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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

東京海上ホールディングス

Tokio Marine Holdings, Inc.8766 · Prime · 保険業

東京海上日動火災保険を中核とする保険持株会社。国内損保・生保、海外保険、ソリューション事業を展開。

概要

東京海上ホールディングスは、東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険、日新火災海上保険などを傘下に持つ日本最大の損害保険グループ持株会社である。国内損害保険でトップシェアを占め、北米・欧州・アジアに海外保険事業を展開する。2026年3月期の連結経常収益は8兆4,401億円、当期純利益は4,504億円。従業員数は約6万7,500人。東京証券取引所プライム市場に上場する。

国内損害保険事業が収益の過半を支える

グループの中核である東京海上日動火災保険は、自動車保険、火災保険、傷害保険を個人・法人向けに提供する。国内損害保険事業は2026年3月期に保険収益3兆406億円、当期利益2,375億円を計上した。自動車保険は任意保険を中心に幅広いラインアップを持ち、火災保険は住宅・物件向け、傷害保険は日常生活や旅行中の事故を補償する。国内損保市場でトップシェアを維持し、安定した収益基盤となっている。

生命保険事業はCSM残高を拡大するも当期損失

東京海上日動あんしん生命保険は個人生命保険と個人年金を主力とする。2026年3月期の保険収益は2,654億円、契約上のサービス・マージン(CSM)残高は1兆1,497億円と前年から318億円増加した。一方、当期利益は2,048億円の損失となり、前年の1,238億円減少した。同社は「あんしんReboot」戦略のもと、ヘルスケアサービスや新たな保障商品の開発に取り組み、収益改善を図っている。

海外保険事業が最大の収益源に成長

海外保険事業は北米、欧州、アジアで損害保険・生命保険を展開する。2026年3月期の保険収益は4兆4,483億円と全セグメントで最大であり、当期利益も5,027億円とグループ利益の過半を占めた。Tokio Marine Holdings傘下の子会社を通じ、現地市場に根差した保険引受を行う。グローバルなリスク分散と専門性の高いアンダーライティングが強みで、保険料収入の拡大と料率見直しにより持続的な収益成長を目指す。

ソリューション事業で保険周辺サービスを提供

ソリューション・その他事業は、リスクコンサルティング、アセットマネジメント、システム開発など保険周辺サービスを手掛ける。2026年3月期のその他収益は3,276億円、当期利益は145億円。グループの436子会社と25の関連会社を統括する持株会社の下で、各事業の連携を強化し、AI・データを活用したアンダーライティングの高度化や生産性向上に取り組む。内部統制とガバナンスの強化も重点課題としている。

業界の中での役割は保険持株会社にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
8.9兆円
税引前利益
7,507億円
利益率
8.5%
純利益
5,313億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01国内損害保険主力

東京海上日動火災保険等を通じ、自動車保険・火災保険・傷害保険等の損害保険を提供。個人・法人向けに幅広いラインアップ。

主な製品・サービス3
自動車保険
個人向け任意自動車保険及び法人向け自動車保険。
火災保険
住宅・物件向け火災保険。
傷害保険
日常生活・旅行中の怪我を補償する保険。

02国内生命保険主力

東京海上日動あんしん生命保険等を通じ、個人・法人向け生命保険・個人年金を提供。

主な製品・サービス2
個人生命保険
死亡保障・医療保障等の個人向け生命保険。
個人年金
老後資金形成のための年金保険。

03海外保険主力

Tokio Marine Holdings, Inc.傘下の海外子会社を通じ、損害保険・生命保険をグローバルに展開。北米・欧州・アジア等で事業。

04ソリューション・その他副次

リスクコンサルティング、アセットマネジメント、システム開発等の保険周辺サービスを提供。

製品と技術

国内損害保険の主力三商品

東京海上日動火災保険は自動車保険、火災保険、傷害保険を中核商品とする。自動車保険は個人向け任意保険から法人向け包括契約までカバーし、事故時の迅速な対応が特徴。火災保険は住宅・店舗・工場など物件の種類に応じた補償を提供する。傷害保険は日常生活や旅行中のケガを補償し、家族型や個人型など多様なプランを用意する。これらの商品は代理店チャネルとダイレクトチャネル(東京海上ダイレクト損害保険)を通じて販売される。

生命保険商品と個人年金のラインアップ

東京海上日動あんしん生命保険は個人生命保険と個人年金を主力とする。個人生命保険は死亡保障・医療保障・介護保障などを組み合わせた商品を提供し、顧客のライフステージに応じた設計が可能。個人年金は老後資金形成を目的とし、確定年金や終身年金などがある。同社は「あんしんReboot」戦略のもと、未病・早期発見・重症化予防に関連する新たな保障とヘルスケアサービスの開発を進めている。

AIとデータを活用したアンダーライティング技術

グループ全体でAI・データ分析を保険引受(アンダーライティング)に活用している。過去の事故データや外部ビッグデータを解析し、リスク評価の精度を高めることで、適正な保険料設定と収益改善を実現。特に海外保険事業では専門性の高い引受能力が競争力の源泉となっている。また、ダイレクトチャネルではアプリの機能拡充や自動化を進め、顧客利便性の向上と生産性向上を両立している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

保険業のなかでの位置

国内損保首位級で海外成長強化

国内損害保険業界でトップクラスの地位を確立し、自動車保険・火災保険などで高いシェアを誇る。業界内では生命保険を扱うかんぽ生命などとはビジネスモデルが異なるが、保険業界全体の中では突出した規模。売上高は2024年3月期7兆4,247億円から2026年3月期8兆8,723億円へと大幅に増加しており、海外事業や再保険事業の拡大が寄与している。国内市場が成熟する中、成長戦略として海外保険事業を積極展開しており、収益の多様化を図っている。また、自然災害リスクへの対応力が課題である。

強み

  • 損害保険で国内トップクラスのシェアを誇り、ブランド力と販売網が強み。
  • 海外保険事業が売上成長を牽引。既に海外で大きな収益基盤を構築。
  • 保険料収入による安定的な収益と、資産運用による収益が安定。
  • 国内外の保険事業を組み合わせることで、地域的・事業的なリスクを分散。

課題

  • 巨大地震や台風などの自然災害により、保険金支払いが急増するリスク。
  • 国内保険市場は成熟しており、新規顧客の開拓や収益拡大が難しい。
  • 同業他社や異業種参入により競争が激化し、保険料の低下圧力がある。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

保険の時価総額近傍。太字が東京海上ホールディングス

時価総額で並べると、掲載6社のなかで1番目にあたる。

#企業時価総額PER
18766東京海上ホールディングス15.0兆円27.8倍
28725MS&ADインシュアランスグループホールディングス7.7兆円9.7倍
36178日本郵政7.5兆円19.5倍
48750第一ライフグループ6.7兆円15.2倍
58630SOMPOホールディングス6.4兆円27.4倍
68795T&Dホールディングス2.4兆円17.4倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(保険)に従っています。

会社の歴史

沿革 8件

共同株式移転契約から持株会社設立へ

2001年9月、東京海上火災保険と日動火災海上保険が株式移転により完全親会社を設立する共同株式移転契約を締結した。両社は臨時株主総会を経て、同年12月に設立を承認。2002年4月に東京海上ホールディングス(当初は株式会社ミレアホールディングス)を設立し、東京証券取引所と大阪証券取引所各市場第一部に上場した。同時に米国ナスダックにもADRを上場し、国際的な資金調達基盤を整えた。

生保合併であんしん生命が誕生

2003年10月、子会社の東京海上あんしん生命保険と日動生命保険が合併し、東京海上日動あんしん生命保険に商号変更した。これにより国内生命保険事業の基盤が一本化され、個人生命保険と個人年金の販売体制が強化された。合併後のあんしん生命は、お客様本位の経営を掲げ、保障商品の充実とサービスの向上に注力した。

スカンディア生命買収と損保統合の2004年

2004年2月、東京海上火災保険を通じてスカンディア生命保険の全株式を取得し、同年4月に東京海上日動フィナンシャル生命保険に商号変更した。同年10月には東京海上火災保険と日動火災海上保険が合併し、東京海上日動火災保険が発足した。これにより損害保険事業も統合され、グループの国内損保・生保の体制が整った。

日新火災を完全子会社化し事業を拡大

2006年4月、東京海上日動火災保険から会社分割で日新火災海上保険の管理営業を承継し、同年9月の株式交換により日新火災を完全子会社とした。日新火災はその後もグループ内で独立したブランドとして事業を継続し、国内損害保険の多様な顧客基盤の拡大に貢献した。この買収によりグループの損保市場シェアはさらに高まった。

商号変更とグループ再編の完了

2007年7月、株式会社ミレアホールディングスから東京海上ホールディングスに商号変更し、現在のグループ名が確定した。同時にナスダックADRを廃止し米国店頭市場に移行。また、東京海上日動あんしん生命保険と東京海上日動フィナンシャル生命保険が合併し、生命保険事業を一本化した。これにより持株会社体制が現在の形に収束した。

プライム市場への移行

東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、従来の市場第一部からプライム市場へ移行した。これにより上場基準の厳格化に対応し、高い流動性とガバナンス水準を維持している。移行後もグループは国内損保首位の地位を堅持し、海外事業の拡大と収益基盤の多様化を進めている。

年表8件を開く

2000年代

  • 2001年9月創業東京海上火災保険株式会社および日動火災海上保険株式会社が、株式移転により完全親会社を設立することに関し、共同株式移転契約を締結した。
  • 2001年12月創業東京海上火災保険株式会社および日動火災海上保険株式会社の臨時株主総会において当社設立が承認された。
  • 2002年4月創業当社を設立した。東京証券取引所および大阪証券取引所各市場第一部に上場した(2013年7月に大阪証券取引所市場第一部は東京証券取引所市場第一部に統合)。米国ナスダックにADRを上場した。
  • 2003年10月M&A当社の子会社である東京海上あんしん生命保険株式会社(存続会社)および日動生命保険株式会社が合併し、東京海上日動あんしん生命保険株式会社に商号変更した。
  • 2004年2月商号変更当社の子会社である東京海上火災保険株式会社を通じてスカンディア生命保険株式会社の発行済全株式を取得した。同年4月に東京海上日動フィナンシャル生命保険株式会社に商号変更した。
  • 2004年10月M&A当社の子会社である東京海上火災保険株式会社(存続会社)および日動火災海上保険株式会社が合併し、東京海上日動火災保険株式会社に商号変更した。
  • 2006年4月M&A当社の子会社である東京海上日動火災保険株式会社から、会社分割により同社の日新火災海上保険株式会社管理営業を承継した。同年9月に、株式交換により日新火災海上保険株式会社を当社の完全子会社とした。
  • 2007年7月上場米国ナスダックにおけるADRの上場を自主的に廃止し、同国店頭市場に移行させた。株式会社ミレアホールディングスから東京海上ホールディングス株式会社に商号変更した。当社の子会社である東京海上日動あんしん生命保険株式会社(存続会社)および東京海上日動フィナンシャル生命保険株式会社が合併した。東京証券取引所の市場区分の見直しを受け、同取引所の市場第一部からプライム市場に移行した。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 修正純利益(IFRS)2026年度まで9,500億円
  • 修正ROE(IFRS)2026年度まで13.0%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    成長の3本柱の推進

    価値提供領域の飛躍的な拡大(ソリューション事業等)、ディストリビューションの多様化・複線化(ダイレクトチャネル拡充等)、生産性の徹底的な向上(AI・データ活用)を重点戦略として取り組む。

  2. 02

    グローバルリスク分散と一体経営

    高度な保険引受能力や専門性を活かした保険料収入拡大、保険料率見直しにより保険引受利益を持続拡大。グローバルなリスク分散や戦略的M&Aも推進。

  3. 03

    ソリューション事業の収益柱化

    保険と一体的にリスク・損害を減らすソリューションを提供し、社会のレジリエンス向上を実現。防災・減災、モビリティ、ヘルスケア、脱炭素分野で事業規模拡大を図る。

  4. 04

    AI活用による変革と生産性向上

    AIをビジネスモデル変革の鍵と位置づけ、アンダーライティングや照会応答の高度化・自動化による顧客利便性向上と生産性向上に取り組む。

  5. 05

    人的資本強化とガバナンス高度化

    多様な人材が活躍できる環境整備や将来に向けた人材投資を実施。監査等委員会設置会社への移行等によりガバナンスを強化し、内部統制・資本管理の高度化に取り組む。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で67,526人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,487万円で、9期前と比べて+11.1%平均年齢は42.4歳、平均勤続年数は14.8年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数
2017年3月38,842
2018年3月39,191
2019年3月1,33843.519.640,848
2020年3月1,24543.219.041,101
2021年3月1,29343.718.143,257
2022年3月1,41343.318.2
2023年3月1,43143.217.5
2024年3月1,39042.816.843,870
2025年3月1,53641.716.251,436
2026年3月1,48742.414.867,526

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社15(国内 5 / 海外 10、うち連結子会社 14) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位2)
海外保険事業 — 本社(米国・デラウェア州・ウィルミントン)441,451億円
海外保険事業 — 本社(ブラジル・サンパウロ)28,847億円
ほか10件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    東京海上日動火災保険株式会社
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    日新火災海上保険株式会社
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東京海上ダイレクト損害保険株式会社
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東京海上日動あんしん生命 保険株式会社
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ID&Eホールディングス株式会社
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tokio Marine North America, Inc.
    米国・デラウェア州・ウィルミントン · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Philadelphia Consolidated Holding Corp.
    米国・ペンシルバニア州・バラキンウィッド · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Delphi Financial Group, Inc.
    米国・デラウェア州・ウィルミントン · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    HCC Insurance Holdings, Inc.
    米国・デラウェア州・ウィルミントン · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Privilege Underwriters, Inc.
    米国・デラウェア州・ウィルミントン · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tokio Marine Kiln Group Limited
    英国・ロンドン · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tokio Marine Asia Pte. Ltd.
    シンガポール・シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社3社を開く
  • Tokio Marine Life Insurance Singapore Pte. Ltd.シンガポール・シンガポール100%
  • Tokio Marine Seguradora S.A.ブラジル・サンパウロ99%
  • IFFCO-TOKIO General Insurance Company Limitedインド・ニューデリー49%
国際子会社 (GLEIF登録 15社)
  • GBTOKIO MARINE KILN GROUP LIMITED
  • GBTOKIO MARINE KILN INSURANCE SERVICES LIMITED
  • GBKILN PENSION GUARANTEE LIMITED
  • GBTOKIO MARINE HCC INSURANCE HOLDINGS (INTERNATIONAL) LIMITED
  • GBNAMECO (NO.808) LIMITED
  • GBHCC UNDERWRITING AGENCY LTD
  • JP東京海上アセットマネジメント株式会社
  • USTokio Marine Asset Management (USA), Ltd.
  • USHOUSTON CASUALTY COMPANY
  • GBHCC INTERNATIONAL INSURANCE COMPANY PLC
  • SGTOKIO MARINE LIFE INSURANCE SINGAPORE PTE. LTD.
  • GBKILN UNDERWRITING LIMITED

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は8.9兆円税引前利益7,507億円前期と比べると増収増益で、売上が+5.1%、利益が+25.9%。

売上高
+5.1%
8.9兆円
税引前利益
+25.9%
7,507億円
純利益
+18.0%
5,313億円
利益率
8.5%
前期比 +1.4%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高8.9兆円
純利益8,300億円5,313億円
1株あたり配当¥245¥245

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、経常収益は4.4兆円、営業利益は1,615億円。前年の2025年2Qと比べると、経常収益は+0.6%、営業利益は−17.5%。

対象期間経常収益兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2022年2Q1.431,1548.11,096
2022年3Q1.491,048
2023年1Q1.631,246
2023年2Q1.781,2967.3−381
2023年3Q1.801,849
2024年1Q1.821,280
2024年2Q1.923471.8770
2024年3Q1.893,125
2025年2Q4.341,9574.56,885
2026年2Q4.371,6153.76,868

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、経常収益は3.9兆円から8.9兆円へ2.3倍に増えた。税引前利益率は5.4%から8.5%になった。経常収益は5期連続で増加。

決算期経常収益兆円税引前利益億円税引前利益率%純利益億円
2013年3月3.862,0755.41,296
2014年3月4.172,7446.61,841
2015年3月4.333,5828.32,474
2016年3月4.583,8588.42,545
2017年3月5.233,8777.42,739
2018年3月5.403,4496.42,842
2019年3月5.484,1637.62,746
2020年3月5.473,6396.72,598
2021年3月5.462,6674.91,618
この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2022年3月5.865,6749.74,205
2023年3月6.614,9427.53,746
2024年3月7.428,42611.36,958
2025年3月8.445,9637.14,504
2026年3月8.877,5078.55,313

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。この会社の連結損益計算書には営業利益の段がないため、税引前利益を利益として並べています。

利益の構造

2026年3月期

経常収益8.9兆円のうち、税引前利益として残るのは7,507億円8.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は5,313億円、売上の6.0%にあたる。税引前利益率は業種中央値7.9%を上回る水準。

経常収益を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金91.5%8.1兆円
  • 税引前利益費用を引いたあとに残った本業の利益8.5%7,507億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

税引前利益率業種比+0.6pt
8.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比0.0pt
6.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比1.6pt
7.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
1.6%
資産全体がどれだけ利益を生んだか

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1.4兆円、投資CFが−4,027億円で、差し引きのフリーCFは9,879億円期末の手元現金は2.3兆円

決算期営業CF兆円投資CF兆円財務CF兆円現金残高兆円
2013年3月0.14−0.760.490.98
2014年3月0.42−0.17−0.350.92
2015年3月0.680.25−0.441.43
2016年3月0.87−0.90−0.121.28
2017年3月0.94−1.460.371.11
2018年3月0.92−0.36−0.631.03
2019年3月0.95−0.57−0.381.02
2020年3月1.00−2.551.541.02
2021年3月1.18−0.73−0.510.92
2022年3月1.10−0.67−0.500.91
2023年3月1.010.02−1.010.99
2024年3月1.07−0.63−0.411.33
2025年3月2.01−0.18−1.221.94
2026年3月1.39−0.40−0.642.33

金融業では預金・貸出・有価証券運用の増減が営業CFと投資CFに含まれます。一般事業会社向けのフリーCFの解釈は当てはまらないため掲載していません。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は33.0兆円。このうち返さなくてよい自己資本が8.0兆円で、自己資本比率は24.1%(業種中央値21.7%より厚い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月18.032.3615.6713.0
2014年3月18.952.7416.2114.3
2015年3月20.893.6117.2817.1
2016年3月21.863.5118.3415.9
2017年3月22.613.5719.0415.7
2018年3月22.933.8419.0916.6
2019年3月22.533.6018.9315.9
2020年3月25.253.4321.8313.3
2021年3月25.773.7222.0414.2
2022年3月27.254.0723.1714.8
2023年3月27.403.6023.8013.1
2024年3月31.147.5123.6324.1
2025年3月30.507.0923.3823.2
2026年3月33.007.9624.9524.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
2.3兆円
すぐ使えるお金
利益剰余金
7.0兆円
過去の利益の積み上がり
負債合計
25.0兆円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

保険業 14社との比較

同じ保険業の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率14社中6位あたり、逆に低いのは配当利回り14社中13位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
7.1%/中央値 8.6%
P25 7.5%P75 10.2%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 7.9%
P25 3.7%P75 9.8%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
24.1%/中央値 21.7%
P25 7.1%P75 37.9%
経常収益成長率前期からの売上の伸び
5.1%/中央値 9.0%
P25 -5.7%P75 14.6%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.1%/中央値 3.1%
P25 2.8%P75 4.2%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥7,775で、1年前と比べて+24.2%過去52週の値幅のなかでは78%の位置にある。

¥7,775-0.4%1ヶ月+0.9%1年+24.2%時価総額15.0兆円
過去52週の値幅
安値¥5,300高値¥8,468

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)27.8倍
PER (会社予想)17.6倍
PBR1.80倍
配当利回り3.15%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月29日の高値8,393円から調整が続き、8月21日には7,347円まで下落しました。前日比+1.58%と反発しましたが、1カ月では7.68%下落しています。25日移動平均線(7,786.44円)を約5.6%下回っており、短期的な弱気トレンドが鮮明です。75日線(7,499.61円)も割り込み、下値支持は200日線(6,638.21円)が有力です。RSIは23.64と売られ過ぎの水準にあり、自律反発の可能性はありますが、52週高値8,468円からは約13%下落しており、戻り売り圧力が続く展開が予想されます。出来高は増加傾向で、売り圧力の強さを示しています。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 55/100)

PERは26.32倍と業界平均の20.28倍を上回るが、予想PERは16.6倍と割安感がある。PBRは1.7倍で平均2.35倍を下回り、割安。ROEは7.06%と平均より低いが、保険業の特性を踏まえると妥当な水準。配当利回りは3.33%と平均3.12%を上回り、株主還元は良好。配当性向は67.29%と高く、今後の増配余地は限定的。業績は経常収益が増加傾向だが、純利益はやや減少。総合的に見て、割安と割高の中間でほぼ妥当と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)27.8倍20.2倍
PER (予想)17.6倍
PBR1.80倍2.35倍
ROE7.1%9.2%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

保険料率の自由化や自然災害の頻発で収益が変動しやすい。強気派は、国内シェアとグローバル展開による収益の多様化を評価し、AIやデータ分析を活用したリスク評価で競争力を高めるとみる。一方、弱気派は、自然災害による保険金支払いの増加が業績を圧迫し、国内保険市場の成熟で成長性が乏しいと指摘。株式市場の変動が運用益に与える影響も懸念材料。

プラスに働く材料7
  • 国内トップの地位

    日本で最大の損害保険シェアを持ち、安定的な顧客基盤を持つ。

  • グローバル展開

    海外事業を拡大し、地域分散で国内市場の停滞を補う。

  • AI活用

    データ分析による販売効率化を進め、顧客に合わせた商品提案を強化。

  • FY26純利益5,313億円へ増益回復通年影響

    FY25 4,504億円からFY26 5,313億円へ約18%増益

  • 売上高8兆8,723億円と過去最高通年影響

    売上高は7兆4,247億→8兆8,723億円と拡大が継続

  • 配当利回り3.09%と安定配当通年影響

    配当利回り3.09%、純利益5,313億円で余裕

  • 外国人保有比率41.3%と高水準継続影響

    外国人保有比率41.3%、指数投資資金が下支え

マイナスに働く材料7
  • 自然災害のリスク

    地震や台風などで保険金支払いが膨らみ、損益が悪化する可能性がある。

  • 保険市場の成熟

    国内で人口減少や競争激化で保険料収入の伸びが期待しにくい。

  • 運用環境の変動

    金利の動向や株式市場の乱高下が運用収益を不安定にする。

  • FY25純利益4,504億円へ大幅減益決算発表後影響

    FY24 6,958億円からFY25 4,504億円へ約35%減

  • 現在PER28.41倍と割高水準継続影響

    PER28.41倍、予想PER18倍に比べ現在が高い

  • 自然災害リスクが再び収益を圧迫不定影響

    FY25に4,504億円まで減益した要因の再発懸念

  • ROE7.06%は低くPBR1.87倍が過大通年影響

    ROE7.06%に対しPBR1.87倍、資本効率改善が急務

次の決算で確かめる点
国内損保シェア
市場での競争力を測り、顧客基盤の維持を確認するため。
海外収益比率
グローバル展開の成果と依存度を評価するため。
主要な自然災害による保険金支払い
リスクに応じた収益の変動を監視するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり245で、前期から+26.7%いまの株価に対する利回りは3.15%。増配か配当維持が6年続いている。

年間配当
¥245
1株あたり
配当利回り
3.15%
いまの株価に対して
配当性向
67.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
6年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月47153.6
2018年3月5314.358.4
2019年3月8356.364.4
2020年3月75−10.085.0
2021年3月784.496.8
2022年3月858.561.9
2023年3月10017.676.5
2024年3月12323.0123.8
2025年3月17239.848.0
2026年3月21826.767.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥245

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ317,566人。区分でいちばん多いのは外国法人41.3%。グループ会社や銀行などの安定株主が36.9%を占め、残る63.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人32.933.833.637.139.541.3
金融機関40.941.539.637.036.533.0
個人・その他13.513.014.514.214.817.4
証券会社6.36.06.56.24.74.4
事業法人6.55.85.85.54.53.9
自己株式0.60.20.50.20.52.8
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口16.62
02株式会社日本カストディ銀行信託口7.37
03STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)3.44
04MOXLEY AND CO LLC (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.77
05THE CHASE MANHATTAN BANK,N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.49
06東海日動従業員持株会1.44
07明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)1.39
08JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.38
09ゴールドマン・サックス証券株式会社 BNYM (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.15
10JP MORGAN CHASE BANK 385642 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.11

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+65%、1株純資産は14期で+39%。直近期のROEは7.1%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1693,0526.215.7100.8
2014年3月2403,5367.312.9433.7
2015年3月3244,7437.914.051.2
2016年3月3374,6177.211.3144.6
2017年3月3644,7227.812.9153.6
2018年3月3835,2457.712.458.4
2019年3月1281,6867.414.064.4
2020年3月1231,6117.513.485.0
2021年3月771,7624.622.796.8
2022年3月2041,97710.911.661.9
2023年3月1861,8009.813.776.5
2024年3月3523,80815.913.4123.8
2025年3月2313,6856.224.848.0
2026年3月2794,2357.126.267.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

21名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は21名。2026/3期の役員報酬は総額2,240百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
小宮暁取締役会長6670,200
小池昌洋取締役社長(代表取締役)グループCEO、グループカルチャー総括545,800
岡田健司取締役副社長(代表取締役)6250,800
山本吉一郎取締役副社長(代表取締役)海外事業総括、Co-Head of International Business6528,000
藤田桂子常務取締役5831,700
城田宏明取締役執行役員 国内事業総括5610,900
御立尚資取締役697,000
遠藤信博取締役7211,700
片野坂真哉取締役714,500
大薗恵美取締役616,300
進藤孝生取締役7610,000
ロバート・フェルドマン取締役73
残りの役員9名を開く
氏名役職年齢保有株数
松山遙取締役59
湯浅隆行常勤監査役6861,100
原島朗常勤監査役6557,600
和仁亮裕監査役75
大槻奈那監査役61
清水順子監査役672,500
森脇陽一専務取締役(代表取締役)グループ事業戦略総括6025,800
鍋嶋美佳常務取締役 グループサステナビリティ総括5710,800
サイマ・ハサン取締役40

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数業績連動百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)1626327644298261
取締役(社内)926324232883493
社外取締役73311414821
監査役513813828
監査役2787839
社外監査役3606020

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

ニュース

AI解説

今日の重要ニュースより

「今日の重要ニュース」で東京海上ホールディングスを取り上げた解説を、新しい順に並べている。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容394字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社436社および関連会社25社により構成されており、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業およびソリューション・その他事業を営んでいます。 また、当社は特定上場会社等です。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 2026年3月31日現在の事業の系統図は以下のとおりです。 (注)1. 東京海上ダイレクト損害保険株式会社は、2025年10月1日付でイーデザイン損害保険株式会社から名称変更しました。 2. Tokio Marine Life Insurance Singapore Pte. Ltd.は、2025年10月18日付でTokio Marine Life Insurance Singapore Ltd.から名称変更しました。
経営方針・対処すべき課題3,817字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1)経営方針 ①経営理念 当社は、東京海上グループの全役職員が共有する経営理念を策定しており、その内容は次のとおりです。 <東京海上グループ経営理念> 東京海上グループは、お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていきます。 ○お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。 ○株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。 ○社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。 ○良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。 ②東京海上グループ中期経営計画2026 ~次の一歩の力になる。~ 東京海上グループは、事業環境が加速度的に変化するなかでも、お客様や社会の“いざ”をお守りするというパーパスを果たし続けるために、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては、グローバルなリスク分散およびグループ一体経営をグループの基本戦略とし、成長の3本柱(①価値提供領域の飛躍的な拡大、②ディストリビューションの多様化・複線化および③生産性の徹底的な向上)ならびに規律の2本柱(①内部統制およびガバナンスの強化および向上ならびに②事業ポートフォリオおよび資本管理の高度化)をグループの重点戦略として取り組んでいます。 ③目標とする経営指標等 東京海上グループは、企業価値を的確に把握しその拡大に努める観点から、グループ全体の業績を示す経営指標として修正純利益および修正ROE(いずれも国際財務報告基準(IFRS))を掲げています。 2026年度の修正純利益および修正ROEは、前年の自然災害が少なかったことの反動の一方で、国内保険事業における自動車保険の収支改善、前年に実施したボルトオン買収の利益貢献および国内外の為替の影響により、本有価証券報告書提出日現在において、それぞれ9,500億円、13.0%を見込んでいます。 なお、当事業年度までの経営指標としては修正純利益および修正ROE(いずれも日本基準)を掲げており、当事業年度の半期報告書提出日時点においては、それぞれ11,100億円、20.5%を見込んでいましたが、政策株式売却益の増加等により、実績はそれぞれ12,048億円、22.0%となりました。 修正純利益および修正ROE(いずれも国際財務報告基準(IFRS))は、それぞれ次の方法で算出します。 ・修正純利益*1 修正純利益=連結当期利益*2-キャピタル損益*3-ALM*4・ヘッジ関連損益-事業投資関連損益*5 ・修正純資産*1,6 修正純資産=連結純資産*7-含み損益 ・修正ROE 修正ROE=修正純利益÷修正純資産 *1 調整額は税引後です。 *2 連結財務諸表上の「親会社の所有者に帰属する当期利益」です。 *3 ALM*4・ヘッジ関連損益以外のキャピタル損益をいいます。 *4 ALMとは、資産・負債の総合管理をいいます。 *5 その他無形資産償却額等を含みます。 *6 平均残高ベースで算出しています。 *7 連結財務諸表上の「親会社の所有者に帰属する持分合計」です。 (2)経営環境及び対処すべき課題 2026年度も、気候変動による災害の激甚化、AIの急速な進歩、変化の激しい各国の政治・社会情勢や地政学リスク等、国内外の先行きに対する不透明感が強い状況は続く見込みです。 こうした状況のなか、東京海上グループは、パーパスに基づく2035年にありたい姿(「Aspiration」)として、「日本発のグローバルカンパニーとして、安心・安全の提供を通じ、お客様や社会の“いざ”と“いつも”をお守りし、幸せにあふれる社会と未来の創造に挑戦し続ける」という姿を掲げています。2026年度は、「東京海上グループ中期経営計画2026~次の一歩の力になる。~」の最終年度となります。計画の達成に向けて、各事業がオーナーシップを発揮しながら、ソリューション事業を中心とした価値提供領域の飛躍的な拡大、ダイレクトチャネルの拡充等の販売チャネルの多様化・複線化、AI・データ等を活用したアンダーライティング(保険引受)の高度化・自動化や生産性の徹底的な向上、そして内部統制・ガバナンスの強化と資本管理の高度化に取り組んでまいります。 各事業における今後の取組みは、次のとおりです。 <国内損害保険事業> 東京海上日動火災保険株式会社は、中期経営計画のキーコンセプトである「Re-New」のもと、「本当に信頼されるお客様起点の会社」となることをめざし、引き続き組織風土の変革を進めてまいります。また、「リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社」として、保険金支払いに留まらない事前(リスクや損害の発生の抑制)・事後(早期復旧や再発防止)の領域における商品・サービスの提供にも取り組んでまいります。東京海上ダイレクト損害保険株式会社は、AI・データ等を活用したアプリケーションの機能拡充等、ダイレクトの強みを活かしながらお客様起点で品質を高めることで事業基盤の強化を図ってまいります。 <国内生命保険事業> 東京海上日動あんしん生命保険株式会社は、創業以来の理念に立ち返り、引き続き「お客様本位の生命保険事業」の運営に向けた取組みとガバナンスの強化に取り組んでまいります。また、お客様本位の取組みのさらなる強化と今後予想される環境変化に対応するための成長戦略である「あんしんReboot(再起動)」のもと、未病・早期発見・重症化予防等の領域における新たな保障・サービスの開発や、保障と一体型のヘルスケアサービスの提供等にも取り組みながら、持続的な成長の実現をめざします。 <海外保険事業> 引き続き、高度な保険引受能力や専門性を活かした保険料収入の拡大、保険料率の見直し等を通じて、保険引受利益を持続的かつ安定的に拡大してまいります。加えて、競争力ある商品のグローバル展開や資産運用の高度化等、海外保険事業全体におけるシナジーの拡大とともに、収益性の向上に取り組んでまいります。また、さらなる質の高いポートフォリオの構築に向け、グローバルなリスク分散や戦略的なM&Aの実行に取り組んでまいります。 <ソリューション・その他事業> 多様なリスクや損害そのものを減らすソリューションを保険と一体的に提供していくことで、社会全体のレジリエンス向上を実現するとともに、ソリューション事業を国内保険事業と海外保険事業に次ぐ東京海上グループの収益の柱とすることをめざします。お客様や社会の課題は多様化・複雑化していますが、当社はこの環境をお客様や社会のお役に立てる重要な成長機会として捉えています。ID&Eホールディングス株式会社および東京海上日動火災保険株式会社等が共創して取り組んでいる防災・減災領域をはじめ、モビリティ、ヘルスケア(予防・未病)や脱炭素社会への移行等の複数の領域においてソリューションを提供し、事業規模の拡大を図ってまいります。 これらの各事業を支え、「People's Business(人とその信頼からなる事業)」である保険事業を営む東京海上グループの競争力の源泉となるのは、昔も今もこれからも「人」です。すべてのステークホルダーの「幸せ(Happiness)」に貢献できる企業として、社員一人ひとりが適材適所でやりがいと誇りをもって活躍できるよう支援し、多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる公正な環境を整えます。将来に向けた人材投資も行い、100年後もお客様や社会の“いざ”と“いつも”をお守りする存在であり続けるための人的資本および人材基盤の強化にグループを挙げて取り組んでまいります。 東京海上グループは、急速に進歩するAIをビジネスモデル変革の鍵と位置付けています。AIを徹底的に活用し、アンダーライティング(保険引受)や照会応答の高度化等を通じてお客様の安心や利便性を飛躍的に高めることに加え、生産性の向上にも取り組んでまいります。 2026年3月には、世界で最も成功した投資会社の一つであり、保険事業を中核に卓越した投資実績を有するBerkshire Hathawayグループとの戦略的提携に合意しました。同グループの強固な財務基盤および保険・再保険分野における豊富な引受経験と、当社のグローバルに展開する保険プラットフォーム、業界をリードする保険引受力等の双方の強みを結集するとともに、共同投資によるM&Aの実行等を通じて、当社の持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。 株主還元については、配当を基本とする方針としています。事業を通じた利益成長と配当の拡大は整合的であるべきとの考えに基づき、力強い利益成長を通じ、継続的な増配を実現できるよう努めてまいります。 当社は、2026年6月29日開催予定の第24回定時株主総会の承認が得られることを条件に、同日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行します。これにより、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念のもと、「成長戦略とガバナンスの高位均衡」の実現を、さらに進化、充実させながら、グループを挙げて業務に邁進してまいります。
事業等のリスク7,135字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 東京海上グループは、「リスク」、「資本」および「リターン」の関係を常に意識し、リスク対比での健全性と収益性を両立しながら高いROEをめざす「リスクベース経営(ERM:Enterprise Risk Management)」を行っています。 ○リスクベース経営(ERM)のイメージ図 具体的には、リスクアペタイト・フレームワークを起点に、事業計画の策定および検証ならびに事業計画に基づいた資本配分計画を決定するERMサイクルにより「リスク」、「資本」および「リターン」を適切にコントロールし、企業価値の持続的な拡大をめざしています。 ○ERMサイクルのイメージ図 (注)1.環境変化等により新たに現れるリスクであり、従来リスクとして認識されていないものおよびリスクの程度が著しく高まったものをいいます。 2.財務の健全性、業務継続性等に極めて大きな影響を及ぼすリスクをいいます。具体的には、エマージングリスクおよび前事業年度のグループの重要なリスクにつき、影響度(経済的影響、業務継続への影響およびレピュテーションへの影響で評価し、最も大きいものを採用)ならびに頻度・蓋然性を評価し、以下の5×5のマトリクスを用いて特定しています。 (1)定性的リスク管理 事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価および対応策のPDCAを実施し、毎年取締役会に報告しています。 ○重要なリスクの一覧 重要なリスク/シナリオ   対応例 ①経済・金融危機 〇リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスクや大規模災害等に起因する金融・資本市場の混乱等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 〇政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。   <経済的影響への対応> ・地政学リスク等の市場への影響を調査する。 ・信用リスク集積管理等により、エクスポージャーをコントロールする。 ・ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。 ・金融危機のアクションプランを整備する。 ②巨大地震 〇首都直下地震、南海トラフ巨大地震、米国における大規模地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。   <経済的影響への対応> ・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。 ・②、③および⑤はストレステストを行い、②および⑤については資本十分性や資金流動性を、③については資金流動性を確認する。   <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 ③巨大風水災・セカンダリーぺリル (含む気候関連物理的リスク) 〇巨大台風や集中豪雨の発生や、雹災、森林火災、洪水等のセカンダリーペリルの多発により、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 ④火山噴火 〇富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 ⑤新ウイルスのまん延 〇致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。 ⑥インフレーション 〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。   <経済的影響への対応> ・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行うとともに、合理的な条件で再保険を調達する。 ⑦サイバーリスク 〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。 〇東京海上グループや外部委託先のシステムがサイバー攻撃を受け、事業活動の停止による利益の減少や情報漏えいによるレピュテーションの毀損が発生する。   <経済的影響への対応> ・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。   <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 ・外部委託管理に関する施策の展開やサイバーセキュリティ態勢の整備を行う。 ⑧法令・規制への抵触/コンダクトリスク 〇保険業法、競争法(独占禁止法、不正競争防止法等)、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、行政処分、罰金等を科されるとともに、レピュテーションを毀損する。 〇業界・企業慣行と世間の常識の乖離や重要法令への意識・知識不足、健全な企業文化の醸成・浸透の不十分さ等により、顧客に不利益が発生すること、東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされることにより、レピュテーションを毀損する。   <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・グループ会社の法令遵守状況をモニタリングし、態勢整備に向けた支援を行う。 ・国内外の社会環境、行政機関の動向、法令規制改正等を把握し、必要な対策を講じる。 ・従業員の意識や行動に関する調査について、設問を見直すとともに、好取組事例の収集や展開を行い、東京海上グループの取組みを改善する。 ⑨重要情報の漏えい・不正取得 〇従業員による他社の重要情報の不正取得や東京海上グループの保有する個人情報等の重要情報の不正持出し等により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。 ○東京海上グループや外部委託先の従業員によるAIの不適切利用により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。   <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・情報セキュリティや情報保護について、各社の運用状況をモニタリングし、グループとして必要な支援を行う。 ・情報セキュリティ研修等の従業員のセキュリティ意識・知識向上に向けた対策を行う。 ・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。 ⑩AI/データガバナンスの不足 〇AIやデータの利活用を進めるなかで、脆弱性・誤情報の出力や倫理上の課題等を適切に管理できないことにより、訴訟やレピュテーションの毀損が発生する。または、生産的な事業活動が阻害される。   <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。 ⑪地政学リスク ○国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。 〇国際秩序の乱れにより事業環境が悪化し、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。   <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 (経済的影響への対応は上記①に記載) ・情報収集や外部専門家の知見も活用し、適切な状況把握や将来予測を行う。 ⑫ビジネスモデル変革に伴うリスク 〇デジタルトランスフォーメーションやAIの進化等に対しビジネスモデルの変革が遅れることにより、東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。 〇保険業界の構造変化に対応するために進めるビジネスモデル変革において、対応の不備により顧客や代理店から理解・支持を十分に得られず、レピュテーショナルリスクが顕在化し、企業価値を毀損する。   <経済的影響への対応> ・デジタル・AIの活用に関する重点領域を選定し、集中的に投資することで、競争優位性を確保する。   <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・新たなビジネスモデルについて丁寧に説明を行い、理解を高める。 ⑬当社事業におけるディスラプション 〇革新的な新規参入者、モビリティ産業の構造転換等により、当社事業領域でのディスラプションが発生し、東京海上グループのビジネスモデルの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。   <経済的影響への対応> ・モビリティ産業の構造転換を見据えた中長期的な事業戦略を構築する。 ・デジタル保険販売を進めてノウハウを蓄積し、販売モデルを構築する。 ・保険に留まらないソリューション事業の確実な成長に向けた取組みを展開する。 ⑭システム障害 〇当社グループ会社や外部委託先等のシステムに障害等が発生して長期間停止することにより、事業継続に重大な影響が生じるとともに、レピュテーショナルリスクが顕在化し、企業価値を毀損する。   <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・ITガバナンスを確保するための具体的な運営指針を定めた基準に基づき、グループ会社の管理態勢整備を支援するとともに、リスクの高い開発プロジェクトを特定し、リスクの程度に応じた支援を実施する。 ○エマージングリスクの例 エマージングリスク/シナリオ   対応例 ①脱炭素・自然共生社会への不適切な対応 (気候・自然関連移行リスク) 〇脱炭素・自然共生社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値が下落し、東京海上グループの保有資産の価値も下落する。 〇脱炭素・自然共生社会への東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。   ・電力・エネルギーセクターとの取引に専門性を有する一部のグループ会社において、石炭を主業とする企業への保険引受・ファイナンス提供を厳格化している。 ・東京海上スマートGXやTokio Marine GX等、新たな脱炭素技術に関連する保険商品・リスクコンサルティングサービスを提供する新会社を設立するとともに、ID&Eによる自然関連リスクのコンサルティング等、自然資本関連ソリューションを提供している。 ②地球温暖化、自然資本・生物多様性の喪失 (気候・自然関連物理的リスク) 〇地球温暖化や自然資本・生物多様性の喪失の進行により自然災害の激甚化等が進み、短期的にも長期的にも保険金支払が増大する。   ・当社ポートフォリオにおける自然資本・生物多様性の観点で、重要セクターのひとつである自動車セクターのバリューチェーン分析を実施している。 ・分析を通じて、当社の自然資本・生物多様性のリスク・機会を特定し、Climate & Nature Reportへ開示している。 ③ビジネスパートナーリスク 〇企業活動に対するバリューチェーン全体を見渡した責任・期待が高まっているなか、業務提携・委託・協業先において、不祥事や事故が発生し、当社の事業継続やレピュテーションに重大な影響が生じる。   ・「責任ある調達のためのガイドライン」を定め、基本的な考え方をグループ内へ周知したうえで、ビジネスパートナーにも取組みへの協力を促している。 ・外部委託先やビジネスパートナー選定における経済安全保障に関する観点を整理のうえ、各社での取組みを推進している。 ④事業ポートフォリオの拡大・変遷に伴う経営管理リスク 〇グループ会社に対して、業態・規模・地域性等に即した最適な経営管理を行えず、当該グループ会社で大規模な不適正事案が発生し、業績が悪化するとともに、当社が経営責任を問われる。   ・ソリューション事業の新たな取組みについては、経営支援チームを組成して内部統制の態勢整備を行うとともに、PoC(実証実験)を通じてリスクの抑制を図っている。 ・ソリューション事業の買収案件に関しては、PMI(Post Merger Integration)チームを編成して買収先の実態を把握したうえで、内部統制の整備や当社における経営管理態勢の構築を行っている。 ⑤グローバルな人権尊重対応の遅れ 〇人権尊重に関する東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。   ・当社事業に関係する主要なステークホルダーの人権課題に対するリスクを特定した「人権リスクマップ」を作成し、第三者の視点に基づく分析等も踏まえて更新している。 ・「ビジネスと人権に関する有識者ダイアログ」を開催し、外部有識者から実務面の課題について助言を得ている。 (2)定量的リスク管理 格付けの維持および倒産の防止を目的として、保有しているリスク対比で実質純資産が十分な水準にあることを多角的に検証し、財務の健全性が確保されていることを、取締役会において確認しています。 具体的には、99.5%バリューアットリスク(VaR)(注)1で定量評価し、実質純資産(注)2をリスク量で除したエコノミック・ソルベンシー・レシオ(以下「ESR」といいます)の水準により、資本の十分性を確認しています。なお、2025年9月末までは99.95%VaRによるESRを用いて資本の十分性を確認していましたが、2026年3月末から日本国内において新資本規制(経済価値ベースのソルベンシー規制)が導入されたことに伴い、グローバルピアとの比較可能性や新資本規制との整合性等を重視し、2026年3月末より99.5%VaRによるESRへ定義を変更しました。 東京海上グループのESRのターゲットは、AA格相当の資本水準を維持することを目的として、190%以上と設定しています。2026年3月末時点におけるESRは268%となり、資本が十分な水準にあることを確認しています。なお、2026年度は、自己株式取得について年間を通じて4,000億円(注)3を、期中の市場環境や株価の状況等を総合的に勘案して機動的に実施する方針を2026年5月20日付で公表しており、これを考慮した場合のESRは255%となります。 また、重要なリスクのうち、経済・金融危機、巨大地震および新ウイルスのまん延については、経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオならびに複数の重要なリスクが同時期に発現するシナリオに基づき、資本十分性および資金流動性に関するストレステストを実施しています。また、巨大風水災についても資金流動性に関するストレステストを実施しています。その結果、いずれも問題がないことを確認しています。 (注)1.将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。99.5%VaRとは、今後1年間の損失が99.5%の確率でその額以内に収まる金額水準です。 2.財務会計上の連結純資産に、生保保有契約価値の加算やのれんの控除等の調整を加えて算出します。 3. 2026年3月23日付で公表した、Berkshire Hathawayグループとの戦略的提携に伴う2,874億円の自己株式取得を除いた額です。なお、当該自己株式取得は、同グループに対する自己株式の第三者割当に伴う株式数の増加による1株当たり価値の希薄化を抑えるために実施するものであり、同額の自己株式の処分をあわせて行うことから、資本水準への影響は限定的で、ESRへの影響はありません。 ○ESRの状況 (3)危機管理 定性的リスク管理および定量的リスク管理を行っていても、全てのリスクを完全にコントロールすることは困難であり、また、自然災害のように発生を抑えることが不可能なリスクも存在します。 そのため、有事に際して被る経済的損失等を極小化し、迅速に通常業務へ復旧するため、危機管理態勢や緊急事態時アクション等を整備しています。 また、当社はグループ会社に対し支援・指示・指導を行い、グループ会社は当社に対し報告・連絡・相談を行うことで、グループ会社においても平時から危機管理態勢や緊急事態時アクション等の整備を行うとともに、緊急事態時においては復旧や事業継続を迅速・的確に対応できるよう努めています。 さらに、自然災害やサイバー攻撃等、緊急事態(注)となり得る事象を想定した模擬訓練を実施し、緊急事態時の実践力・応用力も高めています。 (注)東京海上グループの各社と顧客・代理店等の利害関係者との関係に重大な影響が生じる事態または東京海上グループの各社の業務に著しい支障が生じると判断される事態です。具体的には、自然災害、パンデミック、システム障害、サイバー攻撃、重要情報の漏えい、重大な法令違反および業務停止命令等、重要なリスクの発現やそれに準じた事態の発生を想定しています。 ○東京海上グループの危機管理態勢 なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループは、当連結会計年度より従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っています。当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は、次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、米国の通商政策による悪影響が限定的に留まり、全体として緩やかに持ち直しました。米国はAI関連の設備投資や個人消費を中心に底堅さを維持した一方で、わが国経済は、物価上昇等を背景とした内需の弱さがみられ回復のペースは緩やかなものに留まりました。東京海上グループを取り巻く環境は、先行きの不透明感が増す昨今の地政学リスク、気候変動による災害の激甚化、サイバーリスクの増大等もあり、一層複雑化しています。 このような情勢のもと当社グループの当連結会計年度の財政状態および経営成績は、以下のとおりとなりました。 資産合計は、前連結会計年度末に比べて2兆5,052億円増加し、33兆26億円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べて1兆5,655億円増加し、24兆9,502億円となりました。資本合計は、前連結会計年度末に比べて9,397億円増加し、8兆523億円となりました。 保険サービス損益は、保険収益が7兆6,935億円、保険サービス費用が6兆1,143億円、再保険損益が△4,295億円となった結果、前連結会計年度に比べて1,869億円増加し、1兆1,496億円となりました。また金融損益は投資損益が6,665億円、保険金融損益が△6,413億円となった結果、前連結会計年度に比べて55億円減少し、252億円となりました。 これらの結果、保険サービス損益、金融損益にその他の損益を加減した当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べて1,543億円増加し、7,507億円となりました。税引前利益に法人所得税費用などを加減した親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて808億円増加し、5,312億円となりました。 報告セグメント別の状況は、以下のとおりです。 国内損害保険事業においては、保険収益は、前連結会計年度に比べて1,055億円増加し、3兆406億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて1,039億円増加し、2,375億円となりました。 国内生命保険事業においては、契約上のサービス・マージン(以下、CSM)残高は、前連結会計年度に比べて318億円増加し、1兆1,497億円となりました。保険収益は、前連結会計年度に比べて14億円減少し、2,654億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて1,238億円減少し、2,048億円の損失となりました。 海外保険事業においては、保険収益は、前連結会計年度に比べて1,992億円増加し、4兆4,483億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて1,121億円増加し、5,027億円となりました。 ソリューション・その他事業においては、その他の収益は、前連結会計年度に比べて1,494億円増加し、3,276億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて26億円増加し、145億円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フローは、法人所得税の支払額の増加等により、前連結会計年度に比べて6,233億円収入が減少し、1兆3,905億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社の取得による支出の増加などにより、前連結会計年度に比べて2,220億円支出が増加し、4,027億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、資金調達目的の債券貸借取引受入担保金の純増減額の増加などにより、前連結会計年度に比べて5,818億円支出が減少し、6,420億円の支出となりました。 これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より3,925億円増加し、2兆3,324億円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループの主たる事業である保険業としての特性から、該当する情報がないので記載していません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。 なお、本項に含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、連結財務諸表規則)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。 当社の連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針ならびに重要な会計上の見積りおよび判断は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要性がある会計方針 および 4. 重要な会計上の見積りおよび判断」をご参照ください。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、以下のとおりです。なお、当社グループの課題認識および経営成績に重要な影響を与えるリスクについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境及び対処すべき課題」および「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 a)経営成績の分析 当連結会計年度の状況については、以下のとおりです。 連結主要指標 (単位:百万円) 前連結会計年度  (自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)     当連結会計年度  (自 2025年4月1日   至 2026年3月31日)   増減   増減率 保険収益   7,396,221   7,693,560   297,338   4.0% 保険サービス費用   6,066,020   6,114,387   48,366   0.8% 再保険損益   △367,482   △429,502   △62,020   - 保険サービス損益   962,718   1,149,670   186,951   19.4% 金融損益   30,794   25,240   △5,553   △18.0% その他の収益   210,637   379,540   168,903   80.2% 親会社の所有者に帰属する当期利益   450,423   531,255   80,831   17.9% 当連結会計年度の経営成績は、海外保険事業および国内損害保険事業における増収に加え、国内自然災害に係る発生保険金の減少や北米子会社を中心とする良好な保険引受成績などにより、保険サービス損益が改善しました。一方、国内生命保険事業における資産・負債管理の一環として実施した債券売却に伴う損失が増加したことなどにより、金融損益は減少しました。 主要指標の増減については以下のとおりです。 保険収益は、海外保険事業および国内損害保険事業における増収などにより、前連結会計年度に比べて2,973億円増加し、7兆6,935億円となりました。保険サービス費用は前連結会計年度に比べて483億円増加した一方で、再保険損益は再保険金回収の減少などにより、前連結会計年度に比べて620億円減少しました。 この結果、保険サービス損益は1,869億円増加し、1兆1,496億円となりました。 金融損益は、海外保険事業において投資損益が改善した一方で、国内生保事業において債券売却損を計上した影響などにより、前連結会計年度に比べて55億円減少し、252億円となりました。 保険サービス損益、金融損益にその他の損益を加減した当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べて1,543億円増加し、7,507億円となりました。税引前利益に法人所得税費用などを加減した親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて808億円増加し、5,312億円となりました。 報告セグメント別の状況は、以下のとおりです。 [国内損害保険事業] 国内損害保険事業において、東京海上日動は、「本当に信頼されるお客様起点の会社」になるため、引き続き「Re-New(新しい会社につくりかえる)」の取組みを推進しました。これまで以上にお客様の声を保険契約プロセスの改善や事故に遭われたお客様への対応に活用することで、お客様からの評価は着実に向上しています。また、「リスクソリューション(保険+α)で次代を支える会社」として、保険金支払いに留まらない事前(リスクや損害の発生の抑制)・事後(早期復旧や再発防止)の領域における商品・サービスの提供も進めています。 多様化・複雑化する社会課題に対し、グリーントランスフォーメーション(化石燃料をクリーンエネルギーに転換して活用していくための変革)、ヘルスケア、中小企業、サイバーリスクおよびレジリエンス(自然災害等の被害の極小化および早期復旧)を重点分野として定め、社会課題解決に貢献することを通じた新たなマーケット創造をめざし取組みを推進しました。 サイバーリスク分野では、中小企業専門のセキュリティ支援会社との協業によるセキュリティ診断やネットワークの遠隔監視等のサービスを提供しており、ご好評をいただいています。サイバー攻撃等に起因する第三者への損害賠償金や、原因調査・システム復旧等にかかる費用を幅広く補償するサイバーリスク保険と合わせて、近年急増しているサイバー攻撃への事前の備えとして、企業のセキュリティ対策を支援していきます。 東京海上グループのダイレクト損害保険事業でのさらなる成長を実現するため、2025年10月、イーデザイン損保を東京海上ダイレクトへ商号変更しました。これを契機に、手軽さや先進性を魅力としたダイレクトビジネスモデルの強化にも取り組んでいます。保険代理店およびダイレクトの双方でお客様から選ばれる保険グループとなることをめざします。 上記のとおり事業に取り組んだ結果、保険収益は、前連結会計年度に比べて1,055億円増加し、3兆406億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、当年度の自然災害が減少したことを主因として、前連結会計年度に比べて1,039億円増加し、2,375億円となりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度  (自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)     当連結会計年度  (自 2025年4月1日   至 2026年3月31日)   増減   増減率 保険収益   2,935,093   3,040,655   105,562   3.6% 親会社の所有者に帰属する当期利益   133,580   237,541   103,960   77.8% (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額です。 [国内生命保険事業] 国内生命保険事業において、東京海上日動あんしん生命は、金融庁から、乗合代理店との適切な関係性の構築に向けた取組みにかかる報告徴求命令を2025年8月に受領し、同年9月に同命令に基づく報告を行いました。乗合代理店に対する指導・教育・管理の強化を徹底すると同時に、創業以来の理念に立ち返り、「お客様本位」を基軸とした健全な業務運営の定着に向けて、不断の改善に取り組んでいます。 あんしん生命は、保障・健康増進・資産形成を重点領域と定め、中堅・中小企業、シニア層および就労世代それぞれのニーズに対応した商品・サービスを開発し、強みである生損一体のビジネスモデルを活かしつつ、お客様をお守りする領域の拡大に取り組んでいます。 2025年9月には、一時払終身保険「あんしん夢終身」を発売しました。健康状態にかかわらず一生涯の死亡保障を確保でき、終活・相続のお悩みを相談できるサービスも利用いただける、お客様の資産形成・相続対策のニーズにお応えする商品です。また、がんの最新治療等に関する費用に対し最大1億円の保障を付帯できる「あんしんがん治療保険」が引き続きご好評をいただくなど、同社は2026年「オリコン顧客満足度調査」の「がん保険ランキング」において、3年連続で総合1位を獲得しました。 各国における金融政策転換等によって、市場・経済環境の不確実性が増しているなか、資産と負債の総合管理(ALM)を基本とした資産運用に継続的に取り組み、既に引き受けている生命保険契約の長期負債の一部を2025年度も再保険会社に出再するなど、金利リスクコントロールの多様化および高度化に努めました。 上記のとおり事業に取り組んだ結果、CSM残高は、前連結会計年度に比べて318億円増加し、1兆1,497億円となりました。保険収益は、前連結会計年度に比べて14億円減少し、2,654億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、債券売却損を主因として、前連結会計年度に比べて1,238億円減少し、2,048億円の損失となりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度  (自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)     当連結会計年度  (自 2025年4月1日   至 2026年3月31日)   増減   増減率 CSM残高   1,117,952   1,149,767   31,814   2.9% 保険収益   266,877   265,448   △1,428   △0.5% 親会社の所有者に帰属する当期利益(△は損失)   △80,979   △204,860   △123,880   - (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額です。 [海外保険事業] 海外保険事業においては、グループ全体のグローバルな成長と分散の効いたポートフォリオの構築を実現すべく、持続的な内部成長と戦略的なM&Aを取組みの両輪としています。また、グループ各社の優れたノウハウを相互に活用し、保険料収入の拡大、資産運用の高度化、業務効率の向上等のシナジー実現にも幅広く取り組みました。 成長戦略の一環として、グループ会社各社が既存事業を強化する「ボルトオンM&A」を積極的に実行しています。2025年度は、米国において、今後の市場拡大が見込めるクラシックカー向けの保険代理店事業や、農畜産物の価格変動リスクに対し保険とソリューションをワンストップで提供する会社を買収しました。 世界中の各拠点が事業の成長実現をめざし、新たな保険商品の開発、高度な保険引受能力や専門性の活用、市場環境を踏まえた保険料率の見直しおよび販売チャネルの拡充による保険引受利益の拡大にも引き続き取り組んでいます。 2025年度は、北米のフィラデルフィア社、デルファイ社およびピュア社が過去最高益を達成しました。 上記のとおり事業に取り組んだ結果、保険収益は、北米およびブラジルの子会社における引受拡大等に伴う増収を主因に、前連結会計年度に比べて1,992億円増加し、4兆4,483億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、北米の子会社における好調な保険引受ならびに前年度のキャピタルロス増加の反動を主因として、前連結会計年度に比べて1,121億円増加し、5,027億円となりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度  (自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)     当連結会計年度  (自 2025年4月1日   至 2026年3月31日)   増減   増減率 保険収益   4,249,062   4,448,332   199,270   4.7% 親会社の所有者に帰属する当期利益   390,583   502,750   112,167   28.7% (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額です。 [ソリューション・その他事業] 東京海上グループは、多様化・複雑化するお客様や社会の課題やリスクに対して最適な保険商品を提供し、「お客様や社会の“いざ” をお守りする」ことに加え、多様なリスクや損害そのものを減らすソリューションを提供しお客様や社会の“いつも” を支えている姿をめざしています。 ID&Eグループは、「世界をすみよくする」というミッションを果たすため、コンサルティング事業、都市空間事業およびエネルギー事業を主力事業として、世界各地で国づくり・まちづくりに貢献しています。長年、国内外の公共事業で培った高い技術力をもとに、社会の強靭化に直結するソリューションを保有しており、特に、コンサルティング事業については、東京海上グループが有する強固な顧客基盤を活用しながら、急拡大する民間防災市場に本格参入しました。建設コンサルティング業界国内最大手である同社の高度な技術と、東京海上日動が持つ膨大なリスク情報と保険金支払データを掛け合わせることで、災害レジリエンスにおける現状把握、対策実行、経済的補償(保険)および復旧・維持管理を一気通貫で支援し、現状復旧に留まらない「Build Back Better(被災前よりも強靭な状態への再建)」を実現していきます。 東京海上グループが中心となって物流会社8社と立ち上げた物流コンソーシアム「baton」において、2026年2月には国内初となる複数の物流事業者による中継輸送(ドライバー交替方式)の実証運行を開始しました。実証運行の検証を経て、対象路線の拡大や事業者向けアプリケーションの開発を進め、トラックのドライバー不足への対応、稼働率・積載率の向上等を図り、日本の物流産業のさらなる発展に貢献していきます。 東京海上アセットマネジメントは、年金の運用受託や投資信託の運用等、安定的な収益基盤であるアセットマネジメント事業に取り組んでいます。特に、年金基金等のお客様から運用商品やお客様本位の取組みを総合的にご評価いただいており、格付投資情報センター(R&I)が選定する「R&I顧客満足大賞2026」の年金部門において、「優秀賞」を受賞しました。 上記のとおり事業に取り組んだ結果、その他の収益は、前年度期中に買収したID&Eグループの損益を当年度からは通期で取り込んだことを主因に、前連結会計年度に比べて1,494億円増加し、3,276億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、上記その他収益の増加等を主因として、前連結会計年度に比べて26億円増加し、145億円となりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度  (自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)     当連結会計年度  (自 2025年4月1日   至 2026年3月31日)   増減   増減率 その他の収益   178,191   327,646   149,455   83.9% 親会社の所有者に帰属する当期利益   11,844   14,515   2,671   22.6% (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額です。 b)財政状態の分析 当連結会計年度の状況については、以下のとおりです。 [資産] 当連結会計年度末の資産合計は、再保険契約資産の増加などにより、前連結会計年度に比べて2兆5,052億円増加し、33兆26億円となりました。 [負債] 当連結会計年度末の負債合計は、保険契約負債の増加などにより、前連結会計年度に比べて1兆5,655億円増加し、24兆9,502億円となりました。 [資本] 当連結会計年度末の資本合計は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度に比べて9,397億円増加し、8兆523億円となりました。 c)資金の流動性に係る情報 当社グループの短期的な資金需要として、主に日々の保険金の支払等がありますが、強固なリスク管理態勢の下で保険事業を運営し、安定的にプラスの営業キャッシュ・フローを確保することにより、十分な流動性を保持しています。また、大規模自然災害による大口の支払や市場の混乱等により資金繰りが悪化する局面に備え、流動性の高い債券を保有すること等により、適切な流動性管理を行っています。 事業投資等の中長期的な資金需要に対しては、グループ内の自己資金を活用するほか、外部からの資金調達を行う等、資金需要の性質に応じて適切な資金源を確保しています。 d)目標とする経営指標の分析 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針 ③目標とする経営指標等」に記載のとおりです。 (3)並行開示情報 連結財務諸表規則(第3編から第6編までを除く。以下、日本基準)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりです。 なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。また、百万円未満を切り捨てて記載しています。 要約連結貸借対照表(日本基準) (単位:百万円) 前連結会計年度 (2025年3月31日)   当連結会計年度 (2026年3月31日) 資産の部 現金及び現金同等物   1,071,138   1,033,052 買現先勘定   299,812   - 買入金銭債権   3,051,927   3,962,550 金銭の信託   7   314 有価証券   19,262,988   18,615,916 貸付金   3,140,328   3,052,348 有形固定資産   562,056   683,416 無形固定資産   1,158,132   1,327,070 その他資産   2,578,281   3,065,601 退職給付に係る資産   16,967   20,849 繰延税金資産   112,395   217,913 支払承諾見返   1,528   1,410 貸倒引当金   △18,225   △18,505 資産の部合計   31,237,340   31,961,940 負債の部 保険契約準備金   23,178,787   23,263,893 社債   227,246   226,995 その他負債   2,101,900   2,346,342 退職給付に係る負債   223,866   213,295 賞与引当金   140,268   154,190 株式給付引当金   3,622   3,925 特別法上の準備金   150,455   159,381 繰延税金負債   103,089   133,643 負ののれん   3,030   1,289 支払承諾   1,528   1,410 負債の部合計   26,133,794   26,504,368 純資産の部 株主資本   3,021,956   3,394,747 その他の包括利益累計額   2,054,886   2,025,600 非支配株主持分   26,702   37,223 純資産の部合計   5,103,545   5,457,571 負債及び純資産の部合計   31,237,340   31,961,940 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準) 要約連結損益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 経常収益   8,440,114   8,872,277 保険引受収益   6,275,529   6,527,988 資産運用収益   1,988,646   1,984,577 その他経常収益   175,938   359,711 経常費用   6,980,107   7,523,647 保険引受費用   4,993,332   5,278,975 資産運用費用   544,633   554,145 営業費及び一般管理費   1,401,394   1,650,600 その他経常費用   40,747   39,924 経常利益   1,460,007   1,348,630 特別利益   10,354   7,965 特別損失   20,089   21,628 税金等調整前当期純利益   1,450,272   1,334,967 法人税等合計   396,529   347,470 当期純利益   1,053,742   987,496 非支配株主に帰属する当期純利益   △1,533   7,068 親会社株主に帰属する当期純利益   1,055,276   980,428 要約連結包括利益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 当期純利益   1,053,742   987,496 その他の包括利益   △604,252   △25,360 包括利益   449,490   962,135 (内訳) 親会社株主に帰属する包括利益   448,182   951,124 非支配株主に帰属する包括利益   1,307   11,010 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準) 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (単位:百万円) 株主資本   その他の包括 利益累計額   新株予約権   非支配株主持分   純資産合計 当期首残高   2,514,622   2,661,980   33   6,704   5,183,341 当期変動額   507,334   △607,093   △33   19,997   △79,795 当期末残高   3,021,956   2,054,886   -   26,702   5,103,545 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (単位:百万円) 株主資本   その他の包括 利益累計額   新株予約権   非支配株主持分   純資産合計 当期首残高   3,021,956   2,054,886   -   26,702   5,103,545 当期変動額   372,791   △29,286   -   10,521   354,025 当期末残高   3,394,747   2,025,600   -   37,223   5,457,571 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準) (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 営業活動によるキャッシュ・フロー   1,345,080   584,259 投資活動によるキャッシュ・フロー   164,619   639,725 財務活動によるキャッシュ・フロー   △1,188,437   △624,251 現金及び現金同等物に係る換算差額   61,550   15,541 現金及び現金同等物の増減額(△は減少)   382,813   615,275 現金及び現金同等物の期首残高   1,086,981   1,469,794 現金及び現金同等物の期末残高   1,469,794   2,085,069 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (連結範囲の変更) 当連結会計年度より、ID&Eホールディングス株式会社他95社は、株式の取得等により子会社となったため連結の範囲に含めています。 当連結会計年度より、Tysons Corner Owner, LLCは、重要性が低下したため連結の範囲から除いています。 (持分法適用の範囲の変更) 当連結会計年度より、ID&Eホールディングス株式会社の株式を取得したことに伴い、同社の関連会社10社を持分法適用の範囲に含めています。 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (連結範囲の変更) 当連結会計年度より、Agrihedge, Inc. 他21社は、株式の取得等により子会社となったため連結の範囲に含めています。 当連結会計年度より、Qdos Holdings Limited 他2社は、清算結了等により連結の範囲から除いています。 (持分法適用の範囲の変更) 当連結会計年度より、Newa Insurance (Cambodia) Plc.他1社は、影響力が低下したこと等により持分法適用の範囲から除いています。 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.IFRSの初度適用」に記載のとおりです。 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (投資有価証券(資本性)) 日本基準においてその他有価証券に分類した株式は、売却損益および減損損失を純損益として認識しておりましたが、IFRSでは一部を除きFVOCIに指定し、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、当該金融資産の認識を中止した場合には、その他の包括利益累計額を利益剰余金に振替えています。また、日本基準においては、非上場株式は原則として取得原価で測定していましたが、IFRSでは公正価値で測定しています。 この結果、IFRSの投資損益は、日本基準のこれに相当する項目に比べて、763,874百万円減少しています。また、IFRSでは日本基準に比べて、その他の包括利益(税効果調整後)が441,377百万円増加しています。 (保険契約および再保険契約) 日本基準およびIFRSにおける測定方法および表示方法には、次のとおり大きく異なる部分があることから、「認識および測定の差異」として日本基準における計上額の全額を取り消し、IFRSにおける計上額の全額を改めて計上しています。 ・分類および測定 日本基準においては、国内会社は保険業法および保険業法施行規則に基づき、在外子会社は実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」に基づきIFRSまたは米国会計基準に準拠して保険契約準備金を積み立てています。一方、IFRSでは「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に基づいて測定された保険契約を資産または負債として計上しています。日本基準およびIFRSにおける測定方法は、保険料配分アプローチ(以下、PAA)を適用して測定する契約に係る残存カバーに係る資産および負債については概ね類似していますが、同契約に係る発生保険金に係る資産および負債ならびにPAAを適用せずに測定する契約に係る資産および負債については、主に次の差異があります。 ・日本基準においては、生命保険の大宗および損害保険の一部に係る資産および負債を除き割引計算を行っていませんでしたが、IFRSでは原則として見積将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値を反映させて測定しています。 ・日本基準においては、明示的にはリスク調整を考慮していませんでしたが、IFRSでは非金融リスクに係るリスク調整を反映させて測定しています。 ・日本基準においては、明示的に未稼得利益を認識していませんでしたが、IFRSでは未稼得利益をCSMとして認識しています。 ・日本基準においては、原則として契約締結時点における見積りの前提に基づいていましたが、IFRSでは期末日現在における見積りに基づいて測定しています。 ・日本基準においては、主に国内保険会社において、新契約費は保険負債から控除せず、また発生時に費用として認識していましたが、IFRSでは保険獲得キャッシュ・フロー(新契約費)は保険負債から控除され、また規則的な方法で各期間に配分して保険収益および保険サービス費用を認識しています。 ・日本基準において「貸付金」に含めていた保険約款貸付金を、IFRSでは「保険契約資産」、「保険契約負債」に含めています。 ・日本基準において「その他資産」または「その他の負債」に含めていた発行した保険契約および保有する再保険契約に係る債権債務等を、IFRSでは「保険契約資産」、「保険契約負債」、「再保険契約資産」、「再保険契約負債」に含めています。 ・日本基準において保有する再保険契約に係る資産を「支払備金」または「責任準備金等」から控除していましたが、IFRSでは保有する再保険契約に係る資産および負債を「再保険契約資産」および「再保険契約負債」として区分掲記しています。 この結果、IFRSの保険契約資産、保険契約負債、再保険契約資産および再保険契約負債の純額(負債)は、日本基準のこれらに相当する項目の純額(負債)に比べて、5,512,957百万円減少しています。 ・保険収益の表示 日本基準においては、「保険引受収益」に保険契約者から収受した時点で認識する収入保険料に加えて、保険契約準備金の一部である責任準備金および支払備金の各々について、減少した場合にその減少分を「責任準備金等戻入額」、「支払備金戻入額」として含めていましたが、IFRSにおける「保険収益」にはサービスの提供に応じた収益を含めています。また、この「保険収益」からは投資要素を除外しています。 ・保険サービス費用の表示 日本基準においては、「保険引受費用」に保険契約者に支払った時点で認識する支払保険金に加えて、保険契約準備金の一部である責任準備金および支払備金の各々について、増加した場合にその増加分を「責任準備金等繰入額」、「支払備金繰入額」として含めていましたが、IFRSにおける「保険サービス費用」には、発生保険金に係る負債の増減を含めています。 日本基準における「保険引受費用」には新契約費および維持費の双方を発生時に認識していますが、IFRSにおける「保険サービス費用」では、保険獲得キャッシュ・フローについては保険期間に配分して費用認識しています。また、この「保険サービス費用」からは投資要素を除外しています。 (のれん) 日本基準においてはのれんについて一定期間で均等償却していましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止し、減損テストを実施しています。この結果、IFRSの一般管理費は、日本基準のこれに相当する項目に比べて、88,861百万円減少しています。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。