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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

東レ

TORAY INDUSTRIES,INC.3402 · Prime · 繊維製品

繊維・機能化成品・炭素繊維など多軸で展開する総合化学メーカー。水処理膜やライフサイエンスにも強み。

概要

東レは1926年に東洋レーヨンとして創業した総合化学メーカーである。繊維事業を核に、炭素繊維、樹脂、フィルム、水処理膜、医薬品など先端材料へ多角化した。2025/3期の連結売上収益は2兆5,633億円、営業利益1,275億円、従業員数約4.6万人。グループは子会社269社、関連会社39社の308社で構成され、グローバルに事業を展開する。炭素繊維や逆浸透膜で世界トップクラスのシェアを持つ。

繊維事業:衣料から産業資材までを支える基幹

東レの繊維事業はナイロン、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維の糸・綿・紡績糸、織編物、不織布、人工皮革を扱う。衣料用途が伝統的だが、自動車用安全部品や産業資材にも広がる。2025/3期の売上収益は1兆511億円とグループ全体の約41%を占める。海外子会社としてThai Toray SyntheticsやP.T. Indonesia Toray Syntheticsなどがある。欧州市場の低迷や海外品との競争が課題だが、コスト改善により事業利益は680億円と増益を維持した。

機能化成品:樹脂・フィルム・電子材料を束ねる多品種事業

機能化成品事業はエンジニアリングプラスチック(ナイロン、ABS、PBT、PPSなど)やポリエステルフィルム「ルミラー」、ポリプロピレンフィルム「トレファン」、電子情報材料、印写材料を製造する。樹脂は自動車部品や電子機器筐体に、フィルムは包装や電気絶縁に使われる。2025/3期の売上収益は8,944億円だが、自動車市況低迷や中国でのパネル需要減により前期比5.3%減となった。電子部品向けや車載コンデンサ用途は伸長している。

炭素繊維複合材料:航空機から一般産業へ展開する先端素材

炭素繊維「トレカ」は1971年に生産を開始し、東レを代表する先端材料に成長した。航空機(ボーイング787など)の一次構造材に採用され、圧力容器や風力発電翼、スポーツ用品にも使われる。2025/3期の売上収益は3,001億円、事業利益は176億円。航空宇宙用途は順調に回復したが、一般産業用途は需要伸び悩みと価格競争の影響で減益となった。海外生産拠点としてToray Carbon Fibers Europe S.A.などを擁する。

環境・エンジニアリング:水処理膜とプラント建設

環境・エンジニアリング事業の中核は逆浸透膜(RO膜)「ロメンブラ」である。1980年に生産を開始し、海水淡水化や排水処理に用いられる。同事業は総合エンジニアリング、産業機械、住宅・建築材料も扱う。2025/3期の売上収益は2,669億円、事業利益は288億円。中東向けRO膜の販売が堅調で増益を達成した。グループ会社に東レエンジニアリングや東レ建設がある。

ライフサイエンス:透析器と医薬品で医療に貢献

ライフサイエンス事業は血液浄化器(ダイアライザ)や人工心肺などの医療機器と、循環器系・腎疾患治療薬を手がける。透析分野に強みを持ち、慢性腎不全患者向けの製品を提供する。2025/3期の売上収益は524億円、事業利益は▲1億円と赤字だが、前期から改善傾向にある。医薬品は主に自社開発と提携による。グループ全体の約2%の売上規模だが、安定した需要がある。

業界の中での役割は多分野にわたる素材・製品の総合サプライヤーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2.6兆円
営業利益
972億円
営業利益率
3.8%
純利益
795億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01繊維事業主力

ナイロン、ポリエステル、アクリル等の糸・綿・紡績糸、織編物、不織布、人工皮革、アパレル製品を製造・販売。衣料用途に加えて産業資材にも展開。

主な製品・サービス3
合成繊維(ナイロン、ポリエステル、アクリル)
衣料用・産業用繊維。糸、綿、織編物など様々な形態で供給。
不織布
衛生材料、フィルター、産業資材などに使用。
人工皮革
天然皮革に似た風合いを持つ合成皮革。衣料、靴、バッグなどに使用。

02機能化成品事業主力

ナイロン・ABS・PBT・PPS等の樹脂、樹脂成形品、ポリオレフィンフォーム、フィルム、電子情報材料、印写材料などを製造・販売。自動車・電子機器・包装材など多様な産業に供給。

主な製品・サービス2
樹脂(ナイロン、ABS、PBT、PPS)
エンジニアリングプラスチック。自動車部品、電子機器筐体などに使用。
フィルム(ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン)
包装材、電気絶縁材、光学フィルムなど。

03炭素繊維複合材料事業準主力

炭素繊維および同複合材料、成形品を製造・販売。航空機、自動車、風力発電、スポーツ用品などの軽量化ニーズに応える。

主な製品・サービス2
炭素繊維
高強度・軽量な強化繊維。プリプレグ、織物など形態で供給。
炭素繊維複合材料
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの成形品。

04環境・エンジニアリング事業準主力

水処理用機能膜(逆浸透膜等)と同機器、総合エンジニアリング、マンション、産業機械、住宅・建築・土木材料を提供。上下水処理や海水淡水化分野に強み。

主な製品・サービス2
水処理用機能膜
逆浸透膜(RO膜)など。浄水、海水淡水化、排水処理に使用。
総合エンジニアリング
プラント設計・建設等のエンジニアリングサービス。

05ライフサイエンス事業副次

医薬品(主に循環器系、腎疾患など)および医療機器(血液浄化器、人工心肺など)を製造・販売。透析分野に強み。

主な製品・サービス2
医薬品
循環器系・腎疾患治療薬など。
医療機器
血液浄化器(ダイアライザ)、人工心肺等。

06その他その他

分析・調査・研究等のサービス関連事業。グループ全体の技術基盤を支える。

製品と技術

炭素繊維トレカ:軽量高強度を極める先端素材

東レの炭素繊維は1971年に「トレカ」として生産を開始した。ポリアクリロニトリル(PAN)系の高強度・高弾性率繊維で、プリプレグや織物などの形態で供給される。主な用途は航空機の一次構造材(ボーイング787の主翼・胴体)、自動車の車体軽量化、圧力容器(CNGタンク等)、風力発電翼、ゴルフシャフト・釣り竿などのスポーツ用品である。東レは世界の炭素繊維市場でトップシェアを占め、欧州にもToray Carbon Fibers Europe S.A.の生産拠点を持つ。2025/3期の同事業売上収益は3,001億円。

エンジニアリングプラスチック:自動車と電子機器の高性能化に貢献

機能化成品事業で扱うエンジニアリングプラスチックには、ナイロン(6,66)、ABS樹脂(トヨラック)、PBT、PPSなどがある。いずれも耐熱性、耐衝撃性、成形性に優れ、自動車の内外装部品、電装部品、コネクタ、電子機器の筐体に使用される。ABS樹脂は1964年に自社開発され、PPSは高温環境下でも安定した特性を持つ。近年は電動車向けの軽量化・高耐熱部品需要が伸びている。一方、自動車生産の変動や原料価格の影響を受けやすい。同事業の売上収益は2025/3期に8,944億円(機能化成品全体)で、グループの約35%を占める。

ポリエステルフィルムルミラー:包装から光学まで広がる用途

1959年に生産を開始したポリエステルフィルム「ルミラー」は、東レのフィルム事業の旗艦製品である。高強度・寸法安定性に優れ、食品包装、電気絶縁材、コンデンサ用誘電体、光学フィルム(ディスプレイ用反射防止フィルムなど)に使われる。1970年に生産を始めたポリプロピレンフィルム「トレファン」は、包装やコンデンサ用として補完的な役割を果たす。2025/3期は電子部品用や車載コンデンサ用途が伸長したが、バッテリーセパレータフィルムの販売低迷が全体を押し下げた。フィルム事業は三島工場、岐阜工場、土浦工場など国内拠点のほか、米国Toray Plastics (America)やマレーシアToray Plastics (Malaysia)でも生産される。

逆浸透膜ロメンブラ:水の未来を拓く分離技術

1980年に発売された「ロメンブラ」は、高圧下で塩分や不純物を除去する逆浸透(RO)膜エレメントである。主に海水淡水化プラント、浄水場、排水処理施設で使われる。東レは中東やアジア地域で多くの納入実績を持ち、世界のRO膜市場で高いシェアを占める。膜の素材はポリアミド系で、耐久性と透過性能に優れる。環境・エンジニアリング事業では膜製品に加えて膜処理システムの設計・建設も手がける。2025/3期の同事業売上収益は2,669億円、中東向けの販売が堅調に推移し、増益要因となった。

人工皮革エクセーヌ:極細繊維が生み出す高級スエード

1970年に開発された「エクセーヌ」は、極細ナイロン繊維とポリウレタンからなる高級スエード調人工皮革である。天然スエードに近い柔らかな風合いと均一な染色性を持ち、衣料用(ジャケット、スカート)や靴、バッグ、自動車内装材、家具などに使用される。イタリアの子会社Alcantara S.p.A.も類似のスエード調素材を生産し、高級車内装やラグジュアリーブランドに供給している。エクセーヌは東レの繊維事業における高付加価値製品の代表格であり、ブランド力が高い。

醫療機器と医薬品:透析分野で確立した存在感

ライフサイエンス事業は、血液浄化器(ダイアライザ)や人工心肺装置などの医療機器と、循環器系・腎疾患治療薬を提供する。透析器は慢性腎不全患者の血液ろ過に用いられ、東レは国内で高いシェアを持つ。医薬品は自社開発のほか提携製品も含み、高血圧や心不全治療薬などがある。2025/3期の同事業売上収益は524億円とグループ内では小規模だが、医療需要の安定性から収益基盤の一つとなっている。事業利益は前期の▲8億円から▲1億円へ改善し、黒字化が目前である。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

繊維製品のなかでの位置

炭素繊維で世界首位、素材メーカーとして多角化

炭素繊維、樹脂、フィルムなど多岐にわたる素材事業を展開し、特に炭素繊維では世界トップクラスのシェアを誇る。片倉工業、グンゼ、ユニチカなど繊維メーカーと同業とされるが、当社は高機能素材に特化し、航空機や自動車部品向けで優位に立つ。業績は安定しており、売上高約2.5兆円、営業利益率4%前後。一方で、需要変動の大きい航空機市場への依存や、新興国メーカーとの競争が課題である。

強み

  • 航空機・自動車向け炭素繊維で世界シェア首位級の実力
  • 繊維、樹脂、フィルムなど幅広い事業を持ちリスク分散
  • 先端材料の研究に強み、複合材料など新分野を開拓
  • 売上高2.5兆円、営業利益率4%と安定した業績

課題

  • 航空機向け売上比率が高く、需要低迷時には直撃
  • 中国などが炭素繊維で追い上げ、価格競争が激化
  • 脱炭素の流れで石油由来素材の需要が減るリスク

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

機能性化学の時価総額近傍。太字が東レ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16367ダイキン工業6.1兆円22.1倍
24901富士フイルムホールディングス4.2兆円14.6倍
34612日本ペイントホールディングス2.7兆円18.1倍
46988日東電工2.4兆円17.6倍
53407旭化成2.3兆円14.1倍
63402東レ1.9兆円24.0倍
74188三菱ケミカルグループ1.8兆円
84452花王1.6兆円25.6倍
97911TOPPANホールディングス1.5兆円21.7倍
107912大日本印刷1.3兆円12.9倍
115201AGC1.2兆円13.2倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(機能性化学)に従っています。

会社の歴史

沿革 36件

三井物産の出資で人造絲会社として創業 (1926-1936)

1926年1月、三井物産の出資により資本金1,000万円で東洋レーヨン株式会社が設立された。1927年8月、滋賀工場(石山)でビスコース法によるレーヨン糸の生産を開始。1936年8月にはレーヨンステープル(短繊維)の生産を始め、人造絲分野での基盤を固めた。当初は海外技術に依存していたが、後の合成繊維事業への足がかりとなった。

合併による生産能力拡大と戦前体制 (1938-1941)

1938年2月、瀬田工場を完成し、レーヨンステープルの紡織一貫体制を確立。1941年7月には東洋絹織、庄内川レーヨン、庄内川染工所の3社を吸収合併し、愛媛工場と愛知工場とした。これにより生産拠点を拡大し、戦時下の需要に対応する体制を整えた。合併で得た工場は後に合成繊維へ転換されることになる。

東証上場とデュポンとの提携でナイロン事業へ (1949-1951)

1949年5月、東京証券取引所に株式を上場。1951年4月、名古屋工場を建設しナイロン工業化に着手。同年6月、米国デュポン社とナイロンの技術提携契約を結び、愛知工場にも設備を新設した。これが東レにとって合成繊維への本格的な転換点となり、レーヨンからナイロンへの重心移動が始まった。

ポリエステル繊維とフィルム、新たな事業の柱 (1957-1960)

1957年2月、英国ICIとポリエステル繊維の技術提携を締結。1958年4月、三島工場を完成し「東レテトロン」の生産を開始。1959年4月にはポリエステルフィルム「ルミラー」の本格生産を開始した。1960年2月、岡崎工場で強力ナイロン糸の生産を始め、事業領域を拡大。同年8月には東洋工事(現東レエンジニアリング)を設立し、エンジニアリング部門も立ち上げた。

自主技術の確立と社名変更の時代 (1961-1970)

1961年4月、自社開発のPNC法によるカプロラクタムの本格生産を開始し、原料の内製化を実現。1962年9月には基礎研究所を開設し研究開発を強化。1964年3月、アクリル繊維「トレロン」とABS樹脂「トヨラック」の生産を始めた。1970年1月、社名を東レ株式会社に変更。同年4月には高級スエード調素材「エクセーヌ」を開発し、新たな高付加価値製品を生み出した。

炭素繊維トレカの誕生と海外拠点の第1歩 (1971-1974)

1971年8月、炭素繊維「トレカ」の生産を開始。同年10月、インドネシアにP.T. Indonesia Toray Syntheticsを設立し初の海外生産拠点を確保。1973年2月、マレーシアにPenfibre Sdn. Berhadを設立。1974年4月、イタリアにIganto S.p.A.(現Alcantara)を設立し、スエード調素材の欧州生産を始めた。この時期に炭素繊維と海外展開という後の成長エンジンを得た。

RO膜と欧州炭素繊維、水と航空への布石 (1980-1985)

1980年11月、逆浸透膜(RO膜)「ロメンブラ」の生産を開始し、水処理分野に参入。1982年12月、フランスにSociété des Fibres de Carbone S.A.(現Toray Carbon Fibers Europe)を設立し、欧州での炭素繊維生産拠点を構築。同時期に東レエンジニアリングから建設・不動産事業を分離し東レ建設を設立した。1985年5月には米国TREA Inc.(現Toray Plastics (America))を買収し、北米でのフィルム事業を強化した。

アジアでの生産拡大と販売会社の統合 (1986-1990)

1986年12月、東レインターナショナルを設立しグループの販売・貿易機能を集約。1990年7月、マレーシアにToray Plastics (Malaysia) Sdn. Berhadを設立し、ポリエステルフィルムのアジア生産を開始した。この間、石川工場のナイロンフィラメント設備完成(1985年)や三島工場のフィルム生産設備増強(1982年)など国内設備投資も継続。1990年までに東レは繊維、樹脂、炭素繊維、水処理、医薬品の5事業体制を固め、グローバルな生産ネットワークを確立した。

年表36件を開く

1920年代

  • 1926年1月三井物産㈱の出資により、資本金10,000千円をもって、東洋レーヨン㈱設立。
  • 1927年8月創業滋賀県石山に滋賀工場を設立し、ビスコース法によるレーヨン糸の生産を開始。

1930年代

  • 1936年8月レーヨンステープルの生産を開始。
  • 1938年2月レーヨンステープルの紡織の一貫工場として、瀬田工場を完成。

1940年代

  • 1941年7月M&A東洋絹織㈱、庄内川レーヨン㈱及び㈱庄内川染工所を吸収合併し、愛媛工場、愛知工場とした。
  • 1949年5月上場東京証券取引所に株式上場。

1950年代

  • 1951年4月ナイロン工業化のため名古屋工場を建設。既存の愛知工場にも設備を新設し、ナイロンの本格生産を開始。
  • 1951年6月米国DuPont社とナイロンの技術提携契約を締結。
  • 1957年2月英国ICI社とポリエステル繊維の技術提携契約を締結。
  • 1958年4月三島工場完成。ポリエステル繊維 東レテトロン ® の生産を開始。
  • 1959年4月ポリエステルフィルム ルミラー ® の本格生産を開始。

1960年代

  • 1960年2月岡崎工場完成。強力ナイロン糸の本格生産を開始。
  • 1960年8月東洋工事㈱(現在の東レエンジニアリング㈱)を設立。
  • 1961年4月当社独自で開発したPNC法によるカプロラクタムの本格生産を開始。
  • 1962年9月基礎研究活動促進のため基礎研究所(現在の基礎研究センター)を開設。
  • 1963年12月創業Toray Nylon Thai Co., Ltd. (現在のThai Toray Synthetics Co., Ltd.)を設立。
  • 1964年3月アクリル繊維トレロン ® 及びABS樹脂トヨラック ® の本格生産を開始。

1970年代

  • 1970年1月商号変更社名を東レ㈱に変更。
  • 1970年4月高級スエード調素材エクセーヌ ® を開発。
  • 1970年7月千葉工場完成。ABS樹脂の生産を開始。
  • 1970年11月土浦工場完成。ポリプロピレンフィルム トレファン ® の生産を開始。
  • 1971年3月東海工場完成。テレフタル酸及びカプロラクタムの生産を開始。
  • 1971年7月岐阜工場完成。ポリエステルフィルムの生産を開始。
  • 1971年8月炭素繊維トレカ ® の生産を開始。
  • 1971年10月創業P.T. Indonesia Toray Syntheticsを設立。
  • 1973年2月創業Penfibre Sdn. Berhadを設立。
  • 1974年4月創業Iganto S.p.A. (現在のAlcantara S.p.A.)を設立。
  • 1975年1月石川工場完成。最新鋭技術によるポリエステル繊維の生産を開始。

1980年代

  • 1980年11月逆浸透(RO)膜エレメント ロメンブラ ® の生産を開始。
  • 1982年11月東レエンジニアリング㈱の建設・不動産事業を分離し、東レ建設㈱を設立。
  • 1982年12月三島工場のポリエステルフィルム生産設備を完成。
  • 1982年12月創業Société des Fibres de Carbone S.A. (現在のToray Carbon Fibers Europe S.A.)を設立。
  • 1985年5月M&ATREA Inc. (現在のToray Plastics (America), Inc.)を買収。
  • 1985年8月石川工場のナイロンフィラメント生産設備を完成。
  • 1986年12月東レインターナショナル㈱を設立。

1990年代

  • 1990年7月創業Toray Plastics (Malaysia) Sdn. Berhadを設立。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ROIC2035年まで10%
  • GHG排出量削減率(2013年度比)2035年まで35%
  • EXスコア(エンゲージメントスコア)2035年まで70以上
  • ROIC2028年度まで約7%
  • ROE2028年度まで約8%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    既存事業の競争力強化と次世代市場での飛躍

    既存事業の競争力を着実に高めるとともに、次世代市場での新たな成長を通じて持続的な成長を実現する。

  2. 02

    ビジネスモデルの転換

    市場や顧客ニーズの変化を捉え、付加価値の高い事業ポートフォリオ・ビジネスモデルへの転換を進める。

  3. 03

    現場力強化とサプライチェーンの強靭化

    企業活動の基盤である現場力を高めるとともに、変化やリスクに強いサプライチェーンを構築する。

  4. 04

    DXによる価値創出の仕組み強化

    デジタル技術を活用し、業務効率化にとどまらず、新たな価値を継続的に生み出す仕組みを強化する。

  5. 05

    人材を核とした経営基盤強化

    企業運営の源泉である「人」を起点に組織能力を高度化し、強固な「企業価値創造の基盤」を構築する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で46,294人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は838万円で、9期前と比べて+16.5%平均年齢は40.8歳、平均勤続年数は17.4年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月46,248
2018年3月45,762
2019年3月72038.115.048,320
2020年3月72038.515.448,031
2021年3月67239.015.946,267
2022年3月73439.716.648,842
2023年3月75640.317.248,682
2024年3月76540.717.448,140
2025年3月82140.817.447,914266
2026年3月83840.817.446,294210

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率6.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率92.8%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)71.1%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社34(国内 18 / 海外 16) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
繊維、機能化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング — Toray Advanced Materials Korea Inc. (韓国)1,386億円
炭素繊維複合材料 — Toray Composite Materials America, Inc. (アメリカ)1,257億円
繊維 — Alcantara S.p.A. (イタリア)757億円
炭素繊維複合材料 — Toray Carbon Fibers Europe S.A. (フランス)667億円
機能化成品 — Toray Plastics (America), Inc. (アメリカ)568億円
炭素繊維複合材料 — Zoltek de Mexico, S.A. de C.V. (メキシコ)526億円
愛媛工場 — 愛媛県伊予郡松前町507億円
繊維、機能化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング
滋賀事業場 — 滋賀県大津市464億円
繊維、機能化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンス
東海工場 — 愛知県東海市263億円
機能化成品
名古屋事業場 — 名古屋市港区246億円
機能化成品
ほか9件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    東レ・ファインケミカル㈱
    東京都千代田区
    議決権100.0%
  • 国内
    東レフィルム加工㈱
    東京都中央区
    議決権95.3%
  • 国内
    水道機工㈱(注)3
    東京都世田谷区
    議決権51.1%
  • 国内
    東レ建設㈱
    大阪市北区
    議決権100.0%
  • 国内
    東レエンジニアリング㈱
    東京都中央区
    議決権100.0%
  • 国内
    東レ・メディカル㈱
    東京都中央区
    議決権100.0%
  • 国内
    東レインターナショナル㈱(注)2、5
    東京都中央区
    議決権100.0%
  • 国内
    蝶理㈱(注)3
    大阪市中央区
    議決権52.4%
  • 国内
    Toray Textiles Europe Ltd. (注)2
    イギリス
    議決権100.0%
  • 国内
    Alcantara S.p.A.
    イタリア
    議決権70.0%
  • 海外
    P.T. Indonesia Toray Synthetics (注)2
    インドネシア
    議決権100.0%
  • 海外
    Toray Textiles (Thailand) Public Company Limited
    タイ
    議決権69.3%
残りのグループ会社22社を開く
  • Thai Toray Synthetics Co., Ltd.タイ90%
  • Penfibre Sdn. Berhad (注)2マレーシア100%
  • Toray Industries (India) Private Limited (注)2インド100%
  • 東麗合成繊維(南通)有限公司(注)2中国100%
  • 東麗酒伊織染(南通)有限公司中国85%
  • Toray Industries (H.K.) Ltd.中国100%
  • Toray Advanced Materials Korea Inc. (注)2韓国100%
  • Toray Plastics (America), Inc. (注)2アメリカ100%
  • Toray Plastics (Malaysia) Sdn. Berhadマレーシア100%
  • 東麗塑料(中国)有限公司中国100%
  • Toray Battery Separator Film Korea Limited (注)2韓国100%
  • STEMCO, Ltd.韓国70%
  • Toray Composite Materials America, Inc.アメリカ100%
  • Zoltek Companies, Inc.アメリカ100%
  • Toray Advanced Composites USA Inc.アメリカ100%
  • Toray Carbon Fibers Europe S.A. (注)2フランス100%
  • デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル㈱東京都千代田区35%
  • ダウ・東レ㈱東京都品川区35%
  • 三洋化成工業㈱(注)3京都市東山区17%
  • TMTマシナリー㈱大阪市中央区33%
  • Pacific Textiles Holdings Limited中国29%
  • STECO, Ltd.韓国30%
国際子会社 (GLEIF登録 7社)
  • JP東レプラスチック精工株式会社
  • INTORAY INDUSTRIES (INDIA) PRIVATE LIMITED
  • ITALCANTARA S.P.A.
  • DEToray Resins Europe GmbH
  • DEToray International Europe GmbH
  • GBTORAY TEXTILES EUROPE LIMITED
  • FRTORAY FILMS EUROPE

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発液体水素燃料を用いた燃料電池電動推進システムとコア技術開発水素燃料電池コア技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-05-13
    18.7億円
  • 調達
    CCS研究開発・実証関連事業CO2分離・回収技術の研究開発二酸化炭素分離膜システム実用化研究開発/高温・不純物耐久性CO2分離膜及び分離回収技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-02-21
    2.9億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進CO2を原料に物質生産できる微生物等の開発・改良、CO2を原料に物質生産できる微生物等による製造技術等の開発・実証水素細菌によるCO2とH2を原料とする革新的なものづくり技術の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-07-06
    2.8億円
  • 調達
    エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業実証省エネルギー型海水淡水化システムの実規模での性能実証事業(サウジアラビア王国)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-04-27
    2.4億円
  • 調達
    NEDO先導研究プログラムエネルギー・環境新技術先導研究プログラムCFRP製モビリティ機体の量産システム開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-07-10
    1.5億円
  • 調達
    NEDO先導研究プログラムエネルギー・環境新技術先導研究プログラムデジタルフライングカーによる緊急時機体評価システムの構築
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-07-09
    8,900万円
  • 調達
    NEDO先導研究プログラムエネルギー・環境新技術先導研究プログラム糖骨格利用型バイオテレフタル酸合成の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-07-17
    7,702万円
  • 調達
    エネルギー・環境新技術先導プログラム ナノ半導体材料の高度構造制御と革新低コスト半導体デバイスの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-06-15
    7,612万円
  • 調達
    NEDO先導研究プログラムエネルギー・環境新技術先導研究プログラム繊維製品の資源循環のための選別・分離技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-07-06
    7,495万円
  • 調達
    グラフェンを活用した電波吸収材料に関する検討役務
    防衛省 · 2023-09-15
    5,950万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2.6兆円営業利益972億円前期と比べると増収減益で、売上が+0.9%、利益が-23.8%。

売上高
+0.9%
2.6兆円
営業利益
-23.8%
972億円
純利益
+2.1%
795億円
営業利益率
3.8%
前期比 -1.2%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高2.8兆円2.6兆円
営業利益972億円
純利益900億円795億円
1株あたり配当¥26¥26

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は6,790億円、営業利益は473億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+17.5%、営業利益は+127.4%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q0.59−18
2024年1Q0.582083.6139
2024年2Q0.622363.8150
2024年3Q0.632704.3168
2024年4Q0.64−238
2025年2Q1.297956.1555
2025年4Q1.274803.8224
2026年2Q1.236435.2369
2026年4Q1.353292.4426
2027年1Q0.684737.0313

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.6兆円から2.6兆円へ1.6倍に増えた。直近期の営業利益率は3.8%。売上は2期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1.59882485
2014年3月1.841,106596
2015年3月2.011,286710
2016年3月2.101,502901
この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2017年3月2.031,437994
2018年3月2.201,523959
2019年3月2.391,345794
2020年3月2.091,233842
2021年3月1.88656458
2022年3月2.231,203842
2023年3月2.491,119728
2024年3月2.46596219
2025年3月2.561,2751,1435.0779
2026年3月2.599721,0763.8795

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高2.6兆円のうち、営業利益として残るのは972億円3.8%。営業外の損益と税金を反映した純利益は795億円、売上の3.1%にあたる。営業利益率は業種中央値3.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金79.9%2.1兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金14.8%3,814億円
  • その他の費用持分法損益などの調整1.6%414億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益3.8%972億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
20.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比0.1pt
3.8%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比1.1pt
3.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比1.0pt
4.5%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが2,118億円、投資CFが−669億円で、差し引きのフリーCFは1,449億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は2,653億円で、売上の1.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月1,008−1,075262−671,077
2014年3月1,615−2,148415−5331,131
2015年3月1,413−1,407−10061,125
2016年3月1,961−1,544−7764171,098
2017年3月1,740−1,352−1803881,314
2018年3月1,292−1,867618−5751,343
2019年3月1,762−2,6021,189−8401,674
2020年3月2,383−1,429−7389541,837
2021年3月2,116−979−6941,1372,364
2022年3月1,383−572−1,0158112,304
2023年3月1,452−1,027−5744252,240
2024年3月1,857−1,210−7046472,359
2025年3月2,550−632−1,8851,9182,373
2026年3月2,118−669−1,2901,4492,653

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は3.5兆円。このうち返さなくてよい自己資本が1.8兆円で、自己資本比率は51.8%(業種中央値57.9%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月1.730.780.9541.8
2014年3月2.120.941.1840.5
2015年3月2.361.081.2841.8
2016年3月2.281.021.2541.5
2017年3月2.401.101.3042.6
2018年3月2.581.171.4142.3
2019年3月2.871.121.7539.2
2020年3月2.731.121.6240.8
2021年3月2.851.241.6143.5
2022年3月3.041.411.6446.2
2023年3月3.191.531.6648.1
2024年3月3.471.741.7350.1
2025年3月3.291.711.4751.9
2026年3月3.481.801.5551.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
2,653億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1.2兆円
過去の利益の積み上がり
負債合計
1.5兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
73
/ 100
安定性自己資本比率35 / 40
収益力営業利益率8 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

繊維製品 48社との比較

同じ繊維製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率48社中24位あたり、逆に低いのは配当利回り48社中44位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
4.5%/中央値 5.5%
P25 2.7%P75 10.3%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
3.8%/中央値 3.9%
P25 1.4%P75 9.8%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
51.8%/中央値 57.9%
P25 39.9%P75 72.6%
売上成長率前期からの売上の伸び
0.8%/中央値 0.5%
P25 -4.6%P75 5.6%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.0%/中央値 3.0%
P25 2.6%P75 4.2%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,268.5で、1年前と比べて+31.4%過去52週の値幅のなかでは74%の位置にある。

¥1,268.5-3.6%1ヶ月+10.6%1年+31.4%時価総額1.9兆円
過去52週の値幅
安値¥913.7高値¥1,395

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)24.0倍
PER (会社予想)20.5倍
PBR1.02倍
配当利回り2.05%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月6日に1299.5円へ急伸し、その後も1300円前後で高値圏を維持しています。8月21日時点では1298.5円と、25日移動平均線(1236円)を約5%上回り、年初来高値1395円まで約7%に迫る水準です。8月6日の出来高は1806万株と急増しており、材料を伴った上昇が確認できます。ただし、RSIは67とやや過熱感が出始めており、高値圏での一服も想定されます。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 48/100)

PERは実績24.63倍、予想21.1倍で、業界平均26.94倍を下回る。PBRは1.04倍で平均1.03倍とほぼ同水準。一方、ROEは4.5%と低く、収益性の弱さが目立つ。配当利回りは2.0%で平均2.72%を下回り、株主還元はやや控えめ。業績は2025/3期に営業利益率4.97%と改善したが、2026/3期は3.76%へ低下見込み。当期純利益は増加傾向にあるが、ROE改善には至っていない。割安感はあるが、収益性と配当の伸び悩みを考慮すると、ほぼ妥当と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)24.0倍26.6倍
PER (予想)20.5倍
PBR1.02倍1.01倍
ROE4.5%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、高機能素材分野での成長と、繊維など既存事業の収益性改善にある。強気派は、航空機・自動車向け炭素繊維需要の増加が見込まれ、環境規制強化で水処理膜やグリーン素材の需要が拡大すると主張。また、研究開発投資が実を結び、新製品が収益に貢献し始めていると指摘。弱気派は、繊維など素材市況の低迷や原材料高で、既存事業の収益が伸び悩むと懸念。また、多角化ゆえに資源配分が非効率で、ROEが低水準にとどまるとの見方も。

プラスに働く材料7
  • 炭素繊維需要

    航空機・自動車向け需要が拡大し、トレカが成長を牽引。

  • 環境技術

    水処理膜など環境関連製品の需要が世界的に高まる。

  • 研究開発力

    化合物など新素材の開発で将来の収益源を創出。

  • 2026/3期純利益795億円と増益予想決算発表後影響

    前期779億円から+2.1%増、純利益は増加基調

  • 売上高2兆5,851億円と2期連続増収通年影響

    前期25,633億円から+0.9%、売上規模は高水準を維持

  • 予想PER21.9倍と割安感継続影響

    現在PER25.64倍に対し来期予想は21.9倍に改善

  • 外国人保有比率35.6%と需給安定継続影響

    海外機関投資家の長期保有が厚く下値を支える

マイナスに働く材料7
  • 繊維市況低迷

    衣料向け繊維需要の低迷で祖業の収益が伸び悩む。

  • 多角化の非効率

    事業ポートフォリオが広く、資本効率が悪い。

  • 原材料高

    原料価格の上昇がコスト増となり、利益率が低下。

  • 営業利益は前期比23.8%減の972億円決算発表後影響

    1,275億円から972億円へ減少、収益環境が悪化

  • 営業利益率が4.97%から3.76%へ低下通年影響

    約1.2ポイント悪化、売上高増でも採算が悪化

  • 売上高成長率が0.9%に減速通年影響

    前期は4.0%増だったが今期は+0.9%に鈍化

  • 株価は1年で42.7%上昇し高値警戒継続影響

    上昇後の調整リスク、短期的な売り圧力に注意

次の決算で確かめる点
炭素繊維売上高
成長の中核となる炭素繊維需要の動向を把握するため。
ROE
資本効率が課題とされており、改善度合いを確認するため。
受注残高
航空機など長期的な供給契約の状況を示す指標。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり26で、前期から+11.1%いまの株価に対する利回りは2.05%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥26
1株あたり
配当利回り
2.05%
いまの株価に対して
配当性向
25.4%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1441.7
2018年3月157.130.1
2019年3月166.739.8
2020年3月160.0
2021年3月9−43.838.9
2022年3月1677.838.1
2023年3月1812.540.5
2024年3月180.063.6
2025年3月180.019.9
2026年3月2011.125.4

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥26

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ163,002人。区分でいちばん多いのは金融機関37.3%。グループ会社や銀行などの安定株主が42.8%を占め、残る57.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関41.742.841.137.539.137.3
外国法人25.524.728.831.633.435.6
個人・その他22.622.320.621.220.019.1
事業法人8.38.17.87.75.85.5
自己株式1.91.81.81.84.13.2
証券会社1.92.01.62.01.62.6
外国人個人0.10.10.10.10.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)14.30
02㈱日本カストディ銀行(信託口)7.10
03日本生命保険(相)4.73
04大樹生命保険㈱2.39
05全国共済農業協同組合連合会1.77
06ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505001 (常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.68
07㈱三井住友銀行1.60
08ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505025 (常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.53
09ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505301 (常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.48
10ジェーピー モルガン チェース バンク 385781 (常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.37

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+78%、1株純資産は14期で+178%。直近期のROEは4.5%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月304447.221.4123.9
2014年3月375277.518.666.6
2015年3月446177.722.742.3
2016年3月565929.317.060.8
2017年3月6263910.115.941.7
2018年3月606829.116.830.1
2019年3月507037.114.239.8
2020年3月536987.58.9
2021年3月297733.924.938.9
2022年3月538786.412.138.1
2023年3月459595.016.640.5
2024年3月141,0841.354.163.6
2025年3月491,0934.520.819.9
2026年3月531,2364.520.825.4

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

18名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は18名。2026/3期の役員報酬は総額788百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

氏名役職年齢
日覺昭廣取締役会長77
大矢光雄代表取締役社長 社長執行役員 CEO70
恒川哲也代表取締役 副社長執行役員 総務・法務・リスクマネジメント部門(安全保障貿易管理室)・知的財産部門全般担当 技術センター所長66
寺田滋紀取締役 上席執行役員 経営企画室長64
加藤勇一郎取締役 上席執行役員 財務経理部門長63
首藤和彦取締役 顧問68
伊藤邦雄社外取締役74
神永晉社外取締役79
原山優子社外取締役75
イネステーラー章子社外取締役63
平林秀樹監査役(常勤)68
真野充治監査役(常勤)63
残りの役員6名を開く
氏名役職年齢
髙部眞規子社外監査役70
荻野浩三社外監査役68
井上雅彦社外監査役64
三木憲一郎代表取締役 副社長執行役員 営業全般担当 マーケティング企画室・支店・HS事業部門全般担当66
小林敬一社外取締役67
上田英志社外取締役66

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)9380123652659366
監査役3797926
社外取締役6737312
社外監査役4434311

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容614字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社及び当社の関係会社308社(子会社269社・関連会社等39社)において営まれている主な事業の内容は、下記製品の製造、加工及び販売です。なお、以下の事業区分は、セグメント情報における事業区分と同一です。 事業区分   主要製品 繊維事業   ナイロン・ポリエステル・アクリル等の糸・綿・紡績糸及び織編物、不織布、人工皮革、アパレル製品 機能化成品事業   ナイロン・ABS・PBT・PPS等の樹脂及び樹脂成形品、ポリオレフィンフォーム、ポリエステル・ポリエチレン・ポリプロピレン等のフィルム及びフィルム加工品、合成繊維・プラスチック原料、ファインケミカル、電子情報材料、印写材料 炭素繊維複合材料事業   炭素繊維・同複合材料及び同成形品 環境・エンジニアリング事業   水処理用機能膜及び同機器、総合エンジニアリング、マンション、産業機械類、住宅・建築・土木材料 ライフサイエンス事業   医薬品、医療機器 その他   分析・調査・研究等のサービス関連事業 各事業区分における、当社及び当社の関係会社の位置付けや、主要な関係会社の名称を示した事業系統図は、以下のとおりです。 (注) 1.複数の事業に携わっている会社は、各事業区分に記載しております。 2.商事会社は事業区分が多岐にわたるため、事業規模が最大の事業区分に記載しております。 3.上記会社名の○は子会社、△は関連会社等を示しております。
経営方針・対処すべき課題5,779字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 東レ理念 東レグループは、1926年の創業以来、「企業は社会の公器であり、その事業を通じて社会に貢献する」との経営思想の下、社会から尊敬される企業体として存在することを目指してきました。 1955年にはこの考え方を初めて明文化した「社是」を制定し、創立60周年を迎えた1986年には現在の「企業理念」を最上位とする経営理念体系を整備しました。この経営理念は一部改定しながら受け継がれており、2020年5月に「東レ理念」として創業以来の考え方を改めて体系化しております。 「東レ理念」は、従来の経営理念である「企業理念」「経営基本方針」「企業行動指針」に加え、企業理念を具現化するための企業姿勢を端的に示した「コーポレートスローガン」、これらの考え方の基礎となる創業以来受け継いできた価値観・経営観などの「企業文化」から構成されております。 当社は企業理念の具現化において、社会の中で、お客様、社員、株主など数多くのステークホルダーによって支えられていることを認識し、それぞれに対して責任を果たし、広く社会に貢献していきます。 (企業理念)   わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します (経営基本方針)   お客様のために   新しい価値と高い品質の製品とサービスを 社員のために   働きがいと公正な機会を 株主のために   誠実で信頼に応える経営を 社会のために   社会の一員として責任を果たし相互信頼と連携を (2) “TORAY VISION 2050”(ビジョン) 人口増加、高齢化、気候変動、水不足、資源の枯渇など世界が直面する「発展」と「持続可能性」の両立をめぐる地球規模の課題に対し、革新技術・先端材料の提供によって、本質的なソリューションを提供していくことが東レグループの使命と考えます。“TORAY VISION 2050”は、「2050年に向け東レグループが目指す世界」として、以下の3つの世界の実現を目指しています。 ・人と地球が調和し 資源が循環し 自然が再生していく世界 (環境) ・安全・安心な社会の中で 豊かさが生み出され 分かち合える世界 (社会) ・すべての人が健やかに 心地よく暮らす世界 (人)   これら3つの世界の実現に向け、社会課題の解決をリードし、誰もが安心して暮らせる公正な社会の実現に貢献することで、東レグループの企業理念を体現していきます。 (3) 長期経営方針“TORAY Challenges 2035” 東レグループの長期経営方針は、“TORAY VISION 2050”に示す「2050年に向け東レグループが目指す世界」の実現に向けて、以下のとおり設定しています。 方針1 確かな成長と次世代市場での飛躍: 既存事業の競争力を着実に高めるとともに、次世代市場での新たな成長を通じて持続的な成長を実現します。 方針2 ビジネスモデルの転換: 市場や顧客ニーズの変化を捉え、付加価値の高い事業ポートフォリオ・ビジネスモデルへの転換を進めます。 方針3 現場力強化とサプライチェーンの強靭化: 企業活動の基盤である現場力を高めるとともに、変化やリスクに強いサプライチェーンを構築します。 方針4 DXによる価値創出の仕組み強化: デジタル技術を活用し、業務効率化にとどまらず、新たな価値を継続的に生み出す仕組みを強化します。 方針5 人材を核とした経営基盤強化: 企業運営の源泉である「人」を起点に組織能力を高度化し、強固な「企業価値創造の基盤」を構築します。 マイルストーンとしての2035年のKPIは以下のとおりです。 財務目標   非財務目標 ・ROIC (注)1 10%を目指す   ・GHG排出量 35%削減(2013年度比) ・EXスコア®(エンゲージメントスコア)(注)2 70以上 (注)1.ROICは、税引後事業利益/投下資本(期首・期末平均)で算出しております。事業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出しております。 2.EXスコア®は組織状態を示す指標であり、各個人の期待値と実感値、そのギャップを測定します。期待・実感共に高く、ギャップが小さい場合にスコアは最大化されます。調査委託先である㈱HRBrainの登録商標です。なお、数値目標は当社を対象としております。 今後の事業環境は、政治・経済の不確実性の高まり、地球環境問題や人口増加の深刻化に加え、生成AIの進展による産業構造や社会システムの変化により事業機会が創出される一方で、これまで存在した事業が縮小するリスクもあります。私たちは産業の潮流の変化を的確に捉えて、リスクを機会に変え、ビジネスモデルの転換を図りながら、社会課題の解決と持続的成長の両立を目指していきます。 (4) 中期経営課題“IGNITION 2028” 2026年度から2028年度までの3年間を対象期間とする中期経営課題“IGNITION 2028”は、「東レ理念」を起点として、“TORAY VISION 2050”で掲げた世界を目指し、長期経営方針で掲げた方針を踏まえて、「経済的価値の向上」「社会的価値の向上」「経営基盤強化」に取り組みます。 「経済的価値の向上」においては、既設設備からの利益極大化に加え、高収益事業の継続的な創出に向けて事業戦略に連動した研究技術開発戦略を推進し、成長戦略を加速するとともに、低収益事業の構造改革の確度を高め、ROIC向上を図ります。「社会的価値の向上」においては事業を通じた環境・社会課題へのソリューション提供によって「環境・社会・人」へ貢献していくとともに、環境負荷低減や情報開示などの社会的要請に対応していきます。「経営基盤強化」においては、「安全・防災・環境保全」「人を基本とする経営」「リスクマネジメント」「倫理・コンプライアンス」「知財・無形資産の活用」「ブランディング」「DX・AI活用」を強化します。同時に、財務健全性を確保し、成果を適切に配分するために、利益、キャッシュ・フロー、資産効率性のバランスに配慮した事業運営を行います。 (“IGNITION 2028”の財務目標) 2025年度実績   2028年度目標(注)1 ROIC   4.7%   約7% ROE (注)2   4.5%   約8% (上記前提) 売上収益   25,851億円   30,000億円 事業利益   1,419億円   2,300億円 事業利益率   5.5%   8% D/Eレシオ   0.50   0.7以下 (ガイドライン) (注)1.為替レートの前提は150円/米ドル、原油価格前提は72.5米ドル/バレルです。 2.ROEは、親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分(期首・期末平均)で算出しております。 (“IGNITION 2028”での各セグメント戦略と取り組み) ① 繊維事業 3大合成繊維(ナイロン、ポリエステル、アクリル)を有し、テキスタイル、縫製品までのサプライチェーン一貫型事業をグローバルに展開しております。また衣料用途のみならず、工業、土木、農業、ライフサイエンスといったあらゆる用途で進化しており、近年はサステナビリティへの要請の高まりを受けて、バイオマス由来素材やリサイクル素材の開発・展開を強化しております。 当社グループは、(a) 技術開発力と多彩な素材群、(b) サプライチェーンへの対応力、(c) グローバルな事業展開、からお客様にソリューションを提供できることが特徴であり、“IGNITION 2028”では各事業の競争力に基づき、成長拡大戦略、成長回帰戦略及び事業構造改革を推進し、事業ポートフォリオの転換と強靭化を図ります。衣料用一貫型事業及びエアバッグ事業を成長ドライバーと位置付け、成長地域・分野への資本配分を傾斜し、強化していきます。また、人工皮革事業ではこれまでの投資の効果発現と新規用途開拓を通じた収益改善を進めます。あわせて、NANODESIGN®やリサイクル・バイオマス素材などの高付加価値製品の開発・拡大を目指します。 ② 機能化成品事業 (樹脂・ケミカル事業) 自動車の動力源が本格的に電動化し、自動化・IoT化が進むほか、サステナブル社会の本格化から、産業構造変化に応じた製品を先行的に投入することが重要となります。 樹脂事業は、多くの自動車用部品や民生用途に採用されておりますが、材料供給に留まらず、設計・加工法まで含めたトータルソリューションを提供することでお客様とともに社会問題を解決するパートナーとしてバリューチェーンを築いており、成長領域であるxEV向け等での先行開発を進めて事業拡大を図ります。また、サステナブル社会への対応として、環境規制や市場ニーズを踏まえたリサイクル材料の事業規模を拡大するとともに、ケミカルリサイクル技術の確立と事業適用を進めていきます。 ケミカル事業は、ラクタムチェーン製品事業の強化、ファインケミカル領域における競争力の高い製品群を軸とする事業拡大のほか、動物薬事業の海外展開を進めます。 (フィルム事業) 自動車のxEV台数の拡大や自動化、コネクト化の進化により、車載用需要が拡大するほか、AI需要の高まり等による電子部品の高機能化、電力需要の拡大が進むと想定しております。また、食品包材は食品ロス削減、環境対応ニーズが強まっております。これらのニーズに対応するため、“IGNITION 2028”においては、「お客様に価値向上策を不断に提供し、サプライチェーン全体の成長を継続的に支える機能性フィルム」を成長戦略の核と位置づけ、事業拡大を図っていきます。機能膜製造工程用・保護用の離型用途やフィルムコンデンサ用途で薄膜化や高クリーン化等のお客様のニーズに対応した差別化を推進します。包装用途では、高バリア性等の機能を活かし薄膜化(プラスチック削減)、アルミ箔レス、モノマテリアル化等を推進していきます。 (電子情報材料事業) 半導体市場では、生成AIの需要拡大に伴うデータセンターの増加などを背景にメモリー、ロジック半導体が大きく増加、パワー半導体もxEVや再生可能エネルギーの普及に伴う需要が増加すると想定しております。 高度なコア技術をベースに、お客様との強い信頼関係のもとで半導体、電子部品、ディスプレイ用途での高シェア維持・拡大を図るとともに、次世代半導体・光通信材料など新事業の創出を加速します。 ③ 炭素繊維複合材料事業 航空用途において、ボーイング787の生産機数の回復が想定されるほか、宇宙・防衛用途での需要拡大が期待されます。中長期的には新エネルギーの拡大、環境対応ニーズによる風力発電翼や燃料電池車用途(水素タンクや電極基材)、UAM (Urban Air Mobility)といった新しい事業機会が期待できます。 当社グループは50年におよぶ研究開発、データ蓄積に加えて、世界最高性能・最高品質を有するレギュラートウ、コスト競争力が強みのラージトウをグローバルに提案・供給できる事業体制を擁し、世界の有力企業との信頼関係を築いております。“IGNITION 2028”においては、航空、宇宙・防衛用途では顧客基盤の拡大と中間基材販売の強化、供給体制整備を進めるとともに、スポーツ・一般産業用途では差別化可能な領域への集中と迅速な製品投入により、これまで増設やM&Aを通じて投下してきた資本を刈り取り、事業規模の拡大と収益力向上を推進します。 ④ 水処理・ヘルスケア事業 “IGNITION 2028”では、“TORAY VISION 2050”に掲げる「すべての人が健やかに心地よく暮らす世界」の実現に向け、水処理事業と医薬・医療事業を統合し、「水処理・ヘルスケア」セグメントとして位置付けました。人々の健康及び生活の質向上を両事業の共通の価値軸とし、成長性の高い事業領域として育成します。 (水処理事業) 人口の急速な増加などにより、自然の浄化作用だけでは「水量」と「水質」の確保が世界的に困難なことから、高品質・高速処理・省エネプロセスの膜処理技術が21世紀の必須技術となっております。当社グループが有する水処理分離膜のうち、海水淡水化・飲料水製造に用いられるRO膜(逆浸透膜)、及び下廃水再利用などに用いられるUF膜(限外ろ過)において高い市場成長を想定しております。 “IGNITION 2028”においては、RO膜のグローバル開発体制を強化し、海淡No.1ポジション維持、かん水差別化による収益性の維持・向上を図るとともに、膜周辺技術を含めた膜ソリューション事業への展開や分離膜など新たな領域での拡大を推進し、水処理膜事業のリーディングカンパニーを目指します。 (医薬・医療事業) 血液浄化製品の新製品投入及び地域展開、膵がん診断補助用体外診断薬の拡販等を通じ、収益基盤の強化を図ります。 (5) 事業環境変化への対応 当社を取り巻く事業環境は、地球環境問題の深刻化、地政学リスクの高まりなどにより、年々不透明感を増しています。しかし、地球環境問題や、エネルギー問題、健康長寿、新興国の人口増加など、世界が直面している大きな課題に変わりはなく、それら課題に、素材メーカーとして取り組んでいくという当社の姿勢も基本的には変わりません。“TORAY VISION 2050”で目指す3つの世界の実現に向け、長期経営方針“TORAY Challenges 2035”、中期経営課題“IGNITION 2028”の下、事業を通じた社会課題の解決を軸に社会的価値と経済的価値の両立を図り、「社会に貢献する高収益企業」を目指して、イノベーション創出による成長戦略と、環境変化へのレジリエンスを高めるための構造改革を推進します。
事業等のリスク6,499字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 気候変動がもたらす異常気象の増加や、国家間の武力衝突、政治・経済領域における対立といった地政学リスクの高まりなどにより、当社を取り巻く事業環境は不確実性を増しております。当社グループは、以下(1)項に記載のとおり急激に顕在化するリスクや危機発生時に迅速に対応するための体制を構築し、専任組織によって平時のリスクマネジメントと有事(危機発生時)の即応を統括管理しておりますが、リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等での記載事項に関して、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下(3) (4)項に記載のとおりです。これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 当社グループにおけるリスクマネジメント体制、活動 当社グループでは、周辺環境の変化により急激に顕在化するリスクへの対応や、危機発生時に迅速に対応するため、専任組織を設置し、取締役会及びトップマネジメントと緊密に意思疎通を行い、経営戦略の一環としてリスク マネジメントを推進しております。リスクマネジメント推進のための審議・協議・情報共有機関としては、総務・法務・リスクマネジメント部門長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております(図1)。リスクマネジメント委員会における審議・協議内容については、取締役会に定期的に報告しているほか、重要かつ緊急の案件については、発生した都度もれなく報告しております。また、リスクマネジメント委員会の下部組織として海外危機管理委員会、現地危機管理委員会を設置し、平時には社員の海外渡航管理や海外リスクの情報収集、有事の際には社員の安全確保に向けた対応などを行っております。 当社グループでは、平時のリスク管理と有事の即応を統括してリスクマネジメントと定義しております。平時のリスク管理は、後述する「東レグループ優先対応リスク(以下「優先対応リスク」という。)」及び「特定リスク」を管理するPDCAサイクルを構築し、活動しております(図2)。 「優先対応リスク」は、当社グループが定期的に(3年に1度)網羅的に洗い出したリスクを評価した上で、影響度及び切迫度が高く全社的な対応が必要と判断したものを設定しており、各リスクについては推進責任部署が重点的にリスク低減を図ります。一方、「特定リスク」は、専任部署が国内外のリスク動向を定常的に注視し、調査・分析を行い、経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを検出、評価し、トップマネジメントと協議の上設定します。「特定リスク」は短期間で発現したリスクへの対応が可能で、3年を1期としている「優先対応リスク」と補完関係にあります。 また、有事においては、社内規程に則り、危機のレベルに応じて即応体制を立ち上げ、対応しております。 (2) リスクの洗い出し・評価 2025年に第7期となる「優先対応リスク」の洗い出し・評価を実施しました。第7期は、当社グループ全体を対象に、2026~2028年度の中期経営課題達成を阻害するリスクの洗い出し・評価を主目的とし、以下のプロセスで実施しました。 ① 当社グループを取り巻くリスク(「経営環境」「災害」「業務」「E(環境)」「S(社会)」「G(ガバナンス)」の区分で網羅的に整理した110項目のリスク(図3))について、その影響や切迫性、対策状況などを把握するためのアンケート調査を実施。 ② アンケート調査で得られた情報を集約・分析の上、リスク関係部署及び経営層を対象にリスク認識・課題や対処についてディスカッションを実施。 ③ アンケートの分析、ディスカッションで得られた情報を総合し、「優先対応リスク案」を取りまとめ、リスクマネジメント委員会で審議・決定。 (3) 優先対応リスク 第7期(2026-2028年度)優先対応リスクとして、下記2テーマを推進しております。 製品供給途絶リスク リスク概要   原油価格動静等の市況面、資源保有国の政情等の地政学面、気候変動等の環境面や人権等の社会面の混乱に伴う、生産に必要な原材料・部材等の調達逼迫、取引先からのフォースマジュール条項の発動の顕在化により、以下のリスクが高まる可能性があります。  ・原燃料の調達困難を契機とした安定した数量・品質の製品供給困難 ・当社グループの製品供給途絶に伴う最終製品メーカーの事業継続困難 ・供給契約の債務不履行に伴う賠償責任の発生 など 対応   当社グループは社会生活上の必需品や、企業の事業戦略上の重要製品の製造に不可欠な素材を安定的に供給する社会的責任・使命を有しているという認識のもと、製品供給途絶リスクを第6期(2023-2025年度)「優先対応リスク」に設定してサプライチェーンにおける脆弱性の分析を行い、原材料における複数購買化やレシピ変更、在庫備蓄化などのリスク低減策を実行してきました。 2026年度以降も、当社グループ全体でリスク低減を一層強化するため、本テーマを引き続き「優先対応リスク」と位置付けて対策を拡充しております。全社横断的な推進体制のもと、これまでに蓄積してきたリスク低減に関するノウハウをグループ全体で共有し、製品供給の継続性のさらなる強靭化に取り組んでおります。 サイバー攻撃による事業活動停止リスク リスク概要   サイバー攻撃は高度化・巧妙化が進み、特に製造業を標的とした攻撃が増加しております。攻撃を受けた企業の中には、基幹システム・生産設備の停止や機密情報・個人情報の漏洩などが発生し、事業活動の停止に至るケースが確認されております。当社グループにおいても、同様の事象が発生した場合、事業活動への影響が生じるリスクがあります。 対応   当社グループが事業活動を行う上で、情報システム及び情報ネットワークは欠くことのできない基盤であり、構築・運用にあたっては十分なセキュリティの確保に努めております。当社グループでは情報セキュリティを重要な経営課題と位置付け、「東レグループ情報セキュリティ基本方針」を定め、「東レグループ情報セキュリティ推進委員会」が統括してグループ全体のリスク状況を把握しております。その上で、グループ共通のセキュリティ管理基準の策定・運用や、定期的なセキュリティ診断及びモニタリングを通じて、情報セキュリティの維持・向上を図っております。 さらに、サイバー攻撃による事業活動停止リスクについては、近年のリスクの高まりを踏まえ、2026年度より「優先対応リスク」に位置づけ、全社横断的に対策を強化し、当社グループ及びサプライチェーンのリスク低減を推進しております。 (4) 主要なリスク(区分:「事業」「E(環境)」「S(社会)」「G(ガバナンス)」の順で掲載) 優先対応リスクのほか、当社グループにおいて影響が大きいと評価している主要なリスクは以下のとおりです。これらのリスクについては、全社委員会や専門部署、事業本部などが中心となってリスク低減対応を推進しております。 製品の需要・市況の動向と事業計画に関わるリスク   区分   事業 リスク概要   当社グループは、多種多様な基礎素材製品を広範な産業及び地域に供給しており、世界的あるいは地域的な需給環境の変動や素材代替の進行、取引先の購買方針の変更等による当社グループの製品に対する需要減退などにより、以下のリスクが高まる可能性があります。 ・景気・市場変動・国内の人口減少による特定顧客・用途の大幅な需要変動並びに価格下落 ・新規企業の参入による当社の相対的な優位性低下 ・物価上昇圧力による消費マインド減退 ・取引先の与信リスク顕在化 など 対応   当社グループは、製品の需要や市況の変化に対応すべく、持続的に競争優位の製品確保に努めており、広範囲にわたる事業領域で設備投資を実施しております。また、事業拡大・競争力強化を目的として、事前に収益性や投資回収の可能性について様々な観点から十分な検討を行った上で、第三者との間で様々な合弁事業や戦略的提携、事業買収等を行っております。 中期経営課題“IGNITION 2028”の達成に向けては、高収益事業の拡大、低収益事業の構造改革、次世代市場への参入に向けた研究開発投資の継続などにより事業ポートフォリオの改善に取り組んでおります。各事業領域においても、新たな販売チャネル開発、手戻りのない効率的な差別化商品の開発、サプライチェーン見直し、在庫適正化など、様々な課題を個別に設定、推進しております。 グローバル事業展開に関わるリスク   区分   事業 リスク概要   当社グループは、アジア・欧州・米国をはじめ海外で広く事業を展開しておりますが、事業を展開している国・地域において、紛争・政情不安・治安悪化などが発生した場合、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。また、近年では、地域間の政治的・軍事的緊張、国境を越えた紛争、通商政策の変更、輸出管理規制の強化など地政学リスクや経済安全保障リスクが高まっております。こうした背景のもと、以下のようなリスクがあります。 ・紛争地域における従業員の安全確保の困難 ・サプライチェーンの不安定化による重要資源の確保困難 ・輸出入規制や関税の引き上げ ・経済安全保障上の機微技術の漏洩 ・経済制裁や輸出管理規制の違反認定 など 対応   当社グループでは、海外危機管理委員会において海外で想定される危機への予防的取り組みや危機発生時の対応体制の強化を推進しております。なかでも、戦争のリスクが高い国・地域においては、有事対応のマニュアルを整備し、対応訓練を行っております。経済安全保障への対応については、法務、購買・物流、マーケティング、研究・技術などの幅広いメンバーから成る専任チームを設置し、各国の政治・経済動向や規制動向に関する情報を継続的に収集・分析し、その内容をグループ内に共有し、事業運営に活かしております。また、当社グループの事業活動(サプライチェーン、資金、研究開発、人事管理、データ管理など)に関する情報に基づき、リスク回避・軽減のための仕組みづくりを推進するとともにリスクが顕在化した場合には機動的に必要な対策を講じております。 為替相場の変動、金利の変動に関わるリスク   区分   事業 リスク概要   当社グループは、原材料等の調達を含む外国通貨建て取引を行っております。また、海外事業の現地通貨建て財務諸表の各項目は連結財務諸表作成のために円換算されます。事業資金においては主に金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債の発行等により調達しております。これらには以下のようなリスクがあります。 ・為替相場の変動による財務諸表の各項目における円換算への影響 ・資金調達及び調達コストへの影響 など 対応   当社グループは、グローバルに事業拠点を保有する強みを活かしながら、地産地消を推進するとともに、グローバルオペレーションを機動的に展開することで為替変動の影響を受けにくい経営体質の構築に努めております。また本社及び各国・地域代表や各地区財経チーフ・海外関係会社の駐在員などが常に最新の情報を把握・共有化するとともに、外貨建債権・債務に関して為替予約などのリスクヘッジを実施し、急激な為替レート変動にも対応可能な体制をとっております。また、将来の急激な金利上昇に備え、金利動向を注視し、最適な資金調達を実行していきます。 気候変動、資源の枯渇、生態系の破壊等の環境課題に関わるリスク   区分   E(環境) リスク概要   環境課題に対する企業への要求や期待の高まりから、当社グループにおいて、以下のリスクが高まる可能性があります。 ・GHG削減や資源循環、生物多様性・自然資本の保全と回復などへの対応の遅れによる競争力低下(環境負荷の低い素材への代替推進など) ・石油化学産業へのレピュテーションの悪化による企業ブランド価値の低下 ・世界的なカーボンプライシング等の導入 など 対応   「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、当社グループは、“TORAY VISION 2050”で示す「2050年に向けて目指す世界」の実現に向けて、資源循環推進、GHG削減、ネイチャーポジティブ、サステナビリティ情報開示の各プロジェクトを推進しております。 自然災害・事故災害に関わるリスク   区分   E(環境) リスク概要   気候変動により台風や洪水等といった風水害の規模が大きくなるなど、自然災害へのリスクが高まっており、当社グループにおいても以下のようなリスクがあります。 ・突発的な災害や天災、感染症流行、不慮の事故等による製造設備等の損害や原材料等の供給不足 ・電力・物流をはじめとする社会インフラ機能の低下 など 対応   当社グループは、「安全・防災・環境保全」をあらゆる経営課題に優先しております。安全・防災・環境保全に関する検討・審議を行うための諮問会議である生産役員会が中心となり、生産活動の中断による損害を最小限に抑えるため、製造設備の定期的な防災点検及び設備保守、また安全活動を推進しております。また大規模地震や水災などに関して、従業員・地域社会への安全対策、事業継続のガイドラインを定め、対策を推進しております。 人材戦略リスク   区分   S(社会) リスク概要   働き方や就労観の多様化、労働力人口の減少、長寿・高齢化の加速など、人材戦略に関わる環境は変化しており、当社グループにおいても、以下のようなリスクがあります。 ・生産継続・事業拡大を支える人材の不足 ・人材採用競争激化、賃金上昇によるコスト増加 ・キーマン不足による技術・ノウハウ継承の途絶 など 対応   「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本への取り組み」に記載のとおり、当社グループは、経営戦略と連動した人材戦略を策定し、人材育成、処遇・評価、働き方改革及び社内環境整備に関する基本方針を定め、将来の事業競争力を支える人材ポートフォリオの構築を進めております。 コンプライアンスに関わるリスク   区分   G(ガバナンス) リスク概要   当社グループは、事業活動を行っている各国及び地域において、環境、商取引、労務、知的財産権、租税、為替、独占禁止法や不正競争防止法等の各種関係法令、投資に関する許認可や輸出入規制の適用を受けており、以下のようなリスクがあります。 ・新たな環境規制や環境税の導入、法人税率の変動等これらの法令の改変、各種法令での違反判定 ・競争当局による行政処分、税務当局による更正通知 ・従業員によるデータ偽装などのコンプライアンス違反 ・財務報告に係る内部統制の不備 ・知的財産権、製造物責任、環境、労務等の法令違反に基づく訴訟 など 対応   全社委員会である倫理・コンプライアンス委員会を中心に、動機・機会・正当化の観点でのリスク抑止、不祥事を起こさせない組織風土づくり、内部通報制度やAIツール活用などを促進し、当社グループ全体の倫理・コンプライアンス活動の深化及びコンプライアンス意識の徹底を図っております。また、当社グループは、内部統制の一層の強化を図り、内部監査の高度化を推進することにより、グループ内部統制の実効性向上に取り組んでおります。
経営成績の分析 (MD&A)7,955字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。 なお、文中の将来における事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績の状況の概要及び分析 当連結会計年度の世界経済は、米国は一部に弱さが見られるものの堅調を維持しました。欧州は緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、国別のばらつきが大きくなっています。中国は緩やかに減速しています。国内経済については、緩やかな回復が続きました。ただし、トランプ政権による米国の政策転換や地政学リスクに対する不透明感の高まりを背景に、モノの流れの停滞や買い控えの動きも一部に見られました。 このような事業環境の中で、当社グループは「持続的かつ健全な成長」を目指し、2023年度からは「持続的な成長の実現」「価値創出力強化」「競争力強化」「『人を基本とする経営』の深化」「リスクマネジメントとグループガバナンスの強化」の5つを基本戦略とした中期経営課題“プロジェクト AP-G 2025”を推進しました。 以上の結果、当社グループの連結業績は、売上収益は前期比0.9%増の2兆5,851億円、事業利益は同0.6%減の1,419億円となりました。また、韓国子会社のバッテリーセパレータフィルム事業において減損損失を計上したこと等から、営業利益は同23.7%減の972億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同2.1%増の795億円となりました。 (単位:億円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   増減率(%) 売上収益   25,633   25,851   0.9 事業利益   1,428   1,419   △0.6 営業利益   1,275   972   △23.7 親会社の所有者に 帰属する当期利益   779   795   2.1 セグメントごとの売上収益は、前期に比べ、繊維事業、炭素繊維複合材料事業、環境・エンジニアリング事業で増収となった一方、機能化成品事業、ライフサイエンス事業で減収となりました。事業利益は、繊維事業、環境・エンジニアリング事業、ライフサイエンス事業で増益となった一方、機能化成品事業、炭素繊維複合材料事業で減益となりました。 セグメントごとの売上収益及び事業利益、並びに事業利益の増減要因は、以下のとおりです。 (単位:億円) 売上収益 前連結 会計年度   当連結 会計年度   増減 繊維事業   10,111   10,511   400 機能化成品事業   9,449   8,944   △504 炭素繊維複合材料事業   3,000   3,001   1 環境・エンジニアリング事業   2,365   2,669   304 ライフサイエンス事業   532   524   △7 その他(注)1   177   202   25 合計   25,633   25,851   218 (単位:億円) 事業利益       増減の内訳 前連結 会計年度   当連結 会計年度   増減       数量差   価格差   費用差 ほか   海外子会社の 邦貨換算差 繊維事業   642   680   39       45   △10   6   △2 機能化成品事業   600   563   △37       13   67   △112   △5 炭素繊維複合材料事業   225   176   △49       103   △66   △85   △1 環境・エンジニアリング事業   259   288   29       81   △15   △36   △1 ライフサイエンス事業   △8   △1   7       △8   2   12   0 その他(注)1   24   25   0       25   -   △25   △0 調整額(注)2   △315   △312   3       -   -   3   - 合計   1,428   1,419   △8       258   △22   △235   △9 (注) 1.「その他」は分析・調査・研究等のサービス関連事業等です。 2.「調整額」はセグメント間取引消去及び全社費用です。 ・「数量差」は、主に炭素繊維複合材料事業及び環境・エンジニアリング事業において、需要の回復・伸長を背景に販売数量が増加し、合計で258億円の増益要因となりました。 炭素繊維複合材料事業では、一般産業用途において欧米市場の需要伸び悩みを背景とした販売数量減・稼働調整の影響を受けた一方、航空宇宙用途における需要の回復が進み、販売数量が増加しました。環境・エンジニアリング事業では、中東向けの逆浸透膜を中心に堅調に事業が推移し、同様に販売数量が増加しました。 ・「価格差」は、価格是正、販売構成の改善や高付加価値品への転換などの「戦略的プライシング」が順調に進捗しましたが、炭素繊維複合材料事業における価格競争激化を主因に、合計で22億円の減益となりました。 ・「費用差ほか」は、稼働率向上に伴う費用の増加等により、合計で235億円の減益要因となりました。 セグメントごとの経営成績の詳細は、以下のとおりです。 (繊維事業) 衣料用途は欧州市場の低迷や海外品との競争激化の影響が継続していますが、総じて堅調に推移しました。 産業用途は自動車用途をはじめ市況に停滞感がみられる中、コスト改善に努めました。 以上の結果、繊維事業全体では、売上収益は前期比4.0%増の1兆511億円、事業利益は同6.0%増の680億円となりました。 (機能化成品事業) 樹脂・ケミカル事業は、樹脂事業が自動車用途の市況低迷の影響を受けて伸び悩み、ケミカル事業も市況悪化の影響を受けました。 フィルム事業は、電子部品関連や車載用コンデンサ用途の需要が伸長しましたが、バッテリーセパレータフィルムの販売が低迷しました。 電子情報材料事業は、パワーインダクタ向け新製品の販売が伸長しましたが、有機EL関連材料・回路材料において中国でのパネル需要低迷及び競争激化の影響を受けました。 以上の結果、機能化成品事業全体では、売上収益は前期比5.3%減の8,944億円、事業利益は同6.2%減の563億円となりました。 (炭素繊維複合材料事業) 航空宇宙用途は順調に回復していますが、一般産業用途が圧力容器用途などで調整局面となり、風力発電翼用途も回復が遅れました。 以上の結果、炭素繊維複合材料事業全体では、売上収益は前期比横ばいの3,001億円、事業利益は同21.7%減の176億円となりました。 (環境・エンジニアリング事業) 水処理事業は、中東向けの逆浸透膜や国内のプラント建設事業が堅調に推移しましたが、中国の市況低迷や競争激化の影響を受けました。 エンジニアリング事業は、エンジニアリング子会社及び建設子会社が堅調に推移しました。 以上の結果、環境・エンジニアリング事業全体では、売上収益は前期比12.8%増の2,669億円、事業利益は同11.2%増の288億円となりました。 (ライフサイエンス事業) 医薬事業は、海外は中国を中心に販売が伸長しましたが、国内は後発医薬品浸透の影響を受けました。 医療機器事業は、血液透析用ダイアライザー及びカテーテル等の販売が伸び悩みましたが、高付加価値品へのシフト及びコスト削減に努めました。 以上の結果、ライフサイエンス事業全体では、売上収益は前期比1.4%減の524億円、事業利益は同7億円増の1億円の損失となりました。 (その他) 売上収益は前期比14.0%増の202億円、事業利益は同1.1%増の25億円となりました。 (生産、受注及び販売の状況) 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 このため生産、受注及び販売の状況については、各セグメントの業績に関連付けて示しております。 (2) 財政状態の状況の概要及び分析 当連結会計年度末の財政状態は、資産・負債ともに、円安による海外子会社の円換算額増加の影響がありました。 資産は、営業債権及びその他の債権や有形固定資産、退職給付に係る資産が増加したことを主因に、前連結会計年度末に比べ1,844億円増加し3兆4,770億円となりました。 負債は、借入金が増加したことを主因に、前連結会計年度末に比べ771億円増加し1兆5,491億円となりました。 資本は、自己株式の取得により減少した一方、その他の資本の構成要素が増加したことを主因に、前連結会計年度末に比べ1,073億円増加し1兆9,278億円となり、このうち親会社の所有者に帰属する持分は1兆8,001億円となりました。当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント低下し51.8%、D/Eレシオは同0.01上昇し0.50となりました。 (3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① キャッシュ・フローの状況の概要及び分析 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加が投資活動による資金の減少を1,448億円上回った一方、自己株式の取得による支出等を主因に財務活動による資金の減少が1,290億円となったこと、及び為替変動による増加が122億円となったことにより、前連結会計年度末に比べ280億円増の2,653億円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業債務及びその他の債務の減少額が前期比285億円減少した一方、営業債権及びその他の債権の増加額が同668億円増加したこと等により、営業活動による資金の増加は同433億円(17.0%)減の2,118億円となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 有形固定資産及び無形資産の取得による支出が前期比327億円減少した一方、投資の売却及び償還による収入が同334億円減少したこと等により、投資活動による資金の減少は同37億円(5.9%)増の669億円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 自己株式の取得による支出が前期比733億円増加した一方、社債の発行及び長期借入れによる収入が同841億円増加したことや、社債の償還及び長期借入金の返済が同217億円減少したこと等により、財務活動による資金の減少は同595億円(31.6%)減の1,290億円となりました。 ② 資金需要 当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、投融資などの長期資金需要と当社製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの運転資金需要です。このうち、設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況」に記載しております。 ③ 財務政策 当社グループは、資金需要の見通しや金融市場の動向などを総合的に勘案した上で、最適なタイミング、規模、手段を判断して資金調達を実施しております。また、財務健全性を維持しつつ、事業拡大を推進することを基本方針とし、運転資金の圧縮、固定資産の稼働率向上、キャッシュ・マネジメント・システムによるグループ内余剰資金の有効活用等、資産効率の改善にも取り組んでおります。 2024年5月、資本効率の改善を加速するため、2024年度から2026年度までの3年間で政策保有株式を50%、約1,000億円削減し、その売却代金を全額自己株式の取得に充当する方針を公表しました。この方針に基づき、政策保有株式を前連結会計年度において1,098億円、当連結会計年度において305億円売却しました。また、2024年11月に1,000億円、2025年11月に500億円の自己株式取得枠を設定し、前連結会計年度において384億円、当連結会計年度において1,116億円の自己株式を取得しました。 財務状況は健全性を保っており、現金及び現金同等物などの流動性資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、コマーシャル・ペーパー、社債、借入金等による資金調達により、事業拡大に必要な資金を十分に賄えると考えております。また、業績やキャッシュ・フローの悪化等により緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱に備え、国内外の金融機関とコミットメントライン契約、当座貸越契約等を締結し、資金流動性を確保しております。 (4) 経営上の目標の達成状況 ① 財務目標 中期経営課題“プロジェクト AP-G 2025”の財務目標の達成状況は以下のとおりです。 2023年度実績   2024年度実績   2025年度実績   2025年度目標 (注) 売上収益   24,646億円   25,633億円   25,851億円   28,000億円 事業利益   1,026億円   1,428億円   1,419億円   1,800億円 事業利益率   4.2%   5.6%   5.5%   6% ROIC   2.8%   4.4%   4.7%   約5% ROE   1.3%   4.5%   4.5%   約8% フリー・キャッシュ・フロー   647億円   1,918億円   1,448億円   プラス (3年間累計) D/Eレシオ   0.55   0.49   0.50   0.7以下 (ガイドライン) (注) 為替レートの前提は、125円/米ドルです。 2023年度から2025年度までの3か年を対象とする中期経営課題“プロジェクト AP-G 2025”においては、「持続的な成長の実現」「価値創出力強化」「競争力強化」「『人を基本とする経営』の深化」「リスクマネジメントとグループガバナンスの強化」の5つを基本戦略として、成長領域として設定した、サステナビリティイノベーション(SI)事業とデジタルイノベーション(DI)事業の拡大、事業の高度化・付加価値化及び品質力・コスト競争力強化に取り組んできました。また、ROICをKPIとした資本効率の向上を目指し、成長戦略と構造改革に取り組みました。 “プロジェクト AP-G 2025”をスタートした2023年度以降、構造改革や「戦略的プライシング」の効果が発現し、2025年度の売上収益及び事業利益は、2022年度比で大幅に増加しました。一方で、“プロジェクト AP-G 2025”で掲げていた目標に対しては、中国競合の台頭による競争激化や保護主義の加速、インフレの急速な進行など、グローバルな事業環境変化の影響を受け、数量の未達を主因に、売上収益及び事業利益ともに目標未達となりました。フリー・キャッシュ・フローとD/Eレシオは、財務体質強化により目標を達成しました。 セグメントごとの事業利益は、繊維事業及び環境・エンジニアリング事業は目標を達成しました。一方で、機能化成品事業、炭素繊維複合材料事業及びライフサイエンス事業については目標未達となりました。 セグメントごとの事業利益は以下のとおりです。 (単位:億円) 事業利益 2025年度目標   2025年度 実績   増減 繊維事業   640   680   40 機能化成品事業   910   563   △347 炭素繊維複合材料事業   360   176   △184 環境・エンジニアリング事業   270   288   18 ライフサイエンス事業   0   △1   △1 その他   20   25   5 調整額   △400   △312   88 合計   1,800   1,419   △381 ② サステナビリティ目標 中期経営課題“プロジェクト AP-G 2025”のサステナビリティ目標の達成状況は以下のとおりです。 2013年度実績 (基準年度) (日本基準)   2025年度実績 (2013年度比) (IFRS)   2025年度目標 (2013年度比) (IFRS) サステナビリティイノベーション事業の売上収益(注)1   5,624億円   13,865億円 (2.5倍)   16,000億円 (2.8倍) バリューチェーンへのCO2削減貢献量(注)2   0.4億トン   12.2倍   15.0倍 水処理貢献量(注)3   2,723万トン/日   3.1倍   2.9倍 生産活動によるGHG排出量の売上高・売上収益原単位(注)4、6、7   356トン/億円   45%削減   40%削減 日本国内のGHG排出量(注)5、6、7   245万トン   31%削減   20%削減 生産活動による用水使用量の売上高・売上収益原単位(注)7   14,693トン/億円   37%削減   40%削減 (注) 1.(1)気候変動対策を加速させる製品、(2)持続可能な循環型の資源利用と生産に貢献する製品、(3)安全な水・空気を届け、環境負荷低減に貢献する製品、(4)医療の充実と公衆衛生の普及促進に貢献する製品 2.製品のバリューチェーンを通じたライフサイクル全体でのCO2排出量削減効果を、日本化学工業協会、ICAA (国際化学工業協力協議会)及びWBCSD (持続可能な開発のための経済人会議)の化学セクターのガイドラインに従い、東レが独自に算出 3.水処理膜により新たに創出される年間水処理量。各種水処理膜(RO/UF/MBR)毎の1日当たりの造水可能量に売上本数を乗じて算出 4.世界各国における再生可能エネルギー等のゼロエミッション電源比率の上昇に合わせて、2030年度に同等以上のゼロエミッション電源導入を目指す 5.地球温暖化対策推進法に基づく日本政府の総合計画(2021年10月22日閣議決定)における産業部門割当(2030年度までに絶対量マイナス38%)以上の削減を目指す 6.国際的な算定ルールであるGHGプロトコルに則り、経営支配力を乗じて算出 7.基準年度である2013年度の値は、2014年度以降に東レグループに加わった会社分を含めて算出 サステナビリティの取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた重要な会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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