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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

サンウェルズ

SUNWELS Co.,Ltd.9229 · Prime · サービス業

パーキンソン病専門ホーム「PDハウス」を中核とする介護事業者。難病・医療特化型住宅で差別化。

概要

サンウェルズは、石川県金沢市に本社を置く介護サービス事業者である。パーキンソン病専門ホーム「PDハウス」を中核に、医療特化型住宅、認知症対応型グループホーム、デイサービス、訪問看護・介護、福祉用具レンタル・販売、加圧トレーニングジムなどを全国展開する。2026年3月期の売上高は281億円、従業員数は3,570人。2022年6月に東京証券取引所グロース市場に上場し、2024年7月にプライム市場へ市場区分を変更した。

介護施設運営を軸とした3事業構成

サンウェルズの事業は大きく三つに分かれる。中核は介護施設の運営事業であり、売上の大半を占める。具体的には、パーキンソン病専門ホーム「PDハウス」、医療特化型住宅「太陽のプリズム」、認知症対応型グループホーム、デイサービス、訪問看護・介護、居宅介護支援などを提供する。第二に福祉用具のレンタル・販売及び住宅リフォーム事業があり、車いすやベッドの貸与、バリアフリー工事を行う。第三に加圧トレーニングジムの運営事業があるが、売上規模は小さい。これらの収入は主に介護保険、健康保険、障害福祉サービスの保険報酬と利用者の自己負担金、ホテルコストで構成される。

パーキンソン病専門ホーム「PDハウス」への集中

サンウェルズの競争力の源泉は、パーキンソン病(PD)に特化した有料老人ホーム「PDハウス」である。2026年3月末現在、56施設を展開し、売上高251億円を計上する(全社売上の89%)。パーキンソン病は進行性神経難病で、適切な服薬管理とリハビリテーションが重要だが、専門的なケアを提供する施設は少ない。PDハウスでは、大学病院や専門医と連携し、専門医監修のリハビリプログラム、24時間看護体制、服薬管理を提供する。また、医療保険や障害福祉サービスの対象となるため、介護保険売上に加え医療保険売上も得られ、入居者単価が高くなる構造を持つ。

急成長と収益性の変動

サンウェルズの売上高は2018年3月期の25億円から2026年3月期には281億円へと約11倍に拡大した。しかし、2026年3月期は営業損失12億円、当期純損失17億円と赤字に転落した。要因として、PDハウスの新規開設に伴う初期費用の計上、再発防止策の実行による運営体制の見直しが挙げられる。一方で、代表取締役から10億円の寄付を受け入れ、財務基盤の強化を図った。2025年5月から2026年2月にかけて12のPDハウスを新規開設するなど、積極的な出店を継続しており、収益性は一時的に低下している。経営指標として売上高と経常利益率、有料老人ホームの稼働率を重視している。

業界の中での役割は介護サービス提供事業者(有料老人ホーム・グループホーム・デイサービス・訪問介護・福祉用具等)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
281億円
営業利益
-12億円
営業利益率
-4.3%
純利益
-17億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
PDハウス252億円89.4%
医療特化型住宅18億円6.4%
デイサービス5億円1.8%
福祉用具事業5億円1.8%
グループホーム2億円0.7%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01介護施設の運営事業主力

パーキンソン病専門ホーム「PDハウス」、医療特化型住宅「太陽のプリズム」、認知症対応型グループホーム、デイサービス、訪問看護・介護、居宅介護支援等の介護保険・医療保険対象サービスを全国展開。

パーキンソン病専門ホーム「PDハウス」は独自の専門性を持つ

主な製品・サービス8
PDハウス(パーキンソン病専門ホーム)
パーキンソン病患者向け有料老人ホーム。専門医連携によるリハビリ・服薬管理・24時間看護を提供。
太陽のプリズム(医療特化型住宅)
認知症・がん・難病者向け有料老人ホーム。医師・看護師の24時間医療ケア提供。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
認知症高齢者が少人数で共同生活する施設。家庭的な環境で日常生活支援。
デイサービス(通所介護)
民家型「太陽のひだまり」とリハビリ型「太陽のリゾート」を展開。個別リハビリ・機能訓練を提供。
訪問看護/介護予防訪問介護
看護師等が自宅を訪問し療養上の世話・診療補助。PDハウス等と併設。
訪問介護/介護予防・日常生活支援総合事業
ホームヘルパーによる身体介助・生活援助。PDハウス等と併設。
居宅介護支援
ケアマネージャーによるケアプラン作成・介護保険申請支援。
居宅介護/重度訪問介護
障害者総合支援法に基づく障害者向け居宅介護・重度訪問介護。

02福祉用具のレンタル、販売及び住宅のリフォーム事業その他

車いす・歩行器・ベッド等の福祉用具レンタル・販売、バリアフリー工事の提案・施工。利用者に最適な用具・工事を提供。

主な製品・サービス2
福祉用具レンタル・販売
車いす、歩行器、ベッド等のレンタル及び販売。専門相談員が最適品を提案。
住宅リフォーム
手すり取付・段差解消等のバリアフリー工事。

03加圧トレーニングジムの運営事業その他

加圧トレーニングジムを運営。腕・脚の付け根をベルトで締めて血流制限下でトレーニング。アメニティ無料貸出。

主な製品・サービス1
加圧トレーニングジム
専用ベルトを用いた加圧トレーニングサービス。

製品と技術

パーキンソン病専門ホーム「PDハウス」

PDハウスは、パーキンソン病(PD)患者に特化した有料老人ホーム(住宅型有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅)である。2026年3月末現在56施設を展開し、売上高251億円を計上。大学病院や専門医と連携し、専門医監修のリハビリプログラム、24時間看護体制、服薬管理を提供する。入居者一人ひとりの状態に応じたリハビリを実施し、看取りまで対応可能。医療保険・障害福祉サービスの対象となる患者を受け入れるため、介護保険売上に加え医療保険売上も得られ、入居者単価が高い。パーキンソン病は進行性神経難病で、適切な薬剤コントロールとリハビリが重要だが、専門施設が少ないため差別化されている。

医療特化型住宅「太陽のプリズム」

「太陽のプリズム」は、認知症、がん、難病患者を対象とした医療特化型有料老人ホームである。2026年3月末現在5か所で運営。医師や看護師による24時間の医療ケア、生活支援を提供し、末期がんや難病の患者の不安定な状態をモニタリングして緊急時に対応する。在宅医との連携により医療処置を提供し、病院と在宅の間で最期まで自分らしい暮らしを支援する。売上高は18億円(全社の6.4%)で、PDハウスに次ぐ収益源となっている。

デイサービスとグループホーム

デイサービスは、民家型「太陽のひだまり」とリハビリ型「太陽のリゾート」の2種類を展開する。「太陽のひだまり」は「家」をコンセプトに、エステサービスやお泊りデイサービス、認知症専門の事業所がある。「太陽のリゾート」は作業療法士・理学療法士・言語聴覚士が個別リハビリを提供し、専用ツールや機能訓練マシンを活用する。グループホームは認知症対応型共同生活介護で、9人×2ユニットの少人数制。家庭的な雰囲気の中で日常生活をスタッフと共同で行い、認知症状の安定を図る。2026年3月期のデイサービス売上は4.6億円、グループホームは1.7億円。

福祉用具事業と加圧トレーニング事業

福祉用具事業では、車いす、歩行器、ベッド等のレンタル・販売と、手すり取付・段差解消などの住宅リフォームを提供する。福祉用具専門相談員が利用者に最適な用具を提案し、アフターメンテナンスも行う。2026年3月期の売上高は5億円。加圧トレーニングジム事業は、腕・脚の付け根をベルトで締めて血流制限下でトレーニングを行う独自のサービスを提供する。売上高は0.3億円と小規模だが、介護事業とのシナジーを図っている。両事業とも介護施設運営の補完的な位置づけである。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

サービス業のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 介護施設の運営事業パーキンソン病専門ホーム「PDハウス」は独自の専門性を持つ

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

サービス業、売上成長も収益性悪化傾向

売上高は281億円と拡大傾向にあるが、営業利益率は前期4.15%から今期▲4.27%へ赤字転落した。同業のジンジブやイシンは非開示だが、利益率が低く変動しやすい業態となっている。JSHやダイブも含め、差別化が難しくコスト競争に晒されやすい。財務内容は不明だが、赤字が続けば資金繰りに影響する可能性がある。

強み

  • 前期比で売上高が増加しており、事業規模は拡大している。
  • 売上高281億円は同業他社の中では大きい方で、一定の存在感を持つ。
  • 売上増加から新規顧客の獲得や既存顧客の拡大が推測される。
  • 売上増加はサービスラインナップの拡充を示唆する。

課題

  • 営業赤字転落しており、売上拡大が利益に結びついていない。
  • 売上増加にもかかわらず赤字化はコスト増加が原因の可能性。
  • 同業他社とのサービス差別化が不十分で、価格競争に陥りやすい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医療機器・介護の時価総額近傍。太字がサンウェルズ

時価総額で並べると、掲載6社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
12462ライク314億円12.7倍
26298ワイエイシイホールディングス247億円17.5倍
33649ファインデックス219億円17.8倍
43154メディアスホールディングス178億円18.9倍
57600日本エム・ディ・エム174億円66.1倍
69229サンウェルズ40億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(医療機器・介護)に従っています。

会社の歴史

沿革 14件

建築業から介護事業への転換(1979年〜2006年)

サンウェルズの起源は、1979年12月に石川県金沢市で建築業を目的に設立された有限会社アイテム商業建築研究所である。2001年8月に株式会社アイテムに組織変更した。その後、介護事業への参入を決定し、2006年9月に通所介護サービスの提供を目的として株式会社ケア・コミュニケーションズ(後のサンウェルズ)を設立。同年11月には民家型デイサービス「和の家デイサービス(現:太陽のひだまり窪)」を金沢市に開設し、介護事業を本格化させた。

グループ会社の統合と商号変更(2007年〜2011年)

2007年7月、株式会社アイテムは訪問介護サービスを目的に株式会社セントラルケアスタッフを設立。2008年5月にはグループホームサービスを目的に株式会社サライを設立し、同年に「グループホームサライ(現:太陽のプリズム窪)」を開設した。2011年4月、経営効率化のためケア・コミュニケーションズがセントラルケアスタッフとサライを吸収合併し、株式会社アイテムの子会社となると同時に商号を株式会社サンウェルズに変更。さらに同月、住宅型有料老人ホーム「太陽のプリズム河原」を加賀市に開設した。

子会社化と事業再編(2013年〜2018年)

2013年10月、加圧トレーニングジム運営を目的に株式会社SUN加圧スタジオを設立。同年12月、中長期的な企業価値向上のため株式交換により株式会社アイテムを子会社化した。2018年2月、経営効率化を目的にSUN加圧スタジオとアイテムを吸収合併し、事業を一本化。同年6月にはパーキンソン病患者専門フロア「リライフ白山(現:PDハウス白山)」を白山市に開設し、パーキンソン病専門施設の展開を本格化させた。

PDハウス全国展開と上場(2019年〜2022年)

2019年6月、パーキンソン病専門住宅型有料老人ホーム「PDハウス野芥」を福岡市早良区に開設し、全国展開を加速。2022年6月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場した。上場時の資金調達を機にPDハウスの出店ペースを速め、2024年7月には東京証券取引所プライム市場へ市場区分を変更した。この間、売上高は2022年3月期の82億円から2024年3月期には201億円へと急成長した。

急拡大の反動と収益悪化(2023年〜2026年)

2025年2月、再発防止策の策定と関係者の処分を公表し、運営体制の見直しを実施。これにより収益性が大幅に低下した。一方、2025年5月から2026年2月にかけてPDハウスを12施設新規開設(桜山、大津、岡山辰巳、浜松和合、稲毛、東浦和、石神井公園、清田、中央林間、宇都宮細谷町、岐阜、鳳、中野白鷺)し、営業エリアを拡大した。2026年3月期は売上高281億円に達したが、営業損失12億円、当期純損失17億円と赤字に転落。代表取締役から10億円の寄付を受け入れ、財務基盤の強化を図った。

年表14件を開く

1970年代

  • 1979年12月創業建築業を目的として有限会社アイテム商業建築研究所を石川県金沢市に設立

2000年代

  • 2001年8月創業有限会社アイテム商業建築研究所を組織変更し、株式会社アイテムを設立
  • 2006年9月創業通所介護サービスの提供を目的として株式会社ケア・コミュニケーションズ(現:株式会社サンウェルズ)を石川県金沢市に設立
  • 2006年11月民家型デイサービス「和の家デイサービス(現:太陽のひだまり窪)」を石川県金沢市に開設
  • 2007年7月創業訪問介護サービスの提供を目的として株式会社アイテムが株式会社セントラルケアスタッフを石川県金沢市に設立
  • 2008年5月創業グループホームサービスの提供を目的として株式会社アイテムが株式会社サライを石川県金沢市に設立 株式会社サライが「グループホームサライ(現:太陽のプリズム窪)」を石川県金沢市に開設

2010年代

  • 2011年4月M&A株式会社ケア・コミュニケーションズが経営の効率化を目的として株式会社セントラルケアスタッフ及び株式会社サライを吸収合併し、株式会社アイテムの子会社となり、株式会社サンウェルズに商号変更 住宅型有料老人ホーム「太陽のプリズム河原」を石川県加賀市に開設
  • 2013年10月創業加圧トレーニングジムの運営を目的として株式会社SUN加圧スタジオを石川県金沢市に設立
  • 2013年12月M&A中長期的な企業価値向上を目的として株式交換により株式会社アイテムを子会社化
  • 2018年2月M&A経営の効率化を目的として株式会社SUN加圧スタジオ及び株式会社アイテムを吸収合併
  • 2018年6月住宅型有料老人ホーム「太陽のプリズム白山annex」内にパーキンソン病患者専門フロア「リライフ白山(現:PDハウス白山)」を石川県白山市に開設
  • 2019年6月パーキンソン病専門住宅型有料老人ホーム「PDハウス野芥」を福岡県福岡市早良区に開設

2020年代

  • 2022年6月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2024年7月東京証券取引所プライム市場への市場区分変更

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 「PDハウス」施設数全国56施設(3,070床)

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    PDハウスのブランド構築

    パーキンソン病専門施設として、大学病院や研究機関と共同研究を進め、効果的なリハビリや新サービスを開発。転倒検知システムや三次元オンライン診療を検証し、専門性で競合の参入障壁を築く。

  2. 02

    PDハウスの事業拡大

    大都市圏での連続開設によるエリア囲い込みと利益最大化、地方中核都市では最初の一施設を開設後、周辺へ展開して高シェアを狙う。現在は収益モデル転換等のため新規開設を一時見合わせ。

  3. 03

    PDハウスを中心とした事業展開

    進行期患者向けのリハビリノウハウを活用し、軽度患者向けのリハビリサービスも提供拡充。各地のPDハウスで得た専門性を基盤に、より多くのパーキンソン病患者へサービスを届ける。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 5期分

グループ全体で3,570人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は484万円で、4期前と比べて+48.7%平均年齢は39.6歳、平均勤続年数は2.4年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2022年3月32639.22.61,081
2023年3月46238.71.91,747
2024年3月48239.02.02,435
2025年3月48439.42.03,30233
2026年3月48439.62.43,570−34

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率29.1%
縦線は目安の30%
男性育休取得率77.6%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)88.1%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
PDハウス石神井公園 — 東京都練馬区1,232百万円
PDハウス八王子 — 東京都八王子市946百万円
PDハウス板橋 — 東京都板橋区909百万円
PDハウス稲毛 — 千葉県千葉市稲毛区905百万円
PDハウス東浦和 — 埼玉県さいたま市緑区893百万円
PDハウス八千代中央 — 千葉県八千代市880百万円
PDハウス越谷 — 埼玉県越谷市879百万円
PDハウス南柏 — 千葉県柏市876百万円
PDハウス用賀 — 東京都世田谷区870百万円
PDハウス神戸深江本町 — 兵庫県神戸市東灘区863百万円
ほか2件の開示あり

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は281億円営業利益-12億円前期と比べると増収減益で、売上が+6.0%、利益が-209.1%。

売上高
+6.0%
281億円
営業利益
-209.1%
-12億円
純利益
-17億円
営業利益率
-4.3%
前期比 -8.4%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高289億円281億円
営業利益4億円-12億円
純利益-11億円-17億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は73億円、営業利益は−3億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+58.7%、営業利益は−150.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q35−2
2024年1Q46613.04
2024年2Q51815.75
2024年3Q561017.96
2024年4Q48−7
2025年2Q131129.22
2025年4Q134−1−0.7−11
2026年2Q134−10−7.5−15
2026年4Q147−2−1.4−2
2027年1Q73−3−4.1−6

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 9期分

2018年3月期からの9期で、売上は25億円から281億円へ11.2倍に増えた。直近期の営業利益率は-4.3%。売上は8期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
経営の効率化を目的として株式会社SUN加圧スタジオ及び株式会社アイテムを吸収合併
2018年3月2500
パーキンソン病専門住宅型有料老人ホーム「PDハウス野芥」を福岡県福岡市早良区に開設
2019年3月3421
2020年3月4421
2021年3月5432
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2022年3月8210
2023年3月13273
2024年3月201178
2025年3月2651144.2−9
2026年3月281−12−22−4.3−17

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高281億円のうち、営業利益として残るのは-12億円-4.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-17億円、売上の-6.0%にあたる。営業利益率は業種中央値7.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金90.0%253億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金14.2%40億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-4.3%-12億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
10.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比11.8pt
-4.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比11.1pt
-6.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-3.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-2.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 7期分

2026年3月期は営業CFが−3億円、投資CFが−13億円で、差し引きのフリーCFは−16億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は41億円で、売上の1.8ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2020年3月3−6−8−35
2021年3月2−65−45
2022年3月4−66−28
2023年3月11−2027−926
2024年3月26−5738−3133
2025年3月19−4448−2556
2026年3月−3−131−1641

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 9期分

2026年3月期の総資産は456億円。このうち返さなくてよい自己資本が70億円で、自己資本比率は15.2%(業種中央値53.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2018年3月383358.1
2019年3月394359.6
2020年3月3553014.1
2021年3月4874114.2
2022年3月916856.9
2023年3月1934714624.1
2024年3月3165226416.4
2025年3月3908630422.0
2026年3月4567038715.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
41億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-17億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
387億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
30
/ 100
安定性自己資本比率10 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

サービス業 534社との比較

同じサービス業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率534社中302位あたり、逆に低いのは自己資本比率534社中515位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 11.8%
P25 6.0%P75 18.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-4.3%/中央値 7.5%
P25 3.5%P75 12.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
15.2%/中央値 53.4%
P25 36.8%P75 69.7%
売上成長率前期からの売上の伸び
6.0%/中央値 7.2%
P25 1.6%P75 16.0%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.0%/中央値 3.1%
P25 1.9%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥114で、1年前と比べて-84.6%過去52週の値幅のなかでは1%の位置にある。

¥114-0.9%1ヶ月-4.2%1年-84.6%時価総額40億円
過去52週の値幅
安値¥109高値¥776

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR0.58倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1ヶ月で+9.4%と上昇したが、週足では乱高下。25日線(142円)を下回り、75日線(183円)から大きく乖離。52週高値(982円)から約85.7%下落した低位株。6月24日に420万株の異常な出来高を記録、投機的な値動き。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 80/100)

PBR 0.65倍は業界平均の2.42倍を大きく下回る。ROE 16.3%と収益性は高いが、配当利回りは0%と無配。直近の業績悪化によりPERは算出不可だが、資産面では割安感が強い。配当が伸び悩む点がリスク。

指標この会社業種平均
PBR0.58倍3.51倍
ROE16.3%12.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

業績が急拡大した後に急減速し、2025年3月期・2026年3月期は営業赤字転落の見通し。強気派は「回復のきっかけを探る」段階だが、材料に乏しい。弱気派は「過去の利益は一過性で、構造的に低収益」と見る。介護報酬改定や人手不足の影響、M&Aによる成長戦略の成否が焦点。

プラスに働く材料7
  • 業績底入れ近い

    2024年3月期は黒字で、赤字は一時的コスト増が原因

  • 介護需要の伸び

    高齢化進展で中長期的な需要は堅調

  • M&Aによる規模拡大

    過去に施設数を増やし売上成長を実現

  • 赤字事業の抜本改革で黒字転換2027年3月期影響

    営業利益-12億円から再生計画、固定費削減

  • 新規事業の立ち上がり不定影響

    サービス多角化で収益源確保

  • 株価急落後のバリュエーション妙味継続影響

    PBR0.65倍、資産価値評価

  • 外部資本の活用(増資等)次回株主総会影響

    第三者割当増資など資金調達で財務改善

マイナスに働く材料7
  • 赤字転落の深刻さ

    2025年3月期は営業利益率4.15%から-4.27%へ急落

  • 人手不足のコスト増

    介護職員不足で人件費上昇が利益を圧迫

  • PBR低位でバリュートラップ

    PBR0.65倍だがROE16%は過去のもの、実質的な価値は低い

  • 赤字拡大で債務超過リスク2026年下期影響

    純損失17億円、自己資本毀損で財務悪化

  • 事業撤退・減損損失の計上不定影響

    のれん・固定資産減損の可能性

  • 大口顧客の喪失リスク2026年影響

    売上高281億円、特定顧客依存

  • 信用不安で取引先対応硬化継続影響

    継続企業の前提懸念、資金調達難

次の決算で確かめる点
営業利益率
黒字回復の兆しを示す最重要指標
入居率
稼働率低下が収益悪化に直結
人件費比率
人手不足の影響度を測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり0いまの株価に対する利回りは0.00%。

年間配当
¥0
1株あたり
配当利回り
0.00%
いまの株価に対して
配当性向
52.7%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ7,470人。区分でいちばん多いのは事業法人39.3%。グループ会社や銀行などの安定株主が42.0%を占め、残る58.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
事業法人38.839.139.639.3
個人・その他100.037.442.136.435.6
外国法人9.98.720.919.4
自己株式34.115.214.17.97.9
金融機関11.88.12.42.7
証券会社2.11.90.52.7
外国人個人0.00.00.20.3

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社杏38.33
02苗代 亮達11.09
03BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)5.45
04DBS BANK LTD.700104(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)4.45
05JP JPMSE LUX RE UBS AG LONDON BRANCH EQ CO(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.93
06日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)2.17
07MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)1.06
08UBS証券株式会社1.06
09GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)0.91
10DBS BANK LTD FOR G.K.GOH STRATEG IC HOLDINGS PTE LTD 700551(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.91

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-07-07
    BofA証券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.00%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 9期分

1株利益は9期で−100%、1株純資産は9期で−100%。直近期のROEは16.3%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2018年3月16,473391,7584.3121.4
2019年3月107,370479,12724.718.6
2020年3月62134.735.0
2021年3月93036.539.5
2022年3月1273.1426.9
2023年3月1115611.9233.382.8
2024年3月2717216.3103.052.7
2025年3月−29266
2026年3月−51215

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2026/3期の役員報酬は総額54百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
苗代亮達代表取締役 社長5317,404,700
上野英一取締役 コーポレート本部長7345,000
新俊彦取締役57
山本英博取締役(常勤監査等委員)68
畠善昭取締役(監査等委員)79
中西祐一取締役(監査等委員)50
中島恵子取締役(監査等委員)52

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2363618
監査等委員413133
取締役(社内)1555

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容7,798字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社の事業は介護事業の単一セグメントです。当社は、介護施設の運営を中心とする事業会社であります。介護施設の運営事業において当社が提供するサービスは、介護保険法、健康保険法及び障害者総合支援法の適用を受けるため、サービス提供時には、自己負担金として1~3割を利用者に請求し、残りの7~9割の費用は国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金に請求して保険給付を受けております。そのため、当社の主な収入は、介護保険、健康保険及び障害福祉サービスによる保険報酬であります。また、介護施設の運営事業のほか、福祉用具のレンタル、販売及び住宅のリフォーム事業や加圧トレーニングジムの運営事業等を行っております。 事業の内容は下記のとおりであります。なお、(※)を付している用語に関しましては、章末に「用語解説」として用語の解説を記載しております。 a.介護施設の運営事業 当社では、老人福祉法、介護保険法、健康保険法及び障害者総合支援法に基づく必要な許認可等を取得したうえで、利用者の身体の状態や環境に合わせて以下の各種介護サービスを提供しております。当社の売上高は、主にこれらのサービスの提供によって各都道府県の国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金の審査支払機関から得る介護保険、健康保険及び障害福祉サービスによる保険給付と、利用者から得る自己負担金及び保険適用外であるホテルコスト(家賃、光熱費、食事管理費、管理費)等により構成されております。 サービス   対象となる利用者 パーキンソン病専門ホーム (有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅)   パーキンソン病患者 医療特化型住宅 (有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅)   がん等の難病患者、要介護認定(※)を受けた方、認知症患者 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)   認知症患者 通所介護(デイサービス)   介護保険認定を受けた方、認知症の方 訪問看護/介護予防訪問介護   介護保険若しくは医療保険の認定を受けた方で健康上の問題や生活上の障害のある方 訪問介護/介護予防・日常生活支援総合事業   介護保険認定を受けた方 居宅介護支援   介護を検討されている方 居宅介護/重度訪問介護   障害支援区分認定を受けた方 介護施設の運営事業における主なサービスの特徴は下記のとおりです。 (1)パーキンソン病専門ホーム(有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅):「PDハウス」 当社では、高齢者向け住宅を運営し、それぞれ利用者のニーズに適した「住まい」をご提案しており、中核事業としてパーキンソン病専門の有料老人ホーム(住宅型有料老人ホーム並びにサービス付き高齢者向け住宅)として「PDハウス」(PD:Parkinson's Diseaseの略 パーキンソン病の意)を当事業年度末で56施設を展開しております。 パーキンソン病は高齢化とともに患者数が増えている病気の一つで、脳内のドーパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変性疾患であり、国の指定難病(※)にも指定されております。パーキンソン病の主な症状には、「手、足が震える」、「動きが遅くなる」、「筋肉がこわばる」、「倒れやすくなる」が挙げられます。その他では、自律神経症状、精神症状、認知障害、睡眠障害などの症状もあります。これらの症状が徐々に進行するのがパーキンソン病の特徴であり、症状は多岐にわたり、世界的にも根治する治療法の確立には至っておりませんが、適切な薬剤コントロールとリハビリテーションを組み合わせることで、進行を遅らせることが可能になります。ただ、通いリハビリには限度があるため入院以外では十分なリハビリテーションを受けられる場所が少ないこと、症状により病院に通うことに支障が出始めるため専門医による診察が受けにくくなること、薬の量や服薬頻度の増加に伴い適切な服薬管理が難しくなることが課題として挙げられます。さらに、症状は患者によって多種多様で、1日の中でもその症状が変化することがあり、介護をするには高度な専門知識と豊富な経験が必要となりますが、専門医が少ないため効果的な治療を受けられる施設も少ないのが現状です。 「PDハウス」は、パーキンソン病患者の症状に合わせた十分なリハビリテーションを高い頻度で受けることが可能なパーキンソン病専門の有料老人ホームであり、大学病院や専門医と連携することにより、専門医監修によるパーキンソン病に特化したリハビリプログラムや最新の情報をリハビリテーションに取り入れ、入居後にアセスメント(※)を行い、入居者様お一人お一人の状態に応じたリハビリを提供し評価していきます。また、専門の医師が訪問診療を行うことで入居後も安心して専門的治療を継続できる体制を整えており、早期診断・治療が可能となります。さらに「PDハウス」の看護師・介護・リハビリ職員とのチーム医療体制を築いており、安心・安全で豊かな生活環境を目指しています。パーキンソン病は特に薬剤コントロールが重要となりますが、当施設は看護師による適切な服薬管理などを24時間体制で支援しており、細かな症状の変化や副作用の状況も適切に把握することができ、看取りまで対応可能としております。また、医療処置も施設内で提供が可能なため、脳神経内科の訪問診療医師の指導の下、安心して生活いただけます。 「PDハウス」では、ケアの技術を特定の疾患に集中させることで、質の高いサービスを提供することが可能と考えております。また、「PDハウス」では、医療保険・障害福祉サービスの対象となるパーキンソン病患者を受け入れているため、介護保険売上と賃料・食費等売上に加え、医療保険売上及び障害福祉サービスに係る報酬が上乗せされることで、入居者一人当たりの単価が増加します。 なお、当社の有料老人ホームにはサービス付き高齢者向け住宅も含みます。有料老人ホームとは老人福祉法により介護等のサービス提供を目的とした施設であり、サービス付き高齢者向け住宅とは高齢者の居住の安定確保に関する法律により介護・医療と連携し(別途契約)、高齢者が安心して暮らしていけるようなサービスを提供する賃貸住宅です。 (2)医療特化型住宅(有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅):「太陽のプリズム」 医療特化型の有料老人ホームとして「太陽のプリズム」を当事業年度末で5か所にて運営しております。 「太陽のプリズム」は、認知症、がん、難病の患者を対象に暮らしながら医師や看護師の医療ケア、生活支援を受けられる施設です。また、がん治療や難病の方のケアについては、スタッフ間での情報共有や社内外の研修受講等により、提供するケアの水準を統一し、サービス品質の向上に努めております。 医療特化型住宅の特徴としましては、当社では看護師の配置もしくはオンコール対応により看護師の対応を24時間可能としており、末期がんや難病の方の不安定な状態をモニタリングし、緊急時には迅速に対応することができる体制を整備しております。また、24時間体制で看護師や介護士が医師と連携して、高いQOL(Quality of Life)(生活の質)の提供にこだわっております。さらに、在宅医との連携により的確な医療処置を提供しております。末期がんや難病の方、そのご家族の声に応えられるように、そして1日でも長く、利用者の方が病院と在宅の間の最期まで自分らしい暮らしができるよう、サービスの提供に取り組んでおります。 (3)認知症対応型共同生活介護(グループホーム):「太陽のプリズム窪」、「太陽のプリズム徳光」 認知症の診断を受けた方を対象に、少人数で共同生活をしながら専門的なケアを提供する認知症対応型共同生活介護(以下、「グループホーム」と言います。)サービスを提供しております。 グループホームでは、共同住宅の形態で、認知症の方が少人数(9人×2ユニット)で生活をしており、当事業年度末で2か所にて運営しております。家庭的な雰囲気の中、食事の支度や掃除、洗濯などの日常生活をスタッフと共同で行うことにより、認知症状が穏やかになり安定した生活を実現しております。 畑で野菜や花を育てたり、できる家事を行ったり、好きな趣味を楽しんだりと、利用者の方の能力を最大限に発揮できるような環境を提供し、楽しみや潤いのある日常の生活を送ることができるように支援しております。 (4)通所介護(デイサービス):民家型デイサービス「太陽のひだまり」、リハビリ型デイサービス「太陽のリゾート」 日常生活機能の向上を目的として、利用者の方が日帰りで通いながら入浴や食事の生活支援、個別リハビリ、機能訓練レクリエーションのほか、癒しや娯楽などのサービスを受けられる通所介護(デイサービス)サービスを提供しております。また、認知症患者に対応した施設もあります。 当社のデイサービスは民家型及びリハビリ型の2種類があります。民家型デイサービス「太陽のひだまり」は“家”をコンセプトにしており、当事業年度末で3か所にて運営しております。施設ではなく、“我が家”で過ごす1日をコンセプトとしてサービスを提供しており、それぞれの事業所に異なる特徴があります。「太陽のひだまり窪」はエステサービス、「太陽のひだまり木津」はお泊りデイサービス、「太陽のひだまり徳光」は認知症の方を専門としております。リハビリ型デイサービス「太陽のリゾート」では、作業療法士・理学療法士・言語聴覚士が利用者のお体の状態にあったリハビリプログラムを提供しており、当事業年度末で3か所にて運営しております。専用ツールを使った全身ストレッチや、コンピュータ管理の機能訓練マシン等を活用し、リハビリの効果を実感していただけるよう取り組んでおります。 (5)訪問看護/介護予防訪問介護 利用者に対する訪問看護サービスを提供し、このことに対して、国民健康保険団体連合会等の審査支払機関から得た報酬(医療保険制度による場合は診療報酬、介護保険制度による場合は介護報酬)を主に売上として計上します。(一部利用者の自己負担(1~3割)あり、以下各報酬に対する売上について同じ) 訪問看護は、老人福祉法の改正(1992年)により創設された老人訪問介護制度に基づき事業化されたもので、何らかの病気や障害のある方が、自宅で療養生活を送ることを希望した際に、主治医から交付される訪問看護指示書に基づき、療養上の世話及び診療の補助を実施していくものであります。 当社では、国家資格又は都道府県知事資格免許をもった看護師、准看護師、保健師、理学療法士、作業療法士等が訪問し、住み慣れた地域やご家庭で、その人らしい療養生活を送れるよう支援するサービスを提供しております。具体的には日々の健康管理、医師の指示による医療処置、人工呼吸器等の医療機器の管理、在宅リハビリテーション、ご家族等への介護相談及びアドバイス等を実施しております。 当社では、原則として、「PDハウス」及び医療特化型住宅の同一敷地内に訪問看護事業所を併設し、利用者に対して訪問看護サービスを提供しております。 (6)訪問介護/介護予防・日常生活支援総合事業 利用者に対する訪問介護サービス等を提供し(5)同様、国民健康保険団体連合会等の審査支払機関から得た報酬を主に売上として計上します。 訪問介護員(ホームヘルパー)(※)や介護福祉士(※)が要介護者の自宅を訪問し、食事、入浴、排泄など直接身体に触れる身体介助、及び掃除、洗濯、調理などの家事面における生活等に関する相談、助言(生活援助)を受けることができます。 当社では、原則として、「PDハウス」及び医療特化型住宅の同一敷地内に訪問介護事業所を併設し、利用者に対して訪問介護サービスを提供しております。訪問介護サービスは介護支援専門員(ケアマネージャー)(※)作成のケアプランに基づき提供しております。 当社が提供したサービスの対価は、原則として、サービス利用料の1〜3割を利用者に請求し、残り7〜9割を国民健康保険団体連合会等の審査支払機関に請求します。 (7)居宅介護支援 介護サービスを利用する際に必要な要介護認定(※)の取得を含む介護保険申請及び介護支援専門員(ケアマネージャー)(※)による介護計画(ケアプラン)の作成の支援を行っております。 当社では、当事業年度末で居宅介護支援事業所を石川県に3か所、富山県に1か所で運営しております。なお、当社の利用者は外部の居宅介護支援事業所のサービスを受けることが可能であり、その選択は自由であります。また、当社の介護支援専門員(ケアマネージャー)(※)が、当社の利用者以外の利用者への外部提供も行っております。 当社の介護支援専門員(ケアマネージャー)(※)がケアプランを作成するなど、要介護認定者の介護保険サービス利用を支援した場合、介護保険での報酬を請求し、これを売上として計上いたします。報酬額はサービス利用者の介護度に応じて設定されており、居宅介護支援サービスについては、利用者の負担はなく全額が介護保険から給付されます。 (8)居宅介護/重度訪問介護 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づき、障害のある方が住み慣れた地域で生活するため、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした居宅介護サービス及び重度訪問介護サービスの提供を行うものです。 重度訪問介護とは、重度の肢体不自由者で常に介護を必要とする方(2014年4月より対象者が重度の知的障害者・精神障害者に拡大)に自宅で、入浴、排泄、食事の介護、外出時における移動支援などを総合的に行うものであります。 これらのサービスは、個々の方の障害程度や勘案すべき事項(社会活動や介護者、居住等の状況)を踏まえ、個別に報酬の支給決定が行われます。当社ではこれらのサービスの提供に基づく報酬を売上として計上します。 b.福祉用具のレンタル、販売及び住宅のリフォーム事業(福祉用具事業) 当社では、介護に関連する事業として、車いす、歩行器、ベッド等の福祉用具のレンタル・販売事業及びバリアフリー工事の提案・施工を行う住宅のリフォーム事業を展開しております。福祉用具のレンタル・販売事業では、当社の福祉用具専門相談員の資格を持つ専任スタッフが、利用者に最適な福祉用具のご提案やアフターメンテナンスを行っております。また、住宅のリフォーム事業では、利用者の状態に合わせて、ご自宅に手すりを取り付けたり、段差を解消したりといったバリアフリー工事を行っております。 c.加圧トレーニングジムの運営事業(加圧トレーニング事業) 上記のほか、当社では加圧トレーニングジムを運営しております。加圧トレーニングとは、腕と脚のつけ根を専用のベルトで締め、血流を制限した状態で行うトレーニングです。各店舗には無料の貸出アメニティ(ウエア・タオル等)を揃えており、何も用意せずに来店してもトレーニングを受けることができます。 なお、当社の報告セグメントは、上記のとおり介護事業の単一セグメントですが、サービス別では①パーキンソン病専門ホーム(PDハウス)、②医療特化型住宅、③認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、④通所介護(デイサービス)、⑤居宅介護支援、⑥福祉用具事業、⑦加圧トレーニング事業となり、各サービスと売上内容は、以下のとおりです。 (介護・医療等)保険売上   食事提供売上   不動産売上   その他収入売上   福祉用具売上   加圧売上 ① PDハウス   〇   〇   〇   〇   -   - ② 医療特化型住宅   〇   〇   〇   〇   -   - ③ グループホーム   〇   〇   〇   〇   -   - ④ デイサービス   〇   〇   -   〇   -   - ⑤ 居宅介護支援   〇   -   -   〇   -   - ⑥ 福祉用具事業   〇   -   -   -   〇   - ⑦ 加圧トレーニング事業   -   -   -   -   -   〇 (注)1.(介護・医療等)保険売上は、主に介護保険報酬、医療保険報酬となります。 2.食事提供売上は、主に利用者の食事代で利用者の自己負担となります。 3.不動産売上は、主に利用者の施設家賃代、光熱費負担代等で利用者の自己負担となります。 4.その他収入売上は、利用者自費サービス(保険対象外)となります。 5.⑤居宅介護支援の売上高は、拠点となる①PDハウス、②医療特化型住宅の売上高に計上しております。 当社の事業系統図は下記のとおりです。 [事業系統図] ※福祉用具のレンタル、販売及び住宅のリフォーム事業と加圧トレーニングジムの運営事業については、売上金額が僅少であるため、事業系統図に記載しておりません。 (用語解説) 用語   解説 要介護認定   要介護認定とは、介護保険サービスを受けるときに必要となる調査のことで、介護保険制度では、65歳以上の人は介護保険の被保険者として介護サービスが利用できるようになりますが、無条件に誰もが利用できるわけではなく、利用するにあたって最初に審査を受けなければなりません。要介護認定を申請し、「介護の必要度はどの程度か」「どのようなサービスが必要か」などの認定調査を経て、その判定結果に基づいて介護保険サービスが受けられるようになります。 指定難病   難病の患者に対する医療等に関する法律において、①発病の機構が明らかでなく②治療方法が確立していない③希少な疾患であって④長期の療養を必要とする疾患、と定義されております。さらに、この4つの要件に加え患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度、およそ12万人強)に達しないこと、客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していることの2要件を満たす疾患を「指定難病」とし、この指定難病を医療費助成の対象とする、と規定されました。 アセスメント   アセスメント(assessment)とは、一般的に「評価・査定」の意味をもつ言葉ですが、介護におけるアセスメントは、利用者の状態や生活環境等の情報を収集、総合的に分析し、利用者が抱えている課題を明確にすることです。 訪問介護員 (ホームヘルパー)   利用者の家庭を訪問し、介護、家事、関係機関との連絡、介護に関する相談、助言を行うものであります。介護保険法に基づく訪問介護をするには介護職員初任者研修以上の研修が条件となります。 介護福祉士   高齢者及び心身障害者のお世話又は相談ができる国家資格で、介護保険法に基づく訪問介護もできます。 介護支援専門員 (ケアマネージャー)   要介護認定申請の代行及び認定調査やケアプランの作成、各サービス事業者との連絡調整を行うために必要となる専門資格です。
経営方針・対処すべき課題5,606字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 (a)経営理念 当社は経営理念として「自らが輝き、人を元気にする」を掲げております。当社のお客様は、体に不都合を持たれている方が多く、その影響で心も沈みがちになっている方もいるかもしれません。当社は介護という仕事を通して、お客様の「心」を元気にしたいと考えております。その為には、お世話をさせていただく私たちが暗く後ろ向きではいけません。お客様がその方らしく輝いて生きることを応援させていただくために、私たち自身が仕事を通じて自らを磨き自分らしく輝いて生きることが必要であり、当社社員が輝けば、利用者様の「心」が更に輝き出すと考えております。 (b)ミッション 当社は下記をミッションとして定めております。 ① 福祉の職場をもっと魅力的に! 私たちサンウェルズは夢と誇りを持って志事(しごと)に取り組み、皆があこがれる業界づくりにチャレンジします。 ② 介護サービスに進化と変化を! 私たちサンウェルズは介護の常識にとらわれることなく、利用者様の立場に立ったより良いサービスづくりにチャレンジします。 ③ 未来を作る「人」を育成する! 私たちサンウェルズは仕事を通じてクリエイティブに発想し、自ら行動する「輝く大人」づくりにチャレンジします。 (2)目標とする経営指標 当社では、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的としており、収益力の強化と経営の効率化を図るため、売上高及び経常利益率を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題の改善に取り組んでまいります。 また、有料老人ホームの運営による売上高が、当社全体の売上高に占める比率が高いことから、「PDハウス」を含めた有料老人ホームにおける提供可能室数及び稼働率も経営成績に影響を与える主要な経営指標として捉えております。 (3)経営戦略 わが国では、2007年に超高齢社会(公益財団法人長寿科学振興財団の定義)を迎え、更に高齢化も進行し、65歳以上人口割合は2020年の28.6%から一貫して上昇し、2070年には38.7%まで増加すると推計されており(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」)、若年層の人口は減少の一途をたどり、より一層の少子高齢化が加速していくものとみられております。これにより、医療業界における需要と供給のバランスが崩れ、病院数の減少や医師不足といった問題が生じるおそれがあり、介護へのニーズはますます増加するものと考えられます。 当社は2006年に介護施設としてデイサービスをスタートさせ、15年の歳月をかけてパーキンソン病に焦点を絞った「PDハウス」の全国展開にまで業容を拡大させてまいりました。 今後は、北陸エリアのデイサービス、有料老人ホーム事業は業容を維持しつつ、「PDハウス」を経営戦略の中心に位置づけ、パーキンソン病専門施設として「PDハウス」での提供サービスを磨き上げること、また、新サービスを創造することによって差別化を実現し、中長期的に安定的かつ持続的な成長と企業価値の拡大を目指すことを計画しております。 具体的には、以下を当社の経営戦略の骨子としております。 ① 「PDハウス」のブランド構築 パーキンソン病は治療手段について世界中で多くの研究が行われておりますが、いまだに根治する方法が確立されていない進行性神経難病になります。患者数は進行性神経難病の中でも最も多く、関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症)も含めると約20.5万人(厚生労働省「2024年度衛生行政報告例」(2024年度末現在)、特定医療費(指定難病)受給者証所持者数)の患者がいると推定されております。年齢層も60歳以上が約9割(同上)を占め、症状についても筋肉がこわばる(筋固縮)、体が動かしにくくなる(無動)、手足が震える(振戦)などの動きに関連する症状のほかに、幻覚や幻視、自律神経障害、睡眠障害など様々な生活障害を呈する疾患であり、ケアをするにも高い専門知識と経験、技術が必要になります。 また、この疾患には正しい薬物療法と十分なリハビリテーションが重要とされますが、薬剤に関して多い方では1日10回程度に分けて薬を服用するケースもあり、リハビリテーションにおいても現行の介護施設では十分量のリハビリテーションを提供できる所が非常に少ないのが現状です。適切な服薬管理と十分な回数のリハビリテーションが提供できれば病気の進行を遅らせ、天寿を全うしていただくことも可能だと考えております。しかしながら、病気の初期段階や軽度要介護度の患者に対しての改善に関するリハビリ報告・治療研究報告は多く存在しますが、病気が進行し重度化した場合の改善事例が非常に少ないのが現状であります。 「PDハウス」では、パーキンソン病を専門とする脳神経内科医や大学病院、研究機関との共同研究を進め、より効果的な新サービスの創造を目指しております。順天堂大学と当社施設をつないだ3次元オンライン診療システムの検証、転倒検知システムを用いた転倒の要因分析研究、運動機能評価システムの試験運用等を実施し、新たな専門サービスの開発により同業者の参入障壁の構築に努めております。 これからの社会保障制度においては、入院期間の短期化や介護療養病床の廃止などにより、まだ専門的な治療が必要にもかかわらず地域に退院してくる方が増大することが予想されます。介護施設においても病院医療機関のように専門化(脳神経内科、消化器科、循環器内科など)を図り、地域包括ケアの中において専門性の高いケアを受けられる施設は重要と考えており、「PDハウス」はその一端を担える事業と自負しております。 ② 「PDハウス」の事業拡大 パーキンソン病及び関連疾患の患者数は2024年度末で約20.5万人(厚生労働省「2024年度衛生行政報告例」(2024年度末現在)、特定医療費(指定難病)受給者証所持者数)の患者がいると公表されております。そのため、地域ごとに必要とされる床数を展開していきたいと考えております。 当事業年度末では、「PDハウス」を全国に56施設(3,070床)運営しております。今後も「PDハウス」展開を成長ドライバーとして位置づけ、大都市圏や地方の中核都市を中心に更なる全国展開を計画しております。大都市圏では期間を空けずに新規開設することにより、エリアの囲い込みと従業員の適正配置を行い、利益の最大化を図ります。地方の中核都市では、まずは一つ目を開設することにより、そのエリアにくさびを打ち、ニーズに合わせて周辺エリアに新規開設することで同業他社の進出を阻むと共に、中期的にはそのエリアでの高シェアを図ります。なお、こうした方針のもと事業拡大を進めておりますが、足元では収益モデルの転換、コスト構造の見直し及び稼働率の向上等の施策に重点的に取り組む観点から、「PDハウス」の新規開設を一時的に見合わせております。 また、開設6か月前からリーダー職員を採用し、入居ペースに応じた採用を行うとともに、入念な研修を経て開設を迎えます。当社は、採用倍率の高水準(2026年3月期は6.3倍)の維持に努めるとともに、入社後の働きやすい職場環境の整備を推進することで、定着率の向上に取り組んでおります。また、当社では専門医監修の社内資格「PDライセンス」制度を導入し、パーキンソン病ケアの専門家育成に取り組んでおります。更に周辺の医療機関や施設からの紹介、TV、Web、パンフレット等による広告で集客をすることで早期黒字化を図り、高稼働体制の維持に努めております。開設時期が集中すると一旦は業績を押し下げる要因となりますが、早い段階で業績に寄与するようになるとともに、「PDハウス」を利用される方は長期にわたり施設をご利用いただくため、安定した稼働率で推移し、定常的な業績を目指します。 ③ 「PDハウス」を中心とした事業の展開 現在、「PDハウス」はパーキンソン病が進行された方を中心に利用していただいております。そこで得たリハビリテーションのノウハウ等を活かし、中期的には軽度の方にも利用していただけるリハビリテーションサービスの提供を拡充しております。各地の「PDハウス」でのノウハウを基にサービスを展開することにより、より多くのパーキンソン病患者の方にサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 再発防止策の進捗状況 当社は、2025年2月7日付「特別調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」及び2025年2月12日付「再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ」において公表した再発防止策に基づき、訪問看護・介護事業に係る運用体制、内部統制、教育体制及びモニタリング体制の整備を進めてまいりました。 2026年5月26日付「再発防止策の進捗状況に関するお知らせ(最終報告)」において公表したとおり、当社取締役会において、再発防止策の運用状況については、主要な制度整備及び運用導入が一巡し、現在は継続的な運用及び改善を行う段階に移行していることを確認いたしました。 なお、今後も通常の内部統制、教育、内部監査及びリスク管理の枠組みの中で、継続的な確認及び改善を行ってまいります。 これらの取組の具体的な内容及び進捗状況は、以下のとおりであります。 a.推進体制の整備 当社は、訪問看護・介護事業リスク検討委員会を継続的に開催し、再発防止策の進捗確認、運用上の課題整理及び必要な改善対応を行っております。 また、経営陣による施設ラウンド、現場ヒアリング及び外部有識者からの助言等を通じ、現場実態の把握及び法令遵守意識の浸透を図っております。 b.内部統制の強化・再構築 当社は、電子的記録制度及び共用部カメラを活用した確認体制、複数名による訪問看護計画の確認体制、訪問看護記録に対する確認体制並びに現場ヒアリング体制を整備し、運用しております。 また、管理部門及び内部監査部門においても、教育、確認、改善指導及び監査を継続的に実施しております。 c.教育体制及びコンプライアンス意識の醸成 当社は、倫理観研修、訪問看護法令研修及び訪問介護法令研修を継続的に実施するとともに、訪問看護に関するマニュアルの改訂及び周知を行っております。 また、懲戒規程の見直し等を通じ、コンプライアンスを重視した運営体制の整備を進めております。 d.人事評価制度の見直し 当社は、施設単価目標を評価指標から除外した新たな人事評価制度の運用を開始しております。 今後も、運用状況を踏まえ、必要な見直しを行ってまいります。 e.就寝時間帯の訪問看護運用及びナースコール対応体制の見直し 当社は、就寝時間帯における訪問看護運用の見直しを進めるとともに、全施設における24時間のナースコール対応体制を整備し、運用しております。 f.今後の対応 当社は、再発防止策として整備した各施策を、今後は通常の事業運営及び内部統制の枠組みの中で継続して運用してまいります。 引き続き、適正な事業運営に努めてまいります。 ② 利用者満足度の向上 当社の社会的使命は、利用者様に心から満足いただけるサービスを提供することだと考えております。当社がサービスを提供する各施設においては、利用者様に安心安全に、安定したサービスを提供するとともに、各利用者様のご要望に沿えるよう柔軟に対応することが必要になります。当社では、人材の確保、サービス基盤の拡充等に加え、各施設内、施設間の連携を強化し、急な状況変化にも耐えうる体制を整備しております。 ③ 「PDハウス」のブランド力強化及び知名度向上 当社は、都市部を始め全国へと展開を進め、「PDハウス」のブランド力強化と知名度の向上に努めており、2026年3月期においては、関東・関西でのドミナント展開に加え、新たに滋賀県・岡山県・静岡県・栃木県・岐阜県に新規開設いたしました。 ④ 情報管理体制の構築及び強化 当社は、事業を行う上で入手した顧客に関する様々な個人情報を保有しております。万が一これらの情報が外部に漏えいした場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 情報管理については、従業員との情報管理に関する誓約書の締結、社内規程の整備及び従業員教育の徹底等、管理体制の強化に努めることで情報流出を抑止しております。また、インターネットセキュリティの強化及び事業所の防犯対策等の実施により外部者の不正な情報取得を防ぐなど、可能な限りの対策を取っております。 IT社会の発展に伴い、当社でも稟議の電子決裁、保存書類のペーパーレス化、Webでの入社面接、Web会議等、業務の効率化を図るためITを導入してまいりました。ネットワークの管理に関しましてはIT統合管理システムを導入し、事業の拡大とともに増加するPC機器等の管理を行えるように致しました。それにより災害時でも耐えうる情報管理体制の構築に取り組んでおります。 ⑤ 財務体質の強化 当社は、有利子負債の割合が株主資本に対して高い比率となっております。今後は、運転資金拡大に加え、施設開設のための資金の確保も必要であることから、有利子負債とのバランスを勘案し自己資本の拡充を図ってまいります。
事業等のリスク11,450字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)人材の確保について 当社が今後事業をさらに拡大し、成長を続けていくためには優秀な人材の確保が重要課題となっております。介護事業においては、介護士、看護師、理学療法士など専門職の確保が必須ですが、医療・介護業界での慢性的な人材不足と今後益々の介護業界へのニーズの高まりで、求人競争激化の環境は予断を許さない状況であります。このような状況の下、当社では、人材採用に関する専門部署を設置し、求人サイトやメディアを利用しておりますが、これを漫然と利用し続けることを避け、常に効果を検証しながら積極的かつ戦略的な採用活動を実施するほか、福利厚生制度の整備や柔軟な働き方を認めるなど、従業員の労働環境に配慮し、働きやすい環境づくりに取り組んでおります。 しかしながら、こうした人材の確保が計画どおりに進まなかった場合、又は育成が計画どおりに進まず、あるいは重要な人材が社外に流出した場合には、既存施設ではサービス提供の規模縮小、新規施設ではオープン時期の順延等により、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)コンプライアンスに関するリスク 当社は、法令遵守及び企業倫理に基づき誠実に行動することを経営上の最重要課題としております。事業に直接関係する法令のみならず、近年、SNSによるトラブルが問題になるなど、企業が求められる企業倫理は多岐にわたります。そのため、社会的責任のある企業として遵守すべき法令全般につき、当社の全役職員が法令等・倫理に基づいた行動をとるよう、コンプライアンスやリスク管理を統括する専門部署を設置するなど強化に取り組んでおります。また、内部通報制度を整備運用して内部の不正を抑止するよう努めております。しかしながら、コンプライアンス上の問題に直面した場合には、法令による処罰・訴訟の提起・社会的信頼の失墜等により、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。 (3)新規施設の開設について 当社は事業の拡大のため、新規施設の開設を推進しております。新規開設機会を逃さないよう常に情報収集に努め、必要に応じて、迅速な経営判断が下せるよう、代表取締役社長を含めた経営陣は緊密な連携をとることとしております。また、新規施設の開設にあたっては、各種調査を実施し、十分な検討時間を設けて様々な角度から事業計画及び採算性等を十分に検討した上で実施しております。 しかしながら、希望する立地に物件を確保できない場合やプロジェクトに遅延が発生した場合、また、事業計画と実績に大幅な乖離が生じた場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)高齢者介護における安全管理及び健康管理について 当社が介護サービスを提供しているのは、主に要介護認定を受けた介護度の高い高齢者であり、介護事故、転倒事故、食中毒、食物誤嚥事故、感染症の集団発生、また高齢者の特性に起因する事故等が発生する可能性があり、利用者の命に係わる重大な事故に発展する可能性もあります。これらにより、当社側の過失責任や管理責任が問われた場合には、損害賠償の支払い等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに関する顕在化の可能性は一定程度あると認識しておりますが、各種スキルアップ研修の提供や介護マニュアル、業務手順書等の整備等により社員教育を徹底しているほか、日常のサービス提供におけるヒヤリハット事例を共有することで、未然の事故防止に努めており、当該リスクの顕在化の抑制に最大限努めております。 (5)診療報酬改定及び介護報酬改定について 当社は医療保険制度及び介護保険制度のもと、訪問看護及び訪問介護を行っております。医療保険制度については2年ごと、介護保険制度については3年ごとに、制度の見直し並びに診療報酬及び介護報酬の改定が行われております。そのため、当社が事業を推進するにあたり、これらの制度見直しや報酬改定により当社に不利な変更がなされた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、これまでの改定においては、当社事業への影響は一定程度にとどまっておりましたが、2026年6月施行の診療報酬改定においては、同一建物内における頻回な訪問看護報酬の適正化を目的に、重症者を対象とした「包括型訪問看護療養費」が新設されました。これにより、従来の「訪問1回あたり」の出来高算定から、単一建物内の居住者数と1日の合計訪問時間に基づいた「1日単位の包括評価」へと報酬体系が移行し、同時に同一建物減算の細分化や大規模施設における月内回数に応じた減額等も導入されました。これらに伴い、従来の多頻度訪問を前提とした収益構造からの体制変更を行っており、当社の売上高や利益率が低下するリスクがあります。 今後の制度見直しや報酬改定においても、その内容によっては当社の業績及び財政状態に影響が生じる可能性があるため、関係当局における検討状況等について事前に情報収集を行い、必要な対応策を実行するよう努めております。 (6)法的規制について 当社は介護保険法に基づく介護サービスの提供にあたり、事業所ごとに指定業者として指定を受けており、同指定を取得するにあたり、厚生労働省令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(1999年3月31日厚生省令第37号)及び各自治体条例介護保険法で定める基準を満たしております。 該当する根拠法で許認可取消事由がそれぞれ定められておりますが、主な内容は以下のとおりであります。 ・不正請求 …実体のないサービス提供に対する請求、実体のない加算請求 ・人員基準違反…人員不足での運営、無資格者によるサービス提供、実在しないスタッフによる記録作成、勤務時間の虚偽 ・運営基準違反…記録の未整備、計画未作成、重要事項や計画の説明未実施 ・虚偽報告 …自治体への届出や報告、実地指導対応における事実とは違う書類提出や答弁 当社は、これらの基準を遵守できなかった場合や不正請求が認められた場合には、指定の取消し等の処分を受けるおそれがあります。一事業所でも指定取消を受けた場合、法人が指定の欠格事由に該当し、指定取消から5年間は新たに指定を受けることができず、また指定の更新も受けることができなくなります。その場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、当社が不正な診療報酬請求を行ったとする報道を受け、当社より独立した社外の専門家を委員とする特別調査委員会を設置し、客観性のある業務実態の調査を行い、2025年2月7日、当該特別調査委員会より調査報告書を受領いたしました。当該調査の結果、当社が「PDハウス」等で受け入れている入居者は、重症度の高いパーキンソン病患者であったことから、入居者及びご家族の同意を得た上で、1日3回・複数名訪問を標準としていたところ、現場の看護師等の多くに1日3回・複数名訪問が必須との認識を与えてしまい、訪問回数及び同行者の要否という観点での個別的検討・見直しが徹底されていなかったことが判明しました。また、そのような中で、①数十秒から数分という短時間の訪問であるにもかかわらず30分を標準とする訪問看護を実施したとして診療報酬の請求を行っていた事案、及び②訪問看護サービス提供の際に同行者が不在であったにもかかわらず同行者がいたものとして診療報酬請求を行っていた事案が存在していたことも判明しました。これを受けて、当社は、2025年2月12日開催の取締役会において、当該調査報告書において指摘された原因分析及び再発防止策の提言を踏まえ、実効性のある再発防止策の策定と内部統制強化に向けた取組みを決議すると共に、経営責任を明確にすると共に今後の再発防止を徹底する観点から、関係者の処分を決議いたしました。当社は、今回の事態に至ったことを深く反省し、全役職員が一丸となり、速やかに再発防止策を実行し、信頼の回復に努めてまいりますが、今後の管轄当局からの指導その他の進捗次第では、社会的信用の低下、法的責任や費用・損失の負担、行政機関による処分等により、当社の事業、業績又は財政状況が重大な影響を受ける可能性があります。 各サービスと根拠法等、主な指定・登録取消事由 ① 訪問系サービス サービス名   根拠法等   主な許認可取消事由 訪問看護 介護予防訪問看護   ・介護保険法(厚生労働省) 指定の有効期間は6年間で、以後6年ごとの更新が必要。 都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となる。 ・健康保険法(厚生労働省) 介護保険法に基づく指定を受けた際には、健康保険法の指定があったとみなされるため、有効期間は介護保険法に基づく指定の有効期間に準じる。 地方厚生局が事業の指定権者となる。   ・訪問看護 介護保険法第77条 (指定の取消し等) ・介護予防訪問看護 介護保険法第115条の9 (指定の取消し等) 訪問介護 居宅介護支援   ・介護保険法(厚生労働省) 指定の有効期間は6年間で、以後6年ごとの更新が必要。 都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となる。なお、居宅介護支援については、2018年4月以降の指定権者は市区町村となっている。   ・訪問介護 介護保険法第77条 (指定の取消し等) ・居宅介護支援 介護保険法第84条 (指定の取消し等) 介護予防・日常生活支援総合事業   ・介護保険法(厚生労働省) 指定の有効期間は6年間で、以後6年ごとの更新が必要。 市町村が事業の指定権者になる。   介護保険法第115条の45の9 (指定権者の指定の取消し等) 居宅介護 重度訪問介護   ・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(厚生労働省) 指定の有効期間は6年間で、以後6年ごとの更新が必要。 都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となる。   障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第50条 (指定の取消し等) ② 通所系サービス サービス名   根拠法等   主な許認可取消事由 通所介護   ・介護保険法(厚生労働省) 指定の有効期間は6年間で、以後6年ごとの更新が必要。 都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となる。   ・通所介護 介護保険法第77条 (指定の取消し等) 地域密着型通所介護 認知症対応型通所介護   ・介護保険法(厚生労働省) 指定の有効期間は6年間で、以後6年ごとの更新が必要。 市町村が事業の指定権者となる。   ・地域密着型通所介護 ・認知症対応型通所介護 介護保険法第78条の10 (指定の取消し等) ③ 入所系サービス サービス名   根拠法等   主な許認可取消事由 認知症対応型共同生活介護 (グループホーム)   ・介護保険法(厚生労働省) 指定の有効期間は6年間で、以後6年ごとの更新が必要。  市町村が事業の指定権者となる。   ・認知症対応型共同生活介護 介護保険法第78条の10 (指定の取消し等) 住宅型有料老人ホーム   ・老人福祉法(厚生労働省) 届出制であり、届出後の有効期間の設定はない。都道府県、政令指定都市及び中核市が届出先となる。   老人福祉法第29条第14項 (届出等)※事業の制限又は停止に関する定めあり。 サービス付き高齢者向け住宅   ・高齢者住まい法(国土交通省)  登録制であり登録の有効期間は5年で、以降5年ごとに更新が必要。  都道府県、政令指定都市及び中核市が登録先となる。   高齢者住まい法第26条 (登録の取消し) (7)感染症について 当社事業所では、換気・手洗い・手指消毒の励行等をはじめ、フェイスシールド、N95マスク、ガウンテクニックの正しい着用方法の研修を行う等、日常的に感染対策に取り組んでおります。しかしながら、新型インフルエンザやコロナウイルス等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行し、当該地域の事業所の稼働が長期にわたり困難になった場合には、事業活動に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)虐待等の防止への取組とリスクについて 当社は、老人福祉法及び介護保険法に規定する「養介護施設」又は「養介護事業」に該当し、これらの養介護施設又は養介護事業で働く当社の職員は、高齢者虐待防止法に定める「養介護施設従事者等」に該当します。高齢者虐待防止法では、養介護施設従事者等による身体的虐待、介護・世話の放棄・放任等の高齢者虐待の防止に関する取り組みを求められており、当社は役職員を対象とした研修やマニュアルの整備等により、いかなる虐待も防止するように努めております。しかしながら、虐待や不適切な身体拘束が発生した場合には、法令による処罰・訴訟の提起・社会的信頼の失墜等により、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (9)大規模な自然災害について 当社が保有する施設が所在する地域において大規模な地震、風水害等の自然災害、事故、火災等によって人的・物的被害を受けた場合、当該地域の事業所の稼働が長期にわたり困難になった場合には、事業活動に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当該リスクの発生時期等は予測することができませんが、常に当該リスクが顕在化する可能性はあると認識しております。そのため、当社では各種保険制度への加入はもちろんのこと、避難訓練、災害時の連絡手段の確立、飲食物の備蓄等を行うなど、自然災害等の発生による被害を最小限に抑えるための対策を実施しております。 (10)内部管理体制のリスク 当社では、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。その認識のもと、内部管理体制の一層の充実を図るべく、内部通報制度の運用や内部監査の実施、情報セキュリティ体制の構築等により、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおりますが、急速な事業拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、上記(6)に記載のとおり、当社において本来請求すべきではない診療報酬を請求していた事案等の存在が判明したことを受けて、2025年2月12日、過年度の決算を訂正し、2022年3月期から2024年3月期の有価証券報告書及び2023年3月期の第1四半期から2024年3月期の第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出すると共に、第18期及び第19期の内部統制報告書について、各期末時点において内部統制に開示すべき重要な不備が存在していたことを理由として、訂正報告書を提出しました。あわせて、当社は、2025年2月12日開催の取締役会において、実効性のある再発防止策の策定と内部統制強化に向けた取組みを決議し、これらの取組みにより内部統制上の重要な不備について改善を進めてまいりました。その結果、当該不備については期末時点において改善が図られ、有効と評価されております。もっとも、内部統制は事業環境の変化に応じて継続的な見直しが必要であることから、当社は今後も引き続き内部統制の整備及び運用状況を適宜検証し、必要な改善を行うことで、内部管理体制の更なる強化とコーポレート・ガバナンスの一層の充実に取り組んでまいります。 (11)特定人物への依存について 当社の代表取締役社長である苗代亮達は当社の創業者であり、設立以来、最高経営責任者として経営方針や経営戦略等、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしております。当社は特定の人物に依存しない体制の構築を目指しており、同氏は現在においても当社経営に重要な役割を担っておりますが、組織体制の整備を進めることでその確立に努めております。しかしながら、同氏は、2026年6月26日開催予定の第21期定時株主総会及び同総会終了後の取締役会の決議を経て、代表取締役を退任し、取締役として留任する予定であり、これにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)競合他社の出現について 当社が、全国展開を図っている主力の「PDハウス」は、一般的な介護施設では提供できないパーキンソン病を患った方への専門的なリハビリサービスの提供を他社との差別化要因の一つとしております。 当該事業の遂行に必要な特許等は存在しないため、当社のビジネスモデルを模倣し、同様のサービス提供する競合他社が現れる可能性があります。現在、当社では、大学、研究機関との共同研究を実施し、新たなサービスの開発に努めておりますが、競合他社の新規参入等による競合環境が激化した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)情報管理について 当社は、事業を行う上で入手した顧客に関する様々な個人情報を保有しております。 情報管理については、従業員との情報管理に関する誓約書の締結、社内規程の整備及び社員教育の徹底等、管理体制の強化に努めることで内部からの情報流出を抑止しており、インターネットセキュリティの強化及び事業所の防犯対策等の実施により外部者の不正な情報取得を防ぐなど、可能な限りの対策を取ることとしており、情報漏えいリスクの顕在化については、限りなく低いと考えております。しかしながら、これらの情報が外部に漏えいした場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)信用・評判について 介護事業においては利用者、そのご家族及び関係者の方々からの信頼の下、サービスを提供しております。施設での不適切な運営や不正請求、職員の不祥事等により、当社及び当社が提供するサービスについて信用を失った場合、または評価が低下した場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対して当社は、経営理念、ミッション及び行動指針を定め、役職員に周知徹底しているほか、利用者の方が気持ちよく施設を利用できるよう様々な研修プログラムを役職員に対し提供し、高品質なサービス提供を通じて、利用者様等からの信頼の獲得に日々励んでおります。 (15)減損会計について 当社は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、主に施設を基本単位としてグルーピングしております。介護施設の新規開設後の実績が計画どおりであるかを経営会議においてモニタリングし、減損に関するリスクの低減に努めております。しかしながら、外部環境の著しい変化等により、施設収益が悪化し、施設における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合には、固定資産について減損損失を計上することとなり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)訴訟等の可能性について 当社は、サービスの提供にあたって法令遵守の徹底及び顧客や取引先とのトラブル回避に努めており、現時点において業績及び財政状態に影響を及ぼす訴訟が提起されている事実はありませんが、今後予期せぬ事象の発生により、訴訟その他の請求が発生した場合、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクについては、現時点で顕在化のリスク及び影響を予測することはできませんが、研修等を通じて役職員のコンプライアンス意識を高めるほか、顧客及び取引先等と日頃から良好な関係の構築に努めることが、当該リスク顕在化の抑制につながると考えております。 (17)地域との関係について 介護・医療サービスの提供という事業性から、事業の収益性に課題が生じた場合においても、撤退時の利用者の行き先確保、賃貸借契約上の制約、医療機関や行政機関との関係性の維持等から即時撤退を行うことが困難な場合があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (18)長期賃貸借契約について 当社が運営する施設の中には、長期賃貸借契約に基づいているものがあり、一定期間は事業撤退の制約が課せられます。これに反した場合は中途解約による違約金等の支払いが生じる可能性があります。 また、契約期間満了後において契約更新が難しい場合がありますが、その場合は計画的に新たな移転先を決めることとしており、当該リスクが顕在化する可能性は限りなく低いと考えております。 (19)有利子負債に関するリスク 当社では、新規開設にかかる設備資金の一部を金融機関からの借入で調達しており、また、ファイナンス・リース取引におけるリース債務の計上に加え、債権流動化による資金調達も活用しております。これらの結果、当事業年度末の有利子負債残高は30,628百万円、有利子負債自己資本比率は441.8%となっております。 今後は、現行の金利水準が変動した場合、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 (20)宣誓書違反による再審査に係る猶予期間入りについて 当社は、2024年7月に東京証券取引所プライム市場に市場区分を変更しているところ、2025年2月12日付の「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ」のとおり、過年度の決算を訂正したことにより、東京証券取引所プライム市場への市場区分の変更審査における形式基準(利益の額)及び実質基準(コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性の観点等)を充足しない事案であったことが認められました。結果として、市場区分の変更申請に係る宣誓書において宣誓した事項に違反し、市場区分の変更に係る基準に適合していなかったとして、2025年4月30日付で株式会社東京証券取引所より宣誓書違反による再審査に係る猶予期間入りの通知を受けました。 当社は、宣誓書違反による上場廃止を回避し、引き続き上場を維持するため、2026年3月27日付でスタンダード市場への市場区分変更申請に係る予備申請を行っており、当社株式は現在、監理銘柄(審査中)に指定されております。審査期間は申請又は予備申請後最長1年間とされており、2026年3月27日の予備申請日から起算して1年以内である2027年3月26日までにスタンダード市場の基準への適合が認められず市場区分変更が行われない場合には、当社株式の上場が廃止される可能性があります。 (21)継続企業の前提に関する重要事象等 当社は、2025年2月7日付「特別調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」のとおり、本調査の結果、短時間訪問事案及び同行者不在訪問事案が存在していたことが判明しました。本件の対象となる部分について過年度の決算を訂正し、再発防止策の実行による運営体制の見直しを行った結果、収益性は一時的に大幅に低下したことから、前事業年度において当期純損失925百万円を計上し、当事業年度においても当期純損失1,656百万円を計上するに至りました。加えて、2026年度診療報酬改定等の外部環境の変化を背景に、現行の事業構造では収益性の確保が困難となる局面にあり、これに伴い、当社を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあります。 また、当事業年度末の借入金のうち、2023年3月14日締結のコミットメント期限付タームローン契約(当事業年度末現在の借入金残高321百万円)及び2023年9月15日締結のコミットメント期限付タームローン契約(当事業年度末現在の借入金残高549百万円)に付されている財務制限条項に抵触しております。 これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。 当社は、当該状況を解消すべく、2027年3月期を構造改革実施期間と位置づけ、以下の対応策を実施してまいります。 ①収益モデルの転換 サービス提供の適正化を進め、持続可能な収益モデルへの転換を図ってまいります。 そのため、報酬制度の見直しや利用者ニーズの変化に対応したサービス提供体制の再構築を進め、収益構造の安定化を目指してまいります。 包括型訪問看護療養費の新設に伴い、従来の出来高による訪問に依存する収益構造から、1日単位の包括評価に対応した持続可能な収益モデルへの移行を進めてまいります。具体的には、これまで当社が強みとしてきたパーキンソン病の入居対象者様へのケア体制をベースとしつつ、入居者様の状態に応じたサービス提供の適正化・効率化それに伴う人員配置の適正化を推進します。新たな報酬制度下においても安定的に利益を創出できる収益基盤へのシフトを進めてまいります。 ②コスト構造の抜本的見直し 固定費及び変動費の両面からコスト構造を見直し、収益性の改善に取り組んでまいります。 報酬体系の変更に伴う利益率への影響を低減するため、コスト構造全体の抜本的な再構築を進め、経営効率の 向上を図ってまいります。これまで外部へ委託していた清掃等の各種業務について自社内での内製化を推進し、 業務委託費の削減を図ります。あわせて、訪問看護や介護スタッフの勤務シフト・配置の最適化や、施設運営に 関わる各種調達コストの最適化を並行して推進してまいります。包括型の評価制度下でも一定の収益性を維持で きる経営体制を確立してまいります。 ③稼働率向上施策の推進 医療連携及び入居促進の強化を通じて稼働率の向上を図り、収益力の底上げを進めてまいります。 稼働率向上に向けて、地域医療機関との連携強化や入居促進施策を体系的に推進し、安定的な入居フローの構築を進めてまいります。具体的には、地域の主要な病院および居宅介護支援事業所のケアマネジャー等に対して直接的な営業活動を行う「専任営業担当者」を各エリアに配置いたしました。この専任営業担当者による直接的なアプローチを通じて、退院後や在宅からの直接的な入居相談・紹介ルートを強固に構築します。当社の強みであるパーキンソン病ケアの専門性を地域医療機関へ直接訴求することで、高い稼働率の維持を実現してまいります。 また、資金繰りに関する懸念を解消するため、取引先金融機関からは、2026年4月21日付「(開示事項の変更)借入金の返済条件の変更及び資金使途の変更に関するお知らせ」のとおり、2026年4月30日から同年9月30日までの期間、借入金の元本返済を猶予していただいており、今後についても取引先金融機関と緊密に連携し、必要な協議を継続してまいります。 なお、2025年3月21日付「債権の流動化に関するお知らせ」のとおり、キャッシュ・フローの改善及び財務安全性の向上を目的として債権流動化の契約を締結しております。加えて、2026年2月12日付「代表取締役からの寄付金受入及び特別利益の計上に関するお知らせ」のとおり、当社代表取締役から財務基盤の強化を目的とした寄付の受入れを行い、当面の事業資金を確保しております。 以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
経営成績の分析 (MD&A)6,726字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当社は、介護事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ① 財政状態の状況 (資産) 当事業年度末における資産合計は45,633百万円となり、前事業年度末から6,639百万円増加しました。これは主に、新規施設の開設等によりリース資産が7,310百万円、建物が928百万円増加した一方、現金及び預金が1,545百万円減少したことによるものです。 (負債) 当事業年度末における負債合計は38,661百万円となり、前事業年度末から8,284百万円増加しました。これは主に、リース債務が7,763百万円、債権流動化に伴う支払債務が1,516百万円増加した一方、借入金の合計額が1,126百万円減少したことによるものです。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は6,972百万円となり、前事業年度末から1,644百万円減少しました。これは主に、当期純損失の計上により利益剰余金が1,656百万円減少したことによるものです。 ② 経営成績の状況 当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や堅調なインバウンド需要を背景に、景気は緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方で、物価上昇の継続による個人消費の伸び悩みや米国の関税政策の影響による景気後退が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。 当社の関連する介護及び医療環境につきましては、団塊の世代が75歳以上の高齢者となった現在の社会状況を踏まえ、高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられる社会の実現(地域包括ケアシステムの深化・推進)に向けた取り組みが進められております。地域に関わらず適切な医療・介護が受けられる体制が求められ、質の高い在宅医療・訪問看護の確保が重要となってきています。さらに、指定難病においてはその専門性を有することから、専門病院や専門介護のニーズが今後ますます高まっていくものと考えております。 このような環境のもと、当社は、パーキンソン病専門施設である「PDハウス」の全国展開を加速させてきました。パーキンソン病患者のニーズに応えるべく、2025年5月にPDハウス桜山(愛知県名古屋市昭和区)、2025年6月にPDハウス大津(滋賀県大津市)及びPDハウス岡山辰巳(岡山県岡山市北区)、2025年7月にPDハウス浜松和合(静岡県浜松市中央区)、2025年8月にPDハウス稲毛(千葉県千葉市稲毛区)、PDハウス東浦和(埼玉県さいたま市緑区)及びPDハウス石神井公園(東京都練馬区)、2025年9月にPDハウス清田(北海道札幌市清田区)及びPDハウス中央林間(神奈川県大和市)、2025年10月にPDハウス宇都宮細谷町(栃木県宇都宮市)及びPDハウス岐阜(岐阜県岐阜市)、2025年12月にPDハウス鳳(大阪府堺市西区)、2026年2月にPDハウス中野白鷺(東京都中野区)を新規開設いたしました。これらの新規開設に伴い発生した初期費用の計上により、収益性は一時的に低下しております。 また、2025年2月12日付「再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ」及び同年11月14日付「(開示事項の経過)再発防止策の進捗に関するお知らせ」のとおり、再発防止策の実行による運営体制の見直しを行った結果、収益性は一時的に大幅に低下いたしました。 一方で、2026年2月12日付「代表取締役からの寄付金受入及び特別利益の計上に関するお知らせ」のとおり、当社代表取締役より財務基盤の強化を目的とした1,000百万円の寄付金を受け入れ、特別利益として計上しております。この結果、当期純損失は業績予想値から大幅に改善いたしました。 以上により、当事業年度の売上高は28,136百万円(前年同期比6.2%増)、営業損失は1,223百万円(前年同期は1,114百万円の営業利益)、経常損失は2,168百万円(前年同期は388百万円の経常利益)、当期純損失は1,656百万円(前年同期は925百万円の当期純損失)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,092百万円となり、前事業年度末に比べて1,545百万円減少しました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は332百万円(前事業年度は1,883百万円の資金増加)となりました。これは主に、税引前当期純損失1,175百万円、売上債権の増加額855百万円が生じた一方で、減価償却費1,862百万円が生じたこと等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は1,275百万円(前事業年度は4,396百万円の資金減少)となりました。これは主に、新規事業所を開設したことに伴い有形固定資産の取得による支出1,169百万円が生じたこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は62百万円(前事業年度は4,842百万円の資金増加)となりました。これは主に、債権流動化の債務純増加額1,516百万円が生じた一方で、長期借入金の返済による支出1,039百万円、リース債務返済による支出293百万円が生じたこと等によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載を省略しております。 b.受注実績 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注に該当する事項がないため、受注実績に関する記載を省略しております。 c.販売実績 当事業年度の販売実績は次のとおりであります。 なお、当社は介護事業の単一セグメントであるため、サービス区分別の販売実績を記載しております。 サービス区分の名称   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前年同期比(%) PDハウス (百万円)   25,170   107.9 医療特化型住宅 (百万円)   1,805   90.7 グループホーム (百万円)   168   99.5 デイサービス (百万円)   458   97.1 福祉用具事業 (百万円)   501   100.4 加圧トレーニング事業 (百万円)   32   97.2 合計(百万円)   28,136   106.2 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) 石川県国民健康保険団体連合会   3,968   15.0   3,449   12.3 東京都国民健康保険団体連合会   3,558   13.4   3,139   11.2 大阪府国民健康保険団体連合会   3,334   12.6   3,054   10.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、開示期間の収益・費用の金額及び開示情報に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断並びに仮定は、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果とは異なる場合があります。 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社は「自らが輝き、人を元気にする」を経営理念に掲げております。わが国では、2007年に超高齢社会(公益財団法人長寿科学振興財団の定義)を迎え、更に高齢化も進行し、65歳以上人口割合は2020年の28.6%から一貫して上昇し、2070年には38.7%まで増加すると推計されており(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」)、介護・医療の需要はさらに高まるとされています。一方で、介護・医療の制度を経済的に、また人的に支える労働人口の減少が予測されており、今後の高齢化の進展に対応し得る介護・医療の持続可能な制度設計がわが国の根本的、かつ緊要な課題の一つであることは論をまちません。 当社では、この課題に対して、指定難病であるパーキンソン病患者を対象とした「PDハウス」とこれに関連するサービスの提供を通じて、地域の介護・医療資源を効果的かつ効率的に利用できる仕組みづくりを行うことで応えてまいります。地域では、病床削減とこれに伴って療養の場を病院から在宅(自宅や施設等)へ移すとする政策を受けて、特に慢性期や終末期における介護・医療の需要が高まっております。パーキンソン病患者は慢性期が長期化する傾向があることから、当社にとって有利な事業環境であり、引き続き事業を積極的に展開していく背景となっております。 当事業年度において、当社では新たにPDハウス桜山(愛知県名古屋市昭和区)、PDハウス大津(滋賀県大津市)、PDハウス岡山辰巳(岡山県岡山市北区)、PDハウス浜松和合(静岡県浜松市中央区)、PDハウス稲毛(千葉県千葉市稲毛区)、PDハウス東浦和(埼玉県さいたま市緑区)、PDハウス石神井公園(東京都練馬区)、PDハウス清田(北海道札幌市清田区)、PDハウス中央林間(神奈川県大和市)、PDハウス宇都宮細谷町(栃木県宇都宮市)、PDハウス岐阜(岐阜県岐阜市)、PDハウス鳳(大阪府堺市西区)及びPDハウス中野白鷺(東京都中野区)を開設いたしました。当社は、介護事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 (売上高) 当事業年度の売上高は28,136百万円となり、前事業年度より1,639百万円の増加となりました。これは主に、「PDハウス」を新規開設し、サービス提供が開始されたことにより医療保険及び介護保険収入が生じたことなどによります。 (売上原価、売上総利益) 当事業年度の売上原価は25,372百万円となり、前事業年度より3,790百万円の増加となりました。これは主に、新規に「PDハウス」を開設したことに伴い採用した施設従業員の人件費が生じたことなどによります。この結果、売上総利益は2,763百万円(前年同期比43.8%減)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度の販売費及び一般管理費は3,987百万円となり、前事業年度より186百万円の増加となりました。これは主に、業務の規模拡大に伴い採用した本社従業員の採用費及び人件費が生じたことなどによります。この結果、営業損失は1,223百万円(前年同期は1,114百万円の営業利益)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当事業年度の営業外収益は281百万円となり、前事業年度より114百万円の増加となりました。これは主に、介護人材確保・職場環境改善等事業補助金等が増加したことなどによります。また、当事業年度の営業外費用は1,226百万円となり、前事業年度より334百万円の増加となりました。これは主に、新規出店によりリース債務の支払利息が増加したことなどによります。この結果、経常損失は2,168百万円(前年同期は388百万円の経常利益)となりました。 (特別利益、特別損失) 当事業年度の特別利益は1,000百万円となりました。これは、寄付金収入によるものです。また、当事業年度の特別損失は6百万円となりました。これは主に、固定資産除却損によるものです。 (当期純損失) 当事業年度の法人税等合計は481百万円となり、この結果、当期純損失は1,656百万円(前年同期は925百万円の当期純損失)となりました。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社の資金需要のうち主なものは、新規施設開設のための資金、運転資金等となっております。当社の資金調達については、自己資金及び金融機関からの借入れ等で実施しております。なお、これらの資金調達方法については、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行い、決定しております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。 ⑤ 経営戦略の現状と見通し 当社は介護サービスの提供を行っておりますが、現在運営している施設については、稼働率も順調に推移しているほか、医療保険制度や介護保険制度において報酬が決まっていること等により売上高を増加させることは難しいため、今後はコスト削減及び運営の効率化等により利益率を向上させ、強固な収益基盤を構築したいと考えております。 成長戦略としましては、北陸エリアで2019年3月期に第1号施設を開設し、2020年3月期に全国展開を開始後、当事業年度末において全国56か所で運営を行っているパーキンソン病患者専門の有料老人ホーム「PDハウス」が、高い稼働を維持していることから、「PDハウス」の新規開設を積極的に推進してまいります。これまでパーキンソン病患者専門の有料老人ホームが無かったことに加え、高齢化社会の進行により同疾患患者数が増加しており、需要が高まっていることを受け、各都道府県における患者数等を勘案し、施設の開設を進めてまいります。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について 当社の経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長を遂げるためには、様々な課題に対処することが必要であると認識しております。 それらの課題に対応するために、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、「PDハウス」による競合との差別化を推進し、更なる事業拡大を図ってまいります。 ⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高及び経常利益率を重要な経営指標としております。 しかしながら、2025年2月に過年度の決算を訂正し、再発防止策の実行による運営体制の見直しを行ったことで、当事業年度における収益性は一時的に大幅に低下しております。「PDハウス」の事業拡大により、売上高については、当事業年度は28,136百万円と前年同期比で6.2%増となっておりますが、経常利益率については、当事業年度は△7.7%と前年同期比で9.2ポイント減少しております。 なお、目標達成に向けた今後の対応につきましては、「3 事業等のリスク (21)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当社は事業モデルを根底から見直し、安定した利益構造を確立するための対応策を実施しております。

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開示資料

出典

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