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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,020.8+254ドル円158.87-1NASDAQ26,203.91+104S&P 5007,667.95+36SOX 指数11,316.82+289/2終値

大研医器

DAIKEN MEDICAL CO.,LTD7775 · Standard · 精密機器

麻酔関連と病院内感染防止関連の医療機器を手掛ける研究開発型メーカー。現場の声を製品化する独自開発が特徴。

概要

大研医器は医療用輸液ポンプ・シリンジポンプや吸引器などを手掛ける医療機器メーカーである。1968年に大阪で創業し、現在は大阪府和泉市に本社を置く。売上高は約100億円、従業員185名。自社で開発・製造・販売を一貫して行い、手術室や集中治療室で使われる製品を中心に、国内の医療現場に強い基盤を持つ。

五つの製品群から成る事業ポートフォリオ

大研医器は単一セグメントだが、製品を五つの群に分類している。吸引器関連では、使い捨ての感染防止容器「フィットフィックス」「キューインポット」を中心に、手術室や病棟で使用される。注入器関連では、大気圧やバルーン収縮力を利用した携帯型注入器「シリンジェクター」「バルーンジェクター」、スマートフォンアプリで管理できるPCA装置「エイミー」を手掛ける。電動ポンプ関連は高精度なシリンジポンプと輸液ポンプからなり、手洗い設備関連では無菌水供給装置「ステリキープⅡ」やディスポーザブルタオルを提供する。その他製品には保温用不織布や気管支ブロッカーチューブなどが含まれる。

医療現場の声を起点とする製品開発体制

同社の研究開発は、麻酔関連や病院内感染防止に携わる医師・看護師・臨床工学技士のニーズを開発担当者が直接聞き、特許を含む独創的な技術で製品化することを基本理念とする。欧米メーカーが支配的な国内医療機器市場において、現場第一主義を掲げ、小さな声も拾い上げる姿勢を貫いている。基礎研究から製品開発、製造まですべて自社で行い、量産における生産技術と品質管理はISO規格(EN ISO 13485:2016)に基づいて運用される。

国内市場に強みを持つ収益構造と海外展開の課題

売上高は2013年3月期の71億円から緩やかに増加し、2026年3月期には103億円を見込む。営業利益率は15%前後と高水準で推移し、2024年3月期の営業利益は15億円に達した。しかし、海外売上高比率は5%未満と低く、国内市場への依存度が高い。経営課題として海外販売の拡充を掲げ、欧州市場への展開を優先し、クーデックエイミーPCAのMDR認証取得を進めている。サプライチェーンの高度化も課題とされ、原材料高騰や円安への対応が求められる。

業界の中での役割は医療機器メーカー(麻酔・感染防止分野)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
103億円
営業利益
13億円
営業利益率
12.6%
純利益
9億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01医療機関(手術室・ICU・病棟)主力

手術室や集中治療室、病棟などの医療現場向けに、吸引器、注入器、電動ポンプ、手洗い設備などを提供。感染予防や患者QOL向上に貢献する製品を開発・製造している。

主な製品・サービス8
フィットフィックス
プラスチック製の凝固剤一体型密閉容器で、排液を凝固・焼却処分でき感染を防止する。
キューインポット
本体とディスポーザブルライナーで構成され、排液を凝固・廃棄できる真空吸引器。
シリンジェクター
大気圧を利用した加圧式医薬品注入器。
バルーンジェクター
バルーン収縮力を利用した加圧式医薬品注入器。
PCA装置
シリンジェクター・バルーンジェクターに付属し、患者自身の操作で注入量を調節する装置。
エイミー
スマートフォンアプリで管理できる輸液ポンプ。
シリンジポンプ
シリンジの押し子を制御して精密に薬液を投与する医用電気機器。
輸液ポンプ
輸液セットのチューブをしごいて薬液を投与する機器。

02医療機関(手洗い設備)準主力

手術室や病棟での医療従事者の衛生的な手洗いに必要な設備を提供。無菌水や殺菌水の供給装置、ディスポーザブルタオルなどを扱う。

主な製品・サービス2
ステリキープⅡ
水道に接続し、フィルターで濾過して無菌水や殺菌水を供給する装置。
ワイペル
滅菌済みのディスポーザブルタオルで、脱落繊維が少ない。

03医療機関(その他)副次

手術や処置で使用する保温具、気管支チューブ、簡易トイレシステムなどを提供。患者の安全と快適性に配慮した製品群。

主な製品・サービス4
ブレスウォーム
吸湿発熱繊維を使った不織布オイフで、患者の保温性を高める。
気管支ブロッカーチューブ
分離肺換気用のカテーテルで、カフで気管支を閉塞する。
ダブルルーメン気管支チューブ
分離肺換気用のチューブ。
ディスポーザブル パルプシステム
ポータブルトイレの汚物容器を使い捨てにするシステム。

製品と技術

吸引器関連:ディスポーザブル化による感染防止

吸引器関連製品は、病院内感染防止に寄与する非電動式真空吸引器である。主力の「フィットフィックス」は蓋とボトルからなるプラスチック製密閉容器で、凝固剤が蓋に内蔵されており、排液を固めてから容器ごと焼却処理できる。手術室や集中治療室で使用され、排液量が多い場面では複数連結して用いる。もう一つの「キューインポット」は本体と使い捨てライナーで構成され、病棟での使用に適する。いずれも排液に直接触れることなく廃棄でき、感染リスクを低減する。販売実績では吸引器関連が2025年3月期に65億円超と全社売上の6割以上を占める最大カテゴリーである。

注入器関連:携帯型・バルーン方式の鎮痛機器

注入器関連は、主に術後疼痛管理に用いる麻酔関連製品である。「シリンジェクター」は大気圧を利用して一定速度で薬液を注入し、「バルーンジェクター」はバルーンの収縮力を利用する。これらにPCA装置を付属させると患者自身が一定範囲内で用量を調節できる。2021年発売の「クーデックエイミーPCA」はスマートフォンアプリで管理可能な輸液ポンプであり、急性期の疼痛緩和から無痛分娩、在宅領域まで用途が広がっている。2025年3月期の注入器関連販売高は約23億円で、成長が続く分野である。

電動ポンプ関連:精密な薬液投与を実現するME機器

電動ポンプ関連は、極微量の薬液を精密に制御して持続投与する医用電気機器である。シリンジポンプはシリンジの押し子を制御して高精度な投与を可能にし、主に手術室や集中治療室で使用される。輸液ポンプは輸液バッグからチューブをしごく機構で投与し、病棟などで広く使われる。2025年3月期の販売高は約1.9億円と他の製品群に比べて小規模だが、高付加価値品として位置づけられる。製造原価ベースの生産高は前期比58%増と急拡大しており、今後需要の増加が見込まれる。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

精密機器のなかでの位置

医療用検査機器のニッチトップ、営業利益率15%

大研医器は、医療用検査機器(特に採血関連製品)に特化し、売上高約100億円、営業利益率15%と高収益を誇る。同業のLiberaware(非開示)やリガク・ホールディングス(非開示)と比較して、特定市場で強いシェアを持つ。安定した医療需要に支えられるが、後発品や海外企業との競争が激化している。

強み

  • 営業利益率15%超え、医療需要の特性から収益が安定。
  • 特定の検査機器で高いシェアを持ち、代替品が少ない。
  • 新製品開発により競争力を維持し、顧客満足度を高める。
  • 病院や検査機関とのネットワークが厚く、リピート受注を得やすい。

課題

  • ニッチ市場ゆえに成長余地が限定的。新規市場開拓が必要。
  • 低コストの海外製品が増加し、価格競争に晒される可能性。
  • 医療機器承認制度や保険償還価格の改定が収益に影響。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

精密機器の時価総額近傍。太字が大研医器

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17746岡本硝子220億円
27725インターアクション194億円32.7倍
37713シグマ光機177億円20.0倍
47600日本エム・ディ・エム174億円66.1倍
57727オーバル174億円12.8倍
67775大研医器136億円13.3倍
77702JMS113億円
85187クリエートメディック111億円18.8倍
97722国際計測器110億円7.0倍
107776セルシード78億円
117781平山ホールディングス73億円10.9倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 19件

医療器具製造販売会社としての創業(1968年)

1968年11月、大研医器株式会社は大阪市北区木幡町(現西天満)に医療器具の製造販売を目的として設立された。1971年7月に医療機器の製造業許可を取得し、事業の基盤を固める。当初はどのような製品に特化していたか詳細は不明だが、後に主力となる吸引器や注入器の開発へとつながる第一歩となる。

営業拠点の拡大と子会社設立(1980年代)

1980年2月、整形外科用材料の仕入販売を目的として大研メディカル株式会社(後の大研産業、大研医工)を設立。同年5月に東京営業所、翌年4月に大阪営業所を開設し、販売網を広げた。1984年2月には子会社を大研産業株式会社に商号変更。1990年9月には医療用吸引器「フィットフィックス」の開発・販売を開始し、以後の主力製品の礎を築いた。

本社移転と新製品の開発(1990年代後半〜2000年代)

1997年4月、携帯型ディスポーザブル注入器「シリンジェクター」を発売。1999年10月には大阪府和泉市に本社機能を移転し、研究棟とアセンブリーセンターを新設した。2001年2月、子会社を大研医工株式会社に商号変更し、同年4月に開発・製造部門を分離。しかし2003年4月に大研医工を吸収合併し、再び一体型の経営体制に戻った。2007年5月には本社機能を大阪市中央区に移転している。

東証第二部上場と第一部指定(2009〜2010年)

2009年3月、東京証券取引所市場第二部に上場を果たす。わずか1年後の2010年10月には市場第一部に指定され、資本市場での評価を高めた。上場後の業績は堅調に推移し、売上高は70億円台から徐々に拡大。2017年7月には大阪府和泉市に和泉アセンブリーセンターを増設し、生産能力を強化した。2019年6月には再び本店を和泉市に移転し、現在に至る。

市場区分の変更:プライムからスタンダードへ(2022〜2023年)

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しにより、第一部からプライム市場へ移行した。しかし2023年10月には、上場市場の変更を自ら選択し、プライム市場からスタンダード市場へ移行した。この背景には、プライム市場の上場維持基準を満たすコストと便益のバランス判断があると推測される。売上高は2024年3月期に98億円、2025年3月期に100億円と拡大を続けているが、市場区分はあくまで企業の選択である。

年表19件を開く

1960年代

  • 1968年11月創業医療器具製造販売を目的として、大研医器株式会社を大阪市北区木幡町(現大阪市北区西天満)に設立

1970年代

  • 1971年7月医療機器の製造業許可を取得

1980年代

  • 1980年2月創業主に整形外科用材料の仕入販売を行うため大研メディカル株式会社(後に大研産業株式会社)を大阪市北区に設立
  • 1980年5月東京都中央区に東京営業所(現東京支店)開設
  • 1981年4月大阪市東区(現大阪市中央区)に大阪営業所(現大阪支店)開設
  • 1984年2月商号変更大研メディカル株式会社が大研産業株式会社に商号変更

1990年代

  • 1990年9月医療用吸引器「フィットフィックス」の開発・販売
  • 1997年4月携帯型ディスポーザブル注入器「シリンジェクター」の開発・販売
  • 1999年10月大阪府和泉市に本社機能を移転、研究棟・アセンブリーセンターを新設

2000年代

  • 2001年2月商号変更大研産業株式会社が大研医工株式会社に商号変更
  • 2001年4月開発・製造部門を大研医工株式会社に分離
  • 2003年4月M&A経営効率の向上を図るため大研医工株式会社を吸収合併
  • 2007年5月大阪市中央区に本社機能を移転
  • 2009年3月上場東京証券取引所市場第二部に上場

2010年代

  • 2010年10月東京証券取引所市場第一部に指定
  • 2017年7月大阪府和泉市に和泉アセンブリーセンターを増設
  • 2019年6月大阪府和泉市に本店移転

2020年代

  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行
  • 2023年10月上場東京証券取引所での上場市場の変更を選択し、プライム市場からスタンダード市場へ移行

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高経常利益率20%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    現場ニーズ起点の独創的製品開発

    麻酔・手術室の医療現場の潜在ニーズを捉え、特許を活用した独創的な技術で製品化する。研究開発から製造販売まで一貫体制を維持し、革新性・安全性を担保した新製品を確実に上市する。

  2. 02

    既存製品のシェア拡大と新領域進出

    主力の吸引器・注入器分野で市場リーダーとしての地位を強化しつつ、「マイクロポンプ関連製品」を成長の柱に育成する。クーデックエイミーPCAの後続製品を早期開発・上市し、新たな事業基盤を構築する。

  3. 03

    海外販売の拡充

    海外売上高比率5%未満の現状を打破し、グローバル市場での競争力を高める。欧州MDR認証取得を優先し、クーデックエイミーPCAの欧州展開を推進する。同時に他地域での販売体制も構築する。

  4. 04

    サプライチェーンの高度化

    原材料高騰や為替変動に対応するため、生産・在庫・物流データを活用し、リードタイム短縮や在庫適正化、複数社購買による安定調達、加工歩留り向上などに取り組む。

  5. 05

    優秀な人材の確保と育成強化

    新卒・中途採用を積極的に行い、教育プログラムを刷新して成長機会を拡充する。給与水準の向上や効率的な働き方により人的投資を強化し、持続的成長につなげる。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で185人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は647万円で、9期前と比べて+10.5%平均年齢は42.0歳、平均勤続年数は12.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月196
2018年3月188
2019年3月58540.010.0186
2020年3月57040.010.0191
2021年3月57441.011.0186
2022年3月56641.011.0183
2023年3月56641.011.0188
2024年3月60142.012.0175
2025年3月65343.013.0180833
2026年3月64742.012.0185703

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率7.7%
縦線は目安の30%
男性育休取得率28.6%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)37.6%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
商品開発研究所 — 大阪府和泉市3,556百万円
和泉アセンブリー センター — 大阪府和泉市3,556百万円
本社分室他 — 大阪市中央区14百万円

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は103億円営業利益13億円前期と比べると増収減益で、売上が+3.0%、利益が-13.3%。

売上高
+3.0%
103億円
営業利益
-13.3%
13億円
純利益
-18.2%
9億円
営業利益率
12.6%
前期比 -2.4%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高105億円103億円
営業利益8億円13億円
純利益6億円9億円
1株あたり配当¥20¥20

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は24億円、営業利益は2億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+0.0%、営業利益は−33.3%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q220
2024年1Q24312.52
2024年2Q24416.73
2024年3Q26519.24
2024年4Q241
2025年2Q49816.36
2025年4Q51713.75
2026年2Q51713.75
2026年4Q52611.54
2027年1Q2428.32

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は71億円から103億円へ1.5倍に増えた。直近期の営業利益率は12.6%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月71138
2014年3月76149
2015年3月801611
2016年3月831712
2017年3月841712
2018年3月861510
2019年3月84129
2020年3月85129
2021年3月79107
2022年3月85128
東京証券取引所での上場市場の変更を選択し、プライム市場からスタンダード市場へ移行
2023年3月91117
2024年3月981510
2025年3月100151515.011
2026年3月103131312.69

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高103億円のうち、営業利益として残るのは13億円12.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は9億円、売上の8.7%にあたる。営業利益率は業種中央値9.0%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金61.2%63億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金26.2%27億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益12.6%13億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。売上原価と販管費は単体ベースの数値です。

粗利率
38.8%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+3.6pt
12.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+1.8pt
8.7%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+2.9pt
12.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
7.9%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
10.6%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが6億円、投資CFが−3億円で、差し引きのフリーCFは3億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は28億円で、売上の3.3ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月12−1−81119
2014年3月10−2−8820
2015年3月11−4−6721
2016年3月13−132023
2017年3月14−6−7823
2018年3月13−6−6724
2019年3月9−2−8722
2020年3月14−2−111224
2021年3月6−3−5322
2022年3月11−2−6925
2023年3月10−2−8825
2024年3月16−2−121427
2025年3月11−2−7930
2026年3月6−3−5328

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は114億円。このうち返さなくてよい自己資本が78億円で、自己資本比率は68.2%(業種中央値66.2%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月80512963.6
2014年3月82552766.8
2015年3月88583066.5
2016年3月101653664.2
2017年3月110733766.1
2018年3月111674460.1
2019年3月110585252.6
2020年3月110614955.3
2021年3月108624657.5
2022年3月109644559.0
2023年3月110664459.7
2024年3月110704063.5
2025年3月112753766.9
2026年3月114783668.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳単体ベース
現金及び預金
28億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
87億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
36億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
95
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率25 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

精密機器 52社との比較

同じ精密機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り52社中5位あたり、逆に低いのは売上成長率52社中37位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
12.1%/中央値 9.2%
P25 5.8%P75 12.3%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
12.6%/中央値 9.0%
P25 4.5%P75 14.5%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
68.2%/中央値 66.2%
P25 50.8%P75 76.4%
売上成長率前期からの売上の伸び
3.0%/中央値 5.3%
P25 1.7%P75 10.4%
配当利回り上位株価に対して1年で受け取る配当の割合
4.7%/中央値 2.1%
P25 1.4%P75 3.4%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥426で、1年前と比べて-4.3%過去52週の値幅のなかでは21%の位置にある。

¥426+0.2%1ヶ月+1.4%1年-4.3%時価総額136億円
過去52週の値幅
安値¥409高値¥489

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)13.3倍
PER (会社予想)20.7倍
PBR1.60倍
配当利回り4.69%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

本日+0.24%と小幅上昇。月間では+2.9%と堅調に推移。25日線(422.4円)を上回って推移し、週足では52週安値409円からの戻り歩調。出来高は7月16日に69,700株と急増した後、徐々に減少しているが、高水準を維持している。75日線(429円)との攻防が焦点。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 80/100)

PERが13.3倍と業界平均28.2倍を大幅に下回り、PBRも1.57倍と業界平均3.33倍より低く割安感が強い。配当利回り4.69%は業界平均2.11%を大きく上回る。ROE12.1%は良好だが、利益が横ばい傾向にあり今後の成長が限定的な点には注意が必要。

指標この会社業種平均
PER (実績)13.3倍30.1倍
PER (予想)20.7倍
PBR1.60倍2.49倍
ROE12.1%7.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

高収益の持続性と海外成長の可能性が焦点。強気派は、国内シェアと高い営業利益率、医療需要の安定性を評価。弱気派は、国内市場の成熟と競合(テルモなど)の存在、海外展開の遅れを懸念。2026年3月期は営業利益率12.62%とやや低下見込み。

プラスに働く材料7
  • 高収益ビジネスモデル

    営業利益率15%超、ROE12.1%と資本効率良好。

  • 医療需要の安定性

    高齢化で医療機器需要は安定的に増加。

  • 国内シェアの高さ

    輸液ポンプで国内トップクラス、参入障壁が高い。

  • 安定した医療機器需要継続影響

    売上高103億円で安定、営業利益率12.62%と高水準維持

  • 新製品投入による成長2027年〜影響

    研究開発費を活用し新製品成功で売上10%増、利益約2億円増

  • 高配当利回りによる下支え継続影響

    配当利回り4.69%と高く、株価の下限を支える

  • 海外市場開拓2026年下期影響

    海外売上比率拡大で成長加速、10%増で約10億円増収

マイナスに働く材料7
  • 国内市場の成熟化

    国内医療費抑制策で市場成長は限定的。

  • 海外展開の遅れ

    売上高の海外比率は低く、グローバル競争で劣位。

  • 競合との競争激化

    テルモやフィリップスなど大手との競合が収益率を圧迫。

  • 営業利益減益予想2026年Q2影響

    15億→13億円と13.3%減益、コスト増で下振れ懸念

  • 医療機器規制強化継続影響

    新規制で承認遅延やコスト増、営業利益数億円の影響

  • 原材料高騰通年影響

    営業利益率12.62%から1%低下で約1億円の減益

  • 大口顧客の受注変動不定影響

    特定顧客依存、受注減5%で売上約5億円減

次の決算で確かめる点
営業利益率
高収益性が維持されるか確認。
海外売上高比率
海外展開の進捗を測る。
受注高
病院の設備投資動向を先行指標として把握。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり20で、前期から13.0%いまの株価に対する利回りは4.69%。

年間配当
¥20
1株あたり
配当利回り
4.69%
いまの株価に対して
配当性向
62.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月2560.2
2018年3月250.074.0
2019年3月20−20.068.8
2020年3月200.066.8
2021年3月200.085.1
2022年3月200.069.1
2023年3月200.080.7
2024年3月215.061.0
2025年3月239.560.2
2026年3月20−13.062.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥20

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ14,966人。区分でいちばん多いのは個人・その他92.3%。グループ会社や銀行などの安定株主が4.3%を占め、残る95.7%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他83.181.786.586.189.092.3
自己株式9.89.89.89.89.89.8
事業法人3.73.83.83.83.83.8
外国法人2.92.52.53.54.02.3
証券会社1.50.81.12.51.90.9
金融機関8.711.26.24.21.20.5
外国人個人0.00.00.00.00.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01山田 圭一17.15
02山田 満12.56
03山田 雅之9.83
04公益財団法人山田満育英会3.14
05関家 圭三2.98
06大研医器従業員持株会0.84
07寺田 恭子0.81
08羽根 一徳0.63
09山田 すみれ0.63
10磐下 裕司0.56

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+21%、1株純資産は14期で+60%。直近期のROEは12.1%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月2716916.625.740.5
2014年3月2918216.729.341.1
2015年3月3619519.435.141.3
2016年3月3821718.723.341.6
2017年3月4224318.119.360.2
2018年3月3422314.522.774.0
2019年3月2920113.719.168.8
2020年3月3021214.522.066.8
2021年3月2421511.025.985.1
2022年3月2922413.217.669.1
2023年3月2522910.919.480.7
2024年3月3424314.616.161.0
2025年3月3826115.212.860.2
2026年3月3227012.113.962.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

7名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は7名。2026/3期の役員報酬は総額111百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約6倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
山田圭一取締役会長685,462,000
山田雅之代表取締役社長663,129,000
大工舎宏取締役585,000
稲垣喜三取締役69
玉牧健二常勤監査役659,000
村上創監査役56
大西由紀監査役63

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)2757538
社外取締役421215
監査役1151515

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容2,577字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は、研究開発型医療機器メーカーとして、主に麻酔関連・病院内感染防止関連製品の企画開発・製造販売を行っております。なお、当社には、親会社、子会社、関連会社及びその他の関係会社はありません。 当社の製品開発の特徴は、麻酔関連・病院内感染防止関連の医師、看護師及び臨床工学技士を中心とした医療現場のニーズを開発担当者が直接聞き、特許を含め独創的な技術を駆使して製品化することを基本理念としていることであります。国内の医療機関の多くが、欧米メーカーを中心とした輸入医療機器に依存しており、この欧米主導の医療機器業界において、当社は医療現場第一主義に徹し、現場の小さな声も拾い上げ、製品化することに注力しております。 また、当社は基礎研究・製品開発から製造にいたるまで、基本的にすべて当社で行っており、量産に係わる生産技術・品質管理においてもISO規格(EN ISO 13485:2016)に基づき管理運営しております。 当社は、単一セグメントのため、当社製品を5つの製品群に分類し、それぞれの事業の内容を以下に記載いたします。 (1)吸引器関連 病院内感染防止関連の製品であり、手術室、集中治療室、病棟等において医療配管設備を吸引源とし、血液、組織液、唾液等の体液や体液を含んだ排液を吸引する非電動式の真空吸引器であります。従来はガラス製の吸引容器が使用されており、洗浄、再使用されておりましたが、感染予防の観点から近年プラスチック製のディスポーザブル(使い捨て)容器に置き換わってきております。 (主な製品) フィットフィックス 蓋部分とボトル部分から構成されるプラスチック製の凝固剤一体型の密閉容器であり、排液量が比較的多い、手術室、集中治療室等で使用いたします。蓋部分に凝固剤があらかじめ充填されており、蓋部分を押すことにより凝固剤が投下され、蓋を開けることなく排液を凝固することができます。容器ごと焼却処分をするため、排液に接触することなく、排液からの感染を防止しております。手術の規模によっては、数個のフィットフィックスを連結して使用いたします。 キューインポット 本体とディスポーザブルであるプラスチック製のライナー(袋)で構成され、排液量が比較的少ない病棟等で使用いたします。ライナーには凝固剤が入っており、吸引した排液を固めることができます。使用したライナーは、排液に接触することなく、そのまま焼却処分ができるため、病棟での感染症対策として利用されております。 (2)注入器関連 麻酔関連の製品であり、主に手術後の痛みを軽減する目的でカテーテル(医療用の細いチューブ)等に接続し、局所麻酔剤や鎮痛剤を微量、持続的に投与するために使用する加圧式医薬品注入器であります。 一般的に病院施設内で使用されますが、一部では医師の管理指導のもと、在宅でも使用されております。本製品は電気を使用せず軽量で携帯ができ、局所麻酔剤や鎮痛剤を投与できるため、患者のQOL(Quality Of Life:生活の質)向上を考慮しております。 (主な製品) シリンジェクター 加圧方式に大気圧を利用した注入器であり、一定速度で薬液を注入いたします。 バルーンジェクター 加圧方式にバルーン(風船)の収縮力を利用した注入器であり、一定速度で薬液を注入いたします。比較的大容量の薬液を投与する際に使用いたします。 PCA装置 シリンジェクター及びバルーンジェクターに付属させて使用する装置であります。PCA(Patient Control Analgesia:患者自身による鎮痛法)装置を付属させた場合、患者自身の操作により一定範囲内で注入量を操作し、鎮痛のコントロールを行います。 エイミー 予め設定された流量又は投与量に従って持続投与、間欠投与又はボーラス投与を行う輸液ポンプであり、スマートフォンのアプリケーションを用いて術後疼痛管理を行います。 (3)電動ポンプ関連 麻酔関連の製品であり、極めて微量の薬液を精密に制御しながら持続的に投与するために使用するME機器(医用電気機器)であります。 (主な製品) シリンジポンプ 医薬品を充填したシリンジ(注射器)の押し子を制御することによって精密かつ持続的に医薬品を投与する機器であります。シリンジポンプは薬液投与の制御が高精度であるため、手術室や集中治療室等で使用いたします。 輸液ポンプ 医薬品を充填した輸液バッグやバイアル(医薬品容器)に輸液セットを接続し、その輸液セットのチューブをしごくことによって医薬品を投与する機器であります。輸液ポンプは、集中治療室や病棟等で使用いたします。 (4)手洗い設備関連 手洗い水装置関連の製品であり、手術室、集中治療室、病棟等において医療従事者の衛生的な手洗いに使用される設備装置であります。 (主な製品) ステリキープⅡ 水道配管設備に接続設置し、フィルター等で濾過を行い、手洗い用の無菌水又は殺菌水を供給する装置であります。 ワイペル 滅菌済みのディスポーザブルタオルであり、摩擦による脱落繊維がほとんど無く、繊維が手に残らず安全面を考慮した製品であります。 (5)その他 上述の4つの製品群に分類されない製品であります。 (主な製品) ブレスウォーム 手術室やその他処置室で患者の身体の一部を保護するために使用される不織布オイフで、吸湿発熱繊維(アクリレート系繊維)を配合することにより保温性を高めた製品であります。 気管支ブロッカーチューブ 胸部外科手術を行う際の分離肺換気を目的に使用されるカテーテルであり、先端に設置されたカフ(風船)を気管支内で膨張、閉塞させることで分離肺換気を行うものであります。 ダブルルーメン気管支チューブ 呼吸器外科手術などの際に分離肺換気を目的に使用されるチューブであります。 ディスポーザブル パルプシステム 従来、院内におけるポータブルトイレでの汚物処理は、プラスチック容器を洗浄・消毒して使い回しておりましたが、この容器を使い捨てにし、廃棄処理を容易にすることで、医療従事者や患者に衛生的で快適な医療環境を提供するシステムであります。 主要製品の取引関連図は次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題3,080字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は、「我々は現在の医療を見つめ明日の医療の創造を通して社会に貢献します。」という企業理念の下に、新しい医療の世界を切り開くべく未知なる技術と価値ある製品開発に全知全能を傾けております。 一.私たちは医療現場と協力し常に新しい医療機器の開発と需要の創造に努めます。 二.私たちは一人ひとりが不可能を可能にできるよう挑戦的に仕事にあたります。 三.私たちは社会人として又企業人として全人格的な成長を通して企業の発展のため励みます。 以上の基本方針3項目を掲げて当社事業運営の目的としており、全役職員が徹底実行し、医療を進化させ社会貢献できるよう日々取り組んでおります。また、当社製品ブランド名であるクーデック(COOPDECH)はクーデターバイテクノロジーという意味を持つ造語であり、独創の技術でドラスティックな医療革命を目指すという想いを表現しております。安易に時流に乗らず、常に新しい可能性に挑戦し続け、人が誰もやらない、しかも人類の生命に関する極めて価値の高い仕事を、当社の研究開発製品を通して形にしていきたいと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略 当社の研究開発の特徴は、麻酔・手術室関連の医師、看護師及び臨床工学技士を中心とした医療現場の潜在ニーズをできるだけ同じ目線で開発担当者が捉えるように努め、特許を含め独創的な技術を駆使して製品化することを基本理念としていることであります。また、当社は研究・開発から製造・販売に至るまで、基本的に全て一貫して行っており、量産に係わる生産技術・品質管理においてもISO規格(EN ISO 13485:2016)に基づき管理運営しております。今後とも現場第一主義を貫き、革新性・安全性を担保した新製品を確実に上市できる体制を維持強化してまいります。 以上のことを今後も継続させていきつつ、既存のトップラインの製品については更なるシェア向上を目指し、また、価格競争が激しい海外市場でも拡販でき、かつ新たな領域への進出を可能にする新製品の研究開発を進め、飛躍的な業績及び企業価値の拡大をできるだけ早い時期に実現させていく所存であります。 (3)目標とする経営指標 当社は、医療機器製造と医療機器販売が事業のほとんどであるため、売上高総利益率と売上高経常利益率が本業の収益性を明確に計るための有用な指標であると考えております。 新製品開発においては、ターゲットとする売上高総利益率を一律に定め、増加する研究開発費等の将来の成長に向けた投資を抑えることなく、会社全体として売上高経常利益率20%を念頭においた経営戦略の検討、活動を基本としております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の当社を取り巻く経営環境につきましては、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足による医療人材確保等、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきている中で、国内外のメーカーとの価格競争及び原材料価格の高騰や円安進展による仕入価格の高騰等により、引き続き厳しい状況で推移するものと思われます。 このような状況のもと、当社の営業・技術・製造が一体となって、医療現場においてより効率的で効果的な医療サービスを提供できるよう市場競争力を高め、さらなる業績の向上、企業価値の増大に向けて邁進するとともに、顧客にとって不可欠なパートナーであり続けることを目指して取り組んでまいります。また当社が対処すべき課題として以下のことに取り組んでまいります。 ① 既存製品の拡充・新製品の開発とその拡販 当社は、国内市場のマーケットリーダーとして「サクションの大研(吸引器…フィットフィックス、キューインポット)」、「ポンプの大研(注入器…シリンジェクター、バルーンジェクター、エイミーPCA)」のイメージをより一層定着させるとともに、独創的な製品の研究開発活動をさらに強化し、最先端医療を支える当社のイメージを確立するよう取り組んでおります。 中長期的な成長戦略の柱として推進している「マイクロポンプ関連製品」の第一弾である「クーデックエイミーPCA」は、2021年の発売以来、医療現場での評価を着実に積み重ねてまいりました。急性期の術後疼痛緩和から無痛分娩、在宅領域まで幅広い場面で採用が進み、現在では当社の注入器分野における主要製品の一つとして、安定した成長を続けております。 今後は、これまでの市場浸透をさらに確かなものとするとともに、「クーデックエイミーPCA」に続く後続製品の早期開発・上市を進め、「マイクロポンプ関連製品」を当社の新たな事業基盤へと育成してまいります。 ② 海外販売の拡充 当社の売上は依然として国内市場への依存度が高く、直近の海外売上高比率は5%未満にとどまっております。 国内のみならず「世界で戦える競争力をもった医療機器メーカー」への進化を掲げる中で、海外展開の強化は重要な経営課題の一つと認識しております。 現在進めている「クーデックエイミーPCA」の海外展開に向けた体制整備については、欧州市場への展開を最優先事項としており、欧州での販売に向け、有力パートナーとの強固な関係性を維持しながら、遅れが生じているMDR(欧州医療機器規則)の認証取得に向けた対応を着実に進めております。さらには、欧州のみならず、他地域での「クーデックエイミーPCA」の早期上市に向けた販売体制の構築も同時並行で進めております。 今後も、海外市場における製品ラインアップの拡充と販売網の強化を図り、グローバル市場での競争力向上に向けて取り組んでまいります。 ③ サプライチェーンの更なる高度化 インフレ進行や為替変動の影響により、原材料や部材の調達コストが上昇する傾向が続いております。加えて、中東情勢の混乱による影響もあり、当社を取り巻く外部環境として不確実性の高い状態が続くものと見込まれます。 このような外部環境の変化に対応し、製造コストの低減と安定的な供給体制を確立することは、当社にとって重要な経営課題となっております。 当社では、生産・在庫・物流等のデータを活用し、生産活動の最適化を図り、生産効率の向上、原価低減を進めるべく取り組んでおります。具体的には、リードタイムの短縮及び在庫量の適正化による物流改革、複数社購買・生産体制の再構築等によるサプライチェーンの最適化、加工歩留り等の製造効率の向上などに目標を定め継続的に取り組んでおります。 今後も、サプライチェーンの高度化と強靭化を推進し、安定的かつ効率的な生産体制の実現に努めてまいります。 ④ 優秀な人材の確保、教育の強化 当社の企業価値は、従業員一人ひとりの力によって創出されるものです。当社の競争力を高めるため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として活躍が期待できる中途採用も積極的に進めております。また、人材育成の面では、教育・研修プログラムの刷新を行い、成長機会の拡充に取り組んでおります。 さらに、従業員の給与水準の向上や効率的な働き方の実践など、人的投資の強化にも注力しております。これらの取り組みを通じて、優秀な人材の確保と育成を一層推進し、持続的な企業成長につなげてまいります。
事業等のリスク4,512字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)製品開発の進度に係るリスク 当社は、新技術や新製品の開発を目指し、研究開発投資や設備投資を行っておりますが、様々な環境動向等により、当社の事業成長を可能にする新製品研究開発の対応不足が生じると、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクが生じる可能性については、研究開発テーマの新規性や進歩性の程度による部分が大きいと考えますが、数ある開発テーマの中から現場ニーズと製品コンセプト、想定される投資採算などから開発テーマの選択と集中を慎重に検討実施し、製品開発過程の常時見直しと進行テーマの各フェーズにおけるチェック・確認機能の強化に取り組み、当社の開発リソースを最大限有効に活用できるよう取り組んでおります。 (2)製品の販売価格引下げに伴うリスク 国策としての医療費抑制政策によって償還価格(病院が特定保険医療材料を使用した場合に、国に対して請求する価格)は低下傾向にあり、医療機器販売業者による医療機関への販売価格もこれに連動し、低下傾向にあります。また、複数の医療機関の購買をまとめ上げた共同購買体制等もあり、医療機関のメーカーに対する販売価格下落圧力は強まっております。 当社において、原価低減や業務効率全般にわたっての改善を進めておりますが、効果が限定される場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対する対応策として、製品の市場動向、競合他社の状況、行政の動向等当社を取り巻く経営環境 に関する情報を的確かつ早期にキャッチアップし、中長期的な視点から次世代製品開発に反映することを前提 に、当社の強みである医療現場のニーズを汲み取った独創性の高い医療機器の開発、提供を強化、推進してまい ります。 (3)法的規制に伴うリスク 当社が行っております医療機器の開発、製造及び販売については、国内では医薬品医療機器法により規制を受けますが、改正法が2014年11月に施行され、品質管理、安全管理体制の一層の強化と充実が求められております。 これまで当社は医薬品医療機器法に係る許認可の否認や承認の取消しを受けたことはありませんが、医薬品医療機器法第75条においては当該取消事由が定められており、何らかの理由により当該取消事由が生じた場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 許可の種類   有効期限   関連する法令   取消等となる事由 第一種医療機器製造販売業許可   2030年3月   医薬品 医療機器法   第75条に該当した場合の取消 又は更新漏れ 医療機器製造業登録   2030年3月   〃   〃 高度管理医療機器等販売業許可   2026年10月~ 2031年10月   〃   〃 医療機器修理業許可   2027年10月~ 2031年1月   〃   〃 なお、欧州市場へ輸出するにはMDD/MDR(欧州医療機器指令/規則)の要求事項を満たす必要があり、米国市場へはFDA(連邦食品・医薬品・化粧品法)の要求事項を満たす必要があります。当社は輸出先国の法律に係る許認可の否認や承認の取消しを受けたことはありませんが、法規制等が変更、強化された場合は当社の業績及び事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。 当社の海外売上比率は、2026年3月期において3.2%であり、海外における法規制のリスクが当社の現状の業績に与える影響は小さいものと考えます。しかしながら、今後は、海外売上比率を高めていくことを中長期の成長の柱としておりますことから、海外市場の規制要求対応を含め海外拡販体制強化のための人員確保、育成に努め、中長期の事業拡大につなげてまいります。 (4)製品の安全性に係るリスク 当社は、高度な技術を要する医療機器を取り扱っており、品質管理の充実に常に努めておりますが、様々な要因による不良品発生や医療現場での不適切な取扱いの可能性を完全に否定することはできません。医療事故等が発生した場合には製造物責任によって係争等に発展する可能性があり、また製造工程での不具合発生により、自主回収を行う可能性があります。その場合は、特別的な損失として自主回収関連費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社の責に帰すべき事由による賠償責任の発生に対しましては、生産物賠償責任保険に加入することでそのリスクの軽減を図っております。 (5)特定製品への依存に係るリスク 当社の主力製品であるフィットフィックスを中心とした吸引器関連製品の売上比率が全体の60%を超えてきており、過度な価格競争による販売価格低下等により、当社の業績及び事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。吸引器関連の売上高及び売上比率は、2025年3月期 6,396百万円(64.3%)、2026年3月期 6,529百万円(63.5%)であります。 このため、当社の収益性は、より一層厳しさの増す医療機関の経営環境と特定製品への依存度の高い商品構成に起因した主力製品の販売単価下落に大きく影響を受けるリスクがあります。 ただし、吸引器関連でも病棟向けのキューインポットなど今後も高い成長性が見込まれるものもあり、中長期的には「マイクロポンプ関連製品」をはじめとしたラインナップ拡充に加え、大きな伸びしろとなりうる海外販売の拡大に向けた製品開発、体制準備を強力に進めることで収益構造の改善を図ってまいります。 (6)知的財産権に係るリスク 当社は研究開発に注力しており、知的財産権の確保並びに他社による知的所有権への侵害防止に努めておりますが、係争に発展する可能性を完全には否定できず、その場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、医療機器の製造販売には許可や承認を必要とし、比較的参入障壁が高い業界ではありますが、さらに競合他社を排除するため、当社は、自社開発製品を知的財産権で保護しております。医療現場と密接な関係を築き営業活動を行っておりますが、権利満了に伴う新規参入により競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 医療機関の医療事故に対する意識が非常に高いことから、総じて医療機器の商品サイクルは長くなっております。当社のトップライン製品につきましては、特許切れ以降も引き続き医療現場では高い評価を頂いておりますが、価格競争の点からも、当社といたしましては、信頼を得ている顧客を維持し、さらに満足度を高めるため、新たな特許を織り込んだ新製品開発を進めることで、権利満了による影響を最小化するよう努めております。 (7)人材確保、育成に係るリスク 医療現場の顧客満足度を高めていくためには、顧客の業務及び先進技術に関する専門知識を常に習得・蓄積する必要があり、事業推進に必要な人材を適時適切に確保し育成・活用できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 こうした課題に対処するため、当社は、従業員の給与水準の向上及び効率的な働き方を実践するなど、競争力確保のための人的投資強化施策を積極的に実施しております。働くうえで一層魅力的な企業となり、企業文化の継承力と創造性を併せ持った人材を育成して適所に配置することに努めてまいります。 (8)製造拠点の集中、自然災害に係るリスク 当社が販売している注入器関連製品は主に大阪府和泉市の当社アセンブリーセンターにて製造しております。製造工場が地震や火災等の災害を被った場合、生産設備の機能停止による製造停止、修繕費用発生等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製造委託先の業績悪化等サプライチェーンの崩壊により、生産に支障をきたした場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社といたしましては、複数社の購買体制、複数生産拠点体制を基本とし、リスクとコストのバランスを図りながら、最大限リスク低減を図れるよう取り組んでおります。 (9)中東情勢による原材料の価格変動および調達に関するリスク 当社製品に使用される主要原材料は、プラスチック等の石油関連製品を中心としており、これらの価格は原油・ナフサ等の国際市況や為替動向、地政学的リスクの影響を受けます。そのため、産油国の動向や需給バランスの変化等により原材料価格が高騰した場合、製造原価の上昇を通じて当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社の生産活動は外部サプライヤーからの原材料および部品の供給に依存しており、サプライヤーの需給逼迫や物流混乱等により供給が中断または遅延した場合、生産・出荷に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 加えて、原材料価格の上昇分を販売価格へ適時に転嫁できない場合には、収益性が低下する可能性があります。 これらのリスクに対しては、複数サプライヤーからの購買や新規調達先の開拓による調達先の多様化、代替原材料の検討、国内外の調達バランスの最適化等により安定供給体制の構築を図るとともに、適切なタイミングでの価格交渉やコスト低減施策を実施することでリスクの低減に努めております。 (10)為替相場の変動に伴うリスク 輸出による製品販売、輸入仕入取引においては、外貨建取引を行う場合もあり、為替相場の変動リスクがあります。現時点において、当社の海外売上比率は3.2%であり為替変動の影響は限定的でありますが、今後輸出取引が増えると為替リスクが高まる可能性があります。また、輸入仕入取引についても、その大部分が円建ての取引のため為替変動の影響は限定的でありますが、円安を主因として海外サプライヤーからの仕入価格の値上げ要求が高まることにより調達コストが高騰し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 為替変動リスクに関しましては、為替リスク管理規程を整備し、適切なリスクヘッジの検討ができる体制を構築し、為替予約等によりリスク低減できる環境を整えております。また、仕入価格の高騰については、サプライチェーンの高度化、生産効率化等、原価低減活動により、調達コストの削減の取り組みを進めております。 (11)ITセキュリティに係るリスク 当社では、生産管理、販売管理、会計や決済業務、開発設計など主要な業務について、ITを活用しております。外部からのサイバー攻撃等により、サービスの停止や、機密情報等の情報漏洩等が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、文書・情報管理に関する規定を整備し、情報セキュリティに関する各種インフラ整備や社員教育等を行うことにより、情報セキュリティを強化し、リスク低減を図っております。
経営成績の分析 (MD&A)7,250字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、内需の回復を背景に、緩やかながら景気回復基調で推移しました。しかしながら、物価上昇の継続による個人消費の下押し、中東情勢による原油高、アメリカの通商政策による収益圧迫など、企業を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。 また、当社を取り巻く事業環境は、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足等、各医療機関の経営環境はよ り一層厳しさが増してきており、医療現場においてより効率的で効果的な医療サービスを提供できるような製品供 給体制が望まれております。 このような状況のもと、当社は、高品質製品の常時安定供給を優先事項と掲げ、医療現場と密着した営業活動の推進、品質を確保しながらもコスト競争力をもった生産体制の構築並びに独創的な製品の研究開発活動の強化に取り組んでまいりました。 これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて185百万円増加し、11,366百万円となりました。 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて75百万円減少し、3,589百万円となりました。 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて261百万円増加し、7,777百万円となりました。 b.経営成績 当事業年度の経営成績については、次のとおりです。 売上高  10,290百万円 (前期比増減 339百万円増 (前期比   3.4%増) ) 営業利益 1,277百万円 (前期比増減 234百万円減 (前期比  15.5%減) ) 経常利益 1,274百万円 (前期比増減 235百万円減 (前期比  15.6%減) ) 当期純利益 922百万円 (前期比増減 174百万円減 (前期比  15.9%減) ) なお、経常利益の前事業年度との増減内容は次のとおりです。 販売数量の増加等による売上総利益の増加 +140百万円 その他製造原価増減等による売上総利益の減少 △285百万円 販管費等の増加による減少  △91百万円 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて217百万円減少し、2,778百万円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社の事業は、医療機器等の製造販売及びこれらの付随業務の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、当社の製品群別に記載しております。 a.生産実績 当事業年度における生産実績を製品群別に示すと、次のとおりであります。 製品群   生産高(千円)   前期比(%) 吸引器関連   4,071,299   +10.2 注入器関連   1,534,756   +5.2 電動ポンプ関連   121,140   +58.0 手洗い設備関連   293,227   +14.6 その他   306,042   +28.4 合計   6,326,465   +10.5 (注)金額は、製造原価により算定しております。 b.受注実績 当社は、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当事業年度における販売実績を製品群別に示すと、次のとおりであります。 製品群   販売高(千円)   前期比(%) 吸引器関連   6,529,449   +2.1 注入器関連   2,317,102   +4.5 電動ポンプ関連   190,464   △12.6 手洗い設備関連   651,272   +5.4 その他   602,694   +19.8 合計   10,290,984   +3.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 このうち重要な会計上の見積りとして「変動対価(売上取引に係る未確定の値引額)の額の見積り」があります。当社の顧客が当社製品をユーザーに販売した後、値引の請求を当社が受ける場合がありますが、同一製品であっても顧客がどのユーザーに販売するかによって値引額は変動することとなります。そのため、事業年度末において顧客からユーザーへの販売がまだ行われておらず、顧客からの値引請求額が未確定の部分について、顧客と約束した対価のうち変動する可能性のある部分であり、変動対価に該当します。当社は、当該変動対価の額を見積り、売上高に反映させています。なお、顧客が保有する製品をどのユーザーに販売するかは事業年度末時点で未確定であることから、顧客が過去実績と同一の販売比率でユーザーに販売するという仮定の下、主要な顧客や製品群ごとの過去一定期間の実績値引率に基づいて、変動対価の額を見積っております。 その他の重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等 1)財政状態 (資産合計) 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて185百万円増加し、11,366百万円となりました。 流動資産は、前事業年度末に比べて43百万円増加し、7,028百万円となりました。これは主として、現金及び預金が217百万円減少したものの、製品が148百万円、売掛金が89百万円それぞれ増加したこと等によるものです。 固定資産は、前事業年度末に比べて142百万円増加し、4,338百万円となりました。これは主として、有形固定資産が112百万円、投資その他の資産が20百万円それぞれ増加したこと等によるものです。 (負債合計) 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて75百万円減少し、3,589百万円となりました。 流動負債は、前事業年度末に比べて108百万円減少し、2,721百万円となりました。これは主として、短期借入金が200百万円増加したものの、電子記録債務が371百万円減少したこと等によるものです。 固定負債は、前事業年度末に比べ32百万円増加し、867百万円となりました。これは主として、長期借入金が21百万円増加したこと等によるものです。 (純資産合計) 純資産は、前事業年度末に比べて261百万円増加し、7,777百万円となりました。これは主として、当期純利益を922百万円計上し、配当金を660百万円支払ったことによる利益剰余金の差引増加等によるものです。 2)経営成績 (売上高) 売上高は、10,290百万円(前年同期比3.4%増)となりました。これは主として、フィットフィックス(吸引器関連)及びクーデックエイミーPCA(注入器関連)の販売が好調に推移したこと等によるものです。 (営業利益) 営業利益は、1,277百万円(前年同期比15.5%減)となりました。これは主として、売上高が増加したものの、材料コストの上昇による売上総利益の減少並びに、人件費及び研究開発費の増加により販売費及び一般管理費が増加したこと等によるものです。 (経常利益) 経常利益は、1,274百万円(前年同期比15.6%減)となりました。これは主として、営業利益が減少したこと等によるものです。 (当期純利益) 当期純利益は、922百万円(前年同期比15.9%減)となりました。これは主として、経常利益が減少したこと等によるものです。 3)キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて217百万円減少し、2,778百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得られた資金は567百万円(前期比553百万円減)となりました。これは主として、税引前当期純利益を1,246百万円、減価償却費を258百万円それぞれ計上したものの、仕入債務が350百万円減少し、法人税等を372百万円支払ったこと等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は330百万円(前期比161百万円増)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により、327百万円支出したこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により使用した資金は455百万円(前期比240百万円減)となりました。これは主として、長期借入れにより500百万円調達したものの、配当金を660百万円支払い、長期借入金の返済額として488百万円支出したこと等によるものです。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の経営に影響を与える大きな要因として、医療費抑制政策をはじめとする国による社会保障政策への動向があります。医療費の抑制に加え、医療現場における感染症への対応、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足等、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきており、国内外メーカーとの競争激化等により、当社の経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。 このような状況の中、当社の強みである医療現場と密着した製品開発、営業活動にもとづく新たな医療サービスを提供できる独創的な新製品開発と生み出された新製品の販売推進により他社の追随を許さないトップメーカーとしての地位の確保と新市場創出、開拓を推進してまいります。 当社の主力製品の状況は次のとおりです。 (吸引器関連) 主に手術室で使用される吸引器「フィットフィックス」は、1990年の発売から30年以上が経過しておりますが、手術件数の増加に伴い、販売数量は引き続き増加傾向にあります。一方、病棟で使用される「キューインポット」は、院内感染防止および看護師の業務負担軽減への貢献を背景に、普及が進んでおります。 当社は、手術室分野で培ったノウハウを活かし、これまで300床以上の急性期大規模病院において高いシェアを維持してまいりましたが、近年は300床未満の中小病院や慢性期病院への展開にも注力し、新規採用の拡大を図っております。 このような状況のもと、当事業年度におきましては、フィットフィックスの販売量が堅調に推移したことにより、吸引器関連の年間売上高は6,529百万円(前期比2.1%増)となりました。 今後も、フィットフィックスの安定的な販売拡大とキューインポットのさらなる拡販・市場浸透を推進するとともに、原材料価格の高騰に対応した適切な価格転嫁を進め、増収の確保に取り組んでまいります。 (注入器関連) 手術後の疼痛管理に使用されるディスポーザブル持続注入器「シリンジェクター」および「バルーンジェクター」については、麻酔手技の変化や医療経済性の観点から、医療現場のニーズに変化が見られております。 当社はこれに対応すべく、製品ラインナップの強化を目的として、マイクロポンプを採用した高い流量精度と優れた管理性を有する持続注入器の開発を進めてまいりました。完成した新製品「クーデックエイミーPCA」については拡販を推進しており、当初想定していた急性期医療機関に加え、在宅医療や無痛分娩などの産科領域を含む多様な分野からの引き合いが増加しております。これらを背景に、本製品は当社の事業領域拡大に寄与する重要な製品と位置付けております。 このような状況のもと、当事業年度におきましては、手術件数が堅調に推移したことに加え、「クーデックエイミーPCA」の販売が好調に推移したことにより、注入器関連の年間売上高は2,317百万円(前期比4.5%増)となりました。 今後は、差別化された製品力とトップシェアメーカーとしての営業力を最大限に発揮し、新製品の拡販を推進するとともに、市場シェアのさらなる拡大を図り、増収の確保に取り組んでまいります。 上記に記載した主力製品が当社事業の大半を占めるため、その売上進展及びその収益性が当社の営業利益、経常利益、当期純利益に大きく影響することとなります。 当社といたしましては、医療に従事するメーカーとして人命の安全を確保しながらも製品の安定供給を果たすための生産・供給体制の構築を経営課題と認識し、取り組んでおります。 また、「医療現場第一主義」の研究開発型メーカーとして当社の特徴でもある独創的な製品を開発し、供給することにより医療現場が抱える課題解決を図っていくことを第一に考えながら、新製品については、国内のみならず海外での販売拡大を目指し、海外販売比率を高めることで事業規模の拡大とさらなる経営基盤の強化・確立を図ってまいります。 c.資本の財源及び資金の流動性 (資金需要) 当社の事業活動における運転資金需要につきましては、製品を製造するための国内外の仕入先からの部材仕入、製造経費、営業管理費や荷造運賃などの販売費及び一般管理費があります。 設備資金需要につきましては、製品製造にあたっての設備の維持・金型の更新投資や新製品開発にあたっての設備や金型の新規投資があります。さらには、インフラとして生産効率や事務効率の向上を目的とした投資等があります。 (財務政策) 当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入による資金調達を行っております。基本的に、経常的な設備投資については、減価償却費の範囲内にとどめ、一定程度のキャッシュポジションを維持した上で余剰資金については有利子負債の削減に充当しております。 また、過度に金利変動リスクに晒されないよう短期借入と長期借入のバランスを図りつつ、タイミングをみて長期借入へシフトするなど、資金調達コストの低減・安定にも努めております。 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高総利益率と売上高経常利益率が本業の収益性を明確に図るための有用な指標であると考えております。当事業年度における「売上高総利益率」は、38.4%(前期比2.8ポイント悪化)であります。また、「売上高経常利益率」については、12.4%(前期比2.8ポイント悪化)であります。 主要2指標の悪化の主要因は、主力製品であるフットフィックスの堅調な売れ行きと新製品(特にクーデックエイミーPCA)の販売が好調に推移したものの、為替の影響により主力製品の輸入材料の調達コストが上昇したことが売上総利益率の悪化に繋がりました。 売上高経常利益率の悪化につきましては、売上総利益が減少したこと、人件費及び研究開発費の増加により販売費及び一般管理費が増加したこと等の影響によります。 当該経営目標数値の達成に向けた計画骨子として、下記3点の重点施策を実施してまいります。 1.既存事業における収益基盤の強化 主としてキューインポットの慢性期病院への拡販を推進し、潜在市場への普及拡大を図ります。加えて、療養・在宅領域向けに開発中の電動式キューインポットについて、早期の市場投入を実現し、療養施設および在宅市場への展開も加速させ、潜在需要の顕在化と市場拡大を推進してまいります。 また、既存製品については採用シェアの維持・強化に加え、市場環境に応じた価格戦略を適時実行し、吸引器を中心とした強固な収益基盤を確立します。 これらを通じて、新規成長領域への投資余力の創出を図ります。 2.サプライチェーンの高度化 生産・在庫・物流等のデータを活用し、生産活動の最適化を図り、生産効率の向上、原価低減を進めてまいります。具体的には、リードタイムの短縮及び在庫の適正化による物流改革、複社購買・生産体制の再構築等によるサプライチェーンの最適化、加工歩留り等の製造効率の向上などに目標を定め、粗利益増加、粗利率の改善を図ります。 3.中長期的成長エンジンとなるマイクロポンプ関連製品の投入と開発 マイクロポンプ関連製品の第1弾製品として上市した「クーデックエイミーPCA」の拡販を進めてまいります。 当社の主戦場である急性期の医療機関への拡販に本腰を置きながらも潜在的にニーズの高い在宅市場やクリニックへの展開も積極的に推進してまいります。 さらには、マイクロポンプをキーデバイスとした注入器分野での派生商品の開発にも着手しており、早期上市、拡販に向けた取り組みを進めております。 当社といたしましては、医療現場のニーズを汲み取った改良品の上市や既存製品の拡販により競争力強化を図ること、新製品の上市により新たな事業の柱を創出することにより、特定製品に依存した収益構造からの脱却を図り、売上高総利益率の改善に努めるとともに、生産効率の改善や固定費削減にも取り組み収益性の改善に努めてまいります。

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開示資料

出典

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