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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,020.8+254ドル円158.87-1NASDAQ26,203.91+104S&P 5007,667.95+36SOX 指数11,316.82+289/2終値

サンクゼール

St.Cousair CO.,LTD.2937 · Growth · 食料品

「サンクゼール」と「久世福商店」を柱に、全国177店舗の自社小売とEC、卸売を展開する食のSPAモデル企業。

概要

サンクゼールは、長野県飯綱町に本社を置く食品製造小売企業である。自社ブランド「サンクゼール」「久世福商店」など6つのブランドを展開し、マーケティングから製造、販売までを一貫して手掛ける「食のSPAモデル」を特徴とする。2026年3月期の連結売上高は206億円、従業員数は307名。2022年12月に東京証券取引所グロース市場に上場した。

6つのブランドが支える多軸展開

サンクゼールグループは、異なるコンセプトを持つ6つのブランドを運営する。創業ブランド「サンクゼール」はワインやジャムなどの洋食材を扱い、「久世福商店」はだしや味噌といった和食材をセレクトする。米国向けには「KUZE FUKU & SONS」、オーガニック加工食品の「Portlandia」、フルーツジャムの「Bonnie's Jams」、ペッパーゼリーの「KELLY’S JELLY」を擁する。各ブランドはターゲットと商品構成を明確に分け、2026年3月末時点で全国に177店舗(直営56、FC121)を展開する。商品は約90%を自社開発部門が企画・開発し、大型店では1,200アイテム以上を取り揃える。

一気通貫の「食のSPAモデル」

同社グループの事業モデルは、マーケティング、企画開発、調達・製造、店舗設計、販売までの全工程を自社で担う「食のSPAモデル」である。お客様からのフィードバックは自社POS連動型ERPシステムで本部に即時伝達され、商品開発や売場改善に生かされる。自社のデザイナーがパッケージを手掛け、ブランドの世界観を統一。店舗の内装・什器も社内チームが設計する。多品種少量生産に対応する生産体制により、店舗からの細かな発注に応え、在庫ロスを抑制する。この垂直統合型の仕組みが他社の参入障壁となっている。

日米2拠点の自社製造体制

製造拠点は日本と米国にあり、国内は長野県飯綱町の工場と2025年8月に取得した長野市工場の2か所。飯綱工場ではジャムやパスタソース、ワイン、シードル、ブランデーを製造し、近隣農家から仕入れた果実を原料とする。飯綱町と協同したりんごブランデー「いいづなアップルブランデー」も生産する。米国子会社St. Cousair, Inc.はオレゴン州に工場を持ち、USDAオーガニック認証、SQF認証、Non-GMO認証、グルテンフリー認証を取得。ベリー類の原料調達コストと品質面で優位性を発揮する。いずれの工場も多品種少量生産に対応し、自社商品の約90%を内製または共同開発でまかなう。

多チャネル販売と全国の仕入ネットワーク

販売チャネルは直営・FC店舗、自社公式ECサイト、楽天市場、ホールセール(食品卸・小売向け)、グローバル事業(米国・アジア)と多岐にわたる。2026年3月期のホールセールは前年比22.9%増、グローバルは同29.5%増と成長を牽引した。一方、店舗売上は同0.1%減と既存店の客数減少に課題を残す。仕入先は全国500社以上の食品メーカーとネットワークを持ち、各地域の独自商品にグループのブランド力を加えて販売する。このプラットフォーム機能により、中小メーカーにとっては全国流通のチャネルとなり、Win-Winの関係を構築している。

業界の中での役割は食品製造小売業(食のSPAモデル)にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
206億円
営業利益
8億円
営業利益率
3.9%
純利益
6億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
FC72億円35.0%
直営63億円30.6%
ホールセール32億円15.5%
グローバル27億円13.1%
EC12億円5.8%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01食品小売(自社店舗)主力

全国に177店舗(直営・FC)を展開し、サンクゼールや久世福商店などのブランド商品を直接消費者に販売。多品種少量生産と店舗設計、接客まで一貫した運営で独自のグロッサリーストアを実現。

主な製品・サービス2
サンクゼールブランド商品
ワイン、ジャム、パスタソース、ドレッシングなど、洋食を中心とした自社製造・仕入商品。
久世福商店ブランド商品
ごはんのお供、だし、味噌、醤油など和の逸品を、各地のメーカーと共同開発し販売。

02EC・通信販売準主力

自社公式ECサイトや楽天市場で、サンクゼールと久世福商店の商品を販売。ギフト需要が売上の65%以上を占め、アプリ会員データと連携した販促施策を展開。

主な製品・サービス1
公式ECサイト
自社運営のオンラインショップ。ギフト向けにオリジナルメッセージカード作成サービスを提供。

03食品卸・OEM準主力

自社製造商品を食品卸企業や小売企業へ販売するほか、他社PB商品のOEMを手掛ける。開発・製造・販売の体制を連携し、顧客ニーズを迅速に製品化。

主な製品・サービス1
OEM製品
他社ブランド向けにジャムやソース等を製造。自社開発チームと工場が連携し、高品質な製品を供給。

04グローバル食品市場副次

米国子会社St. Cousair, Inc.が米国を中心に、アジア・オセアニア向けに製品を販売。オーガニック認証を活かした高付加価値商品を展開。

主な製品・サービス4
KUZE FUKU & SONSブランド
米国子会社製のドリンクベースやドレッシング、ジャムなど。日本から輸入する商品も含む。
Portlandiaブランド
オレゴン州で製造するオーガニックケチャップやマスタード。健康志向の消費者向け。
Bonnie's Jamsブランド
フルーツジャムやゼリー。砂糖や添加物を控えた製法で、米国のスーパーやチーズ専門店で販売。
KELLY'S JELLYブランド
ペッパーゼリーやフルーツスプレッド。地元原料を使用し、料理の引き立て役を提供。

製品と技術

サンクゼールブランドのワイン・ジャム・シードル

サンクゼールブランドは、創業者のペンション時代の手作りジャムに端を発する。主力商品は自社工場で製造するワイン、ジャム、パスタソース、ドレッシングなどの洋食材。特にワインは長野県飯綱町の自社ワイナリーで醸造し、地元産果実を活用する。シードルは2013年に原産地呼称認定を取得し、品質の信頼性を確保。2017年からは「いいづなアップルブランデー」の蒸留も始めた。これらの商品はサンクゼールの丘の直営店のほか、久世福商店でも販売される。

久世福商店の和食材セレクト

久世福商店は「日本のうまいものセレクトショップ」をコンセプトに、ごはんのお供、だし、味噌、醤油などの和食材を中心に取り扱う。商品は全国500社以上のメーカーと共同開発したオリジナルが多く、パッケージや味付けにブランド独自のこだわりを加えている。2026年3月末時点で174店舗を展開し、グループの売上の大部分を占める。商品点数は小規模店で600アイテム以上、大型店で1,200アイテム以上に及び、店舗ごとにテーマ性のある売場を構成している。

米国子会社のオーガニック認証加工食品

米国子会社St. Cousair, Inc.はオレゴン州の工場で、KUZE FUKU & SONS、Portlandia、Bonnie's Jams、KELLY’S JELLYの各ブランド商品を製造する。工場はUSDAオーガニック認証、SQF認証、Non-GMO認証、グルテンフリー認証を取得し、食品安全と品質基準を満たす。Portlandiaはオーガニックケチャップやマスタード、Bonnie's Jamsはフルーツジャム・ゼリー、KELLY’S JELLYはペッパーゼリーやフルーツスプレッドを展開。これらの製品は全米のスーパーマーケットやチーズ専門店で販売されている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

食料品のなかでの位置

ジャム・加工食品、収益低迷中

食料品メーカーで、ジャム・フルーツ加工品を主力。売上高は約200億円規模だが、営業利益率は4%前後と低調。同業のニップンや日清製粉は小麦粉・冷凍食品で大規模展開、サンクゼールは規模・収益力で劣る。昭和産業や鳥越製粉とも競合するが、同社は付加価値商品で差別化を図る。

強み

  • 家庭用ジャムで高い知名度を持ち、スーパーなどで定番商品。
  • 無添加・天然素材にこだわり、健康志向消費者に支持される。
  • ホテル・レストラン向け業務用販売網を持ち、安定受注基盤。
  • 季節限定品・新フレーバー開発が活発で、リピーター獲得。

課題

  • 営業利益率4%未満で、原材料高や競争激化が収益圧迫。
  • 大手食品メーカーやPB商品との競争で、価格転嫁が困難。
  • 2026期は売上高微増予想、市場成熟で新規需要開拓課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

食料品の時価総額近傍。太字がサンクゼール

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
12929ファーマフーズ175億円
22597ユニカフェ173億円20.4倍
32003日東富士製粉170億円19.9倍
42806ユタカフーズ169億円64.9倍
52112塩水港精糖166億円4.7倍
62937サンクゼール163億円26.4倍
72924イフジ産業159億円7.8倍
82935ピックルスホールディングス156億円11.3倍
92884ヨシムラ・フード・ホールディングス151億円16.2倍
102936ベースフード148億円55.4倍
112816ダイショー140億円30.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 45件

ペンションの手作りジャムから始まった1982年

1982年6月、創業者の久世良三氏が長野県飯綱町に「株式会社斑尾高原農場」を資本金5,000千円で設立した。当時ペンションを営んでいた久世氏が、朝食で提供する手作りジャムを評判にしたことが事業の原点である。1989年5月にはレストラン「サンクゼール」をオープンし、同年8月には農業生産法人「有限会社三水ワイン生産農園」を設立して農業経営に乗り出した。1990年4月に「サンクゼール」ブランドを立ち上げ、洋食材とワインを柱とする現在の事業の基礎を築いた。

酒類製造免許取得とカリフォルニアワイン輸入(1994〜2000年)

1994年6月に果実酒製造免許を取得し、自社ワインの製造を開始。1996年4月にはリキュール類の免許も取得し、酒類製品のラインナップを拡充した。1997年4月にはオリンピックのライセンスを取得し、特別製造ジャムを限定販売。2000年2月からカリフォルニアワインの輸入販売をスタートし、同年11月には資本金を320,000千円に増資した。この期間に製造・販売の両面で体制を強化し、後の多角化の基盤を整えた。

商号変更と久世福商店ブランドの誕生(2005〜2013年)

2005年10月、商号を「株式会社サンクゼール」に変更。2011年7月には「ものづくり大賞NAGANO2011」で大賞を受賞し、品質面での評価を高めた。2013年2月、サンクゼールのシードルが原産地呼称認定を取得。同年11月にはチャリティージャム事業で第10回日本パートナーシップ大賞グランプリを受賞した。そして2013年12月、新ブランド「久世福商店」を立ち上げ、1号店をイオンモール幕張新都心に出店。これ以降、久世福商店がグループの主力ブランドへと成長していく。

米国進出と株式上場(2017〜2022年)

2017年4月、米国オレゴン州の食品加工工場を買収し、子会社St. Cousair Oregon Orchards, Inc.(現St. Cousair, Inc.)を設立。これによりUSDAオーガニック認証を取得し、海外生産拠点を確保した。同年、いいづなシードルブランデーの製造も開始。2018年12月には米国子会社の商号を「St. Cousair, Inc.」に変更した。2020年12月には「職場いきいきアドバンスカンパニー」認証を取得。2022年12月、東京証券取引所グロース市場に株式を上場し、資本市場からの資金調達を可能にした。

M&Aによるブランド拡充とグローバル化(2023〜2025年)

上場後、米国でのM&Aを加速。2023年6月にPortlandia Foods, Inc.からPortlandiaブランドを事業譲受。2024年10月にはBonnie's Enterprises, LLCからBonnie's Jamsを、2025年4月にはKELLY'S JELLY, INC.からKELLY’S JELLYを取得し、北米市場でのブランドポートフォリオを拡大した。2025年8月には長野県長野市の食品製造工場を取得し、自社製造能力を強化。同年9月には韓国現地法人St. Cousair Korea Co., Ltd.を設立し、アジア展開を本格化させた。2025年10月には有限会社長生堂の全株式を取得し、国内での製造基盤をさらに拡充している。

年表45件を開く

1980年代

  • 1982年6月㈱斑尾高原農場(資本金5,000千円)設立
  • 1989年5月レストランサンクゼール OPEN
  • 1989年8月創業農業生産法人㈲三水ワイン生産農園を設立、農業経営開始

1990年代

  • 1990年4月サンクゼールブランド立ち上げ
  • 1992年6月資本金70,000千円に増資
  • 1994年6月果実酒製造免許取得
  • 1996年4月リキュール類の酒類製造免許取得
  • 1997年4月オリンピックのライセンスを取得し、特別製造ジャムを限定販売

2000年代

  • 2000年2月カリフォルニアワインの輸入販売をスタート
  • 2000年11月資本金320,000千円に増資
  • 2005年10月商号変更商号を「㈱サンクゼール」に変更
  • 2008年5月資本金365,000千円に増資

2010年代

  • 2010年11月資本金100,000千円に減資
  • 2011年7月ものづくり大賞NAGANO2011で大賞受賞
  • 2012年6月商号変更㈲三水ワイン生産農園の商号を「㈲斑尾高原農場」に変更
  • 2013年2月サンクゼール シードルが原産地呼称認定
  • 2013年11月チャリティージャム事業で第10回日本パートナーシップ大賞グランプリを受賞
  • 2013年12月久世福商店のブランドを立ち上げ、久世福商店1号店 イオンモール幕張新都心店OPEN
  • 2014年3月創業サンクゼール信濃町センターを設立
  • 2016年11月信州ブランドアワード2016にて企業・事業ブランド部門賞を受賞
  • 2017年4月創業St. Cousair Oregon Orchards, Inc.(SCOO社)設立
  • 2017年5月㈲斑尾高原農場の事業を引き継ぐ目的で㈱斑尾高原農場(1982年設立の法人とは別の法人)を設立
  • 2017年5月いいづなシードルブランデー製造開始
  • 2017年9月奈良県とパートナーシップ協定を締結
  • 2018年12月商号変更SCOO社名を「St. Cousair, Inc.」に変更
  • 2019年1月KUZE FUKU & SONS ブランド立ち上げ
  • 2019年5月一般財団法人アファンの森財団とのオフィシャルスポンサー契約締結
  • 2019年9月Forbes Japan SMALL GIANTS AWARD 2019-2020 グローカル賞を受賞

2020年代

  • 2020年1月飯綱工場・信濃町工場にて「JFS-B規格」認証を取得
  • 2020年6月資本金126,299千円に増資
  • 2020年10月久世福e商店街(旅する久世福e商店)立上げ
  • 2020年12月職場いきいきアドバンスカンパニー認証
  • 2021年3月島根県とパートナーシップ協定を締結
  • 2021年10月Bokksu, Inc.へ出資及び業務提携契約を締結
  • 2022年7月Blue Hill Tech, Inc.へ出資及び業務提携契約を締結
  • 2022年12月上場東京証券取引所グロース市場に株式を上場
  • 2023年6月SCI社がPortlandia Foods, Inc.(以下、「Portlandia」という。)と事業譲渡契約を締結
  • 2023年9月MeKELブランド「MeKEL 長野若里店」立ち上げ
  • 2023年12月創業久世良三氏及びまゆみ氏と「一般財団法人(現公益財団法人)サンクゼール財団」を共同設立
  • 2024年3月サンクゼールの森が「民間の取組み等によって生物多様性の保全が図られている区域」として、環境省より令和5年度後期の「自然共生サイト」に認定
  • 2024年10月SCI社がBonnie's Enterprises, LLC(以下、「Bonnie's Jams」という。)と事業譲渡契約を締結
  • 2025年4月SCI社がKELLY'S JELLY, INC.(以下、「KELLY'S JELLY」という。)と事業譲渡契約を締結
  • 2025年8月長野県長野市の食品製造工場を取得
  • 2025年9月創業韓国現地法人St. Cousair Korea Co., Ltd. を設立
  • 2025年10月有限会社長生堂の全株式を取得し株式譲渡契約書を締結

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 温室効果ガス排出量削減率(Scope1+2)2030年まで2021年度比50%削減
  • 管理職に占める女性比率2030年まで30%以上

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    売り場改革による来店価値と顧客基盤の拡大

    売り場演出、商品開発、販売力を一体で進化させ、来店のたびに新たな発見や楽しさを感じられる体験を創出。食卓シーンの演出やメニュー提案で商品価値を伝え、新規・既存顧客の来店頻度を高め、顧客ロイヤルティの向上を図る。

  2. 02

    購買データ活用によるCRM強化と顧客価値最大化

    店舗とECの購買データを横断的に活用し、顧客の嗜好や利用傾向を把握。リピート率や購買単価を高め、顧客生涯価値(LTV)の向上と安定した収益基盤の構築を目指す。

  3. 03

    デジタルサプライチェーン高度化と商品内製化

    AI需要予測、生産計画、在庫管理の高度化とデータ一元管理により生産・供給体制を強化。取得した製造工場を活用し外注工程を段階的に内製化し、コスト改善と品質・供給の安定化を図る。

  4. 04

    M&Aによる食のSPAモデルの持続的強化

    開発・製造・販売の各工程で自社の強みを補完・強化するM&Aを実行。商品価値創出の中核をグループ内に取り込み、競争優位性と企業価値の向上を目指す。実行後は早期のシナジー創出と収益性向上を図る。

  5. 05

    グローバル事業でのプレミアム日本食ブランド展開

    米国でディストリビューターや販売ブローカーのネットワークを活用し販路拡大と深化を進め、外食・業務用市場への浸透を図る。アジア・オーストラリア等でも地域特性に応じた展開を行い、ブランド認知と売上成長を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 4期分

グループ全体で307人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は503万円で、3期前と比べて+5.4%平均年齢は38.5歳、平均勤続年数は8.2年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2023年3月47737.67.1255
2024年3月48338.38.0265
2025年3月47738.38.1285281
2026年3月50338.58.2307261

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率27.1%
縦線は目安の30%
男性育休取得率42.9%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)48.7%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社4(国内 2 / 海外 2、うち連結子会社 4) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位8)
営業店舗 — 長野県上水内郡飯綱町他605百万円
食品製造販売
本社 — 米国オレゴン州486百万円
食品製造販売
信濃町センター — 長野県上水内郡信濃町385百万円
食品製造販売
本社 — 長野県上水内郡飯綱町338百万円
食品製造販売
長野工場 — 長野県長野市197百万円
食品製造販売
本社 — 長野県上水内郡飯綱町65百万円
食品製造販売
本社 — 長野県長野市9百万円
食品製造販売
東京オフィス — 東京都千代田区6百万円
食品製造販売
ほか5件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    ㈱斑尾高原農場(注)1、2、3
    長野県上水内郡飯綱町 · 連結子会社
    議決権49.0%
  • 海外
    St. Cousair,Inc. (注)4
    米国オレゴン州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    St. Cousair Korea Co., Ltd. (注)5
    韓国ソウル市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈲長生堂(注)6
    長野県長野市 · 連結子会社
    議決権100.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    令和2年度JAPANブランド育成支援等事業費補助金(株式会社サンクゼール)
    経済産業省 · 2020-06-19
    1,466万円
  • 補助金
    令和3年度JAPANブランド育成支援等事業費補助金(JAPANブランド育成支援等事業)(株式会社サンクゼール)
    経済産業省 · 2021-09-24
    400万円
  • 補助金
    農林水産物・食品輸出促進緊急対策事業/輸出環境整備緊急対策事業/輸出先国の規制に対応した加工食品製造支援事業
    農林水産省 · 2021-12-20
    154万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は206億円営業利益8億円前期と比べると増収増益で、売上が+5.6%、利益が+0.0%。

売上高
+5.6%
206億円
営業利益
+0.0%
8億円
純利益
+50.0%
6億円
営業利益率
3.9%
前期比 -0.2%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高211億円206億円
営業利益8億円8億円
純利益4億円6億円
1株あたり配当¥35¥35

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は51億円、営業利益は1億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+6.3%、営業利益は−80.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q473
2024年1Q48510.44
2024年2Q4224.81
2024年3Q5347.52
2024年4Q491
2025年2Q9222.20
2025年4Q10365.84
2026年2Q9733.12
2026年4Q10954.64
2027年1Q5112.00

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 8期分

2019年3月期からの8期で、売上は107億円から206億円へ1.9倍に増えた。直近期の営業利益率は3.9%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2019年3月1071−1
2020年3月11010
2021年3月10963
東京証券取引所グロース市場に株式を上場
2022年3月142139
久世良三氏及びまゆみ氏と「一般財団法人(現公益財団法人)サンクゼール財団」を共同設立
2023年3月1791611
2024年3月192148
韓国現地法人St. Cousair Korea Co., Ltd. を設立
2025年3月195884.14
2026年3月206893.96

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高206億円のうち、営業利益として残るのは8億円3.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は6億円、売上の2.9%にあたる。営業利益率は業種中央値4.1%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金64.1%132億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金32.0%66億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益3.9%8億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
35.9%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比0.2pt
3.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比0.3pt
2.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+4.9pt
12.2%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
5.9%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
7.1%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 6期分

2026年3月期は営業CFが15億円、投資CFが−8億円で、差し引きのフリーCFは7億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は23億円で、売上の1.3ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2021年3月110−61114
2022年3月10−5−6512
2023年3月11−212933
2024年3月7−8−6−127
2025年3月2−8−2−619
2026年3月15−8−3723

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 8期分

2026年3月期の総資産は102億円。このうち返さなくてよい自己資本が52億円で、自己資本比率は50.8%(業種中央値56.8%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2019年3月571561.7
2020年3月521511.9
2021年3月544506.5
2022年3月65145120.9
2023年3月92425046.0
2024年3月94474750.3
2025年3月92504353.6
2026年3月102525050.8

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
23億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
25億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
15億円
在庫として抱えている分
負債合計
50億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
72
/ 100
安定性自己資本比率34 / 40
収益力営業利益率8 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

食料品 123社との比較

同じ食料品の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE123社中27位あたり、逆に低いのは自己資本比率123社中77位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
12.2%/中央値 7.3%
P25 3.7%P75 11.4%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
3.9%/中央値 4.1%
P25 2.7%P75 7.7%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
50.8%/中央値 56.8%
P25 46.5%P75 67.3%
売上成長率前期からの売上の伸び
5.6%/中央値 3.4%
P25 0.7%P75 6.3%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.0%/中央値 2.3%
P25 1.5%P75 3.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,757で、1年前と比べて-0.2%過去52週の値幅のなかでは36%の位置にある。

¥1,757+0.2%1ヶ月+0.9%1年-0.2%時価総額163億円
過去52週の値幅
安値¥1,627高値¥1,991

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)26.4倍
PER (会社予想)40.6倍
PBR3.32倍
配当利回り1.99%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1ヶ月で+1.07%と小幅上昇。25日線(1685.76円)を+1.14%上回り、短期移動平均線をやや上回る展開。52週高値(1991円)からは-14.4%下値圏だが、52週安値(1565円)からは+8.94%上昇。出来高は7/8に12600株と急増後は落ち着いており、方向感は乏しい。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 45/100)

PER25.6倍は業界平均27.9倍をやや下回るが、PBR3.06倍は平均1.59倍を大きく上回り割高感がある。ROE12.2%は良好だが、配当利回り2.06%は平均1.94%とほぼ同水準。業績は横ばい傾向で、25/3期は減益。ブランド価値を考慮すれば妥当な水準だが、PBRの高さが割高感につながっている。

指標この会社業種平均
PER (実績)26.4倍28.6倍
PER (予想)40.6倍
PBR3.32倍1.63倍
ROE12.2%7.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上高は緩やかに増加(直近3期で192→206億円予想)だが、営業利益率は低下傾向(2025/3期4.1%→2026/3期3.88%予想)。強気派は、高級ジャム市場でのブランド力と、新商品・新チャネル開拓による成長余地を評価。弱気派は、原料高騰や競合激化で利益率が圧迫され、ROE12%と高いが割高なPER26倍を懸念。配当利回り2%とやや低め。

プラスに働く材料7
  • ブランド認知度

    高級ジャム市場で確固たるポジション。

  • 収益源の多様化

    業務用・OEM・レストランと複数の収益源。

  • ROEの高さ

    12%と高収益、資本効率良好。

  • FY2026/3純利益50%増加2026年3月期影響

    純利益が前期4億円から6億円に増加、増益率50%

  • 外国人保有比率17.6%と高い継続影響

    外国人株主比率17.6%は業界平均比高く、需給下支え

  • 高ROE12.2%で資本効率良好継続影響

    ROE12.2%は資本効率の高さを示し、株主還元余地

  • 配当利回り2.06%の安定配当継続影響

    配当利回り2.06%は安定的な株主還元を継続

マイナスに働く材料7
  • 利益率低下

    営業利益率が低下傾向、コスト増が響く。

  • バリュエーション高

    PER26倍と同業比割高。

  • 成長の鈍化

    売上高伸び率が鈍く、新規成長要素に乏しい。

  • 営業利益率低下で収益力懸念2026年3月期影響

    営業利益率が4.1%から3.88%に低下、売上増でも利益伸びず

  • PER25.6倍と成長鈍化で割高継続影響

    売上高成長率約5%に対しPER25.6倍は割高感

  • 競合激化で市場シェア低下リスク不定影響

    食品業界は競争激しく、シェア低下で収益圧迫の可能性

  • 原材料価格上昇によるコスト増不定影響

    原材料費上昇が利益率をさらに圧迫するリスク

次の決算で確かめる点
営業利益率
利益率のトレンドが収益性を判断する鍵。
売上高成長率
既存ブランドの成長力を測る。
原材料費率
原料高が利益を圧迫するリスク。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり35で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは1.99%。

年間配当
¥35
1株あたり
配当利回り
1.99%
いまの株価に対して
配当性向
51.1%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2024年3月3532.6
2025年3月350.067.4
2026年3月350.051.1

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥35

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ16,944人。区分でいちばん多いのは個人・その他66.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が15.7%を占め、残る84.3%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他55.667.865.066.6
外国法人18.612.917.517.3
事業法人15.715.315.315.2
金融機関7.73.61.70.5
外国人個人0.10.20.40.4
証券会社2.40.10.20.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01株式会社Joseph’s Arrows Trust14.41
02久世 良三12.99
03久世 良太9.13
04ABRAHAM’S WAY FOUNDATION,LLC(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)9.02
05久世 まゆみ5.59
06KUZE FAMILY OFFICE,LLC(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)3.98
07KUZE GLOBAL FAMILY OFFICE,LLC(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)3.98
08サンクゼールパートナー持株会2.59
09日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)0.38
10丹野 武行0.32

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-08-10
    久世 良太
    新規の大量保有報告
    52.64%
    -6.77pt
  • 2026-08-10
    公益財団法人サンクゼール財団
    新規の大量保有報告
    6.45%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 8期分

1株利益は8期で+105%、1株純資産は8期で−79%。直近期のROEは12.2%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2019年3月−1,4432,712−42.0
2020年3月582,7702.1
2021年3月3646130.9
2022年3月123177110.230.5
2023年3月13346638.033.726.7
2024年3月8951318.326.832.6
2025年3月385357.240.367.4
2026年3月6755812.225.251.1

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

9名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は9名。2026/3期の役員報酬は総額114百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
久世良三取締役 会長761,208,500
久世良太代表取締役 社長49850,000
久世直樹代表取締役 副社長47
今村英明取締役708,600
山本義博取締役77
山岡美奈子取締役67
櫻井貴史取締役 常勤監査等委員5723,900
阿久津正志取締役 監査等委員568,600
杉田昌則取締役 監査等委員55

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)6747412
社外取締役529296
取締役(社内)211116

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容7,606字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは、日本全国に177店舗(2026年3月末時点)の自社店舗(直営56店舗、フランチャイズ・チェーン(以下、「FC」という。)121店舗)を展開する食品製造販売事業を行っております。また、自社店舗(直営及びFC)以外にも、自社で構築したオンラインショップ(以下、「自社公式ECサイト」という。)や楽天市場サイトを通じた販売、大手食品卸企業や小売企業に対するホールセール事業、そして米国を中心とするグローバル事業など、様々なチャネルを通じて製商品の販売を行っております。 当社グループ事業の特徴は、マーケティング、製商品の企画・開発、調達・製造、店舗設計、そして販売までの全てのプロセスを一気通貫で手掛ける、食のSPAモデルを有している点であります。これにより、当社グループの6つのブランドそれぞれに必要な要素を共通の世界観で構築することができるため、独自のグロッサリーストア(食料品店)の展開が可能となっております。 当社グループの商品は、その約90%が自社の開発部門によって企画・開発されたものであり、各ブランドのコンセプトを体現した独自性のある商品となっております。また、各店舗の商品点数は、小規模店舗で600アイテム以上、大型店舗で1,200アイテム以上に及び、いずれもネーミング、パッケージデザイン、及びおいしさにこだわって作り上げた商品であります。当社グループ工場及び協力メーカー工場では、店舗からのきめ細かな発注に応えられるよう、多品種少量生産に適した生産体制を構築しており、このような生産体制をとることで、消費者の需要に合わせた生産調整が可能となり、店舗では最適なボリュームでの商品陳列を実現しております。 (1)オリジナリティ溢れる6つのブランド 当社グループでは、「サンクゼール」、「久世福商店」、「KUZE FUKU & SONS」、「Portlandia」、「Bonnie's Jams」そして「KELLY’S JELLY」の6つのブランドを展開しております。各ブランドはコンセプトを明確に分けており、お客様に対してブランドごとに異なる商品を提供しております。 各ブランドのコンセプトと特徴は以下のとおりです。 ブランド   コンセプト   特徴 サンクゼール     Country Comfort ~田舎の豊かさ、心地よさ~   創業者である久世良三氏がペンションを営んでいた頃、朝食のために作っていた手作りジャムが当ブランドの原点となっております。その後、創業者がフランスの田舎を訪れたときに感じたイメージをもとに、長野県上水内郡飯綱町に製造工場とワイナリー、レストラン、売店を備えた「サンクゼールの丘」を作り上げ、現在の「サンクゼール」ブランドが形作られていきました。主要な取扱商品は、自社製造のワイン、ジャム、パスタソース、ドレッシング等の洋食材です。2026年3月末現在、店舗数は3店舗(直営3店舗)となっております。 久世福商店     日本のうまいもの セレクトショップ   創業者の父であり、食品卸問屋を営んでいた久世福松氏がブランド名の語源であります。それぞれの商品は、素材の選定から味付けまで、当社と各メーカーが共同して開発を手掛けているものも多くあり、高品質でおいしいと感じられる逸品を取り揃えております。また、商品の魅力だけでなく、生産者の人柄まで掘り下げることで、より独自性の高い商品開発に努めております。主要な取扱商品は、ごはんのお供、だし、味噌や醤油等の和食材です。2026年3月末現在、店舗数は174店舗(直営53店舗、FC121店舗)となっております。 ブランド   コンセプト   特徴 KUZE FUKU & SONS     The Premium Japan Brand   当社グループの米国子会社であるSt. Cousair,Inc.で作った商品を、グローバルに展開するために誕生したブランドです。ブランド名には、創業者の父、久世福松氏の息子たちが米国に進出し、「親から子へ」脈々と受け継がれている、日本人としてのアイデンティティを大切にしたいという想いが込められております。主要な取扱商品は、St. Cousair, Inc.で作られているドリンクベースやドレッシング、ジャム等のほか、日本から輸入する自社製品及び仕入商品であります。 Portlandia   Healthy. Happy. Together.   2023年6月に事業譲受した、米国メインストリームの加工食品ブランドです。米国オレゴン州で自社ブランドのオーガニック認証を得たケチャップやマスタード等の加工食品を販売する事業を展開しております。創業当初より、オーガニック食材や持続可能な生産を通して、健康で幸せな未来を築いていこうというメッセージを発信し続け、地元地域の多くのお客様に親しまれております。 Bonnie's Jams       DISCOVER the TASTE of FRUIT   2024年10月に事業譲受した、フルーツジャムやゼリー等の加工食品を取り扱うブランドです。砂糖や添加物を極力使わずに、ゆっくりと時間をかけて完成させる製造方法により、素材本来の濃縮された味わいが特徴の商品を多数展開しております。また、チーズとのペアリングに最適なフレーバーが多いため、米国では世界的に有名なチーズ専門店でも販売されているほか、全米のスーパーマーケットにも幅広く展開しており、ユニークな高付加価値商品として、幅広いお客様に親しまれています。 KELLY’S JELLY   THE PERFECT COMPLEMENT   2025年4月に事業譲受した、ペッパーゼリーやフルーツスプレッドを扱うブランドです。地元の生産者から調達した安心安全で高品質な原材料を使用し、料理を引き立てる商品を展開しております。これまで、「GOOD FOOD awards」を受賞する等、様々な品評会で高い評価を得てきました。 (2)食のSPAモデル 当社グループは、全国各地の優れた逸品を探し出し、様々な販売チャネルを通じて販売していく食のSPAモデル事業を展開しております。 ① お客様からのフィードバックを直接取得するマーケティング 当社グループは食のSPAにおいて、お客様のフィードバックを素早く商品開発や売場改善に反映し、お客様の当社ブランドに対するロイヤルティの向上につなげていくことが、最も重要な要素であると考えております。当社グループでは、全国に有する自社店舗(直営及びFC)にご来店いただくお客様の声を直接聞き取り、その内容を「自社POS連動型ERPシステム」を通じて、遅滞なく本部に伝達する体制を整えております。また、2021年4月より開始した「久世福商店・サンクゼール公式アプリ」では、会員であるお客様の購買データを分析することで、ニーズの変化等をスピーディーに把握することに努めております。 さらに、2023年3月期からは、アプリ会員である一部のお客様に、当社が運営するコミュニティプログラム「Fan-Based Community」(以下「FBCプログラム」と言う。)にご参加いただき、定期的なアンケートやインタビュー等から、商品開発や売場改善に対するフィードバックを得る取組みを行っております。 ② 独自性の高い商品開発力 当社グループは、自社のグループ工場で製造するオリジナル製品はもとより、OEMメーカーから仕入れた商品に独自性を加える等、商品の企画・開発に注力しております。当社グループは、商品開発チームが新商品の開発及び定番商品の改良を行っております。商品の開発・改良については、ご来店いただくお客様からのご要望やFBCプログラムのフィードバックにより、お客様ニーズをスピーディーに反映しております。 また当社グループは、パッケージやラベルデザインについても専門デザイナーを自社におき、ブランドコンセプトに合致したデザインをタイムリーに仕上げることができております。 ③ 日米の自社製造拠点 当社グループは、長野県に有する国内工場の他、米国子会社であるSt. Cousair,Inc.が所在する米国オレゴン州の海外工場で製品を製造しております。 ・国内工場(株式会社サンクゼール 長野県上水内郡飯綱町) 飯綱町の製造工場では、サンクゼールブランド用のジャムやパスタソース等のほか、久世福商店ブランド用として、ごはんのお供シリーズ等の食品を製造しております。同一エリア内にある自社ワイナリーでは、国内及び近隣農家から仕入れた果実を原料とするワインやシードルを製造しております。さらに飯綱町と協同し、町の特産品であるりんごを使用したブランデーの蒸留を行っております。飯綱町のりんごの特徴でもある豊かな風味と芳醇な甘みを感じることができるブランデーとして、2017年より「いいづなアップルブランデー」という商品名で製造を開始しております。 ・国内工場(株式会社サンクゼール 長野県長野市) 長野市の製造工場は、自社製造商品の供給量拡大と、自社製造商品のラインナップ拡充を目的として、2025年8月に新たに取得しました。2026年6月より稼働を開始しております。 ・海外工場(St. Cousair,Inc. 米国オレゴン州) 当社は2017年4月に米国オレゴン州の食品加工工場を買収し、米国子会社St. Cousair Oregon Orchards, Inc.(現St.  Cousair,Inc.)を設立いたしました。オレゴン州は大規模な災害が少なく、年間を通して寒暖差が大きいことから、世界有数のベリー系果実原料の産地となっております。米国オレゴン州に工場を設置することで、新鮮で高品質な果実原料を安価に調達することができ、商品の品質向上及びコストメリットに大きく寄与しております。また、2017年の同工場買収時にUSDA(United States Department of Agriculture)によるオーガニック認証を取得し、以降も毎年更新を継続しております。これにより、当該認証ロゴの使用と、USDAオーガニックの基準に則った商品の製造・販売が可能となっております。加えて、同工場では食品安全に関する国際認証であるSQF(Safe Quality Food)認証、Non-GMO認証及びグルテンフリー認証を取得しており、品質及び安全性に配慮した製造体制を構築しております。 ④ 日本全国の仕入商品メーカーとのネットワーク 当社グループは、2026年3月末時点で全国500社を超える食品メーカーとのネットワークを有しております。各食品メーカーは、それぞれの地域に根差した独自性の高い商品を展開しており、それらの商品に当社グループの各ブランドが持つオリジナリティを加えることで、より付加価値の高い商品を開発しております。地方に拠点を置く食品メーカーにとっては、当社グループの店舗を通じて、全国各地に商品を流通させることができるという利点があります。このように当社グループは、それぞれのブランドがプラットフォームとして機能し、各地域の食品メーカーとWin-Winの関係で、強固なネットワークの構築を実現しております。 ⑤ 多様な販売チャネル 当社グループは、国内外の多様な販売チャネルを通して商品を販売しております。各チャネルの特徴は以下のとおりです。 ア.直営及びFC 当社グループは、日本国内において直営及びFCでの自社小売店舗を有しております。 ・本店(直営) 長野県飯綱町の本社エリアには、サンクゼールの本店があります。エリア内には他にも、レストランやイングリッシュガーデンがあり、長野県飯綱町を見渡せる小高い丘の頂上に位置していることから、親しみを込めて「サンクゼールの丘」と呼ばれており、毎年、多くの近隣住民や観光客が訪れる場所となっております。この本社エリアは当社グループの創業の原点であり、創業者の想いを継いでいく場所、そして当社グループの経営理念を体現し、発信していく場所として、当社グループの事業における重要な拠点となっております。 ・直営店 当社グループが店舗設備投資を実施し、当社グループの従業員が店舗を運営する形態であります。なお、直営店舗の中には、店舗運営業務のみを外部に委託する「OFC(オーナー・フランチャイズ・チェーン)」という形態の店舗も含まれております。 ・FC加盟店 FC加盟企業と締結するパートナーシップ契約に基づき、店舗設備投資及び店舗スタッフの人件費を含む店舗運営に関わる全ての費用をFC加盟企業の負担により運営する形態であります。当社グループは、当社グループのブランド使用権及び本部サービス提供に対し、各FC加盟企業からロイヤリティ収入を収受しております。 自社小売店舗の販売に関する特徴は以下のとおりです。 ・特徴①:多品種少量生産を可能とする商品供給体制 自社小売店舗の商品点数は、大型店舗で1,200アイテム以上にのぼります。多数の商品点数を確保するために、当社グループの自社工場及び仕入商品メーカーの各工場では、必要なときに必要な量をタイムリーに仕入れることができるよう、多品種少量生産を可能とする生産体制が構築されており、このようなこまやかな供給体制は、他社の参入を困難とする当社グループの強みとなっております。 また、全国に177店舗(2026年3月末時点)の自社小売店舗(FCを含む)を展開することにより、全国各地500社を超える仕入先メーカーからは、大きなロットでの調達による安価な仕入価格を実現することができ、価格戦略を含む店舗運営上の競争優位性の源泉となっております。 ・特徴②:魅力的な売り場、世界観が統一された内装什器 当社グループは、自社小売店舗の内装・什器などの店舗設計全てを、社内の店舗設計チームが手掛けております。これにより、各ブランドの世界観を統一して表現することができ、商品の魅力を最大限に引き出せる売り場作りが可能となっております。 ・特徴③:教育された店舗スタッフと接客力 当社グループはお客様の信頼を第一と考えており、お客様が快適に商品を購入できるよう、日々、店舗スタッフの接客力向上に取り組んでおります。当社グループには、各店舗の店長及び店舗スタッフの教育を専門業務とする教育チームが存在しており、毎月開催している店長会では、当該チームによるさまざまな研修を実施しております。 また、当社グループは品質目標の中で、「オンリーワンを目指し、お客様に感動を与えるサービスを提供する」という方針を掲げ、この考えが店舗スタッフ一人一人に浸透するよう、経営理念の教育を徹底して行っております。お客様に喜んでいただくために必要な対応をその場で判断し実行に移すことで、お客様にとってより居心地のよい空間を作り上げることができるように、今後も店舗スタッフの教育を継続して取り組んでまいります。 イ.EC 当社は、「サンクゼール」と「久世福商店」の2ブランドの商品を自社公式ECサイト及び楽天市場サイトで販売しております。 ・自社公式ECサイト及び楽天市場サイトでの販売 当社グループは、自社公式ECサイトに加え、楽天市場へ出店しております。ECでは2026年3月末時点で、売上高の65%以上がギフト商品で構成されております。ギフト商品に対するニーズにお応えするため、2022年4月からは当社公式ECサイト限定で、オリジナルメッセージカードの作成サービスを開始しております。 また当社は、2021年4月から開始している「久世福商店・サンクゼール公式アプリ」の会員データと、店舗会員であるお客様データを共通で管理することで、自社小売店舗とECの連携による販売促進施策を行っております。例えば、アプリ会員のお客様向けに、自社小売店舗で実施する販促キャンペーン情報等を定期配信することで、リアル店舗への集客を促進する等の取組みを推進しております。 ウ.ホールセール 当社は、自社製造商品を食品卸企業及び小売企業へ販売するほか、他社のPB商品のOEMを行っております。当社グループには、商品開発チーム、自社工場製造チーム、卸営業チームが存在し、それぞれのチームが密に連携することで、開発・製造・販売のサイクルを高速回転させ、顧客ニーズを素早く商品に反映させる体制を構築しております。 エ.グローバル 当社の子会社である米国オレゴン州のSt. Cousair,Inc.がグローバル展開のヘッドクオーターとしての機能を持ち、米国内での販売に加えて、アジアやオセアニア地域の顧客に対する営業活動を行っております。また、2025年9月には韓国現地法人を設立し、アジア地域の営業活動の強化を図っております。 前述のとおり、St. Cousair,Inc.の工場ではUSDAによるオーガニック製品の製造認証に加え、食品安全に関する国際認証であるSQF(Safe Quality Food)認証やNon-GMO認証、グルテンフリー認証を取得しており、品質及び安全性に配慮した製造体制を構築しております。こうした認証基盤を背景に、信頼性の高い製品に対する需要の高まりに対応した商品展開を推進しております。 また、米国西海岸エリアは世界の食トレンドの最先端エリアであり、当社はSt. Cousair,Inc.での米国内マーケティングを通じて、最先端の食に関する情報収集を行っており、ここで入手した情報は素早く社内で共有し、新たな商品開発につなげる体制を整えております。 ⑥ 食のSPAを支える内製化システム 商品開発から販売までを一気通貫でコントロールする食のSPAを展開するためには、それを支える高度なシステムが必要となります。当社グループで使用する「在庫管理システム」、「自社POS連動型ERPシステム」、「会員アプリ及び会員顧客分析データシステム」、そして「ECメッセージカードサービスシステム」等のシステムは、その大部分を社内のエンジニアチームが作り上げております。ゼロベースでシステムを開発することで、事業運営に必要な機能を柔軟に、且つ効率的に設計することができ、商品開発から販売に至るプロセスをスムーズに連携、コントロールすることが可能となっております。 当社グループの事業系統図は以下の通りです。
経営方針・対処すべき課題9,553字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「愛と喜びのある食卓をいつまでも」をコーポレート・スローガンに掲げ、当社グループの商品を通じて、全世界に愛と喜びに満ちた食卓を増やすことを目指し、事業に取り組んでおります。 当社グループはグローバルな視野に立ち、以下を経営理念として定めております。 ・企業目的 私たちは、お客様の暮らしや想いに寄り添いながら、常にお客様が求めることを感じ取り、新たな価値と出会いを創造し、お客様に愛され続ける存在を目指します。 私たちは、正しい経営活動により、お客様・株主・取引先・パートナー・及び地域社会に信頼される誠実な企業を目指します。 私たちは、互いの違いを認め合う、豊かな成熟した大人の文化を創造し、居心地のよい楽しい社会の実現に貢献します。 私たちは、世界中の人々に、おいしく健康で高品質な食をバリューを持って提案し、豊かな食卓と暮らしを楽しむ時間と、人と人が集いつながることのできる場を提供します。 ・企業としてのあり方 私たちは、企業目的を果たすために、健全な企業活動を行い、長期に社会貢献できるGood Companyを目指します。 あらゆる人々に開かれたオープンな会社であり、経営理念を共有するパートナーたちによって運営される健全な会社を目指します。 パートナー、カスタマー、カンパニーの三方共に満足のいく関係を構築することに注力します。 私たちは、次世代に食文化を継承し、豊かな地球環境を手渡す努力を惜しみません。 当社グループは上記の経営理念の下、食のSPA企業(製造・小売企業)として、当社グループを取り巻くステークホルダーの皆さまのライフスタイルをより豊かなものにすることを目指して事業活動に取り組んでおり、これらの活動が居心地のよい楽しい社会の実現と、当社グループの企業価値向上につながると考えております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、当社グループの製商品及びサービスに対するお客様の支持の大きさが、将来の企業価値向上につながると考えております。お客様のご支持をいただけているかどうかについては、当社グループの製商品及びサービスの提供に必要な営業費用を上回って獲得することができる利益の額によって判断しております。そのため、当社グループでは、営業利益及び売上高営業利益率を重要指標としております。 (3)経営戦略等 当社グループは、「愛と喜びのある食卓をいつまでも」をコーポレート・スローガンに掲げております。その実現のために、当社が中長期で目指す姿は以下のとおりです。 ① 国内事業 ア.   イ.   ウ.   久世福商店事業は、顧客ロイヤルティの向上によりロイヤル顧客とLTVを拡大し、既存店を基盤とした収益の柱となっている。 デジタルサプライチェーンを基盤に商品の内製化を進め、生産効率と収益力を高める事業基盤を構築している。 複数のM&Aにより、食のSPAモデルが更に強化されており、持続的な成長と高い収益性が実現している。 上記の中長期で目指す姿を実現するために、国内事業において注力する成長戦略は以下のとおりです。 ア-a 売り場改革による来店価値の創出と顧客基盤の拡大 売り場演出、商品開発、店舗販売力を一体で進化させる売り場改革により、来店するたびに新たな発見や楽しさを感じていただける売り場体験を創出することは、久世福商店事業を中核とする当社グループの重要課題です。商品そのものの魅力に加え、食卓シーンが想起できる演出やメニュー提案等で商品の価値を分かりやすく伝え、新規及び既存のお客様双方の来店頻度を高めることで、持続的なお客様数の増加と顧客ロイヤルティの向上を図ってまいります。 ア-b 購買データ活用によるCRM強化と顧客価値の最大化 店舗及びECの購買データを横断的に活用し、お客様の嗜好や利用傾向を把握することは、お客様満足度の向上につながります。お客様のリピート率や購買単価を高め、顧客生涯価値(LTV)の向上と安定した収益基盤の構築を目指してまいります。 イ-a デジタルサプライチェーンの高度化による生産・供給体制の強化 AIを活用した需要予測や生産計画、在庫管理の高度化を進めるとともに、自社商品及び仕入れ商品の生産関連データの一元管理を推進してまいります。生産計画から発注、原価管理までをシームレスに連携させ、全体最適の視点で生産及び供給体制を構築し、多品種・高付加価値商品を安定的に届けるための事業基盤の強化を図ってまいります。 イ-b 商品内製化の段階的拡大による生産基盤の強化 取得した製造工場を安定的に稼働させ、これまで外注していた工程を段階的に内製化します。自社で製造工程を担うことでコスト構造が改善され、品質管理や供給体制の安定を図ることで、持続的な収益力を支える生産基盤の強化を目指してまいります。 ウ-a M&Aによる食のSPAモデルの持続的強化 開発・製造・販売の各工程において、自社の強みを補完・強化するM&Aを段階的に実行してまいります。商品開発力や製造・品質管理機能といった商品価値創出の中核をグループ内に取り込むことで、食のSPAモデルを一層高度化し、競争優位性と企業価値の向上を目指してまいります。 ウ-b M&A後の統合推進による価値創出 M&A実行後は、取得した事業や機能を既存事業と戦略的に接続し、早期の収益性向上とシナジー創出を図ります。商品開発、製造、販売、管理機能の連携を強化することで、グループ全体の効率性と収益力を高め、食のSPAモデルの継続的な強化と中長期的な成長を目指してまいります。 ② グローバル事業 ア.   イ.     ウ.   米国において、プレミアム日本食ブランドとして独自のポジションを確立・深化させ、幅広い販路で認知・採用されるとともに、持続的な成長と収益性を実現している。 アジア・その他地域(オーストラリア・中国・その他)において、プレミアム日本食ブランドとしての独自のポジションを確立・深化させ、各地域性に応じた展開により、持続的な成長と認知拡大を実現している。 M&Aにより複数のブランドを傘下に持ち、ブランドポートフォリオが構築され、高い成長と収益性が確立されている。 上記の中長期で目指す姿を実現するために、グローバル事業において注力する成長戦略は以下のとおりです。 ア-a ディストリビューター(問屋)・販売ブローカー※ネットワークを活用した販売拡大と深化 当社グループは、商品に込めた想いや価値を自ら伝える営業スタイルで、米国食品流通業界において重要なディストリビューターや販売ブローカーのネットワークを活用し、販路拡大を進めてまいりました。今後は、既存取引基盤の深化と複数ブランドによるクロスセルを本格化させ、取扱規模と採用領域の拡大を図ることで、プレミアム日本食ブランドとしての独自のポジションを一層強固なものとしてまいります。 ※販売ブローカー:米国独自の商習慣で、サプライヤーの立場で販路(小売店やフードサービス)に営業活動を行う外部セールス業者をいいます。 ア-b 外食・業務用市場でのブランド浸透拡大 巨大かつ成長が続く米国の外食・業務用市場において、当社グループの高品質・高付加価値な商品の展開を継続いたします。現地ニーズを踏まえた業務用商品の拡充を進めることで、プロユースの採用拡大を図り、ブランド認知と販売機会のさらなる創出につなげてまいります。 ア-c 多様化する市場に対応する商品開発力の強化 4つのブランドを展開する中で、販路及びお客様層の拡大に伴い、求められる商品ニーズは一層多様化しています。各ブランドの強みや世界観を活かしつつ、小売業態やお客様特性に応じた商品開発を推進することで、幅広い販路での採用拡大とブランド価値の向上を図ってまいります。 ア-d 高稼働体制と現場改善による利益率の向上 米国工場の稼働率を高めることは、生産性向上と利益率改善に直結します。需要予測に基づいた計画生産の徹底や、ブランド横断での原材料調達・製造工程の共通化等、現場起点の改善を積み重ねながら、固定費と原価の効率的なコントロールを推進し、収益性の向上と持続的な成長基盤の強化を目指してまいります。 ア-e 米国工場用地の戦略的活用による長期成長基盤の構築 30エーカー(約121,400㎡)に及ぶ米国工場エリアの未活用スペースについて、その可能性を中長期的な視点で検討し、生産能力拡張や新たな事業展開につなげることで、固定資産の価値最大化と将来の成長機会の創出を図ってまいります。 イ-a 地域特性を活かしたアジア・その他地域での展開拡大 アジアおよびオーストラリア、中国等の地域において販路拡大を継続し、現地パートナーや既存の販売体制を活用した展開を進めてまいります。各地域の市場特性や消費スタイルに応じた商品・ブランド展開を行うことで、着実な売上成長とプレミアム日本食ブランドとしての認知拡大を図り、持続的な成長基盤の構築を目指してまいります。 イ-b アジア地域における供給基盤の構築 アジア地域での事業拡大を見据え、各市場の需要に応じた安定供給を実現するために、将来的な製造拠点の探索および検討を進めてまいります。現地パートナーや既存の流通網を活用しながら、供給リスクの分散と効率的な生産体制の構築を図ることで、事業基盤の強化と持続的な成長を目指してまいります。 ウ-a 戦略的M&Aによるブランドポートフォリオの高度化 主に米国市場において、各ブランドの独自性や世界観を尊重しつつ、シナジーを重視したM&Aを継続してまいります。ブランドごとの特性や成長段階を踏まえた事業運営を行うことで、成長性と収益性のバランスを高めるとともに、リスク分散と資本効率の向上を図り、持続的な企業価値の拡大を目指してまいります。 ③ ESGポリシー 当社グループのビジョンに基づき、事業戦略の中にサステナビリティ戦略が自然に組み込まれ、「社会の持続可能性」と「企業の持続的な成長」が同じ目線で追求されている。 上記の中長期で目指す姿を実現するために、当社グループは7つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれの課題に対して取組みを実施しておりますが、特に以下の分野に注力いたします。 ア.気候変動対策 当社グループは、事業活動に伴う温暖化ガス排出量の削減を重要な経営課題と位置づけ、Scope1+2に関しては、2030年までに2021年度排出量を基準として50%削減することを目標に取組みを進めております。今後は、当該目標に向けた具体的なロードマップを策定し、計画的な進捗管理を強化してまいります。また、Scope3排出量については測定精度の向上と可視化を進め、排出量の多い領域を特定した上で削減施策を推進してまいります。さらに、事業成長に伴う生産量増加を見据え、生産効率の向上や単位当たり排出量の改善を通じて、生産拡大と排出量削減を両立させ、社会の持続可能性と企業の持続的成長を同時に実現してまいります。 イ.人的資本 当社グループは、人財を持続的な事業成長を牽引する最重要資本と位置付け、経営戦略の遂行に不可欠な人財の最適配置及び育成を推進しております。 現在、経営理念・成長戦略に合致する「求める人財像」を明確に定義し、等級・評価・報酬・教育の各制度を有機的に連動させた、新たな人事制度の導入を進めております。これにより、社員の自律的な成長を促すとともに、組織としての成果最大化を図る体制を構築してまいります。 また、教育研修やキャリア形成支援を重点投資領域と定め、多様な人財がその能力を最大限に発揮できる環境整備に取り組んでおります。その指標のひとつとして、2030年までに管理職に占める女性比率30%以上とする目標を掲げております。 ウ.食品ロス削減 当社グループは、食のSPA企業として、食品ロスと廃棄物の削減に取り組んでおります。販売部門では、ムリ・ムラのない仕入れロットや発注計画の見直し、先入れ先出しの徹底、棚回転率の向上を図ります。製造部門では、ロス要因を分析し、購買・開発・製造・品質管理・物流・営業の各部門と情報を共有しながら、廃棄物削減に取り組んでおります。あわせて、自社工場における2027年4月のFSSC22000認証取得を目指し、食品安全マネジメントシステムの構築を通じて、構造的な廃棄物の発生抑制を推進してまいります。やむを得ず発生する食品ロス・廃棄物については、法令遵守のもと分別を徹底し、バイオ燃料原料化をはじめとするリサイクルやエネルギー回収を通じて資源循環に貢献してまいります。 エ.森林保護・生物多様性 当社グループは、メインオフィスを置く信濃町センター周辺の約160,000㎡に及ぶ「サンクゼールの森」を拠点に、森林生態系及び生物多様性の保全に取り組んでおります。今後も信州大学教育学部森林生態学研究室(井田秀行教授)と連携し、植生調査及び必要に応じた森林整備を継続的に実施するとともに、生息する動植物種数や指標種の確認結果を定点観測することで、森林の健全性を評価し、その維持・向上を図ってまいります。加えて、保全・管理対象面積の維持、調査・整備の継続実施、生物多様性指標の推移をKPIとして設定し、取組みの実効性を検証してまいります。また、地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」認定の継続や、環境教育・社員参加型活動を通じて、企業価値向上と結びついた森林保全を推進し、ネイチャーポジティブの実現を目指すとともに、30by30(サーティ・バイ・サーティ)の目標達成を推進してまいります。 オ.公益財団法人「サンクゼール財団」 創業者である久世良三氏及び久世まゆみ氏と当社グループが共同で設立した「一般財団法人 サンクゼール財団」は、食の担い手として歩み、成長してきた企業の立場から、コーポレート・スローガンである「愛と喜びのある食卓をいつまでも」の実現を目指し、様々な社会貢献活動に取り組んでおります。これまで、令和6年能登半島地震に対する災害義援金の寄附及び、本社を置く長野県において、子ども食堂やその中間支援団体等を対象とした「愛と喜びのある食卓づくり」助成事業を行ってまいりました。 今般、同財団が公益認定を受けたことにより、活動の社会的信頼性と公益性が一層高まり、支援対象や連携先の拡充等、活動の幅がさらに広がるものと考えております。当社グループは今後も同財団と連携し、食を起点とした持続的な社会課題解決への貢献を通じて、社会的価値と企業価値の双方の向上に努めてまいります。 (4)経営環境 食品製造・食品小売業界におきましては、原材料価格や物流費、人件費の上昇、世界情勢の不安定化によるコスト負担が継続しており、企業努力による価格転嫁や生産性向上が求められる状況が続いております。一方で、消費者の価格選別志向や価値重視の購買行動は一層強まっており、商品価値の明確化やブランド力の強化、お客様との関係性構築が、持続的な成長に向けた重要な課題となっております。 そのような状況の中、当社グループは「愛と喜びのある食卓をいつまでも」というコーポレート・スローガン のもと、お客様の食卓に寄り添い、価値ある商品及びサービスの提供に注力しております。今後もお客様の声を 真摯に受け止め、ニーズを起点とした商品・サービスの開発と提供を通じて、より多くの皆様に当社グループの ファンとして支持していただけるよう取り組んでまいります。 また、近年におけるお客様の購買行動およびニーズは刻々と変化しております。これに伴い、店舗とECを融合したオムニチャネルやOMOの推進が一層求められており、各チャネルが有する強みを相互に活かしながら、相乗効果を通じてお客様への価値提供を高度化していくことが重要であると認識しております。 さらに、お客様の消費行動においては、ギフト需要のカジュアル化が進展しております。加えて、日常消費においても、高付加価値商品を志向する層と、価格重視の層との二極化が進行するものと考えております。 このように、食品を取り巻くトレンドは時代の変化とともに大きく移り変わっておりますが、当社グループはこれを成長の機会と捉え、事業の特長である「食のSPA」のさらなる高度化を図るとともに、お客様のニーズに即した商品を迅速に開発・提供してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループが優先的に対処すべき主な課題は以下のとおりです。 ① ブランド力の向上 当社グループの更なる事業拡大と中長期的な成長を実現するためには、ブランド力を向上し続けることが必要不可欠と考えております。当社グループは商品及び店舗ブランドの「サンクゼール」、「久世福商店」、海外展開ブランドの「KUZE FUKU & SONS」や「Portlandia」、「Bonnie's Jams」また2025年4月に事業譲受した「KELLY’S JELLY」等、複数のブランドを有しており、各ブランドの強みを活かしながらお客様に最大限の価値を提供できるよう、今後もさらなるブランド力の向上に努めてまいります。 ② 成長を支える人材の確保 当社グループは、商品開発、製造、調達、販売の全ての機能を一気通貫で手掛ける食のSPAモデルを展開しております。この食のSPAモデルを支えるためには、多様な人材が密に連携し合う組織体制を構築する必要があります。外部環境が変化するスピードが速く、将来の不確実性が高い現代において、当社グループは環境変化に適応しながら成長を支える多様な人材を確保し、それぞれの人材が働きがいを感じて能力を最大限発揮できるよう、人材採用や教育の強化、オフィス環境の整備や人事制度の改定、健康経営の促進等に積極的に取り組んでまいります。 ③ マーケティングの強化 当社グループには多様なブランドが複数ありますが、各ブランドのお客様はそれぞれ異なる特徴を有しており、そのニーズも多岐にわたることから、ブランドごとに最適なマーケティング施策を実行していくことが必要です。そのために当社グループはマーケティング専門部署を設置しております。各ブランドのお客様に対する提供価値を最大化させるため、全てのブランドにおいて継続的なマーケティングを強化してまいります。 ④ 商品開発力の向上 ブランドや商品価値の陳腐化を防ぎ、常にお客様にご支持いただける独自性の高い商品を開発し続けるためには、商品開発力の更なる向上が必要であると考えております。そのために当社グループは、商品開発部門の体制強化や人材育成、新商品の研究開発や改良を目的とした新たな商品開発ラボの活用を進めるとともに、引き続き地方の食品メーカーとの友好な関係を構築してまいります。また、2026年3月には新たに東京オフィスを設置し、最新の市場トレンドの迅速な把握および商品開発における実行力の向上を図ってまいります。 ⑤ 新規出店のための優良物件の確保 当社グループの事業拡大のためには、毎年一定数を新規出店することが必要であると考えております。新規出店する店舗の収益性を高められるよう、競争力の高い優良物件を確保していくことに努めてまいります。 ⑥ 新規事業開発やM&Aに関わる人材やノウハウの充実化 継続的な成長を実現させていくためには、既存事業の成長に加えて新規事業開発やM&Aが重要な戦略であると考えております。新規事業及びM&A案件の探索と、その後の各フェーズの実行を支える人材やノウハウの充実化に取り組んでまいります。 ⑦ 生産性の向上とDX(注) お客様に提供する価値を最大化しながら、従業員一人ひとりの事務処理負担を軽減するためには、グループ全体で継続的に生産性を向上させていく必要があります。このため当社グループでは、生産性向上に向けた専門部署を設立するとともに、AIを積極的に活用した業務効率化の取組みを加速させております。また、DXを推進するためのテクノロジーは日々進化しており、とりわけ食のSPAに関するテクノロジーについては、適時適切に取り入れていくことが重要です。当社グループは、これまで食のSPAを支えるITインフラを整備してきた知見を活かし、AI活用を含むDXの推進や業務プロセスの見直しを通じて、生産性の向上に継続して取り組んでまいります。 (注) DXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称であり、企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することであります。 ⑧ グローバルサプライチェーンの進展 昨今の資源価格の上昇や物流コストの上昇は、当社グループの成長を阻害する要因であり、対処すべき課題であると考えております。当社グループは、日米に有する各工場の生産力を最大限活用すると同時に、原料の国際調達等による製造コストの低減に努めております。加えて、世界情勢が不安定さを増す中においても、グローバルなサプライチェーンを構築・強化することでリスクの分散を図り、必要な原材料を適時適切に調達できる体制の確立に取り組んでおります。また、米国を始めグローバルに商品を流通させていくために、調達と販売の両面において、グローバルサプライチェーンの更なる進展を図ってまいります。 ⑨ 気候変動対策を含むサステナビリティに関する取組みの推進 当社グループがコーポレート・スローガンに掲げている「愛と喜びのある食卓」を多くの家庭で長期持続的に実現するためには、当社グループの事業戦略の中にサステナビリティ戦略がしっかりと組み込まれ、「社会の持続可能性」と「企業の持続的な成長」が同じ目線で追求されている状態をつくり、強力に推進していくことが必要となります。中でも食品業界における気候変動の影響は、主に原材料の調達等に深刻な影響を及ぼす可能性があることから、当社グループは気候変動の原因となる温室効果ガス(GHG)の排出量を抑制するために、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルの実現に取り組んでまいります。また、食品ロスやプラスチックごみ等の環境問題にも適切に対処していくことが必要不可欠であると考えており、当社グループにおきましても、これらの環境問題の解決に向けた具体的な取組みを計画し、実行してまいります。 ⑩ 内部管理体制の強化 当社グループの成長のためには、それを阻害するリスク要因を漏れなく把握し、各リスクへ適切に対処することが必要不可欠となります。当社グループは、個人情報管理や法規制への対応等のコンプライアンス体制の強化を含め、内部管理体制の強化に継続的に取り組んでまいります。
事業等のリスク13,044字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)サステナビリティに関するリスク (顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:中長期 / 影響度:中) 当社グループが営む食のSPAは、商品開発、調達、製造及び販売に至るまで、サプライチェーンが多岐に及んでおります。当該サプライチェーンは、気候変動の進行により、従来の方法では原材料や商品の調達が困難になる可能性や、環境負荷の小さい商品を好むようになる等のお客様趣向の変化といったような、事業を取り巻く環境変化により、様々な影響を受ける可能性があります。さらに、事業の拡大とともに食品ロスの発生が増加した場合、環境負荷の増加やお客様の当社ブランドに対するイメージ悪化の可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループはサステナビリティに関する重要課題を設定し、当該重要課題に対する取組みを行っております。 当該取組みの内容は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 (2)経済状況・世界情勢の変化に関するリスク (顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 当社グループは、国内における食品製造販売を主たる事業としておりますが、日本の景気変動や政治情勢、世界情勢の変化により、当社グループの営む事業に影響を与える事象が発生した場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは国内において複数のブランドと複数の販売チャネルで事業を展開していくとともに、海外を成長領域の一つと位置づけ、グローバルの売上を伸長するために必要な投資を継続的に実施してまいります。 (3)業界環境、市場規模について (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 食品は人間にとって必須のものであり、決してなくなることはないものの、消費者のニーズや生活スタイルの変化により、好まれる食品のタイプが変わるリスクが存在します。当社グループが環境の変化に機敏に対応できず、消費者のニーズを取り込むことができない場合は、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは、店舗やECでの販売動向や会員アプリによる顧客データの分析、その他マーケティングに必要な投資を継続的に実施し、消費者のニーズを適確に把握できる体制の強化に努めてまいります。 (4)食の安全性に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 食品の品質に対する消費者の要求は一段と高まっております。当社グループにおきましても「食の安全性」の確保を経営の最重要課題の一つと位置づけ、品質方針及び品質目標を掲げるとともに、品質保証部門を中心とした品質マネジメントシステムを通じて、製品の安全性と品質の確保に万全を期しております。しかしながら、当社グループのみならず、製品の仕入先や当社ブランドの製造委託先においても、偶発的な場合を含め商品の品質を低下させる事象が発生する可能性があります。これにより、多額の損害賠償金の負担やブランドイメージ低下による売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは、外注先工場を定期的に訪問し、品質管理体制の確認や研修会を実施するとともに、品質に関する重要な問題が発生した場合には、案件の規模に応じて、取締役会、経営会議及びリスク&コンプライアンスマネジメント委員会にて協議する等、リスクマネジメントの強化に努めております。 (5)天候不順等のリスク (顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループは、食品製造販売事業を主たる事業としております。天候不順等により当社グループが取り扱う製商品の原材料である食材が不作となり、原材料の調達が困難となった場合、当社グループにおける商品の仕入量や製品の生産量が減少し、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは主力製商品の一部を当社グループの日本と米国の双方で製造できる体制を整えてまいります。また万が一、特定の製商品の原材料調達が困難となった場合に備えて、当該製商品の代替商品を同一製商品カテゴリーに加える等、製商品カテゴリーごとの商品点数を拡充することにより、リスク分散を図っております。 (6)自然災害等のリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 当社グループは、国内において長野県飯綱町及び同信濃町に本社機能及び製造拠点を有し、2026年3月末時点で全国各地に合計177店舗を展開しております。また、米国においても、子会社St. Cousair, Inc.を通じて製造及び販売事業を展開しております。 このような事業体制のもと、自然災害や新型インフルエンザ等の感染症の拡大を含む予測困難な事象が発生した場合には、本社機能の停止、製造拠点の操業停止、店舗の損壊、さらには原材料調達の阻害等により、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 国内において、自社製造拠点が所在する長野県飯綱町及び信濃町は冬季の積雪量が多い地域であり、想定を超える積雪により工場の稼働停止が生じた場合には、生産量の減少を招く可能性があります。 また、米国子会社SCIが所在するオレゴン州においては、地震、山火事、洪水等の自然災害の発生により、製造設備の損壊、物流の停滞、操業制限等が生じた場合、生産活動及び供給体制に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、感染症が拡大した場合には、原材料調達の遅延や生産活動の停滞に加え、店舗休業等の営業制限が発生するリスクがあります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは米国子会社及び全国500社超のサプライヤーネットワークからの調達並びに店舗、EC、ホールセール及びグローバルの複数チャネルでの販売を通じて、特定地域への依存度を低減したサプライチェーンを構築しております。また、長野市に新たな製造拠点を設けることで、生産体制の分散及び事業継続性の確保を図っております。 (7)情報システムに関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 当社グループでは、店舗運営を含む事業運営全般を当社グループ独自の基幹システムで運用・管理しており、データ消失等のリスクに対しては適切なバックアップ体制を構築し、不正アクセス等の外部からの攻撃に対しても適切な対抗策を講じております。しかしながら万が一、システムダウンや不正アクセスによるデータの改ざん等が発生した場合には、事業運営の阻害や社会的信用の失墜を招くことになり、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは以下の3点に取り組んでおります。 ① 稼働しているシステムのセキュリティ強化 全てのシステムでユーザー認証を求めることを基本とし、攻撃を受けやすいECサイト等は、外部専門機関による脆弱性診断を受け、サイバー攻撃に対する耐性強化を推進しております。 ② 全従業員を対象としたセキュリティ教育の強化 セキュリティポリシー及び個人情報の管理規程を整備し、それをもとにセキュリティ教育研修を実施しております。他社で発生した事例等を盛り込み、常に危機意識を持って行動できるよう指導を徹底しております。 ③ セキュリティ強化への投資 UTM(統合脅威管理)装置を導入する等、セキュリティ対策及び強化に必要な投資を行っております。 (8)個人情報の漏洩等のリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 当社グループでは、お客様、及び従業員の個人情報を収集・保管しており、個人情報漏洩のリスクに関しては個人情報保護方針に従い適切に管理しております。しかしながら万が一、これらの個人情報が社外に流出した場合には、多額の損害賠償金や当社グループの社会的信用の失墜により、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社は2023年6月にプライバシーマークを取得し、個人情報保護に関する社内体制の継続的な強化を図っております。 (9)法的規制等に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 当社グループは事業遂行にあたり、食品衛生法、景品表示法、食品表示法、消費者安全法、労働基準法、そして製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律等の法的規制の適用を受けております。これら法的規制の適用に当たり、当社グループは法務主管部門が関連部門と連携して法令改正に適宜対応し、関連法規の遵守を徹底しております。しかしながら万が一、これら法的規制に違反する事象が発生した場合には、多額の損害賠償、行政処分並びに社会的信用の失墜を招き、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、原材料のアレルゲン表示については細心の注意を払っておりますが、記載漏れ等が発生した場合には人的被害が生じる可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは法務主管部門やその他の関連部門が、顧問弁護士及び顧問弁理士と適時コミュニケーションを図るとともに、必要に応じて社内勉強会を開催する等、法的規制等の遵守に努めてまいります。 (10)原料、製商品の仕入先、卸販売先との関係悪化や依存リスク (顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 当社グループは、原料及び製商品の仕入先並びに卸販売先の各企業と良好な関係を構築しており、取引先数も着実に増加しております。しかし、今後も良好な取引を継続できる保証はなく、当初の計画通りに原料や製商品が調達できない場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、原料メーカー、製商品の仕入先及び卸販売先との間にトラブル等が発生した場合には、訴訟の提起等により、同様に業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。加えて、中東情勢の影響等により、資材を含めた原材料価格の高騰や品不足が生じるリスクもあり、これらにより安定的な調達に支障を来す可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは今後も取引先各社と良好な関係を維持できるよう十分なコミュニケーションを図り、Win-Winの関係を継続できるよう努めてまいります。 (11)競合リスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 当社グループが属する食品流通業界には多くの競合企業が存在しており、競争関係はますます熾烈化しております。他社が当社グループと差別化した商品や出店戦略を展開し、当社グループの競争優位性が低下した場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは、店舗やECでの販売動向や会員アプリを通じた顧客データの分析、その他マーケティングに必要な投資を継続して実施し、常に最新の消費者ニーズを把握できる体制を強化することで、同業他社と差別化した商品やサービスの提供に努めてまいります。 (12)商品及び原材料の調達並びに価格変動に関するリスク (顕在化可能性:高 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループでは、日本及び米国子会社の自社工場において製品の原材料を調達するほか、当社ブランドの製造委託先や商品の仕入先から製商品の仕入を行っておりますが、天候不順や自然災害、世界情勢の変化、また仕入先の諸事情により、これら原材料や製商品の調達が困難となり、市場価格が高騰する等の状況が生じた場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 特に、中東地域の地政学的リスクの高まりに伴い、石油化学製品の原料であるナフサの供給が逼迫又は価格が高騰した場合には、包装資材等の原材料コストの上昇や調達遅延により、当社グループの製造及び供給体制に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは多くの製商品を米国子会社及び全国500社を超えるサプライヤーネットワークから調達しており、特定の地域や特定の商品に過度に依存することのないサプライチェーンを構築しております。 (13)物流網及び物流費用に関するリスク (顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループは、国内物流業者の協力のもと、全国各地の店舗へ製商品を効率的に配送するための物流体制を構築しております。しかし、大規模災害等により物流配送網に支障が生じる場合には、店舗への製商品供給不足により、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、配送ドライバーの労働時間短縮施策や中東問題を含めた世界情勢の変化によるガソリン価格の高騰等により物流費用は上昇傾向にあり、今後も当社グループの予想を超えて物流費用が上昇する場合には、同じく業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは常に効率的な物流網を比較検討するとともに、複数の外部倉庫や運送会社と契約することで、物流網及び物流費用に関するリスクの分散化を図っております。 (14)商品企画及び商品開発に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループが属する食品流通業界は、常に消費者の嗜好変化や流行の影響を受けます。当社グループは6つのブランド、計1,500品目を超える製商品を販売しており、各ブランドにおいてお客様のニーズや時代変化に対応した製商品の企画及び開発に注力しております。しかしながら、お客様の嗜好や食品マーケットトレンドは短期的かつ急激に変化する傾向にあり、当社グループの製商品とお客様のニーズとの間で乖離が大きくなった場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは店舗やECでの販売動向や会員アプリを通じた顧客データの分析、その他マーケティングに必要な投資を継続して実施し、常に最新の消費者ニーズを把握できる体制を強化することで、お客様が求める製商品やサービスの提供に努めてまいります。 (15)知的財産権に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループは、所有する6つのブランドについて商標登録を行っており、各ブランドの製商品開発において、商標登録したロゴ等をラベルやパッケージデザインに使用しております。当社グループが保有する商標について、第三者の商標権等を侵害している事実はありませんが、商品のデザインを含め第三者の商標権等を侵害していると認定された場合には、損害賠償やブランドイメージの低下等により業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また当社グループは、第三者によって当社グループのブランドロゴやデザインを模した商品が販売されている事例等がないかどうか、日常的に情報収集を行っておりますが、万が一当該商品等が市場に出回り、当社グループの知的財産権管理が十分に機能しない場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは、法務主管部門やその他の関連部門が顧問弁理士・顧問弁護士と適時コミュニケーションを図り、知的財産権の侵害防止に努めております。また、当社グループのブランドロゴやデザインを模した商品等が発見された場合には、法務主管部門やその他の関連部門は当社の顧問弁理士・顧問弁護士と協力して当該第三者と協議を行い、適切な措置を講じてまいります。 (16)訴訟に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:大) 当社グループは事業を遂行するにあたり、各種法令、諸規則を遵守しております。また、第三者の知的財産権を侵害することのないよう細心の注意を払っており、現時点で当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす係争中の案件はありません。しかしながら万が一、商標権の侵害等の訴訟が提起された場合には、その結果により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは法務主管部門やその他の関連部門が顧問弁護士及び顧問弁理士と適時コミュニケーションを図るとともに、適宜社内勉強会を開催して法的規制等の遵守に努めてまいります。 (17)海外展開に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 米国子会社であるSt. Cousair,Inc.は、主に米国向け製品の製造・販売を行っておりますが、米国の政治・経済・社会・法規制等のカントリーリスクによって米国向けの販売が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、当社グループは近年、台湾や韓国をはじめとするアジア地域における取引を拡大しておりますが、当該地域における政治・経済情勢の変動、法規制の変更、商慣習の違い等により、販売活動や事業運営に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 さらに、米国子会社との取引は米ドル建てで行っており、連結決算上は米国子会社の決算数値を期中平均相場等の為替相場で換算しておりますが、米ドル相場の急激な変動が業績及び財政状態へ悪影響を与える場合があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは日々、米国及びアジア地域を含む進出先国の政治・経済・社会・法規制等の情報収集を行い、事業に影響する事象の把握に努めております。また、一部の外貨建取引にかかる為替相場変動リスクに対しては必要に応じて為替予約を行う等、為替相場変動リスクの低減に努めております。 (18)固定資産の減損に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:低) 当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当社グループは直営店舗設備や本社設備などの様々な固定資産を保有しており、これらの固定資産に関して減損損失を認識する必要があると判断した場合には、多額の減損損失の計上により、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは、店舗別業績の動向を常に把握し、業績が悪化している店舗に関する原因分析と対策の早期立案・実行に努めております。 (19)M&A等に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループは、M&A等による成長可能性を積極的に検討しており、株式買収、事業買収、マイノリティ出資及び業務提携など様々な手法で企業価値の向上を図っております。2026年3月末時点において、投資有価証券を36,135千円、過去に実施した買収に伴うのれんを478,383千円計上しておりますが、M&A等により取得した資産が当初想定していた効果を下回った場合には、投資有価証券評価損やのれんの減損の計上により、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは、投資先に対する助言や当社グループの経営資源の提供を通して、投資先の超過収益力の維持又は向上に努めてまいります。 (20)新規事業について (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループは中長期的な企業価値向上を目的として、新規事業の可能性を継続して検討しており、企業価値向上に資すると判断した場合には積極的に実行に移しております。これらの新規事業は、設備投資や人的資本投資など、多額の先行投資が必要になるため、実行に際しては事前に十分な検討を行った上で事業計画を策定し、経営会議や取締役会等での承認を経ておりますが、実際の業績が想定を下回った場合には、一時的に当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは事前段階において十分な情報収集を行った上で事業計画を策定するとともに、事後段階においては新規事業に係る業績動向の分析を慎重に実施してまいります。 (21)繰延税金資産に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:低) 当社グループは、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは事業全体を通して収益性の向上を図り、将来の課税所得の蓋然性を高めてまいります。 (22)棚卸資産の評価に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループの扱う製商品は加工食品が中心であり、多くの商品に賞味期限が設定されておりますが、賞味期限まで十分な期間を残して販売できるように予測し、商品の在庫管理を適宜行っております。また、賞味期限が近い製商品は店頭での値引き販売等により、食品ロスを最大限抑制できるように努めております。しかしながら、感染症の感染拡大等により店舗の休業が余儀なくされる場合や需要予測を見誤った場合には、賞味期限内の販売が困難な製商品が発生し、当該製商品に対して棚卸資産評価損を計上することにより、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループはIT化による需要予測及び受発注プロセスの高度化を実現し、在庫管理の精度向上に努めてまいります。 (23)店舗の敷金及び差入保証金の回収不能リスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:低) 当社グループの直営店舗は、その多くが建物を賃借して出店しており、賃借に際して差し入れる敷金及び差入保証金は、2026年3月末時点で291,718千円であります。賃借先は国内の大手不動産事業会社が中心であり、これらの賃借先に対しては当社グループが定めた与信管理規程に基づいて与信判断を行っておりますが、万が一、賃借先の財政状態の悪化等により敷金及び差入保証金の回収が困難となった場合には、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは与信管理規程に基づく与信判断の精度を向上し、リスクの低減に努めてまいります。 (24)人材の確保及び育成に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 直営店舗による店舗展開を行う上では、優秀な店長人材の確保・育成が不可欠となりますが、適切な人材の確保・育成ができない場合又は優秀な店長人材が社外に流出した場合には、当社グループの業務運営や経営成績等に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループは、経営理念や経営方針の伝達を通して、従業員一人一人が当社グループの目指す方向性を十分に理解できるように取り組むほか、待遇面や福利厚生の充実等、従業員が働きやすい環境の構築を進めております。これらの施策を通して、当社グループに対する従業員のエンゲージメントを高め、働きがいを感じながら従業員一人一人が成長を実感できるような組織を構築し、当該リスクの低減につなげてまいります。 (25)パートタイマー及びアルバイトの確保に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループは、多店舗展開を行う上で多くのパートタイマーやアルバイト従業員を雇用しておりますが、当該人材が計画どおりに雇用できない場合や、人口動態の変化により適正な労働力の確保が困難となった場合には、事業遂行を阻害する要因となり、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、社会保険の加入要件を満たす全ての有期契約従業員に社会保険の加入を義務付けておりますが、社会保険制度の変更等により社会保険制度の適用対象の拡大や社会保険料の増額が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、社会保険制度変更による会社負担増加の影響については軽微なものでした。 これらのリスクに対応するため、当社グループは直営だけでなく、FC、EC、ホールセール及びグローバルの複数の販売チャネルで事業を展開することで、直営店の運営に過度に依存することのない体制の構築に努めております。 (26)出店政策に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループは、高い集客力が見込める郊外の大規模ショッピングモールや都市部の主要駅周辺に出店しております。新規出店にあたっては、商圏人口、賃貸条件、収益性及び投資回収期間等を総合的に勘案して決定しているため、これらの条件に合致する物件が見つからない場合には、計画どおりの出店が困難となり、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、出店後に環境が変化した場合や、同業他社等から新規参入があった場合には、当初の計画どおりに店舗収益が確保できず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 さらに、当社グループの出店先商業施設は特定の商業施設管理会社への依存度が高いため、これらの商業施設管理会社との間でトラブル等が発生した場合は、新規出店数の減少や既存店舗の契約解除等につながる可能性があり、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは店舗の魅力を継続的に高めて既存店の収益性を向上することで、出店先商業施設が当社グループのブランド店舗に対して高い出店意欲を維持できるように努めてまいります。 (27)フランチャイズ・チェーン(FC)展開に関するリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループでは直営店のほか、FC展開の拡大を推進しております。当社グループはFC加盟店企業各社とパートナーシップ契約を締結しており、各FC店舗に対してサービスや衛生管理等の指導を行い、その対価としてロイヤリティ収入等を収受しております。 FC加盟企業とは良好な関係を構築しており、FC店舗数は着実に増加しております。しかし、今後も継続的にFC店舗を獲得できる保証はなく、計画どおりに獲得できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、FC加盟企業との間にトラブル等が発生した場合には、パートナーシップ契約の解除や訴訟が発生する可能性があるほか、加盟店の法令違反や不祥事等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは新たにFC加盟企業となる企業に対して、運営能力や財務基盤等を慎重に判断しております。また、既存のFC加盟企業とは良好な関係を維持できるよう十分なコミュニケーションを図ることで、双方Win-Winの関係を継続することに努めてまいります。 (28)インターネット等による風評被害のリスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社グループが保有する商標等の不正利用や、ソーシャルメディアへの書き込み等による風評被害が発生・拡散した場合は、その内容の正確性にかかわらず、当社グループの事業、経営成績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの競合他社等に対する風評被害であっても、食品小売業界全体の社会的評価や評判が下落することにより、当社グループの事業、経営成績、財政状態、ブランドイメージ及び社会的信用にも影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは、ソーシャルメディアへの書き込みを定期的に分析し、風評被害等に発展するような内容の有無を検証しております。また、問題のある書き込み等がある場合は、必要に応じて経営会議やリスク&コンプライアンスマネジメント委員会において協議し、適切な対策を講じるよう努めてまいります。 (29)特定人物への依存(会長、社長及び副社長の関係性等)について (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社の取締役会長である久世良三は当社の創業者であり、設立以来事業を牽引し成長させてまいりました。また、代表取締役社長である久世良太は、当社グループ全体の経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。加えて、代表取締役副社長である久世直樹は、当社グローバル事業全般の事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。そのため、3名のうちいずれかが当社の業務を継続することが困難となった場合、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社は、取締役会、監査等委員会及び指名・報酬委員会等を通じて取締役間の相互の情報共有や経営体制の強化を図り、取締役と経営幹部が一丸となって、特定の取締役に過度に依存しない経営管理体制の強化に努めております。 (30)配当政策について (顕在化可能性:中 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、今後は経営成績及び財政状態等を総合的に勘案しながら、単体決算上の当期純利益の30%を目安に、安定的かつ継続的な配当の実施を検討してまいります。しかしながら、重要な事業投資を行う場合やキャッシュ・フローが著しく悪化した場合においては、配当を行わない、又は配当を減額するといった判断を行う可能性があります。 (31)ストック・オプションの行使に伴う既存株式の希薄化リスク (顕在化可能性:低 / 顕在化する時期:特定時期なし / 影響度:中) 当社は、役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、ストック・オプションを付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権所有割合が希薄化する可能性があります。2026年3月31日時点でこれらのストック・オプションによる潜在株式数は75,400株であり、発行済株式総数9,305,000株の0.8%に相当しております。
経営成績の分析 (MD&A)8,962字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末の総資産は10,212,248千円となり、前連結会計年度末に比べ966,919千円増加いたしました。これは、のれん等の無形固定資産が302,309千円増加したことに加え、新規出店等により建物及び構築物が175,368千円増加したこと等によるものであります。 (負債) 当連結会計年度末の負債合計は5,020,838千円となり、前連結会計年度末に比べ736,682千円増加いたしました。これは、買掛金が215,868千円増加したことに加え、未払法人税等が184,211千円増加したこと等によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益618,234千円や剰余金の配当324,245千円の計上により、利益剰余金が前連結会計年度末に比べ293,989千円増加いたしました。その結果、株主資本は前連結会計年度末に比べ298,090千円増加し、4,956,165千円となり、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ230,237千円増加し5,191,410千円となりました。なお、この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は50.8%となりました。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における世界経済は、地政学的リスクや主要国間の通商問題、金融政策動向等を背景に、先行き不透明な状況が継続しました。各国のインフレ抑制と景気減速への警戒感が交錯する中、為替相場や資源価格は不安定に推移しております。国内では、雇用環境や賃上げの動きが見られたものの、円安やエネルギー・食料品価格の高止まりにより物価上昇圧力が続き、実質賃金の回復は鈍い状況となりました。このため、消費者の節約志向は根強く、個人消費の回復は緩やかにとどまりました。 食品製造・食品小売業界におきましては、原材料価格や物流費、人件費の上昇によるコスト負担が継続しており、企業努力による価格転嫁や生産性向上が求められる状況が続いております。一方で、消費者の価格選別志向や価値重視の購買行動は一層強まっており、商品価値の明確化やブランド力の強化、お客様との関係性構築が、持続的な成長に向けた重要な課題となっております。 そのような状況の中、当社グループは「愛と喜びのある食卓をいつまでも」というコーポレート・スローガンのもと、お客様の食卓に寄り添い、価値ある商品及びサービスの提供に注力しております。今後もお客様の声を真摯に受け止め、ニーズを起点とした商品・サービスの開発と提供を通じて、より多くの皆様に当社グループのファンとして支持していただけるよう取り組んでまいります。 当連結会計年度のB to C販売チャネルである店舗(直営・FC)に関しましては、食品価格の高騰を背景としたお客様の購買行動の変化を受け、通期で既存店のお客様数の減少が続き、売上高は前年同期比0.1%減となりました。当社グループでは、既存店のお客様数の回復を重要課題と位置付け、年間を通じて魅力ある売り場づくりに向けた売り場改革を推進しております。ECの売上高は前年同期比で5.1%減となりました。ギフト需要が前年を下回る水準で推移した一方で、自家需要は前年同期比で増加傾向となっております。公式サイトへの訪問数は安定しているものの、購買率の低下が売上に影響しました。 (注) 当社グループでは、開店後18か月以上経過している店舗を「既存店」として客単価及び客数を集計しております。 B to Bの販売チャネルであるホールセールに関しましては、既存の主要取引先である大手小売チェーンを中心に取引が順調に推移し、売上高は前年同期比で22.9%増となり、前年同期を大きく上回る結果となりました。グローバルでは、米国およびアジア地域において販売が堅調に推移し、売上高は前年同期比29.5%増となりました。米国においては、既存ブランドの販売が好調であったことに加え、2024年度以降に事業譲受した2ブランドの業績が寄与し、売上高の拡大に貢献いたしました。アジア地域では台湾を中心に販売が堅調に推移したほか、2025年9月に設立いたしました韓国法人により、現地での販売体制が整備されております。 以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高が20,600,612千円(前年同期比5.8%増)となりました。営業損益は、売上高が増加した一方で、人件費等の販売費及び一般管理費が増加したこと等の影響により、791,440千円(前年同期比5.3%減)の営業利益となりました。経常損益は、為替差益60,766千円等の営業外収益107,578千円を計上した一方で、支払利息20,396千円等の営業外費用37,967千円を計上したことにより、861,051千円(前年同期比1.9%増)の経常利益となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、税金費用223,377千円等を計上したことにより、618,234千円(前年同期比76.4%増)の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。 出店政策に関しまして当社グループは、商圏人口、賃貸条件、ROIC等の指標を総合的に勘案し、新規出店を行っております。当連結会計年度におきましては、「久世福商店」業態で7店舗、「サンクゼール」業態で1店舗を新規出店した一方、「久世福商店」業態で1店舗、「サンクゼール」業態で5店舗を退店いたしました。また、「サンクゼール」業態の5店舗を「久世福商店」業態へ、「久世福商店」業態のFC加盟店1店舗を直営店に切り替えを行いました。その結果、当連結会計年度末における店舗は直営店56店舗、FC加盟店121店舗、計177店舗となりました。 当連結会計年度における業態別の店舗数は以下のとおりです。 業態名   区分   前連結会計年度末   増加   減少   当連結会計年度末 サンクゼール   直営店   9   1   7   3 FC加盟店   3   -   3   - 計   12   1   10   3 久世福商店   直営店   43   10   -   53 FC加盟店   120   3   2   121 計   163   13   2   174 全業態合計   直営店   52   11   7   56 FC加盟店   123   3   5   121 計   175   14   12   177 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は2,311,704千円となり、前連結会計年度に比べ375,658千円増加しました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,532,821千円(前連結会計年度は247,438千円の増加)となりました。この増加は、税金等調整前当期純利益841,522千円、減価償却費374,225千円、仕入債務の増加額11,573千円、売上債権の増加額46,546千円、棚卸資産の減少額103,995千円を計上したこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、839,910千円(前連結会計年度は756,022千円の減少)となりました。この減少は、有形固定資産の取得による支出568,259千円、事業譲受による支出188,508千円の資金の減少が生じたこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、326,184千円(前連結会計年度は244,162千円の減少)となりました。この減少は、配当金の支払324,245千円の資金の減少が生じたこと等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の状況 ア.生産実績 セグメントの名称   第44期連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前期比(%) 食品製造販売(千円)   4,170,165   △5.4 合計(千円)   4,170,165   △5.4 イ.受注実績 当社グループは需要予測に基づく見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ウ.販売実績 当社グループは、食品製造販売事業の単一セグメントであるため、販売チャネル別に記載しております。 販売チャネル   第44期連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)   前期比 食品製造販売 直営   (千円)   6,291,045   +1.1% FC   (千円)   7,226,108   △1.2% EC   (千円)   1,168,608   △5.1% ホールセール   (千円)   3,245,699   +22.9% グローバル   (千円)   2,669,150   +29.5% 合計   (千円)   20,600,612   +5.8% (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先   前連結会計年度   当連結会計年度 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) Costco Wholesale Corporation   2,812,691   14.4   3,908,625   19.0 株式会社イートスタイル   2,286,706   11.7   2,220,367   10.8 ・店舗(直営・FC) 当連結会計年度における店舗(直営・FC)の売上高は13,517,154千円となり、前年同期比0.1%の減少となりました。食品価格の高騰等を背景とした購買行動の変化により、既存店のお客様数が減少したことが要因であります。一方で、お客様単価は高水準を維持しており、購買意欲の高いお客様からの支持は引き続き継続しております。このような状況を受け、当社グループでは、既存店のお客様数の回復を重要な経営課題として捉え、魅力ある売り場の実現に向けた売り場改革を進めてまいりました。店頭での売り場演出、商品開発、店舗販売力の強化を三位一体で推進することにより、来店動機の創出と購買体験の向上に取り組んでおります。これらの施策は順次全店へ展開しており、既存店の集客力回復に向けた取組みは着実に進展しております。 新規出店につきましては、「久世福商店」で7店舗(直営店5店舗、FC2店舗)、「サンクゼール」で1店舗(直営1店舗)を出店した一方、「久世福商店」で1店舗(FC1店舗)、「サンクゼール」で5店舗(直営3店舗、FC2店舗)を退店した結果、当連結会計年度末における店舗数は、直営店56店舗、FC加盟店121店舗の計177店舗となっております。 ・EC 当連結会計年度におけるECの売上高は1,168,608千円となり、前年同期比で5.1%減少する結果となりました。ギフト需要は、消費行動の変化等を背景に前年を下回る水準で推移した一方、自家需要は前年同期比で増加しており、一定の回復基調が見られました。また、公式ECサイトへの訪問数は概ね安定して推移したものの、購買率が低下しており、来訪者を購買につなげる点が課題として顕在化しております。現在は、公式サイトの構成見直しや回遊性向上に取り組み、情報訴求力の強化を進めております。 ・ホールセール 当連結会計年度におけるホールセールの売上高は前年同期比22.9%増の3,245,699千円となり、通期を通じて堅調に推移いたしました。主要取引先である大手小売チェーンにおいては、商品ラインナップの見直しやお客さまニーズに基づく商品開発の効果が継続的に寄与したほか、新たなカテゴリー商品の開拓が奏功し、販売力の強化と取引拡大につながりました。さらに、取引先ポートフォリオの拡大により特定取引先への依存度低減を図ることで、事業基盤の強化が着実に進んでおります。 ・グローバル 当連結会計年度におけるグローバル事業は、米国およびアジア地域において販売が堅調に推移し、売上高は2,669,150千円、前年同期比29.5%増と大きく上回る結果となりました。 米国においては、既存ブランドの販売が好調であったことに加え、2024年10月に事業譲受した「Bonnie's Enterprises, LLC(以下、「Bonnie's Jams」という。)」及び2025年4月に事業譲受した「KELLY'S JELLY, INC.(以下、「KELLY'S JELLY」という。)」の業績が寄与し、売上高の拡大に貢献いたしました。また、ブランド間のクロスセルが進展したことにより、取扱商品の広がりと販売数量の増加が見られました。 アジア地域では、台湾を中心に販売が堅調に推移いたしました。また、2025年9月には、現地での販売体制構築を目的に韓国法人を設立し、アジアにおける事業基盤の強化が進みました。 以上、グローバル事業は通期を通じて高い成長率を維持し、当社グループ全体の業績に寄与する重要な成長分野となっております。なお、国別の内訳は、米国顧客への売上高が1,790,074千円、台湾顧客への売上高が705,107千円、その他の地域への売上高が173,968千円であります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 経営成績等に関する認識及び分析・検討内容 (売上高) 当連結会計年度における売上高は、前年同期比5.8%増の20,600,612千円となり、すべての四半期で前年同期を上回るなど、安定的な成長を実現いたしました。この成長は、ホールセールおよびグローバルを中心とした事業ポートフォリオの転換が進んだことによるものであり、商品ラインアップの最適化と販路拡大を通じて、両チャネルでの販売促進が大きく寄与いたしました。従来の店舗依存型の収益構造から、複数チャネルによる成長モデルへのシフトが着実に進展しております。 一方で、直営及びFCを含む店舗では、物価上昇に伴う消費行動の変化の影響を受け、通期では前年をわずかに下回る結果となりました。ただし、第4四半期においては売上が前年同期を上回るなど、需要回復の兆しが確認されております。またECについては、自家需要は底堅く推移したものの、ギフト需要の減少により前年同期を下回る結果となりました。 これらを踏まえ、当社グループは今後、ホールセールおよびグローバルを中核とした成長加速に加え、店舗およびECの収益性や顧客接点の再構築を進めることで、チャネル間のシナジーを最大化し、より強固な成長基盤への進化を図ってまいります。 (売上原価、売上総利益) 売上総利益は、前年同期比8.6%増の7,365,209千円となり、売上総利益率は35.8%と、前年同期比で1ポイント改善いたしました。これは、利益率の高い商品の販売強化およびFC向け卸価格の適正化といった収益構造の見直しを継続的に推進したことによるものであり、原材料価格の上昇局面においても収益力の向上を実現いたしました。 一方で、原材料価格については、国際情勢の影響を受けた上昇圧力が引き続き存在しており、特にイラン情勢等を背景とした不確実性の高まりには留意が必要な状況です。こうした環境認識のもと、当社グループは、内製化の推進や調達構造の見直しを通じてコスト耐性を強化し、外部環境の変動に左右されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 販管費は6,573,769千円となり、前年同期比10.6%増となりました。これは、ホールセールおよびグローバルの売上拡大に伴う販促費増加のほか、将来成長に向けた人件費や減価償却費等の増加によるものです。 一方で、輸送費が高騰する環境下においても、物流体制の見直しや内製化の推進により、通期では荷造運搬費の抑制を図りました。 この結果、営業利益は前年同期比5.3%減の791,440千円となり、売上高営業利益率は3.8%と前年同期比で0.5ポイント低下いたしました。売上高および売上総利益は増加したものの、中長期的な成長を見据えた人材体制の強化や販促投資の拡大などの先行投資が、短期的には利益を押し下げる要因となりました。 当社グループは引き続き、成長投資とコスト構造の最適化を両立させることで、中長期的な収益力の向上を図ってまいります。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 経常利益は前年同期比1.9%増の861,051千円となりました。営業外収益においては、為替変動の影響により60,766千円の為替差益を計上した一方、前年に計上していた為替差損が当期は発生しなかったことから、営業外損益が改善いたしました。これにより、営業利益は減少したものの、経常利益は前年を上回る結果となっております。 当社グループは今後も、為替をはじめとする外部環境の変動が業績に与える影響を適切に管理しつつ、事業活動による収益力の強化を図ってまいります。 (特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比76.4%増の618,234千円となりました。これは主に、前期に計上したMeKEL退店による減損損失121,712千円がなくなったことによるものです。また、賃上げ促進税制の適用により、法人税、住民税及び事業税の負担が軽減されたことも、当期純利益の押し上げ要因となりました。 このように、当連結会計年度は一過性要因の剥落および税制効果により最終利益が大きく改善する結果となりましたが、当社グループとしては引き続き、本業の収益力強化を軸とした持続的な利益成長の実現を重視してまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 資本政策につきましては、経営基盤の強化及び積極的な事業展開のために内部留保を図り、財務体質の強化と事業拡大のための投資に充当するとともに、配当に関しましては、年間配当総額を前事業年度における当社単体決算の当期純利益30%を目安とした金額となるように実施してまいります。 また、当社グループにおける資金需要の主なものは、原材料費・労務費・製造経費・商品仕入高・販売費及び一般管理費等の事業に係る運転資金であります。当社グループは必要な資金について、主に自己資金及び金融機関からの借入金により対応してまいります。 資金の流動性に関しましては、2026年3月末時点で取引金融機関5行との間で合計2,850,000千円の当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態に備えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について 当社グループは、経営上の目標の達成状況に関して、売上高営業利益率を重視して判断しております。 当連結会計年度の売上高は、ホールセール及びグローバル事業を中心に伸長し、前期比で増収となりました。また、利益率の高い商品の販売強化や販売価格の適正化等により、原材料価格の高騰の影響を受けつつも売上総利益率は改善いたしました。 一方で、中長期的な成長に向けた人材投資や販促費の増加等により販売費及び一般管理費が増加したことから、売上高営業利益率は3.8%となり、前期比で0.5ポイント低下いたしました。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に含めて記載しております。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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開示資料

出典

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