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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

NGK

NGK Corporation5333 · Prime · ガラス・土石製品

セラミックス技術を核に、自動車排ガス浄化、半導体製造装置、NAS電池、電力用がいしなど多岐にわたる事業を展開。

概要

NGK(旧日本ガイシ)は、自動車排ガス浄化用セラミック担体(ハニカム)で世界シェア約5割を占めるセラミックス専業メーカーである。半導体製造装置向けセラミックス、センサー、電力用がいし、NAS電池などを手がけ、2026年3月期の連結売上高は6,701億円、営業利益950億円、従業員約19,869人。名古屋市に本社を置く。

自動車排ガス浄化用セラミックスが収益の柱

エンバイロメント事業は、自動車排ガス浄化用のハニカムセラミックス(触媒担体)とディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)を主力とする。ガソリン車・ディーゼル車双方に搭載され、世界の環境規制強化を背景に需要が高い。同事業は2026年3月期に売上高4,014億円(全社比60%)、営業利益686億円を計上し、グループの収益の大半を支える。生産拠点は日本、米国、欧州、インドネシア、中国、メキシコ、タイに広がる。

半導体製造装置向けセラミックスが成長牽引

デジタルソサエティ事業は、半導体エッチング・成膜工程で使われる静電チャック、セラミックヒーター、フォーカスリングなどを供給する。AI向け半導体需要の拡大により、2026年3月期の売上高は2,054億円(前期比19.7%増)、営業利益281億円(同63.5%増)と急成長した。HDD用圧電マイクロアクチュエーターも好調。同事業はグループの成長領域に位置づけられ、2030年度までにROE12%達成の鍵とされる。

NAS電池撤退と子会社再編で事業構成を転換

エネルギー&インダストリー事業は、電力用がいし・配電機器とNAS電池で構成される。NAS電池は大規模電力貯蔵用として開発されたが、2025年10月に製造・販売活動の終了を決定し、新規受注を停止。既存設備の保守は継続する。一方、がいしは米国データセンター投資や国内インフラ更新需要により堅調で、事業全体では売上高659億円だが、NAS電池の赤字により13億円の営業損失となった。再編後はデジタルソサエティ事業への資源集中を進める。

46の連結子会社で構成されるグローバルグループ

NGKグループは、当社と子会社53社(うち連結子会社46社)及び関連会社1社で構成される。自動車用セラミックスは北米にNGK CERAMICS USA、欧州にNGK CERAMICS EUROPE、アジアにインドネシア・中国・タイの各現地法人を配置。半導体関連は米国FM INDUSTRIESがモジュールを製造し、販売はNGK ELECTRONICS USAが担う。ベリリウム銅製品は米国・欧州に製造販売拠点を持つ。南アフリカの子会社は2024年に清算決議、中国の一部子会社も清算手続き中である。

業界の中での役割は自動車排ガス浄化システム、半導体製造装置、エネルギー貯蔵・送電システム向けセラミックス部品・機器のサプライヤー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
6,701億円
営業利益
950億円
営業利益率
14.2%
純利益
599億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
エンバイロメント 事業3,995億円59.6%686億円17.2%
デジタル ソサエティ事業2,054億円30.6%281億円13.7%
エネルギー& インダストリー 事業653億円9.7%-13億円-2.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01自動車(排ガス浄化)主力

自動車の排ガス浄化システム向けにセラミック製ハニカム触媒担体(ハニカムセラミックス)を供給。ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)なども含む。環境規制強化を背景に、ガソリン車・ディーゼル車ともに需要が高い。

主な製品・サービス2
ハニカムセラミックス(触媒担体)世界シェア上位
自動車の排ガス浄化触媒を担持するためのセラミック製ハニカム構造体。排ガス中の有害物質を効率的に浄化する。世界シェア約5割。
ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)
ディーゼルエンジンの排ガスからPM(粒子状物質)を捕集するセラミックフィルター。環境規制対応に不可欠。

02自動車(センサー)準主力

自動車のエンジン制御や排ガス検知に用いられる酸素センサー、NOxセンサーなどを供給。セラミック技術を活かした高精度センサーで、燃費向上や排出ガス低減に貢献。

主な製品・サービス2
酸素センサー
エンジンの排ガス中の酸素濃度を測定し、空燃比制御に使用。燃費効率と排ガス浄化に寄与。
NOxセンサー
排ガス中の窒素酸化物濃度を検出するセンサー。ディーゼル車の後処理システム制御に必須。

03半導体製造装置準主力

半導体のエッチングや成膜工程で使用するセラミック製の部品(静電チャック、ヒーター、フォーカスリングなど)を供給。高い耐プラズマ性と純度が要求される分野で、セラミック技術を強みとする。

主な製品・サービス2
静電チャック
半導体ウェハーを静電気力で固定するセラミック製部品。プラズマプロセスでの均一な温度制御と安定した固定を実現。
セラミックヒーター
半導体製造装置内でウェハーを加熱するためのセラミック製ヒーター。高均熱性と耐腐食性を持つ。

04電子部品・一般産業副次

ベリリウム銅合金(ばね、コネクタ用)、電子工業用製品(サーキット部品、セラミック基板)、金型製品などを供給。産業用セラミックス製品として、化学工業用耐蝕機器や膜分離装置なども手がける。

主な製品・サービス2
ベリリウム銅製品
高い導電性と強度を持つベリリウム銅合金の条、線、棒。コネクタ、スイッチ、ばねなどに使用。
化学工業用耐蝕機器
セラミック製の反応塔、配管、バルブなど。高耐食性を活かし、化学プラントでの苛酷環境に使用。

05エネルギー(NAS電池)副次

大規模電力貯蔵用NAS電池(ナトリウム硫黄電池)の製造・販売を行っていたが、2025年10月に新規受注終了を決定。既存の電力貯蔵システムの保守・運用は継続。

主な製品・サービス1
NAS電池
ナトリウムと硫黄を活物質とする高温作動型二次電池。大規模な電力貯蔵が可能で、再生可能エネルギー出力安定化などに利用された。

06電力(がいし・配電機器)副次

電力会社向けに送電用がいし(磁器がいし)や配電用機器(開閉器、避雷器など)を供給。セラミックの絶縁技術を活かし、安定した電力供給に貢献。

主な製品・サービス2
電力用がいし
送電線を鉄塔から絶縁するための磁器製がいし。高電圧下でも絶縁性能を維持。
配電用機器
配電系統で使用される開閉器、避雷器、変圧器など。電力品質の維持に貢献。

製品と技術

世界シェア約5割のハニカムセラミックス

ハニカムセラミックスは、自動車の排ガス浄化触媒を担持するための蜂の巣状のセラミック構造体。排ガス中のCO、HC、NOxを効率的に浄化する。ガソリン車用では三元触媒の基材、ディーゼル車用ではDPF(微粒子捕集フィルター)として使用される。成形・焼成技術に強みを持ち、世界シェアは約50%。環境規制の強化に伴い需要は今後も堅調と見込まれる。

エンジン制御の精度を高める酸素センサー・NOxセンサー

酸素センサーは排ガス中の酸素濃度を測定し、エンジンの空燃比を最適に制御する。NOxセンサーは窒素酸化物濃度を検出し、選択触媒還元(SCR)システムの制御に用いられる。いずれもセラミック材料の高温耐性と応答性を活かした製品であり、燃費向上と排ガス浄化に不可欠。欧州のディーゼル車規制対応で需要が高く、ポーランドの子会社が生産を担う。

半導体製造の微細化を支える静電チャックとセラミックヒーター

静電チャックは、半導体ウェハーを静電気力で固定し、プラズマプロセス中に均一な温度制御を実現する。セラミックヒーターは、成膜・エッチング工程でウェハーを加熱する高均熱性部品。いずれも高純度アルミナや窒化アルミニウムなどのセラミックスで構成され、高い耐プラズマ性と耐腐食性が要求される。AI半導体需要の急増により、同製品群の売上は急拡大している。

大規模電力貯蔵用NAS電池—製造終了の経緯

NAS電池(ナトリウム硫黄電池)は、高温作動型の二次電池で、数MWh級の大規模電力貯蔵が可能。再生可能エネルギーの出力安定化やピークシフト用途で商用化されたが、長年にわたり収益性が改善せず、2025年10月に新規受注終了を決定。2026年3月期には事業構造改革費用199億円を特別損失に計上した。既存設備の保守・運用は継続するが、同事業は終息に向かっている。

送電網を支える磁器がいしと配電機器

電力用がいしは、送電線を鉄塔から絶縁する磁器製の絶縁体。超高圧送電線向けに長年供給されてきた。配電用機器には開閉器、避雷器、変圧器などが含まれる。米国のデータセンター投資や国内の電力設備更新需要を背景に需要は堅調。製造は国内の明知ガイシ、米国のNGK-LOCKEが担当し、中国の一部子会社は清算手続き中である。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

ガラス・土石製品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 世界シェア上位ハニカムセラミックス(触媒担体)世界シェア約5割自動車(排ガス浄化)

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

国内ガラス大手、高収益でトップクラスの収益力

NGKはガラス・土石製品セクターで売上高6000億円超を誇る大手で、AGCや日本板硝子と並ぶ国内首位級の地位にある。自動車用排ガスフィルターや電子部品向けセラミックスなど独自の高付加価値製品を強みとし、営業利益率は2025年3月期の13.11%から2026年には14.18%と業界最高水準。同業の日東紡績や石塚硝子が小型で専門性が異なる一方、NGKは規模と技術力で明確に差別化。海外展開も積極的で、内需依存度は低い。資源高や環境規制の強化はあるが、コスト転嫁と製品開発で対応している。

強み

  • 営業利益率14%超はガラス・土石業界で圧倒的で、収益モデルが確立
  • 排ガス浄化用セラミックスなど特許で守られた製品が収益を牽引
  • 海外売上比率が高く、内需に依存せず世界市場で成長を続ける
  • 2024年から2026年まで2桁成長で、売上高は6700億円規模へ

課題

  • 排ガス関連需要は環境政策に左右され、EV化で中長期の減速懸念
  • エネルギーや原料費の高騰が利益率を圧迫する可能性がある。
  • AGCや日本板硝子が低価格戦略を採ると市場シェアが影響を受ける

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

金属・ガラスの時価総額近傍。太字がNGK

時価総額で並べると、掲載10社のなかで5番目にあたる。

#企業時価総額PER
14062イビデン5.7兆円93.7倍
25401日本製鉄3.7兆円210.2倍
35713住友金属鉱山2.9兆円15.4倍
45706三井金属1.5兆円16.5倍
55333NGK1.5兆円25.0倍
65201AGC1.2兆円13.2倍
75411JFEホールディングス1.2兆円17.6倍
85406神戸製鋼所8,052億円8.5倍
95444大和工業7,694億円12.1倍
105711三菱マテリアル7,028億円17.2倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(金属・ガラス)に従っています。

会社の歴史

沿革 26件

日本陶器から分離独立した1919年

1919年、日本陶器(現ノリタケ)からがいし部門を分離し、名古屋市瑞穂区に日本碍子を設立。主として特別高圧がいしやがい管類の製造販売を開始した。これが現在のNGKの原点であり、以来セラミック絶縁技術を核に事業を拡大してきた。

自動車用セラミックスに参入した1976年

1976年、自動車用セラミックス製品の製造販売を開始。排ガス規制の高まりに対応し、ハニカム構造の触媒担体を開発。後年にはディーゼル微粒子捕集フィルターも製品化し、自動車排ガス浄化分野で世界トップシェアを確立する基盤を築いた。

社名を日本ガイシに変更した1986年

1986年、社名表記を「日本ガイシ株式会社」に変更。従来の「碍子」を平仮名表記とし、セラミック事業の多角化を象徴する改名となった。この頃から海外生産拠点の設立が本格化し、米国、欧州、アジアへ展開を進めた。

半導体製造装置用セラミックスに本格進出した2002年

2002年、米国の半導体製造装置用モジュールメーカーFM INDUSTRIESに資本参加し子会社化。これにより静電チャックやセラミックヒーターなど半導体向け製品の製造能力を獲得し、後のデジタルソサエティ事業の成長基盤となった。

NAS電池事業の終了を決定した2025年

2025年10月、エナジーストレージ事業として展開してきたNAS電池の製造・販売活動の終了を取締役会で決議。長期にわたり赤字が続いていた同事業から撤退し、グループ全体の事業構成転換を加速させた。同時にセラミックパッケージ事業の体制再編も発表。

グローバル展開の集大成として社名をNGKに変更した2026年

2026年4月、社名を「NGK株式会社(NGK Corporation)」に変更。祖業を示す「ガイシ」を外し、セラミック技術を基盤に社会課題解決へ挑む姿勢を明確化した。売上高は6,701億円、営業利益950億円に達し、デジタルソサエティ事業が成長を牽引する新たなフェーズへ移行した。

年表26件を開く

1910年代

  • 1919年日本陶器㈱(現 ノリタケ㈱)からがいし部門を分離独立、現在地に日本碍子㈱(現 NGK㈱)を設立。主として特別高圧がいし、がい管類の製造販売開始。

1920年代

  • 1922年化学工業用機器類の製造販売開始。

1940年代

  • 1942年知多工場建設。
  • 1949年上場東京・名古屋・大阪の各証券取引所に株式上場。(2011年6月大阪証券取引所上場廃止。)

1950年代

  • 1958年金属製品の製造販売開始。

1960年代

  • 1962年小牧工場建設。
  • 1963年環境装置類の販売開始。
  • 1965年米国に販売会社NGK INSULATORS OF AMERICA,LTD.(現 NGK-LOCKE,INC.、連結子会社)を設立。

1970年代

  • 1971年電子工業用セラミックス製品の製造販売開始。
  • 1973年米国GENERAL ELECTRIC社と合弁でがいしの製造会社LOCKE INSULATORS, INC.(連結子会社)を米国に設立。(2017年に同社の清算を決議。)
  • 1976年自動車用セラミックス製品の製造販売開始。
  • 1977年M&Aベルギーにがいしの製造会社NGK-BAUDOUR S.A.と販売会社NGK EUROPE S.A.を設立。(1994年両社が合併しNGK EUROPE S.A.(連結子会社)となる。)

1980年代

  • 1985年M&Aベルギーに自動車用セラミックス製品の製造会社NGK CERAMICS EUROPE S.A.(連結子会社)を設立。(2007年に同社は、NGK EUROPE S.A.と合併し、消滅。存続会社のNGK EUROPE S.A.は、NGK CERAMICS EUROPE S.A.に社名変更。)
  • 1986年商号変更社名表記を「日本ガイシ株式会社」に変更。
  • 1988年米国に自動車用セラミックス製品の製造会社NGK CERAMICS USA, INC.(連結子会社)を設立。

1990年代

  • 1996年インドネシアに自動車用セラミックス製品の製造会社P.T. NGK CERAMICS INDONESIA(連結子会社)を設立。

2000年代

  • 2000年南アフリカに自動車用セラミックス製品の製造会社NGK CERAMICS SOUTH AFRICA (PTY) LTD.(連結子会社)を設立。(2024年に同社の清算を決議。)
  • 2001年中国に自動車用セラミックス製品の製造会社NGK(蘇州)環保陶瓷有限公司(連結子会社)を設立。
  • 2002年米国の半導体製造装置用モジュールの製造会社FM INDUSTRIES, INC.(連結子会社)に資本参加、子会社とする。
  • 2003年ポーランドに自動車用セラミックス製品の製造会社NGK CERAMICS POLSKA SP. Z O.O.(連結子会社)を設立。
  • 2007年当社の環境装置事業の一部を吸収分割により㈱NGK水環境システムズに承継、分社化。
  • 2008年メキシコに自動車用セラミックス製品の製造会社NGK CERAMICS MEXICO, S.DE R.L.DE C.V.(連結子会社)を設立。

2010年代

  • 2011年石川工場操業開始。
  • 2012年M&Aエナジーサポート㈱(連結子会社)を完全子会社化。
  • 2015年M&A新日鐵住金㈱(現 日本製鉄㈱)より日鉄住金エレクトロデバイス㈱(NGKエレクトロデバイス㈱)の全株式を取得し、完全子会社化。(2026年に同社の営業部門を会社分割により当社へ承継した上で、同社の製造部門はエヌジーケイ・セラミックデバイス㈱と合併し、消滅。)
  • 2017年ポーランドの自動車用セラミックス製品製造会社NGK CERAMICS POLSKA SP. Z O.O.(連結子会社)の第2

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 新事業化品売上高2030年まで1,000億円以上
  • ROE12%以上
  • 純資産配当率3.5%
  • 配当性向35%以上
  • 研究開発投資2026年から5年間まで2,000億円規模

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    事業構成の転換

    事業ポートフォリオ方針に基づき、コア事業への集中と低成長事業の迅速な再生・撤退判断を行うため、ディシジョン・ツリーを用いたモニタリングを導入。成熟事業では収益最大化、成長事業へ重点投資し、新規事業の早期立ち上げを推進する。

  2. 02

    デジタルソサエティ事業の成長

    AI拡大に伴う半導体関連需要に対応し、大型投資による生産能力増強や周辺領域の研究開発を強化。デジタルインフラ領域での地位向上を図り、同事業を成長ドライバーとする。

  3. 03

    カーボンニュートラル領域の事業開発

    DAC、サブナノセラミック膜など環境製品の性能向上・原価低減を推進。長期需要を見据え競争力を強化し、中長期的な事業化を目指す。

  4. 04

    研究開発とオープンイノベーションの加速

    「New Value 1000」目標のもと、マーケティング・研究開発・製造技術の3本部連携で商品化を加速。社外との協業拠点「NGK Collaboration Square DIVERS」を開設し、新事業創出を推進する。

  5. 05

    経営基盤の強化とサステナビリティ経営

    NGK版付加価値指標を用い、環境負荷低減・人権尊重・人的資本投資をバランスよく評価。CO2排出削減目標や再生可能エネルギー導入など具体策を進め、財務・非財務両面から企業価値向上を図る。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で19,869人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は920万円で、9期前と比べて+16.6%平均年齢は40.7歳、平均勤続年数は15.4年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月17,517
2018年3月18,783
2019年3月78938.713.520,115
2020年3月77738.813.720,000
2021年3月76439.214.319,695
2022年3月77039.614.720,099
2023年3月82439.414.820,077
2024年3月85540.215.019,540
2025年3月84540.515.219,931407
2026年3月92040.715.419,869478

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率4.8%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.6%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)78.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社38(国内 19 / 海外 19、うち連結子会社 9) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
本社工場(ポーランド グリヴィッツエ市)他712億円
エンバイロメント事業
本社及び名古屋工場 — 名古屋市瑞穂区他497億円
本社、エンバイロメント事業、エネルギー&インダストリー事業
本社工場(中華人民共和国 江蘇省蘇州市)他288億円
エンバイロメント事業
小牧工場 — 愛知県小牧市他235億円
エンバイロメント事業、デジタルソサエティ事業、エネルギー&インダストリー事業
石川工場(石川県能美市)他228億円
エンバイロメント事業、デジタルソサエティ事業
本社工場 — 米国 カリフォルニア州219億円
デジタル ソサエティ 事業
本社工場 — タイ サムットプラカーン県158億円
エンバイロメント事業
本社工場 — ベルギー エノー州147億円
エンバイロメント事業
知多工場 — 愛知県半田市137億円
デジタルソサエティ事業、エネルギー&インダストリー事業
本社工場 — メキシコ ヌエボ・レオン州135億円
エンバイロメント事業
ほか2件の開示あり
主な関係会社
  • 海外
    NGK EUROPE GmbH (注)2、4
    ドイツ クローンベルク市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    NGK CERAMICS EUROPE S.A. (注)2、3
    ベルギー エノー州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    NGK CERAMICS USA, INC. (注)2
    米国 ノースキャロライナ州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エヌジーケイ・オホーツク㈱
    北海道網走市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    P.T. NGK CERAMICS INDONESIA
    インドネシア ブカシ県 · 連結子会社
    議決権97.8%
  • 国内
    NGK(蘇州)環保陶瓷有限公司(注)2、3
    中華人民共和国 江蘇省蘇州市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    NGK AUTOMOTIVE CERAMICS USA, INC. (注)2
    米国 ミシガン州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    NGK CERAMICS POLSKA SP. Z O.O. (注)2、3
    ポーランド グリヴィッツエ市 · 連結子会社
    議決権95.0%
  • 海外
    NGK CERAMICS MEXICO,S.DE R.L.DE C.V. (注)3
    メキシコ ヌエボ・レオン州
    議決権95.0%
  • 海外
    NGK MATERIAL USA, INC. (注)2
    米国 ノースキャロライナ州
    議決権100.0%
  • 海外
    NGK CERAMICS (THAILAND) CO., LTD. (注)2、3
    タイ サムットプラカーン県
    議決権95.0%
  • 国内
    エヌジーケイ・ケミテック㈱
    埼玉県所沢市
    議決権100.0%
残りのグループ会社26社を開く
  • エヌジーケイ・アドレック㈱岐阜県可児郡 御嵩町100%
  • エヌジーケイ・キルンテック㈱名古屋市瑞穂区100%
  • エヌジーケイ・フィルテック㈱神奈川県 茅ヶ崎市100%
  • SIAM NGK TECHNOCERA CO., LTD. (注)2タイ サラブリ県100%
  • NGK(蘇州)熱工技術有限公司中華人民共和国江蘇省蘇州市100%
  • エヌジーケイ・メテックス㈱埼玉県加須市100%
  • エヌジーケイ・ファインモールド㈱愛知県半田市100%
  • エヌジーケイ・セラミックデバイス㈱(注)3愛知県小牧市100%
  • NGK METALS CORPORATION (注)2米国 テネシー州100%
  • NGK BERYLCO FRANCE (注)2フランス クエロン市100%
  • NGK DEUTSCHE BERYLCO GmbH (注)2ドイツ クローンベルク市100%
  • NGK BERYLCO U.K.LTD. (注)2イギリス マンチェスター市100%
  • FM INDUSTRIES, INC. (注)2米国 カリフォルニア州100%
  • NGKエレクトロデバイス㈱山口県美祢市100%
  • NGK ELECTRONICS DEVICES (M) SDN. BHD. (注)2マレーシア ペナン州100%
  • NGK ELECTRONICS USA,INC. (注)2、4米国 カリフォルニア州100%
  • 恩基客(中国)投資有限公司中華人民共和国 上海市100%
  • エナジーサポート㈱愛知県犬山市100%
  • 明知ガイシ㈱岐阜県恵那市100%
  • NGK-LOCKE, INC. (注)2米国 バージニア州100%
  • NGK STANGER PTY. LTD. (注)2オーストラリア ヴィクトリア州100%
  • NGK唐山電瓷有限公司(注)3中華人民共和国 河北省唐山市100%
  • 恵那電力㈱岐阜県恵那市75%
  • あばしり電力㈱北海道網走市86%
  • NGK NORTH AMERICA, INC. (注)3米国 デラウエア州100%
  • エヌジーケイ・ライフ㈱岐阜県多治見市100%
国際子会社 (GLEIF登録 1社)
  • PLNGK CERAMICS POLSKA SPÓŁKA Z OGRANICZONĄ ODPOWIEDZIALNOŚCIĄ

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業 独国ニーダーザクセン州大規模ハイブリッド蓄電池システム実証事業
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-04-21
    9.5億円
  • 調達
    NEDO先導研究プログラムエネルギー・環境新技術先導研究プログラム製造加熱プロセス熱流計測によるデジタルツイン高度化の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-07-19
    800万円
  • 調達
    エネルギー・環境新技術先導プログラム ヘテロナノ組織を活用した革新的”超”高強度銅合金の設計技術および製造技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-06-13
    463万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は6,701億円営業利益950億円前期と比べると増収増益で、売上が+8.2%、利益が+17.0%。

売上高
+8.2%
6,701億円
営業利益
+17.0%
950億円
純利益
+9.1%
599億円
営業利益率
14.2%
前期比 +1.1%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高7,100億円6,701億円
営業利益1,070億円950億円
純利益820億円599億円
1株あたり配当¥106¥106

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は1,841億円、営業利益は326億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+30.3%、営業利益は+75.3%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q1,44134
2024年1Q1,41318613.2120
2024年2Q1,4161399.862
2024年3Q1,39617812.8157
2024年4Q1,56467
2025年2Q2,98439713.3259
2025年4Q3,21141512.9290
2026年2Q3,26248714.9239
2026年4Q3,43946313.5360
2027年1Q1,84132617.7294

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は2,528億円から6,701億円へ2.7倍に増えた。直近期の営業利益率は14.2%。売上は6期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月2,528220114
2014年3月3,087458270
新日鐵住金㈱(現 日本製鉄㈱)より日鉄住金エレクトロデバイス㈱(NGKエレクトロデバイス㈱)の全株式を取得し、完全子会社化。(2026年に同社の営業部門を会社分割により当社へ承継した上で、同社の製造部門はエヌジーケイ・セラミックデバイス㈱と合併し、消滅。)
2015年3月3,787611415
2016年3月4,358815533
2017年3月4,013646364
2018年3月4,511706458
2019年3月4,635644355
2020年3月4,420520271
2021年3月4,520530385
2022年3月5,104862709
2023年3月5,592659550
2024年3月5,789630406
2025年3月6,19581278213.1549
2026年3月6,70195095214.2599

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高6,701億円のうち、営業利益として残るのは950億円14.2%。営業外の損益と税金を反映した純利益は599億円、売上の8.9%にあたる。営業利益率は業種中央値8.0%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金70.9%4,749億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金15.0%1,002億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益14.2%950億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
29.1%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+6.2pt
14.2%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+2.1pt
8.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+0.5pt
7.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.8%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
6.4%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,380億円、投資CFが−771億円で、差し引きのフリーCFは609億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は1,996億円で、売上の3.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月37−6124311,028
2014年3月326−212201141,198
2015年3月730−395−2603351,286
2016年3月594−478−41161,361
2017年3月802−565−1302371,447
2018年3月506−494225121,699
2019年3月612−1,09736−4851,240
2020年3月532−608−188−76947
2021年3月856−5171233391,460
2022年3月948−463−4534851,549
2023年3月979−520−3464591,689
2024年3月992−686−3613061,714
2025年3月967−551−3424161,777
2026年3月1,380−771−4836091,996

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.2兆円。このうち返さなくてよい自己資本が8,174億円で、自己資本比率は65.0%(業種中央値64.4%より厚い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月0.563,0312,59952.0
2014年3月0.613,4452,69754.3
2015年3月0.704,0402,98255.8
2016年3月0.714,1802,93957.1
2017年3月0.764,2763,31854.9
2018年3月0.834,7293,53355.8
2019年3月0.864,8923,74455.3
2020年3月0.834,6913,64055.0
2021年3月0.915,1793,91156.3
2022年3月0.985,8963,93259.3
2023年3月1.036,4243,86861.7
2024年3月1.137,0324,24461.7
2025年3月1.147,2754,15563.0
2026年3月1.248,1744,26065.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,982億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
4,920億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
2,328億円
在庫として抱えている分
負債合計
4,260億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
98
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率28 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

ガラス・土石製品 49社との比較

同じガラス・土石製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率49社中11位あたり、逆に低いのは配当利回り49社中37位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
7.8%/中央値 7.3%
P25 5.5%P75 9.9%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
14.2%/中央値 8.0%
P25 6.1%P75 12.2%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
65.0%/中央値 64.4%
P25 50.0%P75 73.1%
売上成長率前期からの売上の伸び
8.2%/中央値 4.1%
P25 -0.8%P75 8.9%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.1%/中央値 3.0%
P25 2.1%P75 3.8%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥5,144で、1年前と比べて+126.9%過去52週の値幅のなかでは51%の位置にある。

¥5,144-4.0%1ヶ月-8.2%1年+126.9%時価総額1.5兆円
過去52週の値幅
安値¥2,322高値¥7,894

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)25.0倍
PER (会社予想)17.7倍
PBR1.79倍
配当利回り2.06%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は直近1ヶ月で12.04%下落し、8月21日に5465円。25日移動平均線(5803.6円)を約6%下回り、75日線(6286.64円)からは約13%乖離している。52週高値7894円からは約31%下落し、調整が長期化している。一方で52週安値2262円からは約142%上昇しており、年初来の上昇は大きい。出来高は8月3日に243万株と増加したが、その後は減少傾向。RSIは47.01と中立。週足の傾きは下向きで、下値模索が続く。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 45/100)

PER27.0倍は業界平均15.9倍を大きく上回り、PBR1.93倍も平均1.36倍を上回る。ROE7.8%と低く、配当利回り1.9%は平均2.83%を下回る。予想PER19.2倍に改善する見込みだが、現状指標は同業他社比で割高。成長期待に基づくが、割高感は否めない。

指標この会社業種平均
PER (実績)25.0倍15.7倍
PER (予想)17.7倍
PBR1.79倍1.34倍
ROE7.8%4.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、自動車の電動化が進む中で、ガソリン車向け排ガス浄化用ハニカムの需要が今後どうなるか。強気派は、世界の排ガス規制が依然として厳しく、ハイブリッド車などの内燃機関搭載車が当面残るため、ハニカム需要は底堅いと見る。さらに半導体向けセラミックスなど新規事業の成長にも期待する。一方弱気派は、長期的にはEVシフトでハニカム需要が減退するリスクを指摘し、現在の株価はその先の成長を織り込み過ぎだと警戒する。また、NAS電池などのエネルギー事業も競争が激しい。

プラスに働く材料7
  • 排ガス規制で需要底堅し

    世界規制強化でハニカム需要は今後も増加見込み

  • 多角化で成長余地

    半導体向けセラミックスなど新規事業が拡大中

  • 安定した収益性

    営業利益率13%超、ROE7.8%で着実な利益確保

  • 2026年3月期営業利益950億円へ17%増益通年影響

    営業利益は812億円から950億円へ138億円増加、営業利益率14.2%へ改善

  • 売上高6,701億円と8.2%増収通年影響

    売上高は6,195億円から6,701億円へ増加、2期連続の増収

  • 予想PER19.4倍は実績PER27.4倍より大幅割安継続影響

    フォワードPER19.4倍は実績PER27.4倍に対し約29%低い

  • 純利益599億円で増益基調通年影響

    純利益は549億円から599億円へ9.1%増加、24/3期から3期連続増益

マイナスに働く材料7
  • EVシフトで需要減

    長期的にガソリン車市場縮小は不可避との懸念

  • 株価は割高懸念

    PER27倍と同業他社比で割高感がある

  • 新事業の不透明さ

    NAS電池やEV部品の競争は激しく収益化に時間

  • 株価1年で161%上昇し過熱不定影響

    株価は1年間で160.99%上昇、実績PER27.4倍まで達し短期的調整リスク

  • 営業利益率改善ペースは1.1ptに鈍化通年影響

    営業利益率は25/3期13.1%→26/3期14.2%と改善幅が鈍化、コスト増が重し

  • 純利益伸び9%は営業利益増17%に劣る決算発表後影響

    純利益増加率9.1%と営業利益増加率17.0%の差で、最終利益率が低下

  • 次期業績の未達リスク決算発表後影響

    PER19.4倍に収束するには営業利益950億円の達成が前提で、下振れ時は株価急落

次の決算で確かめる点
ハニカム出荷台数
自動車生産動向と排ガス規制の影響を直接反映するため
半導体向けセラミックス売上
新規事業の成長性を測る重要な指標
EV向け部品の受注状況
電動化対応の進捗と将来の収益貢献を確認するため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり106で、前期から+33.3%いまの株価に対する利回りは2.06%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥106
1株あたり
配当利回り
2.06%
いまの株価に対して
配当性向
45.0%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月4049.0
2018年3月4410.030.7
2019年3月5013.657.6
2020年3月500.079.5
2021年3月30−40.049.2
2022年3月63110.029.5
2023年3月664.843.1
2024年3月50−24.247.6
2025年3月6020.051.4
2026年3月8033.345.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥106

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ41,762人。区分でいちばん多いのは金融機関47.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が51.9%を占め、残る48.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関56.152.451.249.150.347.7
外国法人22.624.024.425.027.531.8
個人・その他13.615.215.717.314.813.2
事業法人5.35.15.15.14.84.3
証券会社2.43.23.73.52.73.1
自己株式1.81.81.84.51.61.6
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)16.44
02明治安田生命保険相互会社7.42
03株式会社日本カストディ銀行(信託口)6.61
04全国共済農業協同組合連合会3.31
05第一生命保険株式会社3.24
06株式会社三菱UFJ銀行2.47
07BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENT (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.96
08STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.71
09あいおいニッセイ同和損害保険株式会社1.50
10JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.29

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-05-22
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    1.74%
    +0.04pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+490%、1株純資産は14期で+214%。直近期のROEは7.8%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月358964.229.0263.4
2014年3月831,0218.626.032.3
2015年3月1271,20111.420.252.7
2016年3月1631,24513.312.734.7
2017年3月1131,2968.822.449.0
2018年3月1421,43310.412.930.7
2019年3月1101,4847.614.657.6
2020年3月851,4495.816.779.5
2021年3月1221,6177.916.649.2
2022年3月2271,87112.97.729.5
2023年3月1772,0759.09.943.1
2024年3月1342,3346.115.347.6
2025年3月1862,4567.89.951.4
2026年3月2062,8117.819.345.0

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

20名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は20名。2026/3期の役員報酬は総額720百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
大島卓代表取締役 会長7050,000
小林茂代表取締役 社長6550,126
神藤英明取締役 専務執行役員6126,000
森潤取締役 専務執行役員6222,590
稲垣真弓取締役 常務執行役員6218,741
浜田恵美子取締役(注)1675,000
佐久間浩取締役(注)170
川上紀子取締役(注)1673,000
宮本健悟取締役(注)1593,000
八木尚也常勤監査役614,306
長谷川耕司常勤監査役631,040
坂口正芳監査役(注)269
残りの役員8名を開く
氏名役職年齢保有株数
木村高志監査役(注)272
宮嶋敦専務執行役員
則竹基生、加藤宏治、篠原宏行、大西孝生、藤田浩基常務執行役員
橋本修三70
大西孝生取締役 常務執行役員5917,000
渡邊剛監査役(注)267
宮嶋敦、篠原宏行専務執行役員
則竹基生、藤田浩基、野崎正人常務執行役員

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)82792087856671
監査役3707023
社外取締役4565614
社外監査役2282814

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容2,422字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループの企業集団は、当社、子会社53社(うち連結子会社46社、持分法適用会社1社)及び関連会社1社で構成され、その主な事業内容と、各構成会社の当該事業に係る位置づけは次の通りです。 なお、次の3事業区分は「第5 経理の状況1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 〔エンバイロメント事業〕 当事業は、自動車排ガス浄化用部品、センサー及び一般産業用セラミックス製品・機器装置の製造・販売を行っております。 自動車排ガス浄化用部品の製造は、国内では当社、米国ではNGK CERAMICS USA,INC.、欧州ではNGK CERAMICS EUROPE S.A.、NGK CERAMICS POLSKA SP. Z O.O.、インドネシアではP.T.NGK CERAMICS INDONESIA、中国ではNGK(蘇州)環保陶瓷有限公司、メキシコではNGK CERAMICS MEXICO, S. DE R.L.DE C.V.、タイではNGK CERAMICS (THAILAND) CO., LTD.が行っております。 また自動車排ガス浄化用部品の販売は、国内では当社、米国ではNGK AUTOMOTIVE CERAMICS USA,INC.、欧州ではNGK EUROPE GmbH、インドネシアではP.T.NGK CERAMICS INDONESIA、中国ではNGK(蘇州)環保陶瓷有限公司、タイではNGK CERAMICS (THAILAND) CO., LTD.が行っております。なお南アフリカのNGK CERAMICS SOUTH AFRICA (PTY) LTD.につきましては、現在清算手続きを進めております。 センサーの製造は、国内では当社及びエヌジーケイ・セラミックデバイス㈱、欧州ではNGK CERAMICS POLSKA SP. Z O.O.が行い、販売は国内では当社、欧州ではNGK EUROPE GmbHが行っております。 化学工業用耐蝕機器の製造・販売は、当社及びエヌジーケイ・ケミテック㈱が行っております。液・ガス用膜分離装置の製造・販売は、当社及びエヌジーケイ・フィルテック㈱が行っております。加熱装置及び耐火物の製造は、国内ではエヌジーケイ・キルンテック㈱、エヌジーケイ・アドレック㈱、中国ではNGK(蘇州)熱工技術有限公司、タイではSIAM NGK TECHNOCERA CO.,LTD.が行い、販売は、国内では当社及びエヌジーケイ・キルンテック㈱、中国ではNGK(蘇州)熱工技術有限公司、タイではSIAM NGK TECHNOCERA CO.,LTD.が行っております。低レベル放射性廃棄物用処理装置の製造及び販売は、当社が行っております。 NGK NORTH AMERICA,INC.は、米国における持株会社です。 〔デジタルソサエティ事業〕 当事業は、半導体製造装置用製品、電子工業用製品、ベリリウム銅製品、金型製品の製造・販売を行っております。 半導体製造装置用製品の製造は、国内では当社及びエヌジーケイ・セラミックデバイス㈱、米国ではFM INDUSTRIES,INC.が行い、販売は国内では当社、米国ではNGK ELECTRONICS USA,INC.が行っております。 電子工業用製品の製造はエヌジーケイ・セラミックデバイス㈱、NGKエレクトロデバイス㈱グループ、販売は当社、NGKエレクトロデバイス㈱グループ、NGK EUROPE GmbHが行っております。 ベリリウム銅製品の製造は、国内では当社及びエヌジーケイ・メテックス㈱が行い、販売は当社が行っております。海外については、米国ではNGK METALS CORPORATIONが製造・販売を行っております。欧州ではNGK BERYLCO FRANCEが製造・販売を行い、NGK BERYLCO U.K. LTD.が加工・販売、NGK DEUTSCHE BERYLCO GmbHが販売支援を行っております。中国では恩基客(中国)投資有限公司が販売支援を行っております。金型製品については、エヌジーケイ・ファインモールド㈱にて製造・販売を行っております。 〔エネルギー&インダストリー事業〕 当事業は、NAS®電池及び電力用がいし・機器の製造・販売を行っているほか、NAS®電池を活用した電力の販売を行っております。 NAS®電池の製造・販売は、当社が行っております。また、NAS®電池を活用した電力の販売は恵那電力㈱、あばしり電力㈱が行っております。 がいしの製造は、国内では当社と明知ガイシ㈱、米国でNGK-LOCKE,INC.が行っております。販売は国内では当社、米国ではNGK-LOCKE,INC.、豪州ではNGK STANGER PTY.LTD.が行っております。中国では恩基客(中国)投資有限公司が調達支援を行っております。なお米国のLOCKE INSULATORS,INC.及び中国のNGK唐山電瓷有限公司につきましては、現在清算手続きを進めております。 配電用機器の製造は、国内ではエナジーサポート㈱グループ、豪州ではNGK STANGER PTY.LTD.が行い、販売は国内では当社及びエナジーサポート㈱グループ、豪州ではNGK STANGER PTY.LTD.が行っております。 (注)当社は、2025年10月31日開催の取締役会において、エナジーストレージ事業として展開するNAS®電池の製造及び販売活動を終了し、新規受注の獲得を行わない方針を決定いたしました。 (その他の事業) 保険代理業及びゴルフ場経営のエヌジーケイ・ライフ㈱等があります。 主要な事業の系統図は次の通りであります。 (連結子会社合計46社)
経営方針・対処すべき課題9,216字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループが掲げる「NGKグループ理念」と「NGKグループビジョン Road to 2050」は以下の通りです。 <NGKグループ理念> https://www.ngk.co.jp/info/philosophy/ 私たちの使命 「社会に新しい価値を そして、幸せを」 私たちが目指すもの 「人材 挑戦し高めあう」 「製品 期待を超えていく」 「経営 信頼こそが全ての礎」 <NGKグループビジョン Road to 2050> https://www.ngk.co.jp/info/vision/ 2050年の未来社会を見据え、カーボンニュートラルの実現とデジタル社会への爆発的進化という大きな流れを新たな発展機会と捉え、①サステナビリティ経営の推進、②収益力向上、③研究開発への注力、④商品開花への注力、⑤DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進の5つの変革に取り組み“Surprising Ceramics.”をスローガンに当社独自のセラミック技術を活かし、「第三の創業」に向けて事業構成の転換を図ってまいります。 (2)主要な経営指標と資本政策 当社グループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、資本効率を重視した経営を推進しております。関連性の高い投下資本利益率(NGK版ROIC)を管理指標に採用し、投下資本の代わりに事業資産(売掛債権、棚卸資産、固定資産)、税引後利益の代わりに事業部門の営業利益を用いることにより、事業部門が自ら目標管理できるようにしております。既存事業の収益力の向上と共に、2030年に新事業化品売上高を1,000億円以上とする「New Value 1000」を目標に掲げ、研究開発とマーケティングに注力することにより売上高成長率の維持・向上を実現し、利益成長を目指します。中長期の観点でROE10%以上を意識して資本効率の改善に取り組んでおりますが、成長領域と位置付けるデジタルソサエティ事業の収益拡大を目指して、水準を12%へと引き上げます。適正な事業ポートフォリオの構築と株主・投資家との透明で適切なコミュニケーションを通じて資本コストの引き下げに努めると共に、これを上回る収益性確保に向けて事業計画の立案や投資の意思決定プロセスを回してまいります。 資本政策については、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合させつつ積極的な株主還元に努めてまいります。配当金については従来の水準から引き上げ、3年程度の期間業績(ROE)とのリンクも勘案し、純資産配当率3.5%、配当性向35%以上を目途とすることとしました。財務健全性との両立を図りつつ、ROEを構成する利益率、資本回転率、財務レバレッジを事業戦略と整合した健全な水準に維持することを目指してまいります。 更に、当社の企業価値向上に資する管理指標として、営業利益にCO2排出コストや労務費、研究開発費、ESG目標達成率を加味したNGK版付加価値(NGK Value-added)を使用しております。環境負荷の低減や人権尊重への取組みなど多岐にわたる社会的責任を果たすと共に、将来の競争力の源泉である人的資本や研究開発への投資を積極的に行いつつ、着実に利益成長を実現できるよう付加価値の拡大に努めてまいります。 (3)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき事業上、財務上の課題 当社グループを取り巻く経営環境は、中東情勢の悪化に起因する資源・エネルギー価格の高騰や調達の不安定化など、先行きは不透明な状況が続いております。カーボンニュートラルの動向については、長期的な方向性に変化は無いものの、足元では進展に減速感が見られます。一方で、AI(人工知能)の活用が急速に拡大するなど社会の構造的な変化が目覚ましく、デジタル社会化は飛躍的に進行しております。 このような環境の下、当社グループは2021年4月に公表した「NGKグループビジョン Road to 2050」で定めたありたい姿「独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する」の実現に向けて変革を進めております。2025年10月には、エナジーストレージ事業として展開するNAS®電池の製造及び販売活動の終了とセラミックパッケージ事業の体制再編を決定し、事業構成の転換を前進させました。また、2026年4月には、2050年の事業領域や果たすべき役割の広がりを踏まえ、祖業の「ガイシ(INSULATORS)」の記載を社名から外し、「NGK株式会社(NGK Corporation)」に変更しました。新社名には、長年培ってきたセラミック技術を基盤に、従来の枠にとらわれず社会課題の解決に貢献しグローバルに挑戦していく意思を込めております。 当社グループは、社会の変化を好機とし、経営基盤の強化を図りつつ、既存事業の収益を最大化し、カーボンニュートラルの布石を打つと共に、デジタルソサエティ事業で成長を牽引し、事業構成を転換してまいります。 ① 事業構成の転換 当社グループは、全社の視点から企業価値を高めるために事業ポートフォリオ方針を定め、NGK版ROICを用いた収益性と、売上高成長率を用いた成長性の二軸で精査しております。コア事業や今後の成長が期待される事業群への経営資源の投入を検討する一方、低成長・低収益事業に対しては、立て直しの可否判断を迅速に行うための「事業再生・撤退検討プロセス」を2026年度から「事業ポートフォリオマネジメントに関する規程」として新たに導入いたしました。対象事業・製品については、意思決定指標と評価期限を反映したディシジョン・ツリーを設定し、定期的なモニタリングを実施いたします。エンバイロメントやガイシといった成熟事業については収益を最大化し、デジタルソサエティを中心とする成長事業に対しては重点的なインプットを実施すると共に新規事業の早期立ち上げを推し進め、事業ポートフォリオの変革を進めてまいります。 当社グループの中核であるエンバイロメント事業においては、各国の雇用や財政、経済安保等の背景により自動車の電動化の進展にやや減速がみられるほか、グローバルには排ガス規制の強化も暫く続くことが想定されます。自動車関連製品については、新製品のガソリンセンサの市場投入やGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)の拡販などを進め需要を獲得してまいります。また、生産性の改善やグローバル生産体制の最適化を推進し、当社グループの収益基盤を支える事業としての位置付けを維持してまいります。ガイシやエネルギープラント事業に関しては、データセンターの増設等により国内外の電力関連投資が安定的に実施されており、市場や競合、コスト等の動向を見極めながら、継続的な収益の確保を図ってまいります。 今後の成長を見込むデジタルソサエティ領域においては、AIの拡大やそれに伴うデータ量の増加は想定を上回る勢いで進展しており、半導体製造装置用製品やハイセラムキャリア等の市場についても大きな拡大を見込んでおります。当社グループはこの成長機会を逸することなく大型投資による生産能力の増強など、スピード感を持って重点的に経営資源を投下してまいります。2026年3月には700億円超の資金を投じ、石川県の自動車関連製品工場の隣接地に半導体製造装置用セラミックス製品の工場を新設し、国内の生産能力を約2割増強することを決定いたしました。半導体等の高性能化の流れは止まることなく進行することが予見されることから、当社グループは既存事業の強みを活かし、周辺領域における研究開発を強化して新製品を創出してまいります。今後一層重要性を増すデジタルインフラ領域における地位を高め、デジタルソサエティを当社グループの成長のドライバーとしてまいります。 カーボンニュートラル領域の本格需要に向けて事業開発を推進する開発製品に関しては、各国の政策動向の変化により、足元では再生可能エネルギーの浸透や脱炭素化へのシフトに遅れが生じておりますが、長期的な方向性に変化は無いと捉えております。大気中のCO2を直接回収するDAC、CO2、窒素、水素などを分子レベルで分離するサブナノセラミック膜など、社会の環境ニーズに貢献できる製品については、準備期間が延びたことを好機と捉えて、製品性能の高度化や原価低減等を推し進め競争力を強化してまいります。 新規事業の創出に関しては、重要指標として、2030年に新事業化品売上高を1,000億円以上とする「New Value 1000」を掲げております。マーケティング機能を主体としたNV推進本部、セラミックス材料技術や要素技術など当社独自の差異化技術を有する研究開発本部、生産技術・エンジニアリングなどの製造技術本部の3本部が各事業本部との連携を強め「研究開発」から「商品開花」へのスピードを高めてまいります。2025年度には、社内外の知見を融合し、新しい価値創造に挑戦するオープンイノベーションの場として「NGK Collaboration Square DIVERS」をオープンいたしました。当社グループのコア技術を起点に社会課題の解決に資するテーマ創出、価値を共創するパートナーシップの構築を強化してまいります。研究開発に関しては、「NGKグループビジョン」において2021年から10年間で3,000億円、うち8割をカーボンニュートラルとデジタル社会関連に配分する計画とし、これまでの5年間で1,426億円を投じてまいりました。将来の有望なテーマの事業性を高め、変革を加速させるべく、2026年から5年間で2,000億円規模の研究開発を実施することを計画しております。開発スピードを上げつつこれまで以上の差異化技術を創造すべく、早い段階から生産技術・エンジニアリングと連携したコンカレント開発に取り組んでまいります。 更には、当社グループの事業や技術とのシナジーが期待される企業のM&A、ベンチャーキャピタルやスタートアップ企業への出資など、外部とのアライアンスを活用した新製品・新規事業の創出も積極的に推進し、事業構成の転換を図ってまいります。 ② 経営基盤の強化 当社グループは、持続的な成長と将来のありたい姿への変容を支える経営基盤の整備を継続してまいります。 ≪サステナビリティ経営≫ NGKグループ理念「社会に新しい価値を そして、幸せを」に基づき、当社グループは独自のセラミック技術を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しております。サステナビリティの視点を経営の中核に据え、ステークホルダーからの信頼を礎にカーボンニュートラルとデジタル社会の実現に貢献してまいります。この基本的な考え方に沿って、社長を委員長とするサステナビリティ統括委員会のもと課題に取り組み、取締役会がこれを適切に監督してまいります。 持続的な利益成長と将来の企業価値の源泉となる人的資本や知的資本への投資を両立させ、同時に環境負荷の低減や人権尊重への取組みなどサステナビリティに関する取組みを総合的に評価するため、管理指標としてNGK版付加価値(NGK Value-added)を導入しております。短期の収益性や中長期の成長性に加え、超長期の社会性をバランス良く高めていくことにより財務価値と財務諸表に表れない非財務価値の両面から企業価値向上につなげてまいります。 〔環境に関する取組み〕 当社グループは、2050年までにCO2排出量ネットゼロとする目標を掲げ、カーボンニュートラル、循環型社会、自然との共生への寄与を骨子とした「NGKグループ環境ビジョン」を策定し、具体的な行動計画として「カーボンニュートラル戦略ロードマップ」と「環境行動5カ年計画」を定め、その実現を目指しております。第5期環境行動5カ年計画の最終年度となる2025年度は、Scope1及びScope2におけるCO2排出量55万トン(2013年度比25%削減)とした当初目標値に対して、50万トン(同32%削減)へと目標を引き上げ、これを達成する事ができました。マイルストーン(中間目標)とする2030年度の同37万トンの排出量(同50%削減)についても、海外拠点を中心とした使用電力の再生可能エネルギー由来への切り替え、国内外の製造拠点への太陽光発電設備の導入などにより達成を目指してまいります。更に、水素やアンモニアなどカーボンニュートラル燃料によるセラミックス焼成技術、ガス分離膜や大気中のCO2を直接回収するDACの開発、CO2を再利用するメタネーションの実証試験を進めており、当社グループ内での適用を図るなどカーボンニュートラル関連製品・サービスの開発に取り組んでおります。また、バリューチェーンを通じた温室効果ガスの排出削減の取組みについては、2050年までにScope3におけるCO2排出量を90%以上削減(2022年度比)することを目標とし、これを達成するためのステップとして2030年までに25%削減する計画について認証機関SBT(Science Based Targets)イニシアチブの認証を受けて取組みを開始しております。 当社ウェブサイト等では気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に関する情報を開示していると共に、自然との共生への対応については自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のアーリーアダプター(早期採用者)として賛同を表明し、2025年度に関連情報を開示しております。 このような取組みが評価され、気候関連情報開示に関する国際的な非営利団体のCDP(旧称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)から「CDP水セキュリティ」及び「サプライヤーエンゲージメント評価」の最高評価であるAリスト企業に2年連続で選定されました。また、2026年1月には、環境省が環境先進企業を認定する「エコ・ファースト企業」にも選出されております。 〔ガバナンスに関する取組み〕 コーポレートガバナンスについては、取締役会の更なる機能発揮の観点から、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資する独立社外取締役を選任し、その数を全取締役の3分の1以上としております。また、経営の透明性を確保し取締役会の監督・監視機能を強化するため、独立社外取締役を過半数として構成する指名・報酬諮問委員会で役員の人事及び報酬決定等に係る公正性の確保及び透明性の向上を図ると共に、社外役員を主要な構成員とし役員等が関与する不正及び法令違反等への対応を取り扱う経営倫理委員会を設置し、取締役会への答申または報告、勧告等を行うこととしております。役員等が関与する不正・法令違反に歯止めをかける仕組みとして、従業員からの相談・報告を受けるヘルプライン制度とは別に、社外弁護士を通じて経営倫理委員会に直接報告するホットライン制度を設置し、経営陣から独立した通報体制を設けるなど、コンプライアンス体制の充実を図っております。 当社グループで働く全ての人が倫理観を持って正しい事業活動を行うための道しるべとして「NGKグループ企業行動指針」及び「NGKグループ行動規範」の周知徹底にも取り組んでおります。更に様々な領域で取り組むコンプライアンス活動を国際的な水準に照らして評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、「コンプライアンス活動基本要領」を制定しております。 また当社は、競争法及び腐敗行為防止に係る法令等をはじめとする国内外の法令遵守のために、経営トップによる継続的なメッセージ発信、国内外グループ会社の役員・従業員向けのコンプライアンス教育、国際的基準に則った競争法遵守プログラムの運用、「競争法遵守ハンドブック」の活用促進を行っていることに加え、「NGKグループ腐敗防止方針」を策定しております。 品質コンプライアンスについては、品質委員会での経営層による直接指導などの仕組みを備えると共に、経営層と従業員との対話の促進や教育の徹底、現場にムリ、ムダを生じさせない仕組みへの見直しなどにより、組織風土と業務の改善に取り組んでおります。また、従業員等の労働安全衛生面では、リスクアセスメントの推進による重大災害のリスク特定と未然防止に継続的に取り組むと共に、グループ全体の現場マネジメント力の強化を図り、業務災害の低減に取り組んでまいります。 当社グループは、自社及びサプライチェーンにおける人権を尊重する取組みを展開することで、事業活動が影響を及ぼす全ての人々の人権が侵害されることのない社会づくりに貢献いたします。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「NGKグループ人権方針」を定めたほか、英国現代奴隷法に関する声明を開示、また「子どもの権利とビジネス原則」を支持し事業活動において子どもの権利を尊重し、子どもの権利の推進に向けた社会貢献活動等に取り組むことを宣言しております。 当社は、内閣府、中小企業庁が推進する「パートナーシップ構築宣言」を公表しております。当社グループのサプライチェーンにおいては、サプライチェーンを構成する調達パートナーと公正・公平な取引を行い、共に繁栄を図るため、「社会的協調」「門戸開放」「共存共栄」を調達の基本軸に掲げ、地球環境の保全、人権尊重、労働環境などに配慮した「NGKグループ調達方針」を定めております。またサプライチェーン全体で持続可能な調達を実現すべく「NGKグループサプライヤー行動規範」を策定し、サプライヤー訪問やセルフアセスメント要請等を通じて、サプライチェーンにおけるリスクの把握や取組み状況の評価を行っております。 リスクマネジメントについては、経営レベルの視点から重要と考えるリスクを外部環境、戦略、オペレーションに分類し継続的に見直しを行っております。当社グループのサステナビリティ課題を含む個別のリスク事項については、各種の委員会を設置してリスク管理を行っておりますが、国内外の環境変化が加速する中、部門を横断し全社視点で取締役会につながる統合的なリスク管理の仕組みを構築するため、社長直轄の統括委員会として「リスク統括委員会」を設置し、重点フォローリスクについて取締役会の決議を経て対応策を検討しております。 〔人的資本経営〕 当社グループでは、中長期的な成長に向けた事業構成の転換を進める中で、その変化を担う人材の確保・育成・活躍を通じて、戦略の実行力を高め、持続的な企業価値向上を実現することが重要な経営課題であると認識しております。 当社グループは、NGKグループ理念の中で、「挑戦し高めあう人材」を私たちが目指すものの1つと位置付け、NGKグループビジョンの実現に向けた「5つの変革」に取り組んでおります。これらを成し遂げるためには、人材一人ひとりの活躍が不可欠であります。「NGKグループ人的資本経営方針」、「人材育成方針」並びに「社内環境整備方針」に基づき、採用や育成を通じた人材の充実と、その人材が持てる力を発揮するための環境整備を推進しております。特に、事業構成の転換に伴い、求められる人材像やスキルの構成が変化する中で、人材のスキルや専門性の可視化を進め、現有人材の強みを踏まえた育成や成長機会を通じて、戦略的な配置につなげる取組みを推進してまいります。 2025年度は管理職の人事制度を改定し、年齢や在籍年数にとらわれない多様な人材の活躍と自律的な行動を促進したほか、社員が株主としての視点を持ち企業価値の持続的な向上を実現するため、一定の条件を満たす管理職に対し譲渡制限付株式を支給するインセンティブ制度を開始いたしました。また、テレワークの活用をはじめとする柔軟な働き方の推進や、長時間労働の削減など、従業員が心身ともに健康に働き続けられる社内環境の整備にも引き続き取り組んでおります。 多様な人材の活躍を支える取組みとしては、新卒採用に占める女性比率の数値目標の設定や配属先・異動先での職域拡大を図ると共に、育休・産休取得者のキャリア早期再開支援や男性育休制度の拡充など、性別を問わず仕事と家庭の両立を支援する取組みを進めております。加えて、経営層・管理職を中心とした講演会の開催などを通じて、制度面にとどまらない意識や職場文化の醸成にも取り組んでおります。 当社は、経済産業省及び東京証券取引所が共同で実施する「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」に3年連続で選定されております。 海外人材については、当社グループは従業員約20,000人のうち、約6割が海外に所在しております。グループ運営において、それぞれの地域の事情、文化、習慣に基づく素早く適切な意思決定を行うためには現地人材の活躍が不可欠と考えており、海外拠点の幹部層の積極的な現地化に努めております。 ≪DXの推進≫ DXの推進については、当社グループが目指す将来のありたい姿に向けた変革の推力と位置付けています。NGKグループデジタルビジョンのロードマップに則り、インフラ整備によるデジタル活用基盤作りや推進を牽引するDX人材の育成が順調に進捗しております。2025年度には、2030年の目標としていたデータ活用人材の育成1,000名を前倒しで達成いたしました。モノづくり領域に加え、開発とマーケティング領域では、新規材料の開発リードタイムを短縮するマテリアルズ・インフォマティクスや知財戦略へのIPランドスケープの活用、当社の要素技術(シーズ)と社会課題(ニーズ)を高精度に掛け合わせる独自AIによる新規用途探索の加速等による価値の創造を進めております。本社や間接部門を含めた全社では、社内情報を学習した自社専用の対話型生成AIを活用することや、グループ全体のデータ統合基盤の構築を進め業務をシームレスに繋ぐことで業務効率化を後押しし、固定費の削減やデータに基づく業務履行と意思決定へと変革を推進いたします。 当社グループは、こうした取組みを通じて経営基盤の更なる強化に努め、資本効率重視、株主重視の経営を継続すると共に、持続的な成長と企業価値の向上を通して将来のありたい姿の実現を目指してまいります。
事業等のリスク12,502字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループは、「NGKグループビジョン Road to 2050(以下、グループビジョン)」(https://www.ngk.co.jp/info/vision/)の実現に影響を与える不確実性をリスクと捉え、以下の体制及び役割によりグループ全体のリスクマネジメントを行っております。 ・当社はグループ全体のリスク課題を横断的に統括するため、リスク統括委員会を設置しております。 ・リスク統括委員は担当領域におけるリスク対応について、各本部・部門に対する指示・支援を行うなどのマネジメントをしております。 ・各本部・部門は、業務に関するリスク対応策を策定・実行するとともに、リスクの顕在化状況を継続的にモニタリングし、その状況をリスク統括委員会に報告しております。 ・取締役会は、重要なリスクについて決議を行うとともに、当社グループのリスクマネジメントの状況を監督しております。 なお、リスク統括委員会は年3回開催され、その活動内容について年1回以上取締役会に報告しております。 リスク統括委員会では、重要なリスクの管理サイクルに基づき、定期的にリスクの分析・評価を行い、管理すべき重要なリスクを特定・見直しています。管理すべき重要なリスクの選定にあたっては内外環境の変化や前年度と比較して新たに高まったリスクを踏まえて見直し、委員会での審議を経て取締役会にて決定されます。 決定された重要なリスクについては、主管する委員会・部門がリスク顕在化状況のモニタリング及びリスク対応策の策定・実施等を行い、その進捗状況が取締役会へ報告されております。外部環境に起因するリスクの発生は当社で直接的なコントロールが難しいことから、外部環境に関連するテーマについて経営層によるディスカッションを実施することで、顕在化時の発生事象や事業・経営への影響を具体的に想定しております。こうしたリスク管理体制及び手法を整備することで、経営全体の持続性の強化を図っております。 上記プロセスを通じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを以下のように認識しております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日現在)において当社グループが判断したものであります。 (1)事業運営におけるリスク 当社グループは、海外17ヵ国に33のグループ会社を展開し、うち18社において製造を行っております。各国・地域の政治や対日感情の安定、法律、規制、税制、インフラの整備、関税を含むインセンティブ等が各事業の前提条件となっております。また、近年の地政学的緊張の高まりや経済安全保障を巡る各国の政策動向を踏まえ、原材料・部品の調達、生産、物流に至るサプライチェーンの安定性についても、事業運営を行う上での重要な前提条件の一つと認識しております。当社は様々な観点から拠点を分散し、グローバルに代替可能な体制構築に取り組んでおりますが、デモ、テロ、戦争、感染症、自然災害等による社会的混乱などを含め、これらの事業運営を取り巻く諸条件に関して、急激な環境変化や想定を超える事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 当社グループの主要な製品の需要動向、競争や収益環境に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 ① エンバイロメント事業 当事業の主力製品である自動車排ガス浄化用セラミックス製品(ハニセラム®、センサ製品群)について、2030年段階において内燃機関車の市場はピークアウトしているものの、各国の排ガス規制の強化もあり、当社製品需要は引き続き一定の規模で推移すると予想しております。当事業に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・当社製品を搭載する内燃機関車がEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)等の非内燃機関車に置き換わることや、消費者の価値観やビジネスモデルの変化によって、当社の自動車排ガス浄化用セラミックス製品の需要が変動するリスクがあります。 ・中国においては、競合が台頭するリスクや、競合が当社の想定を上回る競争力を得た場合、市場シェアの一部を喪失するリスクがあります。 対応策 ・新製品や高機能品の開発、市場投入を行い、需要の変動に伴う収益への影響に対応いたします。また、需要動向を継続的にモニタリングし、柔軟な生産対応を行うことで変化に適応してまいります。 ・中国においては、環境規制を先取りした技術対応力や安定した供給力により競争力を強化してまいります。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、内燃機関車の減少につながる変化が当社の想定を超えて進捗した場合の他、強化された排ガス規制などの環境規制に対する取組みが十分でない場合や対応の遅延がある場合には、期待する業績を達成できないリスクがあります。 ・中国においては、上記の対応策を講じてもなお、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアの一部を喪失するリスクがあります。 また、産業機器関連製品については、医薬品製造プロセスで使われる医薬用水設備での成長が見込まれます。当製品群に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアを喪失するリスクがあります。 対応策 ・競争力の維持、向上に努め、競合他社の状況等を十分にモニタリングします。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、景況の悪化等による市況変化が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。 ② デジタルソサエティ事業 当事業は、半導体製造装置メーカー向けの部材、スマートフォン向け高性能SAWフィルター用複合ウエハー、データセンターに用いられる大容量HDDヘッド用のアクチュエーター、AI向けなど先端半導体の製造プロセスで用いられるセラミック製サポートウエハー、データセンター向け光通信用セラミックパッケージ、自動車部品・家電・情報通信機器等のスイッチやコネクターに用いられるベリリウム銅展伸材等を供給しております。社会のデジタルシフトと共に半導体の物量は増大し、当該事業も中長期に成長すると見込んでおります。当事業に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・半導体・電子部品業界では、技術革新やモデルチェンジのペースが速いため、主要顧客のニーズに即した新技術開発や製品投入をタイムリーに行えない場合には市場シェアを喪失するリスクがあります。 ・半導体の需給状況、最終消費財の販売動向、データセンターへの投資動向等に大きく左右されるリスクがあります。 ・革新的な発明により半導体製造プロセスが大幅に変更された場合などにおいて、期待する成長水準を達成できないリスクがあります。 ・半導体に関する各国の輸出規制はより複雑化しており、当局への確認、対応の遅延などによる業績へのリスクがあります。 対応策 ・各国の輸出規制並びに直接の顧客である半導体製造装置メーカーからの需要情報や半導体市場及び大手半導体メーカーの設備投資動向を踏まえて、都度、設備能力や人員・生産体制等を見直しております。また、当社独自の技術対応力や製品供給力を高めることで業界トップのポジションを維持してまいります。 ・法規制の動向については、各事業本部への情報共有、必要な規程・マニュアルの整備により対応しております。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、想定を上回って競合メーカーが伸長した場合や想定を上回る規模で需要が減少した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。 ③ エネルギー&インダストリー事業 当事業は、電力絶縁用がいし及び機器類を供給しております。がいしや機器類については、各国のエネルギー政策や電力会社の設備投資の動向に大きく左右されます。当事業に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・国内では、磁器製に比べ長期性能に懸念があるものの、比較的安価で軽量なポリマー製がいしが採用されるリスクが一部であります。 ・海外では競合企業の動向や各国の電力政策が影響し、収益が減少するリスクがあります。 対応策 ・当社製がいしの使用実績に基づく長期信頼性を顧客にアピールすることで継続採用を促してまいります。 ・高い品質を維持しつつ、生産性改善とサプライチェーン強化をもってコスト競争力向上を図ることにより安定的な需要確保につなげます。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、想定を上回る規模で需要が減少した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。 (2)研究開発に関するリスク 当社グループは、創業以来強みとして培ってきたセラミックスの材料及びプロセス技術を核として、既存製品の高性能化のみならず有望テーマの探索にも継続的に取り組んでおります。また、研究開発の推進にあたっては、自社開発に加え、必要に応じて外部の技術やリソースを取り込むなど、多様な手段を活用しております。 研究開発投資については、事業規模の拡大に応じて連結売上高の5%程度を目安に、グループビジョンに基づき、2021年から2030年までの10年間で総額3,000億円の研究開発投資を計画し、その約80%をカーボンニュートラル分野及びデジタルソサエティ分野に配分する方針のもと、これまでの5年間で1,426億円を投じてまいりました。 今後は、将来有望なテーマの事業性を高め、変革を加速させることを目的として、2026年から5年間で2,000億円規模の研究開発を実施するとともに、これらの取組みにより、2030年時点での新製品・新規事業の売上高1,000億円を実現する「New Value 1000」を目指しております。研究開発に関するリスクの認識は以下の通りです。 リスク概要 ・市場/顧客価値の追求や要求時期への対応といったマーケットフィットが実現できないことで、新商品創出や事業化が予定通りに進捗せず、New Value 1000を達成することができないリスクがあります。 対応策 ・NV推進本部、研究開発本部、製造技術本部の3本部が事業本部と協働し、加えて外部からの技術やリソースを積極的に獲得することで新製品創出や事業化を推進してまいります。なお、開発・事業化委員会にて研究開発にかけるリソース配分を適宜見直しております。 残存リスク ・上記の対応策を講じたとしても、技術開発、製品開発には不確実要素が多く、また技術間競争も複雑化していることから、インプットが十分な成果に結びつかず業績に影響を及ぼすリスクがあります。 (3)人材におけるリスク ① 人材確保・人材管理 当社グループは、NGKグループ理念の中で、挑戦し高めあう人材を私たちが目指すものの一つと位置づけており、NGKグループ人的資本経営方針の下で目指すべき人材の継続的な確保・育成に向けて様々な施策を講じております。人材確保・人材管理に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・人材の流動化や雇用環境の変化等の社会変動において、優秀人材の獲得競争は激化しております。その結果、変革を推し進める原動力となるDX人材やグローバル人材を含め、事業戦略に即した人材が獲得できないリスクがあります。 ・とくに研究開発・新規事業創出領域において、失敗を恐れず挑戦するマインドを持つ人材の確保・育成ができず、機会損失や重要な意思決定に悪影響がでるリスクがあります。 対応策 ・事業構造転換に向けた人材ポートフォリオを描くため、人材に関するさまざまな要素を複合的に可視化する仕組みの検討を行っています。また、事業戦略に即した人材の獲得のために、求める人材像や採用活動の在り方について議論と検討を行い、新卒・キャリアともに採用方式の多様化・最適化を図ってきました。今後も事業戦略実現のための最適な人材の獲得に継続的に取り組んでまいります。 ・DX人材とグローバル人材の確保・育成に注力し、デジタル技術を集中的に学ぶ社内DX留学制度や資格取得推奨、語学研修、異文化理解を基礎としたコミュニケーション・マネジメント研修、各国エリアスタディなどのセミナーを実施しております。併せて、日本国外からの人材獲得も視野に入れ活動しています。 ・積極的な事業機会の創出、変革への挑戦を継続できるよう、挑戦に関連した社内外の交流の場を設け多様な挑戦マインドに触れる機会を創出したり、新規事業提案プログラムなど通常業務の外でも挑戦の機会を提供したりするなど従業員が適切なリスクテイクを行いながら挑戦できるように、会社が従業員をサポートできるような社内環境整備の取組みを進めています。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、求める人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合は、事業の遂行能力が向上しないために、グループビジョンやNew Value 1000といった事業目標を達成できず、業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 ② ダイバーシティ&インクルージョンへの対応 当社グループは、NGKグループ人的資本経営方針に示した求める人材像に合わせ、多様性確保に向けた人材育成方針や社内環境整備方針を定め、ダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進し、多様な人材が各々の能力を発揮して挑戦し、活躍できるよう努めております。ダイバーシティ&インクルージョンに関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・人材の多様化が進まない場合は、過去からの人材の同質性が継続し既存の価値観から脱却できず、イノベーションが生まれない、あるいは事業を取り巻く環境の急激な変化が起きる際に対応が遅れるなどのリスクがあります。 ・ダイバーシティ&インクルージョンに消極的な企業と認識されることで、採用競争力低下や業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 対応策 ・従業員エンゲージメント調査の対象とするグループ会社を海外にも広げていくなど、国内外の全てのグループ会社と人的資本経営方針(人材育成方針・社内環境整備方針)にもとづいた人事施策を実施できているか確認し、グループ一丸となってビジョン達成ができるような体制の構築を進めています。 ・階層別教育やキャリア自律サポート、部門を超えたジョブローテーション制度等の人事施策を進め、また、新卒・キャリア採用を問わず幅広い人材の採用を実施し、個の多様性を育む取組みに注力してまいります。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、ダイバーシティ&インクルージョンの推進が期待通りに進まない場合、イノベーションや新規事業の創出が滞り、グループビジョンやNew Value 1000といった事業目標を達成できず、業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。 (4)法令遵守、人権・安全、品質に関するリスク ① 法令などの遵守に関するリスク 当社グループは、他社との技術差別化により高い市場シェアを占める製品をグローバルに供給しており、競争法、輸出入関連法規、労働関連法規、腐敗行為防止等、国内外にわたる関連法規制を遵守して事業活動を行っております。法令等の遵守に関するリスク認識は以下の通りです。 リスク概要 ・各種法令・規制への違反や、人権の尊重、契約遵守等の社会的規範に反した行動があった場合には、処罰や訴訟の提起、社会的制裁を受けるおそれがあります。その結果、当社グループの社会的信用・レピュテーションが低下し、事業収益にまで影響が及ぶリスクがあります。 対応策 ・NGKグループ企業行動指針及びNGKグループ行動規範に基づく誠実な事業活動を行うことを最重要課題の一つとして位置付け、期初におけるトップメッセージ発信のほか、従業員への各種教育の実施や13か国語に翻訳したNGKグループ行動規範ガイドブックなどによる関連法規制の周知徹底とコンプライアンス意識の一層の向上に取り組んでおります。 ・コンプライアンス活動を国際的な水準に照らし評価・検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、「コンプライアンス活動基本要領」を制定しております。 ・重大な不正事案や法令違反については、社外役員とコンプライアンスを担当する社内取締役から構成される経営倫理委員会で予防と監視に当たってまいります。 ・国内外で内部通報制度に関する規程を整備し、従業員からの相談・報告を受けるヘルプライン制度や、経営倫理委員会に直結する内部通報制度「ホットライン」を設置することにより、当社役員や従業員が関与する法令違反や社会的規範に反する行為等の発生可能性の低減を図っております。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、予想し得ない問題が発生した場合には、当社グループの社会的信用、事業活動及び業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。 ② 人権・安全に関するリスク 当社は従業員の健康増進に力を入れており、2026年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人」の認定を8年連続で受けました。従業員の労働災害や疾病・身体・メンタルヘルス問題については以下の通りリスク認識をしております。 リスク概要 ・ルールの不履行やリスク認識の欠如により業務災害が発生した場合、従業員の生命が脅かされるとともに、一時的な製造停止や当社及び当社グループのレピュテーションの低下が生じるリスクがあります。 ・従業員のメンタルヘルス悪化に伴う休職・退職が続き、部門単位で人材不足となり、日々の業務運営が滞るリスクがあります。 ・グループの事業活動にともない、グループ従業員のみならず、サプライチェーンや当社製品を通じて、当社の事業活動に関わる全ての人々の人権を侵害するリスクがあります。 対応策 ・安全衛生基本方針に基づき重大災害リスクの特定とリスクアセスメントによる未然防止対策強化を図ると共に、長時間労働者へのフォローや階層別メンタルケア教育にも力を入れております。 ・国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする人権に関する国際規範を遵守し、「NGKグループ人権方針」を定めています。NGK及び国内外のグループ会社を対象にRBA行動規範(注)を参考としたセルフチェックを定期的に実施しています。主要取引先に対しては、新規取引開始、及び取引継続にあたり定期的に「NGKグループサプライヤー行動規範」遵守の同意をお願いしています。また、従業員の理解を向上させるために、e-ラーニングや各種研修を通じて、人権侵害リスクの防止、軽減に努めております。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、当社グループの予想し得ない問題が発生した場合には、取引の縮小・停止等が生じることにより、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。 (注) Responsible Business Alliance:製造業のサプライチェーンにおいて、安全な労働環境、労働者の保護、環境負荷等に対する責任を促進するための基準を示し、その監査を実施する枠組み。 ③ 品質と製品の安全性に関するリスク 当社グループは、エネルギー・エコロジー・エレクトロニクスの分野でお客さまの要求や法令に準拠したセラミックス製品をグローバルに生産・販売しており、お客さまと世の中に信頼される製品つくりに努めております。品質と製品の安全性に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・重大な市場クレームや契約違反等、業務の不備によるブランド・レピュテーションの毀損、訴訟の提起等の品質と製品の安全性に関わるリスクがあります。 対応策 ・「NGKグループ企業行動指針」に基づく品質方針の下、品質経営部が主導してグループ横断で品質と製品安全に関するリスクを管理しております。品質活動は「お客さまの信頼を高める活動」を軸とした活動を実施しており、その中で特に、品質コンプライアンス推進と、製品・サービスの品質リスク低減、の二点に重点的に取り組んでおります。 ・品質コンプライアンスの推進については、全社品質コンプライアンスプログラムとして、経営層による意思表明、規程・ルールの整備、教育、監査及びモニタリング、未然防止活動を継続し、各部門の自律的な取組の定着を進めております。 ・製品・サービスの品質リスク低減については、全社共通の「品質活動ルール」の整備・運用、QRE-P(品質リスク排除の実践手法)の全社展開、市場不具合分析やQFD(顧客要求を製品・工程に反映する手法)の活用、要求仕様・保証内容の確認強化等により未然防止を図るとともに、リスク認知時の顧客通知・迅速対応体制を整備しております。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、当社グループが製造・販売する製品とサービスにおいて、予想し得ない品質問題が生じた場合には、業績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。 (5)デジタル技術活用及び情報システム・情報セキュリティに関するリスク 当社グループでは、競争力の維持・向上を目的として、DXや生成AIを含むデジタル技術の活用を推進しています。一方で、受注・販売、生産管理、会計、研究開発等の業務においてITシステムを広く活用しており、当社グループの事業活動及びデジタル技術活用を支える情報システム基盤の安全性・安定性が損なわれた場合、事業運営等へ重大な影響を及ぼす可能性があります。このため、デジタル技術活用に関する「攻め」の取組みと、それを支える情報基盤に関する「守り」の両面から、リスク認識及び対応を行っています。 2025年度は重要な情報システムに対するサイバーセキュリティインシデント発生時等の有事に備え、「サイバーセキュリティ対策本部」を設置し、迅速かつ的確な復旧対応を行う体制を整備しました。デジタル技術活用及び情報システム・情報セキュリティに関するリスク認識につきましては以下の通りです。 ① デジタル技術活用に関するリスク リスク概要 ・DXや生成AIを含むデジタル技術の活用は、当社グループの競争力の維持・向上に資する重要な取組みである一方で、これらの推進が十分に進まない場合には、競争力の低下やビジネス機会の喪失につながるリスクがあります。 対応策 ・社内で利用されている生成AIツールについて、利用状況を定量的に把握し、全社員のAI活用が当たり前となり、AI活用による競争力が維持・向上されているかを確認するため、利用状況の推移を定期的に確認しています。 ・従業員のDX・AIリテラシーの向上を目的として、アンケート等を通じた状況把握を行い、教育施策や支援施策の改善につなげることで組織全体のレベル向上を図っております。 ・デジタル技術に関する最新動向や他社の取組みを把握するため社外交流を行い、多様な企業との比較・ベンチマークを通じて、当社グループの取組み水準の把握に努めております。 残存リスク ・上記の対策を講じてもなお、DX化の推進が期待通りに進まない場合、競争力の低下やビジネス機会の損失につながるリスクがあります。 ② 情報システム・情報セキュリティに関するリスク リスク概要 ・外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、システム不具合やセキュリティ上の問題によりデータ処理の停止、データの盗難・破壊・改ざん・喪失等が発生するリスクがあります。 対応策 ・NGKグループ情報セキュリティ方針に基づき当社グループのITセキュリティ対策を統制し、定期的にグループ各社の取組みをグループ全体で共有することで全体的な対策レベルの向上を図っております。 ・社内の情報資産及び外部のクラウドサービスを適正に管理・運用し、セキュリティ事故の防止に努めております。 ・従業員に対する定期的な情報セキュリティ教育を実施し、情報の漏えい事故防止及びソフトウエアの適正利用に努めております。 ・セキュリティインシデント発生時に迅速かつ的確に対応できるよう、サイバーセキュリティ対策本部の対応マニュアルに基づいた訓練と経営層による対応訓練を定期的に実施することでインシデント対応能力の向上に努めております。 残存リスク ・上記の対応策を講じたとしても、サイバー攻撃は年々激化、高度化しているほか、デジタル技術の活用拡大に伴い情報システムへの依存度が高まっていることから、不具合等が発生した場合には、当社グループの社会的信用や業務の継続、経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。 (6)為替、資金調達のリスク 当社グループは、グローバルに製品の生産・販売を行っており、海外売上高比率は7割を超える水準にあります。為替、資金調達に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・円高は売上高・利益の減少要因となって業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。 ・設備投資などの資金調達を行う場合には、地域により大きな金融危機などで資金調達が困難となり、当社グループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。 対応策 ・需要地生産、現地通貨での資金調達等の対策を実施し、短期的な変動に対しては先物為替予約などによりリスクヘッジをしております。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、当社の想定を大きく超えて為替が変動した場合や、想定外の事態により資金調達が困難となった場合は、当社グループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。 (7)資材調達に関するリスク 当社グループは、事業活動に必要な原材料、部品、エネルギー等を、国内外の取引先から調達しております。調達にあたっては、品質、コスト、納期等を考慮し、安定的な供給の確保に努めております。資材調達に関するリスク認識につきましては以下の通りです。 リスク概要 ・資材調達については、各地域における素材価格やエネルギーコスト、物流費の上昇により、製造・販売コストが増加し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・地政学的リスクや災害、パンデミック等によるサプライチェーンの混乱、本国または調達元における法令・規制の変更への対応の遅れ等により、資材調達の遅延や生産・出荷への支障が生じる可能性があります。 ・特に重要資材については、特定地域・供給先への依存度や各国の経済安全保障政策の動向により、供給制約や価格変動が生じ、当社グループの事業運営、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 対応策 ・素材価格やエネルギーコスト等の上昇に対しては適正な売価への反映、競争購買、設計見直しによるコストダウンなどに取り組みます。また、サプライチェーンについては、海外拠点先からも情報を入手して状態監視を行い、在庫管理や調達先の多様化を図る等リスク低減に努めてまいります。 ・重要資材については事業部と連携して継続的に情報交換を行うとともに、業界動向を注視し、各国当局の施策・方針を踏まえた調達対応を進めてまいります。 ・原産地や調達先が限定される資材については、複数購買化の検討や適正在庫水準の見直しを通じて、安定調達及び供給リスクの低減に努めてまいります。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、国際情勢の急激な変化や想定を超えるサプライチェーンの混乱等により、資材調達が困難となった場合には、当社グループの事業運営、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)気候変動と災害のリスク ① 気候変動に関するリスク 当社グループは、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、TCFDの枠組みに沿って気候変動に関するリスクを識別・評価しております。気候変動に関する詳細なリスク認識及び対応状況については、当社ウェブサイト(TCFD提言に基づく開示)をご参照ください。 リスク概要 ・炭素価格制度の導入・強化、各国規制の強化、情報開示要請の進展、エネルギー構成の転換等により、事業コストの増加や事業運営への影響が生じるリスクがあります。 ・気候変動対応の遅れや目標未達により、ステークホルダーからの評価低下や事業機会の損失が生じるリスクがあります。 対応策 ・当社グループの目指すべき将来像として策定したNGKグループ環境ビジョン及びカーボンニュートラル戦略ロードマップ、環境行動計画に基づき、気候変動対応を推進しております。 ・推進にあたり、関連する法規制や制度動向を把握し、社内体制の整備や情報開示の高度化に努めています。また、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの活用拡大等を通じて、事業への影響低減に取り組んでいます。 残存リスク ・TCFDで想定したシナリオ以外の事象が発生した場合には、追加的費用が生じて業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、外部環境の変化や社会的要請の高度化等により、気候変動対応目標が未達となった場合には、顧客などのステークホルダーの評価が下がり、更にはブランド価値の毀損やビジネス機会の損失が生じるリスクがあります。 ② 大規模災害に関するリスク 当社グループは人命尊重と地域協力を旨とし、事業継続計画の維持管理を行う組織として、社長を責任者とするBCP(事業継続計画)対策本部を設置し、グループ全体でBCPを推進しております。大規模災害に関するリスク認識については以下の通りです。 リスク概要 ・大規模な地震や火災、風水害、感染症等の災害により操業困難な拠点が発生する可能性があります。 対応策 ・BCPや関連規程類の見直し、訓練等を通じ、災害発生時の事業継続や早期復旧のための対応力向上に取り組んでおります。 ・主力事業の製造拠点の分散化や購買先の複数化、建物・設備の減災、従業員の安全確保等の各種対策に取り組んでおります。 残存リスク ・上記の対応策を講じてもなお、想定を超える事象によって主要製造拠点の生産設備に深刻な被害が発生した場合や、工場が立地する地域のインフラ側に長期の供給支障が生じた場合などには相当期間、生産活動が停止し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
経営成績の分析 (MD&A)4,684字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績 当連結会計年度における日本経済は、米国の関税政策の影響を受けたものの、企業業績の改善や設備投資の増加を背景に、緩やかな回復が続きました。米国経済は、雇用環境や個人消費に調整の動きがみられましたが、AI関連分野を中心とした設備投資が牽引し、底堅く推移しました。中国経済は、政府による景気下支え策が講じられておりますが、不動産市場の調整が続く中で消費が伸び悩み回復は小幅にとどまりました。欧州経済は、物価上昇率の低下などを背景に内需に持ち直しの動きがみられたものの、中国向け輸出の低迷もあり、製造業を中心に力強さを欠く状況が続きました。 このような情勢のもと、当社グループのエンバイロメント事業においては、自動車関連製品が上期の関税率引き上げを意識した駆け込み需要に加え、下期も堅調を維持し出荷が増加したほか、デジタルソサエティ事業では、半導体製造装置用製品において、AI用途の半導体需要の増加や一部客先における在庫の積み増しにより販売が増加したこと等により全社の売上高は前期比8.2%増の6,701億25百万円となりました。利益面につきましては、営業利益は売上高の増加に伴い、同16.9%増の949億97百万円、経常利益は、同21.7%増の952億2百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、NAS®電池の製造及び販売活動終了に係る事業構造改革費用199億59百万円を特別損失に計上したことから、同9.1%増の599億36百万円となりました。 当社グループは、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、資本効率を重視した経営を推進しております。関連性の高い投下資本利益率(NGK版ROIC)を管理指標に採用し、投下資本の代わりに事業資産(売掛債権、棚卸資産、固定資産)、税引後利益の代わりに事業部門の営業利益を用いることにより、事業部門が自ら目標管理できるようにしております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、持続的な企業価値の向上に資するよう事業リスクの変化に適合した資本政策を展開します。 当連結会計年度におけるROEは、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したものの自己資本も増加したことから7.8%(前年同期と同水準)となり、目標である10%以上の水準を下回りました。今後は当社グループの成長領域と位置付けるデジタルソサエティ事業の収益拡大を進めていくことで、2030年度の目標であるROE12%の達成に向けてROEの継続的な改善・向上に努めてまいります。 セグメントの業績は次の通りであります。 〔エンバイロメント事業〕 当事業の売上高は、4,014億42百万円と前期に比して2.7%増加いたしました。 自動車関連製品において、上期の米国の関税率引き上げを見越した駆け込み需要に加え、下期も需要が堅調に推移したほか、関税率や貴金属価格の上昇に対する販売価格への反映が進んだことから増収となりました。 営業利益は、売上高増加の一方でDAC(Direct Air Capture:直接空気回収)やサブナノセラミック膜といったカーボンニュートラル領域の研究開発費用が増加したことなどから前期比0.5%増の686億17百万円となりました。 〔デジタルソサエティ事業〕 当事業の売上高は、2,054億9百万円と前期に比して19.7%増加いたしました。 AI用途の半導体需要が増加したことに加え、一部顧客の在庫積み増しもあり半導体製造装置用製品の需要が増加しました。また、旺盛なデータセンター投資が継続したことにより、ハードディスクドライブ(HDD)用圧電マイクロアクチュエーターの出荷も堅調に推移したことなどから、セグメント合計でも増収となりました。 営業利益は、半導体製造装置用製品の売上高増加が牽引し前期比63.5%増の281億5百万円となりました。 〔エネルギー&インダストリー事業〕 当事業の売上高は、659億13百万円と前期に比して12.9%増加いたしました。 米国のデータセンター投資や国内の電力インフラ更新投資等によりがいしの需要が底堅く堅調に推移したこと等により増収となりました。 営業損益は、がいしが堅調であった一方で、2025年10月に製造及び販売活動の終了を決定したNAS®電池の赤字により、13億22百万円の営業損失となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。 ①生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前年同期比(%) エンバイロメント事業(百万円)   398,904   103.5 デジタルソサエティ事業(百万円)   217,580   122.2 エネルギー&インダストリー事業(百万円)   47,317   75.6 合計(百万円)   663,802   106.0 (注)1.購入品仕入実績については区分して記載することが困難なため、生産実績に含めて記載しております。 2.上記は、販売価格をもって表示しております。 3.セグメント間取引については、相殺消去しております。 ②受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称   受注高 (百万円)   前年同期比(%)   受注残高 (百万円)   前年同期比(%) エンバイロメント事業   400,993   104.5   31,845   107.5 デジタルソサエティ事業   227,309   119.9   157,409   122.9 エネルギー&インダストリー事業   58,724   107.3   34,992   85.8 合計   687,028   109.4   224,247   113.0 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 ③販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前年同期比(%) エンバイロメント事業(百万円)   399,469   102.3 デジタルソサエティ事業(百万円)   205,402   119.7 エネルギー&インダストリー事業(百万円)   65,253   113.4 合計(百万円)   670,125   108.2 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2)財政状態 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し8.8%増加し1兆2,433億30百万円となりました。 流動資産は、有価証券や売掛金などが増加したことから、前期比9.2%増の7,306億38百万円となりました。固定資産は、前期比8.1%増の5,126億91百万円となりました。 流動負債は、未払法人税等が増加した一方で、短期借入金や契約負債等が減少したことから、前期比6.6%減の1,670億56百万円となりました。固定負債は、事業構造改革引当金の計上などにより、9.4%増の2,589億21百万円となりました。 純資産は、為替換算調整勘定や利益剰余金などが増加したことから、前期比12.3%増の8,173億52百万円となりました。 これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は65.0%(前連結会計年度末63.0%)となり、1株当たり純資産は2,811.27円と、前期を355.40円上回りました。 セグメントごとの資産は、次の通りであります。 〔エンバイロメント事業〕 当事業の総資産は、資金や売上債権が増加したことなどにより前期比4.5%増加の5,391億62百万円となりました。 〔デジタルソサエティ事業〕 当事業の総資産は、棚卸資産が増加したほか、増産投資により有形固定資産が増加したことなどにより前期比12.2%増加の2,427億82百万円となりました。 〔エネルギー&インダストリー事業〕 当事業の総資産は、棚卸資産が減少したことなどにより前期比14.8%減少の714億60百万円となりました。 (3)キャッシュ・フロー 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による1,379億89百万円の収入、投資活動による771億21百万円の支出、及び財務活動による482億77百万円の支出などにより、前期末に比し219億35百万円増加し、当期末残高は1,996億43百万円となりました。 〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益838億32百万円に減価償却費を加え、合計では1,379億89百万円の収入となりました。前期との比較では、413億31百万円の収入増となりました。 〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、自動車関連製品や半導体製造装置用製品を中心とした設備投資に加え、有価証券の取得による支出もあり、合計で771億21百万円の支出となりました。前期との比較では、220億40百万円の支出増となりました。 〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、将来の設備投資などへ充当するため長期借入れを実施した一方、長期借入金の返済や配当金の支払い、自己株式の取得や短期借入金の減少等による支出から、合計で482億77百万円の支出となりました。前期との比較では、140億58百万円の支出増となりました。 資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、労務費等の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の調達について、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、国内外でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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