本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,214.48-111NYダウ53,686.11+624ドル円155.76-3NASDAQ26,584.06+366S&P 5007,747.71+81SOX 指数11,352.13+139/3終値

オリンパス

OLYMPUS CORPORATION7733 · Prime · 精密機器

世界の消化器内視鏡市場で圧倒的シェア。内視鏡と処置具の統合ソリューションで消化器診療をリード。

概要

オリンパスは、1919年に顕微鏡の国産化を目的に設立された光学機器メーカーを前身とする。現在は医療用内視鏡に特化し、消化器内視鏡で世界トップシェアを持つ。2026年3月期の連結売上高は1兆107億円、営業利益971億円、従業員約2万8000人。本社は東京都八王子市。

消化器内視鏡ソリューションとサージカルインターベンションの二本柱

当社グループは、消化器内視鏡ソリューション事業とサージカルインターベンション事業の2つの報告セグメントで構成される。消化器内視鏡ソリューションは、上部・下部消化管を観察する軟性内視鏡システム、生検鉗子・スネアなどの処置具、修理・メンテナンスやトレーニングの医療サービスを提供する。サージカルインターベンションは、泌尿器科(軟性尿管鏡、経尿道的手術製品)、呼吸器科(気管支鏡、胸腔鏡)、外科内視鏡(腹腔鏡)、エネルギー・デバイス(電気メス、超音波凝固切開装置)、耳鼻咽喉科、婦人科製品を扱う。両事業とも病院・クリニック向けであり、低侵襲手術の需要拡大を背景に成長している。

北米・欧州・アジアをカバーする生産販売網

グローバルに事業を展開し、主要な連結子会社としてOlympus America Inc.(米国)、Olympus Europa SE & Co. KG(欧州統括)、Olympus (Beijing) Sales & Service Co., Ltd.(中国)、Olympus Korea Co., Ltd.、Olympus Singapore Pte. Ltd.などを擁する。国内では長野事業場や会津オリンパス、白河オリンパス、青森オリンパスなどの製造子会社が生産を担う。また、共同支配企業としてSwan EndoSurgical, Inc.、関連会社としてソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社がある。2024年4月には本社を東京都八王子市石川町に移転し、技術開発センターも同地に集約している。

研究開発と設備投資の規模

2026年3月期の継続事業における研究開発費は1,099億48百万円、設備投資額は922億39百万円に達した。研究開発の重点領域は、AI・デジタル技術を活用した内視鏡医療エコシステムの構築や、エンドルミナルロボティクスの開発である。OLYSENSEプラットフォームの商用化や、合弁会社Swan EndoSurgicalを通じたロボット技術の開発に注力している。また、品質保証・法規制対応の変革プロジェクト「Elevate」にも一時的な費用を投じており、グローバルな組織体制の最適化を進めている。

業界の中での役割は医療機器メーカー(内視鏡・手術機器)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.0兆円
営業利益
971億円
営業利益率
9.6%
純利益
682億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2024/3
事業売上構成比利益利益率
内視鏡5,866億円62.7%1,047億円17.8%
治療機器3,373億円36.0%-85億円-2.5%
その他123億円1.3%-78億円-63.4%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01医療業界(消化器内視鏡ソリューション)主力

消化器内視鏡システム(スコープ、ビデオプロセッサー、光源装置など)、消化器科処置具(生検鉗子、スネアなど)、メンテナンス・トレーニングなどの医療サービスを提供。病院・クリニック向け。

主な製品・サービス3
消化器内視鏡世界シェア首位
上部・下部消化管を観察するための軟性内視鏡。高画質・細径化が特徴。
消化器科処置具
内視鏡治療に用いる鉗子、スネア、クリップ等の処置具。
医療サービス
内視鏡の修理・メンテナンス、トレーニングサービス。

02医療業界(サージカルインターベンション)準主力

泌尿器科製品(軟性尿管鏡、経尿道的手術用製品)、呼吸器科製品(気管支鏡、胸腔鏡)、外科内視鏡(腹腔鏡)、エネルギー・デバイス(電気メス、超音波凝固切開装置)、耳鼻咽喉科製品、婦人科製品を提供。低侵襲手術を支援。

主な製品・サービス4
泌尿器科製品
軟性尿管鏡や経尿道的手術用製品など、泌尿器科領域の内視鏡・処置具。
呼吸器科製品
気管支鏡、胸腔鏡など呼吸器領域の内視鏡。
エネルギー・デバイス
電気メス、超音波凝固切開装置など、組織切開・止血に使用。
外科内視鏡
腹腔鏡など、一般外科手術用の硬性内視鏡。

製品と技術

消化器内視鏡システムの高画質・細径化技術

消化器内視鏡システムは、軟性スコープ、ビデオプロセッサー、光源装置から構成される。オリンパスの内視鏡は高画質・細径化が特徴で、上部消化管(食道・胃・十二指腸)および下部消化管(大腸)の観察に用いられる。処置具としては生検鉗子、スネア、クリップなどがあり、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの治療を可能にする。これらの製品は世界中の病院・クリニックで使用され、消化器内視鏡市場でトップシェアを維持している。

外科内視鏡とエネルギー・デバイス

サージカルインターベンション事業の中核製品として、腹腔鏡(硬性内視鏡)やエネルギー・デバイスがある。腹腔鏡は一般外科手術における低侵襲アプローチを実現する。エネルギー・デバイスには電気メスや超音波凝固切開装置が含まれ、組織切開と止血を同時に行う。これらの製品は、婦人科、耳鼻咽喉科、呼吸器科など多岐にわたる外科領域で使用され、手術の精度向上と患者負担軽減に貢献している。

泌尿器科・呼吸器科向け軟性内視鏡

泌尿器科向けには軟性尿管鏡や経尿道的手術用製品を提供。尿管や腎臓内の観察・治療に用いられ、結石破砕や腫瘍切除に対応する。呼吸器科向けには気管支鏡と胸腔鏡があり、肺の病変診断や治療に使用される。2019年には軟性尿管鏡の新製品を投入するなど、製品ラインアップを拡充。2021年に買収したMedi-Tate Ltd.と2026年に買収したBioProtect Ltd.の技術を統合し、前立腺疾患治療などの領域も強化している。

AIプラットフォームOLYSENSEとロボティクス

オリンパスは、内視鏡医療のデジタル化に向け、クラウドとAIを活用したプラットフォーム「OLYSENSE」を開発中。2026年3月期には米国と欧州の一部で複数のCAD(コンピュータ支援診断)製品の販売を開始した。OLYSENSEはワークフロー、トレーニング、疾患検出・鑑別の向上を目指し、2031年3月期までに基盤製品の25%を接続する目標を掲げる。また、エンドルミナルロボティクス分野では、合弁会社Swan EndoSurgicalを通じて軟性内視鏡を用いたESDのロボット支援技術を開発し、臨床応用を進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

精密機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 世界シェア首位消化器内視鏡世界シェア約6割医療業界(消化器内視鏡ソリューション)

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

内視鏡で世界首位、医療機器のグローバルリーダー

オリンパスは、医療機器、特に消化器内視鏡の分野で世界市場をリードする企業である。内視鏡システムでは世界シェア約70%を誇り、競合の富士フイルムやペンタックスメディカルを大きく引き離す。近年は経営改善に注力し、不採算事業の売却やガバナンス強化を進めている。売上高は2025年3月期に9973億円、営業利益率は16.29%と高い水準であるが、2026年3月期は売上高は10107億円と微増ながら、営業利益率は9.61%に低下すると予想される。これは、成長投資や為替影響によるものとみられる。同業他社にはリガク・ホールディングスやジーエルテクノホールディングスなどがあるが、規模や技術力ではオリンパスが圧倒的。強みは、圧倒的な内視鏡シェア、高い技術開発力、そしてグローバルな販売網である。一方で、医療機器の規制強化や競争激化、そして収益性の低下傾向が課題となる。

強み

  • 消化器内視鏡で世界シェア約70%と圧倒的な地位を確立。
  • 画像処理技術などで差別化し、他社を寄せ付けない競争力。
  • 世界中に販売・サポート体制を持ち、各地域で高い評価。
  • 2025年3月期の営業利益率16.29%と高い水準を維持。

課題

  • 2026年3月期の営業利益率は9.61%に低下し、収益改善が急務。
  • 医療機器の安全性規制が厳しくなり、開発・上市に時間と費用がかかる。
  • 富士フイルムなどが追撃しており、シェア維持が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

医療機器・介護の時価総額近傍。太字がオリンパス

時価総額で並べると、掲載10社のなかで5番目にあたる。

#企業時価総額PER
17741HOYA8.3兆円32.8倍
27751キヤノン6.2兆円11.8倍
34901富士フイルムホールディングス4.1兆円14.5倍
44543テルモ3.7兆円26.8倍
57733オリンパス2.3兆円33.8倍
65334日本特殊陶業1.6兆円13.9倍
76645オムロン1.3兆円35.6倍
86869シスメックス1.2兆円33.2倍
97701島津製作所1.2兆円18.6倍
103088マツキヨココカラ&カンパニー1.1兆円18.5倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(医療機器・介護)に従っています。

会社の歴史

沿革 39件

顕微鏡メーカーとして創業した1919年

1919年10月、東京都渋谷区幡ヶ谷において、株式会社高千穂製作所として創業。目的は顕微鏡の国産化とその他光学機械の製作であった。1936年4月に写真機の製造を開始し、1942年6月に高千穂光学工業株式会社に商号変更。1944年2月には長野県伊那市に伊那工場(現長野事業場)を新設した。1949年1月にオリンパス光学工業株式会社と改称し、同年5月に東京証券取引所に株式を上場。創業から30年で光学機器メーカーとしての基盤を固めた。

写真機と医療機器に進出した1950年代

1952年5月、医療機器の製造を開始し、内視鏡分野への第一歩を踏み出す。1955年5月には株式会社高千穂商会の経営に参加し、写真機の国内販売網を強化。1960年10月には測定機の製造も開始し、事業の多角化を進めた。この時期、写真機ブランド「オリンパス」の認知度が高まり、医療機器も徐々に製品ラインを拡充した。1963年8月には東京都八王子市に八王子事業場(現技術開発センター石川)を新設し、研究開発体制を強化している。

海外子会社を相次いで設立した1960年代

1964年5月、Olympus Optical Co.(Europa) GmbH(現Olympus Europa SE & Co. KG)を設立し、欧州での販売を強化。1968年1月にはOlympus Corporation of America(現Olympus America Inc.)を設立し、米国での顕微鏡・医療機器販売を本格化。1969年5月にはオリンパス精機株式会社(現会津オリンパス)を設立し国内製造子会社を立ち上げた。1977年3月には米国にOlympus Camera Corporationを設立し写真機販売を強化するなど、1960〜70年代は海外拠点の拡充が顕著であった。

買収と不祥事を経た2010年代

2008年2月にGyrus Group PLCを買収し外科領域を強化したが、2011年10月に過去の不祥事が表面化。2012年9月には情報通信事業を日本産業パートナーズに譲渡し、事業の選択と集中を進めた。2015年4月にはオリンパスメディカルシステムズを吸収分割により統合し、医療事業を一元化。2016年4月に本店所在地を八王子市に変更した。2020年4月には品質法規制機能強化のため一部機能を再びオリンパスメディカルシステムズに分割した。

映像事業と科学事業を売却し医療専業へ

2021年1月、映像事業をOMデジタルソリューションズに承継させ、日本産業パートナーズが設立したOJホールディングスに譲渡。同年10月には国内販売機能をオリンパスマーケティング株式会社に統合した。2022年4月には科学事業を株式会社エビデントとして会社分割し、2023年4月にBain Capital傘下のファンドに譲渡。これにより、医療機器専業の企業へと大きく舵を切った。

整形外科事業の譲渡と泌尿器科強化

2024年4月に本社を八王子市石川町に移転。同年7月には整形外科事業をポラリス・キャピタルに譲渡し、さらに事業を絞り込んだ。一方、泌尿器科領域の強化を目的に、2021年5月にMedi-Tate Ltd.、2026年6月にBioProtect Ltd.を買収。2022年12月にはOdin Medical Ltd.を買収しデジタル技術活用を加速した。また、エンドルミナルロボティクス開発のため合弁会社Swan EndoSurgicalを設立するなど、内視鏡医療の未来に向けた投資を継続している。

年表39件を開く

1910年代

  • 1919年10月創業東京都渋谷区幡ヶ谷において顕微鏡の国産化とその他光学機械の製作を目的として株式会社高千穂製作所を設立

1930年代

  • 1936年4月写真機の製造を開始

1940年代

  • 1942年6月商号変更高千穂光学工業株式会社に商号変更
  • 1944年2月長野県伊那市に伊那工場(現 長野事業場)を新設
  • 1949年1月商号変更オリンパス光学工業株式会社に商号変更
  • 1949年5月上場東京証券取引所に株式を上場

1950年代

  • 1952年5月医療機器の製造を開始
  • 1955年5月株式会社高千穂商会の経営に参加、写真機の国内販売を強化

1960年代

  • 1960年10月測定機の製造を開始
  • 1963年8月東京都八王子市に八王子事業場(現 技術開発センター石川)を新設
  • 1964年5月Olympus Optical Co.(Europa) GmbH(現 連結子会社Olympus Europa SE & Co. KG)を設立、欧州における当社製品の販売を強化(以後、欧州各地に製造・販売拠点を設ける)
  • 1968年1月Olympus Corporation of America(現 連結子会社Olympus America Inc.)を設立、米国における顕微鏡・医療機器の販売を強化
  • 1969年5月オリンパス精機株式会社(現 連結子会社会津オリンパス株式会社)を設立(以後、国内各地に製造関係会社を設ける)

1970年代

  • 1977年3月Olympus Camera Corporation(現 連結子会社Olympus America Inc.)を設立、米国における写真機の販売を強化

1980年代

  • 1980年2月東京都新宿区西新宿に本社事務所を移転
  • 1981年11月長野県上伊那郡に辰野事業場(現 長野事業場)を新設
  • 1988年2月東京都八王子市に技術開発センター宇津木を新設

1990年代

  • 1990年6月Olympus USA Incorporated(現 連結子会社Olympus Corporation of the Americas)を設立、米国における事業基盤を強化
  • 1993年4月東京都西多摩郡に日の出工場を新設(八王子工場を移転)

2000年代

  • 2003年10月商号変更オリンパス株式会社に商号変更
  • 2004年10月映像事業および医療分野をオリンパスイメージング株式会社およびオリンパスメディカルシステムズ株式会社として会社分割
  • 2005年6月創業Olympus NDT Corporationを設立、非破壊検査事業を強化
  • 2008年2月M&AGyrus Group PLCを買収し、医療分野における外科の領域を強化

2010年代

  • 2011年4月Olympus Corporation of Asia Pacific Limitedをアジア・オセアニアの統括会社とし、同地域における事業基盤を強化
  • 2011年10月M&Aオリンパスオプトテクノロジー株式会社と株式会社岡谷オリンパスを合併、長野オリンパス株式会社(現 連結子会社)とする
  • 2012年9月創業情報通信事業を日本産業パートナーズ株式会社が設立したアイジェイホールディングス株式会社に譲渡
  • 2015年4月M&A当社を吸収分割承継会社とするオリンパスメディカルシステムズ株式会社の吸収分割および当社とオリンパスイメージング株式会社の合併により、医療分野および映像事業を当社に吸収
  • 2016年4月東京都八王子市に本店所在地を変更

2020年代

  • 2020年4月当社医療分野における品質法規制機能の強化を目的に、研究開発・製造・修理企画等の一部機能をオリンパスメディカルシステムズ株式会社に吸収分割
  • 2021年1月創業映像事業をOMデジタルソリューションズ株式会社に承継させ、日本産業パートナーズ株式会社が設立したOJホールディングス株式会社に譲渡
  • 2021年2月M&AQuest Photonic Devices B.V.を買収し、医療分野における外科領域の蛍光イメージング技術を強化
  • 2021年5月M&AMedi-Tate Ltd.を買収し、医療分野における泌尿器科の領域を強化
  • 2021年10月商号変更医療事業の国内販売機能をオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社に承継させ、オリンパスメディカルサイエンス販売株式会社は商号をオリンパスマーケティング株式会社に変更
  • 2022年4月科学事業を株式会社エビデントとして会社分割
  • 2022年12月M&AOdin Medical Ltd.を買収し、医療分野におけるデジタル技術の活用を強化
  • 2023年4月株式会社エビデントをBain Capital Private Equity, LPが投資助言を行う投資ファンドが間接的に株式を保有する特別目的会社である株式会社BCJ-66に譲渡
  • 2024年4月東京都八王子市石川町に本社事務所を移転
  • 2024年7月創業整形外科事業をポラリス・キャピタル・グループ株式会社が設立した PTCJ-6O ホールディングス株式会社及び PTCJ-6F ホールディングス株式会社に譲渡
  • 2026年6月M&ABioProtect Ltd.を買収し、医療分野における泌尿器科の領域を強化

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち3項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高成長率(為替影響除く)2027年3月期:前年比約3%、2028年3月期:同約4%、2029年3月期:同約5%
  • 調整後営業利益率の改善幅2026年3月期を起点として年率約100ベーシスポイント以上の改善
  • OLYSENSE接続率(基盤製品のうち)2028年3月期までに最大5%、2031年3月期までに25%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    製品ポートフォリオの強化

    お客様が必要とする製品を確実に提供するため、注力領域を中心に製品ポートフォリオを強化します。研究開発の対象を絞り込みスピーディーな上市を実現し、最新の内視鏡システムとスコープのラインアップを拡充してグローバル展開を目指します。

  2. 02

    エンドスイートの未来へ投資加速

    AI、ロボティクス、ワークフロー管理による手技とアウトカムの最適化に取り組みます。OLYSENSEプラットフォームを通じて臨床・業務効率を向上させ、エンドルミナルロボティクスの開発を加速して患者アウトカムと医療の質の向上に貢献します。

  3. 03

    3つの戦略基盤の強化

    「イノベーションによる成長」「シンプル化」「責任ある行動」を戦略基盤とし、AI・デジタル技術の活用、シンプルなオペレーティングモデルへの移行、品質・安全の最優先、ESGへの取り組みを通じて中長期的な競争力の向上を図ります。

  4. 04

    財務ガイダンスの達成

    売上成長の加速と収益性の向上を両立し、段階的な売上成長(為替影響除く)と調整後営業利益率の継続的な改善を目指します。キャピタルアロケーションでは成長ドライバーへの優先投資と柔軟な株主還元を実施します。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で28,138人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,006万円で、9期前と比べて+16.0%平均年齢は44.1歳、平均勤続年数は15.7年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月34,687
2018年3月35,933
2019年3月86741.914.135,124
2020年3月85142.214.235,174
2021年3月86942.814.431,653
2022年3月92242.614.331,557
2023年3月96542.913.832,805
2024年3月1,04143.213.628,838
2025年3月1,04643.313.529,297555
2026年3月1,00644.115.728,138345

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率11.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率101.4%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)74.6%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社37(国内 12 / 海外 25、うち連結子会社 8) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
サージカルインターベンション — Gyrus ACMI, Inc.409億円
消化器内視鏡ソリューション サージカルインターベンション — Olympus America Inc.393億円
消化器内視鏡ソリューション サージカルインターベンション — Olympus Europa SE & Co. KG310億円
グローバル本社 — 東京都八王子市276億円
消化器内視鏡ソリューション サージカルインターベンション 本社管理
長野事業場 辰野 — 長野県上伊那郡辰野町203億円
消化器内視鏡ソリューション
消化器内視鏡ソリューション サージカルインターベンション 本社管理 — Olympus Corporation of the Americas173億円
消化器内視鏡ソリューション サージカルインターベンション — Olympus Winter & Ibe Properties GmbH & Co. KG158億円
消化器内視鏡ソリューション サージカルインターベンション — Olympus (Beijing) Sales & Service Co.,Ltd.125億円
その他119億円
消化器内視鏡ソリューション サージカルインターベンション — KeyMed(Medical & Industrial Equipment)Ltd.8,598百万円
ほか26件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    オリンパスメディカル システムズ㈱(注)2
    東京都八王子市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    会津オリンパス㈱
    福島県 会津若松市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    青森オリンパス㈱
    青森県黒石市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    長野オリンパス㈱
    長野県上伊那郡辰野町 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    白河オリンパス㈱
    福島県西白河郡西郷村 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    オリンパスマーケティング㈱(注)2
    東京都八王子市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ティーメディクス㈱(注)1
    東京都新宿区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    オリンパスサポートメイト㈱
    東京都八王子市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Olympus Corporation of the Americas (注)2
    Pennsylvania, U.S.A.
    議決権100.0%
  • 海外
    Olympus America Inc. (注)1、2、3
    Pennsylvania, U.S.A.
    議決権100.0%
  • 海外
    Olympus Latin America, Inc. (注)1
    Florida, U.S.A.
    議決権100.0%
  • 海外
    Gyrus ACMI, Inc. (注)1
    Massachusetts, U.S.A.
    議決権100.0%
残りのグループ会社25社を開く
  • Olympus Innovation Ventures, LLC (注)1Massachusetts, U.S.A.100%
  • Olympus Europa Holding SEHamburg, Germany100%
  • Olympus Europa SE & Co. KG (注)1、2Hamburg, Germany100%
  • Olympus Deutschland GmbH (注)1Hamburg, Germany100%
  • Olympus France S.A.S. (注)1Rungis Cedex, France100%
  • Olympus Winter & Ibe GmbH (注)1Hamburg, Germany100%
  • KeyMed(Medical & Industrial Equipment) Ltd. (注)1Essex, U.K.100%
  • Arc Medical Design Limited (注)1West Yorkshire, U.K.100%
  • Olympus Global Treasury Services LimitedEssex, U.K.100%
  • Odin Medical Ltd.London, U.K.100%
  • Medi-Tate Ltd. (注)1Or-Akiva, Israel100%
  • Olympus Corporation of Asia Pacific Limited (注)2香港100%
  • Olympus Hong Kong and China Limited (注)1香港100%
  • Olympus (China) Co., Ltd. (注)1中国 北京市100%
  • Olympus (Beijing) Sales & Service Co., Ltd. (注)1中国 北京市100%
  • Olympus Trading (Shanghai) Limited (注)1、2中国 上海市100%
  • Olympus (Suzhou) Medical Device Co., Ltd. (注)1中国 江蘇省蘇州市100%
  • Olympus Korea Co., Ltd.大韓民国 ソウル市100%
  • Olympus Singapore Pte. Ltd. (注)1Singapore100%
  • Olympus Vietnam Co., Ltd.Vietnam100%
  • Olympus Australia Pty Ltd. (注)1Victoria, Australia100%
  • その他47社
  • ソニー・オリンパス メディカルソリューションズ㈱東京都八王子市49%
  • Swan EndoSurgical, Inc. (注)1、4Texas, U.S.A.45%
  • その他1社
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    人工知能技術適用によるスマート社会の実現空間の移動分野空間移動時のAI融合高精度物体認識システムの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-04-02
    3,826万円
  • 調達
    次世代人工知能・ロボット中核技術開発次世代人工知能技術分野空間移動時のAI融合高精度物体認識システムの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-09-29
    3,029万円
  • 調達
    0200490067インドにおける超拡大内視鏡によるAI診断支援システムの国際展開に向けた調査研究の請負(再度公告)
    総務省 · 2020-03-31
    2,600万円
  • 調達
    0300490077タイにおける高精細映像技術を活用した内視鏡及びAI診断支援システムの国際展開に向けた調査研究
    総務省 · 2021-05-17
    2,500万円
  • 調達
    04-0049-0165ベトナムにおける高精細映像技術を活用した内視鏡及びAI診断支援システムの国際展開に向けた調査研究
    総務省 · 2022-09-09
    2,000万円
  • 調達
    NEDO先導研究プログラム新産業創出新技術先導研究プログラムICTデータ活用型アクティブ制御レーザー加工技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-07-08
  • 補助金
    令和3年度医療施設運営費等補助金(日露医療協力推進事業)
    厚生労働省 · 2022-02-14
    3,968万円
  • 補助金
    令和2年度医療施設運営費等補助金(日露医療協力推進事業)
    厚生労働省 · 2021-03-30
    3,921万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.0兆円営業利益971億円前期と比べると増収減益で、売上が+1.3%、利益が-40.2%。

売上高
+1.3%
1.0兆円
営業利益
-40.2%
971億円
純利益
-42.2%
682億円
営業利益率
9.6%
前期比 -6.7%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.1兆円1.0兆円
営業利益1,460億円971億円
純利益1,023億円682億円
1株あたり配当¥30¥30

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は2,404億円、営業利益は290億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+15.7%、営業利益は+28.9%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q2,404352
2024年1Q2,07722510.82,406
2024年2Q2,289−177−7.7−243
2024年3Q2,39134214.3189
2024年4Q2,50174
2025年2Q4,74070514.9490
2025年4Q5,23392017.6689
2026年2Q4,54446110.1292
2026年4Q5,5635109.2390
2027年1Q2,40429012.1191

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は7,439億円から1.0兆円へ1.4倍に増えた。直近期の営業利益率は9.6%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.7413080
この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2014年3月0.71509136
当社を吸収分割承継会社とするオリンパスメディカルシステムズ株式会社の吸収分割および当社とオリンパスイメージング株式会社の合併により、医療分野および映像事業を当社に吸収
2015年3月0.76728−87
2016年3月0.80909626
2017年3月0.74625428
2018年3月0.79767571
2019年3月0.7920181
2020年3月0.76866517
映像事業をOMデジタルソリューションズ株式会社に承継させ、日本産業パートナーズ株式会社が設立したOJホールディングス株式会社に譲渡
2021年3月0.73768129
Odin Medical Ltd.を買収し、医療分野におけるデジタル技術の活用を強化
2022年3月0.751,4171,157
2023年3月0.881,8231,434
整形外科事業をポラリス・キャピタル・グループ株式会社が設立した PTCJ-6O ホールディングス株式会社及び PTCJ-6F ホールディングス株式会社に譲渡
2024年3月0.934362,426
2025年3月1.001,6251,59116.31,179
BioProtect Ltd.を買収し、医療分野における泌尿器科の領域を強化
2026年3月1.019719409.6682

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.0兆円のうち、営業利益として残るのは971億円9.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は682億円、売上の6.7%にあたる。営業利益率は業種中央値9.0%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金35.3%3,566億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金50.2%5,071億円
  • その他の費用持分法損益などの調整4.9%499億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益9.6%971億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
64.7%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+0.6pt
9.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比0.1pt
6.7%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比0.5pt
8.7%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.4%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
5.0%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,006億円、投資CFが−874億円で、差し引きのフリーCFは132億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は1,880億円で、売上の2.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月252335−4245872,258
2014年3月724−203−3975212,513
2015年3月668−396−7022722,098
2016年3月486−529−339−431,663
2017年3月1,021−208−4368131,995
2018年3月951−533−5114181,912
2019年3月669−603−829661,146
2020年3月1,335−624−1957111,627
2021年3月1,241−1,189408522,175
2022年3月1,697−710−4079873,026
2023年3月985−584−1,4324012,055
2024年3月4243,600−2,7604,0243,409
2025年3月1,905−655−2,1151,2502,525
2026年3月1,006−874−8761321,880

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.5兆円。このうち返さなくてよい自己資本が8,120億円で、自己資本比率は52.8%(業種中央値66.2%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月0.961,5198,08315.5
2014年3月1.033,3136,96232.1
2015年3月1.083,5737,24332.9
2016年3月1.003,8436,16338.2
2017年3月0.963,9485,65241.1
2018年3月0.984,4285,35945.2
2019年3月0.934,4124,90847.3
2020年3月1.023,7076,45036.5
2021年3月1.183,9437,89233.3
2022年3月1.365,1028,47837.6
2023年3月1.516,4018,68642.4
2024年3月1.537,5727,77049.4
2025年3月1.437,5176,81552.4
2026年3月1.548,1207,25152.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,880億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
4,223億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
7,251億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
84
/ 100
安定性自己資本比率35 / 40
収益力営業利益率19 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

精密機器 52社との比較

同じ精密機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率52社中25位あたり、逆に低いのは配当利回り52社中42位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
8.7%/中央値 9.2%
P25 5.8%P75 12.3%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
9.6%/中央値 9.0%
P25 4.5%P75 14.5%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
52.8%/中央値 66.2%
P25 50.8%P75 76.4%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
1.3%/中央値 5.3%
P25 1.7%P75 10.4%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.4%/中央値 2.1%
P25 1.5%P75 3.4%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月3日の終値

直近の終値は¥2,068で、1年前と比べて+17.9%過去52週の値幅のなかでは84%の位置にある。

¥2,068-0.8%1ヶ月+14.4%1年+17.9%時価総額2.3兆円
過去52週の値幅
安値¥1,302.5高値¥2,210.5

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)33.8倍
PER (会社予想)21.6倍
PBR2.94倍
配当利回り1.45%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に2168.5円、前日比-0.85%と小幅反落。しかし、直近1カ月では+25.86%と急伸している。8月10日に2098.5円へ急騰した後、8月20日には2187円と52週高値2210.5円に接近。25日移動平均線(1914.26円)や75日線(1799.51円)を大きく上回り、200日線(1768.76円)も超えて上昇トレンドが鮮明だ。RSIは82.12と買われ過ぎ圏にあり、短期的な過熱感が強い。出来高は8月10日に1035万株と急増し、その後も高水準が続いている。高値圏での値動きが荒くなる可能性があり、注意が必要だ。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 25/100)

PER35.41倍は同業平均31.5倍を上回り、予想PER22.6倍と改善見込みだが、現在の水準は割高感。PBR3.08倍は平均2.83倍を上回り、ROE8.7%は平均並み。配当利回り1.38%は平均2%を大きく下回り、配当性向38.7%。精密機器業界は競争が激しく、26年3月期の営業利益減少(1625→971億円)が予想され、収益性の悪化が懸念。成長期待を織り込んだ高いバリュエーションとみられ、割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)33.8倍29.8倍
PER (予想)21.6倍
PBR2.94倍2.51倍
ROE8.7%7.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

内視鏡市場の成長と新興国での需要拡大が期待される一方、競争激化や医療費抑制の影響が懸念される。強気派は、世界トップシェアの優位性と医療需要の増加を評価。弱気派は、製品のコモディティ化や価格競争、過去の企業風土問題からの信頼回復の遅れを指摘する。

プラスに働く材料7
  • 世界トップシェア

    消化器内視鏡で圧倒的なシェアを持ち、ブランド力が強い。

  • 医療需要の拡大

    高齢化で内視鏡検査・治療の需要が世界的に増加。

  • 新興国市場の成長

    アジアなどでの医療インフラ整備に伴い需要が伸びる。

  • 来期増益で業績回復期待決算発表後影響

    予想PER19.9倍は来期純利益約1067億円を示唆、今期682億から大幅増益

  • 売上高で過去最高更新通年影響

    2026/3期売上10107億と前期比1.3%増、過去最高を更新

  • 外国人保有49.32%の高水準継続影響

    外国人保有比率49.32%、グローバル資金の継続的な選好

  • 収益率改善の潜在力通年影響

    2025/3期は営業利益率16.29%と高水準、現在の低水準からの回復余地

マイナスに働く材料7
  • 競争激化

    他社が低価格で参入し、シェアが侵食されるリスク。

  • 医療費抑制

    各国で医療費削減の動きが強まり、製品価格が圧迫される。

  • コーポレートガバナンス

    過去の不祥事で信頼回復が遅れ、ブランドに影を落とす。

  • 営業利益40%減の急減決算発表後影響

    2026/3期の営業利益は971億、前期1625億から40%減少し利益率9.61%

  • 純利益2期連続の減益通年影響

    純利益は1179億→682億と2期連続減、最終損益が悪化

  • PBR2.58倍の割高感継続影響

    実績PER31.15倍、PBR2.58倍と医療機器分野で割高な水準

  • ROE8.7%と資本効率低め通年影響

    ROE8.7%は海外大手に比べ低く、資本コスト経営の余地

次の決算で確かめる点
内視鏡販売台数
主力製品の需要動向の指標。
新興国売上高
成長市場での展開を測る。
営業利益率
収益性の維持と向上を確認。
サービス収入
ストック型収益の拡大を見る。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり30で、前期から+50.0%いまの株価に対する利回りは1.45%。増配か配当維持が4年続いている。

年間配当
¥30
1株あたり
配当利回り
1.45%
いまの株価に対して
配当性向
38.7%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
4年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月79.6
2018年3月70.063.0
2019年3月87.1135.6
2021年3月22193.3180.7
2022年3月14−36.421.2
2023年3月1614.315.6
2024年3月1812.57.4
2025年3月2011.137.1
2026年3月3050.038.7

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥30

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ62,340人。区分でいちばん多いのは外国法人49.3%。グループ会社や銀行などの安定株主が36.0%を占め、残る64.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人45.651.651.148.750.549.3
金融機関40.638.138.436.036.034.0
証券会社1.41.62.53.45.77.5
個人・その他10.16.35.89.25.97.2
事業法人2.42.42.12.81.92.0
自己株式6.22.01.04.11.01.2
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)18.91
02㈱日本カストディ銀行(信託口)6.63
03STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 ㈱みずほ銀行)5.15
04JP MORGAN CHASE BANK 385839(常任代理人 ㈱みずほ銀行)3.68
05㈱SMBC信託銀行(㈱三井住友銀行退職給付信託口)3.55
06モルガン・スタンレーMUFG証券㈱2.42
07日本生命保険(相)1.91
08THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 ㈱みずほ銀行)1.83
09STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 ㈱みずほ銀行)1.66
10JP MORGAN CHASE BANK 385642(常任代理人 ㈱みずほ銀行)1.53

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-07-07
    アーチザン・インベストメンツ・ジーピー・エルエルシー(Artisan Investments GP LLC)
    新規の大量保有報告
    5.63%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+112%、1株純資産は14期で+49%。直近期のROEは8.7%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月294938.376.3
2014年3月419635.780.2
2015年3月−6260−2.610.0
2016年3月4627917.023.95.7
2017年3月3128811.334.29.6
2018年3月4232413.624.263.0
2019年3月63231.8201.3135.6
2020年3月3928812.739.7133.2
2021年3月103073.4228.0180.7
2022年3月9040125.625.921.2
2023年3月11351124.920.515.6
2024年3月20065034.711.17.4
2025年3月10366715.618.937.1
2026年3月617378.724.338.7

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

23名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は23名。2026/3期の役員報酬は総額4,609百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約28倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
岩﨑真人社外取締役677,830
デイビッド・ロバート・ヘイル社外取締役41
ジミー・シー・ビーズリー社外取締役6312,860
市川佐知子社外取締役5914,935
觀恒平社外取締役6616,667
ゲイリー・ジョン・プルーデン社外取締役6511,512
ルアン・マリー・ペンディ社外取締役6610,474
石野博社外取締役754,729
竹内康雄取締役69334,026
ボブ・ホワイト取締役 代表執行役社長兼 チーフエグゼクティブ オフィサー(CEO)63193,305
大久保俊彦取締役6631,054
ジモーネ・バーガー執行役 チーフヒューマンリソーシズオフィサー(CHRO)48
残りの役員11名を開く
氏名役職年齢保有株数
キース・ウィリアム・ベティガー執行役 ガストロインテスティナルソリューションズディビジョンヘッド56141,843
ジョン・マンフレッド・デ・チェペル執行役 チーフメディカルオフィサー(CMO)6259,748
ガブリエラ・カスティーヨ・ケイナー執行役 チーフストラテジー オフィサー(CSO)兼ESGオフィサー5083,965
倉本聖治執行役 サージカルインターベンションソリューションズディビジョンヘッド6231,712
サヤード・ムカラム・ナヴィ―ド執行役 チーフテクノロジー オフィサー(CTO)5246,682
マイケル・アンジェロ・パレンティ執行役 チーフファイナンシャルオフィサー(CFO)48
デイビッド・ミシェル・シャン執行役 チーフマニュファクチャリングアンドサプライオフィサー(CMSO)56
ボリス・シュコルニック執行役 チーフクオリティ オフィサー(CQO)5676,110
ニール・ボイデン・タナー執行役 グローバルジェネラルカウンセル5594,200
ジャン=リュック・ブテル社外取締役69
コスタ・サルウコス社外取締役55

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役161,0366506613,239202
取締役(社内)43562903571,145286
社外取締役121863922519

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,616字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、オリンパス株式会社(当社)、子会社80社、関連会社2社及び共同支配企業1社で構成されており、消化器内視鏡ソリューション事業及びサージカルインターベンション事業を主な事業とし、さらに各事業に関連する持株会社及び金融投資等の事業活動を展開しています。 次の「消化器内視鏡ソリューション事業」及び「サージカルインターベンション事業」の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に掲げるセグメントの区分と同一です。 なお、当社グループは、従来「内視鏡事業」「治療機器事業」の2区分を報告セグメントとしていましたが、中間連結会計期間より、「消化器内視鏡ソリューション事業」及び「サージカルインターベンション事業」の2区分を報告セグメントとすることに変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。 区分   主要製品及び事業の内容   主要な会社名 消化器内視鏡ソリューション   消化器内視鏡、消化器科処置具、 医療サービス   当社 (連結子会社) オリンパスメディカルシステムズ㈱、 オリンパスマーケティング㈱、 会津オリンパス㈱、白河オリンパス㈱、長野オリンパス㈱、 青森オリンパス㈱、ティーメディクス㈱、 Olympus America Inc.、Olympus Europa SE & Co. KG、 Olympus Deutschland GmbH、 KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd.、 Olympus Winter & Ibe GmbH、 Olympus (Beijing) Sales & Service Co.,Ltd.、 Olympus (Suzhou) Medical Device Co., Ltd.、 Olympus Korea Co., Ltd.、Olympus Singapore Pte. Ltd.、 Olympus Vietnam Co.,Ltd. (共同支配企業) Swan EndoSurgical, Inc. サージカルインターベンション   泌尿器科製品、呼吸器科製品、 外科内視鏡、 エネルギー・デバイス、 耳鼻咽喉科製品、婦人科製品   当社 (連結子会社) オリンパスメディカルシステムズ㈱、 オリンパスマーケティング㈱、 白河オリンパス㈱、青森オリンパス㈱、ティーメディクス㈱、 Olympus America Inc.、Olympus Europa SE & Co. KG、 Olympus Deutschland GmbH Gyrus ACMI, Inc.、Olympus Winter & Ibe GmbH、 Olympus (Beijing) Sales & Service Co.,Ltd.、 Olympus Korea Co., Ltd.、Olympus Singapore Pte. Ltd. (関連会社) ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ㈱ 共通   持株会社、金融投資   当社 (連結子会社) Olympus Corporation of the Americas、 Olympus Europa Holding SE、Olympus Europa SE & Co. KG、 Olympus (China) Co.,Ltd.、 Olympus Corporation of Asia Pacific Limited.、 Olympus Global Treasury Services Limited 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、当社グループの2026年3月31日現在の状況は次のとおりです。
経営方針・対処すべき課題3,734字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、事業活動を通じて、健康・安心・心の豊かさといった世界の人々、社会の根源的な要請に応え、広く社会に貢献するという考え方を経営理念の「私たちの存在意義」として「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」と示し、すべての活動の基本思想としています。 当社グループはこれからも、経営理念実現のために、革新的な製品やサービスを社会に提供し、事業の持続的成長と企業価値向上に努めていきます。 (2) 経営戦略 当社は、2025年11月にパーパスを基軸とした新たな経営戦略を公表しました。この経営戦略のもと、持続的な成長と収益性の向上の両立を図りながら、メドテックカンパニーとしての更なる進化を目指しています。 世界的な高齢化の進展や慢性疾患の増加、医療アクセスの拡大等を背景として、内視鏡医療に対する需要は拡大を続けており、当社が事業を展開する市場は中長期的に安定した成長が見込まれています。このような事業環境のもと、当社は持続的な成長を実現するため、以下の戦略を推進しています。 (製品ポートフォリオの強化) お客様が必要とする製品を確実に提供するために、注力領域を中心に、製品ポートフォリオを強化します。製品を迅速に提供できるよう、研究開発の対象を絞り込み、スピーディーな上市の実現に取り組みつつ、今後最新の内視鏡システムとスコープのラインアップを拡充し、新たな市場を含むグローバルな展開を目指します。 (エンドスイート*1の未来へ投資を加速) 将来を牽引するテクノロジーの開発として、AI、ロボティクス、ワークフロー管理による手技とアウトカムの最適化にも取り組んでいます。 当社はインテリジェント内視鏡医療エコシステムを通じた、臨床および業務効率の向上を目的として、OLYSENSE*2プラットフォームを開発しています。OLYSENSEについては、2026年3月期には、米国および欧州の一部の国々で複数のCAD製品の販売を開始しました。2028年3月期までに、当社の基盤製品のうち、最大5%をこのクラウドとAIを活用したプラットフォームに接続し、2031年3月期までにその割合を25%まで引き上げることを見込んでいます。今後もOLYSENSEは、発売地域の拡大とともにアプリケーションの拡充を図り、ワークフロー、トレーニング、さまざまな疾患の検出と鑑別を向上させ、複雑な手技の標準化を目指します。 また、当社はエンドルミナルロボティクスの進展にも取り組んでいます。RVLHC SE Holdings, LLCと合弁会社Swan EndoSurgical,Inc.を設立し、エンドルミナルロボティクスの開発を加速しています。さらに、ロボット技術を活用した内視鏡治療向けソリューションの開発に取り組むEndoRobotics Co., Ltd.と独占的なグローバル販売契約を締結しました。ロボティクス技術には医療の新たなスタンダードを確立する潜在力があり、これまで到達が困難であった疾患に短時間かつ合併症リスクを低減させながら到達することが期待されています。加えて、内視鏡による治療をより一般化し、大腸全域での軟性内視鏡を用いたESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)のさらなる普及に寄与することが見込まれます。エンドルミナルの潜在市場は、米国だけでも2040年には約20億米ドル規模になると予想されています。 今後もこれらの取り組みを通じて、患者さんのアウトカムと医療の質のさらなる向上に貢献していきます。 *1 人工知能(AI)や他のデジタルツールや技術を活用して、患者さんが体験する医療の質を向上させ、内視鏡治療の可能性を広げることができるソリューション。 *2 OLYSENSEはオリンパス株式会社および/またはそのグループ会社の商標です。すべての商標、ロゴ、ブランド名は、それぞれの所有者に帰属します。 (注)医薬品医療機器等法未承認品など、一部地域における未承認、未発売の技術を含む製品、デバイス情報が含まれています。 (戦略基盤) 当社グループは、3つの戦略基盤である「イノベーションによる成長」「シンプル化」「責任ある行動」を中心とした取り組みを通じて、上記の戦略の実行を図ります。 「イノベーションによる成長」においては、当社の主力事業領域である内視鏡医療において、AI、デジタル技術、ロボティクス等の先進技術を活用した製品およびソリューションの開発を推進しています。注力領域における主要製品の導入を通じた製品ポートフォリオの強化や、内視鏡医療の未来を切り拓く先進的なエコシステムの構築に注力するとともに、中国および新興国市場におけるプレゼンスを強化し、外部パートナーとの提携や企業買収を活用した技術および能力の獲得を進めています。 「シンプル化」においては、従来の地域を軸とした組織運営から、事業を主体としたシンプルなオペレーティング・モデルへの移行を推進しています。これにより、意思決定の迅速化および業務の一貫性の向上を図るとともに、顧客中心の組織運営体制を構築しています。また、組織階層の削減や業務プロセスの見直し、データおよびAIの活用を通じて、生産性向上およびコスト競争力の強化を図っています。 さらに、「責任ある行動」においては、患者さん中心の価値観を基盤とし、品質および安全を最優先とした業務運営の徹底を図っています。加えて、オーナーシップと実行力を重視した企業文化の醸成を進めるとともに、ESGへの取り組みおよびグローバルなマネジメント体制「オリンパス・マネジメント・システム」の整備を通じて、持続可能な企業価値の向上を目指しています。 これらの戦略基盤の強化により、当社は成長戦略の実行力を高めるとともに、中長期的な競争力の向上を図っています。 (財務ガイダンス) 当社は、上記戦略の実行を通じて、売上成長の加速と収益性の向上を両立し、持続的な企業価値の向上を目指しています。 具体的には、売上高について、為替影響を除いたベースで2027年3月期に前年比約3%、2028年3月期に同約4%、2029年3月期に同約5%の成長を段階的に実現することを目指しています。また、調整後営業利益率については、2026年3月期を起点として、年率約100ベーシスポイント以上の改善を継続的に実現することを目標としています。 これらの成長および収益性向上の実現により、フリーキャッシュフローの着実な改善を図るとともに、資本効率の向上に取り組んでいます。 キャピタルアロケーションにつきましては、成長ドライバーへの優先的な投資を基本としつつ、株主還元については、2027年3月期以降、配当を中心とした還元モデルから、配当と機動的な自己株式取得を組み合わせた、より柔軟な枠組みへ移行します。 これらの取り組みを通じて、売上成長、効率性の向上および利益率の改善をバランスよく実現し、持続的な成長および企業価値の向上を目指します。 1 為替前提を固定 2 特殊要因調整後:その他の収益および費用を除く、為替レート変動による影響は調整せず。実際の為替レートを使用 (3) 品質カルチャーの強化 当社グループは、品質マネジメントシステムの強化と品質を最優先するカルチャーの浸透・定着を進めています。これまで、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトである「Elevate」をグローバルかつ機能横断的に遂行してきました。2025年後半に米国食品医薬品局(FDA)から受けた指摘事項に対する是正対応については、グローバルで着実に進展しており、FDAとは建設的かつ透明性の高い対話を継続しています。また、自主的な出荷止めの影響を受けた製品の出荷再開も進んでいます。残る課題にも真摯に取り組み、患者さんや医師、規制当局の期待を上回る品質とコンプライアンスの実現を引き続き目指していきます。 (注)上記は、2026年5月時点の状況です。 (4) ポートフォリオの最適化 当社グループは、キャピタルアロケーション戦略全体の枠組みの中で、すべての事業を、戦略適合性、価値向上につながる成長、投下資本利益率という一貫した基準に基づき、今後も継続的に評価していきます。サージカルインターベンション事業(SIS)の「外科内視鏡」、「その他の治療領域」に含まれている外科事業についても、これらの観点からレビューを行い、パフォーマンスの最適化とさらなる価値創出を目的として、さまざまな戦略的オプションを検討していきます。なお、これらの取り組みは、中核である消化器内視鏡ソリューション事業(GIS)、呼吸器科や泌尿器科の戦略を変更するものではなく、より高いリターンが見込める分野に規律をもって資本配分していくこととしています。
事業等のリスク11,634字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 当社グループの業績は、将来において発生する可能性のある様々なリスク(不確実性)により、影響を受ける可能性があります。当社グループは、経営理念および基本的な指針を含む事業目標の達成を目的として、包括的なグローバル・エンタープライズ・リスク・マネジメントの枠組みを構築しています。当該枠組みは、正式に定められた「リスクマネジメント及び危機対応方針」に基づき運用されています。また、当社グループは、機会と脅威の両面からエンタープライズ・リスクマネジメントに取り組んでいます。積極的かつ適切なリスクテイクを通じて機会を掴み、オリンパスグループにとって持続的な成長と価値創造を実現します。脅威は、事業目標の確実な達成およびコンプライアンス違反の防止を目的として特定し、優先順位を付けて対応しています。 グローバルの組織体制では、「アラインド・アシュアランス」の考え方の下、リスク&コントロール、コンプライアンス、第三者リスクマネジメント、情報セキュリティおよびプライバシーの5つの機能を統合し、当社グループ全体のリスクを俯瞰的に把握しています。これらの機能はグローバル・リーガル・リスク・コンプライアンス(LRC)機能傘下のグローバル・リスク・アシュアランス・アンド・コンプライアンス(RAC)を構成し、執行役であるグローバル・ジェネラル・カウンセル(GGC)の管轄下にあります。また、グローバル・チーフ・コンプライアンス・オフィサー(GCCO)は、CEO、取締役会および監査委員会に対して定期的に報告を行うとともに、グループ経営執行会議(GEC)にも継続して出席しています。 当社グループがエンタープライズ・リスクマネジメントにおいて特に注力している取り組みは以下のとおりです。 ・LRC機能に組み込まれたグローバルなリスク&コントロール体制の構築 ・グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメント手法およびアプローチの高度化 ・エンタープライズ・リスクマネジメントプロセスのグローバルな一貫性の確保 これらの取り組みにより、事業計画および財務計画にリスクを適切に反映させるとともに、十分な情報に基づく意思決定を支援することで、当社グループの事業目標および経営戦略の達成を図っています。グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメント・ポートフォリオを基盤として、本年度においてもすべての関連機能を対象にリスクアセスメントを実施し、地域別およびグローバルのリスクポートフォリオを検証・更新しました。 エンタープライズ・リスクマネジメントの組織体制 当社グループは、グローバルおよび地域レベルにおいて、グローバルおよび地域リスク・アシュアランス・コンプライアンス委員会(G-RACCおよびR-RACC、総称してRACCs)を設置しています。これらの委員会(RACCs)は、エンタープライズ・リスクへの対応および適用される方針、法令、規制の遵守に向けた枠組みを構築・実施・管理することを目的としています。提言・指針・重要なリスクについては、継続的なモニタリングを行うため、GEC、取締役会、および監査委員会に定期的に報告されています。 また、当社グループは、グローバルおよび地域の事業・機能責任者を、関係者間の協議を通じてリスクオーナーとして任命するとともに、各事業・機能にリスクコーディネーターを配置しています。各リスクオーナーは、自らが管轄するリスク領域において、必要な対策(組織体制の整備、プロセスの整備、対応策の実施等)を実行する責任を負っています。 <エンタープライズ・リスクマネジメント体制> エンタープライズ・リスクマネジメントの手法とアプローチ 当社グループは、以下の5つのリスクカテゴリーおよびそれらを具体化したサブカテゴリーに基づくグローバル・エンタープライズ・リスクマネジメントの手法とアプローチを確立し、実施しています。(1. 戦略(外部環境変化を含む)、2. オペレーション&製品、3. ファイナンス、4. ガバナンス、5. IT&デジタル) <エンタープライズ・リスクマネジメント リスクカテゴリー> また、当社グループでは、事業目標および経営戦略の達成に影響を及ぼす可能性があると合理的に判断されるリスクを、以下の3つの基準を用いて評価しています。 1. エクスポージャー(リスクへの暴露度)は、リスクが顕在化する可能性と、その場合に生じる影響度によって決定されます。可能性とは、リスクが顕在化する確率を示し、影響度はリスクが顕在化した際の結果の重大性を示します。これらは、定量的基準(財務的数値)または定性的基準に基づいて評価されます。 2. 脆弱性(Vulnerability)とは、リスクが顕在化した場合に、組織がそれを管理するための準備がどの程度整っているかを示します。 3. 速度 (Velocity)とは、リスクが顕在化した後、当社グループがどの程度の速さでその影響を受けるかを示します。 <エンタープライズ・リスクマネジメント評価手法> これらの評価基準に基づき、当社グループはリスクを積極的に特定、低減および監視しています。リスク低減に向けた対応策については、定期的に見直しを行い、有効性の検証を実施しています。 また、リスクを効果的に可視化し、適切に管理するため、リスクのエクスポージャーと評価された脆弱性に速度の要素を組み合わせた「3Dリスクマトリックス」と呼ばれる手法を用いています。3Dリスクマトリックスは4つの象限で構成されており、それぞれの象限において、適切なリスク対応戦略に関する具体的な指針を提供しています。 さらに、統合データベースおよびダッシュボードを備えたエンタープライズ・リスク・マネジメント(ERM)用ITシステムを導入することで、データとリスクに基づく、より効果的な意思決定を可能にしています。2026年3月期は、リスクポートフォリオの網羅性を高めることを目的として、社内で設計した人工知能ツールを試験的に導入・実装し、同システムの高度化を進めました。同時に、リスク記述の明確化と理解促進を図るため、リスク記述の構造化、分類および標準化を行いました。 エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス 当社グループのエンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスの主な構成要素は以下のとおりです: ・リスクアセスメント(リスクの特定、分析および評価) ・対応策(リスクの低減、リスクマネジメント活動の調整および実行) ・リスクモニタリング(リスクモニタリングプロセスの設計、実施、および対応策の有効性評価) ・リスク報告(リスクおよび対応策を集約・評価し、関係するステークホルダーに定期的に報告する。リスクマネジメントの年次計画の一環として作成し、社内に展開する。) 本プロセスは、いわゆる3線モデルの原則に基づき、リスク&コントロール機能と各事業部門・機能の強固な協働関係の下で運用されています。リスク&コントロール機能は、エンタープライズ・リスクマネジメントの手法および運用ガイダンスを提供、維持および高度化する責任を負っています。また、幅広いリスク領域で重要な役割を担う法務機能と緊密に連携することで、リスクマネジメントをさらに強化しています。 <エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス> マクロ経済ビジネス環境 2025年4月以降の世界経済は、底堅さを維持しているものの、依然として大きな不確実性に直面しています。GDPの成長ペースは地域ごとにばらつきがみられ、先進国では新興国に比べ、比較的緩やかな成長にとどまっています。 地政学的緊張の再燃やエネルギー価格の変動により、インフレ圧力は依然として不安定な状況が続いています。特に、中東における最近の紛争はエネルギーコストの上昇やインフレ予想の高まりを招いており、金融政策や経済の安定性に影響を及ぼす可能性があります。 より広範に見れば、継続的な地政学的紛争や主要経済国間の貿易摩擦は、サプライチェーンの混乱や貿易の分断を引き起こし、政策の不確実性を招いています。さらに、関税や産業政策の活用拡大により、世界的な貿易構造や投資判断にも変化が生じています。このように、地政学的緊張は引き続き世界のマクロ経済環境における主要なリスクとなっています。 テクノロジーの進歩、特に人工知能、デジタル化、自動化の分野における進展は、生産性の向上を牽引し、経済成長を支えています。一方で、こうした進展は、サイバーセキュリティ上の脅威、データプライバシーに関する懸念、急速な技術投資サイクルに伴う市場の不均衡の可能性など、新たなリスクももたらしています。 気候変動およびサステナビリティ(持続可能性)は、引き続き世界的な重要課題となっています。各国政府や企業は二酸化炭素排出量の削減や低炭素経済への移行に向けた取り組みを加速させていますが、その過程では多額の投資が必要であり、特定の産業において構造的な変化や混乱を招く可能性があります。 業界特有のビジネス環境 上記のマクロ経済ビジネス環境に加え、メドテック業界においては、業界特有の規制、技術、および人口動態の要因による影響を受け続けています。 世界各国の医療制度は、効率性の向上、医療コスト抑制および患者さんのアウトカム向上を目的として、絶えず改革が進められています。一方で、医療機器に対する法規制要件も変化し続けており、製品開発や市場参入の複雑さとコストが増大しています。 先進的な医療ソリューションに対する需要は、主に先進国における高齢化の進展や新興国での医療アクセス拡大を背景に高まっています。この傾向は成長の機会を生み出す一方で、医療システムに対し、費用対効果と医療の質とのバランスを求める圧力を強めています。 低侵襲手技、デジタルヘルス、ロボティクス、AIを活用した診断などの分野における技術革新は、競争の激化に伴い加速しています。こうした進展は、競争環境を根本から変えつつあり、イノベーションのペースを加速させています。 感染予防、再処理要件(洗浄・消毒・滅菌)、および患者安全基準はますます複雑化しており、コンプライアンスの確保と製品の革新に向けた継続的な投資が求められています。さらに、近年の世界的な混乱を受けて、サプライチェーンのレジリエンスと現地化戦略の重要性が高まっています。 また、メドテック業界全体においては有能な人材をめぐる厳しい競争が依然として続いています。人口動態の変化や働き方に対する労働者の意識の変化により離職率が上昇しており、優秀な人材の確保、育成および定着の重要性がますます高まっています。 これらのリスク評価は、国際機関、政府機関、業界団体等が公表する公開情報や、当社グループにおける事業実態および過去の経験等を踏まえて実施しています。 当社グループのリスク状況(2026年3月期) 2026年3月期に実施したグローバルリスクアセスメントに基づき、当社グループに影響を及ぼすリスクを特定、評価し、優先順位付けを行いました。 3Dリスクマトリックスにおいて「Improve」の象限に分類されたリスクについては、対応策の優先順位を高く設定しています。「Test」の象限にあるリスクについては既にコントロールが実施されています。また、定期的な監査により、既存のコントロールが適切に設計され、効果的に機能していることを確認しています。「Monitor」の象限にあるリスクについては、リスクエクスポージャーが依然として許容範囲内にあることを確認するため、あるいは必要に応じて追加の対応策を開始するために、定期的な再評価を行っています。 当社グループは、リスクカテゴリーごとに以下の主要なリスク(トップリスク)を開示しています。 リスクカテゴリー:戦略(外部環境変化を含む)   リスクタイプ:機会と脅威   リスク傾向:変化なし → リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、不可抗力(外部環境変化)、計画および資源配分、成長戦略、事業開発・投資、コミュニケーションおよびステークホルダーマネジメント、市場動向、ならびに主要プログラム・プロジェクトが含まれます。相対的に重要性が高いと評価されたリスクは、事業運営上の依存関係、競争環境の変化、および市場動向を予測し対応する能力に関するものです。 ・地政学的緊張は、当社グループにおいて最優先で対応すべきリスクのひとつとして認識されており、軍事紛争や貿易戦争を通じてサプライチェーンを脅かしています。これらはコスト増大を招くほか、急速に変化する制裁措置によるコンプライアンス上のリスクも生じさせています。 ・主要市場では、国内産業の保護措置の実施等により、市場環境が大きく変化しています。関税の変動や国内サプライヤーへの優遇措置等により収益性が低下する可能性があります。 ・主要市場における競争の激化は、特に技術革新のスピードが速く価格競争が生じやすい分野において、当社グループが市場での地位と収益性を維持する能力に影響を及ぼす可能性があります。 ・市場情報の深さや適時性の不足、ならびに市場動向、顧客ニーズ、または競合他社の動向に関する誤った判断は、戦略的意思決定や競争上の優位性を維持する能力を損なう可能性があります。 ・M&A活動は機会と脅威の両面を併せ持ち、厳格なデューデリジェンスと体系的な統合プロセスが必要です。リスク軽減策が不十分な場合、のれんの減損や関連費用により、事業遂行、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 対応策 ・激化する競争から生じるリスクに対処するため、当社グループはイノベーションの効果を高め、製品開発サイクルを加速させる取り組みを推進しています。 ・中国では現地生産に向けた準備を進展させているほか、米国では関税の動向を継続的に注視しつつ、患者さんの安全と健康を最優先に、業界団体と緊密に連携しています。 ・市場情報の不足や入手遅延に関連するリスクを低減するため、当社グループは、事業部門の戦略的重要性に合わせて活動を調整することで、市場および競合他社に関する情報収集能力を強化しています。これには、実用的な知見をタイムリーに提供することに重点を置いた、標準化され部分的に自動化された分析手法の開発が含まれます。 ・市場におけるポジションおよび顧客ニーズに関連するリスクに対応するため、当社グループは、自社開発に加え、M&Aや戦略的提携を通じた外部技術の獲得によるイノベーションを推進するとともに、インテリジェント内視鏡医療エコシステムに用いられるような高付加価値製品への注力を進めています。 ・M&A活動に伴うリスクを最小限に抑えるため、当社グループは、M&Aプロセスおよびシステムを継続的に改善し、対象企業の選定、デューデリジェンス、ならびに買収後の統合における有効性の向上を図っています。 経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:オペレーション&製品   リスクタイプ:機会と脅威   リスク傾向:上昇 ↑ リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、製造・修理およびエンド・ツー・エンド・サプライチェーン、研究開発、販売、マーケティング・サービス、品質、有形資産および人的資源が含まれます。これらのリスクは、オペレーションの継続性、サプライヤーへの依存、製品およびオペレーティングモデルの変革に関連しています。 ・FDAから受領した警告書に係る是正活動について、製造、品質、サプライチェーンマネジメントおよび研究開発にわたり大規模な資源配分を行い、継続しています。 ・重要な事業基盤や物流ネットワークに障害が生じた場合、特に依存関係が集中している箇所における障害は、製品供給や事業継続、および顧客や患者さんへのサービス提供能力に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・中東地域を含む地政学的緊張の高まり、制裁措置、物流網やエネルギー供給の不安定化により、原材料や部品の調達に支障が生じるおそれがあります。 ・特に半導体を含む重要原材料の需給逼迫や供給制約が発生した場合、生産の遅延や調整、製品供給への影響が生じる可能性があります。 ・製造拠点の稼働停止を含む製造業務の混乱により生産の遅延が生じた場合、顧客の需要に応える当社グループの能力に影響を及ぼす可能性があります。 ・単一または唯一のサプライヤーへの依存に関する透明性の欠如、およびサプライヤーの混乱は、サプライチェーンの安定性とレジリエンス(回復力)に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・第三者サービス提供者におけるセキュリティ侵害や業務の中断は、重要なオペレーション、データの完全性およびサービス継続性に影響を及ぼすおそれがあります。 ・危機発生時にサプライヤーが所定の期間内に復旧できない場合、資材不足や生産への支障が生じるおそれがあります。 ・製品やサービスにおけるデジタル技術や人工知能の採用拡大に伴い、オペレーティングモデル、組織能力、ガバナンス体制の調整が必要となる可能性があります。この変革を効果的に管理できない場合、競争力や業務効率に影響を及ぼす可能性があります。 対応策 ・製造の混乱に伴うリスクを低減するため、当社グループは、事業継続計画(BCP)の策定、重要資材および完成品の安全在庫の確保、主要な生産能力や設備の保全など、さまざまな措置を通じて事業継続力(レジリエンス)を強化しています。 ・サプライヤーへの依存に関連するリスクに対処するため、当社グループは、サプライヤー構造の透明性を高め、単一または唯一のサプライヤーへ依存する度合いを低減することで、サプライチェーンのレジリエンス(回復力)を強化しています。これには、調達先の多様化に向けた的を絞った取り組みや、重要資材に対する適切な安全在庫水準の設定が含まれます。 ・重要な事業基盤や物流ネットワークの混乱に伴うリスクを低減するため、当社グループは主要な依存関係や重要拠点を特定し、体系的な事業継続管理(BCM)フレームワークを導入しています。これには、事業継続計画(BCP)の策定と継続的な改善に加え、危機管理能力および組織的な対応体制の強化が含まれます。 ・第三者に起因するセキュリティリスクを低減するため、当社グループは、体系的な第三者リスクマネジメントアプローチを導入・実装しています。本アプローチでは、リスクおよびコンプライアンスの枠組みの中で専用のガバナンスを設け、外部のセキュリティリスクについて、評価、モニタリング、および管理を行っています。 ・危機発生時におけるサプライヤーの復旧に関連するリスクを低減するため、当社グループは、サプライチェーンの可視性を高めるとともに、サプライヤーのレジリエンスおよび事業継続能力について定期的な評価を実施しています。また、供給への支障が生じるおそれを低減するため、重要原材料については安全在庫戦略を導入しています。 ・デジタル化や人工知能の導入に伴うリスクを低減するため、当社グループは、ガバナンス体制の強化、技術開発プロセスの高度化、ならびにデジタル分野における能力および人材への投資を通じて、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。これには、適切なガバナンス体制の構築や、開発およびガバナンスの枠組みの標準化が含まれます。 経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:ファイナンス   リスクタイプ:機会と脅威   リスク傾向:変化なし → リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、財務会計・報告、資本構造、流動性・信用、収益サイクル、および税務が含まれます。当社グループの安定した財務状況および効果的なリスクマネジメントへの取り組みを背景に、当該カテゴリーにおける全体的なリスクエクスポージャーは、他のリスクカテゴリーと比較して引き続き限定的な水準にあります。 ・外国為替レートの変動は、重要なリスクとなる可能性があります。外貨建て取引に対するヘッジを行っていますが、円高は業績に悪影響を及ぼし、円安は業績に好影響をもたらす可能性があります。 ・資金調達リスクは、資本及び借入等へのアクセスに影響を与える金融市場の変動や、借入コストに影響を与える企業業績から生じます。業績の悪化や金融市場の環境変化は、資金調達オプションを制限する可能性があります。 ・グローバルな管轄当局における適用税法や解釈の変更により、税負担が増大する可能性があります。また、事業環境の変化や組織再編により、繰延税金資産の評価の見直しが必要になる可能性もあります。 ・顧客やサプライヤーの信用リスクが当社の財務の安定性に影響を与える可能性があります。 対応策 当社グループは、強固な金融リスクマネジメントの枠組みを引き続き維持しています。当該枠組みには、体系的な計画策定およびモニタリングのプロセス、一元化された財務(トレジャリー)機能、ならびに流動性、為替およびその他の金融リスクを管理するための適切な統制が含まれます。これらの取り組みにより、財務の安定性を下支えするとともに、金融環境の変化に対して適時に対応することを可能にしています。 ・為替変動リスクを低減するため、当社グループは、為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を活用しています。これらの対応は、外貨エクスポージャー低減を目的としたグローバルなキャッシュプーリングによって補完されています。 ・調達コストを最適化するための公募社債発行等による資金調達方法の多様化と、金利変動を最小化するための長期債務に対する固定金利採用を組み合わせて対応しています。 ・繰延税金資産の回収可能性を向上するために管轄当局間の税法改正を継続的に監視し、グループ内取引ルールの適切な調整と徹底した収益性管理を行っています。 経営戦略・方針との関連性:シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:ガバナンス   リスクタイプ:機会と脅威   リスク傾向:上昇↑ リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、コンプライアンス、規制対応、法務、企業文化、データプライバシー、コーポレートガバナンス、レジリエンス・ガバナンス(事業継続および危機対応に関するガバナンス体制)、および第三者リスクマネジメントが含まれます。規制遵守、規制当局への対応、ならびにガバナンスおよび統制の枠組みの有効性に関連するリスクについては、体系的かつ能動的に管理しています。 ・製品開発および承認プロセスを規定する適用法令や規制に不遵守が生じた場合、製品の商品化の遅延、市場参入の制限、訴訟、またはその他の規制措置が講じられるおそれがあります。 ・現在米国食品医薬品局(FDA)から受領している警告書に関する是正が不十分または遅れた場合、およびFDAの指摘事項に対して十分に対応できない場合、FDAによりさらなる規制措置が講じられ、製品供給に影響が出るおそれがあります。 ・第三者リスクの管理が不十分な場合、業務への支障、コンプライアンス上のリスク、ならびに法的または評判上の影響を受ける可能性があります。 対応策 ・規制不遵守に関連するリスクを低減するため、当社グループは、製品開発および規制対応活動におけるグローバルなプロセス、方針、モニタリング活動、教育・研修、および統制を強化し、コンプライアンスの枠組みを高度化しています。 ・現在FDAから受領している警告書に関する規制及び品質リスクに対処するため、FDAの懸念事項に関する是正措置を推進しました。 ・2025年6月24日(現地時間)、FDAは、会津オリンパス株式会社で製造された一部の医療機器に対する輸入警告を公表しました。この措置により、今後の通知があるまで、指定された医療機器の米国への輸入ができなくなります。対象となる機器は、一部の気管支鏡、腹腔鏡、尿管腎盂鏡と内視鏡洗浄消毒装置です。当社は、FDAの指摘事項に迅速に対応し、当社製品が高い品質基準を満たすよう全力を尽くしています。 ・2025年後半には、米国、欧州、日本の8拠点でFDA査察が実施され、当社が進めてきたオペレーションや品質改善の状況を確認する機会となりました。その結果、FDAから指摘事項が出されています。その多くは、今回の改善以前の活動に起因していますが、なかには、当社の品質システムの成熟度や一貫性を高め、統合を進める必要がある領域も含まれていました。こうした指摘に対しては、全社を挙げて横断的に取り組んでいます。具体的には、患者さんの安全を最優先としたリスクベースの製品ポートフォリオ評価を行うとともに、品質システムのグローバルな標準化を一段と進め、品質・法規制チームの強化にも注力しています。査察結果については、現在もFDAとの間でオープンに議論を重ねている状況です。当社は、当社が積極的に進めている対応について、FDAと直接コミュニケーションを取っています。 ・第三者管理に関連するリスクを低減するため、当社グループは、ガバナンス体制、オペレーティングモデル、およびコンプライアンスプロセスの継続的な改善を通じて、第三者リスクマネジメントの枠組みを強化しています。その一環として、リスク評価手法の高度化、透明性の向上、ならびにコンプライアンス基準を第三者全体に一貫して適用しています。 経営戦略や方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:IT&デジタル   リスクタイプ:機会と脅威   リスク傾向:上昇↑ リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、ITセキュリティおよびサイバー、ITアプリケーション、ITガバナンス、ITインフラおよびサービス、ならびにデジタル基盤の活用および管理が含まれます。潜在的なリスクは、サイバーセキュリティ上の脅威、ITシステムの回復力(レジリエンス)、デジタル環境に対するガバナンスおよびマネジメントの有効性に関連します。 ・サイバーセキュリティ上の脅威の発生頻度および高度化により、システムへの不正アクセス、データ侵害、または重要な業務への支障が生じるおそれがあります。 ・ITインフラおよびアプリケーションの老朽化または陳腐化(サポート終了またはライフサイクル終了を迎えたシステムを含む)により、業務への支障、システム障害、およびセキュリティ上の脆弱性のリスクが高まるおそれがあります。 ・分散的または非標準のITソリューションに対するガバナンスおよび管理が不十分な場合、セキュリティ上の脆弱性、データの不整合、およびコンプライアンス上のリスクへのエクスポージャーが増加するおそれがあります。 ・重要な基幹システムの障害や停止は、製造やサプライチェーン業務を含む中核的な業務プロセスに影響を及ぼすおそれがあります。 対応策 ・サイバーセキュリティリスクを低減するため、当社グループは、包括的な情報セキュリティプログラムを導入・運用しています。本プログラムには、継続的なモニタリングや脅威の検知に加え、IT環境全体にわたる予防および対応の両面からのセキュリティ対策の強化が含まれます。 ・老朽化したITインフラおよびアプリケーションに関連するリスクを低減するため、当社グループは、システムのアップグレード、更新および移行の優先付けを含む体系的なライフサイクル管理を推進し、運用の安定性およびセキュリティの確保を図っています。 ・分散的または非標準のIT環境に伴うリスクを低減するため、当社グループは、非標準のIT活動を集中管理の枠組みに統合し、組織全体における監督機能、標準化およびセキュリティ統制を強化しています。 ・重要なシステム障害に関連するリスクを低減するため、当社グループは、復旧計画および事業継続計画(BCP)を整備するとともに、システムの可用性を確保するための措置を講じることで、ITレジリエンスの向上を図っています。 経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動
経営成績の分析 (MD&A)10,073字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)業績等の概要 ① 業績 当期における世界経済は、緩やかに回復しているものの、中東情勢に加え、アメリカの関税をはじめとする通商政策による下振れリスクや、金融資本市場の変動等の影響、欧米の政策を巡る動きなど、国際情勢に起因する不確実性に注視する必要があります。わが国経済においても、景気は緩やかに回復している一方で、世界経済の先行きを注視する必要があります。 こうした環境下において、当社グループは、私たちの存在意義である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」に向けて、引き続き取り組んでいます。 業績の状況 以下(1)から(10)は継続事業の業績を、(11)は継続事業と非継続事業の合計の業績をそれぞれ示しています。 (単位:百万円) 2025年3月期   2026年3月期   増減額   増減率(%) (1)売上高   997,332   1,010,676   13,344   1.3% (2)売上原価   313,635   356,586   42,951   13.7% (3)販売費及び一般管理費   495,654   507,080   11,426   2.3% (4)持分法による投資損益/ その他の収益/その他の費用   △25,581   △49,890   △24,309   - (5)営業利益   162,462   97,120   △65,342   △40.2% (6)調整後営業利益   188,509   143,310   △45,199   △24.0% (7)金融損益   △3,392   △3,126   266   - (8)税引前利益   159,070   93,994   △65,076   △40.9% (9)法人所得税費用   41,270   25,822   △15,448   △37.4% (10)継続事業からの当期利益   117,800   68,172   △49,628   △42.1% (11)親会社の所有者に帰属する当期利益   117,855   68,172   △49,683   △42.2% 為替レート(円/米ドル)   152.58   150.77   △1.81   - 為替レート(円/ユーロ)   163.75   174.79   11.04   - 為替レート(円/人民元)   21.10   21.25   0.15   - (1)売上高 消化器内視鏡ソリューション事業は増収、サージカルインターベンション事業は減収となり、前期比133億44百万円増収の1兆106億76百万円となりました。詳細は以下のセグメント別の動向に関する分析に記載しています。 (2)売上原価 前期比429億51百万円増加の3,565億86百万円となりました。売上原価率は、米国関税の影響やセールスミックスの悪化により、35.3%と前期比3.8ポイント悪化しました。 (3)販売費及び一般管理費 前期比114億26百万円増加の5,070億80百万円となりました。販売費及び一般管理費の対売上高比率は、セールス機能及び製造機能に係る費用の増加により、50.2%と前期比0.5ポイント悪化しました。 (4)持分法による投資損益/その他の収益/その他の費用 持分法による投資損益、その他の収益およびその他の費用の合算で498億90百万円の費用となり、前期比で損益は、243億9百万円悪化しました。 持分法による投資損益に関しては、エンドルミナルロボット製品の開発を目指して設立された合弁会社Swan EndoSurgical,Inc.にRVLHC SE Holdings, LLCと共同で出資し、当出資に関して約44億円の費用計上を行った影響で、前期比で41億66百万円悪化しました。 その他の収益に関しては、前期に当社の連結子会社であるOlympus (Shenzhen) Industrial Ltd.が中国・深圳市に保有する土地使用権及び建物を深圳市政府へ返還したことに伴う補償金約12億円を計上していた一方で、当期は株式会社エビデントとのライセンス使用許諾等に関する合意に基づく対価約60億円や、当社の連結子会社であるOlympus Czech Group, s.r.o.が保有する建物の売却益約12億円を計上しており、前期比で60億99百万円増加しました。 また、その他の費用に関しては、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約86億円減少したことに加え、前期に計上していた社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用約29億円がなくなったものの、グローバルレベルで組織体制を変革し、ポジションの最適化を図るための施策の実施に伴う費用約269億円や、サージカルインターベンション事業における一部の技術関連資産等の無形資産の減損損失約16億円を計上したことや、消化器内視鏡ソリューション事業およびサージカルインターベンション事業における開発資産の減損損失がそれぞれ約34億円、約25億円増加したことにより、前期比で262億42百万円増加しました。 (5)営業利益 上記の要因により、前期比653億42百万円減益の971億20百万円となりました。 (6)調整後営業利益 営業利益からその他の収益およびその他の費用を除外した調整後営業利益は、上記の要因により、前期比451億99百万円減益の1,433億10百万円となりました。 (7)金融損益 金融収益と金融費用を合わせた金融損益は31億26百万円の損失となり、前期比で損益は2億66百万円改善しました。前期比では為替差損が縮小した一方で、当期はSwan EndoSurgical,Inc.に対するオプションの公正価値評価を計上していることに加え、借り換えによる借入利率の上昇に伴い支払利息が増加しました。 (8)税引前利益 上記の要因により、前期比で650億76百万円減少となる939億94百万円となりました。 (9)法人所得税費用 税引前利益が減少したことにより、前期比で154億48百万円減少し、258億22百万円となりました。 (10)継続事業からの当期利益 上記の要因により、前期比で496億28百万円減少となる681億72百万円となりました。 (11)親会社の所有者に帰属する当期利益 継続事業からの当期利益が減少したことにより、前期比で496億83百万円減益となる681億72百万円となりました。 (研究開発支出および設備投資) 当期においては、非継続事業を除いた継続事業で1,099億48百万円の研究開発費を投じるとともに、922億39百万円の設備投資を実施しました。 (為替影響) 為替相場は前期に対して、対米ドルは円高、対ユーロ及び人民元は円安で推移しました。期中の平均為替レートは、1米ドル=150.77円(前期は152.58円)、1ユーロ=174.79円(前期は163.75円)、1人民元=21.25円(前期は21.10円)となり、売上高では前期比で135億60百万円の増収要因、営業利益では前期比で3億39百万円の減益要因、調整後営業利益では前期比で4億90百万円の増益要因となりました。なお、為替の影響を除くと、連結売上高は前期並み、連結営業利益は前期比40.0%の減益となります。 セグメント別の動向に関する分析 当社グループは、従来「内視鏡事業」「治療機器事業」の2区分を報告セグメントとしていましたが、より効率的、かつ患者さんとお客様中心の展開とするため、事業部門の再編成を含む組織改編を実施し、中間連結会計期間より報告セグメントを「消化器内視鏡ソリューション事業」「サージカルインターベンション事業」の2区分に変更しています。 売上高   営業利益又は営業損失(△) 前連結会計年度 (百万円)   当連結会計年度 (百万円)   増減率 (%)   前連結会計年度 (百万円)   当連結会計年度 (百万円)   増減率 (%) 消化器内視鏡ソリューション   674,043   697,359   3.5   171,441   136,359   △20.5 サージカルインターベンション   322,759   313,109   △3.0   15,265   △14,986   - 小計   996,802   1,010,468   1.4   186,706   121,373   △35.0 その他   530   208   △60.8   △474   △499   - 消去又は全社   -   -   -   △23,770   △23,754   - 連結計   997,332   1,010,676   1.3   162,462   97,120   △40.2 (注) 製品系列を基礎として設定された事業に、販売市場の類似性を加味してセグメント区分を行っています。 [消化器内視鏡ソリューション事業] 消化器内視鏡ソリューション事業の連結売上高は、6,973億59百万円(前期比3.5%増)、営業利益は1,363億59百万円(前期比20.5%減)となりました。 消化器内視鏡分野は、期初は軟調でしたが、当第4四半期連結会計期間には北米、欧州、アジア・オセアニアで二桁成長を達成し、前期比増収となりました。当期の成長は、特に英国をはじめ複数の国で好調に推移した欧州およびアジア・オセアニアにおける堅調な業績に支えられたものです。北米においては、前期に消化器内視鏡システム「EVIS X1」の新製品効果及び能登半島地震によるバックオーダーの解消に伴う押し上げ効果があった一方で、当期はデモンストレーションのタイミングによる影響などにより、四半期の実績には波がありましたが、当第4四半期連結会計期間にはEDOF(被写界深度拡大)技術搭載スコープや内視鏡用超音波観測装置「EU-ME3」の販促活動が奏功し、非常に好調に推移しました。中国においては、競争激化や国産優遇策といった継続的な課題により、当第4四半期連結会計期間の業績を圧迫しました。日本においては、病院層の予算執行は引き続き厳しいものの、NBI技術とTXI技術を組み合わせた観察モードを搭載した「EVIS X1」ビデオシステムセンターを第3四半期連結会計期間に発売した効果もあり、期末にかけてマイナス幅は縮小しました。 消化器科処置具分野は、一部製品の出荷止めの向かい風があったものの、各地域の強い実行力と新製品効果により前期比増収となりました。2026年1月に発売した胆管用メタリックステント「GORE VIABIL Biliary Endoprosthesis」の貢献もあった北米が、好調に推移しました。ステント関連の製品群の他、膵管や胆管などの内視鏡診断・治療に使用するERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影術)関連製品も全体の成長にプラスに寄与しました。 医療サービス分野は、好調な欧州が牽引し、前期比増収となりました。 消化器内視鏡ソリューション事業の営業損益は、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約58億円減少したことや、前期に計上していた社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用約16億円がなくなった一方で、米国関税の影響及びセールスミックスの悪化による原価率の悪化に加え、エンドルミナルロボット製品の開発を目指して設立された合弁会社Swan EndoSurgical,Inc.にRVLHC SE Holdings, LLCと共同で出資し、当出資に関して約44億円の費用計上を行ったことや、グローバルレベルで組織体制を変革し、ポジションの最適化を図るための施策の実施に伴う費用を約141億円計上したこと、開発資産の減損損失が約34億円増加したことにより、減益となりました。 なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比2.1%の増収、営業利益は前期比21.4%の減益となっています。 [サージカルインターベンション事業] サージカルインターベンション事業の連結売上高は、3,131億9百万円(前期比3.0%減)、営業損失は149億86百万円(前期は152億65百万円の営業利益)となりました。 泌尿器科分野は、前期にバックオーダーの解消に伴う押し上げ効果などがあった一方で、当期には一部製品の出荷止めの影響を受けている北米で売上が減少したものの、英国をはじめ複数の国で好調に推移した欧州が増収となり、前期比増収となりました。BPH(前立腺肥大症)用の切除に係る製品群が堅調に推移しました。 呼吸器科分野は、北米や欧州で売上が増加し、増収となりました。一部製品の出荷止め等の向かい風があったものの、EBUS-TBNA(超音波気管支鏡ガイド下針生検)で使われる超音波気管支鏡や処置具が好調に推移しており、この影響を相殺しています。 外科内視鏡分野は、外科内視鏡システム「VISERA ELITEIII」は好調に推移しましたが、国産優遇策などの影響もあり競争環境が激化する中国や、病院層の予算制約が厳しい日本で売上が減少し、減収となりました。 その他の治療領域は、出荷止めの影響のあったサージカルデバイスなどで、減収となりました。 サージカルインターベンション事業の営業損益については、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約28億円減少したものの、減収による売上利益の減少や、米国関税の影響及びサージカルデバイスの一部製品の自主回収に伴う費用約25億円引当計上したことにより原価率が悪化したことに加え、グローバルレベルで組織体制を変革し、ポジションの最適化を図るための施策の実施に伴う費用約67億円や、一部の技術関連資産等の無形資産の減損損失約16億円を計上したこと、開発資産の減損損失が約25億円増加したことにより、営業損失となりました。 なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比4.3%の減収、営業損益は前期比286億32百万円の減益となっています。 ② 財政状態の状況 前連結会計年度末 (百万円)   当連結会計年度末 (百万円)   増  減 (百万円)   増減率 (%) 資産合計   1,433,273   1,537,162   103,889   7.2 資本合計   751,733   812,040   60,307   8.0 親会社所有者帰属 持分比率   52.4%   52.8%   0.4% [資産] 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末から1,038億89百万円増加し、1兆5,371億62百万円となりました。当連結会計年度末の為替レートが前連結会計年度末に比べ円安に推移したこと等により、営業債権及びその他の債権が526億73百万円、有形固定資産が238億69百万円、棚卸資産が199億47百万円、その他の金融資産が179億57百万円、のれんが136億45百万円それぞれ増加しています。一方で、自己株式の取得により500億2百万円を支出したことを主因に現金及び現金同等物が644億94百万円減少しました。 [負債] 負債合計は、前連結会計年度末から435億82百万円増加し、7,251億22百万円となりました。主に未払費用が増加したことによりその他の流動負債が135億44百万円増加しました。また、当連結会計年度の財務活動および当連結会計年度末の為替レートが前連結会計年度末に比べ円安に推移したことにより、社債および借入金が104億74百万円増加しました。 [資本] 資本合計は、前連結会計年度末から603億7百万円増加し、8,120億40百万円となりました。在外営業活動体の換算差額の増加によりその他の資本の構成要素が569億83百万円増加しています。 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の52.4%から52.8%となり、0.4ポイント増加しました。 ③ キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度 (百万円)   当連結会計年度 (百万円)   増減 (百万円) 営業活動によるキャッシュ・フロー   190,463   100,585   △89,878 投資活動によるキャッシュ・フロー   △65,469   △87,408   △21,939 財務活動によるキャッシュ・フロー   △211,542   △87,627   123,915 現金及び現金同等物期末残高   252,532   188,038   △64,494 [営業活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,005億85百万円の増加(前連結会計年度は1,904億63百万円の増加)となりました。税引前当期利益939億94百万円や減価償却費及び償却費の調整672億16百万円によりキャッシュ・フローが増加した一方、法人所得税の支払623億74百万円によりキャッシュ・フローが減少したことが主因です。 [投資活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、874億8百万円の減少(前連結会計年度は654億69百万円の減少)となりました。有形固定資産の取得による支出555億58百万円、無形資産の取得による支出268億65百万円が主な要因です。 [財務活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、876億27百万円の減少(前連結会計年度は2,115億42百万円の減少)となりました。自己株式の取得による支出500億2百万円、配当金の支払225億56百万円、リース負債の返済による支出199億10百万円が主な要因です。 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して644億94百万円減少し、1,880億38百万円となりました。 (2)生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 セグメントの名称   生産高(百万円)   前期比(%) 消化器内視鏡ソリューション   652,512   △0.4 サージカルインターベンション   258,579   1.4 その他   399   △49.4 計   911,491   0.0 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。 ② 受注実績 当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。 ③ 販売実績 セグメントの名称   販売高(百万円)   前期比(%) 消化器内視鏡ソリューション   697,359   3.5 サージカルインターベンション   313,109   △3.0 その他   208   △60.8 計   1,010,676   1.3 (注) セグメント間の取引については相殺消去しています。 (3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものです。 ① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析 2026年3月期は、FDA関連の輸入警告や自主的な出荷止め、米国関税の影響など、事業運営においてさまざまな課題に直面した1年でした。このような状況にありながらも、消化器内視鏡ソリューション事業において欧州・アジア・オセアニアを中心に需要が堅調に推移し、第4四半期には北米でも力強い成長が確認されるなど、事業基盤の強さを示す結果となりました。しかしながら、輸入警告や自主的な出荷止めの影響もあり、売上高は為替の影響を除くと前期比で横ばいとなりました。 調整後営業利益率は、前期比で4.7ポイント悪化し、14.2%となりましたが、上記の一過性要因を除けば収益性は概ね安定して推移しています。 今後も、品質対応の進展や供給の正常化に加え、新製品の投入やオペレーティングモデルの改善を通じて、持続的な売上成長と収益性の向上に取り組んでいきます。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況 (i) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、当社グループは、当連結会計年度において、営業活動により資金が増加した一方で、投資活動及び財務活動による支出により、当連結会計年度末時点で保有する手元資金は1,880億38百万円(前連結会計年度末より644億94百万円減少)となりました。この手元資金規模は、安定した事業運営および財務基盤の確保に十分な水準であると認識しています。 (ⅱ) 財務政策 当社グループは、適切に財務レバレッジをコントロールすることで財務健全性の維持を図りつつ、投資機会に機動的に対応していく方針です。本方針のもと、通常時にはBBB+以上の格付け水準を維持する財務運営を行っていきます。また、戦略的なM&Aの機会を逸することのないよう、投資適格の格付け水準(BBB-以上)の維持を前提に、必要に応じたレバレッジ拡大の柔軟性も確保していきます。 なお当社は、格付投資情報センター、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン、およびムーディーズ・ジャパンより信用格付けを取得しており、2026年3月31日現在における状況は、次のとおりです。 格付投資情報センター:A+(長期、見通し安定的)、a-1(短期) S&Pグローバル・レーティング・ジャパン:BBB+(長期、見通しネガティブ) ムーディーズ・ジャパン:Baa1(長期、見通し安定的) (ⅲ) 資金需要 当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に必要な材料および部品の購入費、製造費のほか、人件費や広告・販売促進費用などの営業費用です。また、当社グループの投資資金需要は主に、研究開発や設備投資などの事業の運営・維持に必要な支出に加え、M&Aを含む成長を牽引する機会への投資です。 これらの資金需要に対しては、まず手元資金及び営業活動により創出されるキャッシュ・フローを充当していますが、次のとおり、必要に応じて金融機関からの借入や社債の発行による資金調達を行っています。 (ⅳ) 資金調達 当社グループは、資金調達の基盤として、主要な取引先金融機関との良好かつ安定的な取引関係に加え、複数の投資適格の信用格付けを維持していることから、国内外の社債を含む、多様な調達手段による安定的な資金調達が可能であると考えています。また、市場環境の急激な変動や一時的な資金需要の増加に備え、主要通貨建てのグローバルコミットメントラインを設定しており、必要な資金を確実かつ機動的に調達できる体制となっています。今後も(ⅱ)財務政策に記載の方針を前提に、資金調達コストの低減に努めつつ、資金需要に応じて適切な資金調達を行っていきます。 (ⅴ) キャピタルアロケーション 当社はこれまで、M&Aを含む成長を牽引する機会への投資を優先した上で、配当については、安定的かつ段階的に増配し、自己株式の取得については、投資機会と資金状況に応じて機動的に実施する方針としてきました。当期の年間配当金は、公表予想どおり、前期より10円増配の1株当たり30円としました。 当社グループの持続的な成長を実現するため、成長を牽引する機会への投資を優先していく方針に変わりはありません。その上で、株主還元については、今後は1株当たり配当金の維持を基本としていく考えですが、自己株式の取得を含む株主の皆様に価値を還元する方法については、柔軟性を確保していきます。 ③ 重要性がある会計方針および見積り 当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りにつきましては、合理的な基準に基づいて実施しています。重要性がある会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等  連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。