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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.66-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

冨士ダイス

Fuji Die Co.,Ltd.6167 · Prime · 機械

超硬合金製の耐摩耗工具・金型で多様な金属加工産業を支える。線引き用ダイスから自動車・飲料缶金型まで、粉末冶金技術によるカスタムメイド製品が強み。

概要

冨士ダイスは、東京都大田区に本社を置く超硬合金製耐摩耗工具の専門メーカーである。鉄鋼・非鉄金属、自動車、飲料缶、電機・電子部品など幅広い産業向けに、線材引抜き用のダイス・プラグ、自動車部品生産用金型、製缶金型などを供給する。連結従業員数は1,078人で、2026年3月期の売上高は174億円。国内7拠点、海外2拠点(タイ・インドネシア)で生産を行い、粉末冶金から加工・検査までの一貫体制を持つ。

超硬合金の一貫生産体制と粉末冶金技術

冨士ダイスグループは、原料粉末の混合(調粉)、成形・焼結による超硬合金素材の製造(冶金)、精密加工、測定検査までの全工程を社内で完結する一貫生産体制を構築している。超硬合金はタングステンカーバイドなどの硬質金属炭化物とコバルトなどの鉄系金属を粉末冶金法で焼き固めたもので、鋼より硬く変形しにくい。この技術を基盤に、顧客の使用条件に最適な合金素材を選択し、多品種少量生産に対応している。研究開発では、粉末冶金技術を軸に素材開発、加工技術開発、新製品開発を進めており、特にバインダーレス合金の生産量を短期間で倍増させるなど、需要変化への対応力を高めている。

顧客密着型の営業体制とグローバル展開

国内10拠点、アジア5カ国(中国、タイ、インドネシア、マレーシア、インド)に約100名の営業担当者を配置し、直接訪問による顧客ニーズの把握に努めている。耐摩耗工具は顧客ごとのカスタムメイドが多く、技術サービス員や生産部門の技術者が営業をサポートし、素材選定から製品管理まで高度な提案を行う。海外では中国子会社が光学機器関連や半導体関連素材の販売で好調であり、タイ・インドネシアでは輸送機器向けに加え、非輸送機器製品の拡販を強化。インド子会社は2016年8月から休眠していたが、2026年4月に事業を再開した。

主要顧客産業と製品区分の多様性

冨士ダイスの製品は、超硬製工具類(ダイス、プラグ、熱間圧延ロール、冷間フォーミングロール、超高圧発生用工具など)、超硬製金型類(自動車部品生産用金型、製缶金型、電池関連金型、光学素子成形用金型、粉末成形用金型、半導体・電子部品用金型)、その他の超硬製品(超硬合金チップ、各種部品)、超硬以外の製品(鋼製品、セラミックス製品、銅タングステン合金など)に分類される。2026年3月期の売上高構成は、超硬製工具類43億円、超硬製金型類46億円、その他の超硬製品48億円、超硬以外の製品35億円。製缶金型や電池関連金型、超硬素材の販売が好調である一方、混錬工具などの超硬以外製品は低調だった。

単一セグメントだが多層的な収益構造

グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントだが、製品群と顧客産業が多岐にわたるため、特定市場の変動リスクを分散している。2026年3月期の売上高は174億円(前期比5.1%増)、営業利益8億円(同68.5%増)、親会社株主帰属当期純利益5億円(同34.6%増)。原材料価格高騰や人財投資拡大があったものの、売上増と外注加工費・電力燃料費の減少が利益を押し上げた。財務面では、流動資産150億円、固定資産106億円、流動負債38億円、固定負債13億円と、自己資本比率は高い水準にある。

業界の中での役割は耐摩耗工具・金型メーカー(粉末冶金技術による超硬合金素材から加工まで一貫生産)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
174億円
営業利益
8億円
営業利益率
4.6%
純利益
6億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01鉄鋼・非鉄金属主力

線材やパイプの引抜き・押出し加工に用いるダイス・プラグを供給。高精度かつ耐摩耗性に優れ、生産性向上に貢献。

主な製品・サービス4
ダイス
線材やパイプの外径を決めるための引抜き・押出し用工具。超硬合金製で高精度・長寿命。
プラグ
線材やパイプの内径を決めるための引抜き・押出し用工具。超硬合金製。
熱間圧延ロール
鉄鋼素材の圧延に用いる円筒形工具。超硬合金製で耐摩耗性に優れる。
冷間フォーミングロール
建材やパイプの成形に用いるロール。超硬合金製。

02自動車主力

エンジン・駆動系・操舵系・安全装置部品などの生産用金型を供給。高強度・高精度が要求される部品製造に超硬合金金型を提供。

主な製品・サービス2
自動車部品生産用金型
エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング、安全装置部品等を製造するための超硬合金製金型。
電池関連金型
電池ケース、電池部材、車載電池用の生産金型。超硬合金製。

03飲料缶・金属容器主力

飲料缶や食缶などの容器製造に用いる製缶金型を供給。高い精度と耐摩耗性が求められる大量生産工程に貢献。

主な製品・サービス1
製缶金型
アルミや鉄系板材から容器・蓋を製造するための金型。抜き、絞り、しごき、曲げ加工に対応。

04電機・電子部品準主力

半導体封止材や光学素子、磁石、焼結部品など、電子部品製造用の金型を供給。精密加工が要求される工程に対応。

主な製品・サービス3
半導体・電子部品用金型
封止材生産など半導体・電子部品製造用の超硬合金製金型。
光学素子成形用金型
ガラスレンズ成形用の超硬合金製金型。
粉末成形用金型
磁石や焼結部品の粉末成形に用いる超硬合金製金型。

05生産・業務用機械準主力

樹脂・セラミックス混錬工具や超高圧発生用工具、各種刃物など、生産設備向けの耐摩耗工具を供給。

主な製品・サービス4
混錬工具
樹脂・セラミックス等の混錬・生産に用いる工具。超硬合金製。
超高圧発生用工具
人工ダイヤモンドやcBNの合成に用いる超高圧耐工具。超硬合金製。
刃物類
鋼板、フィルム、箔などの切断用刃物。超硬合金製。
各種部品
各種装置部品。超硬合金製。

06その他(超硬合金チップ・超硬以外製品)副次

超硬合金チップ(中間素材)や鋼、セラミックス、銅タングステン合金など超硬以外の素材を用いた耐摩耗工具・部品を供給。多様なニーズに対応。

主な製品・サービス4
超硬合金チップ
丸棒・板材・ニアネット形状の超硬合金素材。工具・金型の素材として販売。海外販売比率が高い。
鋼製品
飲料缶やエンジン部品等の生産用金型。超硬合金の加工技術を活かした鋼工具。
セラミックス製品
機械工具、冶工具。超硬合金以外の素材。
銅タングステン合金
放電加工用電極。

製品と技術

線材・パイプ加工用ダイスとプラグ

ダイスとプラグは、線材やパイプの引抜き・押出し加工において外径・内径を決定する超硬合金製工具である。創業時からの主力製品で、社名の由来にもなっている。超硬合金ならではの高精度と耐摩耗性により、鉄鋼、非鉄金属、自動車、電機・電子部品など幅広い業界で、材料の寸法精度や表面品質を向上させる。特に溝付プラグは熱交換器用パイプの生産に用いられ、顧客の生産性向上に貢献している。

自動車部品生産用金型と電池関連金型

エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング、安全装置部品など、高強度・高精度が要求される自動車部品を製造するための超硬合金製金型を供給する。近年は、電動化に対応し、電池ケースや車載電池部材の生産用金型にも注力。モーターコア用金型の販売も好調である。これらの金型は超硬合金の優れた耐摩耗性により長期使用が可能で、大量生産工程での安定した品質維持に寄与している。

飲料缶向け製缶金型

アルミや鉄系板材から飲料缶、食缶、エアゾール缶、一斗缶などの容器・蓋を製造するための金型。抜き、絞り、しごき、曲げ加工に対応し、特にビールやコーヒー缶など大量生産が求められる飲料缶向けに高い精度と耐摩耗性を発揮する。原材料の歩留まりや製品精度が重視される分野で、超硬合金の使用が不可欠であり、同社の主力製品の一つとして安定した需要を維持している。

超硬合金チップと中間素材事業

丸棒、板材、ニアネット形状に焼結した超硬合金素材を「超硬合金チップ」として販売している。これは工具・金型メーカー向けの中間製品で、最終形状に加工する際のコスト削減が可能。海外販売比率が高く、中国では半導体関連向けが好調。自社グループ内で製造するため品質管理が徹底されており、顧客の多様なニーズに応じた合金グレードを提供している。

鋼製品と超硬以外の素材製品

超硬合金の精密加工で培った技術を活かし、鋼、セラミックス、銅タングステン合金など超硬以外の素材を用いた耐摩耗工具も手掛ける。鋼製品は飲料缶やエンジン部品の生産用金型として、超硬と鋼を使い分けて顧客のコストや耐衝撃性の要求に応える。他に、樹脂混錬工具、放電加工用電極、耐熱部材などもラインアップ。2026年3月期は超硬以外製品の売上が減少したが、多素材対応が顧客基盤の拡大に寄与している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

機械のなかでの位置

超硬工具でニッチ市場に強み、収益改善途上

超硬合金ツールや金型部品を手掛ける機械メーカーで、売上高170億円規模。日本製鋼所や三浦工業など大手とは業種が異なるが、同業とみなせるメーカーは限定的。同社は超硬工具で特定分野に強みを持ち、営業利益率は改善傾向にあるが、依然低水準。海外需要や自動車・半導体向けが好調だが、競争激化で差別化が課題。

強み

  • 超硬工具の特定用途で高い技術力を持ち、競争上の優位性を確保。
  • 直近で営業利益率が3%から4.6%へ改善しており、収益力が向上。
  • 自動車、半導体、航空宇宙など幅広い産業に販路を有する。
  • 材料技術や加工技術の蓄積があり、高付加価値製品の開発が可能。

課題

  • 営業利益率が4%台と低く、さらなる収益改善が必要。
  • 主要顧客の設備投資動向や素材価格の変動に業績が左右される。
  • 技術継承や若手人材の育成が課題で、熟練技術者の不足。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

金属・ガラスの時価総額近傍。太字が冨士ダイス

時価総額で並べると、掲載8社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15357ヨータイ347億円13.2倍
27952河合楽器製作所318億円26.6倍
33315日本コークス工業302億円
45981東京製綱290億円8.4倍
55932三協立山206億円
66167冨士ダイス202億円34.9倍
75852アーレスティ174億円4.7倍
85707東邦亜鉛138億円7.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(金属・ガラス)に従っています。

会社の歴史

沿革 0件

創業以来続く超硬合金耐摩耗工具専門の道

冨士ダイスは創業以来、超硬合金を用いた耐摩耗工具を専門に取り扱ってきた。社名の「ダイス」は、主力製品である線材引抜き用ダイスに由来する。粉末冶金法による超硬合金の製造・加工技術を蓄積し、高精度・長寿命の工具・金型を提供することで、鉄鋼、非鉄金属、自動車、飲料缶など幅広い産業の生産工程を支えてきた。長年の研究開発により、金属粉末の種類や粒径の組み合わせ、焼結条件に関する知見を深め、素材開発力と加工技術で業界内に確固たる地位を築いている。

インド子会社の休眠と2026年の事業再開

グループ子会社のFUJILLOY INDIA PRIVATE LIMITEDは、インドの経済環境と顧客動向を踏まえ、2016年8月から事業を休眠していた。その後、市場環境の変化や顧客ニーズの高まりを受け、2026年4月より事業を再開した。再開に先立ち、インド国内の展示会に出展するなど市場開拓の足掛かりを築いており、新たな成長の柱として期待される。この動きは、海外事業の飛躍を掲げる中期経営計画の一環であり、アジア市場でのプレゼンス拡大につながる。

中期経営計画2026と経営基盤の強化

2025年3月期を初年度とする3カ年の「中期経営計画2026」を策定し、「変化に対応できる企業体質への転換」を目標に掲げた。具体的な施策として、コーポレート・ガバナンス強化のため監査等委員会設置会社へ移行、グループ企業理念の見直しと新ビジョンの策定、DXを活用した営業活動の可視化やワークフローの導入による業務効率化などを推進した。生産部門ではロボット導入による自動化、部品取り最適化システムの本格稼働、バインダーレス合金の生産倍増など、生産性向上に取り組んだ。

タングステン原料調達リスクへの対応とリサイクル事業

中国政府による重要鉱物の輸出規制強化により、超硬合金の主原料であるタングステンの対日供給が極めて不安定な状況となった。このリスクに対応するため、調達先の複線化、代替原材料の研究開発に加え、使用済み超硬工具・金型の回収活動を本格化し、リサイクル事業を立ち上げた。また、レアメタル使用量を大幅に削減した新合金「サステロイSTN30」を開発し、鋼と同等の比重で超硬合金並みの耐摩耗性を実現。循環型社会への貢献を目指す。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高経常利益率重視
  • ROE(自己資本当期純利益率)重視

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    経営基盤の強化

    コーポレート・ガバナンス強化のため監査等委員会設置会社へ移行し、新たなビジョンと行動指針を策定して浸透を図る。DXを活用した営業活動の見える化や全社的ワークフロー導入による業務効率化を推進する。

  2. 02

    生産性向上・業務効率化

    国内生産部門でロボット導入を含む生産工程の自動化を継続し、部品取り自動最適化システムの本格稼働や研磨加工ロボット導入、自動床洗浄ロボット展開などを進める。生産工程や焼結条件の見直しによりバインダーレス合金の生産量を短期間で倍増させる。

  3. 03

    海外事業の飛躍

    中国では光学機器関連や半導体関連素材販売を強化し、タイ・インドネシアでは輸送機器以外の製品群を拡販する。中国、タイ、インドネシア、インドで展示会に出展し、休眠中のインド子会社再開に向けて活動する。

  4. 04

    脱炭素・循環型社会への貢献

    レアメタル使用量を大幅に削減した新合金「サステロイSTN30」を開発し、展示会に出展。水素生成装置用触媒「PME」が受賞。超硬工具・金型のリサイクル事業として使用済み製品の回収活動を本格化する。

  5. 05

    新事業の確立

    新事業開発室を立ち上げ、新事業シーズの探索と事業化検討が可能な体制を構築する。原料調達リスクに対応するため超硬リサイクル事業の推進や代替原材料の研究を積極的に進める。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で1,078人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は571万円で、9期前と比べて+2.6%平均年齢は44.8歳、平均勤続年数は21.9年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月1,065
2018年3月1,116
2019年3月55642.019.21,145
2020年3月53942.319.51,155
2021年3月50642.619.81,139
2022年3月55743.220.31,131
2023年3月54344.021.11,118
2024年3月54743.320.51,106
2025年3月55744.721.81,09046
2026年3月57144.821.91,07874

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率5.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)70.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社7(国内 2 / 海外 5) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
熊本製造所2,866百万円
岡山製造所1,771百万円
郡山製造所1,544百万円
秦野工場1,319百万円
他6事業所1,319百万円
本社994百万円
本社工場 — タイ国チョンブリ県539百万円
本社工場 — インドネシア共和国西ジャワ州332百万円
本社工場 — 福島県二本松市182百万円
本社工場 — 山梨県甲州市101百万円
主な関係会社
  • 国内
    新和ダイス株式会社
    山梨県甲州市
    議決権100.0%
  • 国内
    冨士シャフト株式会社(注)3
    福島県二本松市
    議決権100.0%
  • 海外
    FUJILLOY(THAILAND) CO.,LTD. (注)3
    タイ国 チョンブリ県
    議決権100.0%
  • 海外
    富士模具貿易(上海)有限公司(注)3
    中国 上海市
    議決権100.0%
  • 海外
    PT.FUJILLOY INDONESIA (注)3
    インドネシア 共和国 西ジャワ州
    議決権100.0%
  • 海外
    FUJILLOY INDIA PRIVATE LIMITED (注)3
    インド共和国 ハリヤーナー州
    議決権100.0%
  • 海外
    FUJILLOY MALAYSIA SDN.BHD. (注)3
    マレーシア国 ペナン州
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は174億円営業利益8億円前期と比べると増収増益で、売上が+4.8%、利益が+60.0%。

売上高
+4.8%
174億円
営業利益
+60.0%
8億円
純利益
+50.0%
6億円
営業利益率
4.6%
前期比 +1.6%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高244億円174億円
営業利益8億円8億円
純利益6億円6億円
1株あたり配当¥40¥40

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は51億円、営業利益は6億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+24.4%、営業利益は+100.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q456
2024年1Q4137.32
2024年2Q4112.42
2024年3Q4124.91
2024年4Q442
2025年2Q8333.63
2025年4Q8322.41
2026年2Q8433.62
2026年4Q9055.64
2027年1Q51611.84

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は146億円から174億円へ1.2倍に増えた。直近期の営業利益率は4.6%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月14686
2014年3月150117
2015年3月163118
2016年3月161107
2017年3月166129
2018年3月180159
2019年3月1841310
2020年3月174106
2021年3月14235
2022年3月169128
2023年3月1721213
2024年3月16797
2025年3月166563.04
2026年3月174894.66

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高174億円のうち、営業利益として残るのは8億円4.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は6億円、売上の3.4%にあたる。営業利益率は業種中央値8.6%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金73.6%128億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金21.8%38億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益4.6%8億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
26.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比4.0pt
4.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比3.5pt
3.4%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比4.9pt
2.8%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが12億円、投資CFが−7億円で、差し引きのフリーCFは5億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は67億円で、売上の4.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月10−12−4−259
2014年3月19−10−4964
2015年3月20−14−3668
2016年3月13−9−6466
2017年3月23−19−5465
2018年3月22−17−5565
2019年3月9−12−9−353
2020年3月25−15−51059
2021年3月15−3−61264
2022年3月20−5−51575
2023年3月8−7−5172
2024年3月21−17−7470
2025年3月18−8−71074
2026年3月12−7−11567

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は257億円。このうち返さなくてよい自己資本が204億円で、自己資本比率は79.6%(業種中央値65.3%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月2211596272.0
2014年3月2271676073.5
2015年3月2441737171.0
2016年3月2361746273.5
2017年3月2521787470.7
2018年3月2621847870.1
2019年3月2581877172.8
2020年3月2481905876.4
2021年3月2371884979.4
2022年3月2541936176.1
2023年3月2632045977.7
2024年3月2612065579.0
2025年3月2562074981.0
2026年3月2572045279.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
71億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
195億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
2億円
在庫として抱えている分
負債合計
52億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
79
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率9 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

機械 209社との比較

同じ機械の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率209社中38位あたり、逆に低いのはROE209社中177位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
2.8%/中央値 7.7%
P25 4.7%P75 11.1%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
4.6%/中央値 8.6%
P25 4.8%P75 12.6%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
79.6%/中央値 65.3%
P25 51.4%P75 75.3%
売上成長率前期からの売上の伸び
4.8%/中央値 3.9%
P25 -1.7%P75 9.4%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
4.0%/中央値 2.9%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,012で、1年前と比べて+24.4%過去52週の値幅のなかでは25%の位置にある。

¥1,012-2.7%1ヶ月+5.9%1年+24.4%時価総額202億円
過去52週の値幅
安値¥816高値¥1,615

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)34.9倍
PER (会社予想)32.0倍
PBR0.98倍
配当利回り3.95%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1日で+11.36%と急騰し、株価は1108円で推移しています。1ヶ月でも+11.92%と上昇が続き、25日線(974.04円)を約13.7%上回っています。52週安値791円からは約40%上昇しましたが、52週高値1615円からは約31%下落しており、戻り相場の途中と見られます。8/10の出来高は53.3万株と、前日の19.2万株から大幅に増加しており、買いが加速しています。RSIは79.5と高水準で、短期的な過熱感が意識されます。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 45/100)

PERは34.19倍で業界平均の24.81倍を大幅に上回るが、PBRは0.95倍と平均の1.62倍を下回り、割安感がある。配当利回りは4.03%と平均の2.71%を上回り、株主還元は手厚い。ただし、ROEは2.8%と非常に低く、収益性の低さが懸念される。配当性向は112.6%と高く、業績が低迷する中での持続可能性に疑問が残る。業界平均と比較すると、株価指標は割高だが、資産面と配当で下支えされており、総合的にほぼ妥当と判断する。

指標この会社業種平均
PER (実績)34.9倍22.7倍
PER (予想)32.0倍
PBR0.98倍1.50倍
ROE2.8%7.0%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

冨士ダイスの投資論点は、業績が低水準で推移する中、株価が過去1年で30.9%上昇し、PBRが0.951倍と解散価値割れにあることへの評価が分かれる点。強気派は、市場規模が小さくPBR1倍割れは過小評価とし、配当利回り4.03%が下支えになると見る。弱気派は、売上高が172億円から166億円へ減少し、純利益が13億円から4億円と急減している業績動向を重く見て、底打ち根拠が薄いと指摘する。

プラスに働く材料7
  • 株価は割安

    PBR0.951倍で解散価値以下の水準、配当利回り4%超が下支え。

  • 需要回復期待

    自動車・建設機械向け需要は中期的に回復余地がある。

  • 株主還元

    高い配当利回りが長期保有のインセンティブとなる。

  • 2026/3期の営業利益8億円、前期比6割増益通年影響

    2026/3期営業利益8億円は前期5億円から60%増、営業利益率も3.01%から4.6%へ改善

  • 売上高174億円と4.8%増収、再成長へ転換通年影響

    売上高は166億円から174億円へ8億円増加し、固定費吸収で利益率改善に寄与

  • 純利益6億円と前期比50%増でEPS向上決算発表後影響

    純利益4億円→6億円となり、1株当たり利益ベースの改善が投資家評価につながる

  • 配当利回り4.03%で下値支援継続影響

    配当利回り4.03%、PBR0.95倍と株主還元が厚く、調整局面の買い支え要因

マイナスに働く材料7
  • 業績悪化

    純利益が前期比45%減の4億円、売上高も3年連続減。

  • 成長鈍化

    売上高成長率がマイナスで、新規需要創出のめどが見えない。

  • 株価上昇の割高感

    1年で30%上昇した後は、バリュエーション調整のリスク。

  • 2025/3期純利益4億円、前期比43%減益通年影響

    2024/3期7億円から2025/3期4億円へ3億円減益、業績再成長には時間がかかる

  • PER34.19倍と増益幅を超える評価継続影響

    2026/3期純利益6億円でもPER34倍超、期待が先行し決算で失望リスク

  • ROE2.8%と資本効率の改善停滞継続影響

    ROE2.8%は投資家が要求する水準を下回り、PBR0.95倍のまま据え置かれやすい

  • 売上高167億円→166億円の成長鈍化通年影響

    2024/3期から2025/3期にかけて売上高が横ばい、新規需要の創出が見えにくい

次の決算で確かめる点
売上高成長率
業績回復の兆しを確認するため。
営業利益率
収益性の改善が株価評価の鍵となる。
受注残
今後1年間の収益を占う指標。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり40で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは3.95%。

年間配当
¥40
1株あたり
配当利回り
3.95%
いまの株価に対して
配当性向
112.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月2252.7
2018年3月234.571.7
2019年3月244.341.3
2020年3月240.075.6
2021年3月22−8.360.0
2022年3月220.073.0
2023年3月3245.550.4
2024年3月320.089.4
2025年3月4025.0216.2
2026年3月400.0112.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥40

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ11,327人。区分でいちばん多いのは個人・その他61.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が24.4%を占め、残る75.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他71.771.271.266.958.061.9
事業法人19.419.718.320.219.217.9
外国法人0.91.11.13.110.811.6
金融機関7.57.66.07.710.96.5
自己株式1.01.00.80.70.52.1
証券会社0.50.43.52.01.12.0
外国人個人0.00.00.00.00.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01CHARLES SCHWAB FBO CUSTOMER(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)9.43
02株式会社CS企画8.80
03冨士ダイス社員持株会7.38
04KP株式会社6.25
05日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)5.73
06新庄 敦子2.00
07株式会社シルバーロイ2.00
08新庄 由美子1.50
09STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.05
10木下 美佐子1.00

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−99%、1株純資産は14期で−99%。直近期のROEは2.8%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月3,01382,9003.727.5
2014年3月388704.535.8
2015年3月398654.557.8
2016年3月378694.213.657.1
2017年3月438924.917.152.7
2018年3月479205.122.071.7
2019年3月489375.114.041.3
2020年3月319483.319.375.6
2021年3月239512.529.260.0
2022年3月409754.116.373.0
2023年3月651,0286.512.850.4
2024年3月361,0393.519.289.4
2025年3月211,0432.135.2216.2
2026年3月291,0442.839.5112.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

14名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は14名。2026/3期の役員報酬は総額249百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
春田善和代表取締役 社長6243,425
津田雅宣常務取締役 海外事業本部長6127,867
篠宮護取締役 技術開発本部長5928,415
馬渡和幸取締役 品質保証本部長5833,355
松岡恭弘取締役 営業本部長5829,826
髙安真生取締役 業務本部長669,410
輪竹暢久取締役 生産本部長567,280
澤井英久取締役78
内田伊知郎取締役72
上田典由取締役70
古谷高宏取締役 常勤監査等委員654,841
江口泰志取締役 監査等委員67
残りの役員2名を開く
氏名役職年齢保有株数
中村美智子取締役 監査等委員48
浦野諭721,000

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)7131432620129
取締役(社内)422226
社外取締役211116
取締役(社内)1999
監査役1333
社外監査役2332

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容4,373字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社7社(国内法人2社、海外法人5社)で構成され、超硬合金を用いた耐摩耗工具及びその素材である超硬合金チップの製造販売を主たる事業としております。 なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1) 当社グループの事業概要並びに生産、営業及び研究開発の体制 ①当社グループの事業概要 当社グループは、創業以来、超硬合金を用いた耐摩耗工具を専門に取り扱い、工具・金型に対する高精度化、長寿命化のニーズに応え、実績を重ねてまいりました。 超硬合金は、タングステンカーバイドに代表される硬質の金属炭化物と、コバルトなどの鉄系金属を粉末状にして混ぜ合わせ、型に入れて成形し、高温で焼き固める方法(粉末冶金法)によって作られる合金であり、鋼よりも硬く、変形しにくいという特性を有しています。上記の方法で作られる超硬合金は、精密加工が施されて、主に塑性(切屑の出ない)加工に用いられる高精度かつ耐摩耗性に優れた工具・金型(耐摩耗工具)となるほか、一部は中間製品である超硬合金チップとしても販売されます。 超硬合金を用いた耐摩耗工具は、一般的に用いられる鋼製の工具等よりも摩耗、変形しにくいため、生産工程に効果的に用いることにより、被加工材を加工する速度や精度が向上し、生産性改善が可能となります。 当社グループの超硬合金を用いた製品は「超硬製工具類」、「超硬製金型類」、「その他の超硬製品」に分類され、輸送用機械、鉄鋼、非鉄金属、飲料缶に代表される金属製品、電機・電子部品、生産・業務用機械等の幅広い分野で使用されております。 また、当社グループは、超硬合金の精密加工で培った加工技術、検査技術を活用し、超硬合金以外の素材(鋼やセラミックスなど)を用いた耐摩耗工具等の製造販売も行っております。 ②営業、生産及び研究開発の体制 顧客の生産工程で用いられる工具・金型は、使用される過程で摩擦・圧力・熱等による摩耗、変形・割れ等によって寿命を迎えますが、その要因やスピードは、工具・金型を使用する環境によって様々です。その結果、耐摩耗工具には、顧客の設計思想や生産プロセスが色濃く反映されることとなるため、耐摩耗工具のほとんどは、顧客ごとのカスタムメイドとなります。そこで当社グループでは、顧客のニーズを的確に捉え、個別受注の多品種少量生産に対応するために、営業、生産及び研究開発に関して、以下のような体制を整備しております。 (営業体制) 国内10箇所、アジア5ヶ国(中国、タイ、インドネシア、マレーシア、インド(休眠中))の営業拠点に約100名の営業担当者を配置しております。これらの営業担当者が、直接顧客を訪問し、緊密なコミュニケーションを図ることによって、顧客ニーズの的確な把握が可能な体制をとっております。 また、超硬合金に関する専門的な知識を持つ技術サービス員や、工具・金型等の生産を担う生産部門の技術者が営業担当者をサポートし、超硬合金素材や加工方法の選定から、製品の管理に至るまで、高度な提案を行うことができる体制を整備しております。 (生産体制) 当社グループでは、商社を通じて主要原料であるタングステンカーバイド他原材料等を仕入れ、①原料となる粉末の混合(調粉工程)、②混合した粉末の成形・焼結による超硬合金(素材)の生産(冶金工程)、③超硬合金の工具・金型等への加工(加工工程)、④工具・金型等の寸法形状の測定検査(検査工程)という、超硬合金を用いた工具・金型の製造に必要な工程を全てグループ内で完結できる、一貫生産体制を整備しております。 その結果、顧客の使用条件に最も適合した超硬合金(素材)を選択でき、かつ各工程の有機的な連携によって、ニーズに応じた様々なサイズ・形状の工具・金型を効率的に生産することが可能となっております。 生産拠点は、国内に7箇所、海外に2箇所(タイ、インドネシア)を設けておりますが、そのほとんどが営業拠点と近接しており、生産部門と営業部門の緊密な連携が可能となっております。 (研究開発体制) 研究開発においては、粉末冶金技術を基軸とした素材開発、超硬合金素材の加工精度や加工効率を向上させるための加工開発、新たな市場を作り出すための製品開発を行っており、様々な顧客のニーズに柔軟に対応できる体制を整備しております。 特に、素材開発については、長年にわたる研究開発によって、金属粉末の種類や粒のサイズの組み合わせ、焼き固める条件等に関する知見が蓄積されております。これらの粉末冶金技術を通じて、新しい超硬合金素材の研究開発に注力しつつ、超硬合金以外の素材に対しても超硬合金素材の開発で培った技術を応用することで研究開発を実施しております。 (2) 事業系統図 (注) FUJILLOY INDIA PRIVATE LIMITEDはインド共和国の経済環境、当社顧客の動向を鑑み、2016年8月から事業を 休眠しておりましたが、2026年4月より事業を再開しております。 (3) 主要な製品とその主な用途 当社グループの主要な製品と具体的な用途例は次のとおりであります。 製品区分   主要製品   具体的な用途例 超硬製工具類   ダイス、プラグ   線材、パイプの生産用工具 溝付プラグ   熱交換器用パイプの生産用工具 熱間圧延ロール   鉄鋼素材の生産用工具 冷間フォーミングロール   建材、パイプの生産用工具 超高圧発生用工具   人工ダイヤモンド・cBN等の生産用工具 混錬工具   樹脂・セラミックス等の生産用工具 刃物類   鋼板、フィルム、箔などを切断する刃物 超硬製金型類   自動車部品生産用金型   エンジン・駆動系・操舵系・安全装置部品の 生産用金型 製缶金型   飲料缶、食用缶の生産用金型 電池関連金型   電池ケース、電池部材の生産用金型、車載電池用金型 光学素子成形用金型   ガラスレンズの生産用金型 粉末成形用金型   磁石、焼結部品の生産用金型 半導体・電子部品用金型   封止材生産用金型 その他の超硬製品   各種部品   各種装置部品 超硬合金チップ   各種金型・工具、刃物の素材 超硬以外の製品   鋼製品   飲料缶、エンジン部品等の生産用金型 セラミックス製品   機械工具、冶工具 FHR製品   耐熱用部材、鋳造用部材 KF2製品   樹脂等の生産用工具、冶工具 銅タングステン合金   放電加工用電極 電着工具   硬質材料の加工用砥石 固体潤滑複合材料(NFメタル)   真空蒸着装置用軸受、特殊環境用軸受 引抜鋼管   ベアリング、自転車部品の部材 (4) 主要製品の内容 ①ダイス、プラグ ダイス、プラグは、様々な部品や製品の材料となる線材や棒、パイプを引抜き、あるいは押出し加工することで、寸法(外径、内径、肉厚)や硬さ、強度を決めるために用いられる耐摩耗工具です。外径の寸法を決める工具をダイス、内径を決める工具をプラグといい、この工具は鉄鋼、非鉄金属、自動車、電機・電子部品といった幅広い業界で線材、パイプを生産するために使用されております。 超硬合金を使用したダイス、プラグは創業当時から現在まで当社グループの主力製品であり、特にダイスは、当社の社名の由来にもなっている製品であります。 ②自動車部品生産用金型 自動車部品生産用金型は、安全性のために強度と精度が求められ、かつ大量生産が必要な自動車部品を製造するための金型として用いられる耐摩耗工具です。自動車部品の金型は高精度、高強度及び耐摩耗性を有した超硬合金を使用したものが多く、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング、安全装置部品、燃料電池車等に組み込まれるクリーンエネルギーシステムなどの部品が耐摩耗工具で製造されており、当社グループの主力製品となっております。 ③製缶金型 アルミ、鉄系の板材から、抜き、絞り、しごき、曲げ加工により容器及び蓋を製造するために用いられる耐摩耗工具です。この工具で作られた製品としては飲料缶、食缶、エアゾール缶、一斗缶などがあります。特にビール等の低アルコール飲料やコーヒー等に使用される飲料缶については、非常に生産量が多く、原材料からの歩留まりや製品精度が重要視され、非常に高い精度及び耐摩耗性が求められることから超硬合金の製缶金型が使用されることが多く、当社グループの主力製品となっております。 ④超硬合金チップ 丸棒、板材、ニアネット形状の原料を焼結し、超硬合金とした塑性加工用の工具、金型の素材であります。超硬合金チップは当社グループのうち当社でのみ製造しており、当社グループの製品の中では海外への販売比率が高い製品であります。 ⑤鋼製品 当社グループでは、超硬合金の精密加工で培った高い加工技術、検査技術を活かし、超硬合金の耐摩耗工具と重なる使用分野において鋼工具の製品の提供を行っております。顧客の生産ラインの各工程では、使用環境や被加工材、加工方法等によって、耐摩耗性、耐衝撃性、コスト等、求められる工具の性能がそれぞれ異なるのが一般的であり、求められる工具性能に応じて超硬合金と鋼の両方の材料を使い分けることで顧客の多様なニーズに応えております。 <用語解説> 1.工具:工具とは、部品を加工したり,組立てるときに用いる道具類の総称です。 2.耐摩耗工具:耐摩耗工具は、生産工程の製造加工装置等に装着され、主として塑性(切屑の出ない)加工に 用いられる工具の総称です。 3.金型:金型とは、材料を一定の形にするために用いる金属製の型のことです。 耐摩耗工具の中には金型も含まれています。 4.超硬工具:超硬工具には、切削工具、耐摩耗工具、鉱山土木用工具があります。 5.切削工具:切削工具は、主として、金属切削用として用いられ、加工時に切屑の出る工具の総称です。 6.ロール:主として金属材料等の素材に圧力をかけて延ばしたり、成形、つや出しなどを行う際に用いる円筒 形の工具の総称です。 7.超高圧発生用工具:人工ダイヤモンドを合成する時などに使用される工具です。合成時に、超高圧をかけ ます。超高圧に耐えられる強靭な材料特性と寸法精度が要求されます。 8.ニアネット形状:ニアネット形状とは、最終製品である工具・金型に近い形状を意味します。 ニアネット形状に焼結された超硬合金チップを使用することで、チップを最終製品(工 具・金型)に加工する際のコストを削減できます。
経営方針・対処すべき課題2,366字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「社員一人ひとりの幸せを尊重し、事業を通じて広く社会に貢献する」を企業理念とし、広く産業とくらしを支え、社会に貢献できる人、そして、自分を必要としてくれる社会に対して感謝の気持ちを持つことができる人、そういう幸せな人を育て、真に人間が働く喜びを味わえる企業経営を行うことを、経営の基本方針としております。 (2) 目標とする経営指標 当社グループは、安定的な成長を目指すため収益性を意識した経営が重要との観点から「売上高経常利益率」を重視しており、また資本効率を高め企業価値の向上を図る観点から「ROE(自己資本当期純利益率)」を重視しております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業の設備投資の持ち直し等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の通商政策の影響や中東情勢の緊迫化、日中関係の緊張による資源輸出規制の動向等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 中長期的には、生成AIをはじめとしたAIの普及やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展等により当社グループが関連する半導体やデータセンター、補助電源としての蓄電池等の市場は世界的に拡大が続くものと考えられます。 社会的な環境としましては持続可能で強靱な社会の構築のため「脱炭素社会」、「循環型社会」の形成が強く求められており、企業においても持続的な成長のためその実現に向けた責任ある取り組みが求められております。 日本を取り巻く環境としては少子高齢化・人口減少による市場縮小や人財確保の競争激化、事業構造・生活様式の変化、デジタル化の一層の推進など様々な変化が予測されております。 また、中国政府による重要鉱物の輸出規制強化の影響を受け、超硬合金の主原料であるタングステンの対日供給が、現在極めて不安定な状況となっております。 このような変化の激しい環境のもと顧客と社会の期待に応え成長し続けるため「変化に対応できる企業体質への転換」を中期方針とした2025年3月期からの3年を対象期間とする「中期経営計画2026」の最終年度として成長戦略である1.経営基盤の強化、2.生産性向上・業務効率化、3.海外事業の飛躍、4.脱炭素・循環型社会への貢献、5.新事業の確立に取り組んでおります。 また、原料調達リスクに対応するため、調達先の複線化や超硬リサイクル事業の推進、代替原材料の研究などを積極的に進めております。 1.経営基盤の強化 当社グループはコーポレート・ガバナンスの機能をより一層高め、加速する外部環境の変化への対応力を強化するため、監査等委員会設置会社へ移行しました。また、社員と企業が共に成長しながら新たな価値を生み出し、全てのステークホルダーの期待に応えるために、グループ企業理念を見直し、新たなビジョンとその実現に向けた行動指針を策定し、グループ内での研修やワークショップ等の浸透施策を進めました。加えて、DXを活用した営業活動の見える化の推進、全社的なワークフローの導入によるデジタル化、業務効率化など、経営基盤の強化に向けた取り組みを進めました。 2.生産性向上・業務効率化 生産性向上・業務効率化としては国内生産部門において、ロボットの導入を含む生産工程の自動化について継続的に取り組んでおり、生産工程における部品どりを自動で最適化するシステムの本格稼働や研磨加工における自動化ロボットの導入、自動床洗浄ロボットの全社展開などを進めました。 また、生産工程や焼結条件の見直し、治工具の改良といった各種施策を実施し、需要が高まっているバインダーレス合金の生産量を短期間に倍増する取り組みも実施しました。 3.海外事業の飛躍 海外事業の飛躍としては中国はローカル企業向けに光学機器関連の販売が拡大し、また半導体関連の素材販売も好調でグループの売上に貢献しました。タイ・インドネシアではメインとなる輸送機器が弱含む中、輸送機器以外の製品群の拡販強化に努めました。また、子会社を展開している中国、タイ、インドネシアにて展示会に出展するなど拡販に努めるとともに、休眠中の現地子会社再開に向けて活動をしているインドにおいても展示会に出展するなど、各種取り組みを推進しました。 4.脱炭素・循環型社会への貢献 脱炭素・循環型社会への貢献としては、鋼と同程度の比重で、かつ超硬合金と同等の耐摩耗性を実現し、地政学的リスクが懸念されるレアメタルの使用量を大幅に削減した新合金「サステロイSTN30」を開発、名古屋で行われた展示会に初出展し、多くのお問い合わせをいただきました。また水素生成装置に組み込むことを目的として開発した触媒「PME」が、2025年“超”モノづくり部品大賞において「生活・社会課題ソリューション関連部品賞」を受賞いたしました。 5.新事業の確立 当社グループは「既存事業」と「新規事業」が独立しながら両輪で走ることが企業価値の向上に繋がるとの観点から、新事業シーズの探索、事業化検討が可能な体制を構築するための新事業開発室を立ち上げ、新事業の確立に取り組んでおります。中国政府による重要鉱物の輸出規制強化の影響を受け、超硬合金の主原料であるタングステンの対日供給が極めて不安定な状況となる中、原料調達リスクに対応するため、超硬耐摩耗工具・金型のリサイクル事業に関して、使用済みの超硬工具・金型の回収活動を本格的に開始いたしました。
事業等のリスク11,238字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 (1)当社グループのリスクマネジメント体制 当社グループは、リスクマネジメント基本方針に基づき、リスクマネジメントの効果的かつ円滑な運営及び適切な指導を行うために、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しております。リスクマネジメント委員会はリスクマネジメント基本規程に基づき定期的に開催され、重要リスクの特定・分析・評価・見直し、年間の活動計画(対応策)の策定及び活動状況の確認・評価、新規に発生したリスクのモニタリング等を行っております。 [リスクマネジメント基本方針] 当社グループは、次に示す方針のもと、リスクマネジメントに取り組み、企業価値の向上と持続可能な社会の発展に貢献する。 1.社会的責任を果たすために、可能な限り危機の未然防止を図り、リスクの組織的な監視体制を構築する。 2.リスクマネジメント委員会を中心に、リスクの識別・評価・低減等の活動を推進し、リスク対応力の強化を図 る。 3.危機発生時には、ステークホルダーの安全確保を第一とし、経営資源の保全及び被害・損失の極小化を図る。 また、早期復旧と継続操業に向け組織的に対応する。 4.教育、訓練、研修及びリスク情報の共有化により、リスクに対する認識を高め、対応能力の向上を図る。 5.定期的にリスクマネジメント体制の見直しを行い、リスクマネジメントが有効に機能するよう継続的な改善を 行う。 [リスクマネジメント体制] ※リスクマネジメント委員会は、当社より各本部長、副本部長、内部監査室長、安全管理部長、各事業所長及び 総務課長、国内子会社(2社)より子会社社長及び総務課長、在外子会社(4社)より子会社社長のメンバー で構成されております。なお、事務局は当社の総務部が担当しております。 (2)リスクマネジメントプロセス ①リスクマネジメントプロセスの概要 当社グループにおける重要リスクの選定は年1回実施しており、そのプロセスの概要は次のとおりであります。 ・リスクマネジメント委員会で当社グループの重要リスクになり得るリスクを「リスク候補」として選定。これら のリスク候補ごとに所管部署を決定し、リスク候補に対する年間の活動計画(対応策)を策定。 ・定期的に開催されるリスクマネジメント委員会にて、活動計画(対応策)に対する活動状況の確認・評価、新規 に発生したリスクのモニタリング等を実施。 ・リスクマネジメント委員会の年間の活動等を踏まえ、事務局がリスク候補ごとに影響度及び発生可能性の面から 分析・評価を実施し、当社グループのリスクマップを作成。 ・リスクマネジメント委員会の事務局が実施した分析・評価結果及び当社グループのリスクマップをリスクマネジ メント委員会で審議。リスク値の高いリスクを当社グループの「重要リスク」として選定。 ・リスクマネジメント委員会で選定した当社グループの重要リスクは取締役会へ報告し、承認を得る。 ・影響度及び発生可能性は以下の目安をもとに評価を行っております。 影響度の目安       発生可能性の目安 1   小さい       1   低い 2   やや小さい       2   やや低い 3   中       3   中 4   やや大きい       4   やや高い 5   大きい       5   高い ②当連結会計年度の当社グループのリスク候補及び重要リスク リスク候補   評価 大分類   中分類   小分類   No.   影響度   発生可能性   ※重要 リスク 外部環境   自然災害       1   大きい   高い   ① 環境問題   環境規制   2   やや小さい   やや高い 気候変動   3   中   やや高い   ② 経済環境   景気変動(国内・海外)   4   やや大きい   中   ③ 為替変動   5   中   中 制度変更(会計・税務等)   6   やや小さい   やや高い 市場の変化   市場の縮小   7   やや大きい   高い   ④ 新素材・新製品の出現 及び既存製品の陳腐化   8   小さい   やや低い パンデミック   感染症・伝染病   9   小さい   やや低い 地政学リスク       10   やや大きい   やや高い   ⑤ 内部環境   戦略リスク   新規事業への投資(M&A含む)   11   大きい   やや高い   ⑥ プライム市場上場維持基準   12   中   中 原材料調達       13   大きい   高い   ⑦ 協力会社       14   中   やや高い   ⑧ 人財の育成及び確保   15   大きい   高い   ⑨ 財務リスク   棚卸資産の価値下落   16   中   高い   ⑩ 投資有価証券の時価下落   17   中   やや低い 繰延税金資産の計上   18   やや大きい   やや高い   ⑪ 固定資産の価値下落   19   やや大きい   やや高い   ⑫ 生産拠点の集約       20   小さい   中 オペレー ショナル リスク   システム   システム障害   21   小さい   高い 情報セキュリティ   22   やや大きい   高い   ⑬ 事故等   製品事故・品質関係   23   中   中 火災・爆発事故   24   やや小さい   やや高い 電気的・機械的事故   25   中   中 労働災害・交通事故   26   中   高い   ⑭ コンプラ イアンス   人権問題   27   中   やや高い   ⑮ 知的財産権   28   中   中 法令違反   29   中   やや高い   ⑯ 不正行為   30   やや大きい   やや低い 社内規程違反   31   やや小さい   高い (注)当連結会計年度において当社グループが重要リスクと選定したリスクについては、(3)事業等のリスクに詳細を記載しております。 (3)事業等のリスク 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。但し、これらのリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、予見できないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも存在し、将来的にそれらのリスクが、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性もあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①自然災害に関するリスク   影響度:大きい   発生可能性:高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループでは、自然災害への対応として各種対策を講じております。しかしながら、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、予想を超える規模の災害により建物や設備の倒壊・破損、ライフライン・輸送ルート・情報インフラの寸断等による操業の停止、といった不測の事態が発生した場合、顧客への製品供給に支障をきたすこと等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、地震、台風等の自然災害により操業停止をせざるを得ないような事態の発生に備え、自然災害を想定した防災訓練、社員の安否確認訓練を定期的に行うとともに、防災設備の設置、火災保険への加入、必要物資の備蓄、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を講じております。災害の発生に対しては、緊急連絡体制を通じて、国内外の拠点や関係会社と連携する仕組みを構築しており、代表取締役社長を本部長とする対策本部を速やかに設置し、BCP(事業継続計画)が実行できる体制を整えております。 ②気候変動に関するリスク   影響度:中   発生可能性:やや高い 気候変動に関するリスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動に関する取組について」に記載しております。 ③景気変動に関するリスク   影響度:やや大きい   発生可能性:中 [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループは、日本及びアジアを中心にグローバルに事業を展開しており、幅広い業種との安定かつ多くの顧客との取引実績(取引社数約3,000社)がございますが、当社グループ及び当社グループの顧客が事業を展開する国・地域において、景気後退や経済危機が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、定期的に開催する子会社業績報告会等において、進出する国の政治・経済情勢等の動向を当社グループ全体でモニタリングしております。また、日本国内の状況に関しては、与信管理の徹底に加え、当社グループに影響があると思われる事象・事案が発生した場合には、影響度調査、顧客の生産動向等の状況確認を迅速に行い、リスクマネジメント委員会へ報告する体制としております。これらの活動により、国内外の景気動向を注視するとともに、当社グループ全体で課題を認識・共有し、迅速に対応できる体制を構築しております。 ④市場の縮小に関するリスク   影響度:やや大きい   発生可能性:高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループの販売品目の多くは生産財であり、設備投資需要等に大きく影響を受けます。 当社グループ及び当社グループの顧客が事業を展開する国・地域の景気が減速・後退する場合は、設備投資需要の低下等をもたらし、その結果、当社グループが提供する製品又はサービスの受注・売上が減少するなど、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、日本機械工具工業会から配信される情報等をもとに国内の市場動向を把握するとともに、営業活動から得られた顧客情報、各種課題、競合する他社の情報等を明確化し全社的に共有・分析することで、市場動向の変化に迅速に対応できる体制を整備しております。海外の市場動向については、在外子会社との連携を強化し、進出国の市場の変化を迅速に把握できる体制を構築しております。また、進出国以外の市場動向については、現地への出張やWeb面談等を活用した積極的な情報の収集活動を行っております。これらに加え、国内営業との情報の共有化も図っており、海外の市場動向の変化等にも迅速に対応できる体制を整備しております。 [機会] 当社グループでは、自然環境に配慮した市場ニーズに応えるため、粉末冶金技術及び超精密加工技術を活かした、新材料・高付加価値製品の開発が、持続可能な事業運営の実現につながるものと考えております。特に、低炭素技術関連では、EV(電気自動車)の普及により、EV関連製品の需要拡大が見込まれ、次世代技術関連では、3Dプリンタ技術の活用による金型製作時の省資源化を実現することで、持続的な事業成長の機会が得られるものと考えております。 ⑤地政学リスク   影響度:やや大きい   発生可能性:やや高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループは、日本及びアジアを中心にグローバルに事業を展開しております。これらの国・地域において政治・経済情勢等の変化や社会的混乱により、生産の停止、物流の停滞等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、地政学リスクは当社グループの原材料調達にも大きく関連するリスクであると認識しております。詳細については「⑦原材料調達に関するリスク」に記載しております。 [リスクへの対応] 当社グループでは、定期的に開催する子会社業績報告会等において、進出する国の政治・経済情勢等の動向を当社グループ全体でモニタリングしております。また、当社グループでは、中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)の重要施策の一つとして「海外事業の飛躍」を掲げており、現在、アジア地域でのシェア拡大、北米・インドにおける市場開拓等に向けて積極的に活動を行っている状況であります。特に関連する国の政治・経済情勢や法規制、米国の関税引き上げの状況やそれに対する各国の報復措置の状況等も含めた情報収集活動も強化しており、当社グループに影響があると思われる事象・事案が想定される場合には、リスクマネジメント委員会へ報告し、ケースに応じて迅速に対応できる体制を整備しております。 ⑥新規事業への投資(M&Aを含む)に関するリスク   影響度:大きい   発生可能性:やや高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループは、中長期の成長基盤の構築として新成長エンジンの創出を目指し、新規事業を開始する可能性があります。新規事業への投資を行う際は、これらのリスクへの対応として各種対策を講じる予定ですが、不確定要素も多く成功する保証はありません。当初期待した効果が得られず目的が達成できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)の重要施策の一つとして「新規事業の確立」を掲げております。これらを実現するため、前連結会計年度において、当社に新規事業組織を発足させ、事業化に向けての活動を推進しております。新規事業については、ゼロからのスタートではなく、その領域において実績のある企業とのM&Aや業務提携を主な手段とする等でリスクを低減してまいります。また、選択肢の一つであるM&Aを行う場合には、対象企業の財務内容や契約関係等について、弁護士・税理士・公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、十分にリスクを検討した上で決定する方針であります。 ⑦原材料調達に関するリスク   影響度:大きい   発生可能性:高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループの主力製品である超硬工具は、産出地や生産量が限定されるタングステンカーバイド、コバルト等といった稀少な金属を原材料としております。 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 ・原料相場が大きく高騰した場合のリスク ・為替が大きく変動した場合のリスク ・戦争、暴動、テロ、伝染病、自然災害による社会的混乱 タングステンカーバイド、コバルトの需給が世界的に逼迫して原料相場が高騰した場合、あるいは為替が円安になった場合、原材料費が上昇し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、タングステンカーバイドの調達はそのほとんどを中国からの輸入に、コバルトは粗原料をアフリカでの産出、中間原料の製錬を中国での生産に依存しております。中国やアフリカの政治・経済情勢等の変化、社会的混乱が発生し、生産の停止、物流の停滞等によりタングステンカーバイド及びコバルトが調達できなくなった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、原材料の調達に関するリスクへの対応として、一定量の原材料在庫を社内に保有すると共に、原材料調達連絡会を定期的に開催し、関連部署間による各種課題の情報共有や具体的な対応策の検討等を行っております。また、原料相場の高騰や為替の変動、調達リスクへの対策及び環境への配慮等も踏まえ、リサイクル原料の購入も計画的に実施しております。更に、原材料の主要な調達先を対象にCSR調査を実施し、紛争鉱物への対応や環境への配慮等の社会的責任の観点も踏まえ、調達先との連携を強化するとともに、継続的な新規調達先の検討等、原材料の安定調達に向けた活動を行っております。 なお、各種対策は講じておりますが、特に足許の懸念材料として、中国による重要鉱物資源等の輸出規制及びタングステンの価格であるAPT(パラタングステン酸アンモニウム)価格の高騰は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるものと認識しております。 [機会] 当社グループの製品に使用される鉱物資源が、コンフリクト・フリーであることを常にモニタリングし、安全性の高い製品を提供することで、当社グループの競争力向上につながる可能性があると考えております。また、脱タングステン合金など新規材料の開発を実現した場合、資源価格高騰に対するレジリエンス性を発揮することができるものと考えております。 ⑧協力会社に関するリスク   影響度:中   発生可能性:やや高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループは製品の製造において協力会社にその加工の全てもしくは一部を委託しており、総製造費用に対する外注費の割合は約1割を占めております。現時点では優良な協力会社が多数あるものの、事業環境の悪化による外注費の値上がり、景気低迷による協力会社の経営破綻、協力会社の後継者不足による事業の廃止などのリスクがあります。これらのリスクに当社グループが対処できない場合には、外注費の増加、外注していた工程の内製化による設備投資の増加や製造原価の高騰により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、協力会社に関するリスクへの対応として、今までどおり協力会社との良好な関係を維持しつつ、特に重要度の高い協力会社とは、協働して安定的かつ継続的な生産体制を構築しております。当連結会計年度においては、後継者不足等により数年以内に廃業する可能性の高い協力会社を調査し、代替先となる新規の協力会社数社との契約締結及び委託品の内製化によるリスク回避策等を検討いたしました。なお、協力会社の廃業等によるリスクを低減するため、継続的に新規の協力会社の検討・評価等を実施しております。 ⑨人財の育成及び確保に関するリスク   影響度:大きい   発生可能性:高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループは人を中心とした経営を実践しており、中長期的な成長は優秀かつ多様な人財を確保・育成し、適材適所の配置を実現することに大きく依拠しております。当社グループでは事業運営上必要な人財を採用し、その雇用の継続に努めておりますが、 ・適切な時期に優秀な人財を必要な事業領域において計画通り採用することができない ・事業活動を進める上で必要となる知識・スキル・能力を有した人財を適切な時期及び規模で育成できない ・優秀な人財が社外に流出してしまう等により、中長期的な視点から当社グループの事業目的の達成が困難となり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)の基本コンセプトとして「変化に対応できる企業体質への転換」を掲げておりますが、これらを実現するためには自立型人財の育成が不可欠であると考えております。そのため、階層別教育研修プログラムを導入し、各階層のスキルマップに沿った研修の充実を図り、体系的かつ継続的な人財育成に取り組んでおります。 また、多様なライフスタイルに応じたワークライフバランスの実現に向け、継続的に各種労働環境の整備等を進めており、多様な人財を確保するための活動を推進しております。 なお、人的資本に関する取組については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本に関する取組について」に記載しております。 ⑩財務リスク-(1)棚卸資産の価値下落   影響度:中   発生可能性:高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループが保有している棚卸資産については、主として、個別法に基づく原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により評価しております。そのため、原料相場の高騰や稼働率の低下により製品原価が売価を上回った場合、収益性の低下による評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪財務リスク-(2)繰延税金資産の計上   影響度:やや大きい   発生可能性:やや高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら、今後課税所得の見積り等に大きな変更が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫財務リスク-(3)固定資産の価値下落   影響度:やや大きい   発生可能性:やや高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループでは、生産能力や生産性の向上等のため製造設備などの設備投資を継続的に行っており、その結果、当連結会計年度末の連結貸借対照表において、有形固定資産を9,731百万円計上しております。当該有形固定資産については固定資産の減損に係る会計基準等に従い、資産の簿価が回収できない兆候が認められた場合は減損テストを行い、当該資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識しております。多額の減損損失を認識した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬情報セキュリティに関するリスク   影響度:やや大きい   発生可能性:高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループは、情報セキュリティ対策として各種対策を講じておりますが、予期せぬ事態により、情報流出や破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性があります。このような事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償等の費用の発生、業務の停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、事業遂行に関連して多くの顧客情報や機密情報を有しております。これらの情報については、外部流出や破壊、改ざん等が発生しないよう厳格な管理体制を構築し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策、情報の取扱い等に関する規程類の整備や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。また、当連結会計年度においては、情報セキュリティに関する脆弱性診断結果を受け各種対策を講じたほか、標的型メール訓練をはじめとするセキュリティ教育等も継続的に実施し、更なる情報セキュリティの強化に向けた活動を推進いたしました。 ⑭労働災害及び交通事故に関するリスク   影響度:中   発生可能性:高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループは、生産活動においては多くの生産設備を用いた業務、また営業活動においては自動車を使用しての顧客訪問等が主であります。労働災害や交通事故は、従業員の健康や人命に係わる重大なリスクであり、従業員の安全管理が不可欠であると認識しております。しかしながら、万一重大な労働災害や交通事故等が発生した場合には、生産活動や営業活動に支障をきたし、また補償金等の負担等も生じることが想定されることから、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、労働災害及び交通事故に関するリスクへの対応として、各事業所ごとに実施しているリスクアセスメント活動や安全衛生防火委員会の活動を推進し、安全な職場環境の整備に努めております。また、産業医による職場巡視時の助言や指導があった場合には、早急に改善策を検討する等、労働災害や交通事故等の未然防止に努めております。更に、中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)の重要施策の一つとして「経営基盤の強化」を掲げておりますが、これらを実現するため、前連結会計年度において、当社に品質保証本部を新設し、本部内に労働災害の発生防止及び安全安心な職場の実現を目的とした安全管理部を設置いたしました。当連結会計年度においては、安全管理部による各事業所の職場巡視や自社制作の労働災害に関する動画を活用した教育等、職場の安全に関する啓発活動に注力いたしました。なお、労働災害や交通事故等が発生した場合には、リスクマネジメント委員会へ報告する体制としており、当社グループ全体で課題を認識・共有し、再発防止にも努めております。 ⑮人権問題に関するリスク   影響度:中   発生可能性:やや高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループ及び当社グループのサプライチェーンにおいて、各種ハラスメント及び差別並びに強制労働や児童労働等の人権問題が発生した場合には、社会的信用の失墜、人財の流出、損害賠償等の費用の発生、生産活動や調達への影響等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、2022年10月に「パワーハラスメント防止宣言」を行い当社グループ全体に周知するとともに、ハラスメント教育の充実、内部通報制度や社内外の相談窓口の運用等を通じて、人権問題の未然防止及び早期把握に努めております。当連結会計年度においては、役員及び管理職従業員を対象に「ラインケア&ハラスメント防止研修」を実施いたしました。また、事業活動を通じて社会的責任を果たすため、「責任ある鉱物調達方針」に沿った原材料の調達を推進しております。 ⑯法的規制等に関するリスク   影響度:中   発生可能性:やや高い [当該リスクが顕在化した場合の影響] 当社グループは、日本及びアジアを中心にグローバルに事業を展開しており、様々な国の法令・規則の適用を受けております。法的規制等に関するリスクへの対応として各種対策を講じておりますが、グローバルに事業を展開するなか、これらのリスクを完全に回避することは困難であります。また、当社グループの役員及び従業員によるコンプライアンス違反等の不祥事も懸念されます。これらの法令違反や不祥事等が発生した場合には、社会的信用の失墜、損害賠償等の費用の発生、事業活動の制限による影響等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応] 当社グループでは、コンプライアンス意識の徹底・向上を図るため、当社グループ全体でコンプライアンス教育を継続的に実施しております。また、内部通報制度や社内外の相談窓口の運用等を通じて、法令違反や不祥事等の未然防止及び早期把握にも努めております。なお、当社グループに影響を及ぼすと考えられる法令・規則の新設や改正等があった場合及び当社グループ内で法令違反や不祥事等が発生した場合には、コンプライアンス委員会へ報告する体制としており、当社グループ全体で課題を認識・共有し、法令違反の未然防止等に努めております。
経営成績の分析 (MD&A)7,166字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業の設備投資の持ち直し等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の通商政策の影響や中東情勢の緊迫化、日中関係の緊張による資源輸出規制の動向等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 こうした状況の中、当社グループは2026年3月期の経営方針に「共創」を掲げ、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に努めてまいりました。 また、2025年3月期から3ヵ年を対象期間とした「中期経営計画2026」を策定しており、初年度の2025年3月期は、基幹システムの刷新や生産工程の自動化等による効率改善を推進するとともに、当社のコア技術である粉末冶金技術と超高圧合成技術を掛け合わせ、貴金属フリーで省電力のグリーン水素発生装置向け触媒・電極(PME)を開発し、事業領域の拡大を図る第一歩を踏み出しました。更に海外事業では北米やインドの展示会に初出展するなど、市場開拓の足掛かりを築きました。 「中期経営計画2026」の2年目となる当連結会計年度においても、引き続き「変化に対応できる企業体質への転換」を目指し、以下の5つの施策に取り組んでおります。 1.経営基盤の強化 当社グループとしてのコーポレート・ガバナンスの機能をより一層高め、加速する外部環境の変化への対応力を強化するため、監査等委員会設置会社へ移行しました。また、社員と企業が共に成長しながら新たな価値を生み出し、全てのステークホルダーの期待に応えるために、グループ企業理念を見直し、新たなビジョンとその実現に向けた行動指針を策定し、グループ内での研修やワークショップ等の浸透施策を進めました。加えて、DXを活用した営業活動の見える化の推進、全社的なワークフローの導入によるデジタル化、業務効率化など、経営基盤の強化に向けた取り組みを進めました。 2.生産性向上・業務効率化 国内生産部門において、ロボットの導入を含む生産工程の自動化について継続的に取り組んでおり、生産工程における部品どりを自動で最適化するシステムの本格稼働や研磨加工における自動化ロボットの導入、自動床洗浄ロボットの全社展開などを進めました。 また生産性向上につきましては、生産工程や焼結条件の見直し、治工具の改良といった各種施策を実施し、需要が高まっているバインダーレス合金の生産量を短期間で倍増させました。 3.海外事業の飛躍 海外事業のメイン市場の一つである中国市場については、ローカル企業向けに光学機器関連の販売が拡大し、また半導体関連の素材販売も好調でグループの売上に貢献しました。タイ・インドネシアではメインとなる輸送機器が弱含む中、輸送機器以外の製品群の拡販の強化に努めました。また、子会社を展開している中国、タイ、インドネシアにて展示会に出展するなど拡販の推進に努めるとともに、休眠中の現地子会社再開に向けて活動をしているインドにおいても展示会に出展するなど、各種取り組みを推進しました。 4.脱炭素・循環型社会への貢献 鋼と同程度の比重で、かつ超硬合金と同等の耐摩耗性を実現し、地政学的リスクが懸念されるレアメタルの使用量を大幅に削減した新合金「サステロイSTN30」を開発、名古屋で行われた展示会に初出展し、多くのお問い合わせをいただきました。また、水素生成装置に組み込むことを目的として開発した触媒電極「PME」が、2025年“超”モノづくり部品大賞において「生活・社会課題ソリューション関連部品賞」を受賞いたしました。 5.新規事業の確立 中国政府による重要鉱物の輸出規制強化の影響を受け、超硬合金の主原料であるタングステンの対日供給が極めて不安定な状況となる中、原料調達リスクに対応するため、超硬耐摩耗工具・金型のリサイクル事業に関して、使用済みの超硬工具・金型の回収活動を本格的に開始いたしました。 これらの結果、当連結会計年度における売上高は17,446百万円(前連結会計年度比5.1%増)となりました。製品区分ごとの売上高は以下のとおりです。 ①超硬製工具類 高圧機器関連や冷間圧延関連の工具等の販売が好調に推移した結果、売上高は4,340百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。 ②超硬製金型類 昨年度に引き続き好調な製缶金型や電池関連金型に加え、モーターコア用金型の販売が好調に推移した結果、売上高は4,669百万円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。 ③その他の超硬製品 昨年度好調だった半導体製造装置向けの需要は落ち着いたものの、超硬素材の販売が好調に推移した結果、売上高は4,897百万円(前連結会計年度比15.0%増)となりました。 ④超硬以外の製品 混錬工具等の販売が低調に推移した結果、売上高は3,540百万円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。 また利益につきましては、原材料価格の高騰、人財投資の拡充があったものの、好調な超硬素材の販売を始めとした売上高の増加、及び外注加工費や電力燃料費の減少により、営業利益は822百万円(前連結会計年度比68.5%増)となりました。一方、為替差益の増加はあったものの、助成金収入の減少及び自己株式取得に関する支払手数料により、経常利益は883百万円(前連結会計年度比46.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は573百万円(前連結会計年度比34.6%増)となりました。 なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (流動資産) 当連結会計年度末における流動資産は15,070百万円(前連結会計年度末14,909百万円)となり、161百万円増加いたしました。これは主に、原材料及び貯蔵品が546百万円、売掛金が344百万円、仕掛品が158百万円増加したものの、有価証券が1,000百万円減少したことによるものであります。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産は10,613百万円(前連結会計年度末10,694百万円)となり、80百万円減少いたしました。これは主に、機械装置及び運搬具(純額)が94百万円、投資有価証券が72百万円、有形固定資産のその他に含まれる建設仮勘定が64百万円増加したものの、建物及び構築物(純額)が302百万円減少したことによるものであります。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債は3,885百万円(前連結会計年度末3,395百万円)となり、490百万円増加いたしました。これは主に、電子記録債務が1,388百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が927百万円減少したことによるものであります。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債は1,353百万円(前連結会計年度末1,460百万円)となり、106百万円減少いたしました。これは主に、退職給付に係る負債が103百万円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産は、20,445百万円(前連結会計年度末20,748百万円)となり、302百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が573百万円増加、剰余金の配当により利益剰余金が795百万円減少、為替換算調整勘定が84百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ643百万円減少し、6,717百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益885百万円、減価償却費1,074百万円の計上、棚卸資産の増加による支出682百万円などにより1,159百万円の収入(前連結会計年度は1,800百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出829百万円、定期預金への預入による支出793百万円、定期預金の払戻による収入980百万円などにより723百万円の支出(前連結会計年度は849百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは436百万円の収入(前連結会計年度は951百万円の収入)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額794百万円、自己株式の取得による支出310百万円などにより1,126百万円の支出(前連結会計年度は659百万円の支出)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。 セグメントの名称   生産高(百万円)   前年同期比(%) 耐摩耗工具関連事業   12,808   102.8 (注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。 2.金額は当期製品製造原価によっております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高 (百万円)   前年同期比 (%)   受注残高 (百万円)   前年同期比 (%) 耐摩耗工具関連事業   17,869   106.9   3,073   115.9 (注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。 製品区分   販売高(百万円)   前年同期比(%) 超硬製工具類   4,340   103.7 超硬製金型類   4,669   109.4 その他の超硬製品   4,897   115.0 超硬以外の製品   3,540   91.1 合計   17,446   105.1 (注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の経営成績は、売上高は17,446百万円、営業利益は822百万円、経常利益は883百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は573百万円となりました。 当連結会計年度は自動車部品関連金型の回復に伴う需要増や新拠点である富士模具貿易(上海)有限公司東莞支店を足掛かりにした中国での販売拡大を見込み、売上高の目標を前連結会計年度比6.5%増の17,670百万円としておりました。 しかしながら超硬以外の製品群が混錬工具の売上高が低調に推移したこと等により減少し、当連結会計年度の売上高は目標比1.3%減の17,446百万円となりました。 当連結会計年度の営業利益は、売上高の減少はあったものの、効率化による人件費・外注加工費の削減や経費節減等により営業利益は目標比37.1%増の822百万円となりました。 当連結会計年度の経常利益は、営業利益が対目標で上回ったことから目標比26.2%増の883百万円となり、また親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が対目標で上回ったことから目標比24.6%増の573百万円となりました。 こうしたことから当社グループが重視する経営指標である売上高経常利益率は5.1%(対目標比1.1ポイント増)、ROE(自己資本当期純利益率)は2.8%(対目標比0.6ポイント増)となりましたが、足元の環境としては中国政府による重要鉱物の輸出規制強化の影響を受け、超硬合金の主原料であるタングステンの対日供給が極めて不安定な状況となっており、先行き不透明感が強まっております。 当社グループは2025年3月期からの3年を対象期間とする「中期経営計画2026」の成長戦略である1.経営基盤の強化、2.生産性向上・業務効率化、3.海外事業の飛躍、4.脱炭素・循環型社会への貢献、5.新事業の確立に取り組んでおりますが、原料調達先の複線化や超硬リサイクル事業の推進、代替原材料の研究によるタングステンの安定確保やタングステン価格高騰に伴う価格改定の実施などの原料調達に関するリスク対応が今後の収益確保において重要な施策であると考えており、その取り組みも積極的に進めてまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。 当社グループは事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄っており、また、健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金についても調達することが可能と考えております。またコミットメントライン契約により、自然災害等の緊急時も含め流動性を担保できるよう備えております。 当社におけるコミットメントライン契約の状況につきましては、以下のとおりであります。 コミットメントライン契約 10億円(当連結会計年度末の借入実行残高はありません) ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (a)仕掛品(完成粉末を除く)の評価 仕掛品(完成粉末を除く)の評価に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (b)繰延税金資産の回収可能性 繰延税金資産の回収可能性に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (c)退職給付債務の算定 当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、予想昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等の様々な計算基礎があります。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定は加重平均期間アプローチによる方法により算出しております。 当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。 なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(6)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。 (d)減損会計における将来キャッシュ・フロー 減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。 当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失は計上しておりません。回収可能価額は正味売却価額により算定しております。 当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

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開示資料

出典

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