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超!企業DB
日経平均64,214.48-111NYダウ53,686.11+624ドル円155.76-3NASDAQ26,584.06+366S&P 5007,747.71+81SOX 指数11,352.13+139/3終値

アクセルスペースホールディングス

402A · Growth · 輸送用機器

小型衛星の開発・製造・運用を手がける宇宙ベンチャー。光学衛星コンステレーションで地球観測データを提供。

概要

アクセルスペースホールディングスは、小型衛星の開発・製造・運用を手掛ける宇宙スタートアップである。2008年の創業以来、顧客専用衛星と自社地球観測衛星コンステレーションの両方を展開し、2025年5月期の連結売上高は16億円、従業員数は182名。東京大学発の技術を基盤に、民生部品の活用や自動運用システムで低コスト・短期間の衛星開発を実現し、政府系機関向けの受注を中心に事業を成長させている。

二つの事業で構成される収益構造

当社グループは、AxelLiner事業とAxelGlobe事業の二つのセグメントで構成される。AxelLiner事業は、顧客のミッションに応じた小型衛星の設計・製造・打上げ・運用をワンストップで提供するアップストリーム事業である。主な顧客は政府系機関で、2025年5月期の同事業の売上高は13億円と全体の83%を占める。AxelGlobe事業は、自社保有の地球観測衛星から得た画像データを販売・解析するダウンストリーム事業で、同期の売上高は2.6億円。両事業のシナジーとして、自社衛星で培った技術をAxelLinerの顧客案件に還元し、さらにエンドユーザーのニーズを衛星設計に反映する循環を形成している。

小型衛星に特化した設計思想と製造体制

創業者の大学時代の研究成果を源泉とする当社は、従来の大型衛星とは異なる小型衛星独自の設計基準を持つ。宇宙用部品ではなく民生部品を積極的に採用し、信頼性を損なわない範囲で環境試験を簡略化することで、開発コストと期間を大幅に削減した。さらに、衛星バス(基本機能を担う構造)と自動運用システムの標準化・汎用化を進め、新規衛星の設計から打上げまで最短1年での実現を目指す。2024年に打上げた「PYXIS」で汎用バスを初搭載したが、電源系統の故障で実証は未完。その後改修を施した「GRUS-3α」を2025年6月に打上げ、軌道上検証中である。

政府系需要を軸に拡大する事業基盤

当社の売上は政府系機関からの委託試験研究が大宗を占める。主なプロジェクトとして、NEDOの「経済安全保障重要技術育成プログラム」に採択された光通信衛星コンステレーションの開発(2031年度まで最大10年間)、NICT委託の次世代小型通信衛星向け光・電波ハイブリッド通信技術の研究開発などがある。また、JAXAの「宇宙戦略基金」や防衛省の衛星コンステレーション予算拡大などの政策追い風も受ける。2025年5月期のAxelLiner事業の売上高は国内100%だが、今後は海外需要も視野に入れている。

赤字が続く財務状況と投資フェーズ

当社は創業以来、研究開発と衛星打上げに先行投資を行うフェーズにあり、2025年5月期の連結営業損失は25億円、親会社株主帰属当期純損失は20億円と赤字が続く。売上高は前期比25%減の16億円に落ち込んだが、これは大型案件の進捗タイミングによる変動が大きいためである。資産は95億円(前期比30%増)に拡大し、うち現金及び現金同等物は41億円。長期借入金を46億円調達し、次世代衛星「GRUS-3」の開発資金に充てている。純資産は30億円と前期比39%減少し、自己資本比率は32%である。

業界の中での役割は小型衛星開発・運用サービス提供者にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
25億円
営業利益
-38億円
営業利益率
-152.0%
純利益
-41億円
2026/5 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

事業別の売上と利益

2026/5
事業売上構成比利益利益率
AxelLiner事業15億円60.0%
AxelGlobe事業10億円40.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01政府系機関(宇宙関連)主力

AxelLiner事業として、顧客向け小型衛星の開発・製造・打上げ・運用をワンストップで提供。政府系機関が主要顧客で、売上の99%以上を占める。

主な製品・サービス2
衛星バス
小型衛星の基本機能を構成するプラットフォーム。標準化・汎用化を進めている。
自動運用システム
衛星の監視・運用を自動化するクラウドシステム。運用コストを低減する。

02民間企業(農業・インフラ・報道など)準主力

AxelGlobe事業として、自社衛星が撮影した光学画像データの販売、解析サービス、コンサルテーションを提供。農業、インフラモニタリング、環境、報道など幅広い産業で活用される。

日本初の小型衛星コンステレーションサービス

主な製品・サービス6
AxelGlobe タスキング
顧客指定の期間・エリアを撮影するサービス。雲が検出された場合は再撮影。
AxelGlobe モニタリング
定期モニタリングサービス。月1回から月6回の頻度で指定エリアを撮影。
AxelGlobe エマージェンシー
災害時などの緊急撮影サービス。最短3時間前まで受け付け、優先データ配信。
AxelGlobe アーカイブ
過去の撮影画像を販売するサービス。低価格で衛星データを利用可能。
AxelGlobe モザイク
雲のない画像を合成するサービス。広域地図作成に利用。
撮影サブスクリプション
シャッター権販売。自由に撮影ができ、必要な画像のみ購入可能。

製品と技術

AxelLiner:顧客専用衛星のワンストップ開発サービス

AxelLiner事業は、顧客の要求に合わせた小型衛星の設計から製造、打上げ手配、軌道上運用までを一括提供する。質量10kg級の超小型衛星から100kg級まで対応可能で、民生部品の活用と試験の簡略化により、従来の大型衛星と比べて開発期間を約3分の1、コストを約10分の1に抑えるとされる。過去の実績として、ウェザーニューズ向け「WNISAT-1/R」、JAXA向け「RAPIS-1」、東京大学主導の「ほどよし1号機」など11機の製造実績を持つ。現在は政府系機関からの受注が売上の99%以上を占め、標準化した汎用バスシステム「GRUSバス」の改良を進めている。

AxelGlobe:自社衛星画像のデータ販売・解析サービス

AxelGlobe事業は、当社が保有・運用する5機の光学地球観測衛星「GRUS-1」シリーズから取得した画像データを販売する。1機あたり観測幅約30km、解像度約2.5m(パンシャープン時)で、農業、土地管理、環境、金融、報道など多分野の顧客に提供。衛星コンステレーションにより、同一地点を高頻度(日本上空なら1日複数回)で撮影可能。データにAI解析などの付加価値を加えたソリューション販売も行う。2025年5月期の売上高は2.6億円と前期比34%減だが、次世代機「GRUS-3」(中分解能)の開発を進め、2027年5月期の打上げを予定している。

自動運用システム:無人化・クラウドベースの衛星管制

当社の衛星運用は、創業以来開発してきた自動運用システムによって無人化・クラウド化されている。地上局との通信可能時間帯に合わせ、夜間・休日を問わず自動でコマンド生成・送信を行い、軽微な異常は自律復旧する。2018年のGRUS-1Aから本格適用し、現在では衝突回避の自動実行機能も実装中。ソフトウェアは衛星搭載用と地上管制用の両方を内製し、設計から運用までの一貫した最適化を実現している。このシステムにより、運用担当者の人的負荷を大幅に低減し、複数衛星の同時運用を効率化している。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

輸送用機器のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 民間企業(農業・インフラ・報道など)日本初の小型衛星コンステレーションサービス

有価証券報告書(2025/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

宇宙インフラの草分け、収益化途上

超小型衛星の開発・運用や地球観測データサービスを提供する宇宙ベンチャー。同業のトヨタ紡織などは自動車内装が主軸で、宇宙事業は小規模。アクセルスペースはスペースワンやJAXA等との連携を強みに、独自の衛星コンステレーションを展開。しかし、売上高は20億円前後と低水準で、営業赤字が続いており、収益化が急務。

強み

  • 複数の衛星を軌道投入し、実証・商用サービスで先行。
  • 高頻度観測データを提供し、農業・防災などで需要開拓中。
  • 宇宙航空研究開発機構などとの協業で、技術・資金面での支援獲得。
  • 宇宙インフラ市場は拡大期にあり、早期参入でブランド構築。

課題

  • 営業赤字が継続し、2026年5月期も大幅な赤字見通し。
  • 売上高20億円程度と業界平均を大きく下回り、規模の経済が働かない。
  • 海外衛星スタートアップとの競争激化で、差別化とコスト低減が課題。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

輸送用機器の時価総額近傍。太字がアクセルスペースホールディングス

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
17292村上開明堂830億円13.1倍
27231トピー工業756億円6.7倍
35949ユニプレス619億円
47245大同メタル工業547億円12.3倍
57102日本車輌製造530億円4.5倍
6402Aアクセルスペースホールディングス347億円
77238曙ブレーキ工業296億円31.7倍
87018内海造船283億円9.2倍
96584三櫻工業280億円17.7倍
107318セレンディップ・ホールディングス250億円5.7倍
117317松屋アールアンドディ236億円15.2倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 12件

大学発の技術を核に創業した2008年

2008年8月、東京大学と東京工業大学(現・東京科学大学)の小型衛星研究を背景に、中村友哉、永島隆、宮下直己らが東京都文京区に株式会社アクセルスペースを設立。同年、株式会社ウェザーニューズと超小型気象衛星「WNISAT-1」の製作契約を締結し、初の受注を獲得した。創業当初から、宇宙でも利用可能な民生部品を選定するノウハウを蓄積し、低コストで短期間の衛星開発を目指す方針を打ち立てた。

初の自社衛星打上げと大学プロジェクト参画(2013~2014年)

2013年11月、ウェザーニューズ向けの超小型衛星「WNISAT-1」(質量約10kg)を打上げ、日本初の民間気象衛星として運用を開始(2024年2月まで)。2014年11月には、内閣府の最先端研究開発支援プログラムの一環として東京大学主導の「ほどよし1号機」を打上げ、超小型衛星のビジネス実証に成功。これらのプロジェクトを通じて、衛星開発・運用の実績と信頼性工学の知見を獲得した。

政府系受注と自社衛星コンステレーション構築(2016~2019年)

2016年、JAXAから技術実証衛星「RAPIS-1」の開発・運用契約を受託。スタートアップによる政府系衛星の受託は国内初の事例となった。2019年1月、イプシロンロケット4号機で打上げ、約1年半の軌道上実証を成功裡に完了した。並行して2018年12月、自社地球観測衛星「GRUS初号機(GRUS-1A)」を打上げ、2019年5月にAxelGlobe事業を本格開始。単機での画像データ販売サービスを立ち上げた。

4機同時打上げでコンステレーション化(2021年)

2021年、GRUS-1B・1C・1D・1Eの4機を同時打上げ、5機体制の地球観測衛星コンステレーションを日本で初めて構築。同一地点の高頻度観測や冗長性の確保が可能となった。ただし、GRUS-1Eは姿勢制御の不具合で商用運用を停止し、復旧作業中である。この年、売上高は4億円と前期比倍増したが、研究開発投資の増加により純損失は17億円に拡大した。

汎用バス開発と大型プロジェクト受注(2023~2025年)

2023年3月、NEDOの「経済安全保障重要技術育成プログラム」に採択され、光通信衛星コンステレーションの基盤技術開発(最大10年間)を受注。同年7月にはミスミ、由紀ホールディングス、キャリムエンジニアリングと宇宙機製造アライアンスを締結し、衛星の並行製造・効率化に着手。2024年3月、汎用バス初搭載の「PYXIS」を打上げたが電源系統故障で通信断絶。2025年6月、改修を施した「GRUS-3α」を打上げ、軌道上検証を開始している。

年表12件を開く

2000年代

  • 2008年8月創業小型衛星の活用により多くの人に宇宙が当たり前に使われる社会の実現を目指して、東京都文京区に株式会社アクセルスペースを設立
  • 2008年8月株式会社ウェザーニューズと超小型衛星「WNISAT-1」(注1)の製作に係る契約締結
  • 2009年5月千葉県柏市柏の葉に事業所を開設

2010年代

  • 2011年3月業務拡大により、東京都千代田区神田小川町に本店及び事業所を移転
  • 2013年11月株式会社ウェザーニューズより受注した北極海航路監視用超小型衛星「WNISAT-1」を打上げ
  • 2014年11月東京大学主導のプロジェクト(内閣府最先端研究開発支援プログラムに採択)の一環で、ビジネス実証用超小型衛星「ほどよし1号機」を打上げ
  • 2017年4月業務拡大により、東京都中央区日本橋本町に本店及び事業所を移転
  • 2017年7月「WNISAT-1」の後続機である超小型衛星「WNISAT-1R」を打上げ
  • 2018年5月業務拡大により、サテライトオフィスとして東京都中央区日本橋室町に事業所を開設
  • 2018年12月衛星画像データ等を利活用する地球観測プラットフォームであるAxelGlobe事業に供する自社所有の小型衛星「GRUS初号機(GRUS-1A)」(注2)を打上げ
  • 2019年1月国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)より受注した小型実証衛星「RAPIS-1」(注3)を打上げ
  • 2019年5月自社衛星にて撮影した画像データを販売及び衛星画像を使ったサービスを提供するAxelGlobe事業を開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/5期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。そのうち3項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • GRUS-3追加機数2027年5月期まで最大7機
  • 高分解能衛星画像の地上分解能50cm以下
  • 高分解能衛星導入機数2028年5月期以降まで3機

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    アップストリーム・ダウンストリーム両輪の展開

    AxelLiner事業とAxelGlobe事業の両方を推進し、量産効果・開発ノウハウ活用・エンドユーザーニーズのフィードバックにより競争優位性を高める。

  2. 02

    汎用バスシステムの確立と開発期間短縮

    過去の専用衛星開発で培った技術をベースに、多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムを確立し、衛星開発から打上げまでを最短1年に短縮する。

  3. 03

    ソフトウエアによるユーザーエクスペリエンス革新

    顧客との窓口ソフト「AxelLiner Terminal」を提供し、事業設計から軌道上運用までの全フェーズをデジタル化・省力化する。

  4. 04

    AxelGlobe事業の3軸成長戦略

    中分解能衛星GRUSの撮影能力増強、高分解能衛星投入、特定産業向けソリューション強化の3軸で成長を目指す。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 2期分

グループ全体で218人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は812万円で、1期前と比べて+13.9%平均年齢は44.8歳、平均勤続年数は1.7年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2025年5月71342.42.5182−1,374
2026年5月81244.81.7218−1,743

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社2(国内 2 / 海外 0、うち連結子会社 2) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
AxelGlobe事業 — 株式会社アクセルスペース(東京都 中央区)3,256百万円
本社 — 東京都中央区99百万円
全社(共通)
その他 — 株式会社アクセルスペース(東京都 中央区)26百万円
ほか1件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    株式会社アクセルスペース(注)1・2・3
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社アクセルスペースディフェンス&インテリジェンス(注)5
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年5月期の売上高は25億円営業利益-38億円前期と比べると増収で、売上が+56.3%。

売上高
+56.3%
25億円
営業利益
-38億円
純利益
-41億円
営業利益率
-152.0%
前期比 +4.3%pt

会社が出している今期の予想2027年5月期

項目会社予想前期実績
売上高90億円25億円
営業利益-8億円-38億円
純利益-2億円-41億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

半期ごとの推移

2期分

直近は2026年下期で、売上は19億円、営業利益は−16億円。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2026年上期6−22−366.7−22
2026年下期19−16−84.2−19

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。四半期報告書の廃止(2024年)以降は半期の粒度になります。

業績の推移

有価証券報告書 6期分

2021年5月期からの6期で、売上は2億円から25億円へ12.5倍に増えた。直近期の営業利益率は-152.0%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2021年5月200
2022年5月4−11−17
2023年5月13−13−13
2024年5月21−25−25−119.0−32
2025年5月16−25−18−156.3−20
2026年5月25−38−37−152.0−41

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年5月期

売上高25億円のうち、営業利益として残るのは-38億円-152.0%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-41億円、売上の-164.0%にあたる。営業利益率は業種中央値5.1%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金68.0%17億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金184.0%46億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-152.0%-38億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
32.0%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比157.1pt
-152.0%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比167.7pt
-164.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-28.1%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-30.2%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 5期分

2026年5月期は営業CFが−51億円、投資CFが−21億円で、差し引きのフリーCFは−72億円この組み合わせは先行投資型にあたる。本業がまだ現金を生まない中、調達した資金で投資を続けている。スタートアップ・再建初期の型期末の手元現金は47億円で、売上の22.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2022年5月−13−1−1417
2023年5月−1209−1214
2024年5月−26−1064−3642
2025年5月−43−244−4541
2026年5月−51−2178−7247

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 6期分

2026年5月期の総資産は146億円。このうち返さなくてよい自己資本が70億円で、自己資本比率は47.7%(業種中央値53.0%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2021年5月5453197.8
2022年5月33231069.5
2023年5月29191066.5
2024年5月74502467.7
2025年5月95306531.8
2026年5月146707647.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年5月期の内訳
現金及び預金
58億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-153億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
76億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
32
/ 100
安定性自己資本比率32 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

輸送用機器 82社との比較

同じ輸送用機器の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率82社中3位あたり、逆に低いのは自己資本比率82社中50位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 5.7%
P25 3.3%P75 9.7%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-152.0%/中央値 5.1%
P25 2.6%P75 7.3%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
47.7%/中央値 53.0%
P25 40.5%P75 65.9%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
56.3%/中央値 2.1%
P25 -1.4%P75 6.5%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 3.2%
P25 2.4%P75 4.1%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月3日の終値

直近の終値は¥521で、1年前と比べて-36.3%過去52週の値幅のなかでは18%の位置にある。

¥521+2.2%1ヶ月+0.6%1年-36.3%時価総額347億円
過去52週の値幅
安値¥409高値¥1,020

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR4.96倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

8月19日に前日比5.61%安の505円と急落しましたが、8月上旬からの上昇基調は維持しています。直近1カ月では10.5%高と堅調で、8月17日に549円の戻り高値を付けました。ただし年初来高値1141円からは約56%下の水準で、上値は重いです。RSIは69.9と買われすぎ圏に近く、短期的な調整リスクがあります。出来高は8月8日に大量の出来高を記録後、増加傾向が続いており、売買が活発です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

同社は宇宙産業の成長を背景に、小型衛星の需要拡大が期待される一方、現時点では営業赤字が続き、財務基盤が脆弱。強気派は「衛星コンステレーション時代の到来で受注拡大」と見るが、弱気派は「競争激化と技術陳腐化リスク、資金調達懸念」を指摘する。PERは算出不能、PBR4.38倍と割高感があり、収益化のタイミングが論点。

プラスに働く材料3
  • 宇宙市場の成長

    衛星コンステレーション需要拡大で受注増加の余地大。

  • 技術優位性

    小型衛星の量産化技術と軌道実績が差別化。

  • 政府支援

    防衛・宇宙政策の後押しで官需が安定。

マイナスに働く材料3
  • 赤字継続リスク

    2026/5期も営業赤字予想、資金調達リスク。

  • 競争激化

    国内外の宇宙ベンチャー・大手参入で価格競争。

  • 評価の高さ

    PBR4.38倍と収益化未確立ながら割高。

次の決算で確かめる点
受注高
将来収益の先行指標、衛星販売台数。
営業損益
赤字縮小ペース、収益化の目途。

株主

有価証券報告書より

2026年5月期末の株主数は延べ36,246人。区分でいちばん多いのは個人・その他60.7%。グループ会社や銀行などの安定株主が15.4%を占め、残る84.6%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2025年5月%2026年5月%
個人・その他22.860.7
証券会社13.1
外国法人10.6
事業法人73.89.9
金融機関3.45.5
外国人個人0.2

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01楽天証券株式会社共有口4.96
02中村 友哉4.35
03永島 隆3.39
04UntroD野村クロスオーバーインパクトファンド投資事業有限責任組合3.20
05JPモルガン証券株式会社3.16
06株式会社SpaceCompass2.88
07Kepple Liquidity1号投資事業有限責任組合2.54
08SBI Ventures Three合同会社2.24
09特定金外信託受託者株式会社SMBC信託銀行2.20
10BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2.17

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近9
  • 2026-08-13
    SBI Ventures Two株式会社
    新規の大量保有報告
    4.98%
    -0.09pt
  • 2026-07-28
    SBI Ventures Two株式会社
    新規の大量保有報告
    5.07%
    -0.24pt
  • 2026-07-16
    SBI Ventures Two株式会社
    新規の大量保有報告
    0.25%
  • 2026-07-10
    SBI Ventures Two株式会社
    新規の大量保有報告
    0.25%
  • 2026-05-26
    グローバル・ブレイン株式会社
    新規の大量保有報告
    3.91%
    -1.05pt
  • 2026-05-13
    グローバル・ブレイン株式会社
    新規の大量保有報告
    4.96%
    -0.16pt
  • 2026-05-08
    グローバル・ブレイン株式会社
    新規の大量保有報告
    5.12%
    -1.02pt
  • 2026-04-23
    グローバル・ブレイン株式会社
    新規の大量保有報告
    6.14%
    -1.04pt
  • 2026-04-16
    グローバル・ブレイン株式会社
    新規の大量保有報告
    7.18%
    -1.00pt

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 6期分

1株利益は6期で−878%、1株純資産は2期で+50%。直近期のROEは0.0%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPS
2021年5月8
2022年5月−11,058
2023年5月−44
2024年5月−86
2025年5月−4570
2026年5月−66105

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2026/5期の役員報酬は総額86百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約2倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
中村友哉代表取締役462,900,000
折原大吾取締役54
鎌田富久取締役(社外)65280,000
向井千秋取締役(社外)74
杉山全功取締役(社外)61
佐藤裕常勤監査役61
小幡映未子監査役(非常勤)54
原田誠司監査役(非常勤)67

役員報酬の内訳2026/5

役員の区分人数固定報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)3575719
社外監査役418185
社外取締役311114

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/5期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容11,682字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1) 当社グループについて 当社グループは当社と連結子会社2社で構成されており、当社は、持株会社として当社グループの経営管理及びそれに付帯又は関連する業務等を行っております。他方、当社グループの主要な事業はいずれも連結子会社である株式会社アクセルスペースにおいて行っております。当社グループは「Space within Your Reach」をビジョンに掲げ、従来人々にとって遠い存在であった宇宙が、日常的にかつ当たり前のように利活用されている社会の実現を目指しております。 当該ビジョンを達成するために、当社グループは、2008年より世界に先駆けて小型衛星の開発に取り組んでまいりました。現在は、AxelLiner事業とAxelGlobe事業の2つの事業を運営しております。AxelLiner事業は創業以来約18年にわたり蓄積してきた経験・ノウハウを基盤とし、小型衛星の開発・製造・打上げ後の運用に関して、打上げ機の手配や許認可の取得等の非技術的な手続きも含めて顧客向け小型衛星プロジェクトの開発・運用サービスを提供しております。AxelGlobe事業は当社グループが保有・運用する光学地球観測衛星コンステレーションが取得した画像データを販売、又はそれらの画像を加工・分析して情報を抽出し、ソリューションとして顧客にサービス提供しております。農業や土地管理をはじめ、環境や金融、報道等、他産業での用途にも拡大しております。 なお、「衛星コンステレーション」とは、複数機の人工衛星を打上げ、それらを一体運用して事業等に活用する仕組みのことをいいます。 事業セグメントは、上記AxelLiner事業及びAxelGlobe事業の2つとしており、これは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (2) 基盤となる小型衛星に関する技術 小型衛星の特徴と技術の源泉 当社グループは2008年の創業以来一貫して小型衛星事業に取り組んでおり、ベースとなる技術は、創業者である中村友哉及び永島隆の指導教員であった中須賀真一氏が当時教授を務めていた東京大学大学院工学系研究科、及び創業者である宮下直己氏の指導教員であった松永三郎氏(故人)が当時准教授を務めていた東京工業大学(現・東京科学大学)理工学研究科機械宇宙システム専攻において研究開発されていた複数の超小型衛星プロジェクトから生み出されたものです。 当時、一般に人工衛星と言えば、質量1トンを超える大型衛星が主流であり、時に5年以上にも及ぶ長い開発期間や宇宙用の部品を用いることによる高額な調達 費用のため、政府系機関による開発が一般的でした。当社グループが手掛ける小型衛星は独自ノウハウにより、宇宙でも利用可能な民生部品を積極的に選定・活用したり、信頼性を損なわない範囲で各種環境試験を簡略化することによって、低コストでの設計製造、及び契約の締結から宇宙での利用開始までの期間の短縮を実現しました。 これにより民間企業が自社衛星として人工衛星を保有する可能性が切り拓かれるほか、衛星コンステレーションによる同一地点の高頻度観測や冗長性の確保といった新しい価値を提供することが可能となりました。 小型衛星に関する実績 創業以来、「WNISAT-1」「ほどよし1号機」「RAPIS-1」等の顧客向け人工衛星に加え、当社グループのAxelGlobe事業向け人工衛星である「GRUS」12機を含む合計18機の小型衛星を製造した実績を有しております。 株式会社アクセルスペースを設立後、大学で培ってきた技術・経験を活かし、質量約10キログラムの日本初の超小型民間気象衛星「WNISAT-1」の開発を株式会社ウェザーニューズより受託、2013年に打上げ、2024年2月まで運用を行いました。「WNISAT-1」の開発と並行する形で、2009年より内閣府総合科学技術会議による最先端研究開発支援プログラムの1テーマである「日本初の『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」の一環として「ほどよし1号機」の開発を主導、2014年に打上げ、2025年3月まで運用を行いました。その後「ほどよし1号機」の実績を生かし「WNISAT-1」の後続機である「WNISAT-1R」を開発し2017年に打上げ、2025年5月まで運用を行いました。2016年にはJAXAとの間で技術実証衛星である「小型実証衛星1号機(RAPIS-1)」の開発・運用に関する契約を締結し、2019年には同衛星がイプシロンロケット4号機にて打上げられました。なお、日本において、政府系機関の衛星開発をスタートアップ企業が受託するのは初めてのことでした。「RAPIS-1」については約1年半にわたって軌道上運用を継続し、全ての実証ミッションを成功裡に終えたのち、停波しております。 これら顧客のための人工衛星開発に加え、AxelGlobe事業に用いる地球観測衛星「GRUS-1A」を2018年に1機、2021年には「GRUS-1B, C, D, E」を4機同時に打上げることで、5機による地球観測衛星コンステレーションのサービスを日本で初めて開始しております。なお、本書提出日現在、姿勢制御に不具合が発生した「GRUS-1E」については、商用運用を終了し、4機体制で地球観測衛星コンステレーションの運用を行っております。また、2026年7月7日に次世代地球観測衛星「GRUS-3」7機の同時打上げに成功し、2026年中の商用運用の開始に向けて現在初期運用を行っております。 このように、多様な衛星を短期間に複数打上げ、並行して運用する経験を積んでまいりました。多様なミッションを通じて、小型衛星を構成する機器(コンポーネント)に関するサプライチェーンの確立、コストと信頼性のバランスを考慮したシステム設計、打上げ事業者や政府系機関との交渉等、プロジェクト推進に関わるあらゆる技術的・非技術的ノウハウを蓄積してまいりました。 当社グループの小型衛星の開発・製造・運用技術の特徴 当社グループの人工衛星の開発・製造・運用には次のような技術力があり、これらの技術力を用いた短期・低コストでの小型衛星開発を行えることが当社の強みです。また、実績が重視される衛星開発の中で、顧客から受託した人工衛星開発において、総合評価方式による一般競争入札若しくは顧客からの指名による受注実績を有していることは、当社グループの人工衛星開発に関する技術力と実績が評価された結果であると認識しております。 [1]小型衛星ミッションのために最適化した独自の設計基準と製造体制 当社グループの創業者らは大学生時代から小型衛星開発の研究を重ね、小型衛星のミッション遂行に必要となる設計思想及び設計製造ノウハウを獲得しております。当社グループの創業後、これらの設計・製造ノウハウを、大学レベルで必要とされるミッション遂行に必要な水準から、人工衛星ビジネスをするために必要十分となる独自の水準にまで向上させております。これにより、従来の人工衛星製造の業界において常識だった多くの開発工数や試験工数を削減・簡素化したほか、宇宙空間での利用を前提としていない民生部品の積極採用も行い、開発コストを大幅に削減しつつも、事業用途に耐え得る品質を維持する開発手法の確立に成功しております。 [2]自動運用システム 当社グループが手掛けている一般的な地球周回衛星では、地上に置かれているアンテナ(地上局)と通信可能な時間帯は投入軌道によって自動で決まり、夜間・休日関係なく運用が発生します。従来行われていた人力による衛星運用では、こうした変則的な拘束時間に加え、運用ミスが許されないことによるストレスが高く、多大な人的コストがかかっておりました。当社グループでは創業以来、こうした運用にかかる手間・ミスを避けるため、人工衛星の運用の無人化・自動化を目指した運用システムを開発し、2018年に打上げた「GRUS-1A」より適用を開始しました。現在ではクラウド上の自動運用システムが人工衛星の監視・運用の大半を無人で実施し、軌道上の衛星に発生した軽微な不具合は自動復旧するなど効率的な衛星運用を実施しているほか、人工衛星に送付するコマンドは事前に設定された運用計画に基づき全てプログラムが生成するなど、運用ミスを防ぐ工夫をしております。さらに、他物体との衝突リスクが顕在化した時には自動で衝突回避運用を実行する機能の実装も進めております。人工衛星運用の自動化は当社グループの創業当時より強く掲げた目標であり、人工衛星に搭載するソフトウエアと地上側の人工衛星運用ソフトウエアの両者を内製し、それらを相互に連携させることで高度な運用自動化を実現しております。このように人工衛星の開発と運用をワンストップで提供できることは、設計・製造・運用全ての経験を有した事業者のみが実現できることであり、特に人工衛星の運用経験のない顧客を取り込めるようになる点で、強い競争力となると考えております。 [3]民生部品の積極的な利用をはじめとした独自のサプライチェーン網の構築 宇宙は地上とは異なる過酷な環境(真空、宇宙放射線、大きな温度変動等)であるため、一般には宇宙環境を想定して製造されていない民生部品をそのまま利用することはできません。当社グループは最先端の半導体などの民生部品から宇宙利用できるものを独自に選定するノウハウ・技術を有しております。これによって例えば衛星搭載のメイン計算機ボードを内製化しており、安価でありつつも小型かつ高性能な衛星の実現に貢献しております。こうしたノウハウの積み重ねにより、当社グループは、外部機器の調達と自社開発品を組み合わせた独自のサプライチェーン網を構築しております。また、長納期かつ高額な調達機器に関しても、外部メーカーと共同開発に取り組み、当社グループが宇宙利用の経験とノウハウ等を提供することで、安価で短納期な部品を開発するなど、更なる原価低減に向けた施策も進めております。一方で近年では数千機を超えるいわゆるメガコンステレーションの誕生から、小型衛星向けのコンポーネントの開発が活発となっており、徐々に安価で高性能なコンポーネントも市場に流通し始めております。当社グループは内製と外部パートナーとの共同開発、外部調達をバランスよく併用することで技術・コスト両面で競争力のある製品開発を進めております。 シナノケンシ株式会社と共同開発を行っている リアクションホイール(衛星の姿勢制御装置の一つ)の原理試作品 (3) AxelLiner事業 AxelLiner事業は、顧客向け小型衛星プロジェクトの開発・製造・打上げ・運用を提供しております。 AxelLiner事業の前身となる、創業当初から取り組んできた顧客専用衛星開発では、顧客の要望に応じた小型衛星の設計から製造・運用までを提供してまいりました。その実績として、「WNISAT-1」、「ほどよし1号機」、「WNISAT-1R」、「RAPIS-1」が挙げられます。 現在の主要顧客は政府系機関で、2026年5月期はAxelLiner事業の売上高の約86%を占めております。また、同時期の売上高は国内100%になります。政府系機関より委託を受け、取り組んでいるプロジェクトのうち、主なものは以下のとおりであります。 ・光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証(2031年度(注)まで) 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)が公募した「経済安全保障重要技術育成プログラム」におけるテーマの一つであり、2023年3月に採択されました。本開発・実証プロジェクトは、株式会社Space Compass(NTT株式会社とスカパーJSAT株式会社の合弁会社)、NICT、日本電気株式会社とともに、大容量・低遅延でのデータ通信・データ処理のサービスの提供を可能にする技術の研究開発に取り組み、日本近傍で衛星光通信ネットワークシステムとしての機能・性能実証を行います。このうち、当社グループは地球低軌道光通信衛星コンステレーションを構築する小型の光通信衛星及びネットワーク統合制御システム(ネットワーク運用制御システム、衛星管制システム、衛星自律化システム)の開発を行うと共に、システム実証のための光通信ターミナル搭載の地球観測衛星や電波(RF)地上局の構築を担当します。 光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の実装後のイメージ図 (注) 実施機関の会計年度を示します。 また、顧客の専用衛星の開発・運用及びAxelGlobe事業に供する小型衛星「GRUS」シリーズの開発・運用を通して、当社グループは設計の標準化や量産に関する技術的知見の蓄積、必要となる諸手続きや調整のほか、政府や周波数調整の国際機関、ロケット・地上局・保険事業者等の外部関係者との関係性の構築など、衛星プロジェクト遂行に必要なあらゆる経験を積んでまいりました。こうして得たノウハウをベースに、顧客が求めるミッションを実現する衛星について、設計・製造・各種手続きから運用までをワンストップサービスとして提供することを目指しております。 衛星は、大きくは通信、電源、姿勢制御等、人工衛星としての基本機能に必要な機器及び衛星の主構造の総称を指すバス(衛星バス)と、その人工衛星を製造・開発する目的となるミッション機器の2つで構成されております。それまでの衛星開発では、バス部の設計は、個別の要素技術は流用していたものの、衛星バス及び自動運用システムの標準化・汎用化が十分に進んでおらず、顧客のミッションに応じたカスタマイズでの設計工程が毎回発生し、複数の衛星案件を獲得して成長する上での課題となっていました。当社グループではバス部設計の標準化・汎用化の推進により、開発の効率化、開発期間の短縮化を進めております。 2010年代後半に入り、政府が宇宙ベンチャーの支援を本格的にスタートし、今後も宇宙ビジネスは加速度的に成長することが見込まれる環境となりました。時流により、世の中の期待にタイムリーに応えていくためには、衛星開発手法を抜本的に変革しなければならないと考えるようになったことから、改めて専用衛星事業のあり方を見直したのが、AxelLiner事業です。顧客の事業デザインのサポートから軌道上運用までの衛星開発に関わる長くて複雑なプロセスをパッケージ化し、それらを容易に管理できるソフトウエアを提供することで、他に例のない革新的なサービスを作り上げることを目指しております。なお、本サービスの詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 2021年より経済産業省による「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」(注)の補助事業者として、小型衛星の量産化を見据えた設計の汎用化、製造の効率化、運用の自律化・自動化についての実証を進めております。2024年3月に打上げたAxelLinerの実証衛星初号機となる「PYXIS」に加え、2025年6月に打上げた性能検証衛星「GRUS-3α」においても、汎用バスの実証を行っています。 (注) 本事業は2021年度から2022年度まで経済産業省が実施し、2023年度から2026年度はNEDOが「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援)」として実施するものです。また、実施期間は各機関の会計年度を示します。 (4) AxelGlobe事業 AxelGlobe事業は当社グループが運用する衛星にて撮影した画像データを販売及び衛星画像を使ったサービスを提供しており、現在4機の「GRUS-1」により顧客が求める世界中の地点の衛星データを高頻度かつ安価に提供ができることを最大の強みとしております。 AxelGlobe事業を構成する小型衛星「GRUS-1」において提供する衛星画像の地上分解能(画像における1ピクセルに相当する地上の幅)は2.5mと、地上の航空機1機レベルの識別が可能であり、撮影幅は55km(直下視の場合)、撮影長は最大約1,000㎞と世界的に見ても商用衛星としては幅広い画像を一度に取得することができます。 一般的な衛星画像としては、一眼レフカメラのように人の目で見たように写る光学画像と、電波を用いた合成開口レーダー(SAR:Synthetic Aperture Radar)画像の大きく分けて2種類がありますが、「GRUS-1」が取得する画像は光学画像となります。照射した電波の反射強度を白黒の画像として表現しているSAR画像と比較し、「GRUS-1」が取得する光学画像は普段目にしている写真と同種の画像であり、直感的に理解しやすく誰にでも使いやすいという特徴があります。光学画像には悪天候時や夜間の撮影ができないという弱点がありますが、広域を撮影できる、複数波長のデータがあるため情報量が多い、面積あたりの画像単価が低い等のSAR画像にはないメリットもあります。衛星自身が電波を発して観測を行うSAR衛星に対し、光学衛星はSAR衛星のように衛星自身が電波を照射しない、受動的な観測手法であるため消費電力が少なく、その分一つの衛星でより広い面積を撮影することが可能です。また、衛星開発コストも低く抑えられ、比較的安価に通常の写真のような扱いやすい衛星画像をユーザーへ届けられる特徴があります。実際にサービスを利用する顧客セグメントは幅広く、2026年5月期のAxelGlobe事業の売上高の約12%は民間企業であり、官民問わず幅広い事業者にサービスを提供しております。 また、同時期の国内外売上高比率は国内約94%、国外約6%になります。販売チャネルについては、国内外70社以上の販売代理店と契約しておりますが、国内においては直販による営業活動も強化し、衛星画像にAI技術等を用いて解析した情報を付加した解析サービスや、衛星画像を用いた課題解決を行うコンサルテーションサービスも合わせて提供しております。これらのサービスを充実させていくために、様々な非宇宙産業のキープレイヤーとの協業に向けた取組みを積極的に進めております。加えて2026年3月には当社100%連結子会社として株式会社アクセルスペースディフェンス&インテリジェンスを設立し、安全保障領域での顧客ニーズへの対応力強化を図っております。 光学衛星とSAR衛星の比較 *1:衛星1機が1日あたりに撮影可能な面積 *2:国内SAR小型衛星事業者と当社製造コストの比較より 「GRUS-1」では人間の目でも視認可能な可視光線に加え、人間の目には見えない近赤外線(波長帯:770nm-900nm)や植物のクロロフィルが良く反応すると言われるレッドエッジ(波長帯:705nm-745nm)のデータを取得することができ、可視光だけでは判別が難しい作物の生育状況の把握や森林の健康状態の確認といった用途への応用が可能です。これらのデータをAxelGlobe専用のウェブプラットフォームを通じて提供しております。 2021年3月に打上げられた「GRUS-1B, C, D, E」のフライトモデル4機 (当社グループのクリーンルームで撮影) AxelGlobe事業で提供するサービスの詳細は以下のとおりであります。 事業の特徴 [1]顧客要望に合わせた高い衛星利用効率 当社グループが提供する衛星画像は基本的に顧客の要望があった場所を撮影するタスキングを基本としており、事前にあらゆる箇所を撮影し、アーカイブとして提供するビジネスモデルと比較して死蔵されるデータを少なくすることが可能です。 [2]一度に広範囲にわたる撮影 撮影幅55km(直下視の場合)、撮影長最大約1,000kmの広範囲を一度に撮影することが可能です。長距離にわたる海岸線や、広域の農地や森林のモニタリングにも適しております。 [3]高頻度での撮影 同一地点を2~3日に1回撮影が可能です。顧客のニーズにより、月1回、月3回、月6回の撮影リクエストを受け付けております(タスキング画像販売)。特定のエリアを定期的にモニタリングすることができるため、時間による変化をタイムリーに把握し、適切な事業判断に活用できます。 サービス利用事例 AxelGlobeが提供するサービスを活用できる主な産業・用途として、農業、インフラモニタリング、環境、報道、安全保障、宇宙状況把握、マッピングが挙げられます。衛星は世界中のあらゆる地域を撮影できるため、これらの産業・用途に対してサービスをグローバルに提供していくことが可能です。具体的には、次に示すように活用されております。 [1]農業 衛星画像はただ目で見るだけでなく、得られている波長データごとの演算・分析を行うことにより作物の生育状況を解析することができます(当社グループの「GRUS-1」による衛星画像は赤、緑、青、近赤外、レッドエッジ、パンクロマティックと呼ばれる6つの波長帯域によるデータを取得しております)。生育の状況を「GRUS-1」などの衛星画像から確認、分析を行うことで、収穫適期の把握や水・肥料の管理が効率的にできるようになります。また、森林の育成状況に関する情報が樹種判断等の管理にも利用されております。その他季節ごとの植生の状況について分析することで、耕作放棄地を発見することや、農作物の経済指標作成等、多様な用途での活用が可能です。 NDVI処理/NDRE処理(注)の画像 (注) NDVI処理/NDRE処理…植物が一定の光の波長帯域を反射又は吸収する特性を活かして、特定の波長帯域の反射率の差を指標として観測し、植物の生育状況を衛星画像上で可視化する処理。近赤外線帯域(「GRUS-1」では770nm-900nm)の波長を活用したものをNDVI(Normalized Difference Vegetation Index)、レッドエッジ帯域(「GRUS-1」では705nm-745nm)の波長を活用したものをNDRE(Normalized Difference Red Edge Index)といいます。 農地状況分析・生育状況把握 [2]インフラモニタリング 広範囲を一度に撮影可能であり、かつ定期的に撮影できる衛星画像は、対象地域の工事進捗や異常を容易に確認することを可能にします。また、容易に現地に行くことのできない遠隔地も撮影対象とすることができるため、長距離にわたるパイプラインや外洋に浮かぶプラント、メガソーラーなど、大規模なインフラのモニタリングや工事進捗の把握の効率化に活用可能です。 工事進捗のモニタリング(工事ライフサイクル) [3]環境 人が立ち入りにくい地帯の広範囲かつ迅速な環境モニタリングや、森林の伐採などの変化、河川における堆積物の変化による流域のモニタリングなどを自動検出することができるため、業務効率化に活用可能です。このほか、地上からの実測データなども組み合わせつつ、森林域における樹種ごとの地上部バイオマスの推定などを行い、森林の管理精度の向上や生物多様性保護への貢献にもつなげることができると考えております。 複数の時点間の堆積物の定量化による流域モニタリング [4]報道 報道で衛星画像が活用される場面は近年増加しております。画像そのものではなくシャッター権を販売することで、世界中どこでも関心のある地域を自由に決め、都度指定して撮影することが可能です。また必要な画像のみ追加費用で購入できるようにすることで、従来と比較して、費用を抑えた形で衛星データを活用することができます。 近年はSNSが発達し、また、生成AIの発展等により誰でも画像を容易に作成できるようになったため、偽の画像を使ったフェイク情報の拡散リスクが叫ばれております。このような中、衛星画像はファクトを示すデータとしての価値が高まると見込んでおります。 [5]安全保障 人工衛星は世界中を領空の制約に縛られることなく観測することができるため、地上から立ち入ることができない場所でも、何が起きているかを一定程度知ることができます。こうした情報は、安全保障の観点において極めて重要な役割を果たします。 「GRUS-1」にて撮影したシンガポールの港湾エリア。AIを用いて貨物船を自動的に検出(画像右) [6]宇宙状況把握(SSA:Space Situational Awareness) 軌道上に打上げられる衛星の数が近年急速に増加しており、スペースデブリ(宇宙ゴミ)への関心も高まっております。軌道上物体の衝突によってスペースデブリが急増するのを防ぐため、宇宙交通整理(STM:Space Traffic Management)についての議論も始まっておりますが、こうした議論を進めるにあたり、軌道上の状況を正確に把握することは欠かせません。地上からの望遠鏡やレーダーでの監視に加え、軌道上の衛星から他の物体を直接観測するニーズが出てきております。 次の画像はオーストラリアのHIGH EARTH ORBIT ROBOTICS PTY LTD(HEO Robotics社)の要請により2024年2月に「GRUS-1」が撮影した、軌道上を漂う日本のH-IIAロケット2段目の画像になります。ロケットの1段目や補助ブースター、フェアリング(衛星を保護するカバー)等は海に落下しますが、2段目は衛星を切り離して役割を終えた後も、このように数年から数十年間、軌道上に残存し続けます。 軌道上を漂うH-IIAロケット2段目(HEO Robotics社の要請により「GRUS-1」が撮影) [7]マッピング 衛星による広範囲な観測は、道路・建物、土地、湾岸線などの把握や、地図の作成・更新や都市開発に活用が可能です。 異なる時期に撮影された衛星画像とAIによる画像分析から、変化量の大きなポイントを抽出し、広範囲なエリアの中から、更新などの対応が必要なポイントを効率的に特定することができます。 また、複数回撮影した同一地点の画像を用いて、雲のない衛星画像データ(モザイク画像)の組成と提供を実現しております。 AxelGlobe モザイクによる雲なし画像の生成例。 「GRUS-1」にて撮影した複数の衛星画像(左)から雲なし画像を合成する。 [事業系統図] 当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。 当社は連結子会社である株式会社アクセルスペース及び株式会社アクセルスペースディフェンス&インテリジェンスに対して経営管理業務等を提供し、その対価を各社より受領しております。 株式会社アクセルスペースにおいては、AxelLiner事業の顧客は現在政府系機関が多く占めており、それらの顧客に対して小型衛星の製造、開発等のサービスを提供しております。AxelGlobe事業の顧客は国内外、官民それぞれ存在し、それらの顧客に対し衛星データの提供や、衛星データを活用した解析・コンサルティングサービスを提供しております。商流としては株式会社アクセルスペースが直接顧客に対してサービスを提供する場合と代理店を経由する場合があります。 また、株式会社アクセルスペースは衛星開発に際し、必要な部材や機器のベンダー調達と内製化したコンポーネントの組み合わせで開発を行っております。衛星の打上げに関しては、打上げ事業者から打上げ枠を購入し、事業に必要なデータ管理については、データセンター事業者のサービスを利用しております。 また、衛星と地上との通信を行うため、地上局等の通信事業者と契約し、通信サービスを利用しております。 株式会社アクセルスペースディフェンス&インテリジェンスにおいては、株式会社アクセルスペースのAxelGlobe事業において、安全保障領域に関わる一部の業務を担っております。
経営方針・対処すべき課題11,542字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは「Space within Your Reach」というビジョンのもと、小型衛星技術のパイオニアとして、宇宙ビジネスの先頭に立ち続けることで、従来の宇宙利用の常識を打ち破り、地球上のあらゆる人々が当たり前のように宇宙を使う社会を目指しております。 (2) 経営戦略等 1.事業セグメントのシナジーと中期で目指す姿 当社グループでは、顧客のミッション機器(ペイロード)を搭載する小型衛星の開発・製造・打上げ・運用をサービスとして提供するアップストリーム(注1)側のAxelLiner事業、及び自社で開発した衛星を保有し、それらの衛星から得られる地球観測データに必要に応じて解析等による付加価値を加え、ソリューションとしてエンドユーザーに提供するダウンストリーム(注2)側のAxelGlobe事業を推進しております。アップストリーム側の事業とダウンストリーム側の事業の両者を推進している企業は世界的にも非常に珍しく、小型衛星においてはほとんど例のないものとなります。当社グループは、上記の経営方針に基づき、これらのAxelLiner事業とAxelGlobe事業を両輪として事業を拡大してまいります。 両事業を展開することで、AxelGlobe事業のコンステレーション構築に、AxelLiner事業における量産効果を得られることに加え、同事業で獲得した開発ノウハウや開発キャパシティを活用することができるようになり、また、「GRUS」を活用したAxelGlobe事業からのフィードバックで得たエンドユーザーのニーズを衛星ハードウエアだけでなく、衛星コンステレーションのアーキテクチャレベルまで落とし、AxelLiner事業の研究開発に活用することができるようになります。その結果、両事業の競争優位性が高まるものと考えております。 これらの事業基盤を支える小型衛星の開発・製造・運用技術に関しては、今後も継続的に研究開発を進めてまいります。AxelLiner事業においては、これまでも政府系の開発案件を複数受注しており、これらのプロジェクトを通じて、政府の宇宙開発の目標達成に貢献しながら小型衛星開発の知見を培っております。 両事業のさらなる強化とシナジーの発揮のために、中期で目指す姿として2031年5月期末までに目指す4つの目標を掲げています。 衛星コンステレーションの増強による事業基盤の強化   AxelGlobe事業において2031年5月期末までに地球観測衛星コンステレーションを30機体制へ拡大し、観測能力の向上とサービス提供力の強化を図ります。 軌道上実証サービスの事業基盤確立   AxelLiner事業において2030年5月期までに軌道上実証サービスを年4回の定期運航体制とし、安定的にサービスを提供できる事業基盤の確立を目指します。 衛星生産能力の向上及び量産効果の創出   事業成長を支えるため、衛星の生産能力を向上させ、多様な案件や需要の変動にも柔軟に対応できる量産体制の構築を進めます。 衛星の性能向上のための研究開発   衛星の性能向上に向けた研究開発を引き続き積極的に進めることで、既存衛星の性能向上に加え、新たなミッションに対応する技術開発を推進していきます。 (注) 1.アップストリーム:宇宙空間へ宇宙機(人工衛星やロケットなど)を送るまでの地上での経済活動と宇宙空間における地上用途でない経済活動のこと。主たる事業内容としては、宇宙機の製造・打上げ、宇宙港や地上局を含む地上インフラ運営などが含まれる。 2.ダウンストリーム:アップストリームで打上げられた衛星を地上用途で活用したサービスに関連する経済活動のこと。衛星運用、衛星通信・放送、衛星データ販売、衛星データを活用したソリューション販売などが含まれる。 2.AxelLiner事業 AxelLiner事業では本格的な収益化に向けて、2030年5月期までに軌道上実証サービスを年4回の定期運航体制とし、安定的にサービスを提供できる事業基盤の確立を目指します。定期運航体制の実現において多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立並びに衛星開発プロジェクトの短縮化・省力化に向けたソフトウエアの完成等の研究開発活動を推進し、世界的に官民双方で急速に高まる小型衛星利用ニーズに応えてまいります。 [1]多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立 AxelLiner事業においては、宇宙関連企業や政府系機関等の顧客が調達又は開発するミッション機器を搭載する専用人工衛星の開発・製造・運用が中心となります。従来であれば設計開始から打上げまで最低2~3年は必要となっていた新規衛星開発案件について、これまでの専用衛星開発の過程で培ってきた技術をベースに、バス部分には独自の汎用バスシステムの使用を目指し、最短1年での打上げの実現を目指しております。汎用バスシステムは、2024年3月に打上げた「PYXIS」で初めて搭載し、その後2025年6月に打上げた性能検証機「GRUS-3α」でも宇宙空間での実証実験を進めております。また、2026年7月に打上げた「GRUS-3」にも搭載し、これらの運用で得られた成果を、今後当社が開発する人工衛星に反映してまいります。 [2]衛星開発プロジェクトの短縮化・省力化に向けたソフトウエアの完成 AxelLiner事業では顧客価値実現のために、事業設計から仕様決定、製造状況把握、軌道上運用に至るまでのプロジェクトのすべてのフェーズにおいて、顧客との窓口となるソフトウエアである「AxelLiner Terminal」の提供を目指しております。 従来、特に事業設計から仕様決定のフェーズにおいては検討のために大量の人的・時間的リソースを投入する必要がありました。 宇宙事業、特にコンステレーションを用いた事業展開を考える際に、顧客が自身のミッションを通じて提供したいサービス(品質、展開地域、コスト等)を成立させる構成(衛星性能、機数、投入軌道等)を検討することは一般に容易ではありませんが、この「AxelLiner Terminal」は顧客がシンプルな項目を入力するだけでミッション(地球観測や通信など宇宙で行いたいこと)の検討に関する作業をデジタル化・省力化することを目指します。 これらの研究開発によって獲得した技術を活用し、宇宙空間でのコンポーネント実証ニーズを有する顧客に向けた「AxelLiner Laboratory」 (以下「AL Lab」という。)、実施したいミッションを有する顧客に対し、複数機のコンステレーションも含むそのニーズ実現を目的とした衛星及びその運用までを提供する「AxelLiner Professional」(以下「AL Pro」という。)という2種類のサービスを準備しています。 AL Lab 宇宙で使用するコンポーネントを軌道上で実証したいと考える顧客に向けたサービスです。 宇宙用コンポーネント開発事業者が顧客(衛星メーカー等)に製品を販売するには軌道上での動作実績を求められることが多く、これが当該事業者にとって大きなハードルとなっています。このため、国内においてはJAXAを中心とする政府系機関により宇宙用コンポーネントの軌道上実証機会が提供されてきましたが、実証頻度が2~3年に一度と低いため、製品の性能を素早く検証し、タイムリーに市場に出すことが難しいという課題がありました。当社グループでは宇宙産業向けのコンポーネントを開発したい企業、宇宙空間の特性を活用した実験をしたい企業などを対象にサービスを提供します。当社グループが開発中の汎用バスシステムをベースに、ミッション機器が搭載可能なスペースを分割して提供し、相乗りで打上げることで、1スペースあたりの提供価格の低減を実現します。また、大型のミッション機器の実証を目指す顧客に対しては、衛星自体を提供することも可能です。これらの実証機会を提供する衛星を定期的に打上げることにより柔軟な実証時期の選択・変更を可能にするほか、衛星オペレータとして実証対象コンポーネントに対し、中立的な立場での軌道上評価ができる第三者的な認証を提供するなど、独自性の高い軌道上実証サービスの構築を目指しております。本書提出日現在、シナノケンシ株式会社、株式会社Pale Blue、JAXAと軌道上実証契約を締結し、サービス提供を進めております。 AL Pro 実現したいミッションを有する顧客に対し、当該顧客が開発又は調達するミッション機器を搭載した専用の小型衛星を開発し、打上げ、その後の運用までを当社グループがトータルに提供するサービスです。当社グループが開発中の汎用バスシステムを使用することによりカスタム要素を最小化することで、コストや開発期間を従来より大幅に抑えることができると考えています。 加えて当社グループでは過去の豊富な打上げロケットや地上局、保険の手配経験や周波数獲得、政府の許認可取得経験を生かし、顧客にサービスを提供することにより、顧客は煩雑な各種手配を自身で行う必要がありません。顧客は宇宙で稼働させるミッション機器の選定・手配又は開発を行い、当社グループは顧客から受領したミッション機器を衛星として組み込み、打上げや運用の実施を行い、得られたデータを顧客に送付することでサービスが完結します。 将来的には、上記のAL Lab、AL Proのプロジェクトの遂行において前述の「AxelLiner Terminal」を活用することで、プロジェクト期間短縮と省力化を図ってまいります。以上のように、AxelLiner事業においては、進展スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を汎用バスシステムの確立後も継続的に行っていくことが、当社グループの技術力の維持発展及び安定的な事業運営を達成する上での重要な鍵になると考えており、今後も継続的な研究開発投資を行ってまいります。 3.AxelGlobe事業 AxelGlobe事業においては2031年5月期末までに地球観測衛星コンステレーションを30機体制へ拡大し、観測能力の向上とサービス提供力の強化を図ります。体制拡大及びサービス提供力強化のために、衛星機数増加による撮影能力の増強、高分解能衛星の投入、データ利用を加速させるための特定産業向けのソリューションの強化の3つの軸で成長を目指してまいります。 [1]中分解能衛星「GRUS」の撮影能力の増強 AxelGlobe事業のサービス強化については、2026年7月に中分解能衛星「GRUS-3」の7機打上げに成功し、2026年中の商用運用開始に向けて本書提出日現在、初期運用中です。商用運用開始後は、同一地点をほぼ同一時刻に毎日撮影可能なコンステレーションの構築・運用を計画しております。「GRUS-3」は地上分解能2.2mの画像の撮影が可能で、1機あたりの観測幅は28.3km、最長観測距離は1,356km、7機合わせて1日に最大230万km²を撮影する能力を有します。また、人の目が捉えることができる色彩のほか、植物の生育状況や沿岸域の藻場や地形などを観測できるセンサーを搭載しています。この撮影能力の増強により、特定のエリアを指定して撮影する当社のタスキング技術と組み合わせ、現在の4機体制では撮影し切れないような広い面積を短期間で観測したいといったニーズに応えるサービスの提供を可能にします。 「GRUS-3」フライトモデル(左)と ロケットに搭載された「GRUS-3」を含むペイロード(右) ©SpaceX 2026年7月7日(日本時間)に「GRUS-3」を搭載して打上げられたFalcon 9 (左)と 搭載された「GRUS-3」がロケットから宇宙空間に切り離される様子(右) ©SpaceX 「GRUS-3」の提供価値とミッションパッチ [2]高分解能衛星の投入 2028年5月期以降、高分解能衛星による画像サービスをAxelGlobe事業のサービスラインナップに加えることを計画しております。この高分解能画像は、将来的には地上分解能50cm以下の実現を目指しており、現在商用で手に入る衛星画像の中でも大型衛星に比肩する高い分解能を持つことになります。高分解能画像サービスは官公庁を中心に様々な用途での利用が見込まれます。加えて、これら中分解能衛星と高分解能衛星を組み合わせて運用し、広域・高頻度の観測データから関心地点を特定・抽出し、高分解能の観測データからその地点の詳細な観測を行う協調運用(Tips&Cue)の実現を目指します。 現在このような協調運用を同一のプラットフォームで展開している事業者は存在しておらず、異なる種類のデータを組み合わせたシナジーを効かせたサービスを提供することで、地球観測プラットフォームとして高い競争優位性を持つと考えております。 [3]データ利用を加速させるための特定産業向けのソリューションの強化 衛星データを提供する事業者の数は増えており、衛星データ販売事業への参入障壁は下がってきておりますが、衛星データは地理空間情報データ(GISデータ)の一部であり、GISデータの取扱い経験が求められます。また近年ではコンピュータビジョンといった画像情報のソフトウエア等の取扱い経験も求められます。このため衛星データを届けるのではなく、解析等を実施し、その結果をサービスとして提供する、又は衛星データを含む複数のデータソースを組み合わせて解析した結果をサービスとして提供するような事業者が現れています。現時点ではこのようなデータ解析の企業については、個々の案件に応じたコンサルティング性が高いものと考えております。 また、衛星は軌道上で物理法則に従った運動をしており、いつどこに存在していたかを一意に特定することができるため、ドローン等と異なり特定の場所を特定のタイミングで撮影したという事実を証明可能です。この特性と改ざん防止技術等とを組み合わせることにより、撮影した画像について、証拠能力を持たせることが可能となる特徴もあります。これらの特徴を活かしてより多くの産業での衛星データの利用促進を図るため、ソフト面での取組みも加速してまいります。具体的には、報道、金融、環境といった産業を中心に、ニーズに合わせ画像分析・情報抽出機能を組み合わせることや、撮影権をサービスに組み込むことにより、付加価値の高いソリューションとして顧客にサービス提供できるよう、研究開発及び事業パートナーとの協業を積極的に進めてまいります。 4.製造及び研究開発 製造に関しては、当社グループでは、2023年7月に株式会社ミスミ、由紀ホールディングス株式会社、及びキャリムエンジニアリング株式会社と宇宙機製造アライアンス業務提携契約書を締結し、人工衛星製造の効率化、製造機調整も可能な並行製造の実現を目指し、従来の人工衛星製造の製造概念を変革することを目標に進めております。なお、当該契約を締結している3社に限らず、その他関連する企業とも連携を深め、プロジェクト開始から軌道上のデータ提供・運用開始までの時間短縮化・効率化を目指しております。 研究開発においては、衛星の性能向上に向けた研究開発を引き続き積極的に進めることで、既存衛星の性能向上に加え、新たなミッションに対応する技術開発を推進していきます。AxelLiner事業において実施している「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」を通じた衛星間光通信技術のほか、当社の連結子会社である株式会社アクセルスペースが代表機関として採択された宇宙戦略基金第二期の技術開発テーマである「次世代地球観測衛星に向けた観測機能高度化技術」を通じて、航空機及び地上センサなどの衛星以外の観測データを組み合わせた発生源別(時刻別・地域別)の二酸化炭素(CO2)の排出・吸収量を解析する研究開発を実施します。このように、衛星のバス部の性能向上に加え、新たなミッションに対応する技術開発を推進していきます。 (3) 経営環境 当社グループが属する経営環境には、以下のような特徴があります。 当社グループが属する宇宙利用の分野では、打上げ能力を有する伝統的な宇宙主要国のみならず、その他先進国や中東地域においても、宇宙産業への本格的な参入に向け、官民を挙げた大規模な調達や投資が盛んになっています。日本においても、10年で1兆円という大規模な支援を行う「宇宙戦略基金」がJAXAに設置され、これまでに第1期・第2期の技術開発テーマにおいて160件を超える提案(うち4件に当社グループが代表機関又は連携機関として参画)が採択されており、第3期の公募も進行しております。加えて、当社グループも参画する、防衛省「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」として約5年間で2,831億円の契約が締結され、事業が開始するなど、わが国における政府の取組みも具体化しております。このような環境の中、当社グループの手がけるAxelLiner事業及びAxelGlobe事業においても、持続的な成長を見込んでおります。 当社グループのAxelLiner事業は、多様なミッションに対応可能な小型衛星を開発・製造・運用するサービスを提供することにより社会に存在する様々な宇宙利用ニーズに応える、いわゆる宇宙産業における製造分野の一つとされています。この人工衛星の分野については宇宙利用の拡大に伴い全世界で市場規模が拡大しており、2016年から2025年の10年間で417億米ドル規模だった小型衛星市場は、2026年から2035年の10年間で1,369億米ドルに成長すると見込まれております(Novaspace社 Prospects for the Small Satellite Market, 11th edition, 2026)。この内、AxelLiner事業が含まれる小型衛星製造の市場も2014年から2023年の10年間で302億米ドル規模から、2026年から2035年の10年間で1,008億米ドルと3倍以上に成長することが見込まれております。 我が国においても2023年に改訂された宇宙基本計画において、人工衛星製造を含む宇宙産業を日本経済における成長産業とするため、2020年に4兆円となっている市場規模を2030年代の早期に2倍の8兆円に倍増させることを目標とすると謳われており、政府が率先して研究開発補助や宇宙データ利用促進施策を推進するなど、特にスタートアップ企業向けに強力な支援が行われております。 また、当社グループが展開するAxelGlobe事業は、人工衛星のデータを利用・解析することにより、様々な業界で用いられる「地球観測衛星データサービス市場」の一つとされています。この「地球観測衛星データサービス市場」は全世界で市場規模が拡大しており、2024年には5,338百万米ドルだった市場が2034年には8,413百万米ドルまで拡大することが見込まれており、地球観測衛星データサービス市場の中でも光学衛星は最大規模を誇ります(Novaspace社 Earth Observation Data & Services Market 18th Edition, 2025)。 我が国においても宇宙基本計画の中で「衛星利用による宇宙ソリューションビジネスの海外展開強化や、衛星データの利用拡大、担い手の拡充等を図っていく。」(宇宙基本計画、令和5年6月13日、p.25)、「官民によるリモートセンシングデータの利用を加速していくため、政府によるリモートセンシングデータのサービス調達を、民間に率先して一層推進する。」(宇宙基本計画、令和5年6月13日、p.28)と述べられており、データ利用省庁等によって構成される「衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース」の活動など、日本政府の支援の下、更なる発展が見込まれております。これは世界的な動きだけでなく、激甚化する災害への対応や少子高齢化・デジタル化に伴う業務効率化の要請に後押しされているものと考えております。 衛星データの利用に関しては、「衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース」に出席する省庁が宇宙を所管する内閣府だけでなく、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省など幅広い省庁からの出席者があることからもわかるように、業界横断的な幅広いユーザーニーズが存在します。これらのニーズのうち、当社グループがサービスを提供する中分解能衛星画像及びその解析データについては、その撮影面積の広さから、幅広い国土の管理及び農林水産業について特に強みを有しており、担い手の減少・集約管理のニーズに応える形で利用シーンが拡大する余地があると考えております。加えて今後参入を行う予定としている高分解能衛星画像においても近年の国際情勢の変化に伴い国内外の政府系機関を中心にニーズが高まっており、サービスイン以降、AxelGlobe事業の売上拡大に寄与するものと考えております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、AxelLiner事業の本格的な収益化に向けた多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの研究開発や、AxelGlobe事業の撮影能力の増強のために2026年7月に打上げた「GRUS-3」の運用技術の向上や、2028年5月期以降打上げ予定の高分解能衛星の開発、製造など、両事業における先行投資により、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上している状況にあり、当連結会計年度末において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該事象又は状況を解消し、かつ今後、当社グループが事業拡大を遂げていくために事業上及び財務上対処すべき課題並びに対処方針は以下のとおりであります。 ① 収益基盤の強化 当社グループの売上高の柱である、AxelLiner事業並びにAxelGlobe事業において、更なる収益基盤の強化は重要な経営課題と認識しております。そのためAxelLiner事業に関しては、多様なニーズに応えるべく、継続的な研究開発の実施により性能向上を図りながら、複数のプロジェクトを並行して推進できるよう、UX革新及び衛星開発プロジェクトの短縮化と省力化の鍵となるソフトウエア「AxelLiner Terminal」の開発の加速及び衛星量産体制の着実な整備を進めてまいります。併せて営業体制を強化し、本格的に営業活動を推進してまいります。 AxelGlobe事業では、国内外において衛星画像販売代理店・衛星画像解析事業者とのパートナー契約を増やし、販路拡大を推進してまいります。加えて、これまで衛星データ活用が進んでいない業界向けの新プロダクト開発を当該業界の事業パートナーと共に積極的に推進し、ソリューションとしての利用普及を図ってまいります。 ② 人材の確保及び育成 当社グループのビジョン・ミッションに共感し高い意欲を持った優秀な人材の採用、及び人材育成は重要な事業上のテーマであると認識しています。今後は、人材の獲得競争のさらなる激化が見込まれることから、グローバルな人材市場において競争力のある報酬体系を整備するとともに、中長期的な企業価値の向上に資するインセンティブを付与することが重要であると考えております。そのため、経営を推進する当社及び当社子会社の取締役・執行役員を対象とした事後交付型株式報酬制度(RSU制度)及び業績連動型株式報酬制度(PSU制度)を導入しました。中長期的な企業価値向上に向けたインセンティブを適切に付与し、また、株主の皆様と価値・リスクをより一層共有するとともに、競争力のある報酬水準により優秀な人材の確保を図っております。加えて、多様な働き方の整備、会社負担による婦人科健診の推奨・有給休暇付与の拡大・継続勤続年数に応じたボーナス休暇の付与などの福利厚生の充実、社内教育制度の充実、透明性のある評価制度の構築等、従業員が高いモチベーションをもって働くことのできる環境の整備を継続して推進してまいります。 ③ ガバナンス及び内部管理体制の強化 当社グループは、持続的成長を遂げるための業務執行とガバナンスのバランス及び経営上のリスクを適切にコントロールするための内部管理体制の強化が重要であると認識しております。そのため、社外取締役等への報告体制の強化、内部監査担当、監査役及び会計監査人による実効性のある三様監査を実施するとともに、役職員向けのコンプライアンス研修の実施等を通じた個々人の知識・能力の向上や、定期的な内部監査を継続して実施してまいります。 ④ 財務上の課題について 将来的に安定した事業収益化を目指す過程で、顧客基盤の拡充・人工衛星技術開発への継続的な先行投資が必要であり、そのための必要資金を機動的かつ確実に確保することが重要です。当社グループでは、現状、先行投資フェーズであり、継続的な投資を行っていることから、過去継続して営業損失かつ営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスを計上しております。 当社グループでは手元流動性確保のため、以下のとおり公募増資、金融機関からの借入等で資金調達を実施してきており、また今後も機動的な資金調達の可能性を適宜検討してまいります。 2023年6月:株式会社三井住友銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結 2024年9月:株式会社みずほ銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結 2025年3月:株式会社三井住友銀行と4,000,000千円の借入契約を締結 2025年8月:東京証券取引所グロース市場に株式を上場。公募による新株式の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資により、7,935,000千円の資金調達を実施 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、以下を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として定めています。 ・売上高 当社グループ全体では、企業価値の継続的向上に向けて、利益の確保が重要であるため、経営指標として売上高を重視しております。 ・総収入 中期的には当社グループ全体の収入において、補助金収入が一定の比率を占めることから、売上高と補助金収入を合算した総収入を当面は重要な指標として管理することとしています。 ・衛星打上げ機数(AxelLiner事業) AxelLiner事業においては、実証衛星としての打上げ機数を重視しており、2026年5月期から2028年5月期までの間に累積6機の人工衛星の打上げを目指しております。実証衛星の打上げ機数が増加することで、衛星開発の製造過程における知見・量産化技術を蓄積し、当社グループの人工衛星製造の開発効率・製造コストの低減に繋がります。 なお、AxelLiner事業において目指す多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの確立並びにUX革新及び衛星開発プロジェクトの短縮化と省力化の鍵となるソフトウエアが完成し、定期的に衛星打上げが実施可能になった後は、KPIとしてはプロジェクト件数を使用することを予定しております。 ・衛星運用機数(AxelGlobe事業) AxelGlobe事業では、衛星コンステレーションの運用機数を重視しており、2028年5月期末までに14機を運用することを目指しております。運用機数が増加することで、撮影頻度・撮影範囲の増加が可能となり、当社グループの収益への貢献度が比例的に増加いたします。
事業等のリスク27,514字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。 当社グループは、これらのリスクの発生可能性を十分に検討及び認識した上で、リスクを回避し、リスクが顕在化した場合には適切な対応を進める方針ですが、その対応を講じた結果には不確実性が伴います。したがって、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。 また、これらの主なリスクは、投資家の投資判断の過程で重要であると考えられる事項については、幅広く記載しておりますが、投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、これら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意ください。 当社グループが属する宇宙産業全体としては、未だ市場草創期であることから、将来の市場規模及びその拡大の可能性には不確実性を伴います。また、当社グループが事業を展開する小型衛星関連サービスを含めて、宇宙関連技術や商業サービスの開発には長期間にわたる多額の研究開発費用を要し、さらに全ての研究やサービス開発が成功する保証はなく、様々な事情による遅延のリスクがあります。このように、当社グループの事業は性質上、様々な不確実性とリスクを有しており、当社株式への投資は、一般投資者による投資対象としては相対的にリスクが高いものといえます。 なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 衛星画像及びそのサービス市場の成長鈍化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社グループが事業を展開する世界の衛星画像及びサービス市場は、衛星画像市場が2024年2,167百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2034年には3,401百万米ドルに達すると予測され、衛星画像を元に提供される衛星画像サービス市場が2024年3,171百万米ドルから年平均成長率約5%で成長し、2034年には5,011百万米ドルに達すると予測されており、今後も継続的な拡大が見込まれております(Novaspace社 Earth Observation Data & Services Market 18th Edition, 2025)。 当社グループにおいても、これまで衛星画像を利用したことのない新規顧客の開拓や、既存顧客との衛星画像の新規需要の開拓に取り組むことで、衛星画像及びその衛星画像サービス市場の成長を一層加速できると考えております。 しかしながら、景気減速その他様々な理由による衛星画像及びそのサービスを必要とする事業者の財政状態の悪化、衛星画像の急激な技術進化、衛星事業者に関する規制の動向、衛星画像の需要の減退をはじめとする市況変動等により、想定どおりに市場が成長しない可能性があります。また、顧客が政府系機関の場合には宇宙関連事業に投入可能な予算額の減少、国際情勢の変化により国防予算の縮小が生じる可能性があり、市場に十分な需要が生じない可能性があります。さらに、衛星画像に関して、当社が想定していない人工衛星画像以外の他分野の画像撮影技術の進化等により、想定どおりに衛星画像市場が成長しない可能性があります。 また、契約相手方との関係や競合相手、所在国の状況によっては、当社が希望する価格設定や契約条件の設定を行えない可能性があり、当社が期待するだけの需要を喚起できない可能性があります。 加えて、当社又はNovaspace社が策定する市場規模に関する予測は、様々な仮定や前提条件に基づいており、前提条件の内容等によってその計算結果は大きく異なります。このため、今後、当該仮定・前提条件が想定と異なる場合には、想定している市場成長率が鈍化し、当社グループの業績が想定どおりに成長しない可能性があります。 したがって、上記の予測どおりに衛星画像及び衛星画像サービス市場が拡大しなかった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 競合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 現在、国内・海外で小型地球観測衛星のコンステレーション構築計画を表明する企業は複数存在しており、また、今後の市場規模拡大に伴い、国内大手企業と海外企業が連携する事例なども増加していることから新規参入が相次ぐ可能性があります。また、AxelGlobe事業を展開する光学衛星分野については、主に海外においてすでに事業を展開している企業等が存在します。 しかしながら、当社グループは2008年の創業以来一貫して小型衛星事業に取り組んでおり、これまでに18機の小型衛星の開発・運用を行ってまいりました。これらを経て小型衛星ミッションのために最適化した独自の設計基準、宇宙でも利用可能な民生部品の積極的な活用による低コストの衛星開発手法、安定的な衛星運用ノウハウ、良質な衛星画像処理技術を確立してまいりました。これにより小型衛星の開発・製造・運用の短期間かつ低コストでの実施や、それらを源泉として低価格で高品質な衛星画像サービスの提供を可能とすることで、競合企業に対する優位性を構築し、AxelLiner事業とAxelGlobe事業のそれぞれにおいて競争力を向上させてきました。 今後も技術発展スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に行っていくとともに、ユーザー業界のニーズに合わせたソリューションの提供等、お客様目線に立ってサービスをより充実させていき、さらに知名度向上に向けた取り組みも積極的に行ってまいります。 しかしながら、競合他社が大幅な技術革新、より付加価値の高いビジネスモデルやソリューションの開発、政府系機関等からの補助金受領などにより競争力を高めた場合、又は想定以上の企業数の新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3) AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大) 前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等 2.AxelLiner事業」に記載のとおり、将来的にAxelLiner事業では本格的な収益化に向けて、AL Labの定期運航体制の確立を推進し、世界的に官民双方で急速に高まる小型衛星利用ニーズに対応する予定です。 当該ビジネスモデルの実現のためには、当社グループ独自の汎用バスシステムの確立が重要です。しかしながら、本書提出日現在において、当社グループの想定する汎用バスシステムに必要な技術が確立できておりません。汎用バスシステムの技術開発については、2024年3月5日(日本時間)に実証衛星「PYXIS」を打上げ、軌道投入に成功しましたが、電源供給系統の故障が発生し、通信が断絶したことから宇宙空間での実証実験は完了しておりません。また、2025年6月24日(日本時間)に打上げた「GRUS-3α」においても性能検証を実施しておりますが、システム又は機材の故障及び宇宙天気等の変化による自然災害等の影響で「GRUS-3α」での実証実験が当社の想定どおりに完了しない可能性があります。また、「GRUS-3α」で一定の実証が完了したとしても、今後もさらなる性能向上のための研究開発が必要です。 なお、汎用バスシステムに関しては、2026年7月7日(日本時間)に打上げ、現在初期運用中の「GRUS-3」においても搭載しております。 当社グループは、前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2) 基盤となる小型衛星に関する技術」に記載のとおり、必要となる技術開発を進めておりますが、汎用バスシステムの技術的確立の遅延、標準部品の選定と量産化の課題、ソフトウエアの複雑性による安定稼働等、当社の想定どおりに実行されない場合には、当社グループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があります。また、当社が十分に資金調達を行うことができない等の理由により、必要な開発資金を適宜投入する事が困難となり、当社グループの収益化に対して悪影響が及ぶ可能性があり、競争力を失う可能性があります。 また、汎用バスシステムの商用化を開始したとしても、顧客の各種要因により衛星開発自体が進まない可能性、顧客側のコンポーネント製造に必要な資金手当てが困難になる可能性もあり、サービスの提供・継続が困難となる可能性があります。また、スピードの速い人工衛星関連技術の研究開発を継続的に実施する必要があり、汎用バスシステムの継続的な改修・ソフトウェアを通じたプロジェクト期間短縮と省力化の実現等のためには、各種研究開発費・人件費等多額の支出が継続的に必要となり、結果として支出が当社の想定を上回る可能性があります。 さらに、当社グループがサービスの提供のために外部業者と協力して進める場合、当該業者と契約条件を合意できない場合や当該業者によるサービスが想定どおりに提供されない場合等には、当社グループのサービス提供に支障が生じる可能性があります。加えて、今後、当社グループがサービス展開をできたとしても、競争が激化する場合や、当社グループが付加価値のあるサービスを競争力のある価格で提供できない場合には顧客を獲得できる保証はなく、また、当社グループが十分な利益を上げられるほどの単価を設定できる保証もありません。 また、当社グループは複数の世界各国の民間企業との間に、AxelLiner事業でのサービス提供について、基本合意書(以下「MOU」という。)等を締結しております。しかしながら、これらのMOU等の締結は、当社グループの将来の売上高を保証するものではありません。加えて、これらのMOU等について、当社グループが最終契約を締結できる保証はありません。また、最終契約を締結できたとしても、当該契約の内容は、MOU等の内容とは大幅に異なる可能性もあります。 さらに、当社グループが締結するMOU等には相当期間の未来の内容について合意するものが存在し、仮にMOU等の内容どおりに最終契約締結に至ったとしても、将来の時点においては経済合理性を欠いている可能性もあります。 (4) 政府系機関の顧客について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社グループの既存顧客には、政府系機関が含まれ、売上高に占める割合は以下のとおりとなっており、当面の間、売上高の大部分を占める状況が継続する予測をしております。 相手先   前連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)   当連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)   1,147,285   72.3   1,301,097   51.9 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)   173,923   11.0   -   - 経済産業省   107,827   6.8   31,738   1.3 株式会社トライサット・コンステレーション   -   -   681,292   27.2 防衛省   -   -   102,349   4.1 政府系機関からの発注については、国家予算や地政学上のリスクに影響を受ける傾向があり、政府系機関からの意向により発注金額の縮小、プロジェクト内容の変更又は中止の可能性があります。 さらに、プロジェクト遂行中に、追加的な規制や要件の遵守を求められる可能性があり、契約対象であるプロジェクトが遅延する可能性、必要な支出に際して政府系機関との見解相違及び支出の必要性についての認識の齟齬が生じる可能性、当社グループの技術内容を含めた一定の事項について対外的に開示が要求される可能性、調達先の指定等の一定の要件を課される可能性があります。 加えて、政府系機関との契約においては、契約条件の遵守について政府系機関による調査権が認められており、当社グループがこれらの規制に違反した場合、契約の解約のみならず、行政処分等の対象となる場合があり、係る処分等が下された場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。この場合、利益の減少、法令や契約上の義務違反時の課徴金及び他のプロジェクトへの入札禁止等につながる可能性があり、当社が想定したとおりの収益を上げることができない可能性があります。 特に機密性の高い案件に当社グループが関与した場合、機密保持の観点で案件情報の開示が制約される可能性もあり、その場合は投資家への情報提供が十分に行えない可能性があります。 政府系機関のプロジェクトでは、開発フェーズごとに審査が設けられている場合があり、当社グループが初期フェーズを受注しているプロジェクトでも、競合入札事業者が存在する場合には、当社グループが当該プロジェクトの後続フェーズを受注できない可能性があります。 今後も、政府系機関が売上高の大部分を占めると予測しており、当社グループの収益の大部分を政府系機関に依存する状況が継続する可能性があります。当社グループは、AxelLiner事業、AxelGlobe事業それぞれにおいて、民間企業からの新規契約の獲得を通じて収益の分散化を推進していきますが、何らかの事情により、収益分散が予定どおり実現できない可能性も考えられます。 (5) 事業の特性による外的要因リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループの業績はミッションの進捗、参加するコンソーシアム全体での計画の変更、新サービスの導入や拡大、サプライヤーの納期遅延や製品仕様変更、競争環境の変化、政府系案件の入札・受注状況、予期せぬ問題の発生など、当社グループの管理が及ばない要因によって、当社グループの収益は影響を受ける可能性があります。また、研究開発段階では、プロジェクトの進捗に伴う設計の変更、プロジェクトの計画の遅延が生じた場合、当社グループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (6) 衛星コンステレーションの構築に係る先行投資及び固定資産の減損について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループは、AxelGlobe事業における撮影能力、観測頻度及びサービス品質の向上を目的として、人工衛星の開発、製造、打上げ並びに地上システム等の整備に多額の先行投資を行っております。 これらの投資については、衛星の開発若しくは製造の遅延、打上げの遅延若しくは失敗、軌道上での不具合、想定を下回る運用寿命又は期待した性能の未達等により、計画した時期又は規模で衛星コンステレーションを構築できない場合、投資回収が計画通り進まない可能性があります。また、コンステレーションを構築できた場合であっても、顧客数、契約件数、販売単価、撮影量又はサービス利用率が想定を下回った場合には、投資回収期間が長期化する可能性があります。 このような事象の発生等により、市場環境、競争環境又は将来収益計画に重要な変化が生じ、固定資産から得られる将来キャッシュ・フローが当初の想定を下回った場合には、人工衛星、製造設備、ソフトウェアその他の固定資産について減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、段階的な衛星配備、衛星設計の標準化及び共通化、製造パートナーとの協業等により、開発期間及びコストの適正化を図っております。また、顧客の引合い、受注状況、衛星の稼働状況及び将来収益計画を継続的に確認し、必要に応じて投資計画を見直すとともに、減損の兆候を適時に把握するよう努めております。 (7) 開発遅延について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社グループでは、前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等」に記載のとおり、AxelLiner事業における人工衛星の関連技術・宇宙機製造アライアンスによる衛星量産体制の整備、AxelGlobe事業における中分解能衛星・高分解能衛星や衛星データ利用促進のためのシステムなど、必要な研究開発を進めておりますが、これらの開発に想定以上の期間を要する場合や開発に失敗するリスクも考えられます。 当社グループでは、重要な技術開発に係る進捗については、毎月の取締役会等で継続的に状況を確認・管理することとしており、開発スケジュールへ影響を及ぼさないよう調整を行う方針ですが、仮に開発遅延や失敗が生じた場合には、当社グループの予定しているサービス提供開始が遅延し、又はサービスとしての提供を断念する可能性があります。 また、予期しない事態の発生などにより、当社グループが開発し打上げた小型衛星が故障又は喪失した場合、原因究明やその後の開発再開に相応の時間を要することや生じた技術的問題に対応するため想定外の費用が生じる可能性もあります。さらに、顧客に提供するサービスにおける失敗や遅延が起きた場合には、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、加えて顧客からの契約に基づく損害賠償請求など、保険では補填できない損害を当社グループが被る可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (8) サプライチェーンのリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等」に記載のとおり、AxelGlobe事業にて今後打上げ予定の中分解能衛星・高分解能衛星に搭載するミッション機器、AxelLiner事業にて汎用バスシステムの研究開発をそれぞれ推進する予定であり、必要となる原材料、研究設備、外注先の供給不足が生じた場合には、研究開発のスケジュールに遅延が生じる可能性があります。当該研究開発の遅延に起因して、顧客に対してのサービス提供が遅延・中止される事により、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、衛星製造に関して、宇宙機製造アライアンス業務提携契約書を取引先と締結し、人工衛星製造の効率化、製造機調整も可能な並行製造の実現を目指しております。しかしながら、製造人員、設備又はスペースの不足、技術移管の遅延、製造工程の不具合、品質のばらつき、歩留まりの低下又は構成管理の不備等により、計画した数量又は時期に人工衛星を製造できない可能性があります。 また、当社グループが製造する人工衛星を構成する機器(コンポーネント)の中には、固有の仕様性から製造開発しているメーカーが非常に限られているものも存在しております。当社グループではコンポーネントの調達に際しては、性能や軌道上の技術的信頼性だけでなく、安定供給の観点からも仕入先の選定を検討し、複数社からの調達可能性を重視しております。 しかしながら、仕入先企業においての燃料価格の高騰、災害や感染症の発生・拡大等により、調達先の製造能力、世界規模のサプライチェーンの混乱や特定企業の財務状態の悪化・技術開発スケジュールの遅延等により、供給に問題が発生するなどの事象が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社グループは、人工衛星の製造に係る部品の一部について、他社に委託しており、当該委託先が部品品質や安定供給を確立できない場合、当社グループの提供する人工衛星の製造に遅延が生じる可能性があります。委託先の部品品質や安定供給の状況を、事前に予想することは困難であり、当社グループが完全に管理することは出来ません。特に、部品の中でも長納期部品の納品遅延等が生じた場合、当社グループの製造工程に遅延が生じる可能性があります。 当社グループでは、調達先における納品状況などを定期的に確認し、サプライチェーンに関するリスクの低減に努めておりますが、これらの問題が発生した場合、想定どおりの部品提供、サービスの提供を受けることができない可能性があります。特に希少部品の納品遅延が生じた場合には、代替部品の選定に時間を要する可能性もあるため、当社グループの衛星開発・製造計画を変更せざるを得ない可能性があります。その際には、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (9) 衛星の打上げにまつわるリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社グループでは、自社で小型衛星を開発・製造していますが、その打上げと軌道投入については外部のロケット打上げ事業者のサービスを利用しています。人工衛星の打上げ可能なロケット及び打上げ機会は限定されており、世界的な打上げ需要の増加、ロケットの開発遅延、打上げ事業者の事業方針の変更、射場の利用制限、打上げ事故、地政学的な問題、輸出管理若しくは経済制裁等により、当社グループが希望する時期、軌道又は条件で打上げ機会を確保できない可能性があります。 また、特定の打上げ事業者、ロケット、インテグレーター又は射場への依存度が高まった場合、当該事業者等に事故、経営上の問題、サービス停止又は価格改定が生じることにより、当社グループの打上げ計画に影響が生じる可能性があります。 さらに、昨今の衛星に係る打上げの成功率は高くなっているものの、一定程度失敗が生じる可能性は避けることができず、また、打上げ時期について、打上げに必要な許認可の取得に想定以上の時間を要すること、打上げ時の天候や打上げ事業者側の都合等により遅延する可能性もあります。 これに対し、当社グループは衛星の打上げ事業者の選定に際しては、打上げ時期の当社グループ事業計画との整合性のみならず、打上げ実績及び打上げ頻度を重要な基準としており、また事業計画にあわせた打上げを実現するために打上げ業者とも定期的にコミュニケーションをとっております。加えて、打上げの失敗に係る損失を軽減するため、保険事業者が提供する打上げ保険にも加入をしております。 しかしながら実際に打上げが失敗し、又は打上げ時期が遅延した場合には、当初見込んでいた宇宙空間での小型衛星を利用した実証機会の喪失や、画像データの取得ができなくなることによる画像販売に関する機会損失が発生するなど、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 さらに、実証実験やAxelLiner事業におけるミッションの失敗や遅延等によって当社グループに対する評価が低下し、既存顧客との契約解除が増加し、新規顧客の獲得が困難となる可能性や、顧客からの損害賠償請求や契約に基づく補償請求など、保険では賄いきれない金額の損害を当社グループが負う可能性があります。これらの事態が発生した場合には、想定しているサービスの提供の時期が想定よりも大幅に遅れたり、提供を断念せざるを得なくなるなどにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 (10) 軌道上での衛星の故障について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社グループは創業以来18機の小型衛星の開発及び運用を通じて、設計寿命までの間ミッション運用を継続できる品質水準を担保するための手法・ノウハウを確立してまいりました。さらに、当社グループが運用する小型衛星については、比較的長期にわたって宇宙空間において運用することを想定しております。 しかしながら、製造工程中の瑕疵・欠陥部品等の内的要因、運用期間中の極めて厳しい宇宙環境にさらされることにより、想定外の太陽嵐やスペースデブリ等の宇宙環境に起因する外的要因、運用期間中の衛星管制上又は運用上の故障等で、人工衛星の機能不全又は機能低下を招く可能性があります。実際に、当社の連結子会社である株式会社アクセルスペースが2021年3月22日(日本時間)に打上げた小型衛星「GRUS-1E」について、姿勢制御機能に不具合が発生し、安定的なサービス運用の継続は困難であると判断し、同衛星の商用運用を終了することといたしました。 このように運用中の衛星に故障が起きたとしても、当社グループでは衛星コンステレーションを構築することにより、可能な限り短期間でバックアップを図る体制の構築を目指しておりますが、衛星運用中に上記のような不測の事態が起きた場合には、小型衛星設計段階での寿命を迎える前に、衛星の機能不全又は機能低下が引き起こされ、場合によっては稼働が停止することになります。 このような事態が生じた場合、地球観測衛星データ及び顧客が要求する水準の画像の提供が不可能になり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。さらに、当該衛星データからの収益が悪化することにより、衛星における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合には、減損損失等を計上する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、2025年6月に打上げた実証衛星「GRUS-3α」及び2026年7月に打上げた「GRUS-3」について軌道上で故障が起きた場合には、上記「(3)AxelLiner事業における受注見込の遅延の可能性について」、「(4) 政府系機関の顧客について」に記載したほか、既存顧客との契約解除、新規顧客の獲得が困難となる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (11) 衛星、地上システム及び情報システムに対するサイバーセキュリティについて (顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社グループは、人工衛星の管制、地上局との通信、衛星データの受信及び処理、顧客へのデータ提供並びに社内業務の遂行に当たり、衛星管制システム、地上局、通信ネットワーク、クラウドサービス、データ処理基盤、顧客向けウェブサービス及び社内情報システムを利用しております。また、当社グループが運営するウェブプラットフォーム「AxelGlobe」では、顧客の関心領域その他の営業上の秘密情報を取り扱っております。加えて、顧客向けウェブサービス及び社内情報システムにおいては、社員及び顧客の個人情報を取り扱っておりますが、「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、社員に対する情報セキュリティ研修の実施等により、厳格な個人情報の管理の徹底を図っております。 これらのシステムに対し、不正アクセス、マルウェア、ランサムウェア、サービス妨害攻撃、通信の妨害若しくは傍受、なりすまし、データの改ざんその他のサイバー攻撃が行われた場合、人工衛星の運用停止、衛星データの取得若しくは提供の中断、顧客向けサービスの停止又は顧客情報、機密情報その他のデータの漏えい、滅失若しくは改ざんが生じる可能性があります。 また、当社グループのシステムが直接攻撃を受けない場合であっても、地上局、クラウドサービス、ソフトウェア、部品その他の外部委託先又はサプライヤーを経由したサイバー攻撃若しくは情報セキュリティ上の問題により、当社グループの事業に影響が生じる可能性があります。 当社グループでは、これらのリスクに対応するため、ウェブサイト及び各種システムの稼働状況を監視し、異常が生じた場合に速やかに検知する仕組みを構築しております。また、アクセス制御、ID及び権限の管理、多要素認証、通信及びデータの暗号化、ネットワーク監視、セキュリティソフトウェアの導入、データのバックアップ、役職員に対する情報セキュリティ教育並びにインシデント発生時の対応体制の整備等を実施しております。 しかしながら、サイバー攻撃の手法は継続的に高度化及び複雑化しており、これらの対策によって全ての攻撃、不正アクセス又は情報漏えい等を防止できるものではありません。 万が一、人工衛星若しくは各種システムの運用停止、サービスの中断又は顧客情報その他の機密情報の漏えい等が発生した場合には、当社グループが顧客その他の第三者から責任を問われ、損害賠償、復旧費用若しくは追加的なセキュリティ対策費用が発生する可能性があるほか、当社グループのサービスに対する信用の低下又は企業イメージの悪化を招き、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (12) 黒字化を達成及び維持できないリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:3年以内、影響度:大) 当社グループは、AxelLiner事業にて小型衛星の開発・製造・打上げ後の運用に関して、打上げ機の手配や許認可の取得等の非技術的な手続きも含めてワンストップで顧客向け衛星プロジェクトの開発・運用サービスを提供、AxelGlobe事業にて当社グループが運用する地球観測衛星コンステレーションが取得した衛星画像を販売、又はそれらの画像を加工・分析して情報を抽出し、ソリューションとして顧客にサービス提供しており、両事業とも宇宙技術開発を主軸としております。このような宇宙技術の研究開発には多額の初期投資が必要となる傾向があり、投資回収期間は長期となる特徴があります。したがって、期間損益において損失が先行する傾向にあり、当社グループにおいても継続的に営業損失及び当期純損失を計上している状況です。 当社グループは、AxelLiner事業及びAxelGlobe事業を通じて、将来の利益拡大を目指していますが、現在まで当期純損失を計上している状況であり、今後も研究開発に伴う投資が増加することにより、一定期間は損失が続く可能性があります。 また、既存の顧客契約の中途解約、想定顧客の獲得が遅延した場合、人工衛星製造の延期や研究開発プロジェクトの遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合には、想定どおりの収益達成や原価・経費管理が困難となり、黒字化達成が遅延し若しくは困難となり、又は黒字化達成後にそれを維持できなくなる可能性も想定されます。これらの要因により、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。 (13) 「受注高」、「受注残高」の数値について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社は本書において、セグメントごとの受注状況や将来の収益計上額を管理するための指標である「受注高」や「受注残高」を開示しております。今後、案件が進捗するに当たり契約条件や受注案件の計画の変更、又は定められた技術要件を満たさない等の事由により、サービス提供に応じて支払われる収入の一部が支払われない可能性があり、上記の「受注高」及び「受注残高」の一部が収益に計上されない可能性があります。 (14) 特定の重要な外部パートナー及び顧客への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期的に低下、影響度:大) 当社グループの主要な販売先のうち、AxelLiner事業の販売先であるNEDOに対する「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」に係る売上や、AxelGlobe事業の販売先である株式会社トライサット・コンステレーションに対する防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」に係る売上など、政府系機関に関わる販売実績が連結売上高に占める割合は、2026年5月期においては86%を占めております。 足元、当社グループは政府系案件を受託することが多いため、今後も政府系機関への依存度が高くなる時期が発生することがあります。 こうした政府系機関とは、複数の受託案件を通して継続的かつ安定した関係を構築してきておりますが、政府動向による案件の消滅や当社戦略の変更による取引の停止・縮小等の要因により、当社グループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。 (15) 収益未確保の営業活動のリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:大) 当社グループは、持続的な成長を達成するため、従来から小型衛星の開発活動に継続的に投資をする必要があると考えており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。 結果として継続的な営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しておりますが、今後AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業から生じる収益貢献により、営業損失が縮小、営業キャッシュ・フローが改善していく見込みです。 今後の研究開発活動については、その将来的な収益貢献に寄与する事を前提として、慎重に実施する予定ですが、想定していない開発コストの増加等が生じた場合、営業損益の黒字化に時間を要する可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、想定顧客の獲得に失敗した場合、技術開発や衛星製造における遅延、打上げの遅延や失敗が発生した場合等には、黒字化に時間を要する、若しくは困難となる可能性があります。 これらの要因により、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。 (16) 人材の確保・育成について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループの事業継続のために必要となるハードウエア及びソフトウエアの開発・製造・運用のために優秀なエンジニアを確保する必要がありますが、そのような人材の獲得競争が近年激化しております。 そのような環境の中、当社グループは外国籍社員にも働きやすい職場環境を整えることで、国内に限らず海外の市場からも積極的に人材を獲得して人材レベルを維持してまいりました。 しかしながら、当社グループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17) 内部管理体制の強化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:小) 当社グループの今後の事業運営及び業容拡大に対応するためには、内部管理体制について一層の充実を図ることが必要不可欠であると認識しておりますが、事業規模の拡大に応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合には、適切な事業運営を行うことができず、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 このようなリスクに対して、当社グループでは、規程及び権限体系の整備、管理部門の人員強化、内部監査、コンプライアンス・リスク管理委員会による管理並びに役職員への教育を実施していく方針であります。しかしながら、内部管理体制の整備が不十分であった場合には、不正、誤謬、法令違反又は財務報告上の問題等が生じる可能性があります。 (18) 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社の代表取締役である中村友哉は、創業者であり、創業以来最高経営責任者として、経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの事業遂行において重要な役割を果たしております。当社グループは特定の人物に依存しない体制を構築すべく、役員への権限委譲や、取締役会などにおける情報の共有等を図っておりますが、何らかの理由により代表取締役の業務執行が困難になった場合やその他の経営陣及び重要な従業員が当社グループから離職する場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (19) 法的規制の厳格化及び改正について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) AxelGlobe事業のインフラを構成する地球観測衛星コンステレーションやAxelLiner事業において製造する人工衛星は、「宇宙活動法」「電波法」「外国為替及び外国貿易法(外為法)(輸出管理令を含む)」「衛星リモートセンシング法)」「宇宙物体登録条約」「無線通信規則(ITU Radio Regulations)」といった法規制の対象となっております。重要法令については以下のとおりであります。 宇宙活動法について、同法は人工衛星ごとに内閣総理大臣の許可を受けることとされているところ、当社グループは必要な許可を得ております。有効期限その他の期限はございませんが、人工衛星の管理を終了するときは、宇宙活動法第28条第1項に基づきあらかじめその旨を内閣総理大臣に届け出るとともに、終了措置を講じなければなりません。同法第30条第1項各号に該当する場合は、許可は取り消されますが、通常の人工衛星の運用を行う限りにおいては、該当する可能性は極めて低いと考えます。 電波法については、電波法第13条に基づき、無線局(人工衛星局及び地球局)に対する免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定められており、再免許を受けることも可能となっております。電波法第5条に定める欠格事由(外国の法人又は団体、等)に該当する場合には、免許が与えられず、同法第75条第1項に定める取消事由ともされておりますが、当社グループの場合、無線局免許は非上場会社である子会社に付与されており、役員はいずれも日本国籍者であることからこれに該当する可能性は極めて低いといえます。 なお、「外為法(輸出管理令を含む)」については、当社グループが事業上影響を受ける可能性のある事象は打上げる衛星等の輸出手続きが主であり、現在該当する事象は発生しておりません。「衛星リモートセンシング法」については、現時点では、同法が適用される人工衛星を運用しておりませんが、2028年5月期に打上げ予定の高分解能衛星の打上げ後は、同衛星において同法が適用される可能性があります。 また、当社グループは、宇宙に関連する事業を行う上での様々な規制も受けます。当社グループでは、すでに打上げが完了した小型衛星「GRUS-1」、「GRUS-3α」ならびに「GRUS-3」に関して、適用法令上、必要となる許認可を取得しております。主な取得済みの許認可として、人工衛星の運用に関わる許可、無線免許に関わる許可、人工衛星に関わる許可(人工衛星の管理に係る許可、人工衛星の管理許可、宇宙物体登録)、輸出入管理に関わる許可(人工衛星及び測定機器類)の個別輸出許可、一般包括許可(輸出及び役務取引)、運用に関わる対応(監視システムソフトウエアライセンス、打上げ許可など)などがあります。上記以外にも、プロジェクト遂行に必要な許認可を事前に取得しておりますが、将来、当社グループの免許等が何らかの理由により取消し等になった場合には、当社グループの事業や業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、法令違反の要件及び主な許認可取消事由に該当する事象は発生しておりません。 本書提出日現在における、当社グループの事業活動に係る主な許認可等は以下のとおりであります。 取得年月   許認可等の 名称   所管官庁等   許認可等の内容   有効期限   法令違反の要件及び 主な許認可取消事由 2018年12月   人工衛星の管理許可(GRUS-1)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星18-005)   -   不正な手段による認可の取得や役員等の欠格条項に違反した場合は許可の取消 2020年11月   人工衛星の管理許可(GRUS-1B)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星20-016)   -   同上 2020年11月   人工衛星の管理許可(GRUS-1C)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星20-017)   -   同上 2020年11月   人工衛星の管理許可(GRUS-1D)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星20-018)   -   同上 2020年11月   人工衛星の管理許可(GRUS-1E)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星20-019)   -   同上 2025年4月   人工衛星の管理許可(PYXIS-R)※GRUS-3αの研究開発名称   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星25-009)   -   同上 2026年5月   人工衛星の管理許可(GRUS-3A)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星26-020)   -   同上 2026年5月   人工衛星の管理許可(GRUS-3B)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星26-021)   -   同上 2026年5月   人工衛星の管理許可(GRUS-3C)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星26-022)   -   同上 2026年5月   人工衛星の管理許可(GRUS-3D)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星26-023)   -   同上 2026年5月   人工衛星の管理許可(GRUS-3E)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星26-024)   -   同上 2026年5月   人工衛星の管理許可(GRUS-3F)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星26-025)   -   同上 2026年5月   人工衛星の管理許可(GRUS-3G)   内閣府   内閣総理大臣許可(衛星26-026)   -   同上 取得年月   許認可等の 名称   所管官庁等   許認可等の内容   有効期限   法令違反の要件及び 主な許認可取消事由 2024年4月   無線局免許(実験試験局)GRUS-1   総務省   総務大臣免許(関実第40571号)   2029年5月9日(5年毎の更新)   免許人である株式会社アクセルスペースの代表者又は役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるものが、日本国籍を有しない人や外国法人となるときの免許の取消(外資規制)。なお、親会社である株式会社アクセルスペースホールディングスはこの外資規制の対象にならないことを総務省に確認しております。 2023年2月   無線局免許(人工衛星局)GRUS-1   総務省   総務大臣免許(関宇第581号)   2027年11月30日(5年毎の更新(注1))   同上 2023年2月   無線局免許(人工衛星局)GRUS-1B   総務省   総務大臣免許(関宇第591号)   2027年11月30日(注1)   同上 2023年2月   無線局免許(人工衛星局)GRUS-1C   総務省   総務大臣免許(関宇第592号)   2027年11月30日(注1)   同上 2023年2月   無線局免許(人工衛星局)(GRUS-1D)   総務省   総務大臣免許(関宇第593号)   2027年11月30日(注1)   同上 2023年2月   無線局免許(人工衛星局)(GRUS-1E)   総務省   総務大臣免許(関宇第594号)   2027年11月30日(注1)   同上 2024年3月   無線局免許(地球局)   総務省   総務大臣免許(関地第60595号)   2028年11月30日   同上 2025年4月   無線局予備免許(実験試験局)(PYXIS-R)※GRUS-3αの研究開発名称   総務省   総務大臣免許(関通陸三第24-00092227号)   2025年10月1日   同上有効期限は継続中 2026年2月   無線局予備免許(実験試験局)(GRUS-3A)   総務省   総務大臣免許(関通陸三第25-00075729号)   2026年8月9日   同上有効期限は継続中 2026年2月   無線局予備免許(実験試験局)(GRUS-3B)   総務省   総務大臣免許(関通陸三第25-00075729号)   2026年8月9日   同上有効期限は継続中 2026年2月   無線局予備免許(実験試験局)(GRUS-3C)   総務省   総務大臣免許(関通陸三第25-00075729号)   2026年8月9日   同上有効期限は継続中 取得年月   許認可等の 名称   所管官庁等   許認可等の内容   有効期限   法令違反の要件及び 主な許認可取消事由 2026年2月   無線局予備免許(実験試験局)(GRUS-3E)   総務省   総務大臣免許(関通陸三第25-00075729号)   2026年8月9日   同上有効期限は継続中 2026年2月   無線局予備免許(実験試験局)(GRUS-3F)   総務省   総務大臣免許(関通陸三第25-00075729号)   2026年8月9日   同上有効期限は継続中 2026年2月   無線局予備免許(実験試験局)(GRUS-3G)   総務省   総務大臣免許(関通陸三第25-00075729号)   2026年8月9日   同上有効期限は継続中 2019年7月   宇宙物体登録(GRUS-1)   内閣府   2018‐111Q   -   取消要件ではありませんが、停波・デオービット・軌道再突入時には「宇宙物体登録に係る届出マニュアル」変更届出が必要とされております。 2022年11月   宇宙物体登録(GRUS-1B)   内閣府   2022‐022B   -   同上 2022年11月   宇宙物体登録(GRUS-1C)   内閣府   2022‐022C   -   同上 2022年11月   宇宙物体登録(GRUS-1D)   内閣府   2022‐022D   -   同上 2022年11月   宇宙物体登録(GRUS-1E)   内閣府   2022‐022E   -   同上 2026年8月   宇宙物体登録(GRUS-3A)   内閣府   2026‐156S   -   同上 2026年8月   宇宙物体登録(GRUS-3B)   内閣府   2026‐156BB   -   同上 2026年8月   宇宙物体登録(GRUS-3C)   内閣府   2026‐156Y   -   同上 2026年8月   宇宙物体登録(GRUS-3D)   内閣府   2026‐156BC   -   同上 2026年8月   宇宙物体登録(GRUS-3F)   内閣府   2026‐156AB   -   同上 2026年8月   宇宙物体登録(GRUS-3G)   内閣府   2026‐156K   -   同上 取得年月   許認可等の 名称   所管官庁等   許認可等の内容   有効期限   法令違反の要件及び 主な許認可取消事由 2024年9月   一般包括役務取引許可   経済産業省   BIT-M-WGL-24-S10097   2027年9月15日   許可条件を満たさなくなった場合又は国政的な平和及び安全の維持の観点から必要があると認めるときは許可の取消。 2026年8月   一般包括輸出・役務(使用に係るプログラム)取引許可証   経済産業省   MBIT-WGL-23-S10108   2029年8月9日   同上 (注) 法律上の期間の上限は5年となっておりますが、電波法施行規則により、人工衛星局ごとではなく、すべての衛星局が一斉に更新期を迎えることになります(一斉再免許)。直近では2027年11月30日に一斉再免許が予定されております。 上記以外に、製造業者が遵守すべき法令として、民法、製造物責任法、関税法、知的財産関連法(知的財産基本法、特許法、著作権法、不正競争防止法等)の適用を受けており、これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれらの法令を遵守しており、今後も適宜所管官庁と適切に協議を重ねる等して適用法令を遵守してまいります。 しかし、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化などが行われ、当社グループが運営する事業が規制の対象となるなど制約を受ける場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (20) 知的財産の侵害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループは、特許権、著作権、商標権、その他知的財産権等の法令等の下、事業活動を行っており、現段階において事業及び業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。また、自社の技術やサービスに関わる特許権、商標権等の知的財産権を取得することにより自社の知的財産の保護を図るとともに、他者の知的財産権を侵害することのないよう知的財産調査を行う等、注意を払っております。 しかしながら、そうした対応にも関わらず、権利侵害が発生し、訴訟等の紛争に至った場合、社会的信用の失墜、対応にかかる多額の経費発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (21) 訴訟、係争について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社グループでは本書提出日現在において、業績に重大な影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。ただし、今後何らかの事情によって、当社グループに関連する訴訟、係争が行われる可能性は否定できず、当該状況になった場合には、結果により当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (22) 資金調達リスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:1年以内、影響度:大) 当社グループにおいては、事業活動を維持拡大するために、今後も多額の研究開発投資が必要となり、また、想定を上回る投資の増加、事業環境の変化へ対応可能な資金確保が事業上重要となります。 「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の当社グループビジョンである「Space within Your Reach」の実現のために、2026年7月に打上げた「GRUS-3」及び高分解能衛星の開発・製造・運用技術への先行投資等、AxelLiner事業、AxelGlobe事業の両事業の様々な領域での研究開発の必要性が生じ、継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があります。 しかしながら、当社グループが将来において想定する資金調達ができない場合や、希望する条件での資金調達ができない場合等には、当社グループがキャッシュ・フロー不足に陥る可能性、事業を拡大・成長させるために必要な投資を行うことができない可能性や、当社が財務制限条項を遵守できなくなる可能性があり、これにより事業計画の一部を遅延又は断念することになり、当社グループの競争力に悪影響が及ぶおそれがあります。 また、今後において継続的な外部からの資金調達が必要となる可能性があるところ、継続的な資金調達のために当社株主に希薄化をもたらす株式発行が繰り返し行われる可能性や借入による調達を行う場合には、財務制限条項その他の条項により、当社グループの事業活動が制約される可能性があります。 (23) 継続企業の前提に関する重要事象等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:数年以内、影響度:低) 当社グループは、当連結会計年度末において継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。 この主たる要因は、AxelLiner事業の本格的な収益化に向けた多様なミッションに対応可能な汎用バスシステムの研究開発や、AxelGlobe事業の撮影能力の増強のために2026年7月に打上げた「GRUS-3」等の開発・製造・運用技術の向上など、両事業における先行投資により、投資回収までに期間を要するためであります。 このような事象又は状況を解消するために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社グループでは手元流動性確保のため、以下のとおり公募増資や金融機関からの借入等で資金調達を実施しております。 2023年6月:株式会社三井住友銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結 (当連結会計年度末の実行額:-千円) 2024年9月:株式会社みずほ銀行と極度借入2,000,000千円の借入契約を締結 (当連結会計年度末の実行額:941,891千円) 2025年3月:株式会社三井住友銀行と4,000,000千円の借入契約を締結 (当連結会計年度末の実行額:3,778,000千円) 2025年8月:東京証券取引所グロース市場に株式を上場。公募による新株式の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資により、7,935,000千円の資金調達を実施 当連結会計年度末までの資金調達により当連結会計年度末における現金及び預金の残高は5,815,658千円となっており、当面の事業運営に必要な資金を確保しているため、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。 今後も、公募増資を含めた株式市場からの資金調達や銀行からの融資等を通じて、資金調達手段の確保・拡充・多様化を進める予定です。 (24) 財務制限条項について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:3年以内、影響度:大) 当社グループの借入金のうち、2024年9月26日契約の株式会社みずほ銀行からの総借入枠20億円、及び2025年3月26日契約の株式会社三井住友銀行からの借入40億円には、以下の財務制限条項が付されておりますが、当連結会計年度末時点で当該条項に抵触しておりません。しかしながら、当社が将来において財務制限条項に抵触した場合、当社の期限の利益を喪失させる権利を行使した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、当連結会計年度末において連結貸借対照表の純資産が6,993,391千円であり、連結貸借対照表の純資産を正の数値で維持しております。 (借入1) 主要な契約条件: 借入先:株式会社みずほ銀行 総借入枠:1,000,000千円 借入額(当連結会計年度末):941,891千円 資金使途:設備資金 借入利率:基準金利+スプレッド 契約期間:7年 コミットメント期間:2024年9月30日~2026年9月30日 返済期限:2031年9月30日 担保設定:打上保険等で当社が有する保険金請求債権 財務制限条項: a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。 b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。 c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。 なお、当該制限条項について、2026年7月14日付で変更契約を締結いたしました。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。 (借入2)主要な契約条件: 借入先:株式会社みずほ銀行 総借入枠:1,000,000千円 借入額(当連結会計年度末):-千円 資金使途:運転資金 借入利率:基準金利 契約期間:1年(2回の期間1年の延長オプション) 返済期限:2026年9月30日 担保設定:無担保・無保証 財務制限条項: a.2025年5月期決算以降、各年度の決算期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること。 b.2027年5月期決算以降、各年度の連結損益計算書の経常損益及び当期損益が、損失とならないようにすること。 c.2025年9月末日までに30億円以上のエクイティ調達を実施すること。 なお、当該制限条項について、2026年7月14日付で変更契約を締結いたしました。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。 (借入3)主要な契約条件: 借入先:株式会社三井住友銀行 借入額:4,000,000千円 借入額(当連結会計年度末):3,778,000千円 資金使途:運転資金 借入利率:基準金利+スプレッド 契約期間:4年 返済期間:2026年4月28日~2029年3月28日 最終返済期限:2029年3月28日 担保設定:無担保 財務制限条項: a.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の純資産の金額を、正の値とすること b.2025年5月期決算以降、各四半期末日における連結貸借対照表の現預金の金額を、20億円以上に維持すること c.2025年5月期決算以降、各事業年度末における投資キャッシュ・フローの金額を一定金額の範囲内にすること d.2026年5月末日までに、株式公開を行うか、又は30億円以上のエクイティ性の資金調達を行うこと また、当社グループは今後も更なる成長のために旺盛な資金需要があり、その手段として追加的に金融機関からの借入その他の負債性の資金調達を行う可能性があります。係る資金調達を行う場合には、多額の支払利息の負担及び信用リスクの拡大により当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、借入契約等において、連結財務諸表における利益や純資産の維持、一定の現預金やキャッシュ・フローの確保等に関する財務制限条項が付されることがあり、仮に条項に違反した場合には、当該契約の期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 (25) 有利子負債について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 当社グループは、今後の事業規模拡大に伴い必要となる高分解能衛星をはじめとする自社衛星の開発・製造を行うための設備投資資金を、自己資金及び金融機関から調達した有利子負債等によって賄っております。当社グループの連結有利子負債残高は、当連結会計年度末において5,269,891千円となっており、総資産に占める有利子負債への依存度は、当連結会計年度末において36.1%となっております。なお、株式会社三井住友銀行と2025年3月26日付で4,000,000千円の借入契約を締結しており、有利子負債依存度は高い水準にあります。現在の金利水準が変動する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後金融情勢の急速な変化、急激な金利上昇等何らかの理由により十分な資金が調達できない場合には、当社グループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、上記リスクに対して、金融機関との関係性を継続的に維持・強化し事業拡大に必要な融資の獲得と金利変動リスクを低減するとともに、現状では財務安全性を最優先に考え、資金使途を詳しく吟味したうえで、当社グループ全体の資金使途に応じて事業資金の調達・運用を実施しております。 (26) 為替相場の変動について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループでは、衛星部品の一部を海外より購入しており、また衛星の打上げについて海外業者を利用しております。一方、売上については一部海外との取引があるものの、当社グループの資金調達は日本円が重要な部分を占めることが想定されるため、急激な為替相場の変動、特に円安が進んだ場合には、衛星部品の購入等で使用可能な金銭の額が実質的に目減りすることや、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (27) 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:小) 当社グループは、株主に対する利益還元と、健全な財務体質及び競争力の強化を経営上の重要課題としております。現状において当社グループは成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえないため、創業以来配当を行えておりません。また、現時点では将来の成長のための研究開発投資等に充当し、事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。 将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 (28) 自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:大) 大規模な地震や、台風、洪水及び宇宙天気の変動などの自然災害、伝染病の蔓延や事故、テロや戦争による国際政治の混迷、資本市場の混乱による経済危機等、不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、衛星の打上げ施設や部品サプライヤーが自然災害等により損害を被った場合にも、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当社グループが運用する人工衛星は、宇宙空間において他の人工衛星又はスペースデブリと接近若しくは衝突する可能性があります。衝突回避のための軌道変更を行った場合には、撮影の中断又は推進剤の消費により、衛星の運用期間が短縮する可能性があります。当社グループでは、関係機関等から提供される接近情報を確認し、必要に応じて衝突回避運用を実施しております。また、宇宙環境を考慮した設計及び地上試験を行うとともに、デオービット機構の搭載等を通じてスペースデブリの発生抑制に取り組んでおりますが、不測の事態が生じることなどにより当社の運用する人工衛星にトラブルが発生した場合には、当社グループの事業及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (29) 税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 第7期事業年度末には、当社及び子会社に税務上の繰越欠損金が存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されます。ただし、将来において当該繰越欠損金が解消又は失効した場合は、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。 (30) 業績の季節的変動について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループの四半期ごとの収益は、受託案件の納品・検収タイミングやプロジェクトの進捗状況などの要因により大きく変動する可能性があり、特に第4四半期において売上高が多額となる傾向にあります。当社グループでは、当該季節的要因及び過年度実績を踏まえた業績予測・利益計画の策定に努めているものの、プロジェクトの計画遅延、予期せぬ問題の発生などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (31) 四半期或いは事業年度の収益変動による株価変動リスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループの収益は、様々な要因により四半期或いは事業年度ごとに大きく変動する可能性があります。例えば、受注案件における進捗状況や打上げなどのイベントの発生、人工衛星の故障など予期せぬ問題の発生、経済や市況の悪化などの要因により、当社グループの収益は影響を受ける可能性があります。 また、政府系案件においては、プロジェクト期間中に実施される審査の結果や開発進捗を踏まえた計画変更の発生などにより、プロジェクトに関連する収益の減少が生じた場合、当社グループの収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。 これらの収益変動の結果、収益が市場の期待を下回る水準となった場合、当社の株価は大きく下落する可能性があります。 (32) 減損損失に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループでは、事業の遂行において、人工衛星やその製造設備、ソフトウエアなどの無形固定資産などのさまざまな資産に投資を行う可能性があります。連結貸借対照表に計上された固定資産については、市場や競争環境の変化などの影響により、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきと判定される可能性があり、減損損失を計上する場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (33) 株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:特定時期無し、影響度:中) 当社グループの事業においては、将来の研究開発活動の拡大により、増資を含めた機動的な資金調達を実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 また、当社グループでは当社及び子会社の取締役、当社及び子会社の従業員に対して当社グループの長期的な業績向上のインセンティブとして、ストック・オプションを付与しております。当連結会計年度末において新株予約権による潜在株式数は5,550,600株であり、発行済株式総数66,640,600株の8.3%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合や株式報酬の付与により、当社の株式価値希薄化する可能性があります。 (34) ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスクについて(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:数年以内、影響度:中) 当社の東京証券取引所グロース市場への上場後、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)は、その所有する当社株式の全部又は一部を売却しており、所有割合は当連結会計年度末において15.6%と前期末の59.5%から低下しています。今後の当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合には、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
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業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産) 当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5,086,125千円増加し、14,609,256千円(前連結会計年度末比53.4%増)となりました。これは主に、原材料及び貯蔵品が441,625千円減少した一方で、防衛省「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」の進捗に伴い契約資産が1,060,192千円増加、東京証券取引所グロース市場への株式上場に伴う公募による新株式の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資を行ったことなどにより現金及び預金が808,825千円増加、並びに「GRUS-3」の製造などに伴い建設仮勘定が3,335,142千円増加したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,120,677千円増加し、7,615,865千円(前連結会計年度末比17.3%増)となりました。これは主に、補助事業の概算額の受取により前受金が722,753千円増加したことに加えて、買掛金が365,136千円増加したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,965,447千円増加し、6,993,391千円(前連結会計年度末比131.0%増)となりました。これは主に、東京証券取引所グロース市場への株式上場に伴う公募による新株式の発行などにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ4,003,035千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が4,057,302千円減少したことによるものであります。 ② 経営成績の状況 当社グループは「Space within Your Reach」をビジョンに掲げ、小型衛星技術のパイオニアとして、宇宙ビジネスの先頭に立ち続けることで、従来の宇宙利用の常識を打ち破り、地球上のあらゆる人々が当たり前のように宇宙を使う社会を目指しております。 当該ビジョンを達成するために、当社グループは、顧客ニーズに応じた小型衛星の開発・製造・各種手配から運用までをワンストップで提供するAxelLiner事業、及び独自の地球観測衛星網から得られるデータを用いて各種サービスを提供するAxelGlobe事業の2事業を運営しております。 当社グループが属する宇宙利用の分野では、打上げ能力を有する伝統的な宇宙主要国のみならず、その他先進国や中東地域においても、宇宙産業への本格的な参入に向け、官民を挙げた大規模な調達や投資が盛んになっています。日本においても、10年で1兆円という大規模な支援を行う「宇宙戦略基金」がJAXAに設置され、これまでに第1期・第2期の技術開発テーマにおいて160件を超える提案(うち4件に当社グループが代表機関又は連携機関として参画)が採択されており、第3期の公募も進行しております。加えて、当社グループも参画する、防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」として約5年間で2,831億円の契約が締結され、事業が開始するなど、わが国における政府の取組みも具体化しております。 このような状況下において、当連結会計年度における売上高は、2,508,363千円(前年同期比58.1%増)、売上原価は1,710,996千円(前年同期比15.7%増)、売上総利益は797,366千円(前年同期比639.9%増)、営業損失は3,822,923千円(前年同期は2,495,052千円の営業損失)、経常損失は3,712,007千円(前期は1,824,228千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は4,057,302千円(前年同期は1,950,803千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 各セグメントの業績は以下のとおりであります。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、2026年3月1日付で実施した当社グループの組織変更に伴い、報告セグメントの業績をより適切に反映するため、これまでAxelLiner事業に計上していた自社で商用運用を予定している衛星に係る研究開発費用をAxelGlobe事業に計上するなどの見直しを行っており、前連結会計年度のセグメント情報についても変更後の測定方法に基づいて作成しております。 (a) AxelLiner事業 当セグメントにおきましては、主なプロジェクトとして従前からのNEDOの委託試験研究に加え、当連結会計年度より軌道上実証サービスAL Labのサービス提供を開始しております。これらの主要案件については、履行義務の充足に係る進捗度を原価比例法により見積り、売上高を計上しているため、プロジェクトが進捗し売上原価が増加した結果、売上高は前年同期比で増収となりました。その結果、売上高は1,522,238千円(前年同期比14.8%増)、売上原価は1,382,854千円(前年同期比17.6%増)、売上総利益は139,383千円(前年同期比7.4%減)となりました。また、NEDOからの「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」の補助事業につき、営業外収益に補助金収入487,149千円の計上があった一方で、2025年6月に打上げた「GRUS-3α」及び汎用バスシステムの実証実験に関わる研究開発費を計上し、セグメント損失は277,974千円(前年同期は119,224千円のセグメント利益)となりました。 (b) AxelGlobe事業 当セグメントにおきましては、主に防衛省を中心とする新規顧客からの受注が貢献し、その結果、売上高は986,124千円(前年同期比278.6%増)、売上原価は328,141千円(前年同期比8.2%増)、売上総利益は657,982千円(前年同期は42,787千円の売上総損失)となりました。一方、営業活動に伴う販売管理費や2026年7月に打上げた中分解能衛星「GRUS-3」や高分解能衛星の開発のための研究開発費の計上によりセグメント損失は1,595,223千円(前年同期は942,005千円のセグメント損失)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ608,825千円増加し、4,715,658千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、減少した資金は、5,123,804千円(前年同期は4,329,150千円の支出)となりました。これは主に、前受金及び契約負債の増加が1,009,609千円あった一方で、税金等調整前当期純損失4,050,988千円、売上債権及び契約資産の増加額1,050,253千円並びに前渡金の増加額1,610,919千円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、減少した資金は2,117,392千円(前年同期は188,109千円の支出)となりました。これは主に、「GRUS-3」の製造などに伴う建設仮勘定の計上及び工具、器具及び備品等の取得に係る有形固定資産の取得による支出1,807,152千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、得られた資金は7,834,911千円(前年同期は4,391,841千円の収入)となりました。これは主に、東京証券取引所グロース市場への株式上場に伴う公募による新株式の発行などによる株式の発行による収入が7,950,879千円及び長期借入による収入が320,196千円であった一方で、長期借入金の返済による支出が222,000千円であったことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 計上区分   セグメントの名称   当連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日) 受注高(千円)   前年同期比(%)   受注残高(千円)   前年同期比(%) 売上高   AxelLiner事業   998,010   24.8   9,004,611   94.5 売上高   AxelGlobe事業   43,948,251   16,147.6   43,074,073   32,254.3 補助金   AxelLiner事業   -   -   -   △100.0 補助金   AxelGlobe事業   -   -   1,296,529   - 合計   44,946,262   1,047.0   53,375,213   466.3 (注) 1.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これはAxelLiner事業の受注高については、主に当連結会計年度に提供を開始した軌道上実証サービスAL Labのサービスに係る受注によるものです。また、AxelGlobe事業の受注高及び受注残高については、主に当連結会計年度における防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」の受注によるものです。 2.受注高は、当連結会計年度内に締結された契約金額をいいます。売上高の受注残高は、当連結会計年度末までの全期間における受注高の合計額のうち、当連結会計年度末までに収益に未計上のものをいいます。今後、案件が進捗するに当たり契約条件の変更、又は定められた技術要件を満たさない等の事由により、上記の受注残高の一部が収益に計上されない可能性があります。 3.補助金の受注残高については、第4期連結会計年度において株式会社アクセルスペースを選定企業とする旨の選定結果通知書をNEDOから受けた、「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援)」に係る金額のうち、当連結会計年度末までに補助金収入に未計上のものをいいます。今後、案件の進捗や実証内容により受注残高の一部が補助金収入として計上されない可能性があります。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、2026年3月1日付で実施した組織変更に伴い、報告セグメントの業績をより適切に反映するため、これまでAxelLiner事業に計上していた自社で商用運用を予定している衛星に係る研究開発費用をAxelGlobe事業に計上するなどの見直しを行っており、前連結会計年度のセグメントごとの受注実績についても変更後の測定方法に基づいて作成しております。変更後の測定方法に基づく前連結会計年度における補助金の受注残高は、AxelLiner事業が487,149千円、AxelGlobe事業が1,296,529千円であります。前連結会計年度の売上高の受注高及び受注残高、補助金の受注高については測定方法の変更による影響はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日) 金額(千円)   前年同期比(%) AxelLiner事業(千円)   1,522,238   114.8 AxelGlobe事業(千円)   986,124   378.6 合計(千円)   2,508,363   158.1 (注) 1.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主に、AxelLiner事業において一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法を適用している政府系機関からの委託試験研究について、プロジェクトに係る原価計上額が増加したことに伴い、履行義務の充足に係る進捗度が高まったことによるものです。またAxelGlobe事業において、主に防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」が開始され進捗したことによるものです。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先   前連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)   当連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日) 金額(千円)   割合(%)   金額(千円)   割合(%) 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)   1,147,285   72.3   1,301,097   51.9 株式会社トライサット・コンステレーション   -   -   681,292   27.2 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)   173,923   11.0   -   - (注) 販売実績の総販売実績に対する割合が、100分の10未満の相手先については記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは以下のとおりであります。 (一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法の適用) 当社グループでは、一部の売上について、一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法を適用しております。当該売上高は、原価総額の見積りに対する発生原価の割合(原価比例法)により算出した進捗率に収益総額を乗じて算出しておりますが、原価総額の見積りについては、契約変更や見積りの前提条件の変動によって影響を受ける可能性があり、原価総額の見積りが実際と異なった場合、翌連結会計年度以降の財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (固定資産の減損) 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失の認識の要否判定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、事業計画を基礎としており、顧客との契約に基づく売上の計上時期及び計上金額に係る仮定が含まれております。このうち、一定期間にわたり画像撮影サービスを提供する契約に係る売上高は、契約額を上限として、将来の衛星の運用機数や顧客が設定した衛星画像データ等の要求水準達成割合に基づく変動を考慮して見積もっております。将来予測は不確実性を伴い、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに対して、実際に発生したキャッシュ・フローが見積りを大きく下回った場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。 ② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態 主な増減内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績 主な当該内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (売上高) 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて921,527千円(58.1%)増加し、2,508,363千円となりました。これは主に、AxelLiner事業において一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法を適用している政府系機関からの委託試験研究について、プロジェクトに係る原価計上額が増加したことに伴い、履行義務の充足に係る進捗度が高まったことによるものです。 また、AxelGlobe事業において、防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」へのデータ提供を開始したほか、既存顧客との案件継続や主に国内におけるサービス利用の拡大、委託試験研究案件の進捗に伴い売上高は増加いたしました。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて231,925千円(15.7%)増加し、1,710,996千円となりました。これは主に、AxelLiner事業において政府系機関からの委託試験研究に係る原価計上額が増加した影響によるものです。 (販売費及び一般管理費、営業損失) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて2,017,473千円(77.5%)増加し、4,620,290千円となりました。これは主に、AxelLiner事業において2025年6月に打上げた「GRUS-3α」、小型衛星の量産化を見据えた設計の汎用化、製造の効率化、運用の自律化・自動化についての実証である「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」及びAxelGlobe事業の2026年7月に打上げた中分解能衛星「GRUS-3」の開発のための研究開発費等によるものであります。 その結果、営業損失は3,822,923千円(前年同期は2,495,052千円の営業損失)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失) 当連結会計年度の営業外収益は514,050千円となりました。これは主に、NEDOからの「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」に関する補助金収入によるものであります。 営業外費用は、403,134千円となりました。これは主に、支払利息347,941千円及び株式交付費55,191千円を計上したことによるものであります。 その結果、経常損失は3,712,007千円(前年同期は1,824,228千円の経常損失)となりました。 (特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失) 特別利益は、計上しておりません。また、特別損失は、減損損失290,946千円及び自己新株予約権消却損47,920千円等を計上しております。 その結果、税金等調整前当期純損失は4,050,988千円(前年同期は1,947,017千円の税金等調整前当期純損失)となりました。 (法人税等、親会社株主に帰属する当期純損失) 当連結会計年度における法人税等は、6,313千円となりました。 その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は4,057,302千円(前年同期は1,950,803千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 なお、セグメントごとの経営成績については「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループにおける主な資金需要としては、AxelLiner事業の運転資金及びAxelGlobe事業のインフラ設備である自社衛星である中分解能衛星及び高分解能衛星の開発・製造費用であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としつつ、必要に応じて株式発行による資金調達や金融機関からの借入等の最適な方法による資金調達にて対応する方針であります。 資金の流動性については、「3 事業等のリスク (22) 資金調達リスクについて」及び「(24) 財務制限条項について」に記載のとおりであります。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。 ⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。 以下に、各期における重要な経営指標の分析を記載します。 a.売上高、総収入(売上高と補助金収入の合算額) 売上高は、前連結会計年度に比べて921,527千円(58.1%)増加し、2,508,363千円となりました。これは主に、AxelLiner事業において、一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法を適用している政府系機関からの委託試験研究について、プロジェクトに係る原価計上額が増加したことに伴い、履行義務の充足に係る進捗度が高まったことによるものです。 また、AxelGlobe事業においても、防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」へのデータ提供を開始したほか、既存顧客との案件継続や主に国内におけるサービス利用の拡大、委託試験研究案件の進捗に伴い売上高は増加いたしました。 総収入は、前連結会計年度に比べて672,728千円(29.0%)増加し、2,995,512千円となりました。これは前述の売上高増加及び「超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援」に係る補助金の計上があったことによるものです。 b.衛星打上げ機数(AxelLiner事業) 当連結会計年度において、「GRUS-3α」1機を打上げいたしました。 c.衛星運用機数(AxelGlobe事業) 当連結会計年度末時点においては、「GRUS-1A~E」の5機体制による運用を行っておりましたが、当社ウェブサイトで公表しているとおり、2026年7月18日に姿勢制御に不具合が発生したGRUS-1Eについては、商用運用を終了したため、本書提出日現在においては4機体制でコンステレーションを運用しております。

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開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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