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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

日本高純度化学

JAPAN PURE CHEMICAL CO.,LTD.4973 · Prime · 化学

電子部品向け貴金属めっき薬品の専業メーカー。省貴金属技術と技術者集団のスピード提案が強み。

概要

日本高純度化学は、電子部品の接点・接続部位に用いられる貴金属めっき薬品の開発・製造・販売を専業とするファインケミカル企業である。1971年設立、従業員60名。金めっき、銀めっき、パラジウムめっきの電解・無電解両方を手がけ、独自の有機化合物技術「Protecting Agent」を強みとする。2026年3月期の売上高は181億円、純利益18億円。東京証券取引所プライム市場に上場(2004年3月東証二部上場、2005年3月一部、2022年4月プライム)。

エレクトロニクス向け貴金属めっきに特化した単一セグメント

当社は単一セグメントで、プリント基板、パッケージ基板、コネクター、リードフレームなどの電子部品の接点・接続部位に使用される貴金属めっき薬品を開発・製造・販売する。取り扱う貴金属は金、銀、パラジウムの3種で、電気化学的に析出させる「電解めっき」と化学反応を利用する「無電解めっき」の両方を提供する。最終製品はスマートフォン、パソコン、サーバー、AI向け半導体パッケージなど多岐にわたる。顧客はめっき専業メーカー、電子部品メーカー、総合電機メーカーで、国内外に販売代理店を有する。

ファブライト経営で人材と知的資本に集中投資

当社は大規模な製造設備を持たない「ファブライト経営」を掲げ、固定資産投資を抑え経営資源を人材に集中させる。全社員の約8割が物理・化学分野に精通した技術者集団であり、能動型自律人材を最大の経営資源と位置づける。研究開発とフォーミュレーション(秤量・調合)に機能を絞り、独自の有機化合物技術「Protecting Agent」を含む「レシピ(知的財産)」が付加価値の源泉である。2026年3月期の売上高は181億円、営業利益6億円、当期純利益18億円。自己資本利益率は11.5%と高い資本効率を実現している。

売上の約半分を海外が占めるグローバルな事業展開

当社の2026年3月期の海外売上高は総売上高の51.9%を占め、うち70.6%が円建て、29.4%が外貨建てである。為替変動リスクに対しては基本的に為替ヘッジを行っている。主要な販売先はアジアを中心とした電子部品メーカーであり、顧客の生産拠点移管に対応するため海外営業人員の拡充や、技術情報共有プラットフォーム「J-PLAT」(商標登録出願中)の運用を開始している。地政学的リスクの高まりに伴い、グローバルな供給・サポート体制の強化を進めている。

少数精鋭で研究開発と営業を一体化したビジネスモデル

当社は製造プラント等の生産設備を持たず、新規製品開発のためのマーケティング、技術開発、営業活動に注力する。技術系出身者が営業・技術一体となって顧客課題に取り組み、実験データや化学の知見を蓄積する。2026年3月期の研究開発費は販売費及び一般管理費の中に含まれ、先行投資として積極的に投入された。また営業部門を第一営業部(コネクター・半導体・リードフレーム等)と第二営業部(PCB・パッケージ基板)に分割し、専門性を高めている。

業界の中での役割は貴金属めっき薬品メーカー(電子材料分野)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
181億円
営業利益
6億円
営業利益率
3.3%
純利益
18億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01電子部品(半導体・プリント基板・コネクター等)主力

エレクトロニクス分野を最大ターゲットとし、プリント基板、パッケージ基板、コネクター、リードフレーム等の接点・接続部位に使用される貴金属めっき薬品(金めっき、銀めっき、パラジウムめっき)を開発・製造・販売。電解めっきと無電解めっきの両方を提供。自社独自の技術開発体制で、省貴金属性能や環境配慮型製品を強みとする。顧客はめっき専業メーカー、電子部品メーカー、総合電機メーカーで、国内外に販売代理店を有する。

貴金属めっき薬品において自社独自の技術開発体制を強みとし、業界随一の技術ノウハウを蓄積。

主な製品・サービス3
金めっき薬品(電解・無電解)
プリント基板やパッケージ基板、コネクター等に施す金めっき用の薬品。軟質純金、硬質金、置換金、還元金等の種類がある。
銀めっき薬品
電子部品の接点等に使用される銀めっき用薬品。電解めっき用の純銀等。
パラジウムめっき薬品
リードフレームや基板に使用されるパラジウムめっき薬品。電解(純パラジウム、合金)および無電解(還元パラジウム)がある。

製品と技術

金めっき薬品:軟質金・硬質金・置換金・還元金の4種

金めっき薬品は当社の主力製品であり、電解めっき用として軟質純金と硬質金、無電解めっき用として置換金と還元金を提供する。軟質純金はプリント基板やパッケージ基板に、硬質金はコネクターやマイクロスイッチに使用される。無電解の置換金は携帯電話・スマートフォン向け基板、還元金はサーバー・パソコン向け基板に用いられる。金めっきはワイヤーボンディング部分や半田ボール接合部分に施され、実装部品の信頼性を高める。

銀めっき薬品とパラジウムめっき薬品でラインアップを拡充

銀めっき薬品は電解めっき用の純銀を中心に、電子部品の接点などに使用される。パラジウムめっき薬品は電解めっき用(純パラジウム、パラジウム合金)と無電解めっき用(還元パラジウム)があり、リードフレームやプリント基板・パッケージ基板に適用される。特にリードフレーム向けではパラジウム合金が、基板向けでは還元パラジウムが用いられる。これらの製品はスマートフォン、パソコン、サーバーなど幅広い電子機器に組み込まれている。

独自技術「Protecting Agent」による省貴金属・環境配慮型製品

当社は海外からの技術導入に頼らず、自社開発技術体制で製品を開発している。中核技術は「Protecting Agent」と呼ばれる一連の有機化合物で、特定の金属に選択的に吸着し電子を供与または吸引することでめっき反応や皮膜物性を制御する。これにより貴金属の使用量を節約する省貴金属製品や、有害物質を排除した環境配慮型製品を実現している。技術者集団が顧客課題に応じてレシピを調整し、プロセスアドバイスを含む総合的なソリューションを提供する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

化学のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 電子部品(半導体・プリント基板・コネクター等)貴金属めっき薬品において自社独自の技術開発体制を強みとし、業界随一の技術ノウハウを蓄積。

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

高純度化学薬品製造、収益改善途上

日本高純度化学は、電子材料向け高純度化学品を製造。業界内では、クラレや東洋紡などの大手化学企業が競合だが、同社は特定の高純度品に特化。売上高は増加傾向にあるものの、営業利益率は3.97%と低水準。原料高や競争激化が収益を圧迫。コージンバイオなどニッチ分野の競合と比較して、規模は中程度だが、技術力で差別化を図る。

強み

  • 電子材料向け高純度化学品に特化、精密な品質管理が強み
  • 売上高は114億円から126億円に増加、市場需要を取り込む
  • 半導体・電子部品メーカーとの取引が安定、リピート受注が多い
  • 不純物除去技術などで競合との差別化、品質面での優位性を持つ

課題

  • 営業利益率が4%未満、コスト上昇や価格競争で収益が圧迫
  • 原料価格の変動リスクが大きく、収益に影響を与える
  • 大手化学企業や新興メーカーとの競争激化、シェア維持が課題

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

半導体材料の時価総額近傍。太字が日本高純度化学

時価総額で並べると、掲載9社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15302日本カーボン596億円14.3倍
24275カーリット465億円15.5倍
33104富士紡ホールディングス376億円19.9倍
44064日本カーバイド工業315億円11.9倍
54410ハリマ化成グループ293億円11.6倍
64973日本高純度化学285億円15.2倍
76264マルマエ244億円31.0倍
84022ラサ工業158億円17.8倍
96619ダブル・スコープ89億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(半導体材料)に従っています。

会社の歴史

沿革 17件

創業と本店移転を繰り返した1970年代〜1980年代

1971年7月、東京都豊島区東池袋において貴金属めっき薬品の開発・製造・販売を目的として日本高純度化学株式会社を設立した。資本金は1,000千円。1979年3月に本店を同区東池袋一丁目に、1981年7月には同区南池袋二丁目に移転した。1988年3月には川口工場を新設し生産体制を拡充した。この時期はエレクトロニクス分野を最大ターゲットとし、金めっき、銀めっき、パラジウムめっき薬品を市場に送り出し始めた。

MBOと合併を経て再出発した1999年

1999年8月、MBOを目的とした合併を前提に、ジェイピーシーホールディング株式会社(1991年6月設立)が日本高純度化学株式会社の株式を取得し持株会社となった。同年11月、同ホールディングを存続会社として日本高純度化学を消滅会社とする合併を行い、商号を日本高純度化学株式会社に戻し、本店所在地を東京都豊島区南池袋二丁目に定めた。この再編により経営体制を刷新し、後の上場への基盤を築いた。

本社移転と株式公開で成長軌道に乗った2000年代前半

2001年2月、本店を東京都練馬区北町三丁目に移転登記し、同年5月に設備を移設して業務を開始した。2002年12月にはJASDAQ市場に株式公開、2004年3月には東京証券取引所市場第二部に上場、さらに2005年3月には市場第一部に上場した。上場と同時に川口工場を閉鎖し本社工場に統合、同年4月にはISO9001およびISO14001の認証を取得した。同年9月には本社第二工場を新設したが、2009年12月に閉鎖し再び本社工場に統合した。

プライム市場移行と公益財団法人設立で社会貢献を強化

2019年2月、一般財団法人JPC奨学財団を設立(2020年4月より公益財団法人に)。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しに伴いプライム市場に移行した。2026年3月には東京都内に成増オフィスを開設し、事業拡大に対応するための拠点を整備した。この間、中長期ビジョン「RDD2030」を策定し、既存市場に加え新規事業領域への進出を目指している。

年表17件を開く

1970年代

  • 1971年7月創業東京都豊島区東池袋一丁目39番1号において、貴金属めっき薬品の開発、製造及び販売を目的として日本高純度化学株式会社を設立(資本金1,000千円)
  • 1979年3月本店を東京都豊島区東池袋一丁目2番11号に移転

1980年代

  • 1981年7月本店を東京都豊島区南池袋二丁目26番7号に移転
  • 1988年3月川口工場を新設

1990年代

  • 1999年8月創業MBOを目的とした合併を前提として、ジェイピーシーホールディング株式会社(設立1991年6月13日、本店所在地 東京都千代田区三崎町三丁目3番23号)が日本高純度化学株式会社株式を取得し、持株会社となる。
  • 1999年11月M&Aジェイピーシーホールディング株式会社を存続会社として、日本高純度化学株式会社を消滅会社とする合併を行い、商号を日本高純度化学株式会社、本店所在地を東京都豊島区南池袋二丁目26番7号とする。

2000年代

  • 2001年2月本店を東京都練馬区北町三丁目10番18号に移転登記
  • 2001年5月移転登記後の所在地に設備を移設し業務開始
  • 2002年12月上場JASDAQ市場に株式公開
  • 2004年3月上場東京証券取引所市場第二部に上場
  • 2005年3月上場東京証券取引所市場第一部に上場、川口工場を閉鎖し本社工場に統合
  • 2005年4月ISO9001及びISO14001の認証取得
  • 2005年9月本社第二工場を新設
  • 2009年12月M&A本社第二工場を閉鎖し本社工場に統合

2010年代

  • 2019年2月創業一般財団法人JPC奨学財団を設立(2020年4月より「公益財団法人」)

2020年代

  • 2022年4月東京証券取引所プライム市場に移行
  • 2026年3月成増オフィス開設

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ROE10%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    営業力強化のための組織再編

    営業部門を第一営業部(コネクター・半導体・リードフレーム担当)と第二営業部(PCB・パッケージ基板担当)に分割し、専門性向上と顧客密着型営業を推進。国内外の主要顧客へのタイムリーな供給に加え、環境配慮型製品の提案やプロセス全体の性能向上に資する技術提案を強化。海外営業人員拡充や独自プラットフォーム「J-PLAT」の運用も開始する。

  2. 02

    技術開発力の強化と新領域開拓

    貴金属めっき薬品に加え、前後処理や装置等のニッチトップ企業との協業によりトータルプロセスカンパニーへ変革。貴金属代替めっき薬品の開発や、めっきで培った酸化還元技術を活かした電池材料開発など新事業領域の創出を目指す。能動型自律人材の採用・育成と外部連携・協業により開発力を強化。

  3. 03

    サステナブルな製品開発への注力

    環境負荷低減につながる製品開発やめっき工程でのエネルギー使用量削減など、環境に優しい製品づくりを重要課題と認識。ニッケル不使用プロセスなどの次世代最終表面処理プロセスを実現する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で60人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は858万円で、9期前と比べて+6.3%平均年齢は39.5歳、平均勤続年数は11.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月47
2018年3月46
2019年3月80738.211.145
2020年3月82738.511.145
2021年3月81338.511.147
2022年3月77938.211.744
2023年3月82637.812.245
2024年3月78338.312.149
2025年3月80939.312.552962
2026年3月85839.511.8601,000

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は181億円営業利益6億円前期と比べると増収増益で、売上が+43.7%、利益が+20.0%。

売上高
+43.7%
181億円
営業利益
+20.0%
6億円
純利益
+12.5%
18億円
営業利益率
3.3%
前期比 -0.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高240億円181億円
営業利益6億円6億円
純利益22億円18億円
1株あたり配当¥230¥230

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は62億円、営業利益は0億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+121.4%、営業利益は−100.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q321
2024年1Q2813.61
2024年2Q3213.11
2024年3Q2713.72
2024年4Q271
2025年2Q6334.88
2025年4Q6323.28
2026年2Q7534.06
2026年4Q10632.812
2027年1Q6200.01

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は100億円から181億円へ1.8倍に増えた。直近期の営業利益率は3.3%。売上は2期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月100128
2014年3月92107
2015年3月96128
2016年3月84107
2017年3月82107
2018年3月107128
一般財団法人JPC奨学財団を設立(2020年4月より「公益財団法人」)
2019年3月104128
2020年3月130129
2021年3月166118
2022年3月1871310
2023年3月16386
2024年3月11465
2025年3月126574.016
成増オフィス開設
2026年3月181683.318

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高181億円のうち、営業利益として残るのは6億円3.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は18億円、売上の9.9%にあたる。営業利益率は業種中央値7.3%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金89.5%162億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金7.7%14億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益3.3%6億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
10.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比4.0pt
3.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+4.6pt
9.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+4.6pt
11.5%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
8.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが−8億円、投資CFが11億円で、差し引きのフリーCFは3億円この組み合わせは資産取り崩し型にあたる。本業の赤字を資産売却で埋めながら負債も返している。守りの局面期末の手元現金は70億円で、売上の4.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月3−1−6229
2014年3月18−2−81637
2015年3月8−1−4739
2016年3月7−1−5640
2017年3月50−7538
2018年3月70−4741
2019年3月10−1−4945
2020年3月3−2−4142
2021年3月40−4441
2022年3月2−1−4137
2023年3月250−82555
2024年3月72−5959
2025年3月615−72173
2026年3月−811−7370

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は217億円。このうち返さなくてよい自己資本が181億円で、自己資本比率は82.7%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月83731087.9
2014年3月88761286.2
2015年3月107901783.8
2016年3月96851187.6
2017年3月112951785.0
2018年3月1341112382.2
2019年3月1181021685.6
2020年3月1261081883.8
2021年3月1611322981.1
2022年3月1691422783.9
2023年3月1561352186.0
2024年3月1711452684.3
2025年3月1591362385.2
2026年3月2171813782.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
78億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
99億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
1億円
在庫として抱えている分
負債合計
37億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
67
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率7 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

化学 203社との比較

同じ化学の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率203社中3位あたり、逆に低いのは営業利益率203社中174位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
11.5%/中央値 6.9%
P25 4.5%P75 9.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
3.3%/中央値 7.3%
P25 4.3%P75 10.7%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
82.7%/中央値 63.4%
P25 50.5%P75 73.9%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
43.6%/中央値 2.2%
P25 -1.8%P75 5.4%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
4.9%/中央値 2.7%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥4,705で、1年前と比べて+59.2%過去52週の値幅のなかでは45%の位置にある。

¥4,705-2.8%1ヶ月+6.2%1年+59.2%時価総額285億円
過去52週の値幅
安値¥2,981高値¥6,850

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)15.2倍
PER (会社予想)12.6倍
PBR1.22倍
配当利回り4.89%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月19日に前日比-5.66%の4580円で終え、7月24日の4425円以来の低水準に落ち込んだ。直近5日間で4890円→4580円と約6.3%下落しており、25日移動平均線(4685円)を下回った。月足では7月の高値5150円から約11%下落し、75日線(5202円)も下回るなど調整色が強い。52週高値6850円からは約33%下、52週安値2981円からは約54%の位置。出来高は8月19日に84700株と増加傾向で、売り圧力が続いている。RSIは64.91と依然高水準。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PER 14.3倍は業界平均18.4倍を下回り割安。PBR 1.42倍はほぼ業界平均並み。ROE 11.5%に対するPBRは適正水準だが、配当利回り5.2%は業界平均2.7%を大きく上回る。ただし配当性向64.1%と高く、増配余地は限定的で、今期2桁の増益見通しも織り込み切れていない可能性がある。

指標この会社業種平均
PER (実績)15.2倍17.8倍
PER (予想)12.6倍
PBR1.22倍1.41倍
ROE11.5%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

日本高純度化学の投資論点は、電子材料需要の回復と事業ポートフォリオ転換の成否。強気派は、半導体・ディスプレイ市場の回復やEV向け新規材料の成長に期待。2025年3月期の大幅増益も評価。弱気派は、売上高が2024年3月期に前年比30%減と大きく落ち込んだ実績から、需要の変動リスクを警戒。また、営業利益率が4%程度と低く、収益性改善が課題。配当利回り5.2%は魅力的だが、業績次第で減配リスクも。

プラスに働く材料7
  • 電子材料需要の回復

    半導体・ディスプレイ市場は底打ち感があり、受注回復傾向。

  • EV向け新規材料の成長

    EVバッテリー関連材料の開発が進み、新たな収益源に。

  • 高配当利回り

    配当利回り5.2%と高く、株主還元を評価する声。

  • 半導体市場回復で高純度化学品の需要増2025年下期影響

    FY26売上高181億円は前年比44%増、収益拡大が期待

  • 高付加価値品の構成比率向上で利益率改善2026年影響

    営業利益率3.3%から5%以上へ改善すれば、営業利益9億円超

  • 配当利回り5.2%の高水準維持通年影響

    業績好調なら増配も視野、株主還元姿勢が株価下支え

  • 自社株買いによる株主価値向上次回株主総会影響

    PBR1.4倍と低く、自己資本効率改善策として実施余地

マイナスに働く材料7
  • 需要変動リスク

    2024年3月期に売上30%減と大幅な落ち込みを経験。

  • 低い収益性

    営業利益率4%と低く、改善が難しい可能性。

  • 業績連動の減配リスク

    高配当だが、業績悪化時には減配の恐れ。

  • 原材料価格高騰による利益圧迫2025年影響

    営業利益5億円のベースで、コスト10%上昇で約0.5億円減

  • 競合他社の新規参入による価格競争2026年影響

    売上高成長率が鈍化し、利益率低下で営業利益横ばい

  • 中国経済減速による輸出減少2025年下期影響

    売上高の3割を占める中国向けが減速、売上10億円程度減少

  • PER11.8倍の割安は成長鈍化リスクを反映継続影響

    市場コンセンサスに達しない業績なら、更なるバリュエーション低下

次の決算で確かめる点
売上高の前期比増減率
需要の回復度合いを測る基本指標。
営業利益率
収益性改善の進捗を確認するため。
EV関連売上比率
新規分野の成長性を評価するため。
配当性向
減配リスクを判断するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり230で、前期から+58.7%いまの株価に対する利回りは4.89%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥230
1株あたり
配当利回り
4.89%
いまの株価に対して
配当性向
64.1%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月8064.3
2018年3月800.055.5
2019年3月800.054.7
2020年3月800.053.8
2021年3月800.058.6
2022年3月9012.554.0
2023年3月80−11.181.8
2024年3月10126.3106.0
2025年3月12624.846.0
2026年3月20058.764.1

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥230

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ4,574人。区分でいちばん多いのは個人・その他39.4%。グループ会社や銀行などの安定株主が25.9%を占め、残る74.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他43.943.542.140.438.439.4
外国法人16.115.216.920.528.231.0
事業法人22.022.823.721.515.713.8
金融機関16.016.916.414.916.312.1
自己株式8.27.35.25.14.84.3
証券会社2.01.60.82.61.33.7
外国人個人0.00.00.00.00.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB)19.00
02日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)6.90
03RBC IST 15 PCT NON LENDING ACCOUNT - CLIENT ACCOUNT (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)4.01
04公益財団法人JPC奨学財団2.47
05下田 賢一2.28
06明治安田生命保険相互会社2.23
07株式会社日本カストディ銀行(信託口)2.19
08ワタナベホールディングス株式会社1.95
09シチズン時計株式会社1.93
10MK CHEM & TECH. CO., LTD.1.29

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近17
  • 2026-07-29
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    5.00%
    -1.30pt
  • 2026-07-24
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    6.30%
    -1.17pt
  • 2026-07-09
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    7.47%
    -1.26pt
  • 2026-07-06
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    3.79%
    +0.69pt
  • 2026-07-01
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    8.73%
    -1.32pt
  • 2026-06-26
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    10.05%
    -1.14pt
  • 2026-06-25
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    11.19%
    -1.29pt
  • 2026-06-23
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    12.48%
    -0.18pt
  • 2026-06-08
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    12.66%
  • 2026-06-05
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    3.10%
  • 2026-06-04
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    12.66%
  • 2026-06-02
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    12.66%
  • 2026-05-28
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    変更報告
    12.66%
  • 2026-05-28
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    変更報告
    12.66%
  • 2026-05-26
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    12.66%
  • 2026-05-19
    ひびき・パース・アドバイザーズ・エスピーシー(Hibiki Path Advisors SPC)
    新規の大量保有報告
    12.66%
  • 2026-04-08
    ひびき・パース・アドバイザーズ(Hibiki Path Advisors Pte. Ltd.)
    変更報告
    0.00%
    -7.57pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+132%、1株純資産は14期で+154%。直近期のROEは11.5%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1341,22111.416.559.4
2014年3月1151,3029.019.969.5
2015年3月1321,5389.318.860.7
2016年3月1211,4438.116.865.9
2017年3月1241,6508.019.064.3
2018年3月1441,9118.117.955.5
2019年3月1461,7508.016.254.7
2020年3月1491,8348.316.153.8
2021年3月1372,2596.720.558.6
2022年3月1672,4177.214.454.0
2023年3月982,3344.126.981.8
2024年3月952,5103.932.0106.0
2025年3月2742,33911.311.446.0
2026年3月3123,09811.514.864.1

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2026/3期の役員報酬は総額208百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
小島智敬代表取締役 社長5439,400
渡邊基常務取締役659,400
渡辺雅夫取締役相談役8652,300
大畑康壽取締役755,500
川島勇取締役671,500
黒松百亜取締役52500
林博司取締役661,500
富國重遠取締役(常勤監査等委員)64500
髙野雅典取締役(監査等委員)65
大竹裕子取締役(監査等委員)53
田名部雅文671,000

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円ストックオプション百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)7892018212918
社外取締役4235277
監査等委員320207
社外取締役320207
監査役3662
社外監査役3662

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容8,439字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は、電子部品のプリント基板(注)1(パッケージ基板(注)2を含む)、コネクター及びリードフレーム(注)3等の接点・接続部位に使用される貴金属めっき薬品の開発、製造及び販売を主な事業内容としております。特にプロセスアドバイス及びアフターフォロー等までも含めた総合的な提案・提供を行っており、ユーザーのニーズに密着した製品の開発、製造及び販売に努めております。 当社は、1971年7月の会社設立以来、常にエレクトロニクス分野を最大のターゲットとしており、エレクトロニクス業界の伸長に伴い、プリント基板、コネクター及びリードフレーム用の金めっき薬品、銀めっき薬品、パラジウムめっき薬品を市場に送り出してまいりました。特に、製品開発においては海外からの技術導入に頼らない自社独自の開発技術体制で臨んでおり、長年にわたって技術の集積を行っております。 貴金属めっき技術は、表面処理技術の1つであり、貴金属を電気化学的に析出させる「電解めっき」と化学反応を利用して析出させる「無電解めっき」とに大別されます。当社の貴金属めっき薬品を方法別・貴金属別に分類しますと、次のようになります。 めっき方法   貴金属   種類   用途品目別区分 (主な最終製品) 電 解   金   軟質純金   プリント基板・パッケージ基板(注)2 (スマートフォン、パソコン、電子機器等) 硬質金   コネクター・マイクロスイッチ (スマートフォン、パソコン、電子機器等) パラジウム   パラジウム合金 純パラジウム   リードフレーム (スマートフォン、パソコン、電子機器等) 銀   純銀 無電解   金   置換金   プリント基板・パッケージ基板 (携帯電話、スマートフォン等) 還元金   プリント基板・パッケージ基板 (サーバー、パソコン等) パラジウム   還元パラジウム   プリント基板・パッケージ基板 (携帯電話、スマートフォン等) 貴金属めっきの必要性について エレクトロニクス機器は、多くの部品を組み合わせて作られますが、個々の部品を接続していく工程(実装工程)で、不可欠なものが貴金属めっきです。高密度実装になるほど部品間の接続面積は小さくなり、接点のわずかな腐食、酸化が接続不良につながります。貴金属(金、銀、パラジウム)は、金属の中でも最も腐食、酸化されにくい金属で、実装工程での接点部に貴金属めっきを施すことにより実装部品の信頼性を高めることができます。 (注)1 プリント基板 絶縁物の板に薄い銅箔を貼付けた基板を、回路図にしたがって不必要な銅箔を取り去り、電子回路を構成したものをいいます。絶縁物にはベークライト、紙にフェノール樹脂をしみ込ませたもの、グラスファイバーに樹脂をしみこませたものなどが使われます。最近では、より小型化するために板を何枚も重ねた多層基板が主流になっています。パソコンのマザーボードなどがプリント基板に該当します。 2 パッケージ基板 BGA(注)4、CSP(注)5、FC-BGA(注)6、などの半導体パッケージに用いられ、半導体チップ (IC、LSIチップ)を実装し、外部回路と電気的に接続する高機能プリント基板であります。 3 リードフレーム 半導体パッケージの内部配線として使われる薄板の金属のことで、外部の配線との橋渡しの役目を果たしており、半導体パッケージの大部分に使われております。 4 BGA(Ball Grid Array ボール・グリッド・アレイ) IC(集積回路)パッケージのひとつで、パッケージの裏面に、入出力用のパッドを並べたタイプです。ICチップとの接続はワイヤーボンディング方法が主体です。多ピンのICを表面実装するためのパッケージとして広く使われています。プリント基板との接続は、2次元格子状に配置された半田ボール用電極にて行っています。ワイヤーボンディング及び半田ボール用電極は、いずれも金めっきが施されています。金めっきはワイヤーボンディング部分と半田ボール接合部分に使われております。 5 CSP(Chip Size Package チップ サイズ パッケージ) ICのチップとほぼ同じ大きさの超小型ICパッケージのことであります。CSPを使用することで、セットの基板実装面積を大幅に削減できます。BGAと基本構造は同じになっております。高精細な設計になっており、パッケージの大きさはICチップと同等まで小型化されております。電極の大きさは数十ミクロン。金めっきはワイヤーボンディング部分と半田ボール接合部分に使われております。 6 FC-BGA(Flip Chip Ball Grid Array フリップチップ・ボール・グリッド・アレイ) BGAパッケージの一種で、半導体チップ表面に形成したバンプを用いて、半導体チップを反転して基板上に直接接続するフリップチップ実装方式を採用した高性能半導体パッケージであります。高速伝送性や高集積化に優れ、主に高性能CPU、GPU、AIサーバー向け半導体等に用いられております。パッケージ基板には、高密度配線形成や接合信頼性確保のため、金めっきが使用されております。 <価値創出の循環モデル> 当社は『化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる』の企業理念のもとに集まった技術者集団です。経営上の重要課題(マテリアリティ)として、(1)環境にやさしい製品づくり、(2)人的資本経営の推進、(3)知的無形資産の質的向上、(4)経営基盤の強化、の4点を認識し、従業員のほか、お客様やお取引先様、株主や投資家の皆様、化学の将来を担う学生の皆様ほか、すべてのステークホルダーと社会全体に価値を提供しています。さらには、事業活動によって生み出した価値を経営資源に再投入しながら、財務的・非財務的な価値を持続的・循環的に拡大していきます。 1.当社のビジネスモデル、バリューチェーンに与えるサステナビリティ関連のリスク・機会の影響 当社のビジネスモデル及びバリューチェーンは、中長期ビジョン「RDD2030」に掲げる戦略的目標を達成し、短期、 中期及び長期にわたって持続的なキャッシュ・フローを生み出すための、独自の価値創造システムとして機能してい ます。このシステムは、製品の構想から調達、製造、販売、顧客による使用、そして終了に至るまで、当社が利用し 依存する資源や外部環境との相互作用のすべてを包含しています。 (1)価値創造を支える経営資源 当社は知識集約型企業として、以下の経営資源を事業活動に投入し、独自の付加価値へと変換しています。 ・人的資本・知的資本: 全社員の約8割を占める物理・化学分野に精通した技術者集団(能動型自律人材)が最大の経営資源です。彼らが開発する長年培われた独自の有機化合物技術「Protecting Agent」を含む「レシピ(知的財産)」、顧客課題に即応する「スピード」、そして製造工程をレシピに基づくフォーミュレーション(秤量・調合)に集約した「ファブライトな製造プロセス」が付加価値の源泉となっています。 ・自然資本: めっき薬品の原料となる化学薬品、および、金、パラジウム、銀などの貴金属や希少鉱物に深く依存しています。 ・財務資本・製造資本: 大規模な製造設備を持たない「ファブライト経営」により強固な財務基盤を維持しています。固定資産への投資を抑え、経営資源を「人」に集中させることで、高い資本効率を実現しています。 (2)バリューチェーンの構造とリスク・機会の集中 当社のバリューチェーンは、研究開発とフォーミュレーションに機能を絞った以下のプロセスで構成されています。 ・上流(原材料調達・外注): 化学薬品や貴金属の仕入れ、および外部パートナーへの加工・合成委託。 ・内部(研究開発・製造): 技術者による独自のレシピ創出と、それに基づくフォーミュレーション工程。 ・下流(販売・顧客による使用): 電子部品メーカー等への製品販売と、実装工程の信頼性を高めるソリューションの提供。 当社のシステムにおいて、サステナビリティ関連のリスク及び機会が最も集中しているのは、独自のレシピを創出しフォーミュレーション工程を担う能動型自律人材(技術者集団)の活動です。これらの工程においては、人材の専門性や創造性が、ビジネスモデルの持続可能性や将来のキャッシュ・フローに直結する構造となっています。 (3)サステナビリティに関するリスク及び機会がビジネスモデル及びバリューチェーンに与えている影響 ①現在のビジネスモデル及びバリューチェーンに与えている影響 識別されたリスク及び機会は、現時点において各段階に以下の影響を及ぼしています。 ・上流段階: 化学薬品や貴金属への高い依存により、サプライヤーの環境・安全対応状況や地政学的要因による供給停滞・コスト変動のリスクが、調達の安定性に影響を与えています。 ・内部段階:能動型自律人材が創出する付加価値の源泉である「独自のレシピ」、顧客課題に即応するスピード、およびレシピに基づいたフォーミュレーション工程の継続的な最適化といった機会が、他社との差別化や既存技術の優位性の維持に繋がっています。 ・下流段階: 化学薬品の危険性や有害性が顧客の作業環境や環境負荷に直結するため、法規制や顧客のグリーン調達基準の変化が製品の市場競争力に直接影響しています。 ②将来のビジネスモデル及びバリューチェーンに与えると予想される影響 当社は、将来的な資源入手可能性の不確実性や人的資本の質的変化といったサステナビリティ関連のリスクを、最大の経営資源である能動型自律人材の役割を強化し、価値創造プロセスをより強靭なものへと変容させる機会と捉えています。 ビジネスモデルに与える影響: 当社の内部的な価値変換システム(ファブライト経営)において、能動型自律人材の流出や、専門性・創造性の低下といった人的資本の変質は、付加価値の源泉である独自の「レシピ」を生み出す力を弱める重大なリスクとなる可能性がある一方で、彼らが長年培ってきた膨大なレシピや技術情報を、DX基盤の整備を通じて高度にシステム化し、個人の知見を組織の力へと変換することは、外部環境の変化に左右されず持続的に付加価値を生み出し続ける、より強固な知識集約型ビジネスモデルへと進化させる可能性があります。 バリューチェーンに与える影響: 原材料調達から製品使用に至るバリューチェーンの各段階において、顧客課題を的確に把握し解決する技術者集団の質的劣化は、チェーン全体の競争力やレジリエンス(強靭性)を損なうリスクとなる可能性がある一方で、物理・化学に精通した能動型自律人材が主導となり、独自の技術と「スピード」を活かして有害物質を排除した高付加価値製品の開発を戦略的に推進することは、将来の成長市場において他社との圧倒的な差別化を明確にし、供給網全体のレジリエンスを盤石にする可能性があります。 当社は、これらの影響を深く認識し、適切かつ長期的な人財戦略を構築することで、将来の市場環境の変化に柔軟に対応できる能動型自律人材の育成と確保を経営の最優先事項として推進してまいります。 2.価値創出の循環モデル (1)企業理念:化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる (2)経営上の重要課題(マテリアリティ) ①環境にやさしい製品づくり (ア)環境負荷低減につながる製品開発及び事業活動の推進 (イ)めっき工程におけるエネルギー使用量削減 (ウ)めっきで培ったコア技術の応用によるエネルギー分野への貢献 ②人的資本経営の推進 (ア)企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成 (イ)能動型自律人材の採用と育成 (ウ)働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備 ③知的無形資産の質的向上 (ア)知財・無形資産の適切な管理・共有 (イ)知財・無形資産の効果的な活用 ④経営基盤の強化 (ア)社外役員による監督・指導と内部監査等によるコーポレート・ガバナンスの強化 (イ)コンプライアンス体制の強化 (ウ)ステークホルダーへの適切な情報発信 (3)ビジネスモデル <価値創造を支える経営資源(インプット)> ①人的資本:技術系を中心とした能動型自律人材 当社は知識集約型・研究開発型の企業であり、人的資本が事業活動の大切な源泉と考えています。「能動型自律人材」を育成し、製品開発や営業活動をはじめとする事業活動を活性化するとともに、従業員が安心して働くことのできる健康的で安全な職場環境の整備によって会社と従業員のエンゲージメントが高まることが事業成長と企業価値向上につながる機会と考え、(ア)企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成、(イ)能動型自律人材の採用と育成、(ウ)働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備という3つのテーマ・方針に沿って「人的資本経営」を推進しています。 ②知的資本:蓄積された研究開発ノウハウと製品レシピ 社員の約8割を占める技術系出身者が営業・技術一体となって、当社固有技術であるProtecting Agent*等を用いた技術開発・提案を行い、お客様の課題解決に取り組むなかで、実験データを始めとする化学の知見やノウハウを蓄積し続けています。また、当社にとって重要な製品レシピ等の知的財産を安全かつ効果的に活用するため、営業・技術情報の電子化・システム化などのDX基盤整備を進めています。 * 特定の金属に選択的に吸着し、電子を供与又は吸引することによってめっき反応や皮膜物性をコントロールする一連の有機化合物。 ③自然資本:原料となる貴金属、化合物の有効活用 めっき薬品の製造に欠かせない貴金属や希少鉱物、化学物質の安定的な調達先を確保し、事業活動に活用します。一方でサステナビリティの観点から、貴金属の使用量を節約する省貴金属や、環境に悪影響を及ぼす物質の使用を回避する環境配慮型の製品開発を推進しています。 ④財務資本:強固な財務基盤 知識集約型企業としての効率的な経営と競争力の高い製品により強固な財務基盤を築いています。純資産は高い水準を維持しており、一定水準の株主還元を行いながらも引き続き安定的に推移する見通しです。中期経営計画では、政策保有株式の縮減により得られる資金を含めた手元資金を、事業拡大に向けた戦略投資に充てる計画です。 ⑤製造資本:フォーミュレーション特化の製造設備と生産体制 当社はめっき薬品の製造において大型な設備は保有せず、工程をフォーミュレーションに絞ることによりファブライト型経営を実現しています。長年培ったオペレーションのノウハウがお客様ニーズに柔軟に対応する多品種少量生産を支えています。 ⑥社会・関係資本:ステークホルダーとのエンゲージメント 多品種少量・短納期生産への対応や、意思決定の速さや手厚いサポートによって、お客様との信頼関係を培ってきました。めっき薬品のもととなる原材料の仕入先様とも長年にわたり良好な関係を維持しています。加えて、プライム上場企業として情報開示の充実やIR活動、SR活動を通じて、多くの株主・投資家の皆さまとのエンゲージメントを築いております。 <事業活動> 企業理念『化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる』のもと、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業となるための中長期ビジョン「RDD2030」とともに、めっきで磨いてきた酸化還元の技術で新たな事業価値を創造することを目指しています。 1.強みとこだわり ~JPC’s Identity (1)金の卓越したノウハウ 当社は貴金属や希少鉱物を取り扱っています。事業領域をエレクトロニクス分野の貴金属めっきに集中し、限りある資源を有効活用し使用量を節減する社会的使命を50年以上にわたって大切に引き継ぎながら、優れた省貴金属性能や環境配慮特性をもった製品を輩出しています。 当社のめっき薬品は半導体や電子回路基板などの接点に利用され、最終的にはスマートフォンやパソコン、自動車、家電などの身の回り品や、人工衛星や高速通信の基地局などの先進社会インフラに組み込まれることによって、安心・安全で豊かな社会と持続可能な地球の両立を支えています。 (2)スピード 当社は60名ほどの社員の大部分が物理・化学分野に精通した技術者で、営業部門は技術部門とのローテーション制です。それは「化学の好奇心」を持つ技術者が直接お客様のもとに赴き、適時に課題や要望を吸収して即応する体制を築いていることを意味しています。また技術部門が有する高度な分析設備を、商品の開発や改良だけでなくお客様の製造ラインの課題解決にも直接役立てています。素早い意思決定にもとづく早期・柔軟・高品質な技術サポートに加え、長年にわたり蓄積した知見にもとづくめっきプロセス全般のアドバイスを行うトータルソリューションによって、お客様との信頼関係を築いています。 (3)フォーミュレーション 当社はめっき薬品を製造していますが、大型の製造設備(固定資産)は持っていません。原材料を外部から調達し、製造工程をフォーミュレーションに絞ることで、“持たざる経営”を実現しています。早くから投資の大部分を“人”に集中し、事業活動の中心を研究開発とすることによって生み出した無形の資産たる“レシピ”こそが、当社の付加価値の源泉なのです。 こうした強みを発揮することによって盤石の経営基盤を確立してきた当社ですが、技術者の「化学の好奇心」はとどまるところを知りません。現在の強みはそのままに、新たな技術領域を取り入れたり、めっきにより育んできた酸化還元反応の技術と知見を他分野へと応用したりすることによってイノベーションを起こし、さらなる飛躍を目指してまいります。 2.事業活動 (1)事業活動の系統図 ※レシピ:めっき薬品を調合するための、原材料の成分と手順を記したもの ①仕入 当社は貴金属化成品メーカーより貴金属地金及び貴金属(金、銀、パラジウム)を含んだ薬品(以下「貴金属薬品」という)を仕入れております。また、化学薬品メーカーより化学薬品を仕入れております。 ②生産 当社は国内外のユーザー及び国内外の販売代理店から受注して生産を行っております。顧客のニーズに合わせ、仕入れた原材料を調合することで、貴金属めっき薬品が完成します。 ③外注 当社は仕入れた貴金属(金、銀、パラジウムの地金)を貴金属化成品メーカーに支給し、貴金属薬品への加工を依頼するケースがあります。化学薬品も市販品がない場合には、特注品を化学薬品メーカーに合成を委託し、新製品に応用するケースがあります。特注品の委託の際にはNDA(秘密保持契約)を交わして行います。 ④販売 当社は貴金属めっき薬品を国内外のめっき専業メーカー、電子部品メーカー及び総合電機メーカーに販売しております。直接上記メーカーに販売するケースと国内外の販売代理店を通して販売するケースの2通りがあります。国外は韓国、台湾、中国、シンガポールに販売代理店を置いております。 <価値創出(アウトプット)> ①めっき薬品 ・省貴金属性能 ・環境に配慮した製品 ・短納期生産 ・顧客に最適化した製品 ②サポートサービス ・早期の課題解決 ・高品質なサポート ・めっきプロセス全般のトータルアドバイス <価値提供(アウトカム)> ① 従業員 仕事を通じて能動型自律人材へと成長し、ウェルビーイングを実現します。 ② 学生 「JPC奨学財団」により理工学を学ぶ学生の成長を支援します。また新卒の学生を継続的に採用します。 ③ 顧客 省貴金属性能や歩留まり率の向上により、生産工程におけるQCDの向上を実現するとともに、環境配慮型商品の開発・製造や、健康で安全な職場環境づくりに貢献します。 ④ 取引先 公正な取引を続け、安定的な関係を構築します。 ⑤ 環境 サプライチェーンにおける貴金属使用量を節減するとともに、有害物質の排出をなくします。 ⑥ 株主・投資家 企業価値を向上させ、安定した株主還元を続けます。 □財務目標 -2030年度目標 ・売上高 :300億円 ・営業利益 :30億円 -経営効率目標 :ROE 10% -配当指標 :DOE 5%下限(2023年度期末配当より) □非財務目標 -GHG排出量の削減 -エネルギー使用量の削減 -健康経営優良法人認定の継続的取得
経営方針・対処すべき課題3,702字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。なお、当社は単一セグメントです。 (1)経営方針 IT社会は多様な産業に支えられていますが、日本が最も活躍している産業は、電子デバイスに必要とされる機能 性材料を供給しているファインケミカル分野です。当社の主要製品である貴金属めっき薬品は、その機能性材料の一種であることから、当社はケミストリ(化学)を基礎に科学的に理論武装した独創的な製品により、社会課題と向き合い、多様な視点と独自の発想力を発揮し、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業を目指します。 (2)経営戦略等 当社は少数精鋭・ファブライト型・開発型企業として、貴金属めっきに特化して事業を発展させてきました。製造プラント等の生産設備は持っておらず、新規製品開発のためのマーケティング、それを実行するための技術開発及び営業活動に力を入れ、いち早く商品化を実現することで、市場のシェアを獲得してまいりました。設立50年を過ぎた今、コロナ禍を追い風にDX化等により急拡大する電子部品業界において、既存市場以外においても当社の技術で解決できる社会課題があることが、より鮮明になってきました。 そこで当社は、自身の強みを堅持しつつ、新規事業領域や既存市場でのニーズをとらえて社会課題の解決につなげるべく、中長期ビジョン「RDD2030※」を策定し、2030年までの期間を3つのフェーズに分け、既存市場はもとより、新たな市場で評価される“日本高純度化学”へと進化していくことを目指しています。 ※RDD2030= Redox-innovation through Discovery & Development toward 2030 ■中期経営計画 -ビジョン:RDD2030* :Team JPCでRedox技術を深化!進化!新化! *RDD2030:Redox-innovation through Discovery & Development toward 2030 -RDD2030で目指す姿:めっきで培ったRedox技術**により、ナノレベル***から豊かな未来を支える- ** Redox:レドックス、reduction/oxidationの混成語で酸化還元の意 *** 1ナノメートル=10億分の1メートル -中期計画による事業拡大のイメージ- -事業戦略の基調テーマ:投資による事業拡大 (3)経営環境 当社が主力基盤とする半導体・電子部品市場は、グローバル規模での発展を維持しており、当社の販売先であるメーカーの多くは、この広大な市場に適応するために、新技術を生み出す開発力を競い合っています。 当社を取り巻くリスクについては、次項3〔事業等のリスク〕に記載の通りですが、パンデミックや気候変動等の「環境的リスク」、貿易制限や紛争・戦争といった「地政学的リスク」、重要原材料・重要部品の不足等の「経済的リスク」、輸送インフラ不全等の「技術的リスク」といった様々なリスクが見られる不透明・不確実な足元の経営環境の中でも、ライフスタイルの変革、脱炭素/省資源に伴うエネルギーシフト、データ通信量・容量の急激な増加等の「変わらぬメガトレンド」が存在し、当社が貢献できる社会課題は多数あると認識するとともに、中長期的にも、AIやロボットとの調和、スマートシティ、宇宙開発、ヘルステックなど、人々が豊かで幸せな暮らしを送る未来社会に向けて、当社の独創性、知的財産を活かした事業機会はますます広がっていくと考えています。 (4)対処すべき課題と対策 ①営業力の強化 デジタルトランスフォーメーションやグリーントランスフォーメーションへの投資の拡大、自動車のEV化・電装化の加速を背景に、データセンターや高速大容量通信、生成AI・AI搭載機器、パワーデバイスなどを中心としたエレクトロニクス分野の需要が大きく拡大しております。これにともない、半導体をはじめとするハイエンド電子部品および、それらの製造に不可欠な高性能・高品質なめっき薬品への要求も一層高まっております。 一方で、電子部品業界においては製品用途の多様化と技術高度化が進展しており、顧客ごとに求められる仕様や対応内容はより専門的かつ細分化しております。このため、顧客ニーズを的確に捉え、迅速に対応する体制の強化が重要な課題となっております。 このような環境下、当社は営業力強化の一環として営業部門を再編し、コネクター・半導体・リードフレーム等を担当する第一営業部と、PCB・パッケージ基板を担当する第二営業部に分割いたしました。これにより、各分野に特化した専門性の向上と顧客密着型営業を推進し、提案力および対応力の強化を図ってまいります。 あわせて、国内外の主要顧客へのタイムリーな製品供給に加え、省資源プロセスなど環境配慮型製品の提案や、プロセス全体の性能向上に資する技術提案を強化してまいります。また、表面処理薬品メーカーや装置メーカーとの協業、国際学会・展示会への参加等を通じて、技術発信とブランド認知の向上を図り、新規顧客の獲得につなげてまいります。 さらに、地政学リスクの高まりに伴う顧客の生産拠点移管に対応するため、海外営業人員の拡充に加え、顧客との技術情報共有を目的とした当社独自のプラットフォーム「J-PLAT*」の運用を開始し、グローバルな供給・サポート体制の強化を図ってまいります。今後も市場環境の変化に機動的に対応し、顧客との信頼関係を深化させることで、事業拡大を推進してまいります。 *商標登録出願中 ②技術開発力の強化 当社の競争相手は、貴金属めっき薬品業界だけでなく卑金属めっき薬品業界も含みます。また、グローバル化が進んだ昨今では海外のローカルメーカーも台頭しつつあり、技術開発競争は一層厳しさを増しております。このような状況の中、貴金属めっき分野では顧客要望に対しタイムリーな改良に対応できるプロセス提案力及び車載向けや産業機械向け等の新用途開拓に向けた技術開発力の向上が不可欠となります。なかでもニッケル不使用プロセスをはじめとする次世代最終表面処理プロセスの実現にあたっては、貴金属めっき薬品に限定せず、前・後処理、装置等のニッチトップ企業との協力を含むプロセス全体での性能向上を達成し、めっき工程のトータルプロセスカンパニーへと変革していく必要があります。 また貴金属/卑金属にこだわらず、業界として技術的に未完成なテーマを厳選して完成に向けた開発を推進していくことが重要と考えます。例えば、昨今の貴金属価格の高騰を背景とした貴金属代替めっき薬品の開発を推進しております。 さらに当社は、めっきで培った酸化還元(Redox)の技術を活かし、既存の事業領域だけでなく新しい事業領域の創出を目指しており、中長期ビジョンRDD2030*のもと、電池材料開発を推進中です。従来のめっきだけに留まらない柔軟な思考力と技術開発力が必要となります。 サステナビリティを巡っては、当社は貴金属や希少鉱物を使用する製造業であり、多くの化学物質を取り扱う事業の性質上、地球環境への配慮が不可欠です。環境負荷低減につながる製品開発、めっき工程におけるエネルギー使用量削減といった環境にやさしい製品づくりが重要な課題であると認識しています。 このような状況の中、当社の数倍の技術陣容を有する競合薬品メーカーに対抗するためには、ユニークな発想を持ち視野の広い技術陣の育成が必要となります。能動型自律人材の採用と育成により、技術陣のレベルアップを実現し、開発力の強化を図ってまいります。同時に、当社単独では困難な技術開発やトータルソリューション力の強化を効率的に実施していくため、最適な外部連携及び協業を図ってまいります。 *RDD2030 = Redox-innovation through Discovery & Development toward 2030 (5)目標の達成状況を判断するための経営指標 スマートフォンやパソコンなど民生向け需要が回復基調で推移したことに加え、生成AI関連需要の拡大を背景に、半導体パッケージ、モジュール、およびメモリ向けの販売も堅調だったため、営業利益は576百万円と前期比73百万円増加いたしました。さらに政策保有株式の売却を進めたため、当期純利益は1,803百万円と前期比224百万円増加し、2026年3月期のROEは11.5%と前期比0.2ポイント改善しました。詳細につきましては、「第一部〔企業情報〕第1〔企業の概況〕〔主要な経営指標等の推移〕自己資本利益率」をご参照ください。中長期のROE目標10%の達成、維持に向けて、収益性の向上、資産の更なる効率化に取り組んでいく所存であります。
事業等のリスク3,303字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。当社として必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項につきましても投資判断上、あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から記載しております。 記載された事項で、将来に関する事項は、提出日現在入手可能な情報から当社の経営判断や予測に基づくものです。 a.電子機器業界への依存度が高いことについて 当社製品は、主に電子部品のパッケージ基板、プリント基板、コネクター、リードフレーム等に用いられており、その販売先は主に電子機器業界であります。当社の業績は、これらの電子機器業界動向、とりわけスマートフォン市場、パソコン市場の影響を大きく受けます。 b.製品市況及び原材料市況等の影響について 当社の主要製品に使用されている原材料は、貴金属類と薬品類に大別され、金額ベースでは貴金属類が大半を占めております。 薬品類の価格は比較的安定しておりますが、貴金属(金、銀、パラジウム)は国際商品市況に大きく左右されます。ウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化、台湾有事等の地政学的リスクの顕在化や鉱山の事故等を背景とした原材料の価格高騰、供給制限が生じた場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 なお、貴金属についての顧客との契約は基本的に仕入、販売とも当日の建値を基準に決定しており、受注と同時に貴金属の発注を行うため、利益額については貴金属価格の変動の影響をほとんど受けません。ただし、回転在庫を確保しておくことによる価格変動リスクが発生するため、納期の短縮や、在庫量を最小限に抑えることで、影響を最小限にとどめるよう努めております。 c.為替変動による影響について 2025年3月期及び2026年3月期における当社の輸出比率は、それぞれ48.8%、51.9%であります。海外との取引につきましては、円建での決済を基本としておりますが、最近ではドル建による取引が増加傾向にあります。為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、これによる当該リスクを完全に回避できる保証はなく、業績が為替変動の影響を受ける可能性があります。 d.研究開発について 電子機器業界における技術革新は著しく、より顧客ニーズに合った製品を提供し、シェアの維持と拡大を行うための研究開発は極めて重要であり、当社は新製品の開発及び既存製品の改良等の研究開発活動を全力で推進しております。 当社は今後とも、最先端デバイス向けめっき薬品をはじめ、ユーザーの更なる性能の向上及びコストダウンに貢献するめっき薬品や、環境に配慮しためっき薬品等の研究開発活動に取組んでいく方針ですが、かかる研究開発活動が当社の計画通りに順調に行われなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 e.知的所有権について 当社の主力製品である貴金属めっき薬品は、成分組成が複雑であるため、分析による成分組成の解析が困難で同等品としての参入は一般的に容易ではないことに加え、当社が申請した特許が不成立となった場合にはめっき薬品の組成情報が公開されてしまうことから、当社はこれまで貴金属めっき薬品の特許権取得を積極的に行っておりませんでした。 しかしながら、近年の有機分析技術の進展を受け、今後の新技術の研究開発については、組成情報による特許出願ではなく物理化学定数で規定するパラメーター特許出願により技術保全を重視していく方針です。ただし、出願する特許がすべて登録されるとは限らず、また、当社の研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合には、当社の事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。 入念な事前調査を行っているにもかかわらず、当社が開発・販売する製品が第三者の知的所有権を侵害しているものと判断された場合や、当社製品に関連する新しい他社特許が認可された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 f.技術ノウハウの流出及び漏出について 当社の技術情報には、めっき薬品の開発経緯、めっき薬品の組成・成分、当社と顧客間との技術データ等があります。これらの技術情報は所定の保管庫に収納し、日次管理を行っており、外部への持出、複写等を禁じております。特にめっき組成・成分につきましては、当社特有の呼称に変換して記載するなど、漏出防止に努めております。 しかしながら、最近は社外とのコミュニケーションにメール、フラッシュメモリ、プロジェクター等を使用するケースが増加しており、万が一これらの情報が外部へ漏出した場合には、めっき薬品の成分分析結果と漏出情報との照合により類似品製造が可能になると考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、WEB会議や在宅ワーク等といった働き方が浸透するに伴い、ITツールを利用する機会が多くなり厳密な社内管理ルールで運用しているにもかかわらず、セキュリティ事故等により一部の営業機密等が漏洩し、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。なお、社員採用時に当社の方針、守秘義務、機密保持等の理解を徹底しておりますが、退職者が出た場合には、退職後相当期間も含む守秘義務契約にもかかわらず、一部の技術情報等が流出し、当社の事業に影響を及ぼす可能性は否定できません。 g.人材の確保、育成について 当社は、各社員が自らの役割を遂行することはもちろん、各々が常に全体観を持って業務を推進しております。現状では、知名度の向上、採用活動の強化、教育・研修の拡充等の施策により優秀な人材を確保できる状況にありますが、今後、研究開発体制の更なる強化、更なる海外展開、新事業分野への進出等にともなう業容の拡大に際し、当社の求める人材を十分に確保、育成できない場合には、今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。 h.法的規制について 当社は、めっき薬品の原材料として毒物及び劇物取締法の対象となる薬品を使用しているため、その販売、製造、輸入等に関して、それぞれ販売業登録、製造業登録及び輸入業登録等をしています。労働安全衛生法改正により従来の特定の化学物質を規制する個別規制型からリスクアセスメントに基づく自律的な管理に転換される中、当社も徹底した化学物質管理体制を確立し、法令遵守に努めております。しかしながら、万が一法令違反があった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 i.廃棄物等の管理について 当社の製造または実験過程において生じる廃液及び大気中への排出物については、環境に配慮した適切な処理が必要とされます。当社は、廃液についてはその濃度に応じて、排水処理装置での処理、または外部委託処理を行っております。排気管理については実験室及び製造工程における局所排気を通じ排気ガス処理装置で処理しております。これらの取組みの結果、現在まで行政からの指導、地域住民等からの申入れ等を受けたことはありませんが、将来において当社の排出物の管理に何らかの問題が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 j.被災時の対策について 当社はこれまで全部門が単一拠点に集中することで意思決定の迅速さ、生産効率と顧客満足の向上に努めてまいりました。一方、東日本大震災後、BCP(事業継続計画)の重要性が注目され、主要製品の在庫保有と主要顧客向け外部倉庫の運用をしております。当社主要顧客からBCP策定を要求される機会も増しております。また、コロナ禍を機に本社南棟(旧事務棟)に主要製品の製造スペースの確保と設備投資を行い、緊急時製造拠点として確保しました。さらに、2026年3月期に本社製造スペースの再編(増床・効率化)に着手し、今後の安定調達・安定供給の強化を見込みます。しかしながら、首都圏において大規模な震災等が発生した場合、一時的に製品製造や出荷等が滞り、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,522字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)業績等の概要 当期の世界経済は、緩やかな回復基調をみせましたが、各国の金融政策の動向や地政学的リスクの高まり、通商政策の不確実性などにより、先行き不透明な状況が継続しました。ウクライナ情勢の長期化や中東地域を巡る緊張の高まりなどを背景に、資源・エネルギー価格は高止まりし、インフレ圧力が依然として残る中、各国の金融政策や為替・株式市場は不安定な動きとなりました。米国では、堅調な雇用環境と個人消費に支えられ、景気は底堅く推移しましたが、高金利環境の長期化や通商政策の影響によるインフレ再燃への懸念が残り、引き続き注意を要する状況です。欧州では、個人消費は底堅さを維持したものの、エネルギー価格や金利水準の影響を受け、製造業を中心に成長の鈍化が見られました。中国では、政府による景気刺激策の効果が一部で見られるものの、不動産市場の低迷や個人消費の回復の遅れなどにより、景気は低調に推移しました。日本経済においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に、緩やかな回復基調が続きましたが、物価上昇や為替変動の影響に加え、製造業においては外需の弱さがみられました。 電子部品業界におきましては、ハイパースケーラーによるAIインフラ投資の拡大を背景に、AIサーバーおよびデータセンター向け需要が大きく伸長しました。パソコン向けは着実に回復した一方、スマートフォンなどの民生機器およびFA機器等の産業機器向けは緩やかな回復にとどまりました。車載用電子部品については、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)やSDV(Software Defined Vehicle)の普及が下支えしたものの、米国の関税措置や欧米の電気自動車政策見直し、中国の内需減速の影響を受け、需要の伸びは限定的となりました。 当社におきましては、プリント基板・半導体パッケージ基板用めっき薬品の販売について、生成AI向けの需要拡大を背景に、半導体パッケージ、モジュールおよびメモリー向けが好調に推移しました。パソコン向けはおおむね堅調に推移した一方、スマートフォン向けは回復基調が続いたものの力強さを欠く状況となりました。コネクター用めっき薬品については、スマートフォン向けおよび産業機器向けで緩やかに回復したものの、車載向けでは足踏み感がみられました。リードフレーム用めっき薬品については、民生向けが堅調に推移し、車載向けでは下期に在庫調整が解消に向かいました。 その結果、売上高は18,073百万円(前期比43.3%増)、営業利益は576百万円(前期比14.7%増)、経常利益は776百万円(前期比18.0%増)、当期純利益は1,803百万円(前期比14.2%増)となりました。 最終用途品目別の状況は次のとおりであります。 (プリント基板・半導体パッケージ基板用) プリント基板や半導体パッケージ基板に適用される貴金属めっき薬品において、スマートフォンやパソコンなどの民生向けは緩やかに回復し、生成AI関連の半導体パッケージやモジュール向けは好調に推移した結果、売上高は8,680百万円と前期比52.1%の増収となりました。 (コネクター・マイクロスイッチ用) コネクター用めっき薬品の販売において、当社製品の優位性(省金効果)からスマートフォン向けで堅調に推移しました。車載向けは在庫調整の影響を受けて低迷しており、産業機器向けでは回復の兆しが見えてきました。その結果、売上高は2,599百万円と前期比40.6%の増収となりました。 (リードフレーム用) リードフレーム用めっき薬品の販売においては、車載向けは回復傾向が見られ、民生向けは堅調に推移したうえ、貴金属価格の上昇も加わり売上高は6,424百万円と前期比35.5%の増収となりました。 〔当期の経営成績〕 (単位:百万円) 前年度   当年度 増減額   増減率   補足 売上高   12,611   18,073   5,461   43.3% 売上原価   10,982   16,134   5,152   46.9%   売上原価率89.3%(前年度 87.1%) 売上総利益   1,628   1,938   309   19.0%   売上総利益率10.7%(前年度 12.9%) 販売費及び一般管理費   1,125   1,361   236   21.0% 営業利益   502   576   73   14.7% 経常利益   657   776   118   18.0% 当期純利益   1,579   1,803   224   14.2% 自己資本利益率   11.3%   11.5%       0.2% ①売上高 当期の海外での売上高は総売上高の51.9%を占めます。海外での売上高は70.6%が円建てで、29.4%が外貨建てです。外貨建てにつきましては、基本的には為替ヘッジをし、為替レートの変動による影響を抑えております。 ②売上原価 売上原価は主として原材料費、工場の人件費から構成されています。また原材料費は貴金属と一般薬品に分けられます。このうち一般薬品につきましては、価格は比較的安定しておりますが、貴金属につきましては、その価格変動及び数量の増減は売上原価に大きな影響を与えます。貴金属についての顧客との契約は基本的に仕入、販売とも当日の建値を基準に決定しており、受注と同時に貴金属の発注を行っております。 ③販売費及び一般管理費 販売費及び一般管理費は、主に人件費、研究開発費、減価償却費などであります。当期は人的資本への先行投資を継続したことに加え、前期に比べ積極的な研究開発投資を実施したことにより、主に人件費及び研究開発費が増加しました。 ④自己資本利益率 当期は純利益の増加に伴い、自己資本利益率は11.5%と前期比で0.2ポイント改善しております。 (2)財政状態の状況 (単位:百万円) 2025年3月末   2026年3月末 増減額   主な増減理由 流動資産   9,544   10,637   1,093   売掛金+783、現金及び預金+168 固定資産   6,312   11,100   4,787   投資有価証券+4,768 資産合計   15,856   21,738   5,881   ― 流動負債   784   678   △105   未払法人税等△196、買掛金+49 固定負債   1,477   2,994   1,517   繰延税金負債+1,509 負債合計   2,261   3,673   1,411   ― 純資産合計   13,594   18,064   4,470   その他有価証券評価差額金+3,313 繰越利益剰余金+1,075 負債純資産合計   15,856   21,738   5,881   ― ①資産 当期末の総資産は21,738百万円となり、前期比5,881百万円の増加となりました。 流動資産は、主に前期比で売掛金及び現金及び預金が増加し、1,093百万円増の10,637百万円となりました。固定資産は市場の動向を踏まえて、追加的な株式売却を実施したものの、保有銘柄の株価の一段の上昇により投資有価証券が増加し、4,787百万円増の11,100百万円となりました。 ②負債 当期末の負債総額は3,673百万円となり、前期末比1,411百万円の増加となりました。 流動負債は、主に前期比で法人税の中間納付額が増加、未払法人税等が196百万円減少し678百万円となりました。固定負債は主に繰延税金負債の増加により1,517百万円増の2,994百万円となりました。 ③純資産 当期末の純資産は18,064百万円となり、前期末比4,470百万円の増加となりました。 これは利益剰余金が当期純利益による増加、剰余金の配当による減少を主に1,075百万円増加、有価証券評価差額金が3,313百万円増加したことによるものです。 (3)資本の財源及び資金の流動性 ①キャッシュ・フローの状況の分析 (単位:百万円) 前年度   当年度 増減額   主な増減理由 営業活動による キャッシュ・フロー   579   △772   △1,352   売上債権の増加△813 法人税等の支払額の増加△643 税引前当期純利益+264 投資活動による キャッシュ・フロー   1,522   1,113   △408   定期預金の増加△500 無形固定資産の取得による支出+102 財務活動による キャッシュ・フロー   △676   △673   3   自己株式の処分による収入+16 配当金の支払額△13 現金及び現金同等物の増減額(△は減少)   1,425   △331   △1,757   ― 現金及び現金同等物の期首残高   5,858   7,284   1,425   ― 現金及び現金同等物の期末残高   7,284   6,952   △331   ― 当期末の現金及び現金同等物の残高は、6,952百万円となり、前期比331百万円の減少となりました。これは売上債権の増加、法人税等の支払額の増加が主な要因です。なお、当期におけるキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。 (営業活動におけるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは772百万円の支出となり、前期比1,352百万円の支出増となりました。これは主に税引前当期純利益が増加したものの、売上債権、法人税等の支払額が増加したことによるものです。 (投資活動におけるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは1,113百万円の収入となり、前期比408百万円の支出増となりました。これは主に市場金利の上昇に伴い、営業活動に影響がない範囲で定期預金を増額したことによるものです。なお、投資有価証券の売却による収入は前期から微増の1,742百万円でした。 (財務活動におけるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは673百万円の支出となり、前期比3百万円の支出減となりました。これは主に配当金の支払額が増加したものの、自己株式の処分による収入が増加したことによるものです。 ②財務政策 当社の事業は前述の「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク]」 に記載のとおり様々なリスクを伴っており、運転資金としては将来予測可能な資金需要に対して十分な流動性ある資産を確保していく方針です。現在、運転資金及び経常的な設備投資資金については手許資金で賄っておりますが、中期経営計画で掲げる事業拡大のための戦略投資に向けては、政策保有株式の売却に伴う資金を積極的に活用する予定です。 当社の株主還元の基本方針は下記の3点であります。 (1) 長期的な成長を目指して資本効率と財務健全性のバランスを取る (2) プライム市場上場会社として、当面の業績に大きく左右されない一定レベルの株主還元に積極的に取り組む (3) 配当性向に加えDOE(自己資本配当率)5%を下限とした配当方針を採用する 配当については、後述の「第4[提出会社の状況] [配当政策]」をご参照ください。 また、自己株式の取得についても状況に応じて機動的に実施を検討いたします。 (4)生産、受注及び販売の実績 当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。 ①生産実績 用途品目別   第55期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   前年同期比(%) プリント基板・半導体パッケージ基板用   8,678,824   152.2 コネクター・マイクロスイッチ用   2,586,850   139.9 リードフレーム用   6,417,858   135.3 その他   364,512   117.1 合計   18,048,045   143.2 (注) 上記の金額は、販売価格によっております。 ②受注実績 用途品目別   第55期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 受注高   受注残高 金額(千円)   前年同期比(%)   金額(千円)   前年同期比(%) プリント基板・半導体パッケージ基板用   9,384,328   164.1   1,243,004   230.7 コネクター・マイクロスイッチ用   2,680,643   144.9   117,665   325.5 リードフレーム用   6,813,366   145.9   519,127   398.4 その他   388,059   112.7   52,847   155.3 合計   19,266,398   153.1   1,932,645   261.4 ③販売実績 用途品目別   第55期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   前年同期比(%) プリント基板・半導体パッケージ基板用   8,680,222   152.1 コネクター・マイクロスイッチ用   2,599,131   140.6 リードフレーム用   6,424,546   135.5 その他   369,240   117.9 合計   18,073,141   143.3 (注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先   前事業年度   当事業年度 販売高(千円)   割合(%)   販売高(千円)   割合(%) イビデン株式会社   3,412,023   27.1   5,408,019   29.9 兼松株式会社   1,943,725   15.4   2,953,496   16.3 株式会社コタベ   1,775,504   14.1   2,576,449   14.3 CHANG WAH TECHNOLOGY Co.Ltd   1,667,275   13.2   1,760,715   9.7 (注)2 最近2事業年度の主要な輸出先及び輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。 なお、( )内は、総販売実績に対する輸出高の割合であります。 輸出先   第54期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   第55期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 台湾   2,726,949   44.3   3,601,066   38.4 韓国   517,307   8.4   628,728   6.7 シンガポール・マレーシア   1,353,487   22.0   2,348,141   25.0 中国   577,029   9.4   684,437   7.3 その他の地域   976,627   15.9   2,124,865   22.6 合計   6,151,401 (48.8%)   100.0   9,387,239 (51.9%)   100.0 (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この 財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 詳細につきましては「第一部〔企業情報〕第5〔経理の状況〕1〔財務諸表等〕〔注記事項〕重要な会計方針」をご参照ください。

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出典

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