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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

富士紡ホールディングス

Fujibo Holdings, Inc.3104 · Prime · 繊維製品

超精密加工用研磨材で世界トップクラス。繊維・化学品・自動車部品も手掛ける。

概要

富士紡ホールディングスは、1896年創業の富士紡績を前身とする持株会社である。半導体・電子部品の超精密研磨材を中核に、化学工業品の受託製造、紡績・アパレル事業を展開する。2026年3月期連結売上高は459億円、従業員1324名。東京証券取引所に1949年上場。

研磨材事業が連結売上の49%を占める構造

超精密加工用研磨材は、シリコンウェーハ、液晶パネル、ハードディスク等の表面を鏡面研磨する砥粒である。半導体デバイス用途(CMP)が主力で、生成AI向け最先端ロジック需要により受注が堅調。フジボウ愛媛と台湾富士紡精密材料が製造・販売を担う。2025年3月期のセグメント売上高は225億円、営業利益63億円とグループ最大の収益源である。

柳井化学工業が担う化学工業品事業

医薬中間体、農薬中間体、機能性化学品などの受託製造を行う。長年培った有機合成のノウハウを持ち、多種多様な反応設備で多品種小ロット生産に対応する。国内有数の受託工場を保有し、環境対応と安全管理を徹底。2025年3月期売上高141億円、営業利益14億円と安定した収益を計上する。

B.V.D.ブランドで知られる生活衣料事業

紡績糸・編物の素材からアパレル製品まで一貫生産する。主力ブランドB.V.D.は肌着を中心に展開。ハイエンドの「アサメリー」「エアメリー」も扱う。小坂井工場は機能性繊維の生産を終了し、アウトドア向け製品に注力。2025年3月期売上高63億円、営業利益4億円とやや低調。

自動車部品・金型などその他事業

フジケミが自動車部品販売と化成品(射出成形)を手掛ける。金型事業は東京金型とIPMが担当し、自動車・電子部品向けプレス金型や樹脂金型を設計製造する。医療機器部品向けが好調だが、自動車向けは不透明。2025年3月期売上高29億円、営業損失0.9億円。

業界の中での役割は研磨材・繊維・化学品メーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
459億円
営業利益
81億円
営業利益率
17.6%
純利益
56億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01研磨材事業主力

超精密加工用研磨材の製造・販売。フジボウ愛媛、台湾富士紡精密材料等が製造・販売を担当。半導体・電子部品の研磨に用いられる。

主な製品・サービス1
超精密加工用研磨材
シリコンウェーハ、液晶パネル、ハードディスク等の表面を鏡面研磨するための砥粒。高い均一性と加工精度を実現。

02化学工業品事業準主力

化学工業製品の製造・販売。柳井化学工業が担当。

主な製品・サービス1
化学工業製品
工業用接着剤、樹脂加工剤等の化学品。用途は多岐にわたる。

03生活衣料事業準主力

紡績糸、編物、機能性繊維、B.V.D.等の二次製品の製造・販売。フジボウテキスタイル、フジボウアパレル等が担当。

主な製品・サービス2
紡績糸・編物
綿・化合繊の紡績糸、ニット生地。衣料・産業用に供給。
B.V.D.等二次製品
肌着、衣料品ブランド。アパレル製品として販売。

04その他事業副次

車両・自動車部品等の販売(フジケミ)、化成品(フジケミ)、金型(東京金型、IPM)の製造販売。

主な製品・サービス2
自動車部品
車両用部品、自動車関連品の販売。
金型
プレス金型、樹脂金型等の設計製造。自動車・電子部品向け。

製品と技術

半導体研磨に不可欠な超精密加工用研磨材

シリコンウェーハや液晶パネル、ハードディスクの表面を原子レベルで平坦化する砥粒である。CMP工程で使用され、高い均一性と加工精度が求められる。フジボウ愛媛が製造し、台湾富士紡精密材料も生産。最先端半導体向け需要増加により受注が堅調。

多様な反応に対応する化学工業品の受託製造

柳井化学工業が医薬中間体、農薬中間体、機能性化学品を製造する。多種多様な反応設備を持ち、多品種小ロット生産に対応。高品質の品質管理と確実な納期、環境対応と安全管理に強みを持つ。電子材料市場拡大の恩恵を受けている。

B.V.D.ブランドで知られる生活衣料事業

紡績糸から編物、アパレルまで一貫生産。主力ブランドB.V.D.は肌着で知名度が高い。ハイエンドの「アサメリー」「エアメリー」も展開。小坂井工場閉鎖後はアウトドア向け製品に注力し、ECと実店舗の組み合わせで販売戦略を強化している。

自動車部品と金型のその他事業

フジケミが自動車部品販売と化成品(射出成形)を手掛ける。東京金型とIPMがプレス金型や樹脂金型を設計製造。医療機器部品やデジタルカメラ部品向けが好調だが、自動車向けは不透明。医療分野を中心に新規開拓を進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

繊維製品のなかでの位置

国内紡績大手、収益改善進む

富士紡ホールディングスは、国内繊維業界において歴史ある紡績メーカーです。同業の片倉工業やグンゼと比較して、近年の業績は堅調に推移しており、2025年3月期には売上高429億円、営業利益率15.15%と高収益を達成しました。同社は紡績・加工事業を中心に、産業資材などにも展開しており、内需依存度が高い構造です。一方、ユニチカや倉敷紡績は業績低迷が続いており、富士紡は業界内で相対的に優位なポジションにあります。今後は、収益性の維持と海外展開の強化が課題となります。

強み

  • 営業利益率15%超と業界トップクラスの収益性を誇り、安定した利益を確保。
  • 無借金経営を堅持し、財務の健全性が高く、不況時にも耐性がある。
  • 繊維に加え、産業資材や環境関連事業にも進出し、リスク分散を図っている。
  • 長い歴史を持つ老舗企業で、顧客からの信頼が厚く、安定した取引基盤を持つ。

課題

  • 売上の大半が国内向けであり、人口減少や国内市場縮小の影響を受けやすい。
  • アジア諸国との価格競争が激しく、海外シェア拡大が思うように進まない。
  • 新規分野への投資が遅れており、将来の成長エンジン確保が急務。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

半導体材料の時価総額近傍。太字が富士紡ホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14109ステラ ケミファ695億円20.7倍
24078堺化学工業611億円24.3倍
34082第一稀元素化学工業604億円23.8倍
45302日本カーボン596億円14.3倍
54275カーリット465億円15.5倍
63104富士紡ホールディングス376億円19.9倍
74064日本カーバイド工業315億円11.9倍
84410ハリマ化成グループ293億円11.6倍
94973日本高純度化学285億円15.2倍
106264マルマエ244億円31.0倍
114022ラサ工業158億円17.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(半導体材料)に従っています。

会社の歴史

沿革 43件

綿紡績会社として創業し次々と合併した1896〜1910年

富士紡績株式会社として1896年3月に設立。1898年静岡県に小山工場を新設し操業開始。1903年小名木川綿布、日本絹綿紡績を合併。1906年東京瓦斯紡績を合併し社名を富士瓦斯紡績と改称。1910年電気事業兼営を認可され、事業基盤を拡大した。

海外工場進出と満州紡績設立の1914〜1925年

1914年相模水力電気を合併。1915年川崎工場新設。1920年中華紡績合併。1922年大分紡績など3社を合併し、中国青島に工場を新設。1923年満州紡績を設立。1925年協同紡績を合併し、中国大陸への進出を本格化させた。

電力事業分離と戦時統合の1927〜1943年

1927年富士電力株式会社を設立し電気事業を譲渡。1929年鷲津工場新設。1934年東洋織布、1935年富士繊維工業を設立後合併。1939年柳井化学工業設立。1941年明正紡績、1943年帝国製絲を合併し、戦時体制下での業界再編に対応した。

戦後資産接収と再建、株式上場の1945〜1949年

1945年8月太平洋戦争終結に伴い在外資産を接収された。同年12月社名を富士紡績に戻す。1949年3月旧帝国製絲へ八尾工場を返還。同年5月東京証券取引所と大阪証券取引所に株式上場し、戦後再建の第一歩を踏み出した。

新工場建設と海外企業への資本参加の1951〜1972年

1951年小坂井工場新設。1961年富士ケミクロス設立。1963年エチオピア綿業に資本参加。1970年電子器事業所新設。1972年和歌山工場新設、タイテキスタイルに資本参加。国内生産能力の増強と海外展開を同時に進めた。

子会社設立によるグループ化と新事業展開の1973〜1984年

1973年三光染業合併、フジエラス設立。1975年エチオピア綿業国有化、帝国製絲合併、フジボウアパレル設立。1977年壬生川工場を分離しフジボウ愛媛設立。1979年小坂井工場分離。1981年高田フジボウアパレル等設立。1984年メダリオン設立。子会社体制を整備し多角化を進めた。

年表43件を開く

1890年代

  • 1896年3月創業富士紡績株式会社を設立。
  • 1898年9月静岡県駿東郡に小山工場を新設し、操業開始。

1900年代

  • 1903年7月M&A小名木川綿布株式会社を合併。
  • 1903年8月M&A日本絹綿紡績株式会社を合併。
  • 1906年9月M&A東京瓦斯紡績株式会社を合併。社名を富士瓦斯紡績株式会社と改称。

1910年代

  • 1910年2月電気事業兼営を認可される。
  • 1914年2月M&A相模水力電気株式会社を合併。
  • 1915年1月川崎工場を新設。

1920年代

  • 1920年12月M&A中華紡織株式会社を合併。
  • 1922年2月M&A大分紡績株式会社、日華絹綿紡織株式会社、東洋絹糸紡績株式会社を合併。
  • 1922年11月中国青島市に、青島工場を新設。
  • 1923年3月創業満州紡績株式会社を設立。
  • 1925年3月M&A協同紡績株式会社を合併。
  • 1927年5月創業富士電力株式会社を設立し、電気事業の設備・権利を同社に譲渡。
  • 1929年11月鷲津工場を新設。

1930年代

  • 1934年10月M&A東洋織布株式会社を合併。
  • 1935年3月創業富士繊維工業株式会社を設立。
  • 1935年12月M&A相模紡績株式会社を合併。
  • 1939年1月創業柳井化学工業株式会社を設立。
  • 1939年12月M&A富士繊維工業株式会社を合併。

1940年代

  • 1941年5月M&A明正紡織株式会社を合併。
  • 1943年7月M&A帝国製絲株式会社を合併。
  • 1945年8月太平洋戦争終結に伴い、在外資産接収される。
  • 1945年12月社名を富士紡績株式会社と改称。
  • 1949年3月創業政令により、再設立された旧帝国製絲株式会社へ八尾工場を返還。
  • 1949年5月上場東京証券取引所、大阪証券取引所に株式上場。

1950年代

  • 1951年10月小坂井工場を新設。

1960年代

  • 1961年7月創業富士ケミクロス株式会社を設立。
  • 1963年10月エチオピア国のエチオピア綿業株式会社に資本・経営参加。

1970年代

  • 1970年6月電子器事業所を新設。
  • 1972年4月和歌山工場を新設。
  • 1972年12月タイ国のタイテキスタイル株式会社に資本・経営参加。
  • 1973年10月M&A三光染業株式会社を合併。
  • 1973年11月創業フジエラス株式会社を設立。
  • 1975年2月エチオピア綿業株式会社、国有化される。
  • 1975年10月M&A帝国製絲株式会社を合併。
  • 1975年12月創業株式会社フジボウアパレルを設立。
  • 1976年5月商品開発研究所を新設。
  • 1977年5月創業壬生川工場を分離し、フジボウ愛媛株式会社を設立。
  • 1979年7月創業小坂井工場を分離し、フジボウ小坂井株式会社を設立。

1980年代

  • 1981年4月創業株式会社高田フジボウアパレル、株式会社敦賀フジボウアパレルおよび株式会社サドソーイングを設立。
  • 1983年4月創業株式会社フジミドレスを設立。
  • 1984年5月創業メダリオン株式会社を設立。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高2030年度まで650億円
  • 営業利益2030年度まで130億円
  • 売上高2035年度まで1,000億円
  • 営業利益2035年度まで200億円

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    研磨材・化学品事業への集中と設備投資

    中期経営計画『進化26-30』(2026〜2030年度)で事業基盤の進化として、研磨材や化学工業品を中心とした事業体制への転換を進める。5年間で480億円の設備投資を実施し、生産能力増強や研究開発施設建設を行う。

  2. 02

    新規事業開発と事業拡大

    新規事業の開発や新たな分野への事業拡大に積極的に取り組む。研磨材事業では最先端・次世代半導体向け研磨材の開発を、化学工業品事業では医薬・農薬中間体の受託製造で需要拡大に対応する。

  3. 03

    人材育成と働きやすい職場づくり

    従業員の成長促進と働きやすい職場づくりを強化し、組織全体の総合力と成長力の向上を目指す。賃上げや休日増加、抜擢型人事などの制度を継続・発展させる。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で1,324人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は732万円で、9期前と比べて+32.1%平均年齢は40.9歳、平均勤続年数は13.7年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月1,386
2018年3月1,353
2019年3月55443.018.11,388
2020年3月58441.118.01,251
2021年3月59144.019.01,156
2022年3月62645.018.11,195
2023年3月64143.016.11,273
2024年3月62441.114.11,299
2025年3月67241.013.11,319493
2026年3月73240.913.71,324612

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率17.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)75.9%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社11(国内 7 / 海外 4、うち連結子会社 11) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
壬生川本社工場 — 愛媛県西条市6,325百万円
研磨材事業
柳井本社工場 — 山口県柳井市5,686百万円
化学工業品 事業
大分工場 — 大分県大分市3,813百万円
研磨材事業
武生工場 — 福井県越前市2,010百万円
化学工業品 事業
本社工場 — 台湾台南市1,588百万円
研磨材事業
小坂井工場 — 愛知県豊川市1,569百万円
研磨材事業
研究開発センター — 台湾苗栗縣 竹南鎮1,215百万円
研磨材事業
本社工場 — タイ国 バンコク1,002百万円
生活衣料 事業
小山工場 — 静岡県駿東郡 小山町997百万円
研磨材事業
本社 — 東京都中央区273百万円
ほか1件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    フジボウ愛媛㈱(注)2(注)3
    愛媛県西条市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    柳井化学工業㈱(注)2(注)4
    山口県柳井市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱フジボウアパレル(注)2
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    フジボウテキスタイル㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    フジケミ㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱東京金型
    埼玉県越谷市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱IPM
    新潟県新潟市東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    富士紡(上海)商貿有限公司
    中国上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    タイフジボウテキスタイル㈱(注)5
    タイ国バンコク · 連結子会社
    議決権99.9%
  • 海外
    ジンタナフジボウコーポレーション(注)5
    タイ国ナコンパトム · 連結子会社
    議決権99.9%
  • 海外
    台湾富士紡精密材料股份有限公司(注)2(注)5
    台湾台南市 · 連結子会社
    議決権100.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発人工知能技術の適用領域を広げる研究開発モデル化難物体の操作知識抽出に基づく柔軟物製品の生産工程改善
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2019-06-21
    2,228万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は459億円営業利益81億円前期と比べると増収増益で、売上が+7.0%、利益が+24.6%。

売上高
+7.0%
459億円
営業利益
+24.6%
81億円
純利益
+24.4%
56億円
営業利益率
17.6%
前期比 +2.5%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高549億円459億円
営業利益99億円81億円
純利益68億円56億円
1株あたり配当¥84¥84

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は132億円、営業利益は25億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+55.3%、営業利益は+525.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q873
2024年1Q8544.76
2024年2Q8655.83
2024年3Q961111.58
2024年4Q944
2025年2Q2113014.221
2025年4Q2183516.124
2026年2Q2253816.927
2026年4Q2344318.429
2027年1Q1322518.917

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は410億円から459億円へ1.1倍に増えた。直近期の営業利益率は17.6%。売上は2期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月4105731
2014年3月3933018
2015年3月4124524
2016年3月3813730
2017年3月4097143
2018年3月3594329
2019年3月3714025
2020年3月3874323
2021年3月3695543
2022年3月3596045
2023年3月3775034
2024年3月3613321
2025年3月429656715.245
2026年3月459818417.656

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高459億円のうち、営業利益として残るのは81億円17.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は56億円、売上の12.2%にあたる。営業利益率は業種中央値3.9%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金63.2%290億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金19.2%88億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益17.6%81億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
36.8%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+13.8pt
17.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+8.0pt
12.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+5.8pt
11.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
7.8%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
9.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが101億円、投資CFが−61億円で、差し引きのフリーCFは40億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は95億円で、売上の2.5ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月48−16−343231
2014年3月30−36−4−621
2015年3月55−35−102032
2016年3月45−12−243341
2017年3月80−9−257187
2018年3月37−53−24−1647
2019年3月48−33−131548
2020年3月65−43−222249
2021年3月68−58−131046
2022年3月91−39−155283
2023年3月52−36−191681
2024年3月50−31−181982
2025年3月87−65−242280
2026年3月101−61−264095

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は718億円。このうち返さなくてよい自己資本が517億円で、自己資本比率は72.0%(業種中央値57.9%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月44521023547.0
2014年3月44722022749.3
2015年3月48724823951.0
2016年3月45926419557.7
2017年3月50030119960.2
2018年3月48432116366.4
2019年3月52332819562.7
2020年3月52233818464.8
2021年3月55837318566.8
2022年3月58540518069.2
2023年3月61442918569.9
2024年3月62544018570.3
2025年3月66647519171.3
2026年3月71851720172.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
95億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
398億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
12億円
在庫として抱えている分
負債合計
201億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

繊維製品 48社との比較

同じ繊維製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率48社中2位あたり、逆に低いのは配当利回り48社中37位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
11.3%/中央値 5.5%
P25 2.7%P75 10.3%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
17.6%/中央値 3.9%
P25 1.4%P75 9.8%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
72.0%/中央値 57.9%
P25 39.9%P75 72.6%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
7.0%/中央値 0.5%
P25 -4.6%P75 5.6%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.5%/中央値 3.0%
P25 2.6%P75 4.2%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,310で、1年前と比べて+54.3%過去52週の値幅のなかでは48%の位置にある。

¥3,310-1.8%1ヶ月-9.3%1年+54.3%時価総額376億円
過去52週の値幅
安値¥2,096.667高値¥4,625

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)19.9倍
PER (会社予想)16.4倍
PBR2.13倍
配当利回り2.54%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月19日に前日比-6.82%の3415円と急落し、1カ月で-8.7%となった。7月28日から下落基調に転じ、25日移動平均線(3729.2円)を約8.4%下回る。75日線(3962.47円)からもかい離が広がる。52週高値4625円からは約-26.2%の水準で、週足では下向きのトレンドが続く。RSIは50.17と中立。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 55/100)

PERは20.9倍で同業平均24.3倍を下回るが、予想PER17.3倍と将来への期待が織り込まれている。PBRは2.24倍で平均0.99倍を大きく上回るが、ROEは11.3%と安定。配当利回りは2.41%で平均3.14%を下回り、配当性向は100.2%と高い。業績は増収増益で、2026/3期は営業利益81億円と過去最高見込み。PBRの高さを考慮すると、株価はほぼ妥当な水準と判断する。

指標この会社業種平均
PER (実績)19.9倍26.6倍
PER (予想)16.4倍
PBR2.13倍1.01倍
ROE11.3%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

機能性素材分野での成長と収益性の持続性が焦点。強気派は不織布の需要拡大と自動車向けの安定を評価するが、弱気派は原材料高と競争激化を懸念する。PER約21倍と割高感もあり、成長への期待が株価に織り込まれているかが論点。

プラスに働く材料7
  • 高収益体制

    営業利益率15%超は繊維業界で高く、独自性を示す

  • 需要安定

    自動車・衛生材向けは景気に左右されにくい

  • 成長投資

    売上高が3期連続増加し、今期も増収計画

  • 営業利益65→81億円と拡大2026年3月期影響

    2025年3月期65億円、2026年3月期81億円と25%増益。

  • 営業利益率15.15%→17.65%と向上2026年3月期影響

    売上高459億円、営業利益81億円、利益率17.65%(前期15.15%)。

  • 予想PER17.3倍と実績20.9倍から成長期待2027年3月期影響

    予想PER17.3倍は実績20.92倍より低く、来期の増益を市場が織り込む。

  • ROE11.3%と収益性が高い継続影響

    ROE11.3%。PBR2.235倍でも資本効率の高さが評価される。

マイナスに働く材料7
  • 原材料依存

    原油価格などの影響でコスト変動リスク

  • 競争激化

    アジア勢の台頭で価格競争にさらされる

  • 割高評価

    PER20倍超は成熟業界では割高感がある

  • PER20.92倍と割高水準通年影響

    実績PER20.92倍、PBR2.235倍。1年で株価78.9%上昇し評価が膨らむ。

  • 株価1年で78.9%上昇、利益確定売り継続影響

    1年で+78.86%。短期的な過熱感から利益確定売りが出やすい。

  • 配当利回り2.41%と相対的に低い継続影響

    配当利回り2.41%と、株価上昇で利回りが低下。増配がない限り魅力薄。

  • 売上高伸び率は鈍化2026年3月期影響

    売上高は前期429億円→今期459億円と+7%増だが、前々期361→429の+19%から鈍化。

次の決算で確かめる点
売上高成長率
増収基調の継続で需要の強さを確認
営業利益率
収益性の維持は競争力のバロメーター
素材別売上構成
不織布などの高付加価値品の比率を監視

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり84で、前期から+38.5%いまの株価に対する利回りは2.54%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥84
1株あたり
配当利回り
2.54%
いまの株価に対して
配当性向
100.2%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月3033.1
2018年3月3311.152.9
2019年3月330.083.2
2020年3月330.099.8
2021年3月330.082.9
2022年3月3710.058.3
2023年3月370.070.5
2024年3月370.0166.7
2025年3月4318.299.0
2026年3月6038.5100.2

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥84

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ3,475人。区分でいちばん多いのは金融機関39.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が44.0%を占め、残る56.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関42.145.439.640.538.539.9
外国法人31.828.531.333.639.038.6
個人・その他18.518.620.620.115.916.2
事業法人6.56.35.84.94.34.0
証券会社1.01.12.60.92.21.2
自己株式2.32.22.13.30.11.0
政府・自治体0.10.10.10.10.10.1
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)11.23
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)10.36
03MLI FOR SEGREGATED PB CLIENT(常任代理人 BOFA証券㈱)4.86
04明治安田生命保険相互会社4.69
05株式会社三菱UFJ銀行4.40
06GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券㈱)4.17
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505301(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)3.53
08CGML PB CLIENT ACCOUNT/COLLATERAL(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)2.96
09三菱UFJ信託銀行株式会社2.84
10JPMSPLC CLIENT ASSETS SK JPY(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)2.70

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-08-06
    三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    5.03%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−44%、1株純資産は14期で−15%。直近期のROEは11.3%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月2951,79518.09.156.9
2014年3月1521,8888.217.966.8
2015年3月2042,12910.214.664.0
2016年3月2602,31211.88.636.8
2017年3月3802,63615.48.133.1
2018年3月2542,8109.315.252.9
2019年3月2222,8667.811.983.2
2020年3月1982,9566.814.599.8
2021年3月3773,25512.110.682.9
2022年3月1301,17811.58.958.3
2023年3月991,2488.211.170.5
2024年3月621,2934.924.1166.7
2025年3月1351,3959.812.199.0
2026年3月1661,53311.321.7100.2

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

14名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は14名。2026/3期の役員報酬は総額253百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
井上雅偉取締役社長(代表取締役)6214,942
平野治取締役(代表取締役)秘書室長6510,849
佐々木辰也取締役(代表取締役)623,919
望月吉見取締役597,177
戸坂浩二取締役593,460
ルース・マリー・ジャーマン取締役604,100
小林久志取締役712,300
佐藤梨江子取締役611,700
壷田貴弘取締役69800
野口篤謙常勤監査役649,045
岡本勝彦常勤監査役60600
大塚幸太郎監査役581,300
残りの役員2名を開く
氏名役職年齢保有株数
藤居勝也監査役681,000
髙井孝佳取締役63

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)61581417229
社外取締役761619
監査役1202020

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容722字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、富士紡ホールディングス株式会社(当社)及び子会社12社によって構成され、事業は、超精密加工用研磨材、化学工業製品の製造・販売、紡績糸及び編物などの素材から二次製品にいたる各種繊維工業品の製造、加工及び販売、車両、自動車部品等の販売、化成品、金型の製造・販売を行っております。 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。 事業内容と当社及び関係会社の当該事業にかかる位置付け等は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 区分   主要製品等   主要な会社の位置付け 製造   販売 研磨材 事業   超精密加工用研磨材   フジボウ愛媛㈱台湾富士紡精密材料股份有限公司   フジボウ愛媛㈱フジケミ㈱台湾富士紡精密材料股份有限公司 化学 工業品 事業   化学工業製品   柳井化学工業㈱   柳井化学工業㈱ 生活衣料事業   紡績糸編物機能性繊維等   フジボウテキスタイル㈱タイフジボウテキスタイル㈱   フジボウテキスタイル㈱タイフジボウテキスタイル㈱ B.V.D.等二次製品   フジボウテキスタイル㈱㈱フジボウアパレルジンタナフジボウコーポレーション   フジボウテキスタイル㈱㈱フジボウアパレル富士紡(上海)商貿有限公司 その他   車両自動車部品等   ―   フジケミ㈱ 化成品   フジケミ㈱   フジケミ㈱ 金型   ㈱東京金型㈱IPM   ㈱東京金型㈱IPM 以上の企業集団等について図示すると次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題3,350字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、一世紀を超える歴史の中で培った技術と経験を生かし、つねに時代が求める新しい技術・製品を提供することで先端産業を支え、人・社会・地球環境にとってより豊かで持続可能な未来の創造に貢献し続けることを企業理念としております。IT関連の超精密加工用研磨材を主とした研磨材事業、医薬および機能化学合成製品等の中間体の受託生産を柱とした化学工業品事業、インナーウエアを中心とする製品に重点を置いた生活衣料事業などに積極的に経営資源を投入し、安定した収益体質の構築を目指しております。 また、健全な企業経営・会計慣行を維持し、透明性の高いキャッシュ・フロー経営を実践しております。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目的として、利益目標(営業利益、当期純利益)およびROEを、また財務体質の強化を図るため自己資本比率を、それぞれ経営指標としております。 (3)経営環境 当社グループは、持株会社である富士紡ホールディングス株式会社と事業子会社から構成され、超精密加工用研磨材を扱う研磨材事業、ファインケミカル中間体の受託製造を行う化学工業品事業、紡績・テキスタイル・アパレルを中心とする生活衣料事業、車両・自動車部品等の輸出やプラスチック成形の技術開発などのその他の事業を展開しています。 研磨材事業は、半導体デバイス用途(CMP)、シリコンウエハー用途、ハードディスク用途、液晶ガラス用途など、様々なITデバイスをその製造工程でポリシングする超精密加工用研磨材を主要製品としており、世界中のITデバイス関連企業に販売しております。最先端プロセス、次世代プロセスのITデバイス製造に対応可能な研磨材の開発を、最新の研究機器・検査機器・製造設備を用いて、ユーザーと共同で進めております。当連結会計年度は、超精密加工用研磨材の半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及による最先端ロジック向け半導体の需要増加により受注が堅調に推移しました。シリコンウエハー用途は、汎用品用途の需要は弱いものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保しました。ハードディスク用途はデータセンター向けの需要が戻り、液晶ガラス用途では中国の家電補助金政策によりパネル需要が好調に推移し、受注が増加しました。 化学工業品事業は、長年培った有機合成のノウハウを活かし、大手化学メーカーからの医薬原料、農薬、電材、機能性化学品など有機合成品の中間体の受託製造を行っております。国内有数の化学工業品受託工場を保有し、多種多様な反応に対応できる生産設備で、優れた品質管理と確実な納期対応、高レベルの環境対応、徹底した安全管理のもと、高品質と多品種・小ロットのスピード生産体制で顧客のニーズに応えております。当連結会計年度は、機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、半導体を含む電子材料市場の拡大が継続していることに加え、在庫調整が続いていた農薬市況においても緩やかな回復傾向が見られ、受注が堅調に推移しました。米国の通商政策や中東情勢緊迫化の影響を受けることなく、工場の稼働は総じて高い水準を維持しました。 生活衣料事業は、インナーウエアを中心とする繊維製品および原糸や染色加工など高機能繊維素材の製造・加工・販売を行っております。繊維製品では、原糸紡績から製品縫製までグループ内で一貫して携わる体制で産み出す高品質を武器に、多くのユーザーから支持されている「B.V.D.」や、ハイエンド商品を展開する「アサメリー」「エアメリー」などのブランドで、メンズ・レディースに幅広く展開する製品を、様々な販売チャネルで消費者に提供しております。繊維素材では、長年培ってきた紡績・加工技術を駆使して開発した高機能素材を、ファッション衣料用途から産業資材用途まで、ユーザーニーズに合わせて提供しております。当連結会計年度は、繊維素材は、人件費の増加やコスト高騰、円安の影響により、依然として厳しい経営環境が続いています。機能性繊維を製造してきた小坂井工場は、経営資源を高採算事業に集中させる方針のもと、生産・販売を終了しました。繊維製品は、主力である年間定番品が売場の縮小や消費者の買い控えの影響を受け、売上が減少しました。また、海外向け販売も日中対立の影響により新規受注が減少しています。一方、アウトドア向け製品では、ECと実店舗を組み合わせた販売戦略を展開し、専門店への卸売や販促活動の強化を進めるなど、積極的な取り組みを行っています。 その他の事業は、デジタルカメラ・医療機器・自動車用部品の射出成形を行う化成品事業、プラスチック用射出成形金型の設計・制作を行う金型事業、中米カリブ海地域へ向けて自動車の輸出を行う自動車事業などで構成されています。化成品部門では、デジタルカメラや医療機器、自動車に欠かせない高精度のプラスチック射出成形技術で、金型部門では、自動車用部品を中心に幅広いサイズの成形機に対応できる金型の設計・制作・メンテナンスで、激しいユーザーニーズの変化に対応しております。当連結会計年度は、化成品部門は、医療機器用部品やデジタルカメラ用部品の受注が堅調に推移しました。一方、金型部門においては、自動車用途では業界全体の不透明感が続いており、回復には至っていません。また、事務機器用途では開発案件の端境期にあたるため、売上が伸び悩んでいますが、医療分野を中心とした新規分野への展開を積極的に進めています。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、2006年度の中期経営計画『変身06-10』から『増強21-25』に至るまで、5つの中期経営計画を策定し、着実に実行してまいりました。『増強21-25』では、事業ポートフォリオの見直しや重点事業の強化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に努め、各事業の成長基盤の増強と収益力向上に取り組んできました。その結果、半導体市場の不振による厳しい環境もありましたが、2024年度以降は業績が回復し、2025年度は営業利益・当期純利益ともに過去最高となりました。 この期間中、主力の研磨材事業では、生産能力の増強を進めるとともに、壬生川工場に技術開発棟、台湾に研究開発施設の建設を進めました。化学工業品事業では、柳井工場の第5プラント建設、生活衣料事業ではEC推進と高収益製品への注力、その他の事業では、化成品部門で大分工場の成形工場増設を実施しました。また、人事制度面では賃金引き上げ、休日増加、労働時間の統一化など、福利厚生の充実と抜擢型人事の強化にも取り組みました。 この『増強21-25』に続き、2026年度から2030年度を計画期間とする中期経営計画『進化26-30』を策定し、2026年4月より実行しております。新たにめざす方向性としては、堅調な成長が期待できる半導体市場を背景に、2035年度での大幅な売上拡大(売上高1,000億円、営業利益200億円の達成)を目標とした飛躍的な成長ステージへの到達をめざしています。 本中期経営計画では、事業基盤の進化として、研磨材や化学工業品を中心とした事業体制への更なる転換を図るとともに、機能基盤の強化にも注力し、当社をさらに上のステージへ引き上げてまいります。具体的な施策としては、計画期間の5年間で480億円の設備投資を実施し、新規事業の開発や新たな分野への事業拡大にも積極的に取り組みます。加えて、従業員の成長促進と働きやすい職場づくりを一層強化し、組織全体の総合力と成長力の向上をめざします。 計画期間の前半3年間では、『増強21-25』で得られた成果を活かし、営業利益100億円の早期達成を図ります。後半2年間では、新たに構築した基盤をもとに、2030年度での売上高650億円、営業利益130億円の達成に向けて成長を加速させてまいります。
事業等のリスク4,613字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。 (1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動 ① 海外進出によるリスク 研磨材事業においては、ユーザーに直結した製品作りとBCPの観点から、一部研磨材を台湾で生産しています。生活衣料事業の「B.V.D.」ブランドのインナーウエアは、競争力のある製品作りとコスト削減による収益向上のため、タイ国他での生産を拡大し海外生産比率が9割を超えており、日本国内の他、台湾、香港にて販売しております。自動車関連および機械類の輸出は中米カリブ海諸国向けであります。 各々の国において、予期しない政治及び経済体制の変化、テロ等社会的混乱などが生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ② 為替相場の変動 生活衣料事業においては、中国・タイ等で生産を行うなど、アジア地域における海外事業の拡大を図っており、為替リスクは日本サイドが負っております。また、研磨材事業においては、営業収入に占める輸出比率が高いことから、主として米ドルに対する円高は、値下げ要求につながる可能性があります。 当社グループは、為替リスクに対して為替予約及び外貨建輸出入取引のバランス調整等を行い、可能な限りリスクヘッジを図り、為替相場の短期的変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的変動により、計画された調達・製造・販売が実行できないなど、為替相場の変動は財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (2)重要な契約に伴うリスク 生活衣料事業における主力ブランド「B.V.D.」について、THE B.V.D. LICENSING CORPORATIONと、商標の使用権、日本国内・台湾における製造権及び独占的販売権、中国・香港・マカオ・シンガポール・タイにおける製造権及び非独占的販売権の契約を締結しております。当社とTHE B.V.D. LICENSING CORPORATIONは良好な協力関係にありますが、予期しない事態による契約の非更新は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (3)特定製品・顧客への依存度 研磨材事業において重要な割合を占めるCMP(半導体)・シリコンウエハー・ハードディスク・液晶ガラス・一般工業品用途の研磨材製品の需要は、主たる販売先となっているIT業界の景気状況の影響を受けるため、日本・北米・アジア・欧州等の主要市場におけるIT業界の景気停滞及びそれに伴う需要の減少が起こる場合は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 化学工業品事業、化成品事業及び金型事業は、特定の顧客・製品への依存度が高く、受託先の動向、商品のライフサイクルの短さや景気状況の影響などに伴い、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を受ける可能性があります。 (4)知的財産に関するリスク 開発した新製品については基本的に特許を取得する方針ですが、特許等によりその製造方法が開示され、生産ノウハウが競合他社に漏洩する可能性があるもの等については、出願を控える場合があります。そのため、競合他社が当該特許を出願した場合、特許が受理される可能性があり、そのような事態に備え「先使用権による通常実施権」を主張できるよう努めておりますが、その解決に時間と費用を要することが予想されます。 また、独自の技術、ノウハウの全てを知的財産により完全に保護することは不可能と予測され、知的財産を使用して第三者が類似商品を製造すること等を効果的に防止できない可能性があります。その場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があるとともに、取引先との関係の悪化を招く可能性があります。 (5)法的規制 製品生産に対し規制される法律として、水質汚濁防止法、大気汚染防止法、騒音規制法等があります。当社グループとして規制値をクリアするため、対応装置等を設置しておりますが、今後これらの規制が強化された場合や他の物質が付加された場合、更なる設備投資が必要となり、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 また、当社グループは個人情報取扱事業者に該当しており、個人情報保護法による規制を受けることとなります。個人情報保護については、法律の遵守だけでなく、情報漏洩による被害防止を行う必要があります。当社グループは外部からの不正アクセス、ウイルス感染の防御、内部管理体制の強化等の対策を行っておりますが、万一個人情報が漏洩した場合には、当社グループの信頼の失墜につながり、今後の営業活動に影響を及ぼす可能性があるとともに、事後対応等に関するコストが発生し、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (6)製造物責任 当社グループは製造物責任賠償保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を完全にカバーできるという保証はありません。大規模な製造物責任賠償につながるような品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、この場合、当社グループの評価に重要な影響を及ぼし、売上の低下、収益の悪化などにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (7)自然災害・停電などによる影響 当社グループは、操業の中断による悪影響を最小限に抑えるため、定期的な防災点検及び設備保全を行っております。しかしながら、自然災害・停電などによる影響を完全に防止または軽減できる保証はなく、操業に影響する事象が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 また、災害などによりサプライヤーまたはサブサプライヤーの操業がストップし、原材料または基礎原料の供給が途絶えた場合には、当社グループの生産活動が阻害されることにより、業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8)新型コロナウイルス等感染症の影響 当社グループの主要製品は、顧客が製品を製造する際の消耗部材や中間体、原材料、部品等と、インナーウエア等の最終消費財に大別されます。前者は、新型コロナウイルス等の感染症の拡大により、都市ロックダウン等の影響で顧客が生産を縮小・停止した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、後者は、主要な顧客である百貨店や量販店などが営業を縮小、停止した場合、売上高をはじめとした業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、リスク管理・運営に関する基本事項を定めた「リスク運営規則」および「危機管理規則」に基づき、社長を委員長とする危機管理委員会を設置し、リスクが発生した場合または発生が予見される場合にその影響を限定し、その損失を最小限にとどめ、通常機能を回復させるための対策を実施しています。具体的には、在宅勤務や国内外への出張制限、オフィスや生産現場でのソーシャルディスタンスの確保など、感染防止のための対策を実施しています。 (9)固定資産の減損 当社グループは、土地や建物、製造設備等の有形固定資産、のれんやソフトウエア等の無形固定資産を保有しております。 主力の研磨材事業や化学工業品事業、第4の柱事業として基盤整備を進めている化成品事業において生産能力の増強などを目的とした設備投資を積極的に行う一方、生活衣料事業では事業環境の変化に対応するため、体質改善に向けた構造改革を進めております。そのため、生活衣料事業において不採算分野からの縮小撤退を行った場合には、減損損失を計上する可能性があります。 当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている有形固定資産及び無形固定資産41,597百万円のうち、生活衣料事業における有形固定資産及び無形固定資産は1,612百万円であります。 また、買収によって発生したのれんは、事業収益の著しい低下などに伴い、回収可能価額が大きく下落し帳簿価額を下回った場合には、減損損失を計上する可能性があります。 減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、減損処理を行った場合、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (10)気候変動に関するリスク 気候変動に関するリスクは、中長期にわたり当社グループの事業活動に重要な影響を与える可能性があると認識しております。異常気象の激甚化に伴う操業停止や温暖化による原材料調達コストの上昇が生じ、当社グループの業績に、大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、温室効果ガス削減のための規制が強化され、炭素税の導入や低・脱炭素化を進めるための投資や費用の発生により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 当社グループでは、気候変動といった将来の不確実性に対処することは、持続的な企業価値向上ならびに持続可能な地球環境の実現に資するものであると考え、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示を進め環境負荷の軽減に取り組むとともに、将来生じると予想される、気候変動に関するリスクを低減するための対策を実施しています。 (11)人財確保に関するリスク 当社グループは、目指すべき姿として、「グローバルニッチトップメーカー」を掲げており、この実現に向けた更なる企業の「進化」のため、多様な人財がその能力を発揮できる環境を整備するとともに、多様な価値観、専門性を有した人財、すなわち女性人財やグローバル人財をも含めた高度な人財を確保することが重要と考えております。しかしながら、少子高齢化により人財獲得競争が激化し、事業運営に必要な人財確保が困難となり人財の育成を推進することができない場合には、 事業活動の遂行に支障が生じ、当社グループの持続的な成長の阻害要因となる可能性があります。 そのため、当社グループでは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」で記載のとおり、人財の多様性を受容して「個を尊ぶ、和を育む」企業風土を創造し、ビジネススキルの習得や人間力形成といった人財育成に取り組み、様々な就業ニーズに対応できる環境整備を進めております。
経営成績の分析 (MD&A)8,901字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境などの改善により、景気は緩やかに回復しています。しかしながら、中東・東アジア情勢等の地政学リスクの高まりや米国の通商政策の動向、物価上昇による消費者の節約志向の継続など、依然として先行きは不透明な状況が続いています。 このような経営環境の下、当社グループは、中期経営計画『増強21-25』の基本戦略に基づき、最終年度として「事業ポートフォリオの改革」と「各事業の増強」に取り組みました。事業の柱である研磨材事業は、AI関連向け先端半導体やデータセンターへの投資需要の増加を背景に、受注が堅調に推移しました。また、化学工業品事業は、電子材料や高機能樹脂など高い成長性を持つ分野が牽引し、受注が好調に推移しました。一方、生活衣料事業は、人件費の増加やコスト高騰、円安の影響により厳しい環境が続いています。主力の店頭販売も、気温変化の影響に加え、売場の縮小もあり、買い控えの傾向が見られました。 この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比3,016百万円(7.0%)増収の45,929百万円、営業利益は1,667百万円(25.7%)増益の8,143百万円、経常利益は1,681百万円(25.2%)増益の8,356百万円となりました。これに特別損益、法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比1,135百万円(25.4%)増益の5,612百万円となりました。 セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。 ア.研磨材事業 世界の半導体市場は、AIやクラウドインフラ、先端電子機器などに対する継続的な需要を背景に、今後も成長が見込まれています。このような中、超精密加工用研磨材の半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及による最先端ロジック向け半導体の需要増加により受注が堅調に推移しました。シリコンウエハー用途は、汎用品用途の需要は弱いものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保しました。ハードディスク用途はデータセンター向けの需要が戻り、液晶ガラス用途では中国の家電補助金政策によりパネル需要が好調に推移し、受注が増加しました。 この結果、売上高は前年同期比3,253百万円(16.9%)増収の22,561百万円となり、営業利益は1,655百万円(35.0%)増益の6,385百万円となりました。 イ.化学工業品事業 機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、半導体を含む電子材料市場の拡大が継続していることに加え、在庫調整が続いていた農薬市況においても緩やかな回復傾向が見られ、受注が堅調に推移しました。米国の通商政策や中東情勢緊迫化の影響を受けることなく、工場の稼働は総じて高い水準を維持しました。 この結果、売上高は前年同期比638百万円(4.7%)増収の14,113百万円となり、営業利益は200百万円(16.4%)増益の1,417百万円となりました。 ウ.生活衣料事業 繊維素材は、人件費の増加やコスト高騰、円安の影響により、依然として厳しい経営環境が続いています。機能性繊維を製造してきた小坂井工場は、経営資源を高採算事業に集中させる方針のもと、生産・販売を終了しました。繊維製品は、主力である年間定番品が売場の縮小や消費者の買い控えの影響を受け、売上が減少しました。また、海外向け販売も日中対立の影響により新規受注が減少しています。 一方、アウトドア向け製品では、ECと実店舗を組み合わせた販売戦略を展開し、専門店への卸売や販促活動の強化を進めるなど、積極的な取り組みを行っています。 この結果、売上高は前年同期比643百万円(9.2%)減収の6,323百万円となり、営業利益は148百万円(25.3%)減益の438百万円となりました。 エ.その他 化成品部門は、医療機器用部品やデジタルカメラ用部品の受注が堅調に推移しました。一方、金型部門においては、自動車用途では業界全体の不透明感が続いており、回復には至っていません。また、事務機器用途では開発案件の端境期にあたるため、売上が伸び悩んでいますが、医療分野を中心とした新規分野への展開を積極的に進めています。 この結果、売上高は前年同期比231百万円(7.3%)減収の2,930百万円となり、営業利益は40百万円減益の98百万円の損失となりました。 ② 財政状態の状況 (資産) 資産合計は前連結会計年度末に比べて5,207百万円増加の71,816百万円となりました。 流動資産は528百万円増加の25,580百万円となりましたが、これは売上債権が減少しましたが、現金及び預金や棚卸資産が増加したことなどによります。 固定資産は4,679百万円増加の46,235百万円となりましたが、これは研磨材事業や化学工業品事業における設備投資により有形固定資産が増加したことによります。 (負債) 負債合計は前連結会計年度末に比べて976百万円増加の20,124百万円となりました。 流動負債は806百万円増加の13,305百万円、固定負債は170百万円増加の6,819百万円となりました。これは、仕入債務や未払法人税等が減少しましたが、その他に含まれる設備投資に係る負債が増加したことなどによります。 (純資産) 純資産合計は前連結会計年度末に比べて4,231百万円増加し、51,691百万円となりました。 これは、剰余金の配当による減少が1,638百万円、自己株式の取得などによる減少が656百万円ありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が5,612百万円あったことなどによります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、法人税等の支払などがありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上、売上債権の減少などにより10,143百万円の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として固定資産の取得による支出により、6,115百万円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、自己株式の取得や配当金の支払などにより、2,621百万円の支出となりました。 この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて1,469百万円増加の9,517百万円となりました。 なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。 キャッシュ・フロー関連指標の推移 2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 自己資本比率   69.9%   70.3%   71.3%   72.0% 時価ベースの自己資本比率   61.8%   81.0%   83.9%   169.3% キャッシュ・フロー対有利子 負債比率   0.3   0.3   0.1   0.0 インタレスト・カバレッジ・ レシオ   350.9   210.6   422.6   923.2 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。 2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。 3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。 ④ 生産、受注及び販売の実績 ア.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年同期比(%) 研磨材事業   19,770   19.2 化学工業品事業   17,338   3.1 生活衣料事業   3,631   △5.5 その他   2,747   △1.6 合計   43,488   8.6 (注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しておりません。 2 上記金額は有償受給取引における原材料等の仕入価格を含めた販売価格によるものであります。 イ.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(百万円)   前年同期比(%)   受注残高(百万円)   前年同期比(%) 研磨材事業   24,569   17.0   5,620   28.7 化学工業品事業   21,100   21.3   5,040   6.2 その他   2,820   1.8   737   8.5 合計   48,491   17.8   11,399   16.4 (注) 1 セグメント間の取引については消去しておりません。 2 上記金額は有償受給取引における原材料等の仕入価格を含めた販売価格によるものであります。 ウ.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年同期比(%) 研磨材事業   22,561   16.9 化学工業品事業   14,113   4.7 生活衣料事業   6,323   △9.2 その他   2,930   △7.3 合計   45,929   7.0 (注) 1 セグメント間の取引については消去しております。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度   当連結会計年度 販売高(百万円)   割合(%)   販売高(百万円)   割合(%) 住友商事ケミカル㈱   8,229   19.2   10,887   23.7 三井化学㈱   5,874   13.7   6,159   13.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ア.財政状態 (資産) 流動資産は前連結会計年度末に比べて528百万円増加の25,580百万円となりました。これは売上債権が減少しましたが、現金及び預金や棚卸資産が増加したことなどによります。 固定資産は前連結会計年度末に比べて4,679百万円増加の46,235百万円となりました。有形固定資産は、研磨材事業及び化学工業品事業において設備投資を実施したことなどにより増加しました。無形固定資産については、のれんの償却及び減損処理により減少しました。 資産合計は前連結会計年度末に比べて5,207百万円増加の71,816百万円となりました。 セグメント別では、研磨材事業は2,241百万円増加の27,268百万円、化学工業品事業は2,566百万円増加の16,655百万円、生活衣料事業は389百万円減少の5,480百万円、その他の事業は997百万円減少の4,024百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産などの調整額は1,786百万円増加の18,386百万円となりました。 (負債) 流動負債は前連結会計年度末に比べて806百万円増加の13,305百万円となりました。これは仕入債務や未払法人税等が減少しましたが、その他に含まれる設備投資に係る負債が増加したことなどによります。 固定負債は前連結会計年度末に比べて170百万円増加の6,819百万円となりました。これは、長期借入金や退職給付に係る負債が減少しましたが、その他の固定負債が増加したことなどによります。 負債合計は前連結会計年度末に比べて976百万円増加の20,124百万円となりました。 (純資産) 株主資本は剰余金の配当による減少が1,638百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が5,612百万円計上されたことなどにより、3,261百万円増加しました。 その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の増加などにより、969百万円増加しました。 純資産合計は前連結会計年度末に比べて4,231百万円増加し、51,691百万円となりました。 イ.経営成績 当連結会計年度の売上高は前年同期比3,016百万円(7.0%)増収の45,929百万円、営業利益は1,667百万円(25.7%)増益の8,143百万円となりました。 主力の研磨材事業では、半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及による最先端ロジック向け半導体の需要増加により受注が堅調に推移し、売上が26%増加しました。シリコンウエハー用途は、汎用品用途の需要は弱いものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保し、前年並みとなりました。液晶ガラス用途は、 中国の家電補助金政策によりパネル需要が好調に推移したことから、受注が増加し、売上が33%増加しました。ハードディスク用途は、データセンター向けの需要が継続し、前年並みとなりました。 化学工業品事業では、主力の機能性材料は、半導体を含む電子材料市場の拡大が継続していることに加え、在庫調整が続いていた農薬市況においても緩やかな回復傾向が見られ、受注が堅調に推移しました。また、米国の通商政策や中東情勢緊迫化の影響を受けることなく、柳井・武生両工場の稼働も総じて高い水準を維持しました。 生活衣料事業では、繊維素材は、人件費の増加やコスト高騰、円安の影響により、依然として厳しい経営環境が続いています。機能性繊維を製造してきた小坂井工場は、経営資源を高採算事業に集中させる方針のもと、生産・販売を終了しました。繊維製品は、主力である年間定番品では売場の縮小や消費者の買い控えの影響を受け、売上が減少しました。また、海外向け販売も日中対立の影響により新規受注が減少しています。一方、アウトドア向け製品では、ECと実店舗を組み合わせた販売戦略を展開し、専門店への販促活動の強化を進めるなど、積極的な取り組みを行っています。 その他の事業では、化成品部門は、医療機器用部品やデジタルカメラ用部品の受注が堅調に推移しました。一方、金型部門においては、自動車用途では業界全体の不透明感が続いており、回復には至っていません。また、事務機器用途では開発案件の端境期にあたるため、売上が伸び悩んでいますが、医療分野を中心とした新規分野への展開を積極的に進めています。 セグメント別の売上高・営業利益については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 営業外収益は、前年同期比70百万円増加し520百万円となりました。これは、受取配当金などの増加に加えて、研磨材事業において企業立地に係る奨励金収入があったことなどによります。営業外費用は支払利息や固定資産賃貸費用が減少しましたが、災害復旧費用や構造改革費用が発生したことにより、前年同期比56百万円増加し307百万円となりました。 この結果、経常利益は前年同期比1,681百万円(25.2%)増益の8,356百万円となりました。 特別利益は固定資産売却益を計上し、214百万円となりました。特別損失は固定資産処分損165百万円及び減損損失778百万円を計上し、944百万円となりました。 これから法人税等を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比1,135百万円(25.4%)増益の5,612百万円となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、IT業界の景気状況や競合他社の状況、法的規制などがあります。詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当社グループは、企業価値の向上に向けて、2021年度を初年度とし2025年度を最終年度とする、5か年の中期経営計画『増強21-25』に取り組みました。半導体不況の影響で一時厳しい状況に直面したものの、2024年度以降は業績が回復し、2025年度の営業利益は過去最高となりました。目標としていた売上高600億円、営業利益100億円には届きませんでしたが、ROE・ROICともに目標としていた10%以上を達成しました。研磨材事業では技術開発棟の建設や生産・分析設備の増強、台湾研究開発センター建設による顧客対応力強化を進めました。化学工業品事業でも柳井工場の新ライン建設を進めました。生活衣料事業やその他(化成品・金型)事業では、引き続き構造改革を実行して、経営資源の再配置を進めました。中期経営計画『増強21-25』に引き続き、当社グループは、2026年度から2030年度を計画期間とする中期経営計画『進化26-30』を策定し、2026年4月よりこれを実行しています。中期経営計画『進化26-30』では、2030年度の連結業績目標を売上高650億円、営業利益130億円、営業利益率29.3%、ROE12%以上、ROIC12%以上としております。 2026年3月期実績   2026年3月期目標 売上高(百万円)   45,929   60,000 営業利益(百万円)   8,143   10,000 営業利益率(%)   17.7   16.7 ROE(%)   11.3   10.0 ROIC(%)   11.5   10.0 自己資本比率(%)   72.0   65.0 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 営業活動によるキャッシュ・フローは、10,143百万円の収入となりました(前年同期比1,487百万円収入増)。法人税等の支払2,670百万円や棚卸資産の増加404百万円、仕入債務の減少610百万円などがありましたが、税金等調整前当期純利益が7,626百万円、減価償却費が3,285百万円計上されたことなどによります。 投資活動によるキャッシュ・フローは6,115百万円の支出となりました(前年同期比427百万円支出減)。これは主として研磨材事業や化学工業事業を中心とした設備投資を実施したことなどによります。 財務活動によるキャッシュ・フローは2,621百万円の支出となりました(前年同期比261百万円支出増)。これは、配当金1,635百万円の支払や、自己株式の取得680万円を行ったことによります。 資本の財源及び資金の流動性につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。また、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、流動性を補完しております。当社グループの運転資金需要の主なものは、商品・原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要の主なものは、設備投資、M&A等であります。なお、重要な設備投資の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、特に以下の事項は経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。その他の重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 ア.固定資産の減損処理 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 イ.繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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