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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,053.44+287ドル円158.79-1NASDAQ26,229.57+130S&P 5007,675.19+44SOX 指数11,376.79+889/2終値

パワーエックス

PowerX, Inc485A · Growth · 電気機器

蓄電池を核にエネルギー事業を展開する新興メーカー。系統用蓄電所からEV充電、電力販売までを一貫して手がけ、再生可能エネルギーの普及を支える。

概要

パワーエックスは2021年3月設立の蓄電池スタートアップである。岡山県玉野市に自社工場「Power Base」を持ち、大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」や蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」の開発・製造・販売を手掛ける。2025年12月期の売上高は193億円に達したが、研究開発投資が重く営業赤字が継続している。同年12月に東京証券取引所グロース市場へ上場した。

BESS・EVCS・電力の3事業で構成される収益構造

当社グループはBESS(バッテリーエネルギー貯蔵システム)事業、EVCS(EV充電ステーション)事業、電力事業の3つを柱とする。BESS事業は大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」と中型の「PowerX Cube」の販売・保守が中心で、2025年12月期の売上高は171億円と全体の約89%を占める。EVCS事業は蓄電池型急速充電器「PowerX Hypercharger」の販売と、それを用いた充電サービス「PowerX Charge Station」の運営であるが、EV普及の遅れから売上高は11億円に留まりセグメント損失を計上している。電力事業は再生可能エネルギーを蓄電池で調整するオフサイトPPA「アドバンスプラン」や蓄電所の開発・運用サービスで、売上高10億円と小規模ながら黒字化している。

自社工場「Power Base」と提携工場による国内生産体制

当社グループは岡山県玉野市に自社工場「Power Base」を持ち、同工場では「PowerX Hypercharger」と「PowerX Cube」を年産480台(171MWh)の能力で生産する。さらに同じ玉野市内の提携工場で「PowerX Mega Power」を年産400台(1,096MWh)生産している。電池セル及びモジュールは自社製造せず、外部から調達するビジネスモデルを採用しており、製造設備への過大投資を避けつつ低価格化を図る。また製品の設計・ソフトウェア開発・メンテナンスを全て日本国内で行う「Made in Japan宣言」を掲げ、経済安全保障上のリスクに対応している。

急速に拡大する売上高と続く営業赤字の財務構造

当社グループの売上高は2023年12月期の3億円から2024年12月期62億円、2025年12月期193億円へと急拡大している。これは大型蓄電システム「PowerX Mega Power」の納入が本格化したためである。しかし同時に研究開発や生産能力拡大のための投資が先行し、営業損失は2024年12月期49億円、2025年12月期7億円と赤字が続く。2025年12月期の営業赤字幅は縮小したが、純損失は16億円である。上場に伴う増資や製品の前受金受領により現預金は74億円まで増加し、財政基盤は強化されつつある。

業界の中での役割はBESS(バッテリーエネルギー貯蔵システム)メーカー兼エネルギー事業者にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
193億円
営業利益
-7億円
営業利益率
-3.6%
純利益
-16億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2025/12
事業売上構成比利益利益率
BESS事業171億円88.6%39億円22.8%
EVCS事業11億円5.7%-4億円-36.4%
電力事業11億円5.7%0億円0.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01発電事業者・産業用主力

大型定置用蓄電システムや中型定置用蓄電システムを販売。再生可能エネルギーの有効活用や電力コスト削減、非常用電源としての利用を支援する。

主要顧客発電事業者、都市開発業者、不動産業者、自動車関連メーカー、機器メーカー、物流事業者

主な製品・サービス2
PowerX Mega Power
2.7MWhの大容量定置用蓄電システム。電力系統用や産業・商業用として利用可能で、再生可能エネルギーの活用を可能にする。
PowerX Cube
中型の定置用蓄電池。設置面積が小さく、様々な用途に展開できる。

02EV市場準主力

蓄電池型急速EV充電システムを販売し、EVユーザー向けに充電サービスも展開。自社開発のアプリで予約や決済を可能にし、再エネ100%充電を実現。

独自開発のオールインワン設計

主要顧客カーディーラー、自動車用品販売業者、運送業者

主な製品・サービス1
PowerX Hypercharger
蓄電池内蔵の急速EV充電器。最大出力240kWhで短時間充電が可能。高圧変電設備が不要で、低圧電力で設置できる。

03法人電力需要家準主力

蓄電池を使ったオフサイトPPAを提供し、再エネ電力を供給。蓄電所の開発・運営も手がける。

主要顧客オフィスビル、商業施設

主な製品・サービス1
アドバンスプラン
太陽光で発電した電力を蓄電池に蓄え、夜間などに供給する法人向けPPA。再エネ比率を設定でき、非化石証書の管理も不要。

製品と技術

系統用・産業用の大型蓄電システム「PowerX Mega Power」

「PowerX Mega Power」は2.7MWhの大容量を持つ大型定置用蓄電システムである。発電所と系統に直接接続する系統用、あるいは工場・ビル等での自家消費用として利用できる。2025年12月期には主力製品としてBESS事業の売上を牽引した。後継の「PowerX Mega Power 2500」や「PowerX Mega Power 2700A」も投入され、IoTセキュリティ認証「JC-STAR」を取得するなど信頼性を高めている。電池には熱暴走リスクの低いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、自社開発のBMS(バッテリー管理システム)で安全性を確保している。

中型定置用蓄電システム「PowerX Cube」

「PowerX Cube」は「PowerX Mega Power」より小型の中型定置用蓄電システムである。設置面積が小さく、産業用・商業用の様々な用途に展開できる。2025年1月からは認定販売施工会社制度を導入し、販売網の拡大を図っている。同製品もリン酸鉄リチウムイオン電池を使用し、自社BMSにより過電圧・過放電・短絡などのトラブルから保護する。自社工場「Power Base」で生産され、年間480台の生産能力を持つ。

蓄電池内蔵型急速EV充電器「PowerX Hypercharger」

「PowerX Hypercharger」は最大出力240kWの急速充電が可能な蓄電池内蔵型EV充電器である。高圧変電設備が不要で、一般低圧電力契約で設置できるためコストを抑えられる。2023年7月にはCHAdeMO 2.0.1の認証を取得した。蓄電池に太陽光発電の電力を蓄えることで「再エネ満タン」充電も実現する。さらに「PowerX Hypercharger Pro」は蓄電池から設置施設へも給電可能で、防災・エネルギーマネジメント需要に対応する。2025年2月には販売・施工を担う認定事業パートナー制度を開始し、販売体制を強化した。

自社運営の充電サービス「PowerX Charge Station」と法人プラン

当社は「PowerX Hypercharger」を活用した急速EV充電サービス「PowerX Charge Station」を自社運営している。ユーザーは自社開発アプリで充電スポットの検索・予約・決済を一括して行える。予約時間内であればフル充電可能で、充電電力を系統電力から選ぶこともできる(純再エネ100%等)。2025年11月には会費制の「PowerX First」を開始し、安価な従量制料金と最大75分の利用時間で低コスト充電を提供する。また法人向けには「PowerX EV充電法人プラン」を2025年2月に開始し、社用車のEVシフトを支援している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • EV市場独自開発のオールインワン設計

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

蓄電システムの新興、急成長も赤字続く

パワーエックスは蓄電池システムを主軸とする電気機器の新興企業。同業のキオクシア(半導体メモリ)やイビデン(半導体パッケージ基板)は成熟産業だが、当社はエネルギー貯蔵市場で急成長。売上高は2023年12月期3億円から2025年12月期193億円へ急拡大、営業損失率も改善傾向。しかし依然として赤字であり、競合の日清紡やコニカミノルタと比較すると規模は小さく、収益化が課題。

強み

  • 売上高が2年で約64倍に拡大、市場の需要を取り込み中。
  • 営業損失率が-79%→-4%へ大幅改善、黒字化目前。
  • 蓄電システム市場は脱炭素で拡大、追い風を受ける。
  • 大型蓄電システムに特化し、他社と差別化。

課題

  • 2025年12月期も営業赤字、黒字化の確度は不透明。
  • 売上193億円でもキオクシアなど大手には遠く及ばず。
  • 日清紡など既存大手も蓄電分野に参入、競争激化。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

電気機器の時価総額近傍。太字がパワーエックス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16768タムラ製作所661億円
26742京三製作所623億円12.2倍
36638ミマキエンジニアリング620億円8.3倍
46809TOA617億円16.8倍
56779日本電波工業616億円29.7倍
6485Aパワーエックス609億円
77280ミツバ604億円5.4倍
86958日本シイエムケイ562億円13.9倍
97244市光工業553億円7.5倍
106824新コスモス電機544億円10.2倍
116905コーセル542億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 20件

東京都港区で創業した2021年

2021年3月、自然エネルギー普及と蓄電・送電技術の進化を目的に、東京都港区虎ノ門に株式会社パワーエックスが設立された。創業当初は研究開発が中心で、売上はなく、純損失3億円を計上した。2022年6月には本社を同区赤坂のミッドタウン・タワーに移転し、事業拡大の準備を進めた。

初の製品受注開始とEV充電サービス発表 (2022年)

2022年8月、蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」と大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」の受注を開始した。同年10月にはEVユーザー向け充電サービス「PowerX Charge Station」を発表・開始し、販売だけでなくサービス事業にも参入した。これにより翌2023年12月期には3億円の売上を計上するに至った。

岡山県玉野市に自社工場を建設した2023年

2023年4月、蓄電池製品の製造を目的として完全子会社「株式会社PowerX Manufacturing」を新設分割により設立。同年6月には岡山県玉野市に蓄電池製造工場「Power Base」の建設に着手した。同時期に「PowerX Hypercharger」がCHAdeMO 2.0.1の認証を取得し、国際規格への適合を果たした。また11月には電力小売サービス「X-PPA(現アドバンスプラン)」を発表し、電力事業への本格参入を開始した。

事業拡大に伴う子会社設立と新製品投入 (2024年)

2024年2月、電気運搬船の開発・販売等を目的とする完全子会社「株式会社海上パワーグリッド」を設立した。同月には中型定置用蓄電システム「PowerX Cube」と、蓄電池から施設へも給電可能な「PowerX Hypercharger Pro」を発表・受注開始した。9月には大容量の「PowerX Mega Power 2500」を発表し、ラインアップを拡充。10月には環境省から産業廃棄物の広域認定を取得し、廃棄物処理体制を整備した。

会費制充電サービスと法人プラン導入 (2025年)

2025年1月、「PowerX Cube」の販売・施工を担う認定販売施工会社制度を開始。2月には「PowerX Hypercharger Pro」の認定販売事業パートナー制度を公表した。また同月、社用車向け急速EV充電法人プラン「PowerX EV充電法人プラン」の提供を開始した。11月には安価な従量制充電料金と最大75分の利用時間を特徴とする会費制サービス「PowerX First」を開始し、EVCS事業の顧客獲得を強化した。

上場と登記上の本社移転 (2025年)

2025年6月、登記上の本社所在地を東京都港区から岡山県玉野市の自社工場所在地へ移転した。同年10月には「PowerX Mega Power 2700A」及び「PowerX Mega Power 2500」がIPAのIoTセキュリティ制度「JC-STAR」レベル1の適合ラベルを取得した。そして2025年12月、東京証券取引所グロース市場へ上場を果たし、株式公開による資金調達を実現した。

年表20件を開く

2020年代

  • 2021年3月自然エネルギーの普及、蓄電・送電技術の進化のため新規事業を展開することを目的として、東京都港区虎ノ門一丁目10番5号KDX虎ノ門一丁目ビルに㈱パワーエックスを設立
  • 2022年6月本社を東京都港区赤坂九丁目7番1号ミッドタウン・タワー43階に移転
  • 2022年8月蓄電池型急速EV充電システム(注1)「PowerX Hypercharger」と大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」の受注開始
  • 2022年10月国内最速級のEVユーザー向け充電サービス「PowerX Charge Station」を発表・開始
  • 2023年4月M&A蓄電池製品及びその関連製品の製造を目的として、岡山県玉野市に完全子会社となる㈱PowerX Manufacturingを新設分割により設立
  • 2023年5月高圧受電不要で、簡単導入と低コスト運用を実現した商用EV向け充電システム「PowerX Hypercharger for Fleet」の受注を開始
  • 2023年6月岡山県玉野市に蓄電池製造工場「Power Base」を建設
  • 2023年7月「PowerX Hypercharger」が国際標準規格CHADeMOの最新プロトコルであるCHAdeMO 2.0.1の認証取得
  • 2023年11月電力小売の新サービス「X-PPA(現アドバンスプラン)」を発表
  • 2024年2月M&A電気運搬船の開発・販売及び海上電力輸送関連事業の企画運営を目的として、完全子会社㈱海上パワーグリッドを設立
  • 2024年2月産業用の中型定置用蓄電システム「PowerX Cube」と蓄電池から設置施設にも給電可能な蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger Pro」を発表、受注開始
  • 2024年9月定置用蓄電システムの新製品「PowerX Mega Power 2500」を発表、受注開始
  • 2024年10月環境省より産業廃棄物の広域認定を取得
  • 2024年11月EVCS(EV Charge Station)事業において、安価な従量制充電料金や最大75分の利用時間等の特長を備えた会費制の新サービス「PowerX First」の提供を開始
  • 2025年1月「PowerX Cube」の販売・施工を担う認定販売施工会社制度(注2)を開始
  • 2025年2月「PowerX Hypercharger Pro」の販売・施工を担う認定販売事業パートナー制度(注3)を公表
  • 2025年2月EVCS事業において、社用車向け急速EV充電法人プラン「PowerX EV充電法人プラン」の提供を開始
  • 2025年6月登記上の本社所在地を岡山県玉野市田井六丁目9番1号に移転
  • 2025年10月「PowerX Mega Power 2700A」及び「PowerX Mega Power 2500」について、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が定めるIoT製品向けセキュリティ制度「JC-STAR」(注4)の適合ラベル(レベル1)を取得
  • 2025年12月上場東京証券取引所グロース市場へ上場

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    大型蓄電池システムの製造販売

    系統用、再エネ併設、産業・商業用向けの大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」や中型「PowerX cube」を製造販売。自社開発プラットフォームで監視・制御・セキュリティを提供。

  2. 02

    蓄電池型急速EV充電システムの展開

    独自開発の蓄電池型急速EV充電器「PowerX Hypercharger」を販売し、自社でも充電ステーションを運営。アプリで予約・決済を提供。

  3. 03

    蓄電池を活用した電力サービス

    再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせた電力供給サービス、および蓄電所の運用アグリゲーション(マーチャント・トーリング・ハイブリッドモデル)を提供。

  4. 04

    量産型データセンター事業への参入

    蓄電池と演算基盤を一体化したコンテナ型データセンター「PowerX Mega Power DC」を開発・展開。電力需給に応じた柔軟なエネルギーマネジメントで脱炭素化を実現。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社2(国内 2 / 海外 0、うち連結子会社 2) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
Power Base第1工場(岡山県玉野市) — 注5、63,581百万円
自社CS拠点(38拠点) — 東京都江東区 他540百万円
POWERD LAB — 東京都大田区268百万円
東京オフィス — 東京都港区185百万円
Power Base — 岡山県玉野市135百万円
アクソール六本木(東京都港区) — 注7118百万円
主な関係会社
  • 国内
    ㈱PowerX Manufacturing (注)1、2
    岡山県玉野市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱海上パワーグリッド(注)1、2、3
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は193億円営業利益-7億円前期と比べると増収で、売上が+211.3%。

売上高
+211.3%
193億円
営業利益
-7億円
純利益
-16億円
営業利益率
-3.6%
前期比 +75.4%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高400億円193億円
営業利益23億円-7億円
純利益13億円-16億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

2期分

直近は2026年2Qで、売上は50億円、営業利益は−4億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2026年1Q19−7−36.8−10
2026年2Q50−4−8.0−6

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 5期分

直近期の営業利益率は-3.6%。売上は2期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
自然エネルギーの普及、蓄電・送電技術の進化のため新規事業を展開することを目的として、東京都港区虎ノ門一丁目10番5号KDX虎ノ門一丁目ビルに㈱パワーエックスを設立
2021年12月−3−3
2022年12月−20−23
蓄電池製品及びその関連製品の製造を目的として、岡山県玉野市に完全子会社となる㈱PowerX Manufacturingを新設分割により設立
2023年12月3−57−62
電気運搬船の開発・販売及び海上電力輸送関連事業の企画運営を目的として、完全子会社㈱海上パワーグリッドを設立
2024年12月62−49−57−79.0−80
東京証券取引所グロース市場へ上場
2025年12月193−7−18−3.6−16

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高193億円のうち、営業利益として残るのは-7億円-3.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-16億円、売上の-8.3%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金73.1%141億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金30.6%59億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-3.6%-7億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
26.9%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比10.5pt
-3.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比14.2pt
-8.3%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比51.0pt
-43.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-6.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-2.6%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 3期分

2025年12月期は営業CFが14億円、投資CFが−15億円で、差し引きのフリーCFは−1億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は75億円で、売上の4.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2023年12月−55−4150−9610
2024年12月−70−1587−8512
2025年12月14−1563−175

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 5期分

2025年12月期の総資産は262億円。このうち返さなくてよい自己資本が66億円で、自己資本比率は23.7%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2021年12月15141
2022年12月79601941.3
2023年12月85523360.8
2024年12月108179213.2
2025年12月2626619623.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
75億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-17億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
26億円
在庫として抱えている分
負債合計
196億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
26
/ 100
安定性自己資本比率16 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続10 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率224社中1位あたり、逆に低いのはROE224社中222位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-43.0%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-3.6%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
23.7%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
211.3%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,674で、1年前と比べて+251.2%過去52週の値幅のなかでは25%の位置にある。

¥1,674-6.2%1ヶ月-9.5%1年+251.2%時価総額609億円
過去52週の値幅
安値¥353.333高値¥5,576.667

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (会社予想)152.2倍
PBR28.85倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月20日に1,717円となり、前日比+6.98%の反発となりました。直近1ヶ月では-7.94%と下落基調にありますが、年初来では+260.21%と大幅高となっています。25日移動平均線(1,794.16円)を下回っており、短期的な調整局面にあります。75日線(2,624.79円)からは大幅に乖離しており、上値の重さが意識されます。出来高は8月20日で229万株と高水準を維持しており、底固めから再上昇への動きが出るかに注目です。52週高値5,576.67円からは大きく下落した後の反発局面とみられます。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 5/100)

予想PERは162.2倍と同業界平均の30.62倍を大きく上回り、PBRは28.53倍と同業界平均の2.16倍に対して極端に高い水準です。ROEは-43%と大幅な赤字で、株主資本を毀損しており、収益性の面からも割高感が際立ちます。配当利回りは0%で、株主への還元はありません。売上高は急拡大しているものの、依然として当期純利益は赤字が続いており、バリュエーションに見合う収益化の確証は得られていません。割高だが、成長期待が価格に織り込まれている可能性もあり、慎重な見極めが必要です。

指標この会社業種平均
PER (予想)152.2倍
PBR28.85倍2.58倍
ROE-43.0%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

成長性は非常に高いが、収益化はまだ初期段階。強気派は、2025年12月期の売上急増(前期比約3.1倍)と赤字幅の大幅縮小(営業利益率-79%から-3.6%へ改善)を評価し、電動化や再生可能エネルギーの普及に伴う需要拡大を見込む。一方、弱気派は、依然として赤字が続くこと、競合(キオクシア、イビデンなど)との競争、そして株価が1年で274%上昇しPBR 28.5倍と過熱感があることを懸念。収益化の時期やキャッシュフローの持続性に疑問を呈する。

プラスに働く材料7
  • 売上の急拡大

    2024年12月期の売上62億円から2025年12月期には193億円に増加見込み。

  • 赤字が急速に縮小

    営業赤字が-80億円から-16億円へ縮小し、収益改善が明確。

  • 長期成長市場

    蓄電池市場はEV・再生エネ拡大で今後も成長が見込まれる。

  • 売上高が3億→193億円へ急拡大通年影響

    2025年12月期売上高193億円、前期比+211%増収

  • 営業赤字が49億→7億円へ大幅縮小通年影響

    営業損益▲49億円から▲7億円へ42億円改善

  • 2026年12月期は黒字転換が視野決算発表後影響

    2025年12月期営業赤字▲7億円、売上高193億円で黒字化近い

  • 株価が1年で274%上昇し強気相場継続影響

    1年間で株価+274.27%

マイナスに働く材料7
  • 赤字が続く

    2025年12月期も営業赤字の見込みで、黒字化の時期が不透明。

  • 競争が激化

    大手電子部品メーカーや新興勢力との競争でシェア確保が難しい。

  • バリュエーション過熱

    PBR28.5倍と高く、市場の期待が先行しすぎている。

  • 予想PER162.2倍とバリュエーションが過熱継続影響

    時価総額649億円に対し予想PER162.2倍

  • ROEが▲43%と資本効率が極めて悪い通年影響

    自己資本利益率▲43%、PBR28.53倍

  • 営業赤字が続き黒字化の確証がない不定影響

    2025年12月期も営業損益▲7億円の赤字

  • 株価急騰後の利益確定売りリスク継続影響

    年間+274.27%と急騰し短期的調整余地

次の決算で確かめる点
売上成長率
立ち上げ期の企業では、売上の伸びが事業軌道を判断する重要指標。
営業利益率
黒字化への進捗を見るため、赤字幅の縮小状況を注視する。
受注残高
将来の売上を保証する受注の状況が、事業の持続性を示す。

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ8,270人。区分でいちばん多いのは事業法人49.4%。グループ会社や銀行などの安定株主が57.9%を占め、残る42.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。比較できる過去の期がまだ揃っていないため、直近期の構成のみを載せています。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2025年12月%
事業法人49.4
個人・その他22.6
外国法人12.0
金融機関8.5
証券会社6.1
外国人個人1.3

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社FAROUT0.01
02アキュメン株式会社0.01
03今治造船株式会社0.01
04株式会社日本カストディ銀行(信託口)
05日本瓦斯株式会社
06伊藤忠商事株式会社
07Spiral Capital Japan Fund2号投資事業有限責任組合
08株式会社SBI証券
09NOMURA INTERNATIONAL PLC A/C JAPAN FLOW(常任代理人 野村證券株式会社)
10持田 昌典

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-07-09
    株式会社FAROUT
    新規の大量保有報告
    12.40%
    -0.66pt
  • 2026-07-09
    株式会社FAROUT
    新規の大量保有報告
    12.26%
    -0.14pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 5期分

1株利益は5期で+100%。直近期のROEは-43.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSROE%
2021年12月−27,293
2022年12月−136,083−146.1
2023年12月−254−119.2
2024年12月−280−242.7
2025年12月−51−43.0

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2025/12期の役員報酬は総額232百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
伊藤正裕取締役424,942,000
鍵本忠尚取締役会長494,456,000
パオロ・セルッティ取締役5637,000
シーザー・セングプタ取締役5036,000
マーク・ターセク取締役6946,000
芹澤貢取締役69
佐久間達哉取締役69
藤田利之執行役 コーポレート 領域管掌5485,500
中屋英美執行役 BESS事業 本部管掌5553,000
池添通則執行役 生産・調達領域管掌5574,000
森居紘平執行役 EVCS事業 領域管掌4739,000
小嶋祐輔執行役 電力事業 領域管掌4310,000
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢保有株数
ラウト・ディーパック・クマール執行役 エンジニアリング・研究開発 領域管掌 CTO40
大西英之執行役63109,000
吉原博之執行役 BESS事業 領域管掌56

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役614114124
社外取締役5515110
取締役(社内)2404020

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容6,530字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 パワーエックスは蓄電型発電所(注1)を製作する会社です。 当社グループは、「永遠に、エネルギーに困らない地球」をビジョンに、「日本のエネルギー自給率の向上を実現する」をミッションに掲げ、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS:Battery Energy Storage System。蓄電池と電力制御を組み合わせて、状況に応じて電力を充放電する仕組み)の開発、製造、販売から、系統用蓄電所の企画、運用までを一貫して提供しております。 2025年2月に日本政府が閣議決定した第7次エネルギー基本計画では、2040年度に総発電量のうち再生可能エネルギーの割合を4~5割程度とし、最大の電源とするとの指針が示されています(注2)。また、2025年1月には米国が国連に対してパリ協定からの離脱を通告するなど、エネルギーを巡る問題は世界規模で不確実性が高まっていますが、エネルギー自給率の向上や温室効果ガス削減等課題を解決するためには、再生可能エネルギーの主力電源化が鍵であり、その需要は急速に高まっております。蓄電池は、太陽光や風力などで発電された電力を余剰時に蓄え、不足時に放出することで、発生をコントロールしにくい再エネ由来の電力を需要に応じて柔軟に供給することを可能とする、化石燃料依存の脱却を実現する次世代の代替手段であり、その発展には高度なエネルギー制御とセキュリティ対策によって支えられた高品質且つ低コストでアクセスのしやすいハードウェアの普及が必要不可欠です。 当社グループは、脱炭素化社会の実現に貢献するため、岡山県玉野市に建設した自社工場「Power Base」及び提携工場で生産する蓄電池製品を利用したソリューションを提供しており、BESS事業、EVCS事業、電力事業の3つの事業から構成されております。 (注1) 2022年5月の電気事業法改正以降、出力10MW以上で電力系統に直接接続する蓄電システムは「発電所」として扱われています。当社ではこうした系統用蓄電システムを「蓄電型発電所」と称しています。 (注2) 出典:経済産業省 資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画の概要(2025年2月)」 (Made in Japanの蓄電池製造基盤) 当社グループは、岡山県玉野市の自社工場「Power Base」及び提携工場において、定置用蓄電システムや蓄電池型急速EV充電システム等、様々な用途に応じた蓄電池製品の製造を行っております。 近年は、ウクライナ紛争の長期化や、米中間における輸出入の禁止措置など、地政学上のリスクが高まる中で、日本でも2025年6月に施行された経済安全保障推進法において重要物資の安定的供給や、基幹インフラ役務の安定的提供の確保に関する制度が定められるなど、経済安全保障におけるエネルギー確保の重要性が認識されております。当社グループは製品の設計、製造、ソフトウエア開発、メンテナンスのすべてを日本で行うことで、日本のエネルギー安全保障に貢献するというコミットメントを表した「Made in Japan宣言」を行い、以下3点をお約束します。 ① 日本国内で設計、組み立てられた製品 製品開発・生産拠点は、100%日本国内。岡山県玉野市に所在する自社工場及び提携工場にて高品質で信頼性のある蓄電池製品を組立て。 ② 自社開発ソフトウエアによるセキュリティの確保 国内のインフラを外部から守るために開発された自社ソフトウエア。電力の送配電等の基幹システムへのサイバー攻撃リスクを最小化し、国内電力の安定供給を支える。 ③ 万全なサポート体制 当社グループの製品は、自社システムで24時間監視可能。技術サポートの専門チームが製品導入後の運営やトラブル対応など、あらゆるサポートをオンサイトで提供。 当社グループは、多額の設備投資が必要な電池セル及び電池モジュール(電力を蓄える最小単位であるセルを、用途に合わせて複数組み合わせて電圧や容量を向上させたものがモジュール)の製造を自社では行わず、その時点で最も高品質でコスト競争力の高い電池セル及び電池モジュールを購入するビジネスモデルを採用しております。これにより、電池セル及び電池モジュールの製造設備への投資や開発コストの負担を軽減し、低価格の製品提供が可能となっております。また、定置用蓄電池、急速EV充電器等の様々な蓄電池製品に使用する電池セル及び電池モジュールは共通のものを調達し、それらを用いて製品を量産することで低価格化を図るとともに、今後拡大する蓄電池需要に対応することができます。 また、当社グループでは、電池セルとして、三元系リチウムイオン電池に比べて異常時に熱暴走しにくいリン酸鉄リチウムイオン電池を使用しており、それに加え、自社開発のバッテリー安全保護システム(BMS:Battery Management System)により、過電圧、過放電、過電流、高温/低温、電気回路のショートなどのあらゆるトラブルから電池を保護します。リン酸鉄リチウムイオン電池は、コバルト系や三元系のリチウムイオン電池と比べてエネルギー密度は低いものの、ニッケル、マンガン、コバルト等の希少性の高い鉱物資源を使用しているため原価が高騰しているコバルト系や三元系のリチウムイオン電池よりも比較的安価であります。リン酸鉄リチウムイオン電池の定置用蓄電池への使用は広く普及しつつあり、今後一層のコストカットも期待できます。 2025年12月31日時点における生産能力は以下のとおりです。 工場   所在地   対象製品   年間生産能力 Power Base   岡山県玉野市   PowerX HyperchargerPowerX Cube   480台(171MWh) 提携工場   岡山県玉野市   PowerX Mega Power   400台(1,096MWh) 当社グループが提供する蓄電池製品の主なラインナップは以下のとおりであります。 (BESS事業) 当事業は、主に大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」、中型定置用蓄電システム「PowerX Cube」の販売及びメンテナンスを行っております。「PowerX Mega Power」は、2.7MWhの大容量となっており、発電所等における電力の発生から消費に至る一連の電力供給システムに接続する電力系統用、自社拠点に設置して利用する産業・商業用のどちらにも利用可能で、再生可能エネルギーの有効な活用を可能とします。「PowerX Cube」は、産業用及び商業用に設計された中型の定置用蓄電池で「PowerX Mega Power」よりも設置面積が小さく、様々な用途に展開できます。また、当社のBESS事業では、バッテリー貯蔵システム(ESS)、パワーコンディショナー(PCS)、変圧器(TR)、パワー管理システム(PMS)、エネルギー管理システム(EMS)、アグリゲーション・コーディネーター(AC/RA)などの、周辺インフラからエネルギーソリューションを含めた製商品及びサービスをラインナップしております。 BESS事業における主要顧客は、発電事業者や都市開発業者、不動産業者、自動車関連メーカーや機器メーカー及び物流事業者など、幅広い業種にわたっております。また、当社グループが販売した蓄電池製品は、系統接続による電力の売買や、自家消費用の電力コストの削減、収益物件としての運用など、顧客のニーズに応じた用途に供されております。そのため、当社グループでは製品の購入のみを希望されるお客様から、機器購入後の運用まで一貫して任せたいというお客様まで、あらゆるニーズへのきめ細かい価値提供を可能とするべく、製品販売のみではなく、蓄電池の運用管理に必要なソフトウエアの開発・提供や、販売後の保守メンテナンスを含めて当社が対応する体制を構築しております。 また、電力系統に接続して電力の充放電を行う蓄電施設である系統用蓄電所向けの製品販売に当たっては、日本のエネルギー需給や系統への接続可否の調査を踏まえた導入サポートを行っているほか、自社開発の蓄電池運用システム「Power OS」を用いて遠隔監視による常時保守・保全を行っており、不具合発生時も適時に把握することが可能となっています。 産業・商業用では、工場、倉庫、ビルなどの脱炭素化を蓄電池が実現可能とします。太陽光発電システムに加えて蓄電池を導入することで、従来は廃棄していた余剰発電量を蓄電池に蓄えて夜間電力として最大限活用することや、昼夜の電力の価格差を利用して電気代を削減することが可能なほか、災害等により系統からの電力供給が途絶えた場合の非常用電源として、BCP(BCP: Business Continuity Plan)の観点からも活用が期待されます。 (EVCS事業) 当事業は、蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」の顧客への販売、メンテナンス及び「PowerX Hypercharger」を利用したEVユーザー向け充電サービス「PowerX Charge Station」を展開しております。 EVCS事業では国内外のカーディーラーや自動車用品販売業者、運送業者などを主要顧客として製品を販売するほか、EVユーザーである個人及び法人に対して充電サービスを提供する「PowerX Charge Station」の自社拠点の運営、及びFC拠点の運営受託を行っております。 当社が販売及び運営を行っている「PowerX Hypercharger」、「PowerX Charge Station」の特徴は以下のとおりです。 ① 急速充電/高圧変電設備不要 当社グループが独自開発している「PowerX Hypercharger」は、最大出力240kWhによる短時間充電を可能とし、商業施設等の短時間の滞在を見込む場所での充電をサポートすることができます。また、変電機・パワーコンディショナー・充電器を兼ね備えたオールインワンの充電設備であり、高圧変電設備及び工事が不要です。一般商業用の低圧電力(200V)契約で利用できることから設置場所の制限が少なく、低コストでの設置が可能です。 ② 再エネ充電可能 「PowerX Hypercharger」は、蓄電池内蔵型であるため、気候条件により発電が左右される太陽光発電等の電力を蓄電池に蓄えることが可能となり、「再エネ満タン」、すなわち100%再生可能エネルギーによるEV充電を実現できます。 自社で運営する「PowerX Charge Station」においては、EVユーザーの環境意識の度合いに合わせて純再エネ100%、純再エネ70%等、系統電力から電力を選んでEVを充電することが可能となっております。 ③ 直感的なUI(User Interface)/ UX(User Experience)アプリ EV充電ネットワークを利用できるアプリを自社開発いたしました。アプリは使いやすさを重視したシンプルな設計で、ユーザーは直感的な操作で予約、充電状況の確認、決済をアプリ上で完結することが可能となっております。 ④ 検索&予約可能 日本における充電スポットの中には検索可能であるものの予約はできず現地に到着するまで使用状況がわからない、また時間制限がありフル充電が難しいという施設もありますが、当社の「PowerX Charge Station」は、自社開発アプリで充電スポットを検索・予約することでスムーズに充電でき、予約時間内であればフル充電も可能となっております。 (電力事業) 当事業は、蓄電池を使ったオフサイトPPA(電力の需要家が、需要場所外に発電設備を確保して再生可能エネルギーを調達するスキーム)である「アドバンスプラン(旧X-PPA)」をはじめとした蓄電池を利用した電力提供サービス及び蓄電所の開発、運営サービスを展開しております。 「アドバンスプラン」は、昼間の太陽光や風力等のベース電源に加えて、日中に太陽光によって発電された電力を蓄電池に蓄え、電力需要の高まる夕方以降の時間帯に「夜間太陽光」として、オフィスビルや商業施設等に供給する、新たな法人向け電力販売契約(PPA)を提供するものであります。 日本においては各地にメガソーラーが建設されるなど、太陽光発電の導入が進んでいる一方で、太陽光発電の発電量や価格は、季節や天気等の自然要因に大きく影響を受ける上、日没後は発電できないため、夜間使用される電気の多くはいまだ火力由来の電源に頼っている現状であります。さらには、太陽光パネルを設置するスペースが限られることや、再生可能エネルギーを証明する非化石証書(注)の価格が変動することにより予測が困難であること等、法人による再生可能エネルギーの活用には様々な課題があります。 「アドバンスプラン」では、当社グループが電力提供元として、発電元より再生可能エネルギーを購入し、オフィスビルや商業施設等に電力を供給しております。再生可能エネルギーが夜間も電力系統を通して供給されることで、法人顧客は再生可能エネルギーの高い活用率を実現することが可能となります。蓄電池製品の電力需給調整の特徴を最大限活用したこのスキームにより、顧客は自らが設定した再エネ比率での電力供給を経済的かつ安定的に受けることができ、かつ、非化石価値を取得するための手間や価格変動リスクを低減できます。当社はこの「アドバンスプラン」を多くの顧客に利用いただくことで、再生可能エネルギーの有効活用と更なる普及に貢献できるものと考えております。 (注) 非化石証書とは、再生可能エネルギー等の非化石エネルギーで発電された電力の、環境価値部分を証書化したものであります。化石燃料等による発電とは異なり、太陽光発電や風力発電による再生可能エネルギーは、物理的な電気の価値に加え環境価値を持っております。これを切り分け、環境価値のみを取引できるようにしたのが非化石証書であり、非化石エネルギーの利用を促進し環境保全に貢献することを目的としております。 蓄電所の開発、運営サービスは、当社がディベロッパーとして新しい蓄電所の企画・開発を行い、当該蓄電所のアセットオーナーに当社蓄電池製品を販売、商業運転開始後に蓄電所の充放電を最適化し、蓄電所オーナーに固定収入を保証するトーリングモデル、電力市場における運用を中心としたマーチャントモデル、これらの中間にあたるハイブリッドモデルを提供し、在庫リスクを抑えた安定的な収益確保を目指しています。 (海上送電事業) 海上送電事業は、連結子会社である株式会社海上パワーグリッドが担っており、電力を海上輸送する電気運搬船を利用した電力運搬事業の事業化を進めております。再生可能エネルギーを調達し、電気を海上輸送、系統を通して顧客に電気を届ける事業であり、大規模な敷設工事が必要となる海底ケーブルによる送電と比較すると、環境や自然にも著しく優しく、災害にも強い、これまでにない送電方法となります。エネルギーといえば、燃料を船で運搬する方法が一般的でありますが、電気を電気のまま運ぶ新しい方法で、日本の抱える自然エネルギーや系統の問題を抜本的に解決するものであります。 当社グループが開発する電気運搬船「Power Ark」及び「Power Barge」は、船に搭載される蓄電池に電力を溜めて、電力を目的地まで運ぶことで、陸上の電力系統でカバーできない経路を補完することや、日本の海域にある洋上風力発電所でつくられた電力の送電、電力の需要場所から離れた場所で生まれた再生可能エネルギーの輸送を可能とします。 [事業系統図] 当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題7,988字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「永遠に、エネルギーに困らない地球」というビジョンのもとに、「日本のエネルギー自給率の向上を実現する」というミッションを掲げております。 日本政府は、2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げ、再生可能エネルギーの導入に取り組んでおります。一方、太陽光発電や風力発電等の出力が変動する再生可能エネルギーの大規模導入に伴い、余剰電力の発生や電力供給の安定性の確保が課題となっております。また、昨今、エネルギーを巡る問題は世界規模で不確実性が高まっている中で、再生可能エネルギーの主力電源化が鍵とされております。 当社グループでは、自然エネルギーの普及並びに蓄電、送電技術にイノベーションを起こし、脱炭素時代を担う次世代型のエネルギー企業を目指して社会に貢献してまいります。 (2) 経営環境・戦略 Bloombergが発表したデータによりますと、温室効果ガスの主要因である二酸化炭素の排出量は年々増加しており、1990年から2022年にかけて約1.7倍に増加しております。また、全国地球温暖化防止活動推進センターが発表したデータによりますと、日本の部門別の二酸化炭素排出量の主要因の約40%が電力の発電によるものとされております(発電及び熱発生に伴うエネルギー起源の二酸化炭素排出量を、電気及び熱の生産者側の排出として生産者側の部門に計上した排出量で算定)。 出典:(左)Bloomberg「Global total CO2 emissions」、(右)全国地球温暖化防止活動推進センター「日本の部門別二酸化炭素排出量(2023年度)」より当社作成 また、日本における2023年のエネルギー自給率はわずか15.3%(OECD中37位)にとどまり、先進諸国と比較しエネルギー資源の対外依存が高い状態が継続しております。 出典:国際エネルギー機関(2025年10月) 「World Energy Balances Highlights」より作成。エネルギー自給率は、当該国の国内エネルギー生産量(PJ)÷国内総エネルギー供給量(PJ)で算出。日本のエネルギー自給率のみ、「総合エネルギー総計(1990~2023年度確報)時系列表」(経済産業省 資源エネルギー庁)から引用。なお、国際エネルギー機関と経済産業省のエネルギー自給率算出手法には若干の差異があることに留意。 このようなエネルギー情勢の中、日本政府は2025年2月に第7次エネルギー基本計画を閣議決定しております。当エネルギー基本計画では、2040年までに温室効果ガスの排出量を2013年度から73%削減することを目指すこととしており、また、エネルギーの安定供給の観点から再生可能エネルギーや原子力などエネルギー安全保障に寄与し、かつ脱炭素効果の高い電源を最大限活用することによりエネルギー自給率を向上させる必要がある旨が示されております。2040年には総発電量のうち再生可能エネルギーの割合を4~5割程度とし、最大の電源とするとの指針が示されており、その中でも太陽光発電と風力発電が再生可能エネルギー供給構成の大きな部分を占める見込みであります。 再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、電力安定化に不可欠な調整力に対する需要は増加することが見込まれています。今後、原子力の出力が増加したとしても、過剰供給による充電ニーズ、瞬時の放電(出力)ニーズに応えるための調整力は依然として必要であり、調整力を提供する蓄電池に対する需要がより一層高まることが想定されます。 当社グループの各事業を取り巻く経営環境は以下のとおりであります。 (BESS事業) 再生可能エネルギーの調達促進、有効活用のニーズ増加に加えて、エネルギー安全保障の観点から、再生可能エネルギーを蓄えることができる蓄電池は導入が加速しており、今後も市場規模の拡大が見込まれております。当社試算による定置用蓄電池の導入ポテンシャルは、2040年までに累計291~337GWh(累計約10.1兆円)(注1)と見込んでおりますが、この2040年において必要と推定される蓄電池容量は、国内の原子力発電所すべての出力を上回る規模となります。このように、蓄電池は電力の重要な供給源となることから、日本の国家安全保障の観点からも、BESSのセキュリティ強化、堅牢な国内制御が重要となります。 (注1)経済産業省及び資源エネルギー庁を含む、様々な公表資料に基づき試算。2040年の数値は第7次エネルギー基本計画に基づく日本政府のエネルギーミックス予測値及び2040年の総発電量の日本政府の予測値を使用して推定。2050年の数値は、総発電量と2050年の洋上風力発電の発電量目標に関する日本政府の予測に基づいて推定されており、その他の再生可能エネルギー発電量の数値については独自の仮定を適用。特に2050年の数値を計算する際には、2021年の再生可能エネルギー量と2040年の日本政府の目標を比較して算出した成長率を適用。2050年の再エネ以外の電源について、原子力発電については現在建設済み・建設中の原発を超えた発電能力の増加は想定せず、水素・アンモニア発電の比率については政府想定の10%を前提とした。棒グラフの陰影部分は老朽化した揚水式水力発電が耐用年数を迎えた時点ですべて電力需要の調整機能を持つ蓄電システムに置き換わると推定した場合に必要となる蓄電容量を示しているが、様々な要因により想定したとおりに代替が進まない可能性がある。また、2040年までの価格変動が生じないと仮定し、蓄電池システムの単価を30,000円/kWhとして算出した。 (注2)GWh値を日本におけるリチウムイオン電池の一般的な放電時間である4時間で除して算出 (注3)日本に現在設置されている原子力発電所の平均出力(2025年時点で1,003 MW)に基づいて算出(出所: 日本原子力安全機構) (注4)既存の国内原子力発電所の総認可発電容量(2025年時点で33.08GW)に基づき算出 (出所: 日本原子力安全機構) BESS(Battery Energy Storage System)事業では、系統用蓄電池や再エネ併設蓄電池、産業・商業用蓄電池などの用途で利用可能な大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」や中型定置用蓄電システム「PowerX cube」の製造販売及びメンテナンスを行っております。当社製品は、自社開発のプラットフォーム(Power OS)で監視や制御、セキュリティサポートを行っており、ユーザーが自ら蓄電池の状態監視・充放電制御を管理することができます。また、このプラットフォームはAIアプリケーションと連携しており、蓄電池で生成された充放電データをAIモデルに学習させることで、バッテリーや周辺機器の制御、及び蓄電池に蓄えた電力の充放電制御の最適化を図り、その精度を向上させることを通じて卸電力市場取引の自動化や、より適切なタイミングで電力売買を行うことによる収益性の向上を図ることができます。 蓄電池製品の販売後においては、自社専門チーム及び外部の協力会社による保守メンテナンスや技術サポートを提供するとともに、運用面のサポートについても顧客ニーズに対応した提案を行っております。「PowerX Mega Power」は最長20年間の容量保証が付帯するなど、蓄電池製品は長期間の使用を想定していることから、購入後のサポート体制が充実していることは、顧客の製品購入の意思決定において重要なポイントであるとともに、当社としてもストック型収益を獲得することができる重要な事業機会であると認識しております。 このような高い付加価値を持つ蓄電池製品及びサービスを生み出すことで、来るべき蓄電池需要に対応した事業展開をしてまいります。 (EVCS事業) EVCS(EV Charge Station)事業では、当社グループが独自開発している蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」(以下、「HC」)を急速充電ニーズが高いカーディーラーや企業へ販売するとともに、自社でもHC を複合商業ビルや空港、コンビニや道の駅の駐車場等に設置し、「PowerX Charge Station」を運営しております。 HCを使用することで、最大出力240kWの短時間充電を可能とし、商業施設等の短時間の滞在を見込む場所や経路での充電をサポートすることができます。急速充電ができることで、時間の制約により充分な充電を行うことができないといった課題を解決し、フル充電を行うことも可能です。また、当社グループでは、EV充電ネットワークを利用できるアプリを自社開発しており、いつでもどこでも充電を事前予約でき、待ち時間なくスムーズな充電を可能としております。スマホアプリによる分かり易い操作で、予約から決済まで高いユーザビリティを付与しております。 HCの設置場所については、バッテリー容量が大きく、急速充電ニーズの高い輸入車メーカーや商用車(バス・タクシー等)の利用が見込まれる立地を中心に展開しております。また、これまでHCは、EV向け充電のみ可能でしたが、HCに内蔵される蓄電池を産業・商業用蓄電池としても活用出来る「PowerX Hypercharger Pro」の販売開始により、自治体・商業施設等におけるエネルギーマネジメント需要や防災需要に応えられる商品展開を図っています。 昨今のEVの普及状況を踏まえて顧客が投資時期を来期以降に先送りする傾向が認められる一方で、電動化の流れは徐々に進んでいることから、マクロ環境・市場環境を見極めながら、事業戦略、商品戦略を図る方針です。 (電力事業) 再生可能エネルギーの活用を検討する企業においても、そのニーズは高い再エネ比率の実現や、より安価な再生エネルギー利用など様々です。電力事業では、こうした顧客のニーズに合わせて、再生可能エネルギーやその他の安定電源と蓄電池を組み合わせた様々な電力提供サービスを提供しています。 また、2025年には大手企業を中心としたオフテイカーの登場などにより、トーリング(蓄電池の充放電する権利を一定期間借り手(オフテイカー)に貸し出し、固定リース料を受け取るモデル)が広がり始めました。当社グループでは、主に自社で製造し販売した蓄電システムを使用して、蓄電所オーナ-等が所有する系統用蓄電所等の電力運用を行うアグリゲーションサービス(運用を基本とするマーチャントモデル、安定収入を保証するトーリングモデル、これらを組み合わせたハイブリッドモデルなど)の提供も行っております。当社グループの蓄電システムの特徴として、「Mage in Japan」の製品であり、自社開発のクラウドベースマネジメントシステムを使用することでセキュリティの確保もできており、顧客獲得の強みとなっています。これらの強みを活用して、安定的な収益(アグリゲーターとしての収益)の積み上げを図ります。 (量産型データセンター事業) 昨今、生成AI(人工知能)や機械学習技術の急速な普及に伴い、大規模な演算処理能力を持つGPUサーバーなどの計算資源を収容するデータセンターの需要が世界的に急増しております。これに伴い、データセンターにおける電力消費量は著しく増大しており、膨大な電力をいかに安定的かつ持続可能な形で確保するかが、デジタルインフラの拡充における喫緊の社会課題となっております。 また、電力系統への負荷軽減や遅延低減の観点から、従来の大規模集中型(ハイパースケール)データセンターに加え、需要地に近い場所に設置可能な分散型データセンターやエッジコンピューティングの重要性が高まっております。弊社の試算では、2040年における国内データセンターの推定市場規模は5.3兆円~10.4兆円(注)に達する見込みです。 こうした市場環境の変化を捉え、当社グループは、電力インフラ(Watt)と計算資源(Bit)を統合的に最適化する「ワット・ビット連携」の実現を目指し、量産型データセンター事業へ参入いたします。 具体的には、当社のコア技術である蓄電池システムによる調整力と演算基盤を一体化した量産型コンテナデータセンター「PowerX Mega Power DC」を開発・展開してまいります。本製品は、蓄電池を併設することで、再生可能エネルギーの発電ピーク時に安価な電力を蓄電し電力需給が逼迫する時間帯にサーバー稼働に充てることで、系統への負担を抑えながら安定稼働を維持するなど、電力需給バランスに応じた柔軟なエネルギーマネジメントを可能にし、エネルギー効率と脱炭素化を両立する次世代の計算インフラを提供します。まずは、以下図表におけるフェーズ0(委託モデル)からの事業開始を予定しております。 当社グループは、本事業を通じて、AI時代の電力課題を解決し、地域分散型の持続可能なデジタル社会の構築に貢献してまいります。なお、2026年12月期の連結業績予想において、収益面では売上高の計上を見込まない一方、費用面では研究開発に係る費用を織り込んでおります。量産型データセンター事業に係る製品開発と販売体制の整備、及び顧客からの需要が想定以上であった場合、追加での投資を行う可能性がございます。 (注)2040年国内データセンター年間需要電力量予測は、電力広域的運営推進機関「第10回 将来の電力需給シナリオに関する検討会」の報告書上の2040年電力需要シナリオを参照。平均電力は、国内データセンター年間需要電力量に8760時間を除して算出。2024年末時点の国内データセンターの電力容量はIDC Japanの調査(https://my.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ53203025)より2,365.8MVA。データセンターのIT負荷は力率が高いことから0.9とおき、有効電力では概ね 2.1 GW程度に相当と弊社独自で換算。国内推定市場規模については、2040年から2024年末時点の電力容量の差分 (3~5.9GW = 3000MW ~5900MW) に、弊社Mega Power DCの受電MWあたりのコスト (建設+5年OPEX)17.7億円/MWを乗じて算出。弊社Mega Power DCの受電MWあたりのコストの算出方法については2026年2月13日に公開の弊社決算説明資料 Appendix 「PowerX Mega Power DCの優位性」パート (p84)を参照。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、持続的な成長性と企業価値の向上の実現に向けた達成状況を測定するため、売上高、受注残高、EBITDA、ROA、ROE及び温室効果ガス(GHG)削減貢献量を重要な経営指標として位置付けております。 当該指標を重視する理由は下記のとおりであります。 売上高及び受注残高は、事業規模・成長性の目安であり、当社製品の市場シェアの動向把握にも適した指標であるためです。 EBITDAは、多額の初期投資を必要とする当社グループにおいて、減価償却費等の一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の向上を目指すために適した指標であるためです。なお、EBITDAの計算式は、「EBITDA=営業利益+減価償却費+株式報酬費用」としております。 ROA、ROEは、他人資本を取り入れながら資産効率・資本効率を最適化することを表す指標として有用であるためです。 温室効果ガス(GHG)削減貢献量は、カーボンニュートラルの実現のため自然エネルギーの爆発的普及を目指す当社にとって、重要な指標であるためです。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①成長戦略の推進 当社グループは、中長期的な事業拡大と収益基盤の確立に向けて、既存事業の連続的成長及び非連続的成長をバランスよく遂行することが課題となっております。 既存事業の連続的成長については、主にBESS事業の既存製品の改善・進化、製品ラインナップの拡大、ターゲット市場・顧客の深化・拡大、蓄電システムの設置・導入の効率化、保守・メンテナンス体制の更なる高度化等、電力事業における電力販売(小売、卸、仲介)や蓄電所開発の拡大、アグリゲーションの拡大等による収益及び収益性の拡大を図ってまいります。 また、非連続的成長については、量産型データセンター事業の開始、BESS事業における海外進出等により収益及び収益性の拡大を図ってまいります。 ② 生産キャパシティの確保 当社グループは、主にBESS事業における受注の急拡大により、生産キャパシティの拡大による供給の安定化が課題となっており、これに対応するため、IPO時の増資や借入資金等により、工場及び生産設備の増強を図ってまいります。 ③ 部材調達価格上昇への対応 当社グループが製造する蓄電池製品の主要な部品である電池モジュールについては、現状中国の仕入先より輸入しております。2026年1月以降、リチウムの生産事業者の操業停止、EVや蓄電システムの好調な需要、中国によるVAT(増値税)輸出還付の段階的廃止による駆け込み需要が連動し、原料価格の高騰を招いており、仕入先からのモジュール価格が上昇する可能性が生じております。リチウムの価格が落ち着く可能性があり、受注済を含む販売契約について、価格転嫁やコスト競争力のある新製品への切り替えも行う予定であり、中長期での影響は限定的となるものの、短期的には業績に影響を与える可能性があります。 また、当該電池モジュールを含む輸入品については、ドル建ての仕入を行っており、為替レートについては155円前後を想定しておりますが、直近の変動が激しく、一定の為替予約を行っているものの、ドル建て仕入価格の予測が困難となっております。この状況は他社も同様であり、為替レートの動向によっては販売価格に転嫁していく可能性があるものの、短期的には業績に影響を与える可能性がございます。 これらに対応するため、販売価格への価格転嫁、コスト競争力のある新製品への切り替え、中国以外の会社を含む部材調達先の拡大、為替予約のカバレッジ拡大等により収益性の確保を図ってまいります。 ④ 人材の確保と育成の強化 当社グループの継続的な事業の成長と発展のために、優秀な人材の確保と育成は重要な課題の1つと認識しております。当社グループとしては積極的な採用活動を継続するとともに、社内教育の充実、適切な目標管理と人事評価を行い、優秀な人材の確保と活用に努めてまいります。 ⑤ 財務基盤の強化 当社グループは、運転資金に加えて、優秀な人材の採用・育成、研究開発、および製造設備への積極的な投資を継続しており、将来の成長に向けた多額の事業資金を必要としています。これら成長投資に必要な資金を安定的に確保するため、増資や、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとするコミットメントライン契約など金融機関からの借り入れにより、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。
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会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上で重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。 (1) 事業環境に関するリスクについて ①日本の経済情勢に関するリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 再生可能エネルギーやその技術・製品に対する需要は、当社グループが事業を展開する日本の経済情勢によって影響を受けます。即ち、少子高齢化の進行、金利上昇やインフレの進行によって日本の経済活動が停滞し、電力需要全体が想定よりも伸び悩む可能性や、当社グループの顧客が定置用蓄電池の設置やEV急速充電器の展開等に対する投資余力を失う可能性、政府が税収減少により再生可能エネルギー関連の補助金を削減する可能性があります。 このように、日本の経済情勢の悪化により、蓄電池の使用やEV急速充電器の設置が当社グループの想定したとおりに進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 再生可能エネルギー市場に関するリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 2025年2月に政府が閣議決定した第7次エネルギー基本計画では、2040年度に総発電量のうち再生可能エネルギーの割合を4~5割程度とし、最大の電源とするとの指針が示されています。そして、この目標を達成するため、国レベルと地方レベルの両方で補助金を活用する方針・施策が示されていますが、政府のエネルギー戦略が変更され、当該計画で示された方針・施策は改定される可能性があります。このような場合には、再生可能エネルギー市場が縮小し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、上記第7次エネルギー基本計画及び第三者のデータや当社独自の分析に基づき、当社グループの事業が展開可能な市場に関する市場規模を推定しています(「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境・戦略」をご参照ください。)。しかしながら、脱炭素社会の実現に向けた政府及び企業の考え方の変化、炭素エネルギーにおける技術革新、原発の再稼働・新設による再生可能エネルギーへの依存の低下、老朽化した揚水式水力発電施設の蓄電池への移行の遅れ、送電網の整備不足等により、当社グループが想定するほど当該市場が成長しない可能性があります。さらに、当社グループの事業が展開可能な市場に関する市場規模の推定が正確であった場合でも、他社との競合等により、当社グループの事業が成長しない可能性があります。 ③ 政府及び地方自治体による補助金に関するリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 日本の政府及び地方自治体は、再生可能エネルギー及びその関連技術の採用を促進するための政策を採用しています。特に、当社グループの蓄電池製品は、第7次エネルギー基本計画のもと、補助金の対象となっており、顧客が受け取る補助金の多寡は、顧客が蓄電池製品を導入する意思決定に大きな影響を与えます。しかしながら政府又は地方自治体が方針を見直したり、予告なく中止したりする等、補助金が現状と同じ水準で続く保証はなく、顧客が受け取る補助金が想定よりも少なくなる場合などには蓄電池製品等の需要に影響し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 気候変動に関するリスク (発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:中) 地球温暖化による気候変動は、異常気象による自然災害の甚大化や、森林の減少・砂漠化、生物の絶滅等、地球規模で深刻なリスクを生じさせます。これらのリスクは、当社グループが保有する生産設備の損壊、サプライチェーンの機能不全、規制強化等によるコスト増加等、当社グループの事業活動の多方面に影響を及ぼす可能性があります。 また、地球温暖化による気候変動が想定以上に進まない場合、国、社会及び企業の再生可能エネルギーへの関心が薄れ、補助金や設備投資の減少により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ EV充電サービス需要の変動リスク (発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:小) 脱炭素化を背景として、電気自動車(EV)が普及していくことを想定していますが、日本におけるEVシフトの遅れやEVに替わる移動手段の出現などにより想定よりも日本国内におけるEVの普及が遅れた場合や、新たな技術によるEVへの充電方法が出現した場合は、当社グループのEV急速充電器の販売やEV充電サービスの売上が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、過去、特定のEVメーカーの車両が当社グループのEV急速充電器を使用した場合に、当該車両が故障する事案が発生しましたが、今後類似の事案が発生した場合、当社グループのレピュテーション、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 競合リスク (発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:中) 当社グループは、再生可能エネルギーの普及のために蓄電池の活用は不可欠であり、蓄電池製品をより多く普及させるためには、蓄電池を導入する顧客がストレージパリティ(蓄電池を導入することにより経済的なメリットを享受できる状態)を達成できる、より魅力的な経済条件で製品及びサービスを供給することが重要であると認識しております。当社グループは、高品質の製品を競争力のある価格で供給していくことを基本方針として事業を行っておりますが、国内外の競合他社との価格競争が激化し、想定した利益を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、経済安全保障上の観点から、日本国内の蓄電池製品市場においては日本の製造業者が海外の製造業者よりも競争上の優位性があると考えておりますが、そのような優位性が将来にわたって継続する保証はありません。他方、現時点における国内の主要な競合他社の中には、当社グループよりも事業規模が大きい企業もあり、経営資源の配分によっては、当社グループよりも優位に事業を展開できる可能性があります。さらに、今後新規の競合他社が蓄電池製品市場に参入し、当社グループよりも強い競争力を有することとなる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 技術革新によるリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、太陽光や風力等の電源から生成されるエネルギーの余剰分を蓄電池を用いて貯蔵し、不足する時間帯に電力を供給することにより、再生可能エネルギーの導入に不可欠な役割を果たすことができると考えております。 しかしながら、将来的には、蓄電池に代替する革新的な蓄電技術が開発される可能性は否定することはできないと考えております。また、現状では当社の採用するリン酸鉄リチウムイオン電池に優位性がありますが、将来的により低コストで高品質な技術・製品の登場によりかかる優位性が損なわれる可能性もあります。さらに、化石燃料発電における技術革新、原子力発電、地熱発電その他の再生可能エネルギーにおける技術革新や、蓄電池における技術革新により、当社グループの製品及びサービスの優位性が損なわれる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 原材料調達に関するリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループが製造する蓄電池製品の主要な部品である電池モジュールについては、集中購買により低い単価で調達することを目的として、全量を中国の仕入先1社から輸入しております。しかしながら、当該仕入先における供給能力の低下、当該仕入先との関係の悪化、サプライチェーンにおける障害の発生、品質問題の発生、地政学リスクの顕在化、中国国内の政治情勢の変化等により、当該仕入先からの調達が困難となる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループでは当該仕入先からの主要部品の調達が困難になった場合を想定し、研究開発部門及び調達部門が連携して、他の事業者が製造している電池モジュール等についても品質面及びコスト面での評価を行うといった対策を講じております。また、中国以外の東アジア及び東南アジア等からの調達についても以前から検討を進めており、一定の目途が立っております。しかしながら、主要部品の仕入先を変更する場合、変更までに追加的な工数及びコストを要し、円滑な製品製造及び顧客への販売を継続できないことで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 原材料価格の変動リスク (発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:中) 当社グループが製造する蓄電池製品の主要な部品は、需要動向や貿易政策の変化等を受け変動します。また、原材料調達の一部は主に米ドル建てで行っており、為替変動の影響により調達価格は変動します。こうした状況に対して、当社グループでは、今後の生産計画を踏まえた仕入量の合意に基づく仕入価格の低減を交渉するとともに、外貨建取引について為替予約を付すことによる為替リスクの抑制、顧客への価格転嫁を図るといった対応策を講じております。しかしながら、これらの対応策が不調となった場合や、当社の想定を上回る市場価格や為替相場の変化が生じた場合には、原材料の価格変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業運営・組織体制に関するリスクについて ① 契約締結・履行に関するリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの主力であるBESS事業における販売及び収益認識プロセスは以下のとおりであり、初回のコンタクトから見積もり・顧客社内での承認プロセスを経て契約書締結まで平均3-4か月の期間を、また正式受注から生産・納品・検収を経てクロージングまで平均6-7か月の期間を、それぞれ想定しております。 上記のとおり、当社蓄電池製品の販売は、商談から納品・クロージングまでに一定の期間を要するビジネスモデルとなっており、商談や要件の調整、及び顧客社内での承認や補助金申請などに想定よりも時間を要し、当社が想定したタイミングよりも収益計上や資金回収が遅れる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、正式に受注し売買契約を締結した案件についても、用地選定や基礎工事・受電日の遅れ、当社製品以外の資材調達の遅れ、契約後の顧客の財務状況の変化、顧客による補助金申請に対する交付決定の動向等により、予定したとおりに契約が履行されない可能性があります。これらの事象が発生した場合には、契約に基づき期待される売上の全部もしくは一部が計上されない、又はその計上が遅れる結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループが納品する製品に不具合が発生した場合には、予定したとおりに顧客の検収を受けることができず、想定した時期に売上高を計上できない可能性や、契約に定める遅延損害金を当社が顧客に支払う可能性があります。なお、顧客への製品の納品及び稼働試験業務の提供が完了した後においても、顧客の財務状況が変化して製品販売代金の入金が得られない、又は遅延する場合や、顧客による補助金申請に対する交付が予定通りに得られない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (注)「正式受注額」とは顧客から正式に発注され、売買契約が締結された拘束力のある注文金額を指します。 ② 主要製品の製造委託に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、「5 重要な契約等」に記載のとおり、三井造船特機エンジニアリング株式会社との間で大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」の製造委託契約を締結しており、当社が製造販売する「PowerX Mega Power」はその全量を三井造船特機エンジニアリング株式会社にて組み立てていることから、当該契約は当社グループの主要な事業活動の前提となる事項に該当しております。当該契約は1年ごとの自動更新となっていますが、当事者のいずれか一方が契約違反や期限の利益喪失事由に該当する場合には他方の当事者が契約を解除することが可能であるほか、双方のいずれかが契約期限満了の6か月前までに書面で通知した場合は期限を延長しないことが可能となっており、三井造船特機エンジニアリング株式会社の経営方針等が大きく変更された場合には契約を解除される可能性があります。本書提出日現在において、当該契約の継続に支障を来たす要因は発生しておらず、また当社グループでは「PowerX Mega Power」の自社工場での生産能力の増強を計画しており、完成後は本リスクを軽減できる見通しですが、仮に完成前に当該契約の継続が困難になった場合、「PowerX Mega Power」の製造に重大な支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 生産キャパシティに関するリスク (発生可能性:中、発生時期:中期、影響度:中) 当社グループは、増加する製品需要に対応すべく生産能力の拡大を計画しております。自社保有施設の拡張に加え、第三者への製造委託契約を活用して生産能力を拡大していくことを予定していますが、資金調達や、契約の更新等が何らかの事由により進行せず、または建設関連コストの大幅な上昇や建設業者が確保できない状況などが生じることにより、生産能力を維持・拡張できなかった場合、事業拡大に遅延が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、代替施設を利用することが可能である場合であっても、当該代替施設への移転や生産開始に時間を要する可能性や、多額の追加費用を要する可能性があり、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 創業者への依存に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社の取締役 代表執行役社長CEO伊藤正裕は、当社の創業者であり当社設立以来、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、会社の事業推進に重要な役割を果たしております。当社グループでは、執行役への権限委譲やコーポレート・ガバナンス体制の構築により、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの事情により同氏が当社グループの経営を継続することが困難になった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 人材の確保と育成に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:中期、影響度:中) 当社グループの事業を推進していくためには、高度な専門知識、技能及び経験を有する人材の確保及び育成が不可欠です。当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略 (人的資本について)」に記載のとおり、プロフェッショナル人材がパフォーマンスを発揮しやすい社内環境の整備や制度設計に注力するなど、人材投資を重視しております。一方、国内を含むグローバルな人材獲得競争は激化しており、予定していた人員の確保及び育成が計画どおりに進まない場合や既存の人材の社外流出などがあった場合、及び人材の採用や育成に関するコストが増加する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 知的財産に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、自社で開発した蓄電池製品を製造、販売しておりますが、これら蓄電池製品には電力の充放電を最適化するためのアルゴリズムや機器構成といった技術やノウハウが含まれております。また、蓄電池製品の稼働状況を監視、制御するためのアプリケーションシステムについても自社の研究開発部門で開発しており、これらは当社の事業運営において不可欠な知的財産であります。これらのうち、発電設備とその電力出力方法、急速充電装置及び関連するシステム、及び移動体を用いたエネルギー輸送システムなど、当社グループが重要であると判断したものについては国内外において特許出願を行っておりますが、第三者による当社知的財産への侵害がなされた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、本書提出日現在において、当社グループが他社の知的財産を侵害したこと等によって当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟を提起されている事実はございません。今後も知的財産に関連する法令を遵守して事業活動を行ってまいる所存ですが、見解の相違も含めて、他社の知的財産を侵害する可能性があり、こうした状況が発生した場合には、解決に時間と費用を要し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 災害等の発生リスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 地震、津波、竜巻、台風、寒波等の自然災害や戦争・テロ、紛争、その他の要因による社会混乱により、本社や主要な事業拠点が被災し、当社グループの主要な事業機能が麻痺することにより事業継続が困難になるリスクがあります。 また、当社グループが販売する製品の主要な製造拠点は岡山県に集中しており、当該地域が被災した場合、生産活動に甚大な影響を及ぼし、顧客への製品供給停滞による販売収益の大幅な減少や、多額の設備復旧費用及び外部委託費用の発生等が生じるリスクがあります。当社グループは、災害や事故などで被害を受けた際に、重要な機能を可能な限り中断せず、また中断した場合にもできるだけ早急に復旧できるように、事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)を策定していますが、実際に自然災害等が発生した際にBCPが有効に機能しない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 製造物責任及び製品保証リスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは自ら策定した管理基準に基づき製品の設計、製造を行っておりますが、将来にわたり製品に欠陥が生じる可能性を否定することはできないと考えております。また、当社グループが締結している売買契約の中には、検収後一定期間の無償保証期間を設けているものや、最長20年の容量保証等を提供しているものもあります。これらの耐用年数や製品保証期間は、電池モジュール等のメーカーから提示されている試験結果や過去の運用結果に基づいて設定しており、また保証期間における補償費用をカバーするための保証契約を保証会社と締結するなど、製品保証コストの抑制を図っております。しかしながら、実際の稼働可能期間が当社グループの想定を下回る、または保証対象事案の発生の頻度又は重要度が当該想定を上回る場合には、当社グループが想定する以上の保証責任が発生する可能性があります。加えて、電池モジュール等の原材料の一部についてはサプライヤーによる保証期間が20年よりも短いことから、当該期間の経過後は、当社グループが当該原材料に起因する損害についても責任を負担する可能性があります。当社グループの製品の欠陥は大規模な製品回収(リコール)や製造物賠償責任、無償交換・修理等により多額の費用を必要とするだけではなく、当社グループのレピュテーションに重大な影響を与える可能性があります。当社グループは製品の販売時に製品保証引当金を計上しておりますが、当該見積りを超過する費用が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 取引先との関係性に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは蓄電池製品の購入者、調達先や物流業者、EV急速充電器の設置及び事業展開について提携している自動車メーカー、外部委託先等、多くの取引先との関係性を築きながら、事業を拡大しております。しかしながら、取引先の全てが品質、価格、納期の観点で当社グループにとって有利な条件で取引を継続する保証はなく、他の取引先に変更する必要が生じ、取引条件が悪化した場合等は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 内部管理体制に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループは、創業以来、事業の立ち上げ、業容拡大に応じて管理部門等の人員増強、各種規程・マニュアルの整備、システム導入等を進め、内部管理体制を構築してまいりました。今後も規模拡大、業容拡大に応じて内部管理体制の充実を図っていく方針でありますが、有効な内部管理体制が整備されなかった場合、または内部管理体制の整備及び運用に多額のコストを要する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 法規制等に関するリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループの事業は、環境関連、知的財産、製品及び原材料の品質・安全性、競争関連、労働関連、税務関連等の様々な法規制等の適用を受けており、それらの法規制等を遵守し、事業活動を行っていますが、法規制等について、遵守できなかった場合や変更・改正があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 情報セキュリティに関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、事業遂行にあたり、顧客の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しています。不正アクセス、コンピュータウイルスによる被害、内部不正者や外注先による情報漏洩など、不測の事態が生じてこれらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 訴訟に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループでは本書提出日現在、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす訴訟等は認識しておりませんが、将来、当社グループの法令違反の有無に関わらず何らかの原因で取引先、同業他社、株主、各種団体等による訴訟等を提起される可能性があります。これらの訴訟等が発生した場合、及び当該訴訟等において当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ ブランド認知に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの事業推進において、ブランドイメージや社会的信用の維持・向上は重要であると考えております。一方で、当社製品の欠陥とそれに伴う製品回収(リコール)が発生した場合や、アフターメンテナンスが適切に行われなかった場合、及び当社グループ又はその役職員に不祥事が発生した場合、当社グループのレピュテーションに重大な悪影響を与える可能性があります。こうした状況に対して適切な対応を講じることができない場合や、マスコミによる報道やソーシャルメディアへの書き込みなどにより当社グループに対する否定的な風評が流布された場合には、当社グループのブランドイメージや社会的信用が著しく毀損され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 財務リスク等について ① 資金調達に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、受注時に前受金を受領して原材料を発注することで運転資本の圧縮を図るとともに、設備投資、研究開発、不足する運転資本等で必要な事業資金については増資及び金融機関からの借入等により調達しております。今後、当社グループの経営成績、財政状態の悪化や金融情勢の変化等により、当社グループが希望する金額、時期、条件での資金調達ができない場合、当社グループの事業展開及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、当社グループが締結している借入契約に付された財務制限条項(「5 重要な契約等 (2)金銭消費貸借契約」をご参照ください。)に抵触する場合、当社グループの事業の継続性に重大な影響を及ぼす可能性や、当社グループの借入コストやその後の資金調達に悪影響を与える可能性があります。 ② 金利変動リスク (発生可能性:中、発生時期:中期、影響度:小) 当社グループは、運転資金及び設備資金について金融機関からの借入れにより資金調達を行っており、本書提出日現在における借入は全て変動金利型となっております。今後の金利動向が上昇局面となった場合、支払利息等の金利負担が増加することで金融収支が悪化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 固定資産の減損リスク (発生可能性:中、発生時期:中期、影響度:小) 当社グループの事業を推進していくためには、今後も、工場設備の増強等を行うことで固定資産が増加していくことが想定されますが、当社グループの業績が想定したとおりに進捗しない場合、これらの固定資産の減損損失を計上することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項について ① 社歴が浅いことについて 当社は2021年3月に設立された社歴の浅い会社であります。当社グループが属する蓄電池関連市場は、再生可能エネルギーの普及と日本のエネルギー自給率の向上に蓄電池が不可欠であることから急激に成長しております。一方で、同市場の成長には多くの不確実性があり、また、当社グループも依然として急速な成長過程にあることから、過年度の財務情報は期間業績比較を行うには不十分な可能性があるとともに、当社グループが今後の経営環境の変化を予測し適切に対応するための経験が不足している可能性があります。 ② 業績の下期偏重について 当社グループの主要顧客は12月決算や3月決算の会社が多く、また顧客が利用する補助金制度の多くが年度末(3月末)までに受給要件を充足することが求められていることから、顧客の予算執行時期が下期に偏重する傾向にあり、そのため当社グループの売上高も通常、下期偏重となります。これに対して販売費及び一般管理費はその多くが固定費であることから、当社グループが営業利益、経常利益、当期純利益を計上する場合も、その割合は下期偏重となります。 2025年12月期連結会計年度における四半期連結会計期間ごとの売上高及び営業損益は以下のとおりです。なお、各四半期会計期間の数値については、有限責任監査法人トーマツのレビューを受けておりません。 2025年12月期第1四半期連結会計期間(自 2025年1月1日  至 2025年3月31日)   2025年12月期第2四半期連結会計期間(自 2025年4月1日  至 2025年6月30日)   2025年12月期第3四半期連結会計期間(自 2025年7月1日  至 2025年9月30日)   2025年12月期第4四半期連結会計期間(自 2025年10月1日  至 2025年12月31日) 売上高(百万円)   1,757   2,889   2,675   11,983 営業損失(△)(百万円)   △803   △759   △619   1,505 ③ 業績の期ズレについて 当社グループの蓄電池製品及び関連する商品の販売については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載したとおり、収益認識会計基準の定めに則り、製品及び商品を引渡し顧客が検収した時点で顧客が当該製品及び商品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、当該時点において収益を認識しております。しかしながら、特にBESS事業における定置用蓄電池の販売においては、納品前の用地選定や基礎工事・受電日の遅れ、当社製品以外の資材調達の遅れ、契約後に顧客の財務状況が変化すること等の顧客都合により納品・検収の遅れが生じることがあり、このような場合、当初想定時期に収益を計上できず、収益計上時期が決算期末を超える場合(期ズレ)があります。事前の納期・検収時期の調整や、自社保管場所・寄託倉庫で納品・検収等を行う条項を契約に記載し合意することで、当初想定した時期に納品・検収される施策を行っておりますが、当該施策が適時適切に行えなかった場合や顧客に受け入れられなかった場合には、当該事業年度における売上高が翌事業年度以降に計上されることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 新株予約権行使による株式価値の希薄化について 当社グループでは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社グループの役員及び従業員らに対して新株予約権(ストックオプション)を付与しております(本書提出日現在の新株予約権の発行状況については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。)。本書提出日の前月末現在における当社発行済株式総数に対する潜在株式数は5,717,600株となっており、発行済株式数37,924,300株との合計43,641,900株に対する割合は13.10%となっております。なお、当社グループは、今後においても役員及び従業員の士気向上や優秀な人材の確保を図るため、継続的にストックオプションの発行を実施していく予定であります。今後、これらの新株予約権が行使された場合には、既存株主が保有する株式価値の希薄化を生じ、また、行使の結果として交付される株式の処分の状況によっては、当社株式の需給に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,678字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、米国との相互関税の引下げの合意等の好材料は見られたものの、米国の政策動向、ウクライナや中東地域における地政学リスクの影響等により、先行きは不透明な状況で推移しました。日本経済においては、雇用・所得環境の改善もあり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。 このような事業環境の中、2025年2月に政府が発表した第7次エネルギー基本計画では、2040年には発電電力量の4-5割程度を再エネとする指針が示され、令和7年度補正予算でも系統用蓄電池への支援が継続されるなど、系統用蓄電システムの導入促進も本格化する動きが継続して見られております。こうした状況に対して当社では、コスト競争力のある蓄電システムの国内生産及び販売活動を基盤としながら、エネルギーインフラとして長期・安定的な稼働を実現するソフトウエアなど複数の製品、サービスを展開しております。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高19,306百万円(前期比213.4%増加)、営業損失677百万円(前期は4,942百万円の営業損失)、経常損失1,796百万円(前期は5,702百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失1,646百万円(前期は8,013百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 なお、当社グループの連結業績は、顧客が利用する蓄電池製品の購入に関する補助金制度の受給要件充足の都合上、下半期に売上高と利益が多く計上されるため、上半期と下半期の業績に季節的変動があります。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (BESS事業) BESS(Battery Energy Storage System)事業では、系統用蓄電池や再エネ併設蓄電池、産業・商業用蓄電池などの用途で利用可能な大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」や中型定置用蓄電システム「PowerX cube」の製造販売を行っております。BESS事業を取り巻く事業環境としては、今後、我が国における再エネの主力電源化や電力の安定供給に向けて、余剰となる自然エネルギーの有効活用や、自然エネルギーの変動を電力需要に合わせて調整する調整力の確保が急務となっております。こうした状況を背景に、電力系統に直接連系する大型の定置用蓄電システムのニーズはますます高まっており、2026年出荷予定分を中心に受注は順調に積み上がっております。 このような環境下、当連結会計年度のBESS事業は主に「PowerX Mega Power」の納品が順調に推移したことから、売上高は17,102百万円(前期比312.8%増)、セグメント利益は3,870百万円(前期比352.6%増)となりました。 (EVCS事業) EVCS(EV Charge Station)事業では、B2B顧客向けの蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」の製造販売や、B2C顧客向けの「PowerX Hypercharger」を活用した急速EV充電サービスを提供しており、急速充電ニーズの高い輸入車メーカーや商用車(バス・タクシー等)を中心に「PowerX Hypercharger」を設置しています。また、系統への双方向の接続が可能な「PowerX Hypercharger Pro」の販売開始により、自治体・商業施設等におけるエネルギーマネジメント需要や防災需要に応えられる商品展開を図っていきます。一方で、昨今のEVの普及状況を踏まえて顧客が投資時期を来期以降に先送りする傾向も認められております。 このような環境下、当連結会計年度のEVCS事業は「PowerX Hypercharger」の納品が前期から減少したものの、蓄電池製品全体の生産量増加に伴い共通部材の仕入価格が低下し製造原価が抑制されたことから、売上高は1,149百万円(前期比29.4%減)、セグメント損失は424百万円(前期は498百万円のセグメント損失)となりました。 (電力事業) 電力事業では、夜間太陽光や風力など、再生可能エネルギー由来の電力を中心に、顧客ニーズに合わせた最適な組み合わせによる電力販売を提案・提供しております。幅広い事業者に対して蓄電システムメーカーならではの電力プランの提案を行い電力供給を行っております。また、蓄電所事業を運営する事業者への「PowerX Mega Power」など蓄電システムの販売、及び系統用蓄電所等の電力運用サービスの提供も行っております。 このような環境下、当連結会計年度の電力事業は電力販売、製品販売がいずれも順調に推移したことから、売上高は1,054百万円(前期比170.6%増)、セグメント利益は35百万円(前期は55百万円のセグメント損失)となりました。 ② 財政状態の状況 当連結会計年度末における総資産は26,236百万円となり、前連結会計年度末に比べて15,405百万円増加しました。これは主に、製品販売契約締結に係る前受金の受領及び新規上場に伴う株式の発行などによる現金及び預金の増加6,209百万円、増収による売掛金及び契約資産の増加3,720百万円、受注に対応した商品及び製品の増加1,147百万円、生産量拡大に伴う原材料及び貯蔵品の増加1,218百万円、原材料などの調達に際してサプライヤーへ支払う前払金の増加984百万円によるものであります。 当連結会計年度末における負債は19,587百万円となり、前連結会計年度末に比べて10,427百万円増加しました。これは主に、契約負債(主に製品の販売に関する前受金)の増加8,035百万円、増収に伴う商品仕入に対応した買掛金の増加618百万円、業容拡大に対応する運転資金としての短期借入金の増加1,307百万円によるものであります。 当連結会計年度末における純資産は、6,648百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,978百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失1,646百万円の計上、東京証券取引所グロース市場への新規上場に伴う株式の発行及び第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,177百万円増加したことによるものであります。 なお、2025年8月8日開催の臨時株主総会の決議に基づき、資本金7,645百万円、資本準備金9,049百万円をそれぞれその他資本剰余金へ振替え、当該その他資本剰余金16,694百万円を繰越利益剰余金に振替え欠損填補を行っておりますが、これによる純資産合計の変動はございません。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して6,209百万円増加し7,454百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,369百万円の収入となりました(前期は6,971百万円の支出)。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上2,278百万円、契約負債の増加8,065百万円、売上債権及び契約資産の増加3,720百万円、及び棚卸資産の増加2,381百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは1,466百万円の支出となりました(前期は1,458百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,275百万円、国庫補助金の受取額90百万円、及び無形固定資産の取得による支出32百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは6,306百万円の収入となりました(前期は8,670百万円の収入)。これは主に、株式発行による収入6,355百万円、短期借入金の純増額1,307百万円、長期借入金の返済による支出750百万円、及び資金調達費用の支払による支出707百万円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の状況 a 生産実績 当連結会計年度における生産実績を製品群ごとに示すと、次のとおりであります。 製品群   生産高(百万円)   前期比(%) 定置用蓄電池   9,529   301.9 EV急速充電器   807   41.8 合計   10,336   203.1 (注) 1.金額は、製造原価によっております。 2.当連結会計年度において、生産実績が著しく増加いたしました。これはBESS事業におきまして、主に「PowerX Mega Power」の2025年出荷分を中心に生産が順調に進捗したことによるものであります。 b 受注実績 当連結会計年度における受注実績(正式受注額)を製品群ごとに示すと、次のとおりであります。 製品群   受注高(百万円)   前期比(%)   受注残高(百万円)   前期比(%) 定置用蓄電池   48,502   496.8   36,893   622.7 EV急速充電器   979   77.2   128   65.7 合計   49,481   448.5   37,022   604.9 (注) 1.金額は、販売価格によっております。なお、受注高は上記期間において顧客からの正式受注に基づいて売買契約が締結された拘束力のある注文金額であり、受注残高は上記期間の末日において受注済みでありかつ売上未計上の注文金額であります。 2.当連結会計年度において、受注実績が著しく増加いたしました。これはBESS事業におきまして、主に大型の系統用蓄電池製品に係る補助金採択案件の獲得、およびプロジェクトの大型化によるものであります。 3.上記受注残高の売上計上予定時期は以下のとおりです。 製品群   第6期連結会計年度(自 2026年 1月 1日  至 2026年12月31日)   第7期連結会計年度(自 2027年 1月 1日  至 2027年12月31日)   第8期連結会計年度(自 2028年 1月 1日  至 2028年12月31日)   第9期連結会計年度(自 2029年 1月 1日  至 2029年12月31日)以降   合計 定置用蓄電池   28,785   3,852   2,732   1,523   36,893 EV急速充電器   128   -   -   -   128 合計   28,913   3,852   2,732   1,523   37,022 c 販売実績 当連結会計年度における販売実績を製品群ごとに示すと、次のとおりであります。 製品群   販売高(百万円)   前期比(%) 定置用蓄電池   17,539   417.6 EV急速充電器   1,090   62.7 その他   677   304.3 合計   19,306   313.4 (注) 1.金額は、販売価格によっております。 2.当連結会計年度において、販売実績が著しく増加いたしました。これはBESS事業におきまして、主に「PowerX Mega Power」の納品が順調に推移したことによるものであります。 3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先   前連結会計年度   当連結会計年度 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) エネルギーパワー株式会社   -   -   2,641   13.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と異なる可能性がありますのでご留意ください。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の状況の分析 経営成績の状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりです。 b.財政状態の状況の分析 財政状態の状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの主な資金需要は、岡山県玉野市にある自社工場「Power Base」における製造ライン及び製造管理システムへの投資、製品生産に用いる原材料等の購入、及び人件費等の諸経費の支払いであります。資金調達については現在、金融機関からの借入れ、または新株発行等によっております。資金調達の基本的な方針として、運転資金は自己資金及び金融機関からの借入により調達し、設備投資の必要性が生じた際には投資金額、手元資金、資本コスト等を総合的に考慮して最適な手段により調達することとしております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。経営者は債権、固定資産の減損、繰延税金資産、引当金等に関する会計上の見積り及び判断について、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、継続して評価を行っており、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。会計上の見積りは、その性質上、入手しうる情報や判断に基づいて行うため、実際の結果は異なる場合があります。重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、主な経営指標として、売上高、受注残高、EBITDA、ROA、ROE、及び温室効果ガス(GHG)削減貢献量を重視しております。各指標の推移は以下のとおりであります。 第4期連結会計年度(自 2024年1月1日   至 2024年12月31日)   第5期連結会計年度(自 2025年1月1日   至 2025年12月31日)   前期比増減(%) 売上高(百万円)   6,161   19,306   213.4 受注残高(百万円)   6,120   37,022   504.9 EBITDA(百万円)   △4,450   △137   - ROA(%)   △82.9   △8.9   - ROE(%)   △242.7   △43.0   - 温室効果ガス(GHG) 削減貢献量(t)   3,632   9,435   159.8 (注) 当社は、当連結会計年度より、収益性および現金創出能力をより適切に把握するため、EBITDAの算定方法を「営業利益+減価償却費」から「営業利益+減価償却費+株式報酬費用」に変更しております。これに伴い、前連結会計年度の数値についても、当該変更後の算定方法に基づき再計算した数値を記載し、比較分析を行っております。なお、当該変更による影響額は、前連結会計年度で166百万円、当連結会計年度で80百万円であります。

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