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日経平均64,325.64-1,890NYダウ53,020.8+254ドル円158.87-1NASDAQ26,203.91+104S&P 5007,667.95+36SOX 指数11,316.82+289/2終値

リプロセル

ReproCELL Incorporated4978 · Growth · 化学

iPS細胞の作製技術を核に、創薬研究支援から再生医療製品の開発・受託製造までを手掛けるバイオベンチャー。

概要

リプロセルは2003年創業のiPS細胞技術に特化したバイオベンチャーである。東京大学や京都大学との共同研究からスタートし、2007年には山中伸弥教授のヒトiPS細胞樹立に自社培養液が使用された。研究試薬・受託サービスを手掛ける研究支援事業と、再生医療等製品の開発・製造・臨床検査を担うメディカル事業の2軸で事業を展開する。2026年3月期の連結売上高は22億円、従業員数101名。

研究支援とメディカルの二軸構造

当社グループは事業を研究支援事業とメディカル事業に区分する。研究支援事業は大学や製薬企業向けにiPS細胞関連の研究試薬、細胞製品、受託サービスを提供し、売上高の約87%を占める短中期的な収益基盤である。メディカル事業は再生医療等製品の研究開発、受託製造(CDMO)、臨床検査サービスを手掛け、中長期的な成長の柱と位置付けられる。2026年3月期の研究支援事業売上高は19.5億円、メディカル事業は2.8億円であった。

米国・英国・インドに広がるグローバル拠点

当社は日本に本社を置き、米国子会社REPROCELL USA Inc.、英国子会社REPROCELL Europe Ltd.、インド子会社Bioserve Biotechnologies India Pvt. Ltd.など連結子会社5社で構成される。各拠点は販売・製造・研究開発の機能を持ち、時差や言語の壁なくグローバルに営業活動を展開する。米国子会社は約60万検体のヒト生体試料バンクを保有し、英国子会社はGLP準拠施設で創薬試験を受託するなど、地域ごとに強みを活かしている。

累積赤字を抱えながらも成長する売上高

上場後の売上高は2013年3月期の4億円から2023年3月期には30億円まで拡大したが、2024年3月期は24億円、2026年3月期は22億円と減少している。営業損益はほとんどの期で赤字であり、2026年3月期は営業損失8.6億円、親会社株主に帰属する当期純損失5.9億円を計上した。一方で純資産は88.5億円と厚く、研究開発投資を継続する財務基盤を有する。

RNAリプログラミング技術とヒト細胞プラットフォーム

当社の技術の中核はRNAリプログラミング技術である。これは遺伝子変異リスクを最小限に抑え、高品質なiPS細胞を安全に作製できる点が特徴である。この技術に加え、ゲノム編集技術や各種細胞への分化誘導技術、医療機関からのヒト組織調達ネットワークを統合した「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を構築。動物実験からヒト細胞実験への移行を先取りし、研究試薬・受託サービスを展開している。

業界の中での役割はiPS細胞関連の研究ソリューションを提供する研究支援企業であり、再生医療等製品の開発・製造受託(CDMO)を担う。にあたる。

この章の文章は、有価証券報告書と会社の開示をもとにAIが編纂しています。数値は開示のままで、AIには生成させていません。

売上高
22億円
営業利益
-9億円
営業利益率
-40.9%
純利益
-6億円
2026/3 通期の連結業績。決算の内訳は最新の決算以降にあります。

何をしている会社か

有価証券報告書「事業の内容」(2026/3期)より

事業別の売上と利益

2026/3
事業売上構成比利益利益率
研究支援事業20億円87.0%1億円5.0%
メディカル事業3億円13.0%0億円0.0%

有価証券報告書のセグメント情報から、外部顧客への売上とセグメント利益をそのまま掲載しています。全社費用・セグメント間取引の消去は含みません。

01研究支援(大学・公的研究機関・製薬企業)主力

大学や研究機関、製薬企業の研究所を顧客に、iPS細胞研究に必要な試薬、細胞、受託サービス、測定機器を提供。独自のRNAリプログラミング技術やゲノム編集技術を駆使した疾患モデル作製など、高難度のサービスを強みとする。

主な製品・サービス5
研究用試薬(培地、抗体、リプログラミング試薬等)
iPS細胞培養用培地、抗体、リプログラミング試薬、成長因子など。初期製品「Primate ES Cell Medium」はヒトiPS細胞作製に初めて使用された実績がある。
ヒト生体試料バンク(細胞、血液、血清)
約60万検体のヒトがん細胞、血液、血清などのバンクを保有し、製薬企業へ研究用資材として提供。カスタムコレクションにも対応。
iPS細胞作製・分化サービス
RNAリプログラミングやゲノム編集技術を用いて、患者由来iPS細胞から疾患モデル作製、遺伝子編集、各種細胞への分化誘導を実施。
創薬試験受託
ヒト組織を用いた薬効薬理試験を受託。REPROCELL Europe はGLP準拠施設を保有。
細胞測定機器
電気生理学的細胞測定機器(ナニオンテクノロジーズ社)、微生物検査用機器(インターサイエンス社)、ライブイメージングシステム(イノメ社)など、他社製品の取り扱い。

02再生医療主力

再生医療等製品の研究開発、受託製造(CDMO)、臨床検査サービスを展開。体性幹細胞製品「ステムカイマル」、iPS神経グリア細胞、TIL療法、GPC-1 CAR-T療法のパイプラインを保有。RNAリプログラミング技術による高品質iPS細胞の受託製造が強み。

iPS細胞技術で世界最先端のプラットフォームを保有

主な製品・サービス5
ステムカイマル(脂肪由来間葉系幹細胞製品)
台湾ステミネント社から導入。脊髄小脳変性症を対象に点滴投与する幹細胞製品で、国内第II相試験を完了、販売承認申請準備中。
臨床用iPS細胞(受託製造)
GMP準拠で製造される臨床用iPS細胞。FDAのDMF登録済みで、グローバルに利用可能。日米欧の3拠点体制で供給。
StemEdit™(臨床用遺伝子編集サービス)
AI設計ゲノム編集システムを基盤に、遺伝子編集iPS細胞の受託製造を提供。免疫拒絶リスクの低いユニバーサルドナー細胞作製に貢献。
パーソナルiPS
個人のiPS細胞を作製・保管するサービス。JTBと連携し販売展開。将来の疾患に備える。
ウェルミル(郵送検査サービス)
唾液でホルモンや遺伝子年齢を測定する健康検査サービス。2026年1月に「遺伝子年齢測定キット」を追加。

製品と技術

iPS細胞研究向け試薬と培養液

研究支援事業の主力製品はiPS細胞研究に特化した培養液、抗体、リプログラミング試薬、成長因子である。初期製品「Primate ES Cell Medium」は山中伸弥教授がヒトiPS細胞樹立時に使用した実績を持つ。2004年発売のNanog抗体に続き、2005年にはヒトES細胞用培養液・剥離液・凍結保存液を上市。2016年には次世代RNAリプログラミングキット「StemRNA™-NM Reprogramming Kit」を販売開始した。

iPS細胞由来分化細胞と疾患モデル細胞

当社は世界で初めてヒトiPS細胞由来の心筋細胞(2009年)、神経細胞(2010年)、肝細胞(2012年)の製造販売を開始した。さらにアルツハイマー病モデル細胞も製品化。これらの細胞は創薬研究における病態解明や薬効評価に利用される。また、患者由来iPS細胞を用いた疾患モデル作製サービスや、ゲノム編集技術を駆使したカスタム細胞作製も提供している。

再生医療パイプライン:ステムカイマルとiPS神経グリア細胞

メディカル事業の重点パイプラインの一つが、台湾Steminent社から導入した脂肪由来間葉系幹細胞製品「ステムカイマル」であり、脊髄小脳変性症を対象とする。国内第II相試験で安全性が確認され、2024年11月に外国製造業者認定を取得。もう一つはiPS細胞由来神経グリア細胞で、ALSモデルラットで運動機能低下抑制効果を確認し、臨床試験開始を準備中である。

受託製造(CDMO)と遺伝子編集サービス

当社は高品質iPS細胞の受託製造(CDMO)を手掛ける。RNAリプログラミング技術を用い、臨床応用に適したiPS細胞を製造する。2025年10月にスペインのパートナーがGMP認証を取得し、日米欧3拠点体制が整った。2026年1月にはAI設計ゲノム編集システム「StemEdit™」の提供を開始し、同年3月には米国GMP施設でマスターセルバンク製造サービスを開始。一気通貫の受託製造体制を確立した。

有価証券報告書の事業の記述をもとにAIが編纂しています。

業界での位置づけ

化学のなかでの位置

会社が挙げる強い分野

  • 再生医療iPS細胞技術で世界最先端のプラットフォームを保有

有価証券報告書(2026/3期)で会社自身が述べている位置付けです。第三者による調査ではありません。

同業の企業

化学の時価総額近傍。太字がリプロセル

時価総額で並べると、掲載11社のなかで6番目にあたる。

#企業時価総額PER
14125三和油化工業157億円14.7倍
24627ナトコ156億円10.1倍
34093東邦アセチレン150億円11.6倍
44465ニイタカ142億円7.5倍
54366ダイトーケミックス141億円17.1倍
64978リプロセル140億円
77908きもと131億円19.1倍
84367広栄化学125億円
97940ウェーブロックホールディングス118億円29.6倍
104031片倉コープアグリ116億円
114235ウルトラファブリックス・ホールディングス115億円17.2倍

時価総額は直近の終値ベース。同業の範囲は東証33業種の分類に従っています。

会社の歴史

沿革 37件

東京・西新橋での創業と大学共同研究の開始(2003年)

2003年2月、東京都港区西新橋に資本金10百万円で株式会社リプロセルを設立。同年5月には東京大学医科学研究所、6月には京都大学と共同研究契約を締結し、主要研究機関との連携の基盤を築いた。12月には本店を千代田区内幸町に移転し、事業拡大の準備を進めた。

第一号製品Nanog抗体とES細胞用培養液の上市(2004-2005年)

2004年8月、当社の第一号ビジネスとしてNanog抗体の製造販売を開始。2005年4月にはヒトES細胞用の培養液、剥離液、凍結保存液の製造販売を開始し、研究試薬事業に本格参入した。同年6月には港区白金台に研究所を設立し、研究開発体制を強化した。

京都大学iPS細胞発明と培養液使用(2007年)

2007年11月、京都大学の山中伸弥教授がヒトiPS細胞を発明。この際、当社の培養液がヒトiPS細胞の樹立及び培養に使用された。この出来事を契機に、当社はiPS細胞分野における存在感を高め、2009年には世界で初めてiPS細胞樹立方法に関する知財の商業利用ライセンスをiPSアカデミアジャパンから取得した。

世界初のiPS細胞由来細胞製品販売と事業多角化(2009-2012年)

2009年4月、世界で初めてヒトiPS細胞由来心筋細胞の製造販売を開始。2010年には神経細胞、2012年には肝細胞とアルツハイマー病モデル細胞を販売し、iPS細胞由来細胞製品のラインアップを拡充した。2011年にはNEDOの研究開発プロジェクトに採択され、技術開発を加速。2012年には産学官連携功労者表彰・厚生労働大臣賞を受賞した。

JASDAQ上場と海外子会社の買収(2013-2014年)

2013年6月、大阪証券取引所JASDAQ(グロース)に上場。7月には東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQに移行した。2014年には積極的なM&Aを展開。英国の3次元培養デバイス企業Reinnervate、米国のヒト生体試料バンク企業BioServe、米国のiPS細胞研究試薬事業(Stemgent)を相次いで買収し、グローバルな事業基盤を構築した。

子会社統合と再生医療パイプラインの拡充(2015-2016年)

2015年11月、英国の創薬支援サービス企業Bioptaを完全子会社化。2016年7月には英国子会社のReinnervateとBioptaが合併しREPROCELL Europe Ltd.に、米国子会社のBioServe、Stemgent、Bioptaが合併しREPROCELL USA Inc.にそれぞれ社名変更した。同年11月には台湾Steminent社と細胞医薬品「Stemchymal®」の日本における共同開発・販売契約を締結し、再生医療事業を本格化させた。

年表37件を開く

2000年代

  • 2003年2月創業東京都港区西新橋において株式会社リプロセル(資本金10百万円)を設立
  • 2003年5月東京大学医科学研究所と共同研究契約を締結
  • 2003年6月京都大学と共同研究契約を締結
  • 2003年12月本店を東京都千代田区内幸町に移転
  • 2004年8月当社の第一号ビジネスとして、Nanog抗体の製造販売を開始(研究試薬)
  • 2005年4月ヒトES細胞用の培養液、剥離液、凍結保存液の製造販売を開始(研究試薬)
  • 2005年6月創業東京都港区白金台に研究所を設立
  • 2006年12月衛生検査所登録を行い、臨床検査事業を開始
  • 2007年6月本店を東京都港区白金台に移転
  • 2007年11月京都大学山中伸弥教授がヒトiPS細胞を発明 当社の培養液がヒトiPS細胞の樹立及び培養に使用される
  • 2009年3月世界で初めてiPS細胞の樹立方法に関する知財の商業利用ライセンスをiPSアカデミアジャパン㈱から取得
  • 2009年4月世界で初めてヒトiPS細胞由来心筋細胞の製造販売を開始(細胞製品)

2010年代

  • 2010年6月本店を横浜市港北区新横浜に移転
  • 2010年10月世界で初めてヒトiPS細胞由来神経細胞の製造販売を開始(細胞製品)
  • 2011年5月独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発プロジェクト「ヒト幹細胞産業応用促進基盤技術開発」に採択
  • 2012年6月世界で初めてヒトiPS細胞由来肝細胞の製造販売を開始(細胞製品)
  • 2012年6月世界で初めてヒトiPS細胞アルツハイマー病モデル細胞の製造販売を開始(細胞製品)
  • 2012年9月2012年度産学官連携功労者表彰・厚生労働大臣賞を受賞
  • 2012年12月創業ReproCELL USA Inc.がボストンに販売拠点を設立
  • 2013年6月上場大阪証券取引所JASDAQ(グロース)に上場
  • 2013年7月上場東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(グロース)に上場
  • 2013年10月京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区として新横浜地区(㈱リプロセル)が採択
  • 2014年2月次世代の創薬・医療ビジネスの創造にフォーカスしたベンチャーキャピタルファンド「Cell Innovation Partners, L.P.」の無限責任組合員への出資等を行う子会社、RCパートナーズ株式会社を設立
  • 2014年6月NEDOプロジェクト「2013年度 イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に係る助成事業への採択
  • 2014年7月M&A3次元培養デバイスの開発・製造・販売を手掛けるReinnervate(英国)の株式取得(連結子会社化)
  • 2014年9月M&Aヒト生体試料のバンキング及び提供を手掛けるBioServe(米国)を株式取得(連結子会社化)
  • 2014年10月M&AiPS細胞向け研究試薬の製造・販売を手掛けるStemgent(米国)の iPS 細胞事業部門を米国子会社 ReproCELL USA により事業買収し、同子会社名を Stemgent に社名変更
  • 2015年1月造血幹細胞の増幅方法に関する国内特許成立
  • 2015年7月当社事業「創薬応用可能な高機能なヒト iPS 細胞由来肝細胞キットの試作品開発」が「2014年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金」に採択
  • 2015年8月当社事業「大量供給可能で高機能なヒト iPS 細胞由来心筋細胞の試作品開発」が「2015年度革新的ものづくり産業創出連携促進事業補助金」に採択
  • 2015年11月M&A創薬支援サービス(CROサービス)を手掛けるBiopta Limited 社の株式取得(完全子会社化)
  • 2016年7月M&A英国子会社Reinnervate Ltd.とBiopta Ltd.が合併し、REPROCELL Europe Ltd.へ社名変更
  • 2016年7月ヒトiPS細胞を用いた効率の良い膵前駆細胞及び膵β細胞の生産方法の研究に関して東京工業大学との共同研究契約を締結
  • 2016年9月M&A米国子会社Bioserve Biotechnologies, Ltd.とStemgent Inc.及びBiopta Inc.が合併し、REPROCELL USA Inc.へ社名変更
  • 2016年11月Steminent Biotherapeutics Inc.(台湾)と同社開発にかかる細胞医薬品「Stemchymal®」の日本における共同開発及び販売に関する契約を締結
  • 2016年11月慶應義塾大学及び順天堂大学との共同事業「iPS細胞由来神経細胞を用いた創薬支援のためのアプリケーション開発」に対する「横浜市特区リーディング事業助成金」採択
  • 2016年12月iPS細胞を作製する次世代RNAリプログラミングキット「StemRNA™ -NM Reprogramming Kit」の販売開始

有価証券報告書の沿革をもとにAIが通史として編纂しています。年表は沿革の記載そのままです。

これからの方針

有価証券報告書 2026/3期の経営方針より

会社は3つの方針を掲げている。そのうち2項目には、達成する数字が明記されている。

会社が掲げている数値目標
  • 売上高売上高
  • 経常利益経常利益

有価証券報告書の原文に書かれた目標だけを載せています。達成度の評価や推計は加えていません。

  1. 01

    グローバル化の推進

    日本、米国、欧州、インドの4拠点で販売・製造・研究開発を有機的に連携し、グループシナジーを追求。各地域の顧客をカバーし、時差や言語の壁なく営業活動を推進する。

  2. 02

    研究支援とメディカル事業の連続的成長

    短中期の収益源である研究支援事業(iPS細胞関連試薬・受託サービス)と、中長期の成長事業であるメディカル事業(再生医療製品)を組み合わせ、持続的な成長を実現する。

  3. 03

    最先端技術による優位性確保

    自社開発に加え、国内外の大学・研究機関・企業との連携・共同開発・技術導入を戦略的に推進し、iPS細胞分野での技術的優位性を維持する。

有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」から、AIが項目ごとに整理しています。数値目標は原文に書かれたものだけです。

社員と組織

有価証券報告書 10期分

グループ全体で101人が働いている。提出会社(単体)の平均年収は615万円で、9期前と比べて+36.2%平均年齢は34.2歳、平均勤続年数は5.0年。

決算期平均年収万円平均年齢平均勤続連結従業員数一人当たり営業利益万円
2017年3月60
2018年3月63
2019年3月45233.43.0111
2020年3月41532.52.0113
2021年3月43732.03.0106
2022年3月41432.94.098
2023年3月46934.85.092
2024年3月54533.84.096
2025年3月58234.15.099−101
2026年3月61534.25.0101−891

平均年収・平均年齢・平均勤続は有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の値、従業員数はグループ全体の値です。一人当たり営業利益は連結営業利益を連結従業員数で割ったもので、給与などの費用を払ったあとに一人あたりいくら残るかの目安になります。

拠点とグループ

設備と関係会社

関係会社5(国内 2 / 海外 3、うち連結子会社 5) を有報から抽出しています。

主要な設備 (帳簿価額 上位6)
研究室 — 神奈川県横浜市港北区77百万円
研究支援事業
REPROCELL USA Inc. — 米国メリーランド州70百万円
研究支援事業
研究室 — 神奈川県川崎市川崎区32百万円
メディカル事業
REPROCELL Europe Ltd. — 英国グラスゴー16百万円
研究支援事業
Bioserve Biotechnologies India Pvt. Ltd. — インド テランガーナ州14百万円
研究支援事業
本社 — 神奈川県横浜市港北区8百万円
主な関係会社
  • 海外
    REPROCELL USA Inc. (注)2、3、4
    米国メリーランド州 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 海外
    REPROCELL Europe Ltd. (注)2,5
    英国グラスゴー · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    RCパートナーズ株式会社
    神奈川県横浜市港北区 · 連結子会社
    議決権100.0%
  • 国内
    株式会社MAGiQセラピューティクス(注)6
    神奈川県横浜市港北区 · 連結子会社
    議決権50.0%
  • 海外
    Bioserve Biotechonologies India Pvt. Ltd. (注)3
    インドテランガーナ州 · 連結子会社
    議決権100.0%
公共調達・補助金 (gBizINFO)
  • 補助金
    令和元年度中小企業経営支援等対策費補助金(戦略的基盤技術高度化支援事業)(汎用性の高い遺伝子編集用iPS細胞株の開発と販売および同iPS細胞株を利用した高機能型膵臓β細胞の開発と事業化)
    経済産業省 · 2019-08-26
    3,000万円
  • 補助金
    令和2年度中小企業経営支援等対策費補助金(戦略的基盤技術高度化支援事業)(汎用性の高い遺伝子編集用iPS細胞株の開発と販売および同iPS細胞株を利用した高機能型膵臓β細胞の開発と事業化)
    経済産業省 · 2020-04-30
    3,000万円
  • 補助金
    令和3年度中小企業経営支援等対策費補助金(戦略的基盤技術高度化支援事業)(汎用性の高い遺伝子編集用iPS細胞株の開発と販売および同iPS細胞株を利用した高機能型膵臓β細胞の開発と事業化)
    経済産業省 · 2021-04-01
    2,000万円
  • 補助金
    令和元年度中小企業経営支援等対策費補助金(戦略的基盤技術高度化支援事業)(汎用性の高い遺伝子編集用iPS細胞株の開発と販売および同iPS細胞株を利用した高機能型膵臓β細胞の開発と事業化)
    経済産業省 · 2019-08-26
    2,000万円

出典: gBizINFO (経済産業省)

業績のいま

有価証券報告書・決算短信より

2026年3月期の売上高は22億円営業利益-9億円前期と比べると減収で、売上が-26.7%。

売上高
-26.7%
22億円
営業利益
-9億円
純利益
-700.0%
-6億円
営業利益率
-40.9%
前期比 -37.6%pt

会社が出している今期の予想2027年3月期

項目会社予想前期実績
売上高26億円22億円
営業利益-6億円-9億円
純利益-5億円-6億円
1株あたり配当¥0¥0

会社が決算短信で公表した予想です。証券会社の予想ではありません。 短信の原本

四半期の推移

10期分

直近は2027年1Qで、売上は5億円、営業利益は−3億円。前年の2024年1Qと比べると、売上は−16.7%。

対象期間売上高億円営業利益億円営業利益率%純利益億円
2023年4Q8−3
2024年1Q6−1−16.71
2024年2Q5−1−20.00
2024年3Q7−1−14.3−1
2024年4Q60
2025年2Q13−1−7.7−1
2025年4Q1700.02
2026年2Q10−5−50.0−5
2026年4Q12−4−33.3−1
2027年1Q5−3−60.0−1

期ごとの単独の業績で、期首からの累計ではありません。

業績の推移

有価証券報告書 14期分

2013年3月期からの14期で、売上は4億円から22億円へ5.5倍に増えた。直近期の営業利益率は-40.9%。

決算期売上高億円営業利益億円経常利益億円営業利益率%純利益億円
大阪証券取引所JASDAQ(グロース)に上場
2013年3月400
3次元培養デバイスの開発・製造・販売を手掛けるReinnervate(英国)の株式取得(連結子会社化)
2014年3月5−1−1
創薬支援サービス(CROサービス)を手掛けるBiopta Limited 社の株式取得(完全子会社化)
2015年3月6−5−5
英国子会社Reinnervate Ltd.とBiopta Ltd.が合併し、REPROCELL Europe Ltd.へ社名変更
2016年3月11−12−20
2017年3月13−9−9
2018年3月9−9−22
2019年3月11−6−6
2020年3月12−9−10
2021年3月13−8−8
2022年3月22−5−6
2023年3月30−1−3
2024年3月2400
2025年3月30−10−3.31
2026年3月22−9−6−40.9−6

金額は有価証券報告書の連結値をそのまま掲載しています。帯の長さは列ごとの最大値との比です。空欄の期は有価証券報告書からその項目の数値が取れていません(0ではありません)。

利益の構造

2026年3月期

売上高22億円のうち、営業利益として残るのは-9億円-40.9%。営業外の損益と税金を反映した純利益は-6億円、売上の-27.3%にあたる。営業利益率は業種中央値7.3%を下回る水準。

売上高を100としたときの内訳
  • 売上原価作る・仕入れるのにかかったお金54.5%12億円
  • 販売費及び一般管理費売る・管理するのにかかったお金86.4%19億円
  • 営業利益費用を引いたあとに残った本業の利益-40.9%-9億円

有価証券報告書の損益計算書から、当期の金額をそのまま割り振っています。

粗利率
45.5%
売上から原価を引いて残る割合
営業利益率業種比48.2pt
-40.9%
本業の利益として残る割合
純利益率業種比32.7pt
-27.3%
税金まで払って最後に残る割合
ROA
-6.2%
資産全体がどれだけ利益を生んだか
ROIC
-8.9%
事業に使うお金がどれだけ利益を生んだか

ROICは有利子負債の開示がないため、営業利益×0.7÷(総資産−現金)の簡易式で算出しています。

お金の流れ

キャッシュフロー計算書 14期分

2026年3月期は営業CFが−4億円、投資CFが1億円で、差し引きのフリーCFは−3億円期末の手元現金は26億円で、売上の14.2ヶ月分にあたる

決算期営業CF億円投資CF億円財務CF億円フリーCF億円現金残高億円
2013年3月00102
2014年3月0−150−152
2015年3月−6−2720−3339
2016年3月−6−617−1244
2017年3月−8711−154
2018年3月−6−210−856
2019年3月−6−2314−2941
2020年3月−7120546
2021年3月−6−140−2026
2022年3月−2−2124−2326
2023年3月−1−115−1219
2024年3月045429
2025年3月0−87−828
2026年3月−41−326

本業で稼いだ現金が営業CF、設備や事業への投資が投資CF、借入と返済・配当が財務CF。営業・投資・財務の3列は縦線が0で、右がプラス、左がマイナスです。健全な会社の基本形は営業CFがプラスで投資CFがマイナス。フリーCFは営業CFと投資CFの合計で、手元に残る現金を表します。

資産と負債

貸借対照表 14期分

2026年3月期の総資産は97億円。このうち返さなくてよい自己資本が88億円で、自己資本比率は91.7%(業種中央値63.4%より厚い)

決算期総資産億円自己資本億円負債億円自己資本比率%
2013年3月43162.0
2014年3月5452294.7
2015年3月7671593.3
2016年3月8073791.2
2017年3月7974593.7
2018年3月6662494.3
2019年3月7571493.7
2020年3月6661592.3
2021年3月6054689.0
2022年3月8173889.5
2023年3月8476890.7
2024年3月9183891.8
2025年3月9790792.9
2026年3月9788891.7

自己資本比率は総資産のうち返済のいらないお金の割合で、高いほど借入への依存が小さいことを示します。負債は総資産から自己資本を引いた額です。

2026年3月期の内訳
現金及び預金
26億円
すぐ使えるお金
利益剰余金
-5億円
過去の利益の積み上がり
棚卸資産
1億円
在庫として抱えている分
負債合計
8億円
いつか返す必要があるお金
財務の健全性
40
/ 100
安定性自己資本比率40 / 40
収益力営業利益率0 / 30
現金創出営業CFの黒字継続0 / 30

有価証券報告書の数値から機械的に配点した参考値です。自己資本比率60%で満点、営業利益率15%で満点、直近3期の営業CFが黒字だった割合の3つを足しています。業態によって出ない要素があります。

業界内での比較

化学 203社との比較

同じ化学の企業と並べると、いちばん上に来るのは自己資本比率203社中1位あたり、逆に低いのは売上成長率203社中202位あたり帯は左端が業種の最下位、右端が最上位で、縦線が真ん中にあたる。

ROE株主の出したお金でどれだけ利益を生んだか
/中央値 6.9%
P25 4.5%P75 9.9%
営業利益率下位売上のうち本業の利益として残る割合
-40.9%/中央値 7.3%
P25 4.3%P75 10.7%
自己資本比率上位総資産のうち返済のいらないお金の割合
91.7%/中央値 63.4%
P25 50.5%P75 73.9%
売上成長率下位前期からの売上の伸び
-26.7%/中央値 2.2%
P25 -1.8%P75 5.4%
配当利回り株価に対して1年で受け取る配当の割合
/中央値 2.7%
P25 1.8%P75 3.6%

有価証券報告書の最新期の数値をもとに、同じ業種の企業の中での順位を毎日計算しています。P25は下から4分の1、P75は上から4分の1の位置にある企業の値です。

株価

9月2日の終値

直近の終値は¥147で、1年前と比べて-21.4%過去52週の値幅のなかでは24%の位置にある。

¥147-2.0%1ヶ月+16.7%1年-21.4%時価総額140億円
過去52週の値幅
安値¥117高値¥242

チャートの金額は株式分割と配当を反映して調整した終値で、上に出している直近の終値とは一致しないことがあります。

指標
PBR1.55倍

実績値は直近の決算、予想値は会社予想にもとづきます。株価は終値ベースです。

値動きの背景

株価126円。25日線(126.64)を下回る。1ヶ月で横ばい。52週高値242円から-48%の大幅下落。RSI45.7で中立。出来高は直近期平均40〜80万株と高く、ボラタイル。週足は下降トレンド継続。200日線(160.56)が上値抵抗。

値動きの背景は、株価と出来高の推移をもとにAIがまとめた見立てです。

AIの評価

AI評価

株価水準の解釈です。売買の推奨ではありません

現在の株価水準をやや割高と判定しています(スコア 30/100)

PBR 1.35倍は業界平均1.40倍を下回るが、ROE 1.2%と低く、無配で利益も極小。PERは算出不可だが業績悪化傾向で割高感。同業界平均PER 18.0倍との比較は不可も、PBR面ではほぼ妥当だが収益力が弱いため割高と判断。

指標この会社業種平均
PBR1.55倍1.41倍
ROE1.2%7.4%

業種平均は同じ東証33業種に属する銘柄の単純平均です。銘柄数が少ない業種では平均が振れます。

AI評価判定とスコアは公開データをもとにした解釈で、将来の株価を示すものではありません。算出の考え方は編集方針に記載しています。

評価が分かれる点

AI分析

投資家の見方

再生医療ベンチャーとしての将来性に賭けるか。強気派は、国内初のiPS細胞由来製品など先駆者的なポジションや、政府支援による研究継続性を評価。一方、弱気派は、売上はまだ30億円規模で、主要パイプラインの承認時期が不透明、営業赤字が続く点を懸念。時価総額120億円に対し、現状の事業価値は低く、バリュエーションは将来の成功を割り引いているに過ぎない。

プラスに働く材料3
  • 再生医療のパイオニア

    iPS細胞関連の研究開発で国内トップクラスの実績

  • 政府助成金による下支え

    国からの研究開発助成が収益の一部を補填

  • 長期的な市場成長

    再生医療市場は拡大が見込まれ、早期参入の優位性

マイナスに働く材料3
  • 収益化までの不確実性

    製品承認の時期や販売実績が不透明で赤字継続

  • 競合の台頭

    他社もiPS・幹細胞治療を開発、先駆者優位が薄れる

  • バリュエーションの割高感

    PBR1.35倍に対しROE1.2%と資本効率が低い

次の決算で確かめる点
研究開発費の対売上比率
開発段階では投資効率と資金消耗度を測る指標
パイプラインの進捗状況
臨床試験のステージや提携発表が今後の収益化の鍵
政府助成金の獲得額
収益の重要な柱であり、継続的な獲得が事業継続の条件

株主

有価証券報告書より

2026年3月期末の株主数は延べ38,576人。区分でいちばん多いのは個人・その他90.2%。グループ会社や銀行などの安定株主が5.3%を占め、残る94.7%が市場で売買されうる浮動株にあたる。

所有者の区分ごとの比率

所有者の区分2021年3月%2022年3月%2023年3月%2024年3月%2025年3月%2026年3月%
個人・その他87.885.186.687.785.990.2
事業法人3.86.65.65.34.35.3
外国法人1.41.41.61.73.41.8
証券会社5.05.85.33.75.01.5
外国人個人0.70.80.51.01.11.2
自己株式0.10.00.00.10.10.1
金融機関1.20.30.30.50.20.1

発行済株式に対する持ち株比率です。単元未満株の扱いにより、合計が100%にならない期があります。

大株主上位10

順位株主持ち株比率 %
01横山 周史1.22
02中野 暁1.05
03上田八木短資株式会社0.87
04五十畑 輝夫0.87
05STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)0.77
06株式会社日本生物材料センター0.60
07中辻 憲夫0.53
08椎橋 正則0.49
09旭化成酸素株式会社0.48
10荒井 憲一0.48

有価証券報告書の大株主の状況から、上位10者を掲載しています。信託銀行の名義は、実際の保有者ではなく運用を預かる先を指すことがあります。

大量保有報告の動き
5%超の保有者の提出ベース 直近7
  • 2026-08-24
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    変更報告
    5.95%
    -2.75pt
  • 2026-08-24
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    変更報告
    8.70%
  • 2026-08-07
    BofA証券株式会社
    新規の大量保有報告
    5.33%
  • 2026-07-28
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    新規の大量保有報告
    5.95%
    -2.75pt
  • 2026-07-24
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    新規の大量保有報告
    8.70%
    +5.30pt
  • 2026-06-22
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    新規の大量保有報告
    3.40%
    -2.41pt
  • 2026-06-18
    ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(Heights Capital Management, Inc.)
    新規の大量保有報告
    5.81%

提出があった時点の記録です。その後5%を割った保有者が一覧に残ることがあります。

株価指標の推移

有価証券報告書 14期分

1株利益は14期で−4267%、1株純資産は14期で+1317%。直近期のROEは1.2%で、日本株の目安とされる8%を下回る。

決算期EPSBPSROE%
2013年3月072.4
2014年3月−3107
2015年3月−9136
2016年3月−36127
2017年3月−16121
2018年3月−3498
2019年3月−9100
2020年3月−1485
2021年3月−1175
2022年3月−888
2023年3月−489
2024年3月−093
2025年3月1951.2
2026年3月−693

有価証券報告書に記載された各期の値です。PERは期末時点の株価にもとづく実績値で、いまの株価から計算した値とは異なります。

EPS1株利益
1株が1年で稼いだ純利益。伸びていれば株の稼ぐ力が育っている
BPS1株純資産
1株あたりの持ち分。会社に積み上がった蓄えの目安
ROE自己資本利益率
株主のお金でどれだけ稼いだか。日本株では8%が一つの目安

経営陣

6名 有価証券報告書の提出日現在

有価証券報告書に載っている役員は6名。2026/3期の役員報酬は総額81百万円。社内取締役1人あたりの報酬は、従業員の平均年収の約5倍にあたる。

氏名役職年齢保有株数
横山周史代表取締役社長581,158,950
臼井大祐取締役 COO52315,000
山川善之取締役6450,000
山﨑暢久常勤監査役72
串田隆徳監査役49
村井良行監査役62

役員報酬の内訳2026/3

役員の区分人数固定報酬百万円株式報酬百万円合計百万円1人あたり百万円
取締役(社内)244196231
社外取締役419195

有価証券報告書の役員報酬等の総額から、区分ごとの内訳を載せています。人数は当期中に在任した延べ人数のため、期末の人数と一致しない期があります。

有価証券報告書

有価証券報告書 2026/3期

会社自身が書いた有価証券報告書の本文を、章ごとにそのまま収録しています (要約ではありません)。

事業の内容10,461字を開く

何をしている会社か、会社自身の説明

3【事業の内容】 当社グループは当社(株式会社リプロセル)、米国子会社のREPROCELL USA Inc.、英国子会社のREPROCELL Europe Ltd.、インド子会社Bioserve Biotechnologies India Pvt. Ltdなどの連結子会社5社により構成されております。 当社グループが中核技術とするiPS細胞技術は、山中伸弥教授によるヒトiPS細胞の樹立以降、世界中で研究が活発化し、近年では病態解明や再生医療への応用など、実用化に向けた研究開発が加速しています。2026年3月には、重症心不全及びパーキンソン病を対象としたiPS細胞を使った再生医療製品2品目の製造販売が条件・期限付きで初めて承認されるなど、日本発のiPS細胞を用いた治療製品の実用化が現実のものとなっています。さらに、加齢黄斑変性、脊髄損傷、頭頸部がんなどを対象とした臨床試験も進められています。また、希少難病の患者由来iPS細胞を用いた病態解明や新薬候補の治験進展も報告されています。 このような背景のもと、当社グループはiPS細胞技術を活用する事業を「研究支援事業」と「メディカル事業」の2つのセグメントに分け、推進しています。研究支援事業は、iPS細胞を病態解明や創薬研究に応用することを主軸とし、短中期的な収益基盤を構築しています。一方、メディカル事業では、ステムカイマル、iPS神経グリア細胞製品、TIL療法、GPC-1 CAR-T療法の4品目を中心とする再生医療等製品の研究開発、再生医療等製品の受託製造、臨床検査サービスを手掛けており、中長期的な成長の柱と位置付けています。 事業内容   内容 研究支援事業    研究支援事業では、大学、公的研究機関、製薬企業等を主要顧客とし、(1)研究用製品の製造販売、(2)研究受託サービス、(3)細胞測定機器等の販売を行っております。研究支援事業は、新技術を比較的短期間で事業化し収益化できるという特徴があり、当社グループの短期・中期的な収益基盤となっています 。   (1) 研究用製品  研究試薬: iPS細胞研究に使用される培養液、抗体、リプログラミング試薬、成長因子等を販売しております。当社の研究試薬はiPS細胞に特化している点が特徴です。初期製品である「Primate ES Cell Medium」は、京都大学の山中伸弥教授が世界で初めてヒトiPS細胞の作製に成功した際に使用された培養液で、広く認知されています。  細胞: REPROCELL USAでは、がん細胞、血液、血清等約60万のヒト生体試料バンクを保有し、主に製薬企業へ研究用資材として提供しています。顧客ごとのカスタムコレクションにも対応しています。   (2) 研究受託サービス  近年、新薬開発において動物実験からヒト細胞を用いた試験への移行が進む中、当社グループは、iPS細胞関連技術とヒト生体試料調達ネットワークを統合した「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を構築し、この流れを先取りしたサービスを展開しています 。  iPS細胞サービス: 顧客ごとにカスタマイズした付加価値の高いサービスを提供しています。RNAリプログラミング技術やゲノム編集技術を駆使し 、患者由来iPS細胞を用いた疾患モデル作製、遺伝子編集、各種細胞への分化誘導など、技術難易度の高いサービスを中心に行っています。  創薬試験受託: 手術等で得られたヒト組織を用いて、新薬候補化合物の薬効薬理試験を受託しています。REPROCELL EuropeはGLP(医薬品の安全性に関する基準)準拠施設を保有し、信頼性の高いサービスを提供しています 。   (3) 細胞測定機器  自社製品に加え、他社製品の導入・販売も積極的に行っています。ドイツのナニオンテクノロジーズ社製電気生理学的細胞測定機器、フランスのインターサイエンス社製微生物検査用機器、ドイツのイノメ社製ライブイメージングシステムなどを取り扱っています 。これら機器と当社グループの細胞・試薬を組み合わせたソリューションも提供しています。 事業内容   内容 メディカル事業    メディカル事業では、(1)再生医療等製品の研究開発、(2)再生医療等製品の受託製造(CDMO)、(3)臨床検査受託サービスを手掛けており、当社グループの中長期的な成長の柱と位置付けています。   (1) 再生医療等製品の研究開発  現在、以下の4つの再生医療等製品パイプラインを重点的に進めています。    体性幹細胞製品ステムカイマル: 台湾のステミネント社より導入した脂肪由来の間葉系幹細胞製品です。脊髄小脳変性症を対象とし、点滴投与のため患者への侵襲性が低い点が特徴です。国内第Ⅱ相臨床試験を完了しており、2024年11月にステミネント社が厚生労働大臣より外国製造業者として認定されたことを受け、製造販売承認申請の準備を進めています。本製品は希少疾病用再生医療等製品に指定されています。    iPS神経グリア細胞製品: 筋萎縮性側索硬化症(ALS)等を対象としたiPS細胞由来の再生医療製品です。ALSモデルラットを用いた試験において運動機能低下の有意な抑制効果が確認されており、臨床試験の早期開始に向けた準備を進めています 。    腫瘍浸潤性リンパ球輸注療法(TIL療法): 患者自身のがん組織から採取・培養した腫瘍浸潤リンパ球を投与する養子免疫療法の一種です。慶應義塾大学における先進医療Bにおいて、進行子宮頸がんを対象としたTIL療法で、2024年11月に当社が製造したTILを用いた2例目の患者への投与が実施されました。また、新規培養法に関する共同研究契約を締結し、早期の事業化を目指しています。    グリピカン1・キメラ抗原受容体T細胞療法(GPC-1 CAR-T療法): 食道がんなど多様な固形がんで高発現するGPC-1を標的とする免疫細胞療法です 。2024年12月にAMEDの公募事業に採択され、京都大学等と共同で研究開発を推進しており、食道がんを対象とした臨床試験の早期開始に向けて準備を進めています。   (2) iPS細胞再生医療等製品の受託製造事業  遺伝子変異リスク等を最小限に抑えた最先端のRNAリプログラミング技術を利用し、臨床応用に最適な高品質のiPS細胞を安全に作製可能です 。2025年10月にスペインのパートナー企業がGMP認証を取得したことで、日米欧の3拠点によるグローバルな受託製造体制が整いました。さらに、2026年1月にAI設計ゲノム編集システムを基盤とする臨床用遺伝子編集サービス「StemEdit™」の提供を開始し 、同年3月には米国のGMP施設においてマスターセルバンク(MCB)製造サービスを開始したことで、一気通貫の枠組みで提供できる体制を確立しました。また、個人専用のiPS細胞を作製・保管する「パーソナルiPS」や、iPS細胞由来エクソソームのグローバルな販売拡大も進めています。   (3) 臨床検査受託サービス  臓器移植関連のHLAタイピング等の臨床検査実績を有します。郵送検査サービス「ウェルミル」では、2026年1月より個人の生物学的年齢を測定する「遺伝子年齢測定キット」の提供を開始し、サービスを拡充しました。がんの個別化医療に向けた「ネオアンチゲン検出サービス」も実施しています。さらに、グローバル規模の臨床試験受託にも対応しております。 iPS細胞技術プラットフォームと事業セグメント (1) 研究支援事業 研究支援事業では、大学や公的研究機関、製薬企業等の研究所を顧客として、研究試薬や細胞などの研究用製品、iPS細胞作製やゲノム編集などの受託サービスを提供しています。最先端技術を集約した製品・サービスを通じて、画期的な新薬や治療法の開発を支援しています。 近年、製薬業界では、動物愛護やヒトと動物の種差による結果の相違といった課題から、「動物実験からヒト細胞実験へ」のシフトが加速しています。この流れは、新薬開発プロセスの大幅な短縮と、より有効性の高い新薬開発を可能にすると期待されています。特にヒトiPS細胞は、このシフトの中心的存在として注目されており、例えばアルツハイマー病患者由来のiPS細胞を用いることで、病態解明や新薬開発が加速することが期待されます。 当社グループは、RNAリプログラミング技術、ゲノム編集技術、各種細胞への分化誘導技術といったヒトiPS細胞に関する世界最先端の技術プラットフォームを保有しています。また、医療機関からがん細胞やヒト組織を調達できる広範なネットワークも構築しており、これらを統合した「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」により、「動物実験からヒト細胞実験へ」の移行を先取りした事業を展開しています。具体的には、研究試薬製品、iPS細胞を用いた病態モデル細胞作製サービス、ヒト生体試料のバンキング・提供、ヒト組織を用いた新薬の薬効薬理試験サービスなどを提供しています。 これらの技術力を活かし、2025年4月には、再生医療における免疫拒絶のリスクを大幅に低減するHLAノックアウトiPS細胞株「StemEdit™ Human iPSC non-HLA」シリーズを開発し、販売を開始しました。本製品は、他家iPS細胞を用いた細胞移植医療の大きな課題である免疫拒絶反応を解決する「ユニバーサルドナー細胞」の開発研究を加速するものとなります。 さらに、自社開発品に加え、他社製品の導入・代理店販売にも積極的に取り組んでいます。ドイツのナニオンテクノロジーズ社製電気生理学的細胞測定機器、フランスのインターサイエンス社製微生物検査用機器、同じくドイツのイノメ社製ライブイメージングシステムなど、多様な研究機器を取り扱っています。これら機器と当社グループの細胞・試薬を組み合わせ、顧客に総合的なソリューションを提供しています。 今後も、研究支援事業のポートフォリオを積極的に拡大し、新薬開発の効率化や革新的治療法の発展を支援することで、安定的な収益基盤を強化してまいります。 研究支援事業の事業系統図 (2) メディカル事業 再生医療分野では、ヒト体性幹細胞やヒトiPS細胞の臨床応用を目指した研究が世界中で精力的に進められており、将来的に再生医療等製品がグローバルで巨大産業へ成長することが見込まれています。 特に、無限の増殖能と多分化能を持つiPS細胞は、有効な治療法のない難病に対する画期的な治療法となる可能性を秘めており、その臨床応用に大きな期待が寄せられています。iPS細胞の臨床応用における主要課題は安全性の確保ですが、当社グループは高品質で臨床応用に最適なiPS細胞を作製するRNAリプログラミング技術を開発・保有しています。この技術的優位性を活かし、iPS細胞等の早期臨床応用を実現すべく、以下の事業を強力に推進しています。 メディカル事業では以下の事業を推進しております。 (a) 体性幹細胞製品ステムカイマル ステムカイマルは、台湾のSteminent Biotherapeutics Inc.(以下、ステミネント社)が開発した脂肪由来の間葉系幹細胞製品です。当社は、日本国内における脊髄小脳変性症を対象とした独占的商業ライセンス契約を締結しており、関連特許も国内で成立しています。 脊髄小脳変性症は、小脳・脳幹・脊髄の神経細胞変性により、歩行障害や嚥下障害などの運動失調を引き起こす原因不明の希少疾患です。ステムカイマルは、症状進行の抑制効果が期待され、点滴投与のため患者への侵襲性が低い治療法です。 日本国内で実施した第II相臨床試験(2020年2月投与開始、2022年5月完了)では、全被験者で重篤な有害事象は認められず、安全性が確認されました。有効性については、主要評価項目であるSARAスコア*において、実薬群のスコア上昇が自然歴と比較して抑制される傾向が確認されました。さらに、ベースライン(投与前)スコアが11以上の部分集団では、ベースラインから52週目までのスコア変化量において、実薬群がプラセボ群に比べ統計的に有意な改善を示しました(P値=0.042)。 また、ステミネント社が台湾で実施した第II相臨床試験でも、安全性に問題はなく、SARAスコアの改善及び進行抑制効果が確認され、日本での試験結果を裏付けるものとなりました。さらに、米国で実施された患者1名の臨床試験においても、約1年半にわたる長期的なSARAスコアの改善が見られております。2024年11月には、ステミネント社が厚生労働大臣より再生医療等製品の外国製造業者として認定を受け、当社による国内での製造販売承認取得に向けた要件の一つが満たされました。また、開発元のステミネント社は今後、米国において本製品の第II相臨床試験を開始し、グローバル展開を加速させる予定です。 本製品は2018年12月に希少疾病用再生医療等製品に指定されており、開発費助成(最大50%)、優遇税制、優先審査等の支援措置の対象となっています。当社グループは、これらの結果と指定メリットを活かし、脊髄小脳変性症に苦しむ患者様へ一日も早く新たな治療選択肢をお届けできるよう、製造販売承認申請の準備を進めています。 * SARAスコア:脊髄小脳変性症の症状評価に広く用いられる指標。歩行、立位、会話、指先運動などを総合的に数値化(0~40点)。症状悪化に伴いスコアが増加。 (b) iPS神経グリア細胞製品 当社グループは、iPS細胞から神経グリア細胞を作製し、各種神経変性疾患に対するiPS細胞再生医療製品としての研究開発を実施しており、現在、ALSを対象とした臨床試験の早期開始に向けて準備を進めております。 ALSモデルラット(ALS病態を再現したラット)を用いた実験では、iPS神経グリア細胞投与群において、非投与群と比較して運動機能低下が有意に抑制される結果を得ました。また、投与したiPS神経グリア細胞がラット体内に長期間生着し、運動神経を活性化していることも確認されています。 これらの有望な非臨床データを基に、ALSを対象とした臨床試験の早期開始に向けた準備を加速してまいります。 (c) 腫瘍浸潤性リンパ球輸注療法(TIL療法) TIL療法は、患者自身のがん組織から腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を採取・体外大量培養し、患者へ再投与する養子免疫療法の一種です。1980年代より米国を中心に進行悪性黒色腫に対して実施され、高い治療効果が報告されており、奏効率は約7割、完全奏効率は約2割とされ、完全奏効例の多くは再発しないことが知られています。2024年2月には、転移性メラノーマを対象としたTIL療法が、固形がんに対する初の細胞免疫療法として米国FDAに承認されました(薬価:515,000ドル)。 当社は2023年6月、慶應義塾大学医学部産婦人科学教室と「先進医療B(進行子宮頸がんに対する骨髄非破壊的前処置および低用量IL-2を用いた短期培養抗腫瘍リンパ球輸注療法の第II相臨床試験)」におけるTIL製造法の技術移転に関する共同研究契約を締結し、技術移転を完了しました。TIL療法は高度な培養技術を要するため、実施可能な施設は世界でも限られています。 2024年11月には、慶應義塾大学で本先進医療が再開され、当社が製造したTILを用いた2例目の患者への投与が実施されました。今後、2026年までに計10名を対象に実施される予定です。 当社グループは、本臨床試験におけるTILの受託製造と並行し、TIL療法を当社グループの再生医療等製品パイプラインの柱の一つと位置づけております。2024年10月には、TILの新規培養法に関する新たな共同研究契約を慶應義塾大学医学部産婦人科学教室と締結し、早期の事業化を目指しております。 (d) グリピカン1・キメラ抗原受容体T細胞療法(GPC-1 CAR-T療法) キメラ抗原受容体T細胞療法(Chimeric Antigen Receptor T cell, CAR-T療法)は、患者自身のT細胞(免疫細胞)に、特定のがん抗原を認識・攻撃するよう遺伝子改変を施し、患者に戻す免疫細胞療法です。既に血液がんで実用化され、固形がんへの応用も世界中で精力的に研究開発が進められています。 本事業では、グリピカン1(GPC-1)というがん抗原を標的とするGPC-1 CAR-T細胞療法の研究開発を行っています。GPC-1は成人の正常組織ではほとんど発現せず、食道がん、子宮頸がん、肺扁平上皮がん、膵がんなど、多様な固形がんで特異的に高発現しています。そのため、GPC-1を標的とするCAR-T療法は、これらの難治性固形がんに対する有望な治療法として期待されています。 本研究開発事業は、2024年12月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の公募事業「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業」に採択されました。京都大学大学院医学研究科早期医療開発学講座および国際医療福祉大学医学部免疫学との委託契約を締結し、共同研究を実施しております。 現在、食道がんを対象とした臨床試験の早期開始に向けて準備を進めております。 (e) iPS細胞再生医療等製品の受託製造事業 iPS細胞を用いた再生医療の研究開発は、加齢黄斑変性、パーキンソン病、虚血性心筋症、脊髄損傷などを対象に、世界中で活発に進められています。再生医療に用いるiPS細胞には極めて高い安全性と品質が求められ、各国の厳格な規制ガイドラインへの準拠が必須です。 当社グループは、遺伝子変異リスクや外来遺伝子・ウイルス残存リスクを最小限に抑えた最先端のRNAリプログラミング技術を開発・保有しており、臨床応用に最適なiPS細胞を安全かつ高品質に作製可能です。当社グループの事業における製品・サービスは、主に製薬企業等向けの「臨床用iPS細胞」と、個人向けの「パーソナルiPS」に大別されます。 「臨床用iPS細胞」では、GMP(Good Manufacturing Practice)準拠の製造体制のもと、製造したiPS細胞を再生医療製品の出発材料として提供しています。当社のiPS細胞は日米欧の医薬品規制要件に準拠しており、広くグローバルに利用可能な点が強みです。また、当社の臨床用iPS細胞は、米国食品医薬品局(FDA)のドラッグマスターファイル(DMF)への登録を完了しており、顧客企業が米国で承認申請を行う際の手続きを簡略化できます。なお、その高い安全性と品質は、2025年2月に当社細胞の供給先である米国Gameto Inc.が当該iPS細胞を用いた技術でFDAから第III相臨床試験のIND(治験届出)クリアランスを取得したこと等を通じ実証されております。 当期においては、上記の強固な基盤をもとに、グローバル展開と一貫受託サービスの構築をさらに推し進めました。 拠点体制については、これまでの神奈川県ライフイノベーションセンター内の細胞加工施設「殿町・リプロセル再生医療センター」(特定細胞加工物製造許可施設番号:FA3200006)および米国REPROCELL USA Inc.のGMP設備に加え、2025年10月に当社が出資するパートナー企業のヒストセル社(スペイン)が、当社の臨床用iPS細胞を用いたマスターセルバンク(MCB)及びワーキングセルバンク(WCB)の製造に関してスペイン医薬品・医療機器庁(AEMPS)よりGMP認証を取得しました。これにより、日米欧の3拠点体制による受託製造事業をグローバルに拡大する体制が整いました。 技術面では、2026年1月にAI設計ゲノム編集システム「OpenCRISPR-1™」を基盤とする臨床用遺伝子編集サービス「StemEdit™」の提供を開始いたしました。本技術は大規模言語モデル(LLM)による人工設計システムであり、高い編集効率とオフターゲット作用の低減能力を有します。これにより免疫拒絶リスクを抑えたユニバーサルドナーiPS細胞の効率的な作製が可能となるほか、複雑なライセンス問題を伴う従来の遺伝子編集技術に代わる選択肢として、知的財産上および商業上の課題を解決し、細胞治療薬開発における商用化の障壁を低減する画期的な特長を備えています。 続いて2026年3月には、米国のREPROCELL USA Inc.のGMP製造施設において、臨床用iPS細胞のMCB製造サービスを開始いたしました。これにより、当社グループは「ドナー選定」「シードクローン製造」「StemEdit™による臨床用遺伝子編集」から「GMPセルバンキング」に至る一連のワークフローを、一気通貫の枠組みで提供できる体制を確立しました。顧客企業は当社のサービスを利用することで、各国の規制要件や製造プロセスにおける不確実性を低減し、より合理的で実行可能な開発ロードマップを構築することが可能となります。 「パーソナルiPS」は、将来の疾患に備えて個人のiPS細胞を作製・保管するサービスです。個人専用iPS細胞を予め準備することで、いざという時の治療期間の短縮や免疫拒絶リスクの最小化が期待できます。株式会社JTB(以下、JTB)との連携による国内および訪日外国人への販売展開を継続して進めております。 iPS細胞由来エクソソームは細胞間情報伝達を担う直径50~150nmの顆粒状物質で、次世代の医療ツールとして注目されています。当社グループは、ウイルスを使用しないmRNA法で作製したiPS細胞(外来ウイルス混入リスクを排除)を由来とするエクソソームを、GMP準拠施設において製造しております。本製品は、JTBと総代理店契約を締結しており、グローバルネットワークを活用し、販売拡大を図っております。 (f) 臨床検査受託サービス 当社グループは、2005年の衛生検査所登録以来、臓器移植関連のHLAタイピングや抗HLA抗体検査等の臨床検査を実施し、全国300以上の医療機関との取引実績を有します。 2023年4月からは、自宅で手軽に健康状態をチェックできる郵送検査サービス「ウェルミル」を開始しました。唾液を検体として用い、「ストレス」「更年期」「男性ホルモン」「女性ホルモン」に関連するホルモンを測定し、日常的な体調管理に役立てることができます。さらに2026年1月からは最新のエピジェネティクス研究に基づき、唾液中の細胞内の遺伝子の働き方を解析して個人の生物学的年齢(遺伝子年齢)を測定する「遺伝子年齢測定キット」の提供を開始しました。本サービスは、自身の生物学的年齢を客観的に把握し、生活習慣の改善につなげていただくことで、人々の健康管理とQOL向上に貢献するものです。今後も新検査項目やサービスを積極的に追加し、事業拡大を図ります。 また、がんの個別化医療に関する新たなサービスとして、患者一人ひとりのがん組織の遺伝子情報を解析し、固有の目印であるネオアンチゲンを特定する「ネオアンチゲン検出サービス」も実施しています。 製薬企業向けには、臨床試験における検査受託サービスを提供しています。日本、米国、英国、インドの4拠点に研究施設を有し、グローバル規模の臨床試験に対応可能な体制を整備しています。これにより、製薬企業の新薬開発を支える高品質な検査サービスを提供し、国際的な信頼を得ています。 さらに、個別化医療への取り組みも進めています。当社グループのREPROCELL Europe Ltd.は、IBM Research社および英国STFC Hartree Centreと共同で、個別化医療に特化した機械学習プラットフォーム「Pharmacology-AI」の開発に成功しました。このプラットフォームは、医薬品開発におけるビッグデータ解析や個別化医療に必要なデータ解析を可能にします。今後、Pharmacology-AIを活用した新たなビジネスを創出し、個別化医療の推進と製薬企業への支援を強化してまいります。その具体的な取り組みとして、英国を拠点とする医療ボランティア登録制度「ReproRegistry(リプロレジストリ)」を開設しました。これは、Pharmacology-AIと連携して治験に最適な被験者を高精度に特定するものであり、次世代の治験支援事業の中核基盤にしてまいります。 メディカル事業のパイプライン (参考情報) ※1:筋萎縮性側索硬化症(ALS) 体を動かすための神経系(運動神経)が変性してしまい、筋力の低下による運動障害や嚥下障害等の症状があらわれる病気です。運動神経のみが変性するため、意識や五感は正常であり、知能の低下もありません。病状の進行が極めて速い一方で、有効な治療法は確立されていません。日本では指定難病とされており、国内患者数は約1万人とされています。 ※2:横断性脊髄炎 脊髄の一部分が横方向にわたって炎症を起こすことによって発生する神経障害です。通常、腰部の痛み、筋肉衰弱、つま先や脚の異常な感覚などの症状が突然発症することで始まり、その後急速に、麻痺や閉尿や排便制御の喪失などの深刻な症状がみられます。原因は特定されておらず、有効な治療法は確立されていません。国内患者数は約1.5万人とされています。
経営方針・対処すべき課題4,721字を開く

経営陣が考える方向性と課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社はiPS細胞及び体細胞に関する世界最先端の研究成果を広く一般的に利用できる形で事業化することで、研究開発をより促進し、さらに、再生医療など次世代医療を通じて人々の健康福祉に貢献することを目指しています。 短中期的な事業の柱としてiPS細胞に関連した研究試薬や創薬支援サービスを提供する「研究支援事業」を推進し、中長期的な成長戦略として巨大市場が見込める「メディカル事業」へ積極的に投資することにより、当分野のマーケットリーダーを目指します。 また、真のグローバル企業として成長していくことも当社の大きな基本方針としています。病気や医療ニーズに国境はなく、再生医療を含む次世代医療は全世界中の人々から求められています。現時点で、市場の大きい米国、欧州、日本、また将来大きな成長が見込めるインドにそれぞれ拠点を有しており、事業展開を進めております。 さらに、再生医療分野において持続的な成長を可能にするために顧客、社員、事業パートナー、株主といった重要なステークホルダーのバランスの取れた関係を重視し、これらのステークホルダーと長期的にWin-Winの関係となれる体制を構築してまいります。また、我々は社会の一員であるという自覚を持ち、社会全体への貢献についても重視してまいります。 (2)経営戦略等 当社の中核事業領域であるiPS細胞は、山中伸弥教授によるヒトiPS細胞の発明以降、世界中で研究が盛んに行われております。 最近では、iPS細胞を活用した病態解明や再生医療への応用など、実用的な研究開発が多く行われるようになりました。2017年には、希少難病の患者から作製したiPS細胞を活用して病態を解明し、新薬候補の治験へつなげた事例が報告され、さらに、再生医療に関しても、加齢黄斑変性、パーキンソン病に続き、重症心筋症及び角膜疾患でも臨床研究/試験が開始されました。 当社では、前者のようにiPS細胞を病態解明や創薬研究に使用する事業を「研究支援事業」、後者の再生医療を「メディカル事業」と位置づけ、2つのセグメントに分け、推進しております。 現時点では、研究支援事業の売上が約87%となっております。今後とも、短中期的な主力事業としてグローバルに推進してまいります。一方、メディカル事業では、現在、脊髄小脳変性症を対象とした再生医療製品ステムカイマル及び、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の神経系疾患を対象としたiPS神経グリア細胞の研究開発を進めております。これら再生医療製品は中長期的な成長事業として、積極的な投資を行い、早期の製造販売承認の取得を目指します。 当社の基本事業戦略を下記にまとめます。 ① 積極的なグローバル化の推進 当社では、日本に加え、米国、欧州、インドにも拠点を保有しております。いずれの拠点も、販売、製造、研究開発の機能を有しており、各拠点が有機的に連携しながらグループシナジーを追求しています。 営業では、各拠点がそれぞれの地域の顧客をカバーしており、時差や言語の壁なく営業活動を推進しております。日本市場に加え、バイオ業界における最大の市場である米国、それに続く欧州、さらに世界人口第2位を誇るインドの4拠点をカバーすることで、ターゲット顧客である世界中の多くの大学/公的研究機関及び製薬企業等にアクセスが可能になっております。各地域で製造している製品やサービスを別の地域で販売することで、売上を拡大してまいります。 ② 研究支援事業とメディカル事業による連続的成長モデル 研究支援事業では、医薬品のような製造販売承認は必要とされず、新しい技術を比較的短期間で事業化し収益を上げることができます。当社では、iPS細胞を中心とした幅広い「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を有しており、競争優位性の高い製品やサービスを世界中で展開し短中期の収益の柱として推進しております。 メディカル事業では、再生医療および臨床検査を実施しております。再生医療に関しては、上市までに臨床試験を行い製造販売承認を取得する必要があるため、研究支援事業より事業化に時間が必要とされますが、日本では2014年の法改正により、世界で最も再生医療の産業化に適した環境が整っていると考えられます。「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(通称 薬機法)」では、治験において安全性が確認され、有効性が推定された再生医療等製品に対して早期承認(条件・期限付き承認)を与えることが可能になりました。これにより、患者様に対して新たな治療機会を早期に提供すると共に、治験期間の短縮や治験費用の削減が期待できます。 経済産業省の報告書(「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 「根本治療の実現」に向けた適切な支援のあり方の調査」)によると、再生医療産業のグローバルでの市場規模は2030年で約5~10兆円となっており、今後、巨大市場に成長することが見込まれています。 このように、再生医療を中長期的な成長事業と位置づけ、早期の製造販売承認の取得を目指します。 短中期的な収益の柱である「研究支援事業」と、中長期的な成長事業である「メディカル事業」の両方を組み合わせることで、短期→中期→長期と、持続的な成長を実現します。 ③ 最先端技術による持続的な技術優位性の確保 iPS細胞は世界中で研究開発競争が繰り広げられており、飛躍的に技術が進歩してきました。当社は、引き続き技術開発を積極的に推進することで競争力の強化を図ってまいります。また、リプロセルグループ内の各要素技術を組み合わせ、シナジーを追求することで競争優位性の高い新規ビジネスの開発を行ってまいります。引き続き、世界中のトップ大学および企業等とのコラボレーションを通じて、世界最先端の技術を積極的に開発・導入してまいります。 (3)経営環境 2020年に感染拡大が始まった新型コロナウイルスへの対応状況が、最近大きく変わってきました。今後とも、感染拡大は定期的に起こる可能性はあるものの、ワクチン接種率が高まってきたこともあり、今後、従来のような行動制限措置が行われる可能性は低くなりました。事業環境もパンデミック以前の状態に戻ってきております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社が持続的に成長して企業価値を高めるとともに、我々のビジョンやミッションを達成するために優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を以下のように考えております。 ① 全社的課題 (1) iPS細胞分野における技術革新への対応と市場リーダーシップの確立 iPS細胞技術は世界中で急速な研究開発競争が繰り広げられており、技術革新のスピードは非常に速く、既存技術が短期間で陳腐化するリスクがあります 。 当社グループは、この変化に対応し、当該分野のマーケットリーダーとしての地位を確立・維持するため、研究開発への積極投資を行っております。自社開発に加えて、これまでと同様、国内外の大学、公的研究機関、民間企業との連携、共同開発、技術導入を戦略的に推進し、技術的優位性を確保してまいります。 (2) 事業ポートフォリオの最適化と収益基盤の強化 短期・中期的な収益基盤である研究支援事業と、中長期的な成長ドライバーであるメディカル事業の両輪を、バランスを取りながら、安定的かつ持続的に成長させることが課題です。 研究支援事業では、「ヒト細胞ビジネスプラットフォーム」を核とした高付加価値製品・サービスを提供することで収益基盤を強化しつつ、将来の成長を担う再生医療等製品への戦略的投資を継続してまいります。 ② セグメント別課題 (1) 研究支援事業 (a) 多様化・高度化する顧客ニーズへの対応 研究支援事業では、大学・公的研究機関から製薬企業まで幅広いニーズに対応した製品・サービスが求められます。 特に創薬分野ではヒトの病態に近いモデル細胞での評価や効率的なスクリーニングに対するニーズが高まっています。当社グループは、研究試薬、受託サービス(iPS細胞作製、遺伝子編集、分化誘導、薬効薬理試験など)といった多岐にわたる製品・サービス群を提供することで、多様化・高度化する顧客ニーズに対応しております。 (2) メディカル事業 (a) 再生医療等製品ステムカイマルの早期承認取得 脊髄小脳変性症を対象疾患とするステムカイマルは、国内第II相臨床試験において安全性及び有効性で良好な結果を得ることができました。承認申請には、臨床試験の結果だけでなく、社内体制の整備、及び各種申請資料の準備が必要になります。今後、承認申請に向け、外部専門家の活用も含め、準備を加速してまいります。 (b) iPS神経グリア細胞製品の早期臨床応用の実現 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象としたiPS神経グリア細胞製品は、非臨床試験で有望な結果が得られており、現在、臨床試験の準備を進めております。iPS細胞を用いた再生医療では安全性の確保が技術的な課題となりますが、当社グループは最先端のRNAリプログラミング技術により作製した高品質な臨床用iPS細胞を用いることでこの技術的課題に対応してまいります。 (c) 腫瘍浸潤性リンパ球輸注療法(TIL療法)の早期事業化と技術基盤強化 慶應義塾大学と共同で進める進行子宮頸がんを対象としたTIL療法は、先進医療Bとしての臨床試験が再開され、当社がTIL製造を担当しています。米国でメラノーマを対象としたTIL療法が承認され、今後の市場拡大が期待される一方、競争激化も見込まれます。本臨床試験での安定的なTIL供給体制を確立するとともに、新規TIL製造方法の研究開発を行うことで、競争優位性を確保してまいります。 (d) グリピカン1・キメラ抗原受容体T細胞療法(GPC-1 CAR-T療法)の早期臨床応用の実現 食道がん、膵がんなど多様な固形がんを対象とするGPC-1 CAR-T療法は、AMED事業にも採択された有望なパイプラインです。一方、固形がんを対象としたCAR-T療法は、世界中で様々な技術開発が進められており、競争優位性の確保が課題となります。京都大学、国際医療福祉大学との連携のもと、薬事規制に準拠した非臨床試験の実施、品質・製造方法の確立を進めており、早期に臨床試験を開始することを目指します。 (e) iPS細胞再生医療等製品の受託製造(CDMO)事業のグローバル展開 臨床用iPS細胞の需要は世界的に高まっていますが、その一方、競争激化も見込まれます。当社グループの技術力と品質はCIRMとの連携やGameto社への供給実績等を通じて高く評価されています。2024年5月に開設した米国GMP準拠施設を含む日米2拠点体制を活用し、高品質な臨床用iPS細胞の安定供給、及び最終製品製造までの一貫した受託サービスを提供することで、グローバル市場でのプレゼンスを高めてまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高と経常利益となります。
事業等のリスク3,542字を開く

会社が自認するリスクの一覧

3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。また、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。 当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、本項記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 競合リスク iPS細胞の分野は、熾烈な研究競争が行われており、技術革新が速く、新規参入の動きが活発となっているため、従来の技術が陳腐化するリスクがあります。このため、当社グループは、世界的な大学や公的研究機関と連携し、常に世界最先端の技術開発に先行して取り組んでおります。 新規参入は大手企業を含めて増加しており、研究開発を進めながら参入を検討している潜在的競合相手も少なくないと考えられます。さらに、後発参入製品は先発製品に比べ機能面やコスト面で少なからず優位性を有している可能性もあり、競争が激化することが想定されます。これら競合相手の中には、生産性や販売力、資金力で当社グループを上回る企業が含まれる可能性もあります。当社グループは今後とも、積極的に研究開発及び営業活動を行っていきますが、競合相手との競争状況によっては、計画どおりの収益を上げることができない可能性もあります。 (2) 研究開発活動に由来するリスク 当分野の競争が激化する中、当社では公的資金の有効活用や産学連携により、日本、米国、欧州、インドの4拠点でこれまで研究開発に重点を置いた活動をしてまいりました。しかしながら、研究開発活動が常に計画どおりに進む保証はなく、当初の予定どおりに進まない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 再生医療ビジネスに関するリスク 現在当社グループでは、①体性幹細胞由来の再生医療製品 ステムカイマル、②再生医療向けiPS神経グリア細胞、③腫瘍浸潤性リンパ球輸注療法、④食道がん等の固形がん向けグリピカン1CAR-T療法の4つのパイプラインがあります。 再生医療製品の開発については、2014年11月25日に施行された「薬事法等の一部を改正する法律」に準拠し進めておりますが、臨床試験において、想定外の有害事象の発生及び有効性が証明できないなどの理由で、治験の中止または承認が得られないリスクがあります。また、承認申請及び審査の過程で遅延が起こるリスクがあります。 (4) 知的財産権に関するリスク ① 特許にかかる事項 知的財産権に関して、当社グループの特許権が他社により侵害されるリスクがあります。このため、当社グループでは研究開発で得られた成果に関して、必要に応じて迅速に特許出願等を行っております。逆に、当社グループが他社の特許権を侵害するリスクも否定できないため、必要に応じて各種データベースや特許事務所を活用して情報収集を行い、可能な限り特許侵害リスクを軽減すべく対応しております。しかしながら、当社グループの調査範囲の及ばない抵触特許が存在した場合及び秘密裏に当社グループの特許が侵害された場合、当社グループの技術の優位性が損なわれ、多額の損害賠償を請求されるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 職務発明にかかる事項 当社グループにおける職務発明の取扱いに関しては、職務発明規程を作成し、運用しております。しかしながら、将来、発明者の認定及び職務発明の対価の相当性についての係争が発生した場合、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。 (5) 経営上の重要な契約等に関するリスク 当社の経営上重要と思われる契約は、当社が実施許諾を受けているiPS細胞事業に関する特許ライセンス契約であります。当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合、もしくは当社にとって不利な改定が行なわれた場合、または契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の事業戦略及び業績に影響を与える可能性があります。 (6) 人材の確保に関するリスク 当社グループの成長戦略を実現するためには、高度な専門的知識、技能及び経験を有する、多様な人材の確保及び育成が不可欠といえます。特に、海外では日本に比べ一般的に人材流動性が高く、優秀な人材ほど外部に流出するリスクが高くなります。海外子会社を含め、各社の取締役及び本部長クラスの優秀な人材を対象にインセンティブ制度を導入するなどして長期確保に努めており、さらに優秀な新規人材の採用も積極的に行っております。しかしながら、優秀な人材の確保及び採用が計画通りに進まない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 為替変動リスク 当社グループの海外売上比率は約7割であり、為替変動が業績及び財政状態に与える影響は少なくありません。主要取引通貨である米ドルと英ポンドに対して当初の見込みより円高に推移した場合、売上が減少し、さらに海外通貨預金及び子会社への貸付金に関わる為替差損の発生による損失の拡大が起こるリスクがあります。一方、円安に推移した場合は、売上の増大及び損失の縮小が見込まれます。 (8) 資金繰り及び資金調達等に関するリスク 当社グループでは、研究開発活動の進捗に伴い多額の研究開発費が先行して計上され、継続的な営業損失が生じております。今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資及び設備投資等の資金需要の増加が予想されます。今後、株式市場からの資金調達や、国の公的補助金等の活用など、資金調達手段の多様化により継続的に財務基盤の強化を図ってまいりますが、収益確保または資金調達の状況によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (9) 税務上の繰越欠損金 当社には現在のところ税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、事業計画の進展から順調に当社業績が推移するなどして繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、親会社株主に帰属する当期純利益または親会社株主に帰属する当期純損失及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 (10) レピュテーションに関するリスク 当社グループは、製品の品質・安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループ及び当社グループを取り巻く環境や競合他社及び競業他社を取り巻く環境において何らかのレピュテーション上の問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害、事故、テロ、戦争等に関するリスク 当社グループが事業活動を行っている地域では、地震、台風等の自然災害の影響を受ける可能性があります。同様に火災等の事故災害、テロ、戦争等が発生した場合、当社グループの拠点の設備等に大きな被害を受け、その全部又は一部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 継続企業の前提に関する重要事象等 iPS細胞及び再生医療製品等の研究開発及び治験費用が収益に先行して発生する等の理由から、継続的に営業損失が発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。 しかしながら、当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高は2,603百万円、短期的な資金運用を行っている有価証券が3,904百万円あり、財務基盤については安定しております。今後、主力事業の営業強化、新規事業の立ち上げ、再生医療製品の早期の製造販売承認を通じて、早期の黒字化を目指してまいります。
経営成績の分析 (MD&A)4,730字を開く

業績がなぜこうなったかの経営陣の説明

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績 等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1)経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、インフレの落ち着きなどを背景に底堅い成長が見られましたが、トランプ政権の関税引き上げ政策や中国における不動産問題による不確実性から世界経済の減速要因となっております。また、日本経済も緩やかな回復基調を維持しておりましたが、内需の弱さや海外経済の動向によって今後の動向に不確実性が生じております。 このような状況のなか、当社グループが中核技術とするiPS細胞技術は、山中伸弥教授によるヒトiPS細胞の樹立以降、世界中で研究が活発化し、近年では病態解明や再生医療への応用など、実用化に向けた研究開発が加速しています。希少難病の患者由来iPS細胞を用いた病態解明や新薬候補の治験進展が報告される一方、加齢黄斑変性、パーキンソン病、虚血性心筋症、脊髄損傷などを対象とした臨床研究や治験も進められています。 このような背景のもと、当社グループはiPS細胞技術を活用する事業を「研究支援事業」と「メディカル事業」の2つのセグメントに分け、推進いたしました。 この結果、当連結会計年度の売上高は2,233百万円(前期比25.0%減)、営業損失は860百万円(前期130百万円の損失)、経常損失は581百万円(前期45百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は591百万円(前期103百万円の利益)となりました。 セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。 a.研究支援事業 当社グループは、大学や公的研究機関、製薬企業等の研究所を顧客として、研究試薬や細胞などの研究用製品、iPS細胞作製やゲノム編集などの受託サービスを提供しています。最先端技術を集約した製品・サービスを通じて、画期的な新薬や治療法の開発を支援しています。 この結果、売上高は1,952百万円(前期比19.1%減)、セグメント利益は96百万円(前期比84.5%減)となりました。 b.メディカル事業 再生医療分野では、ヒト体性幹細胞やヒトiPS細胞の臨床応用を目指した研究が世界中で精力的に進められており、将来的に再生医療等製品がグローバルで巨大産業へ成長することが見込まれています。特に、無限の増殖能と多分化能を持つiPS細胞は、有効な治療法のない難病に対する画期的な治療法となる可能性を秘めており、その臨床応用に大きな期待が寄せられています。iPS細胞の臨床応用における主要課題は安全性の確保ですが、当社グループは高品質で臨床応用に最適なiPS細胞を作製するRNAリプログラミング技術を開発・保有しています。 この技術的優位性を活かし、iPS細胞等の早期臨床応用を実現すべく、(1)再生医療等製品の研究開発、(2)再生医療等製品の受託製造(CDMO)、(3)臨床検査受託サービスの3つの事業を手掛け、当社グループの中長期的な成長の柱として推進しております。 また、再生医療等製品の研究開発では、①体性幹細胞由来の再生医療製品 ステムカイマル、②再生医療向けiPS神経グリア細胞、③腫瘍浸潤性リンパ球輸注療法、④食道がん等の固形がん向けグリピカン1CAR-T療法の4つのパイプラインの研究開発を重点的に進めております。 この結果、売上高は281百万円(前期比50.2%減)、セグメント損失は43百万円(前期158百万円の利益)となりました。 なお、管理部門にかかる費用など各事業セグメントに配分していない全社費用が633百万円(前期734百万円)あります。 (2)財政状態の状況 (資産の部) 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べて2,432百万円増加し、7,329百万円となりました。主な内訳は、有価証券の増加2,785百万円、現金及び預金の減少219百万円、売掛金の減少127百万円であります。固定資産は前連結会計年度末に比べて2,451百万円減少し、2,322百万円となりました。主な内訳は、投資有価証券の減少2,489百万円、有形固定資産の増加40百万円であります。 (負債の部) 当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末に比べて23百万円減少し、617百万円となりました。主 な内訳は、買掛金の増加10百万円、未払金の減少13百万円、その他の減少19百万円であります。固定負債は前連結会計年度末に比べて143百万円増加し、188百万円となりました。主な内訳は、繰延税金負債の増加141百万円であります。 (純資産の部) 当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末に比べて138百万円減少し、8,846百万円となりました。主な内訳は、資本金の増加31百万円、資本剰余金の増加31百万円、利益剰余金の減少591百万円、その他有価証券評価差額金の増加339百万円であります。 (3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて219百万円減少し、2,603百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は383百万円(前期は6百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失587百万円、売上債権の減少による獲得146百万円、未払金の増加による獲得39百万円、契約負債の減少による使用14百万円、利息及び配当金の受取額82百万円、補助金の受取額89百万円が発生したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は57百万円(前期は795百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,000百万円、有形固定資産の取得による支出98百万円が発生した一方で、有価証券の償還による収入1,156百万円が発生したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動による資金の増減はありませんでした(前期は680百万円の獲得)。 生産、受注及び販売の実績 (1) 生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   前年同期比(%) 研究支援事業(千円)   772,826   98.9 メディカル事業(千円)   114,622   66.1 合計(千円)   887,449   92.9 (注)金額は製造原価によっております。 (2) 受注実績 当社は、主として需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 (3) 販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称   当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 金額(千円)   前年同期比(%) 研究支援事業(千円)   1,952,479   80.9 メディカル事業(千円)   281,039   49.8 合計(千円)   2,233,519   75.0 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、以下のとおりで あります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状態に関する認識及び分析・検討内容 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、継続的な研究開発費の支出があげられます。研究支援事業については、研究試薬製品、細胞製品ともに、積極的な研究開発を行っており、2026年3月期における研究開発費の総額は627百万円と、販売費及び一般管理費の約33%を占めており、今後も研究開発活動を積極的に推進する予定であります。 (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要のうち主なものは、研究支援事業における製品・サービスの研究開発やグローバル展開の推進及びメディカル事業における再生医療製品の導入や開発等によるものの他、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。しかしながら、事業収益がこれらの資金需要を賄うには十分ではないことから、公的助成金、第三者割当増資による調達資金を利用しています。なお、当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高は2,603百万円、短期的な資金運用を行っている有価証券が3,904百万円あり、十分な流動性を確保しています。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (4) 経営戦略の現状と見通し 2027年3月期の業績につきましては、売上高2,629百万円(当期比17.7%増)、営業損失630百万円(当期は860百万円の損失)、経常損失458百万円(当期は581百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失458百万円(当期は591百万円の損失)を見込んでおります。 連結経常損失、連結当期純損失の予想額は、為替を一定の水準として推移することとして策定しており、為替損益を業績予想に織り込んでおりません。本業績見通しにおける外国為替レートは、1米ドル=150円、1英ポンド=200円、1印ルピー=1.72円を前提としております。 2020年に始まった新型コロナウイルスについては、各国とも行動制限措置の緩和が進み、パンデミック以前の状況に戻ってきております。 (5) 経営者の問題意識と今後の方針について 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 また、経営者の視点による経営成績等の状況についての認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。なお、当社グループにおいては、事業計画に基づく事業の成長と早期の黒字化を重要指標として売上高、各段階損益について分析を行っております。

EDINET提出の有価証券報告書から自動抽出。表は文字起こしのため崩れることがあります。

開示資料

出典

このページの財務・役員・株主等のデータは、金融庁EDINETに提出された開示書類から自動抽出しています。会計基準は JapanGAAP

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