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超!企業DB
日経平均64,214.48-111NYダウ53,686.11+624ドル円155.76-3NASDAQ26,584.06+366S&P 5007,747.71+81SOX 指数11,352.13+139/3終値

テクセンドフォトマスク

Tekscend Photomask Corp.429A · Prime · その他製品

半導体用フォトマスクの世界最大手。半導体の微細回路パターンを原版として供給し、先端からレガシーノードまで幅広くカバー。

概要

半導体用フォトマスクの専業メーカー。2022年にTOPPANグループから分離して設立されたが、事業の起源は1968年のトランジスタ用マスク量産に遡る。世界8工場で生産し、外販フォトマスク市場で37.8%のシェア(2024年SEMI調べ)を握る。2026年3月期の売上収益は1,296億円、営業利益275億円、連結従業員1,944名。

受注生産とセット販売で儲けるフォトマスク事業

フォトマスクは半導体製造の金型であり、顧客から支給された回路パターンデータに基づき完全受注生産される。1つの半導体デバイスに対し複数枚のマスクがセットで使用され、微細化が進むほどセット枚数と単価が上昇する。通常、セット全体を同一ベンダーに発注するため、一度採用されると技術的な参入障壁が生じ、継続的な取引につながる。売上収益の大部分はロジック半導体向けであり、メモリ向けも増加傾向にある。

8工場を連携させるグローバル生産ネットワーク

アジア5工場、米国1工場、欧州2工場の計8工場でフォトマスクを製造する。短納期が求められるため基本は地産地消だが、繁忙期にはグループ内で生産を委託し、グローバル全体の稼働率を平準化する。シンガポールにはデータ処理工程のみの拠点があり、2026年度中に新工場が稼働予定である。この柔軟な生産体制により、地域ごとの需要変動に対応しながら高い設備稼働率を維持している。

外販フォトマスク市場で37.8%のシェアを占める

半導体業界の水平分業化に伴い、フォトマスクは内製と外販の2つの市場が存在する。内製を持たないファウンドリからの外注需要に加え、内製メーカーがキャパシティ超過時に外注する需要も取り込む。2024年時点で外販フォトマスク市場におけるシェアは37.8%(SEMI調べ)とトップである。先端ノードからレガシーノードまで全プロセスをカバーし、特にEUVマスクでは2000年代初頭から研究開発を先行させてきた。

微細加工技術を応用した新事業領域の開拓

フォトマスクで培った微細加工技術を応用し、ナノインプリント用モールドとシリコンステンシルマスクを開発・製造している。ナノインプリントは半導体や光学素子の低コスト量産技術として期待され、シリコンステンシルマスクは電子ビームリソグラフィ用に用いられる。これらの事業はまだ規模は小さいが、半導体以外の分野への展開を目指している。

業界の中での役割は半導体用フォトマスクの外販市場リーディングカンパニーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1,296億円
営業利益
275億円
営業利益率
21.2%
純利益
249億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01半導体用フォトマスク主力

半導体製造工程のフォトリソグラフィで使用されるフォトマスク(回路原版)を受注生産。ロジック半導体向けが主軸で、メモリ半導体向けも増加。バイナリマスク、位相シフトマスク、EUVマスクなど、先端〜レガシーノードまで幅広く対応。世界8工場でグローバル生産。外販フォトマスク市場シェア約37.8%(2024年SEMI調べ)。

外販フォトマスク市場で世界シェア約37.8%(2024年SEMI調べ)

主な製品・サービス3
バイナリマスク
ガラス基板上に単純な遮光膜パターンを持つ基本型フォトマスク。主に露光波長以上の太いパターン形成に用いられる。
位相シフトマスク(PSM)
光の位相を制御して解像度を向上させたフォトマスク。ハーフトーン型、レベンソン型などがある。露光波長以下の微細加工に標準的に使用。
EUVマスク
極端紫外線(EUV)用の反射型フォトマスク。波長13.5nmのEUV光を使用し、最先端の微細パターン形成を可能にする。

02新事業領域副次

フォトマスクで培った微細加工技術を応用し、ナノインプリント用モールドとシリコンステンシルマスクを開発・製造。半導体以外の分野への展開を目指す。

主な製品・サービス2
ナノインプリント用モールド
ナノスケールのパターンを転写するための型。半導体や光学素子など微細加工の低コスト量産技術として期待される。
シリコンステンシルマスク
シリコン基板に貫通開口を形成した電子ビームリソグラフィ用マスク。ナノスケールのパターンを直接描画する際に使用。

製品と技術

バイナリマスクと位相シフトマスクの技術進化

バイナリマスクは単純な遮光膜パターンで光を透過・遮断する基本型であり、主に露光波長以上の太いパターンに用いられる。テクセンドはブランクスベンダーと共同でOMOG材を開発し、高い寸法精度と解像度を実現した。位相シフトマスク(PSM)は光の位相と透過率を制御して解像度と焦点深度を向上させる。ハーフトーン型やレベンソン型があり、露光波長以下の微細加工に標準的に使用される。同社は新型位相シフトブランクスも開発し、転写特性と長寿命を両立させている。

世界初の量産体制を確立したEUVマスク

EUVマスクは波長13.5nmの極端紫外線を用いる反射型マスクであり、最先端の微細パターン形成を可能にする。テクセンドは2000年代初頭から研究開発を開始し、業界に先駆けて量産技術を確立した。マルチビーム描画装置を朝霞工場とドレスデン工場に導入し、EUVマスクの開発・生産を本格化。現在は次世代High-NAリソグラフィ向けの新規ブランクス開発やIBMとのプロセス共同開発を進めている。EUVマスクは同社の技術力の象徴であり、競合に対する大きな差別化要因となっている。

微細加工技術を応用した新製品群

フォトマスク技術を応用し、ナノインプリント用モールドとシリコンステンシルマスクを開発している。ナノインプリントモールドはナノスケールのパターンを転写する型で、半導体や光学素子の低コスト量産技術として期待されている。シリコンステンシルマスクはシリコン基板に貫通開口を形成した電子ビームリソグラフィ用マスクであり、ナノパターンの直接描画に使用される。これらの製品はまだ事業規模は小さいが、半導体以外の分野への展開を視野に入れた新事業領域として位置づけられている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

その他製品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 半導体用フォトマスク外販フォトマスク市場で世界シェア約37.8%(2024年SEMI調べ)

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

半導体フォトマスクで国内首位、内需依存度が高い

フォトマスク専業として、半導体製造に不可欠なマスクの開発・製造で国内シェア首位を握る。同業他社には総合化学のイビデンや、電気機器のキオクシアホールディングスが挙げられるが、彼らは多角化でマスク比率が低く、当社は専業ゆえ技術深耕と顧客密着で優位に立つ。売上高は2024/3期の1071億円から2026/3期予想1296億円へ拡大。営業利益率も20%を超え、収益性は業界内で突出する。一方で、国内顧客向けが中心で海外売上比率が低く、内需依存の構造が鮮明。成長には海外顧客の開拓が不可欠で、世界市場で直接競合する大日本印刷や凸版印刷との差別化が課題となっている。

強み

  • 半導体フォトマスクで国内シェア首位。専業として技術力と顧客基盤を誇り、他社との差別化を実現。
  • 営業利益率は20%超と高水準。売上高も3期連続で増加し、利益を伴う成長を持続している。
  • フォトマスク専業で高度な微細加工技術を持ち、先端半導体向けの高い精度を実現している。
  • 国内主要顧客と長期関係を構築し、カスタマイズ対応で安定した受注を確保している。

課題

  • 海外売上比率が低く、成長市場への展開が不十分。海外顧客開拓が急務となっている。
  • 国内市場に偏重し、国内景気の影響を受けやすい。需要変動への耐性が課題。
  • 大日本印刷や凸版印刷など総合各社が市場参入しており、技術競争が激化している。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

半導体材料の時価総額近傍。太字がテクセンドフォトマスク

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15714DOWAホールディングス5,858億円9.0倍
24205日本ゼオン5,195億円13.3倍
34401ADEKA4,800億円16.6倍
45301東海カーボン4,111億円20.5倍
57966リンテック3,871億円20.2倍
6429Aテクセンドフォトマスク3,765億円15.2倍
7268Aリガク・ホールディングス3,631億円39.5倍
86728アルバック3,566億円20.8倍
94272日本化薬3,356億円13.0倍
104061デンカ2,889億円17.9倍
115384フジミインコーポレーテッド2,643億円27.0倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(半導体材料)に従っています。

会社の歴史

沿革 13件

シリコントランジスタ用マスクの試作から量産へ(1961~1968年)

1961年にシリコントランジスタ製造用フォトマスクの試作に成功した。1968年3月には朝霞工場精密部品棟にクリーンルームが完成し、シリコントランジスタマスクの量産を開始した。これが現在のフォトマスク事業の出発点である。当時はTOPPANグループの一事業として、印刷技術の延長線上にある微細加工を半導体分野に応用する試みだった。

国内生産拠点の拡充(1970~1986年)

1970年9月に滋賀精密工場が竣工し、生産能力を拡大した。1974年12月には朝霞精密電子第一工場が完成し、最新鋭設備と高性能クリーンルームを導入。1986年2月には朝霞精密電子第二工場が竣工し、半導体需要の拡大に対応した。これらの投資により、国内におけるフォトマスクの量産体制が整った。

台湾進出とDuPont買収による国際展開(1997~2005年)

1997年3月、中華映管股份有限公司、揚博科技股份有限公司との合弁で中華凸版電子股份有限公司(現 中華科盛德光罩股份有限公司)を設立し、台湾市場に参入した。2005年4月にはDuPont Photomasks, Inc.の株式取得を完了し、Toppan Photomasks, Inc.(現 Tekscend Photomask US Inc.)が始動。これにより米国に生産拠点を獲得し、外販フォトマスクメーカーとしての国際的な地位を確立した。

中国子会社化と台湾完全子会社化(2014~2015年)

2014年5月、中国科学院上海微系統与信息技術研究所が保有する上海凸版光掩模有限公司の持分28.5%を買い取り、完全子会社化した。2015年3月には中華映管股份有限公司が保有する中華凸版電子股份有限公司の株式を取得し、子会社化。さらに2015年4月には上海凸版光掩模有限公司が新工場を建設し、製造ラインを拡充して生産能力を増強した。これにより中国市場でのプレゼンスを高めた。

GlobalFoundries向け米国工場の設立(2019年)

2019年8月、Toppan Photomasks Round Rock, Inc.(現 Tekscend Photomask Round Rock Inc.)を設立した。GlobalFoundriesの内製マスクライン生産設備を購入・移設し、米国内のGlobalFoundriesウェハ工場向けにフォトマスクを供給する体制を構築した。これにより主要ファウンドリの一角との取引を確保し、米国における地産地供給を強化した。

TOPPANグループから独立し新たな成長へ(2022年以降)

2022年4月、TOPPANグループからの吸収分割により事業を継承し、テクセンドフォトマスクとして独立営業を開始した。2025年4月にはMission・Vision・Valuesを制定し、EUVマスクやHigh-NA向け技術開発に注力。2026年3月期の売上収益は1,296億円に達し、外販フォトマスク市場でトップシェアを維持している。シンガポール新工場の稼働も控え、さらなる成長を目指している。

年表13件を開く

1960年代

  • 1961年シリコントランジスタ製造用フォトマスクの試作成功
  • 1968年3月朝霞工場精密部品棟にクリーンルームが完成 シリコントランジスタマスクの量産を開始

1970年代

  • 1970年9月滋賀精密工場竣工
  • 1974年12月朝霞精密電子第一工場竣工 最新鋭設備と高性能クリーンルームを完備

1980年代

  • 1986年2月朝霞精密電子第二工場竣工

1990年代

  • 1997年3月中華映管股份有限公司、揚博科技股份有限公司と合弁で、中華凸版電子股份有限公司(現 中華科盛德光罩股份有限公司)を設立
  • 1998年8月滋賀工場でフォトマスク新棟竣工

2000年代

  • 2003年2月朝霞第三工場竣工
  • 2005年4月M&ADuPont Photomasks, Inc.の株式取得に関する手続き完了。Toppan Photomasks, Inc.(現 Tekscend Photomask US Inc.)が始動

2010年代

  • 2014年5月M&A中国科学院上海微系統与信息技術研究所が保有する上海凸版光掩模有限公司(現 上海徐匯科盛徳半導体有限公司)の持分28.5%を買取り、完全子会社化
  • 2015年3月M&A中華映管股份有限公司が保有する中華凸版電子股份有限公司(現 中華科盛德光罩股份有限公司)の株式を取得し、子会社化
  • 2015年4月上海凸版光掩模有限公司が新工場を建設 製造ラインを拡充しフォトマスクの生産能力を増強
  • 2019年8月創業Toppan Photomasks Round Rock, Inc.(現 Tekscend Photomask Round Rock Inc.)を設立 GlobalFoundriesの内製マスクライン生産設備を購入、移設し、米国内のGlobalFoundriesウェハ工場向けにフォトマスクを供給

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    フォトマスク事業の成長領域拡大

    米国や中国を除くアジア各国での設備投資により生産能力を拡大し、EUVマスクやHigh-NAリソグラフィ向けなど先端技術の研究開発を強化。ブランクスメーカーやIBMとの協業で次世代EUVマスクを先行開発する。

  2. 02

    レガシー領域の戦略的強化

    IoTや自動運転向けなど成熟ノードの需要増に対応し、グループ全体でレガシー装置の更新投資を計画。装置延命や代替パーツの共同開発により競争力ある生産設備を確保する。

  3. 03

    グローバル製造拠点の連携強化

    8つの製造拠点をあたかも1工場のように機能させる「バーチャル1工場」化を推進。生産委託プロセスの自動化やAIエンジンによる生産計画の最適化で供給力と効率を高める。

  4. 04

    新事業開拓 (ナノインプリント応用)

    フォトマスク技術を応用し、ARグラス向けWaveguide用モールドや3D構造マスターモールドを製品化。日本と欧州で生産体制を構築し、ナノインプリント受託加工サービスも展開する。

  5. 05

    サステナビリティへの取り組み

    環境・社会・ガバナンスのマテリアリティを特定し、持続的な成長と社会貢献を両立するための課題解決を進める。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社16(国内 2 / 海外 14、うち連結子会社 13) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
本社他 — 台湾 桃園市265億円
フォトマスク事業
朝霞工場 — 埼玉県 新座市163億円
本社他 — 米国 テキサス州132億円
フォトマスク事業
本社他 — 中国 上海市132億円
フォトマスク事業
本社他 — 韓国 利川市110億円
フォトマスク事業
本社他 — シンガポール7,917百万円
フォトマスク事業
本社他 — 中国 上海市4,892百万円
フォトマスク事業
滋賀工場 — 滋賀県 東近江市3,610百万円
本社他 — フランス エソンヌ県1,700百万円
フォトマスク事業
本社 — ドイツ ザクセン州218百万円
フォトマスク事業
ほか5件の開示あり
主な関係会社
  • 海外
    Tekscend Photomask US Inc.(注2)
    米国 テキサス州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tekscend Photomask Round Rock Inc.(注5)
    米国 テキサス州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tekscend Photomask North America Inc.
    米国 テキサス州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tekscend Photomask Germany GmbH
    ドイツ ザクセン州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tekscend Photomask GmbH(注4)
    ドイツ ザクセン州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tekscend Photomask France S.A.S.(注2)
    フランス エソンヌ県 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tekscend Photomask Korea Inc.(注2、5)
    韓国 利川市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tekscend Photomask Singapore Pte. Ltd. (注2)
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    中華科盛德光罩股份有限公司(注2、5)
    台湾 桃園市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    上海徐匯科盛徳半導体有限公司(注2、5)
    中国 上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    科盛德半導体材料(上海)有限公司(注2)
    中国 上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Tekscend Photomask HK Company Limited(注2)
    中国 香港特別行政区 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社4社を開く
  • Tekscend Photomask Cayman Inc.(注2)ケイマン諸島100%
  • Advanced Mask Technology Center GmbH & Co. KG (注6)ドイツ ザクセン州50%
  • Maskhouse Building Administration GmbH & Co. KG(注6)ドイツ ザクセン州50%
  • TOPPANホールディングス 株式会社(注7、8)東京都台東区47%
国際子会社 (GLEIF登録 1社)
  • SGTEKSCEND PHOTOMASK SINGAPORE PTE. LTD.

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1,296億円営業利益275億円前期と比べると増収減益で、売上が+9.8%、利益が-2.5%。

売上高
+9.8%
1,296億円
営業利益
-2.5%
275億円
純利益
+151.5%
249億円
営業利益率
21.2%
前期比 -2.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1,401億円1,296億円
営業利益298億円275億円
純利益237億円249億円
1株あたり配当¥70¥70

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

業績の推移

有価証券報告書 5期分

直近期の営業利益率は21.2%。売上は3期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2022年3月
2023年3月1,008294222
2024年3月1,071229161
2025年3月1,18028230823.999
2026年3月1,29627533421.2249

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1,296億円のうち、営業利益として残るのは275億円21.2%。営業外の損益と税金を反映した純利益は249億円、売上の19.2%にあたる。営業利益率は業種中央値5.5%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金66.6%863億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金11.2%145億円
  • その他の費用持分法損益などの調整1.0%13億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益21.2%275億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
33.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+15.7pt
21.2%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+15.0pt
19.2%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+9.8pt
17.2%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
10.8%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
10.8%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 4期分

2026年3月期は営業CFが361億円、投資CFが−351億円で、差し引きのフリーCFは10億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は516億円で、売上の4.8ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2023年3月43336−13469457
2024年3月286−139−16147633
2025年3月262−329−285−67277
2026年3月361−35119910516

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 5期分

2026年3月期の総資産は2,307億円。このうち返さなくてよい自己資本が1,745億円で、自己資本比率は75.6%(業種中央値59.3%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2022年3月110100.0
2023年3月1,5801,10647470.0
2024年3月1,8991,37752272.5
2025年3月1,6781,16451469.4
2026年3月2,3071,74556275.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
516億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
834億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
562億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

その他製品 104社との比較

同じその他製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率104社中4位あたり、逆に低いのは配当利回り104社中85位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
17.2%/中央値 7.4%
P25 4.0%P75 10.8%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
21.2%/中央値 5.5%
P25 2.1%P75 9.0%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
75.6%/中央値 59.3%
P25 46.8%P75 72.3%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
9.8%/中央値 2.6%
P25 -1.2%P75 8.3%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.9%/中央値 3.0%
P25 1.9%P75 4.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月3日の終値

直近の終値は¥3,790で、1年前と比べて+14.4%過去52週の値幅のなかでは43%の位置にある。

¥3,790+6.8%1ヶ月-12.2%1年+14.4%時価総額3,765億円
過去52週の値幅
安値¥2,671高値¥5,290

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)15.2倍
PER (会社予想)15.9倍
PBR2.12倍
配当利回り1.85%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月後半に4290円まで上昇したが、8月7日に3543900株の大量出来高を伴って3670円まで急落。その後は3630円前後で推移している。25日移動平均線(3866円)と75日線(4158円)を大きく下回り、短期的な下落トレンドが鮮明。52週高値5290円からは約31%下落した一方、52週安値2671円に対しては約36%高い水準にある。RSIは41と弱含みで、売り圧力が続く可能性がある。出来高は8月7日に354万株と突出しており、機関投資家の売りが示唆される。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 45/100)

PERは14.55倍と同業界平均の18.21倍を下回り、PBRは2.03倍で平均の1.39倍を上回っています。ROEは17.2%と高く、収益性は優秀ですが、配当利回り1.93%は平均の2.85%を下回ります。業績は増収傾向で、2026年には純利益が249億円と大幅に増加する見込みです。株価は割安なPERを持つ一方で、PBRの高さが割高感を生んでいます。割高だが、成長性を考慮すると妥当な範囲と判断します。

指標この会社業種平均
PER (実績)15.2倍18.4倍
PER (予想)15.9倍
PBR2.12倍1.38倍
ROE17.2%6.6%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

半導体市場の成長と微細化需要を背景に、高精密フォトマスクの需要が拡大している。強気派は、最先端技術対応で製品単価が上昇し、業績が一段と伸びるとみる。また、高い営業利益率(20%超)とROE(17%超)から、収益性の高さを評価。一方、弱気派は、半導体サイクルの変動や、台湾・韓国など競合との技術競争の激化を懸念。さらに、直近の純利益が2024/3期に減少しており、減益リスクを指摘する。投資判断は半導体市況と技術優位性の持続性が争点。

プラスに働く材料7
  • 半導体微細化で需要拡大

    先端ロジックやメモリで高精度マスクの需要が増加

  • 高い収益性と資本効率

    営業利益率約24%、ROE17.2%と高水準

  • 増収基調

    売上高は2023/3期から毎年増加

  • 26/3期売上高1,296億円と過去最高決算発表後影響

    売上高1,180億→1,296億円と+116億円。成長が続く

  • 26/3期純利益249億円と前期比150億円増決算発表後影響

    純利益99億→249億円と+150億円。大幅な利益改善

  • 営業利益率21.2%と20%超の高収益決算発表後影響

    営業利益率は23.9%→21.2%と低下も20%超を維持

  • ROE17.2%と高い資本効率継続影響

    ROE17.2%は高水準で、PBR2.09倍の評価を裏付ける

マイナスに働く材料7
  • 半導体市況の変動

    半導体サイクル悪化で需要が低迷する可能性

  • 競争激烈化

    海外企業とのシェア争いで価格競争にさらされる

  • 利益の不安定さ

    純利益が2023/3期222億円から2025/3期99億円へと減少

  • 26/3期営業利益275億円と前期比7億円減決算発表後影響

    営業利益282億→275億円。営業利益率は2.68ポイント低下

  • 予想PER15.4倍は現行14.29倍を上回る決算発表後影響

    予想PERが現行PERを上回り、業績予想への失望リスク

  • PBR2.09倍は割高懸念継続影響

    PBR2.09倍と1倍を大きく上回る。調整局面では割高感が重し

  • 配当利回り1.91%と低い株主還元継続影響

    配当利回り1.91%は低水準。利回り投資家の需要が乏しい

次の決算で確かめる点
売上高・受注高
半導体需要の動向と市場シェアを把握
営業利益率
技術競争力と価格決定力を測る
研究開発費
先端技術への投資継続性を確認
顧客数
特定顧客依存度と取引基盤の広がりを評価

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり70で、前期から37.8%いまの株価に対する利回りは1.85%。

年間配当
¥70
1株あたり
配当利回り
1.85%
いまの株価に対して
配当性向
72.9%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2024年3月90171.8
2026年3月56−37.872.9

配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥70

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ31,952人。区分でいちばん多いのは事業法人50.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が59.7%を占め、残る40.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。比較できる過去の期がまだ揃っていないため、直近期の構成のみを載せています。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2026年3月%
事業法人50.5
外国法人18.7
個人・その他18.2
金融機関9.2
証券会社3.3
外国人個人0.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01TOPPANホールディングス株式会社46.55
02日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)6.92
03QATAR HOLDING LLC(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)4.63
04CEPLUX-THE INDEPENDENT UCITS PLATFORM 2(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)2.25
05THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.45
06株式会社カストディ銀行(信託口)1.39
07NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE UKUC UCITS CLIENTS NON LENDING 10PCT TREATY ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店)1.33
08STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.14
09三木 正浩1.12
10インテグラル株式会社0.86

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-09-03
    イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッド(Eastspring Investments (Singapore) Limited)
    新規の大量保有報告
    5.04%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 4期分

1株利益は4期で+18%、1株純資産は4期で+59%。直近期のROEは17.2%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%配当性向%
2023年3月2221,10622.9
2024年3月1611,37713.0171.8
2025年3月1041,2617.8
2026年3月2611,75717.272.9

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2026/3期の役員報酬は総額439百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約8倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
二ノ宮照雄代表取締役 社長執行役員 CEO6232
Michael G.Hadsell取締役 執行役員 COO65
糸雅誠一取締役 執行役員 CFO5932
黒部隆取締役62
山崎壯社外取締役48
須原忠浩社外取締役6564
所千晴社外取締役5032
鄧茂松社外取締役63
薄井優彰常勤社外監査役34
齊藤和子社外監査役82
本村健社外監査役5696

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)612026738865
社外取締役951516

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容9,902字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社は、半導体用フォトマスクの製造・販売会社として、TOPPANグループから吸収分割により事業を継承する会社として設立され、2022年4月より営業を開始しました。 当社グループは当社、連結子会社13社及び持分法適用会社2社の計16社で構成されており、世界各地に広がるサービスネットワークと主要な半導体需要地域に所在する8つの製造拠点を活用し、EUVマスク生産などを手掛ける等、業界最先端の技術開発力で、外販フォトマスク市場のリーディングカンパニーとして事業活動を行っております。また、微細加工技術を応用し、ナノインプリントモールド等の新事業領域の開拓を進めております。 当社グループの事業は、前身であるTOPPANグループにおいて印刷テクノロジーの一つである微細加工技術を応用し、1968年にトランジスタ用のマスクの量産を開始したことに端を発しております。以来、半世紀以上に及ぶ歴史の中で、台湾に中華凸版電子股份有限公司(現 中華科盛德光罩股份有限公司)を設立し、また、DuPont Photomasks, Inc.を買収することで、今日では世界各国に製造拠点を有する外販フォトマスクメーカーとして、2024年において半導体向け外販フォトマスク市場におけるシェア37.8%というトップの位置におります。(出典 SEMI「2024 PHOTOMASK CHARACTERIZATION STUDY」) 当社グループの報告セグメントはフォトマスク事業の単一セグメントでありますが、事業の内容の記載にあたりましては、以下「フォトマスク事業領域」と「新事業領域」に区分して記載いたします。 (フォトマスク事業領域) フォトマスクとは、フォトリソグラフィ技術※において、対象物に任意の図形(パターン)を転写するための原版となるガラス基板であり、一般に写真のネガに例えられます。 今日では半導体製造工程の一つである露光(リソグラフィ)プロセスにおいて広く使用されており、フォトマスク上の半導体回路パターンをシリコンウェハ上に縮小露光することにより微細な回路パターンを形成することが可能となります。当社グループでは半導体メーカーや研究機関等の顧客から量産及び試作・研究開発用途で、様々な高精細フォトマスクの製造を受託しております。 半導体用フォトマスクは、半導体製造プロセスにおける「金型」として極めて重要な役割を果たすものであり、微細かつ高精度な製品を短納期で納入することが求められます。 フォトマスクは、顧客より支給された半導体回路のパターンデータをもとに、電子ビーム等でマスクブランクス(ガラス基板上に遮光膜を成膜し、その上に感光材であるフォトレジストをコーティングしたもの)上に回路パターンを描画し、現像・エッチングを経て製造されます。顧客に納入するに際しては、この後、各種寸法の測定や外観形状の検査を経て、顧客が要求する精度・仕様に合致していることの品質保証が必要となります。 半導体用フォトマスクの使用イメージ (光マスク) 半導体用フォトマスクの製造工程 (1) 半導体用フォトマスクについて ① 業界構造及び当社グループの事業領域について 半導体市場におけるビジネスモデルは、時代とともに大きく変化しており、かつては設計から製造まで一貫して行う垂直統合型が主流でしたが、1980年代後半以降、微細化競争の激化に伴い、水平分業型が台頭しました。今日の市場は、半導体の設計から製造、販売までを一貫して行う垂直統合型デバイスメーカー「IDM(Integrated Device Manufacturer)」が存続している一方、水平分業型モデルにおける自社で製造工程を持たない「ファブレス」と呼ばれるモデルとして、半導体設計のみを手掛ける「デザインハウス」と、実際にその半導体製造を請け負う「ファウンドリ」と呼ばれるプレイヤーによって構成されております。 IDMがフォトマスクを自社で内製する方針を継続してきた一方、水平分業化の潮流の中で、ファウンドリにおいてはフォトマスクの生産を100%外部委託するモデルも確立されました。これにより、半導体用フォトマスクは内製と外販という2つの大きな市場を形成しております。 当社グループは外販フォトマスクメーカーとして、内製機能を持たないファウンドリからの需要に加え、内製において生産キャパシティを超過した際のフォトマスク需要についても製造を委託されております。半導体デバイス製造工程におけるフォトマスクの位置づけを図に示すと以下のとおりとなります。 ② 需要構造について 半導体デバイスは、主にロジック半導体とメモリ半導体に大別されます。 ロジック半導体は、電子機器の頭脳とも呼べるもので、情報を処理し、論理演算や制御を行うものであり、CPU(中央処理装置)やGPU(画像処理装置)等がこれに該当します。汎用的なものから特定のアプリケーションに特化したものまで幅広い製品が存在しますが、基本的にはアプリケーションごとに開発設計がなされます。近年は微細化技術の進展に伴う設備投資負担の高まりから、フォトマスクの外販化が進んできております。 メモリ半導体は、データを記憶するための半導体であり、短期記憶向けのDRAMや長期記憶向けのNAND型フラッシュメモリ等が該当します。メモリ半導体は主に同一製品を大ロットで量産・在庫販売するものであるため、メモリ半導体メーカーは規模の経済を追求する必要があります。そのため、ロジック半導体と比較して、メモリ半導体用フォトマスクはIDMによる内製の割合が高い市場となります。当社グループにおいては、ロジック半導体用フォトマスクが主軸製品となりますが、HBM(High Bandwidth Memory:高帯域幅メモリ)など開発競争の高まりに加え、メモリ需要の拡大・供給能力の逼迫などの影響を受け、メモリ半導体用フォトマスクの外販化需要も増加しております。 当社グループにおける半導体用フォトマスクの生産量は、フォトマスクが回路原版として使われるため、単に半導体市場全体の製造ボリュームに比例するものではなく、回路パターンの複雑さや半導体デバイスの設計件数に影響を受けます。そのため、同一製品を大量生産するメモリ半導体市場よりもロジック半導体市場の動向に左右されやすい傾向にあるといえます。 また、半導体市場においては微細化の度合いを、回路線幅等に基づくプロセスノード※によって分類し、「〇〇ナノメートル」と表現しております。基準値はその時代々々によって流動的であるものの、プレイヤーの限られる先端技術を用いて作られるものを「先端ノード」、技術的に普及が進んだものを「レガシーノード」と大別されております。かつては微細化が進むことで既存のレガシーノード需要が先端ノードに置き換えられてしまうという、プロセスマイグレーションの考え方が一般的でしたが、現代ではIoT※や車載向けなど、必ずしも最先端の技術を必要としない半導体デバイスの量的需要が増加したことで、先端ノードはもちろんのこと、レガシーノードにおいても市場規模の拡大が続いております。 半導体用フォトマスクの需要は、半導体デバイスメーカーにおける新たな技術ノードへの対応や、新たな生産プロセス構築のための「研究開発・試作生産フェーズ」と既に確立した生産プロセスを用いる「量産フェーズ」のそれぞれにおいて発生します。 そのため、半導体デバイスそのものの量的需要とは別に、半導体デバイスメーカーの技術開発・製品開発が続く限り、一定の需要が継続安定的に発生いたします。また、研究開発段階において半導体用フォトマスクを提供するパートナーに選ばれることにより、当社グループのフォトマスクが顧客の生産プロセスにおける基準として採用されるため、以後の量産段階における半導体用フォトマスク需要において、当社に最適化された製造仕様が適用されることで、セカンドベンダーとして他社が参入を図る際の技術的な参入障壁となります。そのため、当社グループでは自社における研究開発や顧客等との共同開発等に対して積極的な人的投資・設備投資を実行し、顧客の上流段階からの技術要求に精確かつ柔軟に対応できる技術・開発体制、並びに生産体制を構築しております。 半導体用フォトマスクの構造 半導体デバイスは、同一のシリコンウェハ上にフォトリソグラフィ工程を複数回繰り返し、回路パターンを多層(レイヤー)構造で成形することで生産されます。したがって、一つの半導体デバイスに対しフォトリソグラフィの回数分だけ複数枚のフォトマスクが必要となり、これらは一つのセットとして使用されます。 フォトマスクに要求される微細化の精度は各レイヤーにおいて異なり、一般に、微細化が進むと高精度なレイヤー(クリティカルレイヤー)において要求される加工精度がより微細なものとなるとともに、回路パターンの積層にあたっては低精度(ラフレイヤー)~中精度のレイヤー(ミドルレイヤー)も必要となるため、セットあたりのフォトマスク枚数も増加し、マスクセット単価が上昇する構造となっております。 また、ウェハ工程の歩留まり向上など、デバイスメーカーにおいてフォトマスクをセットで効率的に運用するには、フォトマスクの仕上がりの傾向やレイヤー間の重ね合わせ精度が重要となります。このことから、通常フォトマスクを外注する場合は同一のフォトマスクベンダーにセット単位で発注されます。 (2) 当社グループ製品 当社グループは顧客より支給される仕様に基づく完全受注生産のため、当社グループの独自の製品ラインナップと呼べるものは存在しません。他方、フォトマスクはその構造に基づき、以下のように大別することができ、当社グループでは顧客の要求仕様に合わせて各種フォトマスクの生産を受託しております。 ① バイナリマスク バイナリマスクとは単純な遮光膜のパターンのみで形成されるマスクであります。単純に光を透過する/遮断するという機能のみのマスクで、主として露光波長以上の太さのパターン形成に用いられます。 当社グループではブランクスベンダーとの共同開発により、加工性の高い新型バイナリマスク(OMOG※材)を開発、寸法精度及び解像度の高いバイナリマスクの製造を可能にしました。 ② 位相シフトマスク 位相シフトマスク(Phase-Shifting Mask:PSM)とは、光の位相や透過率を制御する事で、ウェハへの露光時の解像度や焦点深度(DOF:Depth of Focus)を改善し、転写特性を向上させたフォトマスクであります。露光波長以下のリソグラフィでは標準的に使用されている技術であり、代表的なものに「ハーフトーン型(Attenuated PSM)」※や「レベンソン型(Alternative PSM)」※等があります。 当社グループではブランクスベンダーとの共同開発により、高い転写特性と長寿命を両立させた新型位相シフトブランクスを実現しました。 ③ EUVマスク EUVマスクは既存のDUV光※(ArF※:193nm)よりもさらに短い波長のEUV光(13.56nm)を用いるので、より微細なパターンの露光が可能となります。従来のDUV光を用いた技術とは異なり、EUVはガラスに吸収されてしまい透過することができず、ガラスレンズによる光の屈折現象で集光が出来ないため、半導体製造プロセスにおけるウェハ露光機及びフォトマスクはいずれも透過型ではなく反射型の光学系となります。 当社グループでは2000年初頭から業界に先駆けてEUVマスクの研究・開発に取り組んできました。現在は製造技術の構築と先端設備の導入を推進し、量産体制を確立しております。 (3) 当社グループの生産体制について 当社グループではアジア5工場、米国1工場、欧州2工場の計8工場でフォトマスクの製造を行っております(現在、シンガポールのみフォトマスク製造工程において前工程にあたるデータ処理工程のみを行っているが、2026年度中に新工場が稼働予定)。外販フォトマスクの生産においては納期が非常に重要であり、顧客デバイスメーカーより回路パターンのデータを受領後、通常、最先端品でも2週間程度、レガシー品では2~3日程度と、極めて短い納期で納入することが要求されます。そのため、基本的に地産地消によって顧客の近くに工場を構え生産することが最良とされております。他方で、半導体需要はその時々、地域や顧客の事情により変動が大きいため、ある工場において単一の顧客又は工場が立地する地域顧客のみをもって工場の稼働率を常に高く維持することは困難であり、現地の最大需要に合わせて設備投資をすることは事業上のリスクを高めると考えられます。同様に、安易に設備投資、キャパシティ拡張を行うことが難しいため、繁忙期には需要が現地の生産キャパシティを超過する事態も発生し得ます。 当社グループではアジア・北米・欧州すべての地域で現地供給できる体制を整えており、現地顧客に対し短納期で製品を提供することはもちろん、繁忙期において現地工場のみでは対応しきれない顧客需要について、グループ内部の生産委託によって他地域の工場から供給する柔軟な製造体制を構築しております。これにより複数工場間で生産需要・キャパシティを平準化し、グローバル全体での工場稼働率を高く維持することを可能としております。 当社グループの生産体制 (4) 当社グループの優位性 ① 技術開発の優位性について 当社グループでは材料ベンダーと共同で先端マスクブランクスの開発を行っております。これにより材料の組成に関与し深い知見を得ることで、先端マスクの生産において、自社の加工プロセスを最適化することが可能となっております。フォトマスクブランクスの特性はウェハの生産プロセスにも影響を与えるため、顧客プロセスへの最適化も企図したブランクスを開発し、同材料の採用を顧客に提案することで、先端マスク需要をいち早く取り込むことにも寄与しております。過去の開発成果の一つとして、バイナリマスクでありながら高い精度を実現するOMOG材は、当社での採用にとどまらず、共同開発者であるブランクスベンダーを通して販売され、広く業界内に普及しております。現在は次世代EUV技術であるHigh-NA※向けEUVマスクブランクスの開発にも取り組んでおり、EUV領域においても当社の開発した技術が業界標準となることを目指しております。 材料開発は、同時に知的財産権による当社グループの優位性構築にも寄与しており、導入初期において販売制限によって他社の参入を排除することはもちろんのこと、普及期においてはロイヤリティ収入を得る形で当社の業績に寄与することになります。 生産技術においても、過去の技術開発ノウハウとそのデータ蓄積に加え、AIの活用により、精度・効率の高いプロセス条件を早期に確立し生産性や良品率の向上を図っております。当社グループのノウハウは当社グループの生産プロセス改善のみならず、顧客プロセスの生産性向上のため、特に、HAZE※と呼ばれる顧客の生産プロセスにおいて同じフォトマスクを繰り返し使用することで発生するフォトマスクの品質低下に対し、それを抑制する取り組みを強化しております。HAZEが発生した際は当該フォトマスクのHAZEを除去するメンテナンス作業が必要となるところ、HAZEの抑制は顧客生産ラインの稼働率の維持・向上に直結するため、そのような課題を抱える顧客からは高い評価を得ているものと認識しております。 ② 高度な生産キャパシティ管理について 当社グループではクリティカルレイヤーで必要となる先端生産設備のみならず、成熟レイヤー・ミドルレイヤーで必要となるレガシー生産設備も多数保有しております。これにより先端半導体デバイスにおけるフォトマスクの需要に対し、クリティカル~ラフレイヤーまで、セット単位で対応することができることに加え、量的需要が旺盛なレガシー半導体向けにも対応することが可能であり、広範囲なテクノロジーノードの需要に対応することが可能となっております。 過去に普及したレガシーノード向け生産設備は、既に市場から同じ機種を調達することが困難となっており、新たに調達する場合はオーバースペックとなる先端ノード向けの生産設備を購入せざるを得ません。当社グループではレガシーノード向けフォトマスク生産設備の延命・維持管理にも力を入れており、セルフメンテナンスのノウハウ構築や、EOL※を迎えたパーツの代替品開発まで幅広く取り組んでおります。これによってレガシー設備の更新投資を最小化し、競合他社、とりわけ参入障壁の低いレガシーノード領域において新興フォトマスクメーカーに対し大きなコストアドバンテージを得ることにつなげております。 ③ グローバル生産体制によるタイムリーかつ柔軟な製品供給について 当社グループでは複数の製造拠点が連携して生産を行っており、製造拠点間のバックアップによって短納期での製品供給とBCP(事業継続計画)を実現しております。 通常、フォトマスクの生産に用いる描画機や検査機といった主要設備は、フォトマスク生産の受注前に顧客の使用許諾(認定)が必要であり、仮に同型機種であっても、その性能において個々に異なる傾向を示すことがあるため、工場が異なれば別個に認定を要求されることも少なくありません。当社グループでは各生産設備のパラメータに補正をかけプロセス条件を最適化することで、異なる工場の生産設備を使用しても同じ特性の仕上がりとなるよう、サイト間・設備間のデータマッチング技術の高度化に注力しており、その成果として、短期間で複数の生産工場について認定を取得することを可能としております。 複数拠点での生産認定に加え、AIを用いた生産管理システムを構築することで、過去の生産データから各設備の工程能力や出荷までの工数を試算し、納期及び設備稼働の最適化を実現すべく、同生産管理システムの開発と改善に取り組んでおります。フォトマスクは顧客の半導体デバイスの設計に合わせた一点一様の製品であり、製品の仕様とその時々の各生産設備の稼働状況に合わせて、多岐に渡る使用すべき装置の組み合わせから、最適な工程順を検討する必要があります。特に、検査工程で欠陥が見つかった場合は修正工程と検査工程を複数回繰り返す可能性があるため、出荷納期のコントロールは容易ではありません。本生産管理システムを用いることで、納期予測の精度向上と、迅速かつ正確な顧客への納期回答を可能とし、得意先からの信頼向上や出荷枚数の増加を目指しております。 ④ 最先端領域での取り組みについて 当社グループでは最先端領域において様々なパートナーとの共同開発プロジェクトに取り組んでおります。フォトマスクの材料ベンダー、生産設備ベンダーのみならず、Interuniversity Microelectronics Centre(imec)などの研究開発機関を介してウェハ工程も含めた様々な先端技術開発プレイヤーとの協働を展開しており、特に直近ではInternational Business Machines Corporation(IBM)社と2nm半導体向けEUVマスクのプロセス共同開発契約を締結しております。 また、当社内部の取り組みとしてもマルチビーム描画装置※を用いたEUVマスク生産の技術深耕に加え、半導体製造工程のウェハプロセスにおける光の性質を考慮して、フォトマスク上の回路パターンの最適化を図るCurvilinear※技術の開発にも注力しており、EUVのみならず従来型の光リソグラフィにおけるさらなる技術進展にも対応すべく、技術開発・研究開発の取り組みを進めております。 (新事業領域) 当社グループは半導体用フォトマスク事業を通じて培ったリソグラフィ技術を応用し、高精度なナノインプリント用モールド及びシリコンステンシルマスクを開発、製造しております。 (1) ナノインプリント用モールド ナノインプリントとは、樹脂をモールドと呼ばれる型と基板で挟み込み硬化させることで、数十ナノメートル単位のパターンを転写する微細加工技術であります。工程がシンプルなため、微細構造体を安価に再現性良く大量に製造する技術として期待されております。当社グループは半導体用フォトマスク事業を通じて培ったリソグラフィ技術を応用し、高精度なナノインプリント用モールドを開発、製造しております。 (2) シリコンステンシルマスク シリコンステンシルマスクは、パターンを形成するためにナノスケールの貫通開口を加工した電子ビームリソグラフィ(EBリソグラフィ:Electron Beam Lithography)用のマスクであります。EBリソグラフィは、先端マスクを作製するための技術として、半導体業界で研究が進められております。当社グループは微細加工技術をコア技術としてステンシルマスクの開発を進め、供給体制を構築しております。 (※用語) フォトリソグラフィ   紫外線(UV)、深紫外線(DUV)、極端紫外線(EUV)などの光源を用いて回路パターンを転写する工程。 プロセスノード   プロセスノードとは、半導体製造における微細加工技術の世代や規模を示す指標であり、一般的には、トランジスタのサイズ(ゲート長)や回路の線幅などの最小寸法をナノメートル(nm)単位で表す。「プロセス」を略して単に「ノード」と呼ぶこともある。 IoT   "Internet of Things(モノのインターネット)"の略で、さまざまな「モノ」がインターネットに接続され、情報をやり取りする仕組みのこと。従来は人がパソコンやスマートフォンを使ってインターネットにアクセスしていましたが、IoTでは身の回りの「モノ」自体がネットに接続される。 新型バイナリブランクス(OMOG:Opaque MoSi on Glass)   遮光膜にCr(クロム)に従来型のバイナリブランクスに代わり、当社が材料メーカーと共同開発した、MoSi(モリブデン・シリサイド)を使用したバイナリブランクスのこと。 ハーフトーン型(Attenuated PSM)   180度の位相差を付けた半透明遮光膜を用いたフォトマスクのこと。光は物質を透過する時に伝播速度が遅れ、その分だけ位相が変わることから、その性質を利用して、半透明な遮光膜をフォトマスク上に付けるとパターンの部分で局所的に位相を変えることが可能となる。 レベンソン型(Alternative PSM)   フォトマスクに光の位相差を発生させる透明膜を付けたり、フォトマスクのガラスをエッチングして位相差を発生させるタイプの位相シフトマスクのこと。 DUV光   Deep Ultravioletの略で、フォトリソグラフィにおいて使用される深紫外線。 ArF   Argon Fluoride(フッ化アルゴン)エキシマレーザーのこと。半導体製造で用いられる特殊な光源。波長が193nmと非常に短いため、微細なパターンを形成するのに適している。 High-NA   EUVプロセスにおけるレンズ開口数NAを従来の0.33から0.55に高める技術。 HAZE   露光を繰り返すことで、露光エネルギーがフォトマスク表面のガス状異物に作用し、フォトマスク表面に曇りや成長性の異物を発生させる現象。 EOL   「End Of Life」の略称であり、ここではフォトマスク製造装置メーカーが旧世代機種に対する保守サービスや保守パーツの提供を終了すること。 マルチビーム描画装置   複数の電子ビームを同時に使用して回路パターンを描画する描画装置のこと。 Curvilinear   より複雑な設計のウェハを製造するために、フォトマスク上のパターンに曲線形状を利用する技術。 (事業系統図)
経営方針・対処すべき課題4,057字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、2025年4月1日、グループ全体が目指す方向性と価値創造の基本的な考え方を明確化した「Mission・Vision・Values(MVV)」を制定し、この「MVV」のもと、事業環境の変化に的確に対応しながら、中長期的な企業価値の向上を図ることを経営方針として掲げております。 制定した「MVV」では、Mission(使命)として、「先端微細加工技術で革新的な未来を描く」を掲げ、半導体産業の発展を支えるフォトマスク分野において、最先端技術と高品質な製品・サービスを提供することにより、社会及び産業の持続的な成長に貢献してまいります。 Vision(ありたい姿)としましては、「常に選ばれる存在へ」を掲げ、世界を変える「テクノロジー」、ステークホルダーと築く「共通価値」、多様な人財が活躍する「人と組織」という視点を基盤に据え、様々な期待を超え続け、常に選ばれる企業の実現を目指し、EUVマスクをはじめとする先端領域を中心とした継続的な研究開発並びに設備投資を行い、技術力と供給力のさらなる高度化を図ってまいります。 また、Values(価値観)として、「誠実さ」「顧客志向」「多様性が生む革新」「世界を見据え、地域とともに」「不断の改善」という思いを共有し、誠実さを貫き社会的責任を果たすとともに、お客さまの成功の先に当社の成長があるとの考えのもと、文化や価値観の交わりから新たなソリューションを創出し、グローバルな視点を持ちながら地域とともに持続的な成長を実現してまいります。 これらのMVVに基づき、当社グループは、世界各地に展開する生産・サービス拠点を活用した安定供給体制の強化、品質・安全・環境に配慮した事業運営の徹底、人財育成及びガバナンス体制の高度化に取り組んでまいります。加えて、積極果敢な挑戦と不断の改善を通じて、既存事業の競争力向上にとどまらず、微細加工技術を応用した新たな事業領域の創出にも取り組むことで、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境 フォトマスク市場に大きな影響を与える半導体市場は、最終製品分野別の需要動向には引き続き濃淡が見られるものの、生成AIの普及拡大やクラウドサービス需要の増加を背景としたデータセンター向け投資が引き続き高水準で推移しました。高性能演算を担うロジック製品や、データ処理量の増加に対応するメモリ製品を中心に需要の回復及び成長が進み市場を大きくけん引するなど、半導体市場全体としては回復・拡大基調が継続する事業環境となりました。 このような半導体市場の拡大を背景に、フォトマスク市場においては、先端ノードから成熟ノードまで、すべてのプロセスにおいて需要が堅調に推移しました。先端領域では、半導体の微細化及び高集積化の進展に伴い、高精度かつ高付加価値なフォトマスクに対する需要が引き続き堅調であり、安定した受注環境が継続しました。また、成熟プロセス向けにおいても、幅広い用途での需要が維持され、底堅く推移しました。 外販フォトマスク市場においては、フォトマスクを内製しないファウンドリからの外注需要の拡大に加え、フォトマスクを内製する半導体メーカーにおいても、内部リソース不足を背景として外注需要が高まりました。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① フォトマスク事業の拡大 (ⅰ)フォトマスク事業成長領域の戦略的連携強化と成長 当社グループが持続的な成長を実現していくためには、市場成長が予想される地域に対し適切に設備投資を行い、生産能力を拡大するとともに、新たな技術領域に対して技術力・研究開発力を強化し差別化していくことが不可欠であります。 地域戦略では、各国・地域における業界動向や産業政策、輸出規制等を注視しながら投資機会を見極めてまいります。特に、量的需要の拡大が見込まれる米国及び中国を除くアジア各国の需要を重視し、生産能力拡大に向けた設備投資を進めてまいります。一方、これまで市場成長をけん引してきた中国市場については、米中間のデカップリングの進展及び同国政府による国産化政策を背景として現地競合企業との競争が激化していることから、収益性を重視した選択的な事業展開と設備投資を行ってまいります。 また、いずれの地域においても、現地当局との関係構築や有力顧客との長期供給契約の締結を通じて、安定的な取引関係を構築し、強固な事業基盤を確立することにより、当社グループの市場におけるポジションをより盤石なものとしていくことが重要であると考えております。 先端技術領域においては、当社グループは既に、フォトマスクの技術開発及び生産に不可欠なマルチビーム描画装置を朝霞工場及びドレスデン工場に導入しEUVマスクの開発・生産を開始するとともに、Curvilinear等の最新技術を用いた光マスクの生産への適用を進めております。特に、EUVマスクについては、ブランクスメーカーとの協業によるHigh-NAリソグラフィ向け新規ブランクス開発や、IBM社とのプロセス共同開発等を推進し、次世代EUVマスク分野において競合他社に先行することを目指しております。 (ⅱ)レガシー領域の戦略的強化 半導体市場では、28nm以細の先端ノードのみならず、いわゆるレガシー領域においても今後の成長が見込まれております。これは、AIやデータセンター向けに比較的高性能な半導体需要が増加していることに加え、レガシー領域においてはIoTや自動運転等多様なアプリケーションの開発と普及により、必ずしも高度な性能を必要としない半導体の量的需要が増加していることに起因しております。 当社グループでは、こうした需要に対してタイムリーにフォトマスクを供給する体制を維持するため、各工場におけるレガシー装置について、グループ全体最適の目線で更新投資計画を策定し、効率的かつ計画的な更新を進めております。加えて、装置延命や自社内保守技術の高度化により、稼働率の維持・向上及び原価低減を図るとともに、装置ベンダーとは異なる後発ベンダーとの連携による代替パーツの共同開発等も進めることで、競争力のある生産設備ラインナップの確保に努めてまいります。 (ⅲ)グローバル製造拠点のバーチャル「1」工場化 当社グループは、得意先と同一国内に所在する製造拠点での生産を原則としつつ、顧客要求仕様や各製造拠点における設備の稼働状況及び生産能力等を勘案し、拠点間で互いに生産委託を行うことにより、グループ全体で需給最適化及び生産量の最大化に取り組んでおります。本施策をさらに高度化するため、8つの製造拠点が連携し、あたかも1つの工場として機能する「バーチャル『1』工場」化を推進しております。具体的には、拠点間の生産委託プロセスの自動化や、生産日程計画におけるAIエンジンの開発・適用を進めることで、ワークフロー改革を通じた生産効率の向上及び供給力の強化に取り組んでまいります。 ② 新事業開拓 当社グループでは、フォトマスク事業で培った微細加工技術を応用し、ナノインプリント技術において金型として用いられるモールドを製品化しております。ナノインプリント技術は多様な用途で応用が期待されておりますが、当社では特に今後大きな市場形成が期待されるARグラスに用いられるWaveguide※用モールドを事業化すべく、現在普及しているバイナリー構造に加え、各種3D構造マスターモールド※による競争力のある製品の開発と顧客開拓を進めております。現在、日本及び欧州において3D構造マスターモールドの生産体制を構築しており、3Dモールド市場における当社グループのプレゼンスを強化し、顧客ニーズに迅速に応えられる体制の確立を推進しております。 さらに、中期的な戦略として、ナノインプリント技術を活用した受託加工サービスを日本で展開すべく、その中核となる試作ラインを朝霞工場に構築しました。ARグラスやメタレンズなどのフォトニクス市場が求める高品質な光学部品の開発能力を強化し、量産に向けた体制の構築を進めております。 ③ サステナビリティに関する取り組み 当社グループは、持続的な成長と環境・社会への貢献を実現するために重点的に取り組む課題として、環境・社会・ガバナンスそれぞれの領域におけるマテリアリティを特定し、課題解決に向けた取り組みを進めております。特定したマテリアリティについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般への対応 ④ 戦略」に記載しております。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、「売上収益成長率」「営業利益率」を経営上の重要な経営指標として位置付けております。なお、各指標の算定方法は以下の通りであります。 売上収益成長率=(当連結会計年度の売上収益-前連結会計年度の売上収益)÷前連結会計年度の売上収益 営業利益率=営業利益÷売上収益 (※用語) Waveguide   光を特定の方向に導くための光学デバイスのことで、AR/VRヘッドセットなどのデバイスで使用される。 マスターモールド   ナノインプリント技術において使用される金型のこと。当社では3D構造のマスターモールドをフォトマスク事業で培ったリソグラフィ技術により作成している。
事業等のリスク10,673字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスク、リスクの顕在化の可能性、顕在化の時期、連結業績等への影響度及びリスクへの対応は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営に関するリスク ① 半導体業界の需要変動に関わるリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大) 当社グループの主力事業を取り巻く半導体業界は、需要変動が大きく、経済環境や地政学リスク等の影響を受けやすい事業環境にあります。世界経済の動向次第では、景気後退等を背景として半導体を使用する電子機器の需要が減少し、半導体市場全体の需要が縮小する可能性があります。また、IDMやファウンドリの事業戦略の変化により外販フォトマスクの需要が変動する可能性があるほか、特定地域における政治・経済的な不安定化や貿易摩擦等が半導体サプライチェーンに影響を及ぼした場合、フォトマスク需要に変動が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループはEUVマスクやCurvilinear技術等の次世代技術の開発及び設備投資を継続的に実施し、半導体市場の技術革新に対応しております。フォトマスク需要のうち、研究開発フェーズにおける需要は量産フェーズに比べて経済動向の影響を受けにくい特性があることから、顧客や装置ベンダー等との共同開発を通じて、研究開発段階から技術パートナーとして参画できる体制を構築することにより、量産前の段階から一定の需要を確保し、半導体市場の需要変動が業績に与える影響の低減に努めております。 ② 競合に関するリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期~長期、影響度:大) フォトマスク市場は、半導体メーカーが自社で製造する「内製」と、外部ベンダーが供給する「外販」に大別され、外販市場は当社グループを含む比較的少数のフォトマスクベンダーにより構成されております。このため、主要な販売先であるIDMやファウンドリが内製による調達方針を強化した場合や、外販フォトマスクベンダー間における価格競争等が激化した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 また、近年、中国において新興のフォトマスクベンダーが多数台頭しており、価格競争や技術競争の激化が懸念されております。加えて、将来的に半導体メーカーの内製部門が外販事業を展開する可能性も否定できず、これら競合環境の変化が当社グループの事業環境に不確実性をもたらすリスクがあります。 (リスクへの対応) 当社グループは、最先端ノードからレガシー領域まで幅広く対応可能な技術開発や設備投資を推進するとともに、生産効率の向上やコスト競争力の強化に取り組んでおります。また、研究開発段階から顧客と連携し、フォトマスク製造専業としての独立性と信頼性を活かすことで、継続的な取引関係の構築に努めております。さらに特定顧客への依存度を抑制するため、幅広い販売先との取引関係の構築を進めております。 ③ サプライチェーンに関するリスク (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:―、影響度:大) 当社グループは、事業に必要となる原材料、製造設備・部品及びエネルギー等を、外部のサプライヤーや協力企業から調達しております。半導体製造においては、特定の原材料や製造設備において限られたサプライヤーが大きなシェアを有する場合があり、これらの供給に支障が生じた場合、半導体サプライチェーン全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、フォトマスクの製造受託においては、使用する材料や製造設備が顧客の認定(使用許諾)により指定されるケースが多く、当社グループの判断のみで代替材料や設備へ切り替えることが困難な場合があります。加えて、認定範囲の拡大には、顧客による評価が必要となり、許諾取得までに一定の期間を要することがあります。このため、認定済みサプライヤーや協力企業が地政学的な事象や災害により被災、倒産、廃業した場合、又は品質問題が発生した場合には、原材料等の安定的な調達が困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料やエネルギー価格の高騰についても、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、顧客から提示されるフォーキャスト情報に基づき、サプライヤーや協力企業との間で密な情報共有を行い、安定的な調達体制の構築に努めております。また、BCPの観点から、需要の多い材料や使用設備について、代替となる認定対象や認定範囲の拡大を顧客に適宜提案する取り組みを進めております。加えて、不測の事態に備え、各拠点において適切な在庫水準を確保するとともに、拠点間で在庫を融通可能な体制を構築することで、供給リスクの低減を図っております。 ④ 国際取引に伴う外部環境の変動によるリスク (顕在化の可能性:中~高、顕在化の時期:短期~中期、影響度:大) 当社グループは、国内外において生産及び販売活動を展開しており、海外市場向けに製品・サービスを提供しております。このため、外貨建て取引に伴う為替相場の変動は、短期的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性とともに、海外子会社の現地通貨建て財務諸表の円換算においても、為替相場の変動が影響する可能性があります。また、米国政府による関税措置の強化や輸出入規制の変更をはじめとする、各国・地域の安全保障政策や産業政策の変化によって、当社グループの競争力が相対的に低下し、売上高及び利益に悪影響を及ぼす可能性があり、輸出規制等に抵触した場合には、輸出禁止、罰金等の行政処分や刑事罰を受けるリスクがあります。これらの国際取引に伴う外部環境の変動や為替相場の変動が顕在化した場合には、当社グループの事業活動、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、各国・地域における通商政策や安全保障政策の動向を継続的にモニタリングし、当社グループ事業への影響を分析するとともに、事前に対応策についての検討を行うことでリスク低減に努めております。為替変動については、グループ全体で受注・製造・出荷・売上等の財務情報や金利動向に係わる情報共有のもと、金融機関による市場分析を踏まえつつ、必要に応じて適時為替予約等のリスクヘッジ手段を活用しております。また、関税に関しては、各国・地域における需要に応じた製造拠点の見直しを通じた関税コストの最小化を図るとともに、必要なコストについては顧客との協議により販売価格への適正な反映を図っております。加えて、輸出規制や関連法令への対応については、政策当局や業界団体、並びに各国・地域の関係当局とのコミュニケーションを通して早期に情報収集を行い、輸出規制、技術開発に関する規制等をテーマとした教育を定期的に行うなど、グループ役職員の輸出規制等に対する知識習得と規制遵守への取り組みを強化しております。 ⑤ 中期事業目標の未達に関わるリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) 当社グループが策定した中期事業目標は、顧客の需要見通しを踏まえた適切なタイミングでの設備投資や生産プロセスの立ち上げ、顧客の生産認定取得を通じた市場シェアの維持・拡大、並びに、業務効率の向上を通じた収益の拡大と収益性の向上を前提としております。しかしながら、外販フォトマスク市場における競争の激化等、市場環境が目標策定時の想定を超え変化した場合の他、関連法令・規制・税制の不利益な変更、エンジニア等の人財を確保・育成できない場合や、技術動向の変化への対応が十分に行えない場合、又は、こうしたリスクへの対応に想定を超える費用が発生した場合には、中期事業目標を達成できない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、多様な顧客基盤とグローバルな生産体制を構築することにより、特定の顧客需要や特定拠点に過度に依存しない事業構造の構築を図っております。また、営業部門による顧客動向の継続的な把握に加え、工場及びスタッフ部門において各国・地域の政策、規制及び技術動向を注視し、定期的な情報共有を通じた戦略の見直し、実効施策の修正を適時適切に遂行可能とする、環境変化に柔軟に対応した政策立案・施策執行の仕組み、運用体制を整えております。 ⑥ 労務管理に関するリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中) 当社グループは、各拠点が所在する国・地域において適用される労務関連法令及び規則に基づき、適正な労務管理を行っております。しかしながら、長時間労働、ハラスメント、差別や人権侵害等のコンプライアンス違反や、従業員の健康状態・メンタルヘルスの悪化等が発生した場合には、法令等に基づく処罰や制裁を受ける可能性があるほか、社会的信用や企業イメージの低下、補償等に係る費用の発生により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、労務関連法令及び規則を遵守した適正な労働時間管理並びに安全衛生管理の徹底に取り組んでおります。また、労務管理に関する研修・教育の実施に加え、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本に関する戦略、指標及び目標」に記載のとおり、従業員のエンゲージメント向上や健康・安全の維持及び向上を目的とした各種制度や施策を継続的に展開しております。 ⑦ 税務に関するリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中) 当社グループは、各拠点が所在する国・地域の税制に準拠した税務処理及び適正な納税に努めております。しかしながら、各国・地域における租税制度の改正、税務行政の運用変更、又は税務申告に関する税務当局との見解の相違等により、想定を超える税負担が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、税務が経営及び業績に与える影響を理解した上で、税務リスクを継続的かつ包括的に把握・評価する体制の整備に努めております。また、税務専門人財の育成及び知見の蓄積を進めるとともに、必要に応じて外部の税務専門家を活用することで、適切な税務対応の強化に取り組んでおります。 ⑧ 環境規制に関するリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:小) 当社グループは、各拠点が所在する国・地域において、水質汚染、大気・土壌汚染、化学物質の管理、騒音・振動等に関する環境関連法令及び規制の遵守が求められております。当社グループでは法令・規制の遵守に向けた対処策を講じておりますが、これら法令・規制に違反した場合や、法令・規制の強化又は環境負荷低減の追加的な対応が求められ、環境保全に係る費用が増加した場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、環境保全に係る規程・社内ルール等を整備するとともに、環境関連設備・機器について定期的な点検・修繕を実施するなど、各種環境保全活動に取り組んでおります。併せて、サステナビリティ委員会及び危機管理委員会において、マテリアリティの目標達成に向けた進捗管理を定期的に行うとともに、環境に係る問題発生時における事業への影響を最小化すべく迅速な対応が取れる体制整備を進めております。 ⑨ 有形固定資産の減損損失リスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中) 当社グループは、生産能力の維持及び拡大を目的として継続的に設備投資を行っており、多くの有形固定資産を保有しております。設備投資にあたっては、客観的な数値に基づき各種の承認プロセスでの慎重な検討を行った上で投資判断をしておりますが、想定を超える経営環境の変化や事業状況の悪化等により、有形固定資産の収益性(資産価値)が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合には、当該資産に対する減損損失を計上することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、設備投資に関する投資基準の精度向上に取り組むとともに、適切な投資タイミングや収益性の検証を行っております。また、必要に応じて外部調査機関等の情報も活用し、市場環境の変化を継続的に把握することで、減損損失リスクの低減に努めております。 ⑩ 知的財産に関するリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:小) 当社グループは、事業競争力の維持・強化の観点から、保有技術や製品に関する知的財産権の保護及び権利化に取り組んでおります。しかしながら、第三者による当社グループの知的財産権の侵害、又は当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、研究開発部門、技術部門、事業戦略部門及び法務部門が連携し、必要に応じて外部専門家の支援を得ながら、知的財産戦略の策定及び運用を行っております。また、役職員に対する知的財産に関する教育を定期的に実施し、リスク低減に努めております。 ⑪ 製品の品質等に関するリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中) 当社グループが製造する半導体用フォトマスクに対しては、顧客である半導体メーカーから高度な品質管理が要求されております。当社グループでは、製品品質の維持・向上に向けた教育制度を整備するとともに、内部監査の実施により潜在的な品質に係る問題を顕在化させ是正する品質管理体制の強化に努めております。また、品質に係る設備トラブル等が発生した場合を想定し、各製造拠点における情報伝達・対応フローを明確に定めております。しかしながら、製品品質に起因する不具合や設備トラブル等を起因として、万が一、顧客に損失が発生した場合には、損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、各製造拠点における作業の標準化や製造レシピの整理を進めるとともに、MES(製造実行システム)を活用した生産・品質管理を行っております。また、製造拠点間の製造連携においては、高精度なデータマッチング技術を活用し、拠点間で均質な品質を確保する体制を構築しております。加えて、品質問題発生時には、他拠点の知見も活用することで、早期是正及び再発防止に取り組んでおります。 ⑫ 情報セキュリティ等に関するリスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大) 当社グループにおいて、不正アクセスやサイバー攻撃、その他不測の事態により、情報システムの障害や重要なデータの破壊、改ざん又は漏洩等が発生した場合には、社会的信用の低下、ノウハウの流出、対応・復旧に係る多額の費用の発生、さらには事業活動の一時的な停止を余儀なくされる可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」に基づき、情報セキュリティに関する規程類の整備及び運用を行っております。また、各国・地域に所在する拠点におけるセキュリティ対策状況を定期的に評価・改善するとともに、サイバー攻撃への技術的対策や、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証の取得、全役職員を対象とした教育を通じて、情報セキュリティへの意識向上とリスク低減に取り組んでおります。 ⑬ コンプライアンスに関するリスク (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期~長期、影響度:中~大) 当社グループは、国内外において事業を展開するにあたり、各国・地域の法令・規制、業界ルール及び社会的規範の遵守徹底を図るため、危機管理委員会、コンプライアンス委員会等の会議体において業務執行状況の検証を行う等の対策を講じております。しかしながら、これら法令・規範等に反する事象が生じた場合、法令等に基づく処分や事業活動に対する制約等が課せられるほか、レピュテーションの低下等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、コンプライアンス委員会を中心として、社内規程の整備、教育・研修の実施、内部通報制度の運用を図るほか、経営監査室による監査体制の強化に取り組んでおります。また、法令・規範等に反する事象が生じた場合には、事実関係の早期把握並びに再発防止策の策定を適切に行う体制を整備し、コンプライアンスリスクの低減に努めております。 ⑭ 訴訟等に関わるリスク (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期~長期、影響度:小~中) 当社グループは、法令及び契約の遵守に努めておりますが、事業活動を遂行する過程において、取引先等から訴訟を提起される可能性や、訴訟に至らないものの紛争や請求等を受ける可能性があります。これらには、労働問題、製品の品質に関する保証又は責任、知的財産権の侵害、機密情報の漏洩等に関連するものが含まれます。これらの訴訟や紛争については、当社グループが必ずしも有利な結果を得られる保証はなく、その内容や結果によっては、当社グループの事業活動、社会的評価、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、法務部門を中心として関係部門が連携し、必要に応じて外部専門家の助言を得ながら、訴訟や紛争の未然防止及び発生時の適切な対応に取り組んでおります。 ⑮ 朝霞工場等、事業用資産及びユーティリティ供給設備に関わるリスク (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大) 当社グループは、当社朝霞工場の他、事業活動に必要な土地・建物の一部について、TOPPANホールディングス株式会社等の第三者から賃借しており、事業活動に必要な電力、ガス、水等のユーティリティ供給設備の一部について、その運営を外部事業者に委託しております。 事業用資産の賃借、並びにユーティリティ設備の運営委託に際しては、契約に基づき長期安定的に使用を可能とする法的な権利を確保しておりますが、契約更新時の条件変更や賃料の改定、又は契約更新がなされない場合には、事業活動の継続に影響が生じる可能性があります。また、契約相手先との関係の変化、法令の改正、周辺環境の変化等により、事業用資産、並びにユーティリティ設備の継続利用が困難となった場合や、原状回復義務や代替地確保に係る追加的な費用が発生した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、事業用資産に係る契約締結に際しては事業運営の安定性を担保する契約条項を確保する他、更新時期を踏まえ事前に対処策について十分な検討を行うとともに、賃貸借契約の相手先との継続的なコミュニケーションを通じて安定した関係の維持に努めております。また、ユーティリティ供給設備については、委託先の運営状況を定期的に確認するとともに、事業継続上の影響を最小化する観点から、必要に応じて、当社グループ自らが保守運営管理可能な体制整備に努め、併せて、代替策の検討やリスク分散にも取り組んでおります。 (2) 災害等のリスク 自然災害・伝染病リスク (顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中) 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、各製造拠点の所在する各国・地域において、地震や台風等の自然災害が発生した場合、又は重篤な伝染病の蔓延等により、当社グループの生産設備やクリーンルーム等の主要施設に被害が生じ、あるいは生産・営業活動の停滞を余儀なくされる可能性があります。また、これらの事象が外部のサプライヤーや協力会社、顧客を含むサプライチェーン全体に混乱をもたらした場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社グループは、BCPの観点から、各国・地域に所在する複数の製造拠点において顧客認定を取得し、特定の拠点に過度に依存しない生産体制の構築を進めております。また、需要の多い原材料や設備については、各拠点で適切な在庫水準を確保するとともに、拠点間で在庫を適時融通可能な体制を整備しております。併せて、重大な災害の発生に備え、各種マニュアルや行動手順、緊急連絡体制の整備を行うなど、事業の継続及び早期復旧に向けた対策に取り組んでおります。 (3) 主要株主との関係について (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小) 当連結会計年度末現在、TOPPANホールディングス株式会社は当社議決権の46.55%を保有しており、取締役1名を当社へ派遣しております。当社では、経営方針及び事業運営に関する重要な事項のほか取締役会等の会社機関における意思決定に際しては十分な審議を行い、当社独自の判断に基づき決議事項を決定しておりますが、TOPPANホールディングス株式会社は株主総会における議決権行使や取締役会での意見表明を通じて、当社の経営方針や重要な意思決定に一定の影響を及ぼす可能性があります。また、同社との関係性の変化や利害の不一致が生じた場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応) 当社は、様々な専門知識と見識を有し、豊富な経験と経営手腕を発揮された独立社外役員を選任し、当社を含めたグローバル全体の企業運営・管理、業務執行の管理監督機能の維持・向上を図り、企業経営の健全性、並びに少数株主利益に十分に配慮した事業運営を担保するガバナンス体制を構築しております。また、TOPPANグループとの取引にあたっては、社外取締役を中心にした特別委員会において取引条件の妥当性、経済的な合理性等を検証し、検証の結果、これらの要件が担保されている場合に限り取引を実施する手続き、体制を整備しております。併せて、検証された取引が、検証された条件により実行されていることを内部監査により確認する仕組みを設け、当社グループの経営の健全性、事業運営の独立性を確保しております。 (4) 上海徐匯科盛徳半導体有限公司が工場として使用する賃借物件について (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社のグループ会社である上海徐匯科盛徳半導体有限公司において、同社が工場として使用する賃借物件に関して、下記のとおり現地の法令、行政手続きに関する問題が生じております。 なお、当社は本件に付き法律顧問である現地弁護士事務所より意見書を取得しており、賃借人である上海徐匯科盛徳半導体有限公司に直接責任があると考えられる事項は、下記4項目のうち「4.建屋増設時の行政手続きの不備」に限られ、その他の事項に対する責任は基本的には賃貸人にあると認識しております。本件に起因して現地当局が上海徐匯科盛徳半導体有限公司の生産活動に何らかの制約を課すことになった場合、操業停止や工場移転が必要となることで当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 1.割当土地上の建築物の賃貸に関して必要となる要件(行政手続きを含む)の不備 2.土地使用用途の相違 3.建屋建設時の行政手続きの未完 4.建屋増設時の行政手続きの不備 (リスクへの対応) 当社及び上海徐匯科盛徳半導体有限公司では、問題事項の解決に向け、現地法律事務所の知見を得ながら、賃貸人との協議を重ねてまいりました。しかしながら、同敷地内に賃貸人が所有する別の違法建築物が複数存在するなどの理由から、上海徐匯科盛徳半導体有限公司が借用する物件のみに正規手続きを追完することは困難であるとの結論に至りました。一方で、行政手続きを未完のまま放置しておくことは、行政当局から立ち退きや工場の取り壊しを要求されるリスクも考えられることから、当該リスクの低減を図るため、行政当局との協議を行ってまいりました。 その結果、2024年2月に、本件土地が所在する地区の産業政策を所管する徐匯区商務委員会より、上海徐匯科盛徳半導体有限公司に対して「貴社が賃貸借契約期間内において、引き続き、既存の範囲内で、賃借した経営場所を使用し、既存の生産経営用途を維持し、合法的に経営活動を展開することを支持する」という見解が書面で示されたことから、当社グループといたしましては、上海徐匯科盛徳半導体有限公司の立ち退きや取り壊しを求められるリスクは低減されたものと判断し、現工場での生産を継続する方針としております。
経営成績の分析 (MD&A)6,107字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、当社グループは「フォトマスク関連事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ① 財政状態及び経営成績の状況 (ⅰ)財政状態 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ62,973百万円増加し、230,725百万円となりました。これは現金及び現金同等物が23,837百万円、有形固定資産が21,154百万円、その他の金融資産が7,298百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。 負債は、前連結会計年度末に比べ4,848百万円増加し、56,218百万円となりました。これは契約負債が1,495百万円減少したものの、その他金融負債が4,814百万円、借入金が661百万円増加したこと等によるものであります。 資本は、前連結会計年度末に比べ58,125百万円増加し、174,507百万円となりました。これは利益剰余金が25,125百万円、新規上場に伴う新株の発行により資本金が10,040百万円、資本剰余金が10,026百万円、その他の資本の構成要素が12,933百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。 (ⅱ)経営成績 当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクや金融政策の動向等、不透明な要因が残るものの、米国を中心とした堅調な個人消費や企業投資を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しました。欧州や中国では景気回復の足取りにばらつきが見られた一方で、デジタル化やグリーン投資といった中長期的な成長分野への投資は継続しており、世界経済全体としては底堅さを維持する環境となりました。 このような状況のもと、半導体市場においては、生成AIの普及拡大やクラウドサービスの需要増加を背景としたデータセンター向け投資が引き続き高水準で推移しました。その結果、高性能演算を担うロジック製品や、データ処理量の増加に対応するメモリ製品を中心に需要の回復及び成長が進み、半導体市場全体を大きくけん引する状況となりました。最終製品分野による需要動向には引き続き濃淡が見られるものの、全体としては回復基調が継続する事業環境となりました。 半導体市場の拡大を背景に、フォトマスク市場においては先端から成熟まですべてのノードにおいて需要が堅調に推移しました。先端領域では、半導体の微細化・高集積化の進展に伴い、高精度かつ高付加価値なフォトマスクに対する需要が引き続き堅調であり、安定した受注環境が継続しました。また、成熟プロセス向けにおいても幅広い用途での需要が維持され、底堅く推移しました。 外販フォトマスク市場においては、フォトマスクを内製しないファウンドリからの外注需要拡大に加え、フォトマスクを内製する半導体メーカーにおいても、内部リソース不足を背景に外注需要が高まりました。 このような事業環境のもと、当社グループは、EUVマスクをはじめとする先端微細加工技術における強みと、世界8拠点からなるグローバル生産ネットワークを活用し、世界各地の顧客及びパートナーに対して高品質のフォトマスクを安定した納期で提供してまいりました。 その結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上収益は129,576百万円(前期比9.8%増)となりましたが、材料費及び減価償却費の増加に加え、上場に伴う一過性費用の増加により営業利益は27,530百万円(前期比2.4%減)となりました。税引前利益は33,432百万円(前期比8.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は24,947百万円(前期比150.9%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ23,837百万円増加し、51,552百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益33,432百万円、減価償却費及び償却費18,486百万円、法人所得税の支払額8,621百万円等により、36,061百万円の収入(前年同期は26,227百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出33,207百万円、貸付けによる支出2,961百万円等により、35,150百万円の支出(前年同期は32,885百万円の支出)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入19,992百万円、短期借入金の純増減額1,064百万円、リース負債の返済による支出2,413百万円等により、19,862百万円の収入(前年同期は28,536百万円の支出)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況 (ⅰ)生産実績 当社グループは受注から納品までの期間が短いため、生産実績は販売実績と概ね同等の金額となります。そのため、生産実績に関しては販売実績を記載しております。 セグメントの名称   金額(百万円)   前年同期比(%) フォトマスク事業   129,576   109.8 (ⅱ)受注実績 当社グループは受注生産を行っておりますが、受注から納品までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。 (ⅲ)販売実績 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称   販売高(百万円)   前年同期比(%) フォトマスク事業   129,576   109.8 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度(自 2024年4月1日   至 2025年3月31日)   当連結会計年度(自 2025年4月1日   至 2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) Samsung Electronics Co., Ltd.   -   -   15,063   11.6 (注) 前連結会計年度におけるSamsung Electronics Co., Ltd.に対する販売実績は、総販売実績に対する割合 が10%未満であるため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、合理的と考えられるさまざまな要因を勘案した上で、見積もり及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性に係る情報について、当社グループにおける資金需要は運転資金及び設備投資であり、自己資金から賄っております。また、不測の事態に備えて金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、必要な資金を適時に確保する体制を整えております。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、「売上収益成長率」「営業利益率」を経営上の重要な経営指標として位置付けております。当連結会計年度における各指標は以下のとおりであります。 2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 売上収益成長率   ―   106.3%   110.2   %   109.8   % 営業利益率   28.5%   18.5%   23.9   %   21.2   % 2026年3月期は、半導体市場の拡大を背景に、フォトマスク市場においても先端から成熟まですべてのノードにおいて需要が堅調に推移し、売上収益成長率は109.8%となりましたが、材料費及び減価償却費の増加に加え、上場に伴う一過性費用の増加により営業利益率は21.2%と低下しました。今後も売上収益成長率と営業利益率の向上に向けた施策を講じてまいります。 (参考情報) 当社グループは、経営成績の推移を適切に把握するために、調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益を算出しております。これらは、IFRS会計基準により規定された指標ではなく、当社グループが、投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であり、上場後には発生しないと見込まれる上場関連費用や、非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目)の影響を除外しております。 (1)調整後営業利益 (単位:百万円) IFRS会計基準 第2期   第3期   第4期   第5期 2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 営業利益   28,680   19,827   28,199   27,530 (調整額) +減損損失   67   2,580   -   482 +スタンドアローン・上場準備費用   80   71   234   348 +株式報酬費用   5   18   36   45 +資本再編の検討に要した費用   -   9   1   - 調整額 計   152   2,677   270   876 調整後営業利益   28,832   22,504   28,469   28,407 (2)調整後EBITDA (単位:百万円) IFRS会計基準 第2期   第3期   第4期   第5期 2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 当期利益   22,159   16,105   9,945   24,947 +法人所得税費用   7,206   6,796   20,825   8,484 -金融収益   △ 601   △ 2,851   △3,411   △7,151 +金融費用   304   316   1,348   1,800 +減価償却費及び償却費   8,480   15,876   15,240   18,486 EBITDA   37,548   36,242   43,947   46,567 (調整額) +減損損失   67   2,580   -   482 +スタンドアローン・上場準備費用   80   71   234   348 +株式報酬費用   5   18   36   45 +資本再編の検討に要した費用   -   9   1   - 調整額 計   152   2,677   270   876 調整後EBITDA   37,700   38,919   44,217   47,444 (3)調整後親会社の所有者に帰属する当期利益 (単位:百万円) IFRS会計基準 第2期   第3期   第4期   第5期 2023年3月期   2024年3月期   2025年3月期   2026年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益   22,159   16,105   9,945   24,947 (調整額) +減損損失   67   2,580   -   482 +スタンドアローン・上場準備費用   80   71   234   348 +株式報酬費用   5   18   36   45 +資本再編の検討に要した費用   -   9   1   - +資本再編に伴う株式譲渡課税   -   -   6,247   - +欧州連結子会社の繰延税金資産の回収可能性見直し   -   -   8,221   - +調整項目に対する税金調整額   △ 47   △ 820   △83   △268 調整額 計   106   1,858   14,656   608 調整後親会社の所有者に帰属する当期利益   22,265   17,963   24,601   25,556 (注) 1.調整後営業利益=営業利益+減損損失+スタンドアローン・上場準備費用+株式報酬費用+資本再編の検討に要した費用 2.調整後EBITDA=当期利益-金融収益+金融費用+法人所得税費用+減価償却費及び償却費+減損損失+スタンドアローン・上場準備費用+株式報酬費用+資本再編の検討に要した費用 3.調整後親会社の所有者に帰属する当期利益=親会社の所有者に帰属する当期利益+減損損失+スタンドアローン・上場準備費用+株式報酬費用+資本再編の検討に要した費用+資本再編に伴う株式譲渡課税+欧州連結子会社の繰延税金資産の回収可能性見直し+調整項目に対する税金調整額

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開示資料

出典

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  • 決算説明資料2027年3月期第1四半期決算説明会資料2026-08-06

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