本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

コージンバイオ

Kohjin Bio Co., Ltd.177A · Growth · 化学

細胞培養培地と細菌検査用培地を軸に、再生医療と感染症診断の両輪で社会に貢献するバイオ企業。

概要

コージンバイオは1981年に東京都杉並区で創業したバイオテクノロジー企業である。細胞培養用培地、細菌検査用培地、体外診断用医薬品の製造・販売、および細胞加工受託の3事業を展開する。2024年4月に東京証券取引所グロース市場に上場し、埼玉県坂戸市に本社を置く。連結従業員数は176名。

細胞培養・細菌検査・細胞加工の三つの事業

コージンバイオは組織培養事業、微生物事業、細胞加工事業の3本柱で構成される。組織培養事業では細胞培養用培地の開発・製造を手掛け、特に無血清培地に注力する。微生物事業では年間300品目を超える細菌検査用培地と、金コロイド法を用いた抗原検査キットを提供する。細胞加工事業は医療機関からの細胞加工受託を中心とし、自社製培地を活用することで収益性を高めている。2015年のピルム買収により本格化し、現在は再生医療等製品のCDMO事業にも参入している。

組織培養事業が収益をけん引する構造

2026年3月期の連結売上高は49億39百万円で、セグメント別では組織培養事業が25億39百万円(構成比51.4%)と過半を占める。同事業のセグメント利益は9億46百万円で、グループ全体の利益を支える安定した収益基盤となっている。一方、微生物事業は前年度の新型コロナ関連製品の反動減により14億24百万円と減少し、在庫廃棄も重なりセグメント損失を計上した。細胞加工事業はインバウンド患者の低迷を受け9億74百万円に留まった。

香港と上海に拠点を置くアジア展開

海外展開として、2014年1月に香港に孝仁生物控股(香港)有限公司、同年5月に上海に高金生物科技(上海)有限公司を設立した。上海子会社は国際規格ISO13485(2019年)およびISO9001(2020年)を取得し、中国市場向けに細胞培養用培地の製造・販売を行う。かつて北京に子会社を保有していたが、2015年に株式譲渡している。海外連結子会社はいずれも組織培養事業の販売拡大に寄与している。

連結子会社と合弁会社によるグループ運営

当社グループは、コージンバイオ(単体)に加え、国内連結子会社のエンバイオ株式会社、海外連結子会社2社、および持分法適用関連会社の味の素コージンバイオ株式会社で構成される。エンバイオは2013年に完全子会社化され、主に微生物事業を担当する。味の素コージンバイオは2018年に味の素株式会社との合弁で設立され、細胞培養用培地の共同開発・製造を行う。グループ間で培地の供給や品質フィードバックのシナジーを活用している。

業界の中での役割は再生医療・創薬研究向け細胞培養培地、感染症診断向け検査試薬・培地のサプライヤーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
49億円
営業利益
3億円
営業利益率
6.1%
純利益
3億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
組織培養事業25億円51.0%9億円36.0%
微生物事業14億円28.6%-1億円-7.1%
細胞加工事業10億円20.4%1億円10.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01再生医療・創薬研究(細胞培養)主力

ヒト、動物、昆虫などの細胞を増殖させるための細胞培養用培地を開発・製造・販売。再生医療分野や抗体医薬品製造などで需要が拡大しており、無血清培地に注力している。免疫細胞培養用培地や神経幹細胞培養用培地など幅広い製品を提供する。

免疫細胞培養用培地の開発を最も得意とする

主な製品・サービス5
KBM ADSCシリーズ
間葉系幹細胞(ADSC)培養用の無血清培地。再生医療研究に使用される主力製品。
KBM500シリーズ
免疫細胞(T細胞、NK細胞)培養用の無血清培地。遺伝子改変細胞研究で高い増殖性能を評価されている。
KBM Neural Stem Cell
神経幹細胞培養用培地。難病治療への応用が期待される。
KBM VEC-1
血管内皮細胞培養用培地。組織作製に必須の血管網構築を促す。
KBM NHEK-XF2
表皮角化細胞培養用培地。皮膚再生に使用される。

02感染症診断・食品検査主力

感染症や食品汚染の原因となる微生物を特定するための製品を開発・製造・販売。細菌検査用培地は年間300品目以上を提供し、体外診断用医薬品として抗原検査キットも展開。新型コロナウイルス抗原検査キットやインフルエンザ・RSウイルス検査キットなどがある。

主な製品・サービス6
KBMラインチェックnCoV(スティックタイプ)
新型コロナウイルス抗原検査キット。体外診断用医薬品として承認され、月産最大約20万検体分の製造実績がある。
KBMラインチェックnCoV/Flu
新型コロナウイルスとインフルエンザを同時に検出する抗原検査キット。
KBMラインチェックFlu AB
インフルエンザA型・B型を区別する抗原検査キット。
KBMラインチェックRSV
RSウイルスを判別する抗原検査キット。
KBMラインチェック APAP
自己免疫性肺胞蛋白症の診断補助に使用される抗GM-CSF抗体検出キット。
細菌検査用培地
微生物の培養に用いる培地。液体、固体、半流動の状態で提供され、感染症・食品検査などに使用される。

03再生医療等(細胞加工受託)準主力

再生医療等安全性確保法に基づき、医療機関から依頼を受けて特定細胞加工物の製造を受託。細胞培養加工施設を保有し、免疫細胞や幹細胞の加工を行う。自社製培地を活用することでコスト競争力を持つ。

主な製品・サービス1
特定細胞加工物製造受託
医療機関が採取した組織を預かり、目的の細胞を増殖させて納品する受託サービス。

04医薬品・医療機器メーカー向け(OEM)副次

微生物製品の共同研究やOEM受託を行い、微生物検査市場のニーズに対応した製品を提供している。

製品と技術

無血清培地と化学合成培地の開発力

細胞培養用培地は基礎培地と無血清培地に大別される。コージンバイオは血清の安全性問題を背景に無血清培地の開発に注力し、間葉系幹細胞用のKBM ADSCシリーズ(2014年発売)、免疫細胞用のKBM500シリーズを主力製品とする。さらに、CHO細胞用の化学合成培地(CD培地)を上市し、HEK293細胞用培地の開発も進める。粉末での大量供給技術も確立し、抗体医薬品やウイルスベクター生産の需要に対応する。

15分で結果が得られる抗原検査キット

微生物事業では、金コロイド粒子の発色技術を応用した抗原検査キット「KBMラインチェック」シリーズを展開する。新型コロナウイルス用「KBMラインチェックnCoV」は国からの増産要請を受け月産最大20万検体を供給。同シリーズにはインフルエンザ同時検出用、RSウイルス用、抗GM-CSF抗体用など品揃えがあり、簡便性から医療施設や薬局で使用される。研究用試薬として薬剤耐性菌検査キットも開発した。

自社培地を活用した細胞加工受託サービス

細胞加工事業は、医療機関からの細胞加工受託を中核とする。2015年のピルム買収により開始し、2019年に吸収合併して単体事業化した。自社製細胞培養用培地を工程で使用するため、原価率の低減と培地性能への迅速なフィードバックが可能。再生医療等製品のCDMO事業にも参入し、臨床試験用細胞の製造受託を目指す。2026年3月期の細胞加工事業売上は9億74百万円で、インバウンド患者減少の影響を受けたが、国内需要の獲得を進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

化学のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 再生医療・創薬研究(細胞培養)免疫細胞培養用培地の開発を最も得意とする

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

化学業界のニッチプレーヤー

コージンバイオは化学業界に属し、売上高が48億円(2024/3)から52億円(2025/3)に増加したが、2026/3期には49億円とやや減少見込み。営業利益率は2025/3期19.23%と高水準だったが、2026/3期には6.12%に急落予想。同業の東洋紡や旭化成のような大企業と比較すると規模は小さく、収益の変動が大きい。

強み

  • 2025/3期の営業利益率19%超は業界平均を大きく上回る。
  • 特定の化学製品に特化している可能性があり、独自性がある。
  • 売上高が増加傾向にあり、市場拡大の恩恵を受けている。
  • 財務データからは負債が少なく、財務体質が健全と推測される。

課題

  • 営業利益率が翌年に大幅低下する見込みで、予測が難しい。
  • 大企業との競争において、研究開発や販売網で劣る。
  • 取引先が限られる場合、需要変動の影響を大きく受ける。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

化学の時価総額近傍。太字がコージンバイオ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14926シーボン53億円24.8倍
24934プレミアアンチエイジング52億円18.0倍
34242タカギセイコー50億円3.1倍
46776天昇電気工業49億円9.7倍
54615神東塗料45億円
6177Aコージンバイオ43億円17.2倍
74274細谷火工43億円20.0倍
84120スガイ化学工業40億円8.3倍
9373Aリップス37億円7.3倍
104247ポバール興業37億円9.8倍
114102丸尾カルシウム34億円10.8倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 24件

動物血液販売から始まった1981年の創業

1981年4月、東京都杉並区にコージン株式会社を設立。創業当初は動物血液の販売と細菌検査用培地の製造・販売を事業の柱とした。1986年4月には細胞培養用培地の製造・販売を開始し、バイオ分野への本格進出を果たす。同年6月には埼玉県坂戸市に坂戸工場を新設移転し、生産体制を強化した。1989年6月には商号をコージンバイオ株式会社に変更し、バイオテクノロジー専門企業としてのアイデンティティを確立した。

体外診断薬参入とISO認証取得で品質基盤を整備

1993年11月、体外診断用医薬品製造業の許可を取得し、診断薬分野に参入。1997年4月には本社を埼玉県坂戸市に移転し、中小企業創造活動促進法の認定を受けた。2002年1月には坂戸本社工場を設立し本社を再移転。2003年12月にISO9001、2006年5月にISO13485を取得し、品質管理体制を国際規格に準拠させた。2005年2月には化粧品製造業許可も取得し、事業領域を拡大した。

中国市場への進出と国内子会社の買収

2009年11月、中国北京に孝仁日医生物技術有限公司を設立(2015年株式譲渡)。2013年3月にはエンバイオ株式会社の発行済み株式をすべて取得し、完全子会社化した。2014年1月に香港に孝仁生物控股有限公司、同年5月に上海に高金生物科技有限公司を設立し、中国大陸と香港に製造販売拠点を構築した。これらの子会社は組織培養事業のアジア展開を担う。2018年には上海子会社でISO13485を、2020年にはISO9001を取得している。

細胞加工事業参入と味の素との合弁

2015年7月、株式会社ピルムの全株式を取得し、細胞加工事業の製造受託を開始。2018年6月には味の素株式会社との合弁会社「味の素コージンバイオ株式会社」を設立し、細胞培養用培地の開発力を強化した。2019年8月には連結子会社であったピルムを吸収合併し、細胞加工事業を単体に統合。同年、上海子会社もISO13485を取得し、国際品質基準への対応を進めた。

東京証券取引所グロース市場への上場

2024年4月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場。上場時の売上高(2024年3月期)は48億円、当期純利益は4億円。上場により資金調達力と企業認知度を高め、再生医療市場の成長に対応する投資を加速する。2026年3月期の売上高は49億39百万円、純利益は2億51百万円と、上場後も安定的な収益を維持している。

年表24件を開く

1980年代

  • 1981年4月創業東京都杉並区に、動物血液の販売、細菌検査用培地の製造・販売を目的に、コージン株式会社を設立
  • 1986年4月細胞培養用培地の製造・販売を開始
  • 1986年6月埼玉県坂戸市浅羽野に坂戸工場を新設移転
  • 1989年6月商号変更コージンバイオ株式会社に商号変更

1990年代

  • 1993年11月「体外診断用医薬品製造業・製造販売業」許可を取得し、体外診断用医薬品の製造を開始
  • 1997年4月埼玉県坂戸市浅羽野に本社移転
  • 1997年4月埼玉県より中小企業創造活動促進法の認定を受ける

2000年代

  • 2000年2月埼玉県より中小企業経営革新計画の承認を受ける
  • 2002年1月創業埼玉県坂戸市千代田に坂戸本社工場を設立し、本社を移転
  • 2003年12月当社にて国際規格「ISO9001」取得
  • 2005年2月「化粧品製造業・製造販売業」許可を取得、化粧品の製造を開始
  • 2006年5月当社にて国際規格「ISO13485」取得
  • 2009年1月「医療機器製造業・製造販売業」許可を取得
  • 2009年7月「医療機器修理業」第三種医療機器製造販売業許可を取得
  • 2009年11月創業中国北京に孝仁日医生物技術(北京)有限公司(2015年3月株式譲渡)を設立

2010年代

  • 2013年3月M&Aエンバイオ株式会社(現 連結子会社)の発行済み株式をすべて取得し、完全子会社化
  • 2014年1月香港新界に孝仁生物控股(香港)有限公司(現 連結子会社)を設立
  • 2014年5月中国上海に孝仁生物控股(香港)有限公司の100%出資により高金生物科技(上海)有限公司(現 連結子会社)を設立
  • 2015年7月M&A株式会社ピルムの株式をすべて取得し、完全子会社化し、細胞加工事業の製造受託を開始
  • 2018年6月埼玉県坂戸市千代田に味の素株式会社との合弁会社味の素コージンバイオ株式会社(現 持分法適用関連会社)を設立
  • 2019年6月高金生物科技(上海)有限公司にて国際規格「ISO13485」を取得
  • 2019年8月M&A連結子会社であった株式会社ピルムを当社に吸収合併

2020年代

  • 2020年3月高金生物科技(上海)有限公司にて国際規格「ISO9001」を取得
  • 2024年4月上場東京証券取引所グロース市場へ株式上場

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    培地・細胞加工のワンストップ強みを深化

    組織培養事業と細胞加工事業のシナジーを活かし、自社培地を細胞加工に使用することで原価率低減と品質向上を図り、競合と差別化する。

  2. 02

    再生医療等CDMO事業への参入拡大

    再生医療等製品の臨床試験用細胞の製造受託(CDMO)に新規参入し、「培地×細胞加工」のアプローチで案件獲得を進め、細胞加工受託業者の地位確立を目指す。

  3. 03

    アジア市場向け感染症簡易検査キット開発

    微生物事業で、アジア圏需要の大きい感染症をターゲットとした簡易迅速診断キットを開発・製品化し、新たな売上を獲得する。

  4. 04

    粉末培地の開発と製造設備新設

    バイオ医薬品製造向けに粉末培地の開発を強化し、専用製造設備を新設して国内外へ供給体制を整える。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 3期分

グループ全体で176人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は554万円で、2期前と比べて0.7%平均年齢は38.6歳、平均勤続年数は6.1年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2024年3月55837.86.0159
2025年3月56238.06.0167599
2026年3月55438.66.1176170

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率25.0%
縦線は目安の30%
女性の賃金(男性=100)69.5%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社4(国内 2 / 海外 2、うち連結子会社 3) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
本社 — 埼玉県 坂戸市3,315百万円
全社 組織培養事業 微生物事業 細胞加工事業
土地 — 長崎県 大村市250百万円
全社
本社 — 中国 上海市152百万円
組織 培養 事業
東京CPC (東京都 豊島区)他4CPC70百万円
細胞加工事業
東京営業所(東京都 豊島区)他2営業所31百万円
全社
本社 — 東京都 品川区0百万円
微生物 事業
主な関係会社
  • 国内
    エンバイオ株式会社(注)3、5
    東京都 品川区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    孝仁生物控股(香港)有限公司(注)3、4、5
    香港新界 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    高金生物科技(上海)有限公司(注)3、4、5、6
    中国 上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    味の素コージンバイオ株式会社(注)3、5
    埼玉県 坂戸市 · 持分法適用会社
    議決権49.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は49億円営業利益3億円前期と比べると減収減益で、売上が-5.8%、利益が-70.0%。

売上高
-5.8%
49億円
営業利益
-70.0%
3億円
純利益
-62.5%
3億円
営業利益率
6.1%
前期比 -13.1%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高47億円49億円
営業利益1億円3億円
純利益1億円3億円
1株あたり配当¥10¥10

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

5期分

直近は2027年1Qで、売上は10億円、営業利益は−1億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2025年2Q25416.03
2025年4Q27622.25
2026年2Q25312.02
2026年4Q2400.01
2027年1Q10−1−10.00

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 7期分

2020年3月期からの7期で、売上は28億円から49億円へ1.8倍に増えた。直近期の営業利益率は6.1%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2020年3月2853
2021年3月3377
2022年3月3996
2023年3月47128
東京証券取引所グロース市場へ株式上場
2024年3月4864
2025年3月52101119.28
2026年3月49336.13

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高49億円のうち、営業利益として残るのは3億円6.1%。営業外の損益と税金を反映した純利益は3億円、売上の6.1%にあたる。営業利益率は業種中央値7.3%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金61.2%30億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金30.6%15億円
  • その他の費用持分法損益などの調整2.0%1億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益6.1%3億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
38.8%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.2pt
6.1%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.7pt
6.1%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比2.6pt
4.3%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
3.4%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 5期分

2026年3月期は営業CFが7億円、投資CFが−9億円で、差し引きのフリーCFは−2億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は25億円で、売上の6.1ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年3月81−4917
2023年3月5−6−2−115
2024年3月8−60217
2025年3月9−1114−229
2026年3月7−9−3−225

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 7期分

2026年3月期の総資産は89億円。このうち返さなくてよい自己資本が59億円で、自己資本比率は66.8%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2020年3月4273517.3
2021年3月48143428.9
2022年3月56223439.6
2023年3月61303149.2
2024年3月66333350.7
2025年3月91583363.8
2026年3月89593066.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
25億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
34億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
3億円
在庫として抱えている分
負債合計
30億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
82
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率12 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

化学 203社との比較

同じ化学の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率203社中82位あたり、逆に低いのは配当利回り203社中190位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
4.3%/中央値 6.9%
P25 4.5%P75 9.9%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
6.1%/中央値 7.3%
P25 4.3%P75 10.7%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
66.8%/中央値 63.4%
P25 50.5%P75 73.9%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-5.8%/中央値 2.2%
P25 -1.8%P75 5.4%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.2%/中央値 2.7%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥846で、1年前と比べて-44.8%過去52週の値幅のなかでは1%の位置にある。

¥846-0.8%1ヶ月-6.6%1年-44.8%時価総額43億円
過去52週の値幅
安値¥836高値¥1,882

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)17.2倍
PER (会社予想)39.1倍
PBR0.74倍
配当利回り1.18%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は1年前の高値2020円から大幅な下落基調にあり、現在は875円と半値以下。25日移動平均線を0.4%下回り、75日線を16.9%下回る。52週安値841円に接近しており、下値不安は残る。8月に入ってからは870〜900円のレンジで推移し、方向感は乏しいものの、RSIは44.9と売られ過ぎ圏にはない。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 40/100)

PER17.82倍は業界平均18.77倍を下回るが、PBR0.7525倍は平均1.44倍の半分以下で資産価値からは割安。しかしROE4.3%と低く、予想PER40.4倍と将来の成長期待が織り込まれている。配当利回り1.14%は平均2.63%を大きく下回り、配当性向81.5%と高いが利回りは低い。直近の利益減少を考慮すると、現状のバリュエーションはやや割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)17.2倍17.8倍
PER (予想)39.1倍
PBR0.74倍1.41倍
ROE4.3%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上は横ばいだが、2025/3期に営業利益率19%と好調だった後、2026/3期には6%まで低下。強気派はバイオ分野の成長可能性と技術力を評価する。弱気派は利益率の悪化と競争激化を懸念する。

プラスに働く材料7
  • 技術力

    バイオ関連製品の開発に強みがある。

  • ROE改善

    ROE4.3%と改善の兆し。

  • PBR低め

    PBR0.75倍と資産価値に比べて割安。

  • PBR0.75倍の割安感継続影響

    PBR0.75倍で解散価値割れ。株価875円でも純資産に対して割安

  • ROE4.3%と黒字を維持通年影響

    ROEは4.3%と低位ながらプラス。PBR0.75倍と合わせ、割安修正のきっかけになり得る

  • 外国人保有13.5%の高さが下支え継続影響

    外国人保有比率13.54%と高く、海外投資家の見直し買いが入る余地

  • 配当利回り1.14%の株主還元通年影響

    減益下でも配当利回り1.14%を確保し、下値支え要因

マイナスに働く材料7
  • 利益率の低下

    営業利益率が19%から6%へ急減。

  • 売上減

    2026/3期は売上高が減少予想。

  • 株価下落

    1年間で-47%と急落、市場の信頼を失っている。

  • 売上高が52億円から49億円へ減収通年影響

    2026年3月期の売上高は49億円と前期比3億円減。業績縮小トレンド

  • 営業利益が10億円から3億円へ激減通年影響

    営業利益は10億円→3億円で7億円減。営業利益率は19.23%→6.12%へ悪化

  • 予想PER40.4倍へ割高化決算発表後影響

    実績PER17.8倍に対し予想PER40.4倍。今期減益でPERは2倍以上に膨らむ

  • 株価1年で47%下落の弱トレンド継続影響

    株価875円は1年前から47.2%下落。下げトレンド中の戻り売り圧力

次の決算で確かめる点
売上高成長率
事業拡大の持続性を確認。
営業利益率
採算性の改善状況を確認。
研究開発費
将来の競争力の源泉を測る。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり10いまの株価に対する利回りは1.18%。

年間配当
¥10
1株あたり
配当利回り
1.18%
いまの株価に対して
配当性向
81.5%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥10

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ1,515人。区分でいちばん多いのは個人・その他64.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が20.0%を占め、残る80.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他64.566.664.7
事業法人30.719.919.8
外国法人11.112.7
証券会社1.51.8
外国人個人4.80.80.8
金融機関0.20.2

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01中村 孝人43.23
02TAKAコーポレーション株式会社8.15
03GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)7.62
04オリエンタル酵母工業株式会社5.28
05BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)4.47
06富士フイルム和光純薬株式会社2.74
07コージンバイオ従業員持株会2.32
08コスモ・バイオ株式会社1.96
09渡辺 恒美1.54
10家田化学薬品株式会社1.41

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 7期分

1株利益は7期で−95%、1株純資産は7期で−45%。直近期のROEは4.3%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2020年3月8972,10654.75.0
2021年3月2,0244,12264.74.9
2022年3月17453231.26.0
2023年3月19972531.710.5
2024年3月9280312.127.5
2025年3月1581,13117.411.123.8
2026年3月491,1634.324.681.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2026/3期の役員報酬は総額124百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約6倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
中村孝人代表取締役 社長772,626,000
中村雄一専務取締役 営業統括4853,000
對比地久義取締役 研究統括5123,070
原稔取締役6810,000
山本龍太朗取締役45
山野智也子取締役43200
森兼康博常勤監査役703,000
廣澤一弘監査役583,000
梅津英明監査役53

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)3989833
社外取締役414144
社外監査役312124

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容7,276字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループは、当社、国内連結子会社(エンバイオ株式会社)1社、海外連結子会社(孝仁生物控股(香港)有限公司、高金生物科技(上海)有限公司)2社及び持分法適用関連会社(味の素コージンバイオ株式会社)1社の計5社で構成されており、細菌検査用培地(注1)、体外診断用医薬品、細胞培養用培地の製造・販売、及び細胞加工の受託を主な事業として取り組んでおります。 当社及び当社の関係会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一であります。 組織培養事業 組織培養事業では、ヒト、動物、昆虫などの細胞を増殖させることを目的とした細胞培養用培地の開発・製造・販売をしております。細胞培養用培地は、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、微量金属、無機塩などから構成される溶液で、ヒトや動物の血液成分であるウシ血清(FBS)などを添加して使用する基礎培地と血清の添加を必要としない無血清培地に分類することができます。 基礎培地は、1960年代の細胞培養の研究の黎明期に開発された培地で、含有される成分のすべてが公開されていることがその特徴となります。こうした基礎培地は十数種類存在し、基礎研究を中心に世界中の大学、企業等で使用されております。一方、無血清培地は、1986年に狂牛病(BSE)の存在が確認されたことを受け、ウシ血清等を研究等に使用することへの安全性の確保が難しくなったことを背景に開発が進められた培地であります。基礎培地の組成が公開されているのに対し、無血清培地は各社の技術の粋を集めたもので、基本的に組成は非公開とされております。加えて、基礎培地は血清を添加することで、複数種類の細胞を培養できるのに対し、無血清培地は細胞の種類ごとに専用の培地が存在している点も基礎培地と無血清培地の大きな違いであります。 ウシ血清等を添加している基礎培地が安価であるのに対し、無血清培地は血清の代替として、高額な細胞増殖因子を添加しているため、価格帯は高額となります。しかしながら、血清を添加している基礎培地にはウイルスのコンタミネーション(注2)の懸念があるのに対し、無血清培地では、ウイルス等の外来因子の排除が可能なことから、高額であっても再生医療の研究開発に欠かせない製品となっており、当社としては無血清培地の開発と販売に注力しております。 これまでは、細胞培養用培地は研究用としての使用が主流でありましたが、近年では、再生医療分野や抗体医薬品の製造などにも多く使用されるようになってきたことから、その市場規模は数年間で急速に成長を続けており、さらに大きな市場に拡大していくと予想しております。特に再生医療分野におきましては、幹細胞、免疫細胞が注目されており、これらの細胞はアンメットメディカルニーズ(注3)の治療領域を満たすものとして、世界中で盛んに研究が行われております。その中でも間葉系幹細胞(注4)は、こうした再生医療に使用される細胞としては最も有力な細胞の一つであり、当社もKBM ADSCシリーズとして2014年から発売を開始し、主力製品の一つとなっております。また、免疫細胞に代表されるT細胞は、遺伝子改変細胞(注5)のターゲットとなっており、最新のがん治療薬として開発が進められております。当社は、こうした免疫細胞を培養する培地の開発を最も得意としており、KBM500シリーズとして販売されている免疫細胞培養用培地は、末梢血から単離したPBMC(注6)から目的の細胞であるT細胞やNK細胞を培養した際に、有効な細胞増殖性能があると大学や企業を含む顧客よりご評価いただいております。 これら培地に加えて、当社は、脳梗塞等の治療で注目される神経幹細胞(注7)を培養するKBM Neural Stem Cell(注8)、様々な組織を作製する上で必須となる血管網の構築を促す血管内皮細胞を培養するKBM VEC-1(注9)、皮膚の再生に必要となる表皮角化細胞を培養するKBM NHEK-XF2(注10)など、再生医療に関連する製品を多数ラインナップしております。 今後の開発の方向性といたしましては、抗体医薬品の70%以上がCHO細胞(注11)により生産されていること、CAR-T細胞(注12)等の遺伝子改変細胞を作製するために使用されるウイルスベクター(注13)の生産のほぼすべてはHEK293細胞(注14)と呼ばれる細胞株が使用されていることから、これらの産業利用される細胞培養用培地の市場規模は、数年でさらに大きく成長すると予想しており、これらの開発に注力しております。これら培地は、無血清培地でありながら、細胞増殖因子を含まず、アミノ酸、ビタミン、微量金属などの化学合成物質のみから構成されるChemically Defined(CD)培地で、非常に開発が困難な培地ですが、CHO細胞用培地は現在上市しております。また、HEK293細胞培養用培地に関しましても開発は順調に進んでおり、来年度上市を予定しております。さらに、こうした培地は使用量が数千リットルから数万リットルと大量なため、国内外を問わず粉末での供給が一般的ですが、そうした技術開発にも成功しております。 再生医療市場は、2020年には0.6兆円であったところ、2040年には11.6兆円の予測(再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業 中間評価 技術評価報告書(2023年3月 産業構造審議会 産業技術環境分科会 研究開発・イノベーション小委員会評価ワーキンググループ))となっており、市場規模は拡大傾向にあります。 ※組織培養事業が担うのは赤枠内 (注) 1.培地は、微生物や生物組織(細胞)が成長しやすいよう人工的に作られた環境を提供するもの。寒天などで固められた固体培地や、液体状で存在する液体培地などがあり、生育させる微生物、細胞の種類により、培地の成分形状は異なる 2.細胞や微生物などを人工的に培養するときの、微生物などによる汚染 3.未だ満たされていない医療ニーズ、つまり、未だ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ 4.間葉系幹細胞は、生体内に存在し、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞等に変化できる細胞で膝関節の治療をはじめとする様々な損傷治療に使用できる細胞として注目されている 5.細胞の機能を決定する遺伝子を導入し、これまでにない機能等を与えられた細胞の総称 6.PBMC(Peripheral Blood Mononuclear Cellsの略)は、末梢血から分離される単核細胞で、T細胞、B細胞、NK細胞、単球及び樹状細胞などの多様なリンパ球を含む 7.神経幹細胞は、脳の中に存在する幹細胞で、ニューロンといった神経機能を担う細胞に変化する能力を持ち、こうした機能から筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった難病の治療が期待される細胞 8.KBM Neural Stem Cellは、神経幹細胞を培養するための当社製品 9.KBM VEC-1は、血管の内側に存在する血管内皮細胞を培養するための当社製品 10.KBM NHEK-XF2は、ヒトの皮膚の元を作り出す表皮角化細胞を培養するための当社製品 11.CHO細胞(Chinese Hamster Ovaryの略)は、チャイニーズハムスターの卵巣に由来する上皮細胞で、組換えタンパク質の生産によく使用される 12.CAR-T細胞は、T細胞にChimeric Antigen Receptor(CAR)を導入した遺伝子改変細胞で、がんに対する攻撃力を高めた細胞 13.ウイルスベクターは、細胞内に効率的に遺伝物質を運び込むために、ウイルスの感染能力を利用して作製されたツール 14.HEK293細胞(Human Embryonic Kidneyの略 )は、ヒト胚性腎臓細胞から作製された細胞で、組み換えタンパク質やウイルスを増幅させるために使用される細胞 (主な関係会社) 当社、高金生物科技(上海)有限公司及び味の素コージンバイオ株式会社 微生物事業 微生物事業では、感染症や食品汚染の原因となる微生物を特定するための製品の開発と製造・販売を行っています。目に見えない微小な微生物を特定するためには、微生物に由来する物質を着色したり、微生物そのものを増殖させたりして、人が視覚的に確認できるようにする必要があります。 ○細菌検査用培地 当社は、創業から長年培った微生物そのものを増殖させる細菌検査用培地の製造ノウハウを保持しており、KBMブランドとして多くの製品群を市場に提供しております。 微生物の増殖のためには、目的とする微生物にとっての最適な環境を整える必要があります。一定の栄養素(アミノ酸、糖質、無機塩類)に加え、特定の栄養素(ビタミン等)や血液を発育成分として要求する微生物、酸素の有無や二酸化炭素濃度(酸化還元電位)、水素イオン濃度(pH)なども微生物によって異なります。従って、ある特定の微生物の生育に適した環境を人工的に模造することで、微生物を選択的に増殖させることも可能であり、このような微生物の培養に適した環境を与える材料を容器に閉じ込めた製品が細菌検査用培地であります。 細菌検査用培地は、用途に応じて、液体、固体、半流動の状態で利用されます。試料(検体)に含まれる微生物の数を知りたい場合等には固形の細菌検査用培地を、試料(検体)中に含まれる微生物の数が少なく速やかな増殖を期待する場合には液体の細菌検査用培地を、微生物の性状を知りたい場合等には半流動の細菌検査用培地を用います。また、細菌検査用培地は、抗生物質に感受性なのか耐性なのかを判断する場合等にも利用されます。このように細菌検査用培地は、微生物の種類や医療(感染症)、食品(病原菌)、製薬・化粧品(品質)などの検査の目的により、様々な種類の製品が存在し、当社においては2026年3月期に年間300品目を超える細菌検査用培地等を製造販売しております。 ○体外診断用医薬品 体外診断用医薬品は、身体を直接の被検体とせずに、人に由来する試料を検体とし、検体中の物質等を検出又は測定することにより、診断に用いることの出来る医薬品です。製品として販売する場合は、厚生労働省のガイドラインに基づいた審査を受け、承認基準に適合する必要があります。当社は、微生物に由来する物質を可視化するため、抗原抗体反応を利用した検査キットを開発し、体外診断用医薬品の認可を受けた製品化に成功いたしました。この検査キットは、抗体を結合させた金コロイド粒子(粒子径10nmから100nm程度の金の粒子)の共鳴反応が関与しており、金コロイド粒子の集積に基づく発色技術(注)が使用されています。また、抗体は病原体に由来する物質と特異的に反応するため、対象微生物の特定も可能となります。従って、様々な感染症の原因となる微生物を特定するための製品群を開発することが可能となります。近年では、新型コロナウイルス感染症の抗原を検査するためのキット「KBMラインチェックnCoV(スティックタイプ)」が、体外診断用医薬品として製造販売許可申請が承認され、ひいては、国からの増産要請を受けて月産最大約20万検体分の製造を行うことで、未曽有の感染拡大を続ける新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた製品提供を果たしました。また、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザを同時に検出する体外診断用医薬品「KBMラインチェックnCoV/Flu」の発売も開始しました。さらに、インフルエンザのA型とB型を区別するための「KBMラインチェックFlu AB」、小児の呼吸器感染症の原因ウイルスであるRSウイルスを判別する「KBMラインチェックRSV」も体外診断用医薬品として製造販売を続けています。また、これらの製品に加え、新たに自己免疫性肺胞蛋白症の診断の補助を目的として、血清中の抗GM-CSF抗体を検出するために使用される抗GM-CSF抗体キット「KBMラインチェック APAP」の製造販売を開始しました。これらの抗原検査キットは、方法が簡便であるにも関わらず、15分程度で結果が得られることから、迅速検査が望まれる医療施設や臨床検査センターなどで利用されています。近年では、新型コロナウイルス感染症抗原検査キットに加え、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時抗原検査キットが薬局での販売も可能となり、国民の健康維持には欠くことの出来ないアイテムとして認知されています。 新型の感染症が問題視される一方で、未だ世界規模で流行している感染症も多くあります。エイズ、結核、マラリアは、「三大感染症」と呼ばれています。2000年の世界保健総会において、「ストップ結核パートナーシップ」 が発足しました。WHOが中心となり、2050年までに世界の結核を100万人に一人まで減らすことが目標として策定され、日本国内においても、「ストップ結核ジャパンアクションプラン」が策定されています。当社は、発育の遅い結核菌のための培養技術の改善を目指し、国内の研究機関と連携した製品開発を進めております。また、世界規模のマラリア対策を進めるため、WHO、UNICEF、UNDP、世界銀行が中心となって「ロールバック・マラリア・パートナーシップ」 が設立され、死亡率及び有病率の半減が目標として掲げられました。当社は、マラリア診断に寄与すべく、血液を試料とする抗原検査キットの開発に着手しております。また、研究用試薬となりますが、近年東南アジアを中心に猛威を振るっているNDM型カルバペネマーゼ産生菌(薬剤耐性菌)の検査キット(KBMラインチェックNDM)の開発に成功し、開発途上国の抱える課題の解決に取り組んでおります。抗原検査キットは、簡便かつ迅速な手法であることから、電源事情の悪い地域での活用が期待されております。 微生物製品の開発や製品化においては、現在も共同研究やOEM受託等も積極的に行い、微生物検査を取り巻く市場や顧客ニーズの変化に対応した製品を提供し続けています。 (注)金コロイド粒子の集積に基づく発色原理:金属に光が当たると、金属表面の電子がその影響を受けて集団的な振動が起こります。振動と入射した光とが共鳴すると、特定の波長の光(緑色)が強く吸収されるようになります。その結果、金コロイド粒子が、一定の波長の光(赤色系)を帯びて視認されるようになります。 (主な関係会社) 当社及びエンバイオ株式会社 細胞加工事業 細胞加工事業では、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下「再生医療等安全性確保法」という。)における再生医療の健全な普及に向け、特定細胞加工物製造受託及び再生医療等法規対応サポートを行っています。 ○特定細胞加工物製造受託 免疫療法や幹細胞治療等の再生医療等を提供されている医療機関より依頼を受けて、厚生労働省より許可を得た細胞培養加工施設(施設番号:FA3190002、細胞培養加工施設の名称:コージンバイオ株式会社 埼玉加工センター)にて、当該医療機関が患者より採取した組織を預かり、特定細胞加工物の製造を受託しております。 特定細胞加工物とは、再生医療等安全性確保法第2条で、「再生医療等に用いられる細胞加工物のうち再生医療等製品であるもの以外のもの」と定義されており、当社においては免疫細胞や幹細胞を中心に医療機関より受託しております。医療機関において採取された組織(血液や脂肪細胞等)を、当社の細胞培養加工施設にて受領し、そこから目的の細胞(免疫細胞や幹細胞)を取り出します。それら細胞をその管理項目に合った環境下において増殖させ、医療機関指定の細胞数まで増やしたうえで、医療機関からの指定日に合うように納品いたします。 特定細胞加工物の製造には、自社製の細胞培養用培地を使用しており、組織培養事業と連携することで、双方の技術開発及び、製品の品質向上に努めております。培地の製造メーカーである当社が、自社製の細胞培養用培地を用いて特定細胞加工物の製造を行い、さらに、自社製の細菌検査用培地を用いて品質管理試験を行うことで、費用を抑えることができ、柔軟な価格設定が可能となります。そこで、再生医療を身近な医療として認知度を高め、治療の医療負担を軽減させることを目的に、特定細胞加工物を医療機関へ提供しております。 2022年7月からは、東京大学医学部附属病院との社会連携講座「臨床幹細胞生物学講座」を通じて、細胞治療のメカニズム究明やエビデンス取得のための臨床解析を行っております。 また、共同研究の成果といたしましては、三重大学大学院 医学系研究科 個別化がん免疫治療学のグループにて開発されたトリプルネガティブ乳がんに対し、GD2を標的としたCAR-T細胞を用いた医師主導型治験における治験薬の製造を予定しております。 ○再生医療等法規対応サポート 医療機関が患者に再生医療を提供する場合、再生医療等安全性確保法に基づき、製造委託の有無や細胞培養加工施設に関する情報を含め、提供しようとする再生医療のリスクに応じた再生医療等提供計画を作成し、認定再生医療等委員会の意見を付して、厚生労働大臣に提出することが義務付けられております。かかる法的手続きなどを経ないまま、再生医療等の提供あるいは特定細胞加工物の製造は医療機関においては法律違反となり、罰則が科されることとなります。 (主な関係会社) 当社 事業の系統図は、次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題5,459字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針及び経営環境 当社は、1981年4月に動物血液の販売と細菌検査用培地の製造・販売(微生物事業)から事業をスタートいたしました。市場のニーズに合わせ、1986年4月には細胞培養用培地の製造・販売(組織培養事業)を開始し、続いて、2014年11月の「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下「再生医療等安全性確保法」という。) 」の施行に伴い、細胞加工事業を開始いたしました。「組織培養事業」「微生物事業」「細胞加工事業」の3つの事業展開に加え、それらの事業を組み合わせることによって生みだされるシナジー効果を事業に活用する点が当社の最大の特徴であり、優位性であると考えます。 組織培養事業と細胞加工事業の関係性について、細胞加工事業の競合他社においては、当社のような培地を製造する企業から培地を購入し、細胞を加工する必要があるのに対し、当社では自社製品の細胞培養用培地を細胞加工事業で使用することができるため、細胞加工業務の原価率を低く抑えることができ、収益性の向上に繋がります。また、細胞加工事業での自社培地使用により、その培地の性能に対するフィードバックを社内で速やかに得ることができ、組織培養事業における製品性能・品質の向上、及び改善につなげることができる点にあります。 組織培養事業と微生物事業の関係性については、組織培養事業は細胞、微生物事業は細菌と、培養するターゲットは異なりますが、一部の顧客については、細胞を培養し、同時にその環境における細菌汚染を確認するなど、同一顧客に別事業の製品の販売が可能となることがあります。また、多くの販売代理店では企業や大学、医療機関などを顧客とし、様々な試薬を幅広く扱っていることから、当社が持つ組織培養事業と微生物事業の両製品を取り扱っており、顧客基盤や販売網を共有できる点が単一の事業のみの競合他社と比較して、優位であると考えております。 市場の状況といたしまして、組織培養事業では、再生医療市場における細胞培養用培地は、長きに亘り研究用途での使用が主流でありましたが、近年では、再生医療の市場発展により臨床用途での使用という新たな需要が生まれております。また、抗体医薬品やワクチンの研究、製造など、産業用においても細胞培養用培地が大量に使用されるようになってきたことから、その市場規模は数年間で急速に成長を続けており、グローバルでさらに大きな市場へ拡大していくと予想しております。 細胞加工事業では、ここ数年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、細胞加工の主要な患者層だったインバウンドによるメディカルツーリズムが減少いたしました。しかしながら、各国における海外渡航制限の緩和により、インバウンドも回復している様子が見られたものの、日中関係の悪化等を背景とした中国人来日者数の減少により、インバウンド患者数が低迷しました。今後は、中国を除くアジア圏からのインバンドは大きな影響はないため、国内の再生医療市場は徐々に拡大していくと考えております。 微生物事業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、抗原検査キットなどの新型コロナウイルス感染症関連商材という新たな市場が創出されました。当初は需要が供給を大きく上回ったことから、市場における製品不足に陥りましたが、各社積極的な設備投資の実施により、現在の市場は落ち着きを取り戻しております。 すべての事業において共通しているのは、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響は収束し、これまで停滞していた海外への事業展開が動き出すとともに、今後は各市場の成長に合わせた製品開発、価格戦略などの競争が激化していくものと考えております。 当社は、販売数量と売上高の増加が企業価値向上に寄与するものと考えており、中長期かつ持続的な成長を実現するために、当社がこれまで培った製造技術に加え、特注で対応できる強みを活かして、製品のラインナップの拡充のために、更なる生産技術及び営業体制の強化に努めております。さらに、再生医療等製品の臨床試験用細胞の製造受託事業(CDMO事業)に参入し、更なる事業拡大を目指しております。 また、下記の「社是」と「基本理念」を経営の中核に置き、市場・社会、法制度等への対応力強化と、各事業の強みを生かし、バイオテクノロジーの発展と共に、持続的な成長を続けてまいります。 「社是」 敬天愛人成善 ~公明正大 謙虚な心で仕事にあたり 人に恥ずることなく 人を愛し 仕事を愛し 善業を成す~ 「基本理念」 「コージン」、つまり「考える人(考人)の組織集団」として、 1.常に誠心誠意で仕事をする 2.今、必要とされている最先端の製品を世に出す 3.喜びに満ち満ちた会社である という基本理念のもと、私たちはバイオテクノロジーの発展のために日々努力しています。 「経営理念」 当社グループは、「考える人」の組織集団として、「顧客第一主義・品質第一主義」をモットーにバイオテクノロジーの発展に貢献していきます。 「ビジョン」 ・グローバル企業としての位置を確立し、培地業界における国内シェア1位に ・新規事業を開拓し、高付加価値サービスを提供し続ける 「行動指針」 1.顧客の理解と満足が得られる製品であること 2.品質最優先で製造された高品質な製品であること 3.社会が今必要としている最先端の製品であること 4.一人一人が品質に自覚と責任を持てる製品であること 5.各種法規・規格・標準を遵守すること (2) 事業展開方針 当社グループは、「組織培養事業」「微生物事業」「細胞加工事業」の3つの事業を展開しております。 組織培養事業では細胞を培養する際に用いる細胞培養用培地の製造を、微生物事業では細菌検査と感染症に関連する製品の製造を、また、細胞加工事業では医療機関より細胞の加工業務の受託を行っています。 今後、再生医療市場の拡大が見込まれており、周辺産業としての組織培養事業と細胞加工事業を成長の核と位置付け、重点戦略を実施していきます。 また、上記事業に加え、微生物事業においてもアジア圏で新たな市場が創出されており、各地域の需要に応じた製品を開発、供給することで、海外展開にも注力していきます。 《事業セグメント別成長イメージ》 組織培養事業:グローバルで市場が拡大傾向にあり、それぞれの需要に応じた製品を供給 微生物事業 :海外展開による新たな市場の開拓 細胞加工事業:再生医療等製品製造受託への新規参入 《中期事業目標》 重点戦略①:組織培養事業/開発から製造、販売までをワンストップで対応できる強みを活かし、種々の細胞に合致する製品の供給と、新たなニーズに沿う製品を開発することで、アジアNo.1の培地製造販売会社を目指す。 重点戦略②:細胞加工事業/現在実施している特定細胞加工物に加え、再生医療等製品の製造受託に参入することで、この両輪を回し、研究開発から産業化まで対応が可能な高品質、高水準の細胞加工受託業者の地位を確立する。 重点戦略③:微生物事業/アジア圏における感染症の簡易検査キットを開発し、製品投入することで新たな売上を獲得する。 (3) 中長期的な会社の経営戦略 ① 組織培養事業 再生医療分野や抗体医薬品の製造などグローバルに再生医療・細胞治療の市場が拡大している中で、細胞培養用培地を含む周辺産業では、これまで研究用途が中心だったものから、再生医療分野や抗体医薬品の製造など臨床用途への移行が進んでおり、より高性能、高品質の製品需要が高まっております。 そこで、当社がこれまで培ってきた製造技術に加え、特注で対応できる強みを活かして、今後は自社製品のラインナップの拡充と新たな特注製品やOEM製品の製造受託に対応すべく、更なる生産技術及び営業体制の強化に努めてまいります。 また、当社が事業展開しているアジア圏においては、各国現地企業による市場参入が見られ、これまで以上に性能面、価格面での競争が激化しておりますが、当社が蓄積してきた高性能製品の開発能力と日本産という高品質製品の製造能力を武器に、競合他社との差別化を図っております。そのような環境の中、当社では、大学や企業と積極的な共同研究を実施しており、そこから創出される開発製品の拡充と営業体制の増強により、新規顧客、新規案件の開拓に加え、アジア圏での販売代理店網を拡大していくことで、細胞培養用培地の販売数量アジアNo.1を目指してまいります。 同時に、世界中でバイオ医薬品の研究開発や最終製品の上市が相次いでいる中で、これら製造にも細胞培養用培地が必須であり、その需要が拡大しております。バイオ医薬品製造のための細胞培養用培地は使用量が多量となることから、液状ではなく粉末状での供給が必要となり、当社においても粉末培地の開発にも力を入れております。今後、国内外へ粉末培地を供給するために専用の製造設備の新設を計画しております。 ② 微生物事業 日本における細菌検査について、医薬品や食品、化粧品等の産業分野で使用される細菌検査用培地は、供給が不安定、かつ、定期的に価格が上昇している輸入製品から国産製品への切り替え需要があることから、国産の強みを活かした提案営業を強化してまいります。 一方、病院等の臨床分野では、国内の細菌検査の市場が飽和状態となっていることから、今後も市場拡大が見込めるアジア圏への事業展開を模索しております。 アジア圏では細菌検査の体制が整っていない地域が多数存在しており、これらのエリアにおいて、感染症の簡易迅速診断を可能とする検査キットが普及する可能性が高く、アジア圏需要が大きい感染症をターゲットとした製品開発と供給の整備を進めてまいります。 ③ 細胞加工事業 再生医療の進展により、大学や企業による臨床試験を目指した研究開発が活発になっておりますが、この臨床試験で用いる細胞製剤の製造を受託する企業が不足していることが市場拡大のボトルネックとなっております。 当社の細胞培養用培地のユーザーからも、臨床試験用細胞の製造委託の相談が寄せられており、当社がこれらの受け皿となるべく、新たに細胞加工施設を立ち上げ、再生医療等製品の臨床試験用細胞の製造受託事業(CDMO事業)に参入いたしました。 競合となる細胞加工受託企業と差別化すべく、当社の組織培養事業と組み合わせ、「培地×細胞加工」というアプローチでの新規案件の獲得を進めてまいります。 また、がん免疫治療や幹細胞治療を主とする特定細胞加工物の受託について、海外渡航制限の緩和により、インバウンドによるメディカルツーリズムが再開しており、再生医療等提供医療機関は増加傾向となっております。 引き続き新たな医療機関との委受託契約の締結を見込んでおりますが、日本のみならず、アジア圏で自国での細胞治療という市場が創出され始めていることから、細胞加工施設の新設、並びにこれまで培った運用のノウハウを活用し、海外での細胞加工受託事業の展開を計画しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 人材の採用・育成 当社グループの主要事業である組織培養事業、微生物事業及び細胞加工事業においては、様々な専門スキルを有する人材が必要となっております。今後、市場の成長に伴う新規参入などによる更なる競争の激化が見込まれるなか、多様な専門人材の採用・育成が不可欠となっていることから、当社グループでは、グローバルな人材の確保に注力する方針であります。 また、組織規模の拡大・多様化に対応した会社組織としてのガバナンス、従業員サポート、教育の質的向上にも尽力してまいります。 ② 当社に対する行政処分について 2025年8月、当社が製造を行った特定細胞加工物等(以下「本製品」といいます。)について、本製品との関係が疑われる死亡事例(以下「本事例」といいます。)が発生したことを受けて、当社は再生医療等安全性確保法に基づく行政処分を受けました。対象クリニックとの再生医療等提供計画に関する本製品及び本製品と製造方法が類似していると考えられる再生医療等提供計画に関する特定細胞加工物等について当該クリニックに対する製造の一時停止等が命じられました。 2026年1月、当社は再生医療等安全性確保法施行規則に定める特定細胞加工物等製造事業者の遵守事項に関する違反を理由とする行政処分(以下「本行政処分」といいます。)を受けました。 当社は、本行政処分を厳粛に受け止め、必要な是正措置及び再発防止策を速やかに講じ、引き続き関係法令を遵守しながら、特定細胞加工物等の製造事業を継続してまいります。なお、本事例及び再生医療等安全性確保法第18条に基づく疾病等報告に係る事案については、現在も調査が行われておりますが、現時点では当社が製造した本製品との因果関係は確認されておりません。 当社は、既に関東信越厚生局からの指摘事項に関する改善に着手しており、特定細胞加工物等の製造供給を行いながら、是正措置や改善計画の策定・実施を進めております。
事業等のリスク8,560字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 研究開発について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、アカデミア(大学や国立研究所のような、国の研究機関)、企業との共同研究も交え、市場ニーズに基づいた新製品の開発及び既存製品の改良を行っております。しかしながら、計画どおりに研究開発が進行しない、製造販売承認の取得に時間を要する、新製品が期待どおりの性能を示さない等を理由に、開発の期間延長又は中止を余儀なくされる場合があります。その結果によっては、追加投資が必要となる、又は、それまでに出資した研究開発費の回収が見込めない等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (2) 競争環境について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、迅速かつ効率的な研究開発及び既存製品の改良を行っておりますが、常に、他社との技術革新に関する開発競争が展開される状況にあります。これらの競争の結果によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (3) 事業環境について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの細胞加工事業について、当社は医療機関から細胞加工受託サービスの対価として加工受託料を受領しております。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行以前は、アジアを中心とした海外から多数のインバウンドの患者が当社の取引先医療機関へ来院し、細胞治療を行っていたため、当社の受託件数も増加し、大きな売上高を計上しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行により、インバウンドの患者が激減したことを受け、本事業の売上高が減少し、当社グループの業績に大きな影響を与えました。 今後も、新型コロナウイルス感染症の感染状況並びにその他の要因により、インバウンドの患者の来院数が増減する場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (4) 工場の操業停止について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループの工場、倉庫及び細胞加工施設等の生産設備は一部を除き坂戸本社工場に集中しており、坂戸本社工場において、火災、地震等の災害や重大な設備事故、技術上の問題、使用原材料の供給停止等が発生した場合には、事業活動の停止等が生じる可能性があります。災害対策マニュアルの作成、防災訓練等の対策を講じてはおりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (5) 人材確保及び人材育成について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 変化する顧客ニーズへ対応し顧客満足度を高めていくためには、適切な人材確保が重要課題の一つと認識していることから、当社グループは、各部門に配属可能な高い専門性を有する人材の確保と育成に注力しております。しかしながら、他業界に比べ比較的人材が流動的である傾向にあることなどから、適切な人材が十分に確保、育成できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (6) 情報セキュリティについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループでは、社員のセキュリティ対策に対する意識を高め、顧客から信頼される高度なセキュリティマネジメントの実現に努めております。なお、細胞加工受託サービスの提供にあたり、顧客データと個人情報を取り扱う場合があります。これらの個人情報保護につきましては、「個人情報保護方針」に基づき、適切な管理に努めております。しかしながら、不正アクセスや人為的な重大ミス等により、万が一顧客情報の紛失、破壊、改ざん、漏洩等があった場合、社会的信用の失墜、顧客からの信用喪失、又は損害賠償請求による費用の発生等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (7) 知的財産権について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、特許権、実用新案権を含む知的財産権を厳重に管理し、第三者からの侵害、あるいは当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害しないよう十分に留意し、疑義ある場合には顧問弁理士に調査を依頼しております。一方、当社グループは、培地等の組成等の一部のノウハウに関しては、公開を前提とする特許等の知的財産権を獲得することよりも、単なるノウハウとして特許化せずに、機密情報として保有する方が事業戦略上有利であると考え、外部に流出しないよう管理を徹底しております。 しかしながら、当社グループの保有する知的財産権やノウハウが第三者から侵害を受けた場合、あるいは当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (8) 技術・ノウハウ管理の流出について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの製品は、過去の生産実績及び経験から積み上げた技術並びに研究開発によるノウハウを主たる収益基盤としているため、従業員等の関係者及び共同研究先並びに取引先との秘密保持契約を締結するよう徹底しております。 これらが記載された機密性の高い書類の保管に関しては、保管場所を厳重に管理し、データ情報についてはアクセス権を限定するなどし、外部に流出しないよう留意しております。 しかしながら、これらの技術・ノウハウが流出した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (9) 新型コロナウイルス感染症について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループでは、微生物事業において新型コロナウイルス感染症の抗原検査キット等を市場へ供給、当社グループの業績に貢献いたしました。 今後も品質・生産性の向上、コスト対応力強化のための施策を展開していく方針ですが、当該感染症の感染拡大の程度によっては今後の業績に影響を与える可能性があります。 また、同感染症の新たな変異株の出現などにより、国内の感染者数が想定を上回り増加するなどした場合、上記新型コロナウイルス感染症関連商材の売上増加が期待される一方、当社従業員への感染拡大が発生した場合には、十分な生産体制が整わず製品供給に制限が出るなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (10) 法的規制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループは、事業の遂行にあたって、一部製品について「再生医療等安全性確保法」及び「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の関連法令をはじめ、様々な法的規制の適用を受けており、事業に関連する法的規制やリスク対応等について、毎月リスク・コンプライアンス委員会において検討すると共に、社内の管理体制の維持・強化を図ることとしております。 また、以下の主要な許認可を含めこれらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法規の遵守に努めており、現状においては当該許認可が取消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、これらの関係法規が改廃又は新たな法的規制が設けられるなどを理由に、仮にこれらの法的規制を遵守できなかった場合、事業活動を制限されることはもとより、社会的信用の低下を招き、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、これらの法的規制を遵守するためのコストが発生し、利益率の低下につながる可能性があります。 なお、当社は再生医療等安全性確保法に基づく行政処分を受け、多くのお客様にご懸念を生じさせてしまうとともに、当社グループの細胞加工事業に係る大勢のお取引先様にもご迷惑をおかけしてしまいました。当該行政処分に関しては、必要な是正措置及び再発防止策を講じながら対応を継続しておりますが、今後想定以上に補償や品質向上のための投資コストが増え、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 取得・登録者名   取得年月・許認可等の名称及び所管官庁等   許認可等の内容及び有効期限   法令違反の要件及び主な許認可取消事由 当社   1993年11月25日体外診断用医薬品製造業・製造販売業厚生労働省   体外診断用医薬品の製造及び製造販売登録番号:11EZ286023(製造業)2017年1月31日から2022年1月30日まで(5年間)以後5年ごとに更新登録番号:11E1X80005(製造販売業)2017年1月31日から2022年1月30日まで(5年間)以後5年ごとに更新   主な免許の要件代表者や法人役員等が欠格事由に該当しないこと禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者該当法規、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法(1950年法律第303号)その他薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者事務所に製造管理者及び製造販売3役を設置すること 当社   1995年7月2日毒物劇物製造業埼玉県庁   毒物劇物に該当する製品の製造登録番号:埼製第24-2号2017年4月5日から2022年4月4日(5年間)以後5年ごとの更新   主な免許の要件毒物劇物取扱責任者が下記の欠格事由に該当しないこと18歳未満の者心身の障害により毒物劇物取扱責任者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者毒物若しくは劇物又は薬事に関する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者 取得・登録者名   取得年月・許認可等の名称及び所管官庁等   許認可等の内容及び有効期限   法令違反の要件及び主な許認可取消事由 当社   2005年2月14日(製造業)2005年1月5日(製造販売業)化粧品製造業・製造販売業厚生労働省   化粧品の製造及び製造販売登録番号:11CZ009126(製造業)2020年4月1日から2025年3月31日まで(5年間)以後5年ごとに更新登録番号:11C0X00096(製造販売業)2020年4月1日から2025年3月31日まで(5年間)以後5年ごとに更新   主な免許の要件代表者や法人役員等が欠格事由に該当しないこと禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者該当法規、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法(1950年法律第303号)その他薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者事務所に責任技術者及び製造販売3役を設置すること 当社   2009年1月5日(製造業、製造販売業)2009年7月14日(修理業)医療機器製造業・製造販売業・修理業厚生労働省   医療機器の製造及び製造販売登録番号:11BZ200113(製造業)2019年1月5日から2024年1月4日まで(5年間)以後5年ごとに更新登録番号:11B3X10023(製造販売業)2019年1月5日から2024年1月4日まで(5年間)以後5年ごとに更新登録番号:11BS200105(修理業)2019年7月14日から2023年7月13日まで(5年間)以後5年ごとに更新   主な免許の要件代表者や法人役員等が欠格事由に該当しないこと禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者該当法規、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法(1950年法律第303号)その他薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者事務所に責任技術者、製造販売3役及び医療機器修理責任者を設置すること 当社   2019年5月30日特定細胞加工物製造業厚生労働省   特定細胞加工物の製造登録番号:FA31900022019年5月30日から2024年5月29日(5年間)以後5年ごとの更新   上記と同様 取得・登録者名   取得年月・許認可等の名称及び所管官庁等   許認可等の内容及び有効期限   法令違反の要件及び主な許認可取消事由 高金生物科技(上海)有限公司   2014年5月13日(更新日 2016年11月23日)営業許可証上海市工商行政管理局   生物科技(バイオテクノロジー)領域における技術開発、技術コンサルティング(遺伝子組換え、人体幹細胞、遺伝子診断及び治療に関する技術開発を除く)、バイオ試薬・工程技術の開発、バイオ関連製品・試薬の製造、自社製造製品の販売、バイオ関連商品の卸売(危険品を除く)・輸出入・マーケット情報コンサルティング(市場調査を除く)企業コード:91319999987776353T有効期限:2014年5月13日から2044年5月12日(30年)   許認可を受けている経営範囲以外の業務を執り行った場合、工商管理条例等関連法規に基づいて罰金、経営許可内容の取消し等行政処分となる。 高金生物科技(上海)有限公司   2017年5月19日建設項目環境影響評価上海市金山区環境保護局   組織細胞用培地製造(年間30万本)に関する環境保護評価許可番号:金環験(金山環境保護局)[2017]355号有効期限:なし   建設項目環境保護管理条例等関連法に則り、許可取消し等行政処分となる。 高金生物科技(上海)有限公司   2021年3月22日易燃性物品の使用、貯蔵に関する届出上海市公安局金山分局朱行派出所   易燃性原材料の購入、使用、貯蔵に関する届出有効期限:なし   危険化学品安全管理条例等関連法に則り、許可取消し等行政処分となる。 (11) 製造物責任について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの主力製品である、細胞培養用培地及び細菌検査用培地共に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の適用法的規制は無く、雑品扱いとなるものの、GMP(医薬品等の製造及び品質管理の基準)に準拠した厳格な品質管理体制を構築しており、再生医療等製品で使用される組織培養培地の使用原料に関しては「生物由来原料基準」に適合した原料を選択しております。また、すべての製品において、品質管理部及び品質保証部を通じて製品の品質・安全に配慮した開発・製造・販売活動を行っております。 しかしながら、すべての製品において、コンタミネーションや異物混入などの予期せぬ品質問題が発生しないという保証はなく、返品、回収等の措置を取る可能性があります。また、細胞加工受託サービスの提供により患者の健康被害を一切引き起こさないという保証もありません。そこで、当社グループは、すべての製品において製造物責任保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるとは限らず、大規模な製品の回収や製造物責任賠償につながるような不具合・欠陥が発生した場合には、当社グループの社会的信頼性に重大な影響を与え、多額の費用、又は損失の発生や売上高の減少により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (12) 原材料やエネルギー価格高騰について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、原材料を国内外より調達しており、重要製品の原材料についてはサプライチェーンの代替先を順次選定を進め安定供給を目指しておりますが、原材料価格の高騰により製品原価に影響を及ぼす場合や、原材料の需給バランスの変動、国内外の規制又は原材料メーカーによる品質問題の発生等により、原材料の入手が長期的に困難になり製品を製造・販売することができなくなる可能性があります。また、自然災害や世界情勢等により電気やガスといったエネルギーの価格が上昇した場合には、事業運営コスト及び製品原価が上昇し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (13) 資材の調達について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループは、一部の代替性の乏しい原材料及び資材等の調達について、特定の仕入先に依存しており、これらが調達できない場合、代替品対応についても、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)への届出を要することから、製造スケジュールの遅延、製造中止等当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (14) 再生医療等治療について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 再生医療に関する規制の枠組みは、2014年11月に施行された「再生医療等安全性確保法」により整備されました。 当社グループの細胞加工事業は、同法に基づき業務を遂行しておりますが、自家培養による免疫細胞や幹細胞を用いた治療はいまだ黎明期であり不確実性が高く、今後の法令諸規則の制定・変更や治療効果等の動向によっては医療機関における治療件数の増加ペースが鈍化することもあり、その場合には当社の業績に影響を与える可能性があります。 (15) 創業者への依存について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社の代表取締役社長である中村孝人は、当社の創業者であり、設立以来40年以上にわたり、代表取締役社長として経営方針や事業戦略の立案・決定及び事業運営等において重要な役割を果たしております。当社グループでは、担当業務毎に取締役、執行役員、又は部長を配置し、適宜権限委譲を行うことで同氏に過度に依存しない経営体制を整備しております。しかしながら、何らかの理由により、同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (16) 大株主について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社の代表取締役社長である中村孝人、同氏の資産管理会社であるTAKAコーポレーション株式会社、配偶者・中村美千代、長男・中村雄一及び長女・中嶋久美子の保有株式は、当連結会計年度末現在で議決権の53.88%を保有しております。同氏は、引き続き安定株主として一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。しかしながら、将来的に何らかの事情により当社株式が上記大株主により売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況等に影響を与える可能性があります。 (17) 借入契約に係る財務制限条項について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループが取引金融機関との間で締結している借入金に係る契約のなかには、財務制限条項が付されているものがあります。当該財務制限条項に抵触した場合、貸付人からの請求があれば同契約上の期限の利益を喪失し、直ちに債務の弁済をするための資金確保が必要となるため、当社グループの資金繰りに影響を与える可能性があります。 (18) 海外事業展開に伴うカントリーリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、香港に持株会社を、中国上海に製造販売拠点を有しております。これらの海外市場への事業進出は、以下のような不測の事態が発生するリスクがあります。 ① 政情不安、反日感情の高まり及び経済環境の悪化 ② 優秀な労働力の不足、人件費の高騰、大規模な労働争議の発生 ③ 社会インフラの未整備に起因するエネルギー供給の不安定化 ④ テロ、戦争、暴動、自然災害、感染症の蔓延などによる社会的混乱 当社グループは、持株会社を有する香港並びに製造販売拠点の存する中国上海の情勢把握には常に注意を払い、損害を未然に防止できるよう努めておりますが、大規模な労働争議、テロ、戦争、暴動、自然災害、感染症の蔓延などの不測の事態が発生した場合には、当該地域における生産活動や販売活動の停止、現地資産の喪失などにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,182字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善やインバウンド消費の持ち直しを背景に緩やかな回復基調が続いたものの、物価上昇による実質所得の伸び悩みや、輸出の鈍化などから、先行きには不透明感が残る状況で推移しました。 海外経済においては、米国では雇用・消費は底堅く推移した一方、金融政策の不透明感や通商政策の影響が意識されました。また、中東では米国とイランの武力衝突を背景に地政学的リスクが高まり、エネルギー価格や国際物流、金融市場の変動性が増すなど、世界経済全体に不確実性をもたらしました。 再生医療業界においては、iPS細胞や遺伝子治療を中心に研究開発及び臨床応用が引き続き活発に行われ、細胞培養用培地など基盤製品の需要は中長期的に拡大傾向を示しました。一方、前連結会計年度において需要が大きく拡大した感染症関連製品については、その反動減が顕在化しました。 このような経済状況の中で、当社グループは感染症対策や再生医療の発展のために、経営理念に掲げる「顧客第一主義・品質第一主義」のもと、全従業員がグループ全体の更なる成長とステークホルダーへの貢献に努めております。 当連結会計年度におきましては、組織培養事業では計画を上回る実績を確保した一方、微生物事業における感染症関連製品の反動減、並びに細胞加工事業におけるインバウンド患者数の低迷が、全社業績を押し下げる結果となりました。 当連結会計年度の売上高は4,939百万円(前年同期比5.1%の減少)となり、営業利益は341百万円(前年同期比65.5%の減少)、経常利益は340百万円(前年同期比68.0%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は251百万円(前年同期比68.4%の減少)となりました。 セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。 (組織培養事業) 当連結会計年度における組織培養事業は、国内外で再生医療及び細胞治療分野の研究開発や臨床試験が継続的に進展したことを背景に、細胞培養用培地の需要が底堅く推移しました。特に、OEM培地の受注が好調に推移し、主要取引先向け販売の拡大が売上成長を牽引しました。 以上より、売上高は2,539百万円(前年同期比11.9%の増加)、セグメント利益(営業利益)は946百万円(前年同期比23.7%の増加)となり、組織培養事業は当社グループの中で最も安定した収益基盤として機能し、全社業績を下支えする結果となりました。 (微生物事業) 当連結会計年度における微生物事業は、病院等における臨床検査用途及び産業用途向け培地の需要は概ね安定して推移し計画水準を維持しました。一方、前連結会計年度に大きく伸長した新型コロナウイルス感染症及びインフルエンザ関連製品については、その反動により需要が減少し大幅に計画を下回りました。加えて、在庫廃棄や棚卸資産評価損を計上したことから、利益面では厳しい状況となりました。 この結果、売上高は1,424百万円(前年同期比20.1%の減少)、セグメント損失(営業損失)は94百万円(前年同期は441百万円の利益)となりました。 (細胞加工事業) 当連結会計年度における細胞加工事業は、国内患者向けの再生医療ニーズは一定程度維持されたものの、日中関係の悪化等を背景とした中国人来日者数の減少により、インバウンド患者数が低迷しました。これにより、外国人患者を中心とした細胞加工受託件数が計画を大きく下回りました。 この結果、売上高は974百万円(前年同期比15.6%の減少)、セグメント利益(営業利益)は79百万円(前年同期比74.5%の減少)となりました。 なお、当社グループでは、特定国やインバウンド患者への依存度を低減する方針のもと、国内医療機関向け受託の拡大、長期契約型案件の獲得、並びに受託プロセスの効率化を進めており、事業基盤の安定化を図っております。 当連結会計年度における当社グループの財政状態は以下のとおりであります。 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ798百万円減少の4,268百万円となりました。これは主に、工場新設用地の取得や新倉庫の建設費用等の支払いにより現金及び預金が663百万円減少したこと、及び売上高の減少により売掛金が212百万円減少したことによるものであります。また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ636百万円増加の4,636百万円となりました。これは主に、前述しました土地の取得及び新倉庫の完成により有形固定資産が544百万円増加したこと、及び投資有価証券が79百万円増加したことにより投資その他の資産が100百万円増加したことによるものであります。 この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ162百万円減少の8,904百万円となりました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ117百万円減少の2,369百万円となりました。これは主に、未払法人税等が92百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は前連結会計年度末に比べ207百万円減少の589百万円となりました。これは主に、長期借入金を150百万円、リース債務を53百万円それぞれ流動負債に振替えたことによるものであります。 この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ325百万円減少の2,959百万円となりました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ163百万円増加の5,945百万円となりました。これは主に、剰余金の配当122百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益251百万円の計上によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して463百万円減少の2,486百万円となりました。 当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果取得した資金は698百万円(前年同期比217百万円の収入減少)となりました。これは主に、売上債権の増減額306百万円(前年同期比333百万円の収入増加)があったものの、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度比683百万円減少の332百万円であったことや、法人税等の支払額227百万円(前年同期比26百万円の支出増加)の影響が大きかったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は867百万円(前年同期比223百万円の支出減少)となりました。これは主に、定期預金の預入・払出の純額200百万円があった一方で、新工場用地や新細胞加工施設に係る有形固定資産の取得による支出969百万円(前年同期比108百万円の支出増加)があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は320百万円(前年同期比1,696百万円の収入減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出150百万円(前年同期も同額の支出)及び配当金の支払額122百万円(前年同期比64百万円の支出増加)があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   生産高(千円)   前期比(%) 組織培養事業   1,159,101   12.7 微生物事業   952,165   △10.7 細胞加工事業   14,079   △21.1 合計   2,125,345   0.6 (注) 金額は、製造原価によっております。 b. 仕入実績 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(千円)   前期比(%) 組織培養事業   43,389   △61.3 微生物事業   207,298   11.2 細胞加工事業   -   - 合計   250,687   △16.0 (注) 金額は、仕入価格によっております。 c. 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   受注高(千円)   前期比(%)   受注残高(千円)   前期比(%) 組織培養事業   -   -   -   - 微生物事業   -   -   -   - 細胞加工事業   841,571   △22.8   59,175   △18.3 合計   841,571   △22.8   59,175   △18.3 (注) 組織培養事業及び微生物事業については見込生産であり、該当事項はありません。 d. 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   販売高(千円)   前期比(%) 組織培養事業   2,539,559   11.9 微生物事業   1,424,690   △20.1 細胞加工事業   974,775   △15.6 合計   4,939,025   △5.1 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度   当連結会計年度 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 康宁生命科学(吴江)有限公司   581,249   11.2   722,808   14.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③ 経営戦略の現状と見直し及び経営者の問題認識と今後の方針 経営戦略の現状と見通し及び経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ④ 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 財政状態 財政状態とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 b. 経営成績 (売上高) 売上高は、4,939百万円(前年同期比5.1%の減少)となりました。これは主に、前述のとおり、微生物事業では新型コロナウイルス感染症及びインフルエンザ関連製品売上が、細胞加工事業では外国人患者を中心とした細胞加工受託売上がそれぞれ減少したためであります。 (売上原価及び売上総利益) 売上原価は、3,081百万円(前年同期比8.5%の増加)となりました。売上原価率は62.4%となり、前連結会計年度と比して7.9%増加いたしました。これは主に、微生物事業において、前連結会計年度は新型コロナウイルス感染症関連棚卸資産の評価損の戻入207百万円があった一方で、当連結会計年度は棚卸資産評価損46百万円、棚卸資産廃棄損107百万円を計上したこと、及び原価構成要素として固定費割合の高い細胞加工事業の受託売上が伸び悩んだことによるものであります。 (販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益) 販売費及び一般管理費は、1,515百万円(前年同期比10.2%の増加)となりました。これは主に、新倉庫棟の建設によって減価償却費が増加したこと、技術移転費用等により研究開発費が増加したためであります。この結果、営業利益は341百万円(前年同期比65.5%の減少)となりました。 営業外損益は、持分法による投資利益33百万円と受取賃貸料11百万円の計上により営業外収益は59百万円となり、支払利息38百万円と支払補償費14百万円の計上により営業外費用は59百万円となりました。この結果、経常利益は340百万円(前年同期比68.0%の減少)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 特別損益は、補助金収入11百万円の計上により特別利益は11百万円となり、固定資産除却損10百万円及び投資有価証券評価損9百万円の計上により特別損失は20百万円となりました。法人税、住民税及び事業税を95百万円、法人税等調整額を△14百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は251百万円(前年同期比68.4%の減少)となりました。 ⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a. キャッシュ・フローの状況 キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b. 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,486百万円となっており、主に製品製造に必要な原材料の仕入及び生産設備の維持管理費用、従業員に支払う給与、各事業所等の賃借料等といった事業成長に伴う運転資金、並びに新規事業案件への投資に備えております。なお、資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。