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日経平均64,325.64-1,890NYダウ52,965.38+199ドル円158.86-1NASDAQ26,205.58+106S&P 5007,665.62+34SOX 指数11,344.26+569/2終値

王子ホールディングス

Oji Holdings Corporation3861 · Prime · パルプ・紙

国内最大手の総合紙パルプグループ。段ボール、家庭紙、機能材から植林・エネルギーまで、紙の川上から川下までを垂直統合。

概要

王子ホールディングスは、1873年創業の抄紙会社を源流とする国内最大手の総合紙・パルプメーカーである。新聞用紙、印刷用紙、段ボール原紙、家庭紙など幅広い紙製品に加え、特殊紙、感熱紙、粘着フィルム、不織布などの機能材、植林・パルプ・バイオマス発電など資源環境ビジネスを展開する。2026年3月期の連結売上高は1兆8617億円、営業利益346億円。グループ従業員数は3万8757人。東京証券取引所プライム市場に上場している。

4つの報告セグメントで構成される事業ポートフォリオ

王子グループは、生活産業資材、機能材、資源環境ビジネス、印刷情報メディアの4つを報告セグメントとする。生活産業資材は段ボール原紙・加工、白板紙・紙器、包装用紙・製袋、家庭紙・紙おむつ、液体紙容器などを扱い、2026年3月期の売上高は9433億円とグループ全体の約半分を占める。機能材は特殊紙、感熱紙、粘着紙・フィルム、不織布を製造し、国内外の多様な産業に供給する。資源環境ビジネスはブラジル、ニュージーランド、インドネシアなどでの植林事業、パルプ製造、バイオマス発電を含む。印刷情報メディアは新聞用紙や印刷・出版・情報用紙を供給する。この他、物流、エンジニアリング、不動産などのその他事業も抱える。

アジア・南北米・欧州に広がるグローバル拠点

王子グループは、アジア、北米、南米、欧州、オセアニアの幅広い地域に事業拠点を持つ。中国では江蘇王子製紙が家庭紙やパルプを製造するほか、蘇州や上海に包装工場がある。東南アジアではマレーシアのGS Paperboard、タイのOji Paper、ベトナムのOjitexなどが段ボールや紙袋を生産。インドではOji India Packagingが段ボール事業を展開する。南米ではブラジルのCelulose Nipo-Brasileiraが植林とパルプ製造を行い、ウルグアイにも植林会社を有する。オセアニアではニュージーランドのPan Pac Forest Productsが製材・パルプを生産し、Oji Fibre Solutionsが段ボール・紙袋を手掛ける。欧州ではフィンランドのWalkiやオーストリアのAustroCel Halleinが事業を展開する。

森林資源を軸とする資源循環型ビジネスモデル

王子グループは「木を使うものは、木を植える義務がある」という理念の下、国内外に広大な社有林を保有し、持続可能な森林経営を実践している。ブラジル、ニュージーランド、インドネシアなどにおける植林事業により、原料となる原木・チップを安定的に調達する。製紙工程では再生紙の利用を推進し、家庭紙や段ボール原紙に積極的に古紙原料を用いる。また、木質バイオマスを燃料とする発電事業をグループ内で展開し、王子グリーンエナジー徳島などの子会社が運営する。資源環境ビジネスセグメントにはパルプ製造や糖化製品も含まれ、林業からエネルギーまで一貫した循環を形成している。

持株会社体制とグループガバナンス

王子ホールディングスは、子会社312社、関連会社58社からなる企業集団の持株会社である。グループ本社機能は王子マネジメントオフィスが担い、人事、経理、企画、財務などの業務を集中管理する。各事業セグメントは独立した子会社が運営しており、生活産業資材は王子マテリア、王子コンテナー、王子ネピアなどが、機能材は王子エフテックス、王子イメージングメディアなどが、資源環境ビジネスは王子グリーンリソース、王子木材緑化などがそれぞれ事業を展開する。また、地域統括会社としてOji Asia Management(東南アジア)やOji Oceania Management(オセアニア)を設置し、現地経営の効率化を図っている。

業界の中での役割は紙パルプ製品の総合サプライヤーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.9兆円
営業利益
346億円
営業利益率
1.9%
純利益
556億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01包装・容器・紙加工(生活産業資材)主力

段ボール原紙の製造から段ボール加工まで一貫。白板紙・紙器、包装用紙・製袋、液体紙容器、サステナブルパッケージなどを国内外で展開。家庭紙(ティッシュ・トイレットペーパー)や紙おむつも手掛ける。

主な製品・サービス6
段ボール原紙・段ボール製品
段ボール用のライナーと中芯原紙、および加工された段ボール箱。
白板紙・紙器
化粧品・食品などの包装に用いる白板紙と、それを加工した紙器。
包装用紙・紙袋
クラフト紙などの包装用紙や、セメント・飼料用の紙袋。
家庭紙
ティッシュペーパー、トイレットペーパーなど。
紙おむつ
乳幼児用・大人用の紙おむつ。
液体紙容器
牛乳パック・飲料用紙容器など。

02特殊紙・感熱紙・粘着・フィルム(機能材)主力

特殊紙、感熱紙(レシート用など)、粘着紙・粘着フィルム、情報用紙、不織布を製造・販売。国内外に生産拠点を有し、多様な産業向けに供給。

主な製品・サービス4
特殊紙
耐熱紙、絶縁紙、ろ紙など特定機能を持つ紙。
感熱紙・感熱フィルム
レシート用感熱紙、チケット、ラベルなど。
粘着紙・粘着フィルム
ラベル用途の粘着紙・フィルム。
不織布
衛生材料・工業資材などに使用される不織布。

03植林・木材加工・パルプ・エネルギー(資源環境ビジネス)準主力

ブラジル、ニュージーランド、インドネシアなどで植林事業を展開。原木・チップの調達・加工・販売、パルプの製造・販売を行う。また、バイオマス発電事業や糖化製品の製造も手掛ける。

主な製品・サービス4
パルプ
紙原料となる化学パルプ・機械パルプ。
原木・チップ
製紙用チップや建材用原木。
バイオマス発電
木質バイオマスを燃料とする発電事業。
糖化製品
コーンスターチ由来の糖化製品。

04新聞・印刷・出版・情報(印刷情報メディア)準主力

新聞用紙、印刷・出版・情報用紙を製造・販売。国内外の新聞社・印刷会社・出版社向け。

主な製品・サービス2
新聞用紙
新聞印刷に使用される巻取紙。
印刷・出版・情報用紙
雑誌、カタログ、コピー用紙などに使用される塗工紙・非塗工紙。

05その他(物流・エンジニアリング・不動産・溶解パルプ等)その他

グループ内物流、プラントエンジニアリング、不動産賃貸・販売、溶解パルプ・次世代バイオエタノール製造などの事業を展開。

主な製品・サービス2
溶解パルプ
レーヨン・アセテートなどの原料となる高純度パルプ。
次世代バイオエタノール
木質原料から製造されるバイオ燃料。

製品と技術

段ボール原紙から加工まで一貫する包装事業

王子グループの包装事業は、段ボール原紙の製造から段ボール箱の加工までを一貫して手掛ける。王子マテリアがライナーと中芯原紙を生産し、王子コンテナー、森紙業、王子インターパックなどが段ボール箱に加工する。東南アジアではGS Paperboard、Harta Packaging、Ojitex Vietnamなどが現地生産を行う。製品は食品・飲料、家電、通販など幅広い業種向けである。また、白板紙・紙器では王子パッケージングが化粧品・医薬品向けの高級紙器を、包装用紙・製袋では王子製袋がセメント・飼料用の紙袋を供給する。液体紙容器ではIPI S.r.l.が牛乳パックなどを製造する。

特殊紙・感熱紙・粘着フィルムの機能材事業

機能材セグメントでは、王子エフテックスが変圧器用セルロース系プレスボードなどの特殊紙を製造し、中津工場で生産能力を約3倍に増強した。王子イメージングメディアはレシート用感熱紙や感熱フィルムを手掛け、北米のKanzaki Specialty Papers、欧州のKANZAN Spezialpapiere、南米のOji Papéis Especiaisなど海外拠点でも生産する。粘着紙・粘着フィルムは王子タックと新タック化成が製造し、ラベルや産業用テープ向けに供給する。不織布は王子キノクロスが衛生材料や工業資材用途で生産し、中国の王子奇能紙業でも展開する。

植林・パルプ・バイオマスエネルギーの資源循環事業

資源環境ビジネスの中核は、ブラジルのCelulose Nipo-Brasileira、ニュージーランドのPan Pac Forest Products、インドネシアのPT. Korintiga Hutaniなどによる植林とパルプ製造である。これらの拠点は原木・チップを安定供給し、一部はグループ外にも販売する。パルプは王子グリーンリソースが調達を統括する。エネルギー事業では、王子グリーンエナジー徳島やエム・ピー・エム・王子エコエネルギーがバイオマス発電所を運営する。また、AustroCel Hallein(オーストリア)は溶解パルプと木質由来バイオエタノールを製造するバイオリファイナリーを手掛け、次世代バイオ燃料の事業化を進めている。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

パルプ・紙のなかでの位置

国内シェア首位、内需依存で海外比率低め

王子ホールディングスは、パルプ・紙業界で国内首位の事業規模を持ち、売上高は約1.85兆円と同業他社を大きく引き離す。ライバルである日本製紙や北越コーポレーションと比べ、生産能力と販売網で優位に立つ。国内市場に強く依存しており、紙需要の構造的な減少が収益性に影響を与える。営業利益率は2025年3月期に3.66%と改善したが、2026年3月期は1.86%まで悪化見込み。成長分野へのシフトやコスト削減が急務。

強み

  • 売上高1.8兆円超で業界最大、生産・物流基盤が他社を圧倒
  • 新聞・出版・包装など幅広い需要があり、景気変動の影響を受けにくい
  • 植林から製造まで一貫体制で、原料調達の安定性と環境対応を両立
  • 機能紙や特殊紙など高付加価値製品の開発に強みを持つ

課題

  • デジタル化で紙の需要が縮小、今後の売上減少は避けられない
  • 営業利益率2%前後と低く、コスト削減や価格転嫁が不十分
  • 海外売上比率が低く、成長市場への参入が進んでいない

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

商社・卸売の時価総額近傍。太字が王子ホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
19147NIPPON EXPRESSホールディングス1.4兆円71.6倍
22768双日1.2兆円11.4倍
35411JFEホールディングス1.2兆円17.6倍
49962ミスミグループ本社1.0兆円24.4倍
53064MonotaRO9,230億円25.6倍
63861王子ホールディングス8,856億円14.3倍
72181パーソルホールディングス6,767億円15.5倍
87459メディパルホールディングス6,296億円14.1倍
91963日揮ホールディングス5,746億円13.6倍
108088岩谷産業5,149億円10.6倍
112784アルフレッサ ホールディングス4,458億円10.1倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(商社・卸売)に従っています。

会社の歴史

沿革 19件

苫小牧製紙として発足した1949年と社名変遷

1949年8月、「苫小牧製紙株式会社」として発足したのが現在の王子グループの直接の前身である。1952年6月に商号を「王子製紙工業株式会社」と変更し、1956年9月には林木育種研究所、1957年10月には中央研究所を設置して研究開発体制を整えた。1960年12月には商号を「王子製紙株式会社」と改め、社名が王子に統一された。この時期は国内の紙需要の拡大に対応し、生産基盤の強化を進めた。

合併と海外進出で規模を拡大した1970年代

1970年9月、北日本製紙株式会社と合併し、生産規模を拡大した。1973年3月にはニュージーランドでCarter Oji Kokusaku Pan Pacific Project(現Pan Pac Forest Products)が稼働し、海外での植林・パルプ事業に乗り出した。1979年3月には日本パルプ工業株式会社と合併し、原料調達力と製造能力をさらに強化した。これらの合併と海外投資により、国内大手製紙メーカーとしての地位を固めるとともに、グローバルな資源確保の道を開いた。

大型合併で業界再編を主導した1989年~1996年

1989年4月、東洋パルプ株式会社と合併し、さらに規模を拡大。1993年10月には神崎製紙株式会社と合併し、商号を「新王子製紙株式会社」に変更した。1996年10月には本州製紙株式会社と合併し、商号を再び「王子製紙株式会社」とした。一連の大型合併により、新聞用紙から家庭紙まで幅広い製品を扱う総合紙・パルプメーカーとしての国内首位の地位を確立した。この再編は、需要の多様化と競争激化に対応するための業界再編の動きの中に位置づけられる。

2000年代初頭の事業再編と子会社化による分業体制

2001年5月、段ボール原紙の共同販売会社「王子板紙」を設立し、同年10月には全国7地区の段ボール子会社を統合して「王子コンテナー」を発足させた。2002年10月には段ボール原紙の生産・販売を王子板紙に一元化した。2003年4月には家庭用紙事業を王子ネピアに統合し、2004年10月には特殊紙・フィルム事業を王子特殊紙(現王子エフテックス)に統合した。これにより、各事業を専門子会社が担う分業体制が整い、効率的な経営が可能となった。

成長市場への海外M&Aを加速した2005年以降

2005年12月、国内段ボール業界第3位の森紙業グループの株式を取得し、国内シェアを拡大した。2007年10月には中国江蘇省南通市に合弁会社「江蘇王子製紙」を設立し、中国市場への本格進出を果たした。2010年4月にはマレーシアの板紙・段ボールメーカーGS Paper & Packagingの持株会社Paperbox Holdingsの株式を取得し、東南アジアでの事業基盤を強化した。これらの買収・投資を通じて、国内需要の減少を見据えた海外展開を積極的に推進した。

年表19件を開く

1940年代

  • 1949年8月創業「苫小牧製紙株式会社」として発足

1950年代

  • 1952年6月商号を「王子製紙工業株式会社」と変更
  • 1956年9月林木育種研究所(現 イノベーション推進本部)設置
  • 1957年10月中央研究所(現 イノベーション推進本部)設置

1960年代

  • 1960年12月商号を「王子製紙株式会社」と変更

1970年代

  • 1970年9月M&A北日本製紙株式会社と合併
  • 1973年3月Carter Oji Kokusaku Pan Pacific Project(現 Pan Pac Forest Products Ltd.)稼働(ニュージーランド)
  • 1979年3月M&A日本パルプ工業株式会社と合併

1980年代

  • 1989年4月M&A東洋パルプ株式会社と合併

1990年代

  • 1993年10月M&A神崎製紙株式会社と合併し、商号を「新王子製紙株式会社」と変更
  • 1996年10月M&A本州製紙株式会社と合併し、商号を「王子製紙株式会社」と変更

2000年代

  • 2001年5月当社の持分法適用関連会社である高崎三興株式会社、当社の連結子会社である中央板紙株式会社及び北陽製紙株式会社の3社との共同出資により、段ボール原紙の共同販売を行う「王子板紙株式会社(現 王子マテリア株式会社)」を設立
  • 2001年10月M&A全国7地区の段ボール子会社7社を、当社の段ボール部門を含めて1社に統合し、商号を「王子コンテナー株式会社」と変更
  • 2002年10月M&A段ボール原紙共同販売会社である王子板紙株式会社(現 王子マテリア株式会社)に、当社段ボール原紙製造部門、当社連結子会社である高崎三興株式会社、中央板紙株式会社、北陽製紙株式会社及びオーアイアール株式会社を統合し、段ボール原紙の生産・販売体制を一元化
  • 2003年4月M&A家庭用紙事業に関して、生産・販売体制の一元化を図るため、家庭用紙販売会社である株式会社ネピアに、当社家庭用紙製造部門及び当社連結子会社であるホクシー株式会社を統合し、商号を「王子ネピア株式会社」と変更
  • 2004年10月M&A特殊紙及びフィルム事業に関して、特殊紙及び白板紙の生産販売会社である富士製紙株式会社に、当社特殊紙及びフィルム事業部門を統合し、商号を「王子特殊紙株式会社(現 王子エフテックス株式会社)」と変更
  • 2005年12月段ボール事業に関して、段ボール業界第3位(生産量)の森紙業グループ各社の株式を取得
  • 2007年10月中国江蘇省南通市において、現地合弁会社である江蘇王子製紙有限公司を設立

2010年代

  • 2010年4月段ボール事業に関して、マレーシアの板紙・段ボールメーカーであるGS Paper & Packaging Sdn.Bhd.(現 GSPP Holdings Sdn.Bhd.)の持株会社であるPaperbox Holdings Ltd.の株式を取得

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 保有株式縮減額(政策保有株式+退職給付信託株式)2030年度まで1,200億円
  • 自己株式取得額2027年度まで1,500億円
  • 連結営業利益2027年度まで1,200億円
  • 親会社株主に帰属する当期純利益2027年度まで800億円
  • ROE2027年度まで8%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    資本効率向上

    非コア資産の売却や投資基準の厳格化、自己株式の取得などを通じて資産のスリム化と資本構成の見直しを進め、成長投資と株主還元の両立を図り、ROEの向上を目指す。

  2. 02

    ポートフォリオ転換

    成長事業・地域への進出を加速し、低収益事業の撤退基準を厳格化。将来の中核として「木質バイオマスビジネス」と「サステナブルパッケージ」を掲げ、木質由来新素材開発や医薬・ヘルスケア領域への本格参入を推進する。

  3. 03

    サステナビリティ促進

    カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに向けた取組みを強化し、自然資本会計への対応を見据えたネイチャーポジティブ経営を進化させる。難処理古紙のマテリアルリサイクルブランド「Renewa」を立ち上げ、資源循環を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で38,757人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は850万円で、9期前と比べて+1.4%平均年齢は44.5歳、平均勤続年数は15.6年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月35,392
2018年3月36,144
2019年3月83843.915.736,309
2020年3月83444.516.036,810
2021年3月84144.716.636,034
2022年3月85947.518.135,608
2023年3月82745.218.637,845
2024年3月84048.319.738,322
2025年3月84545.117.239,136173
2026年3月85044.515.638,75789

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率14.7%
縦線は目安の30%
男性育休取得率100.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)73.4%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社66(国内 41 / 海外 25、うち連結子会社 62) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
本社工場(中国 江蘇省 南通市)他1,258億円
生活産業資材 資源環境 ビジネス 印刷情報 メディア
富士工場(静岡県富士市)他10工場等1,074億円
生活産業 資材他
本社工場(ブラジル ミナス・ジェライス州)他930億円
資源環境 ビジネス
苫小牧工場(北海道苫小牧市)他4工場等769億円
印刷情報 メディア他
本社工場(マレーシア セランゴール州)他3工場734億円
生活産業 資材
キンレース 工場(ニュージーランド トコロア市)他6工場555億円
資源環境 ビジネス 生活産業資材
本社(東京都中央区)他522億円
その他
栃木工場(栃木県宇都宮市)他25工場等437億円
生活産業資材
中津工場(岐阜県中津川市)他3工場等340億円
機能材他
本社工場 — オーストリア ザルツブルク州299億円
その他
ほか8件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    王子コンテナー㈱(注)1
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    王子マテリア㈱(注)1
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    王子製袋㈱
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    王子パッケージング㈱
    東京都 江戸川区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    森紙業㈱
    京都府 京都市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    王子インターパック㈱
    東京都 中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    中越パッケージ㈱
    東京都 文京区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    王子アドバ㈱
    神奈川県 座間市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Paperbox Holdings Ltd. (注)1
    英領 ヴァージン諸島 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    GSPP Holdings Sdn. Bhd. (注)1
    マレーシア セランゴール州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    GS Paperboard & Packaging Sdn. Bhd. (注)1
    マレーシア セランゴール州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Oji Asia Packaging Sdn. Bhd. (注)1
    マレーシア セランゴール州 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社54社を開く
  • HPI Resources Bhd. (注)1マレーシア ジョホール州100%
  • Harta Packaging Industries Sdn. Bhd.マレーシア ジョホール州100%
  • Oji India Packaging Pvt. Ltd.(注)1インド ハリヤナ州100%
  • S.Pack & Print Public Co., Ltd.タイ ソンクラー県76%
  • Ojitex Haiphong Co., Ltd.ベトナム ハイフォン市100%
  • Ojitex (Vietnam) Co., Ltd.ベトナム ドンナイ省100%
  • 王子包装(上海)有限公司中国 上海市100%
  • 蘇州王子包装有限公司中国 江蘇省100%
  • IPI S.r.l.イタリア ウンブリア州100%
  • Walki Oyフィンランド ヴァルケアコスキ市100%
  • 王子ネピア㈱東京都 中央区100%
  • Oji Asia Household Product Sdn. Bhd.マレーシア セランゴール州100%
  • 王子タック㈱東京都 中央区100%
  • 王子キノクロス㈱静岡県 富士市100%
  • 王子エフテックス㈱東京都 中央区100%
  • 王子イメージングメディア㈱東京都 中央区100%
  • 新タック化成㈱香川県 三豊市100%
  • Oji Papéis Especiais Ltda. (注)1ブラジル サンパウロ州100%
  • Oji Paper (Thailand) Ltd.タイ バンコク都100%
  • Kanzaki Specialty Papers,Inc.アメリカ マサチューセッツ州100%
  • KANZAN Spezialpapiere GmbHドイツ ノルトラインヴェストファーレン州100%
  • Tele-Paper (M) Sdn. Bhd.マレーシア セランゴール州100%
  • Adampak Pte. Ltd.シンガポール100%
  • 王子奇能紙業(上海)有限公司中国 上海市100%
  • 王子コーンスターチ㈱東京都 中央区60%
  • エム・ピー・エム・王子エコエネルギー㈱青森県 八戸市55%
  • 王子グリーンリソース㈱東京都 中央区100%
  • 王子木材緑化㈱東京都 中央区100%
  • 王子グリーンエナジー徳島㈱東京都 中央区80%
  • 王子オセアニアマネジメント㈱(注)1東京都 中央区100%
  • Oji Oceania Management (NZ) Ltd. (注)1ニュージーランド オークランド市100%
  • Oji Fibre Solutions(NZ) Ltd. (注)1ニュージーランド オークランド市100%
  • 日伯紙パルプ資源開発㈱(注)1東京都 中央区100%
  • Celulose Nipo-Brasileira S.A. (注)1ブラジル ミナスジェライス州100%
  • Mogno das Alterosas Investimentos Florestais S.A.(注)1ブラジル ミナスジェライス州80%
  • Pan Pac Forest Products Ltd. (注)1ニュージーランド ネイピア市100%
  • Oji Uruguay Forest Company S.A.S (注)1ウルグアイ モンテビデオ市100%
  • Panindo Investment Pte. Ltd. (注)1シンガポール100%
  • PT. Korintiga Hutaniインドネシア ジャカルタ 首都特別州80%
  • 王子製紙㈱(注)1東京都 中央区100%
  • 江蘇王子製紙有限公司(注)1中国 江蘇省90%
  • 王子物流㈱東京都 中央区100%
  • 旭洋㈱東京都 中央区90%
  • 王子エンジニアリング㈱東京都 中央区100%
  • 王子不動産㈱東京都 中央区100%
  • ㈱ギンポーパック東京都 千代田区100%
  • ㈱ホテルニュー王子北海道 苫小牧市100%
  • 王子マネジメントオフィス㈱(注)1東京都 中央区100%
  • AustroCel Hallein GmbHオーストリア ザルツブルク州100%
  • Oji Asia Management Sdn. Bhd. (注)1マレーシア セランゴール州100%
  • 三菱製紙㈱(注)2東京都 墨田区33%
  • 中越パルプ工業㈱(注)2東京都 中央区22%
  • ㈱岡山製紙(注)2岡山県 岡山市49%
  • PT Oji Indo Makmur Perkasaインドネシア ジャカルタ 首都特別州50%
国際子会社 (GLEIF登録 3社)
  • INOJI INDIA PACKAGING PRIVATE LIMITED
  • FIWalki Holding Oy
  • DEKANZAN Spezialpapiere GmbH

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    バイオものづくり革命推進事業木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業委託
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2025-01-27
    2億円
  • 調達
    非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発CNF安全性評価手法の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-07-19
    1,992万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.9兆円営業利益346億円前期と比べると増収減益で、売上が+0.7%、利益が-48.9%。

売上高
+0.7%
1.9兆円
営業利益
-48.9%
346億円
純利益
+20.3%
556億円
営業利益率
1.9%
前期比 -1.8%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.9兆円1.9兆円
営業利益600億円346億円
純利益350億円556億円
1株あたり配当¥36¥36

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は4,685億円、営業利益は39億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+11.5%、営業利益は−82.1%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q4,099174
2024年1Q4,2032185.2176
2024年2Q4,2681704.0140
2024年3Q4,4531764.0107
2024年4Q4,03985
2025年2Q9,2293724.0242
2025年4Q9,2643053.3220
2026年2Q9,1501671.8109
2026年4Q9,4671791.9447
2027年1Q4,685390.832

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1.2兆円から1.9兆円へ1.5倍に増えた。直近期の営業利益率は1.9%。売上は2期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1.24546256
2014年3月1.33652316
2015年3月1.35494155
2016年3月1.43605127
2017年3月1.44529403
2018年3月1.49660362
2019年3月1.551,184520
2020年3月1.511,013582
2021年3月1.36831496
2022年3月1.471,351875
2023年3月1.71950565
2024年3月1.70860508
2025年3月1.856776863.7462
2026年3月1.863464051.9556

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.9兆円のうち、営業利益として残るのは346億円1.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は556億円、売上の3.0%にあたる。営業利益率は業種中央値3.5%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金82.6%1.5兆円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金15.5%2,889億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益1.9%346億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
17.4%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.6pt
1.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比0.2pt
3.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比0.1pt
5.0%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
0.9%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,134億円、投資CFが−125億円で、差し引きのフリーCFは1,009億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は742億円で、売上の0.5ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月1,054−762−207292570
2014年3月1,093−672−520421522
2015年3月909−1,655774−746571
2016年3月1,281−433−898848476
2017年3月1,574−402−1,1451,172514
2018年3月1,232−740−418492583
2019年3月1,406−666−455740828
2020年3月1,245−648−581597824
2021年3月1,271−9161993551,357
2022年3月1,436−926−1,360510555
2023年3月183−1,2331,018−1,050568
2024年3月2,029−1,180−849849625
2025年3月944−1,549610−605655
2026年3月1,134−125−9361,009742

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は2.7兆円。このうち返さなくてよい自己資本が1.1兆円で、自己資本比率は41.0%(業種中央値55.2%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本兆円負債兆円自己資本比率%
2013年3月1.830.581.2527.6
2014年3月1.900.661.2429.9
2015年3月2.140.781.3630.3
2016年3月1.910.711.2030.4
2017年3月1.900.761.1433.1
2018年3月1.960.811.1534.4
2019年3月1.950.821.1434.7
2020年3月1.890.831.0536.7
2021年3月1.980.871.1237.9
2022年3月2.050.881.1841.4
2023年3月2.300.961.3340.8
2024年3月2.441.101.3543.7
2025年3月2.631.131.5041.8
2026年3月2.691.141.5541.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
659億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
7,005億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
1,341億円
在庫として抱えている分
負債合計
1.6兆円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
61
/ 100
安定性自己資本比率27 / 40
収益力営業利益率4 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

パルプ・紙 24社との比較

同じパルプ・紙の企業と並べると、いちばん上に来るのは配当利回り24社中7位あたり、逆に低いのは営業利益率24社中21位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
5.0%/中央値 5.1%
P25 3.8%P75 7.3%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
1.9%/中央値 3.5%
P25 2.4%P75 5.1%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
41.0%/中央値 55.2%
P25 43.3%P75 71.0%
売上成長率前期からの売上の伸び
0.7%/中央値 0.8%
P25 -1.5%P75 1.8%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
4.1%/中央値 3.5%
P25 2.5%P75 4.2%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥873で、1年前と比べて+11.0%過去52週の値幅のなかでは50%の位置にある。

¥873-2.1%1ヶ月+0.0%1年+11.0%時価総額8,856億円
過去52週の値幅
安値¥753.2高値¥990.7

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)14.3倍
PER (会社予想)22.7倍
PBR0.68倍
配当利回り4.12%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1カ月で株価は0.29%下落とほぼ横ばい。25日移動平均線(868.8円)を0.24%下回り、ほぼ同水準。75日線(824.26円)は5.1%上回り、200日線(842.77円)も2.8%上回る。52週高値990.7円から約12.5%下落し、52週安値753.2円からは約15.1%上に位置。出来高は直近で214万株とやや低調で、方向感がない。RSIは44.65と中立圏で、レンジ相場が続く。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 65/100)

PERは14.19倍で業界平均13.53倍を僅かに上回るものの、PBRは0.6788倍と1倍を大きく下回り業界平均0.6789倍と同等、配当利回りは4.15%と業界平均3.1%を上回る。ROEは5%と低水準だが、株価純資産倍率の低さが割安感を支える。ただし、今期予想PER22.5倍と収益回復には不確実性があり、配当性向23.5%から増配余地は限定的。割安だが配当は伸び悩みの可能性。

指標この会社業種平均
PER (実績)14.3倍13.4倍
PER (予想)22.7倍
PBR0.68倍0.67倍
ROE5.0%5.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

投資論点は、紙需要の構造的減少にどう対応するか。強気派はコスト削減・海外展開・エネルギー事業の成長で収益を改善できるとみる。弱気派は需要減少のスピードが速く、コスト削減だけでは限界、新規事業も不確実と指摘。PBR0.7倍と低評価は、将来への懸念を反映。

プラスに働く材料7
  • コスト削減効果

    営業利益率は2025/3期で3.66%と改善傾向

  • 海外展開の可能性

    東南アジアなど成長市場へのシフトが期待

  • エネルギー事業

    バイオマス発電など非紙事業が収益源に成長

  • 2026年3月期は純利益556億円、前期比94億円増益通年影響

    純利益は2025/3期の462億円から556億円へ増加。売上高1兆8617億円も増収。

  • 配当利回り4.06%と高い株主還元継続影響

    1株配当約36円、利回り4.06%。純利益556億円に対する配当性向は約65%。

  • PBR0.70倍と純資産対比で割安不定影響

    PBR0.70倍は1倍割れ。時価総額8986億円に対し純資産は理論上約1兆2837億円。

  • 売上高1兆8617億円と高水準を維持通年影響

    売上高は前期1兆8493億円から124億円増。事業規模は安定しており下支え。

マイナスに働く材料7
  • 紙需要の減少

    新聞・印刷用紙はデジタル化で長期的に減少

  • 低収益性

    営業利益率1.86%(2026/3予)と極めて低い

  • 設備維持負担

    老朽設備の更新コストが収益を圧迫

  • 2026年3月期の営業利益346億円、前期比331億円減通年影響

    営業益は677億円→346億円、約半減。営業利益率も3.66%→1.86%に低下。

  • 予想PER23倍と実績14.49倍から悪化見通し決算発表後影響

    現PER14.49倍に対し予想PER23倍。市場は今後の減益を織り込み株価に重し。

  • 純利益増は本業以外の要因とみられ質が低い決算発表後影響

    営業益が346億円と減益なのに純利益は556億円と増益。特別損益や投資利益依存の可能性。

  • ROE5%と低く資本効率改善が見込めない継続影響

    ROE5%は資本コストに届かず、PBR0.70倍のまま放置される恐れ。

次の決算で確かめる点
国内紙需要
紙販売量の動向が事業の根幹に直結
海外売上比率
市場分散が成長に寄与するかを見る指標
再生可能エネルギー収入
非紙事業の成長性を測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり36で、前期から+50.0%いまの株価に対する利回りは4.12%。増配か配当維持が2年続いている。

年間配当
¥36
1株あたり
配当利回り
4.12%
いまの株価に対して
配当性向
23.5%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
2年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月10103.8
2018年3月100.078.7
2019年3月1220.0111.2
2020年3月1416.794.4
2021年3月140.039.5
2022年3月140.058.0
2023年3月1614.363.2
2024年3月160.068.8
2025年3月2450.066.2
2026年3月3650.023.5

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥36

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ157,853人。区分でいちばん多いのは個人・その他38.0%。グループ会社や銀行などの安定株主が40.0%を占め、残る60.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他19.120.021.123.430.038.0
金融機関46.845.944.544.535.532.3
外国法人23.523.523.519.018.619.8
自己株式2.22.22.12.87.613.4
事業法人8.68.68.89.212.97.6
証券会社2.01.92.03.13.02.2
外国人個人0.00.00.00.80.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)13.14
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)8.00
03日本生命保険相互会社2.53
04王子グループ従業員持株会2.00
05藤定 智恵子1.36
06大樹生命保険株式会社1.33
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人株式会社みずほ銀行決済営業部)1.32
08野村信託銀行株式会社(投信口)1.31
09STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223(常任代理人株式会社みずほ銀行決済営業部)1.25
10STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人株式会社みずほ銀行決済営業部)1.19

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-05-11
    ノムラ インターナショナル ピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC)
    新規の大量保有報告
    0.57%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+136%、1株純資産は14期で+146%。直近期のROEは5.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月265125.413.4111.4
2014年3月325745.914.446.3
2015年3月166562.631.3101.4
2016年3月135882.135.2456.6
2017年3月416366.712.8103.8
2018年3月376825.618.778.7
2019年3月536857.713.1111.2
2020年3月596998.59.894.4
2021年3月507586.914.339.5
2022年3月8885910.96.958.0
2023年3月579456.39.263.2
2024年3月511,0835.112.468.8
2025年3月471,1784.313.366.2
2026年3月611,2575.013.923.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

13名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は13名。2026/3期の役員報酬は総額707百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約7倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
磯野裕之代表取締役 社長執行役員6697,000
鎌田和彦代表取締役 副社長執行役員6675,000
長谷部明夫取締役 専務執行役員63101,000
田熊聡取締役 専務執行役員6517,000
加来正年取締役7096,000
長井聖子取締役(非常勤) (注1)668,000
小川広通取締役(非常勤) (注1)674,000
福田佐知子取締役(非常勤) (注1)642,000
村木厚子取締役(非常勤) (注1)70
山﨑昭雄監査役(常勤)6628,000
相馬治子監査役(常勤)6262,000
千森秀郎監査役(非常勤) (注2)723,000
残りの役員1名を開く
氏名役職年齢保有株数
野々上尚監査役(非常勤) (注2)716,000

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円賞与百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)925415513354260
社外取締役911111112
監査役3545418

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容3,248字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社312社及び関連会社58社で構成され、その主な事業内容と、主要な会社の当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 生活産業資材 段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、ホームケア事業、ウエルネスケア事業    王子マテリア㈱は、段ボール原紙、白板紙・包装用紙等の製造・販売を行っています。王子コンテナー㈱、森紙業㈱、王子インターパック㈱は、段ボール等の製造・販売を行っています。王子パッケージング㈱は紙器の、王子製袋㈱、中越パッケージ㈱、王子アドバ㈱は、紙袋製品等の製造・販売を行っています。GS Paperboard & Packaging Sdn. Bhd.、Harta Packaging Industries Sdn. Bhd.、Ojitex(Vietnam)Co., Ltd.、Ojitex Haiphong Co., Ltd.、S.Pack & Print Public Co., Ltd.は、東南アジア市場を中心に段ボール等の製造・販売を行っています。Oji India Packaging Pvt. Ltd.は、インド市場を中心に段ボール等の製造・販売を行っています。Oji Asia Packaging Sdn. Bhd.は、産業資材事業に関わる東南アジア地域の統括会社です。蘇州王子包装有限公司、王子包装(上海)有限公司は、中国市場を中心に包装用紙、紙袋製品等の製造・販売を行っています。Oji Fibre Solutions (NZ) Ltd.は、オセアニア市場を中心に段ボール、紙袋製品等の製造・販売を行っています。Walki Oyは、サステナブルパッケージング等の製造・販売を行っています。IPI S.r.l.は、液体紙容器等の製造・販売を行っています。王子ネピア㈱は、家庭紙・紙おむつの製造・販売を行っています。Oji Asia Household Product Sdn. Bhd.は、東南アジア市場を中心に紙おむつの製造・販売を行っています。江蘇王子製紙有限公司は、中国市場を中心に家庭紙の製造・販売を行っています。Paperbox Holdings Ltd.は、GSPP Holdings Sdn. Bhd.の全株式を、GSPP Holdings Sdn. Bhd.は、GS Paperboard & Packaging Sdn. Bhd. の全株式を保有する持株会社です。HPI Resources Bhd.は、Harta Packaging Industries Sdn. Bhd.の全株式を保有する持株会社です。 機能材 特殊紙事業、感熱事業、粘着事業、フィルム事業   王子エフテックス㈱は、特殊紙、フィルム等の製造・販売を行っています。王子イメージングメディア㈱は、感熱紙、感熱フィルム、情報用紙等の製造・販売を行っています。王子タック㈱、新タック化成㈱は、粘着紙、粘着フィルム等の製造・販売を行っています。王子キノクロス㈱は、不織布等の製造・販売を行っています。Oji Papéis Especiais Ltda.は中南米市場を中心に、Kanzaki Specialty Papers Inc.は北米市場を中心に、KANZAN Spezialpapiere GmbHは欧州市場を中心に、Oji Paper (Thailand) Ltd.及びTele-Paper (M) Sdn. Bhd.は東南アジア市場を中心に、それぞれ感熱紙等の製造・販売を行っています。Adampak Pte. Ltd.、Oji Paper (Thailand) Ltd.は、東南アジア市場を中心に粘着紙、粘着フィルム等の製造・販売を行っています。王子奇能紙業(上海)有限公司は、中国市場を中心に不織布等の製造・販売を行っています。 資源環境ビジネス 植林・木材加工事業、パルプ事業、エネルギー事業   王子グリーンリソース㈱は、グループ原燃料資材、パルプの調達・販売等を行っています。エム・ピー・エム・王子エコエネルギー㈱、王子グリーンエナジー徳島㈱は、バイオマス発電事業を行っています。王子木材緑化㈱は、植林・営林、原木・チップ等の調達・加工・販売を行っています。王子コーンスターチ㈱は、糖化製品等の製造・販売を行っています。Celulose Nipo-Brasileira S.A.はブラジルに、Oji Fibre Solutions (NZ) Ltd.、Pan Pac Forest Products Ltd.は、ニュージーランドに植林地を有し、原木・チップの調達・加工・販売、パルプの製造・販売を行っています。江蘇王子製紙有限公司は、中国市場を中心にパルプの製造・販売を行っています。PT. Korintiga Hutaniは、インドネシアに植林地を有し、原木・木材・チップの調達・加工・販売を行っています。Oji Uruguay Forest Company S.A.Sは、ウルグアイに植林地を有し、原木・木材の加工・販売を行っています。Mogno das Alterosas Investimentos Florestais S.A.は、ブラジルに植林地を有し、原木の販売を行っています。日伯紙パルプ資源開発㈱は、Celulose Nipo-Brasileira S.A.の全株式を保有する持株会社です。王子オセアニアマネジメント㈱は、Oji Oceania Management (NZ) Ltd.の全株式を、Oji Oceania Management (NZ) Ltd.は、Oji Fibre Solutions (NZ) Ltd.の全株式を保有する持株会社です。Panindo Investment Pte. Ltd.は、PT. Korintiga Hutaniの株式を保有する持株会社です。 印刷情報メディア 新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業    王子製紙㈱は、新聞用紙、印刷・出版・情報用紙等の製造・販売を行っています。江蘇王子製紙有限公司は、中国市場を中心に印刷・出版用紙等の製造・販売を行っています。 その他   報告セグメントに含まれない事業セグメント等に属する子会社及び関連会社です。旭洋㈱は、紙・パルプ・合成樹脂の原料・製品等の販売を行っています。王子物流㈱は、輸送・倉庫業を行っています。王子エンジニアリング㈱は、プラント・機械類の設計製作及びエンジニアリング事業を行っています。王子不動産㈱は、土木建築工事、不動産販売・仲介・賃貸・管理を行っています。㈱ギンポーパックは、プラスチック容器の製造・販売を行っています。㈱ホテルニュー王子は、北海道苫小牧市にてホテル業を行っています。王子マネジメントオフィス㈱は、ホールディングス機能子会社として、人事、経理、企画、財務等のグループ本社機能を担っています。AustroCel Hallein GmbHは、木質原料から溶解パルプやバイオ燃料(次世代バイオエタノール)等を製造するバイオリファイナリー事業を行っています。Oji Asia Management Sdn. Bhd.は、産業資材事業以外に関わる東南アジア地域の統括会社です。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 事業の系統図は次のとおりです。
経営方針・対処すべき課題8,749字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 (1)経営理念 当社グループは、1873年に抄紙会社として創立以降、「森林」を核とした事業を展開し、発展させ、グローバル企業へと成長しました。次の経営理念の下、変わり続ける時代のニーズを充足し、新しい未来を支えるモノづくりを、そして持続可能な社会の発展を目指して、王子グループは進み続けます。 「革新的価値の創造」 当社グループが今後大きく飛躍していくためには、イノベーションが不可欠です。画期的な新製品の開発と、それを導く研究・技術開発、また、組織の仕組みや従業員一人ひとりの行動に変革が求められています。斬新な発想で「チャレンジングなモノづくり」を行い、社会の潜在ニーズを充足していきます。 「未来と世界への貢献」 当社グループは多種多様な事業を抱え、アジア、北米、南米、欧州、オセアニアに事業拠点をもつグローバル企業へと成長しました。今後もグローバル展開を通じ、あらゆる国、地域、社会に「革新的価値」を提供し、新しい未来を創造する企業であり続けます。 「環境・社会との共生」 森林資源を核とする資源循環は、当社グループの基盤です。国内外に保有する広大な社有林の多方面での活用、各製造現場における環境負荷低減策の追求などを通じ、当社グループの事業そのものが持続可能な社会に貢献できるよう、取り組みを発展させていきます。 (2)パーパス(存在意義) 「森林を健全に育て、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていく」 健全に育て管理された森林は、二酸化炭素を吸収、固定するだけではなく、洪水緩和、水質浄化等の水源涵養、防災という機能の他に、生物多様性や人間の癒し、健康増進等にも貢献する効果があります。 そして、森林資源を活かした木質由来の製品は、その原料が再生可能であり、化石資源由来のプラスチック、フィルムや燃料等を置き換えていくことができます。 1911年から1938年の間、当社社長を務めた藤原銀次郎は「木を使うものは、木を植える義務がある」と説き、現在では「持続可能な森林経営」や「再生可能な資源の循環的利用」は当社グループの「強み」となっています。森林を健全に育て管理し、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、地球の温暖化や環境問題に取り組み、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていきます。 (3)長期ビジョン・中期経営計画 ①長期ビジョン2035 当社グループは、2035年までの長期ビジョン「長期ビジョン2035」において、「資本効率向上」「ポートフォリオ転換」「サステナビリティ促進」を基本方針に掲げ、企業価値の最大化と社会課題解決に向けた取り組みを通じて、「サステナビリティへの貢献」を実現する企業グループを目指します ・資本効率向上 非コア資産の売却や投資基準の厳格化、自己株式の取得などを通じて、資産のスリム化と資本構成の見直しを進め、成長投資と株主還元の両立を図り、ROEの向上を目指します。 ・ポートフォリオ転換 成長性のある事業やエリアへの進出を加速させるとともに、低収益性事業の撤退基準を厳格化し、構造改革を断行することを通じて、健全で強靭な事業ポートフォリオへの転換を進めます。当社グループでは、将来の事業ポートフォリオの中核として、「木質バイオマスビジネス」「サステナブルパッケージ」の2つを掲げています。木質バイオマスビジネスでは、木質から医薬・ヘルスケア領域を含む付加価値の高い新たな素材を生み出し、将来的に多くの製品を事業化し、当社グループの新たな柱に育てていきます。サステナブルパッケージでは、木質由来でリサイクル性の高いサステナブルな素材である紙の強みを活かし、社会と顧客の環境負荷低減に貢献する高付加価値製品を拡充してまいります。 これら重点領域における既存事業のさらなる拡大と、新たな事業の早期事業化を加速させるべく、当社グループが創業から紙づくりや森づくりで培ってきたコア技術と、豊富な森林資源を活用し、「(ⅰ) 木質由来新素材の開発」「(ⅱ) 未利用バイオマス資源の有価物化」「(ⅲ) 医薬・ヘルスケア領域への本格参入」「(ⅳ) サステナブルパッケージ(環境配慮型製品)の展開」の4つの軸を中心に研究開発を推進、事業領域の拡大を図り、持続可能な社会への貢献を目指します。 (ⅰ) 木質由来新素材の開発 化石資源に依存した燃料やプラスチック原料を、バイオマス由来原料に転換するため、木質由来の「糖液」「エタノール」「ポリ乳酸」「半導体レジスト」「セルロースナノファイバー(CNF)」の技術開発を推進しています。 製紙工場のインフラを活用したバイオものづくりの実証拠点として、王子製紙米子工場内に国内最大級の木質由来糖液・エタノール実証プラントを立ち上げ、事業性評価を進めています。また、木質由来ポリ乳酸についても商業化に向けた生産技術確立に取り組んでいます。今後は、製造条件の最適化やユーザーワーク拡大を通じ、事業化に向けた検討をより一層加速させてまいります。 そして、半導体レジスト(最先端半導体向けの木質由来バイオマスレジスト)は、今後さらなる成長が見込まれる半導体市場において、高性能化に伴い微細加工技術の進化が求められているなか、独自技術によりPFAS不使用(有機フッ素化合物を含まない)かつ次世代EUV(極端紫外線)露光装置にも対応可能な性能を実現しました。さらに、常温保存を可能とすることで、従来の課題であった輸送・保管時のコスト削減や環境負荷低減にも寄与します。環境配慮と高性能を両立したレジストで顧客ニーズに沿った開発に取り組み、事業化を目指します。 セルロースナノファイバー(CNF)は、透明で軽くて丈夫、変形にも強く、高い増粘効果を有する優れた材料として多種多様な分野での活躍が期待されています。中でも高機能化が期待できるCNFゴム複合材の開発を強化しています。具体的には軽量化や耐久性など機能面での要求水準の高いタイヤ用途への本格採用を見据え、実用化が先行する他用途での実績を通じて品質及び生産技術のさらなる向上を図ります。また、燃料電池用高分子電解質膜の開発やポリカーボネート樹脂との複合材のロボット部材等への展開にも取り組んでおり、今後も様々な用途で社会実装を進めます。 (ⅱ) 未利用バイオマス資源の有価物化 バイオ炭によるCO2削減と土壌改良に取り組んでいます。木質バイオマスを炭化してバイオ炭にすることで、炭素を長期間固定し、大気中のCO2を削減することにより地球温暖化の緩和に寄与します。また、土壌改良剤として、土壌の保水性や通気性を向上させ、植物の生育を促進する効果も期待されています。2025年度より、植林木の未利用樹皮を原料としたバイオ炭をベトナム社有林にて施用する実証試験を開始しました。 (ⅲ) 医薬・ヘルスケア領域への本格参入 パルプ製造時の副産物であるヘミセルロースから得られる「硫酸化ヘミセルロース」を原薬とした医薬品の事業化を推進しています。木質由来の原料を使用することで、人畜共通感染症のリスク低減、環境負荷の低減、トレーサビリティ向上といった優位性を有します。現在、動物用とヒト用の両面で研究開発を並行しており、2025年9月には豪州で動物用医薬品原薬の製造・輸出に関する承認を取得しました。ヒト用医薬品においても、2026年2月に希少疾患であるホモシスチン尿症治療薬の後発医療用医薬品の国内における製造販売承認を取得しました。同年3月には血液透析の体外循環装置使用時の血液凝固防止を対象疾患として開発中のOJI-220について、第Ⅰ相臨床試験を開始するため、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ治験計画届出書を提出いたしました。また同年2月には医療用医薬品の製造・販売事業会社であるLTLファーマ株式会社に出資し、同社が有する専門的な知見や医薬品事業運営ノウハウとの連携を通じ、事業化のさらなる加速を図ります。 さらに、薬用植物「甘草(カンゾウ)」の大規模栽培技術を確立しました。輸入品に依存せずに国産化することで、高いトレーサビリティと安全・安心を確保した持続可能なビジネスを進めていきます。2025年度には甘草成分が国内化粧品ブランドに採用されるなど、具体的な成果を得ました。あわせて国産甘草を配合した漢方薬の商品化や、王子ネピアのスキンケアラインへの甘草エキスの活用など、グループシナジーを活かした取り組みも進めています。今後も医薬・化粧品、食品分野へのさらなる展開を推進していきます。 (ⅳ) サステナブルパッケージ(環境配慮型製品)の展開 ポリ乳酸のラミネート紙やポリ乳酸フィルムなどのサステナブル素材、モノマテリアルに適したフィルムの商品化を進めています。ポリ乳酸フィルムは2024年度に続き、2025年度も株式会社伊藤園のティーバッグフィルターに採用されました。その他、具体的な開発・事業展開については、後述の事業別の取り組みに記載します。 ・サステナビリティ促進 カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーに向けた取り組みを発展させ、持続可能な社会の実現に向けて環境負荷低減の取り組みを強化しています。また、自然資本会計の時代へ向け、ネイチャーポジティブ経営を進化させます。 2025年9月には、従来の紙のリサイクルから、さらに一歩踏み込んだ資源循環の取り組みとして、紙コップやアルミ付き紙パックといった難処理古紙のマテリアルリサイクルなど、当社グループが推進する様々なリサイクルの取り組みを象徴するブランドとして「Renewa(リニューワ)」を新たに策定しました。今後は本ブランドのもと、様々な企業・団体と連携し、これまでリサイクルが難しかった素材のマテリアルリサイクルを推進することで、サーキュラーエコノミーの実現により一層貢献していきます。 ②中期経営計画2027 2025年度から2027年度を対象とする「中期経営計画2027」は、「長期ビジョン2035」 実現に向けた基盤を固める「準備期」と位置づけ、資本効率の改善に重点を置いた取り組みを進めます。 ・資本効率向上への取り組み 長期ビジョンの資本効率向上の取り組みは、中期経営計画期間中に集中的に実施します。資本効率向上のための「資産のスリム化」の施策として、2024年度から2030年度までに保有株式を総額1,200億円(政策保有株式 850億円、退職給付信託株式 350億円)縮減することを計画しており、2025年度までに990億円を縮減しました。「株主還元」につきましては、1株当たりの年間配当24円を下限として配当性向を50%に引き上げました。2025年度の配当実績は1株当たり年間36円です。長期的な企業価値向上に向けた成長投資に備えるための内部留保を勘案しつつ、収益力に応じた安定的な配当を継続していきます。また、自己株式についても2024年度から2027年度までに1,500億円の取得を計画しており、2025年度までに770億円取得しました。自己資本と有利子負債のバランスを見直し、成長投資と株主還元の充実を図ります。 ・事業戦略 外部環境の変化によるコスト高の着実な価格転嫁、製造拠点の安定操業及び競争力強化、グループ営業体制の強化、高付加価値品へのシフトなどを通じて、既存事業の収益力を強化します。また、低収益事業については撤退を含めた構造改革を断行し、サステナブルパッケージなどの戦略事業や、高い経済成長が見込まれるインド・東南アジアなどの戦略エリアに成長投資を集中させることで、事業ポートフォリオの転換を推進します。将来の進化に向けた研究開発投資も継続して実行していきます。 これらの取り組みを通じて資本効率向上を実現し、2027年度に、連結営業利益1,200億円、親会社株主に帰属する当期純利益800億円を達成することでROE8%を目指します。将来的には、木質バイオマスビジネスなど新事業の拡大により、さらなる利益の拡大及びROE10%を目指します。 中期経営計画 数値目標 (事業別の取り組み) (a) 生活産業資材 ・産業資材(段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、サステナブルパッケージング事業、液体紙容器事業) 国内市場では、グループ横断的な営業体制を強化しており、当社グループが持つ多様なパッケージング製品の品揃えから、お客様のニーズに応える製品を提供することで、販売拡大に努めます。生産体制の効率化や原紙加工一貫生産化を進めるとともに、M&Aや生産拠点再編により、需要に見合った最適生産体制の構築を進めます。 海外市場のうち東南アジアでは、当社グループの多様な生産拠点が連携し、お客様に最適化したソリューションを提供することでさらなる販売拡大を目指します。段ボール需要の伸びが期待されるインドでは、さらなる事業拡大を目指すとともに、他の包装資材への展開も進めます。ベトナムにおいては液体紙容器事業での新工場の建設を進める一方、ニュージーランドのOji Fibre Solutionsでは、事業環境の変化を受け、段ボール原紙事業及び豪州パッケージング事業から撤退するなど、ポートフォリオの転換を進めています。また欧州では、脱プラスチック包装の分野で最先端の原料加工技術を保有するフィンランドのWalki社、液体紙容器用加工紙や充填機を製造販売するイタリアのIPI社を中心に、サステナブルパッケージをグローバルに拡大していきます。 ・生活消費財(ホームケア事業、ウェルネスケア事業、ヘルスケア事業) 王子ネピアは、主力である「ネピア ティシュ」「ネピア トイレットロール」シリーズにおいて、イメージキャラクターとして目黒蓮さん、桜田ひよりさんを起用し、ブランド価値の向上に向けたマーケティング施策を展開しています。2026年4月からは、TVCM第三弾「ネピア営業目黒くん 森を育てる篇」の放映を開始し、ネピア製品が「王子の森」で育成された木材を原料としていることなど、当社の森林資源への取り組みを発信しています。「人と地球に、ここちいい。」というブランドメッセージのもと、環境とくらしの両立を目指した製品づくりを推進しています。 一方、生産体制の最適化を目的として、2025年8月に江戸川工場、2026年1月に富士宮工場、同年3月に苫小牧工場を閉鎖し、収益力および競争力の強化に取り組んでいます。 ホームケア事業では、2026年3月に大容量かつコンパクトな「ネピネピ ソフトパックティシュ」を発売し、主力商品群とあわせて製品ラインアップの充実を図りました。ウェルネスケア事業では、2026年1月に「ネピアテンダー」パッドシリーズを刷新し、「共創介護」の理念のもと、介護・看護の現場に配慮した製品の提供に努めています。さらにヘルスケア事業では、2026年3月に「鼻セレブ SKINLISM 美容液マスク」を発売し、スキンケア分野を新たな事業領域として展開しています。 今後も、お客様のニーズに的確に対応するとともに、製品の差別化等を通じて、既存市場における競争力の維持・強化および成長市場での事業拡大に取り組んでいきます。 (b) 機能材(特殊紙事業、感熱事業、粘着事業、フィルム事業) サステナブル素材及び製品の開発を進めるとともに、市場ニーズを先取りし、お客様の期待に応える製品やサービスを迅速に提供します。また、今後も市場拡大が期待されるような新たな事業領域で高付加価値製品を展開することにも積極的に取り組んでいます。 国内では、高機能なサステナブル製品の積極的な開発に継続的に取り組んでいます。王子エフテックスから販売している、非フッ素タイプの耐油紙「O-hajiki(オハジキ)」や、農業用紙製マルチシート「OJIサステナマルチ」は、高い評価をいただいており、2025年4月にはFDA(米国食品医薬品局)の規格に適合した新製品の「O-hajiki(W)FDA CoC」を発売しました。今後も販売拡大に努めてまいります。また、王子エフテックス滋賀工場で、電動車のモーター駆動制御装置のコンデンサに用いられるポリプロピレンフィルムの生産設備増設を進め、2025年1月に4台目の製造設備が稼働しました。同社中津工場では、変圧器用セルロース系プレスボードの需要拡大に対応し、生産能力を約3倍に増強する増設工事を実施します。今後も需要の動向を見極め、生産体制の増強や高品質化への取り組みを進めていきます。 海外では、感熱製品の世界市場での拡販と印刷・加工を含めた競争力強化を進めています。より高品質で付加価値の高い感熱紙やラベル製品を開発し、製品の差別化を通じて、既存市場での競争力強化、成長市場での販売拡大を目指していきます。 (c) 資源環境ビジネス(植林・木材加工事業、パルプ事業、エネルギー事業) 当社グループの経営基盤である持続可能な森林経営を推進し、植林事業の拡大を図るとともにその資源を活用したパルプ事業、木材加工事業、再生可能エネルギー事業など、総合的なビジネスを展開しています。既存事業の競争力強化を図りつつ、新規事業投資によるポートフォリオ転換も押し進め、豊富な森林資源から様々な価値を生み出し、収益力向上を進めていきます。 植林事業では、持続可能な森林資源の拡大を推進しています。2025年3月にはNew Forests社との提携により、森林投資ファンド「Future Forest Innovations ファンド」を設立し、本ファンドを通じた約7万haの植林地取得を目指しています。また、2025年5月にはブラジルの植林会社を買収しました。植林地では、森林の成長性改善や森林施業の効率化を図り事業の価値向上を進めるとともに、新規製材工場、林地残材を活用した前述のバイオ炭生産など、新たな事業の検討も進めています。 パルプ事業では、事業基盤強化のため、海外主要拠点での戦略的な収益対策を継続して実施するとともに、高付加価値品の開発や新規事業展開によるポートフォリオ転換を進めます。2026年1月には、ブラジルのVALE社との合弁により、バイオカーボン事業を行うBionow社への49.9%出資を行いました。国内では、成長性のある溶解パルプ事業で、高付加価値品の生産拡大による収益力向上を図っています。後述する、2026年1月に王子グループ傘下となったオーストリアのAustroCel社の、溶解パルプ事業でのシナジー発現にも取り組んでいきます。 エネルギー事業では、既存のバイオマス発電事業に加えた新たな再生可能エネルギー事業として、社有林地を活用した風力発電事業の検討を進めています。 (d) 印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業) 需要動向を見極め、引き続きコストダウンを徹底すると同時に、当社グループ全体としての最適生産体制再構築等を通じて、収益力・競争力の強化に取り組んでいます。構造的な環境変化から、2025年3月には塗工紙・微塗工紙生産設備1台、2026年3月には新聞用紙生産設備1台を停止しました。今後も需要に見合った生産体制の最適化を進め、キャッシュ・フロー経営を徹底していきます。 さらに、保有するパルプ生産設備・バイオマス発電設備等の資産を最大限有効活用し、森林資源や既存事業のリソースを有効活用した事業ポートフォリオへの転換を進め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。その一環として、王子製紙米子工場では、既存のパルプ生産設備の改造等により、高品質な溶解パルプの生産を行っています。 (e) その他(商事、物流、エンジニアリング、不動産事業、コーポレート関連業務、他) 当社グループは持続可能な社会の構築に貢献すべく、サステナブルな素材である木質資源の有効活用や新規事業の開発を推進し、新しいビジネスモデルの創出に取り組んでいます。 2026年1月に、欧州の先進的なバイオリファイナリー企業であるオーストリアのAustroCel社の全株式を取得しました。同社は様々なバイオ化学品に使用される特殊溶解パルプを製造するほか、バイオ燃料(次世代バイオエタノール)や土壌保水材も製造しています。また、2026年1月に革新的なセルロース加工技術を有するNordic Bioproducts社に出資を行いました。これにより、パルプ事業の下流工程を強化し、一貫生産体制を確立するとともに、グループ内の技術融合を加速しています。このように、幅広くバイオマス技術を取り入れ、イノベーションと事業ポートフォリオ転換を加速させ、木質バイオマスビジネスの中核化を図っていきます。 また、資産スリム化の取り組みとして、賃貸不動産の売却を進めており、コア事業への経営資源の集中を図っています。
事業等のリスク6,086字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。 なお、これらはすべてのリスクを網羅的に記載したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在し、それらのリスクが投資家の判断に影響を与える可能性があります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 リスク管理 王子グループは、取締役会による整備・監督のもと「グループリスク管理基本規程」を定め、次の流れでリスク管理に取り組んでいます。 王子ホールディングス取締役及び執行役員は、管掌する事業・部門におけるリスクに関するグループ経営会議への報告責任を持ちます。重要なリスクについては、取締役会に報告されます。 また、王子ホールディングス取締役会は、リスク管理の有効性について、毎年評価を実施しています。 リスク管理の流れ 王子グループのリスク管理体制は下図のように構成され、監査部門とは独立して運営されています。 監査役会及び内部監査部は、リスク管理状況についても監査を実施しています。 リスク管理体制 (1) 長期的な課題に対するリスク 主要なリスクの内容   主要なリスクへの主な対応策 気候変動に関するリスク 気候変動に関するリスクの内容については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。     気候変動に関するリスクへの主な対応策については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。 パンデミックに関するリスク新型コロナウイルス感染症は、世界各国で甚大な影響を及ぼしました。また、今後も同様に、感染症が世界的に拡大した場合、様々な方面で甚大な影響を及ぼすことが想定されます。このような感染症は、当社グループに対して影響を及ぼす可能性があります。    当社グループでは、グループリスク管理基本規程を定め、グループ全体で対応すべき重大な事案が発生した場合には、グループ緊急時対策本部を設置し、従業員の安否確認や被災状況の把握、顧客企業への供給継続のための対応を図ることとしています。また、BCP(事業継続計画)の継続的な見直しや、製造、マーケティング、事務処理等へのDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などにより、事業活動への影響を最小化するよう努めていきます。 (2) グループ経営戦略に関するリスク 主要なリスクの内容   主要なリスクへの主な対応策 イノベーションの進展による構造的な需要の変容によるリスク新型コロナウイルス感染症の流行を契機として加速したDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の動きは、人々の生活様式や企業活動に大きな変化をもたらしています。これらの事業環境の変化は、市場縮小等の構造的な需要の変容を一層に進め、当社グループの財政状態及び経営成績に対し、今まで以上に速い速度で影響を及ぼす可能性があります。また、長期的なトレンドでの需要減少による収益力の低下は、投資回収期間の長期化による設備更新の遅れ、調達量の減少による原料調達活動の非効率化、余剰設備の停止等にもつながり、当社グループの事業ポートフォリオそのものに影響を及ぼす可能性があります。     当社グループでは、中期経営計画において「資本効率の向上」と「ポートフォリオの転換」を重点施策として掲げています。 「資本効率の向上」では、資本コストを意識したハードルレートを適用することにより投資管理を厳格化し、資本効率を重視した経営の実現を目指しています。「ポートフォリオの転換」では、低収益性事業の構造改革を図り、社内基準を設定することによる撤退・売却の判断の迅速化に取り組んでいます。あわせて、新規及び有望な事業の拡大・探索を推進することによるポートフォリオ転換を図っています。 また、これらに加えて、中長期的な企業価値の向上と持続的な発展を目指し、エンゲージメント向上などの人的資本戦略を含む経営基盤の強化にも取り組んでいます。 需要の変動によるリスク国内における景気の変動や、人口の継続的な減少等は、当社グループの製品需要に影響を及ぼす可能性があります。需要の減少により、販売数量の減少や販売価格の低下が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に対し影響を及ぼす可能性があります。    当社グループでは、グループ横断型の営業組織を設置し、市場・顧客ニーズを的確に捉えた製品を適時に開発・提供できる体制を整備しています。この取り組みにより、ボリュームゾーンを高付加価値品へシフトさせることで、既存製品の需要減少の影響の抑制を図っています。 さらに、引き続き徹底したコストダウン等により市況変動に耐え得る強固な事業基盤の構築に取り組んでいます。 国際市況の変動に関するリスク当社グループのチップ・重油等の原燃料調達価格は、需要動向や各国の貿易政策の変化、戦争等の影響を受け変動します。また、各種パルプの販売価格は国際市況価格と連動します。これらの価格変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に対して影響を及ぼす可能性があります。    当社グループでは、原燃料調達関連市場のモニタリングや多様な調達先の確保等に努め、有利調達を推進するため、横断的にグループの調達戦略を担う部門を設置しています。また、「王子グループ・サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」を定め、サプライチェーン全体で原材料の安全性・合法性を確認し、さらなる環境や社会に配慮した調達活動に取り組むとともに、サプライヤーとの関係を強化しつつ、安定調達を図っています。古紙の調達については、古紙リサイクルシステムの維持に努めるとともに、関係各社との関係強化により、古紙の安定調達を図っています。これらの取り組みやコストダウン等の推進により国際市況変動影響の緩和に努めています。 主要なリスクの内容   主要なリスクへの主な対応策 国内事業に関するリスク当社グループでは、国内の様々な地域に生産拠点を有しています。国内人口の継続的な減少等は、供給体制の維持に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績に対して影響を及ぼす可能性があります。    勤務形態の見直し、労働環境の整備等のエンゲージメント向上施策に加え、DXを活用した業務の省力化を推進することにより、魅力ある企業づくりを目指し、人財確保に努めています。 海外事業に関するリスク当社グループでは、経済発展が見込まれる地域への事業進出を進めています。しかしながら、これらの地域の一部では、戦争、政治・社会情勢の不安、経済成長の鈍化、法規制・税制等の改定、金融情勢の不安定化、人権問題等の地政学リスクがあり、当社グループの現行の海外プロジェクトや将来の計画に対して影響を及ぼす可能性があります。    当社グループでは、周辺国の政治・経済・社会情勢に関する情報収集を専門的に行う地域統括会社を設置し、リスクが顕在化する前に、先回りした対応が取れるように努めています。また、事業展開においては、幅広い国々に展開することにより、リスクを分散しています。さらに、現地の有力企業と合弁で事業展開をすることにより、情報収集力を高めるとともに、投資額を抑制し、かつリスク低減を図っています。金融リスクに対しては、状況に応じて、デリバティブの活用による為替変動影響の緩和策の実施や、グループファイナンス等の活用により、手許流動性を確保しています。人権問題については、「王子グループ人権方針」を制定し、周知徹底を図るとともに、人権尊重の取り組みを行っています。 (3) 事業遂行の過程で発生するリスク 主要なリスクの内容   主要なリスクへの主な対応策 災害等の発生リスク当社グループは、災害等による影響を最小限に留めるための万全の対策をとっていますが、災害等によるすべての影響を防止・軽減できる保証はありません。当社グループは、国内外に多くの生産拠点を持ち、各々が多くの取引先とサプライチェーンで繋がっています。そのため、甚大な被害をもたらす自然災害や戦争等は、当社グループに対し、その影響を直接的、間接的に与えます。また、火災や労働災害、環境事故等の不測の事態が発生する可能性もあります。災害等による影響を防止・軽減できなかった場合、事業活動の停滞、停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に対して影響を及ぼす可能性があります。    当社グループでは、災害等による事業中断リスクに対して、BCP(事業継続計画)を策定するとともに、防災教育や防災訓練を定期的に実施しています。また、グループ防災事務局を常設し、最新情報を迅速に入手できる体制を整えるとともに、災害における事例の原因や対策を当社グループ内で横断的に情報共有し、被害極小化に努めています。サプライチェーンについては、多様な調達先の確保等に努め、安定調達を図っています。環境面では、環境規制値よりも自主管理値を厳しく設定する等、環境事故の防止に努めています。安全面では、生産設備の安全対策や安全作業手順書の整備、周知徹底を図るとともに、安全衛生管理体制を構築し、労働災害の防止に努めています。 法規制等に関するリスク当社グループの事業は、環境関連、知的財産、製品及び原材料の品質・安全性、競争関連、労働関連、税務関連等の様々な法規制等の適用を受けています。当社グループはそれらの法規制等を遵守し、事業活動を行っていますが、グローバル化の進展により国内だけでなく、様々な国の法規制等への対応が必要となってきています。法規制等について、遵守できなかった場合や変更・改正があった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に対して影響を及ぼす可能性があります。    当社グループでは、コンプライアンスの遵守は、当社グループの企業活動における重要経営課題の中でも最上位に位置づけています。「王子グループ企業行動憲章・行動規範」は国内だけでなく、各海外拠点においてもそれぞれの言語に翻訳、周知し、実践に努めるとともに、所管する部門が中心になって法規制等についての研修を行う等、法令違反となる行為が発生しないよう、徹底を図っています。また、「王子グループ税務方針」を定め、事業を展開する各国の税務法令等を遵守した適正な納税を通じて、企業価値の向上と社会からの信頼実現に努めています。 主要なリスクの内容   主要なリスクへの主な対応策 訴訟等に関するリスク当社グループの事業の過程で訴訟、紛争、その他の法的手続きの対象となった場合、訴訟等のリスクにさらされる可能性があります。訴訟等の結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に対して影響を及ぼす可能性があります。    当社グループへの訴訟等に対しては、取引先との協議や契約内容の明確化により紛争を未然に防止するとともに、訴訟等を受けた場合は、弁護士事務所と連携し、対応する体制を整備しています。また、訴訟等によりレピュテーションに悪影響を及ぼす事象が生じた場合は、対象の事象に迅速に対応するとともに、必要に応じて適切な情報を公表し、当社グループのレピュテーションの維持に努めています。 製造物責任に関するリスク当社グループの製品は、製造物責任に基づく損害賠償請求を受ける対象となっています。現在のところ重大な損害賠償請求を受けていませんが、将来的に直面する可能性があります。なお、製造物責任に係る保険(生産物賠償責任保険)を付保していますが、当社が負う可能性がある損害賠償責任を補償するには十分ではない可能性があります。    当社グループでは、「グループ品質管理規程」を定め、品質管理体制を構築し、関連法規の遵守及び自主管理値に従った品質設計及び製造を行うことにより、安全・安心な製品の提供を行っています。 また、「グループ製品安全管理規程」を定め、グループ各社の品質管理部門が行う製品の安全管理を、グループ横断的に統括する部門が支援及び監査を行い、製造物責任に関するリスクの発生防止に努めています。 為替変動リスク当社グループは、東南アジア、中国、インド、ブラジル、ニュージーランド、欧州等、世界各地に拠点を持ち、製品販売、原材料調達等の事業活動において、様々な通貨を用いて取引を行っており、為替レートの変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に対して影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表は、日本円で表示するため、為替レートの変動により換算額に影響を受けます。    為替の動向や当社グループの業績への影響等を適宜モニタリングし、必要に応じ、先物為替予約取引や通貨オプション取引及び通貨スワップ取引等のデリバティブを活用してリスクヘッジを行います。 金利変動リスク当社グループでは、事業活動に必要な資金を内部資金のほか金融機関からの借入や社債の発行等により、主に円建てで調達を行っていることから、円金利の上昇により資金調達コストが増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、中期経営計画の取り組みにおいて、今後、有利子負債が増加する可能性があり、その影響は従来より大きくなる可能性があります。 また、信用格付けの引下げ等が生じた場合には、資金調達コストが上昇する可能性があります。    当社グループでは、支払利息低減と金利変動リスク軽減のバランスを考慮し、変動金利での調達と固定金利での調達(金利スワップを含む)が一定の割合となるよう調整を行っております。また、有利子負債の増加については、格付け、金利上昇リスクを勘案し、ネットD/Eレシオ1.0倍以内を維持するように努めます。 情報漏洩に関するリスク当社グループでは、販売管理、操業管理等、様々な活動で情報システムを活用しており、外部からのサイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、機密情報が流出する可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。    当社グループでは、「グループ情報システム利用・リスク管理規程」により、リスク管理運用体制・組織及びその役割について明確化するとともに、情報システム利用者が遵守すべき事項を網羅的に定めることにより、グループ横断的なリスク管理を行っています。また、機密性の高い情報については、規程による利用方法の厳格化を行い、不正アクセス、データ盗取、メールのなりすまし等に対する防止策等を講じています。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 ① 経営成績に関する説明 当社グループは、2035年までの長期ビジョン「長期ビジョン2035」において、「資本効率向上」「ポートフォリオ転換」「サステナビリティ促進」を基本方針に、企業価値の最大化と社会課題解決に向けた取り組みを通じてスローガンである「サステナビリティへの貢献」を実現する企業グループを目指します。 2025年度から2027年度を対象とする「中期経営計画2027」は「長期ビジョン2035」の実現に向けた基盤を固める準備期と位置づけ、資本効率の改善に重点を置いた取り組みを進めます。事業戦略としては、外部環境の変化によるコスト高の着実な価格転嫁、製造拠点の安定操業及び競争力強化、グループ営業体制の強化、高付加価値品へのシフトを通じて既存事業の収益力を強化します。また、低収益性事業については撤退を含めた構造改革を断行していきます。王子ネピアでは、2025年8月に同社江戸川工場を閉鎖し、2026年3月には同社苫小牧工場を停止・閉鎖しました。また、王子製紙においても新聞用紙生産設備1台を2026年3月に停止しました。さらに海外事業では、2025年6月にOji Fibre Solutionsが段ボール原紙事業から撤退したことに加え、11月には同社豪州パッケージング事業、12月には同社古紙事業を売却したほか、同社板紙加工工場を2026年6月に閉鎖することを決定しました。こうした最適生産体制の構築等を通じて、既存事業の収益力強化を図っていきます。 一方で、高い経済成長が見込まれるインド・東南アジアなどのエリアや、サステナブルパッケージ、木質バイオマスビジネスなどの戦略事業には成長投資を集中させていきます。成長投資として、ベトナムにおける液体紙容器新工場の建設を決定し、建設に向けて新会社を設立したほか、王子エフテックス中津工場では変圧器用セルロース系プレスボードの需要拡大に対応し、生産能力を約3倍に増強する増設工事を実施します。木質バイオマス関連では、2026年1月に欧州で最も先進的なバイオリファイナリー企業であり、溶解パルプ及びバイオエタノール製造販売事業を展開するオーストリアのAustroCel社の買収が完了したほか、2025年11月にはセルロースの高度活用技術を有するNordic Bioproducts Group Oyへの出資契約を締結し、段階的に出資を実行しています。医薬・ヘルスケア領域においては、2025年9月に豪州で動物用医薬品原薬の製造・輸出に関する承認を取得したほか、2026年2月には医療用医薬品の製造・販売事業会社であるLTLファーマ株式会社に出資するなど、事業化に向けた取り組みを着実に進めています。幅広くバイオマス技術を取り入れ、イノベーションと事業ポートフォリオ転換を加速させ、木質バイオマスビジネスの中核化を図っていきます。 これらの取り組みを通じ、2027年度に連結営業利益1,200億円、親会社株主に帰属する当期純利益800億円、ROE8%を達成します。 当連結会計年度の売上高は、海外でのパルプ市況の悪化等もありましたが、Walki社の買収・連結子会社化等もあり、前期を124億円(0.7%)上回る18,617億円となりました。 営業利益は、国内で販売数量が減少した影響や、海外でのパルプ市況悪化等により、前期を331億円(△48.9%)下回る346億円となりました。 経常利益は、外貨建債権債務の評価替えによる為替差益の増加があったものの、営業利益の減益に加え、金利上昇による支払利息の増加等により、前期を280億円(△40.9%)下回る405億円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減益に加え、特別損失にOji Fibre Solutions及び王子ネピアで事業構造改善費用を計上したものの、特別利益に賃貸不動産の売却に伴う固定資産売却益を計上したこと等により、前期を94億円(20.4%)上回る556億円となりました。 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、経済的特徴、製品の製造方法又は製造過程、製品を販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、「生活産業資材」「機能材」「資源環境ビジネス」「印刷情報メディア」の4つとしています。報告セグメントに含まれない事業セグメント等は、「その他」としています。 なお、報告セグメントの業績をより適切に評価するため、当連結会計年度より、従来「その他」に区分していたサステナブルパッケージング事業、液体紙容器事業につきましては、「生活産業資材」に区分を変更しています。また、従来各報告セグメントに配賦していたグループ本社費用は、コーポレート関連業務として各セグメントには配賦せず、「その他」に含めて表示する方法に変更しています。前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。 各セグメントの主要な事業内容は以下のとおりです。 生活産業資材・・・・・段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、 サステナブルパッケージング事業、液体紙容器事業、 ホームケア事業、ウェルネスケア事業 機能材・・・・・・・・特殊紙事業、感熱事業、粘着事業、フィルム事業 資源環境ビジネス・・・植林・木材加工事業、パルプ事業、エネルギー事業 印刷情報メディア・・・新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業 その他・・・・・・・・商事、物流、エンジニアリング、不動産事業、コーポレート関連業務 他 ○生活産業資材 当連結会計年度の売上高は前期比2.8%増収の9,433億円、営業利益は同7.5%増益の197億円となりました。 国内事業では、段ボール・大人用おむつ・家庭紙等での価格修正効果はあるものの、物価上昇に伴う消費抑制による減販のほか、子供用おむつが2024年9月に国内事業から撤退したことにより、売上高は前年に対し減収となりました。王子ネピアでの生産体制再構築により、営業利益は増益となりました。 海外事業では、サステナブルパッケージング事業におけるWalki社の買収・連結子会社化により、売上高は前年に対し増収となりました。Oji Fibre Solutionsの段ボール原紙事業撤退等により、営業利益も増益となりました。 連結売上高:   9,433   億円(前期比   2.8%増収   ) 連結営業利益:   197   億円(前期比   7.5%増益   ) ○機能材 当連結会計年度の売上高は前期比0.2%減収の2,360億円、営業利益は同12.6%減益の108億円となりました。 国内事業では、特殊紙は戦略商品である通販向けヒートシール紙・非フッ素耐油紙等の拡販や価格修正により増収となりましたが、2024年8月にチューエツを売却した影響のほか、感熱フィルムにおける一部需要の減少により売上高は前年に対し減収となりました。営業利益は物流費や人件費の上昇等があったものの、価格修正やコストダウンへの取り組み等により増益となりました。 海外事業では、感熱事業で円貨換算差により、売上高は前年に対し増収となりましたが、南米での価格競争の激化や米国の関税政策による減販等があり、営業利益は減益となりました。 連結売上高:   2,360   億円(前期比   0.2%減収   ) 連結営業利益:   108   億円(前期比   12.6%減益   ) ○資源環境ビジネス 当連結会計年度の売上高は前期比0.7%減収の3,897億円、営業利益は同78.5%減益の67億円となりました。 国内事業では、エネルギー事業での販売電力増加などにより売上高は前年に対し増収、営業利益も増益となりました。 海外事業では、PanPac社でサイクロンによる被災からの復旧による増収はありましたが、パルプ市況の悪化などにより、売上高は前年に対し減収、営業利益も減益となりました。 連結売上高:   3,897   億円(前期比   0.7%減収   ) 連結営業利益:   67   億円(前期比   78.5%減益   ) ○印刷情報メディア 当連結会計年度の売上高は前期比7.2%減収の2,721億円、営業利益は同43.5%減益の75億円となりました。 国内事業では、価格修正を進めてまいりましたが、新聞用紙及び印刷・情報用紙は需要の減少傾向が継続していることにより、売上高は前年に対し減収となりました。古紙等の原材料価格の上昇により、営業利益も減益となりました。 海外事業では、江蘇王子製紙において市況悪化に伴う価格の下落により、売上高は前年に対し減収となりましたが、営業利益はコストダウンへの取り組み及び石炭等の原燃料価格の下落により増益となりました。 連結売上高:   2,721   億円(前期比   7.2%減収   ) 連結営業利益:   75   億円(前期比   43.5%減益   ) ○その他 当連結会計年度の売上高は前期比0.2%減収の3,371億円、営業利益は29億円減益の117億円の損失となりました。 売上高は前年並みとなりました。コーポレート関連業務に係る費用の増加により、営業利益は減益となりました。 連結売上高:   3,371   億円(前期比   0.2%減収   ) 連結営業損失:   117   億円(前期比   29億円減益   ) ② 生産、受注及び販売の実績 (a) 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   生産高(百万円)   前期比(%) 生活産業資材   975,652   1.5 機能材   219,978   △0.8 資源環境ビジネス   313,954   △2.8 印刷情報メディア   269,176   △8.1 報告セグメント計   1,778,762   △1.1 その他   11,567   1.4 計   1,790,329   △1.1 (注) 1.セグメント間取引については相殺消去前の数値によっています。 2.金額は、販売価格によっており、自家使用分を含んでいます。 3.当連結会計年度より、従来「その他」に区分していたサステナブルパッケージング事業、液体紙容器事業について「生活産業資材」に区分を変更しています。前期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。 (b) 受注実績 当社グループは、エンジニアリング等一部の事業で受注生産を行っていますが、その割合が僅少であるため、記載を省略しています。 (c) 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。 セグメントの名称   販売高(百万円)   前期比(%) 生活産業資材   874,117   3.2 機能材   220,941   △0.2 資源環境ビジネス   346,317   0.3 印刷情報メディア   213,194   △6.9 報告セグメント計   1,654,572   0.7 その他   207,137   0.2 計   1,861,709   0.7 (注) 1.セグメント間取引については相殺消去しています。 2. 当連結会計年度より、従来「その他」に区分していたサステナブルパッケージング事業、液体紙容器事業について「生活産業資材」に区分を変更しています。前期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。 ③ 財政状態 「中期経営計画2027」における財務戦略としては、非コア資産の売却によるコア事業への経営資源の集中や資本コストを意識したハードルレートの適用による投資の厳選により、資産管理を厳格化します。2026年3月には王子不動産が所有する賃貸不動産を売却しました。また、配当性向の50%への引き上げ、自己株式取得の機動的な実施により自己資本をコントロールし、借入も活用することで資本構成の見直しを進めます。2024年12月から2025年12月までに第一弾として約500億円の自己株式取得が終了し、第二弾としてさらに500億円を取得することを決定し、2026年5月に終了いたしました。また、2026年5月には取得済み自己株式の消却を実施しました。これらの取り組みを通じて、継続的な資金確保と株主還元強化を両立しつつ、強固な財務基盤を構築します。 なお、「中期経営計画2027」の3年間では次の数値を計画しています。 ・政策保有株式の売却 450億円 ・退職給付信託拠出株式の見直しによる縮減 210億円 ・自己株式取得 1,200億円(2024年度から2027年度では1,500億円) ・ネットD/Eレシオ 1.0倍以内 当連結会計年度末の総資産は、保有株式の売却を進めた一方、AustroCel社の買収や円安の影響による円貨換算差等により、前連結会計年度末に対し519億円増加し、26,869億円となりました。負債は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に対し478億円増加し、15,501億円となりました。純有利子負債残高(有利子負債-現金及び現金同等物等)は前連結会計年度末に対し434億円増加し、8,809億円となりネットD/Eレシオ(純有利子負債残高/純資産残高)は0.8倍となりました。経営目標である1.0倍以内を維持しています。純資産は、自己株式の取得(2025年度自己株式取得額477億円)の一方、利益剰余金や円安の影響による為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に対し41億円増加し、11,369億円となりました。 ④ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、742億円(前連結会計年度末は655億円)となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に対して190億円収入が増加し、1,134億円(前連結会計年度は944億円の収入)となりました。主なキャッシュの内訳は、税金等調整前当期純利益に減価償却費を加えた金額1,844億円(前連結会計年度は1,735億円)、固定資産売却益399億円(前連結会計年度は9億円)、法人税等の支払額313億円(前連結会計年度は374億円の支払い)です。 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却や有形及び無形固定資産の売却による収入等がある一方で、有形及び無形固定資産の取得による支出等により、125億円の支出(前連結会計年度は1,549億円の支出)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出や配当金の支払等により、936億円の支出(前連結会計年度は610億円の収入)となりました。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの営業活動に関する資金需要は、生産・販売活動のために必要な運転資金や研究開発費等です。投資活動に関する資金需要は、経営戦略の遂行に必要な投資、品質改善・省力化・生産性向上・安全・環境のために必要な設備投資等です。今後も海外事業や有望な事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資等を積極的に行っていく予定であり、また、「環境行動目標2040」の達成に向けた取り組みも進めていきます。 資本効率性の改善と株主還元に関しては、配当性向を2025年度より50%に引き上げるとともに、長期的な企業価値向上に向けた成長投資に備えるための資金需要を勘案しつつ、財務の健全性が維持できる範囲において自己株式の取得を実施することとしています。 資金の外部調達は、営業活動によるキャッシュ・フローと資金需要の見通し、金利動向等の調達環境、既存の借入金や社債償還時期等を総合的に勘案の上、調達規模、調達手段等を適宜判断し実施しています。 財務の健全性は、主にネットD/Eレシオを用いて管理しています。 総資産効率向上と財務ガバナンス強化を目的として、国内主要子会社においてはキャッシュ・マネジメント・システムを導入することで資金の一元管理を行っています。また海外子会社においては中国とマレーシアでキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、その他の地域においても資金管理体制の整備を進めており、各国・地域の制度および事業特性等を踏まえつつ、同一地域内のグループ各社間で資金融通を行った上で、余剰となった資金は随時当社に集約し、現金及び現金同等物の保有は必要最小限に留めています。 不測の事態への備えとしては、主要取引行とコミットメントライン契約等を締結しています。 ⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

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