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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

日本坩堝

Nippon Crucible co.,Ltd.5355 · Standard · ガラス・土石製品

黒鉛坩堝と耐火物を手がける鋳造業向け老舗メーカー。溶解・鋳造工程で欠かせない消耗品を供給する。

概要

日本坩堝は、耐熱・耐食性に優れた黒鉛坩堝や鋳造用耐火物を主力とする老舗メーカーである。1906年設立、1950年東京証券取引所に上場。2026年3月期の連結売上高は102億円、従業員259名。半導体・電子部品や金属溶解向けのカスタム品に強く、特定分野で高いシェアを持つ。子会社6社、関連会社1社から成るグループで、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業、塗料循環装置事業を展開する。

四つの事業セグメントで構成される収益構造

日本坩堝グループは、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業、その他事業(塗料循環装置)の4セグメントで構成される。2026年3月期のセグメント別売上高は、耐火物事業が52億円(構成比50.9%)、エンジニアリング事業が41億円(40.8%)、不動産事業が3億円(3.7%)、その他事業が4億円(4.6%)である。利益面ではエンジニアリング事業が6億円の営業利益を稼ぎ、グループ全体の営業利益4億円の大半を支える。耐火物事業は2億円の営業利益にとどまり、原材料高や需要変動の影響を受けやすい構造にある。

連結子会社6社によるグループ経営

同社は2026年3月期時点で、連結子会社6社および関連会社1社を有する。主な連結子会社として、不定形耐火物を製造するアジア耐火、築炉工事を手掛ける眞保炉材工業と三友築炉、塗料循環装置の日本ピーシーエス、保温・保冷工事の中橋保温工業所がある。非連結子会社に中国の日坩商貿(上海)有限公司、関連会社にドイツのルミコ社がある。これらの子会社を通じて、製造から施工、メンテナンスまでの一貫サービスを提供し、顧客の多様なニーズに対応する体制を構築している。

売上高100億円前後で推移する安定した財務基盤

連結売上高は2013年3月期の77億円から緩やかに増加し、2026年3月期には102億円に達した。営業利益は2026年3月期に5億円、当期純利益は4億円で、過去10年間おおむね1〜4億円の範囲で安定している。2026年3月期の自己資本比率は51.3%、総資産120億円、1株当たり純資産額は933円。キャッシュ・フローは営業活動で5億円の収入を確保し、設備投資やM&Aに充てている。財務体質は健全で、長期借入金を計画的に返済しつつ、成長投資を継続する方針である。

国内中心の拠点と海外展開の模索

本社は東京都渋谷区に置き、大阪工場(東大阪市)や豊田工場(愛知県豊田市)で生産を行う。海外では、中国に販売子会社の日坩商貿(上海)有限公司、ドイツに合弁会社ルミコ社を持ち、欧州やアジア市場への販路を広げている。2021年には中国の久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司に出資するなど、海外での生産・販売拠点を強化中である。ただし、海外売上高比率は公表されていないものの、グループ全体の売上は依然として国内需要に依存する割合が大きい。

業界の中での役割は鋳造業界の溶解工程に不可欠な坩堝・耐火物を供給する専門メーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
102億円
営業利益
4億円
営業利益率
3.9%
純利益
4億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2021/3
事業売上構成比利益利益率
耐火物47億円61.8%1億円2.1%
エンジニア リング25億円32.9%3億円12.0%
不動産事業4億円5.3%2億円50.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01鋳造・金属溶解業界主力

鋳造工場での金属溶解に使用される黒鉛坩堝、溶解炉の内張りなどに用いる定形耐火物や不定形耐火物を製造販売。鋳物材料の仕入販売も行い、鋳造現場の溶解から鋳込みまでを支える。

主な製品・サービス4
黒鉛坩堝
金属溶解用のるつぼで、銅・アルミ等の非鉄金属や貴金属の溶解に用いられる。耐熱性・耐食性に優れる。
定形耐火物
煉瓦状に成形された耐火材料で、溶解炉や加熱炉の内張りに使用される。
不定形耐火物
キャスタブルやプラスチックなど施工現場で成形する耐火材料。複雑な形状の炉にも適用可能。
鋳物材料
鋳造用の原材料や副資材(砂、添加剤など)を仕入れて供給する。

02工業炉・プラント業界準主力

各種工業炉の設計・施工、築炉工事、保温・保冷工事を請け負う。金属溶解炉や熱処理炉、化学プラントの加熱設備などに対応する。

主な製品・サービス2
工業炉設計施工
顧客の要求に応じた工業炉の設計から製作、据付までを一貫して行う。
築炉工事
耐火物を用いた炉の築造・補修工事。高温設備の安定稼働を支える。

03不動産関連副次

連結子会社やグループで保有する建物・駐車場の賃貸、太陽光発電事業を行う。

04塗料・塗装業界その他

子会社の日本ピーシーエスが塗料循環装置を製造販売。塗料を循環ろ過し、塗装工程の品質向上と廃棄物削減に貢献する。

主な製品・サービス1
塗料循環装置
塗料を循環させて異物やゲル分を除去する装置。塗装品質の安定化と塗料使用量の削減に寄与する。

製品と技術

黒鉛坩堝-金属溶解の中核消耗品

黒鉛坩堝は、耐熱性・耐食性に優れた坩堝(るつぼ)で、金・銀・銅・鉄などの金属溶解や、半導体・電子部品の製造工程で使用される。当社は1885年の創業以来この製品を主力とし、顧客の要求に応じた形状・サイズ・材質のカスタム品を供給する。黒鉛原料の選別から成形、焼成まで一貫生産し、独自の配合技術により高寿命・高品質を実現している。国内の鋳造業界や宝飾業界で高いシェアを誇り、長期にわたる取引関係が安定収益の基盤となっている。

定形・不定形耐火物-多様な炉材ソリューション

耐火物は、高温炉の内張りなどに使われる耐熱材料であり、定形(レンガ状)と不定形(キャスタブル・プラスチック状)に大別される。当社は両方の製造技術を持ち、鉄鋼業・鋳造業・セメント業などに供給する。特に不定形耐火物は、御船工場(豊田工場)で生産され、施工性や省エネルギー性に優れる。2026年3月期の耐火物事業売上高は52億円で、グループ最大のセグメントである。顧客の炉の条件に合わせた成分設計により、熱効率向上やCO2削減に貢献する製品開発を進めている。

工業炉エンジニアリング-設計施工とメンテナンス

エンジニアリング事業では、各種工業炉(溶解炉、熱処理炉、焼却炉など)の設計・施工・メンテナンスを手掛ける。子会社の眞保炉材工業や三友築炉が現場施工を担い、中橋保温工業所が保温・保冷工事を担当する。2026年3月期の同事業売上高は41億円で、営業利益6億円とグループ最大の稼ぎ頭である。カーボンニュートラル対応として、CO2削減に寄与する高性能炉の開発にも注力している。焼却炉や環境設備のメンテナンス需要は安定的で、今後も成長が見込まれる分野である。

塗料循環装置-環境負荷低減に貢献するニッチ事業

その他事業として、連結子会社の日本ピーシーエスが塗料循環装置を製造販売する。この装置は、塗装工程で使用される塗料を循環・ろ過し、廃棄物の削減と塗料の有効利用を実現する。2026年3月期の売上高は4億円で、営業利益は1千4百万円と小規模ながら黒字を計上している。自動車工場や各種塗装ラインに導入されており、環境規制の強化に伴い需要が拡大する可能性がある。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

ガラス・土石製品のなかでの位置

専門性高い坩堝メーカー、独自技術

日本坩堝は耐熱性特殊容器「坩堝」を製造するニッチ企業。売上高約100億円と小規模だが、高い専門性で安定した需要がある。同業のAGCや日本板硝子はガラス分野で巨大だが、坩堝という特定製品で競合せず、むしろ材料供給の一部を担う。営業利益率は5%程度と業界平均並みだが、2026/3期は3.92%に低下予想。産業用需要に支えられるが、新規市場開拓が限定的。

強み

  • 坩堝分野で高いシェアを持ち、代替品が少ない
  • 2025/3期は営業利益率5.1%と収益性は安定
  • 金属・ガラス産業などからの需要は景気に左右されにくい
  • 意思決定が早く、顧客の特殊ニーズに柔軟に対応

課題

  • 坩堝市場は小さく、大幅な成長が期待しにくい
  • 2026/3期は営業利益率3.92%と悪化見込み
  • AGCや日本板硝子など巨大企業と研究開発力で差をつけられる

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

ガラス・土石製品の時価総額近傍。太字が日本坩堝

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15204石塚硝子128億円4.9倍
25268旭コンクリート工業119億円26.0倍
35391エーアンドエーマテリアル116億円6.6倍
45368日本インシュレーション88億円7.4倍
55216倉元製作所74億円
65355日本坩堝47億円10.4倍
75279日本興業37億円6.1倍
85271トーヨーアサノ33億円
95287イトーヨーギョー31億円8.0倍
105341ASAHI EITOホールディングス10億円
115380新東10億円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 28件

黒鉛坩堝製造から始まった創業期(1885〜1906年)

当社の起源は1885年1月、黒鉛坩堝製造を目的として開業した大日本坩堝会社に遡る。1896年4月には合資会社大日本坩堝製造所が設立され、1906年12月に帝国坩堝株式会社として法人化された。翌1907年2月、社名を日本坩堝株式会社に改称し、同年4月には合資会社大日本坩堝製造所および大阪坩堝株式会社の三社が統合した。これにより、坩堝製造の基盤が固まり、以後120年以上にわたる事業の礎が築かれた。

工場拡張と合併による戦前・戦中期の事業拡大(1919〜1944年)

1919年3月、大阪工場を東大阪市に新設し生産能力を拡大した。1937年11月には日本耐火器製造株式会社を合併し、耐火物の品揃えを強化。1944年5月には井上坩堝株式会社を合併し、さらなる規模拡大を図った。これらの合併により、戦時中の需要増に対応できる体制を整えた。また、1946年4月には愛知県豊田市に御船鉱山鉱業所を新設し、原料の安定確保にも着手した。

上場と子会社化による戦後の再建期(1950〜1966年)

1950年4月、当社株式は東京証券取引所に上場し、資金調達力を強化した。1961年12月には中央窯業株式会社を子会社化し、販路拡大を進めた。1962年8月には築炉工機株式会社を買収し、日坩築炉工業株式会社(後の眞保炉材工業)として子会社化することで、エンジニアリング事業に参入。1966年12月には不定形耐火物の生産工場として御船工場(現・豊田工場)を新設し、製品ラインを拡充した。この時期に、製造と工事の両輪体制が形成された。

海外進出とグループ再編の展開(1974〜2005年)

1974年9月にアジア耐火株式会社を子会社化し、不定形耐火物の製造能力を高めた。1975年6月には日坩運輸株式会社を子会社化し、物流機能をグループ内に取り込んだ。同年8月にはドイツに合弁会社RUMICO FEUERFESTE BAUSTOFFE GmbHを設立し、欧州市場への足掛かりを得た。1998年2月に決算期を3月31日に変更、同年8月には日坩築炉工業より営業全部を譲受し、エンジニアリング事業を集約。2004年5月には英国モルガナイト社との合弁で日本モルガン・クルシブル株式会社を設立し、高級坩堝の技術を取り入れた。

M&Aと国内再編で事業構造を強化した2010年代以降

2013年4月、日坩運輸と日本モルガン・クルシブルを吸収合併し、グループ運営を効率化した。2017年4月にはSRホールディングス(眞保炉材工業)を子会社化し、築炉工事の体制を拡充。2021年4月には日本ピーシーエスを子会社化し、塗料循環装置事業に進出した。2023年4月には中央窯業を合併、2024年4月には有限会社三友築炉をグループに加え、さらに2025年11月には中橋保温工業所を子会社化。これらのM&Aにより、耐火物の製造から施工、メンテナンスまでの一貫体制が完成しつつある。

年表28件を開く

1880年代

  • 1885年1月創業黒鉛坩堝製造の目的をもって大日本坩堝会社開業(当社創業の年)

1890年代

  • 1896年4月創業合資会社大日本坩堝製造所設立

1900年代

  • 1906年12月創業帝国坩堝株式会社設立(当社設立の年)
  • 1907年2月帝国坩堝株式会社を日本坩堝株式会社と改称
  • 1907年4月日本坩堝株式会社、合資会社大日本坩堝製造所及び大阪坩堝株式会社の三社

1910年代

  • 1919年3月大阪工場を新設(東大阪市)

1930年代

  • 1937年11月M&A日本耐火器製造株式会社を合併

1940年代

  • 1944年5月M&A井上坩堝株式会社を合併
  • 1946年4月御船鉱山鉱業所を新設(愛知県豊田市)

1950年代

  • 1950年4月上場当社株式を東京証券取引所に上場

1960年代

  • 1961年12月中央窯業株式会社を子会社とする
  • 1962年8月M&A築炉工機株式会社を買収し、日坩築炉工業株式会社と商号変更して子会社とする
  • 1966年12月不定形耐火物生産工場として御船工場(現・豊田工場)を新設(愛知県豊田市)

1970年代

  • 1974年9月アジア耐火株式会社を子会社とする(現・連結子会社)
  • 1975年6月日坩組運送株式会社(日坩運輸株式会社)を子会社とする
  • 1975年8月ドイツに合弁会社RUMICO FEUERFESTE BAUSTOFFE GmbHを設立(現・関連会社)

1990年代

  • 1998年2月商号変更第157回定時株主総会において決算期を3月31日に変更
  • 1998年8月日坩築炉工業株式会社より営業全部の譲受

2000年代

  • 2004年5月創業英国モルガナイト クルシブル リミテッド社と共同出資による日本モルガン・クルシブル株式会社を設立
  • 2005年10月正英工業燃焼設備(上海)有限公司に出資(現、正英日坩工業燃焼設備(上海)有限公司)

2010年代

  • 2011年5月中国に日坩商貿(上海)有限公司を設立(現・非連結子会社)
  • 2013年4月M&A日坩運輸株式会社を合併 日本モルガン・クルシブル株式会社を合併
  • 2017年4月M&ASRホールディングス株式会社を子会社とする。SRホールディングス株式会社の子会社である眞保炉材工業株式会社(現・連結子会社)が孫会社となる 眞保炉材工業株式会社を吸収合併存続会社、SRホールディングス株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併

2020年代

  • 2021年4月日本ピーシーエス株式会社を子会社とする(現・連結子会社)
  • 2021年12月久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司に出資
  • 2023年4月M&A中央窯業株式会社を合併
  • 2024年4月M&AVQP2023株式会社を子会社とする。VQP2023株式会社の子会社である有限会社三友築炉(現・連結子会社)が孫会社となる 眞保炉材工業株式会社を吸収合併存続会社、VQP2023株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併
  • 2025年11月株式会社中橋保温工業所を子会社とする(現・連結子会社)

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高2028年3月期(2027年度)まで110億円
  • 経常利益2028年3月期(2027年度)まで8.3億円
  • 経常利益率2028年3月期(2027年度)まで7.5%以上
  • ROE2028年3月期(2027年度)まで8.0%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    事業構造の再構築と攻勢強化

    中期経営計画「Crucible 3R Ver.2」のもと、Rebirth(再生)、Re-create(価値再創造)、Reconstruct(事業構造再構築)をキーワードに、基礎固めを完了し、グループ発展への攻勢を加速する。

  2. 02

    顧客満足向上: ファーストコールカンパニーへ

    顧客に寄り添い、クイックレスポンスと情報発信で信頼を得る。顧客ニーズに応え、技術・営業サービスの水準を飛躍的に向上させ、海外重点エリアでも展開する。

  3. 03

    業務生産性向上とサステナブル技術開発

    全ビジネスプロセスの生産性で同業他社を上回ることを目指す。カーボンニュートラル貢献製品の開発を進め、部門間連携で業務効率を改善する。

  4. 04

    組織活性化と人財育成

    社員が誇りを持てる企業文化を構築。新事業創出力と先見的対応力を強化し、基礎研究や革新的技術開発を担う人財を育成する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で259人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は681万円で、9期前と比べて0.8%平均年齢は44.2歳、平均勤続年数は15.2年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月201
2018年3月228
2019年3月68642.614.2229
2020年3月65642.413.8238
2021年3月56042.013.9245
2022年3月61541.513.1259
2023年3月60843.114.6259
2024年3月61243.514.1252
2025年3月66943.514.6258194
2026年3月68144.215.2259154

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社5(国内 5 / 海外 0、うち連結子会社 5) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
本社 — 東京都渋谷区698百万円
不動産事業及び全社共通
大阪工場 — 大阪府東大阪市460百万円
不動産事業
豊田工場 — 愛知県豊田市369百万円
不動産事業
春日井工場 — 愛知県春日井市231百万円
耐火物
東京都大田区129百万円
エンジニアリング
大阪府堺市83百万円
エンジニアリング
埼玉県上尾市14百万円
耐火物
東京都渋谷区11百万円
その他
工業炉事業部 — 大阪府東大阪市3百万円
エンジニアリング
新潟県柏崎市1百万円
エンジニアリング
主な関係会社
  • 国内
    アジア耐火株式会社
    埼玉県上尾市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    眞保炉材工業株式会社
    東京都大田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    日本ピーシーエス株式会社
    東京都渋谷区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    有限会社三友築炉
    新潟県柏崎市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社中橋保温工業所
    大阪府堺市 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は102億円営業利益4億円前期と比べると増収減益で、売上が+4.1%、利益が-20.0%。

売上高
+4.1%
102億円
営業利益
-20.0%
4億円
純利益
+0.0%
4億円
営業利益率
3.9%
前期比 -1.2%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高106億円102億円
営業利益6億円4億円
純利益5億円4億円
1株あたり配当¥20¥20

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は27億円、営業利益は1億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+12.5%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q24−1
2024年1Q2400.00
2024年2Q2414.21
2024年3Q2514.01
2024年4Q231
2025年2Q4924.12
2025年4Q4936.12
2026年2Q5024.01
2026年4Q5223.83
2027年1Q2713.71

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は77億円から102億円へ1.3倍に増えた。直近期の営業利益率は3.9%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
日坩運輸株式会社を合併 日本モルガン・クルシブル株式会社を合併
2013年3月7733
2014年3月8043
2015年3月8232
2016年3月8031
SRホールディングス株式会社を子会社とする。SRホールディングス株式会社の子会社である眞保炉材工業株式会社(現・連結子会社)が孫会社となる 眞保炉材工業株式会社を吸収合併存続会社、SRホールディングス株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併
2017年3月7843
2018年3月9164
2019年3月9764
2020年3月9243
2021年3月7711
2022年3月8732
中央窯業株式会社を合併
2023年3月8810
VQP2023株式会社を子会社とする。VQP2023株式会社の子会社である有限会社三友築炉(現・連結子会社)が孫会社となる 眞保炉材工業株式会社を吸収合併存続会社、VQP2023株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併
2024年3月9633
2025年3月98555.14
2026年3月102453.94

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高102億円のうち、営業利益として残るのは4億円3.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は4億円、売上の3.9%にあたる。営業利益率は業種中央値8.0%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金73.5%75億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金22.5%23億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益3.9%4億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
26.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比4.1pt
3.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比2.9pt
3.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比0.1pt
7.2%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.9%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが5億円、投資CFが−3億円で、差し引きのフリーCFは2億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は22億円で、売上の2.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月7−83−113
2014年3月10−1−8914
2015年3月5−1−5413
2016年3月4−1−4312
2017年3月6−84−214
2018年3月7−4−3314
2019年3月6−50115
2020年3月9−2−3718
2021年3月10−1−5921
2022年3月8−2−6621
2023年3月00−5017
2024年3月4−2−4216
2025年3月10−8−1217
2026年3月5−32222

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は121億円。このうち返さなくてよい自己資本が62億円で、自己資本比率は51.3%(業種中央値64.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月95326333.5
2014年3月94355936.8
2015年3月94375739.2
2016年3月90375340.8
2017年3月98395940.3
2018年3月110446639.6
2019年3月113456840.1
2020年3月109476243.2
2021年3月107495845.9
2022年3月111525946.8
2023年3月107525548.0
2024年3月107535449.5
2025年3月112565649.8
2026年3月121625951.3

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
23億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
47億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
7億円
在庫として抱えている分
負債合計
59億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
72
/ 100
安定性自己資本比率34 / 40
収益力営業利益率8 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

ガラス・土石製品 49社との比較

同じガラス・土石製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率49社中25位あたり、逆に低いのは営業利益率49社中41位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
7.2%/中央値 7.3%
P25 5.5%P75 9.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
3.9%/中央値 8.0%
P25 6.1%P75 12.2%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
51.3%/中央値 64.4%
P25 50.0%P75 73.1%
売上成長率前期からの売上の伸び
4.1%/中央値 4.1%
P25 -0.8%P75 8.9%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.0%/中央値 3.0%
P25 2.1%P75 3.8%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥670で、1年前と比べて+14.6%過去52週の値幅のなかでは74%の位置にある。

¥670-0.4%1ヶ月-1.3%1年+14.6%時価総額47億円
過去52週の値幅
安値¥600高値¥695

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)10.4倍
PER (会社予想)9.9倍
PBR0.72倍
配当利回り2.99%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

AI分析は準備中です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

小型株ゆえに流動性が低く、業績が小幅変動でも株価が大きく反応しやすい。強気派は、半導体・電子部品向け需要拡大や、特殊坩堝の代替が難しい点を評価し、PBR0.72倍の割安感を指摘。弱気派は、売上高100億円未満の超小型企業であり、事業基盤が脆弱で大きな成長が見込めないこと、利益率が低くROE7.2%と資本効率が芳しくないことを懸念。配当利回り2.6%に支えられたディフェンシブな値動きが続くかが焦点。

プラスに働く材料3
  • ニッチトップの安定収益

    半導体・電子部品向けで高シェア、顧客との長期取引が継続収入を保証。

  • 資産価値の割安感

    PBR0.72倍と純資産に対し割安、株主還元余地ある。

  • 半導体市場の追い風

    半導体製造装置向け坩堝需要は中期的に拡大トレンド。

マイナスに働く材料3
  • 超小型で成長限界

    売上100億円未満、市場規模自体が小さく大幅成長は難しい。

  • 低収益性

    営業利益率4%前後、ROE7%と低く、資本効率が課題。

  • 流動性リスク

    時価総額50億円未満、売買高が少なく価格変動が大きい。

次の決算で確かめる点
受注高
半導体・電子部品需要の先行指標。増加で強気材料。
営業利益率
低収益構造の改善度合いを測る最も重要な指標。
自己資本比率
財務の安全性。資産価値の裏付けとして注目。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり20で、前期から+5.9%いまの株価に対する利回りは2.99%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥20
1株あたり
配当利回り
2.99%
いまの株価に対して
配当性向
42.1%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1234.1
2018年3月1416.728.1
2019年3月140.029.2
2020年3月12−14.333.5
2021年3月6−50.033.3
2022年3月1066.744.2
2023年3月9−10.029.4
2024年3月1233.316.3
2025年3月1741.730.6
2026年3月185.942.1

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥20

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ4,459人。区分でいちばん多いのは個人・その他56.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が36.4%を占め、残る63.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他51.751.951.453.654.156.2
事業法人19.421.918.420.419.624.0
金融機関22.818.918.918.114.412.4
証券会社4.35.29.35.810.05.5
自己株式3.13.13.14.54.54.5
外国法人1.82.02.02.01.91.8
外国人個人0.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01岡田民雄4.66
02株式会社みずほ銀行(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)4.61
03柏屋商事株式会社3.90
04上田八木短資株式会社3.56
05美濃窯業株式会社3.29
06野村信託銀行株式会社(信託口)3.07
07野間一2.98
08日本坩堝従業員持株会2.94
09野村證券株式会社2.53
10日本精鉱株式会社1.80

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+200%、1株純資産は14期で+296%。直近期のROEは7.2%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月212369.56.734.5
2014年3月212568.67.330.4
2015年3月1232,7154.715.158.4
2016年3月1092,7114.014.334.4
2017年3月2152,9147.68.234.1
2018年3月576449.411.728.1
2019年3月606719.19.829.2
2020年3月456996.69.833.5
2021年3月177302.428.633.3
2022年3月327714.218.544.2
2023年3月−2767−0.329.4
2024年3月417975.215.016.3
2025年3月538426.511.430.6
2026年3月649337.210.242.1

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2026/3期の役員報酬は総額115百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
西村有司代表取締役社長5426,000
広野玲緒奈専務取締役 営業部門・工業炉事業管掌6613,000
岡本聡取締役 企画・管理部門管掌 総務部長621,000
岩谷誠治取締役62
岡松暁子取締役55
山本博之常勤監査役695,000
茂木康三郎監査役8056,000
松田明彦監査役66

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円退職慰労百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)65124678815
社外取締役6252275

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容702字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社6社、関連会社1社により構成され、耐火物事業(黒鉛坩堝・定形耐火物及び不定形耐火物の製造販売、鋳物材料の仕入販売)、エンジニアリング事業(各種工業炉の設計施工及び付帯する機器類の販売、築炉工事請負等)、不動産事業(建物・駐車場賃貸、太陽光発電事業)及びその他事業(塗料循環装置事業)を行っております。 当該事業における当社及び子会社、関連会社の位置づけは次のとおりであります。 グループ各社の主な事業の内容は次のとおりであります。 1 親会社 日本ルツボ㈱……………………………………   耐火物事業(黒鉛坩堝・定形耐火物及び不定形耐火物の製造販売、鋳物材料の仕入販売)、エンジニアリング事業(各種工業炉の設計施工及び付帯する機器類の販売)及び不動産事業(建物、駐車場賃貸、太陽光発電事業) 2 連結子会社 アジア耐火㈱……………………………………   耐火物事業(不定形耐火物の製造販売) 眞保炉材工業㈱……………………………………   エンジニアリング事業(築炉工事) 日本ピーシーエス㈱………………………………   その他事業(塗料循環装置の製造販売) 有限会社三友築炉…………………………………   エンジニアリング事業(築炉工事) 株式会社中橋保温工業所…………………………   エンジニアリング事業(保温・保冷・耐火・築炉工事の施工) 3 非連結子会社 日坩商貿(上海)有限公司……………………   耐火物事業(耐火物の販売) 4 持分法非適用関連会社 ルミコ社(ドイツ)……………………………   耐火物事業(不定形耐火物の製造販売)
経営方針・対処すべき課題8,734字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1)経営方針・経営戦略等 ①経営方針 当社グループは、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する会社を目指す』ことを経営理念とし、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの期待に応え、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を経営の最重要課題として取り組んでおります。そのために、内部統制システムの整備・強化を図り、経営の透明性・公平性を確保し、迅速な意思決定により経営の効率性を高めるべく、コーポレート・ガバナンスの充実を進めております。 「中期経営計画2027~Crucible3R Ver.2」(2026年3月期から2028年3月期)では、事業構造の再構築をさらに加速し、中期的な経営課題を達成するための基礎固めを完了するとともに、当グループの発展に向けた攻勢を一段と進めてまいります。2025年3月期比、増収増益となる売上高110億円、経常利益8.3億円を目指してまいります。 ②経営環境に関する認識 当社グループを取り巻く経営環境は、内外の政治・経済の動向、人手不足・賃上げ、原材料・燃料価格の更なる高騰、為替相場等の市場動向など、引き続き予断を許さないものと認識しております。 鋳造市場においては、自動車の国内生産・販売台数の回復の遅れがみられ、鋳造における需要回復は芳しくなく、加えて、中長期的には自動車のEV化進展がもたらす広範な影響への的確な対処が最重点課題と認識しております。また、鉄鋼市場においても、世界規模での需給調整等が進むなかで製鉄所の再編が進んでおり、当社グループも引き続き影響を受ける見通しであります。 他方、工業炉市場においては、競合企業は多いものの新規参入の少ないマーケットと認識しており、特に海外市場において拡大余地が十分にあるものと考えております。この分野では、特にカーボンニュートラルに寄与する製品が求められており、CO2削減をキーワードにした工業炉の開発が最大の課題と考え、当社も積極的に取り組んでおります。また、環境・工事市場は景気変動の影響を受けにくいことから、焼却炉新設・更新は安定的に推移するものと想定しております。特に、大型の焼却処理施設は高水準の稼働が続いており、メンテナンス工事の需要は引き続き大いに期待できる見込みであります。 ③中長期の経営戦略 2025年度を初年度とする「中期経営計画2027~Crucible3R Ver.2」(2026年3月期から2028年3月期)を策定し、2025年5月8日に開示しております。 (https://www.rutsubo.com/ir/images/pdf/mid-term2025.pdf) 当社グループの経営理念を踏まえた「長期ビジョン」として、「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げております。また、長期ビジョンに基づく到達目標として、「2040年に連結経常利益20億円(売上高200億円、経常利益率10%以上)」を設定しており、当社グループの「コア・コンピタンス(核 となる強み)」である『耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力』を最大限に活かして実現を目指します。 この長期ビジョンと2040年の到達目標を全社・全員で共有するとともに、バックキャスティングの手法も用いて3年間の位置づけを整理し、Rebirth(再生)、Re-create(価値の再創造)、Reconstruct(事業構造の再構築)という3つのRを引き続きキーワードとした中期経営計画としております。事業構造の再構築をさらに加速し、中期的な経営課題を達成するための基礎固めを完了するとともに、当グループの発展に向けた攻勢を一段と進めていく3年間としてまいります。 「中期経営計画2027」の到達目標は、2027年度連結経常利益8.3億円(売上高110億円、経常利益率7.5%以上、ROE8.0%以上)としておりますが、その実現に向けた経営戦略については、以下の通り4つの視点で整理しております。 財務戦略の基本は、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことであります。具体的には、営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げて戦略的な設備・研究開発投資を行うとともに、経営環境を踏まえた機動的な資本政策を実施し、適正水準の利益配当を継続いたします。生産体制の将来像を具体化し、2040年を見据えた最適な設備投資計画についても進めてまいります。 第2の視点、到達目標達成に向けた最大のキーファクターである顧客満足向上戦略は、「常に顧客に寄り添い、情報を発信しニーズに応えることを通じて、顧客から全幅の信頼を受け続ける会社“ファースト・コール・カンパニー”を目指す」ということであります。具体的には、顧客への的確なクイックレスポンスを継続し、顧客の経営課題・関心事・困りごと・ニーズに的確に応え、顧客の事業発展に貢献してまいります。情報共有化・分析を通じた製品満足度の改善を進めるとともに、技術・営業面でのサービス水準の飛躍的向上を図ります。また、海外の重点エリアにおいて、生産・営業の両面で積極的に展開いたします。 第3の視点は、業務生産性の向上に関する戦略であります。顧客の満足度を高め、業績の向上を通じてステークホルダーの期待に応えるべく、あらゆるビジネス・プロセスの生産性において同業他社比秀でた状態の実現を目指します。特に、サステナビリティの追及に積極的に取組み、カーボンニュートラルに貢献する先進的でユニークな製品・技術の開発を進めます。また、部門・部署間のコミュニケーションの拡充を通じて、営業・技術・生産・管理の各業務の生産性を大幅に向上させてまいります。 以上の経営戦略の土台となる組織活性化戦略の基本方針は、「役職員全員が、当社グループで働いていることを、大切な人たちに胸を張って誇りを持って語れる会社であり続けること」であります。具体的には、新規事業創出力・事業化推進力・先見的対応力を組織全体で強化するとともに、基礎研究や革新的技術開発において大きな成果を生み出し得る人財の育成を抜本的に進め、これらをベースにグループ会社全体での相乗効果がこれまで以上に発揮される施策を推進いたします。また、人事交流の更なる拡充や意見発信の場の創出等を通じて、目指すべき企業文化の構築をはかるとともに、社員の貢献・成長を応援する仕組みづくりを通じて、より働き甲斐がある会社を目指します。 ④年度運営方針、基本戦略 187期(2027年3月期)の年度運営方針は、「安心・安全な職場環境構築、生産量・稼働率を意識した業務改善への取組」であります。 187期の基本戦略については、戦略企画部を軸とした経営企画・戦略立案・新事業創出機能の拡充、新中期経営計画の実効的なフォローアップ等に加え、各部門において以下の通り推進いたします。 国内営業部門は、長年の実績を活かして引き続きお客さまの安定操業に貢献していくことを柱に、既存のお客さまとの深化・取引拡充に取り組むとともに、新市場・新分野のお客さまの開拓を強化いたします。各営業員がこれまで以上にお客さまの事業内容や経営課題をよく知る努力を積み重ね、当社グループの強みであるきめ細かなサービスを提供し続けることで、お客さまの満足度を一段と高めてまいります。また、そうした観点から、営業担当者表彰制度を継続実施するとともに、業務の生産性を強く意識し、管理ツールの拡充をはかり、営業員の対応力強化を進めてまいります。加えて、重点分野に位置づけているエンジニアリング事業(工業炉、環境工事)は、主要拠点に事業所を新たに設け、営業強化をはかり、業容拡大を更に加速させてまいります。 海外営業部門は、重点地域に製造・販売・メンテナンス拠点を確立して市場深耕を進め、海外における売上・営業利益のウエイトを拡充いたします。具体的には、アジア地域での現地生産化によるコスト競争力向上、技術ライセンス先との取引拡充、代理店との連携強化等を積極的に推進してまいります。2026年3月、ベトナムハノイ市にて合弁会社「AMECO NIKKAN COMPANY LIMITED」を設立いたしました。当社より副社長を派遣し、当社の強みを活かした溶解炉・耐火物の製造販売を行ってまいります。 技術部門は、豊富な製品群、蓄積技術、特徴ある製造・研究設備の裏付けのもと、技術対応力と製品開発力を向上させ、顧客対応力および環境変化対応力を一段と強化いたします。具体的には、顧客ニーズやクレーム最小化に向けた取組成果等の指標化、各種技術対応活動の分析を通じた技術力強化により、顧客満足度の大幅向上を目指します。また、CO2削減をキーワードにした新製品開発、オンリーワン製品の開発、戦略企画部と連携した将来を見据えた研究開発への取組を強化するとともに、知的財産、基礎研究への重点投資を進めてまいります。 生産部門は、品質の維持・向上、安全の最重視を基本に据え、製造原価計算の精緻化、製造工程管理のレベルアップ等を通じて生産性向上を図るとともに、製造設備の保守・更新の一層の適正化を行ってまいります。また、原材料・燃料費の高騰・高止まりへの的確な対応、更にオフセットガス、グリーン電力利用により自社工場におけるカーボンニュートラルへの取組等を引き続き進めてまいります。 企画・管理部門は、組織活性化に係る諸施策の積極展開を最大の眼目として、有為な人財の採用継続、適材適所の人事運営、教育研修の拡充等による人財開発・育成を一段と進めるとともに、「働き方改革」の更なる推進、リスク管理の高度化、コンプライアンス意識の更なる向上、管理会計の拡充等の経営管理高度化、IT領域拡大への対応強化、法令・制度改正への的確な対応等に、精力的に取り組んでまいります。 ⑤セグメントごとの事業戦略 当社グループは、子会社・関連会社を含めた全事業を、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業、その他事業の4つのセグメントに区分しております。耐火物事業は鋳造市場向け事業と鉄鋼市場向け事業とに、またエンジニアリング事業は工業炉市場向け事業と環境・工事市場向け事業とに、それぞれ区分しております。日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置等に関する事業は、その他事業のセグメントとしております。 当社グループの耐火物事業は、一定分野に限定することなく、多種多様な製品群により広範なお客さまのニーズに的確にお応えしていることから、分野ごとに競合企業が異なるという特徴を有しております。各分野において優れた技術力を持った競合企業と切磋琢磨を続けながら、また当社グループの強みである営業・技術両面での総合的なソリューション提供力を存分に活かしながら、今後もこの事業における競争優位を確保できるよう努めてまいります。 最大のウエイトを占める鋳造事業の基本戦略は、「顧客との更なる関係強化、新製品の拡販、業界をリード」であります。 主たる取引先である自動車関連産業におけるシェアの維持・拡大のため、お客さまから「ファーストコール」をいただくための信頼構築に努めるとともに、省エネ・断熱・脱炭素ニーズに対応した「LITETEX」「エレマックス」等の新製品の拡販を進めてまいります。また、電子デバイス分野等に対応した金属粉末溶解市場への展開、自動車のEV化に適応した誘導炉市場向け製品の拡販、環境問題に適合した省エネ耐火物の開発と販路拡大も積極的に行っております。主力製品である定形耐火物は、当業界で最新・最大の成形設備「CIP(冷間等方圧プレス)」により、例えば高圧縮ルツボ、大型ルツボ等の高付加価値製品を効率的に製造できるという大きな特長を有しており、自社製品の製造に加えて、受託サービスを実施しております。併せて、為替動向も鑑み、国内市場だけでなく、海外市場の販路拡大にも取り組み、生産数量の確保を目指してまいります。 鉄鋼事業の基本戦略は、「設備再編等により変化する国内市場でのシェアを死守しつつ、海外市場における取引拡充に向けて新技術を確立」であります。 国内市場については、製鉄所の再編、高炉から電炉へのシフト進展等の影響を受けることとなりますが、高い技術力により継続的に安定耐用に貢献してきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、シェアの維持・拡大と利益率向上に努めてまいります。 第2のセグメントであるエンジニアリング事業については、「中期経営計画2027」においても引き続き長期ビジョンの実現に向けた事業構造(ポートフォリオ)の再構築を進めていくうえで極めて重要な分野として位置付けており、今後も、人財を大幅に増強いたします。 エンジニアリング事業の柱の一つである工業炉事業の基本戦略は、「顧客のCO2削減、作業負荷軽減に貢献する工業炉拡販を更に推進、先進ビジュアルパネルを活用して作業の安全と高効率化を追求、海外市場への積極展開、海外製造品の活用」であります。 この事業では、炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新たなコンセプトの溶解兼保持炉としてお客さまから高評価をいただいております「フリーダム」の大幅な拡販に加え、アルミ市場向け溶解兼保持炉「MK炉」「NM炉」、および炉修工事の受注拡大を進めてまいります。また、カーボンニュートラルへの対応として新たに開発したSU炉を販売推進してまいります。海外についても、これまで拡大してきたアジアに加え、欧米を重点マーケットと位置づけ、市場ニーズに即した製品開発、日系企業を中心とした営業活動強化により、積極的な展開を図ってまいります。海外製造品の輸入、販売促進も積極的に実施してまいります。 この事業における当社グループの強みは、汎用的な製品だけではなくお客さまの製造ラインに合わせて最適にカスタマイズした製品を設計・製造できること、自社で製造した耐火材を活用できること、設置後のメンテナンスも一貫して対応できることであります。工業炉開発の技術者が鋳造分野や新製品開発担当の技術者との連携を一段と強化することで、カーボンニュートラルに適応した製品群の開発が加速されてきており、IoT技術を活用した新機能の開発・展開も含め、上記の強みをこれまで以上に活かした事業拡大を進めます。 エンジニアリング事業のもう一つの柱である環境・工事事業の基本戦略は、「人財拡充による対応力強化と時短に繋がる製品・サービスの提供を通じて顧客ニーズに適応し、取扱工事を大幅に拡大」であります。 民間事業者および自治体の設備投資動向を的確に捉え、焼却炉、誘導炉、各種工業炉のメンテナンス工事を中心とした受注拡大に取り組みます。具体的には、高接着性・速硬性・高強度・易乾燥性という特性を有する「クイックセッター」の拡販、当社の独自性を発揮した時短工法への取組強化などを通じて、設備工事ニーズに対する質の高いサービスの提供を進めます。特に、民間産廃市場では焼却炉の中大型化傾向が続くなかで大型工事案件の増加が見込まれることから、人財の採用・育成、協力会社との連携など経営資源を重点的に投入いたします。また、2017年4月に連結子会社化した眞保炉材工業株式会社は有限会社三友築炉の買収に続き、神奈川営業所、大阪事業所の新設と業容を着実に拡大してきており、同社とシナジー拡充を更に進め、関係事業者とのアライアンスや大手プラントメーカーとの取引拡大にも一段と積極的に取り組んでまいります。2025年11月に新たに連結子会社化した株式会社中橋保温工業所ともシナジー拡充に努めてまいります。 第3のセグメントである不動産事業では、本社ビルの賃貸と豊田工場の太陽光発電に加え、2017年4月より開始した大阪倉庫の賃貸により、引き続き安定的な収益確保に努めるとともに、遊休不動産の有効活用を進めてまいります。 第4に、その他の事業として、2021年4月に連結子会社化した日本ピーシーエス株式会社とのシナジー拡充を進めてまいります。日本ピーシーエス株式会社は、主に自動車関連向け塗装工程に係る自動省力機、塗料循環装置の設計製造を手掛け、取引先との強固な信頼関係をベースに、卓越した技術力をもって事業を行なっております。技術・ノウハウ等を共有することで自動車関連メーカー等との取引拡充を展望するとともに、工業炉設計技術との融合等を通じて新製品の開発を一段と加速いたします。 また、新規事業の拡充も当社グループの最重要経営課題の一つであります。地球温暖化、資源問題など経営環境に関する中長期の予測・展望も踏まえながら、金属溶解以外の業界への耐火物供給、業務提携やM&Aを通じた事業多角化の推進等により、「次の1世紀を支える新規事業」を創出してまいります。 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 前述の通り、当社グループを取り巻く経営環境は、原材料・燃料価格の更なる高騰、為替相場等の市場動向など、引き続き予断を許さないものと認識しております。特に、主要取引先である自動車関連産業における生産・販売の回復の遅れに伴い、鋳造需要が引き続き低迷していること、鉄鋼業界における製鉄所再編については、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。また、自動車のEV化進展に伴う中長期的な影響についても、今後重点的な対処が不可欠な事業上の課題であります。 当社グループとしては、このような市場構造の変化に対して、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する』との経営理念を改めて全員が共有し、創業141年の歴史を刻む中で培ってきた柔軟な対応力を発揮して、更なる成長を力強く目指してまいります。 「中期経営計画2027」においては、この経営理念を踏まえた「長期ビジョン」として、「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げ、到達目標「2040年に連結経常利益20億円」を設定しており、当社グループの「コア・コンピタンス(核となる強み)」である『耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力』を最大限に活かしてこの目標の実現を目指します。 グループ全社・全員が一丸となって新たに策定した「中期経営計画2027」に取り組んでいくことこそが、上記の事業上の課題への対処と考えております。 なお、厳しい経営環境が続く中においても、連結業績は前期比増収増益となっております。当社単体では増収なるも、営業利益、経常利益ともに減益となりましたが、各子会社も含め引き続き健全な財務体質を維持しており、特筆すべき財務上の課題はありません。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「中期経営計画2027」においては、最終2027年度(2028年3月期)の目標として、連結売上高110億円、連結経常利益8.3億円、連結ROE8.0%を掲げております。 現中期経営計画の初年度となった186期(2026年3月期)は、主要取引先である自動車関連産業が需要回復の遅れ等により低調な操業状況となったことに加え、原材料・燃料価格が高止まりしたが、連結売上高が102.2億円(年度目標進捗率99.2%)、連結経常利益が4.9億円(年度目標進捗率82.3%)、連結ROEが7.2%(年度目標比▲0.7ポイント)の達成状況となりました。 売上高については、鋳造事業において自動車産業の回復が遅れ、鋳造需要の戻りも遅れておりましたが、原材料・燃料価格等の上昇に伴う価格改定をお客さまのご理解を得ながら進めたことにより、年度計画を上回りました。エンジニアリング事業は計画を達成、特に工業炉事業については炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新たなコンセプトの溶解兼保持炉「フリーダム」を中心に、大型案件を順調に成約・進捗いたしました。 経常利益については、当社単体では鋳造事業の不振により、目標を達成することはできませんでした。連結でも目標達成とはなりませんでした。 ROEにつきましては、上記の通り経常利益が未達となったこともあって、目標を大きく下回っております。 187期(2027年3月期)は、中期経営計画の中間年度となります。自動車関連産業の操業回復に伴う受注増加、「フリーダム」を中心とした工業炉事業の伸長、環境・工事事業における順調な業績拡大を軸に、年度ラップ目標達成を目指してまいります。目標の達成状況については、引き続き達否要因の分析など経営管理・フォローアップを的確に行うとともに、適切に開示してまいります。 なお、年度によりROEが株主資本コストに達しない年度もありますが、毎年資本コストを上回るROEの達成を目標設定しております。現状、足元でPBR1倍に達してはおりませんが、中期計画に基づく各種施策を着実に実行し、また適時開示やホームページでのIR活動を通じて株価上昇を図り、PBR1倍の達成を目指してまいります。
事業等のリスク3,733字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えております。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在します。 当社グループでは、戦略・事業遂行上のリスクや重大な危機に転ずる可能性のあるリスクを「リスク管理・コンプライアンス委員会」にて把握し、グループ重要リスクとして整理することとしております。リスクを適切に管理・統制するとともに、危機に転ずるリスクの顕在化を可能な限り防止し、危機に転じた場合はその影響を最小限に留めるなど、的確なリスクマネジメントを行っております。なお、文中における将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものであります。 なお、中東をめぐる現下の国際情勢については、当社グループとしても十分に注視しております。原油価格高騰に加え、石油製品の供給に対する不安など業績への直接的な影響を懸念しております。金利、為替相場等の市場動向など間接的な影響もあると考えております。この点は「(6)原材料の調達・価格動向、及び(7)燃料価格の動向」に記述の通りであります。 (1)自動車のEV化について 鋳造事業は、当社グループにおける最大の事業分野であり、鋳造事業・工業炉事業を合わせて、当連結会計年度では売上高の56.7%を占めております。その鋳造市場の約9割が自動車業界向けであります。自動車業界においては、EV化への取組が近時は若干減速しておりますが、EV化の大きな流れは変わらず、環境対応車のシェアが大幅に高まっていくと予測されております。EV化によりエンジンをはじめ鋳造部品の構造が大きく変わっていくものと考えられ、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。 こうした状況を踏まえ、当社グループとしては、環境対応、軽量化に伴う部品構成の変容等に関する分析を進めるとともに、自動車メーカーの内製部門と主要部品メーカーの生産設備統合の流れが加速する予測なども含め、お客さまの動向を注視してまいります。国内においては、当面、純EV/FCVよりHEV、PHEV、M-HEVが中心となる見通しであることから、特にアルミ部品の需要への対応が重要と考えており、国内の自動車生産台数の増減(景気動向)を見据えて、製品・サービス(耐火物製品、工業炉製品、メンテナンス・サービス、部材の仕入販売)を適合させてまいります。 (2)鉄鋼事業について 鉄鋼事業は、当連結会計年度では売上高の9.4%を占めておりますが、鉄鋼業界において需要減等を理由とした製鉄所再編、設備縮減の動きが続いており、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。 この影響を最小限に留めるべく、国内市場においては、高い技術力により継続的に安定耐用に貢献してきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、シェアの維持と利益率向上に努めてまいります。また、海外市場において、易乾燥性樋材などの新技術の開発を進めるとともに、ロイヤリティー収入の確保を図ってまいります。 (3)エンジニアリング事業について エンジニアリング事業は、当連結会計年度では売上高の40.8%を占めておりますが、工業炉の新設工事、焼却設備等の補修工事など工事完了時のお客さまによる検収において、契約毎に異なる材質・寸法等の仕様確認や試運転による慎重な確認が実施され、また耐火物事業の製品販売に比し1件当たりの取引額が多額になるケースが多いことから、売上の期間帰属等に関し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 こうした特性を踏まえ、エンジニアリング事業の売上の期間帰属等については、特に慎重に判断し適正な収益認識に努めてまいります。 (4)棚卸資産の評価について 当社の製品及び商品のサイズや材質は得意先や用途により異なるため、多品種の在庫を保有しております。これらの棚卸資産は、販売価格が低下した場合には帳簿価額を時価まで切り下げ、また直近で動きのない場合には滞留期間に応じて評価損を計上しております。したがって、販売価格や滞留期間によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 こうした棚卸資産の金額的重要性と評価プロセスの状況に鑑み、必要な評価減の金額を基準に基づいて適正に算定すべく、内部統制手続を整備し適正な運用に努めてまいります。 (5)生産設備について 工場機械設備の老朽化についても、事業運営において重視すべきリスクの一つと考えております。主要設備の中には、導入後の経過年数が長いものも少なくなく、定期的な補修等実施により正常稼働に努めておりますが、予想を超える異常停止等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 中期経営計画2027において、工場機械設備全般にわたって計画的な更新を進めることとしておりますが、軽度な異常が発生した場合でも都度要因を慎重に見極めて的確な対策を講じるなど、安定稼働に向けた適切な対応を継続してまいります。なお、大阪工場のトンネル窯につきましては経年劣化による内張煉瓦のせり出しや脱落などの不具合が頻繁に発生しているため、2025年3月より大規模補修工事行いました。この工事により煉瓦積構造が刷新されて不具合の解消と適切な操炉条件が確保できるようになり、品質および納期の安定化が図れております。 また、工場全体としての抜本的な対策も必要と判断し、2023年4月に「工場再構築プロジェクト」を立ち上げ、具体的検討を併行して進めております。 (6)原材料の調達・価格動向について 当社グループでは、主力事業である耐火物の製造に必要となる原材料を、中国をはじめとする世界各国より直接あるいは商社経由にて調達しております。国産原材料の比率が高くないことから、地政学リスク発生等により現在の輸入国からの調達に問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料価格の高騰・高止まり、大幅な円安が続いた場合、お客さまのご理解に基づく価格改定の進捗状況次第では、グループの業績が下振れする可能性があります。 調達先が中国等の特定国に偏らぬように、原材料の種類に応じて常に世界各国に調達先を求めておりますが、引き続き多様な原材料に関する調査・評価等を幅広く実施し、リスクの軽減に努めます。また、原材料価格動向等をお客さまに丁寧にご説明してご理解を得ることで適切な価格改定を着実に実施するとともに、機動的な為替ヘッジを進めてまいります。 (7)燃料価格の動向について 当社グループでは、主として定形耐火物の製造工程(焼成等)において、多量のガスや電気を使用しております。ロシアによるウクライナ侵攻以降、値上がり基調であった原油価格が急激に上昇し、さらに円安が急速に進行したこともあって、183期(2023年3月期)は燃料価格がかつてないほどの上昇幅で推移しました。184期(2024年3月期)以降も好転せず、高止まりの状況にあります。加えて、中東情勢の変化により、原油価格の更なる高騰、石油製品の供給への懸念が生じております。 こうした状況を踏まえ、お客さまのご理解に基づく価格改定を鋭意進めてきておりますが、燃料価格の更なる高騰・高止まり、資材調達への支障、大幅な円安が続いた場合、グループの業績が下振れする可能性があります。 (8)大規模自然災害の発生について 近年、大規模な地震発生や巨大台風の直撃、数十年に一度の集中豪雨発生などの自然災害が相次いでおります。当社グループの生産拠点は、大阪、愛知、埼玉に分散しているものの、南海トラフ地震をはじめ大規模地震発生の予想エリアに所在しております。台風、集中豪雨のエリアは予想が困難でありますが、万が一、当社グループの生産拠点において、大規模な自然災害が発生した場合には、前述(5)の設備老朽化とあわせ、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。 2020年3月にBCP(事業継続計画)を抜本的に見直し、2011年以来となる大幅改定を実施いたしました。2025年3月にも一部見直しを実施しております。このBCPに基づく教育、訓練を定期的に実施するとともに、必要に応じて計画を見直すなど、大災害発生時においても早期の事業復旧ができるよう努めてまいります。 (9)サイバーセキュリティーについて 世界中でサイバー攻撃による被害が増加傾向にあります。当社においても2023年11月に事業所の一部デバイスにおいてランサムウェアによる第三者からの攻撃を受けております。一部支障もありましたが、セキュリティ強化の効果もあり影響は限定的なものとなりました。今後とも、セキュリティツールの運用強化をはかるとともに、適時、外部専門家のアドバイスを受けるなど、セキュリティ対策の拡充に努めてまいります。
経営成績の分析 (MD&A)4,132字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績に関する分析 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 当連結会計年度におけるわが国経済は、景気の緩やかな回復が継続しました。先行きについては、各種の政策効果もあって景気の緩やかな回復が継続していくことが期待されますが、内外の政治・経済の動向や人手不足・賃上げ、物価高の影響などを十分に注視する必要があります。 当社グループを取り巻く関連業界におきましては、主要取引先である自動車関連産業は、足元で生産台数が前年比増加に転じておりますが、米国の通商政策や中東情勢など、先行き不透明な状況にあります。 鉄鋼産業は、建築向けを中心に需要が減少傾向にあり、また粗鋼生産量の減少傾向が継続するなど、予断を許さない状況にあります。 このような状況のなか、当社グループは営業と技術が一体となり、主力製品や新製品の拡販活動等を積極的に推進いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は102億2千万円(前期比4.5%増)となりました。利益面では、営業利益は4億1千万円(前期比13.4%減)、経常利益は4億9千3百万円(前期比0.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社中橋保温工業所の株式取得に伴い負ののれん発生益3千7百万円を特別利益に計上したこともあり、4億2千6百万円(前期比21.7%増)となりました。 事業セグメント別の業績は、以下の通りであります。 耐火物事業の売上高は52億3百万円(売上高比率50.9%)と前年比4.4%減少し、営業利益は2億5千6百万円と前年比44.4%減少いたしました。エンジニアリング事業の売上高は41億6千6百万円(売上高比率40.8%)と前年比19.3%増加し、営業利益は6億2百万円と前年比34.4%増加いたしました。不動産事業の売上高は3億7千9百万円(売上高比率3.7%)と前年比0.8%増加しましたが、営業利益は2億8百万円と前年比5.1%減少いたしました。その他事業(日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置事業)の売上高は4億7千1百万円(売上高比率4.6%)と前年比0.9%減少し、営業利益は1千4百万円となりました(前期は2千8百万円の営業損失)。 (2)財政状態に関する分析 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末比4億3百万円(6.1%)増加し、70億6千万円となりました。主として、現金及び預金の増加によるものです。 当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末比4億7千9百万円(10.5%)増加し、50億3千9百万円となりました。主として、工場の製造設備の取得によるものです。 これらの要因により、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比8億8千2百万円(7.9%)増加し、120億9千9百万円となりました。 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末比2千8百万円(0.7%)減少し、38億5千1百万円となりました。 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末比2億8千9百万円(16.5%)増加し、20億4千4百万円となりました。主として、長期借入金の増加によるものです。 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比6億2千2百万円(11.2%)増加し、62億3百万円となりました。 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は51.3%(前連結会計年度末は49.8%)となりました。期末発行済株式数に基づく1株当たり純資産額は933.35円となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容等 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末比4億7千8百万円増加し、22億1百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益6億1千万円、減価償却費3億6千7百万円、仕入債務の減少3億1千5百万円などにより5億1千2百万円の収入となりました。(前年同期は10億4千5百万円の収入) 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得4億5千5百万円などにより2億6千万円の支出となりました。(前年同期は7億8千2百万円の支出) 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れ7億3千万円などにより2億2千5百万円の収入となりました。(前年同期は9千8百万円の支出) 当社グループは、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことを財務戦略の基本方針としております。 営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げることで、設備投資及び株主還元の原資を確保するとともに、計画的に長期借入金を返済することで、引き続き良好なバランスシートを維持するとともに、中長期的に資本効率を高めていくための投資活動を行ってまいります。 設備投資については、減価償却額の推移も意識しつつ、工場製造設備、技術開発の両面において中長期的な視点で戦略的に進めてまいります。 当社グループにおける資金需要は、主として設備投資に係る資金と経常的な運転資金が中心であり、取引金融機関からの借入による調達を基本としております。なお、今後の成長に寄与するシナジー効果の高いM&A案件については、投資効果、資本効率、財務バランス等を総合的に勘案のうえで、引き続き資金調達面も含め戦略的に検討してまいります。 (4)重要な会計上の見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、様々な見積りによる判断がなされておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果が異なることがあります。 連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下の通りであります。 ①棚卸資産の評価 棚卸資産は、販売価格が低下した場合には帳簿価額を時価まで切り下げ、また直近で動きのない場合には滞留期間に応じて評価損を計上しております。販売価格が低下した場合や見込生産していた製品が販売できなくなり過剰在庫が生じた場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。 ②営業権(のれん) 2017年4月の眞保炉材工業株式会社、2024年4月のVQP2023株式会社(有限会社三友築炉)の連結子会社化に伴い、期末において174百万円の営業権(のれん)を計上しております。両社の業績動向等を踏まえて将来の見積りを行っており、期末時点において減損の必要性は全くないものと判断しております。なお、この営業権については、子会社化以降現在まで計画通りの償却を進めてきております。 ③投資有価証券 投資有価証券について、今後回復の可能性がないと判断した銘柄は、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化、投資先企業の業績低迷等により、今後更に減損の追加処理が必要となる可能性があります。 ④繰延税金資産 繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しております。将来、繰延税金資産の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産の減額、税金費用の追加が必要となる可能性があります。 ⑤製造設備等 大阪工場、豊田工場、春日井工場等の製造設備については、期末時点において減損の兆候にあたる事実の有無を工場ごとの損益実績等に基づいて検証しております。 その他に、見積り・仮定の不確実性、あるいは変動による影響等を考慮すべきものはありません。 (5)生産、受注及び販売の状況 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日  至 2026年3月31日)   前年同期比(%) 耐火物   3,429,305   △3.6 エンジニアリング   3,110,206   26.7 その他   356,855   7.4 合計   6,896,366   8.7 (注)1 金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。 2 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。 ② 受注状況 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) 耐火物   5,621,047   3.4   536,117   158.9 エンジニアリング   4,683,758   21.3   1,023,271   102.1 その他   443,071   14.5   107,853   △26.9 合計   10,747,876   11.0   1,667,241   93.6 (注)1 セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。 2 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日  至 2026年3月31日)   前年同期比(%) 耐火物   5,203,625   △4.4 エンジニアリング   4,166,920   19.3 不動産事業   379,314   0.8 その他   471,061   △0.9 合計   10,220,922   4.5 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

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開示資料

出典

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