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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

東日本旅客鉄道

East Japan Railway Company9020 · Prime · 陸運業

JR東日本グループ。首都圏・東北の広域鉄道網を基盤に、駅ビル・商業・ホテル・Suica等の生活関連事業を展開。

概要

東日本旅客鉄道(JR東日本)は、1987年の国鉄分割民営化により発足した旅客鉄道会社である。首都圏を中心に在来線6,108km、新幹線1,194kmの鉄道網を1都16県に展開し、1,632駅を運営する。東京圏の通勤・通学輸送を中核としつつ、駅ビル運営(ルミネ・アトレ)やホテル、Suicaを活用した決済サービスなど、生活ソリューション事業に多角化している。2025年3月期の連結売上高は約2.9兆円、従業員数は約7万人。日本最大級の鉄道事業者として、東日本の交通インフラを支える。

在来線6,108kmと新幹線1,194kmを擁する鉄道ネットワーク

JR東日本の鉄道路線は、在来線6,108.0km、新幹線1,194.2kmの総延長7,302.2kmに及び、1都16県に1,632駅が所在する。首都圏の通勤通学路線のほか、東北・上越・北陸・山形・秋田の各新幹線を運行し、広域旅客輸送を担う。2025年度には横浜・根岸線でワンマン運転を導入し、地方ローカル線では津軽線(蟹田-三厩間)と久留里線(久留里-上総亀山間)の鉄道事業廃止を発表、持続可能な交通体系への転換を進めている。また、安全面では「グループ安全計画2028」に基づき、地震対策として新幹線早期地震検知システムに海底地震計情報を導入するなど、設備投資を継続している。

駅ナカから広告・物流まで広がる流通・サービス事業

流通・サービス事業は、駅構内の小売・飲食を㈱JR東日本クロスステーションが運営し、卸売を㈱JR東日本商事、貨物自動車運送を㈱ジェイアール東日本物流、広告代理を㈱ジェイアール東日本企画が担う。グループ全体で毎日約3,500万人の利用客にサービスを提供する。清掃整備は㈱JR東日本環境アクセス、駅業務運営は㈱JR東日本ステーションサービスが行う。これらの事業は、鉄道利用者を基点とした生活サービスを展開し、運輸事業と相乗効果を生み出している。2025年度には列車荷物輸送「はこビュン」が荷物専用新幹線の運行を開始し、JALグループとの連携サービスも開始した。

ルミネ・アトレに代表される駅ビル型不動産事業

不動産・ホテル事業では、駅直結のショッピングセンター運営として㈱ルミネ、㈱アトレ、㈱ジェイアール東日本都市開発が主要な役割を果たす。オフィスビル賃貸は㈱JR東日本ビルディング、ホテル運営は日本ホテル㈱が手掛ける。2025年には田町・品川間の「TAKANAWA GATEWAY CITY」がグランドオープンし、同年「OIMACHI TRACKS」もまちびらきした。2026年3月には秋田に「LiSH AKITA」を開設、ホテル「和のゐ 角館」をリニューアル開業した。さらに、伊藤忠グループと不動産分野での戦略的提携基本合意書を締結し、不動産回転型ビジネスを加速させている。

Suicaを核にしたIT・決済・エネルギー事業

その他事業の中核は、ICカード「Suica」を活用したIT・決済事業である。㈱ビューカードがSuica連携クレジットカードを提供するほか、㈱JR東日本メカトロニクスが改札機等の機器開発、㈱JR東日本情報システムが情報処理を担当する。2025年度には「Welcome Suica Mobile」と「JR-EAST Train Reservation」の連携開始、しなの鉄道へのSuica導入、上越新幹線でのウォークスルー改札実証実験を実施した。また、再生可能エネルギー事業としてJR東日本エネルギー開発㈱が発電事業を行い、東北新幹線の運転用電力に再エネ由来電力を導入するなど、脱炭素化にも取り組む。

業界の中での役割は鉄道インフラ運営企業。旅客輸送を基盤に駅周辺の生活サービス・不動産開発・決済システムを統合にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
3.1兆円
営業利益
4,143億円
営業利益率
13.4%
純利益
2,478億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
運輸事業2.0兆円66.3%1,944億円9.5%
不動産・ホテル事業5,132億円16.6%1,283億円25.0%
流通・サービス 事業4,161億円13.5%681億円16.4%
その他(注)11,095億円3.5%303億円27.7%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01運輸主力

在来線6,108km・新幹線1,194kmの鉄道網を1都16県で運行。旅行業(びゅう)、清掃整備、駅業務運営、車両製造(総合車両製作所)・メンテナンス等もグループで担う。

主な製品・サービス3
鉄道旅客輸送(新幹線・在来線)
東北・上越・北陸新幹線と首都圏・東北の在来線を運行。駅数1,632駅。
旅行業
㈱JR東日本びゅうツーリズム&セールスが旅行商品を販売。
鉄道車両製造
㈱総合車両製作所が鉄道車両を製造。

02流通・サービス準主力

駅構内・駅ビルでの小売・飲食(JR東日本クロスステーション)、卸売(JR東日本商事)、貨物運送(ジェイアール東日本物流)、広告代理(ジェイアール東日本企画)等を展開。

主な製品・サービス2
小売・飲食
㈱JR東日本クロスステーションが駅ナカ店舗や飲食店を運営。
広告代理業
㈱ジェイアール東日本企画が駅広告等の広告代理業務を実施。

03不動産・ホテル準主力

駅ビル(ルミネ・アトレ)、オフィスビル賃貸(JR東日本ビルディング)、ホテル(日本ホテル)、不動産開発(JR東日本不動産)等を展開。駅直結の商業・宿泊施設を多数運営。

主な製品・サービス3
ショッピングセンター運営
㈱ルミネ・㈱アトレ・㈱ジェイアール東日本都市開発が駅ビル型SCを運営。
オフィスビル賃貸
㈱JR東日本ビルディングが駅周辺のオフィスビルを賃貸。
ホテル業
日本ホテル㈱等が駅直結・駅近のホテルを運営。

04その他(IT・Suica・エネルギー等)副次

Suicaを核とした決済・ICカード事業(ビューカード)、情報処理(JR東日本情報システム)、発電事業(JR東日本エネルギー開発)等を展開。鉄道インフラと連携した新規事業。

主な製品・サービス2
ICカード(Suica)関連事業
㈱ビューカードがSuicaと連携したクレジットカード・決済サービスを提供。
発電事業
JR東日本エネルギー開発が再生可能エネルギー等の発電事業を実施。

製品と技術

新幹線と在来線の旅客輸送サービス

JR東日本の主力は鉄道旅客輸送であり、新幹線では東北・上越・北陸・山形・秋田の5系統を運行する。最高速度は東北新幹線で320km/h(E5系・H5系)。在来線では首都圏の通勤路線(山手線・京浜東北線等)や地方路線を広くカバーする。2025年度には横浜・根岸線でワンマン運転を開始。予約サービス「えきねっと」では、乗車3か月前からの早期予約や「えきねっとQチケ」によるQR乗車を導入。訪日外国人向けには「JR EAST PASS」を新設し、エリア拡大も図った。新型車両E8系への置き換え「つばさ、つなぐ。」プロジェクトなど、サービス向上を継続している。

Suicaとビューカードが支えるIC決済事業

ICカード「Suica」は、JR東日本の駅改札だけでなく、全国の交通系ICカードや電子マネーとして広く利用される。㈱ビューカードが発行するSuica一体型クレジットカード「ビューカード」は、鉄道利用時のタッチ決済やポイント還元を提供。2025年度には「Welcome Suica Mobile」と「JR-EAST Train Reservation」を連携させ、訪日外国人の利便性を向上。しなの鉄道へのSuica導入や、上越新幹線でのウォークスルー改札実証実験を実施するなど、「Suica Renaissance」と称する機能拡充を進めている。鉄道と決済の融合が同事業の根幹である。

ルミネ・アトレに代表される駅ビルショッピングセンター

駅直結のショッピングセンター運営は、JR東日本不動産事業の要である。㈱ルミネは新宿をはじめ主要駅でファッションビルを運営。㈱アトレは吉祥寺・恵比寿などの駅ビルを展開。㈱ジェイアール東日本都市開発は「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」などの大規模再開発を手掛ける。2025年3月には品川~田町間に開業したTAKANAWA GATEWAY CITYは、オフィス・商業・ホテル・住宅が融合した複合都市であり、JR東日本の新たな収益源として期待される。これらの施設は鉄道利用者の回遊性を高め、運輸事業との相乗効果を生んでいる。

列車荷物輸送「はこビュン」と物流サービス

JR東日本は、列車を活用した貨物輸送サービス「はこビュン」を展開する。2025年度には荷物専用新幹線の運行を開始し、首都圏と地方都市間の高速物流を実現した。さらに、JALグループと連携した「JAL de はこビュン」を販売し、航空貨物と鉄道輸送を組み合わせたサービスを提供。これにより、旅行需要に依存しない鉄道の新たな活用方法を開拓している。また、グループ会社の㈱ジェイアール東日本物流が貨物自動車運送事業を担い、駅での集配からラストマイルまで一貫した物流ネットワークを構築している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

陸運業のなかでの位置

首都圏最大手の鉄道会社、鉄道事業の構造改革途上

東日本旅客鉄道(JR東日本)は、首都圏の鉄道ネットワークを中心に、運輸、流通、不動産などを展開。売上高2.89兆円(2025年3月期)、営業利益率13.05%と安定的だが、鉄道事業はコロナ禍前の水準に戻りきらず、構造改革課題を抱える。同業の東武鉄道や京浜急行は私鉄大手として競合するが、JR東はエリアの広さと利用者数で圧倒。また、相鉄HDは横浜エリアで強み。JR東は子会社再編や駅ビル開発で収益改善を目指す。

強み

  • 東京圏の主要路線を網羅し、膨大な旅客需要を背景に安定収益を確保。
  • 駅直結の商業施設やオフィス開発で、鉄道外収益を拡大している。
  • 電子マネーSuicaは決済・ポイント事業として成長中。
  • 日本最高水準の定時運行率と安全対策がブランド価値を支える。

課題

  • コロナ禍後のリモート定着で通勤客数が回復途上。
  • 長期的に首都圏でも人口増加鈍化で鉄道利用の伸びは限定的。
  • 安全対策や老朽化更新のための投資負担が重く、利益圧迫要因。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

物流・運輸の時価総額近傍。太字が東日本旅客鉄道

時価総額で並べると、掲載8社のなかで3番目にあたる。

#企業時価総額PER
16501日立製作所24.2兆円30.2倍
26178日本郵政7.5兆円19.5倍
39020東日本旅客鉄道4.0兆円16.2倍
49022東海旅客鉄道3.9兆円6.9倍
59101日本郵船2.9兆円14.1倍
69104商船三井2.6兆円11.4倍
79107川崎汽船2.1兆円15.9倍
89202ANAホールディングス1.4兆円9.2倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(物流・運輸)に従っています。

会社の歴史

沿革 29件

国鉄分割民営化により発足した1987年

1987年4月、日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道㈱が設立された。同日、国鉄の東日本エリアにおける旅客鉄道事業や自動車運送事業等を引き継ぎ営業を開始した。同時に、駅売店事業を担う東日本キヨスク㈱(現㈱JR東日本クロスステーション)を子会社化。1988年5月には広告代理業を行う㈱ジェイアール東日本企画を設立するなど、関連事業の体制整備を進めた。1988年4月には開発事業本部を設置し、駅周辺の不動産開発への本格参入を準備した。

グループ会社の設立と事業多角化の進展

1989年から1992年にかけて、情報システム、駅ビル開発、ビルメンテナンス、車両機器など多岐にわたる分野で子会社が相次いで設立された。1989年11月に情報システム部門を分離し㈱ジェイアール東日本情報システム(現㈱JR東日本情報システム)を設立、1990年4月には東京圏駅ビル開発㈱(現㈱アトレ)を設立。1991年6月、東北・上越新幹線の東京~上野間(3.6km)が開業し、新幹線の都心乗り入れを実現。1992年7月には山形新幹線(福島~山形間)が運転を開始し、在来線への直通運転を可能にした。

新幹線ネットワークの拡充と株式上場

1993年10月、当社株式が東京・大阪・名古屋の各証券取引所市場第一部及び新潟証券取引所に上場した。1997年3月には秋田新幹線(盛岡~秋田間)、同年10月には北陸新幹線(高崎~長野間)が開業し、新幹線ネットワークが拡大した。1997年9月、本社を東京都千代田区から渋谷区に移転。1999年12月には山形新幹線が新庄駅まで延伸された。この時期、1997年6月に関連事業本部と開発事業本部を統合し事業創造本部を設置するなど、グループ経営の効率化も進められた。

完全民営化と安定的な収益基盤の構築

2002年2月、東京モノレール㈱を子会社化。同年6月、日本鉄道建設公団(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が保有する当社株式50万株を売却し、完全民営化を達成した。2003年11月には東北新幹線盛岡~八戸間(96.6km)が開業。2000年代以降、連結売上高は2.6兆円から3.0兆円の範囲で安定推移し、純利益も1,700億円から2,900億円程度を維持した。2003年にはIT事業本部を設置し、情報技術の活用を推進。また、日本ホテル㈱の再編など、グループ会社の統合・再編も進められた。

コロナ禍からの回復とグループ経営ビジョン「勇翔2034」

2021年3月期、新型コロナウイルス感染症の影響により連結売上高は1.76兆円に急減し、純損失5,779億円を計上した。その後、2025年3月期には売上高2.89兆円、営業利益3,768億円、純利益2,243億円まで回復した。2025年7月、中長期経営ビジョン「勇翔2034」を発表し、2031年度にROE10%以上、営業収益4.3兆円を目標に掲げた。同年、一連の輸送トラブルとグループ内の不適切事象を受け、内部統制の強化と安全対策の徹底を表明。2026年3月には運賃改定を実施し、持続可能な鉄道経営への道筋を描いた。

年表29件を開く

1980年代

  • 1987年4月・東日本旅客鉄道㈱を設立、日本国有鉄道(以下「国鉄」という)の事業等を引き継ぎ、旅客鉄道事業、旅客自動車運送事業等を開始(当社を含む6旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社が設立され、国鉄は日本国有鉄道清算事業団(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)に移行)
  • 1987年7月M&A・東日本キヨスク㈱(現㈱JR東日本クロスステーション)の株式取得、子会社化(現連結子会社)
  • 1988年4月・関連事業の推進体制の強化等を目的に、開発事業本部を設置
  • 1988年5月・㈱ジェイアール東日本企画を設立(現連結子会社)
  • 1989年4月・ジェイアール東日本高架開発㈱(現㈱ジェイアール東日本都市開発)を設立(現連結子会社)
  • 1989年11月・情報システム部門を分離するため、㈱ジェイアール東日本情報システム(現㈱JR東日本情報システム)を設立し、営業譲渡(現連結子会社)

1990年代

  • 1990年3月M&A・日本食堂㈱(現㈱JR東日本クロスステーション)の株式取得、子会社化(現連結子会社)
  • 1990年4月・東京圏駅ビル開発㈱(現㈱アトレ)を設立(現連結子会社)
  • 1990年8月・ジェイアール東日本ビルテック㈱(現JR東日本ビルテック㈱)を設立(現連結子会社)
  • 1991年6月・東北及び上越新幹線東京~上野間(営業キロ3.6㎞)の営業を開始
  • 1991年10月・東北及び上越新幹線鉄道に係る鉄道施設(車両を除く)を新幹線鉄道保有機構(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)から譲受け
  • 1992年4月・ジェイアール東日本メカトロニクス㈱(現JR東日本メカトロニクス㈱)を設立(現連結子会社)
  • 1992年7月・東北新幹線から奥羽線(福島~山形間)へ直接乗り入れる山形新幹線(通称)の運転を開始
  • 1993年10月上場・日本国有鉄道清算事業団(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)所有の当社株式250万株の売却・東京、大阪、名古屋の各証券取引所市場第一部及び新潟証券取引所に株式上場
  • 1996年10月・東京地域本社(現首都圏本部)の一部を分離し、横浜支社を設置
  • 1997年3月・東北新幹線から田沢湖線(盛岡~大曲間)及び奥羽線(大曲~秋田間)へ直接乗り入れる秋田新幹線(通称)の運転を開始
  • 1997年6月M&A・関連事業本部と開発事業本部を統合し、事業創造本部を設置
  • 1997年9月・本社を東京都千代田区から東京都渋谷区へ移転
  • 1997年10月・北陸新幹線高崎~長野間(営業キロ117.4㎞)の営業を開始
  • 1998年4月・東京地域本社(現首都圏本部)の一部を分離し、八王子支社を設置
  • 1999年8月・日本鉄道建設公団(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)所有の当社株式100万株の売却
  • 1999年9月M&A・弘済整備㈱(現㈱JR東日本環境アクセス)の株式取得、子会社化(現連結子会社)
  • 1999年12月・山形新幹線(通称)の奥羽線乗り入れ区間を新庄駅まで延伸し、運転を開始

2000年代

  • 2000年4月・社員教育の充実・強化を目的に、JR東日本総合研修センターを設置
  • 2001年4月・東京支社(現首都圏本部)の一部を分離し、大宮支社を設置
  • 2001年12月・「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律」が施行、当社は「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」の適用対象から除外
  • 2002年2月M&A・東京モノレール㈱の株式取得、子会社化(現連結子会社)
  • 2002年6月・日本鉄道建設公団(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)所有の当社株式50万株の売却、完全民営化
  • 2003年11月M&A・東北新幹線盛岡~八戸間(営業キロ96.6㎞)の営業を開始・中央保健管理所の移転に伴い、名称をJR東日本健康推進センターに変更・㈱ホテルメトロポリタンが、㈱ホテルエドモント及び(旧)日本ホテル㈱と合併し、日本ホテル㈱に商号変更(現連結子会社)・ ITビジネスを迅速に推進することを目的に、IT事業本部を設置・㈱ジェイアール東日本ビルディング(現㈱JR東日本ビルディング)を設立(現連結子会社)

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 連結営業収益2031年度まで4.3兆円程度
  • EBITDA2031年度まで1.2兆円程度
  • ROA2031年度まで5%以上
  • ネット有利子負債/EBITDA2031年度まで5倍程度
  • ROE2031年度まで10%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    安全・安定輸送の強化向上

    一連の輸送トラブルを受け、業務フロー見直し、異常時対応力向上、検査点検レベルアップ、社員技術力強化、修繕費増額、グループ会社・パートナー会社の体制維持に取り組む。AIやドローンなど先端技術も導入し、鉄道システム全体の総合的な知見・技術力を高める。

  2. 02

    グループガバナンスの改善・強化

    不適切事象を踏まえ、外部有識者委員会の報告を基に内部統制の基本方針を更新。健全な企業風土、必要な体制やルール、活発なコミュニケーションを軸に改善策を実行し、グループ全体のガバナンスを確立する。

  3. 03

    モビリティと生活ソリューションの二軸成長とシナジー創出

    鉄道モビリティでは「PRIDE & INTEGRITY」に基づき輸送品質向上と輸送力強化を図る。生活ソリューションでは「Beyond the Border」で既存事業変革や新規事業展開を推進。二軸のシナジーにより「ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)」を実現する。

  4. 04

    ヒト起点のマーケットインとデジタル活用

    顧客ニーズに基づく商品・サービス開発を推進。JRE MALLやMASTRUMなどのデジタルプラットフォームを活用し顧客接点を拡大。スマートロッカーや列車荷物輸送サービスなど新たな事業機会を創出する。

  5. 05

    組織体制の改正と社員の働き方改革

    2026年7月に36の事業本部体制へ移行し、地域密着・お客さま第一の運営を実現。スピード感ある意思決定と社員の働き方変革を進める。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で70,623人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は819万円で、9期前と比べて+14.5%平均年齢は39.8歳、平均勤続年数は17.1年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月73,063
2018年3月73,193
2019年3月71539.416.572,402
2020年3月71938.816.071,812
2021年3月67438.215.671,973
2022年3月63938.215.671,240
2023年3月67738.315.769,235
2024年3月72538.616.068,769
2025年3月76739.216.669,559542
2026年3月81939.817.170,623587

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率9.0%
縦線は目安の30%
男性育休取得率80.3%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)88.9%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社87(国内 79 / 海外 8) を有報から抽出しています。

主な関係会社
  • 国内
    ㈱ビューカード
    東京都品川区
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱JR東日本クロスステーション
    東京都渋谷区
    議決権100.0%
  • 海外
    JRE Business Development UK Ltd. ※1
    英国
    議決権100.0%
  • 国内
    ジェイアールバス関東㈱ ※2
    東京都江東区
    議決権100.0%
  • 海外
    台灣捷爾東事業開發股份有限公司
    台湾
    議決権100.0%
  • 海外
    JRE Ventures Pte. Ltd.
    シンガポール
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱総合車両製作所
    神奈川県横浜市 金沢区
    議決権100.0%
  • 国内
    TAKANAWA GATEWAY 地球益投資事業有限責任組合
    東京都渋谷区
    議決権50.2%
  • 国内
    ㈱ルミネ
    東京都渋谷区
    議決権100.0%
  • 国内
    ジェイアールバス東北㈱
    宮城県仙台市 青葉区
    議決権100.0%
  • 海外
    JR East Business Development SEA Pte. Ltd.
    シンガポール
    議決権100.0%
  • 国内
    仙台ターミナルビル㈱
    宮城県仙台市 青葉区
    議決権100.0%
残りのグループ会社75社を開く
  • ㈱アトレ東京都渋谷区100%
  • ㈱ジェイアール東日本企画東京都渋谷区100%
  • ㈱ジェイアール東日本都市開発東京都渋谷区100%
  • ㈱JR中央線コミュニティデザイン東京都八王子市100%
  • ジェイアール東日本商業開発㈱東京都立川市100%
  • 台灣捷爾東健身事業股份有限公司台湾100%
  • JR東日本不動産㈱東京都新宿区100%
  • 台灣捷爾東旅館管理顧問股份有限公司 ※3台湾100%
  • 盛岡ターミナルビル㈱岩手県盛岡市100%
  • 新宿南エネルギーサービス㈱東京都渋谷区58%
  • ㈱JR東日本商事東京都渋谷区100%
  • ㈱JR東日本情報システム東京都新宿区100%
  • 日本ホテル㈱東京都豊島区100%
  • ㈱えきまちエナジークリエイト東京都港区85%
  • JR東日本東北総合サービス㈱宮城県仙台市 青葉区100%
  • ㈱JR東日本ビルディング東京都渋谷区100%
  • ㈱JR東日本ネットステーション東京都渋谷区100%
  • 秋田ステーションビル㈱秋田県秋田市100%
  • ㈱ステーションビル MIDORI長野県長野市100%
  • JR東日本スポーツ㈱東京都豊島区100%
  • JR東日本新潟シティクリエイト㈱新潟県新潟市 中央区100%
  • ㈱ガーラ湯沢新潟県南魚沼郡 湯沢町93%
  • JR東日本不動産投資顧問㈱東京都千代田区90%
  • ㈱JR東日本青森商業開発青森県青森市100%
  • GATES PCM CONSTRUCTION LTD.シンガポール100%
  • JR東日本テクノロジー㈱東京都新宿区100%
  • ㈱JR横浜湘南シティクリエイト神奈川県平塚市92%
  • ㈱千葉ステーションビル千葉県千葉市 中央区100%
  • JR東日本レンタリース㈱東京都千代田区100%
  • ㈱錦糸町ステーションビル東京都墨田区71%
  • ㈱JR東日本環境アクセス東京都台東区100%
  • ユニオン建設㈱東京都目黒区100%
  • JR東日本メディア㈱東京都豊島区100%
  • ㈱JR東日本グリーンパートナーズ埼玉県戸田市100%
  • JR東日本スタートアップ㈱東京都港区100%
  • ㈱JR東日本スマートロジスティクス東京都墨田区100%
  • ㈱JR東日本パーソネルサービス東京都新宿区100%
  • ㈱JR東日本びゅうツーリズム&セールス東京都墨田区100%
  • ㈱ジェイアール東日本物流東京都墨田区100%
  • JR東日本メカトロニクス㈱東京都渋谷区100%
  • JR東日本リネン㈱東京都豊島区100%
  • 東京モノレール㈱ ※4東京都港区100%
  • 日本コンサルタンツ㈱東京都千代田区59%
  • ㈱JR東日本マネジメントサービス東京都渋谷区100%
  • ㈱オレンジページ東京都港区100%
  • ㈱紀ノ國屋東京都新宿区100%
  • JR東日本エネルギー開発㈱東京都千代田区100%
  • ㈱JR東日本建築設計東京都渋谷区100%
  • JR東日本コンサルタンツ㈱東京都品川区100%
  • ㈱JR東日本サービスクリエーション東京都千代田区100%
  • ㈱JR東日本ステーションサービス東京都渋谷区100%
  • JR東日本ビルテック㈱東京都渋谷区100%
  • ㈱JR東日本運輸サービス東京都中央区100%
  • ㈱JR東日本テクノハート TESSEI東京都中央区100%
  • ㈱JR東日本テクノサービス宮城県仙台市 青葉区100%
  • ㈱日本線路技術東京都足立区58%
  • JR新潟鉄道サービス㈱新潟県新潟市 中央区100%
  • JR盛岡鉄道サービス㈱岩手県盛岡市100%
  • JR千葉鉄道サービス㈱千葉県千葉市 中央区100%
  • JR秋田鉄道サービス㈱秋田県秋田市100%
  • JR高崎鉄道サービス㈱群馬県高崎市100%
  • JR長野鉄道サービス㈱長野県長野市100%
  • JR水戸鉄道サービス㈱茨城県水戸市100%
  • Decorum Vending Ltd.英国100%
  • UQコミュニケーションズ㈱ ※5東京都港区18%
  • 鉄建建設㈱ ※5 ※6東京都千代田区20%
  • 日本電設工業㈱ ※5 ※6東京都台東区20%
  • 第一建設工業㈱ ※6新潟県新潟市 中央区21%
  • セントラル警備保障㈱ ※6東京都新宿区27%
  • 東鉄工業㈱ ※6東京都新宿区23%
  • 日本リーテック㈱ ※5 ※6東京都千代田区20%
  • 仙建工業㈱ ※5宮城県仙台市 青葉区18%
  • ㈱交通建設 ※5東京都新宿区20%
  • ㈱JTB東京都品川区22%
  • 東日本電気エンジニアリング㈱ ※5東京都中央区12%
国際子会社 (GLEIF登録 1社)
  • JP日本コンサルタンツ株式会社

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    鉄道分野の欧州規格における火災防護に関する分析調査
    国土交通省 · 2024-12-25
    1,200万円
  • 補助金
    令和2年度鉄道施設災害復旧事業費補助
    国土交通省 · 2021-02-26
    11.2億円
  • 補助金
    令和4年度鉄道施設災害復旧事業費補助
    国土交通省 · 2023-03-07
    3.8億円
  • 補助金
    平成30年度鉄道施設災害復旧事業費補助
    国土交通省 · 2019-03-29
    3.1億円
  • 補助金
    令和3年度鉄道施設災害復旧事業費補助
    国土交通省 · 2022-01-31
    2.5億円
  • 補助金
    令和2年度鉄道施設災害復旧事業費補助
    国土交通省 · 2020-12-14
    1.5億円
  • 補助金
    令和3年度鉄道施設総合安全対策事業費補助
    国土交通省 · 2021-12-23
    9,433万円
  • 補助金
    令和3年度鉄道施設総合安全対策事業費補助
    国土交通省 · 2021-12-24
    4,800万円
  • 補助金
    令和3年度鉄道施設総合安全対策事業費補助
    国土交通省 · 2022-02-21
    4,200万円
  • 補助金
    令和3年度鉄道施設総合安全対策事業費補助
    国土交通省 · 2022-02-21
    2,500万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は3.1兆円営業利益4,143億円前期と比べると増収増益で、売上が+6.8%、利益が+10.0%。

売上高
+6.8%
3.1兆円
営業利益
+10.0%
4,143億円
純利益
+10.5%
2,478億円
営業利益率
13.4%
前期比 +0.4%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高3.3兆円3.1兆円
営業利益4,290億円4,143億円
純利益2,550億円2,478億円
1株あたり配当¥84¥84

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は7,727億円、営業利益は1,255億円。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2018年4Q2.95202
2019年4Q3.00224
2020年4Q2.95−531
2021年4Q1.76−2,833
2022年4Q1.98−111
2023年4Q2.41266
2024年4Q2.73112
2025年4Q2.891,4124.9845
2026年4Q3.081,8285.91,006
2027年1Q0.771,25516.2680

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は2.7兆円から3.1兆円へ1.2倍に増えた。直近期の営業利益率は13.4%。売上は5期、純利益は5期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月2.673,1751,754
2014年3月2.703,3251,999
2015年3月2.763,6201,804
2016年3月2.874,2892,453
2017年3月2.884,1232,779
2018年3月2.954,4002,890
2019年3月3.004,4332,952
2020年3月2.953,3951,984
2021年3月1.76−5,798−5,779
2022年3月1.98−1,795−949
2023年3月2.411,109992
2024年3月2.732,9661,964
2025年3月2.893,7683,21613.02,243
2026年3月3.084,1433,51613.42,478

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高3.1兆円のうち、営業利益として残るのは4,143億円13.4%。営業外の損益と税金を反映した純利益は2,478億円、売上の8.0%にあたる。営業利益率は業種中央値7.2%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価など作る・仕入れるのにかかったお金63.3%2.0兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金23.3%7,175億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益13.4%4,143億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比+6.2pt
13.4%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.9pt
8.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+0.0pt
8.4%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.8%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが7,651億円、投資CFが−8,776億円で、差し引きのフリーCFは−1,125億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は2,621億円で、売上の1.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月5,885−4,660−1,0121,2251,893
2014年3月5,628−4,747−9148811,861
2015年3月6,228−4,768−8661,4602,452
2016年3月6,731−4,996−1,1031,7353,078
2017年3月6,529−5,575−1,1639542,871
2018年3月7,042−5,419−1,3511,6233,149
2019年3月6,638−5,944−1,2076942,637
2020年3月5,487−7,016434−1,5291,538
2021年3月−1,900−7,4949,834−9,3941,980
2022年3月1,905−5,2643,046−3,3591,710
2023年3月5,818−5,6552681632,150
2024年3月6,881−6,906661−252,808
2025年3月7,323−7,83437−5112,335
2026年3月7,651−8,7761,387−1,1252,621

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は10.8兆円。このうち返さなくてよい自己資本が3.1兆円で、自己資本比率は28.2%(業種中央値40.1%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月7.222.055.1728.1
2014年3月7.432.205.2329.4
2015年3月7.612.315.3030.1
2016年3月7.792.465.3331.4
2017年3月7.912.685.2433.5
2018年3月8.152.885.2635.1
2019年3月8.363.095.2736.7
2020年3月8.543.175.3636.9
2021年3月8.922.566.3628.4
2022年3月9.092.426.6726.3
2023年3月9.352.506.8526.4
2024年3月9.772.747.0327.8
2025年3月10.172.877.3028.1
2026年3月10.823.067.7628.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
2,622億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
2.6兆円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
1,388億円
在庫として抱えている分
負債合計
7.8兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
76
/ 100
安定性自己資本比率19 / 40
収益力営業利益率27 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

陸運業 56社との比較

同じ陸運業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率56社中8位あたり、逆に低いのは自己資本比率56社中51位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
8.4%/中央値 8.4%
P25 6.0%P75 10.4%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
13.4%/中央値 7.2%
P25 4.9%P75 10.9%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
28.2%/中央値 40.1%
P25 32.4%P75 54.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
6.8%/中央値 4.5%
P25 2.6%P75 7.5%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.4%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,545で、1年前と比べて-2.0%過去52週の値幅のなかでは31%の位置にある。

¥3,545-1.7%1ヶ月+4.0%1年-2.0%時価総額4.0兆円
過去52週の値幅
安値¥3,243高値¥4,211

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)16.2倍
PER (会社予想)15.7倍
PBR1.31倍
配当利回り2.37%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に3539円と、25日移動平均線(3561.48円)をほぼ横ばい(0.6%下)で推移。52週高値4211円からは約16%下、52週安値3243円からは約9%上。直近1ヵ月では0.76%下落と小幅。RSIは40.42でやや弱い。出来高は8月中旬以降やや増加し、方向感は定まらないが、下値では買いも入る。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 48/100)

PERは15.97倍で業界平均15.59倍とほぼ同等、PBRは1.29倍で平均1.07倍を上回る。配当利回りは2.4%と平均2.33%をわずかに上回る。ROEは8.4%で安定。業界平均比でPERはほぼ同等だが、PBRはやや高め。売上高・純利益は増加傾向で、収益性は改善傾向。配当利回りは良好だが、PBRの高さがやや懸念。

指標この会社業種平均
PER (実績)16.2倍15.7倍
PER (予想)15.7倍
PBR1.31倍1.07倍
ROE8.4%8.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

コロナ禍からの旅客回復が続く一方、少子化による長期的な需要減少やテレワークの定着が懸念。強気派は、インバウンド需要や沿線開発の成長性を評価する。弱気派は、人口減少や鉄道事業の規制、設備投資の負担に目を向ける。

プラスに働く材料7
  • 旅客需要の回復

    コロナ禍後の利用者増加が鮮明で、特にインバウンドが寄与。

  • 沿線開発の成長

    駅ビルや不動産事業が好調で、利益の多様化が進む。

  • Suica関連事業

    決済・金融サービスが新たな収益源として成長。

  • 売上高3兆847億円・営業利益4143億円へ増収増益通年影響

    売上高は前期比+6.8%の30847億円、営業利益は+9.9%の4143億円。収益拡大が続く

  • 営業利益率13.4%へ改善基調通年影響

    営業利益率は13.05%→13.43%と0.38pt上昇。増収効果で収益性が高まる

  • 純利益2478億円・予想PER15.3倍と評価改善通年影響

    純利益は前期+10.5%の2478億円。予想PER15.3倍は実績PER15.77倍を下回る

  • 外国人保有35.1%と高い資金流入継続影響

    外国人保有比率35.05%。高い流動性を背景に安定的な株価支持要因

マイナスに働く材料7
  • 人口減少

    少子化で長期的な鉄道需要の減少が予想される。

  • テレワークの定着

    通勤客の減少が定着し、輸送収入を圧迫。

  • 設備投資の負担

    老朽化対策や安全投資に多額の費用がかかる。

  • ROE8.4%・PBR1.28倍で資本効率は低い継続影響

    ROE8.4%に対しPBR1.28倍。資本コストとの差が小さく、株価が純資産を大きく上回る材料がない

  • 1年株価は-0.4%と増益を織り込めず継続影響

    株価は3461円、1年リターン-0.36%。業績好調でも需給が弱く上値が重い

  • 純利益成長率は前期14%→当期10%へ減速通年影響

    純利益は前期+14.2%(1964→2243億円)、当期+10.5%(2243→2478億円)。増益率鈍化

  • 固定費増で増収効果が利益率に反映されにくい通年影響

    売上高+6.8%に対し営業利益率は+0.38pt。コスト増が利益成長を抑制

次の決算で確かめる点
鉄道輸送人員
旅客需要の動向と回復度を確認。
インバウンド客数
訪日客需要の寄与度を測る。
不動産セグメント利益
多角化戦略の進捗を見る。
Suica年間取引額
決済事業の成長を評価。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり84で、前期から+23.3%いまの株価に対する利回りは2.37%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥84
1株あたり
配当利回り
2.37%
いまの株価に対して
配当性向
42.5%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月4320.8
2018年3月477.721.9
2019年3月507.122.8
2020年3月5510.039.3
2021年3月33−39.4
2022年3月330.0
2023年3月330.072.0
2024年3月4740.036.0
2025年3月6028.644.6
2026年3月7423.342.5

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥84

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ279,429人。区分でいちばん多いのは金融機関36.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が42.8%を占め、残る57.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関43.140.739.038.038.336.0
外国法人27.426.927.631.031.435.0
個人・その他20.723.524.122.221.920.8
事業法人7.57.47.56.96.76.5
証券会社1.21.51.81.81.51.4
政府・自治体0.00.00.00.10.30.3
自己株式0.10.10.10.00.00.2
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)13.58
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)4.61
03JR東日本グループ社員持株会3.68
04株式会社みずほ銀行(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)2.75
05日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)1.91
06STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.84
07株式会社三井住友銀行1.45
08JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.41
09三菱UFJ信託銀行株式会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)1.32
10株式会社三菱UFJ銀行1.23

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-05-12
    株式会社みずほ銀行
    新規の大量保有報告
    2.75%
    -0.69pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−51%、1株純資産は14期で−47%。直近期のROEは8.4%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月4445,1369.017.434.2
2014年3月5075,5299.515.027.9
2015年3月4595,8188.121.030.0
2016年3月6266,23210.415.524.4
2017年3月7146,82610.913.620.8
2018年3月7497,42710.513.221.9
2019年3月7738,04710.013.822.8
2020年3月1752,7806.415.639.3
2021年3月−5112,240−20.3
2022年3月−842,116−3.9
2023年3月882,1894.127.872.0
2024年3月1742,4027.616.836.0
2025年3月1982,5288.014.944.6
2026年3月2192,6998.416.542.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

16名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は16名。2026/3期の役員報酬は総額599百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
深澤祐二取締役会長71244
喜㔟陽一代表取締役社長62108
渡利千春代表取締役副社長 社長補佐(全般)、鉄道事業本部長、安全統括管理者6375
伊藤敦子代表取締役副社長 社長補佐(全般)、グループ経営戦略本部長59155
池田裕彦代表取締役副社長 社長補佐(全般)、イノベーション戦略本部長、新幹線担当、サービス担当5954
中川晴美常務取締役 マーケティング本部長、品川開発担当、地方創生担当、観光担当、人財戦略部担当5974
内田英志常務取締役 鉄道事業本部副本部長(運輸車両)、安全企画部担当5832
河本宏子取締役6925
岩本敏男取締役7315
野田由美子取締役66
大橋弘取締役566
樹下尚取締役常勤監査等委員64
残りの役員4名を開く
氏名役職年齢保有株数
川野邊修取締役常勤監査等委員72156
森公高取締役監査等委員6975
小池裕取締役監査等委員7515
天谷知子取締役監査等委員636

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)1229519549041
監査等委員610910918

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,411字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(子会社139社及び関連会社70社(2026年3月31日現在)においては、運輸事業、流通・サービス事業、不動産・ホテル事業、その他の事業を行っています。各事業における当社及び当社の関係会社の位置づけ等は次のとおりです。 なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一です。 (1)運輸事業 鉄道事業を中心とした旅客運送事業のほか、旅行業、清掃整備業、駅業務運営業、建設・設備工事業、鉄道車両製造事業及び鉄道車両メンテナンス事業等を展開しています。当社の鉄道事業の営業エリアは、主として関東及び東北地方の1都16県にわたり、駅数は1,632駅、営業キロは在来線が6,108.0km、新幹線が1,194.2km、総合計は7,302.2kmとなっています。当社の路線図は「第1 企業の概況 3 事業の内容」末尾に表示しています。 主な関係会社:当社(鉄道旅客運送事業等) (自動車・鉄道旅客運輸サービス)◎ジェイアールバス関東㈱、◎東京モノレール㈱ (旅行業) ◎㈱JR東日本びゅうツーリズム&セールス、○㈱JTB (清掃整備業) ◎㈱JR東日本環境アクセス (駅業務運営業) ◎㈱JR東日本ステーションサービス (建設・設備工事業) ○東鉄工業㈱、○第一建設工業㈱、○日本電設工業㈱、 ○日本リーテック㈱、○鉄建建設㈱ (鉄道車両製造事業) ◎㈱総合車両製作所 (鉄道車両メンテナンス事業) ◎JR東日本テクノロジー㈱ (2)流通・サービス事業 小売・飲食業、卸売業、貨物自動車運送事業及び広告代理業等の生活サービス事業を展開しています。 主な関係会社:当社(駅スペースの創出等) (小売・飲食業)  ◎㈱JR東日本クロスステーション、◎JR東日本東北総合サービス㈱ (卸売業)  ◎㈱JR東日本商事 (貨物自動車運送事業) ◎㈱ジェイアール東日本物流 (広告代理業)  ◎㈱ジェイアール東日本企画 (3)不動産・ホテル事業 ショッピングセンターの運営事業、オフィスビル等の貸付業、ホテル業及びこれらを展開する不動産の開発・販売事業等の生活サービス事業を展開しています。 主な関係会社:当社(ショッピングセンター・オフィスビル等の開発、ホテル業、不動産販売事業) (ショッピングセンター運営事業) ◎㈱ルミネ、◎㈱アトレ、◎㈱ジェイアール東日本都市開発 (オフィスビル等貸付業)  ◎㈱JR東日本ビルディング (ホテル業)  ◎日本ホテル㈱、◎仙台ターミナルビル㈱ (建設・設備工事業)  ◎JR東日本ビルテック㈱ (不動産開発事業)  ◎JR東日本不動産㈱ (4)その他 クレジットカード事業等のIT・Suica事業及び情報処理業等を展開しています。 主な関係会社:当社(IT・Suica事業、その他) (IT・Suica事業) ◎㈱ビューカード、◎JR東日本メカトロニクス㈱ (情報処理業)  ◎㈱JR東日本情報システム (発電事業)  ◎JR東日本エネルギー開発㈱ (建設コンサルタント業) ◎JR東日本コンサルタンツ㈱ (その他)  ○UQコミュニケーションズ㈱、○セントラル警備保障㈱ (注) ◎は連結子会社、○は持分法適用関連会社を示しています。なお、会社名は主たる事業において記載しています。 路線図
経営方針・対処すべき課題9,448字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものです。 (1)経営の基本方針(グループ理念) JR東日本グループは、全社員で安心と感動を持続的に生み出し、ステークホルダーの信頼に応え、すべての人の心豊かな生活を実現します。 (2)今後の経営環境の変化 国内では人口減少や少子高齢化、首都圏への一極集中や地方の過疎化が進んでいます。物価や金利はますます上昇傾向にあり、資本コストや株価を意識した経営への要請も高まっています。また、AI やロボティクス、自動運転技術など、テクノロジーの進化も急激に加速しています。さらに、脱炭素社会に向けた取組みは地球規模の課題になっています。 (3)中期的な会社の経営戦略 当連結会計年度において発生させた一連の輸送トラブルについて、今一度すべての業務を抜本的に見直し、安全・安定輸送の強化向上を図ります。特に、鉄道のシステムは車両・線路・電気など様々な設備や業務が相互に連関しているため、輸送トラブルの発生防止と対応力向上に向け、業務分野をまたがる総合的な知識能力や技術力を高めていきます。 また、当社グループにおいて連続して発生させた不適切事象について、グループにおける内部統制の基本的な考え方を更新しました。「健全な企業風土」、「必要な体制やルール」、「活発なコミュニケーション」をベースにグループガバナンスの確立に向けて改善策を実行するとともに、グループ社員の日々の真面目で誠実な業務遂行により「信頼」を築き上げていきます。 グループ経営ビジョン「勇翔2034」においても「安全」がグループ全体の経営のトッププライオリティであること、そして社員が新たな価値創造の「主役」であることはいささかも変わるものではありません。そのうえで、鉄道を中心としたモビリティと生活ソリューションの二軸それぞれの成長と、二軸を有するからこそ可能となる様々なシナジーの創出を通じて「安心」と「感動」を実現していきます。 めざすのは「ヒト起点」での「ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)」です。 TAKANAWA GATEWAY CITY開発に象徴されるように、二軸を持つ当社グループだからこそできる強みをビジネス化し、既存事業の成長に加え、M&Aや新規事業創造といった非連続な成長を通じて、2031年度の営業収益4.3兆円程度をめざし、2034年度5兆円に向けた成長軌道を描きます。 より良い世の中を創るための事業活動で得られた「価値」をお客さまや地域の皆さま、株主や投資家の皆さま、社員と家族の幸福の実現に還元するとともにグループの成長にも振り向ける、「四方良しの経営」を推進していきます。これからもステークホルダーの皆さまのご期待に応え、社会の進運を支える「志の高い企業グループ」として持続的な成長を実現していきます。 (4)目標とする経営数値 「勇翔2034」の数値目標については、経営の変化点となる2031年度を一つのターゲットと設定しており、ROEをKGI(長期的な経営目標)とし、2031年度に10%以上をめざします。KGI達成のためのKPIとして、ROA、営業収益、EBITDA、ネット有利子負債/EBITDAを設定しており、具体的には以下のとおりです。 2031年度(目標値)   2025年度(実績値) 連結営業収益   4.3兆円程度   30,846億円 EBITDA※1   1.2兆円程度   8,429億円 ROA※2   5%以上   3.9% ネット有利子負債※3/EBITDA   5倍程度   5.8倍 ROE※4   10%以上 = KGI   8.4% ※1 EBITDA=連結営業利益+連結減価償却費 ※2 ROA:総資産営業利益率 ※3 ネット有利子負債=連結有利子負債残高-連結現金及び現金同等物残高 ※4 ROE:自己資本当期純利益率 (注) 2026年3月末時点で当社グループが適用している会計基準に基づく (5)経営方針と事業の経過及び対処すべき課題 当連結会計年度において発生させた一連の輸送トラブルにより、お客さまに多大なご心配とご迷惑をおかけしたこと、また、ステークホルダーの信頼を損なう不適切事象をグループ内で連続して発生させたことについて、心より深くお詫び申し上げます。安全・安定輸送に対する信頼、グループのガバナンスに対する信頼、この2つの信頼を揺るがす事態を引き起こしてしまったことを重く受け止めています。信頼が当社グループの最大の財産であり、成長の礎であることをグループ社員一人ひとりが改めて胸に刻み込み、一連の事象により大きく損なわれた信頼を、グループ一丸となって取り戻していきます。 当社グループは、「当たり前を超えていく。」をキーワードに、グループの持続的成長をステージアップするため、2025年7月にグループ経営ビジョン「勇翔2034」を発表しました。 「勇翔2034」においても「安全」がグループ経営のトッププライオリティであることに変わりはありません。安全とコンプライアンスを意識した「健全な業務遂行」により、鉄道を中心としたモビリティと生活ソリューションの二軸それぞれの成長と、二軸を有するからこそ可能となる様々なシナジーを創出し、「安心」と「感動」をお届けすることで、すべての人の心の豊かさを実現していきます。 当社グループの商品・サービスは毎日のべ3,500万人のお客さまにご利用いただいています。スピード感と構想力をもち、「ヒト起点のマーケットイン」で商品やサービスを常にバリューアップし、連結キャッシュ・フローの最大化に努めていきます。 また、2026年7月にはそれぞれの地域のマーケットやお客さまのご利用状況などを踏まえたより細やかでスピード感のある36の事業本部での事業運営体制に改正し、これまで以上に「お客さま第一」「地域密着」の事業運営を実現するとともに、社員の働き方を変革していきます。 「勇翔2034」で創造する価値としてライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)を掲げ、社会課題や潜在ニーズに向き合い生活様式を革新し、思いやりとワクワクにあふれる社会を創ります。多くのステークホルダーのご期待に応え、社会の進運を支える「志の高い企業グループ」として持続的な成長を実現していきます。 ○ 「安全」がトッププライオリティ 「安全」はグループ経営のトッププライオリティです。当社グループの不変の使命である「究極の安全」を追求し、不断に安全レベルを向上させていきます。 当連結会計年度においては2025年5月に山手線新橋駅構内で架線断線に伴う輸送障害を、6月には山形新幹線E8系で車両故障を発生させたほか、2026年1月に山手線・京浜東北線・常磐線において、翌2月には宇都宮線においてそれぞれ停電による大規模輸送トラブルを発生させました。また、同月に京葉線八丁堀駅でエスカレーター火災を発生させ、3月には中央本線において走行中の車両のドアが開くという事象を発生させました。一連の輸送トラブルにより、お客さまに多大なご心配とご迷惑をおかけしました。 今一度すべての業務を抜本的に見直し、安全・安定輸送の強化向上に取り組みます。特に鉄道のシステムは、車両・線路・電気など様々な設備や業務が相互に連関しているため、輸送トラブルの発生防止と対応力向上に向け、業務分野をまたがる総合的な知識能力や技術力を高めていく必要があります。また、AIやドローンなど先端技術の導入にも努めていきます。 具体的には、安全の最後の砦はヒトであることを踏まえて、「①安全・安定輸送に関する業務フロー(作業手順)の見直し」「②異常時の対応力向上」「③検査や点検のレベルアップ」「④設備メンテナンスや事故復旧にあたる第一線社員の技術力の向上・強化」「⑤設備の維持管理に関わる修繕費の増額」「⑥グループ会社、パートナー会社の体制・技術力の維持」に取り組んでいきます。 「究極の安全」の追求は鉄道を中心としたモビリティ、生活ソリューションに区別なく、共通の課題です。お客さまに安心してご利用いただけるサービスを提供するため、グループ一体となって取り組んでいきます。 ○ グループ全体のガバナンスの改善と強化に向けた取組み 当社グループは2024年から2025年にかけて、中央省庁等向けの委託事業及び補助事業に関する不正な人件費請求をはじめ、輪軸組立作業における圧入力値の不適切事象、独占禁止法に抵触するおそれのある行為に対する公正取引委員会からの警告等、ステークホルダーの信頼を損なう事象を連続して発生させました。これらの事態を受けて、経営への信頼を取り戻すべく、2025年7月1日に外部有識者を招いた「グループ全体のガバナンスの改善と強化に向けた有識者委員会」を設置しました。 有識者委員会が取りまとめた報告書及び取締役会における議論を踏まえ、具体的な改善策を2026年3月18日に公表しました。グループにおける内部統制の基本的な考え方を更新するとともに、「健全な企業風土」、「必要な体制やルール」、「活発なコミュニケーション」をベースにグループガバナンスの確立に向けた改善策を実行することで、「勇翔2034」を推進し新たな事業領域に取り組んでいく基盤を構築します。 ○ すべての事業の基盤となる信頼 当社グループでは、「勇翔2034」において、「信頼」をすべての事業の基盤と位置づけています。一連の輸送トラブル、複数の不適切事象といった事業の基盤が崩壊しかねない事象を発生させたことを厳しい教訓と捉え、コンプライアンスの確保とグループ全体のガバナンスの改善と強化に継続して取り組みます。また、先人が培ってきた経験・技術を継承するだけでなく、最先端の技術力で社会を変えていく真の技術サービス産業をめざすことで、ステークホルダーの期待に応え、すべての事業の基盤である「信頼」をより強固なものにしていきます。 〇 モビリティ(運輸事業) 当社グループは、2025年9月にモビリティとして初となる中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」を発表しました。人手不足やAIに象徴される技術の急速な進化など、現在、日本や世界が直面している多岐にわたる大きな変化に正面から向き合い、成長を続けます。環境に優しく時間に正確で大量高速輸送が可能な鉄道と、駅から目的地まで柔軟に移動できる輸送モードを最適な形で組み合わせる「モビリティのベストミックス」を主体となって実現し、多様化するお客さまの移動ニーズにきめ細かくお応えすることで、すべての人の心豊かな生活を実現します。 10年後へのアプローチとして、輸送障害の防止と発生時の対応力強化により輸送品質を高めるとともに、新幹線車両増備などによりさらなる輸送力強化を推進します。加えて、新たな夜行特急列車など移動が楽しくなる付加価値の高い移動空間やコンサートの戦略的誘致などによる魅力的な目的地の創出、インバウンド向けプロモーションの強化などにより、交流人口の拡大を図ります。さらに、モビリティの資産である鉄道用地を再編・開発し、生活ソリューションとのシナジーにより地域の拠点と新たな流動を創造することで、収益力を向上させていきます。 また、人口減少や少子高齢化に加え、物価高騰など鉄道事業の収益確保が厳しさを増すなか、多様化するお客さまニーズや鉄道に求められる社会的役割を果たすための設備投資や修繕などに必要な資金を安定的に確保することが困難な状況となっていることから、会社発足以来、消費税転嫁やバリアフリー料金の導入等を除き、実質的に初めてとなる運賃改定を2026年3月14日に実施しました。ご利用いただく多くのお客さまにご負担をお願いすることとなりますが、ホームドア整備や自然災害対策、ターミナル駅の改良やシームレスな移動の実現など、安全やサービスを向上させるとともに、社会課題を解決していきます。また、シンプルかつ柔軟な運賃料金制度の実現に向けて、引き続き国に要望していきます。 さらに、地方ローカル線については、地域の関係者と連携した利用促進の取組みに加え、設備のスリム化、運行形態の見直しなどによる運営の効率化を推進する一方、引き続き沿線自治体などと協議を進め、地域とともに利便性・持続可能性の高い交通体系を実現していきます。 また、当社グループでは、鉄道業界全体のサステナブルな事業運営に貢献するため、他の鉄道事業者にも参画を呼び掛け、技術や部品の共通化を実現するとともに、一般社団法人海外鉄道技術協力協会(JARTS)の協力をいただき、特定技能人材育成研修をスタートさせました。本研修をはじめ、当社グループ及び鉄道業界の未来を創造する総合的な人材育成プログラムを展開していきます。 ○ 生活ソリューション(流通・サービス事業、不動産・ホテル事業、その他) 当社グループは、2024年6月に中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」を策定しました。生活ソリューションにおいては「Beyond the Border」でめざす世界を具体化し、グループの豊富なアセットや、リアルとデジタルの顧客接点を活かし、既存事業の変革や新たな事業展開を推進します。また、「2033年度までの生活ソリューションの収益・利益を倍増(2023年度比)」という目標を2年前倒して実現し、さらに営業収益1,500億円、営業利益1,000億円の増をめざしていきます。 流通・サービス事業では、コンプライアンスと安全への確かな取組みを通じてお客さまの信頼を築き、「安心」を感じていただける商品やサービスを提供していきます。多様なニーズに応えるため、「ヒト起点のマーケットイン」を推進し、「JRE MALL」やデータに基づき最適な時間・場所で広告配信が可能なプラットフォーム「MASTRUM(マストラム)」などのデジタルサービスにより顧客接点を拡大し、新たなコミュニケーションを構築します。また、「NewDays」の鉄道他社等、交通結節点への出店や、スマートロッカー「マルチエキューブ」の当社グループ用地外への設置、列車荷物輸送サービス「はこビュン」のネットワーク拡大・サービス拡充などにより収益拡大を図ります。さらに、Beyond Stations構想に基づきイマーシブ空間やスマート健康ステーションの拡大等を通じて、駅の価値向上を進めます。 不動産・ホテル事業においては、当社グループの強みである利便性の高い立地や豊富なアセットを活かし、特に「成長のエンジン」に位置づけている不動産事業の成長をめざします。2026年4月15日に伊藤忠グループとの不動産事業分野における統合契約を締結しました。統合会社において両者の強みを掛け合わせ、今後5年間で売上2,500億円規模をめざし、不動産事業を飛躍的に成長させていきます。引き続き、物件の取得・売却のスピードと規模を拡大し、不動産回転型ビジネスを加速させ、不動産ファンド事業における資産運用規模を2031年度までに1.2兆円へ拡大するとともに、6,000億円超の不動産販売営業利益を創出していきます。また、「TAKANAWA GATEWAY CITY」グランドオープン及び「OIMACHI TRACKS」のまちびらきなど、当社グループが浜松町駅から大井町駅で展開する「広域品川圏(Greater Shinagawa)」の共創まちづくりが本格始動しました。「広域品川圏」を都市生活のイノベーションが生まれる先進エリアと捉え、地域、企業、大学等の様々な関係者と共創して、先進性・エリア価値向上に資する取組みを展開していきます。さらに、新宿駅周辺や渋谷駅街区の大規模再開発など先進的かつ魅力的な街づくりを推進します。 2024年12月には「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を公表しました。Suicaを「移動と少額決済のデバイス」から「生活のデバイス」へと進化させ、あらゆるビジネスの基盤として二軸経営によるシナジーを発揮していきます。2025年2月には分散していたIDをJRE IDに統合する取組みをスタートさせました。また、タッチ不要のウォークスルー改札を2027年春に広域品川圏に導入するほか、「上限額(2万円)」や「事前チャージ」という現在のSuicaの当たり前を超えるコード決済サービス「teppay」を2025年11月に発表し、2026年秋より提供を開始する予定です。さらに、2025年12月にはご当地Suica(モバイルSuicaとマイナンバーカードを連携することにより、「Suica」と「MaaS(Mobility as a Service)」と「生活サービス」を一体化したサービス)を2027年春に群馬県と宮城県へ導入することを発表しました。今後両県で磨いたモデルを各地へ広げ、地方創生を実現していきます。 ○ サステナビリティ グループ理念がめざす「すべての人の心豊かな生活の実現」に向け、サステナビリティをグループ経営の重要な方針と位置づけ、社会的価値と経済的価値の創出をめざします。事業活動で得られた価値を、お客さまや地域の皆さま、株主や投資家の皆さま、社員と家族の幸福の実現に還元するとともにグループの成長にも振り向ける、「四方良しの経営」を推進していきます。 環境(E)については、2020年度に公表した環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」に掲げる2050年度のCO₂排出量「実質ゼロ」の達成に向け、2035年度、2040年度の中間目標を新たに設定しました。引き続きゼロカーボンに向けた挑戦を続け、持続可能な社会の実現をめざして新たな価値をお届けしていきます。さらに、使用電力量の削減を目的とした在来線車両向け次世代車両駆動用インバータ装置の山手線車両への試験的搭載や水素ハイブリッド電車「HYBARI」についての実証試験を進め、2030年度の営業運転開始をめざします。 社会(S)については、伴走型地域づくり、DXを通じた社会課題の解決による地方創生を実現するとともに、ホスピタリティマインドのある社員の育成、障がい当事者との対話を通じたサービス品質の改善、パラスポーツの体験・支援を通じて共生社会への理解を促進し、お客さまや地域の皆さまとともに「心のバリアフリー」を推進します。また、2025年12月には、日本電気株式会社が運営するラグビーチーム「NECグリーンロケッツ東葛」を2026年7月に当社が引き継ぐことを発表しました。企業スポーツの推進を通じて健全な人材育成、競技人口のすそ野の拡大、地域の活力の醸成など、社会課題の解決に取り組みます。 企業統治(G)については、グループ全体のガバナンスの改善と強化に向けた取組みに加え、取締役会規則等の改正を行い、中長期的な経営戦略に関する議論の活性化や、業務執行状況のモニタリング強化、業務執行の迅速化を行っています。今後もコーポレート・ガバナンスを一層充実させ、さらなる企業価値向上をめざします。 ○ 成長の基盤となる戦略の推進 「勇翔2034」の実現に向け、その成長の基盤となる安全、CX、人材、イノベーション、財務・投資の戦略を策定し、グループ一体で取り組んでいきます。 安全については、経営のトッププライオリティとして、「グループ安全計画2028」のブラッシュアップに取り組みます。一連の輸送トラブルを踏まえ、2026年度の設備の維持管理に関わる修繕費を増額し、2026年度末までにコロナ期の影響をすべて取り戻すべく、交換・修繕を実施します。また、衝突や脱線防止、ホームドア整備を進めるとともに、倒木・倒竹などの自然災害に対するリスクの低減に向けて安全設備への計画的な投資を行います。さらに、当社グループ・パートナー会社・協力会社が一体となり構築しているJES-Net(JR East Safety Network)において、モビリティと生活ソリューションそれぞれの分科会を設置し、安全における価値観・方向性の一致、連携強化、安全の取組みの推進を通じ、グループ全体の安全レベルを向上させていきます。 CX(Customer eXperience)については、グループ全体でめざすサービス品質の方向性をまとめた「グループCX戦略ビジョン2030」を策定しました。お客さまや地域の皆さまから期待されるサービス品質のレベルは日々変化し高まっているため、「お客さま体験価値ファースト」を掲げてグループ全体の力を結集し、お客さまとの接点を可視化し、ニーズを分析してサービスを改善していきます。さらに、業務フロー(作業手順)の見直しや異常時の対応力向上(実践的な訓練、わかりやすい情報提供など)を通じた安全・安定輸送の強化向上など、お客さまとのすべての接点において安心・感動をお届けする取組みを推進していきます。 人材については、2025年5月に発表した「人事・賃金制度の改正」と「事業運営体制の再編」を「勇翔2034」を推進する両輪に位置づけ、社員の挑戦と活躍を後押ししていきます。「DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)」と「健康経営」を人材戦略の土台と位置づけ、「多様性」「革新性」「柔軟性」の3つの基本方針を推進することで、社員と会社の新たなエンゲージメントを創出していきます。また、すべての技術分野の採用を従来計画よりさらに150名拡大するとともに、多様な人材が活躍できる企業文化を創造することで、グループ全体の生産性を向上させ、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を推進します。 イノベーションについては、「技術サービス企業グループ」としてさらなる高みをめざし、業務へのAIの導入や水素の活用を加速させるとともに、フュージョン等の新エネルギー、宇宙を含む広いフィールドでの技術革新を通じて、持続可能な未来を拓きます。2026年度を「AI・DX元年」と位置づけ、取組みを進めます。 財務・投資については、2034年度営業収益5兆円に向けた成長軌道を確立し、「勇翔2034」の実現に向けた連結キャッシュ・フローの最大化に取り組みます。また、強靭でサステナブルな資材調達体制の構築や、適正かつ確実な決算の遂行とAI等の導入による業務変革を進めます。さらに、「事業運営体制の再編」を通じて、各事業本部における自律的な経営に取り組みます。 これらの戦略を着実に推進することで、ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)という新たな価値の創造に取り組んでいきます。 経営のモードを本格攻勢に切り替え、「すべての人の心豊かな生活」に向けて、「勇翔2034」を本格始動させていきます。
事業等のリスク8,362字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループでは、各事業に共通・特有のリスクの回避・低減に取り組んでおります。具体的には、毎年事業全体のリスクを外部の知見や社内の意見等をもとに洗い出し、発生頻度及び影響度を踏まえた分析・評価を行ったうえでその年度の重要リスクを定め、回避・低減策を検討・実施しております。このように、PDCAサイクルを回してリスクの見直し等を図り、取締役会でリスク回避・低減に向けた取組みの達成度・進捗をモニタリングするとともに今後の方針について検討を行い、リスクマネジメントの実効性を確保しております。 今後、当社グループが収益力の向上や構造改革に取り組むためには、リスクを損失回避等のマイナス要素を減らす観点から捉えるだけでなく、リスクテイクも含め、当社グループの価値を積極的に向上させる観点を含めた「幅広いリスクマネジメント」が重要です。 これにより、安定的で適正な業務の運営の確保に加えて、当社グループ社員の成長に向けた果敢なチャレンジを支援・促進してまいります。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 鉄道事業における事故等の発生 鉄道事業において事故等が発生した場合、当社グループに対するお客さまの信頼や社会的評価が失墜するだけでなく、お客さまへの補償や事故等の影響による事業の中断等により経営に重大な影響を与える可能性があります。 当社グループは、安全を経営のトッププライオリティと位置づけ、ハード、ソフトの両面から安全性の高い鉄道システムづくりに取り組み、会社発足時から8回目となる安全5ヵ年計画「グループ安全計画2028~本質をふまえ、想定外も想像して安全を先取る~」に基づき施策を着実に実施しました。 具体的には、当社グループに起因する鉄道運転事故を防止するため、自動列車停止装置(ATS-P)整備などの列車脱線事故等の対策や、駅や車両基地等の屋根の落下対策などの基幹設備の強靭化を進めました。 踏切事故対策については、踏切の整理統廃合、踏切支障報知装置の増設や障害物検知装置の高機能化等を進めるとともに、警察や道路管理者等と連携し「踏切事故0(ゼロ)運動」として踏切通行者等への啓発活動を行いました。 また、ホームにおけるお客さまと列車の接触や線路への転落を防止する対策として、東京圏在来線の主要路線330駅758番線へのホームドアの整備を進めており、2025年度末現在、線区単位の162駅345番線に整備が完了しました。また、他の鉄道社局と合同で「プラットホーム事故0運動」等の啓発活動を実施しました。 当社グループを取り巻く環境は、自然災害の激甚化・頻発化、人口減少、DXの進展など、激しく変化しています。これらの変化に対応するために、築いてきた「安全文化」や安全の「しくみ」「設備」など、安全の基盤を強固にし「これまでは想定外であったリスク」を本質の理解により想像し、安全を先取る取組みを進め「究極の安全」を追求してまいります。 (2) 気候変動及び自然災害等 近年、集中豪雨や大型化した台風などの異常気象リスクが高まっております。これらの集中豪雨や台風だけでなく、大規模地震・津波、洪水、火山といった自然災害等によって、当社グループの鉄道及び関連施設等が損壊し、大きな被害を受ける可能性があります。また、自然災害等に起因する大規模停電により、鉄道の運行を継続できない可能性があります。さらに、大規模災害時においてサプライヤーの被災や配送網の寸断により事業継続に必要な物品の安定的な供給を受けることができなくなることも考えられます。 自然災害に対するリスクの低減として、当社グループは次の取組みを進めています。大規模地震対策として、高架橋柱や電柱等の耐震補強を進めるとともに、走行中の列車を早く止める早期地震検知システムを導入しています。また、新幹線は脱線後被害軽減を目的に車両の逸脱防止対策の整備と改良を進めています。局地的大雨に対しては、詳細に雨を把握し運転規制を行う「レーダ雨量規制」を従来の運転規制に追加して在来線全線区に導入し、浸水対策としては「車両疎開判断支援システム」を浸水の可能性のある車両留置箇所に導入しています。また、各種自然災害発生時の対応力を向上するための訓練を定期的に実施しています。今後も「グループ安全計画2028」に基づき、自然災害に対するリスク低減の取組みを進めてまいります。 一方、自然災害等による大規模停電に備えて、主要なターミナル駅などにおける非常用発電機の運転時間の長時間化を進めております。さらに、安定した調達を継続するため、複数のサプライヤーから調達できるように取組みを進めております。 (3) 感染症の発生等 重大な感染症が国内外において流行した場合、経済活動の制限やお客さまの外出自粛、社員の罹患等により、当社グループの事業が継続できなくなるおそれがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に多大な影響を与える可能性があります。 コロナ禍では、鉄道の輸送量の大幅な減少、当社グループの商業施設の休業や利用者の減少等が発生したほか、海外からの入国制限等によりインバウンド需要が減少し、当社グループの業績は大きな影響を受けました。 今後も社会に影響を与えるような感染症の発生・拡大に際しては、政府・自治体等と連携しながら、当社で定める「新型インフルエンザ等対策業務計画」に基づき、お客さまの安全・安心の確保を最優先に、適切な輸送を確保するため必要な措置を講じてまいります。 (4) 他事業者等との競合及び外部環境の変化 当社グループは、鉄道事業において他の鉄道及び航空機、自動車、バス等の対抗輸送機関と競合関係にあるほか、生活ソリューションにつながる事業においても、既存及び新規の事業者と競合しております。これらに加え、外部環境の変化の加速や、当社グループではコントロールできない要因などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 鉄道事業においては、格安航空会社(LCC)の路線拡大、高速道路の拡充、自動運転技術の実用化などによる交通市場の競争激化や人口減少、少子高齢化の進行、在宅勤務などの働き方改革の浸透等により、輸送量が減少し、同事業の収益等に影響を与える可能性があります。また、採用難による人材不足や資材の供給不安などにより、事業の正常な運営に影響を与える可能性があります。 このような中、当社グループは、グループ経営ビジョン「勇翔2034」を策定し、鉄道を中心としたモビリティと生活ソリューションの二軸それぞれの成長と、二軸を有するからこそ可能となる、様々なシナジーの創出を通じて、ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)の実現をめざしています。「モビリティ」においては、モビリティ中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」のもと、列車内でしか味わえない特別な体験や新たな夜行特急列車の運行など楽しくなる付加価値の高い移動空間を届け、出かけたくなる魅力的な目的地を創出するほか、海外向けプロモーションの強化や海外メジャー予約サイトとの連携を通じて訪れたくなる東日本の魅力を世界に発信するなど、多様化するお客さまの移動ニーズにきめ細かくお応えします。「生活ソリューション」においては、中長期ビジネス戦略「Beyond the Border」のもと、当社グループの強みであるリアルとデジタルの接点を活かしながら、ヒト起点のマーケットインによる「移動の目的地づくり」や「Suicaを軸としたDXによる個客との接点強化」、「魅力的なまちづくり」等を推進していきます。経営環境の変化を先取りした新たな社会的価値や経済的価値をステークホルダーに提供していくことをめざして取り組んでまいります。また、ワンマン運転の拡大、将来の自動運転やドライバレス運転の実現、ウォークスルー改札の開発・導入、メンテナンス業務の仕組みの見直しといった、技術革新・生産性向上に取り組むことにより、モビリティをより強靭なシステムへと進化させていきます。そのほか、安定した人材確保に向けたグループ全体での採用活動や、安定調達を継続するための新たなサプライヤーの開拓などにも取り組んでおります。 (5) 犯罪・テロ行為及び情報システム障害等の発生 犯罪・テロ行為の発生により、当社の鉄道事業等における安全性が脅かされる可能性があります。 当社グループでは、鉄道のセキュリティ強化に向け、車内の防犯カメラの増設や、鉄道施設におけるカメラの増設・ネットワーク化による集中監視を実施しているほか、新幹線・在来線のすべての車両や主要駅等に防犯・護身用具を配備する等の対策を実施しております。 また、当社グループは、モビリティに関する事業と生活ソリューションにつながる様々な業務分野で、多くの情報システムを用いております。当社グループと密接な取引関係にある他の会社や鉄道情報システム株式会社等においても、情報システムが重要な役割を果たしております。サイバー攻撃や人為的ミス等によってこれらの情報システムの機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与える可能性があります。さらに、コンピュータウイルスの感染や人為的不正操作等により情報システム上の個人情報等が外部に流出した場合やデータが改ざんされた場合、社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、近年のAI技術の進展により、AIの予期せぬ動作や機密情報の漏えいなど、AI特有の新たなリスクが発生する可能性があります。 当社グループでは、日常より情報システムの機能向上やセキュリティの常時監視、関係する社員の教育など、障害対策及びセキュリティ対策を講じるとともに、万一問題が発生した場合においても速やかに初動体制を構築し、各部署が連携して対策をとることで、影響を最小限のものとするよう努めております。また、社内規程を整備し、個人情報の厳正な取扱いについて定め、個人情報を取り扱う者の限定、アクセス権限の管理を行うほか、社内のチェック体制を構築するなど、個人情報の厳正な管理・保護に努めております。AIについてはグループ共通のポリシーを定め、生成AIを利活用するシステムのチェック体制を構築しております。 (6) 企業不祥事 当社グループは、モビリティに関する事業と生活ソリューションにつながる事業などの様々な業務分野において、鉄道事業法をはじめとする関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っておりますが、これらに反する行為が発生した場合、行政処分や社会的信用の失墜などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、「法令遵守及び企業倫理に関する指針」及び「コンプライアンス・アクションプラン」を策定し、業務全般に関わる法令の遵守状況の点検を実施してまいりました。これらの指針等については、当社グループの事業領域が大きく変化していることをふまえ見直しを行い、コンプライアンス重視の健全な企業風土の醸成に向けて、グループ社員が法令・企業倫理等を遵守し誠実に行動するための「よりどころ」として、「JR東日本グループの『決意と約束』」を2026年6月10日に制定しました。また、社員教育では、当社グループの事業内容に即した事例を用いたディスカッションを取り入れるなどコンプライアンスを自ら考える場となるよう改善しており、今後も継続するとともに、全社員教育以外でもコンプライアンスの意味や重要性を「自分ごと」として考える機会を設けてまいります。また、外部機関との連携によるJR東日本グループコンプライアンス意識調査を実施しております。本調査で得られた結果をもとに課題等の抽出や改善策の検討などに活用することで、コンプライアンス施策のさらなる推進をめざしてまいります。さらに、2025年7月1日に設置した「グループ全体のガバナンスの強化と改善に向けた有識者委員会」報告書を受け、2026年3月18日に改善策を公表し、あわせて総務・法務戦略部担当役員を当社グループにおけるコンプライアンスの全体責任者に指定しました。今後、当社及びグループ会社において責任者や担当部署を明確にし、コンプライアンスの推進体制を改めて整備し、各職場のコンプライアンスに関する課題に応じた柔軟で主体的な取組みを強化することや、心理的安全性の高い職場づくりやハラスメント撲滅の取組みなど、改善策を推進してまいります。 (7) 国内外の経済情勢等の変化 国内外の経済情勢の変化や、金利・為替・物価等の動向などにより、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性がある他、サプライチェーン上の問題により社会的評価が失墜する可能性があります。 日本経済及び世界経済の情勢は、経済的要因だけではなく、戦争やテロ行為等の地政学的リスク、世界的な感染症の流行及び大規模な自然災害等により影響を受ける可能性があります。このような事態が発生又は拡大した場合、経済の低迷が長期化し、当社グループのモビリティに関する事業と生活ソリューションにつながる事業などの様々な業務分野において、需要が減少する可能性があります。また、国内外の経済情勢の変化や金利・為替・物価等の動向などにより、物品調達コストや資金調達コストが上昇し、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。さらに、グローバル化したサプライチェーンは様々な要因により寸断される可能性がある他、人権課題の多様化・複雑化により調達活動に影響が生じる可能性があります。 当社グループは、鉄道を中心としたモビリティでは安全安定輸送のレベルアップとさらなる増収に取り組み、生活ソリューションには既存事業の強化に加え、「成長のエンジン」と位置づけた不動産事業の加速や戦略的M&Aを推進し、「勇翔2034」で掲げた数値目標の達成をめざしてまいります。また、物品調達コストの上昇については、国内外を問わない幅広い調達やスケールメリットを活用した価格交渉等を通じて、調達コスト上昇を抑制しております。資金調達コストの上昇については、債務償還額の平準化及び債務の長期化、債務の円建払いや支払金利の長期固定化を行うことにより、将来の金利変動リスク・為替変動リスクを抑制しております。サプライチェーンを維持し、寸断を回避するため取引先とのコミュニケーションを強化するとともに、複数のサプライヤーから調達ができるように取組みを進めています。人権問題等については、当社グループ調達方針に基づき浸透を図る取組みに努めてまいります。 (8) 海外での事業展開 海外での事業においては、政治体制や社会的要因の変動、投資規制・税制や環境規制等に関する現地の法令変更、商慣習の相違、契約の履行やルールの遵守に関する意識の違い及びそれらに起因する工期等の遅延、経済動向、為替レートの変動等様々なリスク要因があります。海外で政治リスクや遅延リスク等が顕在化すると債権回収に影響を及ぼすことがあるため、プロジェクトごとにきめ細やかな収支管理を行っています。現に、政変や紛争等によるリスクが顕在化していますが、予期せぬ情勢変化等が生じた場合に当社グループの財政状態及び経営成績、またグループ社員の身の安全に影響を与えることのないよう、これら様々なリスクについて、弁護士やコンサルタント等、専門家の助言を踏まえたリスク分析を行ったうえで、場合によっては日本政府の協力を得ながら対応に努めております。 (9) 特有の法的規制 ① 鉄道事業に対する法的規制 当社は、「鉄道事業法(昭和61年法律第92号)」の定めに基づき事業運営を行っており、鉄道事業者は営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とされております。また、旅客の運賃及び新幹線特急料金の上限について国土交通大臣の認可を受け、その範囲内での設定・変更を行う場合は、事前届出を行うこととされております(第16条)。さらに、鉄道事業の休廃止については、国土交通大臣に事前届出(廃止の場合は廃止日の1年前まで)を行うこととされております(第28条、第28条の2)。 これらの手続きが変更される場合、または何らかの理由により手続きに基づいた運賃・料金の変更を機動的に行えない場合には、当社の収益に影響を与える可能性があります。当社では、運賃値上げに依存しない強固な経営基盤を確立すべく、収入の確保と経費削減による効率的な事業運営に努めておりますが、経営環境の変化等により適正な利潤を確保できない場合は、運賃改定を適時実施する必要があると考えております。この考えに基づき、鉄道に求められる社会的な役割や多様化するお客さまのニーズにお応えし、今後も鉄道事業をサステナブルに運営していくため、2026年3月に運賃改定を実施しました。新幹線自由席料金の届出化やインフレにタイムリーに対応できるしくみの導入など、シンプルかつ柔軟な制度の実現や総括原価方式そのものの見直しも、引き続き国に要望していきます。 なお、当社は、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和61年法律第88号)」の平成13年改正により、同法の適用対象からは除外されているものの、同法の改正附則に基づき「当分の間配慮すべき事項に関する指針」等が定められております。指針に定められた事項は以下の3点です。 ・会社間における旅客の運賃及び料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用その他の鉄道事業に関する会社間における連携及び協力の確保に関する事項 ・日本国有鉄道の改革の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた現に営業している路線の適切な維持及び駅その他の鉄道施設の整備に当たっての利用者の利便の確保に関する事項 ・新会社がその事業を営む地域において当該事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動に対する不当な妨害又はその利益の不当な侵害を回避することによる中小企業者への配慮に関する事項 指針に定められているこれらの事項については、当社は、従来から十分留意した事業運営を行っております。しかしながら、鉄道を取り巻く環境は当時から大きく変化していることから、これらが経営に及ぼす影響を踏まえ、必要により柔軟な運用について関係者のご理解を求めていく考えです。 ② 整備新幹線 日本国有鉄道の分割民営化後、当社は、北陸新幹線(高崎市~上越市)及び東北新幹線(盛岡市~青森市)の2路線の整備新幹線の営業主体とされ、1997年10月1日に北陸新幹線高崎~長野間が、2002年12月1日に東北新幹線盛岡~八戸間が、2010年12月4日に東北新幹線八戸~新青森間が、2015年3月14日に北陸新幹線長野~上越妙高間がそれぞれ開業しました。 「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令」第6条において、整備新幹線の貸付料の額は、当該新幹線開業後の営業主体の受益に基づいて算定された額に、貸付けを受けた鉄道施設に関して独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が支払う租税及び同機構の管理費の合計額を加えた額を基準として、同機構において定めるものとされております。このうち受益については、開業後30年間の需要予測及び収支予測に基づいて算定されることとなり、この受益に基づいて算定される額については、開業後30年間は原則定額とされております。 貸付けから30年経過後の取扱いについては、施設の状態に見合った維持管理等に要する費用を支払うことを基本的な考え方としつつ、関係者間の協議により新たに定めてまいります。なお、貸付けを受けている整備新幹線区間と貸付終了年度は、次のとおりです。 a 北陸新幹線(高崎~長野間) 2027年度 b 北陸新幹線(長野~上越妙高間) 2044年度 c 東北新幹線(盛岡~八戸間) 2032年度 d 東北新幹線(八戸~新青森間) 2040年度
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調でしたが、物価高騰、米国の通商政策及び中東情勢等の不透明さを伴い推移しました。 当社グループにおいては、これまでの当たり前を超えグループの持続的成長をステージアップするため、2025年7月に新たなグループ経営ビジョン「勇翔2034」を発表しました。「勇翔2034」においても「安全」はグループ経営のトッププライオリティに位置づけられることに変わりはなく、そのうえで「グループ全体のガバナンスの改善と強化」、「すべての事業の基盤となる信頼」、「モビリティ(運輸事業)」と「生活ソリューション(流通・サービス事業、不動産・ホテル事業、その他)」の二軸経営、「サステナビリティ」及び「成長の基盤となる戦略の推進」に取り組みました。 「究極の安全」の追求に向けて、「グループ安全計画2028」のもと、「本質をふまえ、想定外も想像して安全を先取る」をテーマに掲げ、「お客さまの死傷事故ゼロ、社員の死亡事故ゼロ」を実現するため、グループ一体で安全の基盤を強固にし、安全を先取る取組みを進めました。安全・安定輸送のさらなるレベルアップを図るために、システム・地上装置等の強化、モニタリング技術を活用した故障の予兆の把握や新幹線のトンネル検査への「ひび割れ自動抽出技術」及び「二時期比較技術」の導入を進めました。また、高架橋柱や電化柱の耐震補強及び新幹線車両の逸脱防止対策を進めたほか、新幹線早期地震検知システムに導入している日本海溝海底地震津波観測網の海底地震計情報を在来線早期地震警報システムにも導入するなど、地震対策に取り組みました。さらに、駅におけるさらなる安全レベルの向上をめざし、エスカレーター滞留停止システムやお客さまの車両への接近を検知するシステムを導入したほか、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したホームドアなどの整備を進めました。 「モビリティ」では、「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」での北陸エリアの魅力発信、新型車両E8系に置き換わる山形新幹線を盛り上げる「つばさ、つなぐ。」プロジェクトの実施、訪日外国人向けに「JR EAST PASS」の新規設定や「JR East-South Hokkaido Rail Pass」の東北や新潟へのエリア拡大など、当社エリアにおけるお客さまの流動促進と収益の拡大に取り組みました。「えきねっと」では、「えきねっとQチケ」サービスエリア拡大や新幹線を乗車日の3か月前からご購入いただける「早期予約サービス」を開始したほか、輸送障害時におけるWEB上での変更・払戻し機能や「JRE ID」及び「JAL MaaS」との連携を開始しました。また、モビリティとして初となる中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」を発表したほか、安全・サービスの維持向上、車両・設備の更新、バリアフリー設備の拡充や激甚化する災害への対策等を着実に進めました。さらに、今後も鉄道事業を持続的に運営していくため、2026年3月14日に運賃を改定したほか、横浜・根岸線(八王子・大船間)でワンマン運転を実施しました。地方ローカル線については沿線自治体などと持続可能な交通体系の構築に向けた協議を進めました。鉄道の特性を十分に発揮できていない津軽線(蟹田・三厩間)及び久留里線(久留里・上総亀山間)については、自治体との合意を経て、2027年4月に鉄道事業を廃止することを発表し、新たな交通モードへの転換の準備を進めました。 「生活ソリューション」では、「TAKANAWA GATEWAY CITY」のグランドオープン、「OIMACHI TRACKS」のまちびらきにより、広域品川圏の共創まちづくりを本格始動させました。2025年5月には沿線まるごとホテル「Satologue」のオープン、2025年9月には「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」の全体開業、2026年3月には「LiSH AKITA」の開設やホテル「和のゐ 角館」をリニューアル開業しました。また、不動産回転型ビジネスを加速させるため、伊藤忠グループと不動産分野における戦略的提携に関する基本合意書を締結しました。列車荷物輸送サービス「はこビュン」においては、荷物専用新幹線の運行を開始したほか、JALグループと連携した新輸送サービス「JAL de はこビュン」の販売を開始しました。さらに、「Welcome Suica Mobile」と「JR-EAST Train Reservation」との連携を開始するとともに、しなの鉄道へのSuica導入や上越新幹線においてウォークスルー改札の実現に向けた実証実験を実施するなど、「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を推進しました。 「サステナビリティ」では、持続可能な社会の実現に向け、環境(E)・社会(S)・企業統治(G)の取組みを行いました。環境(E)については、「ゼロカーボン・チャレンジ2050」達成に向けた取組みに加え、食品廃棄物を活用したお米の生産や地産地消による「農業リサイクルループ」の実現、さらに再生可能エネルギー由来の電力を東北新幹線における運転用電力の一部として導入しました。また、国内最大級のプラスチックリサイクル施設「Jサーキュラーシステム」が本格稼働したほか、初めて一関市にて森づくりを開催しました。社会(S)については、「東京2025 デフリンピック」について、交通広告媒体を活用し認知向上と気運醸成を図ったほか、パラスポーツや障がいのある作家が描くアート作品などを通じて、共生社会の実現に向けた取組みを実施しました。企業統治(G)については、社員の果敢なチャレンジを支援促進する仕組み・制度(チャレンジツールマップ)の更新を行ったほか、非常勤役員とグループ会社社員とのコミュニケーション強化を図る取組みを実施しました。 「成長の基盤となる戦略の推進」では、安全において、安全シンポジウムや安全行動表彰での好事例の共有など、モビリティと生活ソリューション二軸の相互の強みを生かす施策を実施しました。また、安全のレベルアップに向けて「安全に関する取組み状態を把握するための指標」の導入や、「安全の取組みの核となる人」のさらなる活躍に向けた基盤の構築を行いました。CXにおいては、南武線における慢性遅延対策など、輸送品質の向上に取り組んだほか、グループ全体のサービス介助士資格取得率向上に注力しました。人材においては、新卒初任給の引上げや育児・介護関連の短時間勤務の対象の拡大など育児・介護関連の勤務制度を新設・拡充しました。また、海外における鉄道ビジネスの推進・開発に強みを発揮する能力や専門性のある人材として「海外戦略職」の採用を行いました。さらに、グループ一体で戦略的にDEIの取組みを推進し、働く社員の力を最大限に引き出すため、「JR東日本グループDEIポリシー」を策定しました。イノベーションにおいては、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を推進するためのDXのめざす姿をDXストーリーとしてまとめた「DX REPORT 2025」を発行しました。また、生成AIを用いた自動音声アシスタント「どこトレダイヤル」による運行情報の提供や駅放送案内を文字化しお客さまのスマートフォン等に表示するサービス「みえるアナウンス」の試行導入など、ヒト起点の発想とデジタル技術、オープンイノベーションの活用により、お客さまのニーズに応えたサービスを展開しました。さらに、従来よりも電線本数が少ない「SMART インテグレート架線」を新たに導入したほか、首都圏線区の全線区に架線設備モニタリングを導入拡大するなど、スマートメンテナンスの取組みを推進しました。財務・投資においては、「勇翔2034」で掲げる二軸経営による2031年度の数値目標及び2031年度までのキャッシュ・アロケーションを策定しました。また、各ビジネスの利益成長による営業キャッシュ・フローの拡大に加え、不動産販売の規模拡大や政策保有株式の縮減によるアセットマネジメントを着実に推進し、キャッシュインの最大化を図りました。 今後も、グループ経営ビジョン「勇翔2034」の実現に向けてグループ一体で取り組みます。 当連結会計年度の決算については、鉄道のご利用増やエキナカ店舗の売上増に伴い、すべてのセグメントで増収となったことなどにより、営業収益は前期比6.8%増の3兆846億円となりました。また、これに伴って営業利益は前期比9.9%増の4,142億円、経常利益は前期比9.4%増の3,516億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比10.5%増の2,478億円となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。 a 運輸事業 運輸事業では、安全・安定輸送及びサービス品質の確保にグループの総力を挙げて取り組み、中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」などを推進しました。 この結果、鉄道の利用増に伴い、鉄道運輸収入が増加したことなどにより、売上高は前期比5.1%増の2兆458億円となり、営業利益は前期比10.4%増の1,944億円となりました。 b 流通・サービス事業 流通・サービス事業では、駅を交通の拠点からヒト・モノ・コトがつながる暮らしのプラットフォームへと転換する「Beyond Stations構想」などを推進しました。 この結果、お客さまのご利用増に伴い、エキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比5.7%増の4,161億円となり、営業利益は前期比12.5%増の680億円となりました。 c 不動産・ホテル事業 不動産・ホテル事業では、大規模ターミナル駅開発や沿線開発など「くらしづくり(まちづくり)」を推進し、地域とともに街の魅力を高めました。 この結果、不動産販売の売上増に加え、オフィス賃貸収入やショッピングセンター・ホテルの売上が増加したことなどにより、売上高は前期比15.2%増の5,132億円となり、営業利益は前期比6.6%増の1,282億円となりました。 d その他 その他の事業では、Suicaの利用シーンのさらなる拡大と、シームレスでストレスフリーな移動を実現することに加え、「生活のデバイス」への進化を通じた新たな体験価値の創造に向けて「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を推進しました。 この結果、ICカード事業関連の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比6.8%増の1,094億円となり、営業利益は前期比32.0%増の302億円となりました。 (注) 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)及び「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益について、各セグメントの営業利益としています。 (参考) 当社の鉄道事業の営業実績 当社の鉄道事業の最近の営業実績は次のとおりであります。 輸送実績 区分   単位   第38期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   第39期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 営業日数   日   365   365 営業キロ   新幹線   キロ   1,194.2   1,194.2 在来線   〃   6,108.0   6,108.0 計   〃   7,302.2   7,302.2 客車走行キロ   新幹線   千キロ   545,760   555,984 在来線   〃   1,705,753   1,716,191 計   〃   2,251,514   2,272,176 輸送人員   定期   千人   3,404,254   3,487,035 定期外   〃   2,463,348   2,547,267 計   〃   5,867,603   6,034,303 輸 送 人 キ ロ   新幹線   定期   千人キロ   1,758,319   1,885,660 定期外   〃   20,920,938   21,850,287 計   〃   22,679,257   23,735,947 在来線   関東圏   定期   〃   58,757,374   60,516,368 定期外   〃   37,532,865   38,716,239 計   〃   96,290,240   99,232,608 その他   定期   〃   2,768,415   2,772,902 定期外   〃   2,570,338   2,522,287 計   〃   5,338,753   5,295,189 計   定期   〃   61,525,789   63,289,270 定期外   〃   40,103,203   41,238,527 計   〃   101,628,993   104,527,798 合計   定期   〃   63,284,109   65,174,931 定期外   〃   61,024,142   63,088,814 計   〃   124,308,251   128,263,745 乗車効率   新幹線   %   60.4   62.5 在来線   〃   42.6   43.6 計   〃   45.0   46.2 (注)1 乗車効率は次の方法により算出しています。 乗車効率=   輸送人キロ   ×100 客車走行キロ×客車平均定員 2 「関東圏」とは、当社首都圏本部、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社及び千葉支社管内の範囲であります。 収入実績 区分   単位   第38期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   第39期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 旅 客 運 輸 収 入   新幹線   定期   百万円   23,683   25,426 定期外   〃   559,637   592,051 計   〃   583,320   617,477 在来線   関東圏   定期   〃   388,126   395,767 定期外   〃   732,136   768,217 計   〃   1,120,263   1,163,985 その他   定期   〃   16,612   16,557 定期外   〃   48,639   50,517 計   〃   65,252   67,074 計   定期   〃   404,739   412,325 定期外   〃   780,776   818,735 計   〃   1,185,515   1,231,060 合計   定期   〃   428,422   437,751 定期外   〃   1,340,413   1,410,786 計   〃   1,768,836   1,848,537 荷物収入   〃   0   - 合計   〃   1,768,836   1,848,537 鉄道線路使用料収入   〃   5,639   6,616 運輸雑収   〃   157,821   165,288 収入合計   〃   1,932,296   2,020,442 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益の増加などにより、流入額は前連結会計年度に比べ328億円増の7,650億円となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、流出額は前連結会計年度に比べ941億円増の8,776億円となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローについては、流入額は前連結会計年度に比べ1,350億円増の1,387億円となりました。 なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ285億円増の2,620億円となりました。 また、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆9,001億円となりました。なお、「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社及び当社の連結子会社の大多数は、受注生産形態をとらない業態です。 なお、販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a 経営成績 ○ 営業収益 当連結会計年度の営業収益は、鉄道の利用増やエキナカ店舗、ショッピングセンター、ホテルの売上増に伴い、すべてのセグメントで増収となったことなどにより、前期比6.8%増の3兆846億円(対10月業績予想266億円増)となりました。 運輸事業の外部顧客への売上高は、前期比5.1%増の2兆458億円(対10月業績予想148億円増)となりました。 これは、鉄道の利用増に伴い、鉄道運輸収入が増加したことなどによるものであります。 新幹線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比4.7%増の237億人キロとなりました。定期収入は前期比7.4%増の254億円、定期外収入は前期比5.8%増の5,920億円となり、全体では前期比5.9%増の6,174億円となりました。 関東圏の在来線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比3.1%増の992億人キロとなりました。定期収入は前期比2.0%増の3,957億円、定期外収入は前期比4.9%増の7,682億円となり、全体では前期比3.9%増の1兆1,639億円となりました。 関東圏以外の在来線に関しては、輸送人キロは前期比0.8%減の52億人キロとなりました。定期収入は前期比0.3%減の165億円、定期外収入は前期比3.9%増の505億円となり、全体では前期比2.8%増の670億円となりました。 運輸事業以外の事業の外部顧客への売上高については、以下のとおりであります。 流通・サービス事業では、お客さまのご利用増に伴い、エキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、前期比5.7%増の4,161億円(対10月業績予想18億円減)となりました。 不動産・ホテル事業では、不動産販売の売上増に加え、オフィス賃貸収入やショッピングセンター・ホテルの売上が増加したことなどにより、前期比15.2%増の5,132億円(対10月業績予想72億円増)となりました。 その他の事業では、ICカード事業関連の売上が増加したことなどにより、前期比6.8%増の1,094億円(対10月業績予想64億円増)となりました。 ○ 営業費用 営業費用は、前期比6.4%増の2兆6,704億円となりました。営業収益に対する営業費用の比率は、前連結会計年度の87.0%に対し、当連結会計年度は86.6%となりました。 運輸業等営業費及び売上原価は、前期比5.2%増の1兆9,528億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。 販売費及び一般管理費は、前期比9.5%増の7,175億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。 ○ 営業利益 営業利益は、前期比9.9%増の4,142億円(対10月業績予想92億円増)となりました。営業収益に対する営業利益の比率は、前連結会計年度の13.0%に対し、当連結会計年度は13.4%となりました。 ○ 営業外損益 営業外収益は、前期比2.4%増の286億円となりました。これは、受取利息が増加したことなどによるものであります。 営業外費用は、前期比9.7%増の912億円となりました。これは、支払利息が増加したことなどによるものであります。 ○ 経常利益 経常利益は、前期比9.4%増の3,516億円(対10月業績予想106億円増)となりました。営業収益に対する経常利益の比率は、前連結会計年度の11.1%に対し、当連結会計年度は11.4%となりました。 ○ 特別損益 特別利益は、前期比78.2%増の803億円となりました。これは、投資有価証券売却益が増加したことなどによるものであります。 特別損失は、前期比41.1%増の979億円となりました。これは、人事・賃金制度改正に伴う退職給付制度改定損を計上したことなどによるものであります。 ○ 税金等調整前当期純利益 税金等調整前当期純利益は、前期比12.4%増の3,340億円となりました。営業収益に対する税金等調整前当期純利益の比率は、前連結会計年度の10.3%に対し、当連結会計年度は10.8%となりました。 ○ 親会社株主に帰属する当期純利益 親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前期比10.5%増の2,478億円(対10月業績予想108億円増)となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の198.29円に対し、当連結会計年度は219.42円となりました。また、営業収益に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前連結会計年度の7.8%に対し、当連結会計年度は8.0%となりました。 b 財政状態 当連結会計年度末の資産残高は前連結会計年度末に比べ6,465億円増の10兆8,207億円、負債残高は前連結会計年度末に比べ4,586億円増の7兆7,606億円、純資産残高は前連結会計年度末に比べ1,878億円増の3兆600億円となりました。 運輸事業においては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造などに伴う工事などに4,239億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は7兆5,220億円となりました。 流通・サービス事業においては、新規店舗の展開や既存店舗の改良などに349億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は4,324億円となりました。 不動産・ホテル事業においては、「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」、「渋谷スクランブルスクエア」建設工事など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設などに4,543億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は2兆7,656億円となりました。 その他の事業においては、システム開発などに358億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は1兆4,821億円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ328億円の資金の増加となり、7,650億円の流入となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加などによるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ941億円の資金の減少となり、8,776億円の流出となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものであります。 なお、設備投資の概要は以下のとおりです。 運輸事業に関しては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造などの設備投資を実施しました。流通・サービス事業に関しては、新規店舗の展開や既存店舗の改良などを行いました。不動産・ホテル事業に関しては、「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」、「渋谷スクランブルスクエア」建設工事など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設等の設備投資を実施しました。その他の事業においては、システム開発などの設備投資を実施しました。 また、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ613億円の資金の減少となり、1,125億円の流出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ1,350億円の資金の増加となり、1,387億円の流入となりました。 なお、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の2,334億円から285億円増加し、2,620億円となりました。 b 財務政策 グループ経営ビジョン「勇翔2034」の実現に向けて、キャッシュ・アロケーションについて、「成長資金」においては、収益力向上や生産性向上に資する投資を積極的に実施します。また、稼ぐための「基盤維持・強化資金」においては、大規模地震対策やホームドア整備など安全のレベルアップに資する投資を引き続き着実に進めるとともに、安全の確保を大前提とした投資の選択と集中を徹底します。さらに「LX資金」を新設し、革新的なイノベーションを推進します。2025年度から2031年度まで総額6.6兆円の投資を計画しています。また、株主還元については、配当性向40%をめざすこととしています。このために必要な資金については、営業キャッシュ・フローによるほか、社債の発行や金融機関からの借入等による資金調達を行っており、連結有利子負債残高は、連結営業収益、利益に応じた水準とすることを中長期的な考え方としています。具体的には、ネット有利子負債/EBITDAを2031年度に5倍程度とすることをめざしています。 「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であり、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆9,001億円となりました(なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は5兆1,622億円であります)。また、「EBITDA」とは、連結営業利益に連結減価償却費を加えた数値であり、当連結会計年度のEBITDAは8,429億円となりました。 当社グループはキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、CMS参加各社の余裕資金の運用と資金調達の管理を一括して行い、連結ベースでの資金効率の向上に努めています。また、グループ間決済の相殺やグループ内の支払業務を集約する支払代行制度などの資金管理手法を採用しています。 当社は、健全な財務体質の維持・向上及び十分な手元流動性の確保を基本方針に置き、社債の発行や金融機関等からの借入により資金調達を行っています。 当連結会計年度に国内において償還期限を2030年から2045年の間とする5本の無担保普通社債を総額1,350億円発行しました。これらの社債については、株式会社格付投資情報センターよりAA+の格付けを取得しています。また、海外において償還期限を2037年及び2045年とする2本の無担保普通社債を総額8.5億ユーロ(1,460億円)及び3億ポンド(596億円)発行しました。これらの社債は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社よりA+、ムーディーズ・ジャパン株式会社よりA1の長期債格付けを取得しています。その他、金融機関等から2,409億円の長期資金を借り入れました。なお、借入先の拡大や中期年限の活用等により安定調達と支払利息の抑制に努めました。 新幹線鉄道施設に関連する鉄道施設購入長期未払金は、元利均等半年賦支払であり、年利6.55%の固定利率により2051年9月30日までに支払われる3,020億円であります。 このほか、当連結会計年度末現在、東京モノレール㈱が1億円の鉄道施設購入長期未払金を有しています。 短期資金の需要に対応するため、当連結会計年度末現在、主要な銀行に総額3,600億円の当座借越枠を設定しています。また、コマーシャル・ペーパーについては、当連結会計年度末現在、株式会社格付投資情報センターよりa-1+、株式会社日本格付研究所よりJ-1+の短期債(CP)格付けを取得しています。なお、当連結会計年度末における当座借越残高及びコマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。さらに、当連結会計年度末現在、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を600億円設定していますが、当連結会計年度末におけるコミットメント・ラインの使用残高はありません。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた見積りや仮定のうち、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性がある項目は以下のとおりです。 a 固定資産の減損 固定資産の減損に関する仮定に関しては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。 b 退職給付債務の見積り 従業員の退職給付債務は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の数理計算上の前提条件を用いて見積りを行っています。数理計算上の前提条件と実績が異なる場合又は前提条件の変更があった場合は、翌連結会計年度の退職給付債務の見積りに影響を与える可能性があります。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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