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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

不二製油

FUJI OIL CO., LTD.2607 · Prime · 食料品

植物性油脂と業務用チョコレートで世界有数のメーカー。大豆加工素材にも強み。

概要

不二製油は1950年に伊藤忠商事の全額出資で設立された総合油脂メーカーである。大豆やパーム油を原料に、チョコレート用油脂・植物性クリーム・大豆たん白などの食品素材を製造し、製菓・製パン・冷菓業界へ業務用向けに供給する。連結売上高7,723億円、従業員5,891名のうち約7割が海外拠点で働く。世界3強の一角として欧米・アジアに生産網を持ち、持続可能な原料調達と植物性代替肉など新領域にも注力する。

植物性油脂、チョコレート、大豆加工を柱とする4事業

不二製油グループは、植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材の4つの報告セグメントで構成される。植物性油脂事業は食用加工油脂(マーガリン・ショートニング用等)、食用油、チョコレート用油脂を手掛け、2025年度のセグメント売上高は2,711億円とグループ全体の35%を占める。業務用チョコレート事業はクーベルチュールやコーティング用チョコレートを製菓・製パン業界に供給し、売上高は3,709億円と最大セグメントである。乳化・発酵素材事業はクリームやマーガリン、フィリングなどを、大豆加工素材事業は分離大豆たん白や水溶性大豆多糖類などを扱う。

海外展開が売上の7割超、欧米アジアに生産拠点

同社は1981年にシンガポールへ進出して以来、マレーシア、米国、ベルギー、中国、タイなどへ積極的に生産・販売拠点を拡大してきた。2025年度末時点で連結子会社39社、持分法適用会社5社を擁し、従業員5,891名のうち約7割が海外で勤務する。植物性油脂事業ではシンガポール、米国、欧州、ガーナなどに、業務用チョコレート事業ではインドネシア、マレーシア、オーストラリア、ブラジル、米国に拠点を持つ。2019年には米国大手チョコレートメーカーBlommer Chocolate Companyを買収し、北米市場での存在感を強めた。

原材料市況の影響を受けやすい収益構造

主要原料はパーム油、カカオ豆、大豆など農産物であり、その調達価格が収益に大きく影響する。2025年度はパーム油価格の上昇やカカオ豆価格の高騰により販売価格を引き上げた結果、売上高は前期比15.1%増の7,723億円となった。事業利益は361億円と同171.8%増加したが、Blommer Chocolate Companyの構造改革やのれん減損損失により親会社所有者帰属当期利益は111億円にとどまった。同社は中期経営計画「United for Growth 2027」を策定し、チョコレート用油脂など成長領域への集中投資とガバナンス強化を進めている。

伊藤忠商事を主要株主とするグループ体制

不二製油は伊藤忠商事の全額出資で設立され、現在も同社をその他の関係会社の親会社として原材料調達や製品販売の取引を行っている。2015年には持株会社体制へ移行し、商号を不二製油グループ本社株式会社に変更。2025年4月に完全子会社の不二製油株式会社を吸収合併し、再び商号を不二製油株式会社に戻した。グループ内には乳化・発酵素材を手掛ける株式会社フジサニーフーズやオーム乳業株式会社など、各セグメントに特化した子会社が存在する。

業界の中での役割は食品原料メーカー(油脂・チョコレート・大豆加工)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
7,723億円
営業利益
298億円
営業利益率
3.9%
純利益
111億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
業務用 チョコ レート3,709億円48.0%24億円0.6%
植物性油脂2,711億円35.1%334億円12.3%
乳化・発酵 素材974億円12.6%11億円1.1%
大豆加工 素材329億円4.3%-9億円-2.7%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01植物性油脂主力

食用加工油脂(マーガリン・ショートニング用等)、食用油、チョコレート用油脂の製造販売。製パン・製菓・外食産業向け。

主な製品・サービス3
食用加工油脂
マーガリン、ショートニング、フライ用油脂等。食品加工向け。
食用油
サラダ油、調合油等。家庭用・業務用。
チョコレート用油脂
カカオ脂代替油脂。チョコレートの口溶けや耐熱性を調整。

02業務用チョコレート主力

製菓・製パン向け業務用チョコレート(クーベルチュール、コーティング用等)の製造販売。

主な製品・サービス1
チョコレート(業務用)
クーベルチュール、チップ、コーティング用等。菓子・パン製造向け。

03乳化・発酵素材準主力

クリーム、マーガリン、フィリング、チーズ風味素材、豆乳加工品の製造販売。製パン・製菓・乳製品代替向け。

主な製品・サービス4
クリーム
ホイップクリーム、植物性油脂ベース。
マーガリン
製パン・製菓用マーガリン。
フィリング
パン・菓子の中身用クリーム。
USS製法による豆乳加工品
豆乳ベースのヨーグルトやクリーム代替品。

04大豆加工素材準主力

大豆たん白素材(分離大豆たん白等)、大豆たん白食品、水溶性大豆多糖類の製造販売。食品加工・健康食品向け。

主な製品・サービス3
大豆たん白素材
分離大豆たん白、濃縮大豆たん白等。肉・魚加工品、健康食品向け。
大豆たん白食品
豆腐、油揚げ、納豆等。家庭用・業務用。
水溶性大豆多糖類
食物繊維素材。乳製品や飲料の安定剤等。

製品と技術

用途に応じて油脂の特性を設計するチョコレート用油脂

チョコレート用油脂は、カカオ脂の代替や調整を目的とした油脂で、製品の口溶け、耐熱性、光沢などを制御する。1955年に日本初のハードバター「メラノバター」を開発して以来、製菓・製パン業界向けに幅広いラインナップを持つ。コンパウンドチョコレート用油脂やカカオ脂代用油脂(CBE)が主力で、2025年度の植物性油脂セグメント事業利益は334億円とグループ利益の大半を占めた。この技術はBlommer Chocolate Companyなど買収先でも活用され、グローバルな競争優位の源泉となっている。

植物性クリームと発酵技術を応用した乳化・発酵素材

1967年に植物性クリームの生産を開始し、ホイップクリームや製パン・製菓用マーガリン、フィリングなどを展開する。特徴的なのがUSS製法(超微細大豆粉砕技術)を用いた豆乳加工品で、豆乳ベースのヨーグルトやクリーム代替品を提供している。2025年度の乳化・発酵素材事業売上高は974億円。子会社の株式会社フジサニーフーズやオーム乳業株式会社が製造を担い、乳製品代替や健康志向の需要に対応している。

大豆たん白から水溶性多糖類まで、大豆の全成分を活かす

大豆加工素材事業は、1967年に大阪工場に大豆たん白分離設備を設置して始まった。主力は分離大豆たん白や濃縮大豆たん白で、肉・魚加工品の結着材や健康食品の原料として使われる。また、水溶性大豆多糖類は食物繊維素材として乳製品や飲料の安定剤に利用される。2025年度の売上高は329億円だが、機能剤の販売減少により減収となった。ドイツのFuji Brandenburg GmbHでは大豆たん白関連の研究開発・生産を行っている。

世界3強の一角を占める業務用チョコレート

業務用チョコレート事業では、クーベルチュール、チップ、コーティング用チョコレートなどを製菓・製パン業界に供給する。1963年に洋生菓子用チョコレートの販売を開始し、その後も技術開発を進めてきた。2019年のBlommer Chocolate Company買収により、北米での生産能力と顧客基盤を獲得。2025年度のセグメント売上高は3,709億円とグループ最大だが、Blommerの構造改革やカカオ価格高騰の影響で事業利益は24億円にとどまった。グループ全体のチョコレート事業は、世界の業務用チョコレート市場でトップ3の一角とされる。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

食料品のなかでの位置

油脂・食品素材で中位、収益回復途上

食料品業界で、製粉大手の日清製粉などと異なり、油脂製品や食品素材を中心に展開。売上高は2026年3月期に7723億円まで伸びるが、営業利益率は3.9%と低水準。パーム油などの原料高と競争激化で利益が圧迫されたが、構造改革で回復基調。ライバルの日清製粉は規模が大きく収益性も高いため、差別化が必要。チョコレート用油脂や植物性タンパクなど高付加価値分野に注力し、収益改善を目指す。海外展開も積極的で、成長市場でのシェア拡大が課題。

強み

  • チョコレート用油脂など特定分野で世界シェア上位の製品を持つ。
  • アジアを中心に海外売上比率が高く、成長市場を取り込む。
  • 植物性タンパクなど新規分野に進出し、事業ポートフォリオを拡大。
  • 素材開発に強みを持ち、独自技術で差別化を図っている。

課題

  • 過去の利益率低下から回復途上だが、目標水準には未達。
  • パーム油など原材料価格の変動が大きく、コスト管理が課題。
  • 日清製粉など大手との競争で、価格競争に巻き込まれるリスクがある。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

食品・飲料の時価総額近傍。太字が不二製油

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
12871ニチレイ5,534億円19.7倍
24401ADEKA4,806億円16.7倍
32531宝ホールディングス4,273億円35.8倍
42222寿スピリッツ4,211億円33.3倍
52229カルビー4,144億円22.1倍
62607不二製油4,080億円35.9倍
71332ニッスイ4,027億円14.3倍
82810ハウス食品グループ本社3,868億円49.3倍
93397トリドールホールディングス3,839億円199.4倍
108242エイチ・ツー・オー リテイリング3,667億円11.6倍
117581サイゼリヤ3,638億円28.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(食品・飲料)に従っています。

会社の歴史

沿革 50件

伊藤忠商事の出資で創業、圧抽式製油を実現した1950年代

1950年10月、伊藤忠商事の全額出資(資本金300万円)により不二製油株式会社を設立し、不二蚕糸株式会社の大阪工場を買収した。翌1951年には圧搾工場を新設し、日本初の圧抽式製油に成功。さらに1954年には日本で初めて本格的なパーム核油搾油を開始した。1955年には神戸工場を建設し、大阪工場に油脂溶剤分別装置を完成させ、日本初のハードバター「メラノバター」の製造を開始した。この時期に油脂加工の基礎技術を確立し、後の事業拡大の基盤を築いた。

上場と事業多角化、大豆たん白事業への進出

1961年10月に大阪証券取引所市場第二部に上場。1963年には洋生菓子用チョコレートの販売を開始し、1967年には植物性クリームの生産と大豆たん白分離設備の完成による大豆たん白事業に参入した。1973年には大阪証券取引所市場第一部に指定替えされ、1978年には東京証券取引所市場第一部にも上場した。この間、1969年から1971年にかけて阪南工場を建設し、大阪工場を閉鎖・移転。1974年には本社を大阪市南区に移転した。

アジア・欧米への海外生産拠点の設立

1981年にシンガポールにFUJI OIL (SINGAPORE) PTE. LTD.を設立したのを皮切りに、1986年マレーシア、1987年米国、1988年シンガポール(食品工場)、1992年ベルギーと次々に海外子会社を設立した。1995年には中国に不二製油(張家港)有限公司を設立。2004年には中国に天津不二蛋白有限公司を設立し、大豆たん白事業の海外拠点を拡大した。2010年タイ、2015年シンガポールにアジアR&Dセンターを開設するなど、アジア地域での体制を強化した。

大規模M&Aで存在感を高めた2010年代後半

2015年にブラジルのHARALD INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS LTDAの株式を取得し、南米市場へ参入。2016年にはマレーシアのチョコレート会社FUJI GLOBAL CHOCOLATE (M) SDN. BHD.を買収。2018年には米国にFuji Oil New Orleans, LLCを設立し、オーストラリアのINDUSTRIAL FOOD SERVICES PTY LIMITEDの株式を取得。2019年には米国大手チョコレートメーカーBlommer Chocolate Companyを買収し、北米における業務用チョコレート事業を大幅に拡大した。同年ドイツにもFuji Brandenburg GmbHを設立した。

持株会社制への移行と再統合

2015年10月、商号を不二製油グループ本社株式会社に変更し、新設承継会社として不二製油株式会社を設立する持株会社体制へ移行した。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しによりプライム市場に移行。2025年3月、米国の合弁会社Fuji Oil International Inc.を完全子会社化。2025年4月には完全子会社の不二製油株式会社を吸収合併し、商号を再び不二製油株式会社に戻した。同日、フランスのPROVENCE HUILES S.A.Sの株式を取得し、欧州での植物油事業を強化した。

年表50件を開く

1950年代

  • 1950年10月創業伊藤忠商事株式会社の全額出資(資本金300万円)による不二製油株式会社を設立し、不二蚕糸株式会社大阪工場を買収。
  • 1951年2月圧搾工場を新設してコプラの製油を開始、我が国最初の圧抽式製油に成功。
  • 1953年11月本社を大阪工場所在地から大阪市東区安土町(現 大阪市中央区安土町)に移転。
  • 1954年1月我が国最初の本格的パーム核油搾油を開始。
  • 1955年8月神戸工場を建設し操業を開始。
  • 1955年9月大阪工場に油脂溶剤分別装置を完成し、我が国最初のハードバター(商品名 メラノバター)の製造を開始。

1960年代

  • 1961年10月上場株式を大阪証券取引所市場第二部に上場。
  • 1963年2月洋生菓子用チョコレートの販売開始。
  • 1967年4月植物性クリームの生産開始。
  • 1967年12月大阪工場に大豆たん白分離設備を完成し、大豆たん白事業を開始。
  • 1968年4月泉佐野食品コンビナートに約192千平方メートルの工場建設用地を取得。
  • 1969年4月阪南工場第1期工事完了、操業を開始。

1970年代

  • 1971年4月阪南工場第2期工事完了、操業拡大。大阪工場の移転を完了し、閉鎖。
  • 1973年2月大阪証券取引所市場第一部に指定。
  • 1974年7月本社(大阪支店)を大阪市南区八幡町(現 大阪市中央区西心斎橋)に移転。
  • 1978年10月上場東京証券取引所市場第一部に上場。

1980年代

  • 1981年10月創業シンガポールにFUJI OIL (SINGAPORE) PTE. LTD.を設立。
  • 1986年10月創業マレーシアにPALMAJU EDIBLE OIL SDN. BHD.を設立。
  • 1987年6月米国に海外子会社FUJI SPECIALTIES, INC.及び同社の子会社FUJI VEGETABLE OIL, INC.を設立。
  • 1988年5月創業シンガポールにWOODLANDS SUNNY FOODS PTE. LTD.を設立。

1990年代

  • 1990年2月つくば研究開発センターの業務開始。
  • 1992年2月創業ベルギーにVAMO-FUJI SPECIALITIES,N.V.(現 FUJI OIL EUROPE)を設立。
  • 1994年10月関東工場を建設し、操業を開始。
  • 1995年12月創業中国に不二製油(張家港)有限公司を設立。
  • 1999年2月阪南事業所内のセンタービル(1998年10月完成)に本社事務所を移転。

2000年代

  • 2001年8月関東工場内にチョコレート工場を建設し、操業を開始。
  • 2004年8月創業中国に天津不二蛋白有限公司を設立。
  • 2005年12月りんくう工場を建設し、操業を開始。
  • 2006年5月千葉工場を建設し、操業を開始。

2010年代

  • 2010年2月創業タイにFUJI OIL (THAILAND) CO., LTD.を設立。
  • 2012年3月創業シンガポールにアジア地域統括会社 FUJI OIL ASIA PTE. LTD.を設立。
  • 2014年7月本社を大阪府泉佐野市に移転。
  • 2015年1月創業中国に不二(中国)投資有限公司を設立。
  • 2015年3月シンガポールにアジアR&Dセンターを開設。
  • 2015年6月HARALD INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS LTDAの株式を取得。
  • 2015年10月創業商号を「不二製油グループ本社株式会社」に変更し、新設承継会社として「不二製油株式会社」を設立。
  • 2016年8月FUJI GLOBAL CHOCOLATE (M) SDN. BHD.の株式を取得。
  • 2016年8月阪南事業所内に不二サイエンスイノベーションセンターを開設。
  • 2017年4月創業中国に不二製油(肇慶)有限公司を設立。
  • 2017年11月創業マレーシアにUNIFUJI SDN. BHD.を設立。
  • 2018年3月創業米国にFuji Oil New Orleans, LLCを設立。
  • 2018年7月INDUSTRIAL FOOD SERVICES PTY LIMITEDの株式を取得。
  • 2019年1月Blommer Chocolate Company(現 Blommer Chocolate Company, LLC)の株式を取得。
  • 2019年7月創業ドイツにFuji Brandenburg GmbHを設立。

2020年代

  • 2022年4月米国に合弁会社Fuji Oil International, Inc.を設立。
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。
  • 2022年5月米国の合弁会社Fuji Oil International, Inc.が現物出資を受け、米国のOilseeds International, Ltd.(現 Oilseeds International, LLC)の株式を取得。
  • 2025年3月M&AFuji Oil International Inc.の株式を追加取得し、同社を完全子会社化。
  • 2025年4月M&A完全子会社の不二製油株式会社を吸収合併し、商号を「不二製油株式会社」に変更。
  • 2025年4月PROVENCE HUILES S.A.Sの株式を取得。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    安定収益と競争力強化

    成長領域である植物性油脂事業と業務用チョコレート事業の収益力を安定化し競争力を強化する。原料ボラティリティに対して多様な原料活用とサプライチェーン強化で安定供給と品質を両立。原料段階からの付加価値化や機能性高度化により価格競争に依存しない収益構造を構築する。

  2. 02

    サステナブル調達とトレーサビリティ対応

    環境・人権に配慮した原料調達体制を構築し、顧客要請や各国規制動向に対応することでグローバル市場での信頼性と競争力を高める。特にチョコレート用油脂(CBE)においてサプライチェーン全体のサステナビリティ向上を図る。

  3. 03

    チョコレート事業の収益改善

    ピュアチョコレート比率が高いBlommerにおいて、カカオ豆価格変動への対応として原料産地の多角化、適正在庫管理を徹底。カナダ工場の増産を含むコンパウンドチョコレートの増産・拡販により収益バランスを改善する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で5,891人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は833万円で、9期前と比べて8.4%平均年齢は41.0歳、平均勤続年数は16.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月5,056
2018年3月5,092
2019年3月90944.016.05,963
2020年3月95743.016.05,874
2021年3月96543.016.05,679
2022年3月94943.016.05,623
2023年3月94144.015.05,799
2024年3月94043.015.05,731
2025年3月99543.015.05,654203
2026年3月83341.016.05,891506

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率16.3%
縦線は目安の30%
男性育休取得率89.5%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)75.3%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社30(国内 4 / 海外 26、うち連結子会社 12) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
阪南事業所 — 大阪府泉佐野市他396億円
植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材
本社工場 — ブラジル サンパウロ州132億円
業務用チョコレート
イーストグリーンビル工場 — 米国イーストグリーンビル111億円
業務用チョコレート
キャンベルフォード工場 — カナダ キャンベルフォード108億円
業務用チョコレート
本社工場 — 米国サバナ9,909百万円
植物性油脂
本社工場 — ドイツ ゴルセン7,868百万円
大豆加工素材
ユニオンシティ工場 — 米国ユニオンシティ7,237百万円
業務用チョコレート
千葉工場 — 千葉市美浜区7,047百万円
植物性油脂、乳化・発酵素材、大豆加工素材
関東工場 — 茨城県笠間市6,407百万円
業務用チョコレート、乳化・発酵素材
本社工場 — ベルギー ゲント5,998百万円
植物性油脂、業務用チョコレート
ほか15件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    ㈱フジサニーフーズ
    大阪府吹田市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    FUJI OIL ASIA PTE. LTD. (注)1
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    FUJI OIL (SINGAPORE) PTE. LTD. (注)1、2
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    WOODLANDS SUNNY FOODS PTE. LTD. (注)2
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    PALMAJU EDIBLE OIL SDN BHD (注)1、2
    マレーシア ジョホール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    FUJI OIL (THAILAND) CO., LTD. (注)1、2
    タイ ラヨーン県 · 連結子会社
    議決権90.0%
  • 海外
    PT. FREYABADI INDOTAMA (注)2
    インドネシア プルワカルタ · 連結子会社
    議決権51.0%
  • 海外
    FUJI GLOBAL CHOCOLATE (M) SDN. BHD. (注)2
    マレーシア ジョホール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    INDUSTRIAL FOOD SERVICES PTY LIMITED
    オーストラリア ビクトリア州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    不二(中国)投資有限公司(注)1
    中国上海市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    不二製油(張家港)有限公司(注)1、2
    中国江蘇省 · 連結子会社
    議決権98.1%
  • 海外
    不二製油(肇慶)有限公司(注)1、2
    中国広東省 · 連結子会社
    議決権98.1%
残りのグループ会社18社を開く
  • 天津不二蛋白有限公司中国天津市100%
  • Blommer Chocolate Manufacturing (Shanghai) Co., Ltd. (注)1、2中国上海市100%
  • FUJI SPECIALTIES, INC. (注)1米国 デラウエア州100%
  • Fuji Oil International Inc. (注)1、2米国 デラウエア州100%
  • FUJI VEGETABLE OIL, INC. (注)1、2米国 ニューヨーク州100%
  • HARALD INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS LTDA (注)1、2ブラジル サンパウロ州100%
  • Blommer Chocolate Company, LLC (注)2、4米国 イリノイ州100%
  • FUJI OIL EUROPE (注)1、2ベルギー ゲント100%
  • FUJI OIL GHANA LIMITED (注)2ガーナ テチマン100%
  • Fuji Brandenburg GmbHドイツ ゴルセン100%
  • PROVENCE HUILES S.A.Sフランス ヴィトロル100%
  • PT. MUSIM MAS-FUJI (注)2インドネシア ブカシ49%
  • UNIFUJI SDN. BHD. (注)2マレーシア ペラック50%
  • RITO Partnership (注)2米国 アーカンソー州50%
  • FREYABADI (THAILAND) CO., LTD. (注)2タイ ラヨーン県50%
  • JPG FUJI SDN.BHD. (注)2マレーシア ジョホール49%
  • 伊藤忠フードインベストメント(同)東京都港区43%
  • 伊藤忠商事㈱(注)2、3大阪市北区44%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発データ駆動型統合バイオ生産マネジメントシステム(Data-driveniBMS)の研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-08-07
    500万円
  • 調達
    カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発データベース空間からの新規酵素リソースの創出
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-07-31
    150万円
  • 調達
    カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発データベース空間からの新規酵素リソースの創出
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-08-05
    150万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は7,723億円営業利益298億円前期と比べると増収増益で、売上が+15.1%、利益が+159.1%。

売上高
+15.1%
7,723億円
営業利益
+159.1%
298億円
純利益
+184.6%
111億円
営業利益率
3.9%
前期比 +2.1%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高7,540億円7,723億円
営業利益298億円
純利益195億円111億円
1株あたり配当¥62¥62

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は1,798億円、営業利益は89億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+37.1%、営業利益は+147.2%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q1,279241.919
2023年2Q1,405271.913
2023年3Q1,483372.519
2024年1Q1,311362.791
2024年2Q1,399523.733
2024年3Q1,505412.7−74
2025年2Q3,160471.510
2026年2Q3,7571393.785
2026年4Q3,9661594.026
2027年1Q1,798894.956

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は2,322億円から7,723億円へ3.3倍に増えた。直近期の営業利益率は3.9%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月2,32213883
2014年3月2,53014882
中国に不二(中国)投資有限公司を設立。
2015年3月2,71913493
阪南事業所内に不二サイエンスイノベーションセンターを開設。
2016年3月2,87514192
中国に不二製油(肇慶)有限公司を設立。
2017年3月2,925197121
米国にFuji Oil New Orleans, LLCを設立。
2018年3月3,076200137
ドイツにFuji Brandenburg GmbHを設立。
2019年3月3,008182116
2020年3月4,147224164
2021年3月3,648176110
米国に合弁会社Fuji Oil International, Inc.を設立。 / この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2022年3月4,338144115
2023年3月5,5749761
2024年3月5,64116865
Fuji Oil International Inc.の株式を追加取得し、同社を完全子会社化。
2025年3月6,712115691.739
2026年3月7,7232982343.9111

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高7,723億円のうち、営業利益として残るのは298億円3.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は111億円、売上の1.4%にあたる。営業利益率は業種中央値4.1%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金85.6%6,614億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金10.0%776億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益3.9%298億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
14.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比0.3pt
3.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比1.8pt
1.4%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比2.3pt
5.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
1.7%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが548億円、投資CFが−468億円で、差し引きのフリーCFは80億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は468億円で、売上の0.7ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月187−86−45101188
2014年3月138−69−12869146
2015年3月145−140−335127
2016年3月160−348240−188167
2017年3月165−138−5727127
2018年3月282−145−135137130
2019年3月226−791655−565212
2020年3月371−183−207188186
2021年3月382−174−199208205
2022年3月35−18894−153159
2023年3月76−16598−89190
2024年3月48288−500570285
2025年3月−488−2181,132−706708
2026年3月548−468−38680468

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は6,369億円。このうち返さなくてよい自己資本が2,402億円で、自己資本比率は37.7%(業種中央値56.8%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月1,9711,21575658.5
2014年3月2,0221,35167163.3
2015年3月2,2361,50872865.1
2016年3月2,6691,4881,18153.3
2017年3月2,7211,5551,16655.4
2018年3月2,7071,6491,05859.2
2019年3月3,9051,5922,31340.1
2020年3月3,6741,5802,09442.3
2021年3月3,5851,6291,95644.6
2022年3月4,1661,8952,27144.7
2023年3月4,6882,1102,57843.3
2024年3月4,7722,2052,56746.2
2025年3月5,9712,0693,86234.7
2026年3月6,3692,4023,92537.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
468億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1,578億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
3,925億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
53
/ 100
安定性自己資本比率25 / 40
収益力営業利益率8 / 30
現金創出営業CFの黒字継続20 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

食料品 123社との比較

同じ食料品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率123社中10位あたり、逆に低いのは自己資本比率123社中108位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
5.0%/中央値 7.3%
P25 3.7%P75 11.4%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
3.9%/中央値 4.1%
P25 2.7%P75 7.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
37.7%/中央値 56.8%
P25 46.5%P75 67.3%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
15.1%/中央値 3.4%
P25 0.7%P75 6.3%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
1.3%/中央値 2.3%
P25 1.5%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥4,659で、1年前と比べて+28.5%過去52週の値幅のなかでは94%の位置にある。

¥4,659-1.5%1ヶ月+20.1%1年+28.5%時価総額4,080億円
過去52週の値幅
安値¥3,041高値¥4,760

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)35.9倍
PER (会社予想)20.5倍
PBR1.62倍
配当利回り1.33%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は7月中旬の4096円から8月10日に4457円へ急伸し、8月21日は4612円と、1カ月で20.6%上昇。25日移動平均線(4153円)を大きく上回り、52週高値(4698円)には約2%と接近。RSIは81.4と買われ過ぎの水準だが、出来高も8月10日に102万株と急増し、上昇トレンドが続く。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 35/100)

PERは35.56倍と業界平均28.64倍を上回り、予想20.3倍でも高め。PBRは1.6倍で平均1.63倍とほぼ同水準。ROEは5%と低く収益性が課題。配当利回り1.34%は平均2.22%を下回り、配当性向5.71%と極めて低い。業績は増収だが利益は低調で、割高感がある。

指標この会社業種平均
PER (実績)35.9倍28.6倍
PER (予想)20.5倍
PBR1.62倍1.63倍
ROE5.0%7.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

収益性の改善が急務で、原材料費高騰と減益からの反転が焦点です。強気派は、海外需要の拡大や植物性代替肉など新領域の成長で、売上高が2026年3月期に7723億円へ増加する見通しを評価します。また、中期計画で利益率の改善を目指し、コスト削減や高付加価値製品へのシフトが進めば、収益が回復する可能性があります。一方、弱気派は、営業利益率が3.9%と低く、原料価格の高止まりや販売競争の激化で利益改善が遅れるとみます。また、海外事業の収益貢献が限定的で、ROEが5%と資本効率の低さも懸念されます。

プラスに働く材料7
  • 売上高の拡大傾向

    2026年3月期に7723億円と2期連続で増収見通し

  • 新領域の成長

    植物性代替肉などで新たな需要を開拓する可能性

  • 利益率の改善余地

    コスト削減と高付加価値品シフトで収益改善が期待

  • 営業利益298億円へ前期比159%増益通年影響

    2026/3期営業利益は298億円で前期比183億円増。収益回復が鮮明

  • 営業利益率3.86%へ2.15pt改善通年影響

    営業利益率は1.71%から3.86%へ上昇。売上高7,723億円に対し利益率1%改善は約77億円の増益効果

  • 売上高7,723億円で3期連続増収通年影響

    売上高は5,641→6,712→7,723億円と3期連続増加。安定成長を評価

  • 純利益111億円へ前年度比72億円増通年影響

    純利益は39億円から111億円へ72億円増加。増益ペースが加速

マイナスに働く材料7
  • 低い収益性

    営業利益率3.9%と業界水準を下回る収益力

  • 原材料費の高止まり

    大豆や油脂の価格高騰が利益を圧迫する

  • 資本効率の低さ

    ROE5%と株主資本を有効活用できていない

  • ROE5%と低収益性でPBR1.47倍継続影響

    ROE5%に対してPBR1.47倍は高く、資本効率改善がなければ見直し余地

  • 純利益111億円は純利益率1.4%通年影響

    売上高7,723億円に対し純利益111億円、純利益率1.4%と利益率が極端に低い

  • 配当利回り1.51%と株主還元の弱さ継続影響

    配当利回り1.51%はインカム需要を喚起できず、株価の上値を抑える

  • 予想PER達成には純利益199億円が必要決算発表後影響

    予想PER18.1倍の達成には純利益約199億円が必要で、111億円からの大幅増益が前提

次の決算で確かめる点
営業利益率
コスト転嫁と収益改善の進捗を測る最重要指標
海外売上高比率
海外事業の成長と収益貢献度を確認する
大豆たん白の販売量
新領域の需要拡大が実現しているかを見る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり62で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは1.33%。

年間配当
¥62
1株あたり
配当利回り
1.33%
いまの株価に対して
配当性向
5.7%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月4446.0
2018年3月489.162.1
2019年3月504.268.2
2020年3月5612.053.6
2021年3月52−7.1148.1
2022年3月520.0181.4
2023年3月520.0269.4
2024年3月520.0
2025年3月520.0
2026年3月520.05.7

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥62

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ25,858人。区分でいちばん多いのは事業法人49.8%。グループ会社や銀行などの安定株主が67.4%を占め、残る32.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
事業法人44.545.949.349.450.549.8
金融機関28.325.122.921.819.917.6
外国法人13.312.59.812.012.915.0
個人・その他13.315.716.915.614.113.4
証券会社0.60.81.21.22.64.2
自己株式1.71.71.71.71.71.5
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01伊藤忠フードインベストメント合同会社41.86
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)6.86
03日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)6.40
04モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社2.42
05株式会社ロイズコンフェクト1.83
06不二製油取引先持株会1.69
07MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)1.47
08伊藤忠商事株式会社1.30
09日本生命保険相互会社1.26
10GOVERNMENT OF NORWAY (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)1.22

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-08-20
    伊藤忠フードインベストメント合同会社
    新規の大量保有報告
    43.16%
  • 2026-08-20
    伊藤忠フードインベストメント合同会社
    変更報告
    43.16%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+34%、1株純資産は14期で+108%。直近期のROEは5.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月971,3427.615.126.9
2014年3月951,4906.713.934.7
2015年3月1091,6946.817.645.0
2016年3月1071,6566.418.950.2
2017年3月1411,7548.318.546.0
2018年3月1601,8648.820.162.1
2019年3月1351,8207.328.168.2
2020年3月1911,80910.513.753.6
2021年3月1281,8627.023.1148.1
2022年3月1342,1686.614.8181.4
2023年3月712,3593.127.0269.4
2024年3月762,5653.031.5
2025年3月452,4071.868.1
2026年3月1302,7935.027.75.7

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2026/3期の役員報酬は総額282百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約6倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
大森達司代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)6617,000
田中寛之取締役 上席執行役員 最高執行責任者(COO)5811,000
前田淳取締役 上席執行役員 最高財務責任者(CFO)584,000
梅原俊志取締役(注)1691,000
辻智子取締役(注)1701,000
中川理惠取締役(注)1581,000
立川義大取締役(注)155
十河哲也取締役(注)166
戸川雄介取締役 常勤監査等委員623,000
池田裕彦取締役 監査等委員(注)166
谷保廣取締役 監査等委員(注)169

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4114522018747
社外取締役870709
取締役(社内)1252525

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,457字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社41社(うち連結子会社39社)、関連会社6社(うち持分法適用会社5社)、その他の関係会社1社及びその他の関係会社の親会社1社で構成され、植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材の製造販売を主として行っており、さらに各事業に関連する物流及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。 また、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。 報告セグメント   主要な製品   主要な会社 植物性油脂   ・食用加工油脂 ・食用油 ・チョコレート用油脂   ・不二製油(株) ・FUJI OIL ASIA PTE. LTD. ・FUJI OIL (SINGAPORE) PTE. LTD. ・PALMAJU EDIBLE OIL SDN. BHD. ・不二(中国)投資有限公司 ・不二製油(張家港)有限公司 ・FUJI SPECIALTIES, INC. ・FUJI VEGETABLE OIL, INC. ・Fuji Oil International Inc. ・Oilseeds International, LLC ・FUJI OIL EUROPE ・FUJI OIL GHANA LIMITED ・UNIFUJI SDN. BHD. ・RITO Partnership ・PROVENCE HUILES S.A.S 業務用チョコレート   ・チョコレート   ・不二製油(株) ・PT. FREYABADI INDOTAMA ・FUJI GLOBAL CHOCOLATE (M) SDN. BHD. ・INDUSTRIAL FOOD SERVICES PTY LIMITED ・不二(中国)投資有限公司 ・不二製油(張家港)有限公司 ・Blommer Chocolate Manufacturing (Shanghai) Co., Ltd. ・HARALD INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS LTDA ・Blommer Chocolate Company, LLC ・FUJI OIL EUROPE 乳化・発酵素材   ・クリーム ・マーガリン ・フィリング ・チーズ風味素材 ・USS製法による豆乳加工品  及びプレミアム豆乳製品   ・不二製油(株) ・(株)フジサニーフーズ ・オーム乳業(株) ・FUJI OIL ASIA PTE. LTD. ・WOODLANDS SUNNY FOODS PTE. LTD. ・FUJI OIL (THAILAND) CO., LTD. ・不二(中国)投資有限公司 ・不二製油(張家港)有限公司 ・不二製油(肇慶)有限公司 大豆加工素材   ・大豆たん白素材 ・大豆たん白食品 ・水溶性大豆多糖類   ・不二製油(株) ・(株)フジサニーフーズ ・天津不二蛋白有限公司 ・Fuji Brandenburg GmbH 以上のほか、その他の関係会社の親会社である伊藤忠商事㈱とは、主に不二製油㈱が原材料等の購入及び製品販売等の取引を行っております。 以上に述べた当社グループの事業系統図は次のとおりです。(2026年3月31日現在)
経営方針・対処すべき課題8,941字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが入手可能な情報に基づき作成したものです。実際の成果や業績は、今後様々な要因によって、記載されている内容とは異なる可能性があります。 (1)経営の基本方針 当社グループは、食品企業としての責任を強く自覚し、私たちの使命、目指す姿、行動する上で持つべき価値観、そして行動原則を明文化した「不二製油グループ憲法」を経営の基本方針として掲げております。本憲法は、グループ社員全員の価値観の共有化を図るとともにグループガバナンスの基本であり、判断・行動の優先基準付けの拠り所となるものです。当社グループは、「不二製油グループ憲法」のミッション「私たち不二製油グループは、食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康に貢献します。」を会社運営の基本方針としています。 当社グループは創業以来、植物性素材のもつ可能性を追求し、おいしいもの、体によいものをお届けしたいという想いで製品を生み出し、価値を提供してきました。「不二製油グループ憲法」のミッションの下、当社グループが目指す姿として「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」をビジョンとし、社会課題の解決と持続的な成長を目指しています。 社員一人一人が本憲法に示されているバリュー(価値観)を共有し、プリンシプル(行動原則)を実践することで、ビジョンを実現し、全てのステークホルダーに対する貢献を果たしてまいります。 <不二製油グループ憲法> (2)ビジョン実現に向けた考え方 食が消費者に届くまでには、複雑なサプライチェーンと多くのステークホルダーが関与しています。食の社会課題の解決には、一社のみならず消費者も含めたバリューチェーン全体で価値向上に取り組むことが重要です。当社グループは食のバリューチェーンにおける川中の機能を担い、研究開発や生産活動を通して、顧客とその先の消費者の困りごとに対するソリューションの提供に努めています。 当社グループは心身の健康・地球環境問題・人権等、食のバリューチェーン上の社会課題を機敏に捉え、当社の提供価値につながるESGマテリアリティを特定し、経営戦略の立案・推進に活用しています。 経営戦略に基づき、財務資本、製造資本、人的資本等、当社グループが有する経営資本を活用し、4つの事業が持つ強みを組み合わせて、当社グループならではの植物性素材を創出しています。この植物性素材により食の選択肢を広げ“おいしさと健康”“サステナブルな食のバリューチェーン”を構築することが、当社グループの提供価値であると考えています。 そして、当社グループの提供価値が顧客価値=消費者価値となり、獲得した利益やキャッシュ・フローは食のバリューチェーン全体のサステナビリティ向上に寄与する当社グループの持続的な成長を支える財務基盤の強化に資するとともに、提供価値の拡大及び新たな価値の創出のために再投資しています。 当社グループは価値創造プロセスの循環を通じ、持続的な成長を果たし、「サステナブルな食の未来」の実現を目指しています。 当社グループの経営資本は以下のとおりです。 “財務資本”とは、当社グループの事業活動により獲得した利益やキャッシュ・フローを持続的な企業価値向上へ向けて再投資することで構築される財務基盤です。2025年度において親会社の所有者に帰属する持分は2,401億59百万円、有利子負債は2,683億81百万円、営業キャッシュ・フローは548億40百万円の収入となりました。 詳細は「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」及び「第5 経理の状況」に記載のとおりです。 “製造資本”とは、当社グループの安全・安心で安定した品質の製品を生産、顧客に提供するための製造拠点・製造能力です。2026年3月末時点においては、連結子会社39社、持分法適用会社5社がグループの生産を支えています。また、2025年度の設備投資額は292億25百万円となりました。 詳細は「第1 企業の概況 3 事業の内容」、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」及び「第3 設備の状況」に記載のとおりです。 “人的資本”とは、当社グループの企業活動を支え、持続的な成長を支える人材です。2026年3月末時点で連結従業員5,891名となり、うち約7割が海外拠点で働く従業員となりました。詳細は「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」及び「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)戦略」に記載の、人的資本に関する当社の考え方及び取組をご覧ください。 “知的資本”とは、当社グループの技術革新と社会課題に貢献する製品の創出を支える研究成果と技術力です。2025年度の研究開発費は70億77百万円となりました。特許ポートフォリオ等の研究開発活動に関する情報は「6 研究開発活動」に記載のとおりです。 “社会・関係資本”とは、食のバリューチェーンの川中に位置する存在として構築してきた、ステークホルダーとの共創関係です。ステークホルダーとの共創の詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)不二製油グループのサステナビリティ経営」に記載のとおりです。 “自然資本”とは、エネルギーや水、生態系サービス(注)などの自然の恩恵を受けて生産されるパーム、カカオ、大豆、シアカーネル等の農産物原料を指します。当社グループの事業活動はこうした自然や生態系サービスに依存するとともに、その利用を通じて環境や生態系に負の影響を及ぼす可能性があります。当社グループは環境負荷の低減や持続可能な調達の推進を通じて、自然資本の保全と回復に努めています。 詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4)リスク管理 ② 環境マネジメント」に記載のとおりです。 (注)生態系サービス:食料や水の供給、気候の安定等、生物多様性を基盤とする生態系から得られる恵み ① 不二製油グループの強み 当社グループは創業当初から、南方系油脂と大豆たん白を中核に「植物性素材」にこだわり、パーム、カカオ、大豆を主原料とした技術の深掘りと横展開で植物性油脂事業、業務用チョコレート事業、乳化・発酵素材事業、大豆加工素材事業を発展させてきました。当社グループは、その歴史の中で培った各事業固有の技術で製品を創出するのみならず、各事業の持つ技術の融合により事業の垣根を越えた新しい、安全・安心で安定した品質の製品を生み出しています。 また、創業の精神「挑戦と革新」の下、BtoBの食品素材メーカーとして、顧客の課題、困りごとに共に挑み、当社グループの製品・取組による解決策を提案するとともに、多様化する消費者の食シーンに貢献する‘食’を顧客と共に創造し、社会課題解決に取り組んでいます。 さらには、当社グループは持続可能な社会の実現に向けて、サプライチェーン上での環境、人権等の社会課題を解決するべく、事業活動全体を通じて、環境や人権等を尊重するサプライヤー等との信頼関係を構築し、エンゲージメントを高める取組を進めるとともに、これらサプライヤーから主要な原料を調達するサステナブル調達を進めています。 主要事業で培ってきた「技術の融合」、「顧客との課題解決力」、「サステナブル調達」は当社グループの歴史の中で育んできた、大きな強みであり、当社グループビジネスモデルの核となっています。 ② ビジネスモデルと競争優位性 当社グループのビジネスモデルは、「植物性油脂事業」、「業務用チョコレート事業」、「乳化・発酵素材事業」、「大豆加工素材事業」から構成されています。 当社グループは当社グループと関わる顧客・消費者・社会等のステークホルダーが直面する食の課題解決に取り組む課題解決型ビジネスを展開しています。 a.植物性油脂事業 ―南方系油脂を軸とした高度な利用技術(注1)・サステナブル原料のサプライチェーン― 当社グループは創業当初から、南方系油脂の加工、チョコレート用油脂(CBE:注2)に活路を見出し、南方系油脂を軸として、様々な油脂の高度な利用技術の革新を進め、植物性油脂事業を基盤事業として展開してきました。また、限りある資源の中で、自然との共生によるサステナブルな社会・事業活動を指向しており、サプライチェーン上での環境、人権等の社会課題を解決すべく、早くから農園・農家との協働に取り組み、信頼関係を構築しています。このような取組で構築してきた‘サステナブル原料のサプライチェーン’も植物性油脂事業の差別化戦略につながる強みとなっています。 (注)1.高度な利用技術:多様なニーズに合わせて、油脂加工技術と様々な油脂種の組み合わせにより油脂原料を余すことなく利用し、製品化する技術。 2.CBE:Cocoa Butter Equivalentの略。ココアバターと同等の物性を持ったチョコレート用油脂。 b.業務用チョコレート事業 ―油脂技術の融合による多様化する価値を実現する機能性とおいしさの提供― 業務用チョコレート事業は、技術革新を進めてきた当社グループのチョコレート用油脂技術に支えられています。顧客の多様化する商品価値を具現化でき、価値を高める機能性と、口溶けのよさや豊かな風味といった消費者が求める‘おいしさ’を兼ね備えた高品質なコンパウンドチョコレートに強みを有しています。 c.乳化・発酵素材事業 ―乳化・発酵技術により「おいしさと使いやすさ」を提供― 乳化・発酵素材事業は、顧客の商品製造過程における加工安定性や流通過程での保形性等の‘使いやすさ’を実現できる油脂を使用した乳化技術と、消費者にとっての‘おいしさ’につながる風味を生む発酵技術の融合により、製菓・製パン・調理用途等にクリーム、マーガリン、フィリングといった幅広い素材を提供しています。 d.大豆加工素材事業 ―大豆のおいしさと栄養を活用した多様な製品群― 当社グループでは創業時から油脂とともに、大豆の豊富な栄養と大豆たん白の特性に着目し、研究を進め、用途拡大と技術革新を進めてきました。また大豆本来の‘おいしさ’を引き出す研究開発とともに、大豆たん白に含まれる機能性成分の研究により製品を創出し、多様な製品群を展開しています。大豆に含まれる植物性のタンパク質は食の未来を見据える中で、重要な食資源の一つです。大豆加工素材事業において社会課題の解決と消費者の要望に応える多様な高付加価値製品を創出し、提供することで、社会貢献を果たしてまいります。 ③ 不二製油グループの提供価値 持続可能な社会の実現に向けて、また食と健康への意識の高まりに伴い、消費者からはウェルビーイングにつながるおいしくて心と身体に良いものを食べること、つまり「おいしさと健康」の両立と「サステナブルな食のバリューチェーン」への貢献が求められています。当社グループは4つの事業の強みを活かした事業活動を通じ、「社会価値」と「経済価値」を創出し、ステークホルダーへの貢献を果たしてまいります。 「社会価値」 当社グループの事業活動では、創業以来培ってきた技術、顧客の課題や困りごとを解決する課題解決力、環境や人権等に配慮した原料の調達、そしてそれらを元に、様々なステークホルダーとの共創によって付加価値の高い製品を生み出しています。 当社グループは、事業活動を通じ、自然環境への負荷低減に取り組むとともにサステナブルな食資源の供給により、消費者の食の歓び、健康増進、雇用、人権尊重等のウェルビーイングの実現に貢献してまいります。 「経済価値」 当社グループの事業活動により得られた利益やキャッシュ・フローは当社グループの持続的な成長を支える財務基盤の強化に資するとともに、提供価値の拡大及び新たな価値の創出のために再投資してまいります。 (3)対処すべき課題 当社グループは、2025年度から2027年度を対象期間とする中期経営計画「United for Growth 2027」を、2030年ビジョン実現に向けたPhase2「軌道に乗せる」期間として位置付けており、初年度となる当連結会計年度は、成長領域の強化など、当初企図した施策において目標を達成することができました。 しかしながら、2024年から発生したカカオ相場の高騰は継続しており、Blommer Chocolate Company, LLC(米国、以下「Blommer」という。)の収益悪化も継続し、当社グループの連結業績及び資本効率に影響を与え、引続きリスク管理の強化に課題を残す結果となりました。 このような状況のもと当社グループが引き続き取り組む対処すべき課題は、以下と認識して対応を進めてまいります。 ① 成長領域における収益力の安定化と競争力強化 当社グループの持続的な成長と企業価値向上において、植物性油脂事業及び業務用チョコレート事業を中心とする成長領域の収益力を安定的に確保し、競争力を一層強化することが、最も重要な経営課題のひとつであると考えています。 植物性油脂事業においては、原料のボラティリティリスクに対して当社グループは、パーム油、ひまわり油、シア脂、米ぬか油など多様な原料を活用した油脂加工技術を強みとして、原料の調達から製造、販売に至るまでのサプライチェーン全体の強化を通じて、安定供給と品質の両立を図ってまいりました。気候変動や地政学的な視点から、市場の不確実性は、今後も継続すると予測しており、今後はさらに原料段階からの付加価値化や機能性の高度化を進めることで、価格競争に依存しない収益構造の構築を目指してまいります。 また、チョコレート用油脂(CBE)のグループ供給体制の強化では、サステナブル調達やトレーサビリティへの対応が競争優位性の重要な要素となっております。環境・人権に配慮した原料調達体制の構築を進めるとともに、顧客の要請や各国の規制動向を踏まえた対応力を高めることで、グローバル市場における信頼性と競争力の向上に取り組んでまいります。 業務用チョコレート事業においては、ピュアチョコレート比率の高いBlommerにおいて引続きカカオ豆の価格変動への対応が重要な課題と認識しており、原料産地の多角化、適正在庫の厳格な管理に加え、カナダ工場の増産も含め、コンパウンドチョコレートの増産・拡販にてバランスを改善していきます。 当社グループは長年培ってきた油脂技術を活用した、機能性の高いコンパウンドチョコレートの製造技術とアプリケーション提案力を強みとして、日本市場以外でも、機能性を兼ね備えたコンパウンドチョコレートの更なる拡販など、ブラジル、豪州、欧州を中心に販売拡大を実行してまいります。 ② 事業構造改革と収益性改善 市場環境の悪化や、競争環境が変化している乳化・発酵素材事業及び、大豆加工素材事業については、更なる高付加価値製品へのシフトと、事業効率の改善が重要な課題であると認識しています。 乳化・発酵素材事業では、日本市場においては競争が激化する中でも乳化・発酵技術を生かし、成長領域での収益力強化に加え、挑戦領域における新製品開発まで、幅広い取り組みを推進してまいります。 また海外市場においては、技術のグローバル展開を通じて、高付加価値製品群を中心とした事業ポートフォリオの拡充を目指すとともに当社が培ってきた商品開発力やアプリケーション提案力を基盤として、東南アジアや中国など成長が見込まれる地域への展開を加速させてまいります。 大豆加工素材事業については、日本市場は食品の値上げ継続により、購買意欲が減退する中、中国産との競争環境が激化するなど、厳しい事業環境となりました。このような状況を踏まえ、更なる生産性の改善を含む、コスト競争力の強化を課題として認識しております。加えて、新商品の開発・投入により付加価値化・差別化を高め、収益性の改善を推進します。 ③ 新たな挑戦領域の確立と将来成長への布石 新しい製品や技術の開発にとどまらず、新しい市場や新しい販売手法による価値創出を含む概念として「挑戦領域」を位置づけております。 付加価値の高いプレミアムオイルの市場開拓、顧客の課題解決につながる製品群として日本の技術を駆使し機能を追求した素材並びにアプリケーションを展開するなど、挑戦領域製品群の拡充を進めています。 日本市場においては、挑戦領域を牽引するフラッグシップとして植物性に特化したブランド‘GOODNOON’を展開しています。短期的な収益性にとらわれることなく、中長期的な視点で市場性や競争優位性を評価し、成長が見込まれる領域には重点的に経営資源を配分してまいります。 ‘GOODNOON’の展開などを通じて、当社グループが掲げるビジョンや価値観を社内外に共有し、将来の成長を牽引する事業基盤の構築に取り組んでまいります。 (4)会社の経営戦略と経営目標 ① 中期経営計画「United for Growth 2027」 2030年に向けて、対処すべき課題への対応に取り組み、収益成長と資本効率の改善を今中期経営計画「United for Growth 2027」においても推進しております。本中期経営計画では、経営方針の中核として以下の3つの基本方針を掲げております。 a.事業持株会社体制への移行によるガバナンスの強化 当社グループは事業持株会社体制へ移行し、各事業本部が国内外のグループ会社を含めた事業運営及び管理責任を担うガバナンス体制へと再編いたしました。 これにより、事業本部長の権限と責任を明確化し、事業戦略の立案から実行、業績管理、リスク対応までを一体的に推進しています。 一方、機能軸においては、全社的な視点からの統制、リスク管理、コンプライアンスの確保を行うことで、経営の健全性を担保し、グループ全体の資本効率及び財務健全性の向上を図っております。また、人事においては、海外を含む人材マネジメントや人材育成体制を強化し、グローバル経営を支える人材基盤の整備を進めております。 当体制により、全社が一体となって喫緊の経営課題となっているBlommerの構造改革の推進に取り組むと共に、グループ全体の経営管理体制の強化を進めてまいります。 b.資本効率を重視した経営管理と財務体質の強化 中期経営計画「United for Growth 2027」における経営目標は以下の通りです。 財務KPI 中期経営計画目標(2027年度) 事業利益(注1)   450億円 ROE   10.0%以上 FUJI ROIC(投下資本利益率) (注2)   6.0%以上 (注)1.2025年度よりIFRSを任意適用しております。 2.FUJI ROIC=税引後事業利益 ÷(運転資本+固定資産+持分法投資) 当社グループでは本指標を各事業で把握・管理可能な項目とすべく、分母となる投下資本を運転資本、固定資産、持分法投資に置き換えて使用しております。 事業持株会社体制の下、FUJI ROICを経営指標として活用し、事業ごとの資本効率を可視化することにより、投資判断の精度向上や経営資源の最適配分を推進することで、持続的な成長と企業価値向上を実現してまいります。 また、運転資本の適正化や固定資産の効率的な活用を通じて、キャッシュ・フロー創出力の向上に取り組んでおります。 さらに、当連結会計年度より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用し、財務情報の比較可能性及び透明性を高め、資本市場との対話の一層の充実を図っております。 c.サステナビリティの更なる深化 将来財務KPI 中期経営計画目標(2027年度) GHG排出量の削減(スコープ1+2)(注1)   20%削減 サステナブル調達 (パーム油TTP比率(注2))   95%以上 (注)1.基準年:2020年度(全連結子会社) 2.パーム油TTP:パーム油の農園までのトレーサビリティ(Traceability to Plantation) ※2025年度実績は2026年9月発行予定のサステナビリティレポートにて開示予定。 当社グループにとって、サステナビリティの深化は、単なる社会的要請への対応にとどまるものではなく、競争力の源泉であり、持続的成長を支える重要な経営基盤であると認識しております。 サステナビリティ分野においては、環境ビジョン2030/2050及びサステナブル調達コミットメントに基づき、GHG排出量の削減、資源循環の推進、原料のトレーサビリティの確保などの取り組みを継続しております。 これらの取り組みは、環境・社会への貢献に加え、顧客や投資家からの信頼獲得を通じて、当社グループの競争力向上にも寄与するものと考えております。 詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。 ② 財務戦略 当社グループは、資本コストを基準とした投資管理の徹底及び投資管理レビュー制度を通じた投資・撤退判断により、資本効率の改善を推進しております。製品ポートフォリオの見直しや在庫回転率の向上による運転資本の圧縮、各事業本部及びグループ会社におけるFUJI ROIC改善の取り組みを強化するとともに、グループファイナンスを活用した資金の最適配分により、金利上昇や原料高騰といった事業環境の変化への対応力を高めております。 これらの取り組みを通じて安定的なキャッシュ・フローの創出を図るとともに、株主還元については配当性向30~40%を目安とした、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針としております。
事業等のリスク1,124字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものです。 (1)不二製油グループのリスクマネジメント 日本・欧米・アジアの各エリアで主要4事業を展開していることから、当社グループのバリューチェーンには社会課題・経済環境変化等の影響を受けた、様々なリスクが潜在します。不二製油株式会社では全社リスクマネジメント体制を構築し、グループを取り巻く環境を踏まえた情報ソースから、本社(事業軸、機能軸)主導で経営への影響度、発生可能性、顕在化時期等を総合的に判断し、「全社重要リスク」を選定しています。 また、「リスクマネジメント委員会」を開催し、優先して対処すべき「全社重要リスク」の審議、リスク対策状況の進捗管理を実施しています。リスクマネジメント委員会で審議した「全社重要リスク」は、不二製油株式会社の経営会議による決議、不二製油株式会社の取締役会によるモニタリングを行っています。 (2)全社重要リスクの管理プロセス ① 全社重要リスクの特定 不二製油グループでは、全社リスクマネジメント体制のもと、戦略や財務、災害・事故、オペレーショナルに関するリスク、ESGマテリアリティを踏まえてグループのリスクを網羅的に把握しています。全社重要リスク分科会での検討・議論、リスクマネジメント委員会での審議を経て、全社として認識・対応すべき重要なリスクを「全社重要リスク」と特定しています。加えて、グループ各社特有のリスクは、各社のリスクアセスメントを通じて「リスクマップ」を作成し、本社主導で各種リスクの特定と対策を行っています。 ② 全社重要リスクの対応とモニタリング 当社グループは、特定された全社重要リスクの主管本部・部門を定め、リスク低減施策と目標KPIを設定し管理しています。これらの施策・目標KPIは「リスクマネジメント委員会」にて進捗管理を行っています。 2025年度の活動では、リスクマネジメント委員会を3回開催し、特定された全社重要リスク(12項目)の個別進捗や課題状況の確認を行いました。また適宜、経営会議、取締役会に報告し、顕在化したリスクの発生原因、対応策と妥当性、適時性等を確認しています。 ③ 不二製油グループ全社重要リスク 当社グループは、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性があり管理すべき重要なリスクとして以下の項目を特定し、各リスクに対応する主管本部・部門を定め、対応方針を策定しています。なお、将来事項に関する記述につきましては、2026年3月31日現在において入手可能な情報に基づき、当社が合理的であると判断したものです。 (2026年度 全社重要リスク)
経営成績の分析 (MD&A)8,769字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当社グループは当連結会計年度より、IFRSを任意適用しております。また、前連結会計年度の数値も、IFRSに組み替えて表示しております。連結財務数値に係るIFRSと日本において一般に公正妥当と認められる会計基準(以下「日本基準」という。)との差異につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用(IFRSへの移行に関する開示)」をご参照ください。 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが入手可能な情報に基づき作成したものです。実際の成果や業績は、今後様々な要因によって、記載されている内容とは異なる可能性があります。 (1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 経営成績の状況の分析 当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、米国の関税政策や地政学リスクの高まりに関連する経済的な影響、中国の景気動向等が懸念要素となる状況が続いています。日本においては物価上昇の影響が続いているものの、雇用・所得環境の改善等により、支出動向は底堅い推移が続いています。 当社グループにおいては、2025年度から2027年度までの3ヵ年を対象とした中期経営計画「United for Growth 2027」を策定しました。持続的な企業価値の向上に向けて、「ガバナンスの深化」、「成長領域の更なる強化」、「新たな挑戦領域の確立」を基本方針として、事業軸と機能軸の強化による管理体制の強化、チョコレート用油脂(CBE)やコンパウンドチョコレートといった成長領域における競争優位性の更なる強化、新たな事業の柱を担う挑戦領域の育成へ注力します。 中期経営計画の初年度となる2025年度は、チョコレート用油脂(CBE)を中心とした成長領域において競争優位性を発揮し、収益力の向上が進みました。なお、Blommer Chocolate Company, LLC(米国、以下「Blommer」)においては、2024年3月に公表しております構造改革を推進中であり、2024年以降のカカオ価格高騰を背景とした2024年度の事業損失からも大幅な回復の途上にあります。しかしながら、需要低迷の長期化による販売数量の減少や管理強化に伴う固定費増加等により、当連結会計年度において当初の事業計画と実績に乖離が発生しました。このような状況から、想定していたBlommerの収益実現には時間を要すると判断し、同社に係るのれんの減損損失と繰延税金資産の取崩しに伴う法人税等調整額を計上しました。Blommerの収益改善に向けて、ガバナンス体制の強化によるリスク低減や、当社グループの強みであり技術力を有するコンパウンドチョコレートの販売強化等の施策を実行しています。 以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、以下のとおりとなりました。 (単位:百万円) 売上高   事業利益   税引前当期利益   親会社の所有者に帰属 する当期利益 2026年3月期   772,288   36,048   23,430   11,142 2025年3月期   671,207   13,261   6,900   3,863 前期比 増減 (前期比 増減率)   +101,080 (+15.1%)   +22,787 (+171.8%)   +16,529 (+239.5%)   +7,278 (+188.4%) 売上高は、パーム油価格が前年同期比で上昇したことに加え、カカオ豆価格も2024年の高騰以降、調達価格が高値水準を継続していることから、主要原材料の調達価格上昇に伴う販売価格の上昇により増収となりました。事業利益は、植物性油脂事業のチョコレート用油脂の堅調な販売や、Blommerでのカカオ豆価格の安定及び関連費用の減少により増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、Blommerに係るのれんの減損損失や繰延税金資産の取崩しに伴う法人税等調整額を計上しましたが、事業利益の伸長により、増益となりました。 当社は、当連結会計年度より、従来「連結消去・グループ管理費用」に含めていたセグメントに配分していない全社費用を、各報告セグメントに配分して記載しております。そのため、前連結会計年度のセグメント情報は、全社費用を各報告セグメントに配分し、比較分析をしております。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円) 売上高   前期比 増減   前期比 (%)   事業利益   前期比 増減   前期比 (%) 植物性油脂   271,076   +63,747   +30.7%   33,394   +6,612   +24.7% 業務用チョコレート   370,904   +36,219   +10.8%   2,391   +16,560   - 乳化・発酵素材   97,432   +3,180   +3.4%   1,144   △556   △32.7% 大豆加工素材   32,874   △2,066   △5.9%   △874   △57   - 連結消去・グループ管理費用   -   -   -   △8   +226   - 合 計   772,288   +101,080   +15.1%   36,048   +22,787   +171.8% (植物性油脂事業) 売上高は、原材料価格の上昇並びに需要の拡大に伴う販売価格の上昇に加え、当第1四半期連結累計期間に発生した新規連結に伴う売上高の増加により増収となりました。事業利益は、チョコレート用油脂の堅調な販売等により増益となりました。 (業務用チョコレート事業) 売上高は、原材料価格の上昇に伴う販売価格の上昇により増収となりました。事業利益は、Blommerにおいて販売数量が減少しましたが、カカオ豆関連費用の減少により損失は改善しました。 (乳化・発酵素材事業) 売上高は、原材料価格の上昇に伴う販売価格の上昇により増収となりました。事業利益は、原材料価格の上昇に伴う採算性の悪化や、アジアでの販売数量の減少により減益となりました。 (大豆加工素材事業) 売上高及び事業利益は、機能剤の販売数量減少等により減収減益となりました。 ② 財政状態の状況の分析 当連結会計年度末における連結財政状態は、以下のとおりです。 (単位:百万円) 2025年3月期   2026年3月期   増減 流動資産   363,997   359,051   △4,946 非流動資産   233,079   277,881   +44,802 資産       597,076   636,933   +39,856 有利子負債   283,721   268,381   △15,340 その他   102,428   124,074   +21,645 負債       386,150   392,455   +6,305 資本       210,926   244,477   +33,550 (資産) 当連結会計年度末の資産は、原材料価格の上昇や新規連結会社の増加に伴い棚卸資産や営業債権が増加しましたが、現金及び現金同等物の減少により、流動資産が減少しました。新規連結会社の株式取得に伴うのれんの増加や設備投資の実施等により、非流動資産が増加しました。以上の結果、前連結会計年度末に比べ398億56百万円増加し、6,369億33百万円となりました。 (負債) 当連結会計年度末の負債は、運転資本の減少等に伴う短期借入金の返済により有利子負債が減少しましたが、その他に含まれる営業債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ63億5百万円増加し、3,924億55百万円となりました。 (資本) 当連結会計年度末の資本は、利益剰余金の増加やアメリカドル、ユーロ並びにブラジルレアルに対する円安によるその他の資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末に比べ335億50百万円増加し、2,444億77百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。 (単位:百万円) 2025年3月期   2026年3月期   増減 営業活動によるキャッシュ・フロー   △48,828   54,840   +103,669 投資活動によるキャッシュ・フロー   △21,753   △46,847   △25,094 フリー・キャッシュ・フロー   △70,581   7,993   +78,575 財務活動によるキャッシュ・フロー   113,188   △38,590   △151,778 現金及び現金同等物   70,840   46,811   △24,029 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、548億40百万円の収入となりました。前連結会計年度では増加していた運転資本需要の改善等により、1,036億69百万円収入が増加しております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、468億47百万円の支出となりました。新規連結会社の株式並びに有形固定資産の取得の増加等により、250億94百万円支出が増加しております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、385億90百万円の支出となりました。運転資本の増加を主要因として資金需要が増加した前連結会計年度からの反動に加えて、手元資金を活用し借入金等の返済を進めたことにより、1,517億78百万円支出が増加しております。 (2)資本の財源及び資金の流動性 当社グループは円滑な事業活動に必要十分な流動性の確保と財務規律の維持及び財務健全性の向上を基本方針とし、中長期的な企業価値向上を実現すべく、資本コストを意識した経営を実践しております。 当社グループの主な資金需要は、生産活動及び販売活動に必要な運転資金、生産性向上のための設備投資、成長基盤強化のための事業投資等です。資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー並びに社債の発行等による資金調達です。 短期運転資金は営業キャッシュ・フローとコマーシャル・ペーパー発行及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及び事業投資の資金は金融機関からの長期借入のほか、社債発行による資金調達を行っております。 当社グループは複数の金融機関との間で当座貸越契約を締結しているほか、コマーシャル・ペーパー発行枠及び国内社債発行枠の登録により資金調達手段の多様化を図り、事業運営に必要な資金の流動性を十分に確保しております。 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は2,683億81百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は468億11百万円となっております。 (3)生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当社グループの生産品目は広範囲、多種多様であり、かつ、製品のグループ内使用(製品を他のグループ会社の原材料として使用)が数多くあるため、セグメント別(連結ベース)に生産実績を、金額あるいは数量で示すことはしておりません。 このため生産の実績については、「(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 経営成績の状況の分析」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。 ② 受注実績 当社グループは需要予測に基づく見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ③ 販売実績 当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績については、「(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 経営成績の状況の分析」に記載のとおりです。 (4)重要性がある会計方針及び見積り 重要性がある会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。連結財務諸表を作成するに当たり、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りは、その性質上判断及び入手し得る情報に基づいて行いますので、実際の結果がそれらの見積りと相違する場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。 なお、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.見積り及び判断の利用」に記載しております。 (5)並行開示情報 連結財務諸表規則(第3編から第6編までを除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりです。 なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。 ① 要約連結貸借対照表(日本基準) (単位:百万円) 前連結会計年度 (2025年3月31日)   当連結会計年度 (2026年3月31日) 資産の部 流動資産   354,830   358,540 固定資産 有形固定資産   156,505   178,372 無形固定資産   51,185   67,028 投資その他の資産   33,859   31,479 固定資産合計   241,550   276,880 繰延資産   183   134 資産合計   596,564   635,556 負債の部 流動負債   273,204   254,448 固定負債   108,835   130,164 負債合計   382,040   384,612 純資産の部 株主資本   174,998   183,788 その他の包括利益累計額   35,499   62,837 非支配株主持分   4,025   4,318 純資産合計   214,524   250,944 負債純資産合計   596,564   635,556 ② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準) 要約連結損益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 売上高   671,211   772,285 売上原価   591,984   664,273 売上総利益   79,227   108,012 販売費及び一般管理費   69,332   75,342 営業利益   9,895   32,669 営業外収益   3,267   3,422 営業外費用   7,858   9,408 経常利益   5,304   26,684 特別利益   990   373 特別損失   443   2,115 税金等調整前当期純利益   5,850   24,942 法人税等合計   2,067   12,248 当期純利益   3,783   12,693 非支配株主に帰属する当期純利益   1,552   367 親会社株主に帰属する当期純利益   2,230   12,325 要約連結包括利益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 当期純利益   3,783   12,693 その他の包括利益合計   △8,464   28,437 包括利益   △4,681   41,131 (内訳) 親会社株主に係る包括利益   △5,983   40,591 非支配株主に係る包括利益   1,302   539 ③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準) 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (単位:百万円) 株主資本   その他の包括利益 累計額   非支配株主持分   純資産合計 当期首残高   189,828   42,357   12,105   244,291 当期変動額   △14,830   △6,857   △8,079   △29,767 当期末残高   174,998   35,499   4,025   214,524 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (単位:百万円) 株主資本   その他の包括利益 累計額   非支配株主持分   純資産合計 当期首残高   174,998   35,499   4,025   214,524 当期変動額   8,790   27,337   292   36,419 当期末残高   183,788   62,837   4,318   250,944 ④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準) (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 営業活動によるキャッシュ・フロー   △50,631   54,263 投資活動によるキャッシュ・フロー   △21,738   △46,823 財務活動によるキャッシュ・フロー   114,931   △37,380 現金及び現金同等物に係る換算差額   △250   6,533 現金及び現金同等物の増減額(△は減少)   42,311   △23,405 現金及び現金同等物の期首残高   27,480   69,846 連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少)   54   - 現金及び現金同等物の期末残高   69,846   46,440 ⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準) 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 該当事項はありません。 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (連結の範囲の変更) 増加2社(新規取得) 減少2社(吸収合併) ⑥ 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用(IFRSへの移行に関する開示)」に記載のとおりです。 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (のれんの償却) 日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が2,735百万円減少しております。 (リース) 日本基準では借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりましたが、IFRSでは原則としてすべての借手のリースについて使用権資産及びリース負債を計上しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「使用権資産」及び「リース負債」がそれぞれ3,103百万円及び3,854百万円増加しております。 (退職給付) 日本基準では数理計算上の差異を発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数で純損益に振替えておりましたが、IFRSでは発生時にその他の包括利益で認識し、利益剰余金に振り替えております。また、IFRSでは、日本基準と異なり、確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額は資産上限額に制限され、その調整をその他の包括利益で認識しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「退職給付に係る資産」が9,589百万円減少しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

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