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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

日本郵政

Japan Post Holdings Co., Ltd.6178 · Prime · サービス業

日本郵政グループは、郵便・物流、郵便局窓口、国際物流、不動産、銀行、生命保険の6事業を有する複合企業体。全国2万超の郵便局ネットワークを基盤に、ユニバーサルサービスを提供する。

概要

日本郵政は、郵便・物流、銀行、保険を柱とする持株会社である。2007年の民営化により日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式を保有する体制に移行し、全国約2万4千の郵便局ネットワークを共通基盤とする。2026年3月期の連結収益は11兆4406億円、純利益は3746億円、従業員数は22万4438人。東京都千代田区に本社を置く。

郵便局ネットワークを核とする4事業セグメント

日本郵政グループは、報告セグメントとして「郵便・物流」「郵便局窓口」「国際物流」「不動産」「銀行業」「生命保険業」の6事業を掲げる。このうち郵便・物流事業は日本郵便が担い、国内郵便や宅配便「ゆうパック」、3PLサービスを提供する。郵便局窓口事業は全国2万0093の直営郵便局と4022の簡易郵便局を通じ、郵便受付に加えて銀行・保険の窓口業務、物販、提携金融サービス、行政サービスを一体で行う。国際物流事業は豪州トール社を通じアジア太平洋地域のフォワーディングとロジスティクスを展開する。不動産事業はグループ保有不動産の開発・賃貸を手がける。銀行業と生命保険業はそれぞれゆうちょ銀行とかんぽ生命保険が担い、郵便局ネットワークを主チャネルとする。

ゆうちょ銀行の資金運用が収益の大宗を占める構造

日本郵政グループの収益構造は、銀行業が連結収益の過半を占める。ゆうちょ銀行は2026年3月末現在、186.1兆円の貯金を預かり、その9割超を個人貯金が占める。預かった資金は主に有価証券で運用し、国債41.4兆円、外国債券等88.2兆円を含む145.3兆円の有価証券ポートフォリオを持つ。資金運用収益が銀行業の収益の中心であり、国際分散投資やオルタナティブ資産への投資も進める。一方、生命保険業はかんぽ生命保険が個人保険・個人年金保険を提供し、保険料収入と資産運用収益を得る。郵便・物流事業は物量減少や競争激化で収益性が低く、2026年3月期のセグメント資産は2.4兆円と銀行業の226.6兆円に比べて小さい。収益の多くを金融2社が稼ぎ出す構造が続いている。

トール社の買収で国際物流に進出した多角化の歩み

日本郵政グループの事業多角化は、2015年の豪州物流企業トール・ホールディングス買収が象徴的である。これによりアジア太平洋地域の国際貨物輸送とロジスティクス事業をグループに加え、国際物流事業セグメントを形成した。同事業はトール社とその傘下178社で構成され、グローバルフォワーディングとグローバルロジスティクスの2部門を展開する。また不動産事業では日本郵政不動産がオフィスビルや商業施設の開発・賃貸を進め、グループ外の収益物件取得も行う。その他の事業として東京逓信病院の運営や宿泊事業、成長企業への投資も手がける。しかし、国際物流事業のセグメント資産は4661億円と規模は限定的であり、グループ全体の収益に占める割合は銀行業に比べて小さい。

業界の中での役割は郵便サービス・物流・金融・保険の総合サービスプロバイダーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
11.4兆円
経常利益
1.1兆円
利益率
9.4%
純利益
3,746億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01郵便・物流主力

郵便法に基づく郵便サービス(国内郵便、国際郵便、EMS)を全国一律料金で提供。物流事業では宅配便(ゆうパック)、メール便、3PLサービス、国際宅配便(ゆうグローバルエクスプレス)を展開。

主な製品・サービス4
郵便サービス
全国一律料金で提供する基本的な郵便サービス。国内郵便、国際郵便(通常・小包・EMS)を含む。
ゆうパック
宅配便サービス。eコマース市場の成長に対応した多様なサービスを提供。
3PLサービス
物流ソリューションセンターを中心に、顧客に最適な物流戦略の設計、提案、構築、運用までを一括受託。
ゆうグローバルエクスプレス
海外物流パートナーと開発した国際宅配便サービス。国際郵便では提供できない付加価値サービスに対応。

02郵便局窓口主力

全国約2万の郵便局で、郵便・物流事業の窓口業務、ゆうちょ銀行の銀行窓口業務、かんぽ生命保険の保険窓口業務、物販事業、提携金融サービス(変額年金保険、がん保険、損害保険など)、地方公共団体の証明書交付や宝くじ販売等の行政サービスを提供。

03銀行業主力

ゆうちょ銀行が、郵便局ネットワークを主チャネルに、預金業務、有価証券投資、為替、国債・投資信託・保険販売、シンジケートローン、クレジットカード、住宅ローン媒介等を提供。預かった貯金を有価証券で運用し収益を得る。資金運用は主に国債や外国債券等で国際分散投資を推進。

主な製品・サービス3
預金サービス
通常貯金、定額貯金、定期貯金等を提供。預入限度額内で預金を受け入れ。
資金運用(有価証券投資)
預金を原資に国債、外国債券等の有価証券で運用。国際分散投資やオルタナティブ投資により収益確保。
手数料ビジネス
為替、国債・投資信託販売、クレジットカード、住宅ローン媒介、ATM提携等のサービスによる手数料収入。

04生命保険業主力

かんぽ生命保険が、郵便局ネットワークを通じて個人保険・個人年金保険等の生命保険商品を提供。保険引受業務に加え、有価証券投資や貸付等の資産運用を行う。他の保険会社商品の受託販売や、郵政管理・支援機構からの簡易生命保険管理業務も受託。

主な製品・サービス2
個人保険
死亡保障、貯蓄機能を備えた養老保険、終身保険等の個人向け生命保険。
個人年金保険
老後資金形成のための個人年金保険商品。

05国際物流準主力

トール社を通じ、アジア太平洋地域を中心とした国際貨物輸送(フォワーディング)と、同地域における輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流(ロジスティクス)を提供。

主な製品・サービス2
グローバルフォワーディング
アジア太平洋地域の輸出入を中心としたフルラインの国際貨物輸送サービス。
グローバルロジスティクス
アジア太平洋地域における輸送・倉庫管理、資源・政府分野物流サービス。

06不動産副次

グループ保有不動産の開発・賃貸・分譲、賃貸用建物の運営管理。オフィスビル、商業施設、住宅等の開発を行い、グループ外収益物件の取得も推進。

07その他その他

グループシェアード事業(間接業務の集約受託)、東京逓信病院の運営、ゆうぽうと世田谷レクセンターの宿泊事業、成長企業への投資事業等。

製品と技術

全国一律料金の郵便と宅配便「ゆうパック」

日本郵便が提供する郵便サービスは、郵便法に基づき全国一律料金で提供される。国内郵便に加え、万国郵便条約に基づく国際郵便(通常・小包・EMS)も扱う。物流分野では宅配便「ゆうパック」が主力で、eコマース市場の成長に対応した多様なサービスを展開。メール便「ゆうメール」も併せて提供する。さらに、物流ソリューションセンターを中心とした3PLサービスでは、顧客の物流戦略の設計から運用までを一括受託する。国際宅配便「ゆうグローバルエクスプレス」は、2014年に提携した海外物流パートナーと共同開発したサービスで、EMSではカバーできない付加価値サービスを提供する。これらのサービスは全国約2万4000の郵便局ネットワークを通じて提供される。

ゆうちょ銀行の預金・資金運用と手数料ビジネス

ゆうちょ銀行は、郵便局を主チャネルに通常貯金、定額貯金、定期貯金などの預金サービスを提供する。預入限度額内で預金を受け入れ、その原資を国債や外国債券などの有価証券で運用するビジネスモデルが基本である。2026年3月末の貯金残高は186.1兆円、うち9割超が個人貯金。資金運用では国際分散投資やオルタナティブ資産への投資を推進し、収益源の多様化を図る。また、為替、国債・投資信託販売、クレジットカード、住宅ローン媒介、ATM提携などの手数料ビジネスも収益の一部を構成する。2017年には口座貸越サービスや地域金融機関との連携業務の認可を取得し、業務範囲を拡大している。

かんぽ生命保険の個人保険・個人年金と提携商品

かんぽ生命保険は、郵便局ネットワークを通じて個人向け生命保険と個人年金保険を提供する。主力商品は死亡保障と貯蓄機能を備えた養老保険、終身保険など。2014年には学資保険「はじめのかんぽ」、2015年には短期払込型の養老保険「新フリープラン」を発売した。2017年には医療特約や低解約返戻金型の終身保険、長寿支援保険を投入。2019年には引受基準緩和型商品「かんぽにおまかせ」や先進医療特約を開始した。また、他の保険会社のがん保険や変額個人年金保険の受託販売も行っており、2015年には法人向け総合福祉団体定期保険の取り扱いも始めた。資産運用では有価証券投資や貸付を行い、保険引受業務と合わせて収益を確保する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

国内郵便・金融で首位、成長はデジタル化に依存

日本郵政は郵便事業とゆうちょ銀行、かんぽ生命を傘下に持つ国策会社。売上高は約11兆円で、国内の金融インフラとして重要な役割を果たす。しかし、郵便事業は縮小傾向にあり、成長の柱はゆうちょ銀行の運用とかんぽ生命の保険販売に頼る。ライバルはサービス業だが、実際の競合は銀行や保険会社であり、提供されたpeersは当てはまらない。日本郵政は、既存のネットワークを活かした地方創生や、デジタル化による業務効率化に取り組む。課題は、規制改革や競争激化への対応。

強み

  • 郵便局網は全国に約2万4千局あり、顧客接点が多い。
  • ゆうちょ銀行は預金量が世界最大級で、資金調達力が高い。
  • 歴史と安心感で、高いブランドロイヤルティを持つ。
  • 郵便、金融、保険と事業が多角化され、リスク分散が可能。

課題

  • DXやメールの減少で郵便物数が年々減り、収益が縮小。
  • 低金利が続くとゆうちょの運用利回りが上がらず収益が圧迫。
  • 銀行やネット保険会社との競争で、顧客獲得が難しくなっている。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

物流・運輸の時価総額近傍。太字が日本郵政

時価総額で並べると、掲載7社のなかで2番目にあたる。

#企業時価総額PER
16501日立製作所24.2兆円30.2倍
26178日本郵政7.5兆円19.5倍
39020東日本旅客鉄道4.0兆円16.2倍
49022東海旅客鉄道3.9兆円6.9倍
59101日本郵船2.9兆円14.1倍
69104商船三井2.6兆円11.4倍
79107川崎汽船2.1兆円15.9倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(物流・運輸)に従っています。

会社の歴史

沿革 18件

郵政民営化準備として2006年に設立された持株会社

日本郵政は、2006年1月に日本郵政公社の全額出資により、郵政民営化に向けた準備を行う特殊会社として設立された。同年9月には、民営化準備会社として株式会社ゆうちょ(のちのゆうちょ銀行)と株式会社かんぽ(のちのかんぽ生命保険)を全額出資で設立。2007年10月の民営化に伴い、日本郵政は郵便事業株式会社、郵便局株式会社(現日本郵便)、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式をすべて保有する持株会社に移行した。同時に公社から両社の株式を承継し、ゆうちょとかんぽはそれぞれ銀行・保険会社に商号変更した。この流れで、郵便と金融を分離しつつ同一グループに収める現在の体制の基礎が築かれた。

2012年の郵便事業統合と日本郵便への一本化

民営化当初、郵便事業は郵便事業株式会社(郵便物の運送)と郵便局株式会社(窓口業務)の2社で担っていた。2012年10月、郵便局株式会社が商号を日本郵便株式会社に変更し、郵便事業株式会社と合併。これにより郵便物の集配と窓口業務が一社に統合され、事業運営の効率化が図られた。同時に、日本郵便は全国の郵便局ネットワークを直接管轄することとなり、以降、郵便・物流事業と郵便局窓口事業の両方を担う中核子会社として位置づけられる。この統合は、民営化後の組織再編の一環であり、以降のグループ経営の基盤となった。

2015年の上場とトール買収による国際展開

2015年は日本郵政グループにとって転機の年である。同年5月、日本郵便が豪州物流最大手トール・ホールディングスを子会社化し、国際物流事業に本格参入した。同年11月には日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社がそろって東京証券取引所市場第一部に上場。政府保有株の売却による民営化完了が進められた。上場と同時に、かんぽ生命保険は法人向け商品の受託販売を開始するなど、事業範囲の拡大も進んだ。この年を境に、グループは国内郵便・金融に加え、国際物流を第3の柱とする多角化戦略を明確にした。

楽天との提携とコンプライアンス問題への対応(2019年以降)

2021年3月、日本郵政および日本郵便は楽天と業務提携に合意し、日本郵政は楽天に出資した。これはEC市場の成長を取り込む狙いがあった。しかしその前後、コンプライアンス問題が相次いだ。2024年度には非公開金融情報の不適切利用や一時払終身保険の認可取得前勧誘事案が発覚。さらに2025年6月、日本郵便が点呼業務不備で一般貨物自動車運送事業の許可取消処分を受けた。グループは再発防止策としてデジタル点呼導入や郵便局業務の総点検を進めた。一方、2025年4月にはトナミホールディングスを子会社化、同年10月にはロジスティードHDと資本業務提携を結び、物流事業の再編も同時に進めている。

年表18件を開く

2000年代

  • 2006年1月創業公社の全額出資により、郵政民営化に向けた準備を行う特殊会社として当社を設立
  • 2006年9月創業当社の全額出資により、郵政民営化に向けた準備を行う会社として、株式会社ゆうちょ(現 株式会社ゆうちょ銀行)及び株式会社かんぽ(現 株式会社かんぽ生命保険)を設立
  • 2007年10月創業郵政民営化に伴い、当社は、郵便事業株式会社、郵便局株式会社(現 日本郵便株式会社)、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険の株式の総数を保有する持株会社に移行 公社の全額出資により郵便事業株式会社、郵便局株式会社を設立し、両社株式を承継 株式会社ゆうちょは商号を株式会社ゆうちょ銀行に、株式会社かんぽは商号を株式会社かんぽ生命保険に変更
  • 2007年12月株式会社ゆうちょ銀行が新規業務(シンジケートローン(参加型)、貸出債権の取得又は譲渡等、金利スワップ取引等)の認可取得 株式会社かんぽ生命保険が新規業務(運用対象の自由化)の認可取得
  • 2008年4月株式会社ゆうちょ銀行が新規業務(クレジットカード業務、変額個人年金保険の募集業務、住宅ローン等の媒介業務)の認可取得
  • 2009年1月株式会社ゆうちょ銀行が全国銀行データ通信システムによる他の金融機関との内国為替取扱開始

2010年代

  • 2012年10月M&A郵便局株式会社が商号を日本郵便株式会社に変更し、郵便事業株式会社と合併
  • 2014年4月株式会社かんぽ生命保険が学資保険「はじめのかんぽ」の販売開始
  • 2014年7月株式会社かんぽ生命保険がAmerican Family Life Assurance Company of Columbus(注1)のがん保険の受託販売等の取扱開始
  • 2015年5月M&A日本郵便株式会社が豪州物流企業Toll Holdings Limitedを子会社化
  • 2015年10月株式会社かんぽ生命保険が養老保険「新フリープラン(短期払込型)」の販売開始
  • 2015年11月上場当社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険が、それぞれ東京証券取引所市場第一部に株式を上場 株式会社かんぽ生命保険が法人向け商品(総合福祉団体定期保険等)の受託販売開始
  • 2016年3月株式会社かんぽ生命保険が新規業務(再保険の引受け、付帯サービス)の認可取得 株式会社かんぽ生命保険が第一生命保険株式会社(注2)と業務提携
  • 2017年6月株式会社ゆうちょ銀行が新規業務(口座貸越サービス、地域金融機関との連携に係る業務等、市場運用関係業務)の認可取得
  • 2017年10月株式会社かんぽ生命保険が特約「医療特約 その日からプラス」、終身保険(低解約返戻金型)「新ながいきくん 低解約返戻金プラン」、長寿支援保険(低解約返戻金型)「長寿のしあわせ」の販売開始
  • 2018年12月当社がAflac Incorporated及びアフラック生命保険株式会社と資本関係に基づく戦略提携に合意
  • 2019年4月株式会社かんぽ生命保険が引受基準緩和型商品「かんぽにおまかせ」、先進医療特約の販売開始 株式会社かんぽ生命保険株式の第2次売出し

2020年代

  • 2021年3月当社及び日本郵便株式会社が楽天株式会社(注3)と業務提携に合意、当社が楽天株式会社に出資

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 株主資本コストを上回るROEの継続的な創出株主資本コストを上回るROE

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    ユニバーサルサービスの持続性確保に向けた事業構造改革

    集配拠点の集約、生産性向上による要員配置の最適化、窓口営業時間の弾力化など、郵便・物流事業と郵便局窓口事業の抜本的な構造改革を進め、業務効率化や生産性向上を図る。

  2. 02

    成長領域での利益成長による企業価値向上

    金融事業では商品ラインアップ拡充とデジタル・リモートチャネルの活用、不動産事業では総合デベロッパーへの転換、物流事業では国際・国内物流を一体運営する総合物流企業を目指す。

  3. 03

    グループ経営基盤の強化

    ガバナンス・コンプライアンス徹底、DX推進、人的資本経営、サステナビリティ経営、資本政策の取組みにより信頼回復と企業価値向上の基盤を強化する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で224,438人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は872万円で、9期前と比べて+11.7%平均年齢は43.1歳、平均勤続年数は15.9年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数
2017年3月248,384
2018年3月245,863
2019年3月78143.917.3245,922
2020年3月79943.917.0245,472
2021年3月78944.317.4243,612
2022年3月79845.117.9232,112
2023年3月84144.918.2227,369
2024年3月86745.318.3221,387
2025年3月86443.316.2218,718
2026年3月87243.115.9224,438

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率17.8%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)68.4%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社44(国内 42 / 海外 2、うち連結子会社 12) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位8)
本社・支社(14か所)郵便局(19,917 局)その他 — 22か所21,805億円
郵便・物流 事業
本社及び エリア本部(14か所)支店及び 出張所(235 か所)その他 — 67か所1,759億円
銀行業
本社及び エリア本部(14か所)支店 — 82か所1,349億円
生命保険業
本社等 その他の施設 — 東京都ほか1,173億円
その他
国際物流 事業 — LOYANG, SINGAPORE478億円
国際物流 事業 — TUAS , SINGAPORE189億円
東京逓信病院 — 東京都167億円
その他
国際物流 事業 — NEW SOUTH WALES, AUSTRALIA131億円
主な関係会社
  • 国内
    日本郵便株式会社
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    日本郵便輸送株式会社
    東京都 港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    日本郵便メンテナンス株式会社
    東京都 江東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JPロジスティクスグループ株式会社
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JPトナミグループ株式会社
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    JPビズメール株式会社
    東京都 足立区 · 連結子会社
    議決権58.5%
  • 国内
    株式会社JPメディアダイレクト
    東京都 港区 · 連結子会社
    議決権51.0%
  • 国内
    JP楽天ロジスティクス株式会社
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権50.1%
  • 国内
    JPロジスティクス株式会社
    東京都 千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    トナミ運輸株式会社
    富山県 高岡市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東京米油株式会社
    東京都 江東区 · 連結子会社
    議決権82.3%
  • 国内
    株式会社郵便局物販サービス
    東京都 江東区
    議決権100.0%
残りのグループ会社32社を開く
  • JPコミュニケーションズ株式会社東京都 千代田区100%
  • 日本郵便オフィスサポート株式会社東京都 港区100%
  • JP損保サービス株式会社東京都 千代田区70%
  • 日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社東京都 新宿区100%
  • JPシステム開発株式会社東京都 品川区100%
  • 株式会社ゆうゆうギフト神奈川県 横浜市 西区51%
  • JP東京特選会株式会社東京都 台東区51%
  • Toll Holdings Pty Limited豪州 メルボルン100%
  • 株式会社ゆうちょ銀行東京都 千代田区50%
  • ゆうちょローンセンター株式会社東京都 墨田区100%
  • JP投信株式会社東京都 中央区75%
  • JPインベストメント株式会社東京都 千代田区75%
  • ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社東京都 千代田区100%
  • 株式会社かんぽ生命保険東京都 千代田区50%
  • かんぽシステムソリューションズ株式会社東京都 品川区100%
  • 日本郵政コーポレートサービス株式会社東京都 港区100%
  • JPビルマネジメント株式会社東京都 千代田区100%
  • ゆうせいチャレンジド株式会社東京都 世田谷区100%
  • 日本郵政キャピタル株式会社東京都 千代田区100%
  • 日本郵政不動産株式会社東京都 千代田区100%
  • 株式会社JPデジタル東京都 千代田区100%
  • JPツーウェイコンタクト株式会社大阪府 大阪市 西区83%
  • JPプロパティーズ株式会社東京都 中央区100%
  • 日本郵政建築株式会社東京都 千代田区100%
  • セゾン投信株式会社東京都 豊島区40%
  • 株式会社ジェイエイフーズおおいた大分県 杵築市20%
  • リンベル株式会社東京都 中央区20%
  • 日本ATMビジネスサービス株式会社東京都 港区35%
  • 大和アセットマネジメント株式会社東京都 千代田区20%
  • 株式会社Good Technology Company東京都 千代田区40%
  • Aflac IncorporatedColumbus, GA , USA20%
  • JPライネックス南海パーセル株式会社東京都 中央区50%
国際子会社 (GLEIF登録 2社)
  • JP株式会社かんぽ生命保険
  • JP株式会社ゆうちょ銀行

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    国宝重要文化財文化財等保存整備事業
    文部科学省 · 2021-04-01
    8,417万円
  • 補助金
    国宝重要文化財文化財等保存整備事業
    文部科学省 · 2019-04-01
    2,284万円
  • 補助金
    令和3年度(令和2年度からの繰越分)新型インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金(インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業)
    厚生労働省 · 2021-06-10
    2,130万円
  • 補助金
    国宝重要文化財文化財等保存整備事業
    文部科学省 · 2022-04-01
    1,376万円
  • 補助金
    令和3年度(令和2年度からの繰越分)新型インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金(インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業)
    厚生労働省 · 2021-06-10
    81万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は11.4兆円経常利益1.1兆円前期と比べると減収増益で、売上が-0.2%、利益が+32.0%。

売上高
-0.2%
11.4兆円
経常利益
+32.0%
1.1兆円
純利益
+1.1%
3,746億円
利益率
9.4%
前期比 +2.3%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高11.4兆円11.4兆円
純利益3,800億円3,746億円
1株あたり配当¥60¥60

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は3.0兆円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+4.8%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q2.73547
2024年1Q2.85−85
2024年2Q2.771,3875.01,287
2024年3Q2.811,018
2024年4Q3.55467
2025年2Q5.511,2682.31,395
2025年4Q5.962,311
2026年2Q5.681,426
2026年4Q5.762,320
2027年1Q2.991,253

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は2,653億円から11.4兆円へ43.1倍に増えた。経常利益率は47.4%から9.4%になった。純利益は2期連続で増加。

決算期売上高兆円経常利益兆円経常利益率%純利益億円
2013年3月0.270.1347.41,452
2014年3月15.241.107.24,791
当社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険が、それぞれ東京証券取引所市場第一部に株式を上場 株式会社かんぽ生命保険が法人向け商品(総合福祉団体定期保険等)の受託販売開始
2015年3月14.261.127.84,827
2016年3月14.260.976.84,260
2017年3月13.330.806.0−290
2018年3月12.920.927.14,606
2019年3月12.780.836.54,794
2020年3月11.950.867.24,837
2021年3月11.720.917.84,182
2022年3月11.260.998.85,017
2023年3月11.140.665.94,310
2024年3月11.980.675.62,687
2025年3月11.470.817.13,706
2026年3月11.441.079.43,746

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。この会社の連結損益計算書には営業利益の段がないため、経常利益を利益として並べています。

利益の構造

2026年3月期

売上高11.4兆円のうち、経常利益として残るのは1.1兆円9.4%。営業外の損益と税金を反映した純利益は3,746億円、売上の3.3%にあたる。経常利益率は業種中央値7.5%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金90.6%10.4兆円
  • 経常利益費用を引いたあとに残った本業の利益9.4%1.1兆円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

経常利益率業種比+1.8pt
9.4%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比1.8pt
3.3%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比7.8pt
4.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
0.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 13期分

2026年3月期は営業CFが−10.3兆円、投資CFが6,692億円で、差し引きのフリーCFは−9.7兆円この組み合わせは資産取り崩し型にあたる。本業の赤字を資産売却で埋めながら負債も返している。守りの局面期末の手元現金は56.9兆円で、売上の59.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF兆円投資CF兆円財務CF億円フリーCF兆円現金残高兆円
2014年3月0.0211.18−40411.2021.53
2015年3月−1.2015.52−42114.3235.81
2016年3月0.7911.61−62112.4048.14
2017年3月−0.996.30−2,2525.3153.23
2018年3月−2.340.10−2,920−2.2450.69
2019年3月−3.615.19−1,1131.5852.16
2020年3月0.311.049901.3553.60
2021年3月6.972.025068.9862.64
2022年3月4.981.41−6,2106.4068.42
2023年3月−8.159.355,5261.2070.18
2024年3月−2.36−7.72−6,063−10.0859.50
2025年3月2.794.682,1597.4867.20
2026年3月−10.340.67−6,229−9.6756.91

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は289.9兆円。このうち返さなくてよい自己資本が16.5兆円で、自己資本比率は3.4%(業種中央値53.4%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月9.718.601.1188.6
2014年3月292.2513.39278.864.6
2015年3月295.8515.30280.555.2
2016年3月291.9515.18276.774.7
2017年3月293.1614.95278.214.6
2018年3月290.6414.74275.904.6
2019年3月286.1714.79271.384.6
2020年3月286.1012.62273.483.8
2021年3月297.7416.07281.674.6
2022年3月303.8514.69289.164.1
2023年3月296.0915.10281.003.4
2024年3月298.6915.74282.953.4
2025年3月297.1515.29281.863.1
2026年3月289.8616.48273.383.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
利益剰余金
5.8兆円
過去の利益の積み上がり
負債合計
273.4兆円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り534社中338位あたり、逆に低いのは自己資本比率534社中533位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
4.0%/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
3.4%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-0.2%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.4%/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,517で、1年前と比べて+67.1%過去52週の値幅のなかでは96%の位置にある。

¥2,517-1.4%1ヶ月+8.1%1年+67.1%時価総額7.5兆円
過去52週の値幅
安値¥1,392高値¥2,561.5

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)19.5倍
PER (会社予想)18.2倍
PBR0.69倍
配当利回り2.38%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1ヶ月で-5.06%下落し、8月19日に2307円まで売られた後、21日に2336円へ反発した。25日移動平均線(2393.54円)を下回っており、75日線(2234.9円)は上回っている。52週高値2539.5円からは-8.0%、52週安値1392円からは+67.8%の水準。出来高は7月下旬から8月にかけて500万株前後で推移し、8月17日には309.6万株とやや減少したが、20日には496万株まで増加。RSIは44.52で中立圏。200日線(1917.47円)からは+21.8%乖離し、中期的な上昇トレンドは維持しているが、短期的には調整局面にある。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PERは18.09倍で業界平均23.01倍を下回り、PBRは0.64倍と平均3.33倍を大きく下回る。ROEは4%と低いが、配当利回り2.57%は平均2.29%を上回り、配当性向も81.8%と高い。業界平均と比較してバリュエーションは大幅に割安で、株価は純資産価値を大きく下回る。ただし収益性の低さが課題であり、割安だがROE改善が今後の焦点。「割安だが配当は伸び悩み」ではなく、配当は高水準。総合的に割安と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)19.5倍23.4倍
PER (予想)18.2倍
PBR0.69倍3.51倍
ROE4.0%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、郵便事業の縮小と金融事業の競争激化の中で、安定収益をどう維持するかにある。強気派は、郵便局ネットワークを活かしたシナジーと、金融事業の利ざや改善で収益が安定すると見る。弱気派は、郵便物の減少が構造的に続き、金融事業も低金利や競争で成長が望めないと懸念する。決算では郵便事業の売上、ゆうちょ銀行の預金・貸出動向、かんぽ生命の保険契約が焦点となる。

プラスに働く材料7
  • ネットワークの強み

    約2万4千局の郵便局が全国にあり、顧客接点が多い。

  • 金融事業の安定

    ゆうちょ銀行は預金残高が大きく、安定的な資金調達が可能。

  • 株価の上昇実績

    過去1年で68%上昇し、株主還元も厚い。

  • 純利益が2期連続で増加通年影響

    純利益は2,687億円→3,706億円→3,746億円と2期連続増益

  • 予想PER17.4倍と評価改善決算発表後影響

    現在PER18.69倍→予想17.4倍へ低下し、相対的な割安感が強まる

  • PBR0.70倍と1倍割れの修正余地継続影響

    PBR0.70倍は1倍割れで、資本効率改善策次第では見直し買いが入りうる

  • 配当利回り2.49%の下支え継続影響

    配当利回り2.49%と相対的に高く、株価下落時は買い支えとなる

マイナスに働く材料7
  • 郵便需要の減少

    電子化の進展で郵便物が減り、物流事業の収益が低下している。

  • 金融事業の成長鈍化

    低金利環境でゆうちょ銀行の収益は伸び悩む。

  • 保険事業の競争激化

    かんぽ生命は保険販売で民間保険会社との競争が激しい。

  • 売上高が2期連続で減収通年影響

    売上高は119,822億円→114,684億円→114,406億円と縮小基調

  • 純利益の増益額が40億円に減速通年影響

    前期は+1,019億円増益、今期は+40億円増にとどまる

  • ROE4%と資本効率の低さ継続影響

    ROE4%は資本効率の低さを示し、企業価値向上のテンポが遅い

  • 外国人保有比率21.8%と低位継続影響

    外国人持ち株比率21.84%と低く、上値を買う主体が限られる

次の決算で確かめる点
郵便物の取扱数量
物流事業の収益規模を直接反映するため
ゆうちょ銀行の預金・貸出金利ざや
金融事業の収益性を測る重要な指標のため
かんぽ生命の年換算保険料
保険販売の動向と成長性を示すため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり60で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは2.38%。

年間配当
¥60
1株あたり
配当利回り
2.38%
いまの株価に対して
配当性向
81.8%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月5099.4
2018年3月5714.0118.4
2019年3月50−12.391.6
2020年3月500.050.8
2021年3月500.0
2022年3月500.058.4
2023年3月500.060.7
2024年3月500.0105.9
2025年3月500.049.9
2026年3月500.081.8

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥60

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ526,281人。区分でいちばん多いのは政府・自治体36.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が50.9%を占め、残る49.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
政府・自治体56.933.334.333.336.036.0
個人・その他23.627.126.627.326.523.9
外国法人10.219.218.718.417.521.8
金融機関7.113.914.614.014.212.4
自己株式10.12.85.47.47.35.5
証券会社1.02.92.84.03.03.3
事業法人1.23.43.02.92.72.6
外国人個人0.00.10.00.10.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01財務大臣35.95
02日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)8.90
03日本郵政社員持株会3.14
04株式会社日本カストディ銀行(信託口)2.49
05STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.15
06JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.82
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.78
08JPモルガン証券株式会社0.69
09ゴールドマン・サックス証券株式会社 BNYM(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)0.53
10STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505225(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.53

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−87%、1株純資産は14期で−94%。直近期のROEは4.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月96857,3521.726.5
2014年3月1062,9753.728.0
2015年3月1073,4003.438.2
2016年3月973,3272.915.4116.1
2017年3月−73,268−0.299.4
2018年3月1133,2783.411.3118.4
2019年3月1193,2883.610.991.6
2020年3月1202,7044.07.150.8
2021年3月1033,4123.49.5
2022年3月1323,3613.86.858.4
2023年3月1212,9123.98.960.7
2024年3月803,2032.619.1105.9
2025年3月1193,0593.812.549.9
2026年3月1293,4624.013.981.8

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

45名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は45名。2026/3期の役員報酬は総額1,037百万円。

氏名役職年齢保有株数
根岸一行取締役(代表執行役社長)指名委員会委員 報酬委員会委員5517,200
飯塚厚取締役(代表執行役上席副社長)671,300
谷垣邦夫取締役6717,900
笠間貴之取締役53600
小池信也取締役574,800
貝阿彌誠取締役 指名委員会委員74
佐竹彰取締役 監査委員会委員長70
諏訪貴子取締役 報酬委員会委員552,600
伊藤弥生取締役 監査委員会委員62
大枝宏之取締役 報酬委員会委員長696,900
木村美代子取締役 監査委員会委員621,200
進藤孝生取締役 指名委員会委員長7610,000
残りの役員33名を開く
氏名役職年齢保有株数
塩野紀子取締役 監査委員会委員652,600
加藤進康代表執行役副社長61900
浅井智範専務執行役621,300
林俊行専務執行役633,100
池田明専務執行役64
中俣力常務執行役641,200
飯田恭久常務執行役61
櫻井誠常務執行役643,600
柿木彰常務執行役 グループサイバー セキュリティ部長631,600
砂山直輝常務執行役531,700
目黒健司常務執行役584,500
美並義人常務執行役66
西口彰人常務執行役6110,800
髙橋康弘常務執行役669,300
小方憲治常務執行役5918,900
大西徹常務執行役60
三苫倫理常務執行役49
三谷暢宣執行役56
中畑育子執行役 総務部長603,100
西田晃久執行役64
若林勇執行役 秘書部長641,100
伊藤友理執行役47
小宮昭夫執行役 グループIT統括部長62300
倉田泰樹執行役572,200
竹中正博執行役53700
赤尾法彦執行役602,000
小町厚二執行役 内部監査部長512,400
堀口浩司執行役 グループ不動産統括部長49100
松岡星彦執行役511,000
砂孝治執行役61
高橋智恵執行役 CX戦略部長63
矢野智丈執行役54
吉野貴雄執行役57

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役32588144948491128
社外取締役1012612613

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容19,672字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) 当社グループの事業の内容 日本郵政グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、当社、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」といいます。)、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」といいます。)及び株式会社かんぽ生命保険(以下「かんぽ生命保険」といい、日本郵便及びゆうちょ銀行と併せて「事業子会社」と総称します。)を中心に構成され、「郵便・物流事業」、「郵便局窓口事業」、「国際物流事業」、「不動産事業」、「銀行業」、「生命保険業」等の事業を営んでおります。当該6事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であり、報告セグメントに含まれていない事業を「その他」に区分しております。 各事業における事業の内容並びに当社及び関係会社の位置づけは次に記載のとおりであります。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。また、当社は、当連結会計年度より、ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合が50%を下回ったことから、銀行法に定める銀行持株会社でなくなり、特定事業会社(企業内容等の開示に関する内閣府令第18条第2項に規定する事業を行う会社)に該当しなくなりました。 セグメントの名称   主な事業内容   関係会社等 郵便・物流事業   郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等   ○  日本郵便○ 日本郵便輸送株式会社○ 日本郵便メンテナンス株式会社○ JPロジスティクスグループ株式会社○  JPトナミグループ株式会社 及び同社傘下の連結子会社32社○ JPビズメール株式会社○ 株式会社JPメディアダイレクト○  JP楽天ロジスティクス株式会社○ JPロジスティクス株式会社○ 東京米油株式会社△ JPライネックス南海パーセル株式会社△ JPトナミグループ株式会社傘下の関連会社4社 郵便局窓口事業   郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務、保険窓口業務、物販事業、提携金融サービス等   ○ 日本郵便○ 株式会社郵便局物販サービス○ JPコミュニケーションズ株式会社○ 日本郵便オフィスサポート株式会社○ JP損保サービス株式会社○ 日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社○ JPシステム開発株式会社○ 株式会社ゆうゆうギフト○ JP東京特選会株式会社△ セゾン投信株式会社△ 株式会社ジェイエイフーズおおいた△ リンベル株式会社 国際物流事業   豪州を中心としたグローバル市場におけるフォワーディング及びロジスティクス事業等   ○ Toll Holdings Pty Limited 及び同社傘下の連結子会社178社△ Toll Holdings Pty Limited傘下の関連会社3社 不動産事業   不動産事業等   ○ 日本郵便○ 日本郵政不動産株式会社○ JPプロパティーズ株式会社○ JPビルマネジメント株式会社 銀行業   銀行業等   ○ ゆうちょ銀行○ ゆうちょローンセンター株式会社○ JP投信株式会社(注4)○ JPインベストメント株式会社 及びその他連結子会社13社(注4)○ ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社 及びその他連結子会社1社△ 日本ATMビジネスサービス株式会社 生命保険業   生命保険業等   ○ かんぽ生命保険○ かんぽシステムソリューションズ株式会社△ 大和アセットマネジメント株式会社 セグメントの名称   主な事業内容   関係会社等 その他   グループシェアード事業、病院事業、宿泊事業、投資事業   当社○ 日本郵政コーポレートサービス株式会社○ ゆうせいチャレンジド株式会社○ 日本郵政キャピタル株式会社 及び同社傘下の連結子会社1社○ 株式会社JPデジタル○ JPツーウェイコンタクト株式会社○ 日本郵政建築株式会社△ 株式会社Good Technology Company△ Aflac Incorporated (注) 1.○は連結子会社、△は持分法適用関連会社であります。 2.当社の連結子会社である日本郵便は、連結子会社であるJWT株式会社を通じ、2025年2月27日より、トナミホールディングス株式会社(以下「トナミHD」という。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を実施しました。本公開買付けにより、本公開買付けの決済日である2025年4月17日付で、議決権比率は87.24%となり、当社の連結子会社となりました。なお、トナミHDが2025年6月23日を効力発生日とする株式併合等を実施した結果、JWT株式会社の議決権比率は、当連結会計年度末において100%となっております。 JWT株式会社は2025年7月1日付でJPトナミグループ株式会社に商号変更しております。 3.2025年6月27日付で、当社は連結子会社であるゆうちょ銀行の普通株式の一部につき、株式処分信託の設定により株式処分を実施しました。これにより、当社のゆうちょ銀行に対する議決権の保有割合は49.9%となりました。 なお、本株式処分により、ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は50%を下回りましたが、実質支配力基準により、ゆうちょ銀行が当社の連結子会社であることに変更はありません。 4.JP投信株式会社は、前連結会計年度はゆうちょ銀行の持分法適用関連会社でしたが、ゆうちょ銀行が同社の株式の追加取得をしたことにより、当連結会計年度末時点においてゆうちょ銀行の連結子会社となっております。なお、2026年4月1日付で、JP投信株式会社を存続会社、JPインベストメント株式会社を消滅会社とする合併を実施し、商号をゆうちょアセットマネジメント株式会社に変更しております。 ① 郵便・物流事業 当事業では、郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等を行っております。 (a) 郵便事業 郵便サービスを全国一律の料金であまねく公平に提供し、国内郵便に加え、万国郵便条約などの条約・国際取り決めに基づく国際郵便(通常・小包・EMS※)を提供しております。 また、お客さまの郵便発送業務一括アウトソーシングのニーズにお応えするため、郵便物などの企画・作成(印刷)から封入・封かん、発送までをワンストップで請け負うトータルサービスを提供しております。 その他、国からの委託による印紙の売りさばき、お年玉付郵便葉書の発行等の業務を行っております。 ※ EMS=国際スピード郵便(Express Mail Service) (b) 物流事業 物流サービスとして、宅配便(ゆうパック等)及びメール便(ゆうメール等)の運送業務を行っており、eコマース市場の成長に伴う多様な顧客ニーズに的確に応えたサービスを提供いたします。一方、多様化・高度化する物流ニーズに対しては、物流ソリューションセンターを中心として、お客さまに最適な物流戦略、物流システムの設計、提案、構築から運用までを行う3PL※サービスの提供を展開しております。 さらに、eコマースを中心とした小口荷物の国際宅配需要を獲得するため、2014年に資本・業務提携した海外物流パートナーである、仏GeoPost S.A.及び香港Lenton Group Limitedとの間で開発した国際宅配便サービスである「ゆうグローバルエクスプレス」により国際郵便で提供できない付加価値サービスに対応いたします。 ※ 3PL(サードパーティーロジスティクス)=サード・パーティー(=3PL事業者)が、荷主の物流業務全体又は一部を荷主から包括的に受託するサービスの形態。 (c) その他 (a)及び(b)の業務の他、カタログ等に掲載されている商品の販売又は役務の提供に係る申込みの受付け、商品代金の回収等の業務や、地方公共団体からの委託を受けて空き家調査業務等を行っております。 ② 郵便局窓口事業 当事業では、お客さまにサービスを提供するための営業拠点として全国に設置した直営の郵便局(2026年3月31日現在20,093局(うち、営業中は19,917局))及び業務を委託した個人又は法人が運営する簡易郵便局※(2026年3月31日現在4,022局(うち、営業中は3,373局)。ただし、銀行代理業務等に係る委託契約を締結しているのは3,370局(うち、営業中は3,357局)、生命保険募集委託契約を締結しているのは292局(うち、営業中は290局))において郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務等、保険窓口業務等、物販事業を行っている他、提携金融サービスを行っております。 ※ 簡易郵便局法(昭和24年法律第213号)第3条に規定する日本郵便が郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務を委託する者が設ける施設であり、日本郵便と受託者との受委託契約により行う業務が異なります。 (a) 郵便・物流事業に係る窓口業務 郵便物の引受・交付、郵便切手類の販売、ゆうパック等物流サービスの引受、印紙の売りさばき等を行っております。 (b) 銀行窓口業務等 ゆうちょ銀行から委託を受け、通常貯金、定額貯金、定期貯金、送金・決済サービスの取扱い、公的年金などの支払い、国債や投資信託の窓口販売などを行っております。 (c) 保険窓口業務等 かんぽ生命保険から委託を受け、生命保険の募集や保険金の支払いなどを行っております。 (d) 物販事業 カタログ等を利用して行う商品の販売並びに商品の販売又は役務の提供に係る契約の取次ぎ及び当該契約に係る代金回収を行う業務等として、生産地特選品販売、年賀状印刷サービス、フレーム切手販売、文房具等の郵便等関連商品の陳列販売等を行っております。また、社員による販売に加え、インターネット及びDMによる販売を行っております。 (e) 提携金融サービス かんぽ生命保険以外の生命保険会社や損害保険会社などから委託を受け、変額年金保険、がん保険、引受条件緩和型医療保険、自動車保険、傷害保険等の販売を行っております。 (f) その他の事業 (a)~(e)の業務の他、以下の業務を行っております。 ・地方公共団体からの委託を受けて行う戸籍謄本や住民票の写し等の公的証明書の交付事務、ごみ処理券等の販売、バス利用券等の交付事務 ・当せん金付証票(宝くじ)の発売等の事務に係る業務 ・日本放送協会からの委託を受けて行う放送受信契約の締結・変更に関する業務 ・郵便局等の店頭スペース等の活用、窓口ロビーへのパンフレット掲出等の広告業務 ・会員向け生活支援サービス業務(郵便局のみまもりサービス) 等 ③ 国際物流事業 当事業では、Toll Holdings Pty Limited(以下「トール社」といいます。)、同社傘下の子会社及び関連会社において、アジア太平洋地域に関わる輸出入を中心としたフルラインでの国際貨物輸送、及び、アジア太平洋地域における輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流等のサービスを提供しており、下表の2部門で構成されております。 区分   部門名   サービス概要 フォワーディング事業   グローバルフォワーディング(Global Forwarding)   アジア太平洋地域に関わる輸出入を中心としたフルラインでの国際貨物輸送サービス等を提供 ロジスティクス事業   グローバルロジスティクス(Global Logistics)   アジア太平洋地域における輸送・倉庫管理や資源・政府分野物流等のサービスを提供 ④ 不動産事業 当事業では、オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業及び分譲事業のほか、賃貸用建物の運営管理等を行っております。グループ保有不動産の開発を中心に、用途やエリアごとのマーケットを見極めたグループ外の収益物件の取得も推進しております。 また、当社の子会社である日本郵政不動産株式会社が、2025年10月1日に同社子会社であるJPプロパティーズ株式会社の発行済株式の49%を追加取得し、完全子会社化しております。 ⑤ 銀行業 当事業では、ゆうちょ銀行が、銀行法に基づき、預入限度額内での預金(貯金)業務、有価証券投資業務、為替業務、国債、投資信託及び保険商品の販売、シンジケートローン等業務、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務などを営んでおります。また、日本郵便の郵便局ネットワークをメインチャネルに、1.2億人規模のお客さまに生活・資産形成に貢献する金融サービスを提供し、お預かりした貯金を有価証券で運用することを主な事業としております。 また、ゆうちょ銀行及びその関係会社は、銀行業務のほか、金融商品取引業務などを行っております。 (a) 資金運用 ゆうちょ銀行は、2026年3月末日現在、個人貯金が90%超を占める186.1兆円の貯金を、主として有価証券145.3兆円(内、国債41.4兆円、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)88.2兆円)で運用し、資金運用収益を中心に収益を確保しております。 具体的には、想定した市場環境の下、負債の状況等を踏まえて国債等の運用資産・運用期間を適切に管理するとともに、収益源泉の多様化・リスク分散の観点から、国際分散投資の推進、オルタナティブ資産への投資など運用の高度化・多様化を図っているほか、地域経済活性化にも貢献すべく、従来からの地方公共団体向け資金供給の強化に加え、地域金融機関と連携し、地域活性化ファンドへの出資等に取り組んでおります。 こうした金融資産及び金融負債は、市場リスク(金利、為替、株式など様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む。)の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスク)や信用リスク(信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスク)を伴うものであるため、デリバティブ取引等で一定のリスクをヘッジしつつ、収益確保に努めております。 (b) 資金調達、資産・負債総合管理 ゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所・日本郵便が展開している郵便局ネットワークを通じて、お客さまから通常貯金、定額・定期貯金などの各種の貯金を預入限度額内でお預かりしております。 また、郵政管理・支援機構が、公社から承継した郵便貯金に相当する預り金を、特別貯金として受け入れております。 さらに、上記(a)の資金運用(資産)と市場取引も含めた資金調達(負債)について、信用・市場リスクや流動性リスク(運用・調達期間の差異や資金流出により、必要な資金調達や通常の金利での資金調達が困難となるリスク)をマネージするため、各商品のリスク特性に合わせた7つのポートフォリオに細分化して管理する枠組みのもとで、資産・負債を総合的に内部管理するALM(Asset Liability Management)を適切に展開し、中期的な収益の確保に努めております。 (c) 手数料ビジネス ゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所(直営店)・日本郵便の郵便局ネットワーク・各種デジタルチャネルを通じて、為替業務、国債・投資信託等の資産運用商品の販売、クレジットカード業務、住宅ローン媒介業務及び各金融機関と連携したATM提携サービスなどを提供し、手数料(役務取引等)収益を確保しております。 ⑥ 生命保険業 当事業では、かんぽ生命保険が、保険業法に基づく免許・認可を得て、生命保険の引受け及び有価証券投資、貸付等の資産運用業務を行っております。 また、日本郵便との間で生命保険募集・契約維持管理業務委託契約等を締結し、2026年3月31日現在、20,058局(うち、営業中は19,882局)の郵便局で生命保険募集等を行っております。 (a) 生命保険業 かんぽ生命保険は、生命保険業免許に基づき、次の①~③の保険引受業務及び④~⑫の資産運用業務を行っております。ただし、かんぽ生命保険には、他の生命保険会社にはない、業務を行うに当たっての郵政民営化法による制約があります。詳細は下記「(3) 事業に係る主な法律関連事項 ③(i)~(l)」をご参照ください。 業務の種類   内訳 保険引受業務   ① 個人保険及び財形保険 ② 個人年金保険及び財形年金保険 ③ 再保険(注) 資産運用業務   ④ 有価証券の取得 ⑤ 不動産の取得 ⑥ 金銭債権の取得 ⑦ 金銭の貸付(コールローンを含む。) ⑧ 有価証券の貸付 ⑨ 預金又は貯金 ⑩ 金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託 ⑪ 有価証券関連デリバティブ取引、金融等デリバティブ取引又は先物外国為替取引 ⑫ その他郵政民営化法第138条に定められた方法等 (注) かんぽ生命保険と郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてをかんぽ生命保険が受再しております。 (b) 他の保険会社(外国保険業者を含む。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行 かんぽ生命保険は、次の保険会社の商品の受託販売等を行っております。 ・アフラック生命保険株式会社 ・エヌエヌ生命保険株式会社 ・住友生命保険相互会社 ・第一生命保険株式会社 ・東京海上日動あんしん生命保険株式会社 ・日本生命保険相互会社 ・第一ネオ生命保険株式会社 ・三井住友海上あいおい生命保険株式会社 ・明治安田生命保険相互会社 ・メットライフ生命保険株式会社 (c) 郵政管理・支援機構から委託された簡易生命保険管理業務 かんぽ生命保険は、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約の管理業務を、郵政管理・支援機構から受託しております。 ⑦ その他 上記の各事業のほか、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するグループシェアード事業、公社から承継した病院及び宿泊施設の運営、成長性の高い企業に出資を行う投資事業等を行っております。 (a) グループシェアード事業 当社グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1か所に集約した方が効率的な実施が見込まれる間接業務(電気通信役務及び情報処理サービスの提供、人事及び経理に関する業務、福利厚生に関する業務、不動産の管理等に関する業務、人材派遣・紹介等の業務、コールセンターに関する業務、人材育成に関する業務及び健康管理業務など)を、事業子会社等から受託して実施することにより、業務を支援するとともに、経営効率の向上を図っております。 (b) 病院事業 当社グループの企業立病院として、東京逓信病院を運営しております。 (注) 逓信病院設置数は2026年3月31日現在、東京逓信病院の1か所であります。 (c) 宿泊事業 「ゆうぽうと世田谷レクセンター」の運営、管理を行っております。 (注) 宿泊事業における施設設置数は2026年3月31日現在、「ゆうぽうと世田谷レクセンター」の1か所であります。 (d) 投資事業 成長性の高い企業に出資を行うことにより、出資先企業と当社グループとの連携及び中長期的なグループ収益の拡大を図っております。 上記のほか、当社は、事業子会社等の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うこととしております。 (2) 当社グループの事業系統図 当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。 (注) 1.持分法非適用の非連結子会社及び関連会社は、記載を省略しております。 2.当社の連結子会社である日本郵便は、連結子会社であるJWT株式会社を通じ、2025年2月27日より、トナミHDに対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を実施しました。本公開買付けにより、本公開買付けの決済日である2025年4月17日付で、議決権比率は87.24%となり、当社の連結子会社となりました。なお、トナミHDが2025年6月23日を効力発生日とする株式併合等を実施した結果、JWT株式会社の議決権比率は、当連結会計年度末において100%となっております。 JWT株式会社は2025年7月1日付でJPトナミグループ株式会社に商号変更しております。 3.2025年6月27日付で、当社は連結子会社であるゆうちょ銀行の普通株式の一部につき、株式処分信託の設定により株式処分を実施しました。これにより、当社のゆうちょ銀行に対する議決権の保有割合は49.9%となりました。 なお、本株式処分により、ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は50%を下回りましたが、実質支配力基準により、ゆうちょ銀行が当社の連結子会社であることに変更はありません。 4.JP投信株式会社は、前連結会計年度はゆうちょ銀行の持分法適用関連会社でしたが、ゆうちょ銀行が同社の株式の追加取得をしたことにより、当連結会計年度末時点においてゆうちょ銀行の連結子会社となっております。なお、2026年4月1日付で、JP投信株式会社を存続会社、JPインベストメント株式会社を消滅会社とする合併を実施し、商号をゆうちょアセットマネジメント株式会社に変更しております。 (3) 事業に係る主な法律関連事項 当社グループが行う事業に係る主な法律関連事項は、次のとおりであります。 ① 日本郵政株式会社法 (a) 趣旨 当社の目的、業務の範囲等が定められております。当社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。 (b) 会社の目的 当社は、日本郵便の発行済株式の総数を保有し、日本郵便の経営管理を行うこと及び日本郵便の業務の支援を行うことを目的とする株式会社とされております。(法第1条) (c) 業務の範囲 当社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を行うものとされております。(法第4条第1項) イ. 日本郵便が発行する株式の引受け及び保有 ロ. 日本郵便の経営の基本方針の策定及びその実施の確保 ハ. 日本郵便の株主としての権利の行使等 ニ. イ.からハ.に掲げる業務に附帯する業務 (d) 業務の制限 次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。 イ. その目的を達成するために法第4条第1項に規定する業務のほかに行う必要な業務(法第4条第2項) ロ. 募集株式若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際して行う株式若しくは新株予約権の交付(法第8条) ハ. 取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議(法第9条) ニ. 毎事業年度の事業計画(法第10条) ホ. 定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、会社分割及び解散の決議(法第11条) (e) ユニバーサルサービスの提供 当社は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条) (f) 株式の保有 当社は、常時、日本郵便の発行済株式の総数を保有していなければならないこととされております。(法第6条) (g) 株式の処分 政府は、保有義務のある3分の1超の株式を除き、その保有する当社の株式について、できる限り早期に処分するものとされております。(法附則第3条) なお、政府は、当社の株式の売却収入を東日本大震災に係る復興債の償還費用の財源を確保するため、当社の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、当社の株式をできる限り早期に処分するものとされております。(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法附則第14条) ② 日本郵便株式会社法 (a) 趣旨 日本郵便の目的、業務の範囲等が定められております。同社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。 (b) 会社の目的 日本郵便は、郵便の業務、銀行窓口業務及び保険窓口業務並びに郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とする株式会社とされております。(法第1条) (c) 業務の範囲 イ. 日本郵便は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとされております。(法第4条) ⅰ 郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務 ⅱ 銀行窓口業務 ⅲ ⅱに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、銀行窓口業務契約の締結及び当該銀行窓口業務契約に基づいて行う関連銀行に対する権利の行使 ⅳ 保険窓口業務 ⅴ ⅳに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、保険窓口業務契約の締結及び当該保険窓口業務契約に基づいて行う関連保険会社に対する権利の行使 ⅵ 国の委託を受けて行う印紙の売りさばき ⅶ ⅰからⅵに掲げる業務に附帯する業務 ロ. 日本郵便は、イ.に規定する業務を営むほか、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むことができるものとされております。 ⅰ お年玉付郵便葉書等に関する法律(昭和24年法律第224号)第1条第1項に規定するお年玉付郵便葉書等及び同法第5条第1項に規定する寄附金付郵便葉書等の発行 ⅱ 地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(平成13年法律第120号)第3条第5項に規定する事務取扱郵便局において行う同条第1項第1号に規定する郵便局取扱事務に係る業務 ⅲ ⅱに掲げるもののほか、郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務 ⅳ ⅰからⅲに掲げる業務に附帯する業務 ハ. 日本郵便は、イ.及びロ.に規定する業務のほか、イ.及びロ.に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、イ.及びロ.に規定する業務以外の業務を営むことができるものとされております。 ニ. 日本郵便は、ロ.ⅲに掲げる業務及びこれに附帯する業務並びにハ.に規定する業務を営もうとするときは、あらかじめ、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならないものとされております。 ※ 金融2社は、現在、日本郵便が金融のユニバーサルサービス提供に係る責務を果たすために営む銀行代理業又は保険募集等に係る業務委託契約を日本郵便との間でそれぞれ締結しております。これらの契約を締結している銀行又は生命保険会社を、それぞれ関連銀行、関連保険会社といいます。 (d) 業務の制限 次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。 イ. 新株若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換若しくは株式交付に際して行う株式若しくは新株予約権の交付(法第9条) ロ. 毎事業年度の事業計画(法第10条) ハ. 総務省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするとき(法第11条) ニ. 定款の変更、合併、会社分割及び解散の決議(法第12条) (e) ユニバーサルサービスの提供 日本郵便は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条) ③ 郵政民営化法 (a) 趣旨 郵政民営化の基本理念、基本方針等を定めるとともに、公社の解散に伴い、公社の機能を引き継がせる新たな株式会社(以下、本③において「新会社」といいます。)の設立、新会社の株式、新会社に関して講ずる措置、公社の業務等の承継等に関する事項その他郵政民営化の実施に必要となる事項が定められております。 2012年5月8日公布の郵政民営化法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、郵政民営化法が改正され、郵便サービスのみならず、貯金、保険の基本的なサービスを郵便局で一体的に利用できるようにするユニバーサルサービスの確保が義務づけられ、また、当社が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式については、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。 (b) 株式の処分 当社の発行済株式の総数は政府が保有し、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の発行済株式の総数は当社が保有するものとされており、政府が保有する当社の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとされておりますが、その割合は、常時、3分の1を超えているものとされております。 また、当社が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式について、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。(法第5条、第7条及び第62条) (c) ユニバーサルサービスの提供 当社及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持するものとし、郵便局ネットワークの活用その他の郵政事業の実施に当たっては、その公益性及び地域性が十分に発揮されるようにするものとされております。(法第7条の2) (d) 同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保 当社、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の業務については、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するために必要な制限を加えるとともに、ゆうちょ銀行について銀行法等の特例を適用しないこととする日又はかんぽ生命保険について保険業法等の特例を適用しないこととする日のいずれか遅い日以後の最初の3月31日までの期間中に、郵政民営化に関する状況に応じ、これを緩和するものとされております。 また、日本郵便は、日本郵便株式会社法第4条第2項第3号に掲げる業務及びこれに附帯する業務並びに同条第3項に規定する業務(以下「届出業務」といいます。)を営むに当たっては、届出業務と同種の業務を営む事業者の利益を不当に害することのないよう特に配慮しなければならないとされております。(法第8条及び第92条) (e) ゆうちょ銀行における業務の制限 ゆうちょ銀行は、これまで郵政民営化法により、郵政民営化時に認められていなかった業務(いわゆる新規業務)を行うときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を要するものとされておりましたが(同法第110条)、2025年6月27日付で当社がゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出たことから、この日以後は新規業務に係る認可手続きは不要となり、届出制(※)へと移行しております。また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の届出を受けた場合、郵政民営化委員会へその旨を通知しなければならないこととされております。届出を要する業務の概要は、以下のとおりです。 ※ 当社が総務大臣に届け出た日以後は、従前の認可手続きに代わり、ゆうちょ銀行が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うにあたっては、他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております(同法第110条の2)。なお、郵政民営化委員会から2025年7月30日に公表された「株式会社ゆうちょ銀行の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和7年7月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。 イ.外貨預金の受入れ、譲渡性預金の受入れ ロ.資金の貸付け又は手形の割引(次のⅰからⅵに掲げる業務を除く) ⅰ 預金者等に対する当該預金者等の預金等を担保とする資金の貸付け ⅱ 国債証券等を担保とする資金の貸付け ⅲ 地方公共団体に対する資金の貸付け ⅳ コール資金の貸付け ⅴ 当社、日本郵便又はかんぽ生命保険に対する資金の貸付け ⅵ 郵政管理・支援機構に対する資金の貸付け ハ.銀行業に付随する業務等のうち、次のⅰからⅻに掲げる業務 ⅰ 債務の保証又は手形の引受け ⅱ 特定目的会社発行社債の引受け等 ⅲ 有価証券の私募の取扱い ⅳ 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託 ⅴ 外国銀行の業務の代理又は媒介 ⅵ デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理 ⅶ 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理 ⅷ 有価証券関連店頭デリバティブ取引 ⅸ 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理 ⅹ 投資助言業務 ⅺ 信託に係る事務に関する業務 ⅻ 地球温暖化防止の観点での算定割当量関連業務 ニ.登録金融機関の業務(金融商品取引法第33条第2項の業務)(次のⅰからⅲに掲げる業務を除く) ⅰ 投資の目的又は信託契約に基づく有価証券の売買・有価証券関連デリバティブ取引及び書面取次ぎ行為 ⅱ 国債等の募集の取扱い等 ⅲ 証券投資信託の募集の取扱い等 ホ.その他の法律の規定により銀行が営むことができる業務(次のⅰからⅷに掲げる業務を除く) ⅰ 休眠預金等代替金の支払等 ⅱ 当せん金付証票の売りさばき等 ⅲ 国民年金基金の加入申出受理業務 ⅳ かんぽ生命保険の一部の生命保険の募集 ⅴ 確定拠出年金(個人型)の加入申込受理業務 ⅵ 拠出年金運営管理業(個人型) ⅶ 公的給付支給等口座の登録申請受付業務等 ⅷ 個人番号の利用による口座管理業務 ヘ.その他内閣府令・総務省令で定める業務 また、内閣総理大臣及び総務大臣は、下記(f)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合、下記(g)(h)の規制に係る認可の申請があった場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。 (f) ゆうちょ銀行における預入限度額 ゆうちょ銀行は、郵政民営化法により、当座預金に相当する振替貯金を除き、原則として一の預金者から、受入れをすることができる預金等の額が制限されております。(同法第107条、郵政民営化法施行令第2条) 2019年3月13日に公布された郵政民営化法施行令の一部を改正する政令に基づき、同政令の施行日である2019年4月1日からの預入限度額は下記のとおりであります。また、預金保険制度による貯金の保護の範囲については変更ありません。 イ.通常貯金・・・1,300万円 ロ.定期性貯金(定額貯金及び定期貯金等。郵政民営化前に預入した郵便貯金(郵政管理・支援機構に引き継がれたもの)を含み、ハ.を除く。)・・・1,300万円 ハ.財形定額貯金、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金・・・あわせて550万円 (g) ゆうちょ銀行における子会社保有の制限 ゆうちょ銀行は、子会社対象金融機関等を子会社(銀行法第2条第8項に規定する子会社)としようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(郵政民営化法第111条第1項) また、銀行(銀行法第16条の2第1項第1号、第2号又は第7号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(郵政民営化法第111条第7項) (h) ゆうちょ銀行における合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けの認可 ゆうちょ銀行を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております。(郵政民営化法第113条第1項、第3項及び第5項) ただし、内閣総理大臣及び総務大臣は、金融機関(預金保険法第2条第1項各号に掲げる者)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(郵政民営化法第113条第2項、第4項及び第6項) (i) かんぽ生命保険における業務の制限 かんぽ生命保険は、郵政民営化法により、政令で定めるもの以外の保険の種類の保険の引受けを行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(同法第138条第1項) また、保険業法第97条の規定により行う業務以外の業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(郵政民営化法第138条第3項) なお、保険料として収受した金銭その他の資産を次に掲げる方法以外の方法により運用しようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(郵政民営化法第138条第2項) イ.保険契約者に対する資金の貸付け ロ.地方公共団体に対する資金の貸付け ハ.コール資金の貸付け ニ.当社又は日本郵便に対する資金の貸付け ホ.郵政管理・支援機構に対する資金の貸付け ヘ.その他内閣府令・総務省令で定める方法 また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の認可や下記(k)(l)の規制に係る認可の申請があった場合、下記(j)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。 一方、当社がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、かんぽ生命保険は、郵政民営化法第138条に係る認可は要しないものの、かんぽ生命保険が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(同法第138条の2) 当社は2021年6月9日付でかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨の届出を行ったことから、かんぽ生命保険は、郵政民営化法第138条の2の定めに基づき、新規業務、新商品の開発・販売、新たな方法による資産運用にかかる認可手続きは不要となり、届出制へと移行しております。なお、郵政民営化委員会から2021年10月14日に公表された「株式会社かんぽ生命保険の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和3年10月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。 (j) かんぽ生命保険における加入限度額 かんぽ生命保険の保険契約については、郵政民営化法及び関連法令により、被保険者1人について加入できる保険金額などの限度(加入限度額)が定められております。(法第137条、郵政民営化法施行令第6条、第7条及び第8条) なお、被保険者が郵政民営化前の簡易生命保険契約に加入している場合には、加入限度額は、以下の金額から簡易生命保険契約の保険金額等を差し引いた額となります。 イ. 基本契約の保険金額の加入限度額 ⅰ 被保険者が満15歳以下のとき 700万円 ⅱ 被保険者が満16歳以上のとき 1,000万円(被保険者が満55歳以上の場合の特別養老保険の保険金額は、加入している普通定期保険及び普通定期保険(R04)とあわせて800万円) ただし、被保険者が満20歳以上55歳以下の場合は、一定の条件(加入後4年以上経過した保険契約がある場合など)のもとに、累計で2,000万円までとなっております。なお、特定養老保険については、年齢にかかわらず、500万円までとなっております。 ロ. 年金額(介護割増年金額を除きます。)の加入限度額 年額90万円(初年度の基本年金額)(夫婦年金保険及び夫婦年金保険付夫婦保険の配偶者である被保険者に係る額を除きます。) ハ. 特約保険金額の加入限度額 ⅰ 疾病にかかったこと、傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態、傷害を受けたことを直接の原因とする死亡及びこれらに類するものに対する保障・・・あわせて1,000万円 ⅱ 上記に掲げるものに関し、治療を受けたことに対する保障・・・1,000万円 (注) 上記の法令で定める加入限度額以外にも、基本契約の保険種類等により付加できる特約の保険金額に一定の制限があります。 ニ. 払込保険料総額の加入限度額 財形積立貯蓄保険及び財形住宅貯蓄保険・・・あわせて550万円(財形商品については、他に、関連法令による払込保険料総額等の制限があります。) (k) かんぽ生命保険における子会社保有の制限 かんぽ生命保険は、子会社対象会社を子会社(保険業法第2条第12項に規定する子会社)としようとするとき(同法第106条第1項第16号に掲げる会社にあっては、かんぽ生命保険又はその子会社が合算してその基準議決権数を超える議決権を取得し、又は保有しようとするとき)は、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第139条第1項) また、保険会社等(保険業法第106条第1項第1号から第2号の2まで又は第8号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(法第139条第7項) (l) かんぽ生命保険における保険契約の移転、合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可 かんぽ生命保険がする保険契約の移転、かんぽ生命保険を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないものとされております。(法第141条第1項、第3項、第5項及び第7項) また、内閣総理大臣及び総務大臣は、当社又はかんぽ生命保険の子会社を移転先会社とする保険契約の移転、保険会社(保険業法第2条第2項に規定する保険会社)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(法第141条第2項、第4項、第6項及び第8項) (注) 当社がかんぽ生命保険の株式の全部を処分した日又は当社がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、かんぽ生命保険と他の生命保険会社との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認める決定があった日のいずれか早い日以後は、上記(i)に記載の同法第138条の2に基づく届出は不要となります。加えて、この場合には、上記(i)から(l)までに記載の郵政民営化法上の制限等は適用されないこととされております。(法第134条) ④ 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法 (a) 趣旨 郵政管理・支援機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。 (b) 概要 郵政管理・支援機構の目的は、公社から承継し政府による支払保証が継続された郵便貯金(積立郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金等)及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行することにより、郵政民営化に資するとともに、郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与することとされております。(法第3条) 郵政管理・支援機構は、郵便貯金管理業務(公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)及び簡易生命保険管理業務(同簡易生命保険契約の管理に関する業務等)をその業務の範囲とし、郵便貯金管理業務の一部をゆうちょ銀行に、簡易生命保険管理業務の一部をかんぽ生命保険に、それぞれ委託しております。(法第13条、第15条及び第18条) 郵政管理・支援機構は、ゆうちょ銀行との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための預金に係る契約を、かんぽ生命保険との間で簡易生命保険契約の再保険の契約を、それぞれ締結しております。(法第15条及び第16条) また、郵便局ネットワークの維持の支援に要する費用に充てるため、郵政管理・支援機構が関連銀行(ゆうちょ銀行)及び関連保険会社(かんぽ生命保険)から拠出金を徴収し、日本郵便に対し郵便局ネットワークの維持に要する費用の一部に充てるための交付金を交付することとされております。(法第18条の2及び第18条の3) ⑤ 郵便法 (a) 郵便の実施 郵便の業務については、日本郵便が行うことが郵便法に定められております。(法第2条) また、日本郵便以外の何人も、郵便の業務を業とし、また、日本郵便が行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならないとされております。(法第4条) (b) ユニバーサルサービスの提供 郵便法の目的が、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することと規定されているとおり(法第1条)、日本郵便は郵便のユニバーサルサービスを提供することが義務付けられております。 (c) 業務の制限 イ.郵便約款 日本郵便は、郵便の役務に関する提供条件について郵便約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第68条) ロ.郵便業務管理規程 日本郵便は、業務開始の際、郵便の業務の管理に関する規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第70条) ハ.業務の委託 日本郵便は、郵便の業務の一部を委託しようとするときは、他の法律に別段の定めがある場合を除き、総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(法第72条) ニ.料金 日本郵便は、郵便に関する料金を定め、あらかじめ総務大臣に届け出なければならず、これを変更するときも同様とされております。また、第三種郵便物及び第四種郵便物については、日本郵便が料金を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第67条) なお、2026年6月12日、第221回国会(特別会)において、郵便法の一部を改正する法律案が成立しております。施行後は、定形郵便物の料金について、上限の額を定め、総務大臣の認可を受けることとされる予定であります。
経営方針・対処すべき課題14,739字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 当社グループの経営理念及び経営方針 ① グループ経営理念 郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献します。 ② グループ経営方針 ・ お客さまの生活を最優先し、創造性を発揮しお客さまの人生のあらゆるステージで必要とされる商品・サービスを全国ネットワークで提供します。 ・ 企業としてのガバナンス、監査・内部統制を確立しコンプライアンスを徹底します。 ・ 適切な情報開示、グループ内取引の適正な推進などグループとしての経営の透明性を実現します。 ・ グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。 ・ 働く人、事業を支えるパートナー、社会と地域の人々、みんながお互い協力し、社員一人ひとりが成長できる機会を創出します。 (2) 経営環境 当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は、米国の関税政策の影響を受けつつも、米国を中心に総じて底堅く推移しました。米国経済は、関税政策による物価上昇が限定的ななか、個人消費を中心に堅調に推移しましたが、FRB(連邦準備制度理事会)は、労働市場の急減速を受け、2025年9月以降、3会合連続で利下げを行いました。ユーロ圏経済は、ECB(欧州中央銀行)が2025年4月と6月に利下げを実施した後、政策金利は据え置かれたものの、内需を中心に底堅く推移しました。日本経済は、米国による関税政策の影響が見られましたが、内需の持ち直しもあり緩やかに回復しました。賃金と物価がともに上昇するなか、日本銀行は2025年12月に利上げを行いました。しかしながら、2026年2月末には米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始し、世界経済全体の先行き不透明感が急速に高まりました。 金融資本市場では、米国の長期市場金利は、関税政策により上下に振れた後、労働市場の弱さや景気減速懸念から低下に向かいました。その後、米国とイスラエルの軍事行動を契機とする原油価格の高騰を受け再び上昇傾向に転じました。また、日本の長期市場金利は、2025年4月に米国の関税引き上げ表明を受け一時1.1%台まで急低下しました。その後は物価高が続くなか、財政悪化懸念や原油価格高騰もあり、上昇基調に転じました。 ドル円相場は、米国の関税政策への懸念等から、2025年4月下旬に一時140円程度まで円高が進行しましたが、日本の財政悪化懸念等もあり、2026年1月には160円程度まで円安が進行しました。その後は為替介入への警戒等により円高に転ずる局面があったものの、イラン情勢の緊迫化等により再び円安基調に転じました。 日経平均株価は、米国同様に、2025年4月上旬に一時31,000円台まで急落しましたが、好調な米国株式市場や日本の新政権への政策期待等から上昇基調が続き、2026年2月末に最高値を記録しました。その後は原油価格高騰による景気減速懸念等を受け、下落しました。 物流業界においては、EC市場規模の拡大が続く一方で、業界内の激しい競争に加え、諸物価や人件費の上昇に伴うコストの増加等により、厳しい環境が続いています。また、働き方改革関連法等によるドライバー拘束時間に係る基準強化などから生じる、いわゆる物流の「2024年問題」への対策として、「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき業界・分野別に作成された自主行動計画に掲げられた取組みの実行のほか、改正物流総合効率化法及び改正貨物自動車運送事業法が施行され、物流業界を取り巻く事業環境に変化が生じています。 郵便事業においては、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少が続いています。こうしたなか、経営環境の変化に応じて機動的に郵便に関する料金を変更することができるようにするため、定形郵便物の料金の上限の額を日本郵便の申請に基づき総務大臣が認可する制度に見直すことなどを内容とする郵便法の一部を改正する法律案が第221回国会(特別会)において成立しました。 銀行業界においては、当連結会計年度の全国銀行における預金は27年連続で増加し、貸出金も15年連続で増加しました。金融システムは、各国の経済政策運営や中東情勢を中心とする地政学的リスク、海外ノンバンク部門の動向等が、様々な経路を通じて金融システムに及ぼす影響については引き続き丁寧に見ていく必要があるものの、全体として安定性を維持しています。 生命保険業界においては、超高齢社会の進展や人口減少等に加え、度重なる自然災害の発生、資源価格の高騰や為替の変動等、先行きが読めない不確実な状況が続くとともに、ライフスタイルの変化や、生成AIの急速な広まり等による社会のデジタル化の進展等、社会全体が大きく変化している現在、お客さまの人生に寄り添い、万が一に備えるお客さまの自助努力を支援し、安心を提供するという役割が、ますます大きくなってきていると考えております。 当社グループは、「郵便・物流」「貯金」「保険」の生活に必要な基礎的サービスや物販、提携金融サービス等を全国約2万4,000か所の郵便局ネットワークを通じて提供するほか、不動産事業など多数のサービスを展開しております。郵便・物流事業においては1日に約3,000万か所への郵便配達箇所数、銀行業においては約1億2,000万口座の通常貯金口座数、生命保険業においては約1,577万人のお客さま数(契約者さま及び被保険者さまを合わせた人数(個人保険及び個人年金保険を含み、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みます。))など、毎日の生活の中で多くのお客さまにご利用いただいており、お客さまとの接点の多さは当社グループの強みとなっております。 (3) 当社グループの経営戦略等 ① 中期経営計画等について 当社グループは、2026年度~2028年度を対象とした新たな中期経営計画として「JP プラン 2028」(以下「JP プラン 2028」といいます。)を2026年5月に公表しました。 (a) JP プラン 2028の基本方針 当社を取り巻く10~15年後の長期的な環境変化を踏まえ、長期的に目指す姿として、前中期経営計画において掲げた共創プラットフォームを、総合物流プラットフォーム・総合金融プラットフォーム・生活サポートプラットフォームから構成される3つの機能に深化することに加え、不動産事業及び各グループ横断的サービスの提供を通じて、今まで以上の「日本郵政グループ」の魅力・価値の創出を目指します。 本中期経営計画期間においては、3つのプラットフォームを支える基盤である郵便及び郵便局ネットワークが、郵便物数の大幅減、窓口の来客数減少などにより持続可能なユニバーサルサービス提供に課題を抱える現況から、「目指す姿」に向けた第一歩として、ユニバーサルサービスの持続性確保と、新たな事業領域等での成長を同時に実現することを目指します。 (b) ユニバーサルサービスの持続性確保と、新たな事業領域等での成長に向けた3つの重点戦略 「JP プラン 2028」のもと、「ユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた事業構造の見直し」、「成長領域での利益成長による企業価値向上」、「グループ経営基盤の強化」という3本柱を掲げて取り組みます。 「ユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた事業構造の見直し」は、郵便物数の減少や人件費・物価高騰等により、現行の事業構造ではサービス維持が困難になりつつあるという課題に対応するものです。集配拠点の集約、生産性向上による要員配置の最適化、窓口営業時間の弾力化など、郵便・物流事業、郵便局窓口事業の抜本的な構造改革に取り組み、業務効率化や生産性向上を進めてまいります。 「成長領域での利益成長による企業価値向上」は、郵便物数や窓口来客数の減少といった収益課題に対し、金融・不動産・物流といった成長余地のある事業で利益拡大を図るものです。金融事業では、商品ラインアップを拡充し多様な年代のお客さまニーズに対応するとともに、郵便局のリアルチャネルに加え、デジタルチャネル・リモートチャネルを活用してお客さま接点の充実を図ります。不動産事業では、賃貸事業を基盤に分譲・回転型事業及びマネジメント事業を強化し、総合デベロッパーとしての事業拡大を目指します。物流事業では、日本郵便の強みであるラストワンマイルに加えて、国内外の企業間物流の強化として国際物流・国内物流の全てを運営できる物流網を構築し、また、ゆうパック・ゆうパケットの収益拡大に取組むことなどを通して、総合物流企業への転換を目指します。 「グループ経営基盤の強化」は、不祥事の発生や激しい外部環境変化等を踏まえ、ガバナンス・コンプライアンス・DX・人的資本経営・資本政策の取組みを進めることで、信頼回復と企業価値向上の基盤を強化することを目的としています。 ② 経営者の問題意識と今後の方針 当社グループは、人口減少やデジタル化の進展など、今後10~15年にわたる社会・経済環境の大きな変化を見据えた上で、当社グループに大きな影響を与える課題の解決に向けて、今後3年間に取り組むべき主要戦略をまとめた「JP プラン 2028」を2026年5月に公表しました。 「JP プラン 2028」では、人口減少や高齢化の加速、地方での過疎化、そしてデジタル化やAIなどの技術革新による社会や経済の在り方そのものが大きく変わりつつあるなか、こうした長期的な変化を踏まえ、当社グループが長期的に目指す方向性を示しました。これまでの共創プラットフォームを「総合物流」「総合金融」「生活サポート」という3つのプラットフォーム機能に深化させることに加え、不動産事業及び各グループ横断的サービスの提供を通じて今まで以上の「日本郵政グループ」の魅力と価値を生み出すことを目指します。財務面では、新中期経営計画期間の重点戦略等に取り組むことにより、中長期的な目標として株主資本コストを上回るROEの継続的な創出を目指します。なお、「JP プラン 2028」については、2027年度に郵便料金改定が実施された場合を見据え、一定の幅をもって経営目標を設定しております。 「JP プラン 2028」の3年間は、長期的に目指す姿である「3つのプラットフォームの深化と不動産事業による価値創出」に向けたステップとして位置づけております。郵便物数や窓口来客数の減少等、グループの直面する課題に鑑み、「ユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた事業構造の見直し」、「成長領域での利益成長による企業価値向上」及び「グループ経営基盤の強化」を重点戦略としております。 「ユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた事業構造の見直し」については、郵便・物流事業において、郵便物数が減少するなかで、グループの使命である郵便サービスを持続的に提供するため、集配拠点の集約等による業務効率化や生産性向上・要員管理の高度化により戦略的な要員配置の最適化を進め、徹底したコスト削減と収益向上の取組みを通じて損益改善を図ります。そのうえで、ニーズやコスト等を踏まえて各種郵便サービスの料金の見直しを検討し、また、現在、法令で求められているサービス水準の見直しを要望してまいります。また、郵便局窓口事業において、人口減少や過疎化の進展により、地域事情は多様化し、郵便局窓口の社員数減少が予測されるなか、窓口営業時間の弾力化等を通じて地域事情に応じた柔軟な運営体制を構築することにより生産性向上を進めます。また、地域のインフラ維持機能やお客さまの暮らしを支えるサービスを提供することで、地域の生活を支える生活サポート拠点としての機能を発揮することを目指します。 「成長領域での利益成長による企業価値向上」については、金融、不動産、総合物流による利益拡大を進めます。金融事業においては、若年層~中高年層に向けた商品ラインアップ拡充や、当社グループが強みを持つリアルチャネルに加え、アプリ等のデジタルチャネルや、専門的な知識を持つ社員との応対ができるリモートチャネルを活用したお客さま接点の充実により、多様な年代のお客さまの潜在的ニーズに対応します。不動産事業においては、将来的に総合デベロッパーへの転換を目指します。そのステップとして、「JP プラン 2028」期間においては、グループ保有不動産の開発による賃貸事業等のストックビジネスを強化するとともに、継続的な分譲マンション事業や、用地仕入れ、開発、売却により利益を獲得する回転型事業等のフロービジネスへ取り組むとともに、不動産投資顧問会社の設立や私募ファンドの運用等によるフィービジネスなども取り組むことで事業領域を拡大させてまいります。物流事業においては、当社グループの強みであるラストワンマイルに加えて、M&Aや資本業務提携等を活用し、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業を目指し、あらゆるお客さまの要望に応えられる利便性の高い物流サービスを提供してまいります。 「グループ経営基盤の強化」については、AIやデジタル技術の活用を推進し、お客さまの体験価値や業務における社員の体験価値を高めるグループDXの取組みを推進してまいります。人的資本戦略については、「事業環境の変化や成長戦略に応じた人材ポートフォリオの構築」と「社員一人ひとりの可能性の最大限の引き出し」を推進してまいります。サステナビリティ経営の推進に関しては、「社会と地域の発展」と「ステークホルダーの幸せの実現」2つの社会的価値の創造を通じて、経営理念の実現を目指します。 ガバナンス体制を強化する取組みについては、各郵便局の実態を的確に把握し、法令等のルールの浸透を支援する新組織を設置することにより、ガバナンスを抜本的に強化するとともに、お客さまが郵便局を信頼・安心して利用していただける環境を構築してまいります。 そして、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保については、交付金・拠出金制度も活用しつつ、その責務を果たし、地域社会に貢献するとともに、郵便局ネットワークの一層の活用・維持による安定的なサービスの提供等を図るため、グループ各社の経営の基本方針を策定し、その実施に努めてまいります。 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式については、2社の経営状況、ユニバーサルサービスの責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとするという郵政民営化法の趣旨に沿って、所要の準備を行ってまいります。 なお、2025年6月27日付で、当社は連結子会社であるゆうちょ銀行の普通株式の一部につき、株式処分信託の設定により株式処分を実施しました。これにより、当社のゆうちょ銀行に対する議決権の保有割合は49.9%となりました。本株式処分により、ゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は50%を下回りましたが、実質支配力基準により、ゆうちょ銀行が当社の連結子会社であることに変更はありません。 当社は、資本効率の向上、株主還元の強化を目的として、自己株式の取得を実施しており、2024年5月15日付の取締役会決議に基づき、2024年5月16日から2025年3月31日の間、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT‑3)及び立会市場における取引により当社普通株式233,305,400株を取得し、2025年3月28日付の取締役会決議に基づき、2025年4月11日付で保有自己株式のうち233,305,400株を消却いたしました。 その結果、2025年4月11日時点における発行済株式総数は2,972,934,900株となりました。 また、2025年5月15日付の取締役会に基づき、2025年8月28日から2026年3月31日の間、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT‑3)及び立会市場における取引により当社普通株式164,740,300株を取得し、2026年3月27日付の取締役会決議に基づき、2026年4月10日付で保有自己株式のうち164,740,300株を消却いたしました。 (4) 対処すべき課題 ① 非公開金融情報の適切な取り扱いの確保に向けた取組等について 郵便局において、お客さまから事前に同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報を、保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局ご案内に利用した事例が2024年度に確認されたことを受け、発生原因を分析し再発防止策を策定するとともに、関係者の責任を明確化いたしました。当社グループは、総力をあげて再発防止策の実効性を不断に検証しながら改革を継続し、お客さま本位のサービス提供が図られるよう、全力で取り組んでまいります。また、同年度に受領したグループ主要4社に対する金融庁の報告徴求命令並びに当社及び日本郵便に対する総務省の報告徴求命令に基づき、再発防止策及びその実施状況等について定期的に報告を行ってまいります。 ② 商品認可前の勧誘行為の再発防止について 2024年1月4日に販売を開始した一時払終身保険に関し、販売に係る保険業法上の認可を取得する前に日本郵便及びかんぽ生命の社員である生命保険募集人が勧誘行為を行った事案を受け、当社、日本郵便及びかんぽ生命は、実態を把握するための調査を実施し、調査結果等を踏まえた再発防止策を策定いたしました。再発防止策に掲げた各種施策等について、進捗管理を着実に実施しながらPDCAを回し、法令違反を再発させない態勢構築とお客さま本位のサービス提供に向けて、当社グループの全役職員が一丸となって取り組んでまいります。 各事業セグメント別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。 ③ 郵便・物流事業 郵便・物流事業については、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少、荷物分野における競合他社との激しい競争、諸物価や人件費の上昇によるコスト増加などにより、一段と厳しさを増しており、将来にわたる事業の持続可能性を確保するため、徹底的なコスト削減と収益拡大に取り組んでまいります。 コスト削減に向けては、郵便物の減少に対応するため、柔軟な通集配体制の構築を行い、要員配置の適正化や荷物配達の内製化の推進に取り組むほか、集配拠点の集約により拠点配置の最適化を図ってまいります。また、運送料及び車両の削減のほか、機械処理の拡大・省人化の推進により生産性向上を図ってまいります。 収益拡大に向けては、他企業との連携強化を進めるほか、送達日数のスピードアップや差出条件の緩和等サービスレベルの改善を通じて、越境EC分野やフリマアプリ市場も含めたEC市場の荷物の確実な獲得に取り組み、荷物の収益拡大を図ってまいります。郵便物については、利用ニーズの喚起や利便性向上による利用拡大に向けた取組みを強化し、郵便物数の減少を可能な限り食い止めます。年賀郵便についても、魅力的な新商材の投入、デジタル関連サービスの展開のほか、年賀葉書の価値を感じていただけるようなプロモーションを展開する等、利用拡大に向けた取組みを強化してまいります。これに加え、toB・toCの物流を一体で運営できる総合物流企業へ成長すべく、子会社であるトナミHDや資本業務提携を結んだロジスティードホールディングス株式会社(以下「ロジスティードHD」といいます。)等と連携しながら、資産の相互利活用や業務の共同化等、ラストワンマイルを含めてシナジーを発揮し、国内外の物流サプライチェーン網の確立に取り組んでまいります。 こうした損益改善策に着実に取り組むとともに、更なるコスト削減・収益拡大の取組みについても検討するものの、今後の業績見通しは厳しい状況であることから、郵便料金全般の見直しについても検討を行う必要があると考えております。 また、郵便のサービス水準の見直し等についても総務省に要望することを検討するとともに、関係者間の調整に取り組んでまいります。 なお、過去5事業年度の郵便、ゆうパック、ゆうパケット及びゆうメールの取扱物数の推移は以下のとおりとなります。 (単位:百万通・百万個) 2022年3月期   2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 郵便   14,858   14,445   13,578   12,566   11,751 ゆうパック   568   554   547   558   565 ゆうパケット   420   426   463   537   563 ゆうメール   3,346   3,113   2,873   3,241   3,174 このほか、内閣官房及び公正取引委員会により示されている「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」にも沿った形で、協力会社の皆さまとのパートナーシップ構築に向けた取組みを継続し、価格転嫁・取引適正化を進めてまいります。 なお、点呼業務不備事案については、2026年度においても確実に点呼を行うとともに、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることがないよう、必要な手段を適切に講じ、物流サービスを確実かつ不断に提供してまいります。これまで、点呼適正化に向けて、再発防止策を策定し、①意識改革、②ガバナンスの強化、③点呼のデジタル化、④モニタリング等の取組みについて計画通り実施し、総務省及び国土交通省へ報告するとともに、報道発表を行いました。 ④ 郵便局窓口事業 郵便局窓口事業については、送金決済件数や保有保険契約件数の減少に伴う銀行・保険受託業務手数料の減少に加え、諸物価や人件費の上昇によるコスト増加などにより、事業環境は厳しさを増しており、郵便・物流事業と同様に、徹底的なコスト削減と収益拡大に取り組みます。 コスト削減に向けては、物件費等の削減に取り組むほか、窓口営業時間の弾力化を進め、柔軟な運用体制のもとで、これまで以上にお客さまニーズや地域事情に応じた商品・サービスを提供することにより、生産性の向上を図ってまいります。 収益拡大に向けては、郵便局における金融商品のご案内・お手続きのためのお客さまへの来局ご案内を一部再開することを踏まえ、ゆうちょ業務における各顧客基盤強化の取組みやかんぽアフターフォローの着実な実施に取り組むほか、物販収益の拡大や、地域を支える生活サポート拠点として、自治体業務の受託の拡大等にも取り組んでまいります。 このほか、非公開金融情報の不適切な利用事案については、法令等の趣旨に立ち返ったルールの整備、当社グループの幅広い顧客接点でお客さまの非公開金融情報等の利用に係る同意をいただく取組みの促進と同意を得た非公開金融情報等を活用するシステム環境整備、お客さま本位の活動を実践する人材育成、リスク認識力の強化及びガバナンス強化を内容とする再発防止策を徹底してまいります。加えて、認可取得前勧誘事案については、法令等遵守の徹底及び業務品質の確保に向けた取組みを行うほか、それらの再発防止策の実効性確保のため、モニタリング・フォローアップの強化や2線による1線へのけん制機能の発揮など、リスク認識力の強化に向けた取組みやガバナンス強化に向けた取組みを行ってまいります。 ⑤ 国際物流事業 トール社を通じて、新たな収益源の獲得やバランスの取れた顧客ポートフォリオの構築、全社的なコスト削減及び成長分野への経営資源の投入等により、ロジスティクス事業とフォワーディング事業の収益規模の拡大及び収益性の向上に、引き続き取り組んでまいります。 また、JPロジスティクス株式会社(以下「JPロジスティクス」といいます。)等、当社グループ内企業との連携強化にも、引き続き取り組んでまいります。 加えて、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業を目指す方針のもと、国際物流業務においても、更なる付加価値の向上に取り組んでまいります。 ⑥ 不動産事業 日本郵便及び日本郵政不動産株式会社において、不動産事業が収益の柱の一つとなるよう、引き続き、JPタワー等のオフィス、商業施設をはじめ、住宅、保育所及び高齢者施設の賃貸事業を、住宅については分譲事業も行ってまいります。さらに、用地仕入れ、開発、売却により利益を獲得する回転型事業等のフロービジネスへ取り組むとともに、不動産投資顧問会社の設立や私募ファンドの運用等によるフィービジネスなども取り組むことで事業領域を拡大させてまいります。 具体的には、グループ保有不動産の有効活用や新たな収益機会の拡大の観点から、建築費や収益物件価格が高騰している状況下、適切なタイミングで開発や取得の計画を策定・実行してまいります。 また、稼働中の物件については、収益及び資産価値の維持向上に向けて、共同事業者等との連携や外部委託を適切に活用しながら、良質かつ効率的な運営に取り組んでまいります。 ⑦ 銀行業 ゆうちょ銀行を取り巻く経営環境は、キャッシュレス技術や生成AI等に代表される社会のデジタル化進展、少子・超高齢化に代表される人口動態の変化や金利ある世界への転換等、目まぐるしい変化を続けており、その変化は今後も加速していくことが想定されます。一方で、前中期経営計画期間中における当社による2度のゆうちょ銀行株式の売出しにより、同行の民営化プロセスは大きく進展し、ビジネス展開の柔軟性を高めているところです。このような状況のなか、ゆうちょ銀行の企業価値を一層向上させるため、15年後にありたい姿として新たに「中長期ビジョン」を策定しました。そして、「中長期ビジョン」実現に向けた第一歩として、新中期経営計画を策定しました。新中期経営計画においては、4つの事業戦略の推進を通じ、2つのミッションの達成に向けて取り組んでまいります。 (新中期経営計画における4つの事業戦略等) (a) デジタルペイメント事業戦略 リテールビジネスで推進してきた「安心・安全・便利」なサービス提供に、ポイント経済圏との連携等を通じた「お得さ」を加え、「ゆうちょ通帳アプリ」(以下、「通帳アプリ」といいます。)を起点に、お客さまによるゆうちょ銀行口座の日常使いを促進します。また、通帳アプリ等を通じて集積される金融取引データ等を基に、お客さま起点のデジタルマーケティング・広告配信を実施し、LTV※1とお客さまの体験価値を向上します。さらに、様々なパートナー企業との提携により、トークン化預金※2「ゆうちょDCJPY」を活用した安全・即時の資金決済の実現等、新たな金融サービスの創出に取り組んでまいります。 ※1 LTVとは、Life Time Valueの略語であり、顧客が生涯に亘り企業にもたらす利益、価値のことです。 ※2 トークン化預金とは、銀行預金にブロックチェーンなどの技術を活用し、預金をデジタル上で取り扱えるようにしたものです。 (b) コンサルティング事業戦略 総合金融プラットフォーマーとして、全世代に伴走する金融コンサルティングを推進します。具体的には、パートナー企業との連携を通じてお客さまの多様な金融ニーズに応える商品・サービスのラインアップを拡充し、それらをリアル・デジタル・リモートと複線化したサービス提供チャネルの中から最適なチャネルを通じて全国・全世代のお客さまに提供します。特にデジタルチャネルにおいては、スマートフォン等でいつでも手軽に資産形成等の相談ができる対話型AIサービス「ゆうちょAIコンシェルジュ(仮称)」を導入し、お客さま一人ひとりのニーズ等を踏まえた提案を通じて、顧客体験価値の向上を目指します。 (c) 市場運用・アセットマネジメント事業戦略 国内金利上昇を捉え、日本国債等の円金利資産の再構築を進めるとともに、外国証券等のリスク性資産と合わせた運用ポートフォリオ全体の最適化により、リスク対比リターンのさらなる向上を追求します。また、ゆうちょアセットマネジメント株式会社を中核に、特色あるアセットマネジメントビジネスに挑戦するとともに、海外アセットマネジメント会社をはじめとする新たなパートナー企業との提携深化も目指します。 (d) 地域・企業ソリューション事業戦略 ゆうちょ銀行の子会社のゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社を中核とする地域プライベートエクイティ投資基盤を構築し、パートナーとなるファンド運営会社との連携強化も通じ、地域活性化をサポートする投資実績を着実に積み上げます。また、地域金融法人等とのリレーションシップ・マネジメント強化や地域企業への決済ソリューション提供等を一層強化し、「Σ(シグマ)ビジネス(投資を通じて社会と地域の未来を創る法人ビジネス)」をレベルアップした地域・企業ソリューションビジネスを推進してまいります。 (e) 人的資本経営・企業風土改革 4つの事業戦略と連動した人材の採用、配置、育成及び自律的キャリア形成に資する機会の提供に加え、女性活躍に向けたキャリアサポート充実や社員の様々な知識・経験等の社内共有等を通じ、多種多様なバックグラウンドを有する人材が活躍できる環境整備を推進します。 また、お客さまと社員の「声」を直接経営に活かすサイクルとして、社員参画型の「みんなの声委員会 -ECHO-」を一層強化し、全社員が一丸となって企業価値向上に取り組む組織風土を醸成します。 (f) 経営基盤の高度化 テクノロジーの進展や今後の人口動態等の環境変化を踏まえ、生成AIの有効な活用に加え、ⅠT投資を積極化し、抜本的な業務効率化を推進します。また、非公開金融情報の不適切な利用事案等を受けた内部管理態勢の強化に加え、サイバーセキュリティ、マネー・ローンダリング対策、市場運用リスク管理等、銀行業務の根幹を支える取組みを一層強化します。 (新中期経営計画における財務目標・資本政策) 財務目標については、ゆうちょ銀行連結ベースの当期純利益、ROE(株主資本ベース)、OHR(金銭の信託運用損益等を含むベース)※3、CET1比率(平時目標レンジ)※4を設定しています。金融ユニバーサルサービスを提供する責務を果たしながら、新中期経営計画で定めた財務目標の達成に向けた取組みを推進し、資本コストや資本収益性を意識した経営に努めます。 資本政策は、株主還元、財務健全性、成長投資のベストバランスを追求してまいります。特に株主還元のうち配当については、基本的な考え方として、配当性向は50%程度とし、利益成長を通じた累進的な配当を実施してまいります。なお、ゆうちょ銀行の運用ポートフォリオの状況を踏まえ、現状では年1回の期末配当とする方針です。また、自己株式取得は、市場環境、成長投資の機会、当社の株式保有方針等を踏まえて随時検討してまいります。 そのほか、株主のみなさまからのご支援に感謝するとともに、より多くの方々にゆうちょ銀行株式を保有していただくことを目的として、株主優待制度を継続実施しております。なお、新たに2027年度から長期保有優遇を導入します。 ※3 Over Head Ratioの略。銀行業務の効率性を示す指標の一つで、一般的には、経費の業務粗利益に対する比率のことです。ゆうちょ銀行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券運用等を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益等も分母に含めたOHRを指標として設定しています。 経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出します。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)をいいます。 ※4 バーゼルⅢ最終化(完全適用)、その他有価証券評価益除くベース。2026~2028年度の目標。 ⑧ 生命保険業 かんぽ生命保険では、「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」という経営理念のもと、かんぽ生命保険がお客さまに届ける価値を明確にした上で、2026年5月、新中期経営計画を公表しました。新中期経営計画では、お客さまの人生や社会に必要不可欠な存在であり続けたいという想いを込めて、2040年に目指す姿として、「新たな価値を生み出し続け、安心を全国に届けるエッセンシャル・カンパニー」となることを掲げております。これに向け、新中期経営計画期間を「成長・挑戦フェーズ」と位置づけ、3つの重要戦略とそれを支える経営基盤の確立に取り組むことで、日本全国のお客さまとのつながりを拡大・深化させ、安心を届けてまいります。 (a) 「かんぽ価値提供モデル」の確立 当社グループと接点のあるお客さまは多数存在しており、大きな潜在的保険ニーズを抱えております。こうしたニーズに十分に応えるべく、かんぽ生命保険ではAI・デジタル、お客さまデータに基づくマーケティング手法を駆使し、質と量を伴った、お客さま本位の業務モデルである「かんぽ価値提供モデル」を確立してまいります。これにより、リモート、デジタルとの連携によりリアルチャネルの価値を向上し、お客さまに合った「分かりやすい商品」と「便利で手厚いサービス」を提供することで、かんぽ生命保険ならではの安心を届けてまいります。 (b) 運用環境の変化を捉えた資産運用と社会課題の解決 国内金利上昇等の運用環境の好転を捉え、運用関係損益の持続的な増加を目指し、ポートフォリオの再構築を推進してまいります。あわせて、インパクト投資の推進や産学連携により、資産運用を通じた社会課題の解決や次世代産業構造の柱となる企業の発掘にも貢献してまいります。 (c) みらいへの挑戦 経営基盤を強化しながら、既存の提携関係の強化等に取り組むとともに、かんぽ生命保険の事業と親和性がありシナジー効果と利益貢献が見込める新たな領域を探索することで、さらなる収益獲得に向けたインオーガニック成長等による提供価値拡大に挑戦してまいります。加えて、AI・デジタル等を駆使し、サービスの変革と業務の再構築に取り組むことで、事業変革に挑戦してまいります。 (d) 経営基盤の確立 3つの重要戦略を支えるため、「人的資本経営」、「ガバナンスの強化」、「ステークホルダーとの対話」、「財務・資本政策」といった経営基盤の確立に取り組んでまいります。「人的資本経営」では、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境を構築し、社員の成長と企業価値の向上につなげます。「ガバナンスの強化」では、保険業法等の改正や、社会環境等の変化を踏まえた各種課題に対応します。「ステークホルダーとの対話」では、幅広いステークホルダーと相互の信頼関係を深めながら、持続的な企業価値の向上と社会への貢献を実現します。「財務・資本政策」では、ERMに基づく資本管理と利益創出、株主還元の好循環の実現に取り組みます。 (参考) 過去の新契約、保有契約の件数の推移は下記のようになります。 (単位:万件) 契約の種類   2022年3月期   2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 新契約(個人保険)   17   31   62   79   42 簡易生命保険   806   726   660   602   557 かんぽ生命保険   1,474   1,372   1,309   1,278   1,214 (注) 2007年10月1日の民営化時の簡易生命保険契約は5,517万件でした。
事業等のリスク34,828字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 下記Ⅰ~Ⅲにおいて、当社グループの事業内容、経営成績、財政状態等に関する事項のうち投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクを例示しております。ただし、当社グループの事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。 下記「Ⅰ. 当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」に、当連結会計年度末現在において当社経営陣が特に重視する事項について、その他の重要なリスクは下記Ⅱ及びⅢに記載しております。 なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <当社グループのリスク管理態勢> リスク管理の取組みとして、コンダクト・リスク等の新興リスク(未知のリスク)を含めた日本郵政グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの統制の強化や、グループに重大な影響を与える可能性のあるリスクの顕在化を未然防止する仕組みの整備、リスク発生時の経営への報告の迅速化などを行うことで、「影響の極小化」、「危機の予兆把握・未然防止」、「リスク顕在化の早期把握」の三位一体の取組みを推進しています。 現在、日本郵政における2線部署の機能強化に向け、リスク管理とコンプライアンスの一元的管理に取り組んでいます。その一環として、グループ各社のリスク及びコンプライアンス管理担当役員で構成する「グループリスク・コンプライアンス委員会」を当社の経営会議の諮問機関として設置、コンプライアンスやオペレーショナルリスクに係る事項等を審議し、重要事項について、経営会議、取締役会等へ報告しています。同委員会では、グループ各社の課題や取組みに関する情報共有・協議等を実施しています。また、グループ各社の役員・社員向け研修を通じてリスク感度の向上にも取り組んでいます。 グループ各社は、自社のリスク管理を統括する部署を設置し、事業特性に応じたリスクの特定、評価、制御、モニタリング等を主体的に実施しています。また、当社に対し必要な報告を行うなど、グループ全体としてのリスク管理態勢を整備しています。グループ各社の金融リスクについては、経営管理機能と一体となった管理を行い、適切なリスクコントロールを図っています。 これらの取組みを通じて、リスク管理の高度化を図り、グループの持続的かつ健全な経営の実現を目指していきます。 <グループ重要リスク管理> 当社は、外部環境の変化や事業戦略等を踏まえ、毎年、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(グループ重要リスク)の見直しを行っております。具体的なリスクの特定、評価については、取締役及び執行役へのアンケート(役員アンケート)を通じて行い、改善策の策定、取組状況のモニタリング等を実施することにより、経営陣が行うPDCAサイクルを回しております。 Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク 当社は、「金融・戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分けて行った役員アンケートに基づき、グループ重要リスクのうち発生可能性と当社グループの業績への影響度の観点から特に優先度の高いものを「経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク」(以下「トップリスク」)としております。下図はトップリスクの相対的な位置づけを図示したものであります。ここに記載した各リスクの発生可能性、影響度、優先度は、有価証券報告書提出日現在における当社経営陣の認識であり、発生可能性、影響度又は優先度を「小」と記載したリスクが発生し当社グループの事業等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。 (金融・戦略リスク) 1.郵便・物流事業に関するリスク 物流業界では、激しい競争が継続する中、最低賃金の引上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇に加え、2024年4月から施行されたドライバーの労働時間の改善等への対応を迫られる等、業界を取り巻く環境は極めて厳しい状況となっております。このような状況を踏まえ、競合他社においても、宅配運賃等の値上げの動きがみられ、日本郵便においても、2023年10月にゆうパック運賃の改定を実施しております。 郵便事業においては、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少に加え、物流業界同様に、最低賃金の引上げに伴う人件費や調達コストの上昇等が続く厳しい状況の中で、郵便サービスの安定的な提供を維持していくため、2024年6月施行の郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を受け、2024年10月に、郵便料金の改定を実施しております。これらの取組みを実施したものの、当事業年度の郵便・物流事業は、前々事業年度、前事業年度に続き営業損失を計上しました。郵便・物流事業において、業務効率化の努力を続けるとしても更なる運賃改定や料金改定が必要となる可能性もあります。また、成長が続くEC市場やフリマ市場を取り込むことは急務となっています。 このような状況に対応するため、日本郵便は、集配拠点の集約による業務効率化、生産性向上による要員配置の最適化、今後の郵便サービスの持続的な提供のための見直しの検討等を通じた、郵便・物流事業の構造変革に取り組んでまいります。また、新たな事業領域での成長に向け、国内外の企業間物流を強化し、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業への転換を目指します。 しかしながら、これらの施策が計画どおりに進まない場合や、デジタル化の進展に伴う郵便物数等の減少が想定よりも著しく進行することにより、各種料金を改定したとしても補いきれないほどの減収が日本郵便に生じた場合、他社との競争激化の中で荷物等収益の低迷が継続した場合、他社との協業が奏功しない場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2025年6月25日、日本郵便は、国土交通省から一般貨物自動車運送事業の許可取消の処分を受けました。 当該処分の執行により、日本郵便が保有する1t以上の車両(約2,500台のトラック/全国の約330局の郵便局で使用)は使用できなくなりました。なお、当該許可が取り消されたため、その後5年間は当該許可を再取得することもできなくなります。 また、上記とは別に、軽貨物営業所となる郵便局に対する特別監査を受け、同年10月1日に運輸支局から軽四輪車に関する行政処分の執行が111局に対して通知、同年10月8日に執行され、その後も、順次、行政処分が執行され、2026年2月10日に最終の行政処分通知を受領しました。これにより、一部の車両停止が1,862局で執行されましたが、2026年6月1日に終了しております。 なお、車両停止の間は、他の運送会社への委託等により車両不足を補ってまいりました。 今後も同様の法令違反事例が発生する場合は、さらに厳重な処分を受ける又は郵便ネットワークの信頼性・レピュテーションに重大な悪影響を及ぼすおそれがあります。 加えて、日本郵便の郵便・物流事業においては、前々事業年度、前事業年度と当事業年度で3期連続の営業損失を計上しているため、翌事業年度に営業損失の計上が見込まれる場合や、重大な法令違反により経営環境が著しく悪化した場合には、郵便・物流事業で使用している固定資産について、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.新規事業・資本提携・業務提携・M&Aに関するリスク (1) 新規ビジネス、資本・業務提携・外部委託先に関するリスク 当社グループは、社会課題解決と収益機会の両立に向けた新規ビジネス等をグループ横断的な体制で検討しておりますが、これらによる成長戦略が実現できず、ビジネスポートフォリオ転換が進まなかった場合等は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、当社グループ外の企業との間で様々な資本・業務提携、外部委託を行っており、2025年10月には、HTSK Investment L.P.(関係会社及び関連ファンドを含め、総称して「KKR」)と株式譲渡契約を締結し、同年12月に、ロジスティードHDの株式の19.9%をKKRより譲り受けました。また、物流分野での連携を通じて当事者の更なる企業価値の向上を図ることを目的として、ロジスティードHD及び同社の中核子会社であるロジスティード株式会社(旧社名「株式会社日立物流」を吸収分割により承継した会社)との資本業務提携契約を締結しております。 こうした資本・業務提携、外部委託については、シナジー効果を含めたモニタリングを実施しておりますが、上記の事例も含め、目標の変更や当社グループとの関係の変化等により、期待どおりの効果を得られない場合、要員や設備等の必要なオペレーション基盤を整備できないことにより、業務拡大が奏功せずに多額の費用負担や投資に係る減損損失が発生した場合、提携先・投資先において違法行為・不正行為・顧客情報等の漏えい・不祥事等が発生した場合、資本提携先の業績や株価が低迷した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、日本郵便は、ヤマト運輸株式会社との2023年6月の合意に基づき、「クロネコゆうパケット」及び「クロネコゆうメール」の引受を開始しておりましたが、2024年10月に、ヤマト運輸側の一方的な事情で、2025年1月から当面の間、「クロネコゆうパケット」の運送委託を停止させる申し入れを受けました。日本郵便はこれを受け、ヤマト運輸を相手方とする損害賠償等請求訴訟を進めております。 今後、日本郵便とヤマトホールディングス株式会社及びその子会社との関係性が悪化し協業が維持できない場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 他の企業の買収に関するリスク 物流業界全体が難局にある中、強力な幹線輸送ネットワークの構築等を目的として、2025年2月末から4月にかけて、日本郵便において子会社であるJWT株式会社(2025年7月1日付商号変更によりJPトナミグループ株式会社)を通じてトナミHDの株式に対する公開買付けを実施し、同年4月17日に議決権の所有割合87.24%を取得して連結子会社とするとともに、その後の株式併合により、JPトナミグループ株式会社の完全子会社となりました。 こうした企業の買収については、当該事業分野の競争激化や当社のノウハウ不足から業務範囲の拡大が功を奏せず、過度の人的・物的負担が生じる可能性があり、また、買収先企業を当社グループ事業と統合する上では、買収先企業の重要な顧客等との良好な関係を維持できない、買収資産の価値が毀損し損失が発生する、又は買収先企業の経営陣を含む人材流出が発生する等により、当初想定した成果をもたらさず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.ユニバーサルサービス提供に関するリスク 当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、ユニバーサルサービス確保の責務を負っております。 当責務については、2015年9月「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会の答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされました。こうした中、同審議会による2019年9月「郵便サービスのあり方に関する検討」に関する答申においては、郵便サービスを「あまねく、公平に」安定的に提供し続けるため、そのあり方について検討結果が取りまとめられ、郵便法改正を経て、日本郵便において土曜日配達の休止、お届け日数の繰り下げなどの見直しを行いました。 上記見直し後も、ユニバーサルサービスの維持に当たっては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費、社員の人件費等が発生しております。また、最低賃金の引上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇により、ユニバーサルサービス維持のためのこれらの費用負担は増大しつつあります。 今後、電子メールやウェブサイト等インターネットを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便、貯金、保険といった郵便局で提供するサービスの利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービス維持の法的義務があるため、収益性の低い事業又は拠点を縮小する等の対応を制限される可能性があります。 このような状況に対応するため、日本郵便は、集配拠点の集約による業務効率化、生産性向上による要員配置の最適化、窓口営業時間の弾力化による柔軟な運営体制の構築等を通じたユニバーサルサービスの持続的な提供に向けた郵便・物流事業及び郵便局窓口事業の構造改革に取り組んでまいります。 ユニバーサルサービスを維持し、全国あまねく有人店舗展開を行うことは、他社にない当社グループの強みでもありますが、このような取組みが奏功せずに公共性と収益性を両立できなかった場合やこのような取組みによりユニバーサルサービスの利便性が損なわれたり、それでもなお収益性を上回る費用の増加等が見込まれたりする場合には、郵便局ネットワークに対するステークホルダーの支持を失う可能性があります。 さらに、ユニバーサルサービス維持のための費用負担の増大から当社グループの損益が大幅に悪化した結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行った場合は、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性もあります。 4.金融商品の営業活動に関するリスク 当社グループは、お客さま本位のサービス提供に取り組んでおります。郵便局窓口においては、窓口営業時間の弾力化による柔軟な運営体制の構築のほか、お客さまのニーズに応える商品・サービスの充実、お客さまとの接点の充実等に取り組んでまいります。 また、投資信託の販売においては、全国の郵便局と金融コンタクトセンター等をリモートで接続し、約2万拠点で投資信託(NISA)の受付を可能とする、リアルとデジタルを融合した当社グループの強みを活かした販売態勢の強化に取り組んでおります。 生命保険の販売においては、かんぽ生命及び当社グループと接点のあるお客さまが多数存在し、潜在的に多様な保険(保障)ニーズを抱えていることが想定されます。こうしたニーズに対し、リモート・デジタルとの連携によりリアルチャネルの価値を向上させ、お客さまにあった「わかりやすい商品」と「便利で手厚いサービス」を提供することで、潜在的保険ニーズに応えてまいります。 しかしながら、このような取組みが奏功せず、新商品の開発や既存商品の改定がお客さまのニーズに応えられないこと、営業方針を理解浸透できないことや社員のスキルが不足すること等により販売実績が低迷し、また、長期的な保有契約件数の減少等につながった場合等は、当社グループの収益が大幅に減少し、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.金融市場環境の変化に関するリスク 当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業の金融2社からの収益より生じておりますが、金融2社の業績・財政状態は、国家間の軍事衝突や通商政策を巡る対立、国内外の景気・物価・雇用等の経済環境、政治情勢、主要国の金融政策・財政政策の動向や、これらの外的要因の変化に伴う金利・株式・為替等の市場価格変動の影響を受けます。 足元、海外においては軍事衝突や通商政策を巡る対立、及びこれらの長期化に対する懸念等から資源価格が高騰することによる世界的なインフレや景気減速に対する懸念の高まりや、一部主要国の金融政策見通しに変調が見られており、国内においても財政拡張による財政不安や、資源価格高騰、円安、人件費増加等によりインフレ圧力が高まるなどの動きが見られます。これらの影響により、金融市場も不安定な環境が継続しておりますが、今後、国内外の経済環境及び事業環境の深刻な悪化や、金融市場の急激な変動、混乱が発生した場合は、金融2社の業績・財政状態への影響を通じて当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 金融市場環境の変化が当社グループの事業、業績及び財政状況に影響を及ぼす主なリスクは以下のとおりです。 (市場リスク) 金融2社は有価証券を中心に様々な金融商品を取り扱っておりますが、金利・株価・為替等の市場価格の急激な変動が発生した場合は、保有する金融商品の価格下落による評価損・減損損失・売却損や、円高による外貨建金融商品の円貨建て価値低下、金利の大幅低下による債券再投資時の資金収益低下などが発生する可能性があります。 (信用リスク) 金融2社が保有する有価証券の発行体や貸出先などの債務者において、国内外の経済・金融情勢の深刻な影響等による経営環境の変化により財政状態の悪化等が生じた場合は、与信関係費用が増加又は保有する有価証券等の価値が下落する可能性があります。 (市場流動性リスク・資金流動性リスク) 経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等は、金融2社が国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。 また、銀行業において多額の貯金引き出しが発生した場合や、生命保険業において大量解約に伴う解約返戻金の増加や巨大災害に伴う保険金の支払等により、通常よりも多額の資金調達が必要となる場合は、資金調達コストが上昇する可能性があります。 これらのリスクに対し、金融2社では中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、財務健全性の観点からストレス・テスト等を実施し、また、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行うことにより、リスク等を適切に管理し必要な法令上の規制比率を確保しておりますが、国内外の経済環境及び事業環境の深刻な悪化や、金融市場の急激な変動、混乱が発生した場合は、金融2社の業績・財政状態への影響を通じて当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6.金融2社の株式売却に関するリスク 当社は、郵政民営化法において、金融2社の経営状況、ユニバーサルサービスの履行への影響等を勘案しつつ、保有する金融2社の株式をできる限り早期に処分するものとされております(下記「(参考)①日本国政府による当社株式の保有状況及び当社による金融2社の株式保有状況(2026年3月期末日時点)」をご参照)。 かんぽ生命保険の株式については、2021年5月に売出しを実施し、保有割合は50.0%を下回りました。ゆうちょ銀行の株式については、2025年3月の売出し及び2025年6月における同社株式に係る株式処分信託への拠出により、保有割合(議決権)は50.0%を下回りました。 今後の当該株式の売却については、証券市場への影響に配慮し、時期、売出回数、規模等を慎重に検討し進めていく所存ですが、適切な時期に適切な条件で売却できず、売却収入が当社保有の金融2社株式の帳簿価額を下回った場合は、当社の損益計算書に売却損失を計上する可能性があります(下記「(参考)②金融2社株式処分の連結財務諸表への影響」をご参照)。また、想定どおりに売却が進まない結果、金融2社に係る郵政民営化法上の上乗せ規制が撤廃されず金融2社の経営自由度の拡大が実現できない可能性もあります(下記「Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク③当社グループ固有に適用される規制等」をご参照)。 当社グループの利益の大部分を占めるのは金融2社の利益であり(下記「(参考)③セグメント利益・資産(2026年3月末現在)」をご参照)、金融2社の株式の売却が進み、当社の持分比率が減少することで、親会社株主に帰属する当期純利益が減少することにより、当社の財務の健全性の確保ができなくなるほか、キャッシュ・フローの悪化、資金調達能力が制限される可能性があります。また、当社が金融2社から受け取る配当金が減少することにより、当社の期待する配当原資の確保ができなくなる可能性があります。 また、当社が金融2社の株式を処分しその持分が低下することに伴い、金融2社以外の事業のウェイトが高まり、当該各事業における収益の悪化が、当社グループの事業、業績及び財政状態に、より影響を及ぼすことになります。 さらには、金融2社の株式保有割合が低下することにより、当社の利益と金融2社の少数株主の利益が相反し、金融2社の意思決定が、当社グループの意向に沿わないなど、グループの一体的な業務運営が難しくなる可能性があります。また、顧客離れ、ブランド力低下により当社グループの収益が金融2社の持分低下の影響を超えてさらに低下する可能性もあります(下記「(参考)④議決権等議決事項(2026年3月末現在)」をご参照)。 (オペレーショナルリスク) 1.法令等違反に関するリスク 当社グループでは、郵便物等の放棄・隠匿事案や資金横領事案等が複数件発生しており、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、法令等違反の撲滅に向けて、コンプライアンスの徹底・強化、並びにグループガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでおります。 一方で、当社グループは、2019年12月にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局からの行政処分を受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、お客さまからの信頼回復を図ってまいりました。 また、2024年度に郵便局において、事前にお客さまから同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報(注1)を用いて、保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局のご案内等を行った、法令に違反する事案が確認されました。また、日本郵便及びかんぽ生命保険の社員である生命保険募集人が、2024年1月に販売を開始した一時払終身保険に関して、販売に係る保険業法上の認可を取得する前にお客さまへ勧誘を行っていた事案が確認されました。当社グループは、両事案について、2025年3月に監督当局から報告徴求命令を受領しました。当社グループでは実態把握のための調査を実施し、発生原因を分析し、その結果を踏まえた真因分析に基づき、2025年3月18日に非公開金融情報の適切な取扱いの確保に向けた取組みについて、5月19日に一時払終身保険の販売に係る認可取得前の勧誘についての各種再発防止策を策定・公表し、着実に実行しているところです。 上記の違反以外にも、2024年6月には、郵便局における委託先業者への下請法違反に対し、公正取引委員会からの行政指導を受けております。 さらに、2025年3月には、日本郵便において、法令で定められた点呼業務(注2)を実施しないまま配達業務を行った事案について全国調査を行い、同年4月23日に調査結果及び再発防止策等を国土交通省及び総務省へ報告しました。同日、総務省から本事案の再発防止策及びユニバーサルサービスの確保等に関して報告徴求命令を受領しました。 その後の行政処分の状況は、上記「(金融・戦略リスク)1.郵便・物流事業に関するリスク」に記載のとおりです。 点呼適正化に向けては、これまで①意識改革、②ガバナンスの強化、③点呼のデジタル化、④モニタリング等の取組みを実施しているところです。 上記のような態勢・予防策・再発防止策が十分な効果を発揮せず、法令等違反が発生した場合は、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (注1)非公開金融情報:お客さま対応等の中で知った、お客さまの金融取引や資産に関する、通常、本人しか知りえない情報(具体例:口座残高、引落情報、保有ファンドの状況等) (注2)点呼業務:貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条において、事業用自動車の運行の業務に従事しようとする運転者等に対して酒気帯びの有無等の確認を行うことと定められているもの。 2.人的リスク 2026年3月末現在、当社グループは、全国に20万人を超える従業員を配置しておりますが、少子高齢化による労働人口の減少や労働市場の逼迫に加え、給与水準が他社に劣後する等、労働市場における当社グループの魅力や優位性が低下した場合は、人材の確保が困難となる可能性があります。 郵便・物流事業では、郵便物や荷物の配達・集荷等の業務において、多数の協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組みを進めておりますが、労働人口の減少によるトラックドライバー等の人手不足が深刻化した場合は、適切な水準の人員の確保が困難となる可能性があります。 加えて、DX推進に必要なIT等の高度な専門性を有する人材の確保も、競争激化から困難となる可能性があります。 また、魅力的な労働環境を提供できなかった場合、あるいは人事処遇やハラスメント等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出・不足を招く可能性があります。 さらに昨今、国内の賃金水準が上昇しており、物価上昇及び労使交渉・労働法制の変更等を受けて給与等を増額した場合は、1人当たりは小さな増額であっても、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、かかる事態に対処するため、働きやすい職場づくり、労働条件の整備、人材育成や評価・処遇の仕組みの見直し、DE&Iの推進(女性活躍・高齢者就業・障がい者雇用・外国人雇用・性の多様性への対応等)による真の多様性の実現、人材ポートフォリオの多様化、ハラスメント相談体制の整備等を通じた社員の誇りとやりがいの向上に向けた取組みと柔軟で多様性のある組織への転換を推進しておりますが、かかる施策が奏功しない場合は、人員不足、人件費の増加、競争力の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、人的資本に関する事項は、先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 3.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む) 当社グループは、郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している中で、事業運営上のシステムへの依存度が高い状況にあります。さらにリアルとデジタルをシームレスに連携し、幅広い世代・地域のお客さまへ新しい価値を提供するため、グループ一体でのDXを推進しており、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。一方、地政学的緊張の高まりや経済安全保障上の観点から国家・組織による高度なサイバー攻撃の増加や各種サービスの不正利用により企業・団体が保有する個人情報等の漏えいが多発しており、当社グループにおいても、サイバー攻撃の高度化、インターネットを介したお客さまとの双方向アクセス増加や委託先等サプライチェーンの多様化等の結果、当該リスクが高まっております。 こうした中、当社グループのサイバーセキュリティ担当役員で構成するグループサイバーセキュリティ委員会を設置し、外部環境の変化を踏まえつつ、グループ全体でセキュリティの高度化の推進、セキュリティ専門家による点検・指導、対策推進等サイバー攻撃への対応に努めております。 不正アクセス等のサイバー攻撃に対しては、メール受信やWeb閲覧に対するウイルス感染抑止等の入口対策、外部デバイスの接続制限や、許可された通信先以外の遮断等の出口対策を講じ、恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。加えて、各種サイバーセキュリティ演習を実施し、事業継続も含めたインシデントレスポンス能力の向上などに努めております。 しかしながら、当社グループのシステムへの攻撃、各種サービスの不正利用により、事業が大規模かつ長期間にわたり停止又は制約を受けるような事案が発生した場合、さらに、お客さま対応に不備が生じ社会的信用の低下を招いた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.コンダクト・リスク 当社グループでは、経営理念にお客さま本位のサービスを提供する旨を掲げており、グループ及び各社において「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」を制定・公表し、その徹底に向け、取り組んでおります。 しかしながら、上記「1.法令等違反に関するリスク」に記載のとおり、かんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題などお客さま本位といえない営業が行われていた問題、お客さまの同意を得ないまま非公開金融情報を用いた勧誘が行われていた問題など過去に複数の法令違反事案が発覚しました。 当社グループは、こうした事案に対して再発防止策を策定し、お客さま本位の業務運営の徹底、組織風土改革を含む信頼回復に向けた取組みの継続を行ってまいりますが、今後、社会規範に悖るような広義のコンプライアンス・リスク(お客さま本位の業務運営に反する事象、いわゆるコンダクト・リスクを含む)が顕在化した場合は、お客さまをはじめとするステークホルダーの支持を失い、加えて、監督官庁による行政処分を受ける可能性があり、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク 1.事業環境に関するリスク (1) 経済・政治情勢その他の事業環境の変化に伴うリスク ① 郵便・物流事業等 近年、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化に加え、台湾有事をはじめ東アジア情勢にも懸念が募る等、地政学リスクが高まりつつあります。加えて、2025年以降は、米政権の掲げる通商政策の進展によっては、世界的な貿易摩擦の発生や米中対立の激化につながり、ますます事業環境の不確実性が高まっていくことが危惧されます。 これらの要因により、企業におけるサプライチェーン戦略に変化が生じた場合は、国際物流事業に影響を及ぼす可能性があります。また、エネルギー価格の高騰や世界経済の減速が生じた場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行業・生命保険業 当社グループの収益の多くは、銀行業及び生命保険業の金融2社からの収益より生じておりますが、経済・政治・国際情勢の変化等が金融市場環境に影響を及ぼした場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。金融市場環境の変化が影響を及ぼすリスクについては、上記「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク(金融・戦略リスク)5.金融市場環境の変化に関するリスク」をご参照ください。 (2) 他社との競合に関するリスク 当社グループの事業はいずれも激しい競争状況に置かれており、競業他社は、AI・Fintech・テレマティクス等の技術の活用、事業環境の変化、事業戦略の変更等で、競争力の優れた商品構成、サービス、価格競争力、事業規模、シェア、ブランド価値、顧客基盤、事業拠点、ATM・物流拠点その他のインフラ・ネットワーク等を有する可能性があります。 また、近年、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制や業務範囲等の規制緩和が行われている中で、当社グループが市場構造の変化に対応できない可能性があります。 特に、物流事業における競争は激しく、競業他社が競争力のある価格でサービスを提供することが日本郵便のシェアに影響を与えます。また、他の物流事業者同士の提携や他の物流事業者とEC事業者の提携、主要なECプラットフォーマーによる独自の物流サービスの展開等が進んでおり、他社の提供するサービスへの乗り換えが発生する可能性があります。 こうした中、当社グループの中期経営計画で掲げた、お客さまサービスの向上やDXの推進によるビジネスモデル等の変革に取り組んでおりますが、かかる取組みが奏功しない場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 大規模災害発生時の事業継続等に関するリスク 当社グループは、国内外で事業活動を行っており、各国・地域における地震、台風、洪水、大雪等の大規模自然災害、感染症の大流行、戦争、テロリズム等の人的災害、水道、電気、ガス、通信、金融サービス等に係る社会的インフラの重大な障害や混乱等の発生、当社グループの店舗その他の設備や施設の損壊等が生じた場合は、当社グループの事業運営に支障をきたし、設備やインフラの回復、お客さまの損失の補償等のために長期の時間及び多額の費用を要する可能性があります。特に、かんぽ生命保険においては、大規模災害や感染症の大流行に起因して、危険準備金を超える保険金・給付金の支払いが発生する可能性があります。 グループ各社は、緊急事態が発生した場合に優先的に再開させる重要業務を明確にし、事業継続と復旧をスムーズに実現させるための事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の危機管理体制を整備しております。しかしながら、同計画による対応を適切に行ったとしても、緊急事態の規模や状況によっては、事業活動を円滑に継続、又は早期に業務が復旧できる保障はなく、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.法的規制・法令遵守等に関するリスク (1) 法的規制及びその変更に関するリスク 当社グループは業務を行うにあたり、以下のような各種法的規制等の適用を受けております。 これらの規制により、当社グループは新規事業の展開や既存事業の拡大、低収益分野からの撤退又は縮小が制約される可能性があります。 当社グループに適用のある法令等の改正や新たな法的規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会等の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループの法的規制については、先述の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)事業に係る主な法律関連事項」をご参照ください。 ① 郵便法等に基づく規制 郵便法上、郵便約款や業務委託の認可制、全国一律料金制度といった、本事業特有の規制又は他の事業や他社とは異なる規制を受けております。また、民間事業者による信書の送達に関する法律に基づき、一般信書便事業は一定の参入条件が課された許可制とされております。現時点において参入している民間事業者はありませんが、同法の改正等により、信書便事業の業務範囲の拡大や参入条件が変更されるなど参入規制が緩和された場合は、新規事業者の参入により競争が発生する可能性があります。 これらの規制の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 銀行法及び保険業法に基づく規制 金融2社は、銀行法及び保険業法等に基づき、自己資本比率規制及び経済価値ベースのソルベンシー規制を含む金融業規制を受けており、銀行持株会社・保険主要株主であった当社も、銀行持株会社としての連結自己資本比率規制を含む各種規制を受けておりましたが、ゆうちょ銀行の株式の売出し及び株式処分信託の拠出により、当社のゆうちょ銀行に対する議決権保有割合は50.0%を下回り、銀行法に基づく規制は銀行持株会社としての規制から銀行主要株主としての規制に変わることとなりました。 また、銀行業におけるバーゼルⅢ規制の最終化や保険業における経済価値ベース規制等の新たな規制の導入や、国際的な監督規制として、システム上重要な銀行(SIBs)に対する規制が課せられる可能性もあります。 一方、日本郵便は、銀行法に基づき、ゆうちょ銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、内閣総理大臣の承認を得ない限り、法令で定められた業務以外の業務を営むことができず、また、分別管理義務、銀行代理業務を行う際のお客さまへの説明義務、断定的判断の提供等の一定の禁止行為等の規制を受けております。また、保険業法に基づき、かんぽ生命保険を所属保険会社等とする生命保険募集人として、お客さまに対する説明義務、虚偽説明等の一定の禁止行為等の規制を受けております。 当社グループが上記規制に違反する等した場合は、規制当局から、許可、免許又は登録の取消し、業務の一部又は全部の停止、改善措置等を命ぜられる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 [当社グループが受けている主な許認可等] 許認可等の名称   根拠条文   会社名   有効期限   許認可等の取消事由等 銀行主要株主の認可   銀行法第52条の9第1項   日本郵政株式会社   なし   同法第52条の15第1項 保険主要株主の認可   保険業法第271条の10第1項   日本郵政株式会社   なし   同法第271条の16第1項 銀行代理業の許可   銀行法第52条の36第1項   日本郵便株式会社   なし   同法第52条の56第1項 生命保険募集人の登録   保険業法第276条   日本郵便株式会社   なし   同法第307条第1項 銀行業の免許   銀行法第4条第1項   株式会社ゆうちょ銀行   なし   同法第26条第1項、第27条、第28条 生命保険業の免許   保険業法第3条第4項   株式会社かんぽ生命保険   なし   同法第132条第1項、第133条、第134条 上記許認可等が取消しとなるような事由の発生は認識しておりませんが、将来、何らかの理由により、各法が定める取消事由等に該当し、所管大臣より許認可の取消処分等を受けることとなった場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、金融2社による銀行代理店及び生命保険代理店の管理態勢が想定どおりに機能しない場合等は、金融2社の商品及びサービスの提供が期待どおりに行われない、予期せぬ損失を被る又は行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループ固有に適用される規制等 日本国政府は、郵政民営化法により、当社株式の発行済株式総数の3分の1超を保有する義務を負っていることから、引き続き当社に重要な影響を及ぼしうることになります。また、当社が将来、日本国政府の保有割合が発行済株式総数の3分の1を下回るような新株式の発行による資金調達を実施する場合は、日本国政府にも一部を割り当てることが必要となるところ、その条件等について日本国政府と合意できずに、資金調達を断念せざるを得なくなる可能性があります。その他、当社グループに関する日本国政府の利益は、当社のその他の株主の利益と相反する可能性があり、また、日本国政府が、株主としての経済的利益よりも公共政策上の判断等を優先した場合等は、当社のその他の株主の利益に反する支配力又は影響力の行使がなされる可能性があります。 当社及び日本郵便は、日本郵政株式会社法及び日本郵便株式会社法により、新規業務、株式の募集、取締役の選解任(当社のみ)、事業計画の策定等を行う場合は、総務大臣の認可(日本郵便の新規業務は届出)が必要とされております。 金融2社は、郵政民営化法により、新規業務、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け等を行う場合は、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされているほか、ゆうちょ銀行においては銀行を、かんぽ生命保険においては保険会社等を子会社として保有することはできません。また、銀行業における預入限度額規制、生命保険業における加入限度額規制が課される等、同業他社とは異なる規制が課されております(金融2社におけるこれらの規制を「郵政民営化法上の上乗せ規制」といいます。)。 なお、金融2社については、当社が株式の2分の1以上を処分した旨の総務大臣への届出を行っております。届出以降は上記業務について、認可は要しなくなったものの、内閣総理大臣及び総務大臣への届出は要するとともに、業務を行うに当たっては、他の銀行及び生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。こうした事業活動への一定の制約は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)による政府調達ルール 当社、日本郵便及び金融2社は、公社を承継した機関として、WTO政府調達協定及びその他の国際協定の適用対象となる物品及びサービスを調達する場合は、国際協定に定める手続の遵守が求められます。当社及びグループ各社は、適切な調達に向けた態勢を整備しておりますが、当該手続を遵守できなかった場合は、調達行為が成立しない、あるいは遅れが発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) マネー・ローンダリング等に関するリスク 金融犯罪が多様化かつ高度化し、世界各所でテロ犯罪が継続的に発生する等、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策(以下「マネロン等対策」といいます。)の重要性が急速に高まっております。 当社グループの商品・サービス、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、銀行口座の不正使用等が発生した場合は、当社グループに対する社会的信用が低下する可能性があります。 このため、当社グループは、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備するとともに、役員・従業員への研修等を通じてマネロン等対策の強化を図っております。 しかしながら、かかる取組みが有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合は、業務停止、制裁金等の行政処分等により、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 情報漏えいに関するリスク 当社グループが保有するお客さま、従業員、取引先等に関する情報は、郵便法、銀行法、保険業法及び金融商品取引法等を踏まえ、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に取り扱うことに加え、社会的受容性にも十分配慮する必要があり、データガバナンスの強化が求められております。 また、2022年4月施行の改正個人情報保護法に基づく報告が義務付けられ、当社グループ内においても、個人情報データ等の漏えい事案を個人情報保護委員会等へ報告しております。かかる事態の発生を防止するため、グループ全社員を対象としたコンプライアンス教育を通じて個人情報保護を含めた情報管理に対する意識の醸成、適切な情報管理の徹底を図っております。さらに、2022年11月にグループ横断的なデータガバナンスを所掌するデータガバナンス室を新設するとともに、2023年3月にグループDXコミッティのもとにグループ・データガバナンス分科会、分科会のもとに各社の情報管理部署等をメンバーとする実務者レベルのワーキンググループ(WG)を設置し、体制強化を図っております。同WG等においては、お客さまの個人情報の適切な取扱いの確保やプライバシー保護等にも十分に配慮したデータ利活用を図るべく、必要なルール等の整備を進めています。 このような施策が奏功せず、当社グループが保有する個人情報等の漏えいが発生した場合は、損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、サイバー攻撃による個人情報等の漏えいに関するリスクについては、上記「Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク(オペレーショナルリスク)3.サイバー攻撃に関するリスク(セキュリティの脆弱性を含む)」をご参照ください。 (4) 訴訟その他法的手続に関するリスク 当社グループは、事業の遂行に当たり、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項をはじめとする、訴訟その他の法的手続が提起されるリスクや行政処分を受けるリスクを有しております。実際、人事処遇や勤務管理などの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を、当社グループの従業員等から提起されております。 かかる訴訟等の解決には相当の時間及び費用を要する可能性があるとともに、社会的関心・影響の大きな訴訟等が発生した場合や、当社グループに対して損害賠償の支払等が命じられる等不利な判断がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 社会的信用の低下に関するリスク 当社グループの事業、従業員、提携先又は委託先企業に関連して、郵便物や荷物の誤配・紛失等、交通事故、重大な事務事故、個人情報等の漏えい、サイバー攻撃等によるシステム障害、お客さま本位の業務運営に反する行為、反社会的勢力との取引、マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の犯罪、労働問題、ハラスメント等が発生した場合は、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。 また、当社グループの風評・風説が、市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やSNSへの書込み等により拡散した場合、又は報道機関により否定的報道が行われた場合には、仮にそれらが事実に基づかない場合であっても、お客さまや市場関係者等から否定的な認識又は強い批判がなされ、社会的信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業運営に関するリスク (1) 中期経営計画に関するリスク 当社グループは、2026年5月に新たな中期経営計画である「JP プラン 2028」を策定しました。 本計画では、お客さまと地域を支える共創プラットフォームを、総合物流、総合金融及び生活サポートの3つの機能に深化することに加え、不動産事業及び各グループ横断的サービスの提供を通じて、今まで以上の「日本郵政グループ」の魅力・価値の創出を目指すことを長期的に目指す姿として掲げております。3つのプラットフォームを支える基盤である郵便及び郵便局ネットワークが、郵便物数の大幅減、窓口の来客数減少などにより持続可能なユニバーサルサービス提供に課題を抱える現況から、「目指す姿」に向けた第一歩である新たな中期経営計画のビジョンとして、ユニバーサルサービスの持続性確保と、新たな事業領域等での成長を同時に実現することを目指します。 しかしながら、本中期経営計画に記載されている将来の戦略、計画、方針等には本「事業等のリスク」に記載のものを含む様々なリスクが内在しており、想定どおりに進捗しなかった場合は、当該計画の実現又は目標の達成ができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、コアビジネスのうち、銀行業及び生命保険業にかかる事業戦略及び経営計画に関するリスクについては、下記「Ⅲ.各事業に特有のリスク」をご参照ください。 (2) サステナビリティに関するリスク 先述の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、サステナビリティに関する各種リスク及び機会については、2025年度は、当社グループ全体の製品・サービス開発から調達・製品サービス提供、廃棄までの上流・下流を含むバリューチェーン全体において抽出し、短期(1年以内)、中期(3年以内)、長期(3年以上)の時間軸で、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)において業種別に定められているトピックのほか、当社グループの事業の特質、当社グループで最近発生した不祥事や経営の最重要課題等も参考に項目を洗い出し、グループの関係各社・部署への影響の性質・影響度及び発生可能性に関するヒアリング、信頼及び評判に与える影響の考察を行い、サステナビリティ委員会での審議を経て重要性の評価を行っております。 上記検討で導出したサステナビリティに関する各種リスクは以下のとおりです。 「気候変動(物理・移行・大気質の汚染)」 「従業員の労働慣行、人材」 「重大交通事故・労災事故」 「サプライチェーン上の人権・労働」 「顧客保護」 「デジタル対応(サービスアクセス)」 「顧客情報保護・デジタルセキュリティ」 「コンプライアンス」 これらのリスク評価、取組状況のモニタリングは、サステナビリティ推進部の担当執行役を委員長とするサステナビリティ委員会で行い、結果は経営会議及び監督機関である取締役会並びに監査委員会へ報告しております。 しかしながら、これらへの対応が十分でない場合は、ステークホルダーの支持を失い、企業価値を毀損、また、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに当社グループの株価に影響を及ぼす可能性があります。 (3) DXの取組が奏功しないリスク 少子高齢化・デジタル化の進展の中、企業が競争上の優位性を確保するためには、データとデジタル技術を活用して、ビジネス環境の激しい変化に対応し、お客さまや社会のニーズに基づき、商品・サービス、ビジネスモデル、業務等を変革することが必要となります。 当社グループでは、2021年7月に当社の連結子会社として株式会社JPデジタルを設立し、お客さまへの新たな体験価値を生み出す「みらいの郵便局」施策によりリアル/デジタル両面からお客さまと郵便局のタッチポイントの増加を目指すほか、グループプラットフォームアプリ(郵便局アプリ)、グループ共通ID(ゆうID)及び当社グループ独自のポイントプログラム(ゆうゆうポイント)等のグループ横断的なDX施策を進めております。 具体的には、ゆうIDを軸に、郵便局アプリやゆうゆうポイントのほか、デジタル窓口、金融コンタクトセンター等を通じて、お客さまにグループ一体の価値を提供し、お客さま体験価値の向上やグループ外にも広がる新しい価値の提供を実現します。 また、お客さま向け窓口業務やバックヤード業務のデジタル化を継続的かつ徹底的に推進し、社員の業務負荷を軽減します。プライバシー保護等に配慮し、お客さまや社会からの信頼を確保しつつ行うお客さま情報の分析やAIを活用し、提案内容・サービスの高品質化を目指します。 しかしながら、これらの施策が計画どおりに進まない場合や、事業環境の変化に適時かつ適切に対応できず、競争力や業務効率が低下する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、幅広い世代・地域のお客さまに新しい価値を提供するDX推進を実現できず、社会的要請に応えられなかった場合は、当社グループの企業価値を毀損する可能性があります。 (4) システム障害等のリスク 郵便・物流事業、銀行業、生命保険業等を運営している当社グループにおいては、事業運営上のシステムへの依存度が高く、当社グループのコンピュータシステムは、お客さまや各種決済機構等のシステムに接続する極めて重要な機能を担っております。こうした中、大規模自然災害、テロリズム、停電、ITガバナンスの不備、システムの新規開発・更改における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、人的過失等により重大なシステム障害等が発生する可能性があります。当社グループでは、各社の基幹システムの基盤更改等に当たり、ITガバナンスの強化に向けてグループCIOが経営層を含めた推進会議に出席し、情報共有を行うとともに、事業子会社のCIOと連携して、グループ内外で発生した障害に迅速に対応し、真因分析、再発防止策等に取り組んでおります。 しかしながら、このような取組みによっても、システムの障害等に起因し、当社グループの事業が大規模かつ長期間にわたり停止又は制約を受ける場合、当社グループが保有する個人情報及び機密情報等の漏えいが発生した場合、お客さま対応に不備が生じた場合には、業務の停止・混乱及びそれに伴う損害賠償や対応費用、行政処分、社会的信用の低下等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 投資事業に関するリスク 当社グループでは、日本郵政キャピタル株式会社、ゆうちょアセットマネジメント株式会社、ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社及びかんぽNEXTパートナーズ株式会社が投資事業を営んでおり、国内外への投資や新たな事業領域への出資等を行っております。こうした中、投資先の事業環境の変化その他様々な理由により、投資先の業績又は財政状態が悪化した場合は、投資資金を回収できず、また、投資活動により取得・発生した株式などの金融資産やのれんに評価損・減損損失が発生するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループの投資先に内在する内部統制上の不備や法令等違反の問題を当社グループが投資後に早期に是正できない場合は、当社グループの信用や企業イメージが低下し、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 不動産投資に関するリスク 当社グループは、オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業及び分譲事業を行っております。グループ保有不動産の開発を中心に、用途やエリアごとのマーケットを見極めた開発に取り組んでおり、日本郵政不動産株式会社設立以降は、同社においてグループ外の収益物件の取得や共同事業への参画にも取り組んでおります。 不動産投資においては、建設費の高騰傾向の継続、物件取得価格の上昇、市場金利の上昇による外部資金調達コスト及び運営管理コストの増加、大手ゼネコンの受注余力逼迫の継続などによって、個別のプロジェクトでの事業計画の見直しや、グループ外の収益物件の取得の中止・遅延などの影響が顕在化しています。 さらに、法的規制の変更、大規模災害の発生、消費者動向の変化、ライフスタイルの変容により、既存の施設においても需要の変化等の影響を受ける可能性があります。 また、不動産事業の推進におけるノウハウの蓄積、必要な人員の採用、定着等が想定どおりに進捗する保証がないこと、共同事業者との間で意見の不一致が生じること等により、事業の進捗に影響が生じる可能性があります。 これらの事象が当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼし、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 国際物流事業に関するリスク 国際物流事業を担うトール社の事業は、世界経済の減速、サイバー攻撃、地政学リスクの高まり等の影響を受ける可能性があります。新たな収益源の獲得やバランスの取れた顧客ポートフォリオの構築、全社的なコスト削減及び成長分野への経営資源の投入等により、ロジスティクス事業及びフォワーディング事業の収益規模の拡大及び収益性の向上を目指しておりますが、トール社のかかる経営改善策及び成長戦略が奏功しないこと等により、トール社の業績が向上しない場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵便がトール社の事業再編その他ビジネスモデルの転換をさらに進めるに際して総務大臣の認可が必要となる場合は、必要な認可を適時に取得できないことにより、事業再編等に支障が生じる可能性があります。 また、トール社は、日本郵便の買収以前に多数の企業買収を行っておりますが、複数のビジネス・ユニットによる取引先の競合やオペレーションの重複等が解消しない可能性、複雑な業務及び設備、並びに世界各地の多様な従業員を十分に管理できない可能性があります。さらに競業他社が、トール社より優れた商品・サービスを提供することで、トール社のマーケットシェア及び利益が低減すること、自然災害、事故等により、基幹ITシステム、主要な輸送手段、倉庫が損害等を受けること、さらには、買収時に発見できなかった問題が発生すること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、トール社は、豪州を中心に、アジア太平洋地域等におけるフォワーディング、ロジスティクス事業を行っており、関連する国・地域の事業許可や租税に係る法規制、運送、貿易管理、独占禁止、為替規制、環境等の法規制の適用を受けております。法令等の改正や新たな法規制等により、当社グループの競争条件が悪化したり、事業活動の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合、また、コンプライアンス態勢が十分な効果を発揮せず、法規制等の違反が生じた場合には、新たな対応費用の増加、収益機会の喪失等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、トール社の連結財務諸表は外貨建て(豪ドル)で作成されており、大幅な為替相場の変動が生じた場合は、外貨建ての資産・負債等が当社の連結財務諸表作成のために円換算される際に為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、トール社の連結財務諸表は国際財務報告基準(IFRS)が適用されていることから、同基準の変更により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 そのほか、トール社は、継続的に設備投資等を行っており、金融機関からの借入等が一定程度ありますが、その返済が困難となる場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 宿泊事業・病院事業に関するリスク 当社の営む宿泊事業については、2023年3月末までに、営業中の全かんぽの宿33施設の事業譲渡・売却を完了しました。しかしながら、当社運営時における事象には、事業譲渡・売却後も事業譲渡先等に対する損害賠償責任を負うリスク、行政処分等のリスクが残存します。 病院事業については、自然災害、火災、医療事故等から生じる潜在的な損失の発生、損害賠償責任、行政処分等のリスクを内包しております。また、高齢化等に伴う近時の医療費適正化の流れは、病院事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。 当社が運営する東京逓信病院は、近年継続して営業損失を計上しているため、病院の状況を踏まえ、増収対策や経費削減による経営改善を進めております。しかしながら、経営改善策が当初想定した成果をもたらさない場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 金融2社との関係に関するリスク(グループ協定等、人的関係・取引関係) グループ会社としてシナジー効果を発揮するため、当社と事業子会社との間でグループ協定等を締結し、グループ共通の理念、グループ運営に係る基本的事項等について合意しておりますが、金融2社はその独立性を確保する観点から、グループ運営に必要な事項や法令等に基づき当社による管理等が必要となる事項について、事前協議又は報告のみを求めております。 グループ協定等の存続期間は、金融2社がそれぞれ日本郵便と締結している日本郵便株式会社法第2条第2項に定める銀行窓口契約又は同条第3項に定める保険窓口業務契約が解除される日までとしており、これらの契約の解除は、当社による金融2社の株式売却と連動しておりません。 こうした中、当社グループの企業価値を最大化していくために、当社及び日本郵便と金融2社との間で契約関係(下記「5 重要な契約等」をご参照)、人的関係・取引関係(下記「(参考)⑤~⑦」をご参照)を構築しグループ運営を行うこととしておりますが、これらが機能しない場合は、金融2社と当社及び日本郵便とのシナジー効果を実現できない可能性や、利益相反を適切に管理できない可能性があります。また、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの受託手数料が郵便局窓口事業セグメントの収益の大部分を占めることから、金融2社の経営方針に変更が生じた場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 当社の商標等の金融2社との関係に関するリスク 当社及び事業子会社等が締結した、「日本郵政グループ運営に関する契約」等(以下「グループ運営契約」といいます。)に基づき、金融2社株式売却後も、金融2社は引き続き「日本郵政」ブランド及び関連商標の使用を継続する予定です。 そのため金融2社の株式売却後も、金融2社における業績の低迷、従業員の不祥事その他の理由により金融2社の社会的信用が低下した場合は、「日本郵政」のブランド・イメージに悪影響を及ぼす可能性、当社グループのコンプライアンス等の内部統制の有効性に疑義があるものと受け止められる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社はグループ運営契約に基づき、金融2社から、当社グループに属することによる利益の対価としてブランド価値使用料を受け取っており、金融2社がそれぞれ日本郵便株式会社法第2条第2項に定める関連銀行又は同条第3項に定める関連保険会社である限り、収受することを想定しております。しかしながら、金融2社にグループ運営契約を適用しなくなった場合、又は重大な経済情勢の変化等に起因してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.財務に関するリスク (1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク 当社が保有する日本郵便及び金融2社の株式の実質価額又は時価が帳簿価額、あるいは特定投資株式の時価が取得原価に比べて著しく下落し、回復する可能性が認められない場合は、減損損失を計上することになり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、会社法の規定により当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。 また、当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業及び不動産事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合は、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 繰延税金資産に関するリスク 当社グループは、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを行った上で、貸借対照表に繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更等により、繰延税金資産全額又は一部に回収可能性がないと判断した場合は、繰延税金資産が減額され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 かんぽ生命保険の繰延税金資産の計上では、現行の会計基準及び税制に従い、一定の前提に基づいて見積もった課税所得により将来の税金負担額が軽減することが認められる範囲内で計上しております。したがって、新契約の実績が想定どおりに進捗しない期間がより長期にわたり継続したり、経済環境の大幅な悪化の継続などによる見積りの前提の変更、あるいは税制改正に伴う税率の引き下げにより繰延税金資産額が減少する場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 退職給付債務に関するリスク 当社グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提と異なる場合、又は退職給付制度を改定した場合には、退職給付費用及び債務が増加することで、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 国際財務報告基準(IFRS)の適用に関するリスク 当社は、今後の国際財務報告基準(IFRS)の適用について国内外の会計基準の動向等を勘案し対応を検討してまいりますが、将来的に同基準を適用する場合は、現行会計と異なる業績評価や経営管理が当社グループに不利に働くことで当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 格付の低下に関するリスク 当社及び金融2社は、格付機関より信用格付を取得しておりますが、財務内容の悪化、日本国債の格下げ等により当該格付が格下げとなった場合は、著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる、業務運営に対する不安を想起させる等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ.各事業に特有のリスク(上記Ⅰ、Ⅱの記載を除く。) 1.日本郵便の事業に関するリスク (1) 金融2社から日本郵便に対する郵便局窓口業務の委託(代理店営業)に関するリスク 日本郵便は、金融2社との銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等に基づき金融2社から受託手数料を受領しております。 2018年12月、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行され、2020年3月期から郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便が負担すべき額を除きます。)は、金融2社からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなり、これを契機に受託手数料が見直されました。 本受託手数料が、銀行法・保険業法に定められたアームズレングスルールの遵守等のもと、今後、減額する又は対象となる業務の範囲を限定する等、日本郵便にとって不利に改定された場合、また、競合商品との競争が激化する等の理由で郵便局の利用者数や利用頻度、金融2社の商品・サービスの利用が減少した場合には、郵便局窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。特に、ゆうちょ銀行からの受託手数料は、ゆうちょ銀行の直営店での業務コストをベースに、日本郵便での取扱実績に基づき算出されるため、ゆうちょ銀行において業務コストが削減された場合は、当社グループの郵便局窓口事業における収益に影響を与える可能性があります。 当社グループとしては、今後もユニバーサルサービスが郵便局で一体的に利用できるよう、日本郵便と金融2社との関係を引き続き強化していく所存ですが、金融2社はユニバーサルサービスの提供に係る法的義務を負うものではなく、郵便局ネットワークに代替する販売チャネルをより重視するようになった場合等の理由から、銀行窓口業務契約等及び保険窓口業務契約等の解除が発生した場合は、当社グループの郵便局窓口事業の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.ゆうちょ銀行の事業に関するリスク (1) 事業戦略・経営計画に関するリスク ゆうちょ銀行は、2026年5月に公表したとおり、2026年度から2028年度までを計画期間とする中期経営計画を推進しております。本中期経営計画は、15年後(2040年)にありたい姿として策定した「中長期ビジョン」の実現に向けた第一歩と位置づけており、その実現に向け、「デジタルペイメント事業戦略」、「コンサルティング事業戦略」、「市場運用・アセットマネジメント事業戦略」、「地域・企業ソリューション事業戦略」という4つの事業戦略の推進と、それらを支える人的資本経営や企業風土改革の推進、経営基盤の高度化に取り組んでおります。 しかしながら、これらに向けたゆうちょ銀行の事業戦略・経営計画は、本項に記載したリスク要因等に伴い、当初計画した成果が得られない可能性もあります。 例えば、デジタルペイメント事業戦略においては、ゆうちょ銀行が提供する商品・サービスがお客さまのニーズと乖離する、又は他行対比で劣後する場合や、技術革新によりゆうちょ銀行の商品・サービスが陳腐化する場合、ゆうちょ銀行のシステム上の制約により想定どおりに開発が進まない場合等には、顧客離反の発生や、役務取引等利益の計画が達成できなくなる等、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 コンサルティング事業戦略においては、専門知識を有するコンサルタントの確保・育成が想定どおりに進捗しなかった場合、導入予定の商品・サービスが何らかの理由により導入できなかった場合や、ゆうちょ銀行が提供する商品・サービスがお客さまのニーズと乖離する、又は他行対比で劣後する場合等には、顧客離反の発生や、役務取引等利益の計画が達成できなくなる等、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 市場運用・アセットマネジメント事業戦略においては、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が想定どおりに推移しなかった場合は、例えば、日本国債への投資が想定どおりに進捗しないことによる運用収益の減少や、市場金利の低下による運用利回りの減少や米ドルをはじめとする海外短期金利上昇に伴う外貨調達コストの増加、プライベートエクイティファンドの投資先の企業価値向上や資金回収ぺースの想定との乖離の他、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、ゆうちょ銀行の事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。さらに、ゆうちょ銀行は、2026年4月1日付で設立した「ゆうちょアセットマネジメント株式会社」を中核に、アセットマネジメントビジネスに取り組んでおりますが、商品開発・投資家向けの販売が想定どおりに進捗しなかった場合等は、期待された成果が得られない可能性があります。 地域・企業ソリューション事業戦略においては、ゆうちょ銀行100%出資子会社である「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」を中核とする地域PE投資基盤の構築を進め、GP(無限責任組合員)事業に取り組んでおりますが、想定どおりに投資実績が積みあがらない場合や人材確保・育成が想定どおりに進捗しなかった場合等には、期待された成果が得られない可能性があります。さらに、地域経済の停滞等の影響を受け、地域金融機関とのリレーションシップ・マネジメント強化や事業法人へのソリューション提供が想定どおりに進捗しなかった場合は、事業法人における顧客離反の発生や役務取引等利益の計画が達成できない等、期待された成果が得られない可能性があります。 人的資本経営・企業風土改革の推進や経営基盤の高度化においては、DX推進やAI活用等による業務効率化や、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定どおりに進捗しなかった場合は、資金収支等や役務取引等利益の拡大、OHR(経費率)改善等の計画が達成できなくなる可能性や、ゆうちょ銀行の既存の対面型のサービスの維持が困難となる可能性があります。 さらに、AI活用を推進することにより、ハルシネーション等のAI利用に伴うリスクが発生する可能性があります。 また、減損損失、売却損の計上等により十分な利益水準が確保できない場合や、相場変動によりその他有価証券の評価損が拡大し、分配可能額を確保できない場合等には、株主還元の目標が達成できない可能性があります。 3.かんぽ生命保険の事業に関するリスク (1) 事業戦略・経営計画に関するリスク かんぽ生命保険は、2040年に「新たな価値を生み出し続け、安心を全国に届けるエッセンシャル・カンパニー」を目指し、2026年度からの3年間を「成長・挑戦フェーズ」と位置づけ、2026年5月に策定した「中期経営計画(2026年度~2028年度)」をはじめとする事業戦略・経営計画を策定しております。 こうした事業戦略・経営計画に含まれる取組みには、各種のリスクが内在しているほか、将来において、各種取組みの実施を阻害するリスクが高まる又は新たなリスクが生じる可能性もあります。 また、事業戦略・経営計画は、市場金利、外国為替、株価、事業環境等の一般的経済状況や法制度などの多くの前提を置き、作成されておりますが、かかる前提どおりとならない場合や各施策に対する十分な事業評価が行われず投資額やコストに見合った成果が得られない場合には、当該事業戦略又は経営計画における目標を達成できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 商品に関するリスク かんぽ生命保険の取り扱う商品は、個人向け生命保険、とりわけ養老保険・終身保険などの貯蓄性商品の割合が高く、長期的な日本の人口動態等の要因のほか、国内の雇用水準及び家計所得、貯蓄・投資スタンス、金利を始めとする国内金融市場動向、代替商品であるその他の商品に対する相対的魅力、保険会社の財務健全性・社会的信用が、新契約数や保有契約の消滅率に影響を及ぼしております。 かんぽ生命保険では、2023年4月より、昨今の教育費用の高まりやお客さまからのご要望を受け、学資保険「はじめのかんぽ」の改定を行い、また、2024年1月より、中高齢層のお客さまがお持ちの「一生涯の死亡保障ニーズ」にお応えするために一時払終身保険「つなぐ幸せ」の取扱いを開始するなど、青壮年層を含めたあらゆる世代のお客さまニーズを把握し、それらに応えられる「商品ラインアップの拡充」に取り組んでおります。また、国内金利の上昇を踏まえ、2025年7月及び2026年1月に一時払終身保険の予定利率の改定、2026年5月に一時払終身保険を除く基本契約及び特約の予定利率の改定を実施しております。 さらに、金利上昇や資産形成ニーズの高まりといった環境変化を踏まえつつ、青壮年層を含む幅広いお客さまのニーズにお応えする分かりやすい保険商品の拡充を進めております。 しかしながら、お客さまニーズの多様化や金融商品への選好・アクセスへの変化などに保険商品・サービスがタイムリーに応じられない場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、金融庁による保険業法上の認可が得られない、又は想定するタイミングで認可がなされない、かんぽ生命保険では取扱いが難しいあるいは態勢整備に時間を要する商品を取り扱う競争力のある他保険会社を買収することが法令上認められない等の事由により、新商品を予定どおりの内容及びタイミングで販売できない場合、又は当該認可を得て新商品を販売した場合であっても外部要因等により想定した収益が確保できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 保険引受に関するリスク ① 保険料設定と責任準備金の積立に関するリスク かんぽ生命保険は、保険の種類及び内容、契約時の被保険者の年齢、性別、保険金額等を考慮して計算基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)等に基づいて保険料を設定しておりますが、実際の死亡率、運用利回り、経費が事前に設定した計算基礎率を超過又は下回った場合は、損失が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、かんぽ生命保険は、保険業法及び関連業規制に基づき、保険料収入の大部分を責任準備金として将来の保険金等の支払いに備えて積み立てており、各保険契約の保障対象となる事象の起こる頻度や時期、保険金等支払額、資産運用額等につき一定の前提を置き責任準備金を計算しておりますが、これらの前提と実際の結果が乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合は、責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、さらに、規制当局が定める責任準備金の積立に関する規制や標準利率・標準生命表に変更があった場合には、保険料見直しや責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 再保険に関するリスク かんぽ生命保険は、民営化前の高い予定利率の終身年金保険契約を出再することにより、保険引受リスク及び資産運用リスクを削減し、将来収益及び資本効率の向上を図ることを目的として、再保険契約を締結しております。 出再先については、当社の定める信用基準を満たした保険会社を選定し、出再した保険会社に対するモニタリング等を実施しておりますが、今後、カウンターパーティリスク(出再先会社が破綻するリスク)やリキャプチャー(再保険契約の打切りによる出再先に移転していた資産やリスクの回収義務)が発生するリスク、資産運用リスク(再保険契約に係る担保資産価値が下落するリスク)が顕在化した場合等は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (参考)金融2社の株式売却に関するリスク(上記[Ⅰ.6.関連、Ⅱ.3(9)関連]) ① 日本国政府による当社株式の保有状況及び当社による金融2社の株式保有状況(2026年3月期末日時点) (日本国政府による当社株式の保有状況) 株式保有   保有割合(発行済株式)   保有割合(議決権)   郵政民営化法の規定 日本国政府保有(当社株式)   35.9%   38.0%   3分の1超 (当社による金融2社の株式の保有状況) 株式保有   保有割合(発行済株式)   保有割合(議決権)   郵政民営化法の規定 当社保有(ゆうちょ銀行株式)   49.6%   49.8%   できる限り早期に処分 当社保有(かんぽ生命保険株式)   48.3%   49.7%   同上 ② 金融2社株式処分の連結財務諸表への影響 金融2社の形態   売却価額が減少した場合の連結財務諸表への影響 子会社   売却価額<当社持分の減少額   連結貸借対照表の資本剰余金が、売却による当社持分の減少額と売却価額の差額分だけ減少 持分法適用関連会社   同上   連結損益計算書に、売却による当社持分の減少額と売却価額の差額について売却損失を計上 上記以外   売却価額<株式の帳簿価額   同上 ③ セグメント利益・資産(2026年3月末現在) (単位:百万円) 郵便・物流 事業   郵便局窓口 事業   国際物流事業   不動産事業   銀行業   生命保険業   合計 セグメント利益   △5,494   9,095   4,371   20,092   759,093   271,777   1,058,935 構成比   △0.5%   0.9%   0.4%   1.9%   71.7%   25.7%   100.0% セグメント資産   2,398,996   1,995,246   466,110   1,204,186   226,569,971   58,441,499   291,076,011 構成比   0.8%   0.7%   0.2%   0.4%   77.8%   20.1%   100.0% ※ その他(病院事業、関係会社受取配当金等)に区分されるものを除きます。 ④ 議決権等議決事項(2026年3月末現在) 日本国政府の当社に対する議決権   ゆうちょ銀行に 対する当社の議決権   かんぽ生命保険に 対する当社の議決権 議決権保有割合    38.0%    49.8%    49.7% 株主総会で特別決議を要する事項についての単独可決の可否(議決権割合は2/3超が必要)   ×   ×   × 株主総会で普通決議を要する事項についての単独可決の可否(議決権割合は1/2超が必要)   ×   ×   × 株主総会で特別決議を要する事項についての単独否決の可否(議決権割合は1/3超が必要)   ○   ○   ○ ⑤ 当社と金融2社との人的関係(有価証券報告書提出日現在) 会社名   氏名   兼務状況   理由 日本郵政   根岸一行   ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の役員(非常勤)を兼任   グループ経営体制の強化、及び金融2社のトップマネジメント強化のため ゆうちょ銀行   笠間貴之   当社の役員(非常勤)を兼任   グループ経営体制の強化のため 小方憲治   同上   国会において各子会社等に関する専門的な質問への答弁対応の必要があるため かんぽ生命保険   谷垣邦夫   同上   グループ経営体制の強化のため 大西徹   同上   国会において各子会社等に関する専門的な質問への答弁対応の必要があるため 当社の役員の状況については、下記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況」をご参照ください。 ⑥ 当社と金融2社との主な取引等(2026年3月期) 取引等内容   取引等先   金額(百万円)   取引等条件の決定方法等 ブランド価値使用料   ゆうちょ銀行   4,414   下記「5 重要な契約等 (1) 日本郵政グループ協定等」をご覧ください システム利用料(※)   ゆうちょ銀行   12,913   システムの提供にかかる必要経費に一定の利益率を乗じた金額を、日本郵便及び金融2社が、利用状況等に応じて負担 ブランド価値使用料   かんぽ生命保険   1,852   下記「5 重要な契約等 (1) 日本郵政グループ協定等」をご覧ください システム利用料(※)   かんぽ生命保険   1,648   システムの提供にかかる必要経費に一定の利益率を乗じた金額を、日本郵便及び金融2社が、利用状況等に応じて負担 (※) PNETサービス、情報系共用システムサービス及び人事関係システムサービスの利用料等 ⑦ 日本郵便と金融2社との主な取引等(2026年3月期) 取引等内容   取引等先   金額(百万円)   取引等条件の決定方法等 銀行代理業の業務に係る受託手数料の受取(※1)   ゆうちょ銀行   297,858   銀行代理業等の委託業務に関連して発生する原価を基準に決定 保険代理業務の業務に係る受託手数料の受取(※1)   かんぽ生命保険   89,830   募集手数料については、代理店方式を採用している他の生命保険会社の例に準じて設定。維持・集金手数料については、業務量に応じた計算により額を設定 郵便料金等の受取   ゆうちょ銀行   11,193   一般の利用者の料金と同一の条件で取引 かんぽ生命保険   5,227 土地・建物等の賃貸 (※2)   ゆうちょ銀行   6,773   不動産鑑定評価の考え方に基づき決定 かんぽ生命保険   7,574 シェアードサービス利用料の受取 (※3)   ゆうちょ銀行   2,885   必要経費に加え、利用状況、他企業における平均的な利益率を勘案し両社交渉により手数料率等を決定 かんぽ生命保険   976 ※1 受託手数料の詳細は、下記「5 重要な契約等 参考1 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの委託手数料、参考2 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要及び金融2社との業務委託契約への影響」をご参照ください。 ※2 営業店等の施設の賃貸、社員用社宅関連業務の提供等 ※3 グループ内物流業務の提供等 ※4 上記のほか、「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法(平成17年法律第101号)」に基づき、郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便が負担すべき額を除く。)は、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便に交付される交付金で賄われることとなっております。当事業年度に日本郵便が郵政管理・支援機構から交付を受けた交付金の額は320,686百万円です。
経営成績の分析 (MD&A)45,437字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 財政状態の状況及び分析・検討 当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。 資産の部合計は、前連結会計年度末比7,285,128百万円減の289,864,524百万円となりました。 主な要因は、金銭の信託2,080,663百万円の増、銀行業等における貸出金850,083百万円の増の一方、現金預け金10,110,059百万円の減によるものであります。 負債の部合計は、前連結会計年度末比8,477,513百万円減の273,382,599百万円となりました。 主な要因は、銀行業等におけるその他負債1,032,887百万円の増、債券貸借取引受入担保金429,038百万円の増の一方、銀行業等における売現先勘定4,388,598百万円の減、貯金3,485,523百万円の減、生命保険業における責任準備金2,112,204百万円の減によるものであります。 純資産の部合計は、前連結会計年度末比1,192,385百万円増の16,481,925百万円となりました。 主な要因は、資本剰余金1,409,132百万円の増、非支配株主持分567,431百万円の増、銀行業及び生命保険業等におけるその他有価証券評価差額金520,357百万円の増、銀行業等における利益剰余金228,460百万円の増の一方、資本金1,750,000百万円の減によるものであります。 各事業セグメント別の資産の状況は以下のとおりであります。 ① 郵便・物流事業 当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比475,260百万円増の2,398,996百万円となりました。 主な要因は、無形固定資産が3,722百万円減少した一方、有価証券が170,668百万円、その他資産が153,666百万円増加したことによるものであります。 ② 郵便局窓口事業 当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比113,219百万円増の1,995,246百万円となりました。 主な要因は、現金預け金が48,410百万円、有形固定資産が12,316百万円減少した一方、その他資産が171,928百万円増加したことによるものであります。 ③ 国際物流事業 当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比82,109百万円増の466,110百万円となりました。 主な要因は、有形固定資産が44,204百万円、現金預け金が19,361百万円、その他資産が12,096百万円増加したことによるものであります。 ④ 不動産事業 当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比57,603百万円増の1,204,186百万円となりました。 主な要因は、現金預け金が12,720百万円減少した一方、その他資産が70,946百万円増加したことによるものであります。 ⑤ 銀行業 当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比7,029,815百万円減の226,569,971百万円となりました。 主な要因は、有価証券が1,818,965百万円、貸出金が1,241,597百万円増加した一方、現金預け金が10,289,284百万円減少したことによるものであります。 ⑥ 生命保険業 当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比1,113,734百万円減の58,441,499百万円となりました。 主な要因は、金銭の信託が1,579,807百万円増加した一方、有価証券が1,597,709百万円、繰延税金資産が406,128百万円、貸出金が395,286百万円、現金預け金が223,099百万円減少したことによるものであります。 (2) 経営成績の状況及び分析・検討 当連結会計年度、当社グループは、2024年5月に発表した中期経営計画「JP ビジョン2025+(プラス)」(2024年度~2025年度)で掲げたお客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現を目指し、収益力の強化、人材への投資によるEX※1(従業員体験価値)向上、DX※2の推進等によるUX※3(ユーザー体験価値)向上へ重点的に取り組んでまいりました。 日本郵便においては、2025年4月にトナミHDを子会社化し、それ以降同社傘下の子会社との共同配達等の協業を進めたほか、2025年10月には、同じく日本郵便において、ロジスティードHD及び同社中核子会社であるロジスティード株式会社との資本業務提携契約を締結し、12月にロジスティードHDの株式取得を完了しました。 グループ一体でのDXの推進については、2025年7月には、かんぽ生命保険の「かんぽアプリ」と「ゆうID」との連携を開始したほか、同年8月には、お客さまの郵便局体験をさらに向上させるため、郵便局窓口での購買時に「ゆうゆうポイント」を付与するサービスを開始しました。 2024年度に発覚した非公開金融情報※4の不適切な利用事案に対しては、必要な態勢整備が図られるまでの間は郵便局からの来局誘致を停止し、研修等の再発防止策を継続的に行いました。加えて、グループ一体でのお客さまの非公開金融情報等の適切な利用の実現に向け、お客さまから非公開金融情報等の利用に係る同意をいただくチャネルを拡大するとともに、お客さまの同意を得た情報を参照・検索等に利用できるシステム環境の整備を推進し、グループ顧客管理基盤を構築しました。また、同年度に発覚した一時払終身保険等の販売に係る認可取得前勧誘事案においても同様に、法令等遵守の徹底及び業務品質の確保に向けた取組みを行うほか、それらの再発防止策の実効性確保のため、モニタリング・フォローアップの強化や2線による1線へのけん制機能の発揮など、リスク認識力の強化に向けた取組みやガバナンス強化に向けた取組みを行ってまいりました。 そのようななか、日本郵便において点呼業務不備事案が発覚し、2025年6月、一般貨物自動車運送事業の許可取消処分を受けたほか、2025年10月以降順次、軽四輪車の行政処分が執行されました。なお、2026年6月1日時点で、全ての車両に対する車両停止処分が終了いたしましたが、一般貨物自動車運送事業の許可については、当該取消処分から5年間は当該許可を再取得することもできなくなります。 お客さまをはじめステークホルダーの信頼を損なう結果となったことを重く受け止め、日本郵便における経営の最重要課題としてコンプライアンス・ガバナンスの強化に取り組み、点呼の記録漏れや改ざんを防止するためのデジタル点呼の導入、郵便局へ実施を指示している業務の適法性確保と負荷軽減のための「郵便局業務の総点検」を進めました。 また、日本郵便の本社や全国の支社が取引先に対して取引条件を事前に明らかにしなかったことで特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律に違反するおそれのある取引が相当程度あることが判明したことを受け、原則として、事前に取引条件を明示した発注書等を交付するように運用を改める等の再発防止策を実施しています。 これらの事案について、同様の事案が発生することがないよう、当社グループは再発防止策を徹底し、お客さま本位のサービス提供に全力で取り組んでまいります。 当社におきましては、持株会社として、当社グループの企業価値向上を目指し、グループ各社の収益拡大や経営効率化等を着実に推進するとともに、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保、郵便局ネットワークの維持・活用による安定的なサービスの提供等という目的が達成できるよう、グループ運営に取り組みました。 また、グループ各社のコンプライアンス・プログラムの策定・推進の状況、各社の内部監査態勢・監査状況の把握に努めたほか、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するとともに、病院事業の経営改善に取り組みました。 さらに、グループ各社が提供するサービスの公益性・公共性の確保や、持続可能な社会の実現・未来の創造に貢献するため、サステナビリティ経営の推進に関する取組みや災害復興支援に、グループ全体で取り組んでおります。 加えて、「JP ビジョン2025+(プラス)」で示した方針を踏まえ、当社は2025年3月にゆうちょ銀行普通株式の売出しを実施するとともに、同普通株式に係る株式処分信託を設定し、当該信託にゆうちょ銀行普通株式を拠出いたしました。これにより、当社のゆうちょ銀行に対する議決権の保有割合は50%を下回っております。2023年の売出し及び本売出しによって得た資金については、物流領域の能力増強やDX化等の成長投資に充当するとともに、自己株式取得にも活用することで、当社グループの企業価値の向上を図っていきます。 業績面では、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少や諸物価、人件費の上昇に伴うコストの増加等があった一方、年度初来からの国内金利上昇等による運用環境の好転等により、銀行業セグメント及び生命保険業セグメントの業績が堅調に推移しました。 このような取組みを行った結果、当連結会計年度における連結経常収益は11,440,586百万円(前期比27,781百万円減)、連結経常利益は1,074,966百万円(前期比260,369百万円増)、連結経常利益に、特別損益や契約者配当準備金繰入額等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、374,556百万円(前期比3,992百万円増)となりました。 ※1 EX(Employee Experience:従業員体験価値)とは、社員が会社で働くことを通じて得られる体験価値のことです。 ※2 DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用し、ビジネスや生活を変革する取組みのことです。 ※3 UX(User Experience:ユーザー体験価値)とは、システムやサービスを利用するユーザー(お客さまや社員)が、その利用を通じて得られる体験価値のことです。 ※4 非公開金融情報とは、お客さま対応等の中で知った、お客さまの金融取引や資産に関する、通常、本人しか知りえない情報(口座残高や引落情報、保有ファンドの状況等)のことです。 各事業セグメント別の業績は、以下のとおりであります。 ① 郵便・物流事業 郵便・物流事業につきましては、点呼業務不備事案に伴う行政処分執行後、他の運送会社へ委託を行うことを基本に、確実な点呼の実施を大前提として、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることのないよう、ユニバーサルサービス等を確実に提供してまいりました。 事業の成長に向けては、差出・受取利便性の向上、営業体制・営業力の強化、楽天グループ株式会社をはじめとする他企業との連携強化等を通じた荷物分野の収益拡大に加え、DXの推進や商品・サービスの見直し等を通じたオペレーションの効率化に取り組んでまいりました。 また、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業を目指し、トナミHDの子会社化や同社傘下の子会社との共同配達等の協業を進めたほか、ロジスティードHD等との資本業務提携契約を締結しました。 このほか、セイノーグループとの間で、双方のドライバー不足の解消に向け、共同運行便の拡大等に取り組んでまいりました。 業績面では、2024年10月に実施した郵便料金の改定により単価が改善した一方、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少や荷物分野における競合他社との激しい競争が継続するとともに、諸物価や人件費の上昇に伴うコストの増加等が継続しました。 このような取組みを行った結果、当連結会計年度の郵便・物流事業におきましては、郵便、ゆうメールが減少したものの、ゆうパック、ゆうパケットの取扱数量が増加したこと、郵便料金の改定により単価が改善したこと及びJPトナミグループの連結子会社化等により、経常収益は2,308,351百万円(前期比219,869百万円増)、経常費用は引き続きコストコントロールの取組み等を進めたものの、人件費や集配運送委託費等が増加し、経常損失は5,494百万円(前期は32,220百万円の経常損失)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における郵便・物流事業の営業収益は2,297,581百万円(前期比216,700百万円増)、営業損失は11,862百万円(前期は38,377百万円の営業損失)となりました。 引受郵便物等の状況 区分   前事業年度   当事業年度 物数(千通・千個)   対前期比(%)   物数(千通・千個)   対前期比(%) 総数   16,902,870   △3.2   16,053,316   △5.0 郵便物   12,566,067   △7.5   11,751,035   △6.5 内国   12,542,869   △7.5   11,729,264   △6.5 普通   12,013,449   △7.8   11,248,984   △6.4 第一種   6,626,997   △6.5   6,188,100   △6.6 第二種   4,486,233   △6.1   4,337,511   △3.3 第三種   146,736   △3.5   138,174   △5.8 第四種   12,506   △6.0   11,887   △4.9 年賀   695,293   △28.4   507,100   △27.1 選挙   45,684   39.6   66,211   44.9 特殊   529,420   0.8   480,280   △9.3 国際(差立)   23,198   0.7   21,771   △6.2 通常   13,824   5.2   13,284   △3.9 小包   2,320   1.2   2,062   △11.1 国際スピード郵便   7,053   △7.2   6,424   △8.9 荷物   4,336,803   11.7   4,302,281   △0.8 ゆうパック   558,444   2.1   565,469   1.3 ゆうパケット   537,215   16.1   562,553   4.7 ゆうメール   3,241,144   12.8   3,174,259   △2.1 (注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。 種類   概要/特徴 第一種郵便物   お客さまがよく利用される「手紙」(封書)のことであります。一定の重量及び大きさの定形郵便物とそれ以外の定形外郵便物に分かれます。また、郵便書簡(ミニレター)、特定封筒(レターパックライト)及び小型特定封筒(スマートレター)も含んでおります。 第二種郵便物   お客さまがよく利用される「はがき」のことであります。通常はがき及び往復はがきの2種類があります。年賀郵便物の取扱期間(12月15日~1月7日)以外に差し出された年賀はがきを含んでおります。 第三種郵便物   新聞、雑誌など年4回以上定期的に発行する刊行物で、日本郵便の承認を受けたものを内容とするものであります。 第四種郵便物   公共の福祉の増進を目的として、郵便料金を低料又は無料としているものであります。通信教育用郵便物、点字郵便物、特定録音物等郵便物、植物種子等郵便物、学術刊行物郵便物があります。 2.年賀は、年賀郵便物(年賀特別郵便(取扱期間12月15日~12月28日)及び12月29日~1月7日に差し出された年賀はがきで消印を省略したもの)の物数であります。 3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。 4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱(オプションサービス)を行った郵便物の物数の合計であります。交付記録郵便物用特定封筒(レターパックプラス)及び電子郵便(レタックス、Webゆうびん、e内容証明)を含んでおります。 5.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。 6.ゆうパケットは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。小型の荷物をお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。 7.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている1kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。 ② 郵便局窓口事業 郵便局窓口事業につきましては、「お客さまに選んでいただける事業への成長」に向けて、収益力、郵便局の価値・魅力、サービス品質の向上に取り組んでまいりました。 具体的には、地域の特性に応じた窓口営業時間の弾力的な運用の一環として、昼時間帯の窓口業務の休止を進め、2024年度に試行を開始した郵便局について、一部を除き本実施に移行したほか、新たに約1,100局において試行を開始しました。また、地域事情に応じて、窓口業務を半日とし、郵便物等の配達業務等を行う取組みや、観光地において、平日の窓口業務を半日とし、要員を確保した上で、土・休日の窓口業務を行う取組みを開始しました。 加えて、地方公共団体事務受託の推進、地域金融機関等との連携強化、郵便局窓口と駅窓口の一体運営等に取り組みました。 このほか、新たなタブレット型PCの配備を拡大したほか、かんぽ生命保険商品の新規申込みや保全・支払等をペーパーレスで処理可能なシステムを全局で利用開始する等、窓口オペレーション改革の取組みを推進しました。 2024年度に発覚した非公開金融情報の不適切な利用事案に対しては、必要な態勢整備が図られるまでの間は郵便局からの来局誘致を停止し、再発防止策として、研修等の継続的な実施、グループ顧客管理基盤の構築等を行いました。また、同年度に発覚した一時払終身保険等の販売に係る認可取得前勧誘事案においても同様に、再発防止策を継続的に実施してまいりました。 業績面では、送金決済件数や保有保険契約件数の減少等に伴う銀行及び保険受託手数料の減少に加え、タブレット型PCの配備拡大等に伴い費用が増加しました。 このような取組みを行った結果、当連結会計年度の郵便局窓口事業におきましては、銀行手数料、保険手数料の減少が継続しているものの、郵便局ネットワーク維持交付金等が増加し、経常収益は1,017,174百万円(前期比6,977百万円増)、経常費用は人件費が減少したものの経費が増加したことにより増加し、経常利益は9,095百万円(前期比15,060百万円減)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における郵便局窓口事業の営業収益は1,013,968百万円(前期比5,239百万円増)、営業利益は6,975百万円(前期比16,218百万円減)となりました。 郵便局数 支社名   営業中の郵便局(局) 前事業年度末   当事業年度末 直営の郵便局   簡易郵便局   計   直営の郵便局   簡易郵便局   計 郵便局   分室   郵便局   分室 北海道   1,203   1   241   1,445   1,196   1   237   1,434 東北   1,898   0   534   2,432   1,894   0   527   2,421 関東   2,393   0   150   2,543   2,386   0   138   2,524 東京   1,461   0   5   1,466   1,447   0   4   1,451 南関東   950   0   69   1,019   942   0   67   1,009 信越   974   0   291   1,265   972   0   284   1,256 北陸   650   0   144   794   643   0   138   781 東海   2,048   1   264   2,313   2,040   1   259   2,300 近畿   3,091   3   299   3,393   3,062   3   300   3,365 中国   1,746   1   410   2,157   1,739   1   399   2,139 四国   929   0   185   1,114   927   0   176   1,103 九州   2,492   0   835   3,327   2,488   0   823   3,311 沖縄   176   0   22   198   175   0   21   196 全国計   20,011   6   3,449   23,466   19,911   6   3,373   23,290 ③ 国際物流事業 国際物流事業につきましては、同社の子会社であるトール社による豪州での収益性向上等の施策を推進するとともに、アジア域内で特に成長が見込まれる国や業種を重視した事業展開による収益拡大に取り組んだほか、コスト削減等に継続して取り組んでまいりました。 また、JPロジスティクス等、当社グループ内企業と連携し、ロジスティクス事業及びフォワーディング事業の拡大に取り組んできたところです。 このような取組みを行った結果、当連結会計年度の国際物流事業におきましては、フォワーディング事業の海上運賃の下落や取扱量の減少により、経常収益は505,805百万円(前期比7,041百万円減)、経常費用はフォワーディング事業の費用が減少し、経常利益は4,371百万円(前期比328百万円減)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における国際物流事業の営業収益は505,116百万円(前期比6,612百万円減)、営業利益(EBIT)は13,850百万円(前期比485百万円増)となりました。 ④ 不動産事業 不動産事業につきましては、JPタワー(商業施設名:KITTE)をはじめとするオフィスビル、商業施設、賃貸・分譲住宅、高齢者施設等のグループ保有不動産の開発を中心に推進しており、市街地再開発事業においては、旧白金社宅の事業を推進し、また、分譲住宅事業においては、プラウド池下高見(旧高見寮:名古屋市)が2026年1月に竣工したほか、新たな分譲住宅案件を計画するなど、事業の強化・拡充に取り組みました。 グループ外収益物件については、2025年12月に日本郵政不動産が共同出資する外資系ホテル「Osaka Sakurajima Resort」プロジェクトが本格着工(2029年竣工予定)したことを発表、また、2026年3月に共同事業である「ザ・ランドマーク名古屋栄」が竣工したほか、用途やエリアごとのマーケットを見極めて賃貸住宅の取得を行いました。 このような取組みを行った結果、当連結会計年度の不動産事業におきましては、賃貸収益の増加により、経常収益は89,008百万円(前期比7,337百万円増)、経常費用は分譲収益に連動した販売原価の減少により減少し、経常利益は20,092百万円(前期比7,725百万円増)となりました。また、当連結会計年度における不動産事業の営業収益は87,953百万円(前期比6,523百万円増)、営業利益は23,948百万円(前期比10,016百万円増)となりました。 不動産事業における主なプロジェクト(賃貸事業)の概要は以下のとおりであります。 名称   土地面積(千㎡)   延床面積(千㎡)   簿価(百万円)           事業形態   竣工年月 土地等   建物他 JPタワー   11    191(212)   274,053   227,783   46,270    共同事業(メジャー)   2012年5月 大宮JPビルディング   6   45   8,665   3,903   4,761   単独事業   2014年8月 JPタワー名古屋    8(12)    162(180)   34,303   10,945   23,357    共同事業(メジャー)   2015年11月 KITTE博多   5   64   17,578   7,385   10,192   単独事業   2016年3月 広島JPビルディング   4   44   17,399   3,244   14,154   単独事業   2022年8月 蔵前JPテラス   14   99   32,590   6,052   26,537   単独事業   2023年3月 麻布台ヒルズ森JPタワー    11(24)    227(461)   138,315   65,347   72,967   市街地再開発   2023年6月 五反田JPビルディング   6   69   35,675   6,586   29,088   単独事業   2023年12月 JPタワー大阪    8(12)    173(227)   85,841   17,534   68,306    共同事業(メジャー)   2024年3月 (注) 1.2026年3月31日時点 2.JPタワー 延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。 3.JPタワー名古屋及びJPタワー大阪 土地面積は、持分面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積(借地を含む)を表示しております。 延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。 4. 麻布台ヒルズ森JPタワー 土地面積及び延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。 ⑤ 銀行業 ゆうちょ銀行では、「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」及び「Σ(シグマ)ビジネス」という3つのビジネス戦略の推進及びそれらを支える経営基盤の強化に継続的に取り組みました。 「リテールビジネス」では、お客さま本位の営業活動を前提に、お客さま基盤の維持・深耕を最重要課題と捉え、リアルチャネルとデジタルチャネルの相互補完戦略を加速し、伝統的な銀行業務を超えた新しいリテールビジネスへの変革に向けた取組みを進めております。 デジタルサービスでは、スマートフォン上で基本的な銀行取引が行える「通帳アプリ」の機能拡充を図るとともに、テレビCM等を活用したプロモーション施策を展開しました。加えて、窓口でも丁寧なご案内を行い、登録口座数は「JP ビジョン2025+(プラス)」の目標である1,600万口座を上回りました。 また、スマートフォン上で口座開設等が行える「ゆうちょ手続きアプリ」や、店舗に設置するセルフ型営業店端末「Madotab」等に、お客さまの利便性を高める機能を順次追加いたしました。 資産形成サポートビジネスでは、投資信託商品のラインアップ拡充に加え、お客さまが身近な店舗から、専門性の高いコンサルティングを提供する資産運用リモートセンターにアクセスできる体制を構築するなど、お客さまの資産形成ニーズにきめ細かく対応しています。 「マーケットビジネス」では、国内金利上昇トレンドを捉え、預け金等から日本国債への投資シフトを継続するとともに、世界的に市場環境が大きく変動するなか、リスク対比リターンを意識しつつ国際分散投資を推進しました。これらの取組みにより、投資適格領域の外国社債等を中心にリスク性資産残高を拡大しました。また、リスク性資産のうち、プライベートエクイティファンド等の戦略投資領域※1は、優良案件への選別的な投資に努め、残高を積み上げました。 一方で、2026年3月末の自己資本比率(連結・国内基準)は、十分な財務健全性を確保しております。 また、これまで市場運用ビジネスで培った知見を活用したさらなる成長を企図し、新たにアセットマネジメントビジネスへの挑戦を見据え、2026年4月には「ゆうちょアセットマネジメント株式会社」を設立しました。 「Σビジネス」では、地域プライベートエクイティ投資を行うゆうちょ銀行100%出資子会社「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」の態勢強化を図るとともに、2026年4月には地域事業承継を目的とした旗艦ファンド「ゆうちょキャピタル・シグマ地域事業承継2号投資事業有限責任組合」を設立しました。 また、2026年1月、次世代の東海地域を牽引するスタートアップ企業への投資を目的に、東海東京証券株式会社等が設立した「Next Tokai Innovation Fund1号投資事業有限責任組合」に、アンカー投資家※2として参加することを決定する等、着実に歩みを進めております。 ビジネス戦略を実効性高く推進するため、人的資本経営を通じた人材の強化を図るとともに、内部管理態勢の強化及び組織風土改革に取り組みました。 人的資本経営の推進にあたっては、企業価値向上に向け、経営戦略と連動した人事戦略を推進しております。 具体的には、強化分野への積極的な人材配置や、キャリアデザイン研修等を通じた自律的社員の育成、多様な人材が活躍する職場づくりに向けたダイバーシティマネジメント等に取り組んでおります。 また、内部管理態勢の強化については、サイバーセキュリティやマネー・ローンダリング対策等の強化に加え、非公開金融情報の不適切な利用事案に係る再発防止策として、銀行業務委託先である日本郵便の管理・監督体制を強化しました。 さらに、2024年に発足した社員参画型の専門委員会である「みんなの声委員会 -ECHO-」を通じて、お客さまの声を活かした商品・サービスの提案・改善や、社員の声をもとにした職場改善・組織風土改革を推進しました。 このような取組みを行った結果、当連結会計年度の銀行業におきましては、外債投資信託からの収益増加や国債利息・日銀預け金の利息の増加等により資金利益が増加し、経常収益は2,852,150百万円(前期比330,254百万円増)、経常費用は資金調達費用の増加等により増加し、経常利益は759,093百万円(前期比174,715百万円増)となりました。 ※1 戦略投資領域とは、プライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等からなる戦略的な投資領域のことです。 ※2 アンカー投資家とは、ファンド設立に際し、初期段階から相当額の出資を行う大口の機関投資家のことです。 ゆうちょ銀行における損益の概要などの詳細な状況については、下記「(参考1) 銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況」「(参考2) 自己資本比率の状況」「(参考3) 資産の査定」に記載のとおりであります。 (参考1) 銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況 (a) 損益の概要 当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比3,536億円増加の1兆3,969億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託からの収益や国債利息の増加等により、前事業年度比3,469億円の増加となりました。役務取引等利益は、前事業年度比108億円の増加となりました。その他業務利益は、国債等債券損益の減少を主因に、前事業年度比41億円の減少となりました。 経費は、前事業年度比281億円増加の9,407億円となりました。 業務純益は、前事業年度比3,252億円増加の4,560億円となりました。 臨時損益は、プライベートエクイティファンド等からの収益が増加した一方、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の減少を主因に、前事業年度比1,506億円減少の2,920億円となりました。 経常利益は、前事業年度比1,745億円増加の7,480億円となりました。 この結果、当期純利益は5,289億円、前事業年度比1,184億円の増益となりました。 前事業年度 (百万円)(A)   当事業年度 (百万円)(B)   増減(百万円) (B)-(A) 業務粗利益   1,043,284   1,396,939   353,654 資金利益   956,826   1,303,796   346,970 役務取引等利益   154,872   165,707   10,834 その他業務利益   △68,413   △72,564   △4,150 うち外国為替売買損益   △69,781   △66,091   3,690 うち国債等債券損益   1,203   △6,687   △7,891 経費(除く臨時処理分)   △912,519   △940,717   △28,198 人件費   △106,759   △106,216   542 物件費   △774,358   △802,533   △28,175 税金   △31,401   △31,967   △566 業務純益(一般貸倒引当金繰入前)   130,765   456,221   325,455 一般貸倒引当金繰入額   -   △204   △204 業務純益   130,765   456,016   325,251 臨時損益   442,746   292,059   △150,686 うち株式等関係損益   △13,873   47,911   61,785 うち金銭の信託運用損益   451,533   223,654   △227,879 経常利益   573,511   748,076   174,564 特別損益   △351   △1,236   △884 固定資産処分損益   △348   △595   △247 減損損失   △3   △640   △637 税引前当期純利益   573,159   746,840   173,680 法人税、住民税及び事業税   △167,730   △228,297   △60,566 法人税等調整額   5,128   10,433   5,305 法人税等合計   △162,602   △217,863   △55,261 当期純利益   410,557   528,976   118,418 (注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額 2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。 3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。 4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却 5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却 6.金額が損失又は費用には△を付しております。 (参考) 与信関係費用 前事業年度 (百万円)(A)   当事業年度 (百万円)(B)   増減(百万円) (B)-(A) 与信関係費用   8   △68   △77 一般貸倒引当金繰入額   8   △68   △77 貸出金償却   -   -   - 個別貸倒引当金繰入額   -   -   - 償却債権取立益   -   -   - (注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。 2.金額が損失又は費用には△を付しております。 (b) 国内・国際別の資金利益等 ゆうちょ銀行は、海外店や海外に本店を有する連結子会社(以下「海外連結子会社」といいます。)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。 当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は5,696億円、役務取引等利益は1,669億円、その他業務利益は△86億円となりました。 国際業務部門においては、資金利益は7,341億円、役務取引等利益は△12億円、その他業務利益は△639億円となりました。 この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は1兆3,037億円、役務取引等利益は1,657億円、その他業務利益は△725億円となりました。 イ.国内業務部門 前事業年度(百万円)(A)   当事業年度(百万円)(B)   増減(百万円)(B)-(A) 資金利益   377,455   569,684   192,229 資金運用収益   547,632   1,008,991   461,358 うち国債利息   257,945   368,351   110,405 資金調達費用   170,177   439,307   269,129 役務取引等利益   155,801   166,949   11,148 役務取引等収益   183,737   195,313   11,575 役務取引等費用   27,935   28,363   427 その他業務利益   △223   △8,607   △8,383 その他業務収益   545   1,021   476 その他業務費用   768   9,629   8,860 ロ.国際業務部門 前事業年度(百万円)(A)   当事業年度(百万円)(B)   増減(百万円)(B)-(A) 資金利益   579,371   734,112   154,741 資金運用収益   1,250,995   1,408,708   157,712 うち外国証券利息   1,242,068   1,403,088   161,020 資金調達費用   671,624   674,596   2,971 役務取引等利益   △929   △1,242   △313 役務取引等収益   372   404   32 役務取引等費用   1,301   1,647   345 その他業務利益   △68,190   △63,957   4,233 その他業務収益   2,612   2,200   △411 その他業務費用   70,802   66,157   △4,644 ハ.合計 前事業年度(百万円)(A)   当事業年度(百万円)(B)   増減(百万円)(B)-(A) 資金利益   956,826   1,303,796   346,970 資金運用収益   1,750,285   2,266,821   516,535 資金調達費用   793,459   963,024   169,565 役務取引等利益   154,872   165,707   10,834 役務取引等収益   184,109   195,717   11,607 役務取引等費用   29,237   30,010   772 その他業務利益   △68,413   △72,564   △4,150 その他業務収益   3,157   3,222   64 その他業務費用   71,571   75,787   4,215 (注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度19,785百万円、当事業年度25,426百万円)を控除しております。 2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借に係る利息)等は下表のとおりであります。 前事業年度 (百万円)   当事業年度 (百万円) 国内業務部門・資金運用収益   48,342   150,878 国際業務部門・資金調達費用   48,342   150,878 (c) 国内・国際別資金運用/調達の状況 当事業年度の資金運用勘定の平均残高は221兆7,175億円、利回りは1.02%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は211兆6,731億円、利回りは0.45%となりました。 国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は214兆839億円、利回りは0.47%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は207兆6,943億円、利回りは0.21%となりました。 国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は86兆9,980億円、利回りは1.61%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は83兆3,433億円、利回りは0.80%となりました。 イ.国内業務部門 種類   前事業年度   当事業年度   増減 平均残高   利息   利回り   平均残高   利息   利回り   利回り (百万円) (百万円) (%) (A)   (百万円) (百万円) (%) (B)   (%) (B)-(A) 資金運用勘定   220,673,556   547,632   0.24   214,083,959   1,008,991   0.47   0.22 うち貸出金   4,605,608   11,990   0.26   3,997,236   23,719   0.59   0.33 うち有価証券   61,905,665   313,152   0.50   59,403,591   453,731   0.76   0.25 うち預け金等   64,862,831   158,506   0.24   60,873,270   333,608   0.54   0.30 資金調達勘定   214,835,388   170,177   0.07   207,694,325   439,307   0.21   0.13 うち貯金   191,902,253   104,253   0.05   189,080,264   313,418   0.16   0.11 うち売現先勘定   22,771,720   28,563   0.12   17,936,661   79,565   0.44   0.31 (注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。 2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,131,496百万円、当事業年度2,137,837百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,131,496百万円、当事業年度2,137,837百万円)及び利息(前事業年度△7,313百万円、当事業年度△2,505百万円)を控除しております。 3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。 4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ハ.合計」においても同様であります。 ロ.国際業務部門 種類   前事業年度   当事業年度   増減 平均残高   利息   利回り   平均残高   利息   利回り   利回り (百万円) (百万円) (%) (A)   (百万円) (百万円) (%) (B)   (%) (B)-(A) 資金運用勘定   87,205,464   1,250,995   1.43   86,998,081   1,408,708   1.61   0.18 うち貸出金   17,994   149   0.83   11,712   144   1.23   0.40 うち有価証券   86,978,065   1,242,068   1.42   86,806,981   1,403,088   1.61   0.18 うち預け金等   -   -   -   -   -   -   - 資金調達勘定   82,912,853   671,624   0.81   83,343,326   674,596   0.80   △0.00 うち売現先勘定   5,876,665   303,954   5.17   5,264,734   224,680   4.26   △0.90 (注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。 2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外連結子会社を有しておりません。 3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度3,345,371百万円、当事業年度3,450,844百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度3,345,371百万円、当事業年度3,450,844百万円)及び利息(前事業年度27,098百万円、当事業年度27,931百万円)を控除しております。 ハ.合計 種類   前事業年度   当事業年度   増減 平均残高   利息   利回り   平均残高   利息   利回り   利回り (百万円) (百万円) (%) (A)   (百万円) (百万円) (%) (B)   (%)(B)-(A) 資金運用勘定   229,771,646   1,750,285   0.76   221,717,550   2,266,821   1.02   0.26 うち貸出金   4,623,602   12,140   0.26   4,008,948   23,864   0.59   0.33 うち有価証券   148,883,730   1,555,220   1.04   146,210,573   1,856,819   1.26   0.22 うち預け金等   64,862,831   158,506   0.24   60,873,270   333,608   0.54   0.30 資金調達勘定   219,640,867   793,459   0.36   211,673,161   963,024   0.45   0.09 うち貯金   191,902,253   104,253   0.05   189,080,264   313,418   0.16   0.11 うち売現先勘定   28,648,385   332,517   1.16   23,201,395   304,246   1.31   0.15 (注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度5,476,867百万円、当事業年度5,588,682百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度5,476,867百万円、当事業年度5,588,682百万円)及び利息(前事業年度19,785百万円、当事業年度25,426百万円)を控除しております。 2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借の平均残高及び資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。 前事業年度   当事業年度 平均残高(百万円)   利息(百万円)   平均残高(百万円)   利息(百万円) 国内業務部門・資金運用勘定   78,107,374   48,342   79,364,489   150,878 国際業務部門・資金調達勘定   78,107,374   48,342   79,364,489   150,878 (d) 役務取引等利益の状況 当事業年度の役務取引等利益は、前事業年度比108億円増加の1,657億円となりました。 前事業年度 (百万円)(A)   当事業年度 (百万円)(B)   増減(百万円) (B)-(A) 役務取引等利益   154,872   165,707   10,834 為替・決済関連手数料   89,866   99,926   10,060 ATM関連手数料   38,110   37,624   △485 投資信託関連手数料   13,007   13,600   593 その他   13,888   14,555   667 (参考) 投資信託・ゆうちょファンドラップの取扱状況 前事業年度 (百万円)(A)   当事業年度 (百万円)(B)   増減(百万円) (B)-(A) 販売金額   587,990   646,915   58,925 残高   2,939,767   3,519,432   579,664 (e) 預金残高の状況 当事業年度末の貯金残高は前事業年度末比4兆3,519億円減少の186兆1,130億円となりました。 ○ 預金の種類別残高(末残・構成比) 種類   前事業年度   当事業年度   増減 金額(百万円)(A)   構成比(%)   金額(百万円)(B)   構成比(%)   金額(百万円)(B)-(A) 預金合計   190,465,032   100.00   186,113,094   100.00   △4,351,937 流動性預金   125,998,730   66.15   125,137,657   67.23   △861,072 振替貯金   12,166,082   6.38   11,877,911   6.38   △288,170 通常貯金等   112,991,897   59.32   112,450,563   60.42   △541,334 貯蓄貯金   840,749   0.44   809,182   0.43   △31,567 定期性預金   64,323,902   33.77   60,850,969   32.69   △3,472,932 定期貯金   8,601,820   4.51   10,290,352   5.52   1,688,532 定額貯金   55,722,082   29.25   50,560,617   27.16   △5,161,464 その他の預金   142,399   0.07   124,467   0.06   △17,932 譲渡性預金   -   -   -   -   - 総合計   190,465,032   100.00   186,113,094   100.00   △4,351,937 ○ 預金の種類別残高(平残・構成比) 種類   前事業年度   当事業年度   増減 金額(百万円)(A)   構成比(%)   金額(百万円)(B)   構成比(%)   金額(百万円)(B)-(A) 預金合計   191,902,253   100.00   189,080,264   100.00   △2,821,989 流動性預金   125,497,570   65.39   126,200,158   66.74   702,587 振替貯金   12,068,461   6.28   12,019,602   6.35   △48,858 通常貯金等   112,598,197   58.67   113,352,734   59.94   754,536 貯蓄貯金   830,911   0.43   827,820   0.43   △3,090 定期性預金   66,177,022   34.48   62,635,679   33.12   △3,541,342 定期貯金   6,114,483   3.18   9,561,067   5.05   3,446,584 定額貯金   60,062,539   31.29   53,074,611   28.06   △6,987,927 その他の預金   227,660   0.11   244,426   0.12   16,765 譲渡性預金   -   -   -   -   - 総合計   191,902,253   100.00   189,080,264   100.00   △2,821,989 (注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当) 2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。 3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は郵政管理・支援機構からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。 4.上記の通常貯金、定期性預金は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項③ 郵政民営化法 (f) ゆうちょ銀行における預入限度額」に記載の郵政民営化法における預入限度額規制上の区分とは異なります。 (f) 資産運用の状況(末残・構成比) 当事業年度末の運用資産のうち、国債は41.4兆円、その他の証券は88.2兆円となりました。 種類   前事業年度   当事業年度   増減 金額(百万円)(A)   構成比(%)   金額(百万円)(B)   構成比(%)   金額(百万円)(B)-(A) 預け金等   64,888,087   28.18   54,527,026   24.44   △10,361,061 コールローン   2,135,000   0.92   1,760,000   0.78   △375,000 買現先勘定   8,463,537   3.67   8,270,151   3.70   △193,386 金銭の信託   5,721,973   2.48   6,222,830   2.78   500,856 うち国内株式   616,571   0.26   800,874   0.35   184,303 うち国内債券   1,130,995   0.49   1,059,688   0.47   △71,307 有価証券   143,565,339   62.35   145,374,043   65.16   1,808,703 国債   40,342,652   17.52   41,437,884   18.57   1,095,231 地方債   5,600,875   2.43   5,573,898   2.49   △26,976 短期社債   678,731   0.29   823,599   0.36   144,867 社債   9,483,343   4.11   9,206,311   4.12   △277,031 株式   33,383   0.01   75,271   0.03   41,888 その他の証券   87,426,352   37.97   88,257,077   39.55   830,725 うち外国債券   27,823,728   12.08   29,013,681   13.00   1,189,952 うち投資信託   59,437,328   25.81   59,056,643   26.47   △380,684 貸出金   3,130,595   1.35   4,372,193   1.95   1,241,597 その他   2,340,330   1.01   2,570,641   1.15   230,310 合計   230,244,864   100.00   223,096,885   100.00   △7,147,979 (注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。 (g) 評価損益の状況(末残) 当事業年度末の評価損益(その他目的)は、国内金利の上昇等に伴い、ヘッジ考慮後で、前事業年度末から1,454億円悪化し、△1兆2,333億円(税効果前)となりました。 前事業年度(A)   当事業年度(B)   増減(B)-(A) 貸借対照表計上額 /想定元本   評価損益 /ネット繰延損益   貸借対照表計上額 /想定元本   評価損益 /ネット繰延損益   貸借対照表計上額 /想定元本   評価損益 /ネット繰延損益 (百万円)   (百万円)   (百万円)   (百万円)   (百万円)   (百万円) その他目的       104,603,356   553,426   99,310,122   904,717   △5,293,233   351,291 有価証券   ①   98,881,382   1,864,332   93,087,292   2,596,913   △5,794,089   732,580 国債       15,305,265   △1,705,122   10,586,012   △2,527,336   △4,719,253   △822,213 外国債券       19,103,844   2,483,520   19,333,062   3,588,967   229,217   1,105,446 投資信託       59,437,328   1,194,814   59,056,643   1,699,820   △380,684   505,006 その他       5,034,944   △108,879   4,111,574   △164,538   △923,369   △55,658 時価ヘッジ効果額   ②   -   △1,548,817   -   △1,954,026   -   △405,209 金銭の信託   ③   5,721,973   237,910   6,222,830   261,830   500,856   23,920 国内株式       616,571   301,255   800,874   360,896   184,303   59,641 その他       5,105,402   △63,344   5,421,955   △99,065   316,552   △35,721 デリバティブ取引(繰延ヘッジ適用分)   ④   15,944,074   △1,641,328   15,314,434   △2,138,108   △629,640   △496,780 評価損益合計   ①+②+③+④   -   △1,087,901   -   △1,233,391   -   △145,489 (注)  「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。 前事業年度(A)   当事業年度(B)   増減(B)-(A) 貸借対照表計上額   評価損益   貸借対照表計上額   評価損益   貸借対照表計上額   評価損益 (百万円)   (百万円)   (百万円)   (百万円)   (百万円)   (百万円) 満期保有目的の債券   45,169,875   △2,386,743   52,680,226   △4,293,965   7,510,351   △1,907,221 (h) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比) 業種別   前事業年度   当事業年度   増減 金額(百万円)(A)   構成比(%)   金額(百万円)(B)   構成比(%)   金額(百万円)(B)-(A) 国内(除く特別国際金融取引勘定分)   3,114,595   100.00   4,361,193   100.00   1,246,597 農業、林業、漁業、鉱業   -   -   -   -   - 製造業   194,802   6.25   219,700   5.03   24,897 電気・ガス等、情報通信業、運輸業   105,883   3.39   178,900   4.10   73,017 卸売業、小売業   50,253   1.61   56,224   1.28   5,971 金融・保険業   407,428   13.08   201,516   4.62   △205,912 建設業、不動産業   124,659   4.00   118,155   2.70   △6,504 各種サービス業、物品賃貸業   81,104   2.60   119,360   2.73   38,255 国、地方公共団体   2,085,290   66.95   3,408,950   78.16   1,323,660 その他   65,172   2.09   58,384   1.33   △6,788 国際及び特別国際金融取引勘定分   16,000   100.00   11,000   100.00   △5,000 政府等   -   -   -   -   - その他   16,000   100.00   11,000   100.00   △5,000 合計   3,130,595   ―   4,372,193   ―   1,241,597 (注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。 2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外連結子会社を有しておりません。 3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末34,618百万円、当事業年度末6,650百万円であります。 (参考2) 自己資本比率の状況 ゆうちょ銀行の自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。 なお、ゆうちょ銀行は、国内基準を適用の上、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法、マーケット・リスク相当額の算出においては標準的方式を採用しております。 連結自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%) 2026年3月31日 1.連結自己資本比率(2/3)   14.93 2.連結における自己資本の額   95,720 3.リスク・アセット等の額   640,728 4.連結総所要自己資本額   25,629 (注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。 単体自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%) 2026年3月31日 1.単体自己資本比率(2/3)   14.96 2.単体における自己資本の額   95,770 3.リスク・アセット等の額   639,799 4.単体総所要自己資本額   25,591 (注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。 (参考3) 資産の査定 資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、ゆうちょ銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。 (a) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。 (b) 危険債権 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。 (c) 要管理債権 要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。 (d) 正常債権 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(a)から(c)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。 資産の査定の額 債権の区分   2025年3月31日   2026年3月31日 金額(億円)   金額(億円) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権   0   - 危険債権   0   0 要管理債権   -   - 正常債権   32,685   45,581 ⑥ 生命保険業 かんぽ生命保険では、「お客さまから信頼され、選ばれ続けることで、お客さまの人生を保険の力でお守りする」という社会的使命を果たすべく、ライフステージ/世代を超えたつながりによるお客さまの維持・拡大と、持続的な「強い会社」へ向けた取組みを進めてまいりました。 2025年度は、非公開金融情報の不適切利用事案等を踏まえ、全ての活動をお客さま起点に進化させるとともに、お客さまサービス向上に関するこれまでの取組みを定着・発展させることで、あらゆる場面でお客さまに安心をお届けし続ける活動の展開に注力してまいりました。加えて、安心を支える強靭な経営基盤の確立に取り組むことで、「お客さまの人生を通して安心をお届けする」というかんぽ生命保険の価値をお客さまへ提供し続けてまいりました。2025年度の主な取組みは次のとおりです。 ライフステージ/世代を超えたつながりによるお客さまの維持・拡大については、お客さま本位の業務運営をさらに発展させるため、「保険のプロ」としての使命感のもと、お客さまへの商品提案からアフターフォロー、保険金の請求手続き等のあらゆる場面で、お客さまに安心をお届けし続ける活動を一体的に展開できるよう取り組んでまいりました。具体的には、お客さまとの長期安定的な関係を築きながら、様々な世代のお客さまの課題を把握し、解決策としての保障をご提案できるよう、営業社員のスキル向上に取り組んでまいりました。また、あらゆる世代のお客さまの多様なニーズにお応えする保険サービスの開発を進めてまいりました。2024年1月に販売を開始しご好評いただいている一時払終身保険について、2024年度に特約の中途付加(基本契約の締結後に特約を付加すること)を可能にする等の商品改善や、2025年度には金利上昇等の外部環境の変化を捉え、段階的に保険料の改定を実施してまいりました。加えて、2026年5月には、平準払商品の魅力向上等も実現しました。さらに、お客さまに安心をお届けし続けるため、郵便局と一体となり“ALLかんぽ”でのアフターフォローに取り組んでおります。加えて、各種手続きにおけるお客さまの負担軽減や利便性向上を果たすべく、デジタルを活かした手続きを一層拡充し、お客さまサービスの向上に取り組んでまいりました。また、営業社員に対して、保険募集実績だけでなくアフターフォロー等も含めたお客さま本位の活動全般を定量的に評価する制度を導入し、社員の成長度合いを見える化・評価して成長を促進しながら、お客さまサービスの向上に取り組んでまいりました。この制度をさらに発展させ、かんぽ生命保険の各拠点の活動全般と成長度合いも定量的に見える化・評価することで、社員と組織双方の成長を一層推進してまいりました。 持続的な「強い会社」へ向けた取組みについては、保険金等の確実なお支払いのためALM※1を基本としつつ、安定的な順ざやの確保を目指し、リスク許容度の範囲で収益追求資産への投資を継続しております。また、大和証券グループや三井物産株式会社との提携を通じて、資産運用の態勢・人材ポートフォリオの高度化に取り組んでまいりました。加えて、新たに、新興国市場に特化した英国の大手資産運用会社であるAshmore Groupとの提携を決定しました。このほか、収益源の多様化に向けて、提携関係の発展や新たな成長機会の創出に取り組んでおります。世界有数の資産運用会社であるKKR & Co.Inc、及びGlobal Atlanticとの戦略的提携契約を活用した海外保険市場からの収益獲得や、前述の大和証券グループや三井物産株式会社との提携を通じて、アセットマネジメント事業からの収益獲得にも取り組んでまいりました。また、2026年3月には、Ashmore Groupとの提携に加えて、保険見直し本舗グループへの出資を決定しました。 資本効率を意識した経営については、ERM※2に基づき、ESR※3等の財務の健全性を安定的に確保しつつ、資本収益性を向上させ、修正利益を原資とした安定的な配当や自己株式取得等の安定的な株主還元を図ることで、持続的な成長や中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいりました。また、これらに向けて、資本コストや株価を意識した経営に取り組むことで、市場評価の改善に取り組んでまいりました。 このような取組みを行った結果、当連結会計年度の生命保険業におきましては、一時払終身保険の販売減少の影響等に伴い保険料等収入が減少したこと等により、経常収益は5,625,589百万円(前期比539,377百万円減)となりました。一方で、満期保険金等の保険金支払及び再保険料の支払の減少等により保険金等支払金が減少したこと等から、経常利益は271,777百万円(前期比101,964百万円増)となりました。 ※1 ALMとは、Asset Liability Managementの略語で、資産負債の総合管理のことです。 ※2 ERMとは、Enterprise Risk Managementの略語で、会社が直面するリスクに関して、潜在的に重要なリスクを含めて総体的に捉え、会社全体の自己資本などと比較・対照することによって、事業全体として行うリスク管理のことです。 ※3 ESRとは、Economic Solvency Ratioの略語で、財務健全性指標の一つである「経済価値ベースのソルベンシー比率」のことです。 かんぽ生命保険における保険引受及び資産運用の状況などの詳細な状況については、下記「(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況」に記載のとおりであります。 (参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況 (下表(a)イ.~ニ.の個人保険及び個人年金保険には、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。) (a) 保険引受及び資産運用の状況 イ.保有契約高明細表 (単位:千件、百万円) 区分   前事業年度末   当事業年度末 件数   金額   件数   金額 個人保険   12,786   35,407,960   12,149   33,358,414 個人年金保険   421   579,627   329   440,027 (注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。 ロ.新契約高明細表 (単位:千件、百万円) 区分   前事業年度   当事業年度 件数   金額   新契約   転換による 純増加   件数   金額   新契約   転換による 純増加 個人保険   795   2,121,237   2,121,234   3   428   1,165,862   1,165,774   87 個人年金保険   0   1,195   1,195   -   0   630   630   - (注) 1.件数は、新契約件数に転換後契約件数を加えた数値であります。なお、転換後契約とは、既契約の転換によって成立した契約であります。 2.個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。 ハ.保有契約年換算保険料明細表 (単位:百万円) 区分   前事業年度末   当事業年度末 個人保険   2,137,261   2,017,920 個人年金保険   151,796   118,796 合計   2,289,058   2,136,716 うち医療保障・ 生前給付保障等   296,496   284,454 (注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。 2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。 ニ.新契約年換算保険料明細表 (単位:百万円) 区分   前事業年度   当事業年度 個人保険   175,075   97,327 個人年金保険   99   51 合計   175,174   97,378 うち医療保障・ 生前給付保障等   7,155   5,634 (注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。 2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。 3.新契約年換算保険料は、新契約に係る年換算保険料に、既契約の転換による転換前後の年換算保険料の純増加分を加えた数値であります。 (参考)かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況 (a) 保有契約高 (単位:千件、百万円) 区分   前事業年度末   当事業年度末 件数   保険金額・年金額   件数   保険金額・年金額 保険   6,024   16,016,556   5,576   14,838,522 年金保険   1,107   358,835   1,056   341,424 (注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。 (b) 保有契約年換算保険料 (単位:百万円) 区分   前事業年度末   当事業年度末 保険   718,552   665,401 年金保険   365,570   349,490 合計   1,084,122   1,014,891 うち医療保障・ 生前給付保障等   241,412   227,925 (注) かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記ハ.に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。 ホ.一般勘定資産の構成 区分   前事業年度末   当事業年度末 金額(百万円)   構成比(%)   金額(百万円)   構成比(%) 現預金・コールローン   2,000,343   3.4   1,779,746   3.0 買現先勘定   604,914   1.0   472,482   0.8 債券貸借取引支払保証金   -   -   -   - 買入金銭債権   23,215   0.0   21,229   0.0 商品有価証券   -   -   -   - 金銭の信託   6,460,029   10.8   8,039,836   13.8 有価証券   46,528,662   78.1   44,930,781   76.9 公社債   41,639,888   69.9   39,768,142   68.0 株式   594,608   1.0   787,434   1.3 外国証券   2,024,510   3.4   2,104,952   3.6 公社債   1,828,539   3.1   1,865,205   3.2 株式等   195,971   0.3   239,747   0.4 その他の証券   2,269,655   3.8   2,270,251   3.9 貸付金   2,530,051   4.2   2,134,764   3.7 保険約款貸付   159,074   0.3   164,791   0.3 一般貸付   754,604   1.3   676,553   1.2 機構貸付   1,616,372   2.7   1,293,418   2.2 不動産   120,066   0.2   116,171   0.2 うち投資用不動産   -   -   -   - 繰延税金資産   728,362   1.2   327,434   0.6 その他   560,635   0.9   629,195   1.1 貸倒引当金   △766   △0.0   △864   △0.0 合計   59,555,517   100.0   58,450,779   100.0 うち外貨建資産   4,131,183   6.9   4,626,682   7.9 (注)1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。 2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。 ヘ.一般勘定資産の資産別運用利回り (単位:%) 区分   前事業年度   当事業年度 現預金・コールローン   0.02   0.05 買現先勘定   -   - 債券貸借取引支払保証金   -   - 買入金銭債権   1.17   1.28 商品有価証券   -   - 金銭の信託   5.26   9.92 有価証券   1.41   0.97 うち公社債   1.25   0.80 うち株式   8.75   10.59 うち外国証券   3.04   2.14 貸付金   1.74   1.74 うち一般貸付   1.02   1.08 不動産   -   - 一般勘定計   1.57   1.54 うち海外投融資   3.49   4.12 (注)1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。 2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。 3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。 (b) 基礎利益 基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。 かんぽ生命保険の当事業年度における基礎利益は、4,189億円となりました。 (経常利益等の明細(基礎利益)) (単位:百万円) 項目   前事業年度   当事業年度 基礎利益   (A)   242,166   418,938 キャピタル収益       421,042   500,625 金銭の信託運用益   199,152   397,705 売買目的有価証券運用益   -   - 有価証券売却益   110,640   52,634 金融派生商品収益   -   - 為替差益   20,999   6,229 その他キャピタル収益   90,250   44,056 キャピタル費用   418,368   623,825 金銭の信託運用損   -   - 売買目的有価証券運用損   -   - 有価証券売却損   193,470   364,721 有価証券評価損   -   - 金融派生商品費用   68,329   43,974 為替差損   -   - その他キャピタル費用   156,568   215,129 キャピタル損益   (B)   2,674   △123,199 キャピタル損益含み基礎利益   (A)+(B)   244,840   295,739 臨時収益   524,367   8,126 再保険収入   -   - 危険準備金戻入額   506,171   - 個別貸倒引当金戻入額   -   - その他臨時収益   18,196   8,126 臨時費用   598,226   30,618 再保険料   -   - 危険準備金繰入額   -   30,618 個別貸倒引当金繰入額   -   - 特定海外債権引当勘定繰入額   -   - 貸付金償却   -   - その他臨時費用   598,226   - 臨時損益   (C)   △73,859   △22,492 経常利益   (A)+(B)+(C)   170,981   273,247 (参考) その他項目の内訳 (単位:百万円) 項目   前事業年度   当事業年度 基礎利益への影響額   48,122   162,946 投資信託の解約益   △23,202   △603 金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額   156,568   215,129 為替に係るヘッジコスト   △67,047   △43,453 既契約の出再に伴う損益   △18,196   △8,126 その他キャピタル収益   90,250   44,056 投資信託の解約益   23,202   603 金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額   -   - 為替に係るヘッジコスト   67,047   43,453 その他キャピタル費用   156,568   215,129 金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額   156,568   215,129 為替に係るヘッジコスト   -   - その他臨時収益   18,196   8,126 既契約の出再に伴う損益   18,196   8,126 その他臨時費用   598,226   - 追加責任準備金繰入額   598,226   - 既契約の出再に伴う損益   -   - (c) かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率 ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。 かんぽ生命保険は、適切な資本管理という観点で、連結ソルベンシー・マージン比率の適正水準を150%~220%と設定しております。 当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率は181%(監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値)となっており、円金利の上昇による大量解約リスクの影響等により、前連結会計年度末から15ポイントの低下となっておりますが、適正水準の範囲内となっております。 (単位:兆円) 項目   前連結会計年度末 (2025年3月31日)   当連結会計年度末 (2026年3月31日) 適格資本合計額   (A)   4.47   4.76 所要資本合計額   (B)   2.28   2.63 連結ソルベンシー・マージン比率(A)/(B)   196%   181% (注) 1.令和7年金融庁告示第74号「保険業法施行規則第八十六条及び第八十七条等の規定に基づき保険金等の支払能力に相当する額及び通常の予測を超える危険に相当する額の計算方法等を定める件」に基づいて算出しております。 2.当連結会計年度末の数値は、監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値であります。また、前連結会計年度末の数値は、当連結会計年度末における計算方法を適用した試算値であります。 (d) かんぽ生命保険のEV イ.EVの概要 ⅰ EVについて エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。 生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。 ⅱ 計算方法の変更について かんぽ生命保険では、前事業年度末まで、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー原則に則り、市場整合的手法を用いた計算方法(以下「旧基準」といいます。)により計算したヨーロピアン・エンベディッド・バリューを開示しております。 このたび、2026年3月末の経済価値ベースのソルベンシー規制導入を踏まえ、当事業年度末のEVについては、経済価値ベースのバランスシートにおける連結純資産から、株主に帰属しない要素を控除したものとして計算する方法(以下「新基準」といいます。)に変更しております。 旧基準と新基準の計算方法の違いがEVに与える影響は、主に、保険負債の割引率としてリスク・フリー・レートに調整後スプレッドを上乗せすることによる差や、旧基準ではリスク・コストとしてヘッジ不能リスクに係る費用という形で反映していたものを、経済価値ベースのバランスシートにおけるMOCEを反映する手法に変更したことによる差であります。これらの影響によるEVの変動については「ニ 前事業年度末EVからの変動要因」をご参照ください。 ロ.簡易生命保険契約について かんぽ生命保険は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、かんぽ生命保険が受再しております。 かんぽ生命保険は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。 ハ.EVの計算結果 国内株価上昇による国内株式の含み益の増加を主な理由として、当事業年度末におけるEVは前事業年度末から増加しております。 (単位:億円) 前事業年度末 (2025年3月末)(注1)   当事業年度末 (2026年3月末)   増減 EV   39,409   42,565   3,155 修正純資産相当額(注2、3)   20,063   19,996   △67 保有契約価値相当額(注2、4)   19,345   22,569   3,223 (注) 1.前事業年度末は旧基準の数値であります。 2.保険契約に係る有価証券、貸付金および不動産の含み損益、ならびに旧簡易生命保険契約に係る危険準備金および価格変動準備金は、修正純資産相当額には含めず、保有契約価値相当額に含めております。 3.前事業年度末については、2025年3月31日に取得(約定)した自己株式330億円を控除しております。 4.保有契約価値相当額は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約および保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。 新契約価値は、当期間に獲得した新契約(更新特則による加入契約を含む。条件付解約による加入契約及び転換契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。 新契約価値及び新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。 (単位:億円) 前事業年度 (2025年3月期) (注1)   当事業年度 (2026年3月期)   増減 新契約価値   679   615   △63 保険料収入現価(注2)   19,707   10,375   △9,332 新契約マージン   3.45%   5.93%   2.48   ポイント (注) 1.前事業年度は旧基準の数値であります。 2.将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いた割引率で割り引いております。 ニ.前事業年度末EVからの変動要因 (単位:億円) EV 前事業年度末EV(旧基準)   39,409 ⅰ 旧基準から新基準への調整   617 前事業年度末EV(新基準)   40,027 ⅱ 前事業年度末EVの調整   △899 前事業年度末EV(調整後)   39,127 ⅲ 当事業年度新契約価値   615 ⅳ 期待収益(割引率解放分)   603 ⅴ 期待収益(超過収益分)   1,789 ⅵ 前提条件(非経済前提)と実績の差異   △49 ⅶ 前提条件(非経済前提)の変更   703 ⅷ 前提条件(経済前提)と実績の差異   △223 当事業年度末EV   42,565 ⅰ 旧基準から新基準への調整 旧基準と新基準の計算方法の違いによる差を表したものであります。旧基準と新基準の計算方法の違いについては「イ EVの概要 ⅱ計算方法の変更について」をご参照ください。 ⅱ 前事業年度末EVの調整 かんぽ生命保険は当事業年度において429億円の株主配当金を支払っており、EVがその分減少しております。また、当事業年度において469億円の自己株式の取得(約定)を行っており、EVがその分減少しております。 ⅲ 当事業年度新契約価値 新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。 ⅳ 期待収益(割引率解放分) EVの計算にあたっては、将来の期待収益を割引率で割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、調整後スプレッドに相当する割引率の解放ならびに保証とオプションの時間価値およびMOCEのうち当事業年度分の解放を含んでおります。 ⅴ 期待収益(超過収益分) EVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。 なお、期待収益率のうちの調整後スプレッド分に相当する期待収益は「ⅳ 期待収益(割引率解放分)」に含めており、この項目で表される期待収益には調整後スプレッド分は含まれておりません。 ⅵ 前提条件(非経済前提)と実績の差異 前事業年度末の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。 ⅶ 前提条件(非経済前提)の変更 前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支等が変化することによる影響であります。 ⅷ 前提条件(経済前提)と実績の差異 市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。 国内金利上昇の影響による含み益の減少等により、EVは223億円減少しました。 ホ.感応度(センシティビティ) 前提条件を変更した場合のEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。 (単位:億円) 前提条件   EV   増減額 当事業年度末EV   42,565   ― 感応度1:国内金利50bp上昇   41,479   △1,085 感応度2:国内金利50bp低下   43,554   989 感応度3:米ドル金利50bp上昇   42,163   △401 感応度4:米ドル金利50bp低下   42,988   423 感応度5:株式・不動産価値10%下落   40,035   △2,529 感応度6:為替10%円高   41,533   △1,031 感応度7:事業費率(維持費)10%減少   43,973   1,407 感応度8:解約失効率10%減少   43,068   503 前提条件を変更した場合の新契約価値の感応度は以下のとおりであります。 (単位:億円) 前提条件   新契約価値   増減額 当事業年度新契約価値   615   ― 感応度1:国内金利50bp上昇   793   178 感応度2:国内金利50bp低下   412   △203 感応度7:事業費率(維持費)10%減少   669   53 感応度8:解約失効率10%減少   647   32 ⅰ 感応度1:国内金利50bp上昇 (ⅰ)日本円の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。金利の変動により時価が変動する債券・貸付金等を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させてEVを再計算しております。 (ⅱ)イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。 ⅱ 感応度2:国内金利 50bp低下 (ⅰ)日本円の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。なお、金利の正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。 (ⅱ)イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。 ⅲ 感応度3:米ドル金利50bp上昇 (ⅰ)アメリカ合衆国通貨の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。 (ⅱ)イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。 ⅳ 感応度4:米ドル金利50bp低下 (ⅰ)アメリカ合衆国通貨の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。 なお、金利の正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。 (ⅱ)イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。 ⅴ 感応度5:株式・不動産価値10%下落 株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。 ⅵ 感応度6:為替10%円高 日本円の評価日時点の為替レートが10%上昇した場合の影響を表しております。 ⅶ 感応度7:事業費率(維持費)10%減少 事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。 ⅷ 感応度8:解約失効率10%減少 解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。 ヘ.注意事項 EVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。 これらの理由により、本EV開示は、EV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。 ⑦ その他 各報告セグメントにおける事業のほか、グループシェアード事業については、業務集約による効率化効果が大きいと考えられる業務をグループ横断的に集約し、一括してBPR(ビジネスプロセス・リ・エンジニアリング)やDXを行い、効率化・生産性向上を図る取組みを進めております。当社の子会社である日本郵政コーポレートサービス株式会社では、引き続きグループ横断的に業務のシェアード化を進めており、今後はこれまでの未集約業務に加え、各社固有業務、バックオフィス業務、外部委託業務等の集約を検討するなど、対象業務を順次拡大していく予定です。 病院事業については、地域医療機関との連携や救急患者の受入の強化等による増収対策、業務の効率化等による経費削減等、病院の経営改善を進めているところであります。今後も引き続き上記増収対策や経費削減等の経営改善に取り組みます。 投資事業については、当社の子会社である日本郵政キャピタル株式会社において、中長期的なグループ収益の拡大を念頭に、将来の事業資源や新規事業の獲得、グループ事業に対するシナジーの創出といった戦略リターンの獲得に向け、同社が運営する「日本郵政キャピタル1号投資事業有限責任組合(1号ファンド)」を介して、国内外のスタートアップ企業へ出資※し、出資先企業と当社グループとの連携を進めました。今後も引き続き、日本郵政グループの事業アセットを活用したスタートアップ企業の成長支援に取り組みます。 ※ 当連結会計年度(1号ファンドからの出資)11件29億円、1号ファンドからの出資及び直接出資の累計104社総額458億円 (3) キャッシュ・フローの状況及び分析・検討 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は当期首から10,289,057百万円減少し、56,910,206百万円となりました。 ① 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動においては、銀行業における資金の運用や調達、生命保険業における保険料の収入や保険金の支払等の結果、10,338,345百万円の支出(前期は2,794,869百万円の収入)となりました。 主な要因として、コールマネー等の純減4,467,570百万円、貯金の純減3,485,523百万円、資金運用収益の減少2,269,863百万円があげられます。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動においては、銀行業及び生命保険業における有価証券の売却、償還による収入等及び有価証券の取得による支出等の結果、669,224百万円の収入(前期は4,684,413百万円の収入)となりました。 主な要因として、有価証券の売却による収入3,195,723百万円や有価証券の償還による収入24,661,407百万円、有価証券の取得による支出26,913,467百万円があげられます。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動においては、自己株式の取得による支出等の結果、622,930百万円の支出(前期は215,896百万円の収入)となりました。 主な要因として、自己株式の取得による支出251,115百万円、配当金の支払による減少146,037百万円、非支配株主への配当金の支払による減少131,519百万円があげられます。 ④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 グループの成長に資する投資として、物流分野の能力増強投資や、賃貸事業等への不動産投資等を計画しております。それらの実行にあたっては、投資判断基準等に照らして慎重に検討し、適切と判断したものを実施することとしております。 また、株主還元については、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続して安定的に行うことを基本方針としており、内部留保の充実に留意しつつ、資本効率を意識し、着実な株主への利益還元を実現することを目指してまいります。 それらの財源は、営業活動で得られたキャッシュ・フローや株式保有先からの配当、過去の株式売却金に加え、余剰ネットキャッシュや有利子負債により調達した資金を想定しております。また、当社及び一部の連結子会社においてキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、各社の資金を一元管理することで、資金効率の向上を図っております。なお、当社は株式会社日本格付研究所(JCR)から格付を取得しており、当連結会計年度末現在における長期発行体格付はAA+(安定的)となっております。 資本コストに関しては、新中期経営計画期間の重点戦略等に取り組むことにより、株主資本コストを上回るROEの継続的な創出を中期的な目標とします。 なお、現在予定している設備の新設計画としては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備等の新設等」の記載をご参照ください。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。 当社グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 特に以下の重要な会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。 ① 金融商品の時価評価 当社グループの有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、公表された相場価格に基づいて算定しておりますが、公表された相場価格がない場合には合理的な見積りに基づいて算定された価額によっております。 将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積額は変動する可能性があります。 金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)に、金融商品のうち有価証券の時価評価に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ② 有価証券の減損 当社グループの金銭の信託で運用する有価証券を含め売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価又は実質価額が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、多額の減損損失を計上する可能性があります。 ③ 固定資産の減損 当社グループは、原則として内部管理上独立した業績報告が行われる単位を基礎として、資産のグルーピングを行っております。減損の兆候の判定に当たっては、過去あるいは当期以降見込まれる営業損益や営業キャッシュ・フローが継続してマイナスとなる場合等を勘案し判断しております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、資産グループの回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い価額としております。正味売却価額は第三者により合理的に算定された評価額等により、使用価値は将来キャッシュ・フローに基づき合理的に算定しております。 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。なお、日本郵便株式会社の郵便・物流事業に使用している固定資産の減損における会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ④ 繰延税金資産の回収可能性の評価 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積っております。 保険子会社における課税所得の見積りにおいては、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。 当連結会計年度における新契約の実績は、一時払終身保険の販売減少等の影響により経営計画の水準まで達しておらず、今後の新契約水準が将来の経営環境や営業施策の効果発現による影響を受けることから、保険子会社において計上した繰延税金資産の回収可能性については、当該経営計画を基礎とした前提の下、複数のストレスシナリオを考慮して判断しております。以上のとおり、繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社グループを取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。 ⑤ 責任準備金の積立方法 当社グループは、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。 責任準備金の計算に使用される予定死亡率、予定利率及び予定事業費率などの基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。 なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。 ⑥ 退職給付債務及び退職給付費用 当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率など将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。 このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。 なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に、退職給付債務の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 (5) 目標とする経営指標の達成状況 当社グループにおいては、主要な経営目標として1株当たり当期純利益を採用しており、2026年3月期においては当初業績予想127.87円に対し1株当たり当期純利益129.14円となりました。2026年3月期の経営成績の状況及び分析・検討については、上記「(2) 経営成績の状況及び分析・検討」に示しております。 (6) 生産、受注及び販売の状況 当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、不動産事業、銀行業及び生命保険業を中心とした広範囲な事業を営んでおり、生産、受注といった区分による表示が困難であることから、「生産、受注及び販売の状況」については、上記「(2) 経営成績の状況及び分析・検討」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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