本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.95+295ドル円158.65-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.6+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

エア・ウォーター

AIR WATER INC.4088 · Prime · 化学

産業ガスを軸に、エネルギー、医療、食品まで幅広く展開する総合化学企業。地域密着型のインフラを強みに、生活産業を支える。

概要

エア・ウォーターは、1929年に北海酸素株式会社として創業した産業ガスメーカーを源流とする。2025年3月期の連結売上収益は1兆759億円、従業員数は2万836人にのぼる。酸素・窒素などの産業ガスを基盤に、エネルギー、医療・衛生、アグリ&フーズ、物流・バイオマス発電に至るまで、空気と水に関わる多角事業を展開する。東京証券取引所プライム市場に上場(1979年9月)。

5つの報告セグメントで構成される事業ポートフォリオ

エア・ウォーターグループは、当社と連結子会社136社、持分法適用会社11社の合計147社で構成される。事業は「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」「その他」の5セグメントに区分される。デジタル&インダストリーは産業ガス・電子材料・機能材料を扱い、2025年3月期のセグメント売上収益は3,510億円と最大である。エネルギーソリューションはLPガス・灯油・LNG関連機器を販売し、同709億円。ヘルス&セーフティーは医療用ガス・歯科材料・衛生材料・注射針・エアゾールなど医療・安全関連を広くカバーし、同2,460億円。アグリ&フーズは青果物加工・冷凍食品・食肉加工・清涼飲料受託を手がけ、同1,744億円。その他には物流・塩・海外ガス・UPS・バイオマス発電が含まれ、同2,333億円である。

売上1兆円を超え収益性を追求する中期経営計画

エア・ウォーターは2022年度に売上収益1兆円を達成した。2025年度から始まる中期経営計画「terrAWell30 2nd stage」では、「規模の拡大」から「収益性の追求」へ方針を転換し、低成長・低収益事業の改善・合理化を進めながら、成長領域への重点投資を行う。2025年3月期の連結業績は売上収益1兆759億円(前期比105.0%)、営業利益752億円(同110.2%)、親会社所有者帰属当期利益491億円(同110.6%)と過去最高を更新した。営業利益率は7.0%、ROEは9.8%、ROICは5.5%である。海外売上収益比率は11.3%に拡大している。

地域事業会社の再編と国内・海外の拠点展開

グループは長年、地域別の事業会社(北海道、東日本、西日本など)を通じて事業を展開してきた。2020年10月には各地域事業会社を8社から3社(エア・ウォーター東日本、エア・ウォーター西日本、エア・ウォーター北海道・産業ガス)に統合し、効率化を図った。国内では北海道千歳市や栃木県宇都宮市に大規模なガス製造工場を持ち、2025年4月には大阪府堺市に産業ガスプラント・機器の総合エンジニアリング拠点「グローバルエンジニアリングセンター」を開設した。海外ではインド(PRAXAIR INDIA PRIVATE LIMITEDやLINDE INDIA LIMITEDから産業ガス事業を一部譲受)や北米(AIR WATER AMERICA INC.)、マレーシア(Taylor-Wharton Malaysia)に拠点を持ち、海外産業ガス事業を拡大している。

業界の中での役割は産業ガス・エネルギーの総合サプライヤーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
1.1兆円
営業利益
-372億円
営業利益率
-3.5%
純利益
-639億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01産業ガス主力

酸素・窒素・アルゴンなど産業ガスの製造販売。鉄鋼・化学・電子など多様な産業向けに供給。国内を中心に北米・インドにも展開。

主な製品・サービス1
産業ガス(酸素・窒素・アルゴン)
金属加工、化学、電子部品製造などに使用されるガス。

02電子材料準主力

半導体製造などに使用される電子材料・機能材料を製造販売。

主な製品・サービス1
電子材料
半導体用の特種ガスや高純度薬品など。

03エネルギー準主力

LPガス・灯油の販売、LNG関連機器の製造販売、炭酸ガス・水素の製造販売。家庭用から工業用までエネルギーを供給。

主な製品・サービス2
LPガス
家庭用・業務用のプロパンガス。
LNG関連機器
LNG設備や関連機器。

04ヘルスケア準主力

医療用ガス(酸素など)、歯科材料、衛生材料、注射針を製造販売。病院設備工事や在宅医療サービスも展開。

主な製品・サービス3
医療用酸素
病院や在宅医療で使用される医療用ガス。
歯科材料
歯科治療に使用される材料。
注射針
医療用の注射針。

05食品準主力

青果物の加工・流通、冷凍食品・食肉加工、清涼飲料水の受託製造。

主な製品・サービス2
冷凍食品
調理冷凍食品の製造。
青果物加工
カット野菜やサラダの加工。

06物流副次

一般貨物・食品・医療・環境の物流サービスを展開。

主な製品・サービス1
物流サービス
輸配送、倉庫管理、物流コンサル。

07その他副次

海水事業、バイオマス発電、エレクトロニクス商社など。

主な製品・サービス1
かん水・マグネシア
海水から製造する食塩やマグネシア。

製品と技術

産業ガス:酸素・窒素・アルゴン・水素などを空気分離で供給

エア・ウォーターの原点は空気分離による産業ガスの製造である。酸素、窒素、アルゴン、水素、炭酸ガスなどを、オンサイトプラントやパイプライン、容器で供給する。顧客は鉄鋼、化学、半導体、金属加工等多岐にわたる。半導体工場向けには高純度ガスとともに、特殊ケミカルやガス精製装置、熱制御機器などの関連商材もグループで提供する。1967年に北海道室蘭市に建設したオンサイトプラント以来、国内各地に製造拠点を持ち、2025年3月期のデジタル&インダストリーセグメントの売上収益は3,510億円に達した。

医療用ガス・歯科材料・衛生材料から防災まで広がるヘルスケア

医療用酸素をはじめとする医療ガスの供給に加え、歯科材料、衛生材料(マスク・ガーゼ)、注射針、エアゾール製品を製造販売する。病院設備工事や手術室改修、在宅医療サービスも手がける。子会社の川本産業は医療用衛生材料・注射針のメーカーであり、エア・ウォーター防災は消火設備やデータセンター向け防災工事を提供する。一酸化窒素吸入療法の症例数増加や介護用シャワー入浴装置の販売好調が業績を支え、2025年3月期のヘルス&セーフティーセグメント売上収益は2,460億円である。

アグリ&フーズ:青果物加工・冷凍食品・飲料受託のフードバリューチェーン

アグリ&フーズ事業では、カット野菜やサラダなどの青果物加工・低温物流、冷凍食品(ブロッコリー、馬鈴薯等)、食肉加工(ハム・ソーセージ)、清涼飲料水の受託製造を展開する。ゴールドパック、九州屋、エア・ウォーターアグリ&フーズなどの子会社を通じて、原料調達から加工、物流まで一貫したサプライチェーンを構築。北米市場向けの冷凍ブロッコリー輸出も拡大している。2025年3月期のセグメント売上収益は1,744億円だが、豚肉原料高やスイーツの需要減により営業利益は前期比89.9%と減少した。

LPガス・LNGからバイオマス発電までエネルギーソリューション

エネルギーソリューション事業は、家庭・業務用のLPガス・灯油の販売と、LNG関連機器(貯蔵・気化設備)の製造販売が柱である。北海道を中心に直販体制を拡大し、IoT技術による配送効率化を進める。また、重油からLNGへの燃料転換提案や、カーボンニュートラルに向けた液化バイオメタンの商用利用も開始した。2025年3月期のセグメント売上収益は709億円で、LPガス・灯油の市況価格上昇とLNG機器の拡販により増収増益となった。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

化学のなかでの位置

国内産業ガス首位級、メディカル等多角化

エア・ウォーターは国内産業ガス市場で日本酸素ホールディングスに次ぐ大手であり、都市ガスや空気分離プラントの強みを持つ。化学業界の中では、東洋紡やクラレといった素材メーカーと比較して、ガス事業の安定収益に加え、メディカルや物流など非製造業セグメントを有する複合企業として独自のポジションを築く。同業他社との競争では、産業ガスの供給網と医療用ガスのシェアで優位に立つが、エネルギー価格や原料コストの変動の影響を受けやすい。近年は海外展開を強化しているものの、内需依存度が依然高く、国内市場の縮小に対応するため、周辺サービスへの拡張が課題となる。

強み

  • 国内産業ガス市場で日本酸素ホールディングスに次ぐシェアを有し、安定需要が見込める。
  • ガス以外にメディカル、物流、環境などを幅広く展開し、収益源を分散している。
  • 全国に供給網を保有し、長期的な契約に支えられたリピート収入が大きい。
  • 医療用ガスで高いシェアを持ち、少子高齢化に伴う需要増が見込まれる。

課題

  • 売上高の海外比率が低く、海外市場での競争力向上が急務。
  • エネルギー・原料価格の変動が利益を圧迫し、価格転嫁が課題。
  • 積極的な買収によるのれん償却負担や統合リスクが経営を圧迫する可能性。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

化学の時価総額近傍。太字がエア・ウォーター

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14183三井化学9,014億円24.5倍
24042東ソー8,719億円20.2倍
34182三菱瓦斯化学8,139億円
44403日油6,362億円15.3倍
54203住友ベークライト6,271億円22.3倍
64088エア・ウォーター6,180億円15.4倍
73405クラレ5,747億円69.0倍
84626太陽ホールディングス5,527億円28.8倍
94912ライオン5,260億円18.1倍
104205日本ゼオン5,207億円13.3倍
114980デクセリアルズ5,102億円18.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 40件

北海道で創業した酸素会社としての出発(1929~1966年)

1929年9月、資本金15万円で北海酸素株式会社が北海道札幌市白石区に設立された。酸素の製造・販売を目的とした会社であった。1952年12月に溶解アセチレンの製造・販売を開始し、1955年12月にはLPガスの販売にも乗り出した。1966年8月、商号を「株式会社ほくさん」に変更し、1967年4月には本店を札幌市中央区に移転。同年5月には北海道室蘭市に酸素オンサイトプラントを建設し、産業ガス事業の基盤を固めた。

上場と事業多角化の開始(1979~1992年)

1979年9月、東京証券取引所市場第一部に株式を上場した。1981年3月には冷凍食品の製造・販売を開始し、産業ガス以外の分野に進出。1993年4月には大同酸素株式会社と合併し、商号を「大同ほくさん株式会社」に変更した。この合併により事業規模が拡大し、同年9月には北海道千歳市に窒素製造工場を建設、1995年12月には栃木県宇都宮市にも酸素・窒素の製造工場を建設し、本州での生産拠点を強化した。

共同酸素との合併で「エア・ウォーター」に改名(2000年)

2000年4月、共同酸素株式会社と合併し、商号を「エア・ウォーター株式会社」に変更した。これにより、社名に「空気」と「水」を冠することとなった。2002年9月には住金ケミカル株式会社に資本参加し、化学分野へ進出。2003年10月には川重防災工業株式会社(現 エア・ウォーター防災株式会社)に資本参加し、防災事業を加えた。同時期、小型液化ガスプラント「VSU」の1号機が新潟県阿賀野市で操業を開始し、ガス供給技術の多様化を進めた。

M&Aによる事業領域の拡大(2006~2012年)

2006年2月、タテホ化学工業株式会社を株式交換により完全子会社化し、ケミカル事業を強化。同時にエア・ウォーター・ケミカル株式会社とエア・ウォーター・ベルパール株式会社を合併し、ケミカル事業部を設置した。2007年8月にはエア・ウォーター防災株式会社を完全子会社化、同年9月には株式会社日本海水に資本参加し、塩事業に参入。2007年10月には長野県松本市に総合開発研究所を開設し研究開発体制を整えた。2009年5月には相模ハム株式会社に資本参加し、食肉加工事業に進出。2012年9月にはゴールドパック株式会社を完全子会社化し、青果物加工・流通事業を拡大した。

食品・医療・海外ガスへのさらなる投資(2015~2021年)

2015年6月、川崎化成工業株式会社(現 エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社)を子会社化し機能化学品を強化。同年9月には株式会社九州屋を子会社化し青果物流通を拡充。2016年2月にはTaylor-Wharton Malaysia Sdn.Bhd.を子会社化し、海外ガス事業の足がかりを得た。同年9月には大山ハム株式会社を子会社化、12月には川本産業株式会社を子会社化し医療用衛生材料・注射針事業に参入。2019年4月にはコールケミカル事業を新日鐵住金株式会社等に譲渡し事業選択を進め、同年7月にはインドでPRAXAIR INDIA PRIVATE LIMITEDから産業ガス事業を一部譲受、さらにHITEC Holding B.V.を完全子会社化。2020年10月には地域事業会社を8社から3社に統合。2021年3月には株式会社日本海水を完全子会社化した。

1兆円達成とプライム市場移行(2022~2025年)

2022年4月、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、市場第一部からプライム市場へ移行。2022年度に売上収益1兆円を達成した。2024年5月には家畜ふん尿由来のクリーンエネルギー「液化バイオメタン」の商用利用を開始。2024年12月には北海道に新事業創造拠点「エア・ウォーターの森」を開業、2025年1月には半導体・電池材料開発の中核拠点「湘南イノベーションラボ」を開所した。2025年4月には大阪府堺市に「グローバルエンジニアリングセンター」を開設、同年5月には川本産業株式会社を完全子会社化し医療事業の一体運営を強化した。

年表40件を開く

1920年代

  • 1929年9月創業酸素の製造・販売を目的として、北海道札幌市白石区菊水5条2丁目17号に資本金15万円をもって北海酸素株式会社を設立

1950年代

  • 1952年12月溶解アセチレンの製造・販売を開始
  • 1955年12月LPガスの販売を開始

1960年代

  • 1966年8月商号変更商号を「株式会社ほくさん」に変更
  • 1967年4月北海道札幌市中央区北3条西1丁目2番地に本店を移転
  • 1967年5月北海道室蘭市に酸素オンサイトプラントを建設

1970年代

  • 1979年9月上場東京証券取引所市場第一部に株式を上場

1980年代

  • 1981年3月冷凍食品の製造・販売を開始

1990年代

  • 1993年4月M&A大同酸素株式会社〔同社の沿革は下記に表記〕と合併し、商号を「大同ほくさん株式会社」に変更
  • 1993年9月北海道千歳市に窒素製造工場を建設
  • 1995年12月栃木県宇都宮市に酸素・窒素等の製造工場を建設
  • 1998年9月タテホ化学工業株式会社(現 連結子会社)の第三者割当増資を引受け

2000年代

  • 2000年4月M&A共同酸素株式会社〔同社の沿革は下記に表記〕と合併し、商号を「エア・ウォーター株式会社」に変更
  • 2002年9月住金ケミカル株式会社に資本参加
  • 2003年10月川重防災工業株式会社(現 エア・ウォーター防災株式会社)(現 連結子会社)に資本参加 小型液化ガスプラント「VSU」の1号機が新潟県阿賀野市で操業を開始
  • 2006年2月M&Aタテホ化学工業株式会社(現 連結子会社)を株式交換により完全子会社化 エア・ウォーター・ケミカル株式会社(旧 住金ケミカル株式会社)並びにエア・ウォーター・ベルパール株式会社と合併し、ケミカル事業部を設置
  • 2007年8月M&Aエア・ウォーター防災株式会社(現 連結子会社)を株式交換により完全子会社化
  • 2007年9月株式会社日本海水(現 連結子会社)に資本参加
  • 2007年10月長野県松本市に総合開発研究所を開設
  • 2009年5月M&A相模ハム株式会社に資本参加 支社機能を会社分割により各地域事業会社に移管し、全国の地域事業を再編 相模ハム株式会社(春雪さぶーる株式会社(現 エア・ウォーターアグリ&フーズ株式会社)(現 連結子会社)を存続会社として合併し、消滅)を株式交換により完全子会社化

2010年代

  • 2012年9月M&Aゴールドパック株式会社(現 連結子会社)を株式取得により完全子会社化
  • 2015年6月M&A川崎化成工業株式会社(現 エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社)(現 連結子会社)を株式取得により子会社化
  • 2015年9月M&A株式会社九州屋(現 連結子会社)を株式取得により子会社化
  • 2016年2月M&ATaylor-Wharton Malaysia Sdn.Bhd. (現 連結子会社)を株式取得により子会社化
  • 2016年9月M&A大山ハム株式会社(春雪さぶーる株式会社(現 エア・ウォーターアグリ&フーズ株式会社)(現 連結子会社)を存続会社として合併し、消滅)を株式取得により子会社化
  • 2016年12月M&A川本産業株式会社(現 連結子会社)を株式取得により子会社化
  • 2018年5月M&A川崎化成工業株式会社(現 エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社)(現 連結子会社)を株式取得により完全子会社化
  • 2019年4月コールケミカル事業を新日鐵住金株式会社(現 日本製鉄株式会社)及び新日鉄住金化学株式会社(現 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社)へ事業譲渡
  • 2019年6月大阪府大阪市中央区南船場2丁目12番8号に本店を移転
  • 2019年7月インド PRAXAIR INDIA PRIVATE LIMITEDの産業ガス事業を一部譲受
  • 2019年7月M&AHITEC Holding B.V. (現 連結子会社)を株式取得により完全子会社化
  • 2019年12月インド LINDE INDIA LIMITEDの産業ガス事業を一部譲受

2020年代

  • 2020年10月M&A各地域事業会社を8社から3社に統合し、全国の地域事業を再編
  • 2021年3月M&A株式会社日本海水(現 連結子会社)を株式交換により完全子会社化
  • 2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行
  • 2025年4月大阪府堺市に産業ガスプラント・機器の総合エンジニアリング拠点「グローバルエンジニアリングセンター」を開設
  • 2025年5月M&A川本産業株式会社(現 連結子会社)を株式取得により完全子会社化
  • 2025年10月M&A株式会社歯愛メディカル(現 連結子会社)を株式取得により子会社化
  • 2025年10月吸収分割により産業ガス事業の一部をエア・ウォーター・ガスプロダクツ株式会社(現 連結子会社)に承継
  • 2026年4月大阪市北区大深町5番54号グラングリーン大阪南館パークタワー 13階に本店移転

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は5つの方針を掲げている。そのうち1項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 事業撤退の完了2028年度まで2028年度中

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    不適切会計の再発防止と信頼回復

    不適切な会計処理の調査結果を踏まえ、企業風土改革、ガバナンス改革、経営管理基盤と内部統制の再構築、全社戦略の見直しの4本柱で再発防止策を実施。特別注意銘柄の解除に向け、外部専門家の支援を受けながら改善計画を実行する。

  2. 02

    企業風土改革の断行

    コンプライアンスを最重視し、経営トップの覚悟表明、従業員との直接対話、心理的安全性の確保、適切な業績目標設定と過度なプレッシャー排除、倫理・会計リテラシー教育の強化、内部通報制度の強化を推進する。

  3. 03

    ガバナンス体制の強化

    取締役会議長を独立社外取締役とし、独立社外取締役比率を高める。監査役会の監査機能強化、指名・報酬委員会の独立性強化、取締役研修の実施など、監督・牽制機能を大幅に強化する。

  4. 04

    内部統制の再構築

    経理・財務統括責任者の設置、専門人材の増員、業務プロセスの再構築、子会社の内部統制強化、内部監査機能の充実など、グループ全体の管理体制を抜本的に見直す。

  5. 05

    事業ポートフォリオ改革

    コアコンピタンスを再定義し、ポートフォリオ管理委員会で事業ごとの方針を策定。コア事業の深化と新規事業の進化を進め、コアに合致しない事業はベストオーナーへ譲渡する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で21,824人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は816万円で、9期前と比べて+18.3%平均年齢は42.5歳、平均勤続年数は9.9年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月
2018年3月14,325
2019年3月69043.714.615,825
2020年3月68743.413.518,211
2021年3月69942.913.118,843
2022年3月74044.112.419,560
2023年3月75445.111.920,109
2024年3月81645.211.120,348336
2025年3月79543.610.320,836300
2026年3月81642.59.921,824−170

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率5.9%
縦線は目安の30%
男性育休取得率83.3%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)60.5%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社29(国内 28 / 海外 1、うち連結子会社 27) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
デジタル&インダストリーグループ — 大阪市北区 他619億円
デジタル& インダストリー
本社ロジスティクスセンター — 石川県能美市184億円
ヘルス& セーフティー
タタオンサイト — インド国ジャールカンド州172億円
デジタル& インダストリー
川崎工場 — 川崎市川崎区120億円
デジタル& インダストリー
あずみ野工場 — 長野県安曇野市100億円
アグリ&フーズ
苅田発電所 — 福岡県京都郡9,905百万円
その他
小名浜バイオマス 発電所 — 福島県いわき市9,084百万円
その他
湘南工場 — 神奈川県平塚市8,978百万円
デジタル& インダストリー
赤穂工場 — 兵庫県赤穂市7,125百万円
その他
エア・ウォーターの森 — 札幌市中央区6,579百万円
その他
ほか32件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    エア・ウォーター北海道㈱
    札幌市中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エア・ウォーター東日本㈱(注)3
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エア・ウォーター西日本㈱(注)3
    大阪市中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エア・ウォーター防災㈱
    神戸市西区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ㈱日本海水
    東京都千代田区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    川本産業㈱
    大阪市中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エア・ウォーター・グリーンデザイン㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    タテホ化学工業㈱
    兵庫県赤穂市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エア・ウォーター・リアライズ㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ゴールドパック㈱
    東京都品川区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エア・ウォーター・エンジニアリング㈱(注)3
    堺市西区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    エア・ウォーター・メカトロニクス㈱
    神奈川県平塚市 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社17社を開く
  • エア・ウォーター・マッハ㈱長野県松本市100%
  • ㈱九州屋東京都八王子市61%
  • エア・ウォーターアグリ&フーズ㈱東京都品川区100%
  • エア・ウォーター物流㈱札幌市中央区100%
  • エア・ウォーター・マテリアル㈱東京都港区100%
  • ㈱プラス和歌山県田辺市67%
  • エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱川崎市幸区100%
  • エア・ウォーター・ガスプロダクツ㈱(注)3大阪市中央区100%
  • 日本電熱㈱長野県安曇野市100%
  • エア・ウォーター・ライフソリューション㈱(注)3札幌市豊平区100%
  • エア・ウォーター 産業・医療ガス㈱札幌市中央区100%
  • ㈱歯愛メディカル(注)4石川県能美市78%
  • AIR WATER INDIA PVT.LTD.(注)3インド国100%
  • AIR WATER AMERICA INC.アメリカ国100%
  • その他 180社
  • K&Oエナジーグループ㈱(注)5千葉県茂原市17%
  • その他 52社
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    グリーンイノベーション基金事業/CO2の分離回収等技術開発低圧・低濃度CO2分離回収の低コスト化技術開発・実証工場排ガス等からの中小規模CO2分離回収技術開発・実証/Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-07-26
    2.6億円
  • 調達
    水素利用等先導研究開発事業炭化水素等を活用した二酸化炭素を排出しない水素製造技術開発メタン直接改質法による鉄系触媒を用いた高効率水素製造システムの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-06-18
    4,162万円
  • 調達
    脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業実証要件適合性等調査バイオエネルギーローカルサプライチェーンを実現するための未利用資源からのバイオメタン製造システム実証研究(インド)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2023-12-11
    1,925万円
  • 調達
    カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発カーボンリサイクル・次世代火力推進事業産業間連携によるカーボンリサイクル技術実装推進事業/苫小牧を拠点とする産業間連携を活用したカーボンリサイクル実装調査
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2024-05-22
    1,500万円
  • 調達
    水素社会構築技術開発事業地域水素利活用技術開発沖縄エリアの吉の浦マルチガスタービン発電所を核とした地域水素利活用トータルシステムの構築に関する調査
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-01-31
    902万円
  • 調達
    エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業実証要件適合性等調査未利用電力を活用した水素・メタン製造システム実証研究(ラオス)
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2019-01-10
    826万円
  • 調達
    水素社会構築技術開発事業地域水素利活用技術開発地産天然ガスブルー水素化による直流電流発電データセンターに関する調査
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2022-07-28
    547万円
  • 調達
    水素社会構築技術開発事業地域水素利活用技術開発石狩湾新港洋上風力の余剰電力を活用した水素サプライチェーンに関する調査
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2021-08-20
    220万円
  • 補助金
    地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業
    環境省 · 2023-04-03
    7,964万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は1.1兆円営業利益-372億円前期と比べると増収減益で、売上が+5.3%、利益が-159.5%。

売上高
+5.3%
1.1兆円
営業利益
-159.5%
-372億円
純利益
-260.2%
-639億円
営業利益率
-3.5%
前期比 -9.7%pt

会社が出している今期の予想2025年3月期

項目会社予想前期実績
売上高1.1兆円1.1兆円
営業利益780億円-372億円
純利益500億円-639億円
1株あたり配当¥64¥64

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年4Qで、売上は2,972億円、営業利益は−610億円。前年の2025年4Qと比べると、売上は+10.3%、営業利益は−595.9%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2024年3Q2,6772148.0137
2024年4Q2,2171858.356
2025年1Q2,3471295.584
2025年2Q2,7331917.0118
2025年3Q2,3571827.7119
2025年4Q2,6941234.678
2026年1Q2,3971606.794
2026年2Q2,769−214−7.7−306
2026年3Q2,53029211.5194
2026年4Q2,972−610−20.5−621

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は5,400億円から1.1兆円へ2.0倍に増えた。直近期の営業利益率は-3.5%。売上は5期連続で増加。

決算期売上高兆円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月0.54352184
2014年3月0.64363192
川崎化成工業株式会社(現 エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社)(現 連結子会社)を株式取得により子会社化
2015年3月0.66382207
Taylor-Wharton Malaysia Sdn.Bhd. (現 連結子会社)を株式取得により子会社化 / この期から会計基準が日本基準からIFRSに変わりました。前後の数値は単純に比較できません
2016年3月0.66351201
2017年3月0.67413223
川崎化成工業株式会社(現 エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社)(現 連結子会社)を株式取得により完全子会社化
2018年3月0.75447252
HITEC Holding B.V. (現 連結子会社)を株式取得により完全子会社化
2019年3月0.74421288
各地域事業会社を8社から3社に統合し、全国の地域事業を再編
2020年3月0.81498304
株式会社日本海水(現 連結子会社)を株式交換により完全子会社化
2021年3月0.81497274
2022年3月0.85615417
2023年3月0.9520893
2024年3月0.976835707.1366
川本産業株式会社(現 連結子会社)を株式取得により完全子会社化
2025年3月1.016256096.2399
2026年3月1.07−372−514−3.5−639

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高1.1兆円のうち、営業利益として残るのは-372億円-3.5%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-639億円、売上の-6.0%にあたる。営業利益率は業種中央値7.3%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金77.5%8,265億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金18.9%2,015億円
  • その他の費用持分法損益などの調整7.1%760億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-3.5%-372億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
22.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比10.8pt
-3.5%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比11.4pt
-6.0%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比22.3pt
-15.4%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
-5.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-2.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが1,076億円、投資CFが−886億円で、差し引きのフリーCFは190億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は871億円で、売上の1.0ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月301−425103−124195
2014年3月482−52246−40208
2015年3月511−355−79156288
2016年3月435−406−8129236
2017年3月589−444−86145304
2018年3月478−61645−138233
2019年3月612−916390−304321
2020年3月438−1,156810−718419
2021年3月766−527−209239460
2022年3月755−575−68180627
2023年3月587−746223−159707
2024年3月787−955127−168674
2025年3月927−603−283324732
2026年3月1,076−886−57190871

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は1.2兆円。このうち返さなくてよい自己資本が3,902億円で、自己資本比率は32.1%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産兆円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月0.481,9922,85138.3
2014年3月0.532,1953,08638.5
2015年3月0.552,4023,07441.3
2016年3月0.582,5623,19640.8
2017年3月0.632,8083,48340.7
2018年3月0.692,6364,31337.9
2019年3月0.792,7815,07835.4
2020年3月0.903,3205,67736.9
2021年3月0.933,5785,69038.6
2022年3月1.043,6476,77935.0
2023年3月1.093,6667,20033.7
2024年3月1.194,2157,14235.5
2025年3月1.214,4227,51936.5
2026年3月1.223,9028,05332.1

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
871億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
2,135億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
8,053億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
51
/ 100
安定性自己資本比率21 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

化学 203社との比較

同じ化学の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率203社中52位あたり、逆に低いのは営業利益率203社中200位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
-15.4%/中央値 6.9%
P25 4.5%P75 9.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-3.5%/中央値 7.3%
P25 4.3%P75 10.7%
自己資本比率下位総資産のうち返済のいらないお金の割合
32.1%/中央値 63.4%
P25 50.5%P75 73.9%
売上成長率前期からの売上の伸び
5.3%/中央値 2.2%
P25 -1.8%P75 5.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.4%/中央値 2.7%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,690で、1年前と比べて+6.4%過去52週の値幅のなかでは79%の位置にある。

¥2,690-0.5%1ヶ月+5.8%1年+6.4%時価総額6,180億円
過去52週の値幅
安値¥1,718.5高値¥2,949

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)15.4倍
PER (会社予想)12.3倍
PBR1.58倍
配当利回り2.38%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

直近1カ月で株価は約2.5%下落し、8月21日時点で2497円。25日移動平均線(2554円)を下回る一方、200日線(2313円)は上回っており、中長期のトレンドは維持されている。52週高値2949円からは約15%下落した位置にあるが、52週安値1718円からは約45%上方。直近では出来高が増加傾向にあり、8月3日に208万株超と活発化した。週足では7月中旬以降もみ合いが続くが、下値は堅く、方向感は乏しい。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準を割安と判定しています(スコア 70/100)

PERは14.31倍と業界平均の17.76倍を下回り、予想PER11.4倍とさらに割安。PBR1.47倍は平均1.41倍をわずかに上回るが、ROEが-15.4%と赤字で懸念。配当利回り2.56%は平均2.66%をやや下回るが、配当性向70.6%と高い。直近の業績は2026年3月期に大幅赤字転落の見込みで、収益悪化が深刻。割安指標ではあるが、ROEマイナスや赤字は割安の理由であり、慎重な判断が必要。

指標この会社業種平均
PER (実績)15.4倍17.8倍
PER (予想)12.3倍
PBR1.58倍1.41倍
ROE-15.4%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

収益安定性と成長性を評価する見方と、大型減損や事業撤退による収益悪化を懸念する見方が対立。強気派はヘルスケアや電子材料など成長分野の伸びと改善施策を重視するが、弱気派は特別損失の継続リスクとROE悪化を指摘。事業ポートフォリオ再編の進捗と、減損後の収益回復力が焦点。

プラスに働く材料7
  • 多角化の成長分野

    ヘルスケアや電子材料は需要拡大で収益貢献が期待

  • 地域密着モデル

    全国拠点で顧客との強い関係を構築

  • 改善施策の前進

    事業撤退で選択と集中を推進する姿勢

  • 予想PER11.8倍と黒字転換への期待決算発表後影響

    現在PER14.75倍に対し予想PER11.8倍。赤字から黒字転換が予想される。

  • 売上高10668億円と3期連続増収通年影響

    売上高は9664→10131→10668億円。増収基調は継続。

  • 配当利回り2.48%と株主還元の維持継続影響

    配当利回り2.48%。赤字下でも配当維持なら下支え。

  • PBR1.51倍と資産価値から見たサポート不定影響

    PBR1.51倍、時価総額5918億円。資産価値に支えられやすい。

マイナスに働く材料7
  • 減損の不安

    大型減損で営業赤字に転落した実績

  • 収益性の悪化

    ROEがマイナスで資本効率が低い

  • 事業撤退の痛み

    撤退コストで利益が圧迫される懸念

  • 2026年3月期営業損益▲372億円と赤字転落通年影響

    営業利益625億円から▲372億円へ。収益悪化額は約997億円。

  • 最終損益▲639億円と大幅赤字通年影響

    純損益は399億円→▲639億円。1038億円の悪化。

  • ROE-15.4%と資本効率の大幅悪化継続影響

    ROEは-15.4%。自己資本が毀損する懸念。

  • 営業利益率-3.49%と収益力の低下通年影響

    営業利益率は6.17%から-3.49%へ転落。収益構造の弱点。

次の決算で確かめる点
営業損益
減損後の収益回復力を確認する
特別損失
事業再編の継続リスクを見極める
ガス関連売上高
基盤事業の安定性を測る

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり64で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは2.38%。

年間配当
¥64
1株あたり
配当利回り
2.38%
いまの株価に対して
配当性向
70.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月3428.0
2018年3月3811.856.0
2019年3月405.360.5
2020年3月4410.0
2021年3月440.085.5
2022年3月5627.3111.6
2023年3月607.1287.6
2024年3月646.789.2
2025年3月7517.270.6
2026年3月750.0

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥64

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ39,229人。区分でいちばん多いのは金融機関37.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が49.0%を占め、残る51.0%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
金融機関49.649.646.744.043.937.6
外国法人24.222.724.928.525.527.5
個人・その他11.412.913.413.115.115.7
事業法人13.113.012.912.411.911.4
証券会社1.81.82.12.03.77.8
自己株式0.40.40.40.30.30.2
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)11.54
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)3.61
03三井住友信託銀行株式会社3.45
04日本製鉄株式会社3.00
05株式会社三井住友銀行2.72
06STATE STREET BANK AND TRUSTCOMPANY 505001(常任代理人株式会社みずほ銀行決済営業部)2.65
07エア・ウォーター取引先持株会2.64
08JPモルガン証券株式会社2.58
09全国共済農業協同組合連合会2.15
10エア・ウォーターグループ持株会2.15

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近4
  • 2026-06-22
    オアシス マネジメント カンパニー リミテッド(Oasis Management Company Ltd.)
    新規の大量保有報告
    6.05%
  • 2026-05-22
    株式会社シティインデックスイレブンス
    新規の大量保有報告
    0.00%
  • 2026-05-21
    三井住友信託銀行株式会社
    新規の大量保有報告
    3.45%
  • 2026-05-18
    株式会社シティインデックスイレブンス
    新規の大量保有報告
    0.00%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−397%、1株純資産は14期で+79%。直近期のROEは-15.4%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月9495010.314.484.2
2014年3月981,0409.914.569.0
2015年3月1061,1569.620.355.1
2016年3月1031,1978.716.257.5
2017年3月1151,3139.117.928.0
2018年3月1291,3499.416.156.0
2019年3月1471,42010.610.960.5
2020年3月1471,46010.010.1
2021年3月1211,5857.916.085.5
2022年3月1841,61012.09.3111.6
2023年3月411,6122.540.7287.6
2024年3月1611,8479.314.989.2
2025年3月1751,9309.210.870.6
2026年3月−2791,702−15.4

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

14名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は14名。2026/3期の役員報酬は総額623百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約10倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
千歳喜弘代表取締役 社長執行役員7812,000
唐渡有代表取締役 副社長執行役員 本社部門管掌 兼 経理・財務統括責任者7365,000
西村浩和取締役 専務執行役員 事業部門管掌 兼 産業事業本部長587,000
芳賀裕子取締役701,000
ロッシェル・カップ取締役62
加藤三紀彦取締役64
松下満俊取締役55
川崎真一取締役62
重藤順子常勤監査役628,000
森誠治常勤監査役568,000
吉田康晃常勤監査役43
林醇監査役814,000
残りの役員2名を開く
氏名役職年齢
岩﨑淳監査役67
樋口建史監査役73

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円その他百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)63031224947579
社外取締役7979714
監査役2515126

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,179字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当「エア・ウォーター」グループは、当社、連結子会社206社、持分法適用会社53社の合計260社で構成され、デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ、並びにその他の事業に関する製品・商品の製造・販売を行っております。 当グループが営んでいる主な事業内容と当社及び関係会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。以下の事業区分はセグメント情報における事業区分と同一であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.事業セグメント」をご参照ください セグメント名称   主な事業内容   主要な会社 デジタル&インダストリー   酸素・窒素・アルゴン等の産業ガスの製造・販売、電子材料、機能材料等の製造・販売、北米・インドをはじめとした海外における産業ガス事業及び高出力UPS(無停電電源装置)事業等   当社、エア・ウォーター東日本㈱、エア・ウォーター西日本㈱、エア・ウォーター・メカトロニクス㈱エア・ウォーター・マッハ㈱、エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱、エア・ウォーター・ガスプロダクツ㈱、日本電熱㈱、エア・ウォーター産業・医療ガス㈱AIR WATER INDIA PVT. LTD.、AIR WATER AMERICA INC.、エア・ウォーター・エンジニアリング㈱ エネルギーソリューション   LPガス・灯油の販売及び、LNG関連機器の製造・販売、炭酸ガス・水素ガスの製造・販売、等   当社、エア・ウォーター東日本㈱、エア・ウォーター西日本㈱、エア・ウォーター・ライフソリューション㈱、エア・ウォーター・グリーンデザイン㈱K&Oエナジーグループ㈱ ヘルス&セーフティー   酸素等の医療用ガス、歯科材料、衛生材料、注射針、エアゾール製品等の製造・販売並びに、病院設備工事、病院サービス、在宅医療等   当社、エア・ウォーター東日本㈱、エア・ウォーター西日本㈱、エア・ウォーター防災㈱、川本産業㈱、エア・ウォーター・リアライズ㈱、㈱歯愛メディカル アグリ&フーズ   青果物の加工・流通及び冷凍食品・食肉加工等の製造・販売並びに清涼飲料水の製造受託等   当社、ゴールドパック㈱、㈱九州屋、エア・ウォーターアグリ&フーズ㈱、㈱プラス その他の事業   一般貨物・食品・医療・環境等の物流サービスを展開する物流事業、業務用塩やマグネシア等を製造・販売する海水事業、木質バイオマスによる電力事業、エレクトロニクス関連専門商社事業等   当社、㈱日本海水、エア・ウォーター物流㈱、エア・ウォーター・マテリアル㈱、タテホ化学工業㈱ 事業の系統図は次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題8,551字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループの経営理念は、次のとおりであります。 「創業者精神を持って、空気、水、そして地球にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」 当社グループの事業の原点は、社名に冠した「空気」と「水」であり、このかけがえのない地球の資源を活かして事業を創出し、社会や人々の暮らしに貢献していくことが当社グループの使命であります。当社グループは、この経営理念の下、目まぐるしく変化を続ける経営環境の中でグループの総合力を発揮し、社会の発展に役立つ多種多様な製品・サービスを提供する企業であり続けることを目指しております。 (2) 対処すべき課題 当社グループにおける不適切な会計処理により、株主、投資家、お客様、従業員をはじめとするあらゆるステークホルダーの方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。 当社は、2025年7月に、連結子会社において在庫を巡る不適切な会計処理を自主点検により発見いたしました。その後、社内調査を進める中で、同年9月に複数の連結子会社および当社の事業部門でも在庫や貯蔵品等で不適切な会計処理を発見し、会計監査人による監査の実施過程でもこれらの会計処理に対し指摘を受けました。 これを受け、2025年10月に、独立した外部専門家(弁護士および公認会計士)からなる特別調査委員会を設置して当社グループ全体を対象にした調査を開始するとともに、同年11月に取締役会の諮問機関として経営改革委員会を設置し、同委員会からの答申を受け、社外取締役からの取締役会議長選任および経理・財務統括責任者の設置等の経営体制の一部見直しを実施いたしました。その後、2026年4月3日付で公表した「特別調査委員会による調査報告書の公表に関するお知らせ」のとおり、特別調査委員会による調査の結果、2019年度から2025年度上半期までの期間において、当社グループにおいて不適切な会計処理が行われていた事実に加え、その一部に経営トップやマネジメント層の関与が認められました。また、特別調査委員会からは、一部調査未了であった事項につき、2026年6月19日付で追加調査報告書を受領しております。さらに、不適切会計事案に係る責任の明確化を図るため、2026年6月19日開催の取締役会および監査役会において責任調査委員会の設置を決定いたしました。同委員会において、当社の現旧の取締役および監査役の法的責任の有無について調査・検討を行っており、その報告・提言を踏まえ、必要な対応を検討してまいります。 また、本件を受け、当社は2026年5月1日付で東京証券取引所より特別注意銘柄に指定されております。当社は、特別注意銘柄の指定解除に向け、特別調査委員会の調査報告書において指摘された原因分析および再発防止策の提言を踏まえ、企業風土、ガバナンスおよび内部管理体制等の改善を目的とした改善計画を策定することとし、その策定および「改善計画・状況報告書」の提出に向けた基本方針を2026年5月29日付で「改善計画の策定方針に関するお知らせ」として公表いたしました。この策定方針に基づき、当社は企業風土改革、経営体制・ガバナンスの適正性、役員体制(取締役・監査役)および選任プロセス、グループ全体の内部管理体制(内部監査・子会社管理を含む)の整備・運用等について、外部専門家の支援も受けながら再発防止策ならびに改善計画を策定し、改善計画・状況報告書を2026年7月31日付で公表いたしました。 当社は調査報告書に示された原因分析および提言を真摯に受け止め、経営の最優先課題として再発防止策を不退転の決意をもって実行し、社会的信頼の回復に向け、当社グループを挙げて取り組んでまいります。 ①特別調査委員会による調査概要 特別調査委員会は、不適切な会計処理に関する事実関係の解明、類似事象の有無およびグループ全体への波及状況の確認、財務影響額の算定、原因分析ならびに再発防止策に関する提言等を目的として調査を実施しました。調査は、関係者へのヒアリング、資料の精査、デジタル・フォレンジック等の手法により行われ、当社は、同委員会から2026年2月12日に調査報告書(2026年2月9日時点)、2026年3月31日に調査報告書、2026年6月19日に追加調査報告書を受領しました。 ②調査により判明した主な内容 調査の結果、売上又は利益目標の達成に対する当社経営トップによる過度なプレッシャーを背景に、当社並びに相当数の子会社及び関連会社において、在庫の過大計上、資産評価損の先送り、売上の過大計上及び先行計上、不要な取引先を介在させた売上の嵩上げ、引当金の計上回避、資産性のない支出の資産計上等、売上や利益を嵩上げする目的で、様々な手法による不適切な会計処理が広範に行われていることが発見されました。特に、エア・ウォーター防災株式会社においては、仕掛品の過大計上、売上の期間帰属の操作、原価付替による利益操作等の不適切な会計処理のほか、これらの不適切な会計処理を隠蔽するための証憑の偽造が行われていました。また、株式会社日本海水においては、工場設備の定期修繕費及び労務費の恣意的な固定資産計上、本来純額で表示すべき代理人取引における売上の総額表示、事業部間における原価付替等による不適切な会計処理が行われていました。 ③原因分析 業績目標の達成を最優先する企業文化とトップダウンによる組織マネジメント、経理・管理機能の未整備と内部統制システムの実効性不足、会計リテラシーの低さと上場企業グループに必要な倫理感の欠如といった複数の要因※が重なり、結果として、長期間にわたり不適切な会計処理が看過されやすい環境が形成されていました。 ※不適切な会計処理が発生した複数の要因 (1)業績目標の達成を最優先する企業風土の下、現場に過度な業績プレッシャーが生じ、意見や問題意識を率直に表明しにくい状況があったこと (2)成長戦略やM&Aの進展に対し、管理体制やルールの整備が十分に追いついていなかったこと (3)経営トップおよびマネジメント層による会計処理への関与のあり方や、内部統制の実効性に課題があったこと (4)不適切な処理が業務フロー上、是正されにくい構造となっていたこと (5)会計やコンプライアンスに関する知識・意識(会計リテラシー)や、上場企業グループとして求められる自覚・理解が十分に共有されていなかったこと (6)管理部門・内部監査部門によるモニタリング機能や、取締役会による監視・牽制機能、監査役会による監督機能が十分に機能していなかったこと (7)財務報告責任の認識・体制上の問題があったこと ④再発防止策 上記の原因分析を踏まえ、「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を柱とする再発防止策を策定し取り組みを進めております。 (1)企業風土改革 当社は、コンプライアンスを最重視し、「健全で風通しがよく、正しい行動を促す」企業風土に向けた抜本的改革が必要であると考え、経営トップ(代表取締役)が企業風土改革に向けた覚悟を表明するとともに、経営理念やパーパスを再認識し、従業員との直接対話によるグループ全体への浸透を図っております。また、組織の役割、管掌とその責任を明確化し、報告プロセスを再構築しております。コンプライアンス最重視の経営体制の構築の観点からは、経営トップ・マネジメント層の意識の向上・強化を図り、グループ全社に向けた経営トップ・マネジメント層による継続的発信、グループ会社従業員との直接対話による意思の共有と従業員の意識向上に努めております。さらに、心理的安全性が確保された組織作りと、誰もが互いを尊重し合い、自由闊達に意見を言える風土の醸成に向けて、コミュニケーションの改善に取り組んでおります。その他、適切な業績目標の設定と過度な業績プレッシャーの排除、教育・研修(倫理・会計リテラシー)の抜本強化、内部通報制度の強化に取り組んでおります。 (2)ガバナンス改革 当社は、取締役会においてグループ全体の内部統制上の問題点を抽出・把握し、改善に向けたガバナンス体制を再構築するなど、取締役会の監督機能を強化するための取り組みを進めております。また、経営トップの重要意思決定に対する監督・牽制機能を強化するために、取締役会議長を独立社外取締役から選任するとともに、これを支える事務局体制を整備いたしました。さらに、監督機能強化を意図した取締役構成へ見直すべく、管理・監督機能強化を推進する取締役を選任するとともに、独立社外取締役の増員および独立社外取締役の比率を高めることとし、2026年6月29日開催の第26期定時株主総会において取締役選任議案が原案とおり承認されたことにより、取締役8名中5名が独立社外取締役となりました。 監査役会の監査機能を強化するために、リスクベースに基づく監査計画の見直しや、監査補助者の配置、また必要に応じて外部の不正・会計専門家を活用していくなど、監査役会の体制・機能強化に取り組んでおります。さらに、常勤監査役の増員や財務・会計の専門家である公認会計士および危機管理・コンプライアンスに関する高度な見識と豊富な経験を有する人材の新たな招聘による監査役体制の強化を図ることを目的に監査役候補者を選任し、第26期定時株主総会において監査役選任議案が原案とおり承認されたことにより、監査役6名中3名が独立社外監査役、常勤監査役は3名となりました。 指名・報酬委員会は、独立社外役員のみのメンバー構成に変更するとともに、その役割を強化し、取締役選任プロセスの明確化やCEOサクセッションプランの全体像の構築などに取り組んでおります。また、取締役の質の向上のため、外部機関が提供する研修プログラムに、社内外の現任取締役および新任取締役が継続的な受講を目的とした、研修・教育計画を策定し、実施しております。 (3)経営管理基盤、内部統制の再構築 当社は、事業部門に対する管理・牽制機能を強化するため経理・財務統括責任者を設置いたしました。また、会計および開示実務に関する十分な知識・経験を有する人材の配置・増員や、分掌・承認・牽制が整備された業務プロセスの再構築、経理部員に対する継続的な教育・研修の実施など、経理部を中心とした管理部門の機能強化に取り組んでおります。 内部統制の強化に向けては、子会社における業務フローの整備や、上場企業の子会社として適切な会計業務を行うための十分な知識・経験を有する人材の配置・増員、在庫および売上管理等の不適切な会計処理がされうる領域の定期的な妥当性検証とモニタリングの実施など、グループ全体を俯瞰した内部統制の再構築を行っております。また、内部監査室に内部監査業務を適切に遂行できる十分な知識・経験を有する人材を配置・増員し、内部監査室メンバーに対して継続的な研修を実施するなど、内部監査機能の強化に取り組んでおります。 (4)全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し) 当社は産業ガスを祖業とし、関連する産業分野の裾野の広さを活かして多角化を進め、全天候型経営による安定を追求してまいりました。一方で、多角化の広がり・グループ会社数の増加に伴って、自社グループのコアコンピタンスが不明瞭になったことも事実であり、全社戦略を見直すうえで、今一度グループの強みを再定義する必要があると認識しております。当社のコアコンピタンスを見直す場として、全社事業戦略会議を開催し、経営トップ、事業責任者だけでなく、社外を含む取締役も参加し、当社のコア/ノンコアを再定義するとともに、全社事業戦略を定量的、定性的に議論し、決定いたします。 また、コアコンピタンスを活かした「既存事業の深化」と「新規事業の進化」を念頭に、事業ポートフォリオ改革を推進してまいります。2026年2月よりポートフォリオ管理委員会を発足し、当社ポートフォリオの評価軸を定めるとともに、事業性・コアコンピタンス・ガバナンスなどの観点から各事業の取組み方針(成長/改善/統合等)および今後の全社戦略における各事業の位置づけについて協議しております。戦略的な投資配分について、事業領域毎の投資可能枠の設定や、ガバナンス強化、IT・技術開発投資など、当社の成長に欠かせない領域の投資枠についても、同管理委員会での議論を開始しております。 さらに、事業性のみならずグループ全体のガバナンスの観点からもグループ会社の適正化・再構築を行います。グループ会社全社に対して上場企業基準のグループガバナンスの徹底を最重要視し、その方策の一つとして事業特性が同じ会社の統合を進めます。一方で当社のコアコンピタンスに合致せず、事業撤退の判断となった会社はベストオーナーに対し適切なプロセスを経て事業譲渡を推進し、2028年度中の完了を目標といたします。 当社は、上記の4項目を柱とする再発防止策の実行を、グループ一体となって推進し、経営の透明性と健全性を高め、社会的信頼の回復に全力を尽くしてまいります。 なお、各セグメントの取り組みは、次のとおりであります。 (デジタル&インダストリー) 産業ガス分野では、鉄鋼・化学などの素材分野向けを中心に国内の産業ガス需要が減少基調にある中で、地域供給ニーズへの高い対応力・競争力を活かして、各種ガスの安定供給及び新規需要の獲得に努めております。また、中東情勢の影響による原油価格高騰に伴い、電力費や物流費の上昇が見込まれる中で、これらのコストアップ影響を反映した価格マネジメントに取り組んでおります。 半導体・エレクトロニクス分野では、生成AI向けを中心とする先端半導体工場の増強・拡大に対応した大型プラント投資や新規取引先の開拓により、ガス需要の取り込みを進めております。あわせて、特殊ケミカル及び同供給装置、ガス精製装置、関連工事など、半導体製造プロセスを支えるグループ商材・サービスをトータルソリューションで提供できる強みを活かし、最先端ニーズから周辺分野まで幅広い需要に対応することで、事業拡大を図ってまいります。 グローバル分野では、当社が国内で培ってきた強みや知見を活かし、新市場における成長拡大と高い収益性の実現を目指しております。一方で、各国の政策動向等に起因する地政学リスクを背景とした事業環境の変化や、国内とは異なる商慣習・市場特性・ボラティリティに適切に対応していく必要があります。インドの産業ガス分野は、政府による積極的なインフラ投資政策を背景に、鉄鋼をはじめとしたガス需要の拡大が見込まれることから、オンサイト供給案件の新規獲得や自社液化ガス工場の稼働によるローリー・シリンダー事業の拡充を進めてまいります。北米の産業ガス分野は、現地ディストリビューターとの連携やM&Aを通じて事業展開エリアを拡大するとともに、自社プラントの設置によりメーカーとしての事業基盤の確立を進めております。これにより、産業ガスの製造から販売まで一貫した事業インフラの構築を推進してまいります。高出力UPS(無停電電源装置)分野では、データセンターや半導体工場のBCPに不可欠なバックアップ電源ソリューションを提供しており、需要拡大を背景とした新規受注の獲得により成長を目指してまいります。 (エネルギーソリューション) 産業ガス分野では、液化炭酸ガス・ドライアイスの原料となる排ガスCO2の調達先(製鉄所や化学プラント等)の統廃合が進み、業界全体において生産数量が減少傾向にある中で、国内外からのバックアップを含めた安定供給体制の構築・維持に努めております。また、こうした原料調達の難化により製造原価や横持ち物流費の上昇が進む中で、こうしたコストアップ影響を反映した適正な価格マネジメントを徹底するとともに、生産工場プロセスの省人化をはじめとする生産性向上にも引き続き取り組んでおります。 低炭素・脱炭素分野では、社会のカーボンニュートラル実現に向けて、北海道において家畜ふん尿由来のクリーンエネルギーである液化バイオメタンの製造・販売を行っております。また、低濃度排ガスCO2から液化炭酸ガス・ドライアイスを製造する小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」や、垂直ソーラー発電システム「VERPA」など、脱炭素ソリューションの社会実装化に注力しております。 エネルギー分野では、北海道を中心としたLPガス・灯油供給において、人口減少を背景に需要・消費が減少傾向にあるほか、地方販売店の人手不足や後継者不在による廃業も顕在化しつつあります。こうした中で、販売店の商権取得等による直販体制の強化と全体数量の維持・拡大に努めるとともに、IoT技術を活用した配送の効率化など、収益力の強化に取り組んでおります。 (ヘルス&セーフティー) 医療分野では、病院をはじめとする医療機関において、物価・人件費・エネルギーコストの上昇を背景に消耗材の使用抑制等の動きが見られる中で、ガス・機器・材料の供給ならびに病院設備工事を含めたトータルソリューションの提供に努めております。医療機関向け製品供給においては、医療用ガスの供給基盤を活かして医療現場のニーズを把握し、最適な医療機器・医療材料まで総合的に提案・提供しております。中長期の成長に向けては、健康寿命の延伸や在宅医療体制の構築といった社会的ニーズを踏まえ、人々の健康増進、リハビリによる予後の改善、在宅患者のQOL(生活の質)向上につながる医療機器や介護用製品の開発体制の強化を進めてまいります。SPD(病院物品物流管理)や病院向け滅菌受託といった医療現場のサポートにおいては、低収益取引の見直しや効率化を進めてまいります。手術室の改修など病院設備工事においては、直接受注による収益力の強化に取り組んでまいります。 防災分野では、データセンターや電力施設向けのガス消火設備工事の需要が高まる中で、新規案件の獲得による事業拡大を推進するとともに、旺盛な需要に即応できる工事人員体制の強化を図ってまいります。 コンシューマーヘルス分野では、グループリソースの最大活用やサプライチェーンの拡充等により事業体制の強化を進めるとともに、衛生材料・注射針の販売拡大、化粧品・エアゾール受託増を通じて事業拡大及び収益力の強化に取り組んでまいります。 (アグリ&フーズ) 農産分野では、天候影響等に伴う豊作・不作や市場価格変動が主要なリスク要因となる中、作物ごとの圃場(契約農場)の拡大を通じて全体調達量の安定確保を図ることで、ボラティリティの低減に取り組んでおります。また、当社のロジスティクス分野が有する全国ネットワークを活かし、原料野菜の調達や青果流通・加工・販売におけるサプライチェーンネットワークの構築を強化し、安定供給の維持と事業拡大を図ってまいります。 食品分野では、食肉加工品の原料輸入において、為替変動リスクをヘッジするとともに、原材料費・労務費・物流費・エネルギーコスト等の上昇に対しては、適時適正な価格改定によりコストアップ影響の吸収に取り組んでおります。 飲料分野では、消費者向け製品価格の上昇が消費マインドの低下につながることで、飲料の受託生産数量の減少に直結するリスクを内包しております。また、各種コストの上昇が進む中、適正な収益水準の確保に向け、契約価格の見直しに随時取り組んでおります。あわせて、飲料製造における充填ラインの増強による生産性向上等を通じ、収益力の強化を進めてまいります。 (その他の事業) ロジスティクス分野では、中東情勢の影響による原油価格高騰に伴い、軽油価格(トラック燃料費)の上昇が大きなリスク要因となる中、最適な軽油調達方法の判断や、荷主への価格転嫁の申し入れを含め、適切なタイミングを見極めながら対応を進めております。 電力分野では、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)により売電価格が一定程度保証されている一方で、発電燃料となるPKS(パームヤシ殻)や木質ペレットは海外から輸入しており、PKS市況や海上輸送運賃の変動に伴う調達価格の変動が大きなリスク要因となっています。こうした中で、計画外停止の最小化による安定操業の維持や、荷揚港湾施設の運用改善、為替変動リスクのヘッジ、燃料調達先の多角化や燃料ミックスの見直し等を複合的に推進することにより、稼働率の向上、原価低減及びコスト変動リスクの低減を図ってまいります。
事業等のリスク7,466字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 当社グループの事業展開上、事業の状況、経理の状況等に変動を与え、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 当社のリスクマネジメント体制 当社グループの事業活動において、事業を取り巻く様々なリスクを適切に把握・評価し、未然防止および影響の最小化を図るため、「リスクマネジメント・コンプライアンス部」がその統括部門として、当社及び子会社を横断的に管理する体制としております。 情報セキュリティ、知的財産、海外事業展開および契約などに関わる個別リスクについては、それぞれの担当部門において、社内規程の制定、マニュアルの作成ならびに教育研修の実施などを行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当該リスクを管理する体制としております。また、リスクマネジメント・コンプライアンス部を事務局とするリスクマネジメント委員会を定期的に開催し、当グループにおける主要なリスクの把握とその対策状況についての検討などを行い、グループ全体におけるリスク管理体制の強化を推進しております。海外子会社については、当該会社を管理する事業ユニットと連携し、リスクマネジメント体制を構築しております。各海外子会社を対象に、年一回、リスクの特定、影響度合いと発生確率に応じたリスクの分析・評価、リスク対応策の検討という一連のプロセスでリスクアセスメントを実施し、その結果を踏まえてBCP(事業継続計画)を策定しております。リスクマネジメント・コンプライアンス部では、これらのリスクアセスメントおよびBCPに対して指導・助言を行うことにより、全社的なグローバルリスクを管理しております。 また、事業活動への影響が大きいと想定されるリスクが発生した場合には、「危機管理規程」に基づき、直ちに危機管理委員会を社内に設置し、発生したリスクに対し迅速かつ適切に対処する体制を整えております。 (2) 事業等のリスク 項目   リスク内容   当社グループの対策 海外事業リスク   当社グループは、成長戦略の一環としてM&Aによる海外事業展開を行い、米国やアジア圏を中心に海外進出を強化しております。しかしながら、事業を進めるうえで言語、法制、税制等の日本との相違や政治的、社会的および経済安全保障上のリスクにより事業が停滞することで、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。   進出国ならびに域内の政治・経済・社会的状況、及び顧客・取引先その他のステークホルダーに関する情報を調査収集し、グループ内で共有を図っております。また、グローバルリスクマネジメント活動として、安全保障に関連する規程や基準を整備し、グループ内で輸出管理等の指導・助言を行っております。さらに、海外の取引先やエンドユーザーに関するチェック体制を強化する仕組みを導入し、安全保障貿易上のリスクや反社会的勢力との取引リスクの未然防止に努めております。加えて、グローバル事業展開で得たノウハウや知見を活かしながら、グループ横断的な、リスク管理体制を構築しております。 制度変更リスク   急速に少子高齢化が進む日本では、政府が健康寿命の延伸を目的とした「全世代型社会保障の構築」の方針を掲げ、高騰する医療費の抑制・適正化を図るための医療制度改革が継続して進められております。そのため、メディカルプロダクツ事業においては、将来、大規模な診療報酬や薬価の改定が行われた場合、当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。   メディカルプロダクツ事業においては、今後も医療費の適正化政策が継続することが予測される環境下で、医療機関や医療従事者における業務効率化・働き方改革への支援を目的とした製品・サービスの開発・拡充を推進し、変化する市場ニーズへの対応を図っております。 自然災害リスク   発生の予測が困難であり頻発化している自然災害(地震、津波、台風、豪雨、豪雪、強風、噴火など)の発生及び、それに伴う停電・断水などのライフラインの途絶や配送ルートの寸断が発生した場合には、生産能力の低下や停止、供給・配送の遅れや停止に伴う売上減少、対処費用や復旧費用、将来への予防対策費用など、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。アグリ&フーズ事業では、自然災害により主要原料である野菜の収量が大きく変動し、加工工場の操業に支障が発生する可能性があります。   当社グループでは、自然災害への対応として、インダストリアルガス事業では、高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」と貯蔵・物流拠点の分散配置によって国内における産業・医療用ガスの安定供給インフラネットワークを整備しております。大規模自然災害を想定した防災訓練の定期的な実施や災害備蓄品の充実化を図り、リスクの最小化を図っております。エネルギー事業の主要事業エリアである北海道では、LPガス仕様の移動電源車を配備し、LPガス受入基地、LPガス充填工場、灯油基地において、停電時にも非常用電源が確保できる体制を整えております。アグリ&フーズ事業では、栽培・調達する野菜の産地分散化に取り組んでおります。 品質リスク   当社グループは、高圧ガス及び関連する機器類の製造・販売などの事業のほか、多岐にわたる業種において製品やサービスを提供しており、これらの製品に万が一欠陥や品質不良、故障が生じた場合には、お客様からの信頼の低下や損害賠償の負担などにより当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。   当社グループでは、法令やお客様の要求事項を満たすために品質管理を実施し、品質を保証しております。加えて、当社グループでは国際的な品質マネジメントシステムに準拠し、多岐にわたる業種に適用可能な管理体制の構築を進めております。 項目   リスク内容   当社グループの対策 調達リスク   インダストリアルガス事業の主力製品である酸素・窒素・アルゴンの製造には、大量の電力を使用しております。電力コストが大幅に上昇し、販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、希少な天然資源であるヘリウムガスなどは地政学的要因により、水素ガス、炭酸ガス及びドライアイスは石油精製会社等で副生・供給される原料ガスの稼働状況影響での減量により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。エネルギー事業の主力商品であるLPガス、灯油の仕入価格は、概ね原油価格に連動しております。原油価格が想定より大幅に下落した場合、高単価在庫を保有するリスクがありグループの業績に影響を与える可能性があります。アグリ&フーズ事業では、野菜や豚肉を主原料とした加工食品を製造・販売しており、これら原材料の価格は天候不順や市場における需給の変化、為替の変動により影響を受ける可能性があります。その他の事業では、日本のFIT制度において、海外バイオマス発電燃料のサプライヤーに対する安定供給や事業の持続可能性の確認が厳格化される動きがあり、基準を満たす燃料の需給が逼迫し、燃料価格が高騰するリスクがあります。また、バイオマス発電の燃料の大半は海外に依存しており、為替の影響や地政学的リスクにより、価格が上昇するリスクがあります。   当社グループでは、顧客の理解を得ながら、適時適切に販売価格の改定を図り、収益確保に努めております。また、安定した原料調達及び製品供給のため、国内での貯蔵量増加、代替ソースの確保、代替燃料の投入準備、新規調達ルート開拓などの検討を進めております。 事故リスク   物流事業では、トラックやローリーといった大型車両を用い、一般貨物及び高圧ガスを始めとする危険物の輸送業務を行っております。そのため重大な事故が発生した場合には、損害賠償や車両の使用停止や事業所の営業停止などの行政処分を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。   当社グループの物流事業では、運輸事業者として安全最優先の方針のもと、適切な安全管理体制の構築を図るために、安全管理規程、および交通安全管理規程を厳格に定め、運行管理の徹底、安全教育の実施など、日々安全対策活動に取り組んでおります。 為替リスク   当社グループは、海外事業を成長の柱として位置づけており、M&Aや会社設立を通して日本国外に多くの子会社を有しております。また、ヘリウムガスや半導体向け特殊ガスは、海外からの調達品であります。特に、外貨建てでの輸出入を行う国内子会社及びグローバル・エンジニアリング事業における高出力UPS事業を行う在外子会社では、原材料の仕入れや製品販売、ヘリウムなど海外調達品において、急激な為替レートの変動が起きた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。   当社グループでは、為替予約、仕入ルートの多様化複数化、在外子会社での取引通貨の一本化などにより為替リスクの最小化を図っております。 項目   リスク内容   当社グループの対策 環境リスク   当社グループは国内外の事業活動において、環境関連法規の規制を受けておりますが、環境関連法規の制定や改正によって規制強化が図られた場合、それに伴う事業活動の制限や対応にかかるコスト増加等が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、製造工程で大量に電力を使用しているインダストリアルガス事業では、炭素税の賦課や排出権取引制度などの温室効果ガス排出規制が強化された場合、業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。   当社グループでは、中期経営計画や環境基本方針において、気候変動への対応を重要な経営課題として位置付け、重要評価指標(KPI)として温室効果ガス総排出量の削減目標を定めております。具体的な対応策は、『サステナビリティに関する考え方及び取組』の『(3)戦略・指標及び目標 1.気候変動に関する取り組み』に記載しております。 情報セキュリティリスク   当社グループは事業活動を行う中で、顧客の個人情報や他社等の機密情報を入手することがあります。また、当社グループ内で開発した技術情報を含む営業秘密を保持しております。これらの情報はサイバー攻撃などにより外部流出する可能性があります。また、生産設備、管理システムなどへ不正アクセスを受けた場合、情報の破壊や改竄、漏洩につながる可能性があります。これらの事象が発生した場合、顧客からの信用失墜や被害を受けた方への損害賠償、事業停止等が発生し、当社グループの業績に影響がでる可能性があります。   当社グループでは「仕組みによる対策」と「体制・教育による対策」の両面から対策を講じております。「仕組みによる対策」では、情報端末、サーバー、ネットワーク等に対し、情報セキュリティシステムの強化を行い、外部からのアクセス制限・攻撃検知、マルウェアの侵入検知などの対策を行っております。「体制・教育による対策」では、世間動向を踏まえつつ、グループ規程の整備、eラーニングや標的型メール訓練などの教育研修による一人ひとりのセキュリティリテラシーの底上げ、グループ各社へのセキュリティ担当の設置による迅速なセキュリティ課題への対応などの対策を行っております。 非金融資産の減損リスク   当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産など、多くの非金融資産を保有しております。非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産等を除く)については、当該資産又は資金生成単位(以下、「当該資産」という。)の減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候がある場合には、当該資産の回収可能価額を見積り、減損テストを実施しております。なお、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、毎期減損テストを実施しております。減損損失が発生した場合には、当社グループの事業展開、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。   当社グループでは、定期的に実施するのれんや無形資産の減損テスト、減損の兆候がある場合に実施する有形固定資産の減損テストを通じて評価額を把握し、適切に処理しております。 項目   リスク内容   当社グループの対策 ガバナンスの機能不全に関するリスク   (当該年度において顕在化した重要事項)2025年7月、当社の連結子会社において、在庫を巡る不適切な会計処理が確認されたことを契機に、同年10月、外部専門家からなる特別調査委員会を設置し、当社グループにおける不適切な会計処理の有無や実態について、独立した立場からの調査を行いました。その後、調査の進展に伴い、対象は当初想定を超えて拡大し、当社および相当数のグループ会社において、複数年度にわたる不適切な会計処理が行われていたことが明らかになりました(2026年3月31日及び2026年6月19日付で調査報告書を受領)。※株式会社東京証券取引所による措置に関するリスクは欄外に記載   (再発防止に向けた取組み)当社は今回の事態を厳粛に受け止め、調査報告書において認定された事実関係ならびに外部の専門家による審議・提言も踏まえたうえで関係者の責任に応じた処分を行うとともに、調査報告書および提言を真摯に受け止め、検討・ 審議を重ねたうえで、「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を定めた再発防止策を策定し、経営の最優先課題として推進し、経営の透明性と健全性を高め、社会的信頼の回復に全力を尽くしております。 資金調達リスク   当社グループの金融機関からの借入には、財務制限条項を含む借入人又は保証人の確約に係る条項が付されているものがあります。これらに抵触した場合、期限の利益を喪失するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点までに受領した特別調査委員会による調査報告書において、当社グループで不適切な会計処理が行われていたことが判明したことにより、当社グループが主要取引金融機関と締結しているシンジケートローン契約等の一部の借入について借入人の確約に係る条項に抵触するおそれがあり、今後の金融機関との協議結果や金融機関による判断によっては、期限の利益を喪失するおそれがあります。また、借入人㈱日本海水TTS苅田パワー、保証人㈱日本海水のコミットメント付タームローンによる借入については、㈱日本海水TTS苅田パワー及び㈱日本海水において財務制限条項に抵触しており、貸付人の請求により期限の利益を喪失するおそれがあります。    当社グループでは、エージェントを含む主要取引金融機関と緊密な関係を維持し、建設的な協議を継続しております。借入人㈱日本海水TTS苅田パワー、保証人㈱日本海水のコミットメント付タームローンによる借入については、借入人である㈱日本海水TTS苅田パワー及び保証人である㈱日本海水に付された財務制限条項に抵触しておりますが、現時点では期限の利益喪失条項を適用する旨の通知は受けておりません。今後も主要取引金融機関に適切に情報開示を行い、十分なコミュニケーションを行っていくことで、継続的な支援が得られるものと考えております。 ※特別注意銘柄指定による上場廃止リスクへの対応 2026年4月30日、株式会社東京証券取引所より、当社株式を2026年5月1日付で特別注意銘柄への指定、上場契約違約金の徴求を行う旨についての通知を受けました。特別注意銘柄指定期間は、2026年5月1日から原則1年間とし、1年後に当社から内部管理体制確認書を提出、株式会社東京証券取引所が内部管理体制等の審査を行い、内部管理体制に問題があると認められない場合には指定が解除になります。一方で、内部管理体制に問題があると認められる場合には、原則として上場廃止となります。ただし、指定から1年経過後の審査において、内部管理体制等が適切に整備されていると認められるものの、適切に運用されていると認められない場合(適切に運用される見込みがある場合に限ります。)には、特別注意銘柄の指定を継続し、当該指定の継続を決定した日の属する事業年度(当該指定の継続を決定した日から当該事業年度の末日までの期間が3か月に満たない場合は当該事業年度の翌事業年度)の末日以降の審査までに、内部管理体制等の運用状況の改善を求められ、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認める場合にはその指定が解除されます。一方で、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には上場廃止となります。なお、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認めるものの、経過観察の対象銘柄に該当する場合には、最長3事業年度、指定が継続され、その間同審査が行われます。 当社としては、2026年4月3日付公表の通り、特別調査委員会の調査報告書で指摘された発生原因および提言を踏まえ、「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を柱とした再発防止策に取り組んでおります。 このたび、特別注意銘柄に指定されたことから、上記再発防止策の各事項が十分であるかを再検討するとともに、企業風土改革、経営体制・ガバナンスの適正性、役員体制(取締役・監査役)及び選任プロセス、内部管理体制(内部監査・子会社管理を含む)の整備・運用等について、再発防止策で検討がなされていない項目も含めて、外部専門家の支援も受けながら改善計画を策定し、改善計画・状況報告書を提出予定です。 当社は企業風土、ガバナンスおよび内部統制の抜本的な見直しと強化を経営の最優先課題として進めるとともに、今後も再発防止策の着実な実行と、その進捗状況の適切な開示を通じて、信頼回復に全力を尽くしてまいります。
経営成績の分析 (MD&A)7,429字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績 当連結会計年度の売上収益は1兆667億9千5百万円(前期比5.3%増)、営業損失は371億5千7百万円(前期は625億3千8百万円の営業利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は639億4千9百万円(前期は399億2千9百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。 なお、2025年10月9日付「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」で公表した当社における在庫等に関する不適切な会計処理につきましては、特別調査委員会による調査結果等を踏まえ、必要な対応を進めております。 当該不適切会計に伴う影響については、特別調査委員会による調査結果に加え、自主点検対応(決算数値及び会計処理の再点検を含む)の結果を踏まえ、これらを併せた一時影響額を当期及び過年度の業績に反映しております。また、これらに係る調査関連費用として130億3千6百万円を計上しております。 また、過去の投資案件について、事業環境及び将来収益性を踏まえて事業計画を見直し、回収可能性を検討した結果、海外事業を中心としたのれん及び固定資産等に係る減損損失として1,079億8千1百万円を計上しております。 その他、新規連結に伴う段階取得差益として123億2千5百万円を認識しております。 売上収益   営業利益又は営業損失(△)   親会社の所有者に帰属する当期利益又は親会社の所有者に帰属する当期損失(△) 2025年3月期 (百万円)   1,013,070   62,538   39,929 2026年3月期 (百万円)   1,066,795   △37,157   △63,949 前期比(%)   105.3   -   - セグメントの業績及び概況につきましては、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は「5.事業セグメント」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。 <デジタル&インダストリー> 当セグメントの売上収益は3,299億3千8百万円(前期比4.2%減)、営業損失は408億8千8百万円(前年同期は301億1千3百万円の営業利益)となりました。 インダストリアルガスユニットは、エアセパレートガスをはじめとする各種産業ガスの価格マネジメント効果が業績に寄与しました。 ガスプロダクツユニットは、鉄鋼オンサイトにおいて、一部高炉の停止等により、ガスの供給量が減少しました。 デジタルユニットは、生成AI向け半導体関連の旺盛な需要を背景に、先端半導体向けのガス供給に加え、半導体製造装置向け熱制御装置等の販売が増加しました。機能材料分野は、シール材や基礎化学品の販売回復に加え、価格マネジメントの進展により、順調に推移しました。 グローバルエンジニアリングユニットは、インド事業では、鉄鋼向けオンサイトプラントや自社液化ガスプラントの新規立ち上げ等でガス供給体制を強化した一方で、顧客高炉のメンテナンス長期化等により、プラント稼働は期を通じて不安定に推移しました。北米事業では、産業ガスは地域販売を中心に底堅く推移しましたが、低温機器は米国政策の影響を受けた水素関連需要の減少等を踏まえ、一部事業の見直しを行いました。高出力UPSでは、DRUPS(ロータリー式無停電電源装置)は幅広い地域・業種で受注が進み堅調に推移しましたが、非常用発電機は中国勢との競争激化等により低調に推移しました。 なお、当セグメントにおいては、グローバルエンジニアリングユニットにおけるのれん及び固定資産の減損損失を織り込んでおります。その他、低温機器の一部撤退費用を一時影響額として含んでおります。 これらの結果、売上収益は前期を下回り、営業損失となりました。 <エネルギーソリューション> 当セグメントの売上収益は985億2百万円(前期比6.3%増)、営業利益は63億9千4百万円(同21.4%減)となりました。 エネルギーソリューションユニットは、LPガス・灯油ともに販売単価の改定や付帯サービス料金の見直し効果が寄与したほか、主力である家庭向けの販売数量が増加しました。 グリーンイノベーションユニットは、炭酸ガスでは原料ガス不足の影響を受ける中で安定供給に努めたほか、価格マネジメント効果等も加わり、順調に推移しました。水素はデータセンター需要を背景とした電子産業向けを中心に販売数量が拡大しました。 なお、当セグメントにおいては、グリーンイノベーションユニットにおける固定資産の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。 これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。 <ヘルス&セーフティー> 当セグメントの売上収益は2,684億7千1百万円(前期比21.8%増)、営業利益は103億9千5百万円(同13.0%減)となりました。 メディカルプロダクツユニットは、医療用酸素の新規獲得など販売強化に努めたものの、全体としては供給減となりました。加えて、医療機器や消耗材も販売減となるなど、病院・医療市場における需要減の影響を受け、総じて厳しい状況で推移しました。 防災ユニットは、電力関連施設やデータセンター向けのガス消火設備工事が好調に推移しました。また、病院設備工事においてもメンテナンスサービスの受注強化に努めるなど、全体を通して堅調に推移しました。 在宅ヘルスケアユニットは、注射針の生産・販売増に加え、コンシューマ向け衛生用品の販売も順調に推移しました。 デンタルユニットは、歯科業界の高度デジタル化を背景に、歯科材料ならびに口腔医療向けデジタル成形機器の取り扱いが増加しました。また、当第3四半期より、歯科材料・用品の通信販売事業を新規連結しております。 なお、当セグメントにおいては、デンタルケアユニットを中心としたのれん等の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。 これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。 <アグリ&フーズ> 当セグメントの売上収益は1,529億8千8百万円(前期比2.2%増)、営業利益は36億6千4百万円(同26.5%減)となりました。 アグリユニットは、青果小売では店舗運営の合理化を進めた一方で、青果流通では北海道産の馬鈴薯の販売が期後半に一転して大きく減少し、期全体としては横ばいで推移しました。 フーズユニットは、大手量販店向けを中心にハム・デリカの販売強化を進めたほか、コンビニエンスストア向けスイーツの生産性改善が進展するなど、堅調に推移しました。 飲料ユニットは、主要顧客向けの清涼飲料水の生産が伸長するなど、堅調に推移しました。 なお、当セグメントにおいては、フーズユニットを中心としたのれん等の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。 これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。 <その他の事業> 当セグメントの売上収益は2,168億9千4百万円(前期比5.4%増)、営業利益は14億7千5百万円(同80.3%減)となりました。 海水事業は、製塩では期後半から価格マネジメントによるコスト上昇分の吸収に取り組んだほか、水処理工事では受注案件の増加などにより、堅調に推移しました。 電力事業は、小名浜バイオマス発電所の主要な発電燃料であるPKS(パーム椰子殻)調達価格が安価に推移したほか、計画外停止ゼロにより安定稼働しました。 専門商社事業は、電子部品や先端半導体向けの受注増を中心に、堅調に推移しました。 物流事業は、食品物流の主要顧客における受託料金の適正化が進展したほか、米穀物流の新規受託などにより、堅調に推移しました。 一方、インフレ及び円安の進行等の経営環境の著しい悪化等により、エア・ウォーター小名浜バイオマス電力株式会社及び株式会社日本海水TTS苅田パワーでは、減損損失を計上しました。 これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   生産高(百万円)   前期比(%) デジタル&インダストリー   138,354   95.5 エネルギーソリューション   18,786   114.3 ヘルス&セーフティー   50,066   100.8 アグリ&フーズ   108,795   103.1 その他   54,488   69.7 合計   370,490   93.9 (注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 ② 受注状況 製品のほとんどが見込生産であります。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) デジタル&インダストリー   329,938   95.8 エネルギーソリューション   98,502   106.3 ヘルス&セーフティー   268,471   121.8 アグリ&フーズ   152,988   102.2 その他   216,894   105.4 合計   1,066,795   105.3 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 (2) 財政状態 (資産の部) 総資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて61億7千7百万円増加し、1兆2,162億8千7百万円となりました。 (負債の部) 負債は、社債及び借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて534億3千万円増加し、8,053億1千6百万円となりました。 (資本の部) 資本は、親会社の所有者に帰属する当期損失の計上などにより前連結会計年度末に比べて472億5千3百万円減少し、4,109億7千万円となりました。 以上の結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,929.76円から1,702.38円に減少しております。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の36.5%から32.1%となりました。なお、親会社所有者帰属持分当期利益率は前連結会計年度9.2%から△15.4%となっております。 (3)キャッシュ・フロー ① 資本政策の基本的な考え方 当社は、持続的な成長を通じた中長期的な企業価値向上のため、財務の健全性を維持しつつ、資本効率性及び収益性を重視した財務運営を行っております。ROE及びROICを重要な経営指標と位置付け、各資本政策の基本的な考え方に記載のとおり、事業の収益力及びキャッシュ・フロー創出力の向上、事業ポートフォリオの見直し、投資規律の徹底並びに運転資本の最適化を推進してまいります。 当連結会計年度においては、既存事業の収益性改善及び運転資本の最適化に取り組むとともに、投資有価証券及び有形固定資産の売却、債権流動化等を通じ、資産効率の向上及び財務基盤の強化を図りました。今後も、資本効率性及び収益性を重視し、キャッシュ・フロー創出力の向上に取り組んでまいります。 資金配分につきましては、規律ある投資判断を前提に、成長投資を継続しつつ、財務の健全性及びキャッシュ・フローの状況を踏まえ、業績に見合った安定的な株主還元を行ってまいります。 なお、当事業年度の配当金につきましては、当期損失を計上したものの、財務状況、キャッシュ・フロー及び株主還元の継続性等を総合的に勘案し、1株当たり年間配当額を75円といたしました。 次期配当予想につきましては、現在、新経営方針、事業戦略及び事業ポートフォリオ見直し等の内容を踏まえ、株主還元方針を含めて検討を進めていることから、現時点では未定としております。合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示する予定です。 ② キャッシュ・フローの状況 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益及び減価償却費等から法人所得税の支払等を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ148億4千5百万円収入が増加し、1,075億8千3百万円の収入となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ283億3千5百万円支出額が増加し、886億1千1百万円の支出となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済等による支出が増加したものの短期借入金の純増により、前連結会計年度に比べて225億5千3百万円支出額が減少し、57億8百万円の支出となりました。 (現金及び現金同等物) 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ139億1千2百万円増加し、871億3千9百万円となりました。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 中長期的に企業価値を高めていくために必要な成長投資の資金については、事業で創出されるキャッシュ・フローを充当し、不足する分は銀行借入或いは社債発行による負債調達を基本としております。 手元資金については、資金効率を重視し事業継続に必要な適正水準を維持する方針としております。なお、資金の機動的かつ安定的な調達により、財務基盤の安定化を図ることを目的として、取引銀行3行との間に総額1,130億円のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。 成長投資については、経済活動の停滞が長期化した局面に備えて十分な財務の安全性を維持するため、今後のM&A投資及び設備投資は、事業環境の変化を慎重に見極めながら厳選してまいります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 翌連結会計年度の事業環境については、インフレや大幅な為替変動に加え、米国関税政策の動向を中心に経済活動における不確実性が世界的に高まるなど、不透明な経済環境が当面の間継続することを仮定しております。その前提に基づき、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要性がある会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① 非金融資産の減損 当社グループは決算日において、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。のれんは償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としており、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、 当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。使用価値の算定に際しては、資産の耐用年数や将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等について一定の仮定を用いております。 これらの仮定は過去の実績や当社経営陣により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、事業戦略の変更や市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定の変更が必要となった場合、認識される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ② 繰延税金資産の回収可能性 繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。 当社グループは、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づき繰延税金資産を計上しており、回収可能性の評価に当たり行っている見積りは合理的であると判断しておりますが、見積りは予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、認識される費用及び計上される資産に重要な影響を及ぼす可能性があります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は IFRS

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

IR資料の開示履歴 (TDnet)
  • 決算説明資料2025年度 通期業績決算説明資料2026-07-31

TDnetのPDFは掲載後約1ヶ月で削除されるため、古い開示はタイトルのみの記録です。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。