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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,085.45+319ドル円158.62-2NASDAQ26,241.86+142S&P 5007,680.46+49SOX 指数11,350.08+619/2終値

artience

artience Co., Ltd.4634 · Prime · 化学

有機顔料で世界有数。グラビア・オフセットインキから包装用塗料・樹脂まで幅広く手掛ける総合色材メーカー。

概要

化学メーカーであるartience(アーティエンス)は、1907年に東洋インキ製造として創業し、現在は色材・機能材、ポリマー・塗加工、パッケージ、印刷・情報の4事業セグメントを展開する。2024年12月期の連結売上高は3,511億円、営業利益204億円、従業員7,880名。東京証券取引所プライム市場に上場(証券コード4634)。自動車・エレクトロニクス・包装・印刷など多様な産業向けに顔料、塗料、インキ、接着剤、電子材料などをグローバルに供給しており、2011年に持株会社体制に移行した後、2024年に現商号へ変更した。

4事業セグメントで構成される収益構造

artienceの事業は、色材・機能材関連、ポリマー・塗加工関連、パッケージ関連、印刷・情報関連の4セグメントで構成される。色材・機能材関連では有機顔料、プラスチック用着色剤、カラーフィルター用材料、インクジェット材料、リチウムイオン電池材料などを手掛け、2024年12月期の売上高は843億円である。ポリマー・塗加工関連は缶用塗料、樹脂、接着剤、粘着剤、メディカル製品などで構成され、売上高は885億円。パッケージ関連はグラビアインキ、フレキソインキ、グラビアシリンダー製版など包装印刷資材が主体で、売上高は776億円。印刷・情報関連はオフセットインキ、金属インキ、印刷機械・機器、プリプレスシステムなどで、売上高は676億円。その他事業として原料販売や不動産管理も行う。全社として2024年の営業利益は204億円、親会社株主に帰属する当期純利益は185億円を計上した。

グローバル展開と海外拠点の広がり

artienceは日本国内に加え、アジア、欧州、米州など広範囲に生産・販売拠点を持つ。海外子会社は56社あり、主要な連結子会社として韓国の三永インキペイント製造、タイのToyo Ink (Thailand)、中国の天津東洋油墨や上海東洋油墨制造、インドのToyo Ink India、欧州のToyo Ink Europe Specialty Chemicals、米州のToyo Ink Americaなどが挙げられる。地域別の売上構成は、日本が約4割、アジア・オセアニアが約4割、その他が約2割と推定される。海外では現地市場に合わせた製品展開を行い、包装関連分野ではトルコにリキッドインキ・接着剤の新工場を稼働させるなど、需要拡大地域への投資を積極化している。また、中国ではカラーフィルター用材料の合弁会社を設立するなど、先端材料分野での現地化も進めている。

持株会社体制とグループ経営の枠組み

2011年4月、artience(当時東洋インキSCホールディングス)は持株会社体制へ移行し、東洋インキ株式会社、トーヨーケム株式会社などを新設分割により設立した。グループの中核となる事業会社は、東洋インキ(パッケージ・印刷関連)、トーヨーケム(ポリマー・塗加工関連)、トーヨーカラー(色材・機能材関連)の3社である。このほか、東洋ビジュアルソリューションズ、東洋モートン、マツイカガクなど専門性の高い子会社が各事業を支える。持株会社であるartienceはグループ全体の経営戦略立案、資本政策、リスク管理を担い、2024年からは中期経営計画「artience2027」を推進中である。グループ全体の従業員は7,880名で、うち国内約3,000名、海外約4,800名と国際色豊かな組織構成となっている。

業界の中での役割は色材・機能材料のグローバルサプライヤーにあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
3,500億円
営業利益
208億円
営業利益率
5.9%
純利益
103億円
2025/12 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2025/3期)より

01色材・機能材関連主力

有機顔料、加工顔料、プラスチック用着色剤、カラーフィルター用材料、インクジェット材料、リチウムイオン電池材料等の開発・製造販売。自動車・エレクトロニクス・印刷・電池業界向け。

主な製品・サービス4
有機顔料
塗料、インキ、プラスチック等の着色に用いる有機化合物の顔料。
プラスチック用着色剤
プラスチック製品の着色用マスターバッチやコンパウンド。
カラーフィルター用材料
液晶ディスプレイのカラーフィルターに用いる顔料分散液等。
インクジェット材料
インクジェットプリンター用インキ・顔料分散体。

02パッケージ関連主力

グラビアインキ、フレキソインキ、グラビアシリンダー製版等の包装印刷資材の製造販売。食品包装・軟包装業界向け。

主な製品・サービス3
グラビアインキ
包装フィルム印刷用のグラビアインキ。
フレキソインキ
段ボール・軟包装向けフレキソ印刷インキ。
グラビアシリンダー製版
グラビア印刷用のシリンダー(版胴)の製作。

03ポリマー・塗加工関連準主力

缶用塗料、樹脂、接着剤、粘着剤、塗工材料、天然材料、メディカル製品等の開発・製造販売。食品包装・医療・建材向け。

主な製品・サービス3
缶用塗料
金属缶の内外面塗装用塗料。飲料缶・食品缶向け。
樹脂・接着剤
包装・ラミネート用の接着剤やコーティング用樹脂。
粘着剤
テープ・ラベル用途の粘着材料。

04印刷・情報関連準主力

オフセットインキ、金属インキ、印刷機械、印刷機器、プリプレスシステム、印刷材料等の製造販売。商業印刷・出版・金属印刷業界向け。

主な製品・サービス3
オフセットインキ
商業印刷・出版用のオフセットインキ。
金属インキ
金属缶・アルミ容器の印刷用インキ。
印刷機械・機器
印刷機や周辺機器の販売。

05その他(原料販売・不動産等)その他

原料販売、役務提供、不動産の賃貸管理、子会社の持株会社業務等。

製品と技術

有機顔料から電子材料までをカバーする色材・機能材

色材・機能材関連事業では、有機顔料、加工顔料、プラスチック用着色剤、カラーフィルター用材料、インクジェット材料、リチウムイオン電池材料を開発・製造している。有機顔料は塗料・インキ・プラスチックの着色に用いられ、トーヨーカラーが主力。液晶ディスプレイ用カラーフィルター材料は台湾東洋先端科技が手掛け、中国現地企業との合弁で生産体制を強化している。リチウムイオン電池材料ではCNT分散体などが主力だが、2024年にはEV市場の低迷により事業計画を修正し、北米とハンガリーの新工場で減損を計上した。一方で全固体電池向け材料の開発も継続中である。

缶用塗料や接着剤で食品包装を支えるポリマー・塗加工

ポリマー・塗加工関連事業は、缶用塗料、樹脂、接着剤、粘着剤、塗工材料、天然材料、メディカル製品などを扱う。缶用塗料は飲料缶・食品缶の内外面塗装に使われ、タイでの経営統合により堅調に推移した。ラミネート接着剤は包装材料の積層に不可欠で、脱プラスチック志向の高まりを受けた機能性コーティング剤も好調。トーヨーケムと東洋モートンが主な製造会社である。2024年には埼玉製造所で生産効率化投資を決定したほか、トルコに新工場を稼働させるなど、グローバルな需要取り込みを進めている。

グラビアインキとフレキソインキを核とするパッケージ関連

パッケージ関連事業では、グラビアインキ、フレキソインキ、グラビアシリンダー製版を提供する。グラビアインキは食品包装フィルムの印刷に使われ、東洋インキが国内中心に展開。フレキソインキは段ボールや軟包装向けで、環境対応として水性化が進む。グラビアシリンダー製版は印刷の版胴を製作する専門技術である。海外ではToyo Ink Indonesia、Toyo Ink Vietnam、江門東洋油墨などが製造販売を担う。2024年にはインドでリキッドインキの生産能力増強を決定し、中国では生産拠点再編を行った。UV・LEDインキは省エネ対応だが、出版市場の低迷により販売構成が悪化している。

オフセットインキと印刷機械で商業印刷に対応

印刷・情報関連事業は、オフセットインキ、金属インキ、印刷機械・機器、プリプレスシステム、印刷材料を扱う。オフセットインキは書籍や商業印刷物に広く使用され、国内では情報系印刷市場の縮小に対応して生産・物流アライアンスを推進、効率化を図っている。金属インキは金属缶・アルミ容器の印刷用で、パッケージ関連と連携する。印刷機械の販売も行っており、マツイカガクが子会社として参画。海外ではToyo Ink India、天津東洋油墨、Toyo Ink Europe、Toyo Ink Americaが販売拠点となっている。デジタル印刷対応のインクジェットインキも成長分野として注力しており、2024年は顧客の在庫調整で一部停滞したものの、前年並みの水準を維持した。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

化学のなかでの位置

化学メーカー、営業利益率低位で再建途上

当社は化学業界に属し、他社との比較では収益性が低い。同業のクラレや東洋紡と比べ、営業利益率は2024/12期5.81%と低水準であり、コスト構造や事業ポートフォリオに課題があると推察される。売上高は2023/12期3221億円から2024/12期3511億円へ増加したが、2025/12期は3500億と横ばい予想で、成長鈍化が懸念される。業界内での競争力強化や収益改善策が急務であり、特に原材料価格の変動や需要変動への耐性が弱い可能性がある。

強み

  • 過去3期の売上高が約3200~3500億円で推移、ある程度の規模感。
  • 長年の事業歴により、顧客基盤や生産技術のノウハウを保有。
  • 確立された販路を持ち、一定の市場アクセスを確保。
  • 大規模な赤字はなく、財務状況は比較的安定。

課題

  • 営業利益率6%未満で、同業他社に比べて収益力が弱い。
  • 売上高が横ばい予想で、新たな成長エンジンが必要。
  • 原材料価格や為替変動の影響を受けやすく、利益が圧迫される。

強みと課題は、開示資料をもとにAIがまとめた見立てです。

同業の企業

機能性化学の時価総額近傍。太字がartience

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14272日本化薬3,320億円12.9倍
24061デンカ2,862億円17.7倍
34043トクヤマ2,845億円12.8倍
44206アイカ工業2,819億円15.1倍
55384フジミインコーポレーテッド2,639億円27.0倍
64634artience2,544億円12.9倍
77826フルヤ金属2,455億円14.9倍
84095日本パーカライジング2,329億円15.0倍
96490PILLAR2,329億円24.0倍
104023クレハ2,312億円
113569セーレン2,201億円12.9倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は独自の業界分類(機能性化学)に従っています。

会社の歴史

沿革 20件

東洋インキ製造として創業した1907年

artienceの起源は1907年1月、株式会社に改組し東洋インキ製造株式会社と商号変更したことに遡る。創業当初から印刷インキや顔料の製造を手掛け、日本の印刷産業の発展とともに成長した。1959年には川越工場(現トーヨーケム川越製造所)を建設し、生産能力を拡大。1960年にはオリエンタル化成株式会社(現トーヨーカラー)を設立し、色材分野への本格進出を図った。この時期、日本の高度経済成長を背景に、同社は基礎的な素材メーカーとしての地歩を固めていった。

1961年の上場と工場建設ラッシュ

1961年10月、東京証券取引所市場第二部に上場。1963年には富士工場(静岡県富士市)、1971年には守山工場(滋賀県守山市)、1974年には天間工場(静岡県富士市)と次々に生産拠点を建設した。1967年8月には東京証券取引所市場第一部に指定され、国内屈指のインキ・顔料メーカーとしての地位を確立した。これらの工場は後にトーヨーカラーや東洋ビジュアルソリューションズの製造拠点として現在も稼働している。

1970年代に本格化した海外進出

1971年3月、韓国に三永インキペイント製造株式会社を設立し、初の海外生産拠点を確保。同年9月にはタイにToyo Ink (Thailand) Co., Ltd.を設立し、東南アジア市場に参入した。1975年にはベルギーにToyo Ink Europe S.A.(後のToyo Ink Europe Specialty Chemicals)を設立し欧州進出。1976年には米国にToyo Ink America Inc.を設立するなど、1970年代にグローバル展開の基礎を築いた。これらの海外子会社は現在も連結子会社として事業を継続しているが、欧州と米国の一部は再編により清算・統合されている。

中国シフトが加速した1990年代

1994年1月、中華人民共和国に天津東洋油墨有限公司を設立し、中国市場への本格参入を果たした。1999年11月にはサカタインクス株式会社と生産・ロジスティックス・デジタル関連事業で業務提携を結び、業界再編の動きに対応した。2001年には台湾で液晶カラーフィルター用材料の製造販売を目的とした台湾東洋彩光股份有限公司(現台湾東洋先端科技)を設立。2003年には上海東洋油墨制造有限公司を設立し、華東地区でのグラビアインキ・樹脂・粘接着剤事業を強化した。

持株会社移行とグループ再編の2011年

2011年4月、東洋インキSCホールディングス株式会社へ商号変更し、純粋持株会社体制に移行。同時に東洋インキ株式会社、トーヨーケム株式会社を新設分割により設立した。2012年4月には、オリエンタル化成株式会社がトーヨーケムの色材・機能材関連事業を吸収分割で承継し、トーヨープラックス株式会社を吸収合併してトーヨーカラー株式会社に商号変更。これによりグループの事業会社が東洋インキ(パッケージ・印刷)、トーヨーケム(ポリマー・塗加工)、トーヨーカラー(色材・機能材)の3社に再編され、経営の効率化が図られた。

artienceへの商号変更で新たな成長戦略

2024年、同社は商号をartience株式会社に変更し、新たな理念体系「Corporate Philosophy」「Brand Promise」「Our Principles」を策定した。artienceは「art」と「science」の融合語で、感性に響く価値の創造を掲げる。同年から中期経営計画「artience2027」を開始し、ROE10%以上を目標に、高収益既存事業群への変革、戦略的重点事業群(リチウムイオン電池材料、ラミネート接着剤、ディスプレイ・半導体材料)の創出、経営基盤の変革を推進している。2024年12月期の連結売上高は3,511億円、営業利益204億円に達したが、世界的なEV市場鈍化の影響を受け、バッテリー関連事業では減損損失を計上するなど課題も残る。

年表20件を開く

1900年代

  • 1907年1月商号変更株式会社に改組し、「東洋インキ製造株式会社」と商号変更。

1950年代

  • 1959年10月当社川越工場(現トーヨーケム株式会社川越製造所・埼玉県川越市)建設。

1960年代

  • 1960年8月オリエンタル化成株式会社(現トーヨーカラー株式会社・東京都中央区・現連結子会社)設立。
  • 1961年10月上場東京証券取引所市場第二部上場。
  • 1963年11月当社富士工場(現トーヨーカラー株式会社富士製造所・静岡県富士市)建設。
  • 1967年8月東京証券取引所市場第一部指定。

1970年代

  • 1971年3月三永インキペイント製造株式会社(大韓民国・現連結子会社)設立。
  • 1971年8月当社守山工場(現東洋ビジュアルソリューションズ株式会社守山製造所・滋賀県守山市)建設。
  • 1971年9月Toyo Ink (Thailand) Co., Ltd.(タイ・現連結子会社)設立。
  • 1974年4月当社天間工場(現トーヨーカラー株式会社富士製造所・静岡県富士市)建設。
  • 1975年9月創業Toyo Ink Europe S.A.(ベルギー)設立(2012年11月Toyo Ink Europe (Paris) S.A.S.(2013年1月Toyo Ink Europe S.A.S.に商号変更、2016年11月Toyo Ink Europe Specialty Chemicals SASを存続会社とする吸収合併により消滅)に事業譲渡、2012年12月清算結了)。
  • 1976年1月創業Toyo Ink America Inc.(アメリカ)設立(2001年1月清算結了、同時に新設したToyo Ink America, LLC及びToyo Color America LLC.(2008年7月Toyo Ink Mfg.America,LLC.に商号変更、2012年12月Toyo Ink America, LLCを存続会社とする吸収合併により消滅)に事業譲渡)。

1980年代

  • 1980年4月当社埼玉工場(現東洋インキ株式会社埼玉製造所・埼玉県川越市)建設。

1990年代

  • 1994年1月天津東洋油墨有限公司(中華人民共和国・現連結子会社)設立。
  • 1999年11月サカタインクス株式会社と生産、ロジスティックス、デジタル関連事業及び国際事業に関し業務提携。

2000年代

  • 2001年8月台湾での液晶カラーフィルター用材料の製造・販売事業を目的として、台湾東洋彩光股份有限公司(現台湾東洋先端科技股份有限公司・台湾・現連結子会社)を設立。
  • 2003年1月中国華東地区でのグラビアインキ、樹脂、粘接着剤等の製造・販売事業を目的として、上海東洋油墨制造有限公司(中華人民共和国・現連結子会社)を設立。
  • 2006年8月インドでのオフセットインキの製造・販売事業を目的として、Toyo Ink India Pvt. Ltd.(インド・現連結子会社)を設立。

2010年代

  • 2011年4月商号変更当社において、持株会社制へ移行。「東洋インキSCホールディングス株式会社」と商号変更し、東洋インキ株式会社(東京都中央区・現連結子会社)、トーヨーケム株式会社(東京都中央区・現連結子会社)を新設分割により設立。
  • 2012年4月M&Aオリエンタル化成株式会社(現トーヨーカラー株式会社・東京都中央区・現連結子会社)において、トーヨーケム株式会社(東京都中央区・現連結子会社)の色材・機能材関連事業を吸収分割により承継させるとともに、トーヨープラックス株式会社を吸収合併させ、「トーヨーカラー株式会社」に商号変更。

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2025/12期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち4項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • ROE2029年12月期まで10.0%以上
  • ROE2026年12月期まで8.0%以上
  • 売上高2026年12月期まで3,600億円
  • 営業利益2026年12月期まで230億円

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    高収益既存事業群への変革

    既存事業を成長事業、収益基盤事業、構造改革・戦略再構築事業に分類。成長事業への集中投資、収益基盤事業の効率性・生産性向上、構造改革事業には大胆な施策を実行する。

  2. 02

    戦略的重点事業群の創出

    リチウムイオン電池用材料や半導体関連材料など、モビリティ・バッテリー分野とディスプレイ・先端エレクトロニクス分野に経営資源を集中し、新たな収益の柱を創出する。次世代事業として環境・バイオ・エネルギーも育成する。

  3. 03

    経営基盤の変革

    ESG視点で人的資本強化や資本コストを意識した経営、DX・AI活用による生産性向上、情報セキュリティ強化、環境課題への対応など、サステナビリティ経営を推進する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で7,880人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は812万円で、9期前と比べて+11.2%平均年齢は44.7歳、平均勤続年数は18.6年。

単体の従業員がグループ全体の1割に満たないため、平均年収は持株会社の本社勤務者の数値です。グループ全体の水準とは異なります。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年12月8,135
2017年3月8,021
2018年12月8,274
2019年12月73142.817.48,246
2020年12月72942.917.78,157
2021年12月74443.518.17,887
2022年12月74544.018.77,930
2023年12月74943.819.17,836
2024年12月78644.719.07,897258
2025年12月81244.718.67,880264

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

多様性の開示2025年12月期・提出会社(単体)
女性管理職比率6.2%
縦線は目安の30%
男性育休取得率98.4%
縦線は目安の85%
女性の賃金(男性=100)78.8%
100なら男女で差がない状態

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社45(国内 27 / 海外 18、うち連結子会社 17) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位10)
本社工場 — トルコ マニサ165億円
パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連
富士製造所 — 静岡県富士市117億円
色材・機能材関連及び印刷・情報関連
川越製造所 — 埼玉県川越市9,867百万円
色材・機能材関連及びポリマー・塗加工関連
埼玉製造所 — 埼玉県川越市8,983百万円
パッケージ関連及び印刷・情報関連
本社工場 — ハンガリー ペシュト6,097百万円
色材・機能材関連
本社工場 — 中華人民共和国 広東省5,925百万円
パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連
本社工場 — アメリカ ケンタッキー5,102百万円
色材・機能材関連
守山製造所 — 滋賀県守山市4,917百万円
色材・機能材 関連
本社 — 東京都中央区4,699百万円
その他、全社共通
本社工場 — 中華人民共和国 広東省4,576百万円
色材・機能材関連
ほか30件の開示あり
主な関係会社
  • 国内
    トーヨーカラー㈱(注3)
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    トーヨーケム㈱(注3)
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東洋インキ㈱(注3,5)
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東洋モートン㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東洋ビーネット㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    マツイカガク㈱
    京都府京都市 伏見区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東洋ビジュアルソリューションズ㈱
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東洋FPP㈱
    埼玉県川口市 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    東洋マネジメントサービス㈱(注3)
    東京都中央区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    TIPPS Pte. Ltd. (注3)
    シンガポール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Toyochem Specialty Chemical Sdn. Bhd. (注3)
    マレーシア セランゴール · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    Toyo Ink (Thailand) Co., Ltd.
    タイ バンコク · 連結子会社
    議決権100.0%
残りのグループ会社33社を開く
  • Thai Eurocoat Ltd.タイ サムットサーコーン100%
  • PT. Toyo Ink Indonesiaインドネシア ベカシ100%
  • Toyo Ink Vietnam Co., Ltd.ベトナム ドンナイ100%
  • Toyo Ink Compounds Vietnam Co., Ltd.ベトナム バクニン80%
  • Toyo Ink India Pvt. Ltd. (注3)インド グレーターノイダ100%
  • 東洋油墨亞洲 有限公司中華人民共和国 香港100%
  • 深圳東洋油墨 有限公司中華人民共和国広東省100%
  • 東洋油墨極東 有限公司(注3)中華人民共和国 香港100%
  • 天津東洋油墨 有限公司(注3)中華人民共和国 天津市70%
  • 珠海東洋色材 有限公司(注3)中華人民共和国 広東省100%
  • 上海東洋油墨制造 有限公司(注3)中華人民共和国 上海市100%
  • 江門東洋油墨 有限公司中華人民共和国 広東省51%
  • 江蘇東洋申蘭華顔料有限公司中華人民共和国 江蘇省51%
  • 台湾東洋先端科技 股份有限公司台湾 台北市100%
  • Toyo Ink Europe Specialty Chemicals SAS (注3)フランス ワッセル100%
  • TIE International NV (注3)ベルギー ニール100%
  • Toyo Ink Europe NVベルギー ニール100%
  • Toyo Printing Inks Inc. (注3)トルコ マニサ100%
  • Toyo Ink Hungary Kftハンガリー ペシュト100%
  • LioChem,Inc.アメリカ ジョージア100%
  • Toyo Ink America, LLC (注3)アメリカ イリノイ100%
  • LioChem e-Materials LLC (注3)アメリカ ケンタッキー83%
  • Toyo Ink Brasil LTDA. (注3)ブラジル サンパウロ100%
  • Toyo Ink Mexico S.A. de C.V.メキシコ ハリスコ100%
  • 三永インキペイント製造㈱大韓民国 京畿道100%
  • 東洋インキ韓国㈱大韓民国 ソウル市100%
  • 韓一東洋㈱大韓民国 ソウル市100%
  • その他17社
  • ロジコネット㈱埼玉県川口市50%
  • 日本ポリマー工業㈱兵庫県姫路市 網干区40%
  • Sumika Polymer Compounds (Thailand) Co., Ltd.タイ チェチェンサオ45%
  • その他2社
  • TOPPANホールディングス㈱(注4)東京都台東区22%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 調達
    IoT推進のための横断技術開発プロジェクトField Intelligence搭載型大面積分散IoTプラットフォームの研究開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2017-08-04
    3,000万円
  • 調達
    NEDO先導研究プログラムエネルギー・環境新技術先導研究プログラム体温でIoTデバイスを駆動する熱化学電池の開発
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 · 2020-07-27
    1,416万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2025年12月期の売上高は3,500億円営業利益208億円前期と比べると減収増益で、売上が-0.3%、利益が+2.0%。

売上高
-0.3%
3,500億円
営業利益
+2.0%
208億円
純利益
-44.3%
103億円
営業利益率
5.9%
前期比 +0.1%pt

会社が出している今期の予想2026年12月期

項目会社予想前期実績
売上高3,600億円3,500億円
営業利益230億円208億円
純利益210億円103億円
1株あたり配当¥120¥120

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2026年2Qで、売上は1,897億円、営業利益は126億円。前年の2025年2Qと比べると、売上は+12.4%、営業利益は+34.0%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年1Q748192.55
2023年2Q789293.733
2023年3Q845435.134
2023年4Q83925
2024年1Q817445.441
2024年2Q906626.853
2024年4Q1,788985.591
2025年2Q1,687945.655
2025年4Q1,8131146.348
2026年2Q1,8971266.6137

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は2,487億円から3,500億円へ1.4倍に増えた。直近期の営業利益率は5.9%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
2013年3月2,48718587
2014年3月2,796206123
2015年3月2,867194133
2016年3月2,832185118
2017年3月2,685193127
2017年12月2,403175104
2018年12月2,902154118
2019年12月2,79913885
2020年12月2,57712560
2021年12月2,88015495
2022年12月3,1597993
2023年12月3,22112997
2024年12月3,5112042105.8185
2025年12月3,5002082095.9103

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2025年12月期

売上高3,500億円のうち、営業利益として残るのは208億円5.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は103億円、売上の2.9%にあたる。営業利益率は業種中央値7.3%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金78.3%2,740億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金15.8%552億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益5.9%208億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
21.7%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比1.3pt
5.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比2.4pt
2.9%
税金まで払って最後に残る割合
ROE業種比3.0pt
3.9%
株主のお金がどれだけ利益を生んだか
ROA
2.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
3.5%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2025年12月期は営業CFが276億円、投資CFが−112億円で、差し引きのフリーCFは164億円この組み合わせは成熟・還元型にあたる。本業で稼ぎ、投資に回し、それでも余る現金を借金返済や株主還元に充てている。最も健全とされる型期末の手元現金は458億円で、売上の1.6ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月175−144−1531353
2014年3月176−132−7344347
2015年3月257−62−136195425
2016年3月257−175−5882437
2017年3月234−106−112128441
2017年12月187−59−84128493
2018年12月192−108−5784510
2019年12月197−104−6293538
2020年12月167−13316234731
2021年12月158−176−120−18609
2022年12月43−56−81−13534
2023年12月235−195−2640560
2024年12月270−102−150168601
2025年12月276−112−317164458

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2025年12月期の総資産は4,626億円。このうち返さなくてよい自己資本が2,772億円で、自己資本比率は57.5%(業種中央値63.4%より薄い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月2,9961,6131,38352.4
2014年3月3,3661,8661,50053.7
2015年3月3,6432,1381,50556.9
2016年3月3,5942,1191,47557.2
2017年3月3,6412,1701,47157.9
2017年12月3,7852,2841,50158.5
2018年12月3,7162,2111,50557.6
2019年12月3,7612,2691,49258.3
2020年12月3,8022,1731,62955.2
2021年12月4,0692,2691,80053.7
2022年12月4,1122,2791,83353.3
2023年12月4,4782,5571,92154.9
2024年12月4,7282,7381,99055.4
2025年12月4,6262,7721,85457.5

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2025年12月期の内訳
現金及び預金
476億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
1,558億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
404億円
在庫として抱えている分
負債合計
1,854億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
80
/ 100
安定性自己資本比率38 / 40
収益力営業利益率12 / 30
現金創出営業CFの黒字継続30 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

化学 203社との比較

同じ化学の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率203社中122位あたり、逆に低いのはROE203社中166位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE下位株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
3.9%/中央値 6.9%
P25 4.5%P75 9.9%
営業利益率売上のうち本業の利益として残る割合
5.9%/中央値 7.3%
P25 4.3%P75 10.7%
自己資本比率総資産のうち返済のいらないお金の割合
57.5%/中央値 63.4%
P25 50.5%P75 73.9%
売上成長率前期からの売上の伸び
-0.3%/中央値 2.2%
P25 -1.8%P75 5.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
2.4%/中央値 2.7%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥5,060で、1年前と比べて+70.1%過去52週の値幅のなかでは93%の位置にある。

¥5,060-2.7%1ヶ月+13.1%1年+70.1%時価総額2,544億円
過去52週の値幅
安値¥3,015高値¥5,220

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PER (実績)12.9倍
PER (会社予想)11.3倍
PBR6.59倍
配当利回り2.37%

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価は上昇基調にあり、直近1ヶ月で11.03%上昇し、52週高値5010円に接近。25日線4499円、75日線4213円、200日線3804円全てを上回り、RSIは71.8と買われ過ぎ圏。7月30日に出来高46.7万株と増加し、8月後半に再び上昇。高値圏での上値追いに注意が必要ですが、短期トレンドは強気です。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 42/100)

PERは22.96倍で業界平均18.83倍を上回り、PBRは6.29倍と同1.43倍を大きく超える。ROEは3.9%と低く、収益性の弱さがPBRの高さと不整合。配当利回りは2.48%と同業界平均2.68%をやや下回るが、予想PERは10.8倍と大幅に低下する見込み。業績は増収増益で、営業利益率も改善傾向。短期的には割高感があるが、将来の収益回復を織り込むと妥当な水準とも言える。

指標この会社業種平均
PER (実績)12.9倍17.8倍
PER (予想)11.3倍
PBR6.59倍1.41倍
ROE3.9%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

業績は安定しており、株価も上昇していますが、投資家の争点は、原材料価格の高騰による利益率の悪化や、自動車産業の構造変化(EVシフト)が塗料需要に与える影響です。強気派は、グローバル展開と高付加価値製品による売上拡大・収益改善を期待します。一方、弱気派は、原材料費の上昇が続けば利益率が圧迫されることや、EV化に伴う塗料使用量の減少リスクを懸念します。

プラスに働く材料7
  • グローバル展開の強み

    世界各地に生産・販売拠点があり、需要を取り込む。

  • 高付加価値製品

    環境対応・高性能塗料が売上を牽引し、収益性向上に寄与。

  • 安定した配当

    増配傾向で、株主還元が手厚い。

  • 予想PER10.8倍と実績の半分へ通年影響

    実績PER22.96倍に対し予想PER10.8倍。収益大幅改善が示唆される

  • 営業利益208億円と前期比増通年影響

    営業利益204億円→208億円、売上高は微減ながら増益を確保

  • 配当利回り2.48%と安定継続影響

    配当利回り2.48%。業績改善局面では増配への期待もある

  • 株価1年で66.9%上昇継続影響

    change1yは+66.88%と強いモメンタム。投資家の関心が継続

マイナスに働く材料7
  • 原材料高の影響

    原油価格上昇で原料コストが増加し、利益率が低下する。

  • EVシフトの影響

    電気自動車は塗装工程が簡素化され、塗料需要が減少する可能性。

  • 競争激化

    新興国メーカーの台頭で価格競争が激化。

  • 純利益103億円と前期比44%減通年影響

    純利益185億円→103億円、82億円の減益。最終利益が大きく目減り

  • 売上高3500億円と微減通年影響

    売上高3511億円→3500億円と減収。成長鈍化が鮮明

  • ROE3.9%に対しPBR6.29倍継続影響

    ROE3.9%ではPBR6.29倍を支えにくく、修正リスクを抱える

  • 営業利益率5.94%と低採算継続影響

    営業利益率5.94%、営業利益208億円。市況悪化で一段の低下余地

次の決算で確かめる点
売上高原価率
原材料価格の変動が利益率に与える影響を監視するため。
自動車補修用塗料の販売動向
主力事業の需要動向を示し、収益の基盤を確認するため。
地域別売上比率
特定地域の景気変動リスクを把握するため。

配当

株主還元

直近の年間配当は1株あたり120で、前期から+0.0%いまの株価に対する利回りは2.37%。

年間配当
¥120
1株あたり
配当利回り
2.37%
いまの株価に対して
配当性向
54.5%
利益のうち配当に回した割合
連続増配等
0年
増配か維持が続いた年数
決算期1株あたり配当前期比%配当性向%
2017年12月8059.1
2017年3月800.043.9
2018年12月856.360.6
2019年12月905.960.3
2020年12月900.090.4
2021年12月900.094.6
2022年12月900.037.7
2023年12月900.071.2
2024年12月10011.170.0
2025年12月1000.054.5

過去の配当は株式分割にあわせて調整した金額です。配当性向は有価証券報告書に記載された各期の値で、利益のうち配当に回した割合を示します。

次の配当スケジュール
  • 権利付き最終日
  • 権利確定日
  • 支払開始日
  • 今期の会社予想年間予想¥120

株主

有価証券報告書より

2025年12月期末の株主数は延べ12,879人。区分でいちばん多いのは事業法人30.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が52.6%を占め、残る47.4%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2020年12月%2021年12月%2022年12月%2023年12月%2024年12月%2025年12月%
事業法人36.230.427.327.229.330.2
個人・その他19.627.432.529.424.726.1
金融機関23.220.919.023.821.622.4
外国法人19.819.018.618.322.019.7
自己株式3.67.99.19.04.85.7
証券会社1.12.32.71.32.41.6
外国人個人0.00.00.00.00.00.0

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01TOPPANホールディングス㈱20.77
02日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)11.86
03㈱日本カストディ銀行(信託口)5.98
04㈱日本触媒3.30
05artienceグループ社員持株会2.65
06artienceグループ取引先持株会1.95
07STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.91
08THE BANK OF NEW YORK, TREATY JASDEC ACCOUNT(常任代理人㈱三菱UFJ銀行)1.62
09STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.45
10BNYMSANV RE BNYMIL RE WS MORANT WRIGHT NIPPON YIELD FUND(常任代理人㈱三菱UFJ銀行)1.05

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で+621%、1株純資産は14期で+967%。直近期のROEは3.9%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%PER配当性向%
2013年3月295265.815.143.0
2014年3月2053,0327.310.143.6
2015年3月2233,4736.912.641.4
2016年3月1983,4435.811.451.3
2017年3月2153,6086.112.543.9
2017年12月1783,7934.818.859.1
2018年12月2033,6685.412.060.6
2019年12月1463,7573.918.360.3
2020年12月1033,5892.819.190.4
2021年12月1693,9124.411.494.6
2022年12月1714,1344.310.537.7
2023年12月1844,6354.214.371.2
2024年12月3535,1657.38.970.0
2025年12月2115,6093.916.354.5

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安
PER期末実績
株価が1年分の利益の何倍か。低いほど割安とは限らず、期待の低さのこともある
配当性向利益からの還元率
利益のうち配当に回した割合。高すぎる場合は無理をしている可能性もある

経営陣

13名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は13名。2025/12期の役員報酬は総額787百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約3倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
髙島悟代表取締役社長 グループCEO66428
濱田弘之取締役副社長 経営全般、コーポレート部門担当68143
安達知子取締役7236
藤本欣伸取締役6012
立藤幸博取締役651
小杉乃里子取締役602
佐藤哲章取締役 品質保証・生産・環境、サステナビリティ、購買、物流担当65151
加野雅之取締役 常勤監査等委員64119
横井裕取締役 監査等委員7149
木村恵子取締役 監査等委員6624
松本実取締役 監査等委員69
塚本恵取締役64
残りの役員1名を開く
氏名役職年齢保有株数
中嶋由元取締役 品質保証・生産・環境、サステナビリティ、購買、物流担当5829

役員報酬の内訳2025/12

役員の区分人数固定報酬百万円業績連動百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
その他役員14233741131823
取締役(社内)10174741126026
社外取締役976768
監査等委員4585815
社外取締役642427
監査等委員3333311

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2025/12期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容1,104字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3 【事業の内容】 当企業グループは当社、連結子会社56社及び持分法適用関連会社5社により構成されております。 当企業グループが営んでいる事業内容は、次のとおりであります。 区分   主要な事業の内容   主要な会社 色材・機能材 関連事業   有機顔料、加工顔料、 プラスチック用着色剤、 カラーフィルター用材料、インクジェット材料、リチウムイオン電池材料 等   国内   トーヨーカラー、東洋ビジュアルソリューションズ 海外   Toyo Ink Compounds Vietnam、 珠海東洋色材、台湾東洋先端科技、 Toyo Ink Europe Specialty Chemicals、LioChem、LioChem e-Materials、韓一東洋 他 ポリマー・塗加工 関連事業   缶用塗料、樹脂、接着剤、 粘着剤、塗工材料、 天然材料、メディカル製品 等   国内   トーヨーケム、東洋モートン 他 海外   Toyo Ink (Thailand)、上海東洋油墨制造、三永インキペイント製造、東洋インキ韓国 他 パッケージ 関連事業   グラビアインキ、 フレキソインキ、 グラビアシリンダー製版 等   国内   東洋インキ 他 海外   Toyochem Specialty Chemical、Toyo Ink Indonesia、Toyo Ink Vietnam、江門東洋油墨、Toyo Printing Inks 他 印刷・情報 関連事業   オフセットインキ、金属インキ、 印刷機械、印刷機器、 プリプレスシステム、印刷材料 等   国内   東洋インキ、マツイカガク 海外   Toyo Ink India、天津東洋油墨、 Toyo Ink Europe、Toyo Ink America、Toyo Ink Brasil 他 その他の事業   原料販売、役務提供、 不動産の賃貸管理、 子会社の持株会社 等   国内   当社、東洋ビーネット 他 海外   TIPPS、東洋油墨極東、 Toyo Ink International 他 販売業   各種当企業グループ取扱製品の 販売   海外   東洋油墨亞洲、深圳東洋油墨 他 また、当企業グループとその他の関係会社の子会社であるTOPPAN株式会社との間で製商品等の取引が行われております。 当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 事業の系統図は次のとおりであります。 (事業系統図)
経営方針・対処すべき課題3,968字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当企業グループは、2024年より、商号・理念体系を新たにしました。新商号artience(読み方:アーティエンス、英語表記artience Co., Ltd.)は、「art」と「science」を融合した言葉です。artは色彩をはじめとした五感や心への刺激に加え、リベラルアーツの観点、scienceは技術や素材、合理性を表現しています。 新たな理念体系は、経営の基本的な考え方となるCorporate Philosophy(経営哲学)「人間尊重の経営」、ステークホルダーへの約束となるBrand Promise & Slogan(ブランドプロミス&スローガン)「感性に響く価値を創り出し、心豊かな未来に挑む」「Empowering Feeling」、社員の活動の拠り所となるOur Principles(行動指針)から構成されています。この理念体系の中で、持続的に輝き続ける未来のために人々が心豊かに暮らすことのできる社会を実現したいという「存在理由」、さまざまな技術や発想をつなぎ社会が抱える課題を解決に導くために、自社だけではなくパートナーと協業しその力を組み合わせることで人々の心を充たす美しさ・快さ・安心を届けるという「私たちの役割」を明確にし、我々が今後世界に提供していくべき価値を「感性に響く価値」と定義いたしました。 当企業グループは新たな理念体系のもと、強みとすべくartとscienceを融合し磨き上げ、目で見えること、触れて感じること、あるいは製品の品質を通じて感じることなど、人々の感性に響く価値を創り出し、心豊かな未来の実現に貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標 前中期経営計画においては、コロナ禍や急速な原材料高騰、ウクライナ紛争の長期化など大きな環境変化のなか、LiB用CNT分散体の事業の立上げなど今後の成長に向けた取り組みが進捗した一方で、既存事業の収益力やキャッシュフローなど業績・経営基盤には課題が残る結果となりました。 この様な状況下、社会から求められる価値の変化に対応し、「感性に響く価値」を提供し、心豊かで持続可能な社会に貢献する会社となるべく、artience株式会社と商号を変更するとともに、その目指す姿の実現に向けて新しい中期経営計画を策定しております。 当企業グループが成長の軌道に乗り、市場での存在感を発揮していくために、“GROWTH”を柱に、強い覚悟を持って変革を進めてまいります。 当企業グループは2029年12月期にROE10.0%以上を目標として掲げ、その過程として2026年12月期にROE8.0%以上を目標とします。2026年12月期の売上高は3,600億円、営業利益は230億円を計数目標としております。 マテリアリティとしては、事業ポートフォリオの変革、資本効率とキャッシュフローの最大化、そして企業基盤構築とサステナビリティ経営実践を掲げております。 (3) 中長期的な経営戦略 artienceとしての新たな理念体系のもと、変革を実践していく計画として、2030年をゴールとした経営計画artience2027/2030“GROWTH”を策定しております。本期間を通じて、「事業ポートフォリオの変革」「資本効率とキャッシュフローの最大化」「企業基盤構築とサステナビリティ経営」に取り組んでおります。2024年からの3年間をartience2027(2024年~2026年)とし、3つの基本方針「高収益既存事業群への変革」、「戦略的重点事業群の創出」、「経営基盤の変革」に基づき、変革へ向けた取組みを進めております。 「高収益既存事業群への変革」では、当企業グループの既存事業を、成長事業、収益基盤事業、構造改革・戦略再構築事業に分類し、それぞれの位置付けに応じた戦略を推進することで事業ポートフォリオの変革を進めてまいります。成長事業の拡大へ集中する一方、収益基盤事業の効率性・生産性の向上を通じた収益力の強化を図ります。また、構造改革・戦略再構築事業については、大胆な施策による構造改革の断行や、成長軌道を描くことが可能な事業については、新たな戦略を策定し、変革を実行してまいります。 「戦略的重点事業群の創出」では、リチウムイオン電池用材料、ラミネート接着剤をはじめとするモビリティ・バッテリー分野と、液晶ディスプレイ用カラーレジストや光学用粘着剤、イメージセンサー用材料を含む半導体関連材料などのディスプレイ・先端エレクトロニクス分野の2つの領域にグループの資源を集中し、新たな収益の柱となる事業群を創出してまいります。また、2030年以降を見据え、環境・バイオ・エネルギーを次世代事業と位置付け、事業の領域拡大や創出へ向けた取り組みを進めてまいります。 「経営基盤の変革」では、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を基本とした経営資源の強化に取り組みます。その中でも、変革の起点と考える人的資本の強化や風土の醸成、資本コストを意識した経営のための基盤強化へ特に注力してまいります。また、DXの推進においては、AIの実践展開とともに情報セキュリティの強化を進めてまいります。さらに、環境課題を始めとした社会的責任への対応を進め、目指す姿の実現を支える経営基盤の変革を進めてまいります。 (4) 対処すべき課題 新中期経営計画「artience2027」の3年目となる次期連結会計年度では、各事業を以下の通り推進してまいります。 色材・機能材関連事業では、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、中国現地企業との合弁会社により確立した生産体制を起点に、市場ニーズへの対応力を高め、シェア向上へ取り組んでまいります。光半導体材料は、堅調な拡大基調を継続するとともに、当該事業において蓄積した知見を基に、次世代技術の開発や当社グループ内の関連材料との連携による用途展開を進めてまいります。車載用リチウムイオン電池材料は、事業環境を見据えて柔軟な対応を図ることで適切な生産体制を維持しつつ、中国大手向けの本格生産、ハンガリーでの新規顧客への供給など、着実に実績を積み上げてまいります。また、負極用やLFMP用の導電助剤への展開に加え、車載以外にもESS用への検討など、製品構成拡大により収益機会の多様化を進めます。並行して、全固体電池など次世代技術の開発も推進してまいります。 ポリマー・塗加工関連事業では、粘接着剤において、顧客ニーズをとらえた新製品の開発や生産革新を進め、収益力の向上に取り組んでまいります。特に、ディスプレイ用光学粘着剤は、生産能力の増強やサプライチェーンの最適化により、さらなる事業の拡大を図ってまいります。缶用塗料は、グローバルの拠点間ネットワークを強化してシナジー創出を加速してまいります。先端エレクトロニクス関連材料は、実績化が進む半導体関連製品を着実に拡大させるとともに、市場の要求をとらえた機能製品群の拡張を図ってまいります。 パッケージ関連事業では、海外市場の成長取り込みと、国内市場での収益基盤の強化を進めてまいります。トルコで稼働させた新工場を地域の中核拠点とし、リキッドインキに加え、ラミネート接着剤についても事業の拡大を進めます。インドでは、市場成長を着実に取り込むとともに、生産能力増強へ向けた投資を進めてまいります。中国では、複数拠点の生産・販売・技術の新体制のもと事業の成長を加速させてまいります。国内市場では、省人化、自動化による効率化投資により収益基盤の強化を図ってまいります。また、環境対応製品群の開発や拡充を進め、顧客ニーズを先取りしたマーケティング活動を進めてまいります。 印刷・情報関連事業では、海外での機能性インキ(UVインキ、金属インキ、スクリーンインキ)の拡販を進めてまいります。特にUVインキについては、当社独自素材による差別化製品のグローバル展開や、省エネニーズをとらえたUV及びLEDインキの拡販に取り組みます。加えて、高級紙器向けの機能性コーティング剤のさらなる拡大を進めてまいります。また、国内の情報系印刷市場の縮小は今後も継続する前提のもと、共同物流の拡大なども含めた更なる効率化を進めてまいります。 このような事業活動に加え、持続可能な経営の実践につながる経営基盤の強化を進めてまいります。特に、根幹となる人的資本については、グローバルでの事業戦略に連動した人材の確保・育成や生産性向上につながる諸施策を進め、更なる強化を図ってまいります。DE&Iの推進やビジネスアイデアコンテストの実施など、エンゲージメント向上や挑戦する風土の醸成を図ってまいります。一方、ROIC等の指標に基づいた成長事業への資源配分や既存事業の改善活動に取り組む等、資本効率性の改善に向けた取り組みを進めてまいります。さらに、サステナビリティビジョンasv2050/2030や新たに設定したマテリアリティに基づき、環境課題を始めとした社会的要請に応える取り組みを継続してまいります。事業活動や経営基盤のあらゆる領域へのAI活用を加速させ、製品開発やオペレーションの変革を推進するとともに、生産性の向上や生産の持続性の確保に向けて、DXを活用したスマートファクトリー化をすすめ、情報セキュリティに関わる取り組みも強化してまいります。新CIと理念体系に基づく新たなブランドの浸透を一段と進めてまいります。
事業等のリスク10,723字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3 【事業等のリスク】 1.重要リスクの選定プロセス 当社は、リスクマネジメント担当役員のもと、リスクマネジメント部会がグループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理しております。また、当企業グループの各社・各部門では、日常業務に潜むリスクを洗い出して評価・検討し、対策を実施しております。 2.当企業グループのリスクマネジメント体制及び運用状況 リスクマネジメント部会では、各リスクを発生の頻度(発生可能性)と損害の重大性に基づき評価したうえで、重要リスクを選定し、リスクマップを作成して全社で共有しております。重要リスクについては取締役会に報告するとともに、リスク低減のための活動の進捗と達成度を部会で確認しております。重要リスクが発生し、当企業グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼすおそれが生じた場合は、緊急対策本部を設置し対応を図ってまいります。 参考:リスクマネジメント体制(2025年度) 参考:重要リスクの評価基準 参考:グループ共通の重要リスクに係るリスクマップ (注)本リスクマップは、当企業グループで想定される代表的なリスクが発生する可能性とそれによって生じる損害の重大性を示しております。 3.事業等のリスク 上記リスクマネジメント活動を通じて経営者が当企業グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 (1) 事業セグメント固有のリスク ①色材・機能材関連事業 当企業グループにとって、有機顔料の合成技術は原点の一つです。また、インキや塗料の製造で培われた分散技術は、着色するという用途を大きく越え、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料やカーボンナノチューブを応用した新たな分散体の開発などにも展開しております。 顔料事業においては、国内印刷市場の構造的不況のなか、印刷インキ用顔料の需要が縮小するリスクがあり、売上高及び利益の低下を招く可能性があります。そのため、需要が安定した食品包装用途や高収益分野への展開を図ること、及び生産面の整備により事業リスクへの耐性を高めてまいります。 着色事業においては、廃プラスチック問題など環境意識の高まりに伴う需要減少のリスクがありますが、このような変化をチャンスと捉え、リサイクル対応製品、生分解性製品など環境調和型製品の開発に加え、高機能製品の拡販によって持続可能な社会に貢献するとともに、事業リスク低減に取り組んでまいります。 モビリティ・バッテリー事業において、当企業グループは車載用リチウムイオン電池材料であるCNT(カーボンナノチューブ)分散体を生産、供給しております。電気自動車(EV)市場は成長が鈍化しており、今後の需要拡大が遅延するケースや、関連する規制や政策等が変更されることがありえますが、このような場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当企業グループとしては市況変化を迅速に捉えつつ、製品開発をタイムリーかつ網羅的に行うこと、また設備投資を段階的に行うことで市場の要求に的確に応じる体制を整えます。これによりリスク低減を図ってまいります。 表示材料事業においては、ディスプレイや半導体関連の市況変動の影響を大きく受けるほか、一部原材料の調達・価格高騰リスクを抱えるなか、一極化が顕著な中国市場での競争力向上を重点課題に、差別化製品の開発と拡販戦略の強化、及びコストダウン施策等の推進により、業績向上と事業リスク低減を目指してまいります。 ②ポリマー・塗加工関連事業 当企業グループでは、ポリマー・塗加工の技術を活かし、パッケージ、自動車、エレクトロニクス、エネルギー、メディカル・ヘルスケアなどの幅広い分野に製品を展開しております。 当事業の原材料の多くは石油由来であり、環境保全を目的とした各国の規制や社会要請などにより使用の制約を受け、売上高等が変動する可能性があります。社会生活に必要な最終製品の材料供給者としての責任を果たすべく、現行品の機能を確保する環境調和型製品の開発と代替を進めてまいります。 エレクトロニクス市場向け材料については、スマートフォンのように、毎年、最終製品の仕様が変わるなか、その採用可否により売上高や利益が変動する可能性があります。品質・コスト面などの優位性を高めることでの採用確度の向上や、使用先の拡大などにより、リスク低減に努めております。 メディカル・ヘルスケア市場向け材料については、研究開発に相応の時間と費用を必要とし、製品上市の計画が遅延、変更、中止となる可能性があります。また、医薬行政の動向を受けた関連法規の改変や公定価格の変動が、売上高や利益に影響を及ぼす可能性があります。開発のパイプラインを増やすとともに、ヘルスケア粘着剤や周辺材料など事業の裾野を拡げてリスク分散に取り組んでまいります。 ③パッケージ関連事業 当企業グループでは、パッケージ分野の様々なニーズに応える多様な製品を提供しております。特に安心・安全が求められる食品包装の分野では、環境対応製品であるバイオマス製品の販売拡大を行っております。また更なる環境負荷低減に貢献できる様にインキの水性化にも力を入れて取り組んでおります。 パッケージ関連事業においては、廃プラスチック問題など環境意識の高まりによって、パッケージの構成変更に伴うフィルム用インキの消費需要が落ち込み、売上高及び利益の低下を招く可能性があります。市場や環境の変化をチャンスと捉え、紙化や減層化に寄与する機能性バリアコート剤などの製品開発を強化、またパッケージのインキ消費量を保ったままリサイクル性を向上させる為、使用後のパッケージを剥離し、インキを取り除く脱墨技術開発、仕組みづくりなどを進め、リスク分散に取り組んでまいります。 ④印刷・情報関連事業 当企業グループでは、原材料の顔料や樹脂から最終製品までを一貫生産できる強みを活かし、環境調和型製品や高機能のUVインキなど多様な製品の開発に注力しております。印刷・情報関連事業においては、デジタル化に伴う情報系印刷市場の縮小により、売上高及び利益の低下の進展が早まり、また、印刷市場を取り巻く環境の変化に伴う顧客や取引先の経営状況によっては、売上債権の回収に影響を及ぼすリスクがあります。そのため、経済情勢の変化や信用不安の兆候を早期に把握できるよう情報収集と与信管理を徹底してまいります。経営資源を成長分野に弾力的にシフトするとともに、事業効率を徹底的に高め、市場環境への適合を進めてまいります。 (2) グループ共通の重要リスク ①海外活動に潜在するリスク(発生可能性:4 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更 ・社会的共通資本が未整備なことによる企業活動への悪影響 ・急激なインフレ ・不利な政治的要因の発生 ・テロ、戦争などによる社会的混乱 ・予期しえない労働環境の急激な変化 これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難でありますが、当企業グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策) 当企業グループにおいては、各国の経済動向やその他リスクの影響を受けづらい収益構造とするために、世界各国における事業展開の促進や事業分野のバランスの向上、リスクに対して柔軟に対応できるSCM(サプライチェーンマネジメント)の構築、固定費や原材料費等の変動費の削減を行い、そのリスクを最小化するための対策に努めております。 ②システム障害、サイバー攻撃による情報セキュリティ侵害に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・システム障害による業務停止 ・サイバーセキュリティインシデント 当企業グループでは、事業を展開する上で、国内外の拠点をはじめ取引先やクラウドサービス事業者等のシステムとネットワークで接続しており、当企業グループ及び取引先の機密情報や個人情報などの秘密情報を保持しております。このため、システム障害による業務停止のほか、ランサムウェアをはじめとするマルウェア攻撃、生成AIを悪用した高度なサイバー攻撃、及びクラウド環境の判定不備等による情報漏洩、滅失または毀損のリスク増大が懸念されます。 このような事案が発生した場合は、ノウハウの流出または逸失による競争力の低下やブランド毀損、企業価値の低下、信用の失墜に加え、当企業グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策) 当企業グループでは、システムの安全かつ安定的な稼働を維持するとともに情報の保全に努めるため、重要なシステムについては冗長化や定期的なバックアップを実施しています。またセキュリティインシデントに迅速に対応するためのチーム(artience-CSIRT※)を設置して経営関与でのセキュリティ対応体制を整備しており、ランサムウェアやセキュリティ侵害に対する情報管理強化と社員教育を通じた人的リスク低減に努めております。加えて、サーバ機器の不具合やセキュリティ強化として技術的な対応・対策を行うほか、様々なリスクを想定したシステムBCP対策の再構築と、被害を最小限に抑制するためのコンティンジェンシープランの策定に努めております。 ※CSIRT:Cyber Security Incident Response Teamの略称 ③製品の品質・物流に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・製品の品質に起因する事故、またはクレームの発生 当企業グループでは、品質保証体制の強化を図っておりますが、製品の品質に起因する事故、あるいはクレームが発生した場合、当企業グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当企業グループが支払う損害賠償金が製造物責任賠償保険で全額補償される保証はありません。 ・物流事業者の経営環境変化への対応 自動車運送事業における時間外労働規制やドライバー不足により輸送力の低下や、荷役・荷待ち時間の短縮と積載効率増大を目標とする物流効率化法の実施により、長距離輸送の依頼が難しくなる、輸送スケジュールの見直しが必要となる、物流コストが増大するといったリスクが高まっています。 (リスクに対する対応策) 当企業グループでは、引き続き、品質や安全に関する法的規制の遵守に努めるとともに、製品の性能向上やお客様の安心・安全に貢献する製品開発を継続して進めることでさらなる満足度向上と信頼を得ることにより、リスク低減に取り組んでまいります。 物流面では、かねてよりホワイト物流に参画し、物流網・物流拠点最適化を進めております。引き続き、配送や荷受けの最適化、納品リードタイムの緩和や、納品先での待機時間の短縮、附帯業務の軽減など、お客様のご理解とご協力をいただきながら、サプライチェーン一体となって物流事業者の負担軽減を図り、重要な社会インフラである物流の維持・改善に取り組んでまいります。 ④自然災害・感染症等に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・大規模地震や大雨等の自然災害や国内外における感染症の大流行(パンデミック)等による、原材料の調達困難化、生産活動への支障、世界的な消費活動の停滞、サプライチェーンの物流機能の停滞などに伴う供給不能 (リスクに対する対応策) 大規模地震や大雨等の自然災害、並びに国内外における感染症の大流行(パンデミック)は、いったん発生すると当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があり、建物や生産設備等をはじめとする資産の毀損、従業員の出勤不能、電力・水道の使用制限、原材料の調達困難、物流機能の停滞などにより供給能力が低下し当企業グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対応するため、以下の措置を講じております。 ・各拠点における防災訓練の実施 ・事業継続計画(BCP)の策定(緊急事態発生時の対応フロー、代替生産体制等を規定) ・リスク評価と対応体制の整備(主要拠点の代替施設検討、サプライチェーン多重化等) ⑤原料調達に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・市況変動、天災、事故、政策などによる原材料の仕入価格高騰や供給不足 ・調達先からの原材料供給の遅延/停止による当社製品の生産遅延もしくは停止、及びそれに伴う取引先への供給不履行と損害賠償などの発生 当企業グループ製品の主原料は石油化学製品であるため、仕入価格及び調達状況は、原油・ナフサなどの市況変動、天災、事故、政策などに影響を受けます。特に当連結会計年度においては、ロシア/ウクライナ紛争の長期化、イスラエルのパレスチナ侵攻などによる安定供給への懸念が続き、また、電力等のエネルギーコスト急上昇、さらには、水不足によるパナマ運河通航量低下、商業船攻撃対応によるスエズ運河回避などにより、多くの原料で入手困難、価格高騰、及び、納期遅延等のリスクが顕在化しました。仕入価格の上昇につきましては、当企業グループの製品が使用される消費財は、市況価格及び供給責任の面からも、販売価格への転嫁には時間を要するため、当企業グループの売上高及び利益に影響が生じました。また、原料が入手困難となるリスクにつきましては、顧客への製品供給不履行による損害賠償に発展するおそれがあり、その賠償金額によっては財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策) 上記のようなリスクを回避すべく、メーカー特性に応じた購買戦略策定のもと、市場環境、需要予測、想定市況価格といった多面的な視点を原料調達に反映させ、最適価格での購入を進めるとともに、在庫確保などによる製品の安定供給のための原料調達を進めております。また、新規購入先の開拓ならびに購入先との関係強化に日々努めながら、当企業グループにとって影響のある情報をいち早く入手し、様々なリスクに速やかに対応することで、当企業グループの業績に与える影響を低減・抑制することに努めております。 ⑥為替の変動に関するリスク(発生可能性:4 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・急激な為替変動 当企業グループは世界各国で事業を展開しており、海外連結子会社の財務諸表項目は連結財務諸表作成のために円換算されますが、急激な為替変動によって当企業グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、輸出入等の外貨建て取引においても、同様の可能性があります。 (リスクに対する対応策) 当企業グループは、為替予約、外貨建て債権の回収期間の短縮化、外貨建て債権債務のバランス化等によって、為替相場変動リスクの抑制に努めております。 ⑦一般的な法的規制、法令違反に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4) (代表的なリスク) ・独占禁止法をはじめとした各種競争法違反 ・PRTR、外為法改正への対応不備 ・品質不正 ・国内外の法規制の変更や、それに伴う市場の変化 ・環境問題や製造物責任をはじめとする当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟紛争 (リスクに対する対応策) 当企業グループは、事業活動に関わる一般的な法的規制の適用を、事業展開する内外各国において受けております。これらの遵守のためサステナビリティ委員会の傘下に専門部会であるESG推進部会、コンプライアンス部会、リスクマネジメント部会を設置・運用し、事業活動に関わる法的規制を調査、抽出するとともに、適法・適正な事業活動を確保するため、製造・販売・研究開発の各活動領域における業務プロセスの検証や見直し、社内規程の整備、関係者への教育などの必要な施策を展開しております。また、財務報告の適正性確保のための内部統制システムの整備と運用の確保に努めております。 ⑧環境負荷発生のリスク(発生可能性:4 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・国内外の環境法規制の変更や厳格化、それに伴う市場の変化 ・環境負荷の低減や公害防止管理の対応遅れによる費用の増加 ・社会的な環境対応要請(脱プラスチック、リサイクル推進、カーボンニュートラルなど)に対する追加投資、事業形態の変更 (リスクに対する対応策) 上記リスクに対して、適切に対処し、積極的な開示を行うことで長期的には社会的信頼が高まり優位性を得る可能性もあります。当企業グループとしては、長期の経営計画の中で製造工程の見直しによる使用エネルギーやCO2の排出削減、化学物質の管理強化やシステム化、製品の脱VOC(揮発性有機化合物)化、マテリアル・ケミカルリサイクルを含んだリサイクル・リユースによる廃棄物削減など様々な施策に取り組んでおります。 ⑨気候変動に関するリスク(発生可能性:4 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・国内外の気候変動に関する規制の厳格化や、それに伴う市場の変化及び機会の損失 ・CO2排出量削減など社会的な要請に対する対応の遅れによる評価・信用の毀損、対応のための費用増加 (リスクに対する対応策) 当企業グループは、上記のような気候変動の可能性に対して適切な対応を図り、経営計画や事業計画に反映させていくため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に準拠した全社的な対応活動を推進し、サステナビリティ委員会及びESG推進部会を実務中心とした気候変動対応ガバナンス体制の構築と運用、気候変動によって生じうるリスクと機会の特定・分析、施策の立案と経営・事業主体に向けた提案、グループ社員に向けた啓発と情報共有、そして、投資家をはじめとする社外ステークホルダーに向けた適切な情報開示などに取り組んでおります。 ⑩一般的な債権回収に関するリスク(発生可能性:4 損害の重大性:2) (代表的なリスク) ・顧客の経営状況の悪化による売上債権などの回収困難 (リスクに対する対応策) 当企業グループは、与信情報等を参考に、営業現場からの定性的情報も加味することで、顧客の与信リスクを定期的に見直し、それに応じた債権保全策を実施するなど与信管理の強化に努めてまいります。 ⑪固定資産の減損に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:4) (代表的なリスク) ・経済条件の変化や事業の見直しなどによる固定資産の減損 (リスクに対する対応策) 当企業グループでは、製造設備をはじめとした多額の固定資産を保有しており、重要な設備投資に対しては、事業戦略、市場動向、技術、生産性、投資金額及び投資計画の妥当性について事前に投融資マネジメント会議で審査を行ったうえ、グループ経営会議や取締役会で審議しております。また、各事業で減損の兆候がみられる場合には、速やかに対策を講じ、収益を改善させることに努め、リスクの低減を図っております。 ⑫人材不足に関するリスク(発生可能性:3 損害の重大性:2) (代表的なリスク) ・社会環境変化による人材不足(人材確保の困難性) (リスクに対する対応策) 当企業グループでは、社員の定着・業務効率化・人材の獲得により、人材不足への対応を図っております。定着においては、DE&Iの推進、待遇の改善、人材育成の強化等に取り組み、全社員が働きやすく、働きがいのある職場づくりを進めております。業務効率化においては、生産・営業・技術・管理のあらゆる部門にてDXの導入をはじめとする業務変革を進めております。人材獲得の面では、新卒、キャリア(経験者)採用強化のほか、アルムナイ採用やリファラル採用を導入する等、多様な採用手法を取り入れ、人材確保を進めております。 (注)1 アルムナイ採用とは、何らかの理由で自社を退職した人を再雇用する採用手法のことであります。 (注)2 リファラル採用とは、自社の社員をはじめ社内外の信頼できる人脈(友人・知人)を介した採用活動・採用手法のことであります。 ⑬人権に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4) (代表的なリスク) ・当企業グループや当企業グループのサプライチェーン上での人権問題による社会的信頼の低下や取引停止 ・当企業グループや当企業グループのサプライチェーン上での人権問題に起因する訴訟紛争 (リスクに対する対応策) 当企業グループは、「人間尊重の経営」をCorporate Philosophy(経営哲学)に掲げており、当企業グループの事業活動においてその影響を受けうるすべての人びとの人権を尊重すべく、「人権の尊重に関する基本方針」を定め、国内外の拠点に周知しております。また、サプライチェーンも当社の社会的責任の範囲ととらえ、人権尊重のための取り組みをサプライチェーンと共同して推進しております。 ⑭腐敗行為に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4) (代表的なリスク) ・当企業グループの役職員による贈収賄、背任、利益相反等の腐敗行為 ・腐敗行為に起因する不適切な会計処理 ・腐敗行為に伴う法的制裁、罰金、刑事責任 ・腐敗行為に伴う社会的信頼の低下、ブランド毀損 当企業グループは、世界各国で事業を展開しており、各国の腐敗防止規制の適用を受けております。腐敗行為への関与が明るみになった場合、多大な罰金、刑事責任、事業許認可の取消し等を招くほか、社会的信頼の著しい低下により、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策) 当企業グループは、「腐敗防止に関する方針」の策定と「倫理行動規範」への明記により社内周知を図るとともに、コンプライアンス強化月間での研修実施と秘密保護・報復禁止を徹底したコンプライアンスオフィス(内部通報制度)の運用により、役職員による腐敗行為の防止に努めております。また、調達基本方針とサステナブルサプライチェーンガイドラインで贈収賄や不正利益供与等を禁止することで、サプライチェーン全体における腐敗防止体制を整備しております。 ⑮サプライヤーのコンプライアンス違反(人権以外)に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4) (代表的なリスク) ・サプライヤーによる法令違反、腐敗行為、環境規制違反等 ・サプライヤーのコンプライアンス違反に伴う当企業グループの社会的信頼の低下や取引停止 当企業グループは、サプライチェーン全体における適法・適正な事業活動を確保することが重要と認識しております。サプライヤーが法令違反、不正行為、環境基準違反等に該当する場合、当企業グループの信用毀損、取引先からの信頼喪失、さらには財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策) 当企業グループは、調達基準と行動規範の明文化・周知、及び主要サプライヤーに対する定期的なコンプライアンス監査と評価を実施することで、サプライヤーの適法・適正な事業活動を確保しております。さらに、問題認識時の対話と改善支援、新規サプライヤーの事前審査を通じて、サプライチェーン全体のリスク低減に取り組んでおります。 ⑯労働安全衛生に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:4) (代表的なリスク) ・職場における重大な労働災害の発生 ・労働安全衛生法違反に伴う行政処分、刑事責任 ・労災事故に伴う損害賠償請求、企業評価の低下 当企業グループは、化学品の製造、加工等を行う事業特性から、労働災害のリスクを抱えております。重大な労働災害が発生した場合、従業員の生命・健康が脅かされるとともに、労働安全衛生法違反に伴う罰金・刑事責任、損害賠償請求、さらには社会的信頼の低下により、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策) 当企業グループは、「労働安全衛生に関する基本方針」の中で「職場における労働安全衛生を持続的に向上させるために、法令遵守と国際規範尊重を前提とした、安全操業・保安防災・衛生管理に努める」としており、事故防止のために必要な最善を尽くし、建築物や設備等の安全対策を図っております。また、安全の根幹である「労働安全衛生に関する基本方針」を高いレベルで確保するため、各事業拠点にそれぞれの事業活動内容に即した労働安全衛生マネジメントシステムを構築し、リスク管理に基づく安全衛生活動を積極的に行っております。 ⑰知的財産に関するリスク(発生可能性:2 損害の重大性:3) (代表的なリスク) ・当企業グループによる他社の知的財産権侵害に起因する、差止請求、損害賠償請求等の訴訟 ・当企業グループの知的財産(特許、商標、著作物、営業秘密等)の盗用、無断利用 ・模倣品の流通による売上減少及びブランド価値毀損 ・従業員による知的財産の不正な持ち出し、競合他社への流出 ・知的財産管理の不備による権利喪失 当企業グループは、化学品の製造、加工等を行う事業特性から、知的財産権侵害のリスクを抱えております。他社の知的財産権を当企業グループが侵害した場合は、差止請求、損害賠償請求等の訴訟を提起され、製品の供給責任を果たせなくなるリスクに直面し、当企業グループに対する信頼性が低下します。一方、当企業グループの知的財産権が他社により侵害された場合は、事業における競争優位性が失われ、さらには財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策) 「倫理行動規範」の「公正・健全な事業活動」の中で会社の資産を適切に管理・利用することとし、知的財産権、情報、ブランドなどの資産について適切な管理・活用に努めております。自社の知的財産を保護するとともに、他社の知的財産権を尊重し、事業戦略、開発戦略と連動した知的財産活動を推進します。
経営成績の分析 (MD&A)9,667字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 (単位:百万円) 売上高   営業利益   経常利益   親会社株主に帰属する当期純利益 2025年12月期   349,979   20,765   20,888   10,340 伸長率(%)   △0.3   1.7   △0.6   △44.2 2024年12月期   351,064   20,414   21,008   18,540 当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策による影響がみられた中で、中国など一部の地域においては足踏みがみられたものの、国内や東南アジアでは景気は緩やかな回復基調となり、インドでは景気の拡大が続きました。また、重点開発領域として位置付けているバッテリー関連事業においては、世界的にEV市場の拡大スピードが鈍化したことで、当社グループの戦略も大きな影響を受けました。 このような環境のなか、当企業グループは次の3つを経営方針として掲げ、経営活動を行ってまいりました。 第一の方針である「高収益既存事業群への変革」については、成長事業として位置付ける海外の包装関連分野では、トルコでリキッドインキや接着剤の新工場が稼働したほか、インドではリキッドインキの生産能力増強を決定し、中国では生産拠点の再編を行いました。タイでは、経営統合によるシナジーの最大化により、缶用塗料が堅調に推移しました。デジタル印刷市場の成長に伴うインクジェットインキの伸長に関しては、顧客での在庫調整を受け一部停滞が見られたものの、昨年並みに推移いたしました。環境意識を背景として脱プラスチックに寄与する機能性コーティング剤は好調に推移した一方、省エネルギー対応のUV及びLEDインキの販売は、出版市場の低迷により安価品の需要が増加したことでセールスミックスの悪化が見られました。 収益基盤事業として位置付けるプラスチック用着色剤は、太陽電池用途の在庫調整により海外が減少した一方、国内はコストダウンと価格の改定を進めました。同じく原材料費や運搬費等の費用増加がみられた国内の接着剤やリキッドインキは、品種統合による効率化やコストダウン、営業体制の再編を推し進めることで利益を確保したほか、主力の埼玉製造所において生産効率化のための投資を決定いたしました。国内のオフセットインキは、情報系印刷市場の縮小が継続する中で、生産や物流面のアライアンスを更に進め、サプライチェーンの効率化を推進し採算改善を図りました。 第二の方針である「戦略的重点事業群の創出」については、ディスプレイ・先端エレクトロニクス関連事業で、液晶ディスプレイ市場の中国へのシフトが一段と加速する中、中国にて現地パートナーとの合弁会社を設立し、カラーフィルター用材料の現地供給を開始したほか、CMOSイメージセンサーなどの光半導体材料の拡販も進めました。また、ディスプレイ用粘着剤の中国市場向けの拡販が大きく伸長し、供給体制の再整備に着手いたしました。半導体関連分野では、封止材料として絶縁保護シートが伸長したほか、低誘電樹脂材料が新たに採用されました。 モビリティ・バッテリー関連事業では、車載用リチウムイオン電池材料が、世界的なEV市場の鈍化により各拠点で出荷が停滞しました。北米で2拠点目となるケンタッキー州での車載用リチウムイオン電池材料の新工場においては、稼働時期を延期することとし、ハンガリーでは2社目の供給に向けた設備増強が完了しましたが、市場動向に合わせて事業計画を修正したことにより、それぞれ減損の認識が必要となりました。このほか、負極材用や全固体電池向けなどの新規用途の開発も継続して進めましたが、全体的に投資金額と時期の見直しを行い、資金をM&Aなどの戦略投資に活用することといたしました。 第三の方針である「経営基盤の変革」については、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点に基づいた経営資源の強化に取り組み、サステナビリティビジョンasv2050/2030に基づいて作成した新マテリアリティの社内外への周知・浸透を推進したほか、国内外で再生エネルギー由来電力の導入や太陽光発電設備の追加導入をすすめ、サステナビリティ経営を着実に推進しました。 また、人的資本強化のため、昨年初めて実施したエンゲージメント調査を、東南アジア全社を対象として含めて実施し、課題の解決に向けた拠点との対話を進めたほか、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の観点も重視した施策を実践しました。このほか、主体的なキャリア自律・成長により、社員一人ひとりの力が最大限に発揮される、挑戦を促す新人事制度「artience HR CANVAS」を導入しました。このほか、商号変更と理念体系の刷新に伴うCI浸透の活動に関しては、CEOが拠点を訪問して、座談会形式で社員と意見交換をする会を引き続き開催しました。また、社員の挑戦と成長の促進、挑戦する風土を醸成するとともに、イノベーションを創出するため、本社内に素材分野に特化したグローバル共創拠点である「Incubation CANVAS TOKYO」を開業いたしました。 AI活用を含むDXの推進に関しては、技術開発や生産革新への活用を進めたほか、「生成AIネイティブ500」を掲げ、2027年までに500名のデジタル中核人材を確保すべく、人材育成を進めました。このほか、導入した統合基幹業務システムにより各種業務の効率化やグローバル調達の拡大を進めると共に、サイバーセキュリティなどのリスク対策なども進めました。 資本効率性向上や株価を意識した経営への取り組みに関しては、ROEの目標値を2026年度末で8%へと引き上げ、ROICの全社導入、CCC改善による運転資金の圧縮、保有株式の縮減と自己株式の取得を進めました。また、ガバナンスの強化のため、経営経験のある独立社外取締役を増員し、IRや SR活動を通じた株主との対話を継続させ、経営施策への反映に取り組みました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,499億79百万円(前期比0.3%減)と減収になりましたが、営業利益は207億65百万円(前期比1.7%増)の増益となりました。また、経常利益は208億88百万円(前期比0.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失の計上もあり103億40百万円(前期比44.2%減)と、それぞれ減益となりました。 セグメントごとの経営成績につきましては、次のとおりです。 売上高   営業利益 セグメントの名称   前連結 会計年度(百万円)   当連結 会計年度 (百万円)   増減率 (%)   前連結 会計年度(百万円)   当連結 会計年度 (百万円)   増減率(%) 色材・機能材関連事業   86,089   84,304   △2.1   3,367   2,254   △33.1 ポリマー・塗加工関連事業   88,518   90,305   2.0   7,151   8,292   15.9 パッケージ関連事業   91,527   92,499   1.1   5,413   5,464   0.9 印刷・情報関連事業   83,325   80,994   △2.8   4,885   4,528   △7.3 その他   5,805   5,712   △1.6   △381   313   - 計   355,267   353,818   △0.4   20,436   20,853   2.0 調整額   △4,202   △3,838   -   △22   △87   - 連結   351,064   349,979   △0.3   20,414   20,765   1.7 a. 色材・機能材関連事業 液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、中国で大型パネル用が補助金政策効果等で前半に需要の増加が見られたものの、台湾ではパソコン用など中小型パネル向けの出荷低調が続いたことに加え、国内のパネルメーカー撤退もあり販売は減少しました。光半導体材料は、中国でスマートフォン向けに販売が拡大しました。 プラスチック用着色剤は、国内では飲料キャップ用が堅調で、コストダウンや価格改定による効果もあり損益が改善しました。海外では、前期に好調であった太陽電池用や自動車用の低調が続きました。 車載用リチウムイオン電池材料は、EV市場の成長鈍化により低調に推移しました。顧客開拓や次世代製品開発を継続して進めましたが、中国拠点稼働や製品開発に伴う費用増などを補うには至りませんでした。インクジェットインキは、顧客での在庫調整や競争環境の激化による影響を大きく受けましたが、前期並みに推移しました。 これらの結果、当事業全体の売上高は843億4百万円(前期比2.1%減)、営業利益は22億54百万円(前期比33.1%減)と、減収減益になりました。 b. ポリマー・塗加工関連事業 塗工材料は、導電性接着シート等の機能性フィルムが、スマートフォンの新モデル向けの増加や中国での拡販により、好調に推移しました。また、半導体関連材料については開発品の採用が拡大しました。 粘着剤は、国内では自動車向けなど工業用が堅調に推移し、中国ではディスプレイ用の需要増を取り込み大きく伸長したほか、インドでも市場開拓により販売が拡大しました。接着剤は、包装用が国内外で総じて堅調だったものの、一部地域では市況低迷の影響を受けました。工業用はリチウムイオン電池向けがEV市況鈍化もあり伸び悩みました。 缶用塗料は、国内では拡販もあり伸長し、海外ではタイを中心に、食缶用の需要が好調に推移し、飲料缶用も拡販が進んだほか、トルコでも大手顧客への拡販により伸長しました。 これらの結果、当事業全体の売上高は903億5百万円(前期比2.0%増)、営業利益は82億92百万円(前期比15.9%増)と、増収増益になりました。 c. パッケージ関連事業 リキッドインキは、国内では、パックご飯や冷食、詰替え包材向けなどの需要が堅調に推移したことに加え、段ボール用も夏季に猛暑の影響もあり飲料関連が堅調でした。また、環境対応型製品の拡販が進んだほか価格改定による効果もあり、売上高が伸長しました。 海外では、中国での消費低迷や北米での住宅市況低迷の影響を受けましたが、東南アジアやインドでは市況に支えられ堅調に推移しました。トルコでは、新工場稼働により新規顧客や周辺国への拡販が本格的に進みましたが、償却費負担も増加しました。 グラビアのシリンダー製版事業は、包装用の新版需要を確保したことや、エレクトロニクス関連の精密製版も緩やかに回復したことから堅調な販売となりました。 これらの結果、当事業全体の売上高は924億99百万円(前期比1.1%増)、営業利益は54億64百万円(前期比0.9%増)と、増収増益になりました。 d. 印刷・情報関連事業 国内では、情報系印刷市場の縮小が続き、広告、出版向けは低調に推移しましたが、カード向けの需要が増加したほか、事業ポートフォリオ変革を進めたことで、機能性コーティング剤や省エネルギー対応の高感度UVインキなどの機能性インキの販売は拡大しました。 海外では、出版や新聞向けなど情報系印刷の市場停滞に伴い中国や欧州、北米で低調でしたほか、紙器パッケージ向けの市場も東南アジアなどで弱含んだことで競争環境も厳しくなりました。 これらの結果、当事業全体の売上高は809億94百万円(前期比2.8%減)、営業利益は45億28百万円(前期比7.3%減)と、減収減益になりました。 e. その他 上記のセグメントに含まれない事業や、持株会社であるartienceによる役務提供などを対象にしています。当連結会計年度においては、売上高は57億12百万円(前期比1.6%減)と減収になり、営業利益は3億13百万円(前期は、3億81百万円の営業損失)となりました。 財政状態につきましては、次のとおりです。 前連結会計年度(百万円)   当連結会計年度(百万円)   増減(百万円) 総資産   472,787   462,600   △10,187 負債   199,033   185,379   △13,653 純資産   273,754   277,220   3,466 当連結会計年度末における総資産は4,626億円で、前連結会計年度末より101億87百万円減少しました。負債は1,853億79百万円で、前連結会計年度末より136億53百万円減少しました。純資産は2,772億20百万円で、前連結会計年度末より34億66百万円増加しました。 当連結会計年度末日の為替レートが前連結会計年度末日の為替レートに比べ円安外貨高に振れたため、海外子会社で保有する資産及び負債、為替換算調整勘定がそれぞれ増加しました。また、海外での新工場完成に伴い建物及び構築物や機械装置及び運搬具が増加し、建設仮勘定が減少しました。さらに、保有株式の株価上昇を反映し、投資有価証券及びその他有価証券評価差額金が増加しました。なお、第3回無担保普通社債を発行し、一部の借入金を借り換えており、長期借入金が増加し、短期借入金が大幅に減少しました。これに加え、自己株式の取得による支出や法人税及び配当金の支払いに伴い現金及び預金が大幅に減少しました。 ② キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(百万円)   当連結会計年度(百万円)   増減(百万円) 営業活動によるキャッシュ・フロー   26,964   27,554   589 投資活動によるキャッシュ・フロー   △10,172   △11,162   △989 財務活動によるキャッシュ・フロー   △14,975   △31,716   △16,741 現金及び現金同等物の期末残高   60,052   45,792   △14,260 当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は、前期末残高より142億60百万円減少し、457億92百万円となりました。 営業活動により得られた資金は275億54百万円(前連結会計年度比5億89百万円増)となりました。税金等調整前当期純利益の計上及び減価償却費の計上などによる資金の増加や、支払債務の減少及び法人税等の支払いなどによる資金の減少がありました。 投資活動により使用した資金は111億62百万円(前連結会計年度比9億89百万円増)となりました。有形固定資産の取得による支出などによる資金の減少や、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入などによる資金の増加がありました。 財務活動により使用した資金は317億16百万円(前連結会計年度比167億41百万円増)となりました。長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払いなどによる資金の減少や、長期借入れによる収入などによる資金の増加がありました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   生産高(百万円)   前期比(%) 色材・機能材関連事業   89,617   △5.4 ポリマー・塗加工関連事業   68,581   0.9 パッケージ関連事業   68,820   △1.8 印刷・情報関連事業   53,427   △7.1 報告セグメント計   280,447   △3.4 その他   77   △25.2 合計   280,525   △3.4 (注) 生産金額は製造原価によっております。 b. 受注実績 当企業グループにおける受注生産は極めて少なく、大部分が計画生産のため、記載を省略しております。 c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   販売高(百万円)   前期比(%) 色材・機能材関連事業   82,062   △2.3 ポリマー・塗加工関連事業   90,060   2.0 パッケージ関連事業   91,751   1.5 印刷・情報関連事業   80,974   △2.8 報告セグメント計   344,847   △0.3 その他   5,132   △0.2 合計   349,979   △0.3 (注) 1  上記の金額は、連結会社間の内部売上高を除いております。 2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 経営成績の分析 当連結会計年度の売上高は、前期比10億84百万円(0.3%)減の3,499億79百万円(期初計画 3,700億円、2025年8月8日公表修正計画 3,550億円)となりました。その内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しており、為替の影響により減収となったものの、成長・収益基盤事業のグラビアインキ、缶用塗料、機能性コーティング剤などが堅調に推移し、戦略的重点領域では、塗工材、ディスプレイ用粘着剤が伸長しました。 営業利益は、前期比3億51百万円(1.7%)増の207億65百万円(期初計画 220億円、修正計画 190億円)となりました。車載用リチウムイオン電池材料が低調に推移し、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料も前年割れとなりましたが、海外はディスプレイ向けの光学粘着剤が好調であり、成長事業がインド・東南アジアを中心に拡販が進み堅調に推移しました。国内はコストダウンと価格改定を継続し、ナフサ価格も落ち着き増益基調となるなか、リキッドインキ、顔料の寄与もありました。その結果、国内外全体で増益となりました。 経常利益は、前期比1億20百万円(0.6%)減の208億88百万円(期初計画 210億円、修正計画 180億円)となりました。「支払利息」が減少し、「正味貨幣持高に係る利得」が増加したものの、「為替差損」の発生により減益となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比82億円(44.2%)減の103億40百万円(期初計画 175億円、修正計画 155億円)となりました。EV市況の低迷を受け、米国ケンタッキー州新工場やハンガリー工場の減損損失を計上したことに加え、トルコでの税法変更により税負担が増加したこともあり、減益となりました。この結果、ROEは3.9%と一時的に低下しております。 なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 b. 財政状態の分析 財政状態の分析については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメント別の財政状態は、以下となりました。 色材・機能材関連事業の資産1,248億17百万円(前期末より64億49百万円減少)。 ポリマー・塗加工関連事業の資産1,167億37百万円(前期末より13億23百万円減少)。 パッケージ関連事業の資産1,109億12百万円(前期末より28百万円減少)。 印刷・情報関連事業の資産1,005億99百万円(前期末より10億77百万円減少)。 その他の事業の資産95億33百万円(前期末より13億7百万円減少)。 c. キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、長期借入金の返済や自己株式の取得などにより、457億92百万円と前期末と比べ減少しております。今後とも、手元資金を確保しつつも将来の成長に向けた資金運用に努めてまいります。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当企業グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料費や労務費及び製造経費をはじめ、販売費及び一般管理費、新製品創出や事業領域拡大のための研究開発活動費などにあります。また、設備投資では、成長領域や事業拡大に合わせた生産設備投資によるグローバル供給体制の強化や、統合システム整備による事業や業績のグローバル一体管理を進めています。さらには、事業拡大を目的とした各種アライアンスや、人材・技術・事業などの戦略投資についても機動的に実施してまいります。 なお、これらの資金需要につきましては、主に手元資金や営業活動によるキャッシュ・フローから創出するとともに、必要に応じて金融機関からの借入や社債発行なども実施してまいります。その結果、当連結会計年度の有利子負債残高は、666億55百万円となっております。また、CNT分散体事業の設備投資資金に充当するため、日本政策投資銀行との収益分配請求権設定契約に基づき、同行からの資金調達は65億45百万円となっております。これらに加え、国内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、当企業グループの余剰資金を効率的に運用しております。 ③ 重要な会計方針及び見積り 当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性がありますため、これらの見積りと異なる場合があります。 当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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