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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

コニカミノルタ

KONICA MINOLTA, INC.4902 · Prime · 電気機器

オフィス複合機で培った光・画像技術を産業・医療へ展開。印刷からIoTまで、「はかる・うつす・つなぐ」を核に事業を広げる。

概要

コニカミノルタは1873年創業の精密機器メーカーである。オフィス複合機、デジタル印刷システム、産業用光学部品、医療用画像診断機器を主力とする。近年は光学ユニットやデジタルワークフロー、ヘルスケア事業へシフト。2025年3月期は営業赤字640億円だったが、2026年3月期は営業利益499億円の黒字転換を見込む。連結売上高1兆1279億円(2025年3月期)、従業員数3万4363人。

四つの報告セグメントで構成される事業ポートフォリオ

当社グループは2026年3月期より報告セグメントを変更し、デジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業、インダストリー事業、画像ソリューション事業の四つに区分する。デジタルワークプレイスはオフィス複合機とITサービス、プロフェッショナルプリントは商業・産業用デジタル印刷、インダストリーは光学計測機器や機能性フィルム、インクジェットヘッド、画像ソリューションは医療診断機器と映像関連を扱う。連結子会社133社、持分法適用関連会社3社で構成される。

オフィス複合機が売上の過半を占める収益構造

2026年3月期の連結売上高1兆877億円のうち、デジタルワークプレイス事業が6105億円(構成比56.1%)と最大を占める。次いでプロフェッショナルプリント事業2551億円(23.5%)、インダストリー事業1267億円(11.6%)、画像ソリューション事業945億円(8.7%)。営業利益はデジタルワークプレイス370億円、プロフェッショナルプリント93億円、インダストリー222億円、画像ソリューション△13億円。連結営業利益は498億円で、前期の640億円損失から黒字転換した。

世界38カ国以上に広がる販売・生産ネットワーク

販売面では、北米にKonica Minolta Business Solutions U.S.A.、欧州に同社ドイツ法人Konica Minolta Business Solutions Europe GmbH、アジアにシンガポール法人や中国法人を配置。生産拠点は日本国内のほか、中国東莞、マレーシアなどに所在する。キンコーズ・ジャパンもグループに含まれ、オフィス向けサービスの裾野を広げている。インダストリー事業では米国Radiant Vision Systemsや独Instrument Systemsを傘下に持ち、センシング分野のグローバル展開を図る。

材料・コンポーネントからサービスまで垂直統合

グループ内で、コニカミノルタテクノプロダクトやコニカミノルタサプライズが生産を担い、コニカミノルタジャパンが国内販売・サービスを統括する。コニカミノルタ情報システムやコニカミノルタコネクトがIT基盤を支え、持株会社であるコニカミノルタ(中国)投資などが地域統括を行う。この垂直統合により、光学部品の開発から最終製品の保守・運用まで一貫した価値提供が可能となっている。

中期経営計画「Turn Around 2025」で構造改革を推進

2023~2025年度の中期経営計画では、事業の選択と集中及びグローバル構造改革を実行。プロフェッショナルプリント事業での事業領域絞り込みや、MOBOTIX AG全株式の譲渡など、非中核事業の整理を進めた。2025年3月期には減損損失511億円、事業構造改善費用216億円を計上したが、2026年3月期にはこれらの効果が剥落し営業利益498億円を達成。米国関税の影響にも価格対応や生産シフトで対処している。

業界の中での役割は複写機・プリンターのメーカー。光学・画像処理技術を基盤に、印刷・計測・医療機器へ多角化。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.1兆円
営業利益
499億円
営業利益率
4.6%
純利益
303億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01オフィス(デジタルワークプレイス)主力

オフィス向け複合機(MFP)、プリンター、関連消耗品の開発・製造・販売に加え、ITサービスやドキュメント管理ソリューションを提供。働き方改革を支援するクラウドサービスなども展開。

主な製品・サービス3
複合機
印刷・コピー・スキャン・FAX機能を一体化したオフィス機器。カラー/モノクロ、A3対応など多機種。
関連消耗品(トナー・インク)
複合機・プリンター用のトナーカートリッジやインク。高画質・高安定性を実現する独自処方。
ITサービス・ソリューション
文書管理システム、セキュリティソリューション、クラウドプリントサービスなど。オフィスの業務効率化・デジタル化を支援。

02印刷・グラフィックアーツ(プロフェッショナルプリント)準主力

商業印刷・産業印刷市場向けに、デジタル印刷システム(インクジェット・トナー方式)、関連消耗品、印刷ワークフローソリューションを提供。オフセットからのデジタルシフトを促進。

主な製品・サービス3
デジタル印刷システム
商業印刷向けインクジェット印刷機、トナー方式のデジタル印刷機。可変印刷や短納期・小ロットに対応。
関連消耗品(インク・トナー等)
デジタル印刷機専用のインクジェットインクやトナー。高画質・高速印刷を実現。
印刷サービス・ソリューション
印刷ワークフローソフトウェア、カラーマネジメント、Web to Printなど。印刷工程の効率化・自動化を支援。

03産業(インダストリー)副次

センシング分野では、色彩輝度計・分光放射計・3D測定機などの計測機器とソリューションを提供。材料・コンポーネント分野では、ディスプレイ用光学フィルム、産業用インクジェットヘッド、産業・プロ用レンズなどを手がける。

主な製品・サービス4
計測機器(色彩輝度計、分光放射計等)
ディスプレイ・照明の輝度・色度を高精度測定する機器。自動車HUDやヘルスチェック用途にも展開。
機能性フィルム
液晶ディスプレイ用の位相差フィルム、輝度向上フィルム等。光学特性を高度に制御。
産業用インクジェットヘッド
産業印刷機・ラベリング機向けの圧電方式インクジェットヘッド。高耐久・高精細。
産業・プロ用レンズ
FAカメラ、監視カメラ、プロジェクター向けレンズ。豊富なラインアップと高い光学性能。

04医療・映像(画像ソリューション)副次

ヘルスケアユニットでは、デジタルX線画像診断システム、超音波診断システム、医療ITソリューションを提供。映像ソリューションユニットでは、画像IoT機器やプラネタリウムシステムなどを手がける。

主な製品・サービス4
画像診断システム(デジタルX線、超音波)
X線フラットパネルディテクター、超音波診断装置。高画質・低被曝を実現し、診断精度向上に貢献。
医療のデジタル化・ネットワーク化ソリューション
PACS(画像管理システム)、電子カルテ連携、AI診断支援など。医療機関の業務効率化と診断の質向上を支援。
画像IoT・映像関連機器
監視カメラ、ドライブレコーダー、放送用カメラなど。画像処理技術を応用したIoTデバイス。
プラネタリウムシステム
ドームスクリーンに星や映像を映し出すプラネタリウム。光学式とデジタル式をラインアップ。

製品と技術

オフィス複合機(MFP)

デジタルワークプレイス事業の中核製品。印刷・コピー・スキャン・FAXを一体化した多機能機で、カラー/モノクロ、A3対応など多彩なラインアップを持つ。独自開発のトナーにより高画質・高安定性を実現。複合機連携アプリケーションやクラウドサービスと組み合わせ、オフィスの業務効率化やペーパーレス化を支援する。消耗品を含むストックビジネスが安定的な収益源となっている。

デジタル印刷システム(インクジェット・トナー方式)

プロフェッショナルプリント事業で提供する商業・産業印刷向けのデジタル印刷機。オフセット印刷からのデジタルシフトに対応し、可変印刷や短納期・小ロットの需要を満たす。インクジェット方式とトナー方式の両方をラインアップし、それぞれ高画質・高速印刷を実現する専用インクやトナーを開発・供給。印刷ワークフローソフトウェアも合わせて提供し、印刷工程全体の効率化を図る。

計測機器(色彩輝度計・分光放射計)

インダストリー事業のセンシングユニットが手がける精密計測機器。ディスプレイや照明の輝度・色度を高精度で測定し、品質管理に貢献する。自動車HUD(ヘッドアップディスプレイ)の計測やヘルスチェック用途にも展開。子会社のRadiant Vision Systems(米国)やInstrument Systems(ドイツ)を通じてグローバルに販売し、ディスプレイ業界の標準機として認知されている。

機能性フィルム(位相差フィルム・輝度向上フィルム)

液晶ディスプレイ用の光学フィルム。位相差フィルムは視野角やコントラストを改善し、輝度向上フィルムはバックライト光を効率的に利用して画面を明るくする。高度な光学設計と精密塗布技術により、薄型・高性能を実現。スマートフォン、タブレット、テレビなど幅広い表示デバイスに採用されており、材料・コンポーネントユニットの主要製品である。

産業用インクジェットヘッド

産業印刷機やラベリング機向けの圧電方式インクジェットヘッド。高耐久・高精細が特長で、高速ラインにも対応。自社のインクジェット技術を応用し、産業用途向けに最適化した設計が強み。インクジェットヘッド単体での販売に加え、組み込みシステムとしても提供。産業印刷市場の拡大に伴い、需要が増加している。

画像診断システム(デジタルX線・超音波診断装置)

画像ソリューション事業のヘルスケアユニットが提供する医療用画像機器。デジタルX線画像診断システムはフラットパネルディテクターを搭載し、高画質・低被曝を実現。超音波診断装置は多様な臨床ニーズに対応する。PACS(画像管理システム)やAI診断支援ソフトウェアと連携し、医療機関のデジタル化・ネットワーク化を推進。米国子会社Konica Minolta Healthcare Americasを通じて販売している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

電気機器のなかでの位置

光学・画像で世界有数、事業再編で収益改善を図る

コニカミノルタは光学機器や画像関連で世界有数の技術を持つ。売上高は1兆円超で推移するも、直近では営業損益が悪化し赤字を計上。その後、構造改革により黒字転換を果たしつつある。同業のイビデンや日清紡ホールディングスと比較し、多角化した事業ポートフォリオが特徴だが、収益性で課題を残す。特に、オフィス向け複合機やヘルスケア事業の競争が激化。成長分野へのシフトとコスト削減が今後の焦点。

強み

  • 光学・画像技術で世界をリードする研究開発力。
  • オフィス、ヘルスケア、産業用など幅広い事業を展開。
  • 世界的な知名度と信頼性を有する。
  • 構造改革の効果で営業利益率が改善傾向。

課題

  • 競争激化で利益率が低く、資本効率が課題。
  • 紙媒体減少でオフィス機器市場が縮小。
  • 生産設備や研究開発の固定費負担が大きい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

基板・電源・ディスプレイの時価総額近傍。太字がコニカミノルタ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14626太陽ホールディングス5,527億円28.8倍
26787メイコー4,932億円24.3倍
36753シャープ4,138億円8.7倍
45214日本電気硝子4,137億円13.5倍
56728アルバック3,493億円20.4倍
64902コニカミノルタ3,352億円10.3倍
75801古河電気工業2,651億円36.4倍
88154加賀電子2,572億円7.8倍
97994オカムラ2,414億円10.1倍
106703沖電気工業2,400億円11.1倍
116516山洋電気2,020億円21.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(基板・電源・ディスプレイ)に従っています。

会社の歴史

沿革 29件

東京麹町で写真材料商を始めた1873年

1873年4月、東京麹町の小西屋六兵衛店において、写真及び石版印刷材料の取扱いを開始した。これが現在のコニカミノルタの原点である。1882年には東京市内に工場を設け、カメラや台紙、石版器材の製造販売に乗り出した。写真技術の普及とともに事業を拡大し、1902年5月には東京淀橋(現在の西新宿)に六桜社を建設、乾板と印画紙の製造販売を開始した。

フィルム事業に参入し株式会社化した1929~1937年

1929年10月、フィルムの製造販売を開始。写真感光材料の内製化を進めた。1921年に改組した合資会社小西六本店から1936年12月に株式会社小西六本店を設立し、1937年2月に社名を株式会社小西六と改称して合資会社を吸収合併。同年7月には東京日野に感光材料工場を建設し、生産能力を増強した。これにより写真材料の一大メーカーとしての基盤が固まった。

戦時下での合併と社名変更(1943~1944年)

1943年4月、社名を小西六写真工業株式会社と改称。1944年3月には昭和写真工業株式会社を合併し、小田原事業場とした。戦時体制下での企業統合により、生産規模が拡大した。終戦後も写真フィルムや印画紙の国内需要に応え、復興期の写真文化を支えた。この時期の経験が、後の光学技術や精密機器製造の基盤となった。

上場と海外子会社設立で事業基盤を固めた1950~1970年代

1949年5月、東京証券取引所に上場。1956年8月には米国にKonica Photo Corporationを設立し、海外販売網を構築。1963年7月に東京八王子に工場を建設し、淀橋から移転。1971年1月には電子複写機の製造販売を開始し、オフィス機器事業に参入。1972年4月にはカメラ・レンズ生産を子会社に移管し、1973年4月にドイツ販売子会社を設立するなど、事業の国際化を進めた。

電子複写機でオフィス市場に参入した1971年

1971年1月、電子複写機の製造販売を開始。これが後のオフィス複合機事業の出発点となる。1972年4月には八王子工場を電子複写機の工場として整備拡充した。同時にカメラ・レンズ生産を山梨コニカ、甲府コニカへ移管し、生産の専門化を図った。オフィス機器への集中投資により、複写機市場でプレゼンスを高めた。

米国企業買収と社名コニカへの統一(1986~1987年)

1986年1月、米国Royal Business Machines, Inc.の全株式を取得し、Konica Business Machines U.S.A.とした。1987年1月にはドイツに複写機生産子会社を設立。同年2月に米国に印画紙工場を設立。1987年9月には米国Powers Chemcoを設立し、感材事業を強化。そして1987年10月、社名をコニカ株式会社と改称し、ブランドを統一した。

ミノルタとの経営統合でコニカミノルタが誕生した2003年

2003年8月、ミノルタ株式会社と株式交換により経営統合し、コニカミノルタホールディングス株式会社へ商号変更。同年10月、両社の全事業を6事業会社と2共通機能会社に再編。情報機器の国内販売子会社(コニカビジネスマシンとミノルタ販売)を合併し、コニカミノルタビジネスソリューションズを発足。米国販売子会社も統合し、グローバルな販売網を一本化した。

持株会社制への移行とガバナンス改革(2003年)

2003年4月、全事業・機能を4事業会社、2共通機能会社に分社し、純粋持株会社へ移行。同年6月には社外取締役過半数を委員長とする監査・指名・報酬委員会を設置し、指名委員会等設置会社(現・指名委員会等設置会社)へ移行。本社を東京丸の内に移転した。この組織改革により、コニカミノルタグループの経営の透明性と機動性を高めた。

年表29件を開く

1870年代

  • 1873年4月東京麹町の小西屋六兵衛店において、写真及び石版印刷材料の取扱いを開始。

1880年代

  • 1882年4月東京市内に工場を作り、カメラ、台紙、石版器材の製造販売を開始。

1900年代

  • 1902年5月東京淀橋(現在の西新宿)に工場六桜社を建設し、乾板、印画紙の製造販売を開始。

1920年代

  • 1921年10月組織を改組し合資会社小西六本店と称す。
  • 1929年10月フィルムの製造販売を開始。

1930年代

  • 1936年12月創業東京日本橋室町に株式会社小西六本店を設立。
  • 1937年2月M&A社名を株式会社小西六と改称し、合資会社小西六本店を吸収合併。
  • 1937年7月東京日野に感光材料の工場を建設。

1940年代

  • 1943年4月社名を小西六写真工業株式会社と改称。
  • 1944年3月M&A昭和写真工業株式会社を合併、小田原事業場とする。
  • 1949年5月上場東京証券取引所に上場。

1950年代

  • 1956年8月創業米国にKonica Photo Corporationを設立。

1960年代

  • 1963年7月東京八王子に工場を建設、淀橋の工場を移す。

1970年代

  • 1971年1月電子複写機の製造販売を開始。
  • 1972年4月東京八王子の工場を電子複写機の工場として整備拡充を進めると共に、カメラ・レンズ類の生産について、株式会社山梨コニカ、株式会社甲府コニカへ移管を始める。
  • 1973年4月創業ドイツにKonishiroku Photo Industry(Europe)GmbHを設立。
  • 1978年6月本社事務所を東京西新宿に移転。
  • 1979年8月兼松ユービックス販売株式会社の全株取得、同年11月社名を小西六ユービックス株式会社とする。

1980年代

  • 1986年1月米国Royal Business Machines, Inc.の全株取得、社名をKonica Business Machines U.S.A., Inc.(現Konica Minolta Business Solutions U.S.A., Inc.、子会社)とする。
  • 1987年1月ドイツにKonica Business Machines Manufacturing GmbH(現Konica Minolta Business Solutions Deutschland GmbH、子会社)を設立。
  • 1987年2月創業米国に印画紙製造工場Konica Manufacturing U.S.A., Inc.を設立。
  • 1987年9月創業米国にPowers Chemco, Inc.を設立。
  • 1987年10月社名をコニカ株式会社と改称。

2000年代

  • 2002年10月M&A複写機及び現像処理機の生産拠点統合のために当社の機器生産統括部門及び国内機器生産子会社を統合し、コニカテクノプロダクト株式会社(現コニカミノルタテクノプロダクト株式会社、子会社)を設立。
  • 2003年4月全事業・機能を4事業会社、2共通機能会社に分社し、これらの分社会社株式を保有する純粋持株会社へと移行。
  • 2003年6月社外取締役を過半数、委員長とする監査委員会、指名委員会、報酬委員会で構成される「委員会等設置会社」(現「指名委員会等設置会社」)へと移行。
  • 2003年8月M&Aミノルタ株式会社と株式交換により経営統合し、コニカミノルタホールディングス株式会社へと商号変更。
  • 2003年9月本社事務所を東京丸の内に移転。
  • 2003年10月M&Aコニカ、ミノルタが有していた全ての事業を6事業会社、2共通機能会社に再編(6事業会社:コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社、コニカミノルタオプト株式会社、コニカミノルタエムジー株式会社、コニカミノルタセンシング株式会社、コニカミノルタフォトイメージング株式会社、コニカミノルタカメラ株式会社/2共通機能会社:コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社、コニカミノルタビジネスエキスパート株式会社)。情報機器の国内販売子会社であるコニカビジネスマシン株式会社とミノルタ販売株式会社が合併、コニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社が発足。情報機器の米国販売子会社であるKonica Business Technologies U.S.A., Inc.とMinolta Corporationの情報機器部門が合併、Konica Minolta Business Solutions U.S.A., Inc.(子会社)が発足。フォトイメージングの米国販売子会社であるKonica Photo Imaging U.S.A., Inc.とMinolta Corporationのフォトイメージング事

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ROE2028年度まで8%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    ROIC経営と事業ポートフォリオマネジメントの強化

    ROICツリーを活用し、売上総利益率の向上、費用効率化、資本効率の向上に取り組む。AIを業務効率化と顧客価値向上に活用。資本効率が不十分な事業は地域・商材単位で収益性改善を実行する。年度別目標値を設定し、ギャップ発生時は迅速対応する。

  2. 02

    収益基盤の更なる強化

    事業別の資本効率向上に加え、全社視点で固定費の効率化を推進。地域ごとに事業横断でプロセスや機能を共通化し生産性を向上。海外子会社の収益性改善により実効税率を改善・変動抑制し、当期利益額の向上と安定を図る。

  3. 03

    中長期の持続的成長に向けた新事業展開

    コア技術(材料、光学、画像、微細加工)とAIの組み合わせで付加価値を創出。半導体向け光学コンポーネント、ペロブスカイト太陽電池、インテリジェント再生材などの成長領域に注力。中長期的な研究開発投資として全社研究開発費用の20%超を配分し、成長期待のインダストリー事業領域を中心に設備投資を行う。

  4. 04

    外部環境変化への対応

    米国関税政策や為替変動などの不確実性に対し、価格対応、製品構成の見直し、経費削減、低関税率国への生産シフトを検討し影響吸収に努める。メモリ調達リスクには当面の数量を確保し、エネルギーコスト等は状況を注視しながら対策を実施する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で34,363人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は844万円で、9期前と比べて+12.5%平均年齢は46.4歳、平均勤続年数は20.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月43,979
2018年3月43,299
2019年3月75045.421.144,360
2020年3月72845.621.143,961
2021年3月75445.921.140,979
2022年3月74846.520.839,121
2023年3月74446.821.939,775
2024年3月79946.521.340,015
2025年3月82146.320.835,631−180
2026年3月84446.420.734,363145

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率12.0%
縦線は目安の30%
男性育休取得率86.2%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)79.5%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社29(国内 10 / 海外 19、うち連結子会社 12) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
全社 — 共通1,111億円
報告セグメント計340億円
デジタルワークプレイス事業及びプロフェッショナルプリント事業 — Konica Minolta Business Solutions U.S.A.,Inc. (New Jersey, U.S.A.)(注4)331億円
インダストリー事業195億円
デジタルワークプレイス事業及びプロフェッショナルプリント事業等 — コニカミノルタ ジャパン㈱(東京都港区ほか)134億円
デジタルワークプレイス事業128億円
プロフェッショナル プリント事業128億円
デジタルワークプレイス事業及びプロフェッショナルプリント事業 — ㈱コニカミノルタ サプライズ(山梨県甲府市)116億円
デジタルワークプレイス事業及びプロフェッショナルプリント事業等 — Konica Minolta Business Solutions Europe GmbH (Langenhagen, Germany)113億円
デジタルワークプレイス事業及びプロフェッショナルプリント事業 — Konica Minolta Business Technologies (Malaysia) Sdn. Bhd. (Melaka, Malaysia)9,198百万円
ほか6件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    コニカミノルタジャパン㈱
    東京都 港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    キンコーズ・ジャパン㈱
    東京都 港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱コニカミノルタサプライズ
    山梨県 甲府市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    コニカミノルタメカトロニクス㈱
    愛知県 豊川市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    コニカミノルタテクノプロダクト㈱
    埼玉県 狭山市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    コニカミノルタプラネタリウム㈱
    東京都 豊島区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    コニカミノルタコネクト㈱
    東京都 日野市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    コニカミノルタ情報システム㈱
    東京都 八王子市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Konica Minolta Business Solutions U.S.A., Inc.
    New Jersey, U.S.A. · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Konica Minolta Business Solutions Europe GmbH
    Langenhagen, Germany · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Konica Minolta Business Solutions Deutschland GmbH
    Langenhagen, Germany
    議決権100.0%
  • 海外
    Konica Minolta Business Solutions France S.A.S.
    Carrieres- sur-Seine, France
    議決権100.0%
残りのグループ会社17社を開く
  • Konica Minolta Business Solutions(UK)LimitedEssex, United Kingdom100%
  • Konica Minolta Business Solutions(CHINA)Co., Ltd.上海市 中国100%
  • Konica Minolta Business Technologies(DONGGUAN) Co., Ltd.東莞市 中国100%
  • Konica Minolta Business Solutions Asia Pte. Ltd.Media Circle, Singapore100%
  • Konica Minolta Business Technologies(Malaysia) Sdn. Bhd.Melaka, Malaysia100%
  • Konica Minolta Business Solutions India Private Ltd.Haryana, India100%
  • Konica Minolta Business Solutions Australia Pty LtdNew South Wales, Australia100%
  • Radiant Vision Systems, LLCWashington, U.S.A.100%
  • Konica Minolta Sensing Europe B.V.Nieuwegein, Netherlands100%
  • Instrument Systems GmbHMunich, Germany100%
  • Konica Minolta Opto (DALIAN)Co., Ltd.大連市 中国100%
  • Konica Minolta Healthcare Americas, Inc.New Jersey, U.S.A.100%
  • KONICA MINOLTA MEDICAL TECHNOLOGY (SHANGHAI) CO., LTD.上海市 中国100%
  • Konica Minolta Holdings U.S.A., Inc.New Jersey, U.S.A.100%
  • Konica Minolta(CHINA) Investment Ltd.上海市 中国100%
  • 他連結子会社 105社
  • 持分法を適用した関連会社 3社
国際子会社 (GLEIF登録 6社)
  • NLKonica Minolta Sensing Europe B.V.
  • HK柯尼卡美能達商業系統(香港)有限公司
  • INKONICA MINOLTA HEALTHCARE INDIA PRIVATE LIMITED
  • INKONICA MINOLTA BUSINESS SOLUTIONS INDIA PRIVATE LIMITED
  • CZKonica Minolta Business Solutions Czech, spol. s r.o.
  • DEKonica Minolta Business Solutions Europe GmbH

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発人工知能技術の社会実装に向けた研究開発・実証AI活用によるプラント保全におけるガス漏洩の発見と特定の迅速化、並びに検出可能ガスの対象拡大
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-07-27
    1.5億円
  • 調達
    IoT社会実現のための超微小量センシング技術開発超微小量センシング技術開発1分で感染リスクを検知可能なウイルスゲートキーパーの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2019-07-08
    4,973万円
  • 調達
    NEDO先導研究プログラム新産業創出新技術先導研究プログラム量子スピントロニクス脳磁計の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-07-08
    1,992万円
  • 調達
    高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発高度なIoT社会を実現する横断的技術開発(小規模研究開発)橋梁の内部鋼材破断を磁気センシングとAIで可視化する非破壊検査ソリューション
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-07-10
    1,960万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.1兆円営業利益499億円前期と比べると減収で、売上が-3.6%。

売上高
-3.6%
1.1兆円
営業利益
499億円
純利益
303億円
営業利益率
4.6%
前期比 +10.3%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.1兆円1.1兆円
営業利益500億円499億円
純利益285億円303億円
1株あたり配当¥18¥18

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は2,585億円、営業利益は96億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は−3.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q3,094−999
2024年1Q2,664−44−1.7−56
2024年2Q2,864521.811
2024年3Q2,892782.74
2024年4Q2,65786
2025年2Q5,837−7−0.1−107
2025年4Q5,442−633−11.6−368
2026年2Q5,1322304.5226
2026年4Q5,7452694.777
2027年1Q2,585963.778

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は8,131億円から1.1兆円へ1.3倍に増えた。直近期の営業利益率は4.6%。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.81389151
2014年3月0.94377284
2015年3月1.00655409
2016年3月1.03580320
2017年3月0.96493315
2018年3月1.03491322
2019年3月1.06601417
2020年3月1.003−31
2021年3月0.86−200−152
2022年3月0.91−236−261
2023年3月1.13−1,019−1,032
2024年3月1.1115345
2025年3月1.13−640−792−5.7−475
2026年3月1.094994344.6303

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.1兆円のうち、営業利益として残るのは499億円4.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は303億円、売上の2.8%にあたる。営業利益率は業種中央値6.9%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金56.0%6,093億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金39.1%4,252億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益4.6%499億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
44.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比2.3pt
4.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比3.1pt
2.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比1.9pt
6.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.5%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが863億円、投資CFが−340億円で、差し引きのフリーCFは523億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は1,108億円で、売上の1.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月665−634−246312,146
2014年3月901−541−6373601,885
2015年3月1,020−540−6214801,775
2016年3月592−1,108−206−516999
2017年3月687−706−23−19926
2018年3月654−1,3371,266−6831,499
2019年3月572−415−4021571,248
2020年3月301−500−119−199899
2021年3月781−343−1314381,238
2022年3月374−51021−1361,177
2023年3月133−375843−2421,806
2024年3月833−445−9693881,296
2025年3月511246−1,109757929
2026年3月863−340−4035231,108

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.2兆円。このうち返さなくてよい自己資本が5,365億円で、自己資本比率は43.4%(業種中央値61.0%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月0.964,7174,92648.9
2014年3月0.994,9854,93250.3
2015年3月1.005,3604,65853.5
2016年3月0.985,1434,62152.7
2017年3月1.015,2434,81152.1
2018年3月1.205,2456,79443.6
2019年3月1.225,5576,63345.6
2020年3月1.285,2377,53141.0
2021年3月1.305,3997,59941.5
2022年3月1.345,4987,88341.1
2023年3月1.414,8749,26434.5
2024年3月1.395,3988,48338.9
2025年3月1.224,6327,43638.0
2026年3月1.235,3656,85943.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,108億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1,457億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
6,859億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
68
/ 100
安定性自己資本比率29 / 40
収益力営業利益率9 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

電気機器 224社との比較

同じ電気機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り224社中90位あたり、逆に低いのは売上成長率224社中188位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
6.1%/中央値 8.0%
P25 4.2%P75 12.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
4.6%/中央値 6.9%
P25 3.5%P75 11.6%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
43.4%/中央値 61.0%
P25 48.2%P75 76.0%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-3.6%/中央値 4.1%
P25 -0.2%P75 9.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.7%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥666.9で、1年前と比べて+31.2%過去52週の値幅のなかでは73%の位置にある。

¥666.9-4.2%1ヶ月+13.4%1年+31.2%時価総額3,352億円
過去52週の値幅
安値¥482.8高値¥735.9

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)10.3倍
PER (会社予想)11.6倍
PBR0.60倍
配当利回り2.70%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月末に735円台の52週高値圏まで上昇した後、一時590円台へ急落し、その後は648円まで回復。25日線を0.8%上回っており、75日線・200日線の上に位置する。直近の調整で25日線を割り込む場面もあったが、下値は堅く、もみ合いから上放れを探る展開。出来高は8月7日に583万株と増加し、需給が改善しつつある。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 75/100)

PERは9.97倍で同業界平均の30.85倍を大幅に下回り、PBRは0.58倍と平均2.64倍に比べ極端に低い。ROEは6.1%と収益性は低めだが、配当利回りは2.78%と平均2.29倍を上回り、配当性向も57.3%と株主還元は積極的。直近の業績は赤字だが、予想PERは11.3倍と改善見込み。割安だが、業績回復の不確実性がある。

指標この会社業種平均
PER (実績)10.3倍30.8倍
PER (予想)11.6倍
PBR0.60倍2.58倍
ROE6.1%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

構造改革の進捗と黒字転換の持続性が焦点。強気派は医療用画像診断や光学部材の成長余地を評価し、弱気派はオフィス市場の縮小と構造改革の実行リスクを懸念。2026年3月期の営業利益目標は499億円で、達成が重要な試金石。

プラスに働く材料7
  • 黒字転換の計画

    2026年3月期は営業利益499億円を見込み、収益改善が明確。

  • ヘルスケア需要

    高齢化で医療用画像診断の需要は中期的に堅調。

  • コスト削減効果

    構造改革で固定費が削減され、損益分岐点が低下。

  • 営業損益が赤字から499億円の黒字へ決算発表後影響

    2025年3月期は営業赤字640億円、2026年3月期は営業利益499億円。1139億円の改善。

  • 最終損益が303億円の黒字化決算発表後影響

    純損益は-475億円から303億円へ778億円改善。通期黒字を達成。

  • 営業利益率4.59%まで改善通年影響

    営業利益率は-5.67%から4.59%へ大幅回復。

  • PBR0.59倍と1倍割れの割安感継続影響

    PBR0.59倍。黒字転換してもなお解散価値対比で低位にある。

マイナスに働く材料7
  • オフィス市場縮小

    ペーパーレス化で複合機需要は中長期的に減少。

  • 過去の赤字

    2025年3月期は営業赤字で、計画達成への信頼性に疑問。

  • 競争激化

    複合機や医療機器で競合他社との競争が厳しい。

  • 売上高が前期比3.6%減少決算発表後影響

    2026年3月期売上高は1兆877億円と前期比402億円減。減収が続いている。

  • 予想PER11.4倍と実績比で悪化決算発表後影響

    実績PER10.13倍に対し予想PER11.4倍。来期の減益が予想されている。

  • ROE6.1%と資本効率は低水準継続影響

    自己資本利益率6.1%と低く、PBR0.59倍の低評価はROEの低さを映す。

  • 株価は1年で30.6%上昇し過熱感不定影響

    前年比+30.61%と急伸。短期的な利益確定売りが重荷になる可能性。

次の決算で確かめる点
営業利益率
構造改革の効果と収益性改善を確認するため。
ヘルスケア売上高
注力分野の成長が全体の収益を牽引するか。
オフィス事業売上
縮小する市場での下支えができるか。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり18で、前期から+140.0%いまの株価に対する利回りは2.70%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥18
1株あたり
配当利回り
2.70%
いまの株価に対して
配当性向
57.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月30126.8
2018年3月300.0116.4
2019年3月300.0192.8
2020年3月25−16.7102.2
2021年3月250.074.8
2022年3月3020.0102.3
2023年3月10−66.7314.5
2024年3月5−50.0
2026年3月12140.057.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥18

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ75,913人。区分でいちばん多いのは外国法人39.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が40.4%を占め、残る59.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人18.716.724.129.837.939.1
金融機関46.444.242.341.440.838.4
個人・その他27.631.227.023.816.817.5
証券会社4.04.83.82.52.63.0
事業法人3.33.12.82.51.92.0
自己株式1.31.21.21.21.21.2
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)16.14
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)7.96
03JPMSPLC CLIENT ASSETS SK JPY (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)3.18
04MLI FOR SEGREGATED PB CLIENT (常任代理人 BOFA証券株式会社)2.98
05株式会社SMBC信託銀行(株式会社三井住友銀行退職給付信託口)2.36
06日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)2.15
07JP JPMSE LUX RE CITIGROUP GLOBAL MARKETS L EQ CO (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.14
08STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.90
09株式会社三菱UFJ銀行1.89
10THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.89

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近3
  • 2026-06-22
    三井住友DSアセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    2.81%
  • 2026-06-19
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.00%
    -0.36pt
  • 2026-06-02
    エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー(Effissimo Capital Management Pte. Ltd.)
    新規の大量保有報告
    10.60%
    +1.05pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+115%、1株純資産は14期で+22%。直近期のROEは6.1%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月298903.424.1575.8
2014年3月549685.817.96.8
2015年3月811,0687.915.145.8
2016年3月641,0386.114.8151.6
2017年3月641,0586.115.6126.8
2018年3月651,0616.114.0116.4
2019年3月841,1237.712.9192.8
2020年3月−61,058−0.6102.2
2021年3月−311,094−2.974.8
2022年3月−531,114−4.8102.3
2023年3月−209987−19.9314.5
2024年3月91,0920.954.3
2025年3月−96936−9.5
2026年3月611,0866.18.457.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

19名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は19名。2026/3期の役員報酬は総額688百万円。

氏名役職年齢
大幸利充取締役63
佐久間総一郎取締役監査委員長 指名委員70
峰岸真澄取締役指名委員長 報酬委員62
澤田拓子取締役取締役会議長 指名委員71
新井佐恵子取締役指名委員 監査委員 報酬委員62
河村芳彦取締役報酬委員長 指名委員 監査委員70
鈴木博幸取締役指名委員 監査委員 報酬委員69
平井善博取締役58
葛原憲康取締役60
江口俊哉常務執行役 特命担当64
岡慎一郎常務執行役 人事部、総務部、映像ソリューション事業部 担当、危機管理委員長57
高山典久常務執行役 情報機器事業管掌59
残りの役員7名を開く
氏名役職年齢
吉村裕介常務執行役 技術管掌 兼 事業開発部、センシング事業部 担当51
一條啓介執行役 コニカミノルタジャパン株式会社 代表取締役社長 兼 ヘルスケア事業本部 担当58
岡村美和執行役 IR室、広報部 担当59
村山明子執行役 取締役会室長 兼 経営監査室長59
大島美穂子執行役 法務部長 兼 コンプライアンス委員長50
加藤花子執行役 デジタル推進本部長52
鎌田隆史執行役 生産戦略部長 兼 デジタルワークプレイス/プロフェッショナルプリント 生産・調達 担当49

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役106557
社外取締役91
取締役(社内)740

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容2,457字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社133社及び持分法を適用した関連会社3社で構成されており、その主な事業は、デジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業、インダストリー事業及び画像ソリューション事業からなっております(2026年3月31日現在)。 なお、当連結会計年度から、報告セグメントの区分を一部変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記5 事業セグメント」に記載のとおりであります。 また、主要な関係会社における異動は次のとおりであります。 (デジタルワークプレイス事業/プロフェッショナルプリント事業) 当連結会計年度において、Konica Minolta Marketing Services EMEA Limitedの全株式を譲渡したことにより、連結の範囲から除外しております。 (画像ソリューション事業) 当連結会計年度において、MOBOTIX AGの全株式を譲渡したことにより、連結の範囲から除外しております。 当社グループの主な事業の内容及び当社と主要な関係会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。 デジタルワークプレイス事業/プロフェッショナルプリント事業 デジタルワークプレイス事業 複合機及び関連消耗品の開発・製造・販売、並びに関連サービス・ソリューション及びITサービス・ソリューションの提供。 プロフェッショナルプリント事業 産業印刷市場向けデジタル印刷システム・関連消耗品の開発・製造・販売、各種印刷サービス・ソリューションの提供。 [主な関係会社] 〈生産関係〉 ㈱コニカミノルタサプライズ コニカミノルタメカトロニクス㈱ Konica Minolta Business Technologies Manufacturing(HK)Limited Konica Minolta Business Technologies(DONGGUAN)Co., Ltd. Konica Minolta Business Technologies(Malaysia)Sdn. Bhd. 〈販売・サービス関係〉 コニカミノルタジャパン㈱ キンコーズ・ジャパン㈱ Konica Minolta Business Solutions U.S.A., Inc. Konica Minolta Business Solutions Europe GmbH Konica Minolta Business Solutions Deutschland GmbH Konica Minolta Business Solutions France S.A.S. Konica Minolta Business Solutions(UK)Limited Konica Minolta Business Solutions(CHINA)Co., Ltd. Konica Minolta Business Solutions Asia Pte. Ltd. Konica Minolta Business Solutions India Private Ltd. Konica Minolta Business Solutions Australia Pty Ltd インダストリー事業 <センシングユニット> 計測機器等の開発・製造・販売、関連ソリューション・サービスの提供。 <材料・コンポーネントユニット> ディスプレイに使用される機能性フィルム、産業用インクジェットヘッド、産業・プロ用レンズ等の開発・製造・販売。 [主な関係会社] 〈生産関係〉 Konica Minolta Opto(DALIAN)Co., Ltd. 〈販売・サービス関係〉 コニカミノルタジャパン㈱ Radiant Vision Systems, LLC Konica Minolta Sensing Europe B.V. Instrument Systems GmbH 画像ソリューション事業 <ヘルスケアユニット> 画像診断システム(デジタルⅩ線画像診断、超音波診断システム等)の開発・製造・販売・サービスの提供、医療のデジタル化・ネットワーク化・ソリューション・サービスの提供。 <画像IoTソリューションユニット及び映像ソリューションユニット> 画像IoT及び映像関連機器の開発・製造・販売、関連ソリューション・サービスの提供。 [主な関係会社] 〈生産関係〉 コニカミノルタテクノプロダクト㈱ 〈販売・サービス関係〉 コニカミノルタジャパン㈱ コニカミノルタプラネタリウム㈱ Konica Minolta Healthcare Americas, Inc. Konica Minolta Business Solutions Europe GmbH KONICA MINOLTA MEDICAL TECHNOLOGY (SHANGHAI) CO., LTD. (その他) [主な関係会社] コニカミノルタコネクト㈱ コニカミノルタ情報システム㈱ Konica Minolta Holdings U.S.A., Inc. Konica Minolta(CHINA)Investment Ltd. (注)それぞれの会社の主要な事業の内容は、「4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。 2026年3月31日現在の事業の系統図は次のとおりであります。 (注1)コニカミノルタジャパン㈱及びKonica Minolta Business Solutions Europe GmbHは、各事業の会社数に含めて記載しております。 (注2)2026年4月1日にRadiant Vision Systems, LLCは、Konica Minolta Sensing Americas, Inc.へ商号を変更しております。
経営方針・対処すべき課題4,878字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)当連結会計年度の総括 当連結会計年度(以下「当期」)における世界経済は、地政学的リスクの高まりやエネルギー・原材料価格の変動、米国の関税政策の影響、為替変動等により、先行きの不確実性が継続しました。また、顧客の投資抑制や一部地域における市況の悪化等、当社グループを取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況にありました。 このような経営環境の下、当社は中期経営計画(2023-2025)において、収益力を回復し再び持続的な成長軌道に戻すことを目指し、事業の稼ぐ力である事業貢献利益の増大に取り組んできました。中期経営計画(2023-2025)の初年度から2年目にかけては、事業の選択と集中及びグローバル構造改革を実行してきました。当期は中期経営計画(2023-2025)の最終年度にあたり、計画で掲げた目標の達成とともに、「Turn Around 2025」と位置付け、持続的な成長に向けた基盤の確立に着手しました。 当期における当社グループの連結売上高は、1兆877億円(前期比3.6%減)となりました。インダストリー事業の売上高は伸長しましたが、前期に事業の選択と集中によりプロフェッショナルプリント事業等で事業領域の絞り込みを実行したことと、デジタルワークプレイス事業と画像ソリューション事業の減収が主な要因です。 売上総利益は4,784億円(前期比0.2%減)となりました。減収により売上総利益は減少しましたが、売上総利益率は、1.5ポイント改善しました。インダストリー事業の売上総利益の増加、事業の選択と集中による改善、前期にデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業及び画像ソリューション事業にて連結調整における未実現利益消去の計算を見直した影響の剥落等によるものです。 事業貢献利益は531億円(前期比66.6%増)となりました。事業貢献利益率は2.1ポイント改善しました。売上総利益率の改善に加え、前期に実施したグローバル構造改革や事業の選択と集中の効果等により販売費及び一般管理費率が0.6ポイント改善したことが寄与しました。 営業利益は498億円(前期は640億円の損失)となりました。前期には、減損損失511億円、事業構造改善費用216億円、事業の選択と集中にかかわる費用202億円を計上しましたが、これらの影響の剥落により、営業利益は事業貢献利益の拡大とあわせて前期比で大幅に改善しています。 なお、米国関税による影響は106億円増加しました。加えて、顧客の投資抑制、米国市況の悪化等の影響を受けましたが、価格対応、製品構成の見直しや経費の追加削減等を実行し、当社事業への影響は53億円となりました。 税引前利益は434億円(前期は791億円の損失)となりました。金融収支は、支払利息の減少、為替差益、東京サイト日野(東京都日野市)の土地の不動産信託受益権の取得による益等により前期比で86億円改善しました。 親会社の所有者に帰属する当期利益は302億円(前期は474億円の損失)となりました。主に前期に実施した事業の選択と集中に伴い発生した税務上の損失に対する繰延税金資産の回収可能性が改善したことにより当期の税金費用が改善しました。また、非継続事業からは、Ambry Genetics Corporation(以下「Ambry Genetics社」)全株式のTempus AI, Inc.(以下「Tempus社」)への譲渡に伴い譲渡価額の一部として取得したTempus AI, Inc.の株式の公正価値変動による益及び株式の一部売却による損失等により、当期では19億円の損失(前期は450億円の利益)を計上しました。なお、ROEは6.1%(前期は△9.5%)となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは税引前営業利益の増加にともない862億円の収入となりました。なお、営業活動によるキャッシュ・フローには、米国の関税率引き上げに伴う関税支払増の影響が含まれております。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得、無形資産の取得、投資有価証券の売却、及び子会社の売却等により340億円の支出となりました。なお、有形固定資産の取得による支出には、過去にセール・アンド・リースバック方式で譲渡した東京サイト日野(東京都日野市)の土地の信託受益権取得の影響を含めております。また、投資有価証券の売却による収入には、Ambry Genetics社の株式譲渡の受取対価であるTempus社株式の一部売却による影響を含めております。 この結果、フリー・キャッシュ・フローは、522億円のプラス(前期は757億円のプラス)となりました。 (2)翌連結会計年度の経営方針 翌連結会計年度において、当社は、中東地域を巡る地政学的リスクの高まりによるエネルギーコストの上昇、原油価格等の変動による原材料価格の変動、メモリの価格高騰と調達リスク、米国の関税政策の変化に加え、為替変動等、経営環境の不確実性は継続すると見込んでおります。また、顧客の投資抑制や一部地域における市況の停滞等、事業環境は引き続き注意を要する状況にあります。 米国の関税政策を含む外部環境の変化については、その影響動向を注視しながら、価格対応、製品構成の見直し、経費の追加削減に加え、低関税率国への生産シフトの検討等を通じて、影響の吸収に努めていきます。 収益基盤の強化に向けて、これまでに実施してきたグローバル構造改革及び事業の選択と集中による効果を着実に定着させるとともに、各事業において以下の取組を進めていきます。 デジタルワークプレイス事業のオフィスユニットでは、働き方の変化に伴うプリントボリュームの緩やかな減少を想定しています。一方で、複合機連携アプリケーション・サービスの提供、AIを活用したモノづくり革新による更なるコスト低減や固定費削減により、収益力を強化するとともに、資産効率を高めキャッシュを創出します。 プロフェッショナルプリント事業のプロダクションプリントユニット・産業印刷ユニットでは、オフセット印刷からデジタル印刷へシフトする流れは不変であり、中期的には中堅・大手印刷会社を中心に需要をけん引して市場は成長すると見込んでいます。また、産業印刷ユニットを中心に当連結会計年度で顕在化した、米国の関税政策の影響による一部顧客との商談長期化が継続すると見込んでいます。 インダストリー事業において、センシングユニットのスマートフォン用ディスプレイ計測器は、顧客の新たなディスプレイ技術の開発が進み、設備投資の回復とともに需要が継続すると見込んでいます。機能材料ユニットは、大型ディスプレイ向けフィルムを中心に堅調な需要が見込まれます。生産の安定化により生産能力の拡大を行い、需要の取り込みを図ります。光学コンポーネントユニットは、半導体検査装置の市場は需要の拡大が見込まれ、生産能力の増強を行います。 画像ソリューション事業のヘルスケアユニットでは、日本、米国共に医療機関の投資抑制が継続すると見込んでいますが、Ⅹ線関連機器に加えて、動態解析システムの普及を図っていきます。また医療サービスの質の向上や効率化に向けて医療ITサービスの伸長が想定されます。 なお、メモリの調達リスクに対しては当面の数量を確保しています。エネルギーコストの上昇や原材料価格の変動等に対しては、状況を注視すると共に必要な対策を行うことで影響を吸収するよう努めます。 (3)中長期の成長に向けて (中期経営計画「Corporate Plan 2026-2028」) 中期経営計画(2023-2025)の最初の2年である2023年度と2024年度は、事業の選択と集中の実行に加え、グローバルな構造改革も追加で実施し、いずれも完遂しました。中期経営計画(2023-2025)の最終年度である2025年度は「Turn Around 2025」と位置付け、2026年度以降の持続的な成長に向けた成長基盤を確立する年度として取り組んでまいりました。やるべきことを着実に実行してきた3年間だったと総括しており、ROE5%以上という中期経営計画(2023-2025)最終年度の経営目標を達成しました。 中期経営計画「Corporate Plan 2026-2028」では、2026年度から2028年度までの3カ年を「長期成長の礎構築」と位置付け、ROIC経営及び事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じて収益基盤を一段と強化していきます。あわせて中長期の持続的な成長に向けた成長の芽となる新たな事業群についても、技術優位性や顧客価値の検証を着実に進めることで事業化を推進します。 こうした取組を通じて2028年度までにROE8%以上の達成を重点目標とし、これを通過点として企業価値の継続した向上を目指します (ROIC経営及び事業ポートフォリオマネジメントの強化) 当社は、ROICツリーを活用して、ROIC改善ドライバーとなる売上総利益率の向上、費用効率化、資本効率の向上に紐づく各施策を実行します。これらの施策にはAI活用が不可欠と考えており、AIを業務効率化だけでなく、顧客価値向上にもつなげていきます。また、ROICを事業評価の軸として、資本効率が十分ではない事業については、地域、商材まで踏み込んで収益性改善施策を実行することで、資本効率の改善を図ります。なお、当社は中期経営計画(2023-2025)の期間においてもROICを含めた指標を用いて非重点事業を特定し、事業の選択と集中を進めてきました。過去はこの事業の位置付けを定義する取組を中期経営計画の期間である3年ごとに実行してきましたが、今後は年度別に目標値を設定し、目標値とのギャップが生じないように、また、ギャップが生じた際には迅速な対応を実行していきます。 (収益基盤の更なる強化に向けて) 前述のROICツリーを用いた事業管理の徹底により、事業別の資本効率を向上させることに加え、当社は全社視点での固定費の効率化に取り組みます。具体的には、地域ごとに事業横断でのプロセスの共通化あるいは機能の共通化により、生産性向上を実現していきます。加えて、海外子会社の収益性改善に取り組むことで、実効税率を改善、また変動幅を抑制することでROEの分子となる当期利益額の向上・安定を目指します。 (中長期の持続的な成長に向けて) 当社の技術的な強みは、材料、光学、画像、微細加工といった四つの領域でコア技術を保有し、これらを組み合わせて価値を提供してきたことにあります。また近年ではこれらのコア技術の組み合わせのうえに、画像認識やマテリアル・プロセスインフォマティクス等といったAIによる効率化を組み合わせ、より付加価値の高い事業領域へと事業の幅を広げてきました。 今後も中長期の持続的な成長に向けて、既存事業領域及び滲み出し領域でのコア技術とAIの組み合わせによる価値創出に加え、半導体向け光学コンポーネント、ペロブスカイト太陽電池、インテリジェント再生材といった成長領域への展開へと注力します。この観点で中長期的な研究開発投資には全社研究開発費用の20%超を配分し、また、中期経営計画「Corporate Plan 2026-2028」期間の設備投資は今後の成長を期待するインダストリー事業領域を中心に配分します。当社は中長期的な視野に立ち、技術と顧客接点を含めたAIとの共創により、顧客とともに人の働き方や産業のあり方そのものを変革する技術の確立、循環経済や脱炭素への貢献といった、いわゆるマテリアリティとも一体化した事業の拡大を実現していきます。
事業等のリスク24,853字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 (1)当社のリスクマネジメント体制 当社は、当社グループの事業活動に関する諸種のリスク管理を所管するリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメント委員会規則に従い、取締役会で任命された執行役及び執行役員が以下のリスク管理体制の構築と運用にあたっております。 当社グループの事業活動に関する事業リスク及びオペレーショナルリスクについては、執行役及び執行役員の職務分掌に基づき各執行役及び執行役員が、それぞれの担当職務ごとに管理しており、リスクマネジメント委員会はそれを支援しております。また、リスクマネジメント委員会は、グループ経営上重要なリスクに関する抽出・評価・見直しの実施、対応策の策定、管理状況の確認を定期的に行っております。 当連結会計年度(以下「当期」)はグループ重要リスクとして、以下のリスク項目を選定しました。 ・サプライチェーンにおけるリスクマネジメント (2)当社のリスクマネジメント体制の運用状況 当社は、リスクマネジメント委員会を定期的(年2回)及び必要に応じて臨時に開催しております。この委員会では、企業活動に関して抽出されたリスク及び対応策の策定を行うとともに、リスクマネジメントシステムが有効に機能しているかについて検証・評価しております。当期においては、同委員会を2回開催し、地政学リスクに起因する国際物流情勢、米中貿易摩擦に係る規制、経済安全保障及び 人権問題等、当社のグローバルサプライチェーンに大きな影響を与えるリスクについて、事業への影響度が高い国・地域に適用される制裁や新たな法規制等の定期的なモニタリングを実施しました。 また、リスクマネジメント委員会における協議内容は、定期的に監査委員会へ報告するとともに、必要に応じて取締役会へ報告しております。加えて、取締役会構成員に対しては、月次で報告を行っております。 なお、当社グループでは、リスクが顕在化し企業価値に大きな影響を及ぼす状況を「危機(クライシス)」と定義し、クライシス発生時には上長経由で担当役員と危機管理担当役員へ報告し、さらに担当役員と危機管理担当役員は、代表執行役へ報告を行います。様々なリスクによって発生するクライシスに対し、当社は迅速・適切に対応するためにクライシス発生時の報告ルールを設け、執行役及び執行役員や当社子会社役員等に周知しております。その報告ルールに沿って、世界各地で発生した災害・事故、その他のクライシスに関する情報を危機管理担当役員が集中管理しております。 (3)事業等のリスク 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクを以下に記載しておりますが、これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられるほかのリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。 また、当社は、リスクを「組織の収益や損失に影響を与える不確実性」と捉えております。リスクを単にマイナスの側面からだけではなく、「機会」としてのプラスの側面からも捉えたうえで、リスクマネジメントを「リスクのマイナス影響を抑えつつ、リターンの最大化を追求する活動」と位置付け、収益の源泉としてリスクを管理するため、そのマイナスとリターンのバランスに重きを置いたリスクアペタイトに考慮した取組を行っております。 リスクへの対応と機会の考え方は、以降、個々のリスクの項目の中に記載しております。 記載事項のうち将来に関する事項は、当期末現在において入手可能な情報等に基づいて、当社グループが判断したものであります。 最初に、各リスク項目をリスクマップ上にプロットした図を掲載いたします。 なお、「発生可能性」については、3年以内に発生する頻度・確率より評価し、「影響度」については、発生した際に営業利益へ与える影響により評価しております。 ①経済環境に関するリスク 1)経済動向・市場環境 発生可能性:高   発生する可能性のある時期:1年以内   影響度:大 ●経済動向・市場環境  当社グループは、複合機やデジタル印刷システム、ヘルスケア用機器、計測機器や光学部材、ディスプレイ材料及び関連サービス等を、世界各国・地域の顧客に提供しております。これらの事業活動は、世界経済並びに特定の国・地域における経済情勢や地政学的情勢の影響を受けます。  主要市場におけるインフレの長期化や金融引締めに伴う景気後退、ウクライナ情勢や中東情勢の深刻化等により、当該地域における経済活動が制約又は停止された場合、顧客の投資抑制や個人消費の低迷を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。  また、各国・地域において、当社グループが予期しない政策、法制度又は規制等の変更が生じた場合、事業活動が停滞し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。  こうしたリスクに対し、当社グループは、現地法人との日常的な情報共有を通じて定期的に事業活動の状況を把握するとともに、事業に関連する経済情勢を分析し、経営戦略や業績予想に反映する取組を進めております。   ●経済安全保障  当社グループは、地政学リスクの高まりや各国における経済安全保障関連法制の強化を踏まえ、経済安全保障を事業活動に影響を及ぼし得る重要な経営リスクの一つと認識しております。 当該リスクについては、リスクマネジメント委員会を中核とする全社的なリスクマネジメント体制のもと、各国の規制、国際物流情勢、サプライチェーンへの影響等を含め、定期的なリスク項目の抽出、評価及びモニタリングを行っております。  経済安全保障推進法をはじめとする関連法制度については、制度概要及び事業への影響を整理したうえで、既存のリスク管理、調達、情報管理及び輸出管理の枠組みとの整合を図りながら、対応を進めております。  また、当社グループは、安全保障輸出管理規程に基づき、外国為替及び外国貿易法等に基づく該非判定、用途・需要者の確認、取引審査及び技術提供管理等を厳格に実施しております。 2)為替レートの変動 発生可能性:高   発生する可能性のある時期:1年以内   影響度:中 ●リスク  当社グループは、高い海外売上高比率が示すようにグローバルに事業活動を展開しており、為替レート変動の影響を大きく受ける状況にあります。また、外貨建ての取引から生じる当社グループの資産及び負債の円貨額や海外子会社の外貨建財務諸表から発生する在外営業活動体の換算差額も変動するおそれがあります。ユーロにつきましては、為替レートが1円円安に変動した場合、欧州での利益増により、営業利益に約5億円のプラスの影響を与えます。人民元も同様に、1円円安に変動した場合、中国での利益増により、営業利益に約10億円のプラスの影響を与えます。一方、米ドルについては、1円円安に変動した場合、調達・製造コスト増等により、営業利益に約1億円のマイナスの影響を与えます。 ●対応策  為替レート変動の影響を軽減するため、米ドル・ユーロ等の主要通貨では為替予約を中心としたヘッジを行っております。米ドルにつきましては、米ドル建ての調達と米ドル建ての売上を相殺することにより影響を軽減しております。また、多通貨建てのグローバルでのグループ間決済を、金融機関が提供するネッティングシステムを利用し行っており、子会社が持つ為替変動リスクを当社へ集約することにより為替リスクの集中管理及び効率的なヘッジを行っております。 ②事業活動に関するリスク 1)デジタルワークプレイス事業 プリント環境の変化に関連するリスク 発生可能性:中   発生する可能性のある時期:3年以内   影響度:大 ●リスク  先進国や新興国を中心に、情報共有の媒体が紙からタブレット端末やスマートフォン等のデジタルデバイスへの移行が進展し、デジタルデバイスを前提とした情報共有が広がりつつあります。また、新型コロナウイルス感染症を契機として普及したリモートワークやハイブリッドワークは、生成AIの活用拡大やクラウドサービスの進展と相まって、紙を前提としない業務プロセスを定着させました。加えて、AIエージェントの普及拡大により業務のデジタル完結が一層加速することで、各国のオフィスにおけるプリント需要は構造的な変化として中期的に減少する可能性があります。  IDC(International Data Corporation)によると、2029年の世界市場における電子写真方式による総プリントボリュームは、2024年と比べて約3割弱減少すると予測されており、当社グループの注力するカラープリントは2024年比で83.3%に留まる一方、モノクロプリントは68.9%に落ち込む予測となっております。プリントボリュームの減少については、最近では減少ペースが緩和し、下げ止まりの兆候が指摘されるとの見方もある一方で、現時点では、中期的に想定を超えるプリント需要の減少が発生することを当社グループとしてはリスクとして認識しており、このような状況下で顧客動向に迅速に対応できない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ●機会  先進国や新興国、各国における大企業に加え中堅企業を含め、紙文書のデジタル化や業務プロセスの高度化が進展する中、複合機におけるスキャン需要の拡大や、プリント出力時のセキュリティ対応、ドキュメント管理支援等、情報統制や業務効率化を目的としたオフィスソリューションに対するニーズは、今後も増加すると見込まれます。また、生成AIの活用拡大やクラウドサービスの進展により、デジタル化した文書情報の利活用や業務自動化への関心も高まっております。こうした市場環境を背景に、プリント出力にオフィスソリューションを組み合わせたサービスやソリューションを提供する機会は、当社グループにとって今後さらに拡大するものと認識しております。 ●対応策  当社グループでは、複合機を活用したスキャンサービスやドキュメントマネジメントサービスの拡大を中心に、生成AIの活用や業務プロセスの高度化にも対応したオフィスソリューションの提供を通じて、多様化する顧客ニーズへの対応を進めております。これにより、オフィスにおけるプリント出力機会の減少リスクを低減するとともに、付加価値の高いサービス領域への事業展開を推進しております。  また、プリント出力契約においては、顧客における請求管理、支払い業務、予算管理の簡素化やコストの見通しやすさに対するニーズの高まりを背景に、米国を中心に当社グループ独自のワンレートサービス契約(注)を提供しており、堅調に推移しております。今後は、リモートサービスの活用拡大によるサービス提供効率の向上や省人化の進展、物価上昇を踏まえた適切な価格対応を進めるとともに、インド等、プリント出力機会に成長余地のある国・地域におけるカラー複合機の設置拡大を通じて、事業基盤の強化と収益力の向上を図り、安定的な収益及び利益の創出を実現してまいります。   (注)複合機のハードウェア・消耗品・プリント管理・セキュリティ対策を含むサービスを一括提供し、定額の月額課金サブスクリプションモデルにすることにより、顧客の運用管理及び導入コストの削減を図る契約形態 2)各国・各地域の規制 発生可能性:高   発生する可能性のある時期:1年以内   影響度:中 ●リスク  当社グループの事業活動の多くの部分は、北米、欧州及びアジア諸国といった日本国外で行われており、その国や地域固有の法制、規制や承認手続きの影響を受けております。米国による各国に対する関税の賦課及び各国の対応、特に米中間での技術輸出規制等の経済措置の動向には常に十分な注意を払っておりますが、将来、各国の政府や国際的枠組による規制、例えば税制、輸出入規制、通貨規制、個人情報保護規制、デジタル関税、その他各種規則等が新規に導入される、又は変更された場合には、これらに対応するための費用が発生し、事業活動に支障をきたす可能性があります。特に、米中対立の長期化や経済安全保障政策の強化、レアアース等の重要資源に関する輸出規制の動向によっては、部材調達や生産活動に制約が生じるリスクがあります。  また、個人情報規制や生成AI規制については、巨大IT企業でのターゲティング広告への規制法案、欧州GDPR、欧州AI規制法等、各国で法制化、罰則が強化され、当社グループで推進している関連事業への影響が高くなります。  さらに、主要国における予期せぬ戦争状態等の発生により、それに対する各国の制裁措置が発動された場合、当社グループが予期しない法制、規制や承認手続き等の変更に直面するリスクがあります。また、特に、当社グループのヘルスケアユニットでは、事業活動を行っている各国の様々な医療制度や許認可の手続きの影響を受けております。医療制度改革等によって、予測できない大規模な医療行政の方針変更が行われ、その環境変化に速やかに対応できない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ●機会  新制度導入や制度改定による市場参入要件の新設・変更に迅速に対応することで、当社グループにとって販売機会創出あるいは事業継続強化の可能性があります。特に、環境法規制への対応、個人情報保護や情報セキュリティに関する規制への対応は、当社グループが強みとする環境経営やITサービス・ソリューションに追い風になるものと認識し、対応を進めております。  また、サプライチェーンの多元化や生産拠点の分散化(東南アジア等への展開)を進めることにより、地政学リスク耐性の強化とともに、新興国市場における事業機会の拡大が期待されます。 さらに、ヘルスケアユニットでは、各国医療政策の情報収集、専門学会等との連携により対応を行っております。医療政策による先端技術の導入は新たな市場創出につながります。 ●対応策  各国・各地域の法律・規制の動向、及び地政学リスクの変化には、常に十分な注意を払い、情報の収集に努めております。各地域の法務担当者と連携し、海外各地域の実情を把握し、必要に応じ、弁護士・コンサルタント等、専門機関の協力を得て、国あるいは地域ごとにリスクを判断し、対策を講じております。 また、特定地域への依存度の低減を目的として、生産拠点の最適配置やサプライチェーンの多元化を進めるとともに、レアアース等の重要部材の調達リスクに対しては代替調達先の確保や在庫戦略の見直しを推進しております。  ヘルスケアユニットにおいては、近年、診断力向上や医師の負担軽減に役立つAIを用いた画像診断の利用が、新型コロナウイルス感染症をきっかけに増大しております。当社グループは、各国の医療政策に応じた対応を進め、最先端の医療サービス実装に向けた取組を進めてまいります。 3)次世代技術変化 発生可能性:中   発生する可能性のある時期:3年以内   影響度:中 ●リスク  当社グループの事業環境に大きく影響を及ぼす因子として、生成AIやフィジカルAI等のAI技術の急速な進化と普及、環境法規制の強化等のグローバル規模での中長期トレンドの進行が挙げられます。これらの外部環境の変化に対応し、他社に先んじた技術革新を続けることが当社グループにとって重要な競争優位の源泉となりますが、競合他社が先行して類似技術や代替技術を開発し事業活用する可能性があります。従ってグローバルかつ広範な視点で競争優位になり得る革新的技術を開発対象として見定め、それらを迅速・柔軟に市場に提供できなければ、長期にわたり市場でのポジションを喪失する等、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ●機会  当社グループは、創業時から培った材料・光学・画像・微細加工の4つのコア技術と、近年の事業活動で育んだデジタル技術やAI技術に代表される先端技術等、豊富な技術アセットを保有し、計測・材料・プリンティングの3つの技術領域に強みを持っています。これらの技術アセットを融合あるいは掛け合わせて活用することで競合優位性を確保し、社会潮流を踏まえた市場に製品・サービスとして結実して迅速に投入することで、新たな市場ポジションを獲得する機会になり得ます。  また、当社グループの技術開発力と、各領域において優れた技術を持つ企業とが連携することにより、多様化する顧客課題に対応した解決策を導き出す機会になり得ると考えております。 ●対応策  当社グループは、コア技術とAI技術を掛け合わせて「見えないものを見える化する技術」を開発し、製品・サービスとして具現化して、デジタルワークプレイス、プロフェッショナルプリント、インダストリー、画像ソリューション等の市場へと提供しております。さらに既存の市場に加えて、環境やエネルギーに対する問題意識の高まり等、社会潮流を踏まえた市場を次世代の成長領域として検討し、強みである計測・材料・プリンティングの技術領域と進化し続けるAI技術との融合を加速させ、他社に先行したさらなる革新的な技術の開発に取り組んでまいります。加えて、当社グループの技術戦略やコア技術資産を外部に積極的に発信し、大学、研究機関、スタートアップ等の幅広いパートナーとの共創活動の強化を進めてまいります。  これらの取組により、当社グループは、社会課題の解決に向けたイノベーションを起こし、次世代技術変化のもたらすリスクに対応してまいります。 4)新製品への移行 発生可能性:中   発生する可能性のある時期:3年以内   影響度:大 ●リスク  当社グループが展開する事業領域においては、競合他社による既存製品・サービスのバージョンアップとの比較、並びに既存市場の製品やビジネスモデルを非連続的に変革し得る新たな製品・サービスとの比較という、二つの観点から、顧客が当社以外の製品・サービスを選択する可能性があり、新製品への移行リスクが常に存在しております。 前者については、個別のサービスや機能の追加に留まらず、顧客体験そのものを変容させるようなサービス・機能が市場に投入され、顧客の選定基準が高度化した場合にも生じる可能性があります。 後者については、破壊的技術の登場や社会的潮流の変化に伴うビジネスモデルの変革によって引き起こされる可能性があります。 ●機会  当社グループは、長年の事業活動を通じて構築した顧客との信頼関係に加え、材料・光学・画像・微細加工の4つのコア技術、及びデジタル技術やAIを含む幅広い技術ポートフォリオを、競争力の源泉となる無形資産として有しております。 これらを有効に活用することにより、既存事業領域において競争力の高い新製品・サービスを継続的に創出するとともに、市場環境の変化に対しても柔軟な対応を可能としております。 ●対応策  当社グループでは、デジタルワークプレイス、プロフェッショナルプリント、インダストリー、画像ソリューション等の各事業領域において、顧客満足度の継続的な向上を図りつつ、市場環境の変化を踏まえ、競争力のある新製品・サービスを計画的に市場投入しております。 具体的には、デジタルワークプレイス領域において「J.D.パワー2025年カラー複合機顧客満足度調査」のスモールオフィス市場部門で第1位を受賞したほか、プロフェッショナルプリント領域ではB2サイズHS-UVインクジェット印刷機「AccurioJet 30000」を発売しました。 また、インダストリー領域では溶剤耐久性に優れたインクジェットヘッド「KM1024iSHE-HM-LV」を発売し、画像ソリューション領域では複数の超音波診断装置が2025年度グッドデザイン賞を受賞しております。 さらに、保有する技術アセットの新たな応用先の開拓を進め、無形資産を活用した製品・サービスを新領域へ展開することで、顕在的・潜在的な競合の登場に伴うリスクへの対応を図っております。 これらの取組により、製品の継続的なバージョンアップと革新的製品の創出を両立し、当社グループの持続的な事業運営とイノベーションの創出を目指しております。 5)他社との協業、企業買収等 発生可能性:中   発生する可能性のある時期:特定時期なし   影響度:中 ●リスク  当社グループは、事業競争力の強化あるいは効率化の観点から、他社との協業、資本提携・企業買収、譲渡等を進めております。  企業買収等に伴い、のれん及び無形資産を計上しており、定期的に減損テストを実施しております。事業環境の変化に伴い、買収対象会社にかかる将来キャッシュ・フローの低下が見込まれた場合等では、減損損失を認識する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ●機会  当社グループが実施する他社との協業や企業買収、譲渡等は、イノベーションの加速による社会課題解決への貢献や、事業競争力強化や効率化を目的とするものであり、事業ポートフォリオ強化にとって有効な手段であると考えております。激しい市場・競争環境の変化の中、双方が有する技術・製品・顧客基盤・人財等の経営資源を積極的に有効活用していくことにより、持続的な事業成長の機会が得られると認識しております。 ●対応策  当社グループは、他社との協業や企業買収等に際して、当社との戦略的適合性、計画の蓋然性、投資額の妥当性、リスク対応等の観点から投資評価を行ったうえで、投資の可否を見極めております。具体的には、投資回収期間及び投資額等の妥当性判断のため、投下資本に対する期待収益指標として全社加重平均資本コストを最低基準として設定しております。また、投資実施後のモニタリングとして定期的に投資レビューを実施し、設定した計画の達成状況に加え、収益性、市場成長等の観点から案件ごとの当社グループの企業価値への貢献状況を見極め、投資時点の計画からの変化に対する迅速な対応を講じられるようにしております。  加えて、事業単位でのレビューも定期的に実施し、上記投資回収効果を含めた事業単位での投下資本効率の推移と見通しを評価することにより、必要に応じて事業ポートフォリオにおける選択と集中を図れるようにしております。 6)生産・調達等 発生可能性:高   発生する可能性のある時期:1年以内   影響度:大 ●リスク  当社グループの主力事業であるデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業及びインダストリー事業では、コスト競争力の強化と市場への迅速な製品供給のため、海外及び日本における生産活動を継続しております。グローバルに生産活動を行う中で、各国・地域における法規制、労務政策、通商政策、輸出入規制、税制、サイバーセキュリティ事案、環境規制及び人権・環境デュー・デリジェンス関連規制の変更、並びに紛争や国際関係の緊張の高まり等に起因する地政学リスクが、従来以上に当社グループの生産・調達活動へ影響を及ぼす可能性が高まっております。特に米国においては、2025年以降の関税政策の動向を巡り、対象品目や適用条件の見直しが継続的に行われており、これにより調達コスト、物流網の設計、価格競争力及び収益性に影響を及ぼすリスクが引き続き存在しております。  また、ウクライナ情勢や中東情勢等を背景とする主要海上輸送ルートの不安定化、米中対立を背景とする輸出管理の強化、重要鉱物・電子部品・原油等の供給制約等により、原油価格の上昇、部品・原材料の調達難、輸送日数の長期化及び物流費の上昇が発生する可能性があります。加えて、金属材料、石油化学製品、電子部材、レアアース等の価格は品目ごとの変動性が高く、エネルギー価格や電力コストの上昇も含めて、生産コスト全体を押し上げる可能性があります。これらの要因により、当社グループの製品供給の安定性、生産効率、在庫政策及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。  当社グループは、特定の製品・部品・材料・エネルギーをグローバルなサプライヤーから調達しておりますが、サプライヤーにおける品質問題、生産停止、自然災害、労働争議、電力制約、政策変更、輸出許認可の厳格化等により供給が途絶又は遅延した場合には、当社グループの生産及び供給能力に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、サプライチェーンに関する環境・人権面での透明性確保やトレーサビリティ要求への対応が不十分な場合には、顧客対応、当局対応、取引機会及びブランド価値にも影響を及ぼす可能性があります。 ●機会  デジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業及びインダストリー事業においては、調達先及び生産拠点の分散、消費地近接生産の推進、他社との協業・アライアンス、並びに部品の共通化及び代替化の推進により、サプライチェーンのレジリエンスを高め、安定供給、コスト競争力及び顧客対応力の向上を図ることができるものと認識しております。また、環境・人権対応を含むサプライチェーン管理の高度化を進めることにより、顧客及び市場からの信頼向上につながり、中長期的な事業成長の機会となるものと認識しております。 ●対応策  当社グループは、生産に関するリスクへの備え及び流動的な事業環境変化への柔軟性を高めるため、日本・中国・マレーシアを含む主要生産拠点の最適役割分担を継続的に見直すとともに、ASEAN及び日本での生産比率の引上げ、相互バックアップ体制の強化を進めております。これにより、特定地域への過度な依存を抑制し、通商政策の変更や物流混乱発生時にも安定供給を維持できる体制の強化を図っております。北米・欧州においても、需要変動への迅速な対応及び消費地生産によるコスト・リードタイム最適化を推進しております。  調達面では、日本・中国・ベトナム・タイ・マレーシア等の主要調達地域において、各国の規制・制限並びに経済・地政学的動向に関する情報収集機能を強化し、サプライヤーとの連携や他社との協業・アライアンスを通じ、品質・生産性及びコスト競争力の向上を図っております。具体的には、主要部材について調達複線化、新規サプライヤー開拓、代替部品・代替材料の評価、設計変更を含む部材切替の迅速化、在庫水準の機動的見直しを推進しております。また、輸出管理や通商規制の変化に対応するため、調達・開発・品質保証・生産・物流が連携し、部材認定から量産投入までのリードタイム短縮に取り組んでおります。  さらに、BCP管理については、開発・品質保証・調達・生産・物流・情報システムの各部門が連携し、当グループ生産拠点及びサプライヤーの稼働状況、材料調達状況、輸送状況、サイバーセキュリティ事案、法規制変更及び関税影響を迅速かつ的確に把握する体制を強化しております。 特に、米国の関税政策及び各国の輸出管理強化が当社グループの供給網へ及ぼす影響を継続的にモニタリングし、原価上昇の抑制、価格転嫁の判断、供給ルート切替及び顧客への安定供給確保を総合的に推進することで、事業活動に及ぶリスクの最小化に取り組んでおります。加えて、環境・人権デュー・デリジェンス及びトレーサビリティ要求への対応を進め、サプライチェーン全体の透明性と説明責任の向上を図っております。 7)グローバルサプライチェーン 発生可能性:高   発生する可能性のある時期:1年以内   影響度:大 ●リスク  当社グループの生産及び販売活動の多くは日本国外で行われており、サプライチェーンもグローバルに展開しております。そのため、各国・各地域における物流上の問題が当社グループ全体のサプライチェーンに波及し、供給遅延等を通じて経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。  当社グループは、中国及びASEAN地域に生産拠点を有し、これらの拠点からグローバルに製品供給を行っております。これらの国・地域において、新たな感染症のパンデミック等により活動制限が発生した場合、港湾・空港での荷役作業の停滞や混雑により物流が滞り、販売拠点への安定供給に支障をきたし、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。  また、製品の輸出先である欧米主要国においては、港湾における労使交渉の長期化・決裂によるストライキ、スエズ運河の航行制限(喜望峰ルートへの迂回)や中東情勢の緊迫化等を背景とした供給リードタイムの延伸、海上輸送市況の悪化及びコンテナ運賃の高止まりが生じる可能性があります。  さらに、米国の関税政策や中国建造船に対する入港料課徴施策等により、コンテナ船の船腹需給バランスが悪化し、輸送費が上昇するおそれがあります。これらの物流コストの上昇、並びに、これらの要因に起因して販売拠点における在庫不足や顧客への納品遅延が発生した場合には、売上機会の損失等を通じて、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。  日本国内においては、2024年の働き方改革関連法の施行に伴うトラックドライバー不足の深刻化や中東情勢を受けた燃油の高騰により、供給リードタイムの延伸や物流コストの上昇リスクが顕在化しており、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ●対応策  当社グループの主力事業であるデジタルワークプレイス事業やプロフェッショナルプリント事業では、物流実態に応じた販売拠点の在庫見通しシミュレーションを適宜実施しております。将来の在庫見通しに応じて、各地域への供給量の振り分け、環境の変化に即した適正な販売拠点における安全在庫の確保、物流ルートの柔軟な変更等を適宜実施することにより、販売への影響を回避しております。  中国・ASEANの港湾課題については、新規フォワーディング会社のサービス利用や通常輸出港以外の代替港利用も含めてフレキシビリティを確保し、課題発生時には、生産拠点からの貨物の優先付けを行うことで、出港地側における供給リスクの回避・低減に努めております。  海上輸送については、従来取引のある主要フォワーダーとのコミュニケーション及び情報連携を強化し、コンテナ船のスペースを安定的かつ柔軟に確保するとともに、コンテナ輸送単価の上昇幅を最小限に抑えるための交渉・調整に努めております。 特に、欧州航路においては、中東情勢の動向に注視しながら、喜望峰迂回ルートによるリードタイム延伸の影響を踏まえた適切な供給調整を行い、欧州販売拠点での販売への影響や物流コスト増加の影響を最小化しております。北米航路においても、米国の関税政策の動向を注視しつつ、適宜、最適な供給調整を行っております。 また、日本国内においては、「2024年問題」による輸送制約リスクや物流効率化法への対応として、物流委託パートナーと連携し、共同輸送施策や荷待ち時間の適正化を継続的に推進することで、運べないリスクの回避・低減に努めております。加えて、配送効率化や積載効率向上等の施策を通じて、物流コスト上昇の影響の最小化を図っております。  当社グループでは、必要なものを必要な時に必要なだけ必要なところへ供給できる、柔軟な物流体制を構築し、引き続き、顧客の満足度向上に努めてまいります。 8)製造物・品質責任 発生可能性:低   発生する可能性のある時期:特定時期なし   影響度:中 ●リスク  当社グループは、国内外のグループ会社や生産委託先において厳格な品質保証体制を構築し、顧客に対して高い性能と信頼性を備えた製品及びサービスを提供しております。万が一、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が発生した場合、その欠陥に起因した損害に対して当社グループは賠償責任を負う可能性があり、また、その欠陥に対して多大な対策費用が発生する可能性があります。さらに、当該問題により、企業ブランドや製品ブランドが毀損され経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ●対応策  重大品質問題を起こさない仕組み・取組として、品質に関する責任と権限を担う執行役又は執行役員を議長とする「品質保証責任者会議」を設置し、グループ全体の品質マネジメントを統括しております。品質保証責任者会議では品質に起因するリスクの極小化と顧客満足度向上に向けた方針・計画の推進・進捗確認、情報共有及び是正・改善に取り組んでおります。さらに、各事業では、品質課題についてPDCAサイクルを徹底することで継続的な品質向上に取り組んでおります。  製品品質にかかわる緊急事故が発生した場合は、当社グループ統一の「市場品質速報データベース」に情報を登録することが義務付けられており、登録された情報は即座に品質を担当する執行役又は執行役員と事業責任者へ伝達され、関連部門で共有、必要な対策・情報開示が迅速に行えるようになっております。また、過去に発生した品質問題に対し、原因の解析、対策の実施及び技術・評価基準への反映を行い、再発防止に努めております。さらに、法的基準よりも厳しい独自の製品安全基準を設け、製品の様々な箇所について詳細に規定し確認を行っております。これらの施策をより確実に実施するため、「製品安全教育」をグループ内に展開し、品質マインドの定着に努めております。  また、デジタル社会の進展や新たな技術の進化により、当社が提供する製品やサービスにおいて、セキュリティの脅威に顧客をさらすリスクを持つ可能性があります。当社グループでは、リスクの極小化に向け、サービス事業及びセキュリティ対応に関連する社内規程の運用を強化しております。製品セキュリティ事故発生時の対応と脆弱性への対策・予防として、製品の脆弱性に関する情報を全社で一元管理し必要な対応を推進するとともに、公的機関等とも連携するための全社共通組織として「KONICA MINOLTA PSIRT(注)」活動を展開しております。加えて、AIを活用した製品・サービスの販売も増えており、AIガバナンス体制を構築し、リスクアセスメントの実施と社内外のAI有識者から構成する「AI倫理審査委員会」での審議等により、AI利活用における倫理的・法的な問題発生リスクの低減に努めております。  さらに、品質コンプライアンス遵守強化に向けては、品質不正のみならず、法規制、認証、契約等の不遵守防止に向けて、ガバナンスの強化を図っております。組織の定期診断や品質従事者に向けた意識調査をもとにした改善活動のPDCAを回すことによるリスク低減、階層別教育や啓発による定期的な品質意識の醸成、新たな法規制や認証等を毎月入手し、社内への周知及び業務への実装を推進する体制・仕組みを運用することで、法規制等への確実な対応を図っております。   (注)KONICA MINOLTA PSIRT (Product Security Incident Response Team)、当社グループにおける製品脆弱性 対応チーム ③その他のリスク 1)人権 発生可能性:高   発生する可能性のある時期:特定時期なし   影響度:中 ●リスク  当社グループは、グローバルに事業を展開しており、世界各地のサプライヤーから部品・材料の調達を行っております。こうしたグローバルなサプライチェーンの中でも、東アジアや東南アジア等の地域は、労働集約型産業の集積、移住労働者の存在、労働関連法令の運用・執行状況のばらつき等の構造的要因を背景として、強制労働や児童労働等の人権に関する問題が相対的に発生しやすいとされており、当社グループの一部サプライチェーンも当該地域に存在しております。 このような人権に関する問題がサプライチェーン上で顕在化した場合には、社会的批判を受けることにより、投資家からの信頼喪失に伴う株価の下落や、顧客からの要求に適合できないことによる販売機会の逸失等を通じて、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。  また、国連人権理事会における「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」の採択を背景に、各国で人権尊重に関する法整備が進展しております。例えば、米国のウイグル強制労働防止法や、ドイツのサプライチェーンにおける企業のデュー・デリジェンス義務に関する法律に加え、EUにおいて企業持続性デュー・デリジェンス指令(CSDDD)及び強制労働製品禁止規則の施行が決定される等、各国における法規制の強化が加速しております。これらの法規制に適切に対応できない場合には、輸入禁止措置や高額な罰金の対象となるおそれがあります。 ●機会  各国において、政府調達要件や環境ラベルの取得要件に、人権デュー・デリジェンスの実施や社会的責任監査の受審等、人権リスクに関する項目を追加する動きが加速しており、これらに能動的に対応することは、当社グループにとって販売機会の創出につながると考えております。  また、人権尊重の取組を通じて、サプライチェーンにおける労働条件や作業環境の改善を進めることで、従業員の満足度向上やエンゲージメントの強化といった効果が期待されます。その結果、生産性や品質の向上、離職率の低下等につながり、サプライチェーン全体の競争力の向上及び当社グループの持続的な成長の実現に寄与すると考えております。 ●対応策  当社グループは、グローバルに事業を展開する企業として、コニカミノルタグループ行動憲章、コニカミノルタグループ人権方針、コニカミノルタサプライチェーン行動規範において、事業活動における最も基本的な要件の一つとして人権尊重を規定しております。また、これらの方針に基づき人権デュー・デリジェンスを実施するとともに、当社グループの事業に関連するビジネスパートナーやその他の関係者に対しても人権の尊重を求めております。こうした活動では国連グローバル・コンパクト(UNGC)、レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)等、グローバルに認知された団体の活動理念を反映させております。  具体的な手順としては、UNGPsの人権デュー・デリジェンスの考えに基づき、潜在的又は顕在的に負の影響を受けるステークホルダーとその人権課題を抽出し影響度を評価することで、特に優先度が高いと思われる人権課題を特定しております。例えば、サプライチェーン(地域住民、先住民を含む)上の強制労働、児童労働、安全衛生等の人権課題に対して、「コニカミノルタCSR調達推進プログラム(注1)」の展開をはじめ、経済協力開発機構(OECD)によるガイダンス(注2)に基づく責任ある鉱物調達への対応をグループ全体で推進する体制を構築し、負の影響の防止又は軽減に取り組んでおります。  人権デュー・デリジェンスを通じて人権侵害の可能性が発見された場合、又は社内外から人権侵害の申し立てが発生した場合には、ステークホルダーとの真摯な対話と速やかな調査を実行してまいります。その結果、人権に対する負の影響を直接的に引き起こしている場合(Cause)、直接的又は間接的に助長している場合(Contribute)、取引関係を通じて人権への負の影響と直接関連している場合(Directly Linked)は、社内外のしかるべき手続きを通じて是正策を講じてまいります。   (注1)下記の手順にてサプライチェーンのリスクの発見、改善、予防に取り組んでおります。 1.全てのサプライヤーに対して、当社グループが定める「コニカミノルタ調達方針」、「コニカミノルタサプライチェーン行動規範」及び「コニカミノルタ責任ある鉱物調達方針」遵守への合意を要請しております。さらに上流のサプライヤーにも、直接のサプライヤーを通じて要請を依頼しております。 2.当社グループの全生産拠点、及び取引金額やESGリスクの大きさを踏まえて選定した重要サプライヤーを対象に、自己評価質問票(SAQ)によるリスク評価を実施しています。その結果、リスクが高いと判断された拠点・サプライヤーに対しては、改善を要請しております。 3.自主的な改善が難しいと判断した拠点・サプライヤーに対しては、オンサイトを含む監査・指導を実施し、第三者視点も含めた改善提案を実施しております。 4.社内関係者及びサプライヤーのキャパシティビルディングのため、潜在的なリスク予防のための教育や、顕在化リスクに対する是正指導を実施しております。 (注2)OECD紛争地域及び高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・デリジェンスガイダンス 2)大地震・自然災害・感染症等 発生可能性:中   発生する可能性のある時期:特定時期なし   影響度:大 ●リスク  当社グループは、研究開発・調達・生産・販売等の拠点を世界各国に置き、グローバルに事業活動を展開しております。巨大地震や火災、気候変動に伴う大規模な台風・洪水・森林火災等の自然災害、大規模な感染症の発生、また戦争・テロ行為・サイバー攻撃等が発生した場合には、当社グループの設備等が被害を受け、一時的な操業停止や生産・出荷の遅れが生じることにより、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。  特に、首都直下地震や南海トラフ巨大地震等が発生した場合には、想定を超える規模で被害が発生する可能性があると考えられます。  当社グループは、防災対策や事業継続マネジメントを継続的に推進しておりますが、このような事態が発生した場合には、拠点の機能停止や設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、さらにはサプライチェーンへの被害等により、顧客へのサービス提供や製品出荷の停止が生じ、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。 ●機会  有事の発生時においても事業継続が可能な体制を構築することにより、顧客や取引先からの信頼を高め、安定的な事業運営を通じた競争優位の確保につながると考えております。 ●対応策  当社グループは、災害や感染症の発生、戦争・テロ行為・サイバー攻撃等が発生した場合においても、危機管理担当役員が関連情報を集中管理し、従業員の安全を最優先として適切な対応を行う体制を構築しております。 巨大地震をはじめとした日本国内の災害に対しては、防災中期計画に基づき、予防・減災対策、応急対策・初動対応、復旧・復興対策の各フェーズにおいて、ハード・ソフト両面から対応力の強化を図っております。具体的には、建物の耐震対策、通信・データ関連の主要サーバーの海外設置、安否確認システムや防災情報収集システム等のITを活用した被災時の情報共有基盤の整備等を行っております。 大規模災害発生時には、国内に有する約200のグループ拠点を対象とした緊急時情報ネットワークを構築し、被害情報の迅速な把握と、必要な支援や対策を実施できる体制を整備しております。さらに、各拠点において、従業員が災害時に自律的に行動し命を守ることができるよう、定期的に実践的な防災訓練や教育を実施するとともに、働き方の変化を踏まえ、ITツールを活用し、リモートワーク環境下においても防災体制が機能するよう整備しております。  また、当社グループでは、事業を継続し企業としての社会的責任を果たすとともに、顧客が必要とする製品やサービスを安定的に供給するため、主要消耗品の生産拠点の分散化によるリスク低減や、調達リスクの高い品目における代替手段の検討、在庫の確保等を行い、対応策の有効性の確認と継続的な改善に取り組んでおります。加えて、各拠点においては、地域の自治体と連携し、自然災害発生時の避難場所や飲料水・物資の提供等を通じた地域貢献にも努めております。 3)気候変動・環境規制 発生可能性:中   発生する可能性のある時期:特定時期なし   影響度:中 ●リスク  世界全体が低炭素社会へ移行した場合、環境関連の法規制が厳格化するおそれがあり、追加的義務及び費用が発生する可能性があります。ステークホルダーからの再生可能エネルギー調達及び温室効果ガス排出ネットゼロの要求が高まることにより、調達・製造コストの増加につながる可能性があります。オフィスにおける紙出力の需要減による売上の減少、当社グループの拠点への排出規制及び化石燃料や化石資源の代替化による製造コストの増加等も当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。  一方、世界各地で気候変動による物理的影響が顕在化した場合、森林火災の頻発化や水ストレスの高い地域での大規模な干ばつ発生により、原材料の調達が不安定になり生産能力減少による収益減につながる可能性があります。大規模又は局地的な風水害が発現すると、部材の供給量が制限又は一時停止することで、当社グループの拠点及びサプライヤーで一時的に操業が停止し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。  また循環型社会に向けては、再生材料使用の義務化による調達・製造・製品コストの増加、使用済み製品のリサイクルや再製造の義務化による製品開発コストの増加につながる可能性があります。  加えて、大気汚染、水質汚染、有害物質の除去、廃棄物処理、製品含有化学物質、製品リサイクル、容器包装、土壌・地下水汚染等に関する様々な環境法及び規則の適用を受けており、それらの遵守のために必要な経営資源を投入しておりますが、現在及び過去の生産活動、及び開発・販売活動にかかわる環境責任に伴う費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。  なお、気候変動に関するリスクの詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 ●機会  低炭素社会への移行が加速した社会、有限な資源を有効利用する循環型の社会では、顧客の気候変動に関する課題の解決に貢献することで、事業機会につながる可能性があります。当社グループが培ってきたコア技術とAI技術を融合させ、社会・顧客の移行計画の実現へ貢献する新たなサービスやソリューションを提供することで、売上増大を図ることが期待できます。  短期から中期的には、商業・産業印刷のサプライチェーンを変革するデジタルソリューション、低カーボンフットプリントや循環資源を活用した製品・サービス、製品の再製造、循環社会における材料種判別の高度化技術、オンデマンド生産プロセスによる製造工程効率化、次世代エネルギーの実装を支える品質検査技術・高耐久材料の適用拡大、半導体量産工程における安定稼働と生産性向上を提供してまいります。  中長期的には、ペロブスカイト太陽電池モジュールを開発・生産するために必要不可欠な部材・デバイスを開発し提供してまいります。AI・センシング技術を活用したインテリジェント再生材の拡大とともに、これら成長の芽を全社強化テーマとして掲げ、成長基盤の確立を目指してまいります。  一方で、気候変動の影響が発現する場合においても、事業機会を生み出す可能性があると考えております。  中期的には、異常気象・自然災害への防災・減災に貢献する画像ソリューション、災害医療現場で画像診断を活用したヘルスケアソリューション等、社会の新たな需要を取り込むことができると考えております。  当社グループでは、こうした社会課題の解決に直結した事業を強化しております。 ●対応策  リスク低減策としては、当社グループでは生産工程の効率化を徹底して追求するとともに、生産技術の開発・改善を進め、CO2排出削減とコストダウンを同時に実現する工場・事業所の省エネルギー活動を推進しております。また、サステナビリティ・リンク・ボンドの発行によりリスク対策及び機会の実現に必要な資金を調達するとともに、Science Based Targets(SBT)イニシアチヴから認定を取得した温室効果ガス排出削減目標をSustainability Performance Targets(SPTs)に設定し、2026年度から始まる中期経営計画「Corporate Plan 2026-2028」の目標と連動させることにより施策の実効性を高めております。加えて、再生可能エネルギー100%での事業運営を目指し、国際リーダーイニシアチブ「RE100」に加盟し、グローバルで各地域に応じた最適な再エネ電力の調達手段を検討し計画的に導入を進めております。  気候変動による物理的影響が顕在化した場合への適応策として、原材料の供給ルートを粗原料まで遡り把握し、安定供給リスクが高い原材料は、調達先の複数確保や代替材料の検討に取り組んでおります。また、デジタルワークプレイス事業・プロフェッショナルプリント事業では、消耗品として供給する部品生産並びに印刷用トナーの生産及び充填を行う当社グループの生産拠点を、日本、欧州、北米に展開し、消費地で供給できるレジリエンスの高いサプライチェーン体制を確保するよう努めております。  循環型社会に向けては、再生材料を積極的に活用した製品開発を進めるとともに、これらの技術、実績に、当社独自のセンシング・AI技術を導入することで、材料種判別の高度化技術やインテリジェント再生材の事業化も目指しております。また製品が使用された後の廃棄物の削減と資源の保護を目指して、製品のリユース、リサイクルを考慮した製品設計、複合機の再製造にも力を入れております。  機会の実現に向けて、事業企画や商品企画の段階から、社会・顧客の移行計画の実現に資する環境価値及び財務価値の両方を目標設定して中期経営計画「Corporate Plan 2026-2028」へ組み入れ、新たなサービスやソリューションを設計・開発して、気候変動の課題解決への貢献を最大化できるよう努めております。 4)知的財産権 発生可能性:低   発生する可能性のある時期:特定時期なし   影響度:小 ●リスク  当社グループは、製品やサービスの開発の中で多くの技術あるいはノウハウを蓄積し、それらを保護するための知的財産権の取得に努めております。しかしながら、一部の国・地域では、知的財産権を保護する制度やその適正な運用が不十分な場合があり、第三者が無断で当社グループの知的財産権を使用して類似製品を製造、販売することを防止できない可能性があります。  また、当社グループでは他社の知的財産権を侵害しないように製品等の開発を進めておりますが、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされ、製品等の開発や販売に支障をきたす可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性があります。さらに、現在当社グループがライセンスを受けている第三者の知的財産権の使用が差し止められる、あるいは不当な条件に変更される可能性があります。 ●機会  当社グループの事業、製品、サービス等により提供される顧客価値の源泉となる当社グループ独自のビジネスモデル、技術、データ等の知的財産について、特許権等の知的財産権の取得、不正競争防止法によるノウハウ・データの保護要件を満たす管理等、その特性に応じた適切な保護・活用を行うことにより、知的財産を当社グループの持続的な競争優位性の維持、成長のドライバーとしております。なお、各国・地域の産業構造や事業ライフサイクルを踏まえ、当社グループで事業継続するよりも、他社により事業化又は事業強化を図ることが適切と判断した場合には、当該事業に関連する特許権等の知的財産権を他社に譲渡又はライセンス供与しております。これにより、産業界全体への貢献と当社グループの収益向上を図っております。  さらに、知的財産による社会貢献にも積極的に取組、世界知的所有権機関(WIPO)が運営する持続可能な社会の実現を目指す技術移転のための国際的なプラットフォーム「WIPO GREEN」にパートナー企業として参画し、環境技術関連の特許群をWIPO GREENに登録することでSDGsの推進に知的財産面から貢献しております。 ●対応策  当社グループは、技術等を保護する知的財産権(例えば特許権)を適切に取得・執行することが困難な国・地域においては、商標権等に基づいて、行政機関と協力し模倣品の押収や輸入差し止めを行う、電子商取引(EC)プラットフォーム運営業者と連携し模倣品取扱業者の出店差し止めを行う等、様々な方法により類似製品の流通阻止に努めております。  他社の知的財産権に関しては、製品開発の各フェーズにおいて入念な調査・確認を実施し、他社の知的財産権を侵害していないことを商品化の要件としております。万が一、見解の相違等により他社から知的財産権の侵害を指摘された場合やライセンス条件の変更等の事態に備え、非侵害の主張やライセンス条件等の交渉・訴訟対応を行うための専門人財を知的財産部門に配置するとともに、経験豊富な国内外の弁護士と連携し、事案の内容に応じて適切に対応する体制を整えております。  これらのリスク対応に加え、知的財産が競争優位性の維持・強化の有効なツールであるとの認識に基づき、当社グループの持続的な事業成長を知的財産面から推進するため、各事業の特性や事業ポートフォリオ上の位置付けに対応して事業ごとに知財戦略を構築し、戦略に沿った知財投資及び知財活動を実行しております。  また、これらの知財投資及び知財活動の実効性を高めるため、専門性の高い人財の育成に向けた戦略・施策を策定・実行しております。具体的には、専門知識・スキルに加え、ビジネスセンスを兼ね備えたプロフェッショナル人財の育成に取り組んでおります。 5)人財確保 発生可能性:中   発生する可能性のある時期:3年以内   影響度:大 ●リスク  当社グループは、将来像の実現に向けて、コア人財の継続的な育成及び獲得が不可欠であると認識しております。一方、日本を含む高齢化が進む地域に事業基盤を有する当社グループでは、将来像の実現に不可欠な「コア技術にかかわる人財」や、「モノづくりを支える生産技術・技能人財」の高齢化に伴う技術消失リスクが高まっております。 ●機会  当社グループが直面する人財高齢化によるリスクは、以下のような観点で競争力強化の好機でもあると考えております。 熟練技術者が有する暗黙知をAI活用により形式知化・資産化し、グローバルで共有・再利用することによる技術 力の持続的な拡張。 技術×AI×事業を横断する価値共創型人財の育成や、ものづくりDXの高度化を通じた新たな付加価値創出。 学びが体系化されることで、外部人財に対し、働くことを通して継続的に成長できるという魅力付け。 新卒採用及びキャリア採用を通じた外部人財の積極的な獲得により、多様な知見・価値観を取り込み、組織の活 性化及びイノベーション創出力が強化。 ●対応策  当社グループでは、業務経験や専門性を有する人財の活用強化に向け、専門性の高い人財を対象とした処遇の見直し及び対象者拡大、並びに若手の育成や技術伝承を担う社員へのインセンティブ付与等、再雇用制度の改訂を行いました。  また、専門技術者が持つ暗黙知を文書化・蓄積し、AIチャットを通じて活用可能とするナレッジ基盤を内製で構築しております。人と人の技術伝承にAIを掛け合わせることで、従来のOJTに依存しない人財育成の高度化を図っております。  生産領域においては、従来、マレーシアを中心にITを活用したモノづくりを推進してまいりましたが、日本における生産規模の再拡大を見据え、三河の生産拠点において部品搬送のロボット化等人とロボットが協調する生産体制の構築を進めております。  さらに、当社グループの主力であるオフィス・印刷の領域においては、業界最高水準の生産性を持続的に維持する事業変革を目指し、販売、マーケティング、サービス、ロジスティクスにかかわる業務プロセスの効率化と、AIをはじめとするDX技術の活用を推進するプロジェクトを展開しております。 併せて、採用ブランディングの強化を通じた当社グループの認知度向上に取り組むとともに、日本国内に留まらず、海外を含めた高度専門人財、特にエンジニアの採用強化を進めています。 6)情報セキュリティ 発生可能性:高   発生する可能性のある時期:特定時期なし   影響度:大 ●リスク  企業を標的としたサイバー攻撃は高度化・巧妙化が進んでおり、特に、ユーザーアカウントの認証情報を窃取し、集中管理された社内ネットワークへ侵入した上で管理者権限を奪取し、不正操作を行うといった被害事例が国内外で多数発生しております。併せて、各種IT機器やソフトウェアの脆弱性を悪用した攻撃も増加しており、サイバー攻撃に起因するリスクは拡大しております。  当社グループにおいても、サイバー攻撃により管理者権限が奪取された場合、不正操作等を通じ、技術情報、営業秘密、人事情報等の機密情報が第三者に漏えいし、不正利用や売買等に使用される可能性があります。 このような重大な情報セキュリティインシデントが発生した場合、当社グループの経営成績及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。 ●機会  当社グループは、顧客の働き方の多様化やサイバー攻撃の高度化を背景に、セキュリティ対策強化に対するニーズが継続的に高まる中、IT管理サービス及び複合機を起点としたセキュリティ支援を提供しております。 IT管理サービスにおいては、ネットワークやアプリケーションの脆弱性の監視・管理、リスクアセスメントに加え、複合機からの情報漏えい防止を目的としたデータ暗号化、パスワード設定、ログ管理機能等を備え、設定状況を監視し異常を通知する「bizhub SECURE」をグローバルに展開しております。 「bizhub iシリーズ」には、社内ネットワークへのウイルス感染拡大を防止するため、印刷、スキャン、FAXを含む全ての文書・FAXデータに対してウイルスチェックを行う機能を標準搭載しております。  また、米国におけるIT管理サービスでは、セキュリティソリューションを包括的に支援する体制を構築し、医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)や経済的及び臨床的健全性のための医療情報技術に関する法律(HITECH)、家族の教育の権利とプライバシーに関する法律(FERPA)等の各種法規制への対応を支援しております。国内においては、設計・導入から保守・運用までを一体で提供するマネジメントIT管理サービス「IT-Guardians」を通じ、多層防御の考え方に基づく包括的なセキュリティ対策を提供しております。 これらの機能・サービスは継続的に更新・高度化しており、サイバー攻撃手法が変化する環境下においても顧客のセキュリティ対策強化を支援することで、当社グループの新たな事業機会の創出につながるものと考えております。 ●対応策  当社グループでは、情報セキュリティ対策としてネットワークの常時監視を行い、多様化・高度化するサイバー攻撃によるサービス停止等の兆候を早期に検知する体制を整備しております。併せて、定期的にネットワーク侵入テストを実施し、悪用される可能性のある脆弱性を早期に把握・是正する対応を行っております。 また、サイバー攻撃への備えとしてサイバー保険に加入するとともに、事故発生時の対応フローを整備し、当社グループ全体を網羅するセキュリティ推進体制の下、迅速に対処できる体制を構築しております。  リモートワークを行う従業員に対しては、外部からの不正アクセスを防止するため、暗号化通信によるセキュアなネットワーク環境を提供するとともに、会社支給パソコン以外からの社内ネットワーク接続を制限しております。併せて、人事部と連携し、出社して実施すべき業務内容の整理を行うとともに、情報漏えい防止に関する注意喚起を徹底し、従業員向けの教育・啓発活動を定期的に実施しております。  さらに、包括的セキュリティマネジメント体制であるSecurity Management Office(SMO)の下、グループ各社に対しグローバルセキュリティ基準を制定し、5地域のIT責任者と連携しながら、各社のセキュリティ対応レベルの自己評価及びその評価に基づく対策計画の策定・実行状況を確認しております。これらの取組を通じ、グループ全体のセキュリティレベルの継続的な向上を図っております。
経営成績の分析 (MD&A)10,283字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 経営者の視点による当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びにこれらの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)重要性がある会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。 重要性がある会計方針及び見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記3 重要性がある会計方針」及び「同 注記4 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。 (2)経営成績の状況 当社は中期経営計画(2023-2025)において、収益力を回復し再び持続的な成長軌道に戻すことを目指し、事業の稼ぐ力である事業貢献利益の増大に取り組んできました。本中期経営計画の2年目までは事業の選択と集中及びグローバル構造改革を実行しました。当連結会計年度(以下「当期」)は本中期経営計画の最終年度にあたりますが、中期経営計画(2023-2025)で掲げた目標の達成とともに「Turn Around 2025」と位置づけ、持続的な成長に向けた基盤の確立に着手しました。 当期における当社グループの連結売上高は、1兆877億円(前期比3.6%減)となりました。インダストリー事業の売上高は伸長しましたが、前期に事業の選択と集中によりプロフェッショナルプリント事業等で事業領域の絞り込みを実行したことと、デジタルワークプレイス事業と画像ソリューション事業の減収が主な要因です。 売上総利益は4,784億円(前期比0.2%減)となりました。減収により売上総利益は減少しましたが、売上総利益率は、1.5ポイント改善しました。インダストリー事業の売上総利益の増加、事業の選択と集中による改善、前期にデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業及び画像ソリューション事業にて連結調整における未実現利益消去の計算を見直した影響の剥落等によるものです。 事業貢献利益は531億円(前期比66.6%増)となりました。事業貢献利益率は2.1ポイント改善しました。売上総利益率の改善に加え、前期に実施したグローバル構造改革や事業の選択と集中の効果等により販売費及び一般管理費率が0.6ポイント改善しました。 営業利益は498億円(前期は640億円の損失)となりました。 前期には、減損損失511億円、事業構造改善費用216億円、事業の選択と集中に関わる費用202億円を計上しましたが、これらの影響の剥落により、営業利益は事業貢献利益の拡大とあわせて前期比で大幅に改善しています。 なお、米国関税による影響は106億円増加しました。加えて、顧客の投資抑制、米国市況の悪化等の影響を受けましたが、価格対応、製品構成や経費の追加削減等を実行し、当社事業への影響は53億円となりました。 税引前利益は434億円(前期は791億円の損失)となりました。金融収支は、支払利息の減少、為替差益、東京サイト日野(東京都日野市)の土地の不動産信託受益権の取得による益等により前期比で86億円改善しました。 親会社の所有者に帰属する当期利益は302億円(前期は474億円の損失)となりました。主に前期に実施した事業の選択と集中に伴い発生した税務上の損失に対する繰延税金資産の回収可能性が改善したことにより当期の税金費用が改善しました。また、非継続事業からは、Ambry Genetics社全株式のTempus社への譲渡に伴い譲渡価額の一部として取得したTempus社の株式の公正価値変動による益や、株式の一部売却による損等により、当期では19億円の損失(前期は450億円の利益)を計上しました。なお、ROEは6.1%(前期は△9.5%)となりました。 米国関税に関連して、当社は米国当局に対して関税の還付申請を行っております。これらについては、当局による審査を経て還付の可否及び還付額が決定されるものであり、現時点においては、還付の可否・還付額・還付時期はいずれも不確実な状況にあります。 また、過去に納付した関税については一定の要件を満たす場合には追加の還付申請を行う可能性がありますが、その対象範囲や申請時期等は現時点で未確定であり、将来の影響については不確実性を伴います。 (注)「事業貢献利益」は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。 セグメント別の状況は以下のとおりであります。 前連結会計年度   当連結会計年度   増減 (自2024.4.1   (自2025.4.1 至2025.3.31)   至2026.3.31) 億円   億円   億円   % デジタルワークプレイス   売上高   6,163   6,105   △58   △1.0 事業   事業貢献利益   357   387   29   8.3 営業利益   139   370   230   165.2 プロフェッショナル   売上高   2,846   2,551   △294   △10.4 プリント事業   事業貢献利益   129   110   △18   △14.6 営業利益   △131   93   225   - インダストリー事業   売上高   1,192   1,267   75   6.3 事業貢献利益   140   224   83   59.6 営業利益   △127   222   350   - 画像ソリューション事業   売上高   1,069   945   △123   △11.6 事業貢献利益   △103   △18   84   - 営業利益   △259   △13   246   - 小計   売上高   11,272   10,870   △401   △3.6 事業貢献利益   524   704   179   34.3 営業利益   △379   673   1,052   - 「その他」及び調整額   売上高   6   7   0   7.6 (注2)   事業貢献利益   △205   △172   32   - 営業利益   △260   △174   86   - 連結損益計算書計上額   売上高   11,278   10,877   △401   △3.6 事業貢献利益   319   531   212   66.6 営業利益   △640   498   1,138   - (注1)売上高は外部顧客への売上高であります。 (注2)売上高は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の外部顧客への売上高の「その他」、営業利益は同記載のセグメント利益(△は損失)の「その他」と「調整額」の合計であります。 (注3)前第3四半期連結会計期間からプレシジョンメディシン事業を非継続事業に分類し、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。 ①デジタルワークプレイス事業 デジタルワークプレイス事業の売上高は6,105億円(前期比1.0%減)となりました。 オフィスユニットは前期比で減収となりました。ハードは、地域別では米国等で減少したほか、相手先ブランド向け売上が減少しました。消耗品やサービス等のノンハードは市場における設置台数の減少が影響し、地域別では米国等で減少しました。 ITサービス等の提供を中心とするDW-DXユニットは、事業の選択と集中による一部事業の譲渡の影響を受け、前期比で減収となりました。一方で、欧州におけるビジネスコンテンツ管理や業務プロセス管理を提供するサービスや日本における自社開発のAI SaaS事業は好調に推移し、事業譲渡の影響を除くと増収となりました。 当事業の事業貢献利益は387億円(前期比8.3%増)でした。オフィスユニットの減収に伴い売上総利益は減少しましたが、前期に実施したグローバル構造改革の効果に加え、DW-DXユニットにおける事業の選択と集中の効果も寄与しました。 営業利益は、370億円(前期比165.2%増)となりました。前期に発生した、前述の事業構造改善費用や減損損失が剥落した影響により、増益となりました。 ②プロフェッショナルプリント事業 プロフェッショナルプリント事業の売上高は2,551億円(前期比10.4%減)となりました。 プロダクションプリントユニットは、Konica Minolta Marketing Services Holding Company Limitedの株式譲渡の影響により前期比で減収となりましたが、この影響を除くと前期並みとなりました。ハードは、米国や中国で減収となりましたが、インドでは増収となり、為替の影響も加えて前期並みとなりました。消耗品やサービス等のノンハードは、欧州やインド等の地域を中心に伸長し、増収となりました。 産業印刷ユニットは、前期比で増収となりました。ハードは米国関税の影響による商談長期化の影響を受け減収となりましたが、ノンハードは増収となりました。 当事業の事業貢献利益は110億円(前期比14.6%減)となりました。ハードの売上総利益の減少と、産業印刷ユニットにおける新製品開発にかかる費用の増加が影響しました。 営業利益は93億円(前期は131億円の損失)となりました。その他の費用として、Konica Minolta Marketing Services Holding Company Limitedの株式譲渡に伴う為替換算差額の実現による損等を子会社株式売却損に16億円計上しましたが、前期に発生した前述の事業構造改善費用や減損損失が剥落した影響により、増益となりました。 ③インダストリー事業 インダストリー事業の売上高は1,267億円(前期比6.3%増)となりました。 センシングユニットは、前期比で増収となりました。光源色向け計測器では、大手顧客によるディスプレイ設備投資が回復し増収となりました。また、物体色向け計測器は新製品の販売が好調に推移し増収、自動車の外観計測向け検査装置も新規顧客への販売が拡大し増収となりました。一方でハイパースペクトルイメージング技術を応用した計測器は欧州のリサイクル市場での顧客の投資先送りにより減収となりました。 機能材料ユニットは前期比で増収となりました。当第3四半期連結会計期間に発生した生産能力の制約の影響がありましたが、生産は安定化しました。TV等の大型領域及びスマートフォン等の中小型領域ともにフィルム需要は堅調に推移し、大型のIPS方式液晶ディスプレイ向けを中心に販売を拡大しました。 IJコンポーネントユニットは、前期比で減収となりました。主にサイングラフィックス市場において、欧州や中国で販売が減少したことが影響しました。 光学コンポーネントユニットは、前期比で増収となりました。注力する半導体検査装置用及びプロジェクタ用レンズの販売が好調に推移しました。 当事業の事業貢献利益は224億円(前期比59.6%増)となりました。センシングユニット、機能材料ユニット、光学コンポーネントユニットの増収に伴う売上総利益の増加、機能材料ユニットの棚卸資産の評価損の剥落による売上総利益の増加、及び販売費及び一般管理費の効率化による減少が寄与しました。 営業利益は222億円(前期は127億円の損失)となりました。前述の減損損失が剥落した影響も寄与し、増益となりました。 ④画像ソリューション事業 画像ソリューション事業の売上高は945億円(前期比11.6%減)となりました。 ヘルスケアユニットは、前期比で減収となりました。DR(デジタルラジオグラフィー)の販売台数は、アジアやインドでは増加したものの、米州と欧州で減少し、前期並みとなりました。医療ITの販売は、新製品効果もあり米国を中心に伸長しました。一方、中国でのX線フィルム需要の減少に加え、日本での仕入れ商材の販売が減少しました。 画像IoTソリューションユニットは、前期比で減収となりました。当社の保有するMOBOTIX AGの全株式を譲渡する等の事業の選択と集中を進めたことが影響しております。 映像ソリューションユニットは、前期比で増収となりました。プラネタリウム直営館及び機器販売が好調に推移しました。 当事業の事業貢献損失は18億円(前期は103億円の損失)となりました。ヘルスケアユニットにおける販売費及び一般管理費の削減と前期の減損損失計上による減価償却費の減少、画像IoTソリューションユニットにおける事業の選択と集中の効果により、収益性が改善しました。映像ソリューションユニットは安定した収益を確保しております。 営業損失は13億円(前期は259億円の損失)となりました。その他の収益として、MOBOTIX AGの株式譲渡に伴う為替換算差額の実現等による17億円の子会社株式売却益を計上しました。前期に発生した、前述の事業構造改善費用や、事業の選択と集中に関わる費用、減損損失が剥落した影響により、増益となりました。 (3)財政状態の状況 前連結会計年度末   当連結会計年度末   増減 資産合計     (億円)   12,176   12,349   172 負債合計     (億円)   7,435   6,859   △ 576 資本合計     (億円)   4,740   5,489   748 親会社の所有者に帰属する持分合計(億円)   4,631   5,365   733 1株当たり親会社所有者帰属持分    (円)   935.99   1,085.64   149.65 親会社所有者帰属持分比率 (%)   38.0   43.4   5.4 当連結会計年度末(以下「当期末」)の資産合計は、前期末比172億円(1.4%)増加し1兆2,349億円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権の増加270億円、現金及び現金同等物の増加208億円、のれん及び無形資産の増加114億円、事業の選択と集中を進めた結果、計上していた売却目的で保有する資産の減少263億円、その他の金融資産の減少189億円によるものであります。 負債合計については、前期末比576億円(7.7%)減少し6,859億円となりました。これは主に、リース負債の減少262億円、引当金の減少162億円、事業の選択と集中を進めた結果、計上していた売却目的で保有する資産に直接関連する負債の減少157億円、社債及び借入金の減少136億円、その他の流動負債の増加80億円によるものであります。 資本合計については、前期末比748億円(15.8%)増加し5,489億円となりました。 親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比733億円(15.8%)増加し5,365億円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の増加445億円、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上302億円によるものであります。 これらの結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,085.64円となり、親会社所有者帰属持分比率は5.4ポイント増加の43.4%となりました。 (4)キャッシュ・フローの状況 (単位:億円) 前連結会計年度   当連結会計年度   増減 営業活動によるキャッシュ・フロー   510   862   351 投資活動によるキャッシュ・フロー   246   △340   △586 計 (フリー・キャッシュ・フロー)   757   522   △234 財務活動によるキャッシュ・フロー   △1,108   △402   705 当期の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー862億円の収入と、投資活動によるキャッシュ・フロー340億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは522億円のプラスとなりました。 また、財務活動によるキャッシュ・フローは402億円の支出となりました。 そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比178億円増加の1,107億円となりました。 当期における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 税引前利益434億円、非継続事業からの税引前損失19億円に、減価償却費及び償却費586億円、棚卸資産の減少による増加149億円等によるキャッシュ・フローの増加と、営業債務及びその他の債務の減少による減少145億円、法人所得税の支払額95億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは862億円の収入となりました。 なお、営業活動によるキャッシュ・フローには、米国の関税率の引き上げに伴う関税支払増の影響も含まれております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 有形固定資産の取得による支出479億円、無形資産の取得による支出131億円、投資有価証券の売却による収入213億円、子会社の売却による収入57億円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは340億円の支出となりました。 なお、有形固定資産の取得による支出には、過去にセール・アンド・リースバック方式で譲渡した東京サイト日野(東京都日野市)の土地の信託受益権取得の影響が含まれております。 また、投資有価証券の売却による収入には、Ambry Genetics社の株式譲渡の受取対価であるTempus社株式の一部売却による影響が含まれております。 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは522億円のプラス(前期は757億円のプラス)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 社債の償還及び長期借入金の返済334億円、短期借入金の純減少額290億円、リース負債の返済215億円等による支出と、社債の発行及び長期借入れ475億円等の収入により、財務活動によるキャッシュ・フローは402億円の支出(前期は1,108億円の支出)となりました。 (5)生産、受注及び販売の実績 ①生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日  至 2026年3月31日)   前期比(%) デジタルワークプレイス事業(百万円)   342,606   94.1 プロフェッショナルプリント事業(百万円) インダストリー事業(百万円)   117,840   104.9 画像ソリューション事業(百万円)   18,865   68.5 報告セグメント計(百万円)   479,311   95.1 その他(百万円)   -   - 合計(百万円)   479,311   95.1 (注1)金額は、売価換算値で表示しております。 (注2)デジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業につきましては、共通の設備にて生産を行っておりますので、当該生産拠点における生産実績を記載しております。 (注3)当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記5 事業セグメント」に記載のとおりであります。 ②受注実績 当社グループは見込み生産を主としておりますので、記載を省略しております。 ③販売実績 販売状況については、「(2)経営成績の状況」において各セグメントの業績に関連付けて示しております。 (6)資本の財源及び資金の流動性 ①資本政策の基本的な方針 当社は、事業ポートフォリオマネジメントの徹底、コスト構造と経営資源配分の適正化を進め、中長期的な企業価値向上に向けた持続的な成長を支えるための最適な資本政策を実施していきます。 特にキャッシュ・フロー創出力の強化と資本効率(ROE・ROIC)の向上を重視し、その実現に向けて、「成長投資の実施」、「財務基盤の強化」及び「株主還元の充実」について、これらの最適バランスを目指した資本政策を推進し、資本効率を意識した最適な資本・負債構成を目指します。 1)資本効率の向上 資本コストを重視し、資本コストを安定的に上回るROE・ROICの向上を目指します。ROEの改善ドライバーとして当期純利益率と総資産回転率の改善を重視し、バランスの取れた財務基盤を維持しつつ、資本効率の向上を図ります。 当期純利益率の改善に対しては、事業別ROIC(注)を用いて事業毎の効率性と収益性を評価し、資本効率と企業価値の継続的な向上を実現していきます。 2)株主還元の充実 連結業績から得られるキャッシュ・フローを元に成長分野への投資や財務バランス等を総合的に勘案し、配当を基本として利益還元の充実に努めます。自己株式の取得については、当社の財務状況や株価の推移等も勘案しつつ、利益還元策の一つとして適切に判断していきます。 3)財務健全性の担保 当社は、財務ガバナンスの強化、財務リスクの最小化、資金効率の向上、株主資本の充実により、財務基盤をより強固なものとしながら、事業の選択と集中に従った成長投資を進めていきます。 (注)事業別ROIC:事業毎に税引後営業利益を投下資本で除した比率であり、事業活動のために投下した資本を使って、どれだけ事業利益を生み出したかを示す指標であります。 事業別ROICの極大化によりROICの向上を図ります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。 ②資金需要 当社グループの主な資金需要は、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資や、将来の成長及び企業価値向上を目的としたM&Aによる投資であります。 ③資金の源泉 当社グループの資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入や社債の発行による資金調達であります。 ④資金調達についての方針 当社グループは、円滑な事業活動に必要な流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、主に金融機関からの短期借入及び長期借入や社債の発行により資金調達を行っております。社債については、国内社債発行登録枠を有しており、当社の既発行社債の債券格付、発行登録予備格付はともに株式会社格付投資情報センター(R&I)及び株式会社日本格付研究所(JCR)からA格を取得しております。長期資金の調達に際しては、償還や返済の時期を分散することにより借り換えリスクの低減を図っております。また、資金調達は主に当社が行っており、必要資金を関係会社に主にキャッシュ・マネジメント・システムを通じて供給することで資金調達の一元化や効率化を図っております。 (注)2018年3月31日以降の残高には、ハイブリッドローンが含まれております。格付機関の評価により、資金調達額1,000億円の50%に対して資本性の認定をうけております。 (注)ハイブリッドローンの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記20 社債及び借入金」に記載のとおりであります。 ⑤流動性 当社は営業活動によるキャッシュ・フローに加え、複数の金融機関との間で2027年9月末を期限とする1,000億円のコミットメントライン及び一つの金融機関との間で2026年10月末を期限とする50億円のコミットメントラインを締結しているほか、アンコミットメントベースの融資枠も有しております。なお、2026年3月末時点のコミットメントラインの使用残高はゼロです。 また、当社グループ内の資金の効率化については、日本・北米・欧州・アジアパシフィックの各統括拠点においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、各地域の余剰資金を当社へ集中し一元的に管理を行うことにより、資金効率の向上と金融費用の極小化及びガバナンスの向上を図っております。なお、一時的な余剰資金は、安全性が極めて高い金融資産で運用しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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