本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

古河電気工業

Furukawa Electric Co., Ltd.5801 · Prime · 非鉄金属

電線・ケーブル・光ファイバの歴史ある総合メーカー。銅箔・自動車部品・機能樹脂にも展開。

概要

古河電気工業は、1896年創業の総合非鉄金属メーカーである。主な事業はインフラ(電力ケーブル・光ファイバケーブル)、電装エレクトロニクス(自動車用ワイヤハーネス・マグネットワイヤ)、機能製品(電解銅箔・発泡樹脂)の三つ。2026年3月期の連結売上高は1兆3076億円、営業利益639億円、純利益725億円。連結従業員数は約4万9112人。情報通信・自動車・エネルギー分野の社会インフラを支え、海外売上高比率は50.6%に達する。

三つの事業で構成される収益の柱

古河電気工業の連結業績は、インフラ、電装エレクトロニクス、機能製品の三つの報告セグメントで構成される。2026年3月期のセグメント別売上高は、インフラが3,709億円(全体の28.4%)、電装エレクトロニクスが7,651億円(同58.5%)、機能製品は単独開示がないが、残りが該当する。営業利益では、インフラが214億円(前期比276.1%増)、電装エレクトロニクスが339億円(同3.9%増)と、いずれも増益を達成した。電装エレクトロニクスが売上高・利益ともに最大の柱であり、その中核は自動車用ワイヤハーネスを手がける古河ASである。一方、インフラは光ファイバケーブルのデータセンタ需要拡大と電力ケーブルの再生可能エネルギー向け需要が追い風となった。機能製品は電解銅箔や発泡樹脂を中心に、電池・電子基板・自動車向けに供給する。グループ全体の売上高は前期比8.8%増の1兆3,076億円に拡大し、営業利益率は4.9%に改善した。

海外売上高比率50%を超えるグローバル展開

古河電気工業の海外売上高は2026年3月期に6,620億円に達し、連結売上高に占める比率は50.6%である。これは前期の53.0%から2.4ポイント低下したものの、依然として半数を超える。地域別の内訳は開示されていないが、主要な海外生産拠点として、米国には光ファイバ・ケーブル部門を買収したLightera, LLCがあり、中南米にはLightera LatAm S.A.を置く。台湾では古河銅箔股份有限公司と台日古河銅箔股份有限公司が電解銅箔を生産する。ドイツには発泡樹脂メーカーのTrocellen GmbHが所在する。自動車用ワイヤハーネスは東南アジアやメキシコなどに生産拠点を広げており、地政学リスクに対応するため生産ラインの共有化や自動化を進めている。海外売上高の増加は、データセンタ向け光ファイバケーブルや自動車部品の需要増加によるものであるが、同時に銅地金価格の高騰や為替変動の影響も受ける。

グループ再編と持分法適用会社の変遷

古河電気工業は、事業環境の変化に応じてグループ会社の再編を繰り返してきた。その象徴が電力ケーブル事業を担う株式会社ビスキャスである。同社は2005年に古河電工から電力事業を営業譲渡されて持分法適用関連会社となり、その後2015年に海外電力ケーブル事業、2016年に国内電力ケーブル事業を古河電工に譲り戻した。しかし2026年3月にはビスキャスが解散し、持分法適用範囲から除外された。光ファイバ・ケーブル事業では、2025年4月に新設した連結子会社ライテラジャパンに同事業を承継させ、グローバルに統一された戦略のもとで運営する体制へ移行した。また、メタル電線事業は古河電工メタルケーブルに統合された。電池事業を担ってきた古河電池は株式譲渡により連結範囲から外れている。こうした再編は、競争力強化と経営効率の向上を目的としており、各セグメントの収益性改善に寄与している。

業界の中での役割は総合電線・素材メーカー(インフラ、電装エレクトロニクス、機能製品の3セグメント)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.3兆円
営業利益
639億円
営業利益率
4.9%
純利益
725億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
電装エレクトロニクス7,562億円57.8%339億円4.5%
インフラ3,639億円27.8%214億円5.9%
機能製品1,508億円11.5%154億円10.2%
サービス・開発等366億円2.8%-67億円-18.3%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01インフラ(電力・通信・光)主力

電力ケーブル、通信用ケーブル、光ファイバケーブル、関連設備を供給。電力会社・通信会社・鉄道会社等のインフラ事業者向け。古河電工メタルケーブルが製造販売を担う。

主な製品・サービス3
光ファイバケーブル
高速大容量通信を支える光ファイバ心線およびケーブル。FTTHやデータセンター向け。
電力ケーブル
高圧・特別高圧送配電用ケーブル。地中送電線やプラント配線に使用。
通信ケーブル
メタルケーブル、LANケーブル等。通信インフラ構築に使用。

02電装エレクトロニクス(自動車・電子機器)主力

自動車用ワイヤハーネス、マグネットワイヤ(巻線)、電子機器配線材を供給。自動車メーカーや電子機器メーカー向け。古河AS、古河マグネットワイヤが製造。

主な製品・サービス3
自動車用ワイヤハーネス
自動車の電装系を束ねる配線組品。車両の電子化に対応。古河ASが製造。
マグネットワイヤ
モーター・トランス・コイル用の絶縁被覆銅線。高効率・小型化に寄与。
電子機器配線材
電子機器内部の配線用ケーブル。細径・高屈曲性。

03機能製品(銅箔・機能樹脂・発泡体)準主力

電解銅箔(リチウムイオン電池や電子基板向け)、機能樹脂(自動車・建築向け)、発泡樹脂(トロセレン)などを供給。電池メーカー・基板メーカー・自動車部品メーカー等へ。

主な製品・サービス3
電解銅箔
リチウムイオン電池の負極集電体やプリント配線板に使用される薄い銅箔。高品質・超薄型。
機能樹脂(ポリエステル系樹脂等)
自動車部品や電子機器、建築向けの高機能樹脂材料。
発泡樹脂(トロセレン)
架橋ポリエチレンフォーム。断熱材・緩衝材・浮揚材等に使用。

製品と技術

データセンタ需要を捉えた光ファイバケーブルと関連部品

古河電気工業のインフラ事業において、光ファイバケーブルは最重要製品の一つである。特にローラブルリボンケーブルは、高速大容量通信ネットワークの構築に貢献し、データセンタ向け需要の増加を背景に販売を伸ばしている。また、光通信に欠かせないコネクタ部品であるMTフェルールや、通信速度の高速化に適したDFBレーザダイオードチップなどの高付加価値製品も開発・拡販している。これらの製品は、主にLightera, LLCやライテラジャパンが製造・販売を担い、グローバルに供給される。2025年4月には光ファイバ・ケーブル事業をライテラジャパンに承継し、統一戦略のもとで効率的な運営を図っている。北米市場では販売体制を整備し、データセンタ向け需要の取り込みを強化している。

電動化に対応する自動車用ワイヤハーネスとアルミ化

電装エレクトロニクス事業の中核は、自動車用ワイヤハーネスである。古河ASが製造するワイヤハーネスは、車両の電装系を束ねる配線組品であり、電動自動車向けの高電圧対応製品や軽量化に適したアルミワイヤハーネスの開発・拡販に注力している。生産拠点の重畳化・最適化や生産ラインの共有化・自動化を進め、地政学リスクや事業環境の変化に対応可能な生産体制を強化している。また、マグネットワイヤ(巻線)はモーター・トランス・コイル用の絶縁被覆銅線であり、高効率・小型化に寄与する。電装エレクトロニクス材料事業では、無酸素銅製品群や高機能抵抗材用銅合金などの高付加価値製品を拡販し、製品ミックスの改善により収益性を向上させている。

リチウムイオン電池向け電解銅箔と機能樹脂・発泡体

機能製品事業では、電解銅箔が主要製品である。これはリチウムイオン電池の負極集電体やプリント配線板に使用される極薄の銅箔であり、高品質・超薄型の製品が電池メーカーや基板メーカーに供給される。古河銅箔股份有限公司と台日古河銅箔股份有限公司が製造を担う。また、機能樹脂(ポリエステル系樹脂等)は自動車部品や電子機器、建築向けに用いられる。発泡樹脂ブランド「トロセレン」は、架橋ポリエチレンフォームであり、断熱材・緩衝材・浮揚材等に使用される。ドイツのTrocellen GmbHが製造・販売を手がける。これらの製品は、自動車の軽量化や電子機器の小型化、建築の省エネなど、社会課題の解決に貢献している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

非鉄金属のなかでの位置

非鉄大手、収益改善も競争厳しい

古河電気工業は非鉄金属業界の大手で、銅・アルミ加工品や電線が主力。同業のJX金属(5016)や日本軽金属ホールディングス(5703)と競合。売上高は約1兆円超と業界中位で、営業利益率は3.9%→4.9%と改善傾向だが、非鉄業界平均比ではやや低い。価格転嫁や需要回復で利益率向上が進むものの、原料価格変動や海外競合との競争が課題。自動車・エレクトロニクス向け需要に依存し、業績に変動性あり。

強み

  • 銅・アルミ・電線と幅広い製品群で顧客基盤広い
  • 営業利益率が上昇、価格転嫁と需要回復が寄与
  • ワイヤハーネスなど自動車部品需要が底堅い
  • 高機能材料や環境製品で差別化を図る

課題

  • 銅・アルミ相場変動で収益が大きく左右される
  • 中国・韓国勢との価格競争でシェア伸び悩み
  • 営業利益率5%未満と業界内では低位

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

基板・電源・ディスプレイの時価総額近傍。太字が古河電気工業

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16787メイコー4,932億円24.3倍
26753シャープ4,138億円8.7倍
35214日本電気硝子4,137億円13.5倍
46728アルバック3,493億円20.4倍
54902コニカミノルタ3,352億円10.3倍
65801古河電気工業2,651億円36.4倍
78154加賀電子2,572億円7.8倍
87994オカムラ2,414億円10.1倍
96703沖電気工業2,400億円11.1倍
106516山洋電気2,020億円21.3倍
116996ニチコン1,821億円27.7倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(基板・電源・ディスプレイ)に従っています。

会社の歴史

沿革 20件

横浜電線製造として創業し、古河電気工業に改称

古河電気工業の起源は1896年6月、横浜電線製造株式会社として設立されたことに始まる。当時は電線の国産化を目指した企業であった。1920年4月、古河鉱業(現古河機械金属)から日光電気精銅所を取得し、商号を現在の古河電気工業株式会社に変更した。さらに1921年12月には九州電線製造株式会社を買収し、九州電線製造所(後の古河電工メタルケーブル九州工場)とした。これにより、電線製造の基盤を東日本と西日本に拡大した。創業期から非鉄金属の加工技術を蓄積し、後の事業多角化の礎を築いた。これらの買収と工場取得は、当時の電線需要の高まりに対応するものであり、同社が総合電線メーカーへと成長する第一歩となった。

1949年上場と戦後の生産拠点拡充

第二次世界大戦後、1949年5月に株式を東京証券取引所に上場した。これにより資金調達力を高め、設備投資を加速させた。1950年9月には電池部門を分離独立させ、古河電池株式会社を設立した。これは事業の選択と集中の初期事例である。生産拠点の拡充として、1958年9月に神奈川県平塚市に平塚電線製造所(現平塚事業所)、1961年3月には千葉県市原市に千葉電線製造所(現千葉事業所)を新設した。これらの工場は、首都圏の電力・通信需要の増加に対応するものであり、特に高度経済成長期のインフラ整備に貢献した。1971年3月には三重県亀山市に三重工場(現三重事業所)を新設し、生産能力をさらに強化した。

非鉄金属総合メーカーへの転換とグループの上場

1981年4月、古河電気工業は古河金属工業株式会社を吸収合併した。これにより非鉄金属の総合メーカーとしての体制を整え、銅製品の一貫生産が可能となった。同時期、関連会社の古河電池は1972年8月に東京証券取引所市場第一部に上場しており、グループとしての資本市場での存在感を高めた。1987年2月には横浜市西区に横浜研究所を新設し、研究開発機能を強化した。この頃から光ファイバや電子材料など先端分野への投資を本格化させる。1980年代は、事業領域を電線から機能材料・電子部品へと拡大する過渡期であり、後の三本柱事業の原型が形成された。

2001年米国Lucent光ファイバ部門買収とグローバル化

2001年11月、古河電気工業は米国LUCENT TECHNOLOGIES社(当時)の光ファイバ・ケーブル部門を買収した。この買収により、現地法人Lightera, LLCが設立され、北米市場での光ファイバ事業の基盤を獲得した。当時はITバブル崩壊後であったが、長期的な通信需要を見据えた投資であった。この買収は、同社が光ファイバケーブルで世界有数のシェアを持つ契機となった。その後、北米での販売体制を整備し、データセンタ向け需要の拡大に対応している。また、2015年と2016年には持分法適用関連会社のビスキャスから海外・国内電力ケーブル事業を譲り受け、エネルギーインフラ事業を再編した。これにより、電力ケーブル事業の収益基盤を強化した。

2020年代の事業再編と収益力の改善

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、プライム市場に移行した。2025年4月には光ファイバ・ケーブル事業を新設子会社ライテラジャパンに承継させ、グローバルに統一された戦略のもとで運営する体制へ移行した。また、メタル電線事業を古河電工メタルケーブルに統合し、商圏の活用やリソースの効率的配分によるシナジー効果を追求した。一方、古河電池の株式譲渡により同社を連結範囲から除外し、電池事業から撤退した。2026年3月にはビスキャスが解散し、電力ケーブル事業の再編が完了した。これらの再編により、2026年3月期の連結営業利益は639億円(前期比35.8%増)、純利益は725億円(同117.4%増)と大幅に改善した。

年表20件を開く

1890年代

  • 1896年6月創業横浜電線製造株式会社として設立された。

1920年代

  • 1920年4月商号変更古河鉱業株式会社(現古河機械金属株式会社)より日光電気精銅所(現日光事業所)を取得し、商号を現在の古河電気工業株式会社に変更した。
  • 1921年12月M&A門司市(現北九州市門司区)所在の九州電線製造株式会社を買収し、その所属工場を九州電線製造所(旧九州事業所→現古河電工メタルケーブル株式会社九州工場)とした。

1940年代

  • 1949年5月上場株式を東京証券取引所に上場した。

1950年代

  • 1950年9月創業電池部門を分離独立させるため、古河電池株式会社を設立した。
  • 1958年9月神奈川県平塚市に平塚電線製造所(現平塚事業所)を新設した。

1960年代

  • 1961年3月千葉県市原郡市原町(現市原市)に千葉電線製造所(現千葉事業所)を新設した。

1970年代

  • 1971年3月三重県亀山市に三重工場(現三重事業所)を新設した。
  • 1972年8月上場古河電池株式会社の株式を東京証券取引所市場第一部に上場した(現在はプライム市場)。

1980年代

  • 1981年4月M&A非鉄金属の総合メーカーとして将来の発展を図るため、古河金属工業株式会社を吸収合併した。
  • 1987年2月横浜市西区に横浜研究所を新設した。

2000年代

  • 2001年11月M&A米国LUCENT TECHNOLOGIES社(当時)の光ファイバ・ケーブル部門を買収した(現 Lightera, LLC)。
  • 2005年1月電力事業部門を 当社の持分法適用関連会社である 株式会社ビスキャスに営業譲渡した。

2010年代

  • 2015年4月当社の持分法適用関連会社である株式会社ビスキャスより海外電力ケーブル事業を譲り受けた。
  • 2016年10月当社の持分法適用関連会社である株式会社ビスキャスより国内電力ケーブル事業を譲り受けた。

2020年代

  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行した。
  • 2025年4月光ファイバ・ケーブル事業の再編を実施し、同事業を当社が新たに設立した連結子会社であるライテラジャパン株式会社に承継させた。
  • メタル電線事業の再編を実施し、同事業を当社の連結子会社である古河電工メタルケーブル株式会社に承継させた。
  • 古河電池株式会社の株式を譲渡し、同社は当社の連結範囲から除外された。
  • 2026年3月株式会社ビスキャスの解散に伴い、同社は当社の持分法適用範囲から除外された。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    既存事業の収益最大化とポートフォリオ変革

    成長性と収益性の指標で事業を可視化し、資本効率を重視した経営資源配分を実施。事業再編・撤退やM&Aを通じて事業ポートフォリオを最適化し、データセンタ関連需要を取り込むための製造能力増強や高付加価値製品の開発・拡販に取り組む。

  2. 02

    新規事業創出に向けた基盤整備

    4つのコア技術(メタル、ポリマー、フォトニクス、高周波)を活用し、デジタル技術とデータ利活用を推進。B5G対応のフォトニクス製品開発や、ライフサイエンス、レーザ応用、超電導、グリーンLPガスの4領域で事業化を加速する。

  3. 03

    ESG経営の基盤強化とサステナビリティ推進

    環境目標2030の達成に向け、再生可能エネルギー比率向上や温室効果ガス削減に取り組む。社会面ではパーパスの浸透と従業員エンゲージメント向上、ガバナンス面では監査等委員会設置会社への移行やESG連動報酬制度を導入し、サステナブルな経営を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で49,112人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は749万円で、9期前と比べて+2.0%平均年齢は43.4歳、平均勤続年数は18.4年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月52,254
2018年3月51,925
2019年3月73544.219.652,215
2020年3月72144.119.450,232
2021年3月69243.618.848,449
2022年3月69643.818.450,867
2023年3月68543.719.951,314
2024年3月67843.819.752,757
2025年3月69843.519.151,16792
2026年3月74943.418.449,112130

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率6.3%
縦線は目安の30%
男性育休取得率95.1%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)75.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社29(国内 18 / 海外 11) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
千葉事業所 — 千葉県市原市241億円
インフラ、サービス・開発等
三重事業所 — 三重県亀山市169億円
インフラ、機能製品、電装エレクトロニクス
インフラ — Lightera, LLC (アメリカ・ノークロス)168億円
日光事業所 — 栃木県日光市162億円
機能製品、電装エレクトロニクス、サービス・開発等
本社及び本社管轄 — 東京都千代田区155億円
全社(全社的管理業務・販売業務)
平塚事業所 — 神奈川県平塚市122億円
インフラ、機能製品、サービス・開発等
機能製品 — 台日古河銅箔股份有限公司(台湾・雲林県)100億円
機能製品 — FURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS AND PRODUCTS LAGUNA, INC. (フィリピン・ラグナ)9,228百万円
サービス・開発等 — 古河日光発電㈱(栃木県日光市)7,539百万円
電装エレクトロニクス — FURUKAWA AUTOMOTIVE SYSTEMS VINH LONG VIETNAM INC. (ベトナム・ヴィンロン)7,511百万円
ほか5件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    岡野電線㈱
    神奈川県大和市
    議決権100.0%
  • 国内
    古河電工メタルケーブル㈱(注)8
    東京都荒川区
    議決権100.0%
  • 国内
    古河電工パワーシステムズ㈱(注)8
    横浜市青葉区
    議決権100.0%
  • 国内
    MFオプテックス㈱(注)8
    兵庫県尼崎市
    議決権80.0%
  • 国内
    古河樹脂加工㈱(注)8
    千葉市美浜区
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱古河テクノマテリアル(注)8
    神奈川県平塚市
    議決権100.0%
  • 国内
    古河日光発電㈱(注)8
    栃木県日光市
    議決権100.0%
  • 国内
    古河ネットワークソリューション㈱(注)8
    神奈川県平塚市
    議決権100.0%
  • 国内
    古河AS㈱(注)3,8
    滋賀県犬上郡
    議決権100.0%
  • 国内
    古河ファイテルオプティカルデバイス㈱(注)8
    千葉県市原市
    議決権70.6%
  • 国内
    古河精密金属工業㈱(注)8
    栃木県日光市
    議決権100.0%
  • 国内
    理研電線㈱(注)8
    東京都中央区
    議決権100.0%
残りのグループ会社17社を開く
  • ㈱白山石川県金沢市67%
  • 古河エレコム㈱(注)8東京都千代田区100%
  • 古河マグネットワイヤ㈱(注)8東京都千代田区100%
  • ミハル通信㈱(注)8神奈川県鎌倉市100%
  • Lightera, LLC (注)3アメリカ100%
  • Lightera LatAm S.A. (注)3ブラジル100%
  • American Furukawa,Inc. (注)3アメリカ100%
  • 古河銅箔股份有限公司台湾100%
  • 台日古河銅箔股份有限公司台湾82%
  • Furukawa Electric Singapore Pte. Ltd.シンガポール100%
  • Furukawa FITEL (Thailand) Co., Ltd.タイ100%
  • Furukawa Precision (Thailand) Co.,Ltd.タイ100%
  • Thai Furukawa Unicomm Engineering Co.,Ltd.タイ92%
  • Furukawa Automotive Parts (Vietnam) Inc.ベトナム100%
  • PT. Tembaga Mulia Semanan Tbk. (注)4,6インドネシア42%
  • Trocellen GmbHドイツ100%
  • Asia Vital Components Co.,Ltd. (注)7台湾15%
国際子会社 (GLEIF登録 5社)
  • JP古河AS株式会社
  • HUFURUKAWA ELECTRIC TECHNOLÓGIAI INTÉZET KORLÁTOLT FELELŐSSÉGŰ TÁRSASÁG
  • CZFurukawa Electric Autoparts Central Europe, s.r.o.
  • DEOFS Fitel Deutschland GmbH
  • USAMERICAN FURUKAWA, INC.

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業先端半導体製造技術の開発光チップレット実装技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-03-19
    68.8億円
  • 調達
    多用途多端子直流送電システムの基盤技術開発ケーブル防護管取付等の工法開発及び新型ケーブル敷設船等の基盤技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-07-28
    5.6億円
  • 調達
    経済安全保障重要技術育成プログラム/高度な金属積層造形システム技術の開発・実証高付加価値設計・製造を実現する統合型レーザー金属積層造形技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2025-01-10
    5.1億円
  • 調達
    多用途多端子直流送電システムの基盤技術開発直流深海ケーブルの開発(単芯水深1500m級)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-08-28
    5.1億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた燃料製造技術開発化石燃料によらないグリーンなLPガス合成技術の開発革新的触媒・プロセスによるグリーンLPガス合成技術の開発・実証
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-06-13
    3.4億円
  • 調達
    【関東地方整備局、本局】R1光ファイバ線路監視装置1式購入
    国土交通省 · 2019-07-25
    1.9億円
  • 調達
    海底電力ケーブル買入
    海上保安庁 · 2018-09-03
    1.8億円
  • 調達
    令和2年度 光ファイバ線路監視装置一式製造
    国土交通省 · 2020-05-12
    1.3億円
  • 調達
    【関東地方整備局、本局】H30光ファイバ線路監視装置1式購入
    国土交通省 · 2018-12-06
    1.2億円
  • 調達
    光ファイバ線路管理装置改修
    国土交通省 · 2022-06-09
    1.1億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.3兆円営業利益639億円前期と比べると増収増益で、売上が+8.8%、利益が+36.0%。

売上高
+8.8%
1.3兆円
営業利益
+36.0%
639億円
純利益
+117.1%
725億円
営業利益率
4.9%
前期比 +1.0%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.5兆円1.3兆円
営業利益1,230億円639億円
純利益1,050億円725億円
1株あたり配当¥22¥22

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は3,652億円、営業利益は255億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+48.2%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q2,80435
2024年1Q2,464−28−1.1−17
2024年2Q2,567−18−0.7−24
2024年3Q2,622401.5−24
2024年4Q2,912130
2025年2Q5,7041753.1112
2025年4Q6,3142954.7222
2026年2Q6,1071943.2129
2026年4Q6,9694456.4596
2027年1Q3,6522557.0222

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は9,247億円から1.3兆円へ1.4倍に増えた。直近期の営業利益率は4.9%。売上は2期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.9217636
2014年3月0.9325556
2015年3月0.8718674
2016年3月0.87187100
2017年3月0.84360176
2018年3月0.97469285
2019年3月0.99391291
2020年3月0.91228176
2021年3月0.8152100
2022年3月0.93197101
2023年3月1.07173159
2024年3月1.0610365
光ファイバ・ケーブル事業の再編を実施し、同事業を当社が新たに設立した連結子会社であるライテラジャパン株式会社に承継させた。
2025年3月1.204704853.9334
2026年3月1.316397594.9725

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.3兆円のうち、営業利益として残るのは639億円4.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は725億円、売上の5.5%にあたる。営業利益率は業種中央値5.8%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金82.4%1.1兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金12.7%1,660億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益4.9%639億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
17.6%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比0.9pt
4.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.5pt
5.5%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+10.9pt
19.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
6.8%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
4.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが281億円、投資CFが−471億円で、差し引きのフリーCFは−190億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は705億円で、売上の0.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月549−449−114100305
2014年3月189−403299−214253
2015年3月415−235−155180295
2016年3月41619−209435517
2017年3月404−364−10440461
2018年3月384−343−1941498
2019年3月465−310−194155468
2020年3月419−331−288551
2021年3月−5−19351−24872
2022年3月−133−401350−534676
2023年3月365−217−345148520
2024年3月319−248−9371531
2025年3月598−72−441526661
2026年3月281−471199−190705

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.1兆円。このうち返さなくてよい自己資本が4,352億円で、自己資本比率は39.1%(業種中央値53.7%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月0.822,2285,96920.2
2014年3月0.711,9975,15124.8
2015年3月0.732,1475,19426.0
2016年3月0.711,9865,07124.5
2017年3月0.752,3715,13027.6
2018年3月0.812,7215,36529.2
2019年3月0.822,7995,38130.3
2020年3月0.792,7305,21630.2
2021年3月0.832,9185,40231.3
2022年3月0.943,1436,21629.9
2023年3月0.933,2936,04232.3
2024年3月0.983,5826,26833.3
2025年3月0.993,7386,14334.6
2026年3月1.074,3526,31139.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
692億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
2,647億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
751億円
在庫として抱えている分
負債合計
6,311億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
66
/ 100
安定性自己資本比率26 / 40
収益力営業利益率10 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

非鉄金属 32社との比較

同じ非鉄金属の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE32社中6位あたり、逆に低いのは配当利回り32社中26位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
19.1%/中央値 8.2%
P25 6.1%P75 15.4%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
4.9%/中央値 5.8%
P25 3.8%P75 9.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
39.1%/中央値 53.7%
P25 41.3%P75 57.9%
売上成長率前期からの売上の伸び
8.8%/中央値 9.0%
P25 5.3%P75 17.1%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.6%/中央値 2.1%
P25 0.8%P75 3.7%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥3,752で、1年前と比べて+341.4%過去52週の値幅のなかでは54%の位置にある。

¥3,752-2.7%1ヶ月+5.2%1年+341.4%時価総額2,651億円
過去52週の値幅
安値¥832.5高値¥6,241

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)36.4倍
PER (会社予想)25.1倍
PBR6.04倍
配当利回り0.59%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月中旬の3,262円から8月上旬に3,919円まで急伸し、その後も上値を追う展開。直近は8月18日に高値4,368円を付け、20日は3,864円と2.49%高。52週高値6,241円には届かないが、52週安値826.5円からは約4.7倍の水準。25日線は3,616円で株価は上回って推移し、25日線乖離は約6.9%とプラス圏。出来高は8月上旬に7,200万株超の急増が見られ、需給の変化が明確。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 40/100)

PERは37.54倍と業界平均の22.47倍を大きく上回り、割高感がある。PBRも6.22倍と平均の2.07倍の約3倍であり、株価は高水準にある。ROEは19.12%と高いが、配当利回りは0.57%と低く、株主還元は限定的。来期予想PER25.9倍と改善が見込まれるものの、現在のバリュエーションは割高と判断する。

指標この会社業種平均
PER (実績)36.4倍22.2倍
PER (予想)25.1倍
PBR6.04倍2.02倍
ROE19.1%12.0%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

現在の投資論点は、半導体不足や自動車生産の回復に伴う車載事業の需要回復が持続するかどうか、また通信インフラ投資の拡大が光ファイバー需要を押し上げるか、という需要サイクルの位置取りにある。強気派は、2026年3月期の純利益725億円(前期比倍増)という会社計画を信任し、車載の電動化・ADAS化に伴う配線の複雑化がユニット当たりの搭載量を増やす構造的成長を指摘する。弱気派は、原料高や為替変動の影響、競争激化による採算悪化を懸念し、特に利益率の改善が計画通りでない可能性や、市場の期待が先回りしてバリュエーション(PER40倍超)が割高になっている点を問題視する。

プラスに働く材料7
  • 車載需要の構造成長

    電動化・自動運転で車両の配線量が増加し、ハーネス市場は中長期で拡大が見込まれる。

  • 通信投資の追い風

    5G・データセンター向け光ファイバー需要が旺盛で、受注が高水準。

  • 利益率改善計画

    2026年3月期は営業利益率4.9%へ改善見込み、純利益は倍増の725億円。

  • 今期営業利益639億円で最高益更新決算発表後影響

    営業利益は前期比169億円増の639億円、営業利益率は4.89%に改善

  • 純利益が334億円から725億円へ急拡大通年影響

    純利益は334億円から725億円へ391億円増加、最終損益の改善が株主価値を押し上げ

  • ROE19.12%を維持し資本効率が高い継続影響

    ROE19.12%は資本コストを上回り、PBR7.12倍の評価を正当化

  • 外国人株主比率41.39%と高い需給抵抗力継続影響

    外国人持ち株比率41.39%と高く、好材料時の継続買い期待

マイナスに働く材料7
  • 原材料・為替の影響

    銅価格や為替変動が利益を圧迫するリスクがあり、原料高局面では採算が悪化。

  • 競争激化

    アジア勢などの価格競争が激しく、シェア維持には値引きが必要。

  • バリュエーション懸念

    株価が1年で4倍超に上昇し、PER40倍超と割高感がある。

  • 予想PER28.3倍でも割高修正の恐れ決算発表後影響

    現在PER40.9倍、予想PER28.3倍と高水準で、決算次第では急落も

  • 配当利回り0.52%と株主還元が手薄通年影響

    配当利回り0.52%は低位で、利回り投資家の買いが入りにくい

  • 営業利益率4.89%は割高PERの正当性を弱める通年影響

    営業利益率は4.89%と低く、利益規模の拡大がなければ評価修正

  • 1年で株価4.2倍、急伸後の利益確定売り不定影響

    年間上昇率415.89%と過熱、短期売買の巻き戻しで調整

次の決算で確かめる点
車載ワイヤハーネス受注高
自動車生産回復と電動化の進展で需要の強さを測る重要な指標。
光ファイバー売上高
通信インフラ投資の動向とシェア維持の確認に必要。
営業利益率
計画通りの収益改善が達成されているかを確認するため。
海外売上比率
グローバル市場での競争力と事業ポートフォリオの健全性を評価。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり22で、前期から+75.0%いまの株価に対する利回りは0.59%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥22
1株あたり
配当利回り
0.59%
いまの株価に対して
配当性向
24.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月635.6
2018年3月845.530.4
2019年3月96.327.9
2020年3月90.033.0
2021年3月6−29.417.4
2022年3月60.0
2023年3月833.322.3
2024年3月6−25.0221.0
2025年3月12100.026.1
2026年3月2175.024.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥22

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ33,610人。区分でいちばん多いのは外国法人41.4%。グループ会社や銀行などの安定株主が38.1%を占め、残る61.9%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人17.120.423.125.221.741.4
金融機関43.240.042.242.138.934.4
個人・その他26.927.725.924.224.814.5
証券会社5.45.02.12.38.75.9
事業法人7.36.86.66.15.83.8
自己株式0.10.10.10.10.10.1
外国人個人0.10.10.10.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)16.74
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)6.48
03朝日生命保険相互会社1.93
04HSBC-FUND SERVICES HSBC - 006 MF EFM1.56
05野村信託銀行株式会社(投信口)1.51
06みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 朝日生命保険口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行1.49
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 5050011.44
08JP MORGAN CHASE BANK 3857811.43
09みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行1.38
10BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)1.35

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近6
  • 2026-08-06
    三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    5.04%
  • 2026-07-07
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.20%
    -0.05pt
  • 2026-06-19
    三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    2.36%
    -1.01pt
  • 2026-06-05
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    1.75%
  • 2026-05-12
    株式会社みずほ銀行
    新規の大量保有報告
    1.38%
  • 2026-05-11
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.25%
    -0.74pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+20219%、1株純資産は14期で+2426%。直近期のROEは19.1%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月52352.341.414.2
2014年3月82513.332.473.9
2015年3月102704.019.549.1
2016年3月1422,4535.517.1
2017年3月2492,9339.316.135.6
2018年3月4053,35612.914.130.4
2019年3月4133,51412.06.827.9
2020年3月2503,4097.27.833.0
2021年3月1423,6894.020.917.4
2022年3月1433,9703.715.2
2023年3月2264,2885.510.922.3
2024年3月924,6602.135.0221.0
2025年3月4734,84510.010.426.1
2026年3月1,0305,92819.127.924.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

2026/3期の役員報酬は総額553百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約7倍にあたる。

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)61842531753
社外取締役10959510
取締役(社内)5616112
社外取締役2252513
取締役(社内)1232323
監査役323238
社外監査役3993

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

ニュース

AI解説

今日の重要ニュースより

「今日の重要ニュース」で古河電気工業を取り上げた解説を、新しい順に並べている。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容511字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当企業集団は、インフラ、電装エレクトロニクス、機能製品の各事業において培われた技術を発展、応用した製品の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する研究及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。 当連結会計年度末における当企業集団の事業内容、各関係会社の当該事業に係わる位置づけ及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。 インフラ   当社、Lightera, LLC、Lightera LatAm S.A.、ライテラジャパン㈱、古河電工メタルケーブル㈱他が製造及び販売を行っております。 電装エレクトロニクス   当社、古河AS㈱、古河マグネットワイヤ㈱他が製造及び販売を行っております。 機能製品   当社、Trocellen GmbH、古河銅箔股份有限公司、台日古河銅箔股份有限公司他が製造及び販売を行っております。 サービス・開発等   当社、古河日光発電㈱他が各種サービス事業及び新製品研究開発等を行っております。 なお、販売会社については、主に取り扱う製品の種類により、各セグメントに区分しております。 以上の項目を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題19,933字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 ■古河電工グループの理念体系 当社グループは、古河電工グループ パーパス(以下、パーパス)「『つづく』をつくり、世界を明るくする。」を軸とした経営を推進しています。当社グループのパーパスは、「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、ビジョン2030)に向けた全社戦略及び全ての経営判断・戦略立案の起点となる概念です。 古河電工グループ理念体系において、「パーパス」は私たちの存在意義、「ビジョン」は目指す姿を示し、「Core Values」は全社員が共有する共通の価値観として基盤を形成するものです。これらは、全体が関係し合い、当社グループの持続的成長を支える枠組みです。 ■古河電工グループ パーパス* 当社グループのパーパスは、経営の判断軸となり、多様なステークホルダーから真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業グループとして認知され、従業員が誇りを持って挑戦し続けるために定めた当社グループの存在意義を明文化したものです。創業以来磨き続けてきた技術力と提案力を強みとし、さまざまな社会課題に向き合い挑戦することで、よりよい未来へとつながる「つづく」をつくることが当社グループの存在意義である、との思いを込めています。また、創業者である古河市兵衛の「日本を明るくしたい」という思いを継承しつつ、グローバルに事業を展開していることを鑑みた表現にしています。 *「古河電工グループ パーパス」は、2024年3月に制定され、2024年4月19日から施行されています。 ■古河電工グループ ビジョン2030 ビジョン2030は、当社グループが目指す姿を示しています。急速に大きく変化する社会に貢献し続けるには、どう変わっていけばよいか、グループが一丸となって何をしていくべきか、そのゴールを明確に共有できるように、将来社会像やパーパスを踏まえて描いた当社グループの将来のありたい姿の時間軸と領域を明確にしたものです。ビジョン2030で当社グループは「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報/エネルギー/モビリティの各領域及びこれらの融合領域において社会基盤を創り、また、更なる成長に向けては、新領域におけるこれまでにない新たな事業の創出にも取り組み、社会課題の解決を目指しています。 古河電工グループは「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報 / エネルギー / モビリティが融合した社会基盤を創る。 ■Core Values(コア・バリュー) パーパスを体現し、当社グループが持続的に成長していく上で、特に大事にし、より強化していきたい価値観として<正々堂々><革新><本質追究><主体・迅速><共創>の5つを定め、「Core Values」としています。 ■古河電工グループのサステナビリティ基本方針 当社グループは、パーパスのもと、ビジョン実現に向けた取組みを実行し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指します。こうした基本的な考え方を、「古河電工グループ サステナビリティ基本方針」と制定しています。 古河電工グループ サステナビリティ基本方針 古河電工グループは、「古河電工グループ パーパス」に基づき、収益機会とリスクを踏まえて設定した経営上の重要課題に取組み、社会課題の解決を通じて持続的な成長を目指します。 社会課題を解決する事業の強化・創出に向けて、資本効率を重視しつつ、技術力と提案力を強みとした絶え間ないイノベーションや多様なステークホルダーとの共創により事業を変革し続けます。 国内外の法令、社会規範や倫理に従うとともに、適切な情報開示と積極的なコミュニケーションを通じて、全てのステークホルダーとの健全で良好な関係を維持・向上させ、社会の持続的な発展に貢献します。 (2)経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題 本項は、当社グループの経営全体の方向性を示すものです。25中計の振り返り、外部環境認識と当社が取り組むべき課題(対処すべき課題)、パーパスを軸としたサステナブルな経営、ビジョン2030実現及び持続的な成長に向けた経営方針と取組み、実行を支える体制、を記載しております。 また、これらのうち、サステナビリティ関連のリスク及び機会として重要性が高い「気候変動」及び「人的資本」については、「2[サステナビリティに関する考え方及び取組]」において詳細を記載しております。 1)25中計振り返り 当社グループでは、ビジョン2030のありたい姿からのバックキャストで中間地点としての2025年の目指す姿を定義し、その実現に向け2025年度を最終年度とする4か年の中期経営計画「Road to Vision 2030 -変革と挑戦-」(以下、25中計)を2022年度に策定し、各施策に取り組んでまいりました。 具体的には、情報/エネルギー/モビリティの各領域及びこれらの融合領域における社会課題解決型事業の強化・創出を掲げ、収益の拡大に向けた取組みとして、「資本効率重視による既存事業の収益最大化」及び「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」を推進、また、これらを下支えする「ESG経営の基盤強化」に取り組んでまいりました。 また、ビジョン2030を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、収益機会とリスクの両面でマテリアリティを特定し、それぞれに指標・目標を「サステナビリティ指標・目標」と設定しました。この目標達成により、ビジョン2030を実現するとともに、SDGsの達成にも寄与すること、さらには、当社グループの中長期的な企業価値向上を目指して取り組んでまいりました。 (ⅰ)資本効率重視による既存事業の収益最大化 成長性と収益性の指標を用いて事業の位置付けを可視化し、その結果に応じて経営資源を成長が見込まれる分野に集中して配分することにより、資本効率性を意識した経営管理を推進するとともに事業ポートフォリオの見直しを図ってまいりました。 事業ポートフォリオ最適化のため、事業の再編・撤退、企業買収等の事業ポートフォリオの変革を推進し、戦略投資枠の活用による積極的なM&Aや資本提携などを実施してまいりました。 〔主な事業ポートフォリオの最適化の取組み〕 ・光ファイバ・ケーブル事業の運営体制を刷新し、各地域における事業を統合。新ブランド「Lightera*」のもと、一体となったグローバル経営により効率的かつ迅速な意思決定を可能とする体制を整備。 ・メタル電線事業を再編し、事業運営の効率化による相乗効果を発揮することで、多様化・高度化するニーズに迅速に対応。 ・光コネクタにおいて開発力・コスト競争力に強みを持つ会社や高速光変調器において世界トップレベルのシェアを有する会社を子会社化し、シナジーの発揮による成長市場における当社の優位性を確立。 ・一部の関係会社に関する株式売却により、成長分野への再投資に向けてノンコア事業や不採算事業を切り離すことで、資本効率を改善。 また、拡大が続くデータセンタ関連需要を確実に取り込むため、高速大容量・低遅延通信等の実現に貢献する製品群、及びサーバ等の高発熱化に対応する放熱・冷却製品群の製造能力を増強するとともに、これらの高付加価値製品の開発や増産、拡販を通じた収益基盤の拡大に取り組んでまいりました。このほか、販売価格の適正化及び業務プロセス改善の取組みによる原価低減を図ってまいりました。 * Lightera: 当社グループの光ファイバ・ケーブル事業におけるブランド名称。 (ⅱ)開発力・提案力の強化による新規事業創出に向けた基盤整備 素材力を核として長年培ってきた「メタル」「ポリマー」「フォトニクス」「高周波」の4つのコア技術を活用するとともに、デジタル技術やデータの利活用を推進し、課題解決を起点とした製品・サービスの開発・提供を通じて、新たな社会課題解決型事業創出に向けた基盤整備を図ってまいりました。 情報領域において、B5G*社会に対応するため、データトラフィックの増加への対応やデータセンタの高速大容量化・低消費電力化の推進が求められるなか、当社のコア技術であるフォトニクス技術及び高周波技術を生かし、光電融合を実現する高機能なフォトニクス製品を開発することにより、オール光ネットワークと高効率エネルギー社会の実現を図ってまいりました。 加えて新領域においては、市場視点でのマーケティング活動を通じて、自社技術に基づく知見を生かし国内外のパートナー企業と共創するとともに、部門横断的な事業開発を促進してまいりました。具体的なテーマとして「ライフサイエンス」、「レーザ応用」、「超電導」及び「グリーンLPガス*」に注力し、事業化に向けた取組みを加速してまいりました。「ライフサイエンス」については、医療・産業機器向け光ファイバ及び光関連部品を製造する会社を子会社化してフォトニクス技術の活用による非通信領域に関する事業の強化を進めてまいりました。「レーザ応用」については、環境負荷の低減及び作業環境の安全性・快適性向上に貢献し、金属表面の塗膜や錆を非接触で除去できるレーザ施工システムに関して、複数の顧客との共同開発や実証実験を進め、大手鉄道会社において実運用が開始されました。「超電導」については、次世代のエネルギー源として期待される核融合*炉の開発を進める英国の顧客に対する高温超電導線材の供給や同社への出資を通じたパートナーシップの強化などを推進してまいりました。「グリーンLPガス」については、独自開発したラムネ触媒®をはじめとする複数の触媒及びこれらを用いたバイオガスの分子構造を変更するプロセスを開発することにより、高効率にグリーンLPガスを合成できる基盤技術の構築に取り組んでおり、さらに世界に先駆けてグリーンLPガスの量産に向けた実証プラントの建設を進めてまいりました。 * B5G(Beyond5G):5G(第5世代移動通信システム)を引き継ぎ高度化した次世代移動通信システム。5Gの特徴(高速・大容量、低遅延、多数端末との接続)の更なる高度化に加えて、空・海・宇宙への利用領域の拡張、超低消費電力、超高信頼等の特徴を備えることが想定されている。6G(第6世代移動通信システム)とも呼ばれる。 * グリーンLPガス:バイオガス(家畜の排泄物や生ゴミなどを発酵させた際に発生するメタンガスと二酸化炭素の混合ガス)やDAC(Direct Air Capture(直接空気回収技術))から得られる二酸化炭素、再生可能エネルギーを用いた水電解による水素など、これらの環境負荷の低い原料をもとに生成したLPガスのこと。 * 核融合:強力な超電導マグネットで高温プラズマ(数億度)を閉じ込め、核融合反応でエネルギーを発生させる。核融合の燃料の元は海水(重水素(2H))であり、二酸化炭素(CO₂)を排出せずに発電可能で環境負荷も低いことから、核融合による発電は次世代のエネルギー源として期待されている。 (ⅲ)ESG経営の基盤強化 環境(Environment)に関する取組みとして、脱炭素社会及び水・資源循環型社会への貢献等を掲げた「古河電工グループ環境目標2030」の各目標を達成するための施策に取り組んでまいりました。太陽光発電設備の導入を進めるなど電力消費量に占める再生可能エネルギー比率の向上への取組みなどにより、温室効果ガス排出量削減率に関する目標値の早期達成につながりました。このような施策への取組みが認められ、企業や自治体の環境情報開示を促進する国際的な非営利団体であるCDPから、2025年度に気候変動と水セキュリティの2分野で「Aリスト」、サプライヤーエンゲージメント評価で「リーダーボード(A)」に選定をされたほか、2026年1月には、環境省から非鉄金属業界初となる「エコ・ファースト企業」の認定を受けました。 社会(Social)に関する取組みとして、当社グループの存在意義を表す古河電工グループ パーパス「『つづく』 をつくり、世界を明るくする。」を2024年3月に制定し、このパーパスについて従業員の理解促進及び共感の醸成を目的とした活動を実施し、これにより従業員が当社グループで働くことへの誇りをもつことにつなげることで従業員エンゲージメントの向上を推進してまいりました。また、従業員個々人と組織がともに実行力を向上させ成長するため、現状をモニタリングする調査を実施し、その結果を踏まえた改善施策に取り組んでまいりました。これらの取組みにより、「人材・組織実行力の強化」を着実に進め、人的資本投資を通じた持続的な企業価値向上を図ってまいりました。 ガバナンス(Governance)に関する取組みとして、コーポレートガバナンスの一層の充実を推進するため、2025年6月に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。また、ESGの取組みを一層推進するための仕組みとして、ESG連動報酬を加えた役員報酬制度を2023年7月から運用しております。さらに、国際的な行動規範に基づき人権デューディリジェンスの仕組みを構築し、従業員及びサプライチェーンにおける人権リスクの再評価により新たに特定したリスクについて、それらを低減させる施策に取り組んでまいりました。 〔経営指標の振り返り〕 25中計において、資本効率を意識した事業の強化と創出を行うため、投下資本利益率(ROIC)や自己資本利益率(ROE)等を経営指標として重視してまいりました。これらの取組みの結果、2025年度に達成すべき基準として設定した各財務目標値は全て達成いたしました。また、サステナビリティ目標値(25中計期間において毎年度達成すべき基準として設定した目標値を含む)についても概ね達成いたしました。なお、目標が未達となった「従業員エンゲージメントスコア」についてはその改善に向けてパーパスの浸透活動を通じた組織風土の醸成を、「管理職層に占める女性比率」については管理職層の労働環境改善及びキャリアデザインに関する教育機会の提供等の取組みを、引き続き実施してまいります。 2025年度の財務目標値及び実績値 目標値   実績値 ROIC(税引後)   6%以上   12.2% ROE   11%以上   19.1% Net D/Eレシオ   0.8以下   0.6 自己資本比率   35%以上   39.1% 連結売上高   1.1兆円以上   1.3兆円 連結営業利益   580億円以上   639億円 親会社株主に帰属する当期純利益   370億円以上   725億円 2025年度のサステナビリティ目標値及び実績値 サステナビリティ指標   2025年度 目標   2025年度 実績   結果 (*7) 環境調和製品売上高比率   70%   72.1%   達成 新事業研究開発費増加率 (2021年度基準)(※)   125%   156%   3年間達成 事業強化・新事業創出テーマに対するIPランドスケープ実施率   100%(*1)   100%(*1)   達成 温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)(2021年度基準)(*2)   △18.7%   △44%(見込)   達成見込 電力消費量に占める再生可能エネルギー比率(*2)   30%   53%(見込)   達成見込 従業員エンゲージメントスコア(*3)    80   76   未達成 (単体)管理職層に占める女性比率   7.0%   6.3%   未達成 (単体)新規採用者に占めるキャリア採用比率(管理職層、総合職、一般職)(※)   30% (*4)   52.8%   毎年達成 全リスク領域に対するリスク管理活動フォロー率(※)   100%   100%   毎年達成 主要取引先に対するCSR調達ガイドラインに基づくSAQ(*5)実施率   100%   100%   達成 管理職に対する人権リスクに関する教育実施率(※)(*6)   100%   100%   毎年達成 ※:単年度別目標型の指標。その他は2025年度到達目標型の指標。 *1:2022年度に設定したテーマに関して全件実施を意味する100%を目標としたが、2024年度において達成済み。 *2:環境目標2030改定(2022年度)に伴い基準年度や目標値を改定。 *3:2022年度に目標値設定。2023年度に対象範囲を国内外グループ会社に拡大、単体目標からグループ目標に変更。 *4:各年度30%程度を維持する事を意味する。 *5:SAQ(Self-Assessment Questionnaire):自己評価アンケート。 *6:2022年度に国内開始を目標として開始したが、毎年グループで100%達成。 *7:到達目標の場合は2025年度時点、各年目標の場合は達成年数を記載。 2)外部環境認識と当社グループが取り組むべき課題(対処すべき課題) (ⅰ)外部環境認識 当社グループを取り巻く外部環境は、大きな変化が生じています。これらは当社グループにとって大きな成長機会である一方、供給責任・人材確保などの重大リスクの増大を意味すると捉えています。 (ⅱ)経営上の重要課題 これらを踏まえ、ビジョン2030を実現する経営戦略を具体化すべく、当社グループでは、約2年間にわたり、経営会議及び取締役会メンバーで約20回の討議機会を設け議論してまいりました。その議論を経て、収益機会とリスク、財務と非財務の双方で、ビジョン2030の実現やその先の持続的な成長に大きく影響を与える可能性のある課題として優先的に対処すべき経営上の重要課題を、社会課題解決による価値創造を推進するための2項目、その価値創造を持続可能にする経営基盤を確立するための4項目、合わせて6項目に設定しました。 〔社会課題解決による価値創造を推進するための経営上の重要課題〕 ▷ 情報をベースとした社会基盤の創出 ▷ 社会課題解決に資する新しい事業への挑戦 〔価値創造を持続可能にする経営基盤を確立するための経営上の重要課題〕 ▷ 事業・製品ポートフォリオの最適化 ▷ 労働生産性の向上 ▷ 人的資本の最大化 ▷ ガバナンスの強化・リスク耐性の向上 〔経営上の重要課題特定プロセス〕 経営上の重要課題の特定は、Step1~Step4のプロセスで行いました。まず、Step1では「外部要因」と「内部要因」に基づき社会課題を洗い出し、重要項目リストを作成しました。Step2では「株主・投資家にとっての重要度」を高・中・低 で評価しました。Step3では「ビジョン2030実現にとっての重要度」 をリスクと機会の発生可能性や時期、財務影響度などで高・中・低で評価しました。Step4では、Step2~3で評価した優先度の高い項目を、「ビジョン2030実現にとっての重要課題」と「企業の社会的責任を果たしステークホルダーとの信頼関係強化に向けた重要課題」に分類し、さらに前者を整理し、ビジョン2030実現に向けた経営上の重要課題を特定しました。なお、今後は定期的にこれらのステップを行い必要に応じて重要課題の見直しを行います。 ※なお、従来当社グループでは、ビジョン2030を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義してまいりましたが、このたび、ビジョン2030の実現や持続的な企業価値向上に大きく影響を与える可能性のある課題(機会とリスク)(財務・非財務)を優先すべき「経営上の重要課題」と設定しました。 3)パーパスを軸としたサステナブルな経営 当社グループは、25中計期間において、資本効率を重視した収益最大化のための事業構造改革、新事業創出の基盤整備を進めてまいりました。また、ESG経営の基盤強化を重点施策の1つとし、価値創造プロセス設計のなかで、財務目標に加えて、環境・社会・ガバナンスに関する非財務項目についても目標を掲げ、持続可能な企業価値向上に向けて取り組んでまいりました。 2026年度以降は、パーパスに基づくサステナブルな経営を実践してまいります。近年の外部環境変化を踏まえると、企業価値に影響する要素は財務・非財務の両面にまたがり、また、収益機会とリスクは一体的に追求していく必要性が増していることから、経営上の重要課題ごとに機会とリスク双方の戦略・施策・指標を明確化し、また、財務だけでなく非財務事項の将来財務価値を踏まえて総合的に管理し、企業価値向上に結び付けてまいります。 これらの考え方は、サステナビリティ基本方針に則るものであり、当社グループのパーパスに基づく経営の実践そのものでもあります。当社グループはESG経営を超え、パーパスに基づいた経営を実現し、ビジョン2030の実現と持続的な成長を目指します。 4)ビジョン2030実現及び持続的な成長に向けた経営方針 急速に変化する外部環境、それに伴う社会課題、そして当社グループの特徴、事業機会・リスクを総合的に勘案し、優先的に対処すべき経営上の重要課題を選定し、それらに注力することで、社会課題解決による価値創造の推進と持続的な価値創造の経営基盤の確立を目指します。具体的には以下の通りです。 (ⅰ)基本戦略(26年度以降の価値創造戦略) 当社グループは、4つのコア技術(メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波)を保有し、それら個々の領域に加え、特定市場に限定されない融合領域で社会課題解決に貢献できることを強みとしています。またそれら幅広い領域でのステークホルダーとの信頼関係構築により、長年開発力・提案力を磨いてまいりました。これらが当社グループの競争力の源泉です。そこで、当社グループの持続的な事業成長のため、特に2030年に向けては、需要拡大が続くデータセンタ領域に経営資源を集中し、高速・大容量通信基盤の構築、情報の高度化とエネルギー問題の両立に貢献することによる価値創造を通じて、企業価値を向上します。加えて、2030年以降のさらなる成長に向けて新領域での新事業創出にも果敢に挑戦し、社会課題解決による価値創造を継続してまいります。 また、これら注力領域の事業拡大を実現するため、競争力強化につながる様々な対応や長期的な視点での資本効率向上、資本コスト低減、ガバナンス体制・リスク耐性の強化を徹底し、2030年以降にもつづく価値創造を持続可能とする経営基盤を確立してまいります。 そして、これらの実効性を高めるため、2026年度から執行力を強化する組織体制に変更しました。事業の組み替えや研究開発や営業などの本部機能を事業部門へ大幅移管するとともに、CXO*制を導入し経営上の重要課題ごとに担当CXOを置きました。各重要課題には2030年の到達状態を示す成果指標とその実現のために日常的に管理・改善すべき行動・プロセス・結果を測る指標を設定します。各CXOが経営者として経営全体に責任を持ちつつ、実効性ある取組みをスピード感を持って推進し、担当する経営上の重要課題の解決にあたります。 * CXO(Chief X Officer):各機能・重要課題に責任を持つ役員体制。 (ⅱ)経営上の重要課題に対する取組み ビジョン2030の実現やその先の持続的な成長に大きく影響を与える可能性のある課題として優先的に対処すべき経営上の重要課題に設定した全6項目の考え方や具体的な取組みは次の通りです。「社会課題解決による価値創造」と「価値創造を持続可能にする経営基盤確立」に分けて記載します。 〔社会課題解決による価値創造〕 AIの急速な拡大・普及により世界のデータセンタ市場は高成長が見込まれ、大容量化・高密度化が加速しています。これに伴い、電力消費量の増加も課題になっています。こうした社会課題解決に貢献できる当社グループは、データセンタ関連市場を重要な収益機会と捉え、当該領域における事業の拡大を重点的に推進します。加えて増加する電力消費量に伴うエネルギー問題の解決に資する領域への取組みも加速します。さらに、中長期的な成長事業を一層強化・創出するため、人と社会の「つづく」をつくる、社会課題解決に資する新たな価値の創出、事業化を進めます。 ① 情報をベースとした社会基盤の創出 データセンタ市場拡大を捉えることが当面の競争力の源泉です。具体的には、データセンタ向け光関連製品等の拡販を継続するとともに、高付加価値製品へのシフト及びソリューション提供の拡充を進め、付加価値の向上を図ります。また、データ処理量の爆発的増加に伴う電力需要拡大を背景とした脱炭素・電力レジリエンス強化の潮流が加速する中で、HVDC*や再エネ系統の大型投資が見込まれています。当社グループは長期視点で、送電インフラ強化需要を捉えこの領域への貢献を進め、2030年以降の持続的成長の柱も構築します。 一方で、市場環境の変動リスクが大きいため、市況をいち早く捉え即座にアクションを起こせるように、主要顧客からの信頼感を一層高め共創関係の構築を強化します。また、生産量拡大基調でも温室効果ガス排出量は抑制されている状態が主要顧客との取引前提条件となりつつあることや、炭素税や証書購入などによるコスト増抑制のため、生産体制の強化とともに温室効果ガス排出量抑制や再エネ比率向上などにも取り組みます。こうして足元の成長機会を確実に収益拡大につなげます。 本課題の進捗については、注力領域における事業拡大、収益性、顧客基盤、供給体制、技術開発の進捗等を総合的に確認し、成長機会の獲得と資本効率の向上につながっているかを継続的にモニタリングしています。 * HVDC(High Voltage Direct Current):長距離・大容量送電に適した高電圧直流送電方式。 データセンタ領域の圧倒的拡大に関する施策: 当社グループは、データセンタ関連市場の拡大を着実に取り込むため、ヒートシンク、 DFBレーザ*チップ・モジュール、超多心RRケーブルソリューション*、高周波基板用銅箔等、データセンタ領域の製品群を中心に、供給能力の増強及び事業基盤の強化を進めています。25中計期間中には、サーマル製品の水冷モジュール工場拡張投資(フィリピン・平塚)や、ファイテルのDFBレーザチップ工場新設投資(FFTタイ)等を決定しました。今後も、投資効果を確認しつつ必要な投資を段階的に実施していきます。加えて、大手クラウド事業者(ハイパースケーラー)を含む主要顧客との直接的な接点を拡大し、製品仕様の検討段階から当社の技術・製品を提案することで、採用機会の拡大及び取引関係の強化を図ります。さらに、CPO*(光電融合)や次世代サーマル等については、需要動向を踏まえた先行的な取り組みを進め、中長期の成長機会に備えた基盤整備を行ってまいります。 * DFB(Distributed Feedback):レーザ:特定波長の安定した発振に適した半導体レーザ。 * 超多心RR(Rollable Ribbons):ケーブルソリューション:細径高密度ケーブルソリューション。 * CPO(Co-Packaged Optics):半導体と光通信部品を近接実装し高速大容量通信と低消費電力化 を図る技術。 再エネ・HVDC領域の成長基盤構築に関する施策: 当社グループは、データセンタにおける情報の高度化とエネルギー問題の両立にも貢献すべく、再エネ・HVDC領域における事業成長基盤の構築も進めています。広域系統・HVDC案件の需要拡大を見据え、25中計期間中には、HVDCケーブルの国内生産拠点の新設(千葉県富津市)を決定しました。新工場の立上げを進めるにあたっては、主要工程に係る設備投資を機動的に実施し、AI/DX技術の適用による工程の自動化等による抜本的な生産性の向上と生産能力の増強、及び超長尺直流海底ケーブルの技術確立を進めていきます。同時に、布設・工事に係るパートナー体制の確立を進め、供給から施工までの遂行力の向上を図ります。 ② 社会課題解決に資する新しい事業への挑戦 当社グループは、中長期全社戦略の実現に向け、社会課題の解決を起点として新たな事業を創出・育成し、中長期での持続的な成長を支える新たな収益源の確立を目指しております。25中計期間中は、ソーシャルデザイン統括部の新設、IPランドスケープ*の活用、外部連携・M&A・コーポレート・ベンチャー投資の活用等により、新規事業創出に向けた基盤整備を進めました。今後は、有望な注力テーマとして設定したスケールアップテーマ(ライフサイエンス、超電導、レーザ応用)について事業化を加速するとともに、将来のスケールアップテーマへの移行を企図するインキュベーションテーマ(グリーンLPガス他)についても事業性の仮説検証と判断ゲート管理を通じて育成を進めてまいります。 本課題の進捗については、研究開発、顧客・パートナーとの共創、事業化に向けた検証、知的財産の活用、投資判断の進捗等を確認し、将来の事業化可能性と中長期的な企業価値への貢献を見極めながら管理しています。 * IPランドスケープ:経営戦略又は事業戦略の立案に際し、(1)経営・事業情報に知財情報を取り込んだ分析を実施し、(2)その結果(現状の俯瞰・将来展望等)を経営者・事業責任者と共有すること(引用:特許庁「経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究報告書」)。 スケールアップテーマ候補に関する施策: 医療機器CDMO*への進化を通じて成長加速を図るライフサイエンス ライフサイエンス領域では、当社グループの光・メタル技術を基盤として、医療用部材の供給にとどまらず、医療機器CDMO(開発製造受託)事業への展開を進めております。25中計期間中は、MFオプテックスの子会社化、ISO13485*の取得、製造能力及び設計開発能力の強化等を進め、品質・開発・製造を一体で担う体制整備を推進しました。今後は、形状記憶合金や光技術を活かして医療機器メーカーとの共創を深めるとともに、必要に応じてM&Aも活用しながら、従来にない事業成長の加速を図ってまいります。 * CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization):製品の開発から製造までを受託す る事業形態。 * ISO13485:医療機器に関する品質マネジメントシステムの国際規格。 核融合関連需要と応用市場の拡大を捉える超電導 超電導領域では、高温超電導(HTS)線材、HTS応用製品及び低温超電導(LTS)線材を中心に事業展開を進めております。各国における核融合発電実現に向けた技術検証の進展に伴い、高温超電導線材の需要拡大が見込まれており、当社グループは、米国Super Power Inc.社を中心にHTS線材供給能力の拡充と高性能差別化の両立を図っております。25中計期間中には、トカマクエナジー社への出資を通じて市場開拓を加速するとともに、コイル事業の強化や関連用途の開発を進めました。今後は、核融合発電関連の市場創成と需要伸長に貢献し続けるとともに、高磁場マグネットや電力供給ケーブル用途等への展開を通じて適用市場の拡大を図り、事業化を加速してまいります。 インフラ保全と産業高度化の両面で市場を拓くレーザ応用 レーザ応用領域では、インフラ保全向けの「インフラレーザ®」と産業用途向けレーザ装置の双方を成長機会として捉え、事業展開を進めております。インフラレーザ®は、環境負荷が低く母材を傷めにくい高精度加工技術を特徴に、鉄道、電力、船舶等の分野で採用拡大が進んでおります。また、日亜化学工業(株)殿との共同運営ラボ「CELL」の設置により、顧客との共創体制を強化しました。今後は、グループ内商流も活用しながら注力市場での拡販を進めるとともに、道路・橋梁等への適用に向けた高出力機開発、海外展開、レンタル等を含む新たなビジネスモデルの構築を通じて、事業のスケールアップを図ってまいります。 インキュベーションテーマ候補に関する施策: 実証を通じて商用化への移行を見極めるグリーンLPガス グリーンLPガス領域では、脱炭素化と地産地消型エネルギー供給の実現に向け、グリーンLPガス製造プロセスの事業化を目指しております。25中計期間中は、北海道においてベンチプラント建設を進めるとともに、道内製バイオガスを原料としたフィールド実証に着手し、実証段階への移行を進めました。今後は、実証実験を通じて技術成立性及び事業性を見極めるとともに、パートナーとの連携によりビジネスモデルの構築を進め、商用化に向けた基盤整備を進めてまいります。 新規テーマ探索と知財戦略の活用により将来の成長機会を育成するその他インキュベーション 上記テーマに加え、当社グループは、中長期での収益源を継続的に創出するため、新規テーマ探索を進めております。25中計期間中は、全テーマでのIPランドスケープ活用の他、次世代フォトニクス事業創造プロジェクトの推進等により、新規テーマの探索・選別・育成基盤を強化しました。また、知財を単なる権利保全の手段としてではなく、市場・競争環境の把握、注力領域の見極め、外部との連携先探索、事業化シナリオの具体化に活用することで、新規事業創出の実効性向上を図っております。加えて、コーポレート・ベンチャー投資枠を活用し、スタートアップとの出資・提携を通じて必要な技術・人材・市場接点の獲得を進めております。 現時点でその他のインキュベーションテーマとしては、ソーシャルDX(「みちてん」「てつてん」*等)やエアロ・スペース(LiDAR*、ヒートパイプ等)の育成を進めております。今後も、事業開発・知財・研究開発・外部連携を一体的に運用しながら、将来のスケールアップテーマにつながるテーマの継続的な創出を進めてまいります。 *「みちてん」「てつてん」:当社グループ独自のソーシャルDX関連事業。道路付帯物や鉄道沿線 設備の維持管理ソリューションを提供。 * LiDAR(Light Detection and Ranging):レーザ光を用いて距離や形状を計測する技術。 〔価値創造を持続可能にする経営基盤確立〕 注力領域へのリソース確保のため、全事業での製品ポートフォリオ最適化を徹底し資本効率の向上を図ってまいります。また、労働人口減少傾向下でも事業拡大を実現するため、生産性向上や人的資本最大化に取り組み、さらにはガバナンス強化、リスク耐性の向上などにより、長期的な資本コスト低減や持続的な価値創造につながる経営基盤を強化します。 ① 事業・製品ポートフォリオの最適化 市場環境の変化への対応や成長戦略の推進のため、事業や製品ごとの収益性・成長性の強化と全社視点での経営資源の最適配分を進めます。 本課題の進捗については、各事業の収益改善、資本効率、投資回収、成長領域へのリソース配分状況等を確認し、全社として最適なポートフォリオの実現に向けてモニタリングしています。 資本効率化のためのポートフォリオに関する施策: 当社グループにおける多様な事業のなかで、2030年に向けて成長が加速することが見込まれるデータセンタ関連事業を注力分野と位置付け経営資源を集中するとともに、全社の事業ポートフォリオ最適化に向けた検証を不断に続けてまいります。製品ポートフォリオについては、既存事業を中心に環境の変化を先取りした新製品の創出と低収益化・不採算化した製品の縮小・撤退を実施することで、最も良好な状態を維持し、収益の最大化を図ってまいります。 ② 労働生産性向上 注力領域における事業機会獲得と事業規模拡大を、人員増加のみに依存せずに実現するため、DX/AIの活用により工場の次世代化、設備の自動化、間接業務の効率化を強力に進め、労働生産性を抜本的に向上します。 本課題の進捗については、生産体制、業務効率、設備稼働、品質、安全、人的リソースの活用状況等を総合的に確認し、成長戦略の実行力向上と収益性改善につながっているかを管理しています。 労働生産性の抜本的向上に関する施策: DXと技術をフル活用した次世代工場の実現による生産性の飛躍的向上、安全・保全機能の強化を前提とした既存設備の稼働率最大化、生産ルールやプロセス改革を通じた品質・生産性向上、生成AI活用やAIエージェント強化、作業の見直しや自動化によるスタッフ業務効率化を進めます。また、グローバル市場における営業チャネルの最適化を図り、営業生産性の向上にも取り組んでまいります。 ③ 人的資本の最大化 注力領域の急拡大に対応するため、事業戦略と人材戦略を連動させ注力領域への人員確保や組織実行力の向上を進めます。また、ジョブ型制度導入などによりマネジメント機能を強化、パーパスの共感・行動促進、従業員エンゲージメント向上などにより、多様な人材が各々の役割期待を理解し能力を発揮して事業拡大に貢献する人的資本の最大化を進めます。 本課題の進捗については、従業員エンゲージメント、採用・配置・育成の状況、人材定着、組織課題、働きやすい職場環境の整備状況等を総合的に確認し、経営戦略と人材戦略の連動を高めています。 人的資本の最大化と組織実行力の強化に関する施策: 注力領域における事業機会の獲得と事業規模拡大を実現するため、事業戦略に基づく人事戦略を計画的に進めてまいります。具体的には、HRBP*体制に変更し人事部門が各職場へ入り込み、パフォーマンス向上に向けて注力事業の人員確保とリソースシフトを機動的に運用、生成AIと人の最適な役割分担を前提とした業務再設計等を進めていきます。さらに、ジョブ型人材マネジメントの基盤整備を進め、事業戦略の達成に必要な役割・職務を明確化し、適材適所の人材配置や計画的な育成を行うとともに、人材の能力発揮を高めます。 また、パーパス浸透活動を「認知・理解」から「行動・体現」フェーズへ転換し、パーパスと組織や一人ひとりとのつながりを示していくことで、持続的な企業価値向上に貢献しチームで成果を上げていく人材・組織実行力の強化を図っていきます。 詳細は「2[サステナビリティに関する考え方及び取組]」を参照してください。 * HRBP(Human Resources Business Partner):事業部門に入り込み、人材配置・育成・組織課 題解決を支援する人事機能。 ④ ガバナンスの強化、リスク耐性の向上 2026年度よりCXO制を導入し、各CXOが経営者として経営全体に責任を持ちつつ、担当する経営上の重要課題の解決に向け、スピード感ある意思決定と実効性の高い取組みを推進する体制へ変更しました。これに伴い会議体も見直し、ガバナンスを強化します。具体的には、各CXOが責任と権限を持って諸施策を遂行するとともに、新たにCXO会議を設置し、重要案件に関する論点整理と全社的視点での議論、リスク認識を考慮した課題解決策等の検討を行います。CXO会議の結果を経営会議に提言することで、経営会議における意思決定の迅速化及び高度化を図ります。 また、不確実性が高まる環境下においても重大リスクを顕在化させず価値創造を継続・推進するため、変化を先取りした重要リスクの特定や是正、適切なリスクテイクの促進などを行います。役員・従業員においてはCSR行動規範の徹底を継続し、さらに、調達・生産・物流などサプライチェーン全体でも人権尊重のための人権デューディリジェンスの実施やコンプライアンス対応力強化、安全衛生・品質・情報セキュリティ等の重要リスク領域の管理水準の向上を図り、強靭かつ安定したサプライチェーンの構築に取り組みます。 以上により、安定的な事業運営を支える組織基盤の強化を図り、成長フェーズにおける迅速で適切な意思決定とリスク耐性の向上を図ります。 本課題の進捗については、事業戦略・設備投資等の実施状況や、重要リスクの識別・評価及び対応策の実施状況、内部統制・コンプライアンス・サステナビリティ関連課題の進捗等を確認し、経営会議及び取締役会においてモニタリングを行っています。 (ⅲ)執行力強化のための体制 ビジョン2030実現に向けた施策・目標の解像度を高めるとともに、注力分野で勝ち切るための実行力を確保する必要があるとの認識のもと、2026年度より執行力強化に向けた組織の見直しと会議体の再設計を実施しました。 ① 事業の組み換え・新事業の部門化 データセンタ事業への取組み強化と新規事業育成加速のため、より迅速な対応を可能にする執行体制に変更しました。事業の組み換えを通じて、事業ポートフォリオを柔軟に再編し、成長領域へのリソース集中を加速します。具体的には、ビジョン2030で掲げる社会課題ごとに領域(セグメント)として組成し、事業戦略と組織体制の整合性を高めました。また、各領域長及び各組織に明確なミッションを設定することで、事業・製品ポートフォリオの最適化を進めます。加えて、新規事業育成を加速し注力領域の新事業部門化により、中長期での持続的な成長を支える新たな収益源を確立します。これらにより、収益機会の最大化、新事業の育成を実現してまいります。 ② 本部機能の事業直結化 注力領域の事業収益最大化のため、経営戦略や研究開発、営業や人事機能の一部を本部から事業部門へ移管しました。従来の本部機能は全社的な視点で全体最適を推進できる一方で、顧客ニーズや市場変化への即応性に課題がありました。そのため、事業戦略との一体化を図り、市場や顧客起点の計画立案や製品開発、スピード感ある提案や施策実行を実現し、価値創造を拡大していきます。 ③ CXO制導入と権限移譲による執行力強化 経営上の重要課題は、事業部門・本部機能・サステナビリティ・リスク管理を横断する論点であり、従来の組織単位管理のみでは責任の所在や意思決定が曖昧になりやすかったことが課題でした。そこで、各重要課題に対して担当CXOを置き役割とミッションを明確にしました。経営上の重要課題の解決に向け、戦略立案から実行、モニタリング、軌道修正までの執行権限と、成果指標達成の責任を各CXOが一貫して担います。各CXOが経営者として経営全体に強い責任感を持ちグループ全体最適の視点で重要課題を解決する責任者としてこれにあたります。また、経営会議における意思決定の迅速化及び高度化のため、CXO会議を設置し、重要案件に関する論点整理と全社的視点での議論、リスク認識を考慮した課題解決策等の検討を行います。これにより、データセンタ領域の伸長、再エネ・HVDCの推進、新規事業育成、生産性向上・人的資本最大化・ガバナンス強化を、横串で推進してまいります。 CXOと名称 CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー) CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー) CFO(チーフ・フィナンシャル・オフィサー) CTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー) CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー) CHRO(チーフ・ヒューマンリソース・オフィサー) CPO(チーフ・プロダクティビティー・オフィサー) CSCO(チーフ・サプライチェーン・オフィサー) CGO(チーフ・ガバナンス・オフィサー) ④ サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会 当社グループでは、サステナビリティに関する事項と、コンプライアンス・リスクを含むリスク管理事項について、実行の質・スピードを高めることを目的に、それぞれ「サステナビリティ委員会」「リスクマネジメント委員会」を設置し議論を集約しています。 サステナビリティ委員会には、経営上の重要課題の成果指標の進捗状況確認機能を付与しました。審議または確認した事項について経営会議へ報告、必要に応じてCXO会議へ課題提起を行います。経営会議が必要な議論や意思決定を行い取締役会に提案・報告、取締役会による監督を受けています。サステナビリティ委員会は、委員長を社長、副委員長をCSO、委員を全CXOで構成し、原則年に2回開催します。 リスクマネジメント委員会は、リスクアセスメント結果を踏まえたリスク評価によりリスクを俯瞰し、経営上の重要課題と関連性の強いリスクを全社的に対応すべき重要リスクと定め、サステナビリティ委員会と連携して対応しています。また、企業の社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係の強化に向けた重要課題につながるリスクについては、個別に委員会を設置して重点的に管理しています。リスクマネジメント委員会は、委員長を社長、副委員長をCGO、委員を経営層で構成し、当社グループのリスク管理・内部統制・コンプライアンスについての課題を審議し、監督・推進する体制をとっています。原則年に2回開催し、その活動内容を定期的に経営会議、取締役会に報告し、取締役会による監督を受けています。 経営上の重要課題は、機会とリスク両方の影響を捉えて特定しており、想定される阻害要因や、戦略遂行に伴い発生する可能性のあるリスク等も経営上の重要課題の各施策に盛り込んで対応しています。リスク項目を担当する各部門は、年間の取組み計画と活動実績をリスクマネジメント委員会へ半期ごとに報告し、リスクマネジメント委員会はその取組み内容について、リスク管理が適切に行われているかを評価、必要に応じて指導を行っています。これまでも、適切なリスク認識と優先的に対応すべきリスクを見極めるために定期的にリスクアセスメントを実施し、それらを通じて経営視点とオペレーショナル視点でリスクを俯瞰して全社的に対応すべき重要リスクを定め取り組んでまいりましたが、加えて、経営上の重要課題の各施策の達成、成果指標の進捗確認も行うことで、一層のリスクマネジメントに取り組んでまいります。 詳細については、「4[コーポレートガバナンスの状況等]」を参照してください。また、気候関連、人的資本のリスクマネジメント及びリスクマネジメント委員会の詳細についてはそれぞれ「2[サステナビリティに関する考え方及び取組]」「3[事業等のリスク]」を参照してください。 (3)2030年度財務到達水準、資本政策 2030年度財務到達水準は、営業利益2,500億円、自己資本利益率(ROE)20%、投下資本利益率(ROIC)15%としています。パーパスを軸とした経営戦略のもと、データセンタ市場の伸張に合わせて関連事業を中心とした成長分野への投資を加速していきます。投下資本利益額(FVA*)をモニターしながら事業・製品ポートフォリオが常に最適化された状態を目指し、営業利益水準やROE、ROICのさらなる向上を目指します。なお、経営環境、財務状況を継続的に点検することで、その変化を経営上の重要課題に対する各施策の優先順位や資本配分に適切に反映し、必要に応じて、財務到達水準も見直してまいります。 * FVA(Furukawa Value Added):EVAを当社向けにアレンジし、社内管理指標として2022年度より導入。 〔2030年度財務到達水準〕 営業利益 2,500億円 ROE      20% ROIC      15% (ご参考)2028年度の営業利益・営業利益率の見通し ※ データセンタ関連事業には、Lightera、サーマル、ファイテル、AT(半導体製造用テープ)、MD(メモリーディスク)、銅箔、光電融合デバイスが含まれます。 〔資本政策〕 2030年度までの5年間合計の投資額は6,500億円(うち注力分野投資は5,000億円)を予定しています。また、フリーキャッシュフローは5年間合計2,400億円です。2026、2027年度については、大型投資の実行のため一時的に資金調達が拡大する見込みですが、2030年度以降は、先行投資分の刈り取り等を踏まえて投下資本の増加を抑制しつつ収益性を高めます。
事業等のリスク9,213字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループの業績、財務状況等は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影響を受けます。当社グループは、これらのリスクを認識した上で、リスクを最小化するためにリスク管理体制の整備・充実に努めており、詳細は以下「(1)リスクマネジメントの取組み」及び「(2)当社グループの重要なリスク」に記載しております。 (1)リスクマネジメントの取組み ①リスク管理の基本方針 当社グループは、パーパスのもと、ビジョン達成に向けた取組みを実行し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指す上でのリスクに対する姿勢を「リスク管理の基本方針」として制定しています。 古河電工グループ リスク管理の基本方針(2026年4月制定) 古河電工グループは、「古河電工グループ パーパス」に基づき、・経営上の重要課題に取組み、レジリエンスの強化を通じて企業価値の向上を目指します。・事業活動に伴うリスクを特定・評価し、重要リスクを識別した上で適切なリスク対応を継続的に行います。そのために、経営による定期的なレビューを行うとともに、ステークホルダーとの適時・適切なコミュニケーションを図ります。・戦略の実行に伴うリスクは適切な管理のもとに受け入れる一方、コンプライアンス違反は決して許容しません。 ②リスク管理体制 当社グループは、「リスク管理・内部統制基本規程」を定め、委員長を社長、副委員長をCGO(チーフ・ガバナンス・オフィサー)、委員を経営層で構成した「リスクマネジメント委員会」を設置し、当社グループのリスク管理、内部統制、コンプライアンスについての課題を審議し、各担当部門の活動を監督・推進する体制をとっています。幹事はリスク管理部長が担当し、原則、年に2回開催しています。 リスクマネジメント委員会では、リスクアセスメント結果等を踏まえたリスク評価によりリスクを俯瞰し、経営上の重要課題と関連性の強い「事業ポートフォリオ」、「気候変動(カーボンニュートラル)」、「人材・組織」、「政治経済情勢」及び「人権・労働慣行」等のリスクを全社的に対応すべき重要リスクと定め、サステナビリティ委員会と連携して対応しています。また、企業の社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係の強化に向けた重要課題につながりのある「災害・感染症等の影響」、「品質管理」、「従業員の安全・衛生」等のリスクについては、個別に委員会を設置して重点的に管理する体制を敷いております。 当社グループは、スリーラインモデルの考え方に基づき、リスク管理・内部統制に関する役割分担を整理しています。第1ラインである事業部門、事業所、関係会社、第2ラインである各担当部門及び第3ラインである内部監査部門が、それぞれの役割に応じて相互に連携し、リスク管理及び内部統制の実効性向上に取り組んでいます。 ③リスク管理活動とモニタリング 当社グループは、グループ全体の事業リスクの評価を通じて優先対応すべきリスクを見極めるために、年に1回、事業部門・事業所・関係会社といった組織単位で網羅的なリスクの洗い出し及び発生可能性と影響度の評価(リスクアセスメント)を実施し、その結果をリスクマネジメント委員会へ報告しています。 当社グループは、第1ラインとしてリスク対応を行う事業部門、事業所、関係会社に対して、第2ラインである各担当部門が「事業等のリスク」を含む各リスクへの対応の支援及び実施状況の確認を行うことでリスク管理の継続的な拡大と深化を図っています。リスクマネジメント委員会は、それらの取組状況を評価し、その結果を総合したリスク管理活動全体の評価を取締役会に毎年定期的に報告しています。さらに、第3ラインである内部監査部門による定期的な監査の実施により、第1ライン及び第2ラインの活動の有効性を検証し、監査結果を取締役会に報告しています。 これらの体制に加え、取締役会、経営会議、稟議等により重要な意思決定を行う際には、当該事案から予測されるリスク等を資料等に明示し、これらを認識した上で判断することとしています。 (2)当社グループの重要なリスク 当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、発生可能性と影響度の双方が中以上の重要なリスクをリスク項目として以下に示します。さらに、経営上の重要課題との関連性により、リスク項目を「経営視点のリスク」と「オペレーショナル視点のリスク」に分類しています。特に経営視点のリスクは、それぞれ単独のリスクではなく、相互に連関したリスクであるとの認識のもと、各リスクに対する取組みを進めています。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 掲載順序   リスク分類   リスク項目   影響度   発生可能性   関連する経営上の重要課題 1   経営視点のリスク   事業ポートフォリオ   大   大   ②,③,⑥ 2   新事業の創出   大   大   ①,②,⑥ 3   気候変動(カーボンニュートラル)   大   大   ①,②,⑥ 4   人材・組織   大   大   ④,⑤,⑥ 5   政治経済情勢   大   大   ③,⑥ 6   人権・労働慣行   大   中   ⑤,⑥ 7   オペレーショナル視点のリスク   災害・感染症等の影響   大   中   ⑥ 8   品質管理   大   中   ⑥ 9   法令違反等   大   中   ⑥ 10   原料及び燃料価格の変動   中   大   ⑥ 11   情報システム・情報セキュリティ   中   大   ⑥ 12   為替・金利・株価変動   中   大   ⑥ 13   研究開発・知的財産   中   大   ⑥ 14   従業員の安全・衛生   中   中   ⑥ 15   工事プロジェクトの採算悪化   中   中   ⑥ 16   環境汚染・環境規制   中   中   ⑥ 17   固定資産の減損   中   中   ⑥ 18   資金管理   中   中   ⑥ 19   開示・ブランド   中   中   ⑥ 関連する経営上の重要課題 項目   番号 情報をベースとした社会の創出   ① 社会課題解決に資する新しい事業への挑戦   ② 事業・製品ポートフォリオの最適化   ③ 労働生産性の向上   ④ 人的資本の最大化   ⑤ ガバナンスの強化・リスク耐性の向上   ⑥ 経営視点のリスク リスク項目   リスクの内容   主要な取組み 事業ポートフォリオ   ・事業構成が経済動向や市場環境の変化に対応できないことによる、収益性・成長性の停滞・悪化・M&Aや外部との提携後に発生した市場環境の悪化等による、当初の期待水準に満たない収益又は効果   ・経営会議・取締役会等での定期的な事業ポートフォリオの構成の確認・検証、必要に応じた見直しの討議・実施・買収・提携の目的明確化と資産内容・リスクの事前把握・リスクと収益性を踏まえた適切な投下資本額での買収・提携・買収・提携後の投下資本の早期回収 新事業の創出   ・新事業のテーマ探索及び技術開発と営業機能との連携不足から市場ニーズとの乖離が生じることによる新事業創出の遅延   ・新事業創出チームに営業機能を組み込み、テーマ探索及び技術開発と市場検証を一体で推進する体制の構築 気候変動(カーボンニュートラル)   ・移行リスクとして、各国の温室効果ガス排出削減目標の引き上げ、政策による炭素税の負担増等による製造コストや材料調達コストの上昇・気候変動対策が不十分であることによるサプライチェーン、製品・サービス・労働市場からの排除・気候変動による洪水・渇水リスクの未認識による工場操業の停止   ・温室効果ガス排出削減についてバリューチェーン全体でネットゼロを目指すことを反映した環境ビジョン2050の改定、環境目標2030に則った削減の実行・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った気候移行計画の策定と情報開示の実施・日光地区の水力発電利用に加え、国内外での太陽光発電の設置と購入電力の再生可能エネルギーへの転換・気候変動による洪水・渇水リスクの把握と対応策の策定 人材・組織   ・新規事業創出に向けた専門性を持つ人材や事業ポートフォリオマネジメントができる人材の不足・人材獲得や定着、育成、多様性が不十分なことによる人材の質的量的な不足・企業の持続的な成長の原動力である従業員エンゲージメントの低下・経営戦略と組織の不整合による人的資本の毀損   ・「古河電工グループPeople Vision」に基づく、個人と組織が成長ベクトルを合わせてともに成長し人材・組織の魅力を高める「人材・組織実行力」強化施策の実施・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン活動及び働き方改革の推進・従業員エンゲージメントの要素を含む人材・組織実行力調査によるモニタリングとHRBPによる現場主導の向上施策実行・経営戦略と連動したジョブ型人材マネジメント基盤(採用・配置・育成)の整備と適正な運用 政治経済情勢   ・国際紛争の影響拡大に伴う、国家群間での経済制裁の影響等によるサプライチェーンの寸断。特定の購入先への供給依存による供給不足、供給停止・各地域における政権交代や政策転換に伴う、関税政策や経済安全保障政策等の法規制の変更・強化の影響によるグローバル分業体制の見直し・景気悪化や顧客の設備投資、購買施策の変化による需要減退の影響が事業全体に及ぶことによる収益の低下・競争激化による製品及びサービスの優位性の低下   ・サプライチェーンの多重化(購入先の複数化、製造拠点の分散)、在庫数量の適正化、長期契約による安定調達・国際物流の主要ルートにおける潜在リスクの把握・政情変化や有事を想定したリスク分析と対応方針の策定・主要ビジネスの基盤強化による景気悪化に対する耐性強化、顧客動向や受注状況の定期的な把握・検証による急激な需要変動に対応できる体制の確立・価格競争力の維持強化に向けた効率的かつ合理的なものづくり体制の推進、高付加価値品の生産、製品ポートフォリオの最適化への積極的な取組み 経営視点のリスク リスク項目   リスクの内容   主要な取組み 人権・労働慣行   ・企業としての人権尊重に対する責任を果たせず、潜在的又は実際に人権への負の影響が生じることに伴う、サプライチェーン、製品・サービス・労働市場からの排除   ・国連のビジネスと人権に関する指導原則が企業に求める3つの要件である「人権方針の策定」、「人権デューディリジェンスの実施」、「救済メカニズムの構築」に沿った取組みの推進・当社グループ人権方針に基づく、人権を尊重した事業活動の推進・当社グループの従業員を対象としたコンプライアンス意識調査結果等をふまえた改善策や人権リスクに対する教育の実施・主要取引先を対象とした、「古河電工グループCSR調達ガイドライン」に基づく自己評価調査(SAQ)の実施・責任ある鉱物調達の推進・救済メカニズムとしての内部通報制度及び一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)の活用 オペレーショナル視点のリスク リスク項目   リスクの内容   主要な取組み 災害・感染症等の影響   ・異常気象によって起きる大型台風等による建物被害や洪水による工場操業の停止・大規模な地震や津波、火災、感染症大流行等による納入先、調達先のサプライチェーンの寸断・従業員等の大規模クラスター発生による事業継続不能   ・ISO22301による事業継続マネジメント(BCM)の促進・事業継続計画の策定・ブラッシュアップ、安否確認システムの有効活用・耐震性と安定した通信環境が確保された施設におけるデータセンタの設置・サプライチェーンの多重化・納入先、調達先の製造拠点調査・従業員等の在宅勤務、会議等でのリモート活用 品質管理   ・製品及びサービスでの不具合の発生等による将来に予期せぬ損失補償の発生(特に、電力ケーブル、通信ケーブル、自動車用部品等の関連製品で、不具合等の内容により多額な追加コストの発生)   ・お客様の期待する品質の実現を目指し、不具合の未然防止を図る取組み、並びに問題解決力を向上する活動の継続・品質管理に関するガイドラインをベースとした品質マネジメントシステムの継続的な強化・損害賠償請求に備えるための生産物賠償責任保険や生産物回収費用保険等への加入・当社グループの損失補償責任を限定する契約条項の検討 オペレーショナル視点のリスク リスク項目   リスクの内容   主要な取組み 法令違反等(注)   ・事業展開する国内外の法令や規則に関するコンプライアンス違反・事業展開する上で適用される国内外の法令改正、規制当局から受ける規制強化(恣意的執行を含む)や法令解釈の厳格化による、事業制限や費用の増加等・法令違反等の事象が生じた場合の、各規制当局からの処分・制裁、取引先等関係者からの損害賠償請求、社会的評価の悪化等・禁輸国への輸出による行政処分、外国為替法違反、米中関係悪化による米国及び中国における輸出管理規則・法令の域外適用リスク・海外拠点での不適切会計や粉飾決算・各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更や移転価格税制等による税金コストの発生・各国の税務当局との見解の相違等による追加の税金コストの発生   ・「古河電工グループ パーパス」、「Core Values」、「古河電工グループCSR行動規範」を倫理法令遵守の基本とするコンプライアンス体制の構築・毎年の定期的なコンプライアンス自主点検とコンプライアンスセミナーやEラーニングを通じた、競争法上の規制や贈収賄防止等のテーマについての当社グループ内への教育、各所管部門による法改正情報の発信等・内部通報制度の運用によるコンプライアンス違反の防止、早期の発見及び是正・安全保障貿易管理や関税等に関して、関連する部署への教育及び内部監査の実施、海外輸出管理法令の専門弁護士との提携・国内領域の物流コンプライアンス違反の防止、物流効率化を目的とした特定荷主義務の履行・東南アジアや中国における地域統括会社による当該地域内の拠点における調達、経理、人事、法務等の業務統括の実施・データアナリティクスを活用した財務分析による統制の実施・税務に関する基本方針を定めることによる税務コンプライアンスに対する意識向上・各国における税法の遵守や税制や税務行政の変更への対応策の実行 原料及び燃料価格の変動   ・需給関係や投機的取引、世界情勢等の変動による、銅・アルミ等の非鉄金属やポリエチレン等合成樹脂及び燃料である重油やLPG、LNG価格の急激な変動   ・市況を反映した非鉄金属、合成樹脂、燃料価格等の製品販売価格への転嫁・先物取引を利用したヘッジ・生産活動におけるコスト低減や省エネ化・複数購買化による価格変動リスクの分散 情報システム・情報セキュリティ   ・サイバー攻撃や不正アクセス等の外的要因や人為的要因等に起因する情報流出による不正使用、システム障害・レガシーシステム利用によるセキュリティリスクの増加   ・情報セキュリティ基本方針のもと、グループ全体へのセキュリティガバナンス強化、教育・支援活動・ゼロトラスト視点でのネットワークセキュリティ強化等の対策による情報資産の保護・レガシーシステム更新の中期的な取組みの実施 為替・金利・株価変動   ・輸出入等の国外取引、外貨建債権・債務の円換算金額の変動・在外連結子会社等の現地通貨建の個別財務諸表の円換算金額の変動(米ドルに対し1円円高につき年間で約5億円の減益を予想)・金利上昇による資金調達コストの増加(当連結会計年度末の有利子負債残高は3,167億円)   ・先物為替予約等の活用・外貨建取引額のバランス化・長期固定金利調達の活用による金利上昇時の資金調達コスト増加抑制・キャッシュマネジメントシステム(CMS)を通じた資金効率改善や、財務体質の改善方針に基づく有利子負債の削減 研究開発・知的財産   (研究開発)・技術開発の遅れ、他社新技術による代替製品の台頭・研究開発データの改ざんによる訴訟、認証のはく奪、会社、製品の評判低下(知的財産)・知的財産における第三者の権利侵害に関する交渉や係争、第三者との不十分な技術契約に伴う紛争により、事業における直接的な損害や機会損失が発生・技術の流出や第三者からの模倣による企業競争力の低下   ・高い専門性を持つ人材の確保、育成・社外との共創による、技術開発の優位性の確保・設計開発段階からの知的財産権取得、他社特許調査や他社による権利行使抑制のカウンター特許出願・技術資産の創出と保全(機密、社外秘、部外秘の区分、電子データ含む情報管理の徹底)、知的財産関係の法令遵守のための教育、秘密保持等の契約書締結 オペレーショナル視点のリスク リスク項目   リスクの内容   主要な取組み 従業員の安全・衛生   ・労働災害、交通事故、疾病等による、従業員の死亡、就業不可、障害の残存、長期休業、体調不良・製造設備の維持更新投資計画の実行遅れを背景とした、老朽設備の故障に起因する災害   ・安全推進活動の3本柱(安全人間化教育による安全知識の付与と実践、本質安全化活動による設備の安全化推進、安全管理レベルの向上による安全組織の構築)の確実な実践・産業保健中期計画に基づく年度ごとの衛生管理指針による、ヘルスリテラシー向上・メンタルヘルス対策・身体機能向上施策・睡眠対策・生活習慣改善・熱中症対策及び化学物質管理体制構築施策の各拠点での展開・リスクの高い老朽化設備に対する維持更新投資計画の適正な実行 工事プロジェクトの採算悪化   (国内外共通)・工事途中での設計変更、建設資材及び労務費の高騰・ケーブル敷設工事における災害、疫病の発生、海洋条件や台風等天候の影響による追加費用の発生・重大な瑕疵や事故の発生、それに伴う工期遅れが生じた場合の、修復費用や損害賠償金の支払、長期間に渡る瑕疵補修保証の延長・コンソーシアムを組成した場合におけるパートナー企業のプロジェクト遂行能力の不足、分担業務の不履行等が生じた場合、予想外の大幅な費用負担の増大、追加費用の発生(海外)・海外工事案件における当該国での法規制の変更や政情不安、為替レートの変動   ・物品・工事それぞれの責任分解点・仕様と保証範囲の厳格な見極め、プロジェクト固有のリスク分析、合理的な条件での契約を締結する活動の強化・遂行段階におけるプロジェクトの進捗、採算状況等を適切にモニタリングすることによるリスクの低減・建設工事保険等の付保によるリスクヘッジ・コンソーシアム組成時の契約における責任関係の明確化、パートナー所管を含む工事プロジェクト全体の工事進捗管理の徹底 環境汚染・環境規制   ・製造工程における有害物質の漏洩による環境保全上の問題の発生や、環境関連法令の改正等による新たな設備投資や対策費用の発生・土地の使用・処分等に対する制限・過去の製造状況等に伴う土壌汚染やアスベスト・PCB等の有害物質の処理について、関連法規制の強化等による追加の対策費用の発生・世界各国におけるRoHS指令やREACH規制等の製品含有化学物質に関わる規制に違反した場合の製品リコール、生産・販売中止等の損失・費用の発生   ・当社グループの生産拠点における、環境マネジメントシステム(ISO14001)に基づく、事業活動に関連する各種環境関連法規制の遵守と保全対策等の徹底・製品含有化学物質に関わる規制への対応としての、CSR調達ガイドライン及びグリーン調達ガイドラインの発行とパートナーの遵守状況の把握、並びに規制強化に対応した定期的な当社グループ内調査の実施 固定資産の減損   ・市況や事業環境の悪化による収益性低下による固定資産の減損   ・投資委員会や経営会議等における投資計画の適切性に関する審議・投資後の定期的なモニタリング及びフォローアップ オペレーショナル視点のリスク リスク項目   リスクの内容   主要な取組み 資金管理   (資金調達)・金融環境悪化により、資金調達困難に陥る可能性と資金調達条件の悪化・成長投資の拡大に伴い資金調達額が増大し、資金調達に制約が発生する可能性や資金調達条件が悪化する可能性(与信管理)・取引先の財政状態や資金繰りの悪化に伴い、売掛債権が回収困難となることによる貸倒損失の発生   ・多様な資金調達手段の確保と、返済時期の分散化・コミットメントラインの設定と一定水準の手元資金の確保・資金調達コスト低減と資金調達の安定性を踏まえた適切な長期借入割合の確保・財務体質の改善・与信管理規程に基づく、取引先各社の与信状況の定期的モニタリングと、グループ関係会社内での与信情報共有等による売掛金回収事故と回収遅延リスクの最小化 開示・ブランド   ・適切な情報開示がなされないことによる、信頼の低下・一貫性あるコミュニケーションの不足による認知機会や、イメージ向上機会の損失   ・重要事象の一元的な集約・管理及び重層的な内部チェックを通じた適時適切な情報開示・統一的なメッセージの複数メディア活用による発信強化・グループ統一ブランド運用による認知・イメージ向上 (注)当社は、自動車用部品カルテルに関し、ブラジル競争法当局の審査を受けております。また、米国での一連の自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める集団訴訟等において、当社や当社連結子会社がその被告となっております。このほか、自動車メーカー等の顧客に対して、当社又は当社関係会社が民事賠償金を支払う可能性があります。なお、これまで複数の原告・顧客等との間で和解が成立し、上記継続案件の当社決算への潜在的な金額的インパクトは大きくないものと認識しております。今後も、これまでと同様、顧問弁護士とも連携しながら、早期解決、損失の最小化に向けて対応してまいります。また、上記継続案件はいずれも自動車用部品カルテルを含む過去の競争法違反行為に関するものであり、現時点においてはこれらの行為は行われておりません。
経営成績の分析 (MD&A)6,009字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較分析に当たっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」の(企業結合に係る暫定的な会計処理の確定)をご参照ください。 (業績等の概要) (1)業績 当期の世界経済については、米国では、通商政策等の影響により一部で調達コストが増加したほか、雇用の伸びが減速傾向となりましたが、AI関連投資の拡大や株価上昇を背景とする個人消費の増加が下支えとなり、景気は底堅く推移しました。欧州では、通商環境の不透明感から輸出が弱含んだものの、設備投資は回復基調となり、景気は持ち直しの動きがみられました。中国では、不動産市場の停滞の継続により個人消費は伸び悩み、設備投資も悪化し、景気は緩やかに減速しました。また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化等不安定な経済環境が継続しました。 わが国の経済においては、AI関連を中心とした設備投資が堅調に推移した一方で、米国の通商政策の影響から輸出は伸び悩み、加えて賃金・所得の伸びは物価上昇を安定的に上回る状況には至らず、個人消費は力強さを欠き、景気の回復ペースは引き続き緩やかなものとなりました。 このような環境の下、当社グループでは、2030年におけるありたい姿を「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)として描き、そこからバックキャストして2025年に目指す姿の達成を見据えて策定した中期経営計画「Road to Vision 2030 -変革と挑戦-」(以下、「25中計」という)に基づき、「資本効率重視による既存事業の収益最大化」「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」「ESG経営の基盤強化」に取り組んでまいりました。 当期の業績につきましては、光ファイバケーブル等のデータセンタ関連製品の増収、ワイヤハーネス等の自動車部品での増収、また銅地金価格の高騰の影響により、グループ全体の売上は増加しました。損益面では、売上増による利益押上げに加えて生産性改善や販売価格の適正化に取り組んだことにより増益となりました。 これらの結果、連結売上高は1兆3,076億円(前期比8.8%増)、連結営業利益は639億円(前期比35.8%増)、連結経常利益は759億円(前期比56.4%増)となりました。投資有価証券売却益193億円、退職給付制度改定益194億円等を特別利益に、減損損失16億円、貸倒引当金繰入額41億円等を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は725億円(前期比117.4%増)となりました。なお、海外売上高は6,620億円(前期比3.8%増)で、海外売上高比率は50.6%(前期比2.4ポイント減)となりました。 単独の業績につきましては、売上高は3,869億円(前期比9.5%増)、営業利益は56億円(前期比270.0%増)、経常利益は292億円(前期比123.7%増)、当期純利益は609億円(前期比88.1%増)となりました。 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項 (セグメント情報等)[セグメント情報]」の1.報告セグメントの概要に記載のとおり、事業セグメントの区分方法を変更しております。以下の前期比較の数値については、前期の数値を変更後の区分で組み替えた数値との比較となっております。 〔インフラ〕 情報通信ソリューション事業では、データセンタ関連製品の需要増加を背景に、高速大容量通信ネットワークの構築に貢献するローラブルリボンケーブルや、光通信に欠かせないコネクタ部品であるMTフェルール、通信速度の高速化に適したDFBレーザダイオードチップ等の高付加価値製品について、開発及び拡販を進め、売上の拡大を図ってまいりました。あわせて、製造能力増強に向けた設備投資を実施いたしました。さらに、増加する需要を着実に取り込むべく光ファイバ・ケーブル事業の運営体制を刷新し、グローバルに統一された戦略のもとで効率的かつ迅速な意思決定による事業運営を行うことで、収益拡大を図ってまいりました。また、北米における光ファイバケーブルの拡販体制の整備を進めたことで、増収増益となりました。 エネルギーインフラ事業では、電力事業において、国内の超高圧地中線や再生可能エネルギー向け海底線及び地中線の堅調な需要を背景に、電力ケーブルの製造能力及び工事施工能力の増強に取り組んでまいりました。また、事業再編を目的として中国子会社の全持分の譲渡を実施いたしました。産業電線・機器事業においては、商圏・商流の活用による販路拡大、リソースの効率的な配分による競争力強化等のシナジー効果の最大化を目指し、当社グループ内のメタル電線事業の統合を実施いたしました。また、軽量かつ柔軟性に優れ、布設作業の効率化・省力化に貢献するアルミCVケーブル等の機能線や、誤挿入防止機構により安全・迅速・スキルレスに使用できることから高い評価を受けているケーブル付きプラグインコネクタ等の注力製品の拡販に努めてまいりました。また、利益確保を重視した受注活動と販売価格の適正化に取り組んだことで、売上高及び利益は前年同水準となりました。 これらの結果、当セグメントの連結売上高は3,709億円(前期比20.0%増)、連結営業利益は214億円(前期比276.1%増)となりました。また、単独売上高は867億円(前期比11.4%減)となりました。 〔電装エレクトロニクス〕 自動車部品事業では、米国の通商政策や為替、人件費の上昇等の影響を受け販売価格の適正化に取り組んだほか、国内向けのワイヤハーネスの堅調な需要を背景に生産拠点の重畳化・最適化や生産ラインの共有化・自動化等地政学リスクや事業環境の変化に対応可能な生産体制の強化に向けた施策を継続的に推進してまいりました。また、電動自動車市場において高電圧に対応したワイヤハーネス等の製品開発及び拡販や、軽量化に適したアルミワイヤハーネスの拡販、及びこれらの製品の生産性改善に取り組んでまいりました。これらの取組みにより、電池事業を行う子会社の非連結化の影響を受け減収となったものの増益となりました。 電装エレクトロニクス材料事業では、エレクトロニクス関連製品の需要が回復傾向にあるなか、無酸素銅製品群や高機能抵抗材用銅合金等の高付加価値製品の拡販を実施してまいりました。また、販売価格の適正化や低採算品種の撤退を含む製品ミックスの改善に取り組んだことにより、銅地金価格の高騰や円安の影響を受けたものの、増収増益となりました。 これらの結果、当セグメントの連結売上高は7,651億円(前期比3.9%増)、連結営業利益は339億円(前期比3.9%増)となりました。また、単独売上高は1,932億円(前期比21.0%増)となりました。 〔機能製品〕 機能製品事業では、データセンタ関連投資の活況や再生可能エネルギー関連需要の増加を背景に、放熱・冷却製品、半導体製造用テープ、高周波基板用電解銅箔等の高付加価値製品の拡販に注力することで、売上の拡大を図ってまいりました。このうち半導体製造用テープについては、2025年度より新工場が稼働し、製品の安定供給を開始いたしました。これらの取組みにより、銅地金価格の高騰や為替の影響を受けたものの、増収増益となりました。 これらの結果、当セグメントの連結売上高は1,611億円(前期比9.6%増)、連結営業利益は154億円(前期比8.9%増)となりました。また、単独売上高は1,026億円(前期比11.7%増)となりました。 〔サービス・開発等〕 水力発電、新製品の研究開発、不動産の賃貸、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート等を行っております。なお、当社日光事業所においては、必要な電力のほとんどを本水力発電で賄っており、これが25中計におけるサステナビリティ目標「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率30%」の達成の一端を担っております。 当セグメントの連結売上高は422億円(前期比21.2%増)、連結営業損失は67億円(前期比13億円悪化)となりました。また、単独売上高は44億円(前期比8.2%増)となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、705億円(前連結会計年度比+44億円)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益+1,049億円、減価償却費+432億円、売上債権及び契約資産の増減額(△は増加)△238億円、棚卸資産の増減額(△は増加)△261億円等により+281億円(前連結会計年度比△317億円)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入+293億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出△241億円、有形固定資産の取得による支出△461億円等により△471億円(前連結会計年度比△399億円)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)+135億円、長期借入れによる収入+497億円、長期借入金の返済による支出△339億円等により+199億円(前連結会計年度比+641億円)となりました。 (生産、受注及び販売の状況) 当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額又は、数量で示すことはしておりません。 (財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析) (1)財政状態の分析 当連結会計年度末の資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ783億円増加して1兆664億円となりました。現金及び預金が92億円、受取手形、売掛金及び契約資産が59億円、棚卸資産が159億円、投資有価証券が467億円増加しました。 流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は、前連結会計年度末に比べ49億円増加して1,668億円となりました。 有形・無形固定資産は、資本的支出で567億円の増加、減価償却で432億円の減少のほか、除売却による減少等により変動しております。 負債の部では、合計が前連結会計年度末に比べ169億円増加して6,311億円となりました。借入金、社債、コマーシャル・ペーパーを含む有利子負債が3,167億円と前連結会計年度末比で105億円増加しました。 純資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ615億円増加して4,352億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の増加等により利益剰余金が659億円増加、その他の包括利益累計額が109億円増加しました。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比4.5ポイント上昇し39.1%となりました。 キャッシュ・フローの概況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (2)経営成績の分析 当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度比8.8%増の1兆3,076億円、連結営業利益は、前連結会計年度比35.8%増の639億円となりました。電装エレクトロニクス事業におけるワイヤハーネス等の自動車部品での増収や機能製品事業におけるデータセンタ関連製品での増収、また銅地金価格・為替の変動の影響により、グループ全体の売上は増加しました。損益面では、高付加価値製品のラインナップ拡充や生産性の改善、販売価格の適正化に取り組んだことにより増益となりました。 営業外損益では、前連結会計年度に比べ受取配当金が37.3%、持分法による投資利益が56.0%増加しました。この結果、連結経常利益は前連結会計年度比56.4%増の759億円となりました。 特別損益は、291億円の利益(純額)となりました。投資有価証券売却益193億円、退職給付制度改定益194億円等を特別利益に、減損損失16億円、貸倒引当金繰入額41億円等を特別損失として計上いたしました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比117.4%増の725億円となりました。 なお、セグメント別の概況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(1)業績」に記載しております。 (3)資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループでは、事業活動の継続及び発展のための成長投資や運転資金需要に対して、営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の負債性調達や、資産の流動化等により、資金調達を実施しております。具体的な調達手段については、市場環境や当社のバランスシート状況を踏まえ、経済合理性や財務構造の安定化の観点から判断しております。 また、日本、中国及びタイにおいては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、効率的な資金活用に努めております。 手元流動性については、手元現預金とコミットメントラインにより、短期的な支払リスクをカバー出来うる水準を確保しております。 (重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定) 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。