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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,980.73+214ドル円158.84-1NASDAQ26,208.82+109S&P 5007,666.58+35SOX 指数11,332.81+449/2終値

テクニスコ

TECNISCO, LTD.2962 · Standard · 金属製品

独自の「クロスエッジTechnology」で多種多様な精密加工を実現し、高機能ヒートシンクやガラス製品を供給する企業。

概要

テクニスコは、精密加工技術を核とする金属製品メーカーである。1970年に株式会社ディスコの技術研究機関として設立され、現在はディスコから独立し東京証券取引所スタンダード市場に上場する。ヒートシンク製品とガラス製品を主力とし、中国、シンガポール、ドイツに生産拠点を持つ。2025年6月期の連結売上高は34億円、従業員数は265名。半導体レーザーやパワー半導体向けの放熱部品に強みを持つ。

ヒートシンクとガラス製品が収益の二本柱

テクニスコの事業は精密加工部品の単一セグメントで、製品はヒートシンク製品、ガラス製品、その他に大別される。ヒートシンク製品は半導体レーザーやパワー半導体向けの放熱部品であり、銅と窒化アルミニウムの複合構造や銅タングステンを用いる。ガラス製品は電子部品用ガラスに微細加工や金属回路形成を施したもので、自動車センサーや医療機器向けに供給される。その他には金属、シリコン、セラミックの加工、およびガラス・セラミック加工用ダイヤモンドツールの販売がある。

中国市場の減速で赤字に転落した直近の業績

2025年6月期の連結業績は、売上高34億円(前年比28.2%減)、営業損失14億円、親会社株主に帰属する当期純損失30億円と大幅な赤字となった。主な原因は中国市場における景況感悪化と競合との価格競争の継続で、ヒートシンク製品の売上が減少したことである。また、固定資産の減損損失12億円を計上した。前年(2024年6月期)も売上高47億円、営業損失5億円、当期純損失6億円と赤字が続いている。

海外売上比率50.7%、3カ国に生産拠点

テクニスコの連結売上高に占める海外販売の割合は50.7%である。主な販売先は欧州の高出力半導体レーザー向けヒートシンクと米国のライフサイエンス向けガラス製品。生産拠点は日本の広島工場、中国の蘇州工場(TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.)、シンガポール工場(TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.)の3カ所。販売子会社としてドイツにTECNISCO EUROPE GmbHを持つ。本社は東京都品川区に所在する。

業界の中での役割は半導体レーザーやパワー半導体向けヒートシンク、半導体センサー向けガラス製品などの精密加工部品を供給するメーカー。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
37億円
営業利益
-1億円
営業利益率
-2.7%
純利益
0億円
2026/6 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01光・無線通信市場主力

高出力の半導体レーザー向けCu/AlN/Cuやシルバーダイヤ製ヒートシンクを提供。5G・6G通信向けデバイスには銀とダイヤモンドの複合材料を活用した高機能ヒートシンクを開発。長距離光通信機器や通信デバイスの性能向上に貢献。

独自のクロスエッジ技術

主な製品・サービス2
Cu/AlN/Cu複合ヒートシンク
窒化アルミニウムと銅の複合構造で、熱膨張差を緩和しつつ高い熱伝導を実現。高出力レーザー素子の冷却に適する。
シルバーダイヤヒートシンク
銀とダイヤモンドの複合材料による高機能ヒートシンク。超高熱伝導で、次世代高出力レーザーや5G/6G通信機器向けに開発。

02産業機器市場主力

MPUや高周波スイッチ、画像センサーなど産業機器の制御装置向けに、ヒートシンクやガラス貫通配線基板を供給。電子部品の高性能化に不可欠な放熱・配線部品を提供。

主な製品・サービス2
高機能ヒートシンク
MPU等の電子部品の発熱を効率的に放熱する部品。
ガラス貫通配線基板
ガラスに微細な貫通配線を形成した基板。高周波特性に優れ、半導体センサーの小型化に貢献。

03自動車市場準主力

車載エレクトロニクス向けに半導体センサーやLiDARセンサー用のガラス製品を提供。微細加工と金属回路形成により、センサーの小型化・高機能化を実現。

主な製品・サービス1
センサー用ガラス製品
半導体センサーのパッケージ用ガラス。微細な貫通配線やキャップ加工を施す。

04ライフサイエンス市場準主力

内視鏡やDNA分析装置向けのガラス製品を提供。微細流路を持つマイクロ流路ガラスなどの加工技術で、医療・バイオ分析機器の高性能化を支援。

主な製品・サービス2
マイクロ流路ガラス
ガラス基板に微細な流路を形成した製品。DNA分析などで使用される。
キャップガラス
バイオチップ等に被せるガラス製キャップ。

05航空宇宙市場・環境エネルギー市場その他

これら市場向けに、金属・セラミック等の高精度加工部品を提供。特に耐熱・耐環境性が要求される部品にクロスエッジ技術を適用。

製品と技術

クロスエッジ®Technologyが支える複合加工能力

テクニスコの競争力の源泉は、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」の5つの加工技術を組み合わせる「クロスエッジ®Technology」である。一般的な専業メーカーは一工程のみを担うが、同社は複数工程を内製し、顧客の要求仕様に応じた製品を一貫生産する。この技術は2000年頃の光通信バブルを機に薄膜蒸着設備を導入したことから発展し、その後も要素技術を蓄積して確立された。

ヒートシンク:銅とセラミックの複合構造で熱膨張を制御

主力のヒートシンク製品は、半導体レーザーやパワー半導体向けの放熱部品である。一般的な銅やアルミニウムは熱伝導が高いが熱膨張が大きく、高出力素子との伸縮差で損傷が生じる。テクニスコは窒化アルミニウム(AlN)の両面に銅を形成したCu/AlN/Cu構造や銅タングステン(CuW)を用いることで、素子の熱膨張に近い特性を持たせている。これにより高出力レーザー機器の性能低下や故障を防ぐ。

シルバーダイヤ:銀の中にダイヤモンドを包有した新素材

2016年、テクニスコは海外企業からシルバーダイヤ製造に関する特許の実施権を取得。シルバーダイヤは銀の高い熱伝導性とダイヤモンドの低熱膨張性を併せ持つ複合材料で、次世代高出力レーザー用サブマウントや5G・6G通信デバイス向けヒートシンクへの応用が期待される。加工の難しいこの素材を、クロスエッジ®Technologyで成形するのが同社の強みである。製造はシンガポール子会社で行われている。

ガラス製品:センサーと医療機器の小型化に貢献

ガラス製品事業では、電子部品用ガラスに微細な形状加工や金属回路形成を施した製品を提供する。主な用途は自動車の半導体センサー、自動運転技術のLiDARセンサー、産業機器の高周波(RF)スイッチ、医療機器の内視鏡やDNA分析装置など。ガラス貫通配線基板や立体配線ガラス、マイクロ流路ガラスなどの製品があり、電子デバイスの小型化・高機能化を支えている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

金属製品のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 光・無線通信市場独自のクロスエッジ技術

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

金属加工の小型ニッチで健闘も収益性で劣後

テクニスコは金属製品分野に属し、同業他社と比較して売上高は小規模で、直近の業績は赤字が続いています。日本調理機や稲葉製作所などが同セクターで事業を展開しており、テクニスコは特定の金属加工ニッチにおいて存在感を示していますが、規模の経済が働きにくく、収益性で劣後しています。売上高は減少傾向にあり、2025年6月期には営業利益率が大幅に悪化しましたが、2026年6月期には改善が見込まれます。同業他社と比べて製品の差別化やコスト競争力が課題であり、安定的な収益基盤の構築が急務です。

強み

  • 金属製品の中でも特定の加工分野に特化し、専門的な技術を有している可能性があります。
  • 直近で営業利益率が改善しており、業績回復の兆しが見られます。
  • 日本調理機や稲葉製作所とは異なる製品領域で競争している可能性があります。
  • 小規模な組織であるため、市場変化への対応が速い可能性があります。

課題

  • 直近の営業利益率がマイナスで、収益構造の改善が必要です。
  • 売上高が減少傾向にあり、需要の獲得が課題です。
  • 同業他社との競争で価格や品質面での優位性が不透明です。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

金属製品の時価総額近傍。太字がテクニスコ

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
15941中西製作所174億円7.7倍
25965フジマック171億円3.8倍
35983イワブチ149億円15.3倍
43447信和143億円8.0倍
55942日本フイルコン142億円
62962テクニスコ135億円2408.2倍
75958三洋工業135億円9.5倍
83441山王135億円9.8倍
95921川岸工業131億円10.6倍
103435サンコーテクノ131億円7.4倍
113434アルファCo127億円8.6倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 23件

ディスコの研究機関から独立した受託加工メーカーへ

1970年2月、東京都港区に株式会社ディスコの研削切断加工技術を研究開発する目的で株式会社精密切断研究所を設立。1971年9月に株式会社テクニスコに社名変更し、品川工場を設置。1972年9月にはディスコが66.7%出資し、ディスコグループに参加。1987年8月に広島工場を新設、1989年4月には株式譲渡によりディスコの100%子会社となった。1993年8月には品川工場を広島工場に移転し加工部門を増強した。

品質管理と環境管理の国際認証を取得した1990年代~2000年代

1999年10月に品質マネジメントシステムISO9002を取得。2001年12月に新社屋を竣工し、2002年1月に本店を品川の新社屋に移転。同年7月に広島工場で環境マネジメントシステムISO14001を取得。2005年9月には中国にTECNISCO (SuZhou) Co., Ltd.を100%子会社として設立、同年11月にISO9001を取得。2008年1月には中国子会社でISO9001、2009年2月には同社でISO14001を取得し、国際規格への対応を進めた。

MBOによるディスコからの独立と新素材への挑戦

2014年10月、マネジメント・バイアウト(MBO)により株式会社ディスコから独立。2015年3月には中国子会社で自動車産業特化品質マネジメントシステムISO/TS16949を取得。2016年12月、海外企業からシルバーダイヤ(銀とダイヤモンドの複合材料)製造に関する特許の使用許諾契約を締結し、新たな素材分野に進出した。これにより、従来の受託加工に加え、自社素材を用いた製品開発の道を開いた。

シンガポールとドイツに拠点を設け、上場を果たす

2017年8月、シンガポールにTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.を設立。2018年4月に同社でシルバーダイヤの製造を開始、同年8月にサンプル提供を開始。2019年5月にはドイツにTECNISCO EUROPE GmbHを設立。2022年4月、シンガポール子会社でISO9001とISO14001を取得。2023年7月、同社でISO45001を取得すると同時に、東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場した。

年表23件を開く

1970年代

  • 1970年2月創業東京都港区芝に、株式会社第一製砥所(現株式会社ディスコ)の研削切断加工技術を研究開発する目的で、株式会社精密切断研究所を個人出資により設立
  • 1971年9月商号変更東京都品川区南品川に切断加工工場である品川工場を新設し株式会社テクニスコに商号変更
  • 1972年9月株式会社ディスコ66.7%出資によりディスコグループに参加

1980年代

  • 1987年8月広島県呉市広多賀谷に広島工場を新設
  • 1989年4月株式譲渡により株式会社ディスコ100%出資の子会社となる

1990年代

  • 1993年8月品川工場を広島工場に移転し加工部門を増強
  • 1999年10月品質マネジメントシステムISO9002を取得

2000年代

  • 2001年12月東京都品川区南品川に新社屋を竣工
  • 2002年1月東京都品川区南品川の新社屋に本店を移転
  • 2002年7月広島工場にて環境マネジメントシステムISO14001を取得
  • 2005年9月中華人民共和国にTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.を100%子会社として設立
  • 2005年11月品質マネジメントシステムISO9001を取得
  • 2008年1月TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、品質マネジメントシステムISO9001を取得
  • 2009年2月TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、環境マネジメントシステムISO14001を取得

2010年代

  • 2014年10月MBO(マネジメント・バイアウト)の実施により株式会社ディスコより独立
  • 2015年3月TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、自動車産業特化品質マネジメントシステムISO/TS16949を取得
  • 2016年12月海外企業より、シルバーダイヤ(高い熱伝導を持つ銀とダイヤモンドの複合材料)製造に関する特許の使用許諾契約を締結
  • 2017年8月シンガポールにTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.を100%子会社として設立
  • 2018年4月TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、シルバーダイヤの製造を開始
  • 2018年8月シルバーダイヤ製品のサンプル提供を開始
  • 2019年5月ドイツにTECNISCO EUROPE GmbHを100%子会社として設立

2020年代

  • 2022年4月TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、品質マネジメントシステムISO9001を取得 TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、環境マネジメントシステムISO14001を取得
  • 2023年7月上場TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、労働安全衛生マネジメントシステムISO45001を取得 東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/6期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    ビジネスモデルの転換

    受託加工主体から自社素材・自社製品の開発・製造も並列させるビジネスモデルへ転換し、何を作るか(WHAT)を重視した事業展開を進める。

  2. 02

    高性能ヒートシンク材料の開発・活用

    サーマルマネジメント用途向けにSiC等の新素材を活用・開発し、高出力レーザーやデータセンター向けなど高機能ヒートシンク製品を提供する。

  3. 03

    高機能ヒートシンク製品の製造開発

    シンガポール子会社で銀とダイヤモンドを用いたシルバーダイヤヒートシンクを開発し、従来比2~2.5倍の熱伝導性能を実現、データセンターや高出力レーザー等へ展開する。

  4. 04

    ガラス製品の高信頼性開発

    医療用チップや自動運転センサーなど人命に関わる用途向けに、微細加工技術を活かした高信頼性ガラス製品の開発に注力する。

  5. 05

    優秀な人材の確保と企業風土の醸成

    経験者採用や労働環境改善、健康経営を推進し、独創的な挑戦を継続する企業風土を醸成する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 3期分

グループ全体で265人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は520万円で、2期前と比べて18.1%平均年齢は44.3歳、平均勤続年数は15.3年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2023年6月63542.413.3322
2024年6月56242.513.8314−159
2025年6月52044.315.3265−528

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社3(国内 2 / 海外 1、うち連結子会社 2) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位4)
広島工場 — 広島県呉市1,603百万円
本社 — 東京都品川区223百万円
蘇州工場 — 中華人民共和国江蘇省55百万円
シンガポール工場 — シンガポール共和国44百万円
主な関係会社
  • 国内
    TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd. (注)2.4
    中華人民共和国江蘇省蘇州市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd. (注)2
    シンガポール共和国 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    THE GOODSYSTEM CORP. (注)3
    大韓民国 安山市 · 持分法適用会社
    議決権71.8%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備非接触ハプティクスの公共空間実装
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-12-06
    8,833万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年6月期の売上高は37億円営業利益-1億円前期と比べると増収で、売上が+8.8%。

売上高
+8.8%
37億円
営業利益
-1億円
純利益
0億円
営業利益率
-2.7%
前期比 +38.5%pt

会社が出している今期の予想2027年6月期

項目会社予想前期実績
売上高59億円37億円
営業利益3億円-1億円
純利益2億円0億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

8期分

直近は2026年4Qで、売上は18億円、営業利益は0億円。前年の2025年4Qと比べると、売上は+5.9%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2024年1Q1200.01
2024年2Q12−1−8.3−2
2024年3Q11−2−18.2−1
2024年4Q12−2−16.7−4
2025年2Q17−4−23.5−4
2025年4Q17−10−58.8−26
2026年2Q19−1−5.3−1
2026年4Q1800.01

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 9期分

2019年3月期からの9期で、売上は36億円から37億円へほぼ横ばい。直近期の営業利益率は-2.7%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
ドイツにTECNISCO EUROPE GmbHを100%子会社として設立
2019年3月3621
2019年6月800
2020年6月3321
2021年6月4343
2022年6月5598
TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、労働安全衛生マネジメントシステムISO45001を取得 東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場
2023年6月5332
2024年6月47−5−3−10.6−6
2025年6月34−14−16−41.2−30
2026年6月37−10−2.70

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年6月期

売上高37億円のうち、営業利益として残るのは-1億円-2.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は0億円、売上の0.0%にあたる。営業利益率は業種中央値5.3%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 費用事業を回すためにかかったお金102.7%38億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-2.7%-1億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

営業利益率業種比8.0pt
-2.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比4.2pt
0.0%
税金まで払って最後に残る割合

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 5期分

2025年6月期は営業CFが−3億円、投資CFが−2億円で、差し引きのフリーCFは−5億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は18億円で、売上の6.4ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2021年6月8−3−456
2022年6月10−6−248
2023年6月4−84−47
2024年6月−4−421−821
2025年6月−3−22−518

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 8期分

2025年6月期の総資産は66億円。このうち返さなくてよい自己資本が16億円で、自己資本比率は24.7%(業種中央値59.8%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2019年3月64333151.0
2019年6月65333250.4
2020年6月73343946.9
2021年6月66244237.0
2022年6月81354643.2
2023年6月83374645.2
2024年6月95474849.3
2025年6月66164924.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年6月期の内訳
現金及び預金
19億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-28億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
3億円
在庫として抱えている分
負債合計
49億円
いつか返す必要があるお金

業界内での比較

金属製品 87社との比較

同じ金属製品の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率87社中9位あたり、逆に低いのは営業利益率87社中85位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.9%
P25 2.5%P75 8.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-2.7%/中央値 5.3%
P25 2.5%P75 8.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
/中央値 59.8%
P25 47.8%P75 70.0%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
8.8%/中央値 1.9%
P25 -1.7%P75 3.9%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 3.0%
P25 2.2%P75 4.0%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,469で、1年前と比べて+430.3%過去52週の値幅のなかでは60%の位置にある。

¥1,469-3.6%1ヶ月+23.2%1年+430.3%時価総額135億円
過去52週の値幅
安値¥261高値¥2,267

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)2408.2倍
PER (会社予想)67.5倍
PBR7.67倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は前日比3.49%下落し1549円。ただし、1カ月では+15.17%、1年では+441.61%と急騰しており、強い上昇トレンドが継続しています。25日線(1334.48円)に対して約16.1%上回り、75日線や200日線も大きく上回っています。52週高値2267円には届かないものの、52週安値261円からは約493%の上昇です。8月19日には252万株超の大量の出来高を伴い1740円まで急伸しましたが、その後は反落しており、高値圏での値動きの荒さが目立ちます。RSIは67.26と中立圏にあり、過熱感はやや後退しています。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割高と判定しています(スコア 10/100)

PERが実績ではマイナスで計測不能、予想PERは71.2倍と非常に高く、業界平均の19.34倍を大きく上回り割高。PBRは8.09倍で同業界平均の1.16倍を大幅に超過し、株主資本に対して極端に割高。ROEは6.13%と低く収益性が弱く、配当利回りは0%で株主還元が無い。直近の業績も赤字基調で改善が見られず、バリュエーションは割高と判断する。今後の業績回復が不可欠で、現状の株価水準はリスクが高い。

指標この会社業種平均
PER (実績)2408.2倍49.7倍
PER (予想)67.5倍
PBR7.67倍1.13倍
ROE6.1%6.3%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

2025年6月期に営業損失を計上し、売上高も減少するなど業績が悪化している。強気派は、PBR8.09倍と市場が成長期待を評価しており、新規事業や構造改革による業績回復への期待があるとみる。一方、弱気派は、収益性の悪化が続き、今後の見通しも不透明であることから、現在の株価がファンダメンタルズから乖離していると警戒する。1年間で株価は441%上昇と急騰しており、投機的な動きの可能性も。事業内容や財務情報の開示が少なく、適正な評価が難しいのが現状。

プラスに働く材料7
  • 株価の急騰

    1年で441%上昇し、市場は強い成長期待を反映している

  • PBRの高さ

    PBR8.09倍は投資家が将来の収益拡大を織り込んでいることを示す

  • 損失縮小の兆し

    2026年6月期は営業損失が縮小する見込みで、改善の方向性が見える

  • 営業赤字が14億円から1億円へ急縮小通年影響

    営業損益は▲14億円から▲1億円に改善し、黒字転換が目前に迫る。

  • 最終損益が30億円の赤字から0億円へ改善通年影響

    純損益は▲30億円から0億円に転換し、通期黒字を確保する見込み。

  • 売上高が前期比3億円増の37億円へ回復通年影響

    売上高は前期比3億円増の37億円となり、需要の回復基調を示す。

  • フォワードPER71.2倍が示す成長期待継続影響

    予想PERは71.2倍と高く、市場が今後の急回復を織り込む。

マイナスに働く材料7
  • 根本的な収益力不足

    2025年6月期に赤字が拡大、営業利益率-41%は事業の厳しさを示す

  • 情報開示の乏しさ

    事業内容や財務の詳細が不透明で、投資判断が困難

  • 株価のバブル懸念

    業績と乖離した株価上昇は、調整リスクが高い

  • 通期での営業赤字継続のリスク通年影響

    2026年6月期も営業損益▲1億円で、収益力の回復は道半ば。

  • 売上高は2024年6月期比10億円減少通年影響

    売上高37億円は2024年6月期の47億円を10億円下回る。

  • PBR8.09倍と高いバリュエーション継続影響

    PBRは8.09倍と高水準で、下落時のバリュエーション調整リスクがある。

  • 1年で441%上昇した株価の過熱感継続影響

    株価は1年で441%上昇し、短期的な過熱感が意識される。

次の決算で確かめる点
営業利益
事業が黒字化に向かっているかを見る
売上高の推移
事業規模の縮小が続いていないかを確認
受注高
需要や業績改善の先行情報として重要
財務健全性指標
赤字が続く場合、資金繰りの懸念があるため

株主

有価証券報告書より

2025年6月期末の株主数は延べ3,266人。区分でいちばん多いのは事業法人56.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が58.9%を占め、残る41.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2023年6月%2024年6月%2025年6月%
事業法人77.055.856.0
個人・その他23.037.739.1
金融機関3.92.9
証券会社1.81.0
外国法人0.90.9
外国人個人0.00.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01合同会社XEホールディングス54.70
02関家 圭三5.90
03野村信託銀行株式会社(信託口2052276)2.07
04テクニスコ従業員持株会1.95
05上田 斉1.31
06吉本 昌且1.09
07野村信託銀行株式会社(信託口2052278)0.87
08関家 慶一郎0.87
09関家 理子0.87
10関家 憲二郎0.87

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 9期分

1株利益は9期で−97%、1株純資産は8期で−65%。直近期のROEは6.1%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%
2019年3月215054.2
2019年6月−0505
2020年6月205233.9
2021年6月4337311.2
2022年6月12354027.0
2023年6月345746.1
2024年6月−67512
2025年6月−325177
2026年6月1

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安

経営陣

11名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は11名。2025/6期の役員報酬は総額167百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
関家圭三代表取締役社長 CEO615,559,200
村上友孝専務取締役CBO グローバルビジネス本部長6250,000
相原正行常務取締役CFO 経営サポート本部長6565,391
曺明煥取締役CTO63
吉岡豊吉取締役 広島事業所長7464,267
齊藤琢磨取締役55
市川ルミ取締役53
内山秀取締役6010,000
小幡武敏常勤監査役58
平山孔嗣監査役67
平井彩監査役50

役員報酬の内訳2025/6

役員の区分人数固定報酬百万円退職慰労百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)511391613928
社外取締役628285

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/6期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容5,040字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社2社、非連結子会社1社により構成されており、精密加工部品事業の単一セグメントを営んでおります。 当社グループが製造販売する製品群は、「ヒートシンク(*)製品」、「ガラス製品」及び「その他」に区分され、それぞれ以下のとおりとなります。なお、(*)を付している用語については、章末に「用語解説」を設け、説明しております。 ・ヒートシンク製品 当社グループが扱う「ヒートシンク製品」は、電子部品が機能する際に発生する熱を吸収し放熱して、性能低下や故障を防ぐことを目的とした構成部品であり、半導体レーザー(*)向け、パワー半導体(*)向け、MPU(*)向け等の高機能ヒートシンク製品を提供しております。 ・ガラス製品 当社グループが扱う「ガラス製品」は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの機能性を上げる構成部品で、半導体センサー(*)などの電子デバイスの小型化、高機能化を可能とするための付加価値を高めた「ガラス製品」が求められており、各種センサー向け、モバイル機器向け、バイオ・医療向け等の精密ガラス製品を提供しております。 ・その他 各種金属材料、シリコン(Si)材料、窒化アルミニウム(AlN)や酸化アルミニウム(Al2O3)などのセラミック材料の加工製品を提供しております。また、ガラスやセラミック加工用のダイヤモンドツールも提供しております。 製品群ごとの主要製品は下記の図に記載の内容となります。 当社グループは、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場向けのヒートシンク製品、ガラス製品及びその他の精密加工部品の製造販売を行っております。製造拠点は、当社の広島工場を中心に、中国子会社であるTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.の蘇州工場及びシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.のシンガポール工場を含めたグループ製造体制を構築しております。 当社グループが製造販売する製品は、顧客製品の中の構成部品として組み込まれるものであり、基本的には顧客ごとの要求仕様を受託し、試作から量産までにおいて製品化していく受注生産となります。 「切る」「削る」「磨く」「メタライズ(非金属の表面への金属膜化)」「接合」の加工技術を組み合わせる「クロスエッジ®Technology」を、最先端の開発や生産に活かし、顧客の要望を叶え製品化させる技術力及び実現力が、当社の強みとなります。 一般的な専業メーカーの場合、例えば「切る」を専業とするメーカーであれば、その後に「磨く」工程や「メタライズ」といった加工工程が必要である場合、それぞれを専業とするメーカーに外注することで最終的に製品化することになります。一方で、当社グループはこれらの複数加工技術を自ら組み合わせて製品を完成させます。これにより、顧客へ、以下の「クロスエッジ®Technology」の特長におけるメリットを提供することが可能と考えております。 当社グループは、もとは株式会社ディスコの研削切断加工技術を活かした受託加工を提供してまいりました。そのような中、「クロスエッジ®Technology」を展開する契機となったのは、2000年頃の海底ケーブルなどによる長距離光通信網敷設急増での光通信バブルであります。顧客からのニーズも踏まえ、切断だけでない様々な加工の必要性を模索していた時期でもあり、そこで創出した利益をもとに、メタライズ技術である薄膜蒸着設備を導入しました。導入した設備を当社事業に活用していくための技術開発を地道に続け、新たな加工技術を身に付けることができました。その後、顧客からのニーズに応えていくための技術開発を繰り返し、一つ一つ新しい技術をものにしていきました。その過程で、「切る」「削る」「磨く」等それぞれの要素技術において、模倣が難しいコア技術も習得してまいりました。これらコア技術を中心に複数工程を組み合わせることにより、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげていき、専業メーカーだけでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。これにより、当社の強みである「クロスエッジ®Technology」が確立されました。さらに、「クロスエッジ®Technology」の継続的な進化のために要素技術そのものを増やすとともに、それぞれの要素技術のレベルアップを図り、その中でコアとなる技術を増やし進化へとつなげることが重要であり、そのための技術開発に注力しております。 当社グループは、サービスの付加価値をより高めていくという観点から、従来、高機能ヒートシンクの開発に注力しております。 一般的なヒートシンクの材料としては銅(Cu)やアルミニウム(Al)がありますが、これら材料の素材は、熱を吸収するための熱伝導(熱の伝わりやすさ)は高い一方で、熱膨張(熱による物質の伸縮)が大きい面があります。高い出力のレーザーを出す半導体素子は非常に高い発熱となるため、CuやAlなどを材料としたヒートシンクでは素子とヒートシンクの伸縮の差により損傷してしまいます。しかし、当社の得意領域である高出力レーザー用のヒートシンクは、高い熱伝導を持つ上で、素子の熱膨張に近い素材である窒化アルミニウム(AlN)とCuを複合構造としたCu/AlN/Cu(*)や、銅タングステン(CuW)を主な材料とした高機能ヒートシンクとして製品化しております。これらの材料は、CuやAlに比較して複数素材からなる複合材であるため、切断、切削やめっきなど加工が難しくなる側面がありますが、顧客からの様々な仕様要求に応えるよう製品化に注力しております。 さらに、高出力レーザー用途の機器は、年々高性能化、高出力化が進み、より高機能なヒートシンクが求められており、当社グループにおいては、それらのニーズに対応する手段の一つとして、非常に高い熱伝導を持つ銀とダイヤモンドの複合材料として、2016年にシルバーダイヤの製造に関する特許を所有する海外企業と当該特許の使用許諾契約を締結し、製造を当社のシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて行っております。また、同社(子会社)では製造したシルバーダイヤを素材とした高機能ヒートシンク製品の開発及び製造を行っております。 シルバーダイヤは素材にダイヤモンドを包有するため、加工が難しい側面を有しておりますが、当社が持つ「クロスエッジ®Technology」を駆使し、次世代高出力レーザー用サブマウントや次世代の無線通信規格である5G・6G通信(*)の通信デバイス用のヒートシンク等、様々な用途に適したシルバーダイヤ製ヒートシンク製品の開発を進めております。 このように、当社グループでは、これまでの受託加工を中心とした事業展開に加え、自社製造の素材をもとにした自社開発製品を新たな事業展開の柱とすべく、当社が提供するサービス等の付加価値をさらに高めていくこととしております。 当社グループの加工技術はガラス製品に活かされております。ガラス製品の用途市場は幅広く、自動車における車載エレクトロニクス市場での半導体センサーをはじめ、自動運転技術でのLiDARセンサー(*)、産業機器における制御装置市場での高周波(RF)スイッチ(*)や画像センサー、また、医療機器における分析装置市場での内視鏡やDNA/血液分析などの用途に向けた製品として、ガラス貫通配線基板、立体配線ガラス、マイクロ流路ガラス、キャップガラスなどのガラス製品を提供しております。 当社の加工技術はヒートシンク製品、ガラス製品だけでなく、その他として各種金属、シリコン、セラミックなどの材料などの微細加工にも活かされ、切断、切削の加工を受託しております。また、独自の切断・切削技術への創意工夫の蓄積で得たガラス・セラミック加工用ダイヤモンドツールも製造販売しております。 当社グループの海外販売は、連結売上高の50.7%を占めております。これは、地域別のニーズに即した製品の提供による事業を展開しており、主に欧州における高出力の半導体レーザー向けヒートシンクや米国におけるライフサイエンス向けガラス製品の販売になります。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 <用語解説> ヒートシンク 電子部品や電子機器などが発生する熱を吸収し放熱することで、性能低下や故障を防ぐことを目的とした部品で「放熱板」とも呼ばれます。 半導体レーザー 電圧を与えるとレーザーを出す半導体素子を利用したもので、レーザーダイオード(Laser diode)やLaser diodeを略してLDとも呼ばれます。小型で低電圧、低電流でも高効率のレーザーを出すことができ、年々、半導体レーザーの出力は向上しており、長距離光通信用のレーザー、外科手術などの医療用レーザーから、溶接機器などの溶接用レーザーまで、用途が広がり性能も向上してきております。 パワー半導体 電流を直流と交流に変換したり、電圧や周波数を変えて電気を効率的に使うようにするため半導体で、高い電圧や大きな電流を扱うため高熱が発生します。 MPU Micro Processing Unit(マイクロプロセッサーユニット)の略で、デジタルコンピューターが演算処理を行う演算回路(プロセッサ)をシリコンなどの半導体上に形成し、マイクロチップに実装したものです。 半導体センサー 半導体の物性によって、温度、光、圧力などが変化した際に、半導体の電気抵抗などの変化を検知してセンサーとするもので、家電、自動車、産業機器、など幅広く使用されております。センサーの種類で代表的な例では温度センサー、光センサー、圧力センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーがあり、特に自動車はこのようなセンサーが数多く搭載されており、温度センサーや圧力センサーはエンジン制御やブレーキなどの油圧の制御、加速度センサーやジャイロセンサーはエアバッグや横滑り防止装置の制御、また光センサーはライトや最近では駐車支援システムにも使用されております。 Cu/AlN/Cu 発熱する高出力レーザーの半導体素子の熱膨張に近く、熱伝導も高い窒化アルミニウム(AlN)の両面に、非常に高い熱伝導を持つCuが形成されている構造のヒートシンク材。Cuは熱膨張が大きいため、その熱膨張を緩和するためAlNがCuとCu間にサンドイッチされる構造としております。 5G・6G通信 2020年に主流である携帯電話などの移動通信システムの通信規格は4G(GはGeneration<=世代>の頭文字をとったもので4th Generation<=第4世代>)と呼ばれ、2020年以降から現在は次世代規格である5Gの通信規格へ置き換わってきており、4G通信の20倍の高速化、高信頼性および低遅延の通信を実現するものとなり、さらに高速化し進化した6G通信が2030年を目途に導入されることが予想されております。次世代通信を実現するためには、高い出力、高い周波数に対応できる通信機器が必要とされます。 LiDARセンサー 「light detection and ranging(レーザー画像検出と測距)」の頭文字をとったLiDAR(ライダー)センサーは、物体との距離や形状を測るためのセンサーで、レーザー光を使うことで、電波を使って測定するレーダー方式に比べ、高精度に距離、形状や位置関係などを立体的に検知できる特徴があり、自動車の自動運転技術への広がりが進んでおります。 高周波(RF)スイッチ 携帯電話や無線LAN、近年の衛星通信などの電波通信は高い周波数が使用され、その通信経路を切り換えるための電子回路部品であり、小型化、高機能化のため微細な回路内にスイッチの機能を持たせるようになってきております。
経営方針・対処すべき課題5,419字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、社会的使命、永続的な目標および企業としての姿勢を「The TECNISCO WAY」として企業理念に掲げており、その社会的使命として掲げた「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」を果たすため、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」で、真の顧客ニーズと市場ニーズを捉えたモノづくりに取り組んでおります。また、永続的な目標の“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”において、顧客より求められる部品加工の領域は幅広くありますが、当社グループはその中でも高機能ヒートシンク及びガラスの領域においては、顧客が困ったときには当社に相談したいと思わせられる存在になりたいと考えており、企業としての姿勢の“誠実な企業として生きる 独創の企業として生きる”を基に、世の中の快適につながる部品加工の技術開発を進めております。 なお、企業を構成する主要な要素と当社を取り巻くステークホルダーとの関係性という観点から、当社グループが2029年度末(2030年6月期)に実現すべき姿を「VISION 2030」として定義し、その具現化を継続して進め、景気の波に左右されず着実に成長・拡大するビジネスモデルを構築すること、企業としての基礎体力を強化して安定的な収益構造を実現することを中期的な課題として継続的に取り組んでおります。 (2)経営戦略等 果たすべき社会的使命、「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人々の喜びの実現の一助になる」の実現を目指す上で、当社グループは、中長期のマイルストーンとして「VISION 2030」を策定しています。その策定にあたっては、「VISION 2023」の活動の振り返りを行い、進化を目指して未来からの視点で描かれており、売上高や利益などの定量的な要素によらず、より定性的な要素も含めた内容になっています。事業、会社、文化といった企業を構成する様々な要素の姿と「顧客」「サプライヤー」「従業員」「株主」などのステークホルダーとの関係性から、当社グループの2029年度末(2030年6月期)の到達点を定義しています。例えば中長期の経営指標に関して、事業の姿においては2024年7月時点の製品カテゴリと比較して、新規の独創的な製品が一定のボリュームで量産化されていることを掲げています。 現在、当社グループは、ヒートシンク製品、ガラス製品の製造販売を主な事業として、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場などを主な展開領域として当社製品の浸透を図っております。そのためには、これまで取引先からのニーズに対し、どうやって作るか(HOW)に主眼を置いた受託加工を主体としたビジネスモデルから、新たに何を作るか(WHAT)を主眼にした自社素材及び自社製品の開発、製造も並列させたビジネスモデルへの転換に取り組んでまいります。 これらを実現させるために、ヒートシンク製品においては産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場及び航空宇宙市場でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の開発、また、複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造、ガラス製品においてはライフサイエンス市場に向けた高信頼性製品の開発、さらに、成長市場である環境エネルギー市場へ独自加工技術による展開など、技術開発と製造の効率化を継続的に実施してまいります。 また、社会的使命を果たすために、企業体質の強化は不可欠ですが、リスクマネジメントシステムの推進、働き方改革の推進、健康経営の推進、人材の育成開発、スピーディな情報連携、内部統制整備運用などを継続的に実施してまいります。特に果たすべき社会的使命について、継続的なチャレンジによって「人々の喜びの実現の一助になる」と定義しているように、人々の喜びを実現するのは、顧客です。すなわち当社グループが「クロスエッジ®Technology」を求める先端製品開発に携わる人々から、認められた存在であることがマテリアリティ(最重要課題)です。当社グループは、これを推進する体制として「テクニスコCSマネジメントシステム」という全社的な体制にて、顧客の正直な声を全従業員に届け、CS向上のための活動を行ってまいります。 (3)経営環境 当社グループの主要製品であるヒートシンク製品は、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場等において、様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。 現況において、当社グループは、半導体レーザーの市場セグメント、材料処理、医療、光通信、LiDARセンサー、ディスプレイと照明など様々な分野における主要な半導体レーザーメーカーと取引実績があります。現在、中国市場においては、市況環境の悪化および中国競合との価格競争の継続により、売上が大幅に減少しています。一方、日米欧等の主要メーカーも当社グループの顧客であり、その需要を確実に取り込めるように、既存取引先との関係強化及び新規取引先開拓に取り組んでまいります。また、半導体レーザー用途以外でもパワー半導体向け等の高機能ヒートシンク製品を提供しておりますが、これらを含めた半導体市場全体は、デジタル革命の進展に伴い今後も右肩上がりで成長し、2030年には約100兆円(経済産業省:2023年6月 半導体・デジタル産業戦略 参考資料より)に達すると言われています。半導体の微細化、極小化により大容量、高速、高信頼性や低消費電力、性能比低価格化など、半導体の進化に向けた追求は止まることがありません。当社グループは、顧客の最先端製品のR&D・開発担当者と直接対話し、共に解決する提案型の営業を行うことで、顧客製品の信頼性、長寿命化に必要不可欠な電気の放熱問題を解決する、ヒートシンク製品を提供してまいります。 もう一つの当社グループの主要製品であるガラス製品は、自動車市場、ライフサイエンス市場等における様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。 ガラス製品は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの小型化、高機能化を可能とする構成部品です。特に車の自動運転技術が進む自動車市場向けの各種センサーやモバイル機器向け、バイオ・医療向け等に精密ガラス製品を提供しております。それぞれの市場においては、顧客製品の高性能化、小型化が進んでおり、当社グループは顧客ニーズを確実に取り込めるように、取り組んでおります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、株式会社ディスコの研削切断加工技術をもとに受託加工を提供しておりましたが、2000年代、顧客ニーズも踏まえてコーティング技術である薄膜の設備を導入し、新たな加工技術を身に付けました。その後、技術開発を繰り返し、さらなるコア技術を中心に複数工程を組み合わせ、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげ、専業メーカーでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。当社の強みである「クロスエッジ®Technology」は、このように確立された歴史があります。当社グループでは、下記の事項を対処すべき課題と認識して、さらなる進化のためにコア技術を増やし、レベルアップを図る研究開発活動に取り組み、安定的な収益構造の実現を推進してまいります。 ①ヒートシンク製品でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の活用・開発 当社グループの主力製品であるレーザー機器用ヒートシンクは、現在は主に窒化アルミニウム(AIN)、銅タングステン(CuW)が原材料ですが、高出力用レーザーを出す半導体素子に直接接合されるため、熱膨張率が半導体素子に近くないと、素子自体を損傷します。一方でレーザー加工機は、用途の多様化により高出力化や微細加工のために信頼性が求められ、機器や部品の冷却需要が高まっております。当社グループは、より効率よく熱を吸収し、放熱する高性能ヒートシンク材料の活用(SiC等の新素材)や開発に注力しております。 ②ヒートシンク製品での複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造 上記研究開発の一環で、当社のシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.において、さらに熱伝導が高い素材として、銀とダイヤモンドを原材料としたシルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製造開発を行っています。この製品は、熱膨張率が様々な半導体素子の数値に近く、熱伝導が当社従来品の2~2.5倍の性能を有しています。今後の用途は、データセンターのサーバー、ハイパーフォーマンスコンピューティング、MPU向けヒートシンク、通信用RF増幅器、高出力レーザー用ヒートシンク、X線装置などで、将来性のある用途を見込んでおります。 ③ガラス製品での高信頼性製品の開発 ガラス製品は、微細加工を施す精密部品で、当社グループは、顧客の真のニーズを引出し、提案、製品化しております。用途は、CMOSイメージセンサー、MEMS(微小機械システム)の各種センサー、半導体パッケージ等です。近年、使われる環境が人体である医療用チップや、自動運転車の各種センサー、LiDAR(レーザー光による距離計測システム他)など人命に係わる製品の部品になりますので、高い信頼性を備えた製品の開発に注力しております。 ④ガラス製品での独自加工技術による展開 従来の機械加工技術に加えレーザー加工機の活用と、原点である「クロスエッジ®Technology」を併せ、それぞれのメリットを活かす複合加工へと発展させる取り組みを進めています。さらに将来的には、金属・ガラスとセラミック複合体など新たな技術開発の必要性も認識しており、将来的なお客様への提案力の強化に努めております。 ⑤優秀な人材の確保 「クロスエッジ®Technology」を継続して進化し成長を続けるためには、優秀な人材の確保が重要であると考えております。当社ではこれまで、経験者を中心とした積極的な人員の確保に努めるとともに、社員に対してもハラスメントの防止や労働環境改善のES(従業員満足度)調査への配慮に加え、健康経営による働き方改革等を踏まえた人事施策を行っており、今後も継続、強化を図ってまいります。また、社員一人ひとりが独創的な挑戦を継続し、進化し続ける企業風土の醸成を推進してまいります。 ⑥安定的な資金調達の構築及び継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループがメーカーとして最新の生産設備を保持し、維持していくためには、安定的な資金調達が重要であります。今後の事業拡大のために、資金需要の増加を見込んでいることから、安定した調達能力を高め、十分な手許資金の確保に取り組んでまいります。 なお、当社グループは、当連結会計年度において、営業損失1,443,128千円、経常損失1,629,152千円及び親会社株主に帰属する当期純損失2,976,832千円を計上しております。その結果、当社が、一部の取引金融機関と締結している金銭消費貸借契約証書の財務制限条項に付されている条項に抵触しております。これらの状況から、当連結会計年度末において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、当連結会計年度の手元資金の確保状況をもとに、当社の年度事業計画に基づく今後の収支推移見込み、取引金融機関との協議及び借入、関連当事者への資金面の支援要請及び連結子会社を含めた資金繰りを踏まえ、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、企業理念に掲げている「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」という社会的使命のもと、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」の提供により、“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”の実現に向けて取り組んでおります。 このことから当社グループでは、現在展開している市場での事業規模拡大及び新たな市場への展開を推進し、安定的な収益構造を実現することを中期的な課題としていることから、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しております。
事業等のリスク8,927字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置することにより、当社グループにおけるあらゆるリスク等への対応および未然防止の体制を構築しております。詳細については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経済状況について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは国内・外の電子部品メーカー向けに製品を製造・販売しているため、その販売先の国又は地域の経済状況、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、および顧客の設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特に当社グループは、高い海外売上高比率(2025年6月期は連結売上高に対し、50.7%)となっております。 当リスクへの対応として、販売先の国又は地域の情報収集や、市場環境・受注状況を取締役会等の重要会議における定期的なレビューの実施、また全社的な業務改善活動(PIM活動)の継続的な取り組み等により、予期せぬ需要や景気の変化に対し柔軟に対応できる体制を整備し、リスクの低減を図っております。 しかしながら、世界各地において予期せぬ景気後退による需要の減少および顧客が設備投資凍結や減産などを行った場合には、売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)中国リスクについて(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、中国・蘇州に現地法人を置き、製品の生産や営業活動を行っております。近年、中国では米中貿易摩擦、近隣との地政学的な緊張関係、感染症への大幅な政策転換等、経済情勢に大きく影響する事象が続いております。 当社グループでは現地法人を通じ、中国の経済・社会・政治的状況や法規制の動向について情報を収集し、対応が必要な事象が生じた際には、現地法人や専門家等と連携して対処していくことで、リスクの低減を図ってまいります。 しかしながら、現地での法律・規制や租税制度の変更や、予期し得ない経済情勢の悪化等が生じた場合には、追加的な納税義務並びにコストの増加や、売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)為替レートの変動について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの事業には、海外における生産と販売が含まれております。各地域における現地通貨建の取引は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般的に円安は事業に好影響をもたらしますが、円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当リスクへの対応として、当社グループは、為替変動の情報を注視するとともに、為替予約等を行うことにより、リスクの低減に努めております。 しかしながら、予期しない大幅な円高が生じた場合、円換算後の価値が大きく影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)新規事業の開発について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、高機能ヒートシンク用の新素材および製品の開発・製造に取り組んでおりますが、開発の遅れ、各種実証や認証の対応等に時間を要する等のリスクが潜んでおります。 当社グループは、開発・実証・認証等の進捗状況について、逐一キャッチアップし毎回の経営会議および取締役会において状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。 しかしながら、これらに大幅な遅れが生じた場合、当該事業への投下資本に対する回収が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)人材の確保および育成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループは、将来にわたる持続的な発展のために、優秀な人材の継続的な採用や育成が重要な課題であると認識しておりますが、雇用情勢の変化等により採用難や人材流出が進んだ場合、後継人材の育成が適切になされないリスクが潜んでおります。 当社グループは、人材育成により生産性向上と残業時間の抑制を図る取り組み等を継続して行っているほか、一層の技術革新、生産性の向上を進めるための優秀な人材確保と従業員のモチベーション向上を図るべく、積極的な採用活動、人事評価制度の整備、研修の実施等の施策を講ずることにより、リスクの軽減を図っております。しかしながら、雇用情勢がいわゆる「売り手市場」となった場合、人材が知名度や給与等において優位な他社に流れ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)技術革新について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの製品販売先である電子機器、自動車、航空宇宙、医療、設備産業等の業界においては、技術革新や事業環境の変化が急速に進んでおり、顧客が当社グループに求める技術レベルも高度化してきております。 当社グループは、シルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製品開発をはじめとした、新製品の開発や技術力の研鑽等に積極的に取り組んでいるほか、大学等研究機関との共同開発による産学官連携を積極的に実施するとともに、顧客との密接なコミュニケーションによりニーズの捕捉に努め、高度なニーズに対応し続けることにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、新技術や顧客ニーズへの対応の遅れなどが発生した場合、顧客が求める技術レベルに対応できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)研究開発活動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、新製品開発、製品改良、生産工程の改善等を研究開発活動として、継続的に実施しておりますが、開発の遅れが生じた場合や、開発した製品が顧客ニーズに合致しなかった場合、また、競合他社による新技術・製品が先行投入された場合には、開発コストの回収が困難となる等のリスクが潜んでおります。 当社グループは、大学等研究機関との共同開発による産学官連携の積極的な実施や、開発・実証・認証等の進捗状況について逐一キャッチアップし状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。 しかしながら、当社グループが顧客ニーズを把握しきれず、これに応えるための製品を正しく開発できない場合や、上記(6)にもあるように、新技術等への対応の遅れなどが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)原材料価格の変動及び調達について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、金属、ガラス、非金属、貴金属等を原材料に使用しており、これらの材料価格が変動する懸念や、調達そのものが困難となるリスクも潜んでおります。 当リスクへの対応として、当社グループは、貴金属等の重要な原材料の複数社購買、政策的な在庫の確保、客先の需要見通し情報を仕入先と共有するなど関係強化等の対策を行い安定供給の確立に取り組んでおります。 しかしながら、景気や為替の変動、政情の不安等の社会的混乱、投機筋の動向により、材料価格の大幅な変動や、調達そのものが困難となった場合、価格転嫁や生産活動等への影響により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)サプライチェーンについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、十分な品質の原材料等の提供を社外のサプライヤーより受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。需給動向の変化に伴い調達競争が激化した場合、開発・生産活動に支障が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、当社グループはサプライヤーを複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。 しかしながら、独自の製品・技術等を有するサプライヤーから調達している原材料等の調達競争が激化した場合、代替での調達が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)外部委託先について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、十分な品質の外注加工サービスの提供を社外の委託先より受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部事業者との関係が悪化した場合、開発・生産活動に支障が生じるリスクが潜んでおります。 当社グループは、品質、コスト、生産能力に問題がなければ内製にて対応するのが基本的なスタンスであり、代替可能な領域の一部のみを、社内の稼働に応じて外部委託先を利用するというのが典型的な利用ケースであることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。また、当社グループは委託先を複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。 しかしながら、独自の技術等を有する外部委託先との関係が悪化した場合、代替での委託が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)公的規制・コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループの事業活動において、国内外の法令や規制に反する事象が発生した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、当社の社会的信用の低下等が発生するリスクが潜んでおります。 当社グループでは、法令遵守および法的要求事項への対応として、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置するとともにコンプライアンスマニュアル・行動規範を策定しております。また、社員に対するコンプライアンス教育と行動規範の周知を行い、法令遵守の徹底に努めています。 しかしながら、法規制の変更等の把握等が漏れ、予期せぬ法規制への抵触が生じた場合には、監督官庁や訴訟への対応、レピュテーションへの影響等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)環境規制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループは、水質汚濁、劇物・有機溶剤使用、廃棄物等多様な環境問題に対し各種環境法令及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。 当社グループとしては、こうした規制の制改定動向をタイムリーに捕捉し、遵守の徹底に努めるとともに、企業としての社会的責任の観点からも事業活動を通じて地球の環境保全や環境リスク低減に努めて取り組んでおります。 しかしながら、各種環境法令等が大きく厳格化された場合、大幅な追加的義務並びにコスト増加が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)感染症の拡大について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染拡大によっては、当社グループの事業活動において影響が生じる可能性があります。 当社は感染拡大を想定し、リモートワーク制度やWEB会議の活用等により、感染拡大期においても円滑なコミュニケーションを取り、業務を継続できる体制を構築しております。 しかしながら、感染が大きく拡大・長期化した場合には、当社グループ各社や顧客の事業活動が停滞する事態が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)自然災害、人的災害等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、生産拠点を広島県、中国・蘇州、シンガポールの3箇所に構えており、災害等が発生した場合、生産設備への損害、ラインの停止等が発生するリスクが潜んでおります。 ただし、これらの各拠点が、自然災害等により同時に生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。また、当社グループとしては、各拠点における防災設備や防災体制の整備、防災訓練の実施などの対策を行うほか、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、広島は各製品の開発拠点、蘇州は量産品の生産拠点、シンガポールは高性能ヒートシンク材料の開発・生産拠点と、各工場特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、被害の復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)生産拠点の集中に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、上記(14)のとおり、国内外に計3箇所の生産拠点を構えており、設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生するリスクが潜んでおります。 ただし、これらの各拠点において、同時多発的に設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。当社グループとしては、設備のメンテナンスの定期的な実施、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新、さらに、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、各工場はそれぞれ特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)固定資産の減損について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社は開発・生産設備をはじめとする固定資産を多数所有しております。経営環境の著しい悪化等によっては、減損損失を認識する必要が生じるリスクが潜んでおります。 当社グループは当連結会計年度も含め必要な固定資産の減損は実施済であり、現時点において遊休資産を含め、収益性の低下を認識すべき資産の保有はなく、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。 しかしながら、予期せぬ急激な経営環境の悪化が生じた場合、固定資産について、さらなる減損損失を認識する必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17)設備投資について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しないリスクがあるほか、これらの老朽化等に伴う更新が進まなかった場合、現在と同程度の水準の生産設備を維持できないリスクが潜んでおります。また、資金調達や設備納入等に遅れが生じた場合、生産能力の拡大が想定どおり進まないリスクが潜んでおります。 当社グループは、設備投資に際し、事前に収益性や投資回収可能に関する十分な検討や、可能な限り専用設備の導入を避け多用途の汎用設備を導入しているほか、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新を実施することにより、これらのリスクの低減を図っております。 しかしながら、予期せぬ急激な顧客ニーズの変化、経済状況の悪化等が生じた場合、増強した設備による貢献が不十分となる可能性があります。このほか、計画変更による設備更新の停滞や、資金調達・設備納入等の遅れが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (18)知的財産等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの技術・ノウハウを第三者が不正に模倣した場合や、知的財産を巡って紛争が生じた場合には、当社グループの製品の競争力低下等が生じるリスクが潜んでおります。 当社グループでは、特許権その他の知的財産権や機密管理により知的財産の保護を徹底するとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう専門家とも連携しながら細心の注意を払うことにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、予期せず第三者との紛争が発生した場合、多額の訴訟費用が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、知的財産権の保護が不十分な国または地域において模倣等が生じた場合には、当該模倣品が拡販され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (19)情報の流出について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、事業活動における重要情報や顧客から入手した個人情報、機密情報を保有しています。顧客の情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や当社グループの社会的信用の低下等が生じるリスクが潜んでおります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合もしくは第三者に不正使用された場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じるリスクが潜んでおります。 当社グループは、「情報マネジメント規程」をはじめとする社内規程を制定しているほか、情報管理に関する社内研修を定期的に実施しております。さらに、サイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐための管理体制を構築し、適切な安全措置を講じております。 しかしながら、予期せぬサイバー攻撃等により当社グループから情報漏洩等が生じた場合や、当社と機密保持契約等を取り交わした第三者が、これに反し、当社に知られず情報を不正使用した場合、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (20)当社の競合環境について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループには国際的な大企業から小規模な企業、国内から海外まで、広範な競合企業が存在することから、競争の激化により新規受注数が減少し、または製品・サービス価格が下落するリスクが潜んでおります。 当社の主力製品であるヒートシンクは新規参入も少なく、特にレーザー用ヒートシンクについては極めて高度な加工精度と品質管理が要求されるもので、これら技術を有する企業は、当社含め限られております。また、当社グループは、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」の5つの加工技術による「クロスエッジ®Technology」を保有するという優位性を存分に活かし、市場における競争力を高めることにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、海外の新興企業をはじめ他社における技術力や営業力等の向上により、技術や価格等において、当社の競争力が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (21)大株主の状況に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社の代表取締役社長である関家圭三の資産管理会社である合同会社XEホールディングスの当社議決権の所有割合は2025年6月30日現在で54.69%であり、同社の当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性および株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。 同社は、今後も引き続き当社株式の継続保有を維持する方針であることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。また、議決権の行使にあたっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。 しかしながら、同社が、当社株式の保有・処分方針を大きく転換した場合、当該リスクが高まる可能性があります。 (22)有利子負債に関する重要事象等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当連結会計年度末において、当社グループの有利子負債は4,231,630千円、総資産に対する割合は64.4%となっており、金融市場、または当社グループの信用力の変動等により、借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生するリスクが潜んでおります。また、借入金の一部には財務制限条項が付されております。 当社は、公的優遇制度の活用等の対策を講じるとともに、健全な借入レベルを維持するよう努めており、金利が上昇した場合の影響は極めて限定的と考えております。また、当座貸越枠の積極的な活用により適切なタイミングでの調達を図るとともに、当社グループ内の資金融通を適時柔軟に行うこと等により資金効率の向上に努めております。 しかしながら、予期せぬ急激な金利変動や経営環境の悪化が生じた場合、資金調達方法の制限や、財務状況の悪化による借入金の即時の返済により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社が、一部の取引金融機関と締結している金銭消費貸借契約証書の財務制限条項に付されている条項に抵触しておりますが、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
経営成績の分析 (MD&A)5,735字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国及び世界経済は、米国の関税政策リスク、インフレ率の高止まり、ウクライナ情勢、中東情勢などの地政学的リスクの高まりを受け依然として先行き不透明な状況にあります。 このような経営環境のもと、当社グループの主力製品である産業用レーザー機器市場向け高性能ヒートシンクについて、主に中国市場で、不動産問題に端を発する景況感の悪化、中国競合との価格競争の継続、一部顧客の需要減が重なったことなどにより、ヒートシンク製品全体の売上高は前年度より減少しました。ガラス製品は、主に日本、欧米向け製品において顧客の短期的な需要変動があったことなどによって、売上高は前年度より減少しました。 売上総利益については、前述の中国市場での売上減少の影響、及び、欧米向けの売上総利益率が高い製品の短期的な需要変動、さらに中国市場で売上総利益率が大幅に低下したヒートシンク関連の在庫廃棄などによって、前年度より減少しました。 販売費及び一般管理費については、継続的な経費削減の取組みにより、前年度より減少しました。 なお、当社グループの生産設備等について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、足元の市場環境及び生産状況を適切に見積もった将来計画を踏まえ、投資の回収可能性を検討した結果、当該固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額1,271,201千円を減損損失として特別損失に計上しました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,362,209千円(前年比28.2%減)、営業損失1,443,128千円(前年同期は営業損失476,939千円)、経常損失1,629,152千円(前年同期は経常損失318,634千円)、親会社株主に帰属する当期純損失2,976,832千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失603,632千円)となりました。 なお、セグメント別の状況は、精密加工部品事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。 ② 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて2,940,491千円減少し、6,568,881千円となりました。これは主に、現金及び預金が267,191千円の減少、売掛金が436,383千円の減少、仕掛品が275,153千円の減少、機械装置及び運搬具が1,435,478千円減少したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて123,545千円増加し、4,944,704千円となりました。これは主に、短期借入金が1,360,200千円の増加であった一方で、1年内返済予定の長期借入金が181,184千円の減少、長期借入金が930,572千円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて3,064,037千円減少し、1,624,177千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が2,976,832千円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は24.57ポイント減少して24.73%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、減価償却費、減損損失、短期借入金の純増加額の計上等の要因があったものの、税金等調整前当期純損失、長期借入金の返済による支出等により、前連結会計年度末に比べ267,191千円減少し、当連結会計年度末には1,812,905千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動の結果使用した資金は256,771千円(前年同期は386,636千円の支出)となりました。これは主に、減損損失1,271,201千円、減価償却費530,065千円、棚卸資産の減少507,880千円、売上債権の減少315,017千円、税金等調整前当期純損失3,023,818千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は184,577千円(前年同期は434,589千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入244,685千円、定期預金の預入による支出244,685千円、有形固定資産の取得による支出166,275千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は226,269千円(前年同期は2,092,750千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,360,200千円、長期借入金の返済による支出1,111,756千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) セグメントの名称   金額(千円)   前年同期比(%) 精密加工部品事業   5,699,455   74.5 合計   5,699,455   74.5 (注)金額は製造原価によっております。 b.受注実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) セグメントの名称   受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) 精密加工部品事業   3,189,007   74.4   1,091,621   86.3 合計   3,189,007   74.4   1,091,621   86.3 c.販売実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) セグメントの名称   金額(千円)   前年同期比(%) 精密加工部品事業   3,362,209   71.8 合計   3,362,209   71.8 (注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度におけるWuhan Raycus Fiber Laser Technologies Co., Ltd.については、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。 相手先   前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)   当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) Wuhan Raycus Fiber Laser Technologies Co., Ltd.   892,233   19.1   -   - (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (売上高) ヒートシンク製品群については、産業用レーザー機器市場向け高性能ヒートシンクについて、主に中国市場で、不動産問題に端を発する景況感の悪化、中国競合との価格競争の継続、一部顧客の需要減が重なったことなどにより、売上高は1,367,797千円(前期比45.7%減)となりました。ガラス製品群については、主に日本、欧米向け製品において顧客の短期的な需要変動があったことなどによって、売上高は1,118,313千円(前期比16.0%減)となりました。全体としては、売上高は3,362,209千円(前期比28.2%減)となりました。 (売上総利益) 売上原価については、前述の中国市場での売上減少の影響、及び、欧米向けの売上総利益率が高い製品の短期的な需要変動、さらに中国市場で売上総利益率が大幅に低下したヒートシンク関連の在庫廃棄などによって、売上原価は3,231,756千円(前期比7.9%減)となり、売上総利益は130,453千円(前期比88.9%減)、売上総利益率は21.2ポイント減少して3.9%となりました。 (営業利益) 販売費及び一般管理費については、継続的な経費削減の取組みにより、1,573,581千円(前期比4.8%減)となり、営業損失は1,443,128千円(前期の営業損失は476,939千円)となりました。 (経常利益) 営業外損益については、主に為替差損の計上により186,023千円の損失になったことで、経常損失は1,629,152千円(前期の経常損失は318,634千円)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 特別損益については、当社グループの生産設備等について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、足元の市場環境及び生産状況を適切に見積もった将来計画を踏まえ、投資の回収可能性を検討した結果、当該固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額1,271,201千円を減損損失として特別損失に計上しました。 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2,976,832千円(前期の親会社株主に帰属する当期純損失は603,632千円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。 当社グループは、運転資金、設備投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を銀行等の金融機関から借入により調達しております。これらの自己資金は、機動的な事業経営、柔軟な研究開発活動を目的として、会社の対応力向上のために活用しており、設備投資の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 なお、事業拡大に向けて急激な資金需要が生じる場合に備え、一部の金融機関と当座貸越契約を締結しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積り及び仮定と異なる場合があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える可能性のある見積り及び仮定は、以下のとおりであります。 (固定資産の減損) 減損損失の認識において使用される将来キャッシュ・フロー、割引率等の前提条件については、一定の仮定に基づき設定しております。これらの仮定は、経営者が最善と判断した見積りに基づいて決定しておりますが、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合には、固定資産の減損を行い、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性) 繰延税金資産は、将来の課税所得の見積額及び実行可能なタックス・プランニング等を踏まえ、経営者が最善と判断した見積りに基づいて金額を算定しておりますが、将来の課税所得の見積額は業績等により変動するため、実際の課税所得の金額が見積りと異なった場合やタックス・プランニング等に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について 当社グループでは、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しています。当連結会計年度の数値については、次のとおりとなっております。詳細は、①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容の各項目をご参照ください。 前連結会計年度   当連結会計年度 売上総利益率   25.1%   3.9% 経常利益   △318,634千円   △1,629,152千円 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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開示資料

出典

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