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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

JFEホールディングス

JFE Holdings,Inc.5411 · Prime · 鉄鋼

総合鉄鋼メーカー。高炉による一貫生産で、自動車・建設向け鋼板から鋼管・線材まで幅広く供給。

概要

2002年9月、日本鋼管と川崎製鉄の共同株式移転により設立されたJFEホールディングスは、国内第2位の銑鋼一貫メーカーである。鉄鋼事業を中核に、エンジニアリング・商社の3セグメントで構成され、自動車用鋼板から橋梁、洋上風力まで幅広く手掛ける。2025年3月期の連結売上収益は4兆8596億円、営業利益1651億円、従業員数は約6万1600人。東京証券取引所プライム市場に上場している。

三つの事業セグメントが支える収益構造

JFEグループは鉄鋼、エンジニアリング、商社の3事業を柱とする。鉄鋼事業はJFEスチールを中核とし、冷延・表面処理鋼板や厚鋼板、鋼管など多種多様な鋼材を製造・販売する。2025年3月期の鉄鋼事業売上収益は3兆884億円(全体の約68%)と最大のセグメントである。エンジニアリング事業はJFEエンジニアリングが担当し、橋梁・鋼構造物や洋上風力発電、環境プラント等の設計・建設・運営を行う。同期の売上は5997億円、受注高は過去最高を更新した。商社事業はJFE商事が担い、グループ製品の販売に加え、鉄鋼原料・非鉄金属・食品等の取引をグローバルに展開。売上は1兆3330億円と3事業で全体を構成する。

グループ本社機能と事業会社の役割分担

JFEホールディングスはスリムな本社機能を持ち、グループ全体の経営戦略策定・リスク管理・資金調達等を担う。傘下の3事業会社(JFEスチール、JFEエンジニアリング、JFE商事)はそれぞれ独立した経営を行い、事業特性に応じた最適な執行体制を取る。2003年の会社分割以降、この持株会社体制が継続されている。また、鉄鋼事業と商社事業は密接に連携し、顧客との長期信頼関係と技術開発力を競争力の源泉とする。エンジニアリング事業は官公庁や電力・ガス会社等との取引が多く、国内外に販売ネットワークを構築している。

減収減益が続く中での収益改善策

2025年3月期の連結売上収益は4兆8596億円と前期比6.6%減、親会社所有者帰属当期利益は701億円と23.6%減となった。鉄鋼事業は国内外の需要低迷や鋼材市況下落が影響し、粗鋼生産量は2255万トン(前期比2.8%減)に減少。エンジニアリング事業は増収増益だったものの、商社事業は減収減益だった。こうした中、同社は高炉休止による生産能力削減を進め、2027年度までに粗鋼生産能力を2600万トンから2100万トン程度へ引き下げる。さらに2028年度には西日本製鉄所(倉敷地区)で革新電気炉を稼働させ、高炉5基+革新電気炉1基体制へ移行する計画である。

グローバル展開とサプライチェーンの構築

JFEグループは日本国内だけでなく、中国、北米、豪州、インド、欧州に鋼材サプライチェーンネットワークを持つ。商社事業のJFE商事は、グループの鋼材に加え、アライアンス先の鋼材も含めたJFEブランドをグローバルに供給する。特に自動車分野では、海外に製造拠点を持つ顧客向けにスリット加工やモーターコア等の加工部品を提供する体制を整えている。エンジニアリング事業も海外現地法人や支店を通じて、パイプラインや環境プラントなどインフラ案件を受注。2024年4月には岡山県笠岡市にモノパイル製作所を発足させ、洋上風力発電の基礎構造物の生産を開始した。

業界の中での役割は鉄鋼メーカー(高炉一貫)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
4.5兆円
営業利益
1,122億円
営業利益率
2.5%
純利益
702億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
鉄鋼2.8兆円60.7%380億円1.4%
商社1.2兆円26.4%402億円3.4%
エンジニア リング5,837億円12.9%240億円4.1%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01鉄鋼主力

各種鉄鋼製品(冷延・表面処理鋼板、厚鋼板、熱延鋼板、鋼管、棒鋼・線材、電磁鋼板、形鋼、ステンレス・特殊鋼、鉄粉等)の製造・販売。運輸業や設備保全等の周辺事業も含む。

主な製品・サービス3
冷延・表面処理鋼板
自動車外板や家電向けの高品質鋼板。
厚鋼板
建築・船舶・橋梁等に用いる厚肉鋼板。
鋼管
建築・水道・石油・ガス等に使われる鋼管。

02エンジニアリング準主力

鋼構造(橋梁・鋼構造)、産業機械システム、洋上風力、エネルギープラント、パイプライン、環境プラント、上下水道等に関するエンジニアリング事業。リサイクル事業、電力小売事業も含む。

主な製品・サービス2
橋梁・鋼構造
道路橋、鉄道橋等の鋼製橋梁および大型鋼構造物。
洋上風力
洋上風力発電設備の基礎・掘削等のエンジニアリング。

03商社副次

鉄鋼製品、製鉄原材料、非鉄金属製品、食品等の仕入、加工および販売。グループの鉄鋼製品の販売チャネルとしての機能も持つ。

主な製品・サービス2
鉄鋼製品
グループで製造する鋼板・鋼管等の販売。
製鉄原材料
鉄鉱石、石炭等の原材料調達・販売。

製品と技術

自動車や家電向け冷延・表面処理鋼板

JFEスチールの主力製品の一つが冷延鋼板と表面処理鋼板である。冷延鋼板は熱延鋼板をさらに圧延して薄く仕上げたもので、自動車の外板パネルや家電製品の筐体に使用される。表面処理鋼板には亜鉛メッキ鋼板や合金化溶融亜鉛メッキ鋼板などがあり、耐食性に優れる。同社はこれらの高品質鋼板を国内外の自動車メーカーや家電メーカーに供給している。2025年3月期の鉄鋼事業売上収益は3兆884億円とグループ最大であり、このうち冷延・表面処理鋼板が大きな比率を占める。また、高張力鋼板などの先端材料の開発も進めている。

橋梁から洋上風力まで手掛けるエンジニアリング技術

JFEエンジニアリングは鋼構造物の設計・製造・施工を得意とする。橋梁では道路橋や鉄道橋を手掛け、国内の主要プロジェクトで実績がある。また、産業機械システムとして製鉄プラントや発電設備向け機械も提供する。近年注力するのが洋上風力発電で、2024年に稼働した笠岡モノパイル製作所では基礎構造物のモノパイルを生産する。その他、エネルギープラントやパイプライン、環境プラント(ごみ焼却施設)の建設・運営も行う。2025年3月期のエンジニアリング事業受注高は8361億円と過去最高を記録し、その多くがごみ処理施設関連案件によるものだ。

グループ全体の販路を担う商社機能

JFE商事はグループの鉄鋼製品の販売チャネルとして、冷延鋼板や厚板、鋼管などを国内外の顧客に供給する。しかし商社事業の範囲はそれだけに留まらず、製鉄原材料(鉄鉱石、石炭)の調達・販売、非鉄金属、化学品、食品、エレクトロニクス部品まで多岐にわたる。2025年3月期の商社事業売上収益は1兆3330億円。同社はグローバルなサプライチェーンマネジメントを強みとし、中国・北米・豪州・インド・欧州に拠点を持つ。また、顧客のニーズに応じてスリット加工やモーターコア・トランスコアなどの鋼材加工部品も提供する。JFEスチールとの連携により、グループ全体の競争優位性を支える役割を果たしている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

鉄鋼のなかでの位置

鉄鋼業界2位、高級鋼で強みも市況依存

JFEホールディングスは国内鉄鋼大手で、日本製鉄に次ぐ規模を持つ。同業の神戸製鋼所や東京製鐵と比較し、売上高は約5兆円と大きく、高級鋼や薄板などで競争力を有する。しかし、世界的な鉄鋼需要の減退で売上高は減少傾向にあり、営業利益率も3.4%から2.5%前後に低下。日本製鉄との差は、規模や技術面で依然として大きい。市況変動の影響が大きいため、安定成長には高付加価値品の拡大が鍵となる。

強み

  • 売上高5兆円超で、国内鉄鋼市場で確固たる地位を確保。
  • 自動車用高張力鋼板など技術力で差別化が可能。
  • 鉄鉱石や石炭の安定調達網を構築し、コスト競争力を維持。
  • 低炭素鋼の開発など環境対応で先行する部分がある。

課題

  • 鉄鋼価格や需要変動で収益が大きく左右され、安定性に欠ける。
  • 売上高が2期連続で減少し、需要縮小への対応が急務。
  • 老朽化設備の更新や環境投資で資金負担が増加する。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

金属・ガラスの時価総額近傍。太字がJFEホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15401日本製鉄3.7兆円210.2倍
25713住友金属鉱山2.9兆円15.4倍
35706三井金属1.5兆円16.5倍
45333NGK1.5兆円25.0倍
55201AGC1.2兆円13.2倍
65411JFEホールディングス1.2兆円17.6倍
75406神戸製鋼所8,052億円8.5倍
85444大和工業7,694億円12.1倍
95711三菱マテリアル7,028億円17.2倍
105901東洋製罐グループホールディングス6,967億円12.6倍
115714DOWAホールディングス5,820億円8.9倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(金属・ガラス)に従っています。

会社の歴史

沿革 14件

日本鋼管と川崎製鉄が統合した2002年の設立

2002年9月、日本鋼管と川崎製鉄の2社が共同株式移転により完全親会社としてJFEホールディングスを設立した。同時に両社の普通株式は上場廃止となり、新会社が東京・大阪・名古屋の各証券取引所第一部に上場した。この統合により国内第2位の鉄鋼メーカーが誕生し、当時の鉄鋼業界再編の流れの中で大きな出来事となった。統合後の企業名「JFE」は、Japan、Future、Engineeringなどの頭文字から取られたとされる。

事業再編で4社に分割した2003年

2003年4月、両社は会社分割を実施し、4つの事業会社に再編された。中核となるJFEスチールに鉄鋼製造部門を集約し、JFEエンジニアリングはエンジニアリング事業、JFE都市開発は不動産事業、JFE技研は研究開発を担当する体制となった。さらに川崎マイクロエレクトロニクスを完全子会社として半導体事業もグループに加えた。この再編により、持株会社の下で事業ごとに独立した経営が可能となり、グループ全体の効率化が図られた。

造船部門の拡充と統合(2008~2013年)

2008年3月、日立造船とJFEエンジニアリングが保有する株式を取得し、ユニバーサル造船を子会社化した。その後2013年1月には、ユニバーサル造船を存続会社としてIHIグループのアイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドと経営統合し、ジャパン マリンユナイテッド(JMU)を設立。JMUは持分法適用関連会社として現在もグループに残る。この動きは、国際競争力強化のための造船業界再編の一環であり、JFEグループのエンジニアリング事業における船舶分野の強化につながった。

商社事業の完全子会社化と研究機能の集約(2009~2012年)

2009年4月、JFE技研のエンジニアリング関連研究機能をJFEエンジニアリングに移管し、JFE技研自体はJFEスチールに統合された。これにより研究開発の効率化が図られた。2011年4月にはJFEスチールがJFE都市開発を吸収合併し、保有不動産活用事業を承継。2012年7月には川崎マイクロエレクトロニクスの全株式をメガチップスに譲渡し、半導体事業から撤退した。さらに同年10月、JFE商事を株式交換により完全子会社化し、商社事業をグループの中核に据えた。

商号変更と市場区分移行(2021~2022年)

2021年12月、JFEホールディングスは名古屋証券取引所の上場を廃止した。翌2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、市場第一部からプライム市場へ移行。同年6月には商号を「ジェイ エフ イー ホールディングス」から「JFEホールディングス」へ変更した。これは表記を日本語のカタカナからアルファベットと漢字の組み合わせに改めるもので、ブランド統一の一環とみられる。商号変更後もグループの基本構造に変化はない。

洋上風力向けモノパイル工場の稼働(2024年)

2024年4月、JFEエンジニアリングは岡山県笠岡市に「笠岡モノパイル製作所」を発足させた。同製作所は洋上風力発電設備の基礎構造物であるモノパイル(鋼管杭)を製造する拠点である。日本では洋上風力発電の導入拡大が見込まれており、グループのエンジニアリング技術を生かした新たな成長分野への進出となる。この投資は、2025年3月期の設備投資額が前期比で増加した要因の一つでもある。

監査等委員会設置会社への移行(2025年)

2025年6月、JFEホールディングスは監査等委員会設置会社へ移行した。これはコーポレートガバナンス強化の一環であり、従来の監査役会設置会社から取締役会の監督機能を強化する形態へ変更するものである。移行後もグループの事業体制や経営方針に大きな変更はなく、持株会社としての役割を継続する。この変更は、上場企業としてのガバナンス水準向上を図る動きの一つと位置づけられる。

年表14件を開く

2000年代

  • 2002年9月上場日本鋼管㈱および川崎製鉄㈱(以下、両社)が共同して株式移転により完全親会社である当社を設立 当社普通株式を東京証券取引所、大阪証券取引所および名古屋証券取引所市場第一部に上場(両社普通株式は上場廃止)
  • 2003年1月両社の会社分割契約書締結を承認
  • 2003年4月M&A両社を会社分割により、JFEスチール㈱、JFEエンジニアリング㈱、JFE都市開発㈱およびJFE技研㈱に再編 川崎マイクロエレクトロニクス㈱を当社の完全子会社とする会社分割を実施
  • 2008年3月M&A日立造船㈱およびJFEエンジニアリング㈱が保有する株式の取得によりユニバーサル造船㈱を子会社化
  • 2009年4月M&AJFE技研㈱が持つエンジニアリング関連の研究機能をJFEエンジニアリング㈱へ移転するとともに、JFE技研㈱をJFEスチール㈱へ統合

2010年代

  • 2011年4月M&AJFEスチール㈱がJFE都市開発㈱を吸収合併して保有不動産活用事業を承継
  • 2012年7月川崎マイクロエレクトロニクス㈱が発行する全部の株式を㈱メガチップスに譲渡
  • 2012年10月M&AJFE商事㈱を株式交換により完全子会社化
  • 2013年1月M&Aユニバーサル造船㈱を存続会社として㈱アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドとの経営統合により、ジャパン マリンユナイテッド㈱(現・持分法適用関連会社)を設立

2020年代

  • 2021年12月上場名古屋証券取引所上場廃止
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部から プライム 市場へ移行
  • 2022年6月商号変更ジェイ エフ イー ホールディングス㈱からJFEホールディングス㈱へ商号変更
  • 2024年4月創業JFEエンジニアリング㈱が笠岡モノパイル製作所を発足
  • 2025年6月監査等委員会設置会社へ移行

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ROE(自己資本利益率)2027年度まで少なくとも10%
  • 海外事業収益2,000億円

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    スリムで強靭な国内生産体制の構築

    高炉休止により粗鋼生産能力を2027年度までに2,600万トンから2,100万トン程度へスリム化し、2028年度に革新電気炉を稼働して高炉5基+革新電気炉1基体制とする。

  2. 02

    高付加価値品の比率拡大

    高性能電磁鋼板、自動車用ハイテン、洋上風力用厚板、シームレスパイプ等の製品拡販を進め、輸出汎用品からの置換により製品トン当たりの利益を向上させる。

  3. 03

    海外成長地域でのインサイダー型事業拡大

    現地パートナーへの技術供与・資金拠出を通じてインサイダー型事業を展開し、インドでの合弁一貫製鉄所を第3の柱に据え、海外事業収益2,000億円を目指す。

  4. 04

    洋上風力発電事業の展開

    グループの製造技術とエンジニアリング力を結集し、素材提供から運転保守まで一貫した事業モデルで洋上風力向け案件を獲得・展開する。

  5. 05

    環境的持続性への取り組み

    カーボンニュートラルを中心に、サーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブにも積極的に取り組み、地球環境・社会への貢献を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で61,628人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,228万円で、9期前と比べて+12.6%平均年齢は48.0歳、平均勤続年数は23.5年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月60,439
2018年3月61,234
2019年3月1,09144.222.262,083
2020年3月1,09744.220.464,009
2021年3月96645.121.264,371
2022年3月95946.022.064,296
2023年3月1,24246.121.864,241
2024年3月1,17147.523.662,218
2025年3月1,26447.022.961,296269
2026年3月1,22848.023.561,628182

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社95(国内 59 / 海外 36、うち連結子会社 23) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
西日本製鉄所(倉敷地区) — 岡山県倉敷市4,625億円
鉄鋼事業
西日本製鉄所(福山地区) — 広島県福山市3,911億円
鉄鋼事業
東日本製鉄所(千葉地区) — 千葉市中央区2,759億円
鉄鋼事業
東日本製鉄所(京浜地区) — 川崎市川崎区1,823億円
鉄鋼事業
本社(東京都千代田区)他1,066億円
鉄鋼事業
鹿島製造所(茨城県神栖市)他931億円
仙台製造所 — 仙台市宮城野区510億円
鉄鋼事業
水島合金鉄事業部(岡山県倉敷市)他472億円
西日本事業所(岡山県倉敷市他)他453億円
知多製造所 — 愛知県半田市297億円
鉄鋼事業
ほか13件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    JFEスチール㈱ ※1、3
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFE条鋼㈱ ※1
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFEケミカル㈱
    東京都台東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFE建材㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権99.6%
  • 国内
    JFE鋼板㈱
    東京都品川区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFE物流㈱
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権89.2%
  • 国内
    JFEコンテイナー㈱
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFEシビル㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFEミネラル㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFEライフ㈱
    東京都台東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFEプラントエンジ㈱
    東京都台東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JFEシステムズ㈱ ※2
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権68.1%
残りのグループ会社83社を開く
  • JFE鋼材㈱東京都中央区100%
  • JFE溶接鋼管㈱東京都中央区100%
  • JFE精密㈱新潟市東区100%
  • JFEアドバンテック㈱兵庫県西宮市100%
  • JFEテクノリサーチ㈱東京都千代田区100%
  • JFE東日本ジーエス㈱川崎市川崎区100%
  • JFE西日本ジーエス㈱広島県福山市100%
  • JFEスチール・オーストラリア・リソーシズ・プロプライタリー・リミテッド ※1オーストラリア ブリスベン100%
  • フィリピン・シンター・コーポレーション ※1フィリピン マニラ100%
  • PT. JFEスチール・ガルバナイジング・インドネシア ※1インドネシア ブカシ100%
  • JFEスチール・ガルバナイジング(タイランド)・リミテッドタイ ラヨン100%
  • ノバエラ・シリコン・S/Aブラジル ベロホリゾンテ100%
  • タイ・コーテッド・スチール・シート・カンパニー・リミテッドタイ バンコック81%
  • JFEエンジニアリング㈱東京都千代田区100%
  • JFEプラントテクノロジー㈱千葉市美浜区67%
  • J&T環境㈱横浜市鶴見区64%
  • JFEプロジェクトワン㈱千葉市美浜区100%
  • JFE環境テクノロジー㈱千葉市美浜区100%
  • あすか創建㈱東京都品川区57%
  • JFEテクノス㈱横浜市鶴見区100%
  • ㈱きんぱい大阪市大正区67%
  • JFE環境サービス㈱横浜市鶴見区100%
  • アーバンエナジー㈱横浜市鶴見区100%
  • JFEソーラーパワー㈱横浜市鶴見区100%
  • スタンダードケッセル・バウムガルテ・ホールディングGmbHドイツ ミュールハイム100%
  • JFE商事㈱ ※1東京都千代田区100%
  • JFE商事鉄鋼建材㈱東京都千代田区100%
  • JFE商事エレクトロニクス㈱東京都千代田区100%
  • 川商フーズ㈱東京都千代田区100%
  • JFE商事鋼管管材㈱東京都千代田区100%
  • JFE商事電磁鋼板㈱東京都千代田区100%
  • JFE商事甲南スチールセンター㈱神戸市東灘区100%
  • JFE商事コイルセンター㈱横浜市金沢区98%
  • ケー・アンド・アイ特殊管販売㈱東京都千代田区60%
  • JFE商事資機材販売㈱東京都千代田区100%
  • 浙江川電鋼板加工有限公司中国 平湖98%
  • 広州川電鋼板製品有限公司中国 広州100%
  • PT. JFE商事・スチール・インドネシアインドネシア ブカシ95%
  • 東莞川電鋼板製品 加工有限公司中国 東莞100%
  • JFE商事・スチール・アメリカ・インク米国 ロサンゼルス100%
  • セントラル・メタルズ(タイランド)・リミテッドタイ サムットプラカーン100%
  • JFE商事(ベトナム)・リミテッドベトナム ホーチミン100%
  • JFE商事・スチール・フィリピン・インクフィリピン ラグナ州100%
  • JFE商事(ホンコン)・リミテッド中国 ホンコン100%
  • JFE商事(タイランド)・リミテッドタイ バンコック100%
  • JFE商事(上海)貿易有限公司中国 上海100%
  • JFE商事・パワー・カナダ・インクカナダ バーリントン100%
  • JFE商事・アメリカ・ホールディングス・インク米国 ロサンゼルス100%
  • ヴェスト・チューブ・LLC米国 ロサンゼルス100%
  • JFE商事・アメリカ・LLC米国 ロサンゼルス100%
  • ケリー・パイプ・カンパニー・LLC米国 サンタフェスプリングス100%
  • セムコ・LLC米国 シティオブインダストリー100%
  • 日伯ニオブ㈱東京都千代田区25%
  • 瀬戸内共同火力㈱広島県福山市50%
  • ジェコス㈱ ※2東京都文京区40%
  • 品川リフラ㈱ ※2、4東京都千代田区35%
  • 日本鋳造㈱ ※2川崎市川崎区36%
  • 日本鋳鉄管㈱ ※2埼玉県久喜市30%
  • ㈱エクサ横浜市西区49%
  • ㈱セイケイ栃木県佐野市27%
  • ㈱JFEサンソセンター広島県福山市50%
  • ニューコア・JFEスチール・メキシコ・S.DE R.L.DE C.V.メキシコ シラオ49%
  • 広州JFE鋼板有限公司中国 広州50%
  • JSW JFE・エレクトリカル・スチール・プライベート・リミテッドインド ムンバイ50%
  • 宝武傑富意特殊鋼有限公司中国 韶関50%
  • タイ・コールド・ロールド・スチール・シート・パブリック・カンパニー・リミテッドタイ バンコック36%
  • アル・ガービア・パイプ・カンパニーアラブ 首長国連邦 アブダビ27%
  • カリフォルニア・スチール・インダストリーズ・インク米国 フォンタナ49%
  • JSWスチール・リミテッドインド ムンバイ15%
  • 内蒙古オルドスEJMマンガン合金有限公司中国 オルドス25%
  • 渤海能克鑽杆有限公司中国 滄州28%
  • JSW・カリンガ・スチール・リミテッドインド ムンバイ25%
  • 月島 JFEアクアソリューション㈱東京都中央区40%
  • 岩手地熱㈱岩手県八幡平市30%
  • スチールプランテック㈱横浜市西区34%
  • 田原バイオマスパワー合同会社愛知県田原市40%
  • 阪和工材㈱大阪市淀川区48%
  • ㈱MOBY千葉県市川市20%
  • 近江産業㈱大阪市大正区36%
  • 大阪鋼圧㈱大阪市大正区31%
  • 三協則武鋼業㈱堺市西区20%
  • 浙江・アール・ブルジョア・メカニクス・カンパニー・リミテッド中国 海寧23%
  • ジャパン マリンユナイテッド㈱横浜市西区20%
国際子会社 (GLEIF登録 3社)
  • JPJFEスチール株式会社
  • JPJFEエンジニアリング株式会社
  • JPJFE商事株式会社

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は4.5兆円営業利益1,122億円前期と比べると減収減益で、売上が-6.6%、利益が-32.0%。

売上高
-6.6%
4.5兆円
営業利益
-32.0%
1,122億円
純利益
-23.6%
702億円
営業利益率
2.5%
前期比 -0.9%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高4.8兆円4.5兆円
営業利益1,122億円
純利益1,500億円702億円
1株あたり配当¥80¥80

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は1.2兆円。前年の2024年1Qと比べると、売上は−8.0%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q1.36187
2024年1Q1.268486.7596
2024年2Q1.317956.0505
2024年3Q1.297635.9528
2024年4Q1.31345
2025年2Q2.456982.8425
2025年4Q2.419534.0494
2026年2Q2.234582.1267
2026年4Q2.316642.9435
2027年1Q1.16312

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は3.2兆円から4.5兆円へ1.4倍に増えた。直近期の営業利益率は2.5%。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
ユニバーサル造船㈱を存続会社として㈱アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドとの経営統合により、ジャパン マリンユナイテッド㈱(現・持分法適用関連会社)を設立
2013年3月3.19522396
2014年3月3.671,7371,024
この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2015年3月3.852,3101,394
2016年3月3.43642337
2017年3月
2018年3月3.631,529976
2019年3月3.872,0931,635
2020年3月3.73−2,135−1,977
名古屋証券取引所上場廃止
2021年3月3.23−49−219
ジェイ エフ イー ホールディングス㈱からJFEホールディングス㈱へ商号変更
2022年3月4.373,8852,881
2023年3月5.272,1031,626
JFEエンジニアリング㈱が笠岡モノパイル製作所を発足
2024年3月5.172,6841,974
2025年3月4.861,6511,4433.4919
2026年3月4.541,1228742.5702

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高4.5兆円のうち、営業利益として残るのは1,122億円2.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は702億円、売上の1.5%にあたる。営業利益率は業種中央値5.0%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金88.4%4.0兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金9.5%4,311億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益2.5%1,122億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
11.6%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比2.6pt
2.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比2.2pt
1.5%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比2.3pt
2.7%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
1.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
1.4%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 13期分

2026年3月期は営業CFが3,791億円、投資CFが−4,528億円で、差し引きのフリーCFは−737億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は1,678億円で、売上の0.4ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月2,871−1,636−1,4751,235645
2014年3月2,548−1,640−1,056908623
2015年3月2,974−2,163−782811835
2016年3月2,671−1,373−1,4461,298639
2018年3月3,284−2,165−9981,119751
2019年3月2,683−3,134519−451823
2020年3月2,611−3,5841,039−973867
2021年3月2,473−1,642−3018311,424
2022年3月2,987−2,880−5741071,018
2023年3月3,958−2,743−1,1021,2151,194
2024年3月4,790−3,253−4551,5372,431
2025年3月3,790−2,832−1,5749581,728
2026年3月3,791−4,528617−7371,678

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は5.9兆円。このうち返さなくてよい自己資本が2.6兆円で、自己資本比率は44.4%(業種中央値60.7%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月4.111.602.5137.9
2014年3月4.241.752.5040.1
2015年3月4.641.992.6541.8
2016年3月4.231.862.3842.6
2017年3月4.331.782.5541.1
2018年3月4.491.862.6241.5
2019年3月4.711.932.7840.9
2020年3月4.651.633.0235.0
2021年3月4.661.682.9836.1
2022年3月5.291.993.3037.6
2023年3月5.522.123.4038.4
2024年3月5.752.463.2942.8
2025年3月5.652.533.0644.8
2026年3月5.902.623.2144.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,678億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1.6兆円
過去の利益の積み上がり
負債合計
3.2兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
65
/ 100
安定性自己資本比率30 / 40
収益力営業利益率5 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

鉄鋼 38社との比較

同じ鉄鋼の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り38社中7位あたり、逆に低いのは自己資本比率38社中33位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
2.7%/中央値 5.0%
P25 2.6%P75 7.3%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
2.5%/中央値 5.0%
P25 2.6%P75 6.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
44.4%/中央値 60.7%
P25 52.5%P75 76.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
-6.6%/中央値 -4.1%
P25 -8.9%P75 -0.1%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
4.3%/中央値 3.3%
P25 2.4%P75 3.9%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,853.5で、1年前と比べて+2.0%過去52週の値幅のなかでは39%の位置にある。

¥1,853.5-4.3%1ヶ月+3.0%1年+2.0%時価総額1.2兆円
過去52週の値幅
安値¥1,535高値¥2,359

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)17.6倍
PER (会社予想)7.9倍
PBR0.45倍
配当利回り4.32%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月下旬に1867円まで上昇しましたが、8月中旬にかけて調整し、直近は1845円と高値圏で推移しています。25日線(1798円)を上回っており、75日線(1686円)も大きく上回り、上昇トレンドです。ただし、200日線(1833円)と同水準で、長期トレンドは横ばいです。52週高値(2359円)からは約22%下、年初来で5.3%上昇と緩やかです。鉄鋼セクターの動向に左右される展開です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 85/100)

予想PER 7.8倍は実績PER 17.51倍から大幅に改善し、同業界平均の114.57倍と比べ極めて低い。PBR 0.4454倍は平均0.7433倍を下回り、株価純資産倍率でも割安感が強い。ROEは2.7%と低水準だが、配当利回り4.33%は平均3.22%を上回る。配当性向132.6%は高く、利益以上の配当で持続性に懸念があるが、総合的に割安と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)17.6倍114.6倍
PER (予想)7.9倍
PBR0.45倍0.75倍
ROE2.7%5.2%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

国内鉄鋼需要の低迷と中国経済の減速で収益が圧縮される中、高機能鋼材の拡販と海外事業の収益貢献が回復の鍵。強気派は原料安やコスト削減効果で2025年3月期の黒字維持を評価するが、弱気派は需要回復の不透明感や中国の過剰生産を懸念する。

プラスに働く材料7
  • コスト削減

    固定費削減や生産性向上で損益分岐点が低下

  • 高級鋼材

    自動車向け高張力鋼板など高付加価値品が伸びる

  • 海外展開

    アジアなどの需要取り込みで収益多様化

  • 予想PER7.9倍への大幅利益回復決算発表後影響

    実績PER17.7倍に対し予想PER7.9倍。次期純利益約1,510億円が暗示され、実現なら株価は大きく反応

  • PBR0.45倍と解散価値を下回る不定影響

    PBR0.45倍は純資産の55%ディスカウント。資本政策の改善で是正余地

  • 営業利益率2.47%からの回復余地2027年〜2028年影響

    営業利益率は2.47%と低水準。前期の3.4%に回復すれば営業利益は1,543億円

  • 配当利回り4.29%の高水準継続影響

    配当利回り4.29%は株価下値を支える。株主還元は継続

マイナスに働く材料7
  • 需要低迷

    国内建設・製造業の需要が低迷、鋼材販売が減少

  • 中国過剰生産

    中国の鉄鋼過剰が輸出市場を圧迫

  • 収益悪化

    2026年3月期の予想は営業利益率2.47%と低水準

  • 営業利益が前期比32.0%減通年影響

    営業利益は1,122億円と前期の1,651億円から529億円減

  • 純利益が702億円に低下通年影響

    純利益は前期比23.6%減の702億円。利益水準が低下

  • ROE2.7%と資本効率が低迷継続影響

    ROE2.7%は資本コストを下回る。PBR0.45倍から脱却には収益改善が必須

  • 売上高が前期比6.6%減通年影響

    売上高は4兆5,393億円と前期から3,203億円減

次の決算で確かめる点
粗鋼生産量
需要動向の基調を把握するため
営業利益率
鋼材価格とコストのバランスを見るため
海外売上比率
海外事業の寄与度を測るため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり80で、前期から20.0%いまの株価に対する利回りは4.32%。

年間配当
¥80
1株あたり
配当利回り
4.32%
いまの株価に対して
配当性向
132.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月30
2018年3月80166.7
2019年3月9518.852.6
2020年3月20−78.944.5
2021年3月10−50.062.7
2022年3月1401300.0163.1
2023年3月80−42.989.0
2024年3月10025.0120.3
2025年3月1000.0106.7
2026年3月80−20.0132.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥80

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ305,781人。区分でいちばん多いのは金融機関35.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が42.0%を占め、残る58.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関37.234.835.833.734.635.1
個人・その他24.532.430.223.433.530.7
外国法人26.021.323.530.422.025.1
事業法人9.47.46.66.47.46.9
証券会社2.94.03.86.12.52.1
自己株式6.26.25.30.50.40.3
外国人個人0.00.00.00.00.10.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)15.19
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.81
03日本生命保険相互会社2.48
04JFE従業員持株会2.33
05野村信託銀行株式会社(投信口)1.69
06JFE取引先持株会1.62
07株式会社みずほ銀行1.53
08JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.37
09STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.34
10THE BANK OF NEW YORK, TREATY JASDEC ACCOUNT (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.06

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-07-21
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    1.78%
    -0.10pt
  • 2026-05-22
    株式会社みずほ銀行
    新規の大量保有報告
    1.52%
    +0.01pt
  • 2026-05-21
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    1.04%
    -0.01pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は13期で+55%、1株純資産は14期で+52%。直近期のROEは2.7%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月712,7012.724.8163.3
2014年3月1772,9516.311.0634.9
2015年3月2423,3627.711.0135.7
2016年3月583,1281.826.048.1
2017年3月3,090
2018年3月1693,2315.412.7
2019年3月2843,3458.66.652.6
2020年3月−3432,826−11.144.5
2021年3月−382,916−1.362.7
2022年3月5003,45315.73.4163.1
2023年3月2813,6507.96.089.0
2024年3月3233,8758.67.9120.3
2025年3月1443,9773.712.7106.7
2026年3月1104,1182.716.5132.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

18名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は18名。2026/3期の役員報酬は総額452百万円。

氏名役職年齢保有株数
北野嘉久代表取締役社長6884,404
広瀬政之代表取締役6225,845
寺畑雅史取締役6634,200
福田一美取締役6412,400
祖母井紀史取締役6118,002
安藤よし子取締役674,800
島村琢哉取締役694,900
小林敬一取締役672,900
原伸哉取締役(監査等委員)(常勤)6411,738
秋本なかば取締役(監査等委員)(常勤)585,869
沼上幹取締役(監査等委員)6617,700
鈴木善久取締役(監査等委員)711,000
残りの役員6名を開く
氏名役職年齢保有株数
中村直人取締役(監査等委員)662,600
佐長功6519,443
田中利弘代表取締役6321,646
岩山眞士専務
松尾久光専務
田倉綱大常務

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)261
社外取締役811211214
取締役(社内)5959
監査役2202010

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,176字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、JFEグループ全体の経営戦略の策定、グループ会社の経営とリスク管理、グループIR等の対外説明、グループ全体の資金調達等の機能を集約した、グループを代表する上場会社として、スリムなグループ本社機能を担う会社であります。 JFEグループは、「JFEスチール㈱」、「JFEエンジニアリング㈱」、「JFE商事㈱」の3つの事業会社により、事業分野ごとの特性に応じた最適な業務執行体制の構築を図っております。 なお、セグメント情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載しております。また、主な関係会社については、「4 関係会社の状況」に記載しております。 当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 各報告セグメントにおける事業内容および主要な製品・サービスは以下のとおりであります。 報告セグメント   事業内容   主要な製品・サービス 鉄鋼事業 (JFEスチール㈱およびその関係会社)   各種鉄鋼製品、鋼材加工製品、原材料等の製造・販売、ならびに運輸業および設備保全・工事等の周辺事業   冷延・表面処理鋼板、厚鋼板、熱延鋼板、鋼管、棒鋼・線材、電磁鋼板、形鋼、ステンレス・特殊鋼、鉄粉、ソリューション等 エンジニアリング事業(JFEエンジニアリング㈱およびその関係会社)   鋼構造、産業機械、エネルギー、環境等に関するエンジニアリング事業、リサイクル事業および電力小売事業   橋梁・鋼構造、産業・機械システム、洋上風力、エネルギープラント、パイプライン、電力ビジネス、環境プラント、リサイクル、上下水道等 商社事業(JFE商事㈱およびその関係会社)   鉄鋼製品、製鉄原材料、非鉄金属製品、食品等の仕入、加工および販売   冷延・表面処理鋼板、厚鋼板、熱延鋼板、鋼管、棒鋼・線材、電磁鋼板、形鋼、ステンレス・特殊鋼、鉄粉、橋梁・鋼構造、産業・機械システム、洋上風力、製鉄原材料・環境資源、資機材、建材、エレクトロニクス、食品等 JFEグループを構成している当社および事業会社ならびに主な関係会社の位置づけは以下のとおりであります。 (注) 1 →印は、製品・サービス等の流れを示しております。 2 *印は持分法適用関連会社等(共同支配事業含む)、その他は連結子会社であります。 3 関係会社の異動については、「4 関係会社の状況」に記載しております。 4 鉄鋼事業の連結子会社3社および持分法適用関連会社1社については、商社事業において持分法を適用しております。
経営方針・対処すべき課題5,784字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 会社の経営の基本方針 企業理念:JFEグループは、常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。 行動規範:挑戦。柔軟。誠実。 パーパス: ・JFEスチール㈱ ねがう未来に、鉄で応える。 ・JFEエンジニアリング㈱ くらしの礎を 創る・担う・つなぐ – Just For the Earth ・JFE商事㈱ 世界をつなぐ。鉄でつなぐ。 (2) 企業構造 JFEグループは鉄鋼、エンジニアリング、商社の3つの事業を中心とした企業グループです。 鉄を中核として、エネルギー技術や資源リサイクル技術等幅広い分野に領域を広げており、世界最高の技術に裏打ちされた3つの事業が生み出し続けるシナジーを、持続可能な社会の構築に向けて更に拡大していきます。 (3) JFEグループの競争力の源泉 (鉄鋼事業・商社事業) 鉄鋼事業は、世界有数の生産規模と高い技術開発力を有する銑鋼一貫メーカーのJFEスチール㈱を中核としており、お客様や社会の多様なニーズにお応えする鉄鋼製品をグローバルに供給しています。 また商社事業は、JFE商事㈱を中核として、鉄鋼製品を中心に、鉄鋼原料・非鉄金属・化学品・資機材・船舶から食品・エレクトロニクスまで幅広く取り扱い、サプライチェーン全体の付加価値を向上させるサービスをグローバルに提供しています。 鉄鋼・商社事業の競争優位の源泉は、①お客様のニーズに基づいた最先端の「技術開発力」と、②製造現場で培われてきた「生産」の実力、および③JFEスチール㈱とJFE商事㈱が一体となって長年築いてきた強固なお客様との信頼関係に基づく「販売力」の3つを基礎としています。これらをベースに、お客様のニーズに沿った新たな価値を創造し、最適なソリューションを提供し続けてきました。これらの競争優位性は私たちが長年の努力により積み重ねてきた貴重な財産であり、他社が容易に真似できない持続的成長のドライバーです。 ○新たな価値の創造を可能とする技術開発力(鉄鋼事業) 世界各地のお客様の高度なご要望にお応えすることで、業界をリードする技術力を蓄積してきました。幅広い分野での高機能・高品質の商品やサービスの開発と提供を通じて新たな価値を創造し、世界中の産業や社会の発展と人々の生活の進化に貢献しています。また、優れた環境保全・省資源・省エネ技術により、世界で最も低いレベルの環境負荷で鉄鋼製品を生産することができ、その技術を世界各地の環境対策に役立てるとともに、成長の機会として活用しています。 ○製造現場で培われてきた「生産」の実力(鉄鋼事業) JFEスチール㈱の製造現場においては、長年の鉄鋼製品製造で培われてきた質が高く、高い生産性を有する製造技術、知的財産、操業ノウハウ等が無数に蓄積されています。これらに加えて、低CO2での高品質鋼材製造を可能にするGX対応技術、データサイエンス・ロボティクス等のDX技術等が融合した製造実力は、同社固有の競争力の源泉です。なお、内需の減少という事業環境の変化に対応するため、高炉休止による生産効率の維持・向上を実行し、常に国内最適生産体制を構築してまいります。具体的には、現在の粗鋼生産能力2,600万トン(高炉7基体制、仙台製造所電気炉を除く)に対し、2027年度の粗鋼生産能力を2,100万トン程度へスリム化します。また2028年度には西日本製鉄所(倉敷地区)で革新電気炉を稼働させ、高炉5基+革新電気炉1基体制とします。 ○ニーズへの対応力と安定したお客様基盤(鉄鋼事業・商社事業) 長年のお取引による数多くのお客様との双方向のコミュニケーションにより、お客様との信頼関係を構築してきました。お客様との綿密なニーズの摺り合わせや、開発初期段階からの協働等の取り組みを通じて新たな価値を創造し、お客様の課題解決に貢献してきました。結果として、他社が容易に入り込むことができない堅固なお客様基盤を構築しています。 ○JFEグループのグローバル鋼材サプライチェーンマネジメント網(商社事業) JFEスチール㈱と戦略的に連携を取りながら日本、中国、北米、豪州、インド、欧州でグローバル展開する鋼材サプライチェーンマネジメントを構築しています。日本で製造されるJFEスチール材のみならず、鉄鋼事業の海外製造拠点やJFEグループのアライアンス先で製造される鋼材も含めたJFEブランドを、世界各地に製造拠点を展開するお客様へ良質なサービスとともに提供しています。またお客様のニーズに合わせ、スリット等の切断加工製品や、環境規制・省エネを背景に拡大しているモーターコアや高効率変圧器用トランスコア等の鋼材加工部品をグローバルに提供できる体制を整えています。 ○JFEグループの中核商社としての機能(商社事業) 変化が激しいグローバル市場においてお客様のニーズを先取りし、中核商社としてJFEグループの全体最適を考えながらトレードビジネスや事業を展開し、お客様への価値貢献を最大化しています。こうした他社にはないグループ全体最適を追求する商社事業モデルを通じ、グローバル市場におけるグループ全体の競争優位性を維持拡大していきます。 (エンジニアリング事業) エンジニアリング事業は、JFEエンジニアリング㈱を中核として、ガス・石油・水道パイプライン、再生可能エネルギー発電設備、都市ごみ焼却炉、水処理システム、橋梁・港湾構造物等、人々が生活する上で不可欠となるインフラの構築等を行っており、それらのEPC(設計・調達・建設)、O&M(運転・維持管理)に加え、リサイクル・発電事業等の事業運営を展開しています。 また数多くの国内支店・営業所、海外現地法人・海外支店を有することでグローバルかつきめ細かな販売ネットワークを構築しており、長年にわたり、官公庁や、大手電力会社・ガス会社等様々な民間企業のお客様へ高度な技術・サービスを提供しています。 エンジニアリング事業の競争力の源泉は、時代の変化に対応する先進かつ多種多彩な商品・サービスや、高度なプロジェクト遂行能力、ものづくりのノウハウを強みにした事業運営に至るまでの幅広い事業展開を基礎としています。 ○高度な基盤技術、多種多彩な商品技術 造船事業がベースの加工・組立技術と鉄鋼事業がベースの素材・燃焼技術を融合・進化させた高度な技術力を強みとして、エネルギー・環境や橋梁等幅広い分野で事業を展開してきました。 とりわけ、世界的な課題となっている地球温暖化に対しても、次世代エネルギーの創出や、高効率発電プラントによるCO2排出量の抑制等、課題解決に向けた技術を数多く保有しており、これらの技術に基づいた新たなビジネスモデルの企画・立案・推進に積極的に取り組んでいます。 ○豊富な実績と多様な人材によるプロジェクト遂行能力 エネルギー・環境や橋梁等様々な分野で、設計から引き渡しまで、お客様のニーズに即した高機能・高品質な施設を数多く建設してきました。また、国内最大級の鋼構造物製作工場をはじめとする生産拠点を有しており、高品質・低コストでの製品供給を可能としています。更に、アジア諸国を中心とした海外拠点にグローバルエンジニアリング体制を構築し、一段と競争力を強化しています。 ○ものづくりのノウハウを強みにした事業運営 環境・上下水等のプラントを中心として、長きに亘りオペレーション・メンテナンスのノウハウを培い、公共サービス分野で数多くの官民連携事業を手掛けています。また、自らが建設したプラントで、リサイクル事業や再生可能エネルギー発電事業を行い、循環型社会、持続可能な社会の構築に取り組んできました。こうした、ものづくりや運営ノウハウを強みにした官民連携事業やエネルギーサービス事業等の運営型事業領域を更に拡大していきます。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 2025年5月、当社は、「JFEグループの目指す姿」に向かっていくために、「JFEビジョン2035」および「第8次中期経営計画」(対象:2025~2027年度)を策定しました。同中期経営計画を完遂し、更なる成長へつなげてまいります。 <成長戦略に基づいたスリムで強靭な国内体制> JFEスチール㈱における粗鋼生産能力2,600万トン(高炉7基体制※)に対し、高炉休止により2027年度粗鋼生産能力2,100万トン程度へとスリム化を実施します。2028年度には倉敷地区で高品質・高機能鋼材を製造可能な高効率・大型電気炉(革新電気炉)を稼働させ、高炉5基+革新電気炉1基体制とします。 ※仙台製造所電気炉を除く <高付加価値品比率拡大> JFEスチール㈱の技術力を活かした高性能電磁鋼板や自動車用ハイテン、洋上風力用厚板、新エネルギー対応厚板、シームレスパイプ等の製品拡販(輸出汎用品から置換)により、製品トン当たりの利益向上を図ります。 足元の市場環境は盛り上がりに欠ける分野はあるものの、中長期的には堅調な需要を見込んでいます。なお、2025年度実績値は、2026年9月末発行予定のサステナビリティ報告書にて開示予定です。 <海外成長地域でのインサイダー型事業拡大による成長> 鉄鋼事業では、海外戦略の3つの柱と整合する現地パートナーへの技術供与・資金拠出を通じて、インサイダー型事業を展開してきました。従来からの海外事業投資による事業成長に加えて、成長分野・地域への積極的な投資により、海外事業収益2,000億円を目指していきます。 〇東日本・西日本製鉄所に次ぐ、JFE第3の一貫製鉄所をインドにて運営 インドの戦略的アライアンスパートナーであるJSWスチール社との間で、2026年3月30日にインド・オディシャ州の一貫製鉄所の合弁事業化を完了し、2026年6月下旬に2回目の出資を予定しています。成長著しいインド市場での需要を早期に取り込み、技術力と運営力の融合により高付加価値化・生産性向上を推進します。本事業を第3の一貫製鉄所と位置付け、海外事業収益拡大と長期ビジョン達成を目指します。 <洋上風力発電事業向けモノパイル受注> JFEエンジニアリング㈱は、2025年12月に「秋田県男鹿市、潟上市および秋田市沖における洋上風力発電事業」向け案件を初受注、2026年2月に笠岡モノパイル製作所で製造開始しました。 これからも再生可能エネルギーの普及拡大の切り札とされる洋上風力発電事業で、国内サプライチェーンの一翼を担い、カーボンニュートラル社会の早期実現に向けて貢献してまいります。 <JFEグループの洋上風力事業モデル> JFEグループは、これまで蓄積してきた製造技術とエンジニアリング力を結集し、素材提供から運転保守(O&M)までグループのシナジーを活かし、洋上風力事業を展開しています。 <環境的持続性に向けた取り組み> JFEグループでは、「気候変動問題(カーボンニュートラル)」を中心に、「循環経済への移行(サーキュラーエコノミー)」、「生物多様性の保全・自然再興(ネイチャーポジティブ)」にも積極的に取り組み、JFEグループ全体で、地球環境・社会に大きく貢献してまいります。なお、環境関連の2025年度実績値は、2026年9月末発行予定のサステナビリティ報告書にて開示予定です。 <人財戦略> JFEグループは経営戦略と連動した人財戦略のもと、人的資本への積極投資を通じて人材の能力や活力を最大限に引き出すことで、経営戦略の実現を目指していきます。 <企業価値向上に向けた取り組み> 当社は、株価を重要な経営指標の一つとして認識しており、現状当社のPBR(株価純資産倍率)が1倍を大きく下回っていることを重要な課題として認識しております。株主資本コストを上回るROE(自己資本利益率、2027年度目標 少なくとも10%)を安定的に実現し、市場からの信頼性を向上させていくことで、企業価値を向上させ、資本市場の評価を高めてまいります。 <中期主要財務目標・収益目標および業績概要> <ガバナンスの強化> 当社は、経営の意思決定の迅速化、取締役会における経営方針や戦略に関する議論の充実、および更なる取締役会の監督機能の強化等を目的として、2025年6月25日開催の定時株主総会終結の時をもって監査等委員会設置会社に移行いたしました。これに伴い、当社取締役会は、グループ経営の目指す姿について議論をした上で、意思決定の迅速化や戦略的議論の充実等を目的として、取締役会の付議基準およびその運営を見直しました。 引き続き、積極的な取り組みを行うことで、取締役会の実効性を更に高め、JFEグループの企業価値の向上を図ってまいります。 <コンプライアンス> JFEエンジニアリング㈱は、同社が 2017年6月および 2020年6月に沖縄県竹富町と契約した海底送水管更新工事に関して、入札談合等関与行為防止法違反および公契約関係競売入札妨害罪により同社元社員が有罪判決を受けたことから、建設業法に基づき、2025年5月に国土交通省より全国における水道施設工事業に関する営業のうち公共工事に係るものについて、60日間の営業停止命令を受けました。本事案を厳粛かつ真摯に受け止め、再発防止策を引き続き実行することにより、早期の信頼回復に努めてまいります。 2026年4月1日付で、当社および事業会社にCCO(最高コンプライアンス責任者)を設置するとともに、コンプライアンスの徹底に関する当社の方針をより明確にし、確実に実施することを目的に「コンプライアンスに関するグループ基本方針」を定めました。 JFEグループは、社会との信頼関係の基本である、コンプライアンスの徹底、環境課題への取り組み、安全の確立について、グループをあげて真摯な努力を継続してまいります。 (注)上記(4) の記載には、2026年5月8日の決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれております。
事業等のリスク16,055字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。それらのリスク要因のいずれも投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループのリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③経営体制・内部統制体制 c. 内部統制体制・リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。 (1)経済状況と販売市場環境(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) [鉄鋼事業・商社事業] 鉄鋼事業・商社事業においては、各製品市場と地域市場において、競合他社との競争に直面しております。国内鋼材販売は、建築・土木、自動車、産業機械、電気機械等各需要分野に広がっており、販売形態も多岐にわたっております。また、これら国内向けに加え、JFEスチール㈱は41%程度(単独・金額ベース)、JFE商事㈱は37%程度(単独・金額ベース・JFEスチール材含む)を海外に輸出しております。主な輸出先はタイ等のASEAN、韓国、中国向けとなっております。従いまして、今後の少子高齢化に伴う国内市場の縮小や、国内およびアジアをはじめとする世界経済の状況等を背景とした国内外の鋼材需給の動向が当社グループの鋼材の販売量や価格に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ海外市場においては、中国の内需減少に伴う輸出の増加や、新興国における鉄鋼生産能力の拡大という構造的な変化により、ますます競争が激化していく可能性があります。また、海外主要国において関税引き上げやアンチダンピング・セーフガード措置等の輸入規制が課せられた場合には、当社グループの輸出取引が制約を受け、業績に影響を及ぼします。一方、当社グループの輸出量が少ない米国、EU等においても、各種輸入規制が行われた結果、その市場から締め出された鋼材が当社グループの主要輸出エリアに還流することにより市場が影響を受け、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の主要国・地域において大規模かつ包括的な関税が賦課されるような場合には、当該国・地域における当社グループの需要家においても事業戦略・運営の変更や生産・販売量の減少が発生することにより、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、2022年にウクライナにおいて、また2026年にイランにおいて発生したような国際的な紛争も、国内外の鋼材需給の動向の変化やサプライチェーンへの影響等を通じて当社グループの鋼材の販売量や価格に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、国内外の鋼材需給の変化に対応して生産数量の最適化を図るとともに、長期的な鋼材需給の動向を見据えて設備の統廃合等による最適な生産体制の構築を図ってまいります。この一環として、粗鋼生産能力2,600万トン(高炉7基体制、仙台製造所電気炉を除く)に対し、高炉休止により2027年度の粗鋼生産能力2,100万トン程度へとスリム化を実施します。また2028年度には西日本製鉄所(倉敷地区)で革新(高効率大型)電気炉を稼働させ、高炉5基+革新電気炉1基体制とします。一方で、当社グループの基幹製鉄所である西日本製鉄所への戦略的な投資を行い、コスト競争力を向上させることで、市場環境が変化しても収益を確保できる体制を整えてまいります。販売面でも新興国ミルに対して技術優位性の高い商品の販売比率の拡大を進め、収益基盤の安定化を図ってまいります。更に、グローバルな成長機会を求め、海外成長地域におけるパートナーとのインサイダー型事業の拡大を進めてまいります。 商社事業においては、鉄鋼製品を中心に、製鉄原材料、非鉄金属製品、食品等の仕入、加工および販売を行っており、国内外の各製品市場において市場環境の変化に適切に対応できる流通販売網を構築しております。具体的には、国内においては流通再編等を通じ販売力の強化を進めるとともに、基盤強化に必要な設備の更新をタイムリーに進めております。また海外の成長を事業拡大の原動力とし、鉄鋼事業の事業戦略と連携した高付加価値品のサプライチェーンマネジメントの強化に加え、現地完結型事業を強化していきます。また、低・脱炭素社会実現に向けたビジネスとして、スクラップ取引等の拡大に加え、廃タイヤや洗掘防止材等のリサイクル分野の環境商材に取り組んでいきます。 [エンジニアリング事業] エンジニアリング事業においては、エネルギープラント・ごみ焼却炉等の環境施設・橋梁・海洋構造物を中心とした設備のEPC(設計・調達・建設)を行っております。また、DBO(設計・建設・運転)案件における設備の運転保守の受託や、リサイクル・発電・電力小売等の運営型事業を自ら行っております。上記事業のポートフォリオは、公共インフラ(ごみ焼却施設、橋梁等)関連が過半を占めているため、国内経済状況および国・自治体の方針・政策の影響等による国内公共事業の縮小は、応札案件の減少に直結し、その結果、受注高が減少する可能性があります。 また、海外についても同様に対象国の経済状況や政策の変化により、受注高が減少する可能性があります。また、プロジェクト遂行にあたり、資機材等の価格が上昇した場合、建設コストが上昇することになります。建設コスト上昇の影響に左右されない競争力を確保するために、技術開発等を進めてまいります。また、長期安定的な収益源として運営型事業を強化してまいります。 (2)原料・エネルギーの市場環境(鉄鋼事業・商社事業) [鉄鋼事業] 鋼材の原材料として鉄鉱石、原料炭、合金鉄・非鉄金属・スクラップ等を調達しております。近年これらの原材料の価格は世界的な需給構造変化、主要原産国である豪州・ブラジルにおける自然災害や事故の発生、国際的な紛争等により上昇しており、それを鋼材価格に反映できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製鉄プロセスに使用する電気・天然ガス等を購入しておりますが、これらの価格も世界的な需給変化、環境規制強化や国際的な紛争等に起因して上昇しており、それを鋼材価格に反映できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 更にこれら原材料・エネルギーについて、生産国における自然災害や事故の発生、国際的な紛争、サプライチェーンの混乱等により調達が困難となった場合、当社グループの生産量・販売量の減少を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、安価原料の使用技術を開発し、その使用比率の増加を図ることで原料調達におけるコスト削減とコスト変動の低減を図ってまいります。また、調達ソースの分散化等により、調達不安定化のリスクの低減を図ってまいります。更に、製鉄所内の発電所等のリフレッシュを計画的に進めることにより、調達エネルギーのコスト削減とコスト変動の低減を図ってまいります。 [商社事業] 当社グループ向けに原材料を販売するとともに、当社グループ外への原料販売も行っています。従って、当社グループの活動水準に変化があった場合や、原材料生産国における自然災害や事故の発生、また国際的な紛争、サプライチェーンの混乱等、仕入環境や販売環境に変化があった場合、商社事業の販売量に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、原料調達における低廉化や新たな調達ソースの開発等により、原材料サプライチェーンのリスク低減を図ってまいります。また、当社グループ以外への販路開拓を進め、販売量の維持安定化を進めます。 (3)製造設備・システムの安定操業状況(鉄鋼事業) 鉄鋼事業においては、高炉、コークス炉、転炉、連続鋳造機、圧延機、焼鈍炉、発電所等の多数の大規模な製造設備を用いて鉄鋼製品の生産を行っております。これらの設備の中には稼働後数十年を経て更新時期を迎えたものもあります。持続的な安定生産を実現する国内製造基盤を確立するため、これまでも、集中的な設備投資を計画し、老朽設備の更新を順次進めてまいりましたが、これらの設備において設備・システムトラブルが発生した場合、生産量の減少や修繕コストの増加等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、重要設備の更新投資を計画的に進め、製鉄所の製造実力の強靭化を図っております。2019年度より高炉の操業安定化を中心に高炉付帯設備の劣化対応やDX・AI・IoT技術の活用等による基盤整備投資を実施してきましたが、第8次中期経営計画では全プロセスへの水平展開を進めてまいります。 (4)設備投資効果・事業投資効果の実現状況(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは収益基盤の維持・向上、事業拡大を目指し、多額の設備投資および事業投資を行っております。 [設備投資] 鉄鋼事業では、安定生産基盤の確立に加え、生産性・コスト競争力の更なる進展のために、国内製造拠点への戦略的な投資を継続しております。東西製鉄所においては、コークス炉の更新、電磁鋼板製造ラインの増強、革新電気炉の導入等を行い、これらの設備の最新鋭化・能力増強を図っておりますが、これらの稼働が遅れた場合や鋼材需要が変化した場合、予定どおりのコスト削減効果や拡販効果が発揮されず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、主要工事の進捗確認を定期的に実施することで、計画的な実施を図っております。また、世界の経済状況や需要動向を常に注視し、変化が生じた場合には、当初の設備投資計画に対して、投資時期や規模等の適切な見直しを行います。 [事業投資] 当社グループは、国内投資に加え、海外成長機会を捉えるための事業投資も推進しております。海外各国における政情や経済情勢の変動、紛争、合弁相手先企業の状況の変化等の不測の事態により、期待する収益の獲得や投資回収が困難となる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、世界の経済状況や需要動向を常に注視し、変化が生じた場合には、当初の事業投資計画に対して、投資時期や規模等の適切な見直しを行います。また、事業投資の意思決定の過程では、個社・各地域のリスク評価を行い、そのリスクに応じたフォローを行うことで、リスクの管理を図っております。 (5)新製品・新技術の開発状況(鉄鋼事業・エンジニアリング事業) 当社グループは、お客様の高度なご要望にお応えすることで、グローバルで戦うことができる技術力を磨いてまいりました。当社グループの収益基盤を維持・向上していくためには、今後も社会に貢献する世界最先端の新製品・新技術の開発、製造ソリューションの提供、新規事業の探索を行っていく必要があります。これらが計画どおり実施できなかった場合や各種環境変化により計画どおりの効果が発揮されなかった場合、新商品の提供機会を逸することによる販売量の減少、十分な付加価値を付与できないことによる収益性の低下、受注機会の逸失等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、鉄鋼事業では自動車・インフラ建材・エネルギー分野を主軸とし、開発の加速化を図ってまいります。また、これまで以上にお客様のご要望を的確にとらえた開発を推進してまいります。例えば、自動車分野では、お客様との交流を深めてEVI(Early Vendor Involvement)を進化させ、先進ハイテンやその利用技術等の先端技術の提案を続けるとともに、建材分野における新たな付加価値をお客様とともに創り出すソリューション提案活動「JFESCRUM®」の展開、鉄づくりを通し長年にわたり培った製造・運営技術を、鉄鋼業に限らず幅広いお客様の課題解決ソリューションとして提供するソリューションビジネス「JFE Resolus®(レゾラス)」を提供することで、鉄の価値創造に努めています。また、エンジニアリング事業では、最先端のAI・IoT・ロボティクスを活用し、プラントの自動運転・遠隔監視技術や建設現場における施工作業を自動化・省人化するロボット等の技術開発を進めるとともに、エネルギーサービス等の新たな商品・サービスの提案を積極的に行っております。 更に、当社グループでは、技術開発の進捗状況のフォローを行い、市場環境の変化に応じた開発計画の見直しを適宜実施しております。 (6)品質保証(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは、鉄鋼製品をはじめとした多種多様な製品・サービスをお客様に提供しています。当社グループの製品品質は品質設計・製造部門から独立した品質保証部門により確認し、また、品質保証体制は品質監査部門によりチェックを行うことで保証しておりますが、製品やサービス、品質管理体制等に問題が発生した場合には、補償金の支払いや、社会からの信用失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、グループ会社を含めて品質管理体制を統括する組織を本社内に設置し、品質不具合の撲滅に向けた体制構築を進めております。お客様へ提供する品質データについては、自動測定・伝送化を一層拡充することで、人為的なミスや改ざんの根絶に努めております。また、鋼材の識別管理の強化、品質保証体制の社内診断による強化等により、お客様への異常材の流出の未然防止を図っております。 また、エンジニアリング事業における設備のEPC(設計・調達・建設)では、調達した建設資材および機器を使用して建設工事を行っており、設備引渡し後も一定期間は契約不適合責任を負っております。建設した設備において、契約不適合責任のある不具合が生じた場合、請負者の責任において改修工事を実施することになり、追加コストが発生する可能性があります。こうしたリスクに対しては、品質保証体制を整備し、調達品および工事の検査によってリスクの軽減を図っております。 (7)受注後の変動リスク(エンジニアリング事業) エンジニアリング事業における設備のEPC(設計・調達・建設)では、プロジェクト遂行にあたり、資機材の購入、外注業者の起用を行っており、工期が数年間に及ぶプロジェクトもあります。また、運営型事業では、設備の運転に必要な電気・燃料等を購入しており、運営期間が20年間以上に及ぶ事業もあります。市況・景気変動に伴う建設資材費および外注労務費の変動は建設コストに、電気・燃料費等の変動は運営コストに影響を与え、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、受注前の段階(応札段階)においてリスクの洗い出しを実施し、契約条件への織り込み等の対策を行うことで、受注後の変動リスクの軽減を図っております。更に、受注後においては、プロジェクト経験者による第三者視点でのフォローを実施し、リスクを早期に発見し軽減するよう努めております。 (8)重大な労働災害(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 多様な事業を展開する当社グループの中には、高所作業、高温作業、重量物の運搬、ガス関連設備での作業等災害の発生率が比較的高い作業を行う職場もあります。当社グループは、高齢者や女性を含め、多様な人材が災害を被ることなく安心して働ける作業環境の整備を進めておりますが、万が一生産設備等の重大事故や重大な労働災害が発生した場合には、事業活動が制約を受け、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 これに対して、各事業会社では重大事故・重大災害の撲滅に努めております。各製鉄所・製造所においては、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格ISO45001の認証を取得し、労働安全衛生マネジメントシステムを継続的かつ効果的に運用していくことで安全衛生水準の向上に努めています。また、作業員が立入禁止区域に入ると警報を発して自動でラインを停止させるAI活用画像認知システムや、ガス濃度や重機との近接をリアルタイムでモニタリングして災害を未然に防ぐシステム等の導入を進めております。 (9)気候変動問題(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは大量のGHG(温室効果ガス)を排出する鉄鋼製造プロセスを有しており、当社グループの気候変動問題への対応は、当社グループの事業の持続性に関わる極めて重要な経営課題と認識しております。当社グループのカーボンニュートラルに向けた取り組みが十分でなかった場合や革新的な技術開発が達成できなかった場合は、コスト競争力を失う、お客様との取引が縮小する、資金調達が困難になる等により、国際的な競争力を失い、当社グループの業績等に多大な影響を及ぼす可能性があります。 これに対して当社グループは、GHG排出量を2013年度比で2030年度に30%以上削減すること、更に2050年にカーボンニュートラル実現を目指すことを経営目標として掲げ、達成に向けて社内の体制を整備し、迅速かつ効率的な推進を図っております。 また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業として「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトに参画し、高炉における水素還元技術開発、高炉排ガスの低炭素技術開発(カーボンリサイクル高炉、CCU(Carbon Capture and Utilization))、直接水素還元技術開発、電気炉での不純物除去技術開発等の超革新技術の開発も積極的に進め、2024年12月に直接水素還元法のベンチ試験炉を、2025年2月に電気炉での不純物除去技術開発に係る小型試験炉を、2025年5月に小規模カーボンリサイクル試験高炉を立上げて試験を開始しています。その中で、いち早く実装可能な革新電気炉を2027年度に改修時期を迎える高炉の代替プロセスとして導入することを機関決定しました。革新電気炉での高品質・高機能鋼材製造や高炉法でのGHG排出量削減に向け、安定的な直接還元鉄の調達ソースを確保することが必要であり、中東での低炭素還元鉄サプライチェーンを構築すべく,具体的な事業スキームの協議も進めています。 加えて、当社グループはGHG排出削減実績量を用いて鉄鋼製造プロセスにおけるGHG排出量を従来の製品より大幅に削減したGXスチール「JGreeX®」の供給を2023年度上期より開始し、既に自動車、造船、橋梁、建築、産業機械、変圧器用等幅広い分野で採用が拡大しております。引き続き、GHG削減価値をサプライチェーン全体で負担する社会分配モデルの実現に向けて取り組んでまいります。 一方、これらのカーボンニュートラルプロセスの導入には多大な技術開発費、設備投資費を要し、大幅な製造コストの上昇は不可避であると考えています。国家戦略として、「GX実現に向けた基本方針」や、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律により、脱炭素に向けた技術開発や設備投資に対する長期的かつ継続的な政府の支援がコミットされましたが、他の鉄鋼生産国と同等の支援が得られない場合、更には既に国際的に高い水準にある日本の産業用電力価格が更に上昇する場合は、他国に対して日本の鉄鋼メーカーのコスト競争力が低下し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。カーボンニュートラル実現に向けては、低価格で大量のグリーン水素や国際的に競争力がある安価な非化石電力の調達が必要不可欠となりますが、これらが国際的に競争力のある価格で供給されない場合、環境価値が適切に鋼材価格へ反映されない場合にも当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。これらを実行していく上では、GXスチール市場の創出・拡大が必要不可欠であり、優先調達や購入支援、規制的措置等の政策支援が必要と考えております。 なお、タクソノミーや炭素国境調整といった政策・制度においては、世界的な保護主義を招く懸念があり、脱炭素への円滑な移行を阻害する恐れがあります。また、GXスチールに関して、国際機関や民間機関を含めて、世界各地で様々な基準や閾値、定義やGHG定量方法の基準が乱立している状況においては、国際的に取引されている鋼材貿易に混乱を引き起こす懸念があります。したがって、標準化の取組みが進められており、2025年10月には(一社)日本鉄鋼連盟が「グリーンスチールに関するガイドライン」を改訂し、「鉄鋼製品に関するカーボンフットプリント製品別算定ガイドライン」、「GXスチールガイドライン」、「非化石電力鋼材のカーボンフットプリント算定ガイドライン」を公表しております。また2026年2月には世界鉄鋼協会(The Worldsteel Association)が国際的なガイドラインを改訂しております。引き続き、GXスチールの削減価値が顧客の製品カーボンフットプリントへ適切に反映されるようガイドラインの改訂を進め、GHGプロトコルやISO等の国際標準化に向けて政府や関係機関とともに議論を深め、排出削減努力を適切に評価し正当な対価をいただける仕組み作りが進むよう、また環境規制が適切な制度として制定されるよう、関係機関に働きかけてまいります。 (10)大規模な自然災害、新型インフルエンザ等感染症の急速な感染、戦争、内乱、暴動、テロ活動等 (鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 大規模な地震・台風等の自然災害、新型インフルエンザ等感染症の急速な感染、戦争、内乱、暴動、テロ活動等は、当社グループの事業活動に支障をきたし、業績等に影響を及ぼす可能性があります。例えば、新型コロナウイルス感染症のような感染症の大流行により、世界的な移動制限や都市部のロックダウン等が行われ、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、需要産業の生産水準が大幅に低下することにより販売数量が減少し、当社グループの業績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが事業活動を行っている地域において国際的な紛争等が発生した場合においても、需要産業の生産水準が大幅に低下することにより販売数量が減少し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。更に、大型台風により設備や建屋の損壊や製鉄所の浸水が生じた場合には、生産量の減少等により当社グループの業績等に影響する可能性があります。あるいは、当社グループの原料の調達先で港湾施設の機能停止により一定期間の生産・出荷停止が生じた場合には、生産量の減少等により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 近年激甚化する国内の台風や豪雨に対しては、製鉄所内の排水設備の増強等を実施しております。また、原料の主要な調達先である海外での大規模気象災害に対しては、代替調達先の確保、調達ソースの分散、設備能力の増強を図ってまいります。なお、非常事態に対するBCPを策定しており、例えば大規模地震では、津波に対する避難場所の設置や、通信規制・停電等の状況下での全社指揮命令機能の維持、データのバックアップ等の対策を実施しております。また、新たな感染症のリスクに対しては、全従業員の健康と安全を第一に考え、安心して働けるよう、衛生管理の徹底や時差出勤・在宅勤務等の柔軟な事業運営や、インフラ構築等の環境整備を進めるとともに対策検討チームを発足させ、迅速な対応をとる体制を構築しております。 (11)経済安全保障(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは、鋼材生産の原材料として鉄鉱石・石炭をはじめとする鉱物等、様々な資源を海外から輸入している一方、生産した鋼材を広く海外に輸出しています。また、アジアをはじめとして海外において様々な事業を展開しています。 近年、国・地域間の対立や市場の分断等が、国際情勢に大きな影響を与えています。経済安全保障の観点からも、重要物資のサプライチェーンの混乱、経済的な外圧、予期しない制度の導入等が生じる可能性が高まっています。 これらが実現した場合、原材料等の供給制約による生産活動への支障、当社を含むサプライチェーン全般にわたる生産活動の停滞、大幅な生産費用の増加、特定の国・地域における販売や事業活動が困難に直面すること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、各国・地域の政治、経済や制度等に関する情報収集と調査分析、自社のバリューチェーンの精査と多様化、リスクを把握し軽減・回避するための仕組みづくり等により、経済安全保障リスクへの対応を進めてまいります。 (12)他素材との競合(鉄鋼事業・商社事業) 当社グループはGHG排出抑制効果の大きいエコプロダクトや環境配慮型技術を販売しております。自動車車体に適用されるハイテンは、アルミニウムや炭素繊維等の他素材と比べコスト優位性を有し、また軽量化にも貢献するため、他素材への置換は限定的と考えますが、他素材の大幅なコストダウンが実現した場合には鋼材需要が減少し、当社グループの業績に影響する可能性があります。これに対しては、継続的なコストダウンや性能向上に努め、他素材への置換を抑止するとともに、樹脂等の軽量素材を組み合わせたマルチマテリアル構造等も提案し、鉄と他の素材とを組合せた部材の開発を行い、素材としての持ち味をより引き出し、鉄の需要のすそ野を広げるとともに、軽量化へ貢献していきます。 (13)情報セキュリティ(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは、事業を展開する上で、顧客および取引先の機密情報や個人情報、また、当社グループの機密情報や個人情報を有しております。これらの情報は、外部流出や改ざん等が無いように、グループ全体で徹底した管理を実行しております。過失や盗難、外部からの攻撃等によりこれらの情報が流出もしくは改ざんされた場合、技術優位性の喪失、損害賠償の発生、社会的な信用失墜等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 これに対して当社グループでは、情報管理の諸規定を制定することで、サイバー攻撃やシステムの不正利用による情報漏洩やシステム障害を防止する対策を実施しております。また、情報セキュリティを中心にITに関する重要課題を審議する「JFEグループ情報セキュリティ委員会」を設置し、そこで決定した方針に基づき、情報セキュリティ施策の立案と実施推進を図る社内チームである「JFE―SIRT」にてグループ全体の情報セキュリティ管理レベルの向上を推進しております。更に、2024年4月にJFEサイバーセキュリティ&ソリューションズ㈱を設立し、セキュリティ人材の獲得、育成およびセキュリティ監視機能の強化を推進しております。 (14)カントリーリスク(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは、成長する海外での需要を捕捉するため、鉄鋼事業・商社事業における現地の鋼材生産・加工ラインへの投資や現地鉄鋼会社との資本提携、エンジニアリング事業における新興国のインフラプロジェクトの受注等、積極的な海外事業展開を推進しております。事業実施地域における政治・経済情勢の変化、テロ・その他の動乱、紛争、法改定、大規模自然災害等の不測の事態が発生した場合、生産量の減少、資本提携先とのシナジー効果の減少、法令改定に起因した費用の発生、物流費の増大、連結財政状態計算書に計上したのれんの減損、受注プロジェクトの製造コストの変動等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、事業投融資の審査の過程で各国のリスクに応じた事業のリスク評価を行うことで慎重な投資判断を行うとともに、不測の事態が発生した場合の影響を軽減するために、監視体制の強化、現地での調達ソースの分散化等を図っております。 また商社事業では貿易取引を行っており、対象国の状況により輸出入ができなくなるリスクや、外貨事情等により相手国政府が対外送金を停止した場合の代金回収リスクを負う可能性があります。これに対しては貿易保険等を活用しております。 (15)為替レートの変動(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループの業績は、為替レートの変動の影響を受けます。外貨建て取引による外貨の受け取り(製品輸出額等)と外貨の支払い(原材料輸入額等)で相殺されない部分がある場合、為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対しては、為替予約等を利用したヘッジ取引を適宜実施しております。円安が進行した場合、円換算の原材料コストの上昇等を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対しては、製品販売価格への反映を図ってまいります。 また、円高が進行した場合、自動車等の需要産業の輸出競争力低下による国内鋼材需要が減少すること、および当社グループの製品の海外市況における競争力が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対しては、主に(1)、(5)に記した対応による国内鋼材シェアの確保、および海外の成長地域におけるパートナーとのインサイダー型事業の拡大を進めることで、海外市場環境の変化に柔軟に対応するグローバル供給体制の確立を進めてまいります。 (16)固定資産の価値下落(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは、大規模な鉄鋼製品製造設備等、多くの固定資産を保有しております。当社グループが保有している固定資産について、収益性の低下等に伴い投資額の回収が見込めなくなった場合は、その資産の減損損失の計上を行うことにより、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、主に上記の(1)~(5)、(9)、(12)に記した対応により資産価値の維持向上に努めてまいります。 (17)人材確保・育成および職場環境の整備(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループでは、国内の生産年齢人口の減少に伴い、有能な人材を十分に確保するための各種施策の強化、人材育成による個々の能力向上、省力化による労働生産性向上に取り組んでおりますが、当社グループおよび当社グループのサプライチェーンを構築する企業において、人材の確保や育成が十分でなかった場合、安定的な生産体制や競争力が損なわれることにより当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、DEIを経営課題として位置付け、採用ソースを拡大して多様で有能な人材の確保・活用を図るとともに、多様な人材や意見を尊重する企業風土を醸成し、定着率や生産性の向上に努めてまいります。更に、職場環境の改善や各種制度の充実、生成AI等のIT技術やロボット技術の活用による省力化・効率化についても推進し、進行する労働力不足に対応してまいります。 また、適切な労務管理が行われなかった場合、人材の流出や当社グループの信用の著しい低下につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対しては、適正な労働時間管理や人権啓発研修の実施、ハラスメント相談窓口の設置等により未然防止を図っております。 (18)知的財産の保護(鉄鋼事業・エンジニアリング事業) 当社グループは、事業活動に必要な個々の技術や商標の使用権利を保護する目的で、日本および海外諸国において多数の知的財産権を保有しております。当社グループにおいて事業を遂行する際には、当社外で保有されている知的財産権の調査を行い、その侵害を回避する対策をとっておりますが、万一、第三者より当社グループによる知的財産権の侵害を主張された場合、損害賠償金やロイヤリティの支払い、事業差し止め等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、第三者により当社グループの知的財産権が無効化される場合には、対象となる事業の競争力の低下等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、第三者により当社グループの知的財産権が侵害される場合や、社内外の情報保持者により知的財産情報が漏洩する場合には、技術・ブランド価値の低下や損害金の回収不履行等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、当社グループは海外を含めて当社外の知的財産権の調査・監視体制を強化することで、その侵害の未然防止を図っております。また、海外地域を重点的に重要技術の権利化を進めるとともに第三者による模倣技術・模倣品の監視体制を強化し、当社グループの知的財産権の侵害の抑止を図っております。更に、情報管理に対する社内教育の拡充、退職者等の守秘義務の管理強化を図っております。 (19)金融市場の変動および資金調達環境の変化(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループの中核である鉄鋼事業は、大規模な設備を有しており、その設備の維持更新に多額の資本を必要とするため、財務健全性の維持が重要です。近年、減価償却費を上回る設備投資を行ってきたことから、有利子負債は高水準で推移しております。そのため金融市場の不安定化や金利上昇、また格付機関による当社信用格付の引下げがあった場合等には、資金調達の制約を受け資金調達コストが増加する可能性があります。 これらに対しては、財務管理指標としてDebt/EBITDA倍率やD/Eレシオを用いて、当社グループ全体ならびに各事業会社の財務管理を行っております。また一部の借入金等について、金利スワップを利用したヘッジ取引を実施しております。足元では、有利子負債を削減するため、棚卸資産圧縮等によるCCC(Cash Conversion Cycle)の改善、保有株式の縮減等の資産圧縮および設備投資・投融資の優先順位見直し等を行い、財務健全性の維持に取り組んでおります。 (20)保有株式等の価値変動(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループが保有している株式等の価値が変動した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、上場株式について、その株式保有の意義が認められる場合を除き、保有しないことを原則としており、上場会社株式の売却を進めております。 (21)信用リスク(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループが保有する売上債権について、取引先の倒産により貸倒損失が発生した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。このため、徹底した与信管理を行っており、一部リスクの高い取引については信用保険を活用しております。 (22)法令・公的規制(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは、日本国内および事業展開する各国において、環境、労働・安全衛生、通商・貿易・為替、知的財産、租税、独占禁止法等の経済法規、建設業法等の事業関連法規、その他関連する様々な法令・公的規制の適用を受けております。これら法令・公的規制が厳格化された場合、(1)、(9)等で述べた影響の他にも、当社グループの事業活動が制約を受けることや対策費用が発生すること等により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、内部統制体制の充実を図りこれら法令・公的規制の遵守に努めておりますが、これら規制等を遵守していないと判断された場合、行政処分を課される等により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、法令の制定・改廃の検討段階での意見提出を行う等により、法令の適切な制定・改廃に向けた活動を継続してまいります。また、法令の制定・改廃が生じた場合には、当該法令に関する主管部署が業務への影響度を評価し、社内の関係部署に周知する体制を整えております。また、法令テーマ別にコンプライアンス研修を行い、定期的に従業員への周知・徹底を図っております。 (23)サプライチェーンにおける人権の尊重(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループは世界各国から原材料や資機材を調達しておりますが、これらのサプライチェーンにおいて人権問題が発生した場合、調達や生産への影響に加え、当社グループの信用の毀損につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これに対しては、人権尊重に関するグループ全体の考え方を示す方針として2018年に「JFEグループ人権基本方針」を定めるとともに、昨今の人権に関する意識や課題の変化を踏まえ、2023年4月に本方針を改正いたしました。各事業会社においては、「調達ガイドライン」や「調達基本方針」「サプライチェーンにおけるサステナビリティ基本方針」等を制定し、人権尊重・法令遵守・環境保全に配慮した購買を行っております。また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った人権デューディリジェンスも開始しており、今後、当社グループにおける人権リスクの特定、是正に向けた取り組みの検討および実行等のプロセスを継続してまいります。 (24)退職給付債務(鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業) 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。金利の変動、制度資産の公正価値の変動、および退職金制度の変更等があった場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (25)持分法適用関連会社の業績悪化 当社および連結子会社は、多数の持分法適用関連会社を有しております。持分法適用関連会社の損失は、当社および連結子会社の持分比率に応じて、連結財務諸表に計上されます。また、当社および連結子会社は、持分法適用関連会社の回収可能価額が取得原価または帳簿価額を下回る場合、当該持分法適用関連会社の株式について減損損失を計上しなければならない可能性もあります。なお、当社および連結子会社は、一部の持分法適用関連会社の金銭債務に対して債務保証を行っておりますが、将来、これら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらに対しては、持分法適用関連会社の収益向上の取り組みをモニタリングするとともに、必要な諸施策を実施し、リスク低減に努めております。 なお、現時点では予期できない上記以外の事象の発生により、当社グループの事業活動および業績等が影響を受ける可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)4,165字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況の概要は、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.当連結会計年度の経営成績の分析」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載しております。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループにおける生産実績については鉄鋼事業の粗鋼生産量を、また受注実績についてはエンジニアリング事業の受注実績・受注残高を記載しております。 鉄鋼事業は、特定顧客からの受注については反復循環的に生産しているため、受注実績の記載を省略しております。エンジニアリング事業は、請負工事を中心としているため、生産実績を金額あるいは数量で示すことはしておりません。商社事業は、受注生産形態をとらない製品が多いため、生産実績・受注実績を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 a.生産実績 当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。 セグメントの名称   粗鋼生産量(千トン)   前期比(%) 鉄鋼事業(うちJFEスチール㈱)   22,548(21,374)   △2.8(△2.6) b.受注実績 当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりであります。 セグメントの名称   受注実績(百万円)   前期比(%)   受注残高(百万円)   前期比(%) エンジニアリング事業   836,182   +44.3   1,223,567   +23.0 (注) 当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、ごみ処理施設の建設・運営案件の受注増加等によるものです。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりであります。 セグメントの名称   販売実績(百万円)   前期比(%) 鉄鋼事業   3,088,430   △8.2 エンジニアリング事業   599,773   +5.3 商社事業   1,333,057   △7.3 計   5,021,261 調整額   △481,990   ― 合計   4,539,270   △6.6 (注) 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、各販売先への当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、特に記載のあるものを除き、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。 重要性のある会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」、重要な見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.当連結会計年度の経営成績の分析 当連結会計年度の国内および海外経済は、中国経済の減速や米国の通商政策等が影響を及ぼしたものの、緩やかに回復しました。一方で、足元では、中東情勢の緊迫化による影響等により先行きの不透明感が増しております。 このような状況のもと、JFEグループでは、国内外の鉄鋼需要や鋼材市況の低迷があったものの、継続的なコスト削減に加え、棚卸資産評価差等の一過性の要因もあり、事業利益は前期と同水準となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、土地売却益の減少等、一過性の要因により前期に比べ減益となりました。 当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。 鉄鋼事業では、国内外の需要や海外鋼材市況が低迷するなか、米国をはじめとする各国の保護主義的な政策に伴う影響等もあり、当期の連結粗鋼生産量は2,255万トンと前期と比べ減少しました。売上収益については、鋼材価格の下落や販売数量の減少等を受け、3兆884億円と前連結会計年度に比べ2,767億円(8.2%)の減収となりました。 セグメント利益については、鋼材価格の下落や販売数量の減少等があったものの、継続的なコスト削減の取り組みや棚卸資産評価差等の一過性の要因等により、前連結会計年度と同水準となる380億円となりました。 エンジニアリング事業は、受注済みプロジェクトの着実な遂行と企業買収等により、売上収益は5,997億円と前連結会計年度に比べ299億円(5.3%)の増収となり、受注高とともに過去最高を更新しました。セグメント利益については、売上収益の増加により、前期に比べ46億円(23.7%)の増益となる239億円となりました。 商社事業では、国内建設需要の低迷や各国通商施策の影響等により鋼材取引は減少し、国内外の市況下落等もあり、売上収益は1兆3,330億円、セグメント利益は402億円となり、前連結会計年度に比べそれぞれ1,055億円(7.3%)の減収、77億円(16.2%)の減益となりました。 以上の結果、当社単体業績等と合わせ、当連結会計年度における連結での売上収益は4兆5,392億円となり、前連結会計年度に比べ3,204億円(6.6%)の減収となりました。事業利益は1,353億円となり、前連結会計年度と同水準となりました。税引前利益は874億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は701億円となり、前連結会計年度に比べそれぞれ568億円(39.4%)、217億円(23.6%)の減益となりました。 b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析 当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローが3,790億円の収入(前連結会計年度に比べ収入が1億円増加)であったのに対し、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産、無形資産及び投資不動産の取得による支出を中心として4,527億円の支出(前連結会計年度に比べ支出が1,696億円増加)であったことから、これらを合計したフリー・キャッシュ・フローは737億円の支出(前連結会計年度に比べ支出が1,694億円増加)となりました。 また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入を中心として、616億円の収入(前連結会計年度に比べ収入が2,190億円増加)となりました。 この結果、当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ1,929億円増加し、1兆9,593億円となり、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ50億円減少し、1,678億円となりました。 なお、有利子負債は、社債、借入金及びリース負債であります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入、製造費用、受注建設工事の費用支払および販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資資金需要の主なものは、鉄鋼事業における成長および収益向上、GX(グリーントランスフォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)等の戦略投資および製造基盤整備を目的とした設備投資です。 運転資金は、主に金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパーの発行等により調達しております。投資資金は、自己資金を基本としておりますが、自己資金を上回る資金需要については、金融機関からの長期借入金や社債の発行等で調達しております。 当社グループでは、複数の金融機関との間でコミットメントラインを設定することにより、十分な資金の流動性を確保しております。 c.目標とする指標の達成状況 当社グループは、2025年5月に公表した第8次中期経営計画(2025~2027年度)の中で、以下の通り2027年度の財務・収益目標を掲げています。 第8次中期経営計画に掲げる施策や、鋼材価格の引き上げ、自社努力によるコスト削減等を推進し、2027年度の目標達成に向けて取り組んでまいります 。 ■第8次中期経営計画 目標(2027年度)   実績 (2025年度) グループ全体   連結事業利益   4,000億円   1,353億円 ROE   少なくとも10%   2.7% Debt/EBITDA倍率   3倍程度   4.8倍 D/Eレシオ   60%程度   59.4% 事業会社   鉄鋼事業 ・セグメント利益   2,600億円   380億円 エンジニアリング事業 ・セグメント利益   420億円   239億円 商社事業 ・セグメント利益   600億円   402億円 (注)D/Eレシオ:格付け評価上の資本性を持つ負債について、格付け機関の評価により資本に算入しております。 目標(2027年度)   実績 (2025年度) 株主還元方針 (配当性向)   配当性向30%程度 ただし80円/株が下限    80円/株 (配当性向72.5%) なお、当連結会計年度の分析につきましては、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.当連結会計年度の経営成績の分析」に記載しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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