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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

日本製鉄

NIPPON STEEL CORPORATION5401 · Prime · 鉄鋼

国内鉄鋼最大手。条鋼・鋼板・鋼管など多品種を自動車・建設・エネルギー向けに供給。エンジニアリング・ケミカル事業も展開。

概要

日本製鉄は国内最大手の鉄鋼メーカーである。粗鋼生産量で世界有数の規模を持ち、自動車、建築、インフラ向けに条鋼、鋼板、鋼管などを供給する。2025年3月期の売上高は約8.7兆円、営業利益率は6.3%。従業員数は約13万8千人。近年はUSスチール買収などグローバル戦略を強化している。

主力の製鉄事業と3つの非鉄事業で構成される4セグメント

日本製鉄グループは製鉄事業、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業、システムソリューション事業の4セグメントで構成される。製鉄事業が売上の大部分を占め、条鋼、鋼板、鋼管、特殊鋼、交通産機品、鋼材二次製品などを製造販売する。エンジニアリング事業はプラント設計・施工、ケミカル&マテリアル事業は石炭化学製品や半導体材料、システムソリューション事業はITサービスを提供する。2026年3月期末時点で連結子会社493社、持分法適用関連会社112社を擁する。

変動する収益とUSスチール買収で拡大した資産

売上高は2013年3月期の4.4兆円から2025年3月期には8.7兆円へ増加した。営業利益率は6.3%(2025年3月期)で、当期純利益は3502億円。2025年6月のUSスチール完全子会社化に伴い、総資産は14.7兆円(前期比3.7兆円増)、有利子負債は5.2兆円(D/Eレシオ0.94倍)となった。2026年3月期の売上高は10.1兆円、営業利益2429億円と計画している。

重点地域を米国・インド・タイとするグローバル戦略

日本製鉄は2030年中長期経営計画で「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を掲げ、グローバル粗鋼1億トン以上の実現を目指す。重点地域は米国、インド、タイ。2025年6月に米国大手のUnited States Steel Corporationを完全子会社化し、現地での鉄源一貫体制を強化する。またインドや東南アジアでの需要拡大に対応するため、日本製鉄の技術・ノウハウを移転し高級鋼から汎用鋼まで幅広い需要を捕捉する方針である。

グループ再編と子会社上場を経た組織構造

グループ内の事業会社は度々再編されてきた。新日鉄化学(現日鉄ケミカル&マテリアル)は1987年に株式上場後、2003年に完全子会社化。新日鉄ソリューションズ(現日鉄ソリューションズ)は2002年に上場。2012年の住友金属工業との合併後、新日鉄住金エンジニアリングなど各社が商号変更。2019年には日本製鉄に社名統一し、日鉄エンジニアリング、日鉄ケミカル&マテリアル、日鉄ソリューションズと改称した。

業界の中での役割は鉄鋼一貫メーカー。高級鋼材で高い競争力を持ち、国内外の主要産業に供給。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
10.1兆円
営業利益
2,429億円
営業利益率
2.4%
純利益
172億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
製鉄9.2兆円91.2%4,400億円4.8%
エンジニアリング3,575億円3.6%231億円6.5%
システム ソリュー ション2,926億円2.9%433億円14.8%
ケミカル&マテリアル2,398億円2.4%220億円9.2%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01製鉄事業主力

条鋼、鋼板、鋼管、特殊鋼、鋼材二次製品などを製造販売。自動車、建設、エネルギー、産業機械など幅広い産業向けに供給。国内最大の鉄鋼生産能力を活かし、高級鋼材でリーダー的地位。

主要顧客トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ

主な製品・サービス6
条鋼
H形鋼、鋼矢板、軌条など。建設・土木・鉄道向け。
鋼板
熱延鋼板、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板など。自動車外板・家電・建築向け。
鋼管
継目無鋼管、電縫鋼管など。油井管・ガス管・建築構造用。
特殊鋼
ステンレス鋼、ばね鋼、軸受鋼など。自動車部品・機械部品向け高機能鋼。
交通産機品
鉄道車両部品、鍛造アルミホイール、リターダなど。輸送機器向け。
鋼材二次製品
スチール・合成セグメント、制振鋼板、ボルト・ナットなど。建築・土木・機械向け。

02エンジニアリング事業準主力

各種プラント、エネルギー導管、水道設備、産業機械・装置、建築物などの設計・製作・施工・運営管理。鉄鋼技術をベースに、環境・エネルギー分野のソリューションも提供。

主な製品・サービス3
プラント・施設
製鉄プラント、化学プラント、環境プラント等の設計・建設。
エネルギー導管
都市ガス・熱供給用配管。長距離・高圧対応。
水道設備
浄水場・下水処理場の設備設計・施工。

03ケミカル&マテリアル事業副次

石炭化学製品、電子材料、炭素繊維複合材などを製造販売。半導体・電子部品向け材料や機能性化学品を供給。

主な製品・サービス3
ピッチコークス
電極用や黒鉛材料用原料。石炭乾留により製造。
半導体用ボンディングワイヤ世界シェア首位
金・銅・銀の極細線。半導体パッケージ内の配線に使用。
液晶ディスプレイ材料
偏光板保護フィルム用材料等。

04システムソリューション事業副次

コンピュータシステムのエンジニアリング・コンサルティング、ITアウトソーシングサービス。グループ内および外部顧客向け。

製品と技術

建築・土木向け条鋼の主力品種

条鋼部門ではH形鋼、鋼矢板、軌条などが主要製品である。H形鋼は建築物の骨組みに、鋼矢板は土木工事の仮設壁や護岸に用いられる。日本製鉄は国内最大の生産能力を持ち、高強度・軽量な鋼材を供給する。特に建築基準法に対応した耐震性の高いH形鋼は、超高層ビルから物流倉庫まで幅広く採用されている。

自動車外板などに使われる鋼板製品

鋼板部門では熱延鋼板、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板などを生産する。自動車の外板や構造部材、家電製品の筐体、建築用屋根材・壁材が主な用途である。熱延鋼板はコイル状で出荷され、自動車メーカーのプレスラインに供給される。亜鉛めっき鋼板は防錆性に優れ、住宅の雨どいや軽量鉄骨にも使用される。

油井管から建築構造用まで多様な鋼管

鋼管製品には継目無鋼管、電縫鋼管、鍛接鋼管などがある。継目無鋼管は高い耐圧性が求められる油井管やボイラー管に使用される。電縫鋼管は建築構造用の角形鋼管や一般配管に広く使われる。日本製鉄はエネルギー分野向けの高級鋼管にも強みを持ち、掘削環境の厳しい油田向けの特殊鋼管も手掛ける。

自動車部品など高機能材の特殊鋼

特殊鋼部門ではステンレス鋼、ばね鋼、軸受鋼などを製造する。ステンレス鋼は厨房機器や化学プラント、自動車排気系部品に使用。ばね鋼は懸架スプリングやエンジンバルブスプリング、軸受鋼はベアリングの軌道輪や転動体に用いられる。日本製鉄の特殊鋼は高強度・高耐久性が求められる自動車部品や産業機械で高いシェアを持つ。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

鉄鋼のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 世界シェア首位半導体用ボンディングワイヤ世界シェア約4割ケミカル&マテリアル事業

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

粗鋼生産で国内首位、世界でも大手、内需依存

当社は国内鉄鋼業界で最大手であり、粗鋼生産量は国内首位です。売上高は8.8兆円から10兆円超へ拡大する見込みですが、営業利益率は2026/3期に2.4%と低水準です。同業他社として、JFEホールディングスは国内2位の鉄鋼メーカーで、高炉を持つ主要な競合です。また、神戸製鋼所も総合鉄鋼メーカーですが、当社と規模や製品構成で異なります。当社は自動車用鋼板や建材など幅広い製品を提供し、特に高級鋼材で競争力を持ちます。しかし、中国の生産過剰や国内需要の減少が課題で、世界市場での価格競争が激化しています。

強み

  • 粗鋼生産量は国内首位で、規模の経済によりコスト競争力を持つ。
  • 自動車用高張力鋼板など高付加価値品で世界をリードする技術力がある。
  • 海外に生産拠点を持ち、世界市場での販売網を有する。
  • 国内の建設や自動車需要に支えられ、ある程度の安定性がある。

課題

  • 営業利益率は2%台と低く、原料高や市況悪化で収益が圧迫される。
  • 中国の粗鋼生産過剰により世界価格が下落し、競争が激化している。
  • 少子高齢化で国内の鉄鋼需要が長期的に減少する傾向にある。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

金属・ガラスの時価総額近傍。太字が日本製鉄

時価総額で並べると、掲載7社のなかで2番目にあたる。

#企業時価総額PER
14062イビデン5.7兆円93.7倍
25401日本製鉄3.7兆円210.2倍
35713住友金属鉱山2.9兆円15.4倍
45706三井金属1.5兆円16.5倍
55333NGK1.5兆円25.0倍
65201AGC1.2兆円13.2倍
75411JFEホールディングス1.2兆円17.6倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(金属・ガラス)に従っています。

会社の歴史

沿革 31件

八幡製鐵と富士製鐵に分割された1950年

1950年4月、戦後の企業再建整備法に基づき、旧日本製鐵から資産の現物出資を受ける形で八幡製鐵と富士製鐵の2社が設立された。旧日本製鐵は解散し清算会社に移行した。この分割により、原料から販売まで一貫した高炉メーカー2社が誕生し、後の再統合の基盤が作られた。

八幡と富士が合併し新日本製鐵となった1970年

1970年3月、八幡製鐵と富士製鐵が合併し、商号を新日本製鐵に変更した。同時に東京など全国8証券取引所に株式を上場。1971年4月には富士三機鋼管との合併を経て、鋼管事業を強化した。合併により国内シェアトップの鉄鋼メーカーが誕生し、粗鋼生産量で世界有数の規模を達成した。

新素材・エレクトロニクスへ多角化した1980年代

1974年にエンジニアリング事業本部を設置、1984年には新素材事業開発本部、1986年にはエレクトロニクス事業部を設け、鉄鋼以外の分野へ進出した。1987年には新日鐵化学(現日鉄ケミカル&マテリアル)を東証一部上場させ、化学事業を独立。1988年には情報システム部門を分離し新日鉄情報通信システム(現日鉄ソリューションズ)を設立した。

住友金属工業と合併し新日鐵住金となった2012年

2012年10月、新日本製鐵は住友金属工業と合併し、商号を新日鐵住金に変更した。これにより粗鋼生産能力で世界2位(当時)の鉄鋼メーカーが誕生。同時にグループ会社の再編が進み、新日鉄エンジニアリングは新日鉄住金エンジニアリングに、新日鐵化学は新日鉄住金化学に改称。都市開発事業は興和不動産と合併し新日鉄興和不動産となった。

社名を日本製鉄に統一し子会社も改名した2019年

2019年4月、新日鐵住金は商号を日本製鉄に変更。グループ会社も日鉄エンジニアリング、日鉄ケミカル&マテリアル、日鉄ソリューションズと改称し、ブランドを統一した。同年1月には日新製鋼を完全子会社化し、2020年4月に同社と合併。2019年3月には山陽特殊製鋼を子会社化し、特殊鋼事業を強化した。

USスチールを買収しグローバル展開を加速した2025年

2025年6月、日本製鉄は米国のUnited States Steel Corporationを完全子会社化した。これにより総資産は14.7兆円に拡大し、北米市場でのプレゼンスを大幅に高めた。2025年4月には山陽特殊製鋼を完全子会社化。2023年4月には日鉄物産を子会社化し、鋼材流通網を強化するなど、グループの再編と拡大を継続している。

年表31件を開く

1950年代

  • 1950年4月創業当社設立。八幡製鐵㈱及び富士製鐵㈱が、会社経理応急措置法及び企業再建整備法の適用を受けた日本製鐵㈱から、資産等の現物出資を受ける。なお、日本製鐵㈱は、八幡製鐵㈱、富士製鐵㈱その他の会社に対して資産等を譲渡したうえで解散し、清算会社に移行。

1970年代

  • 1970年3月上場八幡製鐵㈱と富士製鐵㈱が合併し、商号を新日本製鐵㈱に変更 東京をはじめ全国8証券取引所に株式を上場
  • 1971年4月M&A富士三機鋼管㈱と合併
  • 1974年6月M&Aエンジニアリング事業本部を設置 新日本製鉄化学工業㈱及び日鐵化学工業㈱が合併し、商号を新日鐵化学㈱に変更

1980年代

  • 1984年7月新素材事業開発本部を設置
  • 1986年7月エレクトロニクス事業部を設置
  • 1987年3月上場新日鐵化学㈱、東京証券取引所に株式を上場
  • 1987年6月新素材事業本部、エレクトロニクス・情報通信事業本部及びライフサービス事業部を設置
  • 1988年4月M&A日鐵コンピュータシステム㈱、当社情報システム部門を統合し、商号を新日鉄情報通信システム㈱に変更 ライフサービス事業部をエンジニアリング事業本部に編入

1990年代

  • 1991年6月M&A中央研究本部と設備技術本部を統合し、技術開発本部を設置
  • 1991年9月総合技術センターを設置
  • 1993年6月LSI事業部を設置
  • 1997年4月シリコンウェーハ事業部を設置
  • 1998年4月都市開発事業部をエンジニアリング事業本部から分離
  • 1999年4月LSI事業部を廃止

2000年代

  • 2001年4月商号変更㈱日鉄ライフ、商号を㈱新日鉄都市開発に変更
  • 2002年4月M&A㈱新日鉄都市開発、当社都市開発事業部を統合
  • 2002年10月上場新日鉄ソリューションズ㈱、東京証券取引所に株式を上場
  • 2003年7月M&A新日鐵化学㈱を完全子会社化
  • 2004年4月シリコンウェーハ事業部を廃止
  • 2006年7月エンジニアリング事業本部、新素材事業部において遂行する事業を会社分割により新日鉄エンジニアリング㈱、新日鉄マテリアルズ㈱へ事業承継

2010年代

  • 2012年10月M&A住友金属工業㈱と合併し、商号を新日鐵住金㈱に変更 ㈱新日鉄都市開発は、興和不動産㈱と合併し、商号を新日鉄興和不動産㈱に変更、同社は連結子会社から持分法適用関連会社へ 新日鉄エンジニアリング㈱、商号を新日鉄住金エンジニアリング㈱に変更 新日鐵化学㈱、商号を新日鉄住金化学㈱に変更 新日鉄マテリアルズ㈱、商号を新日鉄住金マテリアルズ㈱に変更 新日鉄ソリューションズ㈱、商号を新日鉄住金ソリューションズ㈱に変更
  • 2017年3月M&A日新製鋼㈱を子会社化
  • 2018年10月M&A新日鉄住金化学㈱及び新日鉄住金マテリアルズ㈱が合併し、商号を日鉄ケミカル&マテリアル㈱に変更
  • 2019年1月M&A日新製鋼㈱を完全子会社化
  • 2019年3月M&A山陽特殊製鋼㈱を子会社化
  • 2019年4月商号変更商号を日本製鉄㈱に変更 新日鉄住金エンジニアリング㈱、商号を日鉄エンジニアリング㈱に変更 新日鉄住金ソリューションズ㈱、商号を日鉄ソリューションズ㈱に変更

2020年代

  • 2020年4月M&A日鉄日新製鋼㈱と合併
  • 2023年4月M&A日鉄物産㈱を子会社化
  • 2025年4月M&A山陽特殊製鋼㈱を完全子会社化
  • 2025年6月M&AUnited States Steel Corporationを完全子会社化

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 連結実力利益2030年度まで1兆円/年以上
  • ROE2030年度まで10%程度
  • D/Eレシオ2030年度まで0.7程度
  • D/EBITDA(劣後債等の資本性等調整後)2030年度まで3.5以下

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    国内収益基盤の強化

    コスト競争力の追求、総合的ソリューション展開、グループ総合力最大化により、自動車・インフラ・エネルギー等の需要分野で競争力を高め収益力を向上させる。

  2. 02

    海外成長戦略の実行

    米国・欧州、インド、タイを重点地域に、設備投資と技術移転により鉄源一貫体制を強化し、高級鋼から汎用鋼まで需要を捕捉、利益拡大を図る。

  3. 03

    GX(グリーントランスフォーメーション)の推進

    2030年までに大型電炉を実装し、GXスチール市場形成に向けた制度化・国際標準化を推進。2050年カーボンニュートラル実現を目指す。

  4. 04

    経営基盤の強化

    研究開発への継続投資、DXを含む業務刷新・効率化、グローバル人材育成と多様化推進により、戦略実行を支える競争力を確保する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で138,453人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は909万円で、9期前と比べて+48.2%平均年齢は41.3歳、平均勤続年数は19.5年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月92,309
2018年3月93,557
2019年3月61337.215.1105,796
2020年3月61337.215.1106,599
2021年3月49437.215.5106,226
2022年3月53638.516.5106,528
2023年3月82539.317.2106,068
2024年3月82939.917.6113,639
2025年3月90540.518.2113,845481
2026年3月90941.319.5138,453175

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率1.8%
縦線は目安の30%
男性育休取得率88.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)67.1%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

国際子会社 (GLEIF登録 2社)
  • JP日鉄エンジニアリング株式会社
  • JP山陽特殊製鋼株式会社

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発直接水素還元技術の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-02-24
    240.9億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用高炉を用いた水素還元技術の開発外部水素や高炉排ガスに含まれるCO2を活用した低炭素化技術等の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-03-08
    165.3億円
  • 調達
    環境調和型製鉄プロセス技術の開発水素還元活用製鉄プロセス技術開発(フェーズIIーSTEP1)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-06-06
    30.5億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/CO2の分離回収等技術開発低圧・低濃度CO2分離回収の低コスト化技術開発・実証工場排ガス等からの中小規模CO2分離回収技術開発・実証/革新的分離剤による低濃度 CO2分離システムの開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-07-07
    17.1億円
  • 調達
    超高圧水素インフラ本格普及技術研究開発事業国内規制適正化に関わる技術開発新たな水素特性判断基準の導入に関する研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-08-06
    4.9億円
  • 調達
    次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発/化学品へのCO2利用技術開発/CO2を原料としたパラキシレン製造に関する技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-09-03
    3億円
  • 調達
    カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発クリーンコール技術開発石炭利用環境対策事業石炭利用環境対策推進事業/石炭の低温反応機構解明とそれに基づく自然発熱抑制技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-06-10
    8,990万円
  • 調達
    クリーンコール技術開発石炭利用環境対策事業石炭利用環境対策推進事業/石炭自然発熱影響因子評価
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2019-01-15
    7,567万円
  • 調達
    「ゼロカーボン・スチール」の実現に向けた技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-08-07
    6,165万円
  • 調達
    CCUS研究開発・実証関連事業苫小牧におけるCCUS大規模実証試験CO2輸送に関する実証試験/CO2船舶輸送に関する技術開発および実証試験
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-08-10
    5,733万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は10.1兆円営業利益2,429億円前期と比べると増収減益で、売上が+15.7%、利益が-55.7%。

売上高
+15.7%
10.1兆円
営業利益
-55.7%
2,429億円
純利益
-95.1%
172億円
営業利益率
2.4%
前期比 -3.9%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高11.2兆円10.1兆円
営業利益2,429億円
純利益2,900億円172億円
1株あたり配当¥24¥24

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は2.8兆円、営業利益は1,455億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+28.2%、営業利益は−41.5%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q2.011,769
2024年1Q2.202,48711.31,771
2024年2Q2.211,7517.91,231
2024年3Q2.231,9498.71,407
2024年4Q2.231,085
2025年2Q4.383,7588.62,433
2025年4Q4.321,7224.01,069
2026年2Q4.64−28−0.1−1,134
2026年4Q5.432,4574.51,306
2027年1Q2.821,4555.2753

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は4.4兆円から10.1兆円へ2.3倍に増えた。直近期の営業利益率は2.4%。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月4.39769−1,246
2014年3月5.523,6112,428
この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2015年3月5.614,5172,143
2016年3月3.16880837
日新製鋼㈱を子会社化
2017年3月4.631,7451,309
新日鉄住金化学㈱及び新日鉄住金マテリアルズ㈱が合併し、商号を日鉄ケミカル&マテリアル㈱に変更
2018年3月5.712,9751,808
日新製鋼㈱を完全子会社化
2019年3月6.182,512
日鉄日新製鋼㈱と合併
2020年3月5.92−4,315
2021年3月4.83−324
2022年3月6.816,373
日鉄物産㈱を子会社化
2023年3月7.986,940
2024年3月8.875,494
山陽特殊製鋼㈱を完全子会社化
2025年3月8.705,4806.33,502
2026年3月10.062,4292.4172

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高10.1兆円のうち、営業利益として残るのは2,429億円2.4%。営業外の損益と税金を反映した純利益は172億円、売上の0.2%にあたる。営業利益率は業種中央値5.0%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金85.6%8.6兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金9.9%9,940億円
  • その他の費用持分法損益などの調整2.1%2,079億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益2.4%2,429億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
14.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比2.6pt
2.4%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比3.5pt
0.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比4.7pt
0.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
0.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
1.2%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 13期分

2026年3月期は営業CFが7,169億円、投資CFが−2.8兆円で、差し引きのフリーCFは−2.1兆円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は4,613億円で、売上の0.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF兆円投資CF兆円財務CF兆円フリーCF兆円現金残高億円
2013年3月0.31−0.330.03−0.01905
2014年3月0.57−0.20−0.370.381,055
2015年3月0.71−0.26−0.450.451,130
2017年3月0.48−0.34−0.140.14914
2018年3月0.49−0.36−0.100.121,429
2019年3月0.45−0.38−0.040.071,632
2020年3月0.49−0.35−0.010.152,895
2021年3月0.40−0.390.050.013,595
2022年3月0.62−0.38−0.060.245,510
2023年3月0.66−0.37−0.200.296,704
2024年3月1.01−0.71−0.540.304,489
2025年3月0.98−0.46−0.310.526,725
2026年3月0.72−2.841.89−2.124,613

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は14.7兆円。このうち返さなくてよい自己資本が5.5兆円で、自己資本比率は37.7%(業種中央値60.7%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月7.092.944.1533.8
2014年3月7.083.243.8437.9
2015年3月7.163.553.6141.6
2016年3月4.941.863.0837.6
2017年3月7.263.293.9740.6
2018年3月7.763.144.6240.4
2019年3月8.053.234.8240.1
2020年3月7.452.644.8035.5
2021年3月7.572.764.8136.4
2022年3月8.753.475.2939.6
2023年3月9.574.185.3943.7
2024年3月10.714.785.9444.6
2025年3月10.945.385.0449.2
2026年3月14.665.538.6437.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
4,613億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
3.8兆円
過去の利益の積み上がり
負債合計
8.6兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
60
/ 100
安定性自己資本比率25 / 40
収益力営業利益率5 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

鉄鋼 38社との比較

同じ鉄鋼の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率38社中1位あたり、逆に低いのは自己資本比率38社中37位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
0.3%/中央値 5.0%
P25 2.6%P75 7.3%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
2.4%/中央値 5.0%
P25 2.6%P75 6.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
37.7%/中央値 60.7%
P25 52.5%P75 76.0%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
15.7%/中央値 -4.1%
P25 -8.9%P75 -0.1%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.5%/中央値 3.3%
P25 2.4%P75 3.9%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥691.5で、1年前と比べて+21.5%過去52週の値幅のなかでは91%の位置にある。

¥691.5-1.3%1ヶ月+7.0%1年+21.5%時価総額3.7兆円
過去52週の値幅
安値¥530.5高値¥708

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)210.2倍
PER (会社予想)12.6倍
PBR0.64倍
配当利回り3.47%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に659.4円と、25日移動平均線(652.22円)を約1.1%上回る。52週高値708円からは約6.9%下。直近1ヵ月で8.49%上昇。RSIは53.42と中立圏。出来高は7月後半に急増し、その後も高水準が続く。上昇トレンドは継続中で、需給と中国経済対策への期待が背景。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 20/100)

PERが199.82倍と予想12倍に対して現在の実績は非常に高く、業界平均の114.57倍を大幅に上回り、割高感が強い。一方、PBRは0.61倍と1倍未満で、業界平均の0.74倍を下回り、株価純資産倍率からは割安。ROEは0.3%と極端に低く、収益性は低い。配当利回りは3.64%と業界平均の3.22%を上回るが、直近の純利益が大幅に減少しており、配当の持続性に懸念がある。総合的に、PERの高さが割高評価を強めているが、PBRの割安さや配当利回りの高さが下支え。

指標この会社業種平均
PER (実績)210.2倍114.6倍
PER (予想)12.6倍
PBR0.64倍0.75倍
ROE0.3%5.2%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

日本製鉄の投資論点は、USスチール買収に見られるグローバル拡張戦略の成否と、国内鉄鋼需要の構造的な低迷を巡る対立にある。強気派は、買収による米国市場でのプレゼンス向上や、高級鋼材での収益力強化を期待する。一方、弱気派は、買収コストや統合リスク、遊休資産の重荷を懸念し、財務悪化を指摘する。また、自動車向け需要の回復や、脱炭素投資の負担も両論の焦点。ROEが低い水準にある点も、株主還元の面で弱気の論拠となる。

プラスに働く材料7
  • グローバル拡張の効果

    米国市場での地位強化で収益拡大が見込める。

  • 高機能鋼材の強み

    自動車用高張力鋼板などで高いシェアを持つ。

  • 収益性改善の可能性

    2025年3月期の営業利益率は6.3%。

  • 予想PER12.7倍への利益回復期待決算発表後影響

    実績PER212.7倍に対し予想PER12.7倍。次期純利益約2,951億円が暗示され、実現なら大幅なEPS改善

  • 売上高が10兆円超へ大幅増収通年影響

    売上高は前期比15.7%増の10兆632億円。数量増がけん引

  • PBR0.65倍の割安是正不定影響

    PBR0.65倍は純資産の35%ディスカウント。資本効率改善で1倍への回復余地

  • 高配当利回り3.44%が下値を支える継続影響

    配当利回り3.44%と相対的に高い。株主還元姿勢が株価下値支援

マイナスに働く材料7
  • 買収のリスク

    巨額投資による財務負担や統合の難しさ。

  • 国内需要の減退

    人口減少や自動車の軽量化で需要減の懸念。

  • ROEの低さ

    近年のROEは低位で資本効率が悪い。

  • 営業利益が前期比55.7%減通年影響

    2026年3月期の営業利益は2,429億円と前期の5,480億円から3,051億円減

  • 純利益が172億円に急減通年影響

    純利益は前期比95.1%減の172億円。EPSはほぼゼロ近くに

  • 営業利益率が6.3%から2.41%に悪化通年影響

    営業利益率は6.3%から2.41%へ3.89pt低下。採算悪化が顕著

  • ROE0.3%と資本効率が低迷継続影響

    ROE0.3%は資本コストを大きく下回る。PBR0.65倍の水準に甘んじる要因

次の決算で確かめる点
粗鋼生産量
事業規模と需要動向を示す指標。
自動車向け出荷量
主要顧客の生産動向に業績が影響されるため。
米国子会社の業績
買収後の統合効果と収益貢献を測るため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり24で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは3.47%。

年間配当
¥24
1株あたり
配当利回り
3.47%
いまの株価に対して
配当性向
36.8%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月996.0
2018年3月1455.652.3
2019年3月1614.349.1
2020年3月2−87.5
2021年3月20.0
2022年3月321500.037.5
2023年3月3612.532.9
2024年3月32−11.145.5
2025年3月320.077.8

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥24

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ840,267人。区分でいちばん多いのは個人・その他36.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が37.3%を占め、残る62.7%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他22.626.131.134.832.136.0
金融機関36.134.532.430.832.029.4
外国法人29.826.023.720.623.623.9
事業法人9.69.79.89.98.77.9
証券会社1.93.52.93.73.62.6
自己株式3.03.03.03.02.62.6
外国人個人0.00.10.10.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)13.57
02㈱日本カストディ銀行(信託口)3.89
03THE CHASE MANHATTAN BANK,N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.80
04日本生命保険(相)(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行㈱)1.78
05JP MORGAN CHASE BANK 385642(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.75
06JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.35
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.35
08日本製鉄グループ従業員持株会1.31
09明治安田生命保険(相)(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)1.28
10㈱みずほ銀行(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)1.03

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-08-19
    ジェー・ピー・モルガン・インベストメント・マネージメント・インク(J.P. Morgan Investment Management Inc.)
    新規の大量保有報告
    5.08%
  • 2026-08-06
    三井住友信託銀行株式会社
    新規の大量保有報告
    5.00%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+102%、1株純資産は14期で−60%。直近期のROEは0.3%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月−1622,638−5.9
2014年3月2672,9419.610.625.6
2015年3月2353,2637.612.929.5
2016年3月912,0584.423.749.3
2017年3月1483,3404.617.396.0
2018年3月2053,5546.011.452.3
2019年3月2823,5107.96.949.1
2020年3月−4692,869−14.7
2021年3月−352,998−1.2
2022年3月13875320.53.137.5
2023年3月15190818.14.132.9
2024年3月1191,03712.36.145.5
2025年3月701,0306.99.177.8
2026年3月31,0580.3175.436.8

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2026/3期の役員報酬は総額2,683百万円。

氏名役職年齢保有株数
橋本英二代表取締役会長 兼 CEO702,946
今井正代表取締役社長 兼 COO631,362
森高弘代表取締役副会長 兼 副社長 グローバル事業推進本部長、グローバル事業推進本部インドプロジェクトリーダー、グローバル事業推進本部タイプロジェクトリーダー、USSプロジェクトリーダー681,317
佐藤直樹代表取締役副社長 グローバル事業推進本部インドプロジェクトサブリーダー、グローバル事業推進本部タイプロジェクトサブリーダー、USSプロジェクトサブリーダー65726
廣瀨孝代表取締役副社長 USSプロジェクトサブリーダー、次世代熱延プロジェクトサブリーダー64145
船越弘文代表取締役副社長 USSプロジェクトサブリーダー63302
湊博之代表取締役副社長 USSプロジェクトサブリーダー、電炉プロジェクトリーダー、次世代熱延プロジェクトリーダー61479
藤田展弘代表取締役副社長 技術開発本部長、USSプロジェクトサブリーダー、61134
澤田純取締役71
肥塚見春取締役71
新海一正取締役 常任監査等委員(常勤)63310
山根健嗣取締役 監査等委員(常勤)5648
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢保有株数
平松賢司取締役 監査等委員691
関根愛子取締役 監査等委員6850
竹内純子取締役 監査等委員55

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)7398272381,803
取締役(社内)1023933357157
監査等委員157157
監査等委員5525210
社外取締役4545
社外取締役3030
社外取締役315155
社外取締役210105

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,382字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業体制は、製鉄事業、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業及びシステムソリューション事業です。 なお、これら4事業は本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 事業セグメント」に掲げるセグメント情報の区分と同一です。 2026年3月31日現在、当社グループは、当社及び493社の連結子会社並びに112社の持分法適用関連会社等により構成されます。 各事業を構成している当社及び当社連結子会社において営まれている主な事業の内容及び位置づけは次のとおりです。なお、主要な関係会社につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しています。 [製鉄事業] 条鋼(鋼片、軌条、鋼矢板、H形鋼、その他形鋼、棒鋼、バーインコイル、普通線材、特殊線材)、鋼板(厚板、中板、熱延薄板類、冷延薄板類、ブリキ、ティンフリースチール、亜鉛めっき鋼板、その他金属めっき鋼板、塗装鋼板、冷延電気鋼帯)、鋼管(継目無鋼管、鍛接鋼管、電縫鋼管、電弧溶接鋼管、冷けん鋼管、めっき鋼管、被覆鋼管)、交通産機品(鉄道車両部品、型鍛造品、鍛造アルミホイール、リターダ、環状圧延品、鍛鋼品)、特殊鋼(ステンレス鋼、機械構造用炭素鋼、構造用合金鋼、ばね鋼、軸受鋼、耐熱鋼、快削鋼、ピアノ線材、高抗張力鋼)、鋼材二次製品(スチール・合成セグメント、NS-BOX、メトロデッキ、パンザーマスト、制振鋼板、建築用薄板部材、コラム、溶接材料、ドラム缶、ボルト・ナット・ワッシャー、線材加工製品、油井管付属品、建築・土木建材製品)、銑鉄・鋼塊他(製鋼用銑、鋳物用銑、鋼塊、鉄鋼スラグ製品、セメント、鋳物用コークス)、製鉄事業に付帯する事業(機械・電気・計装関係機器の設計・整備・工事施工、海上運送、港湾運送、陸上運送、荷役、倉庫業、梱包作業、材料試験・分析、作業環境測定、技術情報の調査、施設運営管理、警備保障業、原料決済関連サービス、製鉄所建設エンジニアリング、操業指導、製鉄技術供与、ロール)、その他(チタン展伸材、食料品、繊維品、電力、不動産、サービスその他) [エンジニアリング事業] 各種プラント・施設、エネルギー導管、水道設備、産業機械・装置、建築物、建築部材・装置、鋼構造物等の設計・製作・販売・施工・監理、プラント・施設等の運転・運営・維持管理、廃棄物等の処理・再生資源化事業、電気・ガス・熱等の供給事業 [ケミカル&マテリアル事業] ピッチコークス、ピッチ、ナフタリン、無水フタル酸、カーボンブラック、スチレンモノマー、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、無接着剤FPC用銅張積層板、液晶ディスプレイ材料、有機EL材料、UV・熱硬化性樹脂材料、圧延金属箔、半導体用ボンディングワイヤ・マイクロボール、半導体封止材用フィラー、炭素繊維複合材、排気ガス浄化用触媒担体、多孔質炭素材料 [システムソリューション事業] コンピュータシステムに関するエンジニアリング・コンサルティング、ITを用いたアウトソーシングサービスその他の各種サービス [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。(2026年3月31日現在)
経営方針・対処すべき課題5,815字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (経営方針) 日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献することを企業理念に掲げて事業を行っています。 <日本製鉄グループ企業理念> 基本理念 日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献します。 経営理念 1.信用・信頼を大切にするグループであり続けます。 2.社会に役立つ製品・サービスを提供し、お客様とともに発展します。 3.常に世界最高の技術とものづくりの力を追求します。 4.変化を先取りし、自らの変革に努め、さらなる進歩を目指して挑戦します。 5.人を育て活かし、活力溢れるグループを築きます。 (経営環境) 中長期的な環境変化については、次のとおり想定しています。 世界経済は、今後とも新興国の経済成長やAI・エネルギー関連投資の拡大による成長が期待されます。一方、保護主義への転換、相互関税の発動等、政治と経済の相互作用が強まることで不確実性が増しています。こうした環境下での成長停滞リスク等を念頭に置く必要があります。 鉄鋼の需要見通しについては、インドをはじめとする新興国での経済成長に伴う需要増加、米国での製造業国産化による高級鋼需要の増加が期待されます。一方、日本国内では人口減少や製造業の海外移転等を背景に、需要の減少傾向が続く見通しです。供給面では、中国経済のピークアウトや内需の減少にも関わらず、中国国内での高水準の生産と積極的な輸出姿勢が続いており、通商摩擦の拡大も懸念されます。世界的な鉄鋼供給過剰構造の解消にはなお時間を要し、今後とも厳しい経営環境が続くと想定しています。 2026年度については、上記に加え、中東情勢が経済活動に与える影響が見込まれるものの、過去のオイルショック時に見られたエネルギー供給面での影響にとどまらず、グローバル分業型のサプライチェーンを構築している現在の経済構造のもと世界全体に波及するものとなっています。加えて、中東地域の経済規模が格段に拡大したことにより中東地域は日本を含むアジア諸国にとって重要な輸出マーケットとなっており、同地域の情勢は幅広い産業の需要に極めて大きな影響を及ぼします。特に鉄鋼業は多くの産業を下支えする基幹産業であるなか、当社は、他社と比較して品種メニューが豊富で対応する産業分野も極めて広く事業展開もよりグローバルに進めていることから、中東情勢が当社業績に与える影響について、現時点で網羅的かつ合理的に把握することはできません。 (経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題) 2025年12月、当社は、お客様価値の創造を通じて持続可能で豊かな社会の実現に貢献する、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指し、成長を続けるため、「2030中長期経営計画」を策定しました。2026年度からの2030中長期経営計画では、一段と厳しい経営環境を想定し、国内事業のさらなる収益基盤強化と海外事業でのグローバル成長戦略の実行により、世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権を果たします。 連結実力利益1兆円以上の実現を目指すとともに、将来のグローバル粗鋼1億トン以上の実現に向け、国内は、さらなる収益基盤強化による収益力向上、海外は、グローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大を推進する各種施策を実行していきます。 これらの戦略を支える経営基盤をさらに強化するために、研究リソースを継続的に投入し世界最先端技術の開発を推進するとともに、業務刷新・効率化を推進し、人材の競争力強化等にも取り組んでいきます。 2030中長期経営計画の概要と具体的施策は次のとおりです。 <2030中長期経営計画(2025年12月公表)の概要と具体的施策> 当社は、お客様価値の創造を通じて持続可能で豊かな社会の実現に貢献する、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指し、成長を続けるため、「2030中長期経営計画」を策定し、諸施策に取り組んでいます。 Ⅰ.計画の概要 日本製鉄は、連結実力利益1兆円以上を確実に実現するとともに、将来のグローバル粗鋼1億トン以上の実現に向け、以下の戦略に基づき各種施策を実行していきます。 1.国内:さらなる収益基盤強化による収益力向上 国内事業では、コスト競争力の徹底追求に加え、総合的ソリューションの展開、グループ総合力の最大化を通じて、各需要分野・品種毎のニーズに応じた競争力を強化し、収益力の向上を図ります。自動車、インフラ(建築・土木)、さらにはエネルギー・造船等の分野毎に、お客様価値を創造し、国内需要を捕捉していきます。 2.海外: グローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大 海外事業では、米国・欧州、インド、タイを重点地域とし、設備投資の実行に加え、日本製鉄の技術・ノウハウを最大限移転し、鉄源一貫体制を強化します。これにより、高級鋼から汎用鋼まで様々な需要を捕捉し、飛躍的に利益の拡大を図ります。 これらの戦略を支える経営基盤をさらに強化するために、研究リソースを継続的に投入し世界最先端技術の開発を推進するとともに、業務刷新・効率化を推進し、人材の競争力強化等にも取り組んでいきます。 Ⅱ.具体的施策 1. 国内:さらなる収益基盤強化による収益力向上 [需要分野・品種に応じた競争力強化] (1) コスト競争力の徹底追求 製鉄事業の主要な事業である薄板事業において、新鋭設備投資の立上げと効果のフル発揮を推進します。各製鉄所・製造拠点の主たる役割を明確化し、集中的に生産することで効率化を図るとともに、グループ会社も含めた最適生産・物流体制を築きます。こうした最適生産体制追求の一環で、東日本製鉄所鹿島地区の連続焼鈍1基を2027年度末目途に休止します。 また、生産性向上に向けた日本製鉄と協力会社横断での改善取組みや、業務刷新・効率化にも徹底的に取り組むことで、国際競争を勝ち抜くコスト競争力を確保します。 (2) 総合的ソリューションの展開 自動車分野におけるNSafe®-AutoConceptやインフラ(建築・土木)分野でのProStruct®、エネルギー・造船分野向けの高機能商品・ソリューション提案を通じ、お客様価値の創造を図ります。また、名古屋製鉄所次世代熱延の活用や九州製鉄所八幡地区・瀬戸内製鉄所広畑地区・阪神地区(堺)における電磁鋼板の能力増強、㈱中山製鋼所との業務提携等を通じて、お客様の様々なニーズへの対応力を強化し、国内各分野での需要を捕捉します。 (3) グループ総合力の最大化 インフラ(建築・土木)分野において、地域軸で営業部や支社・支店、グループ会社が一体となった営業活動を一層強力に進めるとともに、日本製鉄グループ一貫での生産・流通体制を追求し、内需の捕捉力を強化します。また、これまでも進めてきたグループ会社再編によるさらなる収益力向上にも引き続き取り組んでいきます。 2. 海外:グローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大 重点地域である米国・欧州、インド、タイにおいて積極的な設備投資を行っていくにあたり、今まで国内で培ってきた設備エンジニアリング技術を最大限活かすとともに、操業・商品等の技術力や品質管理・工程管理等のノウハウを移転し、海外事業の利益拡大を追求します。また、技術やノウハウ移転の効果発揮を確実なものとするために、人材についても集中的に投入し、グローバル成長戦略を確実に実行します。 (1) 米国 日本製鉄はUnited States Steel Corporation(以下「USスチール」)の買収を通じて、世界最大の高級鋼市場である米国において鉄源一貫製造体制を構築しています。 USスチールは、2028年末までに110億ドルの設備投資を実行し、日本製鉄は、最先端の操業技術・設備技術・商品技術を移転していくことにより、設備投資効果・シナジーを最大限発揮します。USスチールの競争力を抜本的に強化し、今後も成長が見込まれる米国の高級鋼ニーズに応えていきます。 (2) インド 人口増を背景とした経済成長により、鋼材需要の拡大が見込まれるインドでは、ArcelorMittal Nippon Steel India Limitedにおいて高級鋼製造対策とさらなる生産規模拡大を推進していきます。具体的には、インド西海岸ハジラ製鉄所において、既に着手している最新鋭の薄板製造設備も含めた能力拡張を確実に進めるとともに、南部(アンドラプラデシュ州ラジャヤペタ)における一貫製鉄所建設に着手し、インド国内でのシェアの拡大を図ります。 (3) タイ タイの薄板市場は高級鋼・汎用鋼ともに今後も堅調な成長が期待されます。日本製鉄はタイにおいて、G Steel Public Company Limited及びG J Steel Public Company Limited並びにNS-Siam United Steel Co., Ltd.を中心に現在、約30%の市場シェアを確保していますが、鉄源からサプライチェーン一貫での強化を図り、インサイダーとしての強みを最大限発揮することで、ASEANの最重点マーケットであるタイの薄板市場におけるさらなるポジション拡大を図ります。 3. GXの推進 カーボンニュートラルへの取組みについては、国内で2030年までに大型電炉の実装を図るとともに、並行してGXスチール市場の形成に向けた制度化・国際標準化を推進していきます。また、政府支援や産官学連携強化を通じて革新技術の開発を加速し、2050 年でのカーボンニュートラルの実現を目指します。 4. 経営基盤の強化 国内・海外における主要施策を着実に実行する基盤として、最先端技術の開発推進、業務刷新・効率化の推進及び人材競争力の強化に取り組みます。 (1) 最先端技術の開発推進 研究リソースを継続的に投入し、安定生産とコスト競争力を実現するプロセス開発や品種高度化に貢献する商品開発を推進します。また、カーボンニュートラルに向けた革新技術の開発にも継続的に取り組みます。さらに、USスチールとの連携等グローバル研究開発体制の強化も図り、世界最先端技術の開発をより一層加速します。 (2) 業務刷新・効率化の推進 DXも含めた業務刷新・効率化を通じて、事業成長や付加価値の創造に直接的につながる仕事に集中し、生産性向上や技術力・営業力強化を通じて圧倒的競争力を確保します。そして、海外も含めた人材投入等全社最適の観点から課題に迅速・的確かつ機動的に対応し、持続的成長を実現する企業風土の確立に取り組んでいきます。 (3) 人材競争力の強化 人材の育成と活躍を推進すべく、人材の多様化を引き続き推進するとともに、海外派遣を含むグローバル人材育成施策のさらなる充実に取り組みます。また、育児等のライフイベントとの両立を支援する各種制度はすでに充実していますが、その実効性を最大化する取組みを加速化します。あわせて、業務刷新・効率化を含む生産性向上施策も実行し、社員一人ひとりの個の力を強化し、組織パフォーマンスを最大化します。 Ⅲ. 財務目標・株主還元 1.経営資源投入方針と投資計画 企業価値の持続的な向上を目指して、成長投資・株主還元・財務体質の健全性において、適切なバランスを追求しながら、経営資源を戦略的に投入します。 国内におけるさらなる収益基盤の強化による収益力向上、海外におけるグローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大のために、今後5年間で、総額6兆円規模*1の設備投資・事業投資を実施します。 *1 USスチール(米国)への約110億ドルの投資(~2028年末)を含む。 2.収益・財務目標、株主還元方針 (1) 収益・財務目標 経営計画の諸施策の実行により、中長期的な収益力及び資本効率の向上、並びに財務基盤の強化に取り組んでいきます。こうした取組みの成果として、2030年度を一つのマイルストーンとし、下記の財務指標の達成を目指します。 主要財務指標(2030年度目標) 連結実力利益   1兆円/年以上 ROE   10%程度(2031年度以降 10%) D/E   0.7程度 D/EBITDA *2   3.5以下 *2 劣後債等の資本性等調整後 (2) 株主還元方針(下限配当の新設) 中長期的成長に向けた投資、株主還元、財務体質の健全性を適切なバランスで実現する観点から、現行の「連結配当性向年間30%程度を目安」とする配当方針を継続します。 加えて、安定した収益基盤を築いてきたことも踏まえ、株主・投資家の皆様の配当の予見性を高め、日本製鉄の株式の魅力を高める観点から、2030中長期経営計画の5年間(2027年3月期~2031年3月期)においては、1株当たりの年間配当額の下限を24円とする方針とします。 日本製鉄は、今般策定した2030中長期経営計画の達成を通じて、世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権を果たし、日本経済の復活に貢献します。 (経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しています。 (注)  上記(経営環境)と(経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)の記載には、本有価証券報告書提出日時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。これらはその発表又は公表の時点において当社が適切と考える情報や分析、一定の前提等に基づき策定したものであり、かかる見積りに固有の限界があることに加え、実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。かかる要因については、後記「3 事業等のリスク」を参照されたい。
事業等のリスク10,943字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、下記各項のものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況」の他の項目、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載していますので、あわせて御参照ください。 なお、当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、本報告書「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりの企業統治体制を整え、内部統制システムを整備・運用し、各社・各部門が自らの事業上のリスクの把握・評価を行ったうえで、組織規程・業務規程において定められた権限・責任に基づき業務を遂行しています。 文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。 <経営環境(鉄鋼市場)に関するリスク> (1)日本及び海外の経済状況の変動等 製鉄事業を中核とする当社グループにおいては、連結売上収益の約9割を製鉄事業が占めています。自動車、建設、エネルギー、産業機械等、鋼材の主要な需要家が属する業界と同様に、製鉄事業は国内外のマクロ経済情勢と相関性が高く、日本や世界経済の景気に大きく影響されます。 当社は、資産の多くを日本に保有しており、日本の政治的、経済的又は法的環境が大きく変わると、その資産価値が大きく変動するリスクがあります。また、日本は、当社グループの最も重要な地理的市場の一つであり、国内売上収益が連結売上収益の約5割を占めます。先行きを見通すことは困難ですが、日本国内においては、人口減少や製造業の海外移転等を背景に需要の減少傾向が継続しており、今後、経済情勢が悪化した場合には、当社グループの事業活動、業績、財政状態や将来の成長に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループは、グローバル戦略の深化・拡充を事業戦略の一つに掲げており、海外売上収益は、連結売上収益の約5割を占めます。海外では政情不安(戦争・内乱・紛争・暴動・テロを含む。)、日本との外交関係の悪化、経済情勢の悪化、商習慣、労使関係や文化の相違に加え、鋼材需要の減退、価格競争の激化、大幅な為替レート変動、自然災害の発生、感染症の拡大、投資規制、輸出入規制、為替規制、現地産業の国有化、税制や税率の大幅な変更等、海外各国における事業環境の変化により、当社グループの事業活動、業績、財政状態や将来の成長に悪影響が生じる可能性があります。足元の事業環境においては、国内外ともに製造業・建設業のベース需要が低迷しているなか、中国経済の減速に伴う需給ギャップの拡大及び過剰生産の継続を背景に、安価な鋼材輸出の増加が国際市況の低迷を招いており、鉄鋼需給の観点から厳しい環境が継続しています。 さらに、保護主義的な通商政策の台頭や相互関税の発動等により、通商措置の強化及び輸出入環境の変化が生じており、政治と経済の相互作用の強まりを通じて、不確実性が増しています。 加えて、中東情勢の緊迫化等を含む地政学的リスクは、エネルギーや原燃料の供給に影響を及ぼすのみならず、グローバルなサプライチェーンを通じて幅広い産業の需要に波及しており、その影響を網羅的かつ合理的に定量化することは困難な状況にあります。 このように、鉄鋼需要の構造的な変化に加え、通商政策の動向及び地政学的要因等が複合的に影響するなか、当社グループの事業活動、業績、財政状態や将来の成長は、今後の世界経済の動向等により、想定と大きく異なる結果となる可能性があります。 (2)鋼材需給の変動等 鋼材の国際的な需給の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。特に、中国における鉄鋼の過剰生産及び輸出拡大を背景とした各国の通商措置拡大や、米国政権による関税政策等が、世界の鋼材需給の悪化や鋼材価格の下落を招くおそれがあります。また、各地で勃発する紛争等の地政学リスクによっても、鋼材需給が悪化するおそれがあり、これらにより、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 さらに、当社グループの製鉄事業における需要家の多くは、鋼材を大量にかつ長期にわたり購入しており、主要な需要家において事業戦略や購買方針の大幅な変更が生じた場合、あるいは鋼材等の販売先である商社・需要家等において与信リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (3)原燃料価格の変動等 当社グループは、鋼材の生産に必要な鉄鉱石、石炭等の主原料の大半をオーストラリア、ブラジル、カナダ、米国等の海外から輸入しています。また、当社グループは、主原料をはじめ、合金、スクラップ、天然ガス等の原燃料の調達に際し、調達ソースの分散等を通じて安定調達に努めていますが、その価格や海上輸送にかかる運賃は国際的な需給状況により大きく変動しており、市況が高騰した際に、当社グループがこれを鋼材の販売価格に転嫁できなければ、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、原燃料生産国における大きな自然災害、ストライキやトラブルの発生、政治情勢の悪化や戦争・テロ、感染症の拡大等により、原燃料の生産・出荷・貿易量が減少すると、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (4)為替相場の変動 当社グループは、製品等の輸出及び原燃料等の輸入において外貨建取引を行っており、また外貨建ての債権債務を保有しています。製品等の輸出による受取外貨を原燃料等の輸入の際の支払外貨に充当することにより為替変動影響の大部分を排除したうえで、実需原則に基づいて先物為替予約を実施していますが、為替相場の変動が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。また、外貨建資産の評価や海外事業の利益の円換算等において、為替相場の変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 円高が進んだ場合、鋼材を中心とする当社グループの国内製品の輸出競争力が損なわれることや、自動車、家電、エネルギー、産業機械等、製鉄事業の主要な需要産業の輸出競争力も損なわれて国内鋼材需要が減退することにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。一方、円安が進んだ場合、輸出市場においては相対的に価格競争力が増しますが、原燃料等の価格が高騰している状況においては、急速な円安によるコスト影響が従来以上に大きくなる可能性があります。 (5)他素材との競合 鉄鋼製品は、アルミニウム、炭素繊維、ガラス、樹脂・プラスチック、複合材、コンクリート及び木材のような他の素材と常に競合しています。近年、特にエコカーの普及等により素材へのニーズが多様化している自動車向け用途においては、当社グループも独自に鋼材のさらなる軽量化や高機能鋼材の研究・開発・製造等を進めていますが、需要家がアルミニウム、樹脂、炭素繊維複合材等の他素材への転換を選択し鋼材の需要が減少すると、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 <事業戦略・計画の遂行に関するリスク> (1)中長期経営計画の遂行 当社グループは、2025年12月に「2030中長期経営計画」(本項において、以下「中長期経営計画」という。)を策定し、その計画に掲げた具体的諸施策を推進しています。中長期経営計画は、策定当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、こうした情報や分析等には不確定要素が含まれています。今後、事業環境の悪化や本「事業等のリスク」として記載したすべての事項を含めたその他の要因により、期待される成果の実現に至らず、中長期経営計画で掲げた投入計画、財務目標も達成できない可能性があります。 (2)コスト改善の取組み 当社グループは、コスト体質強化につながる技術開発や操業効率化に資する設備・技術への投資、製造プロセス一貫での最適製造化、当社技術・ノウハウの海外拠点への移転、並びに業務刷新・効率化や自動化・機械化等を通じた生産性向上の取組みを進めています。しかしながら、国内外の鉄鋼需給の変化や輸出環境の悪化、各種コストの上昇等により、当社グループを取り巻く事業環境が悪化した場合には、収益に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境変化に対し、上記の取組みを通じてコスト低減及び収益力の維持・向上を図りますが、技術開発や設備投資等が計画通り進まない場合や、外部環境の変化に対して想定通りの効果を発揮できない場合、又は必要な投資が適時かつ十分に実施されない場合には、コスト競争力の強化が十分に実現されず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (3)設備投資 製鉄事業は資本集約型産業であり、継続的に多額の設備投資及び設備修繕支出を必要とします。当社グループは、国内外において設備の新鋭化・健全性維持及び成長分野の需要捕捉等に向けた設備投資を計画的に実施していますが、減価償却費が増加するほか、当初想定した効果が十分に得られないこと等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (4)組織再編、海外投資等 当社グループは、国内外において、合併や買収、合弁会社の設立等の組織再編や投資を実施しており、今後もこれらを継続する可能性があります。当社グループは、慎重な事業評価、契約交渉、社内審議等のプロセスを経たうえで投資等の実行を判断し遂行していますが、対象各地域の需要動向、競争環境、為替動向、政治・経済情勢、規制・政策動向等の影響や、設備技術・操業技術・商品技術等の技術力、品質管理・工程管理等のノウハウの移転及び統合が計画通りに進まないことにより、投資効果が創出されなかったり、連結財政状態計算書に計上したのれんに減損が生じたりする場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (5)事業構造・生産体制の見直し 国内鉄鋼需要の縮小や海外鉄鋼市場における競争激化及び主要生産設備の老朽化に対応すべく、国内製鉄事業においては、商品と設備の取捨選択による集中生産等を基軸とした、体質強化の徹底的な推進を目的に、設備の休止や不採算品種からの撤退等の生産設備構造対策を実施していますが、今後の経営環境の変化や収益動向等を踏まえ、さらなる対策を実施する可能性があります。海外においても、既存の事業についてこれまでに選択と集中を積極的に推進しましたが、経営環境の悪化等により、将来的に収益回復の見込みがない不採算事業や投資目的が希薄化した事業を中心に、引き続き再編・撤退を行う可能性があります。これらのさらなる対策及び再編・撤退等を実施する場合、減産や一時的な損失の発生等により、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当期においては、事業再編損として2,712億円の損失を計上しています。 (6)カーボンニュートラル実現に向けた取組み 当社は、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」のもと、「大型電炉による高級鋼製造」「水素による還元鉄製造」「Super-COURSE50等の高炉水素還元」の3つの新たなプロセス技術の開発・実装に取り組み、CCUS等によるカーボンオフセット対策も含めた複線的なアプローチで、2050年までのカーボンニュートラルを目指しています。こうしたカーボンニュートラル鉄鋼生産プロセスの実現には巨額の投資が必要であり、操業コストが従来プロセスと比べ上昇することも見込まれます。これに対し、非連続的イノベーション等のための研究開発や設備実装、増加する操業コストに対する政策措置、「CO2削減価値」をバリューチェーン全体で共有・負担する健全なGXスチール市場の形成等について、政府をはじめとする関係部門に対して働きかけを行ってきていますが、十分な政策措置等が講じられない場合や、必要な原材料(高品位鉄鉱石・スクラップ等)やグリーンエネルギー(水素、電力等)の安定的な供給体制、CCUSの社会的実装等の外部条件が想定と異なる場合、鉄鋼業界にとって不利となる制度変更、研究開発の成果が得られない等の場合には、期待される成果の実現に至らず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (7)人材確保・育成、DEIへの取組み、業務刷新・効率化 当社グループの将来の成長は、有能な人材の確保及び育成に依拠する部分も大きいことから、仕事と生活の調和の取れた働き方の実現や関連諸制度の浸透・定着等によって就労環境の整備を図りつつ、育成体系の整備等を行いながら、安定的な人材確保と人材競争力の強化に努めています。また、有能な人材の確保及び育成とともに、会社人生で発生し得るライフイベントや健康に起因する労働損失を最小化し、様々な事情を抱える多様な人材が生産性高く、誇りを持って活躍できる働き方を実現するために、DEIの積極的な推進等を通じ、多様な従業員が誇りとやりがいを持って活躍できる企業を実現していくべく、具体的な取組みの強化に努めています。加えて、海外派遣を含むグローバル人材育成施策の更なる充実に取り組むとともに、国内人口減少による人手不足等の課題に対応するべく、DXを含めた業務刷新・効率化を進めています。当社グループは、有能な人材の確保と育成、DEIの推進、また業務刷新・効率化の推進に努めていますが、計画通り達成できない場合、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 <事業運営に関するリスク> (1)設備事故、労働災害等 当社グループの中核事業である製鉄事業の生産プロセスは、高炉、コークス炉、転炉、連続鋳造機、圧延機、発電設備等の特定の重要設備に依存しています。当社グループは、安定生産の確保を図るため、設備と人材の両面で製造実力の強化策を推進していますが、これらの設備において、電気的又は機械的事故、火災や爆発、労働災害等が生じた場合、一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延すること等により費用や補償の支払いが発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当社グループは、これらの事故等に関連し、一定の保険を付しています。 (2)品質問題等 当社グループは、鉄鋼製品をはじめ、様々な製品・サービスを顧客に提供しています。当社は、「品質は生産に優先する」という基本的なものづくりの価値観のもと、一般社団法人日本鉄鋼連盟が定めた「品質保証体制強化に向けたガイドライン」等に沿った様々な取組みを実施していますが、製品やサービスに欠陥が見つかり品質問題が生じた場合は、顧客等から代品の納入や補償を求められるほか、製造・品質管理オペレーションの中止や見直しを行う必要が生じたり、当社グループ又は当社グループの製品やサービスに関する信頼が損なわれて売上が減少したりすること等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当社グループは、これらの事故等に関連し、一定の保険を付しています。 (3)知的財産権の侵害等 当社グループは、技術開発等の成果である知的財産について、特許権等の知的財産権を取得、保有又は営業秘密として秘匿することにより、事業活動における競争優位性を確保しています。これらの知的財産について第三者による権利侵害や無断使用等がなされた場合又は第三者から権利の有効性が争われた場合、当社グループは速やかに法的措置等を検討・実施するものの、必要な法的保護が受けられない可能性、また、損害の回復が十分になされない可能性があります。この場合、当社グループの競争優位性の喪失を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 当社グループは、各国・地域の知的財産法を遵守し、また第三者の知的財産を尊重し、事業活動を展開しています。しかしながら、第三者から知的財産の侵害訴訟等を提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合は、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (4)情報システムの障害、情報漏洩等 当社グループの事業活動は、情報システムの利用に大きく依存しており、また、自社及び顧客・取引先の営業機密や個人情報等の機密情報が情報システムに保管されています。当社においては、技術情報をはじめとする機密情報の漏洩対策を最重要の経営課題として認識し、システムのセキュリティ強化に加えて、業務ルール、社員教育等の対策を推進していますが、当社グループの情報システムにおいて、悪意ある第三者からのウイルス感染等のサイバー攻撃等により、システム停止、機密情報の外部漏洩や棄損・改ざん等の事故が起きた場合、生産や業務の停止、知的財産における競争優位性の喪失、訴訟、社会的信用の低下等を招き、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 <その他のリスク> (1)自然災害、戦争・テロ・感染症等 当社グループは、製造、販売、研究開発等の活動をグローバルに展開しており、世界中に拠点を有しています。製鉄所をはじめとするこれらの各拠点においては、台風、地震、津波、洪水等の自然災害、戦争やテロ行為が生じた場合に備え、ハード面(設備対策)、ソフト面(事業継続計画の策定等)において、一定の対策を施していますが、大規模な自然災害等に見舞われた場合は、各拠点の設備、情報システム等が損害を被り、一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延すること等により費用や補償の支払いが発生したり、原料・製品・燃料の輸送手段等のインフラが停止したりすること等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、当社グループの拠点の有無にかかわらず、大規模な自然災害や戦争・テロ行為が生じた場合や強力な新型インフルエンザ等の感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの事業活動に制約が生じる可能性があります。また、これに伴い、需要家の活動水準の低下やサプライチェーンの混乱等の影響による景気の急速な悪化等を通じて、当社グループの生産活動及び販売活動等に支障をきたす可能性があります。 (2)事業活動にかかる環境規制 当社は、製鉄所毎に異なる環境リスクへのきめ細かな対応や各地域の環境保全活動を通じた環境リスクマネジメントを推進し、グループ全体での環境負荷低減に取り組んでいます。当社グループは、事業活動を行う日本及び海外各国において、大気・水・土壌の汚染、化学物質の利用、廃棄物の処理・リサイクル等に関する広範な環境関連規制の適用を受けており、今後、当社グループに不利な法規制の導入・改正・運用・解釈がなされることにより、当社グループの事業活動の継続が困難となったり、法令遵守のための費用が増加したりする可能性があります。 また、当社グループは、「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つのゴールに掲げられた気候変動対策にも貢献すべく、世界最高レベルの資源・エネルギー効率で鋼材を生産し、中長期的なCO2排出量削減の観点から革新的な技術開発と長年培った技術の海外への移転・普及にも積極的に取り組んでいますが、CO2排出量取引(GX-ETS)が2026年度から本格導入されたことから、CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制により、製鉄事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けたり、費用が増加したりする可能性があります。 (3)非金融資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性 当社グループは、製鉄所設備等の有形固定資産や無形資産、のれん等の多額の非金融資産を所有していますが、経営環境の変化等に伴い、その収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合には、将来的な回収可能性を踏まえて非金融資産の帳簿価額を減額し減損損失を計上するため、当社グループの業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。当期末における有形固定資産の残高は5兆8,995億円、無形資産の残高は8,328億円、のれんの残高は2,597億円となっています。 また、当社グループは、将来の課税所得の見積りに基づき繰延税金資産を計上していますが、経営環境の変化等に伴い将来課税所得の見積りの変更が必要になった場合や税率等の税制変更があった場合、繰延税金資産の取崩しにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当期末における繰延税金資産(繰延税金負債との相殺前)の残高は4,806億円となっています。 (4)有価証券等の保有資産(制度資産を含む。)価値の変動 当期末において、当社グループは株式等の資本性金融商品、関連会社・共同支配企業に対する投資を合計1兆9,336億円保有しています。このうち、取引先や提携先の政策保有株式については、すべての株式を対象に、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を確認しており、時価が一定額を超える政策保有株式については、取締役会において毎年検証しています。しかしながら、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等により、評価損が発生する可能性があります。また、上記のほかに、当期末において、制度資産(退職給付信託財産を含む。)が当社グループ合計で1兆4,427億円あり、この資産を構成する国内外の株式、債券等の価格変動や金利情勢の変動が財政状態等に影響を与える可能性があります。 (5)金融市場の変動や資金調達環境の変化 当期末における当社グループの連結有利子負債残高は、5兆1,742億円であり、金利情勢、その他の金融市場の変動が業績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、事業資金を金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しています。当社グループは、中長期経営計画に掲げた親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(劣後ローン・劣後債資本性調整後D/Eレシオ)0.7程度、及びEBITDAに対する有利子負債の比率(劣後ローン・劣後債資本性調整後D/EBITDA)3.5以下を目標とし、健全な財務体質の維持に努めていますが、金融市場が不安定となり又は悪化した場合、金融機関が貸出を圧縮したり格付機関が当社の信用格付の引き下げをしたりした場合等においては、必要な資金を必要な時期に適切な条件で調達できず、資金調達コストが増加することにより、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。その結果として、「中長期経営計画」に掲げた上記目標を達成できない可能性もあります。 (6)海外の主要市場における関税引上げ、輸入規制 これまで当社グループにおける一部の鋼材の輸出取引において、米国や東南アジア諸国等から反ダンピング税等の特殊関税を賦課されています。当社グループは、輸入規制を受ける可能性を認識のうえ輸出取引を行うなど、適切に対応するよう努めていますが、将来、海外の主要市場国において関税引上げ、特殊関税の賦課、数量制限等の輸入規制が課せられた場合には、輸出取引が制約を受けることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 (7)会計制度や税制の大幅な変更 当社グループが事業活動を行う国において、会計制度や税制が大きく変更され又は当社グループに不利な解釈や適用がなされたりした場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。なお、当社は、グローバル展開の一層の推進による企業価値の向上と資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的に、連結財務諸表において国際会計基準(IFRS)を任意適用しています。 (8)人権に関する国際規範等への対応 当社グループは、人権に関する国際規範等を踏まえ、人権の尊重へのコミットメント、人権デューディリジェンスや是正・救済措置等の取組みを定め、人権尊重に対する当社グループの企業姿勢を内外に示すため、「日本製鉄グループ人権方針」を制定しています。本方針は、当社グループの役員・従業員のみならず、サプライヤーを含むすべてのステークホルダーにも本方針を理解し、支持していただくことを求めています。当社グループは、人権の尊重に最大限配慮しつつ、高い倫理観を持って事業活動に取り組む方針としていますが、当社グループ及びそのステークホルダーに人権の尊重に関する問題が発生した場合には、調達や生産・販売への影響に加えて、社会的信用の低下等により、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (9)各種法的規制、訴訟等 当社グループの事業活動はグローバルに展開しており、日本及び海外各国・地域の法規制に従って事業活動を行っています。法規制には、商取引法、競争法、労働法、証券関連法、知的財産権法、環境法、税法、輸出入関連法、個人情報保護関連法、刑法等に加えて、事業活動や投資を行うために必要とされる様々な許認可及び経済安全保障に関連する規制等があります。今後、当社グループに不利な法規制の導入・改正・運用・解釈がなされることにより、当社グループの事業活動の継続が困難となったり、法令遵守のための費用が増加したりする可能性があります。 当社グループは、法令遵守が事業活動の基盤であることを認識し、国内外の役員・従業員に対し、様々な形で法務・コンプライアンス教育を実施していますが、当社グループが何らかの法規制に違反したと認定された場合には、課徴金、許可取消等の行政処分、罰金等の刑事処分を受ける可能性があり、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループの広範な事業活動から、様々な第三者から訴訟を提起される可能性があり、重要な訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 当期における当社グループの経営成績の状況の概要は、本報告書「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しています。 ② 当期末の資産、負債、資本及び当期のキャッシュ・フロー 当連結会計年度末における資産、負債、資本については、下記のとおりです。 連結総資産は14兆6,605億円と、前連結会計年度に比べて3兆7,181億円増加しました。負債は8兆6,360億円と、前連結会計年度に比べて3兆5,969億円増加しました。資本は6兆245億円と、前連結会計年度に比べて1,211億円増加しました。なお、当期末の親会社の所有者に帰属する持分は5兆5,304億円となり、有利子負債は当期末5兆1,742億円となりました。この結果、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は0.94倍(劣後ローン・劣後債資本性調整後0.71倍)となりました。 (総資産) 現金及び現金同等物は、前期末(6,725億円)から2,112億円減少し、当期末4,612億円となりました。これは、事業利益による営業活動キャッシュ・フローの収入、当社米国子会社とUnited States Steel Corporationとの合併(以下「本合併」という。)に伴う株式取得対価のパーマネントファイナンスを目的としたコミット型劣後特約付タームローン、転換社債型新株予約権付社債、JBIC協調融資等の資金調達等による財務活動キャッシュ・フローの収入があった一方で、有形固定資産及び無形資産の取得、本合併を中心とした連結の範囲の変動を伴う子会社株式の取得等による投資活動キャッシュ・フローの支出があったことによるものです。 営業債権及びその他の債権は、前期末(1兆4,304億円)から3,377億円増加し、当期末1兆7,682億円となりました。これは、本合併等によるものです。 棚卸資産は、前期末(2兆1,990億円)から5,769億円増加し、当期末2兆7,760億円となりました。これは、本合併等によるものです。 有形固定資産は、前期末(3兆6,355億円)から2兆2,639億円増加し、当期末5兆8,995億円となりました。これは、本合併に加えて、名古屋製鉄所の次世代熱延ライン等、戦略商品の能力・品質向上対策への投資を含め、競争力優位な設備への選択投資を実行したこと等によるものです。 のれんは、前期末(716億円)から1,881億円増加し、当期末2,597億円となりました。これは、本合併等によるものです。 無形資産は、前期末(2,632億円)から5,695億円増加し、当期末8,328億円となりました。これは、本合併等によるものです。 (負債) 有利子負債は、前期末(2兆5,074億円)から2兆6,668億円増加し、当期末5兆1,742億円となりました。これは、本合併に伴う株式取得対価のパーマネントファイナンス等によるものです。 営業債務及びその他の債務は、前期末(1兆6,713億円)から6,687億円増加し、当期末2兆3,401億円となりました。これは、本合併等によるものです。 (資本) 利益剰余金は、前期末(3兆8,199億円)から677億円減少し、当期末3兆7,521億円となりました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益(171億円)等による増加があった一方で、配当の支払による減少(1,464億円)があったことによるものです。 その他の資本の構成要素は、前期末(4,736億円)から2,061億円増加し、当期末6,797億円となりました。これは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の純変動による増加(579億円)、為替相場の変動による在外営業活動体の換算差額の増加(1,753億円)等があったことによるものです。 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローについては、下記のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フローは7,169億円の収入となりました(前期は9,785億円の収入)。 投資活動によるキャッシュ・フローは2兆8,371億円の支出となりました(前期は4,624億円の支出)。 この結果、フリーキャッシュ・フローは2兆1,202億円の支出となりました(前期は5,161億円の収入)。 財務活動によるキャッシュ・フローは1兆8,863億円の収入となりました(前期は3,133億円の支出)。 以上により、当期末における現金及び現金同等物は4,612億円(前期は6,725億円)となっています。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 税引前利益1,728億円に、減価償却費及び償却費(5,739億円)の加算、事業再編損(2,712億円)の加算等の収入がある一方で、持分法による投資損益(854億円)の控除の調整に加え、法人所得税の支払(2,233億円)等による支出がありました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 関係会社株式の売却による収入(1,005億円)等がある一方で、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(8,631億円)、本合併を中心とした連結の範囲の変動を伴う子会社株式の取得による支出(2兆155億円)等がありました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 本合併に伴う株式取得対価のパーマネントファイナンス等の資金調達を通じた有利子負債の増加(2兆52億円)等による収入がある一方で、前期末及び当第2四半期末の配当の支払(1,464億円)等による支出がありました。 ③ 生産、受注及び販売の状況 a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   前連結会計年度  金額(百万円)   当連結会計年度  金額(百万円) 製鉄   9,255,660   10,187,229 エンジニアリング   342,927   324,011 ケミカル&マテリアル   241,817   221,565 システムソリューション   345,156   382,294 合計   10,185,561   11,115,101 (注) 1  金額は製造原価による。 2  上記の金額には、グループ向生産分を含む。 b. 受注状況 当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   前連結会計年度 受注高(百万円)   当連結会計年度 受注高(百万円)   前連結会計年度 受注残高(百万円)   当連結会計年度 受注残高(百万円) エンジニアリング   364,525   322,047   422,888   387,418 システムソリューション   262,387   317,144   122,836   147,345 合計   626,913   639,192   545,725   534,763 (注)1 上記の金額には、グループ内受注分を含まない。 2 「製鉄」、「ケミカル&マテリアル」は、多種多様な製品毎に継続的かつ反復的に注文を受けて生産・出荷する形態を主としており、その受注動向は、生産実績や販売実績に概ね連動していく傾向にあり、また、需要動向等についても、本報告書「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」において記載していることから、金額又は数量についての記載を省略している。 c. 販売実績 当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   前連結会計年度  金額(百万円)   当連結会計年度  金額(百万円) 製鉄   7,819,748   9,173,227 エンジニアリング   371,309   357,517 ケミカル&マテリアル   250,873   239,835 システムソリューション   253,594   292,636 合計   8,695,526   10,063,216 (注) 1  前連結会計年度及び当連結会計年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりである。 前連結会計年度   当連結会計年度 輸出販売高(百万円)   輸出割合(%)   輸出販売高(百万円)   輸出割合(%) 3,585,755   41.2   5,203,069   51.7 (注)  輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。 2  主な輸出先及び輸出販売高に対する割合は、次のとおりである。 輸出先   前連結会計年度(%)   当連結会計年度(%) アジア   57.9   35.5 中近東   5.4   3.4 欧州   9.6   12.6 北米   13.9   38.5 中南米   10.9   8.0 アフリカ   1.7   1.6 大洋州   0.6   0.4 合計   100.0   100.0 (注)  輸出販売高には、在外子会社の現地販売高を含む。 3  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、各販売先への当該割合が100分の10未満のため、記載を省略している。 4 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動があった。これは、製鉄セグメントにおいてUnited States Steel Corporationが連結子会社となったこと等によるものである。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (経営成績の分析) 当期の世界経済は、AI、電力、防衛等の一部分野を除き、国内・海外ともに製造業・建設業のベース需要が低迷し、世界の鉄鋼事業環境は危機的な状況が継続しています。中国では、経済減速による需給ギャップ拡大を背景に過剰生産が継続し、これに伴う安価な鋼材輸出増加が国際市況の低迷を招いています。こうした環境のもと、各国・地域で通商措置が発動されており、日本国内への輸出圧力がさらに高まっています。このため、日本においては輸入通商対策の強力な検討・推進が重要性を増している状況です。 当社は、こうした厳しい経営環境を早くから想定し、2021年3月に策定した「日本製鉄グループ中長期経営計画」(以下、前中長期経営計画)において、4つの柱として「国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化」、「海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進」、「カーボンニュートラルへの挑戦」及び「デジタルトランスフォーメーション戦略の推進」を掲げるとともに、当初想定を上回る事業環境の変化にも対応する諸施策を実行してきました。国内では、生産設備構造対策による固定費削減、紐付き価格の是正と外部調達コスト変動影響の負担適正化とともに品種高度化を通じた限界利益の引上げによる損益分岐点の抜本的な引下げを実行し、その効果を着実に発現させてきました。加えて、国内鉄グループ会社再編によるシナジー最大化の追求、United States Steel Corporation(以下、USスチール)買収やインドでの能力拡張等の海外事業の深化・拡充、原料「調達」から「事業」への進化、流通を自らの事業分野へ取り込むことにより「幅と厚み」を持つ強靱な事業構造への進化を進めてきました。これらの取組みにより鉄鋼事業の環境悪化に先手を打つことで、当初想定以上に需要が減少し競合が激化する局面においても、実力ベース連結事業利益(※)6,000億円以上を確保し得る優位性を構築しました。その結果、世界の同業他社と比較して相対的に高水準の収益力を維持しているものと認識しています。 (※)事業利益より在庫評価差等を控除し、当社グループとしての実力を表すと認識しているもの。 当期の連結業績については、売上収益は10兆632億円(前期は8兆6,955億円)、事業利益は5,141億円(前期は6,832億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は171億円(前期は3,502億円)となりました。 セグメント別の業績は以下のとおりです。当社グループは、製鉄事業を中核として、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進しており、製鉄セグメントが連結売上収益の約9割を占めています。 (当期のセグメント別の業績の概況) 製鉄   エンジニ アリング   ケミカル&マテリアル   システム ソリュー ション   合計   調整額   連結財務諸表計上額 売上収益   当期   92,217   3,944   2,579   3,828   102,570   △1,937   100,632 (億円)   前期   78,743   4,004   2,691   3,393   88,833   △1,878   86,955 セグメント利益   当期   4,399   231   219   433   5,283   △142   5,141 (億円)   前期   6,210   146   189   388   6,934   △102   6,832 <製鉄> 製鉄セグメントの売上収益は9兆2,217億円(前期は7兆8,743億円)、セグメント利益は4,399億円(前期は6,210億円)となりました。 製鉄セグメント利益の前期に対する増減△1,810億円の主な要因は次のとおりです。 生産・出荷数量   △ 200億円 マージン(為替影響含む)   △1,150億円 コスト改善   +1,300億円 本体海外事業   △ 350億円 原料事業   △ 710億円 鉄グループ会社   △ 350億円 在庫評価差   △  90億円 その他   △ 260億円 合計   △1,810億円 当社は従来からの抜本的な収益構造対策等の継続により収益の最大化に取り組んできましたが、極めて厳しい事業環境が継続するなか、コスト改善(+1,300億円)の効果はあったものの、生産・出荷数量(△200億円)やマージン(△1,150億円)、本体海外事業(△350億円)、原料事業(△710億円)、鉄グループ会社(△350億円)等の影響が大きく、セグメント利益は前期比1,810億円減となりました。 <エンジニアリング> 日鉄エンジニアリング㈱においては、高い水準の受注残工事を実行し、2025年度の目標としていた事業利益200億円を超過達成しました。また、タイ国内のオンサイト事業会社の買収・連結子会社化を実行し一層の事業拡大を図るなど、各事業領域における成長のための具体的な取組みを着実に進めました。売上収益については、事業毎に案件規模や工事進捗状況等による増減はあるものの、過年度から順調に積み上がった受注残高を背景に、廃棄物発電プラント事業等で大型案件の工事が着実に進捗したことや、環境O&M事業や電力ビジネス事業の取引規模増等により、全体では前年度とほぼ同じ水準を維持しました。事業利益については、堅調な工事進捗に加え、電力ビジネス事業での収益改善等もあり、増益となりました。エンジニアリングセグメントの売上収益は3,944億円(前期は4,004億円)、セグメント利益は231億円(前期は146億円)となりました。 事業形態別の売上収益(連結調整前)は以下のとおりです。 (当期の事業形態別の売上収益の概況) EPC   O&M・サービス   部材等販売   製鉄プラント   その他調整等   連結財務諸表 計上額 売上収益   当期   2,550   1,103   198   133   △40   3,944 (億円)   前期   2,751   999   187   112   △45   4,004 EPC分野については、廃棄物発電プラント事業においては複数の大型案件が着実に進捗した一方、建築工事事業では大型物流施設案件が工事進捗の端境期だった影響で、前期(2,751億円)より減少し2,550億円となりました。O&M・サービス分野については、電力取引量の増加やオンサイト事業の新規受注等により前期(999億円)を上回る1,103億円を計上しました。部材等販売分野についても堅調で、前期(187億円)より増収の198億円となりました。 <ケミカル&マテリアル> 日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、米国関税措置による世界経済の先行き不透明感や原料価格の高騰の影響を受ける厳しい事業環境下において、コスト削減や販売価格改善に努めるとともに、AI関連需要の取込みにより事業全体は概ね堅調に推移しました。ケミカル&マテリアルセグメントの売上収益は2,579億円(前期は2,691億円)、セグメント利益は219億円(前期は189億円)、在庫評価損益を除く実力ベースでは242億円(前期は194億円)となりました。 事業別の売上収益(連結調整前)は以下のとおりです。 (当期の事業別の売上収益の概況) コールケミカル   化学品   機能材料/ 複合材料   その他調整等   連結財務諸表 計上額 売上収益   当期   520   910   1,150   △1   2,579 (億円)   前期   610   1,080   1,000   1   2,691 コールケミカル事業は、主力の黒鉛電極用ニードルコークスの需要低迷やピッチコークスの在庫調整が続く一方、タイヤ向けカーボンブラックは前年度並みで推移し、520億円(前期は610億円)となりました。化学品事業は、ベンゼン及びスチレンモノマーの需要停滞や中国での生産設備の新・増設継続の影響を受け、市況は低迷し、910億円(前期は1,080億円)となりました。機能材料事業では、AIサーバー・データセンター向け需要の拡大を背景に、機能樹脂や基板材料、半導体材料が好調に推移し、1,150億円(前期は1,000億円)となりました。 <システムソリューション> 日鉄ソリューションズ㈱においては、「2025-2027中期経営計画」で掲げた以下の4つの抜本的変革を中心に取り組み、初年度はほぼ計画どおりに進捗しました。 「事業収益モデルの変革」については、「TAM型(※)」モデルの拡大を図るべく各種施策に取り組み、事業構造の転換が進んでいます。「顧客アプローチの変革」については、企業のデジタル変革を支援するオファリングブランド「Corepeak」を立ち上げ、お客様へのアプローチを開始しています。「技術獲得・適用プロセスの変革」については、開発・運用統合プラットフォーム「Nestorium」を全社標準のITサービスプラットフォームとして活用し、開発生産性の向上に取り組んでいます。「社内業務・マネジメントの変革」については、管理系部門の統合、社内システムの刷新、生成AIの適用促進等による業務生産性の向上、経営管理の高度化に取り組んでいます。 また、外部成長戦略・グローバル戦略についても積極的に取り組んでおり、インフォコム㈱及びインドネシアのPT.WCS ABYAKTA NAWASENAのグループ会社化や、機能強化・提供価値向上、事業領域の拡張等を目的とした資本業務提携等も実行しています。システムソリューションセグメントの売上収益は3,828億円(前期は3,393億円)、セグメント利益は433億円(前期は388億円)となりました。 事業別の売上収益(連結調整前)は以下のとおりです。 (当期の事業別の売上収益の概況) ビジネスソリューション   コンサルティング&デジタルサービス   その他調整等   連結財務諸表計上額 売上収益   当期   2,865   948   15   3,828 (億円)   前期   2,434   948   11   3,393 (注)当期より、組織改正に伴い、一部の分野につき、ビジネスソリューションからコンサルティング&デジタルサービスへの組替えを実施している。なお、前期は、当該変更を反映して作成したものを開示している。 当社及び製造分野向けが好調であったこと並びに金融分野向けのプロダクト販売の増により、2,865億円と前期(2,434億円)に対して増加しました。コンサルティング&デジタルサービスは、948億円と前期(948億円)と同水準となりました。 (※)TAM型:以下の3つの収益モデルから構成される新たなビジネスモデル ・SI Transformation(次世代SIモデル「T型」):革新的技術を用いて高い生産性で提供 ・Asset Driven(アセット活用型 「A型」):強みをアセット化して提供 ・Multi Company Platform(PF提供モデル「M型」):共同利用プラットフォームを提供 (経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等) 前中長期経営計画に掲げた収益・財務体質目標、株主還元とそれに対する当期の状況は以下のとおりです。 2025年度の連結業績につきましては、売上収益は10兆632億円(うち上期4兆6,356億円、下期5兆4,275億円)、事業利益は5,141億円(うち上期2,275億円、下期2,865億円)、ROSは5.1%(うち上期4.9%、下期5.3%)となりました。 2025年度(実績)       2025年度経営計画 売上収益事業利益率(ROS)   5.1%       10%程度 親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)   0.3%       10%程度 D/Eレシオ(*)   0.71倍       0.7倍以下 連結配当性向   731.0%       30%程度を目安 (*) 劣後ローン・劣後債資本性調整後 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況の分析については、本報告書「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②当期末の資産、負債、資本及び当期のキャッシュ・フロー」 に記載しています。 文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (資本政策) 一定水準の財務健全性が維持されることを前提として、当社グループは投下資本の運用効率を重視し、投資先への資本の投入(資本的支出、R&D、M&A含む)によって企業価値を最大化する資本政策を推進しています。それは、資本コストを超過する収益の創出が期待され、持続的な成長を可能にすると同時に、株主への利益還元によって株主の要求を満たすものです。 当社グループは、上記資本政策の達成に必要な資金を、主として「稼ぐ力」の維持と向上によって生み出される営業キャッシュ・フローから獲得することに加え、必要に応じて銀行借入や社債の発行等、外部からの資金調達も実施しています。 また当社グループは、ROS、ROE及びD/Eレシオを中長期的な収益の成長と財務体質の健全性を達成するうえでの主要な経営管理指標としています。 剰余金の配当等につきましては、本報告書「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載しています。 また、自己株式の取得については、機動性を確保する観点から、定款第33条の規定に基づき取締役会の決議によることとします。取締役会においては、機動的な資本政策等の遂行の必要性、財務体質への影響等を考慮したうえで、総合的に判断することとしています。 (資金需要の動向に関する経営者の認識と資金調達の方法) 1)中長期経営計画の実行状況(2021年3月公表「日本製鉄グループ中長期経営計画」) 2021年3月に公表した「日本製鉄グループ中長期経営計画」 (以下、「前中長期経営計画」という。)の期間(2021年度から2025年度)においては、当初想定を上回る事業環境の変化にも対応する諸施策を実行してきました。国内では生産設備構造対策による固定費削減、紐付分野を中心とする販売価格の是正と外部調達コスト変動影響の負担適正化・品種高度化による限界利益の引上げを通じ、損益分岐点を4割引き下げました。加えて、国内鉄グループ会社再編によるシナジー最大化の追求や、United States Steel Corporation (以下、「USスチール」という。)の買収やArcelor Mittal Nippon Steel India Limited(以下、「AM/NS India」という。)における能力拡張等の海外事業の深化・拡充を進めるとともに、原料「調達」から「事業」への深化を図り、流通についても自らの事業分野へ取り込むことで、「幅と厚み」を持つ強靭な事業構造への深化を実現してきました。 これらの取り組みにより、当初想定以上に鋼材需要が減少するなか、鉄鋼事業の環境悪化に先手を打つことで、市場における如何なる競合の激化が生じても、「実力ベース連結事業利益6,000 億円以上」を確保し得る優位性を確立しました。その結果、世界の同業他社に対しても相対的に高水準の収益力を維持しています。 上記対応を進めるなかで、設備投資については、「強靭な国内生産体制の再構築」及び「戦略商品の競争力強化」を基本方針として、計画的に実行してきました。国内製鉄事業において、生産設備構造対策により競争力優位な設備に生産を集中するとともに、高付加価値製品の能力・品質向上のための投資を進めています。これらの結果、2021年度から2025年度までの5年間における設備投資額は、USスチール関連投資を含め、約3.5兆円となりました。 また、事業投資については、将来的なグローバル粗鋼1億トン体制及び外部環境に左右されない厚みを持った事業構造への進化に向けた施策を推進しました。具体的には、当社・グループ会社のさらなる競争力の強化、シナジーの追求を目的として、2023年4月の日鉄物産㈱の子会社化、2025年4月の山陽特殊製鋼㈱及び2026年4月の黒崎播磨㈱の完全子会社化等を実行しました。原料事業においては、カーボンニュートラル鉄鋼生産プロセスに必要不可欠な製鉄用原料炭等を目的として、2024年1月のカナダの原料炭事業会社Elk Valley Mining Limited Partnershipへの出資、2025年3月の豪州Blackwater炭鉱の権益の20%取得等を実行しました。海外事業においては、需要の伸びが確実に期待できる地域、当社の技術力・商品力を活かせる分野における鉄源一貫生産体制の拡充を推進しました。特に重点地域である「米国・欧州」「インド」「タイ」では、2022年2月のタイG Steel Public Company Limited及びG J Steel Public Company Limited(以下、「G/GJ Steel」という。)の買収、2025年6月の当社米国子会社とUSスチールの合併等を実行し、インドにおいては、AM/NS Indiaの既存拠点であるハジラ製鉄所にて、現在、能力拡張を進めています。これらの結果、2021年度から2025年度までの5年間における事業投資額は、USスチール関連投資を含め、約4.0兆円となりました。 カーボンニュートラルについて、2030年にCO2総排出量を対2013年比で30%削減するというターゲット、及び2050年カーボンニュートラルを目指すというビジョンを掲げ、カーボンニュートラル社会の実現に向け革新技術の他国に先駆けた開発・実機化の取組みを進めています。技術開発については、「グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」に参画し、国の支援も活用しながら、高炉水素還元、100%水素直接還元プロセス、大型電炉による高級鋼製造の3つの革新的技術等の開発を進めています。また、実機化については、2025年5月に高炉プロセスから電炉プロセスへの転換投資がGX推進法に基づく支援事業に採択され、2029年度までに九州製鉄所八幡地区、瀬戸内製鉄所広畑地区、山口製鉄所(周南)で電炉3基を新設・増設・再稼働させる設備投資を決定しました。 利益成長の実現に向け経営資源を戦略的に投入する一方、資本効率の向上及び財務健全性の確保の両立の観点から、資産圧縮を財務戦略上の最優先課題の一つとして位置付け、継続的に取り組んできました。設備投資や事業投資といった成長投資が先行する局面においても、一定の財務規律遵守の観点から、資産圧縮推進による運転資本の最適化を並行して進めることで、投資余力の確保と財務体質の強化を図っています。具体的には、2012年度以降、政策保有株式の売却、在庫圧縮、不動産売却、並びに資金効率化等を通じ、2025年度までの14年間累計で連結ベースで約2.2兆円の資産圧縮を実行しました。 2)資金調達 利益成長の実現に向けた戦略投資の実行に伴う多額の資金所要に対し、当社は調達環境、金利条件等を勘案して、最適なタイミングで資金調達面での対応を図ってきました。 2025年度においては、USスチールの買収(約2兆円)に伴う株式取得対価の支払いを目的として借り入れた資金(以下、「ブリッジローン」という。)に対し、コミット型劣後特約付タームローン(2025年9月、総額5,000億円)、2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債及び2031年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(2026年3月、総額6,000億円)、及び㈱国際協力銀行、㈱三菱UFJ銀行、㈱三井住友銀行、㈱みずほ銀行及び三井住友信託銀行㈱による協調融資(2026年3月、総額約9,000億円)による資金調達(以下、「パーマネントファイナンス」という。)を実行し、ブリッジローン全額に係る返済資金の調達を完了しました。 劣後ローン・劣後債資本性調整後のD/Eレシオは、USスチールの買収直後となる2025年6月末には一時的に0.85倍まで悪化したものの、上記のパーマネントファイナンス等を通じ、2026年3月末は0.71倍まで改善し、2025中長期経営計画の目標を概ね達成しました。 3)日本製鉄グループ中長期経営計画(2025年12月公表「2030 中長期経営計画」) 2025年12月に公表した「2030年中長期経営計画」において、一段と厳しい経営環境を想定し、国内事業のさらなる収益基盤強化と海外事業でのグローバル成長戦略の実行により、世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権を果たすことを目標としています。 同計画においては、企業価値の持続的な向上を目指して、成長投資・株主還元・財務体質の健全性において、適切なバランスを追求しながら、経営資源を戦略的に投入することとしています。国内事業におけるさらなる収益基盤の強化による収益力向上と、海外事業におけるグローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大のために、2026年度から2030年度までの5年間で総額6兆円規模の設備投資及び事業投資を計画しています。特に、海外事業では、米国・欧州、インド、タイを重点地域とし、鉄源からの一貫生産体制の強化を目的とした大規模な成長投資及び経営リソースの集中投入を行い、飛躍的利益拡大を図ります。具体的には、米国においては、USスチールが2028 年末までに約110億ドルの設備投資を実行し、日本製鉄が最先端の操業技術・設備技術・商品技術を移転していくことにより、設備投資効果・シナジーを最大限発揮することを目指します。インドにおいては、AM/NS Indiaにおいて高級鋼製造対策とさらなる生産規模拡大を推進すべく、インド西海岸ハジラ製鉄所において、既に着手している最新鋭の薄板製造設備も含めた能力拡張を確実に進めるとともに、南部(アンドラプラデシュ州ラジャヤペタ)における一貫製鉄所建設に着手し、インド国内でのシェアの拡大を図ります。タイにおいては、G/GJ Steel及びNS-Siam United Steel Co., Ltd.を中心に鉄源からサプライチェーン一貫での強化を図り、インサイダーとしての強みを最大限発揮することで、ASEANの最重点マーケットであるタイの薄板市場におけるさらなるポジション拡大を図ります。 カーボンニュートラルへの取組みについては、国内において2030年までに大型電炉の実装を図るとともに、GXスチール市場の形成に向けた制度整備や国際標準化の推進に取り組んでいく方針です。また、政府支援や産官学連携の活用を通じて革新技術の開発を加速し、2050年におけるカーボンニュートラルの実現を目指します。また、国内・海外における主要施策を着実に実行する基盤として、最先端技術の開発推進、業務刷新・効率化の推進及び人材競争力の強化に取組みます。 これらの経営計画の諸施策を実行することにより、中長期的な収益力及び資本効率の向上、並びに財務基盤の強化に取り組むとともに、これらの成長戦略を機動的かつ継続的に遂行するため、当社グループは一定の財務規律を遵守したキャッシュ・マネジメントを引き続き実行します。 こうした取組みの成果として、2030年度を一つのマイルストーンとし、連結実力利益は1兆円/年以上、連結ROEは10%程度(2031年度以降は10%超)、劣後債等の資本性等を調整したD/Eレシオについては0.7倍程度、劣後債等の資本性等を調整したD/EBITDA倍率については3.5倍以下を目指し、成長投資と財務健全性の両立を図っていく方針です。 (流動性管理及び資金調達の方針について) 当社グループの円滑な事業活動に必要な資金を確保するため、手許資金及び外部借入を有効に活用しています。手許資金については、実需に見合った最低限の現預金を保有する方針としており、過去及び将来の資金繰りを勘案し、最適な保有残高を志向しています。外部借入については、安全性・安定性・柔軟性を担保する観点から基本的な調達の枠組みを決定しています。具体的には、不測の事態発生時における、当社の支払余力を確保すべく、適正な長期固定適合比率を維持するとともに、安全性の補完のためにコミットメントライン(当社連結:1兆185億円)契約を締結しています。 また、短期資金と長期資金のバランスを踏まえた有利子負債残高の設計により自由度を確保しており、当該枠組みの範囲内で、最適な資金調達の実現を志向しています。 ③会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されています。重要な会計方針については、本報告書「第一部企業情報 第5 経理の状況」に記載しています。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、引当金の計上、非金融資産の減損、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っています。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。 当社が特に重要と判断している会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下です。 a.非金融資産の減損 当社グループは、資産が減損している可能性を示す兆候のいずれかが存在する場合、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額を回収可能価額として見積り、回収可能価額が資産又は資金生成単位の帳簿価額を下回る場合、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しており、使用価値は見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算出しています。当該キャッシュ・フローは中長期経営計画及び最新の事業計画を基礎としており、これらの計画には鋼材需給の予測及び製造コスト改善等を主要な仮定として織り込んでいます。鋼材需給及び製造コスト改善の予測には高い不確実性を伴い、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすと予想されます。なお、当期末における有形固定資産の残高は5兆8,995億円、無形資産の残高は8,328億円、のれんの残高は2,597億円となっています。 b.繰延税金資産の回収可能性 当社グループは、鋼材需給の予測及び製造コスト削減等の仮定に基づいて算定された将来における課税所得の見積り等の予想等、現状入手可能な全ての将来情報を用いて、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。当社グループは、税務上の便益が実現する可能性が高いと判断した範囲内でのみ繰延税金資産を認識していますが、経営環境悪化に伴う中長期経営計画及び事業計画の目標未達等による将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。なお、当期末における繰延税金資産(繰延税金負債との相殺前)の残高は4,806億円です。 (中東情勢が当社グループにおける重要な会計上の見積りに与える影響について) 中東情勢が当社グループの非金融資産の減損における回収可能価額及び繰延税金資産の回収可能性に与える影響については、中東情勢の終結の見通しが立っておらず、当該影響を網羅的かつ合理的に把握することはできないことから、一定の想定が可能な影響に限り反映し見積りを行っています。しかしながら、この仮定は高い不確実性を伴っており、翌期以降において、仮定の見直しにより、見積り額及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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