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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

日本取引所グループ

Japan Exchange Group, Inc.8697 · Prime · その他金融業

日本唯一の総合取引所グループ。現物・デリバティブ市場の運営、清算・決済、情報サービスを一貫提供。

概要

日本取引所グループ(JPX)は、東京証券取引所、大阪取引所、日本証券クリアリング機構などを傘下に置く持株会社である。株式・デリバティブ取引の場の提供、清算・決済、情報サービス、自主規制までを一貫して担い、日本資本市場の中核インフラとして機能する。連結従業員1268名と少人数だが、2026年3月期の営業利益率は約58.5%と極めて高収益。収益の柱は取引関連収益、清算関連収益、上場関連収益、情報関連収益である。

現物市場とデリバティブ市場の二軸運営

グループの事業は現物市場とデリバティブ市場に大別される。現物市場では東京証券取引所が株式・債券等の取引を運営し、高速売買システム「arrowhead」を採用する。デリバティブ市場では大阪取引所が主体となり、日経225先物・オプション、TOPIX先物、長期国債先物などを取引システム「J-GATE」で提供する。2026年3月期の取引関連収益は773億99百万円で、うち現物取引料が552億65百万円と過半を占める。

清算・決済と情報サービスが収益を補完

日本証券クリアリング機構が取引所取引やPTS、店頭デリバティブの清算・決済を担い、債務引受により決済リスクを管理する。2026年3月期の清算関連収益は542億42百万円と前年比57.5%増加した。情報サービスでは、リアルタイム相場情報や適時開示情報を取引参加者・情報ベンダーに提供し、情報関連収益を生む。これらの収益は取引量に依存せず、収益基盤の安定化に寄与する。

自主規制法人による市場監視体制

グループは持株会社傘下に日本取引所自主規制法人を置き、上場審査・開示監視・取引監視を実施する。市場運営会社とは別法人とすることで中立性・実効性を確保している。商品市場については東京商品取引所内に自主規制委員会を設置する。自主規制機能は投資家の信頼維持に不可欠であり、グループの公共的役割の核心である。

業界の中での役割は金融商品取引所グループ(市場運営・清算・情報)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1,987億円
営業利益
1,163億円
営業利益率
58.5%
純利益
791億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01現物市場主力

株式・債券等の現物取引のための市場運営。東京証券取引所等において、高速取引システム「arrowhead」により売買を執行。

主な製品・サービス2
現物取引システム(arrowhead)
高速性・信頼性・拡張性を備えた株式等の売買システム。
上場関連サービス
企業の上場審査、上場後の開示・コーポレートアクション支援。

02デリバティブ市場主力

指数先物・オプション、国債先物、商品先物等のデリバティブ取引の場を提供。取引システム「J-GATE」を運用。

主な製品・サービス4
デリバティブ取引システム(J-GATE)
世界標準の取引機能と処理性能を持つ先物・オプション取引システム。
日経225先物・オプション
我が国を代表する株価指数先物・オプション。
TOPIX先物
東証株価指数を対象とした先物取引。
長期国債先物
長期金利の指標となる国債先物取引。

03清算・決済主力

日本証券クリアリング機構が、取引所取引、PTS、店頭デリバティブ等の清算・決済を実施。債務引受により決済リスクを管理。

主な製品・サービス1
清算業務
取引の債権債務を引き受け、決済を保証。ネッティングにより効率的な資金・証券決済を実現。

04情報サービス準主力

リアルタイムの相場情報、指数情報、統計情報、適時開示情報等を取引参加者・情報ベンダー等に提供。

主な製品・サービス2
市場情報配信サービス
株価、売買高、指数等のリアルタイム情報を配信。
適時開示情報検索サービス
上場会社の決算・重要事項等の開示情報を検索・閲覧可能。

05自主規制準主力

日本取引所自主規制法人が、市場の公正性・信頼性確保のため、上場会社の審査・開示監視、取引監視等を実施。

製品と技術

高速現物取引システム「arrowhead」

現物市場の売買システムとして「arrowhead」を運用する。高速性・信頼性・拡張性を兼ね備え、株式・債券等の取引を処理する。2025年度からはarrowheadタイムスタンプデータの提供も開始し、取引分析の高度化に貢献している。同システムは東京証券取引所の根幹を支え、2026年3月期の現物取引料収入は552億円超となった。

デリバティブ取引システム「J-GATE」と日経225商品

デリバティブ市場では世界標準の取引機能を持つ「J-GATE」を稼働する。代表商品は日経225先物・オプションで、2026年3月期の日経平均株価先物取引料は34億80百万円(日経225mini含む)、オプションは23億75百万円である。TOPIX先物、長期国債先物も提供し、長期国債先物は金利指標として高い流動性を持つ。

清算・決済の要「日本証券クリアリング機構」

グループの清算業務は日本証券クリアリング機構が担う。取引所で成立した現物・デリバティブ取引に加え、PTSや店頭デリバティブ、国債店頭取引の清算も行う。債務引受により決済を保証し、ネッティングで効率的な資金・証券決済を実現する。2026年3月期の清算関連収益は542億円に拡大し、収益の多様化に貢献している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

その他金融業のなかでの位置

取引所運営で国内トップ、市場変動に業績連動

日本取引所グループは国内唯一の総合取引所グループとして、株式・デリバティブ市場を独占的に運営している。同業他社であるウェッジホールディングスやMFSと比べ、収益規模は約2,000億円と突出しており、市場インフラとしての独占性が強み。上場企業の増加や取引活性化に伴い、売上高は堅調に拡大している。営業利益率は55%超と非常に高く、キャッシュフロー創出力も高い。一方、市場取引量や価格変動に業績が左右される構造であり、国内経済や投資家心理の影響を受けやすい。

強み

  • 国内唯一の総合取引所として、株式・先物などの取引インフラを独占提供
  • 営業利益率55%超と極めて高く、資本効率の良い事業モデルを確立
  • 上場企業の増加や取引高の拡大に伴い、売上高が安定的に成長している
  • 証券市場の信頼性と透明性を確保し、国内外の投資家から高い評価を得る

課題

  • 株価下落や取引低迷時には売上高が減少し、業績が悪化するリスクがある
  • 金融規制や取引制度の変更がビジネスモデルに影響を与える可能性がある
  • 暗号資産取引所など新興市場の台頭により、資金や取引が流出する恐れ

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

証券・カード・リースの時価総額近傍。太字が日本取引所グループ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
18591オリックス7.1兆円11.2倍
23382セブン&アイ・ホールディングス5.3兆円17.2倍
38604野村ホールディングス5.0兆円12.1倍
48267イオン3.8兆円50.7倍
58601大和証券グループ本社2.9兆円14.7倍
68697日本取引所グループ2.2兆円36.5倍
77186横浜フィナンシャルグループ2.2兆円20.4倍
88331千葉銀行2.2兆円19.2倍
98473SBIホールディングス2.1兆円5.2倍
108593三菱HCキャピタル2.1兆円14.8倍
114755楽天グループ1.6兆円

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(証券・カード・リース)に従っています。

会社の歴史

沿革 46件

東京・大阪の両取引所が発祥した1878年

1878年5月に東京株式取引所、同年6月に大阪株式取引所が設立免許を得た。これらが現在の東京証券取引所・大阪証券取引所の前身となる。その後1949年4月に会員組織として両取引所が設立され、同年5月に株券の売買を開始した。戦後復興期の日本資本市場の基盤がこの時点で再構築された。

新商品とシステム導入で市場を拡大した1960~80年代

1956年に債券市場、1966年に国債市場、1970年に転換社債市場を開設。1969年には東証株価指数(TOPIX)の算出を開始し、ベンチマークを提供した。1974年に相場報道システムが稼働、1985年には国債先物市場を開設。1988年には株価指数先物、1989年には株価指数オプション市場が相次いで開設され、デリバティブ商品の多様化が進んだ。

電子化と新興市場開設で変革した1990年代後半~2000年代

1999年に東京証券取引所が立会場を閉鎖し完全電子化へ移行、同年新興企業向け市場「マザーズ」を開設。2000年には広島・新潟の各取引所と合併し、2001年には大阪証券取引所が会員組織から株式会社へ組織変更した。2001年にはETF市場、REIT市場を開設。2007年には株式会社東京証券取引所グループを設立し持株会社体制へ移行した。

統合とグループ化で現在の体制が整った2010年代

2008年に大阪証券取引所がジャスダック証券取引所を子会社化。2013年には東京証券取引所グループと大阪証券取引所グループが経営統合し、日本取引所グループが発足した。これにより現物・デリバティブの取引所運営が一体化され、清算・決済機関もグループ内に揃った。2026年3月期の営業収益は1987億円に達し、日本唯一の総合取引所グループとしての地位を確立した。

年表46件を開く

1870年代

  • 1878年5月創業東京株式取引所設立免許(東京証券取引所の前身)
  • 1878年6月創業大阪株式取引所設立免許(大阪証券取引所の前身)

1940年代

  • 1949年4月創業会員組織として東京証券取引所、大阪証券取引所が設立
  • 1949年5月株券の売買を開始

1950年代

  • 1956年4月債券市場を開設(東京証券取引所・大阪証券取引所)

1960年代

  • 1961年6月創業東京証券取引所、株式会社東京証券計算センター設立(現・株式会社東証コンピュータシステム)
  • 1961年10月市場第二部制度を導入(東京証券取引所・大阪証券取引所)
  • 1966年10月東京証券取引所、国債市場を開設
  • 1969年7月東京証券取引所、東証株価指数(TOPIX)の算出・公表開始

1970年代

  • 1970年5月東京証券取引所、転換社債市場を開設
  • 1971年7月東京証券取引所、株券振替決済制度を導入
  • 1973年12月東京証券取引所、外国株市場を開設
  • 1974年9月東京証券取引所、相場報道システム稼働 大阪証券取引所、相場情報伝達システム稼動

1980年代

  • 1985年10月東京証券取引所、国債先物市場を開設
  • 1986年6月東京証券取引所、株式会社東京証券計算センターの子会社として株式会社東証システムサービスを設立
  • 1988年9月株価指数先物市場を開設(東京証券取引所・大阪証券取引所)
  • 1989年6月大阪証券取引所、株価指数オプション市場を開設
  • 1989年10月東京証券取引所、株価指数オプション市場を開設

1990年代

  • 1990年5月東京証券取引所、国債先物オプション市場を開設
  • 1996年10月大阪証券取引所、外国株市場を開設(1997年8月売買取引開始)
  • 1997年11月東京証券取引所、株券及び転換社債券に係る立会外取引制度導入
  • 1998年7月東京証券取引所、TDnet(適時開示情報伝達システム)稼動
  • 1999年4月東京証券取引所、株券売買立会場を閉場
  • 1999年7月大阪証券取引所、立会場廃止
  • 1999年11月東京証券取引所、新興企業向け市場「マザーズ」を開設

2000年代

  • 2000年3月M&A東京証券取引所と広島証券取引所及び新潟証券取引所が合併
  • 2000年5月大阪証券取引所、ナスダック・ジャパン市場を開設(同年6月売買開始)
  • 2001年3月M&A大阪証券取引所と京都証券取引所が合併
  • 2001年4月大阪証券取引所、会員組織から株式会社に組織変更
  • 2001年7月ETF市場を開設(東京証券取引所・株式会社大阪証券取引所)
  • 2001年8月商号変更東京証券取引所、証券会員制法人東京証券取引所に商号変更
  • 2001年9月東京証券取引所、不動産投資信託証券(REIT)市場を開設
  • 2001年11月東京証券取引所、証券会員制法人から株式会社に組織変更
  • 2002年1月創業株式会社証券保管振替機構が設立され、株式会社東京証券取引所が出資
  • 2002年2月M&A株式会社東京証券取引所、株式会社東証システムサービスを子会社化 株式会社東証コンピュータシステムを非子会社化(関連会社化)
  • 2002年7月創業株式会社東京証券取引所、株式会社日本証券クリアリング機構を設立
  • 2002年12月商号変更株式会社大阪証券取引所、ナスダック・ジャパン市場を「ヘラクレス」に変更
  • 2003年1月株式会社日本証券クリアリング機構、業務開始(株式会社東京証券取引所の現物清算業務を移管)
  • 2003年2月株式会社日本証券クリアリング機構に株式会社東京証券取引所のデリバティブ清算業務を移管
  • 2004年4月上場株式会社大阪証券取引所、株式を「ヘラクレス」に上場
  • 2004年7月創業株式会社東京証券取引所、株式会社ICJを日本証券業協会、Automatic Data Processing, Inc.(現・Broadridge Nederland Ⅱ B.V.)とともに設立
  • 2006年10月株式会社大阪証券取引所、株式分割の実施(1:3)
  • 2007年8月創業株式会社東京証券取引所グループを設立(単独株式移転により設立)
  • 2007年10月創業株式会社東京証券取引所グループ、東京証券取引所自主規制法人を設立(同年11月より業務開始)株式会社大阪証券取引所、金融商品取引法に基づく自主規制委員会を設置
  • 2008年1月株式会社東京証券取引所、ToSTNeT市場を開設(立会市場から独立)
  • 2008年12月M&A株式会社大阪証券取引所、株式会社ジャスダック証券取引所株式の76.1%を取得し同社を子会社化

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ROE2028年3月(3期連続、2025~2027年度)まで20.0%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    日本株市場の新時代を切り拓く

    上場会社の自律的な価値向上の促進、投資しやすい環境の醸成、エクイティ・オプション市場の振興に取り組み、資本コストや株価を意識した経営の浸透や開示の充実、グロース市場の成長支援などを進める。

  2. 02

    総合プラットフォーム化へ邁進する

    アジアにおける機軸マーケットとしての進化、金利関連商品・サービスの強化・拡大、エネルギー関連商品の振興を図り、通貨先物や電力先物などの新商品上場、清算サービスの拡充を進める。

  3. 03

    デジタルイノベーションを共創する

    データサービスの次世代化、AI等の先端技術の積極的な導入、業界全体の課題解決に向けた貢献により、AIを活用した情報サービスや共通データ基盤の構築、取引システムの高度化を進める。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で1,268人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は1,113万円で、9期前と比べて+8.8%平均年齢は46.8歳、平均勤続年数は19.8年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月1,085
2018年3月1,093
2019年3月1,02442.817.31,110
2020年3月1,01843.417.11,208
2021年3月1,02945.319.11,197
2022年3月1,03546.019.91,193
2023年3月1,05747.020.41,238
2024年3月1,06747.219.81,249
2025年3月1,11047.320.11,2637,134
2026年3月1,11346.819.81,2689,172

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率10.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率72.4%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)67.6%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社10(国内 10 / 海外 0、うち連結子会社 7) を有報から抽出しています。

主な関係会社
  • 国内
    株式会社東京証券取引所(注)1,4
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社大阪取引所(注)1
    大阪府大阪市中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社東京商品取引所(注)1
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社JPX総研(注)1,4
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    日本取引所自主規制法人(注)1,2
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社日本証券クリア リング機構(注)1,4
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権5.0%
  • 国内
    SCRIPTS Asia株式会社
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社ICJ
    東京都中央区 · 持分法適用会社
    議決権50.0%
  • 国内
    株式会社東証コンピュータシステム
    東京都港区 · 持分法適用会社
    議決権35.0%
  • 国内
    株式会社証券保管振替機構
    東京都中央区 · 持分法適用会社
    議決権24.8%
国際子会社 (GLEIF登録 5社)
  • JP株式会社JPX総研
  • JP株式会社東京商品取引所
  • JP株式会社大阪取引所
  • JP株式会社東京証券取引所 
  • JP株式会社日本証券クリアリング機構

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1,987億円営業利益1,163億円前期と比べると増収増益で、売上が+22.5%、利益が+29.1%。

売上高
+22.5%
1,987億円
営業利益
+29.1%
1,163億円
純利益
+29.5%
791億円
営業利益率
58.5%
前期比 +3.0%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高2,415億円1,987億円
営業利益1,455億円1,163億円
純利益985億円791億円
1株あたり配当¥77¥77

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、営業収益は655億円、営業利益は437億円。前年の2024年1Qと比べると、営業収益は+77.0%、営業利益は+74.8%。

対象期間営業収益億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q335111
2024年1Q37025067.6177
2024年2Q36419553.6137
2024年3Q38221556.3152
2024年4Q413142
2025年2Q81847758.3323
2025年4Q80442452.7288
2026年2Q89351357.4346
2026年4Q1,09465059.4445
2027年1Q65543766.7296

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、営業収益は717億円から1,987億円へ2.8倍に増えた。直近期の営業利益率は58.5%。営業収益は3期、純利益は3期の連続増加。

決算期営業収益億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月717216109
2014年3月1,138548333
2015年3月1,062549344
2016年3月1,148678449
2017年3月1,079606421
2018年3月1,207730505
2019年3月1,211708491
2020年3月1,237691476
2021年3月1,333747514
2022年3月1,354734500
2023年3月1,340682463
2024年3月1,529874608
2025年3月1,62290190355.5611
2026年3月1,9871,1631,16958.5791

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

営業収益1,987億円のうち、営業利益として残るのは1,163億円58.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は791億円、売上の39.8%にあたる。営業利益率は業種中央値10.8%を上回る水準。

営業収益を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金41.5%824億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益58.5%1,163億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比+47.7pt
58.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+32.0pt
39.8%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+12.7pt
23.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
0.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
0.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,077億円、投資CFが−152億円で、差し引きのフリーCFは925億円期末の手元現金は1,105億円

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円現金残高億円
2013年3月239−1,097872293
2014年3月627300−714507
2015年3月373−56−224601
2016年3月611−336−210665
2017年3月475−193−211736
2018年3月660−262−344790
2019年3月528−301−378639
2020年3月569−94−394719
2021年3月718−15−3391,082
2022年3月582−133−597934
2023年3月669−85−529988
2024年3月796−72−4321,280
2025年3月861−612−545984
2026年3月1,077−152−8051,105

金融業では預金・貸出・有価証券運用の増減が営業CFと投資CFに含まれます。一般事業会社向けのフリーCFの解釈は当てはまらないため掲載していません。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は71.6兆円。このうち返さなくてよい自己資本が3,450億円で、自己資本比率は0.5%(業種中央値24.7%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債兆円自己資本比率%
2013年3月1.871,8191.699.7
2014年3月17.482,07117.271.2
2015年3月27.752,35627.510.8
2016年3月29.552,57229.290.9
2017年3月41.292,58041.030.6
2018年3月41.322,73841.040.7
2019年3月54.072,85053.780.5
2020年3月67.292,98266.990.4
2021年3月60.083,21459.750.5
2022年3月71.463,15771.150.4
2023年3月82.193,12781.870.4
2024年3月80.683,28480.350.4
2025年3月85.403,40885.050.4
2026年3月71.603,45071.240.5

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
1,105億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
2,981億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
71.2兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
60
/ 100
安定性自己資本比率0 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

その他金融業 39社との比較

同じその他金融業の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率39社中3位あたり、逆に低いのは配当利回り39社中21位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
23.1%/中央値 10.4%
P25 5.5%P75 18.5%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
58.5%/中央値 10.8%
P25 5.0%P75 22.2%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
0.5%/中央値 24.7%
P25 12.9%P75 44.0%
営業収益成長率上位前期からの売上の伸び
22.5%/中央値 10.7%
P25 4.5%P75 16.2%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
3.6%/中央値 3.7%
P25 2.7%P75 4.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,145.5で、1年前と比べて+43.8%過去52週の値幅のなかでは75%の位置にある。

¥2,145.5-3.2%1ヶ月-2.2%1年+43.8%時価総額2.2兆円
過去52週の値幅
安値¥1,503.5高値¥2,356

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)36.5倍
PER (会社予想)22.3倍
PBR6.82倍
配当利回り3.59%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価2238円は25日線(2234円)とほぼ同水準で、75日線(2098円)を約6%上回り、200日線(1900円)に対して約18%上方。52週高値2356円まで約5%に迫り、上値抵抗が意識される。直近1か月で0.84%下落と横ばい、出来高は8月21日に233万株と直近ピーク854万株から大幅に減少し、様子見姿勢が強まっている。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 25/100)

PERが38.17倍と同業界平均の16.39倍を大きく上回り、PBRも7.11倍と平均1.85倍の約4倍。配当利回りは3.44%と平均3.06%を上回るが、ROE23.1%は高い。予想PER23.2倍と低下見込みだが、現状では割高感が強い。両面性として、高ROEと増収基調が評価される一方、株価指標が業界平均を大幅に超過し、配当性向115.1%は持続性に懸念。割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)36.5倍17.4倍
PER (予想)22.3倍
PBR6.82倍1.81倍
ROE23.1%12.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、日本株市場の活性化が続くかどうか。強気派は、NISA拡充や企業統治改革による個人投資家の参入増加、政府の資産運用立国政策を追い風に、取引高と上場関連収入が拡大すると見る。また、売上高の増加に伴い営業利益率も上昇しており、高収益構造がさらに強化されるとする。一方、弱気派は、市場の盛り上がりは一時的で、取引高が低迷期に入れば収益が大きく落ち込むと懸念する。また、競合となる私設取引システム(PTS)の台頭や、規制強化による手数料引き下げ圧力もリスクと指摘する。

プラスに働く材料7
  • 市場活性化の追い風

    NISA制度拡充や政府の資産運用立国政策で個人投資家の取引参加が増加する可能性がある

  • 高収益構造の持続

    2026年3月期予想の営業利益率は58.53%と前期からさらに向上し、売上高も1987億円と拡大見込み

  • 上場関連収入の増加

    スタートアップ支援や新興市場の整備により新規上場が増え、上場審査・監視等の収入が拡大する

  • 東証売買代金の計画上振れ通年影響

    FY26/3の営業益1,163億円に対し、売買代金1割増で約20億円増

  • デリバティブ取引の拡大金融政策次第影響

    営業利益率58.5%と高く、取引高増で収益押し上げ

  • 株主還元の強化次回株主総会影響

    配当利回り3.4%、ROE23.1%と還元余力大きい

  • 海外資金の継続流入継続影響

    外国人保有比率45.5%、買い越しで取引活発化

マイナスに働く材料7
  • 取引高への依存

    収益は取引手数料に依存しており、市場が冷え込めば業績が急減するリスクがある

  • 競合の台頭

    PTSや海外取引所との競争が激化し、取引シェアが低下する可能性がある

  • 規制リスク

    金融規制強化や手数料引き下げ圧力が収益性を悪化させる懸念がある

  • 手数料競争の激化通年影響

    営業利益率55%なら計画比約70億円減(FY26/3収益1,987億円)

  • 日銀利上げによる市場調整金融政策次第影響

    利上げで株安が進み、営業利益1,163億円計画が下振れ

  • 大規模システム障害不定影響

    取引停止時は売買代金減少で営業利益を圧迫、時価総額23,360億円に影響

  • バリュエーション修正決算発表後影響

    予想PER23.5倍・PBR7.19倍が高水準で、業績未達なら調整

次の決算で確かめる点
株式売買代金
取引手数料収入の基盤であり、市場活性化の度合いを示す
デリバティブ取引高
収益の多様化と市場参加者のヘッジ需要の高まりを反映する
新規上場件数
上場関連収入を左右し、将来の取引活性化につながる
営業利益率
高収益構造が維持されるか、事業効率の変化を監視する

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり77で、前期から+34.1%いまの株価に対する利回りは3.59%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥77
1株あたり
配当利回り
3.59%
いまの株価に対して
配当性向
115.1%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月2460.1
2018年3月3442.6101.2
2019年3月354.580.1
2020年3月27−22.963.7
2021年3月3114.879.8
2022年3月3616.187.9
2023年3月32−12.5109.1
2024年3月4644.4115.2
2025年3月460.092.7
2026年3月6134.1115.1

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥77

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ87,572人。区分でいちばん多いのは外国法人45.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が32.8%を占め、残る67.2%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人38.240.336.842.540.545.5
金融機関33.932.133.030.632.529.4
証券会社21.320.820.518.618.817.6
個人・その他3.03.35.94.54.64.1
事業法人3.63.43.83.83.73.4
外国人個人0.00.00.00.00.00.0
自己株式0.90.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)17.04
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.52
03STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)2.59
04STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505301(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.73
05JPモルガン証券株式会社1.48
06JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.47
07株式会社三菱UFJ銀行1.46
08STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.45
09HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES(常任代理人 香港上海銀行東京支店)1.40
10J.P. MORGAN BANK LUXEMBOURG S.A. 384513(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.36

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-04-20
    JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    1.07%
    -0.12pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+138%、1株純資産は14期で+1%。直近期のROEは23.1%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月323316.226.4116.4
2014年3月6137717.120.8160.0
2015年3月6342915.627.849.5
2016年3月8246818.221.190.7
2017年3月7747716.420.660.1
2018年3月9451119.020.9101.2
2019年3月9253217.621.580.1
2020年3月8955716.321.463.7
2021年3月4830016.627.079.8
2022年3月4729915.724.287.9
2023年3月4430014.722.9109.1
2024年3月5831619.035.2115.2
2025年3月5932818.326.092.7
2026年3月7733623.123.5115.1

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

18名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は18名。2026/3期の役員報酬は総額768百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約4倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
木下康司取締役 取締役会議長695,200
山道裕己取締役兼代表執行役 グループCEO71219,475
フィリップ・アヴリル取締役661,600
遠藤信博取締役7224,600
大田弘子取締役726,300
釡和明取締役778,600
住田清芽取締役651,600
竹野康造取締役6717,200
田中弥生取締役66600
手代木功取締役661,600
松本光弘取締役652,600
林慧貞取締役6025,200
残りの役員6名を開く
氏名役職年齢保有株数
横山隆介代表執行役グループCOO63103,988
青克美専務執行役 総務・人事担当6071,616
川井洋毅常務執行役 CFO、総合企画・財務担当5968,816
田倉聡史常務執行役 CIO、IT企画担当5777,684
吉田正紀常務執行役 サステナビリティ推進・広報・IR担当6529,997
澤田純取締役71

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数賞与百万円株式報酬百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
執行役520788170506101
社外取締役1021721722
取締役(社内)1454545

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

ニュース

AI解説

今日の重要ニュースより

「今日の重要ニュース」で日本取引所グループを取り上げた解説を、新しい順に並べている。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容2,180字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社は、連結子会社7社並びに持分法適用関連会社3社を有する金融商品取引法上の金融商品取引所持株会社です。当社グループは、金融商品取引法上の金融商品取引所持株会社グループとして、有価証券やデリバティブの上場から、取引の場の提供、清算・決済サービス、指数・情報サービスに至るまで、我が国の市場に関する一連のサービスをグループ一丸となって提供しています。関係会社については、「第1 企業の概況-4 関係会社の状況」をご参照ください。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループの特徴及び収益内容は、次のとおりです。 (1)当社グループの特徴について ① 現物市場 当社グループの現物市場は株式市場を中心として構成されており、株式市場は、世界でも有数の市場規模であるとともに、我が国市場の中核インフラとして確固たる地位を確立しています。 ② デリバティブ市場 当社グループのデリバティブ市場は、指数先物、指数オプション、国債先物、国債先物オプション、有価証券オプション、商品先物等の取引を提供しています。また立会時間については、日中に加え、夕方・夜間も取引が可能となっています。 指数先物取引、指数オプション取引では、わが国を代表する株価指数である日経平均株価やTOPIXを対象とする取引を提供しており、我が国を代表するデリバティブ商品となっています。また、国債先物取引においては、長期国債先物取引が、その高い流動性から、長期金利市場の指標となっています。 ③ 取引システム 取引を円滑に行い、市場の安定性・信頼性を維持していくためには、システムの安定稼働が必須の要件となっております。また、テクノロジーの発達による取引手法の多様化・高度化や新商品の上場などに適切かつ機動的に対応し、市場利用者のニーズを実現していくためには、絶えずITインフラの整備を推進していく必要があります。 当社グループでは、現物市場の売買システムとして、高速性・信頼性・拡張性を兼ね備えた「arrowhead」を、デリバティブ市場の取引システムとして、世界標準の取引機能と世界水準の注文処理性能を兼ね備えた「J-GATE」をそれぞれ稼働しています。 ④ 情報サービス 当社グループでは、有価証券の売買及びデリバティブ取引に関する約定値段等の情報をその発生・変化の都度、即時に配信するとともに、株価情報等を基に算出した指数情報や各種統計情報も併せて、取引参加者や情報ベンダー等の市場参加者に提供しています。 また、上場会社の適時開示情報を検索できるサービスやコーポレート・アクション情報の提供等のサービスも行っており、市場参加者のニーズに応じて、各種市場情報の提供を行っています。 ⑤ 自主規制機能 投資家が市場に安心して参加するためには、市場が公正で信頼できるものである必要があり、市場の公正性・信頼性を確保するためには、自主規制機能が適切に発揮されることが不可欠です。 当社グループでは、金融商品市場について、持株会社の傘下に日本取引所自主規制法人を置き、“取引所の品質管理センター”として、市場の公正と信頼の維持を図っています。自主規制業務を、市場運営会社である取引所とは別法人の形態の自主規制法人が行うことにより、市場に近い位置に身を置き、高い専門性を発揮すると同時に、中立性・実効性を確保しやすい組織体制を構築しています。また、商品市場については、自主規制業務の独立性確保の観点から、株式会社東京商品取引所の取締役会の諮問機関として自主規制委員会を設置し、同委員会が自主規制業務に関する事項の審議を行うこととし、同委員会の職務を補助する自主規制を担当する部門を設置しています。 ⑥ 清算・決済 投資家が市場に安心して参加するためには、清算・決済が確実に行われることが極めて重要です。 株式会社日本証券クリアリング機構は、清算機関として、取引所で成立した現物取引やデリバティブ取引に係る清算業務を行うとともに、私設取引システム(PTS)を通じた売買、店頭デリバティブ取引及び国債店頭取引の清算業務も行っています。同社は、債権・債務の当事者となって決済の履行を保証するほか、有価証券と決済資金の効率的な授受のためのネッティングを行ったうえで、証券・資金の決済機関に対して振替指図を行っています。 また、株式会社証券保管振替機構は、振替機関として、証券会社や銀行等の間における有価証券の振替等を行っています。 (2)当社グループの収益内容について 内 訳   内 容 取引関連収益   売買代金・数量や注文件数に応じて取引参加者から得る収入など 清算関連収益   債務引受に係る収入など 上場関連収益   時価総額や増資の実施等に応じて上場会社から得る収入など 情報関連収益   取引参加者、情報ベンダー等への相場情報の提供料など システム関連収益   arrownet利用料、コロケーション利用料など その他   その他の収入 当社グループの事業系統図は次頁のとおりです。
経営方針・対処すべき課題3,066字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 記載事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報等に基づいて判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、公共性及び信頼性の確保、利便性、効率性及び透明性の高い市場基盤の構築並びに創造的かつ魅力的なサービスの提供により、市場の持続的な発展を図り、豊かな社会の実現に貢献します。また、これらを通じて、投資者を始めとする市場利用者の支持及び信頼の増大が図られ、その結果として、利益がもたらされるものと考えます。 この企業理念の下、中期経営計画において、中長期の将来像を見据えた経営の基本方針、事業戦略及び経営目標を策定しています。当社グループは、2030年までに実現を目指す長期ビジョンを、Target 2030として「幅広い社会課題に、資金調達・資金循環機能をはじめとしたソリューションを提供するグローバルな総合金融・情報プラットフォームへと進化し、持続可能な社会と経済発展の実現に貢献する」と定め、この長期ビジョンを実現していくための第Ⅱステージとして、2025年度から2027年度の3か年を対象にした「中期経営計画2027」を策定しております。 中期経営計画を着実に実行するとともに、投資家・利用者のニーズや事業環境の変化、技術の進展や規制の枠組みの見直しに応じて、的確な対応を進めることにより、日本国内のみならず、アジア太平洋地域のタイムゾーンにおける機軸マーケットとして、世界でも枢要な市場の一つであり続けることを目指していきます。 (2)中期経営計画、経営環境及び対処すべき課題等 ① 中期経営計画2027 計画1年目の振返り 当社グループは、グローバルな市場間競争における日本の金融・資本市場全体の魅力向上に貢献するため、以下の3つの重点テーマに掲げる各施策を着実に実施しました。 主な取組みの成果 重点テーマ 1 日本株市場の新時代を切り拓く   ・プライム市場を中心に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」が浸透 ・プライム市場における英文開示の義務化 ・グロース市場における高い成長の実現に向けた働きかけ及び上場維持基準の見直し ・JPXスタートアップ急成長100指数の算出開始 ・MBO等に関する企業行動規範の見直し ・東証上場ETFの純資産残高が100兆円を突破 ・少額投資の在り方に関する勉強会 報告書公表 ・売買制度ワーキング・グループ 報告書公表 ・日経225ミニオプションの水曜満期追加 ・かぶオプの2025年度取引高が過去最高 重点テーマ 2 総合プラットフォーム化へ邁進する   ・通貨先物の上場 ・ポケットゴールド100先物及びポケットプラチナ100先物の上場 ・超長期国債先物及び電力先物の2025年度取引高が過去最高 ・円金利スワップ取引の2025年度清算金額が過去最高 ・米国CFTCから米国人顧客の金利スワップ清算サービスの利用認可取得 ・電力先物の年度物取引及び中部エリアの上場 ・電力現物・先物連携サービス「JJ-Link」のフェーズ2への移行着手 重点テーマ 3 デジタルイノベーションを共創する   ・arrowheadタイムスタンプデータの提供開始 ・J-Quants DataCubeの提供開始及びJ-Quants Proのデータ拡充 ・Snowflakeにおける指数基礎情報及びTDnet開示情報の提供開始 ・AI開示情報検索サービス「J-LENS」(β版)のリリース等、上場会社関連情報におけるAI活用の進展 ・AIを活用した自主規制業務の効率化・高度化 ・業界横断的な共通データ基盤の構築に向けた検討を開始 ② 経営・事業環境及び課題 当社グループは、有価証券やデリバティブの上場から、取引の場の提供、清算・決済サービスから指数・情報サービスに至るまで、我が国の市場に関する一連のサービスをグループ一丸となって提供しています(当社の企業構造については「第1企業の概況 3事業の内容」の事業系統図をご覧ください。)。当社グループが運営する市場は、企業等に対しては資金調達機会を、投資家に対しては資産運用機会を、社会全体に対しては価格発見機能を提供しています。我が国においては、国内の他の取引所や私設取引システム(PTS)が市場を提供していますが、当社グループは、証券会社等の取引参加者を通じて、国内外の投資家からの大量の需給を集約することにより日本国内において確固たる地位を確立しています。 当社グループの運営する市場は、内外の経済情勢や金融政策、地政学リスクの動向など外部環境の変化によって大きな影響を受けるため、内外の経済動向や市場環境を注視しながら、市場運営を行っていく必要があります。当社グループとしては、環境の不透明性・不確実性から生じる様々なリスクに的確に対処しながら、常に安定的に利用者の満足度が高い市場インフラを提供することを最大の経営課題と認識しております。当社グループが、我が国におけるセントラル・マーケットの運営者として、引き続き安定的に市場運営を行っていくためには、取引参加者・上場会社・システムベンダーをはじめとする市場関係者との一層の連携を図っていくことが重要と認識しています。また、政府において資産運用立国が策定され、2024年からは新NISAがスタートするなど、「成長と分配の好循環」の実現に向けて当社グループが果たすべき役割はこれまで以上に高まってきております。国内外から日本のマーケットへの関心が高まる中、その魅力をグローバルに発信し、様々なステークホルダーからの期待に応えることで、更なる成長へと歩を進めていくことが重要です。 ③ 中期経営計画2027 2026年度アップデート こうした認識の下、計画2年目以降は、計画の大枠を維持しながら、以下の3つの重点テーマの取組みを着実に実行してまいります。また、資産運用立国の取組みと引き続き軌を一にして市場インフラとしての役割を着実に果たすとともに、上場会社における経営資源の配分に関する検討や開示を通じた投資家との実効的な対話を後押ししてまいります。加えて、当社グループの未来を見据えた投資等の検討を加速し、新たなニーズへの対応や、新たなテクノロジーの積極的な活用を通じて、市場の利便性向上に取り組んでまいります。 重点テーマ 1 日本株市場の新時代を切り拓く ・上場会社の自律的な価値向上の促進 ・投資しやすい環境の醸成 ・エクイティ・オプション市場の振興 重点テーマ 2 総合プラットフォーム化へ邁進する ・アジアにおける機軸マーケットとしての進化 ・金利関連商品・サービスの強化・拡大 ・エネルギー関連商品の振興 重点テーマ 3 デジタルイノベーションを共創する ・データサービスの次世代化 ・AI等の先端技術の積極的な導入 ・業界全体の課題解決に向けた貢献 また、「中期経営計画2027」では、経営目標として以下の財務目標・非財務コミットメントを設定しています。 財務目標 ・3期連続 ROE 20.0%以上 非財務コミットメント ・人的資本への継続的な投資を通じた人材力の向上 ・基幹システムの安定的な提供とレジリエンスの発揮 「中期経営計画2027」を通じて“市場の持続的な発展”を図り、社会課題の解決に貢献することで、“豊かな社会 の実現”を目指してまいります。
事業等のリスク22,925字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 [リスク管理の基本方針] 当社グループは、システム障害リスク、清算参加者破綻時の補償等のリスク、事務リスクなど、事業上様々なリスクを抱えています。これらのリスクに対応するため、社外取締役を委員長とする「リスクポリシー委員会」及びCEOを委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、JPXで定めた「リスク管理方針」に従って、未然防止の観点からリスクの認識と対応策の整備・運用を行うとともに、リスクが顕在化あるいはそのおそれが生じた場合には、早期に適正な対応をとる体制を整えています。(各委員会等の詳細については、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④リスク管理体制の整備の状況」をご覧ください。) また、事業年度ごとに当社グループが重点的に対応すべきリスクを「重要リスク」として特定するとともに、当社グループ各部室におけるリスク管理の実効性を高めるべく、重要リスクごとに「基本的な対応方針」を策定し、未然に「重要リスク」等への対応を行うことで、リスクの発現可能性を低減させるとともに、リスクが顕在化した際には機動的な対応を行います。また、重大事故発生時には、統括的な状況把握、早期解決に向けた指揮などが「リスク管理委員会」によって行われる体制となっており、経営陣へ必要な情報が漏れなく、迅速に入る体制が整備されています。 <当社グループにおけるリスク管理体制> <当社グループにおけるリスク管理プロセス> <重要リスクの特定フローイメージ> [個別のリスク] 以下、当社グループの事業その他に関し、リスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しておりますが、これらのリスクは必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、提出日現在では想定していないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも、今後、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、必ずしもリスク要因には該当しないと考えられる事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。 なお、記載事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報等に基づいて判断したものであります。 1.経営体制・事業戦略に関するリスク (1)経営体制の特徴等について ① 持株会社であることについて 当社は持株会社であるため、収入は、子会社からの経営管理料収入及び子会社や関連会社からの配当金に大きく依存しますが、法律上又は事業上の制約により、当社への子会社や関連会社からの配当金の支払いは制限される可能性があります。 当社の子会社である日本取引所自主規制法人は、金融商品取引法において、営利の目的をもって業務を行ってはならない旨、規定されていることから配当を行うことができず、また、子会社である株式会社日本証券クリアリング機構は、清算機関としての企業の継続性及び決済履行保証スキーム(「7.決済履行確保の枠組みについて」参照)の機能確保の観点から、一定の剰余金を確保する必要があります。(「金融市場インフラのための原則」(2012年4月:国際決済銀行・支払決済システム委員会、証券監督者国際機構専門委員会の共同報告書)においても、「(より複雑なリスク特性を伴う清算業務に従事しているCCPは)極端であるが現実に起こり得る市場環境において最大の総信用エクスポージャーをもたらす可能性がある2先の参加者とその関係法人の破綻を含み、かつこれに限定されない広範な潜在的ストレスシナリオを十分にカバーするだけの追加的な財務資源を保持すべきである。」との原則が掲げられております。) 当社グループは、配当について、金融商品取引所グループとして、財務の健全性、清算機関としてのリスクへの備え、当社市場の競争力強化に向けた投資機会等を踏まえた内部留保の重要性に留意しつつ、業績に応じた配当を実施することを基本とし、具体的には、配当性向を60%以上とすることを目標としておりますが、当社の子会社や関連会社が、当社に配当を行うだけの十分な収益やキャッシュ・フローを確保できなかった場合には、当社の株主に対する配当が困難もしくは不可能となる可能性があります。 ② 自主規制機能について 投資家が市場に安心して参加するためには、市場が公正で信頼できるものである必要があり、市場の公正性・信頼性を確保するためには、自主規制機能が適切に発揮されることが不可欠です。 当社グループの企業体としての利害と市場の公正性との間の利益相反問題の回避に万全を期するとともに、その実効性を確保するため、金融商品市場については、持株会社の傘下に市場運営会社(株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所)と自主規制法人(日本取引所自主規制法人)を置いており、日本取引所自主規制法人は株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所からの委託を受けて自主規制業務を行っております。 この自主規制業務の委託料については、金融商品取引法において、自主規制法人が委託を受けた自主規制業務を行うために適正かつ明確な算出方法が委託契約に定められていることが求められていることから、長期かつ固定的な金額を基本としております。また、商品市場については、自主規制業務の独立性確保の観点から、株式会社東京商品取引所の取締役会の諮問機関として自主規制委員会を設置し、同委員会が自主規制業務に関する事項の審議を行うこととし、同委員会の職務を補助する自主規制を担当する部門を設置しています。 当社グループでは、自主規制機能は市場運営と密接不可分な市場開設者としての機能の根幹であり、市場についての一種の品質保証であるとともに、市場のブランドを維持向上させるものであると認識しており、中長期的に収益の獲得・向上に資するものであると考えておりますが、短期的には、自主規制機能の発揮が営利性の追求と相反する側面があるとともに、市場環境の悪化等により、当社グループの経営成績が順調に進展しない場合には、自主規制機能にかかる業務に必要な経営資源を投入した結果、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、自主規制機能が適切に発揮されない場合には、市場参加者や投資家等の信頼を著しく損ね、ひいては市場のブランド価値を毀損することにより、当社グループの事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、金融商品取引所との比較において自主規制業務に関する負担が著しく低い私設取引システム(いわゆるPTS。以下「PTS」といいます。)等との競争においては、コスト構造上、不利に働く可能性があります。 (2)事業戦略に関するリスク ① 事業戦略が失敗するリスク 当社グループは、2025年度から2027年度までの3年間を対象とする当社グループの中期経営計画を2025年3月に公表し、様々な施策を実行しております。 市場の持続的な発展のために当社グループが遂行する事業戦略は、投資家・利用者のニーズの変化やステークホルダーとの調整、本項に示した各種リスクの顕在化などによる事業環境の変化等により、当初予定していたとおりに遂行できない可能性があります。 こうしたリスクに対処するため、当社グループでは、各種リスクの顕在化や経済環境・市場環境の変化等を注視するとともに、事業戦略の進捗状況や事業環境の変化等について定期的にモニタリングを行い、的確な財務運営や環境変化に応じた重点戦略の見直しなどを適時行うよう対策を行っています。 ② システム投資について 近年のIT技術の発展により取引所もシステムの高度化が進んでおり、その安定性・処理性能等が市場間競争における優位性確保に大きな影響を及ぼす状況となっております。 当社グループでは、現物市場の売買システムとして、高速性・信頼性・拡張性を兼ね備えた「arrowhead」を、デリバティブ市場の取引システムとして、世界標準の取引機能と世界水準の注文処理性能を兼ね備えた「J-GATE」をそれぞれ稼働しております。 テクノロジーの発達に伴う投資手法の高度化・多様化等、刻々と変化を続ける利用者のニーズに適切に対応し、取引所としての競争力を維持していくためには、加速度的に進化する技術を最大限活用すべく、ITに関する設備投資を継続し、取引システム等の改良に努めていく必要があることから、2024年11月の「arrowhead」に続き、「J-GATE」についても、2028年後半を目途に更改を予定しております。 しかしながら、これらの設備投資により、必ずしも直ちに収益が拡大するとは限らず、市況の悪化等により、コストに見合う収益を生み出すことができなかった場合には、当社グループの業績が圧迫されるとともに、その後における追加的な設備投資に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ サステナビリティ推進への対応について 当社グループは、我々を取り巻く環境や社会課題、それらとの関係に目を向け、企業価値の向上につながる取組を進めることが重要な経営課題の一つであるとの考えのもと、当社グループCEOを本部長とするサステナビリティ推進本部を設置し、各種方針や戦略を策定し、全社横断的に施策を実施しています(「第2 事業の状況-2 サステナビリティに関する考え方及び取組」参照)。 当社グループのビジネスモデルを踏まえ、市場メカニズムを活用したサステナビリティ推進への取組を行っていますが、対応が十分でない場合には、当社グループが提供する取引所インフラに対する信認や支持の低下、収益機会の逸失または市場の魅力低下につながる可能性があります。 2.事業環境等に関するリスク (1)法令等による規制等について ① 免許制の事業であることについて 当社グループは金融商品取引法、商品先物取引法及び関連する諸法令の規制の下、事業を行っております。 当社は、金融商品取引法が定める取引所持株会社に係る内閣総理大臣の認可(以下「取引所持株会社認可」といいます。)を受けた「金融商品取引所持株会社」であり、当社の子会社である株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所は、同法が定める金融商品市場の開設に係る内閣総理大臣の免許(以下「取引所業免許」といいます。)を受けて、取引所金融商品市場を開設・運営する「金融商品取引所」です。なお、株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所は、同法が定める内閣総理大臣の認可(以下「自主規制業務の委託認可」といいます。)を受けて、自主規制業務を日本取引所自主規制法人に委託しており、日本取引所自主規制法人は同法が定める内閣総理大臣の認可(以下「自主規制業務認可」といいます。)を受けて、自主規制業務を行っております。加えて、当社は金融商品取引法が定める内閣総理大臣の認可(以下「商品取引所子会社化認可」といいます。)を受けて、株式会社東京商品取引所を子会社としております。株式会社東京商品取引所は、商品先物取引法が定める主務大臣の許可(以下「株式会社商品取引所許可」といいます。)を受けて先物取引を行うために必要な市場を開設・運営する「株式会社商品取引所」です。 また、株式会社日本証券クリアリング機構は、金融商品取引法が定める金融商品債務引受業に係る内閣総理大臣の免許(以下「金融商品債務引受業免許」といいます。)及び商品先物取引法が定める主務大臣の承認(以下「金融商品債務引受業等兼業の承認」といいます。)を受けて、金融商品取引清算機関として金融商品債務引受業等を行っており、また、商品先物取引法が定める主務大臣の許可(以下「商品取引債務引受業許可」といいます。)及び金融商品取引法が定める内閣総理大臣の承認(以下「商品取引債務引受業兼業の承認」といいます。)を受けて、商品取引清算機関として商品取引債務引受業を行っております。 さらに、金融商品取引清算機関の総株主の議決権の100分の20(その財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実として内閣府令で定める事実がある場合には、100分の15)以上の数の議決権を取得し、若しくは保有しようとする場合、あらかじめ、内閣総理大臣の認可(以下「金融商品取引清算機関の主要株主認可」といいます。)を受けなければならないとされており、当社は当該認可を受けております。 現時点におきましては、上記免許等が取消しとなるような事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、取消事由等に該当し、免許等の取消処分を受けることとなった場合又は業務の全部若しくは一部の停止等の処分を受けることとなった場合等には、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 <主な許認可等の概要> 許認可等の名称   根拠条文   会社名   有効期限   免許又は認可の取消事由 取引所持株会社認可   金融商品取引法 第106条の10第1項   株式会社日本取引所グループ   なし   金融商品取引法 第106条の26、第106条の28第1項 取引所業免許   同法 第80条第1項   株式会社東京証券取引所 株式会社大阪取引所   なし   同法 第134条第1項、第148条、第152条第1項 自主規制業務の委託認可   同法 第85条第1項   株式会社東京証券取引所 株式会社大阪取引所   なし   同法 第153条の2 自主規制業務認可   同法 第102条の14   日本取引所自主規制法人   なし   同法 第153条の4 金融商品債務引受業免許   同法 第156条の2   株式会社日本証券クリアリング機構   なし   同法 第156条の17第1項、第2項 金融商品取引清算機関の主要株主認可   同法 第156条の5の5第1項   株式会社日本取引所グループ   なし   同法 第156条の5の9第1項 商品取引所子会社化認可   同法 第106条の24第1項   株式会社日本取引所グループ   なし   同法 第106条の26、第106条の28第1項 商品取引債務引受業兼業の承認   同法 第156条の6第2項   株式会社日本証券クリアリング機構   なし   同法 第156条の17第2項 株式会社商品取引所許可   商品先物取引法 第78条   株式会社東京商品取引所   なし   商品先物取引法 第94条第1項、第159条第1項、第2項 商品取引債務引受業許可   同法 第167条   株式会社日本証券クリアリング機構   なし   同法 第186条第1項、第2項 金融商品債務引受業等兼業の承認   同法 第170条第2項   株式会社日本証券クリアリング機構   なし   同法 第186条第1項、第2項 ② 業務内容の制限等について 当社グループは、金融商品取引法及び商品先物取引法において、次のような業務内容の制限を受けております。金融商品取引所持株会社である当社は、子会社である株式会社金融商品取引所等の経営管理を行うこと及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を行うことができないとされており、金融商品取引所である株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所は、取引所金融商品市場の開設及びこれに附帯する業務等以外の業務を行うこと、自主規制法人である日本取引所自主規制法人は、自主規制業務及びこれに附帯する業務以外の業務を行うこと、商品取引所である株式会社東京商品取引所は、商品市場の開設及び上場商品の品質の鑑定、刊行物の発行その他これに附帯する業務以外の業務を行うこと、金融商品取引清算機関及び商品取引清算機関である株式会社日本証券クリアリング機構は、金融商品債務引受業等及び商品取引債務引受業並びにこれらに附帯する業務以外の業務を行うことを原則として禁止されており、業務範囲が制限されております。 また、同様に、金融商品取引所持株会社、金融商品取引所及び商品取引所は、金融商品取引法及び商品先物取引法において、子会社の範囲についても制限を受けております。金融商品取引所持株会社の子会社である株式会社JPX総研は、取引所金融商品市場の開設に附帯する業務のほか、内閣総理大臣の認可を受けた場合には取引所金融商品市場の開設に関連する業務を行うことができます。 このほか、株式会社東京証券取引所、株式会社大阪取引所、日本取引所自主規制法人及び株式会社日本証券クリアリング機構は、定款、業務規程、受託契約準則、業務方法書を変更する場合には、内閣総理大臣の認可が必要である旨、定められており、同様に、株式会社東京商品取引所及び株式会社日本証券クリアリング機構は定款等を変更する場合には、主務大臣の認可が必要である旨、定められているなど、当社グループは法令による広範な規制の下、業務を行っております。 これらの規制は、必ずしも当社の株主を保護することを目的とはしていないため、将来、何らかの理由により、業務上必要な認可が得られないような場合には、当社グループが必要とする施策を実行できず、事業機会を逸失するなど、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社の発行済株式の取得及び所有に係る制限等について 金融商品取引法において、金融商品取引所持株会社である当社が発行する株式につきましては、認可金融商品取引業協会、金融商品取引所、金融商品取引所持株会社、商品取引所、商品取引所持株会社又は地方公共団体その他政令で定める者を除いて、何人も、総株主の議決権の100分の20(その財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実として内閣府令で定める事実がある場合には、100分の15)以上の数の議決権(取得又は保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定めるものを除きます。以下「対象議決権」といいます。)を取得し、又は保有してはならないとされております。 また、総株主の議決権の100分の5を超える対象議決権の保有者となった者は、内閣府令で定めるところにより、対象議決権保有割合、保有の目的その他内閣府令で定める事項を記載した対象議決権保有届出書を、遅滞なく、内閣総理大臣に提出しなければならないものとされております。 ④ 法改正による影響等について 当社グループの事業に関連する法規制の導入・改正・撤廃や法規制の執行に関する方針の変更は、直接的に又はその結果生じる市場環境の変化を通じて、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。 例えば、規制内容の変更に伴う競争環境の変化や税制の変更は、当社グループの市場シェアや取引量の減少に繋がる可能性があります。 将来における法規制の変更内容及びそれが当社グループの事業に与える影響を予測することは困難であり、当社グループがコントロールしうるものでもありませんが、新たな規制等が実施された場合には、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2)金融市場の動向による影響について ① 収益構造の特徴等について 当社グループの営業収益のうち、「取引関連収益」及び「清算関連収益」(それぞれ2026年3月期の連結営業収益に占める割合が39.0%、27.3%)は有価証券やデリバティブ商品の売買代金・取引高の水準に、「上場関連収益」(同9.4%)は上場する企業の時価総額や資金調達額、新規上場会社数の水準などにそれぞれ大きく依拠しております。 したがって、当社グループの収益は、有価証券やデリバティブ商品の流通市場並びに有価証券の発行市場の動向、ひいては世界的な金融市場の動向や国内外の経済情勢の影響を大きく受けることとなります。 特に、上場会社の大多数は日本企業であることから、日本経済の状況が当社グループの経営成績に及ぼす影響は大きく、景気の低迷等により、流通市場及び発行市場を取り巻く環境が悪化し、現物市場及びデリバティブ市場における取引量、上場会社の時価総額、資金調達額等が減少した場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、流通市場や発行市場の動向は、経済環境その他様々な要因により大きく変動する場合があるため、その動向を精緻に予測することは非常に困難です。 こうしたリスクに対処するため、当社グループとしては、我が国金融・資本市場の中核インフラとして、上場から売買、清算・決済及びデータサービスに至るまで、市場運営の基本となる機能を一丸となって安定的に提供するとともに、新たなサービスを創出し収益の安定化を図り、強固な財務基盤を維持する中で、社会に対して提供する付加価値を高めてまいります。 ② 外国人投資家の動向による影響について 2025年1月~12月における外国人投資家の取引量は、株式の売買代金においては6割程度、デリバティブ取引の主力商品である日経平均株価先物やTOPIX先物の取引高においては7割程度を占めるなど、重要な割合を占めております。 したがって、日本経済、日本株式市場のパフォーマンス又は為替レートの状況や規制強化等により、外国人投資家にとっての日本市場への投資魅力が減退し、取引量が減少することとなった場合には、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対処するために、当社グループでは、外国人投資家を含めた国内外の投資家への営業強化・関係強化を行うとともに、日本市場への投資・フロー獲得に向けた取組を積極的に行っております。 (3)競合による影響について ① 現物市場に関する他の証券取引所、取引所外取引との競合について 現物取引等における競合は激しさを増してきており、市場の流動性、取引の執行にかかるスピード・コスト、取引システムの性能、取引参加者や上場会社に提供される商品やサービスの多様性、規制環境など、様々な分野において、今後も競合が激化していくものと認識しております。 現状、当社グループにおける株式売買代金は、2025年1~12月における国内上場株式の売買代金の80%程度を占めており、日本における取引所外取引(PTS及びOTC等)は20%程度となっておりますが、近年、取引所外取引における取引量は増加傾向にあり、将来的には当社グループのシェアを奪う脅威となる可能性があります。 当社グループがこうした競争環境に適切に対応できず、市場の流動性等が減少した場合には、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、近年、取引所業界は世界的に激しい価格競争にも晒されております。競合他社が当社グループよりも低い手数料等でのサービスの提供を開始し、当社グループにおいても、取引や上場にかかる手数料の引下げ等を行う必要が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② シンガポール取引所の日経平均株価先物取引・オプション取引との競合について 大阪取引所市場における日経平均株価先物取引は主にシンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引と競合しております。シンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引は、大阪取引所市場における日経平均株価先物取引と同じく、我が国株式市場を代表する指数である日経平均株価を対象とした株価指数先物取引です。 過去3年間の大阪取引所市場及びシンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引の取引高は、次のとおりです。 年度   大阪取引所市場   シンガポール取引所市場 2023年度   47,226,251単位   5,885,737単位 2024年度   40,172,560単位   4,303,212単位 2025年度   33,470,791単位   3,513,223単位 (注1)大阪取引所市場及びシンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引の取引高には、ミニ取引(大阪取引所は日経225mini、シンガポール取引所はMini Nikkei 225 Index Futures)及びマイクロ取引(大阪取引所市場の日経225マイクロ先物)による取引を含みます。ただし、これらミニ取引は、取引金額換算では大阪取引所市場における日経平均株価先物取引の10分の1、マイクロ取引は100分の1であるため、それぞれ実際の取引高の10分の1、100分の1としております。 (注2)シンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引のうち、Nikkei 225 Index Futures及びUSD Nikkei 225 Index Futuresは、取引金額換算では大阪取引所市場における日経平均株価先物取引の半分であるため、実際の取引高の半分を記載しております。 指数オプション取引に関しては、大阪取引所市場における日経平均株価オプション取引が主に競合している商品として、シンガポール取引所市場の日経平均株価オプション取引があります。 過去3年間の大阪取引所市場及びシンガポール取引所市場の日経平均株価オプション取引の取引高は、次のとおりです。 年度   大阪取引所市場   シンガポール取引所市場 2023年度   22,881,701単位   1,175,601単位 2024年度   16,056,501単位   1,003,474単位 2025年度   15,190,197単位   770,143単位 (注1)シンガポール取引所市場の日経平均株価オプション取引は、取引換算額では大阪取引所市場における日経平均株価オプション取引の半分であるため、実際の取引高の半分を記載しております。 (注2)大阪取引所市場の日経平均株価オプション取引には、ミニ取引(日経225ミニオプション)及びWeeklyオプション取引(2023年5月29日以降、日経225ミニオプションに制度変更)による取引を含みます。ただし、ミニ取引は、取引金額換算では大阪取引所市場における日経平均株価オプション取引の10分の1であるため、実際の取引高の10分の1としております。 2025年度の大阪取引所市場における日経平均先物取引及び日経平均株価オプション取引の取引高は、シンガポール取引所市場のそれを上回っておりますが、今後の市場参加者の動向によっては、大阪取引所市場の利用者がシンガポール取引所市場に移ることで大阪取引所市場における取引手数料収入が減少し、当社グループの事業運営及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 取引所間の経営統合について 取引所業界においては、情報通信技術の発展に伴うクロスボーダー取引の拡大や市場間競争の激化、取引所の株式会社化・上場を要因とした規模拡大や経営効率向上の取組強化、国際的な規制の調和の進展などを背景に、主に欧米地域を中心に、特に2000年代後半以降、主要取引所間での合従連衡の動きが顕著となりました。欧州において、ユーロネクストによるオスロ取引所、イタリア取引所、アテネ証券取引所の買収(2019年、2021年、2025年)やスイス取引所によるスペイン取引所の買収(2020年)、またアジア太平洋地域においても、シカゴ・オプション取引所等を運営するCboeグローバル・マーケッツが日本や豪州でPTSを運営するチャイエックス・アジア・パシフィック・ホールディングスを買収(2021年)するなど、取引所間統合の動きがありますが、一方で、経営統合を発表しながらも、規制当局による承認等が得られず、実現に至らなかった事例もこれまで少なからず存在しています。更に近年では、清算、IT関連や情報ビジネスなどビジネス領域の拡大を目的にした取引所による買収や提携も増加しています。 他の取引所による経営統合・買収等が行われる場合の当社グループの事業への影響を予測することは困難ですが、他の取引所がそうした取組を通じて、より優れたサービスの提供やコスト削減を実現する場合には、当社グループの競争優位性の相対的な低下や国際的なプレゼンスが低下し、当社グループの事業運営及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対処するために、当社グループでは、市場環境の変化等を注視するとともに、市場関係者等との議論等を踏まえて市場制度の見直し等を行うことで、市場機能の強化を図り、公正かつ利便性の高い取引サービスを提供できるよう取り組んでおります。また、データやテクノロジーを活用したデジタル事業やネットワーク事業の強化を進め、事業の多角化やサービスの高度化についても推進しております。 3.事故・災害等に関するリスク 当社グループでは、市場開設者及び清算機関という社会インフラとしての責務を果たすべく、様々なリスクが発現した場合においても、事業を可能な限り継続し、止むを得ず中断する場合においても可能な限り早期に再開できるよう、BCP(緊急時事業継続計画)を策定しており、堅実かつ安定的な事業継続体制の整備に努めております。 しかしながら、地震・風水害・火災等の自然災害、電力・通信等の社会インフラの停止、物理的破壊行為・サイバーテロ等のテロ行為又は新型インフルエンザを始めとする疫病の蔓延等により、想定を上回る被害を受け、事業を長期的に中断せざるをえないこととなった場合には、甚大な経済的損失を被るとともに、社会的信用の低下等、深刻な事態をもたらす可能性があります。 また、事業の中断に至らなかった場合においても、被害の状況によっては、多額の回復費用が必要となり、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対処するため、当社グループでは、事故・災害等が発生した場合においても、株券や資金の決済インフラを提供する株式会社証券保管振替機構や日本銀行などの各種関係機関と協業したうえで、取引参加者、上場会社、投資家等のステークホルダーへの影響を最小化することを目的に、BCP(緊急時事業継続計画)に定めた所要の対応を迅速かつ的確に行うための訓練を定期的に実施しているとともに、首都直下地震などの広域災害時においても市場機能を維持すべく関西データセンターの構築をはじめ、業務・システム両面での東西相互バックアップ態勢の強化などに取り組んでおります。 4.システム面に関するリスク 現物及びデリバティブの売買・清算並びにこれらに関連する業務は、システムを通じて処理されていることから、市場の安定性・信頼性を維持するためには、取引システムの安定稼働が必須の要件となっております。 また、近年、テクノロジーの発展に伴い、取引システムは高度化してきており、取引システムの性能が、取引所ビジネスにおける競争力の源泉となっております。 そのため、システム障害等の発生により、市場の信頼性が毀損した場合、または利用者の要望に適切に対応することができず、取引システムの性能が他の取引所等の提供するシステムに劣後することとなった場合には、取引量が減少し、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対処するため、当社グループでは、過去にシステム障害やキャパシティの不足により売買停止に至った反省の下、開発手法の標準化や十分な稼働確認テストの実施、詳細な運用マニュアルの整備とその遵守、開発及び運用業務に係る品質管理の徹底などのリスク管理体制の構築等の取組を推進しております。加えて、システムの安定性・信頼性の更なる向上を図るとともに、システム障害等発生時における迅速かつ適切な回復策の拡充にも継続的に取り組んでおります。 5.情報漏えい等に関するリスク 当社グループでは、取引参加者、上場会社等の企業情報や個人情報を保有しているほか、様々な経営情報等の内部情報を保有しております。当社グループの多くの役職員は、金融商品取引法及び商品先物取引法においても秘密保持義務が課せられておりますが、役職員の故意又は過失による情報漏えいの発生を完全に否定することはできません。 さらに、外部からの不正なアクセスの防止に関しても、個人情報保護法及び金融分野における個人情報保護に関するガイドライン等の各ガイドラインの下で、厳格な管理が要求されておりますが、万一重要な情報が外部に漏洩した場合には、市場利用者等からの損害賠償、監督官庁からの処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対処するため、当社グループでは、情報管理に関するポリシーや事務手続等を策定しており、役職員に対するe-ラーニングによる教育・研修等により情報管理及び法令遵守の重要性の周知徹底を行うとともに、社員間のコミュニケーションに係る施策等を通じて、企業理念やコンプライアンス意識等の浸透を図っております。また、システム上のセキュリティ対策等を行うことで、情報セキュリティマネジメントシステム(Information Security Management System:ISMS)の国際標準規格「ISO/IEC27001 / JIS Q 27001」の認証を取得し、現在もその認証を継続して付与されております。 6.事務過誤等に関するリスク 当社グループは、市場開設者及び清算機関としての重要な業務に関して、役職員の故意又は過失により重大な事務過誤等が発生した場合には、損失の発生、監督官庁からの処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対処するため、当社グループでは、事務過誤等の発生を未然に防止するため、業務プロセスの見直しを継続的に行っております。また、業務プロセスの見直しの際には、AIの活用やDXの推進など、業務の自動化・効率化等に取り組んでおります。 7.決済履行確保等の枠組みについて 日本には株式会社東京証券取引所をはじめ、有価証券の売買を行うための金融商品取引所1が4つありますが、これらの取引所における有価証券の売買については、すべて株式会社日本証券クリアリング機構が清算業務を行っております。同社は、PTS2における有価証券の売買についても、清算業務の対象としております。また、株式会社大阪取引所、株式会社東京商品取引所及び株式会社堂島取引所における先物・オプション取引についても、同社が清算を行っており、さらには、店頭市場におけるクレジットデフォルトスワップ取引及び金利スワップ取引(以下「店頭デリバティブ取引」といいます。)並びに国債店頭取引も清算業務の対象としております。 株式会社日本証券クリアリング機構は、清算機関として市場参加者が行った取引の債務を負担し、債権・債務の当事者となって、決済の履行を保証しております。これにより、市場参加者は取引相手方の信用リスクを意識せずに取引を行うことが可能となりますが、一方で、清算参加者が決済不履行を起こした場合でも、株式会社日本証券クリアリング機構には他の清算参加者との決済を履行する義務があります。このため、清算参加者の決済不履行に伴い損失が生じた場合には、決済不履行を発生させた清算参加者の担保等によりその損失を補填する自己責任原則を基本としつつ、万一不足が生じる場合には、株式会社日本証券クリアリング機構の自己資金を充てるほか、他の清算参加者にも負担を求める損失補償制度を設けております。 同社における決済履行確保のための取組及び損失補償制度等の概要は以下のとおりです。 (決済履行確保のための取組) ① 清算参加者制度及びモニタリング 清算参加者の信用リスクの低減を図るため、清算資格の種類ごとに資格要件を定めるとともに、資格要件にはそれぞれ取得基準と維持基準を設けており、一定の財務基盤、経営体制及び業務執行体制を有する者を清算参加者とすることとしています。それらの状況については定期的にモニタリングを行い、問題があると認められた場合は、当該清算参加者に担保の追加を求めることや、債務の引受けを停止することができるほか、清算資格の取消しを行うことが可能となっております。 また、清算参加者のポジションの状況も定期的にモニタリングしており、一部の清算参加者に対する過度な信用リスクの集中がないかを管理し、ポジションが過大である場合には、必要に応じて措置を検討しております。 ② 担保制度 清算参加者の決済不履行による損失に備えるため、清算参加者に担保の預託を求めております。担保には、清算基金3等の清算預託金、取引証拠金4、当初証拠金5及び変動証拠金6があり、定期的に十分性を確認するとともに、適宜、担保所要額の算出モデルの検証及び見直しを行っております。 また、担保として預託を受ける金銭又は代用有価証券等に対して一定の適格要件を設定するとともに、日々担保価値の評価を行っております。 ③ DVP(Delivery Versus Payment)決済 株式会社日本証券クリアリング機構と清算参加者との有価証券の決済は、仮に決済不履行が生じても「取りはぐれ」が生じることのないよう、証券と資金の授受をリンクさせ、代金の支払いが行われることを条件に証券の引渡しを行う(証券の引渡しが行われることを条件に代金の支払いを行う)DVP決済で行われております。 ④ 流動性の確保 清算参加者の決済不履行時に必要となる流動性を確保するため、資金決済銀行等との間で流動性供給に関する契約を締結しております。 また、資金の流動性供給枠の十分性については、定期的に確認を行っております。 (損失補償制度の概要) 清算参加者が決済不履行を起こした場合、株式会社日本証券クリアリング機構は、当該清算参加者を当事者とする債務の引受け又は負担の停止並びに株式会社日本証券クリアリング機構が当該清算参加者に引き渡すべき有価証券及び金銭の引渡しを停止するとともに、引渡しを停止した有価証券及び金銭を、当該清算参加者の決済不履行の弁済に充当します。 以上の処理後においても、株式会社日本証券クリアリング機構の損失が解消されない場合には、以下に記載する方法により、損失の補填を行います。なお、この補填は、原則として、有価証券の売買、先物・オプション取引、店頭デリバティブ取引及び国債店頭取引のそれぞれの清算に係る損失7について、不履行清算参加者の清算資格に応じて、個別に行います。(以下に記載されている金額は、2026年3月末時点において確定している金額となります。) 決済不履行発生時の有価証券の売買の清算に係る損失については、次に掲げる順序により、補填を行います。 ① 不履行清算参加者が預託している担保(当初証拠金及び清算基金等)による補填 ② 金融商品取引所等の損失補償による補填8 ③ 株式会社日本証券クリアリング機構による補填 ④ 不履行清算参加者以外の清算参加者の清算基金による補填 ⑤ 不履行清算参加者以外の清算参加者の特別清算料による補填 したがって、清算参加者の有価証券の売買に係る決済不履行により、株式会社日本証券クリアリング機構に損失が生じた場合で、上記①の対応によっても、同社の損失を補填しえない場合には、②については、損失補償契約に定められた金額を上限として、株式会社東京証券取引所又は株式会社大阪取引所が補填を行うことにより、また、③については、株式会社日本証券クリアリング機構が証券取引等決済保証準備金9として積み立てた金額(200億円)を上限として補填を行うことにより、当社グループに損失が生じる可能性があります。 決済不履行発生時の先物・オプション取引の清算に係る損失については、次に掲げる順序により、補填を行います。 ① 不履行清算参加者が預託している担保(取引証拠金及び清算基金等)による補填 ② 金融商品取引所又は商品取引所の損失補償による補填10 ③ 株式会社日本証券クリアリング機構による補填 ④ 不履行清算参加者以外の清算参加者の清算基金による補填 ⑤ 不履行清算参加者以外の清算参加者の特別清算料による補填 ⑥ 破綻後における差金代金相当額の累計が勝ち方の不履行清算参加者以外の清算参加者による補填 したがって、清算参加者の先物・オプション取引に係る決済不履行により、株式会社日本証券クリアリング機構に損失が生じた場合で、上記①の対応によっても、同社の損失を補填しえない場合には、②については、損失補償契約に定められた金額(金融デリバティブ取引:174億円、コモディティ・デリバティブ取引:91億円)を上限として、株式会社東京証券取引所、株式会社大阪取引所又は株式会社東京商品取引所が補填を行うことにより、また、③については、金融デリバティブ取引に関しては株式会社日本証券クリアリング機構が証券取引等決済保証準備金として積み立てた金額(200億円)及びコモディティ・デリバティブ取引に関しては同社が商品先物等決済保証準備金として積み立てた金額(38億円)を上限として補填を行うことにより、当社グループに損失が生じる可能性があります。 決済不履行発生時の店頭デリバティブ取引の清算に係る損失については、次に掲げる順序により、補填を行います。 ① 不履行清算参加者が預託している担保(当初証拠金及び清算基金)による補填 ② 株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第一階層決済保証準備金) ③ 不履行清算参加者以外の清算参加者の清算基金及び株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第二階層決済保証準備金) ④ 不履行清算参加者以外の清算参加者の特別清算料による補填 ⑤ 破綻後における変動証拠金等の累計が勝ち方の不履行清算参加者以外の清算参加者による補填 したがって、清算参加者の店頭デリバティブ取引に係る決済不履行により、株式会社日本証券クリアリング機構に損失が生じた場合で、上記①までの対応によっても、同社の損失を補填しえないときには、それぞれの清算業務について②については、株式会社日本証券クリアリング機構が第一階層決済保証準備金として積み立てている金額(クレジットデフォルトスワップ取引:15億円、金利スワップ取引:40億円)を上限として補填することにより、③については、株式会社日本証券クリアリング機構が第二階層決済保証準備金として積み立てている金額(クレジットデフォルトスワップ取引:15億円、金利スワップ取引:20億円)を上限として補填することにより、当社グループに損失が生じる可能性があります。 決済不履行発生時の国債店頭取引の清算に係る損失については、次に掲げる順序により、補填を行います。 ① 不履行清算参加者が預託している担保(当初証拠金及び清算基金)による補填 ② 株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第一階層決済保証準備金) ③ 不履行清算参加者以外の清算参加者の清算基金及び株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第二階層決済保証準備金) ④ 不履行清算参加者以外の清算参加者の特別清算料による補填 ⑤ 原取引按分清算参加者11の清算基金及び株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第二階層決済保証準備金のうち③での未負担額) ⑥ 原取引按分清算参加者の特別清算料による補填 ⑦ 破綻後における変動証拠金等の累計が勝ち方の不履行清算参加者以外の清算参加者による補填 したがって、清算参加者の国債店頭取引に係る決済不履行により、株式会社日本証券クリアリング機構に損失が生じた場合で、上記①までの対応によっても、同社の損失を補填しえないときには、②については、株式会社日本証券クリアリング機構が第一階層決済保証準備金として積み立てている20億円を上限として補填することにより、③及び⑤については、株式会社日本証券クリアリング機構が第二階層決済保証準備金として積み立てている20億円を上限として補填することにより、当社グループに損失が生じる可能性があります。 (有価証券の売買、金融デリバティブ取引及びコモディティ・デリバティブ取引における清算預託金等の特定管理制度における損失準備金) 上記の決済履行確保のための取組及び損失補償制度のほか、有価証券の売買、金融デリバティブ取引及びコモディティ・デリバティブ取引の清算預託金及び取引証拠金の特定管理12において損失が発生した場合には、株式会社日本証券クリアリング機構が積み立てる特定管理損失準備金を上限(2026年3月末時点:72億円)として補填を行います。したがって、それにより、当社グループに損失が生じる可能性があります。 1 有価証券の売買を行うための金融商品取引所:東京証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所及び福岡証券取引所 2 PTS:ジャパンネクスト証券株式会社、大阪デジタルエクスチェンジ株式会社及びJapan Alternative Market株式会社が運営するPTS 3 清算基金:清算参加者の株式会社日本証券クリアリング機構に対する債務の履行を確保するため、清算参加者に預託を義務付けているものです。その所要額は、極端ではあるが現実に起こりうる市場環境下において複数の清算参加者が決済不履行を起こした場合等に、当該不履行清算参加者が預託する証拠金等が不足することで発生する損失をカバーするよう計算されます。 4 取引証拠金:清算参加者の株式会社日本証券クリアリング機構に対する先物・オプション取引に係る債務の履行を確保するため、清算参加者に預託を義務付けているもので、その所要額は、先物・オプション取引の建玉について、VaR方式※で計算した額から、ネット・オプション価値の総額を加減して得た額以上となります。 ※ VaR方式:過去の一定期間におけるマーケットデータの変動に基づいてポートフォリオの想定損益額を計算し、その一定水準の損失をカバーする金額を算出する方式です。 5 当初証拠金:各清算参加者の株式会社日本証券クリアリング機構に対する債務の履行を確保するため、清算参加者に預託を義務付けているもので、その所要額は、それぞれの取引について清算参加者が破綻した場合に、そのポジション処理が完了するまでの間に価格(金利スワップ取引についてはイールド・カーブ)が変動することにより想定される損失額に、一定のリスクをカバーする額を加算して計算されます。 6 変動証拠金:各清算参加者のポジションについて、日々の価格変動をカバーするために、前日からのポジションの価値の変動分を、変動証拠金として現金により授受します。変動分が負となる清算参加者は株式会社日本証券クリアリング機構に支払い、正となる清算参加者は株式会社日本証券クリアリング機構から受け取ります。 7 株式会社日本証券クリアリング機構では、クロスマージン制度を導入しており、当該制度の対象とされた国債証券先物取引及び金利先物取引に係る損益については、店頭デリバティブ取引(金利スワップ取引)の清算に係る損益として取り扱われます。 8 金融商品取引所等の損失補償による補填:株式会社日本証券クリアリング機構が金融商品取引所等との間で締結している損失補償契約に基づき、当該契約に定める金額を上限に損失を補填します。現物取引に係る契約は株式会社日本証券クリアリング機構と5つの金融商品取引所との契約に加え、株式会社日本証券クリアリング機構と各PTSとの契約があり、補償限度額は合計で121億円(うち当社グループである株式会社東京証券取引所と株式会社大阪取引所の補償限度額の合計は104億円。)となっております。 9 証券取引等決済保証準備金は、有価証券の売買の清算に係る損失の補填だけでなく、金融デリバティブ取引の清算に係る損失の補填においても使用します。 10 金融商品取引所又は商品取引所の損失補償による補償:株式会社日本証券クリアリング機構が金融商品取引所及び商品取引所との間で締結している損失補償契約に基づき、当該契約に定める金額を上限に損失を補填します。金融デリバティブ取引に係る契約は株式会社日本証券クリアリング機構と株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所との契約があり、補償限度額は合計で174億円となっております。また、コモディティ・デリバティブ取引に係る契約は株式会社日本証券クリアリング機構と株式会社大阪取引所、株式会社東京商品取引所及び株式会社堂島取引所との契約があり、当社グループである株式会社大阪取引所及び株式会社東京商品取引所の補償限度額は合計で91億円(うち70億円は株式会社大阪取引所のコモディティ・デリバティブ取引を対象として株式会社大阪取引所が損失を補償するもの(2023年6月より一定の間)。)となっております。なお、株式会社大阪取引所及び株式会社東京商品取引所におけるデリバティブの祝日取引に係る決済不履行時の損失については、上述の損失補償契約に基づく補填に先行し、株式会社日本証券クリアリング機構が両取引所との間で締結している祝日取引に係る損失補償契約に基づく補填をそれぞれ行うこととしており、株式会社大阪取引所の祝日取引に係る補償限度額は50億円、株式会社東京商品取引所の祝日取引に係る補償限度額は5億円となっております。 11 原取引按分清算参加者:信託口を有する清算参加者をいいます。 12 有価証券の売買の清算、金融デリバティブ取引の清算及びコモディティ・デリバティブ取引の清算に係る清算預託金及び取引証拠金について、国債を担保とする金銭の貸付けや国債の売戻条件付売買等の方法により管理を行うことをいいます。 8.契約等に関するリスク 当社グループのデリバティブ市場の主力商品である日経平均株価先物、日経225mini、日経225マイクロ先物、日経平均株価オプション及び日経225ミニオプションに関しては、原資産である日経平均株価の利用許諾について株式会社日本経済新聞社との間で利用許諾契約を締結しております。 株式会社大阪取引所は株式会社日本経済新聞社に対し、日経平均株価先物、日経225mini、日経225マイクロ先物、日経平均株価オプション及び日経225ミニオプションに関する利用許諾契約に基づき、契約基本料の他、取引高に応じて月額対価を支払っております。当該契約は、一方の当事者による契約義務不履行の場合や、議決権の過半数の株式譲渡又は取得、合併といった事由による当該契約関連事業の支配権に重大な変動が生じた場合等には、他方の当事者が通知を行うことにより当該契約を解約することができる内容となっておりますが、一方の当事者が契約を終了させる通知を行わない場合は、5年間ずつ自動更新されることとなっております。また、株式会社日本経済新聞社はやむを得ない事由が生じたときは、株式会社大阪取引所の了承を条件に日経平均株価の編集及び公表を廃止することができます。仮に上記の事由により、当該契約が終了した場合、株式会社大阪取引所は日経平均株価先物取引等の中断、あるいは中止を余儀なくされ、この場合、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 その他、当該契約に関して、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性がある事態が生じる場合としては、以下のようなものが考えられます。 ・ 利用許諾料については当該契約の他に別途締結している覚書により、契約基本料の他、1先物取引及び1オプション取引当たり一定額を月額対価として株式会社大阪取引所が株式会社日本経済新聞社へ支払うこととなっておりますが、当該覚書の内容については、株式会社大阪取引所と株式会社日本経済新聞社が協議のうえ、変更される可能性があり、当該利用許諾料が大幅に変更された場合 ・ 当該契約は独占契約ではないため、今後、国内外において株式会社大阪取引所以外の者が株式会社日本経済新聞社との間で日経平均株価利用許諾契約を締結し、利用権を取得する可能性があり、株式会社大阪取引所以外の者が日経平均株価の利用権を取得し国内外において日経平均株価先物・オプション取引を行い、その利便性が高い等の事情により大阪取引所市場の取引高が減少した場合 9.訴訟等に関するリスク ① 法令遵守に関するリスク 当社グループでは、情報漏えいをはじめ、役職員の故意又は過失による法令違反行為を防止するため、企業としての行動の基本方針をまとめた企業行動憲章の制定や内部通報制度であるコンプライアンス・ホットラインの設置、継続的な社内研修の実施など、法令遵守への取組に注力しておりますが、これらの取組がすべての法令違反行為の発見・防止に対して有効であるとは限らず、役職員による法令違反行為を常に排除できるとは限りません。 役職員による法令違反行為が現実のものとなった場合には、監督官庁からの処分や市場利用者等からの損害賠償請求等、行政上又は司法上の制裁が科される可能性があるとともに、社会的信用の低下等により、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 訴訟に関するリスクについて 当社グループの事業は様々な法的責任に晒されており、これらには、役職員等又はコンピュータ・システムによる業務運営の中で、過誤が発生するリスク(いわゆるオペレーショナル・リスク)の顕在化による法的責任も含まれます。 オペレーショナル・リスクには、例えば次のようなものが考えられます。 ・ 役職員が法令や当社グループの定款、業務規程その他の諸規則等に定められた適正な業務遂行(必要な市場規制措置等)を過誤等により怠る又は誤った措置を行うリスク ・ 障害や大規模災害によるシステム停止又はシステムに誤作動が発生するリスク ・ 役職員又はシステム運用業務委託先の過誤等により取引が中断されるリスク ・ 当社グループが算出を行っているTOPIX等の株価指数や統計情報等、配信を行う各種情報に誤謬が生じるリスク 上記のリスクが顕在化した場合には、監督官庁からの処分等の可能性があるとともに、損害を被った市場利用者から損害賠償等を求められる可能性もあります。 当社グループでは、規則や契約等において、利用者が損害を受けた場合であっても、当社グループに故意又は重過失がある場合を除き、損害賠償の責を負わない旨を定めておりますが、オペレーショナル・リスクの顕在化を含むなんらかの要因により訴訟が提起された場合には、訴訟費用が多額にのぼる可能性があるとともに、訴訟において当社グループに不利な判決等がなされた場合には、訴訟に伴う損害賠償のみならず、社会的な信用の低下等を通じて、当社グループの事業運営及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 10.レピュテーショナル・リスク 当社グループでは、社会的な信用力やブランド力を、競争力の源泉の一つとして認識しております。 当社グループの社会的な信用は、システム及び自主規制業務等における過誤等、当社グループに起因する様々な要因のみならず、取引参加者や上場会社等の市場参加者又はその他の第三者による不法行為等によっても毀損される可能性があります。 当社グループの社会的な信用の毀損は、取引高の減少や発行会社の当社グループが開設する市場への上場を妨げる要因となる可能性があり、ひいては、当社グループの事業運営及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,189字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 1.業績等の概要 (1)業績 当社グループの当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の連結業績は、営業収益は1,987億35百万円(前年同期比22.5%増)、営業費用が835億98百万円(前年同期比11.4%増)となったため、営業利益は1,162億89百万円(前年同期比29.0%増)、税引前利益は1,169億18百万円(前年同期比29.5%増)となりました。 当社グループROEについては、今後の成長に向けた取組みを推進するとともに、事業ポートフォリオの多様化・収益基盤の安定化を図りつつ、3期連続「ROE 20.0%以上」の達成を目指しており、当連結会計年度のROEは23.1%となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ120億43百万円増加し、1,104億71百万円となりました。 ①営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益1,169億18百万円に、減価償却費及び償却費180億44百万円並びに支払法人所得税等285億13百万円等を加減した結果、1,077億49百万円の収入となりました。 ②投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出2,890億10百万円及び定期預金の払戻による収入2,819億10百万円等を加減した結果、152億44百万円の支出となりました。 ③財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フローは、支払配当金560億87百万円並びに自己株式の取得による支出205億20百万円等により、804億80百万円の支出となりました。 2.生産、受注及び販売の実績 業務の性格上、該当する情報がないため記載しておりません。 3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来に生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。 (1)重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しており、採用する重要性がある会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表-連結財務諸表注記-3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを行う判断」に記載しております。 この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループによる見積りのうち、のれんについては、各連結会計年度末日又は減損の兆候がある場合に、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。使用価値は、経営計画等に基づくキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の加重平均資本コストを基礎とした割引率等により割引いて算定しており、経営計画の最終年度を超える期間におけるキャッシュ・フローについては、将来の不確実性を考慮し、最終年度と同水準で推移すると仮定しております。なお、のれんは企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、減損テストを実施しております。 当社グループの収益は、「第2 事業の状況-3事業等のリスク-2.事業環境等に関するリスク-(2)金融市場の動向による影響について-①収益構造の特徴等について」に記載のとおり、日本経済の状況の影響を大きく受け、また、流通市場や発行市場の動向は、経済環境その他様々な要因により大きく変動する場合があるため、その動向を精緻に予測することは非常に困難です。そのため、日本の景気が急速に悪化し長期間に亘って低迷した場合などには当社グループの経営計画等に基づくキャッシュ・フローの見積額が大きく減少し、のれんの減損が発生する可能性があります。 (2)当連結会計年度の経営成績の分析 (営業収益の状況) 当社グループでは、2025年度を初年度とする「中期経営計画2027」を策定しており、当社グループが目指す事業展開の重要性を踏まえて、当中間連結会計期間より営業収益の内訳を見直しております。 これにより、営業収益の内訳を従来の「取引関連収益」、「清算関連収益」、「上場関連収益」、「情報関連収益」、「その他の営業収益」の5区分から、「取引関連収益」、「清算関連収益」、「上場関連収益」、「情報関連収益」、「システム関連収益」、「その他の営業収益」の6区分に変更しております。 なお、前連結会計年度の営業収益の内訳は、変更後の営業収益の内訳に組み替えた金額で表示しております。 ①取引関連収益 取引関連収益は、現物の売買代金並びに金融デリバティブ及びコモディティ・デリバティブの取引高等に応じた「取引料」、取引参加者の取引資格に応じた「基本料」、注文件数に応じた「アクセス料」、利用する売買システム施設の種類に応じた「売買システム施設利用料」等から構成されます。 当連結会計年度の取引関連収益は、現物の売買代金が前年同期を上回り、取引料が増加したことなどから、前年同期比20.0%増の773億99百万円となりました。 取引関連収益の内訳 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)    当連結会計年度 (自 2025年4月1日  至 2026年3月31日) 増減(%) 取引関連収益   64,515   77,399   20.0 取引料   53,887   65,825   22.2 現物   43,117   55,265   28.2 金融デリバティブ   9,374   9,279   △1.0 TOPIX先物取引   1,731   1,780   2.8 日経平均株価先物取引(注)   3,904   3,480   △10.9 日経平均株価指数オプション取引   1,939   2,375   22.5 長期国債先物取引   2,237   2,099   △6.2 その他   △438   △456   - コモディティ・デリバティブ   1,394   1,280   △8.2 基本料   965   956   △0.9 アクセス料   5,657   6,438   13.8 売買システム施設利用料   3,895   4,075   4.6 その他   109   103   △5.5 (注) 日経225mini及び日経225マイクロ先物取引を含めております。 ②清算関連収益 清算関連収益は、株式会社日本証券クリアリング機構が行う金融商品債務引受業に関する清算手数料等から構成されます。 当連結会計年度の清算関連収益は、前年同期比57.5%増の542億42百万円となりました。 ③上場関連収益 上場関連収益は、新規上場や上場会社の新株券発行の際に発行額に応じて受領する料金等から構成される「新規・追加上場料」及び時価総額に応じて上場会社から受領する料金等から構成される「年間上場料」に区分されます。 当連結会計年度の上場関連収益は、新規・追加上場料及び年間上場料が増加したことから、前年同期比7.9%増の186億82百万円となりました。 上場関連収益の内訳 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)    当連結会計年度 (自 2025年4月1日  至 2026年3月31日) 増減(%) 上場関連収益   17,309   18,682   7.9 新規・追加上場料   4,284   4,595   7.3 年間上場料   13,025   14,087   8.2 ④情報関連収益 情報関連収益は、情報ベンダー等への相場情報の提供に係る収益である相場情報料、指数ビジネスに係る収益等から構成されます。 当連結会計年度の情報関連収益は、相場情報料及び指数ビジネスに係る収益が増加したことなどから、前年同期比5.5%増の336億69百万円となりました。 ⑤システム関連収益 システム関連収益は、売買・相場報道等の各種システムと取引参加者・ユーザをつなぐarrownetに係る利用料、注文の送信時間等の短縮による売買執行の効率化を目的として、システムセンター内に取引参加者や情報ベンダー等が機器等を設置するコロケーションサービスに係る利用料等から構成されます。 当連結会計年度のシステム関連収益は、前年同期比4.3%増の138億38百万円となりました。 システム関連収益の内訳 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)    当連結会計年度 (自 2025年4月1日  至 2026年3月31日) 増減(%) システム関連収益   13,269   13,838   4.3 arrownet利用料   3,553   3,638   2.4 コロケーションサービス利用料   5,898   6,480   9.9 その他   3,817   3,720   △2.5 (営業費用の状況) 当連結会計年度の人件費は、前年同期比2.4%増の243億7百万円となりました。 システム維持・運営費は、現物及びデリバティブの売買システムをはじめとした各種システムの維持及び管理運用に係る費用等から構成されます。システム維持・運営費は、前年同期比1.7%増の208億32百万円となりました。 減価償却費及び償却費は、前年同期比1.8%減の180億36百万円となりました。 その他の営業費用は、前年同期比63.7%増の204億22百万円となりました。 (3)当期の財政状態の概況 (資産、負債及び資本の状況) 当社グループの資産及び負債には、株式会社日本証券クリアリング機構が清算機関として引き受けた「清算引受資産・負債」及び清算参加者から担保として預託を受けた「清算参加者預託金」が両建てで計上されております。「清算引受資産・負債」及び「清算参加者預託金」は、多額かつ清算参加者のポジションなどにより日々変動することから、当社グループの資産及び負債の額は、これらの変動に大きな影響を受けます。その他、金融商品取引等の安全性を確保するための諸制度に基づく「信認金」、「取引参加者保証金」及び「違約損失積立金」が資産及び負債または資本に両建てで計上されております。 当連結会計年度末の資産は、「清算引受資産」が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ13兆7,971億95百万円減少し、71兆5,995億66百万円となりました。また、「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」を控除した後の資産は、前連結会計年度末に比べ251億64百万円増加し、4,536億61百万円となりました。 当連結会計年度末の負債は、資産と同様に「清算引受負債」が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ13兆8,036億57百万円減少し、71兆2,419億56百万円となりました。また、「清算引受負債」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「取引参加者保証金」を控除した後の負債は、前連結会計年度末に比べ181億49百万円増加し、1,131億72百万円となりました。 当連結会計年度末の資本は、配当金の支払により減少した一方、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ64億61百万円増加し、3,576億9百万円となりました。また、「違約損失積立金」を控除した後の資本は、3,296億61百万円となりました。 参考 資産合計   資本合計   親会社の所有者に 帰属する持分   親会社所有者 帰属持分比率 2026年3月期 2025年3月期   百万円 71,599,566 (453,661) 85,396,761 (428,497)   百万円 357,609 (329,661) 351,148 (323,199)   百万円 345,015 (317,067) 340,823 (312,875)   % 0.5 (69.9) 0.4 (73.0) 親会社所有者帰属持分 当期利益率   資産合計 税引前利益率   1株当たり親会社 所有者帰属持分 2026年3月期 2025年3月期   % 23.1 (25.1) 18.3 (19.9)   % 0.1 (26.5) 0.1 (21.2)   円 銭 335.64 (308.45) 327.57 (300.71) (注) 各指標における( )内は、資産合計は「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」、資本合計及び親会社の所有者に帰属する持分は、「違約損失積立金」をそれぞれ控除して算出した数値です。 ※当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。 そのため、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり親会社所有者帰属持分を算定して おります。 (4)資本の財源及び資金の流動性 当社グループの事業活動のために必要な資金及び株主還元のための資金は、主に手元資金及び営業キャッシュ・フローの活用により調達しております。また、手元流動性の確保や資本コストの低減のため、必要に応じて金融機関からの借入れや社債の発行等による資金調達も活用しております。 当社グループの主要な資金需要は、システム維持・運営費や人件費などの市場運営等のための運転資金及びシステム開発のための設備投資資金などがあります。また、株主還元については、金融商品取引所グループとしての財務の健全性等に留意しつつ、業績に応じた配当を実施することを基本とし、具体的には、配当性向を60%以上とすることを目標としております。 キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要-(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (契約債務) 当連結会計年度末現在における契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円) 契約債務   合計   1年以内   1年超5年以内   5年超 借入金   32,500   32,500   -   - 社債   20,000   20,000   -   - (5)経営成績に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況-3 事業等のリスク」に記載しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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