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超!企業DB
日経平均64,214.48-111NYダウ53,686.11+624ドル円155.8-3NASDAQ26,584.06+366S&P 5007,747.71+81SOX 指数11,352.13+139/3終値

第一三共

DAIICHI SANKYO COMPANY, LIMITED4568 · Prime · 医薬品

がん領域の抗悪性腫瘍薬「エンハーツ」を柱とするグローバル研究開発型製薬企業。

概要

第一三共は、2005年9月に三共株式会社と第一製薬株式会社の経営統合により設立されたグローバル製薬企業である。東京証券取引所プライム市場上場、従業員数約2万人。主力事業は抗がん剤で、抗体薬物複合体(ADC)技術を中核とする。主力製品「エンハーツ」(トラスツズマブ デルクステカン)の2025年度売上は8,195億円、連結売上収益21,230億円の38.6%を占める。研究開発費は4,621億円(売上比21.8%)。海外に38の子会社を持ち、グローバルに事業展開する。

国内7社・海外38社のグループ体制

第一三共グループは、当社と連結子会社43社、関連会社1社の計45社で構成される。国内では当社が医薬品の研究開発・製造・販売を担い、第一三共ヘルスケア株式会社が一般用医薬品、第一三共バイオテック株式会社がワクチンを手掛ける。第一三共ビジネスアソシエ株式会社は人事・経理等の業務サービスを提供する。海外では米国に持株会社第一三共U.S.ホールディングスInc.を置き、同傘下の第一三共Inc.が研究開発・販売を行う。欧州では第一三共ヨーロッパGmbH及びグループ会社18社が各国で活動する。その他、中国に第一三共(中国)投資有限公司、ブラジルに第一三共ブラジルLtda.など38の海外子会社が存在する。これらの海外拠点には当社から中間体や製品が供給され、グローバルなバリューチェーンが形成されている。2025年度末の従業員数は20,171人、うち海外従業員が半数以上を占める。

エンハーツが牽引する収益構造

2025年度の連結売上収益は2兆1,230億円(前年比12.6%増)であった。主力製品エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)は8,195億円と全体の38.6%を占め、前年比25.8%の成長を示した。この増収は既上市国での市場浸透と新規国での販売開始による。次いで抗凝固薬リクシアナ(エドキサバン)が3,677億円(同6.9%増)、その他の既存品が残りを構成する。売上原価は4,413億円、販管費は8,596億円、研究開発費は4,621億円であり、コア営業利益は3,600億円(同15.1%増)となった。ただし、一過性費用の計上によりIFRS営業利益は2,291億円(同31.0%減)となった。エンハーツはアストラゼネカとのプロフィット・シェア契約に基づき共同販売されており、販管費の増加には同シェアの増加が含まれる。為替の影響は売上で218億円の増収要因となった。

ADC技術と5つの開発プログラム

第一三共は、抗体薬物複合体(ADC)技術特にDXd ADCプラットフォームに強みを持つ。DXd ADCは独自のトポイソメラーゼI阻害剤DXdを抗体にテトラペプチドリンカーで結合した構造であり、抗腫瘍活性と選択性を両立する。現在、エンハーツとダトロウェイ(ダトポタマブ デルクステカン)が上市済みで、さらにHER3-DXd、I-DXd、R-DXdの3つが臨床開発段階にある。これらの5つのADC(5DXd ADCs)に加え、DS-3939も開発中である。2025年度の研究開発費は4,621億円(売上比21.8%)に上り、その多くがADCプログラムに投じられた。同社は創薬技術プラットフォームとしてBGTs(Breakthrough Generating Technologies)を掲げ、ADC技術の深化に加え、新たなモダリティの探索も行っている。また、国内外の研究拠点拡充やAI創薬の推進により、次世代技術の確立を目指している。

第6期中期計画の数値目標

第一三共は2035年ビジョン「Trusted healthcare innovator transforming the lives of people through our science and technology」の達成に向け、第6期中期経営計画(2026〜2030年度)を策定した。2030年度目標として売上収益3兆円以上、営業利益6,000億円以上、EPS260円以上を掲げる。特にがん領域の売上2兆3,000億円以上を目指し、今後5年間で20以上の適応症上市を計画する。エンハーツとダトロウェイを中心に事業を拡大し、乳がんでのプレゼンス維持と肺がんでのリーダーシップ構築を図る。また、全社的なOperational Excellenceにより2,000億円以上のコスト最適化を実現し、その原資を成長投資と株主還元に充てる方針である。次世代のBGTsを2030年までに特定し、複数の候補を開発加速する。これらの施策を通じて、持続的な成長を実現するための基盤を構築する。

業界の中での役割は製薬メーカー(研究開発・製造・販売)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2.1兆円
営業利益
2,580億円
営業利益率
12.2%
純利益
2,797億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01医薬品事業(グローバル)主力

日本・米国・欧州・中国等を拠点に、処方箋医薬品(主に抗悪性腫瘍薬、循環器系・代謝系疾患薬等)の研究開発・製造・販売をグローバルに行う。特に抗がん剤「エンハーツ」(トラスツズマブ デルクステカン)が主力製品で、世界各国で販売中。国内では一般用医薬品・ワクチン事業も手掛ける。

主な製品・サービス4
エンハーツ(抗悪性腫瘍薬)
抗体薬物複合体(ADC)で、HER2陽性の乳がん・胃がん等に適応。第一三共が開発し、米国ではアストラゼネカと共同販売。
その他処方箋医薬品
高血圧症治療薬(オルメテック等)、抗血栓薬(リクシアナ等)、抗生剤等の既存主力品。
一般用医薬品
第一三共ヘルスケアが販売する市販薬(ロキソニンS、パブロン等)。
ワクチン
第一三共バイオテックが製造するワクチン(インフルエンザワクチン等)。

製品と技術

エンハーツとDXd ADCプラットフォーム

エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)は、第一三共の独自技術であるDXd ADCプラットフォームを用いて開発された抗体薬物複合体である。抗HER2ヒト化抗体に、トポイソメラーゼI阻害剤DXdをテトラペプチドリンカーで結合した構造を持ち、腫瘍細胞内でリンカーが切断されDXdが放出されることで細胞死を誘導する。HER2陽性の乳がん、胃がん、肺がんなど複数のがん種に適応を持ち、2025年度の売上は8,195億円に達した。米国ではアストラゼネカと共同販売されており、同社とのプロフィット・シェア契約が収益に影響する。現在も複数の第III相試験が進行中で、さらに適応拡大が期待される。また、同じプラットフォームを利用したダトロウェイ(抗TROP2 ADC)も上市され、その他3つのADC(HER3-DXd、I-DXd、R-DXd)が臨床開発段階にある。

リクシアナに代表される循環器・代謝系製品

第一三共はがん領域以外にも、循環器系・代謝系疾患を対象とした既存製品群を持つ。中核となるのは抗凝固薬リクシアナ(一般名:エドキサバン)で、非弁膜性心房細動患者の脳梗塞予防や静脈血栓塞栓症の治療に用いられる。2025年度の売上は3,677億円、前年比6.9%増と堅調に推移した。高血圧治療薬オルメテック(オルメサルタン)も長年にわたり市場で一定のシェアを維持している。その他、抗生剤や抗炎症薬などの既存品がポートフォリオを構成する。これらの製品は主に日本国内と欧州で販売され、安定した収益基盤を提供している。ただし、研究開発の重点はADCにシフトしており、これらの領域への新薬投入は限定的である。

一般用医薬品とワクチン事業

一般用医薬品は、子会社第一三共ヘルスケア株式会社が販売する。主力製品には消炎鎮痛剤のロキソニンS、総合感冒薬のパブロンシリーズなどがあり、いずれも日本国内で広く認知されているブランドである。OTC事業は安定したキャッシュフローを生み出しているが、連結売上に占める割合は他のセグメントに比べて小さい。ワクチン事業は第一三共バイオテック株式会社が製造・販売を担当し、インフルエンザワクチンを中心に取り扱う。過去には北里第一三共ワクチンやジャパンワクチンがあったが、2017年に北里第一三共ワクチンを完全子会社化し、2019年にジャパンワクチンを解散するなど再編を経て、現在の体制に至った。ワクチン事業も連結業績への貢献は限定的だが、公衆衛生上の重要性から維持されている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

医薬品のなかでの位置

がん領域グローバル大手 ADCで成長

第一三共は、がん領域、特に抗体薬物複合体(ADC)で世界最先端の製薬企業。主力のエンハーツは世界中で承認され、売上を牽引している。同業のジーエヌアイグループは国内バイオベンチャーで規模は小さいが、第一三共はグローバルに展開する。一方、同業他社はデータ提供にないが、業界内では革新的な新薬開発力で存在感を示す。近年の売上は増加傾向で、2025年3月期は経常利益率も17%超と高水準。今後の成長持続が期待される。

強み

  • エンハーツなど独自のADC技術は国際的に高く評価され、複数の提携契約を締結。オンコロジー領域で強み。
  • 複数のがん種で後期開発品を保有。売上成長の継続と新薬創出の可能性が高い。
  • 欧米を中心に販売網を持ち、世界市場で商業化を推進。海外売上比率は高水準。
  • 2025年3月期の営業利益率は17.6%と高く、収益力は業界でもトップクラス。

課題

  • 主力のエンハーツの特許は長期だが、将来的には後続薬の開発が必須。次の柱を育成する必要がある。
  • ADC領域は競合他社も追随して開発を加速。優位性を保つには持続的なイノベーションが必要。
  • 2026年3月期の営業利益率は12.15%と低下予想。研究開発費の増加や事業拡大に伴うコスト上昇が影響。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医薬品・バイオの時価総額近傍。太字が第一三共

時価総額で並べると、掲載8社のなかで3番目にあたる。

#企業時価総額PER
14502武田薬品工業9.4兆円
24578大塚ホールディングス6.6兆円15.9倍
34568第一三共5.4兆円20.3倍
42802味の素5.1兆円37.4倍
54901富士フイルムホールディングス4.1兆円14.5倍
62503キリンホールディングス2.7兆円12.1倍
74507塩野義製薬2.7兆円12.4倍
83407旭化成2.3兆円14.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(医薬品・バイオ)に従っています。

会社の歴史

沿革 25件

三共と第一製薬の統合による2005年設立

2005年2月、三共株式会社と第一製薬株式会社が経営統合に基本合意。同年5月の取締役会で共同持株会社設立を決議し、6月の株主総会で承認を経て、9月に当社が設立され東京証券取引所第一部に上場した。両社はそれぞれ100年以上の歴史を持つ製薬企業であり、三共は抗生物質や循環器系薬、第一製薬は抗がん剤や中枢神経系薬に強みを持っていた。統合により研究開発の相互補完が期待された。2007年4月には当社が両社を吸収合併し、経営統合が完了。同時に第一三共ヘルスケア株式会社を設立し、一般用医薬品事業を統括させた。この統合により、新たな企業グループとしてグローバル競争力の強化が図られた。

ランバクシー買収とその後の売却

2008年11月、第一三共はインドのジェネリック医薬品大手ランバクシー・ラボラトリーズの株式を取得し子会社化した。買収額は約3,300億円とされ、新興国市場への進出とジェネリック事業の強化を狙った。しかし、ランバクシーは米国FDAからの警告や品質問題に直面し業績が低迷。2014年11月には米国バイオ企業アンビット・バイオサイエンシズを買収し抗がん剤のパイプラインを強化したが、ランバクシーの状況は改善しなかった。2015年3月、ランバクシーはサン・ファーマシューティカル・インダストリーズに吸収合併され、第一三共グループから外れた。この買収と売却は多額の損失をもたらしたが、その後の経営戦略の転換点となり、以降はがん領域への集中を進める契機となった。

ワクチン事業の再編とADCへの集中

第一三共はワクチン事業にも取り組み、2011年に北里第一三共ワクチン株式会社を設立(2017年に完全子会社化)、2012年にジャパンワクチン株式会社を設立した。しかし、ワクチン事業は期待された成長を達成できず、2019年4月にジャパンワクチン株式会社を解散した。一方、抗体薬物複合体(ADC)の開発が大きく進展し、2019年にはエンハーツが米国で承認された。この成功を受け、ADC事業への資源集中が加速。2024年4月には医療情報子会社第一三共エスファの株式を一部譲渡し、非中核事業の整理を進めた。2025年4月には第一三共プロファーマと第一三共ケミカルファーマを吸収合併し、グループの組織をスリム化してADCに経営資源を集中する体制を整えた。

プライム市場移行とADC事業の拡大

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、第一三共はプライム市場に移行した。この頃にはエンハーツの売上が急成長しており、2023年度の売上収益は1兆2,785億円、2024年度は1兆6,017億円、2025年度は2兆1,230億円と拡大を続けた。エンハーツの適応症は乳がんから胃がん、肺がんへと拡大され、ダトロウェイの上市も加わった。2024年4月には第一三共エスファの株式一部譲渡、2025年4月には子会社2社の吸収合併を行い、組織を効率化。製造委託先への損失補償等の一過性費用を計上したものの、コア営業利益は順調に増加した。現在は第6期中期計画のもと、グローバルトップ5オンコロジー企業を目指して研究開発と体制強化を進めている。

年表25件を開く

2000年代

  • 2005年2月M&A三共株式会社及び第一製薬株式会社(以下「両社」という。)が、株式移転により完全親会社である共同持株会社を設立し、両社がその完全子会社となる経営統合に基本合意
  • 2005年5月創業両社の取締役会で当社設立を決議し、経営統合契約を締結
  • 2005年6月創業両社の定時株主総会において当社設立を承認
  • 2005年9月創業当社設立 東京証券取引所第一部に株式を上場
  • 2005年12月創業第一三共ヘルスケア株式会社を設立
  • 2006年3月M&A米国において三共ファルマInc.(存続会社)と第一ファーマ・ホールディングスInc.、第一ファーマシューティカルCorp.及び第一メディカル・リサーチInc.が合併、第一三共Inc.に商号変更
  • 2006年4月ゼファーマ株式会社の全株式をアステラス製薬株式会社より取得
  • 2006年7月商号変更欧州において三共ファルマGmbH(含グループ各社)の商号を、第一三共ヨーロッパGmbH(グループ)に変更
  • 2007年4月M&A当社が三共株式会社及び第一製薬株式会社を吸収合併
  • 2007年4月M&A第一三共ヘルスケア株式会社がゼファーマ株式会社を吸収合併
  • 2008年11月M&Aランバクシー・ラボラトリーズLtd.の株式取得により同社グループを子会社化

2010年代

  • 2010年4月創業第一三共エスファ株式会社を設立
  • 2011年4月創業北里第一三共ワクチン株式会社を設立
  • 2011年4月M&AプレキシコンInc.の株式取得により同社を子会社化
  • 2011年11月創業第一三共(中国)投資有限公司を設立
  • 2012年4月創業ジャパンワクチン株式会社を設立
  • 2014年11月M&Aアンビット・バイオサイエンシズCorp.の株式取得により同社を子会社化
  • 2015年3月M&Aランバクシー・ラボラトリーズLtd.がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.に吸収合併されたことにより、同社グループを連結の範囲から除外
  • 2017年11月M&A北里第一三共ワクチン株式会社の全株式取得により同社を完全子会社化
  • 2018年8月創業第一三共バイオテック株式会社を設立
  • 2019年1月商号変更ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.に変更
  • 2019年4月ジャパンワクチン株式会社を解散

2020年代

  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行
  • 2024年4月第一三共エスファ株式会社の株式をクオールホールディングス株式会社に一部譲渡、持分法適用関連会社化
  • 2025年4月M&A当社が第一三共プロファーマ株式会社及び第一三共ケミカルファーマ株式会社を吸収合併

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上収益2030年度まで3兆円以上
  • 営業利益2030年度まで6,000億円以上
  • 1株当たり当期利益(EPS)2030年度まで260円以上
  • がん領域売上収益2030年度まで2兆3,000億円以上
  • 調整後DOE各年度(第6期中期経営計画期間)まで10.0%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    グローバルトップ5 オンコロジー企業へ

    エンハーツ及びダトロウェイを中心にがん事業を拡大し、2030年度にがん領域売上収益2兆3,000億円以上を目指す。今後5年間で20以上の適応症上市を目指し、開発スピード向上と製品価値最大化のためのケイパビリティ向上を図る。

  2. 02

    次世代BGTsの特定と開発加速

    DXd ADCに続く新たなBreakthrough Generating Technologies(BGTs)を2030年までに特定する。ADC技術の深化に加え、複数のモダリティの研究開発を加速し、AI・データ駆動型創薬やオープンイノベーションを通じて標的獲得のエコシステムを構築する。

  3. 03

    全社オペレーショナルエクセレンス

    AI活用による生産性向上、デジタルトランスフォーメーションによる業務効率化、戦略的人材配置、調達・外注構造の最適化などにより、2,000億円以上のコスト最適化を実現し、収益性を高めて成長投資と株主還元を推進する。

  4. 04

    持続可能な社会への貢献と信頼構築

    Patient Centricityの実践、高い倫理観に基づく医療コミュニティへの貢献、バリューチェーン全体の環境負荷低減、長期的視点を持つ投資家との信頼関係構築に取り組み、社会から信頼されるパートナーを目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で20,171人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,098万円で、9期前と比べて0.0%平均年齢は45.0歳、平均勤続年数は19.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月14,670
2018年3月14,446
2019年3月1,09843.018.914,887
2020年3月1,12742.918.615,348
2021年3月1,11744.419.616,033
2022年3月1,09544.820.016,458
2023年3月1,12045.320.317,435
2024年3月1,11345.520.318,726
2025年3月1,11446.020.319,7651,679
2026年3月1,09845.019.920,1711,279

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率15.3%
縦線は目安の30%
男性育休取得率103.7%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)78.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社17(国内 10 / 海外 7、うち連結子会社 17) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
平塚工場 — 神奈川県 平塚市678億円
医薬品事業
パッフェンホーフェン工場 — ドイツ バイエルン625億円
医薬品事業
小名浜工場 — 福島県 いわき市562億円
医薬品事業
品川研究開発センター — 東京都 品川区285億円
医薬品事業
ニューオルバニー工場 — アメリカ オハイオ245億円
医薬品事業
シャーリー工場 — アメリカ ニューヨーク212億円
医薬品事業
葛西研究開発センター — 東京都 江戸川区158億円
医薬品事業
本社 — 埼玉県 北本市140億円
医薬品事業
本社 — アメリカ ニュージャージー136億円
医薬品事業
小田原工場 — 神奈川県 小田原市108億円
医薬品事業
ほか6件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    第一三共ヘルスケア株式会社
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    第一三共バイオテック株式会社
    埼玉県北本市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    第一三共ビジネスアソシエ株式会社
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    第一三共U.S.ホールディングスInc.
    アメリカ ニュージャージー · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    第一三共Inc.
    アメリカ ニュージャージー · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    アメリカン・リージェントInc.
    アメリカ ニューヨーク · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    第一三共ヨーロッパGmbH
    ドイツ ミュンヘン · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    第一三共フランスS.A.S.
    フランス リュ・エル・マルメゾン · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    第一三共ドイツGmbH
    ドイツ ミュンヘン · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    第一三共イタリアS.p.A.
    イタリア ローマ · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    第一三共スペインS.A.
    スペイン マドリッド · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    第一三共UK Ltd.
    イギリス アクスブリッジ · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社5社を開く
  • 第一三共(中国)投資有限公司中国 上海100%
  • 第一三共製薬(上海)有限公司中国 上海100%
  • 台湾第一三共股份有限公司台湾 台北100%
  • 韓国第一三共株式会社大韓民国 ソウル100%
  • 第一三共ブラジルLtda.ブラジル サンパウロ100%
国際子会社 (GLEIF登録 1社)
  • DEDaiichi Sankyo Europe GmbH

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2.1兆円営業利益2,580億円前期と比べると増収減益で、売上が+12.5%、利益が-22.3%。

売上高
+12.5%
2.1兆円
営業利益
-22.3%
2,580億円
純利益
-5.4%
2,797億円
営業利益率
12.2%
前期比 -5.4%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高2.3兆円2.1兆円
営業利益3,200億円2,580億円
純利益2,510億円2,797億円
1株あたり配当¥100¥100

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は5,747億円、営業利益は851億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+63.8%、営業利益は+93.4%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q0.33225
2024年1Q0.3544012.5570
2024年2Q0.3851113.6400
2024年3Q0.4599522.3666
2024年4Q0.43371
2025年2Q0.881,86921.21,467
2025年4Q1.001,45014.41,491
2026年2Q0.981,44214.81,308
2026年4Q1.151,1389.91,489
2027年1Q0.5785114.8686

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は9,947億円から2.1兆円へ2.1倍に増えた。直近期の営業利益率は12.2%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.99959640
アンビット・バイオサイエンシズCorp.の株式取得により同社を子会社化
2014年3月0.901,130609
ランバクシー・ラボラトリーズLtd.がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.に吸収合併されたことにより、同社グループを連結の範囲から除外
2015年3月0.927993,221
2016年3月0.991,224823
北里第一三共ワクチン株式会社の全株式取得により同社を完全子会社化
2017年3月0.96878535
第一三共バイオテック株式会社を設立
2018年3月0.96810603
ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.に変更
2019年3月0.93858934
2020年3月0.981,4121,291
2021年3月0.96741760
2022年3月1.04735670
2023年3月1.281,2691,092
2024年3月1.602,3722,007
当社が第一三共プロファーマ株式会社及び第一三共ケミカルファーマ株式会社を吸収合併
2025年3月1.893,3193,55617.62,958
2026年3月2.122,5802,92412.22,797

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高2.1兆円のうち、営業利益として残るのは2,580億円12.2%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2,797億円、売上の13.2%にあたる。営業利益率は業種中央値2.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金31.5%6,690億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金36.8%7,807億円
  • その他の費用持分法損益などの調整19.6%4,153億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益12.2%2,580億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
68.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+9.2pt
12.2%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+10.4pt
13.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+9.9pt
15.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
7.0%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
5.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが777億円、投資CFが−1,482億円で、差し引きのフリーCFは−705億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は4,498億円で、売上の2.5ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月1,293−1,088−5822051,911
2014年3月373−1,6141,003−1,2411,831
2015年3月1,428−213−1,3221,2151,894
2016年3月1,743−60−1,2291,6832,222
2017年3月1,362−968−1503942,461
2018年3月1,0841,086−1,0182,1703,577
2019年3月920−1,425−662−5052,432
2020年3月1,966817−9162,7834,242
2021年3月1,922−392−2,0241,5303,805
2022年3月1,3922,123−8623,5156,625
2023年3月1,145−2,578−896−1,4334,419
2024年3月5,993−2,826−1,2363,1676,472
2025年3月5383,342−3,7783,8806,398
2026年3月777−1,482−979−7054,498

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は4.0兆円。このうち返さなくてよい自己資本が1.7兆円で、自己資本比率は41.5%(業種中央値69.9%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月1.680.910.7853.8
2014年3月1.850.980.8752.9
2015年3月1.981.300.6865.8
2016年3月1.901.230.6764.8
2017年3月1.921.180.7461.4
2018年3月1.901.130.7659.7
2019年3月2.091.250.8459.8
2020年3月2.111.310.8062.0
2021年3月2.091.270.8161.0
2022年3月2.221.350.8760.8
2023年3月2.511.451.0657.6
2024年3月3.461.691.7748.8
2025年3月3.461.621.8347.0
2026年3月4.011.662.3441.5

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
4,498億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1.6兆円
過去の利益の積み上がり
負債合計
2.3兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
82
/ 100
安定性自己資本比率28 / 40
収益力営業利益率24 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

医薬品 79社との比較

同じ医薬品の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE79社中10位あたり、逆に低いのは自己資本比率79社中69位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
15.8%/中央値 5.9%
P25 2.0%P75 11.0%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
12.2%/中央値 2.9%
P25 -162.5%P75 11.5%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
41.5%/中央値 69.9%
P25 53.4%P75 84.5%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
12.6%/中央値 2.8%
P25 -1.3%P75 12.0%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.5%/中央値 2.9%
P25 2.3%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月3日の終値

直近の終値は¥2,854.5で、1年前と比べて-17.6%過去52週の値幅のなかでは26%の位置にある。

¥2,854.5-1.0%1ヶ月+10.4%1年-17.6%時価総額5.4兆円
過去52週の値幅
安値¥2,390高値¥4,178

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)20.3倍
PER (会社予想)20.7倍
PBR3.05倍
配当利回り3.50%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8/21終値は2833.5円と前日比‐1.2%と反落。25日移動平均線(2747円)を約3%上回り、75日線(2657円)に対しては約6.6%上に位置。直近1か月で+2.9%と堅調だが、1年では‐21.5%と長期では軟調。52週高値4178円からは32%下落した一方、52週安値2390円からは約19%回復。出来高は8/20に900万株と増加したが、直近は446万株と減少。RSIは67.4とやや過熱気味で、上昇が一服する可能性もある。新薬開発の進展が引き続き株価を左右する。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 70/100)

PERが20.17倍と業界平均の35.25倍を大幅に下回り、PBRも3.03倍と平均4.11倍を下回る。ROEは15.8%で利益率は高くないが、26年3月期の営業利益率低下は想定内。配当利回り3.53%は業界平均1.43%を大きく上回り、配当性向32.2%で増配余地も。医薬品セクターの高バリュエーションに比べ割安で、収益の安定性も評価。割安だが成長鈍化懸念も。

指標この会社業種平均
PER (実績)20.3倍35.8倍
PER (予想)20.7倍
PBR3.05倍3.53倍
ROE15.8%6.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、エンハーツの成長持続とADCパイプラインの実現性。強気派は、エンハーツの適応拡大や新興国市場の開拓で高い成長が続くとみる。また、次世代ADC候補の開発が成功すれば、中期的にさらなる成長が期待。一方、弱気派は、エンハーツの競合出現や薬価引き下げリスク、研究開発費の増加による利益率悪化、海外展開に伴う規制・為替リスクを懸念する。また、現在の株価は期待を先取りし過ぎとの見方もある。

プラスに働く材料7
  • エンハーツ成長

    乳がんなどで適応拡大が進み、世界売上は堅調に推移。

  • ADCパイプライン

    複数のADC候補が臨床試験にあり、成功すれば成長の原動力に。

  • 業績拡大

    売上高は2兆円規模に向かっており、営業利益も高水準を維持。

  • 売上高2兆1,230億円、2期連続過去最高決算発表後影響

    売上高は前期比2,367億円増の2兆1,230億円

  • ROE15.8%と高水準、PBR2.94倍を裏付け継続影響

    ROE15.8%は高収益体質を示し評価を下支え

  • 配当利回り3.63%と高い水準継続影響

    配当利回り3.63%は株主還元の厚さ

  • 前期純利益2,958億円、過去最高益通年影響

    2025/3期純利益は2,958億円と過去最高を記録

マイナスに働く材料7
  • 競合激化

    ADC分野に他社も参入し、競争が激化する可能性。

  • 薬価引き下げ圧力

    医療費抑制の流れで、主力薬の薬価が引き下げられるリスク。

  • 研究開発費の増加

    研究開発費の拡大が利益率を圧迫する懸念。

  • 今期営業利益2,580億円、前期比22.3%減決算発表後影響

    営業利益は739億円減の2,580億円、大幅減益

  • 純利益2,797億円、前期比5.4%減益決算発表後影響

    純利益は161億円減の2,797億円

  • 営業利益率12.15%、5.45pt低下通年影響

    利益率は17.60%から12.15%に低下

  • 株価1年で20.86%下落継続影響

    株価は1年間で20.86%下落、下げトレンド

次の決算で確かめる点
エンハーツ売上高
主力製品の成長動向を把握するため。
海外売上比率
グローバル展開の進捗と依存度を評価するため。
研究開発費比率
将来の成長への投資と利益率のバランスを確認するため。
営業利益率
収益性の変化を監視するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり100で、前期から+30.0%いまの株価に対する利回りは3.50%。増配か配当維持が4年続いている。

年間配当
¥100
1株あたり
配当利回り
3.50%
いまの株価に対して
配当性向
32.2%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
4年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月23448.5
2018年3月230.055.2
2019年3月230.033.8
2020年3月230.040.7
2021年3月2715.764.6
2022年3月270.0131.8
2023年3月3011.155.2
2024年3月5066.752.1
2025年3月6020.056.7
2026年3月7830.032.2

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥100

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ172,347人。区分でいちばん多いのは外国法人45.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が34.6%を占め、残る65.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人34.640.143.846.946.145.0
金融機関42.043.341.338.437.432.6
個人・その他19.712.511.311.112.015.4
証券会社1.01.41.01.32.44.9
自己株式9.91.61.51.52.03.2
事業法人2.62.72.62.42.12.0
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)16.47
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)6.78
03日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)3.75
04STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)3.16
05THE CHASE MANHATTAN BANK,N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)2.80
06STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.76
07JPモルガン証券株式会社1.76
08JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.44
09GOVERNMENT OF NORWAY (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)1.27
10株式会社静岡銀行(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)1.18

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+66%、1株純資産は14期で−29%。直近期のROEは15.8%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月911,2887.420.075.6
2014年3月871,3926.520.165.5
2015年3月4581,85228.24.215.8
2016年3月1191,8026.521.0457.1
2017年3月275914.431.5448.5
2018年3月305835.238.655.2
2019年3月486437.835.433.8
2020年3月6667210.137.340.7
2021年3月396645.982.364.6
2022年3月357055.176.7131.8
2023年3月577547.884.755.2
2024年3月10588012.845.652.1
2025年3月15687017.922.556.7
2026年3月15191515.819.732.2

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

41名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は41名。2026/3期の役員報酬は総額1,088百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約11倍にあたる。

氏名役職年齢
眞鍋淳代表取締役 会長72
奥澤宏幸代表取締役 社長兼CEO 社長執行役員63
松本高史取締役 上席執行役員62
ジョセフ・ケネス・ケラー取締役63
上野司津子取締役 上席執行役員61
小松康宏社外取締役68
西井孝明社外取締役(取締役会議長)66
本間洋社外取締役(報酬委員会委員長)70
渡辺章博社外取締役(指名委員会委員長)67
木下玲子社外取締役62
荒井美由紀常勤監査役(監査役会議長)63
横山輝道常勤監査役60
残りの役員29名を開く
氏名役職年齢
今津幸子社外監査役58
渡辺雅子社外監査役64
松本光弘社外監査役65
村上伸夫上席執行役員 ヘッド オブ グローバル コーポレートストラテジー Chief Strategy Officer (CStO)
塚口直人上席執行役員 ヘッド オブ グローバル リーガル・IP General Counsel (GC)
児玉智裕上席執行役員 ヘッド オブ グローバル コーポレートプランニング・マネジメント Chief Financial Officer (CFO)
佐藤耕司上席執行役員 テクノロジーユニット長 テクノロジー本部長
塚本淳上席執行役員 グローバル コーポレートストラテジー 経営戦略部長
茂田憲治上席執行役員 Head of US Oncology Business Division, Oncology Business Unit (Daiichi Sankyo, Inc.所属)
櫻井昭雄執行役員 日本事業特命担当
井ノ口明裕執行役員 研究開発本部 開発統括部長
上代才執行役員 Head of Compliance Strategy and Excellence, Global Compliance & Risk Management(Daiichi Sankyo, Inc.所属)
千田洋也執行役員 日本事業ユニット 医薬営業本部長
小川智執行役員 ヘッド オブ CEO チーフ オブ スタッフ オフィス
岩渕徹也執行役員 事業開発管掌
大平哲也執行役員 ヘッド オブ ビジネス トランスフォーメーション Chief Business Transformation Officer (CTO)
野中浩一執行役員 テクノロジー本部 テクノロジー開発統括部長
齋藤華子執行役員 総括製造販売責任者 QA・CSPVコンプライアンス管掌
徳本明宏執行役員 Chief People Officer, Global HR(Daiichi Sankyo, Inc.所属)
足原淳一執行役員 テクノロジー本部 テクノロジー企画統括部長
野地秀昭執行役員 日本事業ユニット 事業管理部長
池田信也執行役員 研究開発本部 研究開発企画推進統括部長
松本千晶執行役員 日本事業ユニット メディカルアフェアーズ本部長
荒木一司執行役員 Head of Portfolio & Disease Area Strategy, Research & Development Unit (Daiichi Sankyo, Inc.所属)
和田憲刀執行役員 安全管理ユニット長 安全管理本部長
清水直樹執行役員 ヘッド オブ グローバルQA Chief Quality Officer(CQO)
餘舛祐一執行役員 ASCAビジネスユニット長 ASCA事業本部長 兼 ASCA事業企画部長
藤城亜理執行役員 グローバル コーポレートアフェアーズ IR・SR部長
濱畑長友執行役員 グローバル コーポレートプランニング・マネジメント 経営企画部長

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)731910187818117
社外取締役711611617
監査役3939331
社外監査役3616120

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容825字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社と子会社43社、関連会社1社の計45社で構成され、医薬品等の製造販売を主な事業内容としております。 当社グループの営んでいる主な事業内容と当社グループを構成している各関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 なお、当社グループは、報告セグメントが単一であるため、セグメント情報の記載を省略しております。 国内(7社): 当社は医薬品の研究開発・製造・販売を行っております。連結子会社の第一三共ヘルスケア株式会社は一般用医薬品等の研究開発・販売を、第一三共バイオテック株式会社はワクチンの研究開発・製造をそれぞれ行っております。 連結子会社の第一三共ビジネスアソシエ株式会社は当社及び国内グループ各社に人事や経理等の事務サービスを提供しているほか不動産賃貸及び保険代理業務等多岐にわたる業務を行っております。 海外(38社): 米国において、持株会社である連結子会社の第一三共U.S.ホールディングスInc.のもと、連結子会社の第一三共Inc.は医薬品の研究開発・販売を行っております。当社は第一三共Inc.に製品の供給、研究開発業務の委託をしております。第一三共Inc.の子会社であるアメリカン・リージェントInc.は医薬品の研究開発・製造・販売を行っております。 欧州において、連結子会社の第一三共ヨーロッパGmbH及びそのグループ会社18社は、欧州各国で医薬品の研究開発・製造・販売を行っております。当社は第一三共ヨーロッパGmbHに原料の供給、製造の委託、研究開発業務の委託をしております。 その他の地域において、連結子会社の第一三共(中国)投資有限公司、第一三共製薬(上海)有限公司及び第一三共ブラジルLtda.等は医薬品の研究開発・製造・販売を行っており、当社はそれぞれの会社に中間体及び製品を供給しております。 当社グループの状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題3,244字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループにおける経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであります。 (1) 2035年ビジョン 2035年ビジョンとして、新たに「Trusted healthcare innovator transforming the lives of people through our science and technology」となることを掲げました。 第5期中期経営計画において、がん領域へのトランスフォーメーションと継続的な成長を実現いたしました。これにより、2030年度目標である「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」への道筋が明確になってきております。 効率的かつ強靭な組織を構築することで、がん事業を拡大するとともに、持続的成長に向けた新たなBGTs(Breakthrough Generating Technologies)※1 の特定を進め、2035年ビジョンの実現に向け第6期中期経営計画を推進して参ります。 ※1 より革新的な医薬品を患者さんに迅速に届けるための創薬技術プラットフォーム 2035年ビジョン達成に向けた第6期中期経営計画の位置づけ (2) 第6期中期経営計画(2026年度‐2030年度) 2030年度目標「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を達成し、2035年ビジョン実現に向けた成長加速と次世代基盤構築を目指す計画として第6期中期経営計画を策定いたしました。 ① 第6期中期経営計画の達成に向けた戦略 (ⅰ) 2030年度計数目標 以下の戦略を実行していくことで、売上収益3兆円以上、営業利益6,000億円以上、1株当たり当期利益(EPS)260円以上を目指して参ります。 (ⅱ) Be a Global Top 5 Oncology Company by 2035(DXd ADCの製品価値最大化により、2035年には グローバルトップ5オンコロジー企業へ) エンハーツ及びダトロウェイを中心に、がん事業を拡大し、2030年度にがん領域売上収益2兆3,000億円以上を目指すため、今後の5年間で20以上の適応症の上市を目指して参ります。 より速く、より確実に新薬を承認取得する力を高めるための開発スピードの向上(RD Excellence)と同時に、承認を取得した製品を速やかに世界中の患者さんに届け、製品価値を最大限に引き出す力(Business Excellence)を高めるためのケイパビリティの継続的な向上を図って参ります。 グローバルサプライチェーンを再構築することで、ADC製品の安定供給とBGTs候補品の迅速な立ち上げを実現して参ります。 既に確立した乳がん領域でのプレゼンスを維持し拡大するとともに、肺がん領域でも強いリーダーシップの構築を目指して参ります。 (ⅲ) Identify next BGTs by 2030(DXd ADCに続く、新BGTsを特定し、開発加速化) 当社は、2030年までに次世代のBGTsを特定することを重要な戦略目標として位置づけております。 当社の第1のBGTであるDXd ADCは、現在エンハーツ及びダトロウェイの2製品が上市済であるほか、複数のプログラムが開発段階にあります。DXd ADCで培った知見と実績をもとに、ADC技術の更なる深化に加え、ADC以外の複数のモダリティについても研究開発を加速して参ります。 また、BGT候補の継続的な創出を支えるため、国内外の研究拠点の拡充やAI・データ駆動型創薬の推進、オープンイノベーション※2の強化を通じて、次世代技術を確立し、標的獲得のエコシステム構築を図って参ります。 持続的な成長を実現するため、これらの取組を通じて、2030年度までに複数のBGTsを特定し、その開発加速化を推進して参ります。 ※2 自社内の研究開発に加え、外部の研究機関や企業との連携を通じて技術・知見を取り込み、研究開発の高度化及びイノベーション創出を図る考え方 (ⅳ) Operational Excellence(全社にわたるOperational Excellenceを実現し、利益創出力を強化) 上記(ⅱⅲ)の事業投資を実現させる基盤として、Operational Excellence※3の不断の追求に取り組んで参ります。 AI活用等による生産性の飛躍的向上を実現し、デジタルトランスフォーメーションによる業務効率化と戦略的人材配置を一体で進め、利益創出力を高めて参ります。 次に調達・外注構造の抜本的最適化を行って参ります。グローバル共通のERP(Enterprise Resource Planning)プラットフォーム導入を通じた調達プロセスの最適化によるコスト削減を行って参ります。 これらの取組により計2,000億円以上のコストの最適化を実現し、収益性を向上させることでさらなる成長投資、株主還元を推進して参ります。 新薬事業全領域の商業化活動をグローバルで一元的に担う新組織を設置いたします(2027年4月より稼働予定)。これにより、組織・要員最適化を含む、事業戦略に沿ったリソース配分や事業投資判断を推進して参ります。 ※3 組織のあらゆる業務プロセスを継続的に改善・最適化することで、高い品質・効率・生産性を持続的に実現しようとする経営の考え方・取組 (ⅴ) Be a trusted partner for sustainable society(多様なステークホルダーへ貢献し、信頼されるパートナーに) 当社は、社会から信頼されるパートナーとして持続可能な社会の実現に貢献することを経営の重要な基盤と位置づけております。Patient Centricity(患者中心)の実践に取り組むとともに、高い倫理観に基づく医療コミュニティへの貢献を実現して参ります。 さらに、バリューチェーン全体にわたる環境負荷の低減に努めるとともに、長期的視点を持つ投資家との信頼関係の構築を推進して参ります。 ② 株主還元方針 当社は、持続的な企業価値の向上を図るため、成長戦略の展開に不可欠な投資の実行と株主の皆様への利益還元を総合的に勘案し、利益配分を決定することを経営の基本方針としております。株主還元をより安定的・継続的なものとするため、新たに累進配当を導入いたします。 第5期中期経営計画期間においても利益成長に応じた増配を毎年実施し、2021年度に27円だった年間配当金は2025年度には78円とする予定です。第6期中期経営計画期間においても、この増配の流れをさらに確実なものとするべく、配当金は原則として維持・増配し続ける累進配当のもと、各年度の調整後DOE※4を10.0%以上とすることを配当水準の指標として掲げております。 配当に加え、自己株式の取得についても株主還元の選択肢として位置づけており、累進配当を最優先としながらも、財務状況や市場環境などを総合的に勘案しながら、機動的に実施することを検討して参ります。 ※4 調整後DOE:株主資本から「その他の資本の構成要素(主に株価・為替により変動する項目)」を除いた「調整後株主資本」をもとに算出したDOE(配当総額÷株主資本) ③ 計数目標 第6期中期経営計画における2030年度の計数目標として、売上収益3兆円以上、営業利益率6,000億円以上、EPS260円以上、調整後DOE10.0%以上を目指しております。なお、2030年度の為替レートの前提は1USD=150円、1EUR=180円であります。
事業等のリスク11,860字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループでは、組織の目的・目標の達成を阻害する可能性を有し、かつ事前に想定し得る要因をリスクとして特定し、企業活動に潜在するリスクへの適切な対応(保有、低減、回避、移転)を行うとともに、リスクが顕在化した際の人・社会・企業への影響を最小限に留めるべく、リスクマネジメントを推進しております。具体的には、潜在するリスクへの適切な対応を定めるリスクマネジメント体制を構築するとともに、事業に影響を与えかねない災害等が万が一起こった場合においても事業の継続を可能とするためのBCPや、想定以上のリスクが顕在化した際の損失を最小とするクライシスマネジメント体制を整えております。 (1) リスクマネジメント 当社グループのリスクマネジメント体制においては、ヘッド オブ グローバル コンプライアンス・リスクマネジメントが当社グループ全体のリスクマネジメントを統括し、定期的な経営報告など年次サイクルでのリスクマネジメント体制を運営しております。 リスクオーナーは、各ユニット長及び機能長が担い、自組織の目的・目標の達成に向け、リスクの特定・評価から対応策の策定・実行まで、自律的かつ主体的にリスクマネジメントを推進する役割を担います。また、組織内における関連情報の提供や教育・啓発活動を通じたリスク意識の向上についても、その役割の一つとして位置づけられております。さらに、ユニット長及び機能長のリスクマネジメント活動の実務を補佐する役割として、ユニット及び機能内でリスクコーディネーターを選任します。リスクコーディネーターは、自組織のリスクマネジメント活動を推進し、グローバル コンプライアンス・リスクマネジメント(事務局)や他のユニット及び機能のリスクコーディネーターと連携してリスクマネジメントを実施します。 リスクマネジメント事務局では、各ユニットから抽出されたリスクについて、影響度と発生可能性の観点からリスクアセスメントを確認・調整し、企業経営に重大な影響が想定されると評価したリスク項目を、毎年、経営会議及び取締役会において重大リスクとして特定いたします。なお、リスクに関する経営会議の広範な意思決定を補完するため、当社グループのリスクについて集中的な議論を行う会議体として「リスクマネジメントコミッティ(以下「RMC」)」を設立しております(下図「当社グループにおけるリスクレベル分類の概念図」「リスクマネジメント体制図」参照)。経営会議等にて選定された重大リスクにはリスクオーナーが任命されており、関係組織と連携の上、リスク対応策を実行しております。その進捗状況は、年2回のリスクモニタリングを通じて確認され、必要に応じた是正・改善がなされます。重大リスク顕在化の予兆が確認された際は、速やかにCEO及びヘッド オブ グローバル コンプライアンス・リスクマネジメントに情報が報告され、適切な対応を図る体制としております。 (2) 事業継続計画(BCP) 当社グループのBCPは、事業継続へ影響を及ぼす様々な脅威に対処すべくオールハザード型BCPとして整備し、有事においても社会からの要請に応えるために医薬品等の安定供給及び品質確保を可能とする体制、並びに研究開発の継続性を確保できる体制を構築しております。当社グループでは、クライシスの多様化とビジネスのグローバル化に対応すべく、脅威が顕在化した際に対応できるよう、訓練や対応結果等を踏まえ、BCPの見直しを継続的に実施しております。また、優先して供給する品目については、製薬企業としての社会的責任の大きな製品や、事業継続のために重要な製品等について速やかな供給の実現を目指し、定期的に見直しを行っております。 当社グループでは、新型インフルエンザウイルスの世界的な大流行(パンデミック)に備え、従業員及びその家族の安全を確保し、医薬品の供給を継続することを目的とした「新型インフルエンザ等対策行動計画」を策定しております。また、当社は、新型インフルエンザ等対策特別措置法において指定公共機関に指定されており、国や地方の行政機関が行う対策に協力する責務があります。医薬品の供給継続により、医療体制の維持に貢献することで、社会的責任を果たして参ります。 (3) クライシスマネジメント 当社グループのDaiichi Sankyo Group Crisis and Business Continuity Management Policyでは、人・社会・企業に実際又は潜在的な影響を及ぼし、日常的な事業管理能力を超え、緊急の対応を必要とする事象又は発生しつつある状況を「クライシス」と定義しており、その発生による損失の最小化を図ることを目的に、クライシスマネジメントに関わる基本的事項を定めております。基本方針として、「クライシス発生時は、『第一三共グループの社員及び関係者の生命や地域社会の安全を確保する』『生命関連企業の一員としての責任を全うする』ことを基本に、迅速かつ確実にクライシスマネジメントを展開し、人・社会・企業への影響を最小限に止め、事業の継続や早期復旧を図るべく努力する」ことを定めております。 当社グループでは、クライシスの種類(災害・事故、事件<テロを含む>・不祥事・法令違反、情報管理に関する問題、製品に関する問題)やクライシスの影響度合いに応じて、機動的な対応を可能とする体制を構築しております(下図「クライシス発生時の初期対応」参照)。報告基準や報告ルートを明確に定め、クライシスマネジメント責任者(CEO又はCEOが指名した者)、クライシス初期対応責任者(ヘッド オブ グローバル リスクマネジメント)を設置し、グローバルに影響が大きく、全社対応の必要性があるクライシスについては、ヘッド オブ グローバル コンプライアンス・リスクマネジメントとも当該情報を共有し、迅速かつ的確な初期対応により、事態の拡大防止と早期収束に努めて参ります。また、クライシス収束後は、事後分析により、再発の防止や対応の改善を図って参ります。 (4) 重大リスクとして認識している事項 重大リスク(Material risk;全社レベルで管理するリスク)はRMCにおいて議論され、経営会議にて承認されます。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであり、既知もしくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可能性があります。 ①-1 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク ・リスク 新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要ですが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更等により承認が得られなくなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約の条件変更・終了等が起こった場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて開発計画の変更により、設備投資が過剰となり投資額を回収できない、あるいは過剰在庫が発生し廃棄費用が生じる可能性があります。  当社は、重点領域であるがん領域において、アストラゼネカ社及び米国メルク社とそれぞれ戦略的提携を締結しております。研究活動の詳細については、「6 研究開発活動」をご参照ください。当該品目について、研究開発・承認申請・上市の遅延、期待した有効性・安全性が得られない、あるいは販売計画からの進捗遅延等が生じた場合、当社グループの経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社ではアストラゼネカ社及び米国メルク社との戦略的提携を統合的にガバナンスする仕組みとして各種の共同委員会を設置し、ビジョンと戦略の策定、提携事業の損益管理、設備投資面や開発面及び営業面での投資判断、業績と主要マイルストーン管理、グローバルな上市準備等を推進しております。また、当局との継続的なコミュニケーションを通じた薬事リスクの管理・低減にも努めております。 ①-2 外部環境変化(競争環境変化含む)及び計画の変動に関するリスク ・リスク 近年当社グループが注力しているバイオ医薬品市場、特にADC製品(抗体薬物複合体)等の領域においては、競合他社による新薬の上市、既存治療薬の適応拡大、あるいは次世代技術の台頭など、他社との激しい競争環境にあります。また、各国の医療財政の逼迫に伴う薬価抑制策の導入や、治療ガイドラインの更新といった市場環境の変化が、製品需要に大きな影響を与える可能性があります。 当社は、ADC製品の製造に関し製品の安定供給を確保する目的で、複数の製造委託先(CMO)との間で長期にわたる製造委託契約を締結しており、これらの契約には年別の最低購入義務が含まれております。当社の製品需要は、開発・販売戦略、競合製品の販売動向、臨床試験の結果、規制当局の判断、市場環境の変化等の影響を受ける可能性があり、これらの要因により需要予測及び供給計画が当初の想定から変動する場合があります。これに伴い、CMOとの契約に基づく最低購入義務を充足できない場合には、当社はCMOに対して補償金の支払いの必要が生じる可能性があります。また、当該契約は長期にわたることから、将来において同様の差異が生じる可能性があり、その結果、当社グループの経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社グループでは、外部環境の変化及び開発計画の変動が事業に与える影響を適切に把握・管理するため、競合の開発・上市等の動向、治療ガイドラインの更新、規制当局の審査状況等を含む市場環境変化について継続的なモニタリングを行うとともに、自社パイプラインの開発進捗状況を定期的に評価し需要予測の精度向上及びフレキシブルな生産体制の整備に努めて参ります。CMOとの製造委託契約に係る最低購入義務に伴うリスクについては、上記を踏まえた需要見通しと契約条件との乖離の状況を継続的に把握し、将来の影響に関する見積りの更新を行います。さらに、当該リスクの低減に向けて、CMOとの契約条件の見直しに関する協議や、生産体制の最適化を行うことにより、経済的影響の抑制に努めております。これらの情報を適宜経営層へ報告するとともに、事業計画及び供給計画への影響を適時に評価し、必要に応じて計画の見直しを行います。 ② 医薬品の品質問題や副作用に関するリスク ・リスク 医薬品等は医薬品医療機器等法を含む国内外の法規制等の下で製造・販売されております。当社グループはそれら法規制に基づき適切な品質管理体制の推進に努めておりますが、生産、供給過程等に起因する品質問題や、販売後に予期せぬ副作用の発現が生じる可能性があります。これらの事象が発生した場合、患者さんへの影響に加え、製品回収、販売中止、業務停止等の措置、並びに訴訟・損害賠償等、当社グループの経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 品質については、安全で高品質の製品を患者さんにお届けし、安心して使用いただくため、GMP(Good Manufacturing Practice: 医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)及びGDP(Good Distribution Practice: 輸送・保管における医薬品の品質を確保することを目的とした基準)に適合する管理体制の強化並びに原材料の調達・保管から医薬品等の製造・流通に至るまで、一貫した品質保証に取り組んでおります。また、グループ会社の事業所及びビジネスパートナーに対して定期的に監査を実施し、適切な品質マネジメント体制の維持・向上及びリスク低減に努めております。 安全性については、国内外の安全管理情報(副作用情報等)を収集し、客観的に評価・検討・分析した結果を医療現場へ情報提供することで、医薬品等の適正使用の推進に取り組んでおります。さらに、全従業員を対象とした安全管理情報についての研修を毎年実施し、安全管理を徹底することで、患者さんの安全性リスクの最小化に努めております。 ③ 海外における事業展開に関するリスク ・リスク 当社グループは、医薬品の開発、製造、販売等の分野で、グローバルで事業を展開しており、各地域においては、当該地域における政治不安や経済情勢の悪化等の地政学的な要因、当該地域の法規制に抵触するリスク、行政指導を受けるリスク、現地の労使関係等に関するリスクが存在します。また、米国における関税政策をはじめとした世界の通商政策の動向が、当社グループのサプライチェーンや製造・調達コストに影響を及ぼし、当社グループの収益性や競争力に悪影響を与える可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社グループでは、海外子会社に対してリスク管理に関連する窓口担当者を任命しており、定期的に情報収集・情報交換を実施しております。また、各地で問題が発生した場合には、この窓口担当者をハブとする現地子会社との連携により、迅速な課題解決を行っております。米国の関税政策をはじめとした世界の通商政策に係るリスクに対しては、適時の情報収集により事業への影響可能性の把握に努めるとともに、日米欧等の業界団体等を通じた政府への要望や、サプライチェーン体制の柔軟な見直しについても検討して参ります。 ④ 製造・仕入れに関するリスク ・リスク 地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、製品の一部は当社独自の技術により製造しており、それら製品及び原材料の一部は特定の取引先に供給を依存しております。このため、当社グループの工場又は製造委託先における品質問題の発生により、医薬品等/治験薬供給の遅延又は停止のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社グループのBCPは、事業継続へ影響を及ぼす様々な脅威に対処すべくオールハザード型BCPとして整備し、有事においても医療体制維持のための医薬品安定供給と品質確保を可能とする体制を整備しております。 当社グループは、行政の防災計画改定や社会的要請の変化に対応して、優先供給品目に関わる業務・組織体制を見直す等、脅威が顕在化した際により適切に対応できるよう継続的なBCPの改善を図っております。また、優先供給品目については、製薬企業としての社会的責任の大きな製品や、事業継続のために重要な製品等の速やかな供給を実現すべく、定期的に見直しを行っております。 特に医薬品の安定供給においては、生産・物流拠点の分散や主要原材料の複数購買の実施といったバックアップ体制を構築するとともに、自家発電装置の設置等、電力供給が停止した際の影響を最小限に抑える施策等にも取り組んでおります。また、主要システムの二重化等、IT基盤の強化も行っております。 ⑤ 環境、安全に関するリスク ・リスク 医薬品の研究、製造の過程等で使用される化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。当社グループでは化学物質を用いた実験、製造、保管等に万全を期するとともに、安全衛生の確保に努めておりますが、万一、社内外の人への曝露、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等の深刻な問題や、安全衛生上の重大な事故・災害等が発生した場合には、事業活動の継続、経営成績及び財政状態、レピュテーション等に悪影響を与える可能性があります。また、気候変動に伴う異常気象の激甚化や水ストレスの深刻化等により、医薬品のサプライチェーン寸断や主要生産拠点における水不足に伴う一時操業停止等のリスクが顕在化した場合には、医薬品の安定供給、経営成績及び財政状態等に悪影響を与える可能性があります。 ・対応 当社グループでは、人体への有害な影響、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等を防止するとともに、安全衛生上のリスク低減を図るため、化学物質の適切な管理及び安全な事業運営に努めております。また、国内外の工場で労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格であるISO45001の取得を進め(国内の全工場では取得済)、安全衛生管理体制の強化を図っております。また、環境、安全衛生を含むサステナビリティ関連リスクを全社的なリスク管理の枠組みに統合し、環境・安全衛生に関する戦略や方針を議論するサステナビリティコミッティを経て、経営会議及び取締役会に報告する体制を整備しております。気候変動に伴うリスクについては、シナリオ分析に基づき、重要製品の安全在庫基準の見直し、主要原材料の複数購買の実施、生産拠点の分散、代替生産・代替物流への切替体制の整備等を進めております。加えて、水不足に伴う操業停止リスクに対しては、全製造拠点のリスクアセスメントを実施し、優先対策拠点の特定のうえ、節水設備、水管理システム及び排水再利用システムの導入等を進めております。さらに、水災リスクに対しては、防水壁・排水ポンプの整備、水災マニュアルの策定及び訓練の実施等によりBCPの強化を図るとともに、第6期中期EHS経営方針に基づき、省エネルギー・省資源、温室効果ガス及び廃棄物の削減等を通じて、サプライチェーン全体の環境負荷低減を推進しております。 ⑥ 知的財産権に関するリスク ・リスク 当社グループの事業活動が他者の特許権その他の知的財産権に抵触するとして第三者から指摘を受けた場合には、事業の断念や係争の可能性があります。一方、第三者が当社グループの知的財産権を侵害する場合には、その保護のため訴訟提起等をすることがあります。それらの動向は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼすことがあります。ADCに代表されるバイオ医薬品や新規モダリティ医薬品のパイプラインの増大、及びジェネリック医薬品市場の拡大を背景に、訴訟提起等を含め、当社グループの知的財産権に関するリスクが一層増大する可能性があります。 ・対応 当社グループでは、知的財産の創造と保護によってその価値の最大化とリスクの最小化を図っております。また、知的財産係争が発生したときには、社内外の関係者と協力し、事業への影響を最小限にとどめるよう対応しております。 2025年12月、Seagen Inc.がテキサス州東部地区連邦地方裁判所(以下「テキサス地裁」)で当社に対して提起した米国特許に基づく特許権侵害訴訟の控訴審において、米国連邦巡回区控訴裁判所は、当該米国特許は無効であるとしてテキサス地裁の一審判決(注1)を取り消す判決を下しました。 上記控訴審判決で当該米国特許は無効であると判断されたことに伴い、当社が米国特許商標庁に請求した当該特許に対する特許付与後レビュー(Post Grant Review、以下「PGR」)の控訴審において、米国連邦巡回区控訴裁判所は、PGR決定(注2)に対するSeagen Inc.の控訴を棄却する判決を下しました。 上記の両控訴審判決に対して、Seagen Inc.が期限の2026年3月2日までに不服申立て手続きを行わなかったため、Seagen Inc.との特許係争は終結しました。 (注)1.当社に特許侵害に基づく損害賠償及びENHERTU®の米国売上に対するロイヤルティの支払いを命じた判決 2.当該米国特許は無効であるとする決定 ⑦ 訴訟に関するリスク ・リスク 当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題及び公正取引に関する問題等に関し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社グループでは、法令、契約、紛争防止・紛争解決等の観点からリーガルリスクの最小化とビジネス機会の最大化に努めております。 ⑧ 法規制、医療費抑制策等の行政動向に関するリスク ・リスク 国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外においても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受ける可能性があります。例えば、米国における最恵国待遇薬価政策の導入、これと関連する薬価抑制を目的とした政策動向(インフレ抑制法(Inflation Reduction Act、以下「IRA」)の運用見直しを含む。)、ADC製品を含む米国における販売や収益性に重大な影響を与える可能性があります。 ・対応  当社グループでは、薬価制度改革並びに流通改善ガイドラインを踏まえた仕切価格・割戻改定を実施しております。また、適切な販売条件を設定・実行し、新薬創出加算品、重点品を中心に売上を拡大するよう努めております。なお、薬価制度改革の他、海外を含めた行政動向を継続的に注視しており、対応策を検討する体制としております。米国における最恵国待遇薬価政策の導入をはじめとした政策動向に対しては、適時の情報収集により事業への影響可能性の把握に努めるとともに、日米欧等の業界団体等を通じた政府への要望も検討して参ります。 ⑨ 法令違反等に関するリスク ・リスク 当社グループは、グループ企業行動憲章及びグループ個人行動規範のもとに、コンプライアンス行動基準等を制定しているほか、グローバル エシックス&コンプライアンス コミッティやホットラインの設置等、コンプライアンス体制を構築し、販売情報提供活動ガイドライン等、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底しておりますが、役員及び従業員の個人的な不正行為等を含め重大な法令違反が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社グループでは、毎年、CEOのコンプライアンスメッセージを全社に発信し、コンプライアンス風土醸成を図るとともに、ヘッド オブ グローバル コンプライアンス・リスクマネジメントがチーフ・コンプライアンス・オフィサーとして、事業活動のモニタリングを実施しております。また、役員や従業員だけでなく取引先等も利用可能なグループ共通のグローバル・ホットラインの適切な運営を通じて、コンプライアンス違反の未然防止や、早期発見に努めております。違反行為が発見された場合には、迅速かつ厳正に是正措置を行うとともに必要に応じて教育・啓発等の再発防止の対応を講じる体制のもと、健全な企業文化の醸成を推進しております。 ⑩ 金融市況及び為替変動に関するリスク ・リスク 株式市況の低迷等により保有する株式等の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じる可能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグローバルに事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社グループでは政策保有株式の削減、年金基金資産配分の期中見直しの実行及び為替ヘッジ取引により、損失額を減少させるよう努めております。 また、退職給付に関するリスクの整理と運用状況のモニタリング及び雇用関連法制動向の把握や、不動産市場のモニタリングを実施する等により、リスク低減に向けた方針を早期から準備対応しております。 ⑪ 情報セキュリティ・システムに関するリスク ・リスク 当社グループは、業務上、各種ITシステムを利用しており、また、個人情報を含む多くの機密情報を保有しております。これらのITシステムに関して、予期せぬシステム障害の発生や、マルウェアの感染、サイバー攻撃によるコンピュータシステムの休止、及び機密情報の漏洩事象が発生した場合、経営成績、財政状態及び社会的信用等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社グループでは、CDXO(Chief Digital Transformation Officer)がグループ全体の情報・サイバーセキュリティ対策の推進を担い、新たなデジタル技術、法規制やガイドラインを取り込んだ情報管理・セキュリティに関するポリシー・ルールを整備しております。 情報・サイバーセキュリティに関する規程等を整備して従業員へ情報管理の重要性を周知徹底するとともに、ITシステムへのサイバー攻撃等への対策強化として、防御機能、侵害の検知機能と対処機能等のセキュリティシステムの整備を実施していることに加え、クラウドサービス利用への対応やセキュリティ基盤の強化、運用の改善を図っております。また、工場・製造設備・システム(OTシステム)へのセキュリティ対策も重要な課題ととらえ、OTシステムの標準セキュリティ対策と管理体制を設計し、各設備への導入を順次実施しております。 個人情報に関しては、定期的な管理台帳更新状況の把握・委託先の安全管理措置評価等により、保有個人データ、特定個人情報等の適正な管理状況をモニタリングするとともに、内部監査結果に基づく適切な指導及び従業員研修による周知・徹底を図っております。 ⑫ 人材に関するリスク ・リスク 当社グループが事業活動を推進し事業目標を達成する上では、各職務に必要な高度な専門性と高い業務遂行能力を持った人材を育成・採用・確保する必要がありますが、採用市場の競争激化などによりこれらの人材を十分に確保できない場合には、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 当社グループでは、事業目標を達成する上で必要となる人材の要件を明確に定義し、計画的な採用活動を強化するとともに、社内教育プログラムをはじめとする多様なアプローチを活用して人材の育成・確保を図っております。また、グローバルでの人材活用を最大化するため、グローバル共通の人事制度並びに人事情報システムの構築・導入を進めております。さらに、「One DS Culture」の醸成やInclusion & Diversity (I&D)を推進しながら、グローバル共通のエンゲージメントサーベイによる分析・改善施策を実施しております。 (5) エマージング・リスク エマージング・リスク(新しいリスクで、当社グループに対して今後複数年にわたる影響が生じうる可能性があり、初期的な検討は開始しているが全容は把握できていないもの)のモニタリングも行っております。RMCや経営会議での議論を反映して特定のエマージング・リスクから重大リスクやユニットレベルのリスクに評価が変更になる場合もあります。エマージング・リスクとして、以下のリスクのモニタリングを行っております。 AIの利活用に関するリスク ・リスク  世界的にAI技術の研究開発及びデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)が急速に進展する中、特に創薬研究や開発プロセスにおいてAI、とりわけ生成AIの利活用が不可欠になりつつあります。これらAIの技術革新への対応が遅れた場合、研究開発における優位性の喪失や競争力の低下を招き、当社グループの経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。  また、AI技術の利用に関する法規制は国際的に強化される傾向にあります。特にEUにおける「EU AI規制法」等の新たな規制への対応が不十分な場合、制裁金や事業活動の制限等が課される可能性があります。また、AIガバナンス体制の不備により患者さんの健康や生命に悪影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。さらに、その結果として当社グループの社会的信用の低下や損害賠償支払等により、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・対応 これらの様々なリスクシナリオに対して、当社グループはAIによる技術革新を通じた研究開発の加速と全社的なAI利活用に基づくDXの推進を目指した体制の構築を継続しております。また、AI関連規制等の準拠に加えてAIガバナンス体制の構築(グローバルAIガバナンスポリシーの策定、リスク分類に応じたAI開発・運用に関するグローバルガイドラインの整備等)を進めております。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 業績等の概要 当社グループの当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の連結業績は、次のとおりであります。 <連結業績(コアベース)> (単位:億円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   増減 売上収益   18,863   21,230   2,368 12.6% 売上原価   (注)   4,157   4,413   256 6.2% 販売費及び一般管理費   (注)   7,248   8,596   1,348 18.6% 研究開発費   (注)   4,329   4,621   293 6.8% コア営業利益   (注)   3,128   3,600   471 15.1% 一過性の収益   (注)   222   221   △1 △0.3% 一過性の費用   (注)   31   1,530   1,499 - 営業利益   3,319   2,291   △1,028 △31.0% 税引前利益   3,556   2,634   △922 △25.9% 親会社の所有者に帰属する 当期利益   2,958   2,599   △359 △12.1% 当期包括利益合計額   2,898   3,099   201 6.9% (注)当社グループは、経常的な収益性を示す指標として、営業利益から一過性の収益・費用を除外したコア営業利益を開示しております。一過性の収益・費用には、固定資産売却損益、事業再編に伴う損益(開発品や上市製品の売却損益を除く)、有形固定資産及び無形資産並びにのれんに係る減損損失、損害賠償や和解等に伴う損益の他、非経常的かつ多額の損益が含まれます。 本表では、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費について、一過性の収益・費用を除く実績を示しております。 <主要通貨の日本円への換算レート(期中平均レート)> 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 米ドル/円   152.57   150.78 ユーロ/円   163.74   174.79 売上収益 売上収益は、前連結会計年度比2,368億円(12.6%)増収の2兆1,230億円となりました。グローバル主力品エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン:T-DXd/DS-8201)等の伸長及びダトロウェイ(一般名:ダトポタマブ デルクステカン:Dato-DXd/DS-1062)の売上寄与に加えて、円安の進行による為替の増収影響等により、増収となりました。売上収益に係る為替の増収影響は218億円でありました。 コア営業利益 コア営業利益は、前連結会計年度比471億円(15.1%)増益の3,600億円となりました。売上原価は、売上収益の増加に伴い、256億円(6.2%)増加の4,413億円となりました。販売費及び一般管理費は、アストラゼネカとのプロフィット・シェアの増加による費用増等により、1,348億円(18.6%)増加の8,596億円となりました。研究開発費は、5DXd ADCs(トラスツズマブ デルクステカン、ダトポタマブ デルクステカン、パトリツマブ デルクステカン:HER3-DXd/U3-1402、イフィナタマブ デルクステカン:I-DXd/DS-7300、ラルドタツグ デルクステカン:R-DXd/DS-6000)及びDS-3939への研究開発投資の増加等により、前連結会計年度比293億円(6.8%)増加の4,621億円となりました。コア営業利益に係る為替の増益影響は147億円でありました。 営業利益 営業利益は、前連結会計年度比1,028億円(31.0%)減益の2,291億円となりました。当期に製造委託先への損失補償等を一過性の費用に計上したことにより、減益となりました。 税引前利益 税引前利益は、前連結会計年度比922億円(25.9%)減益の2,634億円となりました。為替差損益の改善等により、金融収支が改善したため、営業利益に比べて減益額が縮小いたしました。 親会社の所有者に帰属する当期利益 親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比359億円(12.1%)減益の2,599億円となりました。法人税等の減少により、税引前利益に比べて減益額が縮小いたしました。 当期包括利益合計額 当期包括利益合計額は、海外子会社の純資産に係る為替換算差額が増加したこと等により、前連結会計年度比201億円(6.9%)増益の3,099億円となりました。 <連結業績(IFRSベース)> (単位:億円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   増減 売上収益   18,863   21,230   2,368 12.6% 売上原価   4,158   6,690   2,532 60.9% 販売費及び一般管理費   7,312   7,806   495 6.8% 研究開発費   4,360   4,660   300 6.9% その他の収益   287   221   △66 △23.1% その他の費用   1   3   2 201.1% 営業利益   3,319   2,290   △1,028 △31% 税引前利益   3,556   2,634   △922 △25.9% 親会社の所有者に帰属する 当期利益   2,958   2,598   △359 △12.1% 当期包括利益合計額   2,898   3,099   201 6.9% <グローバル主力品売上収益> (単位:億円) 一般名 (主な製品名)   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   増減 トラスツズマブ デルクステカン (エンハーツ) 抗悪性腫瘍剤 (抗 HER2 抗体薬物複合体)   6,514   8,195   1,681 25.8% エドキサバン (リクシアナ) 抗凝固剤   3,440   3,677   237 6.9% エンハーツは、既上市国での市場浸透及び上市国の拡大により、前連結会計年度比1,681億円(25.8%)増収の8,195億円となりました。エドキサバンは、日本、欧州等で売上が伸長し、前連結会計年度比237億円(6.9%)増収の3,677億円となりました。 当社グループのユニット別売上収益状況は次のとおりであります。 ① ジャパンビジネスユニット(JBU) ジャパンビジネスユニットの売上収益には、イノベーティブ医薬品事業及びワクチン事業の製品売上収益が含まれております。 当ユニットの売上収益は、ダトロウェイ、タリージェ、リクシアナ、エンハーツ等の伸長により、前連結会計年度比89億円(1.9%)増収の4,858億円となりました。 当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。 ・2025年8月、エンハーツの化学療法未治療のHER2低発現又はHER2超低発現の乳がんの承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。 ・2026年3月、エンハーツのHER2陽性(HER2遺伝子増幅 又は IHC 3+)の進行・再発の固形がんの承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。 ・2026年3月、エンハーツのHER2陽性胃がんの2次治療への使用を可能とする添付文書を改訂し、プロモーションを開始いたしました。 <ジャパンビジネスユニット主力品売上収益> (単位:億円) 製品名   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   増減 リクシアナ 抗凝固剤   1,330   1,418   87 6.6% タリージェ 疼痛治療剤   556   654   97 17.5% プラリア 骨粗鬆症治療剤・関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制剤   422   458   35 8.3% エンハーツ 抗悪性腫瘍剤 (抗 HER2 抗体薬物複合体)   310   377   66 21.4% エフィエント 抗血小板剤   315   352   37 11.7% ビムパット 抗てんかん剤   304   285   △19 △6.2% ランマーク がん骨転移による骨病変治療剤   201   195   △6 △3.1% ベルソムラ 不眠症治療薬   99   186   87 87.9% カナリア 2型糖尿病治療剤   156   145   △10 △6.6% ダトロウェイ 抗悪性腫瘍剤 (抗TROP2抗体薬物複合体)   3   131   128 - エムガルティ 片頭痛発作の発症抑制薬   107   128   21 19.4% ロキソニン 消炎鎮痛剤   123   119   △5 △3.7% ミネブロ 高血圧症治療剤   96   111   14 14.9% イナビル 抗インフルエンザウイルス薬   199   16   △183 △92.0% ② 第一三共ヘルスケアユニット(DSHCU) 第一三共ヘルスケアユニットの売上収益は、クリーンデンタル、ロキソニン等の伸長により、前連結会計年度比41億円(4.7%)増収の907億円となりました。 ③ オンコロジービジネスユニット(OBU) オンコロジービジネスユニットの売上収益には、第一三共Inc.(米国)及び第一三共ヨーロッパGmbHのがん製品売上収益が含まれております。 当ユニットの売上収益は、欧米におけるエンハーツ等の伸長及びダトロウェイの売上寄与により、前連結会計年度比1,450億円(31.3%)増収の6,088億円、現地通貨ベースでは、998百万米ドル(32.8%)増収の4,038百万米ドルとなりました。 当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。 ・2025年6月、欧州においてダトロウェイ(適応:内分泌療法及び化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性(IHC 0, IHC 1+ 又は IHC 2+/ISH-)の乳がん)を発売いたしました。 ・2025年6月、ダトロウェイのEGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がんを対象とした米国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。 ・2025年12月、ペルツズマブとの併用療法についてHER2陽性乳がんの1次治療を対象とした米国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。 <オンコロジービジネスユニット主力品売上収益> (単位:億円) 製品名   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   増減 エンハーツ 抗悪性腫瘍剤 (抗 HER2 抗体薬物複合体)   4,516   5,611   1,095 24.2% エンハーツ(米)   3,020   3,863   842 27.9% エンハーツ(欧)   1,496   1,748   252 16.9% ダトロウェイ 抗悪性腫瘍剤 (抗 TROP2 抗体薬物複合体)   11   344   333 - ダトロウェイ(米)   11   332   321 - ダトロウェイ(欧)   -   12   12 - ヴァンフリタ 抗悪性腫瘍剤 (FLT3阻害剤)   45   82   36 79.8% TURALIO 抗腫瘍剤   66   52   △14 △21.3% ④ アメリカンリージェントユニット(ARU) アメリカンリージェントユニットの売上収益はヴェノファー、インジェクタファー等の減収により、前連結会計年度比350億円(16.1%)減収の1,822億円、現地通貨ベースでは、215百万米ドル(15.1%)減収の1,208百万米ドルとなりました。 <アメリカンリージェントユニット主力品売上収益> (単位:億円) 製品名   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   増減 インジェクタファー 鉄欠乏性貧血治療剤   534   439   △95 △17.8% ヴェノファー 鉄欠乏性貧血治療剤   620   438   △181 △29.2% ⑤ EUスペシャルティビジネスユニット(EUSBU) EUスペシャルティビジネスユニットの売上収益には、がん製品を除く第一三共ヨーロッパGmbHの製品売上収益が含まれております。 当ユニットの売上収益は、Nilemdo/Nustendi等の伸長により、前連結会計年度比391億円(16.5%)増収の2,766億円、現地通貨ベースでは132百万ユーロ(9.1%)増収の1,582百万ユーロとなりました。 <EUスペシャルティビジネスユニット主力品売上収益> (単位:億円) 製品名   前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   増減 リクシアナ 抗凝固剤   1,790   1,930   140 7.8% Nilemdo / Nustendi 高コレステロール血症治療剤   369   627   258 69.8% オルメサルタン 高血圧症治療剤   183   183   0 0.2% ⑥ ASCAビジネスユニット(ASCABU) ASCA(注)ビジネスユニットの売上収益には、海外ライセンシーへの売上収益等が含まれております。 当ユニットの売上収益は、中国、ブラジルにおけるエンハーツの伸長等により、前連結会計年度比398億円(18.8%)増収の2,510億円となりました。 (注)Asia, South & Central Americaの略。 当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。 ・2025年12月、エンハーツの化学療法未治療のHER2低発現又はHER2超低発現の乳がんを対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。 ・2026年1月、エンハーツのHER2陽性胃がんの2次治療を対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。 ・2026年3月、エンハーツのHER2陽性早期乳がんの術前療法を対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。 ユニット別売上収益構成比は次のとおりであります。 (2) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年同期比(%) 医薬品事業   1,267,455   110.3 合計   1,267,455   110.3 (注)1.金額は正味販売価格によっております。 2.生産実績について、集計方法に一部誤りがあったため、当連結会計年度より見直ししております。これに伴い、前連結会計年度についても再集計のうえ、前年同期比を算出しております。 ② 受注実績 当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年同期比(%) 医薬品事業   2,123,045   112.6 合計   2,123,045   112.6 (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度   当連結会計年度 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) マッケソン社   203,461   10.8   269,418   12.7 センコラ社   207,389   11.0   251,034   11.8 アルフレッサ ホールディングス 株式会社及びそのグループ会社   221,814   11.8   232,433   10.9 (3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① 財務戦略の基本的な考え方 当社グループは新たに「Trusted healthcare innovator transforming the lives of people through our science and technology」となることを2035年ビジョンとして掲げました。2030年目標である「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を実現し、効率的かつ強靭な組織を構築することで、がん事業を拡大するとともに、持続的成長に向けた新たなBGTs(注1)を特定し、信頼されるヘルスケア・イノベーターの実現に向けたステージへの移行を可能とするべく、第6期中期経営計画(2026~2030年度)を策定いたしました。2030年度計数目標として、売上収益3兆円以上、営業利益6,000億円以上、EPS260円以上を目指します。また、期間中のキャッシュ・アロケーションについては、成長投資と株主還元の双方をバランス良く実施することを基本方針としております。 成長投資については、5年間総額2兆9,000億円規模の研究開発投資、また、供給体制強化を中心とした同じく7,000億円規模の設備投資を実施する計画としております。 株主還元については、2025年度はエンハーツ等を中心に業績が好調に推移していることから、年間配当を1株当たり18円増配の78円とし、また、株主還元の強化・充実を図るため、自己株式取得枠(取得総額2,000億円又は取得株数8,000万株を上限)を設定し、以下のとおり、自己株式の取得を実施いたしました。なお、取得した全株式を2026年6月10日に消却いたしました。 取得期間   取得総額   取得株数 2025年4月決議   2025年5月1日~2026年3月24日   918億円   3,146万株 また、第6期中期経営計画においては、累進配当及び各年度の調整後DOE(注2)10.0%以上を目標に掲げ、安定的な株主還元を行う方針としております。2026年度については年間配当を1株当たり22円増配の100円とする計画としております。成長投資及び累進配当の株主還元方針を優先しながらも、状況に応じ、機動的に自己株式取得を実施することで、引き続き株主価値の最大化を目指します。 (注)1.Breakthrough Generating Technologyの略。より革新的な医薬品を患者さんに迅速に届けるための第一三共独自の創薬技術 2.株主資本から「その他の資本の構成要素(主に株価・為替により変動する項目)」を除いた「調整後株主資本」をもとに算出したDOE ② 資金調達の方法及び状況 当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本的な考えとしており、手元資金及び外部資金を有効に活用しております。当社グループは、戦略的投資もしくは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、手元流動性残高(現預金及び短期投資債券等)から有利子負債を控除した、ネット・キャッシュを重視しております。 手元資金としては、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。適正な現金及び現金同等物の保有額は、月商の3ヶ月程度を考えており、これを超える部分については企業価値向上に資する事業戦略投資の資金として確保しております。これらは金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の極めて高い短期金融商品で運用しております。 外部からの資金調達については、直接金融又は間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境を考慮した上で当社にとって有利なものを機動的に選択しております。直接金融としては、国内社債発行登録枠として4,000億円及びコマーシャル・ペーパー発行枠として1,500億円を有しております。2016年には超低金利の環境を活かし償還年限が20年、30年の超長期無担保社債を計1,000億円、2025年には償還年限が最短3年、最長10年の無担保社債を計2,000億円発行しました。間接金融としては、当社は当期末時点で金融機関借入はございませんが、取引先金融機関とは引き続き良好な取引関係を維持しております。また、複数の銀行との間で当座貸越契約を設定し、緊急時の流動性担保の手段も確保しております。 なお、円滑な外部資金調達を行うため、当社は株式会社格付投資情報センター(R&I)と、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)の2社から格付を取得しております。 当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりであります。 格付会社   長期格付け   短期格付け 格付投資情報センター(R&I)   AA/安定的   a-1+ ムーディーズ・ジャパン(Moody's)   A2/安定的   - なお、連結子会社は、原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、親会社もしくは現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスやグループ・ファイナンスの活用により、資金調達の集約と資金効率化、流動性の確保を図っております。 ③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析 (ⅰ)財政状態 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末から5,493億円増加し、4兆54億円となりました。現金及び現金同等物が1,900億円減少した一方で、棚卸資産が1,775億円、繰延税金資産が1,603億円、並びに営業債権及びその他の債権が1,220億円それぞれ増加いたしました。 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末から5,085億円増加し、2兆3,412億円となりました。その他の非流動負債が165億円減少した一方で、社債及び借入金(非流動負債)が1,991億円、及び引当金(非流動負債)が1,515億円増加いたしました。 当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末から408億円増加し、1兆6,642億円となりました。自己株式の取得(4,720万株、1,505億円)及び配当金の支払いによる減少等があった一方で、当期利益の計上による増加等により増加いたしました。 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は41.5%となり、前連結会計年度末より5.4%減少いたしました。 第6期中期経営計画においては、成長投資と株主還元へのバランスを重視したキャッシュ・アロケーションを行う方針であります。成長投資として、がん事業を拡大するとともに、持続的成長に向けた新たなBGTsを特定するための研究開発、設備投資を優先し、株主還元としては累進配当を導入し、安定的な配当を行って参ります。 (ⅱ)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,509億円減少の4,890億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、777億円の収入(前連結会計年度は538億円の収入)となりました。税引前利益2,634億円、減価償却費及び償却費775億円等の非資金項目の他、ラルドタツグ デルクステカン(R-DXd/DS-6000)の戦略的提携の契約一時金の収入があった一方で、運転資金の増加等がありました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,482億円の支出(前連結会計年度は3,342億円の収入)となりました。投資の売却や定期預金の払戻による収入があった一方で、定期預金の預入や設備投資による支出等がありました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があった一方で、自己株式の取得、及び配当金の支払等により、979億円の支出(前連結会計年度は3,778億円の支出)となりました。 (4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、2030年度における計数目標として、売上収益3兆円以上(うち、がん領域において2兆3,000億円以上)、営業利益6,000億円以上、EPS260円以上、株主資本配当率(調整後DOE)10%以上を目指しております。 当連結会計年度においては、売上収益2兆1,230億円、営業利益2,291億円、EPS140.4円、DOE8.7%となりました。 なお、目標達成に向けた主な取組課題と実績については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり行った重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。

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出典

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