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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

大和証券グループ本社

Daiwa Securities Group Inc.8601 · Prime · 証券、商品先物取引業

総合証券グループ。リテール・ホールセール・アセットマネジメントを柱に、国内外で投資・金融サービスを展開。

概要

大和証券グループ本社は、1943年に藤本証券と日本信託銀行の合併で誕生した総合証券グループである。個人向けリテール証券、法人向け投資銀行、アセットマネジメントの3事業を中核とし、国内外の主要金融市場に拠点を有する。2025年3月期の経常収益は約1.37兆円、純利益は約1,544億円、連結従業員数は約1.5万人に達する。

リテール・ホールセール・アセットマネジメントの3事業体制

当社グループは、ウェルスマネジメント部門(個人向けリテール)、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門(法人・機関投資家向けホールセール)、アセットマネジメント部門の3つを主要な事業セグメントとする。リテール部門では国内の個人顧客に株式・債券の売買仲介や投資信託販売、資産運用アドバイスを提供し、約1.5万人の従業員が支える。ホールセール部門では株式・債券の引受けやM&Aアドバイザリー、デリバティブ取引などを手掛け、グローバルなセールス&トレーディング網を展開する。アセットマネジメント部門では投資信託や年金基金の運用、投資一任サービスを提供し、グループの中核子会社である大和アセットマネジメント㈱が運用を担う。この3事業の収益を合計した「ベース利益」を経営の重要指標と位置づけ、外部環境に左右されにくい収益構造の構築を目指している。

グローバルネットワークと地域展開

当社グループは日本を起点に、欧州、アジア、米州の主要金融市場に営業拠点を設置している。1964年にニューヨーク駐在員事務所を開設した後、ロンドン(1964年)、香港(1970年)、シンガポール(1972年)と相次いで拠点を設け、現在では大和証券キャピタル・マーケッツアメリカInc.、大和証券キャピタル・マーケッツヨーロッパリミテッド、大和証券キャピタル・マーケッツ香港リミテッドなどの現地法人が活動する。1999年には台北にも拠点を設立し、台湾市場でのプレゼンスを強化した。これらのネットワークを通じて、世界中の顧客の資金調達と運用の双方のニーズに対応するグローバルなサービスを提供している。連結対象は138社の子会社と39社の持分法適用会社に及び、国内外で幅広い金融サービスを展開する。

持株会社体制への移行と分業戦略

1999年4月、当社は持株会社体制に移行し、商号を「㈱大和証券グループ本社」に変更した。同時に、リテール証券業務を新設の「大和証券㈱」へ、ホールセール証券業務を「大和証券エスビーキャピタル・マーケッツ㈱」へそれぞれ譲渡し、事業を分離した。この分業戦略により、個人向けと法人向けで異なる経営資源を集中的に配分できる体制を整えた。その後、2001年にはさくら証券㈱から営業の全部を譲り受け、大和証券エスエムビーシー㈱に商号変更するなど、ホールセール部門の強化を図った。持株会社はグループ会社の支配・管理に専念し、各事業会社が専門性を高めることで、総合証券グループとしての競争力を維持している。

アセットマネジメントと不動産投資への進出

当社グループのアセットマネジメント事業は、1959年に設立した大和証券投資信託委託㈱(現大和アセットマネジメント㈱)に始まる。投資信託の設定・運用、年金基金の運用受託、投資一任サービスを主力とし、国内外の株式・債券に分散投資する商品を提供する。2009年には㈱ダヴィンチ・セレクト(現大和リアル・エステート・アセット・マネジメント㈱)の全株式を取得し、不動産アセットマネジメントビジネスに参入した。これにより、不動産ファンドの運用や物件ソーシングの機能をグループ内に取り込み、運用残高の拡大を図っている。アセットマネジメント部門はグループの安定的な収益源として位置づけられ、ベース利益の構成要素の一つとなっている。

業界の中での役割は証券会社・金融サービスプロバイダーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.5兆円
営業利益
2,073億円
営業利益率
14.1%
純利益
1,753億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01個人投資家(リテール)主力

日本国内の個人顧客向けに、株式・債券・投資信託などの売買、資産運用アドバイス、保険販売等のリテール証券業務を提供。

主な製品・サービス2
リテール証券業務
個人向け株式・債券の売買仲介、投資信託の販売、保険商品の販売等。
資産運用アドバイス
ファイナンシャルプランナーによる資産設計・運用相談サービス。

02法人・機関投資家(ホールセール)主力

国内外の法人・機関投資家向けに、株式・債券の引受け、M&Aアドバイザリー、デリバティブ取引、グローバル市場でのセールス&トレーディングを提供。

主な製品・サービス3
引受業務
株式・債券の公募・売出しの引受け。
M&Aアドバイザリー
企業の合併・買収に関する助言・仲介。
セールス&トレーディング
株式、債券、為替、デリバティブ等の売買執行。

03アセットマネジメント準主力

投資信託、年金基金等の運用受託、および投資一任契約に基づく資産運用サービスを提供。

主な製品・サービス3
投資信託の運用
国内外の株式・債券等に投資する投資信託の設定・運用。
年金基金運用
企業年金基金等の資産運用受託。
投資一任サービス
顧客から運用を一任され、資産配分を決定。

04銀行業副次

グループ内の銀行(大和ネクスト銀行等)を通じて、預金、ローン等の銀行サービスを提供。

主な製品・サービス2
預金
普通預金、定期預金等。
ローン
住宅ローン、カードローン等。

05その他金融その他

ベンチャーキャピタル、不動産関連金融等を含む。

製品と技術

個人向けリテール証券と資産運用アドバイス

当社グループのウェルスマネジメント部門が提供するリテール証券業務は、国内の個人顧客を対象とした株式・債券の売買仲介、投資信託の販売、保険商品の販売などからなる。全国の営業拠点に配置されたファイナンシャルプランナーが、顧客の資産状況やライフプランに応じた資産設計・運用相談サービスを提供する。また、デジタルマーケティングによるタイムリーな情報提供や、ワークプレイス(職域)ビジネスを通じた顧客基盤の拡大も進めている。銀行業務との連携により、富裕層向けのオーダーメイドソリューションも展開する。

法人向け投資銀行業務:引受けとM&Aアドバイザリー

グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門は、国内外の法人・機関投資家向けに株式・債券の公募・売出しの引受け業務を提供する。また、企業の合併・買収に関する助言・仲介(M&Aアドバイザリー)も手掛け、大規模なクロスボーダー案件にも対応する。さらに、デリバティブを含むセールス&トレーディング業務を通じて、株式、債券、為替、金利などの売買執行サービスを提供する。これらの業務は、資金調達を図る企業と運用を求める投資家の仲介役として、資本市場の機能を支える。

アセットマネジメント:投資信託から年金運用まで

大和アセットマネジメント㈱を中心とするアセットマネジメント部門は、国内外の株式・債券に投資する投資信託の設定・運用を行う。個人投資家向けの公募投信に加え、企業年金基金等の機関投資家からの運用受託(年金基金運用)も主要な業務である。また、顧客から運用を一任される投資一任サービスでは、資産配分の決定からリスク管理までを包括的に提供する。オルタナティブ商品として、不動産ファンドや再生可能エネルギー関連ファンドの運用も拡大している。

銀行業務とその他金融サービス

グループ内の大和ネクスト銀行を通じて、預金(普通預金、定期預金)やローン(住宅ローン、カードローン)などの銀行サービスを提供する。これは、リテール顧客の資産管理における利便性を高めるとともに、富裕層向けのソリューションとしての役割も持つ。その他金融サービスとしては、ベンチャーキャピタル投資や不動産関連金融などがあり、大和キャピタル・ホールディングス傘下の子会社が運営する。これらの多角的なサービスにより、顧客の多様なニーズに対応している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

証券、商品先物取引業のなかでの位置

大手総合証券、法人・個人に強み

大和証券グループ本社は国内大手総合証券の一角を占め、法人向け投資銀行業務と富裕層向けリテール営業に強みを持つ。直近の営業利益率は12.15%(2025/3期)で、収益性は同業他社と比較して中位。業界内では野村證券などが競合となるが、バランスのとれた収益基盤が特長。一方、AIフュージョンキャピタルグループ(254A)のような新興オンライン証券や、SBIリーシングサービス(5834)など非伝統的サービスとの競合が増加。大手としてのブランド力と顧客基盤で差別化を図るも、デジタル対応の遅れや市場変動リスクへの依存が課題。

強み

  • リテール、ホールセール、アセットマネジメントなど多角的な事業展開で安定収益を確保。
  • 全国の支店網と資産コンサルティングで高額資産家に強みを持ち、手数料収入が安定。
  • M&Aや株式引受で多くの実績があり、企業顧客との強固なリレーションを構築。
  • 長い歴史と知名度で個人・法人双方からの信頼が厚く、新規顧客獲得に寄与。

課題

  • ネット証券の低コスト戦略に押され、若年層へのリーチが不足している。
  • 株式相場や金利動向に収益が左右されやすく、市況悪化時に業績が悪化。
  • 対面営業中心のコスト体質で、収益変動時にも固定費負担が重い。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

証券・カード・リースの時価総額近傍。太字が大和証券グループ本社

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
18316三井住友フィナンシャルグループ26.7兆円15.6倍
28591オリックス7.1兆円11.2倍
33382セブン&アイ・ホールディングス5.3兆円17.2倍
48604野村ホールディングス5.0兆円12.1倍
58267イオン3.8兆円50.7倍
68601大和証券グループ本社2.9兆円14.7倍
78697日本取引所グループ2.2兆円36.5倍
87186横浜フィナンシャルグループ2.2兆円20.4倍
98331千葉銀行2.2兆円19.2倍
108473SBIホールディングス2.1兆円5.2倍
118593三菱HCキャピタル2.1兆円14.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(証券・カード・リース)に従っています。

会社の歴史

沿革 30件

藤本証券と日本信託銀行の合併で発足した1943年

1943年12月、藤本証券㈱と㈱日本信託銀行が対等合併し、大和証券㈱を設立した。この合併により、証券仲介業務と信託銀行業務の両方を有する金融機関が誕生した。1948年には証券取引法に基づく証券業者登録を行い、1949年4月には東京証券取引所に会員として加入し、株式市場での活動を本格化させた。証券業の基礎を固めたこの時期が、後の総合証券グループへの道筋となる。

海外拠点の開設と国際展開の始まり(1960~1970年代)

1959年6月にニューヨーク駐在員事務所を開設したのを皮切りに、1964年にはロンドン駐在員事務所を設け、欧米市場への足がかりを築いた。同年12月にはニューヨークに現地法人「大和セキュリティーズアメリカInc.」を設立し、現地での証券業務を開始した。1970年には香港、1972年にはシンガポールに相次いで子会社を設立し、アジア市場への進出を加速させた。これらの拠点は、後のグローバルネットワークの基盤となり、日本企業の海外資金調達や海外投資家の日本株取引を支援する役割を果たす。

総合証券免許取得と上場による資本基盤の強化

1968年4月、改正証券取引法に基づき、大蔵大臣より総合証券会社としての免許を取得した。これにより、引き受けや自己売買など幅広い業務を法的に行える体制が整った。1961年10月には東京、大阪、名古屋の各証券取引所市場第二部に株式を上場し、1970年2月には第一部に指定替えとなった。上場による資金調達で資本基盤を強化し、後の事業拡大の原資とした。

持株会社制への移行とリテール・ホールセール分離(1999年)

1999年4月、大和証券㈱は持株会社に移行し、商号を㈱大和証券グループ本社に変更した。リテール証券業務は新設の大和証券㈱へ、ホールセール証券業務は大和証券エスビーキャピタル・マーケッツ㈱へ譲渡され、事業が完全に分離された。この再編により、個人向けと法人向けで異なる経営戦略を追求できる体制となり、それぞれの部門が専門性を高めることが可能となった。また、グループ全体の統括機能を本社に集中させ、効率的な経営資源配分を実現した。

さくら証券の営業譲受とホールセール部門の再編(2001年)

2001年4月、大和証券エスビーキャピタル・マーケッツ㈱がさくら証券㈱から営業の全部を譲り受け、商号を大和証券エスエムビーシー㈱に変更した。これにより、ホールセール部門の顧客基盤と営業拠点が拡大し、株式・債券の引受けやM&Aアドバイザリーにおける競争力が強化された。同年10月には子会社「大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ㈱」を設立し、プリンシパル投資業務にも進出。2002年にはベンチャーキャピタル子会社の株式をジャスダックに上場させるなど、投資事業の多角化を進めた。

不動産アセットマネジメントへの参入と安定的収益基盤の構築(2009年)

2009年7月、当社は㈱ダヴィンチ・セレクト(現大和リアル・エステート・アセット・マネジメント㈱)の全株式を取得し、不動産アセットマネジメント事業に参入した。これにより、投資信託や年金運用に加え、不動産ファンドの運用という新たな収益の柱を得た。同年9月にはベンチャーキャピタル子会社の上場を廃止し、グループ内の資本効率を見直す動きも見られた。不動産アセットマネジメントはグループのベース利益の一部として、安定的な収益貢献を期待されている。

年表30件を開く

1940年代

  • 1943年12月M&A「藤本証券㈱」と「㈱日本信託銀行」が対等合併し、「大和証券㈱」を設立。
  • 1948年10月証券取引法による証券業者登録。
  • 1949年4月東京証券取引所に会員として加入。

1950年代

  • 1959年6月ニューヨーク駐在員事務所開設。
  • 1959年12月「大和証券投資信託委託㈱」(現「大和アセットマネジメント㈱」)設立。

1960年代

  • 1961年10月上場当社株式を東京、大阪、名古屋の各証券取引所市場第二部に上場。
  • 1964年4月ロンドン駐在員事務所開設。
  • 1964年12月創業ニューヨークに「大和セキュリティーズアメリカInc.」設立。(現「大和証券キャピタル・マーケッツアメリカInc.」)
  • 1968年4月改正証券取引法による総合証券会社として、大蔵大臣より免許を受ける。

1970年代

  • 1970年2月上場当社株式を東京、大阪、名古屋の各証券取引所市場第一部に上場。
  • 1970年12月創業香港に「大和証券国際(香港)有限公司」設立。(現「大和証券キャピタル・マーケッツ香港リミテッド」)
  • 1972年6月創業シンガポールに「DBS・大和セキュリティーズインターナショナルLtd.」設立。(現「大和証券キャピタル・マーケッツシンガポールリミテッド」)
  • 1975年8月「大和コンピューターサービス㈱」設立。(「㈱大和総研ホールディングス」)

1980年代

  • 1981年3月創業ロンドンに「大和ヨーロッパリミテッド」設立。(現「大和証券キャピタル・マーケッツヨーロッパリミテッド」)
  • 1982年5月「㈱大和証券経済研究所」設立。(「㈱大和総研ホールディングス」)
  • 1982年8月「日本インベストメント・ファイナンス㈱」設立。(「㈱大和キャピタル・ホールディングス」)
  • 1983年8月「大和システムサービス㈱」設立。(「㈱大和総研ホールディングス」)
  • 1983年10月「大和ファイナンス㈱」設立。(「㈱大和キャピタル・ホールディングス」)
  • 1989年8月創業「大和コンピューターサービス㈱」、「㈱大和証券経済研究所」及び「大和システムサービス㈱」が合併し、「㈱大和総研」発足。(「㈱大和総研ホールディングス」)

1990年代

  • 1990年3月創業ニューヨークに「大和アメリカCorporation」設立。(現「大和証券キャピタル・マーケッツアメリカホールディングスInc.」)
  • 1999年1月創業台北に「大和全球証券(股)」設立。(現「大和國泰證券(股)」)
  • 1999年4月商号変更ホールセール証券業務を「大和証券エスビーキャピタル・マーケッツ㈱」へ譲渡、同社営業開始。リテール証券業務を(新)「大和証券㈱」へ譲渡、同社営業開始。(旧)「大和証券㈱」はグループ会社の支配・管理を目的とする持株会社となり、「㈱大和証券グループ本社」に商号変更。

2000年代

  • 2000年4月M&A「大和ファイナンス㈱」が「日本インベストメント・ファイナンス㈱」と合併、「エヌ・アイ・エフ ベンチャーズ㈱」(「㈱大和キャピタル・ホールディングス」)に商号変更。
  • 2001年4月商号変更「大和証券エスビーキャピタル・マーケッツ㈱」がさくら証券㈱から営業全部を譲受け、「大和証券エスエムビーシー㈱」に商号変更。
  • 2001年10月「大和証券エスエムビーシー㈱」の100%子会社として、「大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ㈱」を設立。(現「大和PIパートナーズ㈱」)
  • 2002年3月上場「エヌ・アイ・エフ ベンチャーズ㈱」(「㈱大和キャピタル・ホールディングス」)株式をジャスダック市場に上場。
  • 2005年10月M&A「エヌ・アイ・エフ ベンチャーズ㈱」が「SMBCキャピタル㈱」と合併、「エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ㈱」(「㈱大和キャピタル・ホールディングス」)に商号変更。
  • 2008年10月商号変更(旧)「㈱大和総研」が会社分割による組織再編を行い、(新)「㈱大和総研」と「㈱大和総研ビジネス・イノベーション」を子会社とする持株会社となり、「㈱大和総研ホールディングス」に商号変更。「エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ㈱」が「大和SMBCキャピタル㈱」(「㈱大和キャピタル・ホールディングス」)に商号変更。
  • 2009年7月「㈱ダヴィンチ・セレクト」(現「大和リアル・エステート・アセット・マネジメント㈱」)の全株式を取得し、不動産アセットマネジメントビジネスに参入。
  • 2009年9月上場「大和SMBCキャピタル㈱」(「㈱大和キャピタル・ホールディングス」)株式のジャスダック証券取引所における上場を廃止。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち3項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 連結経常利益2026年度まで2,400億円以上
  • 連結ROE2026年度まで10%程度
  • ベース利益2026年度まで1,500億円

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    お客様の資産価値最大化

    お客様のニーズや課題を深く理解し、状況や経済環境に応じた最善・最適で質の高いソリューションを提供することを経営基本方針とし、総資産コンサルティングの高度化を推進する。

  2. 02

    ウェルスマネジメントの深化と拡大

    富裕層や法人向けのオーダーメイドで付加価値の高い商品・サービスを拡充し、デジタルマーケティングによるタイムリーなサービス提供、外部提携や職域ビジネスによる顧客基盤拡大に取り組む。

  3. 03

    アセットマネジメントの高度化

    幅広い投資家層に訴求する運用商品の確立、オルタナティブ商品の展開、外部提携による運用力強化、不動産アセットマネジメントとの連携強化で運用残高の拡大を図る。

  4. 04

    投資銀行・市場部門の強化

    多様なプロダクトと高度なソリューションを提供し、グループ連携によりビジネス基盤を拡大、未上場企業へのソリューション提供やM&Aを強化、経営資源の再配分で収益性を高める。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で14,984人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,793万円で、9期前と比べて+69.7%平均年齢は41.6歳、平均勤続年数は15.2年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月13,836
2018年3月14,791
2019年3月1,05741.915.115,196
2020年3月1,01542.315.415,320
2021年3月1,00742.114.815,096
2022年3月1,22040.315.214,889
2023年3月1,22340.414.714,731
2024年3月1,30040.814.314,600
2025年3月1,62640.913.714,7831,128
2026年3月1,79341.615.214,9841,383

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率19.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)77.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社21(国内 19 / 海外 2、うち連結子会社 18) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
大和証券キャピタル・マーケッツヨーロッパリミテッド — イギリス ロンドン市 他742百万円
グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門 その他
大和証券キャピタル・マーケッツアメリカInc. — アメリカ ニューヨーク市他525百万円
グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門 その他
大和証券キャピタル・マーケッツ香港リミテッド — 中国 香港 特別行政区28百万円
グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門 その他
主な関係会社
  • 国内
    大和証券株式会社(注)2、5
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大和アセットマネジメント株式会社(注)2
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権80.0%
  • 国内
    株式会社大和総研
    東京都江東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社大和証券ビジネスセンター
    東京都江東区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大和証券ファシリティーズ株式会社
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社大和ネクスト銀行(注)2
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大和企業投資株式会社
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大和PIパートナーズ株式会社
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大和エナジー・インフラ株式会社
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大和証券リアルティ株式会社
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    大和証券オフィス投資法人(注)2、3
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権42.0%
残りのグループ会社9社を開く
  • サムティ・レジデンシャル投資法人(注)2、3東京都千代田区40%
  • 大和証券キャピタル・マーケッツヨーロッパリミテッド(注)2イギリス ロンドン市100%
  • 大和証券キャピタル・マーケッツ香港リミテッド(注)2中国 香港特別行政区100%
  • 大和証券キャピタル・マーケッツシンガポールリミテッドシンガポール シンガポール市100%
  • 大和証券キャピタル・マーケッツアメリカホールディングスInc.(注)2アメリカ ニューヨーク市100%
  • 大和証券キャピタル・マーケッツアメリカInc. (注)5アメリカ ニューヨーク市100%
  • 株式会社あおぞら銀行(注)3東京都千代田区24%
  • 三井住友DSアセットマネジメント株式会社東京都港区24%
  • 大和証券リビング投資法人(注)3東京都中央区16%
国際子会社 (GLEIF登録 7社)
  • JP大和企業投資株式会社
  • JPDAIWA INTERNATIONAL HOLDINGS INC.
  • JP株式会社大和ネクスト銀行
  • INDAIWA CAPITAL MARKETS INDIA PRIVATE LIMITED
  • JP大和アセットマネジメント株式会社
  • GBDAIWA CORPORATE ADVISORY LIMITED
  • JP大和証券株式会社

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.5兆円営業利益2,073億円前期と比べると増収増益で、売上が+7.0%、利益が+24.4%。

売上高
+7.0%
1.5兆円
営業利益
+24.4%
2,073億円
純利益
+13.5%
1,753億円
営業利益率
14.1%
前期比 +2.0%pt

四半期の推移

10期分

直近は2026年4Qで、営業収益は1.1兆円、営業利益は1,213億円。前年の2025年4Qと比べると、営業収益は+7.4%、営業利益は+34.9%。

対象期間営業収益兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年3Q0.1221617.8153
2023年4Q0.53171
2024年1Q0.1330722.9237
2024年2Q0.1437926.3298
2024年3Q0.1538025.7285
2024年4Q0.85396
2025年2Q0.3176824.8778
2025年4Q1.068998.5766
2026年2Q0.3386026.2790
2026年4Q1.141,21310.6963

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、営業収益は5,254億円から1.5兆円へ2.8倍に増えた。直近期の営業利益率は14.1%。営業収益は5期、純利益は3期の連続増加。

決算期営業収益兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.53952729
2014年3月0.641,9701,695
2015年3月0.661,8461,485
2016年3月0.651,6511,168
2017年3月0.621,3561,041
2018年3月0.711,5571,106
2019年3月0.72832638
2020年3月0.67703603
2021年3月0.581,1521,084
2022年3月0.621,358949
2023年3月0.87869639
2024年3月1.281,7461,216
2025年3月1.371,6672,24712.21,544
2026年3月1.472,0732,34514.11,753

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

営業収益1.5兆円のうち、営業利益として残るのは2,073億円14.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は1,753億円、売上の11.9%にあたる。営業利益率は業種中央値19.6%を下回る水準。

営業収益を100としたときの内訳
  • 売上原価など作る・仕入れるのにかかったお金50.9%7,476億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金35.0%5,131億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益14.1%2,073億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比5.4pt
14.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比7.5pt
11.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+0.4pt
10.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
0.5%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
0.4%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが4,390億円、投資CFが−5,836億円で、差し引きのフリーCFは−1,446億円期末の手元現金は3.8兆円

決算期営業CF兆円投資CF億円財務CF億円現金残高兆円
2013年3月1.79−7,985−9,0951.14
2014年3月1.12−4,4852561.85
2015年3月0.73−1333,4342.92
2016年3月0.224,156−2,2973.27
2017年3月0.043,0771,4323.77
2018年3月−1.327,7794,3283.65
2019年3月0.301,0825574.12
2020年3月0.17−2,154−1,3583.93
2021年3月0.39−9164,3814.72
2022年3月−0.35−2,1853,7714.55
2023年3月−0.1875−5,6593.84
2024年3月0.71−2,240−284.35
2025年3月−0.45−3,5341,9903.74
2026年3月0.44−5,8361,9943.77

金融業では預金・貸出・有価証券運用の増減が営業CFと投資CFに含まれます。一般事業会社向けのフリーCFの解釈は当てはまらないため掲載していません。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は38.1兆円。このうち返さなくてよい自己資本が2.0兆円で、自己資本比率は4.6%(業種中央値34.9%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月19.051.0817.974.8
2014年3月19.481.2518.235.5
2015年3月23.001.4321.575.4
2016年3月20.421.3119.116.0
2017年3月19.831.3418.486.3
2018年3月21.141.3719.766.0
2019年3月21.131.2619.875.9
2020年3月23.821.2622.565.1
2021年3月26.101.5924.515.1
2022年3月27.531.6425.895.0
2023年3月26.411.6824.745.3
2024年3月32.031.7930.244.8
2025年3月36.021.9234.104.6
2026年3月38.082.0536.034.6

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
3.8兆円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1.1兆円
過去の利益の積み上がり
負債合計
36.0兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
51
/ 100
安定性自己資本比率3 / 40
収益力営業利益率28 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

証券、商品先物取引業 37社との比較

同じ証券、商品先物取引業の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE37社中15位あたり、逆に低いのは自己資本比率37社中36位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
10.3%/中央値 9.9%
P25 7.7%P75 15.8%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
14.1%/中央値 19.6%
P25 8.3%P75 34.1%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
4.6%/中央値 34.9%
P25 12.8%P75 58.5%
営業収益成長率前期からの売上の伸び
7.0%/中央値 15.4%
P25 2.9%P75 25.2%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.4%/中央値 4.3%
P25 3.3%P75 5.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,818.5で、1年前と比べて+63.7%過去52週の値幅のなかでは91%の位置にある。

¥1,818.5-2.3%1ヶ月+3.0%1年+63.7%時価総額2.9兆円
過去52週の値幅
安値¥1,117.5高値¥1,886.5

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)14.7倍
PBR1.40倍
配当利回り2.42%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月21日に1779円、前日比+1.25%と反発したが、直近1カ月では-4.74%と調整局面が続く。7月15日に1879円をつけた後、8月19日には1735円まで下落し、25日移動平均線(1811.66円)を下回って推移している。一方、75日線(1657円)や200日線(1508円)は上回っており、中長期の上昇トレンドは維持している。52週高値1886.5円に接近した後の反落で、需給の緩みがみられる。出来高は7月29日に691万株と膨らんだ後、8月には300万〜400万株台に落ち着いており、様子見姿勢が強い。RSIは45.41と中立圏にあり、方向感は乏しい。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 55/100)

PERが14.33倍と業界平均の14.08倍とほぼ同水準で、妥当な評価。PBRは1.37倍と業界平均の1.40倍と同等で、適正水準。ROEは10.3%と健全で、市況変動の影響を受けやすい証券業として安定した収益性。配当利回りは2.47%と業界平均の3.94%を下回るが、配当性向は85.2%と高く、株主還元は積極的。業績は堅調に推移しており、バリュエーションはほぼ妥当と判断。ただし、市況依存度が高い点には留意。

指標この会社業種平均
PER (実績)14.7倍14.3倍
PBR1.40倍1.43倍
ROE10.3%7.7%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

市場環境の変動と成長戦略の実効性が投資論点。強気派は、2025年3月期に純利益1544億円と過去最高を更新し、株価も1年で約70%上昇する市場の追い風を背景に、営業収益が堅調に拡大していると評価する。特に、NISA拡充や個人投資家の増加がリテール部門を後押しし、投資銀行部門もM&A需要の高まりから大型案件が見込めると主張。さらに、アセットマネジメント事業の収益貢献が今後大きくなると予想する。一方、弱気派は、証券業は市況依存度が高く、株価調整局面では収益が急減するリスクを指摘。また、経常収益の約1.3兆円に対して純利益率が高すぎる点への疑問や、2026年3月期の利益予想がやや保守的であること(純利益1753億円)への見方もある。競争の激化やコスト増も懸念材料で、市況変動への耐性をどう見るかが焦点。

プラスに働く材料7
  • 市場活況の恩恵

    NISA拡充で個人取引が活発化し、委託手数料が増加

  • M&A需要の拡大

    企業再編や事業承継で投資銀行部門の収益機会が増大

  • 過去最高益の勢い

    2025年3月期の純利益は1544億円と過去最高を更新

  • 営業利益2,073億円の増益計画通年影響

    営業利益は前期比406億円増の2,073億円、増益率24%

  • 営業利益率14.12%へ改善2026年Q2影響

    営業利益率は12.15%から14.12%へ1.97ポイント向上

  • 純利益1,753億円でEPS拡大決算発表後影響

    純利益は前期比209億円増の1,753億円、EPSへの寄与

  • 外国人保有28.08%が強い需要示す継続影響

    外国人保有比率28.08%は海外投資家の資金が流入している証し

マイナスに働く材料7
  • 市況依存のリスク

    株価調整で売買手数料や引受収入が急減しやすい業態

  • 収益の質への懸念

    トレーディング損益の変動が大きく持続性に疑問

  • コスト競争の激化

    ネット証券や海外勢との競争で手数料率が低下傾向

  • 株価1年で69.91%上昇、反動警戒不定影響

    過去1年で69.91%上昇しており、利益確定売りが重荷

  • PBR1.4倍とROE10.3%の整合不定影響

    PBR1.4倍はROE10.3%を反映、評価拡大は限定的

  • 配当利回り2.42%は低位で魅力薄継続影響

    配当利回り2.42%は利回り競争で相対的に見劣り

  • 売上高成長率は7.0%と低成長通年影響

    売上高は前期比960億円増の1兆4,680億円、増収率は7.0%

次の決算で確かめる点
預り資産残高
リテール収益の基盤であり、市場動向の影響を反映
委託手数料収入
株式売買活況度を示す主要な収益指標
投資銀行部門の成約件数
大型案件の獲得状況と将来収益の先行指標
経費率
コスト管理の効率性と収益の質を測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり44で、前期から+14.3%いまの株価に対する利回りは2.42%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥44
1株あたり
配当利回り
2.42%
いまの株価に対して
配当性向
85.2%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月26176.8
2018年3月287.740.9
2019年3月21−25.038.8
2020年3月20−4.859.2
2021年3月3680.0263.9
2022年3月33−8.385.6
2023年3月23−30.3104.9
2024年3月4491.3149.1
2025年3月5627.3113.7
2026年3月6414.385.2

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥44

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ157,889人。区分でいちばん多いのは個人・その他37.1%。グループ会社や銀行などの安定株主が31.2%を占め、残る68.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他36.938.136.935.736.037.1
外国法人24.223.722.824.925.128.0
金融機関28.628.929.429.828.926.9
自己株式10.312.77.410.79.811.7
事業法人5.55.05.24.84.54.3
証券会社4.84.25.64.75.43.6
外国人個人0.10.10.10.10.10.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)13.02
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)4.09
03太陽生命保険株式会社2.62
04日本生命保険相互会社1.99
05日本郵政株式会社1.91
06STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.65
07JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.24
08野村信託銀行株式会社(投信口)1.21
09大和持株会1.10
10バークレイズ証券株式会社0.88

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+193%、1株純資産は14期で+137%。直近期のROEは10.3%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月435378.615.394.2
2014年3月10063417.09.01339.5
2015年3月8772512.810.834.3
2016年3月687219.510.1510.2
2017年3月627468.411.0176.8
2018年3月677878.810.140.9
2019年3月407955.113.538.8
2020年3月397964.910.759.2
2021年3月718758.58.0263.9
2022年3月639267.011.085.6
2023年3月449694.614.3104.9
2024年3月851,0868.313.6149.1
2025年3月1101,1599.89.1113.7
2026年3月1261,27310.311.685.2

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

23名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は23名。2026/3期の役員報酬は総額2,260百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢
中田誠司取締役会長66
荻野明彦取締役60
佐藤英二取締役57
新妻信介取締役60
櫻井裕子取締役61
田代桂子取締役63
花岡幸子取締役59
河合江理子取締役68
西川克行取締役72
岩本敏男取締役73
村上由美子取締役61
伊岐典子取締役70
残りの役員11名を開く
氏名役職年齢
柚木真美取締役63
市川晃取締役71
芹澤潤一執行役副社長 ウェルスマネジメント担当58
村田勝安専務執行役 広報担当 兼 アセットマネジメント副担当58
小林雄道専務執行役 企画担当 兼 法務担当56
吉田光太郎常務執行役 最高財務責任者(CFO)58
川島博政常務執行役 企画副担当 兼 人事担当 兼 最高健康責任者(CHO)兼 サステナビリティ担当 兼 金融経済教育担当58
村瀬雅裕常務執行役 情報技術担当(CIO)兼 データ管理担当(CDO)57
山口貴常務執行役 最高リスク管理責任者(CRO)54
石川介一執行役 内部監査担当56
クリスティーナ・アメージャン取締役67

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役115171382,059187
社外取締役7139914921
取締役(社内)14385252

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

ニュース

AI解説

今日の重要ニュースより

「今日の重要ニュース」で大和証券グループ本社を取り上げた解説を、新しい順に並べている。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容388字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(連結子会社138社、持分法適用会社39社)の主たる事業は有価証券関連業を中核とする投資・金融サービス業であり、具体的な事業として有価証券及びデリバティブ商品の売買等及び売買等の委託の媒介、有価証券の引受け及び売出し、有価証券の募集及び売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱いその他有価証券関連業並びに銀行業その他の金融業等を営んでおります。当社及び当社の関係会社は、日本をはじめ、欧州、アジア、米州の主要な金融市場に営業拠点を設置し、グローバルに展開するネットワークにより世界中のお客様の資金調達と運用の双方のニーズに対応した幅広いサービスを提供しております。 なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
経営方針・対処すべき課題2,343字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 2025年度、日本経済は「金利のある世界」が定着し、政策金利は約30年ぶりの水準にまで引き上げられました。株式市場では、高市新政権の発足や企業のガバナンス改革の進展、海外投資家からの資金流入を背景に、2月には日経平均株価は史上最高値59,332円を記録しました。一方、米国新政権の通商政策の本格化により世界経済は構造的な変化に直面するとともに、中東情勢における軍事的緊張の高まりなどを契機とした地政学的緊張は引き続きリスクとなっています。 当社グループでは、グループ中期経営計画~“Passion for the Best”2026~において「お客様の資産価値最大化」をグループ経営基本方針として掲げ、お客様のニーズや課題を深く理解し、お客様の状況や経済環境に応じた最善・最適で質の高いソリューションを提供することを強力に推進しています。中期経営計画の2年目となる2025年度は、ウェルスマネジメントビジネスの強化とアセットマネジメントビジネスの高度化を進展させるとともに、顧客基盤の拡充とソリューション機能強化・商品拡充を目指したインオーガニック戦略を継続して実行してまいりました。 なお、中期経営計画における2026年度の主な数値目標としては、連結経常利益2,400億円以上、連結ROE10%程度、ベース利益(ウェルスマネジメント部門、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメントの経常利益合計)1,500億円等を定めております。 また、2025年度の状況及び今般の情勢に鑑み、2026年度の大和証券グループ経営方針を下記のとおり定めております。 2026年度 大和証券グループ経営方針 2025年度は、米国新政権の通商政策が本格化し、世界経済が構造的な変化に直面した年となった一方、日本においては、高市新政権の発足と衆議院解散・総選挙を経て、新たな政治体制へと移行しました。金融市場では、政策金利が約30年ぶりの水準まで引き上げられ、「金利のある世界」が定着しました。また、企業のガバナンス改革の進展や新政権の政策運営への期待を背景に海外投資家からの資金流入が続き、2月には日経平均株価が取引時間中に一時 59,332円に達し、過去最高値を更新しました。一方、3月末にかけては中東情勢における軍事的緊張の高まりなどを受け、世界経済の不確実性が高まり、金融市場は大きな変動を余儀なくされました。 こうした環境のもと、当社は「お客様の資産価値最大化」を経営の揺るぎない軸に据え、お客様一人ひとりへの深い理解に基づく質の高いコンサルティングと、最適なソリューションの提供を強力に推進してきました。その結果、当社が重視するベース利益※が想定を上回るペースで増加し、連結業績の安定性は着実に向上しました。 中期経営計画の最終年度となる2026年度は、依然として地政学リスクの高まりや原油価格の変動などに直面しているものの、新たな成長軌道を描き始めたわが国において、「貯蓄から投資」の流れを確かなものにするという当社の使命は、一層重要性を増しています。目先の環境変化にぶれることなく、総資産コンサルティングの高度化を推し進めるとともに、成長投資を着実に進展させることで、外部環境に左右されにくいより強固な収益構造の構築に愚直に取り組んでいきます。今年度は、以下に掲げる行動計画を着実に実行することで、資産運用立国の実現、わが国の成長型経済への移行に貢献していきます。 ※ベース利益=ウェルスマネジメント部門+証券アセットマネジメント+不動産アセットマネジメント経常利益合計 2026年度の各事業部門アクションプランは以下のとおりであります。 (1) ウェルスマネジメント部門 ① お客様に対する深い理解に基づいた最適なコンサルティングの提供によるウェルスマネジメントビジネスのさらなる深化 ② 富裕層や法人のお客様の高度なニーズに応えるオーダーメイドで付加価値の高い商品・サービス・ソリューションの拡充及び提供 ③ デジタルマーケティングによるお客様に合わせたタイムリーかつ適切なサービス提供体制の深化 ④ 外部提携、ワークプレイス(職域)ビジネスによる顧客基盤の拡大 ⑤ 銀行ビジネスを活用した顧客基盤の拡大及び、富裕層のお客様向けソリューションの提供 (2) アセットマネジメント部門 ① 幅広い投資家層に訴求する運用商品・ブランドの確立、魅力的なオルタナティブ商品の展開を通じたさらなる運用残高拡大 ② 外部提携も活用した運用力の強化・高度化、ゴールベースアプローチ型資産運用をはじめとしたサービス提供力の高度化 ③ 不動産アセットマネジメントにおける運用力・物件ソーシング力強化、運用商品拡大及びグループ内連携による運用残高拡大 ④ オルタナティブファンドの拡大に向けたパフォーマンスの追求と基盤の構築 (3) グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門 ① 幅広いお客様ニーズを捉えた多様なプロダクト・高度なソリューションの提供 ② ウェルスマネジメント部門をはじめとしたグループ連携の更なる強化によるビジネス基盤の拡大 ③ 未上場企業への更なるソリューションの提供及び国内外M&Aの強化 ④ 経営資源のリアロケーションを通じた収益性の向上 (4) その他(大和総研グループ) ① シンクタンクとしての時宜を得た良質な情報発信による、社会・経済の健全な発展と資産運用立国への貢献 ② AI・データサイエンスの活用によるお客様の企業価値最大化への貢献 ③ ヘルステック事業を通じた人的資本経営への貢献
事業等のリスク20,921字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項に関し、以下のようなリスクがあげられます。これらのリスクは必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では想定していないリスクや重要性が乏しいと考えられるリスクも、今後当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループでは、収益性や成長性を追求する一方で、事業に伴う各種のリスクを適切に認識・評価し効果的に管理することが重要であると考えております。当社グループで展開するビジネスには、多種多様なリスクが存在します。健全な財務構造や収益構造を維持するためには、事業特性やリスク・プロファイルを踏まえてこれらのリスクを認識し、かつ適切な評価のもとに管理していくことが重要であると考えております。 当社グループは、自己勘定を活用して一時的に販売目的の商品ポジションを保有し、お客様への商品提供を行うため、相場変動やヘッジが機能しないことに起因する市場リスク、取引先や発行体に対する信用リスク、外貨を含めた流動性リスクのほか、業務を執行するうえで必然的に発生するオペレーショナルリスクや意思決定にモデルを使用することによるモデルリスクなどが生じます。また、成長投資を実行することに伴い、投資先の業績や信用状態の悪化、市場環境の変化などに起因する投資リスクも発生します。そのため、ストレステストやトップリスク管理を活用し、フォワードルッキングな視点でグループ内における資本や流動性に与える影響を計測するなど、統合的なリスク管理を行っています。 トップリスク 当社グループは、多様なリスクの中から、当社グループの事業の性質に鑑みて特に注意すべき事象をトップリスクとしてモニタリングしております。有価証券報告書提出日現在におけるトップリスクは下表のとおりです。 リスク事象   具体例 国際紛争・対立の深刻化   ・経済・技術分野での米中デカップリングの進展を背景に、中国の対外姿勢が強硬化し、台湾海峡の緊張が拡大。シーレーン航行の制約(検査強化・迂回等)が増大し、サプライチェーンの混乱・断裂を通じて世界経済の悪化へと波及 ・ロシアがサイバー攻撃・エネルギー供給の武器化など多面的なハイブリッド戦争を強化し、軍事衝突はNATO参戦を伴う大規模危機へ拡大。商品市況が急騰し、世界経済の深刻な悪化へ波及 ・ハマス・イスラエルの停戦交渉がまとまらず決裂。アラブやイランなどの周辺国が本格参戦して中東地域が戦争状態へと突入し、シーレーン封鎖による原油価格高騰、不確実性の拡大と相まって世界経済の悪化に波及 トランプ2.0   ・米国の通商政策(関税強化)や外交政策(軍事・経済介入)が中国・欧州等の報復措置を招き、世界貿易が減速。加えて、移民政策(不法移民の大量送還等)による労働供給の縮小や減税政策による財政赤字の拡大が重なり、インフレ再燃と金利上昇を通じて米国経済は急速に悪化 中国経済危機   ・不動産市況の回復の遅れと内需低迷によるデフレが長引き、中国経済が低迷。世界経済の悪化に波及 日本の財政不安による国債格下げや円資産の暴落   ・日本政府が財政再建に消極的で、減税を含む拡張的な政策が前面化する一方、財政健全化対応が後ろ倒しとなることで財政リスクが意識され、国債格下げや海外勢の円資産売りが進行。また、国債格下げに伴い、当社の資金調達コストも上昇 日本のスタグフレーションリスク   ・円安基調や資源・食料価格の上振れに加え、人手不足(少子高齢化、労働供給制約等)によるコスト増が継続し、インフレが粘着化。賃金と物価の好循環には至らず消費が減速し、日本経済はスタグフレーションに陥る 金融危機の再来   ・特定テーマ(特定取引)にポジションが過度に集中し、相場反転局面において損失拡大やマージン増加を契機に一斉の巻き戻し(同時解消・デレバレッジ)が発生。株式・債券を中心に価格急変と流動性枯渇(スプレッド拡大)が連鎖し、信用収縮・資金調達環境の悪化へ波及 AI・デジタルへの対応の遅れ   ・金融サービスのデジタル化が加速する中、AI・Web3.0等の新技術活用やデータ・業務のデジタル化が不十分なまま競争環境が変化し、顧客接点・効率化・新サービス開発等で後れを取り当社競争力が低下 ・AI活用に伴うリスク(データ・プライバシー、セキュリティ等)への対応が不十分となり、当社のレピュテーションが毀損し、ビジネス機会も喪失 大規模地震   ・大規模地震(首都直下型地震、南海トラフ地震等)による日本経済への甚大な影響が発生。また、当社への人的・物的被害も発生 新たな感染症の流行   ・未知の感染症の発生等により国内外で感染が再拡大し、グローバルで経済活動が長期停滞 サイバー攻撃   ・AIの悪用によって高度化・多発化したサイバー攻撃(サードパーティ経由を含む)を受け、システムダウンによる重要業務の停止や、顧客情報の漏えいが発生。結果、当社のレピュテーションが毀損し、ビジネス機会も喪失 システム障害   ・人為的過失、機器の故障、自然災害、サードパーティ(クラウドサービス等)のサービス停止などを要因としてシステム障害が発生し、重要業務の継続が困難となる。結果、当社のレピュテーションが毀損し、ビジネス機会も喪失 役職員による不適切な行為   ・役職員自身または役職員の関与による市場の健全性を損ねる行為(インサイダー取引・相場操縦等)、その他の犯罪行為(顧客資産の窃盗等)により、当局からの制裁金が課される又は使用者責任を問われるうえ、当社のレピュテーションが毀損し、ビジネス機会も喪失 マネロン・テロ資金供与への対応不備   ・マネー・ローンダリング、テロ資金供与等の金融犯罪対策に不備があり、行政処分を受ける。また、当社のレピュテーションが毀損し、ビジネス機会も喪失 トップリスクは経営陣が選定する体制としており、選定に際しては、経営陣が広範なリスクを認識・議論できるような枠組みを整備しております。具体的には、広範なリスク事象を網羅的に「見える化」するために、社内外より収集したリスク事象を基に、関連部署が整理・抽出したリスク事象をトップリスクの候補とします。その上で当社グループの取締役・執行役が、当社グループの業績に与える影響度と当該リスク事象の発生可能性からフォワードルッキングに評価してトップリスクを当該候補から抽出して選定します。かかる評価に際しては、以下のリスクマップが活用されます。 (1)日本及び世界の景気、経済情勢、金融市場の変動に関するリスク 2025年度の日本経済は、企業部門の底堅さや雇用・所得環境の改善等を背景に、内需を中心とした緩やかな回復が続いた一方、食料品等を中心とする物価上昇の影響が残り、賃金上昇が物価上昇に追い付かない局面では個人消費の回復力が弱まり得る状況がみられました。また、海外経済や通商政策等を巡る不確実性が高い中、輸出や企業活動は外部環境の影響を受けやすい状況にあります。日本銀行は金融政策の正常化を進め、2025年1月に短期金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)の誘導目標を0.5%程度へ引き上げ、同年12月には0.75%程度へ引き上げました。金融政策の正常化に伴う金利上昇は、企業・家計の資金調達コストの増加、投資・消費マインドの変化、資産価格の調整等を通じて、景気の下押し要因となる可能性があります。加えて、為替の急激な変動や資源価格・エネルギー価格の上振れ等が生じた場合には、輸入物価を通じた物価上昇や企業収益の圧迫等により、日本経済が下振れするリスクも存在します。 世界経済においては、地政学リスクの高まりが続く中、とりわけ中東情勢の緊迫化(軍事的衝突の拡大・長期化を含む)は、エネルギー等のコモディティ価格の変動、インフレ期待の変化、金融環境の変化、ならびに海上・航空輸送の混乱等を通じて、世界経済の成長鈍化や金融市場の不安定化を招くおそれがあります。また、主要国・地域における金融政策運営の不確実性や金利水準の高止まり・変化の可能性は、株式・債券・為替等の金融市場におけるボラティリティ上昇やリスク回避姿勢の強まりをもたらす可能性があります。中国を含む一部地域では、不動産市場の調整等を背景に景気回復が弱含む可能性があり、新興国においては、高インフレ、債務問題、地政学リスク等が複合的に作用し、経済・金融の不安定化を招くリスクがあります。世界的に財政状況や経済状況が急速に悪化した場合には、金融危機や経済危機に発展する可能性も否定できません。 このように、日本における財政政策・金融政策の効果が期待通り得られない場合や、世界景気や経済情勢の停滞若しくは悪化等、日本を取り巻く経済環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、企業業績の悪化、株価の下落、為替・金利の変動等により様々なリスクが顕在化することが想定されます。このような事態は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)外的要因によるリスク 当社グループの主たる事業である有価証券関連業務は、マーケットに急激な変動を生じさせる予測不可能な出来事の発生により大きな影響を受ける傾向があります。例えば、2001年9月に発生した米国同時多発テロ、2011年3月に発生した東日本大震災のほか、2024年3月における日本銀行によるマイナス金利の解除及び利上げといった各国の金融政策の転換による金融・証券市場への影響は、当社グループの業績に重大な影響を及ぼしました。 このように、戦争・テロ行為、地震・津波・洪水等の自然災害、各種感染症の大流行や情報・通信システム・電力供給といったインフラストラクチャーの障害等の外的要因は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)気候変動等に関するリスク 当社グループは、気候変動への取組みが重要な経営課題であると認識しております。 当社グループの移行リスク(気候関連リスクのうち、脱炭素社会への移行に伴うもの)としては、「カーボンプライシング等の政策の変化による、投資・運用先等におけるコスト増加、及びこれに伴う収益悪化(政策/法律)」、「エネルギー関連技術の変化による、投資・運用先等のコスト増加、及びこれに伴う収益悪化(技術)」、「脱炭素社会への移行による、ファンド運用パフォーマンスの低下や残高減少、及びこれに伴う信託報酬・販売関連収益の減少(市場)」、「気候変動対策の取組み不足や、環境負荷の高い事業に係る投資・引受に伴う評判悪化(レピュテーション)」が挙げられます。 当社グループの物理的リスク(気候関連リスクのうち、物理的な被害に起因するもの)としては、「異常気象や風水害等による取引先や投資・運用先等の被災に伴う、引受・M&A関連ビジネスの停滞、及びファンド運用パフォーマンスの低下や信託報酬・販売関連収益の減少(急性/慢性)」、「豪雨や巨大台風による、太陽光/風力発電設備等の投資物件の価値低下や売却機会の減少、及びこれらに伴う収益悪化(急性/慢性)」、「自然災害の激甚化による金融システム障害、当社グループの各事業拠点やデータセンター等の被災に伴う復旧・修繕費用の増加(急性/慢性)」が挙げられます。 これらの事態は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)競争状況に伴うリスク 株式の売買委託手数料率の自由化をはじめ、ファイアーウォール規制の見直し等、一連の大幅な規制緩和を契機として、当社グループの主たる事業である有価証券関連業務における競争は、厳しいものとなっています。参入規制がほぼ撤廃されて、銀行その他の証券会社以外の国内外の金融グループ等は、幅広い金融商品・サービスの提供を行うことにより、顧客基盤及び店舗ネットワークを構築・強化しております。 当社グループは、これら国内外の金融グループ等に対して、競合する事業における価格やサービス面等の点で十分な競争力を発揮できるという保証はなく、これが発揮できない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)グループ戦略が奏功しないリスク 当社グループは、有価証券関連業務を中核とする投資・金融サービス業や不動産・ヘルスケア・再生可能エネルギーなど新たな事業領域となる業務を行うグループ会社群によって構成されており、これらグループ会社が連携することで付加価値の高い投資・金融サービスを提供する等、グループ全体の企業価値を最大化することを目指しております。しかしながら、①国内外の経済・金融情勢が悪化した場合、②競争環境の変化により、当社グループの期待する収益を得られない場合、③当社グループ内外との事業提携・合弁関係、業務委託関係が変動あるいは解消した場合、④当社グループ内の組織運営効率化のための施策が想定どおりに進まない場合、及び⑤法制度の大幅な変更があった場合をはじめとする様々な要因により、上記のグループ戦略に変更が生じる場合や、グループ会社間の業務、その他の連携が十分に機能しない場合には、グループ戦略が功を奏しない可能性や想定していた成果をもたらさない可能性があり、その場合、当社グループの事業、財政状態及び経営戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)業績の変動性に伴うリスク 当社グループの主たる事業である有価証券関連業務をはじめ、その他の主要業務であるアセットマネジメント業務、投資業務は、お客様との取引から得られる手数料、トレーディング損益、営業投資有価証券関連損益等が大幅に変動するという特性を持っております。当社グループでは業績の安定性を向上させるべく、ウェルスマネジメント部門における預り資産の拡大やアセットマネジメント部門における契約資産残高の拡大、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門の収益構造の多様化、市場リスクや信用リスクをはじめとする各種リスクの管理強化、経費管理の徹底等の努力を行っておりますが、これらの施策は有価証券関連業務に伴う業績の変動性をカバーすることを保証するものではなく、とりわけ経済・金融情勢が著しく悪化した場合には、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループの過去3連結会計年度における連結業績の推移は次のとおりです。 (単位:百万円) 回次   第87期   第88期   第89期 決算年月   2024年3月   2025年3月   2026年3月 営業収益   1,277,482   1,372,014   1,467,983 純営業収益   590,910   645,990   720,427 経常利益   174,587   224,716   234,510 親会社株主に帰属する当期純利益   121,557   154,368   175,281 (7)ウェルスマネジメント部門におけるビジネス・リスク ウェルスマネジメント部門では、市況の低迷でお客様の証券投資需要が低調となったり、証券市場のリスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、店舗、営業員、オンライン取引システム等を必要とするため、不動産関係費、人件費、システム投資等に係る減価償却費等の固定的経費を要する傾向があります。したがって、上記のような要因により収益が大きく低下したときは、経費抑制努力では対応しきれず、採算割れとなるリスクがあります。なお、連結子会社である株式会社大和ネクスト銀行(以下、「大和ネクスト銀行」という。)に起因する「銀行業に伴うビジネス・リスク」は(8)に記載しています。 (8)銀行業に伴うビジネス・リスク 当社グループのウェルスマネジメント部門では、連結子会社である大和ネクスト銀行が、同行の銀行代理店である大和証券株式会社(以下、「大和証券」という。)を通じて、お客様向けサービスを提供しております。 大和ネクスト銀行においては、大和証券やインターネット等を通じたお客様からの預金受入れ等により調達した資金を、貸出や債券その他有価証券投資等により運用しておりますが、銀行業は、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、システムリスク、コンプライアンスリスク、事務リスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、レピュテーショナルリスク、自己資本比率低下リスク等、様々なリスクへの対応が必要となります。このような広範に渡るリスクの管理態勢の整備、維持及び改善等の対応を進めておりますが、これらの対応が不十分であった場合、金融政策の変更等による運用資産の利回り低迷や調達金利の上昇等により期待された利鞘が確保できない場合、競合する他の銀行との差別化戦略が期待どおりに進まず競争力が発揮できなかった場合等においては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 加えて、大和ネクスト銀行は、2026年4月27日付で、オリックス株式会社との間で、その完全子会社であるオリックス銀行株式会社(以下、「オリックス銀行」という。)の発行済株式の全てを取得(以下、「本株式取得」という。)し、オリックス銀行を大和ネクスト銀行の完全子会社化することを内容とする株式譲渡契約を締結いたしました。本株式取得の完了後、将来的には、大和ネクスト銀行とオリックス銀行の合併を予定しております。本株式取得は、関係当局の許認可等の取得を前提としており、これらの前提条件が充足されない場合や手続に想定以上の時間を要する場合等には、本株式取得の実行時期が変動し、又は実行されない可能性があります。 本株式取得の実行後は、オリックス銀行が営む不動産関連融資をはじめとする貸出業務等が加わることにより、当社グループの銀行業の事業規模が拡大いたします。これに伴い、上記の各リスクのプロファイルが従来から変化し、特に不動産関連融資に係る信用リスクや特定の業種・資産等への与信集中リスクが増大いたします。今後の金利環境や不動産市況の変動、貸出先の信用状態の悪化等により与信関係費用が増加した場合等においては、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、本株式取得後の経営統合(システム・事務・人材・リスク管理態勢等の統合を含む。)が想定どおりに進捗しない場合、期待されるシナジーが十分に発現しない場合、規模拡大後の事業に応じたリスク管理・コンプライアンス・システム対応等が十分に行えなかった場合、又は本株式取得に伴い計上されるのれん等について将来において減損損失の認識が必要となった場合等においては、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)アセットマネジメント部門におけるビジネス・リスク アセットマネジメント部門は、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメント及びオルタナティブアセットマネジメントの各ビジネスにより構成されております。 証券アセットマネジメントの収益は、運用資産の残高に基づく一定料率又は実績連動の報酬です。市場の変動によって運用資産の評価額が下落した場合や、お客様の資産運用の動向が変化(預金等の安定運用志向の高まりを含む。)したり、あるいは当社グループの運用実績が競合他社に比べて低迷する等して、解約等が増加し、運用資産が減少した場合には、当社グループの収益は減少します。 他方、証券アセットマネジメントの経費構造は、システム関連経費や人件費が中心であり、固定費的な要素が強いため、収益の低下が著しい場合には採算割れとなるリスクがあります。 不動産アセットマネジメントの収益は、運用資産の残高や不動産売買金額に基づく一定料率の報酬の他、不動産開発利益、不動産賃貸事業利益等から構成されております。不動産市場の変動等により、運用資産の評価額下落や運用資産の収益性低下、不動産売買取引の減少、不動産取引価格の低迷、不動産開発用地の取得価格上昇、建設資材の価格上昇等が生じた場合に、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 他方、不動産アセットマネジメントの経費構造は、人件費や不動産関係費、不動産賃貸事業費用等から構成されており、これらの費用の上昇及び収益の著しい低下等が生じた場合に、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、不動産アセットマネジメントには、当社グループの連結子会社である大和証券オフィス投資法人及びサムティ・レジデンシャル投資法人、持分法適用関連会社である大和証券リビング投資法人が含まれております。これらの不動産投資法人は、投資信託及び投資法人に関する法律に基づく投資法人であり、株式会社東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場し、投資口及び投資法人債の発行並びに金融機関等からの借入れ等により資金調達をし、大和証券オフィス投資法人は主としてオフィスビル、サムティ・レジデンシャル投資法人は主として賃貸住宅、及び大和証券リビング投資法人は主として賃貸住宅及びヘルスケア施設を中心とした不動産及び不動産を信託財産とする信託受益権等に対して投資し、不動産の賃貸や売却等により回収することを主たる事業としております。 大和証券オフィス投資法人、サムティ・レジデンシャル投資法人及び大和証券リビング投資法人の事業は、市場環境や経済情勢の変動、調達金利の変動、テナントの入退居、賃料の改定・不払い、テナント・信託の受託者その他関係者の倒産等、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による建物の滅失・劣化・毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、行政法規・税法(投資法人と投資主の二重課税を排除するための税法上の要件を含む。)その他法令等の制定・変更、取引所規則等の制定・変更等の様々な事情により影響を受ける可能性があります。これらにより、期待する水準又は時期による賃料や売却収入が得られなかったり、評価損が発生したりした結果、大和証券オフィス投資法人、サムティ・レジデンシャル投資法人及び大和証券リビング投資法人が損失を計上した場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 オルタナティブアセットマネジメントでは、当社グループが運営管理するファンドの資金により、主に国内外のベンチャー企業、中小企業等への投資を行うファンド運営業務と、自己の資金により、主に国内外の中小企業やエネルギー及びインフラストラクチャー分野の国内外の資産等への投資を行うプリンシパル・インベストメント業務を行っており、ファンド運営業務ではファンドからの管理報酬及び成功報酬を、プリンシパル・インベストメント業務では、投資期間中のインカムゲインや売却時のキャピタルゲインを、それぞれ主な収益源としています。 ファンド運営業務では、その特性上、投資活動の成否はキャピタリスト等の人材に大きく依存し、有能な人材を確保・育成し定着できない場合、投資活動に支障をきたすリスクがあります。また、ファンド募集において、ファンド出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、管理報酬が減少し当社グループの業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。さらに、投資対象となる中小企業等は、ビジネスモデルや経営基盤が安定していない、創業者等の特定の人物に対する依存度が著しく高い、経営に何らかのリスク要因を抱える等、多種多様なリスク要因を包含しております。また、投資対象のベンチャー企業等が株式公開を目指す場合には、実際の公開に至るまでの、投資期間も長期に亘る傾向があります。加えて、投資先企業のすべてが株式公開を実現する保証はなく、投資先企業の株式公開が実現した場合においても、当該企業の株式等の取得原価を上回る価額で当該株式等を売却できるとは限りません。これらの要因により、投資先企業が倒産する可能性のほか、取得原価を上回る価額で株式等を売却できずに期待されたキャピタルゲインが実現しない可能性や売却損又は評価損が発生する可能性があり、ファンドのパフォーマンスに、ひいては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 プリンシパル・インベストメント業務では、保有する有価証券や投資資産の流動性が低く保有期間が長くなる傾向にあること、投資先の分散によるリスク抑制が行い難いこと、中小企業等への投資の場合は投資開始時点で経営に何らかのリスク要因のある企業へ投資する場合があること、国内外の法規制等により株式等の処分が妨げられ、処分までに長期間を要する場合があること、エネルギー及びインフラストラクチャー分野の国内外の資産等への投資の場合は投資資産の対象企業その他関係者の信用状態の変化、経済環境の変化、公的施策の動向、規制の強化、政情不安、自然災害、為替・金利動向、資源価格の動向、投資資産の所在国のカントリーリスク等による影響を受ける可能性があること等、多種多様なリスク要因を包含しています。これらの要因により、保有期間中に期待したインカムゲインが得られない可能性や、評価損が発生する可能性があり、また、売却する場合において、取得原価を上回る価額で売却できるとは限らないため、期待された売却益が実現しない可能性や売却損が発生する可能性があります。 (10)グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門におけるビジネス・リスク グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門は、グローバル・マーケッツとグローバル・インベストメント・バンキングの各ビジネスにより構成されております。 グローバル・マーケッツにおける現物取引やデリバティブ取引等のトレーディング業務には、市場動向や税制、会計制度の変更等の影響でお客様の取引需要が減少して収益が低下するリスクや、急激かつ大幅な市況変動でディーラーの保有ポジションの時価が不利な方向に変動して損失が発生するリスク、低流動性のポジションを保有していたため市況変動に対応して売却することができず損失が発生するリスク等があります。 これらのうち、主要なものは市場リスク(株式・金利・為替・コモディティ等の相場が変動することにより損失を被るリスク)と信用リスク(与信先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、あるいは債務が履行されないことにより損失を被るリスク)です。当社グループでは、各商品のトレーディングにかかるリスクを軽減するために、各商品の過去の市場価格の推移や各商品の価格変動の相関を参考に、必要に応じて様々なヘッジ取引を行っておりますが、予想を超える市場の変動や突発的に発生する個別の事象等により、ヘッジが有効に機能しない可能性もあります。さらに、トレーディング・ポジションの内容が特定の銘柄や業種等に偏ると、ポートフォリオ全体の分散効果が得られにくくなるほか、ポジションの円滑な処分も困難になるため、リスクが顕在化した場合の損失額が大きく膨らむ傾向があります。 グローバル・マーケッツにおけるブローカレッジ業務では、市況の低迷でお客様の証券投資需要が低調となったり、リスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、法人のお客様向けの大規模な取引システム等を必要とするため、システム投資等に係る減価償却費等の固定的経費を要する傾向があります。したがって、上記のような要因により収益が大きく低下したときは、経費抑制努力では対応しきれず、採算割れとなるリスクがあります。 また、グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、法人のお客様の財務面でのニーズに対応して、債券、上場株式、新規公開株式、資産流動化証券等の引受け、募集・売出しを行うほか、仕組み証券やストラクチャード・ファイナンスの組成に関する業務、M&A、事業再編や新規公開に関するアドバイザリー業務も行います。これらの業務には、概して証券市況に影響されて取引規模及び取引量が急激に変動する特性があります。また、引受業務には、引受けた証券が市況の下落等で円滑に投資家に販売できない場合、引受けた証券を保有すること等により、市場価値の下落による損失を被るリスクがあります。引受業務におけるポジション・リスクは、単一の銘柄でかつ巨額なポジションとなり、適時に効果的なリスク回避の手段をとることができないため、通常のトレーディングにおけるポジション・リスクよりも重大なリスクとなり得ます。また、引受業務には、有価証券の募集・売出しにかかる発行開示が適切になされなかった場合には、金融商品取引法に基づき引受会社として投資家から損害賠償請求を受けるリスクがあります。 (11)投資有価証券に関するリスク 当社グループは、提携・友好関係の維持や構築等を目的として、対象企業等の株式等を保有することがあります。このうち、市場性のある株式等については市場価格の下落により、それ以外の株式等については当該対象企業等の財政状態及び経営成績の悪化等に起因する評価損あるいは減損損失が発生することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、上記株式等について、保有意義の希薄化等を理由に売却を実行する際、市場環境若しくは対象企業等の財政状態及び経営成績等によっては、期待する価格又は時期に売却できない可能性があります。 (12)海外事業に関するリスク 当社グループは、欧米等の先進国並びに新興国市場を含むアジアに広範な事業基盤を有しております。 海外の事業基盤は、国内の事業基盤と比較すると、お客様の取引ニーズの変動や市場環境、政治・金融・経済情勢の変動等の影響をより強く受ける場合があり、これらの変動の程度やリスク管理の状況によっては減収又は損失を被る可能性があります。また、海外事業については、投下した資本並びに収益が為替変動リスクに晒されていることや、事業を展開する国における法規制等の変更により、当社グループ又は当社グループが出資する合弁会社等の事業が制約を受ける可能性があることのほか、投下資本の価値が変動する可能性があります。 (13)自己資本規制・流動性規制に関するリスク 当社グループは、当社が金融商品取引法上の最終指定親会社に該当するため、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成22年金融庁告示第130号)の適用を受け、同告示第2条に基づいて連結自己資本規制比率を所定の比率(連結普通株式等Tier1比率4.5%、連結Tier1比率6%、連結総自己資本規制比率8%。以下、「最低所要連結自己資本規制比率」と総称する。)以上に維持する必要があります。また、当社グループは2025年3月末からバーゼルⅢ最終化を適用しております。 当社グループは、上記の最低所要連結自己資本規制比率の充足に加え、2016年3月末以降は、資本保全バッファー比率2.5%とカウンター・シクリカル・バッファー比率の合計に、当社がD-SIBs(Domestic Systemically Important Banks: 国内のシステム上重要な銀行)に指定されたことによる上乗せ分0.5%を加えた最低資本バッファー比率の維持が必要となっています。 当社グループは、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準」(平成31年金融庁告示第13号)が適用され、2024年6月末から連結レバレッジ比率を3.15%以上に維持することが求められています。 当社グループは、「金融商品取引法第57条の17第1項の規定に基づき、最終指定親会社が当該最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性のうち流動性に係る健全性の状況を表示する基準」(平成26年金融庁告示第61号)が適用されており、同告示に基づき2015年3月末から連結流動性カバレッジ比率、さらに2021年9月末からは連結安定調達比率を所定の比率(100%)以上に維持する必要があります。 また、連結子会社のなかにも同様に類似の規制を受けている会社があります。大和証券、リテラ・クレア証券株式会社・大和コネクト証券株式会社及び大和かんぽオルタナティブインベストメンツ株式会社は、金融商品取引法に定める自己資本規制比率を同法に基づいて120%以上に維持する必要があります。大和ネクスト銀行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定める自己資本比率(国内基準)を同告示に基づいて4%以上に維持する必要があります。(大和ネクスト銀行も2025年3月末からバーゼルⅢ最終化を適用しております。)海外の連結子会社についても同様の会社があります。 当社グループの上記比率又は連結子会社の自己資本規制比率が著しく低下した場合には、レピュテーショナルリスクの波及や信用水準の低下により流動性懸念が生ずる可能性があります。さらに、上記の各規制により要請される最低基準を下回った場合に有効な対策(資本増強策等)を講じられない場合には、内外の監督当局から業務改善命令や業務の全部又は一部の停止等の措置を受ける可能性があります。 当社グループにおいて上記の自己資本規制・流動性規制を遵守するために、規制により要請される最低水準に適切なバッファーを上乗せした社内管理水準を会議体で決議して、自己資本規制比率・流動性規制比率のモニタリングを行い、遵守状況について経営に報告しております。 規制比率がこの社内管理水準を下回った場合には、CFOは、規制担当部署を通じ原因の発生したグループ会社に対し、当該状況、要因及び事後の対応方針等を報告させます。また必要に応じて、社内管理水準を回復するよう予め定めた対応策を実施します。 もっとも、これらの対応策にもかかわらず自己資本規制・流動性規制を遵守できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)当社グループが発行する有価証券に関するリスク 当社株式は、東京及び名古屋の各金融商品取引所に上場しており、その売買については金融商品取引法をはじめとする関連法令及び各金融商品取引所が定める諸規則等に基づいて行われております。これらの規則等により、当社に係る重要情報の周知を目的として売買停止の措置がなされ、あるいは当社株式について大量の注文執行により売買が一時的に停止される等、当社株式の売買ができなくなる状況が生じる可能性があります。 当社は、ストック・オプションの目的で新株予約権を発行しておりますが、将来において新株予約権の行使がなされた場合は、1株当たり利益が希薄化する可能性があります。また、当社株式を大量に保有する株主が当社株式を売却することに伴って、株価が下落する可能性があります。 (15)流動性リスク 当社グループは、多くの資産及び負債を用いる有価証券関連業務や、投融資業務を行っております。このため、適切な流動性を確保し、財務の安定性を維持することが必要となります。しかし、市場環境の変化や当社グループ各社の財務内容の悪化(当社の信用格付の低下を含む)などにより、資金繰りに支障をきたすリスク、あるいは通常よりも著しく高いコストでの資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクがあります。 当社グループの資金調達が困難になった場合には、保有する資産を圧縮する等の対応が必要となります。しかし、市場環境の悪化により市場全体の流動性が低下すると、当社グループが売却しようとする資産のうち信用度の低い資産の流動性はより一層低下し、保有資産の処分ができなくなったり、取得原価を大幅に下回る価格であっても売却せざるを得なくなるリスクがあります。 こうした流動性リスクが顕在化した場合、当社グループの業務継続が困難になる可能性や、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16)オペレーショナルリスク 当社グループは、多様な業務を行うことに伴うオペレーショナルリスクに晒されており、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループが損失を被ること等により、当社グループの業績及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、オペレーショナルリスクを以下のように分類して管理しております。 ・事務リスク 役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより損失を被るリスク ・システムリスク コンピュータシステムのダウン又は誤作動、システムの不備等に伴い、損失を被るリスク、さらにコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスク ・情報セキュリティリスク 情報資産に対する脅威の発現のために、情報セキュリティ(機密性、完全性、可用性の維持)が確保されないリスク ・コンプライアンスリスク 役職員が企業倫理及び法令諸規則等に従わないことにより損失を被るリスク(役職員の不適切な行為により、お客様、お取引先に不利益が生じる、又は市場の健全性が損なわれるリスクであるコンダクトリスクを含む)並びにお客様等との法的紛争により損失を被るリスク ・リーガルリスク 不適切な契約締結、契約違反により損失を被るリスク ・人的リスク 労務管理や職場の安全環境上の問題が発生することにより損失を被るリスク、必要な人的資源が確保されないリスク ・有形資産リスク 自然災害や外部要因又は役職員の過失などの結果、有形資産の毀損等により損失を被るリスク 当社グループでは、特に有価証券関連業務において、取引の執行や決済等を処理するコンピュータシステムのダウン又は誤作動、システムの不備、システムの新規開発・統合等に起因するシステム障害、サイバー攻撃等によるデータの改ざんやお客様の情報の流出等が発生した場合、業務が正常に行えなくなることによる機会損失や損害賠償責任の発生、社会的信用の低下等を通じて当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループが最近重要性を増していると認識しているオペレーショナルリスクとしては、以下が挙げられます。 ・サイバーセキュリティリスク 外部からのサイバー攻撃によるシステムサービスの停止、情報漏えい、データ改ざん等により損失を被るリスク ・マネー・ローンダリング及びテロ資金供与にかかわるリスク 金融庁作成の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」をはじめ、各国の規制等に基づき態勢整備を実施するも有効に機能せず、当社グループがマネー・ローンダリング等に関与してしまうリスク ・外部委託先管理リスク 業務委託先の不適切な選定、契約不備、倒産・買収等による業務撤退、不正行為、過失等により損失を被るリスク (17)規制等に関するリスク 当社グループの各社は、その業務の種類に応じた法令や自主規制団体の規程等による規制を受けております。グループの主たる証券会社である大和証券をはじめ、大和アセットマネジメント株式会社、大和企業投資株式会社等が、金融商品取引業者として金融商品取引法等の規制を受けているほか、大和ネクスト銀行が銀行法等の規制を受けております。 また、大和証券は貸金業等の兼業業務に関して関係法令上の規制にも服しております。さらに、当社グループは金融商品取引法の定めにより、親法人等・子法人等が関与する行為の弊害防止のため、当該関係を利用した一定の取引の制限や、親法人等・子法人等間での情報授受や利用の制限等を受けており、お客様の利益が不当に害されることがないよう、適切な情報管理と内部管理体制の整備が求められております。また、当社は、一部のグループ各社の主要株主として、監督当局が公益又は投資家保護のために必要かつ適当であると認めるときは報告・資料提出命令を受ける等一定の規制を受ける可能性があります。一方、海外の子会社には現地の法制上、証券会社や金融機関としての規制を受けるものもあります。 なお、当社は、特別金融商品取引業者である大和証券の最終指定親会社として監督当局の連結規制・監督の対象となっております。また、当社グループは「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」における「指定親会社グループ」に該当し、連結自己資本の適切性を含む一定の事項について連結ベースでの監督を受けております。 上記のように、当社グループの事業の多くは行政及び自主規制団体による監督・規制やグローバルな金融規制のもとにあり、将来における法規・規程、政策、規制の変更が当社グループの事業活動や経営体制、さらには当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18)法令遵守に関するリスク 当社グループは、グループ全体の内部統制機能を強化し、より充実した内部管理体制の構築に努めるとともに、役職員に対する教育・研修等を通じ、インサイダー取引規制を含め法令遵守の徹底に注力しております。しかしながら、事業を進めていく上で、その執行過程に関与する役職員の故意又は過失により法令違反行為が発生する可能性は排除し得ず、周到な隠蔽行為を伴った意図的な違法行為等については、長期間にわたって発覚しない可能性もあるため、当社グループの業績に悪影響を与えるような規模の損害賠償を取引先等から求められる可能性があります。 さらに、役職員の不正行為のみならず、法人としての当社又はグループ会社に法令違反その他の問題が認められた場合には、監督当局から課徴金の納付命令、業務の制限又は停止等の処分・命令を受ける可能性があります。また、当社グループは情報管理の徹底や「個人情報の保護に関する法律」への対応については万全の体制を敷いていると認識しておりますが、過失や不正行為等により当社グループの保有する顧客情報等各種の情報が外部に流出した場合、当社グループの信用が失墜し、クレームや損害賠償請求、監督当局からの処分等を受ける可能性があります。 当社グループの事業は、お客様からの信用に基づく部分が大きいため、法令遵守上の問題が発生し当社グループに対する社会的信用が低下した場合には、お客様との取引が減少し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす事態が生じる可能性があります。 (19)財務報告に係る内部統制に関するリスク 当社は、金融商品取引法の財務報告に係る内部統制に関する規定及び関連する諸規則の施行に伴い、財務報告に係る内部統制に必要な体制整備・運営に努めております。まず業務プロセスの選定に際しては、連結ベースの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価をもとに、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性を考慮しております。業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、重要な事業拠点における重要な勘定科目を選定し、これに至る業務プロセスを主な評価対象としております。評価対象とした各プロセス並びに全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスについては、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点の整備及び運用状況を検証することによって、内部統制の有効性に関する評価を行っております。しかしながら、こうした取組みが有効に機能せず、監査法人による内部統制監査の結果、財務報告に係る内部統制に重要な不備が発見された場合等においては、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (20)訴訟リスク 当社グループでは、経営方針等において、お客様本位の営業姿勢を掲げており、今後もより一層のサービスの拡充に努めていく所存ではありますが、お客様に対する説明不足やお客様との認識の不一致等によってお客様に損失が発生した場合には、当社グループが訴訟の対象となることがあります。その損失が当社グループの責任に起因する場合、当社グループは民法上、金融商品取引法上、又はその他の根拠に基づく損害賠償義務を負う可能性があります。このほか当社グループは、広範な事業を行い、様々な規制に服していることから、多数の当事者を巻き込み、多額の請求金額に上るものを含め、様々な訴訟リスクに晒されており、訴訟に伴う損害賠償そのもののみならず訴訟内容に起因する社会的信用の低下が当社グループの事業活動や経営体制、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが事業に関して使用している商標やビジネスモデル等のなかには、現在出願中のため、権利が確定していないものもあります。当社グループの確認の不備等がなかった場合においても、結果として当社グループが第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償請求又は差止請求を受ける可能性があります。 (21)レピュテーショナルリスク 当社グループの事業は、法人、個人のお客様や市場関係者からの信用に大きく依存しております。「3 事業等のリスク」に記載した事象が発生した場合、特に「(16)オペレーショナルリスク」、「(18)法令遵守に関するリスク」、「(19)財務報告に係る内部統制に関するリスク」及び「(20)訴訟リスク」に記載したように、当社グループや役職員の責任に起因する法令違反や訴訟等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、憶測に基づいたり、必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する可能性もあります。その結果、お客様による取引停止等が生じ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (22)リスク管理及び手続の有効性に関するリスク 当社グループは、リスク管理方針を踏まえて手続の強化に努めておりますが、リスク管理の有効性は事業内容やグループ内各企業の特性により異なります。また、新しい分野への急速な業務展開に際しては、必ずしも有効に機能しない可能性があります。 なお、リスク管理方針については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④リスクアペタイト・フレームワーク及び⑤リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。 リスク管理の前提としては、市場や投資先に関する情報の収集・分析・評価が重要となりますが、その情報自体が不正確、不完全、あるいは最新のものではないことにより、適切な評価が行えない場合があり、また、一部のリスク管理手法においては、過去の動向に基づく定量的判断を伴うものがあるため、予想を超えた変容や突発的事象に対しては、必ずしも有効でない可能性があります。リスク管理が有効に機能しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (23)優秀な人材を確保・育成できないリスク 当社グループでは、有価証券関連業務を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っております。いずれの分野でも高いパフォーマンスを発揮するには、優秀な人材の確保と専門人材の育成が前提となるため、業務特性に応じた人事制度、研修制度の充実及びその継続的な改善、採用活動の強化に努めております。しかしながら、金融業界内外において、人材獲得競争は激しく、優秀な人材の採用と育成が困難な状態や外部、特に競合他社への大量流出等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (24)会計基準や税制等の変更に関するリスク 日本の会計基準は国際財務報告基準(IFRS)とのコンバージェンスを進めているところであり、ここ数年の間に数多くの改正が行われ、今後もさらなる改正が予定されております。また、IFRS任意適用を促進する方策も打ち出されており、将来日本においてIFRSが強制適用される、あるいは当社がIFRSの任意適用を行う可能性もあります。これらの改正、強制適用あるいは任意適用が行われた場合、当社グループの事業運営や業績等の実体に変動がない場合であっても、例えば収益の認識、資産・負債の評価、連結範囲の見直し等に係る会計処理方法が変更されることに伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税制等が変更されることとなった場合においても、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (25)その他のリスク 当社グループでは、コンピュータシステムの取得・構築に係る投資により発生する償却コスト及び維持・運営コストの増大が業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、店舗・オフィス等の不動産やコンピュータシステム等について、資産の陳腐化や収益性若しくは稼働率の低下が生じた場合又はこれらの処分が行われた場合には、減損処理による損失計上や除売却損失の計上が必要となる可能性もあります。 このほか、当社グループは税効果会計に係る会計基準に基づいて、税務上の便益を将来の課税所得等に関する見積りや仮定に基づき繰延税金資産として計上しております。実際の課税所得等は見積りや仮定と異なる可能性があり、将来において繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合には繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすことになります。 リスクが顕在化する時期 当社グループは、可能なものについては、リスクが顕在化する時期について短期、中長期等の想定を置き、発生の可能性、発生時の影響度等も勘案して、各種ストレステストに反映させる対応をしております。
経営成績の分析 (MD&A)22,783字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた企業会計の基準に基づき作成されております。また、当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積りを行っており、これらの見積りは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。 ① トレーディング商品の評価 当社グループでは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として連結損益計算書に計上しております。また、「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日)等を適用しており、トレーディング商品の時価は、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、3つのレベルに分類しております。これらの時価は「第5 経理の状況 (金融商品関係) 2. 金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項」に記載しております。 時価測定に用いた評価技法及びインプットの詳細は以下のとおりであります。これらは、市場参加者が商品を評価するときに考慮するであろう当社グループによる仮定及び見積りを含んでおります。 (ⅰ)商品有価証券等 主に同一又は類似の商品に関する市場価格を用いております。また、特定の負債性金融商品及び資産担保証券については、デリバティブ取引に準じた評価技法もしくは、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルにより時価を測定しております。 (ⅱ)デリバティブ取引 上場デリバティブについては原則として市場価格を、店頭デリバティブについては、評価技法により時価を算定しております。 デリバティブ取引の時価には、信用リスク及び流動性リスクを考慮した調整が含まれており、時価測定においては、市場で一般に用いられるリスク中立測度の仮定のもとでの期待キャッシュ・フローの現在価値を、主に数値積分法、有限差分法及びモンテカルロ法による価格算定モデルにより算定しております。 価格算定モデルには、金利、為替レート、株価、ボラティリティ、相関係数などの様々なインプットがあります。また、市場で観察可能でないインプットとしては、相関係数、長期のボラティリティ、長期のクレジット・スプレッドなどがあります。 価格算定モデルの選択及びその価格算定モデルに投入するインプットの決定、信用リスク及び流動性リスクにかかる評価調整には見積り及び前提を含んでおり、特に、市場で観察可能でないインプットを使用する場合には、その見積り及び前提は、トレーディング商品の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 算定に用いたインプットを含め、価格算定モデルは社内における指針に基づいて承認され、価格算定モデルの開発部署から独立した部署が、モデル内の仮定及び技法、算定に用いたインプットについて検証を行っております。また、価格算定モデルを観察可能な市場情報や代替可能なモデルとの比較分析等により、市場動向に合わせて調整する体制を構築しております。 経営者は、時価測定に用いられた前提は合理的であると考えております。しかしながら、これらの見積りには不確実性が含まれているため、将来キャッシュ・フローや時価の下落を引き起こすような見積りの変化が、評価金額に不利に影響し、結果として、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 ② 有価証券の評価 当社グループでは、投資有価証券、営業投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。 (ⅰ)投資有価証券 市場価格のあるものについては、市場価格が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当連結会計年度末における市場価格の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。市場価格の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、市場価格の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のないものについては、実質価額が著しく低下し、かつ、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、減損処理を行っております。 (ⅱ)営業投資有価証券 営業投資有価証券は、アセットマネジメント部門における非上場株式、国内外の再生可能エネルギー、インフラストラクチャーへの投資等により構成されております。 営業投資有価証券の評価については、その評価額に基づき実質価額を見積り、その実質価額が帳簿価額を下回り、損失発生の可能性が高い場合には投資損失引当金を計上しております。さらに、実質価額が帳簿価額に比して50%以上下落し、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、減損処理を行っております。実質価額の算定の前提となる当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。 1) 非上場株式 株式の評価額は、投資先の事業計画等をもとにした将来キャッシュ・フロー、類似取引事例との比較などにより算定しております。 2) 国内外の再生可能エネルギー、インフラストラクチャーへの投資等 評価額は、投資先の事業計画等をもとにした将来キャッシュ・フロー、財政状態などにより算定しております。 これらの評価額の測定には経営者が妥当と判断する見積り及び仮定を使用しており、これらの見積り及び仮定は、減損損失又は投資損失引当金の計上の要否の判断及び認識される損失金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 経営者は、実質価額の見積りに用いられた仮定は合理的であると判断しております。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、将来の予測不能な前提条件の変化などにより、これらの評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来において当社及び連結子会社が減損処理又は投資損失引当金の計上を行う可能性があります。 ③ 固定資産の減損 当社グループでは、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、事業用資産のうち、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。 ④ 繰延税金資産の状況 (ⅰ)繰延税金資産の算入根拠 当社グループでは、会計基準に従い、税務上の繰越欠損金や企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。 (ⅱ)過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値) (単位:百万円) 回次   第84期   第85期   第86期   第87期   第88期 決算年月   2021年3月   2022年3月   2023年3月   2024年3月   2025年3月 通算グループの課税所得   92,842   106,263   51,393   161,466   147,874 (注) 提出会社を通算親法人とする通算グループの所得を記載しております。また、記載した課税所得は法人税確定申告書上の繰越欠損金控除前の数値であり、その後の変動は反映されておりません。 なお、当連結会計年度末に係る連結貸借対照表上の繰延税金資産73億円のうち、提出会社を通算親法人とする通算グループの計上額合計は33億円であります。 (ⅲ)見積りの前提とした税引前当期純利益の見込額 提出会社を通算親法人とする通算グループの課税所得見積期間を3年とし、同期間の税引前当期純利益を4,818億円と見積もっております。 (ⅳ)繰延税金資産・負債の主な発生原因 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 税効果会計関係 1」に記載のとおりであります。 なお、ロシア・ウクライナ情勢及び中東情勢の緊迫化や、トランプ政権の関税政策による経済情勢や相場への影響は、現時点においてはこれらの見積りに重大な影響を及ぼしておりませんが、今後、入手可能となる情報等によりこれらの市場、経済又は地政学リスクが顕在化した場合には、会計上の見積りに用いられた前提条件に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループにおきましては、投資事業における保有資産の評価に関する見積りの変化による減損又は評価損の計上、不動産アセットマネジメント事業における資産の稼働率低下による財務内容悪化懸念などの可能性があります。 (2)当連結会計年度の財政状態の分析 <資産の部> 当連結会計年度末の総資産は前年度末比2兆532億円(5.7%)増加の38兆776億円となりました。内訳は流動資産が同1兆9,438億円(5.7%)増加の36兆2,195億円であり、このうち現金・預金が同334億円(0.9%)増加の3兆7,901億円、有価証券が同5,538億円(34.9%)増加の2兆1,407億円、トレーディング商品が同4兆641億円(48.8%)増加の12兆3,916億円、営業貸付金が同8,170億円(29.2%)増加の3兆6,105億円、有価証券担保貸付金が同3兆2,248億円(21.0%)減少の12兆1,526億円となっております。固定資産は同1,094億円(6.3%)増加の1兆8,580億円となっております。 <負債の部・純資産の部> 負債合計は前年度末比1兆9,307億円(5.7%)増加の36兆318億円となりました。内訳は流動負債が同2兆2,845億円(7.4%)増加の32兆9,799億円であり、このうちトレーディング商品が同1兆3,235億円(17.8%)増加の8兆7,607億円、有価証券担保借入金が同1兆6,370億円(10.6%)減少の13兆8,084億円、銀行業における預金が同7,443億円(17.3%)増加の5兆420億円、短期借入金が同6,185億円(43.7%)増加の2兆339億円となっております。固定負債は同3,557億円(10.5%)減少の3兆436億円であり、このうち社債が同1,874億円(15.4%)減少の1兆310億円、長期借入金が同1,858億円(9.1%)減少の1兆8,507億円となっております。 純資産合計は同1,225億円(6.4%)増加の2兆458億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計は5,139億円となりました。利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益を1,752億円計上したほか、配当金798億円の支払いを行ったこと等により、同799億円(7.7%)増加の1兆1,214億円となっております。自己株式の控除額は同364億円(32.2%)増加の1,495億円、その他有価証券評価差額金は同300億円(60.0%)増加の802億円、為替換算調整勘定は同362億円(27.2%)増加の1,699億円、非支配株主持分は同7億円(0.3%)減少の2,764億円となっております。 (3)当連結会計年度の経営成績の分析 ① 事業全体の状況 当連結会計年度の営業収益は前年度比7.0%増の1兆4,679億円、純営業収益は同11.5%増の7,204億円となりました。 受入手数料は4,784億円と、同14.9%の増収となりました。委託手数料は、株式取引が増加したことにより、同23.2%増の1,096億円となりました。引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、エクイティ引受案件が減少したことにより、同16.7%減の399億円となりました。 トレーディング損益は、債券収益が減少したこと等により、同1.4%減の1,058億円となりました。 金融収支は、レポ取引費用が減少したこと等により、同18.7%増の926億円となりました。 販売費・一般管理費は同7.1%増の5,130億円となりました。取引関係費は、支払手数料が増加したこと等により、同9.2%増の1,001億円、人件費は、給料や業績に連動する賞与が増加したこと等により、同4.6%増の2,561億円となっております。 以上より、経常利益は同4.4%増の2,345億円となりました。 また、固定資産売却益や投資有価証券売却益等により特別利益が354億円(前年度41億円)、金融商品取引責任準備金繰入れや関係会社株式売却損等により特別損失が60億円(前年度98億円)となり、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比13.5%増の1,752億円となりました。 ② セグメント情報に記載された区分ごとの状況 純営業収益及び経常利益をセグメント別に分析した状況は次のとおりであります。 (単位:百万円) 純営業収益   経常利益又は経常損失(△) 2025年 3月期   2026年 3月期   増減率   構成比率   2025年 3月期   2026年 3月期   増減率   構成比率 (注) ウェルスマネジメント部門   255,841   295,788   15.6%   41.1%   80,664   112,033   38.9%   47.4% アセットマネジメント部門   102,517   111,930   9.2%   15.5%   77,418   65,432   △15.5%   27.7% 証券アセットマネジメント   57,960   70,722   22.0%   9.8%   27,841   37,652   35.2%   - 不動産アセットマネジメント   29,619   36,885   24.5%   5.1%   29,029   33,053   13.9%   - オルタナティブアセットマネジメント   14,938   4,321   △71.1%   0.6%   20,547   △5,272   -   - グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門   234,196   257,395   9.9%   35.7%   42,738   58,995   38.0%   24.9% グローバル・マーケッツ   149,044   168,472   13.0%   23.4%   29,005   40,805   40.7%   17.3% グローバル・インベストメント・バンキング   85,151   88,922   4.4%   12.3%   11,605   14,566   25.5%   6.2% その他・調整等   53,435   55,313   -   7.7%   23,895   △1,950   -   - 連結 計   645,990   720,427   11.5%   100.0%   224,716   234,510   4.4%   100.0% (注)経常利益又は経常損失(△)の構成比率は、当連結会計年度において経常利益であったセグメントの経常利益合計に占める、各セグメントの経常利益の割合としております。 [ウェルスマネジメント部門] ウェルスマネジメント部門の主な収益源は、国内の個人投資家及び未上場会社のお客様の資産管理・運用に関する商品・サービスの手数料と、大和ネクスト銀行における預金の受入れ等による調達資金の運用から得られる利鞘収入です。経営成績に重要な影響を与える要因には、お客様動向を左右する国内外の金融市場及び経済環境の状況に加え、お客様のニーズに合った商品の開発状況や引受け状況及び販売戦略が挙げられます。 当連結会計年度において大和証券は以下の事業計画に沿って活動を行いました。 1.お客様に対する深い理解に基づいた最適なコンサルティングの提供によるウェルスマネジメントビジネスのさらなる深化 2.富裕層や法人のお客様の高度なニーズに応えるオーダーメイドで付加価値の高い商品・サービス・ソリューションの拡充及び提供 3.デジタルマーケティングによるお客様に合わせたタイムリーかつ適切なサービス提供体制の深化 4.外部提携、ワークプレイス(職域)ビジネスによる顧客基盤の拡大 各項目の実績は以下のとおりです。 1.当期も引き続き、お客様の資産状況やニーズなどのヒアリングを踏まえ、最適なポートフォリオ提案やソリューション提案を実践しました。これらの取組みにより、資産導入額は2007年以来の高水準、ラップ口座サービスの契約金額および株式投資信託の純増額は過去最高を記録するなど、顧客基盤の拡充およびマーケット環境に左右されにくい収益基盤の構築が進展しました。 2.多様なお客様のニーズに応えられるよう、高度化するお客様のニーズに応えるべく、特定投資家向け銘柄制度(J-ships)の取扱い協会員として指定を受けるなど、商品・サービス・ソリューションの拡充に取り組みました。 3.グループ連携プラットフォームとして、資産管理および投資に関する情報を提供するスマートフォンアプリ「D-Port」を導入し、デジタル・営業店・コンタクトセンターが三位一体の体制となって、顧客に応じたアプローチを行う体制づくりに努めました。 4.株式会社ゆうちょ銀行に提供している「ゆうちょファンドラップ」に加え、株式会社あおぞら銀行を含む4行において「みらい彩りラップ」の取扱いを開始するなど外部提携の拡大にむけた取組みを強化しました。その結果、提携先経由でのファンドラップの契約残高は大きく増加しています。さらに、2026年4月より、株式会社岩手銀行との協業を開始するなど、顧客基盤の拡大を着実に進めています。 当連結会計年度は、引き続きお客様の資産状況や課題を把握することにより、最適なポートフォリオ提案やソリューション提案を実践しました。この取組みにより、ラップ口座サービス及び株式投資信託の純増額は過去最高を記録するなど、顧客基盤の拡充及びマーケット環境に左右されにくい収益基盤の構築が進展し、資産導入額は1兆6,342億円と高水準を維持しました。投信代理事務手数料及びラップ関連収益は増収となり、残高ベース収益は前年度比10.3%増の1,232億円と順調に拡大しました。 当連結会計年度において大和ネクスト銀行は以下の事業計画に沿って活動を行いました。 1.預金量の拡大と収益性の両立 2.グループ内連携の強化 3.国内外の金利環境に応じた運用残高の拡大及び運用高度化 4.応援定期預金やESG投融資への継続的取り組み 各項目の当連結会計年度における実績は以下のとおりです。 1.円預金について、金利環境の変化を踏まえた競争力のある金利水準を提供するとともに、預金残高の安定的な積み上げに取り組みました。外貨預金においても業界トップ水準の金利を維持し、各種キャンペーンの実施等を通じて新規預金の獲得を図りました。 2.大和証券との連携のもと、お客様の資産運用・資金ニーズを踏まえた商品・サービスの提供を行うなど、証銀連携の取り組みを通じてグループ内連携の強化を進めました。 3.国内外の金利環境及び市場動向を踏まえ、ポートフォリオの見直しや運用手法の高度化を進めるとともに、貸出や有価証券投資を通じた投融資に取り組み、収益機会の確保を図りました。 4.応援定期預金の提供を継続するとともに、サステナビリティKPIの一つである、ESG投融資について、残高維持に向けた取り組みを行いました。 大和ネクスト銀行の当連結会計年度末の預金残高(譲渡性預金含む)は前年度末比17.5%増の5.0兆円、銀行口座数は前年度比20.8%増の228万口座となりました。 これらの結果、当連結会計年度のウェルスマネジメント部門における純営業収益は前年度比15.6%増の2,957億円、経常利益は同38.9%増の1,120億円となりました。 [アセットマネジメント部門] アセットマネジメント部門は、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメント及びオルタナティブアセットマネジメントで構成されます。 証券アセットマネジメントの主な収益源は、当社連結子会社の大和アセットマネジメントにおける投資信託の組成と運用に関する報酬です。また、当社持分法適用関連会社である三井住友DSアセットマネジメントの投資信託組成と運用及び投資顧問業務に関する報酬からの利益は、当社の持分割合に従って経常利益に計上されます。経営成績に重要な影響を与える要因には、マーケット環境によって変動するお客様の投資信託及び投資顧問サービスへの需要と、マーケット環境に対するファンドの運用パフォーマンスや、お客様の関心を捉えたテーマ性のある商品開発等による商品自体の訴求性が挙げられます。 不動産アセットマネジメントの主な収益源は、当社連結子会社の大和リアル・エステート・アセット・マネジメント、大和証券リアルティ、大和証券オフィス投資法人及びサムティ・レジデンシャル投資法人の不動産運用収益等です。また、当社持分法適用関連会社であるSong Holdings合同会社(サムティホールディングスの親会社)、サムティアセットマネジメント及び大和証券リビング投資法人の損益は、当社の持分割合に従って経常利益に計上されます。経営成績に重要な影響を与える要因には、国内の不動産売買市場・賃貸需給の動向が挙げられます。 オルタナティブアセットマネジメントの主な収益源は、当社連結子会社である大和企業投資、大和PIパートナーズ及び大和エナジー・インフラの投資先の新規上場(IPO)・M&A等による売却益や、投資事業組合への出資を通じたキャピタルゲインのほか、契約に基づきファンドから受領する、管理運営に対する管理報酬や投資成果に応じた成功報酬、投資した株式からの配当、売電収入などのインカムゲインです。経営成績に重要な影響を与える要因には、株式市場やIPO市場の動向、投資先企業の評価額に影響を及ぼす可能性のある経済環境の状況、保有する有価証券や投資資産の流動性が挙げられます。 当連結会計年度において、アセットマネジメント部門は以下の事業計画を実行しました。 1.幅広い投資家層に訴求する運用商品・ブランドの確立、魅力的なオルタナティブ商品の展開を通じたさらなる運用残高拡大 2.かんぽ生命との資産運用分野における協業を軸にした運用の高度化、国内外における投資顧問ビジネスの基盤構築 3.不動産アセットマネジメント事業における運用力・物件ソーシング力の強化、運用商品の拡大及びグループ内連携の推進 4.オルタナティブファンドの拡大に向けたパフォーマンスの追求と基盤の構築 各項目の実績は以下のとおりです。 1.大和アセットマネジメントでは商品ブランドのマーケティングに注力し、iFreeシリーズやオルタナティブ商品への好調な資金流入により運用資産残高は過去最高水準となりました。 2.2025年7月に、大和アセットマネジメントは三井物産オルタナティブインベストメンツ株式会社(新商号:大和かんぽオルタナティブインベストメンツ株式会社)を子会社化し、オルタナティブ資産運用分野へ本格参入しました。 3.大和リアル・エステート・アセット・マネジメントでは運用する私募REITの物件取得や私募ファンドの運用受託を通じて運用資産残高が増加しました。 4.大和PIキャピタルでは運営するプライベート・エクイティファンドにおいて飲食ビジネスを中心に投資を実行しました。大和企業投資では、「大和日台バイオベンチャー3号投資事業有限責任組合」を設立しました。 証券アセットマネジメントは増収増益となりました。大和アセットマネジメントの運用資産残高は、資金純増と時価の上昇により、前年度末比10.9兆円増の44.2兆円となりました。その結果、証券アセットマネジメントの純営業収益は前年度比22.0%増の707億円、経常利益は同35.2%増の376億円となりました。 不動産アセットマネジメントは運用する投資法人向けの物件売却による売却益の計上や運用報酬の積み上げにより増収増益となりました。私募REITの物件取得や私募ファンドの運用受託等により、大和リアル・エステート・アセット・マネジメント及びサムティ・レジデンシャル投資法人の2社を合わせた運用資産残高は前年度末比2,015億円増の1兆7,978億円となりました。その結果、不動産アセットマネジメントの純営業収益は前年度比24.5%増の368億円、経常利益は同13.9%増の330億円となりました。 オルタナティブアセットマネジメントは経常損失を計上しました。大和企業投資では、国内外の成長企業への投資や上場支援に貢献しながら、投資先の売却益により収益を確保しました。大和PIパートナーズでは、国内外で金銭債権投資、不動産ローン、企業向け投融資を実行するとともに、既存案件の回収を進めました。大和エナジー・インフラでは、持続可能な開発目標(SDGs)に資するエネルギー・インフラ関連投資を実行しながら、インカムゲイン及びキャピタルゲインを計上した一方で、再生可能エネルギー関連における一部投資先の再評価により引当金の計上及び減損処理を行いました。その結果、オルタナティブアセットマネジメントの純営業収益は前年度比71.1%減の43億円、経常損失は52億円となりました。 これらの結果、当連結会計年度のアセットマネジメント部門の純営業収益は前年度比9.2%増の1,119億円、経常利益は同15.5%減の654億円となりました。 [グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門] グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門は、機関投資家等を対象に有価証券のセールス及びトレーディングを行うグローバル・マーケッツと、事業法人、金融法人等が発行する有価証券の引受けやM&Aアドバイザリー業務を行うグローバル・インベストメント・バンキングによって構成されます。 グローバル・マーケッツの主な収益源は、機関投資家に対する有価証券の売買に伴って得る顧客フロー収益及びトレーディング収益であり、地政学リスクや国際的な経済状況等で変化する市場の動向や、それに伴う顧客フローの変化が、経営成績に重要な影響を与える要因となります。 グローバル・インベストメント・バンキングの主な収益源は、引受業務やM&Aアドバイザリー業務によって得る引受け・売出し手数料とM&A手数料であり、顧客企業の資金調達手段の決定やM&Aの需要を左右する国内外の経済環境等に加え、当社が企業の需要を捉え、案件を獲得できるかどうかが経営成績に重要な影響を与える要因となります。 当連結会計年度において、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門として以下の事業計画を実行しました。 1.幅広いお客様ニーズを捉えた多様なプロダクト・高度なソリューションの提供 2.ウェルスマネジメント部門をはじめとしたグループ連携の更なる強化によるビジネス基盤の拡大 3.未上場企業への更なるソリューションの提供及び国内外M&Aの強化 4.経営資源のリアロケーションを通じた収益性の向上 各項目の実績は、以下のとおりです。 1.引受ビジネス、M&Aの取組みとして、株式の非公開化や政策保有株式の売却、金利上昇局面における前倒し負債調達、業界再編、といったお客様の多様なニーズを的確に捉えた提案を行い、案件の獲得に取り組みました。 2.ウェルスマネジメント部門との連携強化として、外国株の売買代金・預り残高の拡大やポートフォリオ提案の推進など外貨資産領域に注力しました。 3.未上場企業のお客様に対してIPOに留まらない多様なソリューションを提供し、国内外M&Aビジネスにおいては、効率的な収益拡大のためにアドバイザリーサービスの高付加価値化に取り組みました。 4.グローバル・インベストメント・バンキングでは、テーマ別でのアプローチや大型案件に注力することで収益性の向上に取り組みました。グローバル・マーケッツでは、海外投資家からの継続的な日本株への関心の高さを背景とした体制強化など、お客様ニーズに合わせたリソースの再配分を進め、収益向上を図りました。 グローバル・マーケッツのエクイティ収益は、好調な株式市場を背景に機関投資家及び個人投資家の日本株フローが拡大したことに加え、個人投資家の外国株の売買が増加基調となったことにより、増収となりました。フィクスト・インカム収益は、国内において金利上昇を背景に機関投資家のポートフォリオ入れ替えニーズが強まり、増収となりました。海外においても米国金利の高いボラティリティの影響により増収となりました。その結果、グローバル・マーケッツの当連結会計年度の純営業収益は前年度比13.0%増の1,684億円、経常利益は同40.7%増の408億円となりました。 グローバル・インベストメント・バンキングでは、株式会社コーエーテクモホールディングス、信越化学工業株式会社の株式売出しや株式会社JVCケンウッドによる転換社債型新株予約権付社債及びKDDI株式会社による普通社債などで主幹事を務めたほか、伊藤忠商事株式会社による本邦初となるオレンジボンド(注1)の引受における主幹事及びStructuring Agent(注2)を務めました。当連結会計年度の引受け・売出し手数料は、前年度比16.7%減の399億円となりました。M&Aアドバイザリー業務では、NTT株式会社による株式会社NTTデータの完全子会社化、パラマウントベッドホールディングス株式会社の非上場化、株式会社パロマ・リームホールディングスによるフランスのGroupe Atlanticの株式過半数取得など、多くの案件に関与しました。これらの結果、グローバル・インベストメント・バンキングの当連結会計年度の純営業収益は前年度比4.4%増の889億円、経常利益は同25.5%増の145億円となりました。 その結果、当連結会計年度のグローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門における純営業収益は前年度比9.9%増の2,573億円、経常利益は同38.0%増の589億円となりました。 (注)1 オレンジボンド:女性活躍推進等、ジェンダー平等に資するプロジェクトに対する資金調達を目的とした債券。 2 Structuring Agent:フレームワークの策定や第三者評価の取得に関する助言を通じて、オレンジボンドなどの発行支援を行う者。 [その他] その他の事業には、主に大和総研によるリサーチ・コンサルティング業務及びシステム業務などが含まれます。 当連結会計年度において大和総研グループは以下の事業計画を実行しました。 1.シンクタンクとしての時宜を得た良質な情報発信による、社会・経済の健全な発展と資産運用立国への貢献 2.AI・データサイエンスの活用によるお客様の企業価値最大化への貢献 3.ヘルステック事業を通じた人的資本経営への貢献 各項目の当連結会計年度における実績は以下のとおりです。 1.国内外の経済見通しや金融制度、人的資本経営、サステナビリティ、IT・デジタル技術等に関する調査・分析を行い、レポートや出版物、セミナー等による情報発信や政策提言活動を通じて、プレゼンス向上に寄与しました。 2.金融機関や事業法人向けに業務高度化・効率化のソリューションを提供したほか、開発の効率化・期間短縮を進めました。新規事業では、生成AIを活用した自律検証型システムマイグレーションツールやWeb3技術を活用したデジタル証明書サービスの展開を推進しました。 3.健康保険組合向け情報管理システム等について、商品性強化やサービス品質向上を目的とした再構築と機能改善を行いました。また、従業員向けの健康支援サービスを正式リリースしたほか、企業および健康保険組合向けのヘルスケアデータ分析支援サービス開発を進めました。 大和総研は、当社グループのシステム開発を着実に遂行したほか、高付加価値のソリューション提案により、お客様との関係を強化したこと、また、大口顧客向けシステム開発案件を手掛けたこと等により、当社グループの収益に貢献しました。 当連結会計年度において、その他・調整等に係る純営業収益は553億円(前年度534億円)、経常損失は19億円(前年度経常利益238億円)となりました。 ③ 目標とする経営指標の達成状況等 当社グループでは、2024年度から2026年度にかけての中期経営計画~“Passion for the Best”2026~を公表し、業績KPIとして連結経常利益、連結ROE及びベース利益(注1)を掲げています。また、グループ経営基本方針である「お客様の資産価値最大化」を追求するお客様資産KPIとして、預り資産(注2)、ストック関連資産(注3)及びアセットマネジメント部門AUM(注4)を設定しています。 中期経営計画2年目となる当連結会計年度においては、業績KPIは、連結経常利益2,400億円以上の目標に対し2,345億円、連結ROE10%程度の目標に対し10.3%、ベース利益1,500億円の目標に対して1,827億円となり、順調な業績を上げることができました。お客様資産KPIは、預り資産120兆円の目標に対し104兆円、ストック関連資産13.6兆円の目標に対し12.2兆円、AM部門AUM44兆円の目標に対し46.1兆円となり、着実に目標値に向けて増加しています。 2025年度は、米国新政権の通商政策の本格化により世界経済が構造的な変化に直面する一方、国内では高市新政権の発足や企業のガバナンス改革の進展を背景に海外投資家からの資金流入が続き、日経平均株価が史上最高値を更新するとともに、「金利のある世界」が定着するなど、大きな転換点を迎えた一年となりました。当社ではこうした経済環境を追い風に、グループ経営基本方針である「お客様の資産価値最大化」に向けて、ウェルスマネジメントビジネスの強化やアセットマネジメントビジネスの高度化が着実に進捗した一年となりました。また、中長期的な経営指針となる「2030Vision」の根底に取り入れたサステナビリティへの取組み推進においても、サステナブルファイナンスへの社会的ニーズの一層の高まりを受けてSDGs債の引受け実績を積み上げ、着実な進捗があったと評価しています。 (注)1 ベース利益:ウェルスマネジメント部門、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメントの経常利益合計 2 預り資産:大和証券の預り資産残高 3 ストック関連資産:投資信託、ファンドラップ、外貨預金 4 AM部門AUM:大和アセットマネジメント、大和ファンド・コンサルティング、大和リアル・エステート・アセット・マネジメント、サムティ・レジデンシャル投資法人、大和PIパートナーズ、大和エナジー・インフラ、大和企業投資のAUM合計 ④ 経営成績の前提となる2025年度のマクロ経済環境 <海外の状況> 2025年の世界経済を振り返ると、米国による追加関税措置があったにも関わらず、底堅い景気が続きました。この背景には、第二次トランプ政権が実施した関税率が公表当初よりも低下し、景気への悪影響が軽減されたことに加え、拡張的な財政政策や積極的なAI関連投資などが下支えしたことがあります。他方で、2026年の世界経済は成長の鈍化が見込まれます。IMF(国際通貨基金)が2026年4月に公表した世界経済見通しによれば、2026年の世界経済の実質GDP成長率は前年比+3.1%と、2025年の同+3.4%から減速すると予想されています。2026年2月末からの中東情勢の悪化が世界経済の下押し要因となっています。原油価格の上昇はインフレ圧力を強化し、家計の実質的な購買力を押し下げるとともに、金利上昇といった金融環境のタイト化を通じて、設備投資や住宅投資の重石となることが想定されます。 主要先進国・地域については、まず、米国の2026年1-3月期の実質GDP成長率が、前期比年率+2.0%と2025年10-12月期の同+0.5%から加速しました。政府支出が2025年10-12月期に発生した政府閉鎖による急減から反動増となったことに加え、AI関連の設備投資が全体を押し上げました。 金融面では、FRB(連邦準備制度理事会)は関税率引き上げによるインフレ再加速への警戒から2025年1-8月にかけて金利を据え置きました。他方、2025年夏場以降は雇用環境の悪化懸念が高まったことから、2025年9-12月に合計0.75%ptの利下げを実施しました。この結果、FF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジは3.50-3.75%と、FOMC参加者が想定する景気に中立的な金利水準(中立金利)の上限付近まで低下しました。FFレートが中立金利の上限に位置する中で、2026年1月以降、FRBは再び金利を据え置いています。パウエルFRB議長は、2026年4月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、わずかに引き締め的な金利水準にある現状は、中東情勢の混乱を巡って不確実性が高い中で様子見をするのに適していると述べています。 続いて、欧州経済(ユーロ圏経済)は、減速傾向を示しています。2026年1-3月期のユーロ圏の実質GDP成長率は前期比年率+0.6%と、2025年10-12月期の同+0.8%から減速しました。実質GDP成長率を国別に見ると、スペインが高成長を維持するとともに、財政支出を拡大させたドイツの成長ペースが加速した一方、フランスやイタリアが減速しました。金融面では、ECB(欧州中央銀行)は2024年6月から利下げフェーズへと転じた後、2025年1-6月にかけて合計1.00%ptの利下げを実施しました。他方で、インフレ2%目標の達成が近づいたとの認識から、2025年7月以降は政策金利(預金ファシリティ金利)を据え置き、様子見姿勢を続けています。ラガルドECB総裁は、2026年4月のECB理事会で政策金利の水準が良好な位置にあること、エネルギー価格上昇に伴う二次的な影響は見られないこと、データ等を精査・再検討する必要があること等から、様子見が妥当との見解を示しています。 最後に、新興国全体を概観すると、2025年は米国による追加関税措置がある中でも景気の底堅さが継続してきましたが、足元では中東情勢の混乱によるエネルギー価格の上昇が成長率鈍化をもたらしうるリスク要因となっています。IMFは2026年の新興国の実質GDP成長率を前年比+3.9%と見込んでおり、2025年の同+4.4%から減速すると予想しています。具体的には、原油高が続けば、原油備蓄量の小さいインドネシアや、ベトナム、原油輸入依存度の高いタイ、インドを中心に悪影響が拡大することが懸念されています。なお、原油高は資源輸出国に追い風となりえますが、武力攻撃によるインフラへの直接的な被害が大きい中東諸国を中心に短期的には景気の落ち込みが大きいと考えられます。 世界第二位の経済規模を誇る中国に関しては、2026年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.0%と2025年10-12月期の同+4.5%から加速しました。設備・住宅投資などを含む総資本形成が加速し、全体を押し上げた一方、最終消費支出と純輸出のプラス幅は縮小しました。当面は不動産不況が継続するとともに、個人消費は家電や自動車といった買い替え補助金政策の変更等によって伸び悩むことが想定され、内需は厳しい状況が継続すると考えられます。 <日本の状況> 日本経済は、個人消費や設備投資、輸出の増加を主因として、2024年4-6月期から5四半期連続でプラス成長を続けました。2025年7-9月期は、トランプ米政権による高関税政策(トランプ関税)の下で輸出が減少したり、建築基準法等の改正(2025年4月)前に生じた駆け込み需要の反動で、民間住宅が大きく落ち込んだりした結果、前期比年率△2.5%となりました。10-12月期は、設備投資が好調だったほか、民間住宅が持ち直しに転じたことなどから、前期比年率+0.8%のプラス成長に転じました。2026年1-3月期は、個人消費や輸出が堅調に推移したことで、前期比年率+2.1%程度のプラス成長で着地しました。 需要項目ごとにみると、個人消費は持ち直しを続けています。賃金上昇が物価上昇に追い付かない中で、実質賃金が低下を続けたことなどを背景に、個人消費は2023年4-6月期から5四半期連続で減少しました。しかし、2024年7-9月期以降は春闘での高水準の賃上げなどを受けて所得環境の改善が進んでいることもあり、増加基調が定着しています。2026年1-3月期も、非耐久財やサービスを中心に増加しました(前期比+0.3%)。 企業部門の需要である設備投資も、総じて増加基調にあります。設備投資は2023年度、外需における先行き不透明感の高まりや、自動車の減産などを背景に横ばい圏で推移しました。2024年4-6月期以降は自動車の生産体制が正常化したり、高水準の企業収益が続く中で省力化投資やデジタル化、脱炭素への対応が広がったりしたことを受けて、振れを伴いつつも増加しました。2026年1-3月期も前期比+0.3%と増加し、研究開発や建設、機械など、幅広く投資が進んだとみられます。 輸出は、2024年1-3月期には前述した自動車の減産などを受けて前期比△2.9%と減少しました。4-6月期には設備投資同様、自動車の増産を受けて持ち直しに転じ、その後はインバウンド消費を含むサービス輸出の拡大なども重なり、2025年4-6月期まで増加基調を維持しました。7-9月期は前期比△1.6%と、トランプ関税の影響などから減少に転じたものの、10-12月期は前期比+0.2%、2026年1-3月期は前期比+1.7%と持ち直しました。 金融面では、日本銀行は、2024年3月の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除と、短期金利に加えて長期金利(10年国債利回り)も操作対象とする金融緩和措置(イールドカーブ・コントロール)の撤廃を決定し、短期金利を操作目標とする通常の金融政策へ移行しました。そして、2024年7月の金融政策決定会合において、短期金利の誘導目標を0.25%程度に引き上げました。その後も、基調的な物価上昇率が目標水準である2%に向けて徐々に高まっているとの判断のもと、2025年1月と12月の金融政策決定会合において、短期金利の誘導目標をそれぞれ0.50%程度、0.75%程度へ段階的に引き上げました。また、国債の買入れに関しては、2024年7月の金融政策決定会合で長期国債買入れ予定額を原則として毎四半期4,000億円程度ずつ減額する計画を示し、2025年6月には、2026年4月以降の減額幅を毎四半期2,000億円程度ずつに縮小する方針を示しました。2024年7月に月額5.7兆円程度であった買入れ額は、2026年度末で同2.1兆円程度へと減額され、日本銀行の保有する国債残高は2027年3月に減額開始前の2024年6月から16~17%減少すると見込まれています。さらに、2025年9月の金融政策決定会合では、日本銀行が保有するETFおよびJ-REITについて、それぞれ簿価で年間3,300億円程度、50億円程度のペースで市場への売却を行うことを決定しました。 為替市場をみると、2025年度は円高から円安基調への転換が進みました。2025年初以降、トランプ政権の関税政策が米国に景気後退をもたらすとの見方が強まったことで円高が進み、ドル円レートは4月に一時1ドル139円台となりました。ただしその後は、米中関税交渉の進展や堅調な米経済指標を背景とした早期利下げ期待の後退、高市早苗政権の誕生を受けた財政拡張懸念の高まりなどから、ドル円レートは2026年初にかけて円安が進行しました。1月下旬には日米当局による為替介入への警戒感が強まる中で一時円高方向に振れましたが、2月末の米国・イスラエルによるイランへの攻撃を受け、リスク回避のドル買い圧力や資源価格高騰を受けた貿易赤字の拡大懸念から、ドル円レートは再び円安方向で推移しました。 株式市場では、2025年度は下落から始まったものの、その後は概ね上昇傾向で推移しました。2025年に入ると、世界的な景気後退リスクの高まりから日経平均株価は軟調な動きとなり、4月には米国の関税政策の強化を背景に一時は約1年5カ月ぶりの安値まで落ち込みました。しかし、その後は生成AI市場の成長期待を受けた半導体関連銘柄への買い、米関税措置に関する日米協議の合意、高市政権の政策期待等が相場を押し上げ、日経平均株価は2026年2月に史上最高値を更新しました。もっとも、2月末の米国・イスラエルによるイランへの攻撃を受け、中東情勢の悪化と原油の供給不安が意識され、株価は3月にかけて大幅に下落しました。 2026年3月末の日経平均株価は51,063円72銭(2025年3月末比15,446円16銭高)、10年国債利回りは2.366%(同0.869%ptの上昇)、為替は1ドル159円63銭(同10円49銭の円安)となりました。 (4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析 ① 営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (単位:百万円) 2025年3月期   2026年3月期 営業活動によるキャッシュ・フロー   △454,066   438,963 投資活動によるキャッシュ・フロー   △353,443   △583,599 財務活動によるキャッシュ・フロー   199,019   199,423 現金及び現金同等物に係る換算差額   △3,763   △21,861 現金及び現金同等物の増減額(△は減少)   △612,253   32,925 現金及び現金同等物の期首残高   4,351,951   3,739,698 現金及び現金同等物の期末残高   3,739,698   3,772,624 当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、トレーディング商品の増減、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減などにより、4,389億円(前年度は△4,540億円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出や売却及び償還による収入などにより、△5,835億円(同△3,534億円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額などにより、1,994億円(同1,990億円)となりました。これらに為替変動の影響等を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前年度末比329億円増加の3兆7,726億円となりました。 ② 資本の財源及び流動性に係る情報 (ⅰ)流動性の管理 <財務の効率性と安定性の両立> 当社グループは、多くの資産及び負債を用いる有価証券関連業務や、投融資業務を行っており、これらのビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。 当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。 財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めると同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。 当社は、「金融商品取引法第五十七条の十七第一項の規定に基づき、最終指定親会社が当該最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性のうち流動性に係る健全性の状況を表示する基準」(平成26年金融庁告示第61号)により連結流動性カバレッジ比率(以下、「LCR」という。)及び連結安定調達比率(以下、「NSFR」という。)を所定の比率(それぞれ100%)以上に維持することが求められており、当第4四半期日次平均のLCRは125.8%です。また、当第4四半期末のNSFRは有価証券報告書提出日における速報値で125.3%となっており、確定値は算出完了次第、当社ホームページにて公表する予定です。また、当社は、上記金融庁告示による規制上のLCR及びNSFRを流動性に係るリスクアペタイトとして管理・モニタリングしていることに加え、一定期間無担保調達が行えない場合でも業務の継続が可能となるように流動性ストレステストを中心とした流動性リスク管理態勢を構築しております。短期の無担保調達資金の十分性検証として、様々なストレスシナリオを想定したうえで、資金流出見込額をカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを日次で確認しております。長期の無担保調達資金の十分性検証として、ストレス期に換金性の低い資産に対する安定的な資金調達額を定期的にモニタリングしております。 当第4四半期日次平均のLCRの状況は次のとおりです。 (単位:億円) 日次平均 (自 2026年1月  至 2026年3月) 適格流動資産   (A)   30,784 資金流出額   (B)   54,437 資金流入額   (C)   29,972 連結流動性カバレッジ比率(LCR) 算入可能適格流動資産の合計額   (D)   30,784 純資金流出額   (E)   24,465 連結流動性カバレッジ比率   (D)/(E)   125.8% <グループ全体の資金管理> 当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っており、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする態勢を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。 <コンティンジェンシー・ファンディング・プラン> 当社グループは、流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する態勢を整備しております。 当社グループのコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。 また、金融市場の変動の影響が大きく、その流動性確保の重要性の高い大和証券、大和ネクスト銀行及び一部の海外証券子会社においては、更に個別のコンティンジェンシー・ファンディング・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。 なお、当社は、子会社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・ファンディング・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。 (ⅱ)株主資本 当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開し、新たな価値の提供に資する投融資を行うためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。 当連結会計年度末の株主資本は、前連結会計年度末比437億円増加し、1兆4,858億円となりました。また、資本金及び資本剰余金の合計は5,139億円となっております。利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益を1,752億円計上したほか、配当金798億円の支払いを行ったこと等により、同799億円増加し1兆1,214億円となりました。自己株式の控除額は同364億円増加し、1,495億円となっております。 ③ 財務戦略 当社グループの財務戦略の基本は、成長投資、資本効率性、財務健全性及び株主還元の最適なバランスを図り、健全な利益の確保を通じた持続的成長を実現することです。 持続的な成長の実現に際しては、規制並びに制度対応と適正な自己資本水準を維持することを重視しております。強固な財務基盤を堅持するため、過去の金融危機時のストレス・シナリオにも耐えうる資本のバッファーを加味して、連結総自己資本規制比率には社内管理水準を設定しております。 成長投資に関しましては、当連結会計年度も既存事業の競争力強化のための投資や事業ポートフォリオ多様化のための出資などを実行いたしました。その上で、連結総自己資本規制比率は、速報ベースで社内管理水準を上回っておりますので、証券ビジネスの顧客基盤拡大に向けた投資やコアビジネスと親和性のある周辺領域への投資は、今後も常に検討してまいります。 株主還元策については「第4提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりです。 当社の資金調達の方法については、「② 資本の財源及び流動性に係る情報」に記載しております。

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