本文へスキップ
超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

日油

NOF CORPORATION4403 · Prime · 化学

脂肪酸・有機過酸化物で産業を支える機能化学品会社。医療材料・化薬にも展開するユニークなポートフォリオ。

概要

日油は、高機能化学品、医薬・医療・健康、化薬の3事業を柱とする化学メーカーである。2026年3月期の連結売上高は約2580億円、営業利益率約18.4%と高い収益性を示す。自動車部品向け防錆処理剤やmRNAワクチン用脂質原料などニッチ分野で高いシェアを持つ。東京都渋谷区に本社を置き、国内外に30子会社を擁する。

三つの事業セグメントと売上構成

機能化学品事業は売上高の約56%を占める最大セグメントであり、脂肪酸誘導体、界面活性剤、有機過酸化物、石油化学品、電子材料、特殊防錆処理剤を製造販売する。医薬・医療・健康事業は約19%を構成し、食用加工油脂や生体適合性素材(MPCポリマー)、DDS医薬用製剤原料を提供する。化薬事業は約24%を占め、産業用爆薬、宇宙関連火工品、防衛関連製品を扱う。このほかに物流・不動産事業がある。

高い収益性と研究開発への注力

2026年3月期の営業利益率は18.4%と化学業界平均を上回る水準を維持する。研究開発を重視し、ヘルスサイエンス研究所とマテリアルサイエンス研究所を新設、オープンイノベーションプログラムを通じてスタートアップ投資や産学連携を推進する。経営指標としてROEやROAを重視し、2030年度を最終年度とする長期ビジョン「NOF VISION 2030」に基づき、ライフ・ヘルスケア、環境・エネルギー、電子・情報の3分野に資源を集中する。

グローバルな生産・販売ネットワーク

グループは子会社30社(在外13社)と関連会社9社から構成される。中国に常熟日油化工、インドネシアにPT.NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIESを持ち、北米・欧州・韓国には防錆処理剤の製造販売拠点を配置する。医薬関連ではNOF AMERICA CORPORATIONとNOF EUROPE GmbHを通じてグローバル展開。化薬事業は国内中心だが、宇宙関連製品は国際的な需要に対応する。

ニッチ分野での高い市場シェア

特殊防錆処理剤「ダクロタイズ」「ジオメット」は自動車部品の防錆処理で世界トップクラスのシェアを有する。DDS医薬用製剤原料はmRNAワクチンの脂質ナノ粒子に採用され、バイオ医薬分野で存在感を示す。有機過酸化物はポリマー製造用開始剤として樹脂・ゴム工業に広く供給される。液晶配向膜材料など電子材料でも独自のポジションを築いている。

業界の中での役割は機能化学品メーカー。防錆処理剤で世界トップのニッチトップ企業。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
2,580億円
営業利益
474億円
営業利益率
18.4%
純利益
406億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

01機能化学品事業主力

脂肪酸・脂肪酸誘導体、界面活性剤、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド誘導体、有機過酸化物、石油化学品(ポリブテン等)、電子材料(液晶表示関連材料等)の製造・販売。日油工業他子会社が製造。

防錆処理剤で世界ニッチトップ

主な製品・サービス4
脂肪酸・脂肪酸誘導体
パーム由来の高級脂肪酸、エステル類。化粧品・プラスチック添加剤用途。
有機過酸化物
ポリマー製造用の開始剤、架橋剤。樹脂・ゴム工業に不可欠。
電子材料
液晶配向膜用材料、有機EL材料等のファインケミカル。
特殊防錆処理剤世界シェア首位
自動車部品等の防錆処理に用いる塗料(ジンクフレークコーティング)。ブランド名:ダクロタイズ®、ジオメット®。

02医薬・医療・健康事業準主力

食用加工油脂・食品機能材、健康関連製品、生体適合性素材(MPCポリマー、MPCモノマー)、DDS医薬用製剤原料(活性化PEG、機能性脂質、医薬用界面活性剤)の製造・販売。

MPCポリマーで独自技術

主な製品・サービス3
食用加工油脂
マーガリン、ショートニング、業務用油脂。製菓・製パン向け。
生体適合性素材(MPCポリマー)
人工関節やコンタクトレンズなど医療機器に用いられる、生体親和性の高いリン脂質ポリマー。
DDS医薬用製剤原料
ドラッグデリバリーシステム用の活性化PEG、機能性脂質、医薬用界面活性剤。mRNAワクチンの脂質ナノ粒子にも使用。

03化薬事業副次

産業用爆薬類、宇宙関連製品(ロケットモーター用火工品)、防衛関連製品、機能製品(ガス発生剤等)の製造・販売。日本工機等子会社が製造。

主な製品・サービス3
産業用爆薬
土木・鉱山向けの硝酸系爆薬、乳化爆薬、雷管。
宇宙関連製品
ロケット分離用火工品、ガス発生器、宇宙ステーション用実験装置。
防衛関連製品
誘導弾用火工品、装備品。防衛省向け。

04その他(運送・不動産)その他

ニチユ物流による運送事業、日油商事による不動産事業。グループ内の物流・不動産管理。

製品と技術

自動車防錆処理剤:ダクロタイズとジオメット

特殊防錆処理剤「ダクロタイズ」および「ジオメット」は、ジンクフレークコーティング技術を用いた自動車部品向け防錆塗料である。高耐食性と環境負荷低減を両立し、電着塗装の代替として欧米で広く採用される。日油は北米、欧州、韓国に製造拠点を持ち、グローバルに供給する。自動車産業の動向に影響を受けるが、電動化に伴う防錆需要の変化に対応している。

生体適合性素材MPCポリマーとDDS医薬用製剤原料

MPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)ポリマーは、生体親和性に優れたリン脂質類似構造を持ち、人工関節やコンタクトレンズなど医療機器に用いられる。DDS医薬用製剤原料として活性化PEG、機能性脂質、医薬用界面活性剤を提供し、mRNAワクチンの脂質ナノ粒子に採用される。バイオ医薬分野で重要な位置を占めている。

有機過酸化物:ポリマー製造の開始剤・架橋剤

有機過酸化物は、樹脂やゴムの重合開始剤、架橋剤として工業的に不可欠な化学薬品である。日油はこの分野で長年の生産実績を持ち、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂など多様なポリマー製造向けに供給する。需要は国内およびアジア市場が中心であり、自動車や電子部品向け樹脂の需要変動に影響される。

宇宙・防衛向け火工品と産業用爆薬

化薬事業では、ロケット分離用火工品やガス発生器、宇宙ステーション用実験装置など宇宙関連製品を手掛ける。防衛関連では誘導弾用火工品や装備品を防衛省に納入する。高い信頼性と安全性が要求される特殊な製品群である。産業用爆薬は土木・鉱山向けに硝酸系爆薬、乳化爆薬、雷管を製造する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

化学のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 世界シェア首位特殊防錆処理剤ジンクフレークコーティング市場で世界シェアトップ機能化学品事業
  • 機能化学品事業防錆処理剤で世界ニッチトップ
  • 医薬・医療・健康事業MPCポリマーで独自技術

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

油脂化学品で業界上位、高収益体質

油脂化学品分野で国内有数のメーカーであり、売上高は2,300億円超、営業利益率は約19%と高収益を誇る。同業の東洋紡やクラレとは異なる分野での強みを持つ。特に機能性化学品や化粧品原料で高いシェアを有し、安定した収益基盤を築いている。クラレなどの総合化学メーカーと比べ、規模は小さいが、独自の技術力で差別化。最近の業績は増収増益傾向にあり、さらなる成長が期待される。

強み

  • 営業利益率が約19%と業界トップクラスの高さ。
  • 油脂化学品で独自技術を持ち、他社との差別化が図れている。
  • 売上高は増加傾向にあり、堅調な成長を持続している。
  • 特定の機能化学品や化粧品原料で国内首位のシェアを有する。

課題

  • 油脂原料の価格変動が収益に影響を与える。
  • 一部市場の縮小で、需要の確保が課題となる。
  • 総合化学メーカーとの競争が激しく、優位性の維持が必要。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

機能性化学の時価総額近傍。太字が日油

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14021日産化学1.1兆円21.7倍
24005住友化学1.0兆円16.6倍
34183三井化学9,014億円24.5倍
44182三菱瓦斯化学8,139億円
55901東洋製罐グループホールディングス6,967億円12.6倍
64403日油6,362億円15.3倍
74203住友ベークライト6,271億円22.3倍
83405クラレ5,747億円69.0倍
94912ライオン5,260億円18.1倍
104205日本ゼオン5,207億円13.3倍
114980デクセリアルズ5,102億円18.3倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(機能性化学)に従っています。

会社の歴史

沿革 0件

2028中期経営計画の策定と3分野集中

日油は2025年度までの「2025中期経営計画」に続き、2028年度を最終年度とする「2028中期経営計画」を策定した。基本方針を「変革と創造」とし、ライフ・ヘルスケア、環境・エネルギー、電子・情報の3分野への経営資源投入を加速する。愛知事業所での化粧品ODM設備増設や電子材料の生産能力増強など、成長分野への戦略投資を進めている。

研究開発体制の再編:2研究所新設

2025年度、日油は研究開発体制を刷新し、ヘルスサイエンス研究所とマテリアルサイエンス研究所を新設した。前者はライフ・ヘルスケア分野、後者は環境・エネルギーおよび電子・情報分野の研究を担当する。あわせて「産学委託研究型オープンイノベーションプログラム2025」を実施し、次世代素材や技術の探索を開始した。

2026年3月期の業績:2580億円の売上高

2026年3月期の連結売上高は257,967百万円(前期比8.2%増)、営業利益は47,411百万円(同4.6%増)、経常利益は50,366百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は40,550百万円(同11.1%増)を達成した。全セグメントが増収となり、特に化薬事業が防衛関連製品の収益認識により売上高59.1%増と大きく伸長した。

化薬事業の急成長:防衛関連製品の拡大

化薬事業は2026年3月期に売上高61,675百万円(前期比59.1%増)、営業利益7,979百万円(同154.9%増)と急成長した。背景には防衛力整備計画に基づく防衛関連製品の早期装備化があり、初度費に係る一部取引の収益認識が寄与した。宇宙関連製品もロケット向け出荷増で増収。産業用爆薬は横ばいであった。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は4つの方針を掲げている。有価証券報告書には具体的な数値目標の記載がない。

  1. 01

    3分野への経営資源集中

    ライフ・ヘルスケア、環境・エネルギー、電子・情報の3分野へ積極的に資源を投入し、事業領域拡大を加速する。特に機能化学品事業では化粧品ODM設備増設や電子部品材料の生産能力増強、化薬事業では防衛力整備計画に基づく生産基盤整備を進める。

  2. 02

    新技術・新事業の創出

    新設した2研究所(ヘルスサイエンス研究所、マテリアルサイエンス研究所)を核に、オープンイノベーションやスタートアップ投資を活用し、機能性化学素材、機能性食品素材、エレクトロニクス素材、医療・医療機器素材等の新技術・新事業を創出する。

  3. 03

    生産性向上と業務効率改善

    DX人材育成に加え、データサイエンスを活用したMIによる研究開発効率化、スマートファクトリー化、バックヤード業務効率化アプリ導入など、全社的な生産性向上と業務効率改善に取り組む。

  4. 04

    サステナビリティ推進(CSR)

    11項目のマテリアリティを特定し、KPI目標を設定。先進医療・環境負荷低減等への貢献、働き方改革・人権尊重、レスポンシブル・ケア活動(カーボンニュートラル・化学物質管理)を推進し、TCFD・TNFD提言に賛同した情報開示を拡充する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で4,155人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は844万円で、9期前と比べて+8.7%平均年齢は42.9歳、平均勤続年数は17.5年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月3,712
2018年3月3,721
2019年3月77643.118.83,725
2020年3月78043.419.03,718
2021年3月76943.418.93,755
2022年3月79443.418.83,787
2023年3月79643.618.93,818
2024年3月81843.418.43,879
2025年3月83643.117.93,9971,133
2026年3月84442.917.54,1551,141

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2026年3月期・提出会社(単体)
女性管理職比率6.4%
縦線は目安の30%
男性育休取得率94.1%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)72.5%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社24(国内 13 / 海外 11、うち連結子会社 17) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
愛知事業所 — 愛知県知多郡 武豊町253億円
機能化学品 医薬・医療・健康 化薬
川崎事業所 — 神奈川県川崎市川崎区171億円
機能化学品 医薬・医療・健康
尼崎工場 — 兵庫県尼崎市117億円
機能化学品 医薬・医療・健康
白河製造所 — 福島県西白河郡110億円
化薬
大分事業所 — 大分県大分市3,478百万円
機能化学品 医薬・医療・健康
本社・工場 — 中国3,022百万円
機能化学品
本社・工場 — インドネシア2,725百万円
機能化学品
本社 — 東京都渋谷区他2,355百万円
全社的管理業務・販売業務
本社・川越工場 — 埼玉県川越市1,304百万円
化薬
本社・支店 — 東京都渋谷区他1,293百万円
医薬・医療・健康他
ほか5件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    日本工機㈱
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権95.4%
  • 国内
    日油技研工業㈱
    埼玉県川越市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    NOFメタル コーティングス㈱
    川崎市川崎区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    昭和金属工業㈱
    茨城県桜川市 · 連結子会社
    議決権98.4%
  • 国内
    ㈱ジャペックス
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権70.0%
  • 国内
    日油商事㈱
    東京都渋谷区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    ニチユ物流㈱
    川崎市川崎区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    日邦工業㈱
    静岡県裾野市 · 連結子会社
    議決権99.2%
  • 国内
    油化産業㈱
    東京都渋谷区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    日油工業㈱
    大阪府高槻市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    常熟日油化工有限公司
    中国 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    PT.NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIES
    インドネシア · 連結子会社
    議決権89.6%
残りのグループ会社12社を開く
  • NOF METAL COATINGS NORTH AMERICA INC.米国 オハイオ州100%
  • NOF METAL COATINGS EUROPE S.A.フランス100%
  • NOF AMERICA CORPORATION米国 ニューヨーク州100%
  • 日油(上海)商貿有限公司中国100%
  • NOF EUROPE GmbHドイツ100%
  • ㈱ニッカコーティング埼玉県吉川市100%
  • ㈱カクタス東京都文京区100%
  • NOF METAL COATINGS EUROPE N.V.ベルギー100%
  • NOF METAL COATINGS KOREA CO.,LTD.韓国100%
  • NOF METAL COATINGS EUROPE s.r.l.イタリア100%
  • NOF METAL COATINGS SOUTH AMERICA IND.E COM.LTDA.ブラジル100%
  • 恩欧富塗料商貿(上海)有限公司中国100%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    発射薬の製造体制の拡充に関する調査役務
    防衛省 · 2024-08-30
    5,350万円
  • 調達
    装備品に装填する火薬類のIM化に係る調査
    防衛省 · 2023-09-06
    3,657万円
  • 調達
    装備品のIM化に係る調査
    防衛省 · 2022-07-01
    2,738万円
  • 調達
    装備品のIM化に係る調査
    防衛省 · 2021-06-30
    350万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は2,580億円営業利益474億円前期と比べると増収増益で、売上が+8.3%、利益が+4.6%。

売上高
+8.3%
2,580億円
営業利益
+4.6%
474億円
純利益
+11.2%
406億円
営業利益率
18.4%
前期比 -0.6%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高3,190億円2,580億円
営業利益500億円474億円
純利益390億円406億円
1株あたり配当¥70¥70

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は690億円、営業利益は107億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は+40.0%、営業利益は+3.9%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q59981
2024年1Q49310320.990
2024年2Q5259818.773
2024年3Q58313222.697
2024年4Q62280
2025年2Q1,10523321.1170
2025年4Q1,27822017.2195
2026年2Q1,09120618.9154
2026年4Q1,48926818.0252
2027年1Q69010715.576

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は1,489億円から2,580億円へ1.7倍に増えた。直近期の営業利益率は18.4%。売上は5期、純利益は2期の連続増加。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月1,48913688
2014年3月1,61017697
2015年3月1,677190117
2016年3月1,705202136
2017年3月1,741250176
2018年3月1,799274199
2019年3月1,892301220
2020年3月1,809288211
2021年3月1,726289233
2022年3月1,926376267
2023年3月2,177432340
2024年3月2,223456340
2025年3月2,38345346619.0365
2026年3月2,58047450418.4406

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高2,580億円のうち、営業利益として残るのは474億円18.4%。営業外の損益と税金を反映した純利益は406億円、売上の15.7%にあたる。営業利益率は業種中央値7.3%を上回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金65.5%1,689億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金16.2%417億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益18.4%474億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
34.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比+11.1pt
18.4%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比+10.3pt
15.7%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比+7.2pt
14.1%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
10.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
10.7%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが359億円、投資CFが−44億円で、差し引きのフリーCFは315億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は830億円で、売上の3.9ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月130−61−716968
2014年3月157−81−4376118
2015年3月142−79−4863146
2016年3月169−54−65115189
2017年3月240−58−75182292
2018年3月202−49−85153365
2019年3月199−55−108144394
2020年3月278−48−113230507
2021年3月30719−80326766
2022年3月274−88−153186814
2023年3月233−7−162226891
2024年3月300−150−171150875
2025年3月290−137−220153827
2026年3月359−44−314315830

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は3,992億円。このうち返さなくてよい自己資本が2,965億円で、自己資本比率は74.0%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月1,6401,03760362.8
2014年3月1,7671,12664163.3
2015年3月1,9691,31365666.3
2016年3月1,9631,35660768.7
2017年3月2,1711,52664569.9
2018年3月2,3591,69666371.6
2019年3月2,4451,78366272.6
2020年3月2,3521,78756575.6
2021年3月2,7152,03568074.7
2022年3月2,8962,21767976.3
2023年3月3,0942,40069477.3
2024年3月3,4142,65975577.6
2025年3月3,5722,79677678.0
2026年3月3,9922,9651,02774.0

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
884億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
2,492億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
323億円
在庫として抱えている分
負債合計
1,027億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
100
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率30 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

化学 203社との比較

同じ化学の企業と並べると、いちばん上に来るのは営業利益率203社中16位あたり、逆に低いのは配当利回り203社中113位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE上位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
14.1%/中央値 6.9%
P25 4.5%P75 9.9%
営業利益率上位売上のうち本業の利益として残る割合
18.4%/中央値 7.3%
P25 4.3%P75 10.7%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
74.0%/中央値 63.4%
P25 50.5%P75 73.9%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
8.3%/中央値 2.2%
P25 -1.8%P75 5.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.6%/中央値 2.7%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥2,690で、1年前と比べて+3.4%過去52週の値幅のなかでは20%の位置にある。

¥2,690-2.2%1ヶ月-2.4%1年+3.4%時価総額6,362億円
過去52週の値幅
安値¥2,510.5高値¥3,400

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)15.3倍
PER (会社予想)15.9倍
PBR2.06倍
配当利回り2.60%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

日油は8月21日に2782円と反発。直近1ヶ月で+0.87%とほぼ横ばい。25日移動平均線(2756円)と75日線(2758円)をわずかに上回る。RSIは49.37と中立。52週高値3400円からは約18.2%下、52週安値2510.5円からは約10.8%高。200日線(2930円)は下回っており、中期的には調整局面。出来高は8月5日に186万株と急増した後、高水準が続く。化成事業やエレクトロニクス向けの需要が焦点。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 45/100)

PER15.65倍は業界平均17.76倍を下回り割安感があるものの、PBR2.12倍は平均1.41倍を大きく上回り、株価は純資産に対して割高に評価されている。ROE14.13%は高水準で収益性は良好だが、配当利回り2.54%は平均2.66%をやや下回る。今期予想PER16.3倍と来期も増収増益が見込まれるが、バリュエーションはPBR中心にやや割高と言える。割安なPERと割高なPBRが混在し、総合的にはやや割高と判断。

指標この会社業種平均
PER (実績)15.3倍17.8倍
PER (予想)15.9倍
PBR2.06倍1.41倍
ROE14.1%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

同社は高機能化学品で高い収益性を誇るが、近年の業績は堅調に推移している。投資家の関心は、自動車や半導体向け需要の変動にどう対応するか、また研究開発投資が将来の成長につながるかに集中している。強気派は、電子材料や半導体関連分野の拡大により需要が増加すると見ており、安定した利益率と配当利回りを評価する。一方、弱気派は、顧客業界の需要変動や原材料価格の上昇が収益を圧迫する可能性を指摘し、成長の持続性に懐疑的である。特に、特定分野への依存度が高く、市場の縮小リスクを懸念する。

プラスに働く材料7
  • 高収益体質の維持

    売上高2400億円に対し、営業利益率が19%と化学業界で高水準

  • 半導体関連需要の拡大

    エレクトロニクス材料が電子機器向けに成長、半導体市場の伸長に追随

  • 安定した株主還元

    配当利回りは2.5%超、2016年から増配傾向が続く

  • 純利益406億円と3期連続増益通年影響

    純利益は340→365→406億円と過去最高を更新する増益基調

  • 売上高2,580億円と前期比8.3%増通年影響

    売上高は2,383→2,580億円と197億円増加した

  • 営業利益率18.37%の高水準維持継続影響

    営業利益は474億円、営業利益率18.37%と高収益構造が続く

  • ROE14.13%と資本効率の高さ継続影響

    ROE14.13%はPBR2.12倍をサポートする水準にある

マイナスに働く材料7
  • 需要変動の影響

    自動車や半導体の生産変動により、需要が不安定で業績が左右される

  • 材料高のコスト圧迫

    原材料価格高騰が続けば、利益率の維持が困難になる可能性

  • ニッチ市場の限界

    特定分野に依存しており、市場縮小や技術革新で競争優位が崩れるリスク

  • 予想PER16.3倍が示す減益懸念通年影響

    実績PER15.72倍に対し予想PER16.3倍と逆に高く、来期減益を予想

  • 営業利益率が19.01%→18.37%へ低下通年影響

    営業利益は増加も、利益率は0.64ポイント低下した

  • 株価が1年で3.28%下落し業績未反映継続影響

    純利益は増えているが、株価は下落しており需給が弱い

  • 外国人保有比率37.6%の海外依存継続影響

    外国人株主比率37.6%と高く、海外市場の変動が株価に波及しやすい

次の決算で確かめる点
営業利益率
化学メーカーとしての収益性が持続しているか確認するため
エレクトロニクス材料売上
半導体市況の影響を受け、成長のけん引役かを把握するため
研究開発費比率
将来の製品開発の源泉であり、技術競争力を測るため

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり70で、前期から+35.6%いまの株価に対する利回りは2.60%。増配か配当維持が5年続いている。

年間配当
¥70
1株あたり
配当利回り
2.60%
いまの株価に対して
配当性向
39.6%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
5年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年3月1628.9
2018年3月1812.531.5
2019年3月2644.435.1
2020年3月260.035.8
2021年3月260.030.9
2022年3月3015.431.9
2023年3月3620.028.1
2024年3月385.627.6
2025年3月4518.433.2
2026年3月6135.639.6

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥70

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ13,176人。区分でいちばん多いのは外国法人37.6%。グループ会社や銀行などの安定株主が42.9%を占め、残る57.1%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
外国法人24.225.527.736.536.937.6
金融機関42.642.640.433.233.731.4
個人・その他17.015.416.515.515.318.0
事業法人15.615.614.813.312.611.5
自己株式2.30.82.41.41.24.2
証券会社0.70.90.71.41.41.4
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)15.07
02株式会社日本カストディ銀行(信託口)5.92
03明治安田生命保険相互会社3.97
04日油親栄会1.99
05STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.87
06GOVERNMENT OF NORWAY (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ)1.85
07US BANK NATIONAL ASSOCIATION JP ACCTS TS (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.75
08日油共栄会1.71
09JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)1.29
10BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1.22

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+268%、1株純資産は14期で+132%。直近期のROEは14.1%で、日本株の目安とされる8%を上回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月485619.09.627.3
2014年3月536119.114.131.6
2015年3月657249.713.830.8
2016年3月7676110.210.428.5
2017年3月2021,75312.311.728.9
2018年3月2311,98012.413.631.5
2019年3月2592,10912.714.535.1
2020年3月8471411.913.635.8
2021年3月9481612.220.630.9
2022年3月10889712.615.531.9
2023年3月13998714.814.828.1
2024年3月1411,10913.514.827.6
2025年3月1541,19313.413.133.2
2026年3月1761,30414.117.639.6

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

26名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は26名。2026/3期の役員報酬は総額319百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約7倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
宮道建臣代表取締役会長兼 会長執行役員70106,000
沢村孝司代表取締役社長兼 社長執行役員6124,000
斉藤学取締役兼 常務執行役員6415,000
山内一美取締役兼 常務執行役員 技術本部長6228,000
鎌田卓史取締役64
林いづみ取締役684,000
美代眞伸取締役(監査等委員)6529,000
伊藤邦光取締役(監査等委員)685,000
相良由里子取締役(監査等委員)512,000
三浦啓一取締役(監査等委員)692,000
梅原尚也常務執行役員
片岡智常務執行役員
残りの役員14名を開く
氏名役職年齢保有株数
姜義哲取締役兼 常務執行役員616,000
鳴海一仁常務執行役員
泉澤強執行役員
梶川博行執行役員
加藤博史執行役員
境野俊明執行役員
瀧水元司執行役員
鶴岡邦昭執行役員
浜本順子取締役(監査等委員)60
本多義敬執行役員
前田晃寿執行役員
山本裕二執行役員
江藤哲博執行役員
金子幸代執行役員

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4153811424962
社外取締役646468
取締役(社内)1242424

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容880字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社30社(内 在外13社)、および関連会社9社(内 在外4社)で構成され、機能化学品、医薬・医療・健康、化薬に関連する事業を主として行っており、その他、運送および不動産等の事業活動を展開しております。 当社グループの事業に関わる当社および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。 区分   主要製品   主要な会社 機能化学品事業   脂肪酸、脂肪酸誘導体 界面活性剤 エチレンオキサイド・  プロピレンオキサイド誘導体 有機過酸化物 石油化学品(ポリブテン等) 機能性ポリマー 電子材料(液晶表示関連材料等)   (製造・販売)  当社  日油工業㈱   常熟日油化工有限公司  PT.NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIES (販売)  油化産業㈱  日油(上海)商貿有限公司 特殊防錆処理剤   (製造・販売)  NOFメタルコーティングス㈱  NOF METAL COATINGS NORTH AMERICA INC.  NOF METAL COATINGS EUROPE S.A.  NOF METAL COATINGS KOREA CO.,LTD. (販売)  恩欧富塗料商貿(上海)有限公司 医薬・医療・健康事業   食用加工油脂・食品機能材 健康関連製品 生体適合性素材 (MPCポリマー、MPCモノマー等) DDS医薬用製剤原料 (活性化PEG、機能性脂質、医薬用界面活性剤)   (製造・販売)  当社 (販売)  日油商事㈱  NOF AMERICA CORPORATION  NOF EUROPE GmbH 化薬事業   産業用爆薬類 宇宙関連製品 防衛関連製品 機能製品   (製造・販売)  当社  日本工機㈱  日油技研工業㈱  昭和金属工業㈱ (販売)  ㈱ジャペックス  日邦工業㈱ その他の事業   運送 不動産   (運送)  ニチユ物流㈱ (不動産)  日油商事㈱ 以上の企業集団について事業の系統図を示すと次のとおりであります。
経営方針・対処すべき課題2,669字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「バイオから宇宙まで、化学の力で新しい価値を創造する企業グループとして、人と社会に貢献する」ことを経営理念とし、これを実践する上で重視する3つの価値観「挑戦」「公正」「調和」を定めています。 当社グループでは、経営理念、価値観を事業経営、組織運営の中心に据え、社会と共に成長し、事業の継続的な発展を目指してまいります。 (2)経営戦略等 当社グループは、新たな事業環境に対応したコスト構造の実現に向け、生産性の向上とコストダウンの徹底を図るとともに、当社が目指す方向である「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の3分野へ積極的に経営資源を投入し、持続的成長のための収益基盤の確立を進めてまいります。また、事業の基盤をなす安全の確保、環境の保全、品質管理の徹底、コンプライアンスの強化および内部統制システムの一層の充実を図り、企業の社会的責任を果たしてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益および売上高営業利益率のほか、株主重視の視点から経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)を活用しております。 (4)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 世界経済は、米国の通商政策の影響やウクライナ危機の長期化、さらには中東情勢の緊迫化による景気の下振れリスクや金融資本市場等の影響など不確実性が増大しており、先行き不透明な状況が継続するものと想定されます。国内経済においては雇用・所得環境が改善する一方、物価上昇の継続による個人消費への影響が懸念されます。これらに加えて、中東情勢の影響が化学製品のほか幅広い産業や製品に及ぶことが想定され、我が国の景気を下押しするリスクとなっており、引き続き注視が必要な状況です。 このような情勢下、当社グループは、2030年度を最終年度とする「NOF VISION 2030」で定めた2030年度の「ありたい姿」を目指して、事業領域拡大ステージである「2028中期経営計画」を推進してまいります。 また、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。 「2028中期経営計画」においては「変革と創造」を基本方針として掲げ、「市場の機会を捉えた事業領域拡大」「新技術・新事業の創出」「生産性の向上・業務効率の改善」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。 「市場の機会を捉えた事業領域拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を進めてまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所でこれまでに新増設を推進してまいりました化粧品ODM(相手先ブランドによる製品の設計・製造)製造設備をさらに増設する計画を進めてまいります。また、成長分野の電子部品材料、新規分野の高機能電子材料の成長を見込み、生産能力増強に向けて、製造設備を新設する計画を進めてまいります。化薬事業においては、防衛力整備計画に基づく生産基盤の整備を進めてまいります。 「新技術・新事業の創出」を加速するために、「ライフ・ヘルスケア」分野の研究を行うヘルスサイエンス研究所と、「環境・エネルギー」、「電子・情報」分野の研究を行うマテリアルサイエンス研究所を新設しました。重点分野として機能性化学素材、機能性食品素材、エレクトロニクス素材、医療・医療機器素材等を中心に、社外公募やベンチャーキャピタル、産学官との包括連携などを活用したオープンイノベーションの推進と、スタートアップへの投資を進め、新技術・新事業を創出してまいります。 「生産性の向上・業務効率の改善」として、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化学素材の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化、ならびにバックヤード業務効率化に資するアプリケーションの導入に取り組んでまいります。 「安全・安心の追求」では安全・安心な製品の提供、社会環境や自然環境への安全配慮、保安防災、労働安全の徹底に取り組み、適切な事業運営に努めてまいります。 「CSRの推進」では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」「事業基盤の強化」「レスポンシブル・ケア活動の推進」の3つに大別し、項目毎に指標(KPI)、目標を設定し、その取り組みを推進しております。「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」では、先進医療・医薬、人の美しさと健康、アンチエイジング、環境負荷の低減、資源循環、スマート社会等、さまざまな要請に貢献するため、目指す3分野に当社グループの独自技術・素材を活かした製品供給を目指してまいります。「事業基盤の強化」では、収益力の強化、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革の推進、価値観の多様性を受け入れる企業風土作り、サプライチェーンを含めた人権リスクアセスメントの実施、CSR調達の推進、レジリエンスを向上させる事業継続計画の充実等を深化してまいります。「レスポンシブル・ケア活動の推進」では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた施策の検討や、ケミカルセーフティ、労働安全衛生の施策に取り組みます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連や自然関連の情報開示の拡充に取り組んでまいります。 当社グループは、持続可能な社会実現へ貢献するため、これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。
事業等のリスク3,758字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 (1)リスクマネジメント体制 当社グループのリスクマネジメント体制の概要は、まず想定される経営リスクを網羅的に洗い出し、その各リスク項目の影響度合・発生頻度の評価結果に基づいてリスクアセスメントを実施し、「重点モニタリングリスク」を特定しています。その上で、リスクが顕在化した場合の影響と発生可能性を低減する対策を適切に講じることで、経営への影響を最小化するよう努めています。また、想定リスクの洗い出しやリスクアセスメントを定期的に実施することで、対策の有効性を検証するとともに、新たなリスクの認識と評価を促すなど、リスクマネジメントサイクルを回すことにより、リスク管理の充実を図っています。 具体的には、経営リスクの洗い出しはリスク管理委員会が実施し、当社各箇所長、事業部門長、スタッフ部門長、国内外のグループ子会社各社長が各事業の特性や政治的・経済的・社会的な変化等の外部環境を踏まえ、各リスク項目に対しての影響度合・発生頻度を評価します。そして、すべての事業リスクの進捗・管理を行うなかで、経営上特に重点的に施策・進捗状況のモニタリングすべきリスクを、取締役会において「重点モニタリングリスク」として特定しています。「重点モニタリングリスク」ならびに経営リスクについては、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、RC委員会、および品質管理委員会において分析や対応策の検討を行い、定期的に取締役会に報告されます。取締役会では、コンプライアンス、情報の管理、環境・安全、リスクの網羅性の確認・評価など、さまざまな視点で経営リスクを審議します。 グループ子会社については、関係会社管理規則に基づき、経営管理・モニタリングを実施し、必要に応じて助言等を行うとともに、子会社の財産や損益に重大な影響を及ぼすと判断される重要案件の実施については、当社の取締役会または経営審議会が承認しています。 また、その他のリスクについても、各委員会で現状の対応を評価して「保有」や「低減」等に分類し、必要に応じて追加対策を検討します。 (2)重要リスク 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。リスク管理については、リスク管理委員会において、リスクの網羅性の確認・評価、リスク管理に関する施策の立案等を行い、取締役会に報告しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ①地震・津波、感染症 地震や津波等の自然災害や、新型コロナウイルスのような感染症の世界的流行(パンデミック)等に対して、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核事業の継続や早期回復を可能とするため、事業継続計画(BCP)を策定し、BCPの内部監査や訓練の実施など、有事への備えに努めています。しかし、想定を超える災害の発生により、生産をはじめ販売や物流等の活動が中断した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②法令違反 当社グループでは、各国の法令や法制度等に従い、各種コンプライアンス・マニュアルの整備、コンプライアンス研修の実施、内部通報・相談窓口の設置により、不正のない事業活動を行っております。ただし、不正競争防止法・独占禁止法・下請法・外為法・化審法・薬機法等の各種法令に関する違反により、行政処分が下され、事業活動の停止や課徴金支払い等が発生する可能性があります。 ③海外拠点のガバナンス不全 当社グループでは、北米・欧州・アジア等の世界各国に生産・販売拠点を設け、海外での事業活動を拡大しており、各拠点において、業務の適正を確保するための体制を構築し、業務執行状況・財務状況等の定期的な報告の要請や業務監査を行っております。ただし、海外拠点のガバナンスが行き届かず、法令違反等の不正が発生し、行政処分や刑事・民事訴訟等により信用が低下して、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④サイバー攻撃・情報システム障害 当社グループでは、事業活動において取得する機密情報や個人情報等を、電子情報の形式で蓄積・利用しております。そのため、ハード・ソフト両面において必要なセキュリティ対策を講じるとともに、情報セキュリティ管理規定・責任者任命等の体制を整備し、不正アクセスの防御体制の構築、合理的なレベルの安全対策を実施しております。しかしながら、コンピュータウイルスによるサイバー攻撃等、外部からの不正アクセスや情報システムの障害により、情報の漏洩や事業活動の中断が発生する可能性があります。 ⑤火災・爆発 当社グループでは、国内外に生産工場を保有しており、火災や爆発などの重大な事故を未然に防止するため、定期的に設備の保守点検を行うとともに、危険物の適正な保管・管理の徹底を図っています。また、緊急時に備え、緊急事態対応マニュアルを策定し、社内での定期的な訓練を実施するほか、近隣自治体との合同防災訓練や対話活動に努めております。こうしたリスク対策を講じているものの、工場において大規模な火災・爆発等の事故が発生した場合、従業員や近隣住民の死傷、事業活動の停止、これらによる損害賠償等が発生する可能性があります。 ⑥知的財産侵害等 当社グループでは、グローバルに知的財産の権利確保を図るとともに、厳重にこれらを管理し、特許侵害を監視するチェック体制を構築するほか、従業員に対する特許・商標等の知財教育に努めております。しかしながら、第三者からの知的財産権侵害を完全に防止することはできない可能性があるほか、逆に、当社の従業員による知的財産権侵害による損害賠償請求等の訴訟や紛争が発生する、あるいは製造・出荷の停止を求められる可能性があります。 ⑦技術流出 当社グループでは、営業秘密情報に関する規定を整備するとともに、管理体制の構築および強化に努めております。ただし、営業秘密情報の漏洩を完全に防止することはできないため、重要な技術情報が流出し、競合他社が類似製品や類似技術を市場に提供することにより、当社グループの売上・利益が低下する可能性があります。 ⑧品質管理 研究開発や製品の生産・試験検査・出荷等の工程において、品質管理に関するデータ管理を徹底するとともに、社内での品質監査や品質調査による管理状況の確認を行い、適正な品質管理の維持に努めています。また、従業員に対し定期的な啓発・研修の機会を設けて品質管理への意識を高める活動にも取組んでいます。しかしながら、ひとたび品質検査結果においてデータ改ざん等の品質偽装を発生させると、当社グループの信用が低下・失墜する可能性があります。 ⑨ハラスメント・人権侵害 当社グループでは、役員および従業員一人ひとりが常に社会倫理に則り、社会からの信頼を得るために、日油グループ企業倫理規範を制定し遵守しております。同時に、役員および従業員へのコンプライアンス意識の浸透を図るため、企業倫理規範をより詳しくわかりやすく解説したコンプライアンス・マニュアルを作成、日本を含む各国共通のグローバル・コンプライアンス・マニュアルは11か国語で発行しております。また、従業員からの通報・相談に応じるため、男女社員による社内の相談窓口と弁護士による社外窓口を設置しています。コンプライアンス委員会は年2回の定期開催のほか、問題発生時には適時に開催し、問題点の把握、対応策の立案とフォローを行い、結果を取締役会に報告して審議しております。これらの対策を講じているものの、各種ハラスメントや人権侵害が発生し、当社グループの信用が低下する可能性があります。 ⑩人材育成の遅滞 次世代を担う人材への階層・課題別研修を推進するとともに、グローバルビジネスの一翼を担うことが期待される国際人材の登用・育成のほか、適正な人材ローテーションを実施しております。しかしながら、中長期的な人材育成計画が上手く機能せず、当社グループの成長に貢献する人材の育成が停滞する可能性があります。 ⑪非財務情報の開示不足 社会課題や顧客課題を含む事業経営の現状分析に努め、マテリアリティ(重要課題)やそれらのKPI等ターゲットの特定で、管理指標と目標を設定して具体的な施策を展開しております。ただし、経済や環境への影響、社会的な評価に対する不明確さが生じることにより、ステークホルダーの信頼を損なう可能性があります。 ⑫原料調達 当社グループでは、CSR調達方針やCSR調達ガイドラインを制定し、サプライヤーとの売買契約でそれらの遵守を明記し取引しています。さらに資材調達部門が中心となり、各種アンケートにより継続的に取引先の調査を実施しています。しかしながら、サプライヤーやその上流において、強制労働や児童労働といった人権侵害や環境破壊を伴う原材料の調達がなされ、当社グループの社会的信頼性が低下する可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)9,686字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1)財政状態及び経営成績の状況 当期は、米国の通商政策の影響により、景気の下振れリスクおよび政策の不確実性が増大し、世界経済の見通しは悪化しました。ウクライナ危機の長期化、中東情勢の緊迫化、原燃料価格の高止まり、金融資本市場変動等の影響の懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が継続しました。国内においては、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、個人消費は持ち直してきており、景気は緩やかな回復傾向が続きました。 当社グループを取り巻く事業環境は、国内の景気は緩やかに回復しているものの、原燃料価格の高止まりや、米国の関税措置の影響による下振れリスクや中東情勢の影響を注視する状況が継続しております。 このような事業環境下、当社グループは2025年度を最終年度とする3ヵ年計画「2025中期経営計画」において、「実践と躍進」を基本方針として掲げ、課題である「市場の変化を捉えた事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「生産性の向上」「安全・安心の追求」「CSRの推進」に取り組み、新市場開拓と拡販ならびに生産コストの低減に努め、持続的成長に向けた経営努力を積み重ねてまいりました。 「市場の変化を捉えた事業拡大」に関しては、「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の3分野を中心に事業領域の拡大を図り、ソリューションビジネスモデルへの転換を進めました。また、今年度は、成長が見込まれるエレクトロニクス分野における次世代素材や技術の開発を募集する「産学委託研究型オープンイノベーションプログラム2025」を実施し、持続可能な社会や今後のあるべき化学産業の実現に向けて、「新製品・新技術の開発の加速」を推進しました。 これらの結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。 ①財政状態 資産は、前期末に比べ41,972百万円増加し、399,168百万円となりました。 負債は、前期末に比べ25,057百万円増加し、102,703百万円となりました。 純資産(非支配株主持分を含む)は、前期末に比べ16,915百万円増加し、296,465百万円となりました。 ②経営成績 当期の売上高は、257,967百万円(前期比8.2%増)となりました。営業利益は、47,411百万円(前期比4.6%増)、経常利益は、50,366百万円(前期比8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、40,550百万円(前期比11.1%増)となりました。 以下、各事業セグメントの概況についてご説明申し上げます。 (機能化学品事業) 脂肪酸誘導体は、アジアにおける環境エネルギー関連の出荷が低調に推移し、売上高は減少しました。 界面活性剤は、トイレタリー関連の需要が低調に推移し、売上高は減少しました。 エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体は、合成樹脂・樹脂加工向けの需要が低調に推移し、売上高は減少しました。 有機過酸化物は、国内およびアジアでの需要が低調に推移し、売上高は減少しました。 特殊防錆処理剤は、国内外の需要が堅調に推移し、売上高は増加しました。 これらの結果、機能化学品事業の売上高は、145,751百万円(前期比3.4%減)、営業利益は、26,846百万円(前期比9.9%減)となりました。 (医薬・医療・健康事業) 食用加工油脂・食品機能材は、製パン・製菓・加工食品向けの需要が落ち着いたものの、適正価格の維持に努め、売上高は増加しました。 健康関連製品は、健康食品向けの出荷が増加し、売上高は増加しました。 生体適合性素材は、MPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)関連製品の出荷が減少し、売上高は減少しました。 DDS(ドラッグ・デリバリー・システム:薬物送達システム)医薬用製剤原料は、一部顧客向けの出荷が減少したものの、売上高は前期並みとなりました。 これらの結果、医薬・医療・健康事業の売上高は、49,931百万円(前期比4.0%増)、営業利益は、15,816百万円(前期比0.8%増)となりました。 (化薬事業) 産業用爆薬類は、売上高は前期並みとなりました。 宇宙関連製品は、ロケット向け製品の出荷が増え、売上高は増加しました。 防衛関連製品は、早期装備化の初度費に係る一部取引の収益認識により、売上高は増加しました。 機能製品は、売上高は減少しました。 これらの結果、化薬事業の売上高は、61,675百万円(前期比59.1%増)、営業利益は、7,979百万円(前期比154.9%増)となりました。 (その他の事業) その他の事業は、運送事業および不動産事業から構成されております。その売上高は、608百万円(前期比3.8%増)、営業利益は、434百万円(前期比24.7%増)となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益の増加6,551百万円、運転資金負担の増加13,901百万円、前受金の増加10,784百万円、早期装備化に係る固定資産の増加額11,839百万円、法人税等の支払額の増加382百万円等により、前期に比べ6,890百万円の収入増となりました。なお、前受金の増加額には、化薬事業における早期装備化に係る防衛関連設備の前受金13,914百万円が含まれます。 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の売却による収入の増加5,606百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少1,945百万円、関係会社出資金の払込による支出の増加3,063百万円等があり、前期に比べ9,321百万円の支出減となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得による支出の増加7,999百万円、配当金の支払額の増加1,953百万円等の結果、前期に比べ9,392百万円の支出増となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ266百万円増加し、82,973百万円となりました。 (3)生産、受注及び販売の実績 ①生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額(百万円)   前期比(%) 機能化学品事業   125,590   △4.7 医薬・医療・健康事業   40,038   △14.5 化薬事業   57,734   72.1 合計   223,364   5.3 (注)1 金額は販売価格によっております。 ②受注実績 当連結会計年度における化薬事業の受注実績を示しますと、次のとおりであります。 なお、化薬事業を除く製品については見込み生産を行っております。 セグメントの名称   受注高(百万円)   前期比(%)   受注残高(百万円)   前期比(%) 化薬事業   83,009   81.8   118,396   100.9 ③販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。 セグメントの名称   金額 (百万円)   前期比 (%) 機能化学品事業   145,751   △3.4 医薬・医療・健康事業   49,931   4.0 化薬事業   61,675   59.1 報告セグメント計   257,358   8.3 その他の事業   608   3.8 合計   257,967   8.2 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。 2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先   前連結会計年度 (自  2024年4月1日 至  2025年3月31日)   当連結会計年度 (自  2025年4月1日 至  2026年3月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) ㈱良品計画   32,237   13.5   29,475   11.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ①経営成績等 a.財政状態 (資産合計) 総資産は、前期末に比べ41,972百万円増加し、399,168百万円となりました。資産の増減の主な内容は、現金及び預金の増加1,299百万円、売上債権の増加15,708百万円、棚卸資産の増加6,998百万円、有形固定資産の増加11,657百万円、投資有価証券の期末時価評価等による増加4,221百万円等であります。 (負債合計) 負債は、前期末に比べ25,057百万円増加し、102,703百万円となりました。負債の増減の主な内容は、買入債務の減少1,963百万円、流動資産のその他に含まれる未払金の増加8,683百万円及び前受金の増加11,637百万円、未払法人税等の増加7,008百万円等であります。 (純資産合計) 純資産(非支配株主持分を含む)は、前期末に比べ16,915百万円増加し、296,465百万円となりました。純資産(非支配株主持分を含む)の増減の主な内容は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加40,550百万円、自己株式の取得等による減少20,004百万円、剰余金の配当による減少11,586百万円、その他有価証券評価差額金の増加4,199百万円、退職給付に係る調整累計額の増加2,123百万円等であります。 b.経営成績 (売上高) 売上高は257,967百万円と前期比8.2%、19,656百万円の増収となりました。その内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況 ②経営成績」に記載したとおりであります。 (売上原価、販売費及び一般管理費) 売上原価は168,874百万円と前期比10.3%、15,717百万円の増加となりました。原価率は、前期と比較して1.2ポイント増加し65.5%となりました。 販売費及び一般管理費は41,681百万円と前期比4.6%、1,835百万円の増加となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は8,075百万円と前期比1.9%、147百万円の増加となりました。 (営業利益) 営業利益は、47,411百万円と前期比4.6%、2,102百万円の増益となりました。セグメント別の営業利益については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報)」の欄に記載しております。 (営業外収益(費用)) 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の1,263百万円の収益(純額)から、2,955百万円の収益(純額)となりました。受取利息および受取配当金の合計から支払利息を差引いた金融収支は、前連結会計年度の1,556百万円の収入(純額)から、1,476百万円の収入(純額)となりました。 (経常利益) 経常利益は50,366百万円となり、前期比8.1%、3,794百万円の増益となりました。 (特別利益) 特別利益は8,839百万円となり、前期比4,499百万円の増加となりました。この増加は、主に当期において投資有価証券売却益等を計上したことによるものであります。 (特別損失) 特別損失は1,876百万円となり、前期比1,742百万円の増加となりました。この増加は、主に当期において関係会社出資金評価損等を計上したことによるものであります。 (税金等調整前当期純利益) 税金等調整前当期純利益は57,329百万円となり、前期比12.9%、6,551百万円の増益となりました。 (法人税等(法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額)) 税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.1%となり、前期比1.2ポイントの増加となりました。 (非支配株主に帰属する当期純利益) 非支配株主に帰属する当期純利益は107百万円(前期は、非支配株主に帰属する当期純利益107百万円)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は40,550百万円となり、前期比11.1%、4,052百万円の増益となりました。1株当たり当期純利益は176.34円と前期比22.46円の増加となりました。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 世界経済は、米国の通商政策の影響やウクライナ危機の長期化、さらには中東情勢の緊迫化による景気の下振れリスクや金融資本市場等の影響など不確実性が増大しており、先行き不透明な状況が継続するものと想定されます。国内経済においては雇用・所得環境が改善する一方、物価上昇の継続による個人消費への影響が懸念されます。これらに加えて、中東情勢の影響が化学製品のほか幅広い産業や製品に及ぶことが想定され、我が国の景気を下押しするリスクとなっており、引き続き注視が必要な状況です。 このような情勢下、当社グループは、2030年度を最終年度とする「NOF VISION 2030」で定めた2030年度の「ありたい姿」を目指して、事業領域拡大ステージである「2028中期経営計画」を推進してまいります。 また、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。 「2028中期経営計画」においては「変革と創造」を基本方針として掲げ、「市場の機会を捉えた事業領域拡大」「新技術・新事業の創出」「生産性の向上・業務効率の改善」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。 「市場の機会を捉えた事業領域拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を進めてまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所でこれまでに新増設を推進してまいりました化粧品ODM(相手先ブランドによる製品の設計・製造)製造設備をさらに増設する計画を進めてまいります。また、成長分野の電子部品材料、新規分野の高機能電子材料の成長を見込み、生産能力増強に向けて、製造設備を新設する計画を進めてまいります。化薬事業においては、防衛力整備計画に基づく生産基盤の整備を進めてまいります。 「新技術・新事業の創出」を加速するために、「ライフ・ヘルスケア」分野の研究を行うヘルスサイエンス研究所と、「環境・エネルギー」、「電子・情報」分野の研究を行うマテリアルサイエンス研究所を新設しました。重点分野として機能性化学素材、機能性食品素材、エレクトロニクス素材、医療・医療機器素材等を中心に、社外公募やベンチャーキャピタル、産学官との包括連携などを活用したオープンイノベーションの推進と、スタートアップへの投資を進め、新技術・新事業を創出してまいります。 「生産性の向上・業務効率の改善」として、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化学素材の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化、ならびにバックヤード業務効率化に資するアプリケーションの導入に取り組んでまいります。 「安全・安心の追求」では安全・安心な製品の提供、社会環境や自然環境への安全配慮、保安防災、労働安全の徹底に取り組み、適切な事業運営に努めてまいります。 「CSRの推進」では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」「事業基盤の強化」「レスポンシブル・ケア活動の推進」の3つに大別し、項目毎に指標(KPI)、目標を設定し、その取り組みを推進しております。「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」では、先進医療・医薬、人の美しさと健康、アンチエイジング、環境負荷の低減、資源循環、スマート社会等、さまざまな要請に貢献するため、目指す3分野に当社グループの独自技術・素材を活かした製品供給を目指してまいります。「事業基盤の強化」では、収益力の強化、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革の推進、価値観の多様性を受け入れる企業風土作り、サプライチェーンを含めた人権リスクアセスメントの実施、CSR調達の推進、レジリエンスを向上させる事業継続計画の充実等を深化してまいります。「レスポンシブル・ケア活動の推進」では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた施策の検討や、ケミカルセーフティ、労働安全衛生の施策に取り組みます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連や自然関連の情報開示の拡充に取り組んでまいります。 当社グループは、持続可能な社会実現へ貢献するため、これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。 ③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益および売上高営業利益率のほか、株主重視の視点から経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)を活用しております。 当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は14.1%(前期比0.7%増加)、総資産経常利益率(ROA)は13.3%(前期比0.0%減少)、売上高営業利益率は18.4%(前期比0.6%減少)となりました。 ④セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 セグメントごとの財政状態につきましては、以下のとおりであります。 機能化学品事業における資産は、前期末に比べ、8,513百万円増加し、141,835百万円となりました。 医薬・医療・健康事業における資産は、前期末に比べ、1,936百万円減少し、52,974百万円となりました。 化薬事業における資産は、前期末に比べ、22,812百万円増加し、99,956百万円となりました。 その他の事業における資産は、前期末に比べ、359百万円増加し、4,984百万円となりました。 セグメントごとの設備投資等の概要につきましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載したとおりであります。 なお、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。 (2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 ①基本方針 当社グループは、独創性のある製品を国内外の市場に提供できる機能材メーカーとしてさらなる進化を遂げ、信頼され存在感のある企業グループの実現に努めるために、以下のとおり対応してまいります。 事業への資源配分については、「市場の機会を捉えた事業拡大」を加速するため、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」での積極的な戦略投資を推進してまいります。 利益配分については、株主の皆様への安定的な利益還元を経営の重要課題と認識しております。利益配分の基本方針は配当性向40%程度、総還元性向70%以上を2028中期経営計画における目標水準とし、中長期的な安定的な利益還元の維持継続を基本に、中長期的な累進配当を目指すとともに、資本効率向上を図るための自己株式取得・消却を必要に応じ実施してまいります。 なお、配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。 内部留保資金は、将来に向けた成長のための設備投資や研究開発投資、財務体質の充実などにあて、収益基盤の強化を図ってまいります。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③資金需要 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは人件費および発送配達費等の費用であります。当社グループの研究開発費は、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。 当社グループの投資活動にかかる資金需要のうち主なものは、高付加価値品の需要拡大に対応する生産設備、新技術開発による生産設備の新設や環境負荷低減のための設備改修等にかかる設備投資であります。 ④有利子負債 2026年3月31日現在の有利子負債の概要は下記のとおりであります。 年度別要支払額 区 分   合計   1年以内   1年超3年以内   3年超5年以内   5年超 短期借入金(億円)   13   13   -   -   - 長期借入金(億円)   29   10   13   5   0 上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。 ⑤財務政策 当社グループは現在、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が1年以内の短期借入金で、銀行等からの借入金および海外子会社の現地での借入金から構成されております。これに対して、生産設備などの長期資金は原則として固定金利の長期借入金で調達しております。2026年3月31日現在、長期資金の残高は29億円で、主に固定金利の円での借入であり、銀行等からの借入金であります。 当社グループは、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力および借入により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

リンク先はEDINET (金融庁) の書類閲覧ページです。

関連する企業

関連企業

本ページは公的開示と市場データに、群青で示した解釈を重ねて構成しています。財務・株価の数値は開示・市場データをそのまま表示し、AIには生成させていません。 AI評価 (割安判定・スコア) は解釈です — 詳しくは編集方針をご覧ください。