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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

日揮ホールディングス

JGC HOLDINGS CORPORATION1963 · Prime · 建設業

石油・ガスプラントのEPCで世界大手。触媒やファインセラミックスも手掛ける総合エンジニアリング企業。

概要

日揮ホールディングスは、石油・天然ガスプラントの設計・調達・建設(EPC)を主力とするエンジニアリング大手である。特に液化天然ガス(LNG)プラントで世界有数の実績を持ち、総合エンジニアリング事業と機能材製造事業を二本柱とする。2026年3月期の連結売上高は7,453億円、従業員数は8,154人。持株会社体制のもと、国内外に58の子会社を持つ。近年は大型プロジェクトの採算悪化で赤字が続いたが、2026年3月期には黒字転換を見込む。

総合エンジニアリング事業が収益の7割を占める構成

日揮ホールディングスの事業は大きく三つに分かれる。中核は総合エンジニアリング事業で、連結売上高の約7割を占める。石油精製、石油化学、LNG、原子力、医薬品、食品など多岐にわたるプラントのEPC(設計・調達・建設)を提供する。主要な執行会社として、海外EPCを担う日揮グローバル、国内EPCの日揮、そして株式会社高田工業所などが存在する。2026年3月期の受注高は4,780億円で、うち海外が56.8%を占める。受注残高は1兆1,666億円と、将来の収益基盤は厚い。

触媒とセラミックスで構成する機能材製造事業

機能材製造事業は、石油精製用触媒、ナノ粒子材料、高品位アルミナ基板、高熱伝導窒化ケイ素基板などを製造・販売する。主力子会社は日揮触媒化成と日本ファインセラミックス。触媒分野では重質油水素化精製や脱硫触媒が強みで、アジア市場で需要が拡大している。ファインセラミックス分野では、半導体・FPD製造装置向けの精密部品が成長を牽引し、宮城県富谷市に新工場を設置して生産能力を増強した。同事業の2026年3月期の生産実績は577億円で、前年比9.2%増と堅調に推移している。

水処理・エネルギー開発などその他事業群

その他の事業として、水処理(水ing)、原油・ガスの探鉱生産(JGC Gulf Coast等)、FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)の保有・傭船、廃食用油から持続可能な航空燃料(SAF)を製造する事業などを展開する。水ingは上下水道や工業用水処理の設計・施工・運営を手がけ、安定した収益源となっている。エネルギー開発事業はカナダや米国でシェールガス関連資産を保有。また、2026年1月には兵庫県神戸市に「バイオプロセス研究所」を設置し、バイオ燃料や化学品の研究開発を加速している。

業界の中での役割はプラントEPC請負業者・触媒メーカー・機能性材料メーカーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
7,453億円
営業利益
354億円
営業利益率
4.7%
純利益
418億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01石油・ガス・化学プラント主力

総合エンジニアリング事業として、石油精製、石油化学、ガス・LNG、一般化学、原子力等の装置・設備・施設の計画、設計、調達、建設、試運転(EPC)を提供。世界のエネルギー・プラント需要に対応。

主な製品・サービス1
プラントEPCサービス
石油精製・石油化学・LNG等のプラントに関する設計・調達・建設一括請負。

02触媒・機能材準主力

機能材製造事業として、石油精製用触媒、ナノ粒子材料(FDP・半導体向け)、環境触媒、電子材料・高性能セラミックス(アルミナ基板・窒化ケイ素基板等)を製造・販売。プロセス技術と材料技術を融合。

主な製品・サービス5
石油精製用触媒
重質油水素化精製・脱硫等の触媒。
ナノ粒子材料
フラットパネルディスプレイ・半導体向け機能性素材。
高品位アルミナ基板
薄膜集積回路用の高純度アルミナ基板。
高熱伝導窒化ケイ素基板
パワーデバイス等向け高熱伝導セラミックス基板。
半導体・FPD製造装置用セラミックス部品
耐熱・耐食性に優れる精密セラミックス部品。

03水処理・インフラ副次

水ing(株)を通じて水処理事業(上下水道・工業用水処理の設計・施工・運営)を展開。

主な製品・サービス1
水処理プラント
上下水道・工業用水処理施設のEPC及び運営。

04エネルギー開発・生産その他

原油・ガスの探鉱・生産販売事業、FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)の保有・傭船事業、廃食用油からのSAF製造事業等を行う。

製品と技術

石油精製用触媒からナノ粒子まで広がる材料技術

機能材製造事業の核は、日揮触媒化成が手がける石油精製用触媒である。重質油の水素化精製や流動接触分解、灯軽油脱硫などの触媒を供給し、アジア市場で高いシェアを持つ。さらに、ナノ粒子技術を応用したフラットパネルディスプレイ向け機能性素材や半導体向けCMPスラリー、プラスチック眼鏡レンズ用材料なども製造。クリーン・安全分野では環境触媒や脱臭剤、オゾン分解触媒を展開する。これらの製品群は石油精製からエレクトロニクス、環境まで幅広い産業を支えている。

半導体・パワーデバイス向け高機能セラミックス

日本ファインセラミックスとJFCマテリアルズは、薄膜集積回路用の高品位アルミナ基板や、パワーデバイス向け高熱伝導窒化ケイ素基板を製造する。これらのセラミックス基板は高い絶縁性と熱伝導性が求められる用途で使用される。また、半導体・FPD製造装置向けの精密セラミックス部品(耐熱・耐食性を持つ)や金属セラミックス複合材部品も手がける。2023年に旧昭和電工マテリアルズから事業を譲り受け、宮城県富谷市に新工場を設置して生産能力を増強。生成AI需要の拡大を背景に、半導体関連市場での売上を伸ばしている。

LNGから水素・SAFまでカバーするEPC技術

総合エンジニアリング事業の技術的な芯は、大規模プラントのプロジェクトマネジメントとモジュール工法である。LNGプラントでは世界トップクラスの受注実績を持ち、中東やアジアで複数の大型案件を完工。近年は脱炭素分野へ展開し、水素製造プラント、ブルー水素・アンモニア製造実証プラント、持続可能な航空燃料(SAF)製造プラントのEPC役務を受注している。また、グリーン水素/MCH製造プラントの基本設計を獲得。さらにFPSOの保有・傭船事業を通じて、海洋石油ガス生産のバリューチェーン全体に関与している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

建設業のなかでの位置

国内プラント建設で有力、海外展開も強み

日揮ホールディングスは国内のプラントエンジニアリング分野で有力な地位を占め、大手総合建設会社とは異なる専門性を持つ。同業他社のエムビーエスやウエストホールディングスが中小規模の建設に特化する一方、日揮は大規模な石油化学やLNGプラントの受注実績で差別化している。しかし近年の業績は不安定で、2025年3月期には営業赤字を計上した。これは一部プロジェクトの採算悪化が要因とみられる。2026年3月期には営業利益率4.75%まで回復する見込みで、収益改善に向けたプロジェクト管理の徹底が課題となる。内需だけでなく海外インフラ需要も取り込める点は強みだが、採算管理の強化が今後の成長に不可欠である。

強み

  • 石油化学やLNG分野で大型案件を獲得する国内屈指の実績を持ち、受注規模で存在感を示す。
  • 中東や東南アジアでのプロジェクト経験が豊富で、海外インフラ需要を取り込むグローバル基盤を持つ。
  • 設計から建設まで一貫対応できるエンジニアリング技術で、複雑なプラント建設に強みを発揮する。
  • 2026年3月期の営業利益率予想は4.75%で、赤字から黒字転換し収益改善が期待される。

課題

  • 2025年3月期に営業赤字を計上し、プロジェクト採算の変動が業績に大きく影響する。
  • 同業のMBSやウエストホールディングスなどとの価格競争で、受注条件が厳しくなる。
  • 海外売上比率が高く、為替レートの変動が利益に与える影響が大きい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

商社・卸売の時価総額近傍。太字が日揮ホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
19962ミスミグループ本社1.0兆円24.4倍
23064MonotaRO9,230億円25.6倍
33861王子ホールディングス8,856億円14.3倍
42181パーソルホールディングス6,767億円15.5倍
57459メディパルホールディングス6,296億円14.1倍
61963日揮ホールディングス5,746億円13.6倍
78088岩谷産業5,149億円10.6倍
82784アルフレッサ ホールディングス4,458億円10.1倍
93941レンゴー4,327億円18.8倍
102531宝ホールディングス4,273億円35.8倍
118060キヤノンマーケティングジャパン4,104億円17.5倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(商社・卸売)に従っています。

会社の歴史

沿革 34件

米国UOP社との契約で創業した1928年

1928年10月、日揮の前身である日本揮発油株式会社は東京・麹町に本店を設置した。翌11月、米国ユニバーサル・オイル・プロダクツ・カンパニー(現Honeywell UOP)と熱分解蒸留法装置に関する特許譲受および建設協約を締結。これにより石油精製技術を日本に導入する基盤を築いた。1933年には本店を大阪に移転し、関西地区での事業拡大を図る。第二次世界大戦の勃発によりUOPとの契約は解消されたが、1942年には新潟県新津に触媒製造工場を設置し、戦時中の石油精製需要に対応した。

戦後再開と上場を果たした1950年代

戦後、1949年に本店を東京・日本橋に移転。1952年5月に再びUOP社と石油精製・石油化学に関する特許実施契約を締結し、事業を本格再開した。同年7月には横浜工務部を設置しEPC体制を強化。触媒製造工場を分離して日揮化学を設立し、機能材事業の母体とした。1958年には旭硝子(現AGC)との共同出資で触媒化成工業を設立。1962年5月、東京証券取引所市場第二部に株式上場を果たし、資本市場から資金調達の道を開いた。

LNGプラントで世界展開した1970年代

1970年代、日揮はLNGプラント建設で国際的なプレゼンスを高める。1975年には愛知県半田市に衣浦研究所を設置し技術開発を強化。1976年10月、社名を「日揮株式会社」(英文名JGC CORPORATION)に変更し、ブランドを統一した。同年から本格化したLNGプロジェクト受注により、中東や東南アジアでの実績を積み上げる。1984年には原子力分野への進出を見据え、茨城県大洗町に原子力技術開発センターを設置。エネルギー多様化の流れに合わせて事業範囲を拡大した。

持株会社体制へ移行した2019年

2019年4月、日揮は新設分割により日揮グローバルを設立。同年10月に持株会社体制へ移行し、商号を「日揮ホールディングス」に変更した。海外EPC事業は日揮グローバル、国内EPC事業は日揮(旧日揮プラントイノベーション)に承継。これによりグループ各社の権限と責任を明確化し、経営効率の向上を図った。2004年に子会社化した触媒化成工業は2008年に日揮化学と合併し、日揮触媒化成として機能材事業を統合。2022年4月には東京証券取引所プライム市場へ移行し、ガバナンス強化を進めている。

不採算案件と赤字からの再建期(2022〜2026年)

2022年3月期以降、日揮グループは大型プロジェクトの採算悪化に直面。2022年3月期は当期純損失356億円、2025年3月期も営業損失115億円と赤字が続いた。原因は市場多角化に伴う人財リソースの分散や適正配置不全によるプロジェクト遂行の乱れとされる。中期経営計画「BSP2025」では売上高目標8,000億円を達成したが、利益目標は未達。2026年3月期には営業利益354億円、当期純利益418億円と黒字転換を見込む。新たな中期計画「BSP2030」では「深耕の5年」と位置づけ、EPC遂行体制の強化と脱炭素分野への投資を加速している。

年表34件を開く

1920年代

  • 1928年10月本店を「東京市麹町区内幸町1丁目3番地」に設置
  • 1928年11月米国ユニバーサル・オイル・プロダクツ・カンパニー(現Honeywell UOP社、以下「UOP社」という。)と熱分解蒸留法装置の日本における特許の譲受け及び建設に関する協約を締結

1930年代

  • 1933年1月本店を「大阪市東区高麗橋5丁目10番地」に移転
  • 1938年8月UOP社とイソオクタン製造法の特許の実施及び建設に関する追加の暫定的諒解覚書を交換 戦争によりUOP社との上記諸協約解消

1940年代

  • 1942年10月地番変更により本店所在地を「大阪市東区高麗橋4丁目10番地」と変更
  • 1942年12月新潟県新津に触媒製造工場(現日揮触媒化成㈱新潟事業所)を設置
  • 1949年1月本店を「東京都中央区日本橋室町2丁目1番地」に移転

1950年代

  • 1952年5月UOP社と石油精製及び石油化学に関する特許の実施及び建設に関する契約を締結
  • 1952年7月横浜工務部を「横浜市南区最戸町100番地」に設置
  • 1952年8月触媒製造工場を分離し日揮化学㈱を設立
  • 1952年12月建設業者登録番号東京都知事(ろ)第7044号として登録
  • 1958年4月「横浜工務部」を「横浜事業所」と改称
  • 1958年7月旭硝子㈱との共同出資により触媒化成工業㈱を設立
  • 1959年2月建設業者登録番号建設大臣(ニ)第5341号として登録
  • 1959年3月本店を「東京都千代田区大手町2丁目4番地」に移転

1960年代

  • 1960年2月一級建築士事務所登録番号神奈川県知事登録第422号として登録
  • 1962年5月上場東京証券取引所市場第2部に株式上場
  • 1969年2月東京証券取引所市場第2部銘柄より第1部銘柄に指定される

1970年代

  • 1970年1月地番変更により本店所在地を「東京都千代田区大手町2丁目2番1号」と変更
  • 1974年11月特定建設業者として建設大臣許可(特-49)第5552号を受ける
  • 1975年4月技術開発体制の充実強化のため「衣浦研究所」を愛知県半田市に設置
  • 1976年10月商号変更社名を「日本揮発油株式会社」から「日揮株式会社」(英文名JGC CORPORATION)に変更

1980年代

  • 1984年7月原子力の技術開発体制の充実強化のため「大洗原子力技術開発センター」を茨城県大洗町に設置

1990年代

  • 1997年6月横浜市西区に完成した新社屋に横浜事業所のプロジェクト遂行機能及び東京本社の一部機能を移管し「横浜本社」を設置
  • 1997年11月M&A横浜研究所と大洗原子力技術開発センターを統合し、新たに「技術研究所」を茨城県大洗町に設置
  • 1999年12月M&A衣浦研究所を技術研究所(茨城県大洗町)に統合(衣浦研究所は廃止)

2000年代

  • 2004年7月M&A触媒化成工業㈱を100%子会社化
  • 2008年7月M&A触媒化成工業㈱と日揮化学㈱が合併し、日揮触媒化成㈱と改称

2010年代

  • 2017年6月本店を「神奈川県横浜市西区みなとみらい2丁目3番1号」に移転
  • 2019年4月持株会社体制への移行のため、新設承継会社として日揮グローバル㈱を設立
  • 2019年10月商号変更持株会社体制に移行し、商号を「日揮ホールディングス株式会社」(英文名JGC HOLDINGS CORPORATION)に変更 日揮プラントイノベーション㈱が商号を日揮㈱に変更 海外EPC事業を日揮グローバル㈱に、国内EPC事業を日揮㈱にそれぞれ承継

2020年代

  • 2022年4月東京証券取引所市場第1部から新市場区分プライム市場に移行
  • 2023年4月当社グループ内のコーポレート機能業務を集約し、その効率化、高度専門化のため、日揮コーポレートソリューションズ㈱を設立
  • 2026年1月「バイオプロセス研究所」を兵庫県神戸市に設置

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち5項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 営業利益2030年度まで600億円
  • 当期純利益2030年度まで500億円
  • 自己資本利益率(ROE)2030年度まで10%以上
  • 成長投資総額2030年度まで2,800億円
  • DOE(株主資本配当率)2031年3月期まで4%

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    総合エンジニアリングの競争力強化

    EPCランプサムプロジェクトのリスクマネジメント強化やインド拠点の人財拡充により収益基盤を安定化。FSやFEEDなどの上流、メンテナンスなどの下流ビジネスも強化し、プラントライフサイクル全体への価値提供を図る。デジタル技術やモジュール技術の応用でEPCビジネスを進化させる。

  2. 02

    機能材製造事業の成長加速

    半導体関連市場向けにファインセラミックス部材や窒化ケイ素基板などの販売拡大を図る。マーケティングと先行開発能力を強化して提案型案件を創出し、高い利益率を目指す。海外市場(触媒・半導体関連)への戦略的販売拡大を進める。

  3. 03

    ソリューションビジネスの拡充

    総合エンジニアリングと機能材製造の強みを新たなビジネスモデルに展開。社会や顧客の課題を先読みし、オープンイノベーションを通じて汎用的なソリューションを先行開発し提供する。国家プロジェクトへの参画など「バイオものづくり」分野にも挑戦する。

  4. 04

    成長投資と株主還元の強化

    BSP2030期間中に総額2,800億円の成長投資を計画。株主還元方針を配当性向からDOE(株主資本配当率)に変更し、2027年3月期にDOE3%から始め、2031年3月期に向けてDOE4%を目指す。自己株式取得は業績等に応じて適宜検討。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で8,154人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は975万円で、9期前と比べて+1.9%平均年齢は44.6歳、平均勤続年数は12.8年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月7,554
2018年3月7,610
2019年3月95643.617.57,841
2020年3月86545.718.67,607
2021年3月84144.417.87,371
2022年3月85544.016.57,275
2023年3月84443.014.87,876
2024年3月1,08344.814.48,865
2025年3月93143.712.38,365−137
2026年3月97544.612.88,154434

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率3.0%
縦線は目安の30%
男性育休取得率70.0%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)61.2%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社34(国内 23 / 海外 11) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
オマーン国212億円
その他の事業
本社(注)3 — 横浜市西区211億円
全社(共通)
北九州事業所 — 北九州市若松区140億円
機能材製造事業
富谷事業所 — 宮城県富谷市7,156百万円
機能材製造事業
バイオプロセス研究所 — 兵庫県神戸市3,962百万円
全社(共通)
中里ヒルズ — 横浜市南区3,654百万円
全社(共通)
カンボジア王国2,846百万円
総合エンジニアリング事業
富谷事業所 — 宮城県富谷市2,532百万円
全社(共通)
新潟事業所 — 新潟市秋葉区2,286百万円
機能材製造事業
技術研究所 — 茨城県東茨城郡大洗町1,478百万円
全社(共通)
主な関係会社
  • 国内
    日揮グローバル㈱
    神奈川県 横浜市西区
    議決権100.0%
  • 国内
    日揮㈱
    神奈川県 横浜市西区
    議決権100.0%
  • 国内
    青森日揮プランテック㈱
    青森県上北郡 六ヶ所村
    議決権100.0%
  • 国内
    日揮触媒化成㈱
    神奈川県 川崎市幸区
    議決権100.0%
  • 国内
    日本ファインセラミックス㈱
    宮城県 仙台市泉区
    議決権100.0%
  • 国内
    JFCマテリアルズ㈱
    茨城県 ひたちなか市
    議決権100.0%
  • 国内
    日揮ビジネスサービス㈱
    神奈川県 横浜市西区
    議決権100.0%
  • 国内
    日本エヌ・ユー・エス㈱
    東京都 新宿区
    議決権88.0%
  • 海外
    JGC ASIA PACIFIC PTE. LTD.
    シンガポール共和国
    議決権100.0%
  • 海外
    JGC PHILIPPINES, INC.
    フィリピン共和国 モンテンルパ市
    議決権100.0%
  • 国内
    JGC Gulf International Co., Ltd.
    サウジアラビア王国 アルコバール市
    議決権100.0%
  • 海外
    JGC OCEANIA PTY LTD
    オーストラリア連邦 パース市
    議決権100.0%
残りのグループ会社22社を開く
  • JGC America, Inc.アメリカ合衆国 ヒューストン市100%
  • JGC Gulf Engineering Co., Ltd.サウジアラビア王国 アルコバール市100%
  • PT. JGC INDONESIAインドネシア共和国 ジャカルタ市48%
  • JGC (GULF COAST), LLCアメリカ合衆国 ヒューストン市100%
  • JGC Exploration Eagle Ford LLCアメリカ合衆国 ヒューストン市100%
  • JGC EXPLORATION CANADA LTD.カナダ バンクーバー市100%
  • JGC Construction International Pte. Ltd.シンガポール共和国100%
  • JGC ASIA PACIFIC (M)Sdn. Bhd.マレーシア クアラルンプール市100%
  • Al Asilah Desalination Company S.A.O.C.オマーン国 マスカット市75%
  • JGC INDIA EPC PRIVATE LIMITEDインド共和国 チェンナイ市100%
  • JGC Corporation Oceania Pty Ltdオーストラリア連邦 パース市100%
  • Sunrise Healthcare Service Co., Ltd.カンボジア王国 プノンペン98%
  • JGC France SASフランス共和国 パリ市100%
  • 日揮ユニバーサル㈱東京都 品川区50%
  • 水ing㈱東京都 港区33%
  • 水ingAM㈱東京都 港区100%
  • 水ingエンジニアリング㈱東京都 港区100%
  • A.R.C.H WLLバーレーン王国 マナマ市30%
  • Japan Sankofa Offshore Production Pte. Ltd.シンガポール共和国26%
  • ASH SHARQIYAH OPERATION AND MAINTENANCE COMPANY LLCサウジアラビア王国 アルコバール市29%
  • Japan NuScale Innovation, LLCアメリカ合衆国 ウィルミントン市29%
  • ㈱高田工業所福岡県 北九州市20%
国際子会社 (GLEIF登録 3社)
  • JP日揮グローバル株式会社
  • SAJGC Gulf International Co. Ltd
  • CAJGC CONSTRUCTORS BC LTD.

国際的な法人識別子 (LEI) の親子関係データ。金融取引を行う子会社が中心で、全子会社の一覧ではありません。

公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進有用微生物の開発を加速する微生物等改変プラットフォーム技術の高度化、CO2を原料に物質生産できる微生物等の開発・改良、CO2を原料に物質生産できる微生物等による製造技術等の開発・実証CO2からの微生物による直接ポリマー生産技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-07-12
    162.2億円
  • 調達
    バイオものづくり革命推進事業木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業委託
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2025-03-31
    25.1億円
  • 調達
    平成29年度中間貯蔵施設等の放射線安全に関する評価検討業務[総合評価落札方式]
    環境省 · 2017-03-14
    5,500万円
  • 調達
    平成28年度中間貯蔵施設等の放射線安全に関する評価検討業務[総合評価落札方式]
    環境省 · 2016-05-17
    4,400万円
  • 調達
    平成27年度中間貯蔵施設等の放射線安全に関する評価検討業務[総合評価落札方式]
    環境省 · 2015-11-10
    3,700万円
  • 調達
    水素社会構築技術開発事業地域水素利活用技術開発都市部における廃プラスチックガス化リサイクルによる地域低炭素水素モデル構築に向けた調査
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-01-28
    3,166万円
  • 調達
    植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発スマートセル関連技術の社会実装推進に向けて解決すべき新規課題の検討ロバスト性微生物およびシンプル生産プロセスの開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2018-09-19
    702万円
  • 調達
    エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業/実証要件適合性等調査/副生水素を用いた工場の低炭素化を実現するための水素コジェネシステム実証研究(中華人民共和国・浙江省)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-02-02
    666万円
  • 調達
    水素社会構築技術開発事業/総合調査研究/地産地消型水素製造・利活用ポテンシャル調査(カリフォルニア州における地産地消型水素製造・利活用ポテンシャルに関する調査)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-09-25
    516万円
  • 調達
    カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発カーボンリサイクル・次世代火力推進事業カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発/CO2からのアンモニアメタネーションの技術開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-04-21
    375万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は7,453億円営業利益354億円前期と比べると減収で、売上が-13.1%。

売上高
-13.1%
7,453億円
営業利益
354億円
純利益
418億円
営業利益率
4.7%
前期比 +6.1%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高6,700億円7,453億円
営業利益400億円354億円
純利益460億円418億円
1株あたり配当¥52¥52

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は1,593億円、営業利益は124億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は−11.5%、営業利益は+24.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q1,90381
2024年1Q1,7991005.6102
2024年2Q2,234301.324
2024年3Q1,978−37−1.9−20
2024年4Q2,315−184
2025年2Q4,0671243.0128
2025年4Q4,514−239−5.3−132
2026年2Q3,8131584.1117
2026年4Q3,6401965.4301
2027年1Q1,5931247.8116

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は6,246億円から7,453億円へ1.2倍に増えた。直近期の営業利益率は4.7%。純利益は2期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月6,246725462
2014年3月6,758837472
2015年3月7,991449206
2016年3月8,800520428
2017年3月6,932−152−221
2018年3月7,230249166
持株会社体制に移行し、商号を「日揮ホールディングス株式会社」(英文名JGC HOLDINGS CORPORATION)に変更 日揮プラントイノベーション㈱が商号を日揮㈱に変更 海外EPC事業を日揮グローバル㈱に、国内EPC事業を日揮㈱にそれぞれ承継
2019年3月6,192323240
2020年3月4,80822441
2021年3月4,34025551
2022年3月4,284300−356
当社グループ内のコーポレート機能業務を集約し、その効率化、高度専門化のため、日揮コーポレートソリューションズ㈱を設立
2023年3月6,069506307
2024年3月8,3264−78
2025年3月8,581−115113−1.3−4
2026年3月7,4533545824.7418

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高7,453億円のうち、営業利益として残るのは354億円4.7%。営業外の損益と税金を反映した純利益は418億円、売上の5.6%にあたる。営業利益率は業種中央値7.3%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金91.4%6,812億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金3.9%287億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益4.7%354億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
8.6%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比2.6pt
4.7%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+0.2pt
5.6%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比0.7pt
10.2%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
5.0%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
5.7%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが799億円、投資CFが−148億円で、差し引きのフリーCFは651億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は4,005億円で、売上の6.4ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月850−284−375662,848
2014年3月1,206−187−1071,0193,853
2015年3月−714−23438−9482,977
2016年3月−49887−44−4112,479
2017年3月−289−130−197−4191,856
2018年3月551173381722,354
2019年3月−553−47−139−6001,608
2020年3月924194−771,1182,619
2021年3月125−1352−102,683
2022年3月193−77−11162,880
2023年3月1,108−115−6139933,328
2024年3月111−202−89−913,245
2025年3月468−212−1502563,328
2026年3月799−148−1106514,005

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は8,388億円。このうち返さなくてよい自己資本が4,312億円で、自己資本比率は51.2%(業種中央値55.5%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月6,2883,3612,92753.4
2014年3月7,4613,7993,66250.2
2015年3月7,1983,8853,31353.8
2016年3月6,8984,1972,70160.7
2017年3月6,4633,8332,63059.1
2018年3月6,8493,9582,89157.6
2019年3月7,0894,1042,98557.7
2020年3月6,7133,9102,80358.2
2021年3月7,0254,1762,84959.4
2022年3月6,9433,8773,06655.8
2023年3月7,1313,9803,15155.7
2024年3月7,9233,8794,04448.7
2025年3月7,8423,9233,91949.8
2026年3月8,3884,3124,07651.2

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
4,005億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
3,725億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
71億円
在庫として抱えている分
負債合計
4,076億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
74
/ 100
安定性自己資本比率34 / 40
収益力営業利益率10 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

建設業 140社との比較

同じ建設業の企業と並べると、いちばん上に来るのはROE140社中75位あたり、逆に低いのは売上成長率140社中134位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
10.2%/中央値 10.9%
P25 7.9%P75 14.3%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
4.8%/中央値 7.3%
P25 5.1%P75 9.4%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
51.2%/中央値 55.5%
P25 43.8%P75 66.2%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-13.2%/中央値 4.8%
P25 -1.9%P75 12.7%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.2%/中央値 3.5%
P25 2.7%P75 4.3%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,352で、1年前と比べて+69.1%過去52週の値幅のなかでは62%の位置にある。

¥2,352-1.1%1ヶ月+2.6%1年+69.1%時価総額5,746億円
過去52週の値幅
安値¥1,411.5高値¥2,927.5

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)13.6倍
PER (会社予想)12.4倍
PBR1.34倍
配当利回り2.21%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は2233円で、25日線(2285円)を2%下回り、75日線(2472円)も下回る。200日線(2219円)はかろうじて上回っており、中長期の均衡圏にある。1ヶ月では-3.6%と弱含む。7月27日に2371円の高値をつけた後、8月19日に2229円まで下落し、その後はやや戻すも戻りは鈍い。出来高は8月に入り100万株前後と低調で、売買は細っている。RSIは46.7とやや下向き。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をほぼ妥当と判定しています(スコア 52/100)

PERは12.9倍と業界平均13.53倍を下回り、予想PER11.7倍も低い。PBRは1.27倍で平均1.5倍を下回る。配当利回り2.33%は平均3.45%を下回るが、ROE10.2%と収益性は確保。直近では営業損失を計上したものの、最新期は黒字転換し、業績回復が見込まれる。配当利回りの低さが気になるが、バリュエーションは割安感があり、総合的にほぼ妥当と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)13.6倍14.4倍
PER (予想)12.4倍
PBR1.34倍1.55倍
ROE10.2%11.8%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

日揮ホールディングスの投資論点は、大型エンジニアリング案件の採算改善と脱炭素分野での成長可能性を巡る強気派と弱気派の対立にある。強気派は、2026年3月期の黒字転換見通しや水素・アンモニア事業への注力を評価し、将来の成長を期待する。一方、弱気派は過去の大型プロジェクトでの赤字を挙げ、採算管理能力や案件リスクを懸念する。また、脱炭素分野の収益寄与がまだ不透明である点も弱気の根拠となる。さらに、市場は今後の受注動向やプロジェクトの進捗を注視しており、受注競争の激化や価格競争も投資判断に影響する。

プラスに働く材料7
  • 黒字転換への期待

    2026年3月期に純損益で黒字を見込む。

  • LNG実績と技術

    世界有数のLNGプラント実績で受注競争に強み。

  • 脱炭素新規事業

    水素・アンモニアなどで成長を見込む。

  • 営業損益がマイナス115億円から354億円へ黒字転換通年影響

    2025/3期の営業損失115億円→2026/3期計画の営業利益354億円。改善幅469億円で、利益率も4.75%に回復。

  • 純利益が-4億円→418億円と大幅改善通年影響

    2025/3期は純損失4億円、2026/3期は純利益418億円。一転して黒字化し、予想PER12倍まで低下。

  • 外国人保有比率31.81%と高く、物色資金が流入継続影響

    外国人保有比率31.81%と3割超。1年で株価71.15%上昇も、海外資金の需要が下支え。

  • PBR1.3倍・ROE10.2%、割安感継続影響

    PBR1.3倍・ROE10.2%。ROE2桁でPBR1倍台前半は割安感がある。

マイナスに働く材料7
  • 過去の赤字の影響

    2024年3月期は純損失を計上。

  • 案件リスク

    大型案件の採算悪化が業績を圧迫する可能性。

  • 脱炭素の不透明感

    新規事業の収益寄与はまだ不確実。

  • 売上高が8,581億円→7,453億円へ13.1%減少通年影響

    売上高8,581億円→7,453億円、減少1,128億円。増益はコスト改善依存で、売上減が続けば再減益の恐れ。

  • 株価1年で71.15%上昇、過熱感と利食い売り不定影響

    過去1年の上昇率71.15%。急ピッチな上昇により、短期的な調整リスクが高い。

  • 純利益が営業利益を上回る非本業依存の構造通年影響

    純利益418億円に対し営業利益354億円、差額約64億円。営業外収益に依存する利益構造。

  • 配当利回り2.28%と低い株主還元継続影響

    時価総額5,582億円に対して配当利回り2.28%。株主還元は相対的に薄め。

次の決算で確かめる点
受注残高
将来の売上高を左右し、事業の安定性を示す。
営業利益率
採算管理能力の指標となり、案件ごとの収益性が反映される。
脱炭素関連受注
新規事業の成長を見極めるために重要。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり52で、前期から+30.0%いまの株価に対する利回りは2.21%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥52
1株あたり
配当利回り
2.21%
いまの株価に対して
配当性向
56.3%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月30
2018年3月25−16.7219.5
2019年3月2914.028.3
2020年3月12−57.925.7
2021年3月120.0
2022年3月1525.0
2023年3月38153.3404.0
2024年3月405.356.3
2025年3月400.0
2026年3月5230.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥52

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ53,348人。区分でいちばん多いのは金融機関34.8%。グループ会社や銀行などの安定株主が46.4%を占め、残る53.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関43.743.939.035.333.934.8
外国法人28.729.127.426.727.431.8
個人・その他12.513.118.222.124.315.1
事業法人11.411.511.611.311.411.5
証券会社3.72.43.94.52.96.7
自己株式2.62.67.36.96.91.0
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)19.27
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)10.40
03日揮商事株式会社4.96
04STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)3.56
05公益財団法人日揮・実吉奨学会基本財産口3.45
06STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505019 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)2.38
07ゴールドマン・サックス証券株式会社 BNYM (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.19
08BNYMSANV AS AGENT/CLIENTS LUX UCITS NON TREATY 1(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.63
09株式会社三井住友銀行1.35
10JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.32

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近1
  • 2026-04-21
    三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
    新規の大量保有報告
    3.13%
    +1.14pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−5%、1株純資産は14期で+34%。直近期のROEは10.2%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月1831,32914.813.026.0
2014年3月1871,48413.319.227.2
2015年3月821,5365.429.229.8
2016年3月1701,65910.69.934.7
2017年3月−871,515−5.5
2018年3月661,5644.335.2219.5
2019年3月951,6226.015.528.3
2020年3月161,5471.053.225.7
2021年3月201,6521.366.6
2022年3月−1411,533−8.8
2023年3月1221,6527.813.4404.0
2024年3月−321,599−2.056.3
2025年3月−21,616−0.1
2026年3月1731,77610.213.1

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

15名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は15名。2026/3期の役員報酬は総額469百万円。

氏名役職年齢保有株数
佐藤雅之代表取締役会長兼社長 Chief Executive Officer7159,000
寺嶋清隆代表取締役副社長執行役員 Chief Financial Officer6738,000
石川正樹取締役6410,000
山田昇司取締役6633,000
松島正之取締役81
八尾紀子取締役59
三島愼次郎取締役76
平野未来取締役42
武藤一義監査役(常勤)7210,000
二宮朗監査役(常勤)681,000
高松則雄監査役74
大木一也監査役65
残りの役員3名を開く
氏名役職年齢保有株数
佐野敏弘取締役73
三好博之監査役(常勤)677,000
舩山範雄監査役69

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)321
社外取締役99
監査役49

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,902字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当社グループ(当社、当社の子会社58社及び関連会社45社)は、総合エンジニアリング事業及び機能材製造事業を主たる事業としており、これに加え、機器調達及びコンサルティング等の附帯事業を営んでおります。各事業における当社及び主要な関係会社の位置付け等は次のとおりであります。なお、次の区分はセグメント情報に記載された区分と同一であります。 総合エンジニアリング事業 当セグメントは、石油、石油精製、石油化学、ガス、LNG、一般化学、原子力、金属製錬、バイオ、食品、医薬品、医療、物流、IT、環境保全、公害防止等に関する装置、設備及び施設の計画、設計、調達、建設及び試運転役務等のEPCビジネスを中心に構成されております。なお、当セグメントを構成する主要な会社は以下のとおりであります。 分野   会社名 設計・調達・建設   日揮グローバル㈱、日揮㈱、㈱高田工業所JGC ASIA PACIFIC PTE. LTD.、JGC PHILIPPINES, INC.、PT. JGC INDONESIA、JGC Gulf International Co., Ltd.、JGC OCEANIA PTY LTD、JGC America, Inc.、JGC Gulf Engineering Co., Ltd.、JGC Construction International Pte. Ltd.、JGC ASIA PACIFIC (M) Sdn.Bhd.、JGC INDIA EPC PRIVATE LIMITED、JGC Corporation Oceania Pty Ltd、JGC France SAS、Japan NuScale Innovation, LLC 検査・保守   青森日揮プランテック㈱ プロセスライセンシング   日揮ユニバーサル㈱ その他   Sunrise Healthcare Service Co., Ltd. 機能材製造事業 当セグメントは、以下のような分野別製品群からなる事業で各関係会社にて製造・販売しております。 分野   製品   会社名 触媒分野   重質油の水素化精製・流動接触分解、灯軽油の脱硫などの石油精製用触媒及び素材、化学品の水素化・異性化・酸化などの石油化学用触媒など   日揮触媒化成㈱日揮ユニバーサル㈱ ナノ粒子技術分野   フラットパネルディスプレイ・半導体・化粧品・プラスチック眼鏡レンズなどに使用される機能性素材、化学的機械研磨材料、ライフサイエンス材など   日揮触媒化成㈱ クリーン・安全分野   環境触媒、脱臭・消臭剤、オゾン分解触媒、酵素フィルタなど   日揮触媒化成㈱日揮ユニバーサル㈱ 電子材料・高性能セラミックス分野   薄膜集積回路、高品位アルミナ基板、高熱伝導窒化ケイ素基板、半導体・FPD製造装置用セラミックス部品、半導体・FPD製造装置用金属セラミックス複合材部品など   日本ファインセラミックス㈱JFCマテリアルズ㈱ 次世代エネルギー分野   燃料電池用脱硫材、色素増感型太陽電池用材料など   日揮触媒化成㈱ その他の事業 その他の事業は総合エンジニアリング事業及び機能材製造事業以外の事業であり、以下のような分野及び会社で構成されております。 分野   会社名 機器調達   日揮商事㈱ コンサルティング   日本エヌ・ユー・エス㈱ オフィスサポート   日揮ビジネスサービス㈱ 原油・ガス生産販売事業等   JGC (GULF COAST), LLC、JGC Exploration Eagle Ford LLC、JGC EXPLORATION CANADA LTD. 水処理事業   水ing㈱、水ingAM㈱、水ingエンジニアリング㈱ 発電・造水事業   Al Asilah Desalination Company S.A.O.C.、A.R.C.H WLL、ASH SHARQIYAH OPERATION AND MAINTENANCE COMPANY LLC FPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)保有・傭船事業   Japan Sankofa Offshore Production Pte. Ltd. 国産廃食用油を原料とするSAF、バイオナフサ、バイオディーゼルの製造事業   (同)SAFFAIRE SKY ENERGY また、当社グループに対してコーポレート業務を提供する日揮コーポレートソリューションズ㈱があります。 以上に述べた事項の概略は次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題5,757字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 基本方針 当社グループは、企業活動を行う上での軸・拠り所として企業理念「JGC's Purpose and Values」を制定しております。 「JGC's Purpose and Values」は日揮グループのパーパス(存在意義)及びValues(価値観)の2つの要素から構成され、日揮グループのパーパス(存在意義)として、「Enhancing planetary health」を掲げ、当社グループ共通のValuesとして、4つのちから、即ち、「挑戦」、「創造」、「結集」、「完遂」を定め、さらに「尊重」、「誠実」を2つの誓いとして明らかにしております。 当社グループは、企業理念「JGC's Purpose and Values」に基づき企業活動を進めていくことで、企業価値の一層の向上を図り、以て人と地球の健やかな未来づくりに貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標、経営環境、中長期的な経営戦略及び会社の対処すべき課題 前中期経営計画「BSP2025」の振り返り 当社グループは2021年度から2025年度までの5ヶ年を長期経営ビジョン「2040年ビジョン」の1stフェーズ―「挑戦の5年」と位置づけ、中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025 (BSP2025)」(以下、「BSP2025」という。)において、「EPC事業のさらなる深化」、「高機能材製造事業の拡大」、「将来の成長エンジンの確立」を重点戦略とし、これらの実現に向けた成長戦略投資(M&A、設備投資、研究開発等)に積極的に取り組むことで、財務目標として、2025年度の売上高8,000億円、営業利益600億円、当期純利益450億円、自己資本利益率(ROE)10%の達成を目指してまいりました。 本計画のもと、対象期間における実績は以下のとおりとなりました。 BSP2025期間中の経営実績は、売上高は増加基調で推移し期中に目標を達成しました。他方、営業利益及び当期純利益については、過年度の不採算案件の影響から目標は未達成となりましたが、ROEについては目標を達成しました。 「EPC事業のさらなる深化」について、総合エンジニアリング事業では、国内において株式会社IHIプラントからの医薬品事業譲受や株式会社高田工業所との資本業務提携といった競争力強化に向けた施策を積極的に推進いたしました。海外ではLNGを中心としたプラントマーケットの好況を背景に、ジョイントベンチャー組成やモジュール工法といった当社の持つ競争優位性を最大限に活用し、大型案件を成功裡に完遂してまいりました。他方、市場と分野の多角化を急いだ結果、人財リソースの分散や適正配置不全を招き、それらがプロジェクトの安定遂行に影響を及ぼしたことでいくつかの案件で採算悪化が発生いたしました。足元では、社内のEPC遂行体制強化に向けた取組みを推進してきたことで、遂行中案件における懸念材料が減少しつつあり、2025年度では採算を大きく改善することができました。 「高機能材製造事業の拡大」について、同事業では、半導体関連市場に向けた商材の展開や生産能力の増強を進めた結果、BSP2025で掲げた売上高目標を概ね達成いたしました。特にファインセラミックス分野では、旧昭和電工マテリアルズ株式会社からの事業譲受や宮城県富谷市における新工場設置により、生産能力が増強され、さらなる成長の土台を整えることができました。 また、「将来の成長エンジンの確立」については、ビジネス領域の多角化を推進するため、将来の成長エンジンとして掲げた複数のビジネス領域への展開を図り、水素製造プラントやブルー水素・アンモニア製造実証プラントに加えて、持続可能な航空燃料(SAF)製造プラントにおけるEPC役務、グリーン水素/MCH製造プラントにおける基本設計役務を受注する等、貴重な知見を蓄積することができました。 また、上記3つの重点戦略の実現に向け、BSP2025期間中に計画していた2,000億円の成長戦略投資については、当連結会計年度末時点で約1,000億円の投資実績となりました。事業環境の変化等を受け、M&Aを中心に当初計画どおりの投資判断に至らない案件もありましたが、研究開発投資及び事業投資、並びに機能材製造事業をはじめとする設備投資を着実に推進しました。なお、総合エンジニアリング事業における成長戦略投資は、中長期的な競争力の強化及び体質改善への貢献を企図するものであり、新中期経営計画においても、こうした取組みを継続していく方針です。 新中期経営計画「BSP2030」について 長期経営ビジョン「2040年ビジョン」における2ndフェーズである2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間とし、「深耕の5年」として位置付けを再定義した新中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2030 (BSP2030)」(以下、「BSP2030」という。)の内容は以下のとおりです。 1.事業環境認識 BSP2030期間における事業環境の見通しは次のとおりです。 ・ マーケット: エネルギーを含む各種需要が今後も引き続き拡大していくなか、低・脱炭素化の潮流は不変と捉えていますが、経済的なハードルの高さからそのスピードには変化が見られており、比較的クリーンで安価なLNGの重要性が当面は継続すると見込んでいます。また、不確実性が高い環境下においてこそ、当社グループが各市場の先端情報を的確に捉え、技術を基軸に課題解決型の提案を行うことで、主体的なビジネス機会の創出が可能になると考えています。 ・ サプライチェーン: コロナ禍以降、加速する地政学リスクの増大や産業構造の変化、加えて希少資源の偏在といった諸課題は、サプライチェーンの分断と再編という形でその影響が顕在化しつつあります。サプライチェーン上の協力会社との連携強化、仕様の標準化やモジュール化、デジタル技術の導入、人財の育成といった一つひとつの要素が、事業の継続だけでなく競争優位の源泉として、将来の成長に向けた重要な鍵となります。 ・ 技術・デジタル: AIをはじめとするデジタル技術の進展は、生活利便性の向上や社会基盤・顧客設備の高度化を加速させる強力な推進力となります。顧客設備の維持管理や運転改善に加え、バイオや材料、低・脱炭素化の領域など、当社グループの既存事業に隣接するあらゆる領域に対して、デジタル技術を活用し強化された当社グループの技術力は、顧客への提供価値と当社グループの成長を着実に推進していくものと認識しています。 2.3つの重点戦略 上記の事業環境認識を踏まえ、BSP2030において、「総合エンジニアリング事業の持続的な競争力強化」、「機能材製造事業の成長加速」、「ソリューションビジネスの拡充」に取り組むことで、次なる成長の基盤を構築してまいります。 (1)総合エンジニアリング事業の持続的な競争力強化 ① 遂行体制の強化による収益基盤の安定化 EPCランプサムプロジェクトは、複数の分野・地域で志向される顧客ニーズに応え、かつ長年に亘り培ってきた当社グループにおける競争優位を発揮できるビジネスモデルであることから、リスクマネジメントの強化や、インド拠点であるJGC India EPC Private Limited社の人財リソース拡充をはじめとする様々な施策の推進を通じて、ランプサムモデルの強化に取り組みます。また、FS(フィージビリティスタディ)やFEED(基本設計)といった上流のビジネス、メンテナンスや改造・更新工事といった下流のビジネスへの取組み強化等を通じて、ライフサイクル全体への価値提供に取り組んでいきます。これらを通じて総合エンジニアリング事業全体の収益安定化を図るとともに、得られた情報・知見・ノウハウを、EPCを含む上下流すべてを通じたプラントライフサイクルにおける価値提供に還元させる循環を創出します。 ② EPCビジネスの進化に向けた挑戦 EPCというビジネスモデルを巡っては、外部環境の変化や顧客課題の多様化に合わせて、その遂行能力を高度化させることで、競争力を維持・強化していくことも非常に重要となります。デジタル技術による設計の効率化・高度化、製作プロセスの最適化、モジュール技術の応用等、競争力向上に向けた挑戦に大胆に取り組むとともに、柔軟な対応を通じて顧客に対する新たな価値提供を目指していきます。 ③ マーケットへの適応と戦略的事業育成の両立 マーケットの変化が不透明かつ激しさを増しつつあるなか、多様な顧客課題の受け皿として、技術に立脚したビジネス領域はさらに拡大していきます。こうしたなか、FSやFEEDといった上流でのサービス提供を通じて、市場の変化や顧客のニーズに寄り添うことで有望なビジネス領域を見極め、それに対し最適なアプローチを講じることで、新たな収益の柱として戦略的に育成していきます。 (2)機能材製造事業の成長加速 ① 半導体関連市場での販売拡大 BSP2025において商品展開及び増産投資を行った、ファインセラミックス分野の半導体製造装置向け部材、窒化ケイ素基板などの基板材料、ファインケミカル分野の半導体関連向け研磨砥粒や添加剤について、引き続き半導体関連市場への販売拡大を図ります。また、外部協業の積極的な展開を通じて、技術面・生産面で生じうる課題を解消しながら、開発・生産にスピードが要求される半導体市場に対応できる体制を構築していきます。 ② 開発力の強化による提案型案件の創出 当社内に設置されている機能材製造事業オフィスが中心となってマーケティング機能と先行開発能力を強化し、競合他社に先駆けた提案型案件を創出することで、従来の受託製造よりも高い利益率確保を目指します。 ③ 海外市場の積極的な開拓 国内製油所や国内化学メーカーを主要顧客とした国内市場の縮小を受け、触媒分野において海外顧客への展開を一層強化していきます。また、半導体関連市場に関しても現在は国内顧客向けの販売が中心であることから、BSP2030では規模の大きな海外顧客への販売拡大も戦略的に進めていきます。 (3)ソリューションビジネスの拡充 総合エンジニアリング事業と機能材製造事業で培ってきた強みを新たなビジネスモデルへと展開することで、事業ポートフォリオの中長期的な変革を促進し、収益変動の緩和と安定的な成長を実現します。具体的には、社会や顧客の課題を「先読み」し、オープンイノベーション活動等を通じて汎用的なソリューションを先行的に開発し、そのソリューションを顧客に提供するというアプローチを積極的に推進していく方針です。 こうした取組みの一環として、当社では国家プロジェクトへの参画を通じて「バイオものづくり」と呼ばれる新たな事業分野にも挑戦していきます。 3.財務目標 財務目標として、2030年度に営業利益600億円、当期純利益500億円、ROE10%以上を目指します。なお、本目標には、「4.成長戦略実現に向けた投資と資本政策」に記載しているM&Aによる収益は考慮していません。 4.成長戦略の実現に向けた投資と資本政策 2026年度から2030年度にわたるBSP2030においては、以下3点の基本方針のバランスを取りながら、重点戦略への取組みを通じてさらなる企業価値の向上に努めてまいります。 (1)強固な財務基盤維持 当社グループのコアビジネスである総合エンジニアリング事業におけるEPCランプサムプロジェクトでは、顧客の信頼獲得に加え、予期せぬ外部環境の変化や市場の混乱局面においてもプロジェクトを円滑に遂行することが重要です。このため、自己資本比率50%の安定的な維持及び十分な手元流動性の確保を通じて、強固な財務基盤の維持に取組みます。 (2)成長投資の推進 3つの重点戦略への取組みを通じた次なる成長の基盤構築のために、BSP2030期間を通じて総額2,800億円の成長投資を行う予定です。M&Aや機能材製造事業における設備投資といった、BSP2030における戦略的意義が高く、比較的早期に効果の収穫が可能な案件を中心に実施していく事を計画しています。 (3)株主還元の強化 以下の株主還元方針に基づいた配当政策を実施してまいります。 ・ 株主還元方針を配当性向からDOE※へ変更し、2027年3月期にDOE3%から始め、2031年3月期に向けてDOE4%を目指す。 ・ 自己株式取得は、業績見通しやキャッシュ・フローの状況、資本効率の観点から適宜実施を検討する。 ※DOE(株主資本配当率):親会社株主に帰属する連結株主資本(その他の包括利益累計額及び非支配株主持分を除く)に対する配当金総額の割合 5.人的資本の強化 BSP2030期間においては、「個人と組織の学習が連動し、知やノウハウが循環(蓄積・活用)し続ける状態」の高度化に向けた施策を講じていきます。当社グループにおいて人財は最も重要な経営基盤のひとつであり、個人と組織の学習効果による能力向上は非常に重要な要素となります。人財を単一機能の担い手として捉えるのではなく、環境変化に柔軟に対応し、活躍する場を拡張できる多能な存在として捉えなおすことで、組織全体の対応力と持続的な成長を目指します。 人的資本の強化に向けた施策を積極的に推進することで、当社グループに集う人財が組織に蓄積されていくデジタルアセットを活用しながら、基盤となる知識や経験を伝承していくという循環に繋げ、より効果的・高度に学習効果を発揮する企業集団を目指します。
事業等のリスク10,046字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループの事業その他に関する主要なリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。これらのリスクは、予測不可能な不確実性を含んでおり、将来の当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクに対処するため、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治体制の概要」及び同「⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおり、グループリスク管理委員会を含む必要なリスク管理体制を整え、リスクの管理及び対応を行っておりますが、当社グループがコントロールできない事象の発生等により、これらのリスクの顕在化及び当該リスクによる当社グループへの影響を完全には回避できない可能性があります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、中東情勢悪化に伴う当社グループの対応及び当社グループ事業への影響に関しては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①当連結会計年度の概況」をご参照ください。 ① プロジェクトの受注及び遂行に関するリスク 総合エンジニアリング事業においては、オイルメジャーや国営石油会社が顧客となる国際的な大規模プロジェクトを遂行しております。このようなプロジェクトにおいて当社グループが設計、調達及び建設する各種プラントは、数多くの異なる要素や機能で構成される複雑なシステム総合体であり、契約締結からプラント引渡しまで複数年に渡る長期間を要します。その間の政治・社会情勢の変化、政策の変更その他顧客を含む取引先の状況等の変化による受注後のプロジェクトの計画変更、中止、中断又は延期等のリスクを含む総合エンジニアリング事業におけるリスクの見積りは複雑性を伴い、高度な技術力及び豊富な経験を要します。上記のリスクが顕在化した場合、代金回収及びプロジェクトの採算が悪化し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、パートナー企業と責任を分担するジョイントベンチャー又はコンソーシアムを組成し、プロジェクトを受注することがあります。この場合、パートナー企業のプロジェクト遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業の財政状態の悪化等が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、大幅な追加費用の負担が発生し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況<プロジェクトリスク管理>」に記載のとおり、リスク管理体制を整備し、各プロジェクトの案件選別段階、見積・応札段階及び遂行段階においてリスク低減に努めております。 ② カントリーリスク 仕向地や現地工事を行う国や地域で不安定な政情、戦争、革命、内乱、テロ、経済政策・情勢の急変、経済制裁等のいわゆるカントリーリスクが顕在化した場合、総合エンジニアリング事業においてはプロジェクトの計画変更、中止、中断若しくは延期又は工事従事者の動員及びプラント建設に要する資機材調達の遅れ等によりプロジェクトの採算が悪化する他、機能材製造事業においては販売取引の減少及び売上債権を回収できないこと等により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおり、リスク管理体制を整備し、カントリーリスクの低減に努めております。 また、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、カントリーリスクに応じて、貿易保険の利用及び取引上の適切な不可抗力条件の設定等の対策を実施しております。さらに、テロや紛争等の地政学リスク・治安リスクに対する海外駐在員の安全対策については、当社危機管理統括部が中心となり、平時からの情報収集・分析の強化や各種予防策の拡充等に取り組んでおります。特に、地政学リスク・治安リスクが高いプロジェクトに対しては、見積・応札段階から当社危機管理統括部が関与し、セキュリティ対策の策定等を支援しております。また、有事においては「日揮グループ危機管理基本規程」に基づき緊急対策本部を設置し、組織的かつ迅速な対応を行っております。当連結会計年度においては、横浜本社に設置される緊急対策本部の運用を想定した不測事態対処要領の訓練を行うなど、危機管理体制のさらなる高度化に努めております。 ③ 自然災害・疫病等に関するリスク 当社グループが事業活動を展開する国や地域において、地震、豪雨、暴風雨等の想定を超える自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)に見舞われた場合、総合エンジニアリング事業においては、プロジェクトの計画変更、中止、中断、延期又はやり直し等によりプロジェクトの採算が悪化するほか、機能材製造事業においては事業所・工場の操業停止や生産能力低下等が発生する可能性があります。また、本社ビルが大規模震災等により被災した場合には、経営管理機能やコーポレート業務等の本社機能が一時的に停止又は制約を受ける可能性があり、これらにより、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して、当社グループでは、グループ各社の建設現場、事務所・工場等の拠点ごとに自然災害発生時の対応手順を規定化し、安否確認システムの導入及び防災訓練等を実施するほか、リスクに関する情報の収集及び取引上の適切な不可抗力条件の設定等の対策を実施し、各種保険による対応や、リスク低減に努めております。また、災害対応マニュアル及び安否確認体制の整備・アップデート並びに防災訓練の実施等、大規模震災発生時における本社機能の継続及び早期復旧を目的とした体制・対応方針の検討を進めております。 ④ 為替変動リスク 当社グループは、海外売上高のほとんどが外貨建て契約となっているため、為替レートが急激に変動した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 このリスクに対して、複数通貨建てによるプロジェクトの受注契約をはじめ、各事業会社において、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、海外調達、外貨建ての発注及び為替予約等の対策を状況に応じて実施し、リスクの低減に努めております。 ⑤ 工事従事者の不足、賃金高騰リスク 総合エンジニアリング事業においては、プラント建設国における他の建設工事の急激な増加、海外労働者規制等による工事従事者の不足が発生した場合、工事従事者の賃金の高騰、建設工事の遅延及び建設工事費用の増加によりプロジェクトの採算が悪化し、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して、主要プラントマーケットにおける建設労働力動向をモニタリング・予測するとともに、モジュール工法を採用した現地工事の最小化や、現地建設工事に豊富な実績を有する企業との協業のほか、人件費高騰に対する適切な契約条件の設定等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。 ⑥ 資機材・原燃材料費等の高騰リスク 当社グループでは、プラント建設に要する資機材費等の見積り後、発注までにタイムラグがあるため、この間に経済制裁措置や紛争による素材やエネルギー等の需要圧迫や国際輸送の混乱、世界経済のインフレーションを含む社会情勢の急激な変化による部材供給不足等に起因して、当社グループの予測を超えて資機材・原燃材料費及び輸送コストが高騰する可能性があります。 この場合、総合エンジニアリング事業におけるプロジェクトの採算が悪化するほか、機能材製造事業においては利益率が低下する可能性があるうえ、資機材・原燃材料の調達及び供給スケジュールが遅延するおそれがあり、このような当社グループの予測を超えた資機材・原燃材料費及び輸送コストの高騰による影響が続いた場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して、当社グループは、経営環境の変化や価格動向のモニタリング・予測、予測精度向上に向けた取組み、早期発注、調達先の多様化、製品価格への転嫁、先物取引の活用、並びに資機材・原燃材料費及び輸送コストの高騰に対する適切な契約条件の設定等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。 ⑦ 投資に伴うリスク 当社グループは、既往のインフラ事業及びヘルスケア事業への投資に加え、前中期経営計画「BSP2025」に基づく施策としてデジタル、M&A、生産設備、事業開発、商業実証、研究開発等の形態で成長戦略投資の取組みを行ってまいりました。2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間とする「BSP2030」においても、成長戦略投資は継続していく計画です。こうした投資を実行する中で、投資先やパートナー企業の業績や財政状態を含む事業・投資環境に想定を超える事態が生じた場合、期待通りの収益が上げられないリスク、投資の一部若しくは全部が損失となる、又は追加資金拠出が必要となるリスクがあります。また、パートナー企業との経営方針の相違、投資の流動性の低さ等により、当社グループが希望する時期や方法で撤退できないリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して、新規投資の実行に当たっては、審査要領を設け投資の意義・目的を明確にしたうえで、取締役会やグループ投融資委員会による定量・定性評価に基づく審議を経るとともに、定期的な既存投資のモニタリングを強化し、リスクの低減に努めております。 ⑧ 法令及び規制に関するリスク 当社グループは、事業活動において税法、建設業法等の事業関連法規、国内外の環境に関する各種法令、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、汚職等の腐敗行為や競争制限防止のための諸法令、人権保護に関する法令及び原則、事業及び投資に対する許認可等の制約を受けております。当社グループによる各種法令等違反が生じた場合や、関係する各種法令等の大幅な変更又は予期しない解釈の適用が行われた場合には、当社グループの事業活動に対する制約の発生、法令遵守及び監督官庁対応に関する費用の発生、当社グループに対する過料・課徴金・罰金等の制裁、当社グループの社会的評価の毀損等により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対しては、当社グループの法務部門及び輸出管理部門等において当社グループの事業に影響を与える可能性のある国内外の法令及び規制等の動向を注視するとともに、これらを遵守するため、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑤ コンプライアンス」に記載のとおり、グループ会社間の垣根なくコンプライアンスの情報共有を行う場としてグループ横断型のコンプライアンス・コミッティーを設けております。また、主要なグループ会社にコンプライアンス責任者を配置し、指揮下のコンプライアンス部門担当者とともに、各社の実情に合った施策を立案・実施するグループ・コンプライアンス体制を構築しております。 当社グループでは、当社ガバナンス統括オフィスコンプライアンスユニットが、当社グループ全体を対象としたコンプライアンス推進のための総合的な施策の策定や調整等の機能を担っております。コンプライアンス向上のための取組みとして、階層別及び目的別(腐敗やハラスメント防止を含む)の各種コンプライアンス研修並びに一般的に不正が発生しやすい部門及び役職での人材ローテーションを実施しております。また、コンプライアンスに関する相談・通報窓口として、内部窓口のほかに専門の第三者機関が受付を担当する外部相談・通報窓口(グローバル通報を含む)を整備し、取引先からの相談・通報についてはホームページ経由で受付ける体制を運用する等、相談・通報先の選択肢を多く設けることでコンプライアンス上のリスクの未然防止や早期発見に資する取組みも実施しております。特に、贈賄防止においては、当社グループ贈賄防止関連諸規程の整備及びこれらに基づく贈賄防止プログラムを展開し、当社グループと取引を行う顧客、パートナー、サブコントラクター及びベンダー等に対するコンプライアンス上の事前審査や契約書への贈賄防止文言の反映等の取組みを行っております。 加えて、近年、地政学的緊張の高まりや各国における経済安全保障政策の強化に伴い、輸出入貿易規制に関する法令は一層複雑化・厳格化しております。特に、米国・EU・中国等の主要国における制裁措置や輸出管理規制の動向は、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対応するため、当社は、輸出関連法規遵守委員会のもと、各国の最新法令の把握と社内規程の見直しを継続的に実施し、契約条件への反映も含めてリスクの低減に努めております。 ⑨ 情報セキュリティに関するリスク 当社グループは、重要な営業情報、技術情報及び個人情報等の機密情報を保有しております。これらの情報は、停電、災害、情報システムの障害、情報端末の紛失・盗難、サイバー攻撃、マルウェアへの感染等により、漏洩、消失、改ざん、毀損等のリスクがあります。また、当社グループは、国内外の関連会社や建設現場・工場といった多数の事業拠点及び広範なサプライチェーンを有していることから、これらにおいて発生した事象の影響が、当社グループ全体に波及するリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合には、事業活動の中断又は遅延、多額の費用負担の発生及び当社グループの社会的評価の低下により、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、これらのリスクに対して、当社情報セキュリティ担当部門を中心とした当社グループの情報セキュリティに関するガバナンス及びリスク管理体制のもと、「日揮グループ情報セキュリティ方針」及び情報セキュリティ関連規程を策定し、グループ全体で統一的なセキュリティ管理を推進しております。 本ガバナンス及びリスク管理体制のもと、当社グループ会社それぞれにおいても、各社のトップマネジメントにより情報セキュリティ責任者を任命し、推進・維持体制を構築しております。 具体的な取組みとしては、情報セキュリティ対策基盤を整備し、多層的なセキュリティ対策の実施に努め、定期的な情報セキュリティモニタリングと脆弱性評価、緊急時対応計画の策定、並びに教育研修及び訓練等を通じて主要グループ会社すべての従業員の意識向上を図り、リスクの低減に努めております。また、個人情報保護に関しては、漏洩等による重大な悪影響が発生し得ることを踏まえ、関係部門が主導してプライバシーポリシー及び個人情報保護に関する社内規程等を整備し、これらの適切な運用及び従業員への教育を行うことにより、個人情報保護の徹底に努めております。これらの活動は「グループ情報セキュリティ委員会」で報告され、マネジメントレベルで状況を把握し、対応の強化の立案と審議を実施しております。 ⑩ 品質に関するリスク 当社グループは、調達品等の品質不良、不具合の発生防止を含め、納入品の品質確保に努めておりますが、納入品の性能、品質に起因して顧客、取引先又は製品使用者から国内外で請求を受け、また、訴訟等を提起された場合、大規模な納入品回収や損害賠償責任の発生等に加え、当社グループの社会的評価に影響を及ぼすことが考えられ、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して、当社グループは、ISO9001に準拠した品質マネジメントシステムを構築し、長年に亘って蓄積してきた知識や技術、教訓を結集し、システムと人財をグローバルに活用して、品質確保に係る活動を推進しております。各主要グループ会社においては、社長の下に品質保証委員会等の会議体が設置されており、品質マネジメント活動が社長のレビューにて総括される品質マネジメント体制が構築されております。また、これら各社では、上記品質マネジメントシステムに基づき、品質方針を策定しております。組織の各階層が方針に基づく品質目標を設定して組織の課題を明確化し、品質目標とアクションプランのPDCAサイクルを回すことにより、継続的なパフォーマンス改善を図っております。その上で、上記の品質保証委員会等の会議体が定期的に開催され、高品質のプロダクトやサービスを提供するため、品質上の問題の根本原因を究明、有効な再発防止策を含めた改善活動を推進し、その成果を評価して継続的な改善を実践しております。こうした品質マネジメントの活動は、各社において少なくとも年に二度、社長によるマネジメントレビューを実施して総括し、品質保証に関わる枠組みの整備と改善を継続的に実施しております。マネジメントの品質におけるリーダーシップ発揮の重要性を鑑み、2025年12月から四半期ごとに、日揮グローバル株式会社代表取締役社長執行役員、同社マネジメント及び海外グループ会社トップマネジメント等が参加する品質問題に焦点をあてた全体会議を開催しております。これらのリスク対策に加えて、当社グループでは製造物責任賠償保険に加入する等の対策も講じてリスクの低減に努めております。 ⑪ マクロ経済環境、社会・国際情勢の変化に関するリスク 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、当社の業績も海外諸国の経済動向、社会・国際情勢の変化、地政学的情勢、経済制裁、保護貿易の状況等の影響を受けます。特に原油や天然ガス等のエネルギー資源の価格は世界の景気動向に加えて、資源輸出国の生産動向、各国のエネルギー政策、さらにはロシア・ウクライナ情勢、中東情勢及び関連する経済・金融制裁の動向によって今後も上下する状況が続くとみられます。エネルギー資源の価格の変動が世界的な景気後退につながる場合には、当社グループの顧客の設備投資の低下を招き、また開発案件数の減少による競合企業との競争の激化等が生じる可能性があります。 特に、総合エンジニアリング事業においては、世界的な景気後退により、顧客、パートナー企業、資機材発注先、現地建設工事会社等の取引先の財政状態の悪化等が生じ、プロジェクトの計画変更、中止、中断、延期又は現地建設工事若しくは資機材調達の遅れによるプロジェクト遂行への悪影響、及び取引先からの代金回収に影響を及ぼす可能性があります。また、機能材製造事業においては、米国による対中輸出規制強化による先端半導体産業の事業環境の悪化等及び機能材出荷先の所在国における規制強化に伴う製品排除により、売上や利益率に悪影響が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して、当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりリスク管理体制を整備しており、グループリスク管理委員会及び経済安全保障・地政学リスク検討タスクフォース等によるグループ横断でのマクロ経済環境、社会・国際情勢の変化に関するリスクに係る情報収集、分析及び共有を行っております。また、各事業会社において、日揮コーポレートソリューションズ株式会社におけるコーポレート部門によるサポートのもと、総合エンジニアリング事業における各EPCプロジェクト及び機能材製造事業に影響するこれらのリスクの把握、分析及び低減を一次的に行うことで、早期にこれらのリスクを把握し、調達及び機能材に係る取引先の分散、並びにEPC及び製品価格への転嫁等を通じて、効果的に対処できるよう努めております。 ⑫ 気候変動に関するリスク パリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素化社会の実現に向けた動きの一環として、当社グループが事業活動を展開する国や地域をはじめとする関係国や地域において、気候変動政策の強化、環境関連法規等の変更・新規導入等が実施されるほか、企業を中心とした民間部門の自主的な取組みにより、化石燃料及び化石燃料由来の製品需要が減少した場合、顧客の化石燃料関連投資の抑制、顧客の事業内容自体の変更等、当社グループの顧客の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。これらの結果、化石燃料に関連した案件数の減少に伴う受注機会の減少、限られた案件の受注を巡る競合企業との競争の激化、各種コストの増加等に伴う収益や利益の低下が起こる可能性があります。また、当社グループの建設現場及び製造現場などでは、地球温暖化に起因するとされる豪雨や防風雨及び台風、又は高温や乾燥及び少雨その他の極端な気象現象の増加により、洪水や山火事等の自然災害リスクが高まる可能性があります。こうした状況に対し、当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与える可能性があります。 これらのリスクのうち、事業環境が変化するリスクに対しては、2021年5月に公表した長期経営ビジョン「2040年ビジョン」に基づき、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載の活動を含め、中長期的な取組みとして、エネルギートランジション、資源循環、高機能材等の幅広いビジネス領域へのトランスフォーメーション(変革)等に取り組んでおります。また、自然災害リスクについては、「③自然災害・疾病等に関するリスク」に記載のとおりリスクの低減に努めております。 ⑬ 知的財産に関するリスク 当社グループでは、国内外を問わず広く事業を展開しており、複数国に設計、製造又は建設現場等の拠点があります。各国における知的財産制度の理解に努め、情報収集を行っております。しかしながら、国によっては十分な情報が得られず、第三者の権利状況を把握することが困難な場合があり、第三者の知的財産権を意図せずに侵害しているとされるリスクがあります。 これらのリスクに対応するため、当社ガバナンス統括オフィス知的資産ユニット及び日揮コーポレートソリューションズ株式会社知的財産部を中心とした当社グループの知的財産に関するガバナンス及びリスク管理体制のもと、第三者の知的財産権のモニタリング及び知的財産権に係るリスクの特定・分析・対策に努めております。また、第三者の知的財産権を尊重して適切な対応を図り、特許紛争などを未然に防止することに引き続き注力いたします。さらに、知的財産に関するリスクの低減に向けて、当社グループ及び第三者の知的財産権の重要性を認識するため、知的財産に関する社内教育の実施及び情報発信等の啓発活動を行い、知的財産保護の徹底に係る指導監督を行っております。
経営成績の分析 (MD&A)8,302字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 当連結会計年度の概況 当連結会計年度において、堅調な個人消費や企業による人工知能(AI)分野への活発な投資などを背景に、世界経済は底堅く推移しました。一方で、米国・イスラエルとイランの衝突による地政学的緊張の高まりに伴って世界経済の先行きに対する不透明感が強まっております。 このような状況のなか、当社グループの総合エンジニアリング事業の海外マーケットにおいて、エネルギー分野(液化天然ガス(LNG)、石油精製、石油化学、化学、ガス処理、水素・燃料アンモニア、CCS、SAF、原子力関連分野等の各種プラントの設計・調達・建設)では、天然ガスやLNGの需要が高く、産油・産ガス諸国において関連プラントの新設のみならず既存プラントの増設などの設備投資計画に進捗が見られました。 一般産業分野(半導体・蓄電池関連、データセンターなどの各種インフラ設備・施設の設計・調達・建設)では、デジタル化の進展に伴って半導体材料や、データセンターなどのデジタル産業を支えるインフラ施設や関連施設の設備投資計画が、アジアなどを中心に着実に進展しました。 また、総合エンジニアリング事業の国内マーケットにおいては、化学分野やライフサイエンス分野、食品分野を中心に設備投資計画が進展しました。 一方で、金利上昇や建設費用等の増加により、顧客のCAPEX(資本的支出)は上昇を続けていることから、一部の顧客において設備投資の最終決定時期を2026年度以降に先送りする動きが見られました。こうした傾向はCAPEX増加に加えて、政府による制度設計の確立や需要家の確保、補助金交付に時間を要している国内外の水素・燃料アンモニア、SAFといったサステナブル分野の案件でより顕著でした。 機能材製造事業において、触媒・ファインケミカル分野では、触媒製品はアジアを中心に石油精製触媒などの需要が伸長しました。ファインケミカル製品は主力である半導体やハードディスク市場が回復基調にあり、製品需要が堅調に推移しました。ファインセラミックス分野では、生成AIを中心とした半導体・電子材料関連市場の製品需要が好調でした。 以上のような取組みのもと、総合エンジニアリング事業においては、海外大型プロジェクトが複数完工するなど国内外の大型プロジェクトで着実な遂行を継続した結果、全体として採算は改善いたしました。機能材製造事業においては、海外向け石油精製触媒の需要は拡大し、ファインケミカル分野とファインセラミックス分野の市況が回復基調にあるなか同分野の製品需要が拡大したことに伴い、着実な業績を収めることができました。その結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績等については、以下のとおりとなりました。 経営成績 当連結会計年度 (百万円)   対前年度増減率 (%) 売上高   745,280   △13.1 営業利益   35,399   - 経常利益   58,188   414.0 親会社株主に帰属する 当期純利益   41,842   - 受注高 地域   当連結会計年度 (百万円)   割合 (%) 海外   271,550   56.8 国内   206,506   43.2 合計   478,057   100.0 当連結会計年度末の受注残高は、為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整を加え、1兆1,666億円となりました。 なお、当社グループが中東で遂行中のEPC(設計・調達・建設)プロジェクトは、中東情勢の悪化に伴い現地に駐在する社員・関係者の安全確保を最優先に、個々の建設現場の状況に合わせながら退避を含めたあらゆる可能性を考慮して対応してまいりました。中東情勢悪化に伴う当社グループ事業への影響については、翌連結会計年度前半に中東地域におけるプロジェクト遂行に支障がなくなるとの想定に基づき、期末時点で見積もった影響額を業績に反映しております。 なお、当連結会計年度の連結財政状態の概況は以下のとおりであります。 (資産) 当連結会計年度末における流動資産は6,132億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ520億4百万円の増加となりました。これは主に現金預金が667億75百万円増加したことによるものです。固定資産は2,255億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億13百万円の増加となりました。これは主に投資その他の資産が43億28百万円減少したものの、有形固定資産が62億64百万円増加したことによるものです。 この結果、総資産は8,387億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ546億18百万円の増加となりました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は3,572億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億56百万円の増加となりました。これは主に支払手形・工事未払金等が224億18百万円減少し、社債を100億円償還した一方で、契約負債が433億40百万円増加したことによるものです。固定負債は100億円の社債発行があった一方で、退職給付に係る負債の減少などにより、結果として前連結会計年度末に比べ53億30百万円増加し、503億16百万円となりました。 この結果、負債合計は4,076億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ156億87百万円の増加となりました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は4,311億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ389億30百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が320億2百万円増加したことによるものです。 この結果、自己資本比率は51.2%(前連結会計年度末は49.8%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較し677億8百万円増加し、4,004億70百万円となりました。また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益607億69百万円に加え、売上債権及び契約資産、仕入債務並びに契約負債などの運転資本の増減などにより、結果として798億98百万円の増加(前連結会計年度は467億61百万円の増加)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより148億22百万円の減少(前連結会計年度は211億72百万円の減少)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより109億79百万円の減少(前連結会計年度は150億49百万円の減少)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 ⅰ)生産実績 セグメントの名称   当連結会計年度(百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)   前年同期比(%) 総合エンジニアリング事業   -   - 機能材製造事業   57,785   109.2 報告セグメント計   57,785   109.2 その他の事業   -   - 合計   57,785   109.2 (注)金額は販売価格によっております。 ⅱ)受注実績 セグメントの名称   当連結会計年度(百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)   前年同期比(%) 総合エンジニアリング事業   409,271   44.4 機能材製造事業   60,021   112.7 報告セグメント計   469,292   48.1 その他の事業   8,764   101.4 合計   478,057   48.6 ⅲ)売上実績 セグメントの名称   当連結会計年度(百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)   前年同期比(%) 総合エンジニアリング事業   679,588   85.5 機能材製造事業   56,995   104.3 報告セグメント計   736,584   86.7 その他の事業   8,696   102.8 合計   745,280   86.9 (注)売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、以下のとおりであります。 相手先   前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)   当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日) 売上高(百万円)   割合(%)   売上高(百万円)   割合(%) サウジアラムコ社   146,664   17.1   103,948   13.9 サウスリファイナリーズ社   121,279   14.1   -   - LNGカナダ社   93,857   10.9   -   - (注)当連結会計年度のサウスリファイナリーズ社、LNGカナダ社については、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。 (参考)受注高、売上高及び受注残高 (単位:百万円) 区分   前連結会計年度末受注残高   当連結会計年度 受注高   当連結会計年度 売上高   当連結会計年度末受注残高 総合エンジニアリング事業   1,404,603   409,271   679,588   1,155,589 国内 エネルギートランジション関係 石油・ガス関係   10,842   37,002   38,491   9,353 LNG関係   -   -   -   - 化学関係   3,018   27,219   13,049   17,189 クリーンエネルギー関係   52,735   20,962   49,713   23,956 その他   313   1,268   766   812 計   66,910   86,452   102,020   51,311 ヘルスケア・ライフサイエンス関係   57,198   64,891   34,793   87,295 産業・都市インフラ関係   7,748   7,315   8,323   6,740 その他   53   119   160   11 国内計   131,910   158,778   145,297   145,359 海外 エネルギートランジション関係 石油・ガス関係   347,788   108,270   183,539   278,499 LNG関係   435,118   123,651   239,558   343,426 化学関係   92,161   6,862   70,723   25,610 クリーンエネルギー関係   2,611   3,896   3,679   2,824 その他   392,232   2,402   30,446   358,825 計   1,269,911   245,083   527,947   1,009,186 ヘルスケア・ライフサイエンス関係   625   3,304   3,207   30 産業・都市インフラ関係   1,913   2,262   3,056   1,010 その他   242   △158   80   2 海外計   1,272,693   250,492   534,291   1,010,229 機能材製造事業   7,167   60,021   56,995   10,129 その他の事業   1,080   8,764   8,696   976 合計   1,412,852   478,057   745,280   1,166,695 (注)1.総合エンジニアリング事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額21,303百万円を含んでおります。 2.機能材製造事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額△64百万円を含んでおります。 3.その他の事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額△172百万円を含んでおります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 「(1)経営成績等の状況の概要 ① 当連結会計年度の概況」に記載のとおり、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高7,452億80百万円(前期比13.1%減)、営業利益353億99百万円(前期は営業損失114億74百万円)、経常利益581億88百万円(前期比414.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益418億42百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3億98百万円)となりました。 売上高は、総合エンジニアリング事業において新規案件の受注時期が後ろ倒しとなったことに加え、プロジェクト終盤を迎えた案件が多かったことなどから前連結会計年度と比較して減収となりました。一方で、一部の苦戦中案件を除き国内外の複数の大型プロジェクトの着実な工事遂行により採算が改善したことから、営業利益に転じました。営業外損益は、外貨建キャッシュの減少に伴う受取利息の減少や持分法投資利益の減少があったものの、為替レートが前連結会計年度末に比べ大幅に円安となったことにより為替差益を計上し、前連結会計年度から概ね横ばいとなりました。以上の結果、営業利益の増加を主因として経常利益は大幅な増益となり、前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失から親会社株主に帰属する当期純利益に転じました。 当連結会計年度のセグメント別の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。 総合エンジニア リング事業 (百万円)   対前年度 増減率 (%)   機能材製造事業 (百万円)   対前年度 増減率 (%)   その他の事業 (百万円)   対前年度 増減率 (%) 売上高   679,588   △14.5   56,995   4.3   8,696   2.8 営業利益   33,641   -   7,676   △6.4   2,113   △12.2 総合エンジニアリング事業 総合エンジニアリング事業においては、プロジェクト遂行力強化の取組みを進めており、2026年2月から始まった中東地域での武力衝突によるプロジェクトのコスト増加を織り込んだものの、複数の国内外大型プロジェクトにおいて着実な工事遂行を継続したことでリスクが低下するなど、全体として採算が改善傾向となり、前連結会計年度のセグメント損失からセグメント利益に転じました。 機能材製造事業 機能材製造事業では、触媒分野においては、アジアを中心としたFCC触媒の需要増加に伴い拡販が進展したほか、海外顧客向けケミカル触媒の受託製造案件を稼得したことなどにより増収となりました。ファインケミカル分野においても、半導体やエレクトロニクス市場の需要が回復基調となったことに伴いハードディスクや半導体向けの研磨材用シリカゾルなどの需要が堅調に推移したことなどにより増収となりました。また、ファインセラミックス分野においては、生成AIを中心とした半導体・電子材料関連市場が堅調に推移し、半導体製造装置関連製品やデータセンター向け電子材料関連製品の需要拡大、電気自動車向けパワー半導体用高熱伝導窒化ケイ素基盤製品の中国向けの市場開拓の進展などにより増収となりました。セグメント利益は、従業員の処遇改善に伴う人件費の増加に加え、原材料費の高騰及び生産設備増強に伴う減価償却費負担の増加などにより、前連結会計年度に比較して減益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に加え、総合エンジニアリング事業における顧客からの前受金の入金等により、営業活動によるキャッシュ・フローが798億98百万円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に世界初のガス循環発酵プロセス開発拠点の新設や機能材製造事業における増産のための生産設備などの有形固定資産の取得、総合エンジニアリング事業におけるデジタル関連投資に伴うソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出により148億22百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により109億79百万円の減少となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末から677億8百万円増加し 4,004億70百万円となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。 (資金需要) 総合エンジニアリング事業は、キャッシュ・フローや採算の変動が大きく、プロジェクトの安定的な遂行のために十分な運転資金を必要としております。機能材製造事業では、主として製造設備の拡張・更新のための設備投資を効率的かつ継続的に行っております。また、2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間とする中期経営計画「BSP2030」において計画している成長戦略投資を進めてまいります。 (資金調達) 当社グループは、資金需要に対して、営業活動によるキャッシュ・フローから得た資金及び手元資金に加え、状況に応じて有利子負債などによる調達資金を充当しております。有利子負債は、金融市場の環境等を鑑み、社債発行や金融機関からの借入など最適な手段によることとしております。なお、当社は株式会社日本格付研究所から信用格付を取得しており、報告書提出時点において長期発行体格付がA+、コマーシャル・ペーパー格付がJ-1となっております。 (財務戦略) 当社グループは、顧客からの信頼獲得及び長期にわたる大型プロジェクトの円滑な遂行の観点から、短期的な市場動向に左右されない強固な財務基盤を維持するとともに、成長戦略投資に対する機動的な資金調達余力を確保するため、自己資本比率については50%以上を安定的に維持することを目標としております。また、市場混乱時にも事業を継続するために十分な流動性を常時確保する方針としており、手元資金に加え取引金融機関とのコミットメントライン契約未使用枠300億円を有しております。手元資金については、効率的な運用・配分を実現するため、グループ内のキャッシュ・マネジメントの最適化に取り組んでおります。当社は、成長戦略投資に機動的に対応しつつ強固な財務基盤を維持するとともに株主還元を着実に実施し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。 (株主還元) 当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けております。具体的な株主還元方針の内容については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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