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超!企業DB
日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,061.51+295ドル円158.76-1NASDAQ26,217.83+118S&P 5007,666.68+35SOX 指数11,339.25+519/2終値

Appier Group

4180 · Prime · 情報・通信業

AIでマーケティングROIを最大化するSaaS企業。顧客データ統合から広告・クリエイティブ生成・CRMまでフルファネル支援

概要

Appier Groupは、AIを活用したマーケティングソリューションを提供する企業である。消費者向けサービス企業を主な顧客とし、広告配信最適化、パーソナライズドコミュニケーション、クリエイティブ自動生成など、マーケティングファネル全体をカバーする。2025年12月期の売上収益は437億円、従業員数791名。東京証券取引所情報・通信業に上場する。

マーケティングファネル全体をカバーするAIソリューション群

Appier Groupは、消費者向けサービス企業(B2C)を対象に、AIを用いたマーケティングソリューションを提供する。ソリューションは「フル・ファネル」アプローチを採用し、潜在ユーザーの獲得からエンゲージメント、購買、リテンションまでの各段階をカバーする。主要製品として、広告配信最適化の「CrossX」、パーソナライズドメッセージ配信の「AIQUA」、クリエイティブ自動生成の「AdCreative.ai」、会話型マーケティングの「BotBonnie」など8つのプロダクトを展開する。これらの製品は、深層学習や生成AI、自律型AI(Agentic AI)を内包し、企業のマーケティングROI向上を支援する。

急成長する売上収益と黒字転換を果たした収益構造

Appier Groupの売上収益は2018年12月期の63億円から2025年12月期には437億円へと7年で約7倍に成長した。特に2020年以降の成長が顕著で、2021年12月期127億円、2022年12月期194億円、2023年12月期264億円、2024年12月期341億円と毎年30%前後の増収を達成している。営業利益は2024年12月期に20億円、2025年12月期に30億円と黒字を継続し、親会社所有者帰属当期利益も2023年12月期に10億円の黒字転換後、2025年12月期には26億円となった。売上総利益率は53.8%で、技術革新と高利益率プロダクトの構成比拡大により改善傾向にある。

15カ国・地域に広がるグローバルな事業展開

Appier Groupは2014年に台湾で創業後、日本、韓国、東南アジアへと事業を拡大した。2025年12月時点で、東京、大阪、ソウル、台北、香港、北京、カリフォルニア、アムステルダム、パリ、シンガポール、クアラルンプール、ホーチミン、マニラ、ジャカルタ、バンコクの15カ国・地域に17のオフィスを構える。顧客企業数は2,111社(グループ単位)で、直接販売または代理店を通じてAIプラットフォームを提供する。M&Aによるプロダクト獲得と地域拡大を戦略的に進め、2025年にはフランスのADYOUNEED SASを買収し、欧州市場でのプレゼンスを強化した。

グループ構造と研究開発体制

Appier Groupは、英領ケイマン諸島に最終持株会社Appier Holdings, Inc.を置き、統括本社機能をシンガポールのAppier Pte. Ltd.が担う。開発拠点は台湾のAppier, Inc.、販売子会社としてAppier Japan株式会社などが活動する。研究開発人員の多くはAI・ビッグデータ・コンピューターサイエンス領域で博士号または修士号を取得しており、従業員が執筆した300本以上の論文がトップジャーナル等で発表されている。世界的なデータマイニングコンテスト「KDDカップ」では7回の優勝実績を持つ。この技術力が、フォーチュン誌の「AI革命を牽引する50社」(2017年)やガートナーの「AIクールベンダー」(2017年)への選出につながった。

業界の中での役割はマーケティングAIソフトウェアベンダーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
437億円
営業利益
30億円
営業利益率
6.9%
純利益
26億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01消費者向けサービス企業(B2C)主力

小売、eコマース、エンターテインメント、旅行など、一般消費者を対象とする企業向けに、顧客データ統合・分析、広告配信最適化、パーソナライズドコミュニケーション、インセンティブ最適化、クリエイティブ自動生成などを通じてマーケティングROI向上を支援。フルファネルにおける各段階(潜在ユーザー獲得→エンゲージメント→購買→リテンション)をカバーする。

主な製品・サービス8
CrossX
AIが高LTVユーザーを予測・ターゲティングし、広告配信を自動実行する広告クラウド製品。マーケティング投資のROIを最大化。
AIXPERT
マーケティングキャンペーンをモニタリング・自動運用できる広告クラウド製品。AIが予算配分やパラメータ調整を提案・実行。
AdCreative.ai
生成AIを用いてデジタル広告クリエイティブを自動生成するプラットフォーム。コンバージョン最適化された画像・動画を短時間で生成。
AIQUA
パーソナライゼーションクラウド製品。AIがユーザー行動を予測し、最適なチャネル・タイミングでパーソナライズメッセージを配信。
BotBonnie
会話型マーケティングプラットフォーム。LINE、Facebook Messenger等と連携し、パーソナライズされた顧客サービスを提供。
AiDeal
購入を躊躇するユーザーをAIが予測し、そのユーザーに限定したインセンティブを付与することで収益性を維持しつつ売上を最大化。
AIXON
AI搭載の予測分析プラットフォーム。データ統合・自動機械学習により行動予測モデルを構築し、説明可能なAIで意思決定を支援。
AIRIS
次世代CDP(カスタマーデータプラットフォーム)。リアルタイムデータ統合・ビジュアル分析・AI予測により360度顧客プロファイルを提供。

製品と技術

高LTVユーザーを自動ターゲティングする「CrossX」

「CrossX」は、Appier Group初のプロダクトとして2014年6月に提供を開始した広告クラウド製品である。AIが高LTV(生涯価値)ユーザーを予測し、そのユーザーに対して広告配信を自動実行する。マーケティング投資のROIを最大化することを目的としており、機械学習モデルが広告の入札や配信先を最適化する。広告主は手動でターゲティングを調整する必要がなく、AIが自律的に予算配分を行う。

キャンペーン自動運用を実現する「AIXPERT」

「AIXPERT」は、マーケティングキャンペーンをモニタリングし、AIが予算配分やパラメータ調整を提案・実行する広告クラウド製品である。キャンペーン運用の煩雑さを軽減し、担当者が手作業でA/Bテストを繰り返すことなく最適な成果を追求できる。AIXPERTは、過去のデータから最適解を予測し、リアルタイムで調整を行うことで、広告費用対効果の向上に貢献する。

生成AIでクリエイティブを自動生成する「AdCreative.ai」

「AdCreative.ai」は、2025年にフランスのADYOUNEED SAS買収により加わった製品である。生成AIを用いてデジタル広告クリエイティブ(画像・動画)を自動生成するプラットフォームで、コンバージョン最適化されたクリエイティブを短時間で作成できる。従来は人手と時間を要したクリエイティブ制作をAIが代替し、マーケティング担当者の負荷を軽減する。

パーソナライズドコミュニケーションを実現する「AIQUA」

「AIQUA」は、パーソナライゼーションクラウド製品である。AIがユーザー行動を予測し、最適なチャネル・タイミングでパーソナライズメッセージを配信する。2018年に買収したQuantumgraphの技術を基盤としており、Webサイトやアプリ上の行動データを統合し、個々のユーザーに合わせたコミュニケーションを自動化する。エンゲージメント向上とリテンション強化に寄与する。

会話型マーケティングを支える「BotBonnie」

「BotBonnie」は、会話型マーケティングプラットフォームである。LINE、Facebook Messengerなどのメッセージングアプリと連携し、パーソナライズされた顧客サービスを提供する。2021年に買収した台湾のBotBonnie Inc.の技術を活用し、チャットボットを通じて顧客との対話を自動化する。これにより、24時間の顧客対応とエンゲージメント向上を実現する。

購入予測とインセンティブ最適化の「AiDeal」と「AIXON」「AIRIS」

「AiDeal」は、購入を躊躇するユーザーをAIが予測し、そのユーザーに限定したインセンティブを付与することで、収益性を維持しつつ売上を最大化する製品である。2019年に買収した日本のEmotion Intelligenceの技術が基盤。「AIXON」は予測分析プラットフォームで、データ統合・自動機械学習により行動予測モデルを構築し、説明可能なAIで意思決定を支援する。「AIRIS」は次世代CDP(カスタマーデータプラットフォーム)で、リアルタイムデータ統合・ビジュアル分析・AI予測により360度の顧客プロファイルを提供する。2022年に買収した米国Woopraの技術を核としており、データの断片化問題を解決する。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

情報・通信業のなかでの位置

中小企業向けDXで存在感、拡大続く

Appier Groupは、AIを活用したマーケティング支援サービスを提供する企業で、情報・通信業に属する。同業他社にはVR AIN Solution、Cocolive、L is B、ソラコム、ハッチ・ワークが挙げられるが、Appierの売上高は2023年12月期264億円、2024年12月期341億円、2025年12月期437億円と順調に拡大している。営業利益率も5.87%から6.86%と緩やかに改善しており、安定的な成長を示す。国内市場に加えて海外展開も進めており、グローバルな成長が期待される。一方、競合のSansanとは規模で劣るが、AI技術での差別化を図っている。

強み

  • AIをコアにしたサービスで、先進的なマーケティングを提供。
  • 売上高が毎期増加し、堅調な成長を維持。
  • 海外市場も開拓し、グローバルな事業を展開。
  • 営業利益率が安定的で、収益基盤が固い。

課題

  • Sansanなど大規模競合との差別化が困難。
  • 営業利益率が7%未満で、高収益化が課題。
  • デジタル広告市場の変動に影響を受けやすい。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

IT・SaaSの時価総額近傍。太字がAppier Group

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
19715トランス・コスモス1,627億円11.3倍
22124ジェイエイシーリクルートメント1,619億円17.2倍
34776サイボウズ1,601億円18.2倍
43778さくらインターネット1,495億円672.3倍
54784GMOインターネット1,483億円24.2倍
64180Appier Group1,363億円40.5倍
79889JBCCホールディングス1,194億円19.5倍
86027弁護士ドットコム1,164億円77.3倍
94432ウイングアーク1st1,159億円17.8倍
106947図研1,092億円19.4倍
112379ディップ1,091億円15.9倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(IT・SaaS)に従っています。

会社の歴史

沿革 12件

AIマーケティングの研究開発を台湾で開始した2012年

2012年6月、台湾法人Appier, Inc.において、代表取締役CEOの游直翰らが人工知能(AI)を活用した企業向けマーケティングソリューションの研究開発を開始した。創業メンバーはハーバード大学やスタンフォード大学で四足歩行ロボットや自動運転自動車の開発に携わったAIサイエンティストとエンジニアである。彼らはマーケティング分野を、企業とユーザーの最初の接点であり全てのビジネスの出発点と位置づけ、AI技術の応用に注力した。

会社設立と初プロダクト「CrossX」のリリース(2014年)

2014年3月にAppier Pte. Ltd.を設立し、同年5月には英領ケイマン諸島に最終持株会社Appier Holdings, Inc.を設立した。同年6月、初のプロダクトであるユーザー獲得プラットフォーム「CrossX」の提供を開始した。CrossXは、AIが最も生涯価値の高いユーザーを予測し、広告配信を自動実行する製品である。同年7月には日本法人Appier Japan株式会社を設立し、国際展開の第一歩を踏み出した。

アジア太平洋地域への急速な事業拡大(2014年~2015年)

2014年12月にベトナム・ホーチミンオフィスを開設したのを皮切りに、2015年にはオーストラリア・シドニー、フィリピン・マニラ、インド・ムンバイ・デリー、インドネシア・ジャカルタ、香港、韓国・ソウル、マレーシア・クアラルンプールと、相次いでアジア太平洋地域にオフィスを設立した。同年中に8カ国・地域に拠点を広げ、AIマーケティングソリューションのグローバル展開を加速させた。

M&Aによるプロダクト拡充とAIプラットフォームの強化(2018年~2022年)

2018年にインドのQuantumgraph Solutions Private Limitedを買収し、AI機能を追加したパーソナライゼーションクラウド「AIQUA」の提供を開始した。2019年には日本のEmotion Intelligence株式会社を買収し、インセンティブ最適化製品「AiDeal」を追加した。2021年には台湾のBotBonnie Inc.を買収し、会話型エンゲージメントプラットフォーム「BotBonnie」を、2022年には米国のWoopra, Inc.を買収し、次世代CDP「AIRIS」を獲得した。これらの買収により、マーケティングファネルの各段階をカバーするプロダクト群を整備した。

欧州・米国への進出と自律型AIへの進化(2020年~2025年)

2020年には中国での事業活動を強化するとともに、欧州・米国市場への展開を開始した。2025年にはフランスのADYOUNEED SASを買収し、生成AIを用いた広告クリエイティブ自動生成プラットフォーム「AdCreative.ai」を製品ラインに加えた。これにより、予測AI、生成AI、自律型AI(Agentic AI)を統合したAaaS(Agentic AI as a Service)モデルへの移行を推進し、企業のマーケティングROI向上を自律的に支援する体制を整えた。

創業以来初の黒字化と持続的な業績拡大(2022年~2025年)

2018年12月期から2021年12月期まで赤字が続いたが、2022年12月期には営業利益が67百万円とほぼ損益均衡に達し、2023年12月期には親会社所有者帰属当期利益が10億円の黒字に転換した。その後も成長は加速し、2025年12月期には売上収益437億円、営業利益30億円、当期利益26億円を達成した。ARR(年間経常収益)は2024年12月の363億円から2025年12月には483億円へと33.1%拡大し、サブスクリプションモデルの安定した収益基盤を示した。

年表12件を開く

2010年代

  • 2012年6月中華民国(以下「台湾」という。)法人であるAppier,Inc.(注)において、当社代表取締役CEOの游直翰らが人工知能(AI)を活用した企業のマーケティングにおけるソリューションの研究開発を開始
  • 2014年3月創業Appier Pte.Ltd.を設立
  • 2014年5月創業当社グループの最終持株会社として、英領ケイマン諸島にAppier Holdings,Inc.を設立
  • 2014年6月最も生涯価値の高いユーザーを予測し、高い投資対効果を実現することができるユーザー獲得のプラットフォーム「CrossX」を提供開始
  • 2014年7月創業Appier Japan株式会社を設立
  • 2014年12月創業ホーチミンオフィス設立
  • 2015年4月創業シドニーオフィス設立
  • 2015年7月創業マニラオフィス設立
  • 2015年9月創業ムンバイ、デリー、ジャカルタ、香港オフィス設立
  • 2015年12月創業ソウル、クアラルンプールオフィス設立
  • 2017年5月創業バンコクオフィス設立
  • 2017年7月AI予測モデルを自動的かつ簡単に構築し、容易にオーディエンスの行動予測を行うことを可能にするデータサイエンスプラットフォーム「AIXON」の提供を開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上収益売上収益の拡大
  • 売上収益成長率売上収益成長率
  • 営業利益営業利益の拡大
  • 営業利益率営業利益率

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    自律型AIによるROI向上の推進

    マーケティング分野において業種特化・顧客中心型の自律型AIモデルを高性能化し、顧客企業の投資リターン向上を実現する。AaaS(Agentic AI as a Service)により、データ統合からリアルタイムなオムニチャネルマーケティングを提供し、24時間365日稼働するマーケティングパートナーとなる。

  2. 02

    AIソリューションの進化と展開

    AI SaaSからAIコパイロット、さらに自律的に目標設定・計画・実行・改善を行うAIエージェントへとソリューションを進化させる。これにより業務の大幅な時間短縮、精度・一貫性の向上、安全で説明責任のあるROI改善を実現する。

  3. 03

    ファーストパーティデータ活用の強化

    サードパーティデータに依存せず、顧客企業のウェブサイトやCRM等のファーストパーティデータのみを自動統合・分析するAIプラットフォームを提供。深層学習技術により高精度なリアルタイム予測を実現し、データ主導の意思決定を可能にする。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 6期分

グループ全体で791人が働いている。

決算期連結従業員数一人当たり営業利益万円
2020年12月479
2021年12月574
2022年12月661
2023年12月706
2024年12月708282
2025年12月791379

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社19(国内 4 / 海外 15、うち連結子会社 19) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位3)
本社 — 東京都港区835百万円
本社 — 台湾台北市466百万円
本社 — シンガポール92百万円
主な関係会社
  • 海外
    Appier Pte. Ltd. (注)3、5
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Appier, Inc. (注)5
    台湾 台北市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Appier Japan株式会社(注)5
    東京都港区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Appier PTY. Ltd.
    オーストラリア シドニー市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Quantumgraph Solutions Private Limited.
    インド バンガロール市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Appier India Private Limited.
    インド ムンバイ市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Appier Hong Kong Ltd.
    中華人民共和国 香港特別行政区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Appier Korea Ltd.
    大韓民国 ソウル市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    Appier Beijing Co., Ltd.
    中華人民共和国 北京市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    神測通金融科技股份有限公司
    台湾 台北市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Appier Vietnam Co., Ltd.
    ベトナム ホーチミン市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Appier Thailand Co., Ltd.
    タイ バンコク市 · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社7社を開く
  • Appier UK Co., Ltd.英国 バーミンガム市100%
  • Appier US LLC米国デラウェア州100%
  • Woopra, Inc.米国 カリフォルニア州100%
  • Appier Netherlands B.V.オランダ アムステルダム市100%
  • ADYOUNEED SASフランス パリ市100%
  • ADYOUNEED MOROCCOモロッコ カサブランカ市100%
  • ADCREATIVE AI YAZILIM ANONIM ŞIRKETIトルコ イスタンブール市100%

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は437億円営業利益30億円前期と比べると増収増益で、売上が+28.2%、利益が+50.0%。

売上高
+28.2%
437億円
営業利益
+50.0%
30億円
純利益
-10.3%
26億円
営業利益率
6.9%
前期比 +1.0%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高544億円437億円
営業利益50億円30億円
純利益41億円26億円
1株あたり配当¥2.3¥2.3

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は250億円、営業利益は17億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+26.9%、営業利益は+88.9%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q5600.00
2023年2Q6100.01
2023年3Q7145.63
2023年4Q766
2024年1Q7411.41
2024年2Q8133.73
2024年4Q186168.625
2025年2Q19794.66
2025年4Q240218.820
2026年2Q250176.814

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 8期分

2018年12月期からの8期で、売上は63億円から437億円へ6.9倍に増えた。直近期の営業利益率は6.9%。売上は7期連続で増加。

決算期売上高億円営業利益億円税引前利益億円営業利益率%純利益億円
2018年12月63−20−19
2019年12月72−23−23
2020年12月90−16−15
2021年12月127−12−12
2022年12月19410
2023年12月2641110
2024年12月34120215.929
2025年12月43730276.926

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高437億円のうち、営業利益として残るのは30億円6.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は26億円、売上の5.9%にあたる。営業利益率は業種中央値8.4%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金46.2%202億円
  • その他の費用販管費とその他の損益46.9%205億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益6.9%30億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
53.8%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.5pt
6.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比0.7pt
5.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比5.9pt
7.2%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
4.3%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
4.3%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 8期分

2025年12月期は営業CFが33億円、投資CFが−43億円で、差し引きのフリーCFは−10億円この組み合わせは積極投資型にあたる。本業で稼ぎつつ、さらに資金を調達して大きな投資に踏み込んでいる。成長への布石の局面期末の手元現金は117億円で、売上の3.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2018年12月−15−217−176
2019年12月−18−57111−7541
2020年12月−8−2712−3516
2021年12月−7−91144−9866
2022年12月10−38−5−2838
2023年12月2220−234261
2024年12月19−22−8−355
2025年12月33−4370−10117

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 8期分

2025年12月期の総資産は605億円。このうち返さなくてよい自己資本が371億円で、自己資本比率は61.4%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2018年12月33−4275
2019年12月121−65186
2020年12月124774761.9
2021年12月3122288473.2
2022年12月3592629772.9
2023年12月3792918876.9
2024年12月44634310376.9
2025年12月60537123361.4

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
117億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-30億円
過去の利益の積み上がり
負債合計
233億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
84
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率14 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

情報・通信業 605社との比較

同じ情報・通信業の企業と並べると、いちばん上に来るのは売上成長率605社中89位あたり、逆に低いのは配当利回り605社中600位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
7.2%/中央値 13.1%
P25 7.0%P75 20.1%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
6.9%/中央値 8.4%
P25 3.9%P75 16.1%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
61.4%/中央値 63.4%
P25 45.3%P75 74.7%
売上成長率上位前期からの売上の伸び
28.1%/中央値 9.1%
P25 1.9%P75 20.2%
配当利回り下位株価に対して1年で受け取る配当の割合
0.2%/中央値 2.5%
P25 1.5%P75 3.5%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥1,329で、1年前と比べて-12.6%過去52週の値幅のなかでは62%の位置にある。

¥1,329-6.3%1ヶ月+37.4%1年-12.6%時価総額1,363億円
過去52週の値幅
安値¥660高値¥1,745

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)40.5倍
PER (会社予想)32.9倍
PBR3.40倍
配当利回り0.17%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は8月17日に前日比+15.02%の1302円と急伸し、年初来高値を更新しました。7月下旬から上昇基調が強まり、8月に入っても上昇が続いています。25日線(960円)を+35.5%上回り、RSIは90.44と買われ過ぎの水準です。ただし、52週高値1745円に対してはまだ25%下であり、上値余地もあります。出来高も8月17日に826万株と急増しており、投機的な資金が流入しています。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 40/100)

PERは39.42倍と業界平均の30.11倍を上回り、PBRも2.64倍で平均の3.51倍よりは低いが、ROEは7.2%と低く、収益性に対して株価が割高に映る。配当利回りは0.23%と低く、業界平均の3.42%を大きく下回る。売上高は増加傾向にあるが、利益は2024/12に29億円と大きく伸びた後、2025/12には26億円とやや減少しており、成長持続性に不確実性がある。バリュエーションと収益性を考慮すると、やや割高と判断する。

指標この会社業種平均
PER (実績)40.5倍47.9倍
PER (予想)32.9倍
PBR3.40倍2.96倍
ROE7.2%12.9%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

売上高は成長しているが、利益率は低く、黒字化が焦点。強気派は、AI技術の進化とアジア市場での需要拡大により、スケールメリットで利益率が改善すると期待する。弱気派は、競争激化やマーケティング需要の変動で収益性が安定せず、株価の下落が続く可能性を懸念する。

プラスに働く材料7
  • 売上高の成長

    過去3年でほぼ倍増し、成長市場を開拓。

  • 黒字化の達成

    営業利益率が5.9%から6.9%に改善し、黒字を持続。

  • AI市場の成長

    全世界的にAI需要が高まり、市場拡大の追い風。

  • 売上高が前期比28%増の437億円に拡大通年影響

    売上高は341億円から437億円へ96億円増加。増収により営業利益も拡大

  • 営業利益が前期比50%増の30億円に改善通年影響

    営業利益は20億円から30億円へ10億円増。営業利益率も5.87%から6.86%へ改善

  • 純利益は3期連続黒字の26億円を確保通年影響

    純利益は10億円、29億円、26億円と黒字継続。赤字リスクは後退

  • 株価が1年で40%下落、押し目買いの材料不定影響

    株価は976円で1年間で-40.44%。PBR2.64倍に低下し、成長期待の再評価余地

マイナスに働く材料7
  • 低利益率

    営業利益率が10%未満で、競合と比べ低い。

  • 株価下落

    1年間で40%下落し、市場の期待が低下。

  • 為替と市場リスク

    アジア展開は新興国リスクに晒される。

  • 純利益が前期の29億円から26億円に減少通年影響

    売上高・営業利益は増加したが純利益は2億円減。EPS押し下げ要因となる

  • PER39.4倍と純利益対比で割高継続影響

    時価総額1,001億円、純利益26億円でPER39.42倍。業績鈍化なら修正リスク

  • 売上高成長率が29%から28%へ鈍化通年影響

    2024年は前期比29%増、2025年は28%増。高成長持続への期待がやや剥落

  • 外国人所有率71%と高く売り圧力にさらされやすい継続影響

    外国人所有率71.38%。グローバルなリスク回避時に売りが膨らむ構造

次の決算で確かめる点
売上高成長率
成長市場での獲得競争に勝てているか。
営業利益率
スケールメリットが利益に結びつくか。
顧客単価
既存顧客の拡大が重要。
解約率
サブスクリプションの継続性。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり2.3で、前期から+12.5%いまの株価に対する利回りは0.17%。増配か配当維持が1年続いている。

年間配当
¥2.3
1株あたり
配当利回り
0.17%
いまの株価に対して
配当性向
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
1年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2024年12月2
2025年12月212.5

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥2.3

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ23,684人。区分でいちばん多いのは外国法人63.5%。グループ会社や銀行などの安定株主が10.2%を占め、残る89.8%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
外国法人100.080.672.467.865.963.5
個人・その他3.64.75.710.915.3
金融機関3.66.716.012.89.6
外国人個人7.67.77.67.87.9
証券会社1.55.52.31.93.1
自己株式0.00.00.60.6
事業法人3.13.10.50.70.6

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01PLAXIE INC(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)16.71
02PEAK XV PARTNERS INVESTMENTS IV (常任代理人 SMBC日興証券株式会社)9.72
03日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)7.56
04STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)5.00
05CHIA-YUNG SU(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)3.86
06CEPLUX- THE INDEPENDENT UCITS PLATFORM 2 (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)2.86
07GLOBAL PREMIER GROUP LIMITED (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)2.61
08STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)2.53
09GSESL APPIER CLIENT ASSET ACCOUNT(常任代理人 SMBC日興証券株式会社)2.14
10iShares Future AI & Tech ETF (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)1.84

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近2
  • 2026-07-06
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    1.18%
    +0.23pt
  • 2026-04-17
    ブラックロック・ジャパン株式会社
    新規の大量保有報告
    0.95%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 8期分

1株利益は8期で+217%、1株純資産は6期で+331%。直近期のROEは7.2%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER
2018年12月−21
2019年12月−26
2020年12月−1684
2021年12月−12226
2022年12月02580.16467.0
2023年12月102863.6188.0
2024年12月293389.251.0
2025年12月253647.243.0

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある

経営陣

8名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は8名。2025/12期の役員報酬は総額130百万円。

氏名役職年齢保有株数
游直翰 Chih-Han Yu代表取締役CEO4714,254,472
李婉菱 Wan-Ling Lee取締役COO455,951,548
蘇家永 Chia-Yung Su取締役CIO443,960,720
涂正廷 Jeng-Ting Tu取締役46239,750
簡立峰 Lee-Feng Chien取締役 監査等委員63
本村天取締役 監査等委員49
何經華 Ching-Hua Ho取締役 監査等委員70
余若凡 Jo-Fan Yu取締役 監査等委員51

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円賞与百万円退職慰労百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)4932729624
社外取締役534347

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容15,129字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 (1)  当社グループの概要 当社グループのミッションは、「自律型AIでROIを向上させる」です。 現在、あらゆるサービスやソリューションでAIの活用が進展しており、世界は急速に進展するAI革命の真只中にあります。当社は、このAI時代における大きな変革の機会を捉え、ビジネスドメインであるマーケティング分野において、業種特化・顧客中心型の自律型AIモデルを高性能化するための豊富な経験の蓄積、データを用いたAIの訓練と改善の積み重ね及びプロダクト開発のための研究開発投資を通じて、顧客企業のROI(投資リターン)向上を実現してきました。 当社グループは、マーケティング分野におけるAIソリューションを提供するパイオニアとして、マーケティングからセールス活動まで顧客接点の全領域を支援するソリューションを提供し、企業の収益最大化に貢献してきました。また近年では、AaaS(Agentic AI as a Service)を提供するAIネイティブ企業として、自律型AIが分断されていたデータを瞬時に統合・連携させることで、市場の変化をリアルタイムに捉える、自律的で適応力の高いオムニチャネルマーケティングを提供しています。これにより、当社の自律型AIは顧客企業にとって24時間365日稼働する自律的なマーケティングパートナーとなり、事業戦略の立案から実行まで継続してサポートすることで、明朗で説得力のある意思決定が可能になります。 多くの企業は価値あるファーストパーティデータを保有しながらも、「データの断片化」と「AI人材の不足」という課題により、有効に活用することができていません。当社グループのAIプラットフォーム(当社グループが提供するソリューションの総体をいいます。以下同じ。)は、この課題を解決します。まず深層学習(ディープラーニング)技術(注1)を活用し、フォーマットが異なる多様なデータをシームレスに統合することで、「データの断片化」の問題を解消します。さらに、統合されたデータに基づいて、最先端のAIモデルを自動で構築するソフトウェアを提供することで、高度な「AI人材不足」の課題も解消します。加えて、当社のAIプラットフォームは、構築されたAIモデルを現場ですぐに活用することができるだけでなく、他のマーケティングアプリケーションとの連携が容易です。これにより、顧客企業のマーケティング活動の効率性を飛躍的に高め、ROIを向上させることができます。 当社グループのAIプラットフォームが提供するソリューションは、予測AI(Predictive AI)モデル及び生成AI(Generative AI)モデルだけでなく、あらゆるAIモデルを統合して自律的にタスクを完遂する自律型AI (Agentic AI)を内包しています。これにより、単なる高精度な「消費者行動・興味関心の予測」に留まらず、予測に基づいたクリエイティブの自動生成や自律的な業務のリアルタイムな遂行を可能にします。これにより、データは真の価値を発揮し、マーケティング及びセールスの領域におけるファネル(注3)の各段階における課題解決を支援します。 当社グループは、AIとデータ活用における革新を通じて、顧客企業に以下の戦略的価値を提供します。 (1) ROIの最大化: AIが自律的に学習・実行することで、「過去データの基づく意思決定」から「ユーザー行動を予測して先回りする意思決定」へと転換させます。これにより、投資実行前に予測ROIを把握し、マーケティング投資のROIを最大化します。 (2) 時間とコストの劇的な削減: 自律型AI(Agentic AI)の活用を容易に導入することができ、業務プロセスへの統合にかかる時間とコストを大幅に削減します。 (3) ファネル全段階の最適化: デジタルマーケティングとセールス領域の課題を一気通貫で解決します。相互にリンクしたデータ基盤により、ファネル全段階の最適化を可能にします。 (注) 1.ニューラルネットワーク(注2)により機械学習技術を実装するための手法の一種 2.生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル 3.「じょうご」の意。後記「(4) 当社グループのソリューション」で述べるとおり、当社グループでは、潜在的なユーザーの予測及び獲得からユーザーの維持及び関係構築、販売に至るマーケティングのすべてのプロセスを「フル・ファネル」と表現しています。 (2)  当社グループの歴史 当社グループは2012年6月、米国のハーバード大学やスタンフォード大学在籍時に、四足歩行ロボットや自動運転自動車の開発など、AI・データ分析・分散処理システム分野での研究経験を有するAIサイエンティストとコンピュータプログラムのエンジニアメンバーが、AIを活用した企業向けマーケティングソリューションの研究開発を台湾で開始したことに始まります。マーケティング分野に注力したのは、マーケティングとセールスこそが企業とユーザーとの最初の接点であり、全てのビジネスの出発点であると考えたためです。 当社グループは、AIや機械学習の研究で実績を残したAIサイエンティストが技術面を牽引しています。研究開発人員の多くがAI・ビッグデータ・コンピューターサイエンス領域で博士号または修士号を取得しています。また、当社グループの役員・従業員が執筆した300本以上の論文が、トップジャーナル、カンファレンス、ワークショップにおいて発表されています。さらに、世界的に著名なデータマイニングコンテスト「KDDカップ」では、当社グループの従業員が参加したチームが7回優勝したという実績もあります。こうした実績により、当社グループはフォーチュン誌から「AI革命を牽引する50社(2017年)」(注1)に、ガートナーから「AIクールベンダー(2017年)」(注2)に選出される等、AI企業として高い評価を受けてきました。 事業面においても経験豊富なメンバーを擁し、技術力・事業経験・顧客中心主義を組み合わせた独自の企業文化を形成しています。 当社グループの主要な歩みは以下のとおりです。 ・2014年:当社グループ初のプロダクトである「CrossX」の提供を開始。 ・2014年~2015年:台湾から日本と韓国に事業を拡大。さらに東南アジア各国に進出。 ・2018年:インドのQuantumgraph Solutions Private Limitedを買収し、AI機能を追加した「AIQUA」の提供を開始。 ・2019年:日本のEmotion Intelligence株式会社を買収し、最先端の機械学習技術を追加した「AiDeal」の提供を開始。 ・2020年:中国での事業活動を強化し、欧州・米国に展開。 ・2021年:台湾の邦妮科技有限公司(BotBonnie Inc.)を買収し、会話型のエンゲージメント・マネジメント・プラットフォーム「BotBonnie」の提供を開始。 ・2022年:米国のWoopra, Inc.を買収し、AIを搭載した次世代CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)「AIRIS」の提供を開始。 ・2025年:フランスのADYOUNEED SASを買収し、最適な広告クリエイティブを自動生成できるAI搭載プラットフォーム「AdCreative.ai」の提供を開始。 現在、当社グループは、東京の他、大阪、ソウル、台北、香港、北京、カリフォルニア、アムステルダム、パリ、シンガポール、クアラルンプール、ホーチミン、マニラ、ジャカルタ、バンコク等の15ヵ国・地域に17のオフィス(2025年12月末時点)を構え、2,111の企業グループ(注3)に直接または代理店経由でAI プラットフォームを提供しています。 主要な関係会社(AaaS事業) 開発の拠点:Appier,Inc.等 グループ会社の統括本社機能:Appier Pte. Ltd. 販売活動を行っている子会社:Appier Japan株式会社、Appier,Inc.等 (注) 1.2017年にCBインサイツが多様な健全性・成長性指標に基づき選出した「世界で最も有望なAIスタートアップ企業100社」(「AI100」)の中から、資金調達額の多かった上位50社。なお、当社グループは2018年にもAI100に選出されている。 2.東アジア地域で優れたAIソリューションを提供している企業として2017年にガートナーが選出したもの。 3.2025年12月末時点で当社グループと契約しており、当社グループのソリューションを1種類以上利用している企業グループの総数。有償・無償のトライアル、デモ使用、M&Aにより獲得した顧客は含まない。複数のブランドで当社グループの同一のソリューションを利用している企業は、1社としてカウント。複数のブランドで当社グループの複数のソリューションを利用している企業は、利用している当社グループのソリューションの数ごとに個別の顧客企業としてカウント。 (3) AIプラットフォームが解決する現代の課題と可能性 近年のデジタルマーケティングは、スマートデバイスの普及、eコマース、ソーシャルメディアの拡大に伴い、劇的な進化を遂げています。企業が取り扱うデータは急増し、オムニチャネル化と画像・動画等の非構造化データの増加により、その複雑性は増大しています。 このような潮流の中、深層学習(ディープラーニング)や生成AI(Generative AI)から自律型AI (Agentic AI)といったAI技術の進展は、企業のデータ利活用ニーズを「データを収集・解析し意思決定に繋げる」段階から「設定された目標に対して、AIが自ら計画を立て、ツールを使い完遂する」へと質的に変容させました。 しかしながら、多くの企業は、この変革期において以下の二大課題に直面し、成長機会を逸しているのが現状です。 1.データの分断化と複雑化及び限られた質の高いデータへのアクセス: 顧客行動が複数ソースに分断され、形式が異なる大量のデータを瞬時に統合・管理すること、価値あるデータを独自でアクセスすることは困難です。 2.AI人材の不足と実行コスト: AIをビジネスに貢献させるための高度な専門人材が不足しており、投資対収益に直結する価値あるAIモデル及び自律型AIの開発および組織への融合には多大な時間とコストを要します。 当社グループAIプラットフォームの革新:自律型AIによる解決 当社グループのAIプラットフォームは、これらの社会的課題に対し、以下のように対応します。 ・AIによるデータ統合の自動化: ディープラーニング技術により、分断された異なるフォーマットのデータを瞬時に統合し、広範に利用可能な包括的なユーザープロファイルを自動生成します。これにより、データがない領域でも周辺嗜好に基づいた高精度な予測が可能になります。 ・AIによる実行の自律化: 最先端の機械学習と自律型AIを活用し、様々なAIモデルの自動構築を実現。データサイエンティスト不在でも、AIが自律的に学習・実行することで、企業の課題解決とROI最大化に集中できる環境を提供します。 ・迅速な導入: システム環境に依存しないプラットフォームとして提供することで、マーケティング担当者は初期投資を抑え、即座に最先端のAI活用(予測、生成、実行)を開始できます。 当社グループは、自律型AIソリューションをAaaS(Agentic AI as a Service)形式で提供することにより、多数の顧客企業が最先端のAIモデルを容易に活用することができ、AIの潜在能力が最大限に引き出されると考えています。 このように、当社プラットフォームは様々なソースやデバイスから取得したデータを自動で統合することで、断片的な情報から包括的なユーザーのプロファイルを生成します。その際、ユーザーの自社ウェブサイトへの訪問履歴やアプリの使用履歴等を自然言語処理(注1)とディープラーニングにより解析します。これにより、データがない領域であっても、周辺領域におけるユーザーの嗜好を基に、未開拓分野への興味・関心を予測することができます。こうした分析により、より広範なトピックに対するユーザーの行動を高精度に予測することが可能となっています。 当社グループのソリューションを活用して、企業の課題を解決した具体例な事例は以下のとおりです。 ① データ統合の自動化:化粧品ブランドのアプリ・Webサイト、CRM(注2)からのストリーミングデータ(注3)を統合し、ユーザープロファイルを生成。ユーザーの行動パターン、興味・関心、商品の閲覧・購入履歴等のWebサイトやアプリ上での行動データを統合することで、包括的なユーザープロファイルを生成。 ② AI予測モデルの自動構築:包括的なユーザープロファイルに基づき、ユーザーが「いつ、何を、どのように購入するか」を予測するAI予測モデルを自動構築。例えば、あるユーザーが日焼け止めUVカットファンデーションを購入する可能性を高精度で予測し、適切なマーケティングを施策を実行することが可能。 ③ パーソナライズされた提案:最も関連性の高い商品を自動的にWebサイトやアプリに表示することで、コンバージョン率を向上。 (注) 1.人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術 2.顧客との良好な関係を構築し、顧客価値を高めるためのマネジメント 3.多数のデータソースによって継続的に生成されるデータ (4) 当社グループのソリューション 当社グループは、企業と価値あるエンドユーザーを結びつけるためのAIベースのソリューションを提供しています。特に、当社の顧客の多くを占める消費者向けサービス企業に対して、潜在的なユーザーの予測及び獲得からユーザーの維持及び関係構築、さらには販売に至るまで、マーケティングの全プロセスを一気通貫で支援するソリューションを揃えています。 当社グループでは、このコンセプトをマーケティングとセールスのプロセス全体を包括する「フル・ファネル」と呼んでいます。このアプローチにより、各段階における顧客企業の課題解決を支援することができます。また、AaaS(Agentic AI as a Service)プラットフォームとして提供することで、AI活用のために必要な開発時間とコストを大幅に削減することができます。 当社グループのソリューションは、顧客企業に以下の価値を提供しています。 ① 企業レベルでの容易なAI導入:完全に自動化されたデータ統合とAIモデル自動構築の技術により、企業全体で容易にAIを導入。 ② CMO(Chief Marketing Officer)やマーケティング責任者の意思決定支援:将来のユーザー行動を予測し、そこから得られる知見を提供することで、従来の過去データのみに基づくマーケティング上の意思決定を、ユーザー行動を予測して先回りする意思決定へと進化。また、投資額に対するリターンを事前に予測することが可能。 ③ マーケティング担当者の業務支援:日々の業務課題に対応したフル・ファネルのソリューションを提供。デジタルマーケティングにおける煩雑な手作業を自動化することで、マーケティング担当者はより戦略的な意思決定に集中することが可能。 さらに、顧客企業が当社のソリューションを利用すればするほど、AIが学習するデータ量が増加し、予測精度が高まります。これにより、顧客企業のマーケティング投資のROIが一層向上し、ソリューションの利用拡大につながることで、当社ソリューションに対する顧客ロイヤルティが強化されると考えています。 広告クラウドは、当社グループの開発した自律型AIが、顧客企業の設定したマーケティング戦略をもとに、自ら計画を立てユーザー獲得のためのマーケティングキャンペーンを遂行し、顧客企業はその実施結果等をソフトウェア上のレポートにより確認することができます。それに対して、パーソナリゼーションクラウド・データクラウドは、自律型AIが既存顧客とのCRMの強化のためのエンゲージメント及びユーザーの行動予測からマーケティング施策立案を行うソフトウェアです。 顧客企業は自社のニーズに応じて、1つのソリューションのみを利用することも、複数を組み合わせて利用することも可能です。各ソリューションは高度に連携・統合されているため、組み合わせて利用することにより、従来得られなかった新たな知見や気づきを獲得することができます。さらに、得られたデータや知見を他の分野で活用することも可能です。 提供するプロダクトを最適化し、プロダクト間のシナジーを最大化するため、当社グループはプロダクトを「広告クラウド」「パーソナライゼーションクラウド」「データクラウド」という3つのカテゴリーに分類しています。 ① 広告クラウド CrossX、AIXPERT:ユーザーのライフタイムバリュー(LTV、生涯価値)を予測し、最も価値の高いユーザーを獲得することを可能にすることで、マーケティング投資を予測可能なリターンに転換 CrossXは、一般消費者を顧客とする企業がマーケティングの初期段階で直面する「マーケティング投資に見合う高いリターンが期待できるユーザーを獲得する」という課題を解決するためのプロダクトです。これは、マーケティング・ファネル図における最上段の「潜在ユーザーの予測及び獲得」にあたります。 従来、企業のマーケティング担当者は、成果を改善するためにコストと時間をかけてマニュアル作業によるA/Bテスト(注1)を繰り返してきました。CrossXは、AIが最も生涯価値(LTV)の高い潜在的ユーザーを高い精度で予測し、当該潜在的ユーザーのターゲティングに基づくマーケティングキャンペーンを自動で実行することで、顧客企業が高い投資対効果(ROI)を実現できるよう支援します。 顧客企業がCrossXの利用を開始すると、最初にユーザーデータの取り込み及び機械学習を行います。ユーザーのプロファイル、サイトデータ、ユーザー行動などの1万以上のデータの組み合わせが、当社グループのマルチタスク型ディープラーニングモデルに入力されます。これにより、質の高いユーザーを見つけるだけでなく、「サイト訪問」「ユーザー登録」「購入」などの複数の重要な目標を達成するユーザーや、生涯価値(LTV)などの将来の行動やパターンを予測し、顧客企業に高いROIをもたらすユーザーを予測することができます。さらに、獲得したデータに対して繰り返し機械学習を行い、予測モデルを改善し続けます。 当社グループのAIは様々な地域・業種のユーザーデータを10年超にわたり学習し続けており、精度の高い予測をすることができる点が参入障壁となっています。 CrossXはAIによる高LTVユーザーのターゲティング結果に基づき、各種メディアプラットフォーム上でターゲットを絞った広告配信を自動で行うことで、効率的に高LTVユーザーを獲得します。広告配信に要するメディアコストは当社グループの売上原価となりますが、AIアルゴリズムの改善により予測精度が高まると、同じ成果を出すために要するメディアコストが少なくなるため、当社グループの売上総利益率の改善に貢献します。 CrossXは利用量に基づく価格体系であり、当社グループの売上収益は、顧客企業から割り当てられるマーケティング予算の金額に基づき決定します。CrossXのAIはキャンペーン実施前にユーザーの獲得単価、獲得するユーザーのLTV、獲得可能なユーザー件数等のKPIを予測することができるため、顧客企業はマーケティング投資の実行前にリターンを予測することができます。CrossXを利用した結果、顧客企業の期待を上回るROIを達成することができれば、次回以降のキャンペーンにおける利用量の増加が期待できます。 CrossXは2014年に提供を開始した当社初のプロダクトであり、当社の売上収益のうち、最も大きな割合を占めています。 AIXPERTは、CrossXと同様にAIを利用した高LTVユーザー獲得のためのプロダクトですが、顧客企業が自らソフトウェアを活用し、複数のチャネルで展開するマーケティングキャンペーンをモニタリングできる点に特長があります。AIは予測結果に基づき、広告予算の配分やパラメーター調整を提案し、運用改善と管理を一括で行うことができます。また、AIがマーケティング担当者に代わってすべての意思決定を自動的に行う「マーケティングの自動運転」を行うことも可能です。 AIXPERTはサブスクリプション方式の価格体系であり、顧客企業がプロダクト経由で行うマーケティングキャンペーンのボリュームに基づき月額料金が決定します。 AdCreative.ai:最適な広告クリエイティブを自動生成できるAI搭載プラットフォーム 当社グループは、2025年3月にフランス企業ADYOUNEED SASを買収し、同社が開発・提供するデジタル広告クリエイティブ制作プラットフォーム「AdCreative.ai」をプロダクトラインに追加しました。 AdCreative.aiは、最先端のAI技術を活用し、デジタル広告クリエイティブを革新するAI搭載プラットフォームです。高度な生成AIモデルと包括的な独自のデータセットを活用することで、クリエイティブ制作のプロセスを効率化し、多様なデジタルチャネル・個別ユーザー向けに最適化されたROI改善効果の高い広告素材を自動生成することができます。 AdCreative.aiの特長は、コンバージョンに最適化された広告クリエイティブを生成する点であり、エンゲージメント指標を最大化し、優れたROIを実現するよう設計されています。また、高度な分析機能とパフォーマンス計測ツールを備えており、顧客はデータに基づいたクリエイティブ戦略の意思決定を行うことができます。さらに、競合分析機能を通じて価値のある市場におけるインサイトを提供し、業界内でより効果的な広告戦略を実行することを支援します。 また、AdCreative.aiは、当社グループの主力AIネイティブソリューションである「広告クラウド」だけでなく「パーソナライゼーションクラウド」「データクラウド」に統合されており、データから得られるインサイトを活用して、パーソナライズされたクリエイティブをリアルタイムで生成することができます。これにより、顧客企業は、市場環境や消費者ニーズの変化に迅速に対応することができ、顧客企業のROIをさらに高めます。 ・広告クラウド:Eコマース業界において、AdCreative.aiは生成AIを活用し、個別ユーザーに合わせたコンバージョン率の高い広告クリエイティブを短時間かつリアルタイムで生成します。これにより、従来は数週間を要していた制作期間を大幅に短縮し、Appierの広告配信プラットフォームを通じて迅速かつ大規模な広告展開を実現します。 ・パーソナライゼーションクラウド:AdCreative.aiが生成する画像・動画等は、AIQUAやBotBonnieなどのプロダクトを通じて、ユーザーの属性や行動履歴に応じた最適なタイミング・内容で配信されます。これにより、1対1の大規模パーソナライズドコミュニケーションを可能とし、顧客エンゲージメントとロイヤリティを高めます。 ・データクラウド:データクラウドとの統合により、データを基にしたクリエイティブの最適化がさらに進化します。リアルタイムに特定された高ポテンシャル顧客セグメントに対して、AdCreative.aiは各セグメントに最適化された広告クリエイティブをリアルタイムで自動生成することにより、マーケティング効果を高めます。 AdCreative.aiはサブスクリプション方式の価格体系であり、顧客企業がプロダクト経由で行うクリエイティブ自動生成のボリュームに基づき月額料金が決定します。 ② パーソナライゼーションクラウド AIQUA、BotBonnie:AIがパーソナライズしたメッセージを最適なタイミングで全チャネルにプロアクティブに配信し、エンゲージメントの質を向上 一般消費者を顧客とする企業は、ユーザーを獲得した次の段階として、マーケティング・ファネル図の上から2番目にあたる「ユーザーの維持及び関係構築」という課題に直面します。主な課題として、(1)複雑な内容のメッセージを作成し、複数のチャネルを管理するための手作業の負担が掛かること、(2)ユーザー毎に最適にパーソナライズされたメッセージを適切なタイミングで送ることができないこと、(3)ユーザーとの関係性構築のためのチャネルが不適切でロイヤルティの高いユーザーに変えることが出来ないこと、が挙げられます。 従来のマーケティング・オートメーション・ツールは、ユーザーの行動に基づき、事前に設定されたルールに合致した場合にメッセージを自動送信する仕組みが一般的でした。しかし、この方式ではユーザーにメッセージを届ける理想的なタイミングを逃してしまったり、すでに関心を失ったメッセージを送信してしまうという課題が生じます。 AIQUAは、これらの課題を解決するためのAIソリューションです。2018年にインドのベンチャー企業Quantumgraph Solutions Private Limitedを買収し、同社のプロダクトを再設計のうえAI機能を追加することで、AIQUAを立ち上げました。 AIQUAは、ユーザーの行動や興味関心をAIが予測し、ユーザーごとに最適化されたメッセージを最適なタイミングで配信することで、エンゲージメントを高めることが可能です。主な特徴は以下のとおりです。 AIQUAには以下の特徴があります。 (1) Webプッシュ通知、Eメール、SMS、メッセンジャーアプリといった多様なコミュニケーションチャネルを簡単に利用可能 (2) AIアルゴリズムにより、ユーザーにとって最適にパーソナライズされたメッセージやおすすめ情報を自動的に作成 (3) 読まれる可能性が高いチャネルおよび最適な送信タイミングをAIが予測し、メッセージを自動配信 当社グループは、AIQUAをサブスクリプション方式で提供しています。契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、アクティブユーザー総に応じた段階的な定額料金を設定しています。 更に、当社グループは、台湾の邦妮科技有限公司(BotBonnie Inc.)の買収に伴い、2021年6月にBotBonnieの提供を開始しました。これにより、カスタマーエンゲージメントに関する製品ラインアップをメッセンジャー領域まで拡大しました。また、会話型コマースやカスタマーサポート領域にも進出し、フルファネルマーケティングとビジネスソリューションにおける顧客中心のアプローチをさらに強化しました。 BotBonnieは、オムニチャネル対応の会話型マーケティング・プラットフォームであり、メッセンジャープラットフォームにおける複雑なカスタマージャーニーを効率的にナビゲートできるよう設計されています。通常、企業がメッセンジャープラットフォームを通じてパーソナライズされた顧客体験を提供するためには、多大な労力を要しますが、BotBonnieは、ビジュアルビルダーを活用することで、パーソナライズされた顧客サービスを簡単に作成することができます。 さらに、BotBonnieはInstagram、Facebook Messenger、LINE等の主なソーシャルメディアプラットフォームと統合しており、顧客エンゲージメントのカバー範囲を拡大することができます。また、AIが会話データから得たインサイトを活用し、セールスプロモーションを含めたアクションを強化することができます。 当社グループは、BotBonnieをサブスクリプション方式で提供しています。契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、顧客企業のソーシャルメディアアカウント登録者数に応じた段階的な定額料金を設定しています。 AiDeal:購入を躊躇するユーザーを予測し、そのユーザーに限定してインセンティブを提供することで収益性を維持しつつ売上の最大化を実現 既存ユーザーとのエンゲージメントが維持・強化されると、ユーザーに購入等の取引を行ってもらうことが次の課題となります。これは、マーケティング・ファネル図でいうと、上から3番目の「取引の実行」にあたります。 一般消費者を対象とする企業、例えばeコマース企業の場合、カートに入れられた商品の多くが最終的に購入されずに終わるという課題があります。その理由は、ECサイト間の切り替えに手間とコストがかからないため、一般消費者が実店舗と比べて、購買を躊躇することが多いからです。そのため、多くのECサイトでは、購買を促すためにクーポン等のインセンティブを付与することが増えています。 しかし、インセンティブの付与には2つの課題があります。 一つ目は、インセンティブを一律に付与したり、間違ったユーザーセグメントに対して付与したりすると、利益率が低下する一方で、売上や利益の総額が必ずしも増加しないことです。また、過剰なインセンティブ付与はブランドイメージを損なう可能性もあります。 二つ目は、適切なツールの活用や分析ができていないため、どのセグメントをターゲットにしてインセンティブを付与すべきかを効果的に把握することができないことです。 AiDealは、これらの課題を解決するAIソリューションです。2019年に日本のEmotion Intelligence株式会社を買収し、同社のプロダクトに最先端の機械学習技術を組み合わせることで、AiDealを開発しました。AiDealは、購入を躊躇するユーザーを予測し、そのユーザーだけに最も適切なインセンティブを付与することで、収益性を維持しつつ売上の最大化を実現するプロダクトです。 AiDealは、AIによってユーザーのモバイル画面へのタッチやスワイプの仕方、カーソルの動き、スクロールの量など、サイト全体でのユーザーのリアルタイムでの挙動に関するデータを分析します。これにより、ユーザーが製品やサービスの購入を決断するに至るトリガーを見つけ出し、購入をためらっているユーザーを予測します。その上で、当該ユーザーに対し、カスタマイズされた効果的なインセンティブ(期間限定のディスカウントなど)を付与し、購入に導くことで、収益性を維持しつつ売上の最大化を実現します。このように、AiDealは、データに基づき適切なインセンティブを付与することで、ディスカウントやクーポンなどのコストを抑えながらも売上を増やすことを企図するものです。 AiDealは、eコマース企業のみならず、登録・申込みフォームを途中で離脱したユーザーに対して、入力完了を促すことも可能であり、活用事例が様々な業種に拡がっています。 当社グループは、AiDealをサブスクリプション方式で提供しています。契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、取引量に応じた段階的な定額料金を設定しています。 ④ データクラウド AIXON、AIRIS:様々なソースから得られる消費者データをリアルタイムに統合し、直感的なデータの可視化を実現。自動機械学習によって、ユーザーの行動を総合的に予測 一般消費者を対象とする企業は、ユーザーデータの分析により得られる知見をビジネスに有効利用したいと考えた際に、(1)データが複数のソースや異なるフォーマットでバラバラに分断されている、(2)正確なAIモデルを構築するには時間とコストがかかる、(3)効果的なマーケティングアクションに繋がるような実用的な知見がデータサイエンティストから提示されない、という課題に直面します。これは、マーケティング・ファネル図でいうと、上から4番目の「ユーザーの予測」にあたります。 AIXONは、これらの課題を解決するために設計された、データサイエンス機能を持つAI搭載の予測分析プラットフォームです。これにより、顧客企業はデータサイエンティストを社内に抱えることなく、膨大なユーザーデータを統合・強化し、機械学習モデルを用いたシナリオに基づいてターゲットとなるオーディエンス(注2)の行動を自動的に予測することができます。また、AIXONは、AIが導き出した結論の論拠を、顧客企業に分かりやすく説明することができます。 AIXONには以下の強みがあります。 (1) データの統合と自動処理による導入の容易さ ビジュアル化された分かりやすいインターフェースを通じて、複数のソースや異なるフォーマットのデータを簡単に接続することができます。当社のディープラーニング技術により、リアルタイムでデータを統合し、AI予測モデルに必要な情報を自動的に抽出・処理することが可能です。 (2) 自動的なAI予測モデルの構築 AIXONは、自動でシナリオベースのAI予測モデルを構築することができます。この予測を用いることで、データサイエンティストを介さずにユーザーの行動を予測することができ、実際のビジネス課題解決に集中することができます。例えば、解約予測のシナリオを選択すると、AIXONが最適なAI予測モデルを自動的に選択し、更にモデルの強化のためのトレーニングを自動で行います。 AIXONの画面上で予測したい内容を簡単に設定・調整することが可能であり、予測結果は顧客管理データベースやマーケティングオートメーションツールなど、選択した先に即座に出力することができます。 (3) 説明可能なAI AIXONは、AIの意思決定プロセスをテキストで可視化し、モデル内で重要な変数や特定の判断理由を明示します。AI分析の根拠を説明できることは、AI技術への信頼性を高め、「ブラックボックス化」を防ぐうえで重要な要素です。 当社グループは2022年に米国のWoopra,Inc.を買収することにより、Appierの高度なAI予測機能と、Woopra社の直感的なデータ可視化の技術を統合した、AI搭載の次世代カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)であるAIRISの提供を開始しました。 AIRISは以下の特徴を持っています。 (1) リアルタイムのデータ取り込み 複数のソースからリアルタイムでデータを取り込み、不備の修正や整理を行うことで、AIを活用して統合された360度の顧客プロファイルを作成します。 (2) ノーコードで瞬時にビジュアル化分析 カスタマイズ可能なビジュアル化機能を備えたテンプレートから、インサイトダッシュボードをすばやく構築し、組織全体のデータを可視化しマーケティング担当者がインサイトを得るまでの時間を大幅に短縮することができます。 (3) AIを活用した顧客行動の予測 マーケティング担当者は、顧客の行動予測に基づき、ユーザーの優先順位付けやターゲティングを行うことが可能です。正確なセグメンテーションにより、高度にパーソナライズされたエンゲージメントを実現することができます。 また、顧客企業がAIXON・AIRISと他のソリューションを同時に活用することで、さらに大きなシナジーがもたらされます。例えば、AIXONが予測したユーザーの潜在的な解約リスクや潜在的な購買行動に対して、AIQUAを活用してタイムリーなエンゲージメントを実施することで、将来の損失を回避し、売上を増加させることが可能となります。このように、複数のソリューションを利用することにより、顧客企業により大きな価値をもたらし、当社グループの顧客維持にも貢献します。 当社グループは、AIXON及びAIRISをサブスクリプション方式で提供しています。契約期間は一般的には1年又は複数年単位であり、このプロダクトを使って顧客企業が行った予測の件数及びアクティブユーザーの総数に応じた段階的な定額料金を設定しています。 (注) 1.キャンペーンのバリエーションを複数用意し、それぞれにオーディエンスを振り分けて、結果が良くなるバリエーションを検証するマーケティング実験の手法 2.マーケティングメッセージの受け手 [事業系統図]
経営方針・対処すべき課題14,201字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループのミッションは、「自律型AIでROIを向上させる」です。 現在、あらゆるサービスやソリューションでAIの活用が進展しており、世界は急速に進展するAI革命の真只中にあります。当社は、このAI時代における大きな変革の機会を捉え、ビジネスドメインであるマーケティング分野において、業種特化・顧客中心型の自律型AIモデルを高性能化するための豊富な経験の蓄積、データを用いたAIの訓練と改善の積み重ね及びプロダクト開発のための研究開発投資を通じて、顧客企業のROI(投資リターン)向上を実現してきました。 当社グループは、マーケティング分野におけるAIソリューションを提供するパイオニアとして、マーケティングからセールス活動まで顧客接点の全領域を支援するソリューションを提供し、企業の収益最大化に貢献してきました。また近年では、AaaS(Agentic AI as a Service)を提供するAIネイティブ企業として、自律型AIが分断されていたデータを瞬時に統合・連携させることで、市場の変化をリアルタイムに捉える、自律的で適応力の高いオムニチャネルマーケティングを提供しています。これにより、当社の自律型AIは顧客企業にとって24時間365日稼働する自律的なマーケティングパートナーとなり、事業戦略の立案から実行まで継続してサポートすることで、明朗で説得力のある意思決定が可能になります。 (2) 経営環境 インターネット及びモバイルデバイスの普及によるデータの爆発的増加とAIへのニーズ インターネット及びモバイルデバイスの急速な普及に伴い、検索や商取引等の膨大なトランザクション・データや、画像・動画等の非構造化データが爆発的に増加しています。これらのデータを保管・処理する技術も飛躍的に進化しており、企業がデータに基づいた意思決定を行う必要性は益々高まっていると考えています。 そのような環境の中で登場したAIソフトウェアは、各種デバイス、センサー、アプリケーション等を通じて収集される膨大なデータを統合し、より複雑な分析や処理を可能にしました。特にマーケティング領域においては、PCに加えてスマートフォンやタブレット等のモバイルデバイスを通じて収集されたユーザーデータを分析・活用することにより、ウェブサイトやモバイルアプリを通じたより効果的なマーケティングが可能となりました。 また、AIソフトウェアを用いて企業が保有するカスタマー・データからより有意義な知見を抽出し、顧客理解を深めるとともに、既存顧客や潜在顧客とのマーケティング・コミュニケーションにAIソフトウェアを活用することで、よりパーソナライズされた提案を行い、エンゲージメントを高める取り組みも進展しています。 AI活用の重要性に対する認識の高まり 近年、企業の様々な事業部門においてAI活用の重要性に対する認識が高まっており、多くの企業が既にAIを導入している、または導入を計画しているといわれています。しかし、既にAIを効果的に活用できている企業は依然として限られており、専門的な技術や知見を有する人材の不足が、AI導入における最も一般的な課題となっていると考えています。 内製AI組織ではなく、AIプラットフォームの活用が拡大する可能性 AI人材は不足しており、企業が自社内で大規模なAIデータサイエンティストチームを構築し、AIの活用を内製化するのは容易ではありません。そのため、当社のような外部ベンダーが提供するAIプラットフォームを導入するケースが今後さらに増加すると見込まれます。 デジタル化の加速 一般消費者や企業活動がデジタル領域にシフトする中で、良質なデータが大量に生成されています。新型コロナウイルスの流行を契機として、このデジタル化の動きは更に加速しました。こうした環境のもと、AIを導入してデータを分析・活用しようという動きが一層促進されていると考えています。 AIによる予測がマーケティング・セールス投資の中心に マーケティングやセールスへの投資は、従来その投資対効果を事前に正確に予測することが難しい分野でした。しかし、AIを活用することで、データに基づいた精度の高い投資対効果の予測が可能となります。将来的には、マーケティングやセールスへの投資において、AIを活用したアプローチが中心となると考えています。 デジタルマーケティングにおけるAIによる自動化と効率化 現在のデジタルマーケティングでは、担当者が各種設定を手作業で調整するなど、労働集約的な業務プロセスがいまだ多く残っています。AIは過去のデータに基づき最適解を予測できるため、その普及によりデジタルマーケティング業務の自動化と効率化が進み、マーケティングROIの向上につながると考えています。 顧客企業のニーズを満たすことができない既存のソリューション 当社グループのAIを活用したソリューションは、既存のソリューションでは十分に対応できない顧客企業の課題に対して、以下の点において適切に対処することができると考えています。 ① ユーザーの予測及び獲得 従来の多くのソリューションでは、デジタルマーケティング担当者が結果を改善するために手作業でA/Bテストを繰り返す必要があります。AIによる予測を活用することで、手作業に要する時間とコストを削減し、過去のデータから最適な結論を迅速に導き出すことができます。 ② ユーザーの維持及び関係構築 従来のマーケティング・オートメーション・ツールの多くは、事前に設定されたルールに基づいて対応する手法を採用しており、ビジネスチャンスを逃すリスクがあります。AIによる行動予測を用いることで、ユーザーの将来行動を先読みし、最適なタイミングでエンゲージメントを行うことにより、そのようなリスクを軽減することができます。 ③ 取引の実行 一般的に、購買を促すためのインセンティブは、ユーザー全員に一律に付与されるか、マーケティング担当者の経験や勘に基づいて特定ユーザーに付与されるケースが多く見られます。これらの手法では効果的に売上を拡大できず、収益性を損なうおそれがあります。当社グループのAI予測を活用することで、購買をためらっているユーザーを特定し、対象を限定したインセンティブを付与することが可能となります。 ④ ユーザーの予測 AaaS(Agentic AI as a Service)ソリューションの場合、一定の品質が確保され、コストも明確であるのに対し、コンサルティング会社やAIシステム会社が構築する自社内製型の分析システムでは、開発に関与するAI人材のスキルが一定ではない場合が多く、時間とコストがかかるうえ、想定どおりのシステムが構築できないリスクが高まります。 ファーストパーティーデータ中心の世界におけるAIの重要性の高まり 当社グループの強力なAIプラットフォームは、リアルタイムに予測を行い、顧客企業がビジネス上の目標を達成するために必要なユーザーの獲得、維持、エンゲージメントを支援することができます。これらの予測は、外部のサードパーティーデータを利用せず、顧客企業がウェブサイト、アプリ、CRMデータベースなどから提供するファーストパーティーデータのみに基づいて行われます。 ファーストパーティーデータは、品質・関連性・精度のいずれにおいてもサードパーティーデータを上回ります。しかし、当社グループのプラットフォームを利用しない場合、断片的でサイロ化した膨大なデータを統合し、有効活用することは技術的に困難です。その結果、ユーザーIDやユーザー行動を同期させてユーザーの興味関心を把握するためにサードパーティーデータに依拠するか、あるいは膨大なデータを時間のかかる手作業で整理し、過去の分析結果や経験に基づき意思決定を行わざるを得ない状況が多く見られます。 当社グループのAI技術は、顧客企業が保有するファーストパーティーデータを自動的に統合し、ディープラーニング技術を活用して高精度なリアルタイム予測を実現します。これにより、ファーストパーティーデータの価値を最大限に引き出し、データ主導の意思決定を可能にします。 ファーストパーティーデータの活用は、デジタルマーケティング分野における最も重要なトレンドの一つとなっており、当社グループはこの領域でリーディングプレーヤーとなることができると考えています。 AI SaaSソリューションからAIコパイロット及びAIエージェントへの進展 当社グループの提供するAIソリューションは、AI SaaSソリューションからAIコパイロット、さらにはAIエージェントへと進化しています。 AIコパイロットは、業務を自動化しインサイトを生成するだけでなく、キャンペーン効果の要約、顧客セグメントの提案、次のアクションの推奨などのインテリジェンス活動を人間の承認及び指示をうけながら加速させます。 AIエージェントは、次の大きな変革であり、アプリケーションやデータを超えて自律的に目標設定し、具体的な戦略を計画、決定、実行を一気通貫で行うだけでなく、自ら結果を検証して改善する学習機能を備えています。 このように、当社のAIソリューションがAIツールの提供からAIが業務全体を担うモデルへと進化することにより、企業の業務にかかる時間を大幅に短縮するだけでなく精度と一貫性が向上し、安全性と説明責任を確保しながら測定可能な投資効果(ROI)を改善することができると考えております。 大きなチャンスのある市場 AIの市場規模は今後も拡大が見込まれており、その成長の大部分はソフトウェア分野によるものと予想されています。 当社グループは、IDCの定義による「カスタマーリレーションシップマネジメント」セグメントと「データ分析及びAIソフトウェア」セグメントにおける当社グループのTAM(注1)について、2026年に約1,234億米国ドルまで拡大すると見込んでいます。 (注) 1.Total Addressable Marketの略。当社グループが想定する最大の市場規模を意味する用語。 (3) 目標とする客観的な指標等 当社グループは、利益を伴う成長を重視しており、新規顧客及び既存顧客からの安定的な売上収益の拡大による中長期的な成長に加え、オペレーティング・レバレッジの改善に伴う営業利益及び当期利益の拡大が重要であると考えています。 このため、当社グループでは、目標達成の進捗を客観的に把握するための指標として、売上収益及び売上収益成長率、営業利益及び営業利益率を重視しています。 (4) 当社グループの強み ① 機械学習を用いたAI技術の継続的なイノベーション 当社グループは、AI分野において数々の表彰を受けています。フォーチュン誌からは、中国本土を除くアジアを拠点とする企業で唯一、「AI革命を牽引する50社(2017年)」に選定されました。さらに、2017年と2018年には、CBインサイツから「世界で最も有望なAIスタートアップ企業100社」に2年連続で選出されています。また、国際的なデータ・マイニング・コンテストであるKDDカップにおいて、2008年から2020年の間に当社グループの従業員が参加したチームが7回優勝しています。 当社グループのプラットフォームは、機械学習を活用した革新的なAI技術を基盤としており、以下の強みを有しています。 ・深層表現学習技術(注1):当社グループの機械学習を活用したAIプラットフォームは、深層表現学習技術を有しており、この技術を活用することで、新たな言語への展開を容易に行うことができます。 ・自動化された機械学習:分析対象のデータ量が増加すると、システムとAIアルゴリズムが自動的に拡張され、データサイエンティストの人手を介すること無く、AIモデルが自動的に構築されます。 ・オンラインリアルタイム学習:従来の機械学習技術とは異なり、リアルタイムでの分析が可能な技術を有しています。これにより、ユーザーの嗜好の変化に速やかに適応し、データの適切性や予測結果の正当性に関わる問題を直ちに処理することができます。 ・転移学習(注2):新しい顧客、業種、予測に対応するため、当社グループは先駆的にプラットフォームに転移学習を導入しました。これにより、AIモデル間で学習済みの「コンセプト」を効率的に伝達し、学習時間の短縮を実現しています。 そして、当社グループはAaaS(Agentic AI as a Service)形式のプラットフォームを提供しており、安定したパフォーマンスを発揮できる堅牢なシステム設計を有しています。 (注) 1.データから特徴検出や分類に必要な表現を自動的に発見し、テキストだけでなく画像や動画のソースからも深い意味を抽出することができる技術 2.ある領域で学習したAIモデルを別の領域に活用し、AIモデルの学習を効率化する技術 ② AIのエキスパートとビジネスのベテランによる経営陣 当社グループの共同創業者の1人であり代表取締役CEOである游直翰は、米国スタンフォード大学で修士号を、米国ハーバード大学で博士号を取得している世界レベルのAIサイエンティストです。共同創業者兼取締役CIOの蘇家永は、大規模システム開発に関する豊富な経験を持ち、当社グループの技術とプロダクト開発を牽引しています。さらに、共同創業者兼取締役COOの李婉菱は、免疫学者や医学分野の研究者としての経歴を持ち、「オペレーションへの科学的アプローチ」を事業運営に取り入れています。 当社グループの技術部門には、研究分野で強いバックグラウンドを持つ経験豊富なAIおよびデータサイエンティストが多数在籍しています。役員及び従業員によるトップジャーナル、カンファレンス、ワークショップ(注3)における発表論文数は300本を超えており、国際的なデータ・マイニング・コンテストでの実績を持つ(注4)人材を多数擁しています。また、エンジニアの多くがAI、ビッグデータ、コンピューターサイエンス分野における博士号又は修士号を有しています。これらの人材により、当社グループにはAI業界の課題に立ち向かうための向上心、オープンマインド、ダイレクトコミュニケーションを重視する企業文化が根付いています。 さらに、ビジネスの執行面においても、ソフトウェア及びテクノロジー分野を含む大手企業で営業や財務の上級管理職を務めた経験を持つメンバーが多数在籍しています。また、他の取締役やアドバイザーの専門的な知見も活かせる強みを持っています。 (注) 3.アルバータ大学による定義 4.国際的なデータ・マイニング・コンテストであるKDDカップにおいて、当社の従業員が参加したチームが7回優勝 ③ プラットフォームの価値を高めるネットワーク効果 当社グループは、相互に補完的かつ緊密に連携した複数のソリューションをプラットフォームとして提供しており、強力なネットワーク効果を生み出しています。 まず、顧客企業が当社グループのソリューションを採用すると、利用に応じてAIが学習するデータ量が増加します。これにより、AIアルゴリズムの精度が向上し、顧客企業のROI改善につながります。その結果、顧客企業は当該ソリューションをより一層利用するようになるとともに、別のソリューションを追加導入する意欲が高まります。 さらに、複数のソリューションを併用することで、AIが学習するデータの種類が多様化し、網羅性が高まります。その結果、AIアルゴリズムの予測精度が一層向上し、プラットフォームの価値が高まるという好循環が生まれます。 このようなネットワーク効果は、多様な業種の様々な利用方法に対応してきた当社グループのソリューションの経験の蓄積から生まれたものであり、他社が短期間で再現することは困難であると考えています。 また、デジタルマーケティングやセールスの領域で実証してきたように、当社グループは最先端の機械学習を活用したAIモデルを既存のソフトウェアやソリューションに適用することで、これまで実現できなかった新たなソリューションを提供してまいりました。このように、当社グループはソフトウェア業界に変革をもたらす能力を有していると考えています。 さらに、既存顧客からの利用拡大による好循環に加え、営業生産性の向上も継続しています。大規模なエンタープライズ顧客にフォーカスする戦略により、営業担当者1人当たりの売上収益を増加させています。各顧客が利用量を拡大し、より多くのソリューションを利用することで、1顧客当たりの売上総利益が増加します。これにより、販売及びマーケティング投資のROIが向上し、さらなる生産性の改善を実現します。高い営業生産性と1顧客当たりの売上総利益の上昇は、更なる好循環をもたらします。 ④ 戦略的な買収によるプロダクトポートフォリオの拡大 当社グループは、内製によるプロダクト開発に加え、既存プロダクトと補完関係にあるプロダクトを持つ企業を戦略的に買収し、プロダクトポートフォリオを拡大してまいりました。 2018年にはQuantumgraph Solutions Private Limited.を、2019年にEmotion Intelligence株式会社を買収し、両社のプロダクトを当社グループの最先端AI技術により再設計・改良することで、AIQUAとAiDealを開発・提供し、顧客企業を着実に拡大しています。 2021年には邦妮科技有限公司(BotBonnie Inc.)を買収し、同社が提供するBotBonnieを複数言語にローカライズして販売地域を拡大しました。BotBonnieはオムニチャネルの会話型マーケティング・プラットフォームであり、既存ソリューションとの高いシナジーを発揮し、顧客企業のマーケティング活動の利便性を向上させています。 2022年には米国のWoopra,Inc.を買収し、同社が保有していたプロダクトとAIXONを組み合わせることにより、AIRISの提供を開始しました。AIRISは、AppierのAIによる予測アプローチと、Woopraの直感的なデータ可視化機能を組み合わせた、AI搭載の次世代カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)です。直感的なリアルタイムデータの可視化と予測により、インサイトを得るまでの時間を大幅に短縮することができます。 そして、2025年にはフランスのADYOUNEED SASを買収し、同社が開発・提供する生成AIプラットフォーム AdCreative.aiをプロダクトラインに追加しました。AdCreative.aiは、最先端のAI技術を活用し、デジタル広告クリエイティブの制作を自動化・効率化するAI搭載プラットフォームです。高度な生成AIモデルと独自の包括的データセットを活用することで、さまざまなデジタルチャネル向けに最適化された広告素材を迅速に生成し、クリエイティブ制作のリードタイムを大幅に短縮します。AdCreative.aiは、当社グループの主力AIネイティブソリューションである「広告クラウド」「パーソナライゼーションクラウド」「データクラウド」に統合されており、データから得られるインサイトをクリエイティブ生成に直接活用できる点が特長です。これにより、顧客企業は情報に基づいた意思決定が可能となり、市場環境の変化や消費者ニーズの進化にリアルタイムで対応することができます。 当社グループは、まず進出する領域を特定し、自社のソリューションや事業展開地域を補完する適切なターゲットを体系的に探索しています。買収後は、対象企業のソリューションを自社のシステムと融合し、最先端のAI機能を活用して再設計・改良することで顧客企業を拡大してきた実績があります。今後も同様のアプローチにより、新ソリューションの導入や地域的な拡大を柔軟に推進してまいります。 ⑤ 多様な業種・地域における顧客基盤 当社グループには、ソリューションを多様な業種に適応させ、異なる国や地域で事業を拡大できるという強みがあります。創業以来、グローバルな事業拡大に成功し、現在は15ヵ国・地域に17のオフィスを構えています。 北東アジア地域(日本及び韓国)、米国及びEMEA地域、グレーターチャイナ地域(中国、台湾及び香港)の各主要地域においては、継続的な成長を維持しています。特に、米国及びEMEA地域では他の地域を上回る成長を示しています。各国・地域の特性に合わせて体系的に事業を拡大することができるよう、ノウハウ、インフラ、人材を整備しており、今後のグローバル展開においても積極的に活用してまいります。 当社グループは、主としてEコマース、デジタルコンテンツ、その他インターネットサービス、消費財ブランド・金融サービスを中心とする幅広い業種の顧客企業を多数有しており、多様な業界の著名な企業に対してAaaS(Agentic AI as a Service)プラットフォームを提供しています。 2025年12月31日現在、当社の顧客企業は2,111の企業グループとなっており、2024年12月31日時点の1,872の企業グループから増加しています。 ⑥ 顧客企業の獲得・維持・拡大における実績 当社グループは、国際的かつ経験豊富なセールスチームを有しており、アジア太平洋、米国及び欧州の主要な市場で事業を展開しています。強固な市場獲得戦略のもと、事業拡大を進めるとともに、プロダクト利用継続率の高い顧客基盤を構築してまいりました。 さらに、当社グループのプロダクトを複数利用する顧客企業の数も大きく増加しています。顧客企業が当社グループのプロダクトを長期間利用することで、AIが学習するデータ量が拡大し、予測精度が向上します。その結果、当社グループのプロダクトが顧客企業にとって必要不可欠なプラットフォームになると考えています。 2025年12月期における月次顧客解約率(注5)は0.340%、月次顧客収益解約率(注6)は0.316%となりました。また、既存顧客からの売上収益は拡大し、NRRは120.4%(米国ドルベース)という高い水準を維持しています。 (注) 5.月末時点の顧客企業(当月のみの利用又は有償での試験的利用等により一時的に当社グループのソリューションを利用した顧客企業を除く。)の数に対する当月に離脱した顧客企業数の割合 6.月末時点の顧客企業(当月のみの利用又は有償での試験的利用等により一時的に当社グループのソリューションを利用した顧客企業を除く。)からの米国ドル建ての売上収益に対する当月に離脱した顧客企業からの米国ドル建ての売上収益の割合 月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率 期間   2024年   2025年 月次顧客解約率   0.389%   0.340% 月次顧客収益解約率   0.292%   0.316% ⑦ リカーリング売上収益の増加とオペレーティング・レバレッジ 前記「③ プラットフォームの価値を高めるネットワーク効果」に記載のとおり、当社グループのプロダクトには、顧客企業による利用量の増加や、別のプロダクトの追加導入を促すネットワーク効果があります。「ランド・アンド・エクスパンド」手法(まず顧客企業に1つのプロダクトを導入していただき、その後、別のプロダクトへの利用拡大を促すアプローチ)が有効に機能しており、2025年12月期のNRRは120.4%(米国ドルベース)となっています。 また、安定した収益源であるリカーリング売上収益は増加傾向にあります。2025年12月のARRは48,259百万円で、2024年12月の36,259百万円と比較した成長率は33.1%となっています。また、2025年のリカーリング売上収益比率は95%以上となっています。 さらに、当社グループの為替ニュートラル(為替レートが前期と同じであった場合)のARPC(注7)は2024年12月期の17.8百万円から2025年12月期の20.1百万円へと成長しました。これは、当社グループのプラットフォームを継続して利用する顧客企業によるプロダクトの利用の拡大を反映したものです。 また、CrossXについては、多くの顧客企業のデータを学習することでAIアルゴリズムが自動的に予測精度を高め、より少ないメディアコストで多くのユーザーを獲得できるようになることで、売上総利益率の改善が見込まれる仕組みとなっています。さらに、売上総利益率が比較的高いCrossX以外のプロダクトの顧客基盤を拡大することも、当社グループの売上総利益率の向上につながります。 加えて、収益基盤の拡大に伴い、販売及びマーケティング費用・研究開発費・一般管理費の売上収益に対する割合は減少すると想定しており、売上収益の増加に伴い営業利益率の改善が見込まれる、健全なコスト構造を維持しています。 (注) 7.Average Revenue Per Customerの略。1顧客当たりの平均売上収益を意味する。ある年度の売上収益を当該年度末の顧客企業数で除した、顧客企業1社当たりの平均年間売上収益(当月のみの利用又は有償での試験的利用等により一時的に当社グループのソリューションを利用した顧客企業及び対応する売上収益を除く。) 8.上記に記載の2024年12月期及び2025年12月期に係る各数値は未監査のものです。 (5) 中長期的な経営戦略 ① AI技術の継続的な強化と新たなソリューションの開発 AI技術の革新に向けた投資を継続することは、当社グループにとって最も重要な優先事項の一つです。研究としてのAIには長い歴史がありますが、ビジネスとしてのAIはまだ黎明期にあります。当社グループは、AI研究のバックグラウンドを持つ経営陣が率いるAI企業のパイオニアとして、最先端の研究成果を実社会の課題解決に応用するために、その強みを発揮し続けています。 また、近年は生成AIの技術を取り入れた新たなソリューションの開発にも注力しています。従来、マーケティング領域におけるAI活用は、高精度な予測に重点を置いてきましたが、生成AIの登場により、新たな事業機会が広がっています。この傾向は、マーケティングのアイデアやコンテンツを生み出す生成AIの能力が、企業において受け入れられつつあることを示しています。例えば、生成AIは自動コンテンツ生成、マーケティング文章の生成、自動的なアイデアテストを可能にすることで、マーケティングに変革をもたらします。さらに、自律型AIは設定された目標に対して自ら計画を立て、生成AIを含む多様なAIモデル等のツールを活用してマーケティング活動を遂行します。当社グループは、これらの技術を活用し、顧客企業の生産性向上とROIの最大化を支援してまいります。 ② 新規顧客の獲得 当社グループの新規顧客獲得戦略は、緻密なセールスの分析と、トップダウンでの市場分析に基づいています。AIの受容度、各業界における成功事例の有無、販売効率の予測を踏まえた上で、地域参入・顧客獲得戦略を策定し、優先順位を明確にしています。 また、隣接する業種や同一業種内で類似の課題を抱える企業に対して、当社グループのAI技術を活用し、既存の成功事例を応用することで、潜在的なターゲット顧客を拡大していきます。これにより、Eコマースやデジタルコンテンツなどの既存業種における活用事例を増やすとともに、消費財や金融業界などの新たな業種での活用事例を拡大し、さらに幅広い業種への参入を可能にしています。 これらの取り組みにより、当社グループは多様な業種における導入実績を拡大し、持続的な顧客基盤の拡大を実現してまいります。 ③ 既存顧客からの売上収益の増加 当社グループは、常に顧客企業に対して価値を提供することで顧客ロイヤルティを高め、顧客基盤の拡大と強化に注力しています。 顧客企業が当社グループのソリューションを長期的に利用するほど、ネットワーク効果が高まります。顧客企業が保有する膨大なデータを学習することで、時間の経過とともに当社グループのAIアルゴリズムとAIモデルの精度が向上し、ソリューションの効率性が高まります。その結果、顧客企業が得られる価値が一層大きくなり、当社グループのソリューションへの依存度が高まる傾向にあります。 このようなネットワーク効果により、当社グループは既存顧客に対して、時間の経過とともにより大きな価値を提供してきた実績を有しています。今後も当社ソリューションの利用拡大によるメリットを顧客企業に実感していただけるよう、営業体制をさらに強化してまいります。 これまで、既存顧客からの売上収益成長の大部分はアップセルによるものでしたが、ソリューションの拡大に伴い、クロスセルの拡大を推進し、更なる売上収益拡大を目指してまいります。 ④ アジア太平洋地域及び米国・欧州への一層の浸透と新たな地域への展開 計画的な海外展開は当社グループの強みであり、市場拡大に向けた取り組みを今後も積極的に推進してまいります。アジア太平洋地域は引き続き当社グループの最重点地域であり、当該地域におけるプレゼンスをさらに強化していく方針です。特に、日本と韓国のように市場規模が大きく、デジタル技術が高度に浸透した国では、さらなるシェア拡大の余地があると考えています。これらの国においては、既存業種でのシェアを継続的に拡大しながら、新たな業種への進出に注力しています。 2021年より本格的に進出を開始した米国・欧州市場においても、売上収益比率は着実に拡大しており、当社グループ全体の成長モメンタムの加速に貢献しています。また、デジタル経済大国である中国では、顧客企業の海外展開が加速しており、当社グループの成長に貢献しつつあります。 当社グループは、差別化されたAI技術と強力な業務運営能力を活かし、アジア太平洋地域及び米国・欧州で確立した成功モデルを他の地域にも展開することで、さらなる事業拡大とグローバルな成長を継続してまいります。 ⑤ 外部成長の機会の追求、戦略的なM&A 当社グループは、AIを活用したエンタープライズ・ソフトウェアの革新を実現するうえで、自社のAI技術によって既存ソリューションを再設計・強化するM&A戦略を重要な施策の一つと位置付けています。 新たな業種や地域をターゲットにした新たなソリューションを開発する際には、まず既存ビジネスとのシナジーが期待できる隣接領域から取り組みを開始します。当社グループの方向性と一致するビジョンを持つ優れた企業とのパートナーシップの機会があれば、技術力とソリューション強化の観点からM&Aの実行可能性を検討します。 今後も、これまでの買収実績に裏付けられた経験を活かし、当社のAI技術が最大限のシナジー効果を発揮できるような、戦略的な買収・投資の機会を体系的に選定し、実行してまいります。 (6) 当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。 ① 研究開発体制の強化 当社グループの事業領域であるAI関連技術は、将来的な利用可能性の高さから、世界的に研究開発が活発に行われています。このような事業環境の下で、当社グループが持続的に事業を拡大していくためには、急速に進化する新技術に的確かつ迅速に対応していくことが重要であると考えています。 そのためには、優秀な人材の確保と育成、研究開発への継続的な投資、社内におけるノウハウの共有や教育体制の強化が不可欠であると考えています。当社グループは、優秀な人材の確保・採用を積極的に進めるとともに、研究開発への投資を継続し、より強固な開発体制の構築に努めてまいります。 ② 営業体制の強化 当社グループのソリューションはエンタープライズ向けであり、その販売にあたっては、顧客企業の経営課題を的確に把握し、それに基づいてAIプラットフォームを最適に活用したソリューションを提案することが求められます。また、見込み顧客の獲得や、契約後の円滑なオンボーディング、既存顧客に対する高品質なカスタマーサクセスの提供も重要です。このような認識のもと、当社グループは優秀なマーケティング・営業・カスタマーサクセス人材の採用を積極的に進めるとともに、適切なトレーニングを通じて営業生産性の向上に努めてまいります。 また、当社グループの売上収益の最大構成比を占めるソリューションは広告クラウドですが、引き続き他のソリューションの販売強化にも注力し、ソリューション別にバランスの取れた売上収益構成を目指してまいります。 ③ 内部管理体制の強化 当社グループは、既存拠点に加え、アジア全域及び欧米への更なる事業展開を企図しております。これに伴い、多国間での事業運営に対応した経営管理体制の構築・強化を図るとともに、財務報告の適切性の確保、リスク管理及び内部統制の強化が重要な課題であると考えています。 このため、子会社管理の統一的な実施を進めるべく、人材の採用を含むバックオフィス機能の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。 ④ 情報管理体制の強化 当社グループは、顧客企業へのサービス提供の過程において、顧客企業の機密情報やユーザーに関する情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を徹底することが信頼確保の観点から重要であると考えています。 現在、社内において個人情報やデータの保護に関する各種方針を策定し、当社グループ全体に周知徹底を図るとともに、情報管理の強化に取り組んでいます。今後も社内教育・研修の実施を継続し、情報セキュリティ体制の一層の強化に努めてまいります。 ⑤ 財務基盤の強化 当社グループは製品・サービスの開発、顧客基盤の拡大、事業領域及び市場の拡大を重視しており、今後も積極的な投資を継続してまいります。 また、直接金融及び間接金融を効果的に活用し、資本市場との対話を一層深めることで、事業展開に応じた財務基盤の強化を図ってまいります。
事業等のリスク14,906字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。 (1) 市場の成長性に関するリスク 当社グループの成長戦略の成否は、マーケティング領域におけるAaaS(Agentic AI as a Service)ソリューションに対する需要が伸び続けることに大きく依存しています。企業によるAIを活用したマーケティングの市場は、北東アジア地域、米国及びEMEA地域、グレーターチャイナ地域をはじめとする当社グループが事業を展開している地域を含め世界的に新しいため、規制(特に個人情報保護に関する法規制)、景気動向、AIをマーケティングに使用すること並びに個人に関するデータを収集、分析及び利用することに対する企業の意識や需要、かかるソリューションに対する企業、ユーザー及び規制当局の評価等により、期待どおりに成長しない可能性があります。 また、当社グループの成功は、クラウド型のソフトウェア・ソリューションの普及に依存していますが、当社グループが事業を展開するマーケティング領域において、企業によるかかるソリューションの需要が今後も増加し続けるかは不確実です。とりわけ、多くの企業は、既に多額の費用と人材を投入してオンプレミス型のソフトウェア・ソリューションを自社の事業に組み込んでおり、移行費用への懸念等により、クラウド型のソフトウェア・ソリューションを導入することに消極的となる可能性があります。 これらの要因により、当社グループがターゲットとする市場が拡大しない場合や、拡大の速度が当社グループの見込みよりも緩やかである場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (2) 業績に関するリスク 当社グループが属するAIマーケティング市場は未だ成熟しておらず急速に発展している段階にあり、また、顧客企業によるマーケティング活動の季節性その他の当社グループのコントロールの及ばない様々な要因に左右されるため、当社グループの売上収益は大きく変動する可能性があり、また、不測の追加費用や損失が発生する可能性があります。これらの要因により、当社グループの業績に重大な影響を与え、将来利益を計上できない可能性があります。 (3) マクロ経済に関するリスク 当社グループの売上収益の大部分は、北東アジア地域、米国及びEMEA地域、及びグレーターチャイナ地域から計上しており、当社グループの売上収益は過去増加しているものの、当社グループの業績はこれらの地域の経済情勢の影響を受けます。その見通しは不確実性が高く、様々な要因によって悪影響を受ける可能性があります。例えば、地政学的リスクの増大等により世界経済が低迷する場合、当社グループの主要な販売地域にも悪影響を及ぼす可能性があります。 これらの要因等により、これらの地域の経済情勢が悪化した場合、当社グループのプロダクトに対する需要が減少し、新規顧客企業の獲得及び既存顧客企業の維持に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に大きく悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 顧客企業の維持・獲得に関するリスク 当社グループの将来の成長は、新規顧客企業の獲得及び既存顧客企業の維持の成否に左右されます。当社グループが新規顧客企業を獲得できるか否かは、当社グループのソリューションの品質・価格・評判、競業他社の戦略や、当社グループのブランドやマーケティングの有効性等の要因に依存しており、今後も顧客企業を獲得し続けることができるかは不確実です。特に、当社グループの顧客企業基盤は多様な業界に及ぶものの、現時点ではEコマース及びデジタルコンテンツの業界の占める割合が高く、これら以外の業界に顧客企業層を拡大するにあたって、当該業界における顧客にとって魅力的な形で当社グループのソリューションを開発又は展開できない可能性や、当該業界における既存の競合企業との実質的な差別化ができない可能性、当該業界における新たな規制に対応するための追加の費用が発生する可能性等があります。加えて、当社グループは新規顧客企業の獲得のために多額の販売及びマーケティング費用を支出しなければならない可能性があり、また、支出に見合った売上収益の増加を実現できる保証はありません。 また、当社グループの売上収益の大部分は既存顧客企業から継続的に発生するリカーリング型の売上であり、既存顧客企業の維持及び単価の上昇は当社グループの業績に重要な要素となりますが、これまでと同水準の月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率等を保つことができるとの保証はありません。 新規顧客企業の獲得及び既存顧客企業の維持が当社グループの見込みどおりにいかない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (5) 市場規模の推計に関するリスク 当社は、TAMについて、一定の仮定及び前提の下、TAMについては顧客分析のためのAIソフトウェア市場の規模及び成長率についてのIDCによる推計を用いて推計しています(前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境」をご参照ください。)。当社は推計に当たり当社が信頼できると考えるデータを用いておりますが、推計値の正確性には限界があります。かかる将来予想に用いられたデータ、仮定又は前提が不正確又は不適切であった場合、実際の当該潜在的市場の規模は推計より大きく下回る可能性があります。 さらに、仮に潜在的市場の推計値が正確であった場合でも、当社グループのソリューションがすべての企業のニーズに応えることができるという保証はなく、また、当該潜在的市場の機会を捉えて当社グループが順調に事業を拡大できない可能性があります。 (6) 事業のグローバル展開に伴うリスク 当社グループは、収益機会の拡大に向けて、今後はアジア全域をカバーするとともに米国及び欧州においても事業の展開を拡大することを企図しています。 複数の国・地域における事業の継続及び拡大にあたっては、現地における人材採用等を行う必要がありますが、かかる採用等を計画通りに実施できる保証はありません。また、言語、地理的要因、法制・税制を含む各種規制(特に、個人情報その他のデータやAIの利用に関連する現地の法令)、経済的・政治的不安定、文化・ユーザーの嗜好・商慣習の違い、為替変動、データの使用可能性等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材の確保の困難性、及び展開国において競争力を有する競合他社との競争リスク等が存在します。当社グループは既に世界各国の15の国・地域で事業を展開しておりますが、このようなリスクに適切に対処できない場合、当社グループの事業のグローバル展開に影響を及ぼし、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (7) 先行投資から得られる効果が期待通りに実現しないリスク 当社グループは、既存のソリューションの強化と新たなソリューションの開発に重点を置いており、今後も研究開発人員の採用等に引き続き多額の投資を行うとともに、顧客企業基盤の拡大のために販売・マーケティングにもさらなる投資を行っていく予定です。投資の実施に際しては、投資から得られるリターンを重視しています。当社グループは、歴史的に多額の研究開発費を投下してきており、今後も収益性の向上に努めながらも、投資を継続する方針です。 しかし、サービスの開発・改良サイクルの性質上、投資を行う時点と、当該投資により開発・改良したサービスを顧客企業に提供することができるようになる時点との間には時間差が生じる可能性があり、開発・改良したサービスに対する顧客企業の需要は、当初の見込みを大幅に下回る可能性があります。当社グループは当連結会計年度末時点において、11,397百万円のソフトウェア開発資産を計上しており、当該ソフトウェア開発資産に係る減損処理等が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (8) 当社プロダクト及び技術革新等に関するリスク マーケティング領域におけるAaaS(Agentic AI as a Service)ソリューションは急速に進化しており、当社グループが成功するためには、これまでと同様に、既存のプロダクトの品質をあげること及び高性能な新しいプロダクトを開発し続けることが必要です。新たなプロダクトの開発や既存のプロダクトの改良において、AI等の技術の進歩に追いつくことができないこと等により当社のプロダクトが消極的な評価を受けた場合や他社に対する競争優位性を失った場合、当社グループの顧客企業基盤の維持・拡大及び利用プロダクトの拡張に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。また、当社グループのプロダクトには問題がない場合であっても、他社のAI関連プロダクトに問題が生じた場合、AI関連プロダクト全体への信頼性やAI関連プロダクト市場の成長性に悪影響を与える可能性があります。 (9)顧客企業の需要に関するリスク 当社グループが事業を成長し続けるためには、顧客企業の需要を正確に把握し、適時適切に対応して新たなプロダクトの開発や既存のプロダクトの改良を行う必要があります。変化する顧客企業の需要に迅速に対応できず、当社グループのプロダクトを継続的に開発・改良することができない場合、特定の販売地域の顧客企業の需要等に合ったプロダクトを導入できない場合、又は当社グループの新たなプロダクトを顧客企業が導入するのに過度に時間や手間を要する(若しくはそのように認識される)場合、顧客企業基盤の維持・拡大及び利用プロダクトの拡張並びに新たなプロダクトの導入に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (10)競合に関するリスク 当社グループが事業を営むマーケティング領域におけるAaaS(Agentic AI as a Service)ソリューションの市場は比較的新しく、既存又は新規の競合他社との間での競争は今後ますます激化することが予想されます。現在又は将来の競合他社は、当社グループよりも長い事業歴、より豊富な財源や技術力、より効率的な事業モデル、より高い知名度等を有している可能性があります。さらに、それらの競合他社が、当社グループの顧客企業(潜在的顧客企業を含む。)との間に強固な関係を有していたり、市場に関する広範な知見を有していたりする可能性もあります。 また、当社グループのプロダクトの競争力は、高度なAIを提供する能力、顧客企業の目標達成に対する有効性、導入における迅速さ及び使用における容易さ、カスタマーサポートの質と信頼性、使用にかかる総コスト、迅速な経営判断、ブランド認知度等、多くの要素に依拠していますが、当社グループがこれらの要素における競争力を維持できるかは不確実性が伴います。 さらに、競争の激化により、当社グループは、受注の減少や市場シェアの低下が生じる可能性に加え、価格を引き下げ、価格体系を変更することが必要となる可能性があります。 当社グループがこれらの競争に打ち勝つことができない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (11)事業成長に伴うリスク 当社グループは、2014年6月にCrossXの提供を開始し、その後もサービスを拡大してきましたが、事業の歴史は浅く、またマーケティング領域におけるAaaS(Agentic AI as a Service)ソリューションの市場も急拡大してきた新しい市場であることから、当社グループの事業が今後もこれまでと同じ速度で成長する保証はありません。また、今後、事業の拡大に合わせて必要な研究開発人員や営業人員等の人材を確保できる保証はありません。 一方、当社グループの事業が急速な成長を続ける場合、経営管理、内部管理、従業員の管理等を含む事業運営に大きな負担が生じる可能性があり、当社グループがかかる負担の増大に適切に対処できなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)価格体系に関するリスク 当社グループの主力プロダクトであるCrossXは、利用量ベースの価格体系で顧客企業に提供される仕組みとなっています。これらの仕組みの下では、当社グループの売上収益は、顧客企業から割り当てられるマーケティング予算の金額に基づき決まりますが、どれほどの予算を獲得できるかは当社のAIアルゴリズムの正確性にも依存しています。当社のAIアルゴリズムが顧客企業に対して十分なROI向上の成果を出せなかった場合には、当社グループの売上収益は減少し、その結果、利益率に悪影響を与えることになります。 また、当社グループの他のプロダクトについては、一定程度使用量が増えるごとに段階的に価格が引き上げられる方式を含む月額又は年額課金型のサブスクリプション方式を採用しています。この方式の下では、期間中に高頻度で利用する顧客企業が当社の想定よりも多い場合には、サーバー費用の増加により利益率が悪化する可能性等があります。 さらに、将来的に価格体系や単価の変更や引き上げを行う際、それが顧客企業に受け入れられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)代理店への依存に関するリスク 当社グループの売上収益の一部は、代理店を通じての販売によるものです。代理店と協力して顧客企業の獲得を行い、最終顧客と直接のビジネスを行っておりますが、当社グループとこれら代理店との関係が悪化した場合や、代理店が当社グループのソリューションを販売するための販売手数料を値上げした場合等には、当社グループの収益性が低下する等、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループが今後新たな地域へ販売を拡大する際にも代理店の販路に依拠する可能性がありますが、かかる代理店が当社と競合する他社の製品やサービスを優先的に販売する可能性があります。さらに、代理店が当社グループのソリューションについて顧客企業に誤った説明をしたことや、法令等に違反したことにより、訴訟を提起され又は当社グループの評判が損なわれる等の可能性があります。これらの要因により、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (14)外部クラウドサーバーへの依存に関するリスク 当社グループのプロダクトは、外部クラウドサーバー(Amazonが提供するAmazon Web ServicesやGoogleが提供するGoogle Cloud等)を使用して顧客企業に提供しており、かかるソリューションの提供には、外部クラウドサーバーの安定的な稼働が不可欠となっています。しかし、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社グループの想定していない事象の発生により外部クラウドサーバーが停止した場合や、コンピューター・ウイルスやハッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又は契約が解除される等により外部クラウドサーバーの利用が継続できなくなった場合には、顧客企業への損害の発生、当社グループの評判の毀損や当社グループによる追加費用負担の発生等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (15)インターネット接続・利用に関するリスク 当社グループが提供するソリューションの利用は、当社グループの顧客企業によるインターネットの通信環境に影響を受けます。当社グループが依拠するインフラとしてのインターネットに障害等が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、ネットワーク事業者によるインターネット接続サービスの内容や価格の変更、法規制等の動向によって、当社グループが提供するソリューションの質が低下し、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (16)個人情報保護規制に関するリスク 当社グループのプロダクトでは、現時点においては、日本の個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」といいます。)上の「個人情報」をユーザーの同意なしには取得しておりません。しかしながら、当社グループによるかかる情報の利用が違法又は不適切であると主張された場合、顧客企業の信用を喪失する等当社グループの評判が悪化し、又は当社グループが業務停止を含む規制上の措置・制裁や訴訟の対象となる可能性があり、顧客企業の喪失に繋がるおそれがあります。 世界的に個人情報の保護に関する規制は厳しくなっており、今後規制が大きく変更される可能性があります。また、2020年6月に成立した改正個人情報保護法は、主にデータ主体の権利の強化や事業者の義務の厳格化、データの利用に関する新たな規制の導入を意図しております。現時点ではかかる改正法が当社の事業に著しい影響を及ぼすことは想定しておりませんが、これらの規制の変更が行われた場合やかかる改正法の施行により、対応に多額の費用を要し、当社プロダクトのクオリティが低下し、又はAIプラットフォーム若しくはマーケティング領域におけるAaaS(Agentic AI as a Service)ソリューションに対する意識・需要等が変化することになれば、当社の事業成長力が損なわれ、結果として、当社の事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (17)情報管理体制に関するリスク 当社グループのAIプラットフォームでは、ユーザーに関する個人情報又は個人識別情報並びにそのオンサイト及びその他のオンラインにおける活動に関する情報を含む、ユーザーのデータの保管、転送及び処理が行われます。当社グループは、セキュリティ侵害等の脅威からこのようなデータを保護するために、外部サービスを利用する場合はセキュリティレベルの高い大手のサービスを利用することに加え、ウイルスソフトを搭載する等の対策を行っているものの、当社グループがそのリスクを完全に除去できる保証はありません。当社グループのAIプラットフォームに不正アクセスやセキュリティ侵害等があった場合、個人情報の漏えいやデータの喪失、当社グループの評判の毀損及び事業機会の喪失、当局による調査や訴訟への対応、損害賠償や罰金等による多額の費用の負担等につながる可能性があります。 当社グループのシステム及び外部サービスプロバイダのシステムは、コンピューター・ウイルスやサイバー攻撃のリスクにさらされており、当社グループの認知度や市場シェアが高まった場合、それらの標的となるリスクも増大する可能性があります。不正アクセスやサイバー攻撃の手法は日々変化し、高度化しており、当社グループ又は外部サービスプロバイダは全ての不正アクセスやサイバー攻撃を予測又は防止することができない可能性があります。 また、セキュリティ侵害は、当社グループの従業員又は外部サービスプロバイダその他の当社グループのシステムやデータにアクセスすることのできる外部企業の従業員の故意又は不注意による違反等、技術以外に起因する問題によっても発生する可能性があります。当社グループは個人情報等の取扱いについて、個人情報の保護に関する社内規則や取扱いの方針及び手続き等の社内ルールを整備し、適切な運用を義務づけておりますが、このような対策にも関わらず、当社グループの人為的なミスその他予期せぬ要因等により情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償責任等を負う可能性や顧客企業からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当社グループは、ソリューションの提供やデータの保管につき第三者やクラウドの基盤に依存していることから、不正アクセス、サイバー攻撃、顧客企業データの悪用の防止につき、第三者のセキュリティ対策に依存している部分があります。当社グループは、一定の情報セキュリティに関連する損害賠償責任に対応する保険に加入しておりますが、当該保険は、当社グループが被る可能性のある全ての責任を補償するには十分ではなく、セキュリティ侵害その他個人情報に関する事故が発生した場合、当社グループの評判、事業、業績、財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (18)ソフトウェア及びネットワークに関するリスク 当社グループの継続的な成長は、当社グループが設計・構築するAIプラットフォームのパフォーマンスに依存しており、継続的にAIアルゴリズムの改善を行っておりますが、当社グループのプロダクトの基礎となる技術基盤は複雑であるため、重大な誤謬を含んでいる可能性があります。当社グループのプロダクトに重大な誤謬が見つかった場合、当社グループの評判、事業及び業績に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループが提供するプロダクトは、インフラの変更、新機能の導入、人為的な若しくはソフトウェア上の誤謬又はその他のセキュリティ関連の事象を含む様々な要因によって、パフォーマンスの遅延、中断、停止その他の問題を引き起こす可能性があります。顧客企業が満足できる水準のサービスを受けられない場合、顧客企業は当社グループのプロダクトの利用を中止する可能性があり、その結果、当社グループの事業及びプロダクトは、評判の低下、市場からの敬遠、競争力の喪失、顧客企業からの損害賠償請求等の結果を招く可能性があります。 さらに、当社グループのプロダクトは、外部のクラウドサーバーを使用しております。その結果、当社グループの事業活動は、これらの外部クラウドサーバーのプロバイダが自然災害、電力やネットワークの障害、サイバー攻撃等から当該プロバイダ自身のサービスを守ることができるかどうかによっても左右されます。当社グループがプロバイダと結ぶ契約が終了した場合やサービスが失効したりシステムその他のリソースが損傷したりした場合、当社グループのプラットフォームが使用できなくなる可能性があり、また、新たなプロバイダを探すのに時間がかかる場合や追加費用が必要となる場合には長期にわたって当社グループのプラットフォームを使用できなくなる可能性があります。これらの要因により、当社グループの売上収益が減少し、当社グループに対して顧客企業から損害賠償請求等が提起され、当社グループの評判が損なわれ、又は顧客企業が不満を感じて当社グループとの契約を終了する可能性があり、その結果、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に重大な悪影響が生じる可能性があります。 (19)カスタマーサポートに関するリスク 当社グループのプロダクトは、継続利用することでより高い効果が期待されるため、契約後も顧客企業に対して適切なフォローアップを行うことで利用の継続を促すことが重要であると考え、当社グループは、顧客企業との契約後も技術及び運用上の問題について継続的にカスタマーサービスを提供しています。しかし、顧客企業のカスタマーサポートに対する需要の増加に迅速に対応することができない場合や顧客企業のニーズに合った効率的かつ迅速で質の高いサポートを提供できない場合又は市場からそのように認識される場合、顧客企業が当社グループとの取引をやめ、又は潜在的な顧客企業に当社グループのプロダクトを推薦しない可能性があり、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (20)ブランドに関するリスク 当社は、既存顧客企業の維持や新規顧客企業の獲得にとってブランド力は極めて重要であると考えています。マーケティング領域におけるAaaS(Agentic AI as a Service)ソリューション市場は日々競争が激化しており、また当社グループは今後さらなるグローバル展開を企図していることから、当社グループがブランド力を構築、維持、向上させるために多額の費用を要する可能性があります。また、当社グループのプロダクトやマーケティング領域におけるAaaS(Agentic AI as a Service)ソリューション全般に対する否定的な評判が広がった場合や、当社グループの役職員による違法・不正行為や不適切な行動により当社グループのブランドや評判が損なわれた場合、既存顧客企業の維持や新規顧客企業の獲得に悪影響が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を与える可能性があります。 (21)人材の採用・育成に関するリスク 当社グループのプロダクトはAIアルゴリズムを用いているため、営業人員にもAI等に関する一定程度の知識が求められます。そのため、当社グループはかかる知識や経験のある人材の採用に努めていますが、そのような人材は数が限られており、十分な人数を採用できない可能性があります。また、当社グループでは、採用後もプロダクトに関する教育を行っていますが、社員が十分な成果を上げることができるようになるには相当の時間と労力が必要である上に、最終的に当社グループのソリューションを販売するのに十分な知識を習得できない可能性もあります。当社グループがプロダクトを販売する人材の採用又は教育に失敗した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループは、AIアルゴリズムの開発に必要なAIサイエンティストやソフトウェアエンジニアの採用に関して、厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループは創業以来、経営陣が強い関係を有する台湾のAIサイエンティストを中心に採用してきましたが、同地域においてもこれまでと同様にAIサイエンティストを採用できる保証はありません。加えて、優秀な人材を確保しつづけるのが容易ではないという業界共通の課題があります。当社グループが必要とする人材の獲得若しくはつなぎ止めができなかった場合、又は人材の獲得若しくはつなぎ止めのために多額の費用を要した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (22)特定人物への依存に関するリスク 当社グループは、製品の開発や事業戦略の立案等について経営陣に大きく依存しております。特に、当社グループの共同創業者であり代表取締役CEOである游直翰は、当社グループの事業戦略や企業文化の構築、AIサイエンティスト及びエンジニアの獲得にとって極めて重要であり、AIアルゴリズムの開発においても中心的な存在です。当社グループでは取締役会、経営会議等を通して役員及び従業員への情報共有や権限移譲を進める等組織体制の強化を図りながら、経営体制の整備を進めており、特定人物への依存に関するリスクを最小限にしておりますが、同氏を含む経営陣に不測の事態が生じた場合や経営陣に人材の流出が生じた場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が生じる可能性があります。 (23)他社の買収、業務提携、合弁会社設立に関するリスク 当社グループは、事業戦略の一環として、当社グループの事業と補完的な事業、プロダクト又は技術への投資又は買収を行っており、今後も潜在的な投資及び買収の検討を継続していくことを考えております。 しかし、投資や買収が見込み通りの成果を上げることができない場合、当社グループが投資又は買収の対象の企業価値を過大に見積もっていた場合、又は既存事業への新規事業の統合や統合後の内部管理体制の構築が奏功しない場合等には、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は過去に複数の買収を行い、これらの会社が提供する既存プロダクトを当社のAI技術で強化することによって、新たなプロダクトとして提供を開始し顧客企業数を増やしておりますが、取得した技術を強化するための研究開発費や販売・マーケティングチームが新たなプロダクトを導入するための研修費等統合のための費用を支出しており、また、当社グループはこれらの買収から想定している利益を得ることができない可能性があり、その場合、当社グループの評判や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、当社グループは当連結会計年度末時点において、8,426百万円ののれんを計上しており、当該のれんに係る減損処理等が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、当社グループは他社との業務提携や合弁会社の設立を行う可能性がありますが、パートナー企業との関係が悪化したり、パートナー企業の事業や財政状態が悪化した結果、業務提携等に悪影響が生じ、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (24)知的財産権に関するリスク 当社グループのプロダクトはAIアルゴリズムを用いていますが、AIアルゴリズムは当社グループが現在事業を行う地域では特許権による保護を受けることができないため、その不正使用を防止するための措置は不十分である可能性があり、AIアルゴリズムが不正に使用された場合、当社グループの事業及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社が今後進出する地域においても、同様にAIアルゴリズムが法令上の保護を受けられない可能性があります。 そのため、当社グループは、AIアルゴリズム等の知的財産を保護するために、訴訟の提起等に多大な費用と時間を要する可能性があり、かつ結果として知的財産を守ることができないおそれがあるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することなく事業を遂行するための体制を整えておりますが、投資や買収等を通じたサービスの拡大等に伴い、第三者の特許権、著作権、商標権等の知的財産権の侵害に係る訴訟を提起される可能性が高まっています。当社グループが知的財産権の侵害を理由に第三者から訴訟の提起等を受けた場合、その対応に多大の費用と時間を要する可能性があります。加えて、そのような第三者の知的財産権侵害を回避するため、当社グループのプロダクトの販売若しくは使用の中止や特定の機能の変更、第三者からの不利な条件でのライセンスの取得、又は機能の再設計等が必要となる可能性があります。これらの対応により、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (25)法的規制等に関するリスク 当社グループは、個人情報保護法のほか、AI及び機械学習に関する法律、デジタルサービスの提供に関する法律、プライバシー、データ保護及び情報セキュリティに関する法律並びに贈収賄禁止法を含む様々な法令等の適用を受ける可能性があります。また、業界の自主規制やサードパーティープラットフォーマー(Eコマース、アプリストア、ゲームポータル等)の規程の適用を受ける可能性があります。 これらの法令等の変更が行われた場合、対応に多額の費用を要し、また、当社のプロダクトのクオリティが低下することになれば、当社グループの事業成長力が損なわれる可能性があります。 当社グループは、コンプライアンス体制の充実が重要であると考えており、コンプライアンスに関する社内規程類を策定し、適宜研修を実施して周知徹底を図っておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、当社グループが法令等を遵守しない若しくは遵守していないと指摘される場合、又は代理店等が法令等を遵守しない場合、当局より行政処分を受けること等により、当社グループの評判、事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (26)繰延税金資産に関するリスク 当社グループは、2025年12月期末において19,137百万円の税務上の繰越欠損金を保有しており、そのうちの一部に対して繰延税金資産を計上しています。当社グループの業績等の著しい変化により、当該繰越欠損金の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合や、税率変更を含む税制改正、会計基準の改正等が行われた場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (27)内部統制に関するリスク 当社グループは、事業の歴史は浅く、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社グループの内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し運用していますが、当社グループの財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はありません。更に、内部統制システムに本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 (28)資金調達環境の変化 当社グループは、今後も、新規のソリューションの開発、既存のソリューションの改良及び販売機能の強化等の、成長を支えるための投資を継続していく予定であり、当社の事業を継続するための運転資金の確保を必要とする可能性があります。しかし、金融・証券市場の環境、金利等の動向、資金需給の状況等の変化が、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループが必要とする資金の調達を適時かつ好条件で行うことができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (29)自然災害等のリスク 当社グループの事業の遂行は、インターネットや第三者が提供するクラウドサーバー等に依存しています。当社では、定期的なデータのバックアップ、システムの稼働状況の常時監視等により、自然災害等による事業への障害発生を事前に防止し又は回避するよう努めておりますが、地震、火山、台風、大雨、大雪、火災、洪水等の自然災害、事故、人為的なミス等が発生した場合には、インフラが使用不能になり又はソリューションの開発及び改良の遅延や中断が生じること等により、事業を継続することができない等の支障が生じ、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (30)配当政策について 当社は株主の皆様への利益還元について、重要な経営課題であると認識しております。当社は、企業価値向上のための持続的な利益を伴う成長を重視しており、そのための成長投資としてAI技術開発を含めた研究開発及び戦略的なM&Aを実行して参りました。配当や自社株買い等の株主還元の実施にあたっては、将来の成長に向けた研究開発等の事業成長のための投資及びM&Aを含めた資金需要、内部留保充実の必要性等を総合的に勘案しております。 しかし、利益及びキャッシュ・フロー計画が当社グループの想定通りに進捗せず、安定的に利益及びキャッシュ・フローを計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。
経営成績の分析 (MD&A)6,669字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当社グループのミッションは「自律型AIでROIを向上させる」です。 当連結会計年度の売上収益は43,737百万円(前連結会計年度比28.4%増)となりました。これは、アップセル・クロスセルによる既存顧客からの売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2025年12月におけるARR(注1)は48,259百万円となり、2024年12月の36,259百万円から33.1%拡大しました。 当連結会計年度の売上総利益は23,518百万円(前連結会計年度比32.1%増)となり、売上総利益率は53.8%(前連結会計年度比1.5%ポイント上昇)となりました。売上総利益率の改善は、継続的な技術革新への取り組みと、高利益率プロダクトの構成比拡大によるものであります。 事業規模の拡大、子会社の新規連結及びM&Aに関連する一時的な取引費用の発生により、営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加し、対売上収益比率は前期の47.5%から47.9%へと0.4%ポイント上昇しましたが、M&Aに関連する取引費用を除くと、営業費用の対売上収益比率は47.3%へと0.2%ポイント低下しました。研究開発費と一般管理費の対売上収益比率は、生産性改善及び効率性向上により、研究開発費が1.4%ポイント、一般管理費が0.0%ポイントそれぞれ低下しました。一方、販売及びマーケティング費用の対売上収益比率は、主に子会社の新規連結及びM&Aに関連する一時的な取引費用の発生により、1.8%ポイント上昇しました。 その結果、EBITDA(注3)は6,854百万円(前連結会計年度比1,938百万円増)、営業利益は2,976百万円(同995百万円増)となりました。また、税引前当期利益は2,674百万円(同612百万円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,558百万円(同369百万円減)となりました。 (注) 1.Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益。利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、関連する期間における1か月平均のリカーリング売上収益(注2)を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、関連する期間の最終月のリカーリング売上収益を12倍することで年換算して得られた金額です。2025年12月のARRは、利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては2025年7月から2025年12月のリカーリング売上収益の1か月平均を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては2025年12月のリカーリング売上収益を12倍して算出しております。 2.リカーリング顧客(利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、①当社グループのソリューションを4四半期以上連続で使用している顧客企業及び②直近1年以内の新規顧客企業で当社グループのソリューションを3カ月以上連続で使用している顧客企業を、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、当社グループと1年以上の契約を締結している顧客企業をいいます。)からの売上収益 3.EBITDA=営業利益+減価償却費及び無形資産償却費+営業費用に含まれる税金費用 ② 財政状態の状況 当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。 (資産) 当連結会計年度末の総資産は60,497百万円であり、前連結会計年度末に比べて15,860百万円増加しております。 流動資産は前連結会計年度末に比べて8,563百万円増加しており、主な増加要因は金融機関からの借入等による現金及び現金同等物の増加(前連結会計年度末比6,238百万円増)、売上収益の増加に伴う営業債権及び契約資産の増加(同6,008百万円増)であり、主な減少要因は定期預金の払戻による減少(同4,158百万円減)であります。 非流動資産は前連結会計年度末に比べて7,297百万円増加しており、主な増加要因はM&Aに伴うのれんの計上及び資産化の要件を満たす開発費用の資産計上によるのれん及び無形資産の増加(同8,011百万円増)であり、主な減少要因は使用権資産の償却による減少(同705百万円減)であります。 (負債) 当連結会計年度末の負債合計は23,348百万円であり、前連結会計年度末に比べて13,026百万円増加しております。流動負債は6,825百万円、非流動負債は6,201百万円、それぞれ増加しました。 主な増加要因は金融機関からの借入による借入金の増加(流動負債が2,287百万円増、非流動負債が5,754百万円増)、M&Aに伴う条件付取得対価に係る債務の計上によるその他の債務の増加(流動負債が2,203百万円増、非流動負債が996百万円増)、売上原価の増加に伴う営業債務の増加(前連結会計年度末比1,976百万円増)であり、主な減少要因はリース負債の返済による減少(流動負債が35百万円減、非流動負債が674百万円減)であります。 (資本) 当連結会計年度末の資本合計は37,149百万円であり、前連結会計年度末に比べて2,834百万円増加しております。主な増加要因は当期利益の計上による利益剰余金の増加(前連結会計年度末比2,558百万円増)であります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、11,734百万円(前連結会計年度末比6,238百万円増)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は3,273百万円となり、前連結会計年度と比べ収入が1,344百万円増加しました。主な収入の増加要因は、非資金損益調整後の税引前利益の増加(前連結会計年度比1,925百万円増)であり、主な収入の減少要因は運転資本の増加(同429百万円増)であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は4,332百万円となり、前連結会計年度と比べ2,091百万円支出が増加しました。主な支出の増加要因は、M&Aに伴う子会社の取得による支出の増加(前連結会計年度比3,299百万円増)、無形資産の取得による支出の増加(同843百万円増)であり、主な収入の増加要因は、定期預金の純減による収入の増加(同1,992百万円増)であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は7,041百万円となり、前連結会計年度と比べ収入が7,833百万円増加しました。主な収入の増加要因は、長期借入れによる収入の増加(前年同期比9,600百万円増)、主な支出の増加要因は長期借入の返済による支出の増加(同2,590百万円増)であり、主な支出の減少要因は自己株式の取得による支出の減少(同1,000百万円減)であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当社グループは、AIテクノロジー企業として、AIプラットフォームを活用した各種ソリューションを提供しており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。 b.受注実績 当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度(自2025年1月1日至2025年12月31日)(百万円)   前期比(%) AaaS事業   43,737   28.4 合計   43,737   28.4 (注) 1.AaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先   前連結会計年度(自2024年1月1日 至2024年12月31日)   当連結会計年度(自2025年1月1日 至2025年12月31日) 金額(百万円)   割合(%)   金額(百万円)   割合(%) Coupang, Inc.   10,605   31.1   13,168   30.1 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。 なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって行っている重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 ② 目標とする客観的な指標等の推移 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3) 目標とする客観的な指標等」に記載の指標等に着目しております。そこで、当社グループにおいては、当該目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益成長率、ARR及びARR成長率を重視し、また、これらに関連する指標として、売上総利益成長率、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率に着目しております。 これらの指標のうち、ARR、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率の近時の推移は以下のとおりです。2025年12月におけるARRは48,259百万円となり、2024年12月の36,259百万円からの成長率は33.1%となっています。2025年12月期のNRR(米国ドルベース)は120.4%であることから、継続利用する顧客による当社グループのソリューションの利用の拡大が示されています。2025年12月の月次顧客解約率は0.340%と引き続き低い水準で推移しており、顧客の継続性の高さを示しています。 ARR 基準時点   2024年   2025年 3月   6月   9月   12月   3月   6月   9月   12月 日本円(百万円)   29,033   30,294   33,483   36,259   36,823   38,870   42,890   48,259 NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率 期間   2024年   2025年 NRR(米国ドルベース)   118.7%   120.4% 月次顧客解約率   0.389%   0.340% 月次顧客収益解約率   0.292%   0.316% なお、当社グループが経営上の目標達成状況を判断するために用いている客観的な指標(ARR、NRR、解約率等)の中には、第三者の監査等を受けていない社内データを基礎とするものや、一定期間の実績を通年に換算したものなどが含まれており、当社グループの事業及び業績の実態を正確に表していない可能性があります。 ③ 経営成績の分析 (売上収益) 当連結会計年度の売上収益は43,737百万円(前連結会計年度比28.4%増)となりました。これは、アップセル・クロスセルによる既存顧客からの売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2025年12月におけるARRは48,259百万円となり、2024年12月の36,259百万円から33.1%拡大しました。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は20,219百万円(前連結会計年度比24.4%増)、売上総利益は23,518百万円(前連結会計年度比32.1%増)となり、売上総利益率は53.8%(前連結会計年度比1.5%ポイント上昇)となりました。売上総利益率の改善は、継続的な技術革新への取り組みと、高利益率プロダクトの構成比拡大によるものであります。 (販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益) 事業規模の拡大、子会社の新規連結及びM&Aに関連する一時的な取引費用の発生により、営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加し、対売上収益比率は前期の47.5%から47.9%へと0.4%ポイント上昇しましたが、M&Aに関連する取引費用を除くと、営業費用の対売上収益比率は47.3%へと0.2%ポイント低下しました。研究開発費と一般管理費の対売上収益比率は、生産性改善及び効率性向上により、研究開発費が1.4%ポイント、一般管理費が0.0%ポイントそれぞれ低下しました。一方、販売及びマーケティング費用の対売上収益比率は、主に子会社の新規連結及びM&Aに関連する一時的な取引費用の発生により、1.8%ポイント上昇しました。 その他の収益は417百万円(前期比27百万円増)、その他の費用は30百万円(同1百万円増)となりました。 この結果、営業利益は2,976百万円(前期比995百万円増)となりました。 (金融収益、金融費用、税引前利益) 当連結会計年度における金融収益は162百万円(前期比286百万円減)、金融費用は464百万円(同97百万円増)となりました。金融収益の減少は主に定期預金等の利息収入の減少によるものであり、金融費用の増加は主に借入金等に対する支払利息の増加によるものであります。 この結果、税引前利益は2,674百万円(同612百万円増)となりました。 (法人所得税費用、当期利益) 当連結会計年度における法人所得税費用は116百万円(前期比981百万円増)となりました。税引前利益は増加しましたが、2024年12月期に回収可能性が高まった繰延税金資産の計上を行い法人所得税費用がマイナスとなっていた影響で、法人所得税費用は前期比で増加しました。 この結果、当期利益は2,558百万円(同369百万円減)となりました。 ④ 財政状態の分析 財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ⑤ キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報 当社グループの主な資金需要は、当社グループの業容拡大のための研究開発活動や営業活動に係る人件費です。これらの資金需要に対しては、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出超過、並びに営業活動によるキャッシュ・フローが収入超過の状況を踏まえ、自己資金を基本としております。 ⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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出典

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