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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

阪急阪神ホールディングス

Hankyu Hanshin Holdings,Inc.9042 · Prime · 陸運業

阪急・阪神の鉄道を軸に、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行、国際輸送など多彩な事業を展開する総合生活インフラ企業。

概要

阪急阪神ホールディングスは、阪急電鉄と阪神電気鉄道を中核とする純粋持株会社である。関西圏で鉄道・バス事業に加え、不動産開発(阪急阪神不動産)、百貨店(エイチ・ツー・オー リテイリングを持分法適用関連会社とする)、エンタテインメント(阪神タイガース、宝塚歌劇団)、旅行(阪急交通社)、国際輸送(阪急阪神エクスプレス)など多角的に展開する。2026年3月期の連結営業収益は1兆2,035億円、従業員数は23,867人。本社は大阪府池田市、本社事務所は大阪市北区。

6つの事業セグメントで構成されるグループ

当社グループは都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行、国際輸送の6つを報告セグメントとする。都市交通事業では阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄等による鉄道、阪急バス・阪神バス等による自動車、駅構内流通(エキ・リテール・サービス阪急阪神)、車両製造(アルナ車両)を手がける。不動産事業は賃貸オフィス・商業施設、分譲マンション・戸建て、ホテル運営(阪急阪神ホテルズ)が柱。エンタテインメント事業は阪神タイガースのプロ野球運営と宝塚歌劇団のステージ事業が中核。情報・通信事業はアイテック阪急阪神等がシステム開発・ケーブルテレビを提供し、旅行事業は阪急交通社が国内海外旅行を扱う。国際輸送事業は阪急阪神エクスプレスがグローバルなフォワーディング・ロジスティクスサービスを提供する。

不動産とエンタメが収益を牽引した2026年3月期

2026年3月期の連結営業収益は1兆2,035億円(前期比8.7%増)、営業利益1,271億円(同14.7%増)、親会社株主帰属当期純利益785億円(同16.5%増)といずれも過去最高を記録した。牽引役は不動産事業のマンション分譲収入の大幅伸長、都市交通事業・ホテル事業における大阪・関西万博開催需要の取り込み、阪神タイガースのリーグ優勝によるスポーツ事業の好調である。営業利益構成比が高いのは不動産事業であり、賃貸事業等と住宅事業が安定的な収益源となっている。一方、都市交通事業は鉄道・バスの輸送人員増加で増収だが、人件費・維持費の増加で営業利益の伸びは0.5%にとどまった。

関西圏を核に海外にも広がる事業領域

鉄道路線は阪急電鉄143.6キロ、阪神電気鉄道48.9キロを中心に関西圏に展開。阪急は大阪梅田~神戸三宮・京都河原町・宝塚・北千里、阪神は大阪梅田~神戸三宮・甲子園を結ぶ。バス事業も阪急バス・阪神バスが関西一円で路線を運行する。不動産事業では国内の賃貸・分譲に加え、インドネシアにPT CPM ASSETS INDONESIAを通じて海外不動産事業を持つ。国際輸送事業は北米・欧州・アジア・東南アジアに現地法人(HHE(USA) INC.、HHE(DEUTSCHLAND) GMBH、HHE(HK) LTD.、HHE SOUTHEAST ASIA PTE. LTD.)を配置し、グローバルな物流ネットワークを構築している。百貨店事業はエイチ・ツー・オー リテイリングを持分法適用関連会社とし、阪急百貨店・阪神百貨店をグループ外で運営する。

純粋持株会社の下に5つの中核子会社

2005年4月の持株会社移行を経て、当社はグループ経営機能を担う純粋持株会社として、阪急電鉄、阪神電気鉄道、阪急阪神不動産、阪急交通社、阪急阪神エクスプレスの5社を中核子会社に据える。各中核会社がそれぞれの事業セグメントを統括し、グループ全体の有機的成長を図る。子会社には能勢電鉄、北大阪急行電鉄、神戸高速鉄道、阪急バス、阪神バス、アルナ車両、阪急阪神ビルマネジメント、阪急阪神ホテルズ、阪神タイガース、宝塚クリエイティブアーツ、アイテック阪急阪神、阪急阪神エクスプレス、ハンシン建設、阪急阪神カード等が含まれる。持分法適用関連会社にはエイチ・ツー・オー リテイリング、神戸電鉄、東宝などがある。

業界の中での役割は都市交通(鉄道・バス)を中核とする総合サービス企業グループにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.2兆円
営業利益
1,271億円
営業利益率
10.6%
純利益
785億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01都市交通事業主力

阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄等による鉄道事業、阪急バス・阪神バス等による自動車事業、駅構内の流通事業(エキ・リテール・サービス阪急阪神)、車両製造(アルナ車両)・設計コンサル・駅ビル運営等のその他事業を展開。

主な製品・サービス4
鉄道運送
阪急電鉄・阪神電鉄等による路線旅客鉄道運送。
バス運送
路線バス・観光バス・タクシー事業。
駅構内流通
駅ナカ商業施設の運営。
鉄道車両製造
アルナ車両による鉄道車両の製造・改造。

02不動産事業主力

賃貸事業等(阪急阪神不動産等によるオフィス・商業施設の賃貸、ビルマネジメント、クリーンサービス、リート運用)、住宅事業(分譲マンション・戸建ての開発販売、リフォーム等)、海外不動産事業、ホテル事業(㈱阪急阪神ホテルズ等)を展開。

主な製品・サービス3
賃貸オフィス・商業施設
自社所有物件の賃貸。
分譲住宅
マンション・戸建ての企画・分譲。
ホテル運営
阪急阪神ホテルズ等によるホテル経営。

03エンタテインメント事業準主力

スポーツ事業(阪神タイガースの運営、阪神コンテンツリンクによる関連商品販売等)、ステージ事業(宝塚歌劇団の運営、梅田芸術劇場等の劇場運営、関連グッズ製造販売)。

主な製品・サービス2
プロ野球球団運営
阪神タイガースの運営。
宝塚歌劇
宝塚歌劇団の公演運営と関連グッズ販売。

04情報・通信事業副次

アイテック阪急阪神、ユミルリンク、㈱ベイ・コミュニケーションズが、システム開発・ネットワークサービス・ケーブルテレビ等の情報通信サービスを提供。

05旅行事業副次

㈱阪急交通社が国内・海外旅行の企画・販売(主催旅行・手配旅行)を行う。

06国際輸送事業副次

㈱阪急阪神エクスプレス等が国際航空・海上貨物輸送、フォワーディング、ロジスティクスサービスをグローバルに提供。

07その他事業その他

建設・環境事業(ハンシン建設、中央電設、阪神園芸)、広告代理・制作事業(阪急阪神マーケティングソリューションズ)、人事・経理代行(阪急阪神ビジネスアソシエイト)、グループカード事業(阪急阪神カード)、グループ金融業(阪急阪神フィナンシャルサポート)等を展開。

製品と技術

阪急電鉄・阪神電鉄の都市間鉄道と座席指定サービス

鉄道事業は阪急電鉄が143.6キロ、阪神電気鉄道が48.9キロの路線を運営する。阪急は大阪梅田から神戸三宮・京都河原町・宝塚・北千里へ、阪神は大阪梅田から神戸三宮・甲子園へ至る。2025年8月、阪急電鉄は座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」の運行本数を約1.5倍に拡大し、有料座席サービスによる収入増を図った。阪神電気鉄道も2027年春の導入を目指して新型車両の製造を進める。また、阪急箕面線ではワンマン運転を開始し、省力化を推進。阪神甲子園駅などでは可動式ホーム柵の整備をバリアフリー料金制度を活用して進めている。

アルナ車両による鉄道車両製造と設計コンサル

都市交通事業のその他事業として、アルナ車両が鉄道車両の製造・改造を手がける。同社は阪急・阪神向けの車両をはじめ、他社向けの車両も生産している。阪急設計コンサルタントは鉄道・土木・建築の設計コンサルティングを提供し、グループ内外のプロジェクトを支える。阪神ステーションネットは駅ビル運営を通じて、駅周辺の商業活性化に寄与する。これらの子会社は鉄道運行のバックヤードを担い、グループの垂直統合を支えている。

阪急阪神不動産による賃貸・分譲・ホテルの一体開発

不動産事業の中核は阪急阪神不動産である。賃貸事業等では自社所有のオフィスビルや商業施設(NU茶屋町、ロサヴィア等)の運営、ビルマネジメント、リート運用(阪急阪神リート投信)を行う。住宅事業では分譲マンション・戸建ての開発販売に加え、リフォームサービス(阪急阪神ハウジングサポート)を提供。ホテル事業は阪急阪神ホテルズが運営する都市型ホテル・リゾートホテルが中心。海外ではインドネシアにPT CPM ASSETS INDONESIAを通じた不動産事業を展開する。2026年3月期にはマンション分譲収入が大幅に伸び、セグメント利益を押し上げた。

阪神タイガースと宝塚歌劇が生むエンタメ価値

エンタテインメント事業はスポーツとステージの2本柱。スポーツ事業では阪神電気鉄道が阪神タイガースを運営し、2025年のリーグ優勝により関連グッズ販売(阪神コンテンツリンク)が好調だった。プロ野球人気は鉄道・不動産への集客効果も生む。ステージ事業は阪急電鉄が宝塚歌劇団を運営し、宝塚大劇場・東京宝塚劇場で公演を実施。梅田芸術劇場の運営や関連グッズ製造販売(宝塚クリエイティブアーツ)も含む。宝塚歌劇は100年以上の歴史を持つ独自の文化コンテンツであり、グループのブランド力向上に貢献している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

陸運業のなかでの位置

エンタメ・不動産軸に安定成長

阪急阪神ホールディングスは関西圏を地盤に鉄道・不動産・エンターテインメント事業を展開。2025/3期の営業利益率10.02%と同業の東急と同水準だが、東急が東京郊外の路線網に強みを持つ一方、阪急阪神は阪急電鉄沿線の高級住宅地開発や、阪神タイガース・宝塚歌劇といったブランド資産を抱える。2026/3期予想営業利益率10.56%と微増傾向。データからは、安定的な収益基盤とエンタメによる差別化が確認できる。

強み

  • 宝塚歌劇・阪神タイガースなど、唯一無二のコンテンツで集客力。
  • 阪急電鉄沿線で高級住宅地・商業施設を開発、資産価値を向上。
  • 関西圏の通勤・通学需要を背景に、安定的な鉄道収益を確保。
  • 鉄道・不動産・エンタメの3本柱で、収益の変動を平準化。

課題

  • 収益の大部分が関西圏に依存し、地域経済の変動に左右されやすい。
  • 沿線人口減少で将来的な鉄道需要減・不動産需要減が懸念。
  • プロ野球・歌劇の収益はチーム成績や流行に左右され、変動が大きい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

物流・運輸の時価総額近傍。太字が阪急阪神ホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
19107川崎汽船2.1兆円15.9倍
29202ANAホールディングス1.4兆円9.2倍
39021西日本旅客鉄道1.4兆円10.8倍
49147NIPPON EXPRESSホールディングス1.4兆円71.6倍
59201日本航空1.3兆円9.5倍
69042阪急阪神ホールディングス1.2兆円14.1倍
79024西武ホールディングス1.1兆円22.8倍
89005東急1.0兆円10.8倍
99143SGホールディングス9,427億円15.0倍
104732ユー・エス・エス9,395億円22.4倍
119023東京地下鉄8,625億円14.6倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(物流・運輸)に従っています。

会社の歴史

沿革 39件

箕面有馬電気軌道として創業した1907年

当社の前身は1907年10月、資本金550万円で設立された箕面有馬電気軌道である。1910年3月に宝塚線(現在の阪急宝塚本線)と箕面線の営業を開始した。創業当初から宅地経営に着手し、同年6月には池田駅前室町住宅地の分譲を開始、鉄道と沿線開発を一体で進めるビジネスモデルの原型をつくった。1911年5月には宝塚新温泉(後の宝塚ファミリーランド)を開業し、沿線にレジャー施設を設けることで乗客誘致を図った。

阪神急行電鉄への社名変更と神戸線開通

1918年2月、社名を阪神急行電鉄に変更。1920年7月に大阪梅田~神戸上筒井間の神戸線と伊丹線が営業を開始し、阪神間の主要ルートを確保した。その後、1921年9月に今津線(西宮北口~宝塚間)、1924年10月に甲陽線、1926年12月に今津線(西宮北口~今津間)を開業し、沿線ネットワークを拡大した。1929年3月には梅田阪急ビル第1期工事が竣工し、翌月には阪急百貨店を開業して百貨店事業に進出した。駅直結の商業施設による集客と収益多角化の先駆けとなった。

京阪合併と戦後の分離を経た再編

1943年10月、京阪電気鉄道を合併し、社名を京阪神急行電鉄に変更。戦時統合の一環であり、京阪の路線網を一時的に傘下に収めた。戦後の1947年4月、百貨店部門を分離して阪急百貨店を設立し、小売事業を独立させた。1949年5月に東京証券取引所に上場。同年12月には京阪電気鉄道を新たに設立して営業の一部を譲渡し、京阪の分離が完了した。この一連の再編で、鉄道と百貨店が別会社となり、現在のグループ構造の基礎が形作られた。

高度成長期の延伸と相互直通運転

1959年2月、大阪梅田~十三間の三複線が開通し、輸送力増強を図った。1963年6月には京都地下延長線(大宮~京都河原町間)が開業し、京都市中心部への乗り入れを実現。1967年3月には北千里延長線が開通し、千里ニュータウンへのアクセスを提供した。1968年4月には神戸高速鉄道の開通により阪急・山陽電鉄相互直通運転を開始、1973年4月に社名を阪急電鉄に変更した。1973年11月には大阪梅田駅の移転拡張工事が完了し、ターミナル機能を強化した。

阪神淡路大震災からの復旧と新たな舞台

1995年1月の阪神・淡路大震災で、神戸本線をはじめとする路線が甚大な被害を受け、営業を一部休止した。復旧作業を経て早期の運行再開を果たしたが、震災は鉄道インフラの耐震強化の契機となった。1994年7月には新宝塚大劇場が竣工しており、2001年1月には新東京宝塚劇場が開場するなど、宝塚歌劇の拠点整備も並行して進めた。2002年12月に阪急西宮スタジアムが営業終了、2003年4月に宝塚ファミリーランドが閉園となり、エンタメ事業の再編も行われた。

持株会社移行と阪神電気鉄道との経営統合

2005年4月、会社分割により鉄道事業その他すべての営業を阪急電鉄分割準備(新阪急電鉄)に移管し、純粋持株会社阪急ホールディングスに移行した。2006年10月、株式交換により阪神電気鉄道と経営統合し、商号を阪急阪神ホールディングスに変更。これにより、阪急・阪神両グループの鉄道、不動産、エンタメ等の事業が統合され、関西最大級の生活インフラグループが誕生した。統合後も阪急電鉄・阪神電気鉄道はそれぞれ別会社として存続し、グループの中核子会社として機能している。

プライム市場移行と長期経営構想の策定

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場に移行した。2025年3月には「長期経営構想」を公表し、未来のありたい姿の実現に向けた中長期戦略を打ち出した。同構想では、都市交通・不動産・エンタメを核にしたグループシナジーの深化、サステナビリティ経営の推進、資本効率の向上を掲げている。2026年3月期には大阪・関西万博の開催需要や阪神タイガース優勝効果もあり、収益は過去最高を記録した。

年表39件を開く

1900年代

  • 1907年10月当社の前身、箕面有馬電気軌道㈱を設立(資本金550万円)

1910年代

  • 1910年3月宝塚線と箕面線営業開始
  • 1910年6月池田駅前室町住宅地の分譲を開始し、住宅経営に着手
  • 1911年5月宝塚新温泉(宝塚ファミリーランドの前身)開業
  • 1918年2月商号変更阪神急行電鉄㈱に社名変更

1920年代

  • 1920年7月神戸線(大阪梅田~神戸上筒井間)と伊丹線営業開始
  • 1921年9月今津線(西宮北口~宝塚間)営業開始
  • 1924年10月甲陽線営業開始
  • 1926年12月今津線(西宮北口~今津間)営業開始
  • 1929年3月梅田阪急ビル第1期工事竣工、翌月阪急百貨店開業

1930年代

  • 1936年4月神戸市内高架線完成、大阪梅田~神戸三宮間で営業開始
  • 1937年5月西宮球場開場

1940年代

  • 1943年10月M&A京阪電気鉄道㈱を合併し、京阪神急行電鉄㈱に社名変更
  • 1947年4月百貨店部門とこれに付帯する事業を分離し、㈱阪急百貨店を設立
  • 1949年5月上場東京証券取引所に上場
  • 1949年12月京阪電気鉄道㈱を新たに設立し、これに営業の一部を譲渡

1950年代

  • 1959年2月大阪梅田~十三間複線増設工事竣工による三複線開通

1960年代

  • 1963年6月京都地下延長線(大宮~京都河原町間)営業開始
  • 1963年8月南千里延長線(千里山~南千里間)営業開始
  • 1967年3月北千里延長線(南千里~北千里間)営業開始
  • 1968年4月神戸高速鉄道開通、阪急・山陽電鉄相互直通運転開始
  • 1969年11月阪急三番街開業
  • 1969年12月阪急・大阪市営地下鉄堺筋線相互直通運転開始

1970年代

  • 1973年4月商号変更阪急電鉄㈱に社名変更
  • 1973年11月大阪梅田駅移転拡張工事竣工(1966年2月起工)
  • 1977年8月阪急グランドビル開業

1980年代

  • 1987年4月鉄道事業法の施行に伴い、第1種鉄道事業としての営業開始
  • 1988年4月第2種鉄道事業として、神戸高速線(神戸三宮~西代間)営業開始

1990年代

  • 1994年7月新宝塚大劇場竣工
  • 1995年1月阪神・淡路大震災により甚大な被害を蒙り、神戸本線をはじめとして営業を一部休止

2000年代

  • 2001年1月新東京宝塚劇場開場
  • 2001年11月M&A㈱第一ホテルを完全子会社化
  • 2002年4月M&A株式交換により、阪急不動産㈱を完全子会社化
  • 2002年12月阪急西宮スタジアム営業終了
  • 2003年4月宝塚ファミリーランド営業終了
  • 2004年4月M&A株式交換により、㈱新阪急ホテルを完全子会社化
  • 2005年4月商号変更会社分割により、鉄道事業その他のすべての営業を阪急電鉄分割準備㈱に移転し、純粋持株会社体制に移行するとともに、商号を阪急ホールディングス㈱に変更(同時に阪急電鉄分割準備㈱は商号を阪急電鉄㈱に変更)
  • 2006年10月M&A株式交換により、阪神電気鉄道㈱と経営統合し、両社グループ共同の純粋持株会社として商号を阪急阪神ホールディングス㈱に変更

2020年代

  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ROE早期(持続的達成)まで8%
  • 事業利益2030年度まで1,600億円
  • 温室効果ガス排出量削減率(2019年度比)2035年度まで△60%
  • 温室効果ガス排出量実質ゼロ2050年度まで実質ゼロ
  • 総還元性向(6年累計)2030年度末まで50%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    長期経営構想の策定と推進

    2040年頃のありたい姿に向けて、事業・財務・人材の各戦略を策定。事業戦略では「圧倒的No.1の沿線の実現」「コンテンツの魅力の最大化と新コンテンツの開拓」「エリアを超えた展開(首都圏・海外)」「ビジネスソリューションへの注力」の4方向に資源配分し、既存フィールドの深耕と新フィールドへの挑戦を続ける。財務戦略ではバランスシートをコントロールしつつ投資効果を最大化、人材戦略では多様な人材確保・育成と環境整備を進める。

  2. 02

    サステナビリティ経営の推進

    「サステナビリティ宣言」に基づき、安全・安心、豊かなまちづくり、未来への暮らし提案、一人ひとりの活躍、環境保全、ガバナンスの6つの重要テーマに取り組む。TCFD、TNFDに賛同し、気候変動・自然資本に関する情報開示を進め、温室効果ガス削減目標(2050年度実質ゼロ、2035年度△60%)を掲げる。

  3. 03

    株主還元方針の見直し

    2025年度以降の配当方針を改定。2025~2030年度の6年間累計で総還元性向50%以上とし、年間配当金下限1株当たり100円の安定配当に加え、キャッシュフローや株価動向を勘案した機動的な自己株式取得を行う。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で23,867人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は920万円で、9期前と比べて+4.9%平均年齢は42.4歳、平均勤続年数は17.5年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月21,860
2018年3月22,152
2019年3月87741.318.222,654
2020年3月88041.818.522,800
2021年3月86442.719.223,192
2022年3月81942.919.422,869
2023年3月82943.119.322,527
2024年3月87143.319.122,811
2025年3月90042.918.323,033481
2026年3月92042.417.523,867533

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率7.6%
縦線は目安の30%
男性育休取得率96.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)73.0%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社45(国内 43 / 海外 2、うち連結子会社 40) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位8)
不動産11,055億円
都市交通8,349億円
エンタテインメント887億円
調整額又は全社 — 共通245億円
情報・通信181億円
国際輸送8,761百万円
その他3,865百万円
旅行2,528百万円
ほか38件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    阪急電鉄㈱ ※1,4
    大阪市 北区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    阪神電気鉄道㈱ ※1
    大阪市 福島区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    阪急阪神不動産㈱ ※1,4
    大阪市 北区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱阪急交通社 ※4
    大阪市 北区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱阪急阪神エクスプレス
    大阪市 北区 · 連結子会社
    議決権66.0%
  • 国内
    能勢電鉄㈱
    兵庫県 川西市 · 連結子会社
    議決権98.5%
  • 国内
    北大阪急行電鉄㈱
    大阪府 豊中市 · 連結子会社
    議決権54.0%
  • 国内
    神戸高速鉄道㈱
    神戸市 中央区 · 連結子会社
    議決権51.7%
  • 国内
    阪急バス㈱
    大阪府 豊中市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    阪神バス㈱
    兵庫県 尼崎市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    阪急観光バス㈱
    大阪府 豊中市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    阪急タクシー㈱
    大阪府 池田市 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社33社を開く
  • 阪神タクシー㈱兵庫県 西宮市100%
  • ㈱エキ・リテール・サービス 阪急阪神大阪市 北区100%
  • アルナ車両㈱大阪府 摂津市100%
  • 阪急設計コンサルタント㈱大阪市 北区100%
  • ㈱阪神ステーションネット大阪市 福島区100%
  • 阪急阪神ビルマネジメント㈱大阪市 北区100%
  • 阪急阪神クリーンサービス㈱大阪市 北区100%
  • 阪急阪神リート投信㈱大阪市 北区100%
  • ㈱阪急阪神ハウジングサポート大阪市 北区100%
  • PT CPM ASSETS INDONESIA ※1インドネシア71%
  • ㈱阪急阪神ホテルズ大阪市 北区100%
  • ㈱阪神ホテルシステムズ大阪市 北区100%
  • ㈱有馬ビューホテル神戸市 北区88%
  • ㈱阪神タイガース兵庫県 西宮市100%
  • ㈱阪神コンテンツリンク大阪市 福島区100%
  • ㈱宝塚クリエイティブアーツ兵庫県 宝塚市100%
  • ㈱梅田芸術劇場大阪市 北区100%
  • アイテック阪急阪神㈱大阪市 福島区56%
  • ユミルリンク㈱ ※2東京都 渋谷区52%
  • ㈱ベイ・コミュニケーションズ ※3大阪市 福島区45%
  • ㈱阪急阪神ロジパートナーズ大阪市 住之江区100%
  • ㈱ハンシン建設大阪市 北区100%
  • 中央電設㈱大阪市 福島区100%
  • 阪神園芸㈱兵庫県 西宮市100%
  • 阪急阪神マーケティング ソリューションズ㈱大阪市 北区51%
  • ㈱阪急阪神ビジネス アソシエイト ※1大阪市 北区100%
  • ㈱阪急阪神カード大阪市 北区100%
  • ㈱阪急阪神フィナンシャル サポート大阪市 北区100%
  • エイチ・ツー・オー リテイリング㈱ ※2大阪市 北区13%
  • 西大阪高速鉄道㈱大阪市 福島区35%
  • 神戸電鉄㈱ ※2神戸市 兵庫区1%
  • 東宝㈱ ※2東京都 千代田区9%
  • PT Duta Cakra Pesonaインドネシア40%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.2兆円営業利益1,271億円前期と比べると増収増益で、売上が+8.7%、利益が+14.6%。

売上高
+8.7%
1.2兆円
営業利益
+14.6%
1,271億円
純利益
+16.5%
785億円
営業利益率
10.6%
前期比 +0.5%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.3兆円1.2兆円
営業利益1,217億円1,271億円
純利益790億円785億円
1株あたり配当¥100¥100

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は3,390億円、営業利益は495億円。

対象期間売上高兆円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2018年4Q0.7691
2019年4Q0.7967
2020年4Q0.76−41
2021年4Q0.57−198
2022年4Q0.7526
2023年4Q0.97−41
2024年4Q1.0050
2025年4Q1.114414.0165
2026年4Q1.204303.6246
2027年1Q0.3449514.6368

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は6,824億円から1.2兆円へ1.8倍に増えた。直近期の営業利益率は10.6%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.68749397
2014年3月0.68812464
2015年3月0.69856542
2016年3月0.751,045700
2017年3月0.741,006713
2018年3月0.761,038664
2019年3月0.791,105655
2020年3月0.76888549
2021年3月0.57−76−367
2022年3月0.75385214
2023年3月0.97884470
2024年3月1.001,094678
2025年3月1.111,1091,11210.0674
2026年3月1.201,2711,24510.6785

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.2兆円のうち、営業利益として残るのは1,271億円10.6%。営業外の損益と税金を反映した純利益は785億円、売上の6.5%にあたる。営業利益率は業種中央値7.2%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価など作る・仕入れるのにかかったお金86.1%1.0兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金3.3%396億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益10.6%1,271億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比+3.3pt
10.6%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.4pt
6.5%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比1.1pt
7.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
2.6%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが517億円、投資CFが−1,631億円で、差し引きのフリーCFは−1,114億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は696億円で、売上の0.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月1,277−589−692688256
2014年3月1,470−455−1,0511,015245
2015年3月1,319−525−817794235
2016年3月1,248−788−473460224
2017年3月1,156−848−306308225
2018年3月1,358−884−432474275
2019年3月1,260−1,162−11298276
2020年3月1,231−1,28510−54235
2021年3月−325−1,0221,346−1,347252
2022年3月818−964151−146294
2023年3月1,321−1,132−90189414
2024年3月1,235−1,413285−178538
2025年3月874−1,676795−802560
2026年3月517−1,6311,227−1,114696

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は3.5兆円。このうち返さなくてよい自己資本が1.2兆円で、自己資本比率は31.2%(業種中央値40.1%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月2.280.571.7124.5
2014年3月2.290.621.6726.3
2015年3月2.280.681.6029.1
2016年3月2.280.721.5631.0
2017年3月2.350.801.5533.5
2018年3月2.400.871.5434.8
2019年3月2.470.921.5535.9
2020年3月2.490.941.5536.4
2021年3月2.620.911.7133.1
2022年3月2.720.921.8132.0
2023年3月2.870.981.8831.6
2024年3月3.051.071.9832.1
2025年3月3.281.132.1531.5
2026年3月3.541.202.3431.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
723億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
8,356億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
34億円
在庫として抱えている分
負債合計
2.3兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
72
/ 100
安定性自己資本比率21 / 40
収益力営業利益率21 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

陸運業 56社との比較

同じ陸運業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率56社中12位あたり、逆に低いのは自己資本比率56社中48位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
7.3%/中央値 8.4%
P25 6.0%P75 10.4%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
10.6%/中央値 7.2%
P25 4.9%P75 10.9%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
31.2%/中央値 40.1%
P25 32.4%P75 54.0%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
8.7%/中央値 4.5%
P25 2.6%P75 7.5%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.1%/中央値 2.4%
P25 1.6%P75 3.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥4,648で、1年前と比べて+6.9%過去52週の値幅のなかでは61%の位置にある。

¥4,648-0.8%1ヶ月+3.1%1年+6.9%時価総額1.2兆円
過去52週の値幅
安値¥3,816高値¥5,183

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)14.1倍
PER (会社予想)13.7倍
PBR0.98倍
配当利回り2.15%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月下旬に4900円台から5111円まで上昇しましたが、その後急落し、8月4日には4509円まで下落しました。その後は回復し、8月21日には4720円で取引を終えています。25日線(4694円)付近で推移し、上値は重い展開です。52週高値(5183円)から約9%下の水準、年初来で8.4%上昇と緩やかです。RSI50.4と中立圏で、方向感は乏しいです。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 50/100)

PERは14.3倍で同業界平均の15.72倍を下回り、予想PER13.9倍とほぼ同水準。PBRは0.99倍で平均1.08倍を下回り、1倍を割り込む。ROE7.3%は安定的で、配当利回り2.12%は平均2.31%をやや下回るが、配当性向49.3%と健全。業界平均と比較して株価は妥当な水準にあり、大きな割安感や割高感はなくほぼ妥当と評価。

指標この会社業種平均
PER (実績)14.1倍15.7倍
PER (予想)13.7倍
PBR0.98倍1.07倍
ROE7.3%8.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

同社は鉄道・不動産・商業の相乗効果で収益を伸ばす一方、新型コロナ後の人流回復が続く中で、関西経済の活性やインバウンド需要が追い風。強気派は、都心再開発や(大阪・関西万博)の開催で沿線価値が上がるとし、非鉄道事業の収益拡大に期待。弱気派は、人口減少やリモートワーク定着で鉄道需要が頭打ちになる可能性、百貨店など小売の競争激化、金利上昇による不動産開発コスト増を懸念する。

プラスに働く材料7
  • 都市開発の進展

    梅田や神戸での駅ビル再開発が進み、収益源が多様化。鉄道・不動産・商業の連携強化。

  • インバウンド需要

    訪日外国人観光客の増加で、百貨店やホテル、鉄道の利用増が期待。関西は人気エリア。

  • 万博特需

    2025年大阪・関西万博で輸送需要が高まり、グループ全体の売上拡大につながる。

  • 2026/3期は営業利益1,271億円、増益計画決算発表後影響

    売上高1兆2,035億円、営業利益1,271億円、純利益785億円。前期比で営業利益162億円増。

  • 営業利益率10.56%と10%超を維持通年影響

    営業利益率は10.02%から10.56%へ改善。売上高1兆2,035億円での高収益構造。

  • PBR0.9663倍と1倍割れ、修正余地継続影響

    PBRは0.9663倍。純資産に対して株価が約3%低く、1倍回復が意識される。

  • 配当利回り2.17%、株主への還元通年影響

    配当利回り2.17%。安定配当を支える営業利益1,271億円の計画。

マイナスに働く材料7
  • 鉄道需要の減少

    人口減少やリモートワークの定着で、通勤客数が低迷する懸念。

  • 百貨店事業の競争

    EC化や外資系ブランドの競争で百貨店の売上が伸び悩む。

  • 金利上昇の影響

    不動産開発の借入コストが上昇し、収益圧迫となる。

  • ROE7.3%と低く資本効率の課題継続影響

    ROE7.3%はPBR1倍割れを脱却する水準ではなく、改善がなければ低評価が続く。

  • 売上高成長率は前期11.0%→8.7%へ減速通年影響

    売上高は1兆1,069億円→1兆2,035億円で+8.7%。前期の+11.0%から減速。

  • 外国人保有26.27%、売り圧力懸念不定影響

    外国人所有比率26.27%と高い。リスクオフ時は売りに転じやすく株価下落要因。

  • 純利益785億円、前期比+111億円に留まる2026年Q2影響

    純利益は674億円→785億円と111億円増。増益率16.5%は売上高成長8.7%と比べ一過性の可能性。

次の決算で確かめる点
鉄道輸送人員
通勤・観光需要の動向を直接反映する主要KPI。
百貨店売上高
消費動向とインバウンド需要の影響を測る。
不動産賃貸収入
都市開発の成果と安定収入の創出を確認。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり100で、前期から+66.7%いまの株価に対する利回りは2.15%。増配か配当維持が3年続いている。

年間配当
¥100
1株あたり
配当利回り
2.15%
いまの株価に対して
配当性向
49.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
3年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月3519.7
2018年3月4014.324.2
2019年3月400.024.2
2020年3月5025.028.2
2021年3月500.0130.2
2022年3月500.0495.5
2023年3月500.076.8
2024年3月5510.019.1
2025年3月609.126.6
2026年3月10066.749.3

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥100

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ82,524人。区分でいちばん多いのは個人・その他40.9%。グループ会社や銀行などの安定株主が30.6%を占め、残る69.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他42.142.241.240.440.940.9
外国法人19.720.521.724.824.326.3
金融機関28.928.428.125.925.622.6
事業法人8.27.77.77.57.28.0
自己株式4.64.64.64.85.05.0
証券会社1.11.21.21.42.02.3
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)13.54
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)3.71
03エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社1.67
04日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)1.45
05JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.34
06STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1.21
07JPモルガン証券株式会社1.20
08株式会社嶋村吉洋映画企画0.88
09JP MORGAN CHASE BANK 385642 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.82
10JP MORGAN CHASE BANK 385771 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)0.75

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-04-17
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    1.70%
    -0.16pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+950%、1株純資産は14期で+949%。直近期のROEは7.3%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月314447.418.158.5
2014年3月374788.015.347.2
2015年3月435268.617.321.8
2016年3月2782,81610.312.954.6
2017年3月2853,1519.412.719.7
2018年3月2683,3918.214.724.2
2019年3月2673,6167.615.624.2
2020年3月2263,7396.116.128.2
2021年3月−1523,599−4.1130.2
2022年3月893,6122.539.9495.5
2023年3月1953,7645.320.176.8
2024年3月2824,0757.215.619.1
2025年3月2824,3406.714.326.6
2026年3月3304,6547.313.849.3

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2026/3期の役員報酬は総額271百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢
嶋田泰夫代表取締役 社長 グループCEO62
久須勇介代表取締役 副社長65
上田靖取締役62
遠藤典子取締役58
鶴由貴取締役57
小林充佳取締役68
宮原幸一郎取締役69
島谷能成取締役74
荒木直也取締役69
福井康樹取締役64
橋本一範取締役 監査等委員(常勤)65
小見山道有取締役 監査等委員81
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢
髙橋裕子取締役 監査等委員72
増田睦子取締役46
甲斐行夫取締役 監査等委員66

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)699868618531
社外取締役6686811
取締役(社内)1181818

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,558字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループにおいて営んでいる事業の内容及びその主要な会社名は次のとおりです。各区分は「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(セグメント情報等)」「1 報告セグメントの概要」に記載しているセグメントの区分と同一です。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (子会社) (1) 都市交通事業 事業の内容   主要な会社名 鉄道事業   阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、能勢電鉄㈱、北大阪急行電鉄㈱、神戸高速鉄道㈱ 自動車事業   阪急バス㈱、阪神バス㈱、阪急観光バス㈱、阪急タクシー㈱、阪神タクシー㈱ 流通事業   阪急電鉄㈱、㈱エキ・リテール・サービス阪急阪神 都市交通その他事業   アルナ車両㈱、阪急設計コンサルタント㈱、㈱阪神ステーションネット (2) 不動産事業 事業の内容   主要な会社名 賃貸事業等   阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、阪急阪神ビルマネジメント㈱、 阪急阪神クリーンサービス㈱、阪急阪神リート投信㈱ 住宅事業   阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、㈱阪急阪神ハウジングサポート 海外不動産事業   阪急阪神不動産㈱、PT CPM ASSETS INDONESIA ホテル事業   ㈱阪急阪神ホテルズ、㈱阪神ホテルシステムズ、㈱有馬ビューホテル (3) エンタテインメント事業 事業の内容   主要な会社名 スポーツ事業   阪神電気鉄道㈱、㈱阪神タイガース、㈱阪神コンテンツリンク ステージ事業   阪急電鉄㈱、㈱宝塚クリエイティブアーツ、㈱梅田芸術劇場 (4) 情報・通信事業 事業の内容   主要な会社名 情報・通信事業   アイテック阪急阪神㈱、ユミルリンク㈱、㈱ベイ・コミュニケーションズ (5) 旅行事業 事業の内容   主要な会社名 旅行事業   ㈱阪急交通社 (6) 国際輸送事業 事業の内容   主要な会社名 国際輸送事業   ㈱阪急阪神エクスプレス、㈱阪急阪神ロジパートナーズ、 HHE(USA)INC.、HHE(DEUTSCHLAND)GMBH、HHE(HK)LTD.、HHE SOUTHEAST ASIA PTE. LTD. (※HHE:HANKYU HANSHIN EXPRESS) (7) その他 事業の内容   主要な会社名 建設・環境事業   ㈱ハンシン建設、中央電設㈱、阪神園芸㈱ 広告代理・制作事業   阪急阪神マーケティングソリューションズ㈱ 人事・経理代行業   ㈱阪急阪神ビジネスアソシエイト グループカード事業   ㈱阪急阪神カード グループ金融業   ㈱阪急阪神フィナンシャルサポート (注)1 「主要な会社名」には、主要な連結子会社を記載しています。 2 当連結会計年度より、「不動産」セグメントの業態(サブセグメント)名称について、「賃貸事業」を「賃貸事業等」へ、「分譲事業等」を「住宅事業」へ変更しています。また、従来「分譲事業等」に含めていたプロパティマネジメント・ビルメンテナンス事業と不動産ファンド・リート事業を「賃貸事業等」に含めて表示しています。 (関連会社) 事業の内容   主要な会社名 百貨店事業   エイチ・ツー・オー リテイリング㈱ 鉄道事業   西大阪高速鉄道㈱、神戸電鉄㈱ 映画の興行   東宝㈱ 不動産賃貸事業   PT Duta Cakra Pesona (注)「主要な会社名」には、主要な持分法適用関連会社を記載しています。
経営方針・対処すべき課題5,245字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 1.会社の経営の基本方針 当社グループでは、都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行及び国際輸送の6つの事業を主要な事業領域と位置付け、グループ経営機能を担う当社(純粋持株会社)の下、阪急電鉄㈱、阪神電気鉄道㈱、阪急阪神不動産㈱、㈱阪急交通社及び㈱阪急阪神エクスプレスの5社を中核会社として、グループ全体の有機的な成長を目指しています。 当社グループは、鉄道事業をベースに住宅・商業施設等の開発から阪神タイガースや宝塚歌劇など魅力溢れるエンタテインメントの提供に至るまで、多岐にわたる分野において、それまでになかったサービスを次々と提供することにより、沿線をはじめ良質な「まちづくり」に貢献するとともに、社会に新風を吹き込み、100年以上の長い歴史の中で数々の足跡を残してきました。そして、これらの活動等を通じて、暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を絶えずお客様にお届けしてきました。今後も、グループの全役員・従業員が、お客様の日々の暮らしに関わるビジネスに携わることに強い使命感と誇りを持ち、そうした思いを共有し、一丸となって業務にあたっていく上での指針として、以下のとおり「阪急阪神ホールディングス グループ経営理念」を制定しています。 阪急阪神ホールディングス グループ経営理念 使命(私たちは何のために集い、何をめざすのか) 「安心・快適」、そして「夢・感動」をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献します。 価値観(私たちは何を大切に考えるのか) お客様原点   すべてはお客様のために。これが私たちの原点です。 誠実   誠実であり続けることから、私たちへの信頼が生まれます。 先見性・創造性   時代を先取りする精神と柔軟な発想が、新たな価値を創ります。 人の尊重   事業にたずさわる一人ひとりが、かけがえのない財産です。 行動規範(「価値観」を守り、「使命」を果たしていくために、私たちはどのように行動するのか) 1. 私たちは、出会いを大切にし、お客様の立場に立って最善を尽くします。 2. 私たちは、法令遵守はもとより、社会的責任を自覚して行動します。 3. 私たちは、仕事に責任と誇りを持ち、迅速にやり遂げます。 4. 私たちは、目先のことのみにとらわれず、中長期的な視点で考えます。 5. 私たちは、現状に満足することなく、時代の先を見据えて取り組みます。 6. 私たちは、思いやりの心を持ち、お互いを認め合います。 7. 私たちは、活発にコミュニケーションを行い、風通しのよい職場をつくります。 8. 私たちは、グループ全体の発展のために力を合わせます。 2.サステナビリティ宣言 当社グループでは、2020年5月に発表した「阪急阪神ホールディングスグループ サステナビリティ宣言」に基づき、ESG(環境・社会・企業統治)に関する取組を着実に推し進めています。 このサステナビリティ宣言では、当社グループがサステナブル経営を進める上での基本方針や6つの重要テーマ等を定めており、これをベースに、これからもお客様や地域社会等との信頼関係を構築しながら、持続的な成長を図り、ひいては持続可能な社会の実現につなげていきます。 なお、サステナブル経営の推進にあたり、2021年5月に「国連グローバル・コンパクト」(※1)及び「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」(※2)の提言に賛同の意を表明しました。また、2025年10月には「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」(※3)の提言に賛同の意を表明し、「TNFDアダプター」(※4)に登録しました。 ※1 「国連グローバル・コンパクト」…1999年の世界経済フォーラムで提唱された企業の行動規範であり、企業等に対し、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野において、10原則を遵守し実践するよう要請しています。 ※2 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」…2015年に、G20の要請を受け、金融安定理事会の作業部会として設置されたものであり、投資家等の適切な投資判断に資するよう、企業等に対して、気候変動に伴うリスクと機会の特定、その財務的な影響の試算、気候変動に対応する事業戦略等を開示することを推奨しています。 ※3 「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」…2021年に国連開発計画(UNDP)や世界自然保護基金(WWF)等により共同で設立された国際的なイニシアチブであり、企業等が生物多様性・自然資本に関するリスクや機会を適切に評価・開示するための枠組みを策定しています。 ※4 「TNFDアダプター」…TNFD提言に沿った情報開示に取り組む意向を表明した企業等 <サステナビリティ宣言の概要> 基本方針 ~暮らしを支える「安心・快適」、暮らしを彩る「夢・感動」を、未来へ~ 私たちは、100年以上積み重ねてきた「まちづくり」・「ひとづくり」を未来へつなぎ、 地球環境をはじめとする社会課題の解決に主体的に関わりながら、 すべての人々が豊かさと喜びを実感でき、 次世代が夢を持って成長できる社会の実現に貢献します。 6つの重要テーマ   取組方針 ① 安全・安心の追求   鉄道をはじめ、安全で災害に強いインフラの構築を目指すとともに、誰もが安心して利用できる施設・サービスを日々追求していきます。 ② 豊かなまちづくり   自然や文化と共に、人々がいきいきと集い・働き・住み続けたくなるまちづくりを進めます。 ③ 未来へつながる暮らしの提案   未来志向のライフスタイルを提案し、日々の暮らしに快適さと感動を創出します。 ④ 一人ひとりの活躍   多様な個性や能力を最大限に発揮できる企業風土を醸成するとともに、広く社会の次世代の育成にも取り組みます。 ⑤ 環境保全の推進   脱炭素社会や循環型社会に資する環境保全活動を推進します。 ⑥ ガバナンスの充実   すべてのステークホルダーの期待に応え、誠実で公正なガバナンスを徹底します。 <サステナビリティ宣言の位置づけ> 3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (1) 長期経営構想について 当社グループでは、ステークホルダーからの期待・要請が様々な形で高まるなど、グループを取り巻く環境の変化がこれまでの想定以上に加速し、今後もそのスピードを増していくことが考えられることから、2040年頃に実現を目指す「未来のありたい姿」と現状とのギャップを埋めていくために「長期経営構想」を2025年3月に策定しました。 当社グループは、これまで積み重ねてきた提供価値を土台に、これからも新たな価値の創造にグループ一体で取り組み、あらゆるフィールドにおいて次々と新しい「お客様の喜び」を実現していきます。とりわけ、重要なフィールドである沿線においては、技術革新の進展やインバウンド需要の高まりといった環境変化の中でも、快適で魅力的な都市空間を創出し続け、さらにそうした「まちづくり」をグローバルに展開していきたいと考えています。そして、サステナブルで良質な商品・サービスを提供し、お客様に選ばれ続けることで、「誰もが自分らしい生活を送れるように、サステナブルな行動を自然と選択できる」社会の実現も目指しています。こうした2040年頃の「未来のありたい姿」の実現に向けた当社グループの取組を「長期経営構想」と位置付け、事業・財務・人材の各戦略を推進します。 事業戦略では、「圧倒的No.1の沿線の実現」「コンテンツの魅力の最大化と新コンテンツの開拓」「エリアを超えた展開(首都圏・海外)」「ビジネスソリューションへの注力」の4つの方向性を定めて経営資源を配分し、沿線を中心とした既存のフィールドの深掘りと、成長の見込まれる新たなフィールドでの挑戦を続けることで、グループ全体で成長し、お客様や地域・社会の期待に応えていきます。 財務戦略では、中長期的な成長を実現するとともに、資本効率の向上に向けて、バランスシートをコントロールしつつ必要な投資を実施します。そのために、グループのポートフォリオにおける事業の役割を整理し、投資効果の最大化に向けて全社視点で資金を配分します。都市交通事業及び不動産賃貸・開発事業については、安定的に資金を創出し、成長事業に資金を供給します。不動産事業(グローバル)、住宅事業、ホテル事業、情報サービス事業及び旅行事業等については、グループの成長を牽引する役割と位置付け、規模の拡大と利回りを追求します。スポーツ事業、ステージ事業、放送・通信事業及び国際輸送事業については、引き続きグループ全体の利回り向上に貢献することを目指します。そのほか、新事業領域についても、規模の拡大と高利回りの実現に貢献できるよう育成します。 人材戦略では、「長期経営構想」の実現に向けて、多様かつ有能な人材を確保したうえで、成長分野をはじめとした有望領域に積極的に投入し、グループの成長を図るとともに、グループの将来を担う人材を計画的に育成していきます。また、人的資本に対する投資を続けていくことに加え、従業員が個性や能力を十分に発揮できる環境整備に取り組んでいきます。 これらの各戦略を推進することで、早期にROE8%を持続的に達成できる企業となり、さらにその先の2040年度にかけて従来の延長線上にはない成長を遂げ、お客様から評価され、従業員も誇れる企業グループであり続けるとともに、持続的な価値創造の好循環を創出し、投資家の皆様の期待に応えていくことを目指します。 また、持続可能な社会の実現に向けて、ステークホルダーの関心が高い社会課題である「地球環境問題」については、KPIを設定したうえで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいきます。なお、2050年度の温室効果ガス排出量の実質ゼロに向けては、グローバルで求められる水準を踏まえ、2035年度の削減目標を△60%(2019年度比)としています。 具体的な経営指標(財務・非財務)については下記のとおりです。 (2) 株主還元の見直しについて 株主還元については、「年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、総還元性向(※)50%を目安にキャッシュフローの状況を踏まえた弾力的な自己株式の取得に取り組むこと」を基本方針としていましたが、より機動的に自己株式の取得を行うため、2025年度の利益配分からその方針を見直し、「2025~2030年度の6年間累計で総還元性向を50%以上とすることで、年間配当金の下限を1株当たり100円とする安定的な配当の実施と、キャッシュフローの状況や株価動向等を勘案して、2030年度末までの間で機動的な自己株式の取得に取り組むこと」を基本方針とします。 ※ 総還元性向…親会社株主に帰属する当期純利益に対する年間配当金総額と自己株式取得額の合計額の割合 (3) 長期経営構想の進捗等について 2025年度においては、不動産事業のマンション分譲収入が大幅に伸長したことに加え、都市交通事業やホテル事業を中心に大阪・関西万博の開催に伴う需要を取り込んだことや、阪神タイガースがリーグ優勝を遂げるなどスポーツ事業が好調に推移したこと等により、着実に利益を伸ばすことができました。また、2030年度の事業利益目標1,600億円の達成に向けた施策の具体化に取り組み、分譲マンション事業や短期回収型事業、海外事業の成長を通じた不動産事業の拡大、スポーツ事業・旅行事業等の伸長などにより、利益目標とのギャップを解消し、財務指標の目標であるROE8%の達成に向けた道筋をつけることができつつあります。 2026年度については、大阪・関西万博に伴う需要の剥落などにより、事業利益は1,240億円に留まるものの、資本効率の向上に向けた資産売却等を推し進めることにより、親会社株主に帰属する当期純利益は790億円を予想しており、ROEは7.3%、「ネット有利子負債/EBITDA倍率」は7.9倍、D/Eレシオは1.5倍となる見通しです。 また、2026年度の株主還元については、上記の株主還元に係る基本方針の見直しのとおり、安定的な配当の実施と機動的な自己株式の取得に取り組んでいきます。このうち、配当については、年間配当金は2025年度と同水準の1株当たり100円(中間配当金50円、期末配当金50円)を予定しています。
事業等のリスク6,379字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 当社グループでは、リスクマネジメントを重要な経営課題と位置付け、「リスク管理規程」に基づき、リスクを「グループにおける組織目標の達成を阻害する事象」と定義し、適時適切にリスクを把握・アセスメントして対策を講じる体制を整備しています。このため、当社では、専任部署であるリスクマネジメント推進室を設置するとともに、社長を委員長とするリスク管理委員会を定期的に開催し、リスク管理に関する事項を審議しています。 当社では、当社グループの事業戦略やサステナブル経営の観点を踏まえて、グループ経営上重要かつグループ横断での対応が必要なリスクとして、自然災害をはじめとするリスクを選定するとともに、当該リスクの管理を統括するリスクオーナーを決定し、これらのリスクにグループを挙げて対応するようにしています。また、リスクオーナーが立案及び実施する対策の進捗状況をモニタリングし、定期的に取締役会に報告しています。 当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、これらのリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅したものではありません。 (1) 自然災害等 ① 自然災害等について 当社グループは、都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業及び国際輸送事業などの事業を営んでおり、地震や台風等の自然災害、大規模な事故、テロ行為等が発生した場合には、顧客や営業施設への被害及び事業活動の制限等により、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。特に近年、気温や海水温の上昇などの気候変動により、集中豪雨や強力な台風等が増加する可能性が指摘されており、こうした自然災害により上記の影響を受けるリスクが高まってきています。 当社グループとしては、既存設備の維持更新投資や耐震補強工事を実施するとともに、激甚化する自然災害による影響の分析や対応を進めるほか、特に鉄道等の公共輸送に携わるグループ会社については、安全性を最優先にした体制の整備に努めるなど、ハード・ソフトの両面から、自然災害や事故等による影響の最小化に向けた取組を行っています。 ② 感染症の流行について 感染症が広く流行し、往来の制限をはじめ人々の生活が様々な制約を受けることとなった場合、当社グループでは、都市交通事業における鉄道等の旅客人員の減少、不動産事業における賃貸施設の休館・来館者数の減少やホテルのインバウンド・国内需要の減少、エンタテインメント事業におけるプロ野球の試合や宝塚歌劇の公演の中止・入場人員の制限、旅行事業における海外・国内ツアーの催行中止等、各事業において大きな影響を受ける可能性があります。 当社グループとしては、こうした状況下であっても、感染状況に応じた予防・拡大防止措置を講じながら、鉄道等の社会インフラを運営する企業グループとして事業継続に努めるとともに、これらによる影響を受けても持続的な企業価値の向上を実現すべく、収益力の向上と安定した財務体質の確保を図っていきます。 (2) サイバーセキュリティ・情報管理 事故や災害、社内や取引先における不正やミス、近年高度化・巧妙化しているサイバー攻撃等により、当社グループが利用している情報システムの機能に重大な影響を受けた場合、当該情報システムの停止、誤作動等のほか、情報の漏えい等が生じることで、当社グループの事業運営に支障を来すとともに、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。また、個人情報については、各事業において顧客データ等の個人情報を管理しており、不測の事故等により情報が流出した場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、大きな影響を受ける可能性があります。 当社グループとしては、電子情報セキュリティ基本方針等の社内規程に従い、情報の漏えい、改ざん、不正利用等の防止や情報システムの安定稼働に必要な対策を講じています。特に、当社グループは、重要インフラである鉄道を運営していることも踏まえ、サイバーセキュリティの確保をリスク管理の重要な要素と位置付けており、グループ全体で継続的にセキュリティレベルの強化を図るとともに、行政等の関係機関とも積極的に連携して情報収集に努めるなど、継続的に対策を講じているほか、「グループCSIRT」を整備し、問題発生時に速やかに連絡・対処して被害の局所化を図るとともに、適切な再発防止策を講じる体制を構築しています。また、個人情報については、上記に加え、国内外の個人情報保護に関する法令を遵守するよう、個人情報管理基本方針等の規程を制定し、個人情報の適切な利用と保護を図る体制を整備するとともに、役職員に対する教育等に取り組んでいます。 (3) コンプライアンス ① コンプライアンス経営について 当社グループは、全てのステークホルダーの期待にお応えし、信頼され、称賛される企業集団となることを目指しており、その前提の一つとなるのがコンプライアンスを重視した経営姿勢です。万一、コンプライアンスに反する行為が発生した場合は、損害賠償や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。 当社グループとしては、各事業において、会社法、金融商品取引法、労働法、税法、経済法、各種業法その他関係法令の遵守に努めています。また、人権の尊重、腐敗行為(贈収賄等)の防止、税務ポリシー等の各種の基本方針や、企業倫理規程等の社内規程を整備し、これらに従った事業運営を徹底するとともに、法令の制定・改正等に関する情報収集と対応を確実に行います。また、当社によるモニタリングを継続的に行うほか、一部の中核会社においては社外出身の役員を取締役会の構成員とすること等によって、グループ全体のガバナンス機能を強化するなど、コンプライアンス経営を推進しています。 さらに、これらの実効性をより高めるため、役職員等への啓発や教育を行い、その知識や意識を向上させることで、コンプライアンスに反する行為の未然防止を図っているほか、取引先等も利用可能な内部通報制度を設け、コンプライアンス経営の確保を脅かす事象を速やかに認識し、対処できる体制を構築しています。 ② 人権の尊重について 人権の尊重については、当社グループの使命を果たし続けるための基盤であると考えており、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」等を踏まえて、「人権の尊重に関する基本理念」及び「人権の尊重に関する基本方針」を策定するとともに、人権デュー・ディリジェンスにも取り組むなど、「ビジネスと人権」の枠組みに沿った取組をさらに推進することで、負の影響の回避・低減に努めていきます。また、こうした取組をサプライチェーン全体で推し進め、持続可能な社会の実現に貢献するため、2024年4月に「阪急阪神ホールディングスグループ サプライチェーン方針」を策定し、グループ全体で取引先と共に取組を推進しています。 ③ 業法による規制について 当社グループでは、鉄道事業をはじめとして、監督官庁から許可又は認可を受けて事業を行っている会社が多くあります。これらの会社においては、法的規制の変更によって、事業活動が制限され、又は規制遵守のための費用が増加する可能性があるほか、規制に対応できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受けることがあります。当社グループとしては、規制の変更、新設に関する情報やその影響等を事前に調査・把握し、当社グループへの影響を最小限に止めるよう努めています。 (4) 財務(有利子負債について) 当社グループでは、各事業において継続的に設備投資を行っていますが、これに必要な資金の多くは、金融機関からの借入れや社債等によって調達しています。そのため、今後、金利の上昇・金融市場の変化等が生じた場合や、当社グループの財務状況の変動等に伴って当社の格付が引き下げられた場合には、支払利息の増加のほか、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。 なお、当連結会計年度末における連結有利子負債残高は1兆4,345億59百万円となっていますが、今後、施設等の安全性の維持・向上に係る投資に加えて、大規模プロジェクトをはじめ将来を見据えた成長投資を予定しており、連結有利子負債が一定程度増加する見込みです。 当社グループとしては、引き続き資金調達の多様化を進め流動性を確保し、金利の固定化を行うことで金利変動リスクの回避に努めるとともに、コストや維持更新投資の削減などを通じて有利子負債の抑制を図りながら、財務体質の健全性の維持に努めていきます。 (5) 政治・経済・社会環境の変動 ① 保有資産の時価下落について 政治・経済環境の大幅な悪化により、当社グループが保有する棚卸資産、有形・無形固定資産及び投資有価証券等の時価が、今後著しく下落した場合には、減損損失又は評価損等を計上することにより、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。 ② 人口減少等について 当社グループが基盤とする京阪神エリアにおいて、少子化等に伴う将来的な人口減少・人口動態の変化から、鉄道、バス、タクシー等に対する旅客輸送需要やその他の各事業における需要が減退することに加え、労働市場の逼迫に伴い働き手の確保が困難になることが想定され、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。 当社グループとしては、沿線における定住人口の増加や、インバウンド需要の取込等による交流人口の増加のための取組に加えて、人的資本への投資を継続してその充実・確保を図るとともに、DXの活用等を通じた生産性の向上に向けた取組をグループ全体で推し進めていきます。 ③ 地球環境問題への対応について 気候変動問題については、温室効果ガスの排出抑制に向けた取組が世界全体で進んでいます。当社グループの主力事業である鉄道は、他の輸送機関と比べて環境負荷が少ないものの、今後、鉄道や不動産をはじめとする各事業において、脱炭素社会や循環型社会に対応するための投資・費用の発生が見込まれるほか、温室効果ガス排出に係る税制の導入や(再生可能エネルギーの促進等に向けた)電力小売単価の上昇に伴って費用が増加する可能性があります。このほか、近年、生物多様性・自然資本の保護や資源循環に向けた取組についても関心が高まってきており、こうした社会への移行に対応できなかった場合には、信用の毀損等に伴う収益の減少や、円滑な資金調達が困難となる可能性があります。 当社グループでは、温室効果ガス削減への対策は持続可能な社会の実現に向けて必要な取組であると認識しており、「サステナビリティ宣言」において重要テーマの一つに「環境保全の推進」を掲げ、脱炭素社会や循環型社会に資する環境保全活動を推進しています。その一環として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、その開示フレームワークに沿って、「ガバナンス」「リスク管理」「指標と目標」を明示するとともに、「戦略」については、当社グループの事業のうち、特に気候変動の影響が大きいと想定される鉄道事業と不動産事業における「リスクと機会」を特定し、シナリオ分析を進めて財務的な影響の試算等を行い公表するなど、同提言に沿った対応を進めています。また、こうした気候変動に関するリスクと機会を評価・管理するため、グループ共通のKPIとして温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標(2035年度目標:GHG排出量2019年度比△60%、2050年度目標:実質ゼロ)を設定するとともに、各事業における個別のKPIを定めるほか、温室効果ガス排出量についてスコープ3の算定・開示や、ICP(内部炭素価格)の設定により各事業における取組を推進するなど、気候変動に対する事業の強靭性の向上を図っています。併せて、生物多様性や資源循環についても取組の方向性を明示し、KPIを設定するなど、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでいきます。 ④ 事業環境の変化等について 当社グループを取り巻く事業環境の変化はこれまで以上に加速し、ESGやサプライチェーンに関わる分野、CSRへの取組、会社での働き方、株主価値の向上をはじめとした多様な分野において、ステークホルダーからの期待も様々な形で高まってきており、こうした変化はこれからもスピードを増していくことが想定されます。今後、これらの変化に伴って人々の生活が大きく変容した場合には、人々の生活に密接に関わる事業を多く営んでいる当社グループの既存のビジネスモデルが影響を受ける可能性があります。また、インフレが加速するなどして建設コストをはじめとする各種コストが増加すれば、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受けることがあります。中でも、鉄道事業については、鉄道事業法の定めにより経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(第3条)、さらに旅客の運賃及び料金の設定・変更は、国土交通大臣の認可を受けなければならない(第16条)こととされており、こうした変化に応じた機動的な運賃改定等ができない可能性があります。 当社グループでは、こうした状況を踏まえ、2025年3月に策定した「長期経営構想」に従い、「未来のありたい姿」の実現に向けて、グローバルな展開も視野に入れながら、資金や人材と言った経営資源を可能な限り最適に配分し、グループ一体での価値創造を一層加速していきます。 なお、当社グループの「長期経営構想」については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」「(1) 長期経営構想について」に記載のとおりです。 ⑤ 国際情勢について 当社グループのうち、不動産事業、旅行事業、国際輸送事業等については、海外においても事業活動を行っており、各国の政治・経済情勢の大幅な変動や法規制、紛争又はテロ行為、感染症の流行など、地政学上のリスクを含めた様々なリスク要因があります。また、こうした国際情勢に起因して動力費や原材料費が高騰するリスクがあるほか、各国の通商政策の動向等によっては、金融資本市場や国内の景気等が変動するリスクがあります。これらの影響は、海外において事業活動を行っている上記の事業にとどまらず、エネルギー価格や物流環境の変動等を通じて、都市交通事業をはじめとする国内各事業に波及する可能性があります。 これらのリスクのうち、特に地政学上のリスク等については、弁護士やコンサルタント等、専門家の助言を踏まえたリスク分析を行った上で対応に努めています。また、動力費・原材料費の高騰や金融資本市場・景気変動等に対しては、情勢の変化を注視し情報収集等に努めるとともに、上記の「(4) 財務(有利子負債について)」や「(5) 政治・経済・社会環境の変動」の「④ 事業環境の変化等について」等に記載の取組を推進していきますが、予期せぬ情勢変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)9,911字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。 ① 経営成績の状況 当期のわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、期を通じて緩やかな回復が続くとともに、大阪・関西万博の開催やインバウンド需要の拡大により、景気に一定の下支えもみられました。一方で、資源価格の高止まり及び人手不足等による物価上昇や、米国の通商政策、中国政府による日本への渡航自粛要請及び中東情勢等の影響により、先行き不透明な状況で推移しました。 そうした中で、当社グループにおいては、2025年3月に公表した「長期経営構想」で掲げた「未来のありたい姿」の実現に向けて、中長期的な成長と資本効率の向上の両立を図る様々な取組を推し進めながら、着実に業績を伸長させました。 当期の業績については、不動産事業のマンション分譲収入が大幅に伸長したことに加え、都市交通事業やホテル事業を中心に大阪・関西万博の開催に伴う需要を取り込んだことや、阪神タイガースがリーグ優勝を遂げるなど、スポーツ事業が好調に推移したこと等により、営業収益、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加し、それぞれ過去最高となりました。 当期の当社グループの成績は次のとおりです。 当連結会計年度 (自 2025年4月 1日  至 2026年3月31日)   対前連結会計年度比較 増減額   増減率(%) 営業収益   1兆2,035億6百万円   966億52百万円   8.7 営業利益   1,271億36百万円   162億57百万円   14.7 経常利益   1,245億48百万円   133億6百万円   12.0 親会社株主に帰属する 当期純利益   785億38百万円   111億52百万円   16.5 セグメント別の業績は次のとおりです。 なお、当連結会計年度より、「都市交通」セグメントの一部子会社について、「その他」セグメントに含めて表示しており、増減額及び増減率については、前連結会計年度の実績値を組み替えて算出しています。 また、「不動産」セグメントの業態(サブセグメント)名称について、「賃貸事業」を「賃貸事業等」へ、「分譲事業等」を「住宅事業」へ変更しており、加えて、従来「分譲事業等」に含めていたプロパティマネジメント・ビルメンテナンス事業と不動産ファンド・リート事業を「賃貸事業等」に含めています。 (都市交通事業) 鉄道事業については、大阪・関西万博の開催やインバウンド需要の拡大を背景に、輸送人員が増加しました。また、阪急電鉄において、2025年8月に座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」の運行本数を約1.5倍に拡大し、一層の集客とサービス向上に努めたほか、阪神電気鉄道においては、座席指定サービスの2027年春の導入に向けて、新型車両の製造を進めました。さらに、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、阪急京都河原町駅、阪神甲子園駅をはじめとする各駅への可動式ホーム柵等の整備を推し進めたほか、阪急箕面線において、ワンマン運転を開始しました。こうした施策を通じて、引き続き安全・安心で持続可能な鉄道サービスの提供に取り組んでいきます。 自動車事業については、大阪・関西万博のシャトルバスやパークアンドライドバスを運行することにより、会場アクセスの円滑化に貢献しました。また、阪急バス・阪神バスをはじめとする各社の一部路線等において、旅客輸送サービスを安定的に提供するために、運賃改定を実施しました。 このほか、阪神電気鉄道では西宮市と連携し、甲子園エリアにおいて次世代モビリティの実用化に向けた自動運転EVバスの実証実験を実施し、導入に向けた課題の把握及び検証を行いました。 営業収益は前期に比べ91億16百万円(4.4%)増加し、2,142億93百万円となり、営業利益は前期に比べ1億62百万円(0.5%)増加し、352億98百万円となりました。 事業の内容   当連結会計年度 (自 2025年4月 1日  至 2026年3月31日) 営業収益   対前連結会計年度 増減率(%) 鉄道事業   1,603億16百万円   4.5 自動車事業   481億10百万円   7.3 流通事業   72億1百万円   △15.4 都市交通その他事業   104億24百万円   △0.7 調整額   △117億58百万円   - 合計   2,142億93百万円   4.4 ・ 阪急電鉄㈱運輸成績表 区分   当連結会計年度 (自 2025年4月 1日  至 2026年3月31日)   対前連結会計年度 増減率(%) 営業日数   (日)   365   - 営業キロ   (キロ)   143.6   - 客車走行キロ   (千キロ)   162,464   0.3 定期   (千人)   327,272   2.6 旅客人員   定期外   (千人)   301,371   3.9 合計   (千人)   628,643   3.2 定期   (百万円)   33,754   2.2 運輸収入   旅客運賃   定期外   (百万円)   65,476   5.2 合計   (百万円)   99,231   4.1 運輸雑収   (百万円)   5,213   1.2 収入合計   (百万円)   104,444   4.0 乗車効率   (%)   42.4   - ・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表 区分   当連結会計年度 (自 2025年4月 1日  至 2026年3月31日)   対前連結会計年度 増減率(%) 営業日数   (日)   365   - 営業キロ   (キロ)   48.9   - 客車走行キロ   (千キロ)   45,533   1.4 定期   (千人)   128,042   3.0 旅客人員   定期外   (千人)   126,284   6.8 合計   (千人)   254,326   4.9 定期   (百万円)   12,919   3.8 運輸収入   旅客運賃   定期外   (百万円)   24,945   8.1 合計   (百万円)   37,864   6.6 鉄道線路使用料収入   (百万円)   50   - 運輸雑収   (百万円)   2,218   △15.3 収入合計   (百万円)   40,132   5.1 乗車効率   (%)   43.3   - (注)1 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が166,055千キロ、阪神電気鉄道㈱が47,279千キロです。 2 乗車効率の算出方法 乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)× 100 (不動産事業) 賃貸事業については、「NU茶屋町」(大阪市北区)や「ロサヴィア」(大阪府茨木市)のリニューアルを計画どおり推進するなど、商業施設やオフィスビルにおいて競争力の強化と稼働率の維持向上等に努めました。また、「(仮称)東阪急ビル建替計画」(大阪市北区)の新築工事に着手したほか、首都圏においては、中規模リノベーションオフィス「エンスイテ御成門」(東京都港区)が竣工しました。そのほか、物流施設については、「ロジスタ大阪淀川」(大阪市淀川区)、「ロジスタ京都伏見」(京都市伏見区)の新築工事を開始しました。 なお、うめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」については、2027年度の全体まちびらきに向けて、工事が計画どおりに進捗しています。 住宅事業については、マンション分譲では、「ジオタワー宝塚グランレジス」(兵庫県宝塚市)、「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」(大阪市北区)、「ジオグランデ白金台」(東京都港区)等を販売したほか、宅地戸建分譲では、「ジオガーデン千里中央」(大阪府豊中市)、「ジオガーデン市川八幡五丁目」(千葉県市川市)等を販売しました。 海外不動産事業については、インドネシア・メダン市の大規模商業施設「デリパークモール」を新たに取得し、不動産賃貸事業の規模拡大に努めました。また、アメリカで初めて、物流不動産開発事業、戸建住宅分譲事業に参画したほか、新たにインドの住宅分譲事業へ進出するなど、事業エリアの拡大を図るとともに、アセアン諸国に加えて、オーストラリア、カナダでの住宅分譲事業も引き続き推し進めました。 ホテル事業については、大阪・関西万博の開催等に伴う宿泊需要を積極的に取り込むとともに、客室・レストランの改装やクラブラウンジの新設等のほか、様々なプランの企画・販売等を通じて、事業競争力の強化に努めました。 営業収益は前期に比べ389億16百万円(10.6%)増加し、4,067億5百万円となり、営業利益は前期に比べ94億83百万円(16.5%)増加し、671億13百万円となりました。 事業の内容   当連結会計年度 (自 2025年4月 1日  至 2026年3月31日) 営業収益   対前連結会計年度 増減率(%) 賃貸事業等   1,968億14百万円   6.8 住宅事業   1,672億58百万円   15.2 海外不動産事業   165億63百万円   37.2 ホテル事業   677億2百万円   4.0 調整額   △416億33百万円   - 合計   4,067億5百万円   10.6 (エンタテインメント事業) スポーツ事業については、球団創設90周年を迎えた阪神タイガースが、ファンの皆さまのご声援を受けて2年ぶりのリーグ優勝を果たし、クライマックスシリーズを勝ち進んで日本シリーズに進出しました。また、阪神甲子園球場では、球団創設90周年を記念した「レジェンズコラボグルメ」の販売をはじめとした様々な企画を実施するなど、魅力ある施設運営に取り組みました。さらに、野球施設として初めてZEB認証(※)を取得した阪神タイガースのファーム施設「ゼロカーボンベースボールパーク」では、太陽光発電や廃棄物発電の活用等、脱炭素社会や循環型社会の実現に資する取組を実施しました。このほか、2026年1月には、相撲と和食をテーマにしたインバウンド向けのショーレストラン「THE SUMO LIVE RESTAURANT 日楽座 GINZA TOKYO」を開業しました。 ステージ事業については、歌劇事業において、花組公演「悪魔城ドラキュラ ~月下の覚醒~」/「愛, Love Revue!」、月組公演「GUYS AND DOLLS」等の各公演が好評を博しました。また、お客様の幅広いニーズに応えるため、会員組織である「宝塚友の会」をリニューアルしたほか、宝塚歌劇共通ID+(プラス)や公式リセールサービスを開始しました。さらに、動画配信サービス「TAKARAZUKA SQUARE(タカスク)」では、舞台作品のレンタル配信やマルチアングル配信といった各種サービスのラインナップを拡充しました。このほか、2025年12月に宝塚歌劇111周年記念イベント「TAKARAZUKA FANtastic Christmas in UMEDA」を開催しました。 宝塚歌劇における改革の取組については、劇団員をはじめ宝塚歌劇の運営に携わる全ての関係者が安心してより良い舞台づくりに精進できる環境を整備し、宝塚歌劇を新しい時代に相応しい形で受け継いでいけるよう、様々な改革を推進しています。その一環として、2025年7月に宝塚歌劇団を株式会社化し、より透明性の高いガバナンス体制の実現に向け、新たなスタートを切りました。 このほか、六甲山地区においては、「真夏の雪あそび」をはじめとする自然・眺望と文化・スポーツ・グルメといった多様なコンテンツを組み合わせたイベントや企画を展開したほか、16回目を迎えた現代アートの芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」に過去最高となる約7万人の来場者にお越しいただくなど、インバウンドも含めて一層の集客に努めました。 営業収益は前期に比べ86億28百万円(10.5%)増加し、911億71百万円となり、営業利益は前期に比べ16億85百万円(14.8%)増加し、130億91百万円となりました。 ※ 建築物のエネルギー効率に優れていることを示す認証制度 事業の内容   当連結会計年度 (自 2025年4月 1日  至 2026年3月31日) 営業収益   対前連結会計年度 増減率(%) スポーツ事業   570億82百万円   18.3 ステージ事業   339億99百万円   △0.7 調整額   89百万円   - 合計   911億71百万円   10.5 (情報・通信事業) 情報サービス事業については、eコマース等のインターネット関連ビジネスの拡大や大阪・関西万博における交通ターミナルの運営システムの受注等により業績が好調に推移しました。また、アプリの開発やAIを活用したソリューション提供を強みとする会社に出資するなど、事業領域の拡充を進めました。 放送・通信事業については、FTTHサービス(光ファイバーを用いた高速インターネットサービス)の提供を推進したほか、自治体から小・中学校におけるICT環境整備等の案件を受注するなど、お客様のニーズに応える様々なサービスを展開することにより、事業の着実な伸長に努めました。 あんしん・教育事業については、「登下校ミマモルメ」を導入する学校・施設数が着実に伸長したほか、自治体が行う放課後子ども教室事業に、入退館管理システムの提供をサポートするなど、事業規模の拡大に努めました。また、ロボットプログラミング教室「プログラボ」が、各種顧客満足度調査において引き続きトップクラスに位置付けられるなど、高い評価を得ています。 営業収益は前期に比べ18億80百万円(2.7%)増加し、719億68百万円となり、営業利益は前期に比べ9億62百万円(14.0%)増加し、78億41百万円となりました。 (旅行事業) 旅行事業については、海外旅行部門において、ヨーロッパ方面をはじめとする長距離ツアーの取扱いが増加したほか、国内旅行部門においても、ツアーの早期販売や商品ラインナップの拡充により、取扱いが堅調に推移しました。また、訪日旅行部門においては、インバウンド需要の高まり等を背景としてツアーの販売が好調に推移しました。さらに、大阪・関西万博の輸送支援業務を受託したほか、自治体向けのソリューション事業も積極的に受注しました。 営業収益は前期に比べ354億42百万円(13.6%)増加し、2,965億46百万円となり、営業利益は前期に比べ1億25百万円(2.4%)増加し、54億23百万円となりました。 (国際輸送事業) 国際輸送事業については、日本・中国・アセアンにおいて、航空輸送の取扱いが回復してきたこと等により、堅調に推移しました。 そうした中、オーストラリアにおいて国際輸送に強みを持つINTERNATIONAL CARGO EXPRESS PTY LTD.を子会社化したほか、バングラデシュに現地法人を設立するなど、グローバルネットワークのさらなる拡充を図りました。また、南アフリカやメキシコで物流倉庫を拡張するなど、ロジスティクス事業の強化にも取り組みました。 営業収益は前期に比べ17億55百万円(1.7%)増加し、1,064億72百万円となり、営業利益は前期に比べ33億34百万円増加し、20億49百万円となりました。 (その他) 建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ39億16百万円(5.6%)増加し、735億64百万円となり、営業利益は前期に比べ6億32百万円(17.3%)増加し、42億93百万円となりました。 ② 財政状態の状況 当連結会計年度末の資産合計については、販売土地及び建物や投資有価証券、有形固定資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,601億35百万円増加し、3兆5,435億89百万円となりました。 負債合計については、有利子負債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,912億50百万円増加し、2兆3,422億43百万円となりました。 純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ688億85百万円増加し、1兆2,013億45百万円となり、自己資本比率は31.2%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ135億58百万円増加し、695億73百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益1,149億19百万円、減価償却費687億79百万円、支払利息157億70百万円、売上債権の増加額288億72百万円、棚卸資産の増加額1,019億2百万円、法人税等の支払額344億76百万円等により、516億79百万円の収入(前期は874億17百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,093億38百万円、投資有価証券の取得による支出856億97百万円、投資有価証券の売却による収入104億22百万円、工事負担金等受入による収入156億87百万円等により、1,630億59百万円の支出(前期は1,676億37百万円の支出)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純増による収入1,607億56百万円、社債の発行による収入199億8百万円、社債の償還による支出300億円、自己株式の取得による支出58億59百万円、配当金の支払額191億56百万円等により、1,226億81百万円の収入(前期は794億71百万円の収入)となりました。 ④ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業及び国際輸送事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、特に以下の項目が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。 a 固定資産の減損 当社グループは、事業の特性上、多くの固定資産を保有しています。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初想定した収益等が見込めなくなった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合は、固定資産の減損を実施する可能性があります。 b 販売用不動産の評価 当社グループは、販売用不動産を多数保有しています。市場環境の変化や開発・販売計画の変更等により、正味売却価額が大きく下落した場合は、販売用不動産の評価減を実施する可能性があります。 c 繰延税金資産 当社グループは、将来の課税所得や実現可能性の高いタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。業績の変動等により、将来の課税所得やタックス・プランニングに変更が生じた場合は、繰延税金資産が増加または減少する可能性があります。 ② 資本の財源及び資金の流動性 a 有利子負債 有利子負債の概要は、以下のとおりです。 (単位:百万円) 前連結会計年度 (2025年3月31日)   当連結会計年度 (2026年3月31日) 短期借入金(※1)   87,804   157,181 長期借入金(※1)   855,588   949,883 社債   325,000   315,000 リース債務(※2)   14,382   12,494 有利子負債 合計   1,282,775   1,434,559 現金及び預金   61,052   72,276 ネット有利子負債   1,221,723   1,362,282 (※1)1年内返済予定の長期借入金は、「長期借入金」に含めています。 (※2)「リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。 また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における債務保証額は、それぞれ467億54百万円及び482億72百万円です。 b 財務政策 当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。重要な設備投資の計画については、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」「(1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。 これらの資金調達に加えて、キャッシュマネジメントシステムによるグループ資金一元化により、グループ会社からの余剰資金を集約して有効活用するとともに、大規模自然災害や感染症の流行等の予期せぬ事象に備え、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結することにより、機動的に資金を確保する体制を構築しています。 c 株主還元 株主還元については、「第4 提出会社の状況」の「3 配当政策」に記載のとおりです。 ③ 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 経営成績の状況」、「② 財政状態の状況」、「③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況 経営指標の見通し及び進捗状況については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりです。

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開示資料

出典

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