルフィルム。高画質・高再現性を誇り、プロ・アマチュアに支持される。
写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器
DPE店やラボ向けの印画紙、ミニラボ機器、オンライン写真プリントサービス。高品質な写真出力を実現。
デジタルカメラ
「FUJIFILM Xシリーズ」などのミラーレスデジタルカメラ。独自の色再現技術とコンパクトボディが特長。
光学デバイス
スマートフォン・監視カメラ・産業向けレンズやカメラモジュール。高い光学性能と小型化を両立。

製品と技術

instax:撮影後すぐにプリントが楽しめるインスタントカメラ

イメージング部門の中核製品がインスタントフォトシステム「instax(チェキ)」である。専用フィルムと組み合わせることで、撮影後数十秒でプリントを得られる。チェキは1998年に初代モデルが発売され、以降シリーズ化。2025年度のイメージング部門売上高6270億円の大部分をinstaxが占める。製品ラインアップは「mini」「Square」「Wide」の3フォーマットで、小型・軽量なエントリーモデルから高機能モデルまで展開。若年層や女性を中心に世界的なブームを維持し、SNSとの親和性も高い。富士フイルムは、フィルムの色再現技術とカメラの光学設計を自社で一貫生産し、競合との差別化を図っている。

Xシリーズ:独自の色再現技術で支持されるミラーレスカメラ

デジタルカメラ「FUJIFILM Xシリーズ」は、APS-Cサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラである。最大の特長は、富士フイルムが写真フィルム時代から培った色再現技術に基づく「フィルムシミュレーションモード」で、PROVIA、Velvia、Classic Chromeなど過去のフィルム調をデジタルで再現できる。2012年の「X-Pro1」以来、Xシリーズはコンパクトなボディと高画質でプロ・アマチュア双方から支持される。レンズラインアップも充実し、「XFレンズ」シリーズは広角から望遠まで約40本を揃える。2025年度も販売好調が続き、イメージング部門の収益に大きく貢献した。

CMPスラリーとフォトレジスト:半導体材料で先端プロセスに対応

エレクトロニクス部門では、半導体製造工程に使用されるCMPスラリー(化学機械研磨剤)とフォトレジスト(感光性材料)が主力製品である。CMPスラリーは、半導体ウエハー表面を平坦に研磨するための材料で、最先端ロジックやメモリ向けに高精度な製品を供給。フォトレジストは、ArF液浸やEUV(極端紫外線)リソグラフィに対応した高精細レジストを開発している。2023年に買収したCMC Materials KMG Corporationの技術を統合し、CMPスラリーのグローバルシェアを拡大。生成AI向け半導体需要の増加に伴い、2025年度のエレクトロニクス部門売上高は4561億円と前年比11.9%増加した。

バイオCDMO:抗体医薬品の細胞培養から製剤化まで一貫受託

ヘルスケア部門のバイオCDMO事業は、富士フイルムDiosynth Biotechnologiesが中核を担う。抗体医薬品などのバイオ医薬品について、細胞培養(上流工程)から精製・製剤化(下流工程)まで一貫した受託製造サービスを提供する。主要拠点は米国(ウィスコンシン州、ノースカロライナ州、カリフォルニア州)、英国(ベリントン)、デンマーク(ヒレレズ)にあり、総培養容量は世界トップクラス。貼付可能なバイオ医薬品やワクチンも手掛ける。2022年に買収したAtara Biotherapeuticsの細胞治療製造拠点では、CAR-T細胞などの遺伝子細胞治療にも対応。同セグメントは高成長が続くが、設備投資負担が利益率に影響している。

デジタル複合機とグラフィックコミュニケーションシステム

ビジネスイノベーション部門の中核製品は、デジタル複合機(ApeosPortシリーズなど)とグラフィックコミュニケーションシステムである。デジタル複合機は印刷・コピー・スキャン・FAX機能を一体化し、ネットワークセキュリティやクラウド連携に対応。グラフィックコミュニケーションシステムは商業印刷向けデジタル印刷機(Revoriaシリーズ)や大判インクジェットプリンター(Acuityシリーズ)で構成。さらに、ドキュメントワークフローの最適化やITインフラ構築などのソリューションサービスも提供する。同部門は2021年に社名変更と国内販売統合を実施したが、2025年度は市況低迷や低採算機種の絞り込みにより売上高が前年比2%減の1兆1748億円となった。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

化学のなかでの位置

写真からヘルスケアまで多角化

富士フイルムホールディングスは写真フィルム事業からヘルスケア、マテリアル、イメージングへと事業構造を転換し、現在は医療機器や医薬品、電子材料などで収益を上げる複合企業である。同業他社として化学分野ではクラレや東洋紡が挙げられるが、富士フイルムは特にヘルスケア分野でのシェアと技術力を誇る。売上収益は2024年3月期の2兆9609億円から2026年3月期には3兆3570億円へと拡大しており、堅調な成長を示す。クラレや東洋紡が素材中心なのに対し、富士フイルムは医療・ヘルスケアに重点を置いた独自のポートフォリオを持つ。一方、写真フィルムの縮小やヘルスケア分野での競争激化が課題であり、今後の収益拡大には新製品開発が鍵を握る。

強み

  • 医療機器・医薬品に経営資源を集中させ、成長分野での地位を築いた。
  • 写真フィルムの精密技術を応用した高機能素材で優位性を発揮。
  • 売上収益が3期連続で増加し、大型買収などによる成長も寄与。
  • イメージング、ヘルスケア、マテリアルを組み合わせリスク分散を図る。

課題

  • 写真フィルム市場は縮小が続き、事業縮小や構造改革が不可欠である。
  • 医療機器や医薬品分野で大手医療企業や新興企業と激しい競争。
  • 新製品投入のための研究開発投資がかさみ、利益率を圧迫する可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

機能性化学の時価総額近傍。太字が富士フイルムホールディングス

時価総額で並べると、掲載8社のなかで3番目にあたる。

#企業時価総額PER
14063信越化学工業11.7兆円23.3倍
26367ダイキン工業6.1兆円22.1倍
34901富士フイルムホールディングス4.2兆円14.6倍
44612日本ペイントホールディングス2.7兆円18.1倍
56988日東電工2.4兆円17.6倍
63407旭化成2.3兆円14.1倍
73402東レ1.9兆円24.0倍
84188三菱ケミカルグループ1.8兆円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(機能性化学)に従っています。

会社の歴史

沿革 33件

大日本セルロイドの写真フィルム部門が独立した1934年

富士フイルムの創業は、1934年1月に大日本セルロイド(現ダイセル)の写真フィルム部を分離継承して富士写真フイルム株式会社を設立したことに始まる。同年2月には足柄工場(現神奈川工場)を建設し、写真フィルムや印画紙などの感光材料の製造を開始。当初の目的は写真フィルムの国産工業化であり、外貨節約と技術自立が国家課題とされた時代背景があった。1938年には小田原工場を建設し、硝酸銀や色素などの高纯度化成品、光学硝子、写真機など精密光学分野へ事業を拡大した。

富士ゼロックス設立と海外販売網の構築(1960年代)

1962年2月、英国ランクゼロックス社との合弁で富士ゼロックス株式会社(現富士フイルムビジネスイノベーション)を設立。これにより複写機事業に参入し、のちのビジネスイノベーション部門の基盤を築いた。海外展開では、1965年に米国ニューヨーク州にFuji Photo Film U.S.A., Inc.(現FUJIFILM North America Corporation)、1966年にドイツにFuji Photo Film (Europe) GmbH(現FUJIFILM Europe GmbH)を設立。1982年にはオランダに製造子会社Fuji Photo Film B.V.、1988年には米国サウスカロライナ州に製造拠点を設立し、グローバルな生産・販売体制を整えた。

写真フィルム事業の成熟とデジタルへの対応(1990年代〜2000年代初頭)

1990年代後半からデジタルカメラの普及により写真フィルム需要は減少に転じた。富士フイルムは2003年にプロセス資材を子会社化、2004年に米国Arch ChemicalsのMicroelectronic Materials部門を買収し電子材料事業へ本格参入。2005年には英Sericolグループを買収してインクジェットインキ事業を拡大。2006年にはプリントヘッドメーカーDimatix, Inc.を買収。同年10月には持株会社体制へ移行し、富士フイルムホールディングス株式会社となった。営業は新設分割で富士フイルム株式会社に承継し、グループ経営の効率化を図った。

ヘルスケアとバイオCDMOへの転換(2008年〜2015年)

2008年3月、富山化学工業の株式を公開買付けで取得し子会社化(現富士フイルム富山化学)。これにより医薬品事業に参入。2011年にはMSDのバイオ医薬品製造拠点(英国・米国)を買収し、バイオCDMO事業の基盤を確立。2012年には米国ポータブル超音波診断装置メーカーSonoSite, Inc.を買収。2015年にはiPS細胞関連のCellular Dynamics International, Inc.を買収し、再生医療分野へ進出。これらの買収により、写真フィルム技術を応用した医療機器からバイオ医薬品、創薬支援材料まで幅広いヘルスケア事業を構築した。

富士ゼロックス完全子会社化と事業再編(2019年〜2021年)

2019年11月、富士フイルムホールディングスは富士ゼロックスの発行済株式の25%を追加取得し完全子会社化。翌2021年4月、社名を富士フイルムビジネスイノベーションに変更するとともに、国内営業部門と全販売会社を統合し富士フイルムビジネスイノベーションジャパンを設立した。同年3月には日立製作所の画像診断関連事業を買収し、CT・MRIなどのメディカルシステム事業を強化。これによりヘルスケア部門の製品ラインアップが拡充され、売上高1兆円超の基盤が固まった。

バイオCDMOと半導体材料で過去最高益を達成した2025年度

2025年度(2026年3月期)の連結売上高は3兆3570億円、営業利益3502億円、純利益2767億円と全て過去最高を更新した。セグメント別では、イメージング部門がinstaxとデジタルカメラの好調で1600億円の営業利益、エレクトロニクス部門が生成AI向け半導体材料需要で1008億円と大きく伸長。一方、ヘルスケア部門は為替と原材料高で減益、ビジネスイノベーション部門は市況低迷で減収減益となった。同社は中期経営計画「VISION2030」のもと、バイオCDMOと半導体材料への投資を継続し、2026年度は売上高3兆4700億円、営業利益3650億円を目標とする。

年表33件を開く

1930年代

  • 1934年1月写真フィルム製造の国産工業化計画に基づき大日本セルロイド㈱(現 ㈱ダイセル)の写真フィルム部の事業一切を分離継承して富士写真フイルム㈱を設立。
  • 1934年2月足柄工場(現 神奈川工場)建設(写真フィルム、印画紙等の写真感光材料の製造)。
  • 1938年6月小田原工場(現 神奈川工場)建設(写真感光材料の硝酸銀、色素等の高度化成品部門並びに光学硝子、写真機等の精密光学機器・材料部門の拡充)。

1940年代

  • 1944年3月M&A㈱榎本光学精機製作所を買収。(現 富士フイルム㈱へ統合)
  • 1946年4月天然色写真㈱を設立。(現 富士フイルムイメージングシステムズ㈱)

1960年代

  • 1962年2月英国ランクゼロックス社との合弁により富士ゼロックス㈱を設立。(現 富士フイルムビジネスイノベーション㈱)
  • 1963年10月富士宮工場建設(印画紙用バライタ及びバライタ原紙製造)。
  • 1965年12月創業Fuji Photo Film U.S.A., Inc.を米国ニューヨーク州に設立。(現 FUJIFILM North America Corporation)
  • 1966年6月創業Fuji Photo Film (Europe) GmbH をドイツに設立。(現 FUJIFILM Europe GmbH)

1970年代

  • 1972年12月吉田南工場建設(オフセット印刷用材料(PS版)製造)。

1980年代

  • 1982年8月創業Fuji Photo Film B.V.をオランダに設立。(現 FUJIFILM Manufacturing Europe B.V.)
  • 1988年7月創業Fuji Photo Film, Inc.を米国サウスカロライナ州に設立。(現 FUJIFILM Manufacturing U.S.A., Inc.)

1990年代

  • 1995年10月創業FUJIFILM Imaging Systems (Suzhou) Co.,Ltd.を中国に設立。

2000年代

  • 2001年3月M&A富士ゼロックス㈱の発行済株式総数の25%を追加取得し、連結子会社化。(現 富士フイルムビジネスイノベーション㈱)
  • 2003年4月M&Aプロセス資材㈱の株式を追加取得し、連結子会社化。(現 富士フイルムグラフィックソリューションズ㈱)
  • 2004年11月M&A米国Arch Chemicals, Inc.から同社Microelectronic Materials部門と同社所有の富士フイルムアーチ㈱の株式を追加取得し、連結子会社化。(現 富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ㈱)
  • 2005年2月M&ASericolグループの英国持株会社Sericol Group Limitedを買収。(現 FUJIFILM Speciality Ink Systems Limited 他)
  • 2006年7月M&ADimatix, Inc.を買収。(現 FUJIFILM Dimatix, Inc.)
  • 2006年10月全ての営業を富士フイルム㈱に承継する新設分割を行い、持株会社である富士フイルムホールディングス㈱に移行。
  • 2008年3月M&A富山化学工業㈱の株式を公開買付けにより取得し、連結子会社化。(現 富士フイルム富山化学㈱へ統合)

2010年代

  • 2011年3月M&AMSD Biologics (UK) Limited及びDiosynth RTP Inc.を買収。(現 FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited 他)
  • 2012年3月M&ASonoSite, Inc.を買収。(現 FUJIFILM SonoSite, Inc.)
  • 2015年5月M&ACellular Dynamics International, Inc.を買収。(現 FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.)
  • 2017年4月M&A和光純薬工業㈱の株式を公開買付けにより取得し、連結子会社化。(現 富士フイルム和光純薬㈱)
  • 2018年6月M&AIrvine Scientific Sales Company, Inc.を買収。(現 FUJIFILM Biosciences Inc.)
  • 2019年8月M&ABiogen (Denmark) Manufacturing ApSを買収。(現 FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS)
  • 2019年11月M&A富士ゼロックス㈱の発行済株式総数の25%を追加取得し、完全子会社化。(現 富士フイルムビジネスイノベーション㈱)

2020年代

  • 2021年3月M&A㈱日立製作所の画像診断関連事業を買収し、連結子会社化。(現 富士フイルム㈱へ統合)
  • 2021年4月M&A富士ゼロックス㈱の社名を富士フイルムビジネスイノベーション㈱に変更。富士ゼロックス㈱の国内営業部門と国内の全販売会社を統合し、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン㈱を設立。
  • 2022年4月M&AAtara Biotherapeutics, Inc.の細胞治療薬製造拠点を買収。(現 FUJIFILM Diosynth Biotechnologies California, Inc.)
  • 2023年10月M&ACMC Materials KMG Corporationを買収。(現 FUJIFILM Electronic Materials U.S.A., Inc.へ統合)
  • 2025年1月コニカミノルタ㈱との合弁により、グローバルプロキュアメントパートナーズ㈱を設立。
  • 2026年3月M&AトルコのITサービス企業ETG Global Information Technology Services Inc.を買収。(現 FUJIFILM ETG Global Bilisim Hizmetleri A.S. 他)

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高2027年3月期まで34,700億円
  • 営業利益2027年3月期まで3,650億円
  • 当社株主帰属当期純利益2027年3月期まで2,800億円
  • ROE2027年3月期まで7.8%
  • ROIC2027年3月期まで5.6%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    グループパーパスの実現へ好循環

    グループパーパス「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」を制定。新製品開発・設備投資、ESG課題、人材育成、株主還元を実行し、得た利益を再投資する永続的な好循環を実現する。

  2. 02

    ヘルスケア部門の成長加速

    AI・バイオ技術で医療課題に貢献。メディカルシステムはAI実装とリカーリング拡大、バイオCDMOは米国拠点の増強と前倒し投資、LSソリューションは創薬支援や新工場建設、コンシューマーヘルスケアは主力ブランド強化。

  3. 03

    エレクトロニクス部門の強化

    半導体材料でワンストップソリューション提供、地産地消の拠点投資とインド進出。AF材料ではTAC製品維持・OLEDシェア向上、データテープやプレスケール等の差別化製品を拡大。

  4. 04

    ビジネスイノベーションの構造改革

    AI実装を本格化し、ソリューションパートナーとして価値創出。ビジネスソリューションではERP・IT支援・クラウド強化、オフィスソリューションではA3カラー注力と新市場開拓、グラフィックコミュニケーションではデジタルシフト加速。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で73,526人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,086万円で、9期前と比べて+8.8%平均年齢は43.3歳、平均勤続年数は17.2年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数
2017年3月78,501
2018年3月77,739
2019年3月99742.717.872,332
2020年3月1,00342.717.273,906
2021年3月97045.518.173,275
2022年3月1,01745.820.875,474
2023年3月1,03346.820.273,878
2024年3月1,07445.719.372,254
2025年3月1,12443.517.572,593
2026年3月1,08643.317.273,526

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社106(国内 36 / 海外 70、うち連結子会社 56) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
〃 — FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS (デンマーク)6,967億円
〃 — FUJIFILM Diosynth Biotechnologies North Carolina, Inc. (米国)6,473億円
ヘルスケア — FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited (英国)1,625億円
〃 — FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC (米国)875億円
足柄地区 — 神奈川県南足柄市他650億円
ヘルスケア — FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A.,Inc. (米国)415億円
エレクトロニクス — FUJIFILM Electronic Materials U.S.A., Inc. (米国)392億円
本社地区 — 東京都港区他352億円
ヘルスケア エレクトロニクス イメージング
本社 — 東京都港区238億円
全社的管理統括
小田原地区 — 神奈川県小田原市他217億円
ほか15件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    富士フイルム㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルム㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルムビジネスイノベーション㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルムビジネスイノベーション㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルムヘルスケアマニュファクチャリング㈱
    千葉県柏市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルムヘルスケアマニュファクチャリング㈱
    千葉県柏市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ㈱
    神奈川県横浜市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ㈱
    神奈川県横浜市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルム富山化学㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルム富山化学㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルムマニュファクチャリング㈱
    神奈川県海老名市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    富士フイルムマニュファクチャリング㈱
    神奈川県海老名市 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社94社を開く
  • 富士フイルム和光純薬㈱大阪府大阪市100%
  • 富士フイルム和光純薬㈱大阪府大阪市100%
  • 富士フイルムメディカル㈱東京都港区100%
  • 富士フイルムメディカル㈱東京都港区100%
  • 富士フイルムグラフィックソリューションズ㈱東京都港区100%
  • 富士フイルムグラフィックソリューションズ㈱東京都港区100%
  • 富士フイルムシステムサービス㈱東京都新宿区100%
  • 富士フイルムシステムサービス㈱東京都新宿区100%
  • 富士フイルムイメージングシステムズ㈱東京都品川区100%
  • 富士フイルムイメージングシステムズ㈱東京都品川区100%
  • 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン㈱東京都江東区100%
  • 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン㈱東京都江東区100%
  • 富士フイルムソフトウエア㈱神奈川県横浜市100%
  • 富士フイルムソフトウエア㈱神奈川県横浜市100%
  • FUJIFILM Holdings America Corporation米国100%
  • FUJIFILM Holdings America Corporation米国100%
  • FUJIFILM Electronic Materials U.S.A.,Inc.米国100%
  • FUJIFILM Electronic Materials U.S.A.,Inc.米国100%
  • FUJIFILM IMAGING COLORANTS INC.米国100%
  • FUJIFILM IMAGING COLORANTS INC.米国100%
  • FUJIFILM Dimatix, Inc.米国100%
  • FUJIFILM Dimatix, Inc.米国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.米国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.米国100%
  • FUJIFILM SonoSite, Inc.米国100%
  • FUJIFILM SonoSite, Inc.米国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC米国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC米国100%
  • FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.米国100%
  • FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.米国100%
  • FUJIFILM Biosciences Inc.米国100%
  • FUJIFILM Biosciences Inc.米国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies North Carolina, Inc.米国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies North Carolina, Inc.米国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies California, Inc.米国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies California, Inc.米国100%
  • FUJIFILM North America Corporation米国100%
  • FUJIFILM North America Corporation米国100%
  • FUJIFILM Healthcare Americas Corporation米国100%
  • FUJIFILM Healthcare Americas Corporation米国100%
  • FUJIFILM Germany GmbHドイツ100%
  • FUJIFILM Germany GmbHドイツ100%
  • FUJIFILM Europe B.V.オランダ100%
  • FUJIFILM Europe B.V.オランダ100%
  • FUJIFILM Manufacturing Europe B.V.オランダ100%
  • FUJIFILM Manufacturing Europe B.V.オランダ100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited英国100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited英国100%
  • FUJIFILM IMAGING COLORANTS LIMITED英国100%
  • FUJIFILM IMAGING COLORANTS LIMITED英国100%
  • FUJIFILM UK Ltd.英国100%
  • FUJIFILM UK Ltd.英国100%
  • FUJIFILM France S.A.Sフランス100%
  • FUJIFILM France S.A.Sフランス100%
  • FUJIFILM Electronic Materials (Europe) NVベルギー100%
  • FUJIFILM Electronic Materials (Europe) NVベルギー100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApSデンマーク100%
  • FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApSデンマーク100%
  • FUJIFILM Middle East FZEUAE100%
  • FUJIFILM Middle East FZEUAE100%
  • FUJIFILM India Private Limitedインド100%
  • FUJIFILM India Private Limitedインド100%
  • FUJIFILM Asia Pacific Pte. Ltd.シンガポール100%
  • FUJIFILM Asia Pacific Pte. Ltd.シンガポール100%
  • FUJIFILM Business Innovation Asia Pacific Pte. Ltd.シンガポール100%
  • FUJIFILM Business Innovation Asia Pacific Pte. Ltd.シンガポール100%
  • FUJIFILM Business Innovation Australia Pty Ltdオーストラリア100%
  • FUJIFILM Business Innovation Australia Pty Ltdオーストラリア100%
  • FUJIFILM Data Management Solutions Pty Ltdオーストラリア100%
  • FUJIFILM Data Management Solutions Pty Ltdオーストラリア100%
  • FUJIFILM MicroChannel Technology Pty Ltdオーストラリア100%
  • FUJIFILM MicroChannel Technology Pty Ltdオーストラリア100%
  • FUJIFILM Business Innovation New Zealand Limitedニュージーランド100%
  • FUJIFILM Business Innovation New Zealand Limitedニュージーランド100%
  • FUJIFILM Imaging Systems (Suzhou) Co.,Ltd.中国100%
  • FUJIFILM Imaging Systems (Suzhou) Co.,Ltd.中国100%
  • FUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.中国100%
  • FUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp.中国100%
  • FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd.中国100%
  • FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd.中国100%
  • FUJIFILM Business Innovation Hong Kong Limited中国100%
  • FUJIFILM Business Innovation Hong Kong Limited中国100%
  • FUJIFILM BI Business Development (Shanghai) Corp.中国100%
  • FUJIFILM BI Business Development (Shanghai) Corp.中国100%
  • FUJIFILM Electronic Materials (Hong Kong) Co., Ltd.中国100%
  • FUJIFILM Electronic Materials (Hong Kong) Co., Ltd.中国100%
  • FUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co., Ltd.台湾地区100%
  • FUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co., Ltd.台湾地区100%
  • その他208社
  • 協和キリン富士フイルム バイオロジクス㈱東京都千代田区50%
  • 協和キリン富士フイルム バイオロジクス㈱東京都千代田区50%
  • ㈱スタジオアリス大阪府大阪市20%
  • ㈱スタジオアリス大阪府大阪市20%
  • その他25社

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は3.4兆円税引前利益3,666億円前期と比べると増収増益で、売上が+5.0%、利益が+7.6%。

売上高
+5.0%
3.4兆円
税引前利益
+7.6%
3,666億円
純利益
+6.0%
2,767億円
利益率
10.9%
前期比 +0.3%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高3.6兆円3.4兆円
営業利益3,650億円
純利益2,800億円2,767億円
1株あたり配当¥75¥75

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は8,265億円、営業利益は512億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+25.1%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q0.76657
2024年1Q0.66544
2024年2Q0.73592
2024年3Q0.77602
2024年4Q0.81697
2025年2Q1.511,103
2025年4Q1.681,507
2026年2Q1.571,202
2026年4Q1.781,565
2027年1Q0.835126.2374

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は2.2兆円から3.4兆円へ1.5倍に増えた。税引前利益率は5.1%から10.9%になった。売上は5期、純利益は6期の連続増加。

決算期売上高兆円税引前利益億円税引前利益率%純利益億円
2013年3月2.201,1295.1508
2014年3月2.421,4476.0716
Cellular Dynamics International, Inc.を買収。(現 FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.)
2015年3月2.461,8907.71,109
2016年3月2.461,8227.41,164
和光純薬工業㈱の株式を公開買付けにより取得し、連結子会社化。(現 富士フイルム和光純薬㈱)
2017年3月2.321,9488.41,315
Irvine Scientific Sales Company, Inc.を買収。(現 FUJIFILM Biosciences Inc.)
2018年3月2.431,9788.11,407
Biogen (Denmark) Manufacturing ApSを買収。(現 FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS)
2019年3月2.432,1288.81,381
2020年3月2.321,7317.51,250
㈱日立製作所の画像診断関連事業を買収し、連結子会社化。(現 富士フイルム㈱へ統合)
2021年3月2.192,35910.81,812
Atara Biotherapeutics, Inc.の細胞治療薬製造拠点を買収。(現 FUJIFILM Diosynth Biotechnologies California, Inc.)
2022年3月2.532,60410.32,112
CMC Materials KMG Corporationを買収。(現 FUJIFILM Electronic Materials U.S.A., Inc.へ統合)
2023年3月2.862,8229.92,194
2024年3月2.963,17310.72,435
コニカミノルタ㈱との合弁により、グローバルプロキュアメントパートナーズ㈱を設立。
2025年3月3.203,40610.72,610
トルコのITサービス企業ETG Global Information Technology Services Inc.を買収。(現 FUJIFILM ETG Global Bilisim Hizmetleri A.S. 他)
2026年3月3.363,66610.92,767

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。この会社の連結損益計算書には営業利益の段がないため、税引前利益を利益として並べています。

利益の構造

2026年3月期

売上高3.4兆円のうち、税引前利益として残るのは3,666億円10.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2,767億円、売上の8.2%にあたる。税引前利益率は業種中央値7.3%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金99.3%3.3兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金0.7%235億円
  • 税引前利益費用を引いたあとに残った本業の利益10.9%3,666億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
0.7%
売上から原価を引いて残る割合
税引前利益率業種比+3.6pt
10.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+2.9pt
8.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+0.8pt
7.7%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが4,106億円、投資CFが−5,546億円で、差し引きのフリーCFは−1,440億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は1,706億円で、売上の0.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月2,021−1,4361,2835854,454
2014年3月2,966−1,295−2511,6716,046
2015年3月2,678−1,246−4561,4327,269
2016年3月2,235−1,573−1,7176626,009
2017年3月2,886−1,1641,1131,7228,760
2018年3月2,612−1,118−2,5901,4947,682
2019年3月2,493−2,086−1,5354076,547
2020年3月2,557−2,448−2,5091093,961
2021年3月4,209−2,794−1,6311,4153,948
2022年3月3,239−1,535−1,0521,7044,863
2023年3月2,105−3,232−1,237−1,1272,686
2024年3月4,079−5,274−5−1,1951,797
2025年3月4,282−5,4201,089−1,1381,721
2026年3月4,106−5,5461,202−1,4401,706

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は6.1兆円。このうち返さなくてよい自己資本が3.8兆円で、自己資本比率は63.4%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月3.041.851.1961.0
2014年3月3.191.991.2062.4
2015年3月3.502.201.3162.7
2016年3月3.312.011.3060.8
2017年3月3.532.041.4957.8
2018年3月3.492.081.4159.5
2019年3月3.412.041.3859.7
2020年3月3.321.951.3758.8
2021年3月3.552.201.3462.1
2022年3月3.962.501.4563.3
2023年3月4.132.761.3766.8
2024年3月4.783.171.6166.3
2025年3月5.253.350.9263.8
2026年3月6.053.841.1363.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
6億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
9,643億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1.1兆円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

化学 203社との比較

同じ化学の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率203社中57位あたり、逆に低いのは配当利回り203社中129位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
7.7%/中央値 6.9%
P25 4.5%P75 9.9%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 7.3%
P25 4.3%P75 10.7%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
63.4%/中央値 63.4%
P25 50.5%P75 73.9%
売上成長率前期からの売上の伸び
5.0%/中央値 2.2%
P25 -1.8%P75 5.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.2%/中央値 2.7%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,346で、1年前と比べて-4.3%過去52週の値幅のなかでは47%の位置にある。

¥3,346-3.2%1ヶ月-10.6%1年-4.3%時価総額4.2兆円
過去52週の値幅
安値¥2,855高値¥3,908

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)14.6倍
PER (会社予想)14.3倍
PBR1.03倍
配当利回り2.24%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に3217円と、25日移動平均線(3534.44円)を約9%下回る。52週高値3908円からは約18%下落。直近1ヵ月で12.06%の大幅下落となり、8月7日には3236円と急落。RSIは29.18と売られ過ぎ圏。出来高は8月7日に2341万株と急増し、その後も高水準。下落トレンドが鮮明で、下値では押し目買いも入るが、回復は未だ。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 68/100)

PERは14.04倍で業界平均17.76倍を下回り、PBRは0.9875倍と平均1.41倍を大きく下回る。ROEは7.7%とやや低いが、配当利回りは2.33%と平均2.66%に近い。配当性向が597.3%と極端に高く、持続可能性に懸念があるが、PBRが1倍を下回り割安感が強い。売上高は増加傾向で、収益は安定。

指標この会社業種平均
PER (実績)14.6倍17.8倍
PER (予想)14.3倍
PBR1.03倍1.41倍
ROE7.7%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、ヘルスケア事業の成長性と、高性能材料の需要変動に対する収益の安定性である。強気派は、高齢化社会での医療需要拡大や、半導体材料の需要増が業績を牽引するとみる。一方、弱気派は、競争激化や研究開発費増加による収益圧迫、既存のイメージング事業の縮小を懸念する。また、中国市場の減速や為替変動も注目点。

プラスに働く材料7
  • ヘルスケア事業の成長

    医療機器や医薬品で新製品投入が続く

  • 電子材料の需要増

    半導体市場の成長でCMPスラリーなどの需要が拡大

  • 高付加価値化

    技術力を活かした差別化で収益性向上

  • 純利益2767億円、3期連続で過去最高決算発表後影響

    純利益は2435億円→2610億円→2767億円と3期連続増益。最終増益で最高益を更新。

  • 売上高3兆3570億円で過去最高決算発表後影響

    売上高は2026年3月期に3兆3570億円。前期比約5%増と増収基調が続く。

  • 予想PER13.8倍と実績14.1倍から改善決算発表後影響

    実績PER14.1倍に対しフォワードPER13.8倍。来期も増益期待が持てる。

  • 配当利回り2.32%で株主還元継続影響

    配当利回り2.32%は安定しており、利回り目的の投資家を引き付けやすい。

マイナスに働く材料7
  • 研究開発費の増加

    成長分野への投資が利益率を圧迫

  • 競争の激化

    ヘルスケアや材料で海外企業との競争が厳しい

  • イメージング事業の縮小

    カメラ市場の縮小が続く

  • ROE7.7%と資本効率が低位継続影響

    自己資本利益率7.7%と1桁台。PBR0.99倍と解散価値近辺で低迷する要因。

  • 株価は1年で6.45%下落不定影響

    前年比-6.45%と軟調な値動き。モメンタム面での重荷となる。

  • 純利益の増益率は6.0%と低成長決算発表後影響

    2026年3月期純利益2767億円の増益率は約6.0%。高成長とは言えない。

  • 外国人持ち株比率45.06%と高く売り圧力継続影響

    外国人株主比率45.06%と高く、グローバルなリスクオフ時に売られやすい。

次の決算で確かめる点
ヘルスケア売上高
成長の柱となる事業の拡大ペースを確認
研究開発費比率
将来の競争力を左右する投資度合い
海外売上高比率
グローバル展開の成果を見る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり75で、前期から+7.7%いまの株価に対する利回りは2.24%。増配か配当維持が9年続いている。

年間配当
¥75
1株あたり
配当利回り
2.24%
いまの株価に対して
配当性向
597.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
9年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月2391.3
2018年3月257.252.5
2019年3月276.751.8
2020年3月3218.715.2
2021年3月335.2152.4
2022年3月3710.0134.8
2023年3月4318.2392.6
2024年3月5015.4936.3
2025年3月6530.01504.6
2026年3月707.7597.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥75

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ200,873人。区分でいちばん多いのは外国法人45.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が36.1%を占め、残る63.9%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人28.328.235.743.043.445.0
金融機関31.132.438.835.435.434.0
個人・その他33.332.717.215.215.916.8
自己株式22.322.13.33.23.13.0
事業法人5.04.85.43.93.32.2
証券会社2.32.02.92.52.02.0
外国人個人0.00.00.00.00.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)17.75
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)6.10
03STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)3.31
04日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)2.73
05JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.41
06THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.30
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.20
08MOXLEY & CO LLC (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.14
09THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.06
10GOVERNMENT OF NORWAY (常任代理人 シティバンク)1.03

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-07-21
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    1.95%
    -0.02pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+118%、1株純資産は14期で−17%。直近期のROEは7.7%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1063,8412.917.4168.7
2014年3月1484,1313.718.795.3
2015年3月2304,5535.318.687.9
2016年3月2504,4725.517.857.9
2017年3月2964,6686.514.791.3
2018年3月3234,8336.813.252.5
2019年3月3274,9776.715.451.8
2020年3月1021,6296.317.815.2
2021年3月1511,8388.714.5152.4
2022年3月1762,0819.014.2134.8
2023年3月1822,2968.312.2392.6
2024年3月2022,6328.216.7936.3
2025年3月2172,7808.013.11504.6
2026年3月2303,1867.712.9597.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2026/3期の役員報酬は総額808百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢
助野健児取締役会長 取締役会議長71
後藤禎一代表取締役 社長67
樋口昌之取締役63
濱直樹取締役64
吉澤ちさと取締役62
伊藤洋士取締役62
北村邦太郎取締役74
江田麻季子取締役61
永野毅取締役73
菅原郁郎取締役69
鈴木貴子取締役64
川﨑素子常勤監査役65
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢
石垣績常勤監査役59
三橋優隆監査役68
射手矢好雄監査役70

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)1131760855
社外取締役57610120
監査役4717118
社外監査役2282814

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容2,081字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、米国会計基準によって連結財務諸表を作成しており、「関係会社」については米国会計基準の定義に基づいて開示しております。「第2 事業の状況」、「第3 設備の状況」においても同様であります。 当社は、創立90周年を機に、グループパーパス「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」を制定しました。創業以来、先進的かつ独自の技術に基づいた商品やサービスの提供を通じて、人々の「笑顔」に寄り添ってきました。これから迎える100周年、さらにその先においても、当社は全事業を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、世界中の人々に幸せな笑顔が何度も訪れるよう、従業員一人ひとりが「アスピレーション(志)」を持って挑み続けていきます。 各事業区分の主要製品並びに主要会社は次のとおりであります。また、この事業区分はセグメント情報における区分内容と同一であります。 なお、当社は特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 事業区分及び主要製品   主要会社 ヘルスケア メディカルシステム機材、バイオ医薬品製造開発受託、細胞・培地・試薬等の創薬支援材料、医薬品、化粧品・サプリメント等   富士フイルム㈱、富士フイルム富山化学㈱ 富士フイルムヘルスケアマニュファクチャリング㈱ 富士フイルムメディカル㈱、富士フイルム和光純薬㈱ FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A.,Inc. FUJIFILM SonoSite, Inc. FUJIFILM Biosciences Inc. FUJIFILM Healthcare Americas Corporation FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd. FUJIFILM Asia Pacific Pte.Ltd. エレクトロニクス 半導体材料、ディスプレイ材料、産業機材、ファインケミカル等   富士フイルム㈱、富士フイルム和光純薬㈱ 富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ㈱ FUJIFILM Electronic Materials U.S.A.,Inc. FUJIFILM North America Corporation FUJIFILM Electronic Materials (Europe) NV FUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co., Ltd. FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd. ビジネスイノベーション ソリューション・サービス、デジタル複合機、グラフィックコミュニケーションシステム機材、インクジェット機材等   富士フイルムビジネスイノベーション㈱ 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン㈱ 富士フイルムシステムサービス㈱ 富士フイルムマニュファクチャリング㈱ 富士フイルムグラフィックソリューションズ㈱ 富士フイルムサービスクリエイティブ㈱ FUJIFILM Business Innovation Asia Pacific Pte.Ltd. FUJIFILM Dimatix, Inc. FUJIFILM North America Corporation FUJIFILM Business Innovation Australia Pty Ltd FUJIFILM Business Innovation (China) Corp. FUJIFILM Business Innovation Hong Kong Limited FUJIFILM Manufacturing Shenzhen Corp. FUJIFILM Manufacturing Hai Phong Co., Ltd. イメージング インスタントフォトシステム、カラーフィルム、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、デジタルカメラ、光学デバイス等   富士フイルム㈱ 富士フイルムイメージングシステムズ㈱ FUJIFILM North America Corporation FUJIFILM Germany GmbH FUJIFILM Asia Pacific Pte.Ltd. FUJIFILM Manufacturing Europe B.V. FUJIFILM Imaging Systems (Suzhou) Co.,Ltd. FUJIFILM (China) Investment Co.,Ltd. 2026年3月31日現在の子会社数は258社、関連会社数は27社であります。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりになります。
経営方針・対処すべき課題6,835字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)経営方針、経営環境 当社は、創立90周年を機に、グループパーパス「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」を制定しました。創業以来、先進的かつ独自の技術に基づいた商品やサービスの提供を通じて、人々の「笑顔」に寄り添ってきました。これから迎える100周年、さらにその先においても、当社は全事業を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、世界中の人々に幸せな笑顔が何度も訪れるよう、従業員一人ひとりが「アスピレーション(志)」を持って挑み続けていきます。このグループパーパスを実現するためには、①事業の持続的成長につながる新製品開発や設備投資、②環境・人権・サプライチェーンマネジメント等のESG課題への取組み、③人材育成や労働環境の向上、賃金引き上げ等、従業員の働きがいや能力発揮につながる取組み、④株主への還元を確実に実行し、多様なステークホルダーに価値を提供することが成功の鍵となります。当社グループは、これらの活動の原資となる利益を生み出すために、競争優位性を長期にわたって維持できる力強いビジネスにフォーカスすることで「稼げる力」を向上させ、経済的価値と社会的価値の両方を追求しながら、「稼げる会社」に進化させていきます。そして、獲得した利益を上記①②③④に再投資することにより、永続的な好循環を実現させます。 当社は、2017年8月に長期CSR計画「Sustainable Value Plan 2030」(以下、「SVP2030」と記載します。)を策定しました。2024年4月に発表した中期経営計画「VISION2030」(以下、「VISION2030」と記載します。)は「SVP2030」の具体的なアクションプランとして位置付けています。「VISION2030」では、収益性と資本効率を重視した経営により当社グループの価値を向上させ、世界TOP Tierの事業の集合体として、世界をひとつずつ変え、様々なステークホルダーの価値(笑顔)を生み出すことを「2030年度のあるべき姿」としました。「VISION2030」の2年目にあたる2025年度においては「売上高」は4期連続、「営業利益」は5期連続、「当社株主帰属当期純利益」は6期連続で過去最高を更新しました。「事業ポートフォリオマネジメント」と「キャッシュフローマネジメント」の強化により確保した原資を、バイオCDMO事業や半導体材料事業を中心とした成長分野の設備投資に充てる等、「VISION2030」達成に向けて順調に歩みを進めています。 2026年度の世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢に加え、足元でのイラン情勢の混乱長期化懸念等の地政学的要因や、エネルギー市場の変動、人工知能(AI)の急速な発展に伴う社会構造の変化、各国の保護主義的な貿易政策やレアアース等の希少資源をめぐる資源安全保障の強化等、不確実性が高い状況が続いています。国内では賃金上昇と金利のある環境が徐々に定着する一方、長く続く円安が材料費の高騰を招き、あらゆる製品の価格見直しが迫られています。このような状況下において当社グループは、リスクを見据え、各種の変化にいち早く対応する柔軟性・機敏性と多様な事業ポートフォリオを武器に、全事業の収益力向上に努め、安定的なキャッシュ創出を進めるとともに、ヘルスケア部門・エレクトロニクス部門の成長加速や、持続的な成長を可能とする強靭な事業基盤を構築して、「稼げる会社」へと進化させていきます。 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。 (単位:億円) 2025年度   2026年度 (次期の見通し)   対前年度         2026年度 (中期経営計画) 売上高   33,570   34,700   1,130       34,500 営業利益   3,502   3,650   148       3,600 当社株主帰属当期純利益   2,767   2,800   33       2,700 ROE   7.7%   7.8%   0.1ポイント増       8.1% ROIC   5.5%   5.6%   0.1ポイント増       5.8% (2)対処すべき課題 「ヘルスケア部門の成長戦略」 ヘルスケア部門では、高齢化社会におけるQOL(Quality Of Life)向上や新興国における医療環境の整備といった医療分野の社会課題に対し、当社独自のAI技術やバイオ技術等、最先端の技術を駆使した製品やサービスを提供し続けます。これにより、2026年度は、ヘルスケア部門として、2024年度、2025年度に引き続き売上高1兆円を上回る、さらなる増収を目指します。 メディカルシステム事業では、AI・画像技術を価値創出のエンジンとして、医療機器・ITサービスに実装し、当社にしかできない新たな臨床価値(術前・術中支援ソリューション等)を創出するとともに、サービス・消耗品等のリカーリングビジネスの拡大を確実に進めていきます。また、新興国向けに展開している健診センター「NURA」は、AIを活用した診断支援や、当社独自のAIを搭載し、画像からのノイズ除去により高画質化を実現したCT等の最先端機器により、国や地域を問わず、均質で高水準な健診サービスを提供することに成功しており、これまでに5ヵ国へ展開をしています。引き続き「NURA」を通し、健診事業としての価値提供に留まらず、その運営を通じて得られる現場の課題や潜在ニーズをAI技術の高度化や新製品開発に反映させることで、メディカルシステム事業の競争優位性を高めていきます。 バイオCDMO事業では、抗体医薬品の旺盛な需要に応えるべく、2024年度のデンマーク拠点における能力増強に引き続き、2025年度は米国ノースカロライナ拠点にて新規の大型製造工場を開設し、第一次投資設備である20,000リットル動物細胞培養タンク8基の稼働を開始しました。米国ノースカロライナ拠点においては、Johnson & JohnsonグループのJanssen Supply Group, LLC及びRegeneron Pharmaceuticals, Inc.との長期製造契約を締結している等、受託が順調に進展しています。米国で高 まる製造需要を背景に、同拠点への第二次投資の稼働時期前倒しを進めており、2026年度は引き続き先行投資の時期となりますが、今後の大型製造設備を中心とした事業を加速させていきます。 LSソリューション事業のうち、ライフサイエンス事業では、創薬支援分野において、基礎研究から製造・安全性・品質試験までの広範囲にわたり、顧客ニーズに対応した培地・試薬・細胞等の多種多様な製品とサービスを大手製薬会社やバイオテック企業向けに提供していきます。医薬品事業では、ペニシリン等の抗菌剤の製造販売を進めていきます。また、2025年には、既存の富山拠点を活用し、国内最大級のバイオ医薬品CDMO工場を竣工し、2027年度からの稼働を予定しています。新工場では、平時は顧客ニーズに応じた抗体医薬品や抗体薬物複合体(ADC)等のバイオ医薬品を製造し、パンデミック時はmRNAワクチン・遺伝子組換えタンパクワクチンの製造が可能なデュアルユース体制を構築します。CRO事業では、当社独自のペプチド探索技術をコアコンピテンシーとし、AIやiPS細胞を用いた評価技術等を駆使した特徴的なサービスを国内外へ展開し、主に基礎研究から非臨床試験までの創薬初期段階の顧客に広めていきます。コンシューマーヘルスケア事業では、主力ブランドのASTALIFT(化粧品)、メタバリア(サプリメント)の通販強化に加え、男性向け化粧品「ASTALIFT MEN」や、機能性表示食品の「ヒザテクト」の拡販を進めます。 「エレクトロニクス部門の成長戦略」 エレクトロニクス部門では、「エレクトロニクス戦略本部」の下、同領域の顧客アプリケーション軸での製品ポートフォリオの構築・戦略マネジメントを通じて既存事業の拡大と新規事業の開発を進めていきます。 半導体市場は、AI半導体を中心に需要が引き続き拡大しており、半導体のパフォーマンス向上のため、微細化に加えて、後工程での高集積化が加速するとみています。当社半導体材料事業では、半導体の殆どの製造プロセスに材料を供給している強みを生かし、単一材料では解決できない複雑な顧客課題を解決する「ワンストップソリューション」を提供することで事業成長を加速させます。また、地産・地消・“地援*1”を重視し、日・米・欧・アジアの拠点への積極的な投資が顧客の成長を支えるとともに、紛争によるサプライチェーンの混乱等、地政学リスクの軽減にも寄与しています。さらに、半導体市場の成長が期待されるインドでは、製造拠点用の土地を取得する等、現地進出の準備を着実に進めており、新市場の開拓にも積極的に取り組んでいます。当社の重点製品であるフォトレジストについては、2026年2月に開催された半導体関連技術の国際カンファレンス「SPIE Advanced Lithography + Patterning 2026」にて次世代EUV技術を中心とした先端レジストの最新技術を発表し、さらに2026年4月にはネガ型液浸ArF領域で世界初となるフッ素フリーのレジスト開発を発表しました。これらEUVやArF等の新技術に対し、顧客から高い評価を頂き、引き合いも着実に増えています。また、後工程材料においては、インターポーザーの大型化やビルドアップ基板の微細化ニーズの高まりに伴い、フィルム型ポリイミドの需要増加が見込まれています。加えて、ハイブリッドボンディングといった先端パッケージング工程において高い精度で平坦化するCMPスラリーも用途検討が進んでいます。これらについて、先端パッケージング分野の複数の顧客からも大きな期待が寄せられており、本格的なサンプル評価が開始され、採用に向けた取組みを順調に拡大しています。 AF材料事業では、ディスプレイ向けTAC製品の強いマーケットポジションの維持、OLED向け材料のシェア向上を推進するとともに、ストレージ需要拡大に伴い世界中で新規開設が著しいデータセンターで使用されるデータテープや、半導体・ディスプレイ等エレクトロニクスデバイス製造工程に使用される圧力測定フィルム「プレスケール」、市場拡大する半導体材料向けのポリマー・光酸発生剤等、当社が持つ技術を駆使して、エレクトロニクス分野向けに差別化した製品の供給を拡大します。 *1「地援」とは、顧客の課題に現地で対応できるサポート体制を指します。 「ビジネスイノベーション部門の成長戦略」 ビジネスイノベーション部門では、2025年度にデバイス及びソリューションへのAI実装を本格化させ、オフィスから商業印刷(アナログ・デジタル)・産業印刷まで全領域をカバーする業界唯一の「ソリューションパートナー」として価値創出を進めています。また、事業環境の変化を踏まえ、構造改革を集中的に進めるとともに、成長領域への経営資源シフトを加速し、持続的成長に向けた基盤を確立します。 ビジネスソリューション事業では、基幹・IT・業務の各領域において、セキュリティ及びAIを成長ドライバーとし、顧客のステージに応じたソリューションを展開することで、提供価値の高度化とリカーリングビジネスの拡大を推進していきます。基幹ソリューション領域では、「Microsoft Dynamics 365」を主力としたERPの提供体制強化を目的に、2026年3月にETG Global Information Technology Services Inc.を買収(同月より社名をFUJIFILM ETG Global Inc.に変更)し、今後のグローバル展開加速に向け、欧州・北米へとビジネス拡大を進めていきます。ITソリューション領域では、ITリソースが不足する中堅・中小企業向けに、ITインフラ環境の運用・管理を支援する「IT Expert Services」を展開しています。業務ソリューション領域では、顧客企業のインフラのクラウド化、顧客企業の業務プロセス変革・DXを支援するクラウドサービス「FUJIFILM IWpro(アイダブリュプロ)」を提供しています。2025年1月に「FUJIFILM IWpro Intelligent Assistant」オプションを搭載して以来、AI機能の強化を続けており、2026年3月には「AIチャット機能」を搭載する等、新たな価値提供を進めています。 オフィスソリューション事業では、プリントボリュームが漸減する中で、当社がトップレベルのシェアを有するA3カラー領域に注力し、環境対応と生産基盤の強化を図ります。販売では、効率的な販売体制への転換による収益性の維持・向上、及び欧州各国や北米の有力代理店による当社複合機の新規取り扱いや新規OEM等、新たな市場での販売拡大を目指します。また、AI活用によるサービス高度化の取組みとして、全国のセブン‐イレブンに設置されているマルチコピー機の利便性向上を目的に、マイクロソフトが提供する生成AIアシスタント「Microsoft Copilot」を活用した新たなプリント支援機能の開発に着手しており、2026年度中の提供開始を目指しています。当社のマルチコピー機においては、今後もAIをはじめとするデジタル技術の活用を通じて、提供サービスの拡充に向けた取組みを進めていきます。 グラフィックコミュニケーション事業では、商業印刷・パッケージ印刷市場におけるトレンドシフトに対応しています。大ロットのアナログ印刷やモノクロ印刷が減少する一方で多品種・小ロット印刷やカラー印刷の需要が増加する中、当社は刷版、デジタル印刷機、産業用ヘッドにおいてトップレベルのシェアを持つ強固な顧客基盤を中心に販売を拡大し、デジタルシフトをさらに加速させます。2025年12月には、ハイエンドプロ市場向けフラッグシップモデルとして、独自のAI技術によりお客様の印刷業務を自動化・効率化するプロダクションプリンター「Revoria Press PC2120」を国内にて先行発売しました。インクジェットインク・ヘッドについては、生産体制の再編で収益性改善を図るとともに、高生産性・高品質を誇るヘッドや安定性の高い水系顔料分散技術等の特長のある製品・技術により、成長が期待される商業印刷及びパッケージ印刷のデジタル市場や、インクジェット技術の向上により市場拡大が見込まれる新領域での事業拡大を進めていきます。 「イメージング部門の成長戦略」 コンシューマーイメージング事業では、音と静止画の組み合わせを進化させたハイブリッドインスタントカメラ「instax mini LiPlay+」(2025年11月発売)や、静止画に加えて動画の撮影を可能とし、1930~2020年代の映像を再現する「ジダイヤル」を搭載した“動画を手渡せる”インスタントカメラ「instax mini Evo Cinema」(2026年1月発売)等をはじめとした魅力的な新製品を持続的に市場投入し、ユーザー層の拡大を図ります。また、業務用途フォトプリンターの展開拡大や異業種パートナーとのアライアンスによる若い世代との新たなタッチポイント創出等を通じて、新規プリント需要の掘り起こしを進めていきます。 プロフェッショナルイメージング事業では、デジタルに最適化された色再現が特徴のデジタルカメラ「Xシリーズ」「GFXシリーズ」のマルチブランド戦略を強化することで、スマートフォンでは満足できない潜在ニーズを掘り起こし、当社ファンの拡大を図ります。また、2025年10月に発売した当社初の映像制作用カメラ「FUJIFILM GFX ETERNA 55」にて映像制作市場へ本格参入し、豊かな階調表現と立体感のある映像表現が国内外において好評を得ております。また、プロジェクター・遠望監視カメラの新規用途・エリア展開、最先端の光学技術・画像処理技術・AIを駆使したインフラ点検DXといった新規ソリューション分野の立ち上げも加速させていきます。
事業等のリスク8,020字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループは、グループ全体のリスクマネジメントの基本方針及びリスクマネジメント体制を定めた「リスクマネジメント規程」に基づき、事業を取り巻く様々なリスクに対し、未然防止のための課題抽出とクライシス事案発生時の適切な対応を実施しており、特に重要項目については当社の社長を委員長とするESG委員会を設置し、審議及び対応方針を決定しております。 ESG委員会の活動は定期的に取締役会に報告され、取締役会により、グループ全体のリスクマネジメント活動の有効性を担保しております。また、監査役会にて内部統制の仕組みが適切に機能しているかを監査しております。 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)経済情勢・為替変動による業績への影響に係るリスク 当社グループは、世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約65%です。当社の連結財務諸表は世界中の各子会社の現地通貨ベースの業績を円換算して作成していることから、世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼすリスクがあります。 為替レートの変動が連結営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間約10億円、ユーロに対して円が1円変動した場合は年間約8億円と試算しております。 当社グループでは、為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行う等で対策を行っておりますが、為替の変動の程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、設備投資に関わる建築資材や人件費及びエネルギー関連の費用、関税引き上げ等の経済情勢によって左右される費用の変動も、程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)ヘルスケア領域における環境変化・競合に係るリスク ヘルスケア領域においては、がんや希少疾患、新たな感染症等に対する治療・予防手段として、バイオ医薬品の需要が拡大しており、生産プロセスの開発や製造を受託するCDMO事業の市場規模は年率13%(当社推定)で成長していく一方で、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更や医療機器における法規制の強化、創薬難易度が高まる中での製薬企業における新薬開発の延期・中止や経営環境の変化、技術革新によるバイオ医薬品のプロセス開発・製造受託市場の競争激化等を主なリスクと考えております。その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、製造設備の稼働率が想定を下回ることによる利益率の低下や減損損失の計上等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、高度な画像処理技術・AI技術、化合物合成・設計力やナノテクノロジー、一定条件製造技術や品質管理技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発と、これをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)エレクトロニクス領域における環境変化・競合に係るリスク エレクトロニクス領域においては、生成AI・ITインフラの発展やEV・自動運転の普及等により半導体産業が長期的に成長し、また車載用途等TV・モニター以外での液晶や有機EL向けディスプレイ材料の需要が拡大している一方で、資源価格高騰に伴う原材料費の高騰や、新技術の開発・実用化による代替素材との競争激化に加え、経済安全保障意識の高まりや経済ブロック化による原材料調達リスク及びサプライチェーンの混乱等を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、機能性分子技術や高度な製膜・塗布技術等の先進・独自の技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)ビジネスイノベーション領域における環境変化・競合に係るリスク ビジネスイノベーション領域においては、サイバー攻撃の脅威やリモートワークの普及等を背景にした、セキュリティ・ネットワーク等を強化したオフィス・ITインフラ環境の構築・運用支援ニーズが拡大し、オフィス業務のDX・生産性向上を実現するAIやクラウドを活用した業務ソリューション・サービス市場も拡大している一方で、ペーパーレス化の流れやリモートワークの普及によるオフィスでのプリントボリュームの長期的な減少傾向を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、日本及びアジア・オセアニア地域における強固な直販体制を強みに構築した優良な顧客基盤、お客様の複雑化・多様化する経営課題の解決を支援できる強力な営業力、課題解決のためのソリューション・サービスのラインアップと、それを支えるドキュメント関連の独自技術、大手市場からSMB(Small to Medium Size Business)市場までの幅広いお客様との強固な信頼関係という競争優位性を活かしてまいりますが、こうした市場動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)イメージング領域における環境変化・競合に係るリスク イメージング領域においては、インスタントフォトシステムを始めとするプリントビジネスやデジタルカメラの需要拡大、映像の4K/8K化によるレンズ需要の増加や、需要が増加しているインフラ点検分野に貢献する新規ビジネス伸長等により事業機会が拡大している一方で、ハイエンドミラーレスデジタルカメラ市場の競争環境の激化、環境関連の法規制強化、地政学的リスク等によるサプライチェーンの混乱等をリスクとして考えております。 当社グループでは、入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組立技術等を保有しているという競争優位性を活かして、ユーザーのニーズをとらえたイノベーティブな新たな製品・サービス等を提供してまいりますが、その成否によっては、製品販売単価の下落、代替製品の出現等による売上の減少、製品ライフサイクルの短縮化による研究開発コストの増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)生産活動に係るリスク 当社グループでの生産に必要な原材料・部品等について、急激な価格高騰や、自然災害又は人災、サプライヤーの不測な事態による製造中止等をリスクとして考えております。 当社グループでは、急激な原材料価格高騰時には適切な売価への反映を検討するとともに、製品開発及び量産化検討時において、代替材料の探索や可能な限り複数調達先の検討を行うことでリスク分散化の対策を行っておりますが、想定を上回る市況の変化や不測の事態が発生した場合には、収益性の低下や販売機会の消失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)製品品質・製造物責任に係るリスク 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、重大な製品事故や製品に対する安全性や環境問題において懸念が発生するリスクがあります。 当社グループでは、新製品開発にあたっては、品質の到達度だけでなく、法規制を遵守し、環境・安全に配慮した製品開発を行うとともに、製品安全情報のお客様への周知や製品安全に関する従業員への教育を徹底する等の対策を図り、万一、製品事故等が発生した場合の体制構築等を整えておりますが、実際にこうした事態が発生した場合には、その対応費用が発生するだけでなく、企業ブランドや製品ブランドが毀損され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)物流に係るリスク 当社グループの事業活動において、原油価格の高騰等を原因とする運賃の高騰は、当社グループの物流コストの増加をもたらす可能性があります。また、地震・津波・洪水等の大規模災害の発生、国際的な政治・経済の状況及び戦争や紛争の発生、長期化等により、人的・物的被害や物流機能の麻痺、インフラ機能断絶等が生じ、当社グループの生産・販売活動に支障が生じるリスクがあります。 当社グループでは、生産拠点を複数の地域に分散化する等の対策を図り、不測の事態により一部の地域で生産・販売活動が停止した場合でも影響を軽減できるような体制をとっておりますが、完全に影響をゼロにすることはできず、こうした事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)特許及びその他の知的財産権に係るリスク 当社グループは、様々な特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことのリスクがあります。 当社グループでは、他社の知的財産権の調査を行い、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは困難であります。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)企業買収・業務提携等に係るリスク 当社グループは、持続的な成長のため、これまでに複数の企業買収を実施しており、今後も実施する可能性があります。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といった様々な形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、当社グループの成長のための施策として重要なものであります。 当社グループでは、企業買収にあたって慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ企業買収を実行するとともに、重要な投資案件に対しては業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて業績改善のための対策を講じておりますが、景気動向の悪化や政情不安、法令や規則の変更、対象会社もしくはパートナーの業績不振、業務統合に想定以上の時間を要する等により、期待していた買収効果や利益を実現することができなくなる可能性があります。また、当社グループは、企業買収に伴う営業権及びその他の無形固定資産を貸借対照表に計上しておりますが、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、投資に対する回収可能性が低下した場合には減損損失を認識することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)人材の確保に係るリスク 当社グループの将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きく、それらの人材を採用・育成し、良好な関係を維持していくことが重要になります。一方、当社グループの事業領域での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきており、研究開発、製造、マーケティング及び販売、ICT、マネジメント分野等に関する高度な専門性を持った人材を確保していく必要がありますが、そのような人材には高い需要があり、必要な人材を確保できない可能性があります。 当社グループでは、人材を企業価値の源泉の一つと位置付け、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境作りに努めておりますが、そうした人材が育成できなかった場合や社外に流出してしまった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)内部統制に係るリスク 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性並びに業務の有効性と効率性を確保するため、内部統制体制を構築・整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。また、「人権の尊重」を企業が果たすべき概念と認識し、自社及びビジネス・パートナーに対して、人権への悪影響の防止、軽減に努めております。しかしながら、想定外の問題が発生して内部統制が有効に機能しなかった場合、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動等、様々な要因により内部統制システムが適切に機能しない可能性があります。 当社グループでは、富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図るとともに、当社グループ内外にコンプライアンスに関連した相談・連絡・通報を受ける窓口を設置して、違反行為の早期発見に努めております。また、内部監査体制を整え、自ら問題の早期発見を行っておりますが、このような対策が適切に機能しなかった場合、法令違反や当社グループの財務報告に関する投資家の信頼低下による当社株価の下落、当社グループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)情報システムに係るリスク 当社グループは、様々な情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やICT人材の確保、セキュリティ対策等を行っておりますが、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動や、停電、災害等の要因により、データの改ざん、破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害、事業活動に支障をきたす等の事態が起こる可能性があります。 当社グループでは、ソフトウェアや機器によるセキュリティ対策の実施や、定期的に従業員への教育及び訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めておりますが、万一、こうした事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)公的規制に係るリスク 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入、通商、公正取引、知的財産、消費者保護、租税、為替管理、環境、薬事等の法規制の適用も受けており、万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があります。 当社グループでは、国内外の法的規制に関する情報収集を行うとともに、事業活動に係る法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアル等を制定し、定期的な従業員への教育等を通じてコンプライアンス徹底を図っておりますが、今後規制が強化・大幅な変更等なされた場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)環境規制に係るリスク 当社グループは、気候変動対策、製品リサイクルを含む資源保全、有害物質の使用制限、土壌・地下水・大気汚染防止及び廃棄物処理等に関する様々な環境関連法令の適用を受けており、これらの規制により法的又は社会的責任の観点から、環境に関する費用負担や賠償責任が発生するリスクがあります。 当社グループでは、製品の企画・開発の段階から環境負荷の低減を考慮し、生産、物流、使用、リサイクル又は廃棄に至るライフサイクル全体を対象とし、CO2の排出削減、資源循環の促進、製品・化学物質の安全確保等に取り組んでおります。さらには、各事業場において環境マネジメントシステムを活用し、所在国・地域の法規制遵守、環境汚染の防止、化学物質の適正使用、生物多様性の保全を徹底しております。しかし、将来、環境に関する規制の厳格化や義務の拡大等の変化が生じた場合、あるいは社会的な環境意識の高まりに伴い当社グループが環境問題への取組みをより一層推進する場合には、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)気候変動に係るリスク 気候変動に伴う移行リスクとして、今後各国・地域における脱炭素社会に向けた政策の強化、炭素排出に関連する法令等の改定・新規制定が想定外の短期間で実施された場合に、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があります。 当社グループは、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き等、気候変動への対応に対して世界的に関心が高まるなか、いち早くその重要性を受け止め、1990年代から生産プロセスでエネルギー利用効率を高める活動を開始しました。現在も、「2030年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出を50%削減(2019年度比)、2040年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出実質ゼロ」を目標に掲げ、エネルギー利用効率の最大化及び再生可能エネルギーの導入・活用によるCO2排出削減を進めております。なお、2030年度の温室効果ガス(GHG)排出削減目標は、「Science Based Targets initiative(SBTi)」より、パリ協定の「1.5℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標として認定されています。 さらに、当社グループは、2018年12月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し同提言に則った情報開示を進めており、2019年4月には事業活動での100%再生可能なエネルギー利用を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しております。 また、当社グループでは、気候変動が顕在化した場合の物理リスクへの対応として、調達・生産拠点の分散、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を行っているものの、異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰や、工場操業停止、サプライチェーンの寸断による製品サービスの中止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (17)大規模災害・感染症等に係るリスク 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、津波、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたすリスクがあります。 当社グループでは、自然災害が発生した際にいち早く従業員の安否を確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震・火災に備えた訓練を実施しております。また、実際に災害が発生した際には早急に被災地の被害状況を把握した上で対策を講じられるように事業継続への影響を軽減できる体制を整えておりますが、事業活動の復旧までに長期の時間を要した場合や施設等の改修に多額の費用が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)11,159字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における連結売上高は、バイオCDMO、半導体材料、イメージング等を中心に売上を伸ばし、3,356,969百万円(前年度比5.0%増)となりました。営業利益は、350,210百万円(前年度比6.1%増)となりました。税金等調整前当期純利益は366,629百万円(前年度比7.6%増)、当社株主帰属当期純利益は276,735百万円(前年度比6.0%増)となりました。 事業セグメント別の業績は次のとおりであります。 (事業セグメント別の連結売上高) セグメント   前連結会計年度 (百万円)   当連結会計年度 (百万円)   増減額 (百万円)   増減率 (%) ヘルスケア   1,047,754   1,098,925   51,171   4.9 エレクトロニクス   407,607   456,157   48,550   11.9 ビジネスイノベーション   1,198,494   1,174,800   △23,694   △2.0 イメージング   541,973   627,087   85,114   15.7 連結合計   3,195,828   3,356,969   161,141   5.0 ヘルスケア部門の連結売上高は、前年度の1,047,754百万円に対し、メディカルシステム事業、バイオCDMO事業等で売上を伸ばしたことにより51,171百万円増加し、1,098,925百万円となりました。エレクトロニクス部門の連結売上高は、前年度の407,607百万円に対し、半導体材料事業、ディスプレイ材料事業等で売上を伸ばしたことにより48,550百万円増加し、456,157百万円となりました。ビジネスイノベーション部門の連結売上高は、前年度の1,198,494百万円に対し、市況低迷や低採算機種の販売絞り込み等により23,694百万円減少し、1,174,800百万円となりました。イメージング部門の連結売上高は、前年度の541,973百万円に対し、コンシューマーイメージング事業、プロフェッショナルイメージング事業で売上を伸ばしたことにより85,114百万円増加し、627,087百万円となりました。 (事業セグメント別の営業利益) セグメント   前連結会計年度 (百万円)   当連結会計年度 (百万円)   増減額 (百万円)   増減率 (%) ヘルスケア   79,882   63,637   △16,245   △20.3 エレクトロニクス   75,068   100,883   25,815   34.4 ビジネスイノベーション   74,614   63,712   △10,902   △14.6 イメージング   139,214   160,003   20,789   14.9 全社費用等   △38,623   △38,025   598   - 連結合計   330,155   350,210   20,055   6.1 ※当連結会計年度より、AF(アドバンストファンクショナル)材料事業に含まれていたケミカル試薬をエレクトロニクスセグメントからヘルスケアセグメントへ移管しております。前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。 ヘルスケア部門の営業利益は、前年度の79,882百万円に対し、為替や銀価格高騰による原材料価格影響等により16,245百万円減少し、63,637百万円となりました。エレクトロニクス部門の営業利益は、前年度の75,068百万円に対し、生成AI向け半導体材料の増収に伴う増益等により25,815百万円増加し、100,883百万円となりました。ビジネスイノベーション部門の営業利益は、前年度の74,614百万円に対し、市況低迷やアジアパシフィック地域体質強化に係る一時費用増加等により10,902百万円減少し、63,712百万円となりました。イメージング部門の営業利益は、前年度の139,214百万円に対し、インスタントフォトシステムやデジタルカメラの販売好調により20,789百万円増加し、160,003百万円となりました。 当連結会計年度末では、総資産は有形固定資産の増加等により803,868百万円増加し、6,053,776百万円(前年度末比15.3%増)となりました。負債は社債及び長期借入金の増加等により312,165百万円増加し、2,209,391百万円(前年度末比16.5%増)となりました。純資産は当社株主帰属当期純利益の計上等により491,703百万円増加し、3,844,385百万円(前年度末比14.7%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、前連結会計年度末より1,558百万円減少し、当連結会計年度末において170,553百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動により得られた資金は410,555百万円となり、受取債権、棚卸資産が増加したこと等に起因して、前連結会計年度と比較して17,607百万円減少(前年度比4.1%減)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動に使用した資金は554,604百万円となり、前連結会計年度と比較して12,651百万円増加(前年度比2.3%増)しておりますが、これは有形固定資産の購入額が増加したこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動により得られた資金は120,249百万円となり、前連結会計年度と比較して11,366百万円増加(前年度比10.4%増)しておりますが、これは長期債務による調達等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループの生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量・構造・形式等は必ずしも一様ではなく、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。 販売の実績につきましては、「① 財政状態及び経営成績の状況」の記載に含めております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 資本の財源及び資金の流動性 ⅰ)キャッシュ・フロー 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 (連結キャッシュ・フロー指標) 前連結会計年度   当連結会計年度 株主資本比率(%)   63.8   63.4 時価ベースの株主資本比率(%)   65.3   59.1 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)   1.6   2.2 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)   48.9   82.2 (注)株主資本比率   :株主資本/総資産 時価ベースの株主資本比率   :株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数*)/総資産 *自己株式を除く キャッシュ・フロー対有利子負債比率   :有利子負債(社債、短期・長期借入金)/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ   :営業キャッシュ・フロー/利払い(支払利息) ⅱ)財務政策 当社グループの資金需要には、運転資金需要及び投資を目的とした資金需要、株主還元のための資金需要が含まれます。 運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用、製造費用、販売費及び一般管理費、研究開発費等の営業費用によるものであり、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収を含む投融資等によるものであります。また、株主還元の方針は次のとおりであります。 (株主還元方針) 配当につきましては、連結業績を反映させるとともに、成長事業のさらなる拡大に向けたM&A、設備投資、研究開発投資等、将来にわたって企業価値を向上させていくために必要となる資金の水準等も考慮した上で決定します。また、その時々のキャッシュ・フローを勘案し、株価推移に応じて自己株式の取得も機動的に実施していきます。株主還元方針については、配当を重視し、配当性向30%を目安としております。 これらの資金は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入や社債による資金調達を実施しています。 なお、当連結会計年度末における短期の社債及び借入金の残高は287,913百万円、長期の社債及び借入金の残高は607,034百万円であります。 ② 経営成績 ⅰ)売上高、営業費用及び営業利益 当連結会計年度の売上高は、前年度の3,195,828百万円に対し、161,141百万円増加し、3,356,969百万円(前年度比5.0%増)となりました。国内売上高は1,168,682百万円(前年度比6.3%増)、海外売上高は2,188,287百万円(前年度比4.4%増)となりました。実績為替レートは151円/米ドル(前年度比1円高)、175円/ユーロ(前年度比11円安)となりました。 販売費及び一般管理費は、前年度の806,525百万円に対し、54,987百万円増加し、861,512百万円(前年度比6.8%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は25.7%となりました。 研究開発費は、前年度の163,399百万円に対し、5,609百万円減少し、157,790百万円(前年度比3.4%減)となりました。研究開発費の売上高に対する比率は4.7%となりました。 事業セグメント別の業績は次のとおりであります。 「ヘルスケア部門」 本部門の連結売上高は、1,098,925百万円(前年度比4.9%増)となりました。営業利益は、63,637百万円(前年度比20.3%減)となりました。 メディカルシステム事業では、日本・米国・欧州をはじめとする主要市場で販売が好調に推移した内視鏡や、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を中心としたシステム・サービス販売が日本・米国・欧州・中東等で好調に推移した医療ITの他、血液生化学検査「富士ドライケム」機器・材料の販売が好調に推移した体外診断(IVD)等で売上が伸長しました。一方で、中国における医療材料の需要減等により、事業全体では前年度並みの売上となりました。2026年3月には、検査ワークフローの効率化に貢献する軽量・小型の携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair PLUS」、及び気管支用スコープの新ラインアップとして、HDイメージCMOSセンサーを搭載した気管支用スコープ「EB-840S」「EB-840T」を発売しました。当社は、今後も独自技術を生かし、様々な医療現場のニーズに応える幅広い製品・サービスの提供を通じて、さらなる診断の効率化と医療の質の向上、人々の健康の維持・増進に貢献していきます。 バイオCDMO事業では、前年度に稼働開始したデンマーク拠点の大型製造設備による売上寄与、及び前年度に稼働調整を実施していたテキサス拠点の中小型製造設備における稼働回復等により、売上が増加しました。当年度は、米国ノースカロライナ州にて新規の大型製造工場を開設し、第一次投資設備である20,000リットル動物細胞培養タンク8基の稼働を開始したことに加え、2026年2月には、英国拠点に抗体医薬品の原薬製造棟及びプロセス開発ラボを開設しました。当社は、急速に拡大する抗体医薬品の製造委託ニーズに対応することで、事業成長を一段と加速していきます。 LS(ライフサイエンス)ソリューション事業*では、ライフサイエンス事業において、大手製薬会社の当社培地使用量増加による培地の販売伸長に加え、市況回復により試薬の販売が好調に推移したことや、医薬品事業において、COVID-19国産ワクチンの治験薬受託製造が増加したこと等により、売上が増加しました。 *ライフサイエンス事業・医薬品事業・コンシューマーヘルスケア事業・CRO事業から構成 「エレクトロニクス部門」 本部門の連結売上高は、456,157百万円(前年度比11.9%増)となりました。営業利益は、100,883百万円(前年度比34.4%増)となりました。 半導体市場は、半導体が自動車や家電製品等多くの製品に使われ、安定して成長してきた時代を経て、現在はAI半導体の需要増加により市場が大きく成長しています。当社半導体材料事業は、AI半導体需要を着実に取り込み、売上が大きく増加しました。大手ファウンドリー向け販売が好調を継続し、米国や韓国の大手半導体メーカー向け販売も回復しています。製品別では、先端レジストや、世界トップシェアのNTI現像液、同じく世界トップシェアの銅配線用CMPスラリーが、微細化と配線層の積層数増加に伴い販売が伸長し、後工程材料分野でも、AI半導体向け先端パッケージングの需要拡大に伴い、チップ間接続に使用される層間絶縁膜用の液型ポリイミドの販売が伸長しました。2026年2月には、最先端ロジック半導体の量産を目指すRapidus㈱への50億円の出資を完了しました。本出資を通じ、最先端半導体の国内量産化実現と日本の半導体産業の発展へコミットするとともに、幅広い半導体材料と技術をRapidusに提供することで、同社の最先端半導体の開発・製造を力強く支援していきます。また、Rapidusと密に連携して次世代プロセス開発に取り組む中で技術力を磨き、次世代半導体向け材料の開発を加速していきます。 AF(アドバンストファンクショナル)材料事業は、新規ディスプレイ材料の採用が進んだことに加えて、半導体用レジスト材料の販売好調等により、売上が増加しました。 「ビジネスイノベーション部門」 本部門の連結売上高は、1,174,800百万円(前年度比2.0%減)となりました。営業利益は、63,712百万円(前年度比14.6%減)となりました。 ビジネスソリューション事業では、国内におけるWindows 10サポート終了に伴う買い替え需要を梃子にしたDX関連ソリューションや自治体向けサービスの販売伸長等により、売上が増加しました。2026年3月には、トルコのETG Global Information Technology Services Inc.を買収しました。当社がこれまで培ってきた事業基盤に、同社の技術力とIT人材基盤を掛け合わせることで基幹システム販売・導入支援事業をグローバルに拡大していきます。 オフィスソリューション事業では、中国・オセアニアの市況低迷や低採算機種の販売終了等を背景としたアジア・パシフィック地域における販売減少や欧米向け輸出の減少等により、売上が減少しました。 グラフィックコミュニケーション事業では、アナログ印刷分野における刷版材料の欧米向けの販売減少や製版材料の低採算品の販売終了等により、売上が減少しました。2025年12月には、独自のAI技術によりお客様の印刷業務を自動化・効率化するプロダクションプリンター「Revoria Press PC2120」を発売、また2026年3月には、印刷生産管理業務をAIで効率化するクラウドサービス「Revoria Cloud Production」の提供を開始しました。 「イメージング部門」 本部門の連結売上高は、627,087百万円(前年度比15.7%増)となりました。営業利益は、160,003百万円(前年度比14.9%増)となりました。 コンシューマーイメージング事業では、累計販売台数1億台を突破したインスタントフォトシステム「instax」の伸長により、売上が増加しました。主力機種である「instax mini 12」や「instax mini Evo」に加え、前年度に発売した「instax WIDE 400」、「instax mini Link 3」、「instax WIDE Evo」等の異なるユーザー層に向けた多彩な製品の販売が引き続き好調に推移しています。2025年4月にはクラシックデザインのエントリーモデル「instax mini 41」を、2025年11月には音と静止画の組み合わせを進化させた「instax mini LiPlay+」を発売しました。さらに、2026年1月には静止画に加えて動画の撮影を可能とし、1930~2020年代の映像を再現する「ジダイヤル」を搭載した“動画を手渡せる”インスタントカメラ「instax mini Evo Cinema」、及びスマホプリンター「mini Link」シリーズの上位モデル「instax mini Link+」を発売し、これまでにない新しいチェキプリントの楽しみ方も提案しています。また、2025年12月には instax“チェキ”フィルムの生産設備増強を発表し、世界的な需要拡大への対応を進めています。今後も、撮影したその場でプリントを楽しめる「instax」の魅力を広げるとともに、写真の価値と楽しさを伝えていきます。 プロフェッショナルイメージング事業では、デジタルカメラの販売伸長により、売上が増加しました。前年度に発売した機種に加え、当年度に発売した「FUJIFILM GFX100RF」、「X half(製品名:FUJIFILM X-HF1)」、「FUJIFILM X-E5」、「FUJIFILM X-T30 III」等の新製品が牽引し、販売が好調に推移しています。また、当年度は当社初の動画専用機となる映像制作用カメラ「FUJIFILM GFX ETERNA 55」を発売し、当社の色再現、ラージフォーマットによる描写力、光学性能により、映像制作の現場にも新たな価値を提供していきます。今後も「GFX シリーズ」ではラージフォーマットによる圧倒的高画質を、「X シリーズ」では画質とサイズのベストバランスを実現することに加えて、「FUJIFILM GFX100RF」や「X half」、「FUJIFILM GFX ETERNA 55」のような新しいコンセプトのカメラを生み出すことで、デジタルカメラユーザーや映像業界に魅力的な製品を提供していきます。 ⅱ)営業外損益及び税金等調整前当期純利益 営業外収益及び費用は、前年度10,439百万円の営業外収益に対し5,980百万円増加し、16,419百万円の営業外収益となりました。 税金等調整前当期純利益は、前年度の340,594百万円に対し26,035百万円増加し、366,629百万円となりました。 ⅲ)法人税等 法人税等は、前年度の77,595百万円に対し13,666百万円増加し、91,261百万円となりました。 ⅳ)持分法による投資損益及び非支配持分帰属損益 持分法による投資損益は、前年度1,320百万円の損失に対し3,249百万円増加し、1,929百万円の利益となりました。 非支配持分帰属損益は、前年度の728百万円の損失に対し166百万円増加し、562百万円の損失となりました。 ⅴ)当社株主帰属当期純利益 当社株主帰属当期純利益は、前年度の260,951百万円に対し15,784百万円増加し、276,735百万円となりました。基本的1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の216.67円に対し、229.65円となりました。また、希薄化後1株当たり当社株主帰属当期純利益は、前年度の216.46円に対し、229.45円となりました。 ③ 次期の見通し (単位:億円) 2026年度 (次期の見通し)   2025年度 (実績)   増減率・増減額 売上高   34,700   33,570   3.4% 営業利益   3,650   3,502   4.2% 税金等調整前当期純利益   3,750   3,666   2.3% 当社株主帰属当期純利益   2,800   2,767   1.2% ROE(%)   7.8   7.7   0.1ポイント増 ROIC(%)   5.6   5.5   0.1ポイント増 為替レート(円/米ドル)   150円   151円   △1円 為替レート(円/ユーロ)   175円   175円   - 2026年度業績は、連結売上高は3兆4,700億円(前年度比3.4%増)、営業利益は3,650億円(前年度比4.2%増)、税金等調整前当期純利益は3,750億円(前年度比2.3%増)、当社株主帰属当期純利益は2,800億円(前年度比1.2%増)を予想しております。 通期での対米ドル円為替レートを150円、対ユーロ円為替レートを175円で想定しております。 ④ 重要な会計上の見積り 当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠して作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす見積り及び仮定を行う必要があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。 ⅰ)企業結合 企業結合は取得法で処理しております。取得法では、取得した全ての資産及び引き受けた全ての負債を、支配獲得日における公正価値に基づき認識及び測定します。公正価値の決定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。 企業結合の処理における公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化に伴い公正価値が修正され、取得した資産の将来における減損損失の計上、引き受けた負債の増加につながる可能性があります。 ⅱ)営業権の減損 営業権は償却せず、毎年1月1日時点で減損の有無を検討しております。営業権の減損テストは、当社の報告単位毎に見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値に基づいて行われており、使用される割引率は、報告単位のWACC(加重平均資本コスト)に基づいて算出しております。また、客観的事実や状況の変化により当該資産の公正価値が帳簿価額を下回る可能性がある場合には、その都度減損の有無を検討しております。 見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく公正価値の算定には、将来キャッシュ・フローの予測、割引率及び永久成長率等の、重要な見積りを伴います。 営業権の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において営業権の減損損失を認識することになる可能性があります。 なお、事業セグメント毎の営業権の残高については、連結財務諸表注記「8 営業権及びその他の無形固定資産」に記載しております。 ⅲ)長期性資産の減損 営業権及び耐用年数を確定できないその他の無形固定資産を除く、保有及び使用予定の長期性資産について、客観的事実や状況の変化により当該資産の帳簿価額の回収可能性に疑いのある場合には、減損の有無を検討しております。減損の兆候があると判断されるときは、その資産に関連する見積割引前将来キャッシュ・フローとその資産の帳簿価額を比較し、帳簿価額の減額が必要かどうかを検討しております。この結果、帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを超過すると判断される場合は、当該資産の帳簿価額を見積公正価値へ減額処理しております。公正価値を決定するにあたり、当社は市場取引価格又はその他の評価方法を使用しております。市場取引価格を利用できない場合には、主に資産の使用や最終的な処分から生じる見積将来キャッシュ・フローに基づく割引現在価値法、ロイヤルティ免除法又は超過収益法を使用しております。 これらの手法は、将来見積利益又はキャッシュ・フローの予測及び割引率等の、重要な見積りを伴います。 長期性資産の減損判定に使用した公正価値の算定に用いられた見積りは合理的であると考えていますが、見積りの根拠となる前提条件の予測不能な変化によって公正価値が減少し、将来において長期性資産の減損損失を認識することになる可能性があります。 ⅳ)退職給付引当金及び退職給付費用 当社の一部の子会社は確定給付企業年金制度を採用しており、当該制度に係る退職給付引当金及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出しております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待収益率、予想再評価率、退職率、死亡率等が含まれております。 数理計算上の仮定は、最善の見積りにより決定しておりますが、見直しが必要となった場合には、退職給付引当金及び退職給付費用が増加する可能性があります。 なお、数理計算上の仮定については連結財務諸表注記「10 退職給付制度」に記載しております。 ⅴ)信用損失引当金 金融資産の信用損失引当金は、残存期間において将来的に発生すると予測される全ての信用損失を見積っています。 信用損失引当金の計上において、当社は、信用の質を一括評価債権及び個別評価債権として管理しており、債務者の財政状態や支払の延滞状況等、過去の信用損失実績及び合理的かつ裏付け可能な予測に基づき、金融資産について一括評価及び個別評価を行っています。 なお、信用損失引当金の残高については、連結財務諸表注記「20 金融資産の信用の質及び信用損失引当金」に記載しております。 ⅵ)繰延税金資産 資産及び負債の財務会計上の金額と税務上の金額の差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その算出にあたっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。また、繰延税金資産のうち回収されない可能性が高い部分については、評価性引当金を計上しております。 回収可能性の検討にあたっては、評価時点で利用可能な情報に基づいた最善の見積りを行っておりますが、見積りの前提とした仮定や条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。 なお、繰延税金資産の残高については、連結財務諸表注記「11 法人税等」に記載しております。 ⅶ)棚卸資産 棚卸資産については、原則として移動平均法による低価法により評価しております。また、当社は定期的に陳腐化、滞留、又は過剰在庫の有無を検討し、該当する場合には正味実現可能価額まで評価減しております。 評価損の見積りにあたっては、過去の出荷実績や評価時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、市場環境が予測より悪化して正味実現可能価額が下落する場合には、追加の評価損計上が必要となる可能性があります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は USGAAP

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