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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

川崎重工業

Kawasaki Heavy Industries,Ltd.7012 · Prime · 輸送用機器

重工・輸送機器の複合メーカー。航空宇宙・鉄道車両・船舶・産業用ロボット・二輪車等を展開。

概要

川崎重工業は、航空宇宙システム、車両、エネルギーソリューション&マリン、精密機械・ロボット、パワースポーツ&エンジンの5事業を柱とする総合重工業メーカーである。1878年に造船所として創業し、現在はボーイング787の部品製造、新幹線車両、LNG運搬船、Ninjaシリーズで知られる二輪車など、多様な製品を手がける。2026年3月期の連結売上収益は2兆3113億円、従業員数4万1652人。神戸市に本社を置く。

5つの事業セグメントで構成される収益構造

川崎重工業の連結売上収益は、2026年3月期に2兆3113億円である。セグメント別では、パワースポーツ&エンジン事業が6828億円(構成比29.5%)、航空宇宙システム事業が6136億円(26.5%)、エネルギーソリューション&マリン事業が4335億円(18.8%)、精密機械・ロボット事業が2591億円(11.2%)、車両事業が2362億円(10.2%)と続く。事業利益は全体で1451億円、事業利益率は6.3%である。セグメント間で収益規模と利益率にばらつきがあり、最大セグメントであるパワースポーツ&エンジン事業は利益率3.3%と低く、航空宇宙システム事業は10.2%と高い。エネルギーソリューション&マリン事業は12.7%で最も高い利益率を示す。

グローバルな生産・販売ネットワーク

同社は日本国内に加え、米国、中国、東南アジア、欧州などに生産・販売子会社を配置する。車両事業では、米国にKawasaki Rail Car, Inc.を持ち、ニューヨーク市交通局向け地下鉄電車を現地生産する。パワースポーツ&エンジン事業は、米国、メキシコ、タイに製造子会社を持ち、北米市場向けの二輪車やオフロード四輪車を供給する。精密機械・ロボット事業では中国に複数の製造・販売子会社を有し、油圧機器と産業用ロボットを現地生産する。船舶事業は中国の持分法適用関連会社がLNG運搬船などを建造する。連結子会社は136社、持分法適用関連会社は31社に及ぶ。

グループ再編と分社化の歴史

川崎重工業は2000年代以降、事業ごとの分社化を進めてきた。2002年に船舶事業を川崎造船(現・連結子会社)に、精密機械事業をカワサキプレシジョンマシナリに分離。2005年にはプラント事業と破砕機事業をそれぞれ子会社化。2009年には建設機械事業をKCMに分離し、2015年に全株式を日立建機に譲渡した。2021年には車両事業を川崎車両に、二輪車・エンジン事業をカワサキモータースにそれぞれ分離し、持株会社体制へ移行した。この分社化により、各事業の自律運営と経営責任の明確化を図っている。同時に、川重冷熱工業を2021年に完全子会社化するなど、グループ内の統合も進めている。

収益変動と構造改革の課題

各事業の収益は外部環境の影響を受けやすく、過去10年間の純利益は187億円から1082億円の間で変動している。2021年3月期には193億円の赤字を計上したが、2026年3月期には1082億円の過去最高益を達成した。2025年度は全事業セグメントで黒字を確保した。一方で、2024年に潜水艦修繕事業と舶用エンジン事業における不正事案が発覚し、特別調査委員会を設置。再発防止策として検査プロセスの自動化やコンプライアンス体制の強化を進めている。グループビジョン2030では事業利益率10%を目標に掲げ、水素事業や医療ロボットなどの新事業育成にも注力する。

業界の中での役割は輸送用機器・産業機械の総合メーカー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2.3兆円
税引前利益
1,455億円
利益率
6.3%
純利益
1,082億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01航空宇宙システム事業主力

航空機、航空機用エンジン、宇宙関連機器等の製造・販売。自社及び子会社で対応。

主な製品・サービス3
航空機
民間機・防衛機等の製造。
航空機用エンジン
民間・防衛用エンジンの製造・販売。
宇宙関連機器
人工衛星関連、ロケット部品等。

02車両事業主力

鉄道車両、除雪機械等の製造・販売。川崎車両㈱が国内生産、海外子会社が現地生産・販売。

主な製品・サービス2
鉄道車両
新幹線、通勤電車、地下鉄車両等。海外向けも生産。
除雪機械
ロータリー除雪車等。

03エネルギーソリューション&マリン事業主力

エネルギー機器(ガスタービン、ボイラ等)、水素関連機器、舶用推進システム、船舶、破砕機等を製造・販売。

主な製品・サービス4
ガスタービン
産業用ガスタービン。コージェネレーション等に利用。
ボイラ
川重冷熱工業が製造・販売。
船舶
貨物船、タンカー等。持分法適用関連会社が建造。
破砕機
㈱アーステクニカが製造・販売。建設廃材等の処理用。

04精密機械・ロボット事業準主力

油圧機器、産業用ロボット、医療用ロボット等の製造・販売。

主な製品・サービス2
油圧機器
建設機械・産業機械向け油圧ポンプ、モータ等。
産業用ロボット
溶接、組立、塗装等の用途。川崎ブランドで世界展開。

05パワースポーツ&エンジン事業準主力

二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、パーソナルウォータークラフト「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジンの製造・販売。カワサキモータース㈱が統括。

主な製品・サービス4
二輪車
スポーツ、ツーリング、オフロードモデル等。
オフロード四輪車(SxS、ATV)
サイド・バイ・サイド、全地形対応車。
パーソナルウォータークラフト「ジェットスキー」
水上オートバイ。
汎用ガソリンエンジン
発電機、芝刈機等向け小型エンジン。

06その他事業副次

商業(販売・受注仲介)、福利施設管理等を行う。川重商事㈱等が担当。

製品と技術

ボーイング787の部材など航空宇宙システム

航空宇宙システム事業では、民間航空機の分担製造品としてボーイング787の主翼や胴体部品を手がける。防衛省向けには戦闘機や輸送機の部品、航空機用エンジンの製造も行う。宇宙関連では人工衛星の構造体やロケット部品を供給する。2026年3月期のセグメント売上収益は6136億円で、同事業の約6割を防衛関連が占める。民間航空機需要の回復と防衛力強化の流れを受けて、増収・増益を達成した。主要顧客はボーイング、防衛省、航空機エンジンメーカーである。

新幹線からNY地下鉄まで手がける車両事業

車両事業は川崎車両株式会社が担い、新幹線電車(N700S系など)、通勤電車、地下鉄車両を製造する。海外向けでは、ニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車(R211型)を連続受注しており、米国子会社Kawasaki Rail Car, Inc.が現地生産する。除雪機械も同事業の製品群に含まれる。2026年3月期の売上収益は2362億円。国内鉄道車両市場ではトップクラスのシェアを持ち、インバウンド需要や都市鉄道更新需要を追い風に受注が拡大している。

LNG運搬船と水素関連設備のエネルギーソリューション

エネルギーソリューション&マリン事業では、産業用ガスタービン、ボイラ、水素関連設備、舶用推進システム、LNG運搬船などを手がける。船舶は中国の持分法適用関連会社(南通中遠海運川崎船舶工程など)が建造し、LPG/アンモニア運搬船もラインアップに加わる。水素事業では液化水素サプライチェーンの商用化実証を進め、液化水素運搬船や基地の建設プロジェクトを推進中。破砕機は子会社アーステクニカが製造し、建設廃材処理などに使われる。同事業の事業利益率は12.7%とグループ内で最も高い。

建設機械向け油圧機器と産業用ロボット

精密機械・ロボット事業は、油圧機器と産業用ロボットが二本柱である。油圧機器では中国の建設機械市場向けに油圧ポンプやモータを供給し、好調な需要に支えられている。産業用ロボットは溶接、組立、塗装用途を中心にKawasakiブランドで世界展開し、半導体製造装置向けロボットの需要が拡大している。また、持分法適用関連会社のメディカロイドが医療用ロボット「hinotori」を製造・販売する。同事業の売上収益は2591億円で、中国市場の動向に大きく依存する。

Ninjaシリーズで知られるパワースポーツ&エンジン

パワースポーツ&エンジン事業はカワサキモータース株式会社が統括する。二輪車ではNinjaシリーズやZシリーズなどのスポーツモデルが主力で、北米・欧州・東南アジアで販売される。オフロード四輪車(SxS、ATV)やパーソナルウォータークラフト「ジェットスキー」も展開する。汎用ガソリンエンジンは発電機や芝刈機向けに供給される。2026年3月期の売上収益は6828億円とグループ最大だが、関税コスト上昇や競争激化で事業利益は227億円に減少した。生産は米国、メキシコ、タイの子会社で行われる。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

輸送用機器のなかでの位置

重工の総合大手、防衛需要拡大で追い風

川崎重工業は、輸送用機器セクターに分類される重工業メーカーで、航空宇宙、鉄道車両、船舶、エネルギーなど幅広い事業を展開し、国内の大手重工3社の一角を担います。同業他社には鉄道車両メーカーのARCHIONやエンジンメーカーのジャパンエンジンコーポレーションが含まれますが、当社は総合的な技術力と規模で圧倒的な存在感です。売上高は2026年3月期に2兆3113億円と推定され、業績は拡大傾向にあります。

強み

  • 航空宇宙や鉄道など多岐にわたり、リスク分散が可能。
  • 長年培った技術で、航空機や新幹線など高付加価値製品を提供。
  • 防衛装備の需要拡大で、収益に寄与。
  • 売上高2兆円超と業界トップクラスの規模を誇る。

課題

  • 営業利益率が開示されておらず、収益性が低い可能性。
  • 原材料やエネルギー価格の高騰がコスト増に。
  • 海外からの受注は競争が激しく、受注獲得が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

専用機・建機・農機の時価総額近傍。太字が川崎重工業

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
16302住友重機械工業6,759億円16.2倍
26368オルガノ5,790億円20.2倍
35631日本製鋼所5,255億円27.0倍
46268ナブテスコ5,106億円25.6倍
57003三井E&S4,241億円10.8倍
67012川崎重工業4,078億円18.8倍
76005三浦工業3,944億円13.2倍
84208UBE3,740億円14.3倍
96432竹内製作所3,587億円12.0倍
10268Aリガク・ホールディングス3,497億円38.0倍
116728アルバック3,493億円20.4倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(専用機・建機・農機)に従っています。

会社の歴史

沿革 36件

1878年、川崎正蔵が東京築地に造船所を創業

1878年4月、川崎正蔵は東京築地南飯田町の官有地を借用し、川崎築地造船所を創業した。当初は官営工場の貸与を受けて事業を始めたが、1881年3月には兵庫東出町に川崎兵庫造船所を開設。1886年5月、官営兵庫造船所(東川崎町)を借り受け、川崎兵庫造船所を併合し、川崎造船所と商号変更した。この拠点が現在の本社所在地である神戸市中央区東川崎町に連なる。創業から10年足らずで、国内有数の造船所に成長した。

1896年、株式会社川崎造船所として法人化

1896年10月、川崎造船所は株式会社組織に改められ、松方幸次郎が初代社長に就任した。松方は川崎正蔵の女婿であり、経営の拡大を推進した。1906年には兵庫工場を開設し、1919年には川崎汽船株式会社を設立するなど、海運業への進出も図った。1922年には岐阜工場を開設し、鉄道車両や航空機など新たな分野への布石を打った。この時期、造船事業を核としながらも、多角的な事業展開の基盤が築かれた。

1928年・1937年、鉄道車両と航空機の分離独立

1928年5月、鉄道車両事業を分離し川崎車輌株式会社を設立。1937年11月には航空機事業を分離し川崎航空機工業株式会社を設立した。これにより、川崎造船所は造船に特化する一方、グループ全体で輸送機器の幅を広げた。1939年12月には社名を川崎重工業株式会社に変更し、重工コングロマリットとしての体裁を整えた。1940年には明石工場(川崎航空機工業)を開設し、戦時期の航空機生産体制を強化した。

戦後の再編:製鉄分離と3社合併

1950年8月、製鉄事業を分離し川崎製鐵株式会社(現・JFEスチール)を設立。川崎重工業は造船・機械・車両・航空機に専念した。1966年には加古川工場、坂出工場、西神戸工場を相次いで開設し、生産能力を拡大。1969年4月、川崎航空機工業と川崎車輌を吸収合併し、3社が再統合された。1972年には汽車製造株式会社を合併し、鉄道車両部門を強化した。この再編により、川崎重工業は航空、車両、船舶、機械を一貫して手がける体制に戻った。

1966年〜1989年、北米市場への本格進出

1966年3月、American Kawasaki Motorcycle Corp.(現Kawasaki Motors Corp., U.S.A.)を設立し、二輪車の北米販売を開始。1981年12月には米国にKawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.を設立し、現地生産に踏み切った。1989年2月にはKawasaki Rail Car, Inc.を設立し、鉄道車両の現地生産を開始。米国市場向けに二輪車、鉄道車両の供給体制を整えた。1990年には西神工場を開設し、国内でも精密機械の生産を強化した。

2000年代の事業分社化と選択と集中

2002年10月、船舶事業を川崎造船に、精密機械事業をカワサキプレシジョンマシナリに分離。2005年にはプラント事業をカワサキプラントシステムズに、破砕機事業をアーステクニカに承継した。2006年には環境プラント事業を分離し、翌年プラントシステムズに合併。2008年にはアーステクニカを連結子会社化。2009年には建設機械事業をKCMに分離し、2015年に日立建機へ売却した。2010年には川崎造船、カワサキプレシジョンマシナリ、カワサキプラントシステムズを再合併し、事業ポートフォリオの整理を進めた。

2021年、車両と二輪車の分社化とコンプライアンス対応

2021年8月、川重冷熱工業を完全子会社化。同年10月、車両事業を川崎車両株式会社に、モーターサイクル&エンジン事業(現パワースポーツ&エンジン事業)をカワサキモータース株式会社にそれぞれ分離した。これにより、残る事業は川崎重工業本体が直接運営する形となった。2024年には潜水艦修繕事業と舶用エンジン事業での不正事案が発覚。特別調査委員会を設置し、2025年に調査完了。以後、コンプライアンス特別推進委員会主導で再発防止策を実施している。2026年4月には監査総括部長を執行役員とするなど、ガバナンス強化を図っている。

年表36件を開く

1870年代

  • 1878年4月創業川崎正蔵、東京築地南飯田町の官有地を借用し、川崎築地造船所を創業

1880年代

  • 1881年3月川崎正蔵、兵庫東出町に川崎兵庫造船所を開設
  • 1886年5月商号変更川崎正蔵、官営兵庫造船所(東川崎町)を借り受け、川崎兵庫造船所を併合、川崎造船所と商号変更

1890年代

  • 1896年10月創業株式会社川崎造船所を設立、松方幸次郎が初代社長に就任

1900年代

  • 1906年9月兵庫工場を開設

1910年代

  • 1919年4月創業川崎汽船株式会社を設立

1920年代

  • 1922年12月岐阜工場を開設
  • 1928年5月創業鉄道車両事業を分離し、川崎車輌株式会社を設立

1930年代

  • 1937年11月創業航空機事業を分離し、川崎航空機工業株式会社を設立
  • 1939年12月商号変更社名を川崎重工業株式会社と商号変更

1940年代

  • 1940年9月明石工場(川崎航空機工業株式会社)を開設

1950年代

  • 1950年8月創業製鉄事業を分離し、川崎製鐵株式会社を設立

1960年代

  • 1966年1月加古川工場を開設
  • 1966年3月American Kawasaki Motorcycle Corp.(現・連結子会社 Kawasaki Motors Corp.,U.S.A.)を設立
  • 1966年11月M&A横山工業株式会社を合併
  • 1967年1月坂出工場を開設
  • 1968年8月西神戸工場を開設
  • 1969年4月M&A川崎航空機工業株式会社及び川崎車輌株式会社を合併

1970年代

  • 1971年4月播磨工場を開設
  • 1972年4月M&A汽車製造株式会社を合併
  • 1979年12月飛島分工場を開設(現・名古屋第二工場)

1980年代

  • 1981年12月Kawasaki Motors Manufacturing Corp.,U.S.A.(連結子会社)を設立
  • 1984年6月空調・汎用ボイラ事業を分離し、川重冷熱工業株式会社(連結子会社)に承継
  • 1989年2月Kawasaki Rail Car,Inc.(連結子会社)を設立

1990年代

  • 1990年3月西神工場を開設
  • 1992年12月名古屋第一工場を開設

2000年代

  • 2002年10月船舶事業を分離し、株式会社川崎造船(連結子会社)を設立 精密機械事業を分離し、株式会社カワサキプレシジョンマシナリ(連結子会社)に承継
  • 2005年4月プラント事業を分離し、カワサキプラントシステムズ株式会社(連結子会社)に承継 破砕機事業を分離し、株式会社アーステクニカ(持分法適用関連会社)に承継
  • 2006年10月環境プラント事業を分離し、カワサキ環境エンジニアリング株式会社(連結子会社)に承継
  • 2007年4月M&Aカワサキ環境エンジニアリング株式会社が、カワサキプラントシステムズ株式会社を合併し、カワサキプラントシステムズ株式会社(連結子会社)に商号変更
  • 2008年4月M&A株式会社アーステクニカを連結子会社化
  • 2009年4月建設機械事業を分離し、株式会社KCM(連結子会社)に承継

2010年代

  • 2010年10月M&A株式会社川崎造船、株式会社カワサキプレシジョンマシナリ及びカワサキプラントシステムズ株式会社を合併
  • 2015年10月株式会社KCMの全株式を日立建機株式会社に譲渡

2020年代

  • 2021年8月M&A川重冷熱工業株式会社(連結子会社)を株式交換により完全子会社化
  • 2021年10月車両事業を分離し、川崎車両株式会社(連結子会社)に承継 モーターサイクル&エンジン事業(現・パワースポーツ&エンジン事業)を分離し、カワサキモータース株式会社(連結子会社)に承継

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で41,652人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は910万円で、9期前と比べて+28.6%平均年齢は41.7歳、平均勤続年数は15.3年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数
2017年3月35,127
2018年3月35,805
2019年3月70838.713.635,691
2020年3月71539.013.936,332
2021年3月69939.414.136,691
2022年3月68440.514.936,587
2023年3月73740.915.238,254
2024年3月81041.315.339,689
2025年3月79341.515.440,640
2026年3月91041.715.341,652

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率2.6%
縦線は目安の30%
男性育休取得率48.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)69.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社44(国内 25 / 海外 19、うち連結子会社 28) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
岐阜工場 — 岐阜県各務原市716億円
航空宇宙システム事業
神戸工場 — 兵庫県神戸市中央区364億円
エネルギーソリューション&マリン事業
明石工場 — 兵庫県明石市356億円
航空宇宙システム事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業
ヌエボレオン工場 — メキシコ ヌエボレオン州350億円
パワースポーツ&エンジン事業
名古屋第一工場 — 愛知県弥富市305億円
航空宇宙システム事業
西神戸工場 — 兵庫県神戸市西区285億円
精密機械・ロボット事業
リンカーン工場 — 米国 ネブラスカ州255億円
パワースポーツ&エンジン事業
ラヨーン工場 — タイ ラヨーン県215億円
パワースポーツ&エンジン事業、精密機械・ロボット事業
明石工場 — 兵庫県 明石市198億円
パワースポーツ&エンジン事業
西神工場 — 兵庫県神戸市西区188億円
航空宇宙システム事業
ほか13件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    日本飛行機㈱
    横浜市金沢区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    川崎車両㈱
    神戸市兵庫区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kawasaki Rail Car Lincoln, Inc.(注)2
    Delaware, U.S.A. · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kawasaki Rail Car, Inc. (注)2
    New York, U.S.A. · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    川重冷熱工業㈱
    滋賀県草津市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱カワサキマシンシステムズ
    大阪市北区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱アーステクニカ(注)6
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    武漢川崎船用機械有限公司
    湖北省武漢市 中華人民共和国 · 連結子会社
    議決権55.0%
  • 国内
    川崎精密機械(蘇州)有限公司
    江蘇省蘇州市 中華人民共和国 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kawasaki Precision Machinery (U.S.A.) Inc.
    Michigan, U.S.A. · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    川崎精密機械商貿(上海)有限公司
    上海市 中華人民共和国 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Kawasaki Precision Machinery (UK) Ltd.
    Plymouth, United Kingdom · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社32社を開く
  • Wipro Kawasaki Precision Machinery Private LimitedBangalore, India51%
  • Flutek, Ltd.Kyungnam, Korea50%
  • 川崎機器人(天津)有限公司天津経済技術開発区 中華人民共和国100%
  • 川崎機器人(昆山)有限公司江蘇省昆山市 中華人民共和国100%
  • Kawasaki Robotics (USA), Inc.Delaware, U.S.A.100%
  • KAWASAKI ROBOTICS(THAILAND) CO.,LTD.Rayong, Thailand100%
  • カワサキモータース㈱明石市80%
  • ㈱カワサキモータースジャパン(注)2明石市100%
  • India Kawasaki Motors Pvt. Ltd.(注)2Maharashtra, India100%
  • Kawasaki Motors Corp., U.S.A.(注)2、3、4Delaware, U.S.A.100%
  • PT. Kawasaki Motor Indonesia(注)2Bekasi, Indonesia90%
  • Kawasaki Motores do Brasil Ltda.(注)2Sao Paulo, Brasil100%
  • Kawasaki Motors Europe N.V.(注)2Hoofddorp, The Netherlands100%
  • Kawasaki Motors (Phils.) Corporation(注)2Metro Manila, Philippines50%
  • Kawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.(注)2、3Nebraska, U.S.A.100%
  • Kawasaki Motors Enterprise (Thailand) Co.,Ltd.(注)2Rayong, Thailand100%
  • Kawasaki Motores de Mexico S.A. de C.V.(注)2、3Nuevo Leon, Mexico100%
  • 日本水素エネルギー㈱東京都港区67%
  • 川重商事㈱神戸市中央区78%
  • ㈱カワサキライフ コーポレーション神戸市中央区100%
  • スチールプランテック㈱横浜市神奈川区33%
  • 安徽海螺川崎工程有限公司安徽省蕪湖市 中華人民共和国49%
  • 安徽海螺川崎節能設備製造 有限公司安徽省蕪湖市 中華人民共和国49%
  • 安徽海螺川崎装備製造 有限公司安徽省蕪湖市 中華人民共和国50%
  • 上海海螺川崎節能環保工程 有限公司(注)2上海市 中華人民共和国49%
  • 南通中遠海運川崎船舶工程 有限公司江蘇省南通市 中華人民共和国50%
  • 大連中遠海運川崎船舶工程 有限公司(注)2遼寧省大連市 中華人民共和国49%
  • ㈱メディカロイド(注)5神戸市中央区50%
  • 川崎春暉精密機械(浙江)有限公司浙江省上虞市 中華人民共和国49%
  • 艾崎精密機械(蘇州)有限公司江蘇省蘇州市 中華人民共和国49%
  • Motosikal Dan Enjin Nasional Sdn. Bhd.(注)2Selangor Darul Ehsan, Malaysia30%
  • Kawasaki Motors Retail Finance, LLCCalifornia, U.S.A.50%
国際子会社 (GLEIF登録 2社)
  • JP川重商事株式会社
  • INWIPRO KAWASAKI PRECISION MACHINERY PRIVATE LIMITED

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発水素燃料船の開発舶用水素エンジン及びMHFSの開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-01-04
    38.8億円
  • 調達
    CCS研究開発・実証関連事業CO2分離回収技術の研究開発先進的二酸化炭素固体吸収材の石炭燃焼排ガス適用性研究
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-08-24
    35.6億円
  • 調達
    小型ヘリコプター(Ⅵ型)
    警察庁 · 2023-03-17
    29.5億円
  • 調達
    経済安全保障重要技術育成プログラム/高効率・高品質レーザー加工技術の開発高出力ファイバーレーザー
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-05-24
    28.5億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発水素航空機向けコア技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-12-24
    18.8億円
  • 調達
    経済安全保障重要技術育成プログラム/航空機の設計・製造・認証等のデジタル技術を用いた開発製造プロセス高度化技術の開発・実証航空機の設計、認証、生産プロセスの革新とプロセス統合
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-08-23
    17億円
  • 調達
    次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業/カーボンリサイクルを志向した化成品選択合成技術の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-09-25
    16.4億円
  • 調達
    小型ヘリコプター(Ⅷ型)
    警察庁 · 2024-03-28
    13.9億円
  • 調達
    風洞制御装置の製作及び取付調整等(気象測器検定試験センター)
    気象庁 · 2026-03-18
    4.7億円
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/大規模水素サプライチェーンの構築革新的な液化、水素化、脱水素技術の開発水素液化機向け大型高効率機器の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-11-22
    3.7億円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2.3兆円税引前利益1,455億円前期と比べると増収増益で、売上が+8.5%、利益が+35.3%。

売上高
+8.5%
2.3兆円
税引前利益
+35.3%
1,455億円
純利益
+23.0%
1,082億円
利益率
6.3%
前期比 +1.2%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高2.6兆円2.3兆円
純利益1,150億円1,082億円
1株あたり配当¥40¥40

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は5,436億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+34.1%。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q0.535
2024年1Q0.4191
2024年2Q0.36−324
2024年3Q0.4698
2024年4Q0.62389
2025年2Q0.88137
2025年4Q1.25743
2026年2Q1.00221
2026年4Q1.31861
2027年1Q0.54157

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.3兆円から2.3兆円へ1.8倍に増えた。税引前利益率は3.0%から6.3%になった。売上は5期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高兆円税引前利益億円税引前利益率%純利益億円
2013年3月1.293933.0309
2014年3月1.396064.4386
2015年3月1.498435.7516
2016年3月1.549326.0460
2017年3月1.523672.4262
2018年3月1.574322.7289
この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2019年3月1.593792.4275
2020年3月1.644042.5187
川重冷熱工業株式会社(連結子会社)を株式交換により完全子会社化
2021年3月1.49−29−0.2−193
2022年3月1.502771.8126
2023年3月1.737034.1530
2024年3月1.853201.7254
2025年3月2.131,0755.0880
2026年3月2.311,4556.31,082

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。この会社の連結損益計算書には営業利益の段がないため、税引前利益を利益として並べています。

利益の構造

2026年3月期

売上高2.3兆円のうち、税引前利益として残るのは1,455億円6.3%。営業外の損益と税金を反映した純利益は1,082億円、売上の4.7%にあたる。税引前利益率は業種中央値5.1%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金80.3%1.9兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金14.2%3,288億円
  • 税引前利益費用を引いたあとに残った本業の利益6.3%1,455億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
19.7%
売上から原価を引いて残る割合
税引前利益率業種比+1.2pt
6.3%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.0pt
4.7%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+8.0pt
13.7%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,401億円、投資CFが−1,280億円で、差し引きのフリーCFは121億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は1,154億円で、売上の0.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月281−812577−531370
2014年3月1,517−776−625741454
2015年3月1,277−674−571603477
2016年3月861−742−234119378
2017年3月935−649−158286507
2018年3月561−806378−245644
2019年3月1,098−853−198245683
2020年3月−155−6941,158−8491,025
2021年3月346−374231−281,222
2022年3月1,569−584−1,0899851,085
2023年3月236−775853−5391,384
2024年3月317−898129−581842
2025年3月1,489−1,112963771,328
2026年3月1,401−1,280−3321211,154

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は3.3兆円。このうち返さなくてよい自己資本が8,781億円で、自己資本比率は26.4%(業種中央値53.0%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債兆円自己資本比率%
2013年3月1.473,4991.1223.0
2014年3月1.553,7671.1823.3
2015年3月1.664,4801.2125.9
2016年3月1.624,4561.1726.6
2017年3月1.694,5131.2425.9
2018年3月1.784,8141.3026.1
2019年3月1.844,9231.3525.9
2020年3月1.964,7161.4923.3
2021年3月2.094,6211.6322.1
2022年3月2.175,0551.6723.2
2023年3月2.465,7621.8823.4
2024年3月2.686,3412.0523.7
2025年3月3.027,0292.2923.3
2026年3月3.328,7812.3826.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,154億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
5,808億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
2.4兆円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

輸送用機器 82社との比較

同じ輸送用機器の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE82社中12位あたり、逆に低いのは自己資本比率82社中78位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
13.7%/中央値 5.7%
P25 3.3%P75 9.7%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
/中央値 5.1%
P25 2.6%P75 7.3%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
26.4%/中央値 53.0%
P25 40.5%P75 65.9%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
8.6%/中央値 2.1%
P25 -1.4%P75 6.5%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.6%/中央値 3.2%
P25 2.4%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,428.5で、1年前と比べて+39.4%過去52週の値幅のなかでは34%の位置にある。

¥2,428.5-3.7%1ヶ月-14.3%1年+39.4%時価総額4,078億円
過去52週の値幅
安値¥1,729高値¥3,766

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)18.8倍
PER (会社予想)18.2倍
PBR2.29倍
配当利回り1.65%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に2603円まで下落し、前日比2.58%安。25日移動平均線(2750円)を約5.3%下回り、75日線(2898円)に対しても乖離が拡大。一方、52週高値3766円からは約31%低い水準で、年初来の上昇幅は38.9%を維持。週足では7月中旬から8月初旬にかけて上昇した後、8月中旬に調整局面入りし、出来高は増加傾向。RSIは41.36で中立圏。短期的な下振れリスクに注意が必要。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 38/100)

PERは20.13倍で業界平均16.66倍を上回り、PBRは2.46倍と業界平均1.13倍を大きく上回る。ROEは13.7%と高水準だが、配当利回り1.54%は業界平均2.96%を下回る。業績は改善傾向にあり成長が期待されるが、株価は既にその期待を織り込み過剰評価の感がある。割高だが成長性を考慮すると完全な割高ではない。

指標この会社業種平均
PER (実績)18.8倍16.3倍
PER (予想)18.2倍
PBR2.29倍1.12倍
ROE13.7%7.5%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

航空機需要の回復や防衛予算増加が追い風となる一方、構造改革とコスト管理が焦点。強気派は航空宇宙部門の成長と防衛関連の受注拡大を評価し、弱気派はボーイング生産トラブルや高止まる研究開発費を懸念する。

プラスに働く材料7
  • 航空宇宙の成長

    ボーイング787向け部品供給が回復

  • 防衛需要拡大

    政府の防衛予算増で今後受注増が見込まれる

  • 収益改善

    2026/3期は純利益1082億円と拡大見通し

  • 売上高2.31兆円へ8.5%増収通年影響

    売上高は前期比1,820億円増の2.31兆円、増収基調が継続

  • 純利益1,082億円、23%増益通年影響

    純利益は前期比202億円増の1,082億円、増益率23%と高い

  • 予想PER20.9倍と増益で割安決算発表後影響

    実績PER21.46倍に対し予想PER20.9倍、増益で評価が抑制

  • ROE13.7%と収益性改善継続影響

    ROEは13.7%と2桁を維持、資本効率の高さが株価を支える

マイナスに働く材料7
  • ボーイング問題

    ボーイングの生産遅延が部品需要に悪影響

  • 収益変動の大きさ

    事業ごとの景気変動で利益が不安定

  • 財務リスク

    大型投資が負担となり負債が膨らむ可能性

  • 実績PER21.46倍と割高警戒決算発表後影響

    実績PERは21.46倍、増益率から見て割高なら調整

  • 売上高増収率8.5%へ減速通年影響

    前期の15.1%増から今期は8.5%増と伸びが鈍化

  • 配当利回り1.44%と中位継続影響

    配当利回り1.44%と高くない、株主還元の増加期待は限定的

  • 株価29.9%上昇の反動不定影響

    1年間で29.9%上昇した反動で、短期的な利益確定売り

次の決算で確かめる点
航空宇宙部門売上
航空機需要の回復度合いを測る
受注残高
将来の売上を先取りする指標
防衛関連受注高
安全保障関連の成長性を確認
部品調達効率
コスト管理の進捗を測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり40で、前期から+14.0%いまの株価に対する利回りは1.65%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥40
1株あたり
配当利回り
1.65%
いまの株価に対して
配当性向
20.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1257.3
2018年3月120.040.6
2019年3月1416.777.5
2020年3月7−50.054.0
2022年3月814.331.5
2023年3月18125.0125.6
2024年3月10−44.4
2025年3月30200.052.2
2026年3月3414.020.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥40

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ117,586人。区分でいちばん多いのは外国法人33.3%。グループ会社や銀行などの安定株主が37.4%を占め、残る62.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人23.020.225.729.930.933.3
金融機関37.836.532.334.333.131.5
個人・その他30.634.534.028.325.326.5
事業法人7.56.46.25.55.85.9
証券会社1.02.31.62.04.92.6
外国人個人0.10.10.10.10.10.1
政府・自治体0.00.00.00.00.00.0
自己株式0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)13.57
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)8.00
03日本生命保険相互会社3.42
04川崎重工業従業員持株会2.67
05川崎重工共栄会2.13
06STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)2.09
07JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.34
08株式会社みずほ銀行1.33
09HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES (常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ)1.25
10NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDS (常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ)1.21

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近7
  • 2026-08-21
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    5.61%
    -0.85pt
  • 2026-07-23
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    4.26%
    -1.15pt
  • 2026-07-23
    野村證券株式会社
    新規の大量保有報告
    0.00%
    -0.13pt
  • 2026-06-05
    エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)
    変更報告
    6.94%
  • 2026-06-05
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    4.82%
  • 2026-06-05
    フィデリティ マネジメント アンド リサーチ カンパニー エルエルシー(Fidelity Management & Research Company LLC)
    新規の大量保有報告
    5.41%
    +0.59pt
  • 2026-04-22
    エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)
    新規の大量保有報告
    6.94%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+601%、1株純資産は14期で+419%。直近期のROEは13.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月182029.515.948.7
2014年3月2312,17211.016.431.2
2015年3月3092,58612.919.645.8
2016年3月2762,58210.711.865.1
2017年3月1572,6176.021.557.3
2018年3月1732,7906.419.940.6
2019年3月1642,8525.816.677.5
2020年3月1122,7284.014.054.0
2021年3月−1162,767
2022年3月156042.629.531.5
2023年3月636889.89.1125.6
2024年3月307574.233.6
2025年3月10584113.217.052.2
2026年3月1291,05113.722.420.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2026/3期の役員報酬は総額747百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約15倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
金花芳則取締役会長72155,800,203,500
橋本康彦取締役 社長執行役員(代表取締役)最高経営責任者69113,200,259,000
山本克也取締役 副社長執行役員(代表取締役)社長補佐、最高財務責任者・企画・法務・マーケティング・渉外担当6875,600,157,500
中谷浩取締役 副社長執行役員(代表取締役)社長補佐、技術・生産・品質保証・調達・DX戦略担当6640,600,143,000
ジェニファー・ロジャーズ取締役6319,900
辻村英雄取締役725,500
吉田勝彦取締役7220,200
メラニー・ブロック取締役622,500
柿原アツ子取締役(監査等委員)641,690,017,500
津久井進取締役(監査等委員)575,400
天谷知子取締役(監査等委員)631,300
板垣利明取締役(監査等委員)65800
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢保有株数
羽田由可571,500
井野勢津子取締役62
今井一朗取締役(監査等委員)63720,036,500

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4183190175548137
社外取締役813013016
取締役(社内)2686935

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

ニュース

AI解説

今日の重要ニュースより

「今日の重要ニュース」で川崎重工業を取り上げた解説を、新しい順に並べている。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,926字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当社(提出会社)、子会社136社及び関連会社(共同支配企業を含む)31社により構成されており、当社を中心として航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業、パワースポーツ&エンジン事業及びその他事業を営んでいます。これらの6事業区分はセグメント情報の報告セグメントの区分と同一です。 当社グループの主な事業内容と当社及び主要関係会社の位置づけを概説すれば、以下のとおりです。 [主な事業内容] 航空宇宙システム事業 航空機、航空機用エンジン、宇宙関連機器等の製造・販売 車両事業 鉄道車両、除雪機械等の製造・販売 エネルギーソリューション&マリン事業 エネルギー関連機器・システム、水素関連設備、舶用推進関連機器・システム、プラント関連機器・システム、船舶、破砕機等の製造・販売 精密機械・ロボット事業 油圧機器、産業用ロボット等の製造・販売 パワースポーツ&エンジン事業 二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、パーソナルウォータークラフト(PWC)「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジン等の製造・販売 その他事業 商業、販売・受注の仲介・斡旋、福利施設の管理等 [当社及び主要関係会社の位置づけ] 航空宇宙システム事業 当社で製造・販売を行っているほか、日本飛行機㈱(連結子会社)が独自に製造・販売並びに製造の一部分担を行っています。 車両事業 川崎車両㈱(連結子会社)で製造・販売を行っているほか、海外向け鉄道車両についてはKawasaki Rail Car, Inc.(連結子会社)が一部の製造・販売を、Kawasaki Rail Car Lincoln, Inc.(連結子会社)が一部の製造を行っています。 エネルギーソリューション&マリン事業 当社で製造・販売を行っているほか、川重冷熱工業㈱(連結子会社)がボイラ及び空調機器の製造・販売を独自に行い、㈱カワサキマシンシステムズ(連結子会社)が産業用ガスタービンの販売を、㈱アーステクニカ(連結子会社)が破砕機等の製造・販売を、安徽海螺川崎工程有限公司(持分法適用関連会社)他が産業機械、環境装置等の製造・販売を、南通中遠海運川崎船舶工程有限公司、大連中遠海運川崎船舶工程有限公司(いずれも持分法適用関連会社)が独自に船舶の製造・販売を行っています。 精密機械・ロボット事業 当社で製造・販売を行っているほか、Flutek, Ltd. (連結子会社)他が油圧機器の製造・販売を、川崎精密機械(蘇州)有限公司(連結子会社)他が製造を、川崎精密機械商貿(上海)有限公司(連結子会社)他が販売を独自に行っています。また、Kawasaki Robotics (USA) Inc.、川崎機器人(昆山)有限公司、川崎機器人(天津)有限公司(いずれも連結子会社)他が産業用ロボットを、㈱メディカロイド(持分法適用関連会社)が医療用ロボットの製造・販売を行っています。 パワースポーツ&エンジン事業 カワサキモータース㈱(連結子会社)で製造・販売を行っているほか、製造については二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、PWC「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジンをKawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.、Kawasaki Motores de Mexico S.A. de C.V.、Kawasaki Motors Enterprise (Thailand) Co., Ltd.(いずれも連結子会社)他がそれぞれ製造しています。また、販売面においては、国内向け二輪車他を㈱カワサキモータースジャパン(連結子会社)が、海外向け二輪車他をKawasaki Motors Corp., U.S.A.、Kawasaki Motors Europe N.V.、Kawasaki Motors (Phils.) Corporation、PT. Kawasaki Motor Indonesia(いずれも連結子会社)他が、それぞれ販売しています。 その他事業 川重商事㈱(連結子会社)他が商業を、㈱カワサキライフコーポレーション(連結子会社)他が商業及び福利施設管理等の諸事業を営んでいます。 以上で述べた事項を事業系統図によって示せば、次のとおりです。 (注) 1 実線枠は連結子会社、点線枠は持分法適用関連会社であり、主要な会社のみ記載しています。 2 他3社は安徽海螺川崎装備製造有限公司、安徽海螺川崎節能設備製造有限公司、上海海螺川崎節能環保工程有限公司です。
経営方針・対処すべき課題6,794字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 [経営の基本方針] 当社グループは、カワサキグループ・ミッションステートメントにおいて、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションとして掲げ、最先端の技術で新たな価値を創造し、顧客や社会の可能性を切り拓く企業グループを目指しています。 また、「質主量従」「リスクマネジメント」を指針とし、資本コストを上回る利益を安定的に創出するとともに、社会課題に対するソリューションの提供を通じてSDGs達成に貢献すべく、経済的価値・社会的価値の2つの軸で企業価値を高める経営を推進していきます。 [中長期的な会社の経営戦略・対処すべき課題] 当社グループが2030年に向けて目指す将来像として示した「グループビジョン2030」は今年で制定6年目となり、その実現に向けて各種施策を推進しています。既存事業の強化、事業間シナジー促進による将来の柱となる新事業育成、新たな社会課題のソリューションを提供することで持続的な成長を追求しています。 《注力するフィールド》 地球環境問題や高齢化社会・労働力不足への対応等に加え、防災・防衛・エネルギー・資源・食料の観点から国家の安全保障に対する関心が高まっており、以下の3つのフィールドに注力しています。 「安全安心リモート社会」-安全安心の新しい価値を創出 医療・ヘルスケア、介護、ものづくり、産業インフラ等様々な分野で、当社グループが有するAI・遠隔操作・情報技術、ロボティクス技術等を活用することで、働き方の変革に加え、防災・防衛等あらゆる場面を想定し、すべての人々が安全・安心に暮らせる社会の実現に向けて取り組んでいます。 「近未来モビリティ」-新しい輸送システムで人とモノの移動を変革 物流量の増加や少子高齢化に伴う労働力不足の中で、新しい輸送・移動手段の提案を通じて、豊かでスマートかつシームレスな移動の実現に取り組んでいます。災害時の物資輸送と合わせて、民需に限らず様々なケースに対応したソリューションの一つとして日本の安全保障や社会インフラ強化にも貢献していきます。 「エネルギー・環境ソリューション」-クリーンエネルギーの安定供給に向けて 中東情勢悪化の影響を受けて、当社グループが進めている水素事業はカーボンニュートラル需要に加えて、エネルギー安全保障としての重要性がますます高まっています。このような状況のもと、水素社会実現に向け、液化水素サプライチェーン商用化実証を目的として、液化水素基地建設や液化水素運搬船の建造などのプロジェクトを着実に進めています。 取組の詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 戦略並びに指標及び目標 《事業を通じて創出する社会・環境価値~3つの注力フィールド~》」をご参照下さい。 《成長シナリオ》 「グループビジョン2030」は成長シナリオに沿って着実に進捗しています。 2025年度は、受注・売上・利益において過去最高を更新し、すべての事業で黒字を確保できる体質へと転換しました。2030年度の目標値である事業利益率10%に既に到達した事業もあり、全社で2027年度の目標8%へ到達することの蓋然性が高まってきました。引き続きすべての事業において事業利益率10%超を目指して活動するとともに、水素や医療ロボット等の新事業の早期事業化を目指します。 成長シナリオを一層進めるために、AI活用の推進や、“やりがい”“成長”を実感できる働き方等を実現していきます。更に、従業員の多様性を尊重した上で個性と能力を発揮できる環境をつくり、一人ひとりが自ら高い目標を掲げ、その達成に向かって挑戦し続ける風土・文化を醸成します。 《コンプライアンス強化、組織風土・意識改革に向けて》 2024年に判明した当社グループの潜水艦修繕事業及び舶用エンジン事業における不正事案については、取締役会決議に基づき社外有識者で構成する特別調査委員会を設置し、中間報告を同年12月及び2025年1月に公表しました。また、両事案に関する類似案件の有無に係る追加調査についても、その調査結果を2025年12月に公表しました。 同追加調査をもって特別調査委員会による調査は完了しましたが、当社グループでは度重なるコンプライアンス事案の判明並びに両事案の特別調査委員会からの報告を重く受け止めるとともに、提言された再発防止策も踏まえて、引き続き社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会主導のもと、特別調査委員会からの提言も踏まえ、「膿を出し切る」という強い覚悟で主体的にグループ全体の組織風土・ガバナンスにおける課題に向き合い、実効性の高い再発防止策に徹底して取り組んでいます。検査プロセスの自動化をはじめとする「不正ができない仕組みの構築」、経費精算データ監査といった「不正発見の強化」、風通しの良い職場環境の醸成を目指した「組織風土・意識改革」を改革の3本柱として、その進捗状況を定期的に取締役会へ報告しています。 また、2024年には本社に防衛事業管理本部を設立し、防衛事業に関わる情報の一元管理、渉外活動を中心とする対外的な窓口を一本化するとともに、ガバナンス、コンプライアンス並びにセキュリティ体制を強化しています。2025年には法務組織を本部に格上げし、これまで以上に法務機能を強化するとともに、当社グループの監査組織体制を見直し、監査機能を集約する等、第2線、第3線の体制を整備しました。加えて、社内取締役だけに留まらず、執行役員や社外取締役も対象者とする役員報酬返還規程を新たに設け、取締役及び執行役員に対する更なるコンプライアンス意識の向上を図っています。 2026年4月からは監査総括部長を執行役員とし経営への関与を高める体制としたほか、組織体制においても人事本部内に新たに「組織風土改革・コンプライアンス総括部」を設置し、信頼と対話を基盤とした風通しの良い組織風土への改革を加速させていきます。また、品質保証機能の更なる高度化及びガバナンス体制の確立のために、事業部門内の品質保証体制を見直すとともに、社長直下に「品質保証総括部」も新設しました。第1線、第2線、第3線それぞれの体制整備と機能強化を実施しつつ再発防止策を強力に推進し、川崎重工グループ全体のコンプライアンス・ガバナンス体制の強化に引き続き取り組んでいきます。 「不正ができない仕組みの構築」「不正発見の強化」「組織風土・意識改革」における主な取組は以下のとおりです。 ①不正ができない仕組みの構築 ・舶用エンジン事業における不正事案を受け、全グループで2024年度に試験・検査プロセスにおける不正リスクについて調査を実施し、不正リスクが確認されたプロセスについては対策を実施しました。 ・検査工程等においてデータを書き換えることができない自動システムの導入に全社的に取り組んでおり、各事業部門でロードマップを作成し、それに従った対応を推進するとともに、毎年度末に自動化の進捗状況を確認する調査を実施する予定です。 ・潜水艦修繕事業における不正事案では、修繕部門において取引先への架空発注が可能になっていたことが不正の原因の一つとなっていたことを踏まえ、2025年10月末までに、全グループで「調達等プロセス調査」を実施し、調達プロセス上の不正リスクを抽出の上、不正リスクが確認されたプロセスについては是正を行いました。 ②不正発見の強化 ・適切な経理処理はコンプライアンスの基礎であるという観点から、従業員が業務遂行時に使用する費用の精算について、社内規程や運用ルールの厳格化を図ったほか、当社グループ従業員の経費精算データを監視するデータ監査の運用を開始し、経費不正の抑止や早期発見を図っています。 ・不正への抑止力として、個別の不正行為を能動的に発見するため、試験・検査プロセスまで踏み込んだ監査を導入するなど、品質に関する監査を強化しています。 ・2024年4月に内部通報制度の受付窓口となる弁護士を増員して3名体制として運営体制を増強するとともに、通報により問題が是正された事例を社内報で紹介するなど、内部通報制度の利用の呼びかけを強化しました。 ③組織風土・意識改革 ・長年にわたり継続的に行われてきたコンプライアンス違反の背景には、前例踏襲や事なかれ主義、困りごとを抱え込んでしまう組織風土がありました。そこで、組織風土や意識の改革のため、職場環境の客観的把握や経営層と従業員の対話、新入社員やキャリア採用者などの従来と異なる視点・観点による気づきの重視、人財交流の活性化など、風通しの良い職場環境の醸成を進めています。加えて、2026年4月に人事本部内に新たに設置した「組織風土改革・コンプライアンス総括部」は、困難な課題に直面した際にも部門の枠を超えて協力し合い適切に課題解決が図られる組織の構築を目指すとともに、従業員が不安や問題を抱えた場合に安心して相談できる窓口を設けるなど、従業員に寄り添う文化の醸成を推進します。 ・2025年1月に、「あらゆる局面でコンプライアンスは全てのことに優先し、法令や社会的ルールに違反した企業活動並びに活動によって得られた利益は無意味であること」というコンプライアンスファーストの考え方を明記した「法務・コンプライアンス基本方針」を制定しました。 ・行動規範の読み合わせ活動やeラーニングなどの従業員に向けたコンプライアンス教育のほか、コンプライアンスの重要性に関する社長メッセージの定期的な発信など、従業員のコンプライアンス意識強化を進めています。 ・従業員に不正事案の発生原因や社会に与える負のインパクトを正しく認識してもらうとともに、不正事案の風化防止を目的として、神戸工場内に恒久的なコンプライアンス啓発施設を設置する予定です。 当社グループは、この機会にすべての膿を出し切り、これまでの体制を見直すだけでなく、風土・文化を抜本的に変える覚悟を持ってコンプライアンス・ガバナンス体制を再構築し、再発防止策を徹底していきます。再び皆様からの信頼を得られるよう、全社一丸となって改革に全力で取り組んでまいります。 [経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題] 世界経済は、中東情勢を発端とする原油価格高騰と供給制約により各国において景気減速やインフレなどのリスクが顕在化しています。更に、長期化する中国経済の停滞や米中関係の緊張、米国関税の影響も重なり、先行きは不透明さを増しています。 国内においては、好調な雇用・所得環境や個人消費の回復、設備投資の拡大など内需主導で緩やかな景気回復が続いているものの、今後の中東情勢や各国の政策、金融資本市場の変動などの経済への影響には引き続き注視が必要です。特に中東情勢の動向については、原油の供給制約により一部の事業で操業に影響が出始めており、当社グループ全体としても慎重に見極めて対応していきます。 このような状況のもと、当社グループは収益性の向上に向け、適正な販売価格の実現やコスト競争力の強化、サプライチェーンの多様化に継続的に取り組んでいきます。また、経営資源の投入については、案件の厳選に努めつつも、注力する3つのフィールドについては、スピード感をもって積極的な投資を実行するなど、メリハリのある意思決定を行っていきます。資金面に関しても、上述の収益性向上や投資選別のほか、適正在庫の実現、資産圧縮などの対応策を進めることで、キャッシュ・フロー創出力の強化及び有利子負債の削減に努めていきます。 [経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等] 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を、事業利益率及び税後ROIC※とし、グループ全体として事業利益率を2027年度までに8%、2030年度までに10%超、税後ROICは資本コスト(WACC)+3%以上を目標としています。 これらの経営指標の改善の結果として自己資本利益率(ROE = 親会社の所有者に帰属する当期利益 ÷ 自己資本の期首・期末平均)の向上も図っていきます。 ※税後ROIC = (親会社の所有者に帰属する当期利益 + 支払利息 × (1 - 実効税率)) ÷ 投下資本 (純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均) [セグメントごとの戦略及び課題] ① 航空宇宙システム事業 ・事業拡大に向けた体制整備:旺盛な需要に対応するサプライチェーン及び増産体制の再整備。新たな事業機会獲得に向け業務効率化・生産性の向上を推進。防衛航空機・ヘリコプタの既受注開発案件・量産契約の着実な推進。 ・防衛事業に係る活動強化:防衛省が掲げる、防衛力強化に向けた7つの重視分野への取り組み推進。 ・市場動向を踏まえた技術戦略の推進:防衛力強化の実現に向けた民生技術の活用を含む技術開発の促進。NEDOグリーンイノベーション基金活用による脱炭素社会に向けた環境技術開発の推進。 ② 車両事業 ・海外案件の納入スケジュール遵守:ダッカ6号線 2024年度 最終車両引き渡し完了、2026年度 基地設備引き渡し。米国R211 2024年度 最終車両の出車完了(Base契約)、量産車引き渡し開始(Option1契約)、2025年度 最終車両引き渡し(Base契約)。 ・顧客に信頼される品質レベルの達成:仕損じ、手直し費用の削減。国内外拠点でのKPS(Kawasaki Production System)による生産管理の維持。 ・部品・サービスの拡販、保守分野の事業拡大:北米向け軌道遠隔監視装置の拡販とサービス提供プラットフォームの構築。国内鉄道事業者向け車両状態監視事業の推進。 ③ エネルギーソリューション&マリン事業 ・低炭素・脱炭素社会実現に向け貢献する製品の提供:LPG/アンモニア運搬船、高効率ガスタービン/ガスエンジン、ごみ処理施設(省エネ)、舶用ハイブリッド推進システム。 ・脱炭素エネルギーへのトランジション製品の展開:液化水素運搬船、水素出荷・受入基地の商用化、舶用水素ボイラ・舶用水素エンジンの開発、低炭素(天然ガス炊き、水素混焼)から脱炭素(水素専焼)に対応できるガスタービン/ガスエンジンを活用した熱電供給及び省エネシステムの導入推進、豊富な実績を有するLNGタンク案件の確実な遂行、CO2分離回収技術の開発。 ④ 精密機械・ロボット事業 油圧事業の発展に向けた施策 ・建機向け新製品開発/市場開拓:電動化・自動化に向け、高い制御技術・開発力を活用し市場を開拓。 ・サービス事業の強化:海外販売ネットワークの構築・拡大によるサービス事業の強化。 ・水素関連事業/防衛事業の強化:水素圧縮機、燃料電池システムなどの開発や、川崎重工グループ内向け防衛関連製品の拡充。 ロボット事業の戦略性のある挑戦 ・高付加価値領域への集中投資:半導体市場の本格的回復に向けた供給体制整備、及び新分野への事業拡大。 ・医療向け事業の強化:「hinotori™」の欧州展開、及び遠隔操作技術等による差別化(FORRO・mapxus Driven by Kawasaki™との連携)。 ・成長分野への投資加速:日中開発生産体制によるコスト競争力の強化、成長分野へのリソースシフトの加速、ソーシャルロボット事業の具体化(医療・介護)。 ⑤ パワースポーツ&エンジン事業 ・市場動向に応じた製品の供給:カワサキブランドに根差した魅力あるモデルの投入。在庫水準を意識した機動的な生産・販売計画推進。 ・四輪ビジネスの強化:北米市場でのマーケットインによる商品力向上と収益性改善の両立。北米二工場(アメリカ、メキシコ)の効率的かつ柔軟な活用による外部環境変化への迅速な対応。 ・脱炭素社会の実現:川崎重工の総合技術力を活用した電動化や水素エンジンなど幅広い選択肢でカーボンニュートラル社会の実現。 ・伊藤忠商事グループとの協業推進:2025年4月米国にて伊藤忠商事と合弁でユーザー向けファイナンス会社Kawasaki Motors Retail Finance, LLCを設立し、更なる事業拡大と顧客基盤強化。アジア・中南米・中近東・アフリカ等の新興市場における新規市場開拓等を共同推進。
事業等のリスク7,529字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。これらのリスクは、経営会議等での審議等を経て抽出しており、取締役会において連結財務諸表での重要性、影響度、網羅性を確認した上で選定しています。また、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「その他の重要なリスク」に分類しています。 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 なお、リスクを把握し、管理する体制・枠組みについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照下さい。 (特に重要なリスク) リスクの内容   リスクに対する対応策 ①地政学・経済安全保障    近時の国際情勢においては、地政学リスクが世界経済に大きな影響を及ぼしており、各国において経済活動を国家安全保障と同等に重要な政策課題として位置づける動きが強まっています。日本においても、2022年の経済安全保障推進法の施行をはじめとする各種法規制の整備を通じ、経済安全保障に関する取組が一層強化されています。 当社グループは、重要な社会インフラを担う企業として、日本及び主要マーケット国における経済安全保障政策に適切に対応できない場合、事業の継続性に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、中東情勢、中国における対日輸出規制、米国における関税措置の動向等に見られるように、国家間の対立が激化することにより、国際的な経済環境が悪化し、企業の事業活動や事業継続に深刻な影響を与える可能性があります。当社グループは、米国、中国、欧州をはじめとする多くの国・地域に生産・販売拠点を有しています。このため、国際的な部品・原材料の調達や製品の取引において、調達・物流の停滞やコスト上昇等の影響を受ける可能性があります。    国際情勢の変化並びに主要マーケット国における規制や制裁の動向に適時・適切に対応するため、事業に影響を及ぼすリスクの変化を継続的にモニタリングするとともに、必要な対応を迅速に実施できる社内体制を構築しています。また、関係当局、業界団体等との情報連携を通じて政策動向や規制の方向性を把握し、事業計画への反映と適切なフォローを行っています。 更に、中東情勢の不安定化による原油価格や原料調達及びマーケットへの影響、当社事業部門に関連する中国による対日輸出規制、並びに米国の関税措置等、既に顕在化している重大なリスクに対しては、影響を受ける部品・原材料の特定を行った上で、代替調達先の確保や代替材料の検討、調達先や生産拠点の分散、物流体制、販売計画の見直し等を進めています。加えて、影響を受けた製品への販売価格への反映や、ビジネス契約上の対応を行うことにより、コスト上昇や供給制約による事業への影響の最小化に努めています。 リスクの内容   リスクに対する対応策 ②コンプライアンス    当社グループの役員・従業員が法令違反行為や企業倫理違反行為等を発生させた場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜、当社グループ製品の不買運動等に至り、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。    「川崎重工グループ行動規範」を制定し、コンプライアンス違反を容認しない企業風土の醸成及び維持に努めています。また、社長を委員長とする全社コンプライアンス委員会において、企業としての社会的責任を果たすために各種施策の審議・決定、遵守状況のモニタリング等を行っています。 また、2024年に判明した当社グループの潜水艦修繕事業及び舶用エンジン事業における不正事案を受けて外部の弁護士で構成する特別調査委員会を設置しました。当該特別調査委員会による両事案の調査結果に加え、同委員会の追加調査により判明した神戸造船工場における工数付け替え事案及び潜水艦エンジンにおける燃費性能に関わる検査不正事案の調査結果については、それぞれ中間報告・最終報告を公表しています。 加えて、新たに設けたコンプライアンス特別推進委員会において、特別調査委員会からの提言を踏まえ、「不正ができない仕組みの構築」「不正発見の強化」「組織風土・意識改革」の3つを柱に掲げ、それぞれについて、再発防止策のための具体的な取組を継続的に実施しています。 ③品質管理    当社グループは、顧客ニーズや社会課題解決のため、多岐にわたる製品・サービスを提供しています。それらの製造・サービス提供過程においては、社内外の基準に則り厳格な品質管理を実施していますが、予期せぬ製品の欠陥や品質面での不備が発生した場合、発生した損害について賠償を求められ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。    2019年度に全社的なTQM(Total Quality Management)を推進する専門組織を立ち上げ、TQMに則った業務遂行体制の構築、品質管理教育、全員参加での品質向上に努めてきました。TQM活動においては、業務プロセスの整流化に加え、人の恣意性を排除しデジタル技術を用いた品質管理を進めています。2026年度には全社の品質保証機能強化を目的に、事業部の品質保証部門に横串を通す品質保証総括部を本社に設置し、全社の品質管理体制強化を図っていきます。 ④プロジェクトの契約・履行    プロジェクトに関しては、特に見積、契約条件、技術仕様、プロジェクト履行能力、債権管理等による損失リスクがあります。    プロジェクトの契約に際し、受注前のリスク検知と適正なリスク評価、適切なリスク回避策の実行に努めています。過去に多額の損失を計上した案件には、プロジェクト履行中のトラブルに関して、契約条件・条項の不備や契約相手方との解釈の相違等に起因するものが多く、法務部門による事前チェックを強化しています。 更に、受注後のプロジェクトについては、市場環境やその進捗状況に関して、経営成績等に大きな影響を与える可能性がある兆候を経営会議及び取締役会へタイムリーに報告しています。 現在履行中の大型プロジェクトのうち、当社グループが取り組んでいる大規模水素サプライチェーン構築プロジェクトについては、NEDOグリーンイノベーション基金事業で採択された各種事業を商用化に向けて進捗しており、各フェーズで発生する問題を早期に認識し、リスクを最小限に抑えながら円滑にプロジェクトを進めています。 リスクの内容   リスクに対する対応策 ⑤インフレによる調達品等の価格高騰    国内外のインフレ進行に加え、中東情勢の緊張の高まり等に伴い、人件費、エネルギー価格、原材料価格、物流費等の上昇が続いています。 事業計画策定に当たっては一定のコスト上昇を織り込んでいますが、想定を超える価格の上昇や部品供給の不足が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。    コストダウン活動を継続しつつ、販売契約へのエスカレーション条項の織込みや調達品価格の高騰を適切に販売価格へ転嫁するなどの対策を行っています。 ⑥脱炭素トランジション    AIやデータセンターの需要拡大等により世界的に電力需要が増加する中、再生可能エネルギーや原子力による供給が追いつかない場合、当面は火力発電を含む既存電源への依存が続く可能性があります。その場合、当社グループが推進する水素関連製品への移行が進まない、又は想定よりも時間が掛かることが懸念されます。    当社グループにおいては、各国・各地域の脱炭素政策の動向を注視しつつ、ガスタービン、ガスエンジンなどのエネルギー事業を強化するとともに、カーボンニュートラル社会の到来に備えて水素関連製品、CCUSなどの開発を継続していきます。その一方で、天然ガスだけでなく水素も燃料として利用できるガスタービンやガスエンジンなど、トランジション期(移行期)の市場ニーズに応える水素Ready製品の充実を図っていきます。 ⑦情報セキュリティ    当社グループは、社会インフラから消費者向け製品に至るまで、多様な製品を国内外に提供しており、重要な情報資産として多岐にわたる技術・営業情報や顧客情報を蓄積・保有しています。業務プロセスのデジタル化が進む中、海外拠点を含め当社グループやサプライチェーンへのサイバー攻撃は増加傾向にあり、重要情報の漏洩やシステム停止、その復旧を条件とした身代金要求といった事象に加え、工場の生産システムやサプライチェーンが攻撃を受けることで損失が発生するリスクも高まっています。    情報セキュリティリスクに適切に対応するため、最新のセキュリティ対策製品の導入やネットワーク通信の制限制御を実施するとともに、グローバルサイバーディフェンス体制の強化や、セキュリティオペレーションの高度化・迅速化を進めるなど、セキュリティ態勢の強化を推進しています。 また、サプライチェーンにおいてセキュリティ事故が発生した場合を想定し、各サプライヤーとの情報連絡体制を構築するとともに、影響範囲の把握や情報漏洩の有無の確認等について、迅速な情報収集及び社内での情報連携を行う仕組みを整備しています。 更に、万が一、当社グループ内においてサイバー攻撃による大規模なインシデントが発生した場合でも、迅速な復旧を可能にするため、復旧手順や代替手段の検討を行うなど、事業継続に向けたサイバーBCPを整備し、各事業部門と連携しながら事業継続に向けた取組を推進しています。加えて、海外拠点を含む当社グループ全体及び当社を取り巻くサプライチェーンを対象として、経営層の指示のもとサイバーセキュリティ担当部門が対応の中心となり、セキュリティ方針、管理ルール、各種ガイドライン等の整備を行っています。 また、役員及び従業員への情報セキュリティ教育についても、eラーニングをベースに集合形式やオンライン形式での教育や訓練を継続的に実施し、情報セキュリティ意識の向上を図っています。 リスクの内容   リスクに対する対応策 ⑧訴訟    当社グループは、事業を展開するに当たり、契約条件の明確化、知的財産権の適正な取得・使用、各種法規制の遵守等により、トラブルを未然に防止するよう努めています。  しかし、予期せぬ事象が生じた場合、損害賠償の請求や訴訟を提起されることがあり、当社グループの経営成績、社会的信用等に影響を及ぼす可能性があります。  一方で、取引相手先による契約不履行や当社グループが保有する知的財産権の侵害等が生じた時には、当社グループの権利保護を求めて訴訟を提起する場合があります。    弁護士等の外部専門家と連携する等、最善策を講じるための体制を整備しています。また、法務機能を担う人財の育成及び獲得を行い、より一層の法務対応力の強化にも取り組んでいます。 なお、当連結会計年度において、当社グループに重要な影響を及ぼす訴訟に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(2)その他」をご参照下さい。 ⑨人財の獲得・維持    人財の獲得・維持は、事業活動の継続及び成長のための重要な経営課題と考えています。 しかし、少子高齢化による労働人口の減少、人財の獲得競争の激化やキャリア意識の多様化に伴う労働市場の流動化により人財の獲得・維持が困難となり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。    当社グループは、人的資本に関する基本方針「川崎重工グループHRポリシー」を掲げ、「ともに挑み続け、ともに成し遂げる。」というスローガンのもと、従業員が自らの力を信じて挑戦できるよう、人と組織の開発に注力し、より多くの人財が働きがいと働きやすさを実感できる環境づくりに取り組んでおり、これからも職場として選んでいただける会社であり続けたいと考えています。施策の詳細については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」をご参照下さい。 また、ロボットやAIの活用、DXによる業務プロセスの見える化・効率化を図ることにより、事業の成長ステージにおいても、生産性を高めることにより少ない人数で最大の成果を出せるマネジメントを推進します。更に、従業員が付加価値の高い仕事に集中することにより、“やりがい”や“成長”を実感できる働き方を実現することでキャリア意識の多様化にも対応していきます。 (その他の重要なリスク) リスクの内容   リスクに対する対応策 ⑩景気変動    国際情勢の変化による各国の景気減速や経済成長の鈍化への警戒感の高まりなどが当社グループの事業活動に影響を及ぼし、売上収益等に影響する可能性があります。    官公庁向けと民間向け、先進国向けと新興国向け、受注生産型と見込み生産型、B to BやB to Cなど、景気サイクルの異なる多様な事業でポートフォリオを構成しており、景気変動リスクを分散させています。また、社会情勢や国際動向を注視し、社会課題、市場ニーズ等に対応した開発・受注活動を継続することで売上収益を確保するほか、見込み生産型事業においては、販売や在庫の状況をモニタリングして生産調整をタイムリーに行うなど、景気が減速する局面においても経営成績等に及ぼす影響が最小限になるように努めています。 ⑪資金調達・金利変動    当社グループは、金融機関からの借入や社債の発行等により資金調達を行っていますが、金融危機が発生する等、金融市場が正常に機能しない場合には、一時的に資金調達を想定どおり行うことが難しくなる可能性があります。 また、市場金利の急激な上昇によって資金調達コストが増大した場合、支払利息等の金利負担増加により金融収支が悪化し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 なお、金融機関からの借入金には、コベナンツ(財務制限条項)が付されていることがあり、コベナンツに抵触する事象が発生した場合、当該借入金についての期限の利益を喪失する可能性があるほか、その他の債務についても一括返済が求められる可能性があります。その結果、当社グループの信用力や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。    資金調達の実行リスクに対しては、資金調達手段の多様化やコミットメントラインを含む十分な融資枠を確保する等の対策を講じています。資金調達コストの増大リスクに対しては、固定金利での長期資金調達を行うこと等により、金利変動リスクの抑制に努めています。  なお、財務制限条項への抵触リスクに関して、現在の財務状況に鑑みるとその可能性は低いと考えています。  当社グループは引き続き財務体質の強化に取り組み、資金調達力の維持・向上を図るほか、サステナブルファイナンスを積極的に活用することで、資金調達の面からも「グループビジョン2030」の実現に向けて取り組んでいきます。 ⑫為替変動    当社グループの業績見通しにおいては、一定量の為替変動リスクが含まれています。特に中東情勢については為替相場の短期的なボラティリティを上昇させるだけでなく、原油価格の上昇を通じて長期的な影響を為替相場に与えるおそれもあります。そのため相場の変動が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。    為替変動リスクに対しては、実需の外貨建債権・債務に対し、投機的な要素を排除した形で日本円のディスカウントコストを考慮しながら為替予約等のリスクヘッジを行っています。また、パワースポーツ&エンジン事業を中心として、輸入部材価格等の為替影響分の価格転嫁、海外調達及び海外生産比率の見直し等を通じて為替リスクの低減に取り組んでいます。 リスクの内容   リスクに対する対応策 ⑬開発投資    当社グループは、社会課題の解決と持続的な企業価値向上のため、将来の収益が期待できる分野への研究開発投資や設備投資を行っています。開発の項目や内容の選定判断を誤ることで競合に対する競争力を失い、事業・製品のシェアを低下させるリスクがあります。  また、水素利活用分野など基礎研究から実証、製品化までのプロセスには長期にわたる投資を必要とするものが多く、市場変化や顧客、競合動向、各国規制の変化等によっては開発戦略の見直しや撤退を迫られる分野もあり、過去には投入した開発費が回収できなかった事業も存在しています。    開発投資に関しては、対象分野の選定やその内容、人財投入計画等について、経営戦略や事業ポートフォリオ上の位置づけなども踏まえて決定し、進捗管理についても適宜フォローしています。 ⑭固定資産の減損    当社グループは、継続的に設備投資を行いながら事業活動を進めており、多くの固定資産を有しています。現時点において、多額の減損を計上するような懸念事項はないと考えていますが、今後外部環境の変化等により減損処理を行う必要性が生じた場合、損失が発生するリスクがあります。    大規模事業投資(設備投資を含む)案件について、大型プロジェクトの受注前プロセスと同様、投資決定前のリスク審査を強化する取組を行っています。 ⑮繰延税金資産の回収可能性    当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産は、事業計画を基礎として将来の課税所得の発生やタックスプランニングに基づき、回収可能性を検討しています。  なお、将来の見通しに変化が生じた際は回収可能性の見直しが必要となり、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなったと判断された場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。    将来の見通しの変化等により事業計画にダウンサイドリスクが判明した場合には、繰延税金資産に関しての見直しの要否を適時に判断できるような体制を構築しています。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。これらは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営方針・経営戦略等を踏まえて分析しています。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績の状況 ① 連結業績の概況 世界経済は、中東情勢を発端とする原油価格高騰と供給制約により各国において景気減速やインフレなどのリスクが顕在化しています。更に、長期化する中国経済の停滞や米中関係の緊張、米国関税の影響も重なり、先行きは不透明さを増しています。 国内においては、好調な雇用・所得環境や個人消費の回復、設備投資の拡大など内需主導で緩やかな景気回復が続いているものの、今後の中東情勢や各国の政策、金融資本市場の動向などの経済への影響には引き続き注視が必要です。特に中東情勢の動向については、原油の供給制約により一部の事業で操業に影響が出始めており、当社グループとしても慎重に見極めて対応していきます。 このような経営環境の中で、当連結会計年度における当社グループの連結受注高は、航空宇宙システム事業で減少となったものの、車両事業、精密機械・ロボット事業などでの増加により、前期比で増加となりました。連結売上収益については、パワースポーツ&エンジン事業を中心とした各事業での増収により、前期比で増収となりました。利益面に関しては、事業利益は、パワースポーツ&エンジン事業での減益はあったものの、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業での増益などにより、前期比で増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、事業利益の増加や為替差損益の改善などにより、前期比で増益となりました。 この結果、当社グループの連結受注高は前期比1,084億円増加の2兆7,391億円、連結売上収益は前期比1,819億円増収の2兆3,112億円、事業利益は前期比19億円増益の1,451億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比201億円増益の1,081億円となりました。また、事業利益率は6.3%、税後ROIC※は9.0%、ROEは13.7%となりました。なお、株価変動による資本構成の変化等を反映し、資本コスト(WACC)は約10%と算出しています。 2024年に判明した当社グループの潜水艦修繕事業及び舶用エンジン事業における不正事案については、特別調査委員会による中間報告を同年12月及び2025年1月に公表しました。また、両事案に関する類似案件の有無に係る追加調査についても、その調査結果を2025年12月に公表しました。 同追加調査をもって特別調査委員会による調査は完了しましたが、当社グループでは度重なるコンプライアンス事案の判明並びに両事案の特別調査委員会からの報告を重く受け止めるとともに、提言された再発防止策も踏まえて、引き続き社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会主導のもと、グループ全体のコンプライアンス・ガバナンス体制の強化に向けた実効性の高い再発防止策に徹底して取り組み、皆様からの信頼回復に全力で努めてまいります。 本件の影響額は当連結会計年度の期末日時点の見積もりに基づいて反映しておりますが、今後開示すべき事項が発生した場合は速やかに公表いたします。 ※ 税後ROIC = (親会社の所有者に帰属する当期利益 + 支払利息 × (1 - 実効税率)) ÷ 投下資本 (純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均) ② セグメント別業績の概要 航空宇宙システム事業 抜本的な防衛力強化や航空旅客需要の回復による需要の増加が期待される中で、連結受注高は、民間航空機向け分担製造品や民間航空エンジン分担製造品などが増加したものの、防衛省向けの大口案件の受注があった前期に比べ719億円減少の8,109億円となりました。 連結売上収益は、防衛省向けや民間航空機向け分担製造品などが増加したことにより、前期に比べ458億円増収の6,136億円となりました。 事業利益は、増収などにより、前期に比べ66億円増益の624億円となりました。 車両事業 国内市場はインバウンドの復調等により鉄道車両への投資が継続しており、海外市場は大都市の混雑緩和対策のための都市交通整備などに伴う需要が見込まれる中で、連結受注高は、前期に引き続きニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車を受注したことなどにより、前期に比べ675億円増加の3,191億円となりました。 連結売上収益は、国内・米国向けが増加したことなどにより、前期に比べ138億円増収の2,362億円となりました。 事業利益は、増収などにより、前期に比べ2億円増益の86億円となりました。 エネルギーソリューション&マリン事業 国内外の分散型電源需要やエネルギーインフラ整備需要は依然根強く、国内ごみ焼却設備の老朽化更新需要も継続しています。連結受注高は、前期に複数隻を受注したLPG/アンモニア運搬船などの減少はあったものの、国内向けごみ処理施設建替工事や国内向けLNG基地大型増強工事を受注したことなどにより、前期に比べ108億円増加の5,529億円となりました。 連結売上収益は、船舶海洋分野やプラント分野での増収などにより、前期に比べ354億円増収の4,335億円となりました。 事業利益は、増収や持分法による投資利益の増加などにより、前期に比べ107億円増益の550億円となりました。 精密機械・ロボット事業 中国建設機械市場は鉱山向け需要や輸出を中心に拡大傾向にあり、AI向け半導体の急成長と汎用メモリの深刻な不足により、半導体製造装置向けロボットの需要が高まる傾向にある中で、連結受注高は、中国建設機械市場向け油圧機器が増加したことなどにより、前期に比べ292億円増加の2,785億円となりました。 連結売上収益は、中国建設機械市場向け油圧機器が好調を維持していることや半導体製造装置向けロボットが増加したことなどにより、前期に比べ176億円増収の2,591億円となりました。 事業利益は、増収や持分法による投資損益の改善などにより、前期に比べ73億円増益の143億円となりました。 パワースポーツ&エンジン事業 米国における関税措置を背景とした市場環境の変化やコスト構造の変化に加えて、中東情勢の影響が懸念される中で、連結売上収益は、北米向け四輪車や先進国向け二輪車の増加などにより、前期に比べ734億円増収の6,828億円となりました。 事業利益は、増収はあったものの、関税コストの上昇に加え、米国パワースポーツ市場における競争環境激化を背景とした採算性の低下、増産投資に伴う固定費の増加などにより、前期に比べ251億円減益の227億円となりました。 その他事業 連結売上収益は、前期に比べ43億円減収の858億円となりました。 事業利益は、前期に比べ18億円増益の70億円となりました。 当社グループは「グループビジョン2030」において、注力するフィールドを「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」とし、手術支援ロボットや屋内配送ロボットなどの製品・サービスとAI・遠隔技術を組み合わせた病院経営の効率化支援などや、通常の物資輸送だけでなく災害時を含めた様々なケースでの活用を想定した無人ヘリコプタなどのモビリティの開発に取り組んでいます。また、水素エネルギーは我が国のカーボンニュートラルだけでなくエネルギー安全保障の観点からも重要性を増しており、液化水素サプライチェーン商用化実証を開始するなど、CO2分離・回収・利用事業などと合わせて早期実用化を目指しています。 (2) 財政状態の状況 (資産) 流動資産は、営業債権及びその他の債権などの増加により前期末に比べ2,321億円増加し、2兆2,560億円となりました。 非流動資産は、有形固定資産の増加などにより前期末に比べ755億円増加し、1兆685億円となりました。 この結果、総資産は前期末に比べ3,076億円増加の3兆3,246億円となりました。 (負債) 有利子負債は、前期末に比べ863億円減少の6,061億円となりました。 負債全体では、営業債務及びその他の債務や契約負債の増加などにより前期末に比べ842億円増加の2兆3,761億円となりました。 (資本) 資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上などにより、前期末に比べ2,234億円増加の9,484億円となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況 当期末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前期末に比べ173億円減の1,154億円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ88億円減の1,400億円となりました。収入の主な内訳は、減価償却費及び償却費1,038億円、営業債務及びその他の債務の増加額667億円であり、支出の主な内訳は、営業債権及びその他の債権の増加額864億円、前渡金の増加額332億円です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は、前期に比べ168億円増の1,280億円となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は、前期に比べ428億円増の332億円となりました。これは主に短期借入金の純減によるものです。 (4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① 財務政策 当社グループの運転資金・投資向け資金等の必要資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源としていますが、必要に応じて、短期的な資金については銀行借入やコマーシャル・ペーパーなど、設備投資資金・投融資資金等の長期的な資金については、設備投資・事業投資計画に基づき、金融市場動向や固定資産とのバランス、既存借入金及び既発行債の償還時期などを総合的に勘案し、長期借入金や社債などによって調達しています。 当社グループは上述の多様な資金調達源に加え、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、事業活動に必要な資金の流動性を確保しています。また、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間ではキャッシュ・マネジメント・システムによる資金融通を行っており、グループ内の資金効率向上に努めています。 ② 資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費等)、受注活動又は販売促進のための販売費、新規事業の立ち上げや製品競争力の強化のための研究開発費などがあります。投資活動に係る資金支出には、事業の遂行、新規立ち上げ、生産性向上のための設備や施設への投資などがあります。 (5) 経営方針・経営戦略及び経営指標等に照らした経営成績等の分析・検討 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を事業利益率及びROICとし、事業利益率については2027年度に8%、2030年度に10%超の水準、税後ROICについては資本コスト(WACC)+3%以上を確保すべく努めていきます。なお、株価変動による資本構成の変化等を反映し、現状のWACCは約10%と算出しています。 2025年度は、事業利益1,451億円、事業利益率6.3%、税後ROIC9.0%とパワースポーツ&エンジン事業での減益はあったものの、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業での増益などにより、前期比で増益となりました。 2026年度は、各事業の増収による増益に加え、エネルギーソリューション&マリン事業の採算性改善が進み、事業利益は1,700億円、事業利益率6.6%、税後ROIC8.6%を見込んでいます。なお、中東情勢による足元の当社グループの業績への影響については一定程度反映しています。収益性の向上及び有利子負債の圧縮に取り組み、掲げた見通しの超過達成に向けて取り組んでいきます。 「グループビジョン2030」においては、まずパワースポーツ&エンジン事業をはじめとする量産系事業がコロナ禍から立ち上がり、航空宇宙システム事業をはじめとする受注系事業の業績が回復・拡大し、更に水素や医療ロボットといった新規事業が収益の柱となって安定的な成長軌道を描くことを目指しています。現状はまさに受注系事業が成長軌道に回帰した段階であり、掲げた成長シナリオに沿って進捗していると考えています。為替の変動や関税政策動向をはじめ、中東情勢等、先行きへの不透明感はありますが、目標とする水準に向け、各事業における重点施策の着実な実行に加え、適正な販売価格の実現やコスト競争力の強化に継続的に取り組んでいきます。 また、2025年度のフリー・キャッシュ・フローに関しては120億円と2期連続の黒字となりました。引き続き収益性の向上及び運転資本の効率的な運用により安定的なキャッシュ・フローの獲得に努めていきます。 なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の全社及びセグメントごとの事業利益率は、次のとおりです。 (単位:%) セグメントの名称   前連結会計年度   当連結会計年度   変動 航空宇宙システム   9.8   10.2   0.4 車両   3.8   3.7   △0.1 エネルギーソリューション&マリン   11.1   12.7   1.6 精密機械・ロボット   2.9   5.6   2.7 パワースポーツ&エンジン   7.9   3.3   △4.6 その他   5.9   8.3   2.4 全社   6.7   6.3   △0.4 精密機械・ロボット事業においては、増収や持分法による投資損益の改善などにより、前期に比べ2.7ポイント上昇しました。また、エネルギーソリューション&マリン事業においては、増収や持分法による投資利益の増加などにより、前期に比べ1.6ポイント上昇しました。一方で、パワースポーツ&エンジン事業においては、増収はあったものの、関税コストの上昇に加え、米国パワースポーツ市場における競争環境激化を背景とした採算性の低下、増産投資に伴う固定費の増加により4.6ポイント低下しました。その結果、全社では0.4ポイント低下となりました。 (6) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。 セグメントの名称   生産高(百万円)   前期比増減(%) 航空宇宙システム   533,220   +6.8 車両   211,285   +10.7 エネルギーソリューション&マリン   347,796   △0.8 精密機械・ロボット   223,066   +3.5 パワースポーツ&エンジン   543,276   +21.3 その他   93,502   △5.1 合計   1,952,147   +8.3 (注)  金額は、生産高(製造原価)によっています。 ② 受注実績 当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりです。 セグメントの名称   受注高(百万円)   前期比増減(%)   受注残高(百万円)   前期比増減(%) 航空宇宙システム   810,923   △8.2   1,536,199   +18.0 車両   319,130   +26.9   613,581   +18.0 エネルギーソリューション&マリン   552,900   +2.0   943,569   +14.3 精密機械・ロボット   278,538   +11.7   110,803   +21.2 パワースポーツ&エンジン   681,787   +11.5   1,219   △45.7 その他   95,917   +2.8   51,468   +22.6 合計   2,739,195   +4.1   3,256,839   +17.0 (注) 1 パワースポーツ&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、受注高について売上収益と同額としていましたが、前連結会計年度に個別受注案件を獲得したため、その実績を考慮して表示しています。 2 セグメント間の取引については、受注高及び受注残高から相殺消去しています。 ③ 販売実績 当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。 セグメントの名称   販売高(百万円)   前期比増減(%) 航空宇宙システム   613,691   +8.1 車両   236,203   +6.3 エネルギーソリューション&マリン   433,574   +8.9 精密機械・ロボット   259,146   +7.3 パワースポーツ&エンジン   682,812   +12.1 その他   85,839   △4.8 合計   2,311,267   +8.5 (注) 1 販売高は、外部顧客に対する売上収益です。 2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先   前連結会計年度   当連結会計年度 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) 防衛省   400,890   18.8   429,769   18.6 (7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。その作成においては、連結財政状態計算書上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定を使用しています。 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り及び判断の利用」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

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